(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】併用療法
(51)【国際特許分類】
A61K 47/68 20170101AFI20240709BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240709BHJP
A61K 38/07 20060101ALI20240709BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/5517 20060101ALI20240709BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240709BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
A61K47/68
A61P43/00 105
A61P35/00 ZNA
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K38/07
A61K39/395 C
A61K39/395 L
A61K31/5517
A61K45/00
C07K16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580490
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2022067603
(87)【国際公開番号】W WO2023274974
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517182365
【氏名又は名称】アーデーセー セラピューティクス ソシエテ アノニム
(71)【出願人】
【識別番号】506042265
【氏名又は名称】メディミューン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ベルケル,パトリシウス ヘンドリクス コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】ザンマールキ,フランチェスカ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076CC26
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
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4C085BB36
4C085EE01
4C085EE03
4C085GG02
4C086AA01
4C086AA02
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4C086MA01
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4C086NA05
4C086NA13
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA72
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、抗CD19抗体薬物複合体と抗CD79b結合体との併用、及び、増殖性疾患の治療等の治療におけるそれ使用に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体における疾患を治療するための方法において用いるための、抗CD19抗体及びピロロベンゾジアゼピン二量体を含む抗体薬物複合体(ADC)であって、前記治療には、有効量の前記ADC及びポラツズマブベドチンを個体に投与することを含む、抗体薬物複合体。
【請求項2】
個体が前記治療のために選択される、請求項1に記載の抗体薬物複合体。
【請求項3】
個体がポラツズマブベドチンで治療されていた場合に、前記ADCによる治療のために選択される、請求項2に記載の抗体薬物複合体。
【請求項4】
個体がポラツズマブベドチンで治療中の場合に、前記ADCによる治療のために選択される、請求項2に記載の抗体薬物複合体。
【請求項5】
前記個体が、ポラツズマブベドチンによる治療又はさらなる治療に対して不応性である場合、前記ADCによる治療のために選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項6】
個体における疾患を治療するための方法において用いるための、抗CD19抗体及びピロロベンゾジアゼピン二量体を含む抗体薬物複合体(ADC)であって、前記方法が、以下の:
(i)請求項3~5のいずれか一項に記載の治療に適する個体を選択すること、及び
(ii)前記個体に有効量の前記ADCを投与すること、
を含む、抗体薬物複合体。
【請求項7】
さらに、ポラツズマブベドチンを前記ADCと併用投与することを含む、請求項6に記載の抗体薬物複合体。
【請求項8】
前記治療が、ポラツズマブベドチンの投与前に、同時に、又は投与後に、前記ADCを投与することを含む、請求項1~5又は7のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項9】
さらに、前記治療が、化学療法剤を投与することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項10】
個体がヒトである、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項11】
個体が疾患に罹患しているか、又は、罹患していると判断されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項12】
個体がCD19、CD19+ve腫瘍関連非腫瘍細胞、又はCD19+ve浸潤細胞を発現するがんに罹患しているか、又は、罹患していると判断されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項13】
個体が、ポラツズマブベドチンによる治療中である、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項14】
個体が、ポラツズマブベドチンによる治療を受けていた、請求項1~13のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項15】
前記個体が、ポラツズマブベドチンによる治療又はさらなる治療に対して不応性である、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項16】
前記治療が、前記ADC又はポラツズマブベドチンを単独で用いた単一療法と比較して、効能が高い、請求項1~15のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項17】
疾患が増殖性疾患である、請求項1~16のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項18】
疾患は、CD19+ve細胞を含む新生物の存在を特徴とする、請求項17に記載の抗体薬物複合体。
【請求項19】
疾患ががんである、請求項1~18のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項20】
疾患が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫、並びに、ヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)、フィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病を含む群から選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項21】
抗体が配列番号2及び8のCDRを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項22】
ピロロベンゾジアゼピン二量体(PBD)が、以下の式(III):
【化1】
(式中、R
LLは抗体への連結のためのリンカーである)
で表される、請求項1~21のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項23】
以下の構造:
【化2】
(式中、Abは抗CD19抗体である)
で表される、請求項1~22のいずれか一項に記載の抗体薬物複合体。
【請求項24】
(i)抗CD19抗体及びピロロベンゾジアゼピン二量体(PBD)を含む抗体薬物複合体(ADC)及び(ii)ポラツズマブベドチンを含む組成物であって、ここで、前記PBDは、請求項22に記載されるPBDであり、場合によっては、前記抗CD19抗体は、配列番号2及び8のCDRを含む、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
援用出願
本出願は、2021年6月29日に出願された英国出願第2109373.7号、2021年6月29日に出願された同第2109375.2号、及び2021年6月29日に出願された同2109377.8号の優先権を主張する。前記優先権基礎出願は、その全体が、本明細書に完全に記載されているかのように、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、がん等の病的状態の治療のための併用療法に関する。特に、本開示は、抗CD19抗体薬物複合体(抗CD19 ADC)及び抗CD79b剤での治療を含む併用療法に関する。
【背景技術】
【0003】
抗体療法
抗体療法は、がん、免疫疾患及び血管新生疾患に罹患している被験体の標的化治療のために確立されている。細胞傷害性又は細胞増殖抑制性の薬剤、すなわち、がんの治療において腫瘍細胞を死滅させるか又は阻害するための薬物の局所送達のための抗体薬物複合体(ADC)、すなわち、免疫複合体を用いて、薬物部分の腫瘍への送達及びその中での細胞内蓄積を標的とするが、複合体化されていない薬物作用物質を全身投与すると、正常細胞に対して許容されないレベルの毒性をもたらし得る。
【0004】
CD19
CD19は、B細胞分化の初期に発現し、B細胞が最終分化を惹起引するまで発現し続ける95kDaの膜受容体である。CD19細胞外ドメインは、より小さい潜在的にジスルフィド結合したドメインによって分離された2つのC2型免疫グロブリン(IG)様ドメインを含む。CD19細胞質ドメインは、固有の構造であるが、ヒト、マウス、及びモルモットの間で高度に保存されている。CD19は、Bリンパ球の細胞表面上に見出されるタンパク質複合体の一部である。タンパク質複合体としては、CD19、CD21(補体受容体、2型)、CD81(TAPA-1)及びCD225(Leu 13)があげられる。
【0005】
CD19は、B細胞における膜貫通シグナルの重要な調節因子である。CD19の細胞表面密度の増加又は減少は、B細胞の発生及び機能に影響を及ぼし、自己免疫又は低ガンマグロブリン血症等の疾患をもたらす。CD19複合体は、B細胞膜上に見出される2つの別個のシグナル伝達複合体の架橋を介して、インビボでの抗原に対するB細胞の応答を高める。膜IgM及びCD19と会合した2つのシグナル伝達複合体は、異なる機構によってホスホリパーゼC(PLC)を活性化する。CD19とB細胞受容体の架橋は、PLCを活性化するのに必要なIgM分子の数を減少させる。CD19はまた、Arcファミリーキナーゼの増幅のための特殊なアダプタータンパク質としても機能する。
【0006】
CD19結合は、生じる架橋の量に依存して、B細胞活性化及び増殖を増強及び阻害することが示されている。CD19は、B細胞リンパ腫の90%超で発現され、インビトロ及びインビボでリンパ腫の増殖に影響を及ぼすと予測されている。
【0007】
抗CD19 ADCの治療的使用
抗CD19抗体(抗D19抗体)を含む抗体薬物複合体の効能は、以下のように示される。例えば、がんの治療におけるCD19-ADCの阻害が確立されているが、例えば、特許文献1及び2を参照されたい。
抗CD19 ADCの効能、忍容性、及び臨床的有用性をさらに改善するための研究が継続されている。この目的のために、本発明者らは、抗CD19 ADCが少なくとも1つの抗CD79b剤と併用投与される、臨床的に有利な併用療法を同定した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2014/057117号
【特許文献2】国際公開第2016/166298号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、個体に抗CD19 ADC及び抗CD79b剤を併用すると、予想外の臨床的利点をもたらすことを見出した。本発明者らは、抗CD79b剤で治療されたか、又は治療中の個体へ抗CD19 ADCを投与すると、治療効能の相乗的増加をもたらすことをさらに見出した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、第一の態様では、本開示は、抗CD19 ADCによる治療に適する個体を選択する方法であって、個体が抗CD79b剤により治療されたか、又は治療中の場合、抗CD19 ADCによる治療のために選択される、方法を提供する。個体が抗CD79b剤による治療又はさらなる治療に対して不応性で場合によっては、個体は治療のために選択され得る。
【0011】
他の態様では、本開示は、個体における疾患を治療するための方法であって、第一の態様の方法による治療に適する個体を選択するステップと、次いで、個体に有効量の抗CD19 ADCを投与するステップとを含む方法を提供する。治療の方法は、抗CD19 ADCと併用して抗CD79b剤を投与することをさらに含んでよい。
【0012】
他の態様では、本開示は、個体における疾患を治療するための方法であって、個体に有効量の抗CD19 ADC及び抗CD79b剤を投与することを含む。治療のための個体は、第一の態様による方法に従って選択され得る。
【0013】
疾患は、増殖性疾患、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病であってよい。
【0014】
抗CD19 ADCは、ロンカスツキシマブテシリンであってよい。
抗CD19 ADCは、本明細書に記載されるADCx19であってよい。
抗CD79b剤は、ポラツズマブベドチンであってよい。
【0015】
個体はヒトであってよい。個体は、がんに罹患しているか、又は、罹患していると判断されてよい。個体は、CD19+がん又はCD19+腫瘍関連非腫瘍細胞、例えばCD19+浸潤B細胞に罹患しているか、又は、罹患していると判断される。
【0016】
本明細書に記載の方法において、抗CD19 ADCは、抗CD79b剤の投与前に、同時に、又は投与後に投与されてよい。本明細書に記載の方法は、さらに、治療が、化学療法剤を投与することを含んでよい。
【0017】
他の態様では、本開示は、本明細書に記載される治療するための方法において用いるための、抗CD19 ADC又は抗CD19 ADCを含む組成物を提供する。
一態様では、本開示は、本明細書に記載される治療するための方法において用いるための、抗CD79b剤、又は抗CD79b剤を含む組成物を提供する。
さらなる態様では、本開示は、個体における疾患を治療するための医薬の製造における抗CD19 ADC又は抗CD79b剤の使用を提供し、ここで、治療は、本明細書に記載される治療方法を含む。
【0018】
----------------------------
他の態様では、本開示は、個体における疾患を治療するための方法において用いるための、抗CD19 ADC含む第一の組成物の提供であって、前記治療は、前記第一の組成物と抗CD79b剤を含む第二の組成物との併用投与を含む。
本態様によりまた、個体における疾患を治療するための方法において用いるための、抗CD79b剤を含む第一の組成物の提供であって、前記治療は、前記第一の組成物と抗CD19 ADCを含む第二の組成物との併用投与を含む。
疾患は、増殖病、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病であってよい。
【0019】
抗CD19 ADCは、ロンカスツキシマブテシリンであってよい。
抗CD19 ADCは、本明細書に記載されるADCx19であってよい。
抗CD79b剤は、ポラツズマブベドチンであってよい。
【0020】
個体はヒトであってよい。個体は、がんに罹患しているか、又は、罹患していると判断されてよい。個体は、CD19+がん又はCD19+腫瘍関連非腫瘍細胞、例えばCD19+浸潤B細胞に罹患しているか、又は、罹患していると判断される。
第一の組成物は、第二の組成物の投与前に、同時に、又は投与後に投与され得る。治療が、さらなる化学療法剤を投与することを含んでよい。
【0021】
----------------------------
さらなる態様では、本開示は、個体における疾患を治療するための医薬の製造における抗CD19 ADCの使用であって、前記医薬が抗CD19 ADCを含み、前記治療が、前記医薬と抗CD79b剤を含む組成物との併用投与を含む。
本態様ではまた、個体における疾患を治療するための医薬の製造における抗CD79b剤の使用であって、前記医薬が抗CD79b剤を含み、前記治療が、前記医薬と抗CD19 ADCを含む組成物との併用投与を含む。
疾患は、増殖病、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病であってよい。
【0022】
抗CD19 ADCは、ロンカスツキシマブテシリンであってよい。
抗CD19 ADCは、本明細書に記載されるADCx19であってよい。
抗CD79b剤は、ポラツズマブベドチンであってよい。
【0023】
個体はヒトであってよい。個体は、がんに罹患しているか、又は、罹患していると判断されてよい。個体は、CD19+がん又はCD19+腫瘍関連非腫瘍細胞、例えばCD19+浸潤B細胞に罹患しているか、又は、罹患していると判断される。
前記医薬は、前記組成物の投与前に、同時に、又は投与後に投与され得る。治療が、さらなる化学療法剤を投与することを含んでよい。
【0024】
----------------------------
他の態様では、本開示は、以下の:
抗CD19 ADCを含む第一の医薬及び
本明細書に記載の治療方法に従って第一の薬剤を投与するための説明書を含む添付文書
を含むキットを提供する。
キットは、さらに、抗CD79b剤を含む第二の医薬を含んでよい。
他の態様では、本開示は、以下の:
抗CD19 ADCを含む第一の医薬、
抗CD79b剤を含む第二の医薬、及び場合によっては、
個体の疾患の治療のために前記第一の組成物と第二の組成物との併用投与のための指示を含む添付文書
を含むキットを提供する。
本態様ではまた、個体の疾患の治療のために抗CD19 ADCとの抗CD79b剤との併用投与のための指示を含む添付文書を含むキットを提供する。
本態様ではさらに、個体の疾患の治療のために抗CD79b剤を含む医薬と、抗CD19 ADCとの併用投与のための指示を含む添付文書を含むキットを提供する。
疾患は、増殖病、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病であってよい。
【0025】
抗CD19 ADCは、ロンカスツキシマブテシリンであってよい。
抗CD19 ADCは、本明細書に記載されるADCx19であってよい。
抗CD79b剤は、ポラツズマブベドチンであってよい。
【0026】
個体はヒトであってよい。個体は、がんに罹患しているか、又は、罹患していると判断されてよい。個体は、CD19+がん又はCD19+腫瘍関連非腫瘍細胞、例えばCD19+浸潤B細胞に罹患しているか、又は、罹患していると判断される。
抗CD19 ADCを含む医薬又は組成物は、抗CD79b剤を含む医薬若しくは組成物の投与前に、同時に、又は投与後に投与され得る。治療が、さらなる化学療法剤を投与することを含んでよい。
【0027】
----------------------------
他の態様では、本開示は、抗CD19 ADC及び抗CD79b剤を含む組成物並びに本明細書に記載の方法における当該組成物の使用を提供する。
本態様では、本開示はまた、抗CD19 ADC及び抗CD79b剤を含む有効量の組成物を個体に投与することを含む個体における疾患を治療するための方法を提供する。
本態様では、本開示はまた、個体に投与することを含む個体における疾患を治療に用いられる抗CD19 ADC及び抗CD79b剤を含む組成物を提供する。
本態様では、本開示はまた、個体における疾患を治療するための医薬の製造における、抗CD19 ADC及び抗CD79b剤を含む組成物の使用を提供する。
