(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】障害物回避方法、電子機器、コンピュータ可読記憶媒体およびコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
G05D 1/633 20240101AFI20240709BHJP
G05D 1/667 20240101ALI20240709BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20240709BHJP
G05D 1/43 20240101ALN20240709BHJP
【FI】
G05D1/633
G05D1/667
B65G1/04 555A
G05D1/43
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579223
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 CN2022100404
(87)【国際公開番号】W WO2022268113
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110713731.0
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520167863
【氏名又は名称】ハイ ロボティクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAI ROBOTICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 201,301,401,Building B,Anluo Technology Industrial Park,Nanchang Community,Xixiang Street,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】何家偉
(72)【発明者】
【氏名】李彙祥
【テーマコード(参考)】
3F022
5H301
【Fターム(参考)】
3F022EE09
3F022FF01
3F022JJ11
3F022MM55
3F022PP02
3F022PP06
3F022QQ13
3F022QQ17
5H301BB08
5H301CC03
5H301CC06
5H301EE02
5H301EE12
5H301GG08
5H301GG09
5H301KK02
5H301LL01
5H301LL03
5H301LL06
5H301LL16
(57)【要約】
障害物回避方法、装置、電子機器および記憶媒体を開示する。障害物回避方法は、ラックエリアのレール上を移動するためのロボットに適用され、進行方向上にラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出するステップ(S201)と、疑似障害物を検出したとき、疑似障害物とロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置との相対位置関係を判定するステップ(S202)と、疑似障害物がロボットの現在の所在位置と目標位置との間に位置する場合、疑似障害物を障害物に決定するステップ(S203)と、進行ルートを新たに策定して、障害物を回避するステップ(S204)と、を含む。ラックエリアのレール上を移動するロボットにより、対応する障害物回避方法を実行し、障害物を検出して、新たに進行ルートを策定し、当該障害物を回避することにより、障害物に進行を阻害されることを回避し、同時にロボットの安全を確保する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックエリアのレール上を移動するためのロボットに適用される障害物回避方法であって、
進行方向上に、ラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出するステップと、
疑似障害物を検出したとき、前記疑似障害物と、前記ロボットの現在の進行方向上での到達すべき目標位置との相対位置関係を判定するステップと、
前記疑似障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置する場合、前記疑似障害物を障害物に決定するステップと、
進行ルートを新たに策定して、障害物を回避するステップと、を含む、
障害物回避方法。
【請求項2】
進行ルートを新たに策定する前記ステップは、
前記ロボットの進行方向を調整することにより、現在位置から前記目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するステップを含む、
請求項1に記載の障害物回避方法。
【請求項3】
進行ルートを新たに策定する前記ステップは、
前記ロボットの進行速度を調整することにより、現在位置から前記目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するステップを含む、
請求項1に記載の障害物回避方法。
【請求項4】
進行ルートを新たに策定する前記ステップは、
新たな目標位置を決定するステップと、
現在位置から前記新たな目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するステップと、を含む、
請求項1に記載の障害物回避方法。
【請求項5】
前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことである場合、新たな目標位置を決定する前記ステップは、
管理機器へ前記障害物の位置情報を報告するとともに、タスクの変更を要求するステップと、
前記管理機器から指示された新たなタスクを受信するステップと、
前記新たなタスクに基づいて、前記新たなタスクに対応する新たな目標位置を決定するステップと、を含む、
請求項4に記載の障害物回避方法。
【請求項6】
前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の取り出しおよび/または荷物の収納を行うことである場合、新たな目標位置を決定する前記ステップは、
目標エリア内に、他のロボットであって、現在のタスクが前記他のロボットに対応する目標位置へ到達して荷物の取り出しおよび/または収納を行うことである前記他のロボットが、存在するか否かを検出するステップと、
目標エリア内に他のロボットが存在し、前記障害物が前記他のロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置しておらず、前記障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、前記ロボットと前記他のロボットの現在のタスクを交換し、前記他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するステップと、を含む、
請求項4に記載の障害物回避方法。
【請求項7】
前記ラックエリアは複数の保管位置を含み、前記保管位置は一定のコンテナを保管するために用いられ、
前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の取り出しを行うことである場合、新たな目標位置を決定する前記ステップは、
目標エリア内に、他のロボットであって、現在のタスクが前記他のロボットに対応する目標位置へ到達して荷物の取り出しを行うことである前記他のロボットが、存在するか否かを検出するステップと、
目標エリア内に他のロボットが存在し、前記障害物が前記他のロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置しておらず、前記障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、前記ロボットと前記他のロボットの現在のタスクを交換し、前記他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するステップと、を含む、
請求項4に記載の障害物回避方法。
【請求項8】
進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出する前記ステップは、
前記ロボット上に設置されたセンサを利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出するステップを含み、
前記センサはレーザセンサと光センサとのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の障害物回避方法。
【請求項9】
進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出する前記ステップは、
前記ロボット上に設置された画像収集装置を利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出するステップを含み、
前記画像収集装置は、スチルカメラと、ビデオカメラと、深度カメラとのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の障害物回避方法。
【請求項10】
前記疑似障害物を障害物に決定する前記ステップは、
前記疑似障害物がコンテナであるか否かを検出するステップと、
前記疑似障害物がコンテナである場合、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出するステップと、
前記ロボットが占める空間範囲と、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、前記コンテナが前記ロボットの障害になるか否かを判定するステップと、
前記コンテナが前記ロボットの障害になる場合、前記コンテナを障害物に決定するステップと、を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の障害物回避方法。
【請求項11】
前記ロボットが占める空間範囲と、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、前記コンテナがロボットの障害になるか否かを判定する前記ステップは、
前記ロボットが占める空間範囲に基づいて、三次元構造図を作成するステップと、
前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲を前記三次元構造図にマッチさせるステップと、
前記ロボットが前記コンテナが存在する平面まで移動したとき、前記ロボットの三次元構造と前記コンテナの三次元構造に重なりが存在するか否かを判定するステップと、を含み、
前記コンテナが前記ロボットの障害になる場合、前記コンテナを障害物に決定する前記ステップは、
前記ロボットの三次元構造と前記コンテナの三次元構造に重なりが存在する場合、前記コンテナを障害物に決定するステップを含む、
請求項10に記載の障害物回避方法。
【請求項12】
前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出する前記ステップの前に、さらに、
前記ロボットの進行速度を低下させるステップを含む、
