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特表2024-526076車両操作装置を動作させるための方法及び車両操作装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】車両操作装置を動作させるための方法及び車両操作装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/10 20120101AFI20240709BHJP
   G05G 9/047 20060101ALI20240709BHJP
   G05G 1/02 20060101ALI20240709BHJP
   G05G 1/08 20060101ALI20240709BHJP
   G05G 1/04 20060101ALI20240709BHJP
   F16H 59/02 20060101ALI20240709BHJP
   F16H 61/16 20060101ALI20240709BHJP
   F16H 63/50 20060101ALI20240709BHJP
   B60T 7/02 20060101ALI20240709BHJP
   B62D 1/02 20060101ALI20240709BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20240709BHJP
   B60W 50/12 20120101ALI20240709BHJP
【FI】
B60W50/10
G05G9/047
G05G1/02 B
G05G1/08 Z
G05G1/04 Z
F16H59/02
F16H61/16
F16H63/50
B60T7/02 A
B62D1/02
B62D5/04
B60W50/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575894
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 EP2022065171
(87)【国際公開番号】W WO2022258514
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021205924.4
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヴェアナー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ボース
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン カンギーサー
【テーマコード(参考)】
3D030
3D124
3D241
3D333
3J070
3J552
【Fターム(参考)】
3D030DB95
3D124AA12
3D124AA16
3D124BB06
3D124CC14
3D124DD12
3D124DD16
3D241BA62
3D241BA63
3D241BC01
3D241BC02
3D241CB02
3D241CC03
3D241CD22
3D241DA38
3D241DA51
3D241DD11
3D333CB29
3D333CB44
3D333CB50
3D333CE50
3D333CE57
3J070AA02
3J070AA04
3J070AA07
3J070AA08
3J070BA51
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3J070CC71
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3J552NB05
3J552PA54
3J552SB12
3J552TB13
3J552UA05
3J552UA07
3J552VA61W
(57)【要約】
本発明は、車両操作装置(10a;10b)、特に、車両(12a)の長手方向及び/又は横方向の移動に影響を与えるための車両操作装置(10a;10b)を動作させるための方法であって、車両操作装置(10a;10b)は、複数の車両機能を制御するための少なくとも1つの手動で操作可能な操作ユニット(14a;14b)を含む方法を起点とする。ここでは、操作ユニット(14a;14b)を用いて、車両機能の1つが能動的に制御される少なくとも1つの操作状態において、能動的に制御されない車両機能の少なくとも1つの制御変数を、能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正することが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両操作装置(10a;10b)、特に、車両(12a)の長手方向及び/又は横方向の移動に影響を与えるための車両操作装置(10a;10b)を動作させるための方法であって、前記車両操作装置(10a;10b)は、複数の車両機能を制御するための少なくとも1つの手動で操作可能な操作ユニット(14a;14b)を含む、方法において、
前記操作ユニット(14a;14b)を用いて、車両機能のうちの1つが能動的に制御される少なくとも1つの操作状態において、能動的に制御されない車両機能の少なくとも1つの制御変数を、前記能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正することを特徴とする方法。
【請求項2】
能動的に制御される車両機能を特定するために、前記能動的に制御される車両機能の少なくとも1つの操作度合いが特定されて評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御変数の修正は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御変数の修正のために、少なくとも1つの不感帯が使用され、前記不感帯が前記制御変数に加えられ、特に前記不感帯の幅は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記制御変数の修正のために、少なくとも1つのオフセットが使用され、前記オフセットが前記制御変数に加えられ、特に前記オフセットのレベル及び/又は方向は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記制御変数の修正のために、少なくとも1つの修正係数が使用され、前記修正係数が前記制御変数に加えられ、特に前記修正係数の値は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記制御変数の修正のために、少なくとも1つの補償トルク及び/又は1つの補償力が使用され、前記補償トルク及び/又は補償力がアクチュエータ(16a)を用いて前記制御変数に加えられ、特に前記補償トルク及び/又は補償力のレベル及び/又は方向は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記制御変数の修正のために、前記操作ユニット(14a;14b)の少なくとも1つのモデルが使用され、前記モデルは、前記操作ユニット(14a;14b)の物理的特性を少なくとも部分的に再現及び/又はシミュレートする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記車両機能は、少なくとも1つの、操舵機能、制動機能、加速機能、及び/又は、変速機能を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記操作ユニット(14a)は、少なくとも1つの第1の車両機能の制御のために可動に支承され、少なくとも1つの第2の車両機能の制御のために少なくとも1つのキー形状の操作要素(18a,20a)を有しており、前記車両機能の第1の車両機能は、前記操作ユニット(14a)の運動を用いて制御可能であり、前記第2の車両機能は、前記操作要素(18a,20a)の操作を用いて制御可能であり、前記操作ユニット(14a)及び前記操作要素(18a,20a)は、前記制御変数の修正を用いることにより、前記第1の車両機能の能動的な制御の場合は、前記操作ユニット(14a)の意図された運動によって、前記第2の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離され、及び/又は、前記第2の車両機能の能動的な制御の場合は、前記操作要素(18a,20a)の意図された操作によって、前記第1の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記操作ユニット(