(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ERK1/2阻害剤とKRAS G12C阻害剤の併用療法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/506 20060101AFI20240709BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240709BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/517 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/4704 20060101ALI20240709BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20240709BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20240709BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61K31/506
A61K45/00
A61K31/519
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K31/517
A61K31/4704
A61P43/00 111
A61P17/00
A61P11/00
A61P1/18
A61P1/00
A61P5/14
A61K39/395 T
A61K39/395 P
A61K31/497
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578049
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022034684
(87)【国際公開番号】W WO2022271923
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523222611
【氏名又は名称】エラスカ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シューメーカー,ロバート フィールド
(72)【発明者】
【氏名】リュー,エリン デニス
(72)【発明者】
【氏名】リン,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン,ジンチュワン
(72)【発明者】
【氏名】オー,ジョアンヌ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084AA22
4C084MA02
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA59
4C084ZA66
4C084ZA89
4C084ZB26
4C084ZC02
4C084ZC06
4C084ZC20
4C084ZC75
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC22
4C085CC23
4C085EE03
4C085GG08
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC28
4C086BC42
4C086BC50
4C086CB09
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA89
4C086ZB26
4C086ZC02
4C086ZC06
4C086ZC20
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、一般に、がん、特に固形腫瘍を処置するためのKRAS G12C阻害剤と併用したERK1/2阻害剤の使用に関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
(i)化合物1:
【化1】
、またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)KRAS G12C阻害剤
の治療有効量を前記必要とする対象に投与すること
を含む方法。
【請求項2】
前記KRAS G12C阻害剤が、アダグラシブ、ARS-3248、BBP-454、BI 1701963、GDC-6036、ソトラシブ、またはチピファルニブである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記KRAS G12C阻害剤が、ソトラシブである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ソトラシブが、約960mg/日の量で投与される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記KRAS G12C阻害剤が、アダグラシブである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
アダグラシブが、約1200mg/日の量で投与される、請求項2または5に記載の方法。
【請求項7】
必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
(i)化合物1:
【化2】
、またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)ソトラシブ
の治療有効量を前記必要とする対象に投与すること
を含む方法。
【請求項8】
必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
(i)化合物1:
【化3】
、またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)アダグラシブ
の治療有効量を前記必要とする対象に投与すること
を含む方法。
【請求項9】
前記化合物1の薬学的に許容可能な塩が、マンデル酸塩である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記がんが、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路駆動型がんである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記がんが、BRAF駆動型がん、HRAS駆動型がん、またはNRAS駆動型がんである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記がんが、脱調節された(deregulated)ERKにより駆動された少なくとも1つのがん細胞を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記がんが、RAS中に少なくとも1つの変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記がんが、RAF中に少なくとも1つの変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記がんが、MEK中に少なくとも1つの変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記がんが、G12C KRAS変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記がんが、G12D KRAS変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記がんが、G12S KRAS変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記がんが、G12V KRAS変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記がんが、G13D KRAS変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記がんが、Q16H KRAS変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記がんが、Q16K KRAS変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記がんが、Q61R NRAS変異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記がんが、BRAF V600EまたはV600K変異体腫瘍である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記がんが、MAPKm/MAPKiに対してナイーブな汎がんである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記がんが、EGFR遺伝子コピー数の増加、EGFR遺伝子増幅、7番染色体の多染色体性、L858R、エクソン19の欠失/挿入、L861Q、G719C、G719S、G719A、V765A、T783A、エクソン20の挿入、EGFRスプライスバリアント(Viii、Vvi、およびVii)、A289D、A289T、A289V、G598A、G598V、T790M、ならびにC797Sからなる群より選択される1つ以上のEGFR変異を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記がんが、L858R、エクソン19の欠失、およびT790Mからなる群より選択される1つ以上のEGFR変異を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記がんが、固形腫瘍である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)、黒色腫、膵臓がん、唾液腺腫瘍、甲状腺がん、結腸直腸がん(CRC)、または食道がんである、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記NSCLCが、EGFR変異体NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記NSCLCが、KRAS G12C変異体NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記NSCLCが、KRAS G12D変異体NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記NSCLCが、KRAS G12S変異体NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記NSCLCが、KRAS G12V変異体NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記NSCLCが、KRAS G13D変異体NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記NSCLCが、KRAS Q61H変異体NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記NSCLCが、KRAS Q61K変異体NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
前記NSCLCが、NRAS Q61R変異体NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
前記がんが、MAPKm/MAPKiに対してナイーブなNSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項41】
前記がんが、BRAFi処理されたV600 NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
前記がんが、KRAS処理されたG12C NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項43】
前記がんが、KRAS処理されたG12D NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
前記がんが、KRAS処理されたG12S NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項45】
前記がんが、KRAS処理されたG12V NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項46】
前記がんが、KRAS処理されたG13D NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項47】
前記がんが、KRAS処理されたQ61H NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項48】
前記がんが、KRAS処理されたQ61K NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項49】
前記がんが、NRAS処理されたQ61R NSCLCである、請求項30に記載の方法。
【請求項50】
前記がんが、膵臓がんである、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記がんが、MAPKm/MAPKiに対してナイーブな膵臓がんである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記がんが、黒色腫である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記黒色腫が、BRAF V600EまたはV600K変異体腫瘍である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記がんが、BRAFi処理されたV600黒色腫である、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記がんが、唾液腺腫瘍である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記がんが、甲状腺がんである、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記がんが、結腸直腸がん(CRC)である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記CRCが、BRAF V600E CRCである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記CRCが、KRAS変異体CRCである、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記CRCが、KRAS G12C変異体CRCである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記CRCが、KRAS G12D変異体CRCである、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記CRCが、KRAS G12S変異体CRCである、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記CRCが、KRAS G12V変異体CRCである、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記CRCが、KRAS G13D変異体CRCである、請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記CRCが、KRAS Q61H変異体CRCである、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
前記CRCが、KRAS Q61K変異体CRCである、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
前記CRCが、NRAS変異体CRCである、請求項57に記載の方法。
【請求項68】