請求項10に記載の障害物回避方法。
【請求項13】
前記ロボットはラック上のレールの上を移動するために用いられ、前記ラック上のレールは垂直レールおよび/または水平レールを含み、前記障害物回避方法は、
前記ロボットの現在の所在位置が垂直レール上にあり、現在の進行方向は垂直レールに沿って上に向かっており、前記ロボットのタスクが荷物取り出し操作の実行である場合、前記コンテナを障害物に決定する前記ステップの後に、さらに、
前記コンテナの所在する保管位置を特定するステップと、
前記コンテナの所在する保管位置に到達した後、前記コンテナを取り出してから、前記コンテナを置き戻すステップと、を含む、
請求項10に記載の障害物回避方法。
【請求項14】
前記ロボットのタスクが荷物収納操作の実行である場合、前記コンテナを障害物に決定する前記ステップの後に、さらに、
前記コンテナの所在する保管位置を特定するステップと、
前記保管位置の情報をサーバおよび/または他のロボットに同期的に伝えて、他のロボットに前記コンテナを回避させるか、または前記コンテナの状態を調整させるステップと、を含む、
請求項10に記載の障害物回避方法。
【請求項15】
前記疑似障害物を障害物に決定する前記ステップは、
前記疑似障害物が他のロボットであるか否かを検出するステップと、
前記疑似障害物が他のロボットである場合、前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置を特定するステップと、
前記ロボットの移動状態と前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、前記他のロボットが前記ロボットの障害になるか否かを判定するステップと、
前記他のロボットが前記ロボットの障害になる場合、前記他のロボットを障害物に決定するステップと、を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の障害物回避方法。
【請求項16】
前記ロボットの移動状態と前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、前記他のロボットが前記ロボットの障害になるか否かを判定する前記ステップは、
前記ロボットの進行速度に基づいて、前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置へ達する第1のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定するステップと、
前記他のロボットの進行速度に基づいて、前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置へ達する第2のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定するステップと、
前記第1のルート情報と前記第2のルート情報において、同一時点に対応する位置の距離値が所定範囲内にあることが存在するか否かを判定するステップと、を含み、
前記他のロボットが前記ロボットの障害になる場合、前記他のロボットを障害物に決定する前記ステップは、
前記第1のルート情報と前記第2のルートにおいて、同一時点に対応する位置の距離値が所定範囲内にあることが存在する場合、前記他のロボットを障害物に決定するステップを含む、
請求項15に記載の障害物回避方法。
【請求項17】
進行方向上にラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出するための疑似障害物検出モジュールと、
疑似障害物が検出された場合、前記疑似障害物と、前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置との相対位置関係を判定するための位置決定モジュールと、
前記疑似障害物がロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置する場合、前記疑似障害物を障害物に決定するための障害物判定モジュールと、
進行ルートを新たに策定して、障害物を回避するためのルート策定ジュールと、を含む、
障害物回避装置。
【請求項18】
プログラムコマンドを記憶するためのメモリと、
メモリ内のプログラムコマンドを呼び出して実行することにより、請求項1~16のいずれか一項に記載の障害物回避方法を実行するために用いられるプロセッサと、を含む、
電子機器。
【請求項19】
コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~16のいずれか一項に記載の障害物回避方法が実現される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~16のいずれか一項に記載の障害物回避方法が実現される、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2021年06月25日に中国専利局に出願された、出願番号202110713731.0、発明の名称「障害物回避方法、装置、電子機器および記憶媒体」の中国専利出願の優先権を主張し、そのすべての内容を援用により本願に組み入れる。
【0002】
本願はインテリジェント制御技術に関し、特に障害物回避方法、装置、電子機器および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の倉庫業界では、荷物の搬送移動に大量のマンパワーコストおよび時間コストを費やす必要があった。マンパワーコストの支出を節約するために、インテリジェント制御技術を組合せて、荷物の搬送専用ロボットが登場し、一般にロボットカートと呼ばれている。同時に、これらのロボットに適応する登攀可能ラックも登場した。
【0004】
一般的に、倉庫スペース内にはラックエリアが設けられ、ラックエリアは複数のラックを含み、各ラックが複数段の保管位置を有している。これらの保管位置は荷物を置くために用いられる。隣り合う2台のラックの間には通路が設けられている。各ラックの通路側には、それぞれ複数本の垂直レールおよび/または複数本の水平レールが設置されている。ロボットは通路を通行して垂直レールのところに到達すると、垂直レ―ルおよび/または水平レールを使って自律的にラックに登り、荷物を取り出し、荷物を輸送することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
運行中に、ロボットは他のロボットと衝突したり、あるいはラックから突き出た荷物によって進行を阻害されて、運行が中断され、さらには機器が破損するおそれがある。
【0006】
本願は、ロボットが障害物に進行を阻害されることを回避して、ロボットの安全を確保する、障害物回避方法、装置、電子機器および記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、本願が提供する障害物回避方法は、ラックエリアのレール上を移動するためのロボットに適用され、進行方向上に、ラック縁部より突き出ている疑似障害物が存在するか否かを検出するステップと、疑似障害物を検出したとき、前記疑似障害物と、前記ロボットの現在の進行方向上での到達すべき目標位置との相対位置関係を判定するステップと、前記疑似障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置する場合、前記疑似障害物を障害物に決定するステップと、進行ルートを新たに策定して、障害物を回避するステップと、を含む。
【0008】
任意選択として、進行ルートを新たに策定する前記ステップは、前記ロボットの進行方向を調整することにより、現在位置から前記目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するステップを含む。
【0009】
任意選択として、進行ルートを新たに策定する前記ステップは、前記ロボットの進行速度を調整することにより、現在位置から前記目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するステップを含む。
【0010】
任意選択として、進行ルートを新たに策定する前記ステップは、新たな目標位置を決定するステップと、現在位置から前記新たな目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するステップと、を含む。
【0011】
任意選択として、前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことである場合、新たな目標位置を決定する前記ステップは、管理機器へ前記障害物の位置情報を報告するとともに、タスクの変更を要求するステップと、前記管理機器から指示された新たなタスクを受信するステップと、前記新たなタスクに基づいて、前記新たなタスクに対応する新たな目標位置を決定するステップと、を含む。
【0012】
任意選択として、前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の取り出しおよび/または荷物の収納を行うことである場合、新たな目標位置を決定する前記ステップは、目標エリア内に、他のロボットであって、現在のタスクが前記他のロボットに対応する目標位置へ到達して荷物の取り出しおよび/または収納を行うことである前記他のロボットが、存在するか否かを検出するステップと、目標エリア内に他のロボットが存在し、前記障害物が前記他のロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置しておらず、前記障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、前記ロボットと前記他のロボットの現在のタスクを交換し、前記他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するステップと、を含む。
【0013】
任意選択として、前記ラックエリアは複数の保管位置を含み、前記保管位置は一定のコンテナを保管するために用いられ、前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の取り出しを行うことである場合、新たな目標位置を決定する前記ステップは、目標エリア内に、他のロボットであって、現在のタスクが前記他のロボットに対応する目標位置へ到達して荷物の取り出しを行うことである前記他のロボットが、存在するか否かを検出するステップと、目標エリア内に他のロボットが存在し前記障害物が前記他のロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置しておらず、前記障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、前記ロボットと前記他のロボットの現在のタスクを交換し、前記他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するステップと、を含む。
【0014】
