(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】皮膚バリアを改善するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/01 20060101AFI20240709BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240709BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 17/16 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/015 20060101ALI20240709BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240709BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/355 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/575 20060101ALI20240709BHJP
A61K 36/81 20060101ALN20240709BHJP
A61K 8/9789 20170101ALN20240709BHJP
A61K 8/31 20060101ALN20240709BHJP
A61Q 19/00 20060101ALN20240709BHJP
A61K 8/67 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
A61K31/01
A23L33/105
A61P17/00
A61P17/16
A61K31/015
A61P43/00 121
A61P37/08
A61P17/06
A61K31/355
A61K31/575
A61K36/81
A61K8/9789
A61K8/31
A61Q19/00
A61K8/67
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577602
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 IL2022050650
(87)【国際公開番号】W WO2022264148
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515252318
【氏名又は名称】ライコレッド リミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ダヤン,ナヴァ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C083
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LE02
4B018MD07
4B018MD53
4B018ME14
4C083AA112
4C083AC011
4C083AC012
4C083AD491
4C083AD492
4C083AD621
4C083AD622
4C083AD661
4C083AD662
4C083CC02
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4C083DD27
4C083EE12
4C083EE13
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA09
4C086DA11
4C086GA17
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4C206NA14
4C206ZA89
4C206ZB13
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、フィトエン、フィトフルエンおよびζ-カロテンを含む組成物ならびに皮膚バリア機能を改善するなどのためにそれを使用する方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物中の総カロテノイドの55~65%(w/w)の量のフィトエン、前記組成物中の総カロテノイドの10~20%(w/w)の量のフィトフルエン、前記組成物中の総カロテノイドの15~25%(w/w)の量のζ-カロテンを含む治療的有効量の組成物を対象に投与し、それにより前記対象における皮膚バリア関連疾患または障害を治療する工程を含む、それを必要とする対象における皮膚バリア関連疾患または障害を治療するための方法。
【請求項2】
前記対象の皮膚の経表皮水分蒸散量(TEWL)値を決定することを含む、前記投与する工程に先行する選択する工程をさらに含み、ここでは少なくとも12(g・h/m
2)のTEWL値は前記対象が前記治療に適していることを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記TEWL値は、前記対象の顔の皮膚、額の皮膚、前腕の皮膚、手の皮膚、手掌の皮膚、脚の皮膚、肘の皮膚またはそれらの任意の組み合わせについて決定する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記皮膚バリア関連疾患は表皮の皮膚疾患または障害である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記皮膚バリア関連疾患は、角質層の脂質含有量、酸化状態、配置またはそれらの任意の組み合わせの変化を特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記皮膚バリア関連疾患はリノール酸含有アシルセラミドの量の減少を特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記皮膚バリア関連疾患は、アトピー性皮膚炎、乾癬、ゴーシェ病II型、シェーグレン・ラルソン症候群、葉状魚鱗癬、X連鎖魚鱗癬、水疱性魚鱗癬様紅皮症、必須遊離脂肪酸欠乏症、尋常性座瘡、加齢性乾燥皮膚、無汗性外胚葉形成不全症およびアトピー性湿疹からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記治療することは、前記対象の皮膚のTEWL、毛穴の数、毛穴によって覆われている領域、発赤のレベル、発赤によって覆われている領域、粗さまたはそれらの任意の組み合わせを減少させることを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記減少させることは対照と比較して少なくとも5%の減少である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記フィトエンと前記フィトフルエンとの組み合わせ:前記ζ-カロテンの重量比は、15:1(w/w)~2:1(w/w)の範囲である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物は、リコピン、β-カロテン、γ-カロテンおよびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるさらなるカロテノイドをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物は、前記組成物中の総カロテノイドの5%(w/w)未満の量の前記リコピン、前記組成物中の総カロテノイドの5%(w/w)未満の量の前記β-カロテン、前記組成物中の総カロテノイドの0.2~1.5%(w/w)の量の前記γ-カロテンまたはそれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物は、前記組成物の10~15%(w/w)の総カロテノイド量を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物はトコフェロールをさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物は、前記組成物中の総カロテノイドの10~30%(w/w)の量の前記トコフェロールを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物はフィトステロールをさらに含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物は、前記組成物中の総カロテノイドの5~15%(w/w)の量の前記フィトステロールを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記投与することは、経口投与すること、局所投与することまたはその両方を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
それを必要とする対象における皮膚バリア関連疾患または障害の治療に使用するための、組成物中の総カロテノイドの55~65%(w/w)の量のフィトエン、前記組成物中の総カロテノイドの10~20%(w/w)の量のフィトフルエン、前記組成物中の総カロテノイドの15~25%(w/w)の量のζ-カロテンを含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月16日に出願された「皮膚バリアを改善するための組成物および方法」という発明の名称の米国仮特許出願第63/211,072号の優先権の利益を主張するものであり、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に、カロテノイドの分野および皮膚バリアを改善するなどのためにそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
トマト(学名:Solanum lycopersicum)は世界中で食べられている果実である。トマトにはビタミンC、カリウム、必須アミノ酸および各種抗酸化物質などの栄養素が豊富である。トマトは、強力な抗酸化物質であるリコピンの主要な食源である。トマトの摂取は、癌および心血管疾患などの酸化ストレス関連の疾患からの保護を与えることが実証された。
【0004】
栄養補助食品の使用は世界的に増加している。米国での2015~2019年にわたる消費者の調査により、各種サプリメントの使用が上昇傾向にあることが明らかとなった。最も使用されているサプリメントとしては、使用が減少する順に、魚油、グルコサミン/コンドロイチン、プロバイオティクス/プレバイオティクス、メラトニン、コエンザイムQ10、エキナセア、クランベリーピル、ニンニク抽出物、チョウセンニンジンおよびイチョウが挙げられる。これらのサプリメントの中には健康上の利点を実証しているものもあるが、物議をかもしているものもある。
【0005】
ルミナート(Lumenato)(商標)は黄色トマトの乾燥した果実から調製された栄養補助食品である。それはリコピン(0.5mg/カプセル)、15-シス-フィトエン(7.33mg/カプセル)、フィトフルエン(2.06mg/カプセル)、β-カロテン(0.18mg/カプセル)、γ-カロテン(0.03mg/カプセル)およびζ-カロテン(2.27mg/カプセル)を含むカロテノイドならびにトコフェロール(1.14mg/カプセル)が豊富である。一般にカロテノイドおよびトコフェロールは、数多くの健康上の利点を与える抗酸化物質である。
【0006】
皮膚に対するカロテノイドの経口摂取の潜在的効果を調べるために過去20年間に行われた実験は、フィトエンおよびフィトフルエンに関する少ない情報により、主としてβ-カロテンおよびリコピンの効果に焦点を当てていた。リコピンおよび/またはβ-カロテンの具体的な利点としては、UVによって引き起こされる紅斑および日焼けからの保護、酸化ストレスの減少、および抗酸化/抗炎症活性が挙げられる。β-カロテンは当然ながらビタミンAの前駆体であり、従ってコラーゲン合成をサポートする。リコピンは、培養されたヒト皮膚線維芽細胞へのUV損傷を防ぐことが分かっている。またそれは、動物モデルにおいて化学的に引き起こされる皮膚癌を抑制することが分かっている。この能力ならびに4-ヒドロキシエストラジオールによって引き起こされるDNA損傷を改善するその能力は、その抗酸化特性に起因し得ると考えられている。抗酸化活性に加えて、フィトエンおよびフィトフルエンは紫外線を吸収する無色のカロテノイドである。この性質は、皮膚にさらなるレベルの保護を与えることができる。
【0007】
ヒトの皮膚は、紫外線、オゾンおよび他の大気汚染物質を含む様々な酸化ストレス源ならびに常在微生物の代謝に曝されている。これらのストレス要因はシワ、弾力性の低下および粗いきめを生じさせる皮膚の老化を加速させる。
【0008】
線維芽細胞は真皮において最も豊富な細胞である。それらはコラーゲンを合成し、かつ細胞外マトリックスを維持する。老化する間に、コラーゲン原線維が次第に失われ、シワが生じる。線維芽細胞は、白血球を真皮に引き寄せるためにサイトカインを生成することにより皮膚の先天免疫において重要な役割を担う。線維芽細胞は表皮の基底層においてメラノサイトともコミュニケーションを取り合ってメラニン合成に影響を与える。ケラチノサイトは表皮における主要な細胞型である。それらは分化して、脂質マトリックスによって取り囲まれた平らなケラチンで満たされた細胞からなる角質層を生成する。角質層は皮膚の透過性バリアを提供する。それは水および電解質の喪失を制限し、かつ汚染物質ならびに有害な化学物質、細菌およびウイルスが皮膚の中までそこを通って侵入するのを制限するように機能する。角質層の脂質は主として、セラミド、コレステロールおよび長鎖脂肪酸からなる。セラミドの1つであるアシルセラミドは、ω-ヒドロキシル基に結合されたリノール酸エステルと共に長鎖塩基にアミド結合された30~34炭素長のω-ヒドロキシ酸を含むという点でかなり珍しい。このリノール酸含有脂質は脂質の組織化のために必須であり、かつバリア機能のために必須である。
【0009】
依然として、経表皮水分蒸散量(TEWL)を減少させ、かつ従って皮膚バリアを増強および/または改善するための組成物および方法がかなり必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
以下の実施形態およびそれらの態様が、システム、手段および方法と共に記載および図示されているが、それらは模範および例示であってそれらの範囲を限定するものではない。
【0011】
本発明はいくつかの実施形態では部分的に、特定のカロテノイド組成物の摂取が、TEWLの減少によって実証されるように皮膚バリアを改善したという驚くべき発見に基づく。
【0012】
第1の態様によれば、本組成物中の総カロテノイドの55~65%(w/w)の量のフィトエン、本組成物中の総カロテノイドの10~20%(w/w)の量のフィトフルエン、本組成物中の総カロテノイドの15~25%(w/w)の量のζ-カロテンを含む治療的有効量の組成物を対象に投与し、それにより対象における皮膚バリア関連疾患または障害を治療する工程を含む、それを必要とする対象における皮膚バリア関連疾患または障害を治療するための方法が提供される。
【0013】
別の態様によれば、それを必要とする対象における皮膚バリア関連疾患または障害の治療に使用するための、本組成物中の総カロテノイドの55~65%(w/w)の量のフィトエン、本組成物中の総カロテノイドの10~20%(w/w)の量のフィトフルエン、本組成物中の総カロテノイドの15~25%(w/w)の量のζ-カロテンを含む組成物が提供される。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、対象の皮膚の経表皮水分蒸散量(TEWL)値を決定することを含む、投与する工程に先行する選択する工程をさらに含み、ここでは少なくとも12(g・h/m2)のTEWL値は対象が当該治療に適していることを示す。
