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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】表示パネル及びそれを含む電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240709BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240709BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20240709BHJP
   H10K 59/126 20230101ALI20240709BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240709BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20240709BHJP
   H10K 59/65 20230101ALI20240709BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240709BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/33
G09F9/30 349C
H01L33/48
H10K59/126
H10K77/10
H10K59/124
H10K59/65
H01L29/78 619A
H01L29/78 626C
H01L29/78 618B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575500
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 KR2022007945
(87)【国際公開番号】W WO2022260372
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0074974
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】チャ,ミョン グン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,サン ゴン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ジ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,キ ソク
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5F110
5F142
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107DD16
3K107DD19
3K107DD90
3K107DD95
3K107DD96
3K107EE03
3K107EE27
3K107EE68
3K107FF06
3K107FF15
3K107HH05
5C094AA07
5C094AA60
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094DA13
5C094EB01
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5C094FA01
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB14
5C094FB15
5C094HA05
5C094HA08
5C094HA10
5C094JA08
5C094JA11
5F110AA26
5F110BB01
5F110BB09
5F110BB11
5F110CC02
5F110DD01
5F110DD12
5F110DD13
5F110DD14
5F110DD15
5F110DD17
5F110EE02
5F110EE03
5F110EE04
5F110EE14
5F110FF03
5F110FF04
5F110FF09
5F110GG01
5F110GG02
5F110GG13
5F110HL02
5F110HL03
5F110HL04
5F110HL11
5F110HL12
5F110NN03
5F110NN22
5F110NN23
5F110NN24
5F110NN27
5F110NN28
5F110NN43
5F110NN46
5F110NN47
5F110NN71
5F110NN78
5F110PP03
5F142BA32
5F142CB14
5F142CD16
5F142CD17
5F142CG03
5F142CG07
5F142DB20
5F142DB24
5F142GA02
5F142GA40
(57)【要約】
本発明の一実施形態は、高分子樹脂を含む基板と、基板上に配置され、薄膜トランジスタをそれぞれ含む第1画素回路及び第2画素回路と、第1画素回路に連結され、第1表示領域に位置する第1発光ダイオードと、第2画素回路に連結され、第2表示領域のサブ表示領域に位置する第2発光ダイオードと、第2表示領域に位置するとともに、基板と第2画素回路間にある下部金属層と、基板と下部金属層との間に位置するが、第1表示領域及び第2表示領域に対応する保護層と、を含み、下部金属層は、第2表示領域のサブ表示領域と隣接した透過領域に位置する第1開口を含み、保護層は、透過領域に位置して第1開口に重畳する第2開口を含む、表示パネル及びそれを含む電子機器について開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子樹脂を含む基板と、
前記基板上に配置され、薄膜トランジスタをそれぞれ含む第1画素回路及び第2画素回路と、
前記第1画素回路に電気的に連結され、第1表示領域に位置する第1発光ダイオードと、
前記第2画素回路に電気的に連結され、第2表示領域のサブ表示領域に位置する第2発光ダイオードと、
前記第2表示領域に位置し、前記基板と前記第2画素回路との間に配置された下部金属層と、
前記第1表示領域及び前記第2表示領域に位置するとともに、前記第2表示領域に対応する一部が前記基板と前記下部金属層との間に位置する保護層と、を含み、
前記下部金属層は、前記第2表示領域の前記サブ表示領域と隣接した透過領域に位置する第1開口を含み、前記保護層は、前記透過領域に位置し、前記第1開口に重畳する第2開口を含む、表示パネル。
【請求項2】
前記第2開口の幅は、前記第1開口の幅よりも小さい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記保護層は、非晶質シリコン、Siリッチ(Si-rich)シリコン酸窒化物、または、シリコン酸化物とシリコン窒化物との多層構造を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1画素回路及び前記第2画素回路のそれぞれの前記薄膜トランジスタは、ポリシリコンを含む半導体層を備える、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第2画素回路は、複数の薄膜トランジスタを含み、
前記下部金属層は、前記複数の薄膜トランジスタと重畳する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記基板と前記第1画素回路との間に追加金属層をさらに含むが、前記追加金属層は、前記第1画素回路の複数の薄膜トランジスタのうちのいずれか1つまたは、一部の薄膜トランジスタと重畳する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記追加金属層の厚さは、前記下部金属層の厚さよりも小さい、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記追加金属層と前記下部金属層との間の層間絶縁層をさらに含む、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記基板上に配置されるとともに、前記第1発光ダイオード及び前記第2発光ダイオードの下方に配置される無機絶縁層の積層体をさらに含み、
前記積層体は、
前記透過領域に位置し、前記下部金属層の前記第1開口及び前記保護層の前記第2開口と重畳する第3開口を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記積層体上に配置されるとともに、前記第1発光ダイオードと前記第2発光ダイオードの下方に配置される有機絶縁層をさらに含み、
前記有機絶縁層の一部は、前記積層体の第3開口に存在する、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記有機絶縁層の一部は、前記保護層の前記第2開口に存在する、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記有機絶縁層の一部は、前記保護層の前記第2開口及び前記積層体の前記第3開口を介して前記基板と接触する、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記基板は、
高分子樹脂を含む第1ベース層と、
第1ベース層上に配置され、無機絶縁物を含む第1バリア層と、
前記第1ベース層上に配置され、高分子樹脂を含む第2ベース層と、
前記第2ベース層上に配置され、無機絶縁物を含む第2バリア層と、を含み、
前記有機絶縁層の前記一部は、前記第2バリア層と接触する、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
第1表示領域と、前記第1表示領域によって少なくとも部分的に取り囲まれ、サブ表示領域と透過領域を含む第2表示領域と、を含む、表示パネルと、
前記第2表示領域に位置するように前記表示パネルの下方に配置されるコンポーネントと、を含み、
前記表示パネルは、
基板と、
前記第1表示領域に配置され、前記基板上に配置され、薄膜トランジスタを含む第1画素回路に電気的に連結された第1発光ダイオードと、
前記第2表示領域の前記サブ表示領域に配置され、前記基板上に配置され、薄膜トランジスタを含む第2画素回路に電気的に連結された第2発光ダイオードと、
前記第2表示領域において前記基板と前記第2画素回路との間に介在され、前記透過領域に位置する第1開口を備えた下部金属層と、
前記基板と前記下部金属層との間に介在され、前記第1開口に重畳する第2開口を備えた保護層と、を含む、電子機器。
【請求項15】
前記表示パネルは、
前記下部金属層上に配置される無機絶縁層の積層体をさらに含み、前記積層体は、前記下部金属層の前記第1開口及び前記保護層の前記第2開口と重畳する第3開口を含む、請求項14に記載の電子機器。
【請求項16】
前記表示パネルは、
前記積層体上に配置され、前記第1発光ダイオード及び前記第2発光ダイオードの下方に配置される有機絶縁層をさらに含み、
前記有機絶縁層の一部は、前記積層体の第3開口及び前記第2開口内に存在する、請求項15に記載の電子機器。
