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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】コンポーザブルなレーダ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20240709BHJP
   H01Q 1/12 20060101ALI20240709BHJP
   F41H 11/02 20060101ALN20240709BHJP
   B64G 3/00 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
G01S7/03
H01Q1/12 F
F41H11/02
B64G3/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578071
(86)(22)【出願日】2022-05-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022027224
(87)【国際公開番号】W WO2022271271
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】17/357,134
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ハーキンス,ブライアン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マッコーディック,クレイグ エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ミクテル,ジョン エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ボーリュー,マーク ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5J047
5J070
【Fターム(参考)】
5J047AA07
5J047AB03
5J047BC04
5J047BC07
5J070AB01
5J070AC01
5J070AC02
5J070AC11
5J070AD08
5J070AD09
5J070AF01
5J070BG32
(57)【要約】
モジュール式レーダシステムは、アンテナアセンブリと、アンテナアセンブリが据え付けられる支持構造と、モジュール式レーダサブシステムのセットとを備える。アンテナアセンブリは、アンテナアレイと、アンテナアレイが取り付けられ、アンテナアレイを収容し、通信信号及び電力信号をアンテナアレイに分配するように構成される、アンテナエンクロージャと、アンテナアレイへの入力を受信し、アンテナアレイからの出力を提供するように構成されたアンテナエンクロージャインターフェースとを備える。支持構造は、アンテナアレイをアンテナ操作のための向き及び高さに位置決めする。モジュール式レーダサブシステムのセットは、支持構造とは別個であり、アンテナエンクロージャインターフェースと操作可能に通信し、データ処理サブシステムと、冷却サブシステムと、アンテナエンクロージャ、データ処理サブシステム、冷却サブシステム、及びDC電力変換サブシステムに電力を供給するAC電力サブシステムとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式レーダシステムであって、
第1のアンテナアセンブリであり、
第1のアンテナアレイと、
前記第1のアンテナアレイが取り付けられた第1のアンテナエンクロージャであり、前記第1のアンテナエンクロージャが前記第1のアンテナアレイを収容し、第1の通信信号及び第1の電力信号を前記第1のアンテナアレイに分配するように構成される、前記第1のアンテナエンクロージャと、
前記第1のアンテナアレイへの第1の入力を受信し、前記第1のアンテナアレイからの第1の出力を提供するように構成された、第1のアンテナエンクロージャインターフェースと、
を備える、前記第1のアンテナアセンブリ、
前記第1のアンテナアセンブリが据え付けられている支持構造であり、 前記第1のアンテナエンクロージャの前記アンテナアレイを、アンテナ操作のために十分な第1の向き及び高さに位置決めするように構成される、
前記支持構造、および、
前記支持構造とは別個であるように構成されている、第1のモジュール式レーダサブシステムのセットであり、
前記モジュール式レーダサブシステムのセットは、それぞれの第1の接続のセットを介して前記少なくとも1つの第1のアンテナエンクロージャインターフェースと操作可能に通信するように構成されており、前記第1のモジュール式レーダサブシステムのセットは、
前記第1のアンテナエンクロージャインターフェースに入力を提供し、前記第1のアンテナアレイのビームフォーミングを制御し、前記第1のアンテナアレイの前記出力において信号処理を実行するように構成される、第1のデータ処理サブシステムと、
前記第1のアンテナエンクロージャ及び前記第1のデータ処理サブシステムに冷却を供給する第1の冷却サブシステムと、
前記第1のアンテナエンクロージャ、前記第1のデータ処理サブシステム、前記第1の冷却サブシステム、及び、第1の直流(DC)電力変換サブシステムに電力を供給するように構成される、第1の交流(AC)電力サブシステムと、
を備える、
前記第1のモジュール式レーダサブシステムのセット、
を備える、システム。
【請求項2】
前記第1のアンテナアレイは、第1のアレイサイズを有し、
前記第1のモジュール式レーダサブシステムのセットの少なくとも1つのそれぞれのサブシステムは、第1のアレイサイズと、前記第1のアンテナアレイの操作可能要件とのうちの少なくとも1つに基づいて、機能的に独立してスケーラブルであるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記支持構造は、前記第1のモジュール式レーダサブシステムのセットと、前記少なくとも1つの第1のアンテナエンクロージャインターフェースとの間で、前記それぞれの第1の接続のセットをルーティングするように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のアンテナエンクロージャ及び前記支持構造は、前記第1のアンテナアセンブリを前記支持構造から除去することなく、前記第1のアンテナアレイが、前記第1のアレイサイズとは異なる第2のアレイサイズにスケーリングできるように、スケーラブルに構成される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記モジュール式レーダサブシステムのセットは、前記支持構造とは別個である各位置変更可能なシェルタに収容されるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のアンテナエンクロージャ及び前記支持構造は、前記支持構造への前記第1のアンテナエンクロージャの設置の一部として、前記第1のアンテナアセンブリの自己位置合わせを可能にするように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の接続のセットは、さらに、
前記少なくとも1つの第1のアンテナインターフェースに操作可能に結合された、第1の部分と、
前記第1のモジュール式レーダサブシステムのセットのそれぞれ1つに接続されるように構成された、第2の部分と、
を含み、
前記それぞれの第1の接続のセット及び前記第1のアンテナエンクロージャは、前記支持構造に設置する前に、各それぞれの第1の部分の前記少なくとも1つの第1のアンテナエンクロージャインターフェースへの接続を含め、操作可能に共に結合され、
前記第1のアンテナエンクロージャ、前記第1のアンテナアレイ、及び前記第1の接続のセットはすべて、前記第1のアンテナアセンブリが前記支持構造に据え付けられる前に較正される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記支持構造は、少なくとも第2のアンテナアセンブリを前記第1の向きとは異なる第2の向きで前記支持構造に取り付け得るように構成されたアンテナエンクロージャ据え付け部、を備え、
前記第2のアンテナアセンブリは、
第2のアンテナアレイ、
前記第2のアンテナアレイが取り付けられる第2のアンテナエンクロージャであり、前記第2のアンテナアレイを収容し、第2の通信信号及び第2の電力信号を前記第2のアンテナアレイに分配するように構成される、前記第2のアンテナエンクロージャ、及び、
前記第2のアンテナアレイへの第2の入力を受信し、前記第2のアンテナアレイからの第2の出力を提供するように構成された、第2のアンテナエンクロージャインターフェース、
を備え、
前記第2のアンテナアセンブリは、第2のモジュール式レーダサブシステムのセットと、前記少なくとも1つのそれぞれの第2のアンテナエンクロージャインターフェースとの間のそれぞれの第2の接続のセットを介して、前記第2のモジュール式レーダサブシステムのそれぞれのセットと操作可能に通信し、
前記第2のモジュール式レーダサブシステムのセットは、前記支持構造とは別個であるように、また、前記第1のモジュール式レーダサブシステムのセットとは別個であるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2のモジュール式レーダサブシステムのセットは、
前記第2のアンテナエンクロージャインターフェースに入力を提供し、前記第2のアンテナアレイのビームフォーミングを制御し、前記第2のアンテナアレイの前記出力において信号処理を実行するように構成される、第2のデータ処理サブシステムと、
前記第2のアンテナエンクロージャ及び前記第2のデータ処理サブシステムに冷却を供給する第2の冷却サブシステムと、
前記第2のアンテナエンクロージャ、前記第2のデータ処理サブシステム、前記第2の冷却サブシステム、及び第2の直流(DC)電力変換シェルタに電力を供給するように構成された第2の交流(AC)電力サブシステムと、
を備え、
前記第2のアンテナアレイは、第2のアレイサイズを有し、
前記第2のモジュール式レーダサブシステムのセットの少なくとも1つの対応するサブシステムは、前記第2のアレイサイズと、前記第2のアンテナアレイの操作可能要件とのうちの少なくとも1つに基づいて、機能的かつ独立してスケーラブルに構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のアンテナエンクロージャは、防水性、耐候性、電磁干渉(EMI)遮蔽性、及び高強度電磁パルス(HEMP)耐性のうちの少なくとも1つであるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記支持構造は、前記アンテナアセンブリを前記第1のモジュール式レーダサブシステムのセットの上方に所定の距離だけ持ち上げるように構成されたタワー構造を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
モジュール式レーダシステムであって、
アンテナアセンブリであり、
アンテナアレイと、
第1のアンテナアレイが取り付けられたアンテナエンクロージャであり、前記アンテナエンクロージャが前記アンテナアレイを収容し、第1の通信信号及び第1の電力信号を前記アンテナアレイに分配するように構成される、前記アンテナエンクロージャと、
前記アンテナアレイへの入力を受信し、前記アンテナアレイからの出力を提供するように構成された、アンテナエンクロージャインターフェースと、
を備える、前記アンテナアセンブリ、
前記アンテナアセンブリとは別個であるように構成される、モジュール式レーダサブシステムのセットであり、
前記モジュール式レーダサブシステムのセットは、それぞれの接続のセットを介して前記少なくとも1つの第1のアンテナエンクロージャインターフェースと操作可能に通信するように構成されており、前記モジュール式レーダサブシステムのセットは、
前記アンテナエンクロージャインターフェースに入力を提供し、前記アンテナアレイのビームフォーミングを制御し、前記アンテナアレイの前記出力において信号処理を実行するように構成される、データ処理サブシステムと、
前記アンテナエンクロージャ及び前記データ処理サブシステムに冷却を供給する冷却サブシステムと、
前記アンテナエンクロージャ、前記データ処理サブシステム、前記冷却サブシステム、及び直流(DC)電力変換サブシステムに電力を供給するように構成される、交流(AC)電力サブシステムと、
を備える、前記モジュール式レーダサブシステムのセット、
を備える、システム。
【請求項13】
前記アンテナアレイは、アレイサイズを有し、
前記モジュール式レーダサブシステムのセットの少なくとも1つのそれぞれのサブシステムは、前記アレイサイズと、前記第1のアンテナアレイの操作可能要件とのうちの少なくとも1つに基づいて、機能的に独立してスケーラブルであるように構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記接続のセットは、前記少なくとも1つのアンテナインターフェースに操作可能に結合された第1の部分と、前記モジュール式レーダサブシステムのセットのそれぞれ1つに接続されるように構成された第2の部分と、をさらに含み、
それぞれの接続セット及び前記アンテナエンクロージャは、操作可能位置への設置前に、各それぞれの第1の部分と前記少なくとも1つのアンテナエンクロージャインターフェースとの接続を含めて互いに操作可能に結合され、
前記アンテナエンクロージャ、前記アンテナアレイ、及び前記接続のセットは、すべて、前記アンテナアセンブリが前記操作可能位置に設置される前に較正される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記アンテナアセンブリが据え付けられ、前記接続のセットがルーティングされる支持構造であり、前記支持構造は、
前記モジュール式レーダサブシステムのセットとは別個であり、
前記モジュール式レーダサブシステムのセットの上方に前記アンテナアセンブリを所定の距離だけ持ち上げるように構成されたタワー構造を備える、
前記支持構造、をさらに含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記タワー構造は、複数の向きのいずれか1つで前記アンテナエンクロージャを据え付けることができるように構成された、アンテナエンクロージャ据え付け部分を含む、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記アンテナエンクロージャは、防水性、耐候性、電磁干渉(EMI)遮蔽性、及び高強度電磁パルス(HEMP)耐性のうちの少なくとも1つであるように構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
モジュール式レーダシステムを提供する方法であって、前記方法は、
アンテナアレイをアンテナエンクロージャに取り付けて、アンテナアセンブリを形成するステップであり、
前記アンテナエンクロージャは、前記アンテナアレイを収容し、前記アンテナアレイに第1の通信信号及び第1の電力信号を分配するように構成される、
ステップと、
前記アンテナエンクロージャと、前記アンテナアレイへの入力を受信し、前記アンテナアレイからの第2の出力を提供するように構成されたアンテナエンクロージャインターフェースとを結合するステップと、
前記アンテナエンクロージャインターフェースに接続のセットを取り付けて、前記アンテナエンクロージャ、前記アンテナアレイ、前記アンテナエンクロージャインターフェース、及び前記接続のセットを含むアンテナアセンブリを形成するステップであり、
前記接続のセットは、前記アンテナアセンブリを1つまたは複数のモジュール式レーダサブシステムと結合するよう構成される、
ステップと、
前記アンテナアセンブリを、前記アンテナアレイをアンテナ操作のために十分な第1の向き及び高さに位置決めするように構成された支持構造に据え付けるステップと、
データ処理サブシステムを前記接続のセットの1つまたは複数の対応するデータ処理接続に操作可能に接続するステップであり、
前記データ処理サブシステムは、前記支持構造から分離されており、前記アンテナエンクロージャインターフェースに入力を提供し、前記アンテナアレイのビームフォーミングを制御し、前記アンテナアレイの前記出力に対して信号処理を実行するように構成される、
ステップと、
冷却サブシステムを、前記接続のセットにおける1つもしくは複数の対応する冷却接続に取り付けるステップであり、
前記冷却サブシステムは、前記支持構造とは別個であり、前記アンテナエンクロージャ及び前記データ処理サブシステムに冷却を供給するように構成される、
ステップと、
