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特表2024-526268列読み出し回路を用いて列読み出しビット線のフローティングを制御するメモリアレイを含む、メモリシステム及び関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】列読み出し回路を用いて列読み出しビット線のフローティングを制御するメモリアレイを含む、メモリシステム及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/419 20060101AFI20240709BHJP
   G11C 7/06 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G11C11/419 100
G11C7/06 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580865
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2022030148
(87)【国際公開番号】W WO2023278049
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】17/364,487
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシュ,アムラン
(72)【発明者】
【氏名】リン,スン ハオ
【テーマコード(参考)】
5B015
【Fターム(参考)】
5B015HH01
5B015JJ03
5B015JJ05
5B015KB03
5B015KB23
5B015KB92
(57)【要約】
メモリシステムは、読み出し動作において、列内のメモリビットセル回路のうちの1つに記憶されたデータの論理状態を生成する列回路を含む。列回路は、読み出し動作において、フロート制御回路に、読み出しビット線を充電された評価出力線に結合させ、アイドル段階において、フロート制御回路に、読み出しビット線を評価出力線から分離させる、読み出し制御回路を含む。読み出しビット線を、充電された評価出力線から分離することにより、読み出しビット線が結合されているメモリビットセル回路内の読み出しポート回路を通じて電流が漏れることによる読み出し動作と読み出し動作との間の電力損失を低減する。メモリシステムは、少なくとも1つの読み出しビット線を含んでよく、各読み出しビット線は、それぞれのフロート制御回路と、列内のそれぞれの複数のメモリビットセル回路に結合される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのビットセル列回路であって、各ビットセル列回路が:
複数のメモリビットセル回路と;
前記少なくとも1つのビットセル列回路の中のあるビットセル列回路内の前記複数のメモリビットセル回路のうちの第1の複数のメモリビットセル回路に結合される読み出しビット線と;
列読み出し回路であって、
評価出力線と、
アイドル段階及び読み出し動作のプリチャージ段階で前記評価出力線をプリチャージするように構成されるプリチャージ回路と、
前記読み出しビット線と前記評価出力線との間に結合されるフロート制御回路であって、該フロート制御回路は、
前記読み出し動作の前記プリチャージ段階及び評価段階において、前記読み出しビット線を前記評価出力線に結合し、
前記アイドル段階において前記読み出しビット線を前記評価出力線から分離する、
ように構成される、前記フロート制御回路と、
を含み、前記列読み出し回路は、前記評価段階において、前記評価出力線上の前記第1の複数のメモリビットセル回路のうちの選択された1つのメモリビットセル回路の記憶された論理状態を評価するように構成される、前記列読み出し回路と;
前記フロート制御回路に結合される読み出し制御回路であって、
前記プリチャージ段階に応答し、かつ前記読み出し動作の前記評価段階に応答して、前記フロート制御回路に、前記評価出力線を前記読み出しビット線に結合させ、
前記アイドル段階に応答して、前記フロート制御回路に、前記評価出力線を前記読み出しビット線から分離させる、
ように構成される、前記読み出し制御回路と;
を含む、前記少なくとも1つのビットセル列回路を備える、メモリシステム。
【請求項2】
前記プリチャージ回路が、前記アイドル段階及び前記読み出し動作の前記プリチャージ段階で前記評価出力線をプリチャージするように構成されることは、前記プリチャージ回路が、前記読み出し制御回路からアクティブ状態でプリチャージ信号を受信したことに応答して、前記評価出力線を供給電圧レールに結合するように構成されていることを更に含む、
請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項3】
前記読み出し制御回路は、
前記アイドル段階の指示を受信したことに応答し、かつ前記読み出し動作の前記プリチャージ段階の指示を受信したことに応答して、前記アクティブ状態で前記プリチャージ信号を生成し、
前記読み出し動作の前記評価段階の指示を受信したことに応答して、非アクティブ状態で前記プリチャージ信号を生成する、
ように更に構成される、請求項2に記載のメモリシステム。
【請求項4】
前記読み出し制御回路が、前記フロート制御回路に、前記評価出力線を前記読み出しビット線に結合させることは、読み出し動作の前記プリチャージ段階の前記指示を受信したことに応答し、かつ前記読み出し動作の前記評価段階の前記指示を受信したことに応答して、前記読み出し制御回路が、前記フロート制御回路をターンオンにするために、アクティブ状態でフロート制御信号を生成するように構成されていることを更に含み、
前記読み出し制御回路が、前記フロート制御回路に、前記評価出力線を前記読み出しビット線から分離させるように構成されることは、前記アイドル段階の前記指示を受信したことに応答して、前記読み出し制御回路が、前記フロート制御回路をターンオフにするために、非アクティブ状態で前記フロート制御信号を生成するように構成されていることを更に含む、
請求項3に記載のメモリシステム。
【請求項5】
前記プリチャージ回路が、前記評価出力線を前記供給電圧レールに結合するように構成されることは、前記プリチャージ回路が、
前記評価出力線を、第1電圧を含む第1プリチャージ状態に充電し、
前記第1電圧に充電された前記評価出力線に基づいて、前記読み出しビット線を、前記第1電圧より低い第2電圧を含む第2プリチャージ状態に充電する、
ように構成されることを含む、請求項4に記載のメモリシステム。
【請求項6】
前記複数のメモリビットセル回路の各々は、
データの論理状態を記憶するように構成されるデータノードと、
前記読み出しビット線に結合された読み出しポート出力を含む読み出しポート回路と、
を更に含み、前記読み出しポート回路は、アクティブ状態で読み出しワード線(RWL)信号を受信したことに応答して:
第1データノードに記憶された前記データの前記論理状態が第1論理状態を含むことに応答して、前記読み出しビット線を接地電圧レールに結合して、前記評価出力線を放電状態に放電し、
前記第1データノードに記憶された前記データの前記論理状態が第2論理状態を含むことに応答して、前記読み出しビット線を前記接地電圧レールから分離して、前記評価出力線を第1プリチャージ状態に維持する、
ように構成される、請求項5に記載のメモリシステム。
【請求項7】
前記列読み出し回路は、前記評価出力線上の評価出力信号に基づいて列出力信号を生成するように構成された列出力回路を更に備え、前記評価出力信号は、前記評価出力線が前記第1プリチャージ状態にあるか又は前記放電状態にあるかに基づく、
請求項6に記載のメモリシステム。
【請求項8】
前記列読み出し回路は、前記評価出力線に結合されたキープアップ回路を更に備え、前記キープアップ回路は、前記評価段階において:
前記列出力信号が、前記評価出力線が前記第1プリチャージ状態を含むことを示すことに応答して、前記評価出力線を前記供給電圧レールに結合し、
前記列出力信号が、前記評価出力線が放電状態を含むことを示すことに応答して、前記評価出力線を前記供給電圧レールから分離する、
ように構成される、請求項7に記載のメモリシステム。
【請求項9】
前記読み出しビット線は、第1読み出しビット線を含み、
前記フロート制御回路は、第1フロート制御回路を含み、
当該メモリシステムは、前記ビットセル列回路内の前記複数のメモリビットセル回路のうちの第2の複数のメモリビットセル回路に結合された第2読み出しビット線を更に含み、
前記列読み出し回路は、第2フロート制御回路を更に含み、
前記読み出し制御回路が、前記プリチャージ段階に応答し、かつ前記評価段階に応答して、前記フロート制御回路に、前記評価出力線を前記読み出しビット線に結合させるように構成されることは、前記読み出し制御回路が、
読み出し動作が前記第1の複数のメモリビットセル回路のうちの1つに向けられるという指示に応答して、前記読み出し動作の前記プリチャージ段階及び前記評価段階において、前記列読み出し回路に、前記第1読み出しビット線を前記評価出力線に結合させ、前記第2読み出しビット線を前記評価出力線から分離させ、
読み出し動作が前記第2の複数のメモリビットセル回路の中のメモリビットセルに向けられるという指示に応答して、前記第2プリチャージ状態及び前記読み出し動作の前記評価段階において、前記列読み出し回路に、前記第2読み出しビット線を前記評価出力線に結合させ、前記第1読み出しビット線を前記評価出力線から分離させ、
前記アイドル段階において、前記第1読み出しビット線及び前記第2読み出しビット線を前記評価出力線から分離する
するように更に構成されることを更に含む、請求項8に記載のメモリシステム。
【請求項10】
前記第1読み出しビット線を前記評価出力線に結合することに応答して、前記列出力回路は、前記第1読み出しビット線が前記放電状態と前記第2プリチャージ状態とのうちの一方を含むことに基づいて、前記列出力信号を生成し、
前記第2読み出しビット線を前記評価出力線に結合することに応答して、前記列出力回路は、前記第2読み出しビット線が前記放電状態と前記第2プリチャージ状態とのうちの一方を含むことに基づいて、前記列出力信号を生成する、
請求項9に記載のメモリシステム。
【請求項11】
少なくとも1つのビットセル列回路であって、各ビットセル列回路が:
複数のメモリビットセル回路と;
前記少なくとも1つのビットセル列回路の中のあるビットセル列回路内の前記複数のメモリビットセル回路のうちの第1の複数のメモリビットセル回路に結合される読み出しビット線と;
列読み出し回路であって、
評価出力線と、
アイドル段階及び読み出し動作のプリチャージ段階で前記評価出力線をプリチャージするように構成されるプリチャージ回路と、
前記読み出しビット線と前記評価出力線との間に結合されるフロート制御回路であって、該フロート制御回路は、
前記プリチャージ段階及び前記読み出し動作の評価段階において、前記読み出しビット線を前記評価出力線に結合し、
前記アイドル段階において前記読み出しビット線を前記評価出力線から分離する、
ように構成される、前記フロート制御回路と、
前記評価出力線に結合される列出力回路であって、前記列出力回路は、評価出力信号に基づいて列出力信号を生成するように構成され、前記列出力回路は、前記評価出力線の論理状態と相補的な論理状態を含む前記列出力信号を生成するように構成されるインバータ回路を含む、前記列出力回路と、
を含む、前記列読み出し回路と、
を備え、前記列読み出し回路は、前記評価段階において、前記評価出力線上の前記第1の複数のメモリビットセル回路のうちの選択された1つのメモリビットセル回路の記憶された論理状態を評価するように構成される、メモリシステム。
【請求項12】
前記フロート制御回路及び前記プリチャージ回路に結合される読み出し制御回路を更に備え、前記読み出し制御回路は、前記フロート制御回路及び前記プリチャージ回路を制御するように構成される、
請求項11に記載のメモリシステム。
【請求項13】
前記プリチャージ回路が前記アイドル段階及び前記読み出し動作のプリチャージ段階で前記評価出力線をプリチャージするように構成されることは、前記読み出し制御回路からアクティブ状態のプリチャージ信号を受信したことに応答して、前記プリチャージ回路が、前記評価出力線を供給電圧レールに結合するように構成されていることを更に含む、
請求項12に記載のメモリシステム。
【請求項14】
前記プリチャージ回路が、前記評価出力線を前記供給電圧レールに結合するように構成されることは、前記プリチャージ回路が、
