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特表2024-526097電気化学バッテリエンクロージャの保護を提供するためのスペーサ、並びにそのためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】電気化学バッテリエンクロージャの保護を提供するためのスペーサ、並びにそのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/463 20210101AFI20240709BHJP
   H01M 50/434 20210101ALI20240709BHJP
   H01M 50/443 20210101ALI20240709BHJP
   H01M 50/426 20210101ALI20240709BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20240709BHJP
   H01M 50/42 20210101ALI20240709BHJP
   H01M 50/414 20210101ALI20240709BHJP
   H01M 50/429 20210101ALI20240709BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20240709BHJP
【FI】
H01M50/463 Z
H01M50/434
H01M50/443 M
H01M50/426
H01M50/417
H01M50/42
H01M50/414
H01M50/429
H01M10/058
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577456
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022033222
(87)【国際公開番号】W WO2022265975
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/210,773
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.KEVLAR
(71)【出願人】
【識別番号】323006529
【氏名又は名称】エノビクス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Enovix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ブザッカ,ロバート エス
(72)【発明者】
【氏名】マンダラム,アディディア
(72)【発明者】
【氏名】バック,ジェフリー グレン
(72)【発明者】
【氏名】カルカテラ,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】リー,キム ハン
(72)【発明者】
【氏名】ケンドレカル,プラジャニヤ スニル
【テーマコード(参考)】
5H021
5H029
【Fターム(参考)】
5H021CC03
5H021CC09
5H021EE02
5H021EE03
5H021EE04
5H021EE06
5H021EE08
5H021EE10
5H021EE11
5H021EE15
5H021EE21
5H021HH03
5H029AJ12
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029DJ04
5H029EJ12
5H029HJ04
(57)【要約】
二次バッテリは、制約内に配設された電極アセンブリを含む。電極アセンブリは、積重された連続に、電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を備えるユニットセルの集団を備える。ユニットセル集団のサブセットは、電極電流コレクタ層と対向電極電流コレクタ層との間に延伸されたスペーサ部材を含む。スペーサ部材のうちの1つは、他の延伸されたスペーサ部材から横方向に離間され、対向電極層の対向電極活性材料の少なくとも一部分は、対向電極活性材料の一部分及びスペーサ部材が、x軸及びz軸によって画定される共通平面にあるように、スペーサ部材の間に位置し、延伸されたスペーサ部材の各々は、制約のx軸縁部を超えてx軸方向に距離SDだけ延伸する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電状態と放電状態との間を循環するための二次バッテリであって、前記バッテリが、制約と、前記制約内に配設された電極アセンブリと、を備え、
前記電極アセンブリが、それぞれ、三次元デカルト座標系のx、y及びz軸に対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有し、
前記電極アセンブリが、長手方向に連続して積重された電極電流コレクタ、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を備える、ユニットセルの集団を備え、
前記電極層が、電極活性材料を含み、前記対向電極層が、対向電極活性材料を含み、前記電極活性材料及び前記対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、前記電極活性材料及び前記対向電極材料の他方が、陽極活性材料であり、
前記ユニットセル集団のサブセットが、前記電極電流コレクタ層と前記対向電極電流コレクタ層との間の前記積重された連続に位置する一対の延伸されたスペーサ部材を更に備え、前記スペーサ部材のうちの一方が、他方の延伸されたスペーサ部材から横方向に離間され、前記対向電極層の前記対向電極活性材料の少なくとも一部分が、前記対向電極活性材料の前記一部分及び前記スペーサ部材が、前記x軸及びz軸によって画定される共通平面にあるように、前記スペーサ部材の間に位置し、前記延伸されたスペーサ部材の各々が、前記制約のx軸縁部を超えて前記x軸方向に距離SDだけ延伸する、二次バッテリ。
【請求項2】
前記距離SDが、最大4mmである、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項3】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記x軸方向に延伸する長さを有し、前記スペーサ部材の前記長さが、3000μm以下である、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項4】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記セパレータ層と前記電極層との間に配設される、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項5】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記セパレータ層と前記電極電流コレクタ層との間に配設される、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項6】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記セパレータと前記対向電極層との間に配設される、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項7】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記セパレータ層と前記対向電極電流コレクタ層との間に配設される、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項8】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記電極電流コレクタ層、前記電極層、前記セパレータ層、前記対向電極層、及び前記対向電極電流コレクタ層のうちの少なくとも1つに接着される、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項9】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記電極電流コレクタ層に接着される、請求項8に記載の二次バッテリ。
【請求項10】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記電極層に接着される、請求項8に記載の二次バッテリ。
【請求項11】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記セパレータ層に接着される、請求項8に記載の二次バッテリ。
【請求項12】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記対向電極電流コレクタ層に接着される、請求項8に記載の二次バッテリ。
【請求項13】
前記延伸されたスペーサ部材が、電気絶縁材料を含む、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項14】
前記延伸されたスペーサ部材が、グラファイト又はグラフェンを含む、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項15】
前記延伸されたスペーサ部材が、ポリマー材料を含む、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項16】
前記延伸されたスペーサ部材が、ホモポリマー、コポリマー、又はポリマーブレンドを含む、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項17】
前記延伸されたスペーサ部材が、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブテンなどのポリオレフィン、エチレン-ジエン-プロペンターポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリトリル、ポリフッ化ビニリデンポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシ、アクリレート、スチレン、エポキシ、シリコーン、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン-トリクロロエチレン、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリノール、ポリエチルビニルエチル、ポリエチルエチレネート、ポリエチルエチル、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエンコポリマー、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレン、及び/又はこれらの組み合わせ若しくは共重合体を含有するモノマーから誘導されるフルオロポリマーを含む、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項18】
前記延伸されたスペーサ部材が、フルオロポリマーを含む、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項19】
前記延伸されたスペーサ部材が、ポリオレフィンを含む、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項20】
前記延伸されたスペーサ部材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテンのホモポリマー、コポリマー、及びポリマーブレンドからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項21】
前記延伸されたスペーサ部材が、ポリエチレン又はポリプロピレンを含む、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項22】
前記延伸されたスペーサ部材が、前記x軸方向に測定された前記電極層の全長よりも大きい全長を有する、請求項1に記載の二次バッテリ。
【請求項23】
二次バッテリとともに使用するためのバッテリアセンブリを製造する方法であって、前記バッテリアセンブリが、三次元デカルト座標系のx、y、及びz軸にそれぞれ対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有し、前記方法が、
電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を前記長手方向に連続して積重することによって、ユニットセルを準備することであって、前記電極層が、電極活性材料を含み、前記対向電極層が、対向電極活性材料を含み、前記電極活性材料及び前記対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、前記電極活性材料及び前記対向電極材料の他方が、陽極活性材料である、準備することと、
前記電極電流コレクタ層と前記対向電極電流コレクタ層との間の前記積重された連続に延伸されたスペーサ部材の集団を配置することであって、前記延伸されたスペーサ部材のうちの1つが、他のスペーサ部材から前記y軸方向に離間され、前記延伸されたスペーサ部材の前記x軸範囲が、前記ユニットセルの前記x軸範囲よりも大きい距離SDである、配置することと、を含む、方法。
【請求項24】
前記距離SDが、最大4mmである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記延伸されたスペーサ部材が、制約の縁部から前記距離SDだけ延伸するように、前記ユニットセルを前記制約内に配置することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
二次バッテリのための電極アセンブリであって、前記電極アセンブリが、三次元デカルト座標系のx、y、及びz軸にそれぞれ対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有し、前記電極アセンブリが、
電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を前記長手方向に連続して備えるユニットセルであって、前記電極層が、電極活性材料を含み、前記対向電極層が、対向電極活性材料を含み、前記電極活性材料及び前記対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、前記電極活性材料及び前記対向電極材料の他方が、陽極活性材料である、ユニットセルと、
前記電極電流コレクタ層と前記対向電極電流コレクタ層との間の延伸されたスペーサ部材の集団であって、前記延伸されたスペーサ部材のうちの1つが、前記他のスペーサ部材から前記y軸方向に離間され、前記延伸されたスペーサ部材の前記x軸範囲が、前記ユニットセルの前記x軸範囲よりも大きい距離SDである、延伸されたスペーサ部材の集団と、を備える、電極アセンブリ。
【請求項27】
前記距離SDが、最大4mmである、請求項26に記載の電極アセンブリ。
【請求項28】
前記ユニットセルが、前記延伸されたスペーサ部材が制約の縁部から前記距離SDだけ延伸するように、前記制約内に配設される、請求項26に記載の電極アセンブリ。
【請求項29】
二次バッテリのための電極アセンブリを製造する方法であって、前記電極アセンブリが、三次元デカルト座標系のx、y、及びz軸にそれぞれ対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有し、前記方法が、
電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を前記長手方向に連続して積重することによってユニットセルを準備することであって、前記電極層が、電極活性材料を含み、前記対向電極層が、対向電極活性材料を含み、前記電極活性材料及び前記対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、前記電極活性材料及び前記対向電極材料の他方が、陽極活性材料である、準備することと、
前記電極電流コレクタ層と前記対向電極電流コレクタ層との間に延伸されたスペーサ部材の集団を配置することであって、前記延伸されたスペーサ部材のうちの1つが、前記他のスペーサ部材から前記y軸方向に離間される、配置することと、
前記延伸されたスペーサ部材の前記x軸の範囲が、制約の前記x軸の範囲よりも大きい距離SDであるように、前記ユニットセルを前記制約内に配置することと、を含む、方法。
【請求項30】
