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特表2024-526176微小粒子組織足場組成物、該組成物の装置、調製法および使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】微小粒子組織足場組成物、該組成物の装置、調製法および使用
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/22 20060101AFI20240709BHJP
   A61L 27/24 20060101ALI20240709BHJP
   A61L 27/56 20060101ALI20240709BHJP
   A61L 27/52 20060101ALI20240709BHJP
   C07K 14/78 20060101ALI20240709BHJP
   C07K 17/02 20060101ALI20240709BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240709BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20240709BHJP
   C12N 5/077 20100101ALI20240709BHJP
【FI】
A61L27/22
A61L27/24
A61L27/56
A61L27/52
C07K14/78
C07K17/02
C12P21/08
C12P21/02 A
C12N5/077
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579124
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 IB2022000349
(87)【国際公開番号】W WO2022269351
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/212,993
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】523479891
【氏名又は名称】バイオチェンジ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】アター、 イシェイ
(72)【発明者】
【氏名】ケレン、 シニク
(72)【発明者】
【氏名】コーエン、 シャニ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C081
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG01
4B064AG27
4B064CC01
4B064DA01
4B065AA91X
4B065AA93X
4B065BC41
4B065BC46
4B065CA44
4B065CA46
4C081AB11
4C081AB38
4C081BA12
4C081CA051
4C081CA181
4C081CC05
4C081CD021
4C081CD041
4C081CD051
4C081CD061
4C081CD071
4C081CD081
4C081CD111
4C081CD121
4C081CD151
4C081DA01
4C081DA12
4C081DB03
4C081EA05
4C081EA16
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA05
4H045BA60
4H045CA40
4H045EA50
4H045FA70
(57)【要約】
本開示の実施形態は、体型矯正、組織操作、再生医学、審美的皮膚科学、および再構築法または手術のための、粒子、組成物、組織足場、装置、ならびにその使用および方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の微小粒子であって:
架橋化タンパク質
を含み、
前記架橋化タンパク質が、少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含み;
該複数の微小粒子が本質的に架橋剤を含まず;
該複数の微小粒子が水不溶性である
前記複数の微小粒子。
【請求項2】
該架橋化タンパク質が:ゼラチン、コラーゲン、エラスチン、トロポエラスチン、カゼイン、アルブミン、または少なくとも1つのRGDモチーフを含む任意の操作ポリマー、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項1の複数の微小粒子。
【請求項3】
該架橋化タンパク質が、0.1μg/mg~50μg/mgの範囲のRGDモチーフを含む、請求項1の複数の微小粒子。
【請求項4】
該架橋化タンパク質が:非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン、またはその任意の操作タンパク質、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項1の複数の微小粒子。
【請求項5】
該複数の粒子が乾燥泡粒子を含む、請求項1の複数の微小粒子。
【請求項6】
該複数の粒子が乾燥架橋化ゼラチンブロック粒子を含む、請求項1の複数の微小粒子。
【請求項7】
該乾燥粒子が凍結乾燥粒子を含む、請求項5および6の複数の微小粒子。
【請求項8】
該複数の粒子が:0.1μm~2000μmより選択される粒子サイズを含む、請求項1の複数の微小粒子。
【請求項9】
該複数の微小粒子が、少なくとも2つの異なる粒子サイズを含む、請求項1の複数の微小粒子。
【請求項10】
該少なくとも2つの異なる粒子サイズが:0.1μm~2000μmより選択される、請求項9の複数の微小粒子。
【請求項11】
該粒子サイズが:30μm~500μmの平均粒子サイズを含む、請求項6の複数の微小粒子。
【請求項12】
該粒子サイズが:60μm~90μmの平均粒子サイズを含む、請求項8~11のいずれか一項の複数の微小粒子。
【請求項13】
該粒子サイズが60μmの平均粒子サイズを含む、請求項12の複数の微小粒子。
【請求項14】
請求項1の複数の微小粒子を調製する方法であって:
(a)架橋可能タンパク質溶液および架橋剤溶液を混合する工程であって、
該架橋可能タンパク質溶液が、少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含む架橋可能タンパク質を液体中に溶解する工程を含み;
該架橋剤溶液が架橋剤を液体中に溶解する工程を含む
前記工程と;
(b)(a)の該混合された架橋可能タンパク質溶液および架橋剤溶液を含む、架橋化泡またはヒドロゲルブロックを形成する工程と;
(c)(b)の該架橋化泡またはヒドロゲルブロックから該架橋剤を除去して、架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックを形成する工程と;
(d)(b)の該形成された架橋化泡またはヒドロゲルブロック、(c)の該架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロック、あるいは(b)の該形成された架橋化泡またはヒドロゲルブロックおよび(c)の該架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックの組み合わせのサイズを減少させて、(b)のサイズ減少架橋化泡および/または(c)のサイズ減少架橋剤不含泡を含む複数の微小粒子を形成する工程と
を含む、前記方法。
【請求項15】
(a)の混合が:
(a1)該架橋可能タンパク質溶液を調製する工程であって:
(i)攪拌しながら、50℃で架橋可能タンパク質を液体に添加する工程と;
(ii)該架橋可能タンパク質を溶解して、該架橋可能タンパク質溶液を形成する工程と
を含む前記工程と;
(a2)該架橋剤溶液を調製する工程であって:
(i)攪拌しながら、25℃で架橋剤を液体に添加する工程と;
(ii)該架橋剤を溶解して、該架橋剤溶液を形成する工程と
を含む前記工程と
を含む、請求項14の方法。
【請求項16】
(b)の該架橋化泡またはヒドロゲルブロックが、酵素的に架橋されている、請求項14の方法。
【請求項17】
該架橋剤がトランスグルタミナーゼである、請求項16の方法。
【請求項18】
該架橋剤が微生物トランスグルタミナーゼである、請求項17の方法。
【請求項19】
(b)の架橋化泡の該形成が:
(b1)(a)の該架橋剤溶液を37℃で添加しながら、(a)の該架橋可能タンパク質溶液をホイッピングして、(b)の該架橋化泡を形成する工程
を含む、請求項14の方法。
【請求項20】
(b)の架橋化泡の該形成が:
(b2)ガスを加えずに、(a)の該架橋剤溶液を37℃で添加しながら、(a)の該架橋可能タンパク質溶液を混合して、(b)の該架橋化ヒドロゲルブロックを形成する工程
を含む、請求項14の方法。
【請求項21】
(d)の該減少が、(b)の該形成された架橋化泡を0.5mm~20mmピースのサイズにカッティングする工程を含む、請求項14の方法。
【請求項22】
(c)の除去が:
(c1)(b)の該架橋化泡またはブロックがピースにカッティングされることによってサイズが減少する、(b)の該架橋化泡またはヒドロゲルブロックを洗浄する工程であって、
洗浄が架橋化泡またはヒドロゲルブロックの該ピースを攪拌して、洗浄された泡またはヒドロゲルブロックピースを形成することによって起こる
前記工程と;
(c2)メッシュふるい上で、(c1)の該洗浄された泡またはヒドロゲルブロックピースをふるい、
それによって架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックピースを形成する工程と
を含む、請求項14の方法。
【請求項23】
(e)(c)の該架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックあるいは(d)の複数の粒子を凍結する工程と;
(f)(e)の該凍結された架橋剤不含泡またはヒドロブロックを凍結乾燥する工程と;
(g)(f)の該凍結乾燥された架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックのサイズを減少させて、複数の架橋化泡またはヒドロゲル粒子を形成する工程と
をさらに含む、請求項14の方法。
【請求項24】
(e2)(c)の該架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックあるいは(d)の複数の粒子を乾燥させて、(e2)の乾燥された架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックあるいは(e2)の乾燥された複数の粒子を形成する工程と;
(g2)(e2)の該乾燥された架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックのサイズを減少させて、複数の架橋化泡またはヒドロゲル粒子を形成する工程と
をさらに含む、請求項14の方法。
【請求項25】
該複数の架橋化泡粒子が、0.1μm~2000μmの粒子サイズを含む、請求項23~24のいずれか一項の方法。
【請求項26】
該架橋可能タンパク質が:ゼラチン、コラーゲン、トロポエラスチン、エラスチン、カゼイン、アルブミン、少なくとも1つのRGDモチーフを含むかまたはそれに連結された任意の操作ポリマー、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項14の方法。
【請求項27】
該架橋可能タンパク質が:非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン、その任意の操作タンパク質、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項14の方法。
【請求項28】
該架橋剤が、トランスグルタミナーゼまたは酸化酵素より選択される、請求項14の方法。
【請求項29】
該架橋剤が:天然トランスグルタミナーゼ、修飾トランスグルタミナーゼ、組換えトランスグルタミナーゼ、微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)、組織トランスグルタミナーゼ(tTG)、ケラチノサイト・トランスグルタミナーゼ、上皮トランスグルタミナーゼ、前立腺トランスグルタミナーゼ、ニューロン・トランスグルタミナーゼ、ヒト・トランスグルタミナーゼ、XIII因子、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項28の方法。
【請求項30】
該架橋剤が:天然酸化酵素、修飾酸化酵素、リジルオキシダーゼ、チロシナーゼ、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ等、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項28の方法。
【請求項31】
(e)の該凍結が-18℃~25℃で2時間~48時間起こる、請求項23の方法。
【請求項32】
(f)の該凍結乾燥が、-50℃±10℃、0.01mbar~0.1mbarで24時間~96時間起こる、請求項23の方法。
【請求項33】
(e2)の該乾燥が、45℃±10℃で12時間~48時間起こる、請求項24の方法。
【請求項34】
(g)または(g2)の該サイズ減少が:
(f)または(e2)の該架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックを粉砕して、複数の架橋剤不含微小粒子を形成する工程と;
該複数の架橋剤不含微小粒子をサイズによって分離する工程と
を含む、請求項23~24のいずれか一項の方法。
【請求項35】
(f1)の該複数の架橋剤不含泡粒子が、0.1μm~2000μmの粒子サイズを含む、請求項34の方法。
【請求項36】
サイズによる該分離が:該複数の架橋剤不含微小粒子をふるい、少なくとも2つの異なる粒子サイズ範囲を有する該複数の架橋化微小粒子を生成する工程を含む、請求項34の方法。
【請求項37】
(a)請求項1の複数の微小粒子
を含む、組成物。
【請求項38】
さらに:(b)キャリアーを含む、請求項37の組成物。
【請求項39】
該架橋化タンパク質が:ゼラチン、コラーゲン、トロポエラスチン、エラスチン、カゼイン、アルブミン、その操作タンパク質、RGDモチーフを含む任意の操作ポリマー、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項37または請求項38の組成物。
【請求項40】
該架橋化タンパク質が:非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン、その任意の操作タンパク質、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項39の組成物。
【請求項41】
該キャリアーがヒドロゲルである、請求項38の組成物。
【請求項42】
該キャリアーが:ゼラチン;コラーゲン;アルギネート;ヒアルロン酸;カルボキシメチルセルロース;ポリ(エチレンオキシド)(PEO);ポリ(ビニルアルコール)(PVA);ポリ(フマル酸プロピレン)(PPF);ポリエチレングリコール(PEG)等、またはその任意の組み合わせより選択される、請求項38の組成物。
【請求項43】
該キャリアーが:非架橋化コンドロイチン硫酸ポリマー、非架橋化デルマタン硫酸ポリマー、非架橋化ケラタン硫酸ポリマー、非架橋化ヘパランポリマー、非架橋化ヘパラン硫酸ポリマー、非架橋化ヒアルロナンポリマー、非架橋化グリコサミノグリカンポリマー、非架橋化エラスチンおよび/またはフィブロネクチン、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項38の組成物。
【請求項44】
該キャリアーが:ゼラチン;コラーゲン;アルギネート;グリコサミノグリカン(GAG);ポリエチレングリコール(PEG);カルボキシメチルセルロース;ポリ(エチレンオキシド)(PEO);ポリ(ビニルアルコール)(PVA);ポリ(フマル酸プロピレン)(PPF)等、またはその組み合わせからなる群より選択されるか;あるいは該キャリアーが:ゼラチン(例えば非架橋化、架橋化、in situ架橋);コラーゲン(例えば非架橋化、架橋化);アルギネート(例えば非架橋化、架橋化);ヒアルロン酸(例えば非架橋化、架橋化);PEG;カルボキシメチルセルロース等、またはその組み合わせより選択される、請求項38の組成物。
【請求項45】
該キャリアーが湿潤である、請求項38の組成物。
【請求項46】
該キャリアーが乾燥している、請求項38の組成物。
【請求項47】
該組成物が:1mg/ml以上の、該キャリアー中の該複数の微小粒子濃度を含む、請求項37の組成物。
【請求項48】
該組成物が:300mg/ml以下の、該キャリアー中の該複数の微小粒子濃度を含む、請求項37の組成物。
【請求項49】
該組成物が:1mg/ml~300mg/mlの、該キャリアー中の該複数の微小粒子濃度を含む、請求項37の組成物。
【請求項50】
請求項1の複数の微小粒子を含む、組織足場。
【請求項51】
ヒドロゲルキャリアーをさらに含み、該ヒドロゲルキャリアーが:ゼラチン;コラーゲン;アルギネート;ヒアルロン酸;カルボキシメチルセルロース;ポリ(エチレンオキシド)(PEO);ポリ(ビニルアルコール)(PVA);ポリ(フマル酸プロピレン)(PPF)、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項50の組織足場。
【請求項52】
該組織足場が泡として設定される、請求項50の組織足場。
【請求項53】
該組織足場が架橋化ヒドロゲルブロックとして設定される、請求項50の組織足場。
【請求項54】
該架橋化タンパク質微小粒子が、少なくとも2つの異なる粒子サイズを含む、請求項50の組織足場。
【請求項55】
該少なくとも2つの異なる粒子サイズが、0.1μm~2000μmの粒子サイズを含む、請求項54の組織足場。
【請求項56】
請求項37または請求項38の組成物を含む、装置。
【請求項57】
該装置が:シリンジ、カートリッジ、およびバイアルからなる群より選択される、請求項56の装置。
【請求項58】
該シリンジが、14ゲージ~39ゲージより選択される針を含む、請求項57の装置。
【請求項59】
該シリンジが27ゲージ針を含み、該シリンジが、2N~70Nの範囲の注入力を発揮するように設定される、請求項57の装置。
【請求項60】
該装置が滅菌用に設定される、請求項56の装置。
【請求項61】
該使用が、被験体における体型矯正のためである、請求項37の組成物の使用。
【請求項62】
体型矯正が:軟組織再構築、体積回復、乳房増大、生物刺激、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項61の使用。
【請求項63】
生物刺激が:線維芽細胞刺激、コラーゲン産生刺激、新規コラーゲン生成、血管形成、組織再増殖、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項61の使用。
【請求項64】
該組成物が、シリンジ、カートリッジ、またはバイアル中に設定される、請求項61の使用。
【請求項65】
使用がin vitro組織培養のためである、請求項1の組成物の使用。
【請求項66】
該in vitro組織培養が、タンパク質発現のためである、請求項65の組成物の使用。
【請求項67】
該in vitro組織培養が、タンパク質精製のためである、請求項65の組成物の使用。
【請求項68】
該in vitro組織培養が、細胞分化のためである、請求項65の組成物の使用。
【請求項69】
体型矯正が必要な被験体を治療する方法であって、請求項37または請求項38の組成物を、体型補正が必要な被験体の部位に投与する工程を含む、前記方法。
【請求項70】
前記投与がその必要がある該被験体に該組成物を注入する工程を含む、請求項69の方法。
【請求項71】
投与が:
(a)線維芽細胞刺激;
(b)コラーゲン産生刺激;
(c)新規コラーゲン生成誘導;
(d)組織再増殖誘導;
(e)組織足場提供;または
(f)その任意の組み合わせ
を含む、請求項69の方法。
【請求項72】
細胞不含タンパク質を産生する方法であって:
請求項1の複数の微小粒子および培地を含む細胞培養中で、複数のタンパク質産生細胞を増殖させ、
増殖が、タンパク質合成を誘導する条件下で起こり、
それによって、細胞不含タンパク質を産生する工程
を含む、前記方法。
【請求項73】
該タンパク質がコラーゲンである、請求項72の方法。
【請求項74】
該タンパク質がホルモンである、請求項72の方法。
【請求項75】
該タンパク質がモノクローナル抗体である、請求項72の方法。
【請求項76】
該タンパク質が酵素である、請求項72の方法。
【請求項77】
該タンパク質が増殖因子である、請求項72の方法。
【請求項78】
該タンパク質がサイトカインである、請求項72の方法。
【請求項79】
分化細胞を産生する方法であって:
請求項1の複数の微小粒子および培地を含む細胞培養中で、複数の細胞を増殖させ、
増殖が、細胞分化を誘導する条件下で起こり、
それによって、分化細胞を産生する工程
を含む、前記方法。
【請求項80】