14a)は、前記車両機能の制御のために複数のキー形状の操作要素(18a,20a)を含み、前記少なくとも1つの第1の車両機能は、前記第1の操作要素(18a)の操作を用いて制御可能であり、前記少なくとも1つの第2の車両機能は、前記第2の操作要素(20a)の操作を用いて制御可能であり、前記操作要素(18a,20a)は、前記制御変数の修正を用いることにより、前記第1の車両機能の能動的な制御の場合は、前記第1の操作要素(18a)の意図された操作によって、前記第2の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離され、及び/又は、前記第2の車両機能の能動的な制御の場合は、前記第2の操作要素(20a)の意図された操作によって、前記第1の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記操作ユニット(14b)は、前記車両機能の制御のために可動に支承された操作要素(22b)を含み、少なくとも1つの第1の車両機能は、前記操作要素(22b)の第1の運動方向(24b)への運動を用いて制御可能であり、少なくとも1つの第2の車両機能は、前記操作要素(22b)の第2の運動方向(26b)への運動を用いて制御可能であり、前記運動方向(24b,26b)は、制御変数の修正を用いることにより、前記第1の車両機能の能動的な制御の場合は、前記操作要素(22b)の前記第1の運動方向(24b)への意図された運動によって、前記第2の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離され、及び/又は、前記第2の車両機能の能動的な制御の場合は、前記操作要素(22b)の前記第2の運動方向(26b)への意図された運動によって、前記第1の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記操作ユニット(14a;14b)を用いて前記複数の車両機能が、特に同時に能動的に制御される少なくとも1つのさらなる操作状態において、前記能動的に制御される車両機能の相関的な影響が順次修正される、請求項1の上位概念による方法、特に請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法を実施するための計算ユニット(30a)を備えている制御装置(28a)。
【請求項15】
車両操作装置(10a;10b)、特に車両(12a)の長手方向及び/又は横方向の移動に影響を与えるための車両操作装置(10a;10b)であって、
複数の車両機能を制御するための少なくとも1つの手動で操作可能な操作ユニット(14a;14b)を備えている車両操作装置(10a;10b)において、
前記車両操作装置(10a;10b)は、適合化ユニット(32a)を備えており、
前記適合化ユニット(32a)は、前記操作ユニット(14a;14b)を用いて前記車両機能のうちの1つが能動的に制御される少なくとも1つの操作状態において、能動的に制御されない車両機能の少なくとも1つの制御変数を、前記能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正するために設けられていることを特徴とする、車両操作装置(10a;10b)。
【請求項16】
前記適合化ユニット(32a)は、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法を実施するための計算ユニット(30a)を含む、請求項15に記載の車両操作装置(10a;10b)。
【請求項17】
車両(12a)、特に自動車であって、少なくとも1つの、請求項15又は16に記載の車両操作装置(10a;10b)を備えている、車両(12a)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による車両操作装置を動作させるための方法及び請求項14の上位概念による車両操作装置を起点とする。
【0002】
また、本発明は、そのような方法を実施するための計算ユニットを備えた制御装置、及び、そのような車両操作装置を備えた車両に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術からは、自動車の長手方向及び/又は横方向の移動に影響を与えるための車両操作装置を備えた自動車が公知である。自動化の度合いが高まるにつれて、新規の室内空間及び車両コンセプトに向けての要望も高まっている。この関連において、単一の手動で操作可能な操作ユニットを用いて複数の主要な車両機能を制御することが考えられ、これにより、一方では車両センサ系の一部を省略することができ、他方では新規な操作手法を実現することができる。この関連において、操作ユニットは、例えばジョイスティックとして構成されるものとしてもよいし、車両の横方向及び長手方向誘導のための単一の統合された操作ユニットとして、及び/又は、複数のキー形状の操作要素を有する操作ユニットとして構成されるものとしてもよい。この関連において、例えば、独国特許出願公開第102011051488号明細書及び/又は独国特許出願公開第102017209745号明細書が参照され得る。
【0004】
しかしながら、複数の車両機能を単一の操作ユニットに統合することは、個々の車両機能間の不所望な相互作用につながる可能性がある。なぜなら、これらの車両機能は、100パーセントの分離が保証可能にはならないように構成されているからである。そのため、例えば、アクセル踏み込み量についての規定値が能動的に変更された場合、同時に操舵についての規定値の望まれなかった変更も起こり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011051488号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102017209745号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、特に、操作性に関して改善された特性を有する、車両操作装置を動作させるための方法及び車両操作装置を提供することにある。この課題は、請求項1、請求項13、請求項14及び請求項16に記載の特徴によって解決され、それに対して、本発明の好適な実施形態及び発展形態は、従属請求項から読み取ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の開示
本発明は、車両操作装置、特に、車両の長手方向及び/又は横方向の移動に影響を与えるための車両操作装置を動作させるための方法を起点としており、ここで、車両操作装置は、複数の車両機能を特に同時に及び/又は相関的に制御するための少なくとも1つの特に運転者によって手動で操作可能な操作ユニットを含む。
【0008】
操作ユニットを用いて、車両機能のうちの1つ、特に第1の車両機能が能動的に制御される少なくとも1つの操作状態において、能動的に制御されない車両機能、特に第1の車両機能とは異なる少なくとも1つの第2の車両機能の少なくとも1つの制御変数を、特に第1の車両機能の能動的な制御によって引き起こされ及び/又は誘因される、能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正することが提案される。特に、これらの車両機能は、ここでは、車両機能のうちの1つの能動的な制御の際に、特に車両機能の能動的な制御によって引き起こされ及び/又は誘因される、能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動も行われる若しくは行われ得るように、相互に結合され及び/又は接続されている。本発明の場合、第2の車両機能又は能動的に制御されない車両機能の制御変数は、ここでは特に、第2の車両機能の駆動制御及び/又は起動のために必要な制御規定値が増加するように修正される。また、第2の車両機能又は能動的に制御されない車両機能の制御変数は、特に、第2の車両機能の能動的な制御及び/又は第2の車両機能の故意の駆動制御及び/又は起動がさらに可能になるように修正される。さらに、操作ユニットを用いて、特に複数の車両機能を、特に同時に能動的に制御すること、及び/又は、複数の能動的に制御されない車両機能の複数の制御変数を、能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正することが可能である。この実施形態により、車両操作装置の操作性を向上させることができる。特に、この関連においては、動作信頼性を高めることができる。なぜなら、運転者によって能動的に制御されない車両機能の意図されない及び/又は望まれない駆動制御及び/又は起動が困難に及び/又は阻止され得るからである。また、特に高い柔軟性及び/又は可変性を達成することができ、この場合、好適には、新規の室内空間及び/又は車両コンセプトを実現することができる。
