(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】コンフルエンシー推定のためのセグメンテーションベースの画像処理
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240709BHJP
【FI】
G06T7/00 630
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577553
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 IB2022055546
(87)【国際公開番号】W WO2022264060
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519089495
【氏名又は名称】ブイビーシー ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピルッティ,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス ドス サントス,アリソン ウィリアン
(72)【発明者】
【氏名】アルマーニ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】カッタールッツィ,ジャコモ
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096BA08
5L096DA02
5L096EA02
5L096EA12
5L096GA02
5L096GA10
5L096GA55
5L096HA08
5L096JA11
5L096JA18
(57)【要約】
処理回路を含む装置によって画像のカバレッジを決定する方法は、処理回路により、装置に、画像をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスクに形態学的操作を適用することによって修正マスクを生成することと、画像及び修正マスクの反転に基づいて修正マスク入力を生成することと、修正マスク入力をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスク及び第2のセグメンテーションマスクに基づいて画像のカバレッジを決定することとを行わせる命令を実行することを含む。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を格納するように構成されたメモリ回路と、
前記命令を実行することにより、
画像をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスクを生成することと、
前記第1のセグメンテーションマスクに形態学的操作を適用することによって修正マスクを生成することと、
前記画像及び前記修正マスクの反転に基づいて修正マスク入力を生成することと、
前記修正マスク入力をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスクを生成することと、
前記第1のセグメンテーションマスク及び前記第2のセグメンテーションマスクに基づいて前記画像のカバレッジを決定することと
を行うように構成された処理回路と
を含む装置。
【請求項2】
画像をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスクを生成することと、
前記第1のセグメンテーションマスクに形態学的操作を適用することによって修正マスクを生成することと、
前記画像及び前記修正マスクの反転に基づいて修正マスク入力を生成することと、
前記修正マスク入力をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスクを生成することと、
前記第1のセグメンテーションマスク及び前記第2のセグメンテーションマスクに基づいて前記画像のカバレッジを決定することと
を含む命令を格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項3】
処理回路を含む装置を動作させる方法であって、
前記処理回路により、前記装置に、
画像をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスクを生成することと、
前記第1のセグメンテーションマスクに形態学的操作を適用することによって修正マスクを生成することと、
前記画像及び前記修正マスクの反転に基づいて修正マスク入力を生成することと、
前記修正マスク入力をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスクを生成することと、
前記第1のセグメンテーションマスク及び前記第2のセグメンテーションマスクに基づいて前記画像のカバレッジを決定することと
を行わせる命令を実行すること
を含む方法。
【請求項4】
前記命令を実行することは、前記装置に、調整画像を生成するために前記画像の特徴を調整することをさらに行わせ、及び
前記第1のセグメンテーションマスクを生成することは、前記調整画像をセグメント化することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記画像の前記特徴を調整することは、前記画像の照度レベルを正規化することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記画像の前記照度レベルを正規化することは、ぼかされた画像を生成するために、前記画像にガウスぼかしを適用することと、前記画像から前記ぼかされた画像を減算することとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記画像の前記特徴を調整することは、前記画像の局所コントラストレベルを増加させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記画像の前記局所コントラストレベルを増加させることは、前記画像にコントラスト制限適応ヒストグラム等化を適用することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のセグメンテーションマスクを生成することは、エッジフィルタに基づいて前記画像をセグメント化することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のセグメンテーションマスクを生成することは、前記画像にガウスぼかしを適用することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のセグメンテーションマスクを生成することは、前記画像のコントラストレベルを増加させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記形態学的操作は、
オープン形態学的操作、
クローズ形態学的操作、
ダイレーション形態学的操作、及び
エロージョン形態学的操作
の少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記修正マスク入力をセグメント化することは、エッジフィルタに基づいて前記修正マスク入力をセグメント化することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記修正マスク入力をセグメント化することは、前記修正マスク入力にガウスぼかしを適用することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記修正マスク入力をセグメント化することは、前記修正マスク入力のコントラストレベルを増加させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
前記命令を実行することは、前記装置に、複合マスクを生成するために前記第1のセグメンテーションマスク及び前記第2のセグメンテーションマスクを結合させることをさらに行わせる、請求項3に記載の方法。
【請求項17】
前記複合マスクを生成することは、前記複合マスクの非細胞エリアを除外するために、前記複合マスクに非細胞フィルタを適用することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複合マスクの前記非細胞エリアを除外することは、
前記非細胞エリアの形態、及び
前記非細胞エリアのサイズ
の少なくとも1つに基づく、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記画像の前記カバレッジを決定することは、前記複合マスクによってマスクされた前記画像を前記画像の前記カバレッジの図として提示することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記カバレッジを決定することは、前記複合マスクのカバレッジを推定することを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月17日に出願された米国仮特許出願第63/211,964号明細書の利益及び優先権を主張するPCT国際出願である。上記の出願の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、画像解析の分野に関し、より詳細には、細胞培養の画像における細胞のコンフルエンスなどの画像のカバレッジを決定することに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景技術の説明は、本開示の背景を一般的に提示するためのものである。この背景技術のセクションに記載されている範囲における現在名前を挙げられている本発明者らの研究及び出願時に先行技術として認められない可能性のある本明細書の態様は、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
イメージングの分野では、ある特徴による画像のカバレッジを決定するために画像の解析を伴う状況が多くある。一例として、細胞培養の画像は、様々な種類、形状及びサイズであり得る多数の細胞を含み得る。研究者などの個人が細胞培養の画像を見て、コンフルエンス、すなわち画像のフィールドにおける細胞のカバレッジを決定することが望ましい場合がある。例えば、細胞培養が成熟するにつれて、細胞は、成長及び/又は増殖し得、それにより画像のコンフルエンスが増加する。個人は、例えば、細胞培養の発達段階を決定するために、特定の時点におけるコンフルエンスを決定することを望み得る。個人は、例えば、コンフルエンスの程度によって示され得る特定の発達段階に入った際に細胞培養を処理、測定及び/又は染色することにより、そのような決定を用いて細胞培養の研究を行うことができる。
【0005】
しかしながら、そのような推定技術のいくつかの特徴は、個人によるコンフルエンスの決定に悪影響を及ぼすか又はそれを制限し得る。第1の例として、個人によるカバレッジの決定(コンフルエンス推定及び/又は細胞計数など)に依存することは、例えば、評価される画像の量が多い場合及び/又は細胞の数が多い場合に時間がかかり得る。その結果、カバレッジの決定が非効率的となり得、これにより細胞培養集団について適時に評価できる画像の数が制限され得、且つ/又は以前の発達段階の画像が評価されるときまでに細胞培養中の細胞が高度な発達段階に成熟するなど、カバレッジ決定の提示が遅延し得る。
【0006】
第2の例として、個人によるカバレッジ決定に依存することは、例えば、カバレッジ推定又はコンフルエンス推定が「密」、「中程度」又は「疎」として定性的に測定される場合(この場合、個人によってそのようなカテゴリ間の閾値が異なり得、且つ/又は個人の閾値が経時的に変化し得る)、不正確となり得る。第3の例として、例えば非細胞組織片のような破片、塵埃のような汚染物質及び/又は画像、イメージングプロセス若しくはディスプレイのアーチファクトなどの他の可視物質が画像内に存在するため、個人によるカバレッジ決定に依存することが困難であり得る。このような場合、個人が画像の細胞と非細胞特徴とを区別することが困難であり得、これにより画像のカバレッジの過大評価又は過小評価に至る場合がある。
【0007】