前記距離SDが、最大4mmである、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、概して、バッテリ技術などのエネルギー貯蔵技術に関する。より具体的には、本開示の分野は、バッテリエンクロージャの保護を提供するためのスペーサ、そのためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムベースの二次バッテリは、その比較的高いエネルギー密度、電力、及び貯蔵寿命により、望ましいエネルギー源となっている。リチウム二次バッテリの実施例としては、リチウムイオンバッテリ及びリチウムポリマーバッテリなどの非水バッテリが挙げられる。
【0003】
バッテリ、燃料電池、及び電気化学コンデンサなどの既知のエネルギー貯蔵デバイスは、典型的には、平面又はらせん巻き(すなわち、ゼリーロール)積層構造などの二次元層状アーキテクチャを有し、各積層の表面積は、その幾何学的フットプリントにほぼ等しい(多孔率及び表面粗さを無視する)。
【0004】
三次元二次バッテリは、層状二次バッテリと比較して、容量及び寿命を増加させ得る。しかしながら、そのような三次元二次バッテリの製作は、製造及びコストの課題を提示する。
【0005】
いくつかの二次バッテリの製造プロセス中に、エンクロージャが内部コンポーネントの上に配置される。いくつかの場合では、エンクロージャは、内部コンポーネントの縁部と接触し、エンクロージャに摩耗又は破裂を引き起こし、これは、バッテリの性能を低下させ得るか、最悪の場合、バッテリの故障又は短絡状態を引き起こし得る。したがって、公知の技術分野の問題に対処しながら、二次バッテリを製作することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、充電状態と放電状態との間を循環するための二次バッテリが開示される。バッテリは、制約と、制約内に配設された電極アセンブリと、を備え、電極アセンブリは、それぞれ、三次元デカルト座標系のx、y及びz軸に対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有し、電極アセンブリは、長手方向に連続して積重された電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を備えるユニットセルの集団を備え、電極層は、電極活性材料を含み、対向電極層は、対向電極活性材料を含み、電極活性材料及び対向電極材料の一方は、陰極活性材料であり、電極活性材料及び対向電極材料の他方は、陽極活性材料であり、ユニットセル集団のサブセットは、電極電流コレクタ層と対向電極電流コレクタ層との間の積重された連続に位置する一対の延伸されたスペーサ部材を更に備え、スペーサ部材のうちの一方は、他方の延伸されたスペーサ部材から横方向に離間され、対向電極層の対向電極活性材料の少なくとも一部分は、対向電極活性材料の一部分及びスペーサ部材が、x軸及びz軸によって画定される共通平面にあるように、スペーサ部材の間に位置し、延伸されたスペーサ部材の各々は、制約のx軸縁部を超えてx軸方向に距離SDだけ延伸する。
【0007】
別の実施形態では、二次バッテリとともに使用するためのバッテリアセンブリを製造する方法が、開示される。バッテリアセンブリは、それぞれ、三次元デカルト座標系のx、y及びz軸に対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有する。方法は、電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を長手方向に連続して積重することによって、ユニットセルを準備することであって、電極層が、電極活性材料を含み、対向電極層が、対向電極活性材料を含み、電極活性材料及び対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、電極活性材料及び対向電極材料の他方が、陽極活性材料である、準備することと、電極電流コレクタ層と対向電極電流コレクタ層との間の積重された連続に延伸されたスペーサ部材の集団を配置することであって、延伸されたスペーサ部材のうちの1つが、他のスペーサ部材からy軸方向に離間され、延伸されたスペーサ部材のx軸範囲が、ユニットセルのx軸範囲よりも大きい距離SDである、配置することと、を含む。
【0008】
また別の実施形態では、二次バッテリ用の電極アセンブリは、三次元デカルト座標系のx、y、及びz軸にそれぞれ対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有する。電極アセンブリは、電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を長手方向に連続して備えるユニットセルであって、電極層が、電極活性材料を含み、対向電極層が、対向電極活性材料を含み、電極活性材料及び対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、電極活性材料及び対向電極材料の他方が、陽極活性材料である、ユニットセルと、電極電流コレクタ層と対向電極電流コレクタ層との間の延伸されたスペーサ部材の集団であって、延伸されたスペーサ部材のうちの1つが、他のスペーサ部材からy軸方向に離間され、延伸されたスペーサ部材のx軸範囲が、ユニットセルのx軸範囲よりも大きい距離SDである、延伸されたスペーサ部材の集団と、を備える。
【0009】
更に別の実施形態では、二次バッテリ用の電極アセンブリを製造する方法が開示される。電極アセンブリは、三次元デカルト座標系のx、y、及びz軸にそれぞれ対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有する。方法は、電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を長手方向に連続して積重することによってユニットセルを準備することであって、電極層が、電極活性材料を含み、対向電極層が、対向電極活性材料を含み、電極活性材料及び対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、電極活性材料及び対向電極材料の他方が、陽極活性材料である、準備することと、電極電流コレクタ層と対向電極電流コレクタ層との間に延伸されたスペーサ部材の集団を配置することであって、延伸されたスペーサ部材のうちの1つが、他のスペーサ部材からy軸方向に離間される、配置することと、延伸されたスペーサ部材のx軸の範囲が、制約のx軸の範囲よりも大きい距離SDであるように、ユニットセルを制約内に配置することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示による、エンクロージャの適用前の、切断部分を有するバッテリアセンブリの1つの好適な実施形態の正面斜視図である。
図2A】延伸されたスペーサのない、図1の電極アセンブリの断面線D-Dから取られた断面図である。
図2B】本開示の実施形態による、延伸されたスペーサを有する、図1の電極アセンブリの断面線D-Dから取られた断面図である。
図2C】本開示の実施形態による、延伸されたスペーサを有する、図1の電極アセンブリの断面線D-Dから取られた断面図である。
図3】本開示による、制約内のバッテリアセンブリの拡大部分斜視図である。
図4A】延伸されたスペーサのない、バッテリアセンブリの部分図である。
図4B】本開示の実施形態による、延伸されたスペーサを含むバッテリアセンブリの部分図である。
図5】部分的にバッテリエンクロージャ内に配置されたバッテリアセンブリの斜視図である。
図6】バッテリエンクロージャの第2のカバーを含む図5のバッテリアセンブリの斜視図である。
図7】バッテリエンクロージャ内に密封された後の完成したバッテリの正面図である。
図8】本開示の実施形態による、スペーサ部材の斜視図である。
図9】本開示の実施形態による、延伸されたスペーサ部材を含むバッテリアセンブリを準備する方法の概略図である。
【0011】
定義
本明細書で使用される「a」、「an」、及び「the」(すなわち、単数形)は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数参照を指す。例えば、1つの例では、「電極」への言及は、単一の電極及び複数の同様の電極の両方を含む。
【0012】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」は、記載される値のプラス又はマイナス10%、5%、又は1%を指す。例えば、1つの例では、約250μmは、225μm~275μmを含むであろう。更なる実施例として、1つの例では、約1,000μmは、900μm~1,100μmを含むであろう。別途示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される数量(例えば、測定値、及び同様のもの)などを表す全ての数字は、「約」という用語によって全ての場合において修飾されていると理解されたい。したがって、別途逆の意味が示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、近似値である。各数値パラメータは、少なくとも、報告された有意な桁の数に照らして、及び通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0013】
二次バッテリの文脈において本明細書で使用される「陽極」は、二次バッテリ内の負極を指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、「陽極材料」又は「陽極活性」とは、二次バッテリの負極として使用するのに適した材料を意味する。
【0015】
二次バッテリの文脈において本明細書で使用される「陰極」は、二次バッテリ内の正極を指す。
【0016】
本明細書で使用される場合、「陰極材料」又は「陰極活性」は、二次バッテリの正極として使用するのに適した材料を意味する。
【0017】
「変換化学活性材料」又は「変換化学材料」は、二次バッテリの充放電サイクル中に化学反応を起こす材料を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「対向電極」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、二次バッテリの電極の反対側の負極又は正極(陽極又は陰極)を指し得る。
【0019】
充電状態と放電状態との間の二次バッテリのサイクルの文脈で、本明細書で使用される「サイクル」は、充電状態又は放電状態のいずれかである第1の状態から、第1の状態の反対である第2の状態(すなわち、第1の状態が放電された場合は充電状態、又は第1の状態が充電された場合は放電状態)へのサイクルでバッテリを移すためにバッテリを充電及び/又は放電し、次いで、バッテリを第1の状態に戻してサイクルを完了することを指す。例えば、充電状態と放電状態との間の二次バッテリの単一のサイクルは、充電サイクルのように、バッテリを放電状態から充電状態に充電し、次いで放電状態に戻して、サイクルを完了することを含むことができる。単一サイクルはまた、放電サイクルのように、バッテリを充電状態から放電状態に放電し、次いで充電状態に戻して充電し、サイクルを完了することを含むことができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「電気化学的活性材料」は、陽極活性材料又は陰極活性材料を意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「電極」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、二次バッテリの負極又は正極(陽極又は陰極)を指し得る。
【0022】
本明細書で使用される場合、「電極電流コレクタ層」は、陽極(例えば、負の)電流コレクタ層又は陰極(例えば、正の)電流コレクタ層を指し得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、「電極材料」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、陽極材料又は陰極材料を指し得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「電極構造」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、バッテリで使用するために適合された陽極構造(例えば、負極構造)又は陰極構造(例えば、正極構造)を指し得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、「長手方向軸」、「横方向軸」、及び「垂直軸」は、相互に鉛直な軸を指す(すなわち、各々が互いに直交する)。例えば、本明細書で使用される「長手方向軸」、「横方向軸」、及び「垂直軸」は、三次元の態様又は配向を定義するために使用されるデカルト座標系と同種である。このように、本明細書で開示される主題の要素の説明は、要素の三次元配向を記述するために使用される特定の軸に限定されない。代替として、軸は、開示の主題の三次元態様を参照するときに置き換え可能であり得る。「弱化領域」は、弱化領域の局所破断強度が非弱化領域の破断強度よりも低くなるように、スコーリング、切断、穿孔又は同様のものなど処理操作を受けたウェブの部分を指す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本出願は、2021年06月15日に出願された米国仮特許出願第63/210,773号に対する優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により組み込まれる。
【0027】
本開示の実施形態は、バッテリの機能性、安全性、及び/又は出力を維持するために、コンポーネントへの損傷の発生を低減するための、二次バッテリなどのバッテリ用コンポーネントの保護層に関する。
【0028】
概して100で示されるバッテリアセンブリの1つの好適な実施形態を、図1を参照して説明する。図1に示すように、バッテリアセンブリ100は、隣接する電極サブユニット102の集団を含む。各電極サブユニット102は、それぞれ、X軸、Y軸、及びZ軸の寸法を有する。X、Y、及びZ軸は、各々、デカルト座標系に類似して、相互に鉛直である。本明細書で使用されるとき、Z軸の各電極サブユニット102の寸法は「高さ」と呼ばれ得、X軸の寸法は「長さ」と呼ばれ得、Y軸の寸法は「幅」と呼ばれ得る。各電極サブユニット102は、少なくとも1つの陽極活性材料層104及び少なくとも1つの陰極活性材料層106を備える。陽極活性材料層104及び陰極活性材料層106は、セパレータ層108によって互いに電気的に絶縁される。本開示の好適な適切な実施形態では、単一のバッテリアセンブリ100内の1~200個以上のサブユニットなど、任意の数の電極サブユニット102が使用され得ることを理解されたい。
【0029】
依然として図1を参照すると、バッテリアセンブリ100は、電極タブ114を介して、それぞれ各電極サブユニット102の陽極活性層104及び陰極活性層106と電気的に接触するバスバー110及び112を含む。したがって、図1に見られるバスバー110は、陽極バスバーと呼ばれ得、バスバー112は、陰極バスバーと呼ばれ得る。一実施形態では、制約116は、バッテリアセンブリ100のX-Y表面のうちの一方又は両方に適用され得る。図1に示される実施形態では、制約116は、バッテリアセンブリ100が完全に組み立てられると、電解質溶液の分布又は流れを容易にするための穿孔118の集団を含む。
【0030】
一実施形態では、陽極活性層104及び陰極活性層106の各々は、例えば、その少なくとも1つの主表面上の電極電流コレクタ層(すなわち、陽極電流コレクタ層又は陰極電流コレクタ層)及び電気化学活性材料層(すなわち、陽極活性材料の層又は陰極活性材料の層)を含む多層材料であり得、他の実施形態では、陽極活性層及び陰極活性層のうちの1つ以上は、適切な材料の単一の層であり得る。
【0031】
図2A図2Cを参照して、電極サブユニット102の個々の層を説明する。電極サブユニット102の各々について、いくつかの実施形態では、セパレータ層は、二次バッテリのセパレータとして使用するのに好適なイオン透過性ポリマー織布材料である。1つ以上のサブユニット102を備え得るユニットセル200の一実施形態の断面図を図2Aに示す。この実施形態では、電極ユニットセル200は、中央に陽極電流コレクタ層206、積重された形状で陽極活性材料層104、セパレータ108、陰極活性材料層106、及び陰極電流コレクタ層210を備える。代替の実施形態では、陰極活性材料層106及び陽極活性材料層104の配置は、陰極活性材料層(複数可)106が中心に向かっており、陽極活性材料層(複数可)が陰極活性材料層106の遠位にあるように、入れ替えられ得る。一実施形態では、ユニットセル200Aは、図2Aの例解では、右から左へ積重された連続で陰極電流コレクタ210、陰極活性材料層106、セパレータ108、陽極活性材料層104、及び陽極電流コレクタ206を含む。代替の実施形態では、ユニットセル200Bは、(図2Aの例解では左から右への)積重された連続で、セパレータ108、陰極活性材料層106の第1の層、陰極電流コレクタ210、陰極活性材料層106の第2の層、セパレータ108、陽極活性材料層104の第1の層、陽極電流コレクタ206、陽極活性材料層104の第2の層、及びセパレータ108を含む。
