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特表2024-526155ERK1/2およびSHP2阻害剤の併用療法
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  • 特表-ERK1/2およびSHP2阻害剤の併用療法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ERK1/2およびSHP2阻害剤の併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20240709BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 33/24 20190101ALI20240709BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/403 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61K31/506
A61P35/00
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K33/24
A61K31/497
A61K31/47
A61K31/403
A61K31/4985
A61K31/5383
A61K39/395 T
A61K39/395 P
A61K31/519
A61P1/18
A61P35/02
A61P11/00
A61P17/00
A61P1/00
A61P5/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578891
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 US2022034754
(87)【国際公開番号】W WO2022271964
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/214,769
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/277,550
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/280,521
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/321,615
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】523222611
【氏名又は名称】エラスカ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シューメーカー,ロバート フィールド
(72)【発明者】
【氏名】リュー,エリン デニス
(72)【発明者】
【氏名】リン,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ブライル,レスリー ハリス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,リーナス
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン,ジンチュワン
(72)【発明者】
【氏名】オー,ジョアンヌ
【テーマコード(参考)】
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC22
4C085CC23
4C085EE03
4C085GG08
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC10
4C086BC28
4C086BC42
4C086BC48
4C086CB05
4C086CB09
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA12
4C086GA14
4C086GA16
4C086HA07
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA89
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC02
4C086ZC06
4C086ZC20
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、一般的に、癌、特に固形腫瘍を処置するためのSHP2阻害剤とERK1/2阻害剤を組み合わせての使用に関する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)SHP2阻害剤
を投与する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記SHP2阻害剤は、スチボグルコン酸ナトリウム、RMC-4550、NSC87877、SPI-112、TNO155、IACS-13909、SHP099 HCl、あるいは化合物2
【化2】
またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化3】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)化合物2
【化4】
またはその薬学的に許容可能な塩
を投与する工程を含む、方法。
【請求項4】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化5】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【化6】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)オシメルチニブ
を投与する工程を含む、方法。
【請求項5】
前記オシメルチニブは、約80mg/日の量で投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化7】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【化8】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)セツキシマブ
を投与する工程を含む、方法。
【請求項7】
前記セツキシマブは、500mg/mで2週間ごとに1回、400mg/mで2週間ごとに1回、または300mg/mで2週間ごとに1回投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化9】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【化10】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)エンコラフェニブ、および
(iv)オシメルチニブ
を投与する工程を含む、方法。
【請求項9】
前記エンコラフェニブは、約100mg/日~約500mg/日の量で投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エンコラフェニブは、約450mg/日、300mg/日、225mg/日、または150mg/日の量で投与される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記オシメルチニブは、約80mg/日で投与される、請求項8~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化11】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【化12】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)エンコラフェニブ、および
(iv)セツキシマブ
を投与する工程を含む、方法。
【請求項13】
前記エンコラフェニブは、約100mg/日~約500mg/日の量で投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エンコラフェニブは、約450mg/日、約300mg/日、約225mg/日、または約150mg/日の量で投与される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記セツキシマブは、500mg/mで2週間ごとに1回、400mg/mで2週間ごとに1回、または300mg/mで2週間ごとに1回投与される、請求項12~14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化13】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【化14】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)ギルテリチニブ
を投与する工程を含む、方法。
【請求項17】
前記ギルテリチニブは、約120mg/日の量で投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化15】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【化16】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)ソトラシブ
を投与する工程を含む、方法。
【請求項19】
前記ソトラシブは、約960mg/日の量で投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化17】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【化18】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)アダグラシブ
を投与する工程を含む、方法。
【請求項21】
前記アダグラシブは、約1200mg/日の量で投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、
癌の処置を必要とする前記対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【化19】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【化20】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)パルボシクリブ
を投与する工程を含む、方法。
【請求項23】
前記パルボシクリブは、約50mg/日~約500mg/日の量で投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記パルボシクリブは、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、または約150mg/日の量で投与される、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記パルボシクリブは、週1回約50mg~週1回約650mgの量で投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記パルボシクリブは、約200mg/週1回、300mg/週1回、400mg/週1回、500/週1回、または600mg/週1回の量で投与される、請求項22または23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項27】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、経口で投与される、請求項2~26のいずれか1つに記載の方法。
【請求項28】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約1mg/日~約500mg/日の量で投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項29】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約20mg/日~約400mg/日の量で投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約30mg/日~約300mg/日の量で投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項31】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、2週間のオンと1週間のオフ(21日のスケジュール)の間、QDまたはBIDで投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、3週間のオンと1週間のオフ(28日のスケジュール)の間、QDまたはBIDで投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、週3回、例えば、1日目、3日目、および5日目(D1D3D5 TIW)にQDまたはBIDで投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、週2回、例えば、1日目および2日目に、1日2回(BID-D1D2-BIW)投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、20mg/日~60mg/日、40mg/日または60mg/日の用量で1日1回(QD)の連続的投与で投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項36】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、20mg/日~80mg/日の用量で1日2回(BID)の連続的投与で投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項37】
前記化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、10mg/日~100mg/日の用量で1日2回(BID)連続的投与される、請求項2~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項38】
前記化合物1の薬学的に許容可能な塩は、マンデル酸塩である、請求項1~37のいずれか1つに記載の方法。
【請求項39】
前記癌は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路駆動癌である、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項40】
前記癌は、BRAF駆動癌、HRAS駆動癌、またはNRAS駆動癌である、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項41】
前記癌は、調節解除されたERKによって駆動される少なくとも1つの癌細胞を含む、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項42】
前記癌は、RASにおいて少なくとも1つの変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項43】
前記癌は、RAFにおいて少なくとも1つの変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項44】
前記癌は、MEKにおいて少なくとも1つの変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項45】
前記癌は、G12C KRAS変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項46】
前記癌は、G12D KRAS変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項47】
前記癌は、G12S KRAS変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項48】
前記癌は、G12V KRAS変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項49】
前記癌は、G13D KRAS変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項50】
前記癌は、Q16H KRAS変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項51】
前記癌は、Q16K KRAS変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項52】
前記癌は、Q61R NRAS変異を有する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項53】
前記癌は、BRAF V600E、またはV600K変異腫瘍である、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
前記癌は、MAPKm/MAPKiナイーブ膵臓癌、またはPDACである、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項55】
前記癌は、EGFR遺伝子コピー数増加、EGFR遺伝子増幅、染色体7ポリソミー、L858R、エクソン19欠失/挿入、L861Q、G719C、G719S、G719A、V765A、T783A、エクソン20挿入、EGFRスプライスバリアント(Viii、Vvi、およびVii)、A289D、A289T、A289V、G598A、G598V、T790M、およびC797Sからなる群から選択される1つ以上のEGFR変異を含む、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項56】
前記癌は、L858R、エクソン19欠失、およびT790Mからなる群から選択される1つ以上のEGFR変異を含む、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項57】
前記癌は、液性腫瘍である、請求項1~56のいずれか1つに記載の方法。
【請求項58】
前記液性腫瘍は、白血病である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記AMLは、再発性および/または難治性AMLである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記AMLは、FLT3変異AMLである、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記癌は、固形腫瘍である、請求項1~56のいずれか1つに記載の方法。
【請求項63】
前記癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、膵臓癌、唾液腺腫瘍、甲状腺癌、大腸癌(CRC)、または食道癌である、請求項1~56または62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項64】
前記癌は非小細胞肺癌(NSCLC)である、請求項1~56または62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項65】
前記NSCLCは、EGFR変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記NSCLCは、KRAS G12C変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記NSCLCは、KRAS G12D変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記NSCLCは、KRAS G12S変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記NSCLCは、KRAS G12V変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記NSCLCは、KRAS G12A変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項71】
前記NSCLCは、KRAS G13D変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項72】
前記NSCLCは、KRAS Q61H変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項73】
前記NSCLCは、KRAS Q61K変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項74】
前記NSCLCは、KRAS Q61R変異NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項75】
前記癌は、MAPKm/MAPKiナイーブNSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項76】
前記癌は、BRAFi処置V600 NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項77】
前記癌は、KRAS処置G12C NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項78】
前記癌は、KRAS処置G12D NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項79】
前記癌は、KRAS処置G12S NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項80】
前記癌は、KRAS処置G12V NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項81】
前記癌は、KRAS処置G13D NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項82】
前記癌は、KRAS処置Q61H NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項83】
前記癌は、KRAS処置Q61K NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項84】
前記癌は、KRAS処置Q61R NSCLCである、請求項64に記載の方法。
【請求項85】
前記癌は、膵臓癌である、請求項1~56または62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項86】
前記癌は、MAPKm/MAPKiナイーブ膵臓癌である、請求項1~56または62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項87】
前記膵臓癌は、膵管腺癌(PDAC)である、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記癌は、黒色腫である、請求項1~56または62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項89】
前記黒色腫は、NF1機能喪失(NF1-LoF)変異を有する、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記黒色腫は、BRAF V600EまたはV600K変異腫瘍である、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記癌は、BRAFi処置V600黒色腫である、請求項88に記載の方法。
【請求項92】
前記癌は、唾液腺腫瘍である、請求項1~56または62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項93】