前記CRCが、NRAS Q61R変異体CRCである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記がんが、食道がんである、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約25mg/日~約300mg/日の間の量で投与される、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、25mg/日~150mg/日の間の量で投与される、請求項1~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、または約250mg/日の量で投与される、請求項1~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約25mg/日、約50mg/日、約100mg/日、または約150mg/日の量で投与される、請求項1~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約250mg/日の量で投与される、請求項1~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、1日1回(QD)投与される、請求項1~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、1日2回(BID)投与される、請求項1~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、1日3回(TID)投与される、請求項1~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、週1回投与される、請求項1~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、週2回投与される、請求項1~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約25mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約25mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約25mg~約150mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約25mg、50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、または約250mgの量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約25mg、50mg、約100mg、約125mg、または約150mgの量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、約125mgの量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、少なくとも1回の28日サイクルで投与される、請求項1~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、28日サイクルのうち1日目、8日目、15日目、および22日目に投与される、請求項1~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、28日サイクルのうち1日目、8日目、15日目に投与される、請求項1~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、経口で投与される、請求項1~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記方法が、追加のMAPK経路阻害剤を投与することをさらに含む、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、KRAS阻害剤、NRAS阻害剤、HRAS阻害剤、PDGFRA阻害剤、PDGFRB阻害剤、MET阻害剤、FGFR阻害剤、ALK阻害剤、ROS1阻害剤、TRKA阻害剤、TRKB阻害剤、TRKC阻害剤、EGFR阻害剤、IGFR1R阻害剤、GRB2阻害剤、SOS阻害剤、ARAF阻害剤、BRAF阻害剤、RAF1阻害剤、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤、c-Mycv、CDK4/6、阻害剤CDK2阻害剤、FLT3阻害剤、またはERK1/2阻害剤である、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、KRAS阻害剤である、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、BRAF阻害剤である、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、EGFR阻害剤である、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、CDK4/6である、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、FLT3阻害剤である、請求項90に記載の方法。
【請求項97】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、アダグラシブ、アファチニブ、ASTX029、ビニメチニブ、セツキシマブ、コビメチニブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、エンコラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ、ラパチニブ、LTT462、LY3214996、ネシツムマブ、ネラチニブ、ニモツズマブ、オシメルチニブ、パルボシクリブ、パニツムマブ、セルメチニブ、ソトラシブ、トラメチニブ、ウリクセルチニブ、およびバンデタニブである、請求項90に記載の方法。
【請求項98】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、セツキシマブである、請求項90に記載の方法。
【請求項99】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、ダブラフェニブである、請求項90に記載の方法。
【請求項100】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、エンコラフェニブである、請求項90に記載の方法。
【請求項101】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、ギルテリチニブである、請求項90に記載の方法。
【請求項102】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、パルボシクリブである、請求項90に記載の方法。
【請求項103】
前記追加のMAPK経路阻害剤が、パニツムマブである、請求項90に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2021年6月24日提出の米国仮出願第63/214,767号、2021年11月9日提出の米国仮出願第63/277,548号、2021年11月24日提出の米国仮出願第63/283,034号、および2022年3月18日提出の米国仮出願第63/321,609号の利益を主張するものであり、上記出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ERK1およびERK2(まとめて「ERK1/2」)は、数ある中で、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路と呼ばれることもあるRas-Raf-MEK-ERKシグナル伝達経路に関与する互いに関連したプロテイン-セリン/スレオニンキナーゼである。この経路は、細胞増殖、生存、接着、周期進行、遊走、分化、代謝、および転写のうちの1つ以上を含む数多くの基本的な細胞プロセスの制御において中心的な役割を果たすと考えられている。MAPK経路の活性化は、肺がん、結腸がん、膵臓がん、腎臓がん、および卵巣がんを含む莫大な数の腫瘍タイプにおいて報告されている。よって、活性化を低減させ得る物質が、実行可能な処置のために関心の的となる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
ERK1/2は、スレオニンとチロシン残基、すなわちTyr204/187とThr202/185の両方のリン酸化を介してMEKにより活性化されるようである。一旦活性化されると、ERK1/2は、100を超える基質のセリン/スレオニン残基のリン酸化を触媒し、すべてがんの表現型の特徴である、細胞の成長、増殖、生存、血管新生、および分化に関連したサイトゾルタンパク質と核タンパク質の両方を活性化する。したがって、腫瘍の成長を阻害する手段としてERK1/2阻害剤を開発し、かつ用いるためにERK1およびERK2を標的とすることは、有益であり得る。
【0004】
さらに、ERK阻害剤は、他のキナーゼ、例えばMAPKの阻害剤と併用すると有用性がある可能性がある。最近、研究者らにより、小分子阻害剤によるMEKとERKとの二重阻害は、相乗的であり、かつMEK阻害剤に対する後天的な耐性に打ち勝つよう作用したとの報告がなされた。Hatzivassiliouら、ERK阻害がMEK阻害に対する後天的な耐性に打ち勝つ(ERK Inhibition Overcomes Acquired Resistance to MEK Inhibition)、Mol. Cancer Ther.2012年、11、1143~1154頁参照のこと。
【0005】
ERK1/2に加えて、RAS-MAPKシグナル伝達経路は、タンパク質のRasファミリーを含む。当該ファミリーは、シグナル伝達経路において役割を果たす3つの関連したGTPアーゼ(K-、N-およびHRAS)を含む。とりわけ、KRASは、発がん状態を示す莫大な数の変異を有するとして知られている。12番目のアミノ酸残基(すなわち、G12X)において起こる変異などのKRAS変異体は、がんを発生させるとして一般に知られている。例えば、G12C変異は、NSCLC患者の約13%、ならびに結腸直腸がんおよび固形腫瘍の1%~3%において生じる。
【0006】
本明細書中に開示される本実施形態は、一般に、予想を超える程度の相乗効果をもたらしつつ、KRAS-G12C阻害剤とともにERK1/2阻害剤を利用してがんを処置するための併用療法に関連した組成物および方法に関する。
【0007】
本明細書において、必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
(i)化合物1:
【0008】
【化1】
、またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)KRAS G12C阻害剤の治療有効量を上記必要とする対象に投与することを含む方法を開示する。
【0009】
いくつかの実施形態において、上記KRAS G12C阻害剤は、アダグラシブ、ARS-3248、BBP-454、BI 1701963、GDC-6036、ソトラシブ、またはチピファルニブである。
【0010】
いくつかの実施形態において、上記KRAS G12C阻害剤は、ソトラシブである。
【0011】
いくつかの実施形態において、ソトラシブは、約960mg/日の量で投与される。
【0012】
いくつかの実施形態において、上記KRAS G12C阻害剤は、アダグラシブである。
【0013】
いくつかの実施形態において、アダグラシブは、約1200mg/日の量で投与される。
【0014】
また、本明細書において、必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
(i)化合物1:
【0015】
【化2】
、またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)ソトラシブの治療有効量を上記必要とする対象に投与することを含む方法を開示する。
【0016】
また、本明細書において、必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
(i)化合物1:
【0017】
【化3】
、またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)アダグラシブの治療有効量を上記必要とする対象に投与することを含む方法を開示する。
【0018】
いくつかの実施形態において、上記化合物1の薬学的に許容可能な塩は、マンデル酸塩である。
【0019】
いくつかの実施形態において、上記がんは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路駆動型がんである。
【0020】
いくつかの実施形態において、上記がんは、BRAF駆動型がん、HRAS駆動型がん、またはNRAS駆動型がんである。
【0021】
いくつかの実施形態において、上記がんは、脱調節された(deregulated)ERKにより駆動された少なくとも1つのがん細胞を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、上記がんは、RAS中に少なくとも1つの変異を有する。いくつかの実施形態において、上記がんは、RAF中に少なくとも1つの変異を有する。いくつかの実施形態において、上記がんは、MEK中に少なくとも1つの変異を有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、上記がんは、G12C KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、上記がんは、G12D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、上記がんは、G12S KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、上記がんは、G12V KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、上記がんは、G13D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、上記がんは、Q16H KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、上記がんは、Q16K KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、上記がんは、Q61R NRAS変異を有する。
【0024】
いくつかの実施形態において、上記がんは、BRAF V600EまたはV600K変異体腫瘍である。
【0025】
いくつかの実施形態において、上記がんは、MAPKm/MAPKiに対してナイーブな汎がんである。
【0026】
いくつかの実施形態において、上記がんは、EGFR遺伝子コピー数の増加、EGFR遺伝子増幅、7番染色体の多染色体性、L858R、エクソン19の欠失/挿入、L861Q、G719C、G719S、G719A、V765A、T783A、エクソン20の挿入、EGFRスプライスバリアント(Viii、Vvi、およびVii)、A289D、A289T、A289V、G598A、G598V、T790M、ならびにC797Sからなる群より選択される1つ以上のEGFR変異を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、上記がんは、L858R、エクソン19の欠失、およびT790Mからなる群より選択される1つ以上のEGFR変異を含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、上記がんは、固形腫瘍である。
【0029】
いくつかの実施形態において、上記がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、黒色腫、膵臓がん、唾液腺腫瘍、甲状腺がん、結腸直腸がん(CRC)、または食道がんである。
【0030】
