(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】アッセイシグナル増幅のための方法、組成物及びキット
(51)【国際特許分類】
G01N 33/543 20060101AFI20240709BHJP
G01N 33/532 20060101ALI20240709BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240709BHJP
C12Q 1/6804 20180101ALI20240709BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20240709BHJP
C12Q 1/6865 20180101ALI20240709BHJP
C12Q 1/6851 20180101ALI20240709BHJP
C07K 16/44 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
G01N33/543 501A
G01N33/532 B
G01N33/543 545A
G01N33/53 M
C12Q1/6804 Z
C12Q1/686 Z
C12Q1/6865 Z
C12Q1/6851 Z
C07K16/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579630
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 US2022035068
(87)【国際公開番号】W WO2023278293
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】505243216
【氏名又は名称】メソ スケール テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ケンテン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シガール,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】タッカー-シュワルツ,アレクサンダー ケー.
【テーマコード(参考)】
4B063
4H045
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS26
4B063QS34
4B063QX02
4H045AA11
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA50
4H045FA71
4H045GA26
(57)【要約】
本発明は、アッセイシグナル増幅のための方法、組成物、キット、及びアッセイシステムに関する。本明細書ではまた、シグナル増幅試薬であって、シグナル増幅試薬は、抗体又はその抗原結合断片である、シグナル増幅試薬も提供される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の関心対象の分析物を検出する方法であって、
a.(A)第1の検出可能な標識であって、前記第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である、第1の検出可能な標識と、(B)前記関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、
(I)前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、結合部分を含むシグナル増幅試薬と、
(II)(1)前記結合部分の結合パートナーと、(2)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む検出可能な部分と、に接触させることと、
b.(I)前記第2の検出可能な標識若しくは(II)前記第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって前記関心対象の分析物を検出すること、
又は
c.(A)第1の検出可能な標識であって、前記第1の検出可能な標識は、ECL標識である、第1の検出可能な標識と、(B)前記関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、
(I)前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、
(II)前記酵素の基質と、に接触させることと、
d.酵素活性を測定し、それによって前記関心対象の分析物を検出すること、
又は
e.(A)第1の検出可能な標識であって、前記第1の検出可能な標識は、ECL標識である、第1の検出可能な標識と、(B)前記関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、任意選択で第2の検出可能な標識を含むシグナル増幅試薬に接触させることと、
f.(I)前記第1の検出可能な標識、(II)前記第2の検出可能な標識、若しくは(III)前記第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって前記関心対象の分析物を検出すること、
又は
g.(A)第1の検出可能な標識であって、前記第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である、第1の検出可能な標識と、(B)前記関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬であって、前記シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含む、シグナル増幅試薬に接触させ、それによって前記第1の複合体と前記シグナル増幅試薬とを含む第2の複合体を形成することと、
h.前記核酸プローブを伸長させて、伸長配列を形成することと、
i.伸長配列の量を測定し、それによって前記関心対象の分析物を検出すること、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の複合体は、表面上にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の複合体は、前記分析物に特異的に結合する捕捉試薬であって、前記捕捉試薬は、前記表面に固定化されているか、又は前記捕捉試薬は、前記表面に固定化されることが可能である、捕捉試薬と、前記分析物に特異的に結合し、前記第1の検出可能な標識を含む検出試薬と、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記検出試薬は、第1の検出試薬であり、前記第1の複合体は、前記分析物に特異的に結合する第2の検出試薬を更に含み、前記第2の検出試薬は、第1の検出可能な標識を含み、前記シグナル増幅試薬は、前記第1の検出試薬上の前記第1の検出可能な標識及び前記第2の検出試薬上の前記第1の検出可能な標識に同時に結合することができる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記捕捉試薬は、前記表面上に固定化されている、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記捕捉試薬は、前記表面に固定化されることが可能であり、前記方法は、(a)、(c)、(e)、又は(g)の前記接触させることの前に、前記捕捉試薬を前記表面に固定化することを含む、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の複合体は、(I)前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、結合部分を含むシグナル増幅試薬と、(II)(1)前記結合部分の結合パートナー、及び(2)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上を含む検出可能な部分と、に接触させられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(b)の前記測定することは、前記第2の検出可能な標識を測定することを含むか、又は(b)の前記測定することは、前記第1及び第2の検出可能な標識を測定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の複合体は、最初に前記シグナル増幅試薬に接触させられ、次いで、前記検出可能な部分に接触させられるか、又は
前記第1の複合体は、前記シグナル増幅試薬及び前記検出可能な部分と同時に又は実質的に同時に接触させられる、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
(a)の前記接触させることは、(I)前記シグナル増幅試薬及び前記検出可能な部分を含むシグナル増幅複合体を形成することと、(II)前記第1の複合体を前記シグナル増幅複合体に接触させることと、を含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記検出可能な部分は、前記結合部分に対する複数の結合部位を含み、かつ/又は前記結合部分は、前記検出可能な部分に対する複数の結合部位を含み、前記シグナル増幅複合体は、複数のシグナル増幅試薬を含み、各シグナル増幅試薬は、1つ以上の検出可能な部分に結合している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記結合部分及び前記検出可能な部分は、相補的オリゴヌクレオチド、受容体-配位子対、抗原-抗体対、ハプテン-抗体対、エピトープ-抗体対、ミモトープ-抗体対、アプタマー-標的分子対、又はインターカレーター-標的分子対を含む、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記結合部分は、オリゴヌクレオチドを含み、前記検出可能な部分は、相補的オリゴヌクレオチドと、第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含むか、又は
前記結合部分は、ビオチンを含み、前記検出可能な部分は、アビジン若しくはストレプトアビジンと、第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含むか、又は
前記結合部分は、アビジン又はストレプトアビジンを含み、前記検出可能な部分は、ビオチン及び第2の検出可能な標識のうちの1つ以上を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の複合体は、(I)前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、(II)前記酵素の基質と、に接触させられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の複合体は、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬に接触させられ、(f)の前記測定することは、前記第1の検出可能な標識を測定することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の複合体は、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬に接触させられ、(f)の前記測定することは、前記第1の検出可能な標識、前記第2の検出可能な標識、又は両方を測定することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の複合体は、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、核酸プローブを含むシグナル増幅試薬に接触させられ、それによって前記第1の複合体及び前記シグナル増幅試薬を含む第2の複合体を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
(h)の前記伸長させることは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、自己持続合成反応(3SR)、等温増幅、又はそれらの組み合わせを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(h)の前記伸長させることは、前記核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させ、前記核酸プローブをPCRによって伸長させることを含むか、又は
前記伸長させることは、前記核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、環状鋳型を形成することと、ローリングサークル増幅(RCA)によって前記核酸プローブを伸長させることと、を含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の複合体は、少なくとも2つの第1の検出可能な標識を含み、
前記シグナル増幅試薬は、第1のシグナル増幅試薬であり、(g)の前記接触させることは、前記第1の複合体を、核酸プローブを含む第2のシグナル増幅試薬に接触させることを更に含み、前記第1及び第2のシグナル増幅試薬はそれぞれ、別個の第1の検出可能な標識に結合し、前記第2の複合体は、前記第1の複合体並びに前記第1及び第2のシグナル増幅試薬を含み、
(h)の前記伸長させることは、前記第1及び第2のシグナル増幅試薬の前記核酸プローブの一方又は両方を伸長させて、前記伸長配列を形成することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
(h)の前記伸長させることは、前記第1及び第2のシグナル増幅試薬の前記核酸プローブの一方又は両方を鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、環状鋳型を形成することと、一方又は両方の核酸プローブをRCAによって伸長させることと、を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(h)の前記伸長させることは、各核酸プローブを別個の鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、各鋳型オリゴヌクレオチドから環状鋳型を形成することと、各核酸プローブをRCAによって伸長させることと、を含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
(h)の前記伸長させることは、
両方の核酸プローブを2つの鋳型オリゴヌクレオチドに接触させることであって、各鋳型オリゴヌクレオチドは、各核酸プローブの一部に結合する、接触させることと、
前記2つの鋳型オリゴヌクレオチドをライゲートして環状鋳型を形成することと、
前記核酸プローブの一方又は両方をRCAによって伸長させることと、を含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1及び第2のシグナル増幅試薬の前記核酸プローブは、同じ配列を含むか、又はそれからなる、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の複合体は、表面上にあり、前記方法は、アンカー試薬を前記表面上に固定化することを更に含み、前記アンカー試薬は、前記伸長配列のアンカー領域に結合し、(i)の前記測定することは、前記アンカー試薬を介して前記表面に結合した伸長配列の前記量を測定することを含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の複合体は、表面上にあり、前記表面は、固定化されたアンカー試薬を含み、前記アンカー試薬は、前記伸長配列のアンカー領域に結合し、(i)の前記測定することは、前記アンカー試薬を介して前記表面に結合した伸長配列の前記量を測定することを含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記アンカー試薬は、(h)の前記伸長させることの前又はその間に、前記表面に固定化される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の複合体は、表面上にあり、前記第2の複合体は、前記伸長後に前記表面に結合される、請求項17~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記アンカー試薬及び前記アンカー領域は、相補的オリゴヌクレオチドを含む、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記伸長配列は、前記表面上の前記第2の複合体から100μm未満の位置で前記アンカー試薬に結合する、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
(i)の前記測定することは、第2の検出可能な標識を含む標識プローブに前記伸長配列を結合させることと、(I)前記第2の検出可能な標識又は(II)前記表面上の前記第1及び第2の検出可能な標識の前記量を測定することと、を含む、請求項17~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記表面上の前記第2の検出可能な標識の前記量を測定すること、又は前記表面上の前記第1及び第2の検出可能な標識の前記量を測定することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記伸長配列及び前記標識プローブは、相補的オリゴヌクレオチドを含む、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の検出可能な標識は、コンジュゲーションリンカーを介して前記検出試薬に連結されている、請求項3~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の検出可能な標識は、コンジュゲーションリンカーを介して前記第2の検出試薬に連結されている、請求項4~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記表面は、粒子を含むか、又は前記表面は、マルチウェルプレートのウェルを含む、請求項2~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の複合体は、捕捉試薬を含み、前記表面は、複数の別個の結合ドメインを含み、前記捕捉試薬及び前記アンカー試薬は、前記表面上の2つの別個の結合ドメイン上に位置し、又は前記捕捉試薬及び前記アンカー試薬は、前記表面上の同じ結合ドメイン上に位置する、請求項25~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の複合体は、捕捉試薬を含み、前記捕捉試薬は、前記表面上の前記アンカー試薬から1μm未満である、請求項25~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記表面は、電極を含み、前記測定することは、電圧形態を前記電極に印加して電気化学発光シグナルを生成することを更に含む、請求項2~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記表面は、粒子を含み、前記方法は、前記粒子を電極上に収集することを更に含み、前記測定することは、電圧波形を前記電極に印加して電気化学発光シグナルを生成することを更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
(a)、(c)、(e)、又は(g)の前記接触させることの前に、前記第1の複合体を検出することを更に含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の複合体を前記検出することは、前記第1の検出可能な標識の前記量を測定することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
試料中の関心対象の分析物を検出する方法であって、
a.表面上に、前記関心対象の分析物と、前記分析物に特異的に結合する捕捉試薬であって、前記捕捉試薬は、前記表面上に固定化され、又は前記捕捉試薬は、前記表面に固定化されることが可能である、捕捉試薬と、前記分析物に特異的に結合し、第1の核酸プローブを含む検出試薬と、を含む第1の複合体を形成することと、
b.前記第1の核酸プローブを伸長させて、第1のアンカー領域を含む第1の伸長配列を形成することであって、前記第1のアンカー領域は、前記表面上に固定化された第1のアンカー試薬に結合する、形成することと、
c.前記第1の伸長配列を、第1の検出可能な標識を含む第1の標識プローブに結合させることであって、前記第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である、結合させることと、
d.前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブを、
(I)前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、結合部分を含むシグナル増幅試薬と、
(II)(1)前記結合部分の結合パートナーと、(2)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む検出可能な部分と、に接触させることと、
e.(I)前記第2の検出可能な標識若しくは(II)前記第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって前記関心対象の分析物を検出すること、
又は
f.前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブを、
(I)前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、
(II)前記酵素の基質と、に接触させることと、
g.酵素活性を測定し、それによって前記関心対象の分析物を検出すること、
又は
h.前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブを、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識を任意選択で含むシグナル増幅試薬に接触させることと、
i.(I)前記第1の検出可能な標識、(II)前記第2の検出可能な標識若しくは(III)前記第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって前記関心対象の分析物を検出すること、
又は
j.前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブを、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬であって、前記シグナル増幅試薬は、第2の核酸プローブを含む、シグナル増幅試薬に接触させ、それによって前記シグナル増幅試薬及び前記第1の標識プローブを含む第2の複合体を形成することと、
k.前記第2の核酸プローブを伸長させて、第2のアンカー領域を含む第2の伸長配列を形成することであって、前記第2のアンカー領域は、前記表面上に固定化された第2のアンカー試薬に結合する、形成することと、
l.前記表面に結合した(I)前記第2の伸長配列又は(II)前記第1の伸長配列及び前記第2の伸長配列の量を測定し、それによって前記関心対象の分析物を検出すること、を含む、方法。
【請求項44】
前記捕捉試薬は、前記表面上に固定化されている、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記捕捉試薬は、前記表面に固定化されることが可能であり、前記方法は、ステップ(a)の前又はその間に、前記捕捉試薬を前記表面に固定化することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
(b)の前記伸長させることは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、自己持続合成反応(3SR)、等温増幅、又はそれらの組み合わせを含む、請求項43~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
(b)の前記伸長させることは、前記第1の核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させ、前記第1の核酸プローブをPCRによって伸長させることを含むか、又は
(b)の前記伸長させることは、前記第1の核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、環状鋳型を形成することと、ローリングサークル増幅(RCA)によって前記第1の核酸プローブを伸長させることと、を含む、請求項43~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記第1の複合体は、(b)の前記伸長させることの後に前記表面に結合される、請求項43~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
ステップ(b)の前又はその間に、前記第1のアンカー試薬を前記表面に固定化することを更に含む、請求項43~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記第1のアンカー試薬及び前記第1のアンカー領域は、相補的オリゴヌクレオチドを含む、請求項43~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の伸長配列及び前記第1の標識プローブは、相補的オリゴヌクレオチドを含む、請求項43~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブは、(I)前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、結合部分を含むシグナル増幅試薬と、(II)(1)前記結合部分の結合パートナーと、(2)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む検出可能な部分と、に接触させられる、請求項43~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブは、最初に前記シグナル増幅試薬に接触させられ、次いで、前記検出可能な部分に接触させられるか、又は
前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブは、前記シグナル増幅試薬及び前記検出可能な部分と同時に又は実質的に同時に接触させられる、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
(d)の前記接触させることは、(I)前記シグナル増幅試薬及び前記検出可能な部分を含むシグナル増幅複合体を形成することと、(II)前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブを前記シグナル増幅複合体に接触させることと、を含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項55】
前記検出可能な部分は、前記結合部分に対する複数の結合部位を含み、かつ/又は前記結合部分は、前記検出可能な部分に対する複数の結合部位を含み、前記シグナル増幅複合体は、複数のシグナル増幅試薬を含み、各シグナル増幅試薬は、1つ以上の検出可能な部分に結合している、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記結合部分及び前記検出可能な部分は、相補的オリゴヌクレオチド、受容体-配位子対、抗原-抗体対、ハプテン-抗体対、エピトープ-抗体対、ミモトープ-抗体対、アプタマー-標的分子対、又はインターカレーター-標的分子対を含む、請求項52~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記結合部分は、オリゴヌクレオチドを含み、前記検出可能な部分は、相補的オリゴヌクレオチドと、第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含むか、又は
前記結合部分は、ビオチンを含み、前記検出可能な部分は、アビジン若しくはストレプトアビジン、及び第2の検出可能な標識のうちの1つ以上を含むか、又は
前記結合部分は、アビジン又はストレプトアビジンを含み、前記検出可能な部分は、ビオチン及び第2の検出可能な標識のうちの1つ以上を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブは、(I)前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、(II)前記酵素の基質と、に接触させられる、請求項43~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブは、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬に接触させられ、(i)の前記測定することは、前記第1の検出可能な標識を測定することを含む、請求項43~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブは、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬に接触させられ、(i)の前記測定することは、前記第1の検出可能な標識、前記第2の検出可能な標識、又は両方を測定することを含む、請求項43~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記第1の伸長配列に結合した前記第1の標識プローブは、前記第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の核酸プローブを含むシグナル増幅試薬に接触させられ、それによって前記シグナル増幅試薬及び前記第1の標識プローブを含む第2の複合体を形成する、請求項43~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
(k)の前記伸長させることは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、自己持続合成反応(3SR)、等温増幅、又はそれらの組み合わせを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
(k)の前記伸長させることは、前記二次核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させ、前記二次核酸プローブをPCRによって伸長させることを含むか、又は
(k)の前記伸長させることは、前記二次核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、環状鋳型を形成することと、ローリングサークル増幅(RCA)によって前記二次核酸プローブを伸長させることと、を含む、請求項61又は62に記載の方法。
【請求項64】
(k)の前記伸長させることの前又はその間に、前記第2のアンカー試薬を前記表面に固定化することを更に含む、請求項61~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記第2の複合体は、(k)の前記伸長させることの後に前記表面に結合される、請求項61~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記第2のアンカー試薬及び前記第2のアンカー領域は、相補的オリゴヌクレオチドを含む、請求項61~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記第1のアンカー領域及び前記第2のアンカー領域は、同じオリゴヌクレオチド配列を含むか、又は前記第1のアンカー領域及び前記第2のアンカー領域は、異なるオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項61~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
(l)の前記測定することは、第2の検出可能な標識を含む第2の標識プローブに前記第2の伸長配列を結合させることと、(I)前記第2の検出可能な標識又は(II)前記表面上の前記第1及び第2の検出可能な標識の前記量を測定することと、を含む、請求項61~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記第2の伸長配列及び前記第2の標識プローブは、相補的オリゴヌクレオチドを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記第1の標識プローブ及び前記第2の標識プローブは、同じオリゴヌクレオチド配列を含むか、又は前記第1の標識プローブ及び前記第2の標識プローブは、異なるオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記第1の検出可能な標識は、コンジュゲーションリンカーを介して前記第1の標識プローブに連結されている、請求項43~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記表面は、粒子を含むか、又は前記表面は、マルチウェルプレートのウェルを含む、請求項43~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記表面は、複数の別個の結合ドメインを含み、前記捕捉試薬及び前記第1のアンカー試薬は、前記表面上の2つの別個の結合ドメイン上に位置し、又は前記捕捉試薬及び前記第1のアンカー試薬は、前記表面上の同じ結合ドメイン上に位置する、請求項43~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記捕捉試薬は、前記表面上の前記第1のアンカー試薬から1μm未満である、請求項43~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記表面は、電極を含み、前記測定することは、電圧形態を前記電極に印加して電気化学発光シグナルを生成することを更に含む、請求項43~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記表面は、粒子を含み、前記方法は、前記粒子を電極上に収集することを更に含み、前記測定することは、電圧波形を前記電極に印加して電気化学発光シグナルを生成することを更に含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記方法は、(d)、(f)、(h)、又は(j)の前記接触させることの前に、前記表面上の前記第1の複合体を検出することを更に含む、請求項43~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記検出することは、前記表面上の前記第1の検出可能な標識の前記量を測定することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記シグナル増幅試薬は、前記第1の検出可能な標識及び前記コンジュゲーションリンカーに特異的に結合する、請求項34~42のいずれか一項又は請求項71~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記コンジュゲーションリンカーは、アミド、チオエステル、チオエーテル、ジスルフィド、イミン、トリアゾール、ペプチド、オリゴヌクレオチド、親水性ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記捕捉試薬、前記検出試薬、及び前記シグナル増幅試薬はそれぞれ、抗体若しくはその抗原結合断片、抗原、配位子、受容体、オリゴヌクレオチド、ハプテン、エピトープ、ミモトープ、又はアプタマーを含む、請求項3~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記捕捉試薬、前記検出試薬、及び前記シグナル増幅試薬はそれぞれ、抗体又はその抗原結合断片を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記シグナル増幅試薬は、電気化学発光(ECL)標識に特異的な抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片である、請求項1~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記第1の検出可能な標識、前記第2の検出可能な標識、又はその両方は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせを使用して測定される、請求項1~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、電気化学発光(ECL)標識を含む、請求項1~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、前記置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含み、任意選択で、前記有機金属錯体は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記置換ビピリジン配位子は、式Iの化合物である、請求項86に記載の方法。
【化1】
【請求項88】
前記ECL標識は、3つの配位子を含み、第1の配位子は、式Iの化合物であり、第2の配位子は、共有結合を形成する少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む、請求項85~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記ECL標識は3つの配位子を含み、前記配位子のうちの2つはそれぞれ、式Iの化合物であり、前記第3の配位子は、共有結合を形成する少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む、請求項85~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、又はレニウムを含む、請求項86~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記ECL標識は、式IIの化合物である、請求項85~90のいずれか一項に記載の方法。
【化2】
【請求項92】
前記第1及び第2の検出可能な標識は、同じ標識を含む、請求項1~91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記第1及び第2の検出可能な標識は、異なる標識を含む、請求項1~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記第1の検出可能な標識は、式IIの化合物を含み、前記第2の検出可能な標識は、式III、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む、請求項93に記載の方法。
【化3】
(式中、Xはリン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、又はそれらの組み合わせである);
【化4】
。
【請求項95】
前記第1の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含み、前記第2の検出可能な標識は、式II、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記第1の検出可能な標識は、式IVの化合物を含み、前記第2の検出可能な標識は、式II、III、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項97】
前記第1の検出可能な標識は、式Vの化合物を含み、前記第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVIのいずれか1つの化合物を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項98】
前記第1の検出可能な標識は、式VIの化合物を含み、前記第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVのいずれか1つの化合物を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項99】
試料中の関心対象の分析物を検出するためのキットであって、1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント中に、
a.前記分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、
b.前記分析物に特異的に結合する検出試薬であって、第1の検出試薬は、第1の検出可能な標識を含み、前記第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である、検出試薬と、
c.前記第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を含む、キット。
【請求項100】
前記検出試薬は、第1の検出試薬であり、前記キットは、前記分析物に特異的に結合する第2の検出試薬を更に含み、前記第2の検出試薬は、第1の検出可能な標識を含む、請求項99に記載のキット。
【請求項101】
試料中の関心対象の分析物を検出するためのキットであって、1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント中に、
a.前記分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、
b.前記分析物に特異的に結合する検出試薬であって、前記検出試薬は、第1の核酸プローブを含む、検出試薬と、
c.第1の検出可能な標識を含む第1の標識プローブであって、前記第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である、第1の標識プローブと、
d.前記第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を含む、キット。
【請求項102】