前記癌は、甲状腺癌である、請求項1~56または62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項94】
前記癌は、大腸癌(CRC)である、請求項1~56または62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項95】
前記CRCは、BRAF V600E CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記CRCは、KRAS変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
前記CRCは、KRAS G12C変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項98】
前記CRCは、KRAS G12D変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項99】
前記CRCは、KRAS G12S変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項100】
前記CRCは、KRAS G12V変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項101】
前記CRCは、KRAS G13D変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項102】
前記CRCは、KRAS Q61H変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項103】
前記CRCは、KRAS Q61K変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項104】
前記CRCは、NRAS変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項105】
前記CRCは、NRAS Q61R変異CRCである、請求項94に記載の方法。
【請求項106】
前記癌は、食道癌である、請求項1~56または62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項107】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日~約300mg/日の量で投与される、請求項1~106のいずれか1つに記載の方法。
【請求項108】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、25mg/日~150mg/日の量で投与される、請求項1~107のいずれか1つに記載の方法。
【請求項109】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、または約250mg/日の量で投与される、請求項1~108のいずれか1つに記載の方法。
【請求項110】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約100mg/日、または約150mg/日の量で投与される、請求項1~109のいずれか1つに記載の方法。
【請求項111】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約250mg/日の量で投与される、請求項1~109のいずれか1つに記載の方法。
【請求項112】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日1回(QD)投与される、請求項1~111のいずれか1つに記載の方法。
【請求項113】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日2回(BID)投与される、請求項1~111のいずれか1つに記載の方法。
【請求項114】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日3回(TID)投与される、請求項1~111のいずれか1つに記載の方法。
【請求項115】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、週1回投与される、請求項1~114のいずれか1つに記載の方法。
【請求項116】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、週2回投与される、請求項1~114のいずれか1つに記載の方法。
【請求項117】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~106のいずれか1つに記載の方法。
【請求項118】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~106のいずれか1つに記載の方法。
【請求項119】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約150mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~106のいずれか1つに記載の方法。
【請求項120】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、または約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~106に記載の方法。
【請求項121】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約100mg、約125mg、または約150mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~106のいずれか1つに記載の方法。
【請求項122】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約125mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される、請求項1~106のいずれか1つに記載の方法。
【請求項123】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、少なくとも1つの28日間サイクルで投与される、請求項1~122のいずれか1つに記載の方法。
【請求項124】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日間サイクルの1日目、8日目、15日目、および22日目に投与される、請求項1~123のいずれか1つに記載の方法。
【請求項125】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日間サイクルの1日目、8日目、15日目に投与される、請求項1~123のいずれか1つに記載の方法。
【請求項126】
前記化合物1、またその薬学的に許容可能な塩は、経口で投与される、請求項1~125のいずれか1つに記載の方法。
【請求項127】
追加のMAPK経路阻害剤を投与する工程をさらに含む、請求項1~126のいずれか1つに記載の方法。
【請求項128】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、KRAS阻害剤、NRAS阻害剤、HRAS阻害剤、PDGFRA阻害剤、PDGFRB阻害剤、MET阻害剤、FGFR阻害剤、ALK阻害剤、ROS1阻害剤、TRKA阻害剤、TRKB阻害剤、TRKC阻害剤、EGFR阻害剤、IGFR1R阻害剤、GRB2阻害剤、SOS阻害剤、ARAF阻害剤、BRAF阻害剤、RAF1阻害剤、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤、c-Mycv、CDK4/6阻害剤、CDK2阻害剤、FLT3阻害剤、またはERK1/2阻害剤である、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、KRAS阻害剤である、請求項127に記載の方法。
【請求項130】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、BRAF阻害剤である、請求項127に記載の方法。
【請求項131】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、EGFR阻害剤である、請求項127に記載の方法。
【請求項132】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、CDK4/6である、請求項127に記載の方法。
【請求項133】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、FLT3阻害剤である、請求項127に記載の方法。
【請求項134】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、アダグラシブ、アファチニブ、ASTX029、ビニメチニブ、セツキシマブ、コビメチニブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、エンコラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ、ラパチニブ、LTT462、LY3214996、ネシツムマブ、ネラチニブ、ニモツズマブ、オシメルチニブ、パニツムマブ、セルメチニブ、ソトラシブ、トラメチニブ、ウリキセルチニブ、バンデタニブ、またはベムラフェニブである、請求項127に記載の方法。
【請求項135】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、アダグラシブである、請求項127に記載の方法。
【請求項136】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、セツキシマブである、請求項127に記載の方法。
【請求項137】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、ダブラフェニブである、請求項127に記載の方法。
【請求項138】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、エンコラフェニブである、請求項127に記載の方法。
【請求項139】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、ギルテリチニブである、請求項127に記載の方法。
【請求項140】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、パルボシクリブである、請求項127に記載の方法。
【請求項141】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、パニツムマブである、請求項127に記載の方法。
【請求項142】
前記追加のMAPK経路阻害剤は、ソトラシブである、請求項127に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年6月24日に出願された米国仮特許出願第63/214,769号、2021年11月9日に出願された米国仮特許出願第63/277,550号、2021年11月17日に出願された米国仮特許出願第63/280,521号、および2022年3月18日に出願された米国仮特許出願第63/321,615号の利点を主張し、これらは、参照によってそれら全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
ERK1およびERK2(総じて「ERK1/2」と称する)は、特にRas-Raf-MEK-ERK信号伝達経路に関与する関連タンパク質セリン/トレオニンキナーゼであり、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路と表記されることもある。この経路は、細胞増殖、生存、接着、サイクル進行、移動、分化、代謝および転写の1つ以上を含む多くの基本的な細胞のプロセスの調節において中心的な役割を果たすと考えられる。MAPK経路の活性化は、肺癌、結腸癌、膵臓癌、腎臓癌および卵巣癌を含む多数の腫瘍型において報告されている。したがって、活性化を低減し得る物質は、可能な処置にとって興味深いものであり得る。
【発明の概要】
【0003】
ERK1/2は、トレオニンおよびチロシン残基の両方、すなわちTyr204/187およびThr202/185でリン酸化を介してMEKによって活性化されると思われる。一旦活性化されると、ERK1/2は100以上の基質のセリン/トレオニン残基のリン酸化を触媒し、細胞の成長、増殖、生存、血管新生、および分化、癌の表現型のすべての特徴、に関連する細胞質タンパク質と核タンパク質の両方を活性化する。したがって、ERK1およびERK2を標的化して、腫瘍増殖を阻害する方法としてERK1/2阻害剤を開発および使用することは有益であり得る。
【0004】
さらに、ERK阻害剤は、他のキナーゼ、例えば、MAPK阻害剤と組み合わせて有用性を有し得る。最近、研究者は、小分子阻害剤によるMEKおよびERKの二重阻害が相乗的であり、MEK阻害剤に対する獲得耐性を克服するように作用したことを報告した。Hatzivassiliou et al.,ERK Inhibition Overcomes Acquired Resistance to MEK Inhibition,Mol.Cancer Ther.2012,11,1143-1154を参照されたい。
【0005】
ERK1/2に加えて、SHP2は、さらにRAS経路の上流で作動する。SHP2は、タンパク質チロシンホスファターゼであり、RTK増殖因子受容体から、正常細胞および癌細胞の増殖および生存を促進する細胞内シグナル伝達経路(RAS/MAPKおよびPI3Kを含む)への増殖シグナルの重要な正の制御因子である。したがって、SHP2は、上流RTKシグナル伝達用の収束ノードである:活性化されたSHP2は、シグナル伝達カスケードにおいて正のシグナルを上方制御し(「強める(turns up)」)、負のシグナルを下方制御する(「弱める(turns down)」)。SHP2は、さらにEGFRおよびFLT3などのRTKからRAS/MAPKおよび他の細胞内の経路への成長および生存シグナルを中継する際に中心ノードとしての役割を果たす。SHP2阻害が複数のRTKからの増殖シグナルを遍在的に遮断し、癌細胞が他のRTK増殖因子受容体(例えば、MET)の活性化を介して特定のRTK(例えば、EGFR阻害剤)に対する遮断を迂回するのを防ぐため、SHP2は魅力的な標的である。
【0006】
複数の角度からのシグナル伝達経路を標的とし、かつERK1/2およびSHP2を介してRasの上流のフィードバックループを潜在的に改善する可能性は、併用療法を使用する方法を開発するための可能性を提供する。
【0007】
本明細書に開示される本実施形態は、一般的に、予想外の程度の相乗作用を提供しながら、SHP2阻害剤と併せてERK1/2阻害剤を利用する癌を処置するために併用療法と関連する組成物と方法に関する。
【0008】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0009】
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)SHP2阻害剤を投与する工程を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、スチボグルコン酸ナトリウム、RMC-4550、NSC87877、SPI-112、TNO155、IACS-13909、SHP099 HCl、あるいは化合物2
【0011】
【化2】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0012】
さらに、処置を必要としている対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0013】
【化3】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)化合物2
【0014】
【化4】
またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0015】
さらに、癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0016】
【化5】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0017】
【化6】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)オシメルチニブを投与する工程を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、オシメルチニブは、約80mg/日の量で投与される。
【0019】
さらに、癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0020】
【化7】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0021】
【化8】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)セツキシマブを投与する工程を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、セツキシマブは、500mg/mで2週間ごとに1回、400mg/mで2週間ごとに1回、または300mg/mで2週間ごとに1回投与される。
【0023】
さらに、癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0024】
【化9】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0025】
【化10】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)エンコラフェニブ、および
(iv)オシメルチニブを投与する工程を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、エンコラフェニブは、約100mg/日~約500mg/日の量で投与される。
【0027】
いくつかの実施形態では、エンコラフェニブは、約450mg/日、300mg/日、225mg/日、または150mg/日の量で投与される。
【0028】
いくつかの実施形態では、オシメルチニブは約80mg/日の量で投与される。
【0029】
さらに、癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0030】
【化11】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0031】
【化12】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)エンコラフェニブ、および
(iv)セツキシマブを投与する工程を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、エンコラフェニブは、約100mg/日~約500mg/日の量で投与される。
【0033】
いくつかの実施形態では、エンコラフェニブは、約450mg/日、約300mg/日、約225mg/日、または約150mg/日の量で投与される。
【0034】
いくつかの実施形態では、セツキシマブは、500mg/mで2週間ごとに1回、400mg/mで2週間ごとに1回、または300mg/mで2週間ごとに1回投与される。
【0035】
さらに、癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0036】
【化13】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0037】
【化14】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)ギルテリチニブを投与する工程を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、ギルテリチニブは、約120mg/日の量で投与される。
【0039】
さらに、癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0040】
【化15】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0041】
【化16】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)ソトラシブを投与する工程を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、ソトラシブは、約960mg/日の量で投与される。
【0043】
さらに、癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0044】
【化17】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0045】
【化18】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)アダグラシブを投与する工程を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、アダグラシブは、約1200mg/日の量で投与される。
【0047】
さらに、癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0048】
【化19】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0049】
【化20】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)パルボシクリブを投与する工程を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、約50mg/日~約500mg/日の量で投与される。
【0051】
いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、または約150mg/日の量で投与される。
【0052】
いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、週1回約50mg~週1回約650mgの量で投与される。
【0053】
いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、週1回約200mg、週1回300mg、週1回400mg、週1回500、または週1回600mgの量で投与される。
【0054】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、経口で投与される。
【0055】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約1mg/日~約500mg/日の量で投与される。
【0056】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約20mg/日~約400mg/日の量で投与される。
【0057】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約30mg/日~約300mg/日の量で投与される。
【0058】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、2週間オンおよび1週間オフ(21日のスケジュール)の間、QDまたはBIDで投与される。
【0059】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、3週間オンおよび1週間オフ(28日のスケジュール)の間、QDまたはBIDで投与される。