該複数の細胞が、人工多能性幹細胞を含み、該分化細胞が機能する心筋細胞を含む、請求項79の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年6月21日出願の米国仮出願第63/212,993号に、米国特許法第119条(e)の下に、優先権の恩典を請求する。
【0002】
発明の分野
本開示の実施形態は、再構築使用のための注入可能微小粒子足場組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
急性組織傷害、疾患、または選択的手術、例えば乳房腫瘍摘出手術もしくは腫瘍除去によって引き起こされる軟組織損傷および損失が、高発生率で患者に起こる。これらの種類の傷害および治療処置および手術の結果は、大部分で、審美的に好ましくなく、瘢痕および組織変形が導かれ、これらはしばしば、再構築のため、連続して続く手術を要する。さらなる欠陥は、加齢プロセスの結果としての皮膚タンパク質、柔軟性、および滑らかさの喪失に起因しうる。
【0004】
現在利用可能な治療オプションは、分解性充填剤または脂肪移植に頼り、これは、成功率が低い外科処置であり、患者の病的状態に関連する。大部分の生体分解性皮膚充填剤は、効果が一時的であるかまたは不自然な転帰を伴うかいずれかの欠点を持つ。永続的な充填剤、例えばシリコンまたはメタクリル酸ポリメチル微小球体(PMMA)は、いくつかの例では、再発性血腫、浮腫、肥大性瘢痕、結節形成、および癌を含む深刻な不都合な臨床転帰を導くことが知られているため、現在、稀にしか用いられず、安全でないと見なされている。
【0005】
したがって、喪失したかまたは減少した軟組織体積の再構築、若返り、あるいは不全であるかまたは欠けている組織の置換を補助しうる、適切な剤に関する必要性がある。
【0006】
ゼラチンは、組織操作および再生医学のための魅力的な移植可能バイオマテリアルを提供する。架橋構造を得るため、ペンダントなメタクリレート基で修飾された市販のゼラチン、例えばメタクリル酸ゼラチン(GelMA)にUV光を適用すると、ラジカル重合を用いて、架橋化ヒドロゲルが組み立てられる。この例では、架橋は、毒性フリーラジカルを後に残し、生物適合性は最適以下である。
【0007】
したがって、安全で、安価であり、費用効率の高い、再構築使用、例えば体型矯正および生物刺激のための、移植可能組織支持物に関する必要性がある。さらに、組織支持物は、有害な免疫系反応を誘導してはならない(すなわち免疫原性の欠如)。また、肉芽腫の危険を伴わぬよう、短い時間枠内に分解可能でなくてはならない。
【0008】
さらに別の必要性は、組織内に注入される細胞療法のシーディングおよび生存を増進することである。これらの細胞は、通常、それほどよくは保持されず、治療される組織において、細胞の付着のための初期および中期ベッドとして働く、支持的生体適合性足場を提供することによって、これらの細胞を補助する必要がある。
【発明の概要】
【0009】
本開示の1つの目的は、任意選択で酵素的に架橋され、任意選択で体内にまたは針を含むインジェクターを通じて注入可能な、改善された微小粒子多孔性足場組成物を提供することである。
【0010】
別の目的は複数の微小粒子であって:少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含む架橋化タンパク質を含み;該複数の微小粒子が本質的にまたは実質的に架橋剤を含まず;かつ該複数の微小粒子が水不溶性である、前記複数の微小粒子に向けられうる。複数の微小粒子の1つの態様は、架橋化タンパク質が:ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、エラスチン、トロポエラスチン、アルブミン、その操作タンパク質等、またはその任意の組み合わせからなる群より選択されうるものであり;または別の態様において、架橋化タンパク質は:非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン、その操作タンパク質または合成タンパク質、それに連結されたRGDモチーフを含む任意の操作ポリマー等、またはその組み合わせより選択される。いくつかの態様は:凍結乾燥泡粒子;0.1μm~2000μm(例えば40μm~100μm;60μm~90μm)より選択される粒子サイズ(例えば乾燥または湿潤粒子);0.1μm~2000μm(例えば40μm~100μm;60μm~90μm)より選択される少なくとも2つの異なる粒子サイズ;0.1μm~2000μm(例えば30μm~500μm;40μm~100μm;60μm~90μm)より選択される平均粒子サイズ、またはその組み合わせで構成される、本開示のこうした複数の粒子を提供する。
【0011】
本開示の他の目的において、本明細書記載の複数の微小粒子を調製する方法は:(a)架橋可能タンパク質溶液および架橋剤溶液を混合する工程であって、架橋可能タンパク質溶液が架橋可能タンパク質あるいは少なくとも1つのRGD(アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(Arg-Gly-Asp))モチーフを含むかまたはそれに連結された操作ポリマーを液体中に溶解することを含み;架橋剤溶液が架橋剤を液体中に溶解することを含む、前記工程と;(b)(a)の混合された架橋可能タンパク質溶液および架橋剤溶液を含む、架橋化泡を形成する工程と;(c)(b)の架橋化泡から架橋剤を除去して、架橋剤不含泡を形成する工程と;(d)(b)の形成された架橋化泡、(c)の架橋剤不含泡、または(b)の形成された架橋化泡および(c)の架橋剤不含泡の組み合わせのサイズを減少させて、サイズが減少された(b)の架橋化泡および/またはサイズが減少された(c)の架橋剤不含泡を含む、複数の微小粒子を形成する工程とを含む。方法の別の態様は:(a1)攪拌または連続攪拌しながら、架橋可能タンパク質を50℃で液体(例えば水、生理食塩水、PBS)に添加し;架橋可能タンパク質を溶解して、架橋可能タンパク質溶液を形成することによって、架橋可能タンパク質溶液を調製する工程と;(a2)攪拌または連続攪拌しながら、架橋剤を25℃で液体(例えば水、生理食塩水、PBS)に添加し;架橋剤を溶解して、架橋剤溶液を形成することによって、架橋剤溶液を調製する工程とを有する、(a)の混合を提供する。本明細書に開示される方法のいくつかの態様において、(b)の架橋化泡は酵素的に架橋され、架橋剤はトランスグルタミナーゼ(例えば微生物トランスグルタミナーゼ)である。複数の微小粒子を調製する本開示の方法のさらなる態様において、(b)の架橋化泡の形成は:ホイッピングまたは攪拌して通気する工程、あるいはガスまたはエア(例えばアルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、水素、クリプトン、メタン、ネオン、窒素、酸素、オゾン、水蒸気、キセノン)を加えまたは加えずに攪拌する工程を含む。いくつかの態様において、方法は、(a)の架橋剤溶液をガスまたはエアを加えずに攪拌して、泡ではない集密(confluent)架橋化タンパク質(b)を形成する工程を含み、これをさらに(c)~(g)の泡に関して行われるものと同じ方式で、処理して、サイズを減少してもよい。(a)の架橋可能タンパク質溶液に(a)の架橋剤溶液を37℃で添加して、(b)の架橋化泡を形成する。ホイッピングは、架橋化泡の形成において、通気を可能にする。いくつかの実施形態において、(b)の架橋化泡の形成は、ガスまたはエアを伴わずに攪拌または混合することによって起こりうる。方法のさらに別の態様において、(d)の減少は、0.2mm~20mm(例えば1mm~19mm;2mm~18mm;3mm~17mm;4mm~16mm;5mm~15mm;6mm~14mm;7mm~13mm;8mm~12mm;9mm~11mm);0.5mm以上(例えば0.6mm;0.7mm;0.8mm;0.9mm;1mm;2mm;3mm;4mm;5mm;6mm;7mm;8mm;9mm;10mm;11mm;12mm;13mm;14mm;15mm;16mm;17mm;18mm;19mm;20mm);20mm以下(例えば19.5mm;18.5mm;17.5mm;16.5mm;15.5mm;14.5mm;13.5mm;12.5mm;11.5mm;10.5mm;9.5mm;8.5mm;7.5mm;6.5mm;5.5mm;4.5mm;3.5mm;2.5mm;1.5mm)のサイズを有する泡の大きなピースに、(b)の形成された架橋化泡をカッティングする(例えばダイシングする、チョッピングする、メッシングする)工程を含む。(c)の除去にさらに関する方法のいくつかの態様は:例えば(b)の架橋化泡を洗浄することによって、架橋剤または架橋酵素を除去する工程であって、(b)の架橋化泡が、ピースにカッティングされる(例えばダイシングされる、チョッピングされる、メッシングされる)ことによって、サイズが減少し、洗浄が、架橋化泡のピースを45℃~55℃(例えば50℃)で攪拌して、洗浄された泡ピースを形成することによって起こる、前記工程と;メッシュふるい(例えば1つ以上のメッシュふるい;35USメッシュ番号~5000USメッシュ番号;2.5mm~500mm;0.5mm)上で(c1)の洗浄された泡ピースをふるい、それによって、架橋剤不含泡ピース(例えば0.2mm~20mm)を形成する工程を含んでもよい。
【0012】
該方法の別の目的は:(e)(c)の架橋剤不含泡または(d)の複数の粒子を凍結する工程と;(f)(e)の凍結された架橋剤不含泡を乾燥する(例えば凍結乾燥する、フリーズドライする、オーブン乾燥する、室温乾燥する、周囲温度乾燥する)工程と;(g)(f)の凍結乾燥された架橋剤不含泡のサイズを減少させて、複数の架橋化泡粒子を形成する工程とをさらに含むことに向けられうる。該方法の複数の架橋化泡粒子は、0.1μm~2000μm(例えば5μm~150μm;40μm~100μm;60μm~90μm)の粒子サイズ(例えば乾燥粒子または湿潤粒子)を含む。方法の1つの態様において、架橋可能タンパク質は:ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、エラスチン、トロポエラスチン、アルブミン、その操作タンパク質等、またはその任意の組み合わせより選択されうるものであり、架橋可能タンパク質は:非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン等、あるいは少なくとも1つのRGDモチーフを含むかまたはそれに連結された操作ポリマー等、あるいはその任意の組み合わせからなる群より、さらに選択されうる。いくつかの態様は、架橋剤に向けられる可能性があり、架橋剤は酵素、例えば限定されるわけではないが、トランスグルタミナーゼまたは酸化酵素である。こうした架橋剤の限定されない例は:天然トランスグルタミナーゼ、修飾トランスグルタミナーゼ、組換えトランスグルタミナーゼ、微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)、組織トランスグルタミナーゼ(tTG)、ケラチノサイト・トランスグルタミナーゼ、上皮トランスグルタミナーゼ、前立腺トランスグルタミナーゼ、ニューロン・トランスグルタミナーゼ、ヒト・トランスグルタミナーゼ、XIII因子、天然酸化酵素、修飾酸化酵素、リジルオキシダーゼ、チロシナーゼ、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ等、またはその任意の組み合わせである。さらに、本開示の方法の別の態様において、(e)の凍結は最低2時間(例えば3時間、4時間、5~25時間)、-18℃~25℃で起こることも可能であり;(f)の凍結乾燥は、-50℃±10℃、0.01mbar~0.1mbar(例えば0.04mbar~0.05mbar)、および24時間~96時間(例えば48時間)で起こることも可能である。
【0013】
さらに別の実施形態は、(a)のタンパク質溶液を、ガスまたはエアを含まずに攪拌して、泡ではない集密架橋化タンパク質(b)を形成し、(c)(b)の架橋化泡またはブロックから架橋剤を除去して、架橋剤不含泡またはブロックを形成して;(b)の形成された架橋化泡またはブロックのサイズを減少させる工程と;(e)(c)の架橋剤不含泡またはブロックあるいは(d)の複数の粒子を凍結する工程と;(f)(e)の凍結された架橋剤不含泡またはブロックを凍結乾燥する工程と;(g)(f)の凍結乾燥された架橋剤不含泡のサイズを減少させて、複数の架橋化泡粒子を形成する工程との、泡に関して行ったものと同じ方式でさらに処理し、サイズを減少させてもよい。
【0014】
本開示の方法のさらなる態様は:(e)の凍結乾燥された架橋剤不含泡を粉砕して、複数の架橋剤不含泡粒子を形成する工程と;複数の架橋剤不含泡粒子をサイズによって分離する工程とを含む、(g)のサイズを減少させる工程に向けられる。サイズの減少は、0.1μm~2000μmの粒子サイズ(乾燥または湿潤粒子サイズ)を有する複数の架橋剤不含泡粒子を生じうる。本開示の方法の別の態様は、複数の架橋剤不含泡粒子をふるい、1つ以上のまたは少なくとも2つの異なる粒子サイズ範囲を有する、複数の架橋化泡粒子を生成することによって、(e)の粉砕された凍結乾燥された架橋剤不含泡をサイズによって分離する工程を提供する。
【0015】
本開示のさらなる目的は:(a)本開示の複数の微小粒子と;(b)キャリアーとを含む組成物であって、架橋化タンパク質が:ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、エラスチン、トロポエラスチン、アルブミン、その操作タンパク質等、またはその任意の組み合わせからなる群より選択され;または架橋化タンパク質が:非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン等、または少なくとも1つのRGDモチーフを含む操作ポリマー、あるいはその任意の組み合わせより選択される、前記組成物に向けられうる。さらなる態様は、ヒドロゲルである組成物のキャリアーであって、該キャリアーが:ゼラチン;コラーゲン;アルギネート;ヒアルロン酸;カルボキシメチルセルロース;ポリ(エチレンオキシド)(PEO);ポリ(ビニルアルコール)(PVA);ポリ(フマル酸プロピレン)(PPF);ポリエチレングリコール(PEG)等、またはその任意の組み合わせより選択されてもよいか;あるいは該キャリアーが:ゼラチン(例えば非架橋化、架橋化、in situ架橋);コラーゲン(例えば非架橋化、架橋化);アルギネート(例えば非架橋化、架橋化);ヒアルロン酸(例えば非架橋化、架橋化);PEG;カルボキシメチルセルロース等、またはその組み合わせより選択される、前記キャリアーを提供しうる。これらの組成物の態様はまた:1mg/ml以上(例えば10mg/ml;20mg/ml;30mg/ml;40mg/ml;50mg/ml;60mg/ml;70mg/ml;80mg/ml;90mg/ml;100mg/ml;110mg/ml;120mg/ml;130mg/ml;140mg/ml;150mg/ml;200mg/ml;300mg/ml);300mg/ml以下(例えば290mg/ml;280mg/ml;270mg/ml;260mg/ml;250mg/ml;240mg/ml;230mg/ml;220mg/ml;210mg/ml;200mg/ml;190mg/ml;180mg/ml;170mg/ml;160mg/ml;155mg/ml;145mg/ml;135mg/ml;125mg/ml;115mg/ml;105mg/ml;95mg/ml;85mg/ml;75mg/ml;65mg/ml;55mg/ml;45mg/ml;35mg/ml;25mg/ml;15mg/ml;5mg/ml);または1mg/ml~300mg/ml(例えば2mg/ml~295mg/ml;4mg/ml~285mg/ml;6mg/ml~275mg/ml;8mg/ml~265mg/ml;12mg/ml~255mg/ml;14mg/ml~245mg/ml;16mg/ml~235mg/ml;18mg/ml~225mg/ml;22mg/ml~215mg/ml;24mg/ml~205mg/ml;26mg/ml~195mg/ml;28mg/ml~185mg/ml;32mg/ml~175mg/ml;34mg/ml~165mg/ml;36mg/ml~153mg/ml;38mg/ml~143mg/ml;42mg/ml~133mg/ml;52mg/ml~123mg/ml;62mg/ml~113mg/ml;72mg/ml~103mg/ml;82mg/ml~93mg/ml)のキャリアー中の複数の微小粒子の濃度も提供する。
【0016】
本開示の別の目的は:本開示の複数の微小粒子を含み、いくつかの態様において、ヒドロゲルキャリアーをさらに含む、組織足場であって、ヒドロゲルキャリアーが:ゼラチン、コラーゲン、アルギネート、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース等、またはその任意の組み合わせより選択される、前記組織足場を提供する。いくつかの他の態様において、組織足場は泡として設定され、架橋されたタンパク質微小粒子は、少なくとも1つの異なる粒子サイズを含み、粒子サイズは0.1μm~2000μmであってもよい。
【0017】
本開示のさらにさらなる目的は、複数の微小粒子とキャリアーとを含む、本開示の組成物を含む装置であって、該装置が、いくつかの態様において、シリンジ、カートリッジ、またはバイアルである、前記装置に向けられうる。別の態様は、14ゲージ~39ゲージ(例えば25ゲージ~30ゲージ、27ゲージ~30ゲージ)より選択される針またはカニューレを含むシリンジを提供する。装置の1つの態様において、装置は、滅菌可能であるかまたは滅菌のために設定されている。
【0018】
本開示の別の目的において、複数の微小粒子とキャリアーとを含む組成物、および/または本開示の複数の微小粒子の使用は、被験体(ヒトまたは動物いずれか)における体型矯正のためでありうる。使用の態様は:軟組織再構築、体積回復、乳房増大、生物刺激(細胞の、例えば皮膚の)等、またはその組み合わせより選択される体型矯正を提供する。いくつかの態様において、生物刺激は:線維芽細胞刺激、コラーゲン産生刺激、新規コラーゲン生成(neo-collagenesis)、組織再増殖、創傷閉鎖等、またはその組み合わせより選択されてもよい。使用の別の態様は、本開示の組成物および/または本開示の複数の微小粒子であって、該組成物および/または複数の微小粒子が、例えばシリンジ、カートリッジ、またはバイアルであってもよい、本明細書記載の装置中で設定される、前記組成物および/または複数の微小粒子に向けられる。
【0019】
本開示の1つの目的はまた、体型矯正が必要な被験体を治療する方法であって、本開示の組成物を、体型矯正が必要な被験体の部位に投与する工程を含み、投与が1つの態様において、注入による、前記方法も提供する。別の態様は:(a)線維芽細胞刺激;(b)コラーゲン産生刺激;(c)新規コラーゲン生成誘導;(d)組織再増殖誘導;(e)組織足場提供等、または(f)その任意の組み合わせを生じる、本開示の組成物の投与を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、多様な微小粒子バッチにおける架橋剤、mTGの平均活性のグラフ提示を示し、ゼラチン架橋に用いたmTGの量は3g~10gであった。P1:アッセイ陽性対照;mTG(1:100):陽性対照;Y軸:mTG平均活性;X軸:微小粒子バッチおよび陽性対照。
【0021】
図2図2A~2Dは、マッソン・トリクローム(MT)染色を用いた、注入30日後の、本開示の組成物を移植した皮下領域の代表的な組織病理学的評価を示す。各々に関するスケールは以下のとおりである:1000μm(図2A);200μ(図2B);および50μ(図2C~2D)。黒い矢印は、本開示の移植組成物を示す。灰色の矢印は、新規コラーゲン生成を示す。白い矢印は、浸潤線維芽細胞および足場の間の相互作用を示す。
【0022】
図3図3は、27ゲージ(G)の針を含む1mlシリンジを用いた、注入力と粒子サイズの間の線形相関を示す。
【0023】
図4図4は、0.1μm(すなわち100nm)より大きい(例えば104nm;105nm;112nm;145nm;150nm;275nm)粒子の例示的な走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
【0024】
図5図5は、60μm~100μm(例えば75.69μm;88.38μm;91.56μm;99.68μm)の粒子サイズ範囲を有する微小粒子の例示的なSEM画像を示す。
【0025】
図6図6Aは、最大2000μmの粒子の例示的な光学顕微鏡画像を示す。画像化前に粒子を水和した(スケール500μm)。図6Bは:558μm、862μm、および986μmの乾燥粒子サイズを示す(スケール200μm)。図6Cは、1808μmの粒子サイズを有する湿潤粒子を示す(スケール500μm)。
【0026】
図7図7Aは、乾燥ゼラチン微小粒子を示す(スケール100μm)。図7Bは、水和または湿潤ゼラチン微小粒子を示す(スケール100μm)。
【0027】
図8図8は、乾燥および水和微小粒子のサイズ分布のグラフ提示を示す。乾燥微小粒子(左のカラム):粒子サイズ:70μm~170μm。水和微小粒子(右のカラム):90μm~310μm。
【0028】
図9図9は、6℃、0.75%ゼラチンキャリアーの、X軸上の周波数f(Hz)に対する、Y軸上の貯蔵弾性率G’(Pa)Δ、損失弾性率G”(Pa)□、および複素粘度η*(Pa.s)Oを示す、代表的な周波数掃引グラフを示す。
【0029】