前記捕捉試薬、前記第1の検出試薬、及び前記シグナル増幅試薬はそれぞれ、抗体若しくはその抗原結合断片、抗原、配位子、受容体、オリゴヌクレオチド、ハプテン、エピトープ、ミモトープ、又はアプタマーを含む、請求項99~101のいずれか一項に記載のキット。
【請求項103】
前記捕捉試薬、前記検出試薬、及び前記シグナル増幅試薬はそれぞれ、抗体又はその抗原結合断片を含む、請求項102に記載のキット。
【請求項104】
前記シグナル増幅試薬は、電気化学発光(ECL)標識に特異的な抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片である、請求項99~103のいずれか一項に記載のキット。
【請求項105】
前記シグナル増幅試薬は、結合部分を含む、請求項99~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項106】
結合部分を前記シグナル増幅試薬にコンジュゲートするための試薬を更に含む、請求項99~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項107】
前記結合部分は、オリゴヌクレオチドを含むか、又は前記結合部分は、ビオチンを含む、請求項105又は106に記載のキット。
【請求項108】
(i)前記結合部分の結合パートナーと、(ii)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む検出可能な部分を更に含む、請求項105~107のいずれか一項に記載のキット。
【請求項109】
前記結合部分は、オリゴヌクレオチドを含み、前記検出可能な部分は、相補的オリゴヌクレオチドと、第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含むか、又は前記結合部分は、ビオチンを含み、前記検出可能な部分は、ストレプトアビジンと、第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む、請求項108に記載のキット。
【請求項110】
前記シグナル増幅試薬は、酵素を含む、請求項99~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項111】
前記酵素の基質を更に含む、請求項110に記載のキット。
【請求項112】
前記シグナル増幅試薬は、第2の検出可能な標識を含む、請求項99~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項113】
前記シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含む、請求項99若しくは100、又は請求項102~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項114】
核酸プローブを前記シグナル増幅試薬にコンジュゲートさせるための試薬を更に含む、請求項99若しくは100、又は請求項102~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項115】
前記シグナル増幅試薬は、第2の核酸プローブを含む、請求項101~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項116】
二次核酸プローブを前記シグナル増幅試薬にコンジュゲートさせるための試薬を更に含む、請求項101~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項117】
鋳型オリゴヌクレオチドを更に含む、請求項113~116のいずれか一項に記載のキット。
【請求項118】
アンカー試薬を更に含む、請求項113~117のいずれか一項に記載のキット。
【請求項119】
表面を更に含む、請求項99~118のいずれか一項に記載のキット。
【請求項120】
前記表面は、粒子を含むか、又は前記表面は、マルチウェルプレートのウェルを含む、請求項119に記載のキット。
【請求項121】
前記捕捉試薬は、前記表面上に固定化されている、請求項119又は120に記載のキット。
【請求項122】
前記捕捉試薬を前記表面に固定化するための試薬を更に含む、請求項119又は120に記載のキット。
【請求項123】
前記キットは、アンカー試薬を含み、前記アンカー試薬は、前記表面上に固定化されている、請求項119~122のいずれか一項に記載のキット。
【請求項124】
前記キットは、アンカー試薬及び前記アンカー試薬を前記表面に固定化するための試薬を含む、請求項119~122のいずれか一項に記載のキット。
【請求項125】
前記表面は、複数の別個の結合ドメインを含み、前記捕捉試薬及び前記アンカー試薬は、前記表面上の2つの別個の結合ドメイン上に位置し、又は前記捕捉試薬及び前記アンカー試薬は、前記表面上の同じ結合ドメイン上に位置する、請求項123又は124に記載のキット。
【請求項126】
前記捕捉試薬は、前記表面上の前記アンカー試薬から1μm未満である、請求項123~125のいずれか一項に記載のキット。
【請求項127】
前記表面は、電極を含む、請求項119~126のいずれか一項に記載のキット。
【請求項128】
ポリメラーゼ、リガーゼ、緩衝液、ブロッキング剤、共反応物、希釈剤、安定化剤、較正剤、アッセイ消耗品、電極、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項99~127のいずれか一項に記載のキット。
【請求項129】
電気化学発光(ECL)標識に特異的な抗原結合ドメインを含む、抗体又はその抗原結合断片。
【請求項130】
前記ECL標識及びコンジュゲーションリンカーに特異的な抗原結合ドメインを含む、抗体又はその抗原結合断片。
【請求項131】
前記ECL標識は、式IIの化合物を含む、請求項129又は130に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項132】
前記コンジュゲーションリンカーは、アミド、チオエステル、チオエーテル、ジスルフィド、イミン、トリアゾール、ペプチド、オリゴヌクレオチド、又は親水性ポリマーを含む、請求項130又は131に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項133】
核酸プローブを更に含む、請求項129~132のいずれか一項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項134】
組成物であって、
a.請求項133に記載の抗体又は抗原結合断片と、
b.前記核酸プローブに結合することができる鋳型オリゴヌクレオチドと、を含む、組成物。
【請求項135】
酵素を更に含む、請求項129~132のいずれか一項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項136】
組成物であって、
a.請求項135に記載の抗体又は抗原結合断片と、
b.前記酵素の基質と、を含む、組成物。
【請求項137】
検出可能な標識を更に含む、請求項129~132のいずれか一項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項138】
結合部分を更に含む、請求項129~132のいずれか一項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項139】
組成物であって、
a.請求項138に記載の抗体又は抗原結合断片と、
b.(I)前記結合部分の結合パートナーと、(II)1つ以上の検出可能な標識と、を含む検出可能な部分と、を含む、組成物。
【請求項140】
前記結合部分は、オリゴヌクレオチドを含み、前記検出可能な部分は、相補的オリゴヌクレオチドと、検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含むか、又は前記結合部分は、ビオチンを含み、前記検出可能な部分は、ストレプトアビジンと、検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む、請求項139に記載の組成物。
【請求項141】
前記検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定することができる、請求項137~140のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項142】
前記検出可能な標識は、電気化学発光標識である、請求項141に記載の組成物。
【請求項143】
請求項133に記載の抗体又は抗原結合断片を含むキット。
【請求項144】
請求項135、137、又は138に記載の抗体又は抗原結合断片を含むキット。
【請求項145】
アンカー試薬、鋳型オリゴヌクレオチド、標識プローブ、ポリメラーゼ、リガーゼ、緩衝液、ブロッキング剤、共反応物、希釈剤、安定化剤、較正剤、アッセイ消耗品、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項143又は144に記載のキット。
【請求項146】
捕捉試薬及び検出試薬の一方又は両方を更に含み、前記検出試薬は、前記ECL標識を含む、請求項143~145のいずれか一項に記載のキット。
【請求項147】
前記検出試薬は、第1の検出試薬であり、前記キットは、第2の検出試薬を更に含み、前記第2の検出試薬は、前記ECL標識を含む、請求項146に記載のキット。
【請求項148】
表面を更に含む、請求項143~147のいずれか一項に記載のキット。
【請求項149】
アッセイシステムであって、
少なくとも1つのメモリユニットと、
前記少なくとも1つのメモリユニット上の命令に従ってプログラムされた少なくとも1つの処理ユニットと、
前記少なくとも1つの処理ユニットによって制御されるように構成された少なくとも1つのアッセイシステム構成要素と、を含み、前記少なくとも1つの処理ユニットは、
前記少なくとも1つのアッセイシステム構成要素を制御して、試料中のより高い存在量の分析物の第1の測定、及び前記試料中のより低い存在量の分析物の第2の測定のうちの一方又は両方を実施するように構成され、
前記より高い存在量の分析物は、前記より低い存在量の分析物よりも約10~100000倍高く前記試料中に存在し、
前記より高い存在量の分析物は、ECL標識を含む検出試薬を使用して検出され、
前記より低い存在量の分析物は、(i)ECL標識を含む検出試薬及び(ii)前記ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬を使用して検出される、アッセイシステム。
【請求項150】
前記第1及び/又は前記第2の測定は、(i)前記より高い存在量の分析物を含む1つ以上の結合ドメイン、及び(ii)前記より低い存在量の分析物を含む1つ以上の結合ドメインを含む表面上で行われる、請求項149に記載のアッセイシステム。
【請求項151】
前記アッセイシステムは、前記より高い存在量の分析物を含む前記1つ以上の結合ドメインについて前記第1の測定を選択的に実施し、前記より低い存在量の分析物を含む前記1つ以上の結合ドメインについて前記第2の測定を選択的に実施するように構成されている、請求項150に記載のアッセイシステム。
【請求項152】
前記アッセイシステムは、所定の閾値よりも低い前記第1の測定からの値の決定に基づいて、前記結合ドメインについての第2の測定を選択的に実施するように構成されている、請求項151に記載のアッセイシステム。
【請求項153】
前記アッセイシステムは、前記第1の測定及び前記第2の測定を順次実施するように構成されている、請求項149~152のいずれか一項に記載のアッセイシステム。
【請求項154】
前記アッセイシステムは、前記第1の測定及び前記第2の測定を同時に又は実質的に同時に実施するように構成されている、請求項149~153のいずれか一項に記載のアッセイシステム。
【請求項155】
命令が記憶されている1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、少なくとも1つの処理ユニットによって実行されるときに、前記少なくとも1つの処理ユニットに、
アッセイシステムの制御を介して、試料中のより高い存在量の分析物の第1の測定、及び前記試料中のより低い存在量の分析物の第2の測定のうちの一方又は両方を実施させ、
前記より高い存在量の分析物は、前記より低い存在量の分析物よりも約10~100000倍高く前記試料中に存在し、
前記より高い存在量の分析物は、ECL標識を含む検出試薬を使用して検出され
前記より低い存在量の分析物は、(i)ECL標識を含む検出試薬及び(ii)前記ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬を使用して検出される、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項156】
前記第1及び/又は前記第2の測定は、(i)前記より高い存在量の分析物を含む1つ以上の結合ドメイン、及び(ii)前記より低い存在量の分析物を含む1つ以上の結合ドメインを含む表面上で行われる、請求項155に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項157】
前記アッセイシステムは、前記より高い存在量の分析物を含む前記1つ以上の結合ドメインについて前記第1の測定を選択的に実施し、前記より低い存在量の分析物を含む前記1つ以上の結合ドメインについて前記第2の測定を選択的に実施するように構成されている、請求項156に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項158】
前記アッセイシステムは、所定の閾値よりも低い前記第1の測定からの値の決定に基づいて、前記結合ドメインについての第2の測定を選択的に実施するように構成されている、請求項156に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項159】
前記アッセイシステムは、前記第1の測定及び前記第2の測定を順次実施するように構成されている、請求項155~158のいずれか一項に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項160】
前記アッセイシステムは、前記第1の測定及び前記第2の測定を同時に又は実質的に同時に実施するように構成されている、請求項155~158のいずれか一項に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項161】
アッセイシステムであって、
少なくとも1つのメモリユニットと、
前記少なくとも1つのメモリユニット上の命令に従ってプログラムされた少なくとも1つの処理ユニットと、
前記少なくとも1つの処理ユニットによって制御されるように構成された少なくとも1つのアッセイシステム構成要素と、を含み、前記少なくとも1つの処理ユニットは、
前記少なくとも1つのアッセイシステム構成要素を制御して、試料中の分析物の測定を実施するように構成され、
前記分析物は、ECL標識を含む単一の検出試薬を使用して、約0.0001~約100000pg/mLの濃度で存在する場合に前記試料中で検出されることが可能である、アッセイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アッセイシグナル増幅のための方法、組成物、及びキットに関する。本明細書ではまた、シグナル増幅試薬であって、シグナル増幅試薬は、抗体又はその抗原結合断片である、シグナル増幅試薬も提供される。
【背景技術】
【0002】
免疫アッセイ(例えば、サンドイッチ免疫アッセイ)は、試料中の分析物を検出するために概して使用されている。典型的な免疫アッセイは、多くの場合、試料中の低い存在量の分析物を正確に検出するのに十分な感度ではないか、又はアッセイ機器自体が低いシグナルレベルを検出することに限定されている。アッセイ感度を改善するための方法は、しばしば、複雑な最適化手順を含み、これは、時間及び労働集約的なプロセスであり得る。更に、最適化されたアッセイは、より長い実行時間及び/又は複雑な分析方法を必要とする可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
実施形態では、本発明は、試料中の関心対象の分析物を検出する方法であって、
(a)(A)第1の検出可能な標識であって、第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である、第1の検出可能な標識と、(B)関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、(I)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、結合部分を含むシグナル増幅試薬と、(II)(1)結合部分の結合パートナーと、(2)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む検出可能な部分と、に接触させることと、(b)(I)第2の検出可能な標識若しくは(II)第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(c)(A)第1の検出可能な標識であって、第1の検出可能な標識は、ECL標識である、第1の検出可能な標識と、(B)関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、(I)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、(II)酵素の基質と、に接触させることと、(d)酵素活性を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(e)(A)第1の検出可能な標識であって、第1の検出可能な標識は、ECL標識である、第1の検出可能な標識と、(B)関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、任意選択で第2の検出可能な標識を含むシグナル増幅試薬に接触させることと、(f)(I)第1の検出可能な標識、(II)第2の検出可能な標識、若しくは(III)第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(g)(A)第1の検出可能な標識であって、第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である、第1の検出可能な標識と、(B)関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬であって、シグナル増幅試薬は、シグナル増幅(SA)核酸プローブを含む、シグナル増幅試薬に接触させ、それによって第1の複合体とシグナル増幅試薬とを含む第2の複合体を形成することと、(h)核酸プローブを伸長させて、伸長配列を形成することと、(i)伸長配列の量を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、を含む、方法を提供する。実施形態では、第1の複合体は、表面上にある。
【0004】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含み、表面は、その上に固定化されたアンカー試薬を含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含み、方法は、表面上にアンカー試薬を固定化することを更に含む。実施形態では、アンカー試薬は、本方法のステップ(h)の前又はその間に表面上に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、伸長配列のアンカー領域に結合し、測定することは、アンカー試薬を介して表面に結合した伸長配列の量を測定することを含む。
【0005】
実施形態では、本発明は、試料中の関心対象の分析物を検出するためのキットであって、1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント中に、(a)分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)分析物に特異的に結合する検出試薬であって、検出試薬は、第1の検出可能な標識を含み、第1の検出可能な標識は、ECL標識である、検出試薬と、(c)第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を含む、キットを提供する。実施形態では、キットは表面を更に含む。
【0006】
実施形態では、本発明は、試料中の関心対象の分析物を検出する方法であって、(a)表面上に、関心対象の分析物と、分析物に特異的に結合する捕捉試薬であって、捕捉試薬は、表面上に固定化され、又は捕捉試薬は、表面に固定化されることが可能である、捕捉試薬と、分析物に特異的に結合し、第1の核酸プローブを含む検出試薬と、を含む第1の複合体を形成することと、(b)第1の核酸プローブを伸長させて、第1のアンカー領域を含む第1の伸長配列を形成することであって、第1のアンカー領域は、表面上に固定化された第1のアンカー試薬に結合する、形成することと、(c)第1の伸長配列を、第1の検出可能な標識を含む第1の標識プローブに結合させることであって、第1の検出可能な標識は、ECL標識である、結合させることと、
(d)第1の伸長配列に結合した第1の標識プローブを、(I)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、結合部分を含むシグナル増幅試薬と、(II)(1)結合部分の結合パートナーと、(2)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む検出可能な部分と、に接触させることと、(e)(I)第2の検出可能な標識若しくは(II)表面上の第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(f)第1の伸長配列に結合した第1の標識プローブを、(I)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、(II)酵素の基質と、に接触させることと、(g)酵素活性を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(h)第1の伸長配列に結合した第1の標識プローブを、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識を任意選択で含むシグナル増幅試薬に接触させることと、(i)(I)第1の検出可能な標識、(II)第2の検出可能な標識、若しくは(III)第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(j)第1の伸長配列に結合した第1の標識プローブを、第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬であって、シグナル増幅試薬は、第2の核酸プローブを含む、シグナル増幅試薬に接触させ、それによってシグナル増幅試薬及び第1の標識プローブを含む第2の複合体を形成することと、(k)第2の核酸プローブを伸長させて、第2のアンカー領域を含む第2の伸長配列を形成することであって、第2のアンカー領域は、表面上に固定化された第2のアンカー試薬に結合する、形成することと、(l)表面に結合した(I)第2の伸長配列又は(II)第1の伸長配列及び第2の伸長配列の量を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、を含む、方法を提供する。
【0007】
実施形態では、本発明は、試料中の関心対象の分析物を検出するためのキットであって、1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント中に、(a)分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)分析物に特異的に結合する検出試薬であって、検出試薬は、第1の核酸プローブを含む、検出試薬と、(c)第1の検出可能な標識を含む第1の標識プローブであって、第1の検出可能な標識は、ECL標識である、第1の標識プローブと、(d)第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を含む、キットを提供する。実施形態では、キットは表面を更に含む。
【0008】
実施形態では、本発明は、ECL標識に特異的な抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0009】
実施形態では、本発明は、ECL標識及びコンジュゲーションリンカーに特異的な抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0010】
実施形態では、本発明は、(a)本明細書に提供される抗体又はその抗原結合断片であって、抗体又はその抗原結合断片は、核酸プローブを含む、抗体又はその抗原結合断片と、(b)核酸プローブに結合することができる鋳型オリゴヌクレオチドと、を含む、組成物を提供する。実施形態では、本発明は、本明細書で提供される抗体又は抗原結合断片を含むキットを提供し、抗体又はその抗原結合断片は、核酸プローブを含む。実施形態では、キットは、(i)核酸プローブに結合することができる鋳型オリゴヌクレオチドと、(ii)検出可能な標識を含む標識プローブと、を更に含み、検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、鋳型オリゴヌクレオチドは、環状オリゴヌクレオチド鋳型である。実施形態では、キットは、(iii)アンカー試薬を更に含む。実施形態では、キットは、核酸増幅酵素(例えば、ポリメラーゼ)、表面、捕捉試薬、及び/又は検出試薬を更に含む。
【0011】
実施形態では、本発明は、(a)本明細書で提供される抗体又はその抗原結合断片であって、抗体又はその抗原結合断片は、酵素を含む、抗体又はその抗原結合断片と、(b)酵素の基質と、を含む、組成物を提供する。実施形態では、本発明は、本明細書で提供される抗体又は抗原結合断片を含むキットを提供し、抗体又はその抗原結合断片は、酵素を含む。
【0012】
実施形態では、本発明は、本明細書で提供される抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、検出可能な標識を含む。実施形態では、本発明は、本明細書で提供される抗体又は抗原結合断片を含むキットを提供し、抗体又はその抗原結合断片は、検出可能な標識を含む。
【0013】
実施形態では、本発明は、(a)本明細書で提供される抗体又はその抗原結合断片であって、抗体又はその抗原結合断片は、結合部分を含む、抗体又はその抗原結合断片と、(b)(i)結合部分の結合パートナーと、(ii)1つ以上の検出可能な標識と、を含む、検出可能な部分と、を含む、組成物を提供する。実施形態では、本発明は、本明細書で提供される抗体又は抗原結合断片を含むキットを提供し、抗体又はその抗原結合断片は、結合部分を含む。
【0014】
実施形態では、本発明は、アッセイシステムであって、少なくとも1つのメモリユニットと、少なくとも1つのメモリユニット上の命令に従ってプログラムされた少なくとも1つの処理ユニットと、少なくとも1つの処理ユニットによって制御されるように構成された少なくとも1つのアッセイシステム構成要素と、を含み、少なくとも1つの処理ユニットは、少なくとも1つのアッセイシステム構成要素を制御して、試料中のより高い存在量の分析物の第1の測定、及び試料中のより低い存在量の分析物の第2の測定のうちの一方又は両方を実施するように構成され、より高い存在量の分析物は、より低い存在量の分析物よりも約10~100000倍高く試料中に存在し、より高い存在量の分析物は、ECL標識を含む検出試薬を使用して検出され、より低い存在量の分析物は、(i)ECL標識を含む検出試薬及び(ii)ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬を使用して検出される、アッセイシステムを提供する。
【0015】
実施形態では、本発明は、命令が記憶されている1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、少なくとも1つの処理ユニットによって実行されるときに、少なくとも1つの処理ユニットに、アッセイシステムの制御を介して、試料中のより高い存在量の分析物の第1の測定、及び試料中のより低い存在量の分析物の第2の測定のうちの一方又は両方を実施させ、より高い存在量の分析物は、より低い存在量の分析物よりも約10~100000倍高く試料中に存在し、より高い存在量の分析物は、ECL標識を含む検出試薬を使用して検出されより低い存在量の分析物は、(i)ECL標識を含む検出試薬及び(ii)ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬を使用して検出される、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【0016】
実施形態では、本発明は、アッセイシステムであって、少なくとも1つのメモリユニットと、少なくとも1つのメモリユニット上の命令に従ってプログラムされた少なくとも1つの処理ユニットと、少なくとも1つの処理ユニットによって制御されるように構成された少なくとも1つのアッセイシステム構成要素と、を含み、少なくとも1つの処理ユニットは、少なくとも1つのアッセイシステム構成要素を制御して、試料中の分析物の測定を実施するように構成され、分析物は、ECL標識を含む単一の検出試薬を使用して、0.0001~100000pg/mLの範囲内の濃度で存在する場合に試料中で検出されることが可能である、アッセイシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の態様の例示的な実施形態を更に実証するために含まれる。
【0018】
【
図1A-1D】本明細書に記載の方法の実施形態を示す。
図1Aにおいて、捕捉試薬、分析物、及び複数の第1の検出可能な標識を有する検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。捕捉試薬は、捕捉試薬上の標的化剤相補体の表面上の標的化剤への結合を介して、表面に固定化される。核酸プローブを含むシグナル増幅試薬(「核酸プローブを有するシグナル増幅試薬」)を第1の複合体に添加し、それによって第2の複合体を形成する。検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含み、複数のシグナル増幅試薬が各検出試薬に結合することを可能にする。実施形態では、各シグナル増幅試薬の核酸プローブは、本明細書に記載される方法を使用して増幅される。
図1Bは、捕捉試薬(「CR」)、分析物、第1の検出可能な標識(「第1の標識」)を含む検出試薬(「DR」)、及び核酸プローブを含むシグナル増幅試薬(「SAR」)を含む第2の複合体を示し、核酸プローブは、鋳型オリゴヌクレオチド(「鋳型オリゴ」)を介して伸長されて、伸長配列(「伸長配列(extended seq)」)を形成し、そして標識プローブは、伸長配列に結合される。
図1Cは、検出試薬が3つの第1の検出可能な標識を含み、それぞれが、2つの標識プローブに結合した伸長配列を含む第1のシグナル増幅試薬に結合している、更なる実施形態を示す。
図1Dは、検出試薬が2つの第1の検出可能な標識を含み、各検出可能な標識が核酸プローブを含むシグナル増幅試薬に結合され、2つの鋳型オリゴヌクレオチドが2つの核酸プローブにハイブリダイズされ、各鋳型オリゴヌクレオチドが両方の核酸プローブにハイブリダイズする、更なる実施形態を示す。実施形態では、2つの鋳型オリゴヌクレオチドは、一緒にライゲートされて環状鋳型を形成することができる。
【
図2】本明細書に記載される方法の一実施形態を示す。捕捉試薬、分析物、及び複数の第1の検出可能な標識を有する検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。(1)結合部分を含むシグナル増幅試薬及び(2)複数の第2の検出可能な標識を含む検出可能な部分の両方が、1つ以上のステップにおいて第1の複合体に添加される。検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含み、複数のシグナル増幅試薬が各検出試薬に結合することを可能にする。複数の第2の検出可能な標識を含む検出可能な部分は、結合部分を介して各シグナル増幅試薬に結合する。
【
図3】本明細書に記載される方法の一実施形態を示す。捕捉試薬、分析物、及び複数の第1の検出可能な標識を有する検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。捕捉試薬は、捕捉試薬上の標的化剤相補体の表面上の標的化剤への結合を介して、表面に固定化される。(1)オリゴヌクレオチド結合部分を含むシグナル増幅試薬、及び(2)複数の第2の検出可能な標識を含むオリゴヌクレオチド検出可能な部分の両方が、1つ以上のステップにおいて第1の複合体に添加される。検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含み、複数のシグナル増幅試薬が各検出試薬に結合することを可能にする。複数の第2の検出可能な標識を含む検出可能な部分は、結合部分を介して各シグナル増幅試薬に結合する。
【
図4】本明細書に記載される方法の一実施形態を示す。捕捉試薬、分析物、及び複数の第1の検出可能な標識を有する検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。複数のシグナル増幅試薬及び検出可能な部分が混合され、各検出可能な部分は、複数の第2の検出可能な標識を含み、各検出可能な部分は、複数の結合部分に結合することができ、それによって、複数のシグナル増幅試薬及び検出可能な部分を含むシグナル増幅複合体を形成する。次いで、シグナル増幅複合体を第1の複合体に添加する。検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含み、シグナル増幅複合体の複数のシグナル増幅試薬が各検出試薬に結合することを可能にする。複数の第2の検出可能な標識を含む検出可能な部分は、結合部分を介して各シグナル増幅試薬に結合する。
【
図5】抗血清及びハイブリドーマをスクリーニングするための本明細書中に記載される方法の一実施形態を示す。ヤギ抗マウス(GAM)抗体は、アッセイプレートの結合ドメイン(「スポット」)上に固定化され、試料中のマウス産生抗体に結合する。アッセイフォーマット1において、BSAコンジュゲートMSD SULFO-TAG(商標)ECL標識(「SULFO-TAG」)を使用して、SULFO-TAGに特異的な試料中の抗体を検出する。アッセイフォーマット2では、非コンジュゲートSULFO-TAGを使用して、SULFO-TAGに特異的な試料中の抗体を検出する。
【
図6】シグナル増幅試薬として11種の抗SULFO-TAG抗体クローンをスクリーニングするための例示的な免疫アッセイの結果を示す。免疫アッセイのための分析物は、ヒトZnT8、ヒトIA-2、ヒトTGM-2、又はマウスIL-1bであった。各分析物特異的免疫アッセイにおける各抗SULFO-TAG抗体についての測定されたECLアッセイシグナルを示す。
【
図7】6つの異なる抗SULFO-TAG抗体クローンをシグナル増幅試薬として使用した、分析物としてヒトZnT8を用いた例示的な較正剤滴定免疫アッセイの結果を示す。7つの異なる濃度のヒトZnT8較正剤(STD01~STD07と番号付けした)及びブランク(STD08)を用いて測定したECLシグナルを示す。ヒルスロープ、R二乗値、検出下限(LLOD)、STD04についてのシグナル対バックグラウンド比(S/B)(STD04/STD08値に基づく)、及びSTD04についてのシグナル対ノイズ比(S/N)(STD04/STD08値に基づく)が示される。
【
図8】6つの異なる抗SULFO-TAG抗体クローンをシグナル増幅試薬として使用した、分析物としてヒトTGM-2を用いた例示的な較正剤滴定免疫アッセイの結果を示す。7つの異なる濃度のヒトTGM-2較正剤(STD01~STD07と番号付けした)及びブランク(STD08)を用いて測定したECLシグナルを示す。ヒルスロープ、R二乗値、検出下限(LLOD)、STD04についてのシグナル対バックグラウンド比(S/B)(STD04/STD08値に基づく)、及びSTD04についてのシグナル対ノイズ比(S/N)(STD04/STD08値に基づく)が示される。
【
図9】
図7及び
図8に示されるものと同じヒトZnT8及びTGM-2較正剤を使用した例示的な較正滴定免疫アッセイの結果を示すが、免疫アッセイは、シグナル増幅試薬として抗SULFO-TAGを用いずに実施した。測定されたECLシグナル、ヒルスロープ、R二乗値、検出下限(LLOD)、STD04についてのシグナル対バックグラウンド比(S/B)(STD04/STD08値に基づく)、及びSTD04についてのシグナル対ノイズ比(S/N)(STD04/STD08値に基づく)を示す。
【
図10】6つの異なる抗SULFO-TAG抗体クローンをシグナル増幅試薬として使用した、分析物としてマウスIL-23を用いた例示的な較正剤滴定免疫アッセイの結果を示す。3つの異なる濃度のマウスIL-23較正剤(STD01~STD03と番号付けした)及びブランク(STD04)を用いて測定したECLシグナルを示す。ヒルスロープ、R二乗値、検出下限(LLOD)、STD02についてのシグナル対バックグラウンド比(S/B)(STD02/STD04値に基づく)、及びSTD02についてのシグナル対ノイズ比(S/N)(STD02/STD04値に基づく)が示される。
【
図11】6つの異なる抗SULFO-TAG抗体クローンをシグナル増幅試薬として使用した、分析物としてマウスIL-17Cを用いた例示的な較正剤滴定免疫アッセイの結果を示す。3つの異なる濃度のマウスIL-17C較正剤(STD01~STD03と番号付けした)及びブランク(STD04)を用いて測定したECLシグナルを示す。ヒルスロープ、R二乗値、検出下限(LLOD)、STD02についてのシグナル対バックグラウンド比(S/B)(STD02/STD04値に基づく)、及びSTD02についてのシグナル対ノイズ比(S/N)(STD02/STD04値に基づく)が示される。
【
図12】
図10及び
図11に示されるものと同じマウスIL-23及びIL-17C較正剤を使用した例示的な較正滴定免疫アッセイの結果を示すが、免疫アッセイは、シグナル増幅試薬として抗SULFO-TAGを用いずに実施した。測定されたECLシグナル及び検出下限(LLOD)を示す。
【
図13】シグナル増幅試薬として6つの異なる抗SULFO-TAG抗体クローンを使用した、分析物としてヒトIL-10を用いた例示的な較正剤滴定免疫アッセイの結果を示す。3つの異なる濃度のヒトIL-10較正剤(STD01~STD03と番号付けした)及びブランク(STD04)を用いて測定したECLシグナルを示す。ヒルスロープ、R二乗値、検出下限(LLOD)、STD02についてのシグナル対バックグラウンド比(S/B)(STD02/STD04値に基づく)、及びSTD02についてのシグナル対ノイズ比(S/N)(STD02/STD04値に基づく)が示される。
【
図14】
図13に示されるものと同じヒトIL-10較正剤を使用した例示的な較正滴定免疫アッセイの結果を示すが、免疫アッセイは、シグナル増幅試薬として抗SULFO-TAGを使用せずに実施した。測定されたECLシグナル及び検出下限(LLOD)を示す。
【
図15】本明細書に記載される方法の一実施形態を示す。捕捉試薬、分析物、及び第1の核酸プローブを有する検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。第1の核酸プローブを伸長させて(「増幅1」)、第1の伸長配列を形成する。各々が第1の検出可能な標識を含む複数の第1の標識プローブは、第1の伸長配列に結合する。各々が第2の核酸プローブを含む複数のシグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に結合する。第2の核酸プローブの各々を伸長させて(「増幅2」)、第2の伸長配列を形成する。各々が第2の検出可能な標識を含む1つ以上の第2の標識プローブは、第2の伸長配列に結合する。
【
図16A-16C】
図6に示される抗SULFO-TAG抗体クローンのシグナル阻害及びシグナル増強を測定するために実施された例示的なアッセイの結果を示す。
図16Aは、抗SULFO-TAG抗体クローンの各々についてのパーセント(%)シグナル阻害及び%シグナル増加を示す。
図16Bは、抗体クローンの各々についての%シグナル阻害の棒グラフプロットを示す。
図16Bは、抗体クローンの各々についての%シグナル増加の棒グラフプロットを示す。
【
図17】本明細書に記載される方法の一実施形態を示す。捕捉試薬、分析物、及び第1の検出可能な標識を有する検出試薬を含む第1の複合体は、表面上にある。酵素及び酵素基質を含むシグナル増幅試薬は、1つ以上のステップで第1の複合体に添加される。酵素は基質に作用して、検出可能なシグナルを生成する。
【
図18A】種々の数のスルホメチル-ビピリジン(「SM」)、ビピリジン(「Bpy」)、又は酸(「A」)配位子を有する例示的な有機金属Ru
2+化合物(「TAG化合物」)を示す。
【
図18B】例示的なTAG化合物からのECL発生能力を示す。
【
図19】
図18Aに示されるTAG化合物及び実施例4に記載される抗SULFO-TAG抗体クローンを用いた例示的な結合アッセイの結果を示す図である。抗SULFO-TAG抗体からのECLシグナルを測定し、より高いシグナルはより強い結合親和性を示した。右側の挿入図は、より高い濃度(10~1000nM)でのRu
+2(Bpy)
3化合物への抗体結合を示す。
【
図20】実施例4に記載の抗SULFO-TAG抗体クローンを用いた、
図18Aに示されるTAG化合物と
図18Aに示されるSM配位子、Bpy配位子、又はA配位子との間の例示的な競合結合アッセイの結果を示す。グラフは、抗SULFO-TAG抗体を2μMの各配位子に曝露し、次いでTAG化合物の各々の濃度を変化させた後の残りのECLシグナルを示す。より低いECLシグナルは、特定の配位子に対するより強い結合親和性を示す。一番右の列の3つのパネルは、抗SULFO-TAG抗体クローンを10nMのTAG化合物単独(配位子なし)に曝露することからのECLシグナルを示す。
【
図21】ビピリジン配位子上の置換基として異なる荷電官能基を含有する例示的な有機金属Ru
2+化合物を示す。
【
図22A-22D】本明細書に記載される方法の実施形態を示す。
図22A~
図22Dの各々において、複合体は、捕捉試薬(「CR」)、分析物、第1の検出可能な標識(「第1の標識」)を含む第1の検出試薬(「第1のDR」)、第1の検出可能な標識を含む第2の検出試薬(「第2のDR」)、第1の検出試薬上の第1の検出可能な標識及び第2の検出試薬上の第1の検出可能な標識に同時に結合するシグナル増幅試薬(「SAR」)を含む。
