(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】骨髄増殖性新生物と関連した症状の治療
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20240709BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240709BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240709BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20240709BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20240709BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/52 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/505 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/513 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/4738 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/4178 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/4365 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/501 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/415 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P3/00
A61P7/00
A61P1/16
A61P35/02
A61K45/06
A61P25/00
A61P25/02
A61P43/00 121
A61K31/519
A61K31/52
A61K31/505
A61K31/4985
A61K31/513
A61K31/5377
A61K31/454
A61K31/496
A61K31/4738
A61K31/4178
A61K31/4365
A61K31/501
A61K31/506
A61K31/55
A61K31/4545
A61K31/415
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577389
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 US2022033728
(87)【国際公開番号】W WO2022266285
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522273621
【氏名又は名称】テリオス ファーマ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TELIOS PHARMA, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ロスバウム, ウェイン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084AA20
4C084AA24
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4C086AA01
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4C086BC21
4C086BC36
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4C086ZA08
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4C086ZA51
4C086ZC20
4C086ZC54
4C086ZC75
(57)【要約】
ヒト対象における骨髄増殖性新生物と関連した症状を治療するための治療法及び医薬組成物が記載される。特定の実施形態において、本開示は、BTK阻害剤を使用して骨髄増殖性新生物と関連した症状を治療する治療法を含む。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
症状を低下させる又は軽減するのに有効な量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤をヒト対象に投与するステップを含む、骨髄増殖性新生物(MPN)を有するヒト対象における寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せからなる群から選択される症状を低下させる又は軽減する方法。
【請求項2】
前記MPNが原発性骨髄線維症である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MPNが真性赤血球増加症後骨髄線維症である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記MPNが本態性血小板血症後骨髄線維症である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記MPNが慢性骨髄性白血病である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記MPNが慢性好中球性白血病である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記MPNが慢性好酸球性白血病である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記MPNが、前駆MPNを伴う急性骨髄性白血病(急性転化期MPN(MPN-BP)としても知られる)である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記MPNが慢性骨髄単球性白血病である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ヒト対象が、脾腫、肝腫、又は肝脾腫に罹患している、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記BTK阻害剤が、JAK2阻害剤との組合せで投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記JAK2阻害剤が、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、パクリチニブ、モメロチニブ、ジャクチニブ、又はイルギナチニブである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記BTK阻害剤が、MDM2阻害剤との組合せで投与される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記MPNがJAK2-V617F骨髄増殖性新生物である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記症状が、前記BTK阻害剤の投与前少なくとも1日間、例えば前記BTK阻害剤の投与前少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、又は少なくとも7日間持続する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記BTK阻害剤の投与前の前記症状の重症度を査定するステップをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記BTK阻害剤の投与後の前記症状の重症度を査定するステップをさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記症状の重症度が、自己査定によって判定される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記症状の重症度が、自己報告によって判定される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記寝汗が、前記ヒト対象の睡眠中の極度の発汗の繰り返される発生等の前記ヒト対象の睡眠中の発汗の繰り返される発生を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記疲労が、前記ヒト対象の不明、持続性、且つ再発性の疲弊等の前記ヒト対象の不明且つ再発性の疲弊を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記掻痒症が、前記ヒト対象の皮膚の重度の掻痒等の前記ヒト対象の皮膚の掻痒を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記腹部痛が、胸部と骨盤部との間で生じ、急性又は慢性である、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記肋骨下の痛みが、前記ヒト対象の左側で生じ、急性又は慢性である、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記膨満が、前記ヒト対象における満腹と関連している、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記骨痛が、前記ヒト対象の1つ又は複数の骨における極度の圧痛、疼痛、又は他の不快感等の、前記ヒト対象の1つ又は複数の骨における圧痛、疼痛、又は他の不快感によって特徴付けられる、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記BTK阻害剤が、本明細書の表1又はその薬学的に許容できる塩から選択される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記BTK阻害剤が、1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を使用して骨髄増殖性新生物と関連した症状を治療する方法が本明細書に開示される。
【背景技術】
【0002】
[0002]骨髄増殖性新生物(MPN)は、身体が過剰に多くの白血球、赤血球、及び/又は血小板を産生する場合に生じる血液がんである。MPNは、本態性血小板血症(ET)、真性赤血球増加症(PV)、及び骨髄線維症(MF)を含み、著しい罹病率、及び罹病した患者の著しい死亡率につながり得る。
【0003】
[0003]例えば、MFは、身体における血液形成組織に影響を及ぼすがんである慢性白血病である。MFは、血液細胞の正常な産生を混乱させる珍しいタイプの骨髄がんである。MFは、骨髄において広範な瘢痕化を引き起こし、脱力及び疲労を引き起こし得る重度の貧血につながり、MFは、出血のリスクを増加させる血小板数の減少も引き起こし得る。MFは、脾臓におけるCD34+悪性骨髄細胞の蓄積に起因した、肥大した脾臓及びリンパ節をしばしば引き起こす。
【0004】
[0004]MFの臨床スペクトルは、原発性骨髄線維症、及び本態性血小板血症又は真性赤血球増加症の間に発症するMFを含む。骨髄線維症は、脾腫、白赤芽球症、血球減少症、涙滴変形赤血球症(teardrop poikilocytosis)、骨髄の線維化、髄外造血、骨髄微小血管密度の増加、並びにCD34を発現する造血幹細胞(HSC)及び前駆細胞(HPC)の構成的動員によって特徴付けられる慢性血液悪性腫瘍である。ルキソリチニブ、フェドラチニブ、及び同種幹細胞移植が、MFを有する患者を治療する主な手段である。
【0005】
[0005]一般的に、MPNの症状による負担は重度であり、患者の生活の質に対し著しい影響を有する。MPNの合併症は、炎症促進性サイトカインの常軌を逸した過剰産生に関連する体質的症状(例えば、疲労、寝汗、体重減少、掻痒症、発熱、骨痛、及び関節痛)、及び脾腫と関連した症状を含む。MPNに罹患している患者におけるこれらの症状を低下させる又は軽減する方法が、患者の生活の質を改善するために必要とされる。
【0006】