前記評価出力線を、第1電圧を含む第1プリチャージ状態に充電し、
前記第1電圧に充電された前記評価出力線に基づいて、前記読み出しビット線を、前記第1電圧より低い第2電圧を含む第2プリチャージ状態に充電する、
ように更に構成されていることを含む、請求項13に記載のメモリシステム。
【請求項15】
前記複数のメモリビットセル回路の各々は、
データの論理状態を記憶するように構成されるデータノードと、
前記読み出しビット線に結合された読み出しポート出力を含む読み出しポート回路と、
を更に含み、前記読み出しポート回路は、アクティブ状態で読み出しワード線(RWL)信号を受信したことに応答して:
第1データノードに記憶された前記データの前記論理状態が第1論理状態を含むことに応答して、前記読み出しビット線を接地電圧レールに結合して、前記評価出力線を放電状態に放電し、
前記第1データノードに記憶された前記データの前記論理状態が第2論理状態を含むことに応答して、前記読み出しビット線を前記接地電圧レールから分離して、前記評価出力線を第1プリチャージ状態に維持する、
ように構成される、請求項14に記載のメモリシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、一般に、メモリアレイに関し、特に、メモリアレイ内のメモリビットセル回路の列内の読み出し線を制御するための回路に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)は、電子デバイスが高速かつ正確に多種多様なアプリケーションを実行することを可能にする。ICは、アプリケーション命令を実行し、かつ情報を迅速に処理する、1つ以上の処理回路を含み得る。命令及び他の情報は、メモリシステムのメモリアレイに記憶され得る。メモリアレイに記憶される情報はまた、命令によって使用され、かつ命令によって生成され得るデータも含む。このようなデータの例は、写真、ビデオゲーム、データベース及びアプリケーションユーザデータを含む。
【0003】
ICに記憶される大量のデータを収容するために、メモリアレイは、ICのエリアのかなりの割合を占めることがある。メモリアレイはまた、ICによって消費される電力のかなりの割合を消費することもある。ICの電力消費は熱を発生し、モバイルデバイスのバッテリ寿命を低下させる可能性がある。メモリアレイは、アドレス指定されたメモリビットセル回路が、命令処理中に情報を読み出し又は書き込むためにアクセスされているときに、より高いレートで電力を消費することがある。メモリアレイはまた、データ保持のためにアクセスされていないときの非アクティブモードでアクセスされていないときにも電力供給されることもある。メモリアレイに非アクティブモードで電力を消費させる原因となるリーク電流が存在する可能性がある。したがって、ICの製造業者は、アクティブモード及び非アクティブモード中のメモリアレイ内のリーク電流を低減することによって、電力消費を低減する方法を模索している。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示される例示的な態様は、列読み出し回路を用いて列読み出しビット線のフローティングを制御するメモリアレイを含む、メモリシステムを含む。列読み出しビット線のフローティングを制御するために列読み出し回路を用いるメモリアレイにおいて読み出し動作を実行する関連する方法も開示される。メモリシステムは、各々が論理状態を記憶する複数のメモリビットセル(例えば静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)ビットセル)を各々が含む、1つ以上のビットセル列を含む。メモリビットセルのうちの選択された1つに記憶された論理状態は、読み出しビット線上に生成される論理状態を決定するために、メモリビットセル内の読み出しポート回路を制御することができる。読み出しポート回路は読み出しポート出力を含み、同じ列内の複数のメモリビットセルの読み出しポート出力は読み出しビット線に結合される。メモリシステムは、選択されたメモリビットセルの読み出しポート出力における論理状態を評価するための列読み出し回路を含む。列読み出し回路は、動的読み出し回路構造内の読み出しビット線によって読み出しポート回路に結合された評価出力線を含む。列読み出し回路はまた、読み出し動作のアイドル段階及びプリチャージ段階で評価出力線をプリチャージするためにアクティブにされるプリチャージ回路も含む。列読み出し回路は、評価出力線と読み出しビット線との間にインラインで結合されるフロート制御回路を含む。メモリシステムは、フロート制御回路のアクティブ化及び非アクティブ化を制御するための読み出し制御回路を含む。読み出し動作と読み出し動作との間のアイドル段階において、プリチャージ回路によって評価出力線がプリチャージされている間、フロート制御回路は非アクティブにされ、評価出力線を読み出しビット線及び読み出しポート回路から切り離す。言い換えると、読み出しポート回路の読み出しビット線及び読み出しポート出力は、アイドル段階においてフローティング状態に維持されるので、プリチャージ回路は、評価出力線のみをプリチャージし、これは、読み出しポート回路を通るリーク電流によって引き起こされる消費電力を低減する。列内に複数のメモリビットセルがあり、各々が読み出しポート回路を含むので、評価出力線がアイドル段階で読み出しビット線に結合される場合、リークによる電力損失ははるかに高くなるであろう。読み出し動作のプリチャージ段階において、読み出し動作の評価段階に先行して、フロート制御回路がアクティブにされ、評価出力線を読み出しビット線及び読み出しポート回路に結合し、評価のために動的読み出し回路を短時間プリチャージする。フロート制御回路にわたる電圧降下により、読み出しビット線及び読み出しポート出力は、電源電圧より低い電圧にプルアップされ、これは、電力を節約し、充電時間を短縮する。プリチャージ回路は、読み出し動作の評価段階で非アクティブにされ、選択されたメモリビットセルの読み出しポート回路がアクティブにされて、記憶された論理状態の評価を評価出力線に提供する。選択されたメモリビットセルに結合される読み出しワード線(RWL、read word line)は、評価段階において読み出しポート回路をアクティブ化し、記憶された論理状態は、評価出力線上に記憶された論理状態を示すように読み出しポート回路を制御する。読み出しポート回路は、メモリビットセルに記憶された論理状態に基づいて読み出しビット線をプリチャージ又は放電するために、RWL及び記憶された論理状態によってそれぞれ制御される2つのスタックされたトランジスタとすることができる。読み出し動作の後、フロート制御回路は、アイドル段階で非アクティブにされる。
【0005】
メモリ読み出し動作におけるメモリシステムの性能は、列内で読み出しビット線が結合されるメモリビットセルの数を減らすことによって改善され得る。このようにして、読み出しビット線の長さ及び容量性負荷の数の両方が低減され得る。このため、各列のメモリビットセルは、複数(例えば2つ以上)の読み出しビット線に分割されることがあり、各読み出しビット線は、対応するフロート制御回路を介して評価出力線に結合される。読み出し動作では、列内の1つのメモリビットセルのみが読み出され得るので、選択されたメモリビットセルに結合された読み出しビット線のフロート制御回路のみがアクティブにされ、他のすべてのフロート制御回路は電力損失を低減するために非アクティブのままである。
【0006】
本明細書に開示される例示的な態様では、メモリシステムが開示される。メモリシステムは、複数のメモリビットセル回路と、少なくとも1つのビットセル列回路の中のあるビットセル列回路内の複数のメモリビットセル回路のうちの第1の複数のメモリビットセル回路に結合される読み出しビット線と、列読み出し回路とを各々が備える、少なくとも1つのビットセル列回路を備える。列読み出し回路は、評価出力線と、アイドル段階及び読み出し動作のプリチャージ段階で評価出力線をプリチャージするように構成されるプリチャージ回路と、読み出しビット線と評価出力線との間に結合されるフロート制御回路と、を備える。フロート制御回路は、読み出し動作のプリチャージ段階及び評価段階において、読み出しビット線を評価出力線に結合し、アイドル段階において読み出しビット線を評価出力線から分離するように構成される。列読み出し回路は、評価段階において、評価出力線上の第1の複数のメモリビットセル回路のうちの選択された1つのメモリビットセル回路の記憶された論理状態を評価するように構成される。少なくとも1つのビットセル列回路はまた、フロート制御回路に結合される読み出し制御回路も含み、読み出し制御回路は、プリチャージ段階に応答し、かつ読み出し動作の評価段階に応答して、フロート制御回路に、評価出力線を読み出しビット線に結合させ、アイドル段階に応答して、フロート制御回路に、評価出力線を読み出しビット線から分離させるように構成される。
【0007】
別の例示的な態様では、メモリシステムは、少なくとも1つのビットセル列回路を備え、各ビットセル列回路は、複数のメモリビットセル回路と、少なくとも1つのビットセル列回路の中のあるビットセル列回路内の複数のメモリビットセル回路のうちの第1の複数のメモリビットセル回路に結合される読み出しビット線と、列読み出し回路とを含む。列読み出し回路は、評価出力線と、アイドル段階及び読み出し動作のプリチャージ段階で評価出力線をプリチャージするように構成されるプリチャージ回路と、読み出しビット線と評価出力線との間に結合されるフロート制御回路とを含む。フロート制御回路は、読み出し動作のプリチャージ段階及び評価段階において、読み出しビット線を評価出力線に結合し、アイドル段階において読み出しビット線を評価出力線から分離するように構成される。列読み出し回路はまた、評価出力線に結合される列出力回路も含み、列出力回路は、評価出力信号に基づいて列出力信号を生成するように構成され、列出力回路は、評価出力線の論理状態と相補的な論理状態を含む列出力信号を生成するように構成されるインバータ回路を含む。列読み出し回路は、評価段階において、評価出力線上の第1の複数のメモリビットセル回路のうちの選択された1つのメモリビットセル回路の記憶された論理状態を評価するように構成される。
【0008】
別の例示的な態様では、メモリシステムにおける読み出し動作の方法が開示される。本方法は、メモリシステム内のビットセル列回路内の読み出し制御回路において、ビットセル列回路内の複数のメモリビットセル回路のうちのあるメモリビットセル回路内に記憶されたデータの論理状態を読み出すために、アイドル段階と、読み出し動作のプリチャージ段階と、読み出し動作の評価段階とのうちの1つを示す指示を受信するステップを含み、ビットセル列回路は、評価出力線と、フロート制御回路と、ビットセル列回路内の複数のメモリビットセル回路のうちの第1の複数のメモリビットセル回路内の各々における読み出しポート回路に結合された第1読み出しビット線とを更に含む。本方法は、読み出し制御回路によって、アイドル段階を示す指示に応答して、評価出力線を供給電圧レールに結合して、評価出力線を、第1電圧に対応する第1プリチャージ状態に充電し、読み出し動作のプリチャージ段階を示す指示に応答して、評価出力線を供給電圧レールに結合して、評価出力線を第1プリチャージ状態に充電し、読み出し動作の評価段階を示す指示に応答して、評価出力線を供給電圧レールから分離するように、プリチャージ回路を制御するステップを含む。本方法は、読み出し制御回路によって、読み出し動作のプリチャージ段階を示す指示に応答して、第1読み出しビット線を評価出力線に結合し、読み出し動作の評価段階を示す指示に応答して、第1読み出しビット線を評価出力線に結合し、アイドル段階を示す指示に応答して、読み出しビット線を評価出力線から分離するように、フロート制御回路を制御するステップを更に含む。本方法は、第1の複数のメモリビットセル回路のうちの選択された1つのメモリビットセル回路内の読み出しポート回路によって、第1読み出しビット線を接地電圧レールに結合して、第1の複数のメモリビットセル回路のうちの選択された1つのメモリビットセル回路に記憶されたデータの第1論理状態に基づいて、評価出力線を放電状態に放電するステップと、第1の複数のメモリビットセル回路のうちの1つのメモリビットセル回路内の読み出しポート回路によって、第1読み出しビット線を接地電圧レールから分離して、第1の複数のメモリビットセル回路のうちの1つのメモリビットセルに記憶されたデータの第2論理状態に基づいて、評価出力線を第1プリチャージ状態に維持するステップと、読み出し動作の評価段階の指示に応答して、列出力回路において、第1プリチャージ状態を含む評価出力線に基づく第1出力論理状態と、放電状態を含む評価出力線に基づく第2出力論理状態とにおける列出力信号を生成するステップとを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示のいくつかの態様を図示し、説明とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0010】