【0015】
いくつかの実施形態では、TEWL値は対象の顔の皮膚、額の皮膚、前腕の皮膚、手の皮膚、手掌の皮膚、脚の皮膚、肘の皮膚またはそれらの任意の組み合わせについて決定する。
【0016】
いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患は表皮の皮膚疾患または障害である。
【0017】
いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患は、角質層の脂質含有量、酸化状態、配置またはそれらの任意の組み合わせの変化を特徴とする。
【0018】
いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患はリノール酸含有アシルセラミドの量の減少を特徴とする。
【0019】
いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患は、アトピー性皮膚炎、乾癬、ゴーシェ病II型、シェーグレン・ラルソン症候群、葉状魚鱗癬、X連鎖魚鱗癬、水疱性魚鱗癬様紅皮症、必須遊離脂肪酸欠乏症、尋常性座瘡、加齢性乾燥皮膚、無汗性外胚葉形成不全症およびアトピー性湿疹からなる群から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態では、治療することは、対象の皮膚のTEWL、毛穴の数、毛穴によって覆われている領域、発赤のレベル、発赤によって覆われている領域、粗さまたはそれらの任意の組み合わせを減少させることを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、減少させることは対照と比較して少なくとも5%の減少である。
【0022】
いくつかの実施形態では、フィトエンとフィトフルエンとの組み合わせ:ζ-カロテンの重量比は、15:1(w/w)~2:1(w/w)の範囲である。
【0023】
いくつかの実施形態では、本組成物は、リコピン、β-カロテン、γ-カロテンおよびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるさらなるカロテノイドをさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの5%(w/w)未満の量のリコピン、本組成物中の総カロテノイドの5%(w/w)未満の量のβ-カロテン、本組成物中の総カロテノイドの0.2~1.5%(w/w)の量のγ-カロテンまたはそれらの組み合わせを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物の10~15%(w/w)の総カロテノイド量を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、本組成物はトコフェロールをさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの10~30%(w/w)の量のトコフェロールを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、本組成物はフィトステロールをさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの5~15%(w/w)の量のフィトステロールを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、投与することは、経口投与すること、局所投与することまたはその両方を含む。
【0031】
特に定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、典型的な方法および/または材料が以下に記載されている。矛盾する場合は定義を含む本特許明細書が優先される。また材料、方法および実施例は単に例示であり、必ずしも限定的であることを意図するものではない。
【0032】
本発明のさらなる実施形態および全適用範囲は、本明細書の下に与えられている詳細な説明から明らかになるであろう。但し当然のことながら、本発明の趣旨および範囲内の各種変形および修正がこの詳細な説明から当業者に明らかになるため、詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、単に例示として与えられている。
【0033】
上に記載されている典型的な態様および実施形態に加えて、図を参照し、かつ以下の詳細な説明を考察することにより、さらなる態様および実施形態が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】経表皮水分蒸散量(TEWL)に対するゴールデントマト抽出物(GTE、ここでは「ルミナート(商標)」ともいう)の効果を示すグラフを含む。A:高TEWL-GTE(N=18、1人の対象が8週目に来院しなかった、4週目のp=0.428、8週目のp=0.11、16週目のp<0.001)、B:高TEWL-プラセボ(N=14、1人の対象が8週間に来院しなかった、4週目のp=0.382、8週目のp=0.506、16週目のp=0.293)、C:低TEWL-GTE(N=14、4週目のp=0.129、8週目のp=0.49、16週目のp=0.421)、およびD:低TEWL-プラセボ(N=15、1人の対象が8週間および16週間に来院しなかった、4週目のp=0.099、8週目のp=0.838、16週目のp=0.231)。
【
図2】TEWLにおける53%の改善を有するパネリストの治療「前」および「後」の標準正面図の画像を含む。
【
図3】
図3A~
図3Cは、TEWLにおける26%の減少を示す治療の「前」および「後」のパネリストの画像を含む。
図3A:正面、
図3B:左、
図3C:右。赤い領域は強調されている。
【
図4】毛穴のTEWL分析において33%の改善を有するパネリストの治療「前」および「後」の左図の画像を含む。
【
図5】毛穴のTEWL分析において48%の改善を有するパネリストの治療「前」および「後」の右図の画像を含む。
【
図6】
図6A~
図6Bは、きめのTEWL分析においてそれぞれ21および33%の改善を有するパネリストの治療「前」および「後」の左図(
図6A)および右図(
図6B)の画像を含む。
【
図7】本明細書に開示されているゴールデントマト抽出物が皮膚の物理的および生物学的バリアを強化する2つの機構の非限定的な理論のスキームを含む。
【
図8】
図8A~
図8Fは、ルミナートカプセルの12週間の経口投与の前後における様々なパラメータの平均スコアを示す垂直棒グラフを含む。
図8Bにおいて観察されるように、当該サプリメントを12週間使用した後に皮膚の弾力性(21.54%)およびハリ(27.18%)において非常に有意(p<0.001)な改善が認められた。
図8Aは皮膚の色調の各種測定値を示す。このグラフにおいて観察されるように、色素斑において改善は認められなかったが、皮膚の均一性において21%の改善がなお認められた(p<0.001)。皮膚は29.75%より明るく(p<0.001)、かつ顔のシミは10.96%減少した(p<0.001)ように見えた。眼窩周囲のクマも17.9%減少したように見えた(p<0.001)。
図8Cは、サプリメントを12週間使用した後に、皮膚の保湿性における21.6%(p<0.001)の知覚された改善および皮膚のきめにおける18.18%(p<0.001)の改善が認められたということを示す。
図8Dは、12週間のサプリメントの使用後に深いシワにおいて改善は認められなかったが、顔の小ジワおよびシワにおいて12.97%の有意(p<0.001)な改善が認められたことを示す。
図8Eにおいて観察されるように、発赤を生じる皮膚の傾向において僅かな改善が認められた。老化した皮膚/不健康な皮膚の一般的な見た目は、当該サプリメントを使用した後に23.53%の減少により有意(p<0.001)に減少した。
図8Fは、当該サプリメントによる12週間の治療の前後における全体的な皮膚の状態の平均スコアを示す。このグラフにおいて観察されるように、当該サプリメントを使用した後に全体的な皮膚の状態における28.22%の非常に有意(p<0.001)な改善が認められた。
【
図9】
図9A~
図9Eは、治療前、ルミナートカプセルの経口投与から4週間、8週間および12週間後ならびに治療を停止してから再び2週間後の皮膚スケールによるFACE-Q(商標)満足度からの結果を示すグラフを含む。提供されているデータは満足度スコアからのものであり、ここではスコア1は非常に不満、2はやや不満、3はやや満足、4は非常に満足であった。3および4のスコアを報告した対象の数を数え、肯定的な評価を示す集団の割合としてグラフに表した。
図9Aは、朝一番および1日の終わりに「自身の顔の皮膚がどのように見えるか」を示す。最初に当該スコアは満足および不満が優勢であったが、治療後に84%~75%の8週目までの着実な改善が認められ(p<0.001)、その後に横ばい状態となった。その効果は治療を2週間中断した後も保持された。
図9Bは、顔の健康的な見た目および魅力的な見た目の知覚について同様の傾向を示す。これらの両パラメータについて12週間の治療中に着実な改善が認められ、その時点で、健康的な皮膚および魅力的な皮膚のそれぞれについて74.6%(p<0.001)および65.08%(p<0.001)の統計的に有意な改善が認められた。これらの知覚は2週間の治療の中断にも関わらず改善し続けた。
図9C:元気がある顔および艶がある顔の知覚。これらの2つのパラメータについて12週間の治療中に着実な改善が認められ、この時点で、ベースラインと比較した場合に統計的に有意(p<0.001)な変化が認められた。これらの知覚は2週間の治療の中断にも関わらず改善し続けた。
図9D:顔の皮膚の色調。治療後に、色の均一性および色調において61.9%~74.6%の8週目までの着実な改善が認められた(p<0.001)。治療の12週目までに、当該集団の71%超(p<0.001)が当該治療は皮膚の色調および色合いの均一性にとって有効であると公言した。治療を2週間中断した後に、肌色の均一性および色調のそれぞれにおいて81%および72.41%のさらなる改善が認められた。
図9Eは、当該集団の38.71%が当該サプリメントを4週間および8週間使用した後に皮膚の発赤の減少に気づいたことを示し、これは12週間のサプリメントの使用後に41.94%まで増加した。健康な皮膚の見た目および感覚の改善が4週間の使用後に当該集団の35%によって観察され、これは8週間および12週間の使用後にそれぞれ56.45%および58.06%まで増加した。皮膚の全体的な外見は4週間の使用後に対象の35.48%において改善し、これは8週間および12週間後にそれぞれ66.13%および62.9%まで増加した。
【発明を実施するための形態】
【0035】
いくつかの実施形態では、本発明は複数のカロテノイドを含む組成物およびそれを使用する方法に関する。本発明は部分的に、大量のフィトエン、フィトフルエンおよびζ-カロテンを含有するトマト抽出物が、2つの相補的なモダリティすなわち生物学的(先天免疫)および物理的(角質層バリア)モダリティにおいて皮膚バリアおよび完全性を改善するという驚くべき発見に基づいている。
【0036】
治療方法
いくつかの実施形態によれば、治療的有効量の本明細書に開示されている組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における低下した皮膚バリア機能を治療するための方法が提供される。
【0037】
いくつかの実施形態では、治療を必要とする対象は低下したバリア機能に悩まされている健康な対象である。いくつかの実施形態では、治療を必要とする対象は低下した皮膚バリアに悩まされている健康な対象である。
【0038】
いくつかの実施形態では、治療することは、対象における皮膚バリアまたはバリア機能を改善することを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、治療することは、対象におけるTEWLを減少させることを含む。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、治療的有効量の本明細書に開示されている組成物を対象に投与し、それにより対象における皮膚バリア関連疾患または障害を治療する工程を含む、それを必要とする対象における皮膚バリア関連疾患または障害を治療するための方法が提供される。
【0041】
いくつかの実施形態では、皮膚バリア疾患または障害は、低下したバリア機能または低下した皮膚バリアを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの55~65%(w/w)の量のフィトエン、本組成物中の総カロテノイドの10~20%(w/w)の量のフィトフルエン、本組成物中の総カロテノイドの15~25%(w/w)の量のζ-カロテンを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、本方法は、対象の皮膚の経表皮水分蒸散量(TEWL)値を決定することを含む選択する工程をさらに含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、選択する工程は投与する工程に先行する。
【0045】
いくつかの実施形態では、少なくとも1(g・h/m2)、少なくとも2(g・h/m2)、少なくとも4(g・h/m2)、少なくとも5(g・h/m2)、少なくとも7(g・h/m2)、少なくとも10(g・h/m2)、少なくとも11(g・h/m2)、少なくとも12(g・h/m2)、少なくとも13(g・h/m2)、少なくとも14(g・h/m2)、少なくとも15(g・h/m2)、少なくとも16(g・h/m2)または少なくとも20(g・h/m2)あるいはその間の任意の値および範囲のTEWL値は、対象が本明細書に開示されている方法に従って治療するのに適していることを示す。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、10~14(g・h/m2)、1~15(g・h/m2)、2~8(g・h/m2)、3~12(g・h/m2)、5~13(g・h/m2)、4~10(g・h/m2)、10~18(g・h/m2)、11~20(g・h/m2)、13~17(g・h/m2)または12~20(g・h/m2)のTEWL値は、対象が本明細書に開示されている方法に従って治療するのに適していることを示す。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明の方法に従って治療するのに適した対象は、損なわれたおよび/または低下したバリア機能および/または低下した皮膚バリアを有することを特徴とする。
【0047】
いくつかの実施形態では、少なくとも10(g・h/m2)、12(g・h/m2)、14(g・h/m2)、17(g・h/m2)または20(g・h/m2)のTEWL値あるいはその間の任意の値および範囲は、損なわれたおよび/または低下したバリア機能および/または低下した皮膚バリアを示す。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、12~20(g・h/m2)、11~18(g・h/m2)、12~19(g・h/m2)または10~20(g・h/m2)のTEWL値は損なわれたおよび/または低下したバリア機能および/または低下した皮膚バリアを示す。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0048】