場合により、自動化画像解析技術を使用することにより、画像のカバレッジの評価において個人を支援することが可能であり得る。しかしながら、そのような技術の多くは、カバレッジの程度が高い画像、例えば細胞が密に配置された高コンフルエンススライドに対して比較的性能が低い場合がある。このような場合、多くの画像解析技術は、細胞の少なくとも一部を認識できず、その結果、細胞培養のコンフルエンスの過小評価など、カバレッジの過小評価がもたらされ得る。そのようなコンフルエンスの過小評価の結果、コンフルエンスによって示される特定の発達段階に細胞培養が到達したことに基づくさらなる研究プロセスは、実際の特定の発達段階よりも後の時点まで遅延され得、これは、予期せぬ結果をもたらし得、且つ/又は結果として生じた細胞培養若しくはデータの完全性を損ない得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像評価及び/又はそれに基づく他のプロセスの達成可能な速度及び/又は量を向上させることができる、画像の正確なカバレッジ評価を行う画像評価技術を提供することが望ましい場合がある。特に、細胞培養の高コンフルエンスなコンフルエンス画像などの高カバレッジ画像の正確なカバレッジ評価を行う画像評価技術を提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの例示的な実施形態では、装置は、画像をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスクに形態学的操作を適用することによって修正マスクを生成することと、画像及び修正マスクの反転に基づいて修正マスク入力を生成することと、修正マスク入力をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスク及び第2のセグメンテーションマスクに基づいて画像のカバレッジを決定することとを行うように構成された処理回路を含む。
【0010】
いくつかの例示的な実施形態では、システムは、画像をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスクに形態学的操作を適用することによって修正マスクを生成することと、画像及び修正マスクの反転に基づいて修正マスク入力を生成することと、修正マスク入力をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスク及び第2のセグメンテーションマスクに基づいて画像のカバレッジを決定することとを行うように構成された画像評価器を含む。
【0011】
いくつかの例示的な実施形態では、処理回路によって実行されると、装置に、画像をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスクに形態学的操作を適用することによって修正マスクを生成することと、画像及び修正マスクの反転に基づいて修正マスク入力を生成することと、修正マスク入力をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスク及び第2のセグメンテーションマスクに基づいて画像のカバレッジを決定することとを行わせる命令を格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態では、装置を動作させる方法は、処理回路により、装置に、画像をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスクに形態学的操作を適用することによって修正マスクを生成することと、画像及び修正マスクの反転に基づいて修正マスク入力を生成することと、修正マスク入力をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスクを生成することと、第1のセグメンテーションマスク及び第2のセグメンテーションマスクに基づいて画像のカバレッジを決定することとを行わせる命令を実行することを含む。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態は、調整画像を生成するために画像の特徴を調整することを含み、及び第1のセグメンテーションマスクを生成することは、調整画像をセグメント化することを含む。いくつかの例示的な実施形態では、画像の特徴を調整することは、画像の照度レベルを正規化することを含む。いくつかの例示的な実施形態では、画像の画像照度レベルを正規化することは、ガウスぼかしを適用することを含む。例えば、ガウスぼかしは、画像のコピーに適用され得、次いでぼかされたコピーが画像から減算される。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態では、画像の特徴を調整することは、画像の局所コントラストレベルを増加させることを含む。いくつかの例示的な実施形態では、画像の局所コントラストレベルを増加させることは、画像にコントラスト制限適応ヒストグラム等化を適用することを含む。
【0015】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーションマスクを生成することは、エッジフィルタに基づいて画像をセグメント化することを含む。いくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーションマスクを生成することは、画像にガウスぼかしを適用することを含む。いくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーションマスクを生成することは、画像のコントラストレベルを増加させることを含む。
【0016】
いくつかの例示的な実施形態では、形態学的操作は、オープン形態学的操作、クローズ形態学的操作、ダイレーション形態学的操作又はエロージョン形態学的操作の1つ又は複数を含む。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態では、修正マスク入力をセグメント化することは、エッジフィルタに基づいて修正マスク入力をセグメント化することを含む。いくつかの例示的な実施形態では、修正マスク入力をセグメント化することは、修正マスク入力にガウスぼかしを適用することを含む。いくつかの例示的な実施形態では、修正マスク入力をセグメント化することは、修正マスク入力のコントラストレベルを増加させることを含む。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態は、複合マスクを生成するために第1のセグメンテーションマスク及び第2のセグメンテーションマスクを結合させることを含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、複合マスクを生成することは、複合マスクの非細胞エリアを除外するために、複合マスクに非細胞フィルタを適用することを含む。いくつかの例示的な実施形態では、複合マスクの非細胞エリアを除外することは、非細胞エリアの形態又は非細胞エリアのサイズの1つ又は複数に基づく。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態では、画像のカバレッジを決定することは、マスク入力画像を画像のカバレッジの図として提示することを含む。いくつかの例示的な実施形態では、カバレッジを決定することは、複合マスクのカバレッジを推定することを含む。
【0020】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより詳細に理解されるであろう。図面において、参照番号は、類似及び/又は同一の要素を識別するために再使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】様々なコンフルエンスを有する例示的な細胞培養画像の図である。
【
図2】いくつかの画像評価プロセスに従い、細胞培養画像のいくつかのエリアにおけるコンフルエンスを過小評価する、高コンフルエンス細胞培養画像の例示的評価の図である。
【
図3】いくつかの例示的な実施形態に従う、画像のカバレッジを決定するための画像技術の一例である。
【
図4】いくつかの例示的な実施形態に従う画像特徴調整の第1の例の図である。
【
図5】いくつかの例示的な実施形態に従う画像特徴調整の第2の例の図である。
【
図6】いくつかの例示的な実施形態に従う調整画像の例示的な第1のセグメンテーションの第1の部分の図である。
【
図7】いくつかの例示的な実施形態に従う、調整画像の例示的な第1のセグメンテーションの第2の部分の図である。
【
図8】いくつかの例示的な実施形態に従う、第1のセグメンテーションマスクに適用され得る形態学的操作の例示的なセットの図である。
【
図9】いくつかの例示的な実施形態に従って生成された第2の修正マスク入力の図である。
【
図10】いくつかの例示的な実施形態に従う、第2の修正マスク入力の例示的な第2のセグメンテーションの第1の部分の図である。
【
図11】いくつかの例示的な実施形態に従う、第2の修正マスク入力の例示的な第2のセグメンテーションの第2の部分の図である。
【
図12】いくつかの例示的な実施形態に従う、複合マスクの生成の図である。
【
図13】いくつかの例示的な実施形態に従う、複合マスクのセットへの非細胞フィルタの適用の図である。
【
図14】いくつかの例示的な実施形態に従う、細胞培養に画像処理技術を適用することによって生成された画像のセットの図である。
【
図15】いくつかの例示的な実施形態に従う例示的な装置のコンポーネントブロック図である。
【
図16】いくつかの例示的な実施形態に従う例示的な方法1600のフロー図である。
【
図17】いくつかの例示的な実施形態に従う例示的な非一時的コンピュータ可読媒体1700の図である。
【
図18】いくつかの例示的な実施形態が実装され得る例示的な装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.概論
以下の概論は、いくつかの例示的な実施形態に関連する、機械学習技術を含むいくつかの画像解析機能の概要を提供することを意図する。
【0023】
図1は、様々なカバレッジを有する画像の例として提示される、様々なコンフルエンスを有する例示的な細胞培養画像の図である。
図1において、第1の細胞培養画像100-1は、低コンフルエンス、すなわち細胞による第1の細胞培養画像100-1のフィールドの低カバレッジを示す。第2の細胞培養画像100-2は、中程度のコンフルエンス、すなわち細胞による第2の細胞培養画像100-2のフィールドの中程度のカバレッジを示す。第3の細胞培養画像100-3は、高コンフルエンス、すなわち細胞による第3の細胞培養画像100-3のフィールドの高カバレッジを示す。様々な実装形態では、コンフルエンスは、接着細胞で覆われた培養皿の割合として定量的に定義され得る。特定の画像に言及する場合、コンフルエンスは、接着細胞によって覆われている、画像に示された培養皿の割合として定量的に定義することができる。
【0024】
図1の細胞培養画像100-1、100-2、100-3を比較することで理解され得るように、個人による各細胞培養画像のカバレッジの推定は、様々な程度の精度をもたらし得る。そのような第1の例として、第1の細胞培養画像100-1では、細胞間の間隔が広いため、細胞は、容易に明確に見ることができ、簡単に計数又は推定することができる。一方、第3の細胞培養画像100-3では、細胞は、カバレッジの密度により、互いに区別することがより困難であり得る。細胞計数アルゴリズムの実装を混乱させ得る背景強度の違いにも留意されたい。
【0025】
そのような第2の例として、第1の細胞培養画像100-1では、細胞は、間隔をあけており、第1の細胞培養画像100-1内の破片又は他の物質ではなく、特徴的な形状を有する細胞として容易に識別することができるが、第3の細胞培養画像100-3では、細胞の密度は、第1の細胞培養画像100-3内の破片又は他の物質と細胞を区別することを困難にし得る。そのような困難の結果として、細胞培養画像100-1、100-2、100-3のカバレッジの推定の精度が変動し得、特に細胞培養のコンフルエンスが増加するにつれて精度が低下し得る。
【0026】
画像コンフルエンスを評価するための自動化プロセスを開発することにより、人的エラーを排除し、コンフルエンスの評価の再現性を高めることができる。例えば、同じ画像に対して、異なる人間の専門家が異なる推定を提供し得、1人の専門家であっても、同じ画像に対して異なる時点で異なる推定を提供し得る。
【0027】
図2は、いくつかの画像評価プロセスに従い、細胞培養画像のいくつかのエリアにおけるコンフルエンスを過小評価する、高コンフルエンス細胞培養画像の例示的評価の図である。オリジナルの細胞培養画像200-1において、細胞培養のいくつかのエリア202-1、202-2は、個々の細胞を互いに区別すること及び/又は細胞を非細胞物質から区別することが困難であり得るような高視覚的密度のエリアに細胞を含み得る。細胞培養画像200-2の高コントラスト又は二値化(すなわち画素を黒又は白の2つのバイナリ値の一方にマッピングする)バージョンでは、対応するエリア202-3、202-4は、これらの高密度エリアにおける詳細が失われるため、細胞、非細胞物質、空所として特徴付けることがさらに困難であり得、誤って非細胞として特徴付けられ得る。