【請求項17】
前記有機絶縁層の前記一部は、前記積層体の前記第3開口及び前記保護層の前記第2開口を介して前記基板に直接に接触する、請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
前記基板は、
高分子樹脂を含む第1ベース層と、
第1ベース層上に配置され、無機絶縁物を含む第1バリア層と、
前記第1ベース層上に配置され、高分子樹脂を含む第2ベース層と、
前記第2ベース層上に配置され、無機絶縁物を含む第2バリア層と、を含み、
前記有機絶縁層の前記一部は、前記第2バリア層と接触する、請求項17に記載の電子機器。
【請求項19】
前記第2開口の幅は、前記第1開口の幅よりも小さい、請求項14に記載の電子機器。
【請求項20】
前記保護層は、約250nm~約350nmの範囲の波長帯域の透過率が約10%以下である物質を含む、請求項14に記載の電子機器。
【請求項21】
前記保護層は、非晶質シリコン、Siリッチ(Si-rich)シリコン酸窒化物、または、シリコン酸化物とシリコン窒化物との多層構造を含む、請求項14に記載の電子機器。
【請求項22】
前記第1画素回路及び前記第2画素回路のそれぞれの前記薄膜トランジスタは、ポリシリコンを含む半導体層を備える、請求項14に記載の電子機器。
【請求項23】
前記第2画素回路は、複数の薄膜トランジスタを含み、
前記下部金属層は、前記複数の薄膜トランジスタと重畳する、請求項14に記載の電子機器。
【請求項24】
前記表示パネルは、
前記基板と前記第1画素回路との間に追加金属層をさらに含む、請求項14に記載の電子機器。
【請求項25】
前記追加金属層の厚さは、前記下部金属層の厚さよりも小さい、請求項24に記載の電子機器。
【請求項26】
前記追加金属層は、前記第1画素回路の複数の薄膜トランジスタのうちのいずれか1つ、または、一部の薄膜トランジスタと重畳する、請求項24に記載の電子機器。
【請求項27】
前記表示パネルは、
前記追加金属層と前記下部金属層との間の層間絶縁層をさらに含む、請求項24に記載の電子機器。
【請求項28】
前記コンポーネントは、センサまたはカメラを含む、請求項14に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネル及びそれを含む電子機器に係り、具体的に、表示パネル及び表示パネルの下方に提供されるコンポーネント(例えば、カメラ、センサなど)を配置するためのコンポーネント領域が表示パネルに提供される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、表示パネルは、その用途が多様になっている。また、表示パネルは、厚みが小さくなり重さが軽いことから、その使用範囲が広くなる傾向にある。
【0003】
表示パネル中における表示領域が占める面積を拡大しつつ、表示パネルに組み合わされたり連携されたりする多様な機能が追加されている。面積を拡大しつつ多様な機能を追加するための方策として、表示領域の内側に、イメージディスプレイではない多様な機能を付け加えるための領域を有する表示パネルの研究が続けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多様な機能を提供するために、カメラやセンサといったコンポーネントを、表示パネルの下方に配置することができる。さらに広い面積の表示領域を確保しながら、コンポーネントを配置するために、コンポーネントを表示領域と重畳して(重ね合わされるように)配置することができる。コンポーネントを配置する1つの方法として、表示パネルに、光や音響といった波長が透過する透過領域を含みうる。本発明は、前述した構造を有する表示パネル及びそれを含む電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、高分子樹脂を含む基板;前記基板上に配置され、薄膜トランジスタをそれぞれ含む第1画素回路及び第2画素回路;前記第1画素回路に連結され、第1表示領域に位置する第1発光ダイオード;前記第2画素回路に連結され、第2表示領域のサブ表示領域に位置する第2発光ダイオード;前記第2表示領域に位置するとともに、前記基板と前記第2画素回路との間にある下部金属層;及び、前記基板と前記下部金属層との間に位置するとともに、前記第1表示領域及び前記第2表示領域に対応する保護層;を含み、前記下部金属層は、前記第2表示領域の前記サブ表示領域と隣接した透過領域に位置する第1開口を含み、前記保護層は、前記透過領域に位置し、前記第1開口に重畳する第2開口を含む、表示パネルを開示する。
【0006】
前記第2開口の幅は、前記第1開口の幅よりも小さい。
【0007】
前記保護層は、非晶質シリコン、Siリッチ(Si-rich)シリコン酸窒化物、または、シリコン酸化物とシリコン窒化物との多層構造を含みうる。
【0008】
前記第1画素回路及び前記第2画素回路のそれぞれの前記薄膜トランジスタは、ポリシリコンを含む半導体層を備えることができる。
【0009】
前記第2画素回路は、複数の薄膜トランジスタを含み、前記下部金属層は、前記複数の薄膜トランジスタと重畳しうる。
【0010】
前記基板と前記第1画素回路との間に追加金属層をさらに含み、前記追加金属層は、前記第1画素回路の複数の薄膜トランジスタのうち、一部薄膜トランジスタと重畳しうる。
【0011】
前記追加金属層の厚さは、前記下部金属層の厚さよりも薄い。
【0012】
前記追加金属層と前記下部金属層との間の層間絶縁層をさらに含みうる。
【0013】
前記基板上に配置されるが、前記第1発光ダイオード及び前記第2発光ダイオードの下方に配置される無機絶縁層の積層体をさらに含み、前記積層体は、前記透過領域に位置し、前記下部金属層の前記第1開口及び前記保護層の前記第2開口と重畳する第3開口を含みうる。
【0014】
前記積層体の上に配置されるが、前記第1発光ダイオードと前記第2発光ダイオードの下方に配置される有機絶縁層をさらに含み、前記有機絶縁層の一部は、前記積層体の第3開口に存在しうる。
【0015】
前記有機絶縁層の一部は、前記保護層の前記第2開口に存在しうる。
【0016】
前記有機絶縁層の一部は、前記第2開口及び前記第3開口を介して前記基板と接触しうる。
【0017】
前記基板は、高分子樹脂を含む第1ベース層;第1ベース層上に配置され、無機絶縁物を含む第1バリア層;前記第1バリア層上に配置され、高分子樹脂を含む第2ベース層;及び、前記第2ベース層上に配置され、無機絶縁物を含む第2バリア層を含み、前記有機絶縁層の前記一部は、前記第2バリア層と接触しうる。
【0018】
本発明の他の実施形態は、第1表示領域と、前記第1表示領域によって少なくとも部分的に取り囲まれ、サブ表示領域と透過領域を含む第2表示領域とを含む表示パネル;及び前記第2表示領域に位置するように前記表示パネルの下方に配置されるコンポーネント;を含み、前記表示パネルは、基板;前記第1表示領域に配置され、前記基板上に配置され、薄膜トランジスタを含む第1画素回路に電気的に連結された第1発光ダイオード;前記第2表示領域の前記サブ表示領域に配置され、前記基板上に配置され、薄膜トランジスタを含む第2画素回路に電気的に連結された第2発光ダイオード;前記第2表示領域において前記基板と前記第2画素回路との間に介在され、前記透過領域に位置する第1開口を備えた下部金属層;及び、前記基板と前記下部金属層との間に介在され、前記第1開口に重畳する第2開口を備えた保護層;を含む電子機器を提供する。
【0019】
前記表示パネルは、前記下部金属層上に配置される無機絶縁層の積層体をさらに含み、前記積層体は、前記下部金属層の前記第1開口及び前記保護層の前記第2開口と重畳する第3開口を含みうる。
【0020】
前記表示パネルは、前記積層体上に配置され、前記第1発光ダイオード及び前記第2発光ダイオードの下方に配置される有機絶縁層をさらに含み、前記有機絶縁層の一部は、前記積層体の第3開口及び前記第2開口内に存在しうる。
【0021】
前記有機絶縁層の前記一部は、前記第3開口及び前記第2開口を介して前記基板に直接接触しうる。
【0022】
前記基板は、高分子樹脂を含む第1ベース層;第1ベース層上に配置され、無機絶縁物を含む第1バリア層;前記第1バリア層上に配置され、高分子樹脂を含む第2ベース層;及び、前記第2ベース層上に配置され、無機絶縁物を含む第2バリア層;を含み、前記有機絶縁層の前記一部は、前記第2バリア層と接触しうる。
【0023】
前記第2開口の幅は、前記第1開口の幅よりも狭い。
【0024】
前記保護層は、約250nm~約350nmの範囲の波長帯域の透過率約10%以下である物質を含みうる。
【0025】
前記保護層は、非晶質シリコン、Siリッチ(Si-rich)シリコン酸窒化物、またはシリコン酸化物とシリコン窒化物との多層構造を含みうる。
【0026】
前記第1画素回路及び前記第2画素回路のそれぞれの前記薄膜トランジスタは、ポリシリコンを含む半導体層を備える。
【0027】
前記第2画素回路は、複数の薄膜トランジスタを含み、前記下部金属層は、前記複数の薄膜トランジスタと重畳しうる。
【0028】
前記表示パネルは、前記基板と前記第1画素回路との間に追加金属層をさらに含みうる。
【0029】
前記追加金属層の厚さは、前記下部金属層の厚さよりも薄い。
【0030】
前記追加金属層は、前記第1画素回路の複数の薄膜トランジスタのうち、一部薄膜トランジスタと重畳しうる。
【0031】
前記表示パネルは、前記追加金属層と前記下部金属層との間の層間絶縁層をさらに含みうる。
【0032】
前記コンポーネントは、センサまたはカメラを含みうる。
【0033】
前述したところ以外の他の側面、特徴、利点が、以下の図面、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0034】
本発明の実施形態は、表示パネルの製造工程時に使用されるレーザビームから基板のような構成要素の損傷を防止しながら、コンポーネントが配置される透過領域の透過率を十分に確保しうる。そのような効果は、一例示に過ぎず、それにより、本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施形態による電子機器を示す斜視図である。
図2A】一実施形態によるフォールダブル電子機器の斜視図であって、フォールダブル(foldable; 折り畳み可能)電子機器の折り畳まれた状態を示す。
図2B】一実施形態によるフォールダブル電子機器の斜視図であって、フォールダブル電子機器の展開(unfolded)状態を示す。
図3】本発明の一実施形態による電子機器を概略的に示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態による電子機器の一部を示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態による表示パネルの発光ダイオードに電気的に連結された画素回路を概略的に示す等価回路図である。
図6】本発明の一実施形態による表示パネルの第1表示領域の一部を示す平面図である。
図7A】本発明の一実施形態による表示パネルの第2表示領域の一部を示す平面図である。
