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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ドッキング構造体
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/64 20060101AFI20240709BHJP
   B64G 1/10 20060101ALI20240709BHJP
   B64G 1/68 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B64G1/64 600
B64G1/10 500
B64G1/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579453
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 GB2022051779
(87)【国際公開番号】W WO2023281282
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】2109914.8
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523481975
【氏名又は名称】アストロスケール リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エインリー, ショーン
(72)【発明者】
【氏名】リネハン, ローズマリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェントルズ, デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ヤル, ニール
(72)【発明者】
【氏名】フセイン, ゲディズ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ, イジュン
(57)【要約】
衛星用のドッキング構造体(1)は、磁気プレート(2)と、磁気プレートを取り付けて拘束するハウジング(4)とを備えている。磁気プレートは、外面および内面を含む。前記磁気プレートは軟磁性体を含む。ハウジングは、磁気プレートの周辺の少なくとも一部に延在し、磁気プレートの外面の少なくとも一部の上、および磁気プレートの内面の少なくとも一部の上に延在して、磁気プレートを取り付けかつ拘束する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星用のドッキング構造体であって、
磁気プレートと、
前記磁気プレートを装着し拘束するためのハウジングとを備え、
前記磁気プレートは、外面と内面を含み、
前記磁気プレートが軟磁性体を含み、
前記ハウジングが、前記磁気プレートの周囲の少なくとも一部の周りに延び、前記磁気プレートの外面の少なくとも一部の上に延び、かつ前記磁気プレートの内面の少なくとも一部の上に延びて、
前記磁気プレートを取り付けて拘束することを特徴とするドッキング構造体。
【請求項2】
前記磁気プレートは、磁気プレートの周辺の少なくとも一部の周りに、ステップを備える、請求項1に記載のドッキング構造体。
【請求項3】
前記磁気プレートは、磁気プレートの周辺の少なくとも一部の周りに、リップを備える、請求項1又は2に記載のドッキング構造体。
【請求項4】
前記磁気プレートは、ステップと、前記磁気プレートの周囲の少なくとも一部の周りのリップとを備え、前記リップは、前記ステップから前記磁気プレートの周囲に向かって延在する、請求項1に記載のドッキング構造体。
【請求項5】
前記磁気プレートが非永久磁性材料を含む、請求項1乃至4の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項6】
前記ハウジングは、開口を含み、前記磁気プレートの外面が、ハウジングの前記開口に装着される、請求項1乃至5の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項7】
前記ハウジングは、磁気プレートを保持するように配置された外側リムと、磁気プレートの内面に隣接するベースプレートとを備える、請求項1乃至6の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項8】
前記外側リムが、ハウジングの周辺から内側に突出する、請求項7に記載のドッキング構造体。
【請求項9】
前記ハウジングが、ベースプレートを外側リムに接続するための1つ以上の締結具を備える、請求項7又は8に記載のドッキング構造体。
【請求項10】
前記ハウジングは、磁気プレートの周辺の少なくとも一部を受入れる溝を備える、請求項1乃至9の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記ハウジングのベースプレートと前記外側リムとの間に形成される溝を備え、前記溝は、前記磁気プレートの周囲の少なくとも一部を受け入れる、請求項1乃至9の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項12】
前記ドッキング構造体は、磁気プレートをハウジングに接続する1つ以上の締結具を備える、請求項1乃至11の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項13】
前記磁気プレートの内面が、ハウジングのベースプレートに接している、請求項1乃至12の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項14】
前記ハウジングのベースプレートは、磁気プレートの内面に接触する1つ以上の突起を備える、請求項13に記載のドッキング構造体。
【請求項15】
1つ以上の突起が、1つ以上の隆起を含む、請求項14に記載のドッキング構造体。
【請求項16】
1つ以上の隆起は、1つ以上の同心の隆起を含む、請求項15に記載のドッキング構造体。
【請求項17】
前記ドッキング構造体は、ハウジングの少なくとも一部と磁気プレートとの間に弾性材料体を備える、請求項1乃至16の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項18】
前記ハウジングのベースプレートは、磁気プレートの内面に接触する1つ以上の突起を含み、弾性材料体は、1つ以上の突起の間に配置される、請求項17に記載のドッキング構造体。
【請求項19】
前記ドッキング構造体は、ドッキング構造体を衛星に取り付けるために、ハウジングに接続された取付け部材を備える、請求項1乃至18の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項20】
前記ドッキング構造体は、1つ以上の基準マーカを含む、請求項1乃至19の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項21】
前記ドッキング構造体は、複数の基準マーカを含み、複数の基準マーカは、複数の異なる形状及び/又はサイズである、請求項20に記載のドッキング構造体。
【請求項22】
前記基準マーカの1つが、他の基準マーカを実質的に取り囲む、請求項21に記載のドッキング構造体。
【請求項23】
前記磁気プレートは、同軸上に配置された複数の基準マーカと、複数の円形基準マーカとを備える、請求項21又は22に記載のドッキング構造体。