いくつかの実施形態では、TEWL値は、対象の顔の皮膚、額の皮膚、前腕の皮膚、手掌側前腕の皮膚、手の皮膚、手掌の皮膚、脚の皮膚、肘の皮膚またはそれらの任意の組み合わせについて決定する。いくつかの実施形態では、TEWL値は対象の顔の皮膚について決定する。いくつかの実施形態では、顔の皮膚は対象の頬を含む。
【0049】
本明細書で使用される「経表皮水分蒸散量」または「TEWL」という用語は、拡散および蒸発による体内から表皮を通した周囲環境への水の喪失を指す。TEWLを測定可能であることは、例えばバリア疾患または障害を示す皮膚への損傷を検出するのに有用である。
【0050】
皮膚TEWLを決定するのに適した方法および装置は一般的なものであり、当業者には明らかであり、例えばSotoodianおよびMaibach(2012年)(Clinics in Dermatology)によって考察されている。
【0051】
いくつかの実施形態では、当該対象は、栄養不足、血液供給の減少、放射線への曝露、酸化ストレス、免疫低下、精神的ストレス、皮膚の乾燥、慢性炎症性疾患への罹患、遺伝的素因、皮膚のディスバイオシスへの罹患、衛生の低下、過剰な衛生、皮膚脂質含有量、皮脂含有量またはその両方の減少およびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを特徴とするかそれに悩まされている。
【0052】
いくつかの実施形態では、放射線は光スペクトル内の任意の放射線波長を含む。本明細書で使用される「光スペクトル」という用語は、10-9m~10-3mの範囲の波長を包含する。いくつかの実施形態では、光スペクトル内の放射線波長は、紫外線、可視光線、赤外線またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、放射線への曝露は太陽光への曝露を含む。
【0053】
本明細書で使用される「紫外線(UV)」という用語は紫外領域の任意の波長を包含する。いくつかの実施形態では、UVはUVである。いくつかの実施形態では、UVはUVA、UVB、UVCまたはそれらの任意の組み合わせである。
【0054】
いくつかの実施形態では、慢性炎症性疾患は、座瘡、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎および酒さから選択される皮膚疾患を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、慢性炎症性疾患は全身の炎症性疾患を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患は表皮の皮膚疾患または障害である。いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患は、皮膚の表皮層の異常、変形、病的状態またはそれらの任意の組み合わせを特徴とするかそれらを含む。いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患は表皮の角質層の変化を含むかそれを特徴とする。いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患は、角質層の脂質含有量、酸化状態、配置またはそれらの任意の組み合わせの変化または変容を含むかそれらを特徴とする。
【0057】
いくつかの実施形態では、角質層の脂質含有量の変化または変容は、角質層の機能を低下させる、例えば皮膚バリア活性を損なうか低下させるようなものである。
【0058】
いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患はリノール酸含有アシルセラミドの量の減少を特徴とする。
【0059】
いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患は、乾皮症、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬、ゴーシェ病II型、シェーグレン・ラルソン症候群、葉状魚鱗癬、X連鎖魚鱗癬、水疱性魚鱗癬様紅皮症、必須遊離脂肪酸欠乏症、尋常性座瘡、加齢性乾燥皮膚、無汗性外胚葉形成不全症、アトピー性湿疹またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0060】
本明細書で使用される「皮膚バリア関連疾患または状態」という用語は、皮膚バリアの低下、皮膚バリアの乱れ、皮膚バリアの非機能性、皮膚バリアの機能不全またはそれらの任意の組み合わせが、対象における異常な状態すなわち恒常性からの逸脱を開始、刺激、伝播、増加、増強、それらのあらゆる同等の状態あるいはまたはそれらの任意の組み合わせを引き起こすあらゆる疾患または状態を包含する。いくつかの実施形態では、皮膚バリア関連疾患は、疾患または状態の病因および/または病態生理の一部として、皮膚バリアの低下、乱れ、非機能性、機能不全、機能の低下または阻害を伴うあらゆる疾患または状態を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、治療することは、対象の皮膚のTEWL、毛穴の数、毛穴によって覆われている領域、発赤のレベル、発赤によって覆われている領域、粗さまたはそれらの任意の組み合わせを減少させることを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、減少させることは、少なくとも5%、少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも35%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%または100%あるいはその間の任意の値および範囲の減少である。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、減少させることは、5~50%、少なくとも1~25%、10~55%、20~95%、50~99%、40~75%、5~85%、30~95%または25~100%の減少である。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0063】
本明細書で使用される「対象」または「個人」または「動物」または「患者」または「哺乳類」という用語は、治療が望まれるあらゆる対象、特に哺乳類対象、例えばヒトを指す。
【0064】
いくつかの実施形態では、当該対象は座瘡を発生するリスクが高い状態にある。いくつかの実施形態では、当該対象は座瘡を発生する素因が増加している。いくつかの実施形態では、当該対象は座瘡を発生しやすい皮膚を有することを特徴とする。
【0065】
いくつかの実施形態では、減少させることは対照と比較されている。
【0066】
本明細書で使用される「対照」という用語は、「ベンチマーク」または「ベースライン」と互換可能である。
【0067】
本明細書で使用される対照は健康な対象の皮膚を含む。いくつかの実施形態では、当該対照は、同対象(例えば、限定されるものではないが限られた領域の損なわれたバリアを伴う斑点を含む皮膚を含むような皮膚バリア関連疾患に悩まされている対象)に由来するかそこから単離されたか得られた健康な皮膚試料である。いくつかの実施形態では、対照は健康な皮膚を含む。いくつかの実施形態では、健康な皮膚は健康な対象の皮膚を含む。いくつかの実施形態では、健康な皮膚は本明細書に開示されているように、対象が皮膚バリア関連疾患に悩まされる前の同対象の皮膚を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、投与することは経口投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与することは局所投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与することは、経口投与することおよび局所投与することの組み合わせを含む。
【0069】
本明細書で使用される「炎症性疾患」という語句は、有害な外来性実体、例えば細菌、真菌、ウイルス、原虫、アレルゲン、汚染物質などに対する生物の多成分応答(例えば、免疫系の細胞、サイトカインなどの分子シグナルメディエータなど)を伴うあらゆる疾患を指す。
【0070】
本明細書で使用される、疾患、障害または状態の「治療」またはそれを「治療する」という用語は、その少なくとも1つ症状の軽減、その重症度の低下またはその進行の阻害を包含する。治療は疾患、障害または状態を完全に治癒させることを意味する必要はない。有効な治療であるために、本明細書中の有用な組成物は、疾患、障害または状態の重症度を低下させるか、それに関連する症状の重症度を低下させるか、あるいは患者または対象の生活の質の向上を与えることのみを必要とする。
【0071】
本明細書で使用される、疾患、障害または状態の「予防」という用語は、疾患、障害または状態の発症の遅延、予防、抑制または阻害を包含する。ここに記載されている主題に従って使用される「予防」という用語は、疾患/障害プロセスの誘発または発症前に、ここに記載されている組成物または製剤に対象を曝露させる予防のプロセスに関する。これは、個人が予防されるべき疾患/障害の発生に対する素因を示す遺伝的系図を有する場合に行うことができる。例えばこれは、先祖が特定の種類の例えば炎症性疾患に対する素因を示す個人に当てはまり得る。「抑制」という用語は、疾患/障害プロセスが既に開始しているが、その状態の明らかな症状がまだ顕在化されていない状態を記述するために使用される。従って、個人の細胞は疾患/障害を有している可能性はあるが、疾患/障害の見かけ上の徴候はまだ臨床的に認識されていない。いずれの場合にも予防という用語は、予防および抑制の両方を包含するように適用することができる。逆に「治療」という用語は、その臨床症状が患者において既に顕在化されている既存の状態と闘うための活性薬剤の臨床適用を指す。
【0072】
いくつかの実施形態では、予防することは、疾患の重症度を低下させること、疾患の発症を遅延させること、疾患の累積罹患率を減少させることまたはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、細胞を本発明の組成物と接触させ、それにより遺伝子の発現を改変させる工程を含む、細胞における遺伝子の発現レベルを改変するための方法が提供される。
【0074】
いくつかの実施形態では、当該遺伝子は、IL6、CCL2、CXCL1、TNFPI3、DGAT2L6、ALOX5、BACH2、CYP4F11、CYP4A22、B3GALT1、B3GALT2、OR52N、OR5D15P、OR52B6、OR1F1、OR2L3、OR2V2、OR51AB1P、OR1B1、OR4C12、OR6C76、OR2AH1P、OR7A18P、OR1N2、OR10B1P、OR11L1、OR5BA1P、OR5M11、OR9A4、OR4U1Pまたはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0075】
いくつかの実施形態では、当該遺伝子は、IL6、CCL2、CXCL1、TNFPI3、DGAT2L6、ALOX5、BACH2、CYP4F11、CYP4A22、B3GALT1、B3GALT2またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0076】
いくつかの実施形態では、当該遺伝子は、OR52N、OR5D15P、OR52B6、OR1F1、OR2L3、OR2V2、OR51AB1P、OR1B1、OR4C12、OR6C76、OR2AH1P、OR7A18P、OR1N2、OR10B1P、OR11L1、OR5BA1P、OR5M11、OR9A4、OR4U1Pまたはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0077】
いくつかの実施形態では、改変することは増加または低下させることを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、改変することは増強または減少させることを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、本方法は、IL6、CCL2、CXCL1、TNFPI3、DGAT2L6、ALOX5、BACH2、CYP4F11、CYP4A22、B3GALT2またはそれらの任意の組み合わせの発現レベルを増加させることを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、本方法は、B3GALT1の発現レベルを減少または低下させることを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、本方法は、IL6、CCL2、CXCL1、TNFPI3、DGAT2L6、ALOX5、BACH2、CYP4F11、CYP4A22、B3GALT2またはそれらの任意の組み合わせの発現レベルを増加させること、ならびにB3GALT1の発現レベルを減少または低下させることを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、本方法は、OR52N、OR5D15P、OR52B6、OR1F1、OR2L3、OR2V2、OR51AB1P、OR1B1、OR4C12、OR6C76、OR2AH1P、OR7A18P、OR1N2、OR10B1P、OR11L1またはそれらの任意の組み合わせの発現レベルを増加させることを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、本方法は、OR5BA1P、OR5M11、OR9A4、OR4U1Pまたはそれらの任意の組み合わせの発現レベルを減少または低下させることを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、本方法は、OR52N、OR5D15P、OR52B6、OR1F1、OR2L3、OR2V2、OR51AB1P、OR1B1、OR4C12、OR6C76、OR2AH1P、OR7A18P、OR1N2、OR10B1P、OR11L1またはそれらの任意の組み合わせの発現レベルを増加させること、ならびにOR5BA1P、OR5M11、OR9A4、OR4U1Pまたはそれらの任意の組み合わせの発現レベルを減少または低下させることを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、減少または低下させることは、少なくとも5%、少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも35%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%あるいはその間の任意の値および範囲の低下または減少を含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0086】
いくつかの実施形態では、増強または増加させることは、少なくとも5%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも250%、少なくとも500%、少なくとも750%または少なくとも1,000%あるいはその間の任意の値および範囲の増加または増強を含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0087】
いくつかの実施形態では、当該細胞は線維芽細胞である。いくつかの実施形態では、当該細胞はケラチノサイトである。いくつかの実施形態では、当該細胞は上皮細胞である。いくつかの実施形態では、当該細胞は複数の細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は線維芽細胞、ケラチノサイトおよび上皮細胞のあらゆる組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、当該細胞は本明細書に記載されている対象の細胞である。
