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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】物質移動カラム及び構築方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 10/00 20060101AFI20240709BHJP
   B01J 19/30 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B01J10/00 Z
B01J19/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574284
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 IB2022055556
(87)【国際公開番号】W WO2022264067
(87)【国際公開日】2022-12-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503195045
【氏名又は名称】コーク-グリッシュ,リミティド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユーイ デイビット
(72)【発明者】
【氏名】ヘドリー ダレン
(72)【発明者】
【氏名】レイトン エリック
(72)【発明者】
【氏名】ニーウァウト アイザック
(72)【発明者】
【氏名】クォットソン パトリック
【テーマコード(参考)】
4G075
【Fターム(参考)】
4G075AA03
4G075AA13
4G075AA37
4G075AA56
4G075BB02
4G075BB03
4G075BB04
4G075BB07
4G075DA02
4G075EA01
4G075EB09
(57)【要約】
外骨格を有する1つ以上の側壁からシェルが形成される物質移動カラムが提供される。外骨格は、交差するレールによってともに接合された複数の垂直トラスを含む。内側外板は、垂直トラス及びレールによって支持され、シェルの頂部及び底部とともに、開放内部領域を画定し、開放内部領域は加圧可能かつ物質移動プロセスを実行可能である。トラスの形態であり得る水平方向延在ビームは、開放内部領域に架かり、外骨格によって支持される。構造化充填物などの内部構造物は、水平方向延在ビーム上に支持され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質移動カラムであって、
少なくとも1つの側壁と、前記側壁に接合された頂部及び底部と、を含むシェルであって、前記側壁が、
互いに離間され、対向する内側面及び外側面を有する複数の直立トラス、
前記直立トラスのうちの隣接する直立トラス間に延在し、前記直立トラスのうちの隣接する直立トラスに接合され、対向する内側面及び外側面を有するレール、及び、
前記直立トラス及び前記レールによって支持され、前記頂部及び前記底部とともに、開放内部領域を画定する外板であって、前記開放内部領域は加圧可能かつ物質移動プロセスを実行可能であり、内側面及び外側面を有する外板、を含む、シェル、
前記開放内部領域に架かる複数の水平方向延在ビームであって、前記水平方向延在ビームの各々が、対向する端部セグメントを有する、複数の水平方向延在ビーム、並びに、
前記シェルによって支持され、前記水平方向延在ビームの前記対向する端部セグメントを支持する座部、を備える、物質移動カラム。
【請求項2】
前記開放内部領域に流体を導入し、前記開放内部領域から流体を排出するために、前記シェルの前記外板を貫いて延在するノズルを備える、請求項1に記載の物質移動カラム。
【請求項3】
前記水平方向延在ビームが、トラスである、請求項1に記載の物質移動カラム。
【請求項4】
前記座部が、前記シェルの前記外板に接合されている、請求項1に記載の物質移動カラム。
【請求項5】
前記座部が、前記レールの一部分を含む、請求項1に記載の物質移動カラム。
【請求項6】
前記座部が、前記直立トラスの前記内側面に接合される、請求項1に記載の物質移動カラム。
【請求項7】
前記水平方向延在ビーム上に支持された内部構造物を含む、請求項1に記載の物質移動カラム。
【請求項8】
前記水平方向延在ビームの前記端部セグメントが、前記直立トラスに接合されている、請求項1に記載の物質移動カラム。
【請求項9】
前記水平方向延在ビームの各々が備えるビームセグメントの2つの隣接する端部が端部同士を位置合わせするように、前記開放内部領域内に位置決めされた支持カラムによって支持される、請求項1に記載の物質移動カラム。
【請求項10】
物質移動カラムであって、
少なくとも1つの側壁と、前記側壁に接合された頂部及び底部と、を含むシェルであって、前記側壁が、
