IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 北京極智嘉科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図1
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図2
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図3
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図4
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図5
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図6
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図7
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図8
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図9
  • 特表-倉庫貯蔵システム及びその制御方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】倉庫貯蔵システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240709BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/04 503
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500120
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2022125217
(87)【国際公開番号】W WO2023061459
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202111249466.1
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122589108.7
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111204450.9
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122497033.X
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケミカルアンカー
(71)【出願人】
【識別番号】521439198
【氏名又は名称】北京極智嘉科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING GEEKPLUS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 701,7th Floor,No.101,Floor 1-10,Building 4,No.30 Beiyuan Road Chaoyang District,Beijing 100102 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】汪旭
(72)【発明者】
【氏名】王梦迪
(72)【発明者】
【氏名】馬瑛蓬
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF01
3F022JJ11
3F022MM05
3F022MM11
3F522AA02
3F522BB24
3F522BB36
3F522CC05
3F522CC06
3F522CC07
3F522GG02
3F522GG13
3F522JJ03
3F522LL01
3F522LL02
3F522LL32
(57)【要約】
本開示は倉庫貯蔵システム及びその制御方法を提供し、本開示のこの倉庫貯蔵システムは、オーダーにおける目標荷物の需要頻度等の情報に基づいて所定条件を満たしたコンテナを予め多機能領域に一時的に保管することができ、この所定条件に関連するピッキングオーダーを受信した場合、対応コンテナを格納したラックを搬送するように自動搬送デバイスを呼び出す必要がなく、コンテナ積み下ろしデバイスが多機能領域から対応コンテナをピッキング作業スペースに転送し、ピッキング完了後コンテナ積み下ろしデバイスがこのコンテナを多機能領域に返送するだけでよく、このようにして自動搬送デバイスの作業量を低減させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫貯蔵システムであって、
少なくとも一つのピッキング作業スペースを含むワークステーションエリアと、
ラックが滞在するために用いられるように構成されたラック滞在エリアと、
前記ピッキング作業スペース又は前記ラックから転送されたコンテナを格納するために用いられるように構成された少なくとも一つの貯蔵位置を含む多機能領域と、
ワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間でコンテナを転送するように構成されたコンテナ積み下ろしデバイスとを含むことを特徴とする倉庫貯蔵システム。
【請求項2】
前記多機能領域は前記ピッキング作業スペースの上方、下方、又は近傍に位置することを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項3】
前記貯蔵位置はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物の所定時間帯での需要頻度は需要頻度閾値を超えることを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項4】
前記多機能領域の貯蔵位置はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物は指定荷物に関連することを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項5】
前記多機能領域はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、前記コンテナ積み下ろしデバイスは前記コンテナを転送する暇がないことを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項6】
前記多機能領域はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナの荷物のピッキングが既に完了し、前記コンテナを格納するラックはまだ前記ラック滞在エリアに到達していないことを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項7】
前記多機能領域はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、且つピッキング待ちオーダーにおいて前記荷物が命中したことを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項8】
前記コンテナ積み下ろしデバイスは更に荷物整理操作を行うように構成されることを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項9】
所定時間帯において、第1コンテナ内の荷物の需要頻度が第2コンテナ内の荷物より高い場合、且つ前記第1コンテナに比べて、前記第2コンテナのラックでの位置がより出し入れしやすい場合、
前記コンテナ積み下ろしデバイス部は、前記第2コンテナを前記ラックから前記多機能領域に移動して一時的に保管し、前記第1コンテナを現在位置から前記第2コンテナの本来の位置に転送し、そして前記第2コンテナを前記多機能領域から前記第1コンテナの本来の位置に転送するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項10】