【0088】
組成物
いくつかの実施形態によれば、皮膚バリア関連疾患に悩まされている対象の治療に使用するための、本組成物中の総カロテノイドの55~65%(w/w)の量のフィトエン、本組成物中の総カロテノイドの10~20%(w/w)の量のフィトフルエン、本組成物中の総カロテノイドの15~25%(w/w)の量のζ-カロテンを含む組成物が提供される。
【0089】
いくつかの実施形態では、本組成物は、フィトエン、フィトフルエンおよびζ-カロテンを含む。一実施形態では、本組成物は、フィトエン、フィトフルエン、ζ-カロテンおよびさらなるカロテノイドを含む。一実施形態では、本組成物は、フィトエン、フィトフルエン、ζ-カロテン、リコピン、β-カロテン、γ-カロテン、トコフェロールおよびフィトステロールを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、カロテノイドは果実、野菜または植物(植物の一部を含む)から抽出、単離または精製された天然カロテノイドである。別の実施形態では、カロテノイドはトマトの植物から抽出されたカロテノイドである。別の実施形態では、カロテノイドはトマトの果実から抽出されたカロテノイドである。別の実施形態では、トマトカロテノイドはカロテノイドが濃縮されたトマト抽出物である。別の実施形態では、トマトカロテノイドは全てが天然のカロテノイドが豊富なトマト抽出物である。別の実施形態では、トマトカロテノイドはトマトカロテノイド複合体である。別の実施形態では、トマトカロテノイド複合体は、複数のカロテノイド(フィトエン、フィトフルエン、ζ-カロテン、β-カロテンなど)、トコフェロールおよびフィトステロールを含む植物栄養素の複合体を含む。いくつかの実施形態では、カロテノイドは合成カロテノイドである。
【0091】
いくつかの実施形態では、本発明は、革新的な抽出プロトコルにより得られるトマト抽出物を提供する。フィトエン、フィトフルエンおよびζ-カロテン(以下に指定されている量)を含むこの特定の抽出物は低い細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、低い細胞毒性は他のトマト抽出物と比較されている。いくつかの実施形態では、低い毒性は、対象の生存、ウェルビーイングまたはその両方の減少を引き起こすことなく本発明の組成物をより高い用量でそれを必要とする対象に提供することを可能にする。いくつかの実施形態では、本発明の組成物をそれを必要とする対象に投与することは、高い細胞毒性により対象の生存、ウェルビーイングまたはその両方の減少を引き起こすことなく、フィトエン、フィトフルエンおよびζ-カロテンなどの有効成分を、治療効果を高めるより多くの量で与えることにより治療の有効性を高めることを可能にする。
【0092】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、トマトなどの他の植物、果実もしくは野菜由来の抽出物と比較して低い毒性でより多くの量のカロテノイドを提供する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、トマトなどの他の植物、果実もしくは野菜由来の抽出物と比較して低い毒性で高められた治療効果を提供する。
【0093】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、天然カロテノイド、合成カロテノイドまたはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物の総カロテノイドの10~40%(w/w)、15~35%(w/w)、20~45%(w/w)、25~35%(w/w)、20~30%(w/w)または30~50(w/w)の量のフィトエンを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0095】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物の総カロテノイドの1~10%(w/w)、3~12%(w/w)、4~14%(w/w)、5~10%(w/w)、8~15%(w/w)または2~9%(w/w)の量のフィトフルエンを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0096】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物の総カロテノイドの4~20%(w/w)、6~18%(w/w)、5~15%(w/w)、6~12%(w/w)、9~17%(w/w)または10~17%(w/w)の量のζ-カロテンを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0097】
いくつかの実施形態では、フィトエンおよびフィトフルエンの組み合わせ:ζ-カロテンの重量比は20:1(w/w)~3:1(w/w)、15:1(w/w)~3:1(w/w)、20:1(w/w)~6:1(w/w)、15:1(w/w)~2:1(w/w)、17:1(w/w)~4:1(w/w)、16:1(w/w)~7:1(w/w)、13:1(w/w)~8:1(w/w)、10:1(w/w)~3:1(w/w)または15:1(w/w)~10:1(w/w)の範囲である。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0098】
いくつかの実施形態では、本組成物はさらなるカロテノイドをさらに含む。本明細書で使用される「さらなるカロテノイド」は、フィトエン、フィトフルエンおよびζ-カロテン以外、すなわちそれらとは異なるあらゆるカロテノイドまたはその代謝産物を指す。
【0099】
いくつかの実施形態では、さらなるカロテノイドは、リコピン、β-カロテン、γ-カロテンおよびそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0100】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの10%(w/w)未満、7%(w/w)未満、5%(w/w)未満、3%(w/w)未満、2%(w/w)未満または1%(w/w)未満あるいはその間の任意の値および範囲の量のリコピンを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの1~3%(w/w)、1~5%(w/w)、2~6%(w/w)、0.5~4.5%(w/w)、0.1~3%(w/w)、0.6~4.8%(w/w)または2.5~4%(w/w)の量のリコピンを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0101】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの10%(w/w)未満、7%(w/w)未満、5%(w/w)未満、3%(w/w)未満、2%(w/w)未満または1%(w/w)未満あるいはその間の任意の値および範囲の量のβ-カロテンを含有する。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの1~3%(w/w)、1~5%(w/w)、2~6%(w/w)、0.5~4.5%(w/w)、0.1~3%(w/w)、0.6~4.8%(w/w)または2.5~4%(w/w)の量のβ-カロテンを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0102】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの少なくとも0.15%(w/w)、少なくとも0.18%(w/w)、少なくとも0.2%(w/w)、少なくとも0.25%(w/w)、少なくとも0.35%(w/w)、少なくとも0.5%(w/w)、少なくとも0.75%(w/w)、少なくとも0.9%(w/w)、少なくとも1%(w/w)、少なくとも1.2%(w/w)、少なくとも1.35%(w/w)または少なくとも1.7%(w/w)あるいはその間の任意の値および範囲の量のγ-カロテンを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの0.15~3%(w/w)、0.2~2%(w/w)、0.2~1.5%(w/w)、0.5~3%(w/w)、0.7~1.6%(w/w)、0.4~2.8%(w/w)または1.2~3.2%(w/w)の量のγ-カロテンを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0103】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物中の総カロテノイドの5%(w/w)未満の量のリコピン、本組成物中の総カロテノイドの5%(w/w)未満の量のβ-カロテン、本組成物中の総カロテノイドの0.2~1.5%(w/w)の量のγ-カロテンまたはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、本組成物は、0.1~3%(w/w)、0.2~3.5%(w/w)、0.5~2.5%(w/w)、0.15~1.75%(w/w)、0.35~2.75%(w/w)、0.8~4%(w/w)、1~5%(w/w)または1.5~4.75%(w/w)の量のさらなるカロテノイドを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0105】
いくつかの実施形態では、本組成物中の総カロテノイドの5%(w/w)未満の量のリコピン。
【0106】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物の5~25%(w/w)、10~15%(w/w)、12~35%(w/w)、3~17%(w/w)、2~20%(w/w)または1~30%(w/w)の総カロテノイド量を含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0107】
いくつかの実施形態では、本組成物はトコフェロール(例えば、ビタミンE)をさらに含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物の1~30%(w/w)、3~35%(w/w)、5~25%(w/w)、2~20%(w/w)、4~41%(w/w)、8~32%(w/w)または13~39%(w/w)の量のトコフェロールを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0108】
いくつかの実施形態では、フィトエンおよびフィトフルエンの組み合わせ:トコフェロールの重量比は20:1(w/w)~3:1(w/w)、15:1(w/w)~3:1(w/w)、20:1(w/w)~6:1(w/w)、17:1(w/w)~4:1(w/w)、16:1(w/w)~7:1(w/w)、13:1(w/w)~8:1(w/w)、10:1(w/w)~3:1(w/w)または15:1(w/w)~10:1(w/w)の範囲である。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0109】
いくつかの実施形態では、ζ-カロテン:トコフェロールの重量比は3:1(w/w)~1:3(w/w)、3:1(w/w)~1:2(w/w)、3:1(w/w)~1:1(w/w)、2:1(w/w)~1:1(w/w)、2:1(w/w)~1:2(w/w)、2:1(w/w)~1:3(w/w)、1:1(w/w)~1:2(w/w)または1:1(w/w)~1:3(w/w)の範囲である。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0110】
いくつかの実施形態では、本組成物はフィトステロールをさらに含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、フィトステロールは、コレステロールブラシカステロール、カンペステロール、スチグマステロール、β-シトステロール、δ5-アベナステロール、δ7-アベナステロール、δ7-スチグマステロールおよびそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0112】
いくつかの実施形態では、本組成物は、本組成物の1~20%(w/w)、2~19%(w/w)、10~25%(w/w)、5~25%(w/w)、8~16%(w/w)、6~18%(w/w)、3~20%(w/w)、4~17%(w/w)または5~15%(w/w)の量のフィトステロールを含む。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0113】
いくつかの実施形態では、フィトエンおよびフィトフルエンの組み合わせ:フィトステロールの重量比は20:1(w/w)~3:1(w/w)、15:1(w/w)~3:1(w/w)、20:1(w/w)~6:1(w/w)、17:1(w/w)~4:1(w/w)、16:1(w/w)~7:1(w/w)、13:1(w/w)~8:1(w/w)、10:1(w/w)~3:1(w/w)または15:1(w/w)~10:1(w/w)の範囲である。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0114】
いくつかの実施形態では、ζ-カロテン:フィトステロールの重量比は6:1(w/w)~2:1(w/w)、5:1(w/w)~2:1(w/w)、4:1(w/w)~2:1(w/w)、3:1(w/w)~2:1(w/w)、6:1(w/w)~3:1(w/w)、5:1(w/w)~3:1(w/w)、4:1(w/w)~3:2(w/w)または6:1(w/w)~3:1(w/w)の範囲である。各可能性は本発明の別個の実施形態を表す。
【0115】
カロテノイドなどの植物栄養素の量を決定するための方法は一般的なものであり、当業者には明らかであろう。そのような方法の非限定的な例としては、限定されるものではないが、ガスクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィおよび質量分析が挙げられる。
【0116】
いくつかの実施形態では、本組成物は経口組成物または局所組成物である。いくつかの実施形態では、本組成物は医薬もしくは栄養補助食品組成物である。いくつかの実施形態では、本組成物は、医薬もしくは栄養補助食品の許容される担体または賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、本組成物は化粧品組成物である。いくつかの実施形態では、本組成物は化粧品の許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物は経口摂取可能な皮膚用組成物である。
【0117】
いくつかの実施形態では、経口組成物は軟ゲルカプセルの形態である。いくつかの実施形態では、経口組成物は飲料、注射、グミまたは粉末の形態である。いくつかの実施形態では、経口組成物はチョコレート、アイスクリームまたはそれ以外などの食料品に混合または融合されている。
【0118】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、それを必要とする対象における皮膚バリアの改善に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、それを必要とする対象における皮膚バリア関連疾患の治療または予防に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、それを必要とする対象における角質層中のリノール酸含有アシルセラミドの量、濃度またはその両方を増加させるのに使用するためのものである。
