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特表2024-526281DNAの選択された遺伝子座又は領域におけるDNAのメチル化を検出及び定量するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】DNAの選択された遺伝子座又は領域におけるDNAのメチル化を検出及び定量するための方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6813 20180101AFI20240709BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
C12Q1/6813 Z
C12N15/09 Z ZNA
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581074
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2022035455
(87)【国際公開番号】W WO2023278528
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/218,008
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524005268
【氏名又は名称】エンツォ バイオケム、インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】323006116
【氏名又は名称】ラッバーニ、エラザール
(71)【出願人】
【識別番号】323009623
【氏名又は名称】コールマン、ジャック
(71)【出願人】
【識別番号】524005279
【氏名又は名称】マウロ、マウリツィオ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラッバーニ、エラザール
(72)【発明者】
【氏名】コールマン、ジャック
(72)【発明者】
【氏名】マウロ、マウリツィオ
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR55
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX01
(57)【要約】
本発明は、標的核酸配列と連続して相補的である複数の第1のセグメントと、隣接する第1のセグメントの間の、標的核酸配列と相補的ではなく、染色体DNAの選択された領域におけるDNAのメチル化を描写及び定量するための標識された核酸残基を包含し得る核酸スペーサーセグメントとを包含する改善された検出能を有する核酸ハイブリダイゼーションプローブの使用を、メチル化DNAを検出する方法と併せて提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、染色体DNAなどのDNAの選択された遺伝子座又は領域におけるDNAのメチル化を検出及び定量するための方法:
本明細書に記載されている検出可能な標識を包含する、本明細書に開示されているいずれかの核酸ハイブリダイゼーションプローブを、検体/試料のDNAにハイブリダイズするステップ、ここで、該核酸ハイブリダイゼーションプローブは、染色体DNAなどのDNAの選択された遺伝子座又は領域を認識する(それと相補的である)、;
前記検体/試料中のメチル化DNAを、検出可能な標識により直接的又は間接的に標識するステップ、ただし、前記検出可能な標識は、核酸ハイブリダイゼーションプローブの検出可能な標識に対して直交して検出可能である、;
前記核酸ハイブリダイゼーションプローブの前記検出可能な標識からのシグナルを視覚化/測定することによって前記検体/試料中の前記1つ又は2つ以上の遺伝子座又は1つ又は2つ以上の領域を描写するステップ;
前記描写された前記1つ又は2つ以上の遺伝子座又は1つ又は2つ以上の領域内の直接的又は間接的に標識されたメチル化DNAの、前記標識からのシグナルの量を測定することにより、DNAのメチル化の量を定量するステップ。
【請求項2】
核酸プローブの標識が、フルオロフォア又は発色団又はハプテンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
核酸ハイブリダイゼーションプローブの検出可能な標識に対して直交して検出可能である検出可能な標識により、検体/試料中のメチル化DNAを直接的又は間接的に標識するステップが、フルオロフォア又は発色団又はハプテンである検出可能な標識によりメチル化DNAを標識することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月25日に出願された国際出願第PCT/US2019/029036号の一部継続出願である、2020年7月6日に出願された米国出願第16/920,773号に関連し、2018年8月2日に出願された米国出願第16/053,138号(現在は米国特許第10,323,272号)に対する優先権を主張し、2018年1月31日に出願された米国仮出願第62/624,249号の利益を主張し、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、核酸ハイブリダイゼーションプローブの分野に関する。
【0003】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2019年4月24日に作成された前記ASCIIコピーは、ENZ-117-PCT-SL_ST25.txtという名前で、3,603バイトのサイズである。
【0004】
発明の背景
in situハイブリダイゼーション(ISH)は、標識された相補的DNA、RNA又は改変された核酸鎖、すなわち核酸プローブと、組織又は細胞検体中に存在し得る特定のDNA又はRNA配列とのハイブリダイゼーション、及びハイブリダイズされたプローブの検出を伴う。プローブは一般に、親和性に基づく酵素媒介比色検出用のハプテン、若しくは直接蛍光検出(いわゆる蛍光in situハイブリダイゼーション;「FISH」)用の蛍光部分で標識されるか、又は放射性標識される。ヒトパピローマウイルス(HPV)感染は、子宮頸がん及び前がん病変の発症に対する十分に確立された危険因子であり、近年、ヒト子宮頸部細胞検体におけるHPV遺伝子又は転写産物を検出するためのin situハイブリダイゼーションの使用が採用されている。
【0005】
本発明が要し提供されるものは、in situハイブリダイゼーション用途のための改善された核酸ハイブリダイゼーションプローブである。
【0006】
発明の概要
本発明の一態様は、5’末端及び3’末端を有する天然に存在していない線状核酸分子であって、
予め選択された核酸標的配列と連続して相補的な一連の第1の核酸セグメントと、
第1の核酸セグメントの各々の隣接する対の間のスペーサー核酸セグメントと
を包含し、
スペーサーセグメントが、予め選択された核酸標的配列と実質的に相補的ではなく、
スペーサーセグメントの少なくともいくつかの核酸モノマーが、蛍光部分又はハプテンなどの検出可能な標識で標識される、線状核酸分子を提供する。
スペーサーセグメントは、第1のセグメントと少なくとも実質的に相補的でなくてよい。線状核酸分子は、5’末端及び3’末端の一方又は両方に追加のスペーサー核酸セグメントを更に包含してよい。
【0007】
本発明の別の態様は、5’末端及び3’末端を有する天然に存在していない線状核酸分子であって、