【0009】
「車両操作装置」とは、この関連において、車両、好適には自動車の少なくとも1つの部品、特にサブアセンブリを意味するものと理解されたい。特に、車両操作装置は、車両の制御システムの一部であり、車両の長手方向及び/又は横方向の移動に影響を与えるために及び/又は制御するために設けられている。また、車両操作装置は、例えば変速機能及び/又はクルーズコントロール機能などのさらなる車両機能に影響を与えるために及び/又は制御するために設けられるものとしてよい。この目的のために、車両操作装置は、操作ユニットを含み、この操作ユニットは、複数の好適には相互に結合及び/又は接続された車両機能、特に、少なくとも2つの車両機能、少なくとも3つの車両機能又は少なくとも4つの車両機能を制御するために設けられており、この目的のために、例えばジョイスティック及び/又は操作レバーの態様の少なくとも1つの操作要素を含み得るものであり、好適には例えば、ジョイスティック、操作レバー、スイッチ、及び/又は、キーの態様の複数の操作要素を含み得る。操作ユニットは、好適には、バイワイヤ方式の操作ユニットとして構成されており、操作の際に、特に車両の対応するアクチュエータ、例えば、駆動システム、制動システム、及び/又は、操舵システムの対応するアクチュエータを駆動制御するための対応する電気的な操作信号を提供するために設けられている。好適には、操作ユニットは、ここでは、片手操作のために設けられている。さらに、車両機能とは、好適には、主要な車両機能、特に、操舵機能、制動機能、加速機能、及び/又は、変速機能である。各車両機能は、ここでは、操作ユニットの少なくとも1つの操作要素及び/又は操作ユニットの運動方向に割り当てられるものとしてよい。「操作ユニットを用いて車両機能を能動的に制御する」とは、特に、対応する車両機能が、特に運転者による、操作ユニット及び/又は操作ユニットの少なくとも1つの操作要素の故意の及び/又は意図された操作及び/又は運動によって、所期のように及び/又は意識的に制御されて駆動制御及び/又は起動されることを意味するものと理解されたい。特に、車両機能を駆動制御及び/又は起動させるための特に運転者によって加えられる制御規定値のレベルは、この場合、既定限界値を上回る。「能動的に制御されない車両機能」とは、特に、所定の操作状態及び/又は所定の時点において運転者により所期のように及び/又は意識的に制御、駆動制御及び/又は起動されない若しくはされるべきでない車両機能を意味するものと理解されたい。特に、車両機能を駆動制御及び/又は起動させるために特に運転者によって加えられる制御規定値のレベルは、この場合、規定限界値を下回る。能動的に制御されない車両機能は、ここでは、対応する車両機能の能動的な制御の際に、特に操作ユニット及び/又は操作ユニットの少なくとも1つの操作要素の操作及び/又は運動によって、能動的に制御されない車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が行われる若しくは行われ得るように、能動的に制御される車両機能に結合及び/又は接続されるものとしてもよい。さらに「制御変数」とは、特に、対応する車両機能の制御と相関し、車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動を少なくとも一時的に困難に及び/又は阻止するために、車両機能の駆動制御及び/又は起動に必要な制御規定値が増加され得るように適合化可能に構成された変数を意味するものと理解されたい。「設けられる」とは、特に、専用にプログラミングされ、設計され、及び/又は、装備されることを意味するものと理解されたい。「対象物が特定の機能のために設けられている」とは、特に、この対象物がこの特定の機能を少なくとも1つの用途及び/又は動作状態において満たすこと及び/又は実行することを意味するものと理解されたい。
【0010】
さらに、操作状態における能動的に制御される車両機能を特定するために、能動的に制御される車両機能の少なくとも1つの操舵度合いが特定されて評価されることが提案される。「操作度合い」とは、この関連において、特に、操作ユニット及び/又は操作ユニットの少なくとも1つの操作要素の変位及び/又は操作力と相関する、好適には離散した変数を意味するものと理解されたい。これは、対応する車両機能の操作についての尺度として用いられる。特に、操作度合いは、ここでは、2つの状態(オン/オフ状態)よりも多くの状態を含み、好適には複数の異なる状態を含む。しかしながら、代替的又は付加的に、能動的に制御される車両機能を特定するために、操作トルク、操作力、操作時間、例えば高速道路走行及び/又は駐車過程の態様の車両の走行状態、及び/又は、例えば車両の周囲センサシステムの信号から特定される車両の環境条件を求めて評価することもできる。これにより、特に、能動的に制御される車両機能を特に容易に特定することが達成可能になる。
【0011】
その上さらに、制御変数の修正、特に能動的に制御されない車両機能の修正は、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、例えば高速道路走行及び/又は駐車過程の態様の車両の走行状態に依存して、及び/又は、例えば車両の周囲センサシステムの信号から特定される車両の少なくとも1つの環境条件に依存して行われることが提案される。また、制御変数の修正は、この場合、好適には能動的に制御される車両機能の操作度合いから導出される、能動的に制御される車両機能の操作変数、例えば、操作トルク、操作力、及び/又は、操作時間に依存して行うことも可能である。これにより、能動的に制御されない車両機能の制御変数は、好適には、能動的に制御される車両機能に依存して容易に修正することができる。
【0012】
特に好適な実施形態によれば、制御変数の修正のために、少なくとも1つの、特に対称的又は非対称的な不感帯が使用され、当該不感帯が制御変数に加えられることが提案される。好適には、不感帯の幅は、ここでは、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、例えば高速道路走行及び/又は駐車過程の態様の車両の走行状態に依存して、及び/又は、例えば車両の周囲センサシステムの信号から特定される車両の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する。したがって、この場合、不感帯は、能動的に制御される車両機能の操作度合い、車両の走行状態、及び/又は、車両の環境条件に依存して選択及び/又は修正され、能動的に制御されない車両機能、特に対応する制御変数に加えられる。これにより、能動的に制御されない車両機能のためのトリガ閾値が好適には容易に適合化可能になる。
【0013】
代替的又は付加的に、制御変数の修正のために少なくとも1つのオフセットが使用され、当該オフセットが制御変数に加えられる。好適には、オフセットのレベル及び/又は方向若しくは極性は、ここでは、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、例えば高速道路走行及び/又は駐車過程の態様の車両の走行状態に依存して、及び/又は、例えば車両の周囲センサシステムの信号から特定される車両の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する。したがって、この場合、オフセットは、能動的に制御される車両機能の操作度合い、車両の走行状態、及び/又は、車両の環境条件に依存して選択及び/又は修正され、能動的に制御されない車両機能、特に対応する制御変数に加えられる。この実施形態により、制御変数及び/又は能動的に制御されない車両機能のためのトリガ閾値の代替的な適合化が達成可能になる。
【0014】
さらに、代替的又は付加的に、制御変数の修正のために、少なくとも1つの修正係数が使用され、当該修正係数が制御変数に加えられることが提案される。好適には、修正係数の値は、ここでは、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、例えば高速道路走行及び/又は駐車過程の態様の車両の走行状態に依存して、及び/又は、例えば車両の周囲センサシステムの信号から特定される車両の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する。したがって、この場合、修正係数は、能動的に制御される車両機能の操作度合い、車両の走行状態、及び/又は、車両の環境条件に依存して選択及び/又は修正され、能動的に制御されない車両機能、特に対応する制御変数に加えられる。これにより、特に、制御変数の特に柔軟で及び/又は均一の適合化が達成可能になる。
