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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ディスペンシングシステム
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/30 20060101AFI20240709BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240709BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20240709BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20240709BHJP
   B05D 5/00 20060101ALI20240709BHJP
   B65D 83/20 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B65D83/30
B65D83/00 F
B05B9/04
B05D1/02 Z
B05D5/00 Z
B65D83/20 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578157
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022034469
(87)【国際公開番号】W WO2022271791
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/213,528
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】グエン,ピーター エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ロゼック,セレス エイ.
(72)【発明者】
【氏名】スティチャート,ジョセフ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ハロネン,ジェイソン エル.
(72)【発明者】
【氏名】フォウラー,マーガレット
(72)【発明者】
【氏名】ファム,ゴク エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ディビス,ブライアン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェア,ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】リベイク,カイリー エル.
【テーマコード(参考)】
3E014
4D075
4F033
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PC02
3E014PC03
3E014PD01
3E014PE14
3E014PE17
3E014PF10
4D075AA02
4D075AA51
4D075AA82
4D075AA84
4D075AA85
4D075BB65Z
4D075CA45
4D075CA50
4D075DC01
4D075DC11
4D075EA07
4D075EC30
4F033RA02
4F033RC04
4F033RC15
4F033RC21
(57)【要約】
ディスペンシングシステムは、消臭組成物、芳香組成物、または洗浄組成物のうちの1つ以上を含む組成物を含む。システムは、本体を有する容器を含む。組成物は容器内に配置され、容器内の圧力は少なくとも930kPaである。システムは、容器に結合されたアクチュエータアセンブリをさらに含む。アクチュエータアセンブリは、ハウジングと、ハウジング内に配置され、組成物と流体連通する流体通路を備えるアクチュエータと、流体通路内に配置されたノズルインサートとを含む。ノズルインサートは約0.335mm~約0.385mmのオリフィス直径を有するノズルオリフィスを画定し、組成物は、圧縮ガスと、約5体積%~約10体積%のエタノールとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体を有し、内部の圧力を画定し、組成物が収容され、前記圧力が少なくとも930kPaである容器と、
前記容器に取り付けられたアクチュエータアセンブリと、を有し、
前記アクチュエータアセンブリは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記組成物と流体連通する流体通路を備えるアクチュエータと、
前記流体通路内に配置され、約0.335mmから約0.385mmのオリフィス径を有しノズルオリフィスを画定するノズルインサートと、を含み、
前記組成物は、圧縮ガスと、約5体積%から約10体積%のエタノールを含む、
消臭組成物、芳香組成物、洗浄組成物の1種または2種以上からなる組成物を含有するディスペンシングシステム。
【請求項2】
前記容器のバルブステムが長手方向の軸を画定し、
前記ノズルインサートのスプレー軸が、前記長手方向の軸から約60°から約70°オフセットしている、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項3】
前記組成物は、約8体積%から約10体積%のエタノールを含む、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項4】
前記本体は厚さを画定する外壁を有し、前記厚さは0.50mmより大きい、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項5】
前記圧力は少なくとも1050kPaである、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項6】
前記ハウジングは、外壁、上壁、および前記上壁から下方に延びる内壁を含み、前記内壁と前記外壁との間に内部キャビティが画定されている、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項7】
前記ハウジングは、第1の保持アームと第2の保持アームとをさらに含み、前記保持アームの各々は、前記ハウジングの前記内壁から下方に垂下しており、前記ハウジングの内壁と一体となっている、
請求項6に記載のディスペンシングシステム。
【請求項8】
前記保持アームのそれぞれは、内側に配置されたキャッチを含み、前記第1および前記第2の保持アームの前記キャッチは、前記アクチュエータの過剰作動を防止するように構成されている、
請求項7に記載のディスペンシングシステム。
【請求項9】
前記アクチュエータは左アームと右アームを含み、前記左アームと前記右アームはそれぞれ前記ハウジングの前記内部キャビティの中に配置される、
請求項6に記載のディスペンシングシステム。
【請求項10】
前記ディスペンシングシステムは、122cmから152cmの噴霧高さから25%から30%の降下率を有する、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項11】
前記インサートは、中央の凹部と、放射状に配置され、4つの渦巻き形状の間に配置された放射状に延びる複数のチャネルを含む、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項12】
長手方向の軸を画定するバルブステムおよび内部の圧力を画定する本体を有し、組成物が収容され、前記圧力が少なくとも930kPaである容器と、
前記容器に取り付けられたアクチュエータアセンブリと、を含み、
前記アクチュエータアセンブリは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記組成物と流体連通する流体通路を備えるアクチュエータと、
前記流体通路内に配置され、前記長手方向の軸から約60°から約70°オフセットされた噴霧軸を画定するノズルインサートと、を含み、
前記組成物は、圧縮ガスと、約5体積%から約10体積%のエタノールを含む、
消臭組成物、芳香組成物、洗浄組成物の1種または2種以上からなる組成物を含有するディスペンシングシステム。
【請求項13】
前記容器のバルブステムが長手方向の軸を画定し、
前記ノズルインサートが、約0.335mmから約0.385mmのオリフィス径を有するノズルオリフィスを画定する
請求項12に記載のディスペンシングシステム。
【請求項14】
前記組成物は、約8体積%から約10体積%のエタノールを含む、
請求項12に記載のディスペンシングシステム。
【請求項15】
前記ディスペンシングシステムは、122cmから152cmの噴霧高さから25%から30%の降下率を有する、
請求項12に記載のディスペンシングシステム。
【請求項16】
前記圧力は少なくとも1050kPaである、
請求項12に記載のディスペンシングシステム。
【請求項17】
本体を有し、内部の圧力を画定し、組成物が収容され、前記圧力が少なくとも930kPaである容器を準備し、
アクチュエータアセンブリを前記容器に取り付け、ここで前記アクチュエータアセンブリは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記組成物と流体連通する流体通路を備えるアクチュエータと、
前記流体通路内に配置されたノズルインサートと、を含み、
降下が25%から30%の組成物を、122cmから152cmの噴霧高さから噴霧する、
消臭組成物、芳香組成物、洗浄組成物の1種または2種以上からなる組成物のディスペンス方法、
【請求項18】
前記容器のバルブステムが長手方向の軸を画定し、
前記ノズルインサートのスプレー軸が、前記長手方向の軸から約60°から約70°オフセットしている、
請求項17に記載の組成物のディスペンス方法。
【請求項19】
前記組成物は、圧縮ガスと、約5体積%から約10体積%のエタノールを含む、
請求項17に記載の組成物のディスペンス方法。
【請求項20】
前記ノズルインサートは、前記長手方向の軸から約60°から約70°オフセットされた噴霧軸を画定する
請求項17に記載の組成物のディスペンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は2021年6月22日に出願され、「DISPENSING SYSTEMS」と題された米国特許出願第63/213,528号の利益および優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して、容器上に配置するためのアクチュエータアセンブリを含むディスペンシングシステムに関し、特に、容器内の圧縮ガス、修正された配合物および圧力、ならびに降下を低減するより望ましい噴霧パターンを達成するための改善されたノズルインサートに関する。
【背景技術】
【0003】
