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特表2024-526177用量ボタンを備える薬剤送達デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】用量ボタンを備える薬剤送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20240709BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61M5/20
A61M5/315 550R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579127
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022035402
(87)【国際公開番号】W WO2023278498
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/217,465
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 真美
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】アルネット,ジェイム レイ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE06
4C066QQ82
4C066QQ84
4C066QQ85
(57)【要約】
用量送達ボタンを有する薬剤送達デバイスが提供される。用量ボタンは、デバイスを動作するときに、ユーザの指の間の摩擦を増強させて、用量ボタンの実質的に軸方向の並進を促進し、薬剤の用量を送達するための接触界面を含む。接触界面は、皮膚に対してより小さい動摩擦係数、及び/又は用量ボタンのヤング率よりも小さいヤング率を有する、異なる材料で形成され得る。接触界面は、用量ボタンよりも小さい横方向寸法を有し得る。送達デバイスは、接触界面に結合されたアクチュエータカバーを有し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイスであって、
長手方向軸の周りに配設され、かつ出口を有するハウジングと、
用量設定中に、前記ハウジングに対して前記長手方向軸の周りに回転可能な回転用量部材と、
薬剤が前記出口から外へ分注される用量分注モードを作動させるように、前記ハウジングに対して軸方向に、前記長手方向軸に沿って並進可能であるように構成された用量ボタンであって、前記用量ボタンは、近位面を含む、用量ボタンと、
前記用量ボタンの前記近位面の近位に配設され、かつ前記近位面に接触するように構成された接触界面であって、前記接触面は、近位面を有し、前記接触界面及び前記用量ボタンは、同軸関係を有する、接触界面と、を備え、
前記用量ボタンの前記近位面は、第1の寸法パラメータを含み、前記接触界面の前記近位面は、前記第1の寸法パラメータよりも小さい第2の寸法パラメータを含み、前記第2の寸法パラメータは、用量送達中に前記接触面の中心軸上への荷重を増強させ、前記回転用量部材上の非中心軸上への荷重を抑制するようにサイズ設計されている、薬剤送達デバイス。
【請求項2】
前記回転用量部材は、前記ハウジングに対して回転可能に装着されたカラーを更に含み、前記ハウジングに対する前記カラーの回転が、前記用量分注モード中に前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定し、前記カラーは、前記用量ボタンの作動中に前記用量ボタンに対して回転する、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項3】
前記用量ボタンは、前記ハウジングに対して回転可能に装着されており、前記ハウジングに対する前記用量ボタンの回転が、前記用量分注モード中に前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定する、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項4】
薬剤送達デバイスであって、
出口を有するハウジングと、
薬剤が前記出口から外へ分注される用量分注モードを作動させるように、前記ハウジングに対して軸方向に並進可能であるように構成された用量ボタンであって、前記用量ボタンは、近位面を含む、用量ボタンと、
前記用量分注モードで特性を測定するように構成されたデータモジュールであって、前記データモジュールは、接触界面を有し、前記データモジュールは、前記用量ボタンに動作可能に結合され、前記データモジュールは、近位面を含む、データモジュールと、を備え、
前記データモジュールの前記近位面を横切って横方向に測定された第1の横方向寸法が、前記接触界面の近位面を横切って前記横方向に測定された第2の横方向寸法よりも大きく、前記横方向は、前記軸方向に対して垂直である、薬剤送達デバイス。
【請求項5】
前記ハウジングに対して回転可能に装着されたカラーを更に備えており、前記ハウジングに対する前記カラーの回転が、前記用量分注モード中に前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定し、前記カラーは、前記用量ボタンの作動中に前記用量ボタンに対して回転する、請求項4に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項6】
前記データモジュールは、前記用量分注モード中に前記接触界面に対して回転するように構成されている、請求項5に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項7】
前記データモジュールは、互いに対して回転方向に固定された第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記カラーに回転可能に固定されており、前記接触界面は、前記ハウジングに回転方向に固定され、前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記用量分注モード中に前記接触界面に対して回転する、請求項6に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項8】
前記データモジュールは、第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記カラーに回転可能に固定されており、前記接触界面は、前記ハウジングに回転方向に固定され、前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記用量分注モード中に互いに対して回転する、請求項6に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項9】
前記用量ボタンは、前記ハウジングに対して回転可能に装着されており、前記ハウジングに対する前記用量ボタンの回転が、前記用量分注モード中に前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定する、請求項4に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項10】
前記データモジュールは、前記用量分注モード中に前記接触界面に対して回転するように構成されている、請求項9に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項11】
前記第2の横方向寸法は、前記第1の横方向寸法の1/3~2/3である、請求項4~10のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項12】
前記接触界面は、半径方向の外向きに延在する1つ以上の突出部を含む、請求項4~11のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項13】
検知素子を収容する中間構成要素を更に備えており、前記接触界面及び前記中間構成要素は、互いに対して軸方向に固定されている、請求項4~12のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項14】
前記接触界面は、前記接触界面の中心に位置付けられた接触界面陥凹を含む、請求項4~13のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項15】
前記接触界面に結合されたアクチュエータカバーを更に備える、請求項4~14のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項16】
前記アクチュエータカバーは、前記アクチュエータカバーの中心に位置付けられたカバー陥凹を含む、請求項15に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項17】
前記アクチュエータカバーは、少なくとも2つの側壁を含み、前記少なくとも2つの側壁の各々は、前記カバー陥凹の両側に位置付けられている、請求項16に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項18】
前記カバー陥凹は、サドル形状である、請求項16に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項19】
前記用量ボタンは、第1の材料で作製され、前記接触界面は、第2の材料で作製され、前記第1の材料は、前記第2の材料のヤング率よりも大きいヤング率を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項20】
前記第2の材料と、ユーザの指との間の動摩擦係数が、前記第1の材料と、前記ユーザの指との間の動摩擦係数よりも大きい、請求項19に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項21】
前記第2の材料は、エラストマー材料である、請求項19又は20に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項22】
前記ハウジングは、薬剤を収容するリザーバを含む、態様1~21のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【請求項23】
薬剤を送達する方法であって、
用量ボタンの近位面に動作可能に結合された接触界面に、軸方向の力を印加することと、
前記用量ボタンをハウジングに対して軸方向に変位させることと、
前記用量ボタンの前記変位に伴って、薬剤が出口から外へ分注される用量分注モードを作動させることと、を含み、
前記用量ボタンの前記近位面を横切って横方向に測定された第1の横方向寸法が、前記接触界面の近位面を横切って前記横方向に測定された第2の横方向寸法よりも大きく、前記横方向は、前記軸方向に対して垂直である、方法。
【請求項24】
前記接触界面は、前記用量ボタンの前記近位面に取り付けられている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記用量分注モード中にデータモジュールを用いて特性を測定することを更に含み、前記データモジュールは、前記接触界面を含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記ハウジングに対してカラーを回転させて、用量設定モードにおいて前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定することを更に含み、前記カラーは、前記用量分注モード中に前記用量ボタンに対して回転する、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記用量分注モード中に、データモジュールを用いて特性を測定することを更に含み、前記データモジュールは、前記接触界面を含み、前記データモジュールは、第1の部分及び第2の部分を含み、前記用量分注モードにおいて、前記第1の部分は、前記カラーに回転可能に固定され、かつ前記第2の部分は、前記ハウジングに回転可能に固定されており、前記接触界面は、前記第2の部分に回転方向に固定されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記用量分注モード中に、前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定するように、前記用量ボタンを前記ハウジングに対して回転させることを更に含む、請求項23~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記接触界面上にアクチュエータカバーを設置することを更に含み、前記アクチュエータカバーは、少なくとも2つの側壁、及び前記アクチュエータカバーの中心に位置付けられたカバー陥凹を含み、前記少なくとも2つの側壁の各々は、前記カバー陥凹の両側に位置付けられている、請求項23~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記用量ボタンは、第1の材料で作製され、前記接触界面は、第2の材料で作製され、前記第1の材料は、前記第2の材料のヤング率よりも大きいヤング率を有する、請求項23~29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、薬剤送達デバイス及び関連する使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な疾患に罹患している患者は、自分自身に薬剤を注射しなければならないことが頻繁にある。人が薬剤を好都合かつ正確に自己投与することを可能にするために、ペン型注射器又は注射ペンとして広く知られている様々なデバイスが開発されている。一般に、これらのペンには、ピストンが含まれ、かつ複数用量の液体薬剤を収容するカートリッジが備え付けられる。駆動部材は、遠位に移動可能であり、カートリッジ内のピストンを前進させて、含有された薬物を遠位カートリッジ端の出口から、典型的には針を介して、分注する。
