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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】電力検出回路、チップ及び通信端末
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/32 20060101AFI20240709BHJP
   G01R 19/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G01R19/32
G01R19/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581055
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 CN2022103463
(87)【国際公開番号】W WO2023274415
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110753543.0
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524003987
【氏名又は名称】上海唯捷創芯電子技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI VANCHIP TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 10 No.115, Lane 572, Bibo Road, Pudong New Area Shanghai 201203, Peoples Republic of CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】王 永壽
(72)【発明者】
【氏名】李 春領
(72)【発明者】
【氏名】陳 成
(72)【発明者】
【氏名】高 晨陽
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AA03
2G035AA10
2G035AB07
2G035AC03
2G035AD07
2G035AD10
2G035AD14
2G035AD20
2G035AD45
2G035AD54
2G035AD55
2G035AD56
(57)【要約】
【課題】出力電圧が温度によって変化しない電力検出回路、チップ及び通信端末をを提供する。
【解決手段】電力検出回路は、電力検出ユニットと、基準電流生成ユニットと、電圧-電流変換ユニットと、演算出力ユニットとを備える。電力検出ユニットの出力端は、電圧-電流変換ユニットの入力端に接続され、電圧-電流変換ユニット及び基準電流生成ユニットの出力端は、それぞれ演算出力ユニットの入力端に接続される。この回路は、電力検出ユニットが受信した被検出RF信号を直流電圧に変換する過程において、感度の修正を行うことにより、検出感度を効果的に調整することができると共に、基準電流生成ユニットを用いて温度係数の異なる基準電流を生成することにより、動作温度の範囲内で温度によって検出精度が変化しないようにすることができる。よって、電力検出回路から最終的に出力される電圧が温度によって変化しないように確保し、高い検出精度を有することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力検出回路であって、
電力検出ユニットと、基準電流生成ユニットと、電圧-電流変換ユニットと、演算出力ユニットとを備え、前記電力検出ユニットの出力端は、前記電圧-電流変換ユニットの入力端に接続され、前記電圧-電流変換ユニットは、前記基準電流生成ユニットの出力端と前記演算出力ユニットの入力端に接続され、
前記電力検出ユニットを用いて、受信した被検出RF信号を順次、校正及びフィルタリングし、前記電圧-電流変換ユニットに出力される特定の温度係数を有する直流電圧信号を取得し、前記演算出力ユニットに出力される対応する直流電流を取得すると共に、前記基準電流生成ユニットにより温度係数の異なる基準電流を生成し、その中から前記直流電流と同じ温度係数の基準電流を選択して前記演算出力ユニットに出力し、対応する直流電流と所定の比率に従って重ね合わせ演算することにより、温度に依存しない出力電流を取得し、対応する出力電圧に変換する、ことを特徴とする電力検出回路。
【請求項2】
前記電力検出ユニットは、検出サブユニット、検出感度修正サブユニット及びローパス・フィルタリング・サブユニットを備え、前記検出サブユニットの入力端は、被検出RF信号に接続され、前記検出サブユニットの調整端子は、前記検出感度修正サブユニットの共通端子に接続され、前記検出サブユニットの出力端は、前記ローパス・フィルタリング・サブユニットの入力端に接続され、前記検出感度修正サブユニットの入力端は、外部のバンドギャップ基準回路に接続され、前記ローパス・フィルタリング・サブユニットの出力端は、前記電圧-電流変換ユニットの入力端に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電力検出回路。
【請求項3】