エアロゾル容器は、空気清浄剤、消臭剤、殺虫剤、殺菌剤、うっ血除去剤、香料、または任意の他の公知の製品などの製品を貯蔵および分配するために一般に使用される。当該製品は、炭化水素または非炭化水素噴射剤によって、エアロゾルバルブを通して容器から押し出される。典型的なエアロゾル容器は、その上端に開口部を有する本体を含む。取付カップは、容器の開口部に圧着されて、本体の上端部を封止する。取付カップは概して、形状が円形であり、圧着領域に隣接する取付カップのベースから上方に延びる外壁を含むことができる。ペデスタルも、ベースの中央部分から上方に延在する。バルブアセンブリは、バルブステムと、バルブ本体と、バルブスプリングとを含む。バルブステムはペデスタルを通って延在し、遠位端はペデスタルから離れて上方に延在し、近位端は、バルブ本体内に配置される。バルブ本体は、取付カップの内側に固定され、ディップチューブがバルブ本体に取り付けられてもよい。ディップチューブは、容器の本体の内部に下方に延在する。バルブステムの遠位端はバルブアセンブリを開くために、その長手方向軸に沿って軸方向に押し下げられる。他の容器では、バルブステムを半径方向に作動させるために、長手方向軸を横切る方向にバルブステムが傾斜または変位される。バルブアセンブリが開かれると、容器内部と大気との間の圧力差が、容器の内容物をバルブステムのオリフィスを通して押し出す。
【0004】
エアロゾル容器はしばしば、容器の上端を覆うアクチュエータアセンブリを含む。典型的なオーバーキャップまたはアクチュエータアセンブリは、外方に突出する隆起部によって容器に解放可能に取り付けられ、この隆起部はアクチュエータアセンブリの内部下縁部を取り囲み、容器の上部を取り囲む圧着シームと相互作用する。アセンブリが容器の上部に配置されると、下向きの圧力がアセンブリに加えられ、これにより、リッジがシームの外縁に乗り上げ、シームの下面によって画定されるレッジの下でロックされる。いくつかのシステムでは、アクチュエータアセンブリは製品がそこを通って逃げることを可能にする分配オリフィスを含む。そのようなシステムでは、アクチュエータが典型的にはバルブステムと相互作用して、製品をアクチュエータ内に放出し、アクチュエータアセンブリの分配オリフィスを通って外に出す。さらに、そのようなアクチュエータは、典型的にはアクチュエータと一体であるボタンまたはトリガなどの作動機構を含む。場合によっては例えば、より大きなアクチュエータアセンブリに含まれるような容器用のノズルアセンブリはノズルインサートおよび対応するノズルインサートキャビティを含むことができる。製造中(または他の時点)に、特定のノズルインサートをノズルインサートキャビティに挿入して、所望の流れ特性(例えば、噴霧パターン、流量、計量効果など)を提供することができる複合ノズルアセンブリを形成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ディスペンシングシステムの前述の特性の全ては、噴霧特性に影響を及ぼす。香料ディスペンシングシステムの特定の文脈では、降下がエアロゾルスプレーから生じるスプレー特性であり、これはスプレーゾーン内の様々な表面に沿って残留物を生成することによって厄介なものとなることがある。降下の増加に起因する望ましくない残留物は一般に望ましくない効果であり、消費者によって望ましくない濡れを引き起こす可能性がある。さらに、多くの従来技術のディスペンシングシステムは製品の寿命にわたって一貫性のないスプレーを分配し、密閉された部屋内に十分な芳香被覆率を提供することができない。本開示は一般に、ディスペンシングシステムに関し、より詳細には、従来技術のディスペンシングシステムの1つまたは複数の態様に対処するノズルインサートを有するアクチュエータを有する製品ディスペンシングシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のいくつかの態様によれば、ディスペンシングシステムは、消臭組成物、芳香組成物、または洗浄組成物のうちの1つまたは複数からなる組成物を含有する。さらに、ディスペンシングシステムは円筒形の本体を有し、その中に圧力を画定する容器を含む。組成物は容器内に配置され、圧力は少なくとも930kPaである。アクチュエータアセンブリが容器に取り付けられ、アクチュエータアセンブリは、ハウジングと、組成物と流体連通する流体通路を有するハウジング内に配置されたアクチュエータと、流体通路内に配置されたノズルインサートとを含む。ノズルインサートは約0.335mm~約0.385mmのオリフィス直径を有するノズルオリフィスを画定し、組成物は、圧縮ガスと、約5体積%~約10体積%のエタノールとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、ディスペンシングシステムが消臭組成物、芳香組成物、または洗浄組成物のうちの1つ以上からなる組成物を含有する。ディスペンシングシステムは、長手方向軸を画定するバルブステムと、その中に圧力を画定する本体とを有する容器を含む。組成物は容器内に配置され、圧力は少なくとも930kPaである。アクチュエータアセンブリが容器に取り付けられる。アクチュエータアセンブリは、ハウジングと、ハウジング内に配置され、組成物と流体連通する流体通路を備えるアクチュエータと、流体通路内に配置され、長手方向軸から約60°~約70°オフセットされたスプレー軸を画定するノズルインサートとを含む。組成物は、圧縮ガスと、約5体積%~約10体積%のエタノールとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、消臭組成物、芳香組成物、または洗浄組成物のうちの1つ以上からなる組成物を分配する方法は、本体を有し、内部に圧力を規定する容器を提供するステップを含み、組成物は容器内に配置され、圧力は少なくとも930kPaである。本方法はアクチュエータアセンブリを容器に取り付けるステップをさらに含み、アクチュエータアセンブリは、ハウジングと、ハウジング内に配置され、組成物と流体連通する流体通路を備えるアクチュエータと、流体通路内に配置されたノズルインサートとを含む。本方法はまた、4フィート~5フィートの噴霧高さから25%~30%の降下を有する組成物を噴霧する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】容器と、容器に取り付けられたアクチュエータアセンブリとを含む製品ディスペンシングシステムの背面等角図である。
図2図1の線2-2に沿った製品ディスペンシングシステムの断面図である。
図3図1のアクチュエータアセンブリの正面図である。
図4図1のアクチュエータアセンブリの左側面図であり、アクチュエータは、非作動または第1の構成で示されている。
図5図1のアクチュエータアセンブリの背面立面図である。
図6図1のアクチュエータアセンブリの右側面図であり、アクチュエータは、作動または第2の構成で示されている。
図7図3の線7-7に沿った、第1の構成で示されるアクチュエータアセンブリの側断面図である。
図8図6の線8-8に沿った、第2の構成で示されるアクチュエータアセンブリの背面断面図である。
図9図7の線9-9に沿った、第1の構成で示されたアクチュエータアセンブリの背面断面図である。
図10図1のアクチュエータアセンブリのハウジングの正面等角図である。
図11図10のハウジングの正面図である。
図12図10のハウジングの側面図である。
図13図10のハウジングの上面図である。
図14図11の線14-14を通るハウジングの側面断面図である。
図15図12の線15-15を通るハウジングの背面断面図である。
図16図13の線16-16に沿ったハウジングの斜め側断面図である。
図17図1のアクチュエータアセンブリのアクチュエータの正面等角図である。
図18図17のアクチュエータの側面図である。
図19図17のアクチュエータの正面図である。
図20図17のアクチュエータの上面図である。
図21図19の線21-21を通るアクチュエータの側断面図である。
図22図20の線22-22に沿ったアクチュエータの後面断面図である。
図23図21のアクチュエータの断面図のノズル端部の詳細断面図である。
図24図21のアクチュエータの断面図のバルブシートの詳細断面図である。
図25図1のアクチュエータアセンブリのノズルインサートの正面等角図である。
図26図25のノズルインサートの正面図である。
図27図25のノズルインサートの側面図である。
図28図26の線28-28を通るノズルインサートの側面断面図である。
図29図25のノズルインサートの背面図である。
図30図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムの噴霧分散パターンを比較するシーケンスの第1の画像である。
図31図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムの噴霧分散パターンを比較するシーケンスにおける第2の画像である。
図32図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムの噴霧分散パターンを比較するシーケンスにおける第3の画像である。
図33図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムにおける、100%充填時の知覚可能な芳香被覆率の比較を示すグラフである。
図34図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムにおける、25%充填時の知覚可能な芳香被覆率の比較を示すグラフである。
図35図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムの様々な噴霧高さからの降下率の比較を示すグラフである。
図36図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムにおける、100%充填時の合計降下質量の比較を示すグラフである。
図37図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムにおける、25%充填時の合計降下質量の比較を示すグラフである。
図38図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムについて、容器内に残っている製品のパーセンテージと比較した平均噴霧パターン直径の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、消臭スプレーおよび/または消臭剤として使用するための、改善された噴霧性能を有する圧縮ガスエアロゾルを含むディスペンシングシステムを提供する。本明細書に開示されるディスペンシングシステムは、エアロゾルの噴霧からの降下を低減することによって、向上した消費者経験を提供する噴霧特性を達成する。降下は、空気中のスプレープルームの湿潤、および/またはディスペンシングシステムの使用後の表面上の残留物の蓄積として特徴付けることができる。本開示は、圧縮ガスディスペンシングシステムからの降下を低減および/または改善することが見出された主要なスプレー特性および配合パラメータを特定する。噴霧特性には、粒径、放出速度、噴霧角度、投射距離、噴霧コーン直径、降下率、降下パターン、および粒子速度が含まれる。製剤パラメータは、揮発性有機化合物(「VOC」)の構成パーセント、溶媒の使用、充填圧力、およびヘッドスペースパーセントを含む。
【0011】