【請求項24】
1つまたは複数の基準マーカがパターンを含み、及び/又は1つまたは複数の基準マーカが反射型である、請求項20乃至23の何れかに記載のドッキング構造体。
【請求項25】
遠隔した宇宙船によって検出されるための複数の基準マーカを備える衛星用の磁気プレートであって、該複数の基準マーカは、
遠隔した宇宙船から入射する光を反映するための1つ以上の反射型の基準マーカと、
遠隔した宇宙船に対する磁気プレートの方向及び/又は位置を決定するための幾何学形状及び/又はパターンを有する1つ以上の基準マーカとを備え、
ここで、1つ以上の反射型の基準マーカは、遠隔した宇宙船と磁気プレート間の距離から、遠隔した宇宙船によって検出されるように構成されており、該距離は他の基準マーカの幾何学形状及び/又はパターンが検出されるように構成された遠隔した宇宙船と磁気プレート間の距離よりも長いことを特徴とする磁気プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星のドッキング構造体、特に衛星に取り付けるためのドッキング構造体に関し、宇宙で衛星を別の宇宙船によって捕捉することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
何千もの人工衛星やその他の物体が地球の上空を周回している。これらの物体がもはや有用な機能、例えば、運用上の耐用年数が終わった時点で役に立たなくなると、それらは「宇宙ゴミ」になり、他の(例えば運用中の)衛星に問題を引き起こす可能性がある。不要な衛星や物体がその運用軌道から離脱すると、これらの構造体が他の衛星や物体に損害を与える可能性が大きくなる。この状況は、地球の上空を周回する衛星や物体の数が増えるにつれて、より深刻になってきている。
【0003】
米国特許公開公報 第2019/0241286号は、回収されるべき衛星または物体に取り付けられるロボット捕捉インターフェースを開示している。インターフェースは、別の宇宙船上の相補装置によって捕捉され、これによって衛星または物体を操作することができ、例えば、軌道から取り除いたり、別の軌道に再配置したり、サービスを受けることができるようになる。捕捉インターフェースは、磁化されたプレートを含み、これは接着剤とファスナの複合したシステムを使用して適所に保持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、衛星用の改良されたドッキング構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様から見ると、本発明は、衛星のドッキング構造体を提供し、該ドッキング構造体は、
磁気プレートと、
磁気プレートを取り付け、拘束するためのハウジングとを備え、
磁気プレートは、外面と内面を備え、
前記磁気プレートが軟磁性体を含み、
前記ハウジングが、前記磁気プレートの周囲の少なくとも一部の周りに延び、前記磁気プレートの外面の少なくとも一部の上に延び、かつ前記磁気プレートを取り付けて拘束するために前記磁気プレートの内面の少なくとも一部の上に延在する。
【0006】
本発明は、衛星のための(例えば、衛星に取り付けるための)ドッキング構造体、すなわち衛星を別の宇宙船によって(ドッキング構造体を介して)捕捉することを可能にするドッキング構造体を提供する。ドッキング構造体は、外面および内面を有する磁気プレートと、周縁部(例えば、外面および内面の間に延びる)とを含む。磁気プレートは、軟磁性(すなわち非永久)材料から作られる。
【0007】
ドッキング構造体のハウジングは、ドッキング構造体内に磁気プレートを取り付けて拘束するために使用される。ハウジングは、外面の少なくとも一部、外周の少なくとも一部、および磁気プレートの内面の少なくとも一部の周り(例えば、囲い)に延びている。
【0008】
磁気プレートを機械的な方法で取り付けて拘束するハウジングを設けることによって、内側面及び外側面、並びに周囲の少なくとも一部の周りに延在するハウジングの幾何学的形状により、ハウジング及び磁気プレートのための最適な材料を選択することができることが理解されよう。例えば、ハウジングは、構造に強度を与えるために、軽量かつ剛性の材料から製造されてもよく、磁気プレートは、磁気的に軟質な適切な材料から製造されてもよい。
【0009】
これは、ハウジングの構造的な機能が磁気プレートの磁気的な引力機能から切り離されるので、ドッキング構造体の主たる機械的な堅牢性と耐久性に役立つ。ハウジングの幾何学的形状による磁気プレートの取り付け及び拘束によって、ドッキング構造体上に磁気プレートを保持する任意の接着剤の使用を回避することもできる。更に、磁気プレート及びハウジングの配置は、例えば、接着剤を介してドッキング構造体の残りの部分に取り付けられた磁気プレートと比較して、ドッキング構造体の異なる構成要素に及ぼす、宇宙では極端であり得る熱サイクルの影響を低減するのに役立つ。
【0010】
ドッキング構造体の磁気プレートは、外面及び内面、並びに周辺を有する。好ましくは、外面は、ドッキング構造体が取り付けられる(配置される)衛星とは反対を向くように配置される。好ましくは、内面は、ドッキング構造体が取り付けられる(配置される)衛星の方を向くように配置される。好ましくは、周辺は、外面と内面との間の境界を形成し、例えば、外面と内面との間に延在する。
【0011】
磁気プレートは、任意の適切且つ望ましい幾何学的形状を有することができる。好ましくは、外面は、磁気プレートの厚さ(例えば、外面及び/又は内面に直交する方向)よりも(例えば、可成り)大きな最大寸法(例えば、幅または直径)を有する。
好ましくは、内面は、磁気プレートの厚さ(例えば、外面及び/又は内面に直交する方向)より(例えば、可成り)大きな最大寸法(例えば、幅または直径)を有する。好ましくは、外面は、内面の最大寸法(例えば、幅または直径)と実質的に同じ最大寸法(例えば、幅または直径)を有する。
【0012】
磁気プレートは、例えば、取り付けられる衛星のサイズや質量に合わせて、必要に応じて、適切かつ所望の寸法を有することができる。一実施形態では、磁気プレートは、0.1mmから5mm、例えば0.2mmから2mm、例えば0.3mmから1mm、例えば約0.5mmの間の厚さ(外面と内面との間の寸法)を有する。一実施形態において、磁気プレートは、50mmから500mm、例えば、100mmから250mm、例えば、約150mmの最大寸法(例えば、直径)を有する。
【0013】
好ましい一組の実施形態において、磁気プレートは、例えば、磁気プレートの表面積の大部分にわたって、実質的に平らである(例えば、実質的に平面である)。好ましくは、外面及び/又は内面は、実質的に平面、例えば、実質的に平面である。好ましくは、外面と内面は互いに実質的に平行である。
【0014】
磁気プレート(例えば、内面及び外面)は、任意の適切かつ望ましい形状を有することができる。好ましくは、外面の形状は、内面の形状と実質的に同一である。好ましくは、磁気プレート(例えば、外面及び/又は内面)は、実質的に円形である。好ましくは、磁気プレート(例えば、磁気プレートの外面及び/又は内面)は、磁気プレートの周囲に1つ又は複数の(例えば、湾曲した、例えば波形の、例えば半円形の)くぼみを有する。磁気プレートの全体的な円形は、ドッキング構造体を様々な種類の捕捉機構とより適合させるのに役立ち、くぼみは、ドッキング構造体内に磁気プレートを配置し、保持するのに役立つ。
【0015】