図1】複数のメモリビットセル回路を含むビットセル列回路を含むメモリアレイ回路の概略図であり、各ビットセル回路列は、読み出し動作においてメモリビットセル回路のうちの1つに記憶された論理状態を示す列出力信号を生成するように構成される列読み出し回路を含む。
図2】第1の複数のメモリビットセル回路内のメモリビットセル回路の読み出しポート回路に結合された第1読み出しビット線と、第2の複数のメモリビットセル回路内のメモリビットセル回路の読み出しポート回路に結合された第2読み出しビット線とに結合される列読み出し回路を含む、従来のメモリアレイ回路内のビットセル回路列の特徴を示す概略図である。
図3】読み出し動作における、図2の従来のメモリアレイ回路の内部の制御信号及びデータ信号を示すタイミング図である。
図4A】第1の複数のメモリビットセル回路のうちの1つに対する読み出し動作において、第1読み出しビット線を列読み出し回路に選択的に結合するように構成される読み出し制御回路を含む、ビットセル列回路の特徴を含む例示的なメモリシステムを示す概略図である。
図4B】読み出しアドレスに応じて読み出し動作において第1読み出しビット線と第2読み出しビット線のうちの一方を列読み出し回路に選択的に結合するように構成される読み出し制御回路を含むビットセル列回路を含む、図4Aの例示的なメモリシステムを示す概略図である。
図5A図4Aの例示的なメモリアレイ回路における読み出し動作の方法を示すフローチャートである。
図5B図4Aの例示的なメモリアレイ回路における読み出し動作の方法を示すフローチャートである。
図5C図4Aの例示的なメモリアレイ回路における読み出し動作の方法を示すフローチャートである。
図6】読み出し動作における図4Aの例示的メモリアレイ回路の内部の制御信号及びデータ信号を示すタイミング図である。
図7】システムバスに結合された複数のデバイスを含む例示的なプロセッサベースのシステムのブロック図であり、ここで、プロセッサベースのシステムは、図4A及び図4Bに示されるように、第1の複数のメモリビットセル回路のうちの1つに対する読み出し動作において、第1読み出しビット線を列読み出し回路に選択的に結合するように構成される読み出し制御回路を含むビットセル列回路の特徴を含む、メモリアレイシステムを含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示される例示的な態様は、列読み出し回路を用いて列読み出しビット線のフローティングを制御するメモリアレイを含む、メモリシステムを含む。列読み出し回路を用いて列読み出しビット線のフローティングを制御するメモリアレイにおいて、読み出し動作を実行する関連する方法も開示される。メモリシステムは、各ビットセル列が、論理状態を各々が記憶する複数のメモリビットセル(例えば静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)ビットセル)を含む、1つ以上のビットセル列を含む。メモリビットセルのうちの選択された1つに記憶される論理状態は、読み出しビット線上に生成される論理状態を決定するように、メモリビットセル内の読み出しポート回路を制御することができる。読み出しポート回路は読み出しポート出力を含み、同じ列内の複数のメモリビットセルの読み出しポート出力は、読み出しビット線に結合される。メモリシステムは、選択されたメモリビットセルの読み出しポート出力における論理状態を評価するための列読み出し回路を含む。列読み出し回路は、動的読み出し回路構造内の読み出しビット線によって読み出しポート回路に結合される評価出力線を含む。列読み出し回路はまた、アイドル段階及び読み出し動作のプリチャージ段階において評価出力線をプリチャージするためにアクティブにされるプリチャージ回路も含む。列読み出し回路は、評価出力線と読み出しビット線との間にインラインで結合されるフロート制御回路を含む。メモリシステムは、フロート制御回路のアクティブ化及び非アクティブ化を制御するための読み出し制御回路を含む。読み出し動作と読み出し動作との間のアイドル段階において、評価出力線がプリチャージ回路によってプリチャージされる間、フロート制御回路は非アクティブにされて、評価出力線を読み出しビット線及び読み出しポート回路から切り離す。言い換えると、読み出しビット線及び読み出しポート回路の読み出しポート出力は、アイドル段階ではフローティング状態に維持され、そのため、プリチャージ回路は、評価出力線のみをプリチャージし、これは、読み出しポート回路によるリーク電流によって引き起こされる消費電力を低減する。列内に複数のメモリビットセルが存在し、各々が読み出しポート回路を含むので、評価出力線がアイドル段階で読み出しビット線に結合される場合、リークに起因する電力損失ははるかに高くなる。読み出し動作のプリチャージ段階において、読み出し動作の評価段階の前に、フロート制御回路がアクティブにされて、評価出力線を読み出しビット線及び読み出しポート回路に結合し、評価のために動的読み出し回路を短くプリチャージする。フロート制御回路にわたる電圧降下により、読み出しビット線及び読み出しポート出力は、電源電圧より低い電圧にプルアップされ、これは、電力を節約し、充電時間を短縮する。プリチャージ回路は、読み出し動作の評価段階では非アクティブにされ、選択されたメモリビットセルの読み出しポート回路がアクティブにされて、記憶された論理状態の評価を評価出力線に提供する。選択されたメモリビットセルに結合された読み出しワード線(RWL)は、評価段階において読み出しポート回路をアクティブにし、記憶された論理状態は、評価出力線上の記憶された論理状態を示すように読み出しポート回路を制御する。読み出しポート回路は、メモリビットセルに記憶された論理状態に基づいて読み出しビット線をプリチャージ又は放電するように、RWL及び記憶された論理状態によってそれぞれ制御される、2つのスタックされたトランジスタとすることができる。読み出し動作の後、フロート制御回路は、アイドル段階において非アクティブにされる。
【0012】
メモリ読み出し動作におけるメモリシステムの性能は、列内で読み出しビット線が結合されるメモリビットセルの数を減らすことによって改善され得る。このようにして、読み出しビット線の長さと容量負荷の数の両方が低減され得る。このため、各列内のメモリビットセルは、複数の(例えば2つ以上の)読み出しビット線に分割されてよく、各読み出しビット線は、対応するフロート制御回路を介して評価出力線に結合される。読み出し動作では、列内の1つのメモリビットセルのみが読み出され得るので、選択されたメモリビットセルに結合された読み出しビット線のフロート制御回路のみがアクティブにされるが、他のすべてのフロート制御回路は電力損失を低減するために非アクティブのままである。
【0013】
図1は、各々が複数のメモリビットセル回路104を含むビットセル列回路(「列回路」)102を含む、メモリアレイ回路100の概略図である。列回路102の各々は、読み出し動作においてメモリビットセル回路104のうちの1つに記憶された論理状態に対応する列出力信号108を生成するように構成される、列読み出し回路106を含む。第1読み出しビット線110は、複数のメモリビットセル回路104のうちの第1の複数のメモリビットセル回路112の各々に結合される。第2読み出しビット線114は、複数のメモリビットセル回路104のうちの第2の複数のメモリビットセル回路116の各々に結合される。列読み出し回路106は、第1読み出しビット線110と第2読み出しビット線114の両方に結合される。メモリアレイ回路100の各行(図示せず)の読み出しワード線RWLは、対応する行のメモリビットセル回路104の各々に結合される。読み出しワード線RWLは、読み出し動作において読み出される行のうちの選択された行においてアクティブにされる。各列回路102において、列読み出し回路106は、複数のメモリビットセル回路116のうちの選択された1つのメモリビットセル回路の論理状態を読み出すように構成され、該選択された1つのメモリビットセル回路は、選択された行に応じて、第1の複数のメモリビットセル回路112及び第2の複数のメモリビットセル回路104のうちのメモリビットセル回路であってよい。読み出しワード線RWL(0)~RWL(M)は、第1の複数のメモリビットセル回路112に結合され、読み出しワード線RWL(M+1)~RWL(N)は、第2の複数のメモリビットセル回路116に結合される。各列回路102は、例えば64個のメモリビットセル回路104を含んでよく、第1の複数のメモリビットセル回路112及び第2の複数のメモリビットセル回路116の各々は、複数のメモリビットセル回路104のうちの32個を含む(例えばM=31及びN=63)。複数のメモリビットセル104は、メモリアレイ回路100における読み出し動作の性能を向上させるために、第1の複数のメモリビットセル112と第2の複数のメモリビットセル116に分割され得る。この点に関して、第1読み出しビット線110及び第2読み出しビット線114は、長さが短く、負荷の数が少ないため、単一の読み出しビット線よりも低いキャパシタンスを有し得る。他の例では、メモリアレイ回路100は、任意の数の列回路102を含んでもよい。列回路102の各々は、任意の数のメモリビットセル回路104に結合された1つ以上の読み出しビット線を含んでもよい。図1のメモリアレイ回路100は、図2に示されるような従来の列回路を含む従来のメモリ回路であってもよい。あるいは、図1のメモリアレイ回路100は、図4A及び図4Bに示され、本明細書に開示されるような、例示的な列回路を含む例示的なメモリアレイ回路であってもよい。
【0014】
図2は、図1のメモリアレイ回路100に対応する従来のメモリアレイ回路202で用いられるビットセル列回路(「列回路」)200の特徴を示す概略図である。従来のビットセル列回路200を含む従来のメモリアレイ回路202は、本明細書で開示される例示的な態様を理解するための背景を提供するために最初に提示される。列回路200の図示される特徴は、列回路200内のメモリアレイ回路202の任意の行(図示せず)内のメモリビットセル回路204の読み出し動作を実行するために用いられる。読み出し動作を説明する前に、図示される特徴を最初に説明する。
【0015】
列回路200は、第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210に結合される列読み出し回路206を含む。第1読み出しビット線208は、図1に示されるように、第1の複数のメモリビットセル回路214の各々における第1読み出しポート回路212に更に結合される。第2読み出しビット線210は、列回路200の第2の複数のメモリビットセル回路218の第2読み出しポート回路216に結合されてもよい。
【0016】
列読み出し回路206は、第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210にそれぞれ結合されるプルアップ(pull-up)回路224(1)及び224(2)を含む。列回路200はまた、プルアップ回路224(1)及び224(2)に結合される読み出し制御回路222も含む。読み出し制御回路222は、列読み出し回路206内のプルアップ回路224(1)及び224(2)をそれぞれ制御するプルアップ信号220(1)及び220(2)を生成する。プルアップ回路224(1)及び224(2)は、プルアップ信号220(1)及び220(2)によってターンオンされ、第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210を、読み出し動作と読み出し動作との間に供給電圧レール226(例えばVDD)に電気的に結合し、読み出し動作と読み出し動作との間は、アイドル段階と呼ばれることがある。プルアップ回路224(1)及び224(2)は、ターンオンされると、導電性である。プルアップ回路224(1)及び224(2)がターンオンされると、供給電圧レール226は、該供給電圧レール226上の供給電圧VSUPに基づいて、第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210を電圧VCHGまで充電(「プルアップ」)する。以下で更に説明されるように、プルアップ回路224(1)及び224(2)は、読み出し動作のために列回路200を準備し、プルアップ回路224(1)及び224(2)のうちの一方は、読み出し動作の間、非アクティブにされる。すなわち、読み出し動作において読み出されているメモリビットセル回路204は、第1読み出しビット線208と第2読み出しビット線210のうちの一方にのみ結合され得るので、読み出し動作の間、プルアップ回路224(1)及び224(2)のうちの一方は非アクティブにされ、他方はアクティブのままである。列読み出し回路206はまた、読み出し動作の間に、それぞれ第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210を供給電圧レール226に選択的に結合するように構成されるキープアップ(keep-up)回路228(1)及び228(2)を含む。
