IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリオン・コーポレーションの特許一覧

特表2024-526159CYP11A1阻害薬及びその中間体を調製する方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】CYP11A1阻害薬及びその中間体を調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/44 20060101AFI20240709BHJP
   C07D 405/06 20060101ALI20240709BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240709BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20240709BHJP
   A61K 31/454 20060101ALN20240709BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
C07D209/44
C07D405/06
C07D405/14
A61P35/00
A61K31/454
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578967
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 FI2022050446
(87)【国際公開番号】W WO2022269134
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】20215736
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523332172
【氏名又は名称】オリオン・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】カルジャライネン,オスカリ
(72)【発明者】
【氏名】カルジョマ,ミカ
【テーマコード(参考)】
4C086
4H039
【Fターム(参考)】
4C086AA04
4C086BC21
4C086GA02
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA20
4C086ZB26
4H039CA70
4H039CB20
4H039CD20
(57)【要約】
本発明は、4H-ピラノンの構造を有するCYP11A1阻害薬〔例えば、5-((1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メトキシ)-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(1A)〕及びその主要な中間体〔例えば、5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)及び5-ヒドロキシ-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(III)〕を調製するための改善された調製方法に関する。CYP11A1阻害薬は、前立腺癌及び乳癌などのホルモンにより調節される癌の治療において有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(V)
【化1】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下の段階:
(a) 式(VI)
【化2】
で表される化合物を、シアン化銅で処理して、式(VII)
【化3】
で表される化合物を得る段階;
(b) 式(VII)で表される化合物を保護して、式(VIII)
【化4】
〔式中、Pgは、保護基である〕
で表される化合物を得る段階;
(c) 式(VIII)で表される化合物を還元して、式(IX)
【化5】
で表される化合物を得る段階;及び、
(d) 式(IX)で表される化合物を脱保護して、式(V)で表される化合物を得る段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
又は、
(a’) 式(VI)
【化6】
で表される化合物を、触媒の存在下、ヘキサシアノ鉄酸[II]塩で処理して、式(X)
【化7】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を得る段階;
(b’) 式(X)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を還元して、式(XI)
【化8】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を得る段階;
(c’) 式(XI)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を塩化チオニルで処理して、式(V)で表される化合物を得る段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
のいずれかを含んでいる、前記方法。
【請求項2】
以下の段階:
(a) 式(VI)
【化9】
で表される化合物を、シアン化銅で処理して、式(VII)
【化10】
で表される化合物を得る段階;
(b) 式(VII)で表される化合物を保護して、式(VIII)
【化11】
〔式中、Pgは、保護基である〕
で表される化合物を得る段階;
(c) 式(VIII)で表される化合物を還元して、式(IX)
【化12】
で表される化合物を得る段階;及び、
(d) 式(IX)で表される化合物を脱保護して、式(V)で表される化合物を得る段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階(a)をジメチルアセトアミド中で実施する、請求項1~2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
段階(a)の反応温度が、約100~約140℃、好ましくは、約120~約135℃である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
段階(a)の反応に続いて、水中の塩化第二鉄及び水性塩酸を添加する、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
Pgがベンジル基である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
段階(b)が、式(VII)で表される化合物を塩基の存在下で臭化ベンジルと反応させることを含んでいる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記塩基が、炭酸カリウムである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
段階(b)を、ジメチルアセトアミド中で実施する、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
段階(c)が、式(VIII)で表される化合物を水素化ホウ素塩及び三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体で処理することを含んでいる、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記水素化ホウ素塩が、水素化ホウ素ナトリウムである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
段階(c)を、テトラヒドロフラン中で実施する、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
段階(d)が、触媒の存在下における水素化を含んでいる、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記触媒が、パラジウム触媒である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
段階(d)を、メタノール中で実施する、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
段階(d)の後で、式(V)で表される得られた化合物をその塩酸塩に変換させる、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
以下の段階:
(a’) 式(VI)
【化13】
で表される化合物を、触媒の存在下、ヘキサシアノ鉄酸[II]塩で処理して、式(X)
【化14】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を得る段階;
(b’) 式(X)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を還元して、式(XI)
【化15】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を得る段階;
(c’) 式(XI)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を塩化チオニルで処理して、式(V)で表される化合物を得る段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
段階(a’)における前記ヘキサシアノ鉄酸[II]塩が、ヘキサシアノ鉄酸(II)カリウム三水和物である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
段階(a’)における前記触媒が、パラジウム触媒である、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
段階(a’)を、ジアルキルビアリールホスフィン配位子の存在下で実施する、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記ジアルキルビアリールホスフィン配位子が、ジtert-ブチル-(2-フェニルフェニル)ホスファン(JohnPhos-配位子)である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