本態様では、本開示はまた、抗CD19 ADC及び抗CD79b剤を含む組成物並びに個体の疾患の治療のために医薬の投与のための指示を含む添付文書を含むキットが提供される。
疾患は、増殖病、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病であってよい。
抗CD19-ADCは、本明細書に記載されるADCX19であってよい。
抗CD79b剤は、ポラツズマブベドチンであってよい。
【0028】
個体はヒトであってよい。個体は、がんに罹患しているか、又は、罹患していると判断されてよい。個体は、CD19+がん又はCD19+腫瘍関連非腫瘍細胞、例えばCD19+浸潤B細胞に罹患しているか、又は、罹患していると判断される。
治療は、個体にさらなる化学療法剤を投与することを含んでよい。
【0029】
本開示はまた、より一般的には、弾頭としてPBD二量体(例えば、本明細書に記載されるPBD)を含む抗体薬物複合体と、弾頭としてモノメチルオーリスタチンEを含む抗体薬物複合体との併用、及び2つの抗体薬物複合体の併用を投与することを含む、本明細書に記載される治療方法に関する。個々の薬剤の各々に対する抗体は、異なる標的分子に結合するように選択される。モノメチルアウリスタチンEを含む抗体薬物複合体の一例は、抗体が抗CD79bを標的とする場合である。PBD二量体を含む抗体薬物複合体の例は、上記のようにCD19を標的とするもの、並びに下記のようにCD25又はCD22を標的とするものである。
【0030】
したがって、さらなる態様では、本開示は、(i)PBD二量体を含む抗体薬物複合体と、(ii)モノメチルオーリスタチンEを含む抗体薬物複合体との併用を提供し、(i)の抗体は、(ii)の抗体とは異なる標的分子(例えば、タンパク質、受容体等の異なる細胞表面分子)に結合する。
関連する態様では、本開示は、個体に(i)PBD二量体を含む抗体薬物複合体と、(ii)モノメチルオーリスタチンEを含む抗体薬物複合体との併用投与することによって、増殖性疾患に罹患している個体を治療する方法を提供し、(i)の抗体は、(ii)の抗体とは異なる標的分子(例えば、タンパク質、受容体等の異なる細胞表面分子)に結合する。このような投与は、同時であっても、別々であってよい。
抗CD19 ADC及び抗CD79b ADCについて以下に詳細に記載されるさらなる実施形態、例えば、PBDの選択、治療される疾患、患者の選択及び投与は、異なる標的に結合する(i)及び(ii)のADCに準用され得ることが当業者によって理解される。他の標的の特定の例は、以下により詳細に記載されるCD25及びCD22である。
【0031】
CD25
I型膜貫通タンパク質CD25は、活性化したT細胞及びB細胞、いくつかの胸腺細胞、骨髄前駆体、及び乏突起膠細胞上に存在する。活性化T細胞上で、それはベータサブユニット及びガンマサブユニット(CD122及びCD132)とヘテロダイマーを形成し、したがってIL-2に対する高親和性受容体を含む。IL-2を除去すると当該細胞は即死するため、このリガンドは活性化T細胞の生存因子を表す。
B細胞の場合、CD25は、後期プロB細胞及びプレB細胞の初期発生段階において生理学的に発現される。したがって、B細胞分化のこの段階から生じる悪性腫瘍もまた、CD25を発現し得る。肥満細胞病変はまた、CD25について陽性であり、従って、これは、全身性肥満細胞症の決定のための重要な診断基準と考えられる。ホジキンリンパ腫において、CD25は、結節性リンパ球優位ホジキンリンパ腫(NLPHL)におけるホジキン/リード-スターンバーグにおいて発現されないことが報告されている。一般的な発現レベルは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)よりも低いことが報告されており、これらの場合にCD25腫瘍細胞を示す問題がおこりうる(Levi et al.,Merz et al.,1995)。
標的抗原の発現はまた、非ホジキンリンパ腫のいくつかのB細胞及びT細胞由来のサブタイプ、すなわち、B細胞慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、小細胞リンパ球性リンパ腫/慢性リンパ性白血病、並びに成人T細胞白血病/リンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫について報告されている。
CD25は膜に局在し、細胞質ではわずかに発現が観察される。可溶性CD25はまた、血清等の細胞の外側でも観察され得る。
【0032】
抗CD25 ADCの治療的使用
例えば、がんの治療における抗CD25抗体を含む抗体薬物複合体(抗CD25-ADC)の効能は確立されている-例えば、国際公報第2014/057119号、同2016/083468号、同2016/166341号、及び同2019/224275を参照されたい。
抗CD25 ADCの効能、忍容性、及び臨床的有用性をさらに改善するための研究が継続されている。
この目的のために、本発明者らは、抗CD25 ADCが少なくとも1つの抗CD79b剤と併用投与される、臨床的に有利な併用療法を同定した。
したがって、本発明の他の態様では、抗CD 76 b剤と併用される抗CD19-ADCの代わりに、抗CD25-ADCが、抗CD79b剤と併用される。したがって、上記の実施形態における「抗CD19-ADC」への全ての言及は、さらなる実施形態では、「抗CD25-ADC」と置換されてよい。
【0033】
CD22
CD22は、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーの135kDaのI型膜貫通シアロ糖タンパク質である。CD22発現はB細胞に特異的であり、プロB細胞及びプレB細胞で発現が制限されるように発生的に調節される。B細胞が成熟するにつれて、発現が高まり、CD22の局在が細胞表面にシフトする。CD22は、濾胞、マントル及び辺縁帯B細胞上で強く発現するが、胚B細胞にはわずかに存在するにすぎない。CD22は、B細胞の過剰刺激を防止するシグナル伝達閾値を設定することによってB細胞受容体(BCR)シグナル伝達を下方調節する阻害性共受容体である。
エプラツズマブ(hLL2)等のCD22に対する抗体は、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、全身性エリテマトーデス、及び原発性シェーグレン症候群を含むが、これらに限定されない、様々ながん及び自己免疫疾患の治療に用いられている。全身性エリテマトーデスにおけるエプラツズマブの第III相臨床試験が現在進行中である(例えば、ClinicalTrials.gov, “Study of Epratuzumab versus Placebo in Subjects with Moderate to Severe General Systemic Lupus Erythematosus(EMBODIMENT 1)”を参照)。CD22はB細胞の機能及び生存を調節するので、体液性免疫及びB細胞リンパ腫の増殖を調節するための重要なリンクであり、がん及び自己免疫疾患における治療用抗体の標的である。
【0034】
抗CD22 ADCの治療的使用
抗CD22抗体(抗C 22抗体)を含む抗体薬物複合体の効能は、以下の通りである。例えば、がんの治療におけるCD22-ADCの使用が確立されている。国際公報第2014/057122及び国際公報第2016/166307、及びKantarjian et al.,(2016,New Eng J Med)に記載されている。
抗CD22 ADCの効能、忍容性、及び臨床的有用性をさらに改善するための研究が続けられている。この目的のために、本発明者らは、抗CD22 ADCが少なくとも1つの抗CD79b剤と併用投与される、臨床的に有利な併用療法を同定した。
したがって、本発明の他の態様では、抗CD19-ADCの代わりに、抗CD22-ADCを抗CD79b剤と併用される。したがって、上記実施形態における「抗CD19-ADC」への全ての言及は、さらなる実施形態では、「抗CD22-ADC」と置換することができる。
【0035】
----------------------------
抗体薬物複合体(ADC)
本開示は、ADCと抗CD79b剤との併用の効能の改善に関する。
ADCは、薬物を標的位置に送達することができる。標的位置は、好ましくは、増殖性細胞集団である。抗体は、増殖性細胞集団上に存在する抗原に対する抗体である。一態様では、抗原は、存在しないか、又は非ヒトにおいて低減されたレベルで存在する。抗原の量は、増殖性細胞集団、例えば腫瘍細胞集団に存在する抗原の量と比較して、増殖性細胞集団の量を表す。
ADCは、標的位置で薬物を放出するように切断され得るリンカーを含んでよい。薬物は、RelA、RelB、RelC、RelD又はRelEから選択される化合物であってよい。したがって、複合体を用いて、化合物RelA、RelB、RelC、RelD又はRelEを標的位置に選択的に提供することができる。
リンカーは、標的位置に存在する酵素によって切断され得る。
本開示は、特に、特許文献1に開示され、本明細書に記載される抗CD19 ADCによる治療に関する。
【0036】
抗CD19 ADC
本明細書で用いられる用語「抗CD19 ADC」又は「CD19-ADC」は、抗体成分が抗CD19抗体であるADCをいう。用語「PBD-ADC」は、薬物成分がピロロベンゾジアゼピン(PBD)弾頭であるADCをいう。用語「抗CD19-ADC」は、抗体成分が抗CD19抗体であり、薬物成分がPBD弾頭であるADCをいう。
【0037】
ADCは、式L-(DL)pで表される複合体を含んでよく、ここで、DLは、以下の式I又はII:
【0038】
【化1】
(式中、
Lは、CD19に結合する抗体である抗体(Ab)であり;
C2’とC3’との間に二重結合が存在する場合、R
12は、以下の;
(ia)場合によっては、ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1~7アルキル、C
3~7ヘテロシクリル及びビス-オキシ-C
1~3アルキレンを含む群から選択される1個以上の置換基により置換されてよいC
5~10アリール基;
(ib)C
1~5飽和脂肪族アルキル;
(ic)C
3~6飽和シクロアルキル;
(id)
【0039】
【化2】
(式中、R
21、R
22及びR
23は各々独立して、H、C
1~3飽和アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル及びシクロプロピルから選択され、R
12基中の炭素原子の総数は5以下である);
(ie)
【0040】
【化3】
から選択され、ここで、R
25a及びR
25bの一方はHであり、他方は、フェニル(当該フェニルは、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシから選択される基によって置換されている);ピリジル;及びチオフェニルから選択され;かつ、
(if)
【0041】
【化4】
(式中、R
24は、H;C
1~3飽和アルキル;C
2~3アルケニル;C
2~3アルキニル;シクロプロピル;フェニル(当該フェニルは、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシから選択される基によって置換されている);ピリジル;及びチオフェニルから選択され;
からなる群から選択され;
C2’とC3’との間に単結合が存在する場合、R
12は以下の:
【0042】
【化5】
(式中、R
26a及びR
26bは独立して、H、F、C
1~4飽和アルキル、C2-3アルケニルから選択され、前記アルキル及びアルケニル基は、C
1~4アルキルアミド及びC
1~4アルキルエステルから選択される基で置換されていてもよく;又はR
26a及びR
26bの一方がHで場合によっては、他方はニトリル及びC
1~4アルキルエステルから選択される);
R
6及びR
9は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH
2、NHR、NRR’、ニトロ、Me
3Sn及びハロから独立して選択され;
ここで、R及びR’は独立して、場合によっては、置換されたC
1~12アルキル、C
3~20ヘテロシクリル及びC
5~20アリール基から選択され、
R
7は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH
2、NHR、NHRR’、ニトロ、Me
3Sn及びハロから選択され;
R’’は、C
3~12アルキレン基であり、その鎖は、1個以上のヘテロ原子、例えばO、S、NRN
2(ここで、RN
2はH又はC
1~4アルキルである)、及び/又は芳香環、例えばベンゼン又はピリジンによって中断されていてもよく;
Y及びY’は、O、S、又はNHから選択され;
R
6’、R
7’、R
9’は、それぞれR
6、R
7及びR
9と同じ基から選択され;
[式I]
R
L1’は、抗体(Ab)に接続するためのリンカーであり;
R
11aは、OH、ORA(式中、RAはC
1~4アルキルである)、及びSOzM(式中、zは2又は3であり、Mは一価の薬学的に許容されるカチオンである)から選択され;
R
20及びR
21はともに、それらが結合している窒素原子と炭素原子との間に二重結合を形成するか、又は
R
20は、H及びRCから選択され、ここで、RCは、キャッピング基であり;
R
21は、OH、ORA及びSOzMから選択され;
C
2とC
3との間に二重結合が存在する場合、R
2は、以下の;
(ia)場合によっては、ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1~7アルキル、C
3~7ヘテロシクリル及びビス-オキシ-C
1~3アルキレンを含む群から選択される1個以上の置換基により置換されてよいC
5~10アリール基;
(ib)C
1~5飽和脂肪族アルキル;
(ic)C
3~6飽和シクロアルキル;
(id)
【0043】
【化6】
(式中、R
11、R
12及びR
13は各々独立して、は各々独立して、H、C
1~3飽和アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル及びシクロプロピルから選択され、R
2基中の炭素原子の総数は5以下である);
(ie)
【0044】
【化7】
から選択され、ここで、R
15a及びR
15bの一方はHであり、他方は、フェニル(当該フェニルは、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシから選択される基によって置換されている);ピリジル;及びチオフェニルから選択され;かつ、
(if)
【0045】
【化8】
(式中、R
14は、H;C
1~3飽和アルキル;C
2~3アルケニル;C
2~3アルキニル;シクロプロピル;フェニル(当該フェニルは、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシから選択される基によって置換されている);ピリジル;及びチオフェニルから選択され;
からなる群から選択され;
C2とC3との間に単結合が存在する場合、R
2は以下の:
【0046】
【化9】
(式中、R
16a及びR
16bは独立して、H、F、C
1~4飽和アルキル、C2-3アルケニルから選択され、前記アルキル及びアルケニル基は、C
1~4アルキルアミド及びC
1~4アルキルエステルから選択される基で置換されていてもよく;又はR
16a及びR
16bの一方がHで場合によっては、他方はニトリル及びC
1~4アルキルエステルから選択される);
[化学式II]
R
22は、以下の式IIIa、式IIIb又は式IIIc:
(a)
【0047】
【化10】
(式中、AはC
5~7アリール基であり、かつ、
(i)Q
1は単結合であり、Q
2は単結合又は-Z-(CH
2)
n-であり、ここで、Zは単結合、O、S及びNHから選択され、nは1~3であるか;又は
(ii)Q
1が-CH=CH-であり、Q
2が単結合であり;
(b)
【0048】
【化11】
(式中、
R
C1、R
C2及びR
C3は独立して、H又は非置換C1-2アルキルであり;
(c)
【0049】
【化12】
(式中、Qは、O-R
L2’、S-R
L2’及びNR
N-R
L2’から選択され、R
Nは、H、メチル及びエチルから選択される)
Xは、O-R
L2’、S-R
L2’、CO2-R
L2’、CO-R
L2’、NH-C(=O)-R
L2’、NHNH-R
L2’、CONHNH-R
L2’
【0050】
【化13】
NR
NR
L1’、を含む群から選択され、ここで、R
Nは、H又はC
1~4アルキルから選択され;
R
L2’は、抗体(Ab)への接続のためのリンカーであり;
R
10及びR
11はともに、それらが結合している窒素原子と炭素原子との間に二重結合を形成するか、又は
R
10はHであり、R
11はOH、ORA及びSOzMから選択され;
R
30及びR
31はともに、それらが結合している窒素原子と炭素原子との間に二重結合を形成するか、又は
R
30はHであり、R
31はOH、ORA及びSOzMから選択される)を含んでよい。
【0051】
ある実施形態では、L-RL2’又はL-RL2’は、以下の:
【0052】
【化14】
(式中、アスタリスクはPBDへの結合点を示し、Abは抗体であり、L
1は切断可能なリンカーであり、AはL
1を抗体に連結する連結基であり、L
2は共有結合であるか、又は-OC(=O)-とともに自壊性リンカーを形成する)
の基である。
ある実施形態では、L
1は酵素切断可能である。
【0053】
一実施形態では、PBDは、以下の式(III):
【0054】
【化15】
(式中、R
LLはAbへの連結のためのリンカーである)
で表される。
他の実施形態では、PBDは、以下の式(IV):
【0055】
【化16】
(式中、R
LLはAbへの連結のためのリンカーであり、R
LLAはAb又はキャッピング基RCへの連結のためのリンカーである)
で表される。
【0056】
当該ADCは、CD19発現がんの治療に有用であることが従来から示されている(例えば、参照によりその全体が本明細書に援用される、特許文献1、国際公報第2018/193105、及び国際公報第2018/229222を参照されたい)。
【0057】
用語「抗CD19-ADC」は、特許文献1に記載されるいかなる実施形態を含んでよい。特に、好ましい実施形態では、当該ADCには、以下の:
【0058】
【化17】
(式中、AbはCD19抗体であり、DARは1~8である)
で表される化学構造がある。
【0059】
抗体は、配列番号1、2、3、4、5又は6のいずれか1つで表される配列があるVHドメインを含んでもよく、場合によっては、配列番号7、8、9、10、11又は12のいずれか1つで表される配列があるVLドメインをさらに含む。
ある態様では、抗CD19-ADCの抗体成分は各々、配列番号1及び7、配列番号2及び8、配列番号3及び9、配列番号4及び10、配列番号5及び11、又は配列番号6及び12の配列があるVH及びVLドメインを含む抗体である。
ある実施形態では、抗体には、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインがあり、配列番号2で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含む。ある実施形態では、抗体には、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVHドメインがあり、配列番号8で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む。
好ましい実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含み、
前記VHドメインは、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含み、ここで、前記抗体は、配列番号2で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含み、かつ、
前記VLドメインは、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含み、ここで、前記抗体は、配列番号8で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む。
【0060】
本明細書に記載される抗体可変ドメインのCDRは、当業界で公知のいかなる適当な方法によって、例えば、いかなる適当な抗体番号付けスキームを用いて、特定され得る。