一組の実施形態では、磁気プレートは、磁気プレートの周囲の少なくとも一部の周りにステップを含む。磁気プレートにステップを設けることは、ハウジング内の磁気プレートの位置を特定し、保持するのを助けることができる。好ましくは、ステップは、磁気プレートの周辺に近接し、磁気プレートの中心部から離れる方向に(例えば、磁気プレートの中心部に垂直な方向に)延びる、磁気プレートの外面の少なくとも一部を含む。(ドッキング構造体が取り付けられている(配置されている)衛星に向かって)。
【0016】
従って、好ましくは、磁気プレートの周辺に近接した磁気プレートの外面の少なくとも一部は、磁気プレートの中央部から外向きに、例えば、磁気プレートの中央部に垂直な方向を向く。同様に、好ましくは、磁気プレートの内面の少なくとも一部は、磁気プレートの周辺に近接して、磁気プレートの中央部に向かって内側を向いており、例えば、磁気プレートの中央部に垂直な方向を向いている。
【0017】
一組の実施形態では、磁気プレートは、磁気プレートの周囲の少なくとも一部の周囲にリップを含む。磁気プレートにリップを設けることは、例えば、ステップの代わりに、またはそれに加えて、磁気プレートをハウジング内に配置し、保持するのに役立つ。好ましくは、リップは、磁気プレートの周囲の近位に、(例えば、磁気プレートの中央部分に平行な方向に)磁気プレートの中央部分から離れて(例えば、半径方向外方に)延在する、磁気プレートの少なくとも一部を備える。好ましくは、磁気プレートのリップは、磁気プレートのステップの外側に(例えば半径方向に)ある。
【0018】
従って、好適な一組の実施形態においては、磁気プレートは、(例えば、Z字型の)ステップと、磁気プレートの周辺の少なくとも一部の周りのリップとを含む。好ましくは、リップは、ステップから磁気プレートの周囲に向かって(例えば、磁気プレートのステップに垂直な方向に)延在する。好ましくは、前記ステップが、前記磁気プレートの中央部と前記磁気プレートのリップとの間に(例えば前記磁気プレートの中央部に垂直な方向に)延在する。
【0019】
好ましくは、ステップ及び/又はリップの表面積は、磁気プレートの(外面及び/又は内面の)中央部の表面積よりも(例えば、可成り)小さい。
【0020】
前記磁気プレートは、軟磁性体から(例えば、軟磁性体から作られた)なる。好ましくは、磁気プレートは、強磁性材料を含むか、または強磁性材料からなる。好ましくは、磁気プレートは、非永久磁性材料を含んでいるか、または非永久磁性材料から構成されている。好ましくは、磁気プレートは、低い(例えば、実質的にゼロ)残留した磁気双極子を有し、例えば、磁気プレートは、磁場それ自体を生成しないが、磁場によって引き付けられることが可能である。
【0021】
磁気プレートのこれらの磁気特性は、別の宇宙船によって磁気プレートを(少なくとも部分的に磁気的に)捕捉することを可能にするのに役立つ。しかし、磁気プレートが、ドッキング構造体が取り付けられる(配置される)衛星のナビゲーションシステムと干渉するのを防止するのに役立つ。
【0022】
一実施形態では、磁気プレートは、鉄、例えば鉄合金、例えば鋼、例えば、ヒペルコ(RTM)50、VACOFLUX(RTM)50、またはパーメンデュール49などからなり、または構成される。
【0023】
ドッキング構造体のハウジングは、磁気プレートを取り付けて拘束するように配置される。磁気プレートの外面及び内面の少なくとも部分の周辺に延びるハウジングは、別の宇宙船の捕捉機構によって捕捉される(例えば、接触する)(ドッキング構造体の部分またはその一部)ように配置されることが望ましい。
【0024】
ハウジングは、任意の適切かつ望ましい形状を有することができる。好ましい実施形態では、ハウジングは、円形の周辺、例えば、磁気プレートの周辺を取り囲む。ハウジングのこの外側の円形の形状は、ドッキング構造体を異なるタイプの捕捉機構と適合させるのに役立ち、くぼみは、ドッキング構造体内のハウジングの位置を特定し、保持するのに役立つ。
【0025】
好ましくは、ハウジングは、磁気プレートの形状と相補的な形状を有して、磁気プレートを取り付け、保持する。好ましくは、ハウジングは開口を備え、磁気プレートの外面(例えば、中央部)は、ハウジングの開口内に取り付けられる。これにより、開口を介して(例えば、磁気プレートの外面)磁気プレートにアクセスすることができ(例えば、捕捉機構によって)、例えば、磁気的な吸引を容易にする。
【0026】
好ましくは、ハウジングは、磁気プレートを保持するように、例えば、磁気プレートが磁気プレートの外面に平行及び/又は垂直な方向に移動するのを実質的に防止するように配置された外側リム(例えば、開口を画定する)を備える。好ましくは、外側リムは、ハウジングの周囲から、例えば、磁気プレートの外面の中央部に向かって、例えば、磁気プレートの外面に平行な方向に内側に突出する。
【0027】
好ましくは、例えば、ハウジングの(外側リムの)は、1つ以上(例えば、湾曲した、例えば、半円形の形状の)突起を備え、この突起は、例えば、磁気プレートが、磁気プレートの周辺に1つ以上(例えば湾曲した、例えば波形の、例えば半円形の形状の)くぼみを有するときに、磁気プレートを保持するように配置される。好ましくは、1つ以上の突起は、磁気プレートの周辺における1つ以上の(例えば湾曲した、例えば波形の、例えば、半円形の)(例えば、位置合わせされた)くぼみに対応する。好ましくは、1つ以上の突起は、ハウジングの周辺から、例えば、磁気プレートの外面の中央部に向けて、例えば、磁気プレートの外面に平行な方向に、内向きに延びる。
【0028】
これらの実施形態では、ハウジングの幾何学的形状は、磁気プレートの露出した表面積を増大に(例えば、最大化)するのに役立ち、これは、ドッキング構造体の捕捉を改善するのに役立つ。
【0029】
ハウジングは、取り付けられる衛星のサイズや質量に合わせて、必要に応じて、適切かつ所望の任意の寸法を有することができる。好ましくは、ハウジングの最大寸法(例えば、直径)は、例えば、磁気プレートの周囲に延在するハウジング(例えば、外側リム)に起因して、磁気プレートの最大寸法(例えば、直径)と実質的に同じである。
【0030】
従って、一実施形態では、ハウジング(例えば、外側のリム)は、50mmから500mmの間、例えば、100mmから250mmの間、例えば、約150mmの間の最大寸法(例えば、直径)を有する。好ましくは、ハウジングの(ベースプレートまたは結合されたベースプレートおよび外側リム)は、5mmから50mmの間、例えば10mmから30mmの間、例えば15mmから25mmの間、例えば約20mmの間の、(磁気プレートの面に直交した寸法)厚さを有する。
【0031】
したがって、少なくとも好ましい実施形態では、ハウジングは、磁気プレートの厚さよりも厚い厚さを有する。幾つかの実施形態では、ハウジング(及び例えば、磁気プレート)は、実質的に(例えば、低い)円形である全体の形状を有する。
【0032】
ハウジングは、任意の適切な所望の方法で磁気プレートを取り付けることができる。一実施形態では、ハウジングは、磁気プレートの内面に隣接するベースプレートを含み、例えばベースプレートの上に磁気プレートが取り付けられている。
好ましくは、ハウジングのベースプレートは、磁気プレート(例えば、磁気プレートの内面)と実質的に平行である。好ましくは、ベースプレートは、磁気プレートの内面上(例えば、実質的に全て)に延びる。好ましくは、ベースプレートは、磁気プレートの内面よりも大きいか同じ大きさの領域上に延びる。
【0033】