コンテナ内の荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超える場合、
前記コンテナ積み下ろしデバイスは、前記コンテナを現在のラックから、荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超えたコンテナを格納することに専用されるように構成された新たなラックに転送するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項11】
前記コンテナ積み下ろしデバイスは、空きコンテナを空きコンテナ格納用のラック又は前記多機能領域に返送するために用いられるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項12】
前記多機能領域は、高さ方向に沿って間隔をおいて配列され、水平方向に沿って間隔をおいて配列され、又は高さ方向と水平方向において混合して間隔をおいて配列された複数の貯蔵位置を含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項13】
前記ラックを前記ラック滞在エリアに搬入又は搬出するように構成された自動搬送デバイスを更に含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項14】
水平方向に沿って間隔をおいて配列された複数の前記ピッキング作業スペースを含むことを特徴とする請求項13に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項15】
前記ピッキング作業スペースは第1支持フレーム及び前記第1支持フレームに設けられた第1ガイド機構を含み、前記第1ガイド機構は前記コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成されることを特徴とする請求項14に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項16】
前記貯蔵位置は第2支持フレーム及び前記第2支持フレームに設けられた第2ガイド機構を含み、前記第2ガイド機構は前記コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成されることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項17】
前記コンテナ積み下ろしデバイスはドアフレームと積み下ろしアセンブリを含み、前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに設けられ、また、前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してX軸方向とY軸方向に沿って運動できるように構成され、又は、
前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してZ軸方向とY軸方向に沿って運動できるように構成され、又は、
前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に沿って運動できるように構成され、
前記ピッキング作業スペースと前記ラックとの間の垂直距離方向をY軸方向と記し、水平面においてY軸に垂直な方向をX軸方向と記し、水平面に垂直な方向をZ軸方向と記することを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項18】
前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に沿って運動できるように構成され、前記コンテナ積み下ろしデバイスは、
前記ドアフレームに設けられ、且つX軸駆動機構に制御されて前記ドアフレームに対してX軸方向に沿って運動するように構成された可動支柱を更に含み、
前記積み下ろしアセンブリは前記可動支柱に設けられ、且つZ軸駆動機構に制御されて前記可動支柱に対してZ軸方向に沿って運動するように構成されることを特徴とする請求項17に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項19】
前記積み下ろしアセンブリは、
前記可動支柱に設けられた基盤と、
前記基盤に設けられ、且つY軸駆動機構に制御されて前記基盤に対してY軸方向に沿って運動するように構成された積み下ろし部材とを含むことを特徴とする請求項18に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項20】
前記コンテナ積み下ろしデバイスは、
前記ドアフレームに設けられ、且つ前記ドアフレームに対してX軸方向に沿って運動するように前記可動支柱をガイドするために用いられるように構成されたX軸ガイド機構、及び/又は、
前記可動支柱に設けられ、且つ前記可動支柱に対してZ軸方向に沿って運動するように前記積み下ろしアセンブリをガイドするために用いられるように構成されたZ軸ガイド機構を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項21】
前記多機能領域は空きコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ積み下ろしデバイスは、箱全体を積み込む時又はコンテナ外部供給が不足する時に前記多機能領域の空きコンテナを前記ピッキング作業スペースに転送するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項22】
倉庫貯蔵システムの制御方法であって、
前記倉庫貯蔵システムは、請求項1~21のいずれか一項に記載の倉庫貯蔵システムであり、
所定属性に基づいて、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たした目標コンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップを含むことを特徴とする倉庫貯蔵システムの制御方法。
【請求項23】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
コンテナ内の荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超える場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記ラック滞在エリアのラックから前記多機能領域に転送するステップと、
前記荷物をピッキングするコマンドを受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記多機能領域から前記ピッキング作業スペースに転送するステップとを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項24】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
第1コンテナ内に指定荷物に関連する物品を収納した場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第1コンテナを前記ラックから前記多機能領域に転送して一時的に保管するステップと、
前記指定荷物をピッキングするコマンドを受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第1コンテナを前記多機能領域から前記ピッキング作業スペースに転送するステップと、
前記コンテナ積み下ろしデバイスが指定荷物を格納した第2コンテナを前記ラック滞在エリアのラックから前記ピッキング作業スペースに転送するステップとを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項25】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
コンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを転送する暇がない場合、前記コンテナを前記多機能領域に格納するステップを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項26】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
ピッキングが既に完了し、前記コンテナを格納するためのラックがまだ前記ラック滞在エリアに到達していない場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記多機能領域に格納するステップを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項27】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
前記コンテナ積み下ろしデバイスが暇な場合、荷物整理操作を行うステップを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項28】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが荷物整理操作を行う方法は、
所定時間帯において、第1コンテナ内の荷物の需要頻度が第2コンテナ内の荷物より大きい場合、且つ前記第1コンテナに比べて、前記第2コンテナのラックでの位置がより出し入れしやすい場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第2コンテナを先に前記ラックから前記多機能領域に移動して一時的に保管するステップと、
前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第1コンテナを現在位置から前記第2コンテナの本来所在する位置に転送するステップと、
前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第2コンテナを前記多機能領域から前記第1コンテナの本来の位置に転送するステップとを含むことを特徴とする請求項27に記載の制御方法。
【請求項29】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが荷物整理操作を行う方法は、
所定時間帯において、コンテナ内の荷物の需要頻度が需要頻度閾値を超える場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが、前記コンテナを現在のラックから、荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超えたコンテナを格納することに専用される新たなラックに転送するステップを含むことを特徴とする請求項27に記載の制御方法。
【請求項30】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが荷物整理操作を行う方法は、
所定時間帯において、コンテナ内の荷物の需要頻度が所定頻度閾値を超える場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記多機能領域から、荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超えたコンテナを格納することに専用される新たなラックに転送するステップを含むことを特徴とする請求項27に記載の制御方法。
【請求項31】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
前記多機能領域に空きコンテナを格納しており、箱全体を積み込むコマンド又は外部コンテナ供給不足警報を受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記多機能領域の空きコンテナを前記ピッキング作業スペースに転送するステップを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項32】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
ピッキング完了後コンテナが空きである場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが、前記空きコンテナをピッキング作業スペースから、空きコンテナを格納することに専用されるように構成された新たなラックに転送するステップを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項33】
前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
コンテナ内の荷物のピッキングが完了した後、ピッキング待ちオーダーにおいて前記荷物が命中したか否かを判断するステップと、
前記ピッキング待ちオーダーにおいて前記荷物が命中した場合、コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記ピッキング作業スペースから前記多機能領域に転送して一時的に保管するステップと、
前記荷物が命中した前記ピッキング待ちオーダーのピッキングを行うコマンドを受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記多機能領域から前記ピッキング作業スペースに転送するステップとを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項34】
制御方法であって、
前記倉庫貯蔵システムは、前記ラックを前記ラック滞在エリアに搬入又は搬出するように構成された自動搬送デバイスを更に含み、
前記制御方法は、
一つのコンテナ内に指定荷物に関連する物品を収納した場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記一つのコンテナを前記ラックから前記多機能領域に転送して一時的に保管するステップと、
前記指定荷物をピッキングするコマンドを受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記一つのコンテナを前記多機能領域から前記ピッキング作業スペースに転送するステップと、
前記自動搬送デバイスを呼び出して、前記指定荷物収納用の別のコンテナが格納されているラックを前記ラック滞在エリアに搬送させ、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記別のコンテナを前記ラック滞在エリアのラックから前記ピッキング作業スペースに転送するステップとを更に含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年10月15日に中国特許庁に提出された、出願番号が202111204450.9、発明の名称が「倉庫貯蔵システム及びその制御方法」、2021年10月26日に中国特許庁に提出された、出願番号が202111249466.1、発明の名称が「倉庫貯蔵システム及びその制御方法」、2021年10月15日に中国特許庁に提出された、出願番号が202122497033.X、実用新案の名称が「倉庫貯蔵システム」、及び2021年10月26日に中国特許庁に提出された、出願番号が202122589108.7、実用新案の名称が「倉庫貯蔵システム」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本開示に取り込まれている。
【0002】
本発明は、倉庫貯蔵物流の技術分野に関し、特に倉庫貯蔵システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子商取引が日増しに発展するに伴い、倉庫貯蔵物流における荷物自動搬送技術も日に日に成熟してきている。
【0004】
現在、倉庫貯蔵システムには少なくともラック、自動搬送デバイス及びピッキング作業スペースを含み、その中、ラックは倉庫の保管棚格納領域に一時的に格納され、ピッキング作業スペースは倉庫中の荷物ピッキング領域に設けられている。
【0005】