図22Aにおいて、シグナル増幅試薬は、任意の他の成分を伴わずに示される。
図22Aで標識された構成要素は、
図22B~
図22Dと同じである。
図22Bにおいて、シグナル増幅試薬は、本明細書に記載されるように、結合部分の結合パートナー及び第2の検出可能な標識を含む検出可能な部分に結合する結合部分を含む。
図22Cでは、シグナル増幅試薬は、本明細書に記載される第2の検出可能な標識を含む。
図22Dにおいて、シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含み、これは、鋳型オリゴヌクレオチドを介して伸長されて、本明細書中に記載されるような第2の検出可能な標識を含む1つ以上の標識プローブに結合する伸長配列を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で別段に定義されない限り、本開示で使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。更に、文脈上別段の必要がない限り、単数形には複数形が含まれ、複数形には単数形が含まれるものとする。冠詞「a」及び「an」は、本明細書では、冠詞の文法的目的語の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
【0020】
特許請求の範囲における「又は(or)」という用語の使用は、代替物のみを指すことが明示的に示されない限り、「及び/又は(and/or)」を意味するために使用されるか、又は代替物は互いに排他的であるが、本開示は、代替物及び「及び/又は」のみを指す定義を支持する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「含むこと(comprising)」(並びに「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの、「含むこと(comprising)」の任意の変形若しくは形態)、「有すること(having)」(並びに「有する(have)」及び「有する(has)」などの、「有すること(having)」の任意の変形若しくは形態)、「含むこと(including)」(並びに「含む(includes)」及び「含む(include)」などの、「含むこと(including)」の任意の変形若しくは形態)、又は「含有すること(containing)」(並びに「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」などの、「含有すること(containing)」の任意の変形若しくは形態)という用語は、包括的であるか又はオープンエンドであり、追加の記載されていない要素又は方法ステップを除外しない。
【0022】
「例えば(for example)」という用語及びその対応する略語「e.g.」(イタリック対であるか否かにかかわらず)の使用は、記載される特定の用語が、明示的に別段の定めがない限り、参照又は引用される特定の実施例に限定されることを意図されない本開示の代表的な実施例及び実施形態であることを意味する。
【0023】
本明細書で使用される場合、「~(between)」は、範囲の終わりを含む範囲である。例えば、xとyとの間の数には、x及びyの数、並びにx及びyの範囲内にある任意の数が明確に含まれる。
【0024】
本発明は、当該分野で記載されるアッセイ方法に対して複数の利点を提供する。例えば、本発明は、アッセイにおいて検出可能なシグナルを増加させるための単純かつ便利な方法を提供し、より低い費用及び/又はより低い複雑性の機器を使用して、検出可能な標識が測定されることを可能にする。このシグナルの増加はまた、例えば、検出可能なシグナルを増幅することによってアッセイの感度を改善するための単純かつ便利な方法を提供することができる。実施形態では、本明細書の方法は、シグナル対ノイズ比を改善し、例えば、試料中の低存在種のより正確な検出を可能にする。
【0025】
実施形態では、本明細書の方法は、市販の免疫アッセイで既に使用されている場合がある検出可能な標識、例えば、ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬を利用する。現在市販されている免疫アッセイは、試料中の分析物の濃度に依存して、同じ分析物に対して異なる検出試薬を必要とし得る。例えば、検出可能な標識を含む検出試薬は、分析物濃度が比較的高い(例えば、1pg/mL超又は約1pg/mL)場合に使用することができ、核酸プローブを含む検出試薬は、分析物濃度が比較的低い(例えば、約1pg/mL未満)場合に使用することができる。現在の市販の免疫アッセイはまた、異なるアッセイフォーマットを必要とし得、かつ/又は異なる濃度で試料中に存在する複数の分析物を測定する場合、試料が希釈又は濃縮されることを必要とし得る。実施形態では、本発明の方法は、分析物濃度が低い場合にアッセイシグナルを増幅するためにシグナル増幅試薬を使用し、それによって、複数のタイプの検出試薬を使用すること、異なる分析物濃度について異なる形式でアッセイを実施すること、及び/又は試料中の異なる分析物を測定するために試料を濃縮若しくは希釈することの必要性を排除する。実施形態では、シグナル増幅試薬によって結合された各第1の検出可能な標識について、シグナル増幅試薬は、複数の第2の検出可能な標識を提供及び/又は動員し、それによって、アッセイシグナルを増幅する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、試料中に低濃度(例えば、1pg/mL未満)で存在する分析物を検出することができ、それによって、試料の供給が制限されている場合(例えば、脳脊髄液試料、乳児からの生体試料、及び/又はマウスなどの小動物からの生体試料)に試料を希釈することが可能になり、したがって、貴重な試料が保存される。
【0026】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、1つ以上の検出可能な標識、例えば、ECL標識を含むか、又はシグナル増幅試薬は、1つ以上の検出可能な標識、例えば、ECL標識の結合を動員する部分、例えば、本明細書で記載される結合部分を含むか、若しくは形成する。したがって、実施形態では、本明細書に記載されるシグナル増幅試薬は、(1)第1の検出可能な標識(例えば、本明細書に記載されるような検出試薬上の)を特異的に認識して結合し、(2)1つ以上の第2の検出可能な標識を動員して、アッセイシグナルを増幅することができる。第1及び第2の検出可能な標識が同じ標識である実施形態においてさえ、シグナル増幅試薬が驚くほど高レベルのシグナル増幅を提供することが予想外に発見された。かかる状況下では、第2の検出可能な標識は、シグナル増幅試薬について第1の検出可能な標識と競合すると予想され、すなわち、シグナル増幅試薬は、第1及び第2の検出可能な標識の両方に対して同じ親和性を有するため、第2の検出可能な標識に結合するシグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に結合しない。第2の検出可能な標識へのシグナル増幅試薬の結合は、第2の検出可能な標識が検出されることを防止し、また、シグナル増幅試薬が表面上の複合体の一部であることを防止し、それによってシグナルの損失をもたらすと予想された。したがって、特に第1及び第2の検出可能な標識が同じ標識である実施形態における高レベルのシグナル増幅は、予想外であった。
【0027】
本方法の一実施形態を
図1A~
図1Dに示している。
図1Aにおいて、捕捉試薬、分析物、及び複数の第1の検出可能な標識を有する検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。捕捉試薬は、捕捉試薬上の標的化剤相補体の表面上の標的化剤への結合を介して、表面に固定化される。核酸プローブを含むシグナル増幅試薬は、第1の複合体に添加され、それによって、
図1Bに示すように、捕捉試薬、分析物、検出試薬、及びシグナル増幅試薬を含む第2の複合体を形成する。実施形態では、検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含み、それによって、
図1A、
図1C、及び
図1Dに示すように、複数のシグナル増幅試薬が同じ検出試薬に結合することを可能にする。実施形態では、
図1B及び
図1Cに示すように、検出試薬に結合した各シグナル増幅試薬から伸長配列が形成される。実施形態では、それぞれが核酸プローブを含む2つのシグナル増幅試薬は、検出試薬上の2つの第1の検出可能な標識に結合する。実施形態では、2つの鋳型オリゴヌクレオチドは、2つの核酸プローブにハイブリダイズされ、例えば、各鋳型オリゴヌクレオチドは、
図1Dに示されるように両方の核酸プローブにハイブリダイズする。実施形態では、2つの鋳型オリゴヌクレオチドは、例えばライゲーションを介して環状鋳型を形成し、核酸プローブの一方又は両方が伸長されて伸長配列を形成する。実施形態では、伸長配列は、表面上のアンカー試薬に結合する。実施形態では、アンカー試薬は、第1の複合体の形成前、形成中、又は形成後に表面に固定化される。実施形態では、各伸長配列は、複数の標識プローブに結合し(例えば、
図1Cに示されるように)、その各々は、複数の第2の検出可能な標識を含む。したがって、実施形態では、各第1の検出可能な標識は、複数の第2の検出可能な標識に対応し、それによって、測定のためにシグナルを増幅する。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。
【0028】
本方法の更なる実施形態を
図2に示している。
図2において、捕捉試薬、分析物、及び複数の第1の検出可能な標識を有する検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。(1)結合部分を含むシグナル増幅試薬及び(2)複数の第2の検出可能な標識を含む検出可能な部分の両方が、第1の複合体に添加される。実施形態では、シグナル増幅試薬及び検出可能な部分を、第1の複合体と同時に接触させる。実施形態では、シグナル増幅試薬及び検出可能な部分を、第1の複合体と逐次的に接触させる。実施形態では、検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含み、それによって、複数のシグナル増幅試薬が同じ検出試薬に結合することを可能にする。したがって、
図2に示すように、実施形態では、検出試薬上の各第1の検出可能な標識は、検出可能な部分上の複数の第2の検出可能な標識に対応し、それによって、測定のためにシグナルを増幅する。本方法の構成要素は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。
【0029】
本方法の更なる実施形態を
図3に示している。
図3において、捕捉試薬、分析物、及び複数の第1の検出可能な標識を有する検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。捕捉試薬は、捕捉試薬上の標的化剤相補体の表面上の標的化剤への結合を介して表面に固定化される。(1)オリゴヌクレオチド結合部分を含むシグナル増幅試薬及び(2)複数の第2の検出可能な標識を含むオリゴヌクレオチド検出可能な部分の両方が、第1の複合体に添加される。実施形態では、シグナル増幅試薬及び検出可能な部分を、第1の複合体と同時に接触させる。実施形態では、シグナル増幅試薬及び検出可能な部分を、第1の複合体と逐次的に接触させる。実施形態では、検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含み、それによって、複数のシグナル増幅試薬が同じ検出試薬に結合することを可能にする。実施形態では、オリゴヌクレオチド検出可能な部分は、オリゴヌクレオチド結合部分に結合する。したがって、
図3に示すように、実施形態では、検出試薬上の各第1の検出可能な標識は、検出可能な部分上の複数の第2の検出可能な標識に対応し、それによって、測定のためにシグナルを増幅する。本方法の構成要素は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。
【0030】
本方法の更なる実施形態を
図4に示している。
図4では、捕捉試薬、分析物、及び検出試薬を含む第1の複合体が表面上に形成される。複数のシグナル増幅試薬及び検出可能な部分が混合され、各検出可能な部分は、複数の第2の検出可能な標識を含み、そして各検出可能な部分は、複数の結合部分に結合し得、それによって、複数のシグナル増幅試薬及び検出可能な部分を含むシグナル増幅複合体を形成する。実施形態では、第1の複合体及びシグナル増幅複合体は、同時に又は実質的に同時に形成される。実施形態では、第1の複合体及びシグナル増幅複合体は、逐次的に形成される。実施形態では、第1の複合体は、表面上で形成され、シグナル増幅複合体は、別個の容器又は別個の反応槽内で形成される。次いで、シグナル増幅複合体を第1の複合体に添加する。実施形態では、検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含み、それによって、シグナル増幅複合体の複数のシグナル増幅試薬が各検出試薬に結合することを可能にする。したがって、
図4に示すように、検出試薬上の各第1の検出可能な標識は、検出可能な部分上の複数の第2の検出可能な標識に対応し、それによって、測定のためのシグナルを増幅する。本方法の構成要素は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。
【0031】
この方法の更なる実施形態は、表面上での第1の複合体の形成を含み、この第1の複合体は、捕捉試薬、分析物、及び第1の核酸プローブを含む検出試薬を含む。第1の核酸プローブを伸長させて、第1の伸長配列を形成する。実施形態では、第1の核酸プローブは、ローリングサークル増幅によって伸長される。各々が第1の検出可能な標識を含む複数の第1の標識プローブは、第1の伸長配列に結合する。(1)結合部分を含むシグナル増幅試薬及び(2)複数の第2の検出可能な標識を含む検出可能な部分のうちの1つ以上を、第1の複合体に接触させる。実施形態では、シグナル増幅試薬及び検出可能な部分を、第1の複合体と同時に接触させる。実施形態では、シグナル増幅試薬及び検出可能な部分を、第1の複合体と逐次的に接触させる。実施形態では、第1の伸長配列に結合した各第1の標識プローブは、シグナル増幅試薬に結合する。したがって、各第1の検出可能な標識は、検出可能な部分上の複数の第2の検出可能な標識に対応し、それによって測定のためのシグナルを増幅する。本方法の構成要素は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。
【0032】
本方法の更なる実施形態を
図15に示している。
図15において、捕捉試薬、分析物、及び第1の核酸プローブを含む検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。第1の核酸プローブを伸長させて、第1の伸長配列を形成する。実施形態では、第1の核酸プローブは、ローリングサークル増幅によって伸長される。各々が第1の検出可能な標識を含む複数の第1の標識プローブは、第1の伸長配列に結合する。各々が第2の核酸プローブを含む複数のシグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に結合する。第2の核酸プローブの各々は、伸長されて第2の伸長配列を形成する。実施形態では、第2の核酸プローブは、ローリングサークル増幅によって伸長される。各々が第2の検出可能な標識を含む1つ以上の第2の標識プローブは、第2の伸長配列に結合する。したがって、
図15に示すように、各第1の検出可能な標識は、第2の検出可能な標識を含む複数の第2の標識プローブに結合することができる第2の伸長配列に対応し、それによって測定のためのシグナルを増幅する。本方法の構成要素は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。
【0033】
本方法の更なる実施形態を
図17に示している。
図17において、捕捉試薬、分析物、及び第1の検出可能な標識を含む検出試薬を含む第1の複合体が、表面上に形成される。(1)酵素を含むシグナル増幅試薬及び(2)酵素の基質の両方が、第1の複合体に添加される。実施形態では、シグナル増幅試薬及び酵素基質を第1の複合体と同時に接触させる。実施形態では、シグナル増幅試薬及び酵素基質を第1の複合体と逐次的に接触させる。実施形態では、酵素は、基質に作用して検出可能なシグナルを生成する。実施形態では、本方法は、検出可能なシグナルを検出することを含む。本方法の構成要素は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。
【0034】
本方法の更なる実施形態を
図22A~
図22Dに示している。
図22A~
図22Dの各々において、複合体は、捕捉試薬(「CR」)、分析物、第1の検出可能な標識(「第1の標識」)を含む第1の検出試薬(「第1のDR」)、第1の検出可能な標識を含む第2の検出試薬(「第2のDR」)、第1の検出試薬上の第1の検出可能な標識及び第2の検出試薬上の第1の検出可能な標識に同時に結合するシグナル増幅試薬(「SAR」)を含む。実施形態では、2つの第1の検出可能な標識へのシグナル増幅試薬の結合は、分析物への第1及び第2の検出試薬の結合を安定化させる。実施形態では、シグナル増幅試薬は、2つの検出試薬間のテザーとして作用し、分析物への2つの検出試薬の結合を維持する。例えば、2つの検出試薬のうちの1つが分析物から解離するが、シグナル増幅試薬に結合したままである場合、解離した検出試薬は、分析物の近傍に維持され、再結合を容易にする。したがって、シグナル増幅試薬は、検出のために複合体を安定化することによってアッセイシグナルを増幅する。
【0035】
図22Aにおいて、シグナル増幅試薬は、任意の他の成分を伴わずに示される。
図22Aで標識された構成要素は、
図22B~
図22Dと同じである。
図22Bにおいて、シグナル増幅試薬は、本明細書に記載されるように、結合部分の結合パートナー及び第2の検出可能な標識を含む検出可能な部分に結合する結合部分を含む。
図22Cでは、シグナル増幅試薬は、本明細書に記載される第2の検出可能な標識を含む。
図22Dにおいて、シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含み、これは、鋳型オリゴヌクレオチドを介して伸長されて、本明細書中に記載されるような第2の検出可能な標識を含む1つ以上の標識プローブに結合する伸長配列を形成する。したがって、
図22B~
図22Dにおいて、シグナル増幅試薬は、2倍の方法で、すなわち、本明細書に記載されるように複合体を安定化させることによって、及び本明細書に記載されるように第2の検出可能な標識を介して更なる検出可能なシグナルを提供することによって、アッセイシグナルを増幅する。
【0036】
アッセイ成分及び方法
実施形態では、本発明は、(a)ECL標識を、ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬に接触させることであって、
シグナル増幅試薬は、結合部分を含み、方法は、ECL標識を検出可能な部分に接触させることを更に含むか、又は
シグナル増幅試薬は、酵素を含み、方法は、ECL標識を酵素の基質に接触させることを更に含むか、又は
シグナル増幅試薬は、任意選択で、第2の検出可能な標識を含むか、又は
シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含み、方法は、核酸プローブを伸長させて伸長配列を形成することを更に含む、接触させることと、
(b)検出可能な部分、酵素活性、第2の検出可能な標識、又は伸長配列を検出し、それによってECL標識を検出することと、を含む、方法を提供する。実施形態では、ECL標識は表面上に存在する。実施形態では、ECL標識は、ステップ(a)において表面上に存在する。実施形態では、ECL標識は、ステップ(b)において表面上に存在する。実施形態では、ECL標識は、その上に固定化されたアンカー試薬を含む表面上に存在する。
【0037】
実施形態では、本発明は、試料中の関心対象の分析物を検出する方法であって、
(a)(A)第1の検出可能な標識及び(B)関心対象の分析物を含む第1の複合体を、(I)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、結合部分を含むシグナル増幅試薬と、(II)(1)結合部分の結合パートナーと、(2)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む検出可能な部分と、に接触させることと、(b)(I)第2の検出可能な標識若しくは(II)表面上の第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(c)(A)第1の検出可能な標識及び(B)関心対象の分析物を含む第1の複合体を、(I)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、(II)酵素の基質と、に接触させることと、(d)酵素活性を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(e)(A)第1の検出可能な標識であって、第1の検出可能な標識は、ECL標識である、第1の検出可能な標識と、(B)関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、任意選択で第2の検出可能な標識を含むシグナル増幅試薬に接触させることと、(f)(I)第1の検出可能な標識、(II)第2の検出可能な標識、若しくは(III)第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(g)(A)第1の検出可能な標識であって、第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である、第1の検出可能な標識と、(B)関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬であって、シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含む、シグナル増幅試薬に接触させ、それによって第1の複合体とシグナル増幅試薬とを含む第2の複合体を形成することと、(h)核酸プローブを伸長させて、伸長配列を形成することと、(i)伸長配列の量を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、を含む、方法を提供する。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第1の複合体は、表面上にある。実施形態では、第1の複合体は、関心対象の分析物と、分析物に特異的に結合する捕捉試薬であって、捕捉試薬は、表面上に固定化され、又は捕捉試薬は、表面に固定化されることが可能である、捕捉試薬と、分析物に特異的に結合し、第1の検出可能な標識を含む検出試薬と、を含む。
【0038】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含み、表面は、その上に固定化されたアンカー試薬を含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含み、方法は、表面上にアンカー試薬を固定化することを更に含む。実施形態では、アンカー試薬は、本方法のステップ(h)の前又はその間に表面上に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、伸長配列のアンカー領域に結合し、測定することは、アンカー試薬を介して表面に結合した伸長配列の量を測定することを含む。実施形態では、第1の複合体は、関心対象の分析物と、分析物に特異的に結合する捕捉試薬であって、捕捉試薬は、表面上に固定化され、又は捕捉試薬は、表面に固定化されることが可能である、捕捉試薬と、分析物に特異的に結合し、第1の検出可能な標識を含む検出試薬と、を含む。
【0039】
実施形態では、本発明は、試料中の関心対象の分析物を検出する方法であって、(a)表面上に、関心対象の分析物と、分析物に特異的に結合する捕捉試薬であって、捕捉試薬は、表面上に固定化され、又は捕捉試薬は、表面に固定化されることが可能である、捕捉試薬と、分析物に特異的に結合し、第1の核酸プローブを含む検出試薬と、を含む第1の複合体を形成することと、(b)第1の核酸プローブを伸長させて、第1のアンカー領域を含む第1の伸長配列を形成することであって、第1のアンカー領域は、表面上に固定化された第1のアンカー試薬に結合する、形成することと、(c)第1の伸長配列を、第1の検出可能な標識を含む第1の標識プローブに結合させることと、
(d)第1の伸長配列に結合した第1の標識プローブを、(I)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、結合部分を含むシグナル増幅試薬と、(II)(1)結合部分の結合パートナーと、(2)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む検出可能な部分と、に接触させることと、(e)(I)第2の検出可能な標識若しくは(II)第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって関心対象の分析物を検出し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(f)第1の伸長配列に結合した第1の標識プローブを、(I)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、(II)酵素の基質と、に接触させることと、(g)酵素活性を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(h)第1の伸長配列に結合した第1の標識プローブを、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識を任意選択で含むシグナル増幅試薬に接触させることと、(i)(I)第1の検出可能な標識、(II)第2の検出可能な標識、若しくは(III)第1及び第2の検出可能な標識を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、
又は
(j)第1の伸長配列に結合した第1の標識プローブを、第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬であって、シグナル増幅試薬は、第2の核酸プローブを含む、シグナル増幅試薬に接触させ、それによってシグナル増幅試薬及び第1の標識プローブを含む第2の複合体を形成することと、(k)第2の核酸プローブを伸長させて、第2のアンカー領域を含む第2の伸長配列を形成することであって、第2のアンカー領域は、表面上に固定化された第2のアンカー試薬に結合する、形成することと、(l)表面に結合した(I)第2の伸長配列又は(II)第1の伸長配列及び第2の伸長配列の量を測定し、それによって関心対象の分析物を検出すること、を含む、方法を提供する。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。
【0040】
捕捉試薬
実施形態では、捕捉試薬は、抗体又はその抗原結合断片、抗原、配位子、受容体、オリゴヌクレオチド、ハプテン、エピトープ、ミモトープ、又はアプタマーを含む。実施形態では、捕捉試薬は、その抗原/エピトープ結合部分、抗体断片若しくは誘導体、抗体類似体、操作抗体、又は抗体と同様の方法で抗原に結合する物質を含む、抗体又はそのバリアントを含む。実施形態では、捕捉試薬は、抗体の少なくとも1つの重鎖又は軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。実施形態では、捕捉試薬は、1つ以上の抗体からの少なくとも2つのCDRを含む。実施形態では、捕捉試薬は、抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0041】
実施形態では、捕捉試薬は、分析物に特異的に結合する。本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」は、試薬(例えば、捕捉試薬)が、ランダムな無関係の物質と比較して、その結合パートナー(例えば、分析物のエピトープ)に優先的に結合することを意味する。実施形態では、捕捉試薬は、分析物のエピトープに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0042】
実施形態では、捕捉試薬は、表面上に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、表面に固定化されることが可能である。捕捉試薬を表面に固定化する方法は、本明細書に更に記載される。実施形態では、捕捉試薬は、チオエステル、チオエーテル、ジスルフィド、又はそれらの組み合わせを介して表面に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、本明細書に記載される標的化剤を介して表面に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、本明細書に記載される第1の複合体の形成前、形成中、又は形成後に表面に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、本方法のステップ(a)の前に表面に固定化される。
【0043】
検出試薬
実施形態では、検出試薬は、抗体又はその抗原結合断片、抗原、配位子、受容体、オリゴヌクレオチド、ハプテン、エピトープ、ミモトープ、又はアプタマーを含む。実施形態では、検出試薬は、その抗原/エピトープ結合部分、抗体断片若しくは誘導体、抗体類似体、操作抗体、又は抗体と同様の方法で抗原に結合する物質を含む、抗体又はそのバリアントを含む。実施形態では、検出試薬は、抗体の少なくとも1つの重鎖又は軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。実施形態では、検出試薬は、1つ以上の抗体からのうちの少なくとも2つのCDRを含む。実施形態では、検出試薬は、抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0044】
実施形態では、検出試薬は、分析物に特異的に結合する。実施形態では、検出試薬は、分析物のエピトープに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片を含む。実施形態では、検出試薬は、捕捉試薬とは異なる分析物のエピトープに結合する。
【0045】
実施形態では、第1の複合体は、2つ以上の検出試薬を含む。実施形態では、第1の複合体は、少なくとも2つの検出試薬を含む。実施形態では、本明細書で記載される第1の複合体の検出試薬は、第1の検出試薬であり、第1の複合体は、第2の検出試薬を更に含む。実施形態では、第1及び第2の検出試薬はそれぞれ、分析物に特異的に結合する。実施形態では、第1及び第2の検出試薬は、分析物上の同じエピトープに結合する。実施形態では、分析物は、第1及び第2の検出試薬が分析物上のエピトープの別々のコピーに同時に結合することができるように、第1及び第2の検出試薬に結合するためのエピトープの複数のコピーを含む。実施形態では、第1及び第2の検出試薬は、分析物上の異なるエピトープに結合する。実施形態では、捕捉試薬並びに第1及び第2の検出試薬の各々は、分析物上の異なるエピトープに結合する。実施形態では、捕捉試薬は、分析物上の第1のエピトープに結合し、第1及び第2の検出試薬の各々は、分析物上の第2のエピトープに結合する。実施形態では、分析物は、第1及び第2の検出試薬が分析物上の第2のエピトープの別々のコピーに同時に結合することができるように、第2のエピトープの複数のコピーを含む。実施形態では、第1の複合体は、捕捉試薬、分析物、第1の検出試薬、及び第2の検出試薬を含み、捕捉試薬、第1の検出試薬、及び第2の検出試薬は、分析物に結合される。
【0046】
実施形態では、第1及び第2の検出試薬は、それぞれ独立して、抗体又はその抗原結合断片、抗原、配位子、受容体、オリゴヌクレオチド、ハプテン、エピトープ、ミモトープ、又はアプタマーを含む。実施形態では、第1及び第2の検出試薬の各々は、その抗原/エピトープ結合部分、抗体断片若しくは誘導体、抗体類似体、操作抗体、又は抗体と同様の方法で抗原に結合する物質を含む、抗体又はそのバリアントを含む。実施形態では、第1及び第2の検出試薬の各々は、抗体の少なくとも1つの重鎖又は軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。実施形態では、第1及び第2の検出試薬の各々は、1つ以上の抗体からの少なくとも2つのCDRを含む。実施形態では、第1及び第2の検出試薬の各々は、抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0047】
第1の検出可能な標識を含む検出試薬
実施形態では、検出試薬は、第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、検出試薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第1の検出可能な標識を含む。第1の複合体が第1及び第2の検出試薬を含む実施形態では、第1及び第2の検出試薬の各々は、第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、第1及び第2の検出試薬の各々は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、第1の複合体の検出試薬、又は第1の複合体の第1及び第2の検出試薬の各々は、少なくとも2つの第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって検出することができる。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識を含む。
【0048】
実施形態では、ECL標識は、電気化学発光有機金属錯体を含む。実施形態では、電気化学発光有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、レニウム、及び/又はランタニド金属を含む。実施形態では、ECL標識は、ルテニウムを含む。実施形態では、電気化学発光性有機金属錯体は、置換若しくは非置換ビピリジン、又は置換若しくは非置換フェナントロリンを含む。実施形態では、ECL標識は、置換ビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、少なくとも1つのスルホネート基を含む置換ビピリジン配位子は、式I:
【化1】
の化合物である。
【0049】
実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含み、第1の配位子は、式Iの化合物であり、第2の配位子は、検出試薬に共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、検出試薬に共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、又はレニウムを含む。
【0050】
例示的なECL標識は、US5,714,089、US6,136,268、US6,316,607、US6,468,741、US6,479,233、US6,808,939、及びUS9,499,573に見出される。
【0051】
実施形態では、第1の検出可能な標識は、式II:
【化2】
の化合物である。
【0052】
実施形態では、第1の検出可能な標識は、式III:
【化3】
の化合物である。
【0053】
実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IV:
【化4】
の化合物である。
【0054】
実施形態では、第1の検出可能な標識は、式V:
【化5】
の化合物であり、式中、各Xは、リン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、又はそれらの組み合わせを含む。
【0055】
実施形態では、第1の検出可能な標識は、式VI:
【化6】
の化合物である。
【0056】
実施形態では、検出試薬(例えば、本明細書で記載される第1及び/又は第2の検出試薬)を、コンジュゲーションリンカーを介して、第1の検出可能な標識に共有連結させる。実施形態では、コンジュゲーションリンカーは、アミド、チオエステル、チオエーテル、ジスルフィド、イミン、トリアゾール、ジヒドロピリダジン、ペプチド、オリゴヌクレオチド、親水性ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。実施形態では、コンジュゲーションリンカーのアミドは、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルとアミンとの間の反応から生じる。実施形態では、コンジュゲーションリンカーのチオエステルは、NHSエステルとチオール(スルフヒドリルとも称される)との間の反応から生じる。実施形態では、コンジュゲーションリンカーのチオエーテルは、マレイミド又はアルケンとチオールとの間の反応から生じる。実施形態では、コンジュゲーションリンカーのジスルフィドは、ジスルフィドとチオールとの間の反応から生じる。実施形態では、コンジュゲーションリンカーのイミンは、アルデヒド又はケトンとアミンとの間の反応から生じる。実施形態では、コンジュゲーションリンカーのトリアゾールは、アルキン又はシクロアルキンとアジドとの間の反応から生じる。実施形態では、コンジュゲーションリンカーのジヒドロピリダジンは、トランス-シクロオクテンとテトラジンとの間の反応から生じる。
【0057】
実施形態では、コンジュゲーションリンカーは、例えば、検出試薬と第1の検出可能な標識との間の距離及び/又は移動の柔軟性を増大させるためのスペーサーを含む。実施形態では、コンジュゲーションリンカーは、ペプチドを含む。実施形態では、コンジュゲーションリンカーは、オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、コンジュゲーションリンカーは、親水性ポリマーを含む。実施形態では、親水性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)を含む。
【0058】
第1の核酸プローブを含む検出試薬
実施形態では、検出試薬は、第1の核酸プローブを含む。実施形態では、第1の核酸プローブは、伸長されて第1の伸長配列を形成することが可能である。実施形態では、第1の核酸プローブは、更なるオリゴヌクレオチドにライゲートされて、第1の伸長配列を形成することができる。実施形態では、第1の核酸プローブは、更なるオリゴヌクレオチドにライゲートされて、第1の伸長配列を形成することが可能であり、更なるオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、第1の核酸プローブに相補的な配列を含む。実施形態では、第1の核酸プローブは、鋳型オリゴヌクレオチドに結合することができる。実施形態では、第1の核酸プローブは、伸長反応のためのプライマーである。実施形態では、伸長反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、自己持続合成反応(3SR)、等温増幅(例えば、ヘリカーゼ依存性増幅又はローリングサークル増幅など)、又はそれらの組み合わせを含む。実施形態では、第1の核酸プローブは、鋳型オリゴヌクレオチドに結合し、PCR、LCR、SDA、3SR、等温増幅(例えば、ヘリカーゼ依存性増幅又はローリングサークル増幅など)、又はそれらの組み合わせによって伸長されて、第1の伸長配列を形成する。実施形態では、第1の核酸プローブは、鋳型オリゴヌクレオチドに結合し、PCRによって伸長されて第1の伸長配列を形成する。実施形態では、第1の核酸プローブは、鋳型オリゴヌクレオチドに結合し、(例えば、線状鋳型オリゴヌクレオチドのライゲーションによって)環状鋳型オリゴヌクレオチドを形成し、ローリングサークル増幅によって伸長されて、第1の伸長配列を形成する。第1の複合体が第1及び第2の検出試薬を含む実施形態では、第1及び第2の検出試薬の各々は、近接核酸プローブを含み、2つの近接核酸プローブが近接している場合にのみ、近接核酸プローブの一方又は両方が伸長されて、第1の伸長配列を形成することができる。
【0059】
実施形態では、第1の伸長配列は、第1のアンカー領域を含む。実施形態では、第1のアンカー領域は、表面上の第1のアンカー試薬に結合する。実施形態では、第1のアンカー試薬は、本明細書に記載される第1の複合体を形成する前、その間、又はその後に表面上に固定化される。実施形態では、第1のアンカー試薬は、本明細書に記載される方法のステップ(a)の前に表面に固定化される。実施形態では、第1のアンカー試薬は、第1の伸長配列を形成する前に表面に固定化される。実施形態では、第1のアンカー試薬は、チオエステル、チオエーテル、ジスルフィド、又はそれらの組み合わせを介して表面に固定化される。実施形態では、第1のアンカー試薬は、本明細書で更に記載される標的化剤を介して表面に固定化される。
【0060】
実施形態では、第1のアンカー試薬は、オリゴヌクレオチド、アプタマー、アプタマー配位子、抗体、抗原、配位子、受容体、ハプテン、エピトープ、又はミモトープを含む。実施形態では、第1のアンカー試薬はアプタマー配位子を含み、第1のアンカー領域はアプタマーを含む。実施形態では、第1のアンカー試薬はオリゴヌクレオチド結合タンパク質を含み、第1のアンカー領域はオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、第1のアンカー試薬は、一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第1のアンカー試薬は、二本鎖オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第1のアンカー試薬及び第1のアンカー領域は、相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第1のアンカー試薬は、アンカーオリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第1のアンカー領域は、アンカーオリゴヌクレオチドに相補的であるアンカーオリゴヌクレオチド相補体を含む。
【0061】