ハウジングは、任意の適切かつ望ましい方法で、磁気プレートを拘束することができる。一実施形態では、ハウジングは、磁気プレートの周囲の少なくとも一部を受け入れる溝を含む。溝は、磁気プレートの位置決めおよび保持を助け、従って、ハウジング内の磁気プレートの取り付け及び拘束を助け、磁気プレートを保持するために任意の接着剤を使用する必要性を打ち消すことができる。この溝は、環状の溝を含むことが好ましい。
【0034】
好ましくは、溝は、ハウジングの周辺の内向きの表面の周りに(例えば、円周方向に)延在する。好ましくは、溝は、例えば磁気プレートの中心に近いところ(溝の開口の中心)から、磁気プレートの中心部から離れる(溝の基部)ように、磁気プレート(例えば、磁気プレートの外面及び/又は内面)に平行な(例えば、半径方向)に少なくとも部分的に延びる深さ(例えば、溝がハウジングの周りに(円周状に)延びる方向に直交した方向に延びる溝の寸法)を有する。
好ましくは、溝は、例えば(溝の開口において)外面から(溝の基部において)内面に向かって磁気プレートの(例えば外面及び/又は内面に)垂直な方向(例えば軸方向に)少なくとも部分的に延びる深さを有する。
【0035】
好ましくは、溝は、30度から60度の間の角度、例えば40度から50度の間、例えば、磁気プレートの中心に近い外面(溝の開口)から、磁気プレートの中心から更に遠く離れた内面(溝の基部)に向かって、約45度の(例えば、外面及び/又は内面)に延びる深さを有する。
【0036】
一実施形態では、溝は、ハウジングの外側リムに形成される。好ましくは、前記溝は、前記ハウジングの前記ベースプレートと前記外側リムとの間に形成される。好ましくは、前記ハウジングの前記ベースプレートと前記外側リムとが重なり合って溝を形成する。
【0037】
好ましい実施形態では、ハウジングのベースプレートと外側リムは、一緒に取り付けられてハウジングを形成する別個の部品として形成される。この実施形態において、これらの別個の部品(ハウジングのベースプレート及び外側リム)の形状は、ベースプレート及び外側リムが一緒に取り付けられてハウジングを形成する際に、ベースプレート及び外側リムの間に溝が形成されるような形状であることが好ましい。従って、好ましくは、ハウジングのベースプレートは、溝の少なくとも一部を含み、及び/又はハウジングの外側リムは、溝の少なくとも一部を含む。
【0038】
一実施形態では、磁気プレートは、(例えば、ベースプレートの)ハウジングに固定される。好ましくは、ドッキング構造体は、磁気プレートを(例えば、ベースプレートの)ハウジングに接続する1つまたは複数の締結具(例えば、ボルトまたはねじ)を備える。好ましくは、(例えば、中心部の)磁気プレートは開口を備え、締結具が、開口を通って磁気プレートをハウジング(例えば、ベースプレート)に連結するように延びる。締結具は、例えば溝とともに、磁気プレートを拘束するように作用する。
【0039】
一実施形態では、磁気プレート(例えば、内面)は、(例えば、ベースプレートの)ハウジングに接触(例えば、載置)している。内面の全体は、ハウジングに接触することができるが、好ましくは、(例えば、ベースプレートの)ハウジングは、磁気プレート(例えば、内面)に接触する1つ以上の突起を含む。
【0040】
1つまたは複数の突起は、任意の適切な所望の形状をとることができる。好ましくは1つ以上の突起は、1つ以上の隆起を含む。好ましくは、隆起は、(例えば、ベースプレートの)ハウジングから磁気プレート(例えば、内面)に垂直な方向に突出する。好ましくは、1つ以上の隆起は、磁気プレート(例えば、内面)と平行な方向に、ハウジング(例えば、ベースプレート)上に延びる。1つ又は複数の隆起は、1つまたは複数(例えば、複数)の同心の隆起であり、例えば、ハウジングの中心(例えば、ベースプレート)と同心である(従って、好ましくは、磁気プレートの中心と同心である)、及び/又は(ハウジングが複数の同心の隆起を含む場合には)互いに同心である。
【0041】
ハウジングのベースプレート及び外側リムは、任意の適切で望ましい方法で一緒に取り付けられて(例えば、接続されて)、ハウジングを形成することができる。一実施形態では、ハウジングは、ベースプレートを外側リムに接続するための1つまたは複数の締結具(例えば、ねじまたはボルト)を備える。1つまたは複数の締結具は、ハウジングの周囲に配置されることが好ましい。
【0042】
好ましくは、ベースプレートと外側リムとの接続は、ベースプレートと外側リムとの間に磁気プレート(例えば溝内)を挟み込む(例えばクランプ)するように作用する。従って、好ましくは、ベースプレートとハウジングの外側リムとの間の(例えば主たる)接続、ひいては磁気プレートを取り付けかつ拘束する方法は、接着剤を使用しない。
【0043】
ハウジングは、任意の適切且つ好ましい材料から作られてもよい(例えば、構成されても成ってもよい)。一実施形態では、ハウジングは、例えば鉄合金、例えば鋼、例えばステンレス鋼、例えばグレード410ステンレス鋼、例えば410S21ステンレス鋼を含むか又はそれらから成る。好ましくは、ハウジングは、アルミニウム、例えばアルミニウム合金、例えば7075アルミニウム合金、例えば7075-T6アルミニウム合金からなる。アルミニウム(及びアルミニウムの合金)は、軽量かつ剛性があるので、構造体の支持要素に、重量効率の良い方法で構造強度を提供するのによく適している。
【0044】
一実施形態では、ドッキング構造体は、ハウジングの少なくとも一部と磁気プレートとの間に弾性(例えば、柔軟、例えば、変形可能、例えば圧縮可能)がある材料体を含む。これにより、磁気プレートとハウジングの間の許容誤差をある程度許容し、例えば、磁気プレートとハウジングが異なる材質であることによる熱膨張の差を許容し、及び/又は、打ち上げ時に磁気プレートにある程度のクッションを提供するために役立つ。一実施形態では、弾性がある材料体は、ベースプレートと磁気プレートとの間にある。一実施形態では、弾性がある材料体は、外側リムと磁気プレートとの間にある。一実施形態では、弾性がある材料体は、磁気プレートと(例えば、外側リム及び/又はハウジングのベースプレート)との間の溝内にある。
【0045】
弾性がある材料体は、例えば、磁気プレートが(例えばハウジングの外側リム及び/又はベースプレートに)接触することなく、磁気プレートをハウジング内に吊り下げるために使用することができる。
しかしながら、一実施形態(例えば、上述したように)では、少なくともハウジングの一部と磁気プレートとの間に弾性がある材料を含むドッキング構造体に加えて、磁気プレートの一部が、ハウジングの一部(例えば、外側リム及び/又はベースプレート)と接触している。
【0046】
弾性がある材料体は、任意の適切かつ望ましい形態で提供することができる。一実施形態では、弾性がある材料体は、例えば、磁気プレートと(例えば、外側リム及び/又はベースプレート)ハウジングとの間の溝内に、例えば、外側リムと磁気プレートとの間、例えば、ハウジングの(例えば、ベースプレート)間の1つ又は複数のOリングを含む。
【0047】
一実施形態では、弾力がある材料体は、例えば、ハウジング(例えば、ベースプレート)と磁気プレートとの間に、1つ以上のパッドまたは(例えば、環状の)リングを含む。(例えば、ベースプレートの)ハウジングが、磁気プレートに接触する1つ以上の突起を備える場合、好ましくは、弾性がある材料体は、1つ以上の突起の間に、例えば、1つ以上の突起の間に画定された凹部内に配置される。1つ以上の突起が1つ以上の同心の隆起を含む実施形態では、弾性がある材料体は、1つ以上の(例えば、複数の)同心の隆起の間に配置された1つ以上の環状パッドを含むことが望ましい。
【0048】