【0032】
一実施形態では、陽極電流コレクタ層206は、銅、銅合金、又は陽極電流コレクタ層として好適な任意の他の材料などの導電性金属を含み得る。陽極活性材料層104は、陽極電流コレクタ層206の第1の表面上の第1の層、及び陽極電流コレクタ層206の第2の対向する表面上の第2の層として形成され得る。別の実施形態では、陽極電流コレクタ層206と陽極活性材料層104とは、混在し得る。第1の表面及び第2の対向する表面は、層の主表面、又は前面及び背面と呼ばれ得る。本明細書で使用される場合、主表面は、X軸方向の材料の長さ(図2Aには示されていない)及びZ軸方向の材料の高さによって形成される平面によって画定される表面を指す。
【0033】
一実施形態では、陽極活性材料層(複数可)104は、各々、少なくとも約10umの厚さを有し得る。例えば、一実施形態では、陽極活性材料層(複数可)104は、(各々)少なくとも約40umのY軸方向の幅を有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陽極活性材料層(複数可)は、(各々)少なくとも約80umの幅を有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陽極活性材料層104は各々、少なくとも約120umの幅を有する。しかしながら、典型的には、陽極活性材料層104は各々、約60um未満、又は更には約30um未満の幅を有する。本明細書では、厚さ及び幅という用語は、Y軸方向の測定値を示すために互換的に使用され得る。
【0034】
概して、負極活性材料(例えば、陽極活性材料)は、(a)シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及びカドミウム(Cd)、(b)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Ni、Co、又はCdと他の元素との合金又は金属間化合物、(c)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Fe、Ni、Co、V、又はCdの酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、リン化物、セレン化物、及びテルル化物、並びにそれらの混合物、複合物、又はリチウム含有複合物、(d)Snの塩及び水酸化物、(e)チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム、アルミン酸リチウム、リチウム含有酸化チタン、リチウム遷移金属酸化物、ZnCo2O4、(f)グラファイト及び炭素の粒子、(g)リチウム金属、及び(h)それらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0035】
例示的な陽極活性材料としては、グラファイト及び軟質又は硬質炭素、又はグラフェン(例えば、単層又は多層カーボンナノチューブ)などの炭素材料、若しくは、リチウムをインターカレートしたり、リチウムと合金を形成したりすることができる金属、半金属、合金、酸化物、窒化物、及び化合物の範囲のいずれかが挙げられる。陽極材料を構成することができる金属又は半金属の具体的な実施例としては、グラファイト、スズ、鉛、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、ガリウム、ケイ素、Si/C複合材料、Si/グラファイトブレンド、酸化ケイ素(SiOx)、多孔質Si、金属間Si合金、インジウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、ビスマス、カドミウム、アンチモン、銀、亜鉛、ヒ素、ハフニウム、イットリウム、リチウム、ナトリウム、グラファイト、炭素、チタン酸リチウム、パラジウム、及びこれらの混合物が挙げられる。例示的な一実施形態では、陽極活性材料は、アルミニウム、スズ、又はシリコン、又はその酸化物、その窒化物、そのフッ化物、又はその他の合金を含む。別の例示的な実施形態では、陽極活性材料は、シリコン又はその合金又は酸化物を含む。
【0036】
一実施形態では、陽極活性材料は、リチウムイオン(又は他のキャリアイオン)が充放電プロセス中に負極活性材料内に組み込まれるか、又は離れるときに、体積膨張及び収縮に対応するための著しい空隙体積分率を提供するように微細構造化される。概して、陽極活性材料層(複数可)104の各々の空隙体積分率は、少なくとも0.1である。しかしながら、典型的には、陽極活性材料層(複数可)の各々の空隙体積分率は、0.8以下である。例えば、一実施形態では、陽極活性材料層(複数可)104の各々の空隙体積分率は、約0.15~約0.75である。更なる実施例として、一実施形態では、陽極活性材料層(複数可)104の(各々の)空隙体積分率は、約0.2~約0.7である。更なる実施例として、一実施形態では、陽極活性材料層(複数可)104の各々の空隙体積分率は、約0.25~約0.6である。
【0037】
微細構造化陽極活性材料の組成及びその形成方法に応じて、微細構造化陽極活性材料は、マクロ多孔質、微細多孔質、又はメソ多孔質材料層、又はそれらの組み合わせ、例えば、微細多孔質及びメソ多孔質の組み合わせ、又はメソ多孔質及びマクロ多孔質の組み合わせを含み得る。微多孔質材料は、典型的には、10nm未満の細孔寸法、10nm未満の壁寸法、1~50マイクロメートルの細孔深度、及び概ね「スポンジ状」で不規則な外観、滑らかでない壁、及び分岐した細孔を特徴とする細孔形態を特徴とする。メソポラス材料は、典型的には、10~50nmの細孔寸法、10~50nmの壁寸法、1~100マイクロメートルの細孔深さ、及びある程度よく画定された分岐細孔又は樹枝状細孔によって概ね特徴付けられる細孔形態を特徴とする。大孔性材料は、典型的には、50nmを超える細孔寸法、50nmを超える壁寸法、1~500マイクロメートルの細孔深度、及び平滑壁又は粗壁状であり得る細孔形態を特徴とする。加えて、空隙体積は、開いた空隙又は閉じた空隙、若しくはそれらの組み合わせを含み得る。一実施形態では、空隙体積は開いた空隙を含み、すなわち、負極活性材料は、負極活性材料の側方表面に開口部を有する空隙を包含し、この開口部を通じてリチウムイオン(又は他のキャリアイオン)が陽極活性材料に出入りすることができ、例えば、リチウムイオンは、陰極活性材料を出た後、空隙開口部を通って陽極活性材料に入ることができる。別の実施形態では、空隙体積は、閉じた空隙を含み、すなわち、陽極活性材料は、陽極活性材料によって囲まれた空隙を包含する。概して、開いた空隙は、キャリアイオンに対してより大きな界面表面積を提供することができるが、閉じた空隙は、固体電解質界面の影響を受けにくい傾向があり、各々がキャリアイオンの侵入時に陽極活性材料の膨張のための余地を提供する。したがって、特定の実施形態では、陽極活性材料は、開いた空隙と閉じた空隙との組み合わせを含むことが好ましい。
【0038】
一実施形態では、陽極活性材料は、多孔質アルミニウム、スズ若しくはシリコン、又はそれらの合金、酸化物、若しくは窒化物を含む。多孔質シリコン層は、例えば、陽極酸化によって、エッチングによって(例えば、金、白金、銀、又は金/パラジウムなどの貴金属を単結晶シリコンの表面に堆積させ、表面をフッ化水素酸及び過酸化水素の混合物でエッチングすることによって)、又はパターン化された化学エッチングなどの当技術分野で既知の他の方法によって形成され得る。加えて、多孔質陽極活性材料は、概して、少なくとも約0.1、しかし0.8未満の多孔率を有し、約1~約100マイクロメートルの厚さを有する。例えば、一実施形態では、陽極活性材料は、多孔質シリコンを含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の多孔率を有する。更なる実施例として、一実施形態では、陽極活性材料は、多孔質シリコンを含み、約10~約80マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.7の多孔率を有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陽極活性材料は、多孔質シリコンを含み、約20~約50マイクロメートルの厚さを有し、約0.25~約0.6の多孔率を有する。更なる実施例として、一実施形態では、陽極活性材料は、多孔質シリコン合金(ケイ化ニッケルなど)を含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の多孔率を有する。
【0039】
別の実施形態では、陽極活性材料は、アルミニウム、スズ若しくはシリコン、又はそれらの合金の繊維を含む。個々の繊維は、約5nm~約10,000nmの直径(厚さ寸法)と、陽極活性材料の厚さに概ね対応する長さとを有し得る。シリコンの繊維(ナノワイヤ)は、例えば、化学気相堆積又は気相液体固体(VLS)成長及び固体液体固体(SLS)成長などの当技術分野で既知の他の技法によって形成され得る。加えて、陽極活性材料は、概して、少なくとも約0.1、しかし0.8未満の多孔率を有し、約1~約200マイクロメートルの厚さを有する。例えば、一実施形態では、陽極活性材料は、シリコンナノワイヤを含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の多孔率を有する。更なる実施例として、一実施形態では、陽極活性材料は、シリコンナノワイヤを含み、約10~約80マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.7の多孔率を有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陽極活性材料は、シリコンナノワイヤを含み、約20~約50マイクロメートルの厚さを有し、約0.25~約0.6の多孔率を有する。更なる実施例として、一実施形態では、陽極活性材料は、シリコン合金(例えば、ケイ化ニッケル)のナノワイヤを含み、約5~約100マイクロメートルの厚さを有し、約0.15~約0.75の多孔率を有する。
【0040】
更に他の実施形態では、負極(すなわち、文脈に応じて電極又は対向電極)又は陽極活性材料層104は、安定化リチウム金属粒子、例えば、炭酸リチウム安定化リチウム金属粉末、ケイ酸リチウム安定化リチウム金属粉末、又は安定化リチウム金属粉末若しくはインクの他の供給源からなる群から選択される粒子状リチウム材料でコーティングされる。粒子状リチウム材料は、約0.05~5mg/cm、例えば、約0.1~4mg/cm、又は更には約0.5~3mg/cmの負荷量において、リチウム粒子状材料を負極活性材料層に噴霧、充填、又は別様に配設することによって、陽極活性材料層104(例えば、負極)に適用され得る。リチウム粒子状材料の平均粒径(D50)は、5~200μm、例えば、約10~100μm、20~80μm、又は更には約30~50μmであり得る。平均粒径(D50)は、累積体積ベースの粒径分布曲線での50%に対応する粒径として定義され得る。平均粒径(D50)は、例えば、レーザ回折法を使用して測定され得る。
【0041】
概して、陽極電流コレクタ206は、少なくとも約10シーメンス/cmの導電率を有する。例えば、そのような一実施形態では、陽極電流コレクタは、少なくとも約10シーメンス/cmの導電率を有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陽極電流コレクタは、少なくとも約10シーメンス/cmの導電率を有する。陽極電流コレクタ206としての使用に好適な例示的な導電性材料には、銅、ニッケル、コバルト、チタン、及びタングステン、並びにそれらの合金などの金属が含まれる。
【0042】
再び図2A図2Cを参照すると、別の好適な実施形態では、ユニットセル200は、1つ以上の陰極電流コレクタ層210及び1つ以上の陽極活性材料層106を含む。陰極材料の陰極電流コレクタ層210は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、又は陰極電流コレクタ層210として使用するのに好適な任意の他の材料を含み得る。陰極活性材料層106は、陰極電流コレクタ層210の第1の表面上の第1の層、及び陰極電流コレクタ層210の第2の対向する表面上の第2の層として形成され得る。陰極活性材料層106は、陰極電流コレクタ層210の片側又は両側にコーティングされ得る。同様に、陰極活性材料層106は、陰極電流コレクタ層210の片方又は両方の主表面にコーティングされ得る。別の実施形態では、陰極電流コレクタ層210は、陰極活性材料層106と混在され得る。
【0043】
一実施形態では、陰極活性材料層(複数可)106は、各々、少なくとも約20umの厚さを有する。例えば、一実施形態では、陰極活性材料層(複数可)106は、各々、少なくとも約40umの厚さを有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陰極活性材料層(複数可)は、各々、少なくとも約60umの厚さを有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陰極活性材料層は、各々、少なくとも約100umの厚さを有する。しかしながら、典型的には、陰極活性材料層(複数可)は、各々、約90um未満、又は更には約70um未満の厚さを有する。
【0044】
一実施形態では、正極(例えば、陰極)材料は、インターカレーション型化学活性材料、変換化学活性材料、又はそれらの組み合わせを含み得、又はそれらであり得る。
【0045】
本開示で有用な例示的な変換化学材料としては、S(又はリチウム化状態のLiS)、LiF、Fe、Cu、Ni、FeF、FeO3.2d、FeF、CoF、CoF、CuF、NiFなどが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、0≦d≦0.5及び同様のものである。
【0046】
例示的な陰極活性材料はまた、幅広い範囲のインターカレーション型陰極活性材料のいずれかを含む。例えば、リチウムイオンバッテリの場合、陰極活性材料は、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、遷移金属窒化物、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属硫化物、及びリチウム遷移金属窒化物から選択される陰極活性材料を含み得、選択的に使用され得る。これらの遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、及び遷移金属窒化物の遷移金属元素は、dシェル又はfシェルを有する金属元素を含むことができる。そのような金属元素の具体的な実施例は、Sc、Y、ランタノイド、アクチノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pb、Pt、Cu、Ag、及びAuである。追加の陰極活性材料としては、LiCoO、LiNi0.5Mn1.5、Li(NiCoAl)O、LiFePO、LiMnO、V、モリブデンオキシスルフィド、リン酸塩、ケイ酸塩、バナジン酸塩、硫黄、硫黄化合物、酸素(空気)、Li(NiMnCo)O、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
概して、陰極電流コレクタは、少なくとも約10シーメンス/cmの導電率を有する。例えば、そのような一実施形態では、陰極電流コレクタ210は、少なくとも約10シーメンス/cmの導電率を有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陰極電流コレクタ210は、少なくとも約10シーメンス/cmの導電率を有する。例示的な陰極電流コレクタには、アルミニウム、ニッケル、コバルト、チタン、及びタングステンなどの金属、並びにそれらの合金が含まれる。
【0048】
再び図2A図2Cを参照すると、一実施形態では、電気絶縁セパレータ層(複数可)108は、陽極活性材料層104の各部材を陰極活性材料層106の各部材から電気的に絶縁するように適合される。電気絶縁セパレータ層108は、典型的には、非水電解質を浸透させることができる微多孔質セパレータ材料を含むことになり、例えば、一実施形態では、微多孔質セパレータ材料は、少なくとも50Å、より典型的には約2,500Åの範囲の直径、及び約25%~約75%の範囲、より典型的には約35~55%の範囲の多孔率を有する細孔を含む。