【0119】
一実施形態では、本発明の組成物は個人にそれ自体を提供することができる。本明細書で使用される「それ自体」という用語は、本組成物がさらに製剤化されず、かつ/または担体、希釈液などと混合されていない場合を指す。
【0120】
一実施形態では、本発明の組成物は薬学的に許容される担体を含む医薬組成物または栄養補助食品組成物の一部として個人に提供することができる。
【0121】
一実施形態では、「医薬組成物」、「化粧品組成物」または「栄養補助食品組成物」は、生理学的に好適な担体および賦形剤などの他の化学成分を用いた本明細書に記載されている組成物の製剤を指す。医薬組成物、化粧品組成物または栄養補助食品組成物の目的は、生物への本組成物の投与を容易にすることにある。
【0122】
いくつかの実施形態では、20~30%(w/w)の量のフィトエン、5~10%(w/w)の量のフィトフルエン、5~15%(w/w)の量のζ-カロテンおよび許容される担体を含む組成物を生成するためのプロセスが提供される。いくつかの実施形態では、本プロセスは、本明細書に開示されているゴールデントマトを抽出することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に開示されているプロセスによって生成されたゴールデントマト抽出物を含む。
【0123】
一実施形態では、「組み合わせ製剤」は、上に定義されている組み合わせ相手とは独立して、あるいは識別される量の組み合わせ相手との異なる固定された組み合わせの使用により、すなわち同時に、並行して、別々に、または連続的に投与することができるという意味で特に「キットオブパーツ」を定める。いくつかの実施形態では、次いでキットオブパーツの一部を例えば同時または経時的にずらして、すなわち異なる時点で、キットオブパーツの任意の一部のための等しいもしくは異なる時間間隔で投与することができる。当該比の総量の組み合わせ相手は、いくつかの実施形態では、組み合わせ製剤で投与することができる。一実施形態では、組み合わせ製剤は、例えば治療される患者部分集団の必要性または1人の患者の必要性に対処するために変えることができ、その異なる必要性は、当業者によって容易に調製することができるように、特定の疾患、疾患の重症度、年齢、性別または体重によるものであってもよい。
【0124】
一実施形態では、互換的に使用される「生理学的に許容される担体」および「薬学的に許容される担体」という語句は、哺乳類に有意な刺激を引き起こさず、かつ投与される組成物の生物学的活性および特性を抑制しない担体または希釈液を指す。アジュバントはこれらの語句に含まれる。
【0125】
一実施形態では、「賦形剤」は、有効成分の投与をさらに容易にするために組成物に添加される不活性物質を指す。一実施形態では、賦形剤としては炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種糖および澱粉種、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0126】
薬物の製剤および投与のための技術は、「レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」(Mack Publishing社,ペンシルベニア州イーストン)の最新版に記載されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0127】
一実施形態では、好適な投与経路としては、例えば、経口、直腸内、経粘膜、経鼻、経腸送達、あるいは筋肉内、皮下および髄内注射ならびにクモ膜下腔内、直接心室内、静脈内、腹膜内、鼻腔内または眼内注射を含む非経口送達が挙げられる。
【0128】
本考察では特に明記しない限り、本発明の一実施形態の1つ以上の特徴の条件または関係特性を修飾する「実質的に」および「約」などの形容詞は、当該条件または特性がその目的の用途のための実施形態の実施のために許容される許容度内であることを定めることを意味するものであると理解される。特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲における「または」という単語は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」であるとみなし、それが繋ぐ項目の少なくとも1つまたは任意の組み合わせを示す。
【0129】
当然のことながら、本明細書中の上およびどこか他の箇所で使用されている「1つの(a)」および「1つの(an)」という用語は、列挙されている構成要素の「1つ以上」を指す。特に具体的に明記しない限り、単数形の使用が複数形を含むことは当業者には明らかであろう。従って「1つの(a)」、「1つの(an)」および「少なくとも1つ」という用語は本出願において同義で使用される。
【0130】
本教示をより良く理解し、かつ決して本教示の範囲を限定しないために、特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用されている数量、割合または比率を表す全ての数ならびに他の数値は、「約」という用語によって全ての場合において修正されるものと理解されたい。従って反対の記載がない限り、以下の詳細および添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、得ることが求められている所望の特性に応じて異なり得る近似である。少なくとも各数値パラメータは、少なくとも報告されている有効数字の数を考慮に入れ、かつ通常の丸め技術を適用することにより解釈されるべきである。
【0131】
本出願の明細書および特許請求の範囲において、「~を含む(comprise)」、「~を含む(include)」および「~を有する(have)」という動詞のそれぞれならびにそれらの活用形は、当該動詞の1つ以上の目的語が必ずしもその動詞の1つ以上の主語の構成要素、要素または部分の完全な列挙ではないことを示すために使用されている。
【0132】
本明細書で使用される他の用語は、当該技術分野におけるそれらの周知の意味によって定義されることが意図されている。
【0133】
具体的に記載されていない限りまたは文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される「または」という用語は包括的なものであると理解される。
【0134】
本明細書および特許請求の範囲全体を通して、「~を含む(comprise)」という単語または「~を含む(comprises)」または「~を含む(comprising)」などの変形は、任意の列挙されている整数または整数群の包含を示しているが、任意の他の整数または整数群の排除は示していない。
【0135】
本明細書および特許請求の範囲全体を通して使用されている「本質的に~からなる(consists essentially of)」という用語または「本質的に~からなる(consist essentially of)」または「本質的に~からなる(consisting essentially of)などの変形は、任意の列挙されている整数または整数群の包含を示し、かつ指定されている方法、構造または組成物の基本的または新規な特性を実質的に変えない任意の列挙されている整数または整数群の任意の包含を示している。
【0136】
本明細書で使用される「~を含む(comprises)」「~を含む(comprising)」「~を含有する(containing)」および「~を有する(having)」などは、「~を含む(includes)」および「~を含む(including)」などを意味することができ、「本質的に~からなる(consisting essentially of)」または「本質的に~からなる(consists essentially)」も同様に米国特許法に基づく意味を有し、この用語は非限定的であり、列挙されているその基本的もしくは新規な特性が列挙されていないものの存在によって変更されない限り列挙されていないものの存在を認めるが、先行技術の実施形態を除外する。一実施形態では、「~を含む(comprises)」、「~を含む(comprising)」、「~を有する(having)」という用語は、「~からなる(consisting)」と互換可能である。
【0137】
本発明のさらなる目的、利点および新規な特徴は、限定的であることが意図されていない以下の実施例を考察すれば当業者には明らかになるであろう。さらに、本明細書の上に詳述されており、かつ以下の特許請求の範囲の箇所で特許請求されている本発明の様々な実施形態および態様は、以下の実施例において実験的に支持されている。
【実施例】
【0138】
一般に、本明細書で使用される命名法および本発明において利用される検査法は化学的、分子的、生化学的および細胞生物学的技術を含む。そのような技術は文献に完全に説明されている。例えば、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A laboratory Manual)」,Sambrookら(1989)、「分子生物学における現在のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」第I~III巻,Ausubel,R.M.編(1994)、「細胞生物学:実験室ハンドブック(Cell Biology:A Laboratory Handbook)」,第I~III巻,Cellis,J.E.編(1994)、「生物学的経路の有機化学(The Organic Chemistry of Biological Pathways),John McMurryおよびTadhg Begley著(Roberts and Company,2005)、「酵素触媒反応の有機化学(Organic Chemistry of Enzyme-Catalyzed Reactions)」,Richard Silverman著(Academic Press,2002)、「有機化学(Organic Chemistry)(第6版),Leroy “Skip” G Wade著、「有機化学(Organic Chemistry)」,T.W. Graham SolomonsおよびCraig Fryhle著を参照されたい。
【0139】
材料および方法
ルミナート(商標)(化合物のリストについては表1を参照)はLycored社(米国ニュージャージー州ブランチバーグ)によって提供された。テトラヒドロフラン(THF)は、Sigma Chemical社(米国ミズーリ州セントルイス)から購入した。1人のドナーの包皮から得られた一次ヒト皮膚線維芽細胞、DMEM、ウシ胎児血清およびXTT細胞生存度キットは、Thermo Fisher Scientific社(米国ニュージャージー州ブランチバーグ)から購入した。RNA抽出のためのQiagen RNeasyキットは、Qiagen社(米国メリーランド州ジャーマンタウン)から購入した。遺伝子発現実験に使用するためにTHF中で乾燥したトマト抽出物の0.1%(w/v)原液を調製した。臨床試験のためにルミナート(商標)(110mg)を含む軟ゲルカプセルを使用した。この研究のための対照カプセルはトマト抽出物の代わりにパラフィンオイルを含んでいた。
【表1】
【0140】
遺伝子発現
マイクロアレイ解析を用いて、培養されたヒト皮膚線維芽細胞における遺伝子発現に対する2つの濃度:0.001%および0.0005%のルミナート(商標)抽出物の効果を評価した。
【0141】
細胞毒性アッセイ
製造業者の説明書に従い、XTT細胞生存度アッセイ(Thermo Fisher Scientific社)を用いて、細胞毒性を評価した。10%ウシ胎児血清を含むDMEM中の線維芽細胞を96ウェルプレートに播種し、5%CO2および95%相対湿度下、37℃で一晩培養した。これらの細胞を0.001%(v/v)および0.0005%のTHF、THF+0.001%(w/v)ルミナート(商標)、THF+0.0005%ルミナート(商標)の存在下で24時間インキュベートし、次いでこれらの細胞培地中でさらに24時間インキュベートした。未処理細胞を陰性対照として含めた。全ての処理を3回行った。対照値の20%超の生存度の阻害を細胞毒性とみなした。試験化合物は有毒ではなかった。
【0142】
ヒト皮膚線維芽細胞の処理
ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)を6ウェルプレート(Thermo Fisher Scientific社/Nunc)において24時間培養し、次いでTHFまたはルミナート(商標)で6時間処理した。インキュベーション後に細胞をPBSで洗浄し、製造業者の説明書に従い、Qiagen RNeasyキットを用いて全RNA抽出のために溶解物を調製した。Nanodrop IMPLEN分光光度計(米国カリフォルニア州ウェストレイクビレッジ)を用いてRNA濃度および純度を決定した。
【0143】
全RNAの品質制御
表皮組織から単離したRNAを処理のためにドライアイスの上に置いてAdvanced BioMedical Laboratories(米国ニュージャージー州シナミンソン)に発送した。全RNA試料の全体的な完全性およびRNAの品質は、Advanced BioMedical Laboratories(米国ニュージャージー州シナミンソン)によって確認された。いくつかのQCパラメータ(例えば、リボソームRNA、28S/18Sピーク面積比、5S領域における予期せぬピークなど)を考慮に入れる独自のアルゴリズムを使用してRNA完全性数(RIN)を計算した。10のRIN数は完璧なRNA品質を示し、1のRIN数は分解したRNAを示す。公開データおよび本発明者ら自身の経験によれば、8超のRIN数を有するRNAは遺伝子発現プロファイリング実験にとって十分な品質のものである。全てのRNA試料のRIN数が8超であった。Affymetrix Human Clariom Dアレイ処理を用いてマイクロアレイ解析を行った。
【0144】
遺伝子発現データの統計分析
統計的有意性(p値)について0.05の閾値および少なくとも0.6の絶対値を有する発現のLogFC(log fold change)を用いて、差次的遺伝子発現を得た。処理した細胞における遺伝子発現と対照細胞との比の倍数増加または減少はゼロの前後で非対称である。この問題を回避するために、上方もしくは下方制御は通常、当該比の2を底とする対数として表される。従って、0.6の絶対値は1.5倍の上方もしくは下方制御を表す。1の値は2倍の上方もしくは下方制御を表す。
【0145】
ヒト対象
35歳から60歳の114人の日本人女性をスクリーニングして66人の適格対象を見つけた。適格対象は全員とも、フィッツパトリックのスキンタイプ2または3およびGlogauのスキン分類タイプ2を有していた。他の選択基準には、当該研究を理解する能力および過剰なUV曝露を回避し、かつ当該研究を妨げ得るサプリメントを摂取しないという条件に従う意思が含まれていた。当該研究を終えた63人の対象のうち、2人がプロトコルに違反したため、彼らのデータは分析しなかった。この研究はヘルシンキ宣言に従って行い、愛誠病院上野の臨床試験倫理委員会(Aisei Hospital Ueno Clinical Research Ethics Committee of Japan)(IRB#12000071)によって認可されていた。全ての対象が、当該研究の開始前に書面によるインフォームドコンセントを提出した。対象は写真撮影、主観的評価および機器による測定のために、ベースライン、4週目、8週目および12週目に来院した。12週目の臨床来院は、COVID-19の世界的大流行により中止され、代わりに16週目に行われた。対象は、1日当たり1つのルミナート(商標)カプセルを食事と共に摂取しなければならなかった。