予め選択された核酸標的配列と連続して相補的な一連の第1の核酸セグメントと、
第1の核酸セグメントの各々の隣接する対の間のスペーサー核酸セグメントと
を包含し、
スペーサーセグメントが、予め選択された核酸標的配列と実質的に相補的ではなく、
スペーサーセグメントの少なくともいくつかの核酸モノマーが、アリルアミン基で標識され、例えば、モノマーの少なくともいくつかが、アミノアリルリボヌクレオチド又はアミノアリルデオキシリボヌクレオチドであり得る、線状核酸分子を提供する。
スペーサーセグメントは、第1のセグメントと少なくとも実質的に相補的でなくてよい。線状核酸分子は、5’末端及び3’末端の一方又は両方に追加のスペーサー核酸セグメントを更に包含してよい。
【0008】
本発明の更なる態様は、
(i)本明細書に記載されている天然に存在していない核酸分子(又はプローブの態様)のいずれかと、
(ii)核酸標的配列を包含する天然に存在している(生体)核酸標的分子と
を包含する物質のin vitroハイブリッド組成物であって、
(i)が、第1の核酸セグメントによって(ii)とハイブリダイズする、in vitroハイブリッド組成物を提供する。
【0009】
本発明のなお更なる態様は、試料中の標的核酸配列を検出するための方法であって、
本明細書に記載されている天然に存在していない核酸分子(又はプローブの態様のいずれか)を準備するステップと、
天然に存在していない核酸分子(又はプローブの態様)を、天然に存在していない核酸分子(又はプローブの態様)と、試料中に存在する場合、予め選択された核酸標的配列を包含する核酸分子とのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で予め選択された核酸標的配列を包含する核酸分子を含有し得る単離された生体試料と接触させるステップと、
試料中に存在する場合、予め選択された核酸標的配列を包含する核酸分子とハイブリダイズされ得る天然に存在していない核酸分子(又はプローブの態様)のいずれかの標識を検出するステップと
を包含する、方法を提供する。
該方法は、接触させるステップの後、且つ検出するステップの前に、試料/検体中の標的核酸分子と特異的にハイブリダイズされていない天然に存在していない線状核酸分子/プローブを除去するための洗浄するステップを更に包含してよい。検出するステップは、当該技術分野で公知の顕微鏡法を使用した2D又は3D視覚化/画像キャプチャを包含してよい。
【0010】
本発明の別の態様は、目的の核酸標的のための核酸ハイブリダイゼーションプローブ組成物を調製するための方法であって、
(a)核酸鋳型分子であって、鋳型配列が、5’末端及び3’末端を有し、
予め選択された核酸標的配列と連続して相補的な一連の第1の核酸セグメントと、
第1の核酸セグメントの各々の隣接する対の間のスペーサー核酸セグメントと
を包含する、天然に存在していない線状核酸分子をコードし、
スペーサーセグメントが、予め選択された核酸標的配列と実質的に相補的ではない、核酸鋳型分子と、
(b)標識された核酸モノマーを包含し、鋳型の少なくとも一部と相補的な核酸分子を、鋳型分子を使用して合成することができる鋳型指向性核酸ポリメラーゼと、
(c)リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチド(鋳型を使用して相補鎖を合成するポリメラーゼによって必要とされる)などの異なる核酸モノマーの混合物であって、前記核酸モノマーの少なくともいくつかが、(化学的及び/又は放射性)標識されてよい、異なる核酸モノマーの混合物と
のin vitro混合物を準備するステップと、
ポリメラーゼによる鋳型指向性核酸合成を許容する条件下で前記混合物をインキュベートするステップであって、混合物(c)に存在する場合、標識された核酸モノマー(残基)を包含し、鋳型の少なくとも一部と相補的である前記核酸分子が、鋳型分子を使用することによって多量に合成される、ステップと
を包含する、方法を提供する。
スペーサーセグメントは、第1のセグメントと少なくとも実質的に相補的でなくてよい。線状核酸分子は、5’末端及び3’末端の一方又は両方に追加のスペーサー核酸セグメントを更に包含してよい。変形例では、異なる核酸モノマーの混合物は、標識されている少なくともいくつかの核酸モノマーを包含する。
【0011】
本発明の更なる態様は、目的の核酸標的のための核酸ハイブリダイゼーションプローブ組成物を調製するための方法であって、
(a)鋳型DNA配列に作動可能に連結されたRNAプロモーターを包含するDNA構築物であって、鋳型配列が、5’末端及び3’末端を有し、
予め選択された核酸標的配列と連続して相補的な一連の第1の核酸セグメントと、
第1の核酸セグメントの各々の隣接する対の間のスペーサー核酸セグメントと
を包含する、天然に存在していない線状核酸分子をコードし、
スペーサーセグメントが、予め選択された核酸標的配列と実質的に相補的ではない、DNA構築物と、
(b)異なるリボヌクレオチドモノマーの混合物であって、前記リボヌクレオチドモノマーの少なくともいくつかが、(化学的及び/又は放射性)標識されてよい、異なるリボヌクレオチドモノマーの混合物と、
(c)プロモーターの制御下で鋳型から標識されたリボヌクレオチドを包含するRNA分子を転写することができるRNAポリメラーゼと
のin vitro混合物を準備するステップと、
RNAポリメラーゼによるRNA分子の転写を許容する条件下で前記混合物をインキュベートするステップであって、それによって前記RNA分子が多量に転写される、ステップと
を包含する、方法を提供する。
スペーサーセグメントは、第1のセグメントと少なくとも実質的に相補的でなくてよい。線状核酸分子は、5’末端及び3’末端の一方又は両方に追加のスペーサー核酸セグメントを更に包含してよい。変形例では、異なるリボヌクレオチドモノマーの混合物は、標識され、転写されたRNAに組み込まれる少なくともいくつかのリボヌクレオチドモノマーを包含する。
【0012】
本発明の更に別の態様は、核酸ハイブリダイゼーションプローブ組成物を調製するための方法であって、
5’末端及び3’末端を有し、
予め選択された核酸標的配列と連続して相補的な一連の第1の核酸セグメントと、
第1の核酸セグメントの各々の隣接する対の間の(並びに任意に5’末端及び3’末端の一方又は両方における)スペーサー核酸セグメントと
を包含する、RNA分子又はDNA分子などの、一定量の天然に存在していない線状核酸分子を準備するステップであって、
スペーサーセグメントが、予め選択された核酸標的配列と実質的に相補的ではなく、
スペーサーセグメントが、第1のセグメントと実質的に相補的ではなく、
スペーサーセグメントが、互いに実質的に相補的ではなく、
スペーサーセグメントが、限定されないが、アリルアミン基などの化学標識、又はハプテン標識若しくは蛍光標識などの検出可能な標識を有する核酸モノマー、或いはスペーサーセグメントの核酸モノマー、或いは化学標識を含まなくてよい、全体が天然に存在していない線状核酸分子を包含してよい、ステップと、
一定量の天然に存在していない線状核酸分子を断片化して、断片化した核酸ハイブリダイゼーションプローブ組成物を得るステップと
を包含する、方法を提供する。