【0028】
細胞培養画像200-3の評価バージョンでは、細胞のように見えるエリア202-5、202-6は、ここでは空所として特徴付けられている。このような高コンフルエンス細胞培養の高密度エリアにおける詳細の喪失及び誤った特徴付けの結果として、細胞培養画像200-1のコンフルエンスが過小評価され得る。このようなコンフルエンスの過小評価の結果、細胞培養画像200-1に対応した細胞培養が、コンフルエンスによって示される特定の発達段階に到達したことに応答して行われるさらなる研究プロセスは、上記の特定の発達段階よりも後の時点に遅延され得る。これは、予期せぬ結果をもたらし得、且つ/又は結果として生じた細胞培養若しくはデータの完全性を損ない得る。
【0029】
B.提示される技術
図3は、いくつかの例示的な実施形態に従う、画像のカバレッジを決定するための画像処理技術の一例である。
図3の選択部分を
図4~
図12にさらに示す。
【0030】
図3の例示的な画像処理技術302では、カバレッジ決定が望まれる画像300が提供される。一例として、画像300は、個人の組織サンプルから採取された細胞群などの細胞培養の画像であり得る。例えば、細胞培養は、免疫細胞、NK-92細胞、T細胞、免疫コンピテント細胞、CHO細胞、HEK細胞、HeLa細胞、健康な組織、腫瘍などの不健康な組織及び/又は癌細胞を含んでも若しくは含まなくてもよい不確定な組織などの未知の組成の組織を表し得る。他のそのような画像300は、微生物などの他の有機的特徴及び/又は結晶構造などの無機的特徴を含み得る。画像の特徴は、助けなしに個人の目に見えるような巨視的なものであり得るか、又は画像の光学的及び/又はデジタル拡大下で目に見える小さい特徴などの顕微鏡的なものであり得る。
【0031】
図3の例示的な画像処理技術302では、画像300のカバレッジのカバレッジ決定330が望まれる。決定されるカバレッジは、例えば、画像300のどのエリアが細胞によって覆われているか(例えば、白画素によって表される)及び画像300のどのエリアが細胞によって覆われていないか(例えば、黒画素によって表される)又はその逆を示すビットマップなどのカバレッジマスク332、さらに評価され、且つ/又は個人に提示され得る、覆われた画像300のエリアのアウトライン化などのマスク入力画像334及び/又は密度(例えば、細胞数/mm
2)、カウント(例えば、画像のエリア内で明確に見える250個の細胞)及び/又は画像300の全エリアに対する画像300の覆われたエリアのコンフルエンス率(例えば、60%のコンフルエンス)として個人に報告され得る、画像300の全エリア内における、細胞を描写する画像300のエリアの測定に基づくコンフルエンス若しくはカバレッジ推定336などのカバレッジ推定を含み得る。
【0032】
図3の例示的な画像処理技術302は、1つ又は複数の画像特徴調整304から始まる。第1の例として、画像300の照度レベルを正規化するために、照度正規化306が画像300に適用され得る。例えば、画像300の明度、明るさ及び/又はコントラストレベルを調整して、画像300の平均照度を、残りの画像処理特徴が良好に適合する目標平均照度に向けて上昇及び/又は下降させ得る。そのような照度正規化306の一形態は、画像300のコピーにガウスぼかしを適用し、次いで画像300からぼかされたコピーを減算することを含み得る。
【0033】
様々な実装形態において、画像300の各局所エリアの目標コントラストレベルを促進して、一貫性のない照明又はシャドーイングなどの視覚的アーチファクトに起因し得る高コントラストシフトを低減するために、局所コントラスト強調308が画像300に適用され得る。局所コントラスト強調308の1つのそのような形態は、コントラスト制限適応ヒストグラム等化(「CLAHE」)プロセスを画像300に適用することを含み得る。画像処理技術302による追加処理のために調整画像を生成するために、そのような1つ又は複数の画像特徴調整304が画像300に適用され得る。
【0034】
図4は、いくつかの例示的な実施形態に従う画像特徴調整の第1の例の図である。様々なコンフルエンスの画像400-1、400-2、400-3は、照度正規化プロセス及びコントラスト強調(CLAHEなど)によって処理される。対応する調整画像402-1、402-2、402-3は、セグメンテーションのためにより正確に評価され得る、より鮮明な境界を有する、より高いコントラストの画像を提示する。
【0035】
図5は、いくつかの例示的な実施形態に従うコントラスト調整プロセスの図である。
図5では、セグメンテーションのためにより正確に評価され得る、より鮮明な境界を有する調整画像502を生成するために、CLAHEなどの局所コントラスト調整プロセスが画像500に適用される。様々な実装形態において、CLAHEは、画像500の平均コントラストに基づいて自動的に決定される「clipLimit」パラメータによって調節され得る。
【0036】
図5に示す局所コントラスト調整は、照度正規化及び/又はガウスぼかしと代替的に又は一緒に適用され得る。様々な実装形態において、
図5に示す局所コントラスト調整は、照度正規化及び/又はガウスぼかし前に、それと同時に且つ/又はその後に適用され得る。
【0037】
図3に戻ると、
図3の例示的な画像処理技術302は、第1のセグメンテーション310を含み得、第1のセグメンテーション310では、画像300(又はいくつかの例示的な実施形態では画像特徴調整304によって提供された生成された調整画像)は、第1のセグメンテーションマスク312を生成するためにエッジ又は境界を決定するように評価される。第1のセグメンテーション310は、例えば、細胞などの視覚的特徴を表し得る高コントラスト境界の位置、寸法及び/又は形状など、画像300又は調整画像のエッジ又は境界の記述子のセットを生成することができる。
【0038】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーション310は、画像300に1つ又は複数のエッジ検出フィルタを適用することを含み得る。そのような第1の例として、ソーベルX軸フィルタが画像300又は調整画像に適用され得る。ソーベルX軸フィルタは、垂直エッジを示し得る水平方向に隣接する画素間の高コントラスト差を検出するように構成される。例示的な3×3のソーベルX軸フィルタは、以下のフィルタ行列で表される。
【数1】
【0039】
そのような第2の例として、ソーベルY軸フィルタが画像300又は調整画像に適用され得る。ソーベルY軸フィルタは、水平エッジを示し得る、垂直方向に隣接する画素間の高コントラスト差を検出するように構成される。例示的な3×3ソーベルY軸フィルタは、以下のフィルタ行列によって表される。
【数2】
【0040】
様々な実装形態において、ソーベルX軸フィルタ及びソーベルY軸フィルタを別々に画像に適用し、次いでその結果得られたフィルタ処理画像を結合して、結合ソーベルXYフィルタを生成することができる。様々な実装形態において、キャニーエッジ検出器などの他のエッジ検出機構が使用され得る。例えば、Songらに対して2019年3月12日に発行された、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,229,342号明細書を参照されたい。(理想的には1つ又は複数の細胞の)エッジが識別されると、エッジは、長軸、短軸、サイズ、頂点など、明確に見える細胞の幾何学的特性を決定するために使用することができる。
【0041】
そのような多くのセグメンテーション画像処理技術は、画像300又は画像特徴調整304に基づく調整画像をセグメント化して、第1のセグメンテーションマスク312を生成するために適用され得る。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーション310前、その間及び/又はその後、さらなる画像処理が画像300(調整画像を含む)に適用され得る。そのような第1の例として、第1のセグメンテーションマスク312を生成することは、例えば、識別されたエッジ又は境界の平滑性を増加させ、且つ/又は粗さ若しくは不均一さを減少させるために、セグメント化された画像300にガウスぼかしを適用することを含み得る。
【0042】
そのような第2の例として、第1のセグメンテーションマスク312を生成することは、グレースケールセグメント化画像を、セグメント化された画像300のどのエリアがセグメント化エリア(例えば、細胞境界によって画定された細胞)内にあるか及び画像300のどのエリアが細胞によって覆われていないか(例えば、空所若しくは非細胞物質)又はその逆であるかを示す二値化された1ビットのビットマップに変換するために強度閾値を適用することなどにより、セグメント化された画像300のコントラストレベルを増加させることを含み得る。第1のセグメンテーション310は、さらなる処理のために、第1のセグメンテーションマスク312を出力することができる。
【0043】
図6は、いくつかの例示的な実施形態に従う、調整画像の例示的な第1のセグメンテーションの第1の部分の図である。
【0044】
図6の図では、(例えば、
図4及び
図5に示すような画像特徴調整304を適用した後に)調整画像600が受信され、且つソーベルX軸フィルタにかけられ、それにより垂直エッジ又は境界が強調された第1のセグメント化画像602-1が生成される。代替的又は追加的に、調整画像600は、ソーベルY軸フィルタにかけられ、それにより水平エッジ又は境界が強調された第2のセグメント化画像602-2が生成される。
【0045】
第1のセグメント化画像602-1及び第2のセグメント化画像602-2は、結合されて、実質的に結合ソーベルXYフィルタを有する画像604を生成することができる。次いで、画像604は、
図7に関して説明するように、ガウスぼかしに供され得る。
【0046】
図7は、いくつかの例示的な実施形態に従う、調整画像の例示的な第1のセグメンテーションの第2の部分の図である。
図6の画像604などの画像に対して、より平滑なエッジ又は境界を特徴とする第3のフィルタ処理画像700を生成するために、ガウスぼかしが適用される。
【0047】
次に、高コントラストのセグメント化画像である第1のセグメンテーションマスク312を生成するために、二値化が適用され得る(すなわちグレースケールの第3のフィルタ処理画像700を1ビットのビットマップに変換する)。本開示において、二値化は、画像のデータに依存する適応閾値を使用して行われ得る。例えば、適応閾値は、大津の方法を用いて決定され得る。大津の方法は、二値化段階内の情報損失を最小化するために、0の閾値を用いて開始され得る。例えば、大津の方法のOpenCV実装のみが使用され得る。
【0048】
図3に戻ると、
図3の例示的な画像処理技術302は、第1の修正マスク316を生成するために、第1のセグメンテーションマスク312に1つ又は複数の形態学的操作314を適用することを含み得、1つ又は複数の形態学的操作314の各々は、第1のセグメンテーションマスク312の1つ又は複数の視覚的特徴の形状を変更し得る。様々な実施形態において、1つ又は複数の形態学的操作314は、所定の順序で順次適用され得る。形態学的オペレータの背景にある考え方は、小さい「ホワイトノイズ」(すなわち細胞として誤って分類された画素)及び「ブラックノイズ」(すなわち背景として誤って分類された画素)から推定されたバイナリマスクを「クリーン」にすることである。
【0049】
1つ又は複数の形態学的操作314は、膨張(又はダイレーション)操作、収縮(又はエロージョン)操作、オープン操作及びクローズ操作を含み得る。形態学的操作のさらなる説明は、en.wikipedia.org/wiki/Mathematical_morphologyで入手可能なWikipediaのMathematical Morphologyにおいて見つけることができ、その内容全体(2021年6月16日現在)が参照により組み込まれる。
【0050】
様々な実施形態において、膨張操作は、オブジェクトのエッジ又は境界に1つ又は複数の白画素を追加する。様々な実施形態において、収縮操作は、オブジェクトの境界から1つ又は複数の白画素を減算する。様々な実施形態において、オープンオペレータは、黒画素に囲まれた白画素の小エリアを消去する効果を有する、収縮操作に続いて膨張操作を実行することを含む複合オペレータである。様々な実施形態において、クローズオペレータは、白画素に囲まれた黒画素の小エリアを消去する効果を有する、膨張操作に続いて収縮操作を実行することを含む複合オペレータである。