圧縮ガスエアロゾルの噴霧性能は、配合物および配合物を含有するために使用される成分によって影響を受ける。より具体的には、性能は配合物をエアロゾル化するために使用されるスプレーインサートまたは機械的分解ユニット(「MBU」)によって著しく影響されることがある。MBUの機能は、液体配合物を分解して、その意図される使用のために送達するための粒子を作り出すことである。配合物および成分は、所望の噴霧特性を生じるように設計される。本明細書に開示される方法およびシステムは多くの異なる形態で実施することができるが、本開示に記載される実施形態は本明細書に記載される原理の例示に過ぎないと見なされるべきであり、本開示は図示される実施形態に限定されることを意図されないことを理解した上で、いくつかの特定の実施形態が本明細書で論じられる。本開示を通して、「約」および「およそ」という用語は、各用語が先行する数または値の±5%を意味する。
【0012】
ここで図1を参照すると、エアロゾル製品(図示せず)を貯蔵および/または分配するように構成された製品ディスペンシングシステム60が示されている。ディスペンシングシステム60は、容器62と、ハウジング66と、アクチュエータ68と、ノズルインサート70とを含むアクチュエータアセンブリ64とを含む(図2参照)。使用中、アクチュエータアセンブリ64は、特定の状態が発生すると、容器62から製品を解放するように構成される。例えば、製品ディスペンシングシステム60のユーザは、アクチュエータアセンブリ64のアクチュエータ68を手動で押し下げるか、さもなければ作動させて、エアロゾルを容器62から解放することができる。本開示全体を通して、アクチュエータアセンブリ64は、様々な構成で示される。
【0013】
組成物は、加圧製品としての放出を意図した水性製剤であってもよい。組成物は好ましくは二酸化炭素、ヘリウム、水素、ネオン、酸素、キセノン、亜酸化窒素、または窒素などの1つまたは複数の圧縮ガスを使用して加圧され、さらに、アルコール、ケトン、カルボン酸、またはアミドなどの1つまたは複数の極性溶媒を含む。好ましい実施形態では、極性溶媒はアルコール、より具体的にはエタノールである。製品ディスペンシングシステム60は任意の数の水性製剤を分配するように広く適合されているが、本ディスペンシングシステム60は本明細書に開示されるように、消臭組成物、芳香組成物、および洗浄組成物のうちの1つまたは複数を分配するように特に構成されている。好ましい実施形態では、組成物がヒドロキシル基を有する有機化合物を含み、上に列挙した圧縮ガスの1つ以上を使用して加圧される。
【0014】
図2を参照すると、容器62は、外側側壁76を画定する実質的に円筒形の本体74を備える。さらに、シーム78および/または取付カップ80は当技術分野で知られているように、アクチュエータアセンブリ64が取り付けることができる場所を提供する。容器62内に配置されたバルブボディ(図示せず)とバルブスプリング(図示せず)に接続されたバルブステム86を含む従来のバルブアセンブリ84が示されている。バルブステム86はペデスタル88を通って上方に延び、遠位端90がペデスタル88から離れて上方に延び、アクチュエータ68内に配置されたバルブシート92と相互作用するように適合される。長手方向軸94は、バルブステム86を通って延びる。使用前に、アクチュエータ68は、バルブステム86の遠位端90と流体連通するように配置される。ユーザは手動または自動でアクチュエータ68を操作してバルブアセンブリを開き、これにより、容器内部と大気との間の圧力差が生じて、内容物が容器62から、バルブステム86およびアクチュエータアセンブリ64を通って大気中に押し出される。バルブステム86はアクチュエータ68のバルブシート92内に完全には着座していない構成で示されており、バルブステム86をその中に完全に着座させるために追加の組立ステップが必要であることに留意されたい。さらに、バルブステム86は容器62と一体の構成要素として示されているが、バルブステム86は様々な構成で提供されてもよく、説明の目的のためにのみ提供されている。
【0015】
さらに、図2を参照すると、容器62は下端100で本体74に圧着されるか、または他の方法で連結される下側ベース98を含み、ボディ74は、開口104を規定する上端102をさらに規定する。取付カップ80は、開口部104を画定する容器62のテーパ部分に圧着される。取付カップ80は、本体74の上端102を封止する。取付カップ80と容器62との間の圧着部分はシーム78を画定し、これは、当技術分野で知られているように、それに沿ってアクチュエータアセンブリ64を取り付けることができる場所を提供する。
【0016】
任意の数の加圧製品を容器62内で使用することができるが、好ましい組成物は圧縮ガスを使用して加圧され、アルコール、例えば、エタノールを含む。より詳細には、組成物が約4体積%(%v)~約15%vのエタノール、または約6%v~約13%vのエタノール、または約8%v~約11%vのエタノール、または少なくとも5%vのエタノール、または少なくとも7%vのエタノール、または少なくとも8%vのエタノール、または少なくとも9%vのエタノール、または少なくとも10%vのエタノール、または少なくとも11%のエタノールを含む。試験を通して、容器62内の組成物中の前述のエタノールのレベルは、噴霧の近傍の様々な表面に沿った望ましくない降下を低減するための蒸発を容易にするのに役立つことが決定された。そのために、組成物中のエタノールの量を増加すると、蒸発速度を加速または増加させ、容器62の腐食を減少させることが見出されている。
【0017】
さらに図2を参照すると、外側側壁76は、厚さ108を画定する。容器62の側壁76は好ましくは鋼を含むが、側壁76はアルミニウムまたはプラスチックなどの、当技術分野で知られている多種多様な材料を含むことができる。好ましい実施形態では、容器の側壁76の厚さ108が約0.005インチ(0.13mm)~約0.04インチ(1.02mm)、約0.01インチ(0.25mm)~約0.03インチ(0.76mm)、約0.02インチ(0.51mm)、または少なくとも0.005インチ(0.13mm)、または少なくとも0.01インチ(0.25mm)、または少なくとも0.015インチ(0.38mm)、または少なくとも0.02インチ(0.51mm)、または少なくとも0.025インチ(0.64mm)、または少なくとも0.03インチ(0.76mm)である。容器62の厚さは、容器内の圧力に照らして増加させることができる。
【0018】
以下に論じられるように、容器62内の圧力を増加させることは、ユーザがアクチュエータ68を作動させたときに、噴霧の粒子を分散させ、粒子をディスペンシングシステム60からより遠くに送ることによって、降下を減少させることをアシストする。いくつかの実施形態では、容器は約120ポンド毎平方インチ(psi)(827kPa)~約180psi(896kPa)、または約130psi(896kPa)~約170psi(1172kPa)、または約140psi(965kPa)~約160psi(1103kPa)、または約150psi(1034kPa)~約155psi(1068kPa)、約152psi(1048kPa)~約153psi(1055kPa)、または約150psi(1034kPa)、または約152psi(1048kPa)、約153psi(1055kPa)、または少なくとも120psi(827kPa)、または少なくとも130psi(896kPa)、少なくとも140psi(965kPa)、または少なくとも145psi(999kPa)、または少なくとも150psi(1034kPa)、少なくとも155psi(1068kPa)、または少なくとも160psi(1103kPa)、または少なくとも170psi(1172kPa)の圧力を有することができる。さらに、100%容量、すなわち完全に満杯のとき、容器62は、容器62の体積の約10%~約70%、または容器62の体積の約20%~約60%、または約30%~約50%、または約35%~約45%、または約40%のヘッドスペースを画定することができる。
【0019】
以下は、ディスペンシングシステム60によって噴霧される粒子の粒径に関する好ましい範囲を含む。本明細書言及されるように、Dvは、体積基準での直径(粒径の尺度)の呼称である。したがって、Dv(10)は、粒度分布の10パーセンタイルを表す。本明細書において、上記の粒径範囲は100%~25%の充填缶、すなわち、100%~25%の充填缶の範囲をカバーすることにさらに留意されたい。いくつかの実施形態では、噴霧のDv(10)粒径が約5μm~約150μm、または約15μm~約130μm、または約20μm~約120μm、または約23μm~約94μm、または約35μm~約60μm、または少なくとも5μm、または少なくとも15μm、または少なくとも20μm、または少なくとも23μm、または少なくとも30μm、または少なくとも36μmであってもよい。いくつかの実施形態では、噴霧のDv(50)粒径が約10μm~約300μm、または約20μm~約275μm、または約30μm~約250μm、または約55μm~約200μm、または約65μm~約105μm、または少なくとも10μm、または少なくとも20μm、または少なくとも30μm、または少なくとも54μm、または少なくとも60μm、または少なくとも64μmであってもよい。いくつかの実施形態では、噴霧のDv(90)粒径が約30μm~約500μm、または約50μm~約420μm、または約75μm~約400μm、または約105μm~約373μm、または約100μm~約200μm、または少なくとも30μm、または少なくとも50μm、または少なくとも75μm、または少なくとも90μm、または少なくとも105μmであってもよい。
【0020】
一部の実施形態では、約10秒にわたって測定された噴霧速度が約0.2g/秒(g/s)から約3.5g/sの範囲、または約0.8g/sから約2.8g/sの範囲、または約1.1g/sから約2.6g/sの範囲、または約1.2g/sから約2.0g/sの範囲、または約1.7g/s、または少なくとも0.2g/s、または少なくとも0.8g/s、または少なくとも1.0g/s、または少なくとも1.1g/s、または少なくとも1.2g/sの範囲であってもよい。本明細書で別段の注記がない限り、様々な噴霧速度は特定のディスペンシングシステムを計量し、特定の時間の間噴霧し、特定のディスペンシングシステムの2回目の計量をし、噴霧時間にわたる重量の差に基づいて噴霧速度を計算することによって測定された。本明細書に記載されるように、上記の噴霧速度は100%~25%の充填缶、すなわち、100%~25%の充填缶の範囲をカバーする。いくつかの実施形態では、噴霧の円錐角(図31参照)は、噴霧の頂点で測定して、約10°~約60°、または約20°~約50°、または約30°~約40°、または約35°、または少なくとも10°、または少なくとも20°、または少なくとも30°、または少なくとも35°であってもよい。いくつかの実施形態では、噴霧の噴射距離は、ノズルインサート70の噴霧オリフィス176から測定して、約5インチ(12.7cm)~約100インチ(254cm)、または約15インチ(38.1cm)~約70インチ(177.8cm)、または約27インチ(68.6cm)~約45インチ(114.3cm)、または約35インチ(88.9cm)、または少なくとも5インチ(12.7cm)、または少なくとも15インチ(38.1cm)、または少なくとも20インチ(50.8cm)、または少なくとも27インチ(68.6cm)であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、噴霧コーン直径/噴霧パターン直径は、約0.5インチ(12.7mm)~約15インチ(381mm)、約2.4インチ(61.0mm)~約6.6インチ(168mm)、約3.2インチ(81.3mm)~約5.1インチ(130mm)、約4.3インチ(109mm)、または少なくとも0.5インチ(12.7mm)、少なくとも2.4インチ(61.0mm)、または少なくとも3.2インチ(81.3mm)、または少なくとも4.3インチ(109mm)であってもよい。他の実施形態では、噴霧コーン直径/噴霧パターン直径は約2.4インチ(61.0mm)~約12.5インチ(318mm)、または約5.0インチ(127mm)~約9.5インチ(241mm)である。いくつかの実施形態では、噴霧の粒子速度は、ノズルインサート70の噴霧オリフィス176で測定して、毎秒約10メートル(m/s)~約90m/s、または約30m/s~約70m/s、または約40m/s~約57m/s、または少なくとも10m/s、または少なくとも30m/s、または少なくとも35m/s、または少なくとも40m/sであってもよい。本明細書で述べるように、上記の粒子速度は、100%~25%の充填缶をカバーする。好ましい実施形態では、Dv(10)は約36μm~約58μmであり、Dv(50)は約64μm~約105μmであり、Dv(90)は約105μm~約220μmであり、噴霧速度は約1.1g/s~約2.6g/sであり、ポテンシャル円錐角は約35°であり、投射距離は約27インチ(68.6cm)~約45インチ(114cm)であり、噴霧パターンは約3.2インチ(8.13cm)~約5.1インチ(13.0cm)であり、粒子速度は約40m/s~約57m/sである。好ましい実施形態では、組成物は9体積%のエタノールである。