図10図10は、サンプル(8gr mTG)の例示的な泡微小粒子の代表的なサイズ分布を示し、96%エタノールサンプル(円)は80μmのサイズ、14体積%でピークとなり、DDW即時サンプル(ひし形)は120μmのサイズ、10体積%でピークとなり;24時間でのDDWサンプル(正方形)は140μmのサイズ、11体積%でピークとなった。表6を参照されたい。
【0030】
図11図11は、異なる生理食塩水体積(1.5ml;2ml;3ml;4ml)の架橋化ゼラチン泡微小粒子の例示的な配合物の注入可能性(N)を示す。
【0031】
図12図12は、移植7日後、30日後、および180日後のブタおよびラット皮膚におけるH&E(細胞核を紫がかった青に、細胞外マトリックスおよび細胞質をピンクに染色する、ヘマトキシリンおよびエオジン)およびMT、マッソン・トリクローム(赤のケラチン、筋線維および移植物、青のコラーゲンおよび骨、明るい赤またはピンクの細胞質、ならびに濃褐色から黒の細胞核を生じる)で染色された移植物の代表的な組織学的写真(H&E-ブタ第7日および第30日、ラット第7日および第30日、ならびにMT-ブタ第180日)を示し、矢印は、本開示の移植された組成物の部位を示す。
【0032】
図13図13は、移植7日後、30日後、および180日後のH&E(細胞核を紫がかった青に、細胞外マトリックスおよび細胞質をピンクに染色する、ヘマトキシリンおよびエオジン)およびマッソン・トリクローム(赤のケラチン、筋線維および移植物、青のコラーゲンおよび骨、明るい赤またはピンクの細胞質、ならびに濃褐色から黒の細胞核を生じる)で染色された移植物の代表的な組織学的写真(H&E-ブタ第7日、ならびにマッソン・トリクローム-ブタ第30日および第180日、ラット第7日および第30日)を示し、青く染色された新規コラーゲン線維(白い矢印)の移植された配合物(黒い矢印)を示す。
【0033】
図14図14は、水中で調製された1mg/ml FPのSDS-PAGEを示す。コラゲナーゼを懸濁物に添加して、FPを分解した。分子量マーカー(M);微生物トランスグルタミナーゼ(20μl中、7μgタンパク質)(1);ゼラチン(20μl中、10μgタンパク質)(2);コラゲナーゼ(20μl中、1.7U)(3);泡粒子(FP)(コラゲナーゼで分解、20μl中、10μgタンパク質)(4)。
【0034】
図15図15は、アルギニンの検量線を示す。0.999のR2値は高い線形性を示す。放出強度(Y軸)に対するアルギニン濃度(μg/ml)(X軸)。
【0035】
図16図16は、遊離アルギニン、原材料、および架橋化ゼラチン粒子の蛍光放出スペクトルを示す。
【0036】
図17図17は、原材料の非架橋化ゼラチンおよび架橋化ゼラチン粒子(すなわちFPおよび集密粒子)におけるRGD定量化を示す。
【0037】
図18図18は、63μm未満;63μm~99μm;および99μmより大きい異なる架橋化ゼラチン粒子サイズ範囲(X軸)を持つFP上のRGD配列またはモチーフ(μg/mg)(Y軸)の量を示す。
【0038】
図19図19は、ゼラチン:mTG、ゼラチン、および微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)の多様な重量比に関連するRGD(μg/mg)の量(Y軸)を示す。
【0039】
図20図20Aおよび図20Bは、心筋細胞に分化した、本開示の泡粒子マイクロキャリアー上で増殖したヒト人工多能性幹(iPS)細胞の光学顕微鏡画像を示す。図20Aは、50μmのスケールを有し、図20Bは、200μmのスケールを有する。
【0040】
図21図20Aおよび図20Bは、泡架橋化ゼラチン線維から製造された泡粒子(FP)の光学顕微鏡画像を示す。スケール100μm。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示の詳細な実施形態を本明細書に記載する;しかし、開示される実施形態は、本発明の単なる例示であり、本発明は多様な形式で具体化可能である。さらに、本発明の多様な実施形態と関連して提供される例は各々、例示を意図され、制限を意図されない。
【0042】
多孔性および生物分解性ポリマー足場は、構造支持マトリックスとして、または細胞接着性基盤として利用されうる。本開示の目的は、免疫反応を誘導しないかまたは免疫原性を持たない、安全、非毒性、安価または低コストの移植可能組織支持体を提供することである。一例において、本開示の移植可能組織支持体は、合成であり、および/または非ヒト構成要素を欠くかまたは本質的に含まない。生得的細胞結合要素を含む材料の使用は、直接細胞付着および局所リモデリングを可能にすることによって、移植物の性能を改善しうる。三ペプチドモチーフ(例えばRGD(アルギニン(Arg)-グリシン(Gly)-アスパラギン酸(Asp)))は、限定されるわけではないが、骨シアロタンパク質、コラーゲン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ゼラチン、ラミニン、オステオポンチン、およびビトロネクトンなどの細胞外マトリックスタンパク質内で見られ、細胞接着、細胞膜結合、および細胞付着を促進する。RGDモチーフは、ECMタンパク質内のインテグリン結合ドメインである。例えば、コラーゲン由来のゼラチンは、細胞接着に有用なRGDモチーフを含有する。
【0043】
粒子
【0044】
本開示の多様な実施形態において、微小粒子または複数の微小粒子;その調製法;複数の微小粒子を含む組成物;本開示の組成物を含む装置、例えばシリンジまたはバイアル;本開示の複数の微小粒子または組成物を含む足場または組織足場;本開示の開示される複数の微小粒子または組成物の使用;ならびに本開示の複数の微小粒子または組成物を投与することによって、被験体を治療する方法を本明細書に提供する。
【0045】
本明細書において使用される際、用語「被験体」は、例えば実験、診断、予防、および/または療法目的のため、本開示にしたがった組成物が投与されうる任意の生物を指す。典型的な被験体には、任意の動物(例えば哺乳動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、非ヒト霊長類、およびヒト等)が含まれる。その必要がある被験体は、典型的には、本明細書に記載されるような疾患、障害、または状態を治療することが望ましい被験体である。例えば、その必要がある被験体は、治療を求めている可能性があるかまたはその必要がある可能性があるか、治療を必要とする可能性があるか、治療を受けている可能性があるか、将来治療を受ける可能性がある被験体、あるいは訓練された専門家によって、特定の疾患、障害、または状態に関してケアを受けているヒトまたは動物でありうる。いくつかの実施形態において、被験体は、限定されるわけではないが:軟組織再構築、体積回復、乳房増大、生物刺激(細胞の、例えば皮膚の)等、またはその組み合わせを含む体型矯正を必要とする。いくつかの実施形態において、生物刺激は:線維芽細胞刺激、コラーゲン産生刺激、新規コラーゲン生成、組織再増殖、創傷閉鎖等、またはその組み合わせより選択されてもよい。
【0046】
本開示の1つの実施形態は:架橋化タンパク質を有する単数の微小粒子または複数の微小粒子に向けられ、該架橋化タンパク質のタンパク質は、とりわけ細胞接着特性を伝達する、少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含む。いくつかの実施形態において、いくつかのRGDモチーフであるが、少なくとも1つのRGDモチーフを有する架橋化タンパク質は、粒子サイズを減少させ、微小粒子の表面積を増加させることによって、十分に、および/またはより好適に、曝露されうる。本明細書記載の単数の微小粒子または複数の微小粒子は、0.1μg/mg~50μg/mg(例えば0.2μg/mg~45μg/mg;0.3μg/mg~40μg/mg;0.4μg/mg~35μg/mg;0.5μg/mg~30μg/mg;0.6μg/mg~25μg/mg;0.7μg/mg~20μg/mg;0.8μg/mg~15μg/mg;0.9μg/mg~10μg/mg;1μg/mg~5μg/mg)の;0.1μg/mg以上(例えば2μg;4μg;6μg;8μg;10μg;12μg;14μg;16μg;18μg;20μg;22μg;24μg;26μg;28μg;30μg;32μg;34μg;36μg;38μg;40μg;42μg;44μg;46μg;48μg;50μg)の;または50μg/mg以下(例えば49μg;47μg;45μg;43μg;41μg;39μg;37μg;35μg;33μg;31μg;29μg;27μg;25μg;23μg;21μg;19μg;17μg;15μg;13μg;11μg;9μg;7μg;5μg;3μg;1μg;0.9μg;0.7μg;0.5μg;0.3μg;0.1μg)の量のRGDモチーフを有する架橋化タンパク質を含む。
【0047】
架橋化タンパク質を含む単数の微小粒子または複数の微小粒子は、架橋剤を含まないかまたは本質的に架橋剤を含まず、「架橋剤を含まない」は、本明細書で用いられる際、架橋剤が存在しないか、あるいは存在してもよいが、複数の微小粒子または架橋化タンパク質の機能または使用に影響を持たない、わずかな量の架橋剤を含有することを意味する。架橋化タンパク質は、例えば泡に、集密ヒドロゲルに、または線維に安定化されてもよく、この場合、架橋は酵素的架橋によって起こる。いくつかの実施形態において、酵素を用いて酵素的架橋を行ったが、例えば粒子から酵素を洗い流すか、あるいは架橋剤または架橋酵素を不活性化することによって、続いて除去した。1つの実施形態は、架橋化タンパク質のタンパク質を架橋するためのトランスグルタミナーゼ酵素の使用を含み、架橋完了に際して、酵素は架橋化タンパク質(複数可)から洗い流される。さらなる実施形態において、トランスグルタミナーゼ酵素は、微生物トランスグルタミナーゼ酵素であるか、または該酵素を含む。
【0048】
したがって、最終の単数の微小粒子または複数の微小粒子は、架橋剤を含まない架橋化タンパク質を含む。いくつかの態様において、最終の単数の微小粒子または複数の微小粒子の架橋化タンパク質のタンパク質は、以前架橋されたまたはプレ架橋化タンパク質を含み、架橋化タンパク質は洗浄されて、いかなる架橋剤も除去され、したがって、架橋化タンパク質を含む最終の単数の微小粒子または複数の微小粒子は、架橋剤を含まないか、あるいは本質的にまたは実質的に架橋剤を含まない。架橋化タンパク質のタンパク質は、限定されるわけではないが、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、エラスチン、トロポエラスチン、アルブミン、その操作タンパク質等、またはその任意の組み合わせからなる群より選択されうる。実施形態の別の態様は:非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン、その操作タンパク質、少なくとも1つのRGDモチーフを含むかまたはそれに連結された操作ポリマー等、あるいはその任意の組み合わせを含む架橋化タンパク質のタンパク質に向けられうる。さらに、本開示の単数の微小粒子または複数の微小粒子は、少なくとも1つ以上の架橋化タンパク質を含み、少なくとも1つ以上の架橋化タンパク質は、少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含み;単数の微小粒子または複数の微小粒子は、架橋剤を含まず(すなわち架橋剤(複数可)が存在しないかまたは本質的に存在しない);単数の微小粒子または複数の微小粒子は、水不溶性または本質的に水不溶性である。本開示のいくつかの実施形態は、プレ架橋され、水不溶性であり、架橋剤を含まず、水可溶性でない、複数の微小粒子に向けられる。
【0049】
別の実施形態は、微小粒子が泡の粒子または泡様特性を有する粒子を含む、本開示の複数の微小粒子に向けられ、複数の微小粒子または泡粒子は、架橋剤を含まない架橋化タンパク質を含む。本開示の実施形態のいくつかの態様において、架橋化タンパク質は、泡に、集密ヒドロゲルに、または線維に安定化され(エレクトロスピニングにおけるように)、架橋は酵素的架橋によって起こる。本明細書で用いられる際、「泡」は、液体、固体、または半固体(例えばゲル)中のガスバブルの分散を意味する。本明細書で開示される他の例において、泡は、粒子を含むか、または粒子として設定される。これらの泡粒子は、泡の特性を保持するか、または泡に由来し、それによって、「泡様」特性を有する。さらに、複数の微小粒子または泡粒子は、架橋剤を含まない架橋化タンパク質を含む凍結乾燥泡粒子を含む、凍結乾燥粒子で構成されてもよい。「泡粒子」(FP)は、本明細書で用いられる際、これらが安定なタンパク質泡から生じ、粉砕後、それ自体の構造において、必ずしも泡ではないことを意味する。これは、(c)の最初の架橋剤不含泡中のガスバブルのサイズおよび(g)の生じた凍結乾燥されサイズが減少した粒子のサイズに応じうる。ガスバブルが粒子サイズよりも小さい場合、これらは、泡の閉鎖されたセルを含有する可能性もある;が、粒子がガスバブルより小さい場合、バブルまたはフルバブルは、粒子中に封入されたままではいられない。いずれの場合も、本明細書記載の実施形態の性能および意図は妨害されず、これらは泡形態に限定されない。
【0050】
1つの実施形態は、カッティング(例えばチョッピング、ダイシング);圧縮、砕塊機、粉砕機、ミル(例えば衝撃式ミル、製粉機、フルスクリーンハンマーミル、メガハンマーミル、空気分級ミル、ジェットミル、ボールミル、ペブルミル、ロッドミル);グラインダー(ファイングラインダー、ブレードグラインダー)等、またはその組み合わせの使用によって、サイズが減少しており、粒子を含むかまたは粒子として設定される、微小粒子を含む、泡または泡粒子に向けられる。サイズを減少させることによって、粒子、例えば微小粒子を形成するための架橋化泡は、広い表面積にいくつかのRGDモチーフを曝露することを可能にし、これによって細胞接着および生物刺激が可能になる。少なくとも2つの異なる粒子サイズを用いた実施形態もまた、増大された表面積から利益を得る。一般の当業者に一般的に知られるおよび/または用いられる任意の技術によって、粒子サイズを分析するかまたは測定してもよい。粒子サイズを測定するためのこうした方法、技術、またはツールの限定されない例には:粒子サイズアナライザー(PSA);高解像度画像プロセシング;画像粒子分析(IPA)(例えば光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM));動画像解析(DIA);静的レーザー光分散(SLS、レーザー回折としてもまた知られる);動的光散乱(DLS);音響分光法;ふるい分析(例えば乾式ふるい、湿式ふるい)等、またはその任意の組み合わせが含まれる。
【0051】
いくつかの実施形態において、限定されるわけではないが、泡架橋化タンパク質から得られるものを含む、複数の微小粒子は、0.1μm~2000μm(例えば0.2μm~1499μm;0.4μm~1450μm;0.5μm~1425μm;0.6μm~1400μm;0.7μm~1350μm;0.8μm~1300μm;0.9μm~1250μm;1μm~1200μm;2μm~1150μm;3μm~1100μm;4μm~1050μm;5μm~1000μm;6μm~950μm;7μm~900μm;8μm~850μm;9μm~800μm;10μm~750μm;11μm~700μm;12μm~650μm;13μm~600μm;14μm~550μm;15μm~500μm;16μm~450μm;17μm~400μm;18μm~350μm;19μm~300μm;20μm~250μm;25μm~200μm;30μm~150μm;40μm~100μm;60μm~90μm);0.1μm以上(例えば0.5μm;1μm;5μm;15μm;25μm;35μm;45μm;55μm;65μm;75μm;85μm;95μm;100μm;105μm;115μm;125μm;135μm;145μm;150μm;200μm;250μm;500μm;1000μm;2000μm);または2000μm以下(例えば1250μm;1000μm;750μm;500μm;250μm;200μm;150μm;140μm;130μm;120μm;110μm;90μm;80μm;70μm;60μm;50μm;40μm;30μm;20μm;10μm;5μm;4μm;3μm;2μm)の粒子サイズを含む。こうした複数の微小粒子に向けられる他の実施形態は:0.1μm~2000μm(例えば0.2μm~1499μm;0.4μm~1450μm;0.5μm~1425μm;0.6μm~1400μm;0.7μm~1350μm;0.8μm~1300μm;0.9μm~1250μm;1μm~1200μm;2μm~1150μm;3μm~1100μm;4μm~1050μm;5μm~1000μm;6μm~950μm;7μm~900μm;8μm~850μm;9μm~800μm;10μm~750μm;11μm~700μm;12μm~650μm;13μm~600μm;14μm~550μm;15μm~500μm;16μm~450μm;17μm~400μm;18μm~350μm;19μm~300μm;20μm~250μm;25μm~200μm;30μm~150μm;40μm~100μm;60μm~90μm);0.1μm以上(例えば5μm;15μm;25μm;35μm;45μm;55μm;65μm;75μm;85μm;95μm;100μm;105μm;115μm;125μm;135μm;145μm;150μm;200μm;250μm;500μm;1000μm;2000μm);または2000μm以下(例えば1250μm;1000μm;750μm;500μm;250μm;200μm;150μm;140μm;130μm;120μm;110μm;90μm;80μm;70μm;60μm;50μm;40μm;30μm;20μm;10μm;5μm;4μm;3μm;2μm)の平均粒子サイズを含む。本開示の実施形態において、「平均粒子サイズ」は、本明細書で用いられる際、複数の微小粒子の平均粒子サイズを意味する。いくつかの実施形態において、「粒子サイズ」は、乾燥粒子サイズを指す。いくつかの実施形態において、「粒子サイズ」は、浸潤粒子サイズを指す。いくつかの実施形態において、湿潤または水和粒子は、例えば1.4~2.8の係数で、同じ乾燥サイズの乾燥粒子よりも大きい粒子サイズを有し、平均係数は1.67(1.65~1.67)である。例えば、表4を参照されたい。
【0052】
本開示のさらなる実施形態は、本明細書記載の複数の微小粒子であって、該複数の微小粒子が少なくとも2つの異なる粒子サイズを含んでもよい、前記微小粒子に向けられる。粒子サイズは、限定されるわけではないが:0.1μm~2000μm(例えば0.2μm~1900μm;0.3μm~1800μm;0.4μm~1700μm;0.5μm~1600μm;0.6μm~1500μm;0.7μm~1400μm;0.8μm~1300μm;0.9μm~1250μm;1μm~1200μm;2μm~1150μm;3μm~1100μm;4μm~1050μm;5μm~1000μm;6μm~950μm;7μm~900μm;8μm~850μm;9μm~800μm;10μm~750μm;11μm~700μm;12μm~650μm;13μm~600μm;14μm~550μm;15μm~500μm;16μm~450μm;17μm~400μm;18μm~350μm;19μm~300μm;20μm~250μm;25μm~200μm;30μm~150μm;40μm~100μm;60μm~90μm);0.1μm以上(例えば0.5μm;1μm;5μm;15μm;25μm;35μm;45μm;55μm;65μm;75μm;85μm;95μm;100μm;105μm;115μm;125μm;135μm;145μm;150μm;200μm;250μm;500μm;1000μm;2000μm);または2000μm以下(例えば1250μm;1000μm;750μm;500μm;250μm;200μm;150μm;140μm;130μm;120μm;110μm;90μm;80μm;70μm;60μm;50μm;40μm;30μm;20μm;10μm;5μm;4μm;3μm;2μm)を含む、本明細書開示の任意の粒子サイズより選択されてもよい。少なくとも2つの異なる粒子サイズを含む複数の微小粒子に向けられる他の実施形態は、限定されるわけではないが:0.1μm~2000μm(例えば0.2μm~1499μm;0.4μm~1450μm;0.5μm~1425μm;0.6μm~1400μm;0.7μm~1350μm;0.8μm~1300μm;0.9μm~1250μm;1μm~1200μm;2μm~1150μm;3μm~1100μm;4μm~1050μm;5μm~1000μm;6μm~950μm;7μm~900μm;8μm~850μm;9μm~800μm;10μm~750μm;11μm~700μm;12μm~650μm;13μm~600μm;14μm~550μm;15μm~500μm;16μm~450μm;17μm~400μm;18μm~350μm;19μm~300μm;20μm~250μm;25μm~200μm;30μm~150μm;40μm~100μm;60μm~90μm);0.1μm以上(例えば0.5μm;1μm;5μm;15μm;25μm;35μm;45μm;55μm;65μm;75μm;85μm;95μm;100μm;105μm;115μm;125μm;135μm;145μm;150μm;200μm;250μm;500μm;1000μm;2000μm);または2000μm以下(例えば1250μm;1000μm;750μm;500μm;250μm;200μm;150μm;140μm;130μm;120μm;110μm;90μm;80μm;70μm;60μm;50μm;40μm;30μm;20μm;10μm;5μm;4μm;3μm;2μm)より選択される平均粒子サイズを含む。