【0015】
さらに、代替的又は付加的に、制御変数の修正のために、少なくとも1つの補償トルク及び/又は1つの補償力が使用され、当該補償トルク及び/又は補償力が好適には電気モータの態様のアクチュエータを用いて制御変数に加えられることが提案される。特に、車両操作装置は、ここでは、アクチュエータを含み得る。このアクチュエータは、例えば、少なくとも操作ユニットへの復元トルクの提供のために設けられたフィードバックアクチュエータであるものとしてもよいし、別個の補償アクチュエータであるものとしてもよい。好適には、補償トルク及び/又は補償力のレベル及び/又は方向若しくは極性は、ここでは、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、例えば高速道路走行及び/又は駐車過程の態様の車両の走行状態に依存して、及び/又は、例えば車両の周囲センサシステムの信号から特定される車両の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する。したがって、この場合、補償トルク及び/又は補償力は、能動的に制御される車両機能の操作度合い、車両の走行状態、及び/又は、車両の環境条件に依存して選択及び/又は修正され、能動的に制御されない車両機能、特に対応する制御変数に加えられる。これにより、特に、制御変数の特に正確な適合化が、アクチュエータの柔軟な駆動制御により達成可能になる。
【0016】
好適には、さらに、制御変数の修正のために、少なくとも1つの、好適には以前に適用されたモデルに基づくソフトウェアアルゴリズムの態様の操作ユニットのモデルが使用されることも提案され、当該モデルは、操作ユニットの物理的特性を少なくとも部分的に再現及び/又はシミュレートする。このモデルは、特に、テスト測定を用いて及び/又は専用のアルゴリズムを用いて求められ、特に、車両の動作メモリに格納することができる。また、このモデルは、特に、実際の操作ユニットを可及的に正確にシミュレートする操作ユニットの物理的モデルに対応し得るものである。しかしながら、好適には、このモデルは、操作ユニットの簡素化された、特に好適に線形化されたモデルに対応する。これにより、特に、計算コストが低減可能になると同時に、特に高いエネルギー効率が達成可能になる。
【0017】
動作信頼性は、車両機能が主要な車両機能、特に、操舵機能、制動機能、加速機能、及び/又は、変速機能を含む場合、特に好適に向上可能になる。しかしながら、基本的には、車両機能の少なくとも1つは、マルチメディア機能、換気機能、及び/又は、照明機能に対応することも可能である。
【0018】
一実施形態によれば、操作ユニットは、車両機能の少なくとも1つの第1の車両機能の制御のために可動に支承され、車両機能の少なくとも1つの第2の車両機能の制御のために少なくとも1つのキー形状の特に手動で操作可能な操作要素、例えばキー及び/又はスイッチを有しており、ここで、車両機能の第1の車両機能は、操作ユニットの特に手動で実施される運動、特に、回転運動、旋回運動、及び/又は、傾動運動を用いて制御可能であり、第2の車両機能は、操作要素の特に手動で実施される、特にプッシュ操作の態様の操作を用いて制御可能であり、ここで、操作ユニット及び操作要素は、制御変数の修正を用いることにより、第1の車両機能の能動的な制御の場合は、操作ユニットの意図された運動によって、第2の車両機能の、特に操作要素の意図されない操作による望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離され、及び/又は、第2の車両機能の能動的な制御の場合は、操作要素の意図された操作によって、第1の車両機能の、特に操作ユニットの意図されない運動による望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離されることが提案される。好適には、操作ユニットは、ここでは、第1の車両機能の制御のために、水平方向に配向された軸線を中心として特に車両及び/又は運転者に関して可動に支承されている。特に好適には、操作ユニットは、この場合、第1の車両機能の制御のために可動に支承された本体を含み、当該本体上には第2の車両機能の制御のための操作要素が配置されている。好適には、本体上に第2の車両機能の制御のための複数の操作要素が配置されるものとしてもよく、ここで、これらの操作要素は、好適には、運転者がこれらの操作要素を同じ手の異なる指により操作することができるように配置されている。これにより、特に、1つ又は複数の付加的な操作要素を有する可動に支承された操作ユニットの場合、操作性が向上し、動作信頼性を有利に高めることができる。
【0019】
さらなる実施形態によれば、操作ユニットは、車両機能の制御のために複数のキー形状の、特に手動で操作可能な操作要素、例えば複数のキー及び/又は複数のスイッチを含み、ここで、車両機能の少なくとも1つの第1の車両機能は、第1の操作要素の特に手動で実施される、特にプッシュ操作の態様の操作を用いて制御可能であり、車両機能の少なくとも1つの第2の車両機能は、第2の操作要素の特に手動で実施される、特にプッシュ操作の態様の操作を用いて制御可能であり、ここで、操作要素は、制御変数の修正を用いることにより、第1の車両機能の能動的な制御の場合は、第1の操作ユニットの意図された操作によって、第2の車両機能の、特に第2の操作要素の意図されない操作による望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離され、及び/又は、第2の車両機能の能動的な制御の場合は、第2の操作要素の意図された操作によって、第1の車両機能の、特に第1の操作ユニットの意図されない操作による望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離されることが提案される。好適には、これらの操作要素は、ここでは、運転者がこれらの操作要素を同じ手の異なる指により操作することができるように配置されている。これにより、特に、複数の例えば異なる指によって操作可能な操作要素を有する操作ユニットの場合、操作性が向上し、動作信頼性を有利に高めることができる。
【0020】
さらなる実施形態によれば、操作ユニットが、車両機能の制御のために可動に支承された特に手動で操作可能な操作要素、特にシフト制御装置又は好適にはジョイスティック及び/又は操作レバーを含み、ここで、車両機能の少なくとも1つの第1の車両機能は、操作要素の特に手動で実施される第1の運動方向への運動、特に、回転運動、旋回運動、及び/又は、傾動運動を用いて制御可能であり、車両機能の少なくとも1つの第2の車両機能は、操作要素の特に手動で実施される、特に第1の運動方向とは異なり好適には第1の運動方向に対して垂直方向に配向された第2の運動方向への運動、特に、回転運動、旋回運動、及び/又は、傾動運動を用いて制御可能であり、ここで、運動方向、特に第1の運動方向及び第2の運動方向は、制御変数の修正を用いることにより、第1の車両機能の能動的な制御の場合は、操作要素の第1の運動方向への意図された運動によって、第2の車両機能の、特に操作要素の第2の運動方向への意図されない運動による望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離され、及び/又は、第2の車両機能の能動的な制御の場合は、操作要素の第2の運動方向への意図された運動によって、第1の車両機能の、特に操作要素の第1の運動方向への意図されない運動による望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離されることが提案される。好適には、操作要素は、ここでは、車両機能の制御のために、水平方向及び/又は垂直方向に配向された軸線を中心として特に車両及び/又は運転者に関して可動に支承されている。これにより、特に、複数の運動方向に可動な単一の操作要素を有する操作ユニットの場合、操作性が向上し、動作信頼性を有利に高めることができる。
【0021】