CDRは、Kabat番号スキーム(Kabat et al.,U.S.Department of Health and Human Services,1991)、Chothia番号スキーム(Chothia C,Lesk A M.J Mol Biol.(1987)196:901-17)、又はIMGT番号スキーム(Giudicelli V,et al.Nucleic Acids Res.(1997)25:206-11;Lefranc MP.Immunol Today(1997)18:509)のいずれかを用いて識別することができる。当業者は、これらの異なるCDRラベリングシステムがわずかに異なる結果をもたらす可能性があることを理解するだろうが、いずれの場合も、CDRは当業者によって容易に識別される。
【0061】
好ましい実施形態では、抗体は、配列番号2で表される配列があるVHドメインを含む。好ましい実施形態では、抗体は、配列番号8で表される配列があるVLドメインを含む。
好ましい実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含み、VH及びドメインには、配列番号2で表される配列があり、VLドメインには、配列番号8で表される配列がある。
VH及びVLドメインは、CD19に結合する抗体抗原結合部位を形成するように対を形成し得る。
ある実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含む完全抗体であり、VH及びVLドメインには、配列番号2及び8で表される配列がある。
ある実施形態では、抗体は、配列番号13で表される配列がある重鎖及び配列番号14で表される配列がある軽鎖を含む抗体である。
ある実施形態では、抗体は、完全ヒトモノクローナルIgG1抗体、好ましくはIgG1,κである。
ある実施形態では、抗体は、特許文献1に記載されるRB4v1.2抗体である。
【0062】
ある態様では、抗体は、以下に記載されるように修飾された(又はさらに修飾された)本明細書に記載される抗体である。ある実施形態では、抗体は、本明細書に記載される抗体がヒト化、脱免疫化、又は表面再構成されている。
本開示の態様と共に用いるための最も好ましい抗CD19-ADCは、本明細書において以下に記載されるように、ADCx19である。
本開示の態様と共に用いるための第二の好ましい抗CD19-ADCは、ADCT-402である。
【0063】
ADCx19
ADCx19は、切断可能なリンカーを介してピロロベンゾジアゼピン(PBD)弾頭に結合されたヒトCD19に対するヒト化抗体から構成される抗体薬物複合体である。ADCX19の作用機序は、CD19結合に依存する。CD19特異的抗体は、抗体薬物複合体(ADC)を、CD19を発現する細胞に標的化する。結合すると、ADCは内部移行し、リソソームに輸送され、そこでプロテアーゼ感受性リンカーが切断され、遊離PBD二量体が標的細胞内に放出される。放出されたPBD二量体は、RNAポリメラーゼの直接阻害又は会合した転写因子の相互作用の阻害のいずれかに起因して、配列選択的様式で転写を阻害する。PBD二量体は、DNA二重らせんを歪めず、かつヌクレオチド除去修復因子によって認識されない共有結合架橋を生成し、有効期間がより長くなる(Hartley 2011)。
【0064】
それは、以下の化学構造:
【0065】
【化18】
で表される。
Abは、抗体RB4v1.2(各々配列番号2及び配列番号8で表されるVH及びVL配列がある抗体)を表す。これは、特許文献1(RB4v1.2-E)に記載されているように合成され、通常、例えばDAR(薬物対抗体比)が、2+/-0.5、+/-0.3である。
【0066】
CD19結合
本明細書で用いられる用語「CD19に結合する」は、抗体が、ウシ血清アルブミン(BSA、Genbank受託番号CAA76847、バージョン番号CAA76847.1 GI:3336842、記録更新日:2011年1月7日02:30 PM)等の非特異的パートナーよりも高い親和性でCD19に結合することを意味するために用いられる。ある実施形態では、抗体は、生理学的条件で測定した場合に、BSAに対する抗体の会合定数よりも少なくとも2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、104、105又は106倍高い会合定数(Ka)でCD19に結合する。本発明の抗体は、高い親和性でCD19に結合することができる。例えば、ある実施形態では、抗体は、約10-6M以下、例えば、1×10-6、10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10-12、10-13又は10-14のKDでCD19に結合することができる。
【0067】
ある実施形態では、CD19ポリペプチドは、Genbank受託番号NP_001171569、バージョン番号NP_001171569.1 GI:296010921、記録更新日:2012年9月10日12:43 AMに対応する。一実施形態では、CD19ポリペプチドをコードする核酸は、Genbank受託番号NM_001178098、バージョン番号NM_001178098.1 GI:296010920、記録更新日:2012年9月10日12:43 AMに対応する。ある実施形態では、CD19ポリペプチドは、Uniprot/Swiss-Prot受託番号P15391に対応する。
【0068】
本開示はまた、より一般的には、弾頭としてPBD二量体(本明細書に記載されるPBDなど)を含む抗体薬物複合体と、弾頭としてモノメチルオーリスタチンEを含む抗体薬物複合体との併用投与、及び2つの抗体薬物複合体の併用投与を含む、本明細書に記載される治療方法に関する。個々の薬剤の各々に対する抗体は、異なる標的分子に結合するように選択される。
モノメチルアウリスタチンEを含む抗体薬物複合体の一例は、抗体が抗CD79bを標的とする場合である。
PBD二量体を含む抗体薬物複合体の例は、上記のようにCD19を標的とするもの、並びに下記のようにCD25又はCD22を標的とするものである。
抗CD19 ADC及び抗CD79bについて全体を通して詳細に記載されるさらなる実施形態、例えば、PBDの選択、治療される疾患、患者の選択及び投与は、異なる標的に結合する本明細書に記載される他のADCに準用され得ることが当業者によって理解される。他の標的の特定の例は、以下により詳細に記載されるCD25及びCD22である。
【0069】
抗CD25-ADC
本開示はまた、国際公報第2014/057119に開示され、本明細書に記載される抗CD25 ADCによる治療に関する。
本明細書で用いられる用語「抗CD25 ADC」又は「CD25-ADC」は、抗体成分が抗CD25抗体であるADCをいう。用語「PBD-ADC」は、薬物成分がピロロベンゾジアゼピン(PBD)弾頭であるADCをいう。用語「抗CD25-ADC」は、抗体成分が抗CD25抗体であり、薬物成分がPBD弾頭であるADCをいう。ADC成分は、抗CD19-ADCについて上で定義された通りである。
【0070】
ある実施形態では、抗体には、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインがあり、配列番号25で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含む。ある実施形態では、抗体には、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVHドメインがあり、配列番号26で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む。
好ましい実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含み、
前記VHドメインは、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含み、ここで、前記抗体は、配列番号25で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含み、かつ、
前記VLドメインは、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含み、ここで、前記抗体は、配列番号26で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む。
【0071】
抗体は、配列番号27で表されるアミノ酸配列があるVH CDR1、配列番号28で表されるアミノ酸配列があるVH CDR2、及び配列番号
29で表されるアミノ酸配列があるVH CDR3を含むVHドメインを含んでよい。
ある態様では、抗CD25-ADCの抗体成分は、配列番号27で表されるアミノ酸配列があるVH CDR1、配列番号28で表されるアミノ酸配列があるVH CDR2、及び配列番号29で表されるアミノ酸配列があるVH CDR3を含むVHドメインを含む抗体である。ある実施形態では、抗体は、配列番号25で表される配列があるVHドメインを含む。
抗体は、配列番号30で表されるアミノ酸配列があるVL CDR1、配列番号31で表されるアミノ酸配列があるVL CDR2、及び配列番号32で表されるアミノ酸配列があるVL CDR3を含むVLドメインをさらに含んでよい。ある実施形態では、抗体は、配列番号26で表される配列があるVLドメインをさらに含む。
ある実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含み、VH及びVLドメインには、配列番号26と対になった配列番号25で表される配列がある。
VH及びVLドメインは、CD25に結合する抗体抗原結合部位を形成するように対を形成し得る。
【0072】
好ましい実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含む完全抗体であり、VH及びVLドメインには、配列番号25及び配列番号26で表される配列がある。
ある実施形態では、抗体は、完全ヒトモノクローナルIgG1抗体、好ましくはIgG1,κである。
ある実施形態では、抗体は、国際公報第2004/045512に記載されているAB12抗体(Genmab A/S)である。
【0073】
ある態様では、抗体は、以下に記載されるように修飾された(又はさらに修飾された)本明細書に記載される抗体である。ある実施形態では、抗体は、本明細書に記載される抗体がヒト化、脱免疫化、又は表面再構成されている。
本開示の態様と共に用いるための最も好ましい抗CD25-ADCは、本明細書において以下に記載されるように、ADCx25である。
本開示の態様と共に用いるための他の好ましい抗CD25-ADCは、camidanlumabテシリンである。
【0074】
ADCx25
ADCx25は、切断可能なリンカーを介してピロロベンゾジアゼピン(PBD)弾頭に結合したヒトCD25に対するヒト抗体から構成される抗体薬物複合体である。ADCX25の作用機序は、CD25結合に依存する。CD25特異的抗体は、抗体薬物複合体(ADC)を、CD25を発現する細胞に標的化する。結合すると、ADCは内部移行し、リソソームに輸送され、そこでプロテアーゼ感受性リンカーが切断され、遊離PBD二量体が標的細胞内に放出される。放出されたPBD二量体は、RNAポリメラーゼの直接阻害又は会合した転写因子の相互作用の阻害のいずれかに起因して、配列選択的様式で転写を阻害する。PBD二量体は、DNA二重らせんを歪めず、かつヌクレオチド除去修復因子によって認識されない共有結合架橋を生成し、有効期間がより長くなる(Hartley 2011)。
【0075】
それは、以下の化学構造:
【0076】
【化19】
で表される。
Abは、抗体AB12(各々配列番号25及び配列番号26で表されるVH及びVL配列がある完全ヒトモノクローナルIgG1,κ抗体、HuMax-TACとしても知られる)を表す。これは、国際公報第2014/057119(Conj AB12-E)に記載されているように合成され、通常、例えばDAR(薬物対抗体比)が、2.0+/-0.3である。
【0077】
CD25結合
本明細書で用いられる用語「CD25に結合する」は、抗体が、ウシ血清アルブミン(BSA、Genbank受託番号CAA76847、バージョン番号CAA76847.1 GI:3336842、記録更新日:2011年1月7日02:30 PM)等の非特異的パートナーよりも高い親和性でCD25に結合することを意味するために用いられる。ある実施形態では、抗体は、生理学的条件で測定した場合に、BSAに対する抗体の会合定数よりも少なくとも2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、104、105又は106倍高い会合定数(Ka)でCD25に結合する。本開示の抗体は、高い親和性でCD25に結合することができる。例えば、ある実施形態では、抗体は、約10-6M以下、例えば、1×10-6、10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10-12、10-13又は10-14のKDでCD25に結合することができる。
【0078】
ある実施形態では、CD25ポリペプチドは、Genbank受託番号NP_000408、バージョン番号NP_000408.1 GI:4557667、記録更新日:09年9月、2012 04:59 PMに対応する。一実施形態では、CD25ポリペプチドをコードする核酸は、Genbank受託番号NM_000417、バージョン番号NM_000417.2 GI:269973860、記録更新日:09年9月、2012 04:59 PMに対応する。ある実施形態では、CD25ポリペプチドは、Uniprot/Swiss-Protアクセッション番号P01589に対応する。
【0079】
抗CD22-ADC
本開示はまた、国際公報第2014/057122に開示され、本明細書に記載される抗CD22 ADCによる治療に関する。
本明細書で用いられる用語「抗CD22 ADC」又は「CD22-ADC」は、抗体成分が抗CD22抗体であるADCをいう。用語「PBD-ADC」は、薬物成分がピロロベンゾジアゼピン(PBD)弾頭であるADCをいう。用語「抗CD22-ADC」は、抗体成分が抗CD22抗体であり、薬物成分がPBD弾頭であるADCをいう。ADC成分は、抗CD19-ADCについて上で定義された通りである。
【0080】
抗CD22 ADCの抗体成分
抗体は、システインではないアミノ酸による鎖間システイン残基のアミノ酸置換を含んでもよく、抗体への薬物部分のコンジュゲーションは、鎖間システイン残基(複数可)で行われる。
抗体は、好ましくは、(i)Kabatに示されるEUインデックスによる鎖間システイン残基HC226及びHC229各々のアミノ酸置換を有する重鎖;(ii)Kabatに示されるEUインデックスによる鎖間システイン残基κLC214又はλLC213のアミノ酸置換を有する軽鎖;並びに(iii)Kabatに示されるEUインデックスによる非置換鎖間システインHC220を保持する重鎖を含む。
好ましくは、薬物部分は、非置換鎖間システインHC220に複合されている。鎖間システイン残基HC226及びHC229は、それぞれバリンに置換され得る。鎖間システイン残基κLC214又はλLC213は、セリンに置換され得る。
【0081】
ある実施形態では、本明細書に記載の複合体の抗体は、配列番号45のアミノ酸配列を含む軽鎖又はその断片を含み、105位のシステインは、存在する場合、システインではないアミノ酸によって置換される。例えば、配列番号46は、配列番号45のアミノ酸配列を含む軽鎖を開示し、ここで、105位のシステインは、セリン残基によって置換されている。
【0082】
ある実施形態では、本明細書に記載の複合体の抗体は、配列番号47のアミノ酸配列を含む軽鎖又はその断片を含み、102位のシステインは、存在するのであれば、システインではないアミノ酸によって置換される。例えば、配列番号48は、配列番号47のアミノ酸配列を含む軽鎖を開示し、ここで、102位のシステインは、セリン残基によって置換されている。
ある実施形態では、当該抗体は、
(i)Kabatに示されるEUインデックスによる鎖間システイン残基HC226及びHC229各々のアミノ酸置換を有し、場合によっては、HC226及びHC229がそれぞれバリンに置換されている重鎖;
(ii)Kabatに示されるEUインデックスによる鎖間システイン残基κLC214又はλLC213のアミノ酸置換を有し、場合によっては、κLC214又はλLC213がセリンに置換されている軽鎖;
(iii)Kabatに示されるEUインデックスによる非置換鎖間システインHC220を保持する重鎖を含み、場合によっては、薬物部分がHC220でシステインに複合している、抗体又はその抗原結合部分を含む。当該実施形態では、抗体は、好ましくは、本明細書において以下に定義されるVHドメイン及びVLドメインをさらに含む。当該軽鎖は、(i)配列番号45若しくはその断片のアミノ酸配列を含むことができ、105位のシステインは、存在する場合、システインではないアミノ酸によって置換されており(配列番号46など)、又は配列番号47若しくはその断片のアミノ酸配列を含むことができ、102位のシステインは、存在する場合、システインではないアミノ酸によって置換されている(配列番号48など)。
前記抗体は、配列番号43のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号45又は配列番号47のアミノ酸配列を含む軽鎖を含んでよく;ここで、
配列番号43の第109位及び第112位のシステイン各々は、システインではないアミノ酸によって置換され;
配列番号45の第105位のシステイン又は配列番号47の第102位のシステインは、システインではないアミノ酸によって置換されている。
好ましくは、薬物部分は、配列番号43の103位のシステインに複合している。ある実施形態では、配列番号43の第109位及び第112位のシステイン各々は、配列番号44等のバリンに置換されている。ある実施形態では、配列番号45の第105位のシステイン又は配列番号47の第102位のシステインは、配列番号46及び48等のセリンによって置換されている。
ある実施形態では、抗体は、完全ヒトモノクローナルIgG1抗体、好ましくはIgG1,κである。
【0083】
VH及びVLドメイン
ある実施形態では、抗体には、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインがあり、当該抗体は、配列番号1で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含む。ある実施形態では、抗体には、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVHドメインがあり、当該抗体は、配列番号34で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む。
【0084】
好ましい実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含み、
VHドメインは、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含み、ここで、当該抗体は、配列番号33で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含み、並びに
VLドメインは、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含み、ここで、当該抗体は、配列番号34で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む。
当該抗体は、配列番号35のアミノ酸配列があるVH CDR1、配列番号36のアミノ酸配列があるVH CDR2、及び配列番号37のアミノ酸配列があるVH CDR3を含むVHドメインを含んでよい。
【0085】
ある態様では、抗CD22-ADCの抗体成分は、配列番号35のアミノ酸配列があるVH CDR1、配列番号36のアミノ酸配列があるVH CDR2、及び配列番号37のアミノ酸配列があるVH CDR3を含むVHドメインを含む抗体である。ある実施形態では、当該抗体は、配列番号22で表される配列があるVHドメインを含む。
抗体は、配列番号38のアミノ酸配列があるVL CDR1、配列番号39のアミノ酸配列があるVL CDR2、及び配列番号40のアミノ酸配列があるVL CDR3を含むVLドメインをさらに含んでよい。ある実施形態では、抗体は、配列番号34で表される配列があるVLドメインをさらに含む。