【0053】
本開示の粒子を調製する方法
【0054】
ゼラチン微小粒子は、以前、いくつかのみを挙げると、油中水エマルジョン、エレクトロスプレー、スプレー乾燥および微量流体乳化を含む、多様な方法および技術を用いて、製造されてきている。これらの方法を用いると、ゼラチンは、例えば、1-エチル-3(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(EDC)およびN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、グリシドキシプロイルトリメトキシシラン(GPTMS)、グルタルアルデヒド、およびゲニピンなどのいくつかのタイプの化学的架橋剤によって架橋される。油中水法は、一般的に用いられる実験室技術であるが、産業スケールまでのスケールアップが困難であることを含む多くの欠点を持ち、油および化学的架橋剤を用いるために毒性の問題が生じ、残渣油および化学的架橋剤の徹底的な除去が必要になる。
【0055】
本開示の1つの実施態様は:(a)架橋可能タンパク質溶液および架橋剤溶液を混合する工程であって、架橋可能タンパク質溶液が少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含むかまたはそれに連結された架橋可能タンパク質(例えばゼラチン(例えば組換えゼラチン、非組換えゼラチン、in situ架橋)、コラーゲン(例えば組換えコラーゲン、非組換えコラーゲン)、カゼイン、トロポエラスチン、エラスチン、アルブミン、その操作タンパク質等、またはその任意の組み合わせ;あるいは非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン、その任意の操作タンパク質、RGDを含むかまたはそれに連結された操作ポリマー等、あるいはその組み合わせ)を液体(例えば水、生理食塩水、PBS)中に溶解することを含み;架橋剤溶液が、架橋剤または酵素架橋剤(例えばトランスグルタミナーゼ(例えば天然トランスグルタミナーゼ、修飾トランスグルタミナーゼ、組換えトランスグルタミナーゼ、微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)、組織トランスグルタミナーゼ(tTG)、ケラチノサイト・トランスグルタミナーゼ、上皮トランスグルタミナーゼ、前立腺トランスグルタミナーゼ、ニューロン・トランスグルタミナーゼ、ヒト・トランスグルタミナーゼ、XIII因子等、またはその任意の組み合わせ)、酸化酵素(例えば天然酸化酵素、修飾酸化酵素、リジルオキシダーゼ、チロシナーゼ、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ等、またはその任意の組み合わせ)を液体(例えば水、生理食塩水、PBS)中に溶解することを含み、架橋剤が、架橋可能タンパク質を架橋して架橋化泡/ブロック、非泡架橋化ヒドロゲル、または線維(例えばエレクトロスピニングにおけるようなもの)を形成するために十分な量である、前記混合工程を含む、本開示の複数の微小粒子の調製法に向けられる。別の実施形態は、10℃~40℃の温度範囲で、架橋可能タンパク質を可溶性から不溶性に変換するために十分な量の架橋剤に向けられる。本開示の複数の微小粒子を調製する方法は:(b)(a)の混合された架橋可能タンパク質および架橋剤を含む、架橋化泡/ブロック、非泡架橋化ヒドロゲル、または線維(例えばエレクトロスピニングにおけるようなもの)を形成する工程と;(c)(b)の非泡架橋化ヒドロゲル、線維、または架橋化泡を粉砕する工程と;(d)(c)の架橋化配合物または製品から、架橋剤を除去して、架橋剤不含泡またはヒドロゲルまたは線維(例えば本質的にまたは実質的に架橋剤を含まない)を形成する工程と;(e)(d)の形成された架橋化製品、(d)の架橋剤不含製品、または(d)の形成された架橋化泡および(d)の架橋剤不含泡またはヒドロゲルの組み合わせのサイズを減少させて、サイズが減少された(b)の架橋化泡またはヒドロゲルおよび/または(d)のサイズが減少された架橋剤不含泡またはヒドロゲルを含む複数の粒子および/または微小粒子を形成する工程とを含む。いくつかの実施形態において、(b)のサイズが減少した架橋化泡またはヒドロゲルおよび/または(d)のサイズが減少した架橋剤不含泡またはヒドロゲルを含む複数の粒子および/または微小粒子は、限定されるわけではないが:濾過、オートクレーブ(例えば110℃~134℃;15分間~40分間;5psi~20psi)、照射(例えば紫外線(UV);ガンマ線;電子ビーム(eビーム);X線)を含む、官能性、物理化学特性、安定性、毒性、または生物学的影響を実質的に改変しない任意の適切な方法によって、滅菌されてもよい。滅菌のいくつかの実施形態には、5分間~720分間(例えば100分間、150分間、200分間、250分間)および10nm~400nm(例えば200nm~270nm)のUV波長の曝露下でのUV処理が含まれる。さらなる実施形態には、10kGy~50kGy(例えば15kGy、20kGy、25kGy、30kGy、35kGy、40kGy、45kGy)のガンマ線照射が含まれる。Vetten et al.は、本明細書に適用可能であり、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、有用な多様な滅菌技術およびパラメータを開示する(Nanomedicine. 10(7):1391-1399, 2014を参照されたい)。
【0056】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載されるような複数の微小粒子を調製する方法であって、ポイントオブケアで混合され、注入され、それによって架橋がin situで起こることを可能にする他の配合物とは対照的に、製造制御工程として架橋がin vitroで起こる、前記方法に関する。開示される方法に記載されるようなトランスグルタミナーゼ架橋剤酵素を除去するため、架橋反応が起こった後、反復し、徹底された洗浄を多数回行う。
【0057】
別の実施形態において、複数の微小粒子を調製する開示される方法は:(i)架橋可能タンパク質を液体(例えば水、生理食塩水、PBS)に、架橋可能タンパク質が溶解するために十分な温度、例えば25℃以上の温度(例えば30℃、37℃、40℃、45℃、50℃)で添加する工程であって、該架橋可能タンパク質が、限定されるわけではないが、少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含むタンパク質(例えばゼラチン(例えば非組換えゼラチン、組換えゼラチン)、コラーゲン(例えば非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン)、カゼイン、アルブミン、およびその任意の組み合わせ)より選択され、該架橋可能タンパク質が本質的に溶解するかまたは完全に溶解するために十分な温度、例えば限定されるわけではないが、40℃~60℃、例えば50℃で、連続攪拌しながら該タンパク質を添加する工程と;(ii)架橋可能タンパク質を液体中に溶解、本質的に溶解、または完全に溶解して、架橋可能タンパク質溶液を形成する工程とを含む架橋可能タンパク質溶液に向けられる。
【0058】
いくつかの実施形態は、反応をトランスグルタミナーゼ酵素(例えば微生物トランスグルタミナーゼ(mTG);組換えトランスグルタミナーゼ;細菌トランスグルタミナーゼ)で架橋することによって、泡形成された架橋化ゼラチン微小粒子(MP)を製造することに向けられる。簡潔には、トランスグルタミナーゼ(例えばmTG)溶液をホイッピングマシン中で、液体状態のゼラチンに添加してもよいし、あるいはガスまたはエア(例えばアルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、水素、クリプトン、メタン、ネオン、窒素、酸素、オゾン、水蒸気、キセノン、またはその任意の組み合わせ)を加えまたは加えずに、任意の他の手段によって混合または攪拌してもよい。いくつかの実施形態において、方法は、(a)の架橋剤溶液を37℃で添加しながら、(a)の架橋可能タンパク質溶液をホイッピングして、(b)の架橋化泡を形成することによって、架橋化泡を形成する工程を含む。他の実施形態は、ガスまたはエアを加えずに、(a)の架橋剤溶液を37℃で添加しながら、(a)の架橋可能タンパク質溶液を攪拌または混合して、(b)の非泡架橋化ブロックを形成する工程を含む、本開示の方法に関する。
【0059】
混合および泡形成しながら、三次元(3D)泡構造が安定化するまで、ゼラチンを架橋する。その後、配合された泡を45℃でインキュベーションし、次いで、巨大なまたは大きなスライスまたはピース(例えば0.05cm~2cm;0.5mm~20mm)にチョッピングする。過剰な架橋剤またはトランスグルタミナーゼ(例えばmTG)を除去するため、チョッピングしたスライスを50℃で数回洗浄する。洗浄後、泡形成されたゼラチンを、例えば凍結乾燥装置を用いて、フリーズドライする。MPの生成のため、乾燥架橋化泡形成ゼラチンをミリングし、いくつかのサイズ範囲(例えば0.1μm~10mm)の微小粒子にふるう。限定されるわけではないが照射を含む、微小粒子の構造、機能、または性能に負の影響を与えない、本明細書に記載するものを含む任意の手段によって、MPを滅菌してもよい。
【0060】
本開示の別の実施形態において、反応をトランスグルタミナーゼ酵素(例えば微生物トランスグルタミナーゼ(mTG);組換えトランスグルタミナーゼ;細菌トランスグルタミナーゼ)で架橋することによって、架橋化ゼラチン微小粒子(MP)を製造してもよい。簡潔には、トランスグルタミナーゼ(例えばmTG)溶液を液体状態ゼラチンに添加する。架橋が安定な三次元(3D)構造をもたらし、架橋化ゼラチン構造を形成するまで、ゼラチンを攪拌する(泡形成を伴わずに)。その後、配合された構造を45℃でインキュベーションし、次いで、巨大なまたは大きなスライスまたはピース(例えば0.05cm~2cm;0.5mm~20mm)にチョッピングする。過剰な架橋剤またはトランスグルタミナーゼ(例えばmTG)を除去するため、チョッピングしたスライスを50℃で数回洗浄する。洗浄後、次いで、架橋化ゼラチンを、例えば凍結乾燥装置を用いて、フリーズドライする。MPの生成のため、乾燥架橋形成ゼラチンをミリングし、いくつかのサイズ範囲(例えば0.1μm~10mm)の微小粒子にふるう。限定されるわけではないが、照射を含む、微小粒子の構造、機能、または性能に負の影響を与えない、本明細書に記載するものを含む任意の手段によって、MPを滅菌してもよい。
【0061】
さらなる実施形態は、架橋剤溶液に向けられる複数の微小粒子を調製する方法であって:(i)連続攪拌しながら、架橋剤を溶解する、本質的に溶解する、または完全に溶解するために十分な温度、例えば限定されるわけではないが、室温、15℃~27℃、例えば25℃で液体(例えば水、生理食塩水、PBS)に架橋剤を添加する工程と;(ii)架橋剤を液体中に溶解、本質的に溶解、または完全に溶解して、架橋剤溶液を形成する工程とを含む、前記方法を提供する。他の実施形態は、複数の微小粒子を調製する方法であって、架橋可能タンパク質が、本開示の架橋剤の存在下で、またはこうした架橋剤と混合される際に、架橋される、前記方法に向けられうる。さらなる実施形態において、架橋剤は、架橋可能タンパク質と混合された際、酵素的に架橋されたタンパク質、酵素的に架橋された泡、または酵素的に架橋された粒子、または酵素的に架橋された線維を形成する、酵素(例えばトランスグルタミナーゼ、例えば微生物トランスグルタミナーゼ)である。複数の微小粒子を調製する方法における(b)の架橋化泡は:(b1)(a)の架橋可能タンパク質溶液をホイッピングする工程あるいは(b2)(a)の架橋剤溶液を、ホイッピング、攪拌に十分な温度で添加しながら、ガスまたはエア(例えばアルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、水素、クリプトン、メタン、ネオン、窒素、酸素、オゾン、水蒸気、キセノン、またはその組み合わせ)を加えまたは加えずに混合または攪拌して、それぞれ(b)の架橋化泡または(b)の架橋化ブロックを形成する工程であって、例えばホイッピングまたは混合または攪拌が30℃~40℃(例えば37℃)の温度で起こる、前記工程によって形成されうる。
【0062】
架橋化タンパク質、架橋化泡、および/または微小粒子あるいはこれらを含む組成物からの架橋剤の除去は、1つの実施形態において、安全性および制御の点ならびにコストから有益である。したがって、いくつかの実施形態は、(c)の除去が:(b)架橋化泡またはブロックを洗浄する工程であって、(b)の架橋化泡またはブロックのサイズが本明細書に記載されるように減少され、洗浄が、架橋化泡のピースを液体(例えば水、生理食塩水、PBS)中で、架橋化泡から架橋剤を除去するまたは本質的に除去するために十分な温度(例えば40℃~60℃;45℃~55℃、例えば50℃)および時間(例えば5分間~1時間;10分間~45分間;15分間~30分間)で攪拌することによって起こる前記洗浄工程と;例えば適切なメッシュふるい、例えば限定されるわけではないが、35メッシュ番号~5000メッシュ番号(500μm~2.5μm)、例えば0.5mmメッシュまたは35メッシュ番号に同等なふるいを用いて、洗浄された泡ピースを所望のサイズにふるい、それにより、所望のサイズのピースを含む、本明細書の架橋剤不含泡ピースを形成する工程とを含む、本開示の方法に向けられうる。
【0063】
1つの実施形態において、こうした方法は、(d)のサイズ減少工程であって:(b)の形成された架橋化泡またはブロック、(c)の架橋剤不含泡またはブロック、あるいは(b)の架橋化泡またはブロックおよび(c)の架橋剤不含泡またはブロックの組み合わせをカッティングする(例えばダイシングする、チョッピングする、メッシングする)工程を含む、前記工程を提供しうる。(b)の架橋化泡またはブロックおよび/または(c)の架橋剤不含泡またはブロックのサイズを減少させるための技術、方法、またはツールの他の限定されない例には:圧縮、砕塊機、粉砕機、ミル(例えば衝撃式ミル、製粉機、フルスクリーンハンマーミル、メガハンマーミル、空気分級ミル、ジェットミル、ボールミル、ペブルミル、ロッドミル);グラインダー(ファイングラインダー、ブレードグラインダー)等、またはその組み合わせを使用した、カッティング(例えばダイシング、チョッピング、メッシング、シービング)が含まれる。こうした方法のサイズの減少は、0.1μm~10mm(例えば0.2μm~9mm;0.3μm~8mm;0.4μm~7mm;0.5μm~7mm;1μm~6mm;5μm~5mm;10μm~4mm;20μm~1mm;40μm~500μm;60μm~200μm;90μm~150μm;95μm~100μm);1μmより大きい(例えば2μm、4μm、6μm、8μm、12μm、15μm、25μm、35μm、45μm、55μm、65μm、75μm、85μm、95μm、105μm、115μm、125μm、135μm、145μm、150μm、200μm、300μm、400μm、500μm、1mm、3mm、5mm、7mm、9mm);10mm以下(例えば8mm、6mm、4mm、2mm、900μm、800μm、700μm、600μm、550μm、450μm、350μm、250μm、175μm、165μm、155μm、140μm、130μm、120μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、5μm、3μm、1μm)の複数の粒子を形成するよう起こりうる。さらなる実施形態は、(d)の減少工程が、0.5mm~10mm(例えば1mm~8mm;2mm~7mm;3mm~6mm;4mm~5mm);0.5mm以上(例えば1.5mm、2.5mm、3.5mm、4.5mm、5.5mm、6.5mm、7.5mm、8.5mm、9.5mm);10mm以下(例えば9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm)のサイズを有する(b)の形成された架橋化泡または架橋化泡ピースを生じる方法を提供する。
【0064】
さらに別の実施形態において、複数の微小粒子を調製する方法は:(e)(c)の架橋剤不含泡またはブロック、あるいは(d)の複数の粒子を凍結させる工程と;(e)の凍結された架橋剤不含泡またはブロックを凍結乾燥する工程と;(f)の凍結乾燥された架橋剤不含泡またはブロックのサイズを減少させて、複数の架橋化泡またはブロック粒子を形成する工程とを含む。複数の微小粒子を調製する方法の他の実施形態は:(c)の架橋剤不含泡またはブロック、あるいは(d)の複数の粒子を乾燥させる工程と;(c)の乾燥された架橋剤不含泡またはブロックのサイズを減少させて、乾燥された複数の架橋化泡またはブロック粒子を形成する工程を含む。複数の架橋化泡粒子は、例えば0.1μm~2000μm(例えば0.2μm~1499μm;0.4μm~1450μm;0.5μm~1425μm;0.6μm~1400μm;0.7μm~1350μm;0.8μm~1300μm;0.9μm~1250μm;1μm~1200μm;2μm~1150μm;3μm~1100μm;4μm~1050μm;5μm~1000μm;6μm~950μm;7μm~900μm;8μm~850μm;9μm~800μm;10μm~750μm;11μm~700μm;12μm~650μm;13μm~600μm;14μm~550μm;15μm~500μm;16μm~450μm;17μm~400μm;18μm~350μm;19μm~300μm;20μm~250μm;25μm~200μm;30μm~150μm;40μm~100μm;60μm~90μm)の粒子サイズを含む。こうした方法は:ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、トロポエラスチン、エラスチンおよびその任意の組み合わせ;あるいは非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン、その任意の操作タンパク質、少なくとも1つのRGDモチーフを含むかまたそれに連結された操作ポリマー等、あるいはその任意の組み合わせからなる群より選択される架橋可能タンパク質を含む。こうした方法のさらなる実施形態はまた、トランスグルタミナーゼまたは酸化酵素より選択されてもよい、酵素架橋剤も含む。本開示の他の実施形態は:天然トランスグルタミナーゼ、修飾トランスグルタミナーゼ、組換えトランスグルタミナーゼ、微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)、組織トランスグルタミナーゼ(tTG)、ケラチノサイト・トランスグルタミナーゼ、上皮トランスグルタミナーゼ、前立腺トランスグルタミナーゼ、ニューロン・トランスグルタミナーゼ、ヒト・トランスグルタミナーゼ、XIII因子等、またはその任意の組み合わせからなる群より選択される酵素架橋剤を提供する。いくつかの他の実施形態は:天然酸化酵素、修飾酸化酵素、リジルオキシダーゼ、チロシナーゼ、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ等、またはその任意の組み合わせからなる群より選択される酵素架橋剤を提供してもよい。
【0065】
さらなる実施形態は、(e)の凍結が、凍結乾燥の調製に十分な温度で起こり、温度が、凍結乾燥の調製に十分な時間の-18℃~25℃(例えば-15℃~23℃;-10℃~20℃;-5℃~15℃;0℃~10℃);-18℃以上(例えば-16℃;-14℃;-12℃;-8℃;-6℃;-4℃;-2℃;2℃;4℃;6℃;8℃;10℃;12℃;14℃;16℃;18℃;20℃;22℃;24℃);または25℃以下(例えば23℃;21℃;19℃;17℃;15℃;13℃;11℃;9℃;7℃;5℃;3℃;1℃;-1℃;-3℃;-5℃;-7℃;-9℃;-11℃;-13℃;-15℃;-17℃)を含み、時間が:2時間~25時間(例えば7時間~24時間;9時間~22時間;11時間~20時間;13時間~18時間;15時間~16時間);5時間以上(例えば6時間;8時間;10時間;12時間;14時間;16時間;18時間;20時間;22時間;24時間);または25時間以下(例えば23時間;21時間;19時間;17時間;15時間;13時間;11時間;9時間;7時間;5時間)を含む、方法を提供する。
【0066】