任意選択として、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出する前記ステップは、前記ロボット上に設置されたセンサを利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出するステップを含み、前記センサはレーザセンサと光センサとのうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
任意選択として、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出する前記ステップは、前記ロボット上に設置された画像収集装置を利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出するステップを含み、前記画像収集装置は、スチルカメラと、ビデオカメラと、深度カメラとのうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
任意選択として、前記疑似障害物を障害物に決定する前記ステップは、前記疑似障害物がコンテナであるか否かを検出するステップと、前記疑似障害物がコンテナである場合、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出するステップと、前記ロボットが占める空間範囲と、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、前記コンテナが前記ロボットの障害になるか否かを判定するステップと、前記コンテナが前記ロボットの障害になる場合、前記コンテナを障害物に決定するステップと、を含む。
【0017】
任意選択として、前記ロボットが占める空間範囲と、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、前記コンテナがロボットの障害になるか否かを判定する前記ステップは、前記ロボットが占める空間範囲に基づいて、三次元構造図を作成するステップと、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲を前記三次元構造図にマッチさせるステップと、前記ロボットが前記コンテナが存在する平面まで移動したとき、前記ロボットの三次元構造と前記コンテナの三次元構造に重なりが存在するか否かを判定するステップと、を含み、前記コンテナが前記ロボットの障害になる場合、前記コンテナを障害物に決定する前記ステップは、前記ロボットの三次元構造と前記コンテナの三次元構造に重なりが存在する場合、前記コンテナを障害物に決定するステップを含む。
【0018】
任意選択として、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出する前記ステップの前に、さらに、前記ロボットの進行速度を低下させるステップを含む。
【0019】
任意選択として、前記ロボットはラック上のレールの上を移動するために用いられ、前記ラック上のレールは垂直レールおよび/または水平レールを含み、前記障害物回避方法は、前記ロボットの現在の所在位置が垂直レール上にあり、現在の進行方向は垂直レールに沿って上に向かっており、前記ロボットのタスクが荷物取り出し操作の実行である場合、前記コンテナを障害物に決定する前記ステップの後に、さらに、前記コンテナの所在する保管位置を特定するステップと、前記コンテナの所在する保管位置に到達した後、前記コンテナを取り出してから、前記コンテナを置き戻すステップと、を含む。
【0020】
任意選択として、前記ロボットのタスクが荷物収納操作の実行である場合、前記コンテナを障害物に決定する前記ステップの後に、さらに、前記コンテナの所在する保管位置を特定するステップと、前記保管位置の情報をサーバおよび/または他のロボットに同期的に伝えて、他のロボットに前記コンテナを回避させるか、または前記コンテナの状態を調整させるステップと、を含む。
【0021】
任意選択として、前記疑似障害物を障害物に決定する前記ステップは、前記疑似障害物が他のロボットであるか否かを検出するステップと、前記疑似障害物が他のロボットである場合、前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置を特定するステップと、前記ロボットの移動状態と前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、前記他のロボットが前記ロボットの障害になるか否かを判定するステップと、前記他のロボットが前記ロボットの障害になる場合、前記他のロボットを障害物に決定するステップと、を含む。
【0022】
任意選択として、前記ロボットの移動状態と前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、前記他のロボットが前記ロボットの障害になるか否かを判定する前記ステップは、前記ロボットの進行速度に基づいて、前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置へ達する第1のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定するステップと、前記他のロボットの進行速度に基づいて、前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置へ達する第2のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定するステップと、前記第1のルート情報と前記第2のルート情報において、同一時点に対応する位置の距離値が所定範囲内にあることが存在するか否かを判定するステップと、を含み、前記他のロボットが前記ロボットの障害になる場合、前記他のロボットを障害物に決定する前記ステップは、前記第1のルート情報と前記第2のルートにおいて、同一時点に対応する位置の距離値が所定範囲内にあることが存在する場合、前記他のロボットを障害物に決定するステップを含む。
【0023】
第2の態様において、本願が提供する障害物回避装置は、進行方向上にラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出するための疑似障害物検出モジュールと、疑似障害物が検出された場合、前記疑似障害物と、前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置との相対位置関係を判定するための位置決定モジュールと、前記疑似障害物がロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置する場合、前記疑似障害物を障害物に決定するための障害物判定モジュールと、進行ルートを新たに策定して、障害物を回避するためのルート策定ジュールと、を含む。
【0024】
任意選択として、前記ルート策定モジュールは具体的には、前記ロボットの進行方向を調整することにより、現在位置から前記目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するために用いられる。
【0025】
任意選択として、前記ルート策定モジュールは具体的には、前記ロボットの進行速度を調整することにより、現在位置から前記目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するために用いられる。
【0026】
任意選択として、前記ルート策定モジュールは具体的には、新たな目標位置を決定し、現在位置から前記新たな目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するために用いられる。
【0027】
任意選択として、前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことである場合、前記ルート策定モジュールは新たな目標位置を決定するとき、具体的には、管理機器へ前記障害物の位置情報を報告するとともに、タスクの変更を要求し、前記管理機器から指示された新たなタスクを受信し、前記新たなタスクに基づいて、前記新たなタスクに対応する新たな目標位置を決定するために用いられる。
【0028】
任意選択として、前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の取り出しおよび/または荷物の収納を行うことである場合、前記ルート策定モジュールは新たな目標位置を決定するとき、具体的には、目標エリア内に、他のロボットであって、現在のタスクが前記他のロボットに対応する目標位置へ到達して荷物の取り出しおよび/または収納を行うことである前記他のロボットが、存在するか否かを検出し、目標エリア内に他のロボットが存在し、前記障害物が前記他のロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置しておらず、前記障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、前記ロボットと前記他のロボットの現在のタスクを交換し、前記他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するために用いられる。
【0029】
任意選択として、前記ラックエリアは複数の保管位置を含み、前記保管位置は一定のコンテナを保管するために用いられ、前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の取り出しを行うことである場合、前記ルート策定モジュールは新たな目標位置を決定するとき、具体的には、目標エリア内に、他のロボットであって、現在のタスクが前記他のロボットに対応する目標位置へ到達して荷物の取り出しを行うことである前記他のロボットが、存在するか否かを検出し、目標エリア内に他のロボットが存在し、前記障害物が前記他のロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置しておらず、前記障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、前記ロボットと前記他のロボットの現在のタスクを交換し、前記他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するために用いられる。
【0030】
任意選択として、前記疑似障害物検出モジュールは、具体的には、前記ロボット上に設置されたセンサを利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出するために用いられ、前記センサはレーザセンサと光センサとのうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
任意選択として、前記疑似障害物検出モジュールは、具体的には、前記ロボット上に設置された画像収集装置を利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出するために用いられ、前記画像収集装置は、スチルカメラと、ビデオカメラと、深度カメラとのうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