互いに離間され、対向する内側面及び外側面を有する複数の直立トラス、
前記直立トラスのうちの隣接する直立トラス間に延在し、前記直立トラスのうちの隣接する直立トラスに接合され、対向する内側面及び外側面を有するレール、及び、
前記直立トラス及び前記レールによって支持され、前記頂部及び前記底部とともに、開放内部領域を画定する外板であって、前記開放内部領域は加圧可能かつ物質移動プロセスを実行可能であり、内側面及び外側面を有する外板、を含む、シェル、
前記開放内部領域に架かる複数の水平方向延在トラスであって、前記水平方向延在トラスの各々が、対向する端部セグメントを有する、複数の水平方向延在トラス、
前記シェルによって支持され、前記水平方向延在トラスの前記対向する端部セグメントを支持する座部、並びに、
前記開放内部領域に流体を導入し、前記開放内部領域から流体を排出するために、前記シェルの前記外板を貫いて延在するノズル、を備える、物質移動カラム。
【請求項11】
前記座部が、前記シェルの前記外板に接合されている、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項12】
前記座部が、前記レールの一部分を含む、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項13】
前記座部が、前記直立トラスの前記内側面に接合される、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項14】
前記水平方向延在トラス上に支持された内部構造物を含む、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項15】
前記水平方向延在トラスの前記端部セグメントが、前記直立トラスに接合されている、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項16】
前記水平方向延在トラスの各々が備えるセグメントの2つの隣接する端部が端部同士を位置合わせするように、前記開放内部領域内に位置決めされた支持カラムによって支持される、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項17】
煙道ガスから二酸化炭素を除去するための吸収器であって、前記吸収器が、
少なくとも1つの側壁と、前記側壁に接合された頂部及び底部と、を含むシェルであって、前記側壁が、
互いに離間され、対向する内側面及び外側面を有する複数の直立トラス、
前記直立トラスのうちの隣接する直立トラス間に延在し、前記直立トラスのうちの隣接する直立トラスに接合され、対向する内側面及び外側面を有するレール、及び、
前記直立トラス及び前記レールによって支持され、前記頂部及び前記底部とともに、開放内部領域を画定する外板であって、前記開放内部領域は加圧可能かつ物質移動プロセスを実行可能であり、内側面及び外側面を有する外板、を含む、シェル、
前記開放内部領域に架かる複数の水平方向延在トラスであって、前記水平方向延在トラスの各々が、対向する端部セグメントを有する、複数の水平方向延在トラス、
前記シェルによって支持され、前記水平方向延在トラスの前記対向する端部セグメントを支持する座部、
前記開放内部領域に流体を導入し、前記開放内部領域から流体を排出するために、前記シェルの前記外板を貫いて延在するノズル、並びに、
前記水平方向延在トラス上に支持された内部構造物、を備える、吸収器。
【請求項18】
前記内部構造物が、構造化充填物を含む、請求項17に記載の吸収器。
【請求項19】
前記シェルが、正方形又は長方形の構成を形成するためにともに接合された4つの前記側壁を含む、請求項17に記載の吸収器。
【請求項20】
前記水平方向延在トラスが、前記直立トラスに重なる、請求項17に記載の吸収器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年6月15日に出願された米国特許仮出願第63/210,513号の優先権を主張するものであり、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、物質移動カラム及び物質移動カラムを構築するための方法に関する。
【0003】
物質移動カラムは、流体を特定の組成及び/又は温度の2つ以上の生成物流に分離するために使用される。本明細書で使用される用語「物質移動カラム」は、吸収器、分離器、蒸留カラム、分割壁カラム、液-液抽出器、洗浄器、及び蒸発器を包含することが意図され、これらは、2つ以上の流体相間の熱及び/又は物質移動を促進する。多成分吸収及び蒸留に使用されるものなどのいくつかの物質移動カラムは、気相及び液相と接触するように構成されており、一方、抽出器などの他の物質移動カラムは、異なる密度の2つの液相と接触するように構成されている。