【0017】
メモリビットセル回路204の各々は、データノード上の高電圧レベル又は低電圧レベルのいずれかとして、データの論理状態(例えばバイナリデータの「ビット」)を記憶する。メモリビットセル回路204の各々はまた、相補データノード(complement data node)上に、データノード上の論理状態の論理補集合(logical complement)を記憶する。例えばバイナリ「0」は、接地電圧VSSに対応する低電圧レベルとして記憶され得る第1論理状態であり、バイナリ「1」は、供給電圧VDDに対応する高電圧レベルとして記憶され得る第2論理状態である。メモリビットセル回路204のうちの1つにおけるデータノード上の論理状態「1」は、相補データノード上の相補論理状態(complement logic state)「0」に対応する。データノードに記憶された論理状態「0」は、相補データノードの相補論理状態「1」に対応する。
【0018】
読み出しポート回路212及び216は、読み出しビット線208及び210上に記憶されたデータの論理状態を生成するためにメモリビットセル回路204内で使用される。一例では、読み出しポート回路212及び216は、「スタック」されるか、あるいは第1読み出しビット線208と、接地電圧(例えばVSS)を供給する接地電圧レール234との間に直列に結合される、トランジスタ230(1)及び232(1)を含み得る。トランジスタ230(1)及び232(1)は、それぞれゲート236及び238上の電圧に応答して電流が流れることを可能にするために、「ターンオン」され得る。トランジスタ230(1)と232(1)の両方がターンオンされると、第1読み出しビット線208上の電荷は接地電圧レール234に放電され得る。トランジスタ230(1)のゲート236は、読み出しワード線信号RWLによって制御される。トランジスタ232(1)のゲート238は、メモリビットセル回路の相補データノード(図示せず)に結合される。
【0019】
列読み出し回路206は、第1読み出しビット線208と第2読み出しビット線210の両方が高電圧レベル(例えば供給電圧VDDに対応する)である場合にのみ、低電圧状態(例えば接地電圧VSSに対応する)で列出力信号242が生成される論理NOT-AND(NAND)関数を実行する、列出力回路240を含む。第1読み出しビット線208と第2読み出しビット線210の入力のいずれか一方が低電圧状態であり、他方がプリチャージされたまま(例えば高電圧状態で)維持される場合、列出力信号242は高電圧状態で生成される。したがって、列出力信号242は、第1読み出しビット線208と第2読み出しビット線210のうちの一方が、プルアップ回路224(1)及び224(2)のうちの対応するプルアップ回路によってプルアップされることと、第1読み出しビット線208と第2読み出しビット線210のうちの他方の電圧状態(そこに記憶された論理状態に基づく)に基づいている。
【0020】
列読み出し回路206と、読み出し制御回路222と、第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210は、読み出し動作と読み出し動作との間のアイドル段階において非アクティブである。アイドル段階では、読み出し制御回路222は、プリチャージ状態に充電された第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線を維持し、後述するように列回路200を読み出し動作に備えた状態に維持するように、プルアップ回路224(1)及び224(2)を制御する。アイドル段階では、キープアップ回路228(1)及び228(2)はターンオフされる。
【0021】
列回路200内の第1の複数のメモリビットセル回路214内のメモリビットセル回路204のうちの1つの読み出し動作を例として説明する。メモリアレイ回路202における読み出し動作は、メモリアレイ回路202の選択された行(図示せず)においてメモリビットセル回路204に記憶されたデータを読み出す。したがって、読み出し動作は、列回路200内のメモリビットセル回路204のうちの1つに記憶されたデータを読み出す。以下の図3のタイミング図に示されるように、読み出し制御回路222で受信された読み出しイネーブル信号RDENは、読み出し動作を示すためにアクティブ状態に遷移する。読み出しイネーブル信号RDENがアクティブ状態にある間、システムクロック信号CLK(図3を参照されたい)は、第1クロック状態に遷移し、プルアップ回路224(1)及び224(2)を遮断するように読み出し制御回路222をトリガする。プルアップ回路224(1)及び224(2)を遮断することにより、第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210がプリチャージ状態にある間、第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210を供給電圧レール226から分離する。第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210は、第1の複数のメモリビットセル回路214及び第2の複数のメモリビットセル回路218内の第1読み出しポート回路212及び第2読み出しポート回路216におけるリーク電流によって放電され得る。キープアップ回路228(1)及び228(2)は読み出し動作中にターンオンされ、リーク電流による第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210の放電を選択的に防止する。
【0022】
第1クロック状態へのシステムクロック信号CLKの遷移はまた、選択された行の読み出しワード線信号RWLを(例えば高電圧に)アクティブにして、第1読み出しポート回路212内のトランジスタ232(1)をターンオンし、列出力信号242上に記憶されたデータの論理状態を生成する準備をする。一例として、第1の複数のメモリビットセル回路214のうちの選択された1つに記憶されたバイナリデータ状態が高電圧(例えば「1」)に対応する場合、相補データノードは低電圧である。したがって、この例では、相補データノードに結合されたトランジスタ230(1)はターンオンされず、第1読み出しビット線208は、プリチャージ状態から放電されない。あるいは、第1の複数のメモリビットセル回路214のうちの選択された1つに記憶されたデータの論理状態が低電圧状態(例えば「0」)に対応し、相補データノードが高電圧である場合、図3に示されるように、トランジスタ230(1)がターンオンされ、第1読み出しビット線208は、接地電圧レール234の接地電圧(例えばVSS)に基づいて放電状態に放電する。
【0023】
言い換えると、第1の複数のメモリビットセル回路214のうちの選択された1つに記憶されているデータの論理状態が低(「0」)である例では、第1読み出しビット線208は、供給電圧レール226の供給電圧(例えばVDD)に基づき、プリチャージ状態にある。第2読み出しビット線210はプルアップ回路224(2)によって高電圧状態にプルアップされるので、(上述した)列出力回路240のNAND関数は、この例では第1の複数のメモリビットセル回路214のうちの選択された1つに記憶されたデータの論理状態に対応する、低電圧状態(「0」)で列出力信号242を生成する。
【0024】
他の例では、第1の複数のメモリビットセル回路214のうちの選択された1つに記憶されたデータの論理状態が高(「1」)である場合、第1読み出しビット線208は、低電圧(「0」)状態に放電され、(上述した)列出力回路240のNAND関数は、列出力信号242を高状態(「1」)に遷移させる。このように、列出力信号242の論理状態は、第1の複数のメモリビットセル回路214のうちの選択された1つに記憶されたデータの論理状態に対応する。
【0025】
キープアップ回路228(1)及び228(2)は、読み出し動作中にターンオンにされ、第1読み出しポート回路212及び第2読み出しポート回路216におけるリーク電流のために、第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210がゆっくりと放電するのをそれぞれ防ぐ。第1読み出しビット線208及び第2読み出しビット線210が放電することを可能にすることにより、列出力信号242が変化する。キープアップ回路228(1)はトランジスタ244(1)及び246(1)を含み、キープアップ回路228(2)はトランジスタ244(2)及び246(2)を含む。この例におけるトランジスタ244(1)、244(2)、246(1)及び246(2)は、低電圧状態の信号によりターンオンされて導電性になる。キープアップ回路228(1)及び228(2)をターンオンにする読み出し制御回路222は、低電圧で制御信号248をトランジスタ246(1)及び246(2)に提供することを含む。列出力信号242は、トランジスタ244(1)及び244(2)に結合され、したがって、列出力信号242の電圧状態によって制御される。読み出し動作の開始時には、プルアップ回路224(1)、224(2)が遮断されており、かつ読み出しワード線信号RWLがアクティブにされる前に、第1及び第2読み出しビット線208、210が完全に充電されている。列出力回路240に高電圧を提供することは、列出力回路240のNAND機能に基づいて、列出力信号242における低電圧を生成する。列出力信号242の低電圧状態は、キープアップ回路228(1)及び228(2)内のトランジスタ244(1)及び244(2)をターンオンし、これは、第1及び第2読み出しビット線208及び210を供給電圧レール226に結合された状態に維持する。トランジスタ244(1)及び244(2)がターンオンされると、第1読み出しビット線208は、プリチャージされた(高電圧)状態で充電されたままとなる。第2読み出しビット線210も同様に充電されたままとなる。
【0026】
上述のように、読み出し動作において、複数のメモリビットセル回路204に記憶されたデータの論理状態は、読み出しワード線信号RWLに応答して、列出力信号242において生成される。記憶されたデータの論理状態が低電圧状態に対応する場合、列出力信号242は、読み出しワード線信号RWLに応答して低電圧のままであり、これは、キープアップ回路228(1)及び228(2)内のトランジスタ244(1)及び244(2)をターンオン状態に維持し、第1及び第2読み出しビット線208及び210を充電し続ける。一方、第1の複数のメモリビットセル回路214のうちの選択された1つに記憶されたデータの論理状態が高である場合、第1読み出しビット線208は放電され、列出力信号242の状態は高になり、これは、トランジスタ244(1)及び244(2)をターンオフすることになる。したがって、キープアップ回路228(1)及び228(2)は、第1及び第2読み出しビット線208及び210に電荷を供給し続けることはなく、これらは第1及び第2読み出しポート回路212及び216によって放電される。列出力信号242は、読み出し動作が完了するまで低電圧状態のままである。システムクロック信号CLKは、第2クロック状態に戻るよう遷移し、読み出し動作の終了を示し、アイドル段階を示す。第1の複数のメモリビットセル回路214のうちの選択された1つに記憶されたデータの論理状態にかかわらず、読み出し動作が完了すると、キープアップ回路228(1)及び228(2)はターンオフされ(すなわち、トランジスタ246(1)及び246(2)がターンオフされる)、プルアップ回路224(1)及び224(2)はターンオンされ、別の読み出し動作のために列回路200を準備する。アイドル段階の指示に応答して、プルアップ回路224(1)及び224(2)は、再びターンオンされ、第1及び第2読み出しビット線208及び210をプリチャージして、次の読み出し動作のために準備する。