任意選択として、前記障害物判定モジュールは前記疑似障害物を障害物に決定するとき、具体的には、前記疑似障害物がコンテナであるか否かを検出し、前記疑似障害物がコンテナである場合、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出し、前記ロボットが占める空間範囲と、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、前記コンテナが前記ロボットの障害になるか否かを判定し、前記コンテナが前記ロボットの障害になる場合、前記コンテナを障害物に決定するために用いられる。
【0033】
任意選択として、前記障害物判定もジュールは、前記ロボットが占める空間範囲と、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、前記コンテナがロボットの障害になるか否かを判定するとき、具体的には、前記ロボットが占める空間範囲に基づいて、三次元構造図を作成し、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲を前記三次元構造図にマッチさせ、前記ロボットが前記コンテナが存在する平面まで移動したとき、前記ロボットの三次元構造と前記コンテナの三次元構造に重なりが存在するか否かを判定するために用いられ、前記コンテナが前記ロボットの障害になる場合、前記コンテナを障害物に決定することは、前記ロボットの三次元構造と前記コンテナの三次元構造に重なりが存在する場合、前記コンテナを障害物に決定することを含む。
【0034】
任意選択として、前記障害物判定モジュールは、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出する前に、さらに、前記ロボットの進行速度を低下させるために用いられる。
【0035】
任意選択として、前記ロボットはラック上のレールの上を移動するために用いられ、前記ラック上のレールは垂直レールおよび/または水平レールを含み、前記ロボットの現在の所在位置が垂直レール上にあり、現在の進行方向は垂直レールに沿って上に向かっており、前記ロボットのタスクが荷物取り出し操作の実行である場合、前記コンテナを障害物に決定した後、さらに、前記コンテナの所在する保管位置を特定し、前記コンテナの所在する位置に到達した後、前記コンテナを取り出してから、前記コンテナを置き戻すことを含む。
【0036】
任意選択として、前記ロボットのタスクが荷物収納操作の実行である場合、前記障害物判定モジュールは疑似障害物を障害物に決定した後に、さらに、前記コンテナの所在する保管位置を特定し、前記保管位置の情報をサーバおよび/または他のロボットに同期的に伝えて、他のロボットに前記コンテナを回避させるか、または前記コンテナの状態を調整させるために用いられる。
【0037】
任意選択として、前記障害物判定モジュールは前記疑似障害物を障害物に決定するとき、具体的には、前記疑似障害物が他のロボットであるか否かを検出し、前記疑似障害物が他のロボットである場合、前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置を特定し、前記ロボットの移動状態と前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、前記他のロボットが前記ロボットの障害になるか否かを判定し、前記他のロボットが前記ロボットの障害になる場合、前記他のロボットを障害物に決定するために用いられる。
【0038】
任意選択として、前記障害物判定モジュールは、前記ロボットの移動状態と前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、前記他のロボットが前記ロボットの障害になるか否かを判定するとき、具体的には、前記ロボットの進行速度に基づいて、前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置へ達する第1のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定し、前記他のロボットの進行速度に基づいて、前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置へ達する第2のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定し、前記第1のルート情報と前記第2のルート情報において、同一時点に対応する位置の距離値が所定範囲内にあることが存在するか否かを判定するために用いられ、前記他のロボットが前記ロボットの障害になる場合、前記他のロボットを障害物に決定することは、前記第1のルート情報と前記第2のルートにおいて、同一時点に対応する位置の距離値が所定範囲内にあることが存在する場合、前記他のロボットを障害物に決定することを含む。
【0039】
第3の態様において、本願が提供する電子機器は、プログラムコマンドを記憶するためのメモリと、前記メモリ内のプログラムコマンドを呼び出して実行することにより、第1の態様に記載の方法を実行するために用いられるプロセッサと、を含む。
【0040】
第4の態様として、本願が提供するコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第1の態様に記載の方法が実現される。
【0041】
第5の態様として、本願が提供するコンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムを含み、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第1の態様に記載の方法が実現される。
【発明の効果】
【0042】
本願は障害物回避方法、装置、電子機器および記憶媒体を提供する。障害物回避方法は、ラックエリアのレール上を移動するためのロボットに適用され、前記方法は、進行方向上に、ラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出するステップと、疑似障害物を検出したとき、前記疑似障害物と前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置との相対位置関係を判定するステップと、前記疑似障害物がロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置する場合、前記疑似障害物を障害物に決定するステップと、進行ルートを新たに策定して、前記障害物を回避するステップと、を含む。本願のスキームは、ラックエリアのレール上を移動するロボットにより、対応する障害物回避方法を実行するものであり、進行方向上にラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出し、さらに疑似障害物が進行を阻害するおそれがあるか否かを判定する。阻害するおそれがある場合、障害物に決定して、新たに進行ルートを策定して当該障害物を回避する。これにより障害物に進行を阻害されることを回避し、同時にロボットの安全を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本願または従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の説明に使用する図面を簡単に紹介する。自明のことではあるが、下記の図面は本願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば創意工夫を要さずしてこれらの図面に基づいて他の図面が得られるであろう。
【0044】
【
図1】
図1は本願で提供する一応用場面の模式図である。
【
図2】
図2は本願の一実施例で提供する障害物回避方法のフローチャートである。
【
図3a】
図3aは本願の一実施例で提供するロボットがラックを登攀している模式図である。
【
図3b】
図3bは本願の一実施例で提供するロボットがラックを登攀している別の模式図である。
【
図4】
図4は本願の一実施例で提供する障害物回避装置の構造模式図である。
【
図5】
図5は本願の一実施例で提供する電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本願の目的、技術手段および利点をより明確にするため、以下、本願における図面と組み合わせて本願の技術スキームを明確且つ全面的に説明する。もちろん、説明される実施例は本願の実施例の一部であり、すべてではない。本願の実施例に基づいて当業者が創意工夫を要さずに得た他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0046】
登攀可能ラックには、通常ロボットが登攀するための垂直レールおよび/または水平レールが設置されている。ロボットは荷物出し入れタスクを実行するとき、垂直レールにより上昇し、および/または、垂直レールと水平レールとで進行方向を切り換えて、対応する保管位置に到達して荷物の取り出しおよび/または収納操作を行い、その後、再び垂直レールおよび/または水平レールを通ってラックから離れる。
【0047】
あるロボットがラック上でタスクを実行する過程で、他のロボットと遭遇して、進行を阻害されたり、ラックから突き出た荷物によって進行を阻害されたりする恐れがある。ラック上のレールが固定されている、という特性に制約されて、ロボットは阻害された場合に、床を進んでいるときのように随時方向を調整して障害物を迂回して避けることはできない。
【0048】
これに基づいて、本願で提供する障害物回避方法、装置、電子機器および記憶媒体は、ラックを登攀するロボットが障害物を回避する場面に適用され、ロボットが進行中に障害物に阻害されることを回避し、衝突を防止して、ロボットの安全を確保する。
【0049】
図1は本願で提供する一応用場面の模式図である。
図1に示すように、ラック100のフレームにはロボットが登攀するための垂直レール101と水平レール102とが設置されている。垂直レール101と水平レール102は保管位置103の周囲に配置され、保管位置の四隅で交点を形成している。保管位置103には荷物104が保管されている。ロボット105は垂直レール101および水平レール102上を移動して、該当する保管位置に到達して荷物取り出しタスクを実行することができる。移動中、他のロボットまたは他の障害物と衝突し進行が阻害されることを防止するため、本願の障害物回避方法により障害を回避する。
【0050】
具体的な実現プロセスは、以下の実施例の説明を参照されたい。
【0051】
図2は本願の一実施例で提供する障害物回避方法のフローチャートである。本実施例の方法は、ラックエリアのレール上を移動するロボットに適用される。ラックエリアは、複数の登攀可能ラック(例えばラック100)を含んでいる。
図2に示すように、本実施例の方法は以下のステップを含む。
【0052】
S201:進行方向上に、ラック縁部より突き出ている疑似障害物が存在するか否かを検出する。
【0053】
図3aを参照されたい。
図3aはロボットがラック上を登攀する模式図であり、側面図で示している。ロボット300には、ラックAおよびラックBの垂直レールおよび/または水平レールに対応する走行機構301が設けられており、ロボット300がラックAとラックBとの間の空間をレールに沿って垂直または水平に移動できるようになっている。図からわかるように、ラックAとラックBとの間の空間にもし他の物体が存在し、しかもちょうどロボット300の移動方向上であれば、ロボット300が移動する過程で前進を阻害するおそれがある。したがって、ロボットの進行方向において、ラック縁部より突き出た物体を疑似障害物と称する。