交流(AC)電力サブシステムを、前記接続のセットにおける1つまたは複数の対応する電力接続に操作可能に接続するステップであり、
前記AC電力サブシステムは、前記支持構造とは別個であり、前記アンテナエンクロージャ、前記データ処理サブシステム、前記冷却サブシステム、及び直流(DC)電力変換サブシステムに電力を供給するように構成される、
ステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記方法は、
前記データ処理サブシステム、前記冷却サブシステム、及び前記AC電力サブシステムのうちの少なくとも1つを、前記アンテナアレイのサイズ及び前記アンテナアレイの操作可能要件のうちの少なくとも1つに基づいて、機能的に、かつ、独立してスケーラブルに構成するステップ、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、
前記アンテナアセンブリを前記支持構造に据え付ける前に、前記アンテナアセンブリを較正するステップ、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、レーダシステムのような装置を動作させるためのデバイス、システム、及び、方法に関する。より詳細には、本開示は、モジュール式でありスケーラブルでコンポーザブルなアーキテクチャを有するレーダシステムを作成するためのデバイス、システム、及び、方法に関連する実施形態を説明する。
【背景技術】
【0002】
レーダシステムとは、物体の距離(範囲)、角度、または速度を特定するために電波を使用するシステムであり、典型的には、電波またはマイクロ波領域において電磁波を生成する送信器、送信アンテナ、受信アンテナ(送受信に同じアンテナが使用されることが多い)、及び物体(複数可)の特性を特定するための受信器、及び、プロセッサを含む。送信器からの電波(パルス状または連続的)は、対象物を反射し、受信器に戻り、対象物の位置及び速度に関する情報を与える。多くのシステムでは、アンテナはアンテナアレイであり、これは共通のソースまたは負荷に結合された複数の接続されたアンテナのグループであり、単一のアンテナとして機能して、指向性の放射パターンを形成する。レーダシステム用の一般的なアンテナアレイには、当技術分野で知られているように、ESA(electronically scanned array)アンテナ及びAESA(active electronically scanning array)アンテナが含まれ得る。典型的には、従来のAESAの基本的なビルディングブロックは、送信/受信モジュールまたはTRモジュールであり、AESAアンテナ素子を形成するようにパッケージ化することができ、放射器、受信器、低雑音増幅器(LNA)、送信電力増幅器(PA)、及びデジタル制御位相成分、または、遅延利得構成要素を含むことができる。これらのTRモジュールのいくつかは、レーダ信号を送受信するためのグリッドフォーマットでアンテナパネルに配置される。送受信利得及び位相をデジタル制御することにより、AESAアンテナは、アンテナパネルを物理的に動かすことなく、結果として生じるアンテナビームを操縦またはポインティングすることができる。現代の典型的な低コストのAESAアンテナパネルは、表面実装モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)デバイスに接続されたプリント回路放射器を使用する。MMICデバイスには、LNA、PA、及び位相/利得制御回路が含まれており、これらはすべて、単一のプリント回路基板(PCB)に実装されている。
【0003】
近年、AESAアンテナアレイアーキテクチャは、モジュール式、及び/または積み重ね可能な構成要素を使用して開発されてきた。図1は、2014年8月19日に発行された「Modular Architecture for Scalable Phased Array Radars」と題する米国特許第8,810,448号、2015年8月25日に発行された「Modular Architecture for Scalable Phased Array Radars」と題する米国特許第9,116,222号(米国特許第8,810,448号を分割したもの)、及び、2019年9月17日に出願され、2021年3月18日に公開された、出願番号16/573,954を有する「Modular and Stackable Antenna Array」と題する米国特許出願公開第2,021,008,339号(以降「第954号出願」)を含む、共通に譲渡された、いくつかの特許及び特許出願に記載されている、モジュール式の積み重ね可能な構成要素を使用して構築された、アンテナアレイアーキテクチャ100の図である。これらの文書の各々の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
図1に示したように、また、上述の特許文献にさらに記載されたように、複数の電力用及びビームフォーミングビルディングブロック102をアレイ116において行及び列に配置することができる。各モジュール式ビルディングブロック(MBB)102(ここでは、レーダモジュール式アセンブリ(RMA)及び/または機能的ビルディングブロック(FBB)とも称する)は、複数の送信/受信統合マルチチャネルモジュール(TRIMM)カード110、ならびに、その関連する電力及び信号電子機器カード、例えば24のTRIMM、シンセサイザーカード、DREX(デジタル受信器励振器)カード106、シンセサイザ108及び補助電力コントローラカード104を含むことができる。この例示的なアーキテクチャでは、個々のTRIMMカード110各々が交換可能であってよく、また、アーキテクチャはモジュール式ビルディングブロックにおいてモジュール式であってよい。複数のMBB102を組み合わせてモジュール式レーダアセンブリ(MRA)を形成することができ、複数のMRAを一緒に組み合わせて、1つのレーダアンテナアレイ114を形成することができる。上述した第954号出願にさらに記載されているように、図1の例では、MBB102のグループを、それ自体の支持構造122と共に結合して、モジュール式レーダアセンブリ(MRA)114のビルディングブロックセクション112を形成することができる。この場合、各セクション112は、各セクション112が互いにセクションから独立して機能できるように、並列に結合された、電力、冷却、制御信号、及びビームフォーミングのための固有のそれぞれの接続を有するように構成される。図1のアンテナアレイ100では、このことにより、セクション112を(例えば、積み重ねるか、または互いに隣接させて配置することにより)組み合わせ、各それぞれのMRAサブセクション112の面を位置合わせすることで、アレイ面120を形成することを含む所望の任意のサイズのアンテナアレイを作製して、単一の均一なアレイ面を作製することができるようになる。
【発明の概要】
【0005】
以下は、本明細書に記載される実施形態の1つ以上の態様の基本的な理解をもたらすために、簡略化された概要を提示する。この概要は、すべての可能な実施形態の広範囲にわたる概要ではなく、実施形態の鍵となること、または、必須の要素を特定することも、その範囲を区切ることも意図していない。むしろ、本概要の主な目的は、本明細書に記載の実施形態のいくつかの概念を、後で提示される、より詳細な説明の序文として、簡略化された形で提示することである。
【0006】
図1に示したようなレーダシステムの設計、テスト、及び製造は、かなりの時間、費用、及び設計の専門知識を伴い得る。その結果、レーダシステムの設計及び/または操作のいずれかの部分に対する変更が、同様に、レーダシステムの複数の部分に対してコストがかかり、時間を消費する変更を生じる可能性がある。当技術分野で知られているように、多くの例において、レーダシステムは、よく、特定の用途及び位置に対して特別に設計または調整されるので、新たな要件、用途、または他の要求によってレーダシステムに変更が必要な場合、変更、アップグレード、拡張及び/または改良を、特に現場に出されるレーダシステムのハードウェアに対して行うことが困難になる場合がある。例えば、電力増大の要求に伴い、アンテナをより大きなサイズのアレイに変更することは、新規のまたはアップグレードされた配電システム、新規のまたはアップグレードされた冷却システム、付加的なデータ処理能力などを含む、システムの残りの部分を通した大幅なアップグレードを必要とする場合がある。
【0007】
レーダシステムの変更のコスト、時間、及び費用に加えて、レーダシステム(特に、軍用レーダシステムなどの大型の設備)を購入する顧客は、完全に新規の設計と比較して、アップグレード及び/または既存のシステムへの段階的な挿入のために、成熟した技術を使用することを好むことが多い。しかし、現場に出されたシステムを用いて作業するために成熟した技術を改造もしくは適合できるようにすることは、その作業を行えるようにするべく、レーダシステム、特に、レーダサブシステムの一部またはすべてのコストと時間がかかる重要な再設計を必要とする可能性がある。
【0008】
本明細書の少なくともいくつかの実施形態は、これらの懸念の少なくともいくつかを解決することを試みる。
【0009】
特定の実施形態では、顧客がミッションの必要性に合わせて調整したシステムを構成及び迅速に展開できるように設計された、モジュール式のビルディングブロックサブシステムを特徴とする、新しいタワーベース系統のレーダシステムが提供される。事前に定義され、テストされたビルディングブロックを用いて、少なくともいくつかの実施形態では、高い技術準備レベル(TRL)サブシステムで構成される高性能レーダの系統が確立され、成熟した技術を用いて多様なミッション空間に対処する新規の体系的なレーダアーキテクチャを提供する。特定の実施形態においては、各高TRLビルディングブロック及びレーダサブシステムは、実質的な追加の設計を必要とすることなく、要求及び/または予算に合わせて調整される。特定の実施形態では、各サブシステムにビルディングブロックが定められ、これによって、レーダシステムは、比較的小規模な開口から、高度に専門化されたミッションを意図した大規模な開口まで、スケーリングすることができる。特定の実施形態において、サブシステムの成熟度によって、レーダハードウェアが、高価なテストサイクルなしで、期待どおりの性能を発揮するという確信が提供され、このことは、システムの性能及び要件のレベルを、シミュレーションによって確認することを可能にするのに役立ち得る。
【0010】
特定の実施形態では、本明細書に記載する固有のタワーベースのレーダシステム構成が、新しい、完全に統合されたアンテナ支持構造を活用する。この構造は、少なくともいくつかの実施形態に関連して本明細書でさらに説明されるように、タワー構造への3つの独立したアンテナエンクロージャ(本明細書では、アレイエンクロージャとも称される)の統合を容易にする。新規の設計であるこれらのエンクロージャは、迅速な展開を容易にし、システムの発展をもたらし、新規の設計サイクルなしに、レーダシステムの構成可能性を可能にするように意図的に構成されている。少なくともいくつかの実施形態では、各サブシステムは、新しいサブシステムであるが、成熟したビルディングブロックアーキテクチャによって定められ、適合されている。特定の実施形態では、各サブシステムは、工場という環境での組み込み及びチェックアウトを可能にする、シェルタ化され、スケーラブルであり、再配置可能である。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、各モジュール式サブシステムが、独立して機能的にスケーラブルであり、このことは、システムの他の構成要素の機能的及び/または操作可能の要件に基づいて、サブシステムの機能能力(例えば、冷却能力、信号処理能力、電力容量などの機能を含むが、これらに限定されない)を独立して変更、拡張、低減することなどができることを意味する。少なくともいくつかの実施形態では、成熟したアンテナ構成要素及び技術を活用し、また、レーダの系統及び他の記録プログラムにわたってビルディングブロックが共通しているという事実によって、顧客及びユーザは、設計の進歩または新たな開発に関連するコストの回避という恩恵を受けるだけでなく、完全なDOTMLPF(ドクトリン、組織、訓練、装備、リーダーシップ、教育、人材、及び施設)の効率を実現する。
【0011】
一実施形態によれば、モジュール式レーダシステムは、第1のアンテナアセンブリと、第1のアンテナアセンブリが据え付けられる支持構造と、第1のモジュール式レーダサブシステムのセットとを備える。第1のアンテナアセンブリは、第1のアンテナアセンブリが、第1のアンテナアレイと、第1のアンテナアレイが取り付けられた第1のアンテナエンクロージャであり、第1のアンテナエンクロージャが第1のアンテナアレイを収容し、第1の通信信号及び第1の電力信号を第1のアンテナアレイに分配するように構成される、第1のアンテナエンクロージャと、第1のアンテナアレイへの第1の入力を受信し、第1のアンテナアレイからの第1の出力を提供するように構成された、第1のアンテナエンクロージャインターフェースとを備える。支持構造は、第1のアンテナエンクロージャのアンテナアレイを、アンテナ操作のために十分な第1の向き及び高さに位置決めするように構成される。第1のモジュール式レーダサブシステムのセットは、支持構造とは別個であるように構成されており、モジュール式レーダサブシステムのセットは、それぞれの第1の接続のセットを介して少なくとも1つの第1のアンテナエンクロージャインターフェースと操作可能に通信するように構成されている。第1のモジュール式レーダサブシステムのセットは、第1のデータ処理サブシステム、第1の冷却サブシステム、及び第1の交流(AC)電力サブシステムを含む。第1のデータ処理サブシステムは、第1のアンテナエンクロージャのインターフェースに入力を提供し、第1のアンテナアレイのビームフォーミングを制御し、第1のアンテナアレイの出力において信号処理を実行するように構成されている。第1の冷却サブシステムは、第1のアンテナエンクロージャ及び第1のデータ処理サブシステムに冷却を供給する。第1のAC電力サブシステムは、第1のアンテナエンクロージャ、第1のデータ処理サブシステム、第1の冷却サブシステム、及び第1の直流(DC)電力変換サブシステムに電力を供給するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のアンテナアレイは、第1のアレイサイズを有し、第1のモジュール式レーダサブシステムのセットの少なくとも1つのそれぞれのサブシステムは、第1のアレイサイズと、第1のアンテナアレイの操作可能要件とのうちの少なくとも1つに基づいて、機能的に独立してスケーラブルであるように構成される。いくつかの実施形態では、支持構造は、第1のモジュール式レーダサブシステムのセットと、少なくとも1つの第1のアンテナエンクロージャインターフェースとの間で、それぞれの第1の接続のセットをルーティングするように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のアンテナエンクロージャ及び支持構造は、第1のアンテナアセンブリを支持構造から除去することなく、第1のアンテナアレイが、第1のアレイサイズとは異なる第2のアレイサイズにスケーリングできるように、スケーラブルに構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、モジュール式レーダサブシステムのセットは、支持構造とは別個である各位置変更可能なシェルタに収容されるように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のアンテナエンクロージャ及び支持構造は、支持構造への第1のアンテナエンクロージャの設置の一部として、第1のアンテナアセンブリの自己位置合わせを可能にするように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の接続のセットは、さらに、少なくとも1つの第1のアンテナインターフェースに操作可能に結合された第1の部分と、第1のモジュール式レーダサブシステムのセットのそれぞれ1つに接続されるように構成された第2の部分とを含む。それぞれの第1の接続のセット及び第1のアンテナエンクロージャは、支持構造に設置する前に、各それぞれの第1の部分の少なくとも1つの第1のアンテナエンクロージャインターフェースへの接続を含め、操作可能に共に結合され、第1のアンテナエンクロージャ、第1のアンテナアレイ、及び第1の接続のセットはすべて、第1のアンテナアセンブリが支持構造に据え付けられる前に較正される。
【0015】