[0006]ブルトン型チロシンキナーゼは、Tecファミリーに属する非受容体型チロシンキナーゼであり、造血系のいくつかの種類の良性及び悪性細胞において重要な機能を有する。さらに、不可逆性経口BTK阻害剤であるアカラブルチニブ及びイブルチニブを用いた最近の臨床研究は、慢性リンパ性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、辺縁帯リンパ腫(MZL)及びびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)を含めた、多様なB細胞性悪性腫瘍に対する優れた臨床活性及び忍容性を実証している。さらに、BTK阻害剤の作用のメカニズムは多因子性であり、その機能の重要な構成要素は、腫瘍細胞及び腫瘍細胞を保護する微小環境の混乱にあることが現在明らかである。BTKの阻害は、数々の血管接着分子の発現を下方調節することによって、CXCR4-CXCL12誘導性細胞トラフィッキング、ホーミング、及びインテグリン接着を阻害することによって、CLL、MCL、及び急性骨髄性白血病における悪性骨髄細胞遊走を調節することが示されている(Zaitseva(2014)Oncotarget 5、9930~9938ページ)。CXCL12は、間質微小環境とのCLL細胞相互作用を調節することによって、CLL発病及び進行において中心的役割を果たし、細胞生存及び増殖につながる。BTKは、CXCR4-CXCL12シグナル伝達軸によって活性化されるシグナル変換において役割を有し、急速なインテグリン活性化に関わる。BTK阻害は、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)及びVLA-4インテグリンのCXCL12誘導性誘発を阻止する。さらに、BTK阻害は、低分子量(small)GTP結合タンパク質RhoAの活性化を遮断し、インテグリンアフィニティーを制御する。非常に重要なことには、CXCL12によるBTK tyrリン酸化及び活性化は、JAK2(ヤヌスキナーゼ2)の上流活性化に依存する。ゆえに、BTK及びJAKタンパク質チロシンキナーゼは、ケモカイン及びインテグリン活性化及び依存的細胞接着の両方において階層的活性を示す(Montresor(2018)Oncotarget、9、35123~35140ページ)。最後に、BTKは、HSC及びHPCを含めた、成熟及び原始骨髄細胞の両方で高発現される。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示は、症状を低下させる又は軽減するのに有効な量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤をヒト対象に投与するステップを含む、骨髄増殖性新生物(MPN)を有するヒト対象における寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せからなる群から選択される症状を低下させる又は軽減する方法に関する。一部の実施形態において、MPNは原発性骨髄線維症である。一部の実施形態において、MPNは、真性赤血球増加症後骨髄線維症である。一部の実施形態において、MPNは、本態性血小板血症後骨髄線維症である。一部の実施形態において、MPNは、慢性骨髄性白血病である。一部の実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病である。一部の実施形態において、MPNは、慢性好酸球性白血病である。一部の実施形態において、MPNは、前駆MPNを伴う急性骨髄性白血病(急性転化期(blast phase)MPN(MPN-BP)としても知られる)である。一部の実施形態において、MPNは、慢性骨髄単球性白血病である。一部の実施形態において、ヒト対象は、脾腫、肝腫、又は肝脾腫に罹患している。
【0008】
[0008]一部の実施形態において、BTK阻害剤は、本明細書の表1又はその薬学的に許容できる塩から選択される。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン又はその薬学的に許容できる塩である。
【0009】
[0009]一部の実施形態において、BTK阻害剤は、JAK2阻害剤との組合せで投与される。一部の実施形態において、JAK2阻害剤は、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、パクリチニブ、モメロチニブ、ジャクチニブ、又はイルギナチニブである。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、MDM2阻害剤との組合せで投与される。
【0010】
[0010]一部の実施形態において、ヒト対象は、JAK2V617F変異を有する。一部の実施形態において、ヒト対象は、JAK2V617F変異に対してホモ接合性である。一部の実施形態において、MPNはJAK2-V617F骨髄増殖性新生物である。
【0011】
[0011]一部の実施形態において、症状は、BTK阻害剤の投与前少なくとも1日間、例えばBTK阻害剤の投与前少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、又は少なくとも7日間持続する。
【0012】
[0012]一部の実施形態において、方法は、BTK阻害剤の投与前の症状の重症度を査定するステップをさらに含む。一部の実施形態において、方法は、BTK阻害剤の投与後の症状の重症度を査定するステップをさらに含む。一部の実施形態において、症状の重症度は、自己査定によって判定される。一部の実施形態において、症状の重症度は、自己報告によって判定される。
【0013】
[0013]一部の実施形態において、寝汗は、ヒト対象の睡眠中の発汗の繰り返される発生を含む。一部の実施形態において、寝汗は、ヒト対象の睡眠中の極度の発汗の繰り返される発生を含む。一部の実施形態において、疲労は、ヒト対象の不明且つ再発性の疲弊を含む。一部の実施形態において、疲労は、ヒト対象の不明、持続性、且つ再発性の疲弊を含む。一部の実施形態において、掻痒症は、ヒト対象の皮膚の掻痒を含む。一部の実施形態において、掻痒症は、ヒト対象の皮膚の重度の掻痒を含む。一部の実施形態において、腹部痛は、胸部と骨盤部との間で生じ、急性である。一部の実施形態において、腹部痛は、胸部と骨盤部との間で生じ、慢性である。一部の実施形態において、肋骨下の痛みは、ヒト対象の左側で生じ、急性である。一部の実施形態において、肋骨下の痛みは、ヒト対象の左側で生じ、慢性である。一部の実施形態において、膨満は、ヒト対象における満腹と関連している。一部の実施形態において、骨痛は、ヒト対象の1つ又は複数の骨における圧痛、疼痛、又は他の不快感によって特徴付けられる。一部の実施形態において、骨痛は、ヒト対象の1つ又は複数の骨における極度の圧痛、疼痛、又は他の不快感によって特徴付けられる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0014]本開示の好ましい実施形態が本明細書に示され且つ記載されているものの、そのような実施形態は、単なる例として提供されるものであり、本開示の範囲を別様に限定することを意図されるわけではない。本開示の記載される実施形態の様々な代替物を、本開示を実践する際に採用してもよい。
【0015】
[0015]別様に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。
【0016】
[0016]本明細書において使用される「との組合せで投与される」及び「共投与」という用語は、両作用物質及び/又は両作用物質の代謝産物が同じ時に対象に存在するような、対象への2種以上の医薬品有効成分の投与を包含する。共投与は、別個の組成物での同時投与、別個の組成物での異なる時間における投与、又は2種以上の作用物質が存在する一組成物での投与を含む。
【0017】
[0017]「有効な量」又は「有効量」又は「治療有効量」又は「十分な量」という用語は、症状を低下させる又は症状を軽減する疾患治療を含むがそれに限定されない意図される適用を達成するのに十分である、本明細書に記載される医薬品有効成分又は医薬品有効成分組合せ物の量を指す。治療有効量は、意図される適用(インビトロ又はインビボ)、又は治療されている対象及び疾患状態(例えば、対象の重量、年齢、及び性別)、疾患状態の重症度、投与の様式、並びに当業者によって容易に判定され得る他の因子に応じて変動してもよい。該用語は、標的細胞において特定の応答(例えば、悪性CD34+骨髄細胞)を誘導するであろう用量にも適用される。具体的用量は、選定された特定の化合物、従われるべき投薬レジメン、化合物が他の化合物との組合せで投与されるかどうか、投与のタイミング、化合物が投与される組織、及び化合物が運ばれる物理的送達システムに応じて変動するであろう。
【0018】
[0018]「骨髄線維症」とは、血液細胞の正常な産生を混乱させ、重度の貧血、並びに脾臓、リンパ節、及び肝臓の肥大につながる、骨髄の自然発生的瘢痕化(線維化)を指す。骨髄線維症は、多様な疾患、主に骨髄増殖性(前白血病性)障害と関連し得る。骨髄線維症は、病因不明の骨髄様化生としても知られる。本明細書において使用される骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症を含むが、それらに限定されるわけではない。本明細書において使用される骨髄線維症は、骨髄、脾臓、及びリンパ節における悪性CD34+骨髄細胞の蓄積によって特徴付けられる。
【0019】
[0019]「薬学的に許容できるキャリア」又は「薬学的に許容できる賦形剤」とは、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤、並びに吸収遅延剤を含むことを意図される。医薬品有効成分に対するそのような媒体及び作用物質の使用は、当技術分野において公知である。任意の従来の媒体又は作用物質が医薬品有効成分と不適合である限りを除いて、本開示の治療用組成物における任意の従来の媒体又は作用物質の使用が企図される。補足的有効成分も、記載される組成物に組み入れられ得る。
【0020】
[0020]「溶媒和物」は、薬学的に許容できる溶媒の1種又は複数の分子と物理的に関連している化合物を指す。
【0021】
[0021]「薬学的に許容できる塩」という用語は、当技術分野において公知の多様な有機及び無機対イオンに由来する塩を指す。薬学的に許容できる酸付加塩は、無機酸及び有機酸を用いて形成され得る。塩が由来し得る無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸を含む。塩が由来し得る有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸を含む。薬学的に許容できる塩基付加塩は、無機及び有機塩基を用いて形成され得る。塩が由来し得る無機塩基は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、及びアルミニウムを含む。塩が由来し得る有機塩基は、例えば1級、2級、及び3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂を含む。具体的な例は、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンを含む。選択された実施形態において、薬学的に許容できる塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩から選定される。「共結晶」という用語は、当技術分野において公知のいくつかの共結晶形成体に由来する分子錯体を指す。塩とは異なり、共結晶は、典型的に、共結晶と薬物との間にプロトン移動を伴わず、その代わりに、結晶構造における共結晶形成体と薬物との間に水素結合、芳香環スタッキング、又は分散力等の分子間相互作用を伴う。
【0022】
[0022]「QD」、「qd」、又は「q.d.」という用語は、毎日、1日1回、又は1日に1回を意味する。「BID」、「bid」、又は「b.i.d.」という用語は、1日につき2回、1日2回、又は1日に2回を意味する。「TID」、「tid」、又は「t.i.d.」という用語は、1日につき3回、1日3回、又は1日に3回を意味する。「QID」、「qid」、又は「q.i.d.」という用語は、1日につき4回、1日4回、又は1日に4回を意味する。
【0023】
[0023]本明細書において使用される「脾腫」という用語は、サイズ又は重量によって評価され、典型的に、医用画像によって判定される体積によって評価される、脾臓の肥大を指す。一部の実施形態において、肥大は、悪性CD34+骨髄細胞の隔離、及び結果としての発症する髄外造血に起因する。
【0024】
[0024]「治療効果」とは、その用語が本明細書において使用されるとき、上で記載される治療的有益性及び/又は予防的有益性を包含する。予防効果は、疾患若しくは病状の出現を遅延させること若しくは排除すること、疾患若しくは病状の症状の発症を遅延させること若しくは排除すること、疾患若しくは病状の進行を遅らせること、食い止めること、若しくは逆転させること、又はその任意の組合せを含む。
【0025】
[0025]例えば分子量又は化学式等の物理的又は化学的特性を記載するために本明細書において値域が使用される場合、値域のすべての組合せ及び部分的組合せ並びに値域の中の具体的な実施形態が含まれることが意図される。数又は数値域に言及する場合の「約」という用語の使用は、言及される数又は数値域が、実験的変動内(又は統計的実験誤差内)の近似値であり、ゆえに、数又は数値域は、記述された数又は数値域の例えば1%~15%で変動することがあることを意味する。「含む(comprising)」という用語(及び、「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」又は「有する」又は「含む(including)」等の関連用語)は、例えば、記載される特質「からなる」又は「から本質的になる」実施形態、例えば任意の物質の組成、方法、又はプロセス等を含む。
【0026】
[0026]本開示のBTK阻害剤化合物は、例えば化合物の多形、偽多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、配座多形、及び非晶質形態、並びにその混合物を含めた、表1におけるいずれかの結晶形態及び非晶質形態の化合物も含む。「結晶形態」及び「多形」は、特定の結晶形態又は非晶質形態が言及されない限り、例えば多形、偽多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、配座多形、及び非晶質形態、並びにその混合物を含めた、化合物のすべての結晶形態及び非晶質形態を含むことを意図している。
【0027】
骨髄増殖性新生物(MPN)の症状を低下させる又は軽減する方法