【0054】
ロボットはラックエリアのレール上を移動するとき、リアルタイムで進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出する。
【0055】
具体的には、ロボットに設置されたセンサを利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出できる。ここで、センサはレーザセンサと光センサとのうちの少なくとも1つを含む。
【0056】
例えば、ロボットに設置された赤外線センサを利用して、進行方向に赤外線を発射し、反射した赤外線を受信することにより、前進方向に疑似障害物が存在するか否かを判定する。疑似障害物が存在していれば、赤外線を反射するので、赤外線センサは反射した赤外線を受信するはずである。
【0057】
例えば、光線方向をロボットに向けた光源をラックに設置し、ロボットに設置された輝度検出装置で進行方向上の輝度の状況を検出し、輝度を分析することで、前進方向上に疑似障害物が存在するか否かを判定する。疑似障害物が存在していれば、ロボットに影ができ、輝度が暗くなるはずである。
【0058】
さらに、ロボットに設置された画像収集装置を利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出してもよい。画像収集装置は、スチルカメラと、ビデオカメラと、深度カメラとのうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
もちろん、他の実行可能な検出方法を用いてもよい。
【0060】
S202:疑似障害物を検出したとき、疑似障害物と、ロボットの現在の進行方向上での到達すべき目標位置との相対位置関係を判定する。
【0061】
ロボットは進行中、策定したルートに基づいて進むことができる。サーバがルートを策定した後、策定したルートをロボットに送信することも、ロボットがタスク状況に基づいて自身でルートを策定することもありうる。
【0062】
どのような方法でルートを策定するかに関わらず、策定されたルートには必ずロボットの進行方向や、各進行方向における移動距離などの情報が含まれている。ロボットはこれらの情報に基づいて、現在の方向における到達すべき目標位置を特定することができる。例えば目標位置は、出し入れすべき荷物に対応する保管位置、レール上の進行方向を転換する位置(垂直レールと水平レールの交差箇所など)、またはレール上のいずれかの端点(垂直レールと天井レールの交差箇所でラックから離れる位置、垂直レールと通路の交差箇所でラックから離れる位置など)でありうる。
【0063】
疑似障害物を検出したとき、疑似障害物までの距離と、目標位置までの距離とを比較することにより、疑似障害物と目標位置のおおよその相対位置関係を判定することができる。例えば、疑似障害物がロボットの現在位置と目標位置との間に位置する(即ちロボットが前進を続けた場合、先に疑似障害物の所在位置に到達し、その後で目標位置に到達する)ことや、または疑似障害物が目標位置の後ろに位置する(即ちロボットが前進を続けた場合、先に目標位置に到達し、その後で疑似障害物の所在位置に到達する)ことを判定できる。
【0064】
S203:疑似障害物がロボットの現在の所在位置と目標位置との間に位置する場合、疑似障害物を障害物に決定する。
【0065】
判定の結果、疑似障害物がロボットの現在所在位置と目標位置との間に位置すると特定された場合、ロボットが前進を続けると、先に疑似障害物の所在位置に到達する。しかし、疑似障害物はラック縁部より突き出ているので、ロボットが前進するスペースを占拠しており、ロボットの前進を阻害するおそれがある。ロボットは疑似障害物を越えて目標位置に到達することができないおそれがある。したがってこの疑似障害物を障害物に決定する。
【0066】
本願において、「障害物」とはロボットの現在の進行ルート上に位置し、且つロボットの前進を確実に阻害するおそれがある物体とみなす。
【0067】
本願のラックの状況において、障害物は他のロボット、またはきちんと置かれておらずラック縁部より突き出た荷物、あるいはその他のラック構造でありうる。
【0068】
S204:進行ルートを新たに策定して、障害物を回避する。
【0069】
障害物に遭遇したと特定された場合、進行ルートを新たに策定して、障害物を回避する。
【0070】
いくつかの実施例において、目標位置までのルートを新たに策定することができる。例えば、障害物がラック縁部より突き出た荷物である場合、ロボットの進行方向を調整することにより、迂回する方法で障害物を避けることができる。または、障害物が他のロボットである場合、ロボットの進行速度を調整することにより、同一位置への到達時間をずらす方法で障害物を避けることができる。
【0071】
別のいくつかの実施例においては、新たな目標位置を決定して、新たな目標位置への進行ルートを新たに策定することにより、進行ルートを変更する方法で障害物を避けることもできる。
【0072】
具体的にどのような方法を選択して新たに進行ルートを策定するかは、さらに具体的な状況に結び付けて選択する必要がある。
【0073】
本実施例で提供する障害物回避方法は、ラックエリアのレール上を移動するためのロボットに適用される。当該方法は、進行方向上に、ラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出するステップと、疑似障害物を検出したとき、疑似障害物とロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置との相対位置関係を判定するステップと、疑似障害物がロボットの現在の所在位置と目標位置との間に位置する場合、疑似障害物を障害物に決定するステップと、進行ルートを新たに策定して、障害物を回避するステップと、を含む。本願のスキームは、ラックエリアのレール上を移動するロボットにより、対応する障害物回避方法を実行するものであり、進行方向上にラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出し、さらに疑似障害物が進行を阻害するおそれがあるか否かを判定する。阻害するおそれがある場合、障害物に決定して、当該障害物を回避するよう新たに進行ルートを策定する。これにより障害物に進行を阻害されることを回避し、同時にロボットの安全を確保する。
【0074】
ある状況において、ロボットの現在のタスクが目標位置に到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことである場合、新たな目標位置を決定するステップは、管理機器に障害物の位置情報を報告するとともに、タスクの変更を要求するステップと、管理機器から指示された新たなタスクを受信するステップと、新たなタスクに基づいて、新たなタスクに対応する新たな目標位置を決定するステップとを含む。
【0075】
ロボットの現在のタスクは目標位置に到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことであって、ロボットの現在の進行方向は目標保管位置へ向かっており、目標保管位置に到達した後、荷物の収納および/または荷物の取り出し操作を実行する。ロボットの現在位置と目標保管位置との間に障害物を検出した場合、実行可能な進行ルートを新たに策定する方法は、タスクを変更することにより新たな目標位置を決定し、新たな目標位置への進行ルートを新たに策定して、進行ルートを変更する方法で障害物を回避することである。タスク変更の具体的な方法は以下のとおりである。即ち、タスクの割当を担当する管理機器(サーバまたは他のロボット)へ障害物の位置情報を報告するとともに、タスクの変更を要求し、管理機器がロボットの要求を受信して、ロボットのために新たなタスクに変更してロボットに指示し、ロボットが新たなタスクと新たなタスクに対応する進行ルートに基づいて、新たな目標位置を決定する。
【0076】
管理機器がロボットのために変更した新たなタスクは、まだ割当されていないタスクでもよいし、他のロボットに割当済みだが、まだ実行されていないタスクでもよい。他のロボットに割当済みだが、まだ実行されていないタスクである場合、両方のタスクを交換してもよい。具体的には、管理機器がロボット付近の一定範囲内の割当済みタスクをサーチし、その中から最適な1つのタスクを特定して、当該タスクに対応する保管位置情報と進行ルート情報とをロボットに送信する。同時にロボットの目標保管位置情報を、当該タスクが以前割当されていたロボットに送信する。タスク交換を行う前提条件は、交換後の新ルートがいずれもこの障害物の影響を受けないことである。交換後の新ルートがいずれもこの障害物の影響を受けないという条件を満たすため、予め交換後のルートを策定し、当該障害物の影響を受けないことを確認してから交換してもよい。
【0077】
また、ロボットが新たなタスクを行うことで消費時間が増加することを避けるため、目標保管位置までの距離が所定範囲内である保管位置に対応するタスクを、優先的に新たなタスクとして選択してもよい。
【0078】
新たなタスクの割当により障害物を回避する方法により、障害物回避を実現して、ロボットの安全を回避する一方で、ルートの複雑さが過度に増大しない前提で搬送タスクをスムーズに実行して、ロボットの作業効率を保証することができる。
【0079】
別の状況において、ロボットの現在のタスクが目標位置に到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことである場合、新たな目標位置を決定するステップは、他のロボットであって、現在のタスクが当該他のロボットに対応する目標位置に到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことである当該他のロボットが、目標エリア内に存在するか否かを検出するステップと、目標エリア内に他のロボットが存在し、障害物が他のロボットの現在の所在位置と目標位置との間に位置しておらず、障害物がロボットの現在の所在位置と他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、ロボットと他のロボットの現在のタスクを交換し、他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するステップとを含む。
【0080】
1つ前の実施例と同様に、ロボットの現在のタスクは目標位置に到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことであって、ロボットの現在の進行方向は目標保管位置に向かっており、ロボットの現在位置と目標保管位置との間に障害物を検出し、タスクの変更の方法によって新たな目標位置を決定する。異なる点はタスクを交換する具体的な方法である。すなわち、ロボット自身が、対応する目標位置へ向かいタスクを実行している他のロボットが目標エリア内に存在するか否かを検出し、存在する場合、他のロボットに要求を送信して他のロボットの目標位置情報を取得し、さらにタスク交換後のルートを策定して、タスク交換後に2つのロボットが障害物の影響を受けるか否かを判定し、タスク交換後に2つのロボットがいずれも障害物の影響を受けない場合、2つのロボットのタスクを交換する。即ち、他のロボットに対応する目標位置を、ロボットの新たな目標位置に決定する。