本発明のさらなる態様、特にそれ自体単独で実現することができる、又は、好適には前述した本発明の態様に対して付加的に実現することができる、前述した態様の好適には少なくともいくつかの部分、好適には少なくとも1つの主要部分及び好適にはすべての部分と組み合わせることができる態様によれば、車両操作装置、特に既に前述した車両操作装置を動作させるための方法が提案され、ここで、この車両操作装置は、複数の車両機能を制御するための少なくとも1つの手動で操作可能な操作ユニットを含み、ここで、操作ユニットを用いて複数の車両機能、例えば操舵機能及び加速機能が、特に同時に能動的に制御される少なくとも1つのさらなる操作状態において、能動的に制御される車両機能の相関的な影響が、特にそれぞれの制御変数の相関的な適合化によって順次修正される。制御変数の適合化は、この場合、前述した方法に類似して行うことができる。好適には、相関的な影響の修正は、ここでは、それぞれ能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して行われる。特に、ここでは、第1の能動的に制御される車両機能の第1の制御変数は、第2の能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、車両の走行状態に依存して、及び/又は、車両の少なくとも1つの環境条件に依存して修正され、第2の能動的に制御される車両機能の第2の制御変数は、第1の能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、車両の走行状態に依存して、及び/又は、車両の少なくとも1つの環境条件に依存して修正される。特に好適には、さらに、第1の制御変数及び/又は第2の制御変数の修正のために、好適には可変幅を有する少なくとも1つの不感帯、好適には可変レベル及び/又は方向を有するオフセット、好適には可変値を有する修正係数、及び/又は、好適には可変レベル及び/又は方向を有する補償トルク及び/又は補償力を使用することができ、それらが対応する制御変数に加えられる。その上さらに、第1の制御変数及び/又は第2の制御変数の修正のために、好適には、操作ユニットの少なくとも1つのモデル、特に既に上述したモデルを使用することができる。これにより、好適には、能動的に制御される車両機能の相関的な影響を低減及び/又は阻止することができる。
【0022】
さらに、車両操作装置を動作させるための方法を実施するために設けられている計算ユニットを備えた制御装置が提案される。「計算ユニット」とは、特に、情報入力部、情報処理部及び情報出力部を有する電気的及び/又は電子的ユニットを意味するものと理解されたい。好適には、計算ユニットは、さらに少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの動作メモリ、少なくとも1つの入力及び/又は出力手段、少なくとも1つの動作プログラム、少なくとも1つの制御ルーチン、少なくとも1つの計算ルーチン、少なくとも1つの評価ルーチン及び/又は少なくとも1つの適合化ルーチンを有する。したがって、計算ユニットは、特に、操作状態において、能動的に制御されない車両機能の制御変数を、当該能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正するために設けられている。その上さらに、計算ユニットは、能動的に制御される車両機能を特定するために設けられるものとしてよい。これにより、特に、既に前述した利点を達成することができ、ここでは、車両操作装置の少なくとも1つの操作性を改善することができる。
【0023】
その上さらに、車両操作装置、特に車両の長手方向及び/又は横方向の移動に影響を与えるための車両操作装置であって、特に複数の車両機能を同時に及び/又は相関的に制御するための少なくとも1つの、特に運転者によって手動で操作可能な操作ユニットを備えている、車両操作装置が提案され、当該車両操作装置は、適合化ユニットを備えており、当該適合化ユニットは、操作ユニットを用いて車両機能のうちの1つが能動的に制御される少なくとも1つの操作状態において、能動的に制御されない車両機能の少なくとも1つの制御変数を、当該能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正するために設けられている。この適合化ユニットは、この目的のために機械的に構成され、少なくとも1つのギア要素及び/又は例えば圧縮ばねの態様の少なくとも1つの弾性ばね要素を含むものとし得る。しかしながら、好適には、適合化ユニットは、少なくとも部分的に電気的及び/又は電子的に構成され、車両操作装置を動作させるための方法を実施するために設けられている少なくとも1つの計算ユニットを含む。したがって、計算ユニットは、特に、操作状態において、能動的に制御されない車両機能の制御変数を、当該能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正するために設けられている。その上さらに、計算ユニットは、能動的に制御される車両機能を特定するために設けられるものとしてよい。好適には、適合化ユニットは、ここでは、車両又は車両操作装置の制御装置内に統合され、又は、車両又は車両操作装置の制御装置として構成される。これにより、特に、既に前述した利点を達成することができ、ここでは、車両操作装置の少なくとも1つの操作性を改善することができる。
【0024】
車両操作装置を動作させるための本方法及び本車両操作装置は、ここでは、上述の用途及び実施形態に限定されるべきものではない。特に、車両操作装置を動作させるための本方法及び本車両操作装置は、本明細書に記載された機能構成を充足するために、本明細書に挙げられた個々の要素、部品及びユニットの数とは異なる数を有するものとすることが可能である。
【0025】
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかになる。これらの図面には、本発明の2つの実施例が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】例示的な車両操作装置を備えた車両の概略図である。
図2】車両操作装置の詳細図である。
図3】車両操作装置を動作させるための方法の主要な方法ステップを伴った例示的なフローチャートである。
図4】さらなる車両操作装置のさらなる実施例の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施例の説明
図1は、例示的に乗用車として構成された車両12aを概略図で示している。
【0028】
車両12aは、それ自体公知の駆動システム34aを備えている。この駆動システム34aは、例えば駆動モータとして構成された車両駆動部(図示せず)と、駆動モータと相互作用し、例示的に自動変速機として構成された複数の変速段を有する車両変速機(図示せず)とを含む。駆動システム34aは、車両12aを長手方向に移動させるための駆動機能を提供するために設けられている。しかしながら、基本的には、駆動システムは、車両変速機がないこともあり得る。
【0029】
さらに、車両12aは、それ自体公知の制動システム36aを備えている。この制動システム36aは、特にサービスブレーキとして構成されたブレーキユニット(図示せず)を含む。制動システム36aは、車両12aを長手方向で制動するための制動機能を提供するために設けられている。
【0030】
さらに、車両12aは、それ自体公知の操舵システム38aを備えている。この操舵システム38aは、車両12aを横方向に操舵又は移動させるための操舵機能を提供するために設けられている。さらに、操舵システム38aは、本発明の場合においては、ステアバイワイヤ式操舵システムとして構成されており、そのため、少なくとも1つの動作状態において、操舵規定値が専ら電気的に車両の車輪に転送される。しかしながら、基本的には、操舵システムは、機械的な支配率、及び、パワーステアリングの態様の電気的な操舵支援を伴う従来の操舵システムとして構成することも可能である。
【0031】
その上さらに、車両12aは、車両操作装置10aを含む。この車両操作装置10aは、駆動システム34aとの電気的な接続部を有し、駆動システム34aの駆動制御のために設けられている。また、車両操作装置10aは、制動システム36aとの電気的な接続部を有し、制動システム36aの駆動制御のために設けられている。さらに、車両操作装置10aは、操舵システム38aとの電気的な接続部を有し、操舵システム38aの駆動制御のために設けられている。車両操作装置10aは、本発明によれば、バイワイヤ式操作装置として構成されており、車両12aの長手方向及び横方向の移動並びに変速機能の制御のために設けられている。しかしながら、代替的に、車両操作装置は、車両の長手方向の移動又は横方向の移動を専ら制御するために設けることも可能である。また、変速機能の制御を省略したり、又は、さらなる車両機能、例えばクルーズコントロール機能を、車両操作装置を用いて制御したりすることも考えられる。
【0032】