前記電力検出ユニットは、第1のコンデンサと、第1のNMOS管と、第1のPMOS管とを備え、前記第1のコンデンサの一端は、被検出RF信号に接続され、前記第1のコンデンサの他端は、前記第1のNMOS管のゲートに接続され、前記第1のNMOS管のゲート及びドレインは互いに接続されて、前記第1のPMOS管のドレイン、前記検出感度修正サブユニットの共通端子及び前記ローパス・フィルタリング・サブユニットの入力端に接続され、前記第1のNMOS管のソースは接地される、ことを特徴とする請求項2に記載の電力検出回路。
【請求項4】
前記検出感度修正サブユニットは、電流源、第2のPMOS管、複数の第3のPMOS管及びトグルスイッチを備え、前記電流源は、前記第2のPMOS管のドレイン及び各々の前記第3のPMOS管のゲートに接続され、前記第2のPMOS管のゲートは、前記第1のPMOS管のゲートに接続され、各々の前記第3のPMOS管のドレインは、対応するトグルスイッチの可動端に対応して接続され、各々の前記トグルスイッチの不動端は、互いに接続されて前記第1のPMOS管と前記第1のNMOS管のドレインとの間の結点に接続され、前記検出感度修正サブユニットの共通端子を構成し、前記第2のPMOS管及び各々の前記第3のPMOS管のソースは、電源電圧に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の電力検出回路。
【請求項5】
前記基準電流生成ユニットは、基準電圧生成サブユニット、電圧温度係数修正サブユニット及び電圧-電流変換サブユニットを備え、前記基準電圧生成サブユニットの出力端は、前記電圧温度係数修正サブユニットの入力端に接続され、前記電圧温度係数修正サブユニットの出力端は、前記電圧-電流変換サブユニットの入力端に接続され、前記電圧-電流変換サブユニットの出力端は、前記演算出力ユニットの入力端に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電力検出回路。
【請求項6】
前記電圧温度係数修正サブユニットは、同数の第5の抵抗及び制御スイッチを備え、各々の前記第5の抵抗は順次、直列に接続され、且つ隣接する前記第5の抵抗の間、及び最後の前記第5の抵抗と前記基準電圧生成サブユニットの第4のPMOS管のドレインとの間に、それぞれ抵抗フィードバック・ノードが設けられ、各々の前記抵抗フィードバック・ノードは、各々の前記制御スイッチの可動端と1対1に対応して接続され、各々の前記制御スイッチの不動端は、前記電圧-電流変換サブユニットの入力端に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の電力検出回路。
【請求項7】
前記電圧-電流変換ユニット及び電圧-電流変換サブユニットはそれぞれ、第2のオペアンプ、第2のNMOS管、第6のPMOS管、第7のPMOS管及び第6の抵抗を備え、前記電圧-電流変換ユニットの場合、前記第2のオペアンプの正相入力端は、前記電力検出ユニットの出力端に接続され、前記電圧-電流変換サブユニットの場合、前記第2のオペアンプの正相入力端は、前記電圧温度係数修正サブユニットの出力端に接続され、前記第2のオペアンプの反転入力端は、前記第6の抵抗の一端及び前記第2のNMOS管のソースに接続され、前記第2のオペアンプの出力端は、前記第2のNMOS管のゲートに接続され、前記第2のNMOS管のドレインは、前記第6のPMOS管のドレイン及びゲート及び前記第7のPMOS管のゲートに接続され、前記第6のPMOS管及び前記第7のPMOS管のソースは、電源電圧に接続され、前記第7のPMOS管のドレインは、前記演算出力ユニットの入力端に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の電力検出回路。
【請求項8】
前記演算出力ユニットは、演算サブユニット及び電流-電圧変換サブユニットを備え、前記演算サブユニットの入力端は、前記電圧-電流変換ユニット及び前記基準電流生成ユニットの出力端に接続され、前記演算サブユニットの出力端は、前記電流-電圧変換サブユニットの入力端に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電力検出回路。
【請求項9】
前記演算サブユニットは、第3のNMOS管、第4のNMOS管、第5のNMOS管、第6のNMOS管、第8のPMOS管、第10のPMOS管、第7の抵抗及び第8の抵抗を備え、前記第7の抵抗の一端は、前記基準電流生成ユニットの出力端及び前記第3のNMOS管、前記第4のNMOS管のゲートに接続され、前記第7の抵抗の他端は、前記第3のNMOS管のドレイン及び前記第5のNMOS管、前記第6のNMOS管のゲートに接続され、前記第3のNMOS管のソースは、前記第5のNMOS管のドレインに接続され、前記第8の抵抗の一端は、前記電圧-電流変換ユニットの出力端、前記第8のPMOS管のドレイン及び前記第10のPMOS管のゲートに接続され、前記第8の抵抗の他端は、前記第4のNMOS管のドレイン及び前記第8のPMOS管のゲートに接続され、前記第4のNMOS管のソースは、前記第6のNMOS管のドレインに接続され、前記第8のPMOS管のソースは、前記第10のPMOS管のドレインに接続され、前記第10のPMOS管のソースは電源電圧に接続され、前記第5のNMOS管及び前記第6のNMOS管のソースは接地される、ことを特徴とする請求項8に記載の電力検出回路。