実施形態では、第1の伸長配列を第1のアンカー試薬に結合させることは、第1のアンカー試薬と第1のアンカー領域との間に三重らせんを形成することを含む。実施形態では、第1の伸長配列を第1のアンカー試薬に結合させることは、結合前に第1のアンカー領域を変性させて一本鎖オリゴヌクレオチド領域を露出させること、結合前に第1のアンカー領域をヘリカーゼ活性に露出させること、及び/又は結合前に第1のアンカー領域をヌクレアーゼ処理に露出させることを含み、第1のアンカー領域は、1つ以上のハプテン修飾塩基を含み、第1のアンカー試薬は、ハプテンに特異的な1つ以上の抗体を含み、及び/又は第1のアンカー領域は、1つ以上の配位子修飾塩基を含み、第1のアンカー試薬は、配位子に特異的な1つ以上の受容体を含む。
【0062】
実施形態では、捕捉試薬、分析物、及び検出試薬(又は第1及び第2の検出試薬)を含む第1の複合体は、第1の核酸プローブの伸長後に表面に結合される。実施形態では、第1の伸長配列は、表面上の第1の複合体から約1nm~約500nm、約5nm~約250nm、約10nm~約200nm、又は約15nm~約150nm以内の位置で第1のアンカー試薬に結合する。実施形態では、第1の伸長配列は、表面上の第1の複合体から1μm未満の位置で第1のアンカー試薬に結合する。実施形態では、第1の伸長配列は、表面上の第1の複合体から500nm未満の位置で第1のアンカー試薬に結合する。実施形態では、第1の伸長配列は、表面上の第1の複合体から200nm未満の位置で第1のアンカー試薬に結合する。
【0063】
実施形態では、本方法は、第1の核酸プローブを伸長させること及び/又は第1の伸長配列を第1のアンカー試薬に結合させることの後に、第1の伸長配列を、第1の検出可能な標識を含む第1の標識プローブに結合させることを含む。実施形態では、第1の伸長配列及び第1の標識プローブは、相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第1の標識プローブは、第1の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、第1の標識プローブは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、例えば、本明細書で記載されるコンジュゲーションリンカーを介して、第1の標識プローブに共有連結されている。
【0064】
第1の検出可能な標識は、本明細書中に更に記載される。実施形態では、第1の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって検出することができる。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、置換ビピリジン配位子は式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含み、第1の配位子は、式Iの化合物であり、第2の配位子は、第1の標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、第1の標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、又はレニウムを含む。
【0065】
実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IVの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式Vの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式VIの化合物を含む。
【0066】
シグナル増幅試薬
実施形態では、シグナル増幅試薬は、抗体又はその抗原結合断片、抗原、配位子、受容体、オリゴヌクレオチド、ハプテン、エピトープ、ミモトープ、又はアプタマーを含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、その抗原/エピトープ結合部分、抗体断片若しくは誘導体、抗体類似体、操作抗体、又は抗体と同様の方法で抗原に結合する物質を含む、抗体又はそのバリアントを含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、抗体の少なくとも1つの重鎖又は軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、1つ以上の抗体からの少なくとも2つのCDRを含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、抗体又はその抗原結合断片を含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、IgA、IgD、IgE、IgG、又はIgMドメインを含む定常領域を含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、IgGドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、IgG1、IgG2、IgG3、若しくはIgG4アイソタイプ抗体又はその抗原結合断片を含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、IgG2a、IgG2b、若しくはIgG2cサブクラス抗体又はその抗原結合断片を含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、マウス、ラット、ヤギ、ウサギ、ニワトリ、モルモット、ハムスター、ウマ、又はヒツジに由来する。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、マウスに由来する。抗体及び抗原結合断片は、本明細書に更に記載される。
【0067】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0068】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、少なくとも2つの第1の検出可能な標識に特異的に結合することができる。実施形態では、シグナル増幅試薬は、少なくとも2つの抗原結合ドメインを含み、各抗原結合ドメインは、第1の検出可能な標識に特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、例えば、
図22Aに示すように、第1の検出試薬上の第1の検出可能な標識及び第2の検出試薬上の第1の検出可能な標識に結合することができる。本明細書に記載されるように、第1及び第2の検出試薬上の少なくとも2つの検出可能な標識に結合することができるシグナル増幅試薬は、分析物への検出試薬の結合を安定化し、それによって分析物を検出するためのアッセイシグナルを増幅する。実施形態では、シグナル増幅試薬によって結合される少なくとも2つの第1の検出可能な標識は、同じ構造を含む。実施形態では、シグナル増幅試薬によって結合される少なくとも2つの第1の検出可能な標識は、異なる構造を含む。
【0069】
第1の検出可能な標識は、本明細書に記載されている。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識である。実施形態では、シグナル増幅試薬は、2つの第1の検出可能な標識に結合し、シグナル増幅試薬によって結合される各第1の検出可能な標識は、本明細書で記載されるECL標識である。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、置換ビピリジン配位子は、式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は3つの配位子を含み、配位子の少なくとも1つは式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は3つの配位子を含み、配位子のうちの1つは式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つは、それぞれ式Iの化合物である。
【0070】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、式IIの化合物に特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、式IVの化合物に特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、式VIの化合物に特異的に結合する。
【0071】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、2つの第1の検出可能な標識に特異的に結合し、2つの第1の検出可能な標識は、同じ構造を含み、例えば、各第1の検出可能な標識は、式II、III、IV、V、又はVIの化合物を含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、2つの第1の検出可能な標識に特異的に結合し、2つの第1の検出可能な標識は、異なる構造を含み、例えば、2つの第1の検出可能な標識の各々は、式II、III、IV、V、又はVIの化合物を含むが、ただし、2つの第1の検出可能な標識は、同じ化合物を含まない。実施形態では、各第1の検出可能な標識は、独立して、式II、III、IV、V、又はVIの化合物を含む。実施形態では、各第1の検出可能な標識は、独立して、式II、IV、又はVIの化合物を含む。
【0072】
実施形態では、第1の検出可能な標識は、例えば、本明細書で記載される検出試薬(例えば、第1及び/又は第2の検出試薬)又は第1の標識プローブに共有連結されている。実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識及びコンジュゲーションリンカーに特異的に結合する。実施形態では、実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識及びコンジュゲーションリンカーに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片を含む。かかる実施形態では、シグナル増幅試薬は、コンジュゲートされていない第1の検出可能な標識に結合しない(すなわち、検出試薬又は第1の標識プローブに付着していない)。コンジュゲートされていない第1の検出可能な標識は、例えば、第1の検出可能な標識を検出試薬又は第1の標識プローブに付着させるためのコンジュゲーション反応からのアッセイ混合物中に存在し得る。実施形態では、第1の検出可能な標識及びコンジュゲーションリンカーに特異的に結合するシグナル増幅試薬を利用する方法は、第1の検出可能な標識のみに結合するシグナル増幅試薬を利用する方法と比較して、改善された特異性を有する。
【0073】
実施形態では、コンジュゲーションリンカーは、アミド、チオエステル、チオエーテル、ジスルフィド、イミン、トリアゾール、ジヒドロピリダジン、ペプチド、オリゴヌクレオチド、親水性ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びアミドに特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びチオエステルに特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びチオエーテルに特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びジスルフィドに特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びイミンに特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びトリアゾールに特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びジヒドロピリダジンに特異的に結合する。
【0074】
実施形態では、コンジュゲーションリンカーは、スペーサー(例えば、本明細書で記載されるペプチド、オリゴヌクレオチド、又は親水性ポリマー)を含み、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識、及びコンジュゲーションリンカーのペプチド、オリゴヌクレオチド、又は親水性ポリマーの少なくとも一部に特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びコンジュゲーションリンカーのペプチドの少なくとも一部に特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びコンジュゲーションリンカーのオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に特異的に結合する。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びコンジュゲーションリンカーの親水性ポリマーの少なくとも一部に特異的に結合する。
【0075】
更に驚くべきことに、抗体シグナル増幅試薬は、スルホン化ECL標識を含む本明細書に記載のECL標識に対して高い特異性を有することが発見された。ほとんどの抗体は、特異性のために疎水性パッチを必要とし、したがって、スルホネート基は、非スルホン化標識と比較して免疫原性が低いと予想された。
【0076】
I.第1の検出可能な標識を含む第1の複合体のシグナル増幅
実施形態では、本発明は、試料中の関心対象の分析物を検出する方法を提供し、この方法は、(A)第1の検出可能な標識であって、第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である、第1の検出可能な標識と、(B)関心対象の分析物と、を含む第1の複合体を、シグナル増幅試薬に接触させることを含む。実施形態では、第1の複合体は、関心対象の分析物、分析物に特異的に結合する捕捉試薬、及び分析物に特異的に結合する検出試薬を含む。実施形態では、検出試薬は、本明細書で記載される第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、検出試薬は、第1の検出試薬であり、第1の複合体は、分析物に特異的に結合し、本明細書で記載される第1の検出可能な標識を含む第2の検出試薬を更に含む。
【0077】
実施形態では、第1の複合体は、表面上にある。実施形態では、第1の複合体は、分析物と、分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、分析物に特異的に結合する検出試薬と、を含む。実施形態では、本方法は、接触させることの前に、第1の複合体を形成することを含む。実施形態では、第1の複合体を形成することは、関心対象の分析物を(i)表面と、(ii)捕捉試薬と、(iii)検出試薬と、に接触させることを含む。実施形態では、第1の複合体を形成することは、試料を(i)表面と、(ii)捕捉試薬と、(iii)検出試薬と、に接触させることを含む。
【0078】
実施形態では、第1の複合体は、関心対象の分析物、分析物に特異的に結合する捕捉試薬、分析物に特異的に結合する第1の検出試薬、及び分析物に特異的に結合する第2の検出試薬を含み、第1及び第2の検出試薬の各々は、本明細書に記載されるように、第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、本方法は、接触させることの前に、第1の複合体を形成することを含む。実施形態では、第1の複合体を形成することは、関心対象の分析物を、(i)表面と、(ii)捕捉試薬と、(iii)第1の検出試薬と、(iv)第2の検出試薬と、に接触させることを含む。実施形態では、第1の複合体を形成することは、試料を(i)表面と、(ii)捕捉試薬と、(iii)第1の検出試薬と、(iv)第2の検出試薬と、に接触させることを含む。実施形態では、第1の複合体は、分析物を捕捉試薬並びに第1及び第2の検出試薬と任意の順序で接触させることによって形成される。
【0079】
実施形態では、捕捉試薬は、本明細書に記載されるように、表面上に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、表面上に固定化されることが可能である。実施形態では、本方法は、第1の複合体の形成前、形成中、又は形成後に、捕捉試薬を表面に固定化することを含む。実施形態では、本方法は、方法のステップ(a)の前に、捕捉試薬を表面に固定化することを含む。
【0080】
実施形態では、本方法は、第1の複合体をシグナル増幅試薬に接触させる前に、表面上の第1の複合体を検出することを更に含む。実施形態では、検出することは、例えば検出試薬上の第1の検出可能な標識の量を測定することを含む。第1の複合体が第1及び第2の検出試薬を含む実施形態では、検出は、第1及び第2の検出試薬上の第1の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識を含み、第1の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。
【0081】
実施形態では、検出試薬は、複数の第1の検出可能な標識を含み、複数のシグナル増幅試薬が検出試薬に結合し、各シグナル増幅試薬は、検出試薬上の別個の第1の検出可能な標識に結合する。
【0082】
実施形態では、第1の複合体は、第1及び第2の検出試薬を含み、第1及び第2の検出試薬の各々は、本明細書で記載される第1の検出可能な標識を含み、シグナル増幅試薬は、例えば、
図22A~
図22Dに示すように、第1の検出試薬上の第1の検出可能な標識と、第2の検出試薬上の第1の検出可能な標識とに同時に結合することが可能である。
【0083】
I.A.結合部分を含むシグナル増幅試薬
実施形態では、捕捉試薬、分析物、及び第1の検出可能な標識を含む検出試薬を含む第1の複合体は、(1)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、結合部分を含むシグナル増幅試薬と、(2)検出可能な部分と、に接触させられ、検出可能な部分は、(i)結合部分の結合パートナーと、(ii)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む。実施形態では、本明細書に記載され、
図22Bに示すように、第1の複合体は、それぞれが第1の検出可能な標識を含む第1及び第2の検出試薬を含み、シグナル増幅試薬は、第1の検出試薬上の第1の検出可能な標識及び第2の検出試薬上の第1の検出可能な標識に特異的に結合する。
【0084】
実施形態では、結合部分はオリゴヌクレオチドを含み、検出可能な部分は相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、結合部分及び検出可能な部分は、受容体-配位子対、抗原-抗体対、ハプテン-抗体対、エピトープ-抗体対、ミモトープ-抗体対、アプタマー-標的分子対、又はインターカレーター-標的分子対を含む。実施形態では、結合部分は、検出可能な部分に対する複数の結合部位を含む。実施形態では、結合部分は、検出可能な部分のための2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の結合部位を含む。実施形態では、検出可能な部分は、結合部分のための複数の結合部位を含む。実施形態では、検出可能な部分は、結合部分のための2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の結合部位を含む。例えば、1つのストレプトアビジンは4つのビオチン分子に結合することができる。実施形態では、結合部分はビオチンを含み、検出可能な部分はアビジン又はストレプトアビジンを含む。実施形態では、結合部分はアビジン又はストレプトアビジンを含み、検出可能な部分はビオチンを含む。
【0085】
実施形態では、検出可能な部分は、第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、検出可能な部分は、第2の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、検出可能な部分は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第2の検出可能な標識を含む。
【0086】
実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって検出することができる。実施形態では、第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、置換ビピリジン配位子は式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含み、第1の配位子は、式Iの化合物であり、第2の配位子は、検出可能な部分に共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、検出可能な部分に共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、又はレニウムを含む。
【0087】
実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IVの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式Vの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式VIの化合物を含む。
【0088】
実施形態では、検出試薬(例えば、第1及び/又は第2の検出試薬)の第1の検出可能な標識と、検出可能な部分の第2の検出可能な標識とは、同じである。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、本明細書で記載されるECL標識を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IVの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式Vの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式VIの化合物を含む。
【0089】
実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は異なる。実施形態では、第1の検出可能な標識は、シグナル増幅試薬によって結合されると検出可能ではない。実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識には結合しない。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式III、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IVの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式Vの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式VIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVのいずれか1つの化合物を含む。
【0090】
実施形態では、第1の検出可能な標識は、第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。本明細書中で使用される場合、「検出可能に異なる」2つの種は、異なる検出方法又はパラメータが2つの種を検出するために使用されることを意味する。例えば、蛍光種は、化学発光種又は電気化学発光種とは検出可能に異なる。更なる例において、電気化学発光種は、発色性種とは検出可能に異なる。別の例では、異なる、重複しない励起及び/又は発光波長を有する2つの蛍光種は、検出可能に異なる。実施形態では、例えば、シグナル増幅試薬によって結合された検出試薬上の第1の検出可能な標識の存在は、第2の検出可能な標識の検出を妨害しない。
【0091】
実施形態では、第1の複合体を最初にシグナル増幅試薬に接触させ、次いで、検出可能な部分に接触させる。実施形態では、第1の複合体を、シグナル増幅試薬及び検出可能な部分と同時に又は実質的に同時に接触させる。本明細書で使用される場合、1つ以上の事象(例えば、第1の結合複合体をシグナル増幅試薬及び検出可能な部分に接触させること)に関する「同時」という用語は、事象が正確に同時又は実質的に同時に起こることを意味し、例えば、本明細書に記載される同時事象は、約10分未満若しくは約10分離れて、約5分未満若しくは約5分離れて、約2分未満若しくは約2分離れて、約1分未満若しくは約1分離れて、約30秒未満若しくは約30秒離れて、約15秒未満若しくは約15秒離れて、又は約5秒未満若しくは約5秒離れて起こり得る。
【0092】
実施形態では、接触させることは、(i)シグナル増幅試薬及び検出可能な部分を含むシグナル増幅複合体を形成することと、(ii)第1の複合体をシグナル増幅複合体に接触させることと、を含む。実施形態では、検出可能な部分は、結合部分に対する複数の結合部位を含み、かつ/又は結合部分は、検出可能な部分に対する複数の結合部位を含み、シグナル増幅複合体は、複数のシグナル増幅試薬を含み、各シグナル増幅試薬は、1つ以上の検出可能な部分に結合している。実施形態では、第1の複合体及びシグナル増幅複合体は、同時に又は実質的に同時に形成される。実施形態では、第1の複合体及びシグナル増幅複合体は、逐次的に形成される。実施形態では、第1の複合体は、表面上で形成され、シグナル増幅複合体は、別個の反応槽又は容器内で形成される。
【0093】
結合部分がオリゴヌクレオチド結合部分を含み、検出可能な部分がオリゴヌクレオチド結合部分に相補的オリゴヌクレオチドを含む実施形態では、本方法は、検出可能な部分に結合する前にオリゴヌクレオチド結合部分の長さを増加させることを更に含む。実施形態では、オリゴヌクレオチド結合部分の長さを増加させることは、オリゴヌクレオチド結合部分を更なるオリゴヌクレオチドにライゲートすることを含む。実施形態では、オリゴヌクレオチド結合部分の長さを増加させることは、オリゴヌクレオチド結合部分を更なるオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることを含み、更なるオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、オリゴヌクレオチド結合部分に相補的な配列を含む。実施形態では、更なるオリゴヌクレオチドは、標識プローブに対して2つ以上の相補的配列を更に含み、それによって、本明細書の実施形態に記載されるように、検出可能な部分の2つ以上のコピーが第2の複合体に結合することを可能にし、アッセイシグナルを更に増幅する。
【0094】
複数の架橋シグナル増幅試薬及び検出可能な部分を含み、各検出可能な部分が複数の第2の検出可能な標識を含む、シグナル増幅複合体の例示的な実施形態を
図4に示している。シグナル増幅複合体を形成することを含み、第1及び第2の検出可能な標識が同じである実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識及び検出試薬のコンジュゲーションリンカーに特異的に結合し、それによって、検出可能な部分上の第2の検出可能な標識へのシグナル増幅試薬の結合を減少させる。シグナル増幅複合体を形成することを含む実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は異なり、それによって、検出可能な部分上の第2の検出可能な標識へのシグナル増幅試薬の結合を減少させる。
【0095】
実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、検出可能に異なる。実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な標識の量を別々に測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれECL標識を含み、第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0096】
実施形態では、本方法は、第2の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識を含み、第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0097】
I.B.酵素を含むシグナル増幅試薬
実施形態では、捕捉試薬、分析物、及び検出試薬を含む第1の複合体は、(1)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、(2)酵素の基質と、に接触させられる。実施形態では、本明細書に記載されるように、第1の複合体は、それぞれが第1の検出可能な標識を含む第1及び第2の検出試薬を含み、シグナル増幅試薬は、第1の検出試薬上の第1の検出可能な標識及び第2の検出試薬上の第1の検出可能な標識に特異的に結合する。
【0098】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、基質に作用する酵素を含む。実施形態では、酵素は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、β-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ(GO)、アセチルコリンエステラーゼ、カタラーゼ、又はβ-ラクタマーゼである。
【0099】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、例えば
図17に示すように、基質に作用する酵素を含む。実施形態では、酵素は、例えば、酸化、還元、加水分解、又はそれらの組み合わせを介して、基質に結合し、基質に作用して、検出可能なシグナルを生成する。実施形態では、検出可能なシグナルは、発色シグナル、化学発光、蛍光、又はそれらの組み合わせを含む。実施形態では、酵素は、HRP、AP、又はβ-ガラクトシダーゼである。実施形態では、酵素はHRPであり、基質は3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)、2,2’-アジノビス[3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸]-ジアンモニウム塩(ABTS)、又はo-フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD)である。実施形態では、TMBは、HRPによる酸化の際に無色から青色に変換される。実施形態では、ABTSは、HRPによる酸化の際に無色から緑色に変換される。実施形態では、OPDは、HRPによる酸化の際に無色から黄橙色に変換される。実施形態では、酵素はAPであり、基質はp-ニトロフェニルホスフェート(PNPP)である。実施形態では、PNPPは、APによる加水分解時に無色から黄色に変換される。実施形態では、酵素はβ-ガラクトシダーゼであり、基質はo-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド(ONPG)である。実施形態では、ONPGは、β-ガラクトシダーゼによる加水分解時に無色から黄色に変換される。HRPに対する基質の更なる非限定的な例としては、化学発光基質(例えば、SUPERSIGNAL(商標))、及び蛍光基質(例えば、QUANTABLU(商標)、QUANTARED(商標)、及びAMPLEX(商標)Red)が挙げられる。APのための基質の更なる非限定的な例としては、化学発光基質CDP(商標)及びDYNALIGHT(商標)が挙げられる。本明細書に記載される基質を検出する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、Crowther,J.R.”The ELISA Guidebook.”Methods in Molecular Biology.Humana Press;Totowa,NJ(2001)に記載されている。
【0100】
実施形態では、本方法は、酵素の活性を測定することを含む。実施形態では、測定することは、酵素が基質に作用する際に生成される検出可能なシグナルを測定することを含む。実施形態では、検出可能なシグナルは、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、基質は、TMBM、ABTS、OPD、PNPP、又はONPGであり、酵素と反応すると発色シグナルを生成する。実施形態では、基質は、酵素と反応すると蛍光シグナルを生成する。実施形態では、基質は、酵素と反応すると化学発光シグナルを生成する。実施形態では、測定された検出可能なシグナルの量は、試料中の分析物の存在を決定するために使用される。実施形態では、測定された検出可能なシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0101】
I.C.第2の検出可能な標識を含むシグナル増幅試薬
実施形態では、捕捉試薬、分析物、及び検出試薬を含む第1の複合体を、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識を含むシグナル増幅試薬に接触させる。実施形態では、本明細書に記載され、
図22Cに示すように、第1の複合体は、それぞれが第1の検出可能な標識を含む第1及び第2の検出試薬を含み、シグナル増幅試薬は、第1の検出試薬上の第1の検出可能な標識及び第2の検出試薬上の第1の検出可能な標識に特異的に結合する。
【0102】
第2の検出可能な標識は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって検出することができる。実施形態では、第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、置換ビピリジン配位子は式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含み、第1の配位子は、式Iの化合物であり、第2の配位子は、標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、又はレニウムを含む。
【0103】
実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IVの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式Vの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式VIの化合物を含む。
【0104】
実施形態では、検出試薬(例えば、第1及び/又は第2の検出試薬)の第1の検出可能な標識と、シグナル増幅試薬の第2の検出可能な標識とは、同じである。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、本明細書で記載されるECL標識を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IVの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式Vの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式VIの化合物を含む。
【0105】
実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は異なる。実施形態では、第1の検出可能な標識は、シグナル増幅試薬によって結合されると検出可能ではない。実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識には結合しない。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式III、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IVの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式Vの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式VIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。
【0106】
実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、検出可能に異なる。実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な標識の量を別々に測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれECL標識を含み、第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0107】
実施形態では、本方法は、第2の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識を含み、第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0108】
I.D.核酸プローブを含むシグナル増幅試薬
実施形態では、捕捉試薬、分析物、及び検出試薬を含む第1の複合体を、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、核酸プローブを含むシグナル増幅試薬に接触させる。実施形態では、本明細書に記載され、
図22Dに示すように、第1の複合体は、それぞれが第1の検出可能な標識を含む第1及び第2の検出試薬を含み、シグナル増幅試薬は、第1の検出試薬上の第1の検出可能な標識及び第2の検出試薬上の第1の検出可能な標識に特異的に結合する。実施形態では、本方法は、第1の複合体及びシグナル増幅試薬を含む第2の複合体を表面上に形成することを含む。
【0109】
実施形態では、第1の複合体は、例えば、本明細書で記載される第1及び第2の検出試薬上に存在するか、又は本明細書で記載される単一の検出試薬上に存在する、少なくとも2つの第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、本方法は、第1の複合体を少なくとも2つのシグナル増幅試薬に接触させることを含む。実施形態では、本明細書で記載される第2の複合体のシグナル増幅試薬は、第1のシグナル増幅試薬であり、第2の複合体は、第2のシグナル増幅試薬を更に含み、第1及び第2のシグナル増幅試薬は、それぞれ、1つ以上の検出試薬上に存在する別個の第1の検出可能な標識に結合する。実施形態では、第2の複合体は、少なくとも2つのシグナル増幅試薬を含み、各シグナル増幅試薬は、例えば、
図1C(検出試薬に結合した3つのシグナル増幅試薬を示す)及び
図1D(検出試薬に結合した2つのシグナル増幅試薬を示す)に示されている核酸プローブを含む。したがって、実施形態では、第2の複合体は、1つ以上の核酸プローブを含む。実施形態では、第2の複合体の各核酸プローブは、同じ配列を含む。実施形態では、第2の複合体の各核酸プローブは、同じ配列からなる。実施形態では、第2の複合体の各核酸プローブは、異なる配列を含む。実施形態では、第2の複合体の核酸プローブのうちの2つ以上は、同じ配列を含む。
【0110】
実施形態では、本方法は、核酸プローブ(例えば、第2の複合体の各核酸プローブ)を伸長させて、伸長配列を形成することを含む。実施形態では、伸長させることは、核酸プローブ(例えば、第2の複合体の各核酸プローブ)を更なるオリゴヌクレオチドにライゲートして、伸長配列を形成することを含む。実施形態では、伸長させることは、核酸プローブ(例えば、第2の複合体の各核酸プローブ)を、更なるオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることであって、更なるオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分が、核酸プローブに対する相補的配列を含み、伸長配列を形成することを含む。
【0111】
実施形態では、伸長させることは、核酸プローブ(例えば、第2の複合体の各核酸プローブ)を、伸長反応のための鋳型オリゴヌクレオチドに結合させて、伸長配列を形成することを含む。実施形態では、第2の複合体は、複数の、例えば、少なくとも2つの核酸プローブを含み、伸長させることは、各核酸プローブを別個の鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、各核酸プローブを伸長させて、複数の、例えば、少なくとも2つの伸長配列を形成することと、を含む。実施形態では、第2の複合体は、複数の、例えば、少なくとも2つの核酸プローブを含み、伸長させることは、2つの核酸プローブを単一の鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、一方又は両方の核酸プローブを伸長させて、伸長配列を形成することと、を含む。実施形態では、第2の複合体は、複数の、例えば、少なくとも2つの核酸プローブを含み、伸長させることは、2つの核酸プローブを2つの鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることであって、各鋳型オリゴヌクレオチドは、2つの核酸プローブの各々の一部に結合する、結合させることと、一方又は両方の核酸プローブを伸長させて、伸長配列を形成することと、を含む。
【0112】
実施形態では、核酸プローブは、伸長反応のためのプライマーである。実施形態では、伸長反応は、PCR、LCR、SDA、3SR、等温増幅(例えば、ヘリカーゼ依存性増幅又はローリングサークル増幅など)、又はそれらの組み合わせを含む。実施形態では、伸長させることは、核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、PCR、LCR、SDA、3SR、等温増幅(例えば、ヘリカーゼ依存性増幅又はローリングサークル増幅など)、又はそれらの組み合わせによって核酸プローブを伸長させることと、を含む。実施形態では、伸長させることは、核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、PCRによって核酸プローブを伸長させることと、を含む。実施形態では、伸長させることは、核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、環状鋳型オリゴヌクレオチドを形成すること(例えば、線状鋳型オリゴヌクレオチドのライゲーションによって)と、ローリングサークル増幅によって核酸プローブを伸長させることと、を含む。
【0113】
実施形態では、第2の複合体は、少なくとも2つの核酸プローブを含み、伸長させることは、例えば、