いくつかの実施形態では、支持構造は、少なくとも第2のアンテナアセンブリを第1の向きとは異なる第2の向きで支持構造の上に取り付けることができるように構成された、アンテナエンクロージャ据え付け部分を備え、第2のアンテナアセンブリは、第2のアンテナアレイ、第2のアンテナアレイが取り付けられている第2のアンテナエンクロージャであり、第2のアンテナアレイを収容し、第2の通信信号及び第2の電力信号を第2のアンテナアレイに分配するように構成されている、第2のアンテナエンクロージャ、及び、第2のアンテナアレイへの第2の入力を受信し、第2のアンテナアレイからの第2の出力を提供するように構成された、第2のアンテナエンクロージャインターフェースを備える。第2のアンテナアセンブリは、第2のモジュール式レーダサブシステムのセットと、少なくとも1つのそれぞれの第2のアンテナエンクロージャインターフェースとの間のそれぞれの第2の接続のセットを介して、第2のモジュール式レーダサブシステムのそれぞれのセットと操作可能に通信し、第2のモジュール式レーダサブシステムのセットは、支持構造とは別個であるように、また、第1のモジュール式レーダサブシステムのセットとは別個であるように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2のモジュール式レーダサブシステムのセットは、第2のアンテナエンクロージャのインターフェースに入力を提供し、第2のアンテナアレイのビームフォーミングを制御し、第2のアンテナアレイの出力において信号処理を実行するように構成されている、第2のデータ処理サブシステム、第2のアンテナエンクロージャ及び第2のデータ処理サブシステムに冷却を供給する第2の冷却サブシステム、及び、第2のアンテナエンクロージャ、第2のデータ処理サブシステム、第2の冷却サブシステム、及び第2の直流(DC)電力変換シェルタに電力を供給するように構成された第2の交流(AC)電力サブシステムを備える。第2のアンテナアレイは、第2のアレイサイズを有し、第2のモジュール式レーダサブシステムのセットの少なくとも1つのそれぞれのサブシステムは、第2のアレイサイズと、第2のアンテナアレイの操作可能要件とのうちの少なくとも1つに基づいて、機能的かつ独立してスケーラブルに構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1のアンテナエンクロージャは、防水性、耐候性、電磁干渉(EMI)遮蔽性、及び高強度電磁パルス(HEMP)耐性のうちの少なくとも1つであるように構成されている。いくつかの実施形態では、支持構造は、アンテナアセンブリを第1のモジュール式レーダサブシステムのセットの上方に所定の距離だけ持ち上げるように構成されたタワー構造を含む。
【0018】
別の態様では、アンテナアセンブリと、モジュール式レーダサブシステムのセットとを含む、モジュール式レーダシステムが提供される。アンテナアセンブリは、アンテナアレイと、第1のアンテナアレイが取り付けられたアンテナエンクロージャであり、アンテナエンクロージャがアンテナアレイを収容し、第1の通信信号及び第1の電力信号をアンテナアレイに分配するように構成される、アンテナエンクロージャと、アンテナアレイへの入力を受信し、アンテナアレイからの出力を提供するように構成されたアンテナエンクロージャインターフェースとを備える。モジュール式レーダサブシステムのセットは、アンテナアセンブリとは別個であるように構成されており、モジュール式レーダサブシステムのセットは、それぞれの接続のセットを介して少なくとも1つの第1のアンテナエンクロージャインターフェースと操作可能に通信するように構成されており、モジュール式レーダサブシステムのセットは、データ処理サブシステム、冷却サブシステム、及び交流(AC)電力サブシステムを備える。データ処理サブシステムは、アンテナエンクロージャインターフェースに入力を提供し、アンテナアレイのビームフォーミングを制御し、アンテナアレイの出力において信号処理を実行するように構成されている。冷却サブシステムは、アンテナエンクロージャ及びデータ処理サブシステムに冷却を供給する。AC電力サブシステムは、アンテナエンクロージャ、データ処理サブシステム、冷却サブシステム、及び直流(DC)電力変換サブシステムに電力を供給するように構成されている。
【0019】
モジュール式レーダシステムのいくつかの実施形態では、アンテナアレイは、アレイサイズを有し、モジュール式レーダサブシステムのセットの少なくとも1つのそれぞれのサブシステムは、アレイサイズと、第1のアンテナアレイの操作可能要件とのうちの少なくとも1つに基づいて、機能的に独立してスケーラブルであるように構成される。モジュール式レーダシステムのいくつかの実施形態では、接続のセットは、前記少なくとも1つのアンテナインターフェースに操作可能に結合された第1の部分と、モジュール式レーダサブシステムのセットのそれぞれ1つに接続されるように構成された第2の部分と、をさらに含み、それぞれの接続セット及びアンテナエンクロージャは、操作可能位置への設置前に、各それぞれの第1の部分と少なくとも1つのアンテナエンクロージャインターフェースとの接続を含めて互いに操作可能に結合され、アンテナエンクロージャ、アンテナアレイ、及び接続のセットは、すべて、アンテナアセンブリが操作可能位置に設置される前に較正される。
【0020】
いくつかの実施形態では、モジュール式レーダシステムは、接続のセットがルーティングされる支持構造であり、支持構造は、モジュール式レーダサブシステムのセットとは別個であり、モジュール式レーダサブシステムのセットの上方でアンテナアセンブリを所定の距離だけ持ち上げるように構成されたタワー構造を備える、支持構造、をさらに含む。モジュール式レーダシステムのいくつかの実施形態では、アンテナエンクロージャは、防水性、耐候性、電磁干渉(EMI)遮蔽性、及び高強度電磁パルス(HEMP)耐性のうちの少なくとも1つであるように構成されている。いくつかの実施形態では、タワー構造は、複数の向きのいずれか1つでアンテナエンクロージャを据え付けることができるように構成されたアンテナエンクロージャ据え付け部分を含む。
【0021】
別の態様では、モジュール式レーダシステムを提供する方法が提供される。アンテナアレイが、アンテナエンクロージャに取り付けられて、アンテナアセンブリを形成し、アンテナエンクロージャは、アンテナアレイを収容し、アンテナアレイに第1の通信信号及び第1の電力信号を分配するように構成される。アンテナエンクロージャインターフェースは、アンテナエンクロージャに結合されており、アンテナエンクロージャインターフェースは、アンテナアレイへの入力を受信し、アンテナアレイから出力を提供するように構成されている。アンテナエンクロージャ、アンテナアレイ、アンテナエンクロージャインターフェース、及び接続のセットを含むアンテナアセンブリを形成するために、アンテナエンクロージャインターフェースに接続のセットが取り付けられており、接続のセットは、アンテナアセンブリを1つ以上のモジュール式レーダサブシステムに接続するように構成されている。アンテナアセンブリは、アンテナアレイをアンテナ操作のために十分な第1の向き及び高さに位置決めするように構成された支持構造に据え付けられる。データ処理システムは、接続のセットにおける1つまたは複数の対応するデータ処理接続に操作可能に接続されており、データ処理サブシステムは、支持構造とは別個であり、アンテナエンクロージャのインターフェースに入力を提供し、アンテナアレイのビームフォーミングを制御し、アンテナアレイの出力において信号処理を行うように構成されている。冷却システムが、接続のセットにおける1つもしくは複数の対応する冷却接続に取り付けられており、冷却サブシステムは、支持構造とは別個であり、アンテナエンクロージャ及びデータ処理サブシステムに冷却を供給するように構成されている。交流(AC)電力サブシステムが、接続のセットにおける1つまたは複数の対応する電力接続に操作可能に接続されており、AC電力サブシステムは、支持構造とは別個であり、アンテナエンクロージャ、データ処理サブシステム、冷却サブシステム、及び直流(DC)電力変換サブシステムに電力を供給するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、データ処理サブシステム、冷却サブシステム、及びAC電力サブシステムのうちの少なくとも1つは、アンテナアレイのサイズ及びアンテナアレイの操作可能要件のうちの少なくとも1つに基づいて、機能的に、かつ、独立してスケーラブルに構成されている。いくつかの実施形態では、アンテナアセンブリは、アンテナアセンブリを支持構造に据え付ける前に較正される。
【0023】
これらの実施形態及び他の実施形態に関する詳細が、本明細書で、さらに十分に説明される。
【0024】
説明する実施形態の利点及び態様、ならびに、実施形態それ自体は、以下の詳細な説明及び添付の図面と併せて、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施形態による、レーダモジュール式アセンブリ(RMA)を用いて構成されたアンテナアレイの図である。
図2】一実施形態によるレーダシステム要素の第1の例示的なブロック図である。
図3-1】一実施形態による、図2のレーダシステム要素をより詳細に示す、レーダシステム要素の第2の例示的なブロック図である。
図3-2】一実施形態による、図2のレーダシステム要素をより詳細に示す、レーダシステム要素の第2の例示的なブロック図である。
図4A】いくつかの実施形態に従った、図2のレーダシステム要素を使用する、タワーのコンポーザブルなレーダの第1の例示的な実施形態である。
図4B】いくつかの実施形態に従った、図2のレーダシステム要素を使用する、タワーのコンポーザブルなレーダの第2の例示的な実施形態である。
図4C】一実施形態による、図2のレーダシステムのアンテナアレイのさらなる詳細である。
図5】一実施形態による、例示的なモジュール式タワーの図である。
図6】一実施形態による、取り付け箇所、取り付け角度、及び位置合わせピンを示す、図5のモジュール式タワーの一部の拡大図である。
図7】一実施形態による、図5のモジュール式タワーの上部に取り付けられた複数の各戸独立式アンテナエンクロージャの第1の図である。
図8】一実施形態による、ドアが開かれている、各戸独立式のアンテナエンクロージャの後面図である。
図9】一実施形態による、輸送中の構成要素を示す、図5のモジュール式タワーの上部に取り付けられたいくつかの各戸独立式のアンテナエンクロージャのメンテナンスの図である。
図10図9の各戸独立式のアンテナエンクロージャの操作可能時の図である。
図11】一実施形態による、設置、発展、及び/またはアップグレードなどの、図5のタワーからアンテナエンクロージャの取り外し及び/または設置時の図を示している。
図12】一実施形態による、直流(DC)配電シェルタの図である。
図13図12のDC配電シェルタのブロック図である。
図14】一実施形態による、交流(AC)電力シェルタを示す図である。
図15】一実施形態による、図14のAC電力シェルタのブロック図である。
図16】一実施形態による、無停電電源(UPS)シェルタの図である。
図17】一実施形態による、図16のUPSシェルタのブロック図である。
図18】一実施形態による、データ処理シェルタの図である。
図19】一実施形態による、図18のデータ処理シェルタのブロック図である。
図20】一実施形態による、冷却装置シェルタ(CES)の図である。
図21】一実施形態による、図20のCESのブロック図である。
図22】本明細書の少なくとも一部の実施形態の展開に使用可能なトレーラ搭載の商用オフザシェルフシステム(COTS)の説明的な例である。
図23】は、本明細書の少なくともいくつかの実施形態の展開に使用可能なパレット付きCOTSの説明的な例である。
図24】一実施形態による、例示的なコンポーザブルなレーダシステムにおけるレーダシステム要素間の物理的インターフェースの説明的なブロック図の例である。
図25】一実施形態による、例示的な監視レーダシステムにおいて動作するように適合された、図3のコンポーザブルなレーダシステムの例示的なブロック図の例である。
図26】一実施形態による、図1~26のシステム及び装置の少なくとも一部と共に使用可能な例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【0026】
図面は、原寸に比例しておらず、代わりに、本開示の実施形態の原理及び特徴を示すことが強調されている。図面において、同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の詳細な説明は、少なくともいくつかの例において、ターゲットを検出、追跡、監視、及び/または識別するように構成されている、ターゲット検出システム(例えば、レーダシステム)の特定のコンテキストを使用して提供される。ここでは、ターゲットは、航空機(無人及び有人の両方)、無人航空機、無人自律ビークル、ロボット、船、宇宙船、自動ビークル、及び天体、さらには、鳥、昆虫、及び雨が含まれ得る(ただし、これらに限定されない)。本明細書における少なくともいくつかの実施形態は、限定するわけではないが、軍用レーダ、航空管制用レーダ、気象監視レーダなどを含む、任意のレーダアプリケーションに関連する任意のシステムと共に使用可能である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、任意の種類の高設監視システムの据え付け及び構成に使用可能である。
【0028】
ますます、レーダシステムのユーザ及び購入者が、新たなレーダを開発及び展開するためのコスト、リスク、及び時間の延長を回避することを好むようになると考えられる。最近のレーダの開発及び進歩は、レーダの感度及び開口を調整するために必要とされる設計を低減するために、スケーラブルなフェーズドアレイテクノロジの変調に焦点が当てられている。このようなモジュール化の具体例は、上述の一般的に割り当てられた、いくつかの特許及び特許出願に記載されている。上述した特許文献に記載されているスケーラブルなフェーズドアレイアンテナのようなスケーラブルなシステムを使用することは、レーダのユーザ及び顧客が、これらの成熟している利用可能なレーダの解決法を新しいミッション空間に適合させることを、より厭わなくなることを意味し得る。成熟した生産ハードウェアを使用することによって、コスト及びスケジュールのリスクが大幅に低減されるが、レーダのユーザ、顧客は、処理能力を向上するために、スケーラブルなシステムを使用しているにもかかわらず、ミッションの要件に妥協することがある。さらに、フェイズドアレイ及び支援サブシステムのスケーリングには、予期されるよりも格段に多くの設計の支持及びコストが必要になる場合がある。
【0029】
さらに、図1のアンテナアーキテクチャ100のようなアンテナアーキテクチャは、それが拡張可能であるという利点を有しているが、アンテナアレイの拡張は、あらゆる状況において有効というわけではない。場合によっては、利用可能な電力、冷却及び処理を、新たなアンテナアレイの要求に合わせて、新たな設計及びテストを必要とせずに、容易にスケーリングまたはアップグレードすることができないので、アンテナアレイの拡張は、機能しない。非常に大きなスケールの開口については、MRAサブセクション112を積層し、かつ/あるいは、これらを並べて配置することが実行可能である。しかしながら、図1の例示的なアンテナアーキテクチャ100の場合には、各レーダのサイズ及び性能に対して新たな固有のアレイ構造及び後部構造が必要とされるならば、大規模な再加工なしに、アーキテクチャを後の日付において常に容易にサイズをアップグレードすることはできない。フェイズドアレイをスケーリングし、レーダファミリ全体にわたって生産構成要素を再利用するためモジュール式のビルディングブロックを使用することは、レーダの設計においてより一般的になりつつあるが、このアプローチは、一般的には、大幅な再設計なしでは、アンテナサブシステムを超えて拡張することはできない。さらに、最近の実装では、当分野でのアップグレード及び較正に関連する長時間のダウンタイムが必要である。
【0030】
提案された1つの解決法は、レーダ構成要素をアンテナにパッケージングすることによってシステムのモジュール性を向上させることである。これは実行可能であり得る。そして、非常に大規模な開口の問題に対処する。しかしながら、このアプローチは、特に、より小さく及び/または、より軽量なアンテナが必要とされる用途のためには、高所(タワー)を必要とする多面システムのために、常に効率的というわけではない。
【0031】