【0049】
一実施形態では、電気絶縁セパレータ材料層108は、各々、少なくとも約4umの厚さを有する。例えば、一実施形態では、電気絶縁セパレータ材料層108は、各々、少なくとも約8umの厚さを有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、電気絶縁セパレータ材料層は、各々、少なくとも約12umの厚さを有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、電気絶縁セパレータ材料層108は、各々、少なくとも約15umの厚さを有する。しかしながら、典型的には、電気絶縁セパレータ材料層108は、各々、約12um未満、又は更に約10um未満の厚さを有する。
【0050】
概して、セパレータ層(複数可)108のためのセパレータ材料は、ユニットセルの正及び負の活性材料の間でキャリアイオンを伝導する能力を有する広範囲のセパレータ材料から選択され得る。例えば、セパレータ材料は、液体の非水電解質を浸透させ得る微多孔質セパレータ材料を含み得る。あるいは、セパレータ材料は、ユニットセルの正極と負極との間でキャリアイオンを伝導することができるゲル又は固体電解質を含み得る。
【0051】
一実施形態では、セパレータ材料は、ポリマーベースの電解質を含み得る。例示的なポリマー電解質としては、PEO系ポリマー電解質、ポリマーセラミック複合電解質、ポリマーセラミック複合電解質、及びポリマーセラミック複合電解質が挙げられる。
【0052】
別の実施形態では、セパレータ材料は、酸化物系電解質を含み得る。例示的な酸化物系電解質としては、チタン酸ランタンリチウム(Li0.34La0.56TiO)、Alドープランタンジルコン酸リチウム(Li6.24LaZrAl0.2411.98)、Taドープランタンジルコン酸リチウム(Li6.4LaZr1.4Ta0.612)、及びリン酸アルミニウムチタンリチウム(Li1.4Al0.4Ti1.6(PO)が挙げられる。
【0053】
別の実施形態では、セパレータ材料は、固体電解質を含み得る。例示的な固体電解質としては、硫化スズリチウム(Li10SnP12)、硫化リンリチウム(β-LiPS)及びヨウ化塩化リン硫黄リチウム(LiPSCl0.90.1)などの硫化物系電解質が挙げられる。
【0054】
一実施形態では、セパレータ材料は、粒子材料及び結合剤を含み、かつ少なくとも約20体積%の多孔率(空隙率)を有する微多孔質セパレータ材料を含む。微多孔質セパレータ材料の細孔は、少なくとも50Åの直径を有し、典型的には約250~2,500Åの範囲内に入る。微多孔質セパレータ材料は、典型的には、約75%未満の多孔率を有する。一実施形態では、微多孔質セパレータ材料は、少なくとも約25体積%の多孔率(空隙率)を有する。一実施形態では、微多孔質セパレータ材料は、約35~55%の多孔率を有する。
【0055】
微多孔質セパレータ材料のための結合剤は、広範囲の無機材料又はポリマー材料から選択され得る。例えば、一実施形態では、結合剤は、ケイ酸塩、リン酸塩、アルミニウム酸塩、アルミノケイ酸塩、及び水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物からなる群から選択される有機材料である。例えば、一実施形態では、結合剤は、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペンなどを含有するモノマーから誘導されるフルオロポリマーである。別の実施形態では、結合剤は、様々な分子量及び密度の範囲のいずれかを有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブテンなどのポリオレフィンである。別の実施形態では、結合剤は、エチレン-ジエンプロペンターポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレートからなる群から選択される。別の実施形態では、結合剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びポリエチレンオキシドからなる群から選択される。別の実施形態では、結合剤は、アクリレート、スチレン、エポキシ、及びシリコーンからなる群から選択される。別の実施形態では、結合剤は、前述のポリマーのうちの2つ以上のコポリマー又はブレンドである。
【0056】
微多孔質セパレータ材料によって構成される微粒子材料は、幅広い材料から選択され得る。概して、そのような材料は、動作温度において比較的低い電子伝導率及びイオン伝導率を有し、微多孔質セパレータ材料に接触するバッテリ電極又は電流コレクタの動作電圧下で腐食しない。例えば、一実施形態では、粒子材料は、1×10-4S/cm未満のキャリアイオン(例えば、リチウム)に対する伝導率を有する。更なる実施例として、一実施形態では、粒子材料は、1×10-5S/cm未満のキャリアイオンに対する伝導率を有する。更なる実施例として、一実施形態では、粒子材料は、1×10-6S/cm未満のキャリアイオンに対する伝導率を有する。例示的な粒子材料としては、粒子状ポリエチレン、ポリプロピレン、TiO-ポリマー複合体、シリカエアロゲル、フュームドシリカ、シリカゲル、シリカヒドロゲル、シリカセロゲル、シリカソル、コロイド状シリカ、アルミナ、チタン、マグネシア、カオリン、タルク、珪藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、一実施形態では、粒子材料は、TiO2、SiO2、Al、GeO、B、Bi、BaO、ZnO、ZrO、BN、Si、Geなどの粒子酸化物又は窒化物を含む。例えば、P.Arora及びJ.Zhang,“Battery Separators”Chemical Reviews 2004,104,4419 -4462を参照されたい)。一実施形態では、粒子材料は、約20nm~2マイクロメートル、より典型的には200nm~1.5マイクロメートルの平均粒径を有する。一実施形態では、粒子材料は、約500nm~1マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0057】
代替の実施形態では、微多孔質セパレータ材料によって構成される粒子材料は、バッテリの機能のためのイオン伝導率を提供するために電解液の浸入に望ましい空隙率を維持しながら、焼結、結合、硬化などの技法によって結合され得る。
【0058】
バッテリアセンブリ100などの組み立てられたエネルギー貯蔵デバイスでは、微多孔質セパレータ材料は、二次バッテリ電解質としての使用に好適な非水電解質が浸透している。典型的には、非水電解質は、有機溶媒及び/又は溶媒混合物に溶解したリチウム塩及び/又は塩の混合物を含む。例示的なリチウム塩としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、及びLiBrなどの無機リチウム塩、並びにLiB(C、LiN(SOCF、LiN(SOCF、LiNSOCF、LiNSOCF、LiNSO、LiNSO11、LiNSO13、及びLiNSO15などの有機リチウム塩が挙げられる。リチウム塩を溶解するための例示的な有機溶媒としては、環状エステル、鎖エステル、環状エーテル、及び鎖エーテルが挙げられる。環状エステルの具体例としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2-メチル-γ-ブチロラクトン、アセチル-γ-ブチロラクトン、及びγ-ベレロラクトンが挙げられる。鎖エステルの具体例としては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジブチル、炭酸ジプロピル、炭酸メチルエチル、炭酸メチルブチル、炭酸メチルプロピル、炭酸エチルブチル、炭酸エチルプロピル、炭酸ブチルプロピル、プロピオン酸アルキル、マロン酸ジアルキル、及び酢酸アルキルが挙げられる。環状エーテルの具体例としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、アルキル-1,3-ジオキソラン、及び1,4-ジオキソランが挙げられる。鎖エーテルの具体例としては、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、及びテトラエチレングリコールジアルキルエーテルが挙げられる。
【0059】
一実施形態では、微多孔質セパレータ層(複数可)108は、リチウム塩と高純度有機溶媒との混合物を含む非水有機電解質が浸透し得る。加えて、電解質は、ポリマー電解質又は固体電解質を使用するポリマーであり得る。
【0060】
図1図2A図2Cを更に参照すると、一実施形態では、バスバー110及び112は、それぞれの電極又は対向電極(例えば、場合により陽極又は陰極)電流コレクタタブ120のバスバー開口部を通して配置され、(複数の電極ユニットセルを備えるバッテリでの)陽極電流コレクタ206を互いに接続し、バスバーの他方は、複数の電極ユニットセル200を備えるバッテリで陰極電流コレクタ210を互いに接続する。一実施形態では、バスバー110、112は、溶接される前に、それぞれ折り畳まれる電流コレクタタブ120に溶接されるか、又は別様に電気的に結合される。一実施形態では、バスバー110は、銅バスバーであり、陽極電流コレクタ層206の陽極タブに溶接され、バスバー112は、アルミニウムバスバーであり、陰極電流コレクタ層210の陰極タブに溶接される。しかしながら、他の実施形態では、バスバー110、112は、バッテリアセンブリ100が本明細書に記載されるように機能することを許容するための任意の好適な導電性材料であり得る。溶接は、レーザ溶接機、摩擦溶接、超音波溶接、又はバスバー110及び112を電極タブ120に溶接するための任意の好適な溶接方法を使用して行われ得る。一実施形態では、バスバー110及び112の各々は、それぞれ、陽極及び陰極のための電極タブ120の全てと電気的に接触している。
【0061】
本明細書で言及されるように、陽極集団の部材は、少なくとも陽極電流コレクタ206及び陽極活性材料層104を備える。いくつかの実施形態では、陽極集団の部材は、陽極電流コレクタ206及び陽極電流コレクタ206の各主表面上に配設された陽極活性材料層104を備える。陽極集団部材の部材の長さは、エネルギー貯蔵デバイス及びその意図された用途に応じて変化する。しかしながら、概して、陽極集団の部材は、典型的には、約5mm~約500mmの範囲の長さを有する。例えば、そのような一実施形態では、陽極集団の部材は、約10mm~約250mmの長さを有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陽極集団の部材は、約25mm~約100mmの長さを有する。
【0062】
陽極集団の部材の幅(Y軸の範囲)はまた、エネルギー貯蔵デバイス及びその意図された用途に応じて変化する。しかしながら、概して、陽極集団の各部材は、典型的には、約0.01mm~2.5mmの範囲内の幅を有する。例えば、一実施形態では、陽極集団の各部材の幅は、約0.025mm~約2mmの範囲である。更なる実施例として、一実施形態では、陽極集団の各部材の幅は、約0.05mm~約1mmの範囲である。
【0063】
陽極集団の部材の高さ(Z軸の範囲)も、エネルギー貯蔵デバイス及びその意図された用途に応じて変化する。しかしながら、概して、陽極集団の部材は、典型的には、約0.05mm~約10mmの範囲内の高さを有する。例えば、一実施形態では、陽極集団の各部材の高さは、約0.05mm~約5mmの範囲である。更なる実施例として、一実施形態では、陽極集団の各部材の高さは、約0.1mm~約1mmの範囲である。一実施形態によれば、陽極集団の部材は、第1の高さを有する1つ以上の第1の電極部材と、第1の高さ以外の第2の高さを有する1つ以上の第2の電極部材とを含む。更に別の実施形態では、1つ以上の第1の電極部材及び1つ以上の第2の電極部材の異なる高さは、長手方向及び/又は横方向の軸のうちの1つ以上に沿って異なる高さを有する電極アセンブリ形状などの電極アセンブリの所定の形状に適合するように、かつ/又は二次バッテリの所定の性能特性を提供するように選択され得る。
【0064】
概して、陽極集団の部材は、その幅及びその高さの各々よりも実質的に大きい長さ(X軸範囲)を有する。例えば、一実施形態では、幅及び高さの各々に対する長さの比率は、陽極集団の各部材に対して、それぞれ少なくとも5:1である(すなわち、幅に対する長さの比率は、それぞれ少なくとも5:1であり、高さに対する長さの比率は、それぞれ少なくとも5:1である)。更なる実施例として、一実施形態では、幅及び高さの各々に対する長さの比率は、少なくとも10:1である。更なる実施例として、一実施形態では、幅及び高さの各々に対する長さの比率は、少なくとも15:1である。更なる実施例として、一実施形態において、幅及び高さの各々に対する長さの比率は、陽極集団の各部材について、少なくとも20:1である。
【0065】
一実施形態では、陽極集団の部材の幅に対する高さの比率は、それぞれ、少なくとも0.4:1である。例えば、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、陽極集団の各部材について、それぞれ少なくとも2:1である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、それぞれ少なくとも10:1である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、それぞれ少なくとも20:1である。しかしながら、典型的には、幅に対する高さの比率は、概して、それぞれ、1,000:1未満である。例えば、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、それぞれ500:1未満である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、それぞれ100:1未満である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、それぞれ10:1未満である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、陽極集団の各部材について、それぞれ約2:1~約100:1の範囲である。
【0066】
本明細書で言及されるように、陰極集団の部材は、少なくとも陰極電流コレクタ210及び陽極活性材料層106を備える。陰極集団の部材の長さは、エネルギー貯蔵デバイス及びその意図される用途に応じて変化する。しかしながら、概して、陰極集団の各部材は、典型的には、約5mm~約500mmの範囲の長さを有する。例えば、そのような一実施形態では、陰極集団の各部材は、約10mm~約250mmの長さを有する。更なる実施例として、そのような一実施形態では、陰極集団の各部材は、約25mm~約100mmの長さを有する。
【0067】
陰極集団の部材の幅(Y軸の範囲)もまた、エネルギー貯蔵デバイス及びその意図された用途に応じて変化する。しかしながら、概して、陰極集団の部材は、典型的には、約0.01mm~2.5mmの範囲内の幅を有する。例えば、一実施形態では、陰極集団の各部材の幅は、約0.025mm~約2mmの範囲である。更なる実施例として、一実施形態では、陰極集団の各部材の幅は、約0.05mm~約1mmの範囲である。
【0068】
陰極集団の部材の高さ(Z軸の範囲)も、エネルギー貯蔵デバイス及びその意図された用途に応じて変化する。しかしながら、概して、陰極集団の部材は、典型的には、約0.05mm~約10mmの範囲内の高さを有する。例えば、一実施形態では、陰極集団の各部材の高さは、約0.05mm~約5mmの範囲である。更なる実施例として、一実施形態では、陰極集団の各部材の高さは、約0.1mm~約1mmの範囲である。一実施形態によれば、陰極集団の部材は、第1の高さを有する1つ以上の第1の陰極部材と、第1の高さ以外の第2の高さを有する1つ以上の第2の陰極部材とを含む。更に別の実施形態では、1つ以上の第1の陰極部材及び1つ以上の第2の陰極部材の異なる高さは、長手方向及び/又は横方向の軸のうちの1つ以上に沿って異なる高さを有する電極アセンブリ形状などの電極アセンブリの所定の形状に適合するように、かつ/又は二次バッテリの所定の性能特性を提供するように選択され得る。
【0069】
概して、陰極集団の各部材は、その幅よりも実質的に大きく、かつその高さよりも実質的に大きい長さ(X軸範囲)を有する。例えば、一実施形態では、幅及び高さの各々に対する長さの比率は、陰極集団の各部材に対して、それぞれ少なくとも5:1である(すなわち、幅に対する長さの比率は、それぞれ少なくとも5:1であり、高さに対する長さの比率は、それぞれ少なくとも5:1である)。更なる実施例として、一実施形態において、幅及び高さの各々に対する長さの比率は、陽極集団の各部材について、少なくとも10:1である。更なる実施例として、一実施形態において、幅及び高さの各々に対する長さの比率は、陰極集団の各部材について、少なくとも15:1である。更なる実施例として、一実施形態において、幅及び高さの各々に対する長さの比率は、陰極集団の各部材について、少なくとも20:1である。