【0060】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、週3回、例えば、1日目、3日目、および5日目(D1D3D5 TIW)にQDまたはBIDで投与される。
【0061】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、週2回、例えば、1日目と2日目に、1日2回(BID-D1D2-BIW)投与される。
【0062】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、20mg/日~60mg/日、40mg/日、または60mg/日の用量で1日1回(QD)の連日投与で投与される。
【0063】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、20mg/日~80mg/日の用量で、1日2回(BID)連日投与で投与される。
【0064】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、10mg/日~100mg/日の用量で、1日2回(BID)連日投与で投与される。
【0065】
いくつかの実施形態では、化合物1の薬学的に許容可能な塩はマンデル酸塩である。
【0066】
いくつかの実施形態では、癌は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路駆動癌である。
【0067】
いくつかの実施形態では、癌は、BRAF駆動癌、HRAS駆動癌、またはNRAS駆動癌である。
【0068】
いくつかの実施形態では、癌は、調節解除されたERKによって駆動される少なくとも1つの癌細胞を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、癌はRASにおいて少なくとも1つの変異を有する。いくつかの実施形態では、癌は、RAFにおいて少なくとも1つの変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はMEKにおいて少なくとも1つの変異を有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、癌は、G12C KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌は、G12D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はG12S KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はG12V KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はG13D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はQ16H KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はQ16K KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はQ61R NRAS変異を有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、癌は、BRAF V600E、またはV600K変異腫瘍である。
【0072】
いくつかの実施形態では、癌は、MAPKm/MAPKiナイーブな膵臓癌、またはPDACである。
【0073】
いくつかの実施形態では、癌は、EGFR遺伝子コピー数増加、EGFR遺伝子増幅、染色体7ポリソミー、L858R、エクソン19欠失/挿入、L861Q、G719C、G719S、G719A、V765A、T783A、エクソン20挿入、EGFRスプライスバリアント(Viii、Vvi、およびVii)、A289D、A289T、A289V、G598A、G598V、T790M、およびC797Sからなる群から選択される1つ以上のEGFR変異を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、癌は、L858R、エクソン19欠失、およびT790Mからなる群から選択される1つ以上のEGFR変異を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、癌は液性腫瘍である。
【0076】
いくつかの実施形態では、癌は白血病である。
【0077】
いくつかの実施形態では、白血病は急性骨髄性白血病(AML)である。
【0078】
いくつかの実施形態では、AMLは再発性および/または難治性AMLである。
【0079】
いくつかの実施形態では、AMLは、FLT3変異AMLである。
【0080】
いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍である。
【0081】
いくつかの実施形態では、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、膵臓癌、唾液腺腫瘍、甲状腺癌、大腸癌(CRC)、または食道癌である。
【0082】
いくつかの実施形態では、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)である。いくつかの実施形態では、NSCLCは、EGFR変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G12C変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G12D変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G12S変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G12V変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G12A変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G13D変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS Q61H変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS Q61K変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、NRAS Q61R変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、MAPKm/MAPKiナイーブNSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、BRAFi処置V600 NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12C NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12D NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12S NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12V NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G13D NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置Q61H NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置Q61K NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、NRAS処置Q61R NSCLCである。
【0083】
いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。
【0084】
いくつかの実施形態では、癌は、MAPKm/MAPKiナイーブ膵臓癌である。
【0085】
いくつかの実施形態では、膵臓癌は、膵管腺癌(PDAC)である。
【0086】
いくつかの実施形態では、癌は黒色腫である。
【0087】
いくつかの実施形態では、黒色腫は、NF1機能喪失(NF1-LoF)変異を有する。
【0088】
いくつかの実施形態では、黒色腫は、BRAF V600E、またはV600K変異腫瘍である。
【0089】
いくつかの実施形態では、癌は、BRAFi処置V600黒色腫である。
【0090】
いくつかの実施形態では、癌は唾液腺腫瘍である。
【0091】
いくつかの実施形態では、癌は甲状腺癌である。
【0092】
いくつかの実施形態では、癌は大腸癌(CRC)である。いくつかの実施形態では、CRCは、BRAF V600E CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G12C変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G12D変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G12S変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G12V変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G13D変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS Q61H変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS Q61K変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、NRAS変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、NRAS Q61R変異CRCである。
【0093】
いくつかの実施形態では、癌は食道癌である。
【0094】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日~約300mg/日の量で投与される。
【0095】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、25mg/日~150mg/日の量で投与される。
【0096】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、または約250mg/日の量で投与される。
【0097】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約100mg/日、または約150mg/日の量で投与される。
【0098】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約250mg/日の量で1日1回、週1回投与される。
【0099】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日1回(QD)投与される。
【0100】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日2回(BID)投与される。
【0101】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日3回(TID)投与される。
【0102】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、週1回投与される。
【0103】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、週2回投与される。
【0104】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0105】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0106】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約150mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0107】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、または約250mgの量で1日2回、週に1回(BID-QW)投与される。
【0108】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約100mg、約125mg、または約150mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0109】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約125mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0110】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、少なくとも1つの28日間サイクル投与される。
【0111】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日間サイクルの1日目、8日目、15日目、および22日目に投与される。
【0112】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日間サイクルの1日目、8日目、15日目に投与される。
【0113】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、経口で投与される。
【0114】
いくつかの実施形態では、方法は、追加のMAPK経路阻害剤を投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、KRAS阻害剤、NRAS阻害剤、HRAS阻害剤、PDGFRA阻害剤、PDGFRB阻害剤、MET阻害剤、FGFR阻害剤、ALK阻害剤、ROS1阻害剤、TRKA阻害剤、TRKB阻害剤、TRKC阻害剤、EGFR阻害剤、IGFR1R阻害剤、GRB2阻害剤、SOS阻害剤、ARAF阻害剤、BRAF阻害剤、RAF1阻害剤、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤、c-Mycv、CDK4/6、阻害剤CDK2阻害剤、FLT3阻害剤、またはERK1/2阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、KRAS阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、BRAF阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、EGFR阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、CDK4/6である。
【0115】
いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、FLT3阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、アダグラシブ、アファチニブ、ASTX029、ビニメチニブ、セツキシマブ、コビメチニブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、エンコラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ、ラパチニブ、LTT462、LY3214996、ネシツムマブ、ネラチニブ、ニモツズマブ、オシメルチニブ、パニツムマブ、セルメチニブ、ソトラシブ、トラメチニブ、ウリキセルチニブ、バンデタニブ、またはベムラフェニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤はアダグラシブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤はセツキシマブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤はダブラフェニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤はエンコラフェニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤はギルテリチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤はパルボシクリブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤はパニツムマブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤はソトラシブである。
【0116】
引用による援用
本明細書で言及されるすべての公開物、特許、および特許出願は、あたかも個々の公開物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により本明細書に具体的かつ個別に組み込まれるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0117】
本開示の新規な特徴は、とりわけ添付の請求項で説明される。本開示の特徴と利点についてのよりよい理解は、本開示の原則が用いられている例証的な実施形態と添付の図面を説明する以下の詳細な記載とを参照することによって得られる。
図1A】変異RAS CDXモデル(NCI-H441)における化合物1+化合物2のin vivoのデータを示す。
図1B】変異RAS CDXモデル(NCI-H2009)における化合物1+化合物2のin vivoのデータを示す。
図2A】14日間のクローン原性アッセイにおけるKRAS G12V変異NSCLC細胞株、NCI-H441におけるin vitroの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図2B】14日間のクローン原性アッセイにおけるKRAS G12D変異NSCLC細胞株、Gp2Dにおけるin vitroの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図3A】14日間のクローン原性アッセイにおけるKRAS G12D変異膵臓細胞株、Panc 04.03におけるin vitroの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図3B】14日間のクローン原性アッセイにおけるKRAS G12D変異PDAC細胞株、HPACにおけるin vitroの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図4】KRAS G12D変異PDAC PDXモデル、PAN092におけるin vivoの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図5】KRAS G12D変異PDAC PDXモデル、PAN026におけるin vivoの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図6】NF1 LoF変異黒色腫CDXモデル、MeWoにおけるin vivoの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図7】KRAS G13D変異CRC CDXモデル、LoVoにおけるin vivoの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図8】14日間のクローン原性アッセイにおけるKRAS G12V変異PDAC細胞株、Capan-2におけるin vitroの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図9】14日間のクローン原性アッセイにおけるKRAS G12D変異PDAC細胞株、Panc 10.05におけるin vitroの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
図10】14日間のクローン原性アッセイにおけるKRAS G12V変異PDAC細胞株、Panc 1におけるin vitroの化合物1+化合物2の併用の利点を示す。
【発明を実施するための形態】
【0118】
本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他に指定していない限り、複数の指示対象を含む。ゆえに、例えば、「薬剤(an agent)」への言及は複数のこのような薬剤を含み、「細胞」への言及は1以上の細胞(または複数の細胞)、および当業者に知られている同等物などへの言及を含む。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性に関する範囲が本明細書で使用されているとき、範囲のすべての組み合わせと部分的な組み合わせ、および範囲内の具体的な実施形態は包含されるように意図されている。「約(about)」という用語は、数または数の範囲を指すとき、参照される数または数の範囲が、実験のばらつきの範囲内(または統計学的な実験誤差内)の近似値であり、したがって、数または数の範囲が、例によっては、記載される数または数の範囲の1%~15%で変動することを意味する。「含むこと(comprising)」(および、「含む(comprise)もしくは(comprises)」、または「有すること(having)」もしくは「含むこと(including)」などの関連する用語)という用語は、他の特定の実施形態では、例えば、本明細書に記載される任意の物質の組成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載される特徴「~からなる(consist of)」または「~から本質的になる(consist essentially of)」ことを排除することを意図するものではない。
【0119】
本明細書と添付の請求項で使用されるように、反対の意味に指定されない限り、次の用語は以下に指定する意味を有する。
【0120】
本明細書で使用されるように、「治療薬」という用語は、患者の望ましくない疾病または疾患を処置する、撲滅する、回復させる、予防する、または改善するために利用される薬剤を意味する。いくつかの実施形態では、などの治療剤、1の化合物は、癌の処置および/または改善を対象としている。
【0121】
治療薬と併用して使用されるときの「投与すること(Administering)」は、治療薬を全身または局所的に、例えば、直接、標的組織中または標的組織上など投与すること、あるいは治療薬が、標的とされる組織に肯定的に影響するように患者に治療薬を投与することを意味する。したがって、本明細書で使用されるように、「投与する」という用語は、本明細書に記載される組成物と併用して使用されるときに、限定されないが、組成物を標的組織内または標的組織上に提供すること、治療薬が標的組織または細胞に到達するように、例えば、経口投与によって組成物を患者に全身的に提供することを含む。組成物を「投与する」ことは、注射、局所投与、および経口投与または他の方法によって、単独でまたは他の既知の技術と組み合わせて達成され得る。
【0122】