【0003】
多くのペン型注射器及び他の薬剤送達デバイスは、デバイスの動作によって送達される用量に比例するように、部材が互いに対して回転及び/又は並進する機械的システムを利用する。適切な量の薬剤の投与は、薬剤送達デバイスによって送達される用量が正確であることを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスは、長手方向軸の周りに配設され、かつ出口を有するハウジングを含む。回転用量部材は、用量設定中に、ハウジングに対して長手方向軸の周りに回転可能である。用量ボタンは、薬剤が出口から外へ分注される用量分注モードを作動させるように、ハウジングに対して軸方向に、長手方向軸に沿って並進可能であるように構成される。用量ボタンは、近位面を含む。接触界面は、用量ボタンの近位面の近位に配設され、かつ近位面に接触するように構成される。接触面は、近位面を有する。接触界面及び用量ボタンは、同軸関係を有する。用量ボタンの近位面は、第1の寸法パラメータを含む。接触界面の近位面は、第1の寸法パラメータよりも小さい第2の寸法パラメータを含む。第2の寸法パラメータは、用量送達中に接触面の中心軸上への荷重を増強させ、回転用量部材上の任意の軸方向の荷重を抑制するようにサイズ設計される。
【0005】
いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスは、出口、用量ボタン、及びデータモジュールを有するハウジングを備える。用量ボタンは、薬剤が出口から外へ分注される用量分注モードを作動させるように、ハウジングに対して軸方向に並進可能であるように構成される。用量ボタンは、近位面を含む。データモジュールは、用量分注モードで特性を測定するように構成される。データモジュールは、接触界面を含み、データモジュールは、用量ボタンに動作可能に結合される。データモジュールの近位面を横切って横方向に測定される第1の横方向寸法は、接触界面の近位面を横切って横方向に測定される第2の横方向寸法よりも大きい。横方向は、軸方向に対して垂直である。
【0006】
いくつかの実施形態では、送達薬剤の方法は、用量ボタンの近位面に動作可能に結合された接触界面に、軸方向の力を印加することと、用量ボタンをハウジングに対して軸方向に変位させることと、用量ボタンの変位に伴って、薬剤が出口から外へ分注される用量分注モードを作動させることと、を含む。用量ボタンの近位面を横切って横方向に測定される第1の横方向寸法は、接触界面の近位面を横切って横方向に測定される第2の横方向寸法よりも大きく、横方向は、軸方向に対して垂直である。
【0007】
前述の概念及び以下で考察される追加の概念は、任意の好適な組み合わせで配設され得、これは、本開示がこの点で限定されないためであることを理解されたい。更に、本開示の他の利点及び新規の特徴は、添付の図面に関連して考慮されるとき、様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面は、縮尺どおりに描かれていることは意図されていない。図面において、様々な図に例解される同一又はほぼ同一の各構成要素は、同様の番号で表され得る。明確にするために、全ての図面において全ての構成要素に符号が付けられているわけではないことがある。図面では、
図1】いくつかの態様による、接触界面を有する薬剤送達デバイスの一実施形態の正面図である。
図2図1の薬剤送達デバイスの拡大部分である。
図3】いくつかの態様による、データモジュール及び接触界面を有する薬剤送達デバイスの別の実施形態の正面図である。
図4】線4-4に沿って切り取られた、図3からの薬剤送達デバイスの部分断面であり、断面には、データモジュール及び接触界面が示されている。
図5】薬剤送達デバイスの別の実施形態の部分断面であり、断面には、データモジュール及び接触界面が示されている。
図6】いくつかの態様による、データモジュール、接触界面、及びアクチュエータカバーを有する薬剤送達デバイスの更に別の実施形態の部分正面図である。
図7】いくつかの実施形態による、アクチュエータカバーの上面図である。
図8】いくつかの実施形態による、接触界面の上面図である。
図9】いくつかの実施形態による、接触界面の斜視図である。
図10】いくつかの実施形態による、接触界面の断面図である。
図11】いくつかの実施形態による、弓形側壁を有するカバーの上面図である。
図12】いくつかの実施形態による、U字形側壁を有するカバーの上面図である。
図13】いくつかの実施形態による、データモジュールに結合されたテーパ状側壁を有する接触界面の側面図である。
図14】いくつかの実施形態による、複数の平行リブを有するカバーの上面図である。
図15】いくつかの態様による、接触界面を有する薬剤送達デバイスの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
いくつかの例解的な実施形態及び図面を参照しながら、態様が本明細書で説明されることを理解されたい。本明細書で説明される例解的な実施形態は、必ずしも全ての態様を示すことを意図するものではなく、むしろいくつかの例解的な実施形態を説明するために使用される。したがって、態様は、例解的な実施形態を考慮して狭く解釈されることを意図していない。加えて、本明細書に開示される特定の特徴は、単独で、又は他の特徴との任意の好適な組み合わせで使用され得ることを理解されたい。
【0010】
医療送達デバイスは、デバイスの動作が、ユーザが用量ボタンを作動させることを伴うように配置することができ、それにより、薬剤がデバイスの出口端部で注入針から外へ送達することが生じ得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、軸方向の力を用量ボタンに印加することによって、例えば、用量ボタンを押すことによって、用量ボタンを作動させる。いくつかの実施形態では、ユーザは、用量ボタンとは別個で、かつ異なるデバイスアクチュエータを作動させることによって、用量ボタンを作動させる。次いで、デバイスアクチュエータの作動により、例えば、デバイスアクチュエータと用量ボタンとの間の中間構成要素を介して、軸方向の力が用量ボタンに印加されることを引き起こし得る。いくつかの実施形態では、デバイスアクチュエータは、ユーザがデバイスアクチュエータを押すことによって作動される。デバイスは、用量ボタンと注入針との間に動作可能に連結されて、用量ボタンの作動に応答して薬剤の流出を可能にする任意の数の構成要素を含み得る。
【0011】
本発明者らは、そのような医療送達デバイスが、使用を容易にすることに役立ち得る、人間工学的特徴などの、1つ以上の特徴を含むことから恩恵を受け得ることを認識した。例えば、そのような特徴は、デバイスの長手方向軸において、又はデバイスの長手方向軸に近接して沿って、用量ボタンに軸方向の力の印加を促進することに役立ち得、かつ/又は、用量送達中に、例えば、回転用量部材、用量ボタン、若しくは用量ボタンに結合された用量データモジュールなどの回転構成要素に、長手方向軸から相対的に遠くへ意図しない力の印加を低減することに役立ち得る。これは、より大きな表面積を有する近位面を有する用量ボタン、及び/又はより大きな表面積を有する近位面を有する用量ボタンに取り付けられるデータモジュールにとって有益であり得る。「回転用量部材」は、用量設定中にユーザによってデバイスハウジングに対して長手方向軸の周りに回転される構成要素を指し得、かつ/又は用量分注中にデバイスハウジングに対して長手方向軸の周りに、用量設定方向とは反対方向に自動的に回転し得る。デバイスに応じて、回転用量部材は、例えば、図1図2に示されるような回転可能カラーであり得、例えば、図3図5に示されるようなカラーに取り付けられたデータモジュールであり得るか、又はEli Lilly and Company(Indianapolis,Indiana)によって提供されるKwikPen(商標)のような一体型用量ボタン/カラー単一構成要素(図15に示される実施形態)であり得る。そのような回転用量部材構成要素が用量分注中に回転するときに、本明細書に開示される特徴は、回転中に抗力を引き起こす可能性があるか、患者によって好ましくない可能性があるか、又はデータモジュールを使用する場合に検知精度に影響を及ぼす可能性がある、回転構成要素への力の印加を回避することに役立つ。場合によっては、そのような回転用量部材構成要素は、用量分注中に、回転方向に固定され、本明細書に開示される特徴は、患者によって好ましくない可能性がある回転を引き起こす可能性があるか、又はデータモジュールを使用する場合に検知精度に影響を及ぼす可能性がある、そのような用量回転構成要素への力の印加を回避する。
【0012】
一態様によれば、薬剤送達デバイスには、ユーザによって接触されて薬剤送達デバイスを作動させるように構成されている接触界面が提供され得る。いくつかの実施形態では、接触界面は、用量ボタンよりも小さい接触可能表面積を有し得、その結果、横方向に沿って切り取られた用量ボタンの横方向寸法は、横方向に沿って切り取られた接触界面の横方向寸法よりも大きくあり得る。このようにして、接触界面は、用量を分注するために、デバイスのほぼ長手方向軸に沿って用量ボタンに軸方向の力を印加するように、ユーザの指(又はデバイスを作動させるために使用される任意の他の好適な付属物又はツール)のためのガイドとして機能し得る。
【0013】
別の態様によれば、接触界面は、ユーザの指と用量ボタンとの間の接触を向上させるための材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、ユーザの指と用量ボタンとの間の向上した接触は、用量ボタンへの非軸方向の力の意図しない印加を低減することに役立ち得る。
【0014】
本技術のいくつかの実施形態によれば、接触界面は、(以下で更に詳細に説明されるように)横方向寸法において用量ボタンよりも小さくあり得、用量ボタンと比較してユーザの指とのより大きな摩擦を可能にする材料で形成され得る。当然ながら、接触界面が用量ボタンよりも横方向に小さいが、同じ材料で形成される実施形態、及び/又は接触界面が用量ボタンと同様にサイズ設計されるが、摩擦増強材料で形成される実施形態もまた、企図される。
【0015】
いくつかの実施形態では、接触界面は、用量ボタンよりも適合し得る(例えば、より軟質である)材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、結果として、用量分注動作は、軸方向の力を接触界面に印加したときに、ユーザにとってより人間工学的であり、かつ/又はより快適であり得る。いくつかの実施形態では、接触界面は、任意の好適な生体適合ポリマー、プラスチック、ゴム、熱可塑性材料、複合材、又は任意の他の成形可能材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、接触界面は、エラストマー材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、接触界面は、ポリイソプレン、天然ゴム、ポリブタジエン、ネオプレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、クロロプレン、ブチルゴム、ニトリルゴム、ポリアクリルゴム、フルオロエラストマー、エチレン酢酸ビニル、エチレン・プロピレン・ジエンモノマーゴムなどの合成ゴム、ブロックコポリマー、ポリシロキサン、熱可塑性ウレタン、熱可塑性ゴム、ポリウレタン(熱可塑性ポリウレタンを含む)、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンビニルアルコール、ポリアミド、ポリクロロトリフルオロエチレン、環状オレフィン共重合体、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリジメチルシロキサン、熱可塑性エラストマー、ポリメチルメタクリレート、液体シリコーン部材、織物、複合材料、若しくは任意の他の好適な材料、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な材料で形成され得る。本開示は、接触界面の材料組成によっては限定されないことを理解されたい。
【0016】