いくつかの実施形態において、上記がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)である。いくつかの実施形態において、上記NSCLCは、EGFR変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記NSCLCは、KRAS G12C変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記NSCLCは、KRAS G12D変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記NSCLCは、KRAS G12S変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記NSCLCは、KRAS G12V変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記NSCLCは、KRAS G13D変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記NSCLCは、KRAS Q61H変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記NSCLCは、KRAS Q61K変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記NSCLCは、NRAS Q61R変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、MAPKm/MAPKiに対してナイーブなNSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、BRAFi処理されたV600 NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、KRAS処理されたG12C NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、KRAS処理されたG12D NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、KRAS処理されたG12S NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、KRAS処理されたG12V NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、KRAS処理されたG13D NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、KRAS処理されたQ61H NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、KRAS処理されたQ61K NSCLCである。いくつかの実施形態において、上記がんは、KRAS処理されたQ61R NSCLCである。
【0031】
いくつかの実施形態において、上記がんは、膵臓がんである。
【0032】
いくつかの実施形態において、上記がんは、MAPKm/MAPKiに対してナイーブな膵臓がんである。
【0033】
いくつかの実施形態において、上記がんは、黒色腫である。
【0034】
いくつかの実施形態において、上記黒色腫は、BRAF V600EまたはV600K変異体腫瘍である。
【0035】
いくつかの実施形態において、上記がんは、BRAFi処理されたV600黒色腫である。
【0036】
いくつかの実施形態において、上記がんは、唾液腺腫瘍である。
【0037】
いくつかの実施形態において、上記がんは、甲状腺がんである。
【0038】
いくつかの実施形態において、上記がんは、結腸直腸がん(CRC)である。いくつかの実施形態において、上記CRCは、BRAF V600E CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、KRAS変異体CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、KRAS G12C変異体CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、KRAS G12D変異体CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、KRAS G12S変異体CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、KRAS G12V変異体CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、KRAS G13D変異体CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、KRAS Q61H変異体CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、KRAS Q61K変異体CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、NRAS変異体CRCである。いくつかの実施形態において、上記CRCは、NRAS Q61R変異体CRCである。
【0039】
いくつかの実施形態において、上記がんは、食道がんである。
【0040】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日~約300mg/日の間の量で投与される。
【0041】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、25mg/日~150mg/日の間の量で投与される。
【0042】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、または約250mg/日の量で投与される。
【0043】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約100mg/日、または約150mg/日の量で投与される。
【0044】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約250mg/日の量で投与される。
【0045】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日1回(QD)投与される。いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日2回(BID)投与される。いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日3回(TID)投与される。
【0046】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、週1回投与される。いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、週2回投与される。
【0047】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0048】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0049】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約150mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0050】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、または約250mgの量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0051】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約100mg、約125mg、または約150mgの量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0052】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約125mgの量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0053】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、少なくとも1回の28日サイクルで投与される。
【0054】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち1日目、8日目、15日目、および22日目に投与される。
【0055】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち1日目、8日目、15日目に投与される。
【0056】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、経口で投与される。
【0057】
いくつかの実施形態において、上記方法は、追加のMAPK経路阻害剤を投与することをさらに含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、KRAS阻害剤、NRAS阻害剤、HRAS阻害剤、PDGFRA阻害剤、PDGFRB阻害剤、MET阻害剤、FGFR阻害剤、ALK阻害剤、ROS1阻害剤、TRKA阻害剤、TRKB阻害剤、TRKC阻害剤、EGFR阻害剤、IGFR1R阻害剤、GRB2阻害剤、SOS阻害剤、ARAF阻害剤、BRAF阻害剤、RAF1阻害剤、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤、c-Mycv、CDK4/6、阻害剤CDK2阻害剤、FLT3阻害剤、またはERK1/2阻害剤である。
【0059】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、KRAS阻害剤である。
【0060】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、BRAF阻害剤である。
【0061】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、EGFR阻害剤である。
【0062】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、CDK4/6阻害剤である。
【0063】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、FLT3阻害剤である。
【0064】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、アダグラシブ、アファチニブ、ASTX029、ビニメチニブ、セツキシマブ、コビメチニブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、エンコラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ、ラパチニブ、LTT462、LY3214996、ネシツムマブ、ネラチニブ、ニモツズマブ、オシメルチニブ、パルボシクリブ、パニツムマブ、セルメチニブ、ソトラシブ、トラメチニブ、ウリクセルチニブ、およびバンデタニブである。
【0065】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、セツキシマブである。
【0066】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、ダブラフェニブである。
【0067】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、エンコラフェニブである。
【0068】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、ギルテリチニブである。
【0069】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、パルボシクリブである。
【0070】
いくつかの実施形態において、上記追加のMAPK経路阻害剤は、パニツムマブである。
【0071】
参照による組み込み
本明細書において記載される公報、特許および特許出願はすべて、個々の公報、特許または特許出願のそれぞれが、参照により組み込まれると具体的かつ個別に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
本開示の新規な特徴を添付の請求項において特定して記載する。例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明を参照することにより、本開示の特徴および利点がよりよく理解されるであろう。当該実施形態では、本開示の原理が利用されており、付随する図面は以下の通りである。
【
図1A】NCI-H2122-GFP細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図1B】HCC1171-GFP細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図1C】LU65細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図1D】NCI-H23-GFP細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図1E】HCC44-GFP細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図1F】MIA PaCa-2-GFP細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図1G】NCI-H2030細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図1H】LU99細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図1I】LIM2099細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図1J】SW837細胞における化合物1およびソトラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2A】NCI-H2122-GFP細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2B】HCC1171-GFP細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2C】LU65細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2D】NCI-H23-GFP細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2E】HCC44-GFP細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2F】MIA PaCa-2-GFP細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2G】NCI-H2030細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2H】LU99細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2I】LIM2099細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図2J】SW837細胞における化合物1およびアダグラシブについての細胞生存アッセイデータを示す図である。
【
図3】化合物1およびソトラシブにより、例示的な腫瘍成長曲線に基づくKRASG12C変異体CRC PDXモデルCO-04-0307においてin vivoでの併用の利益が証明されていることを示す図である(PDX=患者由来の異種移植片)。
【
図4】化合物1およびソトラシブにより、例示的な腫瘍成長曲線に基づくKRAS
G12C変異体CRC PDXモデルCO-04-0310においてin vivoでの併用の利益が証明されていることを示す図である。
【