【0004】
物質移動カラムは、典型的には、様々な金属又は金属合金のいずれかから構築され、物質移動プロセスが生じる開放内部領域を画定する円筒形状のシェルを有する。トレイ、構造充填物、ランダム充填物、又は他の物質移動構造体、支持格子、下降管、供給入口装置、流体コレクタ、及び流体分配器などの様々な内部構造物が、開放内部領域に存在し得る。これらの内部構造物は、典型的には、シェルの内側表面に溶接される支持リング、ボルト締め棒、及び同様の装置を使用して、シェルによって直接的又は間接的に支持される。より大きな物質移動カラムは、内部構造物を支持し、シェルの内側表面に溶接される座部に取り付けられるビームを含むことが多い。
【0005】
シェルの厚さは、内部構造物、流れる流体、及び内部動作圧力によってシェルに及ぼされる様々な荷重に耐えるのに必要な強度を提供するように選択されなければならない。物質移動カラムの高さ及び/又は直径が増加するにつれて、シェルに及ぼされる荷重が増加し、金属シェルの厚さを単に増加させるよりも、それらの荷重に耐えるための他の方法が必要とされる。例えば、化石燃料ベースの発電所によって生成された煙道ガスから二酸化炭素を分離するために使用される吸収器は、直径が50~80フィート以上となることがある。いくつかの例では、そのような吸収器のシェルは、それらが受ける荷重に耐えるのに必要な強度を提供するために、金属補強コンクリートを使用して構築されてきた。金属補強コンクリートは、高強度シェルを形成することができるが、支持リング、ボルト締め棒、ビーム座部が溶接され得る金属表面を提供する際に課題をもたらす。その結果、内部構造物のための支持構造体の容易な取り付けを可能にしながら、物質移動カラム、特に大きな直径を有する物質移動カラムに使用するのに適した強度を有するシェルを製作する方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、本開示は、少なくとも1つの側壁と、側壁に接合された頂部及び底部と、を備えるシェルを備える物質移動カラムに関する。シェルの側壁は、互いに離間された、対向する内側面及び外側面を有する複数の直立トラス、直立トラスのうちの隣接する直立トラス間に延在し、直立トラスのうちの隣接する直立トラスに接合され、対向する内側面及び外側面を有するレール、及び、直立トラス及びレールによって支持され、頂部及び底部とともに、開放内部領域を画定する外板であって、開放内部領域は加圧可能かつ物質移動プロセスを実行可能であり、内側面及び外側面を有する外板、を備える。物質移動カラムは、開放内部領域に架かる複数の水平方向延在ビームであって、水平方向延在ビームの各々が、対向する端部セグメントを有する、複数の水平方向延在ビーム、及び、シェルによって支持され、水平方向延在ビームの対向する端部セグメントを支持する座部、を更に備える。
【0007】
本開示の別の態様では、水平方向延在ビームはトラスであり、物質移動装置は、シェルによって支持され、水平方向延在トラスの対向する端部セグメントを支持する座部と、開放内部領域に流体を導入し、開放内部領域から流体を排出するためにシェルの外板を貫いて延在するノズルと、を更に備える。
【0008】
更なる態様において、本開示は、煙道ガスから二酸化炭素を除去するための吸収器に関する。吸収器は、少なくとも1つの側壁と、側壁に接合された頂部及び底部と、を備えるシェルを備える。側壁は、互いに離間された、対向する内側面及び外側面を有する複数の直立トラス、直立トラスのうちの隣接する直立トラス間に延在し、直立トラスのうちの隣接する直立トラスに接合され、対向する内側面及び外側面を有するレール、及び、直立トラス及びレールによって支持され、頂部及び底部とともに、開放内部領域を画定する外板であって、開放内部領域は加圧可能かつ物質移動プロセスを実行可能であり、内側面及び外側面を有する外板、を備える。吸収器は、開放内部領域に架かる複数の水平方向延在トラスであって、水平方向延在トラスの各々が、対向する端部セグメントを有する、複数の水平方向延在トラス、シェルによって支持され、水平方向延在トラスの対向する端部セグメントを支持する座部、開放内部領域に流体を導入し、開放内部領域から流体を排出するために、シェルの外板を貫いて延在するノズル、及び、水平方向延在トラス上に支持された内部構造物、を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面は、明細書の一部を形成し、同一の参照符号が使用され、種々の図において同一の構成要素のように示される。
【0010】
図1】本開示の実施形態に従って構築された物質移動カラムの側面斜視図である。
図2図1に示される物質移動カラムの側面斜視図であるが、物質移動カラムの内部の詳細を示すために外側部分が除去されている。
