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特表2024-526142発光効率の高い小サイズの垂直型発光ダイオードチップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】発光効率の高い小サイズの垂直型発光ダイオードチップ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20240709BHJP
【FI】
H01L33/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578172
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2021140047
(87)【国際公開番号】W WO2023115325
(87)【国際公開日】2023-06-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511207730
【氏名又は名称】聯嘉光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 復邦
(72)【発明者】
【氏名】黄 國欣
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA03
5F241CA39
5F241CA82
5F241CA92
5F241CA93
5F241CB05
5F241CB15
(57)【要約】
【課題】発光効率の高い小サイズの垂直型発光ダイオードチップを提供する。
【解決手段】本発明は、発光効率の高い小サイズの垂直型発光ダイオードチップであり、PN接合構造が界面構造の発光エリアプラットフォームに設けられ、且つ、発光エリアプラットフォームの下に高反射性金属層が設けられ、界面構造は、発光エリアプラットフォームに隣接する外側延伸プラットフォームの下にP型オーミック接触ブロックが設けられ、絶縁層が外側延伸プラットフォームに形成され且つPN接合構造を被覆するように延伸しておりかつ取り囲んでフレーム被覆エリアが形成され、N型オーミック接触電極は、外側延伸プラットフォームから遠い場所でPN接合構造とオーミック接触し且つフレーム被覆エリアを被覆し、局所的に斜め下に対称なN型オーミック接触電極及びP型オーミック接触ブロックの幾何学的な位置の設定により、対辺への斜め下の電流伝達を実現し、PN接合構造内の活性層の上方の出射面及び下方の反射面にいずれも遮蔽物と光吸収物質を設けないことにより、良好な発光効率を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
P型電極と、
片側に前記P型電極が設けられるチップ導電性ベース構造と、
前記チップ導電性ベース構造の前記P型電極から遠い側に設けられる界面構造であって、順次積層された、高導電性金属層と、高反射性金属層と、部分P型オーミック接触層と、光透過性の高濃度P型半導体層とを含み、発光エリアプラットフォームと、前記発光エリアプラットフォームに隣接する外側延伸プラットフォームとを備え、前記部分P型オーミック接触層は、前記外側延伸プラットフォームの下に位置するP型オーミック接触ブロックと、前記発光エリアプラットフォームの下に位置する非P型オーミック接触ブロックとを含み、前記P型オーミック接触ブロックと前記高濃度P型半導体層はオーミック接触であり、前記非P型オーミック接触ブロックと前記高濃度P型半導体層は非オーミック接触である界面構造と、
順次積層された、P型半導体と、活性層と、N型半導体とを含み、且つ、前記P型半導体は、前記発光エリアプラットフォームの上に設けられるPN接合構造であって、4つの直線の辺長を備える閉鎖パターンであり、且つ、中心領域を備え、最長辺と最短辺の比は3未満であり、その発光表面積は、0.06mm未満である前記PN接合構造と、
前記外側延伸プラットフォームに形成される絶縁層であって、前記N型半導体を被覆するように延伸しており前記4つの直線の辺長において前記N型半導体を取り囲むフレーム被覆エリアが形成される前記絶縁層と、
前記絶縁層に設けられ且つ両端がそれぞれ前記フレーム被覆エリア及び前記外側延伸プラットフォームまで延伸するブリッジ連通金属層と、
前記外側延伸プラットフォームから遠い場所で前記N型半導体とオーミック接触するN型オーミック接触電極であって、前記フレーム被覆エリアを部分的に被覆し、また、前記フレーム被覆エリアまで延伸しており前記ブリッジ連通金属層に電気的に接続されるN型オーミック接触電極と、
前記外側延伸プラットフォームに対応する場所に前記ブリッジ連通金属層に形成されることによって前記ブリッジ連通金属層に電気的に接続されるN型電極パッドとを含むことを特徴とする発光効率の高い小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項2】