段階(a’)における前記塩基が、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)である、請求項17~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
段階(a’)を、ジメチルアセトアミドとキシレンと水の混合物中で実施する、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
段階(b’)が、式(X)で表される化合物を水素化ホウ素塩及び三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体で処理することを含んでいる、請求項17~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記水素化ホウ素塩が、水素化ホウ素リチウムである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
段階(b’)を、テトラヒドロフラン中で実施する、請求項17~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
段階(c’)を、酢酸イソプロピル中で実施する、請求項17~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
段階(c’)の後で、式(V)で表される得られた化合物をその塩酸塩に変換させる、請求項17~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
式(III)
【化16】
で表される化合物を調製する方法であって、以下の段階:
(a”) 式(XII)
【化17】
で表される化合物を、ジメチルスルホキシド中で、N,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下、5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩と反応させる段階;
(b”) その混合物にイソプロピルアルコール及び水を添加する段階;及び、
(c”) 式(III)で表される化合物を単離する段階;
を含んでいる、前記方法。
【請求項30】
段階(b”)が、さらに、酢酸を添加することを含んでいる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
段階(c”)の前に、前記混合物を、約5℃~約15℃の温度まで冷却する、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩を、請求項1~28のいずれか1項に従って調製する、請求項29~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
式(XII)で表される化合物は、式(XIII)
【化18】
で表される化合物をアセトニトリル中で塩化チオニルと反応させ、水を添加し、及び、式(XII)で表される化合物を単離することによって調製される、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
式(1A)
【化19】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下の段階:
(i) 請求項1~28のいずれか1項に記載の方法に従って5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩を調製する段階;
(ii) 5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩を式(XII)
【化20】
で表される化合物と反応させて、式(III)
【化21】
で表される化合物を生成させる段階;
(iii) 式(III)で表される化合物を式(IV)
【化22】
〔式中、LGは、メシル基又はトシル基から選択される脱離基である〕
で表される化合物と反応させて、式(1A)で表される化合物を生成させる段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる、前記方法。
【請求項35】
式(1A)
【化23】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下の段階:
(i’) 請求項29~33のいずれか1項に記載の方法に従って、式(III)で表される化合物を調製する段階;
(ii’) 式(III)
【化24】
で表される化合物を式(IV)
【化25】
〔式中、LGは、メシル基又はトシル基から選択される脱離基である〕
で表される化合物と反応させて、式(1A)で表される化合物を生成させる段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる、前記方法。
【請求項36】
式(1A)
【化26】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下の段階:
(i”) 式(III)
【化27】
で表される化合物を、ジメチルスルホキシド中で、炭酸セシウムの存在下、式(IV)
【化28】
〔式中、LGは、メシル基又はトシル基から選択される脱離基である〕
で表される化合物と反応させる段階;
(ii”) その混合物にアセトニトリル及び水を添加する段階;及び、
(iii”) 式(1A)で表される化合物を単離する段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる、前記方法。
【請求項37】
式(IXa)又は式(XI)
【化29】
で表される新規中間体化合物又はその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4H-ピラノンの構造を有するCYP11A1阻害薬〔例えば、5-((1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メトキシ)-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(1A)〕及びその主要な中間体〔例えば、5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)及び5-ヒドロキシ-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(III)〕を調製するための改善された調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式(IA)で表される化合物5-((1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メトキシ)-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン及びその誘導体は、WO2018/115591に開示されている。式(IA)で表される化合物は、CYP11A1酵素の選択的阻害薬であり、前立腺癌及び乳癌などのホルモンにより調節される癌(hormonally regulated cancer)の治療において有用である。
【化1】
WO2018/115591には、スキーム1による、式(1A)で表される化合物を調製する方法が開示されている。
【0003】
スキーム1
【化2】
この調製方法は、2-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン(I)を、アセトニトリル中で、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の存在下、1,2-ビス(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(II)と反応させて、5-ヒドロキシ-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(III)を得ること、続いて、ジメチルホルムアミド(DMF)中で、炭酸カリウムの存在下、(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メチル メタン スルホネート(IV’)と反応させることを含んでいる。式(1A)で表される化合物は、水を添加し、酢酸エチルで抽出し、及び、蒸発乾固させ、続いて、カラムクロマトグラフィーで精製することによって、上記反応混合物から回収される。
【0004】
上記調製方法にはいくつかの欠点がある。式(II)で表される化合物は市販されておらず、そして、強い催涙物質であり、従って、取り扱いが難しい。式(I)で表される化合物も市販されておらず、そして、その製造は困難であることが分かっている。これは、2-(クロロメチル)-5-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オンをアジド化した後、酢酸とフェノールの混合物中でHBrで処理することによって製造されてきた(Atkinson, J. et al, Journal of Medicinal Chemistry, 1979, 22, 1, 99-106)。しかしながら、形成されたアジド中間体は爆発しやすく、従って、この調製方法は、大規模での使用には適していない。代替えのルートである、5-(ベンジルオキシ)-2-[(p-トルエンスルホニルオキシ)メチル]-4H-ピラン-4-オンのアミノ化とそれに続く脱ベンジル化でも、式(I)で表される化合物が生成されるが、収率が低い(Atkinson, J. et al, Journal of Medicinal Chemistry, 1979, 22, 1, 99-106)。
【0005】
式(1A)で表される化合物を生成させるための最終段階では、茶色がかった粗製生成物を得るために溶媒を蒸発乾固させる必要があり、この粗製生成物はカラムクロマトグラフィーで精製する必要があり、それによって、収率が低下するという難点がある。この調製方法では、反応混合物から最終生成物を直接結晶化させる可能性は提供されない。
【0006】
5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)を調製する方法は、US7345180、US8299021、「Van Goethem, S. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 18 (2008), 4159-4162」及び「Pinard, E. et al, Bioorg. Med. Chem. Lett., 20 (2010), 6960-6965」に開示されている。これらの方法には、収率が低く、市販されている出発原料が無いという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2018/115591