弾性がある材料体は、任意の適切で望ましい材料から作ることができる(例えば、構成することも、成ることも)。一実施形態では、弾性がある材料体は、シリコンゴム、例えば宇宙グレードのシリコン(宇宙環境に適している)を含んでいるか、またはこれから構成される。
【0049】
ドッキング構造体は、任意の適切かつ望ましい方法で、衛星に取り付ける(または衛星の一部として形成される)ように配置することができる。一実施形態では、ドッキング構造体は、衛星の(例えば一体の)部分として形成される。しかしながら、好ましくは、ドッキング構造体は、(例えば、別々として形成された)別々の構造であり、その後、衛星に取り付けられる。
【0050】
一実施形態では、ドッキング構造体のハウジングは、ドッキング構造体を衛星に取り付けるために使用されてもよく、例えば、ハウジングは、衛星に直接取り付けるように配置されてもよい。これらの実施形態では、ドッキング構造体は、衛星の表面と同一平面上に取り付けられてもよい(例えば、埋め込まれてもよい)。ドッキング構造体は、磁気プレートが衛星の表面と同一平面になるように取り付けられてもよい。
【0051】
一実施形態では、ドッキング構造体は、ドッキング構造体を衛星に取り付けるための、ハウジングに接続された取付け部材を備える。好ましくは、取付け部材は、磁気プレートの内面に隣接するハウジングの一部に取り付けられ、このハウジングの一部から離れるように延在する。従って、ハウジングは、磁気プレートの取り付け及び拘束と同様に、ドッキング構造体を衛星に取り付けるための取付け部材を取り付ける役割を果たしてもよい。
【0052】
取付け部材は、任意の適切かつ望ましい形態をとることができる。一実施形態では、取付け部材は、ドッキング構造体を衛星に取り付けるために、ハウジングから延びる1つまたは複数の(好ましくは、複数の、例えば、6つの)支柱を備える。好ましくは、複数の支柱は、複数の(例えば3つの)取付け点を介してハウジングに接続する。好ましくは、2つ以上の(例えば、一対の)支柱が、各取付け点において、ハウジングに接続される。
【0053】
好ましくは、取付け部材は、ドッキング構造体を衛星に取り付けるための複数の(例えば3つの)取付け点を含む。好ましくは、2つ以上の(例えば、一対の)支柱が、ドッキング構造体を衛星に取り付けるために各取付け点で接続する。
【0054】
好ましい実施形態では、複数の支柱は、ハウジング上の取付け点と、ドッキング構造体を衛星に取り付けるための取付け点との間にて延在する。好ましくは、複数の支柱は、ジグザグ構成でこれらの取付け点の間にて延在し、例えば、一対の支柱は、ドッキング構造体を衛星に取り付けるために、ハウジング上の共通の取付け点から異なる取付け点まで延びており、及び/又は一対の支柱は、ドッキング構造体を衛星に取り付けるために、共通の取付け点からハウジング上の異なる取付け点まで延びている。
このような構成は、構造的に堅牢であり、例えばドッキング構造体の捕捉中に衛星に伝達され得る力のバランスをとるのに役立つことが分かっている。
【0055】
取付け部材(例えば支柱)は、任意の適切かつ望ましい寸法を有していてもよい。一実施形態では、取付け部材は、5mm‐250mm、例えば50mm‐200mm、例えば120mm‐180mm、例えば約140mm又は160mmの間の距離(例えば、取付け部材は、取付け部材がハウジングに取り付けられる位置から衛星に取り付けられる取付け点までの寸法を有する)にて、ハウジング及び/又は磁気プレートを衛星から間隔を空けるように配置される。この距離は、例えば、支柱の長さに対応することができる。
【0056】
一実施形態では、ドッキング構造体は、ハウジングに接続された取付け部材を備えない。その代わりに、(例えば、ハウジングの)ドッキング構造体は、衛星の表面に直接接続される(例えば、内部に凹む)ように配置されてもよい。例えば、ドッキング構造体(例えば、ドッキング構造体のハウジング)は、ハウジングを衛星に連結するための1つ以上の固定部材(例えば、ボルト又はねじ)を含むことができる。
【0057】
一実施形態では、ドッキング構造体(例えば、ハウジング及び/又は磁気プレート)は、1つ以上の基準マーカを含む。基準マーカは、ドッキング構造体を識別し、捕捉する衛星によって位置を特定するのを助け、捕捉する衛星がドッキング構造体に対して該衛星自身を方向付けるのを助ける。好ましくは、基準マーカは、磁気プレートの外面上及び/又はハウジングの周囲(例えば、外側リム)上に配置される。
【0058】
基準マーカは、適切かつ望ましい方法で配置することができる。一実施形態では、ドッキング構造体は、複数の基準マーカを含み、複数の基準マーカは、複数の異なる形状及び/又はサイズであり、例えば、複数の異なる最大寸法を有する。異なる形状及び/又はサイズの基準マーカを提供することは、ドッキング構造体が識別され、ドッキング構造体から離れた複数の異なる距離(例えば、範囲)に配置されることを助ける。
【0059】
一実施形態では、基準マーカのうちの1つ(複数の基準マーカのうち)は、他の基準マーカを実質的に取り囲んでおり、例えば、2つ以上の基準マーカは、互いに入れ子になっている。2つ以上の基準マーカ(複数の基準マーカのうち)は、互いに同心に配置されることが望ましい(すなわち、共通の中心点を共有する)。好ましくは、複数の基準マーカのうちの1つ以上(例えば、互いを囲む、例えば、同軸上に)は、(例えば、正)多角形、例えば、正方形を含む。好ましくは、複数の基準マーカのうちの1つ以上が円を含む。
【0060】
好ましい実施形態では、磁気プレートは、2つの(またはそれ以上の)矩形と同心に配置された基準マーカと、2つの(又はそれ以上、例えば、3つまたは4つの)円形の基準マーカ、例えば、矩形の基準マーカの外側に配置された基準マーカを備える。好ましくは、矩形の同心状に配置された基準マーカは、外側の矩形内に内側の矩形を備える。好ましくは、内側の矩形は、充填された矩形を含む。好ましくは、外側の矩形は、正方形の環を含み、例えば、矩形環の周りに一定の幅の環を有する。
【0061】
好ましくは、1つ以上の(例えば、多角形(例えば、矩形))基準マーカは、(例えば、幾何学的)パターン(例えば、多角形内の表面装飾)を含む。
これは、捕捉する宇宙船に対して、基準マーカの方向及び/又は位置、ひいてはドッキング構造体を決定する助けとなるように使用することができる。一実施形態では、1つ以上の(例えば、多角形(例えば、矩形))の基準マーカは、ArUcoマーカを含む。好ましくは、内側の矩形はArUcoマーカを含む。
【0062】
好ましくは、(例えば、多角形(例えば、矩形)の1つまたは複数の基準マーカのパターン及び/又は幾何学的形状が、磁気プレートの(例えば、捕捉宇宙船に対する)方向及び/又は位置が決定されることを可能にするように配置される。好ましくは、外側の矩形(例えば、矩形環)の両側は、ギャップ(例えば、矩形環の幅を横切って延在する)を含む。これは、好ましくは、4つの連結された「L」形状を形成し、これは、各々の「L」形状の間のギャップを伴って、矩形環を構成する。好ましくは、2つ以上の「L」型の形状が、夫々の「L」形状の2つの脚部が異なる比率の長さを有するように、矩形の両側のギャップが配置される。
【0063】
これは、「L」形状がユニークな回転された構成で配置されることができるので、ドッキング構造体を捕捉している宇宙船(のコンピュータビジョンシステムなど)が、捕捉された宇宙船に対して相対的に、磁気プレートの方向及び/又は位置を決定できるようにするのに役立つ。