ある実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含み、VH及びVLドメインには、配列番号34と対になった配列番号33の配列がある。
VH及びVLドメインは、CD22に結合する抗体抗原結合部位を形成するように対になってよい。
【0086】
ある態様では、抗CD22-ADCの抗体成分は、配列番号33で表される配列があるVHドメインを含む抗体である。
当該抗体は、配列番号34で表される配列があるVLドメインをさらに含んでよい。
ある実施形態では、抗体は、本明細書の以下に記載されるVHドメイン及びVLドメインを含む。ある実施形態では、抗体は
配列番号44で表される配列がある重鎖;
配列番号46で表される配列がある軽鎖
配列番号33で表される配列があるVHドメイン;及び
配列番号32で表される配列があるVLドメインを含む。
好ましくは、薬物部分は、配列番号44の103位のシステインに複合している。
【0087】
----------------------------
ある実施形態では、抗体は、国際公報第2014/057122に記載されているエプラツズマブ抗体である。
ある実施形態では、抗体は、配列番号47で表される配列がある重鎖及び配列番号48で表される配列がある軽鎖を含む。好ましくは、薬物部分は、配列番号47の219位のシステインに複合されている。
【0088】
ある態様では、抗体は、以下に記載されるように修飾された(又はさらに修飾された)本明細書に記載される抗体である。ある実施形態では、抗体は、本明細書に記載される抗体がヒト化、脱免疫化、又は表面再構成されている。
本開示の態様と共に用いるための最も好ましい抗CD22-ADCは、本明細書において以下に記載されるように、ADCx22である。
【0089】
ADCx22
ADCx22は、切断可能なリンカーを介してピロロベンゾジアゼピン(PBD)弾頭に結合したヒトCD22に対するヒト抗体から構成される抗体薬物複合体である。ADCX22の作用機序は、CD22結合に依存する。CD22特異的抗体は、抗体薬物複合体(ADC)を、CD22を発現する細胞に標的化する。結合すると、ADCは内部移行し、リソソームに輸送され、そこでプロテアーゼ感受性リンカーが切断され、遊離PBD二量体が標的細胞内に放出される。放出されたPBD二量体は、RNAポリメラーゼの直接阻害又は会合した転写因子の相互作用の阻害のいずれかに起因して、配列選択的様式で転写を阻害する。PBD二量体は、DNA二重らせんを歪めず、かつヌクレオチド除去修復因子によって認識されない共有結合架橋を生成し、有効期間がより長くなる(Hartley 2011)。
【0090】
それは、以下の化学構造:
【0091】
【化20】
(式中、Abは、配列番号33の配列があるVHドメイン及び配列番号34の配列があるVLドメインを含む抗体を表す)で表される。通常、当該抗体は、(i)Kabatに記載されるEUインデックスによる鎖間システイン残基HC226及びHC229各々に(例えば、バリンへの)アミノ酸置換がある重鎖;(ii)Kabatに記載されるEUインデックスによる鎖間システイン残基κLC214に(例えば、セリンへの)アミノ酸置換がある軽鎖;並びに(iii)Kabatに記載されるEUインデックスによる非置換鎖間システインHC220を保持する重鎖をさらに含む。通常、薬物部分は、HC220でシステインに複合されている。
したがって、抗体は、通常、配列番号41で表される配列がある重鎖及び配列番号42で表される配列がある軽鎖を含む。薬物への連結は、重鎖間システインCys220(EU番号付け)上で生じる。HC220は、配列番号41の219位に対応する。
【0092】
「配列がある」は、「配列を含む」と同じ意味を有することに留意されたい。特に、ある実施形態では、ADCx22の重鎖は、さらなる末端「K」残基(したがって、SPGKで終わる)と共に発現され、末端Kは、最終的な治療用ADC生成物の均一性を改善するために、場合によっては、翻訳後に除去される。
【0093】
CD22結合
本明細書で用いられる用語「CD22に結合する」は、抗体が、ウシ血清アルブミン(BSA、Genbank受託番号CAA76847、バージョン番号CAA76847.1 GI:3336842、記録更新日:2011年1月7日02:30 PM)等の非特異的パートナーよりも高い親和性でCD22に結合することを意味するために用いられる。ある実施形態では、抗体は、生理学的条件で測定した場合、BSAに対する抗体の会合定数よりも少なくとも2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、104、105又は106倍高い会合定数(Ka)でCD22に結合する。本発明の抗体は、高い親和性でCD22に結合することができる。例えば、ある実施形態では、抗体は、約10-6M以下、例えば、1×10-6、10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10-12、10-13又は10-14のKDでCD22に結合することができる。
ある実施形態では、CD22ポリペプチドは、Genbank受託番号BAB15489、バージョン番号BAB15489.1 GI:10439338、記録更新日:2006年9月11日11:24 PMに対応する。一実施形態では、CD22ポリペプチドをコードする核酸は、Genbank受託番号AK026467、バージョン番号AK026467.1 GI:10439337、記録更新日:2006年9月11日11:24 PMに対応する。
【0094】
抗CD79b剤
CD79b
CD79(サブユニットCD79a及びCD79bから構成される)は、B細胞受容体のヘテロ二量体シグナル伝達成分である。CD79b膜発現は、B細胞区画に制限され、成熟B細胞リンパ腫において遍在的に発現され、免疫グロブリンμの発現前に最も早期に拘束されたB細胞前駆体によって細胞表面に配置される。CD79bに対する抗体は、陰性細胞シグナルを誘導し、T細胞依存性抗原に対する応答を抑制する(Nakamura et al.1996;64:39-46)。しかしながら、非複合体抗CD79b抗体は、適度なB細胞枯渇を誘導し、もしあれば、中等度の抗体依存性及び補体依存性細胞傷害を示す(Fuh et al.2017;174:628-640)。逆に、抗CD79b ADCは、抗原提示の一部としてB細胞のリソソーム様コンパートメントに輸送される(Polson et al.2007;110:616-623)、増殖B細胞の長期及び持続的枯渇を誘導する(Fuh et al.,ibid.)。
【0095】
抗CD79b剤
本明細書中で用いられる用語「抗CD79b剤」は、CD79b及び/又はCD79bを発現する細胞に特異的に結合するいかなる薬剤を意味する。好ましくは、薬剤はB細胞の枯渇を誘導する。
本明細書中で用いられる用語「CD79bに特異的に結合する」は、薬剤が、ウシ血清アルブミン(BSA、Genbank受託番号CAA76847、バージョン番号CAA76847.1 GI:3336842、記録更新日:2011年1月7日02:30 PM)等の非特異的パートナーよりも高い親和性でCD79bに結合することを意味するために用いられる。ある実施形態では、薬剤は、生理学的条件で測定した場合、BSAに対する薬剤の会合定数よりも少なくとも2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、104、105又は106倍高い会合定数(Ka)でCD79bに結合する。薬剤は、高い親和性でCD79bに結合し得る。例えば、ある実施形態では、薬剤は、1×10-6、10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10-12、10-13又は10-14のKDでCD79bに結合することができる。
【0096】
抗CD79b ADC
本明細書中で用いられる用語「抗CD79b ADC」は、ペイロードに複合体されたCD79bに特異的に結合する部分を含む複合体を意味する。
ある実施形態では、CD79bに特異的に結合する部分は、抗体である。場合によっては、抗体はポラツズマブである。
ある実施形態では、ペイロードは、細胞毒性薬等の薬物を含む。場合によっては、細胞毒性薬は、モノメチルオーリスタチン等のオーリスタチンである。場合によっては、細胞傷害性薬物は、モノメチルオーリスタチン(MMAE)である。
場合によっては、ペイロードは、CD79bに特異的に結合する部分にペイロードが複合されているリンカー部分を含む。ある実施形態では、ペイロードは薬物-リンカーであり、薬物-リンカーは薬物部分及びリンカー部分を含む。リンカー部分は、プロテアーゼ等の酵素によって切断可能であってよい。例えば、ある実施形態では、リンカーは、バリン-シトルリン(val-cit、又はvc)等のジペプチドである。
【0097】
ある実施形態では、ADCには、以下の構造:
【0098】
【化21】
(式中、式中、アスタリスクは薬物部分への結合点を示し、Abは抗体であり、L
1は切断可能なリンカーであり、AはL
1を抗体に連結する連結基であり、L
2は共有結合であるか、又は-OC(=O)-は、自壊性リンカーを形成す)
がある。
【0099】
----------------------------
好ましい実施形態では、ADCは、式(I):
Ab-(DL)p(I)
(式中、
Abは、CD79bに結合する抗体であり;
DLは、以下の
【0100】
【化22】
で表され、
pは、1~8、例えば3~4、例えば約3.5である)
で表される複合体であってよい。
ある実施形態では、抗体には、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインがあり、配列番号17で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含む。ある実施形態では、抗体には、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVHドメインがあり、配列番号18で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む。
好ましい実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含み、
前記VHドメインは、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含み、ここで、前記抗体は、配列番号17で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含み、かつ、
前記VLドメインは、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含み、ここで、前記抗体は、配列番号18で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む
ある実施形態では、抗体は、配列番号21のアミノ酸配列があるVH CDR3があるVHドメインを含む。ある実施形態では、VHドメインは、さらに、配列番号20のアミノ酸配列があるVH CDR2、及び/又は配列番号19のアミノ酸配列があるVH CDR1を含む。ある実施形態では、抗体は、配列番号19のアミノ酸配列があるVH CDR1、配列番号20のアミノ酸配列があるVH CDR2、及び配列番号21のアミノ酸配列があるVH CDR3があるVHドメインを含む。ある実施形態では、抗体は、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインを含み、配列番号17の配列があるVHドメインのCDR配列を含む。好ましい実施形態では、抗体は、配列番号17で表される配列があるVHドメインを含む。
【0101】
抗体は、VLドメインをさらに含んでよい。ある実施形態では、抗体は、配列番号24のアミノ酸配列があるVL CDR3があるVLドメインを含む。ある実施形態では、VLドメインは、配列番号23のアミノ酸配列があるVL CDR2、及び/又は配列番号22のアミノ酸配列があるVL CDR1をさらに含む。ある実施形態では、抗体は、配列番号22のアミノ酸配列があるVL CDR1、配列番号23のアミノ酸配列があるVL CDR2、及び配列番号24のアミノ酸配列があるVL CDR3があるVLドメインを含む。ある実施形態では、抗体は、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLドメインを含み、ここで、抗体は、配列番号18の配列があるVLドメインのCDR配列を含む。好ましい実施形態では、抗体は、配列番号18で表される配列があるVLドメインを含む。
【0102】
本明細書に記載される抗体可変ドメインのCDRは、当該技術分野で既知のいかなる適当な方法によって、例えば、いかなる適当な抗体番号付けスキームを用いて、特定され得る。CDRは、Kabat番号スキーム(Kabat et al.,U.S.Department of Health and Human Services,1991)、Chothia番号スキーム(Chothia C,Lesk A M.J Mol Biol.(1987)196:901-17)、又はIMGT番号スキーム(Giudicelli V,et al.Nucleic Acids Res.(1997)25:206-11;Lefranc MP.Immunol Today(1997)18:509)のいずれかを用いて識別することができる。当業者は、これらの異なるCDR標識系がわずかに異なる結果を与え得るが、各場合において、CDRは当業者によって容易に同定され得ることを理解するであろう。
【0103】
VH及びVLドメインは、CD79bに結合する抗体抗原結合部位を形成し得る。
ある実施形態では、抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含む完全抗体であり、VH及びVLドメインには、配列番号18と対になった配列番号17の配列がある。
ある実施形態では、抗体は、完全ヒトモノクローナルIgG1抗体、好ましくはIgG1,κである。
【0104】
ある態様では、抗体は、以下に記載されるように修飾された(又はさらに修飾された)本明細書に記載される抗体である。ある実施形態では、抗体は、本明細書に記載される抗体がヒト化、脱免疫化、又は表面再構成されている。
【0105】
----------------------------
最も好ましい抗-CD79b剤はポラツズマブベドチンである。
ポラツズマブベドチン
ポラツズマブベドチン(Polivy、ロシュ)は、プロテアーゼ切断可能リンカーvc(Val-Cit)を介してモノエチルアウリスタチンE(MMAE)に複合体されたヒト化IgG1抗CD79b mAbからなるCD79b指向性抗体薬物複合体である。
その化学構造は以下の:
【0106】
【化23】
で表される。
Abは、抗体ポラツズマブ(それぞれ配列番号17及び配列番号18のVH及びVL配列がある抗体)を表す。そのDAR(薬物対抗体比)は、通常、3.5である。
【0107】
----------------------------
本開示の併用の有利な特性
両方の抗CD19 ADC(又は抗CD25 ADC若しくは抗CD22 ADC)及び抗CD79b剤は、単独で単一の薬剤として用いられる場合、例えば、がんの治療において臨床的有用性を実証した。しかしながら、本明細書に記載されるように、抗CD19 ADC及び抗CD79b剤は、抗CD19 b抗体による治療に対して、抗CD19 ADC又は抗CD79b剤を単独で用いるよりも以下の利点:
1)より広範囲のがんの有効な治療
2)がん等の耐性又は難治性の疾患、及び寛解期後に再発したがん等の疾患がある個体の有効な治療
3)治療に対する奏効率の増加;及び/又は
4)治療の持続性の増加
の1つ以上を提供しうる。
本明細書で用いられるより広範囲のがんの有効な治療は、併用による治療後に、より広範囲の認識されたがんのタイプで完全な応答が観察されることを意味する。すなわち、抗CD19 ADC又は抗CD79bのいずれかによる単独治療に対して完全応答することがこれまで報告されていないがんタイプに見られる。
理論に束縛されるものではないが、抗ADC及び抗ADC 79 b剤が異なる作用様式を有する異なるクラスの細胞毒性薬を含む実施形態(例えば、抗ADCがロンカスツキシマブテシリンであり、抗ADC 79 b剤がPola-Vで場合によっては)(PBD二量体はDNA架橋剤であるが、MMAEはチューブリン阻害剤である)では、2つの異なる経路を介して作用する細胞毒性が、相加的又は相乗的な細胞毒性に寄与すると考えられる。
さらに、2つの薬剤が2つの異なる細胞表面抗原を標的とするという事実は、それらが細胞表面上の同じ抗原への結合について競合していないことを意味する。これにより、標的細胞への細胞毒性薬の送達が容易になる。
【0108】
本明細書で用いられる耐性、難治性、又は再発型の有効な治療とは、抗C 1抗体による治療に対して、抗CD19 ADC又は抗CD79bのいずれかによる単独治療に対して部分的又は完全に耐性又は難治性のいずれかである個体(例えば、いずれかの剤単独での治療後に応答を示さないか、若しくは部分応答のみを示す個体、又は再発した疾患を有する個体)において抗CD19 ADC/抗CD79b剤の併用により完全な応答が観察されることを意味する。ある実施形態では、抗CD19 ADC又は抗CD79bのいずれかによる単独治療に対して、部分的又は完全に抵抗性又は不応性のいずれかである個体において、抗CD19 ADC/抗CD79b剤の併用による完全奏効は、治療後の少なくとも10%で観察される。ある実施形態では、抗CD19 ADC/抗CD79b剤の併用による治療後の完全奏効は、抗C 18抗体による治療に対して抗CD19 ADC又は抗CD79bのいずれかによる単独治療に対して、部分的に若しくは完全に抵抗性又は不応性のいずれかである個体の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%で観察される。
本明細書で用いられる治療に対する奏効率の増加は、併用による治療後の完全奏効が、抗CD19 ADC又は抗CD79bのいずれかによる単独治療に対して治療後に観察されるよりも高い割合の個体において観察されることを意味する。ある実施形態では、抗CD19 ADC/抗CD79b剤の併用による治療後の完全奏効は、抗CD19 ADC又は抗CD79bのいずれかによる単独治療に対して、治療された個体の少なくとも10%で観察される。ある実施形態では、抗CD19 ADC/抗CD79b剤の併用による治療後の完全奏効は抗CD19 ADC又は抗CD79bのいずれかによる単独治療された個体の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%で観察される。
本明細書で用いられる治療の持続性の増加は、併用で治療された個体における完全応答の平均持続期間が、抗CD19 ADC又は抗CD79bのいずれかによる単独治療に対して長い。ある実施形態では、抗CD 1抗体での治療後の完全奏効の平均持続期間は、1週間である。抗CD19 ADC/抗CD79b剤併用による治療後の完全奏効の平均持続期間は、少なくとも6カ月である。ある実施形態では、抗CD19 ADC/抗CD79b剤の併用による治療後の完全奏効の平均持続期間は、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも24ヶ月、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年、少なくとも15年、又は少なくとも20年である。
【0109】
本明細書で用いられる「完全応答」は、個体において疾患の臨床的証拠がないことを意味する。エビデンスは、当該技術分野における適当な方法、例えば、CT若しくはPETスキャニング、又は適当な場合には生検を用いて評価することができる。完全な応答を達成するために必要な投与回数は、1、2、3、4、5、10又はそれ以上であってよい。ある実施形態では、個体は、第一の投与後1年以下、例えば、第一の投与後6ヶ月以下、3ヶ月以下、1ヶ月以下、2週間以下、又は1週間以下で完全奏効を達成する。
この項目及び以下のすべての項目における抗CD19への言及は、他の実施形態では、特に示されない限り、抗CD22及び抗CD25で置換することができる。
【0110】
治療される疾患
本明細書に記載される併用療法は、抗がん活性に有用なものを含む。特に、ある態様では、治療は、PBD薬物部分、すなわち毒素に複合した、すなわちリンカーによって共有結合された抗体を含む。薬物が抗体に複合していない場合、PBD薬物には、細胞傷害性効果がある。したがって、PBD薬物部分の生物学的活性は、抗体への複合により調節される。本開示の抗体薬物複合体(ADC)は、有効量の細胞傷害性薬剤を腫瘍組織に選択的に送達し、それによって、より高い選択性、すなわち、より低い有効用量が達成され得る