図7B】本発明の一実施形態による表示パネルの第2表示領域の一部を示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態による表示パネルの第2表示領域及びその周辺の第1表示領域を示す平面図である。
図9図8の一部を抜粋して示す平面図である。
図10】本発明の一実施形態による表示パネルの断面図であって、図9のA-A’線及びB-B’線に沿って見た断面図に該当する。
図11】本発明の他の実施形態による表示パネルの断面図であって、図9のA-A’線及びB-B’線に沿って見た断面図に該当する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の一実施形態による表示パネルは、高分子樹脂を含む基板;前記基板上に配置され、薄膜トランジスタをそれぞれ含む第1画素回路及び第2画素回路;前記第1画素回路に連結され、第1表示領域に位置する第1発光ダイオード;前記第2画素回路に連結され、第2表示領域のサブ表示領域に位置する第2発光ダイオード;前記第2表示領域に位置するが、前記基板と前記第2画素回路との間に配置された下部金属層;及び前記基板と前記下部金属層との間に位置するが、前記第1表示領域及び前記第2表示領域に対応する保護層;を含み、前記下部金属層は、前記第2表示領域の前記サブ表示領域と隣接した透過領域に位置する第1開口を含み、前記保護層は、前記透過領域に位置し、前記第1開口に重畳する第2開口を含みうる。
【0037】
本発明の他の実施形態による電子機器は、前述した表示パネル及び表示パネルの下方に配置されたコンポーネントを含みうる。
【0038】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施形態を有することができるところ、特定実施形態を図面に例示し、詳細な説明において詳細に説明する。本発明の効果及び特徴、そして、それらの達成方法は、図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではなく、多様な形態に具現されうる。
【0039】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明し、図面を参照して説明するとき、同一であるか、対応する構成要素は、同じ図面符号を付し、それについての重複説明は省略する。
【0040】
以下の実施形態において、第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で使用された。
【0041】
以下の実施形態において、単数表現は、文脈上、明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0042】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素の付加の可能性を予め排除するものではない。
【0043】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などの部分が、他の部分の「上に」または「上部に」あるとするとき、他の部分の直上にある場合だけではなく、その中間に他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0044】
以下の実施形態において、「A及びBのうち、少なくともいずれか1つ」は、Aを含むか、Bを含むか、または、AとBとを含むという場合を示す。
【0045】
図面では、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張または縮小されうる。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示したものであって、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。
【0046】
ある実施形態が異なって具現可能な場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なって遂行されうる。例えば、連続して説明される2工程が、実質的に同時に遂行されても、説明される順序と逆順に遂行されてもよい。
【0047】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などが連結されたとするとき、膜、領域、構成要素が直接連結された場合だけではなく、膜、領域、構成要素の中間に他の膜、領域、構成要素が介在されて間接的に連結された場合も含む。例えば、本明細書において、膜、領域、構成要素などが電気的に連結されたとするとき、膜、領域、構成要素などが直接電気的に連結された場合だけではなく、その中間に他の膜、領域、構成要素などが介在されて間接的に電気的に連結された場合も含む。
【0048】
図1は、本発明の一実施形態による電子機器1を示す斜視図である。
【0049】
一実施形態による電子機器1は、動画や静止画を表示する装置であって、モバイルフォン(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、タブレットPC(tablet personal computer)、移動通信端末機、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション、UMPC(Ultra Mobile PC)のような携帯用電子機器だけではなく、テレビ、ノート型パソコン、モニタ、広告看板、事物インターネット(internet of things, IOT)などの多様な製品の表示画面として使用されうる。また、一実施形態による電子機器1は、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、めがね型ディスプレイ、及びヘッド装着型ディスプレイ(head mounted display, HMD)といったウェアラブル装置(wearable device)に使用されうる。また、一実施形態による電子機器1は、自動車の計器盤、及び自動車のセンターフェイシア(center fascia)またはダッシュボードに配置された CID(Center Information Display)、自動車のサイドミラーを代替するルームミラーディスプレイ(room mirror display)、自動車の後部座席用エンターテイメントとして、前部座席の背面に配置されるディスプレイとして使用されうる。図1は、説明の便宜上、電子機器1がスマートフォンとして使用されることを図示する。
【0050】
図1を参照すれば、電子機器1は、表示領域DA及び表示領域DA外側の非表示領域NDAを含みうる。電子機器1は、表示領域DAに2次元的に配列された複数画素のアレイを介してイメージを提供することができる。
【0051】
非表示領域NDAは、イメージを提供しない領域であって、表示領域DAを全体として取り囲みうる。非表示領域NDAには、表示領域DAに配置された表示要素に、電気的信号や電源を提供するためのドライバなどが配置されうる。非表示領域NDAには、電子素子や印刷回路基板などが電気的に連結される領域である、パッドが配置されうる。
【0052】
表示領域DAは、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2を含みうる。第2表示領域DA2は、電子機器1に多様な機能を提供するためのコンポーネントが配置される領域であって、第2表示領域DA2は、コンポーネントの領域に該当しうる。
【0053】
図2A及び図2Bは、一実施形態によるフォールダブル電子機器の斜視図であって、図2Aは、フォールダブル電子機器の折り畳み状態を示し、図2Bは、フォールダブル電子機器の展開(unfolded)状態を示す。
【0054】
一実施形態による電子機器1は、フォールダブル電子機器でありうる。電子機器1は、フォールディング軸FAXを中心に折り畳まれる。表示領域DAは、電子機器1の外側及び/または内側に位置しうる。一実施形態において、図2A及び図2Bは、電子機器1の外側及び内側に、それぞれ表示領域DAが位置することを図示する。
【0055】
図2Aを参照すれば、表示領域DAは、電子機器1の外側に配置されうる。フォールディングされた電子機器1の外側面は、表示領域DAを含み、表示領域DAは、表示領域DAの大部分を占める第1表示領域DA1、及び、第1表示領域DA1に比べて相対的に小さな面積を有する第2表示領域DA2を含みうる。
【0056】
図2Bを参照すれば、表示領域DAは、電子機器1の内側に配置されうる。展開された電子機器1の内側面は、表示領域DAを含み、表示領域DAは、表示領域DAの大部分を占める第1表示領域DA1、及び、第1表示領域DA1に比べて相対的に小さな面積を有する第2表示領域DA2を含みうる。
【0057】
図2Bは、第1表示領域DA1がフォールディング軸FAXを基準に、それぞれ両側に配置された左側の表示領域DA1L及び右側の表示領域DA1Rを含み、右側の表示領域DA1Rの内側に第2表示領域DA2が位置するところを示すが、本発明は、それに限定されない。他の実施形態において、第2表示領域DA2は、左側の表示領域DA1Lの内側に配置されうる。他の実施形態において、第2表示領域DA2は、左側及び右側の表示領域DA1L、DA1Rの内側に配置されうる。
【0058】
図3は、本発明の一実施形態による電子機器1を概略的に示す平面図である。
【0059】
図1図2A、及び図2Bを参照して前述した電子機器1の第2表示領域DA2は、第1表示領域DA1によって、全体として取り囲まれているように図示しているが、本発明は、それに限定されない。図3に図示されたように、第2表示領域DA2は、第1表示領域DA1によって部分的に取り囲まれうる。
【0060】
図1図2A図2b、及び図3は、第2表示領域DA2が表示領域DAの上側に配置されているように図示しているが、本発明は、それに限定されない。他の実施形態として、第2表示領域DA2は、第1表示領域DA1によって少なくとも部分的に取り囲まれた状態で表示領域DAの多様な位置に配置されうる。
【0061】
図4は、本発明の一実施形態による電子機器の一部を示す断面図である。
【0062】
図4を参照すれば、電子機器1は、表示パネル10、及び、表示パネル10と重畳して配置された表示パネル10の下面上に配置されたコンポーネント20を含みうる。コンポーネント20は、表示パネル10の下部に配置されるが、第2表示領域DA2に位置しうる。
【0063】
表示パネル10は、基板100と、基板100上に配置された、薄膜トランジスタTFT、及び、薄膜トランジスタTFTに電気的に連結された表示要素(例えば、発光ダイオードLED)と、表示要素をカバーする封止層303と、入力感知層400と、反射防止層600と、ウィンドウ700とを含みうる。
【0064】
基板100は、ガラスまたは高分子樹脂を含みうる。高分子樹脂を含む基板100は、フレキシブル、フォールダブル(折り畳み可能)、ローラブル(巻き取り可能)またはベンダブル(曲げ可能)特性を有する。基板100は、前述した高分子樹脂を含む層及び無機層(図示せず)を含む多層構造でありうる。
【0065】