【0022】
ここで図3図8を参照すると、アクチュエータアセンブリ64がより詳細に示されている。アクチュエータアセンブリ64は図3図5図7、および図9において最高(非作動)または第1の構成で示され、アクチュエータアセンブリ64は図5および図7において最低(作動)または第2の構成で示される。図3図5図7、および図9の非作動または第1の構成は、輸送または作動前の構成と考えることができ、作動後の構成は第1の構成と第2の構成との中間の点に配置されるアクチュエータ68を含み、アクチュエータ68が作動するように構成される。アクチュエータアセンブリ64は、ノズルインサート70の少なくとも一部をアクチュエータ68の一部分に受け入れるように構成されたアクチュエータ68を含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータ68が単一の材料片、より具体的にはプラスチック材料から製造されてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ68がコポリマー、例えば、ポリプロピレンコポリマーから製造されてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ68がポリプロピレン、プロピレン、HDPE、ナイロン、または他のコポリマーもしくはホモポリマーから製造されてもよい。
【0023】
特に図3図6を参照すると、ハウジング66が詳細に示されている。ハウジング66は下縁110を含み、そこから連続的な外壁112が、バルブステム86の長手方向軸94に向かって曲って上方および内方に延びる。図3の正面図を参照すると、外壁112の左側114および右側116は内側に湾曲し、わずかに湾曲した外壁112を画定する。レーストラック形状の前部開口部118がハウジング66の前側120に沿って設けられ、前部開口部118は、ノズルインサート70が第1の構成(非作動)から第2の構成(完全作動)まで、それに沿って上下に移動し、それを通して製品を分配することを可能にする。開口部118は様々な形状をとることができ、本明細書に示される実施形態に限定されない。図3はバルブステムと連結されていない構成のアクチュエータアセンブリ64を示し、アクチュエータ68を押し下げる追加のアセンブリステップが、アクチュエータ68をバルブステム86上に完全に着座させることに留意されたい。
【0024】
図4の側面図および図5の背面図を参照すると、アクチュエータ68は、ハウジング66の上壁124の上方に延びるように示されている。図5にさらに示されるように、ハウジング66の後側126はハウジング66の前側120よりも比較的短く、上壁124は後側126と前側120との間に延在する。上壁124は湾曲または弓形であり、後側126から前側120まで上方に延びる。アクチュエータアセンブリ64は、図4および図5の第1の構成に示されているので、アクチュエータ68はこれらの図において最も高い状態にあり、側方から見て上壁124の上方に延在する。具体的に図5を参照すると、上壁124はより詳細に示されており、上壁124はアクチュエータ68の周囲に延在し、長手方向軸94に向かって内向き及び下向きに傾斜している。アクチュエータ68はまた、左から右に、および前から後ろに下方に湾曲する凹状の上壁132を画定するボタン130を含む。ボタン130はボタン130を押してディスペンシングシステム60を作動させることができるように、ユーザの親指または指と相互作用するように構成される。図6の側面図を参照すると、アクチュエータアセンブリ64は、アクチュエータ68が完全に押し下げられ、側面から見えないように、第2の構成で示されている。
【0025】
図7を参照すると、アクチュエータ68は、第1の構成で示され、ハウジング66内に少なくとも部分的に配置される。アクチュエータ68の流体通路134内に配置されたノズルインサート70がさらに示されている。流体通路134は、垂直導管136と、垂直導管136と交差する角度付き導管138とを画定する。垂直導管136は配合物が噴霧間に蓄積することを可能にするチャンバであり、アクチュエータ68の他の厚い部分からの材料を低減するために含むことができる。いくつかの実施形態では、垂直導管136が実質的により短くてもよく、角度付き導管138の上に示されるアクチュエータキャビティ140は、より短い垂直導管136の上に延在してもよい。アクチュエータキャビティ140は、ボタン130の下側に沿った開放空間である。
【0026】
噴霧角度144が図7にさらに示されており、これは、長手方向軸94および噴霧軸146に対する角度を画定する。噴霧角度144は、約45°~約85°、または約50°~約80°、または約55°~約75°、または約60°~約70°、または最大で80°、または最大で75°、または最大で70°、または最大で68°、または約66°、または約67°、または約68°、または約69°、または約70°、または約71°であってもよい。本明細書に開示される好ましい角度範囲は、噴霧と地表面との間の距離を増加させる角度で組成物を噴霧することによって、降下を低減することを可能にする。以下に説明するように、噴霧角度144は、長手方向軸94に対して直角に配置された水平面(図示せず)からオフセットされた角度に関して注目することができる。したがって、上記で開示された角度を、基準フレームとして水平面を用いて議論されてもよい。
【0027】
さらに図7を参照すると、ハウジング66は、容器62の一部を受け入れるための下縁110に隣接する下側開口部150をさらに含む。ハウジング66は、外壁112の内面160に沿って配置される、複数の外向きに延在する固定リブ152、安定化リブ154、およびアライメントリブ156をさらに含む。固定リブ152は、下縁110と実質的に平行に配向される。アクチュエータ68を容器62に取り付けるのをアシストするために、アクチュエータ68の内面160を囲む任意の数およびサイズの固定リブ152が含まれてもよい。安定化リブ154は外壁112の内面160の周りに設けられ、アクチュエータアセンブリ64の安定性を、特に、それに力が加えられたときにアシストする。後述するように、アライメントリブ156は安定化リブとしても作用するが、特に、組み立て中にアクチュエータ68の位置合わせをアシストし、ディスペンサ60の使用中にアクチュエータ68を回転不能な構成に保持する位置に設けられる。
【0028】
図7には、ハウジング66の上壁124から下方に延びる内壁162も示されている。内壁162は例えば、ハウジング66の前側120に沿って、アクチュエータ68と相互作用する表面を含む。図7に示されるように、内壁162は、アクチュエータ68のノズルバレル164の上方への移動を防止することによって、アクチュエータ68がハウジング66内に配置されるときのアクチュエータ68の上方への移動を防止するように構成される。複数の固定リブ152は更に、ハウジング66の内面160に沿って示されており、離間され、当技術分野で知られているように、アクチュエータアセンブリ64への容器62の取り付けをアシストする。
【0029】
さらに図7を参照すると、上述のように、外壁112の内面160に外接する複数の安定化リブ154が示されている。安定化リブ154はアクチュエータ68への頂部負荷を増加させることを可能にするために、ハウジング66に追加の構造的完全性を提供することができる。具体的には、安定化リブ154の底面が容器62の一部と相互作用して、容器62の周りのアクチュエータ68の上部に加えられる力を広げることをアシストする。さらに、ハウジング66の側部および前部に沿って配置されたアライメントリブ156は、キャッピングプロセス中および/またはキャッピングプロセス後にアクチュエータ68を適切な位置に位置合わせおよび位置決めするのをアシストする。そのような位置合わせアシストは、アクチュエータアセンブリ64がバルブステム86上に正確に位置決めされることを確実にするのに役立つ。アライメントリブ156は、概して、安定化リブ154よりも長手方向軸94に向かってより遠くに延在する。いくつかの実施形態では、安定化リブ154およびアライメントリブ156は形状が実質的に同一であり、より多いまたはより少ないリブ154、156があってもよい。
【0030】
組み立てられたアクチュエータ68は上述のように、容器62上に着座され、保持され、すなわち、アクチュエータ68のリブ154、156は、容器62のシーム78と相互作用して、アクチュエータ68をスナップフィットタイプの方法で容器62に固定する。この状態では、アクチュエータアセンブリ64のアクチュエータ68がアクチュエータ68を通って上方に延び、アクチュエータ68の上壁132に配置された開口166を通って外に出る。適切に着座すると、アクチュエータ68は、開口部166を通って上方に延びて、ユーザが作動プロセスを実行するために圧力を加えることができる表面を形成する。さらに、この状態では、容器62のバルブステム86がアクチュエータ68の入口オリフィス170内に着座し、それによって、入口オリフィス170および垂直導管136を画定する表面はそれらの間に実質的に流体密なシールを提供する。
【0031】
アクチュエータ68およびノズルインサート70も、組み立てられた構成で図7に示されている。アクチュエータ68は垂直導管136に沿って延在し、図2で上述した長手方向軸94と同一の広がりを有するチャンバ軸172を画定する。アクチュエータアセンブリ64を容器62上に着座させるとき、チャンバ軸172は長手方向軸94と概ね整列され、ノズルインサート70はアクチュエータ68のインサートキャビティ174内に挿入される。ノズルインサート70の噴霧オリフィス176はハウジング66の前部開口部118の上端に、またはそのわずかに下に配置されて示されているが、アクチュエータ68が作動構成になると、噴霧オリフィス176はエアロゾル化された流体が前部開口部118を通って噴霧オリフィス176を出るように配置される。バルブシート92はアクチュエータ68内に示され、バルブシート92は、安定化リブ154の下縁からバルブシート92の上面182まで測定される高さであるシート高さ180を画定する。バルブシート92は容器62のバルブを受け入れ、製品が分配されるアクチュエータ68の流体通路134内に入口オリフィス170を画定する。