天然に存在していない線状核酸分子は、例えば、少なくとも500モノマー長、例えば500~2500モノマー長、又はそれらの中の任意の部分範囲であってよく、断片化するステップは、例えば、100~500モノマー長、又はその中の任意の部分範囲、例えば200~500モノマー長、例えば200~400モノマー長、例えば250~350モノマー長の断片を包含する組成物をもたらすことができる。第1のセグメント及びスペーサーセグメントの長さは、上述の長さの範囲のものなどの少なくともいくつかの断片が、介在するスペーサーセグメントによって接続された隣接する第1のセグメントを有する構造を維持するように選択され得る。例えば、第1のセグメントは、40~60モノマー長又はその中の任意の部分範囲若しくは値であってよく、スペーサーセグメントは、約20~30モノマー長又はその中の任意の部分範囲若しくは値であってよい。
【0013】
本発明の態様及び本明細書に記載されているその変形例のいずれかにおいて、一連の第1の核酸セグメントは、例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、又は少なくとも5個の第1の核酸セグメントを包含してよい。本発明の態様及び本明細書に記載されているその変形例のいずれかにおいて、一連の第1の核酸セグメントは、例えば、2~30個の範囲の第1の核酸セグメント又はその中の任意の部分範囲若しくは整数の第1の核酸セグメントを包含してよい。本発明の態様及び本明細書に記載されているその変形例のいずれかにおいて、一連の第1の核酸セグメントは、例えば、3~30個の範囲の第1の核酸セグメント又はその中の任意の部分範囲若しくは整数の第1の核酸セグメントを包含してよい。
【0014】
本発明の追加の特徴、利点、及び態様は、以下の詳細な説明、もしあれば図面、及び特許請求の範囲を考慮して説明され、又はそれらから明らかになり得る。更に、本発明の前述の概要及び以下の詳細な説明はいずれも例示であり、特許請求される本発明の範囲を限定することなく更なる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】標的核酸鎖とハイブリダイズした先行技術のパドロック型プローブを概略的に示す図である。
図1B】標的核酸鎖と相補的な4つのセグメント、及び核酸鎖と相補的ではない3つの介在するループセグメントを有する本発明の核酸ハイブリダイゼーションプローブの態様を概略的に示す図である。
図1C図1Bに示されているものと同様であるが、プローブの5’及び3’末端に追加の非標的相補的配列も包含する、本発明の核酸ハイブリダイゼーションプローブの態様を概略的に示す図である。
図2A】組み込まれたHPVゲノムを欠く、C33A陰性対照細胞に対する、本発明のHPV E6/E7 RNAハイブリダイゼーションプローブの態様のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
図2B】細胞当たり2つの組み込まれたHPV-16ゲノムを有する、SIHA細胞以外は図2Aで使用したものと同じHPV E6/E7 RNAハイブリダイゼーションプローブの態様のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
図2C】細胞当たり約600個の組み込まれたHPV-16ゲノムを有する、CASKI細胞以外は図2Aで使用したものと同じHPV E6/E7 RNAハイブリダイゼーションプローブの態様のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
図3A】C33A陰性対照細胞に対する、本発明の態様によるRNAハイブリダイゼーションプローブのHPVゲノムにわたる混合物のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
図3B】細胞当たり2つの組み込まれたHPV-16ゲノムを有する、SIHA細胞以外は図3Aで使用したものと同じRNAプローブ混合物のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
図3C】細胞当たり約600個の組み込まれたHPV-16ゲノムを有する、CASKI細胞以外は図3Aで使用したものと同じRNAプローブ混合物のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
【0016】
発明の詳細な説明
一側面では、本発明は、改善された検出能を有する核酸ハイブリダイゼーションプローブを提供する。一態様では、プローブは、標的核酸配列と連続して相補的な複数の第1のセグメントと、隣接する第1のセグメントの間の、標的核酸配列と相補的ではなく、第1のセグメントと相補的ではなく、標識された核酸残基を包含する核酸スペーサーセグメントとを包含する。スペーサーセグメントはまた、任意に末端の一方又は両方に配置されてよい。スペーサーセグメントの標識された核酸モノマーは、例えば、免疫組織化学による二次検出のためのビオチン及び/若しくはジゴキシゲニンなどの標識、並びに/又は蛍光標識された核酸モノマーを包含してよい。検出能は以下の理由のために改善する。第一に、スペーサーセグメントの配列を選択する能力により、これらのセグメントを、相補的な第1のセグメントの配列特異性に影響を与えずに、高密度に標識することが可能になる。そして第二に、特に免疫組織化学などの間接的検出方法に関連して、プローブが標的配列とハイブリダイズすると、標識されたスペーサーセグメントがループアウトし、それによって、アビジン及びストレプトアビジン(ビオチン結合剤)並びにそれらの酵素コンジュゲートなどの二次検出試薬、又は抗ジゴキシゲニン抗体及びその酵素コンジュゲートによるセグメントの標識されたモノマーへのアクセスが妨げられにくくなる。このような酵素コンジュゲートとしては、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲート及びアルカリホスファターゼコンジュゲートなどの当該技術分野で周知のものが挙げられ得る。
【0017】
スペーサーセグメントの少なくとも一部、例えば、スペーサーセグメントの少なくとも半分又はスペーサーセグメントの全部の配列は、少なくとも実質的に同一、例えば、少なくとも90%若しくは少なくとも95%若しくは少なくとも98%同一、又は互いに完全に同一であってよい。スペーサーセグメントの配列(単数又は複数)は、少なくとも実質的に自己相補的でなくてよい。
【0018】
本発明の核酸分子/プローブの態様の第1のセグメントの連続的又は順次的な配置とは、第1のセグメントがプローブ内で5’から3’方向に出現する順序で、これらのセグメントが3’から5’方向に標的配列に沿って同じ順序でハイブリダイズすることを意味する。プローブの所与の第1のセグメントの3’末端と、次の隣接するプローブの第1のセグメントの5’末端(プローブの3’方向に進む)との間に配列ギャップ(「ギャップ」)が存在してよいか、又はギャップが存在しなくてよい。ギャップは、第1の核酸セグメントが標的とハイブリダイズする場合、第1の核酸セグメントによってもたらされないか、又は第1の核酸セグメントの間に存在する標的核酸に対する完全な相補鎖に存在する配列エレメントに対応する。ギャップは、存在する場合、例えば、標的鎖に対して1~30残基/nt長の範囲、又はその中の任意の部分範囲若しくは数値、例えば、限定されないが4~12残基長であってよい。一変形例では、本発明の核酸分子/プローブの態様は、標的鎖とハイブリダイズする場合、各々の隣接する第1のセグメントの間にギャップが存在するような配列を有する。
【0019】