【0146】
TEWLの測定
来院時に標準条件下でTEWLを測定した。VapoMeter(Delfin Instruments社、日本の東京)を使用した。測定は目尻からの領域および外耳の小さい出っ張り(耳珠)との平面について左頬で行った。TEWLの測定のために、対象を21℃および50%の相対湿度の環境部屋で20分間順応させ、次いで皮膚測定を行った。全ての皮膚測定を同じ人物によって行った。各試験点で同じ位置となるように、皮膚測定位置を定規で測定した。
【0147】
写真撮影および写真撮影分析
VISIA Evolution写真撮影装置を使用して対象の写真を得た。全てのVISIAモダリティを用いて主要評価項目であるVISIAのパラメータを得た。その際の対象の位置決めは重要であり、各時点で繰り返さなければならなかった。対象が座る腰掛けの高さなどの項目および対象の顎および額のイメージング装置内への慎重な配置を維持した。また対象の毛髪を顔から除き、宝石を外してもらい、黒色のドレープを使用して衣類を標準化した。眼を穏やかに閉じた状態で対象の正面、左および右図を取得した。
【0148】
これらの画像をCanfield Scientific社(Canfield Scientific社、米国ニュージャージー)によりさらに分析して、以下に記載されている画像における様々な変化に対応する数値を抽出および報告した。
【0149】
赤い領域およびきめ
VISIA写真の詳細な分析により赤い領域およびきめを検出した。そのために検出は、その局所ゾーンに対して当該領域のコントラストを比較することにより行った。取得した画像を皮膚のバックグラウンド強度分布に関して最初に正規化した。そのようなプロセスにより、関心領域にわたる照明変動をなくす。コントラスト閾値を適用して、それらの周囲に対して最小の強度レベル差よりも暗い候補領域を選択する。最後にサイズおよび形状基準を適用して候補領域を選別し、かつ最終スポットを選択する。
【0150】
細孔径
VISIA写真の詳細な分析により細孔径を検出した。毛穴分析アルゴリズムにより、定量的データおよび目に見える顔の毛穴のスコアリングを得る。毛穴は指定された直径範囲内で、最小の円形度閾値ならびに最小の勾配閾値(そのすぐ周囲に対して毛穴の強度を比較する)も満たす円形の物体を検出するように設計された画像分析アルゴリズムを用いて検出した。この分析は、Canfield research capture device(Canfield Scientific社、米国ニュージャージー)により取得した高解像度画像に対して行う。
【0151】
実施例1:遺伝子発現分析
本研究では、97個の遺伝子が6時間の0.001%ルミナート(商標)によるヒト皮膚線維芽細胞の治療により有意に上方制御されることが分かった。これらのうちの55個の遺伝子については、皮膚に関する容易に入手可能な情報が存在しない。これらのうちの多くが偽遺伝子であり、7つが嗅覚受容体遺伝子であった。58個の遺伝子は有意に下方制御され、これらのうちの36個については皮膚に関する容易に入手可能な情報は存在しなかった。0.0005%ルミナート(商標)により121個の遺伝子が上方制御され、44個の遺伝子は下方制御された。0.001%ルミナート(商標)に関する発見とのいくつかの重複が存在したが、いくつかの差異もあった。特に、12個のさらなる嗅覚受容体遺伝子が同定された。考察すべき主要な遺伝子が表2に列挙されており、嗅覚受容体遺伝子が表3に列挙されている。
【表2】
【表3】
【0152】
実施例2:臨床試験-TEWLに対するルミナート(商標)の効果
この臨床試験では、32人の対象がベースラインにおいて比較的高いTEWL(12.5g/h/m
2以上の値)を有しており、29人の対象はより低いTEWL値を有していた。これらの2つの群からのデータを別々に分析した。
図1に示すように、ルミナート(商標)栄養補給は低TEWLに対して効果を有しなかった。しかし高TEWLコホートでは、ルミナート(商標)栄養補給により16週間でTEWLが有意に減少した。
【0153】
有意な変化を示した群についてのTEWLにおける個々の相対変化の計算は、ベースラインからの21~53%の改善の範囲であった。Canfield Scientific社によってさらに分析されたこれらのパネリストのVISIA写真は、皮膚の外見すなわち発赤、毛穴およびきめの変化についてのものであった。選択された写真が本明細書に提供されている。
【0154】
これらの結果は、分析したTEWLベースラインと共にサプリメント亜群から選択された写真を表している。この分析は、検出された特徴によって占められる総面積と目的の面積(マスクの面積)との比を意味する面積比率を反映している。特徴の検出は強度/コントラストをベースとしている。
【0155】
図2は、TEWL値の35%の改善を有するパネリストの標準ビュー画像を表す。ベースライン写真を16週目で得られた写真と比較した場合、皮膚は明らかにより滑らかであり、かつ見かけ上の毛穴が少なくなったように見える。
【0156】
図3A~
図3Cは、TEWL値の26%の改善を有するパネリストの顔の赤い領域を表す。ベースライン写真を16週目で皮膚のために得られた写真と比較した場合、発赤の明らかな減少が観察される。
【0157】
赤い領域は、これらの構造に赤い色を与える真皮乳頭層すなわち皮膚の下層における血管およびヘモグロビンの存在を表しており、これは皮膚紅斑を正確に検出および定量化することが分かっているRBX TECHNOLOGY(Canfield Scientific社による商品名)によって検出する。それを用いて、赤い領域を交差偏光により撮影し、淡青色で輪郭が描かれている。赤色の点は、紅斑および吹き出物である斑点を表しており、血管の赤色は直線的な特徴である。RBX TECHNOLOGYは、装置が皮膚表面の下を観察するのを可能にし、血管障害および色素沈着過剰の両方に関連するものとして特定の状態を可視化する。赤い領域は、炎症またはくも状静脈などの様々な状態に関連していることがある。くも状静脈または壊れた毛細血管は典型的に、短い細い線として特徴づけられており、密な網目構造において相互接続されている可能性がある。吹き出物または炎症を生じさせる他の状態はサイズが様々であるが、一般により小さく、かつ丸い形状である。大きい拡散したより暗い赤い領域も関心領域を示す場合がある。この技術の中核となる論理的根拠は、ヘモグロビンが酸化および非酸化形態で真皮乳頭層すなわち皮膚の下層において血管構造内に生じ、かつ肌色の赤色の呈色に寄与しているという事実にある。座瘡および酒さなどのいくつかの皮膚の状態は、人の血管構造において器質的変化を引き起こし、かつ真皮中に存在するヘモグロビンのレベルを上昇させる可能性がある。ヘモグロビンの量の上昇および新しい血管構造の形成は赤色の呈色を引き起こし、従って肌色の均一性に悪影響を与えるであろう。本明細書において提供されている結果(
図3)は、顔全体からベースラインから26%の数値的に計算した赤色の面積の明らかな減少を示す。興味深いことに、このパネリストはTEWL値における26%の減少も示した。
【0158】
毛穴は汗腺管の円形の表面開口部において観察される。各毛穴の輪郭が濃青色で描かれており、シャドウイングにより、拡大された毛穴は周囲の肌色よりも暗く見え、より暗い色および円形の形状によって特定される。輪郭が描かれている領域は拡大された毛穴を特定している。以前に、毛穴評価のためのVISIA-CR方法は、目視によるグレーディングと高い相関を有することが実証され、細孔径が得られた(r=0.86)。またそれは毛穴の形状および毛穴の分布が異なる様々な年齢群間を識別するのに適していることが実証された。
【0159】
図4は、TEWL値の33%の改善を有するパネリストの顔の面積を表す。皮膚のベースライン写真を16週目で得られたものと比較した場合、毛穴の数の明らかな減少が観察される。このパネリストもより滑らかな皮膚を示した。
【0160】
図5は、TEWL値の48%の改善を有するパネリストの顔の赤い領域を表す。皮膚のベースライン写真を16週目で得られたものと比較した場合、毛穴の数の明らかな減少が観察される。
【0161】
毛穴の評価に加えてVISIA-CR写真撮影は、より粗いまたはより滑らかであるという皮膚のきめの変化の評価も可能にすることができる。例えば、音波泳動法によりロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)抽出物の皮膚浸透を高めるために行われた研究では、いくつかある属性の中でも特に皮膚のきめの改善が得られた。
【0162】
VISIAを用いたきめの分析は、皮膚の滑らかさに影響を与える皮膚表面のばらつきを示す隆起および陥没した領域の出現によって2D写真で表されている。従って、隆起した領域は黄色であり、陥没した領域は青色である(
図6)。
【0163】
図6A~
図6Bは、TEWL値の21%の改善を有するパネリストおよびTEWL値の33%の改善を有するパネリストの顔の赤い領域をそれぞれ示す。皮膚のベースライン写真を16週目で得られたものと比較した場合、皮膚のきめの明らかな滑らかさが観察された。
【0164】
考察
古代より様々な皮膚の病気および障害に対処する局所製品が使用されてきた。ここ数十年間で、健康は美と等しいという信念と共に皮膚は血液から栄養が与えられるという知識により、化粧品およびパーソナルケア産業はシワ、老人斑および赤らみなどの様々な特性の皮膚の外見の改善を主張する栄養補助食品の成長を経験している。まとめると、皮膚のルミナート(商標)の効果の評価のためのインビトロおよびインビボ研究は、ルミナート(商標)が2つの相補的なモダリティ、すなわち生物学的(先天免疫)および物理的(角質層バリア)モダリティにおいて皮膚バリアおよび完全性に影響を与えることを示している。これらの2つのモダリティを説明する例示が
図7に概略的に記載されている。
【0165】
多くの上方制御された遺伝子は、皮膚の防御機構を増強させるように見える。これらの機構としては、食細胞の動員による先天免疫の増強および抗菌脂肪酸の生成の刺激、DNA修復の増強および生体異物の解毒の増強が挙げられる。
【0166】
IL-17発現は、6時間のルミナート(商標)治療後に上方制御されなかった。おそらく、それはより早期に上方制御され、6時間でIL-17経路における遺伝子のいくつかの上方制御が生じた。これらとしてはIL-6、CCL2およびCXCL1が挙げられる。CCL2およびCXCL1は、好中球および単球の誘引を引き起こすケモカイン遺伝子である。IL-17およびIL-6は相乗的に作用して、ストレス条件下で細胞生存分子の生成を増加させる。同様にTNF-αは6時間で上方制御されないが、TNFIP3(TNF-α誘導タンパク質3)は上方制御され、これはTNF遺伝子がより早期に上方制御されたことを示している。TNF-αは皮膚線維芽細胞によりコラーゲン合成を刺激し、これはシワの形成を阻害するか、場合によりシワを改善する。TNFIP3は脱ユビキチン化酵素である。それはユビキチンをカドヘリンから除去してカドヘリンの分解を防止する。まとめると、これらの観察は、ルミナート(商標)の摂取が皮膚線維芽細胞においてIL-17経路およびTNF-α経路の両方を活性化させ、抗菌防御の増強をもたらすことを示している。これらの2つの経路は抗菌防御を活性化させる際に相乗的に作用する。
【0167】
DGAT2L6の遺伝子産物は皮脂生成を増加させる。これは皮膚表面においてラウリン酸およびサピエン酸をより利用可能にさせることができ、これらは抗菌物質である。
【0168】
上方制御されたALOX5タンパク質はアラキドン酸に対して作用して5-ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸を生成し、次いでこれを5-ヒドロキシエイコサテトラエン酸(5-HETE)またはロイコトリエンA4(LTA4)に変換することができる。LTA4は素早くロイコトリエンB4(LTB4)に変換される。5-ヒドロキシエイコサテトラエン酸を酸化されて5-オキソエイコサテトラエン酸にすることができる。LTB4、5-HETEおよび5-オキソエイコサテトラエン酸は走化性因子として機能して好中球および単球を誘引し、それにより先天免疫を増強させる。ALOX5は、より高いオメガ3必須脂肪酸(エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸)に対しても作用することができ、これらの製品のいくつかは抗炎症性であってもよい。
【0169】
BACH2は有意に上方制御された。この遺伝子産物は老化およびDNA損傷のマーカーである。それはB細胞分化および免疫系の恒常性に関与してきた。
【0170】
CYP4F11は、外来性化学物質から保護することができるP450酵素をコードする。このP450は多くの薬物をヒドロキシル化することが分かった。興味深いことに、CYP4F11の発現は0.0005%ルミナート(商標)抽出物による処理により有意に影響を受けなかったが、異なるP450遺伝子すなわちCYP4A22はこのより低い濃度で上方制御された。この酵素は、ラウリン酸およびミリスチン酸をω-ヒドロキシル化し、かつ様々な脂肪族および芳香族基質をヒドロキシル化できることが分かった。
【0171】
本研究の副次的であるが意外な発見は、嗅覚受容体をコードする一連の遺伝子の上方制御であった。嗅覚受容体はG-タンパク質共役受容体である。それらは表皮ケラチノサイトおよびメラノサイトを含む嗅覚ニューロン以外の範囲の細胞型において発見された。ある研究では、合成のビャクダン匂い物質に反応する嗅覚受容体(OR2AT4)がケラチノサイトにおいて同定された。当該匂い物質とその受容体との相互作用によりカルシウムの取込みが生じた。後の研究では、ヒト毛幹の上皮細胞におけるこの受容体の役割を調べた。この場合、受容体の活性化によりエクスビボで長期発毛が生じた。別の研究では、ケラチノサイトにおいて2種類の他の嗅覚受容体が同定された。OR2A4/7はシクロヘキシルサリチル酸塩に反応し、OR51B5はイソノニルアルコールに反応した。これらの嗅覚受容体のいずれかの活性化により細胞内カルシウムの増加が生じた。嗅覚受容体はメラノサイトにおいても検出された。この受容体OR51E2はβ-イオノンに反応し、細胞内カルシウムの増加およびメラニン合成の刺激が生じた。β-イオノンはスミレからの匂いのある化合物である。嗅覚受容体は3T3細胞、すなわち胚線維芽細胞由来の細胞株において報告されているが、本研究はヒト皮膚線維芽細胞において数多くの嗅覚受容体遺伝子を同定した最初のものとなり得る。
【0172】
2種類のガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子がルミナート(商標)によって影響を受けることも注目に値した。これらのうちの一方のB3GALT1は有意に下方制御され、他方のB3GALT2は上方制御された。
【0173】
これらのβ-1,3-ガラクトシルトランスフェラーゼはどちらも、ガラクトシル残基をUDP-ガラクトースから糖タンパク質またはガングリオシドの末端N-アセチルグルコサミンに移動させる。B3GALT2産物もガラクトースを末端ガラクトースに移動させることができるが、この基質の親和性は非常により低い。ガラクトシルトランスフェラーゼ活性におけるこれらの変化は、細胞表面における炭水化物提示を変化させる。この修飾の結果は現在未知である。
【0174】