したがって、接触界面のヤング率(又は、以下に限定されない、貯蔵弾性率、体積弾性率、引張弾性率を含む、弾性の任意の他の好適な尺度)は、用量ボタンのヤング率未満であり得る。いくつかの実施形態では、接触界面のヤング率は、少なくとも1kPa、5kPa、10kPa、20kPa、25kPa、50kPa、75kPa、100kPa、200kPa、300kPa、500kPa、750kPa、1MPa、1.2MPa、1.5MPa、2MPa、3MPa、又は任意の他の好適な弾性率であり得る。いくつかの実施形態では、接触界面のヤング率は、3MPa、2MPa、1.5MPa、1.2MPa、1MPa、750kPa、500kPa、300kPa、200kPa、100kPa、75kPa、50kPa、25kPa、20kPa、20kPa、10kPa、5kPa、1kPa以下、又は任意の他の好適な弾性率であり得る。前述の範囲の組み合わせもまた、企図される。例えば、いくつかの実施形態では、接触界面のヤング率は、1kPa~3MPa、10kPa~100kPa、5kPa~1MPa、25kPa~1MPa、50kPa~2MPa、100kPa~1MPa、又は任意の他の好適な範囲の弾性率であり得る。任意のヤング率を有する任意の好適な材料が採用され得、これは、本開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。
【0017】
また、いくつかの実施形態では、接触界面は、1つ超の材料で形成され得ることも理解されたい。いくつかの実施形態では、第1の材料は、より適合し得、先で説明されているように、ユーザの指と界面との間の摩擦接触を増強させ得、第2の材料は、剛性を提供し得る。いくつかの実施形態では、第2の材料は、接触界面に印加された力のかなりの割合が、接触界面による力を大幅に吸収することなく、用量ボタンに伝達されることを可能にし得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、用量ボタンは、ユーザが用量ボタンの押圧面に印加した力がデバイスの機械的構成要素を実質的に並進させて薬剤の用量を送達するように、剛性材料で形成され得る。したがって、用量ボタンは、ポリプロピレン、環状オレフィンコポリマー、ポリメチルメタクリレート、コポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、高密度ポリエチレン、金属、複合材料、又はそれらを組み合わせた任意の他の好適な材料を含むが、これらに限定されない任意の好適な材料で形成され得る。本開示は、用量ボタンの材料組成によっては限定されないことを理解されたい。
【0019】
いくつかの実施形態では、用量ボタンのヤング率は、接触界面のヤング率よりも大きくあり得る。いくつかの実施形態では、用量ボタンのヤング率は、接触界面のヤング率よりも、少なくとも1.2、1.4、1.5、2、2.5、3、4、5、7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、120、150、200、250、300、350、400、500、1000、1100、1200、1500、2000、2200、2500、3000又は5000倍大きくあり得る。いくつかの実施形態では、用量ボタンのヤング率は、接触界面のヤング率の5000、3000、2500、2200、2000、1500、1200、1100、1000、500、400、350、300、250、200、150、120、100、50、45、40、35、40、25、20、15、10、7、5、4、3、2.5、2、1.5、1.4、又は1.2倍以下であり得る。前述の範囲の組み合わせもまた、企図される。例えば、いくつかの実施形態では、用量ボタンのヤング率は、接触界面のヤング率よりも、1.2~5000、10~5000、100~2000、100~1000、1000~5000、又は25~2500倍大きくあり得る。いくつかの実施形態では、用量ボタンのヤング率は、接触界面のヤング率と実質的に同等であり得る。用量ボタンのヤング率は、接触界面のヤング率の任意の好適な割合であり得、これは、現在の開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、接触界面は、ユーザの指と接触界面との間の接触中の摩擦を増強させ得る材料で形成され得る。したがって、接触界面とユーザの指との間の動摩擦係数は、用量ボタンとユーザの指との間の動摩擦係数よりも大きくあり得る。いくつかの実施形態では、接触界面とユーザの指との間の動摩擦係数は、少なくとも5%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、33.33%、35%、40%、45%、50%、60%、66.67%、75%、80%、90%、100%、120%、140%、150%、160%、175%、200%、225%、250%、275%、300%、400%、又は用量ボタンとユーザの指との間の動摩擦係数よりも大きい任意の他の好適なパーセンテージであり得る。いくつかの実施形態では、接触界面とユーザの指との間の動摩擦係数は、400%、300%、275%、250%、225%、200%、175%、160%、150%、140%、120%、100%、90%、80%、75%、66.67%、60%、50%、40%、35%、33.33%、30%、25%、20%、15%、12%、10%、5%以下、又は用量ボタンとユーザの指との間の動摩擦係数よりも大きい任意の他の好適なパーセンテージであり得る。前述の範囲の組み合わせもまた、企図される。例えば、いくつかの実施形態では、接触界面とユーザの指との間の動摩擦係数は、用量ボタンとユーザの指との間の動摩擦係数よりも5%~400%、10%~200%、50%~400%、33.33%~300%、33.33%~66.67%、又は100%~200%大きくあり得る。いくつかの実施形態では、ユーザの指と用量ボタンとの間の動摩擦係数は、ユーザの指と接触界面との間の動摩擦係数と実質的に同様であり得る。ユーザの指と用量ボタンとの間の動摩擦係数と、ユーザの指と接触界面との間の動摩擦係数との間の任意の好適な割合が、本開示がそのようには限定されないため、採用され得ることを理解されたい。
【0021】
接触界面は、デバイスが用量分注モードにあるときに、用量ボタンの軸方向の並進を促進するような任意の好適な方法でサイズ設計及び/又は形状加工され得ることを理解されたい。したがって、接触界面は、以下で更に詳細に説明されるように、テーパ状縁部、突出部、1つ以上の陥凹、若しくは任意の他の好適な特徴、又は特徴の組み合わせを含むが、それらに限定されない、人間工学的特徴を有し得る。このようにして、接触界面は、ユーザの指を、用量ボタンの軸方向との中心合わせ及び位置合わせを行う役割を果たし得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、接触界面は、軸方向に沿って測定されるデバイスの高さに延在し得る。接触界面は、デバイスの軸方向に沿って測定される任意の好適な高さを有し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、接触界面は、用量ボタンの表面から、又は薬剤送達デバイス上に設置されたデータモジュールの一部分から突出し得る。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態によれば、接触界面は、用量ボタンの横方向寸法よりも小さい可能性がある横方向寸法を含み得、その場合、横方向寸法は、デバイスの軸方向に対して垂直な平面に沿って測定される。
【0024】
接触界面は、以下で更に詳細に説明されるように、例えば、テーパ状、丸みを帯びた、面取りされた、及び/又は湾曲された側壁を含む、任意の好適な形状又は構造を含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、接触界面の側壁の形状は、ユーザによって印加された非軸方向の力を軸方向上の力に変換して、用量ボタンの作動を支援することに役立ち得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、接触界面は、突出部(例えば、リブ)又は陥凹などの1つ以上の表面特徴を含み得る。いくつかの実施形態では、そのような表面特徴は、摩擦表面上の、ユーザの指の横方向の移動を低減させる役割を果たし得る。接触界面は、任意の数の特徴、又は特徴の組み合わせを有し得、これは、本開示がそのように限定されないためである。
【0026】
本明細書で説明されるデバイスは、以下で更に詳細に説明されるように、例えば、デバイスのハウジング内に収容されるリザーバ又はカートリッジ内などに薬剤を更に含み得る。「薬剤」という用語は、以下に限定されないが、インスリン、インスリンリスプロ若しくはインスリングラルギンなどのインスリン類似体、インスリン誘導体、ダラグルチド若しくはリラグルチドなどのGLP-1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(gastric inhibitory polypeptide、GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、治療用抗体、及び上記のデバイスによって送達することができる任意の治療薬を含む、1つ以上の治療薬を指す。デバイスで使用されるような薬剤は、1つ以上の賦形剤とともに処方され得る。デバイスは、人に薬剤を送達するために、患者、介護者、又は医療専門家によって、概して上述のような様態で動作される。
【0027】
いくつかの実施形態では、用量ボタンは、構成要素の上に直接位置付けられるか、構成要素の内部に受容されるか、構成要素と一体的であるか、又は別様に構成要素に接続されることによって、薬剤送達デバイスのその構成要素に取り付けられ得る。接続は、例えば、摩擦係合、スプライン、スナップ若しくは圧入、音響溶接、又は接着剤によって形成される接続を含み得る。
【0028】
図面を参照すると、特定の非限定的な実施形態が更に詳細に説明されている。本開示は本明細書に説明された特定の実施形態のみに限定されないため、これらの実施形態に関して説明される様々なシステム、構成要素、特徴、及び方法は、個別に及び/又は任意の所望の組み合わせで使用され得ることを理解されたい。例えば、薬剤送達デバイスは、ペン型注射器の形態で説明されるが、薬剤送達デバイスは、ペン型注射器、自動注射器、丸薬注射器、注入器、及びシリンジなどの、薬剤の用量を設定及び送達するために使用される任意のデバイスであり得る。薬剤は、そのような薬剤送達デバイスによって送達され得るタイプのうちの任意の1つであり得る。薬剤送達デバイスは、交換可能及び使い捨て可能な薬剤のカートリッジを受容することができる再利用可能なデバイスであり得るか、又は事前充填された薬剤のリザーバを備える完全に使い捨て可能なデバイスであり得る。
【0029】
図1図2は、いくつかの実施形態による薬剤送達デバイス100を示している。薬剤送達デバイス100(以降、「デバイス」と称する)は、遠位部分13及び近位部分11を含む、細長いペン型ハウジング10を含み、「遠位」及び「近位」という用語は、患者からの力の印加に対して使用され、針端部をデバイスの遠位端とし、デバイスのアクチュエータ端部を近位端とする。いくつかの実施形態では、遠位部分13は、分注動作中に出口14を通って分注される薬剤流体を保持するように構成されたリザーバ又はカートリッジ(図示せず)を含み得る。遠位部分13の出口14には、注入針15が装備され得る。いくつかの実施形態では、注入針15は、ハウジング10から取り外し可能であり得る。いくつかの実施形態では、注入針15は、各使用後に、新しい注入針と交換され得る。他の実施形態では、ハウジング10は、再利用可能であり得、カートリッジは、交換されるように構成され得る。デバイス100はまた、デバイス100の注入針15をカバーするか、又は別様に保護するためのペンキャップ(図示せず)を含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、ハウジング10の近位部分11は、駆動部材(図示せず)を含み得、これは、ユーザ(例えば、患者)からの力を、遠位部分13に位置するピストンに伝達して、事前設定された用量の薬剤流体を、針15から外へ強制するように構成されたねじ又は任意の他の好適な駆動機構であり得る。したがって、駆動部材は、ハウジング10に対して軸方向に移動可能であり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、回転可能な用量選択カラー20(以降、「回転可能カラー」と称される)、用量ボタン30、及びハウジング10の近位部分11の一端に位置する接触界面40を含み得る。回転可能カラー20、用量ボタン30、及び接触界面40は、図1では、長手方向軸AAに対して同軸方向に位置するように示されているが、回転可能カラー20、用量ボタン30、及び接触界面40の他の配置もまた、本開示がそのように限定されないため、企図される。接触界面40は、遠位部分13に向かって接触界面40を押すこと(例えば、軸方向の並進)が軸方向に沿って(例えば、長手方向軸AAに沿って)用量ボタン30も軸方向に並進させ得るように、用量ボタン30に結合及び/又は固定され得る。いくつかの実施形態では、用量ボタン30は、先で説明されているように、接触界面40の押し下げが遠位部分13からの流体の放出をもたらし得るように、近位部分11の駆動部材に機械的に結合され得る。いくつかの実施形態では、用量ボタンは、ハウジングに対して回転可能であるか、又は言い替えると、自由に回転する。接触界面40は、ユーザが遠位方向に向けられた力F1を接触界面40(及び後続の用量ボタン30)に印加してデバイス100を動作させることを可能にする押圧面41を含み得る。いくつかの実施形態では、図2に示されるように、押圧面41は、接触界面陥凹46を含み得る。いくつかの実施形態では、接触界面陥凹は、ユーザの指を接触界面40上の中心に位置合わせすることに役立ち得る。力F1は、中心上にある力であり得る。接触界面40は、回転用量部材に印加された力F1からの偏心軸方向の荷重を抑制するように構成されている。接触界面陥凹46の形状は、例えば、図9に示される陥凹946などの、軸AAと同軸である円形の形状を形成し得、これに対して、例えば、六角形、長方形、又は動作中に患者の指の引っ掛けを増加させるために好適な形状などの他の形状が企図される。接触界面陥凹46のような陥凹はまた、例えば、接触界面40’などの、接触界面の実施形態のいずれかに直接組み込まれ得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、用量設定モードで動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、回転可能カラー20は、時計回り又は反時計回りの方向のうちの一方に回転されて、投与量(例えば、注入される薬剤の量)を調節及び選択し得る。いくつかの実施形態では、デバイス100は、用量分注モードで動作可能であり得、この用量分注モードでは、用量ボタン30は、回転可能カラー20に対して軸方向に並進して、注入針15を通して事前設定された薬剤の投与量を患者に送達する。本明細書で考察されるように、用量ボタン30は、ユーザが接触界面40を押すことに応答して、軸方向に並進され得る。用量分注中に、用量ボタン30は、押し下げられ、一方、回転可能カラーは、時計回り又は反時計回りの方向のうちの他方、すなわち、用量設定とは反対方向に回転する。デバイス100において、回転用量部材は、用量設定中にハウジング10に対して長手方向軸の周りに回転可能であり、かつ用量分注中にハウジング10に対して長手方向軸の周りに回転可能であり得る、回転可能カラー20を備える。