[0027]本開示は、BTK阻害剤を使用して、例えば、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せを含むMPNの様々な症状を、低下させ得るか又は軽減し得るという発見に関する。したがって、ある特定の態様において、本開示は、任意選択で、MPNを治療するための1種又は複数の他の支持療法又は活性剤との組合せで、有効量のBTK阻害剤を治療を必要とするヒト対象に投与することによって、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択される症状を低下させる又は軽減するための方法に関する。本開示は、任意選択で、MPNを治療するための1種又は複数の他の支持療法又は活性剤との組合せで、有効量のBTK阻害剤をMPNを有するヒト対象に投与することによって、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択される症状を低下させる又は軽減するための方法にも関する。本明細書における本開示は、望ましい治療剤がBTK阻害に基づいて選択されることができることを実証する。それゆえ、作用の特定のメカニズムに拘束されることを望まないものの、BTK阻害は、1種又は複数の下流シグナル伝達構成要素(例えば、CXCR-4、CXCL12、VLA-4、VCAM-1)を変更して、末梢血へのCD34+細胞の遊走を動員し、ここで、CD34+細胞は、MPNと関連した症状を低下させる又は軽減することにおいて、特に、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せを含むがそれらに限定されない症状を低下させる又は軽減することにおいて有用であろうことが予想される。
【0028】
[0028]ゆえに、本開示は、BTK阻害剤をヒトに投与するステップを含む、MPNに罹患しているヒト対象においてMPNと関連した症状を低下させる又は軽減する方法に関する。一部の実施形態において、MPNは骨髄線維症(MF)である。一部の実施形態において、MFは、慢性特発性骨髄線維症(cIMF)としても知られる原発性骨髄線維症である。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性(prefibrotic)/早期PMF及び線維化期(overt fibrotic stage)PMFからなる群から選択される。一部の実施形態において、MFは続発性骨髄線維症である。一部の実施形態において、MFは、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症である。一部の実施形態において、MFは、慢性骨髄性白血病(CML)に続発して発生する骨髄線維症である。一部の実施形態において、MFは特発性骨髄線維症である。一部の実施形態において、MPNは慢性骨髄性白血病である。一部の実施形態において、MPNは、前駆MPNを伴う急性骨髄性白血病(急性転化期MPN(MPN-BP)としても知られる)である。一部の実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。一部の実施形態において、MPNは、特発性全身性肥満細胞症(idiopathic systemic mastocystosis)(SM)、慢性好酸球性白血病-非特定型(CEL-NOS)、分類不能骨髄増殖性新生物(MPN-U)、骨髄異形成症候群(MDS)、全身性肥満細胞疾患(SMCD)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)である。
【0029】
[0029]一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。
【0030】
[0030]一部の実施形態において、ヒト対象はその上に、脾腫、肝腫、又は肝脾腫に罹患している。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫、肝腫、又は肝脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫、肝腫、又は肝脾腫なしで瀉血依存的である。
【0031】
[0031]一実施形態において、ヒト対象は、上昇したレベルの炎症促進性サイトカインを有し、BTK阻害剤の投与は上昇した炎症促進性サイトカインを低下させる。一実施形態において、炎症促進性サイトカインは、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-12(IL-12)、インターロイキン-18(IL-18)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、インターフェロンガンマ(IFNγ)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、肝細胞成長因子(HGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、又はその組合せから選択される。一実施形態において、ヒト対象へのBTK阻害剤の投与は、核因子カッパB(NF-кB)を下方調節する。一実施形態において、ヒト対象へのBTK阻害剤の投与は、抗炎症性サイトカインを上方調節する。一実施形態において、抗炎症性サイトカインは、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-10(IL-10)、又はその組合せから選択される。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫、肝腫、又は肝脾腫を有し、ヒト対象へのBTK阻害剤の投与は、脾腫、肝腫、又は肝脾腫を緩和する。
【0032】
[0032]一実施形態において、BTK阻害剤は、表1における化合物のいずれか又はその薬学的に許容できる塩である。
【0033】
[0033]一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤ナイーブである(すなわち、JAK2阻害剤を用いた療法を受けたことがない)。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤不耐性である。一実施形態において、ヒト対象は、低血小板数に起因してJAK2阻害剤不適格である。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療後に再発している。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療に対して難治性である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、(i)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄増殖性新生物の重症度若しくは進行の低下がないこと、又は(ii)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発、を含むが、それらに限定されるわけではない。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄線維症の重症度又は進行の低下がないことである。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発である。
【0034】
[0034]一実施形態において、BTK阻害剤は、JAK2阻害剤との組合せで投与される。一実施形態において、JAK2阻害剤は、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、パクリチニブ、モメロチニブ、ジャクチニブ、イルギナチニブ、又はその組合せである。
【0035】
[0035]一実施形態において、BTK阻害剤は、MDM2阻害剤との組合せで投与される。
【0036】
[0036]一実施形態において、MPNはJAK2-V617F骨髄増殖性新生物である。
【0037】
[0037]一実施形態において、ヒト対象は、彼らの脾臓において悪性CD34+骨髄細胞の蓄積を有する。一実施形態において、悪性CD34+骨髄細胞では、正常な骨髄細胞と比べて、CXCR4の発現が減少している。一実施形態において、BTK阻害剤の投与は、ヒト対象の脾臓から末梢血への悪性CD34+骨髄細胞の遊走を刺激する。一実施形態において、BTK阻害剤の投与は、悪性CD34+骨髄細胞におけるVLA-4を不活性化する。一実施形態において、BTK阻害剤の投与は、CXCR4及びCXCL12の活性を低下させ、それによって悪性CD34+骨髄細胞に対するこれらの分子の化学誘引効果を低下させる。一実施形態において、CXCR4及びCXCL12活性の低下は、脾臓における悪性骨髄CD34+細胞の隔離の一因となる。
【0038】
[0038]一実施形態において、方法は、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せ等の骨髄線維症と関連した症状を低下させる又は軽減することを包含するが、骨髄線維症自体を治療することを包含しない(例えば、骨髄線維症の症状のみがヒトにおいて低下される又は軽減され、骨髄線維症は低下されない又は軽減されない)。
【0039】
[0039]一実施形態において、BTK阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、560mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、本明細書で投薬量及び投薬レジメンと題した節に従ってヒトに投与される。
【0040】
[0040]一実施形態において、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せ等の症状に罹患しているヒトは、参照により文献の全体として本明細書に組み入れられるMassie、New Engl.J.Med.(2013)25、2379~2390ページに記載される、ヒト対象におけるCALR変異(カルレティキュリン、染色体19p13.2に位置する)の存在によって特徴付けられる骨髄線維症を有する。
【0041】
[0041]一実施形態において、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せ等の症状に罹患しているヒトは、参照により文献の全体として本明細書に組み入れられるPikman、Plos Med(2006)3、e270に記載される、ヒト対象におけるMPL変異(骨髄増殖性白血病ウイルスがん遺伝子;染色体1p34に位置する)の存在によって特徴付けられる骨髄線維症を有する。
【0042】
[0042]一実施形態において、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せ等の症状に罹患しているヒトは、ヒト対象におけるJAK2V617F変異によって特徴付けられる骨髄線維症を有する。JAK2V617Fは、参照により文献の全体として本明細書に組み入れられるNakatake(Oncogene(2012)31、1323~1333ページ)に記載される、骨髄細胞のサイトカイン非依存的増殖を促進する機能変異である。
【0043】
[0043]一実施形態において、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せ等の症状に罹患しているヒトは、JAK2V617F、MPL、CALR、及びその組合せからなる群から選択される1つ又は複数の変異によって特徴付けられる骨髄線維症を有する。
【0044】
[0044]一実施形態において、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せ等の症状に罹患しているヒトは、JAK2V617F変異がないこと、MPL変異がないこと、CALR変異がないこと、JAK2V617F変異、MPL変異、及びCALR変異のうちの2つの組合せがないこと、又はJAK2V617F変異、MPL変異、及びCALR変異の3つすべてがないことによって特徴付けられる骨髄線維症を有する。一実施形態において、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せ等の症状に罹患しているヒトは、JAK2V617F変異がないことによって特徴付けられる骨髄線維症を有する。
【0045】
【0046】
[0045]一部の実施形態において、BTK阻害剤はTG-1701又はLoxo-305である。
【0047】
[0046]一実施形態において、BTK阻害剤は、1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン又はその薬学的に許容できる塩である。
【0048】
[0047]一実施形態において、本開示は、MPNを有するヒト対象における寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せからなる群から選択される症状を低下させる又は軽減するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物の使用に関する。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される。
【0049】
骨髄増殖性新生物の症状
[0048]一部の実施形態において、本開示は、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せ等のMPNと関連した症状を低下させる又は軽減する方法に関する。一部の実施形態において、本開示は、症状を低下させる又は軽減するのに有効な量のBTK阻害剤をヒト対象に投与するステップを含む、MPNを有するヒト対象における寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択される症状を低下させる又は軽減するための方法に関する。一部の実施形態において、症状は、悪性細胞による炎症促進性サイトカインの過剰産生及び放出と関連付けられる。一部の実施形態において、症状は、脾腫と関連付けられる。一部の実施形態において、症状は、悪性細胞による炎症促進性サイトカインの過剰産生及び放出並びに脾腫と関連付けられる。一部の実施形態において、ヒト対象の悪性細胞は、炎症促進性サイトカインを過剰産生し、放出する。