先に記載されているように、角質層の脂質は主としてセラミド、コレステロールおよび脂肪酸からなる。脂肪酸は主として20~28炭素長の飽和化学種である。セラミドの大部分は僅かな容易に酸化可能な官能基も有する。これらの脂質は酸化損傷に抵抗するために理想的である。その1つの例外はリノール酸含有アシルセラミドである。この脂質は抗酸化物質によって保護されていない場合に、空気に曝されると容易に酸化される。リノール酸は皮膚のバリア機能のために必須である。循環系からのリノール酸は表皮によって吸収され、最初にトリグリセリドの小さいプールの中に取り込まれる。それはホスホグリセリドに素早く伝達され、次いでアシルグルコシルセラミドに伝達される。これはリノール酸含有アシルセラミドのグリコシル化前駆体である。グルコースは、長鎖塩基の第一級ヒドロキシル基にβ-グリコシド結合されている。このリノール酸含有アシルグルコシルセラミドは層板顆粒と結合されている。角質化プロセスの後期では、層板顆粒の内容物は細胞間隙の中に押し出され、グルコシルセラミドは脱グリコシルされてリノール酸含有アシルセラミドを含むセラミドを生成する。リノール酸含有アシルセラミドはバリア機能のために必須である。単離されたリノール酸含有アシルセラミドは空気に曝されると素早く酸化される。最適な条件下で、α-トコフェロールは皮脂腺分泌を介して皮膚表面に届けられ、これは脂質およびタンパク質を酸化から保護する。他の抗酸化物質も皮脂に届けられるが、大部分の環境ではα-トコフェロールが主要なものである。紫外線曝露などの酸化ストレス条件下では、スクアレン、コレステロールおよびケラチンは酸化されたことが分かり、酸化されたケラチンは外側角質層の中にあることが分かった。そのような損なわれた状態では、リノール酸含有アシルセラミドも酸化される可能性が高いと思われる。これは皮膚のバリア機能を損ない、かつTEWLの増加を引き起こす。これは、ベースラインにおいてより高いTEWLを有する対象を説明することができる。いくつかのカロテノイドは真皮から表皮に拡散するが、真皮中のカロテノイドの主要部分は皮脂分泌および/または発汗を介して皮膚表面に届けられる。これはアシルセラミドにさらなる保護を与え、それによりTEWLの減少と共にバリア機能の回復をもたらすことができる。
図1からの本結果は、16週間のルミナート(商標)栄養補給後にTEWL対象はプラセボ対照よりも低いTEWL値を有することを示している。直線傾向が続いた場合には、さらなる10週間の栄養補給により、低TEWL群と同じ範囲までTEWLを減少させた。エラーバーは、AおよびCが増加し、かつBおよびDが減少している状態での半分の標準偏差を表している。
【0175】
角質層の脂質は、透過型電子顕微鏡写真およびX線回折データにおいて明らかである13nmの主要な周期性を有する角質層の細胞間隙において、多層状組織に組織化されている。この13nmの周期性は再構成された角質層脂質と共に観察されるが、アシルセラミドが存在しない場合、この周期性は電子顕微鏡写真またはX線散乱のいずれによっても認められない。アシルセラミド合成に特異的に関与する酵素の突然変異により、バリア機能の低下と共に様々な常染色体劣性遺伝性魚鱗癬が生じる。これらの遺伝子としては、ELOV4、CYP4F22、PNPLA1およびABHD5が挙げられる。ELOV4産物は、C26-CoAからC30-CoA以上に伸長する脂肪酸伸長酵素である。CYP4F22は、非常に長い脂肪酸をω-ヒドロキシル化するP450をコードする。PNPLA1産物はリノール酸をω-ヒドロキシル基に移動させ、ABHD5産物はPNPLA1の共活性化剤である。また必須脂肪酸の欠乏では、オレイン酸はアシルセラミドにおいてリノール酸に取って代わり、TEWLは少なくとも5倍増加する。ゴーシェ病では、アシルグルコシルセラミドを脱グリコシル化してアシルセラミドを生成するβ-グルコセレブロシダーゼが欠損している。この状況では、当該層の細胞間隙の超微細構造を変化させ、TEWLを著しく増加させる。これらの観察は、リノール酸含有アシルセラミドが正常なバリア機能にとって必須であるという概念を強める。
【0176】
アスタキサンチンは、サケ、イクラおよびいくつかのエビに存在するカロテノイドであり、皮膚の健康および恒常性にとって利点を有することが報告されている。36人の男性対象を含むある無作為化プラセボ対照研究において、1日当たり6mgのアスタキサンチンの6週間の摂取後に、対照と比較してアスタキサンチン群においてTEWLが有意に減少した。アスタキサンチンは、軽度のシワ、老人斑サイズ、弾力性、保湿性および弾力性の改善をもたらすことも報告された。別の研究では、アスタキサンチンは、4mg/日での9週間のアスタキサンチン栄養補給後にUVの最小紅斑量を増加させることが分かった。照射部位においてTEWLを測定した場合、対照およびアスタキサンチン群の両方においてそれは増加したが、その増加はアスタキサンチン群において有意により小さかった。
【0177】
多くの研究により、TEWLを様々な介入によって低下させた場合に、保湿性および皮膚表面の滑らかさが増加し、かつ鱗屑および毛穴面積が減少することが分かっている。同様に、化学物質の局所塗布または刺激が強い石鹸を使用することにより皮膚を刺激する研究では、TEWLおよび紅斑はどちらも増加した。従って、TEWLは多くの皮膚外見パラメータと相関している。本研究では、TEWLの減少とVISIA写真撮影によって取得され、かつ定性的および定量的に分析された皮膚の外見における様々な属性との間に相関が認められた。具体的には、皮膚の発赤および皮膚の毛穴の減少ならびに皮膚のきめ(粗さの減少)および外見の全体的な改善は、TEWLにおける減少に付随することが実証された。皮膚の発赤は、準臨床レベルの基礎疾患である炎症の徴候、一次刺激の発現またはアレルギー反応であってもよい。カロテノイドは公知の抗炎症および抗酸化剤であるため、皮膚の発赤の減弱はそのような活性により説明することができるが、皮膚の発赤の減少はTEWLにおける減少に強く関連していたという事実は、潜在的により複雑な多機能経路を指し示している。さらに皮膚バリアは、たとえそれが異常であるとしても比較的頑強な恒常性を維持することが知られている。これは、それが界面活性剤、異常なpHまたは他の刺激する条件に曝露された場合に、ほとんどの場合に数時間から数日以内にそのベースラインに回復することを意味している。
【0178】
VISIA写真は、集中したより暗い赤い領域における減少を示している。これらは、真皮乳頭層すなわち皮膚の下層における血管およびヘモグロビンを表しており、これらの構造に赤い色を与え、これはRBX TECHNOLOGYによって検出される。赤い領域は、炎症またはくも状静脈などの様々な状態に関連していてもよい。くも状静脈または毛細血管の損傷は典型的に短い細い線として特徴づけられており、密な網目構造において相互接続されている可能性がある。
【0179】
皮膚への局所レチノイドの塗布により、TEWLにおける減少と皮膚のきめの改善との相関が観察された。カロテノイドはレチノイドの酸化前駆体であるために、その効果の類似性は驚くべきものではないかもしれない。
【0180】
この研究では、撮影された皮膚の治療薬としてレチナールを含有する新しい老化防止クリームの有効性および安全性を評価した。この研究は40人の女性韓国人志願者に対して行い、彼女らはレチナールクリームを1日2回3ヶ月間塗布した。Antera 3D(登録商標)システムを用いて、目尻のシワおよび皮膚のきめを定量的に評価した。TEWL、皮膚の保湿性、メラニン指数および皮膚の明るさも評価した。この研究の結果から、当該治療により撮影された皮膚の状態が改善されることが実証された。
【0181】
要約すると、本明細書において提供されている研究は、皮膚および表皮レベルで皮膚に対するルミナート(商標)の固有の効果を明らかにする。これらのカロテノイドおよびトコフェロールは皮膚バリアを強化し、外界からの刺激に対処するための手段をそれに授ける。さらに本発明者は、バリア強度と、発赤および毛穴の減少ならびに皮膚を滑らかにする効果などの特定の皮膚の外見に関連する利点との相関を実証した。さらに本発明者は、ヒト皮膚線維芽細胞における嗅覚受容体の存在およびルミナート(商標)によるそれらの有意な上方制御を実証した。
【0182】
実施例3:目視および実験上の皮膚の属性の改善に対するルミナートの経口摂取の効果
当該研究のために正常な顔の皮膚の健康および外見を高めることに興味のある35~55歳の健康な女性を募集した。当該対象は、臨床試験を実行するためのオンラインおよびモバイルアプリケーションインタフェースであるアプリケーション(ClaimIt,Obvio Health USA社)をダウンロードした。このセットアップにより物理的な場所への訪問をなくし、治験を各対象のモバイル装置上で直接行う。参加者はスクリーニングプロセスを開始する前に電子インフォームドコンセント(eIC)に署名し、その後に彼らは自己申告性の民族的帰属および皮膚タイプを含む選択/除外基準を含む研究特有のスクリーニング質問表を完成させた。資格に関して、彼らは病歴および同時投薬フォームを完成させ、当該研究に参加した。有資格参加者に当該研究製品が発送された。参加者らは12週間にわたって主な食事(朝食、昼食または夕食)の時間の前後に毎日1つのソフトジェルを摂取した。彼らは、当該研究中の予め定められた時点でアプリケーション内の質問表を完成させるように依頼された。週に1回のeダイアリーを使用して、当該研究製品の摂取ならびに存在すれば有害事象を決定するために健康または薬物の変化のあらゆる報告への順守を判断する。当該研究の最後に(12週間の使用)、参加者らは当該研究製品を含有する残っている全てのソフトジェルを安全に廃棄し、かつ当該研究製品による彼らの経験に関する一連の質問表を完成させるように指示された。治療期間を終えてから2週間後に、参加者らは、皮膚に関するFACE-Q(商標)満足度(FACE-QTMSatisfaction with Skin)、研究終了時の肌質問票(End of Study Skin Questionnaire)およびClaimIt経験調査(ClaimIt Experience Survey)を完成させた。
【0183】
図8は、当該サプリメントの12週間の使用の前後における様々なパラメータの平均スコアを示す。
図8Aは皮膚の色調の各種測定値を示す。このグラフにおいて観察されるように、色素斑において改善は認められなかったが、肌色の均一性の21%において改善はなお認められた(p<0.001)。皮膚は29.75%より明るく(p<0.001)、かつ顔のシミは10.96%減少したように見えた(p<0.001)。眼窩周囲のクマも17.9%減少したように見えた(p<0.001)。
図8は、当該サプリメントの12週間の使用の前後における様々なパラメータの平均スコアを示す。
図8Bにおいて観察されるように、当該サプリメントを12週間使用した後に皮膚の弾力性(21.54%)およびハリ(27.18%)において非常に有意(p<0.001)な改善が認められた。
図8Aは皮膚の色調の各種測定値を示す。このグラフにおいて観察されるように、色素斑において改善は認められなかったが、皮膚の均一性において21%の改善がなお認められた(p<0.001)。皮膚は29.75%より明るく(p<0.001)、かつ顔のシミは10.96%減少した(p<0.001)ように見えた。眼窩周囲のクマも17.9%減少したように見えた(p<0.001)。
図8Cは、サプリメントを12週間使用した後に、皮膚の保湿性における21.6%(p<0.001)の知覚された改善および皮膚のきめにおける18.18%(p<0.001)の改善が認められたということを示す。
図4Dは、12週間のサプリメントの使用後に深いシワにおいて改善は認められなかったが、顔の小ジワおよびシワにおいて12.97%の有意(p<0.001)な改善が認められたことを示す。
図8Eにおいて観察されるように、発赤を生じる皮膚の傾向において僅かな改善が認められた。老化した皮膚/不健康な皮膚の一般的な見た目は、当該サプリメントを使用した後に23.53%の減少により有意(p<0.001)に減少した。
図8Fは、当該サプリメントによる12週間の治療の前後における全体的な皮膚の状態の平均スコアを示す。このグラフにおいて観察されるように、当該サプリメントを使用した後に全体的な皮膚の状態における28.22%の非常に有意(p<0.001)な改善が認められた。
【0184】
図5は、治療前、4週間、8週間および12週間の治療後および治療を停止して再び2週間後の皮膚スケールによるFACE-Q(商標)満足度からの結果を示す。提供されているデータは満足度スコアからものであり、ここではスコア1は非常に不満、2はやや不満、3はやや満足、4は非常に満足であった。3および4のスコアを報告した対象の数を数え、肯定的な評価を示す集団の割合としてグラフに表した。
図9Aは、朝一番および1日の終わりに「自身の顔の皮膚がどのように見えるか」を示す。最初に当該スコアは満足および不満が優勢であったが、治療後に84%~75%の8週目までの着実な改善が認められ(p<0.001)、その後に横ばい状態となった。その効果は治療を2週間中断した後も保持された。
図9Bは、顔の健康的な見た目および魅力的な見た目の知覚について同様の傾向を示す。これらの両パラメータについて12週間の治療中に着実な改善が認められ、その時点で、健康的な皮膚および魅力的な皮膚のそれぞれについて74.6%(p<0.001)および65.08%(p<0.001)の統計的に有意な改善が認められた。これらの知覚は2週間の治療の中断にも関わらず改善し続けた。
【0185】
図9C:元気がある顔および艶がある顔の知覚。これらの2つのパラメータについて12週間の治療中に着実な改善が認められ、この時点で、ベースラインと比較した場合に統計的に有意(p<0.001)な変化が認められた。これらの知覚は2週間の治療の中断にも関わらず改善し続けた。
【0186】
図9D:顔の皮膚の色調。治療後に、色の均一性および色調において61.9%~74.6%の8週目までの着実な改善が認められた(p<0.001)。治療の12週目までに、当該集団の71%超(p<0.001)が当該治療は皮膚の色調および色合いの均一性にとって有効であると公言した。治療を2週間中断した後に、肌色の均一性および色調のそれぞれにおいて81%および72.41%のさらなる改善が認められた。
【0187】
図9Eは、当該集団の38.71%が当該サプリメントを4週間および8週間使用した後に皮膚の発赤の減少に気づいたことを示し、これは12週間のサプリメントの使用後に41.94%まで増加した。健康な皮膚の見た目および感覚の改善が4週間の使用後に当該集団の35%によって観察され、これは8週間および12週間の使用後にそれぞれ56.45%および58.06%まで増加した。皮膚の全体的な外見は4週間の使用後に対象の35.48%において改善し、これは8週間および12週間後にそれぞれ66.13%および62.9%まで増加した。
【0188】
ファイスラインおよびシワは最もじっくりと見られる老化の徴候である。溝およびシワは低い抗酸化レベルを有する個人の皮膚において次第に深くなることが報告されている。現在の研究では、12週間の製品の使用後に小ジワおよびシワに有意な減少が認められた。この研究における大部分の対象が深いシワについて非常に低いスコアを示し、それにも関わらず対象集団の61%が当該サプリメントによる治療後にシワの改善に気づいた。
【0189】
実施例4:経口サプリメントの有効性および消費者知覚を評価するための臨床試験
この臨床試験の第1の目的は、4週間、8週間および12週間の使用後に顔の皮膚の特性を変化させるための経口サプリメントの有効性を評価することにある。第2の目的は、質問表の使用により試験製品の消費者知覚を得ることにある。
【0190】
4および12週間の使用後に顔の皮膚の特性を変化させるための経口サプリメントの有効性を評価し、かつ質問表の使用により試験製品の消費者知覚を得るために、およそ66人の対象がこの臨床試験に参加した。研究評価は、包括的代謝パネル、キュートメーター(Cutometer)測定、CanfieldのVISIA-CR画像、VapoMeter測定および消費者知覚質問表を含む。