【特許文献2】US7345180
【特許文献3】US8299021
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Atkinson, J. et al, Journal of Medicinal Chemistry, 1979, 22, 1, 99-106
【非特許文献2】Van Goethem, S. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 18 (2008), 4159-4162
【非特許文献3】Pinard, E. et al, Bioorg. Med. Chem. Lett., 20 (2010), 6960-6965
【発明の概要】
【0009】
従って、化合物(1A)又はその薬学的に許容される塩及びその中間体を大規模に製造するのに適した、より実用的で経済的な調製方法が必要とされている。
【0010】
式(1A)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、より実用的で経済的な、大規模での使用に適した調製方法及び合成経路を使用して、調製することが可能であることが見いだされた。中間体化合物は、市販されている出発物質を利用する改善された方法で調製され、許容される収率が得られる。さらに、式(1A)で表される化合物は、クロマトグラフィーによる精製を必要とせず、結晶化によって、直接、高純度且つ低着色の生成物として得られる。
【0011】
従って、一態様において、本発明は、式(V)
【化3】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法を提供し、ここで、該調製方法は、
(a) 式(VI)
【化4】
で表される化合物を、シアン化銅で処理して、式(VII)
【化5】
で表される化合物を得る段階;
(b) 式(VII)で表される化合物を保護して、式(VIII)
【化6】
〔式中、Pgは、保護基である〕
で表される化合物を得る段階;
(c) 式(VIII)で表される化合物を還元して、式(IX)
【化7】
で表される化合物を得る段階;
(d) 式(IX)で表される化合物を脱保護して、式(V)で表される化合物を得る段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
又は、
(a’) 式(VI)
【化8】
で表される化合物を、触媒の存在下、ヘキサシアノ鉄酸[II]塩で処理して、式(X)
【化9】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を得る段階;
(b’) 式(X)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を還元して、式(XI)
【化10】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を得る段階;
(c’) 式(XI)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を塩化チオニルで処理して、式(V)で表される化合物を得る段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
のいずれかを含んでいる。
【0012】
別の態様において、本発明は、式(1A)
【化11】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法を提供し、ここで、該調製方法は、
(i) 上記で定義されている調製方法のいずれかに従って、5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩を調製する段階;
(ii) 5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩を式(XII)
【化12】
で表される化合物と反応させて、式(III)
【化13】
で表される化合物を生成させる段階;
(iii) 式(III)で表される化合物を式(IV)
【化14】
〔式中、LGは、メシル基又はトシル基から選択される脱離基である〕
で表される化合物と反応させて、式(1A)で表される化合物を生成させる段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる。
【0013】
さらに別の態様において、本発明は、式(III)
【化15】
で表される化合物を調製する方法を提供し、ここで、該調製方法は、
(a”) 式(XII)
【化16】
で表される化合物を、ジメチルスルホキシド中で、N,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下、5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩と反応させる段階;
(b”) その混合物にイソプロピルアルコール及び水を添加する段階;及び、
(c”) 式(III)で表される化合物を単離する段階;
を含んでいる。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、式(1A)
【化17】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法を提供し、ここで、該調製方法は、
(i’) 上記で定義されている調製方法のいずれかに従って、式(III)で表される化合物を調製する段階;
(ii’) 式(III)
【化18】
で表される化合物を式(IV)
【化19】
〔式中、LGは、メシル基又はトシル基から選択される脱離基である〕
で表される化合物と反応させて、式(1A)で表される化合物を生成させる段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は、式(1A)
【化20】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法を提供し、ここで、該調製方法は、
(i”) 式(III)
【化21】
で表される化合物を、ジメチルスルホキシド中で、炭酸セシウムの存在下、式(IV)
【化22】
〔式中、LGは、メシル基又はトシル基から選択される脱離基である〕
で表される化合物と反応させる段階;
(ii”) その混合物にアセトニトリル及び水を添加する段階;及び、
(iii”) 式(1A)で表される化合物を単離する段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる。
【0016】
さらに別の態様において、本発明は、式(IXa)又は式(XI)
【化23】
で表される新規中間体化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、
(a) 式(VI)
【化24】
で表される化合物をシアン化銅で処理して、式(VII)
【化25】
で表される化合物を得る段階;
(b) 式(VII)で表される化合物を保護して、式(VIII)
【化26】
〔式中、Pgは、保護基である〕
で表される化合物を得る段階;
(c) 式(VIII)で表される化合物を還元して、式(IX)
【化27】
で表される化合物を得る段階;及び、
(d) 式(IX)で表される化合物を脱保護して、式(V)で表される化合物を得る段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる方法を用いて調製する。
【0018】
式(VII)で表される化合物を調製するために、式(VI)で表される化合物及びシアン化銅を、適切な溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド)と一緒に、好ましくは窒素雰囲気下にある、反応容器に装入する。該溶媒がジメチルアセトアミドである場合、溶媒の量は、適切には、出発化合物(VI)の1kg当たり、約1~3L(例えば、2L)である。シアン化銅の量は、適切には、出発化合物(VI)の1kg当たり、約0.5~1kg(例えば、0.7kg)である。この反応は、典型的には、約100~約140℃の範囲(好ましくは、約120~約135℃の範囲、例えば、約130℃)の高温で、適切に実施される。該混合物を、この温度で、一般に、約10~24時間(典型的には、約15~20時間)撹拌する。その後、該混合物を、例えば45℃未満に、冷却することができる。次いで、反応の完了を促進するために、塩化第二鉄水溶液及び30%水性塩酸を添加することができる。塩化第二鉄の量は、適切には、出発化合物(VI)の1kg当たり、約1~2kg(例えば、約1.5kg)である。次いで、その混合物を、例えば約1時間、撹拌しながら、例えば約65℃まで、加熱することができる。次いで、その混合物を、例えば約30℃まで、冷却することができる。さらに、水を加えることができ、そして、その混合物を、さらに、例えば約5℃まで、冷却し、続いて、例えば約1時間、撹拌する。その沈澱した粗製生成物は、例えば濾過によって、単離することができ、そして、水で洗浄することができる。その単離された粗製生成物は、重炭酸ナトリウム及び水と一緒に別の反応容器に移し、撹拌し、濾過することができ、続いて、水で洗浄し、その粗製生成物を、例えば減圧下約50~55℃で、乾燥させることができる。その乾燥させた粗製生成物は、例えば酢酸エチルと混合させ、続いて、その混合物を撹拌しながら約45℃に加熱し、そして、例えば約30℃まで、冷却することによって、さらに精製することができる。次いで、その混合物を濾過し、その固体を酢酸エチルで洗浄することができる。その濾液は、例えば減圧下45℃未満で、濃縮することができる。得られたスラリーは、例えば約25℃まで、冷却することができ、そして、メタノール及び水を添加することができる。次いで、そのスラリーを適切に撹拌し、濾過し、そして、その固体を水で洗浄する。得られた式(VII)で表される固体生成物は、例えば減圧下約50~55℃で、乾燥させることができる。
【0019】