【0050】
[0049]一部の実施形態において、症状は、BTK阻害剤の投与前少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、又は少なくとも7日等の、BTK阻害剤の投与前少なくとも1日間持続する。
【0051】
[0050]一部の実施形態において、方法は、BTK阻害剤の投与前の症状の重症度を査定するステップをさらに含む。一部の実施形態において、方法は、BTK阻害剤の投与後の症状の重症度を査定するステップをさらに含む。一部の実施形態において、症状の重症度は、自己査定によって判定される。一部の実施形態において、症状の重症度は、自己報告によって判定される。
【0052】
[0051]一部の実施形態において、症状の重症度は、症状の重症度に数値(これはスコアと呼ばれることもある)を割り振ることによって、例えば、ゼロ~10の尺度で値を割り振ることによって査定され、ゼロの値は症状がないことを示し、10の値は、症状の重症度がヒト対象にとって想像し得る限り最悪であることを示す。一部の実施形態において、総症状スコアは、各個々の症状に関するスコアを合計することによって判定される。一部の実施形態において、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の症状のスコアが合計されて総症状スコアが得られる。一部の実施形態において、症状スコア又は総症状スコアは、以下の質問の1、2、3、4、5、6、又は7個に応えてスコアを報告すること(例えば、ゼロ~10の尺度で)によって得られる。
【0053】
【0054】
[0052]一部の実施形態において、ヒト対象は、症候があると考えられ、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも28、少なくとも30、少なくとも32、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも38、少なくとも40、少なくとも42、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも48、及び/又は少なくとも50等の少なくとも10の、表2における7個の質問によって査定される総症状スコアを有し、各質問はゼロ~10の尺度でスコアを付けられ、ゼロは症状がないことを示し、10は症状が想像し得る限り最悪であることを示す。
【0055】
[0053]一部の実施形態において、症状に関するベースラインスコアと比較して、症状のスコアが、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、及び/又は少なくとも90%等の少なくとも50%低下する場合、症状は低下する。一部の実施形態において、症状に関するベースラインスコアは、本明細書に記載されるBTK阻害剤を投与する前の症状のスコアである。一部の実施形態において、本開示は、総症状スコアの低下に関する。一部の実施形態において、ベースライン総症状スコアと比較して、総症状スコアが、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、及び/又は少なくとも90%等の少なくとも50%低下する場合、総症状スコアは低下する。一部の実施形態において、ベースライン総症状スコアは、本明細書に記載されるBTK阻害剤を投与する前の総症状スコアである。一部の実施形態において、総症状スコアは、1日の総症状スコアの7日平均等の1日の総症状スコアの平均を指す。一部の実施形態において、少なくとも12週間、少なくとも16週間、少なくとも20週間、少なくとも24週間、及び/又は少なくとも30週間等の少なくとも8週間の期間、本明細書に記載されるBTK阻害剤を投与した後、症状及び/又は総症状スコアの低下が得られる。
【0056】
[0054]一部の実施形態において、本明細書に記載されるBTK阻害剤を投与することは、ヒト対象の生活の質を改善する。一部の実施形態において、生活の質は、変化に対する患者全般印象度(PGIC)査定によって査定される。PGICは、ヒト対象の全体的な改善を叙述する7段階尺度であり、ヒト対象は、「非常に改善した」、「かなり改善した」、「少し改善した」、「変わらなかった」、「少し悪くなった」、「かなり悪くなった」、又は「非常に悪くなった」としてその変更を格付けする。一部の実施形態において、改善された生活の質は、「非常に改善した」、「かなり改善した」、又は「少し改善した」のPGIC格付けを含む。
【0057】
[0055]一部の実施形態において、寝汗は、ヒト対象の睡眠中の発汗の繰り返される発生を含む。一部の実施形態において、寝汗は、ヒト対象の睡眠中の極度の発汗の繰り返される発生を含む。
【0058】
[0056]一部の実施形態において、疲労は、ヒト対象の不明且つ再発性の疲弊を含む。一部の実施形態において、疲労は、ヒト対象の不明、持続性、且つ再発性の疲弊を含む。
【0059】
[0057]一部の実施形態において、掻痒症は、ヒト対象の皮膚の掻痒を含む。一部の実施形態において、掻痒症は、ヒト対象の皮膚の重度の掻痒を含む。
【0060】
[0058]一部の実施形態において、腹部痛は、胸部と骨盤部との間で生じ、急性である。一部の実施形態において、腹部痛は、胸部と骨盤部との間で生じ、慢性である。
【0061】
[0059]一部の実施形態において、肋骨下の痛みは、ヒト対象の左側で生じ、急性である。一部の実施形態において、肋骨下の痛みは、ヒト対象の左側で生じ、慢性である。
【0062】
[0060]一部の実施形態において、膨満は、ヒト対象における満腹と関連している。
【0063】
[0061]一部の実施形態において、骨痛は、ヒト対象の1つ又は複数の骨における圧痛、疼痛、又は他の不快感によって特徴付けられる。一部の実施形態において、骨痛は、ヒト対象の1つ又は複数の骨における極度の圧痛、疼痛、又は他の不快感によって特徴付けられる。
【0064】
JAK2阻害剤との組合せ
[0062]一部の実施形態において、本開示は、JAK2阻害剤との組合せで、有効量のBTK阻害剤を治療を必要とするヒト対象に投与することによって、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択される症状を低下させる又は軽減する方法に関する。本開示は、JAK2阻害剤との組合せで、有効量のBTK阻害剤をMPNを有するヒト対象に投与することによって、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択される症状を低下させる又は軽減するための方法にも関する。本明細書における本開示は、望ましい治療剤がBTK阻害及びJAK2阻害に基づいて選択されることができることを実証する。それゆえ、作用の特定のメカニズムに拘束されることを望まないものの、JAK2阻害との組合せでのBTK阻害は、1種又は複数の下流シグナル伝達構成要素(例えば、CXCR-4、CXCL12、VLA-4、VCAM1)を変更して、末梢血へのCD34+細胞の遊走を動員し、MPNと関連した合併症の治療において、特に、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せを含むがそれらに限定されない症状を低下させる又は軽減することにおいて有用であろうことが予想される。
【0065】
[0063]ゆえに、本開示は、JAK2阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩との組合せでBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、MPNに罹患しているヒト対象においてMPNと関連した症状を低下させる又は軽減する方法に関する。一部の実施形態において、JAK2阻害剤は、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、パクリチニブ、モメロチニブ、ジャクチニブ、イルギナチニブ、又はその組合せから選択される。一部の実施形態において、MPNは骨髄線維症(MF)である。一部の実施形態において、MFは、慢性特発性骨髄線維症(cIMF)としても知られる原発性骨髄線維症である。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。一部の実施形態において、MFは続発性骨髄線維症である。一部の実施形態において、MFは、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症である。一部の実施形態において、MFは、慢性骨髄性白血病(CML)に続発して発生する骨髄線維症である。一部の実施形態において、MFは特発性骨髄線維症である。一部の実施形態において、MPNは慢性骨髄性白血病である。一部の実施形態において、MPNは、前駆MPNを伴う急性骨髄性白血病(急性転化期MPN(MPN-BP)としても知られる)である。一部の実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。一部の実施形態において、MPNは、特発性全身性肥満細胞症(SM)、慢性好酸球性白血病-非特定型(CEL-NOS)、分類不能骨髄増殖性新生物(MPN-U)、骨髄異形成症候群(MDS)、全身性肥満細胞疾患(SMCD)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)である。
【0066】
[0064]一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。
【0067】
[0065]一部の実施形態において、ヒト対象はその上に、脾腫、肝腫、又は肝脾腫に罹患している。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫、肝腫、又は肝脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫、肝腫、又は肝脾腫なしで瀉血依存的である。
【0068】
[0066]一実施形態において、BTK阻害剤は、表1における化合物のいずれか又はその薬学的に許容できる塩である。一実施形態において、JAK2阻害剤は、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、パクリチニブ、モメロチニブ、ジャクチニブ、イルギナチニブ、その組合せ、又はその薬学的に許容できる塩のいずれかである。
【0069】
[0067]一部の実施形態において、JAK2阻害剤は、1日1回、1日あたり2回、1日あたり3回、1日あたり4回、又は1日あたり5回投与される。一実施形態において、JAK2阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、560mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で投与される。一実施形態において、JAK2阻害剤は、本明細書で投薬量及び投薬レジメンと題した節に従ってヒトに投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、560mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、本明細書で投薬量及び投薬レジメンと題した節に従ってヒトに投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤及びJAK2阻害剤は、同時に、逐次的に、又は間欠的に投与される。
【0070】
[0068]一部の実施形態において、本開示は、(a)BTK阻害剤;(b)JAK2阻害剤;及び(c)薬学的に許容できる賦形剤、を含む薬学的組合せを包含する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤又はJAK2阻害剤単独の投与と比較して、相乗的な治療効果を提供する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤に対して骨髄線維症を感作する。一部の実施形態において、組合せは、組み合わせられた剤形になっている。一部の実施形態において、組合せは、別個の剤形になっている。
【0071】
[0069]一部の実施形態において、本開示は、MPNを有するヒト対象における寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せ等のMPNと関連した症状を低下させる又は軽減するための、BTK阻害剤及びJAK2阻害剤を含む治療有効量の組合せの使用を包含する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤又はJAK2阻害剤単独の投与と比較して、相乗的な治療効果を提供する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤に対して悪性CD34+骨髄細胞を感作する。一部の実施形態において、組合せは、JAK2阻害剤に対して悪性CD34+骨髄細胞を感作する。
【0072】
MDM2阻害剤との組合せ
[0070]一部の実施形態において、本開示は、MDM2阻害剤との組合せで、有効量のBTK阻害剤を治療を必要とするヒト対象に投与することによって、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択される症状を低下させる又は軽減する方法に関する。本開示は、MDM2阻害剤との組合せで、有効量のBTK阻害剤をMPNを有するヒト対象に投与することによって、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択される症状を低下させる又は軽減するための方法にも関する。本明細書における本開示は、望ましい治療剤がBTK阻害及びMDM2阻害に基づいて選択されることができることを実証する。それゆえ、作用の特定のメカニズムに拘束されることを望まないものの、MDM2阻害との組合せでのBTK阻害は、1種又は複数の下流シグナル伝達構成要素(例えば、CXCR-4、CXCL12、VLA-4、VCAM1)を変更して、末梢血へのCD34+細胞の遊走を動員し、MPNと関連した合併症の治療において、特に、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せを含むがそれらに限定されない症状を低下させる又は軽減することにおいて有用であろうことが予想される。