【0027】
図3は、上述のように、読み出し動作中の図2の従来のメモリアレイ回路202の信号を示すタイミング図である。読み出し動作の開始は、時刻T1における読み出しイネーブル信号RDENのアクティブ状態への遷移によって示される。読み出しイネーブル信号RDENは、例えばメモリコントローラ又はプロセッサによって列回路200に提供され得る。読み出しイネーブル信号RDENがアクティブ状態である場合、時刻T2に示されるように、システムクロック信号CLKの第1クロック状態への遷移に応答して、プルアップ回路224(1)及び224(2)はターンオフされる。図3では、第1クロック状態は高電圧状態に対応するが、代わりに、低電圧状態に対応する可能性もある。時刻T3において、時刻T2におけるシステムクロック信号CLKの第1クロック状態への遷移に応答して、読み出しワード線信号RWLがアクティブにされ、第1の複数のメモリビットセル回路214の選択された行の第1読み出しポート回路212のトランジスタ232(1)をターンオンする。プルアップ回路224(1)及び224(2)は、図3の時刻T3でターンオフされ、キープアップ回路228(1)及び228(2)はターンオンされる。図3では、キープアップ回路228(1)及び228(2)の信号は図示されていない。
【0028】
図3は、メモリビットセル回路に記憶された相補データの論理状態が高電圧状態に対応する読み出し動作の例を示す。相補データノードがゲート236に結合されている状態で、相補データノードに記憶された高電圧状態はトランジスタ230(1)をターンオンにし、第1読み出しビット線208は放電状態(低電圧状態)に放電する。読み出されているメモリビットセル回路は第2読み出しビット線210に結合されていないので、第2読み出しビット線210は高電圧状態にプルアップされたままである。列出力回路240に結合された第1読み出しビット線208上の低電圧状態は、時刻T4において、列出力信号242を高電圧状態に遷移させる。時刻T5におけるシステムクロック信号CLKの第2クロック状態への遷移に応答して、読み出しワード線信号RWLが非アクティブにされ、プルアップ回路224(1)及び224(2)が再びターンオンされ、時刻T6において第1及び第2読み出しビット線208及び210へ電荷を提供し始め、別の読み出し動作に備える。
【0029】
図4Aは、各々がデータの論理状態を記憶する複数のメモリビットセル回路404(「メモリビットセル404」)(例えばSRAMビットセル)を各々が含む1つ以上のビットセル列回路402(「列回路402」)を含む、メモリシステム400の特徴を示す概略図である。メモリビットセル404のうちの選択された1つのメモリビットセルに記憶された論理状態は、読み出しビット線406上に生成される論理状態を決定するように、そのメモリビットセル404内の読み出しポート回路408を制御することができる。読み出しポート回路408は、読み出しポート出力410を含み、同じ列412内の複数のメモリビットセル404の読み出しポート出力410は、読み出しビット線406に結合される。メモリシステム400は、選択されたメモリビットセル404の読み出しポート出力410上の論理状態を評価するための列読み出し回路414を含む。列読み出し回路414は、動的読み出し回路構造内の読み出しビット線406によって読み出しポート回路408に結合される評価出力線416を含む。列読み出し回路414はまた、読み出し動作と読み出し動作との間のアイドル段階及び読み出し動作のプリチャージ段階において、評価出力線416をプリチャージするためにアクティブにされるプリチャージ回路418も含む。列読み出し回路414は、評価出力線416と読み出しビット線406との間にインラインで結合されるフロート制御回路420を含む。メモリシステム400は、フロート制御回路420のアクティブ化と非アクティブ化を制御するための読み出し制御回路422を含む。読み出し動作と読み出し動作との間のアイドル段階において、評価出力線416がプリチャージ回路418によってプリチャージされている間、フロート制御回路420は非アクティブにされ、評価出力線416を読み出しビット線406及び読み出しポート回路408から切り離す。
【0030】
言い換えると、読み出しビット線406と、読み出しポート回路408の読み出しポート出力410は、アイドル段階でフローティング状態に維持されるので、プリチャージ回路418は、評価出力線416のみをプリチャージし、これは、読み出しポート回路408を通るリーク電流によって引き起こされる可能性がある消費電力を低減する。本明細書において、「フローティング」又は「フローティング状態」という用語は、読み出しビット線406及び読み出しポート出力410が、供給電圧(例えばVDD)、接地電圧(例えばVSS)又は供給電圧と接地電圧との間の任意の中間電圧を受け取らないように、供給電圧レールに(例えば低抵抗又は高導電性経路によって)電気的に結合されていないことを示す。したがって、フローティング中のノードは充電されないか又は急速に放電されるが、リーク電流は、フローティング状態にあるときに充電されるノードをゆっくりと放電する可能性がある。列412内に複数のメモリビットセル404があり、各メモリビットセル404は読み出しポート回路408を含むので、アイドル段階において評価出力線416が読み出しビット線406に結合される場合、リークによる電力損失ははるかに高くなる。読み出し動作のプリチャージ段階において、読み出し動作の評価段階の前に、フロート制御回路420がアクティブにされ、評価出力線416を読み出しビット線406及び読み出しポート回路408に結合し、評価のために動的読み出し回路を短時間プリチャージする。フロート制御回路420にわたる電圧降下により、読み出しビット線406及び読み出しポート出力410は、電源電圧(例えばVDD)より低い電圧VCHGにプルアップ(「充電」)され、これは、電力を節約し、読み出しビット線406を充電するのに必要な時間を短縮する。読み出し動作の評価段階において、プリチャージ回路418が非アクティブにされ、選択されたメモリビットセル404の読み出しポート回路408がアクティブにされて、記憶された論理状態の評価を評価出力線416に提供する。選択されたメモリビットセル404に結合された読み出しワード線424は、評価段階において読み出しポート回路408をアクティブにする読み出しワード線信号RWLを提供する。選択されたメモリビットセル404内の記憶された論理状態は、評価出力線416上に記憶された論理状態を示すように読み出しポート回路408を制御する。読み出しポート回路は、メモリビットセル404に記憶された論理状態に基づいて読み出しビット線406をプリチャージ又は放電するために、読み出しワード線信号RWL及び記憶された論理状態によってそれぞれ制御される、2つのスタックされたトランジスタ426及び428とすることができる。読み出し動作の後、フロート制御回路420は、アイドル段階で非アクティブにされる。
【0031】
列読み出し回路414は、評価出力線416の論理状態(すなわち、電圧レベル)に基づいて列出力信号432を生成するように構成される列出力回路430を含む。列出力回路430は、評価出力線416が第1プリチャージ状態にあるか又は放電状態にあるかに基づいて、列出力信号432を生成する。列出力回路430は、評価出力線416の論理状態と相補的な論理状態を有する列出力信号432を生成するインバータ回路であり得る。別の例では、列出力回路430は、評価出力線416から列出力信号432に同じ論理状態を渡すバッファ回路であってもよい。列出力回路430は、メモリビットセル回路404のうちの選択された1つに記憶されるデータの論理状態と比較した、列出力信号432上の論理状態の所望の極性に基づいて決定されてもよい。
【0032】
メモリシステム400は、列回路402のうちの少なくとも1つを含み、各列412は、複数のメモリビットセル回路404を含む。メモリシステム400は、例えばメモリアレイ回路又はレジスタファイル回路であってよい。読み出しビット線406は、複数のメモリビットセル回路404のうちの第1の複数434のメモリビットセル回路404に結合される。列読み出し回路414及び読み出し制御回路422は、少なくとも1つの列回路402の各々に含まれ、メモリシステム400内の第1の複数434のメモリビットセル回路404の選択された行(図示せず)に記憶されたデータの論理状態を読み出すために、読み出し動作に用いられる。
【0033】
列読み出し回路414は、読み出し動作の開始時に評価出力線416をプリチャージするように構成される、プリチャージ回路418を含む。評価出力線416をプリチャージすることは、例えばプリチャージ信号438を受信したことに応答して、供給電圧VDDを提供する供給電圧レール436に評価出力線416を結合することを含んでもよい。評価出力線416は、プリチャージ回路418によって、供給電圧VDDに基づく電圧VPREで、第1プリチャージ状態にチャージされ得る。プリチャージ回路418にわたる電圧降下により、電圧VPREは、供給電圧VDDより低いことがある。プリチャージ回路418は、P型電界効果トランジスタ(FET)(PFET)のようなトランジスタであってよい。この点に関して、プリチャージ回路418は、PFETをターンオンするよう低電圧状態(例えば0ボルト)であるアクティブ状態で、プリチャージ信号438を受信したことに応答して、「ターンオン」されて、導電性となり得る。プリチャージ回路418がN型FET(NFET)を含む場合、プリチャージ信号438のアクティブ状態は、高電圧状態(例えばVDD)でなる。PFETは、半導体(例えばシリコン)が三価の不純物でドープされたトランジスタであり、NFETは、五価の不純物でドープされた半導体を含む。
【0034】
読み出し制御回路422は、メモリシステム400内のアイドル段階の指示を受信したことに応答して、アクティブ状態においてプリチャージ信号438を生成するように構成される。読み出し制御回路422はまた、メモリシステム400における読み出し動作のプリチャージ段階の指示を受信したことに応答して、アクティブ状態においてプリチャージ信号438を生成するようにも構成される。読み出し制御回路422は、メモリシステム400における読み出し動作の評価段階の指示を受信したことに応答して、非アクティブ状態においてプリチャージ信号438(例えばPFETを含むプリチャージ回路418の高電圧信号)を生成するように構成される。プリチャージ段階、評価段階及びアイドル段階を以下で説明する。
【0035】
読み出し動作の終了時にアイドル段階の指示が読み出し制御回路422において受信され、メモリシステム400は、読み出し制御回路422が別の読み出し動作のプリチャージ段階の指示を受信するまで、アイドル段階のままである。プリチャージ段階、評価段階及びアイドル段階の指示は、読み出しイネーブル信号RDEN及びシステムクロック信号CLKを受信することに基づく。プリチャージ段階の指示は、メモリシステム400が読み出し動作のためにイネーブルされていることを示す、非アクティブ状態からアクティブ状態への読み出しイネーブル信号RDENの遷移を受信することを含んでもよい。
【0036】
プリチャージ段階の指示を受信したことに応答して、読み出し制御回路は、アクティブ状態においてフロート制御信号440を生成し、フロート制御回路420をターンオンする。フロート制御回路420は、読み出しビット線406と評価出力線416との間に結合される。フロート制御回路420は、プリチャージ段階において、読み出しビット線406を評価出力線416に結合するように構成される。プリチャージ段階では、評価出力線416がフロート制御回路420を介して読み出しビット線406に結合されているので、プリチャージ回路418は、評価段階に先立って、プリチャージ段階の間に読み出しビット線406を充電する。読み出しビット線406は、プリチャージ段階の間に、評価出力線416の電圧VPREに基づいて電圧VCHGで第2プリチャージ状態に充電される。第2プリチャージ状態における読み出しビット線406の電圧VCHGは、フロート制御回路420にわたる電圧降下により、第1プリチャージ状態における評価出力線416の電圧VPREよりも低いことがある。読み出しビット線406は、低電圧VCHGに充電されるので、読み出しビット線406は、フロート制御回路420なしに評価出力線416に直接接続される場合よりも、より迅速に充電し得る。加えて、第1プリチャージ状態において、評価出力線416の電圧VPREではなく、読み出し動作のために、読み出しビット線406を低電圧VCHGまでしか充電しないことにより、各読み出し動作の消費電力を低減する。読み出しビット線406は、第1の複数434のメモリビットセル回路404のすべて読み出しポート出力410に結合される。したがって、読み出しポート出力410も、プリチャージ段階では低電圧VCHGに基づいて充電される。読み出しポート回路408は、トランジスタ426及び428を含む。第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの選択された1つにおける読み出しポート回路408は、対応する読み出しワード線信号RWLによってアクティブにされ得る。読み出しワード線信号RWLは、プリチャージ段階の間は非アクティブのままであり、読み出しポート回路408がターンオンすること防止する。読み出しポート回路408を流れる可能性がある何らかの漏れ電流にかかわらず、読み出しビット線406は、プリチャージ段階の間に充電される。