ピッキング作業スペースはオーダー情報を受信すると、自動搬送デバイスを呼び出してオーダー情報内の目標荷物を格納しているラックをラック格納領域からピッキング作業スペースに搬送させ、更にラック上の目標コンテナをピッキング作業スペースに搬送するようにコンテナ積み下ろしデバイスを制御する。
【0006】
以上から分かるように、ピッキング作業スペースはオーダー情報を受信するたびに自動搬送デバイスを呼び出して目標コンテナを格納しているラックをピッキング作業スペースに搬送させ、自動搬送デバイスはラックを搬送することを常に待つ必要がある。
【0007】
以上に鑑みて、自動搬送デバイスの搬送回数をいかに減少するかは、当業者が解決必要な技術的問題となる。
【発明の概要】
【0008】
従来技術に存在する問題を解決するために、本開示は倉庫貯蔵システム及びその制御方法を提供する。
【0009】
第1態様において、本開示は、
少なくとも一つのピッキング作業スペースを含むワークステーションエリアと、
ラックが滞在するために用いられるように構成されたラック滞在エリアと、
前記ピッキング作業スペース又は前記ラックから転送されたコンテナを格納するために用いられるように構成された少なくとも一つの貯蔵位置を含む多機能領域と、
ワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間でコンテナを転送するように構成されたコンテナ積み下ろしデバイスとを含む倉庫貯蔵システムを提供する。
【0010】
一実施例では、前記多機能領域は前記ピッキング作業スペースの上方、下方又は近傍に位置する。
【0011】
一実施例では、前記貯蔵位置はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物の所定時間帯での需要頻度は需要頻度閾値を超える。
【0012】
一実施例では、前記多機能領域の貯蔵位置はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物は指定荷物に関連する。
【0013】
一実施例では、前記多機能領域はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、前記コンテナ積み下ろしデバイスは前記コンテナを転送する暇がない。
【0014】
一実施例では、前記多機能領域はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナの荷物のピッキングが既に完了し、前記コンテナを格納するラックはまだ前記ラック滞在エリアに到達していない。
【0015】
一実施例では、前記多機能領域はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、且つピッキング待ちオーダーにおいて前記荷物が命中した。
【0016】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスは更に荷物整理操作を行うように構成される。
【0017】
一実施例では、所定時間帯において、第1コンテナ内の荷物の需要頻度が第2コンテナ内の荷物より高い場合、且つ前記第1コンテナに比べて、前記第2コンテナのラックでの位置がより出し入れしやすい場合、
前記コンテナ積み下ろしデバイス部は、前記第2コンテナを前記ラックから前記多機能領域に移動して一時的に保管し、前記第1コンテナを現在位置から前記第2コンテナの本来の位置に転送し、そして前記第2コンテナを前記多機能領域から前記第1コンテナの本来の位置に転送するように構成される。
【0018】
一実施例では、コンテナ内の荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超える場合、
前記コンテナ積み下ろしデバイスは、前記コンテナを現在のラックから、荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超えたコンテナを格納することに専用されるように構成された新たなラックに転送するように構成される。
【0019】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスは、空きコンテナを空きコンテナ格納用のラック又は前記多機能領域に返送するために用いられるように構成される。
【0020】
一実施例では、前記多機能領域は、高さ方向に沿って間隔をおいて配列され、水平方向に沿って間隔をおいて配列され、又は高さ方向と水平方向において混合して間隔をおいて配列された複数の貯蔵位置を含む。
【0021】
一実施例では、前記倉庫貯蔵システムは、前記ラックを前記ラック滞在エリアに搬入又は搬出するように構成された自動搬送デバイスを更に含む。
【0022】
一実施例では、水平方向に沿って間隔をおいて配列された複数の前記ピッキング作業スペースを含む。
【0023】
一実施例では、前記ピッキング作業スペースは第1支持フレーム及び前記第1支持フレームに設けられた第1ガイド機構を含み、前記第1ガイド機構は前記コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成される。
【0024】
一実施例では、前記貯蔵位置は第2支持フレーム及び前記第2支持フレームに設けられた第2ガイド機構を含み、前記第2ガイド機構は前記コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成される。
【0025】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスはドアフレームと積み下ろしアセンブリを含み、前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに設けられ、また、前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してX軸方向とY軸方向に沿って運動できるように構成され、又は、
前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してZ軸方向とY軸方向に沿って運動できるように構成され、又は、
前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に沿って運動できるように構成され、
前記ピッキング作業スペースと前記ラックとの間の垂直距離方向をY軸方向と記し、水平面においてY軸に垂直な方向をX軸方向と記し、水平面に垂直な方向をZ軸方向と記する。
【0026】
一実施例では、前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に沿って運動できるように構成され、前記コンテナ積み下ろしデバイスは、
前記ドアフレームに設けられ、且つX軸駆動機構に制御されて前記ドアフレームに対してX軸方向に沿って運動するように構成された可動支柱を更に含み、
前記積み下ろしアセンブリは前記可動支柱に設けられ、且つZ軸駆動機構に制御されて前記可動支柱に対してZ軸方向に沿って運動するように構成される。
【0027】
一実施例では、前記積み下ろしアセンブリは、
前記可動支柱に設けられた基盤と、
前記基盤に設けられ、且つY軸駆動機構に制御されて前記基盤に対してY軸方向に沿って運動するように構成された積み下ろし部材とを含む。
【0028】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスは、
前記ドアフレームに設けられ、且つ前記ドアフレームに対してX軸方向に沿って運動するように前記可動支柱をガイドするために用いられるように構成されたX軸ガイド機構、及び/又は、
前記可動支柱に設けられ、且つ前記可動支柱に対してZ軸方向に沿って運動するように前記積み下ろしアセンブリをガイドするために用いられるように構成されたZ軸ガイド機構を更に含む。
【0029】
一実施例では、前記多機能領域は空きコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ積み下ろしデバイスは、箱全体を積み込む時又はコンテナ外部供給が不足する時に前記多機能領域の空きコンテナを前記ピッキング作業スペースに転送するように構成される。