基板100の下面上には、下部保護フィルムPbが配置されうる。下部保護フィルムPbは、基板100の下面に貼り付けられうる。下部保護フィルムPbと基板100との間には、粘着層が介在されうる。または、下部保護フィルムPbは、基板100の下面上に直接形成されうるのであり、その場合、下部保護フィルムPbと基板100との間には、粘着層が介在されない。
【0066】
下部保護フィルムPbは、基板100を支持し、保護する役割を遂行しうる。下部保護フィルムPbは、第2表示領域DA2に対応する開口PB-OPを備える。下部保護フィルムPbは、ポリエチレンテレフタレート(PET, polyethyeleneterephthalate)またはポリイミド(PI, polyimide)といった有機絶縁物を含みうる。
【0067】
基板100の上面上には、薄膜トランジスタTFT及び薄膜トランジスタTFTに電気的に連結された表示要素として発光ダイオードLEDが配置されうる。発光ダイオードLEDは、有機物を含む有機発光ダイオードでありうる。有機発光ダイオードは、赤色、緑色、青色光を放出することができる。
【0068】
発光ダイオードLEDは、無機物を含む無機発光ダイオードでありうる。無機発光ダイオードは、無機物半導体基盤の材料を含むPN接合ダイオードを含みうる。PN接合ダイオードに順方向に電圧を印加すれば、正孔と電子とが注入され、その正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーを光エネルギーに変換させて、所定色相の光を放出することができる。前述した無機発光ダイオードは、数~数百μmまたは数~数百nmの幅を有する。一部実施形態において、発光ダイオードLEDは、量子点発光ダイオードを含みうる。発光ダイオードLEDの発光層は、有機物を含むか、無機物を含むか、量子点を含むか、有機物と量子点を含むか、無機物と量子点とを含みうる。
【0069】
発光ダイオードLEDは、その下方に配置された薄膜トランジスタTFTに電気的に連結されうる。薄膜トランジスタTFT及び薄膜トランジスタTFTに電気的に連結された発光ダイオードLEDは、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2にそれぞれ配置されうる。
【0070】
透過領域TAは、第2表示領域DA2に位置しうる。透過領域TAは、コンポーネント20から放出される光及び/またはコンポーネント20へと向かう光が透過する領域でありうる。表示パネル10において、透過領域TAの透過率は、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、または約90%以上でありうる。
【0071】
コンポーネント20は、近接センサ、照度センサ、虹彩センサ、顔面認識センサといったセンサ、及びカメラ(または、イメージセンサ)を含みうる。コンポーネント20は、光を用いることができる。例えば、コンポーネント20は、赤外線、紫外線、可視光線帯域の光を放出するか、及び/または受光しうる。赤外線を用いる近接センサは、電子機器1の上面に近接して配置された物体を検出し、照度センサは、電子機器1の上面に入射される光の明るさを感知しうる。また、虹彩センサは、電子機器1の上面上に配置された人の虹彩を撮影し、カメラは、電子機器1の上面上に配置された物体に関する光を受光しうる。
【0072】
透過領域TAを通過する光によって第2表示領域DA2に配置された薄膜トランジスタTFTの機能が低下することを防止するために、第2表示領域DA2の薄膜トランジスタTFT下には、金属層(bottom metal layer, BML、以下、「下部金属層極」と称する)が配置されうる。例えば、下部金属層BMLは、基板100と薄膜トランジスタTFTとの間に介在されうる。下部金属層BMLは、第2表示領域DA2に配置されるとともに、透過領域TAに重畳する開口BML-OP(以下、第1開口と称する)を含みうる。
【0073】
保護層110は、基板100と薄膜トランジスタTFTとの間に配置されうる。保護層110は、薄膜トランジスタTFTの形成工程で使用される、レーザによる基板100の損傷を防止しうる。保護層110は、非晶質シリコン(amorphous silicon, a-Si)、Siリッチ(Si-rich)シリコン酸窒化物、または、シリコン酸化物とシリコン窒化物との交互的な積層構造を含みうる。
【0074】
保護層110は、基板100を保護するために基板100の上面全体をカバーすることができる。保護層110は、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2に存在するように一体に形成されるが、透過領域TAに重畳する開口110OP(以下、第2開口と称する)を含みうる。
【0075】
封止層303は、発光ダイオードLEDをカバーすることができる。封止層303は、少なくとも1層の無機封止層、及び、少なくとも1層の有機封止層を含みうる。封止層303は、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2を、全体としてカバーすることができる。
【0076】
入力感知層400は、封止層303上に形成されうる。入力感知層400は、外部の入力、例えば、指またはスタイラスペンのような物体のタッチイベントによる座標情報を獲得することができる。入力感知層400は、タッチ電極及びタッチ電極と連結されたトレースラインを含みうる。入力感知層400は、ミューチュアルキャップ(mutual-capacitance or mutual-cap)方式またはセルフキャップ(self-capacitance or self-cap)方式で、外部入力を感知することができる。
【0077】
反射防止層600は、外部から表示パネル10に向かって入射する光(外光)の反射率を減少させうる。反射防止層600は、偏光板(polarizer)を含みうる。反射防止層600が偏光板を含む場合、偏光板は、透過領域TAに対応する開口を含みうる。
【0078】
他の実施形態として、反射防止層600は、遮光層、カラーフィルタ及びオーバーコート層を含みうる。カラーフィルタは、発光ダイオードLEDのそれぞれに重畳して配置され、発光ダイオードLEDから放出された光を透過させ、遮光層は、カラーフィルタのそれぞれを取り囲む網状でありうる。カラーフィルタ及び遮光層は、透過領域TAには配置されず、透過領域TAにはオーバーコート層が配置されうる。
【0079】
ウィンドウ700は、反射防止層600上に配置される。ウィンドウ700は、光学透明粘着剤といった粘着層ALを介して反射防止層600と結合されうる。ウィンドウ700は、ガラス材またはプラスチック材を含みうる。ガラス材は、超薄型ガラス(ultra-thinglass)を含みうる。プラスチック材は、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、またはセルロースアセテートプロピオネートなどを含みうる。
【0080】
図5は、本発明の一実施形態による表示パネルの、発光ダイオードLEDに電気的に連結された画素回路PCを概略的に示す等価回路図である。
【0081】
図5を参照すれば、画素回路PCは、第1薄膜トランジスタT1、第2薄膜トランジスタT2、第3薄膜トランジスタT3、第4薄膜トランジスタT4、第5薄膜トランジスタT5、第6薄膜トランジスタT6、第7薄膜トランジスタT7、及びストレージキャパシタCstを含みうる。
【0082】
第1薄膜トランジスタT1は、第2薄膜トランジスタT2のスイッチング動作によってデータ信号Dmを伝達されて発光ダイオードLEDに駆動電流を供給し、第2薄膜トランジスタT2は、スキャン線SLを介して伝達されたスキャン信号Snによってターンオン(turn on)され、データ線DLに伝達されたデータ信号Dmを第1薄膜トランジスタT1に伝達するスイッチング動作を遂行する。
【0083】
第3薄膜トランジスタT3は、補償薄膜トランジスタであって、第3薄膜トランジスタT3のゲート電極は、スキャン線SLに連結されうる。第3薄膜トランジスタT3のソース電極(またはドレイン電極)は、第1薄膜トランジスタT1のドレイン電極(または、ソース電極)と連結されているが、第6薄膜トランジスタT6を経由して発光ダイオードLEDの第1電極(例えば、アノード)と連結されうる。第3薄膜トランジスタT3のドレイン電極(または、ソース電極)は、ストレージキャパシタCstのいずれか1つの電極、第4薄膜トランジスタT4のソース電極(またはドレイン電極)、及び、第1薄膜トランジスタT1のゲート電極と連結されうる。第3薄膜トランジスタT3は、スキャン線SLを介して伝達されたスキャン信号Snによってターンオンされ、第1薄膜トランジスタT1のゲート電極とドレイン電極とを互いに連結することで、第1薄膜トランジスタT1をダイオード連結(diode-connection)させる。
【0084】
第4薄膜トランジスタT4は、初期化薄膜トランジスタであって、ゲート電極は、以前スキャン線SL-1と連結されうる。第4薄膜トランジスタT4のドレイン電極(または、ソース電極)は、初期化電圧線VLと連結されうる。第4薄膜トランジスタT4のソース電極(またはドレイン電極)は、ストレージキャパシタCstのいずれか1つの電極、第3薄膜トランジスタT3のドレイン電極(または、ソース電極)及び第1薄膜トランジスタT1のゲート電極と連結されうる。第4薄膜トランジスタT4は、前段スキャン線SL-1を介して伝達された前段スキャン信号Sn-1によってターンオンされ、初期化電圧Vintを第1薄膜トランジスタT1のゲート電極に伝達して第1薄膜トランジスタT1のゲート電極の電圧を初期化させる初期化動作を遂行することができる。
【0085】
第5薄膜トランジスタT5は、動作制御薄膜トランジスタであって、ゲート電極は、発光制御線ELと連結されうる。第5薄膜トランジスタT5のソース電極(またはドレイン電極)は、駆動電圧線PLと連結されうる。第5薄膜トランジスタT5のドレイン電極(または、ソース電極)は、第1薄膜トランジスタT1のソース電極(またはドレイン電極)及び第2薄膜トランジスタT2のドレイン電極(または、ソース電極)と連結されている。
【0086】
第6薄膜トランジスタT6は、発光制御薄膜トランジスタであって、ゲート電極は、発光制御線ELと連結されうる。第6薄膜トランジスタT6のソース電極(またはドレイン電極)は、第1薄膜トランジスタT1のドレイン電極(または、ソース電極)及び第3薄膜トランジスタT3のソース電極(またはドレイン電極)と連結されうる。第6薄膜トランジスタT6のドレイン電極(または、ソース電極)は、発光ダイオードLEDの第1電極(例えば、アノード)と電気的に連結されうる。第5薄膜トランジスタT5と第6薄膜トランジスタT6とは、発光制御線ELを介して伝達された発光制御信号Enによって同時にターンオンされ、駆動電圧ELVDDが発光ダイオードLEDに伝達され、発光ダイオードLEDに駆動電流が流れることになる。
【0087】