図1Cに示されているように、各核酸プローブを別個の鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、各鋳型オリゴヌクレオチドから環状鋳型を形成することと、RCAによって各核酸プローブを伸長させることと、を含む。実施形態では、第2の複合体は、2つの核酸プローブを含み、伸長させることは、2つの核酸プローブを2つの鋳型オリゴヌクレオチドに接触させることであって、各鋳型オリゴヌクレオチドは、2つの核酸プローブの各々の一部に同時に結合する、接触させることと、2つの鋳型オリゴヌクレオチドをライゲートして、環状鋳型を形成することと、例えば、
図1Dに示されているように、RCAによって核酸プローブの一方又は両方を伸長させることと、を含む。
【0114】
実施形態では、第2の複合体は、第1及び第2のシグナル増幅試薬を含み、第1及び第2のシグナル増幅試薬の核酸プローブは、同じ配列を含むか、又はそれからなる。実施形態では、第1及び第2のシグナル増幅試薬の核酸プローブは、異なる配列を含む。第1及び第2のシグナル増幅試薬の核酸プローブが異なる配列を含む実施形態では、鋳型オリゴヌクレオチドは、2つの核酸プローブが近接している場合にライゲートされ得、それによって、分析物を検出するための方法の特異性を増加させる。
【0115】
実施形態では、第2の複合体は、異なる配列を含む少なくとも2つの核酸プローブを含む。実施形態では、2つの核酸プローブは、鋳型オリゴヌクレオチドの隣接領域に結合する。実施形態では、鋳型オリゴヌクレオチドは、2つの核酸プローブのうちの第1のものに相補的な内部配列と、2つの核酸プローブのうちの第2のものの非重複領域に相補的な5’及び3’配列と、を含む。実施形態では、2つの核酸プローブを、2つの核酸プローブのうちの第1の核酸プローブ上の第1の領域及び2つの核酸プローブのうちの第2の核酸プローブ上の第1の領域に相補的な配列を含む第1の鋳型オリゴヌクレオチドと、2つの核酸プローブのうちの第1の核酸プローブ上の第2の領域及び2つの核酸プローブのうちの第2の核酸プローブ上の第2の領域に相補的な配列を含む第2の鋳型オリゴヌクレオチドと、に接触させ、各核酸プローブ上の第1の領域及び第2の領域は、重複しておらず、第1及び第2の鋳型オリゴヌクレオチドをライゲートして環状鋳型を形成し、一方又は両方の核酸プローブをRCAによって伸長させて伸長配列を形成する。
【0116】
実施形態では、伸長配列は、アンカー試薬に結合することができるアンカー領域を含む。実施形態では、第1の複合体は、表面上にあり、本方法は、表面上にアンカー試薬を固定化することを更に含む。実施形態では、第1の複合体は、表面上にあり、表面は、固定化されたアンカー試薬を更に含む。実施形態では、アンカー試薬は、チオエステル、チオエーテル、ジスルフィド、又はそれらの組み合わせを介して表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、本明細書に更に記載されるように、標的化剤を介して表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、本明細書に記載される第1の複合体の形成前、形成中、又は形成後に表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、本方法のステップ(a)の前に表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、伸長配列を形成する前に表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、伸長配列の量を測定する前に表面に固定化される。実施形態では、本方法は、伸長配列のアンカー領域をアンカー試薬に結合させることを含む。実施形態では、測定することは、アンカー試薬を介して表面に結合した伸長配列の量を測定することを含む。
【0117】
実施形態では、アンカー試薬は、オリゴヌクレオチド、アプタマー、アプタマー配位子、抗体、抗原、配位子、受容体、ハプテン、エピトープ、又はミモトープを含む。実施形態では、アンカー試薬はアプタマー配位子を含み、伸長配列のアンカー領域はアプタマーを含む。実施形態では、アンカー試薬はオリゴヌクレオチド結合タンパク質を含み、伸長配列のアンカー領域はオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、アンカー試薬は、一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、アンカー試薬は、二本鎖オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、アンカー試薬及びアンカー領域は、相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、アンカー試薬は、アンカーオリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、伸長配列のアンカー領域は、アンカーオリゴヌクレオチドに相補的なアンカーオリゴヌクレオチド相補体を含む。
【0118】
実施形態では、伸長配列をアンカー試薬に結合させることは、アンカー試薬と伸長配列のアンカー領域との間に三重らせんを形成することを含む。実施形態では、伸長配列をアンカー試薬に結合させることは、結合前にアンカー領域を変性させて一本鎖オリゴヌクレオチド領域を露出させること、結合前にアンカー領域をヘリカーゼ活性に露出させること、及び/又は結合前にアンカー領域をヌクレアーゼ処理に露出させることを含み、アンカー領域は、1つ以上のハプテン修飾塩基を含み、アンカー試薬は、ハプテンに特異的な1つ以上の抗体を含み、及び/又はアンカー領域は、1つ以上の配位子修飾塩基を含み、アンカー試薬は、配位子に特異的な1つ以上の受容体を含む。
【0119】
実施形態では、第1の複合体は、本明細書に記載されるように、分析物、捕捉試薬、及び検出試薬を含む。実施形態では、第1の複合体は、本明細書に記載されるように、分析物、捕捉試薬、第1の検出試薬、及び第2の検出試薬を含む。実施形態では、第2の複合体は、捕捉試薬、分析物、検出試薬、及びシグナル増幅試薬を含む。実施形態では、第2の複合体は、捕捉試薬、分析物、第1の検出試薬、第2の検出試薬、及びシグナル増幅試薬を含む。実施形態では、第2の複合体は、標識プローブの伸長後に表面に結合される。実施形態では、第2の複合体は、標識プローブと接触される前に表面に結合される。実施形態では、伸長配列は、表面上の第2の複合体から約1nm~約500nm、約5nm~約250nm、約10nm~約200nm、又は約15nm~約150nm以内の位置でアンカー試薬に結合する。実施形態では、伸長配列は、表面上の第2の複合体から1μm未満の位置でアンカー試薬に結合する。実施形態では、伸長配列は、表面上の第2の複合体から500nm未満の位置でアンカー試薬に結合する。実施形態では、伸長配列は、表面上の第2の複合体から200nm未満の位置でアンカー試薬に結合する。
【0120】
実施形態では、伸長配列の量を測定することは、伸長配列を、第2の検出可能な標識を含む標識プローブに接触させることを含む。実施形態では、標識プローブは、第2の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、標識プローブは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識を含む標識プローブは、伸長配列に結合する。実施形態では、伸長配列及び標識プローブは、相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、伸長配列は修飾塩基を含み、伸長配列の量を測定することは、伸長配列を、修飾塩基に結合する検出可能な部分に接触させることを含む。実施形態では、修飾塩基は、アプタマー、アプタマー配位子、抗体、抗原、配位子、受容体、ハプテン、エピトープ、又はミモトープを含み、検出可能な部分は、修飾塩基の結合パートナー及び第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、修飾塩基は、ストレプトアビジン又はアビジンを含み、検出可能な部分は、ビオチン及び第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、修飾塩基は、ビオチンを含み、検出可能な部分は、アビジン及び第2の検出可能な標識を含む。
【0121】
第2の検出可能な標識は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって検出することができる。実施形態では、第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、置換ビピリジン配位子は式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含み、第1の配位子は、式Iの化合物であり、第2の配位子は、標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、又はレニウムを含む。
【0122】
実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IVの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式Vの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式VIの化合物を含む。
【0123】
実施形態では、検出試薬(例えば、第1及び/又は第2の検出試薬)の第1の検出可能な標識と、標識プローブの第2の検出可能な標識とは、同じである。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、本明細書で記載されるECL標識を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IVの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式Vの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式VIの化合物を含む。
【0124】
実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は異なる。実施形態では、第1の検出可能な標識は、シグナル増幅試薬によって結合されると検出可能ではない。実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識には結合しない。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式III、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IVの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式Vの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式VIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。
【0125】
実施形態では、本方法は、表面上の第2の検出可能な標識の量を測定することによって、伸長配列の量を測定することを含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識を含み、第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0126】
実施形態では、本方法は、表面上の第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することを更に含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、検出可能に異なる。実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な標識の量を別々に測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれECL標識を含み、第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0127】
II.第1の核酸プローブを含む検出試薬のシグナル増幅
実施形態では、本発明は、試料中の関心対象の分析物を検出する方法であって、
表面上に第1の複合体を形成することであって、第1の複合体は、関心対象の分析物、分析物に特異的に結合する捕捉試薬、及び分析物に特異的に結合する検出試薬を含み、検出試薬は、第1の核酸プローブを含む、形成することと、
第1の核酸プローブを伸長させて、第1のアンカー領域を含む第1の伸長配列を形成することであって、第1のアンカー領域は、表面上に固定化された第1のアンカー試薬に結合する、形成することと、
第1の伸長配列を、第1の検出可能な標識を含む第1の標識プローブに結合させることと、
第1の標識プローブをシグナル増幅試薬に接触させることと、を含む、方法を提供する。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。第1の核酸プローブを含む検出試薬と、第1の伸長配列を形成するための第1の核酸プローブの伸長と、第1の伸長配列への第1の標識プローブの結合とは、本明細書中に更に記載される。
【0128】
実施形態では、第1の複合体は、関心対象の分析物を、(i)表面と、(ii)捕捉試薬と、(iii)検出試薬と、に接触させることによって形成される。実施形態では、第1の複合体は、試料を(i)表面と、(ii)捕捉試薬と、(iii)検出試薬と、に接触させることによって形成される。
【0129】
実施形態では、第1の複合体の検出試薬は、第1の検出試薬であり、第1の複合体は、第2の検出試薬を更に含み、第1及び第2の検出試薬の各々は、本明細書で記載される近接核酸プローブを含む。実施形態では、近接核酸プローブの一方又は両方を伸長させて、本明細書で記載される第1のアンカー領域を含む第1の伸長配列を形成する。実施形態では、第1の複合体は、関心対象の分析物及び/又は試料を、(i)表面と、(ii)捕捉試薬と、(iii)第1の検出試薬と、(iv)第2の検出試薬と、に接触させることによって形成される。本明細書に記載されるように、捕捉試薬並びに第1及び第2の検出試薬は、任意の順序で試料及び/又は分析物に接触させることができる。
【0130】
実施形態では、捕捉試薬は、本明細書に記載されるように、表面上に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、表面上に固定化されることが可能である。実施形態では、本方法は、第1の複合体の形成前、形成中、又は形成後に、捕捉試薬を表面に固定化することを含む。実施形態では、本方法は、方法のステップ(a)の前に、捕捉試薬を表面に固定化することを含む。捕捉試薬を表面に固定化する方法が本明細書で提供される。
【0131】
実施形態では、本方法は、第1の標識プローブをシグナル増幅試薬に接触させる前に、表面上の第1の複合体を検出することを更に含む。実施形態では、検出することは、表面に結合した第1の伸長配列の量を測定することを含む。実施形態では、検出することは、第1の伸長配列に結合した第1の標識プローブの量を測定することを含む。実施形態では、検出することは、第1の標識プローブの第1の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識を含み、第1の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。
【0132】
実施形態では、第1の標識プローブは、複数の第1の検出可能な標識を含み、複数のシグナル増幅試薬は、第1の標識プローブに結合し、各シグナル増幅試薬は、検出試薬上の別個の第1の検出可能な標識に結合する。実施形態では、第1の伸長配列は、複数の第1の標識プローブに結合し、別個のシグナル増幅試薬は、複数の第1の標識プローブの各々に結合する。
【0133】
II.A.結合部分を含むシグナル増幅試薬
実施形態では、第1の標識プローブは、(1)結合部分を含むシグナル増幅試薬と、(2)検出可能な部分と、に接触させられ、検出可能な部分は、(i)結合部分の結合パートナーと、(ii)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む。
【0134】
実施形態では、結合部分はオリゴヌクレオチドを含み、検出可能な部分は相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、結合部分及び検出可能な部分は、受容体-配位子対、抗原-抗体対、ハプテン-抗体対、エピトープ-抗体対、ミモトープ-抗体対、アプタマー-標的分子対、インターカレーター-標的分子対、又は酵素-基質対を含む。実施形態では、結合部分は、検出可能な部分に対する複数の結合部位を含む。実施形態では、結合部分は、検出可能な部分のための2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の結合部位を含む。実施形態では、検出可能な部分は、結合部分のための複数の結合部位を含む。実施形態では、検出可能な部分は、結合部分のための2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の結合部位を含む。例えば、1つのストレプトアビジンは4つのビオチン分子に結合することができる。実施形態では、結合部分はビオチンを含み、検出可能な部分はアビジン又はストレプトアビジンを含む。実施形態では、結合部分はアビジン又はストレプトアビジンを含み、検出可能な部分はビオチンを含む。
【0135】
実施形態では、検出可能な部分は、第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、検出可能な部分は、第2の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、検出可能な部分は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第2の検出可能な標識を含む。
【0136】
実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって検出することができる。実施形態では、第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、置換ビピリジン配位子は式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含み、第1の配位子は、式Iの化合物であり、第2の配位子は、検出可能な部分に共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、検出可能な部分に共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、又はレニウムを含む。
【0137】
実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IVの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式Vの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式VIの化合物を含む。
【0138】
実施形態では、第1の標識プローブの第1の検出可能な標識及び検出可能な部分の第2の検出可能な標識は同じである。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、本明細書で記載されるECL標識を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IVの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式Vの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式VIの化合物を含む。
【0139】
実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は異なる。実施形態では、第1の検出可能な標識は、シグナル増幅試薬によって結合されると検出可能ではない。実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識には結合しない。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式III、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IVの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式Vの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式VIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。
【0140】
実施形態では、第1の標識プローブを最初にシグナル増幅試薬に接触させ、次いで、検出可能な部分に接触させる。実施形態では、第1の標識プローブを、シグナル増幅試薬及び検出可能な部分と同時に又は実質的に同時に接触させる。
【0141】
実施形態では、接触させることは、(i)シグナル増幅試薬及び検出可能な部分を含むシグナル増幅複合体を形成することと、(ii)第1の標識プローブをシグナル増幅複合体に接触させることと、を含む。実施形態では、検出可能な部分は、結合部分に対する複数の結合部位を含み、かつ/又は結合部分は、検出可能な部分に対する複数の結合部位を含み、シグナル増幅複合体は、複数のシグナル増幅試薬を含み、各シグナル増幅試薬は、1つ以上の検出可能な部分に結合している。実施形態では、第1の複合体及びシグナル増幅複合体は、同時に又は実質的に同時に形成される。実施形態では、第1の複合体及びシグナル増幅複合体は、逐次的に形成される。実施形態では、第1の複合体は、表面上で形成され、シグナル増幅複合体は、別個の反応槽又は容器内で形成される。
【0142】
結合部分がオリゴヌクレオチド結合部分を含み、検出可能な部分がオリゴヌクレオチド結合部分に相補的オリゴヌクレオチドを含む実施形態では、本方法は、検出可能な部分に結合する前にオリゴヌクレオチド結合部分の長さを増加させることを更に含む。実施形態では、オリゴヌクレオチド結合部分の長さを増加させることは、オリゴヌクレオチド結合部分を更なるオリゴヌクレオチドにライゲートすることを含む。実施形態では、オリゴヌクレオチド結合部分の長さを増加させることは、オリゴヌクレオチド結合部分を更なるオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることを含み、更なるオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、オリゴヌクレオチド結合部分に相補的な配列を含む。実施形態では、更なるオリゴヌクレオチドは、検出可能な部分に対して2つ以上の相補的配列を含み、それによって、本明細書の実施形態に記載されるように、検出可能な部分の2つ以上のコピーが第2の複合体に結合することを可能にし、アッセイシグナルを更に増幅する。
【0143】
実施形態では、本方法は、表面上の第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、検出可能に異なる。実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な標識の量を別々に測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれECL標識を含み、第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0144】
実施形態では、本方法は、表面上の第2の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識を含み、第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0145】
II.B.酵素を含むシグナル増幅試薬
実施形態では、第1の標識プローブは、(1)第1の検出可能な標識に特異的に結合し、酵素を含むシグナル増幅試薬と、(2)酵素の基質と、に接触させられる。
【0146】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、基質に作用する酵素を含む。実施形態では、酵素は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、β-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ(GO)、アセチルコリンエステラーゼ、カタラーゼ、又はβ-ラクタマーゼである。
【0147】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、酵素の基質に作用する酵素を含む。実施形態では、酵素は、例えば、酸化、還元、加水分解、又はそれらの組み合わせを介して、基質に結合し、基質に作用して、検出可能なシグナルを生成する。実施形態では、検出可能なシグナルは、発色シグナル、化学発光、蛍光、又はそれらの組み合わせを含む。実施形態では、酵素は、HRP、AP、又はβ-ガラクトシダーゼである。実施形態では、酵素はHRPであり、検出可能な部分はTMB、ABTS、又はOPDである。実施形態では、結合部分はAPであり、検出可能な部分はPNPPである。実施形態では、結合部分はβ-ガラクトシダーゼであり、検出可能な部分はONPGである。HRPに対する基質の更なる非限定的な例としては、化学発光基質(例えば、SUPERSIGNAL(商標))、及び蛍光基質(例えば、QUANTABLU(商標)、QUANTARED(商標)、及びAMPLEX(商標)Red)が挙げられる。APのための基質の更なる非限定的な例としては、化学発光基質CDP(商標)及びDYNALIGHT(商標)が挙げられる。TMB、ABTS、OPD、PNPP、及びONPGを含む種々の酵素基質の検出方法は、本明細書に更に記載される。
【0148】
実施形態では、本方法は、酵素の活性を測定することを含む。実施形態では、測定することは、酵素が基質に作用する際に生成される検出可能なシグナルを測定することを含む。実施形態では、検出可能なシグナルは、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、基質は、TMBM、ABTS、OPD、PNPP、又はONPGであり、酵素と反応すると発色シグナルを生成する。実施形態では、基質は、酵素と反応すると蛍光シグナルを生成する。実施形態では、基質は、酵素と反応すると化学発光シグナルを生成する。実施形態では、測定された検出可能なシグナルの量は、試料中の分析物の存在を決定するために使用される。実施形態では、測定された検出可能なシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0149】
II.C.第2の検出可能な標識を含むシグナル増幅試薬
実施形態では、第1の標識プローブを、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識を含むシグナル増幅試薬に接触させる。
【0150】
第2の検出可能な標識は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって検出することができる。実施形態では、第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、置換ビピリジン配位子は式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含み、第1の配位子は、式Iの化合物であり、第2の配位子は、標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、又はレニウムを含む。
【0151】
実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IVの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式Vの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式VIの化合物を含む。
【0152】
実施形態では、標識プローブの第1の検出可能な標識及びシグナル増幅試薬の第2の検出可能な標識は同じである。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、本明細書で記載されるECL標識を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IVの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式Vの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式VIの化合物を含む。
【0153】
実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は異なる。実施形態では、第1の検出可能な標識は、シグナル増幅試薬によって結合されると検出可能ではない。実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識には結合しない。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式III、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IVの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式Vの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式VIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。
【0154】
実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、検出可能に異なる。実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な標識の量を別々に測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれECL標識を含み、第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0155】
実施形態では、本方法は、第2の検出可能な標識の量を測定することを含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識を含み、第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0156】
II.D.第2の核酸プローブを含むシグナル増幅試薬
実施形態では、第1の標識プローブを、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の核酸プローブを含むシグナル増幅試薬に接触させる。実施形態では、本方法は、第1の標識プローブ及びシグナル増幅試薬を含む第2の複合体を表面上に形成することを含む。
【0157】
実施形態では、本方法は、第2の核酸プローブを伸長させて、第2の伸長配列を形成することを含む。実施形態では、伸長させることは、第2の核酸プローブを更なるオリゴヌクレオチドにライゲートして、第2の伸長配列を形成することを含む。実施形態では、伸長させることは、第2の核酸プローブを更なるオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせて、第2の伸長配列を形成することを含み、更なるオリゴヌクレオチドの少なくとも一部は、第2の核酸プローブに相補的な配列を含む。実施形態では、伸長させることは、伸長反応のために第2の核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させて、第2の伸長配列を形成することを含む。実施形態では、第2の核酸プローブは、伸長反応のためのプライマーである。実施形態では、伸長反応は、PCR、LCR、SDA、3SR、等温増幅(例えば、ヘリカーゼ依存性増幅又はローリングサークル増幅など)、又はそれらの組み合わせを含む。実施形態では、伸長させることは、第2の核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、PCR、LCR、SDA、3SR、等温増幅(例えば、ヘリカーゼ依存性増幅又はローリングサークル増幅など)、又はそれらの組み合わせによって第2の核酸プローブを伸長させることと、を含む。実施形態では、伸長させることは、第2の核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、PCRによって第2の核酸プローブを伸長させることと、を含む。実施形態では、伸長させることは、第2の核酸プローブを鋳型オリゴヌクレオチドに結合させることと、環状鋳型オリゴヌクレオチドを形成すること(例えば、線状鋳型オリゴヌクレオチドのライゲーションによって)と、ローリングサークル増幅によって第2の核酸プローブを伸長させることと、を含む。
【0158】
実施形態では、第2の伸長配列は、第2のアンカー領域を含む。実施形態では、第2のアンカー領域は、表面上の第2のアンカー試薬に結合する。実施形態では、第2のアンカー試薬は、本明細書に記載される第1の複合体の形成前、形成中、又は形成後に表面上に固定化される。実施形態では、第2のアンカー試薬は、本明細書に記載される第2の複合体の形成前、形成中、又は形成後に表面上に固定化される。実施形態では、第2のアンカー試薬は、本方法のステップ(a)の前に表面に固定化される。実施形態では、第2のアンカー試薬は、第2の伸長配列を形成する前に表面に固定化される。実施形態では、第2のアンカー試薬は、第2の伸長配列の量を測定する前に表面に固定化される。実施形態では、第2のアンカー試薬は、チオエステル、チオエーテル、ジスルフィド、又はそれらの組み合わせを介して表面に固定化される。実施形態では、第2のアンカー試薬は、本明細書で更に記載される標的化剤を介して表面に固定化される。
【0159】
実施形態では、第2のアンカー試薬は、オリゴヌクレオチド、アプタマー、アプタマー配位子、抗体、抗原、配位子、受容体、ハプテン、エピトープ、又はミモトープを含む。実施形態では、第2のアンカー試薬はアプタマー配位子を含み、第2のアンカー領域はアプタマーを含む。実施形態では、第2のアンカー試薬はオリゴヌクレオチド結合タンパク質を含み、第2のアンカー領域はオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、第2のアンカー試薬は、一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第2のアンカー試薬は、二本鎖オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第2のアンカー試薬及び第2のアンカー領域は、相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第2のアンカー試薬は、第2のアンカーオリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第2のアンカー領域は、第2のアンカーオリゴヌクレオチドに相補的である第2のアンカーオリゴヌクレオチド相補体を含む。
【0160】
実施形態では、第2の伸長配列を第2のアンカー試薬に結合させることは、アンカー試薬と第2のアンカー領域との間に三重らせんを形成することを含む。実施形態では、第2の伸長配列を第2のアンカー試薬に結合させることは、結合前に第2のアンカー領域を変性させて一本鎖オリゴヌクレオチド領域を露出させること、結合前に第2のアンカー領域をヘリカーゼ活性に露出させること、及び/又は結合前に第2のアンカー領域をヌクレアーゼ処理に露出させることを含み、第2のアンカー領域は、1つ以上のハプテン修飾塩基を含み、第2のアンカー試薬は、ハプテンに特異的な1つ以上の抗体を含み、及び/又は第2のアンカー領域は、1つ以上の配位子修飾塩基を含み、第2のアンカー試薬は、配位子に特異的な1つ以上の受容体を含む。
【0161】
実施形態では、第2の伸長配列は、第2の標識プローブと接触される前に、第2のアンカー試薬に結合される。実施形態では、第2の複合体は、第2の核酸プローブの伸長後に表面に結合される。実施形態では、第2の伸長配列は、表面上の第2の複合体から約1nm~約500nm、約5nm~約250nm、約10nm~約200nm、又は約15nm~約150nm以内の位置で第2のアンカー試薬に結合する。実施形態では、第2の伸長配列は、表面上の第2の複合体から1μm未満の位置で第2のアンカー試薬に結合する。実施形態では、第2の伸長配列は、表面上の第2の複合体から500nm未満の位置で第2のアンカー試薬に結合する。実施形態では、第2の伸長配列は、表面上の第2の複合体から200nm未満の位置で第2のアンカー試薬に結合する。
【0162】
実施形態では、第1のアンカー領域及び第2のアンカー領域は、同じオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、第1のアンカー領域及び第2のアンカー領域は、異なるオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、第1のアンカー試薬及び第2のアンカー試薬は、同じオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、第1のアンカー試薬及び第2のアンカー試薬は、異なるオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、第1のアンカー領域及び第2のアンカー領域は、第1及び/又は第2のアンカー試薬の別個の部分に結合する。
【0163】
実施形態では、本方法は、表面上の第1の伸長配列、第2の伸長配列、又はその両方の量を測定することを含む。実施形態では、第2の伸長配列を、第2の検出可能な標識を含む第2の標識プローブに接触させる。実施形態では、第1の標識プローブ及び第2の標識プローブは、同じオリゴヌクレオチド配列を含む。実施形態では、第1の標識プローブ及び第2の標識プローブは、異なるオリゴヌクレオチド配列を含む。
【0164】
実施形態では、第2の標識プローブは、第2の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、第2の標識プローブは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識を含む第2の標識プローブは、第2の伸長配列に結合する。実施形態では、第2の伸長配列及び第2の標識プローブは、相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第2の伸長配列は修飾塩基を含み、伸長配列の量を測定することは、伸長配列を、修飾塩基に結合する検出可能な部分に接触させることを含む。実施形態では、修飾塩基は、アプタマー、アプタマー配位子、抗体、抗原、配位子、受容体、ハプテン、エピトープ、又はミモトープを含み、検出可能な部分は、修飾塩基の結合パートナー及び第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、修飾塩基は、ストレプトアビジン又はアビジンを含み、検出可能な部分は、ビオチン及び第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、修飾塩基は、ビオチンを含み、検出可能な部分は、アビジン及び第2の検出可能な標識を含む。
【0165】
第2の検出可能な標識は、本明細書に更に記載される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって検出することができる。実施形態では、第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、置換ビピリジン配位子は式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は3つの配位子を含み、第1の配位子は式Iの化合物であり、第2の配位子は、第2の標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、第2の標識プローブに共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、又はレニウムを含む。
【0166】
実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式IVの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式Vの化合物を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、式VIの化合物を含む。
【0167】
実施形態では、検出試薬の第1の検出可能な標識及び第2の標識プローブの第2の検出可能な標識は同じである。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、本明細書で記載されるECL標識を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IIIの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式IVの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式Vの化合物を含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれ、式VIの化合物を含む。
【0168】