【0070】
一実施形態では、陽極集団の部材の幅に対する高さの比率は、それぞれ、少なくとも0.4:1である。例えば、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、陰極集団の各部材について、それぞれ少なくとも2:1である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、陰極集団の各部材について、それぞれ少なくとも10:1である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、陰極集団の各部材について、それぞれ少なくとも20:1である。しかしながら、典型的には、幅に対する高さの比率は、陽極集団の各部材について、それぞれ概ね1,000:1未満である。例えば、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、陰極集団の各部材について、それぞれ500:1未満である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、それぞれ100:1未満である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、それぞれ10:1未満である。更なる実施例として、一実施形態では、幅に対する高さの比率は、陰極集団の各部材について、それぞれ約2:1~約100:1の範囲である。
【0071】
一実施形態では、陽極電流コレクタ206はまた、負極活性材料層104の電気コンダクタンスよりも実質的に大きい電気コンダクタンスを有する。負極活性材料層104は、陽極活性材料層106と同じ又は類似し得ることに留意されたい。例えば、一実施形態では、陽極活性材料層104の電気コンダクタンスに対する陽極電流コレクタ206の電気コンダクタンスの比率は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷が存在する場合、少なくとも100:1である。更なる実施例として、いくつかの実施形態では、陽極活性材料層104の電気コンダクタンスに対する陽極電流コレクタ206の電気コンダクタンスの比率は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷が存在する場合、少なくとも500:1である。更なる実施例として、いくつかの実施形態では、負極活性材料層の電気コンダクタンスに対する陽極電流コレクタ206の電気コンダクタンスの比率は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷が存在する場合、少なくとも1000:1である。更なる実施例として、いくつかの実施形態では、陽極活性材料層104の電気コンダクタンスに対する陽極電流コレクタ206の電気コンダクタンスの比率は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷が存在する場合、少なくとも5000:1である。更なる実施例として、いくつかの実施形態では、陽極活性材料層104の電気コンダクタンスに対する陽極電流コレクタ206の電気コンダクタンスの比率は、デバイスにエネルギーを貯蔵するための印加電流又はデバイスを放電するための印加負荷が存在する場合、少なくとも10,000:1である。
【0072】
一般に、陰極電流コレクタ層210は、アルミニウム、炭素、クロム、金、ニッケル、NiP、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、シリコン及びニッケルの合金、チタン、又はそれらの組み合わせなどの金属を含み得る(A.H.Whitehead及びM.Schreiberによる“Current collectors for positive electrodes of lithium-based batteries”、Journal of the Electrochemical Society、152(11)A2105-A2113(2005)を参照されたい)。更なる実施例として、一実施形態では、陰極電流コレクタ層210は、金又は金ケイ化物などのその合金を含む。更なる実施例として、一実施形態では、陰極電流コレクタ層210は、ニッケル又はニッケルケイ化物などのその合金を含む。
【0073】
図2B及び図2Cを参照して、スペーサ部材225を含む本開示の実施形態を説明する。スペーサ部材の追加の説明は、2020年11月18日に出願された米国特許出願第63/115,266号に開示されており、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、スペーサ部材225は、有機又は無機材料の連続又は不連続のストリップである。スペーサ部材225は、Z軸及びX軸のうちの1つ以上において連続的又は不連続であり得る。いくつかの実施形態では、スペーサ部材225は、電気絶縁材料及び/又はイオン透過性ポリマー織物材料を含む。一実施形態では、スペーサ部材225は、セパレータ108と同じ材料から作られる。いくつかの実施形態では、スペーサ部材225は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリイミド(PI)を含む。他の実施形態では、スペーサ部材225は、導電性材料を含む。スペーサ部材225は、4つのスペーサ部材として示されているが、1つ以上から任意の数のスペーサ部材225が存在し得ることに留意されたい。
【0074】
いくつかの実施形態では、スペーサ部材225は、ポリマー材料、粘着テープなどの複合材料、電極電流コレクタ、電極活性材料、対向電極活性材料、対向電極電流コレクタ、セパレータ材料、又は(バッテリ環境内で)化学的に不活性な材料を含むスペーサ材料を含む。例えば、一実施形態では、スペーサ部材225は、キャリアイオンを受け入れる能力を有する陽極活性材料を含み、この実施形態では、陽極活性材料は、グラファイト、グラフェン、又はスペーサ材料1モル当たり1モル未満であるキャリアイオンの容量を有する他の陽極活性材料を含むことが概ね好ましい。更なる実施例として、一実施形態では、スペーサ部材は、キャリアイオンを受け入れる能力を有する陰極活性材料を含む。更なる実施例として、一実施形態では、スペーサ部材は、ポリマー材料(例えば、ホモポリマー、コポリマー、又はポリマーブレンド)を含み得、そのような実施形態では、スペーサ部材は、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブテンなどのポリオレフィン、エチレン-ジエン-プロペンターポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリトリル、ポリフッ化ビニリデンポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシ、アクリレート、スチレン、エポキシ、シリコーン、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン-トリクロロエチレン、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリノール、ポリエチルビニルエチル、ポリエチルエチレネート、ポリエチルエチル、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエンコポリマー、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレン、及び/又はこれらの組み合わせ若しくは共重合体を含有するモノマーから誘導されるフルオロポリマーを含む。
【0075】
一実施形態では、スペーサ部材225は、ベースと、ベースの1つの表面に提供された接着層とを有する接着テープの形態である。接着テープベースの組成は特に限定されず、接着テープに使用可能であることが知られている様々なベースを使用することができる。概して、プラスチックフィルムが好ましく、具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、又はポリアミドフィルムなどのポリオレフィンフィルムが挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、及びポリイミドフィルムは、バッテリ用途に好適な耐熱性及び耐薬品性の点で好ましい場合がある。接着テープベースは、約4μm~200μm、例えば、6μm~150μmの範囲、又は更には約25μm~100μmの範囲の厚さを有し得る。接着テープの接着層を構成する接着剤は、例えば、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0076】
スペーサ部材225(及び同様に延伸されたスペーサ部材425)は、Y軸方向の幅W、X軸方向の長さL、及びZ軸方向の高さHを有する(図8)。幅Wは、電極単位セルが組み立てられるときに、スペーサ部材225が、ユニットセル(ユニットセル200A、200Bなど)の隣接する層間のギャップ227を介して、Y軸方向の距離を所定の量だけ増加させるように予め決定され得る。
【0077】
一実施形態では、幅Wは、Y軸方向における陰極活性材料層106の幅(Y軸の範囲)の50パーセント以上である。また別の実施形態では、幅Wは、陰極活性材料層106の50パーセント以上に、Y軸方向の陰極電流コレクタ層210の幅(Y軸の範囲)を加えたものである。
【0078】
一実施形態では、スペーサ部材225は、スペーサ部材225を活性材料層又はセパレータのうちの1つに固定する、スペーサ部材225の第1の表面250に塗布された接着剤を有するテープ材料である。いくつかの実施形態では、接着剤は、スペーサ部材225を活性材料層又はセパレータ層に恒久的に固定する強力な接着剤である。他の実施形態では、接着剤は、スペーサ部材225を活性材料層又はセパレータ層に取り外し可能に固定する弱い接着剤である。本明細書で使用される場合、強力な接着剤は、十分な強度を有する接着剤として定義され、スペーサ部材225は、スペーサ部材225及び/又はそれが接着されている材料の一方又は両方に損傷を与えることなく、活性材料層又はセパレータ層から除去することができない。本明細書で使用される場合、弱い接着剤は、スペーサ部材225を活性材料層又はセパレータ層に接着するが、少なくとも活性材料層又はセパレータ層に材料損傷を引き起こすことなく、スペーサ部材を除去することを許容するのに十分な強度を有するものとして定義される。別の実施形態では、スペーサ部材225は、第1の表面250及び第2の対向する表面252の両方に塗布された接着剤を有する。一実施形態では、スペーサ部材225は、3D印刷プロセスなどの印刷プロセスを使用して適用される。また別の実施形態では、スペーサ部材225は、スペーサ部材225をそれぞれの層に溶融又は溶接することによって適用される。
【0079】
実施形態では、スペーサ部材225は、拡張ギャップ227がセパレータ層108と陽極活性材料層104又は陰極活性材料層106との間に画定されるのに十分な幅Wの各々である。幅Wは、拡張ギャップ227が指定されたように幅Wを有するように制御される。実施形態では、幅Wは、0マイクロメートル(例えば、ギャップなし)から1000マイクロメートル、例えば、1μm、2μm、5μm、10μm、20μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、又は1000μm、又はそれ以上であるように設定される。
【0080】
ここで、図3を参照する。図3は、その上に配置されたエンクロージャの前のバッテリアセンブリ300(バッテリアセンブリ100と同じ又は類似し得る)の拡大部分詳細斜視図である。バッテリアセンブリ300は、Y軸方向に積重された配置で編成された電極サブユニットの集団(サブユニット102と同じ又は類似し得る)を備える電極アセンブリ301を含み、ユニットセル302の集団(ユニットセル200と同じ又は類似し得る)を形成する。ユニットセル302の各々は、少なくとも電極電流コンダクタ層、電極活性材料(例えば、陽極活性材料層)を含む電極層、セパレータ層、対向電極活性材料(例えば、陰極活性材料層)を含む対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を備える。
【0081】
1つの好適な実施形態では、電極アセンブリ301は、制約316内に保持される(いくつかの実施形態では、制約116と同じ又は類似し得る)。一実施形態では、制約316は、SS316、440C、又は440Cハードなどのステンレス鋼を含む。他の実施形態では、制約は、アルミニウム(例えば、アルミニウム7075-T6、ハードH18など)、チタン(例えば、6Al-4V)、ベリリウム、ベリリウム銅(ハード)、銅(Oフリー、ハード)、ニッケル、他の金属又は金属合金、複合材料、ポリマー、セラミック(例えば、アルミナ(例えば、焼結又はCoorstek AD96)、ジルコニア(例えば、Coorstek YZTP)、イットリア安定化ジルコニア(例えば、ENrG E-Strate(登録商標))、ガラス、強化ガラス、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(例えば、Aptiv 1102)、炭素を有するPEEK(例えば、Victrex 90HMF40又はXycomp 1000-04)、炭素を有するポリフェニレン硫化物(PPS)(例えば、Tepex Dynalite 207)、30%のガラスを有するポリエテルケトン(PEEK)、(例えば、Victrex 90HMF40又はXycomp 1000-04)、ポリイミド(例えば、Kapton(登録商標))、E Glass Std Fabric/Epoxy、0度、E Glass UD/Epoxy、0度、Kevlar Std Fabric/Epoxy、0度、Kevlar UD/Epoxy、0度、Carbon Std Fabric/Epoxy、0度、Carbon UD/Epoxy、0度、Toyobo Zylon(登録商標)HM Fiber/Epoxy、Kevlar 49 Aramid Fiber、S Glass Fibers、Carbon Fibers、Vectran UM LCP Fibers、Dyneema、Zylon又は他の好適な材料を含む。
【0082】
制約316は、X-Y平面に沿って概ね位置合わせされた第1のカバー320と、Z軸方向に測定された厚さt1(図3A)を有する、X-Y平面に沿って概ね位置合わせされたバッテリアセンブリ300の反対側の第2のカバーとを備える。制約316の厚さ(t)は、例えば、制約316の構造の材料(複数可)、電極アセンブリ301の全体寸法、並びに電極及び対向電極の組成を含む要因の範囲に依存し得る。いくつかの実施形態では、例えば、制約316は、約10~約100マイクロメートルの範囲の厚さtを有するシートを備える。例えば、そのような一実施形態では、制約316は、約30μmの厚さを有するステンレス鋼シート(例えば、SS316)を備える。更なる実施例として、別の実施形態では、制約316は、約40μmの厚さを有するアルミニウムシート(例えば、7075-T6)を備える。更なる実施例として、別の実施形態では、制約316は、約30μmの厚さを有するジルコニアシート(例えば、Coorstek YZTP)を備える。更なる実施例として、別の実施形態では、制約316は、約75μmの厚さを有するE Glass UD/Epoxy 0度シートを備える。更なる実施例として、別のそのような実施形態では、制約316は、50%超の充填密度で12μmの炭素繊維を含む。第1のカバー320及び第2のカバー322の各々は、くぼみ、貫通カット、穴又は同様のものなどとして形成され得る1つ以上の特徴315を備え得る。一実施形態では、特徴315は、例えば、外部リチウム箔電極(図示せず)からのバッテリアセンブリ300の事前リチウム化を容易にする。そのような実施形態では、特徴315は、事前リチウム化の促進のために、リチウムがそれを通して拡散することを許容する。一実施形態では、制約316の第3のカバー324及び第4のカバー326は、各々、X-Z軸に沿って概ね位置合わせされる。示される実施形態では、第3のカバー324は、第1のコーナー328で折り畳まれた第1のカバー320の折り畳まれた部分によって画定され、第4のカバー326は、第2のコーナー329で折り畳まれた第2のカバー322の折り畳まれた部分によって画定される。第1及び第2のコーナー328及び329は、半径又は角度のあるコーナーであり得る。一実施形態では、第1及び第2のコーナー328及び329は、90度~100度の角度である。他の実施形態では、第3及び第4のカバーは、単一のカバーであり得る。