本明細書に使用されるように、「動物」という用語は、限定されないが、ヒト、ならびに、野生動物、家庭内動物、および家畜などのヒト以外の脊椎動物を含む。本明細書で使用されるように、「患者」、「対象」、および「個体」という用語は、本明細書に記載されるような特定の疾病が生じる可能性がある生物を含むように意図されている。例としては、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、およびそのトランスジェニック種が挙げられる。好ましい実施形態では、患者は霊長類である。特定の実施形態では、霊長類または対象はヒトである。特定の例において、ヒトは大人である。特定の例において、ヒトは子供である。さらなる例において、ヒトは12歳未満である。特定の例において、ヒトは老人である。他の例において、ヒトは60歳以上である。対象の他の例としては、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、およびウシなどの実験動物が挙げられる。実験動物は、障害(例えば、高血圧の病状を抱えるトランスジェニックマウス)の動物モデルであり得る。
【0123】
「薬学的に許容可能な」によって、担体、希釈剤、または賦形剤は、製剤の他の成分と適合性がなければならず、かつ、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0124】
「医薬組成物」という用語は、少なくとも1つの活性成分を含む組成物を意味し、それによって組成物は、哺乳動物(例えば、限定されないが、ヒト)における指定された効果的な結果のための調査に適用可能である。当業者は、有効成分が当業者のニーズに基づいて所望の効果的な結果を有しているか否かを決定するのに適切な技術を理解して認識するであろう。
【0125】
本明細書で使用されるような、「治療有効量」または「有効量」は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医によって求められている、組織、系、動物、個体、またはヒトにおける生体反応または医学的反応を引き出す、活性化合物または医薬品の量を指し、これは、以下の1つ以上を含む:(1)疾患を予防すること;例えば、疾患、疾病または障害の傾向はあり得るが、疾患の病状または総体的症状をまだ経験していないまたは示していない個体において、疾患、疾病または障害を予防すること、(2)疾患を阻害すること;例えば、疾患、疾病、または障害の病状または総体的症状を経験しているまたは示している個体において、疾患、疾病、または障害を阻害すること(すなわち、病状および/または総体的症状のさらなる進行を止めること)、および(3)疾患を回復すること;例えば、疾患、疾病、または障害の病状または総体的症状を経験しているか、示している個体において、疾患、疾病、または障害を回復すること(すなわち、病状および/または総体的症状を覆すこと)。
【0126】
本明細書で使用されるような「処置する」、「処置された」、「処置」、または「処置すること」という用語は、いくつかの実施形態における治療的処置と、他の実施形態における予防的(prophylacticまたはpreventative)措置の両方を指し、その目的は、望ましくない生理学的状態、障害、または疾患を予防するか、遅らせる(少なくする)こと、あるいは有益なまたは望ましい臨床結果を得ることである。本明細書に記載される目的のために、有益なまたは望ましい臨床結果としては、限定されないが、症状の緩和;疾病、障害、または疾患の程度の減少;疾病、障害、または疾患の状態の安定化(つまり、悪化しないこと);疾病、障害、もしくは疾患の発症を遅らせること、または進行を遅らせること;疾病、障害、または疾患状態の改善;および、検出可能であれ検出不可能であれ、緩解(部分的でも全体でも)、または、疾病、障害、もしくは疾患の亢進もしくは改善を含む。処置は過剰なレベルの副作用のない臨床的に有意な反応を誘発することを含む。処置はさらに、処置を受けない場合の予想される生存時間と比較して、生存時間を延ばすことを含む。処置の予防的な利点は、疾病の予防、疾病の進行を遅らせること、疾病の安定化、または疾病の発生率の低下を含む。本明細書で使用されるように、「処置する(treat)」、「処置された(treated)」、「処置(treatment)」、または「処置すること(treating)」は、実施形態によっては、予防を含む。
【0127】
本明細書に使用されるような「実質的に同じ」との用語は、本明細書に表されるものと同一ではないが、当業者によって考慮されるときに、実験誤差の制限内にある、X線粉末回折パターンまたは示差走査熱量測定法パターンを指す。
【0128】
化合物1
本明細書に開示されるのは、(S)-N-(2-アミノ-1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)エチル)-1-(5-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-イミダゾール-4-カルボキサミド:
【0129】
【化21】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0130】
いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、マンデル酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、ベンゼンスルホン酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、塩酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、p-トルエンスルホン酸塩である。
【0131】
いくつかの実施形態では、化合物1の塩は、ベンゼンスルホン酸塩である。
【0132】
SHP2阻害剤
SHP2は、増殖、分化、細胞周期維持および運動性を含む基本的な細胞機能において重要な役割を果たし、広範囲の成長因子、サイトカイン類、およびホルモンに応答して複数の細胞内シグナル伝達経路を調節する。SHP2が関与する細胞シグナル伝達プロセスは、MAPK、PI3KおよびJAK経路を含む。SHP2阻害剤は、しばしば発癌性シグナル伝達および適応腫瘍エスケープを全体的に駆動する上流RTKシグナル伝達を弱め、広域スペクトル抗癌薬になる可能性がある。
【0133】
いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、スチボグルコン酸ナトリウム(Sodium stibogluconate)、RMC-4550、NSC87877、SPI-112、TNO155、IACS-13909、GDC01971、またはSHP099 HClである。
【0134】
いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は化合物2である。
【0135】
化合物2
本明細書に開示されるのは、(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカノ-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール:
【0136】
【化22】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0137】
EGFR阻害剤
EGFR阻害剤は、EGFRに結合し、細胞増殖を減速または停止させる薬剤であり、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)またはモノクローナル抗体のいずれかとして分類することができる。
【0138】
TKIは、上皮増殖因子受容体中のチロシンキナーゼドメインに結合し、EGFRの活性を停止させる阻害剤である。例は、限定されることなく、アファチニブ、ダコミチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、ラゼルチニブ、リフィラフェニブ、モボセルチニブ、ナザルチニブ、ネラチニブ、オシメルチニブ、およびバンデタニブを含む。
【0139】
モノクローナル抗体阻害剤は、EGFRの細胞外成分に結合し、上皮成長因子がそれ自体の受容体に結合することを妨げ、従って細胞分裂を妨げる薬剤である。例は、限定されることなく、アミバンタマブ、セツキシマブ、ミルゾタマブ、クレズトクラクス、ニモツズマブ、およびネシツムマブを含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤は、アファチニブ、アミバンタマブ、カネルチニブ、セツキシマブ、ダコミチニブ、ダフネチン、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イコチニブ、ラパチニブ、ラゼルチニブ、リフィラフェニブ、ミルゾタマブクレジトクラクス、モボセルチニブ、ナザルチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、オシメルチニブ、パニツママブ、ペリチニブ、ポジオチニブ、チボザニブ、ロシレチニブ、サピチニブ、バンデチニブ、またはバルリチニブである。
【0141】
いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤は、AC480、AEE788、AG-1478、AG-18、AG-490、AST-1306、AV-412、AZ5104、AZD3759、BIBX 1382、CGP-52411、CL-387785、CNX-2006、CUDC-101、OSI-420、PD153035 HCl、PD168393、TAK-285、Tyrphostin 9、Tyrphostin AG 183、WHI-P154、WHI-P180、WZ3146、またはWZ4002である。
【0142】
いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤は、小分子阻害剤である。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はオシメルチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はセツキシマブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はアファチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はダコミチニブである。
【0143】
いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はエルロチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はゲフィチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はラパチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はラゼルチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はリフィラフェニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はモボセルチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はナザルチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はネラチニブである。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はバンデタニブである。
【0144】
いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤は、抗EGFRの抗体阻害剤ではない。
【0145】
オシメルチニブ
オシメルチニブ
【0146】
【化23】
は、小分子EGFRチロシンキナーゼ阻害剤であり、局所進行性または転移性NSCLCを処置するために使用される。これは、2015年11月に、EGFRエクソン19欠失またはエクソン21 L858R変異を有する転移性NSCLCおよびEGFR T790M変異陽性NSCLCの特異的処置のためにFDAによって承認された。オシメルチニブは、AstraZenecaによってTagrisso(登録商標)として販売されている。
【0147】
セツキシマブ
セツキシマブは、転移性CRCおよび頭頚部癌の処置に使用されるキメラモノクローナル抗体EGFR阻害剤である。2009年7月に、セツキシマブは、野生型のKRASを有する結腸癌の処置のためにFDAによって承認された。セツキシマブは、Eli Lilly and CompanyのよってErbitux(登録商標)として販売されている。
【0148】
BRAF阻害剤
BRAF阻害剤は、選択的にBRAFキナーゼを標的とし、したがって、黒色腫細胞の増殖および生存を調節するMAPKシグナル伝達経路を妨害する。BRAF阻害剤はさらに、BRAF変異黒色腫における腫瘍微小環境および抗腫瘍免疫応答に対して有益な効果を有し、したがって、MAPK経路に対して免疫調節効果を発揮し、免疫系による腫瘍細胞の認識を促進し、抗腫瘍T細胞応答を増強する。
【0149】
いくつかの実施形態では、BRAF阻害剤は、エンコラフェニブである。いくつかの実施形態では、BRAF阻害剤は、ダブラフェニブである。
【0150】
エンコラフェニブ
エンコラフェニブ
【0151】
【化24】
は、特定の黒色腫を処置するための薬物である。MAPKシグナル伝達経路における鍵酵素を標的とするのは、小分子BRAF阻害剤である。この経路は、黒色腫および大腸癌を含む様々な癌において生じる。2018年6月に、それは、ビニメチニブと組み合わせて切除不能または転移性BRAF V600EもしくはV600K変異陽性黒色腫を有する患者の処置のためにFDAによって承認された。エンコラフェニブはPfizerによってBraftovi(登録商標)として販売されている。
【0152】
ダブラフェニブ
ダブラフェニブ
【0153】
【化25】
は、遺伝子BRAFの変異型に関連する癌を処置するための薬物である。ダブラフェニブは、細胞増殖の調節において役割を果たす関連酵素B-Rafの阻害剤として作用する。ダブラフェニブは、BRAF(V600)変異転移性黒色腫を有する患者における第1相および第2相の臨床試験において管理可能な安全性プロファイルを有する臨床活性を有する。ダブラフェニブは、NovartisによってTafmlar(登録商標)として販売されている。
【0154】
CDK4/6阻害剤
CDK4/6阻害剤は、D型サイクリン、CDK4およびCDK6によって厳密に制御されるG1~S細胞周期チェックポイントで作用する。CDK4およびCDK6がD型サイクリンによって活性化されると、それらは網膜芽細胞腫関連タンパク質(pRb)をリン酸化し、それによってpRbによるE2F転写因子ファミリーの抑制を放出され、細胞が細胞周期を進行することが可能になる。HR+癌では、サイクリンD過剰発現が一般的であり、pRbの喪失は稀であり、Gi~Sチェックポイントを理想的な治療剤にする。
【0155】
いくつかの実施形態では、CDK4/6阻害剤は、パルボシクリブ、リボシクリブ、アベマシクリブ、FCN-437c、またはアルボシクリブである。
【0156】
いくつかの実施形態では、CDK4/6阻害剤はパルボシクリブである。
【0157】
パルボシクリブ
パルボシクリブ
【0158】
【化26】
は、HR+/HER2進行性のまたは転移性の乳癌の処置に使用されたキナーゼ阻害剤である。パルボシクリブはPfizerによってIbrance(登録商標)として販売されている。
【0159】
FLT3阻害剤
FLT3阻害剤は、キナーゼの活性ドメイン中のATP結合部位と競合し、したがってタンパク質のリン酸化を防止し、タンパク質の活性を低下させるチロシンキナーゼ阻害剤である。
【0160】
I型阻害剤は、受容体が活性であるときにATP結合部位に結合するが、II型阻害剤は、ATP結合部位に直接隣接する疎水性領域と相互作用し、これは、受容体がその不活性立体構造にあるときに接近可能である。I型阻害剤は、スニチニブ、レスタウルチニブ、ミドスタウリン、クレノラニブ、およびギルテリチニブを含み、II型阻害剤はソラフェニブ、キザルチニブ、およびポナチニブを含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤は、クレノラニブ、ギルテリチニブ、イブルチニブ、レスタウルチニブ、ミドスタウリン、ポナチニブ、キザルチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、またはタンドツチニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はクレノラニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はギルテリチニブである。ギルテリチニブは、Astellas Pharma US,Inc.によってXospata(登録商標)のブランド名で販売されている。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はイブルチニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はレスタウルチニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はミドスタウリンである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はポナチニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はキザルチニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はソラフェニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はスニチニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はタンズチニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はイブルチニブ、ポナチニブ、キザルチニブ、クレオラニブ、またはギルテリチニブである。いくつかの実施形態では、FLT3阻害剤はソラフェニブ、レスタウルチニブ、ミドスタウリン、スニチニブ、またはタンドツチニブである。いくつかの実施形態では、I型FLT3阻害剤をII型FLT3阻害剤と組み合わせるなど、上に列挙したFLT3阻害剤の2つ以上を使用する併用を組み合わせることができる。例として、ギルテリチニブはキザルチニブと組み合わせることができる。
【0162】
KRAS G12C阻害剤
KRASは、細胞増殖、分化、および生存に関与するシグナル伝達経路の重要な調節因子である。KRASは、ヒト癌において最も頻繁に変異する癌遺伝子であり、KRASにおける変異は、連続的な細胞増殖および癌発生を起こし得る。G12C変異は、コドン12におけるグリシンからシステインへの置換を有する単点変異である。この置換は、KRASの活性化状態に有利に働き、発癌をもたらすシグナル伝達経路を増幅する。
【0163】
ソトラシブ
Lumakras(登録商標)およびLumykras(登録商標)のブランド名で販売されているソトラシブ
【0164】
【化27】
は、Amgenによって販売されており、非小細胞肺癌(NSCLC)を処置するために使用される抗癌薬である。これは、様々な形態の癌の原因である遺伝子KRASによってコードされるタンパク質K-Rasにおける特異的変異G12Cを標的とする。ソトラシブは、RAS GTPアーゼファミリーの阻害剤である。
【0165】
ソトラシブは、非小細胞肺癌における変異の約25%を占める、任意のKRAS変異を有する腫瘍に対する第1の承認された標的療法である。KRAS G12C変異が、非小細胞肺癌の患者の約13%で生じる。
【0166】
2021年5月に、ソタラシブは、KRAS G12C変異NSCLCの処置のためにFDAによって承認された。
【0167】
併用
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0168】
【化28】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)SHP2阻害剤を投与する工程を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、化合物2
【0170】
【化29】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0171】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0172】
【化30】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(ii)化合物2
【0173】
【化31】
またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0174】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0175】
【化32】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0176】
【化33】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)EGFR阻害剤を投与する工程を含む。
【0177】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0178】
【化34】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0179】
【化35】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)オシメルチニブ、
(iii)EGFR阻害剤を投与する工程を含む。
【0180】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0181】
【化36】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0182】
【化37】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)セツキシマブを投与する工程を含む。
【0183】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0184】
【化38】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0185】
【化39】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)BRAF阻害剤、および
(iv)EGFR阻害剤を投与する工程を含む。
【0186】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0187】
【化40】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0188】
【化41】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)エンコラフェニブ、および
(iv)オシメルチニブを投与する工程を含む。
【0189】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0190】
【化42】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0191】
【化43】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)エンコラフェニブ、および
(iv)セツキシマブを投与する工程を含む。
【0192】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0193】
【化44】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0194】
【化45】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)FLT3阻害剤を投与する工程を含む。
【0195】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0196】