本発明のプローブは、例えば、RNA及び/若しくはDNA並びに/又はそれらの任意の組合せで、それらの標識された類似体から構成され得る。本発明のプローブは、例えば、従来のホスホロアミダイト化学及びその試薬を使用して合成的に合成され得る。本発明のプローブはまた、例えば、限定されないが、RNAプローブを合成するための一般的なウイルスプロモーター系(例えば、T7及びSP6)を使用したRNA転写、及びDNAプローブを合成するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの鋳型指向性核酸合成によって酵素的に合成され得る。このような酵素合成では、標識されたヌクレオチド又はリボヌクレオチドを、生成物に組み込むための反応混合物に包含させることができる。鋳型指向性合成では、モノマー混合物は、鋳型の相補鎖を合成するための全ての相補的モノマーを包含し、一般に、4つ全ての塩基(A、G、T/U、C)を有する核酸モノマーを包含し得ることを理解されたい。
【0020】
一態様では、スペーサーセグメントの1つ若しくは2つ以上又は全ては、標識された核酸モノマー(標識された残基)を包含する。標的相補的な第1のセグメントの各々又は全ては、標識された核酸モノマー(単数又は複数)を包含してよいか、又は除外してよい。標的相補的な第1のセグメントの1つ若しくは2つ以上又は全てが標識された核酸モノマー(単数又は複数)を包含する場合、標識されたモノマーは、スペーサーセグメントの標識されたモノマーと同じ及び/又は異なっていてよい。プローブが化学的に合成される場合、プローブ内の標識されたモノマーの種類及び位置を事前に決定し、例えば、スペーサーセグメントのみに標識を提供して正確に制御することができる。合成がポリメラーゼ媒介性(鋳型指向性)である場合、同じ種類の塩基が標的相補的な第1のセグメント及びスペーサーセグメントの両方に出現すると仮定すると、両方とも、標識された核酸モノマーの組み込みによって標識されることになる。
【0021】
関連する態様では、プローブは、上記のように標識することができるか、又は標識されていないが、同じ構造を有することができ、(いずれの場合でも)プローブのスペーサーセグメントと相補的な二次核酸分子及び標識されるそれら自体(直接的又は間接的検出のため)は、プローブに対する前記スペーサーセグメントとハイブリダイズする。
【0022】
また、標的ポリ核酸分子の標的核酸配列とハイブリダイズした核酸ハイブリダイゼーションプローブのいずれかを包含する物質の組成物も本発明によって提供される。標的核酸分子は、例えば、天然に存在している核酸分子、又はその他の生物学的に発現された核酸分子(人工導入遺伝子の転写産物など)であり得る。標的核酸分子は、例えば、染色体若しくはウイルスDNAなどの細胞ゲノムDNAなどのDNA分子、又は細胞若しくはウイルスmRNAなどの細胞若しくはウイルスRNAなどのRNAであり得る。組成物は、例えば、限定されないが、ヒト子宮頸部細胞などの組織又は採取細胞のin situ調製物中の標的配列とハイブリダイズしたプローブを包含してよい。in situ調製物は、ゲノムDNAを包含してよく、例えば、単離されたヒト染色体、単離された非ヒト哺乳動物染色体、又は任意の所望の生物及び/若しくはウイルス核酸、例えばウイルスDNA若しくはウイルスRNAの単離された染色体などの1つ又は2つ以上の染色体を包含するか、又はそれからなる。
【0023】
スペーサーセグメント配列は、例えば、長さ及び/若しくは配列が均一であってよく、且つ/又はスペーサーセグメントの少なくとも一部は、長さ及び/若しくは配列が異なっていてよい。スペーサーセグメントは、例えば、10~200モノマー長、又は限定されないが、10~150、10~100、20~100、10~50、20~50、若しくは15~30モノマー長などの前記範囲内の任意の部分範囲若しくは数値であってよい。標的相補的配列のセグメント(第1の核酸セグメント)の長さは、プローブについて少なくともいくつかの場合、例えば、全ての場合、35~100モノマー長の範囲、又は50モノマー長プラス/マイナス5モノマー長などの、その中の任意の部分範囲若しくは数値であってよい。
【0024】
図1Aは、標的核酸鎖(101A)とハイブリダイズした先行技術のパドロック型プローブ(102A)を概略的に示す。示されているように、相補的標的鎖とのハイブリダイゼーションにより、この種類のプローブは、プローブの5’及び3’末端が隣接して互いに対向するように歪められる(標的鎖と相補的なプローブの5’及び3’末端部分を有する)。
【0025】
図1Bは、標的核酸鎖(101B)に相補的な4つのセグメントと、核酸鎖に実質的に相補的ではない3つの介在するループセグメントを有する、本発明の核酸ハイブリダイゼーションプローブの態様(102B)を概略的に示す(縮尺は正確ではない)。
【0026】
図1Cは、図1Bに示しているものと同様であるが、プローブの5’及び3’末端に追加の非標的相補的配列も包含する、標的核酸鎖(101C)に相補的な4つのセグメントを有する、本発明の核酸ハイブリダイゼーションプローブの態様(102C)を概略的に示す(縮尺は正確ではない)。
【0027】
本発明によるプローブは、標的核酸分子内の配列に相補的なプローブの第1のセグメントを介して標的核酸分子と特異的にハイブリダイズする。スペーサーセグメント配列は、第1のセグメント又は標的核酸分子に少なくとも実質的に相補的ではないように選択される。更に、スペーサーセグメント配列(単数又は複数)は、それら及びプローブ全体が、プローブが第1のセグメントを介して検体中に存在する標的核酸分子と特異的にハイブリダイズする同じ条件下で検体中に存在する任意の非標的ポリ核酸分子と少なくとも実質的にハイブリダイズしないように選択され得る。
【0028】

以下の例は、単離され、固定され、透過処理されたヒト子宮頸部細胞などの哺乳動物細胞におけるHPV16(ヒトパピローマウイルス16)転写産物のin situ検出に有用であるビオチン標識されたRNAプローブの調製を実証している。HPV16の選択された転写産物に特異的に結合するプローブを、追加の核酸配列、すなわち、追加の標識を有するスペーサーセグメントが標的相補的配列に散在するように設計した。配列番号1(表1に示している)は、HPV16のE6及びE7 mRNAを検出するためのプローブを調製するための基礎として機能するHPV16 E6/E7遺伝子コンセンサス配列のアンチセンス(結合)鎖DNA配列である。相補的DNA鎖、すなわち、センス鎖も発現構築物の調製物全体にわたって存在し、転写を介したアンチセンスRNAの合成のための鋳型として作用することを理解されたい。
【表1】
【0029】
標的(E6/E7 RNA)相補的配列を転写する際に組み込まれたものに加えてスペーサーセグメントを転写する際に、鋳型DNA鎖から転写したRNAが、かなりの量のビオチン標識されたシトシン及びビオチン標識されたウラシルリボヌクレオチド残基を組み込むように、配列番号1のDNAを、50塩基ごとの後、並びに配列の最初及び最後にスペーサー配列CACATTGCTCTCTTCCTTTC(配列番号2)を挿入することによって改変した。得られた改変DNA配列(配列番号3)を、挿入したスペーサー配列を大文字で示して表2に示している。スペーサー配列は内部に17回挿入され、各末端で1回出現している。
【表2】
【0030】