その後、Pgが保護基である式(VIII)で表される化合物を調製する。本発明の好ましい一実施形態によれば、Pgは、ベンジル基である。従って、Pgがベンジル基である式(VIII)で表される化合物(化合物VIIIa)の製造は、窒素雰囲気下、反応器容器に式(VII)で表される化合物、臭化ベンジル及び適切な塩基(例えば、炭酸カリウム)を適切な溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド)と一緒に添加することにより実施することができる。該溶媒がジメチルアセトアミドである場合、その溶媒の量は、適切には、出発化合物(VII)の1kg当たり、約5Lである。炭酸カリウムの量は、適切には、出発化合物(VII)1kg当たり、約1~2kg(例えば、約1.6kg)である。その反応は、適切には、約20~40℃の温度(例えば、約30℃)で実施する。その混合物を、この温度で、反応が完了するのに充分分な時間(通常は、約8~15時間)撹拌する。その後、該混合物を、例えば約20℃まで、冷却することができる。次いで、その混合物を、水を含んでいる別の反応容器に添加することができ、その後、その混合物を約3時間撹拌し、その沈殿物を、例えば濾過によって、単離し、続いて、水で洗浄し、例えば減圧下約55℃で約6時間、乾燥させることができる。冷却した粗製生成物にn-ヘプタンを添加することができ、続いて、そのスラリーを約10℃で撹拌することができる。そのスラリーを濾過し、n-ヘプタンで洗浄し、減圧下、約55℃で約8時間乾燥させて、式(VIIIa)で表される化合物を得ることができる。
【0020】
式(VIIIa)で表される化合物の式(IXa)で表される化合物への還元
【化28】
は、適切には、窒素雰囲気下、反応容器に式(VIIIa)で表される化合物、水素化ホウ素塩(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)及び三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体を適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)と一緒に添加することによって実施する。その溶媒がテトラヒドロフランである場合、溶媒の量は、適切には、出発化合物(VIIIa)の1kg当たり、約25Lである。該反応は、適切には、約20~40℃の温度(例えば、約30℃)で実施する。水素化ホウ素ナトリウムの量は、適切には、出発化合物(VIIIa)の1kg当たり、約0.5~1.5kg(例えば、約1kg)である。三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体の量は、適切には、出発化合物(VIIIa)の1kg当たり、約3~5kg(例えば、約4kg)である。該混合物を、この温度で、反応が完了するのに充分な時間(例えば、約30~50時間)撹拌する。次いで、その混合物を、例えば約5℃まで、冷却し、メタノールを添加することができ、続いて、約60℃で約2時間撹拌することができる。次いで、その混合物を、適切には、約5℃まで冷却し、続いて、塩酸及び水を加え、その混合物を濃縮する。得られたスラリーに水性水酸化ナトリウムを加え、続いて、酢酸エチルを加える。スラリーを濾過し、その濾液を、適切には、清浄な反応容器に装入する。相を分離し、その有機相を蒸発乾固させる。その粗製生成物に、n-ヘプタン及び活性炭を添加し、続いて、その混合物を約30℃で約1時間撹拌する。固体を濾過し、その濾液を蒸発乾固させて、式(IXa)で表される化合物を得ることができる。
【0021】
式(V)で表される化合物を得るための式(IXa)で表される化合物の脱保護は、例えば、適切な溶媒(例えば、メタノール)の中の式(IXa)で表される化合物と適切な触媒(例えば、パラジウム触媒、例えば、炭素中10%Pd)を含んでいる混合物を、水素化圧力(例えば、8~10バール)及び約40℃の温度を使用して、水素化することによって、実施することができる。メタノールの量は、適切には、出発化合物(IXa)の1kg当たり、約8~12L(例えば、10L)である。水素化は、反応が完了するまで、例えば約8時間、継続させる。次いで、その混合物を、例えば約30℃まで、冷却し、濾過する。その湿った触媒ケーキは、メタノールで洗浄することができ、そして、その濾液を減圧下40℃未満で蒸発乾固させることができる。その残渣にエタノールを添加し、続いて、蒸発乾固させて、式(V)で表される化合物を得ることができる。
【0022】
式(V)で表される化合物は、式(V)で表される化合物に適切な溶媒(例えば、メチルtert-ブチルエーテル)を添加し、続いて、25%エタノール性塩化水素を添加することによって、その薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)に変換させることができる。その混合物を撹拌しながら約40℃に加熱し、続いて、例えば約10℃まで、冷却する。その混合物を減圧下40℃未満で濃厚なスラリーに濃縮し、濾過し、洗浄し、例えば約40℃で約6時間、乾燥させて、式(V)で表される化合物の塩酸塩を得ることができる。
【0023】
式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製するための上記合成経路は、市販されていて容易に加工可能な出発物質を使用するという利点を有している。この合成経路は、さらに、実用的であり、経済的であり、及び、大規模での使用に適しており、そして、許容可能な収率と高純度で最終生成物をもたらす。
【0024】
代替え的に、式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、以下の段階:
(a’) 式(VI)
【化29】
で表される化合物を、触媒の存在下、ヘキサシアノ鉄酸[II]塩で処理して、式(X)
【化30】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を得る段階;
(b’) 式(X)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を還元して、式(XI)
【化31】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を得る段階;
(c’) 式(XI)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を塩化チオニルで処理して、式(V)で表される化合物を得る段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる方法によって調製することができる。
【0025】
式(X)で表される化合物を調製するために、好ましくは窒素雰囲気下にある、反応容器に、適切な溶媒(例えば、ジメチルアセトアミドとキシレンと水の混合物)及び適切な塩基(例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA))を最初に添加する。次いで、その溶媒を、好ましくは、数回の減圧-窒素サイクルで脱ガスする。その後、適切な触媒(例えば、パラジウム触媒、例えば、酢酸パラジウム(II))及び適切なジアルキルビアリールホスフィン配位子(例えば、ジtert-ブチル-(2-フェニルフェニル)ホスファン(JohnPhos-配位子))を添加する。撹拌後、式(VI)で表される化合物及びヘキサシアノ鉄酸[II]塩(例えば、ヘキサシアノ鉄酸(II)カリウム三水和物)を加え、その混合物を約90~100℃に加熱し、反応が完了するまで、典型的には約2~4時間の期間、撹拌する。次いで、その混合物を冷却し、濾過し、その固体をキシレンで洗浄し、その濾液を集める。
【0026】
一実施形態によれば、式(X)で表される化合物は、例えば、その濾液にジクロロメタン(DCM)及びセライトを加え、続いて、濾過することによって、濾液から単離することができる。次いで、その濾液のpHを30%水性HClで<1に調節し、続いて、相を分離する。次いで、その有機相に水を添加し、続いて、再度、そのpHを30%水性HClで<1に調節し、相を分離することができる。次いで、その有機相に水を添加し、続いて、そのpHを50%水性NaOHで>12に調節し、相を分離する。次いで、その水相のpHを30%水性HClで<1に調節する。最後に、ジクロロメタンを添加し、相を分離する。その有機相を蒸発乾固させて、式(X)で表される化合物が得られる。
【0027】
別の実施形態によれば、式(X)で表される化合物は、濾液のpHを適切な塩基(例えば、50%NaOH水溶液)で約10~12に調節することによって、その塩(例えば、ナトリウム塩)として濾液から単離することができる。形成された固体は、濾過し、キシレンで洗浄し、例えば減圧下約40℃で、乾燥させて、式(X)で表される化合物をナトリウム塩として得ることができる。必要に応じて、式(X)で表される化合物は、該塩を適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン(DCM)又は酢酸エチル)に溶解させることによって、その塩(例えば、ナトリウム塩)から遊離させることができる。次いで、水を添加し、続いて、そのpHを水性HClで<3に調節し、相を分離する。次いで、式(X)で表される化合物は、例えばその有機相を蒸発乾固させることによって、該有機相から単離することができる。
【0028】
式(X)で表される化合物又はその塩(例えば、ナトリウム塩)の還元は、適切には、窒素雰囲気下、反応容器に式(X)で表される化合物及び適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF))を添加することによって実施する。その混合物を、適切には、例えば約10℃まで、冷却する。次いで、水素化ホウ素塩(例えば、水素化ホウ素リチウムのテトラヒドロフラン溶液)を<15℃で添加し、続いて、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン(BF-THF)錯体を<20℃で添加する。その混合物を約50~70℃に加熱し、反応が完了するまで、通常は約3~5時間、撹拌する。次いで、その混合物を、例えば約20℃まで、冷却し、続いて、メタノール及び水を<40℃で添加することができる。その反応混合物のpHは、適切には、例えばNaOH水溶液を添加することで、約pH11にシフトさせる。その溶液を減圧下で濃縮し、続いて、ジクロロメタン(DCM)及び水を添加することができる。次いで、相を分離し、その水相に酢酸エチル及び硫酸ナトリウムを添加する。相を分離し、その有機相を合して減圧下で蒸発乾固させて、式(XI)で表される化合物を得ることができる。
【0029】