前記N型オーミック接触電極の前記フレーム被覆エリアを被覆する被覆長さは、前記4つの直線の辺長の全長の1/2未満であることを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項3】
前記N型半導体の最大の厚さの領域は、2.5μmより大きいことを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項4】
前記PN接合構造は、単一のPN接合の発光ダイオード構造又は2つのPN接合のトンネル接合発光ダイオード構造から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項5】
前記N型オーミック接触電極は、少なくとも1つの露出開口部を備え、前記少なくとも1つの露出開口部は、前記PN接合構造の境界まで延伸することを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項6】
前記N型オーミック接触電極は、前記中心領域内まで延在し且つ連続しないブロックである延伸電極を少なくとも1つ備えることを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項7】
前記高濃度P型半導体層は、P型リン化ガリウム又はP型リン化インジウムガリウムから選ばれるいずれかであり、且つ、高濃度のドーピングは、炭素又はマグネシウムから選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項8】
前記非P型オーミック接触ブロックは、透明で透過性の誘電体材料、高反射性の金属材料から選ばれるいずれかで作製されることを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項9】
前記非P型オーミック接触ブロックは、透明で透過性の誘電体材料から選ばれる場合に、全方向性反射体ODR構造であることを特徴とする請求項8に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項10】
前記P型オーミック接触ブロックは、連続する全体的な単一の領域、連続しない複数の領域から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項11】
前記P型オーミック接触ブロックは、前記高導電性金属層及び前記高濃度P型半導体層内まで垂直に延伸することを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【請求項12】
前記高濃度P型半導体層の厚さは、1μmより大きく、前記外側延伸プラットフォームは、前記高濃度P型半導体層に設けられることを特徴とする請求項1に記載の小サイズの垂直型発光ダイオードチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードのチップ構造に関し、特に、発光効率の高い小サイズの垂直型発光ダイオードチップに関する。
【背景技術】
【0002】
LEDチップは、外観、電極の配置、半導体層の電流方向から、主に、1.水平型(horizontal)、2.垂直型(vertical)、3.フリップチップ型(flip-chip)の3つの形態に分けられる。そのうち、小サイズの水平型LEDチップ及び垂直型LEDチップは発光効率が低いため、現在、ハイエンドな狭ピッチLEDディスプレイには主に、発光効率の良い小サイズのフリップチップ型チップが使用され、それは、表面実装部品(SMD、Surface Mounted components)であり、発光面の上方にワイヤーボンディングの方式で電極パッドを接続させる必要がなく、チップの下方の底部のN電極とP電極(P/N electrode)が電極パッドによってパッケージングキャリアに導電可能に接着されるため、チップの上方の発光表面は電極によって遮蔽されず、小サイズでの発光は発光効率が良い。
【0003】
しかしながら、小サイズのチップの底部にN電極及びP電極を同時に配置してキャリアと導電可能に実装するのは、電極パッドが小さすぎたりピッチが近すぎるため短絡しやすいという欠点があり、その放熱も底部全面式の垂直型LEDより悪く、自動車に使用する場合は、信頼性が懸念される。また、リン化物赤色発光フリップチップ型LEDチップは、窒化物青緑色発光と比べて工程がはるかに複雑であり、非サファイア基板に結晶成長させるフリップチップ型LEDチップのコストは垂直型LEDをはるかに上回っている。したがって、垂直型LEDは自動車用の場合は信頼性の点で有利であるが、その発光効率は悪く、発光効率を改善できるなら、高い信頼性が求められる自動車用の小サイズLEDディスプレイの発展に役立つだろう。