配列番号3の改変鋳型DNAを、T7 RNAポリメラーゼを使用してin vitro転写のためのプラスミド発現ベクター内のT7プロモーターの後に配置し、Enzo BIOARRAY HIGHYIELD(登録商標)RNA転写産物標識化キット(T7)(製品番号ENZ-42655;Enzo Life Sciences,Inc.、Farmingdale、NY、USAを使用して、単離されたプラスミドからRNAをin vitroで転写した。次いで、ビオチン標識されたシトシン及びビオチン標識されたウラシルリボヌクレオチド残基を包含する転写されたRNAを、炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム緩衝液を使用してアルカリ加水分解によって200塩基の平均サイズに加水分解した。得られたビオチン標識されたRNA断片をハイブリダイゼーションプローブ組成物として使用して、従来技術を使用してin situで細胞内の核酸を検出した。同様のプローブを、HPV16 L1遺伝子、L2遺伝子、及びE1遺伝子に対しても作製した。E2遺伝子プローブ並びに他の遺伝子及びRNAに対するプローブも作製することができる。
【0031】
上記の例では、スペーサー配列の任意の末端出現を付加した。一般に、内部スペーサー配列の挿入に加えて、スペーサー配列を、両方の末端、一方の末端のみ(アンチセンス配列に対して5’末端又は3’末端)に付加してよいか、又はいずれの末端にも付加しなくてよいことを理解されたい。
【0032】
図2Aは、組み込まれたHPVゲノムを欠く、C33A陰性対照細胞に対する、例(配列番号3を有する)のHPV E6/E7 RNAハイブリダイゼーションプローブの態様のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
【0033】
図2Bは、細胞当たり2つの組み込まれたHPV-16ゲノムを有する、SIHA細胞以外は例の同じHPV E6/E7 RNAハイブリダイゼーションプローブのin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
【0034】
図2Cは、細胞当たり約600個の組み込まれたHPV-16ゲノムを有する、CASKI細胞以外は例の同じHPV E6/E7 RNAハイブリダイゼーションプローブのin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
【0035】
別の実験では、HPV-16ゲノムの実質的に全てを網羅する本発明による断片化されたループRNAハイブリダイゼーションプローブの混合物を調製し、試験した。プローブのこのHPVゲノムにわたる混合物を用いた結果を示す顕微鏡写真を、以下のように図3A~3Cに示す。
【0036】
図3Aは、C33A陰性対照細胞に対する、RNAハイブリダイゼーションプローブのHPVゲノムにわたる混合物のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
【0037】
図3Bは、細胞当たり2つの組み込まれたHPV-16ゲノムを有する、SIHA細胞に対する同じRNAプローブ混合物のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
【0038】
図3Cは、細胞当たり約600個の組み込まれたHPV-16ゲノムを有する、CASKI細胞に対する同じRNAプローブ混合物のin situハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。
【0039】
記載されているように、酵素的に合成された長いRNA転写産物を、部分的にアルカリ加水分解して、プローブとして有用なより小さい断片の混合物を得ることができる。混合物は、例えば、100~500残基長の範囲、例えば200~400残基長、例えば250~350残基長、又はそれらの中の任意の部分範囲の断片を包含することができる。混合物は、例えば、これらのサイズ範囲のかなりの割合の断片を包含することができる。部分的アルカリ加水分解によって得られたサイズ断片の混合物を、所望の場合、例えば、カラムクロマトグラフィーによって更にサイズ分画又は濃縮して、限定されないが、上述のサイズ範囲及び部分範囲などの、所望のサイズ範囲のかなりの割合の断片を有する断片の混合物を得ることができる。
【0040】
以下のプロトコールを使用して、例のビオチン標識されたRNA転写産物などの標識された転写RNAを部分的にアルカリ加水分解することができる。100μlの転写RNA(合計20μg)を100μlの加水分解緩衝液(80mMのNaHCO3、120mMのNa2CO3、20mMのβ-メルカプトエタノール)と混合し、60℃に25分間加熱する。次いで、200μlの停止緩衝液(200mMの酢酸ナトリウム、pH6、1%の酢酸、10mMのジチオスレイトール)を加え、その後、40.88μlの3Mの酢酸ナトリウム、pH5.2及び8.77μlの酵母tRNA(11.4mg/ml)を加える。最後に、1124μlのエタノールを混合しながら加え、混合物を-80℃で2時間保存する。次いで、断片化されたRNAを、4℃で20分間、16,000×gで4℃にて遠心分離することによって沈殿させる。上清を注意深く除去し、ペレットを700μlの氷冷70%エタノールで洗浄し、4℃で5分間、16,000×gで再度遠心分離する。上清を再度除去し、チューブを15秒間、2回、回転させて残りの液体を全て落とし、その後、それを除去する。次いで、ペレット化した断片化されたRNAを、100μlの10mMのTrisHCl、pH7.0、1mMのEDTAに再懸濁して、RNAハイブリダイゼーションプローブストック溶液を形成する。
【0041】
一本鎖DNAプローブを酵素的に合成することもできる。例えば、一対の末梢DNA PCRプライマーを使用して、ジゴキシゲニン標識されたシトシンデオキシヌクレオチド(dCTP)及びジゴキシゲニン標識されたウラシルデオキシヌクレオチド(dUTP)、並びに/又は例えば、これらの同じデオキシヌクレオチドの蛍光標識された型を包含する反応において、その相補体とハイブリダイズした配列番号3である二本鎖DNA分子をPCRによって増幅させることができる。センス鎖をアビジン又はストレプトアビジンの担体/ビーズに結合させ、ビオチン-ストレプトアビジン結合を乱さないままにしながら、例えば、NaOHを使用してアンチセンス鎖から分離することができるように、アンプリコンのセンス鎖を伸長するものなどの、対のPCRプライマーのうちの1つをビオチンで標識することができる。次いで、単離され、標識されたアンチセンスDNA鎖を、例えば、特定のmRNAを検出するための一本鎖ハイブリダイゼーションプローブとして使用することができる。単離された一本鎖アンチセンスDNAを、プローブとして直接使用することができ、及び/又は例えば、180~220塩基の平均長を有する、例えば、断片のプローブ組成物に断片化することができる。一本鎖DNAの断片化は、ポイントシンク剪断(Point-sink Shearing)(PtS;Thorstenson et al.、制御された偏りのないDNA剪断のための自動化された流体力学的プロセス(An Automated Hydrodynamic Process for Controlled,Unbiased DNA Shearing)、Genome Res.1998 Aug;8(8):848-855);Covaris truSHEAR(商標)機械的DNA剪断(Covaris,Inc.、Woburn、MA、USA)などの音響剪断、ニードル剪断(小さなゲージのニードルにDNAを通すことで剪断力を生じさせることによる)、噴霧ベース(圧縮空気を使用してネブライザーユニットの小さな穴にDNAを強制的に通し、断片化されたエアロゾル化DNAを収集する-DNA断片サイズは使用する圧力によって決定される)、及びDNAse I処理などの任意の適切な方法によって実施することができる。
【0042】