一態様では、本開示は、治療に用いるためのCD19に結合する抗CD19 ADCを投与することを含む併用療法を提供し、ここで、標的タンパク質の発現に基づいて被験体を選択することを含む。
一態様では、本開示は、併用療法が、当該使用に適すると決定された被験体での使用に適することを明記するラベルを伴う併用療法を提供する。ラベルは、治療が、CD19の過剰発現等のCD19の発現を有する被験体における使用に適することを明記し得る。ラベルは、被験体が特定のタイプのがんであることを明示し得る。
がんは、非ホジキンリンパ腫等のリンパ腫であってよい。ラベルは、被験体にCD19+リンパ腫があることを明示し得る。
さらなる態様では、増殖性疾患の治療に用いるための、本明細書に記載される併用療法も提供される。本開示の他の態様は、増殖性疾患を治療するための医薬の製造における複合体化合物の使用を提供する。
当業者は、候補の併用療法がいかなる特定の細胞型についての増殖性状態を治療するか否かを容易に決定することができる。例えば、特定の化合物によって提供される活性を評価するために便利に用いられ得るアッセイが、以下に記載される。
【0111】
本明細書に記載される併用療法は、増殖性疾患を治療するために用いられ得る。用語「増殖性疾患」は、インビトロ又はインビボのいずれかで、新生物又は過形成増殖等の望ましくない過剰又は異常な細胞の望ましくない又は制御されない細胞増殖に関する。
【0112】
増殖性状態の例としては、良性、前悪性及び悪性の細胞増殖、例えば、新生物及び腫瘍(例えば、組織細胞腫、グリオーム、astrocyoma、骨腫)、がん(例えば、肺のがん、小細胞肺がん、胃腸のがん、腸のがん、結腸がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、睾丸がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、膵臓がん、脳がん、肉腫、骨肉種、カポージ肉腫、メラノーマ)、リンパ腫、白血病、乾せん、骨疾患、線維増殖性疾患(例えば、結合組織の)、及びアテローム性動脈硬化症があげられる。目的のがんとしては、白血病及び卵巣がんがあげられるが、これらに限定されない。
肺、胃腸(例えば、腸、結腸を含む)、乳房(乳腺)、卵巣、前立腺、肝臓(肝性)、腎臓(腎性)、膀胱、膵臓、脳、及び皮膚を含むがこれらに限定されない、いかなるタイプの細胞が治療され得る。
【0113】
特に興味深い増殖性疾患には、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病が含まれるが、これらに限定されない。[Fielding A.2010年1月;95(1):8-12]。
【0114】
本開示の併用療法は、例えば、腫瘍抗原の過剰発現を特徴とする様々な疾患又は疾患を治療するために用いられ得ることが企図される。例示的な状態又は過剰増殖性疾患としては、良性又は悪性腫瘍;白血病、血液系、及びリンパ系悪性腫瘍があげられる。その他、ニューロン、グリア、星状細胞、視床下部、腺、マクロファージ、上皮、間質、胞胚腔、炎症性、血管新生性、並びに自己免疫疾患及び移植片対宿主病(GVHD)を含む免疫学的なものがあげられる。
一般に、治療される疾患又は疾患は、がん等の過剰増殖性疾患である。本明細書において治療されるがんの例としては、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病又はリンパ性悪性疾患があげられるが、これらに限定されない。そのようながんのより具体的な例としては、扁平上皮がん(例えば、上皮扁平上皮がん)、小細胞肺がん、非小細胞肺がんを含む肺がん、肺の腺がん及び肺の扁平上皮がん、腹膜のがん、肝細胞がん、胃腸がんを含む胃がん(gastric cancer又はstomach cancer)、膵臓がん、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝がん、乳がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん又は子宮がん、唾液腺がん、腎臓がん(kidney cancer又はrenal cancer)、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝がん、肛門がん、陰茎がん、並びに頭頸部がんがあげられる。
【0115】
併用療法を治療に用いうる自己免疫疾患としては、リウマチ疾患(例えば、リウマチ性関節炎、シェーグレン症候群、強皮症、SLE及び狼瘡腎炎等の狼瘡、多発性筋炎/皮膚筋炎、クリオグロブリン血症、抗リン脂質抗体症候群、及び乾癬性関節炎など)、変形性関節症、自己免疫胃腸及び肝臓疾患(例えば、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性結腸炎及びクローン病)、自己免疫胃炎及び悪性貧血、自己免疫肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、及び多発性静脈炎など)、血管炎(例えば、Churg-Strauss血管炎、Wegener肉芽腫症、及び皮膚多発性動脈炎など)、自己免疫神経疾患(例えば、乾せん、オプソクローヌスミオクローヌス症候群、重症筋無力症、視神経脊髄炎、パーキンソン氏病、アルツハイマー氏病、及び皮膚多発性神経疾患など)、血液疾患(例えば、血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、輸血後紫斑病、及び自己免疫溶血性貧血など)、アテローム性動脈硬化症、ブドウ膜炎、自己免疫聴覚疾患(例えば、内耳炎及び難聴など)、ベーチェット病、レイノー症候群、臓器移植、移植片対宿主病(GVHD)、及び自己免疫内分泌疾患(例えば、インスリン依存性糖尿病(IDDM)等の糖尿病関連自己免疫疾患、アジソン病、及び自己免疫甲状腺疾患(例えば、グレーブス病及び甲状腺炎)など)があげられる。
【0116】
ある態様では、被験体は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病から選択される増殖性疾患に罹患している。
【0117】
CD25
増殖性疾患は、CD25+ve細胞及びCD25-ve細胞の両方を含む新生物の存在によって特徴付けられ得る。増殖性疾患は、CD25-ve新生物細胞から構成される新生物の存在によって特徴付けられてもよく、場合によっては、CD25-ve新生物細胞は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve非新生物細胞と関連する。標的新生物又は新生物細胞は、固形腫瘍の全て又は一部であってよい。
本明細書における「固形腫瘍」は、本明細書においてより詳細に考察されるリンパ腫(ホジキンリンパ腫又は非ホジキンT細胞リンパ腫)等の固形血液がんを含むと理解される。
固形腫瘍は、CD25+ve新生物細胞を含むか又はそれから構成される、非血液がんを含む新生物であってよい。固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した、非血液がんを含む新生物であってもよく;そのような固形腫瘍は、CD25の発現がなくてよい(すなわち、CD25-ve新生物細胞を含むか、又はそれから構成されてよい)。
例えば、固形腫瘍は、高レベルの浸潤性T細胞、例えば浸潤性調節性T細胞(Treg;Meentier-Caux, C.,et al.,Targ Oncol(2012)7:15-28;Arce Vargas et al.,2017, Immunity 46,1-10;Tanaka, A.,et al.,Cell Res.2017 Jan;27(1):109-118)を有する腫瘍であってよい。したがって、固形腫瘍は、膵臓がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、並びに頭頸部がんであってよい。
【0118】
患者選択
ある態様では、個体は、治療が施される前に、併用治療による治療に適するとして選択される。
本明細書で用いられる、治療に適すると考えられる個体は、治療から利益を得るか、又は治療に応答することが予想される個体である。個体には、がんがあるか、又はがんの疑いがあってよいか、又はがんである危険があってよい。個体は、がんの診断を受けていてよい。特に、個体は、リンパ腫でありうるか、又はその疑いがあってよいか、又はその危険があってよい。場合によっては、個体は、CD19を発現する腫瘍関連非腫瘍細胞(例えば、CD19を発現する浸潤細胞)を有する固形がんでありうるか、又はその疑いがあってよいか、又はその危険があってよい。
ある態様では、個体は、CD19の発現の量又はパターンに基づいて選択される。ある態様では、選択は、細胞表面でのCD19の発現に基づく。
ある態様では、標的はCD79bである。ある態様では、選択は、CD79bの発現に基づく。
ある態様では、選択は、細胞表面におけるCD19及びCD79bの両方のレベルに基づく。
場合によっては、目的の特定の組織における標的の発現が決定される。例えば、リンパ組織又は腫瘍組織の試料においてである。場合によっては、標的の全身発現が決定される。例えば、血液、血漿、血清又はリンパ液等の循環流体の試料中である。
ある態様では、個体は、試料中の標的発現の存在に起因して、治療に好適であるとして選択される。これらの場合、標的発現がない個体は、治療に適していないと考えられ得る。
他の態様では、標的発現のレベルを用いて、治療に適した個体を選択する。標的の発現レベルが閾値レベルを超える場合、個体は治療に適すると決定される。
ある態様では、試料中の細胞におけるCD19の存在及び/又は細胞中のCD19の存在は、個体が、抗CD19 ADC及び抗CD79b剤を含む併用治療に適することを示す。他の態様では、CD19の量及び/又は発現は、個体が治療に適することを示すために閾値レベルを超えていなければならない。ある態様では、対照と比較して、試料中のCD19及び/又は局在化が変化しているという観察は、個体が治療に適することを示す。
ある態様では、リンパ節又は節外部位から得られた細胞がCD19に対する抗体と反応する場合、及び/又はIHCによって決定される場合、個体は治療に適すると示される。
ある態様では、試料中の全細胞の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又はそれ以上がCD19を発現する場合、患者は治療に適すると判定される。本明細書に記載のある態様では、試料中の細胞の少なくとも10%がCD19を発現する場合、患者は治療に適すると決定される。
ある態様では、試料中の全ての細胞の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又はそれ以上が発現する場合、患者は治療に適すると決定される。本明細書に記載のある態様では、試料中の細胞の少なくとも10%が発現する場合、患者は、治療に適すると決定される。
ある態様では、個体は、その現在又は以前の治療レジメンに基づいて、治療に適するものとして選択される。ある実施形態では、個体が抗CD79b剤で治療された場合、個体は、抗CD19 ADC治療のために選択される。ある実施形態では、個体が抗CD79b剤で治療中の場合、個体は、抗CD19 ADC治療のために選択される。場合によっては、個体は、抗CD79b剤による治療(又はさらなる治療)に対して不応性で場合によっては、治療のために選択される。場合によっては、抗CD79b剤はポラツズマブベドチンであってよい。個体が抗CD79b剤による治療を受けているか、又は受けたことがある実施形態では、抗CD19 ADCは、抗CD79b剤と併用、又は抗CD79b剤の継続投与なしで投与され得る。
【0119】
ある実施形態では、選択された個体に抗CD19 ADCは、抗CD79b剤と併用投与される。ある実施形態では、抗CD19 ADCは、抗CD79b剤の継続投与を伴わずに、選択された個体に投与される。抗CD79b剤は、好ましくはポラツズマブベドチンである。
本明細書で用いられる用語「抗CD79b剤による治療(又は更なる治療)に対して不応性」は、単独療法として投与された場合に、抗CD79b剤の投与に対して、疾患(例えば、がん)が応答しないか、又は応答を停止したことを意味する。ある実施形態では、難治性NHLに罹患した個体は、Cheson at al.2014(South Asian J Cancer.2014 Jan-Mar;3(1):66-70)の文献において、非応答者は、(i)いかなる以前に同定された異常な結節の直径の合計積における最下点からの>50%の増加、又は(ii)治療の間若しくは終わりのいかなる新たな病変の出現のいずれかが存在する個体として定義される。ある実施形態では、難治性白血病に罹患した個体は、1回の完全な治療サイクルを完了した安定又は進行性疾患のどちらかである個体、又は2回以上の完全な治療サイクル後に部分奏効を達成した個体として同定される。
【0120】
CD25
ある態様では、被験体は、CD25+ve細胞及びCD25-ve細胞の両方を含む新生物を有することに基づいて選択される。新生物は、CD25-ve新生物細胞から構成されてよく、場合によっては、CD25-ve新生物細胞は、CD25+ve Treg等のCD25+ve非新生物細胞と関連する。新生物又は新生物細胞は、固形腫瘍の全部又は部分であってよい。固形腫瘍は、部分的に又は完全にCD25-veであってもよく、CD25+ve Treg等のCD25+ve細胞で浸潤されていてよい。好ましい態様では、固形腫瘍は、高レベルのCD25+ve浸潤細胞、例えばTreg細胞と関連する。一部の態様では、固形腫瘍は、低レベルのCD25+ve浸潤細胞、例えばTreg細胞と関連する。ある態様では、固形腫瘍は、Treg細胞等のCD25+ve浸潤細胞と関連しておらず、例えば、CD25+ve細胞のレベルは、検出限界未満であってよい。
【0121】
試料
試料は、ある量の血液;フィブリン塊及び血液細胞の除去後に得られる血液の流体部分;個体の血液に由来するある量の血清;ある量の膵液;組織試料若しくは生検;又は前記個体から単離された細胞;を含んでよいか、又はそれらに由来してよい。
試料は、いかなる組織又は体液から採取され得る。ある態様では、試料は、前記個体からの組織試料、生検、切除又は単離細胞を含んでよいか、又はそれらに由来してよい。
ある態様では、試料は組織試料である。試料は、がん性腫瘍組織等の腫瘍組織の試料であってよい。試料は、腫瘍生検によって得られたものであってよい。ある態様では、試料は、リンパ系病変試料又はリンパ節生検等のリンパ系組織試料である。場合によっては、試料は皮膚生検である。
ある態様では、試料は、体液、より好ましくは身体を循環する体液から採取される。したがって、試料は血液試料又はリンパ液試料であってよい。場合によっては、試料は尿試料又は唾液試料である。
場合によっては、試料は、血液試料又は血液由来試料である。血液由来試料は、個体の血液の選択された画分、例えば、選択された細胞含有画分又は血漿若しくは血清画分であってよい。
選択された細胞含有画分は、白血球(WBC)、特に末梢血単核細胞(PBC)及び/又は顆粒球、及び/又は赤血球(RBC)を含んでよい、被験体の細胞型を含有し得る。したがって、本開示による方法は、血液中、白血球、末梢血単核細胞、顆粒球及び/又は赤血球中のCD19タンパク質又は核酸の検出を含んでよい。
試料は、新鮮であっても、保存されてもよい。例えば、保存組織は、個体の最初の診断、又は再発時の生検由来であってよい。ある態様では、試料は新鮮な生検である。
【0122】
個体のステータス
個体は、哺乳動物、胎盤哺乳動物、有袋類(例えば、カンガルー、オオバコ)、カモノハシ目(例えば、カモノハシ)、げっ歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、ネズミ(例えば、マウス)、ウサギ目(例えば、ウサギ)、鳥類(例えば、トリ)、イヌ類(例えば、イヌ)、ネコ類(例えば、ネコ)、ウマ類(例えば、ウマ)、ブタ類(例えば、ブタ)、ヒツジ類(例えば、ヒツジ)、ウシ類(例えば、ウシ)、霊長類、類人猿(例えば、サル又は類人猿)、サル(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)、又はヒトであってよい。
さらに、個体は、その発達形態のいずれか、例えば胎児であってよい。1つの好ましい実施形態では、個体はヒトである。用語「被験体」、「患者」及び「個体」は、本明細書において互換的に用いられる。
【0123】
本明細書に記載されるある態様では、個体には、がんがあるか、又はがんであると疑われるか、又はそのリスクがあると同定される。本明細書に記載のある態様では、個体は、がんの診断を既に受けている。個体は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病の診断を受けていてよい。
場合によっては、個体はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病の診断を受けている[Fielding A. 2010年1月;95(1):8-12]。
場合によっては、個体は、CD19+発現浸潤細胞を含有する固形がんの診断を受けている。
【0124】
個体は、そのがんの治療的治療を受けているか、又は受けたことがあってよい。被験体は、以前にADCX19を受けていても、受けていなくてよい。場合によっては、がんは、非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫である。
個体は、抗CD79b剤による治療を受けていてもよく、又は受けたことがあってよい。場合によっては、個体は、抗CD79b剤による治療(又はさらなる治療)に対して不応性であってよい。場合によっては、抗CD79b剤はポラツズマブベドチンであってよい。個体が抗CD79b剤による治療を受けているか、又は受けたことがある実施形態では、抗CD19 ADCは、抗CD79b剤と併用するか、又は抗CD79b剤の継続投与なく投与され得る。
【0125】
対照
ある態様では、個体における標的発現を、対照における標的発現と比較する。対照は、染色の妥当性を支持し、実験的アーチファクトを同定するのに有用である。
場合によっては、対照は、参照試料又は参照データセットであってよい。参照は、適合度が既知である個体から以前に得られた試料であってよい。参照は、参照試料を分析することから得られるデータセットであってよい。
対照は、標的分子が存在するか、又は高レベルで発現されることが知られている陽性対照、あるいは標的分子が存在しないか、又は低レベルで発現されることが知られている陰性対照であってよい。
対照は、治療から利益を得ることが知られている個体からの組織の試料であってよい。組織は、試験される試料と同じタイプであってよい。例えば、個体からの腫瘍組織の試料を、以前に治療に応答した個体等の、治療に適することが知られている個体からの腫瘍組織の対照試料と比較することができる。
場合によっては、対照は、試験試料と同じ個体から得られるが、健康であることが知られている組織から得られる試料であってよい。したがって、個体からのがん組織の試料を非がん組織試料と比較することができる。
場合によっては、対照は、細胞培養試料である。
【0126】
場合によっては、試験試料は、その試料に固有のバックグラウンド染色のレベルを決定するために、抗体とのインキュベーションの前に分析される。
場合によっては、アイソタイプ対照が用いられる。アイソタイプ対照は、標的特異的抗体と同じクラスの抗体を用いるが、試料と免疫反応性ではない。このような対照は、標的特異的抗体の非特異的相互作用を区別するのに有用である。
この方法は、試験結果の正確な解釈を確実にするために、血液病理学者による形態の解釈及び免疫組織化学を含んでよい。この方法は、発現のパターンが予想されるパターンと相関することの確認を含んでよい。例えば、CD19及び/又はCD79b発現の量が分析される場合、この方法は、試験試料において、発現が細胞質成分を有する膜染色として観察されることの確認を含んでよい。この方法は、ノイズに対する標的シグナルの比が閾値レベルを超え、それによって特異的バックグラウンドシグナルと非特異的バックグラウンドシグナルとの間の明確な区別を可能にすることの確認を含んでよい。
【0127】
治療方法
状態を治療する文脈において本明細書で用いられる用語「治療」は、一般に、ヒト又は動物(例えば、獣医学的用途における)にかかわらず、何らかの所望の治療効果、例えば、状態の進行の阻害が達成される治療及び治療に関し、進行速度の低下、進行速度の停止、状態の退行、状態の改善、及び状態の治癒を含む。予防的手段としての治療(すなわち、予防、防止)も含まれる。