【0032】
ここで図8を参照すると、アクチュエータアセンブリ64の背面断面図が、第2の構成で、すなわち作動状態で示されている。ハウジング66の内部態様、例えば、第1または左の保持アーム186、第2または右の保持アーム188、第1または左の輸送ロック190、および第2または右の輸送ロック192が詳細に示されている。アーム186、188、および輸送ロック190、192の各々はハウジング66の内壁162から下方に垂下し、内壁162と一体である。さらに、ハウジング66の内壁162と外壁112との間の空間として画定される内側キャビティ194が示されている。アーム186、188、および輸送ロック190、192の各々は内側に配置されたキャッチまたはフック196をさらに含み、これらは様々な目的を有する。例えば、第1および第2の保持アーム186、188の留め具196は図8に示されるように、アクチュエータ68の過度の作動を防止するように構成され、一方、第1および第2の輸送ロック190、192の留め具196は、アクチュエータ68に沿って戻り止め198と相互作用して(図9参照)、キャッピング中にアクチュエータ68をバルブステム86から分離した状態に保つ。
【0033】
内壁162はさらに、ハウジング66の前側120に沿って半円形のノッチ200を画定するものとして示され、このノッチ200はアクチュエータ68のノズルバレル164を受け入れるように構成されている(図7参照)。したがって、ノッチ200、ならびに第1および第2の保持アーム186、188はアクチュエータ68がアクチュエータプロファイルから出るのを防止するように連動して作用し、一方、アライメントリブ156は、アクチュエータ68の回転を防止する。安定化リブ154の下縁からバルブシート92の上面182までの距離として定義される第2の高さ202も図8に示されている。第2の高さ202は、第1の高さ180の約20%~約100%、または第1の高さ180の約30%~約90%、または第1の高さ180の約40%~約80%、または第1の高さ180の約50%~約60%であってもよい。アクチュエータ68の流体通路134の垂直導管136は、流体通路134の角度付き導管138への入口とともにさらに示されている。ボタン130の湾曲も詳細に示されている。
【0034】
さらに図8を参照すると、アクチュエータ68の左アーム210および右アーム212が示されており、これらはそれぞれ、ハウジング66の内部キャビティ194内に配置されている。左右のアーム210、212はその外側部分に沿って角度付き壁214を画定し、これは、ハウジング66の外側壁112の部分の外形に従う。アクチュエータ68がバルブアセンブリ84によって上方に付勢されると、アクチュエータ68の左右のアーム210、212は内側キャビティ194内にさらに上方に延在し、その中に入れ子にされたままである。アクチュエータ68をハウジング66に組み立てるために、アクチュエータ68は、下側開口部150を通して挿入され、保持アーム186、188は図8に示されるように、保持アーム186、188の留め具196が所定の位置にスナップ嵌めされるまで、アクチュエータ68内のアーム開口部216(図19参照)を通して挿入される。したがって、ハウジング66の保持アーム186、188は組み立て中に途中で撓み、組み立てられるとアクチュエータ68を捕捉する。保持アーム186、188の留め具196がアクチュエータ68の下側に沿って着座されると、すなわち、図8に示されるように少なくとも同じ高さに平行移動されると、アクチュエータアセンブリ64は、容器62に組み立てることができる。
【0035】
ここで図9を参照すると、ハウジング66の輸送ロック190、192およびアクチュエータ68の戻り止めまたはロックタブ198を示す、アクチュエータアセンブリ64の別の断面図が示されている。輸送ロック190、192は輸送中にアクチュエータ68を保持し、その結果、それは、キャッピングおよび輸送中にバルブステム86と接触しない。ディスペンサ60の最初の使用中、消費者は輸送ロック190、192を乗り越え、その後、アクチュエータ68は、バルブステム86上に着座する。そのために、輸送ロック190、192は、ディスペンサ60の最初の使用までアクチュエータ68を保持するために設けられる。流体通路134の角度付き導管138も、様々な安定化リブ154およびアライメントリブ156とともに図9に示されている。
【0036】
図10図16はハウジング66の態様を、特に、その中に配置されて示されるアクチュエータ68なしで、より詳細に図示する。様々なリブ152、154、156がハウジング66の前部開口部118と共に、遮られていない状態で示されている。特に図11及び図12を参照すると、ハウジング幅220及びハウジング高さ222が示されている。ハウジング高さ222は、ハウジング幅220の約50%~約150%、又はハウジング幅220の約70%~約130%、又はハウジング幅220の約90%~約110%、又はハウジング幅220の約100%とすることができる。図13はハウジング66を通って中央に延在し、容器62上に着座したときにアクチュエータアセンブリ64の長手方向軸94を通過する垂直面224を示す。アーム186、188は垂直面224に対して第1の角度226だけオフセットされて配置されているように示されており、一方、ロック190、192は、垂直面224と長手方向軸94との交差に対して取られた第1の角度226よりも小さい第2の角度228だけオフセットされているように示されている。
【0037】
図14を参照すると、ハウジング66は、垂直面224を通る断面で示されている。右側輸送ロック(right shipping lock)192および右側保持アーム(right retention arm)188が詳細に示されている。安定化リブ154の下縁110から輸送ロック190、192の留め具196の上面232までの距離を画定するロック高さ230が示されている。右保持アーム188の留め具196も詳細に示されている。上述のように、アーム186、188、および輸送ロック190、192はハウジング66の内壁162から下方に延び、内壁162の内部キャビティ194を部分的に画定する。アライメントリブ156、すなわち保持アーム186、188の対向する側部に沿って配置されたリブも示されている。アライメントリブ156は、アクチュエータ68の回転運動を防止するように配置され、左右のアーム186、188をアライメントリブ156の間に保持する。図15および図16は様々なリブ154、156および様々なアーム186、188の図、ならびに下方に延在し、アクチュエータ68を一時停止または保持するように構成された輸送ロック190、192を含む、ハウジング66の内側側面のさらなる図を提供する。特に図15を参照すると、内部キャビティ194は、ハウジング66の前側120及び後側126の両方に沿って配置されて示されている。内側キャビティ194は概して、安定化リブ154およびアライメントリブ156によって中断されるが、そうでなければ、ハウジング66全体の周りに延びる。
【0038】
ここで図17図24を参照すると、アクチュエータ68がより詳細に示されている。特に、図17を参照すると、アクチュエータアセンブリ64のアクチュエータ68の等角図が示されている。アクチュエータ68は、上壁124を画定するボタン130と、ボタン130からそれぞれ外側に延びる丸みを帯びた周壁236、左アーム210、および右アーム212とを含む。上述のように、左アーム210および右アーム212は、ハウジング66の対向する側面に沿って、アライメントリブ156の間で、内部キャビティ194内で摺動可能に平行移動するように構成される。アーム開口部216は、アクチュエータ68の左アーム210および右アーム212内に設けられ、それぞれ、ハウジング66の左保持アーム186および右保持アーム188を受け入れる。アクチュエータ68のノズルバレル164は、流体通路134内に配置されたポスト240とともにより詳細に示され、ノズルバレル164と組み合わせて、ノズルインサート70を受け入れるノズル導管242を画定する。前壁244はノズルバレル164から下方に垂下し、そこから前タブ246が延び、アクチュエータ68の過度の作動を防止するためにハウジング66と相互作用するように構成されてもよい。アクチュエータ68の周壁236から延びるロッキングタブまたは戻り止め198がさらに示されている。
【0039】
ここで図18および図19を参照すると、アクチュエータ深さ250およびアクチュエータ高さ252が示されている。具体的に図18を参照すると、アクチュエータ68の上壁132が示されており、その前端254から後端256まで下方に湾曲している。ポスト240は、ノズル導管242からわずかに外側に突出してさらに示されている。前壁244も、アクチュエータ68の最前点を画定する前タブ246と共に示されている。ここで図19を参照すると、アーム210、212の両方およびロッキングタブ198の両方がより詳細に示されている。アーム210、212の傾斜した外形はアクチュエータ68の対称的な性質と共に、図19において明確である。左右のアーム210、212とボタン130との間に画定された開口216がさらに示されており、これは、アクチュエータアセンブリ64の組み立て中に、左右の安定化アーム186、188がそこを通って挿入されるためのクリアランスを提供する。
【0040】
ここで図20を参照すると、アクチュエータ68の上面図が示されており、アクチュエータ68は、アクチュエータ68を適所に保持するハウジング66の保持アーム186、188が延在する開口216を含む。アクチュエータ68のボタン130の概ね円形の外形も、左右のアーム186、188、前壁244、および前タブ246の概ね外向きに傾斜した輪郭と共に示されている。アクチュエータ68は好ましくはポリマーを含むので、アクチュエータ68の様々な特徴はアクチュエータアセンブリ64の組み立て中に撓むように構成される。左右のアーム186、188の傾斜した外形は保持アーム186、188が開口216内に挿入されるときに、アクチュエータ68が内部キャビティ194内に上方に挿入されることを可能にし、その間、アクチュエータ68の左右のアーム210、212ならびに左右の保持アーム186、188は、屈曲することができる。
【0041】
ここで図21図23を参照すると、アクチュエータ68の断面図がより詳細に示されている。バルブシート92、バルブシート92の上面182、垂直導管136を含む流体通路134、角度付き導管138、ノズル導管242、及び上壁132が詳細に示されている。特に図22を参照すると、左右のアーム210、212とボタン130との間の、アクチュエータ68の左側および右側に沿った開口216が、より詳細に示されている。ノズル導管242は図23に詳細に示され、バルブシート92は図24により詳細に示される。
【0042】