【0081】
本実施例の新たな目標位置の決定方法は、1つ前の実施例と類似しており、主な違いは実行主体が異なる点である。1つ前の実施例は、管理機器により統一したタスクの割当、および/またはルートの策定、および/またはロボットの管理を行う状況に適用されるが、本実施例はロボットが自律的にタスクの交換および/またはルートの策定を行う状況に適用され、ロボットの機能に対する要求が高い。
【0082】
また、本実施例は荷物と保管位置とがバインディング関係にない状況に適用でき、荷物の取り出しタスクと取り出しタスクとの交換、荷物の収納タスクと収納タスクとの交換が可能である。荷物と保管位置がバインディング関係にないとは、各荷物またはそれが入ったコンテナに、指定された保管位置がなく、任意の保管位置に収納することができることである。
【0083】
1つ前の実施例に対応して、別の状況において、ラックエリアは複数の保管位置を含み、保管位置は一定のコンテナを保管するために用いられる(本願においては、保管位置に保管される物品をコンテナで代表して示すが、実際は荷物本体であっても、荷物が積載されたパレットなどの容器であってもよい)。即ち、各コンテナは指定された保管位置にのみ置くことができる。このような状況においては、荷物の取り出しタスクと取り出しタスクとの交換しかできない。なぜなら、収納タスクを交換すると、コンテナが対応していない保管位置に置かれることになり、ラックエリアの在庫の管理に影響するおそれがあるためである。本実施例において、ロボットの現在のタスクが目標位置に到達して荷物の取り出しを行うことである場合、新たな目標位置を決定するステップは、他のロボットであって、現在のタスクが当該他のロボットに対応する目標位置に到達して荷物の取り出しを行うことである当該他のロボットが、目標エリア内に存在するか否かを検出するステップと、目標エリア内に他のロボットが存在し、障害物が他のロボットの現在の所在位置と目標位置との間に位置しておらず、障害物がロボットの現在の所在位置と他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、ロボットと他のロボットの現在のタスクを交換し、他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するステップとを含む。
【0084】
図2に対応する実施例におけるS203に対する説明のように、本願のラックの状況において、障害物は他のロボット、またはきちんと置かれておらずラック縁部より突き出た荷物、あるいはその他のラック構造でありうる。障害物がきちんと置かれておらずラック縁部より突き出た荷物またはその他のラック構造である場合、必ずしもロボットを阻害するとは限らない。
図3bは
図3aに対応する俯瞰図である。
図3bに見られるように、ロボットの走行機構301がロボット本体とラックとの間に隙間を形成している。つまり、疑似障害物のラックから突き出た部分が隙間を通過しさえすれば、疑似障害物はロボットに対する実質的な障害にはならず、障害物になり得ない。
【0085】
疑似障害物が障害物であるか否かの判定方法は、疑似障害物がコンテナであるか否かを検出するステップと、疑似障害物がコンテナである場合、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出するステップと、ロボットが占める空間範囲と、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、コンテナがロボットの障害になるか否かを判定するステップと、コンテナがロボットの障害になる場合、コンテナを障害物に決定するステップと、を含む。
【0086】
疑似障害物の形状を検出することにより、疑似障害物がコンテナであるか否かを判定することができる。疑似障害物がコンテナである場合、ラックから突き出た部分の、ロボットの現在の進行方向上への投影の形状は、三角形、四角形、弧形などの幾何学形状でありうる。疑似障害物が他のロボットである場合、投影の形状はロボットの形状である。相対的に言って、2種類の疑似障害物は区別しやすい。
【0087】
ロボットが占める空間範囲は、ロボットの外形、ラックレールの構造、ロボットとレールのリンク方式に基づいて、予め特定できる。したがって、コンテナのラック縁部より突き出た部分が占める空間範囲の大きさを収集して、ロボットが占める空間範囲と比較しさえすれば、コンテナがロボットの障害になるか否かを判定できる。コンテナのラック縁部より突き出た部分が占める空間範囲の大きさが、ちょうどロボットとラックとが形成する隙間の範囲内にあれば、コンテナはロボットの障害にはならず、障害物ではない。そうでなければコンテナは障害物に決定される。
【0088】
ラックから突き出た物体が障害物であるか否かの判定をさらに行うことにより、疑似障害物と障害物とをより正確に区別し、障害物に対する誤判定を減少させることができる。障害とならない疑似障害物は回避しなくてよいので、回避を行う際の大量のデータ処理を実際に削減できる上、ロボットの作業効率にも影響しない。
【0089】
具体的には、上記のロボットの占める空間範囲とコンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいてコンテナがロボットの障害になるか否かを判定するステップは、ロボットが占める空間範囲に基づいて、三次元構造図を作成するステップと、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲を三次元構造図にマッチさせるステップと、ロボットがコンテナの存在する平面に移動した場合、ロボットの三次元構造とコンテナの三次元構造に重なりが存在するか否かを判定するステップとを含み、コンテナがロボットの障害になる場合、コンテナを障害物に決定するステップは、ロボットの三次元構造とコンテナの三次元構造に重なりが存在する場合、コンテナを障害物に決定するステップを含む。
【0090】
ロボットが占める空間範囲と、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とを判定する方法のひとつは、三次元モデルによる判定である。予めロボットの外形とラック構造に基づいてロボットが占める空間範囲の三次元構造図を作成する。コンテナのラックより突き出た部分の、ロボットの現在の進行方向上への投影形状に基づいて、コンテナのラック縁部より突き出た部分の三次元構造図を作成する。2つの三次元構造図をマッチングすれば、ロボットがコンテナが存在する平面まで移動したときの相対位置関係を取得できる。マッチングした図において、ロボットとコンテナ構造とに重なりが存在する可能性がある。重なりが存在すれば、実際にロボットがコンテナに阻害されることを意味している。この場合、コンテナを障害物に決定することができる。
【0091】
三次元構造図のマッチングという方法により、ロボットとコンテナの相対位置関係をより正確に判定でき、ひいてはコンテナが障害物であるか否かを決定することができる。
【0092】
いくつかの実施例において、上記実施例における、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさの検出の正確性を確保するため、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出する前に、ロボットの進行速度を低下させてもよい。減速させることには、コンテナに接近しすぎることを防止でき、コンテナが障害物に決定した後、すぐさま進行方向を調整できるという側面もある。
【0093】
適切な状況においては、さらにラックから突き出たコンテナを整理してもよい。例えば、ラック上のレールは垂直レールおよび/または水平レールを含んでいる。ロボットの現在の所在位置が垂直レール上にあり、現在の進行方向は垂直レールに沿って上に向かっており、ロボットのタスクが荷物取り出し操作の実行である場合、コンテナを障害物に決定するステップの後に、さらに、コンテナの所在する保管位置を特定するステップと、コンテナの所在する保管位置に到達した後、コンテナを取り出し、再度コンテナを置き戻すステップとを含む。
【0094】
本実施例の状況が満たすべき条件は、第一にロボットが現在荷物取り出し操作を実行できること、第二にロボットが現在の進行方向においてコンテナが存在する平面に到達する前に、コンテナに対する操作を行えることである。例えば、あるロボットの機能は、ロボット上部に位置するロボットアームを伸ばしてコンテナ底部に挿し込んで、引き出すという方式で荷物の取り出しを行うことである。当該ロボットが荷物取り出すため垂直レール上を上に進んでいるとき(このとき空車である)、その前方に位置する障害物コンテナ(本願において、障害物がラックから突き出たコンテナであると決定した場合、障害物コンテナと称する)に対して、取り出しと置き戻しを行ってコンテナの保管位置における位置を調整し、ラックから突き出ないようにすることができる。
【0095】
なお、コンテナの所在する保管位置の特定は、距離センサによりコンテナとロボットとの距離を検出し、さらにロボットの現在の高度を結び付けることで、コンテナの所在する保管位置を特定することができる。
【0096】
障害物コンテナの整理により、ロボットが阻害されることを防止でき、回避の際の大量のデータ処理を省くこともできる。同時に当該方向上の障害物が1つ減り、他のロボットにとっても障害物が1つ減るので、全体の障害回避効率が向上する。
【0097】
別の状況において、ロボットがラックから突き出たコンテナを整理することができない場合、他のロボットが整理してもよい。例えば、ロボットのタスクが荷物収納操作の実行であれば、ロボットは上記第一の条件を満たしておらず、(空車でないため)荷物取り出し操作を実行できない。したがってコンテナを障害物に決定した後、コンテナの所在する保管位置を特定し、保管位置の情報をサーバおよび/または他のロボットに同期的に伝え、他のロボットにコンテナを回避させるか、またはコンテナの状態を調整させる。
【0098】
障害物コンテナの保管位置を特定した後、保管位置情報をサーバに送信し、サーバから全てのロボットに同期的に伝えて回避させてもよいし、サーバが直接ルート策定の過程でこの障害物コンテナを回避してもよいし、あるいはサーバがいずれかのロボットを指定して、対応する保管位置へ行って障害物コンテナを整理させるようにしてもよい。
【0099】
または障害物コンテナの保管位置情報を、付近にいる整理条件を満たすいずれかのロボットに送信し、当該整理条件を満たすロボットが対応する保管位置へ行って障害物コンテナを整理してもよい。
【0100】
図2に対応する実施例におけるS203に対する説明のように、本願のラックの状況において、障害物は他のロボット、またはきちんと置かれておらずラック縁部より突き出た荷物、あるいはその他のラック構造でありうる。障害物が他のロボットである場合、ロボットの状態は絶対的に静止しているわけではない。したがって障害物ロボット(本願において、障害物が他のロボットであると決定した場合、障害物ロボットと称する)は固定された障害物ではなく、障害物ロボットの状態と結び付けて、ロボットに対する実質的な障害になるか否かをさらに判定してから、更なる回避プランを決定する必要がある。