いくつかの過去のシステムにおけるレーダのモジュール性は、主に、上述したレーダモジュール式アセンブリ(RMA)などのビルディングブロックを介してアンテナのスケーラビリティに焦点を当ててきた。現場でスケーラブルなアンテナをアップグレードするプロセスは、煩雑となる場合があり、実質的な作業停止時間を生じさせ、現場での較正を必要とする。各々の新たなアンテナ構成で、結果として、アンテナ構造、電力、冷却、無停電電源装置(UPS)などのサポートシステム、ならびに、統合、テスト、及びシステムの検証を含めるシステムの設計などの特徴に必要な、さらなるデザインの労力をもたらし得る。最終的に、いくつかの事例では、既存のシステムのアップグレードに必要とされる大規模な設計は、高価なプロジェクトにつながる可能性があり、そこでは、顧客及びレーダのユーザは、アップグレードされたシステムが高いシステムテクノロジ対応レベル(TRL)を有することに対する信頼を失う可能性がある。
【0032】
より高いレベルの統合でのビルディングブロックの最近のコンセプトは、上述の第954号特許出願に記載されているように、大規模で迅速なシステムスケーリング(例えば、モジュール式レーダアセンブリ(MRA))に焦点を当てている。これらの他のビルディングブロックの概念は、サイズ及び重量のために地上のプラットフォームを必要とし得るが、地上のプラットフォームの性質(例えば、サイズ及び地上の適用範囲)により、配置センター付近でのサイト設置の選択肢が制限されることがある。さらに、これらのビルディングブロックは、360度の適用範囲のために、比較的大きな地表の使用を必要とすることがある。場合によっては、これらの構想は、小型化に十分に適していない、非常に大きなビルディングブロックを採用している。地上のプラットフォームは、見下ろす監視が必要とされる状況のための地域の形状に左右され得る。これらの大型システムの性質により、タワー式の基礎を必要とするほとんどの空中監視ミッションのために、これらの大型システムを適用する実用性が制限され得る。
【0033】
いくつかの例では、軍またはその他の政府機関などのユーザ/顧客は、レーダの機能及び性能の範囲を必要とする、かつ/あるいは、好む場合があるが、入手を容易にし、DOTMLPF(ドクトリン、組織、訓練、装備、リーダーシップ、教育、人材、及び施設)の複雑性を最小化し、かつ/あるいは、レーダシステムの提供及び展開のための展開スケジュールを迅速化するための要件に関して、妥協する場合がある。したがって、顧客/ユーザは、いくつかの場合に、次のようなトレードオフを行わなければならない。
【0034】
‐高い技術成熟度(TRL)によるリスクの軽減:新しいシステムの開発を選択することに対して、利用可能で成熟したシステムを購入する意欲が生じ得る。
【0035】
‐機能妥協点:ユーザは、例えば要求の80%を満たす解決手段が、解決手段なしの場合よりも良好であると仮定すると、一部のシステムの性能制限を受け入れることができる。
【0036】
‐最も低いコストに基づく選択:多くのユーザに対するコストの感度は、制約された予算内で能力を最大化することをさらに強調することを意味し得る。
【0037】
‐システム拡張性の命令:オープンシステムであるレーダシステム及びその他のシステム、及び/または、モジュール性及びスケーラビリティを提供するシステムが優先され得る。そして、これにより、目的の能力への発展経路を設けながら、予算に合わせて初期の取得を調整できるようにする。
【0038】
‐取得アジリティ:現場に出すのを加速する他の取引当局(OTA)、無期限配送、無期限数量(IDIQ)、及び他の取得方法の広範囲の使用
【0039】
特定の態様において、本明細書に記載された少なくともいくつかのこの実施形態は、これらの上述の懸念及び問題のうちの少なくともいくつかに対処することを試みている。さらに、本明細書に記載された少なくともいくつかの実施形態により、これらのニーズのうちの1つ以上への対処を支援することができる、新規にコンポーザブルなレーダシステムが提供される。特定の実施形態では、コンポーザブルなレーダの解決法は、様々な顧客、ミッション、及び、要件のための成熟した高性能レーダを定義し、構成し、配備する、新規のアプローチを提供する。特定の実施形態では、完全モジュール式ビルディングブロックのアプローチを用いており、特定の実施形態は、必要とされる設計の補助がほとんどない、成熟した、検証されたビルディングブロックを使用して構成された、タワーベースのレーダシステムをもたらす。少なくともいくつかの実施形態で実証されたアプローチは、以下を含む、極めて具体的な顧客のニーズに対応するのに寄与し得る。
1)高TRLフェイズドアレイ及び重要なサブシステム技術の使用
2)機能の導入と開発の遅れに対する手段の確立
3)運用要件及び/または予算制限に合うよう、再設計なしでレーダ解決法を調整すること
4)極めて低い休止時間で、発展機能を迅速に実装すること
5)高価な飛行試験に対するシミュレーションによるシステムの性能の検証
6)DOTMLPFの効率をもたらすための成熟した同一システム構成要素の使用
【0040】
特定の実施形態では、本明細書に記載されるように、提供されるレーダシステムは、成熟した製品及び製品のビルディングブロックから導出されるモジュール式の「ビルディングブロック」構成要素を使用して生成される。少なくともいくつかの実施形態に従って、これらの構成要素を作成することは、(有利には、予測可能なコスト/価格を有する)顧客のための標準化された構成のカタログを確立することを支援する。本明細書の少なくともいくつかの実施形態では、種々のレーダシステムの構成に及ぶだけでなく、構成要素のいずれか、または、すべてを組み込んだ他の種類のシステムにも利用可能な、事前に設計されたビルディングブロックが提供される。
【0041】
特定の実施形態では、レーダシステムの構成は、広範囲のレーダミッション及び機能(市民及び国防総省(DoD))を補助するように定められている。特定の実施形態では、構成の系統は、既知であり、疑問視されていない能力を有する(既製の)商品のレーダを、成熟度、可用性、血統について、明確にしている。特定の実施形態では、本明細書でさらに説明するように、標準化されたビルディングブロックと標準化された構成とを使用して、既知のミッションでの要求及び/または予算に有利に適合させることができる。特定の実施形態では、標準化されたビルディングブロックを使用することが、後続的なレーダの用途のための設計及び開発時間を排除または低減するのに役立ち得る。本明細書の少なくともいくつかの実施形態に関連する標準化された構成要素のさらに別の利点は、反復可能な製造、展開及び性能である。
【0042】
図2は、一実施形態による、例示的なコンポーザブルなレーダシステム200のための、レーダシステム要素の第1の例示的なブロック図である。図3は、一実施形態による、図2のレーダシステム要素及びサブシステムをより詳細に示す、図2のレーダシステム200の第2の例示的なブロック図である(図3に示されているサブシステムの詳細は、本明細書でさらに説明されている)。例示的なコンポーザブル/モジュール式レーダシステム200は、複数のレーダシステムの下位構成要素(本明細書では「レーダビルディングブロック」または「RBB」とも呼ばれる)を含み、それぞれの下位構成要素(タワー構造202以外)は、有利には、所定のインターフェース及び他のRBBへの接続を備えた、モジュール式、再配置可能な、シェルタまたは他の保護ハウジングに収容されている(本明細書にさらに記載されているように)。特定の実施形態では、各RBBが事前にテストされ、事前に検証され、かつ/あるいは、事前に構成され、使用できる状態にある。各RBBは、(例えば、本明細書の図24及び25に示されているように)他のRBBの特定のもの、及び/または(本明細書でさらに説明される)アンテナアレイ207と操作可能に通信するように構成される。特定の実施形態では、アンテナアレイ207のRBBと、そのアンテナエンクロージャ204RBBとの間の操作可能な接続、及び、他のRBBは、タワー202を通って、及び/または、タワー202内でルーティングされるケーブル及び他の接続によって形成される(それ自体がまたRBBであり、特定の実施形態では、それ自体がRBBとしてまた視認可能である、1つ以上のモジュールの下位構成要素を使用して、構成され得る)。
【0043】
図2及び図3を参照すると、例示的なコンポーザブルレーダシステム200は、第1タワー型アンテナ構造205(1つ以上のアンテナエンクロージャ204及び支持タワー構造202を含む)と、1つ以上の直流(DC)配電シェルタ206と、1つ以上の交流(AC)電力シェルタ208と、無停電電源(UPS)シェルタ210と、1つ以上のデータ処理シェルタ211と、1つ以上の冷却シェルタ214と、を含む。これらの構成要素の各々についての詳細は、本明細書でさらに説明されている。加えて、特定の実施形態では、シェルタは、再配置可能及び/または積み重ね可能であるように構成することができる。特定の実施形態では、レーダシステム200のサブシステムの構成要素の一部またはすべてを収容するシェルタは、輸送に使用される従来の貨物用コンテナとサイズが同等であり得る。
【0044】
特定の実施形態では、図2及び図3のシステムは、独自の方法で共に統合された新規のアーキテクチャを提供し、このアーキテクチャは、有利には、アンテナ支持体502を組み込んだ新規のタワー支持構造202(本明細書の図5を参照)を含む、成熟したアレイ技術、商用オフザシェルフ(COTS)装置、及び/または、自立シェルタを新規の組み合わせで、再利用及び適合することができ、新規で、モジュール式で、スケーラブル、再配置可能なタワーベースのレーダ製品を可能なものにする。図2及び図3のサブシステム202~214は、明確に定義された新しいレーダビルディングブロック(RBB)サブシステムに対応する。図2及び図3のRBBサブシステムの使用により、レーダシステムを、ほとんどまたは一切の新たな開発なしに、ミッションの要件に合わせて容易に調整することができるようになる。
【0045】
アンテナエンクロージャ204(本明細書の図4~前記11において、より詳細に説明されている)は、特定の実施形態では、法人Raytheon及び/または他の製造業者から入手可能なもの、及び、関連するアレイ配電などのスケーラブルなフェーズドアレイアンテナ(有利には、モジュール式レーダモジュラーアセンブリ(RMA)アンテナ要素、または、他の機能的ビルディングブロック(FBB)要素を使用して構築される)用の完全に密閉された電磁干渉(EMI)遮蔽性、高高度電磁パルス(HAM)耐性、及び、耐候性の集積構造を提供する。アンテナエンクロージャ204は、特定の実施形態において、それが製造された工場で既に較正及びテストされた、完全統合アンテナの送達及び現場での設置を可能にする(しかしながら、これは、すべての実施形態において必須ではない)。いくつかの実施形態において、アンテナエンクロージャは、エンクロージャ内部で既に接続されている、完全に較正されたケーブルを含むが、これは、すべての実施形態において必須ではない。アンテナエンクロージャ204は、いくつかの実施形態では、クレーンリフト(本明細書の図11参照)、または他の適切なリフトを用いて、タワーマウント(例えばタワー202へのもの)に数時間で設置し、アンテナエンクロージャ及びアンテナ支持タワー202は、迅速、単純、適切な(及び、有利には、機械的な)位置合わせのために特別に設計されている(本明細書において、図6及び図11に関連してさらに説明される)。
【0046】
特定の実施形態では、アンテナエンクロージャ204は、完全に配置されたアレイ用に設計されているが、ミッション固有の要件または予算に応じて、より小さな開口を配置することができる。これは、特に図4A~4C及び図11に関連して、本明細書で、さらに説明される。図2及び図3のアンテナエンクロージャ204の付加的な利点は、特定の実施形態で、(配置が完全に達していない可能性のある)既存のアンテナエンクロージャ204を、完全な配置のアンテナエンクロージャ204(本明細書における図11を参照)に、極めて少ない停止時間で置き換えることによって、迅速な感度の発展を可能にすることである。例示的な実施形態では、360度の適用範囲のために、タワーアンテナ構造205は、3つのアンテナエンクロージャ204を含むことができるが、これは、限定されない。所望の場合、及び/または、所与の用途に応じて、1つ乃至4つのアンテナエンクロージャを用いて、タワーアンテナ構造を実装することができる。使用することができるアンテナエンクロージャ204の数は、タワー構造202の構成、形状、及び支持能力によって制限される。当業者が理解するように、より多くのアンテナエンクロージャ204及び/またはアンテナエンクロージャ204の異なる向きを保持するように構成された支持構造502を実装するために、タワー204の異なる幾何学的形状及びフットプリントを作成することができる。しかしながら、これは、コスト、適用範囲の(例えば、レーダ信号の)観点からは、それほど有利とは言えない。特定の実施形態では、アンテナエンクロージャ205は、前述のRMAベースのビルディングブロックを使用して作成された、アンテナ207を含んでいる(例えば、前述のように、基準の第222号及び第448号の特許によって組み込まれている)が、ただし、これは、限定ではない。本明細書の図に示したコンセプト及び構造は、理解されるように、任意のスケーラブルなブロックまたは機能的なビルディングブロックに適用可能である。
【0047】
図2及び図3のシステム200は、特定の実施形態では、一体型のアンテナエンクロージャ支持構造502(本明細書の図5図6に関連して、より詳細に示され、かつ、説明)を有する新規なタワー設計202も含む。図5及び図6を簡単に参照すると、例示的なレーダシステム200は、1つのそのようなタワー202を有し、ここで、支持構造部分502は、1つ乃至4つのアンテナエンクロージャ204を支持するように構成されている。特定の実施形態では、タワーサブシステム202は、アンテナエンクロージャ204の迅速な一体化のために、特別に構成及び設計されている。様々な実施形態では、3つの対応するアンテナアレイ面に関連付けられた3つのアンテナエンクロージャ204に、アンテナ要素を等しく配置することができる。特定の実施形態では、アンテナアレイ2017の面のアレイサイズ及び適用範囲を変更することができる。さらに、一部の実施形態によれば、予め構成されたアレイ集団の組み合わせを、ミッションの要件または制限された予算に合わせて調整し、その後に、アップグレードすることができる。特定の実施形態では、タワーサブシステム202は、ミッション及び形状に基づいて、ユーザ/顧客が所望の高さを選択することを可能にするために、モジュール式セクションにおいて設けられる。図2図3の実装形態は、周波数に関係なく、任意のスケーラブルなアンテナを適用する、ということに留意すべきである。
【0048】
特定の実施形態では、タワーサブシステム202は、図2の他のレーダサブシステムの前に配備されるので、アンテナエンクロージャ204をタワーの上にクレーンで、または、他の方法で持ち上げて、さらなる設計を必要とすることなく、機械的に位置合わせすることができる(本明細書の図6及び図11を参照)が、これは、限定的なことではない。図2図3の他のレーダビルディングブロック(RBB)要素またはサブシステムも、異なる順序で設けることが可能である。しかしながら、特定の実施形態では、アレイエンクロージャ204は、タワーサブシステム202が設置され、アンテナエンクロージャ204を収容する準備が整うことを必要とする。タワーサブシステム202は、いくつかの実施形態では、3つ乃至4つの別個のアンテナの高さに関して区切られたタワーを含むことができ、これにより、タワー202は、現場に設置されるように、複数のモジュール式部品で提供される。
【0049】
図2及び図3のシステム200は、また、別の新規のRBBを、例えば、DC配電シェルタ206などの電力シェルタの形態で含み、いくつかの実施形態では、DC配電206及びAC配電208は、別個のシェルタにある。特定の実施形態では、電力シェルタは、AC/DC電力変換を提供することができる。特定の実施形態では、各それぞれのアンテナエンクロージャ204は、それ自体の専用のDC配電シェルタ206、及び、それ自体の専用のAC配電シェルタ208を含む、それ自体の対応する電力遮蔽構造を有している。特定の実施形態では、各それぞれのアンテナエンクロージャ204は、それ自体の冷却シェルタ214、データ処理シェルタ212、及び/または、UPSシェルタ210も有する。これについては、本明細書でさらに説明する。シェルタ206及び308などの設計された電力「ビルディングブロック」は、認識されるように、潜在的なアンテナ構成の範囲にわたって、組み合わせ/スケーリングすることができる。例えば、これらは、認識されるように、より多くの要素、ならびに、電力及び配電に対するより大きなニーズを有するアップグレードされたアンテナエンクロージャ204を支持するように、容易にスケーリングすることができる。したがって、タワー上の3つのアンテナエンクロージャ204のうちの1つを交換またはアップグレードすることができ、また、単に、シェルタを交換するか、または、シェルタ内部の構成要素を追加するだけで、対応する機能サポート(電力、冷却、データ処理など)の一部または全部を容易に交換することができる。