本発明による一本鎖DNAハイブリダイゼーションプローブを製造するための更に他の酵素的方法には、非対称PCR(標識されたヌクレオチドを使用する)及びローリングサークル増幅(標識されたヌクレオチドを使用する)が包含される。本発明による一本鎖DNAプローブの製造に容易に適応可能な一本鎖DNAを製造するための方法の概説については、Marimuthu et al.、DNAアプタマー生成における一本鎖DNA(ssDNA)製造(Single-stranded DNA(ssDNA)production in DNA aptamer generation)、Analyst、2012、137、1307を参照のこと。これら又は任意の方法を使用して得ることができる本発明による標識された一本鎖DNA分子は、任意に、上記のプローブ組成物を得るために断片化することもできる。
【0043】
断片化は、スペーサーセグメントを特異的に切断することによって、例えば、配列特異的な切断によって、例えば、制限酵素を使用することによっても実施することができる。例えば、標的相補的セグメント内での同時切断は、ほとんどないか、全くないか、又は所定の同時切断のみであり得る。関連する態様では、スペーサーセグメントは、標的相補的セグメントに対して選択的に切断されるか、又は少なくとも実質的に選択的に切断されるか、又は少なくとも主に選択的に切断される。変形例では、標的相補的セグメントが全く切断されないように、スペーサーセグメントのみが切断される。本発明はまた、本明細書に記載されている標的相補的セグメント及びスペーサーセグメントを包含するRNA転写産物又はDNA分子に由来し、スペーサーセグメントの1つ若しくは2つ以上又は全て内で転写産物/分子を特異的及び/又は選択的に切断することによって更に処理される、断片化された核酸ハイブリダイゼーションプローブ組成物を提供する。これらの態様では、スペーサーセグメントの配列は、例えば、酵素についての反応条件下で任意の必要なアクセサリー分子の存在下でスペーサーセグメントをポリ核酸切断酵素に対する標的にする部分配列(配列エレメント)を包含するように選択する(予め決定する)ことができる。関連する態様では、転写産物/分子は、スペーサー配列内で、例えば、標的相補的配列に対して少なくとも主にスペーサー配列内で切断されて、断片化されたプローブ組成物を得る。
【0044】
例えば、本明細書に記載されている標的相補的セグメント及びスペーサーセグメントを包含する長いssDNA分子では、スペーサー配列のセグメントは、予め選択されたdsDNA制限酵素についての一本鎖の認識配列であり得る。認識部位と同じサイズ又はそれよりわずかに大きく、認識部位に対する相補的配列を包含する合成オリゴヌクレオチドを、長いdsDNA分子に付加してそれとハイブリダイズさせ、対象のスペーサーセグメントを有する完全な二本鎖制限酵素認識配列を構成することができる。制限酵素反応は、適切な緩衝液に制限酵素を添加し、混合物を許容温度でインキュベートすることによって構成され、それによって対象の制限酵素に特徴的な制限部位でスペーサーセグメントを切断させる。次いで、得られたDNA断片を、従来の水性:有機抽出により、又は当該技術分野で公知の任意の精製手段により、反応物から抽出することができる。当該技術分野で知られているように、サイズ排除プロセスを任意に利用して、残存オリゴヌクレオチド及び/又はその断片などの小さな核酸分子を混合物から除去することができる。一般に、制限酵素認識配列及び対応する制限酵素の選択は、長いssDNA分子の標的相補的セグメント内での酵素による切断を排除又は最小限にするためのその必要性又は欠如によって決定され得る。例えば、標的相補的セグメントのいずれか内でいかなる切断もないことが所望される場合、標的相補的セグメント内では全く出現しない制限酵素認識配列をスペーサーセグメント(単数又は複数)内で使用すべきである。他方で、標的相補的セグメントの1つ又は少数の切断は、得られるプローブ組成物の性能に悪影響を及ぼさない場合があり、したがって、所与の状況では許容可能である場合がある。この目的のために使用される制限酵素は、例えば、レアカッター、すなわち、7、8又はそれ以上のヌクレオチド残基長の認識部位を有する制限酵素、例えば、限定されないが、配列5’-GCGGCCGC-3’の最初のGCの後に切断するNot1であり得る。制限酵素は、例えば、XcmIであってよく、Shaw及びMuck、一本鎖DNAのためのユニバーサル制限酵素としてのXcmI(Xcml as a universal restriction enzyme for single-stranded DNA)、Gene 133(1993)pp.85-89の方法を利用することができる。その制限酵素は、例えば、クラスIIS酵素であってよく、Podhajska et al.、制限酵素への新たな特異性の付与:アダプターオリゴデオキシヌクレオチドとクラスIIS酵素を組み合わせることによる任意の所定の部位での切断(Conferring new specificities on restriction enzymes:cleavage at any predetermined site by combining adapter oligodeoxynucleotide and Class IIS enzyme)、Methods in Enzymology、1992 Vol.216、pp.303-309の方法を利用することができる。
【0045】
変形例では、自己ハイブリダイズした場合に制限酵素認識部位を形成する自己相補的セクションを有する1つ又は2つ以上のスペーサーセグメントが使用され、コグネイトdsDNA制限酵素を使用して消化される。別の変形例では、スペーサーの1つ若しくは2つ以上又は全ては、AvaII、HaeII、DdeI、AluI、Sau3AI、AccII、TthHB8I及びHapIIなどの一本鎖DNA活性を有する制限酵素のための認識部位配列を包含し、前記酵素を使用して、前記認識部位に相補的なオリゴヌクレオチドなどの別個の核酸を提供する必要なく、前記1つ若しくは2つ以上又は全てのスペーサーセグメントを切断する。理論に限定されるものではないが、これらの制限酵素は、2回回転対称性を有する2つの認識配列から構成されるssDNA内に一時的に形成される二次構造(カノニカル構造と呼ばれる)を認識して切断することにより、ssDNAを切断すると考えられる。Nishigaki et al.、II型制限エンドヌクレアーゼは一般に一本鎖DNAを切断する(Type II restriction endonucleases cleave single-stranded DNAs in general)、Nucleic Acids Res.1985、Vol、13 No.16、5747-5760を参照のこと。
【0046】
長い一本鎖DNAのスペーサー配列が選択的に切断される関連する態様では、制限酵素ではなく、カニ二本鎖特異的ヌクレアーゼ(例えば、カタログ番号EA001 Evrogen、Moscow、Russia)を使用して、例えば、合成であり得る、提供された短いRNAオリゴヌクレオチドとハイブリダイズするスペーサー配列のDNAを優先的に切断する。米国特許第7,435,794号;米国特許第7,803,922号;米国特許第7,951,569号;Anisimova et al.、タラバガニの肝膵臓からの二本鎖特異的ヌクレアーゼの単離、特性評価及び分子クローニング(Isolation,characterization and molecular cloning of Duplex-Specific Nuclease from the hepatopancreas of the Kamchatka crab)、BMC Biochemistry 2008、9:14;及びShagin et al.、カニ肝膵臓由来の新規二本鎖特異的ヌクレアーゼを使用したSNP検出のための新規方法(A novel method for SNP detection using a new duplex-specific nuclease from crab hepatopancreas)、2002 Genome Research.12(12)pp.1935-42も参照のこと。