また、方向及び/又は位置を、磁気プレートと捕捉宇宙船(例えば、コンピュータビジョンシステム)との間の相対的な角度とは無関係に決定することができる。
【0064】
基準マーカは、適切かつ望ましい方法で提供されることができる。一実施形態では、ドッキング構造体は、基準マーカのうちの1つ以上を含む(例えば、薄い)外層を含み、ここで、外層は、磁気プレートの外面に、及び/又はハウジングの周辺(例えば、外側リム)に取り付けられる。好ましくは、内側(例えば、多角形)の基準マーカは、外層上に配置される。
【0065】
好ましくは、外側の基準マーカ(例えば、円形)は、ハウジングのベースプレートをハウジングの外側リムに接続するために使用される締結具のキャップを備える。したがって、外側の基準マーカ(例えば、円形)は、締結具上にねじ止めされることが好ましい。好ましくは、締結具は、ベースプレートと外側リムの一方または両方内にねじ込まれ、従って、外側の基準マーカは、ベースプレートとハウジングの外側リムを一緒に保持するために必ずしも使用されない。
【0066】
好ましくは、基準マーカのうちの1つ以上は、例えば入射するレーザ光に対して反射性である。円形の基準マーカ(例えば、矩形の基準マーカの外側に配置されるもの)は、反射性であることが好ましい。
【0067】
好ましくは、基準マーカのうちの1つまたは複数は、非反射性である。好ましくは、多角形(例えば、矩形)の基準マーカは、例えば入射するレーザ光に対しては、反射しない。反射型および非反射型の基準マーカの使用は、長距離の基準パターン及び短距離の基準パターンの両方を提供するのに役立ち得る。例えば、反射型の基準マーカ(例えば、円形)は、より長い距離(例えば、その反射率のため)からドッキング構造体を検出することを可能にするが、一方、非反射型(例えば、多角形)基準マーカ、例えば、パターン化された矩形は、ドッキング構造体に関する更なる情報(例えば、その方向及び/又は位置)をより近い距離で検出すること(及び方向及び/又は決定された位置)を可能にする。
【0068】
基準マーカの配置は、それ自体が新規性があり且つ進歩性があると考えられる。従って、さらなる態様から見ると、本発明は、遠隔の宇宙船によって検出するための複数の基準マーカを含む衛星用の磁気プレートを提供し、複数の基準マーカは、
遠隔の宇宙船から入射する光を反映するための1つ以上の反射型基準マーカと、
遠隔の宇宙船に対する磁気プレートの方向及び/又は位置を決定するための幾何学的形状及び/又はパターンを有する1つ以上の基準マーカとを備え、
ここで、1つ以上の反射型基準マーカは、遠隔の宇宙船と磁気プレートとの間の距離であって、他の基準マーカの形状及び/又はパターンが検出されるように構成されている遠隔の宇宙船と磁気プレートとの間の距離よりも長い距離から、遠隔の宇宙船によって検出されるように構成されている。
【0069】
本発明のこの態様は、本発明の他の態様および実施形態に関して、本明細書に概説した望ましいおよび任意の特徴の1つ以上(例えば、全て)を含むことができ、好ましいことは、本発明の他の態様を含むことである。
【0070】
ドッキング構造体は、任意の適切かつ望ましいタイプの衛星と共に(即ち、取り付けられて)使用することができる。同様に、ドッキング構造体は、任意の適切かつ望ましいタイプの(捕捉機構の)宇宙船によって捕捉されるように配置することができる。ドッキング構造体は、磁気的に及び/又は機械的に、例えば、磁気プレートを用いて、及び/又はハウジング(例えば、ハウジングの外側リム)の周りで、機械的に捕捉される(掴まれる)ように配置することができる。
【0071】
捕捉される宇宙船は、ドッキング構造体を、例えば磁気的及び/又は機械的に捕捉するように配置された捕捉機構を含むことが好ましい。好ましくは、捕捉される宇宙船(例えば、コンピュータビジョンシステムを備える)は、ドッキング構造体の方向及び/又は位置を識別及び/又は決定するように配置される。好ましくは、捕捉される宇宙船は(例えば、スラスタを備えている)、捕捉される宇宙船をドッキング構造体に対して位置決めし配向するように構成され、捕捉機構をドッキング構造体に対して位置決めし及び方向付け、例えば、ドッキング構造体を磁気的及び/又は機械的に捕捉することを可能にするように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照しつつ、例示によってのみ説明する。
図1】本発明の一実施形態に係る衛星に取り付けるためのドッキング構造体の斜視図である。
図2図1に示されたドッキング構造体の磁気プレートとハウジングの分解図である。
図3a図1及び図2に示されたドッキング構造体の断面図を示す。
図3b図1及び図2に示されたドッキング構造体の断面図を示す。
図4図1図2図3a及び図3bに示されたドッキング構造体の異なる斜視図を示す。
図5図1図2図3a、図3b及び図4に示されるドッキング構造体の別の斜視図を示す。
図6図1図2図3a、図3b、図4及び図5に示されるドッキング構造体が、衛星にどのように取り付けられるかを示す図である。
図7図1図2図3a、図3b、図4及び図5に示されたドッキング構造体が、他の宇宙船によってどのように捕捉され得るかを示す図である。
図8図1図2図3a、図3b、図4及び図5に示されたドッキング構造体が、他の宇宙船によってどのように捕捉され得るかを示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る、衛星に取り付けるためのドッキング構造体の斜視図である。
図10図9に示されるドッキング構造体の磁気プレート及びハウジングの分解図を示す。
図11a図9及び図10に示されたドッキング構造体の断面図を示す。
図11b図9及び図10に示されたドッキング構造体の断面図を示す。
図12a図9及び図10に示されたドッキング構造体の断面図を示す。
図12b図9及び図10に示されたドッキング構造体の断面図を示す。
図13図9図10図11a、図11b、図12a及び図12bに示されたドッキング構造体の別の斜視図である。
図14図9図10図11a、図11b、図12a、図12b及び図13に示されたドッキング構造体の別の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0073】
地球上空を周回する何千もの人工衛星やその他の物体は、そのような人工衛星や物体が不要になると、大量の「宇宙ゴミ」に貢献し、他の(たとえば運用中の)人工衛星に問題を引き起こす可能性がある。衛星にドッキング構造体を取り付け、これを使用して別の宇宙船から衛星を捕捉すると、このような衛星を操作することができ、例えば、宇宙のゴミとならないように軌道から取り除いたり、別の軌道に再配置したり、軌道上でサービスを行なうことができる。
【0074】
衛星に取り付けて、衛星を別の宇宙船(すなわち、宇宙環境で作動する任意の航空機)によって捕捉することを可能にするドッキング構造体の実施形態について、以下に説明する。
【0075】
図1は、本発明の一実施形態に係る衛星に取り付けるためのドッキング構造体1の斜視図を示す。ドッキング構造体1は、磁気プレート2と、ハウジング4と、ドッキング構造体1を衛星に取り付けるための取付け部材6とを備える。
【0076】
磁気プレート2は、磁気的に軟質な強磁性材料であるハイパーコ(RTM)50鋼から作られる。磁気プレート2は、ハウジング4に取り付けられて拘束されている。ハウジング4は、7075-T6アルミニウム合金製である。また、7075-T6アルミニウム合金から作られる取付け部材6は、ハウジング4の反対側に接続される。取付け部材6は、ドッキング構造体1を衛星に取り付けるための3つの取付け点8を含む。