特に図23を参照すると、アクチュエータ68は、ノズルインサート70を受け入れるように構成されたノズル導管242を含む。図示の実施形態では、ノズル挿入導管242が概して噴霧軸146に沿って停止部分260から開放端部262まで延在する概して円筒形の環状キャビティを画定する。また、図示の実施形態では、噴霧軸164がポスト240内の概して中央に位置し、長手方向軸94に対してオフセット角度で配置される。さらに、開口端部262は、組立中にノズルインサート70をノズルインサートキャビティ174内にガイドするように構成された面取り面264を含む。他の実施形態では、他の構成が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、開口端部262において異なる(例えば、面取りされていない)構成として、非円筒形または非対称の外形が可能である。非対称外形は例えば、広角インサートの使用を可能にして、発泡洗浄剤または他の製品のための広角噴霧を提供するために有用である場合がある。
【0043】
ノズルインサートキャビティ174に関連するかまたはその中に含まれる特徴の本明細書における説明のために、用語「軸方向」、「半径方向」、および「円周方向」(ならびにそれらの変形)の使用は、チャンバ軸172に対応する基準軸に基づく。この点に関して、例えば、ノズルインサートキャビティ174は、ノズルインサートキャビティ174の周りに概ね円周方向のバレルとして延在し、ノズルインサートキャビティ174の外径268を画定する半径方向外側表面266を含む。同様に、ノズルインサートキャビティ174内のポスト240は停止部分260付近のベースから、ノズルインサートキャビティ174の開放端部262から距離272だけ離間されたポスト240の遠位端270まで、概して軸方向に延在する。ポスト240はポスト直径274をさらに画定し、インサートキャビティ174は、インサートキャビティ長さ276によってさらに画定される。
【0044】
一般的に、ポスト240によって、およびノズルインサートキャビティ174によって画定される形状および外形は、ノズルインサート70の1つまたは複数の部分に概ね適合するように構成され、ノズルインサートキャビティ174内でのノズルインサート70の受容および保持を容易にする。図示の実施形態では例えば、ポスト240およびノズルインサートキャビティ174は、ノズルインサート70上の対応する円筒形(または他の)特徴に係合するように構成された略円筒形を画定する。他の実施形態では、例えば、ポスト240および/またはノズルインサートキャビティ174は、他の形状およびサイズの特定のノズルインサートの受容および保持を容易にするために、異なる形状を画定してもよい。
【0045】
図24を参照すると、垂直導管136は、長手方向軸94に沿って概して軸方向に延在する概して丸い孔を画定する。他の実施形態では例えば、垂直導管136は長方形、楕円形、または多角形などの別の断面形状を画定してもよい。流体通路134は、入口オリフィス170とノズル導管242内の出口とを含む。バルブシート92は、バルブステム86の少なくとも一部を内部に摺動可能に受け入れるように構成される。再び図23を参照すると、ノズル導管242は、バルブシート92の下流の入口流体通路134の第2の端部に配置され、入口オリフィス170とノズル導管242との間に流体連通を提供するように構成される。
【0046】
さらに図24を参照すると、バルブステム86を係合および作動させるために、バルブシート92は、垂直導管136の直径よりも概して大きい内径280を画定する。バルブシートはまた、高さ282を画定する。動作中、例えば、アクチュエータアセンブリ64は、手動または自動で変位されて、バルブステム86とバルブシート92の一部との間の係合を強制することができる。上述のように、ユーザはボタン130を押して、アクチュエータ68を輸送ロック190、192から係合解除させることができ、これにより、バルブシート92をバルブステム86上に完全に着座させる。アクチュエータアセンブリ64の作動により、バルブステム86とバルブシート92の一部との間の係合は、バルブアセンブリが開き、製品が容器62からバルブステム86を通って流体通路134に流れることを可能にするように、バルブステム86を変位させる。
【0047】
ここで図25図29を参照すると、ノズルインサート70がより詳細に示されている。ノズルインサート70は、ノズルインサートキャビティ174内に少なくとも部分的に挿入され、それによって容器62内の製品の適切な流体流動特性を有する周囲への分配を促進するように構成される。いくつかの実施形態では、ノズルインサート70がプラスチック材料から製造されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ノズルインサート70はアセタール、すなわち、ポリオキシメチレン材料から製造されてもよい。いくつかの実施形態では例えば、ノズルインサート70はポリプロピレン、プロピレン、HDPE、ナイロン、または他のコポリマーもしくはホモポリマーから製造されてもよい。
【0048】
ノズルインサート70は、ノズルリム290と、ノズルリム290から延びるノズル本体292とを含む。ノズル本体292は、ノズルリム290と概して開いたインサート入口端294との間で概して軸方向に延びる略環状の円筒を画定する。ノズルリム290およびノズル本体292は、第1の段部296で接続される。ノズル本体292は、第2の又は面取りされた段部302によって分離された前部又は第1の部分298及び後部又は第2の部分300を画定する。他の実施形態では例えば、ノズル本体292は必要に応じて、長方形、楕円形、多角形、テーパ状、または他の形状などの他の形状を画定してもよい。また、後述するように、ノズルインサート70の入口端部294は、ノズル内部キャビティ304へのアクセスを提供して、ポスト240が内部キャビティ304内に摺動可能に受容されることを可能にすることができる。ノズルリム290は、ノズルオリフィス176を画定するノズル前壁またはリム壁306をさらに画定する。
【0049】
図27を参照すると、ノズル本体292は、面取り段部302によって互いに分離された後部300および前部298を画定する。凹部310がノズルリム290の一部内に配置され、出口オリフィス176がノズルインサート70の前壁306内に配置される。特に図27および図28を参照すると、ノズルインサート70はリム直径312、第1の部分直径314、および第2の部分直径316を画定し、リム直径312は前部分直径314よりも大きく、前部分直径314は後部分直径316よりも大きい。さらに、リム290はリム深さ318を画定し、前部298は前部深さ320を画定し、ノズル本体292は本体深さ322を画定する。さらに、ノズルインサート70の後部面取りエッジ324は第1の面取り角度326を画定し、面取り段部302は、第2の面取り角度328を画定する。他の実施形態では、他の構成が可能である。
【0050】
一般的に、ノズル本体292の段付き外形はアクチュエータ68のノズル導管242と相互作用して、係合を提供し、ノズル本体292のノズルインサートキャビティ174への過剰挿入を妨げるように設計される。図示の実施形態では例えば、ノズルインサート70のノズルリム290は半径方向に延びる表面を画定する第1のインサート停止面330を画定する段付き構成を含む。第1のインサート停止面330は、リム直径312を画定するリム外面332と、前部直径314を画定する前部表面334との間で、概して半径方向内向きに延在する。後部300はまた、面取りされた段部302を介してさらに内側に段付けされる後部表面336を画定する。
【0051】
図25および図26に示すように、リム壁306は、ノズルインサート70の内部キャビティ304と大気との間に流体連通を提供するためにリム壁306を通って延びるノズルオリフィス176を含む。図28を参照すると、オリフィス176は、リム壁306を通って、半径方向に延在する内側リム表面340から半径方向に延在する外側リム表面342まで延在する。いくつかの実施形態では例えば、オリフィス直径344またはオリフィス176の他の態様はそこを通って流れる流体の所望の流れパターンおよび/または霧化を達成するように設計することができる。例えば、以下に説明するように、オリフィス直径344を変化させることは異なる効果または衝撃を提供し、これはアクチュエータアセンブリ64と共に使用されるノズルインサート70に利益をもたらす。図示の実施形態では、オリフィス176は、ノズルインサート70によって画定される噴霧軸146に沿って配置される。いくつかの実施形態では、例えば、オリフィス176は、オリフィス176を通る流体の流れの所望の流れパターンおよび/または霧化を提供するために、インサート出口端部上に偏心して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の出口オリフィスを設けることができる。
【0052】
図28に示すように、外側リム表面342は、オリフィス176と概して同心に配置された窪みまたは凹部310を画定する。凹部310は、外側リム面342内の概ね円錐台形の凹部を画定し、凹部が内側リム面340に向かって軸方向に延在することにつれて(噴霧軸146に対して)直径が減少する。凹部310は、外側リム面342と内側リム面340との間の位置で、リム壁306からオリフィス176の出口350まで軸方向に延びる。他の実施形態では例えば、外側リム表面342は凹部を有さない概ね平坦な外形を画定してもよく、または凸部を有する外形を画定してもよく、または複数の凹部もしくは凸部、または図示されたものとは異なる外形を有する凹部を含んでもよい。同様に、他の実施形態では、ノズルアセンブリが製品の流れに所望の流れ特性を付与するための他の構成を示すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、アクチュエータは、後述するように、出口旋回チャンバにつながる様々な溝またはチャネルを含むことができ、そこから流体がオリフィス176に流れて分散されることができる。
【0053】
さらに図28を参照すると、特に、ノズル本体292の内部キャビティ304を部分的に画定するノズル本体292の半径方向内側表面352は、内側リム表面340とインサート入口端部294との間で、内部キャビティ194に沿って概ね一定である内径354を画定する。図示の実施形態では、複数のリブ356がノズル本体292の内面352から概して半径方向内向きに延在し、リブ356に沿って直径354からの局所的なずれをもたらす。図示の実施形態では、ノズルインサート70が内面352の周囲に約90度の増分で円周方向に配置された4つのリブ356を含む。他の実施形態では、例えば、ノズルインサート70はより多くの又はより少ないリブを含むことができ、又は平坦部を含むことができ、それらのいずれも、所望に応じて、内面352の周りに任意の増分で円周方向に配置することができる。
【0054】
図示の実施形態では、複数のリブ356の各々が傾斜部358およびスペーサ部360を含む。複数のリブ356の各々は、インサート入口端部294と内側リム面340との間から内面160に沿って軸方向に延びる。インサート入口端294からリム壁306に向かう方向、すなわち、挿入方向と反対の方向に移動すると、複数のリブ356の各々は、傾斜部358で始まる。傾斜部358とスペーサ部分360との間の接合部において、傾斜部358の半径方向内向きのテーパは不連続であり、スペーサ部分360は軸方向に、内側リム表面340まで、概して一定の半径方向厚さで延在する。また、後述するように、リブ356はノズルインサートキャビティ174のポスト240を中心に係合して、または他の方法で整列させ、ノズルインサート70をノズルインサートキャビティ174内に固定するように構成される。