第7薄膜トランジスタT7は、発光ダイオードLEDの第1電極(例えば、アノード)を初期化する初期化薄膜トランジスタでありうる。第7薄膜トランジスタT7のゲート電極は、次のスキャン線SL+1に連結されうる。第7薄膜トランジスタT7のソース電極(またはドレイン電極)は、発光ダイオードLEDの第1電極(例えば、アノード)と連結されうる。第7薄膜トランジスタT7のドレイン電極(または、ソース電極)は、初期化電圧線VLと連結されうる。第7薄膜トランジスタT7は、次のスキャン線SL+1を介して伝達された次のスキャン信号Sn+1によってターンオンされ、発光ダイオードLEDの第1電極(例えば、アノード)を初期化させうる。
【0088】
図5は、第4薄膜トランジスタT4と第7薄膜トランジスタT7とがそれぞれ前段スキャン線SL-1及び次のスキャン線SL+1に連結された場合を図示したが、他の実施形態として、第4薄膜トランジスタT4と第7薄膜トランジスタT7とは、いずれも前段スキャン線SL-1に連結されて前段スキャン信号Sn-1によって駆動することができる。
【0089】
ストレージキャパシタCstのいずれか1つの電極は、第1薄膜トランジスタT1のゲート電極、第3薄膜トランジスタT3のドレイン電極(または、ソース電極)及び、第4薄膜トランジスタT4のソース電極(またはドレイン電極)に共に連結されうる。ストレージキャパシタCstの他の1つの電極は、駆動電圧線PLと連結されうる。
【0090】
発光ダイオードLEDの対向電極(例えば、カソード)は、共通電圧ELVSSを提供される。発光ダイオードLEDは、第1薄膜トランジスタT1から駆動電流が伝達されて発光する。
【0091】
図5は、画素回路PCが7個の薄膜トランジスタと1個のストレージキャパシタを含むということを説明しているが、本発明は、それに限定されない。薄膜トランジスタの個数及びストレージキャパシタの個数は、画素回路PCの設計によって多様に変更されうる。例えば、画素回路PCは、3個、4個、5個またはそれ以上の薄膜トランジスタを含みうる。
【0092】
図6は、本発明の一実施形態による表示パネルの第1表示領域DA1の一部を示す平面図である。
【0093】
図6を参照すれば、第1表示領域DA1には、画素が配置され、画素は、互いに異なる色の光を放出する第1ないし第3画素を含みうる。以下では、説明の便宜上、第1画素が赤色画素Pr、第2画素が緑色画素Pg、第3画素が青色画素Pbであると説明する。
【0094】
赤色画素Pr、緑色画素Pg、及び青色画素Pbは、第1表示領域DA1で所定の規則によって配列される。一部の実施形態において、赤色画素Pr、緑色画素Pg、及び青色画素Pbは、図6に図示されたようにダイヤモンドペンタイル(PenTileTM)タイプで配置されうる。
【0095】
例えば、第1行1Nには、複数の赤色画素Prと複数の青色画素Pbが交互に配置されており、隣接した第2行2Nには、複数の緑色画素Pgが所定間隔で離隔されて配置されており、隣接した第3行3Nには、青色画素Pbと赤色画素Prとが交互に配置されており、隣接した第4行4Nには、複数の緑色画素Pgが所定間隔で離隔されて配置されており、そのような画素の配置が、第N行まで繰り返されている。この際、青色画素Pb及び赤色画素Prの大きさ(または面積、幅)は、緑色画素Pgの大きさ(または幅)よりも大きく備えられうる。青色画素Pbの大きさ(または面積、幅)及び赤色画素Prの大きさ(または面積、幅)は、互いに同一であるか、異なってもいる。一実施形態において、青色画素Pbの大きさ(または面積、幅)は、赤色画素Prの大きさ(または面積、幅)より小さいか、大きくなる。幅は、一方向(例えば、x方向またはy方向)に沿う長さと定義されうる。
【0096】
第1行1Nに配置された複数の赤色画素Pr及び青色画素Pbと、第2行2Nに配置された複数の緑色画素Pgとは、千鳥状(互い違い)に配置されている。したがって、第1列1Mには、赤色画素Pr及び青色画素Pbが交互に配置されており、隣接した第2列2Mには、複数の緑色画素Pgが所定間隔で離隔されて配置されており、隣接した第3列3Mには、青色画素Pb及び赤色画素Prが交互に配置されており、隣接した第4列4Mには、複数の緑色画素Pgが所定間隔で離隔されて配置されており、そのような画素の配置が第M列まで繰り返されている。
【0097】
そのような画素配列構造を異なるように表現すれば、緑色画素Pgの中心点を、仮想の方形(四角形)VSの中心点とする仮想の方形VSについての頂点のうち、互いに対向する第1頂点と第3頂点には、赤色画素Prが配置され、残りの頂点である第2頂点と第4頂点に青色画素Pbが配置されていると表現しうる。この際、仮想の方形VSは、長方形、菱形、正方形など多様に変形されうる。
【0098】
そのような画素配列構造をダイヤモンドタイプのペンタイル(PenTileTM)と称し、隣接した画素を共有して色相を表現するレンダリング(Rendering)駆動を適用することで、少数の画素でもって高解像度を具現することができる。
【0099】
図6に図示された赤色画素Pr、緑色画素Pg、及び青色画素Pbは、それぞれ該当する画素に配置された発光ダイオードを用いて赤色、緑色、青色光を放出することができる。したがって、画素の配置は、表示要素である発光ダイオードの配置に該当する。例えば、図6に図示された赤色画素Prの位置は、赤色光を放出する発光ダイオードの位置を示す。同様に、緑色画素Pgの位置は、緑色光を放出する発光ダイオードの位置を示し、青色画素Pbの位置は、青色光を放出する発光ダイオードの位置を示す。
【0100】
図7A及び図7Bは、本発明の一実施形態による表示パネルの第2表示領域DA2の一部を示す平面図である。
【0101】
図7A及び図7Bを参照すれば、第2表示領域DA2には、画素グループPgが互いに離隔されて配置されうる。各画素グループPgは、透過領域TAで取り囲まれ、互いに異なる色相の光を放出する画素、例えば、赤色画素Pr、緑色画素Pg、及び青色画素Pbを含みうる。一実施形態として、各画素グループPgは、2つの赤色画素Pr、4つの緑色画素Pg、及び2つの青色画素Pbを含みうる。
【0102】
第2表示領域DA2内で画素グループPgが位置する部分をサブ表示領域と称する。すなわち、第2表示領域DA2は、サブ表示領域と、サブ表示領域に隣接した透過領域TAを有し、画素グループPgは、サブ表示領域に位置しうる。
【0103】
赤色画素Pr、緑色画素Pg、及び青色画素Pbは、それぞれ該当する画素に配置された発光ダイオードを用いて赤色、緑色、青色光を放出し、よって、画素の配置は、表示要素である発光ダイオードの配置に該当しうる。したがって、図7A及び図7Bを参照して説明した画素グループPgは、赤色光を放出する発光ダイオード、緑色光を放出する発光ダイオード、及び青色光を放出する発光ダイオードを含む表示要素グループに該当する。例えば、それぞれ赤色画素Pr、緑色画素Pg、及び青色画素Pbを含む画素グループPgが互いに離隔されるということは、それぞれ赤色、緑色、青色光を放出する発光ダイオードを含む表示要素グループが互いに離隔されて配置されることを示す。
【0104】
画素グループPgは、画素グループPgの中心PGCを基準に対称的に配置されうる。例えば、第1列1M’には、赤色画素Pr及び青色画素Pbが配置され、第2列2M’には、4個の緑色画素Pgが所定間隔で離隔されて配置されうる。また、第3列3M’には、青色画素Pb及び赤色画素Prが配置されうる。この際、第1列1M’に配置された赤色画素Prは、第3列3M’に配置された赤色画素Prと画素グループPgの中心PGCを基準に対称的に配置されうる。第1列1M’に配置された青色画素Pb及び第3列3M’に配置された青色画素Pbは、画素グループPgの中心PGCを基準に対称的に配置されうる。第2列2M’に配置された緑色画素Pgは、画素グループPgの中心PGCを基準に対称的に配置されうる。
【0105】
一実施形態において、青色画素Pbのy方向の長さは、赤色画素Prのy方向の長さよりも長い。青色画素Pbのy方向の長さは、2個の緑色画素Pgについてのy方向の長さを合わせた値と同一であるか、それより大きい。
【0106】
図7Aを参照すれば、赤色画素Pr、緑色画素Pg、及び青色画素Pbは、それぞれ平面視でほぼ方形でありうる。例えば、赤色画素Pr及び青色画素Pbは、それぞれx方向に短辺を有し、y方向に長辺を有する方形でありうる。緑色画素Pgは、x方向に長辺を有し、y方向に短辺を有する方形でありうる。
【0107】
他の実施形態として、赤色画素Pr、緑色画素Pg、及び青色画素Pbのうちの少なくともいずれか1つは、N角形(nは、5以上の自然数)でありうる。例えば、図7Bに図示されたように緑色画素Pgは、方形であるうるが、赤色画素Pr及び青色画素Pbは、それぞれ透過領域TAに隣接したエッジが少なくとも一回折り曲げられうるのであり、よって、平面視でn角形(nは、5以上の自然数)を有しうる。
【0108】
図8は、本発明の一実施形態による表示パネルの第2表示領域DA2及びその周辺の第1表示領域DA1を示す平面図であり、図9は、図8の一部を抜粋して示す平面図である。
【0109】
図8及び図9を参照すれば、赤色、緑色、青色画素Pr、Pg、Pbは、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2に配列される。第1表示領域DA1に配置された赤色、緑色、青色画素Pr、Pg、Pbの配置は、第2表示領域DA2に配置された赤色、緑色、青色画素Pr、Pg、Pbの配置と同一であるか、互いに異なりうる。一実施形態において、図8及び図9は、第1表示領域DA1の画素の配列と第2表示領域DA2の画素の配列とが互いに異なっているということを図示するのであり、その具体的な構造は、前述の、図6図7A及び図7Bを参照して説明したところと同様である。他の実施形態として、第2表示領域DA2の各画素グループPgに配列された赤色、緑色、青色画素Pr、Pg、Pbは、前述の、図6を参照して説明したところと同様のダイヤモンドペンタイル構造を有しうる。
【0110】
第1表示領域DA1と第2表示領域DA2との境界線(例えば、仮想の境界線、 borderline, BL)は、平面視において、図8に図示されたように多角形を有しうる。一実施形態として、図8は、境界線BLが12個の辺を有する多角形(例えば、ほぼ十字状)であるように図示しており、前述した多角形のコーナー部は、階段状(step configuration)を有しうる。他の実施形態として、境界線BLがなす辺の数は、12個より少ないか、多いのでありうる。例えば、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2との境界線BLは、方形のように4辺を有するか、境界線BLが12個より多い辺を有する多角形でありうる。
【0111】
第1表示領域DA1の画素は、互いに離隔されてあり、第2表示領域DA2の画素も互いに離隔されうる。第1表示領域DA1のうちの第2表示領域DA2に最も近く配置された画素と、第2表示領域DA2のうちの第1表示領域DA1に最も近く配置された画素との距離は、第1表示領域DA1に配置された隣接した画素同士の間の距離よりも大きく、第2表示領域DA2にて1つの画素グループPgに配置された隣接した画素同士の間の距離よりも大きくなる。
【0112】