【請求項10】
前記電流-電圧変換サブユニットは、第9のPMOS管、第11のPMOS管、第9の抵抗、第10の抵抗及び電圧バッファを備え、前記第11のPMOS管のゲートは、前記第10のPMOS管のゲートに接続され、前記第11のPMOS管のドレインは、前記第9のPMOS管のソースに接続され、前記第9のPMOS管のゲートは、前記第8のPMOS管のゲートに接続され、前記第9のPMOS管のドレインは、前記第9の抵抗の一端に接続され、前記第9の抵抗の他端は、前記第10の抵抗の一端及び前記電圧バッファの正相入力端に接続され、前記電圧バッファの反転入力端はその出力端に接続され、前記第11のPMOS管のソースは電源電圧に接続され、前記第10の抵抗の他端は接地される、ことを特徴とする請求項9に記載の電力検出回路。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の電力検出回路を備える、ことを特徴とする集積回路チップ。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の電力検出回路を備える、ことを特徴とする通信端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力検出回路に関すると共に、この電力検出回路を備える集積回路チップ及び対応する通信端末に関し、集積回路の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
通信システムの集積度が向上するに伴い、RFフロントエンド・チップの性能要求に対して、新たな要件と課題が提示されている。特に、RF送信システムにおいて、高性能・高電力の電力増幅器は、優れたRF性能を得ると同時にシステム全体の信頼性を向上させるために、電力増幅器から出力される送信電力を検出する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、電力検出回路を提供することである。
【0004】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、上記の電力検出回路を備えるチップ及び通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は次の技術的解決策を採用する。
本発明の実施例における第1の態様により、電力検出ユニットと、基準電流生成ユニットと、電圧-電流変換ユニットと、演算出力ユニットとを備える電力検出回路を提出する。前記電力検出ユニットの出力端は、前記電圧-電流変換ユニットの入力端に接続され、前記電圧-電流変換ユニットは、前記基準電流生成ユニットの出力端と前記演算出力ユニットの入力端に接続される。
【0006】
前記電力検出ユニットを用いて、受信した被検出RF信号を順次、校正及びフィルタリングして、前記電圧-電流変換ユニットに出力される対応する温度係数を有する直流電圧信号を取得し、前記演算出力ユニットに出力される対応する直流電流を取得する。同時に、前記基準電流生成ユニットにより温度係数の異なる基準電流を生成し、その中から前記直流電流と同じ温度係数の基準電流を選択して前記演算出力ユニットに出力し、対応する直流電流と所定の比率に従って重ね合わせ演算することにより、温度に依存しない出力電流を取得し、対応する出力電圧に変換する。
【0007】
好ましくは、前記電力検出ユニットは、検出サブユニット、検出感度修正サブユニット及びローパス・フィルタリング・サブユニットを備える。前記検出サブユニットの入力端は、被検出RF信号に接続され、前記検出サブユニットの調整端子は、前記検出感度修正サブユニットの共通端子に接続される。前記検出サブユニットの出力端は、前記ローパス・フィルタリング・サブユニットの入力端に接続され、前記検出感度修正サブユニットの入力端は、バンドギャップ基準回路に接続され、前記ローパス・フィルタリング・サブユニットの出力端は、前記電圧-電流変換ユニットの入力端に接続される。
【0008】
好ましくは、前記電力検出ユニットは、第1のコンデンサと、第1のNMOS管と、第1のPMOS管とを備える。前記第1のコンデンサの一端は、被検出RF信号に接続され、前記第1のコンデンサの他端は、前記第1のNMOS管のゲートに接続される。前記第1のNMOS管のゲート及びドレインは互いに接続されて、前記第1のPMOS管のドレイン、前記検出感度修正サブユニットの共通端子及び前記ローパス・フィルタリング・サブユニットの入力端に接続され、前記第1のNMOS管のソースは接地される。
【0009】
好ましくは、前記検出感度修正サブユニットは、電流源、第2のPMOS管、複数の第3のPMOS管及びトグルスイッチを備える。前記電流源は、前記第2のPMOS管のドレイン及び各々の前記第3のPMOS管のゲートに接続され、前記第2のPMOS管のゲートは、前記第1のPMOS管のゲートに接続され、各々の前記第3のPMOS管のドレインは対応するトグルスイッチの可動端に対応して接続される。各々の前記トグルスイッチの不動端は、互いに接続されて前記第1のPMOS管と前記第1のNMOS管のドレインとの間の結点に接続され、前記検出感度修正サブユニットの共通端子を構成し、前記第2のPMOS管及び各々の前記第3のPMOS管のソースは、電源電圧に接続される。