さらに他の実施形態は、(f)の凍結乾燥が:-50℃±10℃(例えば-60℃~-40℃;-55℃~-35℃;-50℃~-30℃;-45℃~-25℃;-40℃~-20℃;-35℃~-30℃);-60℃以上(例えば、-58℃;-56℃;-54℃;-52℃;-50℃;-48℃;-46℃;-44℃;-42℃;-40℃);-40℃以下(例えば-41℃;-43℃;-45℃;-47℃;-49℃;-51℃;-53℃;-55℃;-57℃;-59℃)より選択される温度、0.01mbar~0.1mbar(例えば0.02mbar~0.08mbar;0.04mbar~0.06mbar);0.01mbar以上(例えば0.03mbar;0.05mbar;0.07mbar;0.09mbar);または0.1mbar以下(0.08mbar;0.06mbar;0.04mbar;0.02mbar;0.01mbar)の大気で;24時間~96時間(例えば、48時間~95時間;50時間~94時間;52時間~92時間;54時間~90時間;56時間~88時間;58時間~86時間;60時間~84時間;62時間~82時間;64時間~80時間;66時間~78時間;68時間~76時間;70時間~74時間);48時間以上(例えば49時間;51時間;53時間;55時間;57時間;59時間;61時間;63時間;65時間;67時間;69時間;71時間;73時間;75時間;77時間;79時間;81時間;83時間;85時間;87時間;89時間);または96時間以下(例えば94時間;92時間;90時間;88時間;86時間;84時間;82時間;80時間;78時間;76時間;74時間;72時間;70時間;68時間;66時間;64時間;62時間;60時間;58時間;56時間;54時間;52時間;50時間;48時間;36時間)の時間、起こる方法であって;温度、圧、および時間が、(c)の凍結乾燥された凍結架橋剤不含泡または(d)の凍結乾燥された複数の粒子を生じるために十分であり、「凍結乾燥された」製品、例えば、限定されるわけではないが、本明細書で用いられるような(c)の凍結乾燥された架橋剤不含泡または(d)の凍結乾燥された複数の粒子が、4%以下(例えば3.8%;3.6%;3.4%;3.2%;3%;2.8%;2.6%;2.4%;2.2%;2%;1.8%;1.6%;1.4%;1.2%;1%;0.8%;0.6%;0.4%;0.2%;0.08%;0.06%;0.04%;0.02%;0%);0%以上(例えば0.01%;0.03%;0.05%;0.07%;0.09%;1.1%;1.3%;1.5%;1.7%;1.9%;2.1%;2.3%;2.5%;2.7%;2.9%;3.1%;3.3%;3.5%;3.7%;3.9%);または0%~4%(0.5%~3.5%;0.7%~3.3%;1.1%~2.9%;1.3%~2.7%;1.5%~2.5%)の水分含量の製品を意味する、前記方法に向けられうる。架橋剤不含泡または複数の粒子を十分に凍結乾燥するために必要な温度、圧、および時間は、一般の当業者によって理解され、これらのパラメーターを最適化するために過度の実験は要しない。
【0067】
さらに別の実施形態において、複数の微小粒子を調製するこうした方法は:(e)(c)の架橋剤不含泡またはブロックあるいは(d)の複数の微小粒子を凍結する工程;および/または(f)(c)または(e)の架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックあるいは(d)の複数の微小粒子を乾燥させる工程を含む。いくつかの実施形態は、限定されるわけではないが、凍結乾燥またはフリーズドライ、オーブン乾燥、および室温または周囲温度乾燥を含む、乾燥に向けられる。複数の微小粒子を調製する方法は:(g)(e)および/または(f)の乾燥された架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックのサイズを減少させて、複数の架橋化泡粒子または非泡架橋化ヒドロゲル粒子を形成する工程をさらに含む。複数の架橋化微小粒子は、例えば、0.1μm~2000μm(例えば0.2μm~1499μm;0.4μm~1450μm;0.5μm~1425μm;0.6μm~1400μm;0.7μm~1350μm;0.8μm~1300μm;0.9μm~1250μm;1μm~1200μm;2μm~1150μm;3μm~1100μm;4μm~1050μm;5μm~1000μm;6μm~950μm;7μm~900μm;8μm~850μm;9μm~800μm;10μm~750μm;11μm~700μm;12μm~650μm;13μm~600μm;14μm~550μm;15μm~500μm;16μm~450μm;17μm~400μm;18μm~350μm;19μm~300μm;20μm~250μm;25μm~200μm;30μm~150μm;40μm~100μm;60μm~90μm)の粒子サイズを含む。
【0068】
別の態様は、(g)のサイズ減少が:(e)の乾燥された(例えば凍結乾燥された)架橋剤不含泡またはヒドロゲルブロックを粉砕して、複数の架橋剤不含泡粒子を形成する工程と;本開示の複数の架橋剤不含泡またはヒドロゲル粒子をサイズによって分離する工程とを含む。複数の架橋剤不含泡粒子またはヒドロゲル粒子が、例えば0.1μm~2000μmの粒子サイズを含む、こうした方法は、0.1μm~2000μmの粒子サイズまたは平均粒子サイズより選択される異なる粒子サイズ範囲を有する複数の架橋化泡粒子を生成するために十分に、複数の架橋剤不含泡粒子をふるうことによって起こり、異なる粒子サイズ範囲が、少なくとも2つの異なる粒子サイズ範囲を含む、複数の架橋剤不含泡粒子のサイズを減少させる工程またはこれらをサイズによって分離する工程を含んでもよい。
【0069】
組成物
【0070】
いくつかの実施形態において、本開示は、(a)本明細書に記載されるような複数の微小粒子を、(b)キャリアーを含みまたは含まずに、含む組成物に関しうる。本開示の組成物は、(a)複数の微小粒子であって、該複数の微小粒子が架橋化タンパク質を含み、該架橋化タンパク質が、少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含み;該複数の微小粒子が架橋剤を含まず;該複数の微小粒子がすべてまたは独立に水不溶性であり;かつ(b)キャリアーを伴うかまたは伴わない、前記複数の微小粒子を含む。さらに、本開示の組成物は注入可能である。いくつかの実施形態は、0.1μm~2000μm(例えば5μm~150μm)の範囲の少なくとも2つの異なる粒子サイズを含む、複数の微小粒子;またはその組み合わせを含む組成物に向けられる。
【0071】
別の実施形態において、本開示の組成物は:(a)本明細書に記載されるような複数の微小粒子であって、該単数の微小粒子または複数の微小粒子が、架橋化タンパク質を含み、該架橋化タンパク質のタンパク質が、少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含み、該複数の微小粒子が、本質的にまたは実質的に架橋剤を含まず、該複数の微小粒子が水不溶性である、前記複数の微小粒子と;任意選択で(b)キャリアーとを含む。本開示の複数の微小粒子を含むこうした組成物は、0.1μm~2000μm(例えば0.2μm~1499μm;0.4μm~1450μm;0.5μm~1425μm;0.6μm~1400μm;0.7μm~1350μm;0.8μm~1300μm;0.9μm~1250μm;1μm~1200μm;2μm~1150μm;3μm~1100μm;4μm~1050μm;5μm~1000μm;6μm~950μm;7μm~900μm;8μm~850μm;9μm~800μm;10μm~750μm;11μm~700μm;12μm~650μm;13μm~600μm;14μm~550μm;15μm~500μm;16μm~450μm;17μm~400μm;18μm~350μm;19μm~300μm;20μm~250μm;25μm~200μm;30μm~150μm;40μm~100μm;60μm~90μm)の範囲の少なくとも2つの異なる粒子サイズを含むか、または少なくとも2つの異なる粒子サイズは、0.1μm~2000μm(例えば0.2μm~1499μm;0.4μm~1450μm;0.5μm~1425μm;0.6μm~1400μm;0.7μm~1350μm;0.8μm~1300μm;0.9μm~1250μm;1μm~1200μm;2μm~1150μm;3μm~1100μm;4μm~1050μm;5μm~1000μm;6μm~950μm;7μm~900μm;8μm~850μm;9μm~800μm;10μm~750μm;11μm~700μm;12μm~650μm;13μm~600μm;14μm~550μm;15μm~500μm;16μm~450μm;17μm~400μm;18μm~350μm;19μm~300μm;20μm~250μm;30μm~150μm;40μm~100μm;60μm~90μm)の範囲の平均粒子サイズ;および(b)キャリアーを含む。
【0072】
本開示のさらに別の実施形態は、本明細書に開示されるような組成物であって、架橋化タンパク質が;ゼラチン、コラーゲン、エラスチン、トロポエラスチン、カゼイン、アルブミン、その任意の操作タンパク質、その類似タンパク質等、またはその組み合わせからなる群より選択される、前記組成物を提供する。さらなる実施形態において、架橋化タンパク質は:非組換えゼラチン、組換えゼラチン、非組換えコラーゲン、組換えコラーゲン、その操作タンパク質、RGDモチーフを含むかまたはそれに連結された任意の操作ポリマー等、あるいはその組み合わせからなる群より選択されてもよい。他の実施形態は、複数の微小粒子およびこうした複数の微小粒子を含む、本明細書記載のこうした組成物であって、架橋化タンパク質のタンパク質がゼラチンまたはコラーゲンを含む、前記微小粒子および組成物に向けられうる。さらなる実施形態において、複数の微小粒子およびこうした複数の微小粒子を含む、本明細書記載の組成物は、ゼラチンで構成される架橋化タンパク質のタンパク質に向けられる。
【0073】
組成物のいくつかの実施形態において、キャリアーはヒドロゲルを含みうる。該実施形態のいくつかの態様は、ヒドロゲルキャリアーを提供し、「ヒドロゲル」は、本明細書において用いられる際、1つの実施形態において、少なくとも10% H2Oのゲルまたは半固体親水性ポリマーを意味する。キャリアーおよび/または潤滑剤はまた、限定されるわけではないが:ゼラチン(例えば架橋化(2%w/v);非架橋化ゼラチン(0.25%~2%w/v));またはin situ架橋化ゼラチン(0.1%w/v~10%w/v);コラーゲン(例えば架橋化;非架橋化);アルギネート;カルボキシメチルセルロース(CMC)(1%~3.5%w/v);ポリ(エチレンオキシド)(PEO);ポリ(ビニルアルコール)(PVA);ポリ(フマル酸プロピレン)(PPF);ポリエチレングリコール(PEG);グリコサミノグリカンポリマー、例えばヒアルロン酸(HA)(例えば架橋化および非架橋化HA(0.01%~10%w/v))等、またはその任意の組み合わせからなる群より選択されてもよい。キャリアーは、単一のキャリアーまたは2つ以上のキャリアーの混合物(例えば同じ異なる重量平均分子量の第一のキャリアーおよび第二のキャリアー)を含んでもよい。キャリアーの限定されない例には、グリコサミノグリカンポリマー(例えばヒアルロン酸、架橋化ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、コンドロイチン硫酸、および/またはヘパリン)、細胞外マトリックスタンパク質ポリマー(例えばゼラチン、コラーゲン、エラスチン、および/またはフィブロネクチン)が含まれる。他の実施形態は、複数の微小粒子およびキャリアーを含む、本開示の組成物であって、キャリアーが:ゼラチン;コラーゲン;アルギネート;グリコサミノグリカン(GAG);ポリエチレングリコール(PEG);カルボキシメチルセルロース;およびその組み合わせからなる群より選択される、前記組成物に向けられる。いくつかの実施形態は:非架橋化コンドロイチン硫酸ポリマー、非架橋化デルマタン硫酸ポリマー、非架橋化ケラタン硫酸ポリマー、非架橋化ヘパランポリマー、非架橋化ヘパラン硫酸ポリマー、非架橋化ヒアルロナンポリマー、非架橋化グリコサミノグリカンポリマー、非架橋化エラスチンおよび/またはフィブロネクチン、およびその組み合わせからなる群より選択されるキャリアーを含む本開示の組成物を提供する。
【0074】
本明細書に提供されるさらなる実施形態は、架橋化ヒアルロン酸キャリアーおよび複数の微小粒子を含む注入可能組成物であって、架橋化ヒアルロン酸が約3mol%~約40mol%の架橋密度を有する、前記組成物である。
【0075】
少なくとも2つのキャリアーがあるいくつかの実施形態において、第一のキャリアーは、約200kDa~約1MDaの重量平均分子量を持つヒアルロン酸を含んでもよく、任意選択で、第二のキャリアーは、約200kDa~約5MDaの重量平均分子量を持つヒアルロン酸を含む。いくつかの実施形態において、ヒアルロン酸ポリマーは、約0.1%w/v~10%w/vの濃度を有してもよい。
【0076】
本明細書記載の組成物を伴ういくつかの実施形態におけるタンパク質微小粒子の平均粒子サイズは、各適用の必要性に適合するように選択されてもよい。例えば、より小さい平均粒子サイズは、細かい線およびしわの治療に望ましい可能性がある一方、より大きな平均粒子サイズは、声帯増大またはさらに大容積再構築(例えば乳房再構築)により適している可能性がある。
【0077】
他の実施形態は:本明細書記載の複数の微小粒子およびキャリアーを含む本開示の組成物に関する。本開示の実施形態に有用なキャリアーの限定されない例は:非架橋化ゼラチン;非架橋化コラーゲン;非架橋化アルギネート;非架橋化ヒアルロン酸;およびその組み合わせからなる群より選択される。貯蔵されるような不活性架橋剤を添加して、in situで非架橋化キャリアーと反応させ、それによって注入の場所に粒子を維持してもよい。別の実施形態は、例えば、非架橋化ゼラチン架橋可能タンパク質およびin situで架橋可能な活性架橋剤酵素を提供し、それによって、非活性架橋剤を用いた場合に比較して、in situでより長時間、ヒドロゲル中に粒子を維持する。
【0078】
1つの実施形態において、架橋剤を含まないが、架橋化タンパク質を含む複数の微小粒子、およびキャリアーを含む、本開示の組成物は:1mg/ml以上(例えば10mg/ml;20mg/ml;30mg/ml;40mg/ml;50mg/ml;60mg/ml;70mg/ml;80mg/ml;90mg/ml;100mg/ml;110mg/ml;120mg/ml;130mg/ml;140mg/ml;150mg/ml;200mg/ml;300mg/ml);300mg/ml以下(例えば290mg/ml;280mg/ml;270mg/ml;260mg/ml;250mg/ml;240mg/ml;230mg/ml;220mg/ml;210mg/ml;200mg/ml;190mg/ml;180mg/ml;170mg/ml;160mg/ml;155mg/ml;145mg/ml;135mg/ml;125mg/ml;115mg/ml;105mg/ml;95mg/ml;85mg/ml;75mg/ml;65mg/ml;55mg/ml;45mg/ml;35mg/ml;25mg/ml;15mg/ml;5mg/ml);または1mg/ml~300mg/ml(例えば2mg/ml~295mg/ml;4mg/ml~285mg/ml;6mg/ml~275mg/ml;8mg/ml~265mg/ml;12mg/ml~255mg/ml;14mg/ml~245mg/ml;16mg/ml~235mg/ml;18mg/ml~225mg/ml;22mg/ml~215mg/ml;24mg/ml~205mg/ml;26mg/ml~195mg/ml;28mg/ml~185mg/ml;32mg/ml~175mg/ml;34mg/ml~165mg/ml;36mg/ml~153mg/ml;38mg/ml~143mg/ml;42mg/ml~133mg/ml;52mg/ml~123mg/ml;62mg/ml~113mg/ml;72mg/ml~103mg/ml;82mg/ml~93mg/ml)のキャリアー中の複数の微小粒子の濃度を有する。
【0079】
本明細書記載の泡粒子を伴ういくつかの実施形態において、泡粒子集団は、少なくとも約0.5kPa以上の弾性率を有してもよい(0.1Hz~10Hz周波数掃引で測定した際)。
【0080】
いくつかの実施形態は、本明細書記載の単数の微小粒子または複数の微小粒子であって、微小粒子孔の少なくとも約40%(例えば少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%またはそれ以上)が約1.0~約2.0のアスペクト比を有する、前記微小粒子を提供する。
【0081】
本明細書記載の粒子を伴うさらなる実施形態において、粒子孔は、約1~約2.5の平均アスペクト比を有する。
【0082】
さらなる実施形態は、本明細書記載の単数の微小粒子または複数の微小粒子であって、該微小粒子が、例えば、限定されるわけではないが、水、生理食塩水、緩衝溶液、例えばリン酸緩衝溶液、またはその組み合わせを含む水性溶液中で水和されていてもよい、前記微小粒子を提供する。
【0083】
組織足場
【0084】
別の実施形態は:本明細書に記載されるような複数の微小粒子を含む組織足場であって、該複数の微小粒子が架橋化タンパク質微小粒子を含み、該複数の微小粒子が、例えば、ゼラチン;コラーゲン;およびその組み合わせより選択される架橋化タンパク質のタンパク質を含み、該複数の微小粒子が水不溶性であり、該複数の微小粒子が、1μm~2000μm(例えば5μm~150μm)の粒子サイズまたは1μm~1500μm(例えば5μm~150μm)の平均粒子サイズを有する、前記組織足場を提供する。いくつかの実施形態において、組織足場は、ヒドロゲルキャリアーをさらに含み、該ヒドロゲルキャリアーは、限定されるわけではないが、ゼラチン;コラーゲン;アルギネート;ヒアルロン酸;カルボキシメチルセルロース;ポリ(エチレンオキシド)(PEO);ポリ(ビニルアルコール)(PVA);ポリ(フマル酸プロピレン)(PPF);ポリエチレングリコール(PEG)等、またはその任意の組み合わせより選択される。他の実施形態は、ヒドロゲルキャリアー中の本明細書に記載されるような架橋化タンパク質微小粒子の分散、または複数の微小粒子の分散を含む、こうした組織足場に向けられる。さらなる実施形態は、組織足場が泡として設定される、こうした組織足場を提供する。さらに別の実施形態において、本開示の組織足場は、架橋化タンパク質微小粒子の複数の微小粒子を含み、該複数の微小粒子は架橋剤を含まず、水不溶性であり、該架橋化タンパク質微小粒子または複数の微小粒子は、少なくとも2つの異なるまたは独立の粒子サイズを含む。さらに他の実施形態は、三次元形状を含むかまたは三次元形状で設定される、本開示のこうした組織足場を提供する。1つの実施形態は、1μm~2000μm(例えば5μm~120μm;40μm~100μm;60μm~90μm)より選択される粒子サイズを含む、少なくとも2つの異なるまたは独立の粒子サイズを有する組織足場に関する。
【0085】
装置
【0086】
本開示のさらなる実施形態は、本明細書記載の組成物を含む装置を提供する。1つの実施形態において、本開示の装置は:複数の微小粒子であって、該複数の微小粒子が架橋化タンパク質を含み、該架橋化タンパク質のタンパク質が少なくとも1つのRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを含み、架橋化タンパク質を含む複数の微小粒子または複数の微小粒子を含む組成物が、架橋剤を含まず、水不溶性である、前記複数の微小粒子;およびキャリアー、例えばヒドロゲルを含む、こうした組成物を含み;装置はシリンジ、カートリッジまたはバイアルである。他の実施形態は:(a)架橋化ゼラチンを含む複数の微小粒子であって、該複数の微小粒子が、本質的にまたは実質的に架橋剤を含まず、水不溶性である、前記微小粒子と;(b)ヒドロゲルキャリアー、または該ヒドロゲルキャリアーを含む組成物を含むシリンジであって、該シリンジおよび/またはその内容物が、滅菌されているか、滅菌可能であるか、または滅菌のために設定されている、前記シリンジを提供する。滅菌法、技術、またはそのツールの限定されない例には:スチーム滅菌(例えばオートクレーブ);フレーミング;熱滅菌(例えば乾燥熱滅菌のための熱風炉;ガラスビーズ滅菌装置);化学的滅菌(例えばエチレンオキシドガス滅菌、二酸化窒素滅菌、グルタルアルデヒドおよびホルムアルデヒド溶液を用いた滅菌、過酸化水素滅菌(例えば液体および蒸発)、過酢酸滅菌);照射滅菌(例えば紫外(UV)光滅菌を用いた電磁照射(例えばUV-Cまたは殺菌UV滅菌(例えば遠UVC滅菌));ガンマ線、X線;または電子ビームによる照射);広域UV(限定されるわけではないがUV-A、UV-B、およびUV-C波長、またはその任意の組み合わせを含む);低温滅菌(例えば蒸発過酸化水素、過酢酸浸漬、オゾン)等、またはその任意の組み合わせが含まれる。本開示のさらなる実施形態は、装置、例えばシリンジであって、該シリンジが14ゲージ(G)~39G(例えば18ゲージ~30ゲージ;20ゲージ~29ゲージ;22ゲージ~27ゲージ;25ゲージ~26ゲージ;27ゲージ~30ゲージ;17G;18G;19G;20G;21G;22G;23G;24G;25G;26G;27G;28G;29G;30G)より選択される針を含み、ゲージがより低ければ(すなわち針がより太い)、本開示の複数の微小粒子または組成物の注入がより容易であり;一方、ゲージがより高ければ(すなわち針がより細い)、組織足場、複数の微小粒子;または複数の微小粒子を含む組成物を必要とする被験体の真皮への損傷がより少ない、前記装置を提供する。皮膚科学的適用のためのいくつかの実施形態には、例えば、いくつかの異なる針、例えば27ゲージ~39ゲージ針に取り付けられるかまたは取り付けられるよう設定されていてもよいシリンジ装置が含まれてもよい。例えば、27ゲージ針を含み、前記バイオマテリアルを含み、2N~70N(例えば3N~60N;4N~50N;5N~40N;6N~30N;7N~20N);70Nまたは70N未満(例えば65N;55N;45N;35N;25N;15N;5N);2Nまたは2Nより大きい(例えば3N;4N;5N;6N;7N;8N;9N;10N;11N;12N;13N;14N;15N;16N;17N;18N;19N;20N;21N;22N;23N;24N;25N;26N;27N;28N;29N;30N;40N;50N;60N;70N)の注入力または装填を維持しながら、本開示の粒子および/または組成物の注入を可能にするシリンジが、本開示のいくつかの方法によって含まれる。組織足場は、いくつかの実施形態において、多孔性ゼラチン組織足場であってもよい。他のこうした実施形態は、三次元組織足場を提供する。さらなる実施形態は、複数の微小粒子、本開示の複数の微小粒子を含む組成物、または本明細書記載の組織足場を含む、装置、例えばシリンジに向けられうる。