【0037】
プリチャージ段階は、読み出し制御回路422が評価段階の指示を受信すると終了する。読み出し制御回路422において読み出し動作の評価段階の指示を受信することは、アクティブ状態において読み出しイネーブル信号RDENを受信することと、第2クロック状態から第1クロック状態へのシステムクロック信号CLKの遷移を受信することとを含む。読み出し制御回路422は、読み出し動作のプリチャージ段階及び評価段階において、フロート制御回路420に、評価出力線416を読み出しビット線406に結合させる。列読み出し回路414は、評価段階において、評価出力線416上の第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの選択された1つの記憶された論理状態を評価するように構成される。読み出し動作の評価段階は、読み出しビット線406が電圧VCHGで第2プリチャージ状態にプリチャージされるプリチャージ段階の後に開始する。読み出し制御回路422は、評価段階の指示を受信したことに応答して、プリチャージ回路418をターンオフにするために非アクティブ状態でプリチャージ信号438を生成し、評価出力線416を供給電圧レール436から分離するように更に構成される。加えて、評価段階の指示を受信したことに応答して、読み出し制御回路422は、フロート制御回路420をターンオン状態に維持するために、アクティブ状態でフロート制御信号440を生成し続け、評価出力線416を読み出しビット線406に結合し続ける。したがって、評価段階では、プリチャージ回路418は、評価出力線416及び読み出しビット線406をもはや充電していない。評価出力線416及び読み出しビット線406が、第1の複数434のメモリビットセル回路404の読み出しポート回路408を通る漏れ電流によってゆっくりと放電することを防ぐために、列読み出し回路はまた、キープアップ回路442も含む。キープアップ回路442は、列出力信号432が低電圧状態にある限り、評価出力線416を充電し続ける。すなわち、プリチャージ段階では、評価出力線416が第1プリチャージ状態にチャージされ、列出力回路430に、低電圧状態で列出力信号432を生成させる。キープアップ回路442は、評価出力線416が第1の複数434のメモリビットセル回路404内で読み出し出力回路408によって放電されるよりも速く、評価出力線416を充電し続ける。評価段階では、第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの選択された1つに記憶されたデータの論理状態に応じて、読み出しビット線406は、充電されたままであってもよく、あるいは読み出しポート回路408によって放電されてもよい。
【0038】
読み出しポート回路408は、トランジスタ426及び428を含み、これらは、読み出しビット線406と接地電圧レール444との間に、例えば低電圧又は接地電圧VSS(例えば0ボルト)で直列に結合される(「スタックされる」)。トランジスタ426及び428の両方がターンオンされると、読み出しビット線406は接地電圧レール444に結合され得る。評価段階において、読み出しビット線406を接地電圧レール444に結合することにより、以下のように、接地電圧に基づいて読み出しビット線406が放電状態に放電される。
【0039】
トランジスタ426は、読み出しポート出力410(これは、読み出しビット線406に結合される)と、トランジスタ428との間に結合される。トランジスタ426は、読み出しワード線424にも結合され、読み出しワード線信号RWLによって制御される。読み出しワード線信号RWLは、第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの選択された1つにおいて、アクティブ状態の読み出しポート回路408によって受信される。メモリビットセル回路404のうちの選択された1つは、読み出し動作において読み出されるべき、読み出しアドレスのターゲットとなるメモリシステム400の行内にある。トランジスタ428は、トランジスタ426と接地電圧レール444との間に結合される。トランジスタ428は、メモリビットセル回路404のデータノード(図示せず)に結合される。トランジスタは、記憶されたデータの論理状態によって制御され、この論理状態は、データノードの電圧レベルによって示される。トランジスタ428に結合されたデータノードは、「真の」論理状態を記憶するデータノード、あるいは「相補」論理状態を記憶する相補データノードであり得る。いくつかの例では、トランジスタ428は、高電圧レベルに対応する第1論理状態によってアクティブにされるNFETであってよい。したがって、アクティブ状態で読み出しワード線信号RWLが受信され、トランジスタ428に結合されたデータノードに高電圧状態が記憶されると、読み出しポート回路408はターンオンされ、導電性になり、読み出しビット線406が接地電圧レール444に放電することを可能にする。アクティブ状態で読み出しワード線信号RWLを受信したことに応答して高電圧に対応して、読み出しポート回路408がアクティブにされる。言い換えると、アクティブ状態で読み出しワード線信号RWLと、第1論理状態(例えばデータノード上の高電圧に対応する)を含むデータノード上に記憶されたデータの論理状態とを受信したことに応答して、読み出しポート回路408は、読み出しビット線406を接地電圧レール444に結合し、評価出力線416を放電状態に放電する。あるいは、アクティブ状態における読み出しワード線信号RWLと、第2論理状態(例えばデータノードに記憶された低電圧に対応する)を含むデータノードに記憶されたデータの論理状態とに応答して、読み出しポート回路408は、読み出しビット線406を接地電圧レール444から分離して、評価出力線416を第1プリチャージ状態に維持する。この状況において、読み出しポート回路408が読み出しビット線406及び評価出力線416を放電すると、評価出力線416は、キープアップ回路442によって充電されるよりも早く放電される。その結果、列出力信号432は、評価出力線416が放電状態にあることに基づいて高電圧状態に遷移し、キープアップ回路442はターンオフされ、評価出力線416を供給電圧レールから分離する。別の例では、トランジスタ428は、低電圧レベルに対応する論理状態に応答するPFETによって実装され得る。この例では、第1及び第2論理状態に対応する電圧レベルは、反転される。
【0040】
メモリビットセル回路404のうちの選択された1つに記憶された論理状態は、読み出し動作において、列出力信号432として生成される。読み出し動作は、読み出し制御回路422がアイドル段階の指示を受信すると終了する。読み出し制御回路422は、フロート制御回路420に、アイドル段階において、評価出力線416を読み出しビット線406から分離させる。アイドル段階の指示を受信することは、読み出し制御回路422が、非アクティブ状態で読み出しイネーブル信号RDENを受信することと、システムクロック信号CLKの第2クロック状態への遷移を受信することも含む。システムクロック信号CLKの第1クロック状態及び第2クロック状態は、例えばそれぞれ高電圧状態及び低電圧状態に対応してよく、あるいはそれぞれ低電圧状態及び高電圧状態に対応してもよい。
【0041】
アイドル段階の指示を受信したことに応答して、読み出し制御回路422は、非アクティブ状態でフロート制御信号440を生成し、これにより、フロート制御回路420がオフになり、アイドル段階において、評価出力線416読み出しビット線406から分離する。加えて、読み出し制御回路422は、アイドル段階の指示を受信したことに応答して、プリチャージ信号438を生成し、次の読み出し動作に備えるために、評価出力線416を第1プリチャージ状態にプリチャージする。
【0042】
図4Bは、図4Aに示される第1読み出しビット線406に結合され、かつ第2読み出しビット線446にも結合される列読み出し回路414を含む、ビットセル列回路402を含む、図4Aの例示的なメモリシステム400を示す概略図である。第1読み出しビット線406は、第1の複数434のメモリビットセル回路404に結合される。第2読み出しビット線446は、メモリシステム400内の複数のメモリビットセル回路404のうちの第2の複数448に結合される。
【0043】
メモリ読み出し動作におけるメモリシステム400の性能は、列回路402内で読み出しビット線406が結合されるメモリビットセル404の数を減らすことによって改善され得る。読み出しビット線406の長さ及び容量負荷(例えば読み出しポート出力410)の数は、列412内のすべてのメモリビットセル回路404を第1読み出しビット線406に結合させる場合と比較して、低減され得る。このため、各列412内のメモリビットセル回路404は、第1読み出しビット線406及び第2読み出しビット線446のような複数(例えば2つ以上)の読み出しビット線に分割されてもよい。第1読み出しビット線406は、フロート制御回路420を介して評価出力線416に結合され、第2読み出しビット線446は、第2フロート制御回路450を介して評価出力線416に結合される。読み出し動作において、列412内のメモリビットセル回路404のうちの1つのみが読み出され得るので、一度にフロート制御回路420と450のうちの1つのみがアクティブにされるが、他のフロート制御回路は、電力損失を低減するために非アクティブのままである。
【0044】
メモリシステム400は、第1バンク及び第2バンク(図示せず)を含むメモリアレイ回路を含み得る。いくつかの例では、メモリシステム400は、例えば各々が64個のメモリビットセル回路404(0:63)を含む複数の列回路402を含んでよく、第1の複数434のメモリビットセル回路404は、列回路402内のメモリビットセル回路(0:31)を含んでよく、第2の複数448のメモリビットセル回路404は、メモリビットセル回路(32:63)を含んでよい。列回路402は、任意の数のメモリビットセル回路404を含んでもよく、第1の複数434のメモリビットセル回路404は、第2の複数448のメモリビットセル回路404とは異なる数のメモリビットセル回路404を含んでもよい。メモリビットセル回路404は、例えば6トランジスタ(6T)、8トランジスタ(8T)及び/又は10トランジスタ(10T)SRAMビットセル回路のようなSRAMビットセル回路であってよいが、例示的な列回路402は、高電圧状態又は低電圧状態のいずれかに対応するバイナリデータの「ビット」の論理状態を記憶する任意のタイプのメモリビットセル回路を含むメモリアレイ回路402で使用され得る。例えばバイナリ「0」は、接地電圧VSSに対応する低電圧状態としてデータを記憶するように構成されるデータノード上に記憶されてよく、バイナリ「1」は、供給電圧VDDに対応する高電圧状態として記憶されてよい。いくつかの例では、バイナリ「0」は高電圧によって表され、バイナリ「1」は低電圧によって表される。データノード上の論理状態「1」を有する記憶されたデータは、相補データノード上の相補論理状態「0」に対応し、データノード上の記憶された論理状態「0」は、相補データノード上の相補論理状態「1」に対応する。
【0045】