透過領域TAは、第2表示領域DA2内に位置しうる。透過領域TAは、隣接する2つの画素グループPgの間に配置されうる。透過領域TAを中心に4個の画素グループPgが隣接して配置されうる。画素には、発光ダイオードが位置するので、透過領域TAは、いずれか1つの画素グループPgの発光ダイオードと、他の1つの画素グループPgの発光ダイオードとの間に位置する。
【0113】
下部金属層BMLは、第1表示領域DA1には位置せず、第2表示領域DA2に位置しうる。下部金属層BMLは、透過領域TAに位置する第1開口BML-OPを含みうる。各第1開口BML-OPを画定(定義)する下部金属層BMLのエッジは、第1開口BML-OPの外郭線に該当しうる。基板100に、垂直方向視において、下部金属層BMLの第1開口BML-OPは、透過領域TAと重畳しうる。
【0114】
図8及び図9に図示されたように平面視において、下部金属層BMLは、画素グループPgと重畳する第1部分と、第1部分同士を互いに連結する第2部分とが一体に形成されたメッシュ構造を有しうる。下部金属層BMLの第1開口BML-OPは、互いに離隔され、行と列をなすように配列されうる。下部金属層BMLの外側エッジは、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2との間、例えば、境界線BLに隣接して位置しうる。
【0115】
保護層110は、前述した図4を参照して説明したように、基板100と下部金属層BMLとの間に配置されうる。保護層110は、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2に存在するように一体に形成され、透過領域TAに位置する第2開口110OPを含みうる。基板100に対する垂直方向視において、保護層110の第2開口110OPは、透過領域TAと重畳し、互いに離隔されるとともに、行と列とをなすように配列されうる。
【0116】
保護層110の第2開口110OP及び下部金属層BMLの第1開口BML-OPは、互いに重畳し、透過領域TAを画定(定義)しうる。各透過領域TAの外郭線は、保護層110の第2開口110OP及び/または下部金属層BMLの第1開口BML-OPによって画定(定義)されうる。一実施形態において、図8及び図9に図示されたように、保護層110の第2開口110OPは、下部金属層BMLの第1開口BML-OPよりも小さな大きさ(または面積、幅)を有し、その場合、透過領域TAの大きさ(または面積、幅)は、保護層110の第2開口110OPによって規定(定義)されうる。すなわち、下部金属層BMLの第1開口BML-OPの外郭線は、平面図上で、保護層110の第2開口110OPの外郭線を取り囲みうる。
【0117】
透過領域TA、前述した図4を参照して前述したように光及び/または音響などが透過する領域であって、コンポーネント20(図4参照)は、透過領域TAに重畳して配置されうる。コンポーネント20の全部分が透過領域TAに対応するのではなく、図4に図示されたように、コンポーネント20の一部は、透過領域TAに対応し、他の部分は、第2表示領域DA2内の画素に対応するのでありうる。
【0118】
第2表示領域DA2の最外郭に位置した画素グループPgと、第1表示領域DA1tpの間の空間は、透過領域ではない。例えば、第2表示領域DA2内の最外郭に位置した画素グループPgと、第1表示領域DA1との間の空間には、下部金属層BMLが存在しない部分があり得るが、当該部分は、透過領域ではない。
【0119】
図10は、本発明の一実施形態による表示パネル10の断面図であって、図9のA-A’線及びB-B’線に沿って見た断面図に該当する。図10の表示パネル10、前述した図4を参照して説明したように、封止層303上の入力感知層400(図3)、反射防止層600(図3)及びウィンドウ700(図3)を含みうるが、図10は、便宜上、入力感知層400(図3)、反射防止層600(図3)及びウィンドウ700(図3)を省略して示す。第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2のそれぞれには、有機発光ダイオードが配置されうる。
【0120】
図10は、表示パネル10の発光ダイオードが有機発光ダイオードである場合を図示している。説明の便宜上、第1表示領域DA1に配置された有機発光ダイオードを第1有機発光ダイオードOLED1と称し、第2表示領域DA2に配置された有機発光ダイオードを第2有機発光ダイオードOLED2と称する。
【0121】
図10を参照すれば、第1有機発光ダイオードOLED1及び第2有機発光ダイオードOLED2は、基板100上に形成される。
【0122】
基板100は、第1ベース層101、第1バリア層102、第2ベース層103及び第2バリア層104を含みうる。第1ベース層101と第2ベース層103のそれぞれは、高分子樹脂を含み、第1バリア層102と第2バリア層104のそれぞれは、無機絶縁物を含みうる。高分子樹脂は、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート及び/またはセルロースアセテートプロピオネートなどを含みうる。高分子樹脂は、透明な素材を含みうる。一実施形態において、高分子樹脂は、400nm~550nmといった比較的波長帯域が短い光の透過率が約70%より大きくなる。より具体的に、高分子樹脂は、400nm~550nmの波長帯域での透過率が約75%であるか、それよりも大きくなりうる。
【0123】
第1バリア層102と第2バリア層104のそれぞれは、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、及び/またはシリコン酸化物を含みうる。第1バリア層102と第2バリア層104のうちの少なくともいずれか1つは、多層構造を含みうる。例えば、第2バリア層104は、シリコン酸窒化物とシリコン酸化物との2層構造でありうる。
【0124】
保護層110は、基板100上に配置される。保護層110は、表示パネル10を形成する工程から基板100を保護しうる。本発明の一実施形態において、第1及び第2有機発光ダイオードOLED1、OLED2のそれぞれに電気的に連結された第1及び第2画素回路PC1、PC2は、ポリシリコンを含む半導体層を含みうる。ポリシリコンを含む半導体層は、非晶質シリコンを形成した後、レーザビーム(例えば、約308nmのレーザビーム)を照射して結晶化して形成しうる。この際、レーザビームが基板100に到逹する場合、第1バリア層102及び/または第2バリア層104が、レーザビームによって局所的に膨れ出すといった、基板100に対する不良が引き起こされうる。しかし、本発明の実施形態によれば、保護層110が基板100と前述した半導体層との間に介在されるので、前述したレーザビームが基板100へと進むことを防止しうる。
【0125】
保護層110は、レーザビームを吸収する素材を含みうる。例えば、保護層110は、約250nm~約350nmの範囲の波長帯域の透過率が約10%以下である物質を含みうる。一部の実施形態において、保護層110は、保護層110の約280nm~約310nm範囲の波長帯域の透過率が約10%以下である物質を含みうる。保護層110は、非晶質シリコン(a-Si)層を含むか、Siリッチ(Si-rich)SiON層を含むか、シリコン酸窒化物層とシリコン窒化物層との交互的積層構造(例えば、シリコン酸窒化物層とシリコン窒化物層とが約10回以上積層された構造)を含みうる。
【0126】
保護層110は、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2において一体に形成されるとともに、第2表示領域DA2内の透過領域TAに位置する第2開口110OPを含む。
【0127】
保護層110上には、第1画素回路PC1及び第2画素回路PC2のそれぞれの半導体層、例えば、シリコン系半導体層が形成されうる。これと関連して、図10は、第1及び第2画素回路PC1、PC2の第1薄膜トランジスタT1の第1半導体層A1が、保護層110上に配置されたことを図示する。
【0128】
第1薄膜トランジスタT1の第1半導体層A1は、基板100の上面を全体としてカバーするポリシリコン層を形成した後、それをパターニングして形成しうる。ここで、基板100の上面を全体としてカバーするポリシリコン層は、前述したように、基板100の上面を全体としてカバーするアモルファスシリコン層を形成した後、レーザビームを照射して形成しうる。
【0129】
ポリシリコンを含む半導体層(例えば、第1薄膜トランジスタT1の第1半導体層A1)を形成する前、第2表示領域DA2には、下部金属層BMLが形成されうる。一実施形態において、ポリシリコンを含む半導体層を形成する前、第1表示領域DA1には、追加金属層ABMLが形成され、図10は、第2表示領域DA2の下部金属層BMLと、第1表示領域DA1の追加金属層ABMLとが形成された場合を、例として挙げて説明する。
【0130】
追加金属層ABMLは、第1表示領域DA1に位置するが、第1画素回路PC1の一部と重畳しうる。例えば、追加金属層ABMLは、それぞれの第1画素回路PC1に含まれた複数の薄膜トランジスタのうち、一部のトランジスタに重畳しうる。これと関連して、図10は、追加金属層ABMLが第1画素回路PC1の駆動薄膜トランジスタである第1薄膜トランジスタT1に重畳することを図示する。
【0131】
追加金属層ABMLは、連結電極CMEを介して第1画素回路PC1の駆動電圧線PLと電気的に連結され、同じ電圧レベル(例えば、定電圧レベル)を有することができる。追加金属層ABMLは、第1画素回路PC1の動作時、第1薄膜トランジスタT1の第1半導体層A1に不要な電荷が溜まることを防止する。その結果、第1薄膜トランジスタT1の特性が安定して保持されうる。
【0132】
下部金属層BMLは、第2表示領域DA2に位置するが、第2画素回路PC2と重畳しうる。下部金属層BMLは、第2画素回路PC2に含まれたトランジスタのいずれとも重畳するのでありうる。例えば、第2画素回路PC2が7個の薄膜トランジスタ及び1個のストレージキャパシタを含み、下部金属層BMLは、第2画素回路PC2の7個の薄膜トランジスタ及び1個のストレージキャパシタに重畳しうる。
【0133】
下部金属層BMLは、連結ラインCLを介して所定の電圧を有する。例えば、下部金属層BMLは、第2画素回路PC2のストレージキャパシタCstの上部電極及び/または駆動電圧線と電気的に連結され、ストレージキャパシタCstの上部電極及び/または駆動電圧線のような定電圧の電圧レベルを有する。一部実施形態として、下部金属層BMLは、初期化電圧線と電気的に連結され、初期化電圧線のような定電圧の電圧レベルを有する。
【0134】
第2表示領域DA2には、第2有機発光ダイオードOLED2の数ほどの第2画素回路PC2が配置されるが、下部金属層BMLは、第2画素回路PC2のトランジスタといずれも重畳しうる。
【0135】
第1表示領域DA1には、第1有機発光ダイオードOLED1の数ほど第1画素回路PC1が配置されうる。追加金属層ABMLの厚さT2が厚くなるほど、追加金属層ABMLのエッジの周辺で段差が大きくなる。下部金属層BMLと異なって、追加金属層ABMLは、各第1画素回路PC1の一部薄の膜トランジスタに重畳するので、追加金属層ABMLのエッジの周辺で段差が大きくなる場合、追加金属層ABMLの直上の薄膜トランジスタと、追加金属層ABMLの直上に位置していない他の薄膜トランジスタとの連結が切れる。