【0087】
本開示のさらなる実施形態は、本開示の微小粒子を含む装置、例えばシリンジ、カートリッジ、バイアル、または積層造形デバイス(例えばバイオファブリケーション用のもの)であって、微小粒子が、プレートまたは支持ヒドロゲル、組織内に、あるいは被験体身体上または身体内に配置される、前記装置を提供する。
【0088】
本開示のいくつかの実施形態において、本明細書記載の任意の実施形態の組成物は、装置または送達装置、例えばシリンジ中にあらかじめ装填されていてもよい、注入可能組成物を提供する。いくつかの実施形態において、シリンジは、ハンドルを通じてチューブにカップリングしており、したがって、組成物はチューブを通じて注入可能である。このチューブは、処置中、内視鏡または膀胱鏡にさらにカップリングされてもよい。針は、チューブに取り付けられた中空針であってもよい。チューブは、外側外筒チューブ内に配置され、該チューブ内で移動可能であってもよい。針は、組成物の注入を制御するため、外筒チューブ内の格納位置および針の先端が外筒の外部にある伸長位置の間で移動可能であってもよい。いくつかの実施形態において、外側外筒チューブは、外側外筒チューブ内の針および内部チューブとともに、内視鏡のチャネル内に挿入される。送達装置には、使用者によって作動するハンドルが含まれてもよく、ハンドルは外側チューブ外筒に対して遠位に内部チューブを移動させ、それによって、伸長位置に向って、外側外筒チューブを通じて、針を遠位に進行させて、そこで針先端が暴露され、関心対象の組織または領域内に、本明細書に記載されるような組成物または複数の微小粒子が注入される。
【0089】
小体積膨化適用のための他の実施形態において、組成物または複数の微小粒子を、約30N以下の平均押出力を用いて、14ゲージ~39ゲージ針で注入してもよい。小体積膨化適用の例には、限定されるわけではないが、皮膚組織用の皮膚充填剤(例えば顔の線、しわ、または瘢痕を有する顔皮膚組織が充填されるような治療)、尿道の膨化(例えば腹圧性尿失禁の治療)、子宮頸組織の膨化(例えば子宮頸不全の治療)、または声帯膨化(例えば声帯麻痺または声帯不全の他の原因の補正)が含まれる。
【0090】
使用および治療法
【0091】
さらにさらなる実施形態は:体型補正、組織操作、再生医学、および審美的皮膚科学の任意の1つ以上のための、複数の微小粒子、複数の微小粒子を含む組成物、組織足場、複数の微小粒子および/または複数の微小粒子を含む組成物を含む装置の使用を提供し、いくつかの実施形態は:軟組織再構築、体積回復、乳房増大、生物刺激等、またはその組み合わせからなる群より選択される、体型補正をさらに提供する。本開示の別の使用実施形態は、本明細書に用いられるような生物刺激であって:線維芽細胞刺激、コラーゲン産生刺激、新規コラーゲン生成(すなわち新規コラーゲンを作製するプロセス)、組織再増殖、血管形成誘導、組織足場提供等、またはその任意の組み合わせからなる群より選択される、前記生物刺激を含む。本開示のさらにさらなる使用実施形態は、本明細書記載の装置中に設定された組成物および/または複数の微小粒子であって、装置が、例えばシリンジ、カートリッジ、またはバイアルである、前記組成物および/または複数の微小粒子に関する。
【0092】
本開示の方法は、本明細書に記載されるような体型補正を必要とする被験体(ヒトを含む動物)を治療する方法であって、体型補正を必要とする被験体の部位に、複数の微小粒子およびキャリアーの組成物を投与する工程を含む、前記方法を提供する。こうした方法は、例えば、体型補正を必要とする被験体の部位に、複数の微小粒子およびキャリアーの組成物を注入することによって、投与する工程を含む。本開示の別の実施形態は、投与が:線維芽細胞刺激;コラーゲン産生刺激;新規コラーゲン生成誘導;組織再増殖誘導;血管形成誘導;組織足場提供等、またはその任意の組み合わせを含む、体型補正を必要とする被験体を治療するこうした方法を提供する。
【0093】
本開示のいくつかの実施形態において、組成物を形成するためにヒドロゲルキャリアー中に懸濁された複数の微小粒子を、該組成物を含有する滅菌シリンジを通じて被験体の部位に注入してもよく、ここで、被験体は、療法的および/または審美的適用が必要である。本明細書記載の組成物または配合物は、必要に応じて、皮下層(別名、皮下組織(subcutis、hypodermis))、軟組織、および乳腺内に注入されてもよい。注入配置を視覚化するため、この技術を他のもの、例えば超音波およびX線と組み合わせて利用してもよい。さらに、最小限に侵襲性の方法を用いた被験体内への組織足場の注入は、体腔の曝露が最小限にされるため:開放手術の実行による感染のリスク、手術に関連するコスト、および/または医療過誤の潜在的可能性を最小限にする。また、組成物として、ヒドロゲルキャリアー中に懸濁された複数の微小粒子を注入することによって、本明細書記載の被験体を治療する方法はまた、本明細書で使用するシリンジおよび/または針のサイズよりも大きな大切開または開放を要する典型的な手術に比較して、回復時間および痛みも減少させる。
【0094】
いくつかの実施形態は、本明細書記載の組成物または配合物の投与タイプであって、該組成物または配合物が、皮膚の皮下層(皮下組織としても知られる)内に投与される、前記投与タイプに向けられる。皮膚には、顔の皮膚、臀部皮膚、または任意の軟組織が含まれうる。本明細書記載の組成物および配合物にはまた、被験体における乳房再構築処置のため、乳腺への、または脂肪組織内への投与も含まれうる。前臨床データは、ラットモデルおよびブタモデルにおいて、皮膚の皮下(SC)層内に、ならびにブタモデルにおいて、乳腺内に注入された、非架橋化ゼラチンキャリアーを伴う、本開示のゼラチン微小粒子を示した。例えば実施例2を参照されたい。
【0095】
いくつかの実施形態において、足場としての本開示の複数の微小粒子または複数の微小粒子を含む組成物を用いて、組織損傷の即時物理的および機械的安定化を提供するか、あるいは移植物であってもよい足場の生物機械的力を通じて、皮膚リフティング/拡大を提供することも可能である。本開示の移植物を軟組織支持のための一過性足場として用い、望ましい外科的転帰を得るため材料の付加が必要である弱さまたは空隙が存在する部位の欠陥を修復して補強することも可能である。移植後、移植物および/または移植物から生じる内部増殖天然組織は、ゼロ時点の移植物体積(すなわち100%のゼロ時点体積)の少なくとも10%体積を、1ヶ月後、3ヶ月後、または6ヶ月後の時点で維持しうる。移植物は、直ちに分解されず、移植物によって刺激された組織で置換される(例えば線維芽細胞および/またはコラーゲン産生刺激;新規コラーゲン生成誘導;組織再増殖誘導;組織足場提供等、またはその任意の組み合わせ)。移植物は、生物刺激剤として作用しうるため、刺激された細胞または組織は、被験体において、3ヶ月~6ヶ月、例えば最初の移植物の10%~100%(例えば20%~50%)の体積のままである。新規細胞または組織は、移植物によって誘導されることが可能であり、微小粒子移植物を置換しうる。
【0096】
別の実施形態は、生物刺激剤および組織足場として作用する、本開示の複数の微小粒子および/または組成物を提供する。例えば、複数の微小粒子および/または組成物を投与する際、線維芽細胞およびコラーゲン産生が刺激される可能性があり、新規コラーゲン生成および/または組織再増殖が誘導される可能性があり、および/または組織足場が利用される可能性があり、これらはすべて、療法的、審美的皮膚科学、および再構築処置または手術における使用のための、安全、有効で、安価な組織足場および/または生物刺激剤の境界内にある。
【0097】
実施例16に例示されるように、本開示のいくつかの実施形態は、複数の微小粒子を含む組成物または複数の微小粒子の使用であって、該組成物または複数の微小粒子が、in vitroまたはin vivo適用のいずれかのため、生存細胞のためのマイクロキャリアーとして機能する、前記使用を提供する。例えば、本明細書記載の泡粒子(FP)を含む細胞のin vitro培養を、タンパク質、薬剤開発用のマイクロ臓器などの研究、医学的目的のためのバイオマテリアル、組織操作用の微小構造の製造に、あるいは細胞に基づく療法の増進のための剤として、利用してもよい。いくつかの実施形態において、これらの細胞は、多数で、例えば連続方式で、増殖され、維持されうる。しかし、これは標準的な二次元細胞培養法(すなわちプラスチックプレート、フラスコ等での表面培養)で達成することは困難であり、本開示の微小粒子(例えばFP)は、例えば、三次元の懸濁培養を可能にするマイクロキャリアーとして作用可能であり、培養体積および培地を最適に利用し、単一バッチならびに連続培養プロセスを可能にする。さらに、こうしたマイクロキャリアーは、in vivoでの細胞生存を増進させる、細胞に基づく療法においてin vivoで用いられる細胞、例えば組織内に注入される細胞の支持を提供しうる。本開示の微小粒子(例えばFP)はまた、所望の細胞株分化のための最適な条件、例えば環境条件で、シーディング濃度および培地選択で、幹細胞またはサテライト細胞を用いた細胞分化にも使用されうる。
【0098】
別の実施形態は、ex vivo組織操作、例えば細胞増殖を支持し、移植のための組織様マイクロ臓器の形成を促進するか、あるいは薬剤スクリーニングにおける使用のためのまたはタンパク質製造のための三次元(3D)足場形成を提供する。
【0099】
いくつかの実施形態において、本開示の組成物または複数の微小粒子は、in vitro組織または細胞培養のために使用可能であり、細胞(例えば哺乳動物細胞)と、組成物または複数の微小粒子が接触した際、細胞が増殖し、こうしたものとして、特定のタンパク質を発現し、細胞が増大して、より多くのタンパク質を発現することも可能である。いくつかの実施形態は、増殖または増大に、RGDリッチ足場を必要とする哺乳動物細胞に向けられる。細胞の限定されない例には:構造的細胞外マトリックス(ECM)構成要素、例えばそれぞれ、コラーゲン、エラスチン、ゼラチン、ホルモン、モノクローナル抗体、酵素、FC融合タンパク質、サイトカインおよび増殖因子、凝固因子からなる群より選択されるタンパク質を発現する:線維芽細胞、上皮、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、NS0およびSp2/0ネズミ骨髄腫細胞、HEK293細胞、ヒト二倍体(HeLa)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK21)細胞等が含まれる。例えば、本開示の組成物または複数の微小粒子を、細胞付着、増殖、拡大、またはその組み合わせのための、マイクロキャリアーまたは足場として用いてもよく、細胞は、任意の一般的に知られ用いられる哺乳動物接着細胞、例えば、限定されるわけではないが:線維芽細胞、上皮、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、NS0およびSp2/0ネズミ骨髄腫細胞、HEK293細胞、ヒト二倍体(HeLa)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK21)細胞、心筋細胞、人工多能性幹細胞等であってもよい。いくつかの態様において、線維芽細胞、心筋細胞、および人工多能性幹細胞は、小さい臓器に関する発現および研究に用いられる他の細胞タイプの代表である、一般的に用いられる細胞である。
【0100】
さらなる実施形態は、in vitro組織または細胞培養によるタンパク質精製のための、本明細書記載の組成物または複数の微小粒子の使用に向けられる。いくつかの実施形態において、発現されたタンパク質を収集し、培地中のタンパク質を濾過することによって、タンパク質精製を達成してもよく、水不溶性の微小粒子からの水可溶性のタンパク質の濾過または分離は、例えば収集のための濾過または遠心分離によって起こる。
【0101】
いくつかの実施形態は、タンパク質(例えば細胞不含)を産生する方法であって:本明細書記載の複数の微小粒子または複数の微小粒子を含む組成物を含む細胞培地中の複数のタンパク質産生または発現細胞、および培地を、該細胞を培養するために十分な条件下で増殖させるかまたは培養する工程と、タンパク質発現または合成を誘導する工程とを含む、前記方法に関する。いくつかの実施形態において、細胞は:ホルモン:絨毛性ゴナドトロピンアルファ、フォリトロピンアルファ、フォリトロピンベータ、黄体形成ホルモン、骨形成タンパク質-1、甲状腺刺激ホルモンアルファ、凝固因子、VIII因子、IX因子、インスリン、ソマトロピン、コラーゲン、_抗体:アダリムマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、オビヌツズマブ、オマリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、シルツキシマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、アド-トラスツズマブエムタンシン、ウステキヌマブ、酵素:アガルシダーゼベータ、アルグルコシダーゼアルファ、アルテプラーゼ、エロスルファーゼ、GalNAc 4-スルファターゼ、ヒトDNアーゼ、ヒアルロニダーゼ、イミグルセラーゼ、ラロニダーゼ、テネクテプラーゼ、増殖因子:およびサイトカイン:ダルベポエチンアルファ、インターフェロンベータ-1a、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンシータ等からなる:構造ECM構成要素、例えばコラーゲン、エラスチン、ホルモン、モノクローナル抗体、酵素、FC融合タンパク質、サイトカインおよび増殖因子の群より選択されるタンパク質を産生するために使用可能な、哺乳動物細胞(例えば線維芽細胞、上皮細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、NS0およびSp2/0ネズミ骨髄腫細胞、HEK293細胞、ヒト二倍体(HeLa)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK21)細胞)である。
【0102】
本開示の実施形態はまた、マイクロキャリアー上で前述の細胞(例えば哺乳動物接着性)のいずれかを培養する方法であって、マイクロキャリアーが、5μm~2000μm(例えば99μm~700μm)の乾燥粒子サイズを有する、本明細書記載の複数の微小粒子である、前記方法にも向けられる。いくつかの実施形態において、細胞は、接着性哺乳動物細胞、例えば一般的であり、タンパク質発現または精製のためのin vitro細胞培養に有用な細胞タイプの代表である、ヒト線維芽細胞、上皮細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、NS0およびSp2/0ネズミ骨髄腫細胞、HEK293細胞、ヒト二倍体(HeLa)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK21)細胞、および任意の前述の細胞である。
【0103】
本開示のいくつかの実施形態は、タンパク質、例えば細胞不含タンパク質を産生する方法であって:本開示の複数の微小粒子および培地を含む細胞培養中で、複数のタンパク質産生細胞を増殖させる工程を含み、増殖が、タンパク質合成を誘導する条件下で起こり、それによって細胞不含タンパク質を産生する、前記方法に関する。タンパク質産生細胞の限定されない例には:コラーゲン産生のための線維芽細胞、上皮細胞、モノクローナル抗体:アダリムマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、オビヌツズマブ、オマリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、シルツキシマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、アド-トラスツズマブエムタンシン、ウステキヌマブ産生、または:アガルシダーゼベータ、アルグルコシダーゼアルファ、アルテプラーゼ、エロスルファーゼ、GalNAc 4-スルファターゼ、ヒトDNアーゼ、ヒアルロニダーゼ、イミグルセラーゼ、ラロニダーゼ、テネクテプラーゼなどの酵素産生、または:絨毛性ゴナドトロピンアルファ、フォリトロピンアルファ、フォリトロピンベータ、黄体形成ホルモン、骨形成タンパク質-1、甲状腺刺激ホルモンアルファ、凝固因子、VIII因子、IX因子、インスリン、ソマトロピンなどのホルモン産生のためのチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;ベリムマブ、ナタリズマブ、オファツムマブ、パリビズマブ、ラムシルマブ、アブシキシマブ、バシリキシマブ、カナキヌマブ、セツキシマブ、インフリキシマブなどのモノクローナル抗体産生のためのNS0およびSp2/0ネズミ骨髄腫細胞;ならびにVIIa因子またはVIII因子などの凝固因子の産生のためのHEK293細胞、ヒト二倍体(HeLa)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK21)細胞が含まれる。いくつかの実施形態において、本明細書記載の細胞を含まないまたは本質的に細胞を含まないタンパク質を産生する方法は:コラーゲン;ホルモン;モノクローナル抗体;酵素;増殖因子;サイトカイン;およびその組み合わせからなる群より選択されるタンパク質または細胞不含タンパク質を産生する。
【0104】
いくつかの実施形態において、単数の分化細胞または複数の分化細胞を産生する方法は:限定されるわけではないが人工多能性幹細胞、皮膚幹細胞、上皮幹細胞等を含む、複数の細胞を増殖させる工程を含む。複数の細胞は、本開示の複数の微小粒子または複数の微小粒子を含む組成物(すなわち少なくとも1つのRGDモチーフを含む架橋化タンパク質であって、複数の微小粒子が架橋剤を含まず、実質的に含まず、あるいは架橋剤不含または本質的に架橋剤不含である、前記タンパク質)を含む細胞培養または細胞培地中で増殖され、細胞は細胞分化を誘導するために十分な条件下で増殖され、それによって、分化した細胞を産生する。例えば、上述の複数の細胞は、機能する細胞、例えば機能する心筋細胞に分化されうる。
【0105】
本開示のさらなる実施形態は、マイクロキャリアー上で細胞(例えば哺乳動物接着性)を培養する方法であって、マイクロキャリアーが5μm~2000μmの乾燥粒子サイズを有する本明細書記載の複数の微小粒子を含む、前記方法に関する。いくつかの実施形態において、細胞は、分化に適した接着性哺乳動物細胞、例えば人工多能性幹細胞(iPS)、胚性幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、サテライト細胞、および上述の細胞のいずれかである。
【0106】
本明細書で用いられるすべての用語は、別に提供しない限り、当該技術分野における一般的な意味を有すると意図される。すべての濃度は、別に定義しない限り、局所組成の全重量に対して、明記される構成要素の重量パーセントに関する。
【0107】
本明細書で用いられる際、「a」または「an」は、1つ以上を意味するものとする。本明細書で用いられる際、単語「含む(comprising)」と組み合わせて用いられる際の単語「a」または「an」は、1つまたは1つより多くを意味するものとする。本明細書で用いられる際、「別の(another)」は、少なくとも第二のまたはそれ以上を意味する。
【0108】
本明細書で用いられる際、数値のすべての範囲には、終点および開示される値の間に開示されるすべてのありうる値が含まれる。すべての半整数数値の正確な値もまた、特に開示され、開示される範囲のすべてのサブセットに関する制限として意図される。例えば、0.1%~3%の範囲は、特に、0.1%、1%、1.5%、2.0%、2.5%、および3%のパーセンテージを開示する。さらに、0.1%~3%の範囲には、0.5%~2.5%、1%~3%、0.1%~2.5%等を含む元来の範囲のサブセットが含まれる。個々の構成要素のすべての重量%の合計は、100%を越えないことが理解されるであろう。
【0109】
「本質的にからなる」によって、成分には、市販材料に存在する通常の不純物、開示される実施形態に記載されるような本発明の操作に影響を及ぼさないレベルで、例えば5重量%未満または1%未満、またはさらに重量0.5%のレベルで存在する任意の他の添加物とともに、列挙される構成要素のみが含まれることが意味される。
【実施例
【0110】
以下の例は、本説明の特定の態様を例示する。実施例は、単に、実施形態およびその多様な態様の特定の理解および実施を提供するため、限定と見なされてはならない。
【0111】