いくつかの例では、第1の複数434のメモリビットセル回路404は、メモリシステム400の第1バンク(図示せず)内にあってよく、第2の複数448のメモリビットセル回路404は、メモリシステム400の第2バンク(図示せず)内にあってよい。あるいは、第1の複数434及び第2の複数448のメモリビットセル回路404は、両方とも、メモリシステムの第1バンク内の同じ列412内にあってもよく、少なくとも1つの追加の読み出しビット線(図示せず)が、評価出力線416と、第2バンク内のメモリシステム400の第3の複数のメモリビットセル回路404に結合されてもよい。図4Bの読み出し制御回路422は、読み出しアドレスの指示に基づいて、読み出し動作において、第1読み出しビット線406及び第2読み出しビット線446のうちの一方を評価出力線416に選択的に結合するように、列読み出し回路414を制御するように構成される。読み出し制御回路422は、列412内の複数のメモリビットセル回路404に結合される読み出しビット線に各々対応する、任意の数のフロート制御回路を制御するように構成されてもよい。読み出し制御回路422は、読み出しアドレスに基づいて読み出し動作のために選択された行が、第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの1つを含む場合、第1の読み出しビット線406を評価出力線416に結合させる。読み出し制御回路422は、読み出しアドレスに基づいて読み出し動作のために選択された行が、第2の複数338のメモリビットセル回路404のうちの1つを含む場合、第2読み出しビット線446を評価出力線416に結合させるように構成される。第1読み出しビット線406及び第2読み出しビット線446のうちの一方は評価出力線416に結合されているが、第1読み出しビット線406及び第2読み出しビット線44のうちの他方(及び、もしあれば他のもの)は、評価出力線416から電気的に分離されたままである。したがって、評価出力線416は、第1読み出しビット線406と第2読み出しビット線446のうちの一方のみに基づいて充電又は放電され、列出力回路430は、一度に第1読み出しビット線406と第2読み出しビット線446のうちの1つのみに電気的に結合される。
【0046】
メモリシステム400内の第2の複数448のメモリビットセル404に結合される第2読み出しビット線446は、第1読み出しビット線406上の第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの1つの読み出し動作の上述の説明に対応する方法で、読み出し動作を実行する。列412内のメモリビットセル回路404に結合される任意の追加の読み出しビット線も、第1読み出しビット線406に関して上述したように、読み出し動作において読み出し制御回路422によって制御される。
【0047】
再び図4Bを参照すると、メモリシステム400は、フロート制御回路420に結合された第1読み出しビット線406を含む。メモリシステム400は、ビットセル列回路402内の第2の複数448のメモリビットセル回路404に結合された第2読み出しビット線446を含む。列読み出し回路414は、評価出力線416と第2読み出しビット線446との間に結合された第2フロート制御回路450を更に含む。読み出し制御回路422は、読み出し動作が第1の複数434のメモリビットセル404のうちの1つに向けられるという指示に応答して、列読み出し回路414に、プリチャージ段階で第1読み出しビット線406を評価出力線416に結合させ、また、読み出し動作の評価段階で第1読み出しビット線406を評価出力線416に結合させるように構成される。読み出し制御回路422はまた、読み出し動作が第2の複数448のメモリビットセル404のうちの1つに向けられるという指示に応答して、列読み出し回路に、プリチャージ段階で第2読み出しビット線446を評価出力線416に結合させ、また、読み出し動作の評価段階で第2読み出しビット線446を評価出力線416に結合させるように構成される。フロート制御回路420が第1読み出しビット線406を評価出力線416に結合したことに応答して、列出力信号432は、放電状態と第2プリチャージ状態とのうちの一方を含む、第1読み出しビット線406に基づく。フロート制御回路420が第2読み出しビット線446を評価出力線416に結合したことに応答して、列出力信号432は、放電状態と第2プリチャージ状態とのうちの一方を含む第2読み出しビット線446に基づく。
【0048】
読み出し制御回路422はまた、アイドル段階(すなわち、読み出し動作と読み出し動作との間)において、第1読み出しビット線406及び第2読み出しビット線446(及び、もしあれば他の読み出しビット線)を評価出力線416から分離するようにも構成される。読み出し制御回路422は、アイドル段階で評価出力線416を再び充電し、次の読み出し動作に備えるように、プリチャージ回路418を制御する。
【0049】
図5A図5Cは、図4Aの例示的メモリシステムにおける読み出し動作の方法500を示すフローチャートである。方法500は、メモリシステム400内のビットセル列回路402内の読み出し制御回路422において、ビットセル列回路402内の複数のメモリビットセル回路404のうちのあるメモリビットセル回路404に記憶されたデータの論理状態を読み出すために、アイドル段階と、読み出し動作のプリチャージ段階と、読み出し動作の評価段階とのうちの1つの指示を受信するステップを含み、ビットセル列回路402は、ビットセル列回路402内の複数のメモリビットセル回路404のうちの第1の複数434のメモリビットセル回路404の各々内の読み出しポート回路408に結合される評価出力線416、フロート制御回路420及び第1読み出しビット線406を更に含む(ブロック502)。本方法は、読み出し制御回路422によって、プリチャージ回路418を制御し(ブロック504)、アイドル段階を示す指示に応答して、評価出力線416を供給電圧レール436に結合して、評価出力線416を第1プリチャージ状態に充電し(ブロック506)、読み出し動作のプリチャージ状態を示す指示に応答して、評価出力線416を供給電圧レール436に結合し、評価出力線416を第1プリチャージ状態に充電し(ブロック508)、読み出し動作の評価段階を示す指示に応答して、評価出力線416を供給電圧レール436から分離する(ブロック510)ことを含む。本方法は、読み出し制御回路422によって、フロート制御回路420を制御して(ブロック512)、読み出し動作のプリチャージ段階を示す指示に応答して、第1読み出しビット線406を評価出力線416に結合し(ブロック514)、読み出し動作の評価段階を示す指示に応答して、第1読み出しビット線406を評価出力線416に結合し(ブロック516)、アイドル段階を示す指示に応答して、第1読み出しビット線406を評価出力線416から分離する(ブロック518)ことを含む。本方法は、読み出し動作の評価段階を示す指示に応答して、第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの選択された1つにおける読み出しポート回路408によって、第1読み出しビット線406を接地電圧レール444に結合し、第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの選択された1つに記憶されたデータの第1論理状態に基づいて、評価出力線416を放電状態に放電することを含む(ブロック520)。本方法は、読み出し動作の評価段階を示す指示に応答して、第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの1つにおける読み出しポート回路408によって、接地電圧レール444から第1読み出しビット線406を分離し、第1の複数434のメモリビットセル回路404のうちの1つに記憶されたデータの第2論理状態に基づいて、評価出力線416を第1プリチャージ状態に維持することを含む(ブロック522)。本方法は、読み出し動作の評価段階の指示に応答して、列出力回路430において、第1プリチャージ状態を含む評価出力線416に基づく第1出力論理状態と、放電状態を含む評価出力線416に基づく第2出力論理状態とにおいて列出力信号432を生成すること(ブロック524)を含む。
【0050】
図6は、読み出し動作における図4A及び図4Bの例示的なメモリシステム400の内部の制御信号及びデータ信号を示すタイミング図である。読み出し動作に先立って、評価出力線416は、第1プリチャージ状態にプルアップされる。第1読み出しビット線406はフローティング状態にあり、リーク電流により放電状態となることがある。読み出し動作は、読み出しイネーブル信号RDEN及び読み出しアドレスADDRの指示に応答して、時刻T1で開始される。読み出しアドレスADDR及び読み出しイネーブル信号RDENの指示に応答して、第1読み出しビット線406は、評価出力線416に結合され、プリチャージ状態への充電を開始する。第2読み出しビット線446は引き続き、フローティング状態のままである。時刻T2で、システムクロック信号CLKは遷移(例えば上昇)し、これにより、時刻T3で、読み出し制御回路422をトリガして、プリチャージ回路418をターンオフして評価出力線416への充電が停止し、読み出しワード線信号RWLをアクティブにし、これは、読み出しポート回路408上のトランジスタ426をターンオンする。図6の読み出し動作では、メモリビットセル回路404に記憶されたデータが高状態であるため、第1読み出しビット線406が放電され、評価出力線416が低状態に遷移する。評価出力線416が低状態に遷移することに応答して、列出力信号432は、時刻T4において高状態に遷移する。時刻T5において、システムクロック信号CLKが再び遷移(例えば立ち下がりエッジ)し、これにより、読み出し制御回路422は、評価出力線416の充電を開始し、読み出しワード線信号RWLをターンオフにする。時刻T6において、読み出しアドレスADDRの指示が変化することがあり、これは、第1読み出しビット線406を評価出力線416から分離し、第1読み出しビット線406をフローティング状態のままにする。
【0051】
図7は、命令処理回路704を含むプロセッサ702(例えばマイクロプロセッサ)を含む、例示的なプロセッサベースのシステム700のブロック図である。プロセッサベースのシステム700は、プリント回路基板(PCB)、サーバ、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピューティングパッド、モバイルデバイス又は別の任意のデバイスのような電子ボードカードに含まれる1つ又は複数の回路であってよく、例えばサーバ又はユーザのコンピュータを表してよい。この例では、プロセッサベースのシステム700は、プロセッサ702を含む。プロセッサ702は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットのような1つ又は複数の汎用処理回路を表す。より詳細には、プロセッサ702は、EDGE命令セットマイクロプロセッサ、あるいはプロデューサ命令の実行から得られる生成値を通信するための明示的なコンシューマ命名(consumer naming)をサポートする命令セットを実装する他のプロセッサであり得る。プロセッサ702は、本明細書で議論される動作及びステップを実行するための命令において処理ロジックを実行するように構成される。この例では、プロセッサ702は、命令処理回路704によってアクセス可能な命令の一時的な高速アクセスメモリストレージのための命令キャッシュ706を含む。システムバス710を介してメインメモリ708のようなメモリからフェッチ又はプリフェッチされた命令は、命令キャッシュ706に記憶される。データは、プロセッサ702による低レイテンシアクセスのために、システムバス710に結合されたキャッシュメモリ712に記憶され得る。命令処理回路704は、命令キャッシュ706にフェッチされた命令を処理し、実行のために命令を処理するように構成される。
【0052】
プロセッサ702及びメインメモリ708は、システムバス710に結合され、プロセッサベースのシステム700に含まれる周辺デバイスを相互接続することができる。周知のように、プロセッサ702は、システムバス710を介してアドレス、コントロール及びデータ情報を交換することによって、これらの他のデバイスと通信する。例えばプロセッサ702は、スレーブデバイスの一例として、メインメモリ708内のメモリコントローラ714にバス・トランザクション要求を通信することができる。図7には図示されていないが、複数のシステムバス710を設けることができ、ここで、各システムバスは異なるファブリックを構成する。この例では、メモリコントローラ714は、メインメモリ708内のメモリアレイ716にメモリアクセス要求を提供するように構成される。メモリアレイ716は、データを記憶するためのストレージビットセルのアレイから構成される。メインメモリ708は、非限定的な例として、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)等のような動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)及び静的メモリ(例えばフラッシュメモリ、SRAM等)であってもよい。