さらに、車両12aは、制御装置28aを備えている。この制御装置28aは、中央車両制御装置として構成されている。制御装置28aは、車両操作装置10aとの電気的な接続部を有する。制御装置28aは、さらに、駆動システム34a及び制動システム36aとの電気的な接続部を有し、車両操作装置10aを、駆動システム34a及び制動システム36aに結合している。また、制御装置28aは、操舵システム38aとの電気的な接続部を有し、車両操作装置10aを、操舵システム38aに結合している。制御装置28aは、駆動システム34a、制動システム36a及び操舵システム38aを、車両操作装置10aの少なくとも1つの信号に依存して駆動制御するために設けられている。
【0033】
この目的のために、制御装置28aは、計算ユニット30aを含む。この計算ユニット30aは、例えば、マイクロプロセッサの態様の少なくとも1つのプロセッサ(図示せず)と、少なくとも1つの動作メモリ(図示せず)とを含む。また、計算ユニット30aは、少なくとも1つの制御ルーチン、少なくとも1つの計算ルーチン、少なくとも1つの評価ルーチン、及び、少なくとも1つの適合化ルーチンを有する、動作メモリに格納された少なくとも1つの動作プログラムを含む。しかしながら、代替的に、制御装置は、中央車両制御装置とは異なることもあり得る。この場合には、制御装置は、例えば、駆動システムの一部、制動システムの一部、操舵システムの一部、又は、車両操作装置の一部であり得る。
【0034】
図2は、車両操作装置10aの純粋に例示的な実施形態を詳細図で示している。この車両操作装置10aは、本発明の場合においては、単一の手動で操作可能な操作ユニット14aを有し、この操作ユニット14aは、横方向車両案内及び長手方向車両案内並びに変速の制御のために設けられている。操作ユニット14aは、車両12aの客室内に配置され、車両12aに恒久的に接続されている。操作ユニット14aは、バイワイヤ式操作ユニットとして構成されている。また、操作ユニット14aは、本発明においては、統合された操作部品として構成されており、特に、独国特許出願公開第102017209745号明細書に開示された操作ユニットに対応している。しかしながら、代替的に、車両操作装置は、統合された操作部品とは異なるもの、例えば、複数の別個の操作ユニットを含むこともあり得る。その場合、第1の操作ユニットは、横方向車両案内のために設けられ、第2の操作ユニットは、長手方向車両案内のために設けられる。
【0035】
操作ユニット14aは、特に少なくとも実質的に球状の本体40aと、特に、ドライバによって操作可能な本体40aの表面上に配置され別個に形成される複数の操作要素18a,20aとを含む。本体40aは、可動に支承されており、水平方向に配向された軸線42aを中心として特に車両12a及び/又は運転者に関して、回転可能及び/又は旋回可能である。図2においては、純粋に描写的理由からこの軸線42aは垂直方向に配置されている。軸線42aを中心とした操作ユニット14a、特に本体40aの運動を用いて、本発明においては、操舵機能の態様の第1の車両機能が制御可能である。操作要素18a,20aは、キー形状であり、本発明においては、例示的にスイッチ面及び/又はキーボタンとして形成されている。操作要素18a,20aは、ここでは、運転者がこれらの操作要素を同じ手の異なる指により操作することができるように配置されている。操作要素18a,20aのうちの第1の操作要素18aは、駆動システム34aに割り当てられている。第1の操作要素18aの操作、特にプッシュ操作を用いて、本発明においては、加速機能の態様の第2の車両機能が制御可能である。操作要素18a,20aのうちの第2の操作要素20aは、制動システム36aに割り当てられている。第2の操作要素20aの操作、特にプッシュ操作を用いて、制動機能の態様の第3の車両機能が制御可能である。代替的又は付加的に、車両操作装置は、ジョイスティック及び/又は操作レバーとして構成された操作要素を含むこともあり得る。さらに、操作ユニットは、厳密に1つの操作要素を含むこともあり得る。この操作要素は、例えば加えられた圧力に依存して駆動機能及び制動機能を制御するために設けることが可能である。また、操作ユニットは、2よりも多い操作要素を含むものとし得る。その場合は、第3の操作要素を、例えば変速機能又はマルチメディア機能の制御のために設けることが可能である。
【0036】
さらに車両操作装置10aは、本発明の場合、アクチュエータ16aを含む。このアクチュエータ16aは、操作ユニット14aと機械的に結合されている。アクチュエータ16aは、例示的にフィードバックアクチュエータとして構成されており、操作ユニット14aからの信号、応力、及び/又は、トルクを、特に直接的に捕捉するために、及び/又は、それらを操作ユニット14aに特に直接的に伝達するために設けられている。本発明の場合、アクチュエータ16aは、少なくとも操作ユニット14aへの復元トルクを生成するために設けられている。この目的のために、アクチュエータ16aは、少なくとも1つの電気モータ(図示せず)を含む。しかしながら、代替的に、アクチュエータは、フィードバックアクチュエータとは異なることもあり得る。さらに、基本的には、アクチュエータを省略することも可能である。
【0037】
複数の車両機能を単一の操作ユニットに統合することにより、個々の車両機能の間で望ましくない相互作用が生じる可能性がある。なぜなら、これらは100%切り離されることが保証できないような構成になっているからである。そのため、例えば、駆動システム34aのための制御既定値を能動的に変更する場合には、操舵システム38aのための制御既定値の望まれない変更も同時に起こり得る。
【0038】
それゆえ、以下においては、操作性及び動作信頼性を高めるための、車両操作装置10aを動作させるための例示的な方法を説明する。この目的のために、車両操作装置10aは、適合化ユニット32aを含む。この適合化ユニット32aは、本発明においては、電気的及び/又は電子的に構成され、制御装置28aに対応している。適合化ユニット32aは、本方法を実施するためのソフトウェアに基づくアルゴリズムを提供するために設けられている。したがって、本発明においては、計算ユニット30aは、本方法を実行するために設けられ、この目的のために、特に、対応するプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムを有している。しかしながら、代替的に、適合化ユニットを制御装置とは別個に構成し、例えば、本方法の実施のための固有の計算ユニットを持たせることも可能である。さらに、基本的に、適合化ユニットを、例えば弾性ばね要素を用いて機械的に構成することも考えられる。
【0039】
本発明においては、操作ユニット14aを用いて車両機能のうちの、すなわち、特に、操舵機能、加速機能、及び/又は、制動機能のうちの1つが能動的に制御される少なくとも1つの操作状態において、能動的に制御されない車両機能の少なくとも1つの制御変数は、能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正される。しかしながら、ここでは、能動的に制御されない車両機能の制御変数は、この車両機能の能動的な制御及び/又はこの車両機能の故意の駆動制御及び/又は起動が引き続き可能であるように修正される。
【0040】
能動的に制御される車両機能を特定するために、ここでは、能動的に制御される車両機能の少なくとも1つの操作度合い、特に操作ユニット14a、第1の操作要素18a及び/又は第2の操作要素20aの少なくとも1つの操作度合いが特定されて評価される。基本的には、能動的に制御される車両機能を特定するために、もちろん、例えば、操作トルク、操作力、及び/又は、操作時間などの他の操作変数、又は、例えば、車両の走行状態、及び/又は、車両の環境条件などのさらなる変数を求めて評価することも可能である。
【0041】
さらに、能動的に制御されない車両機能の制御変数の修正は、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、車両12aの走行状態に依存して、及び/又は、車両12aの少なくとも1つの環境条件に依存して行われる。好適には、ここでは、操作ユニット14aの物理的特性を少なくとも部分的に再現及び/又はシミュレートする操作ユニット14aのモデルが使用される。
【0042】
制御変数の修正のために、複数の手段が存在し、これらの手段は、個々に適用することも、相互に組み合わせることも可能である。
【0043】
本発明によれば、制御変数の修正のために、例えば、特に対称的又は非対称的な不感帯を使用することができ、当該不感帯が制御変数に加えられ、ここで、不感帯の幅は、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、車両12aの走行状態に依存して、及び/又は、車両12aの環境条件に依存して変化する。これにより、能動的に制御されない車両機能のためのトリガ閾値が好適に容易に適合化可能になる。