式(XI)で表される化合物は、その塩(例えば、塩酸塩)として、単離することもできる。その場合、式(X)で表される化合物又はその塩を上記のように還元し、続いて、式(XI)で表される化合物を含んでいる有機相に、エタノール中のHClを添加する。次いで、その有機相を蒸発させることで、式(XI)で表される化合物がその塩酸塩として得られる。
【0030】
代替え的に、式(XI)で表される化合物又はその塩は、還元中間体として2-カルバモイル-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(XI’)を形成させることで、式(X)で表される化合物又はその塩から調製することができる。
【化32】
式(XI’)で表される化合物は、式(X)で表される化合物又はその塩(例えば、ナトリウム塩)を、適切な塩基(例えば、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム)の存在下、適切な溶媒(例えば、tert-ブタノール)に溶解させることによって、形成させることができる。その混合物を約80~90℃に加熱し、反応が完了するまで、通常は約1~3時間、撹拌する。次いで、その混合物を冷却し、水性HClを加えてpH2~3にすることができる。その混合物を、例えばEtOAcで、抽出することができ、その有機相を蒸発させて、式(XI’)で表される化合物を得ることができる。式(XI’)で表される化合物の式(XI)で表される化合物への還元は、適切には、式(XI’)で表される化合物を、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF))中で、水素化ホウ素塩(例えば、水素化ホウ素リチウム)及びBF-THF-錯体で処理することによって、実施する。その混合物を約50~70℃まで昇温させ、反応が完了するまで、通常は約3~5時間、撹拌する。次いで、その混合物を、例えば約0℃まで、冷却し、続いて、メタノール及び水を添加することができる。その反応混合物のpHは、適切には、例えばNaOH水溶液を添加することで、約pH10にシフトさせる。その溶液を減圧下で濃縮し、続いて、ジクロロメタン(DCM)及び水を添加することができる。相を分離し、その水相をDCMで抽出することができる。その有機相を合して減圧下で蒸発乾固させて、式(XI)で表される化合物を得ることができる。必要に応じて、その有機相を蒸発乾固させる前に、その有機相にHCl-EtOHを添加することで、式(XI)で表される化合物を塩酸塩として単離することができる。
【0031】
式(V)で表される化合物を得るために、反応容器に式(XI)で表される化合物又はその塩及び適切な溶媒(例えば、酢酸イソプロピル)を添加する。その混合物に、酢酸イソプロピル中の塩化チオニルを、約20℃で、例えば1時間以内に、ゆっくりと添加する。その反応混合物を、完了するまで、典型的には約1~4時間、撹拌する。その後、NaOH溶液を、約20℃で、例えば1時間以内に、ゆっくりと添加する。形成された相を分離し、その有機相を、例えば減圧下で、蒸発乾固させて、式(V)で表される化合物を得る。
【0032】
式(V)で表される化合物は、式(V)で表される化合物に適切な溶媒(例えば、酢酸エチル)を添加し、続いて、沈殿が生じるまでエタノール性塩化水素をゆっくり添加することにで、その薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)に変換させることができる。その混合物を濾過し、ヘキサン及び酢酸エチルで洗浄し、例えば減圧下40℃で、乾燥させて、式(V)で表される化合物の塩酸塩を得る。
【0033】
式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を調製するための上記合成経路は、市販されていて容易に加工可能な出発物を使用し、合成段階の数が少なく、高純度の最終生成物をもたらすという利点を有している。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、式(III)
【化33】
で表される化合物は、以下の段階
(a”) 式(XII)
【化34】
で表される化合物を、ジメチルスルホキシド中で、N,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下、5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩と反応させる段階;
(b”) その混合物にイソプロピルアルコール及び水を添加する段階;及び、
(c”) 式(III)で表される化合物を単離する段階;
を含んでいる方法を用いて、調製する。
【0035】
この方法は、窒素雰囲気下、反応容器に、式(XII)で表される化合物、5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及びジメチルスルホキシドを添加することによって、実施することができる。ジメチルスルホキシドの量は、適切には、出発化合物(XII)の100g当たり、約350~450mL(例えば、400mL)である。DIPEAの量は、適切には、出発化合物(XII)の100g当たり、約200~400mL(例えば、350mL)である。次いで、その混合物を、典型的には約30℃~約50℃(例えば、40±5℃)である温度で、反応を完了させるのに充分な時間、撹拌する。その反応時間は、一般に、約1時間~約6時間(典型的には、約2~4時間)の範囲である。その後、その反応混合物に、イソプロピルアルコールと水の混合物(必要に応じて、酢酸を加える)を添加する。イソプロピルアルコールと水の比率は、適切には、体積基準で、約1:2~約1:4(例えば、約1:3)である。必要に応じて、その混合物に結晶種を加えることができる。次いで、その混合物を40±5℃で約1~2時間撹拌し、次いで、約0℃~約20℃(例えば、10±5℃)の温度まで冷却する。その冷却は、適切には、約2~4時間(例えば、約2.5時間)実施する。その混合物を、沈殿が完了するのに充分な時間、例えば約1時間、撹拌する。沈殿した物質は、例えば濾過によって、単離し、水及び冷イソプロパノールで洗浄することができる。その生成物を、減圧下、約40~60℃で乾燥させて、式(III)で表される化合物を得ることができる。
【0036】
式(III)で表される化合物を調製するための上記方法は、後処理が容易であり、収率が優れているという利点を有する。
【0037】
式(XII)で表される化合物は、適切には、式(XIII)
【化35】
で表される化合物を、アセトニトリル中で塩化チオニルと反応させ、水を添加し、その混合物を冷却し、及び、式(XIII)で表される化合物を単離することによって、調製することができる。
【0038】
この方法を実施するために、アセトニトリル及びコウジ酸(XIII)を窒素下で反応容器に添加する。アセトニトリルの量は、適切には、出発化合物(XIII)の100gあたり、約350mLである。その混合物を、適切には、約30℃~約60℃(例えば、45±5℃)の温度まで加熱する。次いで、温度を約45±5℃に保ちながら、塩化チオニルをゆっくりと、例えば約0.5~1時間かけて、添加する。その混合物を、反応が完了するのに充分な時間、例えば約0.5~1時間、撹拌する。次いで、温度を約45±5℃に保ちながら、水をゆっくりと、例えば約0.5時間~1時間かけて、添加する。水とアセトニトリルの比率は、適切には、約1:1.5~約1:2(例えば、約1:1.75)である。その混合物をこの温度で少なくとも0.5時間撹拌した後、例えば約0℃~約10℃の温度まで、冷却する。その冷却は、ゆっくりと、例えば、2~8時間かけて、実施する。次いで、沈澱した物質を、例えば濾過によって、単離し、水及びアセトニトリルで洗浄し、例えば減圧下約40~60℃で、乾燥させて、式(XII)で表される化合物を得ることができる。
【0039】
式(1A)
【化36】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、式(III)
【化37】
で表される化合物を式(IV)
【化38】
〔式中、LGは、メシル基又はトシル基から選択される脱離基である〕
で表される化合物と反応させて、式(1A)で表される化合物を生成させ;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる;
ことによって、調製することができる。
【0040】
好ましい一実施形態によれば、式(1A)
【化39】
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、以下の段階
(i”) 式(III)
【化40】
で表される化合物を、ジメチルスルホキシド中で、炭酸セシウムの存在下、式(IV)
【化41】
〔式中、LGは、メシル基又はトシル基から選択される脱離基である〕
で表される化合物と反応させる段階;
(ii”) その混合物にアセトニトリル及び水を添加する段階;及び、
(iii”) 式(1A)で表される化合物を単離する段階;及び、場合により、それをその薬学的に許容される塩に変換させる段階;
を含んでいる方法によって、調製する。
【0041】
この方法は、窒素雰囲気下、反応器にジメチルスルホキシド、式(III)で表される化合物、式(IV)で表される化合物及び炭酸セシウムを添加することによって、実施することができる。ジメチルスルホキシドの量は、適切には、出発化合物(III)の1kg当たり、5Lである。その反応は、好ましくは、高温で、例えば、約40℃~約80℃(例えば、約50~75℃)の温度で、実施する。その反応混合物を、反応が完了するまで、この温度で混合させる。反応時間は、一般に、約1時間~約6時間(典型的に、約2時間~約3時間)の範囲である。次いで、アセトニトリル及び水を、約40℃~約80℃(例えば、約50~75℃)で添加する。その混合物を冷却し、必要に応じて、例えば約50~70℃で、結晶種を添加する。さらに、水を加え、その懸濁液を、例えば約50~70℃で、約1~2時間撹拌することができる。水の添加が終了した時のアセトニトリルと水の比率は、適切には、体積基準で、約1:1.5~1:2の範囲内である。その後、その混合物を、典型的には約5℃~約25℃の範囲であり得る温度(例えば、20±5℃)まで、ゆっくりと冷却する。その冷却は、適切には、約2~4時間にわたって(例えば、約3.0±0.5時間にわたって)実施する。次いで、その混合物を、沈澱が完了するのに充分な時間、例えば約2~8時間、撹拌し、その後、例えば濾過によって、最終生成物を単離する。その生成物は、水と冷イソプロパノールで洗浄することができる。単離された湿った固体を、例えば減圧下約40~60℃で、乾燥させて、式(1A)で表される化合物を得ることができる。