【0010】
好ましくは、前記基準電流生成ユニットは、基準電圧生成サブユニット、電圧温度係数修正サブユニット及び電圧-電流変換サブユニットを備える。前記基準電圧生成サブユニットの出力端は、前記電圧温度係数修正サブユニットの入力端に接続され、前記電圧温度係数修正サブユニットの出力端は、前記電圧-電流変換サブユニットの入力端に接続され、前記電圧-電流変換サブユニットの出力端は、前記演算出力ユニットの入力端に接続される。
【0011】
好ましくは、前記電圧温度係数修正サブユニットは、同数の第5の抵抗及び制御スイッチを備える。前記第5の抵抗の各々は順次、直列に接続され、且つ隣接する前記第5の抵抗の間、及び最後の前記第5の抵抗と前記基準電圧生成サブユニットの第4のPMOS管のドレインとの間に、それぞれ抵抗フィードバック・ノードが設けられ、各々の前記抵抗フィードバック・ノードは、各々の前記制御スイッチの可動端と1対1に対応して接続され、各々の前記制御スイッチの不動端は、前記電圧-電流変換サブユニットの入力端に接続される。
【0012】
好ましくは、前記電圧-電流変換ユニットは、第2のオペアンプ、第2のNMOS管、第6のPMOS管、第7のPMOS管及び第6の抵抗を備える。ここで、前記第2のオペアンプの正相入力端は、前記電力検出ユニットの出力端に接続される。
【0013】
または、前記電圧-電流変換サブユニットは、第2のオペアンプ、第2のNMOS管、第6のPMOS管、第7のPMOS管及び第6の抵抗を備える。ここで、前記第2のオペアンプの正相入力端は、前記電圧温度係数修正サブユニットの出力端に接続され、前記第2のオペアンプの反転入力端は、前記第6の抵抗の一端及び前記第2のNMOS管のソースに接続される。前記第2のオペアンプの出力端は、前記第2のNMOS管のゲートに接続され、前記第2のNMOS管のドレインは、前記第6のPMOS管のドレイン及びゲート及び前記第7のPMOS管のゲートに接続される。前記第6のPMOS管及び前記第7のPMOS管のソースは、電源電圧に接続され、前記第7のPMOS管のドレインは、前記演算出力ユニットの入力端に接続される。
【0014】
好ましくは、前記演算出力ユニットは、演算サブユニット及び電流-電圧変換サブユニットを備える。前記演算サブユニットの入力端は、前記電圧-電流変換ユニット及び前記基準電流生成ユニットの出力端に接続され、前記演算サブユニットの出力端は、前記電流-電圧変換サブユニットの入力端に接続される。
【0015】
好ましくは、前記演算サブユニットは、第3のNMOS管、第4のNMOS管、第5のNMOS管、第6のNMOS管、第8のPMOS管、第10のPMOS管、第7の抵抗及び第8の抵抗を備える。前記第7の抵抗の一端は、前記基準電流生成ユニットの出力端及び前記第3のNMOS管、前記第4のNMOS管のゲートに接続され、前記第7の抵抗の他端は、前記第3のNMOS管のドレイン及び前記第5のNMOS管、前記第6のNMOS管のゲートに接続される。前記第3のNMOS管のソースは、前記第5のNMOS管のドレインに接続され、前記第8の抵抗の一端は、前記電圧-電流変換ユニットの出力端、前記第8のPMOS管のドレイン及び前記第10のPMOS管のゲートに接続され、前記第8の抵抗の他端は、前記第4のNMOS管のドレイン及び前記第8のPMOS管のゲートに接続される。前記第4のNMOS管のソースは、前記第6のNMOS管のドレインに接続され、前記第8のPMOS管のソースは、前記第10のPMOS管のドレインに接続され、前記第10のPMOS管のソースは電源電圧に接続され、前記第5のNMOS管及び前記第6のNMOS管のソースは接地される。
【0016】
好ましくは、前記電流-電圧変換サブユニットは、第9のPMOS管、第11のPMOS管、第9の抵抗、第10の抵抗及び電圧バッファを備える。前記第11のPMOS管のゲートは、前記第10のPMOS管のゲートに接続され、前記第11のPMOS管のドレインは、前記第9のPMOS管のソースに接続され、前記第9のPMOS管のゲートは、前記第8のPMOS管のゲートに接続される。前記第9のPMOS管のドレインは、前記第9の抵抗の一端に接続され、前記第9の抵抗の他端は、前記第10の抵抗の一端及び前記電圧バッファの正相入力端に接続される。前記電圧バッファの反転入力端はその出力端に接続され、前記第11のPMOS管のソースは電源電圧に接続され、前記第10の抵抗の他端は接地される。
【0017】
本発明の実施例における第2の態様によれば、上記の電力検出回路を備える集積回路チップを提供する。
【0018】
本発明の実施例における第3の態様によれば、上記の電力検出回路を備える通信端末を提供する。
【0019】