例えば、本明細書の実施例は、本質的に組織足場を形成する、酵素的に(mTG)架橋されたゼラチン泡微小粒子の調製を記載し、注入可能性の背景で、本開示の組成物のレオロジー特性を記載し、注入可能皮膚充填剤としての本開示の微小粒子および組成物の安全性および有効性を示し、動物モデル実験において、低い炎症および有意な新規コラーゲン生成を示す。
【0112】
実施例1:架橋化ゼラチン泡微小粒子の調製。
【0113】
架橋化ゼラチン泡の微小粒子を以下のように調製した:
【0114】
1)ゼラチン粉末を、連続攪拌しながら50℃の水に、完全に溶解するまで、次第に添加した。
【0115】
2)別個に、微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)を、連続攪拌しながら25℃の水に、完全に溶解するまで、次第に添加した。
【0116】
3)溶解されたゼラチン溶液を、ホイッピングマシンを用いて、~37℃で泡にホイッピングして、例えばガスまたはエア(例えばアルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、水素、クリプトン、メタン、ネオン、窒素、酸素、オゾン、水蒸気、キセノン)を加えて、通気、あるいは攪拌するかまたはかき混ぜた。
【0117】
4)溶解されたmTG溶液を、攪拌しながら、例えばガスまたはエアを加えずに、ゼラチン溶液内に次第に添加し、これを、架橋化ゼラチン集密ヒドロゲルブロックが形成されるまで続けた。
【0118】
5)泡またはヒドロゲルブロックをピース(例えば5mm~20mm(すなわち2cm))にダイシングまたはカッティングした。
【0119】
6)50℃で水中で攪拌し、mTG酵素が除去されるかまたは洗い流されるか、あるいは酵素の大部分が除去されて、架橋剤を含まないダイシングされたヒドロゲルまたは泡が形成されるまで、ダイシングされたヒドロゲルブロックまたは泡を2回洗浄した。
【0120】
7)洗浄された、ダイシングされた架橋化ゼラチン泡またはヒドロゲルブロックを、-18℃のトレイ上で一晩(例えば2時間~25時間)凍結し、次いで、0.04mbar~0.05mbarで48時間凍結乾燥した。
【0121】
8)凍結乾燥された泡またはヒドロゲルブロックを、ジェットミルまたはグレードグラインダーのいずれかを用いて粉砕し、ふるい(例えば35USメッシュ番号~5000USメッシュ番号;2.5μm~2000μm)を通じて粉末を通過させることによって、粒子サイズ群(例えば、0.1μm~2000μm)に分離した。
【0122】
ゼラチンを異なる微生物トランスグルタミナーゼ濃度で架橋して、安定構造を生成した。安定構造をチョッピングし、ミリングし、いくつかのサイズ範囲にふるい、微小粒子を形成し、洗浄して、製造プロセスで言及されたようなトランスグルタミナーゼを除去した。注入前に、微小粒子をキャリアーまたは潤滑剤中、異なる濃度に希釈した。微小粒子およびキャリアーを集密均一ゲル様液体として、エア(主に窒素および酸素で構成され、少量の、例えば二酸化炭素、水素、ヘリウム、アルゴン、ネオン等も含んでもよい)の非存在下で注入した。所望のサイズ範囲(例えば0.1μm~2000μm)の架橋化ゼラチン泡微小粒子を、選択した液体キャリアー(例えばゼラチン;ヒアルロン酸;カルボキシメチルセルロース;水)(例えば表1~3を参照されたい)中に分散させるか、あるいはキャリアー/潤滑剤構成要素の乾燥粉末と混合して、シリンジ内に充填し、オートクレーブまたは照射によって滅菌した。
【0123】
mTG活性アッセイおよびSDS PAGEを用いて、微小粒子中のmTG架橋剤の量を測定した。試験した濃度は、陽性対照のものよりも低いmTG活性およびmTGタンパク質の値を示し、微小粒子が、該用語が本明細書で用いられるように、本質的にまたは実質的に架橋剤を含まないことを立証した。図1を参照されたい。
【0124】
実施例2:架橋化ゼラチン泡微小粒子配合物の組織病理学的評価。
【0125】
ラット皮膚モデルにおける架橋化ゼラチン泡微小粒子の皮下注入配合物に対する急性および亜慢性反応を行って、組織増大および皮膚リモデリングに関する安全性、許容性、および性能を評価した。評価したパラメーターは、移植された架橋化ゼラチン泡微小粒子配合物に対する、外表皮膚反応ならびに細胞および組織反応であった。
【0126】
この実験のため、凍結乾燥ゼラチン泡微小粒子125mgで構成され、照射(10キログレイ)によって滅菌され、1.2ml滅菌生理食塩水中に懸濁された、本開示の配合物を試験した。注入3時間前に、乾燥ゼラチン泡微小粒子を生理食塩水と混合した。微小粒子の調製は、実施例1により詳細に記載される。
【0127】
ゼラチン泡微小粒子配合物を、注入により、3匹のラットの皮下組織に移植した。各ラットの1~2部位に、各部位0.3mlの配合物を移植した。1つの部位には、0.3mlの競合製品、RadiesseTM(Merz Aesthetics;水性ゲルキャリアー中のカルシウムヒドロキシアパタイト微小球体で構成されるコラーゲン刺激因子)を注入し、これを陽性対照として用いた。第7日および第30日のヘマトキシリン&エオジン(HE)およびマッソン・トリクローム(MT)染色による組織病理学的評価のため、移植部位を収集した。
【0128】
組織病理学的評価は、半定量的スコアリング法に基づき、独立の病理学者により、「ブラインド」方式で評価された。移植許容性および性能の評価は、移植部位での局所組織反応のパラメーター、壊死の存在、腔形成、細胞浸潤タイプ、外来物体反応の存在、新規コラーゲン線維(新規コラーゲン生成)の量、および材料吸収からなった。各パラメーターを0~4のスケールでスコア付けした(スケールの各数値は以下に対応した:0-変化なし、1-最小限、2-穏やか、3-中程度、4-重度)。図12~13を参照されたい。
【0129】
組織増大および皮膚リモデリングのための本開示のゼラチン泡微小粒子配合物の注入可能性、安全性、許容性および性能の組織病理学的評価を行った。
【0130】
製品ミリリットル当たり、多様な量の架橋化ゼラチン泡微小粒子、および多様なキャリアーヒドロゲルで、以下の配合物を調製した。
【0131】
【表1】
【0132】
表1のすべての配合物(1~8)を各注入部位に成功裡に注入した:ブタ腹部、3cm x 3cm平方あたり1ml。カルボキシメチルセルロース(CMC);ヒアルロン酸(HA);
【0133】
ブタ皮膚を1週間、巨視的な不都合な事象に関して調べ、注入部位には、いかなる不都合な反応もないことが観察された。
【0134】
結果:
【0135】
第7日、2部位から収集した、開示されるゼラチン泡微小粒子配合物移植物は、等級1の外来物体反応および等級1~2の新規コラーゲン生成を示した。3部位由来の移植物を第30日に収集し、これは、等級2の新規コラーゲン生成とともに等級1~2の外来物体反応を示し、移植物のある程度の吸収が認められた。やはり観察されたのは、本明細書記載の複数の微小粒子を含む移植物または組成物と関連し、複数の微小粒子を含む移植物または組成物に浸透する線維芽細胞の存在量であった。壊死、腔形成、または浮腫は、いずれの部位および時点でも存在せず、優れた組織許容性が提供された(図2A図2D)。
【0136】
比較して、類似の量の陽性対照、RadiesseTM(Merz Aesthetics)を皮下移植し、組織病理学的評価のため第30日に収集した。移植部位において、新規コラーゲン生成は0~1に等級付けされ、主な外来物体反応が3と等級付けられた。一方、本開示のゼラチン泡微小粒子配合物は、新規コラーゲン生成に関して2と等級付けされ、顕著な外来物体反応が1~2に等級付けされた。RadiesseTM移植物は、粒子周囲に細胞遊走を許したが、ゼラチン泡微小粒子で見られるような粒子塊内への浸潤は許さなかった。
【0137】
要約すると、本開示のゼラチン泡微小粒子配合物は、安全であることが見出された。移植物は、非常に許容性であり、組織、例えば筋肉、血管、神経および上皮に対する負の影響はなかった。移植物は、新規コラーゲン生成を刺激することによって、皮膚再生を促進し、これは、陽性対照競合製品よりも優れている。
【0138】
実施例3:ゼラチン泡微小粒子配合物の注入可能性特性。
【0139】
1つの実施形態において、審美的皮膚科学および再構築手術のため、本開示のゼラチン泡またはヒドロゲル微小粒子配合物を開発して、線維芽細胞刺激および組織再増殖のための最適足場支持体を提供した。即時の臨床転帰を伴う、安全で注入可能な生物刺激剤に関する甚大な必要性を解決しつつ、皮膚充填剤を用いて同様に生じるように皮膚をリフティングし、長期に持続する結果を伴う製品が望ましい。
【0140】
注入可能性は、シリンジおよび適切な針によって成功裡に投与される製品の能力であると見なされる。本開示のゼラチン泡微小粒子配合物の注入可能性を、Lloyd圧縮システム(LLOYD Instruments)を用いて評価した。この方法は、ASTM F2900-11標準ガイドおよび再生医学で用いられるヒドロゲルの特徴づけにしたがって、接着性3D泡構造の特徴づけのために開発された。この分析法は、シリンジを通じて、材料を注入する必要がある力の機械的データを提供した。針サイズならびにシリンジブランドおよびサイズが力に影響を及ぼす。
【0141】
この研究の目的は、本開示のゼラチン泡微小粒子配合物の投与のための異なる最適な配合物を評価することであった。こうした製品を開発する際の困難には、本開示のゼラチン泡粒子が、ターゲット組織中でその3D構造を維持し、早期のクリアランスを防止する、例えば3ヶ月~2年間の維持を支持しうる、均一な粘着性ペーストを生成することが含まれた。理想的な配合物は、冷蔵(例えば4℃)または室温(例えば20℃~25℃)で、妥当な貯蔵期間中、安定であろう。
【0142】
配合物は、ゼラチン泡微小粒子サイズ、粒子対キャリアー比、キャリアータイプ、およびキャリアー濃度の特定の組み合わせに関して言及される。
【0143】
結果
【0144】
注入力に対する粒子サイズの影響を試験した。異なるサイズの粒子をカルボキシメチルセルロース(CMC)キャリアー中に懸濁した。特に、120mgの各粒子サイズ(例えば30μm~100μm)を1mlの1%CMCに懸濁した。1mlシリンジおよび27ゲージ針を用いて、注入力を測定した。粒子サイズおよび測定される力(実線)の間に、線形相関(点線)が観察された(図3)。
【0145】
配合物
【0146】
数ダースの異なる配合物をまず試験した。調製された配合物のテクスチャーが視覚的にスムースであり粘着性があると同定されたら、シリンジを用意し、その注入可能性を試験した。したがって、各配合物の最適化をステップバイステップ方式で行った。本明細書に提示する研究結果は、粒子サイズ50μm~100μm(例えば60μm~90μm)を用いたが、60μm未満のより小さい粒子サイズ(例えば30μm、40μm)を含有するさらなる配合物もまた調製した。
【0147】
【表2】
【0148】
2℃~8℃で貯蔵した後の安定性を試験した。表2の配合物1に関して、3つの時点を試験し、すなわち1日、3~4日、および7日の時点であった。力試験の前に、シリンジを室温に平衡化した。表3で見られうるように、冷蔵期間1日、3~4日、および7日の試験時点後、注入力に有意な変化はなかった。
【0149】
【表3】
【0150】
多様な粒子サイズおよびキャリアーヒドロゲルのゼラチン泡微小粒子配合物を調製した。粒子を30μm、40μm、60μm、および90μmの粒子サイズにミリングした。注入可能性は、粒子サイズ対必要な注入力の線形相関で、粒子サイズによって影響を受けることが見出された。2つの異なる針サイズ:30Gおよび27Gに関してデータを得た。これらは最小限に侵襲性の皮膚科学的適用に適していることが知られる(図3)。
【0151】
実施例4:異なるサイズ範囲のゼラチン泡微小粒子配合物の形態学的形状。
【0152】
高解像度走査型電子顕微鏡(HR-SEM)および明視野顕微鏡を用いて、ゼラチン泡微小粒子(MP)の形態学的構造を評価した。MPの形態学的パラメーター、例えば形状、サイズおよびサイズ分布、ならびにMPの多孔性および表面テクスチャーを調べた。
【0153】
少量のMPサンプルを、輸送のため、1.5ml微量遠心分離フリップキャップチューブに入れた。高解像度走査型電子顕微鏡(HR-SEM)(Technion;”Soft Material Electron Microscopy”装置)用にサンプルを調製した。特に、両面接着性カーボテープピースを指定された金属モールドに接着させ、その上にサンプルMPを広げ、均一に接着させた。
【0154】
分析:HR-SEMソフトウェアを用いて、画像に対して数回の測定を行った。すべての他の分析は、画像およびグラフ提示の視覚的評価として、原則として定性的である。図4~6、図7A~7B、図8を参照されたい。
【0155】
HR-SEM画像に見られるように、いくつかのサイズ範囲の粒子を調製した。0.1μmより大きい(またはそこまで減少する)粒子サイズを有する粒子を画像化した。図4を参照されたい;104nm、105nm、112nm、145nm、150nm、275nm。60μm~99μmの粒子サイズを有するMPを観察した。図5を参照されたい;75.69μm;88.38μm;91.56μm;99.68μm。粒子のミリングおよびふるい製造工程中、サイズ範囲を制御し、調節した。
【0156】
明視野顕微鏡を用いて、サイズ2000μmまでの巨大粒子を観察した。画像化前に粒子を水和した。架橋化ゼラチンを、99μm~710μmのサイズ範囲までミリングし、ふるった。生じた粒子の膨張係数(swelling factor)(湿潤/乾燥)は1.65であった。湿ると、粒子は膨張し、サイズは最初のサイズから1.65の係数で増加し、最大約2000μmとなった。1172μmの水和ゼラチン粒子を示す、図6を参照されたい。
【0157】
実施例5:粒子サイズ決定。
【0158】
架橋化ゼラチンの凍結乾燥微小粒子をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に室温(RT)で24時間分散させた。水和微小粒子を光学顕微鏡下で視覚化し、乾燥粒子に比較した。ImageJソフトウェアによって、サイズ分布を手動で評価した。図7A図7B図8を参照されたい。
【0159】
【表4】
【0160】
実施例6:ゼラチン泡微小粒子配合物の機械的特性
【0161】
ゼラチン泡微小粒子配合物を用意し、混合し、室温(RT)および6℃で貯蔵した後、機械的特性を試験した。
【0162】
0.5%、0.75%または1%の非架橋化ゼラチンキャリアー中のゼラチン泡微小粒子(MP)(すなわち60μm~99μm、120mg/ml)の湿潤および乾燥配合物を調製し、1mlシリンジ中に導入した。0.1Hz~10Hzの範囲の周波数掃引試験で、AG-R2レオメーターを用いて、配合物の機械的特性を測定した。図9を参照されたい。これらの異なる振動数は、サンプルに適用されている異なるレベルの剪断力に対応する。ゲルの堅さおよびしたがって、適用される圧の下で変形に抵抗する能力の測定は、配合物が注入針またはカニューレを通じて、どのように押し出されるか、あるいは配合物が、その後、顔の筋肉組織および上層の皮膚の動きにどのように供されるかの指標を提供しうる。
【0163】
乾燥粒子配合物は、湿潤粒子配合物のものよりもより低い係数を生じた。これは、配合物間の相違のためでありうる:乾燥粒子配合物は、液体との混合前に滅菌された一方、湿潤粒子配合物は、液体との混合後に滅菌された。さらに、非架橋化ゼラチンキャリアーのパーセンテージは、乾燥粒子配合物でより低かった。
【0164】
【表5】
【0165】
実施例7:泡ゼラチン微小粒子のサイズ特徴づけ。
【0166】
20グラムのゼラチンあたり異なる量の微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)を用いて作製された泡粒子の異なるバッチ由来のサンプルを、Mastersizer 3000(ITI Faculty of Biotechnology and Food Engineering, Technion, Haifa, IL)での測定のために採取した。サンプルを重水素減少水(DDW)または96%エタノール中に測定直前に分散させるか、あるいは測定前に24時間水中に分散させた。
【0167】
【表6】
【0168】
結果:
【0169】
図10は、非水和泡MP(BC 81-9)および水和泡MPのサイズ分布を示す。泡MPを重水素減少水(DDW)(即時(DDW)または24時間(DDW、24時間))中、および96%エタノール中に分散させた。96%エタノール中の粒子の分散は、粒子の非水和状態であり、これは、ふるい後の乾燥粒子サイズを示した。
【0170】
粒子を96%エタノール中に分散させた際、より狭いサイズ分布が観察され、サイズ範囲は50μm~150μmであり、Dx(50)はおよそ80μmであった。泡MPをサイズ範囲60μm~90μmにふるい、80μmのサイズDx(50)を有する乾燥粒子を生じ、これは予期されるふるい範囲のほぼ中央であった。
【0171】
粒子を水(DDW)中に分散させた際、より広いサイズ分布が観察された。これは、ゼラチン泡MPの水取り込みのためであり、これが粒子の膨張を引き起こし、サイズ分布プロット中のシフトを生じた。水中で水和させた直後の粒子または水和24時間後の粒子のDx(50)の間に有意な相違は見られず、泡MPが水に分散させて間もなく完全に水和されることを示した。
【0172】
水和粒子(DDW-24時間)対非水和粒子(96%エタノール)のDx(50)の間の生じた比は、1.67であった。
【0173】
実施例8:異なる生理食塩水希釈における泡ゼラチン微小粒子の注入可能性。
【0174】
キャリアーとして用いた10mgの非架橋化ゼラチンを含む220mg泡微小粒子を、30秒間、シリンジからシリンジ(STS)方式で、2.5mlシリンジ中の1.5ml、2ml、および3mlの生理食塩水と混合した。
【0175】
27ゲージ(27G)針で、Lloydの機械的試験装置を用いて、混合10分後、注入可能性を測定した。
【0176】
【表7】
【0177】
表7および図11に示されるように、生理食塩水混合体積は、架橋化ゼラチン泡MP配合物の注入可能性値に影響を及ぼす。混合体積を1.5mlから4mlに増加させると、注入可能性は、それぞれ41Nから3Nに減少した。配合物の注入可能性を調節するこの能力は、異なる位置および体積中の配合物の注入が組織耐性に依存する場合、好適でありうる。
【0178】
実施例9:泡ゼラチン微小粒子配合物の無菌性
【0179】
12kGy(Sor-van, IL)のEビーム照射を用いた滅菌後、内毒素および生物負荷試験を用いて、ゼラチン泡MPの無菌性を評価した。
【0180】
内毒素レベルを評価するため、20mgの泡ゼラチンMPを4Uまたは8Uコラゲナーゼを含む5mlの内毒素不含水中に分散させ、泡MPが完全に分解されるまで、150rpm振盪下で、37℃で一晩インキュベーションした。EndoZyme TM IIアッセイを用いて、内毒素値を定量化した。
【0181】
水、原材料、または製造製品の安全性目的用の最終製品中の細菌レベルまたは微生物混入の評価および定量化のため、生物負荷試験を行った。ISO 11737-1にしたがって、外部のMiloda実験室(SOP 200.04.01)で、生物負荷試験を行った。サンプル(0.1g)を1ml緩衝塩化ナトリウム-ペプトン(BSCP)+0.1%Tween中に入れた。60秒間手動で混合することによって抽出を行い、次いで、1mlの抽出物をトリプティックソイ寒天(TSA)プレート上にプレーティングし、30℃~35℃でインキュベーションした。プレート上で増殖する微生物の量を、72時間後に計数した。その後、ペトリ皿を25℃にさらに72時間移し、次いで、酵母およびカビの数をコロニー形成単位(CFU)として計数した。
【0182】
【表8】
【0183】
表8に見られるように、泡粒子サンプルの内毒素レベル(内毒素単位(EU))は、0.0126EU/mg~0.0466EU/mgの間であった。デバイスあたり(220mgの泡粒子(FP))のEUを計算する際、EU値は最大10.2であり、これは、デバイスあたり20EUの許容されうるEU値より低く、配合物の無菌性を示し、Eビーム照射を用いた滅菌法の検証となった。これはまた、1より小さいかまたは1未満であるコロニー形成単位(CFU)/グラム(g)である生物負荷試験によっても立証された。
【0184】
実施例10:微小粒子(MP)の水不溶性試験
【0185】
本開示の微小粒子を5ml生理食塩水とともにウェル(6プレートウェル)に入れ、100rpmのシェーカー上、55℃でインキュベーションした。MPの水不溶性を、ゼロ時点(インキュベーション前)、1時間、および4日で、視覚的評価のため、評価した。時間経過に渡って、視覚的に区別は観察されなかった。
【0186】
別の研究において、本開示の微小粒子を、60℃で一晩あらかじめ乾燥させたフィルター中に入れた。フィルターは、50mg~55mg粒子を含んで重量測定され、2mlエッペンドルフチューブに入れられた。水をフィルター内部に添加して、粒子が覆われ、フィルターメッシュが水(~2.5ml)と接触することを確実にした。フィルターおよびエッペンドルフチューブをアルミホイルで覆い、テープで密封し、インキュベーションのため、60℃に置いた。1時間または48時間後、サンプルを洗浄し、乾燥させて、重量損失を測定した。サンプルを各3ml~4mlの水で洗浄し(300μl~400μlを10ラウンド)、60℃に一晩置いて乾燥させた。乾燥プロセス後、FPサンプルを含むフィルターを重量測定した。研究を3つ組で行った。インキュベーションまたは水中の浸漬前、ならびに60℃で1時間および48時間のインキュベーション後の乾燥FPの重量比は、それぞれ、1.006および1.005であった。したがって、材料乾燥質量は、水が温かい(60℃)場合であってさえ、1時間または48時間水中でインキュベーションした際に不変のままであった。したがって、FPは架橋され、水可溶性ではない。