【0136】
例えば、追加金属層ABML上に配置された第1薄膜トランジスタT1の第1半導体層A1は、第1画素回路PC1の第2薄膜トランジスタの半導体層と一体に形成されうる。この際、追加金属層ABMLの厚さT2が非常に大きい場合、第1薄膜トランジスタT1の第1半導体層A1と第2薄膜トランジスタの半導体層は、追加金属層ABMLのエッジ周辺の段差によって物理的かつ電気的に切れる。
【0137】
一方、下部金属層BMLは、透過領域TAを通過する光によって第2表示領域DA2に配置された薄膜トランジスタの機能が低下することを防止するのに十分な厚さt1を有する。したがって、下部金属層BMLの厚さt1は、追加金属層ABMLの厚さt2よりも大きくなる。下部金属層BMLは、追加金属層ABMLと異なって、第2表示領域DA2における全ての薄膜トランジスタと重畳するので、追加金属層ABMLのエッジの周辺での段差による薄膜トランジスタの電気的断絶の問題が発生しない。
【0138】
下部金属層BMLと追加金属層ABMLのそれぞれは、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)及び/または銅(Cu)のように導電性を有する金属を含みうる。下部金属層BMLと追加金属層ABMLとは、互いに同じ物質を含みうる。または、下部金属層BMLと追加金属層ABMLとは、互いに異なる物質を含みうる。
【0139】
第1層間絶縁層120は、第1表示領域DA1において追加金属層ABMLの上に配置され、第2表示領域DA2において下部金属層BMLの下に配置されうる。すなわち、下部金属層BMLと追加金属層ABMLとの間に第1層間絶縁層120が配置されうる。第1層間絶縁層120は、基板100の上面を全体としてカバーするように第1及び第2表示領域DA1、DA2に位置しうる。第1層間絶縁層120は、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物のような無機絶縁物を含み、前述した物質を含む単層または多層の構造からなる。
【0140】
下部金属層BMLの下方には、下部金属層BMLによる反射を防止するために、第2下部層UL2が配置されうる。第2下部層UL2は、保護層110と同じ物質を含みうる。例えば、第2下部層UL2は、非晶質シリコン(a-Si)層を含むか、Siリッチ(Si-rich)SiON層を含むか、シリコン酸窒化物層とシリコン窒化物層との交互の積層構造(例えば、シリコン酸窒化物層とシリコン窒化物層とが交番的に、第1下部層UL1と第2下部層UL2とは、約10回以上積層された構造)を含みうる。他の実施形態において、第2下部層UL2は、前述した物質を含むとともに、保護層110とは異なる物質を含みうる。
【0141】
第1下部層UL1は、第2下部層UL2と下部金属層BMLとの粘着力を向上させるために、第2下部層UL2と下部金属層BMLとの間に介在されうる。第1下部層UL1は、例えば、シリコン酸化物といった無機絶縁物を含みうる。第1下部層UL1と第2下部層UL2のそれぞれは、下部金属層BMLと同じ平面状を有する。すなわち、第1下部層UL1と第2下部層UL2は、下部金属層BMLの下方にのみ位置し、下部金属層BMLが位置していない領域には存在しない。
【0142】
第3バリア層131とバッファ層132は、下部金属層BMLと追加金属層ABMLの上に形成されうる。第3バリア層131及びバッファ層132のそれぞれは、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物といった無機絶縁物を含み、前述した物質を含む単層または多層の構造からなる。
【0143】
バッファ層132上には、第1及び第2画素回路PC1、PC2が形成される。これと関連して、図10は、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2のそれぞれに形成された第1薄膜トランジスタT1、ストレージキャパシタCst、及び第3薄膜トランジスタT3を図示する。
【0144】
第1薄膜トランジスタT1は、第1半導体層A1、第1ゲート電極GE1、第1ソース電極SE1及び第1ドレイン電極DE1を含みうる。第1半導体層A1は、ポリシリコンを含み、第1ゲート電極GE1に重畳する第1チャネル領域、第1チャネル領域の両側に位置する第1ソース領域及び第1ドレイン領域を含む。
【0145】
第1ゲート電極GE1は、第1ゲート絶縁層140を挟んで第1半導体層A1上に位置する。第1ゲート電極GE1は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)及び/またはチタン(Ti)のような低抵抗の導電物質を含み、前述した物質からなる単層または多層の構造でありうる。
【0146】
第1ソース電極SE1と第1ドレイン電極DE1は、第2層間絶縁層151及び第3層間絶縁層152の上に配置されうる。第2層間絶縁層151及び第3層間絶縁層152は、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物といった無機絶縁物を含み、前述した物質を含む単層または多層の構造からなりうる。
【0147】
第1ソース電極SE1と第1ドレイン電極DE1は、それぞれ第2層間絶縁層151及び第3層間絶縁層152を貫通するコンタクトホールを介して第1半導体層A1の第1ソース領域及び第1ドレイン領域に接続しうる。第1ソース電極SE1と第1ドレイン電極DE1のそれぞれは、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、及び/または銅(Cu)を含み、前述した物質を含む単層または多層の構造でありうる。例えば、第1ソース電極SE1と第1ドレイン電極DE1は、チタン層/アルミニウム層/チタン層の3層構造でありうる。
【0148】
ストレージキャパシタCstは、第1電極CE1及び第2電極CE2を含みうる。ストレージキャパシタCstは、駆動薄膜トランジスタである第1薄膜トランジスタT1と重畳しうる。
【0149】
一実施形態において、第1電極CE1は、駆動薄膜トランジスタである第1薄膜トランジスタT1の第1ゲート電極GE1と一体に形成されうる。すなわち、第1薄膜トランジスタT1の第1ゲート電極GE1は、第1電極CE1を含みうる。第2電極CE2は、第2層間絶縁層151を挟んで第1電極CE1と重畳しうる。第2電極CE2は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)及び/またはチタン(Ti)のような低抵抗の導電物質を含み、前述した物質からなる単層または多層の構造でありうる。
【0150】
第4層間絶縁層160は、シリコン系半導体層を含む薄膜トランジスタ、例えば、第1薄膜トランジスタT1上に配置されうる。第4層間絶縁層160は、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物のような無機絶縁物を含み、前述した物質を含む単層または多層構造からなる。
【0151】
第4層間絶縁層160上には、酸化物系半導体層を含む薄膜トランジスタ、例えば、第3薄膜トランジスタT3が配置されうる。第3薄膜トランジスタT3は、第3半導体層A3、第3ゲート電極GE3、第3ソース電極SE3及び第3ドレイン電極DE3を含みうる。第3半導体層A3は、酸化物系半導体を含みうる。例えば、第3半導体層A3は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)、カドミウム(Cd)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、チタン(Ti)及び亜鉛(Zn)を含む群から選択された少なくとも1つ以上の物質の酸化物半導体を含みうる。第3半導体層A3は、第3ゲート電極GE3に重畳する第3チャネル領域、第3チャネル領域の両側に位置する第3ソース領域及び第3ドレイン領域を含む。
【0152】
第3ゲート電極GE3は、第2ゲート絶縁層171をはさんで第3半導体層A3上に位置する。第3ゲート電極GE3は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)及び/またはチタン(Ti)といった低抵抗の導電物質を含み、前述した物質からなる単層または多層の構造でありうる。第2ゲート絶縁層171は、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物のような無機絶縁物を含み、前述した物質を含む単層または多層の構造からなりうる。
【0153】
第3ソース電極SE3と第3ドレイン電極DE3のそれぞれは、第5層間絶縁層172上に配置されうる。第5層間絶縁層172は、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物といった無機絶縁物を含み、前述した物質を含む単層または多層の構造からなりうる。
【0154】
第3ソース電極SE3と第3ドレイン電極DE3は、それぞれ第2ゲート絶縁層171及び第5層間絶縁層172を貫通するコンタクトホールを介して第3半導体層A3の第3ソース領域及び第3ドレイン領域に接続する。第3ソース電極SE3と第3ドレイン電極DE3のそれぞれは、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、及び/または銅(Cu)を含み、前述した物質を含む単層または多層の構造でありうる。例えば、第3ソース電極SE3と第3ドレイン電極DE3は、チタン層/アルミニウム層/チタン層の3層構造でありうる。
【0155】
第1画素回路PC1及び第2画素回路PC2の薄膜トランジスタ上には、第1有機絶縁層180が配置されうる。第1有機絶縁層180は、シロキサン系の有機物を含むか、あるいはイミド系有機物を含みうる。第1有機絶縁層180は、HMDSO(hexamethyldisiloxane)アクリル、BCB(Benzocyclobutene)、ポリイミド(polyimide)といった有機絶縁物を含みうる。
【0156】
基板100と第1有機絶縁層180との間に配置される無機絶縁層の積層体(IL、以下積層体と称する)、例えば、第1層間絶縁層120、第3バリア層131、バッファ層132、第1ゲート絶縁層140、第2層間絶縁層151、第3層間絶縁層152、第4層間絶縁層160、第2ゲート絶縁層171、及び第5層間絶縁層172は、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2に存在するように一体に形成されうる。透過領域TAでの透過率の向上のために、積層体ILは、透過領域TAに位置する開口(IL-OP、以下、第3開口と称する)を含みうる。積層体IL上に配置された第1有機絶縁層180の一部は、第3開口IL-OP内に存在しうる。すなわち、第1有機絶縁層180の一部は、第3開口IL-OPを少なくとも部分的に満たしうる。