【0047】
本発明を実施するために使用することができる特定のssDNA配列を選択的に切断するための更に別の方法は、Zamore et alの米国特許出願公開第20160289734号に開示されている、DNA基質に対する核酸ガイド制限酵素としてのアルゴノートポリペプチド:ガイド分子複合体の使用を伴う。
【0048】
本発明による天然に存在していない一本鎖RNA分子のスペーサーセグメントの1つ若しくは2つ以上又は全て(又は任意の所望の位置)は、合成であり得るDNAオリゴヌクレオチドをハイブリダイズすることによって前記RNA分子と形成され得るRNA:DNA二本鎖内のRNAを認識し、切断するAvaII、AvrII、BanI、HaeIII、HinfI及び/又はTaqIなどの制限酵素の制限酵素認識部位をその中に組み込むことによって同様に選択的に切断されて、ハイブリッド制限部位を形成し、その活性を許容する条件下で対象の制限酵素(単数又は複数)を包含する反応混合物を構成することができる。例えば、Murray et al.、II型制限酵素によるRNAの配列特異的切断(Sequence-specific cleavage of RNA by Type II restriction enzymes)、Nucleic Acids Research、2010、Vol.38、No.22 8257-8268を参照のこと。Choudhury et al.、カスタマイズされた配列特異性を有するRNAエンドヌクレアーゼの操作(Engineering RNA endonucleases with customized sequence specificities)、Nature Communications 2012 DOI:10.1038/ncomms2154に開示されているものなどの、操作されたRNAエンドヌクレアーゼも使用することができる。本発明を実施するために使用することができる特定のssRNA配列を選択的に切断するための更に別の方法は、Zamore et alの米国特許出願公開第20160289734号に開示されているようなRNA基質に対する核酸ガイド制限酵素としてのアルゴノートポリペプチド:ガイド分子複合体の使用を伴う。
【0049】
限定されないが、増強されたシアニン3UTP(ENZ-42505;Enzo Life Sciences)、増強されたシアニン5-UTP(ENZ-42506)、フルオレセイン-12-UTP(ENZ-42834)、ビオチン-11-CTP(ENZ-42818)、ビオチン-16-UTP(ENZ-42814)、ジゴキシゲニン-UTPアルカリ安定性(ENZ-NUC114-0250)、シアニン3-dUTP(ENZ-42501)、シアニン5dUTP(ENZ-42502)、及びジゴキシゲニン-dUTPアルカリ安定性(ENZ-NUC113-0025)などの、様々な蛍光標識された及びハプテン標識されたリボヌクレオシド三リン酸(rNTP)及びデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)が、本発明によるプローブのポリメラーゼ媒介合成のために市販されている。蛍光標識された又はハプテン標識されたrNTP又はdNTPをプローブに直接酵素的に組み込むこと以外に、限定されないが、アミノアリルdUTP(ENZ-42861)及びアミノアリルUTP(R1091、ThermoFisher Scientific)などのアリルアミン標識されたrNTP又はdNTP(アミノアリルrNTP又はdNTP)を組み込み、次いで当該技術分野で知られているように、蛍光色素又はハプテン誘導体と反応させてプローブを機能的に標識することができる。アミノアリル基は、市販の標識誘導体のN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基と反応して、組み込まれたrNTP類似体又はdNTP類似体の第一級アミノ基との結合を形成する。本発明による核酸プローブの化学合成に関して、限定されないが、ビオチンホスホロアミダイト(例えば、M042000、Millipore Sigma)、シアニン3ホスホロアミダイト(例えば、M047000、Millipore Sigma)、シアニン5ホスホロアミダイト(例えば、M046030、Millipore Sigma)、フルオレセインホスホロアミダイト(例えば、M04l080、Millipore Sigma)、6-フルオレセインホスホロアミダイト(例えば、M041100、Millipore Sigma)及び6-ヘキサクロロ-フルオレセインホスホロアミダイト(例えば、M043130、Millipore Sigma)などのホスホロアミダイト化学によってオリゴヌクレオチド、例えば、本発明によるプローブのループ部分に組み込むために様々な標識されたホスホロアミダイトが利用可能である。
【0050】
本発明はまた、記載されているように標識された核酸「スペーサーセグメント化」プローブを、上述のそれらの変形例、並びに天然に存在している標的核酸分子などの標的核酸分子とのハイブリダイゼーション、及び核酸「スペーサーセグメント化」プローブのスペーサーセグメントの1つ若しくは2つ以上又は全てと相補的であり、それらとハイブリダイズする標識されたオリゴヌクレオチドプローブなどの標識された核酸プローブによる検出のための、標識されていないが、その他の点では同じ構造(及び任意に本明細書に記載されているそれらの変形例のいずれか又は全て)を有する対応するプローブの態様と共に提供する。
【0051】
したがって、本発明の一態様は、5’末端及び3’末端を有する天然に存在していない線状核酸分子であって、
予め選択された核酸標的配列と連続して相補的な一連の第1の核酸セグメントと、
第1の核酸セグメントの各々の隣接する対の間のスペーサー核酸セグメントと
を包含し、
スペーサーセグメントが、予め選択された核酸標的配列と実質的に相補的ではない、線状核酸分子を提供する。
スペーサーセグメントの少なくともいくつかの核酸モノマー(残基)は、検出可能な標識で標識されてよいか、又はスペーサーセグメントの核酸モノマーのいずれも検出可能な標識で標識されていなくてよく、例えば、天然に存在していない線状核酸分子の核酸モノマーのいずれも検出可能な標識で標識されていない。
【0052】
本発明の更なる態様は、この天然に存在していない線状核酸分子と、前記天然に存在していない線状核酸分子のスペーサーセグメントの1つ若しくは2つ以上又は全てと相補的であり、それらとハイブリダイズする、標識されたオリゴヌクレオチドプローブなどの1つ又は2つ以上の標識された核酸プローブとを包含する物質の組成物を提供する。
【0053】
本発明の別の態様は、この天然に存在していない線状核酸分子と、天然に存在していない線状核酸分子が第1の核酸セグメントによってハイブリダイズする天然に存在している標的核酸分子とを包含する物質の組成物を提供する。
【0054】
本発明のなお更なる態様は、
上述の天然に存在していない線状核酸分子(標識されているか、又は標識されていない)と、