【化46】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0197】
【化47】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)ギルテリチニブを投与する工程を含む。
【0198】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0199】
【化48】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0200】
【化49】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)KRAS G12C阻害剤を投与する工程を含む。
【0201】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0202】
【化50】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0203】
【化51】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)ソトラシブを投与する工程を含む。
【0204】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0205】
【化52】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0206】
【化53】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)アダグラシブを投与する工程を含む。
【0207】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0208】
【化54】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0209】
【化55】
またはその薬学的に許容可能な塩、および
(iii)CDK4/6阻害剤を投与する工程を含む。
【0210】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法が本明細書で開示され、該方法は、癌の処置を必要とする対象に治療上有効な量の
(i)化合物1
【0211】
【化56】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(ii)化合物2
【0212】
【化57】
またはその薬学的に許容可能な塩、
(iii)パルボシクリブを投与する工程を含む。
【0213】
さらなる併用
いくつかの実施形態では、方法は追加のMAPK経路阻害剤を投与する工程を含む。理論に制限されるものではないが、癌細胞におけるMAPKシグナル伝達の抑制は、PD-L1発現の下方制御をもたらし、癌細胞が免疫系によって検出される可能性を増加させることができる。そのような第3のMAPK経路阻害剤は、MAPK経路中のタンパク質の他の変異に基づき得る。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、MAPK経路中のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、MAPK経路外のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、KRAS阻害剤、NRAS阻害剤、HRAS阻害剤、PDGFRA阻害剤、PDGFRB阻害剤、MET阻害剤、FGFR阻害剤、ALK阻害剤、ROS1阻害剤、TRKA阻害剤、TRKB阻害剤、TRKC阻害剤、EGFR阻害剤、IGFR1R阻害剤、GRB2阻害剤、SOS阻害剤、ARAF阻害剤、BRAF阻害剤、RAF1阻害剤、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤、c-Mycv、CDK4/6阻害剤、CDK2阻害剤、FLT3阻害剤、またはERK1/2阻害剤である。例示的なのMAPK経路阻害剤は、アダグラシブ、アファチニブ、ASTX029、ビニメチニブ、セツキシマブ、コビメチニブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、エンコラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ、ラパチニブ、LTT462、LY3214996、ネシツムマブ、ネラチニブ、ニモツズマブ、オシメルチニブ、パニツムマブ、セルメチニブ、ソトラシブ、トラメチニブ、ウリキセルチニブ、バンデタニブ、およびベムラフェニブを含むが、それらに限定されない。
【0214】
いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、アダグラシブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、アファチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ビニメチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、セツキシマブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、コビメチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ダブラフェニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ダコミチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、エンコラフェニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、エルロチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ゲフィチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ギルテリチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ラパチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、LTT462である。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、LY3214996である。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ネシツムマブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ネラチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ニモツズマブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、オシメルチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、パルボシクリブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、パニツムマブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、セルメチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ソトラシブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、トラメチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、ウリキセルチニブである。いくつかの実施形態では、追加のMAPK経路阻害剤は、バンデタニブである。
【0215】

本明細書に開示されるのは、本明細書に開示される併用を使用して癌を処置する方法である。
【0216】
「癌」は、限定されることなく、白血病、リンパ腫、骨髄腫、細胞腫および肉腫を含む、哺乳動物(例えば、ヒト)において見出される全ての種類の癌、新生物、または悪性腫瘍を指す。本明細書で提供される化合物または方法を用いて処置され得る例示的な癌は、脳癌、神経膠腫、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、前立腺癌、大腸癌、(膵臓腺癌、PDACなどの)膵臓癌、髄芽腫、黒色腫、子宮頸癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、頭部の癌、ホジキン病、および非ホジキンリンパ腫を含む。本明細書で提供される化合物または方法を用いて処置され得る例示的な癌は、血液、甲状腺、内分泌系、脳、乳房、子宮頚、結腸、頭頸部、肝臓、腎臓、肺、卵巣、膵臓、直腸、胃、および子宮の癌を含む。さらなる例は、甲状腺癌、肝管癌、膵臓腺癌、皮膚の皮膚黒色腫、結腸腺癌、直腸腺癌、胃腺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、乳房浸潤性癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、非小細胞肺癌、中皮腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形神経膠芽腫、卵巣癌、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、悪性の膵臓インスラノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前悪性皮膚病変、精巣癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、尿生殖路癌、悪性高カルシウム血症、子宮内膜癌、副腎皮質癌、内分泌腺または外分泌膵臓の腫瘍、甲状腺骨髄癌、甲状腺骨髄腫瘍、黒色腫、大腸癌、乳頭状の甲状腺癌、肝細胞癌、または前立腺癌を含む。いくつかの実施形態では、癌は、クラス1のB-Raf変異を有する。
【0217】
いくつかの実施形態では、癌は、EGFR、KRAS、BRAF(例えば、BRAFクラスIII)および/またはNF1(例えば、機能喪失)変異の少なくとも1つを保持する。
【0218】
いくつかの実施形態では、変異B-Rafは、V600変異を含む。いくつかの実施形態では、B-Rafの変異は、変異V600Eを含む。いくつかの実施形態では、変異はV600Kである。いくつかの実施形態では、変異はV600Dである。いくつかの実施形態では、変異はV600Lである。いくつかの実施形態では、変異はV600Rである。いくつかの実施形態では、癌は、BRAF V600EまたはV600K変異腫瘍である。
【0219】
いくつかの実施形態では、癌は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路駆動癌である。
【0220】
いくつかの実施形態では、癌は、BRAF駆動癌、HRAS駆動癌、またはNRAS駆動癌である。
【0221】
いくつかの実施形態では、癌は、無秩序なERKによって駆動される少なくとも1つの癌細胞を含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、癌は、RASにおいて少なくとも1つの変異を有する。いくつかの実施形態では、癌は、RAFにおいて少なくとも1つの変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はMEKにおいて少なくとも1つの変異を有する。
【0223】
いくつかの実施形態では、癌はG12C KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はG12D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はG12R KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はG12S KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はG12V KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はG12W KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はG13D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はH95D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はH95Q KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はH95R KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はQ16H KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はQ61H KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はQ16K KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はQ61R NRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、癌はR68S KRAS変異を有する。
【0224】
いくつかの実施形態では、癌はMAPKm/MAPKiナイーブ膵臓癌である。いくつかの実施形態では、膵臓癌は膵管腺癌(PDAC)である。
【0225】
いくつかの実施形態では、癌は、EGFR遺伝子コピー数増加、EGFR遺伝子増幅、染色体7ポリソミー、L858R、エクソン19欠失/挿入、L718Q、L861Q、G719C、G719S、G724S、G719A、V765A、T783A、エクソン20挿入、EGFRスプライスバリアント(Viii、Vvi、およびVii)、A289D、A289T、A289V、G598A、G598V、T790M、S768I、C797XおよびC797Sからなる群から選択される1つ以上のEGFR変異を含む。いくつかの実施形態では、癌は、L858R、エクソン19欠失、およびT790Mからなる群から選択される1つ以上のEGFR変異を含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、癌は液性腫瘍である。いくつかの実施形態では、液性腫瘍は、白血病である。いくつかの実施形態では、液性腫瘍は、急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、AMLは、再発性および/または抵抗性AMLである。いくつかの実施形態では、AMLは、FLT3変異AMLである。
【0227】
いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍は、進行性または転移性の固形腫瘍である。
【0228】
いくつかの実施形態では、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、膵臓癌、唾液腺腫瘍、甲状腺癌、大腸癌(CRC)、または食道癌である。
【0229】
いくつかの実施形態では、癌は、大腸癌(CRC)、膵管腺癌(PDAC)、肝管癌、虫垂癌、胃癌、食道癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、頭頚部癌、卵巣癌、子宮癌、急性骨髄性白血病(AML)、または黒色腫である。
【0230】
いくつかの実施形態では、癌は胃腸癌である。いくつかの実施形態では、胃腸の癌は、肛門癌、胆管癌、結腸癌、直腸癌、食道癌、胆嚢癌、肝臓癌、膵臓癌、小腸癌、または胃癌(胃癌)である。
【0231】
いくつかの実施形態では、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)である。いくつかの実施形態では、NSCLCは、EGFR変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G12C変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G12D変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G12S変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G12V変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS G13D変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS Q61H変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、KRAS Q61K変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、EGFR変異は、後天性EGFR変異である。いくつかの実施形態では、後天性EGFR変異はC797Xである。いくつかの実施形態では、後天性EGFR変異はL718Qである。いくつかの実施形態では、後天性EGFR変異はEGFR遺伝子増幅である。いくつかの実施形態では、後天性EGFR変異はG724Sである。いくつかの実施形態では、後天性EGFR変異はS768Iである。
【0232】
いくつかの実施形態では、NSCLCは、NRAS Q61R変異NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、MAPKm/MAPKiナイーブNSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、BRAFi処置V600 NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12C NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12D NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12S NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12V NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G13D NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置Q61H NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置Q61K NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、NRAS処置Q61R NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12R NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12W NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置H95D NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置H95Q NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置H95R NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置G12D NSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS処置R68S NSCLCである。
【0233】
いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は、MAPKm/MAPKiナイーブ膵臓癌である。いくつかの実施形態では、膵臓癌は、管腺腺癌(PDAC)である。
【0234】
いくつかの実施形態では、癌は黒色腫である。いくつかの実施形態では、黒色腫は、BRAF V600EまたはV600K変異腫瘍である。いくつかの実施形態では、癌は、BRAFi処置V600黒色腫である。
【0235】
いくつかの実施形態では、癌は唾液腺腫瘍である。
【0236】
いくつかの実施形態では、癌は甲状腺癌である。
【0237】
いくつかの実施形態では、癌は大腸癌(CRC)である。いくつかの実施形態では、CRCは、BRAF V600E CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS変異CRCである。
【0238】
いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G12C変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G12D変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G12R変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G12S変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCはKRAS G12V変異、CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G12W変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS G13D変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、H95D KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、CRCは、H95Q KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、CRCは、H95R KRAS変異を有する。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS Q61H変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、KRAS Q61K変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、NRAS変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、NRAS Q61R変異CRCである。いくつかの実施形態では、CRCは、R68S KRAS変異を有する。
【0239】
いくつかの実施形態では、癌は食道癌である。
【0240】
いくつかの実施形態では、癌は、1つ以上の後天性変異を有する。いくつかの実施形態では、後天性変異は、1次処置によるものである。いくつかの実施形態では、1次処置はEGFR阻害剤である。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤は、オシメルチニブである。いくつかの実施形態では、1次処置はKRAS阻害剤である。いくつかの実施形態では、KRAS阻害剤は、KRAS G12C阻害剤である。いくつかの実施形態では、KRASG12C阻害剤は、アダグラシブである。いくつかの実施形態では、KRASG12C阻害剤は、ソトラシブである。いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍癌である。いくつかの実施形態では、癌はNSCLCである。
【0241】
いくつかの実施形態では、EGFR変異は、後天性EGFR変異である。いくつかの実施形態では、後天性EGFR変異はC797Xである。いくつかの実施形態では、後天性EGFR変異はL718Qである。いくつかの実施形態では、後天性EGFR変異はEGFR増幅である。いくつかの実施形態では、後天性EGFR変異はG724Sである。いくつかの実施形態では、後天性変異はS768Iである。