【0073】
[0071]ゆえに、本開示は、MDM2阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩との組合せでBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、MPNに罹患しているヒト対象においてMPNと関連した症状を低下させる又は軽減する方法に関する。一部の実施形態において、MDM2阻害剤は、表3における化合物のいずれか又はその薬学的に許容できる塩から選択される。
【0074】
【0075】
[0072]一部の実施形態において、MPNは骨髄線維症(MF)である。一部の実施形態において、MFは、慢性特発性骨髄線維症(cIMF)としても知られる原発性骨髄線維症である。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。一部の実施形態において、MFは、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症である。一部の実施形態において、MFは、慢性骨髄性白血病(CML)に続発して発生する骨髄線維症である。一部の実施形態において、MFは特発性骨髄線維症である。一部の実施形態において、MPNは慢性骨髄性白血病である。一部の実施形態において、MPNは、前駆MPNを伴う急性骨髄性白血病(急性転化期MPN(MPN-BP)としても知られる)である。一部の実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。一部の実施形態において、MPNは、特発性全身性肥満細胞症(SM)、慢性好酸球性白血病-非特定型(CEL-NOS)、分類不能骨髄増殖性新生物(MPN-U)、骨髄異形成症候群(MDS)、全身性肥満細胞疾患(SMCD)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)である。
【0076】
[0073]一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。
【0077】
[0074]一部の実施形態において、ヒト対象はその上に、脾腫、肝腫、又は肝脾腫に罹患している。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫、肝腫、又は肝脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫、肝腫、又は肝脾腫なしで瀉血依存的である。
【0078】
[0075]一実施形態において、BTK阻害剤は、表1における化合物のいずれか又はその薬学的に許容できる塩である。一実施形態において、MDM2阻害剤は、表3における化合物のいずれか、その組合せ、又はその薬学的に許容できる塩である。
【0079】
[0076]一部の実施形態において、MDM2阻害剤は、1日1回、1日あたり2回、1日あたり3回、1日あたり4回、又は1日あたり5回投与される。一実施形態において、MDM2阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、560mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で投与される。一実施形態において、MDM2阻害剤は、本明細書で投薬量及び投薬レジメンと題した節に従ってヒトに投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、560mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、本明細書で投薬量及び投薬レジメンと題した節に従ってヒトに投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤及びMDM2阻害剤は、同時に、逐次的に、又は間欠的に投与される。
【0080】
[0077]一部の実施形態において、本開示は、(a)BTK阻害剤;(b)MDM2阻害剤;及び(c)薬学的に許容できる賦形剤、を含む薬学的組合せを包含する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤又はMDM2阻害剤単独の投与と比較して、相乗的な治療効果を提供する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤に対して骨髄線維症を感作する。一部の実施形態において、組合せは、組み合わせられた剤形になっている。一部の実施形態において、組合せは、別個の剤形になっている。
【0081】
[0078]一部の実施形態において、本開示は、MPNを有するヒト対象における寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、及びその組合せ等のMPNと関連した症状を低下させる又は軽減するための、BTK阻害剤及びMDM2阻害剤を含む治療有効量の組合せの使用を包含する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤又はMDM2阻害剤単独の投与と比較して、相乗的な治療効果を提供する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤に対して悪性CD34+骨髄細胞を感作する。一部の実施形態において、組合せは、MDM2阻害剤に対して悪性CD34+骨髄細胞を感作する。
【0082】
医薬組成物
[0079]一部の実施形態において、本開示は、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択される症状を低下させる又は軽減するための、BTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、本開示は、MPNを有するヒト対象における寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択される症状を低下させる又は軽減するための、BTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、MPNは、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、原線維性/早期PMF、線維化期PMF、続発性骨髄線維症、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)に続発して発生する骨髄線維症、特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、前駆MPNを伴う急性骨髄性白血病(急性転化期MPN(MPN-BP)としても知られる)、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、特発性全身性肥満細胞症(SM)、慢性好酸球性白血病-非特定型(CEL-NOS)、分類不能骨髄増殖性新生物(MPN-U)、骨髄異形成症候群(MDS)、全身性肥満細胞疾患(SMCD)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、又は環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)から選択される。
【0083】
[0080]医薬組成物は、典型的には、治療有効量のBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を提供するように製剤化される。所望の場合、医薬組成物は、その薬学的に許容できる塩及び/又は配位錯体、並びに1種又は複数の薬学的に許容できる賦形剤、不活性の固形希釈剤及び充填剤を含めたキャリア、滅菌水溶液及び様々な有機溶媒を含めた希釈剤、透過増強剤、可溶化剤、並びにアジュバントを含有する。所望の場合、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩に加えて他の成分が調製物に混合されてもよい、又は両構成要素は、別個での若しくは同時での組合せでの使用のために別個の調製物に製剤化されてもよい。
【0084】
[0081]選択される実施形態において、本開示の医薬組成物において提供されるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の濃度は、例えば100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、又は0.0001%w/w、w/v、又はv/v未満である。
【0085】
[0082]選択される実施形態において、本開示の医薬組成物において提供されるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の濃度は、独立して、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、又は0.0001%w/w、w/v、又はv/vを上回る。
【0086】
[0083]選択される実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の濃度は、独立して、およそ0.0001%~およそ50%、およそ0.001%~およそ40%、およそ0.01%~およそ30%、およそ0.02%~およそ29%、およそ0.03%~およそ28%、およそ0.04%~およそ27%、およそ0.05%~およそ26%、およそ0.06%~およそ25%、およそ0.07%~およそ24%、およそ0.08%~およそ23%、およそ0.09%~およそ22%、およそ0.1%~およそ21%、およそ0.2%~およそ20%、およそ0.3%~およそ19%、およそ0.4%~およそ18%、およそ0.5%~およそ17%、およそ0.6%~およそ16%、およそ0.7%~およそ15%、およそ0.8%~およそ14%、およそ0.9%~およそ12%、又はおよそ1%~およそ10%w/w、w/v、又はv/vの値域にある。
【0087】
[0084]選択される実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の濃度は、独立して、およそ0.001%~およそ10%、およそ0.01%~およそ5%、およそ0.02%~およそ4.5%、およそ0.03%~およそ4%、およそ0.04%~およそ3.5%、およそ0.05%~およそ3%、およそ0.06%~およそ2.5%、およそ0.07%~およそ2%、およそ0.08%~およそ1.5%、およそ0.09%~およそ1%、およそ0.1%~およそ0.9%w/w、w/v、又はv/vの値域にある。
【0088】
[0085]選択される実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の量は、独立して、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、又は0.0001gに等しい又はそれ未満である。
【0089】
[0086]選択される実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の量は、独立して、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、又は10gよりも多い。
【0090】
[0087]表1におけるBTK阻害剤化合物及びその薬学的に許容できる塩は、広い投薬量域にわたって有効である。例えば、成人の治療において、独立して、1日あたり0.01~1000mg、0.5~100mg、1~50mg、及び1日あたり5~40mgに及ぶ投薬量は、使用されてもよい投薬量の例である。正確な投薬量は、投与の経路、化合物が投与される形態、治療されるべき対象の性別及び年齢、治療されるべき対象の体重、並びに主治医の選好及び経験に依存するであろう。
【0091】
[0088]非限定的な例となる医薬組成物及び医薬組成物を調製するための方法が、下で記載される。
【0092】
経口投与のための医薬組成物
[0089]選択される実施形態において、本開示は、BTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩、及び経口投与に好適な薬学的賦形剤を含む、経口投与のための医薬組成物を提供する。
【0093】
[0090]選択された実施形態において、本開示は、(i)組合せにおける有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩及び(ii)経口投与に好適な医薬賦形剤を含有する、経口投与のための固形医薬組成物を提供する。選択された実施形態において、組成物は、(iii)有効量の少なくとも1種の付加的な有効成分をさらに含有する。
【0094】