【0083】
一実施形態では、ケーシング縁部ギャップ338は、Z軸方向に画定されたギャップ距離を有する、第3のカバー324と第4のカバー326との間に画定される。一実施形態では、第3のカバー324と第4のカバー326との間のz軸方向のケーシング縁部ギャップ338のギャップ距離は、バッテリアセンブリ300のz軸厚さの50%以下である。バッテリアセンブリ300の反対側は、第3及び第4のカバー324及び326と同様の制約を含み得ることに留意されたい。第3のカバー324は、X軸及びZ軸に沿って画定されたフラップ縁部330を備え、第4のカバー326は、X軸及びZ軸に沿って画定された第2のフラップ縁部332を備える。
【0084】
第1のカバー320及び第2のカバー322の各々は、Y軸と概ね位置合わせした縁部に沿って形成された1つ以上のノッチ334又はランド336を備え得る。一実施形態では、ノッチ334又はランド336のサイズ、形状、間隔、及び数量のうちの1つ以上は、製造条件又は制限に基づいて決定される。一実施形態では、ノッチ334又はランド336は、第1のカバー320又は第2のカバー322の機械加工、スタンピングプロセス、又は第1のカバー及び第2のカバー322の製造プロセスで使用される材料ストックからの第1のカバー320又は第2のカバー322の引き剥がしを緩和することによって、製造性を容易にし得る。加えて、バッテリアセンブリ300は、ユニットセル302のうちの1つに電気的に結合されたバスバー(複数可)310を含む。制約316に使用される材料厚さtのために、制約は、電極アセンブリ301からZ軸方向に突出する制約縁部340を備える。同様に、フラップ縁部330及び332のうちの1つ以上は、バッテリアセンブリ300からY軸方向に突出する。加えて、バスバー(複数可)310は、バスバー縁部342においてX軸方向にバッテリの側面344から突出する。突出縁部は、場合によっては、バッテリのパッケージ(例えば、エンクロージャ700)を穿刺し得る摩擦エリア又は高応力エリアを作成し得る。例えば、およそ50μm×50μm(すなわち、およそ2500μmの表面積)のサイズを有し、およそ18N(2kgf)の印加力を有する突出縁部は、約50MPaの応力を生成し得る。一実施形態では、バッテリパッケージ又はエンクロージャ700は、アルミニウムポリマー積層体を備え、約30MPa~70MPaの破裂強度を有する。他の実施形態では、バッテリパッケージ700は、バッテリパッケージ700の材料組成及びその厚さに応じて、1MPa~300MPaの破裂強度を有し得る。これらの突出エリアは、非突出部分よりも外側のケーシングを通って穿刺を引き起こす可能性が高いため、潜在的な穿刺点と呼ばれ得る。
【0085】
図4Aを参照すると、細長いスペーサ部材(図4B)を含まないバッテリアセンブリ300を囲むエンクロージャ700を有するバッテリアセンブリ300のコーナーエリアの部分詳細図が説明されている。一実施形態では、バッテリアセンブリ300は、バスバー410(バスバー110、112と同じ又は類似し得る)がそこを通過することを許容する開口部480を備える電流コレクタタブ414を含む。この実施形態では、エンクロージャ700は、制約縁部340、及び電流コレクタタブ414(電極タブ114と同じ又は類似し得る)などの突出エリアに密接に巻かれる。エンクロージャ700が制約縁部340及び/又は電流コレクタタブ414に接触するため、エンクロージャは、高応力450、451のエリアにさらされ得、これは、特定の状況において、エンクロージャ700が研磨され、引き裂かれ、又は破裂することを引き起こす可能性がある。高応力450、451の2つのエリアで示されているが、エンクロージャ700がバッテリアセンブリ300のコンポーネントの鋭利な縁部に接触する任意のエリアは、潜在的な穿刺点を作成し得る高応力の他のエリアを作成し得る。
【0086】
図4Bを参照すると、エンクロージャ700の摩耗、裂け、又は破裂を引き起こす高応力450のエリアの可能性の低減又は排除を容易にするために、延伸されたスペーサ部材425が利用される。この実施形態では、延伸されたスペーサ部材425は、材料組成、幅及び厚さ、並びにZ軸方向の位置決めが、本明細書に記載されるスペーサ部材225と同等であり得る。しかしながら、延伸されたスペーサ部材425は、高応力エリア450がエンクロージャ700に十分な応力を与えて、摩耗、裂けを引き起こしてエンクロージャ700が破裂するのを防ぐのに十分な長さでX軸方向に延伸するように構成されている。この実施形態では、延伸されたスペーサ部材425は、X軸方向に制約縁部340を超えて距離SDだけ延伸するX軸長さを有するように構成されている。そうすることによって、延伸されたスペーサが使用されないときに、エンクロージャ700の内側エンクロージャ半径435AのエンクロージャREaのZ-X平面の曲率半径と比較して、内側エンクロージャ半径435のエンクロージャRのZ-X平面の曲率半径が増加する(図4A)。一実施形態では、距離SD1は100μm~4000μmであり、例えば100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1000μm、1100μm、1200μm、1300μm、1400μm、1500μm、1600μm、1700μm、1800μm、1900μm、2000μm、2100μm、2200μm、2300μm、2400μm、2500μm、2600μm、2700μm、2800μm、2900μm、3000μm、3100μm、3200μm、3300μm、3400μm、3500μm、3600μm、3700μm、3800μm、3900μm、又は4000μmであるが、他の実施形態では、この範囲よりも大きいか、又は小さい場合もある。実施形態では、半径Rは距離SDと一致し、したがって、半径Rは100μm~4000μmの範囲内であり、例えば100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1000μm、1100μm、1200μm、1300μm、1400μm、1500μm、1600μm、1700μm、1800μm、1900μm、2000μm、2100μm、2200μm、2300μm、2400μm、2500μm、2600μm、2700μm、2800μm、2900μm、3000μm、3100μm、3200μm、3300μm、3400μm、3500μm、3600μm、3700μm、3800μm、3900μm、又は4000μmであるが、他の実施形態では、この範囲よりも大きいか、又はそれよりも小さい場合がある。別の実施形態では、延伸されたスペーサ部材425はまた、高応力エリア451の応力の低減を容易にするように構成されている。この実施形態では、延伸されたスペーサが使用されていないとき、エンクロージャ700の内部エンクロージャ半径437AのエンクロージャRE2aの曲率半径と比較して、曲率半径RE2も増加する(図4A)。一実施形態では、延伸されたスペーサ部材425は、内側エンクロージャ半径437が無限大になる(例えば、内側パッケージ表面460がバスバー410及び/又は電流コレクタタブ414と平行になるのに十分な距離SDだけ延伸する。
【0087】
一実施形態では、延伸されたスペーサ部材425の遠位端は、実質的に平坦である。他の実施形態では、延伸されたスペーサ部材425の遠位端は、Z-X軸及び又はX-Y軸の1つ以上の縁部に面取り又は半径を有するなどの縁部細部485を備え得る。また、延伸されたスペーサ部材425はまた、バスバー又は同様のものなどの別のコンポーネントがそこを通過することを許容するために、1つ以上の切り欠き487を備え得る。そのような実施形態では、切り欠き487は、コンポーネントが延伸されたスペーサ部材425を超えて任意の方向に突出しないように、コンポーネントを収容するようにサイズ決定され、成形される。
【0088】
ここで、図5図7を参照する。バッテリアセンブリ300が準備された後、バッテリアセンブリ300は、完全なバッテリ760を形成するために、エンクロージャ700内に配置される。実施形態では、バッテリエンクロージャ700は、第1のエンクロージャ層500及び第2のエンクロージャ層600を備える。第1及び第2のエンクロージャ層の各々は、アルミニウム、ポリマー又は同様のものなどの可撓性又は半可撓性材料を含み得る。一実施形態では、第1及び第2のエンクロージャ層500、600のうちの1つ以上は、多層アルミニウムポリマー材料、プラスチック、又は同様のものを含む。一実施形態では、第1及び第2のエンクロージャ層500、600のうちの1つ以上は、アルミニウムなどの金属基板上に積層されたポリマー材料を含む。
【0089】
図5に例解される実施形態では、バッテリアセンブリ300は、制約316の主面F図5に示される下側面)が第1のエンクロージャ層500と接触するように、第1のエンクロージャ層500上に配置される。一実施形態では、バッテリアセンブリ300は、第1のエンクロージャ層500内に形成された凹部502内に配置される。凹部502は、バッテリアセンブリ300の外面サイズ及び形状に一致するようにサイズ決定され、成形される。一実施形態では、第2のエンクロージャ層600は、制約316の主面Fが第2のエンクロージャ層600と接触するように、バッテリアセンブリ300の上に配置される。第2のエンクロージャ層600は、主面F及び凹部502の全体を覆うように(配置方向Pでの移動などによって)位置決めされ得る。導電性端子605及び607は、第1及び第2のエンクロージャ層500、600によって覆われていないままである。第2のエンクロージャ層600を適切に配置した後、第1及び第2のエンクロージャ層500、600は、シール縁部S図7の点線で示される)に沿って密封される。一実施形態では、第1及び第2のエンクロージャ層500、600の過剰な材料は、密封の前に、又はその後にトリミングされ得る。第1及び第2のエンクロージャ層は、溶接、ヒートシール、接着剤、それらの組み合わせ、又は同様のものによって、シール縁部Sに沿って密封され得る。別の実施形態では、第1及び第2のエンクロージャ層500、600は、その中にポケットを作成するシール縁部Sの3つの側面に沿って密封され得る。そのような実施形態では、バッテリアセンブリ300は、ポケット内に配置され得、シール縁部Sの最終縁部が、その後に密封される。一実施形態では、シール縁部Sは、制御された温度及び圧力をシール縁部Sに印加するホットプレスを使用して密封され、第1及び第2のエンクロージャ層500、600をシール縁部Sに沿って一緒に接着又は融着させる。別の実施形態では、真空は、空気又は他のガスによって占有される任意の過剰な体積を排出するために、シールプロセス中にバッテリアセンブリ300に適用される。シール縁部がホットプレスにさらされる時間は、制御され得、第1及び第2のエンクロージャ層500、600のために選択された材料に依存する。バッテリアセンブリ300の上で密封されると、密封された第1及び第2のエンクロージャ層500、600は、バッテリパッケージ700を形成する。密封すると、エンクロージャ700は、所望の用途に応じて、液密及び/又は気密である。端子705、707は露出したままであり、エンクロージャ700によって覆われておらず、ユーザが給電されるデバイス又はバッテリ充電器に端子を接続することを許容する。
【0090】
いくつかの実施形態では、エンクロージャ700を密封する前に、エンクロージャがバッテリアセンブリ300の外面に実質的に適合するように、エンクロージャ700の内部に真空が適用される。この実施形態では、延伸されたスペーサ部材425は、X軸方向の制約縁部340を超える十分な距離SDを有するべきであり、その結果、真空の適用及びその後の密封の後、半径Re及びREは、高応力エリア450及び451がエンクロージャ700に対する摩耗、裂け、又は破裂を引き起こすのに十分な応力を有することを軽減又は排除するのに十分な大きさである。
【0091】
本開示の方法を、図1図9を参照して説明する。一実施形態では、バッテリアセンブリ300などのバッテリアセンブリは、ユニットセル200の1つ以上の層を積重すること900によって、上述のように用意される。エンクロージャ700の摩耗、裂け又は破裂を引き起こす高応力450のエリアの可能性の低減又は排除を容易にするために、延伸されたスペーサ部材425が、バッテリアセンブリ内のユニットセル内に配置910される。この実施形態では、延伸されたスペーサ部材425などの延伸されたスペーサ部材は、材料組成、幅及び厚さ、並びにZ軸方向の位置決めが、本明細書に記載されるスペーサ部材225と同等であり得る。この実施形態では、延伸されたスペーサ部材425は、高応力エリア450がエンクロージャ700に十分な応力を与えて、摩耗、裂けを引き起こしてエンクロージャ700が破裂するのを防ぐのに十分な長さでX軸方向に延伸するように組み立てられ、位置決めされている920。この方法のこの実施形態では、延伸されたスペーサ部材425は、X軸方向に制約縁部340を超えて距離SDだけ延伸するX軸長さを有するように、ユニットセル内に構成され、位置決めされている920。そうすることによって、延伸されたスペーサが使用されないときに、エンクロージャ700の内側エンクロージャ半径435AのエンクロージャREaの曲率半径と比較して、内側エンクロージャ半径435のエンクロージャRの曲率半径が増加する(図4A)。一実施形態では、距離SDは100μm~4000μmであり、例えば100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1000μm、1100μm、1200μm、1300μm、1400μm、1500μm、1600μm、1700μm、1800μm、1900μm、2000μm、2100μm、2200μm、2300μm、2400μm、2500μm、2600μm、2700μm、2800μm、2900μm、3000μm、3100μm、3200μm、3300μm、3400μm、3500μm、3600μm、3700μm、3800μm、3900μm、又は4000μmであるが、他の実施形態では、この範囲よりも大きいか、又は小さい場合もある。実施形態では、半径Rは距離SDと一致し、したがって、半径Rは100μm~4000μmの範囲内であり、例えば100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1000μm、1100μm、1200μm、1300μm、1400μm、1500μm、1600μm、1700μm、1800μm、1900μm、2000μm、2100μm、2200μm、2300μm、2400μm、2500μm、2600μm、2700μm、2800μm、2900μm、3000μm、3100μm、3200μm、3300μm、3400μm、3500μm、3600μm、3700μm、3800μm、3900μm、又は4000μmであるが、他の実施形態では、この範囲よりも大きいか、又はそれよりも小さい場合がある。この方法の別の実施形態では、延伸されたスペーサ部材425は、また、高応力エリア451の応力の低減を容易にするように、ユニットセル内に構成され、配置される910。この実施形態では、曲率半径RE2はまた、延伸されたスペーサが使用されていないとき、エンクロージャ700の内側エンクロージャ半径437AのエンクロージャRE2aの曲率半径と比較して、延伸されたスペーサ部材の配置によって増加する(図4A)。一実施形態では、延伸されたスペーサ部材425は、内側エンクロージャ半径437が無限大になる(例えば、内側パッケージ表面460がバスバー410及び/又は電流コレクタタブ414と実質的に平行になる)のに十分な距離SDだけ延伸するように配置される。
【0092】
本方法の一実施形態において、バッテリアセンブリ300が準備された後、バッテリアセンブリ300は、上記のように、制約内に配置される930。その後、制約内のバッテリアセンブリ300は、完全なバッテリ760を形成するために、エンクロージャ700内に配置される940。実施形態では、バッテリエンクロージャ700は、第1のエンクロージャ層500及び第2のエンクロージャ層600を備える。本方法のいくつかの実施形態では、エンクロージャ700を密封する950前に、エンクロージャがバッテリアセンブリ300の外面に実質的に適合するように、エンクロージャ700の内部に真空が適用される。この実施形態では、延伸されたスペーサ部材425は、X軸方向の制約縁部340を超える十分な距離SDを有するべきであり、その結果、真空の適用及びその後の密封950の後、半径Re及びREは、高応力エリア450及び451がエンクロージャ700に対する摩耗、裂け、又は破裂を引き起こすのに十分な応力を有することを軽減又は排除するのに十分な大きさである。
【0093】