【0004】
従来の垂直型発光ダイオードの構造は、図1に示すように、P型電極1と、チップ導電性ベース構造2と、反射層3と、界面構造4と、PN接合構造5と、N型電極パッド6とを含み、そのうち、チップ導電性ベース構造2は、構造金属層2Aと、替代基板接着層2Bと、替代基板2Cとを含み、界面構造4は、P型オーミック接触ブロック4Aと、非P型オーミック接触ブロック4Bとを含む部分P型オーミック接触金属層である。PN接合構造5は、P型半導体5Aと、活性層5Bと、N型半導体5Cとを含む。垂直型発光ダイオードは軸方向光でありながら良好な放熱性を備え、演色性や高温下での動作のために役立つ。しかしながら、従来の小サイズの垂直型発光ダイオードチップの直線の辺長は約200μmであり、チップの縁部に切断路、側壁、金属層導通層などの光吸収干渉物質を設ける必要があり、約40μmは使用され、且つ図2に示すように、N型半導体5C(発光表面)上の中央領域にN型電極パッド6(N electrode)があるため、中心の発光が遮蔽され、且つN型電極パッド6は活性層5B(Active Layer)及びN型半導体5Cの上方に位置し、チップ及び電極パッドの面積がいずれも非常に小さいため、ワイヤーボンディングの時には活性層5Bに微細な亀裂及び欠陥が生じやすい。また一般的には、フィンガー状にしてN型半導体5Cの上方に位置する二次ワイヤー6A(Finger)を備え、N型半導体5Cに二次ワイヤー6Aが設けられるほど、電流が効果的に分散されるが、遮光面積は増加する。したがって、従来の小サイズの垂直型LEDの発光効率及び信頼性はいずれも小サイズのフリップチップ型LEDに劣るが、従来の小サイズの垂直型LEDの軸方向光及び高放熱の特性から、高コントラストの自動車用狭ピッチディスプレイの方に利用しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、発光効率の高い小サイズの垂直型発光ダイオードチップを提供することであり、その上方の出射面及び下方の反射面にいずれも遮蔽物と光吸収物質がなく、高発光効率のニーズを満たすことができ、且つN電極パッドのワイヤーボンディングは半導体のPN接合構造の上方の平面に位置しないため、高い信頼性のニーズは満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、P型電極と、チップ導電性ベース構造と、界面構造と、PN接合構造と、絶縁層と、ブリッジ連通金属層と、N型オーミック接触電極と、N型電極パッドとを含む発光効率の高い小サイズの垂直型発光ダイオードチップである。ただし、当該チップ導電性ベース構造の片側に当該P型電極が設けられ、当該チップ導電性ベース構造の当該P型電極から遠い側に当該界面構造が設けられる。当該界面構造は、順次積層された、高導電性金属層と、高反射性金属層と、部分P型オーミック接触層と、光透過性の高濃度P型半導体層とを含み、当該界面構造は、発光エリアプラットフォームと、外側延伸プラットフォームとを備え、当該外側延伸プラットフォームは、当該発光エリアプラットフォームに隣接する。
【0007】
当該部分P型オーミック接触層は、P型オーミック接触ブロックと、非P型オーミック接触ブロックとを含み、当該P型オーミック接触ブロックは、当該外側延伸プラットフォームの下に位置し、当該非P型オーミック接触ブロックは、当該発光エリアプラットフォームの下に位置し、当該P型オーミック接触ブロックと当該高濃度P型半導体層はオーミック接触であり、当該非P型オーミック接触ブロックと当該高濃度P型半導体層は非オーミック接触である。
【0008】
当該PN接合構造は、順次積層された、P型半導体と、活性層と、N型半導体とを含み、且つ、当該P型半導体は、当該発光エリアプラットフォームの上に設けられ、且つ、当該PN接合構造は、4つの直線の辺長を備える閉鎖パターンであり、且つ、最長辺と最短辺の比は3未満であり、当該PN接合構造の発光表面積は、0.06mm未満である。当該絶縁層は、当該外側延伸プラットフォームに形成され、当該絶縁層は、当該N型半導体を被覆するように延伸しており当該4つの直線の辺長においてフレーム被覆エリアが形成され、当該フレーム被覆エリアは、当該N型半導体を取り囲む。当該ブリッジ連通金属層は、当該絶縁層に設けられ且つその両端がそれぞれ当該フレーム被覆エリア及び当該外側延伸プラットフォームまで延伸する。
【0009】
当該N型オーミック接触電極は、当該外側延伸プラットフォームから遠い場所で当該N型半導体とオーミック接触し、且つ、当該N型オーミック接触電極は、当該フレーム被覆エリアを部分的に被覆し、また、当該N型オーミック接触電極は、当該フレーム被覆エリアまで延伸しており当該ブリッジ連通金属層に電気的に接続され、当該N型電極パッドは、当該外側延伸プラットフォームに対応する場所に当該ブリッジ連通金属層に形成されることによって当該ブリッジ連通金属層に電気的に接続される。