【0051】
様々な実装形態において、形態学的操作は、一般に、第2のセグメンテーション段階のために画像を「準備」するために使用される。例えば、形態学的操作は、それぞれホワイトノイズ及びブラックノイズを消去するために形態学的オープン操作及びクローズ操作を使用するなどにより、第1のセグメント化画像を「クリーン」にするために選択される。このような操作後、細胞のエッジからいくつかの画素(この場合、操作ごとに1つ)を消去する効果を有する2つの形態学的エロージョン操作は、結果として得られる画像に適用される。その結果、細胞のエッジの著しいエロージョンを有する修正された第1のセグメンテーションマスクが得られる。次に、修正されたマスクは、符号反転され、入力画像に適用される(入力画像は、最初に照度補正及びコントラスト強調を施され得る)。
【0052】
第2のセグメンテーション段階のための新しいマスクを作成するために、第1のセグメンテーションマスクを修正し、その後、符号反転することの効果は、以前にセグメント化されていないエリアの細胞エッジを含む可能性が高いマスクを提供することであり、これにより、エッジ検出(ソーベル又はキャニーなど)に対して、マスクの適用によって与えられる人工的なエッジの代わりに、細胞の実際のエッジが提供される(例えば、
図9の902に示されるような黒いエリア)。様々な実装形態において、形態学的オープン及びクローズ操作後、第1のセグメンテーションマスクは、2つの形態学的エロージョン操作で修正される。この修正されたマスクは符号反転されるため、このようなエロージョンの効果は、(「人工的なエッジ」が少ない)より公正なコンテキストで2回目のセグメンテーションを行うために、細胞の実際のエッジを含むために、「細胞エリア」を人工的に大きくすることである。
【0053】
様々な実装形態において、形態学的操作のセットは、以下のようにイメージングプロセス方法に統合され得る。
0)入力画像を取得する(照度正規化及び局所コントラスト強調を用いる)
1)第1のセグメンテーションマスクを生成する
2)1に対して形態学的「オープン」を実行し、これは、様々な実装形態において、小さいホワイトノイズを除去する
3)2に対して形態学的「クローズ」を実行し、これは、様々な実装形態において、小さいブラックノイズを除去する(白画素に囲まれた小さい黒い「穴」を「埋める」)
4)3に対して形態学的「エロージョン」を実行し、これは、様々な実装形態において、3のオブジェクトから1つの(白)画素を収縮させる
5)4に対して形態学的「エロージョン」を実行し、これは、様々な実装形態において、4のオブジェクトから1つの(白)画素を収縮させる
6)5の画素単位のNOT(符号反転)を実行する
7)処理された入力画像0をマスク6でフィルタリングするために、0及び6の画素単位の乗算を行う。その効果は、(第1のセグメンテーション段階でセグメント化されなかった)細胞の実際のエッジが存在する、マスク入力画像を取得することであり得る。
8)第2のセグメンテーションマスクを取得するために、7を処理する
【0054】
形態学的操作の選択は、画像解像度、画像サイズ及び細胞の種類と無関係であり得る。カーネルサイズは、コンテキスト依存であり得るが、様々な実装形態では、人工的な情報の導入を最小限に抑えつつ「単一画素ノイズ」から画像をクリーンにするために、可能な限り小さいサイズが使用される。
【0055】
先験的知識が使用され得る。例えば、様々な実装形態において、円形度フィルタは、最終的なセグメンテーションから、細胞ではないと仮定される小さい円形のオブジェクトをフィルタ除去する。この先験的知識は、研究対象の細胞に基づき得る。例えば、間葉系幹細胞は、細長い形状であり、したがって小さい円として表れないはずである。この先験的知識を用いて、予想される細胞の平均サイズ及び細長い形状に対応しないオブジェクトは、面積及び円形度フィルタ(
図13を参照されたい)(このフィルタは、小さくて、ほぼ丸いオブジェクトを認識し、最終的なバイナリマスクからそれらをフィルタ除去する)によってフィルタ除去され得る。サイズ及び丸み度のパラメータは、所与の種類の細胞について実験的に決定され得る。細胞の種類のさらなる例は、ヒト筋繊維及びヒト線維芽細胞であり、何れも細長い形状である。自動化された結果の目視検査により、細長い形状によって特徴付けられる細胞を含む様々な細胞の種類に対して、本出願に記載された方法が期待通りに機能することが確認された。
【0056】
図8は、いくつかの例示的な実施形態に従う、第1のセグメンテーションマスクに適用され得る形態学的操作の例示的なセットの図である。
図8の図において、
図7の第1のセグメンテーションマスク312は、いくつかの形態学的操作の1つ又は複数に供され得る。そのような第1の例として、オープン形態学的操作800-1が第1のセグメンテーションマスク312に適用され得、この操作では、第1のセグメンテーションマスク312のエッジ又は境界が拡大され、その後、1つ又は複数の画素によって縮小される。そのような第2の例として、クローズ形態学的操作800-2が第1のセグメンテーションマスク312に適用され得、この操作では、第1のセグメンテーションマスク312のエッジ又は境界が縮小され、その後、1つ又は複数の画素によって拡大される。そのような第3の例として、エロージョン形態学的操作800-3が第1のセグメンテーションマスク312に適用され得、この操作では、第1のセグメンテーションマスク312のエッジ又は境界の凹及び/又は凸の不規則性が1つ又は複数の画素によって縮小される。
【0057】
いくつかの例示的な実施形態では、いくつかの例示的な実施形態に従い、第1の修正マスク316を生成するために、形態学的操作800-1、800-2、800-3の1つ又は複数は、形態学的操作800-1、800-2、800-3の別の1つ又は複数の前に、それと同時に且つ/又はその後に適用され得る。例えば、形態学的操作は、第1のセグメンテーションマスク312にカスケードで連続的に適用され得る。
【0058】
図3に戻ると、
図3の例示的な画像処理技術302は、画像300(又は任意選択的に、画像特徴調整304によって生成された調整画像)及び第1の修正マスク316の反転318に基づいて、第2の修正マスク入力320を生成することを含み得る。例えば、第1の修正マスク316が、白画素が覆われたエリアを表し、且つ黒画素が覆われていないエリアを表す1ビットのビットマップである場合、第1の修正マスク316の反転318は、黒画素が覆われたエリアを表し、且つ白画素が覆われていないエリアを表すか又はその逆である1ビットのビットマップを含み得る。
【0059】
さらに、いくつかの例示的な実施形態では、第2の修正マスク入力320は、画像300(又は任意選択的に、画像特徴調整304によって生成された調整画像)及び第1の修正マスク316の反転318を結合させることによって生成され得る。いくつかの例示的な実施形態では、第2の修正マスク入力320は、画像特徴調整304によって生成された調整画像と第1の修正マスク316の反転318との画素単位の乗算(例えば、画素単位のAND)を実行することによって生成され得る。いくつかの例示的な実施形態では、第2の修正マスク入力320は、画像300(又は任意選択的に、画像特徴調整304によって生成された調整画像)と第1の修正マスク316の反転318とを他の方法で(加算又は平均化などによって)結合することにより生成され得る。
【0060】
図9は、いくつかの例示的な実施形態に従って生成された第2の修正マスク入力の図である。
【0061】
図9の図では、第1の修正マスク316は、例えば、第1の修正マスク316の1ビットのビットマップの1ビット値を反転させることにより、反転された第1の修正マスク900を生成するために反転される。さらに、反転された第1の修正マスク900は、いくつかの例示的な実施形態に従い、第2の修正マスク入力902を生成するために、画像300(又は任意選択的に、画像特徴調整304によって生成された調整画像)と結合され得る。
【0062】
図3に戻ると、
図3の例示的な画像処理技術302は、第2のセグメンテーションマスク324を生成するために、第2の修正マスク入力320の第2のセグメンテーション322を含むことができ、第2の修正マスク入力320は、第2のセグメンテーションマスク324を生成するためにエッジ又は境界を決定するように評価される。第2のセグメンテーション322は、例えば、細胞などの視覚的特徴を表し得る高コントラスト境界の位置、寸法及び/又は形状など、第2の修正マスク入力320のエッジ又は境界の記述子のセットを生成することができる。
【0063】
いくつかの例示的な実施形態では、第2のセグメンテーション322は、第2の修正マスク入力320に1つ又は複数のエッジ検出フィルタを適用することを含み得る。そのような第1の例として、ソーベルX軸フィルタが第2の修正マスク入力320に適用され得、ソーベルX軸フィルタは、垂直エッジを示し得る水平方向に隣接する画素間の高コントラスト差を検出するように構成される。そのような第2の例として、ソーベルY軸フィルタが第2の修正マスク入力320に適用され得、ソーベルY軸フィルタは、水平エッジを示し得る、垂直方向に隣接する画素間の高コントラスト差を検出するように構成される。そのような多くのセグメンテーション画像処理技術は、第2のセグメンテーションマスク324を生成するために、第2の修正マスク入力320をセグメント化するために適用され得る。
【0064】
さらに、いくつかの例示的な実施形態では、第2のセグメンテーション322前、その間及び/又はその後、追加の画像処理が第2のセグメンテーションマスク324に適用され得る。そのような第1の例として、第2のセグメンテーションマスク324を生成することは、例えば、識別されたエッジ又は境界の平滑性を増加させ、且つ/又は粗さ若しくは不均一さを減少させるために、セグメント化された第2の修正マスク入力320にガウスぼかしを適用することを含み得る。そのような第2の例として、第2のセグメンテーションマスク324を生成することは、グレースケールセグメント化画像を、セグメント化された第2の修正マスク入力320のどのエリアがセグメント化エリア(例えば、細胞境界によって画定された細胞)内にあるか及びセグメント化された第2の修正マスク入力320のどのエリアが細胞によって覆われていないか(例えば、空所若しくは非細胞物質)又はその逆であるかを示す二値化された1ビットのビットマップに変換するために強度閾値を適用することなどのセグメント化された第2の修正マスク入力320のコントラストレベルを増加させることを含み得る。第2のセグメンテーション322は、さらなる処理のために、第2のセグメンテーションマスク324を出力することができる。
【0065】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーション310及び第2のセグメンテーション322は、同一であるか又は類似し得る。例えば、第1のセグメンテーションマスク312を生成するための第1のセグメンテーション310による画像300のセグメンテーションが、第2のセグメンテーションマスク324を生成するための第2のセグメンテーション322による第2の修正マスク入力320のセグメンテーションと類似するように、第1のセグメンテーション310及び第2のセグメンテーション322の両方は、同一又は類似のサイズ及び/又はフィルタ値を有するソーベルX軸フィルタ及び/又はソーベルY軸フィルタを使用し得る。
【0066】
他のいくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーション310及び第2のセグメンテーション322は、大幅に異なり得る。いくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーション310は、第2のセグメンテーション322のサブセットであるか又はその逆であり得る。例えば、第1のセグメンテーション310は、ガウスぼかしを含み得、及び第2のセグメンテーション322は、ガウスぼかしを含まなくてもよいか又はその逆であり得る。いくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーション310及び第2のセグメンテーション322は、異なるフィルタ値を有するソーベルフィルタなど、異なるパラメータを有する類似のオペレータを含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、第1のセグメンテーション310の動作及び第2のセグメンテーション322の動作は、全体的又は実質的に独立していてもよい。