【0050】
図2のレーダシステム200の他の構成要素のいくつかは、特定の実施形態では、COTSまたは既存の記録プログラム(PoR)設計を活用するシェルタレベルのビルディングブロックを利用することができる。つまり、構成要素が、(例えば、アンテナエンクロージャ/タワーが使用されている)所定の「記録的なプログラム」または製品に対して既に使用/証明されている場合、この構成要素は、成熟度があり、同一プログラムの他のシステムでの再利用に適していると見なすことができる。例えば、特定の実施形態では、UPSシェルタ210及び/または冷却装置シェルタ214の両方を、COTS製品を使用して実装することができる。少なくともいくつかの実施形態では、システムの他の構成要素のニーズに基づいて設けられる容量または機能を適合させるために、構成要素は、独立して機能的にスケーラブルである。一実施形態では、UPSシェルタ210は、スケーラブルなCOTSUPS/バッテリ記憶装置を活用する。一実施形態においては、冷却機器シェルタ214が、レーダシステムの仕様を満たすように、特に、アンテナを冷却するように設計された、スケーラブルなCOTSチラーを使用して実現される。冷却機器シェルタ214の機能も、同様に、独立してスケーラブルであるので、例えば、アンテナアレイの寸法が増大すると(したがって、付加的な冷却が必要となると)、付加的な冷却機能を冷却機器シェルタ214に追加することができるか、または、付加的な冷却機器シェルタ214を設けることができる。上述した電力シェルタ206と同様に、これらの他のRBBシェルタは、それぞれのアンテナエンクロージャ204に関連付けることができ、かつ、接続することができる。
【0051】
さらなる実施形態では、データ処理シェルタ212は、PoRバックエンド処理(TRL-8、すなわち、技術準備レベル8、すなわち、実際のシステムが完了し、テスト及びデモンストレーションによって、ミッションまたは「飛行適格」であることを意味する)などの、既に使用されている、または、承認された処理を再利用するように実装することができる。当業者に理解されるように、TRL-8システムに関連するハードウェア及びソフトウェア技術は、その最終形態で、予想される条件下で、固有のスケーラビリティを伴って機能することが証明されている。特定の実施形態では、例えば、信号及びデータ処理シェルタ212は、すべてデータ処理シェルタ12に収容されている、レーダ処理及び関連するバックエンドのレーダアーキテクチャのためのSバンド製品の100%の再利用を含んでいる(このレーダ帯域は、もちろん限定するものではない)。理解されるように、セットアップ中に、データ処理シェルタ212のために行われる小規模な構成設定が、依然として存在することが、必要な場合がある。
【0052】
図4A及び図4Bは、いくつかの実施形態に従った、図2及び図3のレーダシステム要素を使用する、タワー上のコンポーザブルなレーダの第1の例示的な実施形態400a及び第2の例示的な実施形態400bである。図4Aのタワー202は、一体化されたアンテナ支持構造(図5A図7Bにより詳細に示されており、図5A及び図6のアンテナ支持構造502を参照されたい)を有し、それは、それぞれが対応するアレイ207aを有し、各々が、特定の実施形態で、それ自体のセットの各RBB(例えば、図2及び図3のサブシステム)に関連付けられて、3つまでのアンテナエンクロージャ204aを支持するように構成された、開放構造である。図5を簡単に参照すると、図5は、一実施形態による、例示的なモジュール式タワー202の図である。
【0053】
図6は、図5のモジュール式タワー202の上部502の拡大図600であり、アンテナ支持部502が複数の取り付け箇所を含み、特定の取り付け角度を維持するための向きを有し、さらに、一実施形態による位置合わせピン906を含む、ことを示す。特定の実施形態では、この上部502は、3つの面を有するように構成されており、各面は、それぞれのアンテナエンクロージャ204に結合されるように構成されている。例えば、一実施形態では、上部502は、(例えば3つの面を有する)「ティピー」状、または、三角錐形の頂部を有することができる。別の実施形態において、上部502は、(タワー構造の基部の少なくとも一部の寸法に近づくと、上部及び基部に向かって最も狭い端部を有し、結果として、各面が実質的に台形の形状を有する)3次元台形プリズム形状の上部を使用して、実装することができる。他の実施形態(図示されていないが、容易に理解される)では、上部502は、三角形のプリズム形状、及び/または、ピラミッド形状を使用して実装することもできる。理解されるように、任意の形状は、3つの面(例えば、3つの顔に対して4つの台形の面)の代わりに、4つの面を使用して、実装することができる。用途に応じて、さらに多くの面が可能である。
【0054】
有利には、上部502は、アンテナエンクロージャ204の形状を支持するように適合させることができる任意の形状を使用して実装することができる(例示目的で、本明細書の実施形態では、実質的に長方形の3次元形状を有することが示されている)。タワー202自体は、任意の所望の幾何学的形状を有することができるが、有利には、正方形、長方形、菱形、八角形、及び三角形のうちの1つである。図面におけるタワー202の全体的な形状は、一定として示されているが、これは限定的ではない。タワー202の形状は、例えば、そのセクションにおいてサイズの変化を有することができ、及び/または、1つまたは複数のテーパを有することができ、当業者が認識するように、様々な種類の形状(例えば、いわゆる、「ビーフスクエア(beefy square)」形状、エッフェルタワー形状など)を有することができる。アンテナエンクロージャ支持体502部分の特定の形状は、限定するものではないが、有利には、この上部支持部502は、アレイ207を形成するためのアレイ要素が必要に応じて装填された場合、アンテナエンクロージャ204の重量を保証するように構成されており、取り付け部604を介して、固定的かつ確実に、所定の位置に保持することができる。
【0055】
図4A図4B及び図5に示されている、開いたトラス状の支持構造(及び、図6に示されたアンテナエンクロージャ支持部502)を使用する1つの利点は、それが「建物」ではなく、そのため、建物(特に、人間が存在する可能性のあるもの)に適用される敷地要件及び建築基準など、例えば、ある種及び数の出口、防火、気流、排水などの手段は、たとえタワーが梯子及び階段、または、床を含んでいて、人がいくつかの部分に接近できるようにしている場合であっても、開放されたトラス状タワーなどの構造に適用され得ない、または、それほど負担となり得ない、ということである。これにより、このサイズのアンテナアレイが、しばしば取り付けられる密閉された建物状構造と比較して、支持構造202を、より単純で、軽く、コストをかけずに、建立/構築がより迅速に、維持がより簡単に、解体がより容易に、など行えるようにする。支持構造は、開いており、(建物のように完全に包囲されている支持構造とは対照的に)壁によって完全には包囲されていないので、例えば、温度、換気などに関する、(閉鎖空間などに対する)他の追加的な健全性及び安全性の要件を、より単純に及び/または容易に達成し得ることを可能にする。
【0056】
図5及び図6を参照すると、タワー202が、対応するアンテナエンクロージャ204を、支持体604を用いて支持する能力を有する、開口構造を設ける上部502を含むことが分かる。上部502は、(上部「ペントハウス」レベル607を含む)支援要員906によって使用される、いくつかの「床」レベル606を含み、上部502の支持フレーム604は、鉛直から傾斜させられている。これは、例示的なものであり、限定的ではない。当業者は、特定の実施形態及び用途では、上部502が、他の向き及び様々な角度(または、さらには、角度なし)でアンテナエンクロージャを据え付けるために構成及び配置することができることを理解するであろう。
【0057】
特定の実施形態では、アンテナエンクロージャ支持フレーム604の傾斜は、ミッション空間の要件をスキャンするように定められた、アレイスキャン能力に関連している。いくつかの実施形態において、鉛直方向からのタイルは、図示された傾斜より大きいことがあるが、これは、水平線に向かう潜在的なスキャン損失につながる傾向があり得る。多くのミッション及び適用例では、監視の量の優位性は、水平線付近にある。認識されるように、チルトバックが大きいほど、スキャンの角度は大きくなる(そして、水平方向に向かう付随するスキャンの損失が大きくなる)。
【0058】
図6の構造502は、3つの位置合わせピン610a、610b、610cを含み、これらは、図6において、破線の楕円で囲まれている。底部の位置合わせピン610a及び610bは白で囲まれており、上部の位置合わせピン610cは黒で囲まれている。これらのピンは、特定の実施形態では、当技術分野で理解されるように、対応するアンテナエンクロージャ204のハウジング部分の内部に形成された、適合する開口を備えて、構成されている。理解されるように、構造502をアンテナエンクロージャ204に機械的に位置合わせするため、多くの異なる技術が可能である。少なくとも一部の実施形態では、位置合わせピンは、設置中に支援要員906の補助を含めて、各アンテナエンクロージャ204が、上部502に正しい角度で結合されることを保証するのに役立つ。さらに、上部アレイ装着支持体604は、各支持体604の中心が、互いに所定の距離だけ離れるように、頂部の周りに間隔を空けて構成され、アンテナエンクロージャ204は、それぞれ、所望の適用範囲のために、互いに既知の距離または向きで隔たるように、構成されている。この配置は、単なる例示であり、限定するものではない。例えば、特定の実施形態では、(例えば、RMASの数の)将来の発展が、予想または必要とされないか、または、制限されることが既知である場合、潜在的に低減されたコストで有する、より小さ規模な支持にすることも可能である。さらに、図6において、据え付け装置は、第1のサイズのアンテナアレイに関連する、基準のアンテナエンクロージャのサイズの重量を支持するように構成された、ボルトパターン604を示し、また、ボルトパターンは、「発展する」アンテナエンクロージャサイズの重量を支持するように構成されている(例えば、より多いRMAまたはより多いFBBを有するもの)。有利には、ある実施形態において、ボルトパターン604は、2つ以上のサイズのエンクロージャ(例えば、2つのエンクロージャ)を支持するように構成されている。ある実施形態において、ボルトパターン604は、アンテナタイプに基づいて、多様にすることもできる(例えば、アンテナタイプが初期SバンドRMAからCバンドまで延長されている場合)。
【0059】
再び、図4Aを参照すると、この例示的な実施形態では、統合アンテナ支持構造を含むタワー202の全体的な高さは、非常に短い高さから、非常に高い高さまでの範囲である。ただし、これは限定的ではない。タワー202は、いくつかの実施形態では、アンテナエンクロージャ204内部に含まれているように、完全に配置された3つのアンテナアレイ207の全重量を支持するように構成されている。有利には、タワー202は、他のレーダシステム構成要素より先に配備される。理解されるように、タワー202は、また、グランドからアンテナエンクロージャ204への電力/電気(206、208)からのルーティング接続、及び/またはケーブル接続、及び/またはコンジット(集合的に「接続411」)と、冷却装置(214)と、を可能にするように構成されている。
【0060】
図4Aのタワーは、特定の実施形態では、それぞれのアレイの一部として、所定の第1のベースライン数(N)までのRMA/FBBを各々が有することができる、3つのアンテナエンクロージャ204を支持するように構成されている。例示的な実施形態では、完全に配置されている3つの小さなエンクロージャ204が、100,000ポンドの桁の重量を有し、完全に配置されている3つの大きなエンクロージャが、200,000ポンドの桁の重量を有し得る。特定の実施形態では、アンテナエンクロージャ204は、所望のレーダ構成に従って、部分的または完全に配置されて、送達され得る。特定の実施形態では、アンテナエンクロージャ204は、1つ以上の統合アレイ配電ユニット(APDU)キャビネット(本明細書でさらに論じる)を含む。理解されるように、レーダシステム200は、整合された、または、不一致のアンテナ(RMA/FBB量)で構成され得る。任意選択で、タワー202は、構成要素のメンテナンス及び設置を支援する昇降機構413を含むことができる。特定の実施形態では、昇降機構413は、保守作業員をタワー200の上部200フィートまで搬送するように構成されている。
【0061】
再び、図4Aを参照すると、タワー202の基部に示されたグランドシェルタには、AC/DC電力変換シェルタ206a、208a、チラー(冷却)シェルタ214a、信号及びデータ処理シェルタ212aが含まれ、UPSシェルタ210aが、特定の実施形態では、すべて完全に、テスト済みのまま送達される。理解されるように、グランドシェルタ(各々は、特定の機能を設けるモジュール式のレーダビルディングブロックを表す)は、シェルタ及び/またはサブシステムレベルで、完全にスケーラブルであるように構成されている。特定の実施形態では、このスケーリングは、他のグランドシェルタをスケーリングする必要があるかどうかとは独立させることができる。例えば、アンテナアレイのサイズが変化した場合(例えば、より多くアレイ要素を増やすことにより増加した場合)、付加的な電力の容量が必要になる場合がある(例えば、付加的な電力シェルタが必要になる)が、既存のデータ処理シェルタ自体が、増加したアレイのサイズに対応するのに十分な容量を有する場合があるため、付加的なデータ処理能力は必要ではない場合がある。さらに、電気的、機能的、及び操作可能な接続411は、タワー202を通ってルーティングすることができ、タワー202に直接的に結合され、タワーの中空の「脚部」の内部にルーティングされ、または、タワー202のいずれかの場所に結合されることができ、これにより、それらは、アンテナエンクロージャ204に到達することができる。接続411について示されている配置は、例示であって、限定するものではない。直接的な操作可能な接続を必要とする構成要素(例えば、冷却215、DC電力206、データ処理212、及びAC電力208)が、それらの操作可能な接続を、劣化または信号損失なしに、アンテナエンクロージャ204に到達させることができる限り、タワー202及びアンテナエンクロージャ204の直接的な部分ではないRBB構成要素が、タワーサブシステム205に直接隣接して、または、その極めて近くに、配置される必要はない。特に、データ処理シェルタ212をより遠隔に配置することが可能となり得る。そして、これは、一部の活動のために他の構成要素と無線で通信することさえできるようにする。しかしながら、特定の実施形態では、データ処理シェルタ212が、また、AC及び/またはDCシェルタによって給電されるため(本明細書の図24図25におけるインターフェースの図表を参照)、データ処理シェルタ212が位置する場所が制限され得る。さらに、特定の実施形態(例えば、図3の例示的なブロック図、図26の例示的な実装形態)では、データ処理シェルタ212が、アンテナI及びQの信号を伴う通信、デジタルビームフォーミングの実行、アンテナアレイがデータ処理シェルタサブシステム212に通信する信号に対する信号処理の実行、及び/または(図3のブロック212に示されるような)他の機能を含む、アンテナ207を直接扱う装置を含むので、最適な操作と信号の忠実度のためには、データ処理212がアンテナアレイ207のできるだけ近くに配置されることが、重要となり得る。
【0062】
図4Bを参照すると、タワー400Bの第2のコンポーザブルなレーダは、図1のコンポーザブルなレーダ400aと同様の多くの概念を含むが、コンポーザブルなレーダ400aの能力をアンテナアレイ面当たりNRMAに増大させるようにスケーリング及び適応される(図4Aのシステムでのアンテナアレイ面当たりNRMAと比較)。特定の実施形態では、N=2Nであり、ただし、これは限定的ではない。特定の実施形態では、各RMAは、約2フィート×2フィートの「箱」に対応し(例えば、図1に示すように)、重量は約1000ポンドであるため、図2の実施形態のアンテナアレイ207bのサイズ、及び、対応するアンテナエンクロージャ204bの重量は、より多くの支持を設けるために、より大きな設置面積を有する相当に大きなタワー202bを必要とすることを認識し得る。図4Aのタワー202aと同様に、図4Bのタワー202bも、顧客/ユーザの要求ごとに、初期に配置される3つのアレイ面を支持するが、これは、上述のように、1つの面につき、最大NRMAを含むことができる。当該タワー202bは、そのサイズに起因して、図5Aのタワー202aと比較して、レーダシステムの容量における、いっそうの将来の発展をもたらす。さらに、使用されているFBBのサイズに応じて、FBBは、上記のRMAとは異なるサイズを有する可能性があり、認識されるように、アレイの面あたりのFBBは、他の何らかの数であり得る。