【0053】
他のデバイスをシステムバス710に接続することができる。図7に図示されるように、これらのデバイスは、例として、メインメモリ708と、1つ以上の入力デバイス718と、1つ以上の出力デバイス720と、モデム722と、1つ以上のディスプレイコントローラ724を含むことができる。入力デバイス718は、これらに限定されないが、入力キー、スイッチ、音声プロセッサ等を含む、任意のタイプの入力デバイスを含むことができる。出力デバイス720は、これらに限定されないが、オーディオ、ビデオ、他の視覚的インジケータ等を含む、任意のタイプの出力デバイスを含むことができる。モデム722は、ネットワーク726との間でデータの交換を可能にするように構成される任意のデバイスとすることができる。ネットワーク726は、これらに限定されないが、有線又は無線ネットワーク、プライベート又はパブリックネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、広域ネットワーク(WAN)、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク及びインターネットを含む、任意のタイプのネットワークとすることができる。モデム722は、所望の任意のタイプの通信プロトコルをサポートするように構成されることができる。プロセッサ702はまた、1つ以上のディスプレイ728に送信される情報を制御するために、システムバス710を介してディスプレイコントローラ724にアクセスするようにも構成され得る。ディスプレイ728は、これらに限定されないが、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ等を含む、任意のタイプのディスプレイを含むことができる。
【0054】
図7のプロセッサベースのシステム700は、命令に従って、所望の任意のアプリケーションのためにプロセッサ702によって実行される命令730のセットを含んでよい。命令730は、非一時的なコンピュータ読取可能媒体732の例として、メインメモリ708、プロセッサ702及び/又は命令キャッシュ706に記憶され得る。命令730はまた、その実行中に、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ708内及び/又はプロセッサ702内に存在してもよい。命令730は更に、ネットワーク726がコンピュータ読取可能媒体732を含むように、モデム722を介してネットワーク726上で送信又は受信され得る。
【0055】
コンピュータ読取可能媒体732は、例示的な実施形態において単一媒体であるように示されているが、「コンピュータ読取可能媒体」という用語は、1つ以上の命令セットを記憶する単一媒体又は複数媒体(例えば集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものと解釈されるべきである。「コンピュータ読取可能媒体」という用語は、処理デバイスによる実行のための命令のセットを記憶し、符号化し又は搬送することができ、かつ処理デバイスに本明細書に開示された実施形態の方法論のうちのいずれか1つ以上を実行させる任意の媒体も含むものと解釈されるべきである。したがって、「コンピュータ読取可能媒体」という用語は、これらに限定されないが、ソリッドステートメモリ、光学媒体及び磁気媒体を含むものと解釈されるべきである。
【0056】
プロセッサベースのシステム700内のプロセッサ702は、その中の任意のデバイス内に、図4A及び図4Bに図示されるように、第1の複数のメモリビットセル回路のうちの1つへの読み出し動作において、第1読み出しビット線を列読み出し回路に選択的に結合するように構成される読み出し制御回路を含むビットセル列回路の特徴を含む、例示的なメモリアレイシステムを含み得る。
【0057】
本明細書において開示される実施形態は、様々なステップを含む。本明細書において開示される実施形態のステップは、ハードウェア構成要素によって形成されてよく、あるいは機械実行可能命令で具体化されてもよく、機械実行可能命令は、命令でプログラムされた汎用又は専用プロセッサにステップを実行させるために使用されてよい。あるいは、ステップは、ハードウェアとソフトウェアの組合せによって実行されてもよい。
【0058】
本明細書において開示される実施形態は、命令を記憶した機械読取可能媒体(又はコンピュータ読取可能媒体)を含み得るコンピュータプログラム製品又はソフトウェアとして提供されてよく、命令は、本明細書において開示される実施形態によるプロセスを実行するようにコンピュータシステム(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る。機械読取可能媒体は、機械(例えばコンピュータ)によって読取可能な形式で情報を記憶又は送信するための任意のメカニズムを含む。例えば機械読取可能媒体は、機械読取可能記憶媒体(例えばROM、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)等を含む。
【0059】
特に明記されない限り、また、前述の説明から明らかなように、説明全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「決定する」、「表示する」等のような用語を利用する説明は、コンピュータシステムのレジスタ内の物理的(電子的)量として表されるデータ及びメモリを、コンピュータシステムメモリ又はレジスタ、あるいは他のそのような情報記憶デバイス、送信デバイス又はディスプレイデバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作して変換する、コンピュータシステム又は同様の電子コンピューティングデバイスの動作及びプロセスを指すことが理解される。
【0060】
本明細書において提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いずれの特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的に関連しない。様々なシステムは、本明細書の教示に従ってプログラムとともに使用されてよく、あるいは、必要な方法ステップを実行するために、より特殊化した装置を構築することが便利であることが判明することがある。様々なこれらのシステムに必要な構造は、上記の説明から明らかになるであろう。加えて、本明細書において説明される実施形態は、いずれかの特定のプログラミング言語を参照して説明されない。本明細書で説明される実施形態の教示を実装するために、様々なプログラミング言語が使用されてよいことが理解されよう。
【0061】
当業者は、本明細書において開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムが、電子ハードウェア、メモリ又は別のコンピュータ読取可能媒体に記憶され、かつプロセッサ又は他の処理デバイスによって実行される命令、あるいはその両方の組合せとして実装されてもよいことを更に理解するであろう。本明細書で説明される分散アンテナシステムの構成要素は、例として、任意の回路、ハードウェア構成要素、集積回路(IC)又はICチップに用いられてもよい。本明細書で開示されるメモリは、任意のタイプ及びサイズのメモリであってよく、任意のタイプの所望の情報を記憶するように構成されてもよい。この互換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及びステップが、それらの機能に関して一般的に上述されている。そのような機能がどのように実装されるかは、特定の用途、設計の選択及び/又はシステム全体に課せられる設計制約に依存する。当業者は、説明された機能性を、それぞれの特定の用途に対して様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本実施形態の範囲から逸脱するものとして解釈されるべきではない。
【0062】
本明細書において開示される実施形態に関連して説明された様々な例示的論理ブロック、モジュール及び回路は、本明細書で説明される機能を実行するように設計された、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート又はトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、あるいはそれらの任意の組合せを用いて実装又は実行されてよい。さらに、コントローラはプロセッサであってもよい。プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態マシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(例えばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合した1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成)として実装されてもよい。
【0063】
本明細書において開示される実施形態は、ハードウェア及びハードウェアに記憶される命令で実装されてよく、例えばRAM、フラッシュメモリ、ROM、電気的にプログラム可能なROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM又は当該技術分野で公知の任意の他の形態のコンピュータ読取可能媒体に存在してもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替的に、記憶媒体はプロセッサに一体化されてもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在してもよい。ASICは、遠隔局に存在してもよい。代替的に、プロセッサ及び記憶媒体は、遠隔局、基地局又はサーバ内の個別の構成要素として存在してもよい。
【0064】
また、本明細書の例示的実施形態のいずれかに記載された動作ステップは、実施例及び議論を提供するために記載されていることにも留意されたい。説明される動作は、図示されるシーケンス以外の多数の異なるシーケンスで実行されてもよい。さらに、単一の動作ステップで説明される動作は、実際には、いくつかの異なるステップで実行されてもよい。さらに、例示的な実施形態で説明した1つ以上の動作ステップが組み合わされてもよい。当業者はまた、情報及び信号が、様々な技術及び技法のいずれかを使用して表されてもよいことも理解するであろう。例えば上記の説明全体を通じて参照されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光場又は粒子、又はそれらの任意の組合せによって表されることがある。
【0065】
特に明記しない限り、本明細書で説明されるいずれの方法も、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とすると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法のクレームが、そのステップが従うべき順序を実際に記載していない場合、あるいは、ステップが特定の順序に限定されるべきであることが特許請求の範囲又は明細書において具体的に述べられていない場合、いかなる特定の順序も推論されることも意図されていない。
【0066】
本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変形を行うことができることが、当業者には明らかであろう。本発明の精神及び内容を組み込んだ開示される実施形態の修正、組合せ、サブ組合せ及び変形が、当業者に想起され得るので、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内のすべてを含むと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
【国際調査報告】