本明細書で用いられる用語「治療有効量」又は「有効量」は、所望の治療レジメンに従って投与された場合に、妥当な利益/リスク比に見合った、何らかの所望の治療効果をもたらすのに有効な、活性化合物、又は活性化合物を含む材料、組成物若しくは剤形の量に関する。
同様に、本明細書で用いられる用語「予防上有効な量」は、所望の治療レジメンに従って投与された場合に、妥当な利益/リスク比に見合った、何らかの所望の予防効果をもたらすのに有効な、活性化合物、又は活性化合物を含む材料、組成物若しくは剤形の量に関する。
本明細書には治療方法が開示される。また、治療を必要とする被験体に、治療有効量の抗T細胞抗体を投与することを含む、治療方法も提供される。用語「治療有効量」は、被験体に利益を示すのに十分な量である。そのような利益は、少なくとも1つの症状の少なくとも改善であってよい。投与される実際の量、並びに投与の速度及び時間経過は、治療されるものの性質及び重篤度に依存する。治療の処方、例えば、投与量の決定は、一般医及び他の医師の責任の範囲内である。被験体は、本明細書に記載の方法に従って治療を受ける適格性を決定するために試験されていてよい。治療方法は、本明細書に記載の方法を用いて、被験体が治療に適格であるかどうかを決定するステップを含んでよい。
【0128】
抗CD19 ADCは、抗CD19抗体を含む。抗CD19抗体は、RB4v1.2抗体であってよい。ADCは、PBD二量体である薬物を含んでよい。ADCは、ADCx19であってよい。ADCは、特許文献1に開示されているADCであってよい。
【0129】
抗CD25 ADCは、抗CD25抗体を含む。前記抗CD25抗体は、HuMax-TACTMであってよい。ADCは、PBD二量体である薬物を含んでよい。ADCは、抗-ADC、特にADCX25又はcamidanlumabテシリンであってよい。ADCは、国際公報第2014/057119に開示されているADCであってよい。
【0130】
抗CD22 ADCは、抗CD22抗体を含む。抗CD22はEMabC220であってよい。ADCは、PBD二量体である薬物を含んでよい。ADCは、ADCT-602又はADCx22等の抗CD22-ADCであってよい。ADCは、国際公報第2014/057122又は国際公報第2016/166307に開示されているADCであってよい。
【0131】
通常、本明細書に記載の治療が施される個体は、前記治療が必要か、又は治療が必要と同定若しくは診断されている。
抗CD79b剤は、ポラツズマブベドチンであってよい。
治療は、抗B細胞抗体の投与を含んでよい。抗CD19 ADC/抗CD79b剤は、単独で、又は治療される状態に依存して同時に若しくは連続的のいずれかで、他の治療とさらに併用されてよい。
【0132】
治療方法の例としては、以下の:
(1)個体がポラツズマブベドチン等の抗CD79b剤で治療されたことがあるか、又は治療中であると同定すること;
(2)個体に抗CD19 ADC、例えばADCx19;及び場合によっては、
(3)ポラツズマブベドチン等の抗CD79b剤を抗CD19 ADCと併用投与すること(例えば、ADCと同時に、又はADCの後に)があげられる。
治療及び施術の例としては、化学療法(例えば、化学療法薬等の薬物を含む活性薬剤の投与);手術;及び放射線療法があげられるが、これらに限定されない。
【0133】
「化学療法剤」は、作用機序にかかわらず、がんの治療に有用な化合物である。化学療法剤のクラスとしては、限定されないが、アルキル化剤、代謝拮抗剤、紡錘体毒植物アルカロイド、細胞毒性/抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗体、光増感剤、及びキナーゼ阻害剤があげられる。化学療法剤は、「標的療法」及び従来の化学療法において用いられる化合物を含む。
化学療法剤の例としては、以下の:レナリドマイド(REVLIMID(登録商標)、Celgene)、ボリノスタット(ZOLINZA(登録商標)、Merck)、パノビノスタット(FARYDAK(登録商標)、ノバルティス)、モセチノスタット(MGCD0103)、エバロリムス(ZORTRESS(登録商標)、CERTICAN(登録商標)、ノバルティス)、ベンダムスチン(TREAKISYM(登録商標)、RIBOMUSTIN(登録商標)、LEVACT(登録商標)、TREANDA(登録商標)、Mundipharma International)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、サノフィアベンティス)、5-FU(フルオロウラシル、5-フルオロウラシル、CAS番号51-21-8)、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標)、Lilly)、PD-0325901(CAS番号391210-10-9、Pfizer)、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology、Princeton、NJ)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、テモゾロミド(4-メチル-5-オキソ23468-ペンタアザビシクロ[4.3.0]ノナ-279-トリエン9-カルボキサミド、CAS番号85622-93-1、TEMODAR(登録商標)、TEMODAL(登録商標)、Schering Plough)、タモキシフェン((Z)-2-[4-(1,2-ジフェニルブタ-1-エニル)フェノキシ]-N,N-ジメチルエタンアミン、NOLVADEX(登録商標)、ISTUBAL(登録商標)、VALODEX(登録商標))、及びドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標))、Akti-1/2、HPPD、及びラパマイシンがあげられる。
【0134】
化学療法剤の例としては、オキサリプラチン(エロキサチン(登録商標)、サノフィ)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)ミレニアムファーム)、スーテント(SUNITINIB(登録商標)、SU11248、ファイザー)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)ノバルティス)、メシル酸イマチニブ(グリーベック(登録商標)、ノバルティス)、XL-518(メク阻害剤、エクセリクシス、国際公報第2007/044515号)、ARRY-886(メク阻害剤、AZD6244、アレイバイオファーマ、アストラゼネカ)、SF-1126(抗CD79b剤、セマフォア製薬)、BEZ-235(抗CD79b剤、ノバルティス)、XL-147(抗CD79b剤、エクセリクシス)、PTK787/ZK 222584、フルべストラント(FASLODEX(登録商標)、アストラゼネカ)、ロイコボリン(フォリン酸)、ラパマイシン(シロリムス、ラパムネ(登録商標)、ワイス)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、グラクソスミスクライン)、ロナファルニブ(SARASAR(商標)、SCH 66336シエーリングプラウ)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、BAY43-9006、バイエル研究所)、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、アストラゼネカ)、イリノテカン(CAMPTOSAR(登録商標)、CPT-11、ファイザー)、チピファルニブ(ZARNESTRA(商標)、ジョンソン・エンド・ジョンソン)、ABRAXANE(商標)、パクリタキセルのアルブミン工学ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Il)、バンデタニブ(rINN、ZD6474、ZACTIMA(登録商標)、アストラゼネカ)、クロランブシル、AG1478、AG1571(SU5271;崇源院)、テムシロリムス(VELCADE(登録商標)ミレニアムファーム)、パゾパニブ(グラクソスミスクライン)、カンホスファミド(SUNITINIB(登録商標)、SU11248、ファイザー)、チオテパ及びシクロホスファミド(FEMARA(登録商標)ノバルティス);ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン等のアルキルスルホン酸塩;ベンゾドパ、カルボコン、メトレドパ、ウレドパ等のアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、トリメチロメラミン等のエチレンイミン及びメチルアメラミン;アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体のトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(アドゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1とクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189,及びCB1-TM1);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコディクチン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミン、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニゾロン、トロホスファミド、ウラシルマスタード等の窒素マスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムヌスチン等のニトロソウレア;エネルディン抗生物質等の抗生物質(例えば、カリケアミシン、カリケアミシンガンマ1I、カリケアミシンオメガI1(Angew Chem.Intl.Ed.Engl.(1994)33:183-186);ダイネマイシン、ダイネマイシンA;クロドロネート等のビスホスホネート系薬剤;エスペラマイシン;ネオカルジノスタチン発色団及び関連するクロモプロテインエンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アウトラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンC等のマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサートや5-フルオロウラシル(5-FU)等の代謝拮抗薬;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート等の葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン等のプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン等のピリミジン類似体;カルステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストララクトン等のアンドロゲン;アミノグルテチミド、マイトタン、トリロスタン等の抗副腎薬;フロリン酸等の葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デフォアミン;デメコルシン;ジアジコン;エルホルニチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシン及びアンサミトシン等のメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモル;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene又はOR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン類(特にT-2毒素、ベラクリンA、ロリジンA、及びアンギジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンやカルボプラチン等の白金類似体;ビンブラスチン;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン(ナベルビン(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(ゼローダ(登録商標)、ロシュ);イバンドロン酸;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害薬RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸等のレチノイド;及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩、酸及び誘導体があげられる。CHP(ドキソルビシン、プレドニゾン、シクロホスファミド)、又はCHOP(ドキソルビシン、プレドニゾン、cyclophopsphamide、ビンクリスチン)等の薬剤を併用することができる。
【0135】
「化学療法剤」の定義としては、(i)抗エストロゲン剤及び選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)等の腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する抗ホルモン剤も含まれ、例えば、タモキシフェン(NOLVADEXを含む(登録商標);クエン酸タモキシフェン)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びファレストン(登録商標)(クエン酸トレミフィン):(ii)副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン;ファイザー)、フォルメスタニー、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;ノバルティス)、及びARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;アストラゼネカ):(iii)フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、ゴセレリン等の抗アンドロゲン剤;及びトロキサシタビン(a-1,3-ジオキソランのヌクレオシドシトシン類似体);(iv)MEK阻害剤等のプロテインキナーゼ阻害剤(国際公報第2007/044515号);(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路の遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC-α、Raf、H-Ras、例えば、オブリメルセン(GENASENSE(登録商標)株式会社ゲンタ);(vii)VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))、HER2発現阻害剤等のリボザイム;(viii)遺伝子治療ワクチン等のワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、VAXID(登録商標);プロリューキン(登録商標)rIL-2;ルトーテカン等のトポイソメラーゼ1阻害薬(登録商標);アバレリクス(登録商標)rmRH;9ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、ジェネンテック)等の血管新生阻害薬;及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩、酸及び誘導体があげられる。
【0136】
「化学療法剤」の定義としては、また、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、ジェネンテック);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、イムクローン);パニツムマブ(ベクティビックス(登録商標)、アムジェン)、ペルツズマブ(PERJETA(商標)、OMNITARG(商標)、2C4、ジェネンテック)、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標)、ジェネンテック)、MDX-060(Medarex)、及び抗体薬物複合体であるゲムツズマブ・オゾガマイシン(マイロターグ(登録商標)ワイス)等の治療用抗体があげられる。
【0137】
本明細書に記載の複合体と併用する化学療法剤として治療可能性があるヒト化モノクローナル抗体としては、アレムツズマブ、アポリズマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、バピヌズマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブ・メルタンシン、カンツズマブ・メルタンシン、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、シドフシツズマブ、シドツズマブ、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、イノツズマブ・オゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ、ヌマビズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ、ペクツズマブ、ペルツズマブ、ペクセリズマブ、ラリビズマブ、ラニビズマブ、レスリビズマブ、レスリズマブ、レシビズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、シブロツズマブ、シプリズマブ、ソンツズマブ、タカツズマブ・テトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、テフィバズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブ・セルモロイキン、ツクシツズマブ、ウマビズマブ、ウルトキサズマブ及びビシリズマブがあげられる。
【0138】
本開示による組成物は、好ましくは医薬組成物である。本開示による、及び本開示に従って用いるための医薬組成物は、活性成分、すなわち複合体化合物に加えて、薬学的に許容される賦形剤、担体、緩衝剤、安定剤又は当業者に周知の他の材料を含んでよい。このような材料は、非毒性であるべきであり、そして活性成分の効力を妨害すべきではない。担体又は他の材料の正確な性質は、経口、又は注射、例えば皮膚、皮下、若しくは静脈内によるものであってよい投与経路による。
皮膚、皮下、又は静脈内)による投与経路による。
経口投与用の医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末又は液体の形態である。錠剤は、固体担体又はアジュバントを含んでよい。液体医薬組成物は、一般に、水、石油、動物油又は植物油、鉱物油又は合成油等の液体担体を含む。生理食塩水、ブドウ糖又はその他の糖類溶液又はエチレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール等のグリコールを含んでよい。カプセルはゼラチン等の固体担体を含んでよい。
静脈内、皮膚又は皮下注射、又は罹患部位への注射の場合、活性成分はパイロジェンフリーで、適当なpH、等張性及び安定性がある非経口的に許容される水溶液の形態である。当業者は、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、乳酸リンゲル液等の等張性ビヒクルを用いて、適当な溶液を調製することができる。必要に応じて、防腐剤、安定剤、緩衝剤、酸化防止剤及び/又はその他の添加剤を含めることができる。
【0139】
用量
当業者であれば、複合体化合物の適当な用量、及び複合体化合物を含む組成は、被験体によって異なりうることは理解できるであろう。最適な用量を決定するには、一般に、あらゆるリスク又は有害な副作用に対する治療上の利益のレベルのバランスをとる必要がある。選択される用量レベルは、特定の化合物の活性、投与経路、投与時間、化合物の排泄速度、治療期間、併用される他の薬物、化合物、及び/又は材料、状態の重篤度、被験体の種、性別、年齢、体重、状態、一般的な健常状態、及び以前の病歴を含むがそれに限定されない様々な要因による。化合物の量と投与経路は、最終的には医師、獣医師又は臨床医の裁量で決定されるが、一般的には、実質的に有害又は有害な副作用を起こさずに目的の効果を達成する作用部位での局所濃度を達成するように用量が選択される。