[0091]選択された実施形態において、医薬組成物は、経口消費に好適な液体医薬組成物であってもよい。経口投与に好適な本開示の医薬組成物は、カプセル、カシェー、若しくは錠剤等の個別の剤形として、或いはそれぞれが、水性若しくは非水性液体、水中油型乳濁液、又は油中水型液体乳濁液に、粉末として又は顆粒、溶液、若しくは懸濁液の状態で所定の量の有効成分を含有する液体又はエアロゾルスプレーとして提示され得る。そのような剤形は、方法のいずれかによって調製され得るが、すべての方法は、有効成分(複数可)を、1種又は複数の必要な成分を構成するキャリアと結び付けるステップを含む。一般的に、組成物は、有効成分(複数可)と液体キャリア若しくは微粉固形キャリア又はその両方とを均一に且つ密接に混和し、次いで必要な場合には、産物を所望の見栄えに形作ることによって調製される。例えば、錠剤は、任意選択で1種又は複数の補助的成分とともに、圧縮又は成形によって調製され得る。圧縮錠剤は、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、及び/又は表面活性剤若しくは分散剤等であるがそれらに限定されない賦形剤と任意選択で混合された、粉末又は顆粒等の自由流動形態の有効成分を適切な機械で圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らした粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって作製され得る。
【0095】
[0092]水は一部の化合物の分解を促し得ることから、本開示は、無水医薬組成物及び剤形をさらに包含する。例えば、製薬技術分野において、長期保管を模倣する手段として水を添加して(例えば、5%)、貯蔵寿命又は経時的な製剤の安定性等の特徴を判定することができる。本開示の無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分、及び低水分又は低湿度条件を使用して調製され得る。ラクトースを含有する本開示の医薬組成物及び剤形は、製造、包装、及び/又は保管の間に水分及び/又は湿度との実質的な接触が予想される場合、無水とされ得る。無水医薬組成物は、無水医薬組成物の無水性質が維持されるように調製されることができ且つ保管されることができる。したがって、無水組成物は、水への曝露を阻止することが知られている材料を使用して包装されてもよく、それにより無水組成物は、適切な処方キットに含まれ得る。適切な包装の例は、密閉ホイル、プラスチック等、単位用量容器、ブリスターパック、及びストリップパックを含むが、それらに限定されるわけではない。
【0096】
[0093]BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、従来の薬学的配合技法に従って、薬学的キャリアとの密接な混和物の状態で組み合わせられ得る。キャリアは、投与に望まれる調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとり得る。経口剤形のための組成物を調製する際、経口液体調製物(懸濁液、溶液、及びエリキシル剤等)若しくはエアロゾルの場合には、例えば水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤等、通常の薬学的媒体のいずれかがキャリアとして採用され得る;又は、経口固形調製物の場合には、一部の実施形態ではラクトースの使用を採用せずに、デンプン、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤等のキャリアが使用され得る。例えば、固形経口調製物に関して、適切なキャリアは、粉末、カプセル、及び錠剤を含む。所望の場合、錠剤は、標準的な水性又は非水性の技法によってコートされ得る。
【0097】
[0094]医薬組成物及び剤形における使用に適切な結合剤は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、アカシア等の天然及び合成ガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、トラガカント末、グアーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、並びにその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0098】
[0095]本明細書に開示される医薬組成物及び剤形における使用のための適切な充填剤の例は、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート(dextrate)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0099】
[0096]崩壊剤を本開示の組成物において使用して、水性環境に曝露された場合に崩壊する錠剤を提供することができる。過剰の崩壊剤は、ボトルにおいて崩壊する錠剤をもたらすことがある。過少は、崩壊が生じるのに不十分であることがあり、ゆえに剤形からの有効成分の放出の速度及び程度を変更する。ゆえに、有効成分(複数可)の放出を有害に変更する過少でも過剰でもない十分量の崩壊剤を使用して、本明細書に開示される化合物の剤形を形成することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプ及び投与の様態に基づいて変動してもよく、当業者によって容易に認められ得る。約0.5~約15重量パーセントの崩壊剤、又は約1~約5重量パーセントの崩壊剤を、医薬組成物において使用してもよい。本開示の医薬組成物及び剤形を形成するために使用され得る崩壊剤は、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、又はその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0100】
[0097]本開示の医薬組成物及び剤形を形成するために使用され得る滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽質鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水添植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethylaureate)、寒天、又はその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。付加的な滑沢剤は、例えばsyloidシリカゲル、合成シリカの凝固エアロゾル、又はその混合物を含む。滑沢剤は、医薬組成物の約1重量パーセント未満の量で任意選択で添加され得る。
【0101】
[0098]水性懸濁液及び/又はエリキシル剤が経口投与に望まれる場合、水性懸濁液及び/又はエリキシル剤の中の必須の有効成分は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、及びその様々な組合せ等の希釈剤と一緒に、様々な甘味剤若しくは香味剤、着色物質、又は色素、並びに所望の場合には、乳化剤及び/又は懸濁化剤と組み合わせられてもよい。
【0102】
[0099]錠剤をコートしないで又は公知の技法によってコートして、消化管における崩壊及び吸収を遅延させ得、それによって、より長い期間にわたる持続的作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリル等の時間遅延材料が採用され得る。経口使用のための製剤は、有効成分が、不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、若しくはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセルとしても、又は有効成分が、水若しくは油媒体、例えば落花生油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとしても提示され得る。
【0103】
[00100]本開示の医薬組成物及び剤形を形成するために使用され得る界面活性剤は、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、及びその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。つまり、親水性界面活性剤の混合物を採用してもよいし、親油性界面活性剤の混合物を採用してもよいし、又は少なくとも1種の親水性界面活性剤及び少なくとも1種の親油性界面活性剤の混合物を採用してもよい。
【0104】
[00101]適切な親水性界面活性剤は、一般的に、少なくとも10のHLB値を有してもよく、一方で適切な親油性界面活性剤は、一般的に、約10の又は約10未満のHLB値を有してもよい。非イオン性両親媒性化合物の相対的親水性及び疎水性を特徴付けするために使用される経験的パラメーターが、親水性-親油性バランス(「HLB」値)である。より低いHLB値を有する界面活性剤は、より親油性であるか又は疎水性であり、油におけるより大きな溶解度を有し、一方でより高いHLB値を有する界面活性剤は、より親水性であり、水溶液におけるより大きな溶解度を有する。親水性界面活性剤は、約10よりも大きなHLB値を有するそうした化合物、並びにHLB尺度が一般的に適用可能でないアニオン性、カチオン性、又は双性イオン性化合物であると一般的に考えられる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、約10又は約10未満のHLB値を有する化合物である。しかしながら、界面活性剤のHLB値は、産業用の、薬学的な、及び美容用の乳濁液の製剤化を可能にするために一般的に使用される単なる大まかな指針にすぎない。
【0105】
[00102]親水性界面活性剤は、イオン性又は非イオン性のいずれかであってもよい。適切なイオン性界面活性剤は、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチン及び水添レシチン;リゾレシチン及び水添リゾレシチン;リン脂質及びその誘導体;リゾリン脂質及びその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクセートナトリウム;アシルラクチレート(acylactylates);モノ-及びジ-グリセリドのモノ-及びジ-アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ-及びジ-グリセリド;モノ-及びジ-グリセリドのクエン酸エステル;並びにその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0106】
[00103]前述の群のうち、イオン性界面活性剤は、例として、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質、及びその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシルラクチレート;モノ-及びジ-グリセリドのモノ-及びジ-アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ-及びジ-グリセリド;モノ-及びジ-グリセリドのクエン酸エステル;並びにその混合物を含む。
【0107】
[00104]イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル(lactylic ester)、ステアロイル-2-ラクチレート、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン(cholylsarcosine)、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレート、リノレート、リノレネート、ステアレート、ラウリルサルフェート、テラセシル(teracecyl)サルフェート、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、並びにその塩及び混合物、のイオン化形態であってもよい。
【0108】
[00105]親水性非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリエチレングリコールアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリエチレングリコールアルキルフェノール等のポリオキシアルキレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル及びポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル等のポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、及びステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの親水性エステル交換反応産物;ポリオキシエチレンステロール、その誘導体、及び類似体;ポリオキシエチル化ビタミン及びその誘導体;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体;並びにその混合物;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、並びにトリグリセリド、植物油、及び水添植物油からなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの親水性エステル交換反応産物を含んでもよいが、それらに限定されるわけではない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、又はサッカライドであってもよい。
【0109】