図5】化合物1およびソトラシブにより、例示的な腫瘍成長曲線に基づくKRASG12C変異体NSCLC PDXモデルLU-01-0046においてin vivoでの併用の利益が証明されていることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本明細書中および添付の請求項中で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに別の意味に解されるのでない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「an agent(薬剤)」への参照は、複数のそのような薬剤を含み、「the cell(前記細胞)」への参照は、当業者に知られている1つ以上の細胞(または、複数の細胞)およびその均等物への参照を含む、などである。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性について、本明細書中で範囲が用いられるとき、範囲のすべての組合わせおよび部分的組合せ、ならびにその中の特定の実施形態が含まれると意図される。数または数値範囲を参照するときの「約(about)」という用語は、その参照されている数または数値範囲が、実験上のばらつきの範囲内(または統計的実験上の誤差の範囲内)の近似であることを意味し、したがって、その数または数値範囲は、いくつかの例において、記載された数または数値範囲の1%~15%の間で変化するだろう。「含む(comprising)」という用語(および、「comprise」または「comprises」または「有する(having)」または「含む(including)」などの関連する用語)は、他の特定の実施形態において、例えば、本明細書中で説明される物の組成、組成物、方法、またはプロセスなどのいずれかの実施形態が、説明されている特徴「からなる(consist of)」または「から本質的になる(consist essentially of)」ということを除外する意図はない。
【0074】
明細書および添付の請求項中で使用される時、反対の意味に特定されていない限り、以下の用語は、下記に示されている意味を有する。
【0075】
本明細書中で使用されるとき、「治療薬(therapeutic)」という用語は、患者の望まない病態または疾患の処置、闘い、軽快、予防、または向上のために利用される薬剤を意味する。いくつかの実施形態において、化合物1などの治療薬剤は、がんの処置および/または軽快に向けられる。
【0076】
治療薬とともに用いられる際の「投与(Administering)」は、全身的に、または標的組織内もしくは上に直接といった局所的に治療薬を投与することや、治療薬が標的とされる組織に積極的に影響を及ぼすように患者に治療薬を投与することを意味する。したがって、本明細書中で使用されるように、「投与」という用語は、本明細書中で説明される組成物とともに用いられるとき、標的組織中または上に組成物を提供することや、治療薬が標的組織または細胞に到達するように、例えば経口投与により患者に全身的に組成物を提供することを含み得るが、これらに限定されない。組成物を「投与する」ことは、注射、局所投与、および経口投与により、またはその他の方法のみにより、またはその他公知の技法と併用して達成してもよい。
【0077】
本明細書中で使用されるとき、「動物」という用語は、ヒト、ならびに野生動物、飼育動物および家畜などの非ヒト脊椎動物を含むが、これらに限定されない。本明細書中で使用されるとき、「患者」、「対象」および「個体」という用語は、本明細書中で説明されるある病態が生じ得る生体を含むと意図されている。例として、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、およびそれらのトランスジェニック種が挙げられる。ある好適な実施形態において、患者は、霊長類である。特定の実施形態において、霊長類または対象は、ヒトである。特定の例において、ヒトは、成人である。特定の例において、ヒトは、小児である。さらなる例において、ヒトは、12歳未満である。特定の例において、ヒトは、高齢者である。その他の例において、ヒトは、60歳以上である。対象のその他の例として、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、およびウシなどの実験動物が挙げられる。実験動物は、障害用の動物モデル、例えば、高血圧症状を有するトランスジェニックマウスであり得る。
【0078】
「薬学的に許容可能な(pharmaceutically acceptable)」により、担体、希釈剤または賦形剤は、製剤の他の成分と相溶性がなければならず、かつその受容者に悪影響があってはならないことを意味する。
【0079】
「医薬組成物(pharmaceutical composition)」という用語は、少なくとも1つの活性成分を含み、これにより、哺乳類(例えば、限定はされないが、ヒト)における特定された有効なアウトカムのための調査を受けることができる組成物を意味するものとする。当業者は、活性成分が、熟練者の要求に基づく所望の有効なアウトカムを有するか否かの決定に適した技法を理解し、かつ認識するだろう。
【0080】
本明細書中で使用されるとき、「治療有効量(therapeutically effective amount)」または「有効量(effective amount)」は、研究者、獣医、医師、またはその他の臨床家により求められている組織、系、動物、個体、またはヒトにおける生物学的または薬理学的反応を引き出す活性化合物または医薬薬剤の量を指し、上記反応は、以下のうちの1つ以上を含む:(1)疾患の予防、例えば、ある疾患、病態、または障害にかかりやすい素因を持っているがその疾患の病理または総体症状をまだ経験しても示してもいない個体における疾患、病態、または障害の予防、(2)疾患の阻害、例えば、疾患、病態、または障害の病理または総体症状を経験したり示したりしている個体における疾患、病態、または障害の阻害(すなわち、病理および/または総体症状のさらなる発展の阻止)、ならびに(3)疾患の軽快、例えば、疾患、病態、または障害の病理または総体症状を経験したり示したりしている個体における疾患、病態、または障害の軽快(すなわち、病理および/または総体症状の反転)。
【0081】
本明細書中で使用されるとき、「処置する(treat)」、「処置された(treated)」、「処置(treatment)」または「処置している(treating)」という用語は、いくつかの実施形態における治療上の処置と他の実施形態における予防のまたは防止する手段との両方を指し、その目的は、望まない生理学的、病態、障害または疾患を防止するか、減速(減少)させること、または有益もしくは所望の臨床上の結果を得ることである。本明細書中で説明される目的に対して、有益もしくは所望の臨床上の結果は、症状の緩和、病態、障害、または疾患の程度の減少、病態、障害、または疾患の状態の安定(すなわち、非悪化)、病態、障害、または疾患の兆候の遅延や進行の減速、病態、障害、または疾患の状態の軽快、ならびに検出可能であれ不可能であれ、または病態、障害、または疾患の促進であれ向上であれ(部分であれ完全であれ)寛解を含むが、これらに限定されない。処置は、過剰なレベルの副作用なく臨床上有意な反応を引き出すことを含む。処置はまた、処置を受けていない場合に予想される生存と比較して、生存を延長することを含む。処置の予防的利益は、病態の防止、病態の進行の妨害、病態の安定化、または病態の発生確率の低減を含む。本明細書中で使用されるとき、「処置する」、「処置された」、「処置」または「処置している」は、いくつかの実施形態における予防を含む。
【0082】
本明細書中で使用されるとき、「と実質的に同じ(substantially the same as)」という用語は、当業者により考慮される際、本明細書中で描写されているものと非同一であるが、実験誤差の限界の範囲内である粉末X線回折パターンまたは示差走査熱量測定パターンを指す。
【0083】
化合物1
本明細書において、(S)-N-(2-アミノ-1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)エチル)-1-(5-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシアミド:
【0084】
【化4】
、またはその薬学的に許容可能な塩を開示する。
【0085】
いくつかの実施形態において、化合物1の塩は、マンデル酸塩である。いくつかの実施形態において、化合物1の塩は、ベンゼンスルホン酸塩である。いくつかの実施形態において、化合物1の塩は、塩酸塩である。いくつかの実施形態において、化合物1の塩は、p-トルエンスルホン酸塩である。
【0086】
いくつかの実施形態において、化合物1の塩は、ベンゼンスルホン酸塩である。
【0087】
KRAS G12C阻害剤
KRASは、細胞の増殖、分化、および生存に影響を及ぼすシグナリング経路の主要なレギュレーターである。KRASは、ヒトのがんにおいてもっとも高頻度で変異を生じる発がん遺伝子であり、KRASにおける変異は、継続的な細胞増殖およびがん発生をもたらし得る。G12C変異は、コドン12におけるグリシンからシステインへの置換を有する単一点での変異である。この置換は、KRASの活性状態を好み、発がんにつながるシグナリング経路を増幅する。
【0088】
いくつかの実施形態において、KRAS G12C阻害剤は、アダグラシブ、ARS-3248、BBP-454、BI 1701963、GDC-6036、ソトラシブ、またはチピファルニブである。
【0089】
いくつかの実施形態において、KRAS G12C阻害剤は、アダグラシブである。いくつかの実施形態において、KRAS G12C阻害剤は、ソトラシブである。
【0090】
ソトラシブ
ルマクラス(登録商標)およびルミクラス(登録商標)の商品名で販売されているソトラシブ
【0091】
【化5】
は、アムジェン社により販売され、非小細胞肺がん(NSCLC)の処置に用いられる抗がん薬物である。ソトラシブは、遺伝子KRASによりコードされたタンパク質K-Rasにおける特定の変異であるG12Cを標的とし、この変異は、さまざまな形態のがんの原因となる。ソトラシブは、RAS GTPアーゼファミリーの阻害剤である。
【0092】
ソトラシブは、いずれかのKRAS変異を有する腫瘍に対して初めて承認された標的療法であり、上記変異は、非小細胞肺がんにおける変異のおよそ25%を占めている。KRAS G12C変異は、非小細胞肺がん患者の約13%に起こる。
【0093】
2021年5月、ソトラシブは、KRAS G12C変異のあるNSCLCの治療のためにFDAにより承認された。
【0094】
アダグラシブ
アダグラシブ(MRTX-849)
【0095】
【化6】
は、ミラティ・セラピューティックス社により開発中の実験的がん治療薬剤である。アダグラシブは、G12Cと呼ばれるKRASタンパク質の変異形態に対する共有結合阻害剤として作用し、上記変異形態は、さまざまな形態のがんにおいて共通して存在し、かつ成長因子として作用する。アダグラシブは、前臨床試験において有望な結果を示しており、現在臨床試験中である。
【0096】
組合せ
本明細書において、必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
(i)化合物1:
【0097】
【化7】
、またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)KRAS G12C阻害剤の治療有効量を上記必要とする対象に投与することを含む方法を開示する。
【0098】
本明細書において、必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
(i)化合物1:
【0099】
【化8】
、またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)ソトラシブの治療有効量を上記必要とする対象に投与することを含む方法を開示する。
【0100】
本明細書において、必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
(i)化合物1:
【0101】
【化9】
、またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)アダグラシブの治療有効量を上記必要とする対象に投与することを含む方法を開示する。
【0102】
さらなる組合せ
いくつかの実施形態において、上記方法は、追加のMAPK経路阻害剤を投与することを含む。理論に束縛されることなしに、がん細胞中のMAPKシグナルの抑制は、PD-L1発現のダウンレギュレーションをもたらし、そのがん細胞が免疫系により検出される確率を高める可能性がある。そのような第3のMAPK経路阻害剤は、MAPK経路中のタンパク質の他の変異に基づいていてもよい。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、MAPK経路中のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、MAPK経路外のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、KRAS阻害剤、NRAS阻害剤、HRAS阻害剤、PDGFRA阻害剤、PDGFRB阻害剤、MET阻害剤、FGFR阻害剤、ALK阻害剤、ROS1阻害剤、TRKA阻害剤、TRKB阻害剤、TRKC阻害剤、EGFR阻害剤、IGFR1R阻害剤、GRB2阻害剤、SOS阻害剤、ARAF阻害剤、BRAF阻害剤、RAF1阻害剤、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤、c-Mycv、CDK4/6、阻害剤CDK2阻害剤、FLT3阻害剤、またはERK1/2阻害剤である。例示的なMAPK経路阻害剤は、限定はされないが、アダグラシブ、アファチニブ、ASTX029、ビニメチニブ、セツキシマブ、コビメチニブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、エンコラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ、ラパチニブ、LTT462、LY3214996、ネシツムマブ、ネラチニブ、ニモツズマブ、オシメルチニブ、パルボシクリブ、パニツムマブ、セルメチニブ、ソトラシブ、トラメチニブ、ウリクセルチニブ、およびバンデタニブを含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、アダグラシブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、アファチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ビニメチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、セツキシマブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、コビメチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ダブラフェニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ダコミチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、エンコラフェニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、エルロチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ゲフィチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ギルテリチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ラパチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、LTT462である。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、LY3214996である。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ネシツムマブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ネラチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ニモツズマブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、オシメルチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、パルボシクリブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、パニツムマブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、セルメチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ソトラシブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、トラメチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、ウリクセルチニブである。いくつかの実施形態において、追加のMAPK経路阻害剤は、バンデタニブである。