【0033】
いくつかの実施形態では、用量設定モードの動作において、回転可能カラー20は、ハウジング10に対して回転されて、デバイス100によって送達される所望の用量を設定し得る。いくつかの実施形態では、回転可能カラー20、用量ボタン30、及び接触界面40は、用量設定モードの動作中に、互いに回転可能に固定され得る。言い替えると、回転可能カラー20の回転はまた、用量ボタン30及び接触界面40を回転させることもできる。本開示は、用量設定モード中に回転可能カラー20、用量ボタン30、及び接触界面40を互いに回転可能に固定するための手段又は機構によって限定されないことを理解されたい。接触界面は、データモジュールの第2の部分に回転方向に固定され得る。
【0034】
ユーザが用量の設定を完了した後、ユーザは、次いで、デバイスを作動させて、用量ボタンの軸方向の並進を引き起こし得る。次いで、用量ボタンの軸方向の並進は、用量分注モードを起動し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、用量ボタン30は、回転可能カラー20に対して軸方向に並進可能であり得、その回転可能カラーは、図2に示されるように、間隙G1だけ用量ボタン30から分離され得る。用量ボタン30を回転可能カラー20に向かって軸方向に並進させて間隙G1を低減することにより、用量分注モードを起動し得る。いくつかの実施形態では、回転可能カラー20は、用量ボタン30が回転可能カラーに向かって軸方向に並進するにつれて、回転し得る。いくつかの実施形態では、回転可能カラー及び用量ボタンは、用量分注モードにおいて回転方向に結合解除され、その結果、回転可能カラーは、流体の分注中に用量ボタンに対して回転する。
【0036】
本開示は、用量ボタン30と回転可能カラー20との間の結合機構によっては限定されないことを理解されたい。
【0037】
いくつかの実施形態では、回転可能カラー20を第1の方向に回転させることは、設定される用量を増加させる役割を果たし得、回転可能カラー20を第2の方向に回転させることは、設定される用量を減少させる役割を果たし得る。回転可能カラー20は、用量設定動作中に、設定される用量を、最小の漸進的な増加又は減少に対応する所定の回転増分において、回転方向に調節可能であり得る。回転可能カラー20は、各回転増分が可聴式及び/又は触覚式の「クリック」を生成するように、戻り止め機構を含み得る。例えば、1回の増分又は「クリック」は、半分又は1単位の薬剤と同等であり得る。いくつかの実施形態では、設定された用量は、図1に示されるように、投与量窓16を通じて示される一連のダイヤルインジケータ刻印を介してユーザに対して視認可能であり得る。
【0038】
薬剤流体の所望の用量が回転可能カラー20を回転させることによって設定されると、デバイス100は、注入針15が、例えば、ユーザの皮膚を適切に貫通するように操作され得る。用量分注モードの動作は、軸方向の遠位力(例えば、図1に示されているようなF1)が接触界面40の押圧面41に印加されることに応答して開始され得る。軸方向の力F1は、ユーザによって接触界面40に直接印加されて、用量ボタン30を軸方向に並進させ得、用量ボタンは、薬剤送達デバイスの駆動部材と相互作用して、薬剤流体をユーザに送達し得る。いくつかの実施形態では、用量分注モードの動作は、用量ボタン30がそのゼロ用量位置に戻ったときに、完了され得る。いくつかの実施形態では、回転可能カラー20は、ハウジング10に対して回転し得、これに対して、用量ボタン30は、用量分注モード中にハウジング10に対して回転方向に静止している。
【0039】
2つの異なる本体が、例えば、Eli Lilly and Company(Indianapolis,Indiana)によって提供されるErgo IIペンに見出すことができるような、回転可能カラー20及び用量ボタン30について示されているが、デバイス100のいくつかの実施形態では、回転可能カラー20及び用量ボタン30は、一体的に形成され得、その結果、用量ボタンと呼ばれ得る単一の本体は、ハウジング10に対して回転され得、かつ用量設定部材と回転方向に固定されて用量を設定し得、ハウジング10(ただし、用量設定部材に対して回転するように構成されている)に対して軸方向に並進されて、例えば、Eli Lilly and Company(Indianapolis,Indiana)によって提供されるKwikPen(商標)に見出すことができるような用量を分注し得ることを理解されたい。図15は、単一の構成要素としての用量ボタン56、及び用量ボタン(破線で示される)の近位面上に位置する接触界面140(本明細書に開示される任意の実施形態)を有するそのような薬剤送達デバイス100’を示している。本明細書に開示されたカバーの任意の実施形態は、接触界面140と結合され得る。
【0040】
送達デバイス100のいくつかの実施形態の設計及び動作の更なる詳細については、「Medication Injector Apparatus with Drive Assembly that Facilitates Reset」と題する米国特許第7,195,616号に見出され得、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。上で考察されるように、いくつかの実施形態では、回転可能カラー及び用量ボタンは、1つの構成要素に合併され得る。そのような配置の一例が、「Medication Dispensing Apparatus with Triple Screw Threads for Mechanical Advantage」と題する米国特許第7,291,132号に記載されており、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
いくつかの実施形態では、接触界面40は、用量ボタン30に軸方向及び回転方向の両方に固定され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、接触界面40は、用量ボタン30の延長部若しくは一部分であり得、かつ/又は用量ボタン30に取り付けられ得る。先で説明されるように、接触界面40は、ユーザの指をガイドして用量ボタン30を軸方向に並進させるように、用量ボタン30に対して任意の好適な方法で配置され得る。したがって、接触界面40及び用量ボタン30は、同時の移動及び/又は回転を可能にするための任意の接続、界面、又は取り付けを含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、接触界面40は、熱封止、溶接、接着結合、摩擦係合、スプライン、スナップ若しくは圧入、締まり嵌め、超音波溶接、接着剤、機械的手段、それらの任意の組み合わせ、又は任意の他の好適な手段を含むが、これらに限定されない任意の好適な手段によって、図2に示されるように、用量ボタン30の近位面31に取り付けられ得、これは、本開示がそのように限定されないためである。
【0043】
当然ながら、いくつかの実施形態では、接触界面40は、用量ボタン30の一部であり得、その結果、接触界面40は、用量ボタン30と一体的に形成され得る。例えば、接触界面40は、用量ボタン30と同時成形され得るか、又は他の例では、接触界面40は、用量ボタン30と2ショット射出成形され得る。いくつかの実施形態では、接触界面40は、用量ボタン30の一部分をカバーする摩擦増強材料の薄いコーティング材であり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、接触界面は、用量ボタンの内腔に挿入され得るステムを含み得る。このステムは、ステム(及び後続の接触界面)が内腔に沿って並進し得ず、かつ用量ボタンに軸方向に固定され得るように、接触界面とは反対側の内腔の端部にリベット状固定具を含み得る。当然ながら、接触界面のステム、及び分注ボタンの内腔が(締まり嵌め若しくは超音波溶接、又は任意の他の好適な取り付け機構を介して)ともに取り付けられ得る実施形態もまた企図され、これは、本開示がそのように限定されないためである。いくつかの実施形態では、用量ボタンの内腔は、接触界面を所定の位置の中心に置くことを支援する役割を果たし得る。
【0045】
接触界面40及び用量ボタン30は、図1図2では、同軸方向になるように示されているが、任意の他の非同軸方向の配置もまた、企図され得ることを理解されたい。
【0046】
接触界面40と用量ボタン30との間の前述の接続スキームの組み合わせもまた、企図されることを理解されたい。例えば、接触界面40は、用量ボタン30の近位面31に両方とも接着され得、用量ボタン30の内腔に挿入されるステムを含み得る。接触界面40及び用量ボタン30を軸方向及び回転方向に固定するための任意の好適な接続が使用され得、これは、本開示がそのように限定されないためである。
【0047】
いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスは、データモジュールを含み得る。このデータモジュールは、送達された分注量を測定すること、作動の日付及び時刻を追跡すること、及び/又はデバイスの他の特性を測定することなどの1つ以上の機能を提供し得る。いくつかの実施形態では、データモジュールは、接触界面を含む。いくつかの実施形態では、データモジュールの接触界面を作動させることはまた、薬剤送達デバイスの用量ボタンを作動させる役割を果たすこともできる。
【0048】
データモジュールを有する薬剤送達デバイスの例解的な例が、図3図6に示されている。薬剤送達デバイス1000(以下、「デバイス」)は、先で説明されているように、近位部分11及び遠位部分13を有するハウジング10を含み得る。デバイス1000はまた、出口14も含み得、注入針15が延在して、この出口から、遠位部分13内に位置するカートリッジ又はリザーバ内に収容される薬剤流体を送達し得る。図3に示されるように、デバイス1000は、出口14から反対側のデバイス1000の端部にデータモジュール250を含み得る。このデータモジュール250がデバイスハウジング10に結合されると、回転用量部材は、用量設定中にハウジング10に対して長手方向軸の周りで回転可能であり、かつ用量分注中にハウジング10に対して長手方向軸の周りで回転可能であり得る、データモジュール250を備える。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、データモジュール250(例えば、用量検出システム)は、動作中にデバイス1000の特性を測定するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、データモジュール250は、送達された用量の量に対応し得る情報を判定し得る。この判定は、第1の部分200とハウジング10との間の相対的回転に基づき得、かつ/又は第1の部分200と第2の部分300との間の相対的回転に基づき得る。いくつかの実施形態では、データモジュールは、第1の部分200と第2の部分300との間の相対的回転、及び/又はデータモジュール250とハウジング10との間の相対的回転を検出する役割を果たす、1つ以上のセンサ装置を含み得る。いくつかの実施形態では、データモジュールは、データモジュール250(一体的に形成され、かつ両者の間で相対的に回転することができない第1の部分及び第2の部分を有する単一部材として)とハウジング10との間の相対的回転を検出する役割を果たす、1つ以上のセンサ装置を含み得る。一態様によれば、データモジュール250は、検知された回転を表す、モジュール250の1つ以上のセンサからの出力信号を処理及び通信するためのコントローラを含み得る。一実施形態では、本明細書に記載されているように、データモジュール250は、センサ装置の動作のために好適な電子機器アセンブリを含む。コントローラは、1つ以上の回転センサから出力を受信するためのセンサ装置に動作可能に接続されている。コントローラは、例えば、データモジュールの本体250内に収容される、プロセッサ、電源、メモリ、マイクロコントローラなどの従来の構成要素を含み得る。代替的に、少なくともいくつかの構成要素は、コンピュータ、スマートフォン、又は他のデバイスなどによって、別々に提供され得る。次いで、有線接続、又はBluetooth、Wi-Fi、セルラー式、NFC、若しくは他の無線手段などの無線接続などによって、適切な時間に外部コントローラ構成要素をセンサ装置と動作可能に接続するための手段が提供されている。