【0077】
図2は、図1に示すドッキング構造体1の磁気プレート2とハウジング4の分解図を示す。ハウジング4は、ベースプレート10と外側リム12の2つの主要部品を含む。ベースプレート10及び外側リム12は、ベースプレート10及び外側リム12の夫々の周縁部を貫通するボルト14によって一緒に連結される。ベースプレート10と外側リム12とは、ボルト14によって一体に連結される際に、ハウジング4内で磁気プレート2を挟むように作用する。
【0078】
また、図2に示すように、ドッキング構造体1は、ハウジング4のベースプレート10と磁気プレート2との間にシリコンゴム製のディスク16(宇宙グレードのシリコンゴムからなる)と、一対のシリコンゴム製のOリング18(宇宙グレードのシリコンゴムからなる)を備えており、一方のOリング18はハウジング4のベースプレート10と磁気プレート2との間にあり、他方のOリング18はハウジング4の外側リム12と磁気プレート2との間にある。シリコンゴム製ディスク16とシリコンゴム製のOリング18は、ハウジング内に磁気プレート2を保持するように作用し、種々の構成要素間に、例えば熱膨張差を許容するようなある程度の許容差を与える。
【0079】
図2はまた、磁気プレート2が波状のくぼみ20を有する概ね円形の形状を有することを示している。ハウジング4の外側リム12は、磁気プレート2のくぼみ20に対応し、くぼみ20と嵌合する波状の突起22を有する。Oリング18は、磁気プレート2の外形に沿った形状をしている。
【0080】
図3a及び図3bは、図1及び図2に示されたドッキング構造体1の断面図を示す。図3bは、図3aの拡大部分である。
【0081】
図3a及び図3bの断面図は、ハウジング4のベースプレート10及び外側リム12が磁気プレート2を間にどのように挟むかを示している。ベースプレート10及びハウジング4の外側リム12を一緒に保持するボルト14は、ベースプレート10を通過して、外側リム12の波状の突起22内の外側リム12の周囲にねじ込む。
【0082】
図3bで最も明確に分かるように、磁気プレート2は、Z字型のステップおよび磁気プレート2の周囲におけるリップを含む。ハウジング4のベースプレート10及び外側リム12は、ハウジング4に角度の付いた溝26を形成するように形作られている。
Oリング18は、磁気プレート2の両側に、角度をつけた溝26内に、溝26内に磁気プレート2のステップ及びリップを吊り下げ、磁気プレート2をハウジング内に拘束するように配置されている。ハウジング4のベースプレート10と磁気プレート2との間のシリコンゴム製のディスク16は、ハウジング4内の磁気プレート2を吊り下げさせることを補助する。
【0083】
図3aはまた、取付け部材6が、各取付け点28を通るボルトを用いて、3つの取付け点28(そのうちの1つのみが図3aに見える)を介してハウジング4のベースプレート10に接続し、ハウジング4のベースプレート10にねじ込むことを示す。
【0084】
図4は、図1図2図3a及び図3bに示されたドッキング構造体1の異なる斜視図を示す。この角度から、取付け部材6がハウジング4のベースプレート10に接続するための3つの取付け点28が見える。取付け部材6は6つの支柱30を有し、そのうちの2つは各取付け点28で合わさる。また、2つの支柱30は、ドッキング構造体1を衛星に取り付けるための取付け点8の夫々で合わさる。これにより、6つの支柱30は、取付け部材6のジグザグ構成を形成する。
【0085】
図4はまた、ハウジング4を一体に保持するために、ハウジング4のベースプレート10を貫通して外側リム12の周囲にねじ込むボルト14も示している。
【0086】
図5は、図1図2図3a、図3b及び図4に示されるドッキング構造体1の別の斜視図を示す。ドッキング構造体1は、磁気プレート2およびハウジング4の上にカバー32を備えて示されている。カバー32は、該カバーの上に形成された複数の基準マーカ34、36、38を有する。基準マーカ34、36、38は、中心の矩形部34、外側の角環36、および3つの円38を含む。
【0087】
円形の基準マーカ38は、反射材から形成される。中心の矩形部34は、ArUcoマーカから成る。外側の角環36は、角環の両側にギャップを有して4つの「L」の形状を形成し、そのうちの3つは、夫々の「L」の形状の脚部の長さの異なるアスペクト比を有する。
【0088】
基準マーカ34、36、38は、ドッキング構造体1が特定され、捕捉衛星によって位置を特定されるのを助け、捕捉衛星がドッキング構造体1に対してそれ自身を方向付けるのを助ける。異なる形状及びサイズの基準マーカ34、36、38は、ドッキング構造体1が識別され、ドッキング構造体1から離れた様々な距離の範囲に位置することを助ける。
【0089】
図6は、本発明の一実施形態において、ドッキング構造体1を衛星40(「クライアント」宇宙船)に取り付ける方法を示す。図6に示すように、ドッキング構造体1は、取付け部材6の支柱30の先端部の取付け点8を介して衛星40にボルト締めされる。これにより、ドッキング構造体1の磁気プレート2とハウジング4とを衛星40の表面から離間させる。しかし、幾つかの実施形態においては、ドッキング構造体1は、取付け部材6を含まなくてもよく、その代わりに、ハウジングを衛星40の表面に直接(例えば、凹んで)接続することができることが理解されるだろう。
【0090】
図7は、本発明の一実施形態において、ドッキング構造体1が他の「サービサー」宇宙船50によって捕捉される方法を示す。「サービサー」宇宙船50は、図7に示されるように、ドッキング構造体1の磁気プレート2に対して配置される(衛星40に取り付けられる)磁気ヘッド51を有し、磁気ヘッド51は磁気プレート2と位置合わせされる。
【0091】
「サービサー」宇宙船50がドッキング構造体1に接近するにつれて、磁気ヘッド51は、磁気プレート2を引き寄せるように作用し、磁気ヘッド51に磁気プレート2を接続させる。ドッキング構造体1が「サービサー」宇宙船50に(磁気プレート2が磁気ヘッド51に接続されることを介して)一旦取り付けられると、次に、「サービサー」宇宙船50によって、必要に応じて、ドッキング構造体1が取り付けられる衛星40を操作することができる。
【0092】
図8は、本発明の一実施形態において、ドッキング構造体1が他の「サービサー」宇宙船50によって捕捉される方法を示す。「サービサー」宇宙船50は、図8に示されるように、(衛星40に取り付けられる)ドッキング構造体1のハウジング4に対して位置決めされる機械的ヘッド52を有し、機械的ヘッド52がハウジング4と位置合わせされる。
【0093】
「サービサー」宇宙船50がドッキング構造体1に近づくと、機械的ヘッド52がハウジング4を機械的に掴むように使用されて、ハウジング4を機械的ヘッド52に接続させる。ドッキング構造体1が「サービサー」宇宙船50に(機械的ヘッド52に接続されるハウジング4を介して)一旦取り付けられると、次に、「サービサー」宇宙船50によって、必要に応じて、ドッキング構造体1が取り付けられる衛星40を操作することができる。
【0094】
本発明の一実施形態に係る別のドッキング構造体は、図1乃至図5に示すドッキング構造体と同様に、図9乃至図14を参照して説明する。
【0095】
図9は、本発明の一実施形態に係る衛星に取り付けるためのドッキング構造体101の斜視図を示す。ドッキング構造体101は、磁気プレート102と、ハウジング104と、ドッキング構造体101を衛星に取り付けるための取付け部材106とを含む。
【0096】