[00106]他の親水性非イオン性界面活性剤は、限定されることなく、ラウリン酸PEG-10、ラウリン酸PEG-12、ラウリン酸PEG-20、ラウリン酸PEG-32、ジラウリン酸PEG-32、オレイン酸PEG-12、オレイン酸PEG-15、オレイン酸PEG-20、ジオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-32、オレイン酸PEG-200、オレイン酸PEG-400、ステアリン酸PEG-15、ジステアリン酸PEG-32、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100、ジラウリン酸PEG-20、トリオレイン酸PEG-25グリセリル、ジオレイン酸PEG-32、ラウリン酸PEG-20グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ステアリン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-40グリセリル、PEG-40パーム核油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-60トウモロコシ油、PEG-6カプリン酸/カプリル酸グリセリド、PEG-8カプリン酸/カプリル酸グリセリド、ラウリン酸ポリグリセリル-10、PEG-30コレステロール、PEG-25フィトステロール、PEG-30ダイズステロール、トリオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-40ソルビタン、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE-9ラウリルエーテル、POE-23ラウリルエーテル、POE-10オレイルエーテル、POE-20オレイルエーテル、POE-20ステアリルエーテル、コハク酸トコフェリルPEG-100、PEG-24コレステロール、オレイン酸ポリグリセリル-10、Tween 40、Tween 60、スクロースモノステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースモノパルミテート、PEG 10~100ノニルフェノールシリーズ、PEG 15~100オクチルフェノールシリーズ、及びポロキサマーを含む。
【0110】
[00107]適切な親油性界面活性剤は、単なる例として、脂肪アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロール及びステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロール及びステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノ-及びジ-グリセリドの乳酸誘導体;グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、及びステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの疎水性エステル交換反応産物;油溶性ビタミン/ビタミン誘導体;並びにその混合物を含む。この群のうち、好ましい親油性界面活性剤は、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びその混合物を含むか、又は植物油、水添植物油、及びトリグリセリドからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの疎水性エステル交換反応産物である。
【0111】
[00108]一実施形態において、本開示の化合物の良好な可溶化及び/又は溶解を確実にするために、並びに本開示の化合物の沈殿を最小限に抑えるために、組成物は可溶化剤を含んでもよい。可溶化剤を含むことは、注射用の組成物等、非経口使用のための組成物にとりわけ重要であり得る。可溶化剤を添加して、親水性薬物、及び/若しくは界面活性剤等の他の構成要素の溶解度を増加させることも、又は組成物を安定な若しくは均質な溶液若しくは分散体として維持することもできる。
【0112】
[00109]適切な可溶化剤の例は、以下のもの:エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール及びその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール(transcutol)、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他のセルロース誘導体、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体等のアルコール及びポリオール;テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)又はメトキシPEG等、約200~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル;2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、及びポリビニルピロリドン等のアミド及び他の窒素含有化合物;プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エプシロン-カプロラクトン及びその異性体、δ-バレロラクトン及びその異性体、β-ブチロラクトン及びその異性体等のエステル;並びに、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及び水等、当技術分野において公知の他の可溶化剤を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0113】
[00110]可溶化剤の混合物も使用してもよい。例は、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200~100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、及びジメチルイソソルビドを含むが、それらに限定されるわけではない。特に好ましい可溶化剤は、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロール、及びプロピレングリコールを含む。
【0114】
[00111]含まれ得る可溶化剤の量は、特に限定されない。所与の可溶化剤の量は、当業者によって容易に判定されることができる生体許容(bioacceptable)量に限定されることがある。ある状況では、例えば薬物の濃度を最大限に高めるために、生体許容量をはるかに超える可溶化剤の量を含み、過度の可溶化剤を、蒸留又は蒸発等の従来の技法を使用して、患者に組成物を提供する前に除去することが有利であることがある。ゆえに、存在する場合、可溶化剤は、薬物及び他の賦形剤の組合せ重量に基づいて、10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、又は最高約200重量%の重量比であり得る。所望の場合、5%、2%、1%、又はさらにそれ未満等、非常に少量の可溶化剤も使用してもよい。典型的に、可溶化剤は、約1重量%~約100重量%、より典型的には約5重量%~約25重量%の量で存在してもよい。
【0115】
[00112]組成物は、1種又は複数の薬学的に許容できる添加物及び賦形剤をさらに含み得る。そのような添加物及び賦形剤は、限定されることなく、脱粘着剤(detackifier)、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化物質、防腐剤、キレート剤、粘性モジュレーター(viscomodulator)、張度剤(tonicifier)、香味料(flavorant)、着色料、付臭剤、乳白剤、懸濁化剤、結合剤、充填剤、可塑剤、滑沢剤、及びその混合物を含む。
【0116】
[00113]加えて、加工を容易にするために、安定性を増強するために、又は他の理由のために、酸又は塩基を組成物に組み入れてもよい。薬学的に許容できる塩基の例は、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト(hydrocalcite)、水酸化アルミニウムマグネシウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)等を含む。酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノンスルホン酸(hydroquinosulfonic acid)、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸等、薬学的に許容できる酸の塩である塩基も適切である。リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、及びリン酸二水素ナトリウム等、多塩基酸の塩も使用され得る。塩基が塩である場合、カチオンは、アンモニウム、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属等、任意の好都合で且つ薬学的に許容できるカチオンであり得る。例は、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、及びアンモニウムを含んでもよいが、それらに限定されるわけではない。
【0117】
[00114]適切な酸は、薬学的に許容できる有機又は無機酸である。適切な無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸等を含む。適切な有機酸の例は、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノンスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、及び尿酸を含む。
【0118】
注射用医薬組成物
[00115]選択される実施形態において、本開示は、BTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩、及び注射に好適な薬学的賦形剤を含む、注射のための医薬組成物を提供する。組成物における構成要素、及び作用物質の量は、本明細書に記載されるとおりである。
【0119】
[00116]注射による投与のために本開示の組成物を組み入れることができる形態は、水性若しくは油性懸濁液、又はゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、若しくは落花生油との乳濁液、並びにエリキシル剤、マンニトール、デキストロース、又は滅菌水溶液、及び同様の医薬ビヒクルを含む。
【0120】
[00117]生理食塩水中の水溶液も、従来どおりに注射に使用される。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール(及び、その適切な混合物)、シクロデキストリン誘導体、並びに植物油も採用されてもよい。適正な流動性は、例えば、分散体の場合には要求される粒子サイズの維持のためのレシチン等のコーティングの使用によって、及び界面活性剤の使用によって、維持され得る。微生物の作用の阻止は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、及びチメロサールによってもたらされ得る。
【0121】
[00118]滅菌注射液は、要求に応じて上で挙げられる様々な他の成分とともに、適当な溶媒において要求される量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を組み入れ、その後に濾過滅菌が続くことによって調製される。一般的に、分散体は、塩基性分散媒、及び上で挙げられるものからの要求される他の成分を含有する滅菌ビヒクルに、様々な滅菌有効成分を組み入れることによって調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合には、調製のある特定の望ましい方法は、有効成分+任意の付加的な所望の成分の事前に滅菌濾過した溶液からの、有効成分+任意の付加的な所望の成分の粉末を生じさせる真空乾燥及び凍結乾燥技法である。
【0122】
[00119]BTK阻害剤若しくはその薬学的に許容できる塩、又はこれらの化合物の医薬組成物の投与は、作用の部位への化合物の送達を可能にする任意の方法によって達成され得る。これらの方法は、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、血管内、腹腔内、又は注入を含む)、局所的(例えば、経皮適用)、直腸投与、カテーテル若しくはステントによる局所送達による、又は吸入によるものを含む。化合物は、脂肪内(intraadiposally)又は髄腔内にも投与され得る。
【0123】
[00120]例示的な非経口投与形態は、滅菌水溶液、例えば水性プロピレングリコール又はデキストロース溶液における、活性化合物の溶液又は懸濁液を含む。そのような剤形は、所望の場合には適切に緩衝され得る。
【0124】
[00121]本開示は、キットも提供する。キットは、単独での又は好適なパッケージにおける組合せでの、BTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物、並びに使用のための使用説明書、臨床研究の考察、及び副作用のリストを含み得る文書資料を含む。そのようなキットは、科学的文献参照、添付文書材料、治験結果、及び/又はこれらの情報の要約等の情報も含んでもよく、その情報は、組成物の活性及び/若しくは利点を示し若しくは定め、及び/又は投薬、投与、副作用、薬物相互作用、若しくは医療ケア提供者に有用な他の情報を記載する。そのような情報は、様々な研究、例えば、インビボモデルを含む実験動物を使用した研究、及びヒト治験に基づく研究の結果に基づいてもよい。キットは、別の医薬品有効成分をさらに含有してもよい。使用のための適切な包装及び付加的な品目(例えば、液体調製物のための測定カップ、空気への曝露を最小限に抑えるためのホイルラッピング等)は、当技術分野において公知であり、キットに含まれてもよい。本明細書に記載されるキットは、医師、看護師、薬剤師、処方薬局職員等を含めた医療提供者に提供され得、販売され得、及び/又は宣伝され得る。キットは、選択された実施形態において、消費者に直接販売されてもよい。一実施形態において、本開示は、本明細書に記載される寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せ等の、選択されたMPN(例えば、骨髄線維症)の症状を低下させる又は軽減することにおける使用のための、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を含むキットを提供する。