【0187】
実施例11:動物移植安全性研究
【0188】
ブタ移植安全性研究において、異なるタイプの配合物を、ブタの皮下組織内に注入した。注入部位を、注入180日後まで分析した(ブタモデルにおけるBC010研究)。試験した微小粒子(MP)+キャリアーまたは潤滑剤配合物は優れた急性および亜慢性許容性を示し、安全と決定された。線維芽細胞補充は、第7日の初期時点でさえ示され、その後、第30日に見られる新規コラーゲン産生のプロセスまで続いた。コラーゲン刺激が示され、局所血管形成(新規毛細管形成)の支持を伴い、新規の生き生きしたコラーゲン性組織の生成が導かれた。
【0189】
ラット移植研究において、MPおよびキャリアーまたは潤滑剤配合物を、ラットの皮下組織内に注入した。この研究は、注入部位あたり最大2mlの異なる投薬量の注入配合物の高い安全性および許容性を示し(極端な100倍過剰投薬であるラットモデルにおいて)、最長で注入30日後まで、不都合な事象、浮腫、または壊死はなかった。コラーゲン刺激が示され、局所血管形成(新規毛細管形成)の支持を伴い、新規のコラーゲン性組織の生成が導かれた。
【0190】
ラット移植研究において、キャリアー乾燥粒子を含むFPを、異なる水和液体:生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、または注入用水(WFI)と混合した。例えば110mg FPおよび5mg非架橋化ゼラチンを、1ml生理食塩水またはWFIと混合した。この研究は、異なる液体中の注入配合物の高い安全性および許容性を示し、最長で注入30日後まで、不都合な事象、浮腫、または壊死はなかった。コラーゲン刺激が示され、局所血管形成(新規毛細管形成)の支持を伴い、新規のコラーゲン性組織の生成が導かれた。
【0191】
ラット移植研究において、FP乾燥粒子を異なるキャリアーと混合した:(a)120mg FPを0.5ml生理食塩水および0.5ml架橋化ヒアルロン酸と混合した(HA;3000KD;10mg/ml;0.05 BDDE/1mg HA);(b)120mg FPを5mg非架橋化ゼラチンの吸湿性乾燥粉末(例えば、粒子に関しては、米国特許第10,596,194号および第11,331,412号を参照されたい)および1ml生理食塩水と混合された12.5酵素単位の微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)の乾燥粉末と混合した。配合物(a)および(b)のどちらも、高い安全性および許容性を示し、最長で注入30日後まで、不都合な事象、浮腫、または壊死はなかった。コラーゲン刺激が観察され(FPの周囲でのみ見られ、ヒアルロン酸の周囲では見られなかった)、新規のコラーゲン性組織の生成が導かれ、架橋化ゼラチン微小粒子FPが細胞の内殖およびリモデリングに非常に重要であることが示された。
【0192】
ラット移植研究において、ゼラチンを異なる濃度のmTGで架橋することによって、乾燥FPを製造した。多様な架橋性mTG配合物の120mg FPを1ml生理食塩水と混合した。すべての配合物は、高い安全性および許容性を示し、最長で注入30日後まで、不都合な事象、浮腫、または壊死はなかった。コラーゲン刺激が示され、局所血管形成(新規毛細管形成)の支持を伴い、新規のコラーゲン性組織の生成が導かれた。
【0193】
実施例12:in vivo移植配合物の評価
【0194】
ブタ移植研究(BC010)において、注入MPおよびキャリアー配合物は、第7日、移植部位で観察され、1ヶ月後の時点でも残遺物が見られた。180日で、MPおよびキャリアー配合物は完全に分解され、残遺物は見られなかった。ラット研究(PCR007)において、注入MPおよびキャリアー配合物は、注入1ヶ月後、移植部位に存在した。
【0195】
ブタ実験のため、異なるキャリアー中で、最終体積1mlであり、オートクレーブによって滅菌された、30mg~120mgの凍結乾燥ゼラチン泡微小粒子で構成される、本開示の配合物を試験した。微小粒子の調製は、実施例1により詳細に記載された。
【0196】
ラット実験のため、10mgのキャリアー粉末と混合され、照射(10キログレイ)によって滅菌され、2ml滅菌生理食塩水中に懸濁された、220mgの凍結乾燥ゼラチン泡微小粒子で構成される、本開示の配合物を試験した。乾燥ゼラチン泡微小粒子を、注入直前に2ml生理食塩水と混合した。微小粒子の調製は、実施例1により詳細に記載された。
【0197】
2匹のブタおよび18匹のラットの皮下組織内に注入することによって、ゼラチン泡微小粒子配合物を移植した。各ラットには、1つ~4つの部位に、各部位0.3ml~2mlの配合物を移植した。矢印は、移植された本開示の組成物を示す。ヘマトキシリンおよびエオジン(HE)およびマッソン・トリクローム(MT)染色による組織病理評価のため、ラットモデルでは第7日および第30日、ならびにブタモデルでは第7日、第30日および第180日に、移植部位を収集した。ブタおよびラット皮膚において、移植の7日、30日、および180日後、移植物をH&E(細胞核を紫がかった青に、細胞外マトリックスおよび細胞質をピンクに染色する、ヘマトキシリンおよびエオジン)およびMT、マッソン・トリクローム(赤のケラチン、筋線維および移植物、青のコラーゲンおよび骨、明るい赤またはピンクの細胞質、ならびに濃褐色から黒の細胞核を生じる)で染色した(H&E-ブタ第7日および第30日、ラット第7日および第30日、ならびにMT-ブタ第180日)。図12を参照されたい。
【0198】
本明細書記載の微小粒子組成物または配合物を生物分解性と分類してもよく、これはリスク緩和に利点を持つ。他の市販製品、例えばカルシウムヒドロキシアパタイト(CaHA)またはポリL-乳酸(PLA)は、その分解速度が多くの不都合な事象および合併症を引き起こしうることを示した。CaHAでの治療は、最高の合併症率を有し、最も一般的な不都合な事象は、注入組織中の小結節および肉芽腫の形成であった。CaHA-CMC(カルシウムヒドロキシアパタイト-カルボキシメチルセルロース)移植物は、粒子周囲の細胞遊走を可能にするが、ゼラチン微小粒子で見られるような、粒子塊内への浸潤を可能にしなかった。
【0199】
ラット研究において、注入微小粒子配合物は、移植1ヶ月後、移植部位に存在した。
【0200】
実施例13:生物刺激プロセスの評価
【0201】
本明細書に記載されるようなブタおよびラット移植研究に基づいて、材料の生物刺激プロセスを注入のわずか7日後に観察した。これは、注入領域における進行中のコラーゲン生成プロセス(等級2)および新規コラーゲン線維の形成によって示された。移植物の代表的な組織学的写真を、移植7日後、30日後、および180日後、H&E(細胞核を紫がかった青に、細胞外マトリックスおよび細胞質をピンクに染色する、ヘマトキシリンおよびエオジン)およびマッソン・トリクローム(赤のケラチン、筋線維および移植物、青のコラーゲンおよび骨、明るい赤またはピンクの細胞質、ならびに濃褐色から黒の細胞核を生じる)で染色した(H&E-ブタ第7日、ならびにマッソン・トリクローム-ブタ第30日および第180日、ラット第7日および第30日)。新規コラーゲン線維の移植配合物(黒い矢印)は、青く染色された(白い矢印)。図13を参照されたい。
【0202】
実施例14:SDS-PAGEによって測定された泡粒子(FP)のmTG残渣:
【0203】
本研究は、FP製品中の微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)酵素残渣のSDS-PAGEによる定性的測定を分析した。FP懸濁物中のmTGバンドの出現は、酵素の存在を示した。本研究は2つ組で行われた。図14を参照されたい。
【0204】
mTG(1)、ゼラチン(2)、およびコラゲナーゼ(3)の試験対照は、予期されるタンパク質パターンおよびサイズを生じた。実施例14を参照されたい。
【0205】
FP結果(4)は、懸濁物中のmTG酵素の証拠または痕跡をまったく示さなかった。これは、FPはmTGをまったくまたはあるとしても非常に少量でしか含有せず、mTG酵素はこの方法によって測定した際、検出不能であることを示唆した。
【0206】
実施例15:RGD定量化
【0207】
蛍光定量アッセイを用い、アルギニンのアミノ基を通じて、架橋化ゼラチン微小粒子および原材料の表面上のRGD(アルギニン-グリシン-アスパラギン酸)モチーフの量を定量化した。アルギニンのアミノ基と9,10-フェナントレンキノンの間の反応は、蛍光化合物を生じた。この反応は、典型的には、蛍光化合物または分子を生じる、酸性化後の高pHで起こる。
【0208】
サンプルおよび標準を、別個に、高pH環境中、9,10-フェナントレンキノン試薬と混合し、60℃、100rpmで3時間インキュベーションした。次いで、混合物をHClと混合し、室温(RT)で1時間インキュベーションして、蛍光分子を得た。312nmの励起波長および395nmの放出波長で蛍光強度を測定した。RGDを含まないブランク対照を脱イオン水で調製した。サンプルを3つ組で試験した。
【0209】
結果:
【0210】
アルギニンの蛍光放出を異なる濃度で測定し、図15のアルギニンの検量線中に示した。
【0211】
異なる材料の蛍光放出スペクトルを測定し、図16に示した。395nmの波長で、上から下に、曲線は、それそれ:Arg 80μg/ml;非架橋化ゼラチン;BC-82-8;BC-81-8;BC-82-7;BC-82-5;BC-82-4;BC-82-6;mTG;ブランクである。
【0212】
試験した材料中のRGDモチーフを定量化し、アルギニン検量線にしたがって計算した(図15)。検量線中で用いた遊離アルギニンは、2つの一級アミノ基を有し、RGDモチーフ配列は1つのアミノ基を有した。計算には、395nmの波長での蛍光放出が含まれた。
【0213】
図17は、非架橋化ゼラチン、微生物トランスグルタミナーゼ、泡粒子(FP)、および集密粒子中のRGDの量(μg/mg)を示す。非架橋化ゼラチンは、30μg/mgを超えるRGDモチーフを有し、FPおよび集密粒子は、それぞれ、約12μg/mgおよび14μg/mgを有した。一方、微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)は、本質的にゼロであるかまたは辛うじて検出可能な量のRGDを有した。
【0214】
図18は、異なるサイズ範囲の架橋化泡粒子(FP)上の測定されたRGD量を示す。
【0215】
mTGの異なる量(X軸)で架橋されたFP上のRGD量(Y軸)もまた測定し、図19に示した。ゼラチンまたはmTG単独に比較した際、酵素(mTG)重量に対する異なるゼラチンの多様なバッチの比を、X軸上に例示する(BC-82-7;BC-81-8; BC-82-5;BC-82-4; BC-82-6;およびBC-82-8)。
【0216】
結論:
【0217】
アルギニン量の増加は、ゼラチン原材料でもやはり見られる、395nmの波長での放出の特徴的な増加を示した。mTGは、395nmの波長での最小限の蛍光放出スペクトルを示した。mTGにおける低いシグナルは、総酵素重量に対して、重量で無視できる程度のアルギニンの量による可能性もあり、FPにおけるRGDの定量化は、架橋化ゼラチンとして参照されることを示す。これは、RGD配列が、蛍光測定法を用いることによって定量化されうることを示した。
【0218】
予期されるように、非架橋化ゼラチン中のRGDの量は、架橋化ゼラチン微小粒子よりも多く、これは本研究において、陽性対照として働いた。ゼラチンは可溶性であり、RGD部位のある程度が捕捉されるかまたは曝露されない不溶性架橋化粒子に比較して、多量の曝露RGD部位を可能にした。非架橋化ゼラチンは、より多いRGDを示すが、非架橋化ゼラチンは、37℃では非常に迅速に溶解するかまたは分解され、生物学的効果がないため、その使用は、示唆される微小粒子には現実的ではなかった。
【0219】
正の特徴的な放出はまた、集密および泡粒子中両方の架橋化ゼラチン微小粒子でも見られた。集密粒子および泡粒子は、製造法およびサイズが異なるが、粒子表面上のRGD量は同様であった。
【0220】
異なるサイズ範囲のFPは、類似のRGD量を示した。RGD量およびFPを架橋するために用いられるmTGの量の間には相関は見られなかった。結果を統合すると、架橋化ゼラチン粒子上のRGDの量は、11μg/mg~36μg/mgの範囲であった。
【0221】
実施例16:懸濁物中の微小粒子上での初代線維芽細胞のin vitro培養
【0222】
初代ウシ皮膚線維芽細胞を、本開示の微小粒子とインキュベーションし、非組織培養プレートにプレーティングした。比較のため、細胞を、微小粒子を含まずに非組織培養プレート中に、および通常の組織培養プレート中に、植え付けた。生存度を測定した。
【0223】
細胞:初代ウシ皮膚線維芽細胞(BDF)を、外植法を用いて、14ヶ月齢の雄ウシから単離した。外植法において、例えばウシ由来の、皮膚の小片を、細胞の相当の増殖が生じるまで、組織培養プレート上にプレーティングした。この技術は、創傷治癒のモデルとして歴史的に使用された。~80%集密の細胞単層をPBSで5分間洗浄し、その後、0.25%トリプシンで4分間酵素分散させることによって、細胞を接着から培養プレートに分散させた。この実験のため、継代数5の細胞を用いた。
【0224】
微小粒子:100μm~700μmの乾燥粒子サイズ範囲の本開示に記載される微小粒子を用いた。細胞とインキュベーションする前に、水和のため、微小粒子を完全培地中、48時間懸濁した。
【0225】
接着:~1x105の懸濁細胞を120mgの微小粒子懸濁物に添加して、15mlキャップチューブ中、完全培地中で、最終体積4mlとした。細胞および微小粒子を混合するためピペッティングし、細胞培養インキュベーター(37℃、5%CO2)中に2時間入れて、十分な細胞-微小粒子接着を可能にした。
【0226】
植え付け:細胞微小粒子懸濁物を穏やかに懸濁し、非組織培養96ウェルU型底プレート中に植え付けた。同じ比の細胞/培地体積中のBDFを対照として同じプレートのウェルに植え付けた。別の対照として、通常の96ウェル組織培養プレートのウェル中に同じ比の細胞/培地体積中のBDFを植え付けた。
【0227】
生存度:Alamar Blue生存度/増殖/細胞毒性アッセイ(Bio-Rad)を用いて、植え付け7日後、細胞生存度を測定した。各試験ウェル中の培地体積の半量を取り除き、新鮮な培地で置換して、20%(v/v)のAlamar Blue試薬を補充して最終10%濃度とした。試薬をまた、培地を含むが細胞を含まないウェルにも添加し、陰性対照として使用した。試薬と4時間インキュベーションした後、60μLの培地を各試験または対照ウェルから抽出し、PBS中で1:10に希釈した。吸光度を570nmおよび600nm(Shimadzu UV-1280分光光度計)で測定した。等式:((O2xA1)-(O1xA2))/((R1xN2)-(R2xN1))*100にしたがって、生存度を計算し、Alamar Blueの減少パーセントとして表し、式中、O1=570nmでの酸化Alamar Blue(青)のモル吸光係数(E)、O2=600nmでの酸化Alamar BlueのE、R1=570nmでの減少Alamar Blue(赤)のE、R2=600nmでの減少Alamar BlueのE、A1=570nmでの試験ウェルの吸光度、A2=600nmでの試験ウェルの吸光度、N1=570nmでの陰性対照ウェル(培地に加えてAlamar Blueを含み、細胞を含まない)の吸光度、N2=600nmでの陰性対照ウェル(培地に加えてAlamar Blueを含み、細胞を含まない)の吸光度。培養を均一に乾燥させ、固定し、表面形態に関して、SEMによって分析した。
【0228】
結果:本開示の微小粒子に接着した細胞の生存度は、平底96ウェル組織培養プレート上に植え付けられた同数の細胞のものに匹敵した。微小粒子を含まず、非組織培養96ウェルU型底プレート中に植え付けられた細胞は、あるとしても限定された生存度を示した。SEM分析は、細胞周囲のコラーゲン線維沈着を伴う伸長された線維芽細胞を示した。
【0229】
結論:本開示の微小粒子は、細胞接着のための表面および初代ウシ皮膚線維芽細胞の支持を提供した。本明細書記載の研究はまた、懸濁物中のマイクロキャリアーとして機能する、本開示の微小粒子の存在下での線維芽細胞の生存も示した。一方、本開示の微小粒子を伴わずにインキュベーションされた細胞は生存しなかった。表9を参照されたい。
【0230】
【表9】
【0231】
初代ウシ皮膚線維芽細胞を、14ヶ月齢の雄ウシから単離した。細胞培養は標準条件下で(例えば100%相対湿度(RH)、37℃、5%CO2)、10%ウシ胎児血清(FCS)、L-グルタミン、ピルビン酸Na、および抗生物質および/または抗真菌剤を補充した高グルコースDMEMを含む増殖培地を用いて行われた。最終体積の増殖培地(4ml)中の本開示のマイクロキャリアーまたは複数の微小粒子(120mg)と、細胞を、約2時間である、細胞がマイクロキャリアーに接着することを可能にするために十分な時間、インキュベーションし、細胞および本開示のマイクロキャリアーを再懸濁し、非組織培養プレート(例えば96ウェルU型底プレート)中に懸濁物を植え付けることによって、約100,000の細胞を培養した。細胞対培地体積の同じ比の細胞を、対照と同じプレートのウェル中に、マイクロキャリアーを伴わずに植え付け、別の対照として、通常の96ウェル組織培養プレートウェルのウェル中に、マイクロキャリアーを伴わず、細胞対培地体積の同じ比の細胞を植え付けた。
【0232】
alamarBlue生存度/増殖/細胞毒性アッセイ(Bio-Rad)を用いて、推奨される製造者の指示にしたがって、生存度を例えば植え付け3日後に測定した。マイクロキャリアー上に植え付けられた細胞の生存度(第3日)は、組織培養プレート上に植え付けられた細胞のものと類似である一方、非組織培養プレート上に直接植え付けられた細胞は、生存できなかった。表9を参照されたい。
【0233】
例えば、6x106の人工多能性幹(iPS)細胞を、FPへの接着のため、非コーティング55mmペトリ皿中、シェーカー(80RPM)上で一晩、インキュベーター中で本開示のFP(粒子サイズ範囲500μm~2000μm)とインキュベーションした。その後、細胞凝集物を、増殖および分化のため、37℃で8日間インキュベーションした。細胞凝集物は、培養7日後に拍動しはじめ、iPS細胞が心筋細胞に成功裡に分化し、機能性であることを示した。
【0234】
実施例17:細胞分化のための人工多能性幹細胞のin vitro培養
【0235】
iPS細胞(600万)を非コーティング55mmペトリ皿中、シェーカー(80RPM)上、一晩インキュベーションするため、インキュベーター中で100mgのFP(粒子サイズ範囲25μm~2000μm)と接着させた。その後、生じた細胞凝集物を、増殖および分化のため、37℃で8日間インキュベーションした。
【0236】
結果:FPを装填した細胞を光学顕微鏡下で観察した(図20A図20Bを参照されたい)。FP装填細胞の拍動は、8日後に観察され、iPS細胞が心筋細胞に成功裡に分化したことが示された。
【0237】
実施例18:架橋化ゼラチン線維から製造された泡ゼラチン粒子:
【0238】
1mgのミリングされたゼラチンと1g mTGから架橋化ゼラチンを調製した。粉末を混合し、10mlシリンジ中に入れた(シリンジ1)。さらなるシリンジ(シリンジ2)に8ml生理食塩水を充填し、シリンジ1に連結した。シリンジ2の生理食塩水を、シリンジからシリンジへの混合法を通じて、シリンジ1の粉末と60秒間混合した。製造された泡を多様なサイズの針:27G、25G、および21G針を通じて、ペトリ皿に入った冷(4℃)微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)溶液に、0.2%w/vの濃度で注入し、室温(RT)に2時間維持した。ペトリ皿の半数を、37℃でさらに1時間、保存した。最後に、生成された線維をmTG溶液から濾過し、RTで一晩乾燥させ、乳鉢および乳棒でミリングし、光学顕微鏡検査によってその形態を特徴づけた。
【0239】
結果:粒子の光学顕微鏡画像は、22μm~752μmの粒子サイズ範囲を有する泡粒子(FP)が泡架橋化ゼラチン線維から成功裡に調製されたことを示した。図21A図21Bを参照されたい。
【0240】
本開示の範囲および精神から逸脱することなく、多様な変化が上述の主題において作製可能であるため、上記説明に含まれる、または付随する請求項に定義される、すべての主題は、本開示を説明し例示すると解釈されることが意図される。本開示の多くの修飾および変形が上記解説の観点から可能である。したがって、本明細書は、付随する請求項の範囲内に属するすべてのこうした代替物、修飾および変形を含むと意図される。
【0241】
本明細書に引用されるまたは言及されるすべての文献、および本明細書に引用される文書に引用されるまたは言及されるすべての文献は、本明細書に言及されるすべての製品の任意の製造者の指示、説明、製品明細、および製品シート、または参照により本明細書に組み込まれる任意の文書中のものとともに、参照により本明細書に組み込まれ、本開示の実施において使用されうる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
【国際調査報告】