【0042】
必要に応じて、化合物(1A)は、当技術分野で知られている方法により、その薬学的に許容される塩に変換させることができる。
【0043】
式(1A)で表される化合物を調製するための上記方法は、最終生成物をカラムクロマトグラフィーで精製する必要がなく、反応溶媒から最終生成物を良好な収率、低色(low color)及び高純度で直接結晶化できる可能性を提供するという利点を有する。
【0044】
式(IV’)
【化42】
で表される化合物は、以下の段階:
(a) 式(IVa)
【化43】
で表される化合物を、アセトニトリル-ピリジン溶媒中で、メタンスルホニルクロリドと反応させる段階;
(b) その混合物に水及び酢酸を添加する段階;及び、
(c) 式(IV’)で表される化合物を単離する段階;
を含んでいる方法によって、調製することができる。
【0045】
この方法は、窒素下、反応容器にアセトニトリル、ピリジン及びピペリジン-4-イルメタノール(IVa)を添加することによって、実施することができる。段階(a)におけるアセトニトリルとピリジンの比率は、体積基準で、典型的には、約1:2~約2:1(例えば、約1:1)である。アセトニトリル/ピリジン混合物の量は、適切には、出発化合物(IVa)の100gあたり、約600mL~約700mLである。温度を35℃未満に保ちながら、メタンスルホニルクロリドを、ゆっくりと、例えば0.5~1時間かけて、添加する。次いで、その混合物の温度を約25~50℃(例えば、35±5℃)に調節し、反応が完了するのに充分な時間、撹拌することができる。その反応時間は、一般に、約1時間~約6時間(典型的には、約2時間~3時間)である。その後、その混合物に水を急速に添加し、続いて、酢酸を添加する。水と酢酸の比率は、体積基準で、約5:1~約10:1(例えば、約7:1)であることができる。次いで、その混合物を、約-10℃~約10℃の温度(例えば、0±5℃)まで冷却する。その冷却は、約1時間~6時間(例えば、約3時間)実施することができ、続いて、沈澱が完了するのに充分な時間(例えば、約1時間)撹拌し、その後、例えば濾過によって、最終生成物を単離することができる。沈澱した生成物を水で洗浄し、例えば減圧下約40~60℃で、乾燥させて、式(IV)で表される結晶質化合物を得ることができる。
【0046】
式(IV”)
【化44】
で表される化合物は、以下の段階:
(a) 式(IVa)
【化45】
で表される化合物をクロロトリメチルシランと反応させて、式(IVb)
【化46】
で表される化合物を得る段階;
(b) 式(IVb)で表される化合物をメタンスルホニルクロリドと反応させて、式(IVc)
【化47】
で表される化合物を得る段階;
(c) 式(IVc)で表される化合物を、メタノールの存在下、p-トルエンスルホン酸で処理して、式(IVd)
【化48】
で表される化合物を得る段階;及び、
(d) 式(IVd)で表される化合物をp-トルエンスルホニルクロリドと反応させて、式(IV”)で表される化合物を得る段階;
を含んでいる方法によって、調製することができる。
【0047】
この方法は、窒素雰囲気下、反応容器にピペリジン-4-イルメタノール、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)及び塩基(例えば、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン)を加えることによって、実施することができる。次いで、温度を25℃未満に保ちながら、クロロトリメチルシランを徐々に、例えば1時間かけて、添加する。例えば約1時間、撹拌した後、塩基(例えば、N-メチルモルホリン)を添加し、続いて、その混合物を、例えば10℃未満に、冷却する。次いで、温度を25℃未満に保ちながら、メタンスルホニルクロリドをゆっくりと、例えば約2時間かけて、添加する。反応が完了した後、例えば5%アンモニア水を添加することによって、その反応をクエンチすることができる。その有機層を単離し、水と合し、続いて、例えばクエン酸を用いて、pHを5-6に調節する。その有機層を回収し、そして、例えば一水和物の形態にある、p-トルエンスルホン酸を、メタノールと一緒に添加する。その溶媒の一部を留去することができ、アセトニトリルを適切に添加し、続いて、溶媒をさらに蒸留する。その残渣を冷却し、ピリジンを添加する。次いで、その混合物を、ピリジンとp-トルエンスルホニルクロリドの混合物に、温度を40℃未満に保ちながら、ゆっくりと、例えば約1.5時間かけて、添加し、続いて、撹拌する。次いで、水を添加し、そのスラリーを数時間かけて(例えば、約3時間かけて)、例えば約0℃まで、冷却する。次いで、その混合物を、沈澱が完了するのに充分な時間(例えば、約2時間)撹拌することができ、その後、例えば濾過によって、最終生成物を単離する。その沈澱物を水及び氷冷イソプロパノールで洗浄し、例えば減圧下約40~50℃で、乾燥させて、式(IV”)で表される化合物を得ることができる。
【0048】
本発明について、以下の非限定的な実施例によって、さらに説明する。
【実施例
【0049】
実施例1. 2-(クロロメチル)-5-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン(XII)の調製
窒素下、反応器に、アセトニトリル(525mL)及びコウジ酸(XIII)(150g)を加えた。その混合物を45±5℃に加熱した。温度を45±5℃に保ちながら、塩化チオニル(85mL)を約30分間かけて添加した。その混合物を反応が完了するまで約30分間撹拌した。温度を45±5℃に保ちながら、水(300mL)を約30分間かけてゆっくりと加え、続いて、約1時間混合させた。その懸濁液を、数時間かけて、5±5℃まで冷却し、続いて、約1時間混合させた。その生成物を収集し、水(450mL)及びアセトニトリル(375mL)で洗浄した。その生成物を、減圧下、40~60℃で乾燥させて、143.7g(84.8%)の標題合物が得られた。
【0050】
実施例2. 5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1,3-ジオン(VII)の調製
窒素下、反応器に、ジメチルアセトアミド(425L)、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(212kg)及びシアン化銅(146kg)を装入した。その反応混合物を128℃に加熱し、約17時間撹拌した。その混合物を<45℃まで冷却し、塩化第二鉄(308kg)を水(531L)に溶解させた溶液を<50℃で添加し、続いて、30%水性塩酸(122kg)を<50℃で添加した。その混合物を65℃に加熱し、約1時間撹拌した。その混合物を30℃まで冷却し、水(2124L)を添加した。その混合物をさらに5℃まで冷却し、約1時間撹拌し、その粗製生成物を濾過し、水(212L)で洗浄した。窒素下、反応器に、重炭酸ナトリウム(53kg)、水(1062L)及び単離された粗製生成物を装入した。その混合物を約0.5時間撹拌し、濾過し、水(212L)で洗浄し、減圧下50~55℃で乾燥させた。その乾燥させた粗製生成物及び酢酸エチル(2124L)を反応器に装入し、その混合物を45℃に加熱し、約0.5時間撹拌した。その混合物を30℃まで冷却し、濾過し、その固体を酢酸エチル(425L)で洗浄した。その濾液を、減圧下<45℃で濃縮した。蒸留後、そのスラリーを25℃まで冷却し、メタノール(956L)及び水(956L)を加えた。そのスラリーを25℃で約1時間撹拌し、濾過した。その固体を水(106L)で洗浄し、減圧下50~55℃で乾燥させた。156kg(74%)の標題化合物が得られた。
【0051】
実施例3. 2-ベンジル-5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1,3-ジオン(VIIIa)の調製
窒素下、反応器に、ジメチルアセトアミド(250L)、5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1,3-ジオン(49.9kg)、炭酸カリウム(80kg)及び臭化ベンジル(60kg)を装入した。その反応混合物を30℃に加熱し、完了するまで約11時間撹拌し、20℃まで冷却した。その反応混合物を、水(749L)を含んでいる別の反応器に25℃で加えた。その混合物を25℃で約3時間撹拌し、フィルター乾燥機で濾過し、水(50L)で洗浄し、55℃で約6時間乾燥させ、10℃まで冷却した。そのフィルター乾燥機にn-ヘプタン(200L)を加え、そのスラリーを10℃で約1時間撹拌した。そのスラリーを濾過し、n-ヘプタン(50L)で洗浄し、減圧下、55℃で約8時間乾燥させた。58kg(83%)の標題化合物が得られた。
【0052】
実施例4. 2-ベンジル-5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(IXa)の調製
窒素をフラッシュした反応器に、テトラヒドロフラン(5000L)、2-ベンジル-5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1,3-ジオン(200kg)、水素化ホウ素ナトリウム(206kg)及び三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(828kg)を30℃で装入した。その反応混合物を、完了するまで約40時間撹拌した。その混合物を5℃まで冷却し、メタノール(1000L)を加えた。その混合物を60℃に加熱し、約2時間撹拌し、5℃まで冷却した。塩酸(530L)及び水(1100L)を加え、その混合物を濃縮して濃厚なスラリーとした。このスラリーに、水(1500L)に溶解させた水酸化ナトリウム(400kg)を添加し、続いて、酢酸エチル(1000L)を添加した。そのスラリーを濾過し、その固体を酢酸エチルで2回洗浄した(2×400L)。その濾液を汚れのない反応器に入れ、相を分離し、その水層を酢酸エチル洗浄液で逆抽出した。全ての有機相を合し、蒸発乾固させた。その粗製物質にn-ヘプタン(200L)を加え、その混合物を蒸発乾固させた。その粗製物質にn-ヘプタン(200L)及び活性炭(20kg)を加え、その混合物を30℃で約1時間撹拌した。固体を濾過し、そのケーキをn-ヘプタン(200L)で洗浄した。その濾液と洗浄液を合し、蒸発乾固させた。134kg(67%)の標題化合物が得られた。
【0053】