一実施形態では、バッテリアセンブリ300は、制約316の主面F図5に示されるような下側面)が第1のエンクロージャ層500と接触するように、第1のエンクロージャ層500上に配置される。本方法の一実施形態において、バッテリアセンブリ300は、第1のエンクロージャ層500内に形成された凹部502内に配置される。凹部502は、バッテリアセンブリ300の外面サイズ及び形状に一致するようにサイズ決定され、成形される。本方法の一実施形態では、第2のエンクロージャ層600は、制約316の主面Fが第2のエンクロージャ層600と接触するように、バッテリアセンブリ300の上に配置される。第2のエンクロージャ層600は、主面F及び凹部502の全体を覆うように(配置方向Pでの移動などによって)位置決めされる。導電性端子605及び607は、第1及び第2のエンクロージャ層500、600によって覆われていないままであるように位置決めされている。第2のエンクロージャ層600を適切に配置した後、第1及び第2のエンクロージャ層500、600は、例えば、ヒートシール、熱かしめ又は同様のものによって、シール縁部S図7の点線で示される)に沿って密封される950。本方法の一実施形態では、第1及び第2のエンクロージャ層500、600の過剰な材料は、密封の前に、又はその後にトリミングされる。別の実施形態では、第1及び第2のエンクロージャ層500、600は、その中にポケットを作成するシール縁部Sの3つの側面に沿って密封される。そのような実施形態では、バッテリアセンブリ300は、次いで、ポケット内に配置され、シール縁部Sの最終縁部が、その後に密封される。本方法の一実施形態では、シール縁部Sは、制御された温度及び圧力をシール縁部Sに印加するホットプレスを使用して密封され、第1及び第2のエンクロージャ層500、600をシール縁部Sに沿って一緒に接着又は融着させる。別の実施形態では、真空は、空気又は他のガスによって占有される任意の過剰な体積を排出するために、シールプロセス中にバッテリアセンブリ300に適用される。シール縁部がホットプレスにさらされる時間は、制御され得、第1及び第2のエンクロージャ層500、600のために選択された材料に依存する。バッテリアセンブリ300の上で密封されると、密封された第1及び第2のエンクロージャ層500、600は、バッテリパッケージ700を形成する。密封する950と、エンクロージャ700は、所望の用途に応じて、液密及び/又は気密である。端子705、707は露出したままであり、エンクロージャ700によって覆われておらず、ユーザが給電されるデバイス又はバッテリ充電器に端子を接続することを許容する。エンクロージャ700はまた、バッテリパッケージと呼ばれ得る。
【0094】
以下の実施形態は、本開示の態様を例解するために提供されるが、実施形態は限定することを意図するものではなく、他の態様及び/又は実施形態も提供され得る。
【0095】
実施形態1.充電状態と放電状態との間を循環するための二次バッテリであって、バッテリは、制約と、制約内に配設された電極アセンブリと、を備え、電極アセンブリは、それぞれ、三次元デカルト座標系のx、y及びz軸に対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有し、電極アセンブリは、長手方向に積重された連続で電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を備えるユニットセルの集団を備え、電極層は、電極活性材料を含み、対向電極層は、対向電極活性材料を含み、電極活性材料及び対向電極材料の一方は、陰極活性材料であり、電極活性材料及び対向電極材料の他方は、陽極活性材料であり、ユニットセル集団のサブセットは、電極電流コレクタ層と対向電極電流コレクタ層との間の積重された連続に位置する一対の延伸されたスペーサ部材を更に備え、スペーサ部材のうちの一方は、他方の延伸されたスペーサ部材から横方向に離間され、対向電極層の対向電極活性材料の少なくとも一部分は、対向電極活性材料の一部分及びスペーサ部材が、x軸及びz軸によって画定される共通平面にあるように、スペーサ部材の間に位置し、延伸されたスペーサ部材の各々は、制約のx軸縁部を超えてx軸方向に距離SDだけ延伸する、二次バッテリ。
【0096】
実施形態2.距離SDが、最大4mmである、実施形態1に記載の二次バッテリ。
【0097】
実施形態3.電極アセンブリ及び制約が、密封されたエンクロージャ内に配設される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0098】
実施形態4.延伸されたスペーサ部材が、最大3mmの制約のx軸縁部の周りのエンクロージャの内面の曲率半径を容易にする、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0099】
実施形態5.延伸されたスペーサ部材が、X軸方向に延伸する長さを有し、スペーサ部材の長さが、3000μm以下である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0100】
実施形態6.電極材料が、陰極活性材料であり、対向電極活性材料が、陽極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0101】
実施形態7.延伸されたスペーサ部材が、セパレータ層と電極層との間に配設される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0102】
実施形態8.スペーサ部材が、セパレータ層と電極電流コレクタ層との間に配設される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0103】
実施形態9.スペーサ部材が、セパレータと対向電極層との間に配設される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0104】
実施形態10.スペーサ部材が、セパレータ層と対向電極電流コレクタ層との間に配設される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0105】
実施形態11.延伸されたスペーサ部材が、電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層のうちの少なくとも1つに接着される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0106】
実施形態12.スペーサ部材が、電極電流コレクタ層に接着される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0107】
実施形態13.スペーサ部材が、電極層に接着される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0108】
実施形態14.スペーサ部材が、セパレータ層に接着される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0109】
実施形態15.スペーサ部材が、対向電極電流コレクタ層に接着される、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0110】
実施形態16.(i)ユニットセル集団の部材が、長手方向に連続して積重され、(ii)ユニットセル集団が、ユニットセルの隣接する対の2つのセットを含み、(iii)隣接する対の2つのセット一方が、共通の電極電流コレクタ層を共有し、隣接する対の2つのセットの他方が、共通の対向電極電流コレクタ層を共有する、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0111】
実施形態17.ユニットセル集団が、少なくとも5つの部材を備える、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0112】
実施形態18.ユニットセル集団が、少なくとも10個の部材を備える、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0113】
実施形態19.ユニットセル集団が、少なくとも25個の部材を備える、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0114】
実施形態20.ユニットセル集団が、少なくとも50個の部材を備える、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0115】
実施形態21.ユニットセル集団が、少なくとも100個の部材を備える、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0116】
実施形態22.ユニットセル集団が、少なくとも250個の部材を備える、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0117】
実施形態23.ユニットセル集団が、少なくとも500個の部材を備える、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0118】
実施形態24.延伸されたスペーサ部材が、電気絶縁材料を含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0119】
実施形態25.延伸されたスペーサ部材が、陽極活性材料を含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0120】
実施形態26.延伸されたスペーサ部材が、スペーサ材料1モル当たり1モル未満であるキャリアイオンの容量を有する陽極活性材料を含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0121】
実施形態27.延伸されたスペーサ部材が、グラファイト又はグラフェンを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0122】
実施形態28.延伸されたスペーサ部材が、陰極活性材料を含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0123】
実施形態29.延伸されたスペーサ部材が、ポリマー材料を含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0124】
実施形態30.延伸されたスペーサ部材が、ホモポリマー、コポリマー、又はポリマーブレンドを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0125】
実施形態31.延伸されたスペーサ部材が、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブテンなどのポリオレフィン、エチレン-ジエン-プロペンターポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリトリル、ポリフッ化ビニリデンポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシ、アクリレート、スチレン、エポキシ、シリコーン、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン-トリクロロエチレン、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリノール、ポリエチルビニルエチル、ポリエチルエチレネート、ポリエチルエチル、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエンコポリマー、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレン、及び/又はこれらの組み合わせ若しくは共重合体を含有するモノマーから誘導されるフルオロポリマーを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0126】
実施形態32.延伸されたスペーサ部材が、フルオロポリマーを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0127】
実施形態33.延伸されたスペーサ部材が、ポリオレフィンを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0128】
実施形態34.延伸されたスペーサ部材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテンのホモポリマー、コポリマー、及びポリマーブレンドからなる群から選択されるポリオレフィンを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0129】
実施形態35.延伸されたスペーサ部材が、ポリエチレン又はポリプロピレンを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0130】
実施形態36.延伸されたスペーサ部材が、ベースと、ベースの1つの表面上に提供された接着層とを有する接着テープを備える、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0131】
実施形態37.延伸されたスペーサ部材が、ベースと、ベースの1つの表面上に提供された接着層とを有する接着テープを備え、接着テープのベースが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、及びポリアミドフィルム、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーフィルムを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0132】
実施形態38.延伸されたスペーサ部材が、ベースと、ベースの1つの表面上に提供された接着層とを有する接着テープを備え、接着テープのベースが、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリアミドフィルムからなる群から選択されるポリマーフィルムを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0133】
実施形態39.延伸されたスペーサ部材が、ベースと、ベースの1つの表面上に提供された接着層とを有する接着テープを備え、接着テープのベースが、約4~200μmの範囲の厚さを有する、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0134】
実施形態40.延伸されたスペーサ部材が、ベースと、ベースの1つの表面上に提供された接着層とを有する接着テープを備え、接着テープのベースが、約6~150μmの範囲の厚さを有する、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0135】
実施形態41.延伸されたスペーサ部材が、ベースと、ベースの1つの表面上に提供された接着層とを有する接着テープを備え、接着テープのベースが、約25~100μmの範囲の厚さを有する、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0136】
実施形態42.延伸されたスペーサ部材が、ベースと、ベースの1つの表面上に提供された接着層とを有する接着テープを備え、接着テープの接着層を構成する接着剤が、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、又はそれらの組み合わせを含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0137】
実施形態43.延伸されたスペーサ部材が、セパレータ層と同じ材料を含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0138】
実施形態44.延伸されたスペーサ部材が、導電性材料を含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0139】
実施形態45.延伸されたスペーサ部材が、電極層と同じ材料を含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0140】
実施形態46.延伸されたスペーサ部材が、部分的に、ユニットセルの長さ終端を画定する、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0141】
実施形態47.延伸されたスペーサ部材が、x軸方向に測定された電極層の全長よりも長い全長を有する、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0142】