【0104】
がん
本明細書中で開示される組合せを用いるがんの処置方法を、本明細書において開示する。
【0105】
「がん」は、限定はされないが、白血病、リンパ腫、骨髄腫、癌腫、および肉腫を含む、哺乳類(例えば、ヒト)において見られるすべての種類のがん、新生物または悪性腫瘍を指す。本明細書中で提供される化合物または方法により処置されてもよい例示的ながんは、脳がん、グリオーマ、グリオブラストーマ、ニューロブラストーマ、前立腺がん、結腸直腸がん、(膵臓腺癌、PDACなどの)膵臓がん、髄芽腫、黒色腫、子宮頸がん、胃がん、卵巣がん、肺がん、頭部癌、ホジキン病、および非ホジキンリンパ腫を含む。本明細書中で提供される化合物または方法により処置されてもよい例示的ながんは、血液、甲状腺、内分泌系、脳、乳房、子宮頸部、結腸、頭頸部、肝臓、腎臓、肺、卵巣、膵臓、直腸、胃、および子宮のがんを含む。追加の例として、甲状腺癌、胆管癌、膵臓腺癌、皮膚の皮膚黒色腫、結腸腺癌、直腸腺癌、胃腺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、浸潤性乳癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、非小細胞肺癌、中皮腫、多発性骨髄腫、ニューロブラストーマ、グリオーマ、多形性膠芽腫、卵巣がん、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱がん、前悪性皮膚病変、精巣がん、甲状腺がん、ニューロブラストーマ、食道がん、尿生殖路がん、悪性高カルシウム血症、子宮内膜がん、副腎皮質がん、膵臓内分泌部または外分泌部の新生物、甲状腺髄様がん、甲状腺髄様癌、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺乳頭がん、肝細胞癌、または前立腺がんが挙げられる。
【0106】
いくつかの実施形態において、がんは、クラス1のB-Raf変異を有する。
【0107】
いくつかの実施形態において、がんは、EGFR、KRAS、BRAF(例えば、BRAFのクラス3)および/またはNF1(例えば、機能の損失)変異のうちの少なくとも1つを持つ。
【0108】
いくつかの実施形態において、変異体B-Rafは、V600変異を含む。いくつかの実施形態において、B-Rafの変異体は、変異V600Eを含む。いくつかの実施形態において、変異は、V600Kである。いくつかの実施形態において、変異は、V600Dである。いくつかの実施形態において、変異は、V600Lである。いくつかの実施形態において、変異は、V600Rである。いくつかの実施形態において、がんは、BRAF V600EまたはV600K変異体腫瘍である。
【0109】
いくつかの実施形態において、がんは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路駆動型がんである。
【0110】
いくつかの実施形態において、がんは、BRAF駆動型がん、HRAS駆動型がん、またはNRAS駆動型がんである。
【0111】
いくつかの実施形態において、がんは、脱調節された(deregulated)ERKにより駆動された少なくとも1つのがん細胞を含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、がんは、RAS中に少なくとも1つの変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、RAF中に少なくとも1つの変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、MEK中に少なくとも1つの変異を有する。
【0113】
いくつかの実施形態において、がんは、G12C KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、G12D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、G12R KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、G12S KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、G12V KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、G12W KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、G13D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、H95D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、H95Q KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、H95R KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、Q61H KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、G12D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、Q61K KRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、Q61R NRAS変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、R68S KRAS変異を有する。
【0114】
いくつかの実施形態において、がんは、MAPKm/MAPKiに対してナイーブな汎がんである。
【0115】
いくつかの実施形態において、がんは、EGFR遺伝子コピー数の増加、EGFR遺伝子増幅、7番染色体の多染色体性、L858R、エクソン19の欠失/挿入、L861Q、G719C、G719S、G719A、V765A、T783A、エクソン20の挿入、EGFRスプライスバリアント(Viii、Vvi、およびVii)、A289D、A289T、A289V、G598A、G598V、T790M、ならびにC797Sからなる群より選択される1つ以上のEGFR変異を含む。いくつかの実施形態において、がんは、L858R、エクソン19の欠失、およびT790Mからなる群より選択される1つ以上のEGFR変異を含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、がんは、固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、進行性固形腫瘍または転移性固形腫瘍である。
【0117】
いくつかの実施形態において、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、黒色腫、膵臓がん、唾液腺腫瘍、甲状腺がん、結腸直腸がん(CRC)、または食道がんである。
【0118】
いくつかの実施形態において、がんは、結腸直腸がん(CRC)、膵管腺癌(PDAC)、胆管癌がん、虫垂がん、胃がん、食道がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、頭頸部がん、卵巣がん、子宮がん、急性骨髄性白血病(AML)、または黒色腫である。
【0119】
いくつかの実施形態において、がんは、消化器がんである。いくつかの実施形態において、消化器がんは、肛門がん、胆管がん、結腸がん、直腸がん、食道がん、胆嚢がん、肝臓がん、膵臓がん、小腸がん、または胃がん(stomach cancer)(胃がん(gastric cancer))である。
【0120】
いくつかの実施形態において、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)である。いくつかの実施形態において、NSCLCは、EGFR変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS G12C変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS G12D変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS G12S変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS G12V変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS G13D変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS Q61H変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS Q61K変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS G12R変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS G12W変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS H95D変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS H95Q変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS H95R変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS G12D変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、NSCLCは、KRAS R68S変異体NSCLCである。
【0121】
いくつかの実施形態において、NSCLCは、NRAS Q61R変異体NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、MAPKm/MAPKiに対してナイーブなNSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、BRAFi処理されたV600 NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたG12C NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたG12D NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたG12S NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたG12V NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたG13D NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたQ61H NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたQ61K NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたQ61R NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたG12R NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたG12W NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたH95D NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたH95Q NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたH95R NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたG12D NSCLCである。いくつかの実施形態において、がんは、KRAS処理されたR68S NSCLCである。
【0122】
いくつかの実施形態において、がんは、膵臓がんである。いくつかの実施形態において、がんは、MAPKm/MAPKiに対してナイーブな膵臓がんである。いくつかの実施形態において、がんは、膵管腺癌(PDAC)である。いくつかの実施形態において、PDACがんは、G12V変異を有する。
【0123】
いくつかの実施形態において、がんは、黒色腫である。いくつかの実施形態において、黒色腫は、BRAF V600EまたはV600K変異体腫瘍である。いくつかの実施形態において、がんは、BRAFi処理されたV600黒色腫である。
【0124】
いくつかの実施形態において、がんは、唾液腺腫瘍である。
【0125】
いくつかの実施形態において、がんは、甲状腺がんである。
【0126】
いくつかの実施形態において、がんは、結腸直腸がん(CRC)である。いくつかの実施形態において、CRCは、BRAF V600E CRCである。いくつかの実施形態において、CRCは、KRAS変異体CRCである。
【0127】
いくつかの実施形態において、CRCは、KRAS G12C変異体CRCである。いくつかの実施形態において、CRCは、KRAS G12D変異体CRCである。いくつかの実施形態において、CRCは、KRAS G12S変異体CRCである。いくつかの実施形態において、CRCは、KRAS G12V変異体CRCである。いくつかの実施形態において、CRCは、KRAS G13D変異体CRCである。いくつかの実施形態において、CRCは、KRAS Q61H変異体CRCである。いくつかの実施形態において、CRCは、KRAS Q61K変異体CRCである。いくつかの実施形態において、CRCは、NRAS変異体CRCである。いくつかの実施形態において、CRCは、NRAS Q61R変異体CRCである。
【0128】
いくつかの実施形態において、がんは、食道がんである。
【0129】
いくつかの実施形態において、がんは、1つ以上の後天性の変異を有する。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、第一選択処置に起因する。いくつかの実施形態において、第一選択処置は、KRAS阻害剤である。いくつかの実施形態において、KRAS阻害剤は、KRAS G12C阻害剤である。いくつかの実施形態において、KRAS G12C阻害剤は、アダグラシブである。いくつかの実施形態において、KRAS G12C阻害剤は、ソトラシブである。いくつかの実施形態において、がんは、固形腫瘍がんである。いくつかの実施形態において、がんは、NSCLCである。
【0130】
いくつかの実施形態において、後天性の変異は、後天性のKRAS変異である。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS G12Cである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS G12Dである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS G12Rである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS G12Vである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS G12Wである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS G13Dである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS H95Dである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS H95Dである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS H95Qである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS H95Rである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS Q61Hである。いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS R68Sである。
【0131】