【0050】
デバイス1000のいくつかの実施形態によれば、用量設定モードの動作中に、データモジュール250の第1の部分200及び第2の部分300は、回転可能カラー20及び用量ボタン30に回転方向に固定され得、ハウジング10及び/又は接触界面40に対して回転可能であり得る。ユーザは、データモジュール250の第1の部分200及び/又は第2の部分300を回転させて、薬剤送達デバイス1000の用量を設定し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ハウジング10及び接触界面40に対してデータモジュール250それ全体を回転させて、用量を設定する。他の実施形態では、ユーザは、ハウジング及び接触界面に対してデータモジュールの一部分のみを回転させて、用量を設定する。
【0052】
いくつかの実施形態では、用量分注モードにおいて、データモジュール250の第1の部分200は、ハウジング10の近位部分11に取り付けられ得、図3に示されるように、デバイス1000の長手方向軸AAの周りでハウジング10に対して回転可能であり得る。
【0053】
図3の線4-4に沿って切り取られた図4の断面に示されているように、データモジュール250及び接触界面40は、断面内に示されている。データモジュール250の第1の部分200は、回転可能カラー20に取り付けられ得、その結果、2つの構成要素は、互いに回転方向に固定される。言い替えると、ユーザは、データモジュール250の第1の部分200を操作することによって、(用量を設定するための)回転可能カラー20又は(用量を分注するための)用量ボタン30を操作し得る。いくつかの実施形態では、回転可能カラー20及び/又は用量ボタン30のうちの一部分若しくは全部が、第1の部分200の内側に位置し得る。いくつかの実施形態では、データモジュール250の任意の部分は、デバイス1000に、恒久的に又は取り外し可能に取り付けられ得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、データモジュールは、接触界面を含み得る。図4に示されるように、接触界面40’は、用量ボタン30に機械的に結合されて、接触界面40’の軸方向の並進は、用量ボタン30の軸方向の並進をもたらし得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、接触界面は、摩擦増強材料で形成され得る。他の実施形態では、接触界面は、摩擦増強材料で形成された一部分を含み得る。例えば、接触界面は、摩擦増強材料でコーティングされ得るか、又は摩擦増強材料で形成された1つ以上の特徴を含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、接触界面40’は、アクチュエータとして機能し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、接触界面40’は、熱封止、溶接、接着結合、摩擦係合、スプライン、スナップ若しくは圧入、締まり嵌め、超音波溶接、接着剤、機械的手段、それらの任意の組み合わせ、又は任意の他の好適な手段を含むが、これらに限定されない、任意の好適な手段によって、アクチュエータの表面又は本体に取り付けられ得、これは、本開示がそのようには限定されないためである。いくつかの実施形態では、接触界面40’は、アクチュエータの一部であり得、その結果、接触界面40’は、アクチュエータと一体的に形成され得る。例えば、接触界面40’は、アクチュエータとともに同時成形され得るか、又は2ショット射出成形され得る。いくつかの実施形態では、接触界面40’は、任意の好適な接続スキームを用いてデータモジュール250に取り付けられ得るか、又は別様で接続され得るアクチュエータの摩擦増強コーティング材であり得る。接触界面40’とアクチュエータとの間の前述の接続スキームの組み合わせもまた、企図されることを理解されたい。例えば、接触界面40’は、アクチュエータの一部分(又はその全て)の周りに共形的に巻き付けられた摩擦増強材料の薄いコーティング材であり得る。接触界面40’及びアクチュエータを軸方向及び回転方向に固定するための任意の好適な接続が使用され得、これは、本開示がそのように限定されないためである。
【0057】
先で説明されているように、接触界面40’は、ユーザの指を誘導して、用量ボタン30を軸方向に並進させ得る。したがって、データモジュール250は、用量ボタン30を接触界面40’に接続するように配置された1つ以上の中間構成要素320を含み得、その結果、接触界面40’の軸方向の並進が、用量ボタン30の軸方向の並進を引き起こし(例えば、ユーザが接触界面40’を押し下げ)得る。接触界面40’及び中間構成要素320は、互いに対して軸方向に固定され得、かつ/又は単一の構成要素に一体的に形成され得る。他の実施形態では、任意の数の中間機械構成要素320が、接触界面40’の軸方向の並進を用量ボタン30に伝達し得る。いくつかの実施形態では、用量ボタン30の軸方向の並進の大きさは、接触界面40’の軸方向の並進の大きさと実質的に同等であり得、これに対して、他の実施形態では、軸方向の並進の大きさは、異なり得る。いくつかの実施形態では、データモジュール250は、接触界面40’から用量ボタン30に力を伝達し得る1つ以上の中間構成要素320を含み得る。いくつかの実施形態では、中間構成要素は、ただし、用量ボタン30に当接することによって、力を用量に伝達し得る。本開示は、用量ボタン30と接触界面40’との間の接続スキームによって限定されないことを理解されたい。
【0058】
いくつかの実施形態では、用量分注モードにおいて、データモジュール250の第1の部分200は、回転可能カラー20を回転方向に固定され得、かつハウジング10とは回転方向に結合解除され得る。第2の部分300及び接触界面40’は、用量分注動作中に、第1の部分200に対して回転方向に結合解除され得、その結果、接触界面40’は、ユーザがデバイス1000を動作させて用量を分注しているときに、第1の部分200とともに回転しない。いくつかの実施形態では、接触界面40’は、ハウジング10に対して回転方向に静止し得る。上で更に詳細に説明したように、接触界面40’は、押圧面41を含み得、その結果、ユーザは、押圧面41を軸方向に並進させる(例えば、押す)ことによって、デバイス1000から用量を分注し得る。いくつかの実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、互いに対して回転方向に固定され、かつ用量分注中に回転可能カラーとともに回転し、用量分注中の相対的回転は、第1の部分及び第2の部分(ユニットとして)(又は第1の部分及び/又は第2の部分に関連付けられた検知素子)と、静止している接触界面40’/中間構成要素320(ユニットとして)(又は検知素子)との間で検知される。いくつかの実施形態では、中間構成要素は、検知素子及び/又は電子機器アセンブリを収容する。この実施形態では、用量分注中に、センサは、第1/第2の部分とともに回転していることが可能であり、被検知素子は、接触界面/中間構成要素とともに静止しており、代替的に、被検知素子は、第1/第2の部分とともに回転し得、センサは、接触界面/中間構成要素とともに静止している。他の実施形態では、第2の部分300は、用量ボタン30に機械的に結合され得、かつ第1の部分200に対して軸方向に固定され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、接触界面40’は、図4に示されるように、第1の部分200に直接取り付けられ得、接着され得、又は別様では貼付され得る。他の実施形態では、図5に示されるように、第2の部分300は、接触界面40’のステム43を受容するようにサイズ設計された内腔315を含み得る。ステム43は、中間構成要素320のうちのいずれか1つに結合されて、押圧面41に印加された力を用量ボタン30に伝達し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、ステム43は、押圧面41と同じ材料で形成される(例えば、接触界面40’は、1つの部品として形成され得る)が、ステムが異なる材料で形成される(例えば、ステムが、押圧面41よりも剛性のある材料で作製される)実施形態もまた企図されることを理解されたい。例えば、図9及び図10に示されるような一例では、ステム943、及び接触界面940の押圧面941の下側部分941Aは、剛性材料から作製され、これに対して、接触界面の下側部分940Aを覆う接触界面940の上側部分941Bは、剛性材料よりも軟質の材料から作製される。図10は、ステム1043と一体的に形成されている押圧面1041の下側部分1041Aに取り付けられている、より軟質の材料シートから形成された、押圧面1041の上側部分1041Bを示す、別の接触界面1040の断面図である。下側部分1041Aは、上側部分1041Bを越えて半径方向に延在する半径方向リップ1045と、結合リム1047であって、上側部分1041B内に対抗面を形成されている、その結合リムに応じて形状加工された陥凹1049が熱結合又は他の取り付け手段などによって取り付けられている、結合リムと、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態(図示せず)では、内腔315は、第2の部分300から用量ボタン30に延在し得る。他の実施形態では、接触界面40’は、熱封止、溶接、接着結合、摩擦係合、スプライン、スナップ若しくは圧入、締まり嵌め、超音波溶接、接着剤、機械的手段、それらの任意の組み合わせ、又は任意の他の好適な手段を含むが、これらに限定されない任意の好適な手段によって、用量ボタンの近位面31に取り付けられ得、これは、本開示がそのように限定されないためである。接触界面40’は、第2の部分300に対して任意の好適な方法で配置され得、これは、本開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。
【0062】
いくつかの実施形態では、接触界面40、40’は、横方向に沿って(例えば、図1及び図3に示されるように、長手方向軸AAの軸方向に対して垂直な平面に沿って)測定される横方向寸法(例えば、幅)を含み得る。いくつかの実施形態では、用量ボタン30の近位面31の寸法パラメータW1(幅として示される)は、接触界面40、40’の寸法パラメータW2(その幅として示される)よりも大きくあり得る。いくつかの実施形態では、接触界面40、40’の幅W2は、用量ボタンの近位面31の幅W1の少なくとも10%、12%、15%、20%、25%、30%、33.33%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、66.67%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は任意の他の好適なパーセンテージであり得る。他の実施形態では、接触界面40、40’の幅W2は、用量ボタン30の近位面31の幅W1の95%、90%、85%、80%、75%、70%、66.67%、65%、60%、55%、45%、40%、35%、33.33%、30%、25%、20%、15%、12%、10%以下、又は任意の他の好適なパーセンテージであり得る。前述の範囲の組み合わせもまた、企図される。例えば、いくつかの実施形態では、接触界面40、40’の幅W2は、近位面31の幅W1の5%~95%、10%~95%、10%~90%、20%~50%、33.33%~66.67%、50%~75%、又は任意の他の好適なパーセンテージの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、接触界面40、40’の幅W2は、近位面31のW1と同等であり得る。デバイス100又は1000の長手方向軸AAに対して垂直な平面に沿って測定される接触界面40、40’の幅W2は、近位面31の幅W1の任意の好適なパーセンテージであり得、これは、本開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。幅W1及びW2が本明細書において使用されているが、寸法パラメータという用語には、表面積、断面積、接触面積、直径などが含まれ得る。幅W1は、用量ボタン30の近位面31に対して示されているが、幅W1はまた、データモジュール250の近位面251に対して定義することもできる。
【0063】