【0067】
図10は、いくつかの例示的な実施形態に従う、第2の修正マスク入力の例示的な第2のセグメンテーションの第1の部分の図である。
図10の図では、(例えば、反転された第1の修正マスク316及び画像300又は調整画像600に基づいて)第2の修正マスク入力902が受信され、且つソーベルX軸フィルタにかけられ、それにより垂直エッジ又は境界が強調された第1のセグメント化画像1000-1が生成される。代替的又は追加的に、第2の修正マスク入力902は、ソーベルY軸フィルタにかけられ、それにより水平エッジ又は境界が強調された第2のセグメント化画像1000-2が生成される。画像1000-1及び画像1000-2は、ソーベルXY画像1002を生成するために結合され得る。結合は、画素単位のAND、画素単位のOR、画素単位のXOR又は画素単位で作用しても又はしなくてもよい別の演算に基づき得る。
【0068】
図11は、いくつかの例示的な実施形態に従う、第2の修正マスク入力の例示的な第2のセグメンテーションの第2の部分の図である。
図11の図では、より平滑なエッジ又は境界を特徴とする第3のフィルタ処理画像1100を生成するために、ガウスぼかしプロセスがソーベルXY画像1002などに対して用いられる。具体的には、第3のフィルタ処理画像1100を生成するために、ガウスぼかしがソーベルXY画像1002のコピーに適用され得る。
【0069】
次に、第2のセグメンテーションマスク324として機能する高コントラストのセグメント化画像1102を生成するために、二値化(すなわちグレースケールの第3のフィルタ処理画像1100を1ビットのビットマップに変換すること)が適用され得る。
【0070】
図3に戻ると、いくつかの例示的な実施形態では、複合マスク326を形成するために、第1のセグメンテーションマスク312及び第2のセグメンテーションマスク324が結合される。
【0071】
図12は、いくつかの例示的な実施形態に従う、複合マスクの生成の図である。
図12において、調整画像600は、第1のセグメンテーションマスク312(
図6に示すようなもの)及び第2のセグメンテーションマスク(
図11に示すようなもの)を生成するために処理される。複合マスク1200は、第1のセグメンテーションマスク312及び第2のセグメンテーションマスク324に基づいて、例えば第1のセグメンテーションマスク312及び第2のセグメンテーションマスク324の画素単位の加算(例えば、画素単位のOR)によって生成され得る。
【0072】
図3に戻ると、いくつかの例示的な実施形態において、例示的な画像処理技術302は、複合マスク326の非細胞エリアを除外するために、複合マスク326に非細胞フィルタ328を適用することを含み得る。
【0073】
図13は、いくつかの例示的な実施形態に従う、複合マスクのセットへの非細胞フィルタの適用の図である。
図13において、様々なコンフルエンスの画像から生成された複合マスク1200のセットは、複合マスク1200の非細胞エリアを除外する非細胞フィルタにかけられる。そのような第1の例として、低コンフルエンス画像から生成された第1の複合マスク1200-1は、第1のフィルタ処理された複合マスク1300-1を生成するために非細胞フィルタにかけられる。そのような第2の例として、中程度のコンフルエンス画像から生成された第2の複合マスク1200-2は、第2のフィルタ処理された複合マスク1300-2を生成するために、非細胞フィルタにかけられる。そのような第3の例として、高コンフルエンス画像から生成された第3の複合マスク1200-3は、第3のフィルタ処理された複合マスク1300-3を生成するために、非細胞フィルタにかけられる。フィルタ処理された複合マスクの検査から理解され得るように、非細胞フィルタの適用により、低コンフルエンス画像、中コンフルエンス画像及び高コンフルエンス画像から生成された複合マスク1200-1、1200-2、1200-3のそれぞれの非細胞エリアが除外される。
【0074】
図3に戻ると、いくつかの例示的な実施形態において、例示的な画像処理技術302は、第1のセグメンテーションマスク312及び第2のセグメンテーションマスク324に基づく画像300のカバレッジのカバレッジ決定330を含み得る。
【0075】
図3の例示的な画像処理技術302にさらに示されるように、第1のセグメンテーションマスク312及び第2のセグメンテーションマスク324に基づいて生成された複合マスク326に基づいて、多くの種類のカバレッジ決定330が生成され得る。第1の例として、カバレッジ決定330は、覆われていると決定された画像300のエリアを示す1ビットのビットマップなどのカバレッジマスク332を生成することを含み得る。カバレッジマスク332は、例示的な画像処理技術302のユーザなどの個人に提示され得、且つ/又はさらなる画像処理において使用され得る。そのような第2の例として、カバレッジ決定330は、画像300の覆われたエリアが示され、且つ画像300の覆われていないエリアが示されないように、出力画像として、マスク入力画像334を生成すること、例えばカバレッジマスク332、画像300(又は任意選択的に1つ若しくは複数の画像特徴調整304に基づく調整画像)のビット単位の乗算を含み得る。
【0076】
他のそのようなマスク入力画像334が生成され、提示され得る。例えば、複合マスク326は、画像300の覆われたエリアと覆われていないエリアとの間のエッジ又は境界を示し得、画像300の覆われたエリア及び覆われていないエリアを画定するためにエッジ又は境界の描画、強調表示、着色などが行われるマスク入力画像334が生成され得る。そのような第3の例として、カバレッジ決定330は、例えば組織サンプルの画像300における細胞のコンフルエンスの計算などのカバレッジ推定336を生成することを含み得る。カバレッジ推定336は、例えば、画像300の全エリア内における、細胞を描写する画像300のエリアの測定の1つ又は複数を含み得、これらは、密度(例えば、細胞数/mm2)、カウント(例えば、画像のエリア内で明確に見える250個の細胞)及び/又は画像300の全エリアに対する画像300の覆われたエリアのコンフルエンス率(例えば、60%のコンフルエンス)として個人に報告され得る。
【0077】
図3の画像処理技術302の要素は、現在開示されている技術から大きく逸脱することなく変化し得る。いくつかの例示的な実施形態では、
図3の画像処理技術302の要素の1つ又は複数が組み合わされ得る(例えば、形態学的操作314及び反転318が単一のステップとして同時に実行され得る)。いくつかの例示的な実施形態では、
図3の画像処理技術302の要素の1つ又は複数が2つ以上の別個の要素に分割され得る(例えば、オープン操作などの第1の形態学的操作314を実行し、その後、クローズ操作などの第2の形態学的操作314を順次実行すること)。
【0078】
いくつかの例示的な実施形態では、
図3の画像処理技術302の要素の1つ又は複数が条件付きで実行され得る(例えば、第1のセグメンテーションマスク312の視覚的特徴のエッジが粗さ閾値を超えるという条件でのみオープン形態学的操作314を適用する)。いくつかの例示的な実施形態では、
図3の画像処理技術302の要素の1つ又は複数は、重複し得るか(例えば、第1のセグメンテーション310後の第1のセグメンテーションマスク312に対してだけでなく、第2のセグメンテーション322後の第2のセグメンテーションマスク324に対しても同じ、類似の及び/又は異なる形態学的操作314を適用する)又は異なる配置で提示され得る(例えば、第1のセグメンテーション310と同時に且つ/又は第2のセグメンテーション322後、1つ又は複数の形態学的操作314の1つ又は複数を実行する)。本明細書に開示する技術の特徴を含み得る、
図3の画像処理技術302の要素の多くのそのような変形形態は、当業者によって理解されるであろう。
【0079】
C.実験結果
図14は、いくつかの例示的な実施形態に従う、細胞培養に画像処理技術を適用することによって生成された画像のセットの図である。
【0080】
図14に示すように、低コンフルエンス細胞培養の第1の「グラウンドトゥルース」画像1400-1として、熟練した人間のラベラーによってラベル付けされた低コンフルエンス画像が提供され、その結果、5.93%のコンフルエンス推定が得られる。第1のマスク入力画像は、本明細書において提示される技術によって生成され、その結果、8.33%のコンフルエンス推定が得られる。第1のマスク入力画像及び第1の「グラウンドトゥルース」画像1400-1の第1の比較1402-1は、真陽性細胞が黄色で示され、偽陽性細胞が緑色で示され、偽陰性細胞が赤色で示され、且つ画像の真陰性エリアが黒色で示された状態で示されている。
【0081】
図14にさらに示すように、熟練した人間のラベラーによってラベル付けされた中程度のコンフルエンス画像は、中程度のコンフルエンスの細胞培養の第2の「グラウンドトゥルース」画像1400-2として提供され、その結果、48.94%のコンフルエンス推定が得られる。第2のマスク入力画像は、本明細書で提示される技術によって生成され、その結果、60.47%のコンフルエンス推定が得られる。第1のマスク入力画像及び第1の「グラウンドトゥルース」画像1400-2の第2の比較1402-2は、真陽性細胞が黄色で示され、偽陽性細胞が緑色で示され、偽陰性細胞が赤色で示され、且つ画像の真陰性エリアが黒色で示された状態で示されている。
【0082】
図14にさらに示すように、熟練した人間のラベラーによってラベル付けされた高コンフルエンス画像は、高コンフルエンス細胞培養の第3の「グラウンドトゥルース」画像1400-3として提供され、その結果、99.22%のコンフルエンス推定が得られる。第3のマスク入力画像は、本明細書に提示される技術によって生成され、その結果、95.08%のコンフルエンス推定が得られる。第3のマスク入力画像及び第3の「グラウンドトゥルース」画像1400-3の第3の比較1402-3は、真陽性細胞が黄色で示され、偽陽性細胞が緑色で示され、偽陰性細胞が赤色で示され、且つ画像の真陰性エリアが黒色で示された状態で示されている。
【0083】
図14の比較1400-1、1400-2、1400-3に見られるように、黄色(真陽性)及び黒色(真陰性)エリアの高い割合は、本明細書に提示される技術によって生成されたグラウンドトゥルース画像とマスク入力画像との間の強い対応関係を示す。特に、第3の比較1402-3における高い対応関係並びに高コンフルエンスの熟練した人間のラベラーによって生成されたコンフルエンス推定及びマスク入力画像の一致は、非常に高いコンフルエンスの画像であっても高い精度を有するカバレッジ精度推定を実証している。
【0084】
D.例示的実施形態
図15は、いくつかの例示的な実施形態に従う例示的な装置のコンポーネントブロック図である。
【0085】
図15に示すように、いくつかの例示的な装置1500は、処理回路1502及びメモリ1504を含み得る。メモリ1504は、処理回路1502によって実行されると、例示的な装置1500に画像300のカバレッジを決定させる命令1506を格納することができる。いくつかの例示的な実施形態では、命令1506の実行は、例示的な装置1500に、システム1508のコンポーネントのセットをインスタンス化及び/又は使用させることができる。
図15は、そのような1つのシステム1508を図示するが、いくつかの例示的な実施形態は、本明細書に開示される方法の何れかを具現化し得る。
【0086】
画像300は、例示的な装置1500のユーザなどの個人1520によって提供され得る。個人1520は、別のシステムから画像300を取得し得るか、又は画像300を取得して、装置1500に画像300を提供するように画像取得システムに指示し得る。様々な実施形態において、装置1500は、画像取得システムの一部又は全部を含み得る。画像取得システムは、ライトのセット、レンズのセット並びに手動及び/又は自動制御を提供する画像センサのセットを含み得る。例えば、照明は、露出計を使用して自動的に決定され得、画像フォーカスは、オートフォーカスシステムを使用して自動的に設定され得る。画像の取得は、予定された間隔で実行されるなど、自動化されることも可能である。間隔は、被写体の観察されたカバレッジに基づいて動的であり得、例えばカバレッジがゆっくりと増加している場合に間隔を長くし得る。追加的又は代替的に、測定されたカバレッジが所望のカバレッジに近づくにつれて間隔を短くし得る。
【0087】