【0242】
いくつかの実施形態では、後天性変異は後天性増幅変異である。いくつかの実施形態では、後天性変異は、MET遺伝子増幅である。いくつかの実施形態では、後天性変異は、HER2遺伝子増幅である。
【0243】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、後天性発癌性融合である。いくつかの実施形態では、後天性発癌性融合は、SPTBN1-ALKである。いくつかの実施形態では、後天性発癌性融合は、RET融合である。いくつかの実施形態では、後天性発癌性融合は、BRAF融合である。
【0244】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、後天性MAPK-PI3K変異である。いくつかの実施形態では、後天性MAPK-PI3K変異は、BRAF-V600Eである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK-PI3K変異は、PI3KCAである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK-PI3K変異は、KRASである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK-PI3K変異は、HER2である。
【0245】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、後天性KRAS変異である。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS G12Cである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS G12Dである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS G12Rである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS G12Vである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS G12Wである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS G13Dである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS H95Dである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS H95Dである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS H95Qである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS H95Rである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS Q61Hである。いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS R68Sである。
【0246】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、後天性MAPK経路変異である。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、MAP2K1 K57Nである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、MAP2K1 K57Tである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、CCDC6-RETである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、RITI P128Lである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、PTEN G209Vである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、BRAF V600Eである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、MAP2K1 199_K104delである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、MAP2K1 K57Nである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、EML4-ALKである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、EGFR A289Aである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、FGFR3-TACC3である。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、AKAP9-BRAFである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、RAF1-CCDC176である。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、RAF1-TRAK1である。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、NRAS Q61Kである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、MAP2K1 E102_1103DELである。いくつかの実施形態では、後天性MAPK経路変異は、NRF1-BRAFである。
【0247】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、KRAS G12C再活性化変異である。いくつかの実施形態では、KRAS G12C再活性化変異は、RKRAS G12C遺伝子増幅である。いくつかの実施形態では、KRAS G12C再活性化変異は、NF1 R22637(LoF)である。
【0248】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、非G12C活性化KRAS変異である。いくつかの実施形態では、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G12Dである。いくつかの実施形態では、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G12Rである。いくつかの実施形態では、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G12Vである。いくつかの実施形態では、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G12Wである。いくつかの実施形態では、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS G13Dである。いくつかの実施形態では、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS Q61Hである。いくつかの実施形態では、非G12C活性化KRAS変異は、KRAS Q61Kである。
【0249】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、立体的に妨害するKRAS G12C変異である。いくつかの実施形態では、立体的に妨害するKRAS G12C変異は、KRAS R68Sである。いくつかの実施形態では、立体的に妨害するKRAS G12C変異は、KRAS H95Dである。いくつかの実施形態では、立体的に妨害するKRAS G12C変異は、KRAS H95Qである。いくつかの実施形態では、立体的に妨害するKRAS G12C変異は、KRAS H95Rである。いくつかの実施形態では、立体的に妨害するKRAS G12C変異は、KRAS Y96Cである。
【0250】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、RTK活性化変異である。いくつかの実施形態では、RTK活性化変異は、EGFR A289Vである。いくつかの実施形態では、RTK活性化変異は、RET M918Tである。いくつかの実施形態では、RTK活性化変異は、MET遺伝子増幅である。いくつかの実施形態では、RTK活性化変異は、EML-ALKである。いくつかの実施形態では、RTK活性化変異は、CCDC6-RETである。いくつかの実施形態では、RTK活性化変異は、FGFR3-TACC3である。
【0251】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、下流RAS/MAPK活性化変異である。いくつかの実施形態では、下流RAS/MAPK活性化変異は、BRAF V600Eである。いくつかの実施形態では、下流RAS/MAPK活性化変異は、MAP2K I99_K104delである。いくつかの実施形態では、下流RAS/MAPK活性化変異は、MAP2K1 I99_K104delである。いくつかの実施形態では、下流RAS/MAPK活性化変異は、MAP2K1 E102_I103delである。いくつかの実施形態では、下流RAS/MAPK活性化変異は、RAF融合である。
【0252】
いくつかの実施形態では、後天性変異は、並列経路活性化変異である。いくつかの実施形態では、並列経路活性化変異は、PIK3CA H1047Rである。いくつかの実施形態では、並列経路活性化変異は、PIK3R1 S361fsである。いくつかの実施形態では、並列経路活性化変異は、PTEN N48Kである。いくつかの実施形態では、並列経路活性化変異は、PTEN G209Vである。いくつかの実施形態では、並列経路活性化変異は、RIT1 P128Lである。
【0253】
投薬
1つの態様では、本明細書に記載される組成物は、本明細書に記載される疾患および疾病の処置のために使用される。加えて、そのような処置を必要とする対象における本明細書に記載される疾患または疾病のいずれかを処置するための方法は、前記対象への治療上有効な量の組成物の投与を含む。
【0254】
本明細書に記載される組成物の用量は任意の適切な方法によって決定され得る。化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩の最大耐用量(MTD)および最大反応用量(MRD)は、確立された動物及びヒトの実験的プロトコル、加えて本明細書に記載される例を介して決定され得る。例えば、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩の毒性及び治療効果は、LD50(個体群の50%致死量)及びED50(個体群の50%において治療上有効な用量)の決定を含むがこれに限定されない、細胞培養物又は実験動物における標準の薬学的手順によって決定され得る。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数であり、LD50とED50との間の比率として表され得る。細胞培養アッセイと動物研究から得られたデータは、ヒトで使用される一連の投与量を製剤化するのに使用可能である。こうした化合物の投与量は、最小限の毒性を有するED50を含む一連の循環濃度内に位置するのが好ましい。投与量は、使用された剤形と利用された投与経路に依存してこの範囲内で変動することがある。最大反応量または最大耐量のパーセントとして表わされる追加の相対用量は、プロトコルを介して容易に得られる。
【0255】
いくつかの実施形態では、このような量に相当するの化合物1またはその薬学的に許容可能な塩を含む所定の製剤の量は、特定の塩または形態の分子量、疾患状態およびその重症度、処置を必要としている対象または宿主の独自性(例えば、年齢、体重、性別)などの因子に依存して変動するが、それにもかかわらず、例えば、投与されている特定の薬剤、液体製剤のタイプ、処置されている疾病、および処置されている対象または宿主を含む症例を取り囲む特定の環境に応じて決定され得る。
【0256】
いくつかの実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容可能な塩の量は、本明細書に記載されたように、化合物1の遊離塩基当量に関連するものである。
【0257】
いくつかの実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容可能な塩は、経口で投与される。
【0258】
いくつかの実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日~約300mg/日にある量で投与される。
【0259】
いくつかの実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容可能な塩は、25mg/日~150mg/日にある量で投与される。
【0260】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、または約250mg/日の量で投与される。
【0261】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約100mg/日、または約150mg/日の量で投与される。
【0262】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0263】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0264】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約200の量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0265】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約150mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0266】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約100mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0267】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約50mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0268】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0269】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約250の量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0270】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約200mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0271】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約150mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0272】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約100mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0273】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0274】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0275】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約200mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0276】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約150mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0277】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0278】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0279】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約200mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0280】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約175mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0281】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約175mg~約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0282】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約175mg~約200mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0283】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約200mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0284】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約200mg~約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0285】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約225mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0286】
いくつかの実施形態では、化合物1、または薬学的に許容可能な塩は、約225mg~約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0287】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約300mgの量で週1回(QW)投与される。
【0288】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約250mgの量で週1回(QW)投与される。
【0289】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約300mgの量で週1回(QW)投与される。
【0290】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg~約250mgの量で週1回(QW)投与される。
【0291】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約300mgの量で週1回(QW)投与される。
【0292】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mg~約250mgの量で週1回(QW)投与される。
【0293】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mgの量で週1回(QW)投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約150mgの量で週1回(QW)投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約200mgの量で週1回(QW)投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約250mgの量で週1回(QW)投与される。
【0294】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約300mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0295】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0296】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg~約150mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0297】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、または約250mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0298】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、50mg、約100mg、約125mg、または約150mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0299】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約125mgの量で1日2回、週1回(BID-QW)投与される。
【0300】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約250mgの量で1日1回、週1回投与される。
【0301】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、30mg、40mg、50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約175mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約225mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、または約300mgの量で投与される。
【0302】
いくつかの実施形態では、上記で詳述された量の各々は、QD、QW、BID、BID-QD、またはBID-QWで投与され得る。
【0303】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、経口で投与される。
【0304】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約1mg/日~約500mg/日にある量で投与される。
【0305】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約20mg/日~約400mg/日にある量で投与される。
【0306】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約30mg/日~約300mg/日にある量で投与される。
【0307】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、約250mg/日、約275mg/日、約300mg/日、約325m/日、約350mg/日、または約400mg/日の量で投与される。