【0063】
特定の実施形態では、タワー202bは、非常に短い又は極めて高いことのある、高さを有し、最小の高さまたは最大の高さに対する制限はない。タワー202aと同様に、特定の実施形態では、タワー202bは、モジュール式の形式で設けられており、階段などのその他の特徴と共に、一体化されたアンテナエンクロージャ支持構造502と、サービスエレベータパワーシステム413とを含む。グランドシェルタ206b、208b、210b、212b、214bは、図4Aに関連して上述した、同様の番号のシェルタと機能が類似しているが、図4Bのシステム400bは、同じ種類のシェルタをより多く有していることがわかる(例えば、図4Aのレーダシステム用の1つの冷却シェルタ214aと比較して、2つの冷却シェルタ214b)。つまり、各アンテナエンクロージャ204自体は、レーダビルディングブロックであるが、所与の各RBBセットが、複数の1種類のシェルタなどを必要とする場合がある。特定の実施形態では、シェルタは、開始される、より小さな構成で配置され得る。そして、次いで、アレイが増大するのに、必要に応じて追加され得る。これにより、顧客は、より小さな、より低いコストの構成から始めて、ニーズと資金が増大したら、構成に追加することができるようになるので、シェルタのビルディングブロックは、アンテナエンクロージャ203またはレーダシステムの任意の他の部分の将来の発展に合わせて、独立さえしており、スケーリングすることができる。さらに、システムの残りの部分に対するすべてのシェルタのためのインターフェースは、有利には、同一であるように構成されており、容易に統合が可能となる。
【0064】
特定の実施形態では、各アンテナエンクロージャは、独自のそれぞれの電力シェルタ及び独自のそれぞれの冷却シェルタを有する。特定の実施形態では、例えば、そのような例示的な3面式のシステムは、所定のNのRMAを有する(Nは、Nより小さい。例えば、特定の実施形態では、Nは、Nの約1/4のサイズである)。Nの数のRMAを有する実施形態では、面ごとに、1つのDCビルディングブロックを設けることが可能になり得る。そして、3つのDCビルディングブロックは、それを例示的なDCシェルタに入れることができ、そのため、必要なDCシェルタは、1つだけになる。しかしながら、特定の実施形態では、アレイのサイズが増大する場合、アレイを支持するのに必要なDCビルディングブロックを収容するために、複数のDCシェルタを有することが必要になる場合がある。特定の実施形態では、アレイが完全に配置されている場合、各アレイ面は、それぞれ固有のDCシェルタを必要とするだろう。
【0065】
図4Cは、一実施形態による、図2図4Bのレーダシステムのアンテナアレイ207のさらなる詳細である。有利には、特定の実施形態では、アンテナアレイ207は、ミッションの要求に合わせたサイズであり、特定の実施形態では、感度の増加は、アンテナエンクロージャ204自体のサイズによって制限される。一実施形態では、RMAの2つの異なる全体の容量を支持できる、2つの可能なサイズのアンテナエンクロージャが存在する。図4Cに示された第1の構成では、アンテナエンクロージャ204は、49の可能な開口部を有し(例えば、7×7構造に由来)、様々な陰影によって示されるように、様々なサイズのアレイの様々な配置を支持できる。正方形のアンテナアレイ408、長方形のアレイ(408と、406a及び406bの組み合わせ)など、様々な「標準的な」タイプのアンテナの構成を、基本の7×7の構造で配置することによって、達成することができる。特定の実施形態では、アレイの配置のうちの1つ以上について、耐候性及び/または耐候性シールのブランクを充填することができ、これは、レードーム及びラジエータを使用することと比較して、アレイ全体を耐候性にし、耐候性シールするのを補助するのに、費用の節約ができる。
【0066】
理解されるように、特定の実施形態では、3つの異なるアンテナ面を含むタワー202に対して、それぞれの面が異なる構成のアレイ要素を有することができ、アレイの多くの異なる可能な組み合わせが存在し得る。そして、12~24の異なるタイプのアンテナを効果的に作製する(NRMAまでのアレイを保持し得る、図4Bのタワー202を使用する場合であっても)。別の実施形態では、図4Cのアレイ面は、認識されるように、7×7よりもさらに大きくてもよい。
【0067】
図5(既に上述)は、一実施形態による、例示的なモジュール式タワー202の図であり、図2は、また、同様の例示的なモジュール式タワー202を示す。図2を参照すると、この説明的な例示的モジュール式タワー202では、タワーの頂部に据え付けられた、異なるタイプのセンサまたはアンテナ508などの付加的な構成要素が存在するが、これは、1つのアンテナタイプに限定されない。この付加的なセンサ508は、特定の実施形態では、回転可能であるように構成することができる。センサ508は、例えば、異なる目的のために使用されるレーダシステムの一部である、アンテナ、例えば、気象追跡レーダ、航空交通制御レーダなどであってもよい。また、まったく異なるシステム(例えば、携帯電話事業者)のためのものもあり得る。また、構成要素は、センサ(例えば、音響、光学的、熱、など)またはカメラさえもあり得る。特定の実施形態、及び/または、特定の種類の監視(例えば、国境の監視)では、構成要素は、電気光学(EO)センサまたは赤外線(IR)センサなどのセンサとすることができる。この場合、センサは、検出を視覚的に確認するのを助けるように、かつ/あるいは、熱特性を有する、より小さなアーチファクト(例えば、航空機)の検出を助けるように、タワー202に、その下方に据え付けられたレーダシステムと協働するように構成されている。図2及び図5は、また、平台トラック515及びいくつかの積層シェルタ506のような他のものと比較して、タワーのスケールを示す際に役立ち、それらは、特定の実施形態では、従来の輸送コンテナのサイズ(典型的には、長さ20~40フィート、高さ8~9.5フィート、及び、深さ8~9.5フィート)である。認識されるように、特定の実施形態では、アレイタイプとRMA/FBBの数との組み合わせによって、必要な支持シェルタの数及びタイプが、そのときに決まり得る。また、もちろん、実施形態は、RMA/FBBを使用するもの、または、示された所定のサイズのタワー及びエンクロージャのみに限定されない。他のスケーラブルな種類のビルディングブロックも使用可能であり、同様に、本明細書に記載したコンセプトは、多くの異なるサイズのタワー及びエンクロージャに適合することができる。
【0068】
図7は、一実施形態による、図5のモジュール式タワーの上部に据え付けられた、いくつかの各戸独立式アンテナエンクロージャ204a、204b(第3のエンクロージャ204cは見えない)の第1の図800Aであり、図8は、一実施形態による、ドアが開いた各戸独立式アンテナエンクロージャ204の後面図800bである。各アンテナエンクロージャ204は、各戸独立式のアンテナエンクロージャである(特定の実施形態では、レーダシステムごとに3つが存在する)。第1の実施形態(例えば、図4Aに示したような)は、第1のベースラインタワー202のサイズを備え、NRMAを使用する。アンテナエンクロージャ204は、最大限のRMA容量(例えば、NのRMAまたはNのRMA)にサイズ決めされている。移動されたアンテナは、特定の実施形態では、NRMA/FBBよりも少なくてよい、予め定められているが、スケーリングされた構成を支持することができる。
【0069】
一実施形態によれば、アレイ配電ユニット(APDU)802は、各エンクロージャ204の下側部分に組み込まれている。特定の実施形態では、アレイ配電ユニット(キャビネット)は、予め定められた数のRMAをサービスするように構成されている。特定の実施形態では、各APDCは、それぞれの中型のKW DC電力ビルディングブロック(PKWを有する図2を参照)、この図では、Pは、所与のアンテナ構成のためにユーザによって要求される、任意の電力レベルであり得る。これに対する1つの例外は、特定の実施形態で、奇数のアレイサイズ(例えば奇数のRMA)について、予め定められた追加的なRMAのサブセットをサービスするために追加される、大きなP KWビルディングブロック(BB)である。
【0070】
有利には、特定の実施形態では、各アンテナエンクロージャ204は、(アレイ電力ケーブル及び冷却ホース、ならびに、データ及び通信ケーブルを含む)近距離領域(NFR)で完全に試験、統合、及び、較正されるように、送達前に予め構成されている。これは、有利な実施形態では、アンテナエンクロージャ204が、現場での分解/再組立てを必要とせずに、完全に統合されて較正されて、送達される。アンテナエンクロージャ204のタワー上の接続は、従来のレーダシステムと比較して、大幅に低減されており、有利には、特定の実施形態では、電力ケーブル及び冷却材インターフェースに低減されている(本明細書の図24図25を参照)。
【0071】
特定の実施形態では、NFR/較正の前に、アレイ配電ケーブル、冷却ホース、データ及び制御ケーブル(ファイバ)に対するAPDUが、製造業者におけるアンテナエンクロージャ204に組み込まれる。特定の実施形態では、データケーブルは、現場で、データ処理シェルタ212に出荷/配送するためにロールされ、束ねられる。このことは、製造中の取り付け、送達のための取り外し、次いで、設置現場での取り付け直し、という複数のステップを回避することにより、かなりの労力を省く。特定の実施形態では、アレイエンクロージャ204は、耐候性/EMIシールされ、HEMP耐性があり、下方から接続する直接AC電源ケーブルを介して、システムの残りの部分に結合される。アンテナエンクロージャ204は、いくつかの実施形態では、アレイ除湿器による受動的な加熱/冷却(及び、上述した冷却シェルタ214を介した能動的な冷却、これは、当技術分野で公知のように、液体冷媒を使用して実現することができる)によって、環境的に制御される。アンテナエンクロージャ204は、安全性及び人間因子の基準に合わせて設計された、アンテナメンテナンスエリア209を含む。アレイエンクロージャ802は、設置及び取り外しを簡単にするための組み込みのリフトポイント及び位置合わせを含み、さらに、セキュアロック(アレイの後ろにある、図8A図8Bでは見えない主要アクセスドア)を備えた後部アクセスを含む。アンテナエンクロージャ802の設計は、将来のスケーラビリティを促進し、アップグレード中の停止時間を大幅に短縮するように構成されている。
【0072】
図9は、一実施形態による、エレベータ413を使用した輸送中の構成要素902を示す、図5のモジュール式タワーの上部に据え付けられた、複数の各戸独立式アンテナエンクロージャのメンテナンスの図900であり、図10は、図9の各戸独立式アンテナエンクロージャの操作可能時の図1000である。図9及び図10に示すように、レーダシステムは、メンテナンスを行う作業者906aの安全のための手すり904aなどの特徴を含むことができ、これらの手すり904は、図10に示すように、操作可能モードの最中にレーダに干渉しないように(例えば取外し可能に)構成及び設計することができる。
【0073】
図11は、一実施形態による、発展及び/またはアップグレードのために、第2のエンクロージャ(図示せず)と交換されるべきアンテナエンクロージャ204を取り外す図1100を示している。図11の図は、また、アンテナエンクロージャ204が、まず支持構造にどのように取り付けられるかを示すように適用可能である。図11では、作業者906(アレイエンクロージャ204aを位置合わせピン(図示していないが、上記の図6を参照)から取り外すのを助ける)支援を受けて、アンテナエンクロージャ204a全体が、クレーン(図示せず)及びケーブル1102(アンテナエンクロージャ204の重量を支持するように選択)を介して、取り外され、かつ/あるいは、取り付けられている。アレイエンクロージャ204は、配備目標を満たすために、配備構成に較正される。後に、アレイエンクロージャ204が、工場で較正された、比較的大きなアンテナを有する別のアンテナエンクロージャに交換される場合には、大規模な工場で較正されたアンテナを完全に統合するために、レーダシステム200、及び/または、その他のサブシステムへの追加的なアップグレード、例えば、追加的な能力(例えば、電力及び冷却能力)を設けるためのグランドシェルタ機器へのアップグレードが必要となり得る。これは、システムの残りの部分に影響を及ぼすことなく、容易に行われ、また、インターフェースは標準であるため、他のリエンジニアリングまたは再設計は不要である。
【0074】
図5図6、及び図11を参照すると、支持構造502の寸法は、アンテナエンクロージャ204のサイズに基づき、変化し得ることが理解されよう。特定の実施形態では、上部502の台形形状は、レーダの1つの面を見た場合のテーパ上部(三角錐)の形状を基本的に表す。例示的な実施形態では、据え付けられたエンクロージャは、長方形であるが、三角錐形状の基部は、頂部よりも大幅に幅広である。理解されるように、このように形状を記述することは、タワー構造計算に影響を与える、風からの曝露の特性を明らかにするのに役立ち得る。特定の実施形態では、RMAは、2フィート×2フィートの寸法を有し、アレイの活性領域を表すが、特定の実施形態では、エンクロージャ自体は、はるかに大きい。さらに、いくつかの実施形態では、アレイPDU(例示的な実施形態では、長さが7フィート超)は、エンクロージャのアンテナの下方に配置されていない。したがって、台形の面のサイズで示されるような、追加の領域を必要とすることがあり得る。いくつかの実施形態では、エンクロージャは、活性領域に関係なく、同じサイズである。いくつかの実施形態では、NRMA(より小さなエンクロージャの場合)またはNRMA(より大きなエンクロージャの場合)より小さなアレイ構成では、耐候性シールされたカバーが使用される。
【0075】
図12図13は、それぞれ、一実施形態による、直流(DC)配電シェルタの図206a及びブロック図206bである。図12から分かるように、特定の実施形態では、シェルタは、従来の輸送貨物コンテナに匹敵する。特定の実施形態では、DC配電シェルタ206bは、それぞれ異なる電力容量を有する、3つのビルディングブロックCOT AC/DC電力変換サブシステムを含んでいる。当技術分野で知られている、市販の電源、バッテリなどは、これらのシェルタの内部で使用可能である。図14図15は、それぞれ、一実施形態による、交流(AC)電力シェルタの図208a及びブロック図208bである。AC電力シェルタは、特定の実施形態では、208bに、トランス1702、ラインバッファ1704、電力システム保護1706、スイッチギア1708、及び、バックアップジェネレータ1710が含まれている。
【0076】
図16図17は、それぞれ、一実施形態による、無停電電源(UPS)シェルタの図210a及びブロック図210bである。この構成要素を、図示されているように、適切なCOT製品と共に実装することができ、有利には、このサイズは、アンテナのサイズに合わせられている。図示されている構成要素は、説明的なものであり、限定的なものではないことに留意されたい。
【0077】
図18図19は、それぞれ、一実施形態による、データ処理シェルタ212の図212a及びブロック図212bである。データ処理シェルタ212は、多くの典型的なレーダシステム及びアンテナ制御及び処理機能(例えば、例示的説明であり、かつ、限定的ではない図19に示されているもの)を実行するために、コンピュータ及び他のプロセッサ(例えば、本明細書の図26に類似)を含んでいるシステムである。典型的には、これは、再利用されるタイプの構成要素となる。特定の実施形態では、データ処理シェルタ212は、(例えば、図26に示したものと同様に)スケーラブルビームフォーマと、アンテナアレイのサイズに合わせて調整された信号処理機能とを含む機能を備える、コンピュータを含む(すなわち、インターフェースを介して、アンテナアレイに指令を与え、アンテナアレイのビームフォーミングを制御し、アンテナアレイが、I及びQ情報などの、データ処理シェルタに通信する信号に対して信号処理を実行すること、などによって)。本明細書の図24のインターフェースに示されているように、いくつかの実施形態では、データ処理シェルタ212は、また、すべてのレーダシステム200の構成要素の健全性及びステータスを監視するように構成することができる。加えて、本明細書の図24のインターフェースに示されるように、特定の実施形態では、データ処理シェルタは、2505ネットワーク通信サブシステムと操作可能に通信する、コンピュータネットワークと操作可能に通信する(特定の実施形態では、通信サブシステムは、C5I通信サブシステムに対応することができ、ここで、C5Iは、「コマンド、制御、コンピュータ、通信、サイバー防御(C5)、及びインテリジェンス」を表す)。