実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は異なる。実施形態では、第1の検出可能な標識は、シグナル増幅試薬によって結合されると検出可能ではない。実施形態では、シグナル増幅試薬は、第1の検出可能な標識に特異的に結合し、第2の検出可能な標識には結合しない。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式III、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IIIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、IV、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式IVの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、V、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式Vの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVIのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、式VIの化合物を含み、第2の検出可能な標識は、式II、III、IV、又はVのいずれか1つの化合物を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。
【0169】
実施形態では、本方法は、表面上の第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することによって、第1の伸長配列及び第2の伸長配列の量を測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるように、検出可能に異なる。実施形態では、本方法は、第1及び第2の検出可能な標識の量を別々に測定することを含む。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識はそれぞれECL標識を含み、第1及び第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0170】
実施形態では、本方法は、表面上の第2の検出可能な標識の量を測定することによって、第2の伸長配列の量を測定することを含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって測定される。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識を含み、第2の検出可能な標識の量を測定することは、ECLシグナルを測定することを含む。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の存在を検出するために使用される。実施形態では、測定されたECLシグナルの量は、試料中の分析物の量を決定するために使用される。
【0171】
表面
実施形態では、第1の複合体は捕捉試薬を含み、捕捉試薬は表面に固定化される。実施形態では、第1の複合体は捕捉試薬を含み、捕捉試薬は表面上に直接固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、二次結合試薬、例えば標的化剤を介して表面上に間接的に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、表面上に固定化された標的化剤に結合する標的化剤相補体に連結される。実施形態では、標的化剤相補体は、標的化剤に直接結合する。実施形態では、標的化剤及び標的化剤相補体は、相補的オリゴヌクレオチド、受容体-配位子対、抗原-抗体対、ハプテン-抗体対、エピトープ-抗体対、ミモトープ-抗体対、アプタマー-標的分子対、ハイブリダイゼーションパートナー、又はインターカレーター-標的分子対を含む。実施形態では、標的化剤及び標的化剤相補体は、交差反応部分、例えば、チオール及びマレイミド若しくはヨードアセトアミド、アルデヒド及びヒドラジド、又はアジド及びアルキン若しくはシクロアルキンである。実施形態では、標的化剤は、ビオチンであり、標的化剤相補体は、アビジン又はストレプトアビジンである。
【0172】
実施形態では、標的化剤相補体は、標的化剤及び標的化剤相補体の両方の結合パートナーである標的架橋剤を介して標的化剤に結合する。実施形態では、標的架橋剤は、複数の結合部位を含む。実施形態では、標的架橋剤は、ストレプトアビジン又はアビジンであり、標的化剤及び標的化剤相補体は、それぞれビオチンである。
【0173】
実施形態では、捕捉試薬、分析物、及び検出試薬を含む第1の複合体は、単一ステップで形成される。実施形態では、捕捉試薬、分析物、並びに第1及び第2の検出試薬を含む第1の複合体は、単一のステップで形成される。実施形態では、第1の複合体は、1つ以上のステップで形成される。実施形態では、第1の複合体は、表面上に形成される。実施形態では、第1の複合体は、溶液中で形成され、次いで、表面に固定化される。実施形態では、第1の複合体は、分析物を表面上に固定化された捕捉試薬に結合させ、次いで、検出試薬を分析物に結合させて、表面上に第1の複合体を形成することによって形成される。実施形態では、第1の複合体は、分析物を表面上に固定化された捕捉試薬に結合させ、次いで、第1及び第2の検出試薬を分析物に結合させて、表面上に第1の複合体を形成することによって形成される。実施形態では、第1の複合体は、分析物を、表面上に固定化された捕捉試薬及び検出試薬に同時に結合させることによって形成される。実施形態では、第1の複合体は、分析物を、表面上に固定化された捕捉試薬に、並びに第1及び第2の検出試薬の一方又は両方に同時に結合させることによって形成される。実施形態では、第1の複合体は、分析物を溶液中の検出試薬に結合させて分析物-検出試薬複合体を形成し、次いで分析物-検出試薬複合体を表面上の捕捉試薬に結合させることによって形成される。実施形態では、第1の複合体は、分析物を溶液中の第1及び第2の検出試薬に結合させて分析物-検出試薬複合体を形成し、次いで分析物-検出試薬複合体を表面上の捕捉試薬に結合させることによって形成される。実施形態では、第1の複合体は、分析物を溶液中の捕捉試薬及び検出試薬に結合させ、次いで本明細書に記載されるように捕捉試薬を表面に固定化することによって形成される。実施形態では、第1の複合体は、分析物を溶液中の捕捉試薬並びに第1及び第2の検出試薬に結合させ、次いで本明細書に記載されるように捕捉試薬を表面に固定化することによって形成される。第1の複合体が第1及び第2の検出試薬を含む実施形態では、第1及び第2の検出試薬は、分析物に同時に又は逐次的に結合され得る。
【0174】
アンカー試薬(例えば、本明細書に記載されるような、伸長配列に結合するためのアンカー試薬、第1の伸長配列に結合するための第1のアンカー試薬、及び/又は第2の伸長配列に結合するための第2のアンカー試薬)を含む実施形態では、アンカー試薬は表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、表面上に直接固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、二次結合試薬、例えば、本明細書で記載される標的化試薬を介して、表面上に間接的に固定化される。実施形態では、アンカー試薬のための標的化剤及び標的化剤相補体は、アンカー試薬と会合した標的化剤及び標的化剤相補体が、捕捉試薬と会合した標的化剤及び標的化剤相補体と実質的に非交差反応性であるように選択される。実施形態では、同じ標的化剤及び標的化相補体の対が、捕捉試薬及びアンカー試薬に会合している。実施形態では、標的化剤相補体は、本明細書に記載される標的架橋剤を介して標的化剤に結合する。実施形態では、アンカー試薬は、捕捉試薬が表面に固定化されるのと同時に又は実質的に同時に表面に固定化される。実施形態では、捕捉試薬が表面に固定化される前に、アンカー試薬が表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、捕捉試薬が表面に固定化された後に、表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、本明細書に記載される第1の複合体の形成前、形成中、又は形成後に表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、本明細書に記載される伸長配列を形成する前に表面に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、伸長配列の量を測定する前に表面に固定化される。
【0175】
実施形態では、表面は、粒子を含む。実施形態では、表面は、マルチウェルプレートのウェルを含む。実施形態では、表面は、複数の別個の結合ドメインを含み、捕捉試薬及びアンカー試薬は、表面上の2つの別個の結合ドメイン上に位置する。表面がウェルを含む実施形態では、ウェルは、複数の別個の結合ドメインを含み、捕捉試薬及びアンカー試薬は、ウェル内の2つの別個の結合ドメイン上に位置する。実施形態では、表面は、複数の別個の結合ドメインを含み、捕捉試薬及びアンカー試薬は、表面上の同じ結合ドメイン上に位置する。表面がウェルを含む実施形態では、ウェルは、複数の別個の結合ドメインを含み、捕捉試薬及びアンカー試薬は、ウェル内の同じ結合ドメイン上に位置する。実施形態では、捕捉試薬は、表面上のアンカー試薬の約1nm~約500nm、約5nm~約250nm、約10nm~約200nm、又は約15nm~約150nmの範囲内にある。実施形態では、捕捉試薬は、表面上のアンカー試薬から1μm未満である。実施形態では、捕捉試薬は、表面上のアンカー試薬から500nm未満にある。実施形態では、捕捉試薬は、表面上のアンカー試薬から200nm未満にある。
【0176】
検出試薬が第1の伸長配列を形成する第1の核酸プローブを含み、シグナル増幅試薬が第2の伸長配列を形成する第2の核酸プローブを含む実施形態では、表面は、第1の伸長配列に結合することができる第1のアンカー試薬と、第2の伸長配列に結合することができる第2のアンカー試薬と、を含む。実施形態では、第1のアンカー試薬及び第2のアンカー試薬は、表面上の別個の結合ドメイン上に位置する。実施形態では、第1のアンカー試薬及び第2のアンカー試薬は、表面上の同じ結合ドメイン内にある。実施形態では、捕捉試薬は、第1のアンカー試薬及び第2のアンカー試薬の各々とは更に異なる結合ドメイン中にある。実施形態では、捕捉試薬は、第1及び第2のアンカー試薬と同じ結合ドメイン中にある。
【0177】
実施形態では、表面は電極を含む。実施形態では、電極は、カーボンインク電極である。実施形態では、第2の検出可能な標識の量を測定することは、電圧波形(例えば、電位)を電極に印加してECLシグナルを生成することを含む。実施形態では、表面は粒子を含み、本方法は、粒子を電極上に収集することと、電圧波形(例えば、電位)を電極に印加してECLシグナルを生成することと、を含む。
【0178】
多重化方法
実施形態では、本方法は、複数の分析物を検出することが可能な多重化方法である。実施形態では、多重化方法は、複数の分析物を同時に検出する。実施形態では、多重化方法は、複数の分析物を測定するために1つ以上の方法ステップを繰り返すことを含む。実施形態では、方法ステップの各々は、各分析物に対して並行して行われる。実施形態では、各分析物は、異なる捕捉及び/又は検出試薬に結合する。実施形態では、各分析物のその対応する捕捉試薬への結合は、表面を複数の分析物を含む試料に接触させることによって並行して行われる。実施形態では、複数の分析物は、異なる量(例えば、濃度)で試料中に存在する。例えば、1つの分析物は、別の分析物よりも10、100、1000、10000、100000、106、107、108、109、又は1010倍低いか又は高い濃度で存在する。したがって、実施形態では、本明細書に開示される多重化方法の利点は、それらが、約0.0001pg/mL~約100000pg/mL、約0.0005pg/mL~約50000pg/mL、約0.001pg/mL~約10000pg/mL、約0.005pg/mL~約5000pg/mL、約0.01pg/mL~約1000pg/mL、約0.05pg/mL~約500pg/mL、約0.1pg/mL~約100pg/mL、約0.5pg/mL~約50pg/mL、又は約1pg/mL~約10pg/mLの範囲の分析物の濃度を検出することが可能であることである。実施形態では、最高存在量の分析物は、10pg/mL超又は約10pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、約10pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、1pg/mL超又は約1pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、1pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、0.5pg/mL超又は約0.5pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、0.5pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、0.3pg/mL超又は約0.3pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、0.3pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、0.1pg/mL超又は約0.1pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、0.1pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、約1pg/mL~約100000pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、約0.0001pg/mL~約1pg/mLの濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、約0.1pg/mL~約100000pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、約0.0001pg/mL~約0.1pg/mLの濃度で試料中に存在する。実施形態では、試料中に存在する最高存在量の分析物の量は、試料中に存在する最低存在量の分析物の量よりも約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約15倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約250倍、約500倍、約750倍、約1000倍、約10000倍、約100000倍、約106倍、約107倍、約108倍、約109倍、約1010倍、又は1010倍を超えて高い。
【0179】
実施形態では、本発明は、分析物が約0.0001pg/mL~約100000pg/mLの範囲の濃度で存在する、試料中の複数の関心対象の分析物を検出する方法であって、本明細書に記載の複数の第1の複合体を形成することであって、各第1の複合体が、固有の分析物と、固有の分析物のための捕捉試薬及び検出試薬又は第1及び第2の検出試薬と、を含む、形成することと、第1の複合体の量を測定し(例えば、本明細書に記載の第1の検出可能な標識の量を測定することによって)、それによって試料中のより高い存在量の分析物を検出することと、複数の第1の複合体を、本明細書に記載のシグナル増幅試薬に接触させることであって、シグナル増幅試薬が、第2の検出可能な標識を含む検出可能な部分に結合する結合部分を含むか、又はシグナル増幅試薬が、酵素の基質に作用する酵素を含むか、又はシグナル増幅試薬が、伸長配列を形成する核酸プローブを含む、接触させることと、本明細書に記載の第2の検出可能な標識の量、酵素活性、又は伸長配列の量を測定し(例えば、伸長配列に結合する第2の検出可能な標識を測定することによって)、それによって試料中のより低い存在量の分析物を検出することと、を含み、試料中に存在するより高い存在量の分析物の量が、より低い存在量の分析物の量よりも約1.5倍、約2倍、約5倍、約10倍、約25倍、約50倍、約75倍、約100倍、約500倍、約1000倍、約106倍、約107倍、約108倍、約109倍、又は約1010倍高く、かつ/又はより高い存在量の分析物が、約1pg/mL~約100000pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物が、約0.0001pg/mL~約1pg/mLの濃度で試料中に存在する、方法を提供する。実施形態では、測定される第1及び第2の検出可能な標識の量は、実質的に同じである。実施形態では、測定される第1及び第2の検出可能な標識の量は、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、又は約1%以内である。実施形態では、シグナル増幅試薬は、より高い存在量の分析物及びより低い存在量の分析物が、アッセイデバイスの検出限界内のアッセイシグナルを提供するように、より低い存在量の分析物(例えば、第2の検出可能な標識の量に対応する)からのアッセイシグナルを増幅する。したがって、シグナル増幅試薬は、同じアッセイデバイスを使用して、試料の同じ希釈で、すなわち、個々の分析物の測定のために試料を希釈又は濃縮する必要なく、広範囲の濃度(例えば、約0.0001pg/mL~約100000pg/mL)での複数の分析物の検出を可能にする。
【0180】
実施形態では、表面は、複数の結合ドメインを含み、各分析物は、異なる結合ドメインにおいて複合体(例えば、本明細書に記載される第1の複合体)を形成する。実施形態では、複数の結合ドメインは、単一の表面上にある。実施形態では、表面は、マルチウェルプレートを含み、各結合ドメインは、異なるウェル内にある。実施形態では、表面は、マルチウェルプレートのウェルを含み、各結合ドメインは、ウェルの別個の部分内にある。実施形態では、複数の結合ドメインは、1つ以上の表面上にある。実施形態では、表面は、粒子を含み、各結合ドメインは、異なる粒子上にある。実施形態では、粒子は、粒子アレイ内に配置される。実施形態では、粒子は、特定の粒子の識別を可能にし、各結合ドメインを区別するようにコード化される。
【0181】
実施形態では、結合ドメインは、互いに分離可能である。実施形態では、表面は、取り外し可能なウェルを含むマルチウェルプレートであり、各結合ドメインは、異なるウェル内にある。実施形態では、表面は、1つ以上の粒子を含み、各粒子は、残りの粒子から分離可能である。粒子を分離する方法は、当該分野で公知であり、例えば、フローサイトメトリー、磁気分離、アフィニティー分離などが挙げられる。実施形態では、より高い存在量の分析物を含む第1の複合体は、検出された後に反応混合物から除去される。実施形態では、より高い存在量の分析物を含む第1の複合体は、検出された後に表面から分離及び/又は除去される。実施形態では、分離及び/又は除去することは、より高い存在量の分析物を含む第1の複合体を、例えば、それらの結合ドメインの選択的洗浄によって、それらの結合ドメインから除去することを含む。実施形態では、分離すること及び/又は除去することは、より高い存在量の分析物を含む第1の複合体を含有する結合ドメインを、残りの結合ドメイン、例えば、本明細書に記載されるような取り外し可能なウェル及び/又は分離可能な粒子から分離することを含む。
【0182】
実施形態では、各結合ドメインは、標的化剤相補体に結合することができる標的化剤を含み、各捕捉試薬及び/又はアンカー試薬(例えば、本明細書に記載されるような、伸長配列に結合するためのアンカー、第1の伸長配列に結合するための第1のアンカー試薬、及び/又は第2の伸長配列に結合するための第2のアンカー試薬)は、連結剤に結合することができる補助連結剤を含む。実施形態では、捕捉試薬及びアンカー試薬は、(1)補助連結剤を介して、捕捉試薬及びアンカー試薬を、連結剤に接続された標的化試薬相補体に結合させることと、(2)標的化剤を含む結合ドメインに(1)の生成物を結合させることであって、(i)各結合ドメインが異なる標的化剤を含み、(ii)各標的化試薬相補体が標的化試薬のうちの1つに選択的に結合する、結合させることと、によって、結合ドメイン内に固定化され、それにより、各捕捉試薬及びアンカー試薬を、その関連する結合ドメインに固定化する。
【0183】
実施形態では、連結剤及び補助連結剤の両方の結合パートナーである任意選択の架橋剤は、それぞれの標的化剤相補体に各々が結合した捕捉試薬及び/又はアンカー試薬が、結合ドメインと接触し、架橋剤、各捕捉試薬及び/又はアンカー試薬上の標的化剤相補体、及び各結合ドメイン上の標的化剤を介してそれらの各々の標的化剤に結合するように、連結剤及び補助連結剤を架橋する。
【0184】
実施形態では、標的化剤及び標的化剤相補体は、アビジン-ビオチン、ストレプトアビジン-ビオチン、抗体-ハプテン、抗体-抗原、抗体-エピトープタグ、核酸-相補的核酸、アプタマー-アプタマー標的、及び受容体-配位子から選択される結合パートナー対の2つのメンバーである。実施形態では、標的化剤及び標的化剤相補体は、交差反応性部分、例えば、チオール及びマレイミド若しくはヨードアセトアミド、アルデヒド及びヒドラジド、アジド及びアルキン若しくはシクロアルキン、アルケン及びマレイミド、チオール及びジスルフィド、アルデヒド若しくはケトン及びアミン、又はトランス-シクロオクテン及びテトラジンである。実施形態では、標的化剤は、ビオチンであり、標的化剤相補体は、アビジン又はストレプトアビジンである。
【0185】
実施形態では、連結剤及び補助連結剤は、アビジン-ビオチン、ストレプトアビジン-ビオチン、抗体-ハプテン、抗体-抗原、抗体-エピトープタグ、核酸-相補的核酸、アプタマー-アプタマー標的、及び受容体-配位子から選択される結合パートナー対の2つのメンバーである。実施形態では、連結剤及び補助連結剤は、交差反応性部分、例えば、チオール及びマレイミド若しくはヨードアセトアミド、アルデヒド及びヒドラジド、アジド及びアルキン若しくはシクロアルキン、アルケン及びマレイミド、チオール及びジスルフィド、アルデヒド若しくはケトン及びアミン、又はトランス-シクロオクテン及びテトラジンである。実施形態では、連結剤は、アビジン又はストレプトアビジンであり、補助連結剤は、ビオチンである。実施形態では、標的化剤及び標的化剤相補体は、相補的オリゴヌクレオチドである。実施形態では、標的化剤相補体は、ストレプトアビジンであり、標的化剤は、ビオチンであり、連結剤及び補助連結剤は、相補的オリゴヌクレオチドである。
【0186】
架橋剤を含む実施形態では、架橋剤は、ストレプトアビジン又はアビジンであり、連結剤及び補助連結剤は、それぞれビオチンである。多重化アッセイを実施する方法は、例えば、US10,189,023及びUS10,201,812に更に記載されている。
【0187】
分析物及び試料
実施形態では、試料は、生体試料である。実施形態では、試料は、環境試料である。実施形態では、試料は、ヒト対象から得られる。実施形態では、試料は、動物対象から得られる。実施形態では、試料は、哺乳動物の体液、分泌物、又は排出物を含む。実施形態では、試料は、精製された哺乳動物の体液、分泌物、又は排出物である。実施形態では、哺乳動物の体液、分泌物、又は排出物は、全血、血漿、血清、痰、涙液、リンパ液、滑液、胸水、尿、汗、脳脊髄液、腹水、乳、便、気管支洗浄液、唾液、羊水、鼻分泌物、膣分泌物、表面生検、精子、精液/精漿、創傷分泌物及び排出物、又はそれらからの抽出物、精製物、又はそれらの希釈物である。更なる例示的な試料としては、生体試料、細胞の懸濁物を含む試料(例えば、粘膜スワブ、組織吸引物、組織ホモジネート、細胞培養物、及び細胞培養上清)が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、試料は、全血、血清、血漿、脳脊髄液、尿、唾液、又はそれらからの抽出物若しくは精製物、又はそれらの希釈物である。実施形態では、試料は血清又は血漿である。実施形態では、血漿は、EDTA、ヘパリン、又はクエン酸塩中にある。
【0188】
試料は、本明細書に記載される単一の供給源から入手し得るか、又は2つ以上の供給源からの混合物を含有し得る。
【0189】
本発明の方法を使用して測定することができる分析物には、タンパク質、毒素、核酸、微生物、ウイルス、細胞、真菌、胞子、炭水化物、脂質、糖タンパク質、リポタンパク質、多糖類、薬物、ホルモン、ステロイド、栄養素、代謝産物、及び上記分子の任意の修飾誘導体、又は上記分子のうちの1つ以上を含む任意の複合体又はそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。試料中の関心対象の分析物のレベルは、疾患又は疾患状態を示している場合もあれば、対象がその分析物に曝露されたか否かを単に示している場合もある。
【0190】
実施形態では、試料は、複数の関心対象の分析物を含む。実施形態では、複数の分析物は、異なる量(例えば、濃度)で試料中に存在する。例えば、1つの分析物は、別の分析物よりも10、100、1000、10000、100000、106、107、108、109、又は1010倍低いか又は高い濃度で存在する。したがって、実施形態では、本明細書に開示される方法の利点は、それらが、約0.0001pg/mL~約100000pg/mL、約0.0005pg/mL~約50000pg/mL、約0.001pg/mL~約10000pg/mL、約0.005pg/mL~約5000pg/mL、約0.01pg/mL~約1000pg/mL、約0.05pg/mL~約500pg/mL、約0.1pg/mL~約100pg/mL、約0.5pg/mL~約50pg/mL、又は約1pg/mL~約10pg/mLの範囲の分析物の濃度を検出することが可能であることである。実施形態では、本明細書に開示される方法の更なる利点は、それらが、試料の同じ希釈物中の異なる濃度(例えば、約0.0001pg/mL~約100000pg/mL)の複数の分析物を検出することができる、すなわち、個々の分析物の測定のために試料を希釈又は濃縮する必要がないことである。実施形態では、本明細書に開示される方法の更なる利点は、それらが、約0.0001pg/mL~約100000pg/mLの間の任意の濃度で検出される任意の特定の分析物に対する第1の検出可能な標識を含む同じ検出試薬(又は同じ第1及び第2の検出試薬)を使用することができることである。
【0191】
実施形態では、最高存在量の分析物は、10pg/mL超又は約10pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、約10pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、1pg/mL超又は約1pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、1pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、0.5pg/mL超又は約0.5pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、0.5pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、0.3pg/mL超又は約0.3pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、0.3pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、0.1pg/mL超又は約0.1pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、0.1pg/mL未満の濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、約1pg/mL~約100000pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、約0.0001pg/mL~約1pg/mLの濃度で試料中に存在する。実施形態では、最高存在量の分析物は、約0.1pg/mL~約100000pg/mLの濃度で試料中に存在し、最低存在量の分析物は、約0.0001pg/mL~約0.1pg/mLの濃度で試料中に存在する。実施形態では、試料中に存在する最高存在量の分析物の量は、試料中に存在する最低存在量の分析物の量よりも約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約15倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約250倍、約500倍、約750倍、約1000倍、約10000倍、約100000倍、約106倍、約107倍、約108倍、約109倍、約1010倍、又は1010倍を超えて高い。
【0192】
実施形態では、分析物はエキソソームである。実施形態では、試料は、精製されたエキソソームを含む。細胞外小胞又はEVとしても知られるエキソソームは、ほとんどの細胞型によって放出される小さな膜小胞である。エキソソームの放出及びその後の取り込みは、細胞間コミュニケーションの方法であり、多くの生理学的及び病理学的プロセスの調節に役割を果たしている。エキソソームは、表面結合タンパク質及び細胞質タンパク質、脂質、mRNA、及びmiRNAを含むがこれらに限定されない多種多様なシグナル伝達分子を含むことが示されており、細胞の起源及び機能を推測するために各エキソソームにおけるこれらの種の同一性及び濃度を使用できることが示唆されている。したがって、患者の総エキソソーム集団のゲノム又はプロテオミクスプロファイリングは、とりわけ、がん、感染症、腎疾患及び肝疾患、並びに外傷性脳損傷を含む様々な病態についての貴重な予後情報を提供することができる。
【0193】
実施形態では、捕捉試薬及び検出試薬、又は捕捉試薬並びに第1及び第2の検出試薬は、エキソソームの表面上の表面マーカーに結合する。例えば、ほとんどのエキソソームによって発現される一般的なタンパク質としては、CD9、CD63、CD81、Hsp70、PDCD6IP、及びTsg101が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、捕捉試薬及び検出試薬、又は捕捉試薬並びに第1及び第2の検出試薬は、特定の細胞型によって放出されるエキソソームによって特異的に発現されるマーカーに結合する。例えば、本方法を使用して、例えば、疾患と関連するか、又は疾患を発症するリスクが特定のエキソソーム亜集団を検出することができる。実施形態では、捕捉試薬及び検出試薬、又は捕捉試薬並びに第1及び第2の検出試薬は、疾患関連エキソソーム表面マーカーに結合する。
【0194】
実施形態では、分析物は、エキソソームの内部分析物、例えば、カーゴタンパク質、脂質、又は核酸である。実施形態では、エキソソームは、捕捉試薬に結合する前又は後であるが、検出試薬又は第1及び第2の検出試薬を添加する前に透過処理される。
【0195】
追加の実施形態
実施形態では、本明細書で提供される方法は、競合アッセイフォーマットである。一般論として、競合アッセイ、例えば、競合免疫アッセイ又は競合阻害アッセイでは、分析物及び競合相手は、捕捉及び/又は検出試薬(又は第1及び第2の検出試薬)への結合について競合する。このようなアッセイでは、分析物は通常、競合相手を直接測定することによって間接的に測定される。本明細書中で使用される場合、「競合相手」とは、分析物と同じ捕捉試薬及び/若しくは検出試薬(又は第1及び第2の検出試薬)に結合し得る化合物を指し、その結果、この捕捉試薬及び/若しくは検出試薬(又は第1及び第2の検出試薬)は、分析物又は競合相手のいずれかのみに結合し得るが、両方には結合し得ない。実施形態では、競合アッセイは、2つ以上の捕捉及び/又は検出試薬(又は第1及び第2の検出試薬)に結合することができない分析物、例えば、小分子分析物又は2つ以上の別個の結合部位を有さない分析物を検出及び測定するために使用される。実施形態では、競合アッセイを使用して、抗体バイオマーカーを検出及び測定する。競合免疫アッセイの例には、US4,235,601、US4,442,204、及びUS5,028,535に記載されているものが含まれる。
【0196】
本明細書の方法は、アッセイプレートの単一のウェルなどの単一のアッセイチャンバ内で行うことができる。本明細書の方法はまた、アッセイカートリッジのアッセイチャンバ内で行うこともできる。本発明に適したアッセイ測定を行うためのアッセイモジュール、例えば、アッセイプレート又はアッセイカートリッジ、方法及び装置は、例えば、US8,343,526、US9,731,297、US9,921,166、US10,184,884、US10,281,678、US10,272,436、US2004/0022677、US2004/0189311、US2005/0052646、US2005/0142033、US2018/0074082、及びUS2019/0391170に記載されている。
【0197】
システム
実施形態では、本発明は、本明細書で説明されるような試料中の関心対象の分析物を検出する方法を行うためのアッセイシステムを提供する。実施形態では、試料は、複数の分析物を含み、分析物は、約0.0001pg/mL~約100000pg/mLの範囲の濃度で存在する。実施形態では、試料は、最低存在量の分析物よりも10、100、1000、10000、100000、106、107、108、109、又は1010倍高い濃度を有する1つ以上の分析物を含む。実施形態では、アッセイシステムは、本明細書に記載される捕捉試薬、検出試薬又は第1及び第2の検出試薬、並びにシグナル増幅試薬を利用して、約0.0001pg/mL~約100000pg/mLの全濃度範囲にわたって分析物を検出することができる。実施形態では、アッセイシステムは、捕捉試薬及び検出試薬又は第1及び第2の検出試薬を利用して、1pg/mL超又は約1pg/mLの濃度で分析物を検出することができ、アッセイシステムは、捕捉試薬、検出試薬又は第1及び第2の検出試薬、並びにシグナル増幅試薬を利用して、1pg/mL未満の濃度で分析物を検出することが更にできる。実施形態では、アッセイシステムは、第1の検出可能な標識を含む同じ検出試薬、又はそれぞれが第1の検出可能な標識を含む同じ第1及び第2の検出試薬を用いて、約0.0001pg/ml~約100000pg/mLの間の任意の濃度で分析物を検出する。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。
【0198】
実施形態では、アッセイシステムは、少なくとも1つのメモリユニットと、少なくとも1つのメモリユニット上の命令に従ってプログラムされた少なくとも1つの処理ユニットと、少なくとも1つの処理ユニットによって制御されるように構成された少なくとも1つのアッセイシステム構成要素と、を備える。実施形態では、少なくとも1つの処理ユニットは、試料中の分析物の測定を実施するために少なくとも1つのアッセイシステム構成要素を制御するように構成される。実施形態では、少なくとも1つのアッセイシステム構成要素は、リーダー機器である。実施形態では、アッセイシステムは、2つ以上のリーダー機器を含む。実施形態では、測定は、検出可能な標識を測定することを含む。実施形態では、検出可能な標識は、本明細書で記載される、検出試薬、第1及び第2の検出試薬、標識プローブ、又は検出可能な部分上に存在する。実施形態では、少なくとも1つの処理ユニットは、少なくとも1つのアッセイシステム構成要素を制御し、本明細書に説明されるようなより高い存在量の分析物の第1の測定、及び本明細書に説明されるようなより低い存在量の分析物の第2の測定の一方又は両方を行うように構成される。実施形態では、試料中に存在するより高い存在量の分析物の量は、試料中に存在するより低い存在量の分析物の量よりも約1.5倍、約2倍、約5倍、約10倍、約25倍、約50倍、約75倍、約100倍、約500倍、約1000倍、約10000倍、約100000倍、約106倍、約107倍、約108倍、約109倍、約1010倍、又は1010倍超高い。実施形態では、より高い存在量の分析物は、約1pg/mL~約100000pg/mLの濃度で試料中に存在し、より低い存在量の分析物は、約0.0001pg/mL~約1pg/mLの濃度で試料中に存在する。実施形態では、より高い存在量の分析物及びより低い存在量の分析物は、試料の同じ希釈において検出されることが可能である。実施形態では、より高い存在量の分析物は、ECL標識を含む検出試薬を使用して検出される。実施形態では、より高い存在量の分析物は、各々がECL標識を含む第1及び第2の検出試薬を使用して検出される。実施形態では、より低い存在量の分析物は、(i)ECL標識を含む検出試薬と、(ii)ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を使用して検出される。実施形態では、より低い存在量の分析物は、(i)各々がECL標識を含む第1及び第2の検出試薬と、(ii)ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を使用して検出される。
【0199】
実施形態では、本発明は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。実施形態では、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つの処理ユニットによって実行されると、少なくとも1つの処理ユニットに、アッセイシステムの制御を介して、試料中の分析物の測定を行わせる、その上に記憶された命令を有する。実施形態では、測定は、検出可能な標識を測定することを含む。実施形態では、検出可能な標識は、本明細書で記載される、検出試薬、第1及び第2の検出試薬、標識プローブ、又は検出可能な部分上に存在する。実施形態では、少なくとも1つの処理ユニットは、本明細書に説明されるようなより高い存在量の分析物の第1の測定、及び本明細書に説明されるようなより低い存在量の分析物の第2の測定の一方又は両方を行う。実施形態では、試料中に存在するより高い存在量の分析物の量は、試料中に存在するより低い存在量の分析物の量よりも約1.5倍、約2倍、約5倍、約10倍、約25倍、約50倍、約75倍、約100倍、約500倍、約1000倍、約10000倍、約100000倍、約106倍、約107倍、約108倍、約109倍、約1010倍、又は1010倍超高い。実施形態では、より高い存在量の分析物の量は、約1pg/mL~約100000pg/mLの濃度で試料中に存在し、より低い存在量の分析物は、約0.0001pg/mL~約1pg/mLの濃度で試料中に存在する。実施形態では、より高い存在量の分析物は、ECL標識を含む検出試薬を使用して検出される。実施形態では、より高い存在量の分析物は、各々がECL標識を含む第1及び第2の検出試薬を使用して検出される。実施形態では、より低い存在量の分析物は、(i)ECL標識を含む検出試薬と、(ii)ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を使用して検出される。実施形態では、より低い存在量の分析物は、(i)各々がECL標識を含む第1及び第2の検出試薬と、(ii)ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を使用して検出される。
【0200】
実施形態では、第1の測定は、本明細書で記載される第1の検出可能な標識の測定である。実施形態では、第1の検出可能な標識は、検出試薬上に存在する。実施形態では、第1の検出可能な標識は、第1の検出試薬及び第2の検出試薬の各々の上に存在する。実施形態では、第1の検出可能な標識は、検出試薬の核酸プローブを伸長させることによって形成された伸長配列に結合する標識プローブに含まれる。実施形態では、第2の測定は、本明細書で記載される検出可能な部分の測定である。実施形態では、第2の測定は、本明細書に記載されるような酵素活性の測定である。実施形態では、第2の測定は、本明細書で記載される第2の検出可能な標識の測定である。実施形態では、第2の検出可能な標識は、シグナル増幅試薬に結合する検出可能な部分上に存在する。実施形態では、第2の検出可能な標識は、シグナル増幅試薬の核酸プローブを伸長することによって形成された伸長配列に結合する標識プローブによって含まれる。検出可能な部分、酵素活性、標識プローブ、並びに第1及び第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されている。
【0201】
実施形態では、第1及び/又は第2の測定は、検出可能なシグナルの測定である。実施形態では、第1及び/又は第2の測定は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光(ECL)、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせの測定である。実施形態では、第1及び第2の検出可能な標識の各々は、ECL標識である。実施形態では、第1及び第2の測定の各々は、ECL測定である。実施形態では、第1の測定はECL測定であり、第2の測定は本明細書に記載される酵素活性の測定である。実施形態では、第1の測定はECL測定であり、第2の測定は発色シグナル、蛍光、又は化学発光の測定である。
【0202】
実施形態では、第1の測定における測定された絶対値は、第2の測定における測定された絶対値の約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、又は約1%以内であるか、又は第2の測定における測定された絶対値と実質的に同じである。実施形態では、システムの検出上限及び検出下限は、第1の測定と第2の測定との間で調整されない。実施形態では、アッセイシステムは、第1の測定と第2の測定との間でシステムの検出上限及び検出下限を調整するように構成される。
【0203】
実施形態では、複数の分析物を含む試料は、1つ以上の結合ドメインを含む表面に接触させられ、各結合ドメインは、固有の分析物のための捕捉試薬を含む。実施形態では、表面は、(i)より高い存在量の分析物を含む1つ以上の結合ドメインと、(ii)より低い存在量の分析物を含む1つ以上の結合ドメインと、を含む。実施形態では、試料中に存在するより高い存在量の分析物の量は、試料中に存在するより低い存在量の分析物の量よりも約1.5倍、約2倍、約5倍、約10倍、約25倍、約50倍、約75倍、約100倍、約500倍、約1000倍、約10000倍、約100000倍、約106倍、約107倍、約108倍、約109倍、約1010倍、又は1010倍超高い。実施形態では、より高い存在量の分析物の量は、約1pg/mL~約100000pg/mLの濃度で試料中に存在し、より低い存在量の分析物は、約0.0001pg/mL~約1pg/mLの濃度で試料中に存在する。実施形態では、アッセイシステムは、より高い存在量の分析物を含有する結合ドメインについて第1の測定を選択的に実施し、より低い存在量の分析物を含有する結合ドメインについて第2の測定を選択的に実施するように構成される。実施形態では、アッセイシステムは、第1の測定からの所定の閾値よりも低い値を有した結合ドメインについて第2の測定を選択的に実施するように構成される。実施形態では、第1の測定及び第2の測定は、連続的に行われる。実施形態では、アッセイシステムは、第1に、より高い存在量の分析物を含有する結合ドメインの第1の測定を実施し、第2に、より低い存在量の分析物を含有する結合ドメインの第2の測定を実施するように構成される。実施形態では、アッセイシステムは、第1の測定及び第2の測定を同時に又は実質的に同時に実施するように構成される。実施形態では、アッセイシステムは、第1の測定を実施し、第2の測定が実施されるかどうかをユーザが決定することを可能にするように構成される。実施形態では、アッセイシステムは、第1の測定を実施し、例えば、第1の測定において測定された1つ以上のより高い及び/又はより低い存在量の分析物の値に基づいて、第2の測定が実施されるかどうかを自動的に決定するように構成される。例えば、第1の測定が、試料中のより高い存在量の分析物及びより低い存在量の分析物の両方を測定するために十分である場合、第2の測定は実施されなくてもよい。