【0044】
さらに、制御変数の修正のために、オフセットを使用することができ、当該オフセットが制御変数に加えられ、ここで、オフセットのレベル及び/又は方向若しくは極性は、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、車両12aの走行状態に依存して、及び/又は、車両12aの環境条件に依存して変化する。これにより、能動的に制御されない車両機能のためのトリガ閾値も同様に好適に適合化可能になる。
【0045】
その上さらに、制御変数の修正のために、修正係数を使用することができ、当該修正係数が制御変数に加えられ、ここで、当該修正係数の値は、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、車両12aの走行状態に依存して、及び/又は、車両12aの環境条件に依存して変化する。これにより、制御変数の特に柔軟で及び/又は均一の適合化が達成可能になる。
【0046】
さらに、制御変数の修正のために、補償トルク及び/又は補償力も使用することができ、当該補償トルク及び/又は補償力がアクチュエータ16aを用いて制御変数に印加され、ここで、補償トルク及び/又は補償力のレベル及び/又は方向若しくは極性は、能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、車両12aの走行状態に依存して、及び/又は、車両12aの環境条件に依存して変化する。これにより、制御変数の特に正確な適合化が、アクチュエータ16aの柔軟な駆動制御により達成可能になる。
【0047】
したがって、本発明の実施例によれば、例えば操作ユニット14a及び第1の操作要素18aは、第1の制御変数の修正を用いることにより、第1の車両機能、すなわち、操舵機能の能動的な制御の場合は、操作ユニット14aの意図された運動によって、第2の車両機能、すなわち、加速機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される。また、操作ユニット14a及び第2の操作要素20aは、第2の制御変数の修正を用いることにより、第1の車両機能、すなわち、操舵機能の能動的な制御の場合は、操作ユニット14aの意図された運動によって、第3の車両機能、すなわち、制動機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される。
【0048】
さらに、操作要素18a,20aも、第3の制御変数及び/又は第2の制御変数の修正を用いることにより、第2の車両機能、すなわち、加速機能の能動的な制御の場合に、第1の操作要素18aの意図された操作によって、第3の車両機能、すなわち、制動機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離すことができる。同様に、操作要素18a,20aは、第4の制御変数及び/又は第1の制御変数の修正を用いることにより、第3の車両機能、すなわち、制動機能の能動的な制御の場合に、第2の操作要素20aの意図された操作によって、第2の車両機能、すなわち、加速機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離すことができる。
【0049】
さらに、操作ユニット14aを用いて複数の車両機能、例えば操舵機能及び加速機能が、特に同時に能動的に制御される少なくとも1つのさらなる操作状態において、能動的に制御される車両機能の相関的な影響が、各制御変数の相関的な適合化によって順次修正されることが想定され得る。付加的に、この関連において、制御変数ごとの個々の修正の調整は、例えば対応する計算規則を用いて行うことができる。制御変数の適合化は、この場合、前述した方法に類似して、すなわち、可変幅を有する対応する不感帯、可変レベル及び/又は方向を有する対応するオフセット、可変値を有する対応する修正係数、及び/又は、可変レベル及び/又は方向を有する対応する補償トルク又は対応する補償力を用いて行うことができる。
【0050】
この関連においては、特に、例えば、同じ手の薬指及び中指は、一般に、相互に完全に独立して動かすことができず、また、前腕の回転は、基本的に個々の指のわずかな動きにつながる可能性があることも考慮しなければならない。したがって、本方法及び車両操作装置10aの実施形態により、例えば、カーブから抜ける際の加速時に操舵運動によって同時に制動されることや加速時に同時に操舵されることを阻止することができる。したがって、好適には、加速機能及び/又は制動機能による望まれない操舵機能の影響及びその逆の影響を補償することができる。
【0051】
図3は、車両操作装置10aを動作させるための方法の主要な方法ステップを伴った例示的なフローチャートを示す。
【0052】
第1の方法ステップ50aにおいては、操作ユニット14aを用いて能動的に制御される車両機能が特定される。この目的のために、例えば、能動的に制御される車両機能の操作度合い、すなわち、特に、操作ユニット14a、第1の操作要素18a、及び/又は、第2の操作要素20aの操作度合いを求めて評価することができる。車両機能の駆動制御及び/又は起動のための特に運転者によって加えられる制御規定値のレベルが既定限界値を上回っている場合は、車両機能の能動的な駆動制御を起点とする。
【0053】
第2の方法ステップ52aにおいては、操作ユニット14aを用いて能動的に制御されない車両機能、好適には操作ユニット14aを用いて能動的に制御されないすべての車両機能の少なくとも1つの制御変数は、能動的に制御されない1つの車両機能又は複数の車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正される。この目的のために、制御変数には、例えば能動的に制御される車両機能の操作度合い、車両12aの走行状態、及び/又は、車両12aの少なくとも1つの環境条件を考慮に入れて、不感帯、オフセット、修正係数、補償トルク、及び/又は、補償力を加えることができる。
【0054】
図3の例示的なフローチャートにより、ここでは、車両操作装置10aを動作させるための方法が例示的にのみ説明される。特に、個々の方法ステップは、変化させることもでき、又は、付加的な方法ステップを追加することも可能である。
【0055】
図4には、本発明のさらなる実施例が示されている。以下の説明及び図面は、実質的に実施例の間の相違に絞られ、この場合、同一の呼称の構成要素、特に同一の参照符号を有する構成要素に関しては、基本的に、他の実施例、特に図1乃至図3の実施例の図面及び/又は説明も参照することができる。これらの実施例の区別のために、図1乃至図3の実施例の参照符号の後には文字aが付されている。図4の実施例においては、文字aは文字bに置き換えられている。
【0056】
図4のさらなる実施例は、先行の実施例と少なくとも実質的に車両操作装置10bの操作ユニット14bの実施形態が異なっている。
【0057】
この場合、操作ユニット14bは、細長い本体を有する単一の操作要素22bを含む。この操作要素22bは、本発明においては、ジョイスティック及び/又は操作レバーとして構成されている。操作要素22bは、可動に支承され、複数の運動方向24b,26bで傾動可能及び/又は旋回可能である。操作要素22bの第1の運動方向24bへの運動を用いることにより、本発明においては、操舵機能の態様の第1の車両機能が制御可能である。さらに、操作要素22bの、第1の運動方向24bに対して垂直方向に配向された第2の運動方向26bへの運動を用いることにより、加速機能及び/又は制動機能の態様の少なくとも1つの第2の車両機能が制御可能である。基本的には、操作要素は、この場合、1つの運動方向のみ又は1つの軸線を中心としてのみ傾動可能及び/又は旋回可能であることや付加的なキー形状の操作要素を例えば加速機能又は制動機能のために含むこともあり得る。
【0058】
本発明の実施例によれば、運動方向24b,26bは、制御変数の修正を用いることにより、第1の車両機能、すなわち、操舵機能の能動的な制御の場合は、操作要素22bの第1の運動方向24bへの意図された運動によって、操作要素22bの第2の運動方向26bへの意図されない運動による第2の車両機能、すなわち、加速機能及び/又は制動機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される。また、運動方向24b,26bは、さらなる制御変数の修正を用いることにより、第2の車両機能、すなわち、加速機能及び/又は制動機能の能動的な制御の場合は、操作要素22bの第2の運動方向26bへの意図された運動によって、操作要素22bの第1の運動方向24bへの意図されない運動による第1の車両機能、すなわち、操舵機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される。