図15の例示的なシステム1508は、画像300をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスク312を生成する第1のセグメンタ1510を含む。そのような第1のセグメンテーションの例は、例えば、
図6及び
図7に示されている。
【0088】
図15の例示的なシステム1508は、第1のセグメンテーションマスク312に形態学的操作314を適用することにより、第1の修正マスク316を生成する形態学的オペレータ1512を含む。そのような形態学的操作314の例は、例えば、
図8に示されている。
【0089】
図15の例示的なシステム1508は、画像300及び第1の修正マスク316の反転に基づいて第2の修正マスク入力320を生成するインバータ1514を含む。そのような第2の修正マスク入力生成の例は、例えば、
図9に示されている。
【0090】
図15の例示的なシステム1508は、第2の修正マスク入力320をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスク324を生成する第2のセグメンタ1516を含む。そのような第2のセグメンテーションの例は、例えば、
図10及び
図11に示されている。
【0091】
図15の例示的なシステム1508は、第1のセグメンテーションマスク312及び第2のセグメンテーションマスク324に基づいて、画像300のカバレッジを決定するカバレッジ決定器1518を含む。
【0092】
図15に示すように、いくつかの例示的な装置1500は、命令を実行可能な処理回路1502を含み得る。処理回路1502は、論理回路を含むハードウェア;ソフトウェアを実行するプロセッサなどのハードウェア/ソフトウェアの組み合わせ;又はそれらの組み合わせなどを含み得る。例えば、プロセッサは、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、演算論理装置(ALU)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、プログラマブル論理ユニット、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得るが、これらに限定されない。
【0093】
図15にさらに示すように、いくつかの例示的な装置1500は、命令1506を格納したメモリ1504を含み得る。メモリ1504は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)などを含み得る。メモリ1504は、システムメモリなどの揮発性及び/又はハードディスクドライブ、ソリッドステートストレージデバイス、フラッシュメモリ若しくは磁気テープなどの不揮発性であり得る。メモリ1504に格納される命令1506は、IA-32命令セットアーキテクチャの変形又はARM命令セットアーキテクチャの変形などのプロセッサのネイティブ命令セットアーキテクチャに従い、アセンブリ命令及び/又は機械語(例えば、バイナリ)命令;プロセッサ上で実行されるようにコンパイル可能及び/又は解釈可能である高水準命令型言語及び/又は宣言型言語の命令;及び/又はウェブブラウザなどの仮想マシンの仮想プロセッサによって実行されるようにコンパイル可能及び/又は解釈可能である命令として指定され得る。そのような高水準言語の非限定的な例のセットには、例えば、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、JavaScript(登録商標)、HTML5(Hypertext Markup Language 5th revision)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(PHP:Hypertext Preprocessor)、Scala、Swift、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB、SIMULINK及びPython(登録商標)が含まれ得る。そのような命令1506は、画像に示された腫瘍に基づいて個人の臨床値(予後など)を決定する際に利用される、ライブラリ、リソース、プラットフォーム、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)などの命令も含み得る。
【0094】
図15に示すように、いくつかの例示的なシステム1508は、例えば、システムの各コンポーネントに何らかの機能を割り当てるための特定の方法で編成され得る。いくつかの例示的な実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア(例えば、処理回路)又はそれらの組み合わせなどの様々な方法でそのような各コンポーネントを実装し得る。いくつかの例示的な実施形態では、システムの編成は、
図15に示す例示的なシステム1508を含むいくつかの他の例示的な実施形態と比較して異なり得る。例えば、いくつかの例示的な実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、コンポーネント、コンポーネントのセット及びそれらの間の関係の名称の変更、再配置、追加、分割、重複、マージ及び/又は除去など、コンポーネントの異なる編成を特徴とするシステムを含み得る。合理的に技術的及び論理的に可能であり、他の記載と矛盾しないそのようなすべての変形形態が本開示に含まれることが意図され、その範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されると理解されるものとする。
【0095】
図16は、いくつかの例示的な実施形態に従う例示的な方法1600のフロー図である。
【0096】
例示的な方法1600は、例えば、装置の処理回路によって実行されたとき、装置に例示的な方法1600の各要素を実行させる命令のセットとして実装され得る。例示的な方法1600は、例えば、装置の処理回路によって実行されたとき、装置に、第1のセグメンタ、形態学的オペレータ、インバータ、第2のセグメンタ及びカバレッジ決定器などのコンポーネントのシステムを提供させる命令のセットとしても実装され得る。
【0097】
例示的な方法1600は、装置の処理回路により、装置に要素のセットを実行させる命令を実行する(1602)ことを含む。例えば、命令の実行は、装置に、画像300をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスク312を生成させる(1604)ことができる。命令の実行は、装置に、第1のセグメンテーションマスク312に形態学的操作314を適用することによって第1の修正マスク316を生成させる(1606)ことができる。命令の実行は、装置に、画像300及び第1の修正マスク316の反転318に基づいて、第2の修正マスク入力320を生成させる(1608)ことができる。命令の実行は、装置に、第2の修正マスク入力320をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスク324を生成させる(1610)ことができる。命令の実行は、装置に、第1のセグメンテーションマスク312及び第2のセグメンテーションマスク324に基づいて、画像300のカバレッジ決定330を決定させる(1612)ことができる。このようにして、処理回路による命令の実行は、装置に例示的な方法1600の要素を実行させることができ、したがって例示的な方法1600が終了する。
【0098】
図17は、いくつかの例示的な実施形態に従う例示的なコンピュータ可読媒体1700の図である。
【0099】
図17に示すように、非一時的コンピュータ可読媒体1700は、例示的な装置1500の処理回路1502によって実行されると、例示的な装置1500に、画像300のカバレッジ決定330を決定することを含む動作1706を実行させる命令1704のセットをエンコードするバイナリデータ1702を格納し得る。そのような第1の例として、命令1704は、
図15の例示的な装置1500のコンポーネントをエンコードし得る。そのような第2の例として、命令1704は、
図15の例示的なシステム1508のコンポーネントをエンコードし得る。そのような第3の例として、命令1704は、
図16の例示的な方法1600などの例示的な方法の要素をエンコードし得る。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態において、システムは、画像300のカバレッジを決定するための画像評価手段を含み得る。システムは、画像300をセグメント化することによって第1のセグメンテーションマスク312を生成する第1のセグメント化手段と、第1のセグメンテーションマスク312に形態学的操作を適用することによって第1の修正マスク316を生成する第1の修正マスク生成手段と、画像300及び第1の修正マスク316の反転318に基づいて第2の修正マスク入力320を生成する第2の修正マスク入力生成手段と、第2の修正マスク入力320をセグメント化することによって第2のセグメンテーションマスク324を生成する第2のセグメント化手段と、第1のセグメンテーションマスク312及び第2のセグメンテーションマスク324に基づいて、画像300のカバレッジ決定330を決定する決定手段とを含み得る。
【0101】
E.技術的効果
本開示のいくつかの例示的な実施形態は、1つ又は複数の技術的効果を提示し得る。
【0102】
そのような第1の例として、いくつかの例示的な実施形態は、熟練した人間のラベラーによる検査を含む他の技術よりも高速及び/又は効率的な方法で細胞培養の画像などの画像300の処理を可能にし得る。例えば、1つ又は複数の例示的な実施形態のコンポーネントは、画像300が迅速に処理され得るように、並行、分散、ストリーミング及び/又はパイプラインアーキテクチャで実装され得る。一例として、画像300のそのような迅速な評価により、研究環境における細胞培養は、細胞培養集団について適時に評価されることが可能であり、且つ/又は細胞培養における細胞が研究により示された成熟の選択された段階に達したことが決定されると、それらの細胞が速やかにさらなる研究に供され得るように、速やかにカバレッジ決定を提示することができる。
【0103】
そのような第2の例として、いくつかの例示的な実施形態は、細胞培養の画像などの画像300を、熟練した人間のラベラーによる検査を含む他の技術よりも一貫性のある方法で処理することを可能にし得る。例えば、カバレッジ若しくはコンフルエンスの基準が異なり得、且つ/又は画像を評価する際の精度率が異なり得る、熟練した人間のラベラーのチームの判断に基づく決定を回避することにより、提示された技術のいくつかの例示的な実施形態は、一連の画像に対して、より一貫性のある基準を適用することができ、その結果、より一貫性のあるカバレッジ評価が得られ得る。さらに、提示された技術のいくつかの例示的な実施形態は、経時的に熟練した人間のラベラーの判断によって示され得るように、経時的により少ない分散を示し得、その結果、類似の画像300のカバレッジ決定における分散が経時的に少なくなり得る。
【0104】
そのような第3の例として、いくつかの例示的な実施形態は、細胞培養の画像などの画像300を、熟練した人間のラベラーによる検査を含む他の技術よりも正確な方法で処理することを可能にし得る。例えば、特に細胞培養の高コンフルエンス画像では、細胞間の区別又は細胞と非細胞物質との区別は、画像300の密集したエリアにおいて困難であり得る。一部の熟練した人間のラベラーを含む多くの技術は、
図2に示すように、そのような困難さのために、画像300のカバレッジ決定を過小評価し得る。対照的に、本明細書に提示した技術(
図14など)に示されるように、いくつかの例示的な実施形態は、カバレッジ決定と、マッチするラベル付けされたグラウンドトゥルース画像300との間に高度な対応関係を示し得る。そのような技術的効果の多くは、いくつかの例示的な実施形態によって示され得る。
【0105】
F.例示的なコンピューティング環境
図18は、いくつかの例示的な実施形態が実装され得る例示的な装置の図である。
【0106】
図18及び以下の説明は、本明細書に記載される既定の1つ又は複数の実施形態を実装するのに適したコンピューティング環境の簡単な一般的説明を提供する。