実施例5. 5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩の調製
窒素下、反応器にメタノール(1090L)、2-ベンジル-5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(109kg)及び10%Pd/C(11kg)を加えた。その反応混合物を、40℃及び8~10バールで完了まで約8時間水素化した。その混合物を30℃まで冷却し、濾過した。その湿った触媒ケーキをメタノール(218L)で洗浄し、その濾液を減圧下<40℃で蒸発乾固させた。その残渣にエタノール(218L)を加え、その混合物を減圧下<40℃で蒸発乾固させた。その残渣にメチルtert-ブチルエーテル(763L)を加えた。その混合物を10℃まで冷却し、25%エタノール性塩化水素(109L)を加えた。その混合物を40℃に加熱し、約15分間撹拌し、10℃まで冷却し、約1.5時間撹拌した。その混合物を、減圧下<40℃で濃厚なスラリーに濃縮し、濾過した。その湿ったケーキをメチルtert-ブチルエーテル(109L)で洗浄し、40℃で約6時間乾燥させた。36.5kg(34%)の標題化合物が得られた。
【0054】
実施例6. 2-シアノ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(X)のナトリウム塩の調製
窒素下、反応器にジメチルアセトアミド(20mL)、キシレン(40mL)、水(3.8mL)及びDIPEA(6.3mL)を装入した。その溶媒を3回の減圧-窒素サイクルで脱ガスした。その脱ガスした溶媒に酢酸パラジウム(II)(0.34g)及びJohnPhos配位子(0.98g)を加えた。その混合物を約0.5時間撹拌し、その後、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(5g)及びヘキサシアノ鉄酸(II)カリウム三水和物(7.26g)を添加した。その混合物を95℃に加熱し、完了するまで約3時間撹拌した。その混合物を20℃まで冷却し、濾過し、その固体をキシレン(15mL)で洗浄した。その濾液のpHを50%NaOH溶液(3mL)で10~12に調節した。形成された固体を濾過し、キシレン(10mL)で洗浄し、減圧下40℃で乾燥させた。2.3g(46.5%)の標題化合物が得られた。
【0055】
実施例7. 2-シアノ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(X)の調製
反応容器に、2-シアノ-5-(トリフルオロメチル)-安息香酸のナトリウム塩(0.20g)、水(3mL)及びジクロロメタン(5mL)を加え、続いて、その混合物を室温で撹拌した。次いで、水相のpHが2~3になるまで、3%水性HClを添加した。相を分離し、その水相をジクロロメタン(2×5mL)で抽出した。その有機相を合し、蒸発させて、標題化合物が白色固体として得られた(0.14g、79%)。
【0056】
実施例8. (2-(アミノメチル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-メタノール(XI)の調製
窒素下、反応器にテトラヒドロフラン(7mL)及び2-シアノ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(1g)を装入した。その混合物を10℃まで冷却し、テトラヒドロフラン中の2M水素化ホウ素リチウム溶液(10.2mL)を<15℃で添加し、続いて、<20℃でBF-THF錯体(15.3mL)を添加した。その反応混合物を60℃に加熱し、完了するまで約4時間撹拌した。次いで、その混合物を20℃まで冷却し、メタノール(5mL)及び水(8mL)を<40℃で加えた。その溶液を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン(15mL)及び水(15mL)を添加した。相を分離し、その水相に酢酸エチル(15mL)及び硫酸ナトリウム(20g)を添加した。相を分離し、その有機相を合して減圧下で蒸発乾固させた。0.7g(76%)の標題化合物が得られた。
【0057】
実施例9. (2-(アミノメチル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-メタノール(XI)の調製(代替え的な方法)
窒素下、反応容器に2-シアノ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸のナトリウム塩(0.50g)及びテトラヒドロフラン(9.0mL)を0℃で加え、その後、テトラヒドロフラン(THF)中の2M水素化ホウ素リチウム溶液(4.3mL)及びBF-THF-錯体(1.4mL)を滴下して加えた。その混合物を室温(RT)に加熱し、30分間撹拌した。反応を完了させるために、その混合物を70℃まで約2時間加熱した。次いで、その混合物を0℃まで冷却し、続いて、メタノール(5.0mL)及び水(5.0mL)を注意深く加えた。その混合物のpHを、50%NaOHを数滴加えることにより、約11にシフトさせた。次いで、その混合物を55℃まで30分間昇温させ、続いて、室温まで冷却した。その混合物をフィルターシートで濾過し、少量のテトラヒドロフランで濯いだ。揮発性物質を蒸発させ、その残渣をジクロロメタン(15mL)及び水(10mL)と混合させた。相を分離し、その水相をジクロロメタン(15mL)で抽出した。その有機相を合し、減圧下で蒸発乾固させて、粗製標題生成物(0.41g、95%)が得られた。
【0058】
実施例10. (2-(アミノメチル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)メタノール(XI)の塩酸塩の調製
窒素下、反応容器に2-シアノ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸のナトリウム塩(0.50g)及びTHF(9.0mL)を加えた。そのスラリーを0℃まで冷却し、その後、THF中の2M水素化ホウ素リチウム溶液(4.3mL)及びBF-THF錯体(1.4mL)を滴下して加えた。その混合物を室温に加熱し、30分間撹拌した。反応を完了させるために、その混合物を70℃まで約2時間加熱した。次いで、その混合物を0℃まで冷却し、続いて、メタノール(5.0mL)及び水(5.0mL)を注意深く加えた。その混合物のpHを、50%NaOHを数滴加えることにより、約11にシフトさせた。次いで、その混合物を室温まで昇温させ、揮発性物質を蒸発させた。その残渣をDCM(15mL)及び水(10mL)と混合させた。相を分離し、その水相をDCM(15mL)で抽出した。その有機相を合して0℃まで冷却し、続いて、HCl-EtOH(2.0mL)を加えた。揮発性物質を蒸発させて、粗製の標題化合物(0.43g、84%)が得られた。
【0059】
実施例11. (2-(アミノメチル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)メタノール(XI)の塩酸塩の調製(代替え的な方法)
窒素下、反応容器に粗製2-シアノ-5-(トリフルオロ-メチル)安息香酸(0.14g)及びTHF(3.0mL)を加えた。その混合物を0℃まで冷却し、その後、THF中の2M水素化ホウ素リチウム溶液(1.3mL)及びBF-THF錯体(0.43mL)を滴下して加えた。その混合物を室温に加熱し、1時間撹拌した。反応を完了させるために、その混合物を70℃に約1.5時間加熱した。次いで、その混合物を1時間室温まで冷却し、次いで、0℃まで冷却し、続いて、メタノール(2.0mL)及び水(2.0mL)を注意深く加えた。その混合物のpHを、50%NaOHを数滴加えることにより、約11にシフトさせた。次いで、その混合物を室温まで昇温させ、揮発性物質を蒸発させた。その残渣をDCM(10mL)及び水(5mL)と混合させた。相を分離し、その水相をDCM(10mL)で抽出した。有機相を合して0℃まで冷却し、続いて、HCl-EtOH(1.0mL)を加えた。揮発性物質を蒸発させて、標題化合物(0.17g、109%)が得られた。
【0060】
実施例12. (2-(アミノメチル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)メタノール(XI)の塩酸塩の調製(代替え的な方法)
窒素下、反応容器に2-シアノ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸のナトリウム塩(0.50g)、水酸化カリウム(0.60g)及びtert-ブタノール(3.5mL)を加えた。その混合物を85℃に加熱し、出発物質が完全に消費されるまで約2時間撹拌した。次いで、その混合物を室温まで冷却し、pHが2~3になるまで、3%水性HClを添加した。その混合物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。その有機相を合し、蒸発させて、粗製2-カルバモイル-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(XI’)(0.45g、91%)が得られた。前段階の生成物及びテトラヒドロフラン(8.5mL)を窒素下で反応容器に加えた。そのスラリーを0℃まで冷却し、その後、THF中の2M水素化ホウ素リチウム溶液(4.0mL)及びBF-THF錯体(1.4mL)を滴下して加えた。その混合物を室温に加熱し、1.5時間撹拌した。反応を完了させるために、その混合物を68℃に約3時間加熱した。次いで、その混合物を0℃まで冷却し、続いて、メタノール(5.0mL)及び水(5.0mL)を注意深く加えた。その混合物のpHを、50%水性NaOHを数滴加えることにより、約10にシフトさせ、その後、その混合物を55℃に20分間昇温させ、最後に、室温まで冷却した。その混合物をフィルターシートで濾過し、少量のTHFで濯いだ。揮発性物質を蒸発させ、その残渣をDCM(15mL)及び水(5mL)と混合させた。相を分離し、その水相をDCM(15mL)で抽出した。その有機相を合して0℃まで冷却し、続いて、HCl-EtOH(1.8mL)を加えた。揮発性物質を蒸発させて、粗製の標題化合物(0.32g、69%)が得られた。
【0061】
実施例13. 5-(トリフルオロメチル)-イソインドリン(V)の塩酸塩の調製(代替え的な方法)