【0078】
図20図21は、それぞれ、一実施形態による、冷却装置シェルタ(CES)の図214a及びブロック図214bである。当業者に理解されるように、多くの製造業者からの多くの冷却システムが使用可能であるが、特定の実施形態では、冷却システムに使用される金属構成要素は、アンテナ207にあるものと適合性を有する、金属であることが意図されている。重要なのは、冷却システムの容量が、アンテナの要件に適合することである。有利には、特定の実施形態では、冷却システム214は、容量及び冗長性によって規定されるようにスケーリングされている。特定の実施形態では、冷却システムは、液体冷却材を使用する。特定の実施形態において、ポンプ2108は、理解されるように、タワーの長さへ冷却材をポンピングし、同様に、戻された冷却材を受け取ることができように構成されている(図24図25も参照のこと)。
【0079】
図22は、本明細書の少なくともいくつかの実施形態の展開に使用可能なトレーラ搭載の商用オフザシェルフシステム(COTS)の説明的な例2200である。図23は、本明細書の少なくともいくつかの実施形態の展開に使用可能なパレット付きCOTSの説明的な例である。もちろん、レーダビルディングブロックとシェルタを展開及び移動する他の方法は、空と海を含めて利用可能である。
【0080】
図24は、一実施形態による、例示的な、コンポーザブルなレーダシステムにおける、図2及び図3のシステムの、レーダシステム要素間の物理的インターフェースの説明的なブロック図の例2500である。図24において同様の番号が付された要素は、本明細書の他の箇所で説明されたものと同じ要素に対応する。図25では、アレイ2502は、特定の実施形態において、二次監視レーダの垂直な大きな開口のアレイ(例えば、航空交通制御(ATC)レーダのためのトランスポンダベースの送信)であるが、これは、限定的なものではない。特定の実施形態では、通信サブシステムは、他の実施形態のコンポーザブルなレーダとは別個である。
【0081】
図24は、DC電力変換シェルタ206が、DC電力231をアンテナエンクロージャ206に供給し、現場のAC配電シェルタ208から、AC入力221dを受け取ることを示している。AC配電シェルタ208は、AC電力221を、アンテナエンクロージャサブシステム204へのアンテナAC電力221aを含めた、複数の他のサブシステムに供給し、AC電力221dをDC電力変換シェルタ206に入力し、AC電力221eをUPSシェルタ210に入力し、AC電力221cを冷却装置シェルタ214に入力するように構成される。特定の実施形態では、AC電力、DC電力、及び/または、UPS電力は、これらの構成要素のいずれか、または、すべてが、別個のシェルタにあるか、または、すべてが同じシェルタの内部にあるかにかかわらず、まとめて電力サブシステムと称され得る。
【0082】
UPSシェルタ210は、追加的なAC入力223aをアンテナエンクロージャサブシステム204に供給し、AC電力223bをデータ処理シェルタ212に供給する。
【0083】
冷却機器シェルタ214は、アンテナエンクロージャサブシステム204(215aにおける冷却液及び戻り冷却戻り部215bを介して)、及び、データ処理シェルタ212(215cにおける冷却水、戻り水215dを介して)の両方を冷却する。
【0084】
データ処理シェルタ212は、アレイコマンド227をアンテナエンクロージャサブシステム204に送信し、アンテナエンクロージャサブシステム204から、I及びQデータ229を受信する。加えて、特定の実施形態では、図25の種々の構成要素は、すべて、それぞれの健全性及びステータス情報をデータ処理シェルタ2012に通信する。特定の実施形態では、データ処理シェルタ211は、アレイ2501にアレイコマンド/通信233を送受信し、タワーGPAアンテナ239及びアレイ2502それぞれに、GPS信号235a、235bを送受信する。タワーGPSアンテナ239は、特定の実施形態では、アレイ2502と同様に、タワー202に機械的に据え付けられる。
【0085】
図25は、一実施形態による、例示的な監視レーダシステムにおいて動作するように適合された、図3のコンポーザブルなレーダシステムの説明的なブロック図の例2600である。この図表の構成要素は、本文書の他の箇所で説明した同様の番号の構成要素に対応する。このブロック図の例2600は、図2及び図3(及び、本明細書の他の箇所)のモジュール式、かつ、スケーラブルなコンポーザブルなレーダシステムが、現場に出るときにどのように見えるのかの例を示すため、説明的であるが、限定的なものではない。
【0086】
図25の例示的な実施形態を参照すると、タワー202は、1つ以上のエンクロージャ204を含み、各エンクロージャは、アレイ207を含む。タワーは、アレイ207及び/またはエンクロージャ204内部に収容された他の構成要素に対して、様々な電力、データ、通信、及び冷却の接続を行うことを可能にする、接続411(例えば、通信信号線、電力線、導管、及び/またはケーブル)を含む。図25には、図24と同様に、接続411の内容がブロック図の形式で詳細に示されている。図25にも記載されているように、COTS冷却装置214は、冷却液体入力/冷却戻し路215を、Sバンドアレイ207に備えている。アレイエンクロージャ204は、9つのアレイ配電ユニット(APDU)802及びコンデンサバンク813を含んでおり、DC入力231b及びAC入力223aを含む、入力電力信号を、アレイ207に供給する。これらの入力電力信号231b、223aは、DC出力231aとして、電力シェルタ208bから到来し、AC出力223aとして、UPSシェルタ210bから到来する。アレイ207は、アレイ制御信号227を受信し、アレイステータス信号をデータ処理シェルタ212に送信する。さらに、アレイ207は、I&Qデータ229をデータ処理シェルタ212に与える。
【0087】
特定の実施形態では、タワー202は、データ処理シェルタ212と通信する、1つもしくは複数の付加的なセンサまたは他のアンテナ、例えば、回転センサ2502を含む。例えば、一実施形態では、回転センサ2502は、データ処理シェルタ212からアレイコマンド/通信233を受信し、RF信号及び/またはGPS信号235bをデータ処理シェルタ212に送信する。図25には明示されていないが、回転センサ2502は、(図24に示すような)AC入力221bを介して給電され、それは、現場の電力グリッド208のAC配電を介して供給される。
【0088】
1つ以上の電力シェルタ208は、DC出力231aをアレイエンクロージャ204に供給し、トランス2640、ラインバッファ2642、及び、電力保護及びスイッチギア2634を介して、AC入力221dを現場の電力グリッド208から受け取る。図25の電力シェルタ208は、コンデンサバンク2602、AC/DC変換器2604、及び、高調波中性化器2606を含む(電力線信号のリップルを防止するのに役立つ)。
【0089】
UPSシェルタ210bは、上述した電力保護/スイッチギア2634から、AC入力221eを受け取り、いくつかのAC出力223a、223bをアレイエンクロージャ204及びデータ処理シェルタ212にそれぞれ供給する。UPSシェルタ210bは、この例示的な実施形態では、3つのUPS/電力コンディショナ2608、UPSバッテリ2610、3つの入力フィルタ2612、及び、入力トランス2614、ならびに、ソフトスタート2616を含んでいる。
【0090】
この例示的実施形態におけるデータ処理シェルタ212は、図19の例示的なデータ処理シェルタに示された要素のうちの1つまたは複数を含むことができる。例えば、図25のデータ処理シェルタ212は、1つまたは複数のアンテナインターフェースユニット(AIU)サブシステム2012を含み、これは、アレイ207からI&Qデータ227及び/または回転センサ2502から、RF及びGPSデータ235bを受信するように構成されている。データ処理シェルタ212は、また、デジタルビームフォーミング情報及び関連するアレイ制御情報/コマンド227をアレイ207に通信するために、(アレイのサイズに応じてスケーリングされる)デジタルビームフォーマサブシステム2002を含む。図19に示したような種々の信号及びデータプロセッササブシステム(例えば、リアルタイムシミュレーションサブシステム2006、データ記録サブシステム(DRSS)2008、のうちの1つ以上)、デジタル信号プロセッササブシステム(DSP)2014、レーダ制御処理サブシステム(RCP)2016、及び/または、リスク管理フレームワーク(RMF)2018を、信号及びデータプロセッサセクションに含めることができる。特定の実施形態では、データ処理シェルタ212は、また、複数のユニットのミッションストレージ2015を含み得る。特定の実施形態では、システム2600の他の構成要素に応じて、データ処理シェルタ212は、また、そのサブシステムに接続するための通信インターフェース2019などの他のインターフェースと、回転センサ2502と協働するように構成されたセンササブシステム2017などの他のサブシステムとを含むことができる。データ処理シェルタ2012は、208VAC接続223bを介して、UPSシェルタから電力を受け取る。図25に示されていないが、図25のデータ処理シェルタ212は、図24のデータ処理シェルタ212と同様に、様々なシステム構成要素の健全性及びステータス情報を監視するための処理も含み得ることが認識されるであろう。
【0091】
再び、図25を参照すると、この実施形態のシステム2600は、例として、当然限定ではない、3つの異なるAC出力を含む、現場の配電をもたらす、現場の電力グリッド208を含む。
【0092】
上記の説明及び図に示されているように、本明細書に記載する実施形態の少なくともいくつかは、様々なミッションでの適用について、あるとしても、最小限の再設計で、広範囲のマルチミッション要件に対応するよう支援することができる、構成可能な、高いTRLレーダレベルの解決手段を提供するのに役立つ。本明細書の少なくともいくつかの実施形態は、実質的な新たな開発を必要とすることなく、手ごろに多様なミッション空間を満たす、成熟したレーダシステムの選択肢を提供する。本明細書の少なくともいくつかの実施形態は、展開及び能力のアップグレードのスケジュールの両方を劇的に短縮するのに役立つ。本明細書の少なくとも一部の実施形態は、長年の開発及びテストを避けるために、成熟して実証された技術を完全に活用する。本明細書の1つ以上の実施形態は、高価なシステムレベルのテストプログラムを排除するために、シミュレーションを通して、システムパフォーマンスの確立を支援する。例えば、いくつかの種類の従来のレーダシステムは、システムの能力を実証するために、高価かつ広範囲の飛行試験プログラムにより現場で試験される。このことは、えてして、新たな構成または修正ごとに行われなければならない。しかしながら、本明細書で説明される特定の実施形態では、1つの構成(例えば、NRMAを使用する実装)の性能を、従来の方法で検証し、次いで、その構成試験からの情報を使用して、他の配置(例えば、NRMA)の最終構成をシミュレーションするのに役立てることができる。これらの構成要素は、モジュール式であり、スケーラブルであり、設置前に慎重に較正されるため、所定の構成または配置の性能をより良く予測またはシミュレートすることができる。なぜなら、これは、性能が、既にそれぞれ検証された既知のビルディングブロックの構成要素を用いて構築されているからである。本明細書に記載のビルディングブロックを使用して非常に多くの構成が可能であるため、数十の可能な構成のそれぞれを用いて、厳格で大規模で高価な試験を行う必要があることを回避できると、有利であり得ることが認識されよう。ビルディングブロックは、一貫しており、既知の性能を有しているため、構成のシミュレーションは、潜在的な性能を実証するために依拠することができる。したがって、本明細書に記載された少なくともいくつかの実施形態の使用は、実証され、テストされたビルディングブロックから構築された複数の異なる構成を使用して、最小限の停止時間で新たな将来のターゲットに対処するためのシステム機能を拡張するための低コストの代替手段を提供するのに役立つ。
【0093】
本明細書に記載及び/または本明細書の図1図26に示した実施形態のいずれか、または、すべてが、以下を含むが、限定されない、共通に譲渡された米国特許出願及び特許の1つ以上の中で記載された技術と結合させて、かつ/あるいは、協働するよう適合させることができることが想定される。
- 2015年8月25日に発行された、「Modular architecture for scalable phased array radars」と題する米国特許第9,116,222号、
- 2014年8月19日に発行された「Modular architecture for scalable phased array radars」と題する米国特許第8,810,448号
- 2021年3月18日に公開された、「Modular and Stackable Antenna Array」と題する米国特許出願公開第2,021,008,339号。
【0094】
上記の特許及び公開された特許出願の内容は、参照により本明細書に援用される。
【0095】
本明細書で説明する実施形態は、有利には、任意の陸上ベースの高出力レーダプログラム、特に、低コストの高成熟度の解決法を必要とするものに適応可能である。本明細書に記載された実施形態は、有利には、特定の実施形態では、S-Band製造ラインのレーダを使用して実装することができるが、当業者は、本明細書に記載された実施形態が(X-Band、C-Band及びL-Bandを含む)、他の周波数に容易に適応可能であることを認識するであろう。さらに、本明細書に記載する実施形態は、巡航ミサイル防御、航空交通管制(ATC)を含む航空監視、及び、重要な資産の保護などのタワーベースのセンシングを必要とする、他の製造領域に拡張可能である。
【0096】
本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態の1つのさらなる利点は、残存性が改善されることである。例えば、少なくともいくつかの実施形態について記載されているビルディングブロックアーキテクチャにより、残存性のための分散ハードウェアの使用が可能となる。いずれかの1つのレーダビルディングブロック構成要素の故障または破壊によりシステムの故障が生じる必要性がなく、むしろ、構成要素を、同じ機能を実施する別のモジュール式構成要素と交換することができる。いくつかの実施形態において、アンテナエンクロージャ、電力シェルタ、処理シェルタ、及び冷却シェルタは、容易に分散され、独立して機能する。これにより、上述のように、残存性のための分離が可能となる。また、必要に応じて、レーダシステム及びサブシステムビルディングブロックの共有及び移動も可能にする。本明細書に記載された少なくともいくつかの実施形態のさらに別の利点は、他の利用可能な標準的な地上施設及びミサイル防護機関(MDA)のレーダの場所よりも大幅に低いコストをもたらすことである。
【0097】
本明細書に記載されているビルディングブロックを使用して、複数の(例えば、タワーのサイズに応じて、少なくとも12~24個の)高性能のマルチミッションレーダの構成が、図2図3及び本願全体に示される共通のレーダビルディングブロックによって定められ、これらに限定されるものではないが、タワーサブシステム202、アレイエンクロージャサブシステム204、DC配電シェルタ206、AC電力シェルタ208、UPSシェルタ210、データ処理シェルタ212、及び、冷却装置シェルタ2014を含むことを理解することができる。アンテナエンクロージャサブシステム204は、共通の、又は、異なるアレイサイズで実装することができる。さらに、アンテナエンクロージャサブシステム204は、本明細書の実施形態に示される、説明的な長方形の3次元形状を有する必要はない。アンテナエンクロージャサブシステム204は、例えば、任意の別の形状を有することができる。予め定められたビルディングブロック(例えば、COT構成要素)は、DCシェルタ206及びACシェルタ208におけるAC/DC電力変換のために使用され、認識されるように、多くの異なる成熟した構成要素を適応させることができる。UPS210及びチラー(冷却)214アーキテクチャは、スケーラブルである。タワー202サブシステムは、可変の高さ及びスケーラブルなアンテナを有することができる。少なくとも一部の実施形態では、すべての構成要素を設置前に事前にテストし、事前に較正し(該当する場合)、事前に検証することを意図している。