【0125】
投薬量及び投薬レジメン
[00122]投与されるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の量は、治療されているヒト、障害又は病状の重症度、投与速度、化合物の体内動態、及び処方医師の裁量に依存するであろう。しかしながら、有効投薬量は、単回又は分割用量で、1日あたり体重kgあたり約0.001~約100mgの値域、例えば約1~約35mg/kg/日である。70kgのヒトに関して、有効投薬量は、約0.05~7g/日、例えば約0.05~約2.5g/日になるであろう。ある状況では、前述の値域の下限を下回る投薬量レベルが充分過ぎることがあり、一方で他の場合には、さらにより大きな用量が、例えばそのようなより大きな用量を、1日を通した投与のためにいくつかの小さな用量に分割することによって、いかなる有毒な副作用も引き起こすことなく採用されることができる。
【0126】
[00123]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、単回用量で投与される。1日に複数回の投与、例えば1日に2回、も具体化される(empbodied)。典型的に、そのような投与は、経口的である。しかしながら、他の経路を、必要に応じて使用してもよい。
【0127】
[00124]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せから選択されるMPN(例えば、骨髄線維症)と関連した症状を低下させる又は軽減するために複数回投与で投与される。一実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、複数回投与で投与される。一実施形態において、投薬は、1日あたり1回、2回、3回、4回、5回、6回、又は7回以上であってもよい。一実施形態において、投薬は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回、1日おき、週1回、週2回、週3回、週4回、隔週、及び月1回からなる群から選択されてもよい。他の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり約1回~1日あたり約6回、例えば、1日あたり約1回~1日あたり約4回投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は1日に1回投与され、一方で他の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は1日に2回投与され、及び他の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は1日に3回投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、毎週月曜日、水曜日、及び金曜日を含めた、1週間に3回投与される。
【0128】
[00125]BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の投与は、必要な限り続けてもよい。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31日、又はそれよりも多い日数を超える間投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、28、14、7、6、5、4、3、2、又は1日未満の間投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、約14日、約21日、約28日、約35日、約42日、約49日、又は約56日の間投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、例えば慢性影響の治療のために、継続的に慢性的に投与される。別の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の投与は、約7日未満の間続く。さらに別の実施形態において、投与は、約6、10、14、28日、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、又は1年を超える間続く。一部の実施形態において、投与は、約1年、2年、3年、4年、又は5年を超える間続く。一部の実施形態において、連続的投薬は、必要な限り実現され且つ維持される。
【0129】
[00126]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、約1mg~約600mg、約10mg~約500mg、約20mg~約450mg、約25mg~約200mg、約10mg~約200mg、約20mg~約150mg、約30mg~約120mg、約10mg~約90mg、約20mg~約80mg、約30mg~約70mg、約40mg~約60mg、約45mg~約55mg、約48mg~約52mg、約50mg~約150mg、約60mg~約140mg、約70mg~約130mg、約80mg~約120mg、約90mg~約110mg、約95mg~約105mg、約150mg~約250mg、約160mg~約240mg、約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、約195mg~約205mg、又は約198~約202mgの値域にある。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、約15mg、約25mg、約30mg、約50mg、約50mg、約75mg、約90mg、約100mg、約120mg、約125mg、約150mg、約175mg、約180mg、約200mg、約225mg、約240mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約360mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約480mg、約500mgである。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、及び480mgである。
【0130】
[00127]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、約0.01mg/kg~約4.3mg/kg、約0.15mg/kg~約3.6mg/kg、約0.3mg/kg~約3.2mg/kg、約0.35mg/kg~約2.85mg/kg、約0.15mg/kg~約2.85mg/kg、約0.3mg~約2.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1.7mg/kg、約0.15mg/kg~約1.3mg/kg、約0.3mg/kg~約1.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1mg/kg、約0.55mg/kg~約0.85mg/kg、約0.65mg/kg~約0.8mg/kg、約0.7mg/kg~約0.75mg/kg、約0.7mg/kg~約2.15mg/kg、約0.85mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約1.85mg/kg、約1.15mg/kg~約1.7mg/kg、約1.3mg/kg mg~約1.6mg/kg、約1.35mg/kg~約1.5mg/kg、約2.15mg/kg~約3.6mg/kg、約2.3mg/kg~約3.4mg/kg、約2.4mg/kg~約3.3mg/kg、約2.6mg/kg~約3.15mg/kg、約2.7mg/kg~約3mg/kg、約2.8mg/kg~約3mg/kg、又は約2.85mg/kg~約2.95mg/kgの値域にある。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、約0.35mg/kg、約0.7mg/kg、約1mg/kg、約1.4mg/kg、約1.8mg/kg、約2.1mg/kg、約2.5mg/kg、約2.85mg/kg、約3.2mg/kg、又は約3.6mg/kgである。
【0131】
[00128]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、及び480mg BIDの投薬量を含めた、10~500mg BIDの投薬量で投与される。
【0132】
[00129]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、及び480mg QDの投薬量を含めた、10~600mg QDの投薬量で投与される。
【0133】
[00130]BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効量は、口腔、舌下、及び経皮経路、動脈内注射による、静脈内に、非経口的に、筋肉内に、皮下に、又は経口的を含めた、同様の有用性を有する、作用物質の投与の許容される様態のいずれかによって、単回又は複数回用量のいずれかで投与されてもよい。
【0134】
[00131]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、間欠投与として公知の、間欠的に対象に投与される。「間欠投与」によって、この用語は、治療有効用量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩のある期間の投与、それに続くある時期の中断、次いでその後に別の投与期間が続く等を意味する。各投与期間において、投薬頻度は、1日に3回、1日に2回、日毎、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回から独立的に選択され得る。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
【0135】
[00132]「中断の期間」又は「中断期間」又は「休止期間」によって、この用語は、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の投与を中断する時間の長さを意味する。中断の時期は、投与期間よりも長くても若しくは短くてもよいか、又は投与期間と同じであってもよい。中断期間中、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩以外の他の治療剤が投与されてもよい。中断期間は、特定のBTK阻害剤化合物と関連した任意の毒性作用を軽減するために必要であることがある。
【0136】
[00133]一実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せ等のMPN(例えば、骨髄線維症)と関連した症状を低下させる又は軽減するためにそれを必要とするヒト対象に、第1の投与期間に投与、次いでその後に中断期間が続き、次いでその後に第2の投与期間が続く等で投与される。第1の投与期間、第2の投与期間、及び中断期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1カ月、5週間、6週間、7週間、2カ月、9週間、10週間、11週間、3カ月、13週間、14週間、15週間、4カ月を上回る期間、及びそれよりも多い日数からなる群から独立的に選択され、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1日に3回、1日に2回、毎日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回、対象に投与される。一実施形態において、第1の投与期間は、第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも短い。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも長い。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約1週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
【0137】
[00134]一実施形態において、寝汗、疲労、掻痒症、腹部痛、肋骨下の痛み、膨満、骨痛、又はその組合せ等のMPN(例えば、骨髄線維症)と関連した症状を低下させる又は軽減するためにBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、3週間、6週間、9週間、12週間、15週間、18週間、21週間、24週間、27週間、30週間、33週間、36週間、39週間、42週間、45週間、48週間、51週間、54週間、57週間、60週間、63週間、66週間、69週間、72週間、75週間、78週間、81週間、84週間、87週間、90週間、93週間、96週間、99週間、102週間、105週間、108週間、111週間、114週間、117週間、120週間、123週間、126週間、129週間、132週間、135週間、138週間、141週間、144週間、147週間、150週間、153週間、及び156週間から選択される期間、それを必要とする対象に投与され、BTK阻害剤は、表1における化合物のいずれか又はその薬学的に許容できる塩から選択される。一実施形態において、BTK阻害剤は、1日2回100mgの用量で経口投与される。
【国際調査報告】