【0055】
図28および図29を参照すると、インサート70の内側リム表面340は中央凹部364と複数の放射状に延びるチャネル366を画定し、チャネル366はリム壁306から延在し、リム壁306と一体である4つの半径方向に配置された渦巻き機構368の間に配置された複数の半径方向に延在する。中央凹部364は、チャネル366と組み合わされて、オリフィス176の位置において、組成物の旋回を中央に生成するように動作する旋回チャンバとして動作する。図示される実施形態では、ノズルインサートの分配チャンバ370が平行チャネル366間のチャネル距離372と、リブ356間の高さ374とを画定する。いくつかの実施形態では、リブ356間の高さ374が所望の旋回(または他の)流れパターンを提供するために、流体流れがポスト240の周囲およびノズルインサート70内に適切に分配されるように設計することができる。チャネルはまた、チャネル厚さ376を画定する。
【0056】
図28を参照すると、ノズルインサート70の断面図が詳細に示されている。組み立て中、アクチュエータ68のポスト240は、ノズルインサート70の内部キャビティ304内に受容される。ポスト240は、ノズルインサート70の内面160上の複数のリブ356のうちの1つ以上に係合する。傾斜部358のテーパにより、複数のリブ356は、ポスト240を内部キャビティ304内の所望の位置合わせにガイドするように(または対応して、ノズルインサート70をポスト240およびノズルインサートキャビティ174との適切な位置合わせにガイドするように)構成される。ポスト240が傾斜部分358とスペーサ部分360との間の接合部を通過すると、スペーサ部分360は内部キャビティ194内のポスト240の位置合わせを設定し、それに対応して、ノズルインサート70とポスト240およびノズルインサートキャビティ174との位置合わせを設定するように作用する。図示の実施形態では、ノズルインサート70が組み立て後、ノズルインサートキャビティ174と概して同軸に位置合わせされる。いくつかの実施形態では、あるいは、ノズルインサート70が組み立て後に、ノズルインサート70がノズルインサートキャビティ174と位置合わせされてもよい(例えば、ノズルインサートキャビティ174内に偏心して配置される)。
【0057】
他の実施形態では、他の構成が可能である。例えば、ノズルインサートの1つ以上の出口オリフィスへの製品の流れのためのチャネルは、リム壁306などのノズルインサートの内壁上に形成される代わりに、ポスト240と同様のポストの遠位端上に、またはそれに加えて、他の同様の特徴上に形成することができる。いくつかの実施形態では、製品のための特定の流路が凹状チャネルではなく、隆起または他の方法で突出する特徴によって画定することができる。いくつかの実施形態では、出口旋回チャンバが円形または他の形状など、旋回チャンバとは異なる幾何学的形状を有することができ、チャネル366など、出口旋回チャンバに通じる流路は湾曲した、または他の流路を画定することができる。いくつかの実施形態では、出口旋回チャンバが1つまたは複数の出口オリフィスにつながる段付きまたは湾曲壁を有することができる。
【0058】
次に、図30図39を参照して、本明細書に開示されるディスペンシングシステム60の利点を説明する。具体的に図30を参照すると、図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムの噴霧分散パターンを比較するシーケンスの第1の画像が示され、図31はシーケンスの第2の画像であり、図32はシーケンスの第3の画像である。図30はヌル状態、すなわち、様々なディスペンシングシステムの作動システムが作動される前の状態を示す。図31は、第1の噴霧パターン400、第2の噴霧パターン402、および第3の噴霧パターン404を示す第1の状態を示す。第1の噴霧パターン400は本明細書に開示されるディスペンシングシステム60によって生成される噴霧パターンを反映し、一方、第2の噴霧パターン402および第3の噴霧パターン404は、従来技術の噴霧の噴霧パターンを示す。噴霧パターン400、402、406は、第1の状態の後に生じる、図32の第2の状態でさらに示される。
【0059】
図30図32のシーケンスにおける画像は噴霧プロセスにおいて同一の時間に撮影され、したがって、噴霧パターン400、402、406は製品ディスペンシングシステムの様々なアクチュエータの初期作動後の同一の時点における様々な噴霧を示す。図に示されるように、第1の噴霧パターン400および第2の噴霧パターン402は両方とも、水平の上方の角度で噴霧を分配し(製品ディスペンシングシステム60は水平の上方約22°または垂直から68°の角度で噴霧する)、一方、第3の噴霧パターン404は水平に対して概ね垂直な方向に噴霧を分配する。好ましい降下を達成するために、様々な好ましい範囲に関して上述したように、水平から0度を超える角度を有することが有益であることが決定された。さらに、図32に示すように、第2の状態において、第1の噴霧パターン400は、第2の噴霧パターン402の液滴よりも相対的に遠くに分配された液滴を含む。増大した距離は、少なくとも部分的には、本明細書に開示されるように、圧縮ガス、改質組成物、および容器62内の増大した圧力の使用によるものである。ディスペンサ60の増加した投射距離は以下に提供されるグラフおよび表に示されるように、減少した降下を提供する。
【0060】
以下の表1を参照すると、様々なエアロゾルスプレーを、6フィート×9フィート(6’×9’)の浴室でシミュレートし、10分後に知覚可能な芳香被覆率を決定した。シミュレーションは、エアロゾルフレグランスの充填缶および25%の充填缶を用いて行った。したがって、2つのシミュレーションは、各エアロゾル缶の寿命の開始時および終了時における知覚可能な芳香被覆率を試験する。以下の表1に示すように、ディスペンシングシステム60のエアロゾルは、満杯の缶及び25%の充填缶の両方について、知覚可能な芳香被覆率において他の従来技術のエアロゾルよりも優れていた。特に、10分後、ディスペンシングシステム60のエアロゾルは満杯の缶が使用されたときにバスルームの約96%を満たし、25%の充填缶が使用されたときにバスルームの約92%を満たした。したがって、ディスペンシングシステム60のエアロゾルは、従来技術のエアロゾルよりも良好な芳香到達を有する。
【表1】
【0061】
図33は、様々なオリフィス直径344を有するノズルインサート70、ならびに従来技術のディスペンシングシステムを使用した、図1のディスペンシングシステム60の100%での知覚可能な芳香被覆率の比較を示すグラフである。90PP、102PP、および110PPを反映するデータはFebreze(登録商標)、Glade(登録商標)1、およびGlade(登録商標)2よりも、経時的により良好な芳香被覆率を示す。90PP、102PP、および110PPはディスペンシングシステム60を含み、唯一の違いは様々なオリフィス直径を有するノズルインサート70の使用である。90PPディスペンサは最小オリフィス直径344を含み、110PPディスペンサは最大オリフィス直径344を含んでいた。図33に示すように、ノズルインサート70のオリフィス直径344は、芳香剤の被覆率を高めるのに役立つ。さらに、製品ディスペンシングシステム60について示されたデータの3つすべてが、従来技術のディスペンシングシステムと比較した場合に、香りの被覆率の増加を提供する。その目的のために、本明細書に開示されるノズルインサート70は本明細書に開示される製品ディスペンシングシステム60の他の態様と組み合わせて、芳香被覆率の増加を提供し、それによって降下を低減するのに有益であることが決定されており、より具体的には、特定の噴霧オリフィス直径344が被覆率の増加を提供し、降下を低減することが見出されている。噴霧オリフィス直径344は、約0.310mm~約0.410mm、または約0.335mm~約0.385mm、または約0.350mm~約0.370mm、または約0.360mmであってもよい。
【0062】
図34はディスペンシングシステム60および従来技術のディスペンシングシステムについて、知覚可能な芳香被覆率の比較を示すが、25%での比較を示す別のグラフである。図34のグラフはGlade(登録商標)2ディスペンシングシステムを追加しない、図33と同じディスペンシングシステムを反映するデータを示す。図33に示す容器が満杯になった状態から開始するディスペンシングシステムの芳香被覆率と同様に、90PP、102PP、および110PPを反映する図34のデータは、Febreze(登録商標)およびGlade(登録商標)1よりも、経時的により良好な芳香被覆率を示す。90PP、102PP、および110PPはディスペンシングシステム60を含み、唯一の違いは様々なオリフィス直径を有するノズルインサート70の使用である。90PPディスペンサは最小オリフィス直径344を含み、110PPディスペンサは最大オリフィス直径344を含んでいた。図34に示すように、ノズルインサート70のオリフィス直径344は、芳香被覆率を高めるのに役立つ。さらに、製品ディスペンシングシステム60について示されたデータの3つすべてが、従来技術のディスペンシングシステムと比較した場合に、芳香被覆率の増加を提供する。そのために、本明細書に開示されるノズルインサート70は容器内に存在する製品が少ない場合、すなわち、製品ディスペンシングシステムの寿命(EOL)に近づいた場合であっても、本明細書に開示される製品ディスペンシングシステム60の他の態様と組み合わせて、芳香被覆率を増大させ、それによって、降下を低減するのに有益であることが決定されている。
【0063】
図35は、図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムの様々な噴霧高さからの降下率の比較を示すグラフである。図35のデータを以下の表2および3にさらに示すが、これは図1に示すディスペンシングシステム60および種々の従来技術のディスペンシングシステムを用いて2つの異なる高さ、すなわち、4フィート(122cm)および5フィート(152cm)で実施した降下率(%)試験からの実験結果を示す。
【表2】

【表3】
【0064】
本明細書に記載されるように、降下率試験は、空気中に噴霧された後に地面に降下するエアロゾル液体の量を測定する。この試験を実施するために、スケールの3×6(3×6)アレイを地面上に配置し、基板をスケール上に配置して噴霧表面を画定した。各製品を試験する前に、製品を秤量して初期重量(Wi)を決定した。次いで、製品を、特定の高さ、すなわち4フィートまたは5フィートで、基材およびスケールの方向に5秒間噴霧した。エアロゾル噴霧が沈降した後、基材(Ws)上の液体または降下物の重量を記録し、製品を再び重量測定して最終重量(Wf)を決定した。初期重量(Wi)と最終重量(Wf)と基材上の液体の重量(Ws)との間の差を用いて、降下率を決定した(以下の式を参照)。降下率を測定した後、基材を交換し、各高さで各製品について試験を3回繰り返した。上記の表2および3に示される降下率データは、各高さで各製品について実施された3つの試験の平均である。