【0101】
具体的には、上記の疑似障害物を障害物に決定するステップは、疑似障害物が他のロボットであるか否かを検出するステップと、疑似障害物が他のロボットである場合、他のロボットの移動状態と、他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置とを特定するステップと、ロボットの移動状態とロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および他のロボットの移動状態と他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、他のロボットがロボットの障害になるか否かを判定するステップと、他のロボットがロボットの障害になる場合、他のロボットを障害物に決定するステップと、を含む。
【0102】
ロボットの移動状態とロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および他のロボットの移動状態と他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、他のロボットがロボットの障害になるか否かを判定するステップは、ロボットの進行速度に基づいて、ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に達する第1のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定するステップと、他のロボットの進行速度に基づいて、他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に達する第2のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定するステップと、第1のルート情報と第2のルート情報において、同一時点に対応する位置の距離値が所定範囲内にあることが存在するか否かを判定するステップとを含み、他のロボットがロボットの障害になる場合、他のロボットを障害物に決定するステップは、第1のルート情報と第2のルートにおいて、同一時点の対応する位置の距離値が所定範囲内にある場合、他のロボットを障害物に決定するステップを含む。
【0103】
ロボットの位置は動的に変化するので、ある1時点で他のロボットの所在位置とロボットの所在位置が重なることは、2つのロボットが衝突するであろうことを意味し、つまり他のロボットがロボットの障害になるので、障害物ロボットであると決定する。重なりが発生するか否かは、2つのロボットそれぞれの移動状態を結び付けて分析する必要がある。
【0104】
例えば、2つのロボットの移動方向に基づいて判定を行う。ロボットが目標位置へ到達するため現在垂直レールに沿って上へ向かい、他のロボットが他のロボットの目標位置へ到達するため現在水平レールに沿って右へ向かっている場合、現在他のロボットがロボットの現在位置と目標位置との間に位置していても、その後の移動方向が異なるため、ルート上で重ならないことは明らかである。
【0105】
また例えば、ロボットが目標位置へ到達するため現在垂直レールに沿って上へ向かい、他のロボットが他のロボットの目標位置へ到達するため現在やはり垂直レールに沿って上へ向かっている場合は、移動方向が同じであるため、移動方向によって判定することはできない。さらに移動速度を結び付けてロボットと他のロボットの1時点ごとの対応する位置情報を判定することができ、2つのロボットのある1時点に対応する位置の距離値が所定範囲内にあれば、他のロボットがロボットの障害になることを意味している。
【0106】
ロボットは一定の空間を占有しているため、2つのロボットが衝突した場合、位置が完全に重なっているわけではなく、隣り合っている。ロボットの中心位置をロボットの所在位置とする場合、所定範囲はロボットの長さまたは高さ以下である。具体的にどの範囲に決定するかは、2つのロボットの移動方向に基づいて判断する必要がある。2つのロボットがいずれも水平レール上を進んでいる場合、水平レール上で遭遇するはずなので、所定範囲はロボットの長さ以下とするべきである。2つのロボットがいずれも垂直レール上を進んでいる場合、垂直レール上で遭遇するはずなので、所定範囲はロボットの高さ以下とするべきである。2つのロボットがそれぞれ垂直レール上と水平レール上を進んでいる場合、水平レールと垂直レールの交差箇所で遭遇するはずなので、所定範囲は、
【数1】
以下とすべきである。
【0107】
図4は本願の一実施例で提供する障害物回避装置の構造模式図である。
図4に示すように、本実施例の障害物回避装置400は、疑似障害物検出モジュール401、位置決定モジュール402、障害物判定モジュール403、ルート策定モジュール404を含む。
【0108】
疑似障害物検出モジュール401は、進行方向上にラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出するために用いられる。
【0109】
位置決定モジュール402は、疑似障害物が検出された場合、疑似障害物と、ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置との相対位置関係を判定するために用いられる。
【0110】
障害物判定モジュール403は、疑似障害物がロボットの現在の所在位置と目標位置との間に位置する場合、疑似障害物を障害物に決定するために用いられる。ルート策定モジュール404は、新たに進行ルートを策定して障害物を回避するために用いられる。
【0111】
任意選択として、ルート策定モジュール404は具体的には、ロボットの進行方向を調整することにより、現在位置から目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するために用いられる。
【0112】
任意選択として、ルート策定モジュール404は具体的には、ロボットの進行速度を調整することで、現在位置から目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するために用いられる。
【0113】
任意選択として、ルート策定モジュール404は具体的には、新たな目標位置を決定し、現在位置から新たな目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するために用いられる。
【0114】
任意選択として、ロボットの現在のタスクが目標位置へ到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことである場合、ルート策定モジュール404は新たな目標位置を決定するとき、具体的には、管理機器へ障害物の位置情報を報告するとともに、タスクの変更を要求し、管理機器から指示された新たなタスクを受信し、新たなタスクに基づいて、新たなタスクに対応する新たな目標位置を決定するために用いられる。
【0115】
任意選択として、ロボットの現在のタスクが目標位置へ到達して荷物の取り出しおよび/または荷物の収納を行うことである場合、ルート策定モジュール404は新たな目標位置を決定するとき、具体的には、目標エリア内に、他のロボットであって、現在のタスクが当該他のロボットに対応する目標位置へ到達して荷物の取り出しおよび/または収納を行うことである当該他のロボットが存在するか否かを検出し、目標エリア内に他のロボットが存在し、障害物が他のロボットの現在の所在位置と目標位置との間に位置しておらず、障害物がロボットの現在の所在位置と他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、ロボットと他のロボットの現在のタスクを交換し、他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するために用いられる。
【0116】
任意選択として、ラックエリアは複数の保管位置を含み、保管位置は一定のコンテナを保管するために用いられ、ロボットの現在のタスクが目標位置に到達して荷物を取り出すことである場合、ルート策定モジュール404は新たな目標位置を決定するとき、具体的には、目標エリア内に、他のロボットであって、現在のタスクが当該他のロボットに対応する目標位置へ到達して荷物の取り出しを行うことである当該他のロボットが存在するか否かを検出し、目標エリア内に他のロボットが存在し、障害物が他のロボットの現在の所在位置と目標位置との間に位置しておらず、障害物がロボットの現在の所在位置と他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、ロボットと他のロボットの現在のタスクを交換し、他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するために用いられる。
【0117】
任意選択として、疑似障害物検出モジュール401は、具体的には、ロボット上に設置されたセンサを利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出するために用いられ、センサはレーザセンサと光センサとのうちの少なくとも1つを含む。
【0118】
任意選択として、疑似障害物検出モジュール401は、具体的には、ロボット上に設置された画像収集装置を利用して、進行方向上に疑似障害物が存在するか否かを検出するために用いられ、画像収集装置は、スチルカメラと、ビデオカメラと、深度カメラとのうちの少なくとも1つを含む。
【0119】
任意選択として、障害物判定モジュール403は疑似障害物を障害物に決定するとき、具体的には、疑似障害物がコンテナであるか否かを検出し、疑似障害物がコンテナである場合、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出し、ロボットが占める空間範囲と、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、コンテナがロボットの障害になるか否かを判定し、コンテナがロボットの障害になる場合、コンテナを障害物に決定するために用いられる。
【0120】
任意選択として、障害物判定モジュール403は、ロボットが占める空間範囲と、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、コンテナがロボットの障害になるか否かを判定するとき、具体的には、ロボットが占める空間範囲に基づいて、三次元構造図を作成し、コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲を三次元構造図にマッチさせ、ロボットがコンテナが存在する平面まで移動したとき、ロボットの三次元構造とコンテナの三次元構造に重なりが存在するか否かを判定するために用いられ、コンテナがロボットの障害になる場合、コンテナを障害物に決定することは、ロボットの三次元構造とコンテナの三次元構造に重なりが存在する場合、コンテナを障害物に決定することを含む。
【0121】
任意選択として、障害物判定モジュール403はコンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出する前に、さらに、ロボットの進行速度を低下させるために用いられる。
【0122】