【発明の効果】
【0010】
これにより、N型オーミック接触電極とP型オーミック接触ブロックがそれぞれ異なる対辺領域に位置することにより、局所的に斜め下の対称なオーミック接触領域という幾何学的な設定により、対辺の斜め下の電流の対辺への伝達を実現し、これによって電流はN型オーミック接触電極から斜め下にPN接合構造中の活性層を通過し、PN接合構造中の活性層の上方の発光面と下方の反射面にいずれも遮蔽物と光吸収物質がないため、良好な出射効率を備える。また、当該設計において、N型電極パッド上のワイヤーボンディングは半導体のPN接合構造の上方の平面に位置しないため、高い信頼性のニーズは満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、従来の小サイズの垂直型LED構造の断面模式図である。
図2図2は、従来の小サイズの垂直型LEDの平面視下の表面構造図である。
図3図3は、本発明の第1実施例のチップ構造の断面模式図である。
図4A図4Aは、本発明の第1実施例のチップ構造の平面視模式図その1である。
図4B図4Bは、本発明の第1実施例のチップ構造の平面視模式図その2である。
図4C図4Cは、本発明の第1実施例のチップ構造の平面視模式図その3である。
図5図5は、本発明の第2実施例のチップ構造の平面視模式図である。
図6図6は、本発明の第3実施例のチップ構造の平面視模式図である。
図7図7は、本発明の第4実施例のチップ構造の断面模式図である。
図8図8は、本発明の第5実施例のチップ構造の断面模式図である。
図9図9は、本発明の第6実施例のチップ構造の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の特徴、目的及び効果が一層知られ、認められるよう、以下、好ましい実施例を挙げ、図面を添えて次のとおりに説明する。
図3に示すように、本発明の第1実施例であり、P型電極10と、チップ導電性ベース構造20と、界面構造30と、PN接合構造40と、絶縁層50と、ブリッジ連通金属層60と、N型オーミック接触電極70と、N型電極パッド80とを含む。ただし、チップ導電性ベース構造20の片側にP型電極10が設けられ、チップ導電性ベース構造20のP型電極10から遠い側に界面構造30が設けられる。チップ導電性ベース構造20は、構造金属層21と、替代基板接着層22と、替代基板23とを含む。
【0013】
一実施例では、界面構造30は、順次積層された、高導電性金属層31と、高反射性金属層32と、部分P型オーミック接触層33と、光透過性の高濃度P型半導体層34とを含み、界面構造30は、発光エリアプラットフォーム301(上方はPN接合構造40である)と、外側延伸プラットフォーム302とを備え、外側延伸プラットフォーム302は、発光エリアプラットフォーム301に隣接し、且つ、部分P型オーミック接触層33は、P型オーミック接触ブロック331と、非P型オーミック接触ブロック332とを含み、P型オーミック接触ブロック331は、外側延伸プラットフォーム302の下に位置し、非P型オーミック接触ブロック332は、発光エリアプラットフォーム301の下に位置し、非P型オーミック接触ブロック332は、P型オーミック接触ブロック331に隣接する。P型オーミック接触ブロック331と高濃度P型半導体層34はオーミック接触の挙動であり、これによって電流は下向きに伝達され、非P型オーミック接触ブロック332と高濃度P型半導体層34は、電流の下向きの伝達を阻止する非オーミック接触(non-ohmic contact)の挙動である(ショットキー接触(Schottky contact)とも呼ばれる)。高濃度P型半導体層34の厚さは、P型電流の横方向の導電に備えて1μmより大きい。
【0014】
また、非P型オーミック接触ブロック332は、透明で透過性の誘電体材料、高反射性の金属材料から選ばれるいずれかで作製される。非P型オーミック接触ブロック332は透明で透過性の誘電体材料から選ばれる場合に全方向性反射体ODR構造(Omni-Directional Reflector)であってもよく、高反射性の金属材料は銀(Ag)、アルミニウム(Al)又は金(Au)から選ばれてもよく、非P型オーミック接触ブロック332が高反射性の金属材料である場合は、電流が直接当該領域から下向きに導通するのを避けるために、高濃度P型半導体と非オーミック接触である必要がある。
【0015】