【0140】
ある態様では、抗CD19 ADCは、被験体から得られた試料中で観察されるCD19の発現によって決定される。したがって、試料中のCD19の発現のレベル又は局在は、より高用量又は低用量の抗CD19 ADCが必要であることを示す場合がある。例えば、CD19の発現レベルが高い場合、より高用量の抗CD19 ADCが適していることが示される。場合によっては、CD19の発現レベルが高いことは、抗CD19 ADCに加えてさらなる薬剤の投与が必要であることを示すことがある。例えば、化学療法剤と抗CD19 ADCの併用投与などである。CD19の発現レベルが高い場合は、より積極的な治療が必要であることを示す場合がある。
【0141】
ある態様では、抗CD79b剤の投与量は、被験体から得られた試料中で観察される発現によって決定される。したがって、試料中の発現のレベル又は局在は、抗CD79b剤のより高い用量又はより低い用量が必要であることを示す場合がある。例えば、CD79bの発現レベルが高い場合、より高用量の抗CD79b剤が適していることを示すことがある。場合によっては、CD79bの発現レベルが高いことは、抗CD79b剤に加えてさらなる薬剤の投与が必要であることを示すことがある。例えば、化学療法剤と抗CD79b剤の併用投与などである。CD79bの発現レベルが高い場合は、より積極的な治療が必要であることを示す。
【0142】
投与は、1回の投与で、治療期間を通して継続的又は断続的(例えば、適当な間隔で分割投与)に行うことができる。最も効果的な投与手段と投与量を決定する方法は、当業者には公知であり、治療に用いられる製剤、治療の目的、治療被験体の細胞、及び治療被験体によって異なる。投与量レベルとパターンは、治療する医師、獣医師、又は臨床医によって選択され、単回又は複数回投与を行うことができる。
一般的に、活性化合物の適当な用量は、1日あたり被験体の体重1kgあたり約100ng~約25mg(より典型的には約1μg~約10mg)の範囲である。活性化合物が塩、エステル、アミド、プロドラッグ等の場合、投与量は親化合物に基づいて計算されるため、実際に用いられる質量はそれに比例して増加する。
【0143】
一実施形態では、各活性化合物は、以下の投与計画に従ってヒト被験体に、約100mg、1日3回投与される。
一実施形態では、各活性化合物は、以下の投与計画に従ってヒト被験体に、約150mg、1日2回投与される。
一実施形態では、各活性化合物は、以下の投与計画に従ってヒト被験体に、約200mg、1日2回投与される。
しかしながら、一実施形態では、各複合体化合物は、以下の投与計画に従ってヒト被験体に、約50又は約75mg、1日3又は4回投与される:。
一実施形態では、各複合体化合物は、以下の投与計画に従ってヒト被験体に、約100又は約125mg、1日2回投与される。
抗CD19 ADCにPBDがあるADCの場合、上記の投与量は、複合体(PBD部分及び抗体へのリンカーを含む)又は提供されるPBD化合物の有効量、例えばリンカーの切断後に放出可能な化合物の量に適用される。
【0144】
抗CD19 ADCは、抗CD19抗体を含む。抗CD19抗体は、RB4v1.2抗体であってよい。ADCは、PBD二量体である薬物を含んでよい。抗CD19-ADCは、ADCx19であってよい。抗CD19 ADCは、ロンカスツキシマブテシリンであってよい。ADCは、特許文献1に開示されているADCであってよい。
抗CD79b剤は、ポラツズマブベドチンであってよい。
【0145】
抗体
本明細書で用いられる用語「抗体」は、最も広い意味で用いられ、所望の生物学的活性、例えば、CD19に結合する能力(Miller et al(2003)J. Jour. of Immunology 170:4854-4861)等、望ましい生物学的活性を示す限りモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二量体、多量体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、完全抗体(「完全長」抗体ともいう)、及び抗体断片があげられる。
抗体は、マウス、ヒト、ヒト化、キメラであってよく、又はウサギ、ヤギ、ヒツジ、ウマ若しくはラクダ等の他の種に由来してよい。
本開示の原理を示す実施形態及び実験を、添付の図面を参照してここで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【
図1】ADCx19及びPola-Vの併用のインビボ効能を示す腫瘍体積中央値のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0147】
本開示は、記載された態様及び好ましい特徴の併用を、そのような併用が明らかに許容されないか、又は明確に回避される場合を除いて含む。
本明細書で用いられる項目の見出しは、構成上の目的のためだけであり、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。
本開示の態様及び実施形態を、添付の図面を参照して、例としてここで説明する。さらなる態様及び実施形態は、当業者には明らかであろう。この本文に記載された全ての文献は、参照により本明細書に援用される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という用語及び「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」などの変形は、記載された要素、整数又は工程を含むが、他の記載されていない要素、整数又は工程を排除するものではないことを意味すると理解される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかに他を指示しない限り、複数の指示対象を含む。範囲は、本明細書において、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」他の特定の値までとして表され得る。そのような範囲が表現される場合、他の実施形態は、1つの特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を用いることによって値が近似値として表される場合、特定の値が他の実施形態を形成することが理解されるであろう。
【0148】
発明の記載
1.個体における疾患を治療するための方法であって、有効量の抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)及び抗CD79b剤を個体に投与することを含む、方法
2.個体が治療のために選択される、1に記載の方法。
3.個体が抗CD79b剤で治療されていた場合に、前記個体が抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)による治療のために選択される、2に記載の方法。
4.個体が抗CD79b剤で治療中の場合に、前記抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)での治療のために選択される、2に記載の方法。
5.個体が、抗CD79b剤による治療又はさらなる治療に対して不応性である場合、前記治療のために選択される、上記いずれか1つに記載の方法。
【0149】
6.個体における疾患を治療するための方法であって、以下の:
(i)上記3~5のいずれか一項に記載の治療に適する個体を選択すること、及び
(ii)前記個体に有効量の前記抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)を投与すること、
を含む、方法。
7.さらに、前記抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)と抗CD79b剤と併用投与することを含む、6に記載の方法。
8.治療が、抗CD79b剤の投与前に、同時に、又は投与後に、前記ADCを投与することを含む、1~5又は7のいずれか1つに記載の方法。
9.さらに、治療が、化学療法剤を投与することを含む、上記いずれかに記載の方法。
10.個体がヒトである、上記いずれかに記載の方法。
11.個体が疾患に罹患しているか、又は、罹患していると判断されている、上記いずれかに記載の方法。
12.個体がCD19(又はCD22又はCD25)、CD19+ve(又はCD22+ve又はCD25+ve)腫瘍関連非腫瘍細胞、又はCD19+ve(又はCD22+ve又はCD25+ve)浸潤細胞を発現するがんに罹患しているか、又は、罹患していると判断されている、11に記載の方法。
【0150】
13.個体が、抗CD79b剤による治療中である、上記いずれかに記載の方法。
14.個体が、抗CD79b剤によるによる治療を受けていた、上記いずれかに記載の方法。
15.個体が、抗CD79b剤による治療又はさらなる治療に対して不応性である、上記いずれかに記載の方法。
16.治療が、抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)又は抗CD79b剤を単独で用いた単一療法と比較して、効能が高い、上記いずれかに記載の方法。
17.疾患が増殖性疾患である、上記いずれかに記載の方法。
18.疾患は、CD19+ve(又はCD22+ve又はCD25+ve)腫瘍関連非腫瘍細胞を含む新生物の存在を特徴とする、17に記載の方法。
19.個体が、CD25+ve細胞及びCD25-ve細胞の両方を含む新生物の存在によって特徴付けられる疾患に罹患しているか、又はであったと判断された、17に記載の方法。
20.個体が、CD25-ve細胞を含む新生物の存在によって特徴付けられる疾患に罹患しているか、又はであったと判断された、17に記載の方法。
21.前記新生物が固形腫瘍の全部又は部分である、18~20のいずれかに記載の方法。
22.固形腫瘍がCD25+ve浸潤細胞に関連し、場合によっては、固形腫瘍が、高レベルのCD25+ve浸潤細胞と関連する、21に記載の方法。
23.固形腫瘍は、膵臓がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、並びに頭頸部がんからなる群から選択される、21又は22の方法。
24.疾患ががんである、上記いずれかに記載の方法。
25.疾患が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、及び辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む非ホジキンリンパ腫等のがん、並びにヘアリー細胞白血病(HCL)、ヘアリー細胞白血病変異体(HCL-v)、リヒター症候群を含む慢性リンパ性白血病(CLL)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph-ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病を含む群から選択される、上記いずれかに記載の方法。
26.抗CD79b剤が抗CD79b ADCである、上記いずれかに記載の方法。
27.CD79b ADCが、式(I):
Ab-(DL)p(I)
(式中、
Abは、CD79bに結合する抗体であり;
DLは以下の:
【0151】
【化24】
で表され、
pは、1~8、例えば3~4、例えば約3.5である)
で表される複合体である、26の方法。
28. 抗CD79b剤又はADCには、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインがあり、配列番号17で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含む、上記いずれかに記載の方法。
29.抗体には、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVHドメインがあり、配列番号18で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む、28の方法。
30.抗CD79b剤又はADCが、VHドメイン及びVLドメインがある抗体を含み、ここで、
VHドメインには、配列番号19のアミノ酸配列があるVH CDR1、配列番号20のアミノ酸配列があるVH CDR2、及び配列番号21のアミノ酸配列があるVH CDR3があり、
VLドメインには、配列番号22のアミノ酸配列があるVL CDR1、配列番号23のアミノ酸配列があるVL CDR2、及び配列番号24のアミノ酸配列があるVL CDR3がある、
1~27のいずれか1つに記載の方法。
31.抗CD79b剤又はADCが、配列番号17で表される配列があるVHドメイン及び配列番号18で表される配列があるVLドメインがある抗体を含む、1~27のいずれか1つに記載の方法。
32.抗CD79b剤がポラツズマブベドチンである、1~27のいずれか1つに記載の方法。
33.抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)が、式(I):
Ab-(DL)p(I)
(式中、
DLは、以下の式I又はII:
【0152】
【化25】
(式中、
Lは、CD19(又はCD22若しくはCD25)に結合する抗体である抗体(Ab)であり;
ここで、
C2’とC3’との間に二重結合が存在する場合、R
12は、以下の;
(ia)場合によっては、ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1~7アルキル、C
3~7ヘテロシクリル及びビス-オキシ-C
1~3アルキレンを含む群から選択される1個以上の置換基により置換されてよいC
5~10アリール基;
(ib)C
1~5飽和脂肪族アルキル;
(ic)C
3~6飽和シクロアルキル;
(id)
【0153】
【化26】
(式中、R
21、R
22及びR
23は各々独立して、H、C
1~3飽和アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル及びシクロプロピルから選択され、R
12基中の炭素原子の総数は5以下である);
(ie)
【0154】
【化27】
から選択され、ここで、R
25a及びR
25bの一方はHであり、他方は、フェニル(当該フェニルは、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシから選択される基によって置換されている);ピリジル;及びチオフェニルから選択され;かつ、
(if)
【0155】
【化28】
(式中、R
24は、H;C
1~3飽和アルキル;C
2~3アルケニル;C
2~3アルキニル;シクロプロピル;フェニル(当該フェニルは、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシから選択される基によって置換されている);ピリジル;及びチオフェニルから選択され;
からなる群から選択され;
C2’とC3’との間に単結合が存在する場合、R
12は以下の:
【0156】
【化29】
(式中、R
26a及びR
26bは独立して、H、F、C
1~4飽和アルキル、C2-3アルケニルから選択され、前記アルキル及びアルケニル基は、C
1~4アルキルアミド及びC
1~4アルキルエステルから選択される基で置換されていてもよく;又はR
26a及びR
26bの一方がHで場合によっては、他方はニトリル及びC
1~4アルキルエステルから選択される);
R
6及びR
9は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH
2、NHR、NRR’、ニトロ、Me
3Sn及びハロから独立して選択され;
ここで、R及びR’は独立して、場合によっては、置換されたC
1~12アルキル、C
3~20ヘテロシクリル及びC
5~20アリール基から選択され、
R
7は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH
2、NHR、NHRR’、ニトロ、Me
3Sn及びハロから選択され;
R’’は、C
3~12アルキレン基であり、その鎖は、1個以上のヘテロ原子、例えばO、S、NRN
2(ここで、RN
2はH又はC
1~4アルキルである)、及び/又は芳香環、例えばベンゼン又はピリジンによって中断されていてもよく;
Y及びY’は、O、S、又はNHから選択され;
R
6’、R
7’、R
9’は、それぞれR
6、R
7及びR
9と同じ基から選択され;
[式I]
R
L1’は、抗体(Ab)に接続するためのリンカーであり;
R
11aは、OH、ORA(式中、RAはC
1~4アルキルである)、及びSOzM(式中、zは2又は3であり、Mは一価の薬学的に許容されるカチオンである)から選択され;
R
20及びR
21はともに、それらが結合している窒素原子と炭素原子との間に二重結合を形成するか、又は
R
20は、H及びRCから選択され、ここで、RCは、キャッピング基であり;
R
21は、OH、ORA及びSOzMから選択され;
C
2とC
3との間に二重結合が存在する場合、R
2は、以下の;
(ia)場合によっては、ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1~7アルキル、C
3~7ヘテロシクリル及びビス-オキシ-C
1~3アルキレンを含む群から選択される1個以上の置換基により置換されてよいC
5~10アリール基;
(ib)C
1~5飽和脂肪族アルキル;
(ic)C
3~6飽和シクロアルキル;
(id)
【0157】
【化30】
(式中、R
11、R
12及びR
13は各々独立して、は各々独立して、H、C
1~3飽和アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル及びシクロプロピルから選択され、R
2基中の炭素原子の総数は5以下である);
(ie)
【0158】
【化31】
から選択され、ここで、R
15a及びR
15bの一方はHであり、他方は、フェニル(当該フェニルは、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシから選択される基によって置換されている);ピリジル;及びチオフェニルから選択され;かつ、
(if)
【0159】
【化32】
(式中、R
14は、H;C
1~3飽和アルキル;C
2~3アルケニル;C
2~3アルキニル;シクロプロピル;フェニル(当該フェニルは、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシから選択される基によって置換されている);ピリジル;及びチオフェニルから選択され;
からなる群から選択され;
C2とC3との間に単結合が存在する場合、R
2は以下の:
【0160】
【化33】
(式中、R
16a及びR
16bは独立して、H、F、C
1~4飽和アルキル、C2-3アルケニルから選択され、前記アルキル及びアルケニル基は、C
1~4アルキルアミド及びC
1~4アルキルエステルから選択される基で置換されていてもよく;又はR
16a及びR
16bの一方がHで場合によっては、他方はニトリル及びC
1~4アルキルエステルから選択される);
[化学式II]
R
22は、以下の式IIIa、式IIIb又は式IIIc:
(a)
【0161】
【化34】
(式中、AはC
5~7アリール基であり、かつ、
(i)Q
1は単結合であり、Q
2は単結合又は-Z-(CH
2)
n-であり、ここで、Zは単結合、O、S及びNHから選択され、nは1~3であるか;又は
(ii)Q
1が-CH=CH-であり、Q
2が単結合であり;
(b)
【0162】
【化35】
(式中、
R
C1、R
C2及びR
C3は独立して、H又は非置換C1-2アルキルであり;
(c)
【0163】
【化36】
(式中、Qは、O-R
L2’、S-R
L2’及びNR
N-R
L2’から選択され、R
Nは、H、メチル及びエチルから選択される)
Xは、O-R
L2’、S-R
L2’、CO2-R
L2’、CO-R
L2’、NH-C(=O)-R
L2’、NHNH-R
L2’、CONHNH-R
L2’
【0164】
【化37】
NR
NR
L1’、を含む群から選択され、ここで、R
Nは、H又はC
1~4アルキルから選択され;
R
L2’は、抗体(Ab)への接続のためのリンカーであり;
R
10及びR
11はともに、それらが結合している窒素原子と炭素原子との間に二重結合を形成するか、又は
R
10はHであり、R
11はOH、ORA及びSOzMから選択され;
R
30及びR
31はともに、それらが結合している窒素原子と炭素原子との間に二重結合を形成するか、又は
R
30はHであり、R
31はOH、ORA及びSOzMから選択される)
で表される複合体を含む、上記いずれかに記載の方法。
34.