【0059】
代替的に、車両操作装置は、この場合、少なくとも1つのキー形状の操作要素又は複数のキー形状の操作要素を含むこともあり得る。それらは、例えば、変速機能又はマルチメディア機能の制御のために設けることが可能である。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両操作装置(10a;10b)、特に、車両(12a)の長手方向及び/又は横方向の移動に影響を与えるための車両操作装置(10a;10b)を動作させるための方法であって、前記車両操作装置(10a;10b)は、複数の車両機能を制御するための少なくとも1つの手動で操作可能な操作ユニット(14a;14b)を含む、方法において、
前記操作ユニット(14a;14b)を用いて、車両機能のうちの1つが能動的に制御される少なくとも1つの操作状態において、能動的に制御されない車両機能の少なくとも1つの制御変数を、前記能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正することを特徴とする方法。
【請求項2】
能動的に制御される車両機能を特定するために、前記能動的に制御される車両機能の少なくとも1つの操作度合いが特定されて評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御変数の修正は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して行われる、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記制御変数の修正のために、少なくとも1つの不感帯が使用され、前記不感帯が前記制御変数に加えられ、特に前記不感帯の幅は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記制御変数の修正のために、少なくとも1つのオフセットが使用され、前記オフセットが前記制御変数に加えられ、特に前記オフセットのレベル及び/又は方向は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記制御変数の修正のために、少なくとも1つの修正係数が使用され、前記修正係数が前記制御変数に加えられ、特に前記修正係数の値は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記制御変数の修正のために、少なくとも1つの補償トルク及び/又は1つの補償力が使用され、前記補償トルク及び/又は補償力がアクチュエータ(16a)を用いて前記制御変数に加えられ、特に前記補償トルク及び/又は補償力のレベル及び/又は方向は、前記能動的に制御される車両機能の操作度合いに依存して、前記車両(12a)の走行状態に依存して、及び/又は、前記車両(12a)の少なくとも1つの環境条件に依存して変化する、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記制御変数の修正のために、前記操作ユニット(14a;14b)の少なくとも1つのモデルが使用され、前記モデルは、前記操作ユニット(14a;14b)の物理的特性を少なくとも部分的に再現及び/又はシミュレートする、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記車両機能は、少なくとも1つの、操舵機能、制動機能、加速機能、及び/又は、変速機能を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記操作ユニット(14a)は、少なくとも1つの第1の車両機能の制御のために可動に支承され、少なくとも1つの第2の車両機能の制御のために少なくとも1つのキー形状の操作要素(18a,20a)を有しており、前記車両機能の第1の車両機能は、前記操作ユニット(14a)の運動を用いて制御可能であり、前記第2の車両機能は、前記操作要素(18a,20a)の操作を用いて制御可能であり、前記操作ユニット(14a)及び前記操作要素(18a,20a)は、前記制御変数の修正を用いることにより、前記第1の車両機能の能動的な制御の場合は、前記操作ユニット(14a)の意図された運動によって、前記第2の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離され、及び/又は、前記第2の車両機能の能動的な制御の場合は、前記操作要素(18a,20a)の意図された操作によって、前記第1の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記操作ユニット(14a)は、前記車両機能の制御のために複数のキー形状の操作要素(18a,20a)を含み、前記少なくとも1つの第1の車両機能は、前記第1の操作要素(18a)の操作を用いて制御可能であり、前記少なくとも1つの第2の車両機能は、前記第2の操作要素(20a)の操作を用いて制御可能であり、前記操作要素(18a,20a)は、前記制御変数の修正を用いることにより、前記第1の車両機能の能動的な制御の場合は、前記第1の操作要素(18a)の意図された操作によって、前記第2の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離され、及び/又は、前記第2の車両機能の能動的な制御の場合は、前記第2の操作要素(20a)の意図された操作によって、前記第1の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記操作ユニット(14b)は、前記車両機能の制御のために可動に支承された操作要素(22b)を含み、少なくとも1つの第1の車両機能は、前記操作要素(22b)の第1の運動方向(24b)への運動を用いて制御可能であり、少なくとも1つの第2の車両機能は、前記操作要素(22b)の第2の運動方向(26b)への運動を用いて制御可能であり、前記運動方向(24b,26b)は、制御変数の修正を用いることにより、前記第1の車両機能の能動的な制御の場合は、前記操作要素(22b)の前記第1の運動方向(24b)への意図された運動によって、前記第2の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離され、及び/又は、前記第2の車両機能の能動的な制御の場合は、前記操作要素(22b)の前記第2の運動方向(26b)への意図された運動によって、前記第1の車両機能の望まれない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように相互に切り離される、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記操作ユニット(14a;14b)を用いて前記複数の車両機能が、特に同時に能動的に制御される少なくとも1つのさらなる操作状態において、前記能動的に制御される車両機能の相関的な影響が順次修正される請求項に記載の方法。
【請求項14】
請求項に記載の方法を実施するための計算ユニット(30a)を備えている制御装置(28a)。
【請求項15】
車両操作装置(10a;10b)、特に車両(12a)の長手方向及び/又は横方向の移動に影響を与えるための車両操作装置(10a;10b)であって、
複数の車両機能を制御するための少なくとも1つの手動で操作可能な操作ユニット(14a;14b)を備えている車両操作装置(10a;10b)において、
前記車両操作装置(10a;10b)は、適合化ユニット(32a)を備えており、
前記適合化ユニット(32a)は、前記操作ユニット(14a;14b)を用いて前記車両機能のうちの1つが能動的に制御される少なくとも1つの操作状態において、能動的に制御されない車両機能の少なくとも1つの制御変数を、前記能動的に制御されない車両機能の意図されない駆動制御及び/又は起動が困難になるように及び/又は阻止されるように修正するために設けられていることを特徴とする、車両操作装置(10a;10b)。
【請求項16】
前記適合化ユニット(32a)は、請求項に記載の方法を実施するための計算ユニット(30a)を含む、請求項15に記載の車両操作装置(10a;10b)。
【請求項17】
車両(12a)、特に自動車であって、少なくとも1つの、請求項15に記載の車両操作装置(10a;10b)を備えている、車両(12a)。
【国際調査報告】