PN接合構造40は、発光エリアプラットフォーム301に設けられ、一実施例では、PN接合構造40は、下から順次積層された、P型半導体41と、活性層42と、N型半導体43とを含み、PN接合構造40は、単一のPN接合の発光ダイオード構造又は2つのPN接合のトンネル接合発光ダイオード構造(tunnel junction light emitter diode)から選ばれるいずれかである。且つ、P型半導体41は、発光エリアプラットフォーム301の上に設けられ、且つ、N型半導体43の最大の厚さの領域は、N型半導体43の横方向の電流伝達に備えて、2.5μmより大きくあるべきである。且つ、PN接合構造40は、4つの直線の辺長を備える閉鎖パターンであり、且つ、中心領域401を備え、最長辺と最短辺の比は3未満であり、なお、1の近くは電流の伝達が最適であり、長方形が1より大きく且つ3未満であるのは、複数のチップを同じパッケージに構成するために役立ち、PN接合構造40の発光表面積は、0.06mm未満であり、N型半導体43が2.5μmより大きいことが加わると、N型半導体43の横方向の電流が均一に拡散するために役立つ。
【0016】
また、図4A図4Cに示すように、絶縁層50、ブリッジ連通金属層60、N型オーミック接触電極70及びN型電極パッド80の作製の模式図であり、且つ、各層の構造の階層関係を明瞭に示すために、各層の構造は不透明に描画される。最初に、図4Aに示すように、絶縁層50を敷設することであり、絶縁層50は、外側延伸プラットフォーム302に形成され、絶縁層50は、PN接合構造40を被覆するように延伸しており当該4つの直線の辺長においてフレーム被覆エリア402が形成される。絶縁層50は、一般的には、均一に堆積するPECVDにより作製された500nmより大きいSiO絶縁材料であり、PN接合構造40の側壁に対して良い付着力を有する。絶縁層50の材料として、TiO又はSiNを選んでもよい。
【0017】
続いて図4Bに示すように、ブリッジ連通金属層60を敷設しその上方にN型電極パッド80を製作することであり、ブリッジ連通金属層60は、絶縁層50に設けられ且つ両端がそれぞれフレーム被覆エリア402及び外側延伸プラットフォーム302まで延伸する。N型電極パッド80は、外側延伸プラットフォーム302に対応する場所にブリッジ連通金属層60に形成されることによってブリッジ連通金属層60に電気的に接続される。外側延伸プラットフォーム302において円形のN電極パッドを製作し、且つ後のパッケージングワイヤーボンディングに備えて上方に金(Au)を約3μm堆積する。
【0018】
続いて図4Cに示すように、第1実施例のチップ構造の平面視図であり、N型オーミック接触電極70を敷設することであり、N型オーミック接触電極70は外側延伸プラットフォーム302から遠い場所でN型半導体43(PN接合構造40)とオーミック接触し、且つ、N型オーミック接触電極70は、フレーム被覆エリア402を部分的に被覆し、また、N型オーミック接触電極70は、フレーム被覆エリア402まで延伸しておりブリッジ連通金属層60に電気的に接続される。
【0019】
別の実施例では、P型オーミック接触ブロック331は、連続する全体的な単一の領域であり、好ましくは、外向きの円弧状の連続領域である(図4Cを参照)。N型オーミック接触電極70は同じく連続する全体的な単一の領域であり、コーナー部では、電流を分散させるために面取りが施されてもよい。且つ、P型オーミック接触ブロック331は、外側延伸プラットフォーム302の下方に設けられる。
【0020】
且つ、図4Cでは、N型オーミック接触電極70とP型オーミック接触ブロック331の相対的な位置関係を明瞭に表示するために、さらに、P型オーミック接触ブロック331の位置が描画される。これにより、図3に示すように、N型電極パッド80によって導入される電流Iは、N型オーミック接触電極70とP型オーミック接触ブロック331の相対的な位置により斜め下向きの電流Iを生じることができ、電流Iは、N型オーミック接触電極70から斜め下にPN接合構造40の中心領域401を通過する。
【0021】
図5を参照すると、本発明の第2実施例であり、P型オーミック接触ブロック331Aは、連続しない複数の領域であり、例えば、複数の円筒状(例えば、AlGaInP LEDにおけるp-GaPとオーミック接触できるBeAu円筒状)の構造であってもよく、高導電性金属層31(図3を参照)は、化学的に安定した高導電性金属により高度な横方向電流の伝達を実現し、材料は、Ag/Au/Al/Ti/TiW又はPtであってもよい。高濃度P型半導体層34は、P型リン化ガリウム(p-GaP)又はP型リン化インジウムガリウム(p-Ga(x)In(1-x)P)から選ばれるいずれかであり、且つ、高濃度のドーピングは、炭素(C)又はマグネシウム(Mg)から選ばれるいずれかである。
【0022】
図6に示すように、本発明の第3実施例のチップ構造の平面視図であり、PN接合構造40は、長方形であり、N型オーミック接触電極70は、連続しないブロックである少なくとも1つの延伸電極72を備え、電流Iの拡散の調整に備えて、それは中心領域401に一層深く入ってもよく、且つ、N型オーミック接触電極70は、少なくとも1つの露出開口部71を備え、少なくとも1つの露出開口部71は、PN接合構造40の境界まで延伸する。