他の実施形態では、接触界面40、40’の幅W2は、近位面31の幅W1に関係なく任意のサイズであり得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、接触界面40、40’の幅W2は、少なくとも1mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、5mm、6mm、7.5mm、8mm、9mm、10mm、12mm、15mm、20mm、又は任意の他の好適な幅であり得る。いくつかの実施形態では、接触界面40、40’の幅W2は、20mm、15mm、12mm、10mm、9mm、8mm、7.5mm、6mm、5mm、4mm、3.5mm、3mm、2.5mm、2mm、1mm以下、又は任意の他の好適な幅であり得る。前述の範囲の組み合わせもまた、企図される。例えば、いくつかの実施形態では、接触界面40、40’の幅W2は、1mm~20mm、2mm~10mm、2mm~5mm、2.5mm~7.5mm、3mm~10mm、5mm~20mm、又は任意の他の好適な幅の範囲であり得る。デバイス100又は1000の長手方向軸AAに垂直な平面に沿って測定される接触界面40、40’の幅W2は、任意の好適な幅であり得、これは、本開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。
【0065】
図2図4、及び図5に示されるように、いくつかの実施形態では、接触界面40、40’は、用量ボタン30又は第2の部分300のどちらかから高さH1だけ延在し得る。言い替えると、接触界面40、40’は、用量ボタン30又は第2の部分300から突出し得る。高さH1は、図2図4、及び図5に示されるように、デバイス100又は1000の人間工学的動作を可能にするための任意の好適な高さであり得る。いくつかの実施形態では、高さH1は、少なくとも0.02mm、0.05mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.8mm、1mm、1.2mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.8mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、5mm、7mm、又は任意の他の好適な高さであり得る。他の実施形態では、高さH1は、7mm、5mm、4mm、3.5mm、3mm、2.5mm、2mm、1.8mm、1.6mm、1.5mm、1.4mm、1.2mm、1mm、0.8mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mm、0.05mm、0.02mm以下、又は任意の他の好適な高さであり得る。前述の範囲の組み合わせもまた、企図される。例えば、いくつかの実施形態では、高さH1は、0.02mm~7mm、0.05mm~5mm、0.1mm~2mm、0.1mm~1mm、又は任意の他の好適な範囲であり得る。デバイス100又は1000の長手方向軸AAに沿って測定される接触界面40、40’の高さH1は、任意の好適な高さであり得、これは、本開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。
【0066】
いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスは、アクチュエータカバーを含み得る。図6に示されるように、アクチュエータカバー50は、接触界面40’に結合され得、その結果、ユーザは、カバー50と相互作用してデバイスを動作させる(例えば、薬剤を分注する)ことができる。カバー50は、押圧面51及び側壁55を含み得る。薬剤送達デバイスがカバー50を含む実施形態では、ユーザは、カバー50の押圧面51を押すことによって、デバイスを作動させ得る。側壁55は、図6及び図7に示されるように、押圧面51から、ハウジング10から離れる方向に、延在し得る。いくつかの実施形態では、側壁55は、押圧面51に沿ってユーザの指を誘導することに役立ち得る。側壁55は、ユーザの指が押圧面51に沿って中心から外れてスライドする可能性を低減することに役立ち得る。カバー50は、長手方向軸AAに沿って延在し得、その結果、押圧面51は、接触界面40’よりも、データモジュール250から更に離れ得る。いくつかの実施形態では、ユーザの指は、押圧面51とデータモジュール250との間の軸方向の距離又は間隙がより大きいと仮定した場合、例えば、データモジュール250などの回転用量構成要素と相互作用する可能性が低くなり得る。いくつかの実施形態では、側壁55間におけるユーザの指のスライド又は静止により、カバー50、及び後続の接触界面40’、並びに薬剤送達デバイスの他の構成要素が回転する可能性が低くなり得る。このようにして、側壁55は、回転可能カラー20又は任意の他の用量設定構成要素の偶発的な回転を低減することに役立ち得る。カバー50は、印加された力を、カバー及び接触界面を通して、かつ回転用量構成要素の近位面から離れて隔離することに寄与し得る。一実施形態では、図11に示されるカバー1150内の側壁1155は、特異な弓形の側壁を形成して、患者の指のための物理的停止を画定し得る。別の実施形態では、図12に示されるカバー1250内の側壁1255は、U字形の側壁を画定して、患者の指のための物理的停止を画定し、アクチュエータの断面積を超えて半径方向に延在する(破線によって画定されるような)部分1250A及び部分1250Bを有するカバー1250と比較して、患者のための付加的接触面を提供し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、アクチュエータカバー50は、図6に示されるように、ユーザの指を収容するためのカバー陥凹57を含み得る。カバー陥凹は、アクチュエータカバー50の中央に位置付けられ得、その結果、押圧面51は、軸AAの周りに対称形に陥凹され得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータカバー50は、(図6に示されているように)サドル形状として形成され得、その結果、押圧面51は、湾曲され得る。いくつかの実施形態では、押圧面の最下部分は、長手方向軸AAに沿って位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、ユーザの指は、押圧面51及び側壁55の両方の湾曲に起因して、カバー50の中心に誘導され得る。いくつかの実施形態では、側壁55は、図7に示されるように、長手方向軸AAに対して平行に延在し得る。他の実施形態では、側壁は、軸AAに対して角度付けられ得る。いくつかの実施形態では、側壁は、ユーザによる快適でかつ/又は人間工学的動作のために湾曲され得る。例えば、側壁55は、図7に示されるように、楕円形であり得る。いくつかの実施形態では、側壁55は、リッジを有し得る。このリッジは、押圧面51上にユーザの指を閉じ込めることに役立ち得る。側壁は、押圧面に沿ってユーザの指を誘導するための任意の好適な形状であり得、これは、本開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。
【0068】
当然ながら、押圧面が概ね平坦である実施形態もまた、企図される。アクチュエータカバーは、側壁を有し得、この側壁は、カバー上でのユーザの指の動きをきつく絞ることを支援して、中心から外れたスライドを回避することに役立ち得る。押圧面51は、ユーザの指を誘導するための任意の好適な形状(例えば、半球形、多角形、平坦、湾曲など)を有し得る。いくつかの実施形態では、押圧面51は、ユーザによる快適でかつ/又は人間工学的な動作のために、丸みを帯びた又は面取りされた縁部を有し得る。本開示は、押圧面51の面形状によって限定されない。図6に示されるように、接触界面40’の幅は、依然としてW2であり得るが、カバー50の寸法態様又は幅W3は、接触面の幅W1よりも大きくあり得、例えば、データモジュールなどの回転用量構成要素の近位面の幅W1とほぼ同じであり得る。
【0069】
アクチュエータカバー50は、図6及び図7に示されるように、剛性材料又は適合材料を含む任意の好適な材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、カバーは、材料の組み合わせ、例えば、第1の材料、及び第1の材料よりも適合している第2の材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、カバー50全体は、適合材料で形成され得る。他の実施形態では、カバー50全体は、剛性材料で形成され得る。本開示は、アクチュエータカバー50の材料組成によって限定されないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、カバーは、剛性材料で形成され得、エラストマーなどの非剛性材料の層が、押圧面51に適用され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、アクチュエータカバー50は、接触界面40’上に対してスナップ嵌めし得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータカバー50は、接触界面40’に恒久的に取り付けられる。他の実施形態では、アクチュエータカバー50は、接触界面40’に取り外し可能に取り付け得る。カバー50は、任意の好適な行為、例えば、接触界面40’から離すようにカバー50をねじること、引っ張ること、スライドさせること、圧搾することなどを介して、接触界面40’から取り外され得る。カバーを取り付ける/取り外すために必要とされる力の方向及び大きさは、薬剤送達デバイスを作動させるために必要とされる力の方向及び/又は大きさとは異なり得ることを理解されたい。これは、カバーが取り付けられている/取り外されているときに、用量を設定及び/又は分注することを回避することに役立ち得る。カバーは、任意の好適な取り付け機構(例えば、スナップ嵌め、ねじ込み取り付け、磁石、捩り止め、接着剤など)を用いて接触界面に結合されて、ユーザがカバーを接触界面に取り付ける/接触界面から取り外すことを可能にし得る。いくつかの実施形態では、カバーは、成形されるなど、接触界面と単一部品構成要素に一体的に形成され得、その結果、接触界面からのカバーの取り外しを不可能にし得る。
【0071】
接触界面40、40’は、ユーザが用量ボタン30を軸方向に変位させて(例えば、並進させて)、デバイス100又は1000を用量分注モードで動作させることを可能にする任意の好適な形状であり得る。例えば、接触界面40、40’は、図2図4、及び図5に示されるように、それが界面40、40’の周辺部にわたる側壁42を含み得るように、円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、側壁42は、図2に示されるように、用量ボタンの近位面31に対して垂直であり得、これに対して、他の実施形態では、側壁42は、近位面31に対して角度付けられ得る。例えば、接触界面40、40’は、テーパ状であり得る。例解的な例として、接触界面は、側壁42が近位面31に対して45度で、又は任意の他の好適な角度で角度付けられ得るように、テーパ状であり得る。図13は、断面積が遠位端から近位方向に移動するにつれて次第により小さくなるように、近位面に誘導するテーパ状側壁1342を有する接触界面1340の例を示している。側壁42は、長手方向軸AAに向かって、又は長手方向軸AAから離れて、任意の好適な角度でテーパ状であり得、これは、本開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。いくつかの実施形態では、接触界面40、40’は、側壁42が近位面31に対して非線形の勾配を含み得るように、湾曲され得る。例えば、接触界面40、40’の一部分又は全部が、ドーム形状であり得る。接触界面40、40’及び/又は押圧面41の任意の好適な形状が使用され得、これは、本開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。
【0072】
いくつかの実施形態では、接触界面40、40’は、ユーザの指を界面40、40’上の中央に置くためのガイドとしての役割を果たすための1つ以上の特徴を含み得、界面40、40’の人間工学的動作を可能にし得る。いくつかの実施形態では、接触界面40、40’は、1つ以上の突出部を含み得る。そのような突出部は、接触界面40、40’とユーザの指との間の把持を増強することに役立ち得る。突出部は、リブ、円、正方形、ジグザグ、波、又は任意の他の好適な形状として成形され得る。接触界面の上面図を描写する、図8に示された例解的な実施形態では、接触界面40、40’は、接触界面の押圧面41から外へ突出する1つ以上の円形リブ45を含む。いくつかの実施形態では、リブは、例えば、図13の接触界面1340のリブ1345など、半径方向の外向きに延在し得る。接触界面40、40’上の、リブ又は任意の他の好適な突出部の非半径方向の配置もまた企図され、これは、本開示が接触界面40、40’の面構造によって限定されないためであることを理解されたい。例えば、突出部は、押圧面41上の領域を越えて広がり得るか、1つ以上の円形若しくは他のループで配置され得るか、又は任意の他の好適な配置であり得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、接触界面40、40’は、人間工学的動作のための、押圧面41に沿った接触界面陥凹(例えば、陥凹46又は946など)を含み得る。接触界面陥凹は、任意の好適な形状(例えば、半球形、湾曲形、円筒形、円推形など)であり得、これは、接触界面40、40’の構造によって限定されないためである。いくつかの実施形態では、接触界面陥凹は、接触界面40、40’の側壁42から長手方向軸AAまで、半径方向に延在し得る。他の実施形態では、接触界面陥凹は、接触界面40、40’の側壁42から長手方向軸AAまで、部分的に半径方向に延在し得る。更に他の実施形態では、押圧面41は、接触界面40、40’とユーザとの間の摩擦を増強させるための、1つ超の接触界面陥凹を含み得る。例えば、押圧面41は、ユーザの指を安定させ、かつ用量ボタン30の望ましくない回転の可能性を低減するための、1つ以上の円形接触界面陥凹又は突出部を含み得る。いくつかの実施形態では、押圧面41の特徴及び/又は構造は、人間工学的目的及び審美的目的の両方のためであり得る。例えば、接触界面40、40’の側壁42は、面取りされた又は丸みを帯びた縁部を含み得る。