図18の動作環境は、適切な動作環境の一例に過ぎず、動作環境の使用範囲又は機能に関する制限を示唆することを意図したものではない。例示的なコンピューティングデバイスには、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルド若しくはラップトップデバイス、モバイルデバイス(携帯電話、携帯情報端末(PDA)、メディアプレーヤなど)、マルチプロセッサシステム、テレビなどのメディアデバイス、家電製品、埋め込みデバイス、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステム又はデバイスの何れかを含む分散コンピューティング環境、ウェアラブルコンピューティングデバイス(眼鏡、イヤホン、腕時計、指輪、ペンダント、ハンドヘルド及び/又はボディマウントカメラ、衣服一体型デバイス並びに埋め込み可能デバイスなど)、自律車両、拡張現実(AR)デバイス及び/又は仮想現実(VR)デバイスなどの拡張現実(XR)デバイス、モノのインターネット(IoT)デバイスなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態は、ユニプロセッサ又はマルチプロセッサコンピュータ内の複数のプロセッサ及び/又は処理コア;CPU及びGPUなどのタンデムで動作する2つ以上のプロセッサ;ASICを利用するCPU;及び/又は処理回路によって実行されるソフトウェアなどの同じタイプ及び/又は異なるタイプのコンポーネントの組み合わせを含み得る。いくつかの例示的な実施形態は、単一のデバイスのコンポーネントを含み得、そのようなコンピュータは、キャッシュを格納し、キャッシュにアクセスし、且つキャッシュを管理する1つ又は複数のCPUを含む。いくつかの例示的な実施形態は、キャッシュにアクセスし、且つ/又はキャッシュを管理するために通信するCPUを有する2つ以上のデバイスなどの複数のデバイスのコンポーネントを含み得る。いくつかの例示的な実施形態は、サーバコンピューティングデバイス、サーバコンピュータ、一連のサーバコンピュータ、サーバファーム、クラウドコンピュータ、コンテンツプラットフォーム、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、タブレット又はセットトップボックスに含まれる1つ又は複数のコンポーネントを含み得る。いくつかの例示的な実施形態は、直接的に(例えば、マルチコアプロセッサの2つ以上のコア)及び/又は間接的に(例えば、バスを介して、有線若しくは無線チャネル若しくはネットワークを介して且つ/又はマイクロコントローラ若しくはアービタなどの中間コンポーネントを介して)通信するコンポーネントを含み得る。いくつかの例示的な実施形態は、デバイス又はコンポーネントによってそれぞれ実行されるシステムの複数のインスタンス又はインスタンスを含み得、そのようなシステムのインスタンスは、同時に、連続して及び/又はインターリーブされた様式で実行され得る。いくつかの例示的な実施形態は、2つ以上のデバイス又はコンポーネントにわたるインスタンス又はシステムの分散を特徴とし得る。
【0108】
必須ではないが、いくつかの例示的な実施形態は、「コンピュータ可読命令」が1つ又は複数のコンピューティングデバイスによって実行されるという一般的な文脈で説明される。コンピュータ可読命令は、コンピュータ可読媒体(後述する)を介して配布され得る。コンピュータ可読命令は、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実装する関数、オブジェクト、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)、データ構造などのプログラムモジュールとして実装され得る。一般的に、コンピュータ可読命令の機能は、様々な環境において必要に応じて組み合わされ得るか又は分散され得る。
【0109】
図18は、本明細書で提供される例示的な実施形態など、1つ又は複数の例示的な実施形態として構成されるか又はそれを含むように構成された例示的な装置1800の一例を示す。ある装置構成1802において、例示的な装置1800は、処理回路1502及びメモリ1804を含み得る。コンピューティングデバイスの正確な構成及びタイプに応じて、メモリ1804は、揮発性(例えば、RAMなど)、不揮発性(例えば、ROM、フラッシュメモリなど)又はそれらの2つの何らかの組み合わせであり得る。
【0110】
いくつかの例示的な実施形態では、例示的な装置1800は、追加の特徴及び/又は機能を含み得る。例えば、例示的な装置1800は、磁気ストレージ、光学ストレージなどを含むがこれらに限定されない追加のストレージ(例えば、取り外し可能及び/又は取り外し不可能)を含むこともできる。そのような追加のストレージは、
図18においてストレージ1806によって示されている。いくつかの例示的な実施形態では、本明細書で提供される1つ又は複数の実施形態を実装するためのコンピュータ可読命令は、メモリ1804及び/又はストレージ1806に格納され得る。
【0111】
いくつかの例示的な実施形態では、ストレージ1806は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラムなどを実装するための他のコンピュータ可読命令を格納するように構成され得る。コンピュータ可読命令は、例えば、処理回路1502による実行のためにメモリ1804にロードされ得る。ストレージは、コンピュータ可読命令又は他のデータなどの情報を格納するための任意の方法又は技術で実装された、揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含み得る。ストレージには、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージデバイス又は所望の情報を格納するために使用することができ、例示的な装置1800によってアクセスされ得る任意の他の媒体が含まれ得るが、これらに限定されない。そのようなコンピュータ記憶媒体は、例示的な装置1800の一部であり得る。
【0112】
いくつかの例示的な実施形態では、例示的な装置1800は、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイス、赤外線カメラ、ビデオ入力デバイス及び/又は任意の他の入力デバイスなどの1つ又は複数の入力デバイス1810を含み得る。1つ又は複数のディスプレイ、スピーカ、プリンタ及び/又は任意の他の出力デバイスなどの1つ又は複数の出力デバイス1808も例示的な装置1800に含まれ得る。1つ又は複数の入力デバイス1810及び1つ又は複数の出力デバイス1808は、有線接続、無線接続又はそれらの任意の組み合わせによって例示的な装置1800に接続され得る。いくつかの例示的な実施形態では、別のコンピューティングデバイスからの入力デバイス又は出力デバイスは、例示的な装置1800のための1つ若しくは複数の入力デバイス1810又は1つ若しくは複数の出力デバイス1808として使用され得る。
【0113】
いくつかの例示的な実施形態では、例示的な装置1800は、バスなどの様々な相互接続によって接続され得る。そのような相互接続は、PCI Expressなどの周辺装置相互接続(PCI)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、Firewire(IEEE1394)、光バス構造などを含み得る。他の例示的な実施形態では、例示的な装置1800のコンポーネントは、ネットワークによって相互接続され得る。例えば、メモリ1804は、ネットワークによって相互接続された異なる物理的場所に位置する複数の物理的メモリユニットを含み得る。
【0114】
いくつかの例示的な実施形態において、例示的な装置1800は、例示的な装置1800が他のデバイスと通信することができる1つ又は複数の通信デバイス1812を含み得る。1つ又は複数の通信デバイス1812は、例えば、モデム、ネットワークインタフェースカード(NIC)、統合ネットワークインタフェース、無線周波数送受信機、赤外線ポート、USB接続又は遠隔デバイス1816を含む他のコンピューティングデバイスに例示的な装置1800を接続するための他のインタフェースを含み得る。1つ又は複数の通信デバイス1812は、有線接続又は無線接続を含み得る。1つ又は複数の通信デバイス1812は、通信媒体を送信及び/又は受信するように構成され得る。
【0115】
当業者であれば、コンピュータ可読命令を格納するために使用されるストレージデバイスがネットワーク上に分散され得ることを理解するであろう。例えば、例示的な装置1800は、本明細書で提供される1つ又は複数の例示的な実施形態を実装するためのコンピュータ可読命令を格納し、且つ/又は取り出すために、ネットワーク1814を介して遠隔デバイス1816と通信し得る。例えば、例示的な装置1800は、遠隔デバイス1816にアクセスして、実行のためにコンピュータ可読命令の一部又は全部をダウンロードするように構成され得る。代替的に、例示的な装置1800は、必要に応じてコンピュータ可読命令の一部をダウンロードするように構成され得、一部の命令は、例示的な装置1800において又は例示的な装置1800によって実行され得、他の一部の命令は、遠隔デバイス1816において又は遠隔デバイス1816によって実行され得る。
【0116】
以下の定義を含め、本出願において、「モジュール」という用語又は「コントローラ」という用語は、「回路」という用語に置き換えることができる。「モジュール」という用語は、コードを実行する処理回路1502(共有、専用又はグループ)及び処理回路1502によって実行されるコードを格納するメモリ回路/ハードウェア(共有、専用又はグループ)を指すか、その一部であるか又はそれを含み得る。
【0117】
モジュールは、1つ又は複数のインタフェース回路を含み得る。いくつかの例では、1つ又は複数のインタフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)に接続する有線又は無線インタフェースを実装し得る。LANの例としては、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)標準802.11-2016(WIFI無線ネットワーキング標準としても知られる)及びIEEE標準802.3-2015(ETHERNET有線ネットワーキング標準としても知られる)が挙げられる。WPANの例としては、IEEE標準802.15.4(ZigBee AllianceによるZIGBEE標準を含む)並びにBluetooth Special Interest Group(SIG)によるBLUETOOTH無線ネットワーキング標準(Bluetooth SIGによるCore Specificationバージョン3.0、4.0、4.1、4.2、5.0及び5.1を含む)が挙げられる。
【0118】
モジュールは、1つ又は複数のインタフェース回路を使用して他のモジュールと通信することができる。本開示では、モジュールは他のモジュールと論理的に直接通信するように描かれている場合があるが、様々な実装形態において、モジュールは、実際には通信システムを介して通信し得る。通信システムは、ハブ、スイッチ、ルータ及びゲートウェイなどの物理的及び/又は仮想的なネットワーク機器を含む。いくつかの実装形態では、通信システムは、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)に接続するか又はそれを横断する。例えば、通信システムは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)及び仮想プライベートネットワーク(VPN)を含む技術を使用して、インターネット又はポイントツーポイント専用回線を介して互いに接続された複数のLANを含み得る。
【0119】
様々な実装形態において、モジュールの機能は、通信システムを介して接続される複数のモジュール間で分散され得る。例えば、複数のモジュールは、負荷バランシングシステムによって分散された同じ機能を実装し得る。さらなる例では、モジュールの機能は、サーバ(リモート又はクラウドとしても知られる)モジュールとクライアント(又はユーザ)モジュールとの間で分割され得る。
【0120】
上記で使用したコードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア及び/又はマイクロコードを含み得、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造及び/又はオブジェクトを指し得る。共有処理回路1502は、複数のモジュールからの一部又はすべてのコードを実行する単一のマイクロプロセッサを包含し得る。グループ処理回路1502は、追加のマイクロプロセッサと組み合わせて、1つ又は複数のモジュールからの一部又はすべてのコードを実行するマイクロプロセッサを包含し得る。複数のマイクロプロセッサへの言及は、別個の複数のダイ上の複数のマイクロプロセッサ、単一のダイ上の複数のマイクロプロセッサ、単一のマイクロプロセッサの複数のコア、単一のマイクロプロセッサの複数のスレッド又は上記の組み合わせを包含する。