任意選択として、ロボットはラック上のレールの上を移動するために用いられ、ラック上のレールは垂直レールおよび/または水平レールを含み、ロボットの現在の所在位置が垂直レール上にあり、現在の進行方向は垂直レールに沿って上に向かっており、ロボットのタスクが荷物取り出し操作の実行である場合、コンテナを障害物に決定した後、さらに、コンテナの所在する保管位置を特定し、コンテナの所在する保管位置に到達した後、コンテナを取り出してから、コンテナを置き戻すことを含む。
【0123】
任意選択として、ロボットのタスクが荷物収納操作の実行である場合、障害物判定モジュール403はコンテナを障害物に決定した後、さらに、コンテナの所在する保管位置を特定し、保管位置の情報をサーバおよび/または他のロボットに同期的に伝えて、他のロボットにコンテナを回避させるか、またはコンテナの状態を調整させるために用いられる。
【0124】
任意選択として、障害物判定モジュール403は疑似障害物を障害物に決定するとき、具体的には、疑似障害物が他のロボットであるか否かを検出し、疑似障害物が他のロボットである場合、他のロボットの移動状態および他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置を特定し、ロボットの移動状態とロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および他のロボットの移動状態と他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、他のロボットがロボットの障害になるか否かを判定し、他のロボットがロボットの障害になる場合、他のロボットを障害物に決定するために用いられる。
【0125】
任意選択として、障害物判定モジュール403は、ロボットの移動状態とロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および他のロボットの移動状態と他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、他のロボットがロボットの障害になるか否かを判定するとき、具体的には、ロボットの進行速度に基づいて、ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置へ達する第1のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定し、他のロボットの進行速度に基づいて、他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置へ達する第2のルート情報における、1時点ごとの対応する位置情報を特定し、第1のルート情報と第2のルート情報において、同一時点に対応する位置の距離値が所定範囲内にあることが存在するか否かを判定するために用いられ、他のロボットがロボットの障害になる場合、他のロボットを障害物に決定することは、第1のルート情報と第2のルートに、同一時点に対応する位置の距離値が所定範囲内である場合が存在すれば、他のロボットを障害物に決定することを含む。
【0126】
本実施例の装置は、上記のいずれかの実施例の方法を実行するために用いることができ、その実現原理および技術的効果は類似しているため、ここでは再度説明しない。
【0127】
図5は本願の一実施例で提供する電子機器の構造模式図である。
図5に示すように、本実施例の電子機器500は、メモリ501と、プロセッサ502とを含む。
【0128】
メモリ501はプログラムコマンドを記憶するために用いられる。
【0129】
プロセッサ502は、メモリ501内のプログラムコマンドを呼び出して実行することにより、上記実施例における方法を実行するために用いられる。
【0130】
本実施例の電子機器は、一種のロボットとして提供されうる。
【0131】
本願はさらにコンピュータ可読記憶媒体を提供する。記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記実施例における方法が実現される。
【0132】
本願はさらに、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を提供する。当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記実施例における方法が実現される。
【0133】
当業者であれば、上記の各方法実施例のすべてまたは一部のステップは、プログラム指令に関わるハードウェアによって達成されうることが理解できよう。上記プログラムは、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。当該プログラムが実行されるとき、上記の各方法実施例を含むステップが実行され、前記の記憶媒体にはROM、RAM、磁気ディスク、光ディスクなど各種のプログラムコードを記憶可能な媒体が含まれる。
【0134】
最後に説明することとして、以上の各実施例は本願の技術スキームを説明するためだけに用いたもので、限定するものではない。また、前記各実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前記各実施例に記載した技術スキームはさらに変更したり、一部または全部の技術特徴に対して同等の置換をすることが可能である。ただしこれらの変更または置換は、その技術スキームの本質を本願の各実施例の技術スキームの範囲から逸脱させるものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックエリアのレール上を移動するためのロボットに適用される障害物回避方法であって、
進行方向上に、ラック縁部より突き出た疑似障害物が存在するか否かを検出するステップと、
疑似障害物を検出したとき、前記疑似障害物と、前記ロボットの現在の進行方向上での到達すべき目標位置との相対位置関係を判定するステップと、
前記疑似障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置する場合、前記疑似障害物を障害物に決定するステップと、
進行ルートを新たに策定して、障害物を回避するステップと、を含む、
障害物回避方法。
【請求項2】
進行ルートを新たに策定する前記ステップは、
新たな目標位置を決定するステップと、
現在位置から前記新たな目標位置へ向かう進行ルートを新たに策定するステップと、を含む、
請求項1に記載の障害物回避方法。
【請求項3】
前記ロボットの現在のタスクが前記目標位置へ到達して荷物の収納および/または荷物の取り出しを行うことである場合、新たな目標位置を決定する前記ステップは、
管理機器へ前記障害物の位置情報を報告するとともに、タスクの変更を要求
し、前記管理機器から指示された新たなタスクを受信
し、前記新たなタスクに基づいて、前記新たなタスクに対応する新たな目標位置を決定するステップ
、または、
目標エリア内に、他のロボットであって、現在のタスクが前記他のロボットに対応する目標位置へ到達して荷物の取り出しおよび/または収納を行うことである前記他のロボットが、存在するか否かを検出し、目標エリア内に他のロボットが存在し、前記障害物が前記他のロボットの現在の所在位置と前記目標位置との間に位置しておらず、前記障害物が前記ロボットの現在の所在位置と前記他のロボットに対応する目標位置との間に位置していない場合、前記ロボットと前記他のロボットの現在のタスクを交換し、前記他のロボットに対応する目標位置を新たな目標位置に決定するステップ、を含む、
請求項
2に記載の障害物回避方法。
【請求項4】
前記疑似障害物を障害物に決定する前記ステップは、
前記疑似障害物がコンテナであるか否かを検出するステップと、
前記疑似障害物がコンテナである場合、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲の大きさを検出するステップと、
前記ロボットが占める空間範囲と、前記コンテナのラック縁部より突き出た空間範囲とに基づいて、前記コンテナが前記ロボットの障害になるか否かを判定するステップと、
前記コンテナが前記ロボットの障害になる場合、前記コンテナを障害物に決定するステップと、を含む、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の障害物回避方法。
【請求項5】
前記ロボットはラック上のレールの上を移動するために用いられ、前記ラック上のレールは垂直レールおよび/または水平レールを含み
、
前記ロボットの現在の所在位置が垂直レール上にあり、現在の進行方向は垂直レールに沿って上に向かっており、前記ロボットのタスクが荷物取り出し操作の実行である場合、前記コンテナを障害物に決定する前記ステップの後に、さらに、
前記コンテナの所在する保管位置を特定するステップと、
前記コンテナの所在する保管位置に到達した後、前記コンテナを取り出してから、前記コンテナを置き戻すステップと、を含む、
請求項
4に記載の障害物回避方法。
【請求項6】
前記ロボットのタスクが荷物収納操作の実行である場合、前記コンテナを障害物に決定する前記ステップの後に、さらに、
前記コンテナの所在する保管位置を特定するステップと、
前記保管位置の情報をサーバおよび/または他のロボットに同期的に伝えて、他のロボットに前記コンテナを回避させるか、または前記コンテナの状態を調整させるステップと、を含む、
請求項
4に記載の障害物回避方法。
【請求項7】
前記疑似障害物を障害物に決定する前記ステップは、
前記疑似障害物が他のロボットであるか否かを検出するステップと、
前記疑似障害物が他のロボットである場合、前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置を特定するステップと、
前記ロボットの移動状態と前記ロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置、および前記他のロボットの移動状態と前記他のロボットの現在の進行方向上の到達すべき目標位置に基づいて、前記他のロボットが前記ロボットの障害になるか否かを判定するステップと、
前記他のロボットが前記ロボットの障害になる場合、前記他のロボットを障害物に決定するステップと、を含む、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の障害物回避方法。
【請求項8】
プログラムコマンドを記憶するためのメモリと、
前記メモリ内のプログラムコマンドを呼び出して実行することにより、請求項1~
3のいずれか一項に記載の障害物回避方法を実行するために用いられるプロセッサと、を含む、
電子機器。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~
3のいずれか一項に記載の障害物回避方法が実現される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~
3のいずれか一項に記載の障害物回避方法が実現される、コンピュータプログラム製品。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
本願はインテリジェント制御技術に関し、特に障害物回避方法、電子機器、コンピュータ可読記憶媒体およびコンピュータプログラム製品に関する。
【国際調査報告】