実施形態48.延伸されたスペーサ部材が、x軸方向に測定された対向電極層の全長よりも大きい全長を有する、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0143】
実施形態49.ユニットセルが、垂直方向に測定された高さを有し、延伸されたスペーサ部材が、z軸方向に測定された高さを有し、ユニットセルの高さが、延伸されたスペーサ部材の高さに等しい、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0144】
実施形態50.ユニットセルが、z軸方向に測定された高さを有し、延伸されたスペーサ部材が、z軸方向に測定された高さを有し、ユニットセルの高さがスペーサ部材の高さよりも大きい、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0145】
実施形態51.ユニットセルが、z軸方向に測定された高さを有し、スペーサ部材が、z軸方向に測定された高さを有し、ユニットセルの高さが、スペーサ部材の高さ未満である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0146】
実施形態52.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、(a)シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及びカドミウム(Cd)、(b)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Ni、Co、又はCdと他の元素との合金又は金属間化合物、(c)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Fe、Ni、Co、V、又はCdの酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、リン化物、セレン化物、及びテルル化物、並びにそれらの混合物、複合物、又はリチウム含有複合物、(d)Snの塩及び水酸化物、(e)チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム、アルミン酸リチウム、リチウム含有酸化チタン、リチウム遷移金属酸化物、ZnCo、(f)グラファイト及び炭素の粒子、(g)リチウム金属、及び(h)それらの組み合わせからなる群から選択される陽極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0147】
実施形態53.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及びカドミウム(Cd)からなる群から選択される陽極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0148】
実施形態54.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Ni、Co、又はCdと他の元素との合金及び金属間化合物からなる群から選択される陽極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0149】
実施形態55.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Fe、Ni、Co、V、及びCdの酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、リン化物、セレン化物、及びテルル化物からなる群から選択される陽極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0150】
実施形態56.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、Siの酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、リン化物、セレン化物、及びテルル化物からなる群から選択される陽極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0151】
実施形態57.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、シリコン並びにシリコンの酸化物及び炭化物からなる群から選択される陽極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0152】
実施形態58.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、リチウム金属を含む陽極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0153】
実施形態59.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、グラファイト及び炭素からなる群から選択される陽極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0154】
実施形態60.エンクロージャ内で、二次バッテリが、非水有機電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0155】
実施形態61.エンクロージャ内で、二次バッテリが、リチウム塩と有機溶媒との混合物を含む非水電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0156】
実施形態62.エンクロージャ内で、二次バッテリが、ポリマー電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0157】
実施形態63.エンクロージャ内で、二次バッテリが、固体電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0158】
実施形態64.エンクロージャ内で、二次バッテリが、硫化物系電解質からなる群から選択される固体電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0159】
実施形態65.エンクロージャ内で、二次バッテリが、スズリン硫化リチウム(Li10SnP12)、硫化リチウムリン(β-LiPS)、及び塩化硫化リチウム(LiPSCl0.90.1)からなる群から選択される固体電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0160】
実施形態66.エンクロージャ内で、二次バッテリがポリマー系電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0161】
実施形態67.エンクロージャ内で、二次バッテリが、PEO系ポリマー電解質、ポリマーセラミック複合電解質(固体)、ポリマーセラミック複合電解質、及びポリマーセラミック複合電解質からなる群から選択されるポリマー電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0162】
実施形態68.エンクロージャ内で、二次バッテリが、酸化物系電解質からなる群から選択される固体電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0163】
実施形態69.エンクロージャ内で、二次バッテリが、チタン酸ランタンリチウム(Li0.34La0.56TiO)、Alドープランタンジルコン酸リチウム(Li6.24LaZrAl0.2411.98)、Taドープランタンジルコン酸リチウム(Li6.4LaZr1.4Ta0.612)、及びリン酸アルミニウムチタンリチウム(Li1.4Al0.4Ti1.6(PO)からなる群から選択される固体電解質を更に含む、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0164】
実施形態70.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、インターカレーション化学正極及び変換化学正極からなる群から選択される陰極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0165】
実施形態71.電極活性材料及び対向極材料のうちの一方が、インターカレーション化学正極材料を含む陰極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0166】
実施形態72.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、変換化学正極活性材料を含む陰極活性材料である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0167】
実施形態73.電極活性材料及び対向電極材料の一方が、S(又はリチウム化状態のLi)、LiF、Fe、Cu、Ni、FeF、FeO3.2d、FeF、CoF、CoF、CuF、NiFからなる群から選択される陰極活性材料であり、0≦d≦0.5である、任意の先行実施形態に記載の二次バッテリ。
【0168】
実施形態74.二次バッテリとともに使用するためのバッテリアセンブリを製造する方法であって、バッテリアセンブリが、それぞれ、三次元デカルト座標系のx、y、及びz軸にそれぞれ対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有し、電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を長手方向に連続して積重することによって、ユニットセルを準備することであって、電極層が、電極活性材料を含み、対向電極層が、対向電極活性材料を含み、電極活性材料及び対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、電極活性材料及び対向電極材料の他方が、陽極活性材料である、準備することと、電極電流コレクタ層と対向電極電流コレクタ層との間の積重された連続に延伸されたスペーサ部材の集団を配置することであって、延伸されたスペーサ部材のうちの1つが、他のスペーサ部材からy軸方向に離間され、延伸されたスペーサ部材のx軸範囲が、ユニットセルのx軸範囲よりも大きい距離SDである、配置することと、を含む、方法。
【0169】
実施形態75.距離SDが、最大4mmである、実施形態74に記載の方法。
【0170】
実施形態76.延伸されたスペーサ部材が、制約の縁部から距離SDだけ延伸するように、ユニットセルを制約内に配置することを更に含む、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0171】
実施形態77.ユニットセルを密封されたエンクロージャ内に密封することを更に含む、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0172】
実施形態78.制約のx軸縁部の周りのエンクロージャの内面の曲率半径を最大3mmまで拡大することを更に含む、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0173】
実施形態79.延伸されたスペーサ部材が、x軸方向に延伸する長さを有し、スペーサ部材の長さが、3000μm以下である、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0174】
実施形態80.延伸されたスペーサ部材をセパレータ層と電極層との間に配置することを更に含む、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0175】
実施形態81.延伸されたスペーサ部材をセパレータ層と電極電流コレクタ層との間に配置することを更に含む、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0176】
実施形態82.延伸されたスペーサ部材をセパレータ層と対向電極層との間に配置することを更に含む、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0177】
実施形態83.延伸されたスペーサ部材をセパレータ層と対向電極電流コレクタ層との間に配置することを更に含む、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0178】
実施形態84.延伸されたスペーサ部材を、電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層のうちの少なくとも1つに接着することを更に含む、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0179】
実施形態85.延伸されたスペーサ部材が、電極電流コレクタ層に接着される、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0180】
実施形態86.延伸されたスペーサ部材が、電極層に接着される、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0181】
実施形態87.延伸されたスペーサ部材が、セパレータ層に接着される、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0182】
実施形態88.延伸されたスペーサ部材が、対向電極電流コレクタ層に接着される、任意の先行実施形態に記載の方法。
【0183】
実施形態89.二次バッテリ用の電極アセンブリであって、電極アセンブリが、三次元デカルト座標系のx、y、及びz軸にそれぞれ対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有し、電極アセンブリが、電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を長手方向に連続して備えるユニットセルであって、電極層が、電極活性材料を含み、対向電極層が、対向電極活性材料を含み、電極活性材料及び対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、電極活性材料及び対向電極材料の他方が、陽極活性材料である、ユニットセルと、電極電流コレクタ層と対向電極電流コレクタ層との間の延伸されたスペーサ部材の集団であって、延伸されたスペーサ部材のうちの1つが、他のスペーサ部材からy軸方向に離間され、延伸されたスペーサ部材のx軸範囲が、ユニットセルのx軸範囲よりも大きい距離SDである、延伸されたスペーサ部材の集団と、を備える、電極アセンブリ。
【0184】
実施形態90.距離SDが、最大4mmである、実施形態89に記載の電極アセンブリ。
【0185】
実施形態91.ユニットセルが、延伸されたスペーサ部材が制約の縁部から距離SDだけ延伸するように、制約内に配設される、任意の先行実施形態に記載の電極アセンブリ。
【0186】
実施形態92.二次バッテリ用の電極アセンブリを製造する方法であって、電極アセンブリが、それぞれ、三次元デカルト座標系のx、y、及びz軸に対応する相互に鉛直な横軸、長手方向軸、及び垂直軸を有し、方法が、電極電流コレクタ層、電極層、セパレータ層、対向電極層、及び対向電極電流コレクタ層を長手方向に連続して積重することによって、ユニットセルを準備することであって、電極層が、電極活性材料を含み、対向電極層が、対向電極活性材料を含み、電極活性材料及び対向電極材料の一方が、陰極活性材料であり、電極活性材料及び対向電極材料の他方が、陽極活性材料である、準備することと、電極電流コレクタ層と対向電極電流コレクタ層との間に延伸されたスペーサ部材の集団を配置することであって、延伸されたスペーサ部材のうちの1つが、他のスペーサ部材からy軸方向に離間される、配置することと、延伸されたスペーサ部材のx軸の範囲が、制約のx軸の範囲よりも大きい距離SDであるように、ユニットセルを制約内に配置することと、を含む、方法。
【0187】
実施形態93.距離SDが、最大4mmである、実施形態92に記載の方法。
【0188】
この書面による説明は、実施例を使用して、最良の態様を含む発明を開示し、かつ当業者が、任意のデバイス又はシステムの製造及び使用並びに任意の組み込まれた方法の実行を含む、実施形態を実践することを可能にする。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、また、当業者に見出される他の実施例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉とは実質的に異ならない差を伴う均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】