いくつかの実施形態において、後天性の変異は、後天性のMAPK経路変異である。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、MAP2K1 K57Nである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、MAP2K1 K57Tである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、CCDC6-RETである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、RITI P128Lである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、PTEN G209Vである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、BRAF V600Eである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、MAP2K1 199_K104delである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、MAP2K1 K57Nである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、EML4-ALKである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、EGFR A289Aである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、FGFR3-TACC3である。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、AKAP9-BRAFである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、RAF1-CCDC176である。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、RAF1-TRAK1である。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、NRAS Q61Kである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、MAP2K1 E102_1103DELである。いくつかの実施形態において、後天性のMAPK経路変異は、NRF1-BRAFである。
【0132】
いくつかの実施形態において、後天性の変異は、KRAS G12C再活性化変異である。いくつかの実施形態において、KRAS G12C再活性化変異は、RKRAS G12C遺伝子増幅である。いくつかの実施形態において、KRAS G12C再活性化変異は、NF1 R22637(LoF)である。
【0133】
いくつかの実施形態において、後天性の変異は、非G12C活性化KRAS変異である。いくつかの実施形態において、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G12Dである。いくつかの実施形態において、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G12Rである。いくつかの実施形態において、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G12Vである。いくつかの実施形態において、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G12Wである。いくつかの実施形態において、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G13Dである。いくつかの実施形態において、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS Q61Hである。いくつかの実施形態において、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS Q61Kである。
【0134】
いくつかの実施形態において、後天性の変異は、立体障害性(sterically hindering)KRAS G12C変異である。いくつかの実施形態において、立体障害性KRAS G12C変異は、KRAS R68Sである。いくつかの実施形態において、立体障害性KRAS G12C変異は、KRAS H95Dである。いくつかの実施形態において、立体障害性KRAS G12C変異は、KRAS H95Qである。いくつかの実施形態において、立体障害性KRAS G12C変異は、KRAS H95Rである。いくつかの実施形態において、立体障害性KRAS G12C変異は、KRAS Y96Cである。
【0135】
いくつかの実施形態において、後天性の変異は、RTK活性化変異である。いくつかの実施形態において、RTK活性化変異は、EGFR A289Vである。いくつかの実施形態において、RTK活性化変異は、RET M918Tである。いくつかの実施形態において、RTK活性化変異は、MET遺伝子増幅である。いくつかの実施形態において、RTK活性化変異は、EML-ALKである。いくつかの実施形態において、RTK活性化変異は、CCDC6-RETである。いくつかの実施形態において、RTK活性化変異は、FGFR3-TACC3である。
【0136】
いくつかの実施形態において、後天性の変異は、下流RAS/MAPK活性化変異である。いくつかの実施形態において、下流RAS/MAPK活性化変異は、BRAF V600Eである。いくつかの実施形態において、下流RAS/MAPK活性化変異は、MAP2K I99_K104delである。いくつかの実施形態において、下流RAS/MAPK活性化変異は、MAP2K1 I99_K104delである。いくつかの実施形態において、下流RAS/MAPK活性化変異は、MAP2K1 E102_I103delである。いくつかの実施形態において、下流RAS/MAPK活性化変異は、RAF融合である。
【0137】
いくつかの実施形態において、後天性の変異は、並行経路活性化変異である。いくつかの実施形態において、並行経路活性化変異は、PIK3CA H1047Rである。いくつかの実施形態において、並行経路活性化変異は、PIK3R1 S361fsである。いくつかの実施形態において、並行経路活性化変異は、PTEN N48Kである。いくつかの実施形態において、並行経路活性化変異は、PTEN G209Vである。いくつかの実施形態において、並行経路活性化変異は、RIT1 P128Lである。
【0138】
投薬
一態様において、本明細書中で説明される組成物は、本明細書中で説明される疾患および病態の処置のために用いられる。これに加えて、そのような処置を必要とする対象において本明細書中で説明される疾患または病態のいずれかを処置する方法は、前記対象に対して治療有効量で組成物を投与することを含む。
【0139】
本明細書中で説明される組成物の投薬量は、あらゆる適切な方法により決定可能である。化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩の最大耐量(MTD)および最大反応用量(MRD)は、本明細書中で説明される実施例中だけでなく、確立された動物およびヒト実験プロトコルを介して決定可能である。例えば、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩の毒性および治療上の効能は、限定はされないが、LD50(個体群の50%が死に至る用量)およびED50(個体群の50%に治療上有効な用量)の決定用を含む細胞培養または実験動物における標準薬学的手順により決定可能である。毒性と治療上の効果との用量比が、治療指数であり、LD50とED50との比として表現可能である。細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトにおける使用のための投薬量の範囲策定に用いることができる。そのような化合物の投薬量は、最小限の毒性とともにED50を含む血中濃度の範囲内にあることが好ましい。投薬量は、使用される投薬形態、および利用される投与経路によりこの範囲内で変化してもよい。最大反応用量または最大耐量のパーセントとして表される追加の相対投薬量は、プロトコルを介して容易に得られる。
【0140】
いくつかの実施形態において、そのような量に相当する化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩を含む所与の製剤の量は、特定の塩または形態の分子量、疾患の病態およびその重症度、処置を必要とする対象もしくは宿主のアイデンティティ(例えば、年齢、体重、性別)などの要因次第で変化するが、それでも、例えば、投与されている特定の薬剤、液体製剤の種類、処置されている病態、および処置されている対象もしくは宿主を含む当該ケースを取り巻く特定の状況にしたがって決定可能である。
【0141】
いくつかの実施形態において、ソトラシブは、約960mg/日の量で投与される。
【0142】
いくつかの実施形態において、アダグラシブは、約1200mg/日の量で投与される。
【0143】
いくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩の量は、化合物1の遊離塩基当量に比例している。
【0144】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、経口で投与される。
【0145】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日~約300mg/日の間の量で投与される。
【0146】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、25mg/日~150mg/日の間の量で投与される。
【0147】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、または約250mg/日の量で投与される。
【0148】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約100mg/日、または約150mg/日の量で投与される。
【0149】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0150】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0151】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約200mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0152】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約150mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0153】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約100mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0154】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約50mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0155】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0156】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0157】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約200mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0158】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約150mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0159】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約100mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0160】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0161】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0162】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約200mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0163】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約150mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0164】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0165】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0166】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約200mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0167】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約175mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0168】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約175mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0169】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約175mg~約200mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0170】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約200mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0171】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約200mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0172】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約225mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0173】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約225mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0174】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約300mgの間の量で、週1回(QW)投与される。
【0175】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約250mgの間の量で、週1回(QW)投与される。
【0176】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約300mgの間の量で、週1回(QW)投与される。
【0177】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約250mgの間の量で、週1回(QW)投与される。
【0178】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約300mgの間の量で、週1回(QW)投与される。