本発明により提供される電力検出回路は、電力検出ユニットが受信した被検出RF信号を直流電圧に変換する過程において、その変換精度を校正し、検出感度を効果的に調整することができると同時に、基準電流生成ユニットを用いて温度係数の異なる基準電流を生成することで、動作温度の範囲内で温度によって検出精度が変化しないことを実現し、よって、電力検出回路から最終的に出力される電圧が温度によって変化しないことを確保する。したがって、本発明は、標準的なCMOSプロセスに基づいて、RF電力の検出を実現することができ、システムのコストを効果的に低減し、高い検出精度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態によって提供される電力検出回路の構造を示す概略図である。
図2】本発明の実施形態によって提供される電力検出回路における電力検出ユニットの回路を示す概略図である。
図3】本発明の実施形態によって提供される電力検出回路における基準電流生成ユニットの回路を示す概略図である。
図4】本発明の実施形態によって提供される電力検出回路における電圧-電流(V-I)変換ユニットの回路を示す概略図である。
図5】本発明の実施形態によって提供される電力検出回路における演算出力ユニットの回路を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の技術的内容を、添付図と具体的な実施形態を参照して、さらに詳細に説明する。
【0022】
RF電力増幅器に用いられる既存の電力検出回路のコストが高く、検出精度が低い問題を解決するために、本発明の実施形態では、図1に示すように、電力検出ユニット100、基準電流生成ユニット200、電圧-電流(V-I)変換ユニット300及び演算出力ユニット400を備える電力検出回路を提供する。電力検出ユニット100の出力端は、電圧-電流変換ユニット300の入力端に接続され、電圧-電流変換ユニット300の出力端及び基準電流生成ユニット200の出力端はそれぞれ、演算出力ユニット400の入力端に接続される。
【0023】
電力検出ユニット100を用いて、受信した被検出RF信号を順次、変換及び校正・フィルタリングし、電圧-電流変換ユニット300に出力される所定の温度係数及び精度を有する直流電圧信号を取得し、演算出力ユニット400に出力される対応する直流電流を取得する。同時に、基準電流生成ユニット200は、温度係数の異なる基準電流を生成し、その中から電力検出ユニット100によって出力される直流電圧の温度係数と同じの基準電流を選択し、これを演算出力ユニット400に出力して、対応する直流電流と所定の比率に従って重ね合わせ演算を行い、温度に依存しない出力電流を取得して対応する出力電圧に変換することで、RF電力増幅器の出力電力の高低を特徴づけ、RF電力増幅器の出力電力の検出を実現する。
【0024】
図1に示すように、電力検出ユニット100は、検出サブユニット101、検出感度修正サブユニット102及びローパス・フィルタリング・サブユニット103を備える。検出サブユニット101の入力端は、被検出RF信号に接続され、検出サブユニット101の調整端子は、検出感度修正サブユニット102の共通端子に接続される。検出サブユニット101の出力端は、ローパス・フィルタリング・サブユニット103の入力端に接続され、検出感度修正サブユニット102の入力端は、バンドギャップ基準回路に接続され、ローパス・フィルタリング・サブユニット103の出力端は、電圧-電流変換ユニット300の入力端に接続される。
【0025】
具体的には、検出サブユニット101は、被検出RF信号の検波を完了し、対応する交流変換電圧信号を取得するために使用される。図2に示すように、電力検出ユニット100は、第1のコンデンサCin、第1のNMOS管NM0及び第1のPMOS管PM10を備える。第1のコンデンサCinの一端は、被検出RF信号に接続され、第1のコンデンサCinの他端は、ダイオード接続形式の第1のNMOS管NM0のゲートに接続される。第1のNMOS管NM0のゲート及びドレインは(検出サブユニット101の出力端として)互いに接続され、且つ第1のPMOS管PM10のドレイン、検出感度修正サブユニット102の共通端子VN及びローパス・フィルタリング・サブユニット103の入力端に接続され、第1のNMOS管NM0のソースは接地される。
【0026】
第1のコンデンサCinは、交流信号を結合するコンデンサであり、被検出RF信号は、対応する交流変換電圧信号を取得するために、第1のコンデンサCinを介して第1のNMOS管NM0に結合される。ここで、第1のPMOS管PM10は、第1のNMOS管NM0にバイアス電流を供給することによって、その正常な動作を確保するために使用される。
【0027】
第1のNMOS管NM0は、受信したRF信号を対応する電圧信号に変換する過程において、環境要因の影響を受けるため、取得した交流変換電圧信号が負の温度係数特性を有する。したがって、検出感度修正サブユニット102によって、正の温度係数を有する補償電圧を生成する必要があり、これは、RF信号が実際に対応する変換電圧値に基づいて、第1のNMOS管NM0によって生成された負の温度係数の電圧信号を校正し、所定の温度係数を有する電圧信号を取得するために用いられる。通常は、検出感度修正サブユニット102を用いて、第1のNMOS管NM0から取得した負の温度係数の電圧信号をゼロ温度係数の電圧信号に校正する。
【0028】