図3図1及び図2に示される物質移動カラムの側面斜視図であるが、図2に示される図よりも多くの外側部分が除去されている。
図4図1図3に示される物質移動カラムの側面立面図であり、垂直方向断面でとられたものである。
図5図1図4の物質移動カラムの断片部分の拡大側面立面図であり、物質移動カラムのシェル及びトラスの形態の水平ビームを支持するための座部の一実施形態を示す。
図6図5に示されるものと同様の拡大側面立面図であるが、物質移動カラムのシェル及び水平ビームを支持するための座部の第2の実施形態を示す。
図7図5及び図6に示されるものと同様の拡大側面立面図であるが、物質移動カラムのシェル及び水平ビームを支持するための座部の第3の実施形態を示す。
図8図5図7に示されるものと同様の拡大側面立面図であるが、物質移動カラムのシェル及び水平ビームを支持するための座部の第4の実施形態を示す。
図9】物質移動カラムの開放内部領域内に位置決めされ得、開放内部領域に架かるビームの位置合わせされたビームセグメントの隣接する端部を支持するように示された支持カラムの側面立面図である。
図10】物質移動カラムの開放内部領域内に位置決めされ得、開放内部領域に架かるビームの位置合わせされたビームセグメントの隣接する端部を支持するように示された支持カラムの側面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで図面をより詳しく参照するが、最初に図1図4を参照すると、様々な物質移動、熱交換、及び/又は反応プロセスに使用するのに適した物質移動カラムが、全体にわたって番号10で示されている。物質移動カラム10は、化石燃料ベースの発電所、化学処理プラント、石油精製所、化学製造施設、及び軽質炭化水素分離施設などを含むがこれらに限定されない任意の好適な種類の処理施設内に位置し得る。
【0012】
物質移動カラム10は、分別生成物を得るために、又は他の方法で流体相間の物質移動及び/又は熱交換を引き起こすために、流体流、通常は液体流及び蒸気流、又は異なる密度を有する2つ以上の液体流を処理するための任意の種類のカラムであり得る。好適な種類の物質移動カラム10の例としては、吸収カラム、分離器、蒸留カラム、液-液抽出カラム、洗浄カラム、及び蒸発カラムが挙げられるが、これらに限定されない。物質移動カラム10は、原油常圧分留、潤滑油又は原油真空油分留、接触分解若しくは熱分解分留、コーカー若しくはビスブレーカー分留、コーカー若しくは分解洗浄、原子炉オフガス洗浄、ガス急冷、食用油脱臭、汚染防止洗浄、反応性蒸留、又は他の種類のプロセスが生じるものであってもよい。
【0013】
1つの特定の例として、物質移動カラム10は、化石燃料ベースの発電所によって生成される煙道ガスから二酸化炭素を除去するために使用される吸収器であってもよい。このような用途では、物質移動カラム10は、別の物質移動カラムを含み得るシステムの一部として使用されてもよく、この別の物質移動カラムは、NOx除去プロセスを受けた後の煙道ガスを受け取り、構造化充填物などの物質移動構造体を通る下降水との向流によって上昇する煙道ガスを冷却する。次いで、冷却された煙道ガスは、側流として、吸収器として作用する物質移動カラム10に案内される。上昇する冷却された煙道ガスは、下降する二酸化炭素吸収溶媒と向流的に吸収器内を流れる。リッチ溶媒は、ボトムとして排出され、リッチ溶媒流から二酸化炭素を分離し、溶媒を再生するためのストリッパーとして作用する1つ以上の他の物質移動カラムに案内される。
【0014】
図1図4に示すように、物質移動カラム10は、正方形の断面形状を有するシェル12を含む。シェル12は、図1図4に示すように、垂直方向に配置されてもよく、又は水平方向に(すなわち、細長に)配置されてもよい。長方形若しくは他の多角形形状、又は円形形状などの他の断面形状が可能であり、図1図4に示す正方形断面形状の代わりに使用されてもよい。シェル12は、任意の好適な寸法であってもよく、特に大きな物質移動カラム10での使用に適合されている。例えば、一実施形態では、シェル12は、40~100フィートの範囲の幅、及び50~300フィートの範囲の高さを有し得る。
【0015】
物質移動カラム10のシェル12は、流体相間の所望の物質移動、熱交換、及び/又は反応が行われる開放内部領域14を画定する。一実施形態では、物質移動カラム10内の流体相は、例えば、物質移動カラム10が煙道ガスから一酸化炭素を分離するためのプロセスにおいて吸収器として作用している場合に、上昇する蒸気及び下降する液体を含み得る。他の実施形態では、物質移動カラム10内の流体相は、上昇又は下降する液体及び上昇又は下降する蒸気の実質的に任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、物質移動カラム10内の流体相は、異なる密度を有する上昇又は下降する液体を含み得る。物質移動カラム10内の流体相は、蒸気相及び液相、若しくは両方の液相が物質移動カラム10の縦方向軸に沿って同じ方向に進むように、並流様式で進み得、又は物質移動カラム10内の流体流は、蒸気相又は液相が物質移動カラム10内の他の相と反対方向に進むように、向流様式で進み得る。