【0308】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、QDまたはBIDで2週間オンおよび1週間オフ(21日のスケジュール)で投与される。いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、QDまたはBIDで3週間オンおよび1週間オフ(28日のスケジュール)で投与される。いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、週3回、例えば、1日目、3日目、および5日目(D1D3D5 TIW)にQDまたはBID投与される。いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、1日2回/週2回、例えば、1日目および2日目(BID-D1D2-BIW)に投与される。
【0309】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、20mg/日~60mg/日、40mg/日、または60mg/日の用量で1日1回(QD)連続的投与される。いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、20mg/日~80mg/日の用量で1日2回(BID)連続的投与される。いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、10mg/日~100mg/日の用量で1日2回(BID)連続的投与される。
【0310】
いくつかの実施形態では、上記で詳述された量の各々は、QD、QW、BID、BID-QD、またはBID-QWで投与され得る。
【0311】
いくつかの実施形態では、オシメルチニブは、約50mg/日~約300mg/日にある量で投与される。いくつかの実施形態では、オシメルチニブは約20mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、オシメルチニブは約40mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、オシメルチニブは約60mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、オシメルチニブは約80mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、オシメルチニブは約100mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、オシメルチニブは約120mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、オシメルチニブは約140mg/日の量で投与される。
【0312】
いくつかの実施形態では、セツキシマブは、週1回、120分間にわたって400mg/m、続いて60分間にわたって250mg/mで投与される。いくつかの実施形態では、セツキシマブは、500mg/mで2週ごとに1回投与される。いくつかの実施形態では、セツキシマブは、400mg/mで2週ごとに1回投与される。いくつかの実施形態では、セツキシマブは、300mg/mで2週ごとに1回投与される。
【0313】
いくつかの実施形態では、エンコラフェニブは、約100mg/日~約500mg/日にある量で投与される。いくつかの実施形態では、エンコラフェニブは約450mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、エンコラフェニブは約300mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、エンコラフェニブは約225mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、エンコラフェニブは約150mg/日の量で投与される。
【0314】
いくつかの実施形態では、ダブラフェニブは、約100mg/日~約500mg/日にある量で投与される。いくつかの実施形態では、ダブラフェニブは約450mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ダブラフェニブは約300mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ダブラフェニブは約225mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ダブラフェニブは約150mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ダブラフェニブは約100mg/日の量で投与される。
【0315】
いくつかの実施形態では、ギルテリチニブは、約100mg/日~約500mg/日にある量で投与される。いくつかの実施形態では、ギルテリチニブは約450mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ギルテリチニブは約300mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ギルテリチニブは約225mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ギルテリチニブは約150mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ギルテリチニブは約120mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ギルテリチニブは約100mg/日の量で投与される。
【0316】
いくつかの実施形態では、ソトラシブは、約500mg/日~約1500mg/日にある量で投与される。いくつかの実施形態では、ソトラシブは約1000mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ソトラシブは約960mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ソトラシブは約900mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ソトラシブは約800mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ソトラシブは約700mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ソトラシブは約600mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、ソトラシブは約500mg/日の量で投与される。
【0317】
いくつかの実施形態では、アダグラシブは、約500mg/日~約1500mg/日にある量で投与される。いくつかの実施形態では、アダグラシブは約1200mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、アダグラシブは約1000mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、アダグラシブは約800mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、アダグラシブは約600mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、アダグラシブは約400mg/日の量で投与される。
【0318】
いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、約50mg/日~約500mg/日にある量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは約150mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは約125mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは約100mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは約75mg/日の量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは約50mg/日の量で投与される。
【0319】
いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、週1回、
約50mg~週1回約650mgの量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、週1回、約600mgの間の量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、週1回、約500mgの間の量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、週1回、約400mgの間の量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、週1回、約300mgの間の量で投与される。いくつかの実施形態では、パルボシクリブは、週1回、約200mgの間の量で投与される。
【0320】
投与
本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーの投与は、本明細書に記載される投与量で、または医師によって決定および企図される他の用量レベルおよび組成物で行われる。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、予防的および/または治療用処置のために投与される。ある治療用途では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、疾患を治癒するか、または症状を少なくとも部分的に停止もしくは改善するのに充分な量で、既に疾患に罹患している患者に投与される。このような使用に有効な量は、患者の年齢、疾患の重症度、以前の治療、患者の健康状態、体重、および組成物に対する反応、ならびに処置を行う医師の判断に依存する。治療上有効な量は、任意選択で、限定されないが、用量漸増臨床試験を含む方法によって決定される。
【0321】
予防用途では、本明細書に記載される組成物は、例えば、癌などの特定の疾患の影響を受けやすいまたはそのリスクがある患者に投与される。このような量は、「予防的に有効な量または用量」であると定義される。この用途では、正確な量は、患者の年齢、健康状態、体重などによっても依存する。患者に使用されるとき、この用途に有効な量は、特定の疾患を進行させるリスクまたはその疾患を進行させやすいこと、以前の治療、患者の健康状態、および組成物に対する反応、ならびに処置を行う医師の判断に依存する。
【0322】
患者の疾病が改善されない特定の実施形態では、医師の裁量によって、本明細書に記載される組成物の投与は、患者の疾患の症状を改善するためか、さもなければ制御または制限するために、長期にわたって、つまり、患者の生存期間全体を含む長期間、投与される。他の実施形態では、組成物の投与は疾患の完全なまたは部分的な反応が生じるまで続く。
【0323】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、1日3回投与される。
【0324】
いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、毎日1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、毎日2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩は、毎日3回投与される。
【0325】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、絶食状態にある対象に投与される。絶食状態は、特定の期間にわたって断食または絶食している対象を指す。一般的な絶食期間は、食物なしで少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、および少なくとも16時間を含む。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、少なくとも8時間にわたって絶食状態にある対象に投与される。他の実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも10時間にわたって絶食状態にある対象に投与される。さらに他の実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも12時間にわたって絶食状態にある対象に投与される。他の実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、一晩絶食した対象に投与される。
【0326】
他の実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、摂食状態にある対象に投与される。摂食状態は、食物を摂取しているまたは食事をとっている対象を指す。特定の実施形態では、組成物は、食事の5分後、食事の10分後、食事の15分後、食事の20分後、食事の30分後、食事の40分後、食事の50分後、食事の1時間後、または食事の2時間後、摂食状態の対象に投与される。ある例では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、食事の30分後、摂食状態の対象に投与される。他の例では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、食事の1時間後、摂食状態のる対象に投与される。さらなる実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、食物とともに対象に投与される。
【0327】
処置サイクルの長さは、与えられている処置に依存する。いくつかの実施形態では、処置サイクルの長さは2~6週間の範囲である。いくつかの実施形態では、処置サイクルの長さは3~6週間の範囲である。いくつかの実施形態では、処置サイクルの長さは3~4週間の範囲である。いくつかの実施形態では、処置サイクルの長さは3週間(または21日)である。いくつかの実施形態では、処置サイクルの長さは4週間(28日)である。いくつかの実施形態では、処置サイクルの長さは5週間(35日)である。いくつかの実施形態では、処置サイクルの長さは56日である。いくつかの実施形態では、処置サイクルは1、2、3、4、または5週間続く。いくつかの実施形態では、処置サイクルは3週間続く。いくつかの実施形態では、処置サイクルは4週間続く。いくつかの実施形態では、処置サイクルは5週間続く。各サイクル内でスケジュールを組まれた処置投与の回数は与えられている薬物によっても変わる。
【0328】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、28日サイクルで投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、複数の28日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも1つの28日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも2つの28日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも3つの28日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも4つの28日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも5つの28日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも6つの28日サイクルにわたって投与される。
【0329】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各28日サイクルの1~7日目に投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各28日サイクルの1~14日目に投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各28日サイクルの1~21日目に投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各28日サイクルの1~28日目に投与される。
【0330】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルの1日目に1日2回投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルの8日目に1日2回投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルの15日目に1日2回投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルの22日目に1日2回投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルの22日目に1日2回投与されない。
【0331】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルの1日目、8日目、および15日目に1日2回投与される。
【0332】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルの2~7日目、9~14日目、16~21日目、および23~28日目に投与されない。
【0333】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、35日サイクルで投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、複数の35日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも1つの35日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも2つの35日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも3つの35日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも4つの35日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも5つの35日サイクルにわたって投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、および併用パートナーは、少なくとも6つの35日サイクルにわたって投与される。
【0334】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルの1~7日目に投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルの1~14日目に投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルの1~21日目に投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルの1~28日目に投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、各35日サイクルの1~35日目に投与される。
【0335】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルの1日目に1日2回投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルの8日目に1日2回投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルの15日目に1日2回投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルの22日目に1日2回投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルの29日目に1日2回投与される。癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルの29日目に1日2回投与されない。
【0336】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、35日サイクルの1日目、8日目、15日目および22日目に1日2回投与される。
【0337】
癌を処置する方法のいくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩は、28日サイクルの2~7日目、9~14日目、16~21日目、23~28日目および30~35日目に投与されない。
【実施例
【0338】
実施例1:in vivoアッセイ
ビヒクル/対照物質、0.5%メチルセルロースおよび0.1%Tween 80、またはpHを4.8~5.0に調整した脱イオン水中の100mMの酢酸を調製し、研究期間を通して周囲条件下で保存した。
【0339】
試験物品の製剤化
試験物品である化合物1を、0.5%メチルセルロースおよび0.1%Tween80のビヒクル中で毎週新たに調製し、周囲条件下で保存した。併用剤である化合物2を、毎週100mMの酢酸緩衝液のビヒクル中で新たに調製し、周囲条件下で保存した。
【0340】
動物
雌のBalb/cヌードマウスは、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入した。マウスを、特別な病原体を含まない(SPF)環境の飼育器施設に宿し、いずれかの実験の開始前にも少なくとも3日間、その新しい環境に順応させた。マウスは、移植時に6~8週齢であった。
【0341】
本研究における動物の取り扱い、ケア、および処置に関連するすべての手順は、GenenDesignおよびWuXi AppTecの動物実験委員会 (iACUC)によって承認されたプロトコルおよびガイドラインに従って実施した。動物施設およびプログラムは、実験動物の管理と使用に関する指針(NRC、2011)の基準の下で操作され、国際実験動物ケア評価認証協会(AAALAC)によって認定される。具体的には、GenenDesignおよびWuXi AppTecで実行された本研究の全ての部分は、IACUCおよび適用可能な標準操作手順(SOP)によって検討され承認された研究プロトコルに準拠した。
【0342】
異種移植片モデルの調製
NCI-H441は、KRASG12V変異を保有するヒトNSCLC細胞株である。NCI-H441細胞株は、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC(登録商標)HTB-174(商標))から購入した。NCI-H441細胞を、RPMI-1640と10%ウシ胎児血清(FBS)を含有する培地中で37°Cで、空気中5%COの雰囲気下で培養した。50%マトリゲルと混合した5×10細胞を含有する200μL細胞懸濁液中のNCI-H441細胞をマウスに皮下移植した。腫瘍体積が平均200mmに達したとき、腫瘍を有するマウスを、各群に8匹のマウスを有する異なる群に無作為化し、無作為化の日に処置を開始した。
【0343】
NCI-H2009は、KRASG12A変異を保有するヒトNSCLC細胞株である。NCI-H2009細胞株は、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC(登録商標)CRL-5911)から購入した。NCI-H2009細胞を、RPMI-1640と10%ウシ胎児血清(FBS)を含有し、グルタマックスおよびピルビン酸を補充した培地中で、37℃で、空気中5%COの雰囲気下で培養した。50%マトリゲルと混合した5×10細胞を含有する100μLの細胞懸濁液中のNCI-H2009細胞をマウスに皮下移植した。腫瘍体積が平均200mmに達したとき、腫瘍を有するマウスを、各群に8匹のマウスを有する異なる群に無作為化し、無作為化の日に処置を開始した。