【数1】
【0065】
上記の表2および3に示されるように、ディスペンシングシステム60は、他の従来技術の製品と比較して降下率の最小量を生じた。いくつかの例では、ディスペンシングシステム60アセンブリの降下率が従来技術の例の概して半分であった。したがって、図1に示されるディスペンシングシステム60は、より高い割合のエアロゾルフレグランスが、地面に落ちるのではなく、空気内に懸濁されたままであることを可能にする。したがって、消費者はより少ない製品を噴霧して、所望の強度の香料を生成することができ、それによって、製品の寿命を延ばすことができる。いくつかの実施形態では、4フィート(122cm)におけるディスペンシングシステム60の降下率が約10%~約50%、または約15%~約40%、または約23%~約36%、または約28%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも23%、または少なくとも28%であってもよい。さらに、5フィート(152cm)でのディスペンシングシステム60の降下率は、約10%~約50%、または約15%~約40%、または約22%~約33%、または約26%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも22%、または少なくとも26%であってもよい。
【0066】
次に、図36および図37を参照すると、図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムについて、それぞれ100%および25%の合計降下質量の比較を示すグラフが示されている。図36および37のグラフは降下質量、すなわち、各ディスペンシングシステムが10分間作動した後の様々なディスペンシングシステムの噴霧中に生じる降下質量のシミュレーションを示す。図36および37のグラフは、ディスペンシングシステム60が従来技術のディスペンシングシステムに対して同一の条件で試験されたときに、減少した降下を達成することを実証するためのさらなるデータを提供する。さらに、異なるオリフィス直径344を有するノズルインサート70の異なるバージョンが利用されたが、ノズルインサート70の3つ全ては従来技術よりも良好に機能し、減少した降下を作り出した。
【0067】
図38は、図1のディスペンシングシステムおよび従来技術のディスペンシングシステムについて、容器内に残っている製品のパーセンテージと比較した平均噴霧パターン直径の比較を示すグラフである。グラフ38のデータは本明細書に開示されるディスペンシングシステム60がディスペンシングシステム60の寿命を通して一貫した平均噴霧直径を維持する一方で、従来技術のディスペンサは経時的に直径が減少する噴霧パターンを有することを示す。そのために、本明細書に開示されるディスペンシングシステム60の別の利点はディスペンシングシステム60の寿命にわたって比較的一定の噴霧直径を維持することであり、これは一貫したユーザ経験を提供し、ユーザはディスペンサ内の製品の量が低減されるにつれて、所望の芳香被覆を達成するために噴霧の量を変更する必要がない。
【0068】
したがって、本開示の実施形態は、製品ディスペンシングシステムのためのアクチュエータアセンブリまたはノズルインサートを提供する。いくつかの実施形態では、改善されたアクチュエータアセンブリまたはノズルインサートが改善された製造可能性を提供し、ノズルインサートの過剰圧縮から組み立て(または使用)中に生じる欠陥を低減することができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、ノズルインサートと、アクチュエータアセンブリのアクチュエータ内の対応するノズルインサートキャビティとを提供し、第1および第2の停止部分は、ノズルインサートの過剰圧縮の影響を軽減することができる。これは、例えば、組み立て中にアクチュエータアセンブリに欠陥を形成する可能性を相応に低減する(例えば、排除する)ことができる。
【0069】
代替的な実施形態では、組成物がキャリア液体、消臭液体などの中に配置された殺虫剤を含んでもよい。組成物はまた、他の活性物質、例えば、殺菌剤、カビまたは白カビ抑制剤、防虫剤、および/または同様のものを含むことができる。代替的な実施形態では、容器62が任意のタイプの加圧製品および/またはそれらの混合物を収容することができ、したがって、製品ディスペンシングシステム60は任意の数の異なる製品を分配するように適合されてもよいことが企図される。いくつかの実施形態では、容器62が液化、非液化、または溶解した圧縮ガスを含むことができ、上に列挙した圧縮ガスのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、容器62がアセチレン、メタン、プロパン、ブタン、イソブテン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ブタンとプロパンとの混合物(液体石油ガスまたはLPGとしても知られる)、および/またはそれらの混合物を含む、炭化水素ガスまたは炭化水素誘導体のうちの1つまたは複数を含有する可能性がある。
【0070】
特定の実施形態および実施例に関連して本発明を上述したが、本発明は必ずしもそのように限定されるものではなく、多数の他の実施形態、実施例、使用、修正、および実施形態からの逸脱は本明細書に添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されることが、当業者によって理解されるだろう。本明細書に引用される各特許および刊行物の全開示は、そのような各特許または刊行物が参照により個々に本明細書に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
本明細書に記載される実施形態のいずれも、異なる実施形態に関連して開示される構造または方法のいずれかを含むように修正することができる。さらに、本開示は、具体的に示されるタイプのエアゾール容器に限定されない。さらに、本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかのオーバーキャップは、任意のタイプのエアロゾルまたは非エアロゾル容器とともに機能するように修正することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
前述の説明を考慮すると、本開示に対する多数の修正が当業者には明らかであろう。したがって、この説明は例示としてのみ解釈されるべきであり、当業者が本開示を作成し、使用することを可能にする目的で提示される。添付の請求の範囲内にあるすべての変更に対する排他的権利が留保される。
図1
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図38
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体を有し、内部の圧力を画定し、組成物が収容され、前記圧力が少なくとも930kPaである容器と、
前記容器に取り付けられたアクチュエータアセンブリと、を有し、
前記アクチュエータアセンブリは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記組成物と流体連通する流体通路を備えるアクチュエータと、
前記流体通路内に配置され、約0.335mmから約0.385mmのオリフィス径を有しノズルオリフィスを画定するノズルインサートと、を含み、
前記組成物は、圧縮ガスと、約5体積%から約10体積%のエタノールを含
前記容器のバルブステムが長手方向の軸を画定し、
前記ノズルインサートのスプレー軸が、前記長手方向の軸から60°から70°オフセットしている、
消臭組成物、芳香組成物、洗浄組成物の1種または2種以上からなる組成物を含有するディスペンシングシステム。
【請求項2】
前記組成物は、8体積%から10体積%のエタノールを含む、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項3】
前記本体は厚さを画定する外壁を有し、前記厚さは0.50mmより大きい、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項4】
前記圧力は少なくとも1050kPaである、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項5】
前記ハウジングは、外壁、上壁、および前記上壁から下方に延びる内壁を含み、前記内壁と前記外壁との間に内部キャビティが画定されている、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項6】
前記ハウジングは、第1の保持アームと第2の保持アームとをさらに含み、前記保持アームの各々は、前記ハウジングの前記内壁から下方に垂下しており、前記ハウジングの内壁と一体となっている、
請求項に記載のディスペンシングシステム。
【請求項7】
前記保持アームのそれぞれは、内側に配置されたキャッチを含み、前記第1および前記第2の保持アームの前記キャッチは、前記アクチュエータの過剰作動を防止するように構成されている、
請求項に記載のディスペンシングシステム。
【請求項8】
前記アクチュエータは左アームと右アームを含み、前記左アームと前記右アームはそれぞれ前記ハウジングの前記内部キャビティの中に配置される、
請求項に記載のディスペンシングシステム。
【請求項9】
前記ディスペンシングシステムは、122cmから152cmの噴霧高さから25%から30%の降下率を有する、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項10】
前記インサートは、中央の凹部と、放射状に配置され、4つの渦巻き形状の間に配置された放射状に延びる複数のチャネルを含む、
請求項1に記載のディスペンシングシステム。
【請求項11】
本体を有し、内部の圧力を画定し、組成物が収容され、前記圧力が少なくとも930kPaである容器を準備し、
アクチュエータアセンブリを前記容器に取り付け、ここで前記アクチュエータアセンブリは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記組成物と流体連通する流体通路を備えるアクチュエータと、
前記流体通路内に配置されたノズルインサートと、を含み、
降下が25%から30%の組成物を、122cmから152cmの噴霧高さから噴霧する、
消臭組成物、芳香組成物、洗浄組成物の1種または2種以上からなる組成物のディスペンス方法、
【請求項12】
前記容器のバルブステムが長手方向の軸を画定し、
前記ノズルインサートのスプレー軸が、前記長手方向の軸から60°から0°オフセットしている、
請求項11に記載の組成物のディスペンス方法。
【請求項13】
前記組成物は、圧縮ガスと、5体積%から10体積%のエタノールを含む、
請求項11に記載の組成物のディスペンス方法。
【請求項14】
前記インサートは、中央凹部および4つの渦巻き機構の間に配置された複数の放射状に延びるチャネルを含む
請求項11に記載の組成物のディスペンス方法。
【請求項15】
前記圧力が少なくとも1050kPaである、
請求項11に記載の組成物のディスペンス方法。
【国際調査報告】