反応容器に(2-(アミノメチル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-メタノール(0.2g)及び酢酸イソプロピル(1mL)を加え、その後、その反応混合物に、酢酸イソプロピル(1mL)と塩化チオニル(0.09mL)の混合物を20℃で約1時間かけて加えた。添加後、その反応混合物を、完了するまで約2時間撹拌した。50%NaOH溶液(0.4mL)を20℃で約1時間かけて加えた。形成された相を分離し、その有機相を減圧下で蒸発乾固させた。その粗製生成物を酢酸エチル(1mL)に溶解させ、固体が形成し始めるまで、塩酸-エタノール溶液を滴下して加えた。その生成物を濾過し、ヘキサン(3×2mL)及び酢酸エチル(2mL)で3回洗浄した。49mg(23%)の標題化合物が得られた。
【0062】
実施例14. 5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩の調製(代替え的な方法)
反応容器に塩化チオニル(0.22mL)及び酢酸イソプロピル(10.0mL)を加えた。別の容器で、(2-(アミノメチル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-メタノール(0.43g)を酢酸イソプロピル(10.0mL)に溶解させ、その溶液をシリンジポンプを用いて50分以内に該反応容器に室温で加えた。添加後、出発物質が完全に消費されるまで、その混合物を約1.5時間撹拌した。次いで、5M水性NaOH(2.6mL)を20℃で45分以内に加え、その後、その混合物を30℃まで昇温させた。反応を完了させるために、5M水性NaOH(1.3mL)を1時間後30分以内に加えた。その混合物を、水(5mL)を添加することによって後処理し、相を分離し、その有機相を水(2×5mL)で洗浄した。次いで、その有機相を0℃まで冷却し、HCl-EtOH(3.0mL)を加えた。揮発性物質を蒸発させ、その粗製残渣を、超音波処理しながらイソプロパノール(2.0mL)と混合させた。その混合物を0℃まで10分間冷却し、焼結漏斗で濾過した。その残渣を冷イソプロパノール(2×0.5mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、粗製標題化合物(97mg、20%)が得られた。
【0063】
実施例15. 5-(トリフルオロメチル)イソインドリン(V)の塩酸塩の調製(代替え的な方法)
反応容器に(2-(アミノメチル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)メタノールの塩酸塩(0.51g)と酢酸イソプロピル(10mL)を加え、その後、酢酸イソプロピル(11mL)と塩化チオニル(0.22mL)の混合物を室温で加えた。添加後、その混合物を、出発物質が完全に消費されるまで、約2.5時間撹拌した。次いで、5M水性NaOH(2.8mL)を1時間以内に加え、その混合物を30℃に加熱した。反応を完了させるために、5M水性NaOH(1.4mL)を、1時間後、30分以内に加えた。この混合物を、水(5mL)を加えることにより後処理し、その後、相を分離し、その有機相を水(5mL)で洗浄した。次いで、その有機相を0℃まで冷却し、HCl-EtOH(2.5mL)を加えた。揮発性物質を蒸発させ、その粗製残渣を、超音波処理しながらイソプロパノール(2.0mL)と混合させた。その混合物を0℃まで30分間冷却し、焼結漏斗で濾過した。その残渣を冷イソプロパノール(2×0.5mL)で洗浄し、吸引乾燥させて、粗製標題化合物(0.35g、73%)が得られた。
【0064】
実施例16. 5-ヒドロキシ-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(III)の調製
窒素下、反応器にジメチルスルホキシド(75mL)、2-(クロロメチル)-5-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン(20g)、5-(トリフルオロメチル)イソインドリンHCl(31g)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(48mL)を加えた。その反応混合物を40±5℃に加熱し、完了するまで約3時間撹拌した。IPA(45mL)、AcOH(3.6mL)及び水(123mL)を40±5℃で加えた。水の添加中に、その反応混合物に結晶種を加えた。その懸濁液を40±5℃で約1時間撹拌し、約2.5時間かけて10±5℃まで冷却し、その最終温度で少なくとも1時間混合させた。その生成物を収集し、水(60mL)及び冷イソプロパノール(60mL)で洗浄した。単離した湿った固体を、減圧下40~60℃で乾燥させた。34.3g(89%)の標題化合物が得られた。
【0065】
実施例17. (1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メチル メタン スルホネート(IV’)の調製
窒素下、反応器にアセトニトリル(225mL)、ピリジン(289mL)及びピペリジン-4-イルメタノール(IV)(75g)を加えた。その混合物の温度を20±5℃に調節した。温度を35℃未満に保ちながら、メタンスルホニルクロリドを30分間かけてゆっくりと加えた。その温度を35±5℃に調節し、その混合物を2時間撹拌した。水(300mL)を素早く加え、続いて、酢酸(45mL)を加えた。得られた物質を3時間かけて0±5℃まで冷却し、1時間混合させた後、濾過した。その生成物を、水(2×225mL)で洗浄し、減圧下40~60℃で乾燥させて、153.3g(86.8%)の標題化合物が得られた。
【0066】
実施例18. (1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メチル 4-メチルベンゼンスルホネート(IV”)の調製
窒素下、反応器にジクロロメタン(700mL)、ピペリジン-4-イルメタノール(100g)及び1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(133mL)を加えた。その混合物を、完全に溶解するまで撹拌し、その後、10℃未満まで冷却した。温度を25℃未満に保ちながら、クロロトリメチルシラン(138mL)を約1時間かけて添加し、続いて、20℃で約1時間撹拌した。N-メチルモルホリン(131mL)を加え、その混合物を10℃未満まで冷却した。温度を25℃未満に保ちながら、メタンスルホニルクロリド(82mL)を約2時間かけて添加した。次いで、その混合物を20℃で約30分間撹拌し、次いで、5%水性アンモニア(500mL)を加えてクエンチした。短時間混合させた後、層を分離した。その有機層を水(400mL)と合し、そのpHを、クエン酸(約35.0g)を用いて5~6に調節した。層を分離し、メタノール(140mL)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(8.3g)を加えた。約500mLを、大気圧下で留去した。アセトニトリル(400mL)を加え、約440mLが収集されるまで蒸留を続けた(最終温度約84~85℃)。その残渣を20℃まで冷却し、ピリジン(100mL)を加えた。その溶液を添加漏斗に移した。窒素下、別の容器に、ピリジン(320mL)及びp-トルエンスルホニルクロリド(199g)を加え、温度を35℃に調節した。温度を40℃未満に保ちながら、添加漏斗の内容物を約1.5時間かけて加え、続いて、30℃で2時間撹拌した。水(600mL)をゆっくり加えた。約150mLを添加した後、イソプロパノール(200mL)を添加して、より撹拌可能な混合物を生成させた。そのスラリーを、最初に、40℃に加熱し、次いで、数時間かけて0℃まで冷却した。この物質を2時間撹拌した後、濾過した。そのケーキを水(200mL)及び氷冷イソプロパノール(200mL)で洗浄した。その生成物を、減圧下40~50℃で乾燥させて、226.5g(75.1%)の標題化合物が得られた。
【0067】
実施例19. 5-((1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メトキシ)-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(1A)の調製
窒素下、反応器にジメチルスルホキシド(100mL)、5-ヒドロキシ-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(20g)、(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メチル メタン スルホネート(20g)及び炭酸セシウム(25g)を加えた。その反応混合物を70±5℃に加熱し、完了するまで約2.5時間撹拌した。アセトニトリル(60mL)及び水(90mL)を70±5℃で加えた。その混合物を冷却し、65±3℃で結晶種を添加し、水(20mL)を同じ温度で加えた。その懸濁液を65±3℃で1.5±0.5時間撹拌し、3.0±0.5時間かけて20±5℃まで冷却し、次いで、その最終温度で少なくとも2時間混合させた。その生成物を収集し、水(60mL)及び冷イソプロパノール(40mL)で洗浄した。単離した湿った固体を、減圧下40~60℃で乾燥させた。26.7g(85%)の標題化合物が得られた。
【0068】
実施例20. 5-((1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メトキシ)-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(1A)の調製(代替的な方法)
窒素で不活性化した容器に、ジメチルスルホキシド(75mL)、5-ヒドロキシ-2-((5-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)メチル)-4H-ピラン-4-オン(15g、48.2mmol)、(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)メチル 4-メチルベンゼンスルホネート(19.26g、55.4mmol)及び炭酸セシウム(18.84g、57.8mmol)を装入した。その混合物を50℃に加熱し、完了するまで約3時間撹拌した。アセトニトリル(45mL)を加え、続いて、水(82.5mL)を約20分間かけて加えた。水の添加中に、その混合物に結晶種を加えた。得られたスラリーを50℃で1時間撹拌し、その後、3時間かけて20℃まで冷却し、一晩撹拌した。その生成物を濾過により収集し、水(45mL)及び冷却した2-プロパノール(30mL)で洗浄した。その生成物を、減圧下50℃で乾燥させて、23.7gの標題化合物が得られた。
【国際調査報告】