【0344】
処置
単剤療法処置群において、マウスにビヒクル対照溶液、化合物1、または化合物2を経口投与によって投与した。マウスに化合物1と化合物2を含む併用の経口投与によって投与した。投与量は各化合物につき5mL/kgであり、BIDレジメンの間隔は8時間であった。化合物1と化合物2との併用において、化合物1を、化合物2のQDまたは第1のBID投与の1時間後に投与した。定期的な食物および水の供給に加えて、DietGel(ClearH2O、US)を、少なくとも2匹のマウスが10%以上のBWLを示したケージに添加した。研究は、4週間の処置の終わりに、またはビヒクル対照群における腫瘍体積が2,000mmに達したときに終了した。
【0345】
結果
KRAS G12V NSCLC CDXモデルNCI-H441において、図1Aに例示されるように、30mg/kg QDの化合物1および15mg/kg QDの化合物2の併用は、113%の統計的に有意なTGI(p値<0.001)を達成し、30mg/kg QDでの化合物1および15mg/kg QDでの化合物2の両方のそれぞれの単剤療法用量(p値<0.01)と比較して統計的に有意な利点を実証した。30mg/kg BIDおよび30mg/kg QD用量での単剤療法としての化合物1は、それぞれ115%(p値<0.001)および94%(p値<0.001)の統計的に有意なTGIを達成した。30mg/kg QDおよび15mg/kg QD用量での単剤療法としての化合物2は、それぞれ101%(p値<0.001)および87%(p値<0.001)の統計的に有意なTGIを達成した。図1Aは、本研究についての腫瘍増殖曲線を示す。
【0346】
KRAS G12A NSCLC CDXモデルNCI-H2009では、図1Bに例示されるように、30mg/kg QDの化合物1および15mg/kg QDの化合物2の併用は、107%(p値<0.001)の統計的に有意なTGIを達成した。化合物1および化合物2の併用は、30mg/kgのQDでの化合物1および15mg/kg QDでの化合物2の両方のそれぞれの単剤療法用量(p値<0.01)と比較して、統計的に有意な併用の利点を達成した。併用はまた、30mg/kg BIDでの化合物1単剤療法(p値<0.05)および30mg/kg QDでの化合物2単剤療法(p値<0.01)と比較して統計的に有意に優れたTGIを示した。これらの用量は、化合物1および化合物2の最大単剤療法非臨床有効用量を表す。30mg/kg BIDでの単剤療法としての化合物1は、93%の統計的に有意なTGIを達成した。30mg/kg QDおよび15mg/kg QD用量での単剤療法としての化合物2は、それぞれ90%(p値<0.001)および73%(p値<0.001)の統計的に有意なTGIを達成した。図1Bは、本研究についての腫瘍増殖曲線を示す。
【0347】
化合物1および化合物2は、変異RAS CDXモデルにおいてin vivoで併用の利点を実証した。
【0348】
実施例2:NSCLC細胞株における化合物1単独、化合物2単独、および化合物1+化合物2の併用に関するin vitro研究
細胞(ウェル当たり8000細胞)を、2mlの細胞培養培地中の6ウェルプレート上に播種した。細胞を一晩インキュベートし、上記濃度の化合物1および化合物2で処置した。7日間のインキュベーション後、培地を新鮮な培地と取り替え、細胞を同じ濃度の化合物1および化合物2で再度処置し、さらに7日間インキュベートした。全14日間のインキュベーション後、細胞をPBSで2回洗浄し、4%ホルムアルデヒドで30分間固定した。細胞をPBSで2回洗浄し、0.1%クリスタルバイオレットを用いて60分間インキュベートした。クリスタルバイオレット染色後、細胞を水で5回洗浄し、室温で乾燥させた。プレートを乾燥させた後、結晶染色を1mlの10%酢酸で脱色し、吸光度を560nMで測定した。
【0349】
図2Aによって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G12V変異NSCLC細胞株、NCI-H441において併用の利点を実証した。図2Bによって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G12D変異NSCLC細胞株、Gp2Dにおいて併用の利点を実証した。
【0350】
実施例3:変異膵臓および膵臓癌細胞株における化合物1単独、化合物2単独、および化合物1+化合物2の併用に関するin vitro研究
細胞を12ウェルプレートに播種し、一晩接着させた。翌日、ビヒクルまたは化合物を1mLの培地中のウェルに添加した。7日間のインキュベーション後、培地を、ビヒクルまたは化合物を含有する新鮮な培地と取り替えた。14日間のインキュベーション後、細胞を1×PBSで2回洗浄し、4%ホルムアルデヒドで30分間固定し、その後、1×PBSで2回洗浄した。細胞を0.1%クリスタルバイオレットで60分間染色し、その後、1×PBSで5回洗浄した。プレートを室温で2時間乾燥させ、画像化した。その後、細胞を、10%酢酸で脱染色し、BCAプロトコルまたは560nmでの吸光度を使用して吸光度を測定した。
【0351】
図3Aによって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G12D変異膵臓細胞株、Panc 04.03における併用の利点を実証した。図3Bによって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G12D変異PDAC細胞株、HPACにおける併用の利点を実証する。
【0352】
実施例4:KRAS G12D変異PDAC PDXモデル、PAN092における化合物1単独、化合物2単独、および化合物1の+化合物2の併用に関するin vivo研究
ビヒクル/対照物質、pHを4.8~5.0に調節した脱イオン水中100mMの酢酸を調製し、マウスへの28日間の投与を通して周囲条件下で保存した。
【0353】
試験物品化合物2を、100mMの酢酸緩衝液のビヒクル中で毎週調製し、周囲条件下で保存した。試験物品化合物1を、0.5%MCおよび0.1%Tween 80溶液のビヒクル中で毎週調製し、マウスへの28日間の投与を通して周囲条件下で保存した。
【0354】
雌のBalb/cヌードマウスは、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入した。マウスを、特別な病原体を含まない(SPF)環境の飼育器施設に宿し、いずれかの実験の開始前にも少なくとも3日間、その新しい環境に順応させた。マウスは、移植時に6~8週齢であった。本研究における動物の取り扱い、ケア、および処置に関連するすべての手順は、GenenDesignの動物実験委員会 (iACUC)によって承認されたプロトコルおよびガイドラインに従って実施した。動物施設およびプログラムは、実験動物の管理と使用に関する指針(全米研究評議会,2011)の基準の下で操作され、国際実験動物ケア評価認証協会(AAALAC)によって認定される。具体的には、GenenDesignで実行された本研究の全ての部分は、IACUCおよび適用可能な標準操作手順(SOP)によって検討され承認された研究プロトコルに準拠した。
【0355】
PDXの調製
PAN092モデルは、GenenDesign(上海、中国)での非臨床の有効性研究のために確立された。PDXモデルは、KRAS G12D変異を保有する65歳の中国人男性のPDAC患者に由来した。PDXモデルPAN092におけるKRAS G12D変異は、全エキソームシーケンシングおよびPCRシーケンシングによって確認した。PDXモデルから採取した腫瘍断片を雌のBalb/cヌードマウスの右側腹部に皮下移植した。マウスをイソフルランで麻酔し、移植手順を通して麻酔を維持した。マウスの右側腹部を適切な外科手術用スクラブおよびアルコールを用いて滅菌し、無菌の外科手術手順を使用した。トロカールの鋭利な端部を使用して小さな皮膚切開を行い、10~12gのトロカール針のスタイレットによる鈍的切開によって、右側胸壁に沿った1.5cmの皮下ポケットを形成した。腫瘍断片(15~30mm)をトロカール針に入れ、右側腹部の皮下ポケットに進行させた。トロカール切開を縫合糸または創傷クリップで閉鎖し、これを閉鎖の1週間後に除去した。腫瘍サイズが200mmの平均体積に達したとき、腫瘍を有するマウスは各群に8匹のマウスを有する試験群に無作為に分けた。無作為化日を処置0日目と表記した。
【0356】
処置
処置は無作為化の同日に開始した。処置開始日を処置0日目と表記した。マウスに、単剤療法として、ビヒクル対照溶液、15mg/kg QDの化合物2、および30mg/kg QDの化合物1を経口投与によって投与した。化合物1+化合物2処置群は、30mg/kg QDの化合物1と、15mg/kg QDの化合物2を受けた。各化合物の投薬容量は5mL/kgであった。化合物1+化合物2処置群において、化合物1を化合物2の投与の1時間後に投与した。本研究は、研究プロトコルに定義されるように処置28日目に終了した。
【0357】
図4によって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G12D変異PDAC PDXモデル、PAN092においてin vivoで併用の利点を実証した。対照群および処置群において有意な体重変化は観察されなかった。
【0358】
実施例5:KRAS G12D変異PDAC PDXモデル、PAN026における化合物1単独、化合物2単独、および化合物1の+化合物2の併用に関するin vivo研究
ビヒクル/対照物質、pHを4.8~5.0に調節した脱イオン水中100mMの酢酸を調製し、マウスへの28日間の投与を通して周囲条件下で保存した。
【0359】
試験物質である化合物2を、100mMの酢酸緩衝液のビヒクル中で毎週調製し、周囲条件下で保存した。試験物質である化合物1を、0.5%MCおよび0.1%Tween 80溶液のビヒクル中で毎週調製し、マウスへの28日間の投与を通して周囲条件下で保存した。
【0360】
雌のBalb/cヌードマウスは、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入した。マウスを、特別な病原体を含まない(SPF)環境の飼育器施設に宿し、いずれかの実験の開始前にも少なくとも3日間、その新しい環境に順応させた。マウスは、移植時に6~8週齢であった。本研究における動物の取り扱い、ケア、および処置に関連するすべての手順は、GenenDesignの動物実験委員会 (iACUC)によって承認されたプロトコルおよびガイドラインに従って実施した。動物施設およびプログラムは、実験動物の管理と使用に関する指針(全米研究評議会,2011)の基準の下で操作され、国際実験動物ケア評価認証協会(AAALAC)によって認定される。具体的には、GenenDesignで実行された本研究の全ての部分は、IACUCおよび適用可能な標準操作手順(SOP)によって検討され承認された研究プロトコルに準拠した。
【0361】
PDXの調製
PAN026モデルは、GenenDesign(上海、中国)での非臨床の有効性研究のために確立された。PDXモデルは、KRAS G12D変異を保有する58歳の中国人男性のPDAC患者に由来した。PDXモデルPAN026におけるKRAS G12D変異は、全エキソームシーケンシングおよびPCRシーケンシングによって確認した。PDXモデルから採取した腫瘍断片を雌のBalb/cヌードマウスの右側腹部に皮下移植した。マウスをイソフルランで麻酔し、移植手順を通して麻酔を維持した。マウスの右側腹部を適切な外科手術用スクラブおよびアルコールを用いて滅菌し、無菌の外科手術手順を使用した。トロカールの鋭利な端部を使用して小さな皮膚切開を行い、10~12gのトロカール針のスタイレットによる鈍的切開によって、右側胸壁に沿った1.5cmの皮下ポケットを形成した。腫瘍断片(15~30mm)をトロカール針に入れ、右側腹部の皮下ポケットに進行させた。トロカール切開を縫合糸または創傷クリップで閉鎖し、これを閉鎖の1週間後に除去した。腫瘍サイズが190mmの平均体積に達したとき、腫瘍を有するマウスは各群に8匹のマウスを有する試験群に無作為に分けた。無作為化日を処置0日目と表記した。
【0362】
処置
処置は無作為化の同日に開始した。処置開始日を処置0日目と表記した。マウスに、単剤療法として、ビヒクル対照溶液、15mg/kg QDの化合物2、および30mg/kg QDの化合物1を経口投与によって投与した。化合物1+化合物2の併用の処置群は、30mg/kg QDで化合物1を、15mg/kg QDで化合物2を受けた。各化合物の投薬容量は5mL/kgであった。化合物1+化合物2の併用の処置群において、化合物1を化合物2の投与の1時間後に投与した。本研究は、研究プロトコルに定義されるように処置28日目に終了した。
【0363】
図5によって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G12D変異PDAC PDXモデル、PAN026においてin vivoで併用の利点を実証した。対照群および処置群において有意な体重変化は観察されなかった。
【0364】
実施例6:NF1 LoF変異黒色腫CDXモデル、MeWoにおける化合物1単独、化合物2単独、および化合物1の+化合物2の併用に関するin vivo研究
ビヒクル/対照物質、pHを4.8~5.0に調節した脱イオン水中の100mMの酢酸を調製し、マウスへの28日間の投与を通して周囲条件下で保存した。
【0365】
試験物質である化合物2を、100mMの酢酸緩衝液のビヒクル中で毎週調製し、周囲条件下で保存した。試験物質である化合物1を、0.5%MCおよび0.1%Tween 80溶液のビヒクル中で毎週調製し、マウスへの28日間の投与を通して周囲条件下で保存した。
【0366】
雌のBalb/cヌードマウスは、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入した。マウスを、特別な病原体を含まない(SPF)環境の飼育器施設に宿し、いずれかの実験の開始前にも少なくとも3日間、その新しい環境に順応させた。マウスは、移植時に6~8週齢であった。本研究における動物の取り扱い、ケア、および処置に関連するすべての手順は、GenenDesignの動物実験委員会(iACUC)によって承認されたプロトコルおよびガイドラインに従って実施した。動物施設およびプログラムは、実験動物の管理と使用に関する指針(全米研究評議会、2011)の基準の下で操作され、国際実験動物ケア評価認証協会(AAALAC)によって認定される。具体的には、GenenDesignで実行された本研究の全ての部分は、IACUCおよび適用可能な標準操作手順(SOP)によって検討され承認された研究プロトコルに準拠した。
【0367】
CDXの調製
MeWoは、NF1LOF変異(NF1 Q1336)を保有するヒト黒色腫細胞株であった。MeWo細胞株は、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC(登録商標)HTB-65(商標))から購入した。MeWo細胞を、最小必須培地(MEM)と10%ウシ胎仔血清(FBS)を含有する培地中で、37°Cで、空気中に5%COの雰囲気下で培養した。培地を2~3日毎に更新し、腫瘍細胞を、トリプシン-EDTAによって80~90%のコンフルエンスで日常的に継代培養した。指数増殖期で増殖する細胞を採収し、接種のために計数した。MeWo腫瘍細胞をマウスに皮下移植した。50%マトリゲルと混合した5×10腫瘍細胞を含有する200μLの細胞懸濁液を、シリンジを用いてマウスの右側腹部に皮下移植した。動物の健康および腫瘍増殖を毎日モニタリングした。腫瘍体積を、腫瘍が触診可能かつ測定可能であった場合、カリパスによって週2回測定した。腫瘍体積が平均195mmに達したとき、腫瘍を有するマウスを、各群に8匹のマウスを有する異なる群に無作為化した。無作為化日を処置0日目と表記した。
【0368】
処置
処置は無作為化の同日に開始した。処置開始日を処置0日目と表記した。マウスに、単剤療法として、ビヒクル対照溶液、15mg/kg QDの化合物2、および30mg/kg QDの化合物1を経口投与によって投与した。化合物1+化合物2の併用の処置群は、30mg/kg QDで化合物1を、15mg/kg QDで化合物2を受けた。各化合物の投薬容量は5mL/kgであった。化合物1+化合物2の併用の処置群において、化合物1を化合物2の投与の1時間後に投与した。本研究は、研究プロトコルに定義されるように処置28日目に終了した。
【0369】
図6によって例示されるように、化合物1および化合物2は、NF1 LoF変異黒色腫CDXモデル、MeWoにおいてin vivoで併用の利点を実証した。対照群および処置群において有意な体重変化は観察されなかった。
【0370】
実施例7:KRAS G13D変異CRC CDXモデル、LoVoにおける化合物1単独、化合物2単独、および化合物1の+化合物2の併用に関するin vivo研究
ビヒクル/対照物質、pHを4.8~5.0に調節した脱イオン水中の100mMの酢酸を調製し、マウスへの28日間の投与を通して周囲条件下で保存した。
【0371】
試験物質である化合物2を、100mMの酢酸緩衝液のビヒクル中で毎週調製し、周囲条件下で保存した。試験物質である化合物1を、0.5%MCおよび0.1%Tween 80溶液のビヒクル中で毎週調製し、マウスへの28日間の投与を通して周囲条件下で保存した。
【0372】
雌のBalb/cヌードマウスは、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入した。マウスを、特別な病原体を含まない(SPF)環境の飼育器施設に宿し、いずれかの実験の開始前にも少なくとも3日間、その新しい環境に順応させた。マウスは、移植時に6~8週齢であった。本研究における動物の取り扱い、ケア、および処置に関連するすべての手順は、GenenDesignの動物実験委員会(iACUC)によって承認されたプロトコルおよびガイドラインに従って実施した。動物施設およびプログラムは、実験動物の管理と使用に関する指針(全米研究評議会、2011)の基準の下で操作され、国際実験動物ケア評価認証協会(AAALAC)によって認定される。具体的には、GenenDesignで実行された本研究の全ての部分は、IACUCおよび適用可能な標準操作手順(SOP)によって検討され承認された研究プロトコルに準拠した。
【0373】
CDXの調製
LoVoは、KRAS G13D変異を保有するヒトCRC細胞株である。LoVo細胞株は、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC(登録商標)CCL-229(商標))から購入した。LoVo細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含有するF12K培地中で、37℃で、空気中に5%COの雰囲気下で培養した。培地を2~3日毎に更新し、腫瘍細胞を、80~90%の密集度で日常的に継代培養した。指数増殖期で増殖する細胞をトリプシン-EDTAを用いて採取し、接種のために計数し、その後、マウスに皮下移植した。50%マトリゲルと混合した2×10腫瘍細胞を含有する200μLの細胞懸濁液を、シリンジを用いてマウスの右側腹部に皮下移植した。動物の健康および腫瘍増殖を毎日モニタリングした。腫瘍体積を、腫瘍が触診可能かつ測定可能であった場合、カリパスによって週2回測定した。腫瘍体積が平均190mmに達したとき、腫瘍を有するマウスを、各群に8匹のマウスを有する異なる群に無作為化た。無作為化日を処置0日目と表記した。
【0374】
処置
処置は無作為化の同日に開始した。処置開始日を処置0日目と表記した。マウスに、単剤療法として、ビヒクル対照溶液、15mg/kg QDの化合物2、および30mg/kg QDの化合物1を経口投与によって投与した。化合物1+化合物2の併用の処置群は、30mg/kg QDで化合物1を、15mg/kg QDで化合物2を受けた。各化合物の投薬容量は5mL/kgであった。化合物1+化合物2の併用の処置群において、化合物1を化合物2の投与の1時間後に投与した。本研究は、研究プロトコルに定義されるように処置28日目に終了した。
【0375】
図7によって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G13D変異CRC CDXモデル、LoVoにおいてin vivoで併用の利点を実証した。対照群および処置群において有意な体重変化は観察されなかった。
【0376】
実施例8-14日間のクローン原性アッセイにおいて、KRAS G12V変異PDAC細胞株、Capan-2における化合物1単独、化合物2単独、および化合物1+化合物2の併用に関するin vitro研究
Capan-2細胞を12ウェルプレートに4000細胞/ウェル密度で播種し、一晩接着させた(以下の表を参照)。翌日、化合物を1mLの培地中のウェルに添加した。7日間のインキュベーション後、培地を、ビヒクルまたは化合物を含有する新鮮な培地と取り替えた。14日間のインキュベーション後、細胞を1×PBSで2回洗浄し、4%ホルムアルデヒドで30分間固定し、その後、1×PBSで2回洗浄した。細胞を0.1%クリスタルバイオレットで60分間染色し、その後、1×PBSで5回洗浄した。プレートを室温で2時間乾燥させ、画像化した。その後、細胞を、10%酢酸で脱染色し、BCAプロトコルまたは560nmでの吸光度を使用して吸光度を測定した。
【0377】
図8によって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G12V変異PDAC細胞株、Capan-2において併用の利点を実証した。
【0378】
実施例9-14日間のクローン原性アッセイにおいて、KRAS G12V変異PDAC細胞株、Panc 10.05における化合物1単独、化合物2単独、および化合物1+化合物2の併用に関するin vitro研究
Panc 10.05細胞を12ウェルプレートに2000細胞/ウェル密度で播種し、一晩接着させた(以下の表を参照)。翌日、化合物を1mLの培地中のウェルに添加した。7日間のインキュベーション後、培地を、ビヒクルまたは化合物を含有する新鮮な培地と取り替えた。14日間のインキュベーション後、細胞を1×PBSで2回洗浄し、4%ホルムアルデヒドで30分間固定し、その後、1×PBSで2回洗浄した。細胞を0.1%クリスタルバイオレットで60分間染色し、その後、1×PBSで5回洗浄した。プレートを室温で2時間乾燥させ、画像化した。その後、細胞を、10%酢酸で脱染色し、BCAプロトコルまたは560nmでの吸光度を使用して吸光度を測定した。
【0379】
図9によって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G12V変異PDAC細胞株、Panc 10.05における併用の利点を実証した。
【0380】
実施例10-14日間のクローン原性アッセイにおいて、KRAS G12V変異PDAC細胞株、Panc 1における化合物1単独、化合物2単独、および化合物1+化合物2の併用のin vitro研究
Panc-1細胞を12ウェルプレートに4000細胞/ウェル密度で播種し、一晩接着させた(以下の表を参照)。翌日、化合物を1mLの培地中のウェルに添加した。7日間のインキュベーション後、培地を、ビヒクルまたは化合物を含有する新鮮な培地と取り替えた。14日間のインキュベーション後、細胞を1×PBSで2回洗浄し、4%ホルムアルデヒドで30分間固定し、その後、1×PBSで2回洗浄した。細胞を0.1%クリスタルバイオレットで60分間染色し、その後、1×PBSで5回洗浄した。プレートを室温で2時間乾燥させ、画像化した。その後、細胞を、10%酢酸で脱染色し、BCAプロトコルまたは560nmでの吸光度を使用して吸光度を測定した。
【0381】
図10によって例示されるように、化合物1および化合物2は、KRAS G12V変異PDAC細胞株、Panc 1における併用の利点を実証した。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】