【0179】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約250mgの間の量で、週1回(QW)投与される。
【0180】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mgの量で、週1回(QW)投与される。いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mgの量で、週1回(QW)投与される。いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約200mgの量で、週1回(QW)投与される。いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約250mgの量で、週1回(QW)投与される。
【0181】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約300mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0182】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約250mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0183】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約150mgの間の量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0184】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、または約250mgの量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0185】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約100mg、約125mg、または約150mgの量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0186】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約125mgの量で、1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0187】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約250mgの量で、1日1回、週1回投与される。
【0188】
いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、30mg、40mg、50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約175mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約225mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、または約300mgの量で投与される。
【0189】
いくつかの実施形態において、上に列挙した量のそれぞれは、QD、QW、BID、BID-QD、またはBID-QWで投与してもよい。
【0190】
投与
本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーの投与は、本明細書中で説明される投薬量で、または医療従事者が決定し熟慮したその他の用量レベルおよび組成で行われる。特定の実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、予防的および/または治療的処置のために投与される。特定の治療的適用において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、ある疾患をすでに患っている患者に対して、その疾患の治癒、または症状の少なくとも部分的な阻止もしくは軽快に十分な量で投与される。この使用に有効な量は、患者の年齢、疾患の重症度、過去の治療、患者の健康状態、体重、および組成物への反応、ならびに処置を行う医師の判断により決まる。治療有効量は、用量漸増臨床試験を含むがこれらに限定されない方法により、任意選択で決定される。
【0191】
予防的適用において、本明細書中で説明される組成物は、ある特定の疾患、例えば、がんに罹患しやすいか、またはそうでなければがんのリスクがある患者に投与される。そのような量は、「予防に有効な量または用量」であると定義される。この使用において、正確な量は、患者の年齢、健康状態、体重などによっても決まる。患者に用いられるとき、この使用に対する有効量は、特定の疾患のリスクまたは罹患性、過去の治療、患者の健康状態および組成物への反応、ならびに処置を行う医師の判断により決まるものとする。
【0192】
患者の病態が向上しない特定の実施形態において、医師の裁量により、本明細書中で説明される組成物の投与は、慢性的に、すなわち、患者の寿命期間全体を含む長期間にわたり行われることにより、患者の疾患の症状を軽快またはその他の方法で制御または制限する。その他の実施形態において、組成物の投与は、疾患の完全または部分寛解まで継続する。
【0193】
いくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、1日3回投与される。
【0194】
いくつかの実施形態において、ソトラシブは、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、ソトラシブは、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、ソトラシブは、1日3回投与される。
【0195】
いくつかの実施形態において、アダグラシブは、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、アダグラシブは、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、アダグラシブは、1日3回投与される。
【0196】
いくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、絶食状態の対象に投与される。絶食状態とは、ある期間食物を摂取していない、または絶食している対象を指す。一般的な絶食期間として、食物摂取なしの少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、および少なくとも16時間が挙げられる。いくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、少なくとも8時間絶食状態の対象に投与される。他の実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも10時間絶食状態の対象に投与される。さらに他の実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも12時間絶食状態の対象に投与される。他の実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、一晩絶食した対象に投与される。
【0197】
他の実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、摂食状態の対象に投与される。摂食状態とは、食物を摂取した、または食事を取った対象を指す。特定の実施形態において、組成物は、食後5分、食後10分、食後15分、食後20分、食後30分、食後40分、食後50分、食後1時間、または食後2時間の摂食状態の対象に投与される。特定の例において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、食後30分の摂食状態の対象に投与される。他の例において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、食後1時間の摂食状態の対象に投与される。またさらなる実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、食物とともに対象に投与される。
【0198】
処置サイクルの長さは、施されている処置により決まる。いくつかの実施形態において、処置サイクルの長さは、2~6週間の範囲である。いくつかの実施形態において、処置サイクルの長さは、3~6週間の範囲である。いくつかの実施形態において、処置サイクルの長さは、3~4週間の範囲である。いくつかの実施形態において、処置サイクルの長さは、3週間(すなわち21日間)である。いくつかの実施形態において、処置サイクルの長さは、4週間(28日間)である。いくつかの実施形態において、処置サイクルの長さは、5週間(35日間)である。いくつかの実施形態において、処置サイクルの長さは、56日間である。いくつかの実施形態において、処置サイクルは、1、2、3、4、または5週間継続する。いくつかの実施形態において、処置サイクルは、3週間継続する。いくつかの実施形態において、処置サイクルは、4週間継続する。いくつかの実施形態において、処置サイクルは、5週間継続する。各サイクル内で予定されている処置投与の回数も、投与される薬物により変化する。
【0199】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、28日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、複数回の28日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも1回の28日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも2回の28日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも3回の28日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも4回の28日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも5回の28日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも6回の28日サイクルで投与される。
【0200】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各28日サイクルのうち1~7日目に投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各28日サイクルのうち1~14日目に投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各28日サイクルのうち1~21日目に投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各28日サイクルのうち1~28日目に投与される。
【0201】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち1日目に1日2回投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち8日目に1日2回投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち15日目に1日2回投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち22日目に1日2回投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち22日目には1日2回投与されない。
【0202】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち1日目、8日目、および15日目に1日2回投与される。
【0203】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち2~7日目、9~14日目、16~21日目、23~28日目には投与されない。
【0204】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、35日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、複数回の35日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも1回の35日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも2回の35日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも3回の35日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも4回の35日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも5回の35日サイクルで投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、本明細書中で説明される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも6回の35日サイクルで投与される。
【0205】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルのうち1~7日目に投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルのうち1~14日目に投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルのうち1~21日目に投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルのうち1~28日目に投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルのうち1~35日目に投与される。
【0206】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルのうち1日目に1日2回投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルのうち8日目に1日2回投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルのうち15日目に1日2回投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルのうち22日目に1日2回投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルのうち29日目に1日2回投与される。がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルのうち29日目には1日2回投与されない。
【0207】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルのうち1日目、8日目、15日目、および22日目に1日2回投与される。
【0208】
がんを処置する方法のいくつかの実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルのうち2~7日目、9~14日目、16~21日目、23~28日目、および30~35日目には投与されない。
【実施例】
【0209】
実施例1:In Vitro生存アッセイ(化合物1+ソトラシブ)
96ウェルプレート(Corning(登録商標)#3903)において1ウェルあたり1,000個(NCI-H2122-GFP、LU65、NCI-H23-GFP、MIA PaCa-2-GFP、LU99、LIM2099)または5,000個(HCC1171-GFP、HCC44、NCI-H2030、SW837)の密度で細胞を蒔いた。細胞を一晩接着させ、HP Tecan D300eデジタルディスペンサー(スイス)を用いて、化合物をマトリックス形式で添加した。1:3の希釈系列(8ポイントの用量反応)においてプレートの下から上まで(行B~H)化合物1を添加し、1:2の希釈系列(11ポイントの用量反応)において右から左まで(列2~11)ソトラシブを添加した。プレート全体にわたって最終DMSO濃度を正規化した。製造業者のプロトコルにしたがいPromega CellTiter-Glo(登録商標)3D細胞生存アッセイ試薬(#G9683)を用いて、処置の5日後に細胞生存率を評価した。SpectraMax M3e(モレキュラーデバイス社、カリフォルニア州サンノゼ)を用いて発光を評価し、Combenefitソフトウェア(CRUKケンブリッジ研究所)におけるBLISSモデルを用いて併用の利益を評価した。