34. 抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)には、以下の:
【0165】
【化38】
(式中、AbはCD19(又はCD22若しくはCD25)に結合する抗体であり、pは1~8である)
で表される化学構造がある、33に記載の方法。
35.抗CD19 ADCには、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインがあり、配列番号2で表される配列があるVHドメインのCDR配列を含む、上記いずれかに記載の方法。
36.抗体には、さらに、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLドメインがあり、配列番号8で表される配列があるVLドメインのCDR配列を含む、35の方法。
37.抗CD19 ADCは、配列番号2で表される配列があるVHドメインがある抗体を含む、上記いずれかに記載の方法。
38.抗CD19 ADCは、さらに、配列番号8で表される配列があるVLドメインがある抗体を含む、37に記載の方法。
39.抗CD19 ADCは、配列番号13で表される配列がある重鎖及び配列番号14で表される配列がある軽鎖を含む、上記いずれかに記載の方法。
40.抗CD19 ADCは、ADCx19である、上記いずれかに記載の方法。
41.抗CD19 ADCは、ロンカスツキシマブテシリンである、1~39のいずれか1つに記載の方法。
42.上記いずれかに記載の治療方法において用いるための、抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)。
43.上記いずれかに記載の治療方法において用いるための、抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)を含む組成物。
44.抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)及び抗CD79b剤を含む組成物。
45.抗CD19 ADCが、33~39のいずれか1つに定義されている通りであり、及び/又は抗CD79b剤が27~32のいずれか1つに定義されている通りである、42で用いるための抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)、43に記載の使用のための組成物、あるいは44に記載の組成物。
46.上記いずれかに記載の治療方法において用いるための、抗CD79b剤。
47.上記いずれかに記載治療方法において用いるための、抗CD79b剤を含む組成物。
48.抗CD79b剤が、ポラツズマブベドチンである、46で用いるための抗CD79b剤、又は42で用いるための組成物。
49.個体における疾患を治療するための医薬の製造における抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)の使用であって、前記治療には、いかなる上記の方法を含む、使用。
50.49に記載の抗CD19 ADCの使用であって、抗CD19 ADCが、33~39のいずれか1つに定義される通りである、使用。
51.個体における疾患を治療するための医薬の製造における抗CD79b剤の使用であって、前記治療には、いかなる上記の方法を含む、使用。
52.前記抗CD79b剤がポラツズマブベドチンである、51に記載の抗CD79b剤の使用。
53.抗CD19 ADC(又は抗CD22 ADC又は抗CD25 ADC)を含む第一の医薬;
1~41のいずれか1つに記載の方法に従って第一の医薬を投与するための指示を含む添付文書
を含むキット。
54.抗CD19 ADCが、28~36のいずれか1つに定義される通りである、53に記載のキット。
55.さらに、抗CD79b剤を含む第二の医薬を含む、53又は54に記載のキット。
56.抗CD79b剤がポラツズマブベドチンである、記述55に記載のキット。
【実施例1】
【0166】
ADCx19とPola-Vとの併用のインビトロ効能
方法
ADCx19及びPola-Vの濃度を増加させて曝露した(120時間)細胞株に対するMTT増殖アッセイ。120時間での相乗作用を、活性化B細胞様(ABC)DLBCL細胞株(TMD8)、胚中心(GCB)DLBCL(WSU-DLCL2)細胞株、及びバーキットリンパ腫(Ramos)細胞株に対するChou-Talalay併用指数(CI)(相乗作用CI<0.9、相加的CI=0.9~1.1、拮抗作用/利益なしCI>1.1)によって評価した。
【0167】
結果
GCB及びABC-DLBCL細胞株及びバーキットリンパ腫細胞株において、ADCx19を、抗-CD79b剤であるポラツズマブベドチン(Pola-V)と併用した。ADCx19をPola-Vと併用したRamos及びTMD8細胞株において相乗作用が達成され(各々中央値CI 0.74及び0.764)、WSU-DLCL2は相加的効能を示した(中央値CI 0.96)。
データを以下の表に示す(Fa=影響を受けた画分)。
表1 細胞株: Ramos
RRID細胞アクセッション識別子:CVCL_0597
【0168】
【表1】
表2 細胞株:TMD8
RRID細胞アクセッション識別子:CVCL_A442
参考文献:Tohdaら、Leuk.Res.30:1385-1390(2006)
【0169】
【表2】
表3 細胞株:WSU-DLCL2
RRID細胞アクセッション識別子:CVCL_1902
【0170】
【実施例2】
【0171】
ADCx19とPola-Vとの併用のインビボ効能
方法
雌の重症複合免疫不全マウス(Fox Chase SCID(登録商標)、CB17/Icr-Prkdcscid/IcrIcoCrl、Charles River)は、9週齢であり、試験第1日目の体重(BW)範囲は17.3~24.1gであった。
移植当日、1×107個のWSU-DLCL2細胞(0.1mL懸濁液)を各試験動物の右脇腹に皮下移植し、腫瘍の体積が標的範囲に近づくにつれて腫瘍をモニターした。
試験の1日目と指定された腫瘍移植の10日後、動物を、88~126mm3の個々の腫瘍体積及び109~111mm3の群平均腫瘍体積を有する群(n=10)に選別した。
全てのビヒクル及びADC用量を、1日目に1回(qd×1)、尾静脈注射を介してi.v.投与した。投与体積は、体重20グラム当たり0.2mL(10mL/kg)であり、個々の動物の体重に合わせて調整した。
腫瘍を、キャリパーを用いて週2回測定し、その腫瘍が1000mm3のエンドポイント体積に達したとき、又は試験末期のいずれか早い方で、各動物を安楽死させた。試験は62日目に終了した。
腫瘍を、カリパスを用いて2次元で測定し、そして体積を、以下の式を用いて計算した。
腫瘍体積(mm3)=w2×l/2、ここで、w=腫瘍の幅、l=腫瘍の長さ(mm)である。
腫瘍重量は、1mgが腫瘍体積1mm3に相当するという仮定で推定することができる。
【0172】
結果
本試験では、Pola-Vが用いられるCD79bxADCであり、ロンカスツキシマブテシリンが用いられるCD19xADCである。
図1は、腫瘍体積中央値のプロットを示す。以下の表は、研究応答の要約を示し、ここで、PR=部分応答、CR=完全応答、TFS=腫瘍がない生存者である。
【0173】
【実施例3】
【0174】
ADCx19とPola-Vとの併用のインビボ効能
実施例2と同様であるが、Ramos異種移植モデルを用いて、さらなるインビボ研究を行った。
方法
雌の重症複合免疫不全マウス(Fox Chase SCID(登録商標)、CB17/Icr-Prkdcscid/IcrIcoCrl、Charles River)は、試験第1日目の体重(BW)範囲は15.6~22.9gの体重(BW)である8週齢であった。
移植の日に、1×107個のRamos細胞(0.1mL懸濁液)を各試験動物の右側腹部に皮下移植し、腫瘍の体積が標的範囲に近づくにつれて、腫瘍をモニタリングした。全てのビヒクル及びADC用量を、1日目に1回(qd×1)、尾静脈注射を介してi.v.投与した。投与体積は、体重20グラム当たり0.2mL(10mL/kg)であり、個々の動物の体重に合わせて調整した。
試験の1日目と指定された腫瘍移植の14日後、動物を、108~144mm3の個々の腫瘍体積及び130~134mm3の群平均腫瘍体積を有する群(n=10)に選別した。
腫瘍を、キャリパーを用いて週2回測定し、その腫瘍が1000mm3のエンドポイント体積に達したとき、又は研究の終わりのいずれか早い方で、各動物を安楽死させた。試験は62日目に終了した。
【0175】
結果
【0176】
【表5】
インビボでは、WSU-DLCL2及びRamos異種移植モデルにおいて、CD19xADCとCD79bxADCとの併用は、抗腫瘍活性の改善及びより良好な奏効率をもたらした。この組合せは、両方のモデルにおいて許容される十分な耐容性を示した。臨床におけるこれらの前臨床データの解釈は、r/r NHLがある患者におけるポラツズマブベドチンと併用するロンカスツキシマブテシリンの安全及び忍容性を評価する第I相試験において現在調査されている(NCT04970901)。
【実施例4】
【0177】
SG3199(PBD)及びMMAEの併用のインビトロ効能
本発明者らは、CD19xADC(PBD SG3199)及びCD79bxADC(monomethyl auristatin E(MMAE))において用いられる弾頭単独の併用を試験した。これは、TMD8細胞において、本質的に実施例1のように実施した。細胞を50000細胞/mLの密度で播種した。本発明者らは、以下の滴定を用いてSG3199及びMMAEを用いた:SG3199-230pM~0.06pMの7ポイント1対4連続滴定;MMAE:50nM~0.08nMの7ポイント1対3連続滴定。
細胞を24時間インキュベートした後、生存率をCellTiterGloアッセイで測定した。
結果の分析のために、データを最初にブランク補正した(3回の反復のブランクの平均を各データ値から差し引いた)。GraphPad分析のために、各複製を未処理細胞に対して正規化した(3つの複製の平均)。データをGraphPad Prismによって分析して、X(t)に対する対数薬物濃度を用いて用量反応曲線を作成した。軸は細胞生存率(%)を示し、Y軸は細胞生存率を示す。CalcuSyn分析のために、3回の反復の平均を、未処理細胞に対して補正した。
Chou-Talalay併用指数(CI)の中央値は0.85であった(<0.9は相乗作用を示す)。
【0178】
【0179】
【実施例5】
【0180】
ADCx25とPola-Vとの併用のインビトロ効能
方法
ADCx25及びPola-V濃度を増加させて曝露(120時間)した細胞株に対するMTT増殖アッセイの120時間での相乗作用は、Chou-Talalay併用指数(CI)(相乗作用CI<0.9、相加的CI=0.9~1.1、拮抗作用/利益なしCI>1.1)によって評価される。
【実施例6】
【0181】
ADCx25とPola-Vとの併用のインビボ効能
方法
雌の重症複合免疫不全マウス(Fox Chase SCID(登録商標)、CB17/Icr-Prkdcscid/IcrIcoCrl、Charles River)は、試験第1日目の体重(BW)範囲が17.3~24.1gである9週齢である。
本試験は、実施例2及び3のようにさらに行われる。
【実施例7】
【0182】
ADCx22とPola-Vとの併用のインビトロ効能
方法
ADCx22及びPola-Vの濃度を増加させて曝露(120時間)した細胞株に対するMTT増殖アッセイ。120時間での相乗作用は、胚中心(GCB)DLBCL(WSU-DLCL2)細胞株及びバーキットリンパ腫(Ramos)細胞株に対するChou-Talalay併用指数(CI)(相乗作用CI<0.9、相加的CI=0.9~1.1、拮抗作用/利益なしCI>1.1)によって評価される。
【実施例8】
【0183】
ADCx22とPola-Vとの併用のインビボ効能
方法
雌の重症複合免疫不全マウス(Fox Chase SCID(登録商標)、CB17/Icr-Prkdcscid/IcrIcoCrl、Charles River)に、WSU-DLCL2又はRamos細胞のいずれかを各試験動物の右脇腹に皮下移植し、腫瘍を、それらの体積が標的範囲に近づくにつれてモニタリングする。
本試験は、実施例2及び3のようにさらに行われる。
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本明細書中の発明が関連し得る開示及び最新技術をより完全に記載及び開示するために、多数の刊行物が上記に引用される。本開示で言及される参考文献のそれぞれの全体は、参照により本明細書に援用される。
配列表の説明
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【配列表】
【国際調査報告】