【0098】
しかしながら、開示された実施形態が、上に列挙した例示的なレーテゾンシステム/プログラムまたは任意の他のレーダシステム、ターゲット検出システム、及び/または、アンテナベースのシステムによる使用に限定されていないことを理解すべきである。本明細書に記載された実施形態は、多数の用途を有しており、本明細書に記載された例示的な用途に限定されない。このような参照及び例は、本明細書に開示された概念の説明の明確性を高めるための努力として行われることが、認識されるべきである。そのような参照は、本明細書に記載された概念、システム、配置、及び、技術の使用または適用を単独で、これらまたは任意の他のシステムと共に、使用することを限定することを意図しておらず、また、そのようなものとして解釈されるべきではない。
【0099】
図26は、一実施形態による、図1図25のシステム及び装置の少なくとも一部と共に使用可能な例示的なコンピュータシステムのブロック図である。いくつかの実施形態では、図26のコンピュータシステム2700は、データ処理シェルタで使用されるコンピュータ(複数可)として使用可能であってよい。図26を手短に参照すると、この図には、少なくともいくつかの実施形態で使用可能なコンピュータシステム2700のブロック図が示されている。コンピュータシステム50は手短にまた、本明細書に記載される方法、式、及び/または、計算のうちいずれかのすべて、または、一部を実装するために使用することもできる。
【0100】
図26に示されているように、コンピュータ2700は、プロセッサ/CPU2702、揮発性メモリ2704(例えば、RAM)、不揮発性メモリ2706(例えば、1つ以上のハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュドライブなどの1つ以上のソリッドステートドライブ(SSD)、1つ以上のハイブリッド磁気及びソリッドステートドライブ、及び/または、1つ以上の仮想ストレージボリューム、例えば、クラウドストレージ、または、物理ストレージボリューム及び仮想ストレージボリュームとの組み合わせ)、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)2710(例えば、タッチスクリーン、ディスプレイなど)、及び、入力及び/または出力(I/O)デバイス2708(例えば、マウス、キーボードなど)を含み得る。不揮発性メモリ2704は、例えば、ジャーナルデータ2704aと、メタデータ2704bと、事前に割り当てられたメモリ領域2704cとを格納する。不揮発性メモリ2706は、いくつかの実施形態では、オペレーティングシステム2714、及びコンピュータ命令2712、及びデータ2716を含むことができる。特定の実施形態では、コンピュータ命令2712は、ルーティングサブシステム2712A、制御サブシステム2712b、データサブシステム2712c、及び、書き込みキャッシュ2712dを含む、いくつかのサブシステムを備えるように構成されている。特定の実施形態では、コンピュータ命令2712は、図1図25に示されているシステム及びプロセスの少なくとも一部を実装及び/または実行するために、揮発性メモリ2704から、プロセッサ/CPU2702によって実行される。プログラムコードは、また、入力デバイスもしくはGUI2710を用いて入力されたデータ、または、I/Oデバイス2708から受信したデータに適用可能である。
【0101】
図1図26のシステム、アーキテクチャ、及びプロセスは、本明細書に記載及び図示されているハードウェア及びソフトウェアによる使用に限定されず、任意のコンピューティング環境または処理環境、ならびに、コンピュータプログラムを実行することができ、及び/または、レーダシステム(一部の実施形態では、ソフトウェア定義のレーダを含む)を実装することができる任意の種類の機械または機械のセットで、適用性を見つけることができる。本明細書に記載のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、及び、その2つの組み合わせを実装し得る。本明細書で説明された方法を実行するためのロジックは、図26に記載されたシステムの一部として具現化することができる。本明細書に記載されるプロセス及びシステムは、記載される特定の実施形態に限定されず、または、これらは、示される特定の処理順序に具体的に限定されない。むしろ、プロセスのブロックのいずれも、本明細書に記載された結果を達成するために、必要に応じて、並列または直列に並べ替え、結合または除去して実行することができる。
【0102】
プロセッサ2702は、システムの機能を実行するために1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実装されてもよい。本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、機能、操作、または、操作のシーケンスを実行する電子回路を記述する。機能、操作、または、操作のシーケンスは、電子回路にハードコード化されても、メモリデバイスに保持されている命令によってソフトコード化されてもよい。「プロセッサ」は、デジタルの値を使用するか、または、アナログ信号を使用して、機能、動作、または、操作のシーケンスを実行することができる。いくつかの実施形態では、「プロセッサ」は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)で具現化することができる。いくつかの実施形態では、「プロセッサ」は、関連するプログラムメモリを備えた1つ以上のマイクロプロセッサにおいて実施されてもよい。いくつかの実施形態では、「プロセッサ」は、1つ以上の個別の電子回路で具現化され得る。「プロセッサ」は、アナログ、デジタル、または、混合信号であってもよい。いくつかの実施形態では、「プロセッサ」は、1つまたは複数の物理プロセッサとされてよく、または、1つまたは複数の「仮想プロセッサ」(例えば遠隔に配置されたプロセッサまたは「クラウド」)とされ得る。
【0103】
回路要素の種々の機能は、また、ソフトウェアプログラムの処理ブロックとして実装されてもよい。そのようなソフトウェアは、例えば、1つ以上のデジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、または、汎用コンピュータにおいて使用されてもよい。説明した実施形態を、1つまたは複数の物理的または仮想的なプロセッサによって実行されるハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、または、ソフトウェアにおいて実装することができる。
【0104】
いくつかの実施形態は、かかる方法を実施するための方法及び装置の形態で実装することができる。既述の実施形態を、例えば、記憶媒体に記憶された、機械によりロード及び/または実行された、または、何らかの伝送媒体またはキャリアを介して、例えば、電気配線またはケーブルを介して、光ファイバを介して、または電磁放射を介して、伝送された、プログラムコードの形態で実装することもできる。非一時的機械可読媒体は、有形の媒体、例えば、ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、及び磁気テープ媒体を含む、磁気記録媒体、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)を含む、光記録媒体、フラッシュメモリ、ハイブリッド磁気、及びソリッドステートメモリなどのソリッドステートメモリ、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、などを含み得るが、これに限定されず、一時的な信号自体は含まない。非一時的機械可読媒体に組み込まれ、プログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされ、この機械によって実行されるとき、機械は、方法を実施するための装置となっている。
【0105】
1つまたは複数の処理デバイスに実装されるとき、プログラムコードセグメントは、プロセッサと組み合わされて、特定の論理回路と同様に動作する固有のデバイスを提供する。かかる処理デバイスは、例えば、汎用マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、複合命令セットコンピュータ(CISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、マイクロコントローラ、組み込みコントローラ、マルチコアプロセッサ、及び/または、他を含むことができ、上述したものの1つまたは複数の組み合わせを含む。既述の実施形態を、特許請求の範囲に記載された方法及び/または装置を用いて生成された、媒体を介して、電気的または光学的に伝送される信号の値のビットストリームまたは他のシーケンス、磁気記録媒体に記憶された磁場変動、などの形態で実装することもできる。
【0106】
例えば、プログラムコードが、図26のコンピュータなどのような機械にロードされ、機械によって実行されると、機械は、既述の実施形態のうちの1つまたは複数を実施するための装置になる。1つまたは複数の汎用プロセッサに実装されるとき、プログラムコードは、そのようなプロセッサと組み合わされて、特定の論理回路と同様に動作する固有の装置を備える。したがって、汎用のデジタルマシンを、専用のデジタルマシンに変換することができる。図26は、図示のように、コンピュータ可読媒体2720に具現化されたプログラムロジック2724を示しており、このロジックは、本発明の予約サービスプロセスを実行し、それにより、コンピュータプログラム製品2722を形成するように構成されたコンピュータ実行可能コードでコード化されている。ロジックは、プロセッサにロードされたメモリの同じロジックであってよい。プログラムのロジックは、ソフトウェアモジュールにおいて、モジュールとして、またはハードウェアモジュールとして具現化することもできる。プロセッサは、仮想プロセッサまたは物理プロセッサであってよい。ロジックは、ロジックを実行するために複数のプロセッサまたは仮想プロセッサに分散されていてよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、記憶媒体は、物理または論理デバイスであってよい。いくつかの実施形態では、記憶媒体は、物理または論理デバイスからなり得る。いくつかの実施形態では、記憶媒体を、複数の物理デバイス及び/または論理デバイスにわたってマッピングすることができる。いくつかの実施形態では、記憶媒体は、仮想環境に存在し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサを、仮想または物理的な実施形態とすることができる。いくつかの実施形態では、ロジックを、1つまたは複数の物理的または仮想的なプロセッサを介して実行することができる。
【0108】
本実施形態を説明する目的で、開示された実施形態は、特定の構成で、特別な論理構成を使用して具現化されたものとして説明されているが、当業者は、本デバイスが、特定の構成に限定されず、本明細書に含まれる特許請求の範囲によってのみ限定されることを認識するであろう。さらに、本願から成熟させる特許が有効である間に、多くの関連する技術が開発されることが予想され、対応する用語の範囲は、先験的に、すべてのそのような新規の技術すべてを含むことが意図される。
【0109】
「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語及びその複合体は、少なくとも「含むが、これらに限定されない」ということを意味する。本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「a」、「an」、及び「the」という単数形には、複数に言及する物が含まれる。単一の実施形態の文脈で記載されている様々な要素は、別々に、または、任意の適切な下位の組み合わせで提供されても良い。さらに、本明細書に記載及び図示されている部分の詳細、材料、及び配置における様々な変更が、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者によって行われ得ることが理解されるであろう。
【0110】
本開示全体を通して、文脈とは反対の明確な指示がない場合、記載されたような個々の要素は、単数または複数であり得ると理解されるべきである。例えば、「回路(circuit)」及び「回路(circuitry)」なる語は、単一の構成要素または複数の構成要素のいずれかを含むことができ、これらは、能動及び/または受動のいずれかであり、記述された機能を提供するために接続されているか、あるいは、共に結合されている。さらに、「信号」という用語は、1つもしくは複数の電流、1つもしくは複数の電圧、及び/または、データ信号を指し得る。図中の、同様または関連する要素は、同様または関連するアルファ、数字、または英数字の指示子を有する(例えば、図2において「204」とラベル付けされた構成要素は、図4において「404」とラベル付けされた構成要素に類似し得る、など)。さらに、開示した実施形態を、1つまたは複数の集積回路チップを含むいくつかの構成要素を含む別個の構成要素を用いた実装の文脈で説明したが、代替的に、任意の構成要素または回路の機能を、処理されるべき信号周波数またはデータレート、及び/または、達成される機能に応じて、1つまたは複数の適切にプログラミングされたプロセッサを用いて、実装し得る。
【0111】
同様に、さらに、本願の図面で、一部の事例では、複数のシステム要素を特定のシステム要素及び単一のシステム要素の例示として示すことができ、または、複数の特定のシステム要素の例示として示すことができる。複数の特定の要素を示すことは、本発明に従って、実装されるシステムまたは方法が、その要素の2つ以上を含まなければならないことを示唆することを意図しておらず、また、単一の要素を示すことによって、本発明が、その各要素の1つだけを有する実施形態に限定されることも意図していないことを理解されたい。さらに、特定のシステム要素に対して示されている要素の総数は、制限を意図したものではなく、当業者であれば、特定のシステム要素の数を、場合によっては、特定のユーザの要求に適合するように、選択できることを認識することができる。
【0112】
本明細書の実施形態を説明及び例示する際には、本文及び図面において、特定の用語(例えば、言語、語句、製品ブランド名、など)を明確化のために使用することができる。これらの名称は、単なる例であり、限定的ではない。本明細書に記載された実施形態は、そのように選択された特定の用語に限定されず、それぞれの特定の用語は、少なくとも、すべての文法的、逐語的、科学的、技術的、及び機能的な同等物、ならびに、同様の目的を達成するために同様の方法で動作するあらゆるその他の同等物を含む。さらに、図面、図、及びテキストでは、特定の特徴、要素、回路、モジュール、テーブル、ソフトウェアモジュール、システムなどに、特定の名前を付けることができる。しかしながら、本明細書で使用される、そのような用語は、説明を目的とするものであって、限定するものではない。
【0113】
本明細書に含まれる実施形態を特定の詳細さの度合いで有利な形態で記載及び図示したが、本開示は、単なる例として記載したに過ぎず、記載した実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、構成及び部品の組み合わせ及び配置の詳細について、多くの変更を行いうることが理解される。特定の実装形態を参照して、技術の少なくともいくつかの原理を説明及び図示したが、本明細書に記載された技術及び実施形態は、多くの他の異なる形態、及び、多くの異なる環境で、実装できることが認識されるであろう。本明細書に開示される技術及び実施形態は、他の技術と組み合わせて使用することができる。さらに、本明細書で引用されるすべての刊行物及び参考文献は、その全体が、参照により本明細書に明示的に組み込まれている。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12
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図14
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【国際調査報告】