【0210】
3D細胞生存アッセイにおける化合物1対ソトラシブの希釈マトリクスでNCI-H2122-GFP細胞(
図1A)、HCC1171-GFP細胞(
図1B)、LU65細胞(
図1C)、NCI-H23-GFP細胞(
図1D)、HCC44-GFP細胞(
図1E)、MIA PaCa-2-GFP細胞(
図1F)、NCI-H2030細胞(
図1G)、LU99細胞(
図1H)、LIM2099細胞(
図1I)、およびSW837細胞(
図1J)を処理した。ビヒクル処理された対照群に対する生存可能な細胞の百分率として表される細胞生存率を、マトリクス内に示す。
【0211】
化合物1およびソトラシブは、KRAS G12C細胞モデルにおける併用活性を証明している。
【0212】
実施例2:In Vitro生存アッセイ(化合物1+アダグラシブ)
96ウェルプレート(Corning(登録商標)#3903)において1ウェルあたり1,000個(NCI-H2122-GFP、LU65、NCI-H23-GFP、MIA PaCa-2-GFP、LU99、LIM2099)または5,000個(HCC1171-GFP、HCC44、NCI-H2030、SW837)の密度で細胞を蒔いた。細胞を一晩接着させ、HP Tecan D300eデジタルディスペンサー(スイス)を用いて、化合物をマトリックス形式で添加した。1:3の希釈系列(8ポイントの用量反応)においてプレートの下から上まで(行B~H)化合物1を添加し、1:2の希釈系列(11ポイントの用量反応)において右から左まで(列2~11)アダグラシブを添加した。プレート全体にわたって最終DMSO濃度を正規化した。製造業者のプロトコルにしたがいPromega CellTiter-Glo(登録商標)3D細胞生存アッセイ試薬(#G9683)を用いて、処置の5日後に細胞生存率を評価した。SpectraMax M3e(モレキュラーデバイス社、カリフォルニア州サンノゼ)を用いて発光を評価し、Combenefitソフトウェア(CRUKケンブリッジ研究所)におけるBLISSモデルを用いて併用の利益を評価した。
【0213】
3D細胞生存アッセイにおける化合物1対アダグラシブの希釈マトリクスでNCI-H2122-GFP細胞(
図1A)、HCC1171-GFP細胞(
図1B)、LU65細胞(
図1C)、NCI-H23-GFP細胞(
図1D)、HCC44-GFP細胞(
図1E)、MIA PaCa-2-GFP細胞(
図1F)、NCI-H2030細胞(
図1G)、LU99細胞(
図1H)、LIM2099細胞(
図1I)、およびSW837細胞(
図1J)を処理した。ビヒクル処理された対照群に対する生存可能な細胞の百分率として表される細胞生存率を、マトリクス内に示す。
【0214】
化合物1およびアダグラシブは、KRAS G12C細胞モデルにおける併用活性を証明している。
【0215】
実施例3:進行非小細胞肺がん患者におけるマイトジェン活性化プロテインキナーゼ経路を標的とした薬剤の第1b/2相試験
本試験は、1)進行非小細胞肺がん(NSCLC)を患う被験者における用量を漸増させた化合物1と他のがん療法との併用の安全性および忍容性の評価、2)他のがん療法と併用して投与した化合物1の最大耐量(MTD)および/または推奨用量(RD)の判定、3)他のがん療法と併用した化合物1の抗腫瘍活性の評価、ならびに4)併用して投与した際の化合物1と他のがん療法との薬物動態(PK)プロファイルの評価を含むものとする。
【0216】
第1b/2相試験は、進行NSCLCを患う被験者における化合物1と他のがん療法との併用の安全性、忍容性、および抗腫瘍活性を評価することを含むものとする。上記試験は、Kirstenラット肉腫G12C変異(KRAS G12Cm)を持つ進行NSCLCを患う被験者に、化合物1およびソトラシブを投与する用量漸増コホートを含むものとする。化合物1は、KRAS G12Cmを有するNSCLCを患う被験者に、ソトラシブと併用して150mg~250mg(両端を含む)の間の複数のQW用量レベル、または75mg~125mg(両端を含む)の間のBID-QW用量レベルで、受け入れがたい毒性、疾患の進行、または同意の撤回となるまで経口で連続漸増投与するものとする。その後用量の拡大を行い、EGFRmまたはKRAS G12Cmを有する進行NSCLCを患う被験者におけるそれぞれの用量漸増コホートから同定されたRDで経口投与された化合物1を評価するものとする。
【0217】
【0218】
当該試験には以下の選択基準および除外基準が適用される。
【0219】
選択基準
年齢18歳以上。
【0220】
文書によるインフォームド・コンセントを行う意思があり、かつそれが可能である。
【0221】
EGFR阻害剤に感受性があるEGFR変異、またはKRAS G12C変異の存在下で、組織学的または細胞学的に確認されたNSCLCを有する。
【0222】
固形がんの効果判定基準(RECIST)第1.1版により測定可能な疾患。
【0223】
十分な骨髄および臓器機能。
【0224】
米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスの0または1を有する。
・グレード0:十分に活動的であり、発病前のパフォーマンスをすべて制限なく行うことができる。
・グレード1:肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、かつ軽作業や座っての作業、例えば、軽い家事や事務作業は行うことができる。
【0225】
プロトコルで必要とされる往診、評価、および手続きのすべてに従う意思がある。
【0226】
経口薬を嚥下可能である。
【0227】
除外基準
いずれかの認可薬剤または治験薬剤を含む、NSCLCに対するいずれかの全身抗がん療法との同時処置。
【0228】
KRAS G12Cmを有するNSCLCを患う被験者に対して、SHP2、ERK、またはKRAS G12C阻害剤による以前の療法(いずれのコホートが登録を考慮されているかによる)。
【0229】
登録7日以内の姑息的放射線療法。
【0230】
ソトラシブによる処置に対する受け入れがたい毒性の病歴。
【0231】
登録28日以内の大手術。
【0232】
安全性のリスクとは考えられない毒性(例えば、以前の化学療法に起因する脱毛、白斑、およびグレード2の神経障害)を除く、登録時にNCIの有害事象共通用語規準(CTCAE)のグレード1を超える以前の全身療法から回復していない毒性。
【0233】
根治目的の治療後2年を超えて無病の患者、または上皮内癌を有する患者を除く、最初の投薬前5年以内の別の悪性腫瘍の病歴。
【0234】
原因療法(外科手術または放射線療法)を完了し、ステロイド剤を使っておらず、かつ原因療法およびステロイド剤の完了後少なくとも2週間は安定した神経学的状態を有している患者を除く、症候性かつ不安定な脳転移、または脊髄圧迫。
【0235】
ステロイド処置を要する間質性肺疾患(ILD)、薬物誘発性ILD、または放射線肺炎の病歴、または臨床上活性なこれら疾患。
【0236】
心血管機能障害、または臨床的に重大な心血管疾患。
【0237】
網膜色素上皮剥離(RPED)、中心性漿液性網膜症、網膜静脈閉塞症(RVO)、またはRPEDもしくはRVOの素因の病歴または現在の証拠。
【0238】
患者の本試験への参加を不適切なものとする重篤なもしくは制御されていない全身性疾患の証拠、またはその他あらゆる重大な臨床的障害もしくは検査所見の証拠。
【0239】
妊娠中または授乳中の女性。
【0240】
ソトラシブの使用に対する当該地域の添付文書による禁忌。
【0241】
実施例4:In VivoでのKRASG12C変異体CRC PDXモデルCO-04-0307アッセイ
脱イオン水中のビヒクル/対照物品であるプロピレングリコール(PG)を調製し、マウスへの投与28日間を通じて周囲条件下で保存した。
【0242】
0.5%メチルセルロース(MC)および0.1%ツイーン80(Tween80)溶液のビヒクル中で化合物1を週に1回調製し、周囲条件下で保存した。50%ポリエチレングリコール400+50%プロピレングリコールw/wのビヒクル中で併用薬剤であるソトラシブを週に1回調製し、2~8℃で保存した。
【0243】
メスのBalb/cヌードマウスは、移植時に週齢6~8週の間であった。生態動物園施設の特定病原体除去(SPF)環境においてマウスを宿主とし、IACUCプロトコルに従ってあらゆる実験の開始に先立って少なくとも3日間新しい環境に慣れさせた。
【0244】
WuXi AppTecにおける前臨床効能試験に対して、CO-04-0307 PDXモデルを設けた。本PDXモデルは、82歳の中国人女性CRC患者から由来するものであった。全エクソーム解析およびPCRシークエンシング法により、PDXモデルCO-04-0307におけるKRAS G12C変異を確認した。適切な手術用スクラブおよびアルコールにより、右のわき腹にわたりマウスの皮膚を洗浄した。PDXモデル(FP5)から採取した腫瘍断片(15~30mm3)を、18gのトロカール針を用いてマウスの右わき腹に皮下移植した。本試験では、300匹のマウスに移植した。動物の健康および腫瘍の成長を毎日観察した。腫瘍が触知可能かつ測定可能となると、キャリパーにより腫瘍体積を週に2回測定した。皮下移植後22日目に腫瘍体積が平均155mm3(96~259mm3の範囲)に達すると、腫瘍を有するマウスを、無作為に各群8匹ずつの異なる群に分けた。無作為化の日付を、処置0日目とした。
【0245】
処置
無作為化の翌日に処置を開始した。処置の開始日を、処置1日目とした。ビヒクル対照溶液、または30mg/kg/用量BIDの化合物1もしくは100mg/kgQDのソトラシブの単剤療法処置の経口投与により、マウスに投薬した。追加群は、30mg/kg/用量BIDの化合物1または100mg/kgQDのソトラシブの併用処置を受けた。BIDは、8時間間隔で投薬した。通常の食物および水の供給に加えて、DietGel (Ready Jelly(登録商標)76A、レディーバイオテクノロジー社(深セン))を、処置群中の少なくとも2匹のマウスがいずれかの測定日において10%を超えるBWLを示し始めたケージ内に追加した。DietGelの追加後、残りの試験期間を通してDietGelを供給した。この実行により、30mg/kg/用量BIDの化合物1の単剤療法処置群におけるマウスと、併用処置群におけるマウスとに、処置7日目からDietGel食物を供給開始した。試験プロトコルに規定の通り、本試験は処置28日目に終了した。
【0246】
図3に示すように、化合物1およびソトラシブにより、KRAS
G12C変異体CRC PDXモデルにおいてin vivoでの併用の利益が証明されている。
【0247】
実施例5:In VivoでのKRASG12C変異体CRC PDXモデルCO-04-0310アッセイ
脱イオン水中のビヒクル/対照物品であるプロピレングリコール(PG)を調製し、マウスへの投与28日間を通じて周囲条件下で保存した。
【0248】
0.5%メチルセルロース(MC)および0.1%ツイーン80(Tween80)溶液のビヒクル中で試験物品である化合物1を週に1回調製し、周囲条件下で保存した。50%ポリエチレングリコール400+50%プロピレングリコールw/wのビヒクル中で併用薬剤であるソトラシブを週に1回調製し、2~8℃で保存した。
【0249】
メスのBalb/cヌードマウスは、移植時に週齢6~8週の間であった。生態動物園施設の特定病原体除去(SPF)環境においてマウスを宿主とし、IACUCプロトコルに従ってあらゆる実験の開始に先立って少なくとも3日間新しい環境に慣れさせた。
【0250】
WuXi AppTecにおける前臨床効能試験に対して、CO-04-0310 PDXモデルを設けた。本PDXモデルは、82歳の中国人女性CRC患者から由来するものであった。全エクソーム解析およびPCRシークエンシング法により、PDXモデルCO-04-0310におけるKRASG12C変異を確認した。適切な手術用スクラブおよびアルコールにより、右のわき腹にわたりマウスの皮膚を洗浄した。PDXモデル(FP5)から採取した腫瘍断片(15~30mm3)を、18gのトロカール針を用いてマウスの右わき腹に皮下移植した。本試験では、合計300匹のマウスに移植した。動物の健康および腫瘍の成長を毎日観察した。腫瘍が触知可能かつ測定可能となると、キャリパーにより腫瘍体積を週に2回測定した。皮下移植後18日目に腫瘍体積が平均157mm3(95~240mm3の範囲)に達すると、腫瘍を有するマウスを、無作為に各群8匹ずつの異なる群に分けた。無作為化の日付を、処置0日目とした。
【0251】
処置
無作為化の翌日に処置を開始した。処置の開始日を、処置1日目とした。ビヒクル対照溶液、または30mg/kg/用量BIDの化合物1もしくは100mg/kgQDのソトラシブの単剤療法処置の経口投与により、マウスに投薬した。追加群は、30mg/kg/用量BIDの化合物1または100mg/kgQDのソトラシブの併用処置を受けた。BIDは、8時間間隔で投薬した。併用群において、ソトラシブを最初に投薬し、化合物1を1時間後に投薬した。通常の食物および水の供給に加えて、DietGel(Ready Jelly(登録商標)76A、レディーバイオテクノロジー社(深セン))を、処置群中の少なくとも2匹のマウスがいずれかの測定日において10%を超えるBWLを示し始めたケージ内に追加した。DietGelの追加後、残りの試験期間を通してDietGelを供給した。この実行により、30mg/kg/用量BIDの化合物1の単剤療法処置群におけるマウスに、処置14日目からDietGel食物を供給開始した。試験プロトコルに規定の通り、本試験は処置28日目に終了した。
【0252】
図4に示すように、化合物1およびソトラシブにより、KRAS
G12C変異体CRC PDXモデルにおいてin vivoでの併用の利益が証明されている。
【0253】
実施例6:In vivoでのKRAS G12C変異体NSCLC PDXモデルLU-01-0046アッセイ
脱イオン水中のビヒクル/対照物品であるプロピレングリコール(PG)を調製し、マウスへの投与28日間を通じて周囲条件下で保存した。
【0254】
0.5%メチルセルロース(MC)および0.1%ツイーン80(Tween80)溶液のビヒクル中で試験物品である化合物1を週に1回調製し、周囲条件下で保存した。50%ポリエチレングリコール400+50%プロピレングリコールw/wのビヒクル中で併用薬剤であるソトラシブを週に1回調製し、2~8℃で保存した。
【0255】
メスのBalb/cヌードマウスは、移植時に週齢6~8週の間であった。生態動物園施設の特定病原体除去(SPF)環境においてマウスを宿主とし、IACUCプロトコルに従ってあらゆる実験の開始に先立って少なくとも3日間新しい環境に慣れさせた。
【0256】
WuXi AppTecにおける前臨床効能試験に対して、LU-01-0046 PDXモデルを設けた。本PDXモデルは、74歳の中国人男性NSCLC患者から由来するものであった。全エクソーム解析およびPCRシークエンシング法により、PDXモデルLU-01-0046におけるKRAS G12C変異を確認した。適切な手術用スクラブおよびアルコールにより、右のわき腹にわたりマウスの皮膚を洗浄した。PDXモデル(FP5)から採取した腫瘍断片(15~30mm3)を、18gのトロカール針を用いてマウスの右わき腹に皮下移植した。本試験では、300匹のマウスに移植した。動物の健康および腫瘍の成長を毎日観察した。腫瘍が触知可能かつ測定可能となると、キャリパーにより腫瘍体積を週に2回測定した。皮下移植後21日目に腫瘍体積が平均191mm3(84~321mm3の範囲)に達したとき、腫瘍を有するマウスを、無作為に各群8匹ずつの異なる群に分けた。無作為化の日付を、処置0日目とした。
【0257】
処置
無作為化の翌日に処置を開始した。処置の開始日を、処置1日目とした。ビヒクル対照溶液、または30mg/kg/用量BIDの化合物1もしくは100mg/kgQDのソトラシブの単剤療法処置の経口投与により、マウスに投薬した。追加群は、30mg/kg/用量BIDの化合物1または100mg/kgQDのソトラシブの併用処置を受けた。BIDは、8時間間隔で投薬した。併用群において、ソトラシブを最初に投薬し、化合物1を1時間後に投薬した。
【0258】
図5に示すように、化合物1およびソトラシブにより、KRAS
G12C変異体NSCLC PDXモデルにおいてin vivoでの併用の利益が証明されている。
【国際調査報告】