磁気プレート102は、磁気的に軟質な強磁性材料であるハイパーコ(RTM)50鋼から作られる。磁気プレート102は、ハウジング104上に取り付けられて拘束される。ハウジング104は、7075-T6アルミニウム合金から作られる。4つの反射性の円形の基準マーカ138は、ハウジング104の周囲に配置される。
【0097】
また、7075-T6アルミニウム合金から作られる取付け部材106は、ハウジング104の反対側に接続される。取付け部材106は、ドッキング構造体101を衛星に取り付けるための3つの取付け点108を含む。
【0098】
図10は、図9に示されるドッキング構造体101の磁気プレート102およびハウジング104の分解図を示す。ハウジング104は、ベースプレート110及び外側リム112の2つの主要部品を含む。ベースプレート110及び外側リム112は、ベースプレート110及び外側リム112の夫々の周辺を貫通するボルト114によって、ともに連結される。ベースプレート110と外側リム112とは、ボルト114によって一緒に接続される場合、ハウジング104内で磁気プレート102を挟むように作用する。
【0099】
図10はまた、ドッキング構造体1が、ハウジング104のベースプレート110と磁気プレート102との間に4つの同心のシリコンゴムリング116(宇宙グレードのシリコンゴムから作製される)を含むことも示す。シリコンゴムリング116は、ベースプレート110内の同心の円形の隆起の間に配置され、磁気プレート102をハウジング104内に保持するように作用し、様々な構成要素間のある程度の許容範囲を提供し、例えば、衛星の発射時の振動を吸収する。
【0100】
図10はまた、磁気プレート102が、波形のくぼみ120を有する略円形状を有することも示す。ハウジング104の外側リム112は、磁気プレート102のくぼみ120に対応し、嵌合する突起122を有する。
【0101】
磁気プレート102は、ボルト125が通過する中央開口124を有する。ボルト125は、ベースプレート110の対応する開口127を通過し、ナット129で締結される。
【0102】
図11a、図11b、図12a及び図12bは、図9及び図10に示されたドッキング構造体101の断面図を示す。図11bは、図11aの拡大部であり、図12bは、図12aの拡大部である。
【0103】
図11a及び図11bの断面図は、ベースプレート110及びハウジング104の外側リム112が、ベースプレート110及び外側リム112の夫々の周辺を貫通するボルト114によって、一体に連結される様子を示している。ベースプレート110と外側リム112とは、ボルト114によって一緒に接続される場合、ハウジング104内で磁気プレート102を挟むように作用する。ベースプレート110及びハウジング104の外側リム112を一緒に保持するボルト114は、ベースプレート110を通過して、外側リム112の波形の突起122内の外側リム112の周囲にねじ込む。
【0104】
図11a及び図11bはまた、反射性の円形の基準マーカ138がねじ込まれて、ボルト114の頂部にキャップを形成することを示している。
【0105】
図11aはまた、取付け部材106が、各取付け点128を通るボルトで、3つの取付け点128(そのうちの1つのみが図11aで見られる)を介してハウジング104のベースプレート110に接続されて、ハウジング104のベースプレート110にねじ込むことを示す。
【0106】
図12a及び図12bの断面図は、ハウジング104のベースプレート110および外側リム112が磁気プレート102をその間にどのように挟むかを示している。
【0107】
図12bから最も明確に分かるように、磁気プレート102は、Z字型のステップおよび磁気プレート102の周辺部でのリップを含む。ハウジング104のベースプレート110および外側リム112は、磁気プレート102のZ字型ステップおよびリップに対応して、ハウジング104のコーナー形状の溝126を形成するように成形される。ハウジング104のベースプレート110と磁気プレート102との間のシリコンゴムリング116は、ハウジング104のベースプレート110上に磁気プレート102をクッションするのを補助する。
【0108】
図13は、図9図10図11a、図11b、図12a及び図12bに示されたドッキング構造体101の異なる斜視図を示す。この角度から、取付け部材106がハウジング104のベースプレート110に接続するための3つの取付け点128が見える。取付け部材106は、6つの支柱130を有し、そのうちの2つは各取付け点128で合わさる。また、2つの支柱130は、衛星にドッキング構造体101を取り付けるための取付け点108の各々で合わさる。これにより、6つの支柱130は、取付け部材106のジグザグ構成を形成する。
【0109】
図13は、ボルト114も示しており、該ボルトはハウジング104を一体に保持するために、ハウジング104のベースプレート110を貫通して外側リム112の周囲にねじ込む。図13は更にナット129を示し、該ナットは磁気プレート102およびベースプレート110の中央開口を通過するボルトを締結して、磁気プレート102およびベースプレート110を互いに接続するために使用される。
【0110】
図14は、図9図10図11a、図11b、図12a、図12bおよび図13に示されたドッキング構造体101の別の斜視図を示す。ドッキング構造体101は、磁気プレート102とハウジング104との上にカバー132を備えて示されている。カバー132は、その上に形成された複数の基準マーカ134、136、138を有する。基準マーカ134、136、138は、中心の矩形部134、外側の角環136、および4つの円138を含む。
【0111】
円形の基準マーカ138は、反射性の材料から形成される。中心の矩形部134は、ArUco標識から成る。外側の角環136は、角環の両側にギャップを設けて4つの「L」の形状を形成し、そのうちの3つは、それぞれの「L」の形状の脚の長さの異なるアスペクト比を有する。
【0112】
基準マーカ134、136、138は、捕捉衛星によって識別され、かつ位置付けられるようにドッキング構造体101を助け、捕捉衛星がドッキング構造体101に対してそれ自身を方向付けるのを助ける。異なる形状およびサイズの基準マーカ134、136、138は、ドッキング構造体101が識別され、ドッキング構造体101から異なる距離の範囲に位置するのを助ける。
【0113】
図9乃至図14に示されるドッキング構造体101は、図6乃至図8に示されるように使用され、衛星40に取り付けられ、図1乃至図5に示されるドッキング構造体1について説明したのと同様の方法で、「サービサー」宇宙船50の捕捉システムで捕捉されてもよいことが理解されよう。
【0114】
以上より、少なくとも好適な実施形態において、本発明のドッキング構造体は、ハウジングと磁気プレートとが互いに切り離されることを可能にするように構築され、ハウジングと磁気プレートに最も適した材料が選択される。これは、ドッキング構造体の機械的な堅牢性と耐久性を高め、宇宙空間では極端になりやすい熱サイクルがドッキング構造体の様々な部品に与える影響を軽減するのに役立つ。
【0115】
磁気プレートによる衛星の捕捉は、多数の操作のうちの1つに使用することができ、操作は衛星を軌道から除去すること、衛星を別の軌道に移設すること、および衛星の軌道上または軌道上でのサービスを行うことを含むが、これらに限定されない。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14
【国際調査報告】