図2に示すように、検出感度修正サブユニット102は、電流源IBIAS、第2のPMOS管PM0、複数の第3のPMOS管(PM1~PMn)及び複数のトグルスイッチ(S1~Sn)を備える。電流源IBIASは、第2のPMOS管PM0のドレインとゲート、及び各々の第3のPMOS管のゲートに接続され、各々の第3のPMOS管のドレインは、対応するトグルスイッチの可動端に対応して接続される(すなわち、第3のPMOS管PM1のドレインは、トグルスイッチS1の可動端に接続され……第3のPMOS管PMnのドレインは、トグルスイッチSnの可動端に接続される)。各々のトグルスイッチの不動端は、互いに接続されて第1のPMOS管PM10と第1のNMOS管NM0のドレインとの間の結点VNに接続され、検出感度修正サブユニット102の共通端子VNを構成し、第2のPMOS管PM0及び各々の第3のPMOS管のソースは、電源電圧VDDに接続される。
【0029】
バンドギャップ基準回路によって提供される電流源IBIASは、ダイオード接続形式の第2のPMOS管PM0に直流電流を供給し、第2のPMOS管PM0と第3のPMOS管PM1~PMnとは、電流ミラー回路を構成する。第3のPMOS管PM1~PMnによって正の温度係数を有する変換電流信号を形成し、RF信号が実際に対応する交流電圧値に従って、トグルスイッチS1~Snの開閉数を調整し、トグルスイッチが位置する電流がオンになるように選択して、第1のNMOS管NM0によって生成された変換感度を校正する。スイッチS1~Snは、異なるスイッチを選択して導通させることにより、異なる検出感度を有するように、NMOS管NM0に異なるバイアス電流を供給すると同時に、基準電流生成ユニットを介して、特定の温度係数を有する電圧信号を生成し、最後に演算出力ユニットで減算することにより、温度係数の影響を排除し、温度係数がゼロの出力を取得する。
【0030】
ローパス・フィルタリング・サブユニット103は、検出感度修正サブユニット102で校正された後に取得した所定の温度係数を有する交流電圧信号をフィルタリングして、交流成分をフィルタ除去し、所定の温度係数を有する直流電圧信号VRMSを得る。図2に示すように、ローパス・フィルタリング・サブユニット103は、第1の抵抗R1、第2の抵抗R2、第2のコンデンサC1及び第3のコンデンサC2を備える。第1の抵抗R1の一端は、検出サブユニット101の出力端に接続され、第1の抵抗R1の他端は、第2の抵抗R2及び第2のコンデンサC1の一端に接続され、第2の抵抗R2の他端は、第3のコンデンサC2の一端に接続され、第2のコンデンサC1及び第3のコンデンサC2の他端は接地される。ここで、第1の抵抗R1と第2のコンデンサC1は1次フィルタリングを実現し、第2の抵抗R2と第3のコンデンサC2は2次フィルタリングを実現する。
【0031】
図1に示すように、基準電流生成ユニット200は、基準電圧生成サブユニット201、電圧温度係数修正サブユニット202及び電圧-電流(V-I)変換サブユニット203を備える。基準電圧生成サブユニット201の出力端は、電圧温度係数修正サブユニット202の入力端に接続され、電圧温度係数修正サブユニット202の出力端は、電圧-電流(V-I)変換サブユニット203の入力端に接続され、電圧-電流(V-I)変換サブユニット203の出力端は、演算出力ユニット400の入力端に接続される。
【0032】
基準電圧生成サブユニット201は基準電圧を生成する。図3に示すように、基準電圧生成サブユニット201は、バンドギャップ基準モジュールを用いて実現される。このバンドギャップ基準モジュールは、第1の三極管Q1、第2の三極管Q0、第1のオペアンプOP1、第3の抵抗R20、第4の抵抗R21、第4のPMOS管PM20及び第5のPMOS管PM21を備える。第1の三極管Q1のエミッタは、第1のオペアンプOP1の反転入力端及び第4の抵抗R21の一端に接続され、第2の三極管Q0のエミッタは、第3の抵抗R20を介して第1のオペアンプOP1の正相入力端に接続される。第1のオペアンプOP1の出力端は、第4のPMOS管PM20及び第5のPMOS管PM21のゲートに接続され、第4の抵抗R21の他端は、第5のPMOS管PM21のドレインに接続される。第4のPMOS管PM20のドレインと第1のオペアンプOP1の正相入力端との間には、電圧温度係数修正サブユニット202が設けられ、第4のPMOS管PM20及び第5のPMOS管PM21のソースは、電源電圧VDDに接続され、第1の三極管Q1、第2の三極管Q0のベース及びコレクタは、それぞれ接地される。ここで、バンドギャップ基準モジュールで基準電圧を生成する過程は従来技術であるため、本明細書では説明を省略する。
【0033】
電圧温度係数修正サブユニット202は、基準電圧生成サブユニット201と協働して温度係数の異なる基準電圧を生成するために使用される。図3に示すように、電圧温度係数修正サブユニット202は、同数の第5の抵抗(R22_1~R22_n)及び制御スイッチS22_1~S22_nを備える。各々の第5の抵抗は順次、直列に接続され、且つ隣接する第5の抵抗の間、及び最後の第5の抵抗と第4のPMOS管PM20のドレインとの間には、それぞれ抵抗フィードバック・ノードが設けられる。各々の抵抗フィードバック・ノードは、各々の制御スイッチの可動端と1対1に対応して接続され、各々の制御スイッチの不動端は、電圧-電流(V-I)変換サブユニット203の入力端に接続される。