【0191】
VapoMeter
VapoMeterは、TEWL(経表皮水分蒸散量)値および蒸発率の測定のために利用可能な唯一の完全に携帯可能な機器である。TEWLは皮膚のバリア機能の周知の指標である。各指定された時点で無作為化された頬から2つのVapoMeter測定値を得る。
【0192】
キュートメーター
キュートメーターは非侵襲的方法で皮膚の機械的特性を評価することができる。この機器は、小さいプローブ開口部を介した真空吸引(500mmHg)によって引っ張った際の皮膚の表面の垂直変形を測定する。
【0193】
以下のパラメータ:10秒間で測定される最終伸長Uf(R0)、0.1秒間で測定される即時伸長Ue、遅延伸長Uv、即時収縮Urを測定することができる。変形パラメータは皮膚の厚さに依存する外部パラメータである。皮膚の厚さの測定を回避するために、以下の比を使用して皮膚の弾力性を評価する。
・R0:このパラメータは力に対する皮膚の受動的挙動を表す。このパラメータの減少はハリの改善を示す。
・R1:皮膚がその元の状態に戻る能力。このパラメータの減少は改善を示す。
・R2:総弾力性。この値が1(100%)に近くなるほど、より弾力性である。この曲線は非常に重要なパラメータである。R2は、皮膚の弾力性およびその元の位置に戻るその能力である。このパラメータの増加は弾力性の改善を示す。
・R3:第1の曲線の最大振幅と比較した最終曲線。その振幅が各新しい吸引と共に増加する際に皮膚の疲労効果が目に見える。R3は皮膚の疲労と相関している。キュートメーターによる繰り返しの吸引および解放は皮膚の疲労を引き起こし、弾力性の低下および変形位置の維持の増加が生じた。このパラメータの減少は改善を示す。
・R4:第1の曲線と比較した最終最小振幅。再変形能力が各新しい吸引により低下する際に、皮膚の疲労効果が目に見える。R4は皮膚の疲労と相関している。キュートメーターにより繰り返しの吸引および解放は皮膚の疲労を引き起こし、弾力性の低下および変形位置の維持の増加が生じた。このパラメータの減少は改善を示す。
・Ur/Ue(R5)は皮膚の生物学的弾力性である。それは変形後にその初期の構成を取り戻すための皮膚の能力を測定する。1の値は100%の弾力性を示す。この比の増加は弾力性の改善を示す。
【0194】
Uv/Ue(R6)は遅延変形と即時変形との比であり、すなわち粘弾力性と弾力性との比である。この比の値の増加は、変形の粘弾力性部分の増加および/または弾力性部分の相対的低下が存在したことを示している。これらの比の減少は弾力性の改善を示す。
【0195】
Ur/Uf(R7)は皮膚の正味弾力性の尺度である。この比の増加は弾力性の改善を示す。
【0196】
キュートメーター測定値は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR0について得る。
【0197】
測定値は、プローブを皮膚の表面に対してしっかりと保持することにより得る。真空ポンプで皮膚を小さい開口部の中に吸引し、プローブで皮膚が伸長した高さを測定する。
【0198】
20秒間のサイクルを3回実行することにより、測定値は自動的に3回生成される。各サイクルは、皮膚がプローブの中に吸引される吸引段階、および吸引が停止し、かつ皮膚が解放される弛緩段階からなる。データはコンピュータの中に電子的にインポートされ、ここでは比の値が計算される。読み取り値が表示され、次いでスコアシートに手動で転記する。
【0199】
1つのキュートメーター測定値は、各指定された時点で無作為化された頬から得る。
【0200】
CANFIELDのVISIA-CR
CanfieldのVISIA-CRの洗練された技術は高品質かつ再現可能な顔の画像を生成し、これはシワおよび小ジワ、皮膚のきめ、呈色/均一性、光損傷、血管の特徴およびポルフィリン(アクネ菌)などの皮膚の特徴の主観的な臨床評価により治療有効性を実証することができる。
【0201】
VISIA-CRイメージングは眼を閉じた状態で取得する。対象は毛髪が前に落ちてこないようにするためのヘアバンドおよび衣類を覆うためのケープを着用する。対象は技術者の指示で宝石を取り外すようにお願いされる場合がある。
【0202】
以下のパラメータ:小ジワおよびシワ(目尻、額、頬)、毛穴、シミ、色素沈着/均質性、きめ/粗さおよびポルフィリンの評価を取得する。
【0203】
この研究は3つの時点で66人の対象に対して行う。分析は全ての対象のVISIA画像に対して行う。
【0204】
当該研究の詳細は以下のとおりである。
・66人の対象:活性群に33人およびプラセボ群に33人
・2種類の製品(活性対プラセボ)
・3つの時点:ベースライン、4週目および12週目
・左、正面および右画像の取得
・交差、平行、UVおよび標準偏光(全てのVisia CRモダリティ)
【0205】
測定および照明システムは、当該研究全体を通して同じでなければならない。その上、対象は時点間で非常に良好に再配置されなければならない。
【0206】
目尻の分析
目尻に対する製品の有効性を評価するために、当該分析は左および右画像に対して行う。
【0207】
各目尻の領域(左および右)における関心領域の定義。
【0208】
経時的に正確に同じ領域を追跡するための各対象の画像間の空間レジストレーション。
【0209】
数枚の画像上での目尻のシワのための抽出パラメータの研究および最適化。
【0210】
全ての画像上での最適化されたパラメータによる目尻のシワの抽出。
【0211】
目尻のシワのパラメータの抽出:目に見える表面、目に見える深さ、目に見える体積および目に見える長さ。
【0212】
額のシワの分析
額のシワに対する当該製品の有効性を評価するために、当該分析は顔の画像に対して行う。
【0213】
額の領域上での関心領域の定義
【0214】
経時的に正確に同じ領域を辿るための各対象の画像間の領域の空間レジストレーション
【0215】
数枚の画像上での額のシワのための抽出パラメータの研究および最適化
【0216】
全ての画像上での最適化されたパラメータによる額のシワの抽出
【0217】
額のシワのパラメータの抽出:目に見える表面、目に見える深さ、目に見える体積および目に見える長さ。
【0218】
頬の小ジワの分析
頬に対する当該製品の有効性を評価するために、当該分析は左および右画像に対して行う。
【0219】
各頬(左および右)上での関心領域の定義。
【0220】
経時的に正確に同じ領域を辿るための各対象の画像間の領域の空間レジストレーション。
【0221】
数枚の画像上での頬の小ジワのための抽出パラメータの研究および最適化。
【0222】
全ての画像上での最適化されたパラメータによる頬の小ジワの抽出。
【0223】
頬の小ジワのパラメータの抽出:目に見える表面、目に見える深さ、目に見える体積および目に見える長さ。
【0224】
色および均質性の分析
皮膚の色および斑点に対する当該製品の有効性を評価するために、当該分析は正面、左および右画像に対して行う。
【0225】
ベースラインにおける各写真上での頬上の1つの領域(右および左の横顔)および額上の1つの領域(正面)の選択。
【0226】
経時的に正確に同じ領域を辿るための各対象の画像間の領域の空間レジストレーション。
【0227】
比色定量パラメータのデータ抽出:L*、a*、b*、ITA°およびIWA°Newtone(ホワイトニング指数)。
【0228】
皮膚のきめの分析
皮膚の粗さに対する当該製品の有効性を評価するために、当該分析は正面、左および右画像に対して行う。
【0229】
ベースラインにおける各写真上での頬上の1つの領域(右および左の横顔)および額上の1つの領域(正面)の選択。
【0230】
経時的に正確に同じ領域を辿るための各対象の画像間の領域の空間レジストレーション。
【0231】
Haralick抽出パラメータ:皮膚の滑らかさおよびきめの規則性に関するコントラストおよびエントロピー。
【0232】
2D粗さパラメータ:Spa、SpqおよびSdevの計算。
【0233】
毛穴分析
毛穴を評価するために、当該分析は正面の画像に対して行う。
【0234】
顔の左側および右側での鼻の近くの関心領域の定義。
【0235】
経時的に正確に同じ領域を辿るための各対象の画像間の領域の空間レジストレーション。
【0236】
数枚の画像上での毛穴のための抽出パラメータの研究および最適化。
【0237】
全ての画像上での最適化されたパラメータによる毛穴の抽出。
【0238】
抽出物された領域の特性:数、目に見える表面、目に見える深さおよび目に見える体積の分析。
【0239】
ポルフィリンの分析
ポルフィリンを評価するために、当該分析は顔の画像上の頬の上側(鼻の近く)に対して行う。
【0240】
鼻および鼻の近くの1つの関心領域の定義。
【0241】
経時的に同じ領域を分析するための領域の空間レジストレーション。
【0242】
ポルフィリン検出およびセグメンテーションのためのパラメータ調整。
【0243】
全ての画像上での最適化されたパラメータによるポルフィリンの抽出。
【0244】
全てのセグメント化された画像の品質制御。
【0245】
ポルフィリンの分析:要素の数、量および蛍光表面。
【0246】
シミの分析
シミに対する当該製品の有効性を評価するために、当該分析は左および右画像に対して行う。
【0247】
T0における2つの頬上での各対象における全体的な色素斑の選択。
【0248】
全ての時点における顔料スポットの検出および自動セグメンテーション。
【0249】
顔料スポットの表面の抽出。
【0250】
顔料スポットの色(L*、a*、b*、ITA°、IWA°Newtone)の抽出、周囲の皮膚および顔料スポットと周囲の皮膚とのコントラスト。
【0251】
消費者知覚質問表
試験材料属性の評価および試験材料の効果は、使用後の消費者知覚および試験材料の有効性に関して治療した対象に質問することにより決定することができる。EvaSysまたは同様のものを用いた質問表の管理により、対象返答率を決定して臨床試験集団の統一見解を調べるための効率的かつ正確な方法が可能になる。
【0252】
包括的代謝パネル
包括的代謝パネルに供するために各対象から血液を採取する。以下のパラメータ:グルコース、カルシウム、タンパク質(アルブミンおよび総タンパク質)、電解質(ナトリウム、カリウム、二酸化炭素および塩化物)、腎臓試験(血液尿素窒素およびクレアチニン)、ならびに肝臓試験[アルカリホスファターゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ(SGPTともいう)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(SGOTともいう)およびビリルビン]を包括的新陳代謝にパネルを含めた。
【0253】
CRL SOP AC1.3に従って瀉血処置を行う。包括的代謝パネルは、当該研究の期間にわたって試験材料の安全性を確認するために肝臓および腎機能に関する結果を提供する。許容範囲外の値を有する対象は不参加にするか中断させる。
【0254】
採血は免許のある技術者によってベースラインおよび4週目において行う。試料は新陳代謝パネルのために実験室に送られる。
【0255】
D-squameテープストリッピング法
角質層の脱落または薄片での蓄積を落屑と呼ぶ。正常な状態では、表皮は皮膚の部位に応じて25~30日間ごとに完全に入れ替わる。角質細胞は積み重なり、角質化のプロセスの最後に角質層になる。不全角化(乾癬)のような基礎疾患または脂質および保湿性の喪失(乾皮症)によって生じる異常な脱落は落屑性皮疹に至る。D-Squameは22mmの直径のクリスタルクリア接着剤がコーティングされたディスク型の試料採取装置である。それは表面の角質細胞を安全に除去する医療グレードの接着剤の均質な層を有し、皮膚細胞を接着するのに最適な視界を提供する。
【0256】
テープストリッピング法
一連のテープストリップを同じ部位から連続的に得て、角質層のいくつかの層を除去する。テープストリッピングは、D-Squame標準試料採取ディスク(円形の22mmの接着ディスク)を用いて行う。
【0257】
研究手順:テープストリッピング法は、無作為化された右もしくは左頬で行う。D-Squame標準試料採取ディスクを無作為化された頬に当て、次いで連続して3回除去し、上記方法を使用するたびに新しいテープを用いて、TEWL読み取りは3回のテープストリップ後に毎回行う。これは、20g/m2/hrのTEWL読み取り値に達するまで繰り返す。
【0258】
ベースライン
対象は化粧をしていない清潔な顔の状態で試験施設に赴く。写真公開フォームは対象によって記入される。インフォームドコンセントを得る。選択/除外基準を確認する。対象はおよそ15分(±5分)間で周囲の実験室条件に順応する。
【0259】
以下の研究評価を行う:包括的代謝パネル、キュートメーター測定、CanfieldのVISIA-CR画像およびVapoMeter測定。
【0260】
ECRL技術者は、20g/m2/hrのTEWL読み取りに達するまでD-squameを用いて無作為化された頬の左もしくは右側のテープストリップを行う。対象はテープストリッピングからおよそ3時間後に実験室に戻るように指示される。対象は洗顔を控えるまたは自身の顔にどんな製品も塗布しないように指示される。
【0261】
テープストリッピング法から3時間(±30分)後
対象はおよそ15分(±5分)間で周囲の実験室条件に順応する。ECRL技術者はVapoMeter測定値を得る。
【0262】
4週目
対象は化粧をしていない清潔な顔の状態で試験施設に戻る。対象はおよそ15分(±5分)間で周囲の実験室条件に順応する。以下の研究評価を行う:包括的代謝パネル、キュートメーター測定、CanfieldのVISIA-CR画像、VapoMeter測定および消費者知覚質問表。
【0263】
ECRL技術者は、20g/m2/hrのTEWL読み取りに達するまでD-squameを用いて無作為化された頬の左もしくは右側のテープストリップを行う。対象はテープストリッピングからおよそ3時間後に実験室に戻るように指示される。対象は洗顔を控えるまたは自身の顔にどんな製品も塗布しないように指示される。
【0264】
テープストリッピング法から3時間(±30分)後
対象はおよそ15分(±5分)間で周囲の実験室条件に順応する。ECRL技術者はVapoMeter測定値を得る。
【0265】
8週目
対象は試験施設に戻る。
【0266】
以下の研究評価を行う:消費者知覚質問表。
【0267】
12週目(最終来院)
対象は化粧をしていない清潔な顔の状態で試験施設に戻る。対象はおよそ15分(±5分)間で周囲実験室条件に順応する。毎日の日記を研究コンプライアンスのために見直して回収する。
【0268】
以下の研究評価:キュートメーター測定、CanfieldのVISIA-CR画像、VapoMeter測定および消費者知覚質問表を行う。
【0269】
ECRL技術者は、20g/m2/hrのTEWL読み取りに達するまでD-squameを用いて無作為化された頬の左もしくは右側のテープストリップを行う。対象はテープストリッピングからおよそ3時間後に実験室に戻るように指示される。対象は洗顔を控えるまたは自身の顔にどんな製品も塗布しないように指示される。
【0270】
テープストリッピング法から3時間(±30分)後
対象はおよそ15分(±5分)間で周囲の実験室条件に順応する。ECRL技術者はVapoMeter測定値を得る。
【0271】
本発明について詳しく説明してきたが、当業者であれば、多くの変形および修飾を行うことができることを理解するであろう。従って、本発明は特に記載されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲および概念は以下の特許請求の範囲を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
【国際調査報告】