【0016】
1つ以上の流体流は、図1図4に示す供給ラインノズル16及び18を通るような1つ以上の供給ラインを介して物質移動カラム10に導入され得る。いくつかの実施形態では、物質移動カラム10は、1つ以上の他の位置で他の流体流を導入するための追加の供給ラインノズル(図示せず)を含み得る。物質移動カラム10内で接触させられる流体流が蒸気流又は蒸気相を含む場合、蒸気は、供給ラインノズル16(又は別の別個の供給ラインノズル)を通して物質移動カラム10内に導入され得、かつ/又は蒸気相の全部若しくは一部分が、動作中に物質移動カラム10内で生成され得る。
【0017】
図1にも示すように、1つ以上の流体流は、上部(又は頭上)取り出しノズル20及び下部(又は底部)取り出しノズル22として示される1つ以上の取り出しノズルを通して物質移動カラム10から引き出され得る。いくつかの実施形態では、蒸気流は、上部取り出しノズル20を通して物質移動カラム10から排出することができ、液体流は、下部取り出しノズル22を通して物質移動カラム10から排出することができる。例えば、物質移動カラム10が煙道ガスから二酸化炭素を除去するための吸収器として動作している場合、二酸化炭素が吸収された処理済み煙道ガスは、上部取り出しノズル20を通して排出され、二酸化炭素を含有するリッチ溶媒は下部取り出しノズル22を通して排出される。
【0018】
物質移動カラム10はまた、物質移動カラム10に導入される及び/又は物質移動カラム10から引き出される流体流を加熱及び/又は冷却するための1つ以上の熱交換器、上部取り出しノズル20を介して物質移動カラム10から引き出される頭上蒸気流を冷却するための凝縮器、並びに下部取り出しノズル22を介して物質移動カラム10から引き出される底部液体流を加熱するための再沸器などの典型的な構成要素を含み得る。これらの構成要素は、それらの従来の性質のために示されていない。
【0019】
物質移動カラム10のシェル12は、少なくとも1つの側壁24と、側壁24に接合される頂部26及び底部28と、を有する。側壁24の数は、シェル12に望まれる断面形状に依存する。例えば、シェル12が円形の断面を有する場合、単一の側壁24が使用され得る。シェル12が正方形又は長方形の断面を有する場合、4つの側壁24が使用される。側壁24は各々、外板32を支持する外骨格30を備える。一実施形態では、外骨格30は、互いに離間される複数の直立トラス34と、直立トラス34のうち隣接する直立トラス同士をともに接合するレール36と、を備える。直立トラス34及びレール36は各々、対向する内側面及び外側面を有する。
【0020】
直立トラス34は、互いに平行な関係で垂直方向に延在し得る。直立トラス34は各々、互いに離間され、ウェブ部材42によって相互接続される内側コード38及び外側コード40によって形成され得る。各直立トラス34内の内側コード38及び外側コード40は、互いに平行な関係で延在し得、又は図1図4に示すように、内側コード38が、垂直方向に延在し得、直立トラス34によって担持される荷重が直立方向に減少するので、外側コア40が、内側コード38に向かって上方に角度付けられ得る。ウェブ部材42は、直立トラス34によって担持される荷重に耐えるのに必要な強度を提供するために、任意の好適な様式で配置されてもよい。図示された実施形態では、ウェブ部材42は、三角形構成で配置されている。
【0021】
外板32は、直立トラス34及びレール36によって支持され、頂部26及び底部28とともに、加圧され得る、及び物質移動プロセスが生じる開放内部領域14を画定する。外板32は、対向する内側面及び外側面を有し、側部供給ラインノズル16及び18は、外板32を貫いて延在する。上部取り出しノズル20及び下部取り出しノズル22は、通常、シェル12の頂部26及び底部28をそれぞれ貫いて延在している。
【0022】
図2図4をより具体的に参照すると、複数の水平方向延在ビーム44は、開放内部領域14に架かり、図示された構造化充填物46などの様々な内部構造物を支持するために使用され得る。水平方向延在ビーム44は、図示するようにトラスであり得、トラスの各々は、離間された上部弦材48及び下部弦材50と、相互接続ウェブ部材52と、をそれぞれ備え得る。ウェブ部材52は、三角形構造体を形成するように配置され得、あるいは、意図された荷重を支持することができる他の幾何学的構造体を形成するように配置され得る。水平方向延在ビーム44は、一実施形態では座部58によって支持される対向する端部セグメント54及び56を有し、そして座部58は、物質移動カラム10のシェル12によって支持される。