【0157】
積層体ILの第3開口IL-OPは、保護層110の第2開口110OPと重畳しうる。積層体ILの第3開口IL-OPは、保護層110の第2開口110OPと同じ工程にて一緒に形成されうる。
【0158】
第1有機絶縁層180の一部は、保護層110の第2開口110OP内に存在しうる。例えば、第1有機絶縁層180の一部は、積層体ILの第3開口IL-OPを経て保護層110の第2開口110OP内に存在しうる。積層体ILの第3開口IL-OPと保護層110の第2開口110OPを介して第1有機絶縁層180の一部は、基板100と接触しうる。第1有機絶縁層180の一部は、基板100の最上層である第2バリア層104と直接接触しうる。例えば、図10に図示されたように第1有機絶縁層180の一部は、第2バリア層104の上面と直接接触しうる。
【0159】
基板100の上面に垂直方向視において(平面視において)、保護層110の第2開口110OPは、下部金属層BMLの第1開口BML-OPと重畳するが、保護層110の第2開口110OPの大きさ(または、直径、幅)は、下部金属層BMLの第1開口BML-OPの大きさ(または、直径、幅)より小さく、透過領域TAは、保護層110の第2開口110OPによって画定(定義)されうる。
【0160】
一部実施形態として、積層体ILの第3開口IL-OP及び保護層110の第2開口110OPを形成する工程において、基板100の第2バリア層104の一部が共に除去されうる。例えば、第2バリア層104の一部(例えば、積層体ILの第3開口IL-OP及び/または保護層110の第2開口110OPと重畳する部分)の厚さは、他の部分の厚さよりも小さいのでありうる。そのような場合にも、第1有機絶縁層180の一部は、基板100の最上層である第2バリア層104と直接に接触しうる。
【0161】
データ線DL及び駆動電圧線PLは、第1有機絶縁層180上に配置され、第2有機絶縁層190でカバーされうる。第2有機絶縁層190は、シロキサン系の有機物を含みうる。第2有機絶縁層190は、HMDSO(hexamethyldisiloxane)アクリル、BCB(Benzocyclobutene)、ポリイミド(polyimide)のような有機絶縁物を含みうる。
【0162】
図10は、第2有機絶縁層190が第1有機絶縁層180上に配置されているところを図示しているが、他の実施形態として、第2有機絶縁層190は省略されうる。その場合、データ線DL及び駆動電圧線PLは、第1有機絶縁層180の下方に配置されうる。
【0163】
第1有機発光ダイオードOLED1と第2有機発光ダイオードOLED2の第1電極210は、有機絶縁層、例えば、第2有機絶縁層190上に配置されうる。第1電極210は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)またはそれらの化合物を含む反射膜を含みうる。第1電極210は、前述した物質を含む反射膜、及び反射膜の上または/及び下に配置された透明導電膜を含みうる。透明導電膜は、酸化インジウムスズ(ITO; indium tin oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO; indium zinc oxide)、酸化亜鉛(ZnO; zinc oxide)、酸化インジウム(In2O3indium oxide)、酸化インジウムガリウム(IGO; indium gallium oxide)、またはアルミニウム酸化亜鉛(AZO; aluminum zinc oxide)などを含みうる。例えば、第1電極210は、ITO層/Ag層/ITO層の3層構造を有しうる。
【0164】
バンク層195は、第1電極210の縁部をカバーし、第1電極210に重畳する開口195OP1を含む、バンク層195は、透光性有機絶縁物を含みうる。例えば、バンク層195は、HMDSO(hexamethyldisiloxane)、アクリル、BCB(Benzocyclobutene)、ポリイミド(polyimide)などを含みうる。
【0165】
他の実施形態として、バンク層195は、遮光性物質を含みうる。バンク層195は、ブラック染料または顔料を含みうる。例えば、バンク層195は、カルド系バインダー樹脂(cardo-based binder resin)と顔料を含みうる。この際、顔料としてラクタム系ブラック顔料(lactam black pigment)とブルー顔料との混合物を用いる。または、バンク層195は、カーボンブラックを含みうる。
【0166】
透過領域TAの透過率確保のために、バンク層195は、透過領域TAに位置する開口195OP2を含みうる。
【0167】
発光層221は、第1電極210と重畳して配置されうる。発光層221は、少なくとも一部が、第1電極210上に位置するバンク層195の開口195OP1に存在するように配置され、所定色相の光を放出する高分子有機物または低分子有機物を含みうる。発光層221の下及び/または上には、機能層が配置されうる。機能層は、ホール輸送層、ホール注入層、電子輸送層、電子注入層などから選択された少なくともいずれか1つを含みうる。
【0168】
第2電極230は、仕事関数の低い導電性物質を含みうる。第2電極230は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)またはそれらの合金などを含む(半)透明層を含みうる。または、第2電極230は、前述した物質を含む(半)透明層上に、ITO、IZO、ZnOまたはInのような層をさらに含みうる。第2電極230は、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2に位置するように一体に形成されるとともに、透過領域TAに位置する開口230OPを含みうる。
【0169】
封止層303は、少なくとも1層の無機封止層及び少なくとも1層の有機封止層を含みうる。一実施形態において、封止層303は、第1無機封止層310及び第2無機封止層330と、それらの間の有機封止層320とを含みうる。
【0170】
第1無機封止層310及び第2無機封止層330のそれぞれは、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物のような1つ以上の無機絶縁物を含みうる。有機封止層320は、ポリマー(polymer)系の素材を含みうる。ポリマー系の素材としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド及びポリエチレンなどを含みうる。第1無機封止層310、有機封止層320及び第2無機封止層330は、表示領域を全体としてカバーすることができる。
【0171】
図10は、シリコン系半導体層を含む薄膜トランジスタとして第1薄膜トランジスタT1を示し、酸化物系半導体層を含む薄膜トランジスタとして第3薄膜トランジスタT3を示しているが、本発明は、それに限定されない。例えば、前述した図5を参照して説明したように、第1画素回路PC1と第2画素回路PC2のそれぞれが7個の薄膜トランジスタを含む場合、酸化物系半導体層を含む薄膜トランジスタは、第3薄膜トランジスタT3及び第4薄膜トランジスタT4でありうるのであり、残りの薄膜トランジスタは、シリコン系半導体層を含みうる。
【0172】
図10は、第1画素回路PC1と第2画素回路PC2それぞれがシリコン系半導体層を含む薄膜トランジスタ及び酸化物系半導体層を含む薄膜トランジスタを含むものとして図示しているが、本発明は、それに限定されない。他の実施形態において、第1画素回路PC1と第2画素回路PC2のそれぞれに含まれた全ての薄膜トランジスタは、シリコン系半導体層を含みうる。
【0173】
図10は、第1画素回路PC1と第2画素回路PC2が同数の薄膜トランジスタ及び同数のストレージキャパシタを含むように図示しているが、本発明は、それに限定されない。例えば、第2画素回路PC2のストレージキャパシタの数は、第1画素回路PC1のストレージキャパシタの数よりも大きいのでありうる。したがって、第2画素回路PC2のストレージキャパシタについての電極同士の間の重畳面積は、第1画素回路PC1のストレージキャパシタについての電極同士の間の重畳面積よりも大きいのでありうる。第2画素回路PC2のストレージキャパシタのキャパシタンスは、第1画素回路PC1のストレージキャパシタのキャパシタンスよりも大きいのでありうる。
【0174】
図10は、下部金属層BMLと追加金属層ABMLとが、第1層間絶縁層120を挟んで互いに異なる層上に配置されるとともに、下部金属層BMLが第1層間絶縁層120の上に、追加金属層ABMLが第1層間絶縁層120の下に配置されているように図示しているが、本発明は、それに限定されない。例えば、本発明の他の実施形態による表示パネルの断面図であって、図9のA-A’線及びB-B’線に沿って見た断面図に該当する図11を参照すれば、下部金属層BMLが第1層間絶縁層120の下に、追加金属層ABMLが第1層間絶縁層120の上に配置されうる。
【0175】
前述した図10を参照して説明した下部金属層BMLの下方の第2下部層UL2(図10)は、保護層110(図10)と同じ物質を含むことができるところ、工程数の低減、簡素化のために、図11に図示されたように、保護層110が、図10の第2下部層UL2の機能を有しうる。
【0176】
図11を参照すれば、第2表示領域DA2に配置された下部金属層BMLは、第1下部層UL1を挟んで保護層110上に配置されうる。例えば、第1下部層UL1の上面は、下部金属層BMLと接触し、下面は保護層110と接触しうる。
【0177】
保護層110は、非晶質シリコン(a-Si)層を含むか、Siリッチ(Si-rich)SiON層を含むか、シリコン酸窒化物層とシリコン窒化物層との交互的積層構造(例えば、シリコン酸窒化物層とシリコン窒化物層とが交互に約10回以上積層された構造)を含みうる。第2表示領域DA2に位置するコンポーネント20(図4参照)に進入する光及び/またはコンポーネント20(図4参照)から放出された光が、下部金属層BMLで反射してコンポーネントに再進入すれば、これは、ノイズを引き起こさせうる。保護層110の物質は、(波長によって差があるが)コンポーネント20(図4参照)から放出された光が下部金属層BMLに進入することを防止ないしは最小化し、たとえ、下部金属層BMLを透過した光が下部金属層BMLによって反射されるにしても、当該光がコンポーネント20(図4参照)に向かって透過することを防止ないしは最小化しうる。
【0178】
図11に図示された、下部金属層BML及び第1下部層UL1、並びに、追加金属層ABMLの位置に係わる特徴とは別の他の特徴は、前述した図10を参照して説明したところと同様なので、同じ特徴は、前述した図10を参照して説明した内容で代えることとする。
【0179】
以上、本発明は、図面に図示された一実施形態に基づいて説明したが、これは、一例示に過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、それから多様な変形及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】