【0204】
本明細書の方法は、手動で、自動化された技術を使用して、又はその両方で行うことができる。自動化された技術は、例えば、1つ以上のモジュール式機器、又は完全に統合された自動化された機器など、部分的に自動化され得る。例示的な自動化システム及び装置は、WO2018/017156、WO2017/015636、及びWO2016/164477に記載されている。
【0205】
実施形態では、本明細書の方法を実施するための自動化されたシステム、例えば、モジュール式及び完全に統合されたシステムは、以下の自動化されたサブシステム、すなわち、ハードウェア(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、ハードウェアプロセッサ、ディスク、キーボード、ディスプレイ、プリンタ)、ソフトウェア(例えば、ドライバ、ドライバコントローラ、及びデータアナライザなどのプロセス)、及び/又はデータベースを含むコンピュータサブシステムと、例えば、ロボットピペットハンド、シリンジ、撹拌装置、超音波混合装置、及び/又は磁気混合装置を含む、試料及び/又は試薬をハンドリングするための液体ハンドリングサブシステムと、例えば、ロボットマニピュレータ、管又は蓋又は箔穿孔装置、蓋除去装置、線形又は円形コンベヤなどの運搬装置、管ラック、プレートキャリア、トラフキャリア、ピペットチップキャリア、プレートシェーカー、及び/又は遠心分離機を含む、試料、試薬、及び/又は消耗品貯蔵及びハンドリングサブシステムと、例えば、流体ベース及び/又は消耗品ベース(チューブ及びマルチウェルプレートなど)であるアッセイ反応サブシステムと、例えば、プレート洗浄装置を含む、容器及び消耗品洗浄サブシステムと、例えば、フローセルタイプ、チューブタイプ、及び/又はプレートタイプである、磁気分離器又は磁性粒子濃縮器サブシステムと、例えば、フローサイトメータ及び/又はコールターカウンタを含む、細胞及び粒子検出、分類、及び/又は分離サブシステムと、例えば、比色検出器、比濁検出器、蛍光検出器、及び/又はECL検出器を含む、検出サブシステムと、例えば、空気処理システム、空気冷却システム、空気加温システム、ファン、ブロワ、及び/又は水浴を含む、温度制御サブシステムと、例えば、液体及び/又は固体廃棄物容器を含む、廃棄物サブシステムと、例えば、フラットベッド及びワンド型スキャナなどの1D及び/又は2Dバーコードスキャナを含む、グローバル一意識別子(GUI)検出サブシステムと、のうちの1つ以上を含む。実施形態では、自動化システムは、モジュール式又は完全に統合された分析サブシステム、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)若しくは高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)などのクロマトグラフィーシステム、又は質量分析計を更に含む。
【0206】
実施形態では、試料識別及び調製を実施するシステム又はモジュールは、本明細書のアッセイを実施及び/又は検出するシステム又はモジュールと組み合わせられる、それに接合される、それに隣接する、及び/又はそれにロボットで連結若しくは結合される。同じタイプの複数のモジュール式システムを組み合わせて、スループットを増加させることができる。実施形態では、モジュール式システムは、化学的、生化学的、及び/又は核酸分析のような他のタイプの分析を実施するモジュールと組み合わされる。
【0207】
実施形態では、自動化されたシステムは、バッチ、連続、ランダムアクセス、及び/又はポイントオブケアワークフロー、並びに単一、中間、及び高試料スループットを可能にする。
【0208】
実施形態では、自動化システムは、以下のデバイス、すなわち、プレートシーラー(例えば、ZYMARK)、プレートウォッシャー(例えば、BIOTEK、TECAN)、試薬ディスペンサー、自動化ピペッティングステーション、及び/又は液体ハンドリングステーション(例えば、TECAN、ZYMARK、LABSYSTEMS、BECKMAN、HAMILTON)、インキュベーター(例えば、ZYMARK)、プレートシェーカー(例えば、Q.INSTRUMENTS、INHECO、THERMOFISHER SCIENTIFIC)、プレートリーダー(例えば、MESO(登録商標)SECTOR S 600、MESO(登録商標)QUICKPLEX SQ 120、及びUS6,977,722に記載のプレートリーダー)、化合物ライブラリモジュール、試料貯蔵モジュール、及び/又は化合物及び/又は試料回収モジュールのうちの1つ以上を含む。実施形態では、これらのデバイスのうちの1つ以上は、アッセイプロセス全体が自動的に行われることができるように、ロボットアセンブリを介して自動化システムに結合される。実施形態では、容器(例えば、プレート)は、装置と本明細書で説明される種々のデバイス(例えば、プレートのスタック)との間で手動で移動される。
【0209】
実施形態では、自動化されたシステムは、以下の機能、すなわち、プレートなどの消耗品を検出サブシステム内に、検出サブシステム内で、及び検出サブシステムから移動させること、消耗品を他のサブシステム間で移動させること、消耗品を保存すること、試料及び試薬のハンドリング(例えば、試薬を混合し、及び/又は試薬を消耗品に導入するように適合される)、消耗品の振盪(例えば、試薬を混合するため、及び/又は反応速度を増加させるため)、消耗品の洗浄(例えば、プレートを洗浄し、及び/又はアッセイ洗浄ステップを実施すること(例えば、ウェル吸引))、フローセル又はチューブ若しくはプレートなどの消耗品において、検出可能なシグナル、例えば、ECLシグナルを測定すること、のうちの1つ以上を実施するように構成される。自動化システムは、ラック及び/又は96若しくは384ウェルプレートなどのマルチウェルプレートに配置された個々のチューブをハンドリングするように構成されてもよい。
【0210】
本明細書に記載されるような自動化システムにおいて構成要素及びモジュールを統合するための方法は、例えば、Sargeant et al.,”Platform Perfection,”Medical Product Outsourcing,May 17,2010によって論じられている。
【0211】
実施形態では、自動化されたシステムは、完全に自動化され、モジュール式であり、コンピュータ化されており、広範囲の分析物に対してインビトロ定量的及び定性的試験を実施し、並びに/又は測光アッセイ、イオン選択性電極測定、及び/若しくは電気化学発光(ECL)アッセイを実施する。実施形態では、システムは、以下のハードウェアユニット、すなわち、制御ユニット、コアユニット、及び少なくとも1つの分析モジュールのうちの1つ以上を備える。
【0212】
実施形態では、制御ユニットは、グラフィカルユーザインターフェースを利用して、全ての機器機能を制御し、モニタなどの読み出しデバイスと、キーボード及びマウスなどの入力デバイスと、例えば、Windowsオペレーティングシステムを使用するパーソナルコンピュータとを備える。実施形態では、コアユニットは、各割り当てられた分析モジュールへの試料の運搬を管理する1つ以上の構成要素を備える。コアユニットの実際の構成は、分析モジュールの構成に依存し、分析モジュールは、当該技術分野で知られている方法を使用して当業者によって構成することができる。実施形態では、コアユニットは、主要構成要素として、少なくともサンプリングユニット及び1つのラックロータを含む。実施形態では、制御ユニットは、延長ユニット、例えば、コンベヤライン及び/又は第2のラックロータを更に備える。実施形態では、コアユニットは、試料ラックローダ/アンローダと、ポートと、バーコードリーダー(ラック及び試料用)と、給水源と、システムインターフェースポートとを更に備える。実施形態では、自動化されたシステムは、ECLアッセイを実施し、試薬エリア、測定エリア、消耗品エリア、及びプレクリーンエリアを含む。
【0213】
本明細書の実施形態と一致するアッセイデバイスは、例えば、以下の望ましい属性のうちの1つ以上を有するマルチウェルプレート形式でアッセイを行うために採用され得る。(i)高感度、(ii)広いダイナミックレンジ、(iii)小さいサイズ及び軽量、(iv)アレイベースの多重化機能、(v)自動化動作、並びに(vi)複数のプレートを処理する能力。装置及び方法は、1つ以上の検出可能なシグナルを測定する技術を含むが、これらに限定されない様々なアッセイ検出技術とともに使用され得る。一部の態様は、電気化学発光測定に適しており、特に、米国特許第7,842,246号、同第7,807,448号、及び同第10,281,678号に記載されているものなどの、一体化された電極を有するマルチウェルプレート(及びこれらのプレートを使用するアッセイ方法)とともに使用するのに適した実施形態に適している。
【0214】
実施形態では、マルチウェルプレートにおいて発光アッセイを行うためのアッセイデバイスが提供される。例えば、アッセイデバイスの一実施形態は、光検出サブシステム及びプレートハンドリングサブシステムを備え、プレートハンドリングサブシステムは、ルミネッセンス測定が実行され得る光のない環境を提供する遮光筐体を含む。この遮光筐体は、ハウジングと、ハウジング内に配置される取り外し可能な引き出しとを含む。このハウジングはまた、プレートが引き出し内で(手動で又は機械的に)プレート並進ステージ上に降下され得るか、又はそれから取り外され得る、1つ以上のプレート導入アパーチャを有するハウジング上部も含む。ハウジング内のスライド式遮光扉を使用して、ルミネッセンス測定を実行する前に、プレート導入アパーチャを環境光からシールする。ハウジングは、更に検出アパーチャを含み、この検出アパーチャは、ハウジング上部上に装着された光検出器、及びプレート導入アパーチャの上方のハウジング上部の上に装着された1つ以上のプレートスタッカに結合されており、そのプレートスタッカは、プレートを、取り外し可能な引き出し内に受容させるか又は送達するように構成されている。取り外し可能な引き出しは、プレート並進ステージを含み、このプレート並進ステージは、引き出し内でプレートを水平に、特定のアッセイ処理及び/又は検出ステップが実行される装置内のゾーンまで並進する。取り外し可能な引き出しはまた、引き出し内で昇降することができる、プレートリフトプラットフォームを備える1つ以上のプレート昇降機も含み、そのプレート昇降機が、1つ以上のプレート導入アパーチャの下方に位置決めされる。プレート並進ステージは、プレートを検出アパーチャの下方に位置決めし、プレートをプレートリフトプラットフォーム上のプレート昇降機の上方に位置決めするように構成されている。
【0215】
アッセイデバイスはまた、ハウジング上部上の検出アパーチャに装着される光検出器も含み得る(例えば、遮光コネクタ又はバッフルを介する)。特定の実施形態では、光検出器は、CCDカメラなどの画像化光検出器であり、レンズもまた含んでもよい。この光検出器は、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管などの従来の光検出器であってもよい。好適な光検出器はまた、そのような光検出器のアレイも含む。使用され得る光検出器はまた、CCD及びCMOSカメラなどの画像化システムも含む。この光検出器はまた、検出器上に光を方向付け、集束、及び/又は画像化するためのレンズ、光ガイドなども含むことができる。特定の具体的な実施形態では、画像化システムを使用して、アッセイプレートの1つ以上のウェル内の結合ドメインのアレイからのルミネッセンスを画像化し、アッセイ装置は、アレイの個々の要素から放出されるルミネッセンスのルミネッセンス値を報告する。光検出器は、遮光シールを備えるハウジング上部上に装着される。この装置の追加の構成要素は、プレートへの電気接触を行うため、かつ(例えば、ECLを誘導するために)光検出器の下方に位置決めされたウェル内の電極に電気エネルギーを供給するためのプレート接点を含む。
【0216】
実施形態では、アッセイデバイスは、試料プレートの自動識別のための識別子コントローラなどの機能を含む。一実施形態では、識別子コントローラは、ハウジング上部内のアパーチャ上に遮光シールを介して装着されたバーコードリーダーであり、そこでは、バーコードリーダーが、ハウジング内のプレート並進ステージ上に配置されたプレート上のバーコードを読み取るように構成されている。好ましい実施形態では、プレート上のバーコードは、プレートが引き出しの中に降下されたときに読み出される。代替又は追加の実施形態では、プレートは、EEPROM又はRFIDなどの識別子を備え、ハウジング上部及び/又は引き出しは、これらの識別子の各々と通信するのに好適な識別子コントローラを含む。更なる実施形態では、識別子コントローラが、装置とは別個に提供され得る。この実施形態では、1つのプレートに取り付けられるか、又は1つのプレート若しくは一組のプレートに関連付けられた識別子に記憶された情報は、装置に取り付けられたコンピュータ及び/若しくはネットワークを介してその装置に転送され、かつ/又はコンピュータ及び/若しくはネットワークのユーザインターフェースを介して手動で入力される。これに関しては、米国特許出願公開第2011/0022331号及び米国特許第8,770,471号を参照されたい。
【0217】
一部の場合では、プレートハンドリングサブシステムは、プレート導入アパーチャの上方でハウジング上部に装着された1つ以上のプレートスタッカを更に含み、プレートスタッカは、プレートを受容するか、又はプレート昇降機に送達するように構成される。プレートハンドリングサブシステムは、所望の条件下でサブシステムの温度を維持するための加熱及び/又は冷却機構(例えば、抵抗ヒータ、ファン、ヒートシンク、又は熱電ヒータ/冷却器)を任意選択で含む。それはまた、湿度制御機構(例えば、所望の条件下でサブシステムの湿度を維持するための加湿器及び/若しくは除湿器、又は乾燥チャンバ)も含み得る。
【0218】
本明細書に記載されるアッセイデバイスは、較正アッセイ及び試料アッセイの両方を実施するように構成される。本明細書に記載されるように、較正アッセイは、分析物の定義された量を有する較正試料上で実施されるアッセイを含む。本明細書に記載されるように、試料は、各々が未知の量の分析物を有する1つ以上の試験試料に対してアッセイする。試験試料に対して試料アッセイを実施すると、試料アッセイシグナル値が生成される。試料アッセイシグナル値は、それに関連する分析物の未知の量を示す。
【0219】
実施形態では、コンピュータシステムが本明細書で提供される。コンピューティングシステムは、1つ以上のプロセッサ(本明細書では処理ユニットとも互換的に称される)、1つ以上の記憶デバイス、及び/又は他の構成要素を含み得る。他の実施形態では、プロセッサの機能性は、ハードウェアによって(例えば、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブルゲートアレイ(「PGA」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などの使用を通して)、又はハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって行われてもよい。記憶デバイスは、任意のタイプの非一時的コンピュータ可読記憶媒体(又は複数の媒体)及び/又は非一時的コンピュータ可読記憶デバイスを含む。かかるコンピュータ可読記憶媒体又はデバイスは、プロセッサに、本明細書に記載の1つ以上の方法論を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を記憶することができる。コンピュータ可読記憶媒体又はデバイスの例は、限定されないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又はそれらの任意の好適な組み合わせ、例えば、コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティックなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0220】
プロセッサは、記憶デバイスに記憶され、プロセッサによって実行可能な1つ以上のコンピュータプログラム命令によってプログラムされる。例えば、プロセッサは、プロトコルマネージャ、ネットワークマネージャ、データマネージャ、較正適合マネージャ、分析マネージャ、及びユーザインターフェースマネージャによってプログラムされる。本明細書で説明されるような様々なマネージャの機能は代表的なものであり、限定ではないことが理解されよう。加えて、記憶デバイスは、アッセイシステム環境のためのデータ記憶を提供するためのデータ記憶デバイスとして機能し得る。本明細書で使用されるとき、便宜上、種々の「マネージャ」は、実際には、マネージャが動作を実施するようにプロセッサ(したがって、コンピューティングシステム)をプログラムするときに、動作を実施するものとして説明される。
【0221】
プロトコルマネージャは、コンピューティングシステム上で動作し得るソフトウェアプロトコル(例えば、ソフトウェアモジュール又はライブラリ)である。プロトコルマネージャは、1つ以上の制御シグナルを1つ以上のアッセイデバイスに提供するように構成される。プロトコルマネージャによって提供される制御シグナルは、1つ以上のアッセイデバイスを動作させるために必要な命令を提供するように構成される。制御シグナルは、1つ以上のアッセイデバイスによって実行される1つ以上のアッセイプロトコルを指定し得る。プロトコルマネージャによって提供される制御シグナルは、本明細書に記載されるアッセイデバイスが可能な任意のプロセスを開始及び/又は制御するために使用され得る。
【0222】
実施形態では、プロトコルマネージャは更に、1つ以上のアッセイデバイスの動作中に収集されたデータを受信するように動作し得る。かかるデータは、例えば、較正アッセイデータ及び試料アッセイデータを含み得る。受信されたデータは、次いで、データマネージャを介して処理又は記憶され得る。
【0223】
プロトコルマネージャは、較正アッセイを実施するために1つ以上のアッセイデバイスを制御するように動作するように構成される。アッセイデバイスは、定義された量の分析物を有する複数の較正試料(例えば、マルチウェルプレートに較正剤として保存された較正試料)に関する較正アッセイ測定を得るために、プロトコルマネージャによって制御され得る。複数の較正試料は、異なる量の分析物を含み得る。プロトコルマネージャは、複数の較正試料に対応する較正アッセイシグナル値を決定するように動作する。プロトコルマネージャは、較正アッセイを実施して、1つ以上の較正データセットを決定するように構成される。較正データセットは、対応する複数の較正アッセイシグナル値に複数の量の値を関連付ける情報を含む。
【0224】
プロトコルマネージャは、試料アッセイを実施するために1つ以上のアッセイデバイスを制御するように動作するように更に構成される。アッセイデバイスは、プロトコルマネージャによって制御されて、未知の量の分析物を有する複数の試験試料(例えば、マルチウェルプレートに配置された試験試料)についての試料アッセイ測定を取得することができる。プロトコルマネージャは、複数の試験試料に対応する試料アッセイシグナル値を決定するように動作する。プロトコルマネージャは、試料アッセイを実施して、1つ以上の試料アッセイデータセットを決定するように構成される。試料アッセイデータセットは、試料アッセイシグナル値を試料識別データに関連付ける情報を含み得る。試料識別データは、プレートの位置など、試験試料を識別するための任意の好適なデータを含み得る。
【0225】
ネットワークマネージャは、コンピューティングシステム上で動作し得るソフトウェアプロトコル(例えば、ソフトウェアモジュール又はライブラリ)である。ネットワークマネージャは、ネットワーク、アッセイデバイス、データ記憶デバイス、及び/又はアッセイシステム環境内の任意の他のデバイスの間のネットワーク通信を確立するように構成される。確立された通信経路は、任意の適切なネットワーク転送プロトコルを利用し、一方向又は双方向のデータ転送を提供し得る。ネットワークマネージャは、アッセイシステム環境の種々の要素と通信するのに必要な数のネットワーク通信を確立することができる。
【0226】
ネットワークマネージャは、試料アッセイデータ、較正アッセイデータ(較正アッセイ情報とも称される)、試料アッセイ及び較正アッセイプロトコル、較正モデル、並びに任意の他の情報の送信及び受信を容易し、かつ/又はアッセイシステム環境の動作と一致する。
【0227】
データマネージャは、コンピューティングシステム上で動作し得るソフトウェアプロトコル又はソフトウェアモジュールである。データマネージャは、アッセイシステム環境の1つ以上のアッセイデバイスの試料アッセイデータ及び較正アッセイデータなどのアッセイデータにアクセスするように構成される。アッセイデータは、例えば、試料アッセイデータセット及び較正データセットを含み得、これらは、ほぼリアルタイムで取得され得、アーカイブされたデータであり得、かつ/又はデータ抽出物、並びにプロセス情報及びプロセスパラメータ情報、並びにアッセイデバイスによって生成されるか又はアッセイデバイス上に記憶される任意の他の情報又はデータであり得る。データマネージャは、1つ以上のデータ記憶デバイス、ローカルアッセイコンピュータシステム、及び/又はネットワーク化されたコンピュータシステムにアクセスし、これらのいずれか又は全てに記憶されたアッセイデータを記憶及び/又は受信するように更に構成される。更なる実施形態では、データマネージャは、アッセイデータを記憶し得る種々の取り外し可能な物理的記憶媒体にアクセスするように構成される。
【0228】
データマネージャは、ユーザインターフェースマネージャを介してユーザにデータを提供することができる。実施形態では、データマネージャは、アッセイデータ(アッセイシステムデータとも称される)を管理及び操作するためのアクセスツールをユーザに提供するように更に構成される。例えば、データマネージャ616は、レポートを生成し、アッセイシステムデータを照合し、アッセイシステムデータを相互参照し、アッセイシステムデータをデータベースに入力するなどを行うように構成され得る。実施形態では、データマネージャは、データ保持能力を提供することができる。データマネージャは、アッセイシステム環境内で収集及び/又は使用されたありとあらゆるデータを受信及び記憶するように更に構成される。
【0229】
抗体及び組成物
実施形態では、本発明は、電気化学発光(ECL)標識に結合する抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0230】
概して、抗体(「免疫グロブリン」という用語と互換的に使用される)は、少なくとも重鎖の可変ドメインを含み、典型的には、抗体は、重鎖及び軽鎖の可変ドメインを含む。重鎖及び軽鎖の両方は、構造的及び機能的相同性の領域に分けられる。概して、重鎖(VH)又は軽鎖(VL)の可変ドメインは、抗原認識及び特異性を決定し、そして重鎖(CH1、CH2、又はCH3)又は軽鎖(CL)の定常ドメインは、生物学的特性(例えば、分泌、レセプター結合、相補体結合など)を付与する。一般に、抗体鎖のN末端部分は可変部分であり、C末端部分は定常領域であり、CH3及びCLドメインは、典型的には、それぞれ重鎖及び軽鎖のC末端を含む。
【0231】
概して、抗体は、免疫グロブリン遺伝子又は免疫グロブリン遺伝子の断片によってコードされる。認識されている免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、及びミュー定常領域遺伝子、並びに免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖は、カッパ又はラムダのいずれかに分類される。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、又はイプシロンとして分類され、これらはそれぞれ免疫グロブリンクラスIgG、IgM、IgA、IgD及びIgEを規定する。
【0232】
概して、可変領域は、抗体が抗原上のエピトープを選択的に認識し、特異的に結合することを可能にする。したがって、抗体のVLドメイン及びVHドメイン、又はこれらの可変ドメイン内の相補性決定領域(CDR)のサブセットは、組み合わさって、抗原結合ドメインを形成する可変領域を形成する。抗原結合ドメインは、代表的には、VLドメイン及びVHドメインの各々における3つのCDRによって規定される。各抗原結合ドメインに典型的に存在する6つの「相補性決定領域」又は「CDR」は、抗原結合ドメインを形成するように特異的に配置されたアミノ酸の短い非隣接配列である。位置決めされたCDRによって形成される抗原結合ドメインは、抗原上のエピトープに相補的表面を規定する。この相補的表面は、抗体の同族エピトープへの非共有結合を促進する。
【0233】
実施形態では、本発明は、電気化学発光(ECL)標識に特異的な抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0234】
実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、IgA、IgD、IgE、IgG、又はIgMドメインを含む定常領域を含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、IgGドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、IgG1、IgG2、IgG3、若しくはIgG4アイソタイプ抗体又はその抗原結合断片である。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、IgG2a、IgG2b、若しくはIgG2cサブクラス抗体又はその抗原結合断片である。
【0235】
実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、マウス、ラット、ヤギ、ウサギ、ニワトリ、モルモット、ハムスター、ウマ、又はヒツジに由来する。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、マウスに由来する。
【0236】
ECL標識は本明細書に記載されている。実施形態では、ECL標識は、電気化学発光有機金属錯体を含む。実施形態では、電気化学発光有機金属錯体は、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、レニウム、及び/又はランタニド金属を含む。実施形態では、ECL標識は、ルテニウムを含む。実施形態では、電気化学発光性有機金属錯体は、置換若しくは非置換ビピリジン、又は置換若しくは非置換フェナントロリンを含む。実施形態では、ECL標識は、置換ビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも1つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、ECL標識は、少なくとも2つの置換ビピリジン配位子を含む有機金属錯体を含み、各置換ビピリジン配位子は、少なくとも1つのスルホネート基を含む。実施形態では、置換ビピリジン配位子は式Iの化合物である。実施形態では、ECL標識は3つの配位子を含み、第1の配位子は式Iの化合物であり、第2の配位子は、共有結合を形成することができる少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、共有結合を形成することができる少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、第3の配位子は、コンジュゲーションリンカーを含む少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。コンジュゲーションリンカーは、本明細書に更に記載される。
【0237】
実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、式II、式IV、又は式VIの化合物に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、抗体又は抗原結合断片は、
【化7】
に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。
【0238】
実施形態では、本発明は、ECL標識に特異的な抗原結合ドメイン及びコンジュゲーションリンカーを含む抗体又はその抗原結合断片を提供する。コンジュゲーションリンカーは、本明細書に記載されている。実施形態では、コンジュゲーションリンカーは、アミド、チオエステル、チオエーテル、ジスルフィド、イミン、トリアゾール、ジヒドロピリダジン、ペプチド、オリゴヌクレオチド、親水性ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。
【0239】
実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びアミドに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びチオエステルに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びチオエーテルに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びジスルフィドに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びイミンに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びトリアゾールに特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識及びジヒドロピリダジンに特異的に結合する。
【0240】
実施形態では、コンジュゲーションリンカーは、スペーサー(例えば、本明細書に記載されているペプチド、オリゴヌクレオチド又は親水性ポリマー)を含み、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びコンジュゲーションリンカーのペプチド、オリゴヌクレオチド又は親水性ポリマーの少なくとも一部に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びコンジュゲーションリンカーのペプチドの少なくとも一部に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びコンジュゲーションリンカーのオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ECL標識及びコンジュゲーションリンカーの親水性ポリマーの少なくとも一部に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む。
【0241】
実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、核酸プローブを更に含む。核酸プローブは本明細書に記載されている。実施形態では、核酸プローブは、鋳型オリゴヌクレオチドに結合することができる。実施形態では、核酸プローブは、本明細書で記載される伸長反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、自己持続合成反応(3SR)、及び/又は等温増幅(例えば、ヘリカーゼ依存性増幅又はローリングサークル増幅など)のためのプライマーである。
【0242】
実施形態では、本発明は、(a)本明細書に提供される抗体又はその抗原結合断片であって、抗体又はその抗原結合断片は、核酸プローブを含む、抗体又はその抗原結合断片と、(b)核酸プローブに結合することができる鋳型オリゴヌクレオチドと、を含む、組成物を提供する。鋳型オリゴヌクレオチドは、本明細書に更に記載される。
【0243】
実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、結合部分を更に含む。結合部分は本明細書に記載されている。実施形態では、結合部分は、本明細書に記載される検出可能な部分に結合することができる。実施形態では、結合部分は、オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、結合部分は、ビオチンを含む。実施形態では、結合部分は、アビジン又はストレプトアビジンを含む。実施形態では、結合部分は、検出可能な部分に対する複数の結合部位を含む。
【0244】
実施形態では、本発明は、(a)本明細書で提供される抗体又はその抗原結合断片であって、抗体又はその抗原結合断片は、結合部分を含む、抗体又はその抗原結合断片と、(b)(i)結合部分の結合パートナーと、(ii)1つ以上の検出可能な標識と、を含む、検出可能な部分と、を含む、組成物を提供する。検出可能な部分は本明細書に記載されている。実施形態では、検出可能な部分は、検出可能な標識を含む。実施形態では、検出可能な部分は、検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、標識プローブは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える検出可能な標識を含む。実施形態では、抗体又はその抗原結合断片の結合部分は、検出可能な部分に結合する。結合部分がオリゴヌクレオチドを含む実施形態では、検出可能な部分は、相補的オリゴヌクレオチドを含む。結合部分がビオチンを含む実施形態では、検出可能な部分は、アビジン又はストレプトアビジンを含む。結合部分がアビジン又はストレプトアビジンを含む実施形態では、検出可能な部分はビオチンを含む。実施形態では、検出可能な部分は、結合部分のための複数の結合部位を含む。
【0245】
検出可能な標識は本明細書に記載されている。実施形態では、検出可能な標識は、光散乱、吸光度、蛍光、化学発光、電気化学発光、生物発光、リン光、放射能、磁場、又はそれらの組み合わせによって検出することができる。実施形態では、検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識を含む。
【0246】
実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、第1の配位子は、式Iの化合物であり、第2の配位子は、検出可能な部分に共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。実施形態では、ECL標識は、3つの配位子を含む有機金属錯体を含み、配位子のうちの2つはそれぞれ式Iの化合物であり、第3の配位子は、検出可能な部分に共有連結している少なくとも1つの置換基を有するビピリジンを含む。
【0247】
実施形態では、検出可能な標識は、式IIの化合物を含む。実施形態では、検出可能な標識は、式IIIの化合物を含む。実施形態では、検出可能な標識は、式IVの化合物を含む。実施形態では、検出可能な標識は、式Vの化合物を含む。実施形態では、検出可能な標識は、式VIの化合物を含む。
【0248】
実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、酵素を更に含む。酵素は、本明細書に更に記載される。実施形態では、酵素は、HRP、AP、又はβ-ガラクトシダーゼである。
【0249】
実施形態では、本発明は、本明細書で提供される抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、酵素を含む。実施形態では、組成物は、酵素の基質を更に含む。実施形態では、酵素はHRPであり、基質はTMB、ABTS、又はOPDである。実施形態では、酵素はAPであり、基質はPNPPである。実施形態では、酵素はβ-ガラクトシダーゼであり、基質はONPGである。HRP、AP、及びβ-ガラクトシダーゼのような酵素、並びにTMB、ABTS、OPD、PNPP、及びONPGを含むそれらの基質は、本明細書中に更に記載される。
【0250】
キット
実施形態では、関心対象の分析物を検出するためのキットであって、1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント中に、(a)分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)分析物に特異的に結合する検出試薬であって、検出試薬は、第1の検出可能な標識を含む、検出試薬と、(c)第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を含む、キットを提供する。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、キットは表面を更に含む。実施形態では、検出試薬は、第1の検出試薬であり、キットは、分析物に特異的に結合する第2の検出試薬を更に含み、第2の検出試薬は、第1の検出可能な標識を含む。
【0251】
実施形態では、関心対象の分析物を検出するためのキットであって、1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント中に、(a)分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)分析物に特異的に結合する検出試薬であって、検出試薬は、第1の核酸プローブを含む、検出試薬と、(c)第1の検出可能な標識を含む第1の標識プローブと、(d)第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を含む、キットを提供する。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、キットは表面を更に含む。
【0252】
実施形態では、関心対象の分析物を検出するためのキットであって、1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント中に、(a)分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)分析物に特異的に結合する検出試薬であって、検出試薬は、ECL標識を含む、検出試薬と、(c)ECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を含む、キットを提供する。実施形態では、キットは表面を更に含む。実施形態では、検出試薬は、第1の検出試薬であり、キットは、分析物に特異的に結合する第2の検出試薬を更に含み、第2の検出試薬は、ECL標識を含む。
【0253】
実施形態では、関心対象の分析物を検出するためのキットであって、1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント中に、(a)分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)分析物に特異的に結合する検出試薬であって、検出試薬は、第1の核酸プローブを含む、検出試薬と、(c)第1のECL標識を含む第1の標識プローブと、(d)第1のECL標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬と、を含む、キットを提供する。実施形態では、キットは表面を更に含む。
【0254】
実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるように、ECL標識に特異的な抗原結合ドメインを含み、結合部分を含む抗体又は抗原結合断片を含むキットを提供する。実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるように、ECL標識に特異的な抗原結合ドメインを含み、酵素を含む抗体又は抗原結合断片を含むキットを提供する。実施形態では、キットは、捕捉試薬及び検出試薬の一方又は両方を更に含み、検出試薬は、ECL標識を含む。実施形態では、キットは、捕捉試薬、第1の検出試薬、及び第2の検出試薬のうちの1つ以上を更に含み、第1及び第2の検出試薬はそれぞれ、ECL標識を含む。実施形態では、キットは表面を更に含む。
【0255】
実施形態では、本発明は、ECL標識に特異的な抗原結合ドメインを含み、本明細書に記載の核酸プローブを含む抗体又は抗原結合断片を含むキットを提供する。実施形態では、キットは、アンカー試薬、鋳型オリゴヌクレオチド、標識プローブ、ポリメラーゼ、リガーゼ、緩衝液、ブロッキング剤、共反応物、希釈剤、安定化剤、較正剤、アッセイ消耗品、又はそれらの組み合わせを更に含む。実施形態では、キットは、捕捉試薬及び検出試薬の一方又は両方を更に含み、検出試薬は、ECL標識を含む。実施形態では、キットは、捕捉試薬、第1の検出試薬、及び第2の検出試薬のうちの1つ以上を更に含み、第1及び第2の検出試薬はそれぞれ、ECL標識を含む。実施形態では、キットは表面を更に含む。
【0256】
捕捉試薬、検出試薬、例えば、第1及び第2の検出試薬、第1の検出可能な標識、並びにシグナル増幅試薬は、本明細書に記載されている。実施形態では、捕捉試薬、検出試薬又は第1及び第2の検出試薬、並びにシグナル増幅試薬はそれぞれ、抗体若しくはその抗原結合断片、抗原、配位子、受容体、オリゴヌクレオチド、ハプテン、エピトープ、ミモトープ、又はアプタマーを含む。実施形態では、捕捉試薬、検出試薬又は第1及び第2の検出試薬、並びにシグナル増幅試薬はそれぞれ、抗体又はその抗原結合断片を含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、IgG抗体である。
【0257】
実施形態では、第1の検出可能な標識は、電気化学発光(ECL)標識である。実施形態では、シグナル増幅試薬は、ECL標識に特異的な抗原結合ドメインを含む抗体又はその抗原結合断片である。ECL標識は本明細書に記載されている。
【0258】
実施形態では、ECL標識は、式IIの化合物である。実施形態では、ECL標識は、式IIIの化合物である。実施形態では、ECL標識は、式IVの化合物である。実施形態では、ECL標識は、式Vの化合物である。実施形態では、ECL標識は、式VIの化合物である。