【0023】
次に図5図8を参照すると、異なる側壁24の構築が示されている。図5では、レール36は、それらの内側面が直立トラス34の内側面、具体的には内側コード38の内側面と同じ平面内にあるように位置決めされる。外板32は、レール36及び直立トラス34の内側面に適用され、座部58は、外板32の内側面に接合される。座部58は、水平方向延在ビーム44が座部58の頂部表面に支持されるように配置され、一実施形態では、水平方向延在ビーム44の熱膨張及び収縮に応じて座部の頂部表面に沿って進むことができる。座部58は、直立トラス34若しくはレール36と位置合わせされ得、又は直立トラス34又はレール36のいずれとも位置合わせされないように位置決めされて、開放内部領域14内での水平方向延在ビーム44の位置決めにおいてより大きな柔軟性を提供し得る。レール36は、ボルト締め、溶接、又は他の好適な手段によって直立トラス34に接合され得る。同様に、外板32は、直立トラス34及び/又はレール36に接合され得、座部は、溶接、ボルト締め、又は他の手段によって外板32に接合され得る。
【0024】
図6において、レール36の内側面は、直立トラス34の内側面から内方に位置決めされ、外板32は、レール36の内側面に適用される。座部58は、図5に示すように、外板32ではなく、レール36又は直立トラス34に接合される。各レール36を収容するために外板32に切り欠きが提供され、外板32を各座部58に接合するために各切り欠きの周囲にシール溶接が適用される。
【0025】
図7において、レール36は、直立トラス34の内側面に適用され、直立トラス34の複数のトラスに架けられてもよい。外板32は、レール36の内側面に適用され、直立トラス34の内側面からレール36の厚さだけ離間される。レール36の一部又は全部の頂部表面は、座部58がレール36の一部分を含むように、水平方向延在ビーム44のための座部58として機能し得る。この実施形態では、水平方向延在ビームは、外板32に提供された切り欠きを通って延在する。水平方向延在ビーム44の熱膨張及び熱収縮を可能にしながら、外板32を水平方向延在ビーム44にシールするための好適な手段が提供され得る。一実施形態では、外板32は、水平方向延在ビーム44の熱軸方向運動に対応するため、より可撓性の材料を使用して水平方向延在ビーム44にシール溶接される。
【0026】
図8において、水平方向延在ビーム44は、水平方向延在ビーム44の端部セグメントが重なり合い、直立トラス34に接合され得ることを除いて、図7に示される配置と同様に外板32を貫いて延在する。残りの構築は、図8を参照して説明した通りであってもよい。
【0027】
図9及び図10において、水平方向延在ビーム44に支持を提供するために、1つ以上の支持カラム60が開放内部領域14内に位置決めされ得る。水平方向延在ビーム44を形成する2つのビームセグメント44a及び44bの隣接する端部を支持するために、座部62が支持カラム60に提供される。支持カラム60は、物質移動カラム10内への挿入を容易にするために、モジュール式構築であり得る。一実施形態では、支持カラム60は、ボルト締めフランジ64を使用してともにボルト締めされるセグメントから形成される。
【0028】
したがって、側壁24の構築における外骨格30の使用は、高荷重に耐えることができる高い強度をシェル12に提供し、これは、シェル12が40~100フィートの範囲の幅及び50~300フィートの範囲の高さを有する用途において、物質移動カラム10が使用されるときに特に有益であることが分かる。金属又は金属合金から外板32、並びに垂直トラス34及びレール36を製作することは、開放内部領域14内の水平方向延在ビーム44のための座部58を位置付け、取り付けるための大きな柔軟性を提供する。水平方向延在ビーム44をトラスとして製作することにより、水平方向延在ビーム44は、長い距離にわたって架けられ、物質移動カラム10内で使用され得る構造化充填物46などの様々な内部構造物を支持することが可能になる。
【0029】
以上により、本開示は、その開示に固有である他の利点とともに上記の本明細書の目的及び目標を全て実現するようによく適合された開示であることが分かるであろう。
【0030】
特定の機能及び部分的組み合わせは有用なものであり、他の機能及び部分的組み合わせと関係なく使用され得ることが理解されるだろう。これは特許請求の範囲によって想到されるものであり、本発明の範囲内である。
【0031】
本発明の範囲から逸脱することなく多くの考えられる実施形態が本開示から作られてよいため、本明細書に記載された又は添付図面に示された全ての事項は例示として解釈されるべきで、限定する趣旨ではないことが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】