【0023】
N型オーミック接触電極70は同じく、外側延伸プラットフォーム302から遠い場所でN型半導体43(PN接合構造40)とオーミック接触し、且つ、N型オーミック接触電極70は、フレーム被覆エリア402を被覆し、実施上、N型オーミック接触電極70のフレーム被覆エリア402を被覆する被覆長さを当該4つの直線の辺長の全長の1/2未満にさえすればよい。且つ、本実施例では、PN接合構造40は、長方形であり、長方形は、複数のチップ構造を単一のパッケージ内に配置するために役立つ。
【0024】
図7に示すように、本発明の第4実施例のチップ構造の断面模式図であり、ここで、導電率を高めるために、P型オーミック接触ブロック331Bは、高導電性金属層31及び高濃度P型半導体層34まで垂直に延伸してもよい。
【0025】
図8に示すように、本発明の第5実施例のチップ構造の断面模式図であり、ここで、界面構造30は、順次積層された、高導電性金属層31と、部分P型オーミック接触層33と、高濃度P型半導体層34とを含む。P型オーミック接触ブロック331Cは、部分P型オーミック接触層33内に設けられ、且つ、部分P型オーミック接触層33は、P型オーミック接触ブロック331Cに隣接する、高反射性金属層32としての非P型オーミック接触ブロック332Cをさらに含み、且つ、非P型オーミック接触ブロック332Cは、高濃度P型半導体と非オーミック接触する高反射性の金属材料から選ばれるもの、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)又は金(Au)から作製されてもよく、本実施例では、高反射性金属層32の役割は、高反射性金属からなる非P型オーミック接触ブロック332Cによって置き換えられる。
【0026】
図9に示すように、本発明の第6実施例のチップ構造の断面模式図であり、ここで、第5実施例と同じように、界面構造30は、順次積層された、高導電性金属層31と、部分P型オーミック接触層33と、高濃度P型半導体層34とだけを含み、P型オーミック接触ブロック331Cは、部分P型オーミック接触層33内に設けられ、且つ、本実施例では、部分P型オーミック接触層33は、高反射性金属層32の役割の代わりとなる非P型オーミック接触ブロック332Dを含み、非P型オーミック接触ブロック332Dは、全方向性反射体ODR構造(Omni-Directional Reflector)(例えば、SiO/TiOを複数回積層させた光学ミラー)である。
【0027】
以上から分かるように、本発明の特徴は、少なくとも以下のことを含む。
1.N型オーミック接触電極及びP型オーミック接触ブロックの電流の対辺への伝達の方式を利用して、N型電極パッドによって導入される電流をN型オーミック接触電極から斜め下にPN接合構造中の活性層の中心領域を通過させ、PN接合構造で、中心領域の上方に遮蔽物がないため、最適に上向きに出射される。また、下向きの光は光を吸収しない反射面によって上方の出射面まで反射されるため、高い発光効率のニーズは満たされる。
【0028】
2.N型電極パッドの下方にPN接合構造がないため、パッケージング工程のワイヤーボンディング応力により、PN接合構造に欠陥が生じることはない。また、N型電極パッドの接触抵抗より生じる熱は、従来の構造のように下向きに活性層に伝達されて、キャリアの再結合効率に影響を与えることはない。
【符号の説明】
【0029】
1 P型電極
2 チップ導電性ベース構造
2A 構造金属層
2B 替代基板接着層
2C 替代基板
3 反射層
4 界面構造
4A P型オーミック接触ブロック
4B 非P型オーミック接触ブロック
5 PN接合構造
5A P型半導体
5B 活性層
5C N型半導体
6 N型電極パッド
6A 二次ワイヤー
I 電流
10 P型電極
20 チップ導電性ベース構造
21 構造金属層
22 替代基板接着層
23 替代基板
30 界面構造
301 発光エリアプラットフォーム
302 外側延伸プラットフォーム
31 高導電性金属層
32 高反射性金属層
33 部分P型オーミック接触層
331、331A、331B、331C P型オーミック接触ブロック
332、332C、332D 非P型オーミック接触ブロック
34 高濃度P型半導体層
40 PN接合構造
401 中心領域
402 フレーム被覆エリア
41 P型半導体
42 活性層
43 N型半導体
50 絶縁層
60 ブリッジ連通金属層
70 N型オーミック接触電極
71 露出開口部
72 延伸電極
80 N型電極パッド
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】