【0074】
いくつかの実施形態による接触界面40、40’は、上で列挙された特徴の組み合わせを含み得、これは、本開示がそのように限定されないためであることを理解されたい。例えば、押圧面41のリブは、凹状の押圧面41から突出する、半径方向に分散された複数のリブを含み得る(例えば、押圧面41は、接触界面40、40’内に陥凹され得る)。別の例では、接触界面40、40’の側壁42は、近位面31に対してテーパ状であり得、側壁42に沿って半径方向に分散した複数のリブを含み得る。別の例では、リブは、押圧面41又は面51を横切って互いに平行に整列され得る。図14は、平行な配置で面1451を横切って延在する複数のリブ1445を有するカバー1450の例を示している。
【0075】
用量検出システムは、検知構成要素及び被検知構成要素を使用する。これらの構成要素のうちの1つは、薬剤送達デバイスの部材に(直接的に、又は間接的に)結合され得る。様々なセンサシステムが本明細書において企図される。「検知構成要素」という用語は、被検知構成要素の相対位置を検出することができる任意の構成要素を指す。検知構成要素は、検知素子又は「センサ」を、検知素子を動作するための関連する電気構成要素とともに含む。「被検知構成要素」は、検知構成要素が検知構成要素に対する被検知構成要素の位置及び/又は動きを検出することができる任意の構成要素である。用量送達検出システムの場合、被検知構成要素又は検知構成要素のうちの一方は、他方に対して回転し、それによって、回転被検知構成要素又は検知構成要素の角度位置及び/又は回転運動を検出することができる。検知構成要素は、1つ以上の検知素子を備え得、被検知構成要素は、1つ以上の被検知素子を備え得る。センサシステムは、被検知構成要素の位置又は動きを検出し、被検知構成要素の位置又は動きを表す出力を提供することができる。データを検知及び判定することは、用量設定前、用量設定中、用量送達中、又は用量送達後に行うことができる。情報は、時間/日付、用量設定量、用量送達量、製品識別データ、残存バッテリ寿命、エラーコード、並びにデバイスの動作に関する他の情報を含み得る。
【0076】
センサシステムは、典型的には、被検知領域内の1つ以上の被検知素子の位置に関連して変動する検知されたパラメータの特性を検出する。被検知素子は、検知されたパラメータの特性に直接的又は間接的に影響を及ぼす様態で被検知領域内に及ぶか又は別様に影響する。センサと被検知素子との相対位置は、検知されたパラメータの特性に影響を及ぼし、センサシステムのコントローラが被検知素子の異なる位置を判定することを可能にする。好適なセンサシステムは、能動的構成要素及び受動的構成要素の組み合わせを含み得る。検知構成要素が能動的構成要素として動作している場合、両方の構成要素が電源又はコントローラなどの他のシステム要素に接続される必要はない。
【0077】
2つの部材の相対位置を検出することができる様々な検知技術のいずれか1つが組み込まれ得る。そのような技術は、例えば、触覚的、光学的、磁気的、音響的、誘導的、又は電気的測定に基づく技術を含み得る。
【0078】
一態様では、センサシステムは、回転被検知素子又は検知素子の相対位置又は動き、したがって、薬剤送達デバイスの関連する部材の相対位置又は動きを検出する。センサシステムは、位置、又はそのような動きの量を表す出力を生成する。例えば、センサシステムは、用量送達中の回転用量部材の回転を判定することができる出力を生成するように動作可能であり得る。出力を受信するために、コントローラが各センサに動作可能に接続される。一態様では、コントローラは、薬剤送達デバイスの動作によって送達される用量の量を出力から判定するように構成され得る。別の態様では、コントローラは、薬剤送達デバイスの動作によって送達される用量の量を判定するために使用され得る出力データから判定するように構成され得る。
【0079】
送達される用量と既知の関係を有する回転の程度により、センサシステムは、用量注射の開始から用量注入の終了までの角度移動量を検出するように動作する。例えば、ペン型注射器の典型的な関係は、回転用量部材の18°の角度変位が1単位用量に等しいということであるが、他の角度関係もまた好適である。センサシステムは、用量送達中に、回転用量部材の全角度変位を判定するように動作可能である。したがって、角度変位が90°である場合、5単位の用量が送達されたことになる。角度変位を検出するための1つの手法は、注射が進むにつれて用量の増分をカウントすることである。例えば、センサシステムは、被検知素子の繰り返しパターンを使用し得、その結果、各繰り返しは、既定の程度の回転角度の示標である。好都合に、パターンは、各繰り返しが薬剤送達デバイスを用いて設定することができる用量の最小増分に対応するように規定され得る。
【0080】
代替的な手法は、相対的に移動する部材の開始位置及び停止位置を検出し、それらの位置の間の差として送達される用量の量を判定することである。この手法では、センサシステムが回転用量部材の全回転数を検出するという判定の一部であり得る。このための様々な方法は、十分に当業者の範囲内であり、全回転数を評価するために増分数を「カウントする」ことを含み得る。
【0081】
センサシステム構成要素は、薬剤送達デバイスに、恒久的に又は取り外し可能に取り付けられ得る。例解的な実施形態では、用量検出システムの構成要素の少なくともいくつかは、薬剤送達デバイスに取り外し可能に取り付けられるモジュールの形態で提供される。これは、これらのセンサ構成要素を1つより多くのペン型注射器に対して利用可能にするという利点を有する。
【0082】
本明細書において本発明のいくつかの実施形態を説明及び例解してきたが、当業者は、機能を実行し、及び/又は結果及び/又は本明細書に記載の利点のうちの1つ以上を得るための様々な他の手段及び/又は構造を容易に想像し、そのような変形及び/又は修正の各々は、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載されている全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることが意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される1つ又は複数の特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験のみを使用して、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態と同等のものを多く認識するか、又は確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は単なる例として提示されており、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、本発明は、具体的に説明及び特許請求された以外の方法で実施され得ることを理解されたい。本発明は、本明細書に記載のそれぞれ個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。更に、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の2つ以上の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本発明の範囲に含まれる。
【0083】
以下の態様が挙げられるがそれらに限定されない、様々な態様が、本開示に記載されている。
1.薬剤送達デバイスであって、長手方向軸の周りに配設され、かつ出口を有するハウジングと、用量設定中に、ハウジングに対して長手方向軸の周りに回転可能な回転用量部材と、薬剤が出口から外へ分注される用量分注モードを作動させるように、ハウジングに対して軸方向に、長手方向軸に沿って並進可能であるように構成された用量ボタンであって、用量ボタンは、近位面を含む、用量ボタンと、用量ボタンの近位面の近位に配設され、かつ近位面に接触するように構成された接触界面であって、接触面は、近位面を有し、接触界面及び用量ボタンは、同軸関係を有する、接触界面と、を含み、用量ボタンの近位面は、第1の寸法パラメータを含み、接触界面の近位面は、第1の寸法パラメータよりも小さい第2の寸法パラメータを含み、第2の寸法パラメータは、用量送達中に接触面の中心軸上への荷重を増強させ、回転用量部材上の任意の荷重を抑制するようにサイズ設計されている、薬剤送達デバイス。
2.回転用量部材は、ハウジングに対して回転可能に装着されたカラーを更に含み、ハウジングに対するカラーの回転が、用量分注モード中に出口から外へ分注される薬剤の量を設定し、カラーは、用量ボタンの作動中に用量ボタンに対して回転する、態様1に記載の薬剤送達デバイス。
3.用量ボタンは、ハウジングに対して回転可能に装着されており、ハウジングに対する用量ボタンの回転が、用量分注モード中に出口から外へ分注される薬剤の量を設定する、態様1に記載の薬剤送達デバイス。
4.薬剤送達デバイスであって、出口を有するハウジングと、薬剤が出口から外へ分注される用量分注モードを作動させるように、ハウジングに対して軸方向に並進可能であるように構成された用量ボタンであって、用量ボタンは、近位面を含む、用量ボタンと、用量分注モードで特性を測定するように構成されたデータモジュールと、を備え、データモジュールは、接触界面を有し、データモジュールは、用量ボタンに動作可能に結合され、データモジュールは、近位面を含み、データモジュールの近位面を横切って横方向に測定された第1の横方向寸法が、接触界面の近位面を横切って横方向に測定された第2の横方向寸法よりも大きく、横方向は、軸方向に対して垂直である、薬剤送達デバイス。
5.ハウジングに対して回転可能に装着されたカラーを更に備えており、ハウジングに対するカラーの回転が、用量分注モード中に出口から外へ分注される薬剤の量を設定し、カラーは、用量ボタンの作動中に用量ボタンに対して回転する、態様4に記載の薬剤送達デバイス。
6.データモジュールは、用量分注モード中に接触界面に対して回転するように構成されている、態様5に記載の薬剤送達デバイス。
7.データモジュールは、互いに対して回転方向に固定された第1の部分及び第2の部分を含み、第1の部分及び第2の部分は、カラーに回転可能に固定されており、接触界面は、ハウジングに回転方向に固定され、第1の部分及び第2の部分は、用量分注モード中に接触界面に対して回転する、態様6に記載の薬剤送達デバイス。接触界面は、データモジュールの第2の部分に回転方向に固定される。
8.データモジュールは、第1の部分及び第2の部分を含み、第1の部分は、カラーに回転可能に固定されており、接触界面は、ハウジングに回転方向に固定され、第1の部分及び第2の部分は、用量分注モード中に互いに対して回転する、態様6に記載の薬剤送達デバイス。
9.用量ボタンは、ハウジングに対して回転可能に装着されており、ハウジングに対する用量ボタンの回転が、用量分注モード中に出口から外へ分注される薬剤の量を設定する、態様4に記載の薬剤送達デバイス。
10.データモジュールは、用量分注モード中に接触界面に対して回転するように構成されている、態様9に記載の薬剤送達デバイス。
11.第2の横方向寸法は、第1の横方向寸法の1/3~2/3である、態様1~10のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
12.接触界面は、半径方向の外向きに延在する1つ以上の突出部を含む、態様1~11のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
13.検知素子を収容する中間構成要素を更に含み、接触界面及び中間構成要素は、互いに対して軸方向に固定されている、態様1~12のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
14.接触界面は、接触界面の中心に位置付けられた接触界面陥凹を含む、態様1~13のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
15.接触界面に結合されたアクチュエータを更に含む、態様4~14のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
16.アクチュエータカバーは、アクチュエータカバーの中心に位置付けられたカバー陥凹を含む、態様15に記載の薬剤送達デバイス。
17.アクチュエータカバーは、少なくとも2つの側壁を含み、少なくとも2つの側壁の各々は、カバー陥凹の両側に位置付けられている、態様16に記載の薬剤送達デバイス。
18.カバー陥凹は、サドル形状である、態様16に記載の薬剤送達デバイス。
19.用量ボタンは、第1の材料で作製され、接触界面は、第2の材料で作製され、第1の材料は、第2の材料のヤング率よりも大きいヤング率を有する、態様1~18のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
20.第2の材料と、ユーザの指との間の動摩擦係数が、第1の材料と、ユーザの指との間の動摩擦係数よりも大きい、態様17に記載の薬剤送達デバイス。
21.第2の材料は、エラストマー材料である、態様19又は20に記載の薬剤送達デバイス。