【0259】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、結合部分を含む。実施形態では、キットは、結合部分をシグナル増幅試薬にコンジュゲートするための試薬を更に含む。結合部分は本明細書に記載されている。実施形態では、結合部分は、オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、結合部分は、ビオチンを含む。実施形態では、結合部分は、アビジン又はストレプトアビジンを含む。実施形態では、キットは、(i)結合部分の結合パートナーと、(ii)第2の検出可能な標識のうちの1つ以上と、を含む検出可能な部分を更に含む。検出可能な部分は本明細書に記載されている。実施形態では、結合部分はオリゴヌクレオチドを含み、検出可能な部分は相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、結合部分はビオチンを含み、検出可能な部分はアビジン又はストレプトアビジンを含む。結合部分がアビジン又はストレプトアビジンを含む実施形態では、検出可能な部分はビオチンを含む。
【0260】
実施形態では、検出可能な部分は、第2の検出可能な標識を含む。第2の検出可能な標識は、本明細書に更に記載される。実施形態では、検出可能な部分は、第2の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、検出可能な部分は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書で記載される第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。
【0261】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、酵素を含む。実施形態では、キットは、酵素の基質を更に含む。酵素及びそれらの基質は、本明細書に更に記載される。実施形態では、酵素はHRPであり、基質はTMB、ABTS、又はOPDである。実施形態では、酵素はAPであり、基質はPNPPである。実施形態では、酵素はβ-ガラクトシダーゼであり、基質はONPGである。実施形態では、基質は、本明細書に記載されるように、発色基質、蛍光発生基質、又は化学発光基質である。
【0262】
実施形態では、シグナル増幅試薬は、第2の検出可能な標識を含む。第2の検出可能な標識は、本明細書に更に記載される。実施形態では、シグナル増幅試薬は、第2の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、シグナル増幅試薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書で記載される第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。実施形態では、第2の検出可能な標識は、本明細書に記載されるECL標識である。
【0263】
実施形態では、検出試薬は、第1の検出可能な標識を含み、シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含む。実施形態では、第1及び第2の検出試薬はそれぞれ、第1の検出可能な標識を含み、シグナル増幅試薬は、核酸プローブを含む。実施形態では、キットは、核酸プローブをシグナル増幅試薬にコンジュゲートさせるための試薬を更に含む。核酸プローブは本明細書に記載されている。実施形態では、核酸プローブは、伸長反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、自己持続合成反応(3SR)、及び/又は等温増幅(例えば、ヘリカーゼ依存性増幅又はローリングサークル増幅など)のためのプライマーであり、であり、本明細書で記載される伸長配列を形成する。実施形態では、キットは、例えば、伸長反応を実施するための鋳型オリゴヌクレオチドを更に含む。実施形態では、キットは、例えば、伸長反応から生成された伸長配列に結合するためのアンカー試薬を更に含む。鋳型オリゴヌクレオチド及びアンカー試薬は、本明細書中に更に記載される。実施形態では、アンカー試薬は、一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、アンカー試薬は、二本鎖オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、キットは、第2の検出可能な標識のうちの1つ以上を含む標識プローブを更に含み、標識プローブ及び伸長配列は、相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、標識プローブは、第2の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、標識プローブは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第2の検出可能な標識を含む。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書で記載される第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。
【0264】
実施形態では、検出試薬は、第1の核酸プローブを含み、シグナル増幅試薬は、第2の核酸プローブを含む。実施形態では、キットは、第1の核酸プローブを検出試薬にコンジュゲートするための試薬を更に含む。実施形態では、キットは、第2の核酸プローブをシグナル増幅試薬にコンジュゲートさせるための試薬を更に含む。第1及び第2の核酸プローブは本明細書に記載されている。実施形態では、キットは、例えば、第1及び第2の核酸プローブを伸長させるための1つ以上の鋳型オリゴヌクレオチドを更に含む。実施形態では、キットは、本明細書に記載されるように、第1及び第2の伸長配列にそれぞれ結合する第1及び第2のアンカー試薬を更に含む。実施形態では、キットは、第1の検出可能な標識のうちの1つ以上を含む第1の標識プローブを更に含み、第1の標識プローブ及び第1の伸長配列は、相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第1の標識プローブは、第1の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、第1の標識プローブは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第1の検出可能な標識を含む。実施形態では、キットは、第2の検出可能な標識のうちの1つ以上を含む第2の標識プローブを更に含み、第2の標識プローブ及び第2の伸長配列は、相補的オリゴヌクレオチドを含む。実施形態では、第2の標識プローブは、第2の検出可能な標識のうちの2つ以上を含む。実施形態では、第2の標識プローブは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超える第2の検出可能な標識を含む。第1及び第2の標識プローブは、本明細書に記載されている。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第2の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第1の検出可能な標識は、本明細書で記載される第2の検出可能な標識とは検出可能に異なる。
【0265】
実施形態では、検出試薬又は第1及び第2の検出試薬は、凍結乾燥される。実施形態では、検出試薬又は第1及び第2の検出試薬は、溶液中に提供される。実施形態では、シグナル増幅試薬は、凍結乾燥される。実施形態では、シグナル増幅試薬は、溶液中に提供される。実施形態では、捕捉試薬は、キットにおいて提供される表面上に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、凍結乾燥されるか、又は溶液中で提供され、キットは、捕捉試薬を表面に固定化するための試薬を更に含む。アンカー試薬(例えば、本明細書に記載されるような、伸長配列に結合するためのアンカー、第1の伸長配列に結合するための第1のアンカー試薬、及び/又は第2の伸長配列に結合するための第2のアンカー試薬)を含む実施形態では、アンカー試薬は、キット中に提供される表面上に固定化される。実施形態では、アンカー試薬は、凍結乾燥されるか、又は溶液中で提供され、キットは、アンカー試薬を表面に固定化するための試薬を更に含む。実施形態では、捕捉試薬は、表面上のアンカー試薬の約1nm~約500nm、約5nm~約250nm、約10nm~約200nm、又は約15nm~約150nm以内に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、表面上のアンカー試薬から1μm未満に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、表面上のアンカー試薬から500nm未満に固定化される。実施形態では、捕捉試薬は、表面上のアンカー試薬から200nm未満に固定化される。捕捉試薬及び/又はアンカー試薬を、例えば、標的化剤/標的化剤相補体、連結剤/補助連結剤、及び架橋剤を介して表面に固定化するための試薬及び方法が、本明細書中に記載される。
【0266】
実施形態では、本明細書で提供されるキットは、表面を更に含む。実施形態では、表面はプレートである。実施形態では、表面はマルチウェルプレートである。実施形態では、表面は粒子である。実施形態では、キットは粒子アレイを含む。実施形態では、表面はカートリッジである。実施形態では、表面は電極を含む。実施形態では、電極は、カーボンインク電極である。
【0267】
実施形態では、キットの捕捉、検出、及び/又はシグナル増幅試薬並びに他の構成要素は、別々に提供される。実施形態では、キットの構成要素は、それらの最適な輸送又は保存温度に従って別々に提供される。
【0268】
実施形態では、キットは、較正試薬を更に含む。実施形態では、較正試薬は、既知の量の分析物を含む。実施形態では、キットは、ある濃度範囲の分析物を含む複数の較正試薬を含む。実施形態では、複数の較正試薬は、本方法のための定量化の上限及び下限に近い分析物の濃度を含む。実施形態では、複数の較正試薬は、本方法のダイナミックレンジ全体に及ぶ。実施形態では、較正試薬は、陽性対照試薬である。実施形態では、較正試薬は、陰性対照試薬である。実施形態では、陽性又は陰性対照試薬は、本発明の方法と試験される試料の比較の基礎を提供するために使用される。実施形態では、較正試薬は、凍結乾燥される。実施形態では、較正試薬は、溶液で提供される。
【0269】
実施形態では、キットは、ポリメラーゼ、リガーゼ、緩衝液、ブロッキング剤、共反応物、希釈剤、安定剤、較正剤、アッセイ消耗品、電極、又はそれらの組み合わせを更に含む。
【0270】
実施形態では、キットは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、自己持続合成反応(3SR)、及び/又は等温増幅(例えば、ヘリカーゼ依存性増幅又はローリングサークル増幅など)を実施するためのポリメラーゼを更に含む。実施形態では、キットは、例えば、鋳型オリゴヌクレオチドをライゲートするためのリガーゼを更に含む。
【0271】
実施形態では、キットは、緩衝液、例えば、アッセイ緩衝液、再構成緩衝液、保存緩衝液、リード緩衝液、又はそれらの組み合わせを更に含む。実施形態では、キットは、例えば電気化学発光測定を実施するための共反応物を更に含む。例示的な共反応物は、例えば、WO2020/142313に記載されている。
【0272】
実施形態では、キットは、例えば、本明細書に記載される捕捉試薬及び検出試薬、又は捕捉試薬並びに第1及び第2の検出試薬への関心対象の分析物以外の成分による非特異的結合を減少させるために、ブロッキング剤を更に含む。例示的なブロッキング剤としては、mBSA、剪断ポリ(A)、ポリBSA-I、mIgG、Tween、ポリBSA-II、酵母RNA、mBSA+ポリ(a)、及び/又はポリBSA+ポリ(A)が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、キットは、キットの1つ以上の構成要素のための希釈剤を更に含む。実施形態では、上記の成分を含むキットは、本明細書で提供される方法のための作業濃度の5X、10X、20X、30X、40X、50X、60X、70X、80X、90X、100X、125X、150X以上の倍濃度である成分のストック濃度を含む。実施形態では、キットは、例えばキットの1つ以上の成分の保存のために、安定化剤を更に含む。
【0273】
実施形態では、キットは、アッセイ消耗品、例えば、アッセイモジュール、バイアル、チューブ、ピペットチップ、カバー及びシール、ラック、標識などのような液体ハンドリング及び移動デバイスを更に含む。実施形態では、キットは、例えば、電気化学発光測定を実施するための電極を更に含む。実施形態では、電極は、本明細書で提供される表面に適用される。実施形態では、キットは、本明細書に記載される方法を実行するためのアッセイ機器及び/又は説明書を更に含む。
【0274】
1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント中に提供され得る、本明細書に記載されるキットの構成要素は、必ずしも同じ容器、例えば、同じ箱中に、及び/又は同時に含まれるわけではないことが当業者によって理解されるであろう。実施形態では、本明細書に記載されるキットの構成要素は、1つ以上の別個の容器又はコンパートメント内に同時に又は逐次的に提供される。ユーザは、キットの構成要素(例えば、本明細書に記載されているシグナル増幅試薬)を別々に、例えば、1つ以上の別々の容器又はコンパートメント中で取得する(例えば、購入又は所有する)ことができるが、それにもかかわらず、構成要素は、例えば、本明細書の実施形態に記載されているように、組み合わせて使用される場合、「キット」の一部と見なされることが当業者によって更に理解されるであろう。一部の実施形態では、キットは、単一のパッケージ又は容器で一緒に供給される複数の容器、バイアル、又はコンパートメントを含む。
【0275】
実施形態では、本発明は、複数の第1のキット及び第2のキットを含むキットのセットを提供し、各第1のキットは、固有の関心対象の分析物を検出するためのものであり、各第1のキットは、(a)特有の分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)それぞれが(i)特有の分析物に特異的に結合し、(ii)第1の検出可能な標識を含む検出試薬又は第1及び第2の検出試薬と、を含み、第2のキットは、第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第1及び/又は第2のキットは、表面を更に含む。実施形態では、キットのセットは、表面を含む第3のキットを更に含む。キットの構成要素は、本明細書に更に記載される。
【0276】
実施形態では、本発明は、複数の第1のキット及び第2のキットを含むキットのセットを提供し、各第1のキットは、固有の関心対象の分析物を検出するためのものであり、各第1のキットは、(a)固有の分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)(i)固有の分析物に特異的に結合し、(ii)第1の核酸プローブを含む検出試薬と、(c)第1の検出可能な標識を含む第1の標識プローブと、を含み、第2のキットは、第1の検出可能な標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬を含む。実施形態では、第1の検出可能な標識は、ECL標識である。実施形態では、第1及び/又は第2のキットは、表面を更に含む。実施形態では、キットのセットは、表面を含む第3のキットを更に含む。キットの構成要素は、本明細書に更に記載される。
【0277】
実施形態では、キットのセットは、試料中の複数の関心対象の分析物を検出することができ、分析物は、約0.0001pg/mL~約100000pg/mLの範囲の濃度で存在する。実施形態では、試料は、最低存在量の分析物よりも10、100、1000、10000、100000、106、107、108、109、又は1010倍高い濃度を有する1つ以上の分析物を含む。実施形態では、各第1のキットは、試料中のより高い存在量の分析物を検出することができる。実施形態では、各第1のキットは、試料中のより低い存在量の分析物を検出することができない。実施形態では、第1のキット及び第2のキットの構成要素の組み合わせは、試料中のより低い存在量の分析物を検出することが可能である。実施形態では、試料中に存在するより高い存在量の分析物の量は、より低い存在量の分析物の量よりも約1.5倍、約2倍、約5倍、約10倍、約25倍、約50倍、約75倍、約100倍、約500倍、約1000倍、約10000倍、約100000倍、約106倍、約107倍、約108倍、約109倍、約1010倍、又は1010倍超高い。実施形態では、より高い存在量の分析物の量は、約1pg/mL~約100000pg/mLの濃度で試料中に存在し、より低い存在量の分析物は、約0.0001pg/mL~約1pg/mLの濃度で試料中に存在する。
【0278】
実施形態では、ユーザは、1つ以上の第1のキットの構成要素を使用して、1つ以上の関心対象の分析物を検出することと、1つ以上の分析物のいずれかが実質的に検出されていない場合、第2のキットのシグナル増幅試薬を添加して、1つ以上の実質的に検出されていない分析物に対する増幅されたアッセイシグナルを提供することと、を含む、本明細書に記載される方法を実施する。
【0279】
実施形態では、本発明は、第1の試料中の関心対象の分析物を検出するための第1のキットをユーザに提供することであって、第1のキットは、1つ以上のバイアル、容器、又はコンパートメント内に、(a)分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)分析物にそれぞれ特異的に結合する検出試薬又は第1及び第2の検出試薬と、を含む、提供することと、第2の試料中の分析物を検出するための第2のキットをユーザに提供することであって、第2のキットは、シグナル増幅試薬を含む、提供することと、を含み、第1の試料は、第2の試料と比較してより多い量の分析物を含む、方法を提供する。実施形態では、第1及び/又は第2のキットは、表面を更に含む。実施形態では、キットのセットは、表面を含む第3のキットを更に含む。キットの構成要素は、本明細書に更に記載される。実施形態では、本発明は、試料中の関心対象の分析物を検出するための第2のキットをユーザに提供することを含む方法を提供し、第2のキットは、標識された検出試薬又は標識された第1及び第2の検出試薬上の標識に特異的に結合するシグナル増幅試薬を含み、第2のキットは、(a)分析物に特異的に結合する捕捉試薬と、(b)標識された検出試薬又は各々が分析物に特異的に結合する標識された第1及び第2の検出試薬と、を含む第1のキットと組み合わせて使用するために設計される。
【0280】
特許、特許出願、論文、教科書などを含む、本明細書で引用された全ての参考文献、及びその中で引用された参考文献は、それらがまだ含まれていない範囲で、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0281】
実施例1.ECL標識に対するモノクローナル抗体の開発
MSD SULFO-TAG(商標)ECL標識(MESO SCALE DISCOVERY(登録商標)、Rockville、MD)に対する抗体を開発し、スクリーニングするために実験を行った。
【0282】
a)試薬調製
IMJECT(商標)EDC mcKLH Spin Kit(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)を使用して、非コンジュゲートMSD GOLD SULFO-TAG(商標)NHS-エステル(以下、「SULFO-TAG」と称する)をキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に別々にコンジュゲートした。SULFO-TAGを、典型的なタンパク質コンジュゲーションプロトコルを使用して、単量体ウシ血清アルブミン(BSA)に別々にコンジュゲートした。KLHコンジュゲートSULFO-TAGを免疫原として使用し、BSAコンジュゲートSULFO-TAGをスクリーニング試薬として使用した。各ウェルに7つの異なる結合ドメイン(「スポット」)を含む96ウェルアッセイプレートを、スポットのうちの1つにヤギ抗マウス(「GAM」)抗体で固定化し、一方、残りのスポットをBSAでコーティングした。プレートを抗血清又はハイブリドーマスクリーニングに使用した。
【0283】
b)免疫化
6~8週齢の雌マウス6匹の群(Balb/Cマウス2匹、CFWマウス2匹、及びCD-1マウス2匹)を免疫化のために使用した。全てのマウスに、完全フロイントアジュバントと混合した40μgのKLH-SULFO-TAGを0日目に、不完全フロイントアジュバントと混合した20μgのKLH-SULFO-TAGを14、28、42及び56日目に皮下(SC)及び腹腔内(IP)注射した。36日目及び64日目に収集した血清試料を、2つの異なるアッセイによって種々の希釈で免疫応答について試験した。上記のように、GAMを、96ウェルアッセイプレート中の7つのスポットのうちの1つに固定化し、残りのスポットをBSAでコーティングした。プレートを1×TBS-T/3%BSAで30分間ブロッキングした後、マウス由来の抗血清の種々の希釈物をプレートに添加し、そして1時間インキュベートした。プレートをTBS-Tで洗浄した後、BSAコンジュゲートSULFO-TAG(アッセイフォーマット1)又は非コンジュゲートSULFO-TAG(アッセイフォーマット2)のいずれかを、0.75μg/mlの濃度でプレートに添加し、次いで1時間インキュベートした。次いで、プレートを洗浄し、リード緩衝液を用いて発色させた。全てのインキュベーションは室温で実施した。スクリーニングに使用したアッセイフォーマットを
図5に示している。
【0284】
融合前(最終)追加免疫を、アジュバントの非存在下で15μgの免疫原を注射することによって、最良の免疫力価を有するマウスについて77日目に実施した。全ての残りのマウスを、SIGMA ADJUVANT SYSTEM(登録商標)(MilliporeSigma,St.Louis,MO)及びMAGIC(商標)マウスアジュバント(Creative Diagnostics,Shirley,NY)と混合した20μgの免疫原で、70日目及び84日目に更に追加免疫した。92日目にこれらのマウスから採取した血清試料を、上記のように免疫応答について再度試験した。融合前追加免疫を、最良の抗体力価を有するマウスについて98日目に実施した。免疫化、血清収集、脾臓採取及び動物維持は、米国メリーランド州の前臨床受託研究所で実施した。
【0285】
64日目(マウス番号262及び265について)及び92日目(マウス番号261、263、264、及び266について)に収集した抗血清についてのスクリーニングデータを表1に示す。1:37,500希釈での相対的ECLシグナル強度に基づいて、融合のためにマウスを選択した。免疫化された6匹のマウスのうち、2匹のBalb/Cマウス及び2匹のCFWマウスは、比較的より良好な免疫応答を示し、したがって、融合について選択された。比較的乏しい免疫応答を有する2匹のCD-1マウスを研究から除外した。
【表1】
【0286】
c)ハイブリドーマの発生
融合のために選択されたマウスから最終追加免疫の3日後に脾臓を採取した。脾細胞をマウス骨髄腫細胞株P3X63Ag8.653と2:1の比で混合し、PEG支援細胞融合を実施した。融合後、細胞を、平底96ウェルプレート中のAH選択培地に、20×106細胞/プレートの最小細胞密度で播種した。全ての融合プレートからのハイブリドーマ培養上清を、融合の12日後に収集し、そして上記のようにアッセイフォーマット1によって抗原特異性について試験した。全ての抗原陽性ハイブリドーマを48ウェルプレートに拡大し、そして上記の2つのアッセイフォーマットによる更なる確認のために抗原特異性について再試験した。続いて、これらのハイブリドーマを限界希釈によってサブクローニングした。
【0287】
合計4つの融合物から、39のプレートをスクリーニングし、そこからSULFO-TAGに特異的である23の親ハイブリドーマクローンを同定した(表2)。融合物F144及びF145からの全ての抗原特異的クローンを、48ウェルステージで更なる試験を行うことなく直接サブクローニングした。したがって、アッセイフォーマット2においてこれらのクローンについて利用可能なデータはなかった。
【0288】
表2に示すように、ECLシグナル強度は2つのアッセイフォーマット間で変化したが、有意差は観察されなかった。
【表2】
【0289】
d)ハイブリドーマのサブクローニング及び抗体の精製
抗原特異的親ハイブリドーマを、96ウェルプレートにおける限界希釈によるサブクローニングに供し、そして1つ、2つ(クローンIDにおいて「t」によって示される)又は複数のコロニー(「m」によって示される)を有するウェルを、顕微鏡下での目視検査によってマークした。これらのウェルからの上清を、播種の12日後に収集し、そして上記のように抗原特異性について試験した。最良の抗原特異性を有する各親株からの少なくとも1つのサブクローンを、超低IgG FBSを補充したDMEM培地中で50mLまで増殖させた。GenScriptからのAMMAG(商標)Protein A Magnetic Beadsを用いて、製造業者の指示に従って精製を行った。
【0290】
23個の親ハイブリドーマのうち、11個のクローンがサブクローニングを生き延びた。これらのクローンのスクリーニングデータを表3に示す。融合スクリーニングの結果と一致して、2つのアッセイフォーマットの間に有意差は観察されなかった。合計11種の精製されたモノクローナル抗体を生成した。精製された抗SULFO-TAG抗体を表4に列挙する。
【表3】
【表4】
【0291】
抗体を生成した特定の生殖系列遺伝子を同定した。軽鎖はIGLV1*01 F遺伝子によって産生され、重鎖はIGHV2-9*02 F遺伝子によって産生された。
【0292】
実施例2.核酸プローブへの抗体のコンジュゲーション
実施例1で生成した各抗SULFO-TAG抗体を、本明細書の実施形態に記載されるように、核酸プローブにコンジュゲートした。核酸プローブコンジュゲーションのために、1mg/mL超の濃度の抗体をPBS中で1mg/mLに希釈し、1mg/mL未満の濃度の抗体は濃度調整しなかった。全ての抗体についての緩衝液を、0.5M EDTAストック溶液を使用して1mM EDTAにした。次に、各抗体を5モル過剰のペグ化SMCC架橋剤、SM(PEG)4とともに室温で1時間インキュベートした。次いで、プローブを8倍モル過剰で添加し、室温で1時間インキュベートした。全てのコンジュゲーション反応を、1mMヨードアセトアミドの終末濃度でクエンチし、室温で30分間インキュベートした。
【0293】
実施例3.抗体スクリーニング
実験1
実施例2に記載されるように、核酸プローブとコンジュゲートされた抗SULFO-TAG抗体を、本明細書中の実施形態に記載されるようなシグナル増幅試薬としての性能についてスクリーニングした。ヒトZnT8、ヒトIA-2、ヒトTGM-2、及びマウスIL-1bに対する捕捉抗体及び検出抗体を用いて、96ウェルのストレプトアビジンでコーティングされたアッセイプレートにおいて実現可能性試験を行った。単一分析物の濃度を検出するためのアッセイを以下のように行った。
【0294】
1)コーティング溶液/希釈剤混合物中の0.25μg/mLのビオチン化捕捉抗体及び0.2ng/mLのビオチン化アンカー試薬50μLで、96ウェルストレプトアビジンコーティングアッセイプレートをコーティングする。室温、705rpmで1時間振盪する。
【0295】
2)プレートを3回、各回300μLの洗浄緩衝液で洗浄する。
【0296】
3)25μLのブロッキング溶液及び25μLの較正剤又は希釈剤中の試料を添加する。室温、705rpmで1.5時間振盪する。
【0297】
4)プレートを3回、各回300μLの洗浄緩衝液で洗浄する。
【0298】
5)希釈剤中に1μg/mLでSULFO-TAGを含有する検出抗体(「SULFO-TAG検出抗体」)50μLを添加する。室温、705rpmで1時間振盪する。
【0299】
6)プレートを3回、各回300μLの洗浄緩衝液で洗浄する。
【0300】
7)希釈剤中0.125μg/mLの抗SULFO-TAG抗体50μLを添加する。室温、705rpmで1時間振盪する。
【0301】
8)プレートを3回、各回300μLの洗浄緩衝液で洗浄する。
【0302】
9)抗SULFO-TAG抗体の核酸プローブを伸長させて伸長配列を形成するための成分を含有する増強溶液50μLを添加する。
【0303】
10)プレートを3回、各回300μLの洗浄緩衝液で洗浄する。
【0304】
11)伸長配列を検出するための成分を含む50μLの検出溶液を添加する。
【0305】
12)プレートを3回、各回300μLの洗浄緩衝液で洗浄する。
【0306】
13)150μLのリード緩衝液を添加する。
【0307】
14)プレートリーダーでプレートを読み取る。
【0308】
ECLアッセイシグナルの結果を
図6に示す。測定されたECLアッセイシグナルに基づいて、抗SULFO-TAG抗体クローンF136-1B4-8、F136-3F10-6、F136-6F9-3、F136-7D11-4m、F136-8E1-1、及びF137-6B9-1を、その後の実験における較正剤滴定のために選択した。
【0309】
実験2
抗SULFO-TAG抗体クローンF136-1B4-8、F136-3F10-6、F136-6F9-3、F136-7D11-4m、F136-8E1-1、及びF137-6B9-1を、免疫アッセイにおいてヒトZnT8及びTGM-2に対するビオチン化捕捉抗体及びSULFO-TAG検出抗体を用いて、較正剤滴定免疫アッセイにおけるシグナル増幅試薬としての性能について試験した。実験プロトコルは、実験1に概説した通りであった。ヒトZnT8アッセイで使用した抗体は、ビオチン化抗ヒトZnT8捕捉抗体クローン番号F67-7C2-8及び抗ヒトZnT8 SULFO-TAG検出抗体クローン番号F67-1A7-6であった。ヒトTGM-2アッセイで使用した抗体は、ビオチン化抗ヒトTGM-2捕捉抗体クローン番号F74-6A5-6及び抗ヒトTGM-2 SULFO-TAG検出抗体クローン番号F69-5E8-3tであった。
【0310】
ECLアッセイシグナル、変動係数(CV)、ヒルスロープ、R二乗値、検出下限(LLOD)、標準4(STD04)についてのシグナル対バックグラウンド比(S/B)、及びSTD04についてのシグナル対ノイズ比(S/N)の結果を
図7及び
図8に示している。STD04/STD08(ブランク)の値からS/B及びS/Nを求めた。
図9は、ZnT8及びTGM-2に対する同じ捕捉抗体及び検出抗体を使用するが、抗SULFO-TAG抗体を使用せずに実施した免疫アッセイからの比較結果を示す。
【0311】
データによって実証されるように、抗SULFO-TAG抗体の使用は、抗SULFO-TAG抗体を使用せずに実施されたアッセイと比較して、両方のアッセイについてアッセイシグナルの強力な増強及びLLODの>10倍の減少を提供した。
【0312】
実験3
抗SULFO-TAG抗体クローンF136-1B4-8、F136-3F10-6、F136-6F9-3、F136-7D11-4m、F136-8E1-1、及びF137-6B9-1を、免疫アッセイにおいてマウスIL-23及びマウスIL-17Cに対するビオチン化捕捉抗体及びSULFO-TAG検出抗体を用いた較正剤滴定におけるシグナル増幅試薬としての性能について試験した。実験プロトコルは、実験1に概説した通りであった。マウスIL-23アッセイにおいて使用した抗体は、商業的供給源からのビオチン化抗マウスIL-23捕捉抗体及びSULFO-TAG-抗マウスIL-23検出抗体であった。マウスIL-17Cアッセイにおいて使用した抗体は、商業的供給源からのビオチン化抗マウスIL-17C捕捉抗体及びSULFO-TAG-抗マウスIL-17C検出抗体であった。
【0313】
ECLアッセイシグナル、変動係数(CV)、ヒルスロープ、R二乗値、検出下限(LLOD)、標準2(STD02)についてのシグナル対バックグラウンド比(S/B)、及びSTD02についてのシグナル対ノイズ比(S/N)の結果を、
図10及び
図11に示している。STD02/STD04(ブランク)の値からS/B及びS/Nを求めた。
図12は、マウスIL-23及びマウスIL-17Cに対する同じ捕捉抗体及び検出抗体を使用するが、抗SULFO-TAG抗体を使用せずに実施した免疫アッセイからの比較結果を示している。
【0314】
データによって実証されるように、抗SULFO-TAG抗体の使用は、抗SULFO-TAG抗体を使用せずに実施されたアッセイと比較して、アッセイシグナルの強力な増強、並びにマウスIL-23アッセイについてLLODの40~230倍の減少及びマウスIL-17CアッセイについてLLODの4~120倍の減少を提供した。
【0315】
実験4
抗SULFO-TAG抗体クローンF136-1B4-8、F136-3F10-6、F136-6F9-3、F136-7D11-4m、F136-8E1-1、及びF137-6B9-1を、免疫アッセイにおいて、ヒトIL-10に対するビオチン化捕捉抗体及びSULFO-TAG検出抗体を用いた較正剤滴定における性能について試験した。実験プロトコルは、ステップ5)において、SULFO-TAG検出抗体を0.5μg/mLで添加したことを除いて、実験1に概説した通りであった。ヒトIL-10アッセイで使用した抗体は、ビオチン化抗ヒトIL-10捕捉抗体クローン番号2108-A82-8及びSULFO-TAG抗ヒトIL-10検出抗体クローン番号1299-A06-5であった。
【0316】
ECLアッセイシグナル、変動係数(CV)、ヒルスロープ、R二乗値、検出下限(LLOD)、標準2(STD02)についてのシグナル対バックグラウンド比(S/B)、及びSTD02についてのシグナル対ノイズ比(S/N)の結果を
図13に示している。STD02/STD04(ブランク)の値からS/B及びS/Nを求めた。
図14は、ヒトIL-10に対する同じ捕捉抗体及び検出抗体を使用するが、抗SULFO-TAG抗体を使用せずに実施した免疫アッセイからの比較結果を示している。
【0317】
データによって実証されるように、抗SULFO-TAG抗体の使用は、抗SULFO-TAG抗体を使用せずに実施されたアッセイと比較して、ヒトIL-10アッセイについて、アッセイシグナルの強力な増強及びLLODの50~140倍の減少を提供した。
【0318】
実施例4.抗SULFO-TAG抗体によるシグナル阻害及び増強
多重化サンドイッチアッセイパネルを使用して、実施例3のスクリーニングから同定された、
図6に示される11種の抗SULFO-TAG抗体(本明細書では「a-STAG Ab」とも称される)クローンのシグナル阻害及びシグナル増強を評価した。パネル中の分析物の各々に対するSULFO-TAG標識検出抗体を含有する検出抗体混合物を利用するアッセイパネルを、アッセイのために提供された較正剤ブレンドを使用して実施した。較正剤ブレンドは、再構成した凍結乾燥較正剤を約2.43倍に希釈して、パネル中の分析物のうちの1つである約100pg/mLのIL-4を提供することによって調製した。標準的なサンドイッチアッセイプロトコルを実施し、以下のように簡単に要約した。
【0319】
1)アッセイパネルプレートを洗浄緩衝液で洗浄する。
【0320】
2)プレートの各ウェルに較正剤を添加する。
【0321】
3)アッセイパネルプレートを洗浄緩衝液で洗浄する。
【0322】
4)検出抗体混合物を添加して、各ウェル中で捕捉抗体、分析物、及びSULFO-TAG標識検出抗体(「cAb-分析物-dAb」)とサンドイッチ複合体を形成する。
【0323】
5)アッセイパネルプレートを洗浄緩衝液で洗浄する。
【0324】
サンドイッチ複合体の形成後、プレートを3つのセクション、すなわち標準シグナル、シグナル阻害、及びシグナル増強に分割した。各セクションのウェルに添加されるその後の成分は、以下のように要約される。
【表5】
【0325】
したがって、標準シグナルセクションは、サンドイッチ複合体に添加されたいかなる抗SULFO-TAG抗体も有さなかった。シグナル阻害セクションは、抗SULFO-TAG抗体に結合したcAb-分析物-dAb複合体を有していた。シグナル増強セクションは、抗SULFO-TAG抗体に結合したcAb-分析物-dAb複合体、及び抗SULFO-TAG抗体の核酸プローブに結合したSULFO-TAG標識オリゴヌクレオチドを有していた。シグナル阻害及びシグナル増強セクションについては、11種の抗SULFO-TAG抗体クローンの各々を試験した。アッセイは9回繰り返して実施した。
【0326】
アッセイパネルプレートを、ステップ6及び7の各々について705rpmで振盪しながら室温で1時間インキュベートし、インキュベーション後に洗浄緩衝液で洗浄した。ステップ6及び7の一方又は両方のための希釈剤を用いた標準シグナル及びシグナル阻害条件のインキュベーションは、3つ全ての切片において測定されたシグナルが、全てのインキュベーションステップにわたって希釈剤中の抗体オフ速度に関して同等であることを確実にした。ECLリード緩衝液をプレートに添加し、プレートをイメージャーで読み取った。
【0327】
結果を
図16A~
図16Cに示している。
図16Aは、抗SULFO-TAG抗体クローンの各々についてのパーセント(%)シグナル阻害及び%シグナル増加を示している。
図16B及び
図16Cは、それぞれ、%シグナル阻害及び%シグナル増加の棒グラフプロットを示している。シグナル阻害パーセント(%)を、1-(シグナル阻害/標準シグナル)として計算した。線形パーセント(%)シグナル増加を、(シグナル増強-シグナル阻害)/[全11種の抗SULFO-TAG抗体にわたる(シグナル増強-シグナル阻害)のMAX]として計算した。比率%シグナル増加は、(シグナル増強/標準シグナル)-1として計算することができる。SULFO-TAG標識オリゴを含む又は含まないシグナルの比は、(シグナル増強/シグナル阻害)として計算することができる。
【0328】
図16A~
図16Cに示すように、抗SULFO-TAG抗体クローンF136-1B4-8、F136-3F10-6、及びF136-6F9-3は、最も高い%シグナル阻害及び最も高い%シグナル増加を有し、SULFO-TAG標識に対する特異性を実証した。表5に示すように、抗SULFO-TAG抗体クローンの各々の親和性を計算した。
【表6】
【0329】
実施例5.抗SULFO-TAG抗体エピトープ認識研究
エピトープ認識研究を、実施例4に記載される11種の抗SULFO-TAG抗体クローンに対して行った。これらの抗体クローンのエピトープ認識を研究するために、
図18Aに示されるような種々の数のスルホメチル-ビピリジン(「SM」)又はビピリジン(「Bpy」)配位子を有する4つの有機金属Ru
2+化合物(「TAG化合物」)を調製した。SULFO-TAGは、Ru
+2(SM)
2A
1として示され、これは、Bpy基のうちの1つに酸配位子(「A」)を含み、そしてSMよりもBpyと構造がより類似している。各TAG化合物からのECL生成は、TAG化合物をECLリード緩衝液にスパイクすることによって検証し、各遊離TAG化合物からのECLシグナルは、96ウェルの裸のカーボンプレート上で測定した。結果を
図18Bに示すが、これは、TAG化合物の濃度に対して正規化した場合に、全てのTAG化合物がほぼ等しいECLシグナルを生成することを示しており、ビピリジン配位子の修飾がECL発生効率に対して最小の効果を有することを実証している。Ru(Bpy)
3ECLシグナルは、濃度について正規化した場合、他のTAG化合物と同様に、248,576ECL単位である。
【0330】
TAG化合物に対する抗SULFO-TAG抗体の特異性及び親和性を研究するために、抗体を、MSD(登録商標)96ウェルSmall Spot Streptavidinプレート上にコーティングし、次いで、種々の濃度の4つのTAG化合物に曝露した。抗SULFO-TAG抗体からのECLシグナルを、実施例4に記載されるように測定し、より高いシグナルは、より強い結合親和性を示す。結果を
図19に示している。結果は、抗SULFO-TAG抗体クローンが、異なる配位子を有するTAG化合物に対するそれらの親和性に従ってグループ分けされ得ることを示す。4つの抗体(クローン番号1、3、5、及び7)は、SULFO-TAGに対して<1nMの親和性(K
D)を有したが、残りの抗体は、K
D>20nMを有し、一部はおそらくマイクロモル範囲であった。3つのSM配位子を有するRu
+2(SM)
3について、同じ親和性パターンが観察された。1つのSM配位子及び2つのBpy配位子のみを有するRu
+2(Bpy)
2(SM)について、抗体クローン1、3、及び5は、比較的高い親和性を保持したが、抗体クローン7は、<100nMの有意に減少した親和性を有した。残りのSM配位子をBpyで更に置換すると、Ru
+2(Bpy)
3は、全ての抗体クローンによる認識をほとんど排除した。これらの結果は、SM配位子が、抗体クローン1、3、5、及び7への強力な結合を少なくとも部分的に担うことを実証する。独自に、抗体クローン7は、認識のために2つのSM配位子を必要とした。
【0331】
抗体認識における配位子の役割を更に検証するために、抗体をMSD(登録商標)96ウェルSmall Spot Streptavidinプレート上にコーティングし、最初に2μMの配位子SM、Bpy、又はAに曝露し、次いで競合アッセイとして異なる濃度のTAG化合物に曝露した。競合アッセイの結果を
図20に示している。結果は、TAG化合物上のSM配位子が、抗体クローン1、3、5、及び7における強い結合のための重要なエピトープであることを示す。これらの4つの抗体クローンのうち、クローン1、3、及び5は、強い結合のためにTAG化合物中に1つのSM配位子しか必要としなかったが、クローン7は、強い結合のために2つのSM配位子を必要とした。全ての抗体クローンは、3つのBpy配位子を有するTAG化合物を認識しなかった。配位子競合研究は更に、最も強い結合を有するSM配位子が、抗体によって認識される優勢な配位子であるが、Bpy及びA配位子は、Ru
+2(SM)
3及びSULFO-TAG化合物への抗体結合を有意に打ち負かすことができないことを実証した。
【0332】
実施例6.更なるエピトープ認識研究
更なるエピトープ認識研究を実施して、SM配位子上のスルホネート官能基が抗体認識に必要であるか否か、及び異なる荷電官能基のメチレン基への付加が抗体認識を変化させるか否かを判定する。この研究のための有機金属Ru
2+化合物を
図21に示している。
【国際調査報告】