前記天然に存在していない線状核酸分子のスペーサーセグメントの1つ若しくは2つ以上又は全てと相補的であり、それらとハイブリダイズする、標識されたオリゴヌクレオチドプローブなどの1つ又は2つ以上の標識された核酸ハイブリダイゼーションプローブと、
天然に存在していない線状核酸分子が第1の核酸セグメントによってハイブリダイズする天然に存在している標的核酸分子と
を包含する物質の組成物を提供する。
【0055】
記載されている標識された天然に存在していない線状核酸と、そのスペーサーセグメントとハイブリダイズした1つ又は2つ以上の標識された核酸プローブとを包含する態様では、前者及び後者の検出可能な標識は、完全に同じ種類であってよいか、完全に異なる種類であってよいか、又は共通の少なくとも1つの検出可能な標識の種類を有し、また、共通ではない少なくとも1つの検出可能な標識の種類を有してよい。
【0056】
本発明の標識されていない天然に存在していない線状核酸分子の態様(及びそれに由来する断片化されたプローブ組成物の態様)は、標識された核酸モノマーを省略することによって、例えば、標識されていない核酸モノマーのみを使用することによって、標識化の態様について本明細書に開示されている同じ方法の態様を使用して調製することができる。本発明のそのような標識されていない天然に存在していない線状核酸分子の態様はまた、本明細書に記載されているように断片化されて、断片化されたプローブ組成物を得ることができる(任意に同じ型のいずれか又は全てを有し、標識化の態様に関して本明細書に記載されている断片化された組成物の更なる処理を伴う)。
【0057】
本発明のなお更なる態様は、試料中の標的核酸配列を検出するための方法であって、
本明細書に記載されている天然に存在していない核酸分子(標識されているか、又は標識されておらず、断片化されているか、又は断片化されていない)を準備するステップと、
天然に存在していない核酸分子のスペーサーセグメントと相補的であり、それとハイブリダイゼーション可能な、限定されないが、オリゴヌクレオチドプローブなどの、検出可能に標識された核酸ハイブリダイゼーションプローブを準備するステップと、
天然に存在していない核酸分子を、天然に存在していない核酸分子と、試料中に存在する場合、予め選択された核酸標的配列を包含する核酸分子とのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で予め選択された核酸標的配列を包含する核酸分子を含有し得る単離された生体試料と接触させるステップと、
ハイブリダイズしていない天然に存在していない核酸分子を単離された生体試料から洗い流すステップと、
検出可能に標識された核酸プローブを、前記プローブが、存在する場合、標的核酸分子とハイブリダイズする天然に存在していない核酸分子のいずれかのスペーサーセグメントとハイブリダイズするように、単離された生体試料と接触させるステップと、
ハイブリダイズしていない検出可能に標識された核酸ハイブリダイゼーションプローブを単離された生体試料から洗い流すステップと、
単離された生体試料中に残存する検出可能に標識された核酸ハイブリダイゼーションプローブのいずれかの標識を検出するステップと
を包含する、方法を提供する。
1つの変形例では、単離された生体試料は標的核酸分子を含有し、それが方法によって検出される。検出するステップは、当該技術分野で公知の顕微鏡法を使用した2D又は3D視覚化/画像キャプチャを包含してよい。天然に存在していない核酸分子が検出可能な標識も包含する場合、それらも検出され得る。例えば、天然に存在していない核酸分子の検出可能な標識が核酸プローブの標識と同じである場合、検出可能な標識の全ては同じ検出するステップで検出され得る。しかしながら、天然に存在していない核酸分子の検出可能な標識及び核酸プローブの標識が直交して検出可能である場合、方法は、生体試料中に残存している天然に存在していない核酸分子の標識を検出する更なるステップ(第1の洗浄するステップの後及び/又は第2の洗浄するステップの後)を包含してよい。本発明はまた、天然に存在していない核酸分子及び核酸プローブが、同時に核酸ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で単離された生体試料と最初に接触し、例えば、単離された生体試料との前記接触の前又は間に一緒に混合され、続いて試料中に残存している標識の洗浄及び検出が行われ得る、対応する態様を提供する。
【0058】
更に別の態様は、本明細書に記載されているものなどの検出可能な標識を包含する、本明細書に開示されているもののいずれかなどの核酸ハイブリダイゼーションプローブを使用する方法を、メチル化DNAを検出するための方法と併せて提供し、このプローブは、DNAの選択された遺伝子座又は領域におけるDNAのメチル化を検出及び定量するための染色体DNAなどのDNAの選択された遺伝子座又は領域を認識する(それらと相補的である)。メチル化DNAを検出するための方法は、例えば、メチル化DNAと特異的に結合する、一次モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体などの一次抗体との結合であってよく、一次抗体は、使用される核酸ハイブリダイゼーションプローブの検出可能な標識とは異なる(例えば、それに対して直交する、すなわち、それに対して直交して検出可能である)、フルオロフォア若しくは発色団などの検出可能な標識で標識されるか、又は一次抗体に結合する二次抗体が提供され、二次抗体は、使用される核酸ハイブリダイゼーションプローブの検出可能な標識とは異なる(例えば、それに対して直交する、すなわち、それに対して直交して検出可能である)、フルオロフォア若しくは発色団などの検出可能な標識で標識される。例えば、核酸ハイブリダイゼーションプローブは、Cy3フルオロフォアで標識され、標識される抗体はCy5フルオロフォアで標識されてよいか、又はその逆であってよい。したがって、この態様の方法によれば、染色体DNAなどのDNA内の目的の遺伝子座又は領域を、プローブの標識から検出されたシグナルを介して試料/検体内で視覚化し、描写することができ、前記遺伝子座又は領域におけるDNAメチル化の量/分量に対応するシグナルの量/分量は、核酸ハイブリダイゼーションプローブがハイブリダイズする遺伝子座又は領域内に空間的に存在する標識された抗体からのシグナルを測定することによって決定することができる。
【0059】
本出願で引用される任意及び全ての刊行物、特許、特許出願及びその他の文書は、個々の刊行物、特許、特許出願又はその他の文書が、あらゆる目的のために個別に参照によって組み込まれることが示された場合と同程度に、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
様々な特定の態様を例示し、説明してきたが、本発明(単数又は複数)の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。更に、本発明の一態様と関連して説明した特徴は、たとえその中で組み合わせて明示的に例示されていなくても、他の態様と併せて使用することができる。
【配列表フリーテキスト】
【0061】
配列番号2:<223>標識化位置を導入しているスペーサー配列
配列番号3:<223>50塩基ごと及び末端にスペーサー配列が挿入されたHPV E6-E7コンセンサス配列
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
【配列表】
2024526281000001.app
【国際調査報告】