22.ハウジングは、薬剤を保持するように構成されたリザーバを含む、態様1~21のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
23.薬剤を送達する方法であって、用量ボタンの近位面に動作可能に結合された接触界面に、軸方向の力を印加することと、用量ボタンをハウジングに対して軸方向に変位させることと、用量ボタンの変位に伴って、薬剤が出口から外へ分注される用量分注モードを作動させることと、を含み、用量ボタンの近位面を横切って横方向に測定された第1の横方向寸法が、接触界面の近位面を横切って横方向に測定された第2の横方向寸法よりも大きく、横方向は、軸方向に対して垂直である、方法。
24.接触界面は、用量ボタンの近位面に取り付けられている、態様23に記載の方法。
25.用量分注モード中にデータモジュールを用いて特性を測定することを更に含み、データモジュールは、接触界面を含む、態様23又は24に記載の方法。
26.ハウジングに対してカラーを回転させて、用量設定モードにおいて出口から外へ分注される薬剤の量を設定することを更に含み、カラーは、用量分注モード中に用量ボタンに対して回転させる、態様23~25のいずれか1つに記載の方法。
27.用量分注モード中に、データモジュールを用いて特性を測定することを更に含み、データモジュールは、接触界面を含み、データモジュールは、第1の部分及び第2の部分を含み、用量分注モードにおいて、第1の部分は、カラーに回転可能に固定され、かつ第2の部分は、ハウジングに回転可能に固定されており、接触界面は、第2の部分に回転方向に固定されている、態様26に記載の方法。
28.用量分注モード中に、出口から外へ分注される薬剤の量を設定するように、用量ボタンをハウジングに対して回転させることを更に含む、態様23~27のいずれか1つに記載の方法。
29.接触界面上にアクチュエータカバーを設置することを更に含み、アクチュエータカバーは、少なくとも2つの側壁、及びアクチュエータカバーの中心に位置付けられたカバー陥凹を含み、少なくとも2つの側壁の各々は、カバー陥凹の両側に位置付けられている、態様23~28のいずれか1つに記載の方法。
30.用量ボタンは、第1の材料で作製され、接触界面は、第2の材料で作製され、第1の材料は、第2の材料のヤング率よりも大きいヤング率を有する、態様23~29のいずれか1つに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイスであって、
出口を有するハウジングと、
薬剤が前記出口から外へ分注される用量分注モードを作動させるように、前記ハウジングに対して軸方向に並進可能であるように構成された用量ボタンであって、前記用量ボタンは、近位面を含む、用量ボタンと、
前記用量分注モードで特性を測定するように構成されたデータモジュールであって、前記データモジュールは、接触界面を有し、前記データモジュールは、前記用量ボタンに動作可能に結合され、前記データモジュールは、近位面を含む、データモジュールと、を備え、
前記データモジュールの前記近位面を横切って横方向に測定された第1の横方向寸法が、前記接触界面の近位面を横切って前記横方向に測定された第2の横方向寸法よりも大きく、前記横方向は、前記軸方向に対して垂直である、薬剤送達デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングに対して回転可能に装着されたカラーを更に備えており、前記ハウジングに対する前記カラーの回転が、前記用量分注モード中に前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定し、前記カラーは、前記用量ボタンの作動中に前記用量ボタンに対して回転する、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項3】
前記データモジュールは、前記用量分注モード中に前記接触界面に対して回転するように構成されている、請求項2に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項4】
前記データモジュールは、互いに対して回転方向に固定された第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記カラーに回転可能に固定されており、前記接触界面は、前記ハウジングに回転方向に固定され、前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記用量分注モード中に前記接触界面に対して回転する、請求項3に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項5】
前記データモジュールは、第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記カラーに回転可能に固定されており、前記接触界面は、前記ハウジングに回転方向に固定され、前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記用量分注モード中に互いに対して回転する、請求項3に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項6】
前記用量ボタンは、前記ハウジングに対して回転可能に装着されており、前記ハウジングに対する前記用量ボタンの回転が、前記用量分注モード中に前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定する、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項7】
前記データモジュールは、前記用量分注モード中に前記接触界面に対して回転するように構成されている、請求項6に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項8】
前記第2の横方向寸法は、前記第1の横方向寸法の1/3~2/3である、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項9】
前記接触界面は、半径方向の外向きに延在する1つ以上の突出部を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項10】
検知素子を収容する中間構成要素を更に備えており、前記接触界面及び前記中間構成要素は、互いに対して軸方向に固定されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項11】
前記接触界面は、前記接触界面の中心に位置付けられた接触界面陥凹を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項12】
前記触界面に結合されたアクチュエータカバーを更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項13】
前記アクチュエータカバーは、前記アクチュエータカバーの中心に位置付けられたカバー陥凹を含む、請求項12に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項14】
前記アクチュエータカバーは、少なくとも2つの側壁を含み、前記少なくとも2つの側壁の各々は、前記カバー陥凹の両側に位置付けられている、請求項13に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項15】
前記カバー陥凹は、サドル形状である、請求項13に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項16】
前記用量ボタンは、第1の材料で作製され、前記接触界面は、第2の材料で作製され、前記第1の材料は、前記第2の材料のヤング率よりも大きいヤング率を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項17】
前記第2の材料と、ユーザの指との間の動摩擦係数が、前記第1の材料と、前記ユーザの指との間の動摩擦係数よりも大きい、請求項16に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項18】
前記第2の材料は、エラストマー材料である、請求項16に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項19】
薬剤送達デバイスであって、
長手方向軸の周りに配設され、かつ出口を有するハウジングと、
用量設定中に、前記ハウジングに対して前記長手方向軸の周りに回転可能な回転用量部材と、
薬剤が前記出口から外へ分注される用量分注モードを作動させるように、前記ハウジングに対して軸方向に、前記長手方向軸に沿って並進可能であるように構成された用量ボタンであって、前記用量ボタンは、近位面を含む、用量ボタンと、
前記用量ボタンの前記近位面の近位に配設され、かつ前記近位面に接触するように構成された接触界面であって、前記接触面は、近位面を有し、前記接触界面及び前記用量ボタンは、同軸関係を有する、接触界面と、を備え、
前記用量ボタンの前記近位面は、第1の寸法パラメータを含み、前記接触界面の前記近位面は、前記第1の寸法パラメータよりも小さい第2の寸法パラメータを含み、前記第2の寸法パラメータは、用量送達中に前記接触面の中心軸上への荷重を増強させ、前記回転用量部材上の非中心軸上への荷重を抑制するようにサイズ設計されている、薬剤送達デバイス。
【請求項20】
前記回転用量部材は、前記ハウジングに対して回転可能に装着されたカラーを更に含み、前記ハウジングに対する前記カラーの回転が、前記用量分注モード中に前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定し、前記カラーは、前記用量ボタンの作動中に前記用量ボタンに対して回転する、請求項19に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項21】
前記用量ボタンは、前記ハウジングに対して回転可能に装着されており、前記ハウジングに対する前記用量ボタンの回転が、前記用量分注モード中に前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定する、請求項19に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項22】
前記ハウジングは、薬剤を収容するリザーバを含む、請求項1~7、19~21のいずれか1つに記載の薬剤送達デバイス。
【請求項23】
薬剤を送達する方法であって、
用量ボタンの近位面に動作可能に結合された接触界面に、軸方向の力を印加することと、
前記用量ボタンをハウジングに対して軸方向に変位させることと、
前記用量ボタンの前記変位に伴って、薬剤が出口から外へ分注される用量分注モードを作動させることと、を含み、
前記用量ボタンの前記近位面を横切って横方向に測定された第1の横方向寸法が、前記接触界面の近位面を横切って前記横方向に測定された第2の横方向寸法よりも大きく、前記横方向は、前記軸方向に対して垂直である、方法。
【請求項24】
前記接触界面は、前記用量ボタンの前記近位面に取り付けられている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記用量分注モード中にデータモジュールを用いて特性を測定することを更に含み、前記データモジュールは、前記接触界面を含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記ハウジングに対してカラーを回転させて、用量設定モードにおいて前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定することを更に含み、前記カラーは、前記用量分注モード中に前記用量ボタンに対して回転する、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項27】
前記用量分注モード中に、データモジュールを用いて特性を測定することを更に含み、前記データモジュールは、前記接触界面を含み、前記データモジュールは、第1の部分及び第2の部分を含み、前記用量分注モードにおいて、前記第1の部分は、前記カラーに回転可能に固定され、かつ前記第2の部分は、前記ハウジングに回転可能に固定されており、前記接触界面は、前記第2の部分に回転方向に固定されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記用量分注モード中に、前記出口から外へ分注される前記薬剤の量を設定するように、前記用量ボタンを前記ハウジングに対して回転させることを更に含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項29】
前記接触界面上にアクチュエータカバーを設置することを更に含み、前記アクチュエータカバーは、少なくとも2つの側壁、及び前記アクチュエータカバーの中心に位置付けられたカバー陥凹を含み、前記少なくとも2つの側壁の各々は、前記カバー陥凹の両側に位置付けられている、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項30】
前記用量ボタンは、第1の材料で作製され、前記接触界面は、第2の材料で作製され、前記第1の材料は、前記第2の材料のヤング率よりも大きいヤング率を有する、請求項23又は24に記載の方法。
【国際調査報告】