【0034】
ここで、各々の抵抗フィードバック・ノードは異なる電圧に対応し、利得係数の多様性を実現するために、各々の抵抗フィードバック・ノードは、異なる利得係数を出力する。対応する制御スイッチのオン・オフを制御することにより、決定された数値と決定された温度係数を有する基準電圧Vrefi(T)を電圧-電流(V-I)変換サブユニット203に出力することが実現される。この電圧Vrefi(T)は、電力検出ユニット100から出力される直流電圧と同じ温度係数を有する。
【0035】
温度係数が異なる基準電圧を表わす式を、式(1)及び式(2)に示す。
【0036】
上の式において、VEB(T)は、第1のオペアンプOP1の正相入力端の電圧値を示し、miは、選択された抵抗を構成する係数を示し、VTは、定数である熱電圧を示し、Nは、第2の三極管Q0と第1の三極管Q1の大きさの比を示す。
【0037】
図4に示すように、電圧-電流(V-I)変換ユニット300は、電圧-電流(V-I)変換サブユニット203と同様の構造を有し、それぞれ、第2のオペアンプ301、第2のNMOS管NM1、第6のPMOS管PM6、第7のPMOS管PM7及び第6の抵抗R6を備える。電圧-電流(V-I)変換ユニット300の場合、第2のオペアンプ301の正相入力端は、電力検出ユニット100の出力端に接続され、電圧-電流(V-I)変換サブユニット203の場合、第2のオペアンプ301の正相入力端は、電圧温度係数修正サブユニット202の出力端に接続され、第2のオペアンプ301の反転入力端は、第6の抵抗R6の一端及び第2のNMOS管NM1のソースに接続される。第2のオペアンプ301の出力端は、第2のNMOS管NM1のゲートに接続され、第2のNMOS管NM1のドレインは、第6のPMOS管PM6のドレイン及びゲート、第7のPMOS管PM7のゲートに接続される。第6のPMOS管PM6及び第7のPMOS管PM7のソースは、電源電圧VDDに接続され、第7のPMOS管PM7のドレインは、演算出力ユニット400の入力端に接続される。
【0038】
電圧-電流(V-I)変換ユニット300の場合、第2のオペアンプ301により、隣接する第6の抵抗R6の直上の結点電圧を、電力検出ユニット100から出力される所定の温度係数を有する直流電圧とし、対応する直流電流I1を式(3)により求め、第6のPMOS管PM6と第7のPMOS管PM7でミラーリングして出力する。
【0039】
電圧-電流(V-I)変換サブユニット203の場合、第2のオペアンプ301により、隣接する第6の抵抗R6の直上の結点電圧を、電圧温度係数修正サブユニット202から出力され、電力検出ユニット100から出力される直流電圧と同じ温度係数を有する基準電圧とし、対応する基準電流I2を式(3)により求め、第6のPMOS管PM6と第7のPMOS管PM7でミラーリングして出力する。
I=V/R (3)
【0040】
図5に示すように、演算出力ユニット400は、演算サブユニット401及び電流-電圧(I-V)変換サブユニット402を備える。演算サブユニット401の入力端は、電圧-電流変換ユニット300の出力端及び基準電流生成ユニット200の出力端に接続され、演算サブユニット401の出力端は、電流-電圧変換サブユニット402の入力端に接続される。
【0041】
演算サブユニット401は、電圧-電流変換ユニット300から出力される直流電流と、基準電流生成ユニット200から出力される基準電流とを、所定の比率に従って重ね合わせ演算するために使用される。図5に示すように、演算サブユニット401は、第3のNMOS管NM42、第4のNMOS管NM43、第5のNMOS管NM44、第6のNMOS管NM45、第8のPMOS管PM40、第10のPMOS管PM42、第7の抵抗R41及び第8の抵抗R42を備える。第7の抵抗R41の一端は、基準電流生成ユニット200の出力端及び第3のNMOS管NM42、第4のNMOS管NM43のゲートに接続され、第7の抵抗R41の他端は、第3のNMOS管NM42のドレイン及び第5のNMOS管NM44、第6のNMOS管NM45のゲートに接続される。第3のNMOS管NM42のソースは、第5のNMOS管NM44のドレインに接続され、第8の抵抗R42の一端は、電圧-電流変換ユニット300の出力端、第8のPMOS管PM40のドレイン及び第10のPMOS管PM42のゲートに接続され、第8の抵抗R42の他端は、第4のNMOS管NM43のドレイン及び第8のPMOS管PM40のゲートに接続される。第4のNMOS管NM43のソースは、第6のNMOS管NM45のドレインに接続され、第8のPMOS管PM40のソースは、第10のPMOS管PM42のドレインに接続され、第10のPMOS管PM42のソースは、電源電圧VDDに接続され、第5のNMOS管NM44及び第6のNMOS管NM45のソースは接地される。
【0042】