【0121】
共有メモリハードウェアは、複数のモジュールからの一部又はすべてのコードを格納する単一のメモリデバイスを包含する。グループメモリハードウェアは、他のメモリデバイスと組み合わせて、1つ又は複数のモジュールからの一部又はすべてのコードを格納するメモリデバイスを包含する。
【0122】
メモリハードウェアという用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用するコンピュータ可読媒体という用語は、(搬送波上などの)媒体を伝搬する一時的な電気信号又は電磁信号を包含せず、したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形であり、非一時的であると考えられる。非一時的コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリデバイス(フラッシュメモリデバイス、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリデバイス又はマスク読み出し専用メモリデバイスなど)、揮発性メモリデバイス(静的ランダムアクセスメモリデバイス又は動的ランダムアクセスメモリデバイスなど)、磁気記憶媒体(アナログ又はデジタル磁気テープ又はハードディスクドライブなど)及び光学記憶媒体(CD、DVD又はブルーレイディスクなど)である。
【0123】
本明細書に記載の装置及び方法の例示的な実施形態は、コンピュータプログラムに具現化された1つ又は複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作られた専用コンピュータによって部分的又は完全に実装され得る。本明細書に記載される機能ブロック及びフローチャート要素は、熟練技術者又はプログラマのルーチンワークによってコンピュータプログラムに変換され得るソフトウェア仕様として機能し得る。
【0124】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体に格納されるプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムは、格納されたデータも含むか又はそれに依存し得る。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと相互作用するデバイスドライバ、1つ又は複数のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを包含し得る。
【0125】
コンピュータプログラムには、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張マークアップ言語)又はJSON(JavaScript Object Notation)などの構文解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されたオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイル及び実行のためのソースコードなどが含まれ得る。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、JavaScript(登録商標)、HTML5(Hypertext Markup Language 5th revision)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(PHP:Hypertext Preprocessor)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB、SIMULINK及びPython(登録商標)を含む言語からのシンタックスを使用して記述され得る。
【0126】
G.用語の使用
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、決して本開示、その適用又は用途を限定することを意図するものではない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は、特定の例を含むが、図面、本明細書及び以下の特許請求の範囲を検討することで他の変更形態が明らかになるため、本開示の真の範囲は、そのように限定されない。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つ又は複数のステップを異なる順序で(又は同時に)実行し得ることが理解されるものとする。さらに、各実施形態は、特定の特徴を有するものとして上記に記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載されたそれらの特徴の任意の1つ又は複数は、任意の他の例示的な実施形態の特徴に実装され得、且つ/又はそれらと組み合わされ得る(その組み合わせが明示的に記載されていない場合でも)。すなわち、記載された実施形態は、相互に排他的ではなく、1つ又は複数の実施形態の互いに対する置換は、本開示の範囲内に留まる。
【0127】
要素間(例えば、モジュール間)の空間的及び機能的関係は、「接続」、「係合」、「インタフェース接続」及び「結合」を含む様々な用語を用いて説明される。「直接的」であると明示的に記載されない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記の本開示において記載される場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係を包含し、第1の要素と第2の要素との間に1つ又は複数の介在要素が(空間的又は機能的に)存在する間接的な関係も包含する。本明細書では、A、B及びCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理和を用いた論理式(A、又はB、又はC)を意味するものと解釈されるものであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ及びCの少なくとも1つ」を意味するものと解釈されるものではない。
【0128】
図において、矢先によって示される矢印の方向は、一般に、図にとって関心のある情報(データ又は命令など)の流れを示す。例えば、要素A及び要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信される情報が図に関連する場合、矢印は、要素Aから要素Bを指し得る。この一方向の矢印は、要素Bから要素Aに他の情報が送信されないことを示唆するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送られる情報に対して、要素Bは、要素Aに情報の要求又は受信確認を送信し得る。サブセットという用語は、必ずしも適切なサブセットを必要としない。すなわち、第1の集合の第1のサブセットは、第1の集合と同程度であり得る(等しくてもよい)。
【0129】
本主題は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴又は行為に限定されないことを理解されたい。より正確に言えば、上記の特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【0130】
本明細書で使用される、「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」、「インタフェース」などの用語は、一般に、ハードウェア、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、ソフトウェアスイート又は実行中のソフトウェアの何れかであるコンピュータ関連エンティティを指すことを意図する。例えば、コンポーネントは、処理回路1502上で実行されるプロセス、処理回路1502、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム及び/又はコンピュータであり得るが、これらに限定されない。例として、コントローラ上で実行されるアプリケーション及びコントローラの両方がコンポーネントとなり得る。1つ又は複数のコンポーネントは、プロセス及び/又は実行スレッド内に存在し得、コンポーネントは、1つのコンピュータ上にローカライズされ得、且つ/又は2つ以上のコンピュータ間に分散され得る。
【0131】
さらに、いくつかの例示的な実施形態は、開示された主題を実装するようにコンピュータを制御するためのソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はそれらの任意の組み合わせを生成するための標準的なプログラミング技術及び/又はエンジニアリング技術を使用する方法、装置又は製造品を含み得る。本明細書で使用する「製造品」という用語は、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリア又は媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含することを意図する。当然のことながら、当業者であれば、特許請求される主題の範囲又は精神から逸脱することなく、この構成に対する多くの変更形態がなされ得ることを認識するであろう。
【0132】
実施形態の様々な動作が本明細書において提供されている。いくつかの例示的な実施形態において、説明した動作の1つ又は複数は、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体上に格納されたコンピュータ可読命令を構成し得、これらの命令は、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスに説明した動作を実行させる。動作の一部又はすべてが説明される順序は、これらの動作が必ずしも順序に依存することを示唆するように解釈されるものではない。代替の順序付けは、本明細書の恩恵を受ける当業者によって理解されるであろう。さらに、本明細書に提供される各例示的な実施形態において、すべての動作が必ずしも存在するわけではないことが理解されるであろう。
【0133】
本明細書において、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することが意図される。すなわち、別段の指定がない限り又は文脈から明らかでない限り、「XがA又はBを採用する」とは、自然な包含的順列の何れかを意味することを意図する。すなわち、XがAを採用する場合、XがBを採用する場合又はXがA及びBの両方を採用する場合、「XがA又はBを採用する」は、前述の例の何れの場合にも満たされる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、別段の指定がない限り又は文脈から単数形に向けられることが明らかでない限り、一般に「1つ又は複数」を意味すると解釈され得る。
【0134】
本開示は、いくつかの例示的な実施形態に関して示され、説明されているが、本明細書及び添付の図面を読み、理解することに基づいて、当業者であれば、均等な改変形態及び変更形態を想到するであろう。本開示は、そのようなすべての変更形態及び改変形態を含み、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。特に、上記のコンポーネント(例えば、要素、リソースなど)によって実行される様々な機能に関して、そのようなコンポーネントを説明するために使用される用語は、特に断りのない限り、本開示の本明細書に示されるいくつかの例示的な実施形態において機能を実行する開示された構造と構造的に均等でなくても、説明されたコンポーネントの指定された機能を実行する(例えば、機能的に均等である)任意のコンポーネントに対応することが意図される。加えて、本開示の特定の特徴は、いくつかの実装形態の1つのみに関して開示されている場合があるが、そのような特徴は、任意の所与の用途又は特定の用途に対して望ましく、有利であり得るように、他の実装形態の1つ又は複数の他の特徴と組み合わされ得る。さらに、詳細な説明又は特許請求の範囲の何れかにおいて、「包含する」という用語、「有している」という用語、「有する」という用語、「備える」という用語又はそれらの変形が使用される限り、そのような用語は、「含む」という用語と同様に包括的であることが意図される。
【国際調査報告】