電流-電圧変換サブユニット402は、演算サブユニット401から出力される温度に依存しない電流を対応する出力電圧に変換するために使用される。図5に示すように、電流-電圧変換サブユニット402は、第9のPMOS管PM41、第11のPMOS管PM43、第9の抵抗R43、第10の抵抗R44及び電圧バッファBUFFERを備える。第11のPMOS管PM43のゲートは、第10のPMOS管PM42のゲートに接続され、第11のPMOS管PM43のドレインは、第9のPMOS管PM41のソースに接続される。第9のPMOS管PM41のゲートは、第8のPMOS管PM40のゲートに接続され、第9のPMOS管PM41のドレインは、第9の抵抗R43の一端に接続される。第9の抵抗R43の他端は、第10の抵抗R44の一端及び電圧バッファBUFFERの正相入力端に接続され、電圧バッファBUFFERの反転入力端はその出力端に接続され、第11のPMOS管PM43のソースは電源電圧VDDに接続され、第10の抵抗R44の他端は接地される。
【0043】
演算サブユニット401と電流-電圧変換サブユニット402の動作原理は、次の通りである。
【0044】
第7の抵抗R41、第3のNMOS管NM42及び第5のNMOS管NM44は、自己バイアス電流分岐回路を構成し、且つ第4のNMOS管NM43及び第6のNMOS管NM45と共にNMOS比例電流ミラー回路を構成する。ここで、第3のNMOS管NM42を流れる電流は基準電流I2として、第5のNMOS管NM44を流れる電流と等しく、第6のNMOS管NM45を流れる電流は、第5のNMOS管NM44における基準電流I2の比例ミラーイメージとして、第4のNMOS管NM43を流れる電流と等しい。すなわち以下の通りであり、
DN45=k・I (4)
上の式において、k2は、実際の需要に応じて決定できる比例係数である。
【0045】
第8のPMOS管PM40、第10のPMOS管PM42及び第8の抵抗R42は、共に自己バイアス電流分岐回路を構成し、且つ第9のPMOS管PM41及び第11のPMOS管PM43と共に、PMOS比例電流ミラー回路を構成する。ここで、第8のPMOS管PM40を流れる電流は、第10のPMOS管PM42を流れる電流と等しく、第9のPMOS管PM41を流れる電流は、第11のPMOS管PM43を流れる電流と等しく、第9のPMOS管PM41及び第11のPMOS管PM43における電流は、第10のPMOS管PM42の電流の比例ミラーイメージである。第8の抵抗R42を流れる電流は、第10のPMOS管PM42における電流と直流電流I1との和であり、且つ第6のNMOS管NM45における電流と等しいため、PM42に流れる電流は、以下の通りである。
DP42=IDN45-I=k・I-I (5)
【0046】
これにより、第11のPMOS管PM43における電流は、以下のようになる。
DP43=k・IDP42=k・(k・I-I) (6)
上の式において、k1は、実際の需要に応じて決定できる比例係数である。
【0047】
したがって、電圧バッファBUFFERの入力端の電圧は、次の通りである。
VIN=R44・k・(k・I-I) (7)
第10の抵抗R44の温度係数を無視し、温度に依存しない電圧VINを得るためには、以下を満たす必要がある。
TCI1=k・TCI2 (8)
【0048】
ここで、TCI1及びTCI2はそれぞれ、直流電流I1及び基準電流I2の温度係数であり、したがって、基準電流生成ユニット200から出力される基準電流の温度係数と、電圧-電流変換ユニット300から出力される直流電流の温度係数が、式(8)を満たすことにより、温度によって変化しない出力電圧の検出が実現できる。ここで、電圧バッファBUFFERの主な役割は、主に出力電圧を検出する出力駆動能力を高めることである。
【0049】
また、本発明の実施形態により提供される電力検出回路は、集積回路チップに適用することができる。この集積回路チップにおける電力検出回路の具体的な構造については、本明細書では詳細に説明しない。
【0050】
上記の電力検出回路は、RF集積回路の重要な構成部分として通信端末に適用されてもよい。ここで言及される通信端末は、モバイル環境で使用可能で、携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、車載コンピューターなどを含む、GSM、EDGE、TD_SCDMA、TDD_LTE、FDD_LTEなど様々な通信規格をサポートするコンピューター装置を指す。さらに、本発明によって提供される技術的解決策は、通信基地局などの他のRF集積回路アプリケーションにも適用可能である。
【0051】
本発明により提供される電力検出回路は、電力検出ユニットが受信した被検出RF信号を直流電圧に変換する過程において、その温度係数を校正し、検出感度を効果的に調整することができると同時に、基準電流生成ユニットを用いて温度係数の異なる基準電流を生成することで、動作温度の範囲内で温度によって検出精度が変化しないことを実現する。よって、電力検出回路から最終的に出力される電圧が温度によって変化しないことが確保される。したがって、本発明は、標準的なCMOSプロセスに基づいて、RF電力の検出を実現することができ、システムのコストを効果的に低減し、高い検出精度を有することができる。
【0052】
以上、本発明によって提供される電力検出回路、チップ及び通信端末について詳細に説明した。当業者にとって、本発明の本質から逸脱することなく本発明に対して行われたいかなる明白な変更は、いずれも本発明の特許権の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】