【0030】
第2態様において、本開示は、上記のいずれかの実施例に記載の倉庫貯蔵システムの制御方法であり、
所定属性に基づいて、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たした目標コンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップを含む倉庫貯蔵システムの制御方法を提供する。
【0031】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
コンテナ内の荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超える場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記ラック滞在エリアのラックから前記多機能領域に転送するステップと、
前記荷物をピッキングするコマンドを受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記多機能領域から前記ピッキング作業スペースに転送するステップと、を含む。
【0032】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
第1コンテナ内に指定荷物に関連する物品を収納した場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第1コンテナを前記ラックから前記多機能領域に転送して一時的に保管するステップと、
前記指定荷物をピッキングするコマンドを受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第1コンテナを前記多機能領域から前記ピッキング作業スペースに転送するステップと、
前記コンテナ積み下ろしデバイスが指定荷物を格納した第2コンテナを前記ラック滞在エリアのラックから前記ピッキング作業スペースに転送するステップとを含む。
【0033】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
コンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを転送する暇がない場合、前記コンテナを前記多機能領域に格納するステップを含む。
【0034】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
ピッキングが既に完了し、前記コンテナを格納するためのラックがまだ前記ラック滞在エリアに到達していない場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記多機能領域に格納するステップを含む。
【0035】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
前記コンテナ積み下ろしデバイスが暇な場合、荷物整理操作を行うステップを含む。
【0036】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが荷物整理操作を行う方法は、
所定時間帯において、第1コンテナ内の荷物の需要頻度が第2コンテナ内の荷物より大きい場合、且つ前記第1コンテナに比べて、前記第2コンテナのラックでの位置がより出し入れしやすい場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第2コンテナを先に前記ラックから前記多機能領域に移動して一時的に保管するステップと、
前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第1コンテナを現在位置から前記第2コンテナの本来所在する位置に転送するステップと、
前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記第2コンテナを前記多機能領域から前記第1コンテナの本来の位置に転送するステップとを含む。
【0037】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが荷物整理操作を行う方法は、
所定時間帯において、コンテナ内の荷物の需要頻度が需要頻度閾値を超える場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが、前記コンテナを現在のラックから、荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超えたコンテナを格納することに専用される新たなラックに転送するステップを含む。
【0038】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが荷物整理操作を行う方法は、
所定時間帯において、コンテナ内の荷物の需要頻度が所定頻度閾値を超える場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記多機能領域から、荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超えたコンテナを格納することに専用される新たなラックに転送するステップを含む。
【0039】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
前記多機能領域に空きコンテナを格納しており、箱全体を積み込むコマンド又は外部コンテナ供給不足警報を受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記多機能領域の空きコンテナを前記ピッキング作業スペースに転送するステップを含む。
【0040】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
ピッキング完了後コンテナが空きである場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが、前記空きコンテナをピッキング作業スペースから、空きコンテナを格納することに専用されるように構成された新たなラックに転送するステップを含む。
【0041】
一実施例では、前記コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するステップは、
コンテナ内の荷物のピッキングが完了した後、ピッキング待ちオーダーにおいて前記荷物が命中したか否かを判断するステップと、
前記ピッキング待ちオーダーにおいて前記荷物が命中した場合、コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記ピッキング作業スペースから前記多機能領域に転送して一時的に保管するステップと、
前記荷物が命中した前記ピッキング待ちオーダーのピッキングを行うコマンドを受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記多機能領域から前記ピッキング作業スペースに転送するステップとを含む。
【0042】
一実施例では、前記倉庫貯蔵システムは、前記ラックを前記ラック滞在エリアに搬入又は搬出するように構成された自動搬送デバイスを更に含み、前記制御方法は、
一つのコンテナ内に指定荷物に関連する物品を収納した場合、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記一つのコンテナを前記ラックから前記多機能領域に転送して一時的に保管するステップと、
前記指定荷物をピッキングするコマンドを受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記一つのコンテナを前記多機能領域から前記ピッキング作業スペースに転送するステップと、
前記自動搬送デバイスを呼び出して、前記指定荷物収納用の別のコンテナを格納したラックを前記ラック滞在エリアに搬送させ、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記別のコンテナを前記ラック滞在エリアのラックから前記ピッキング作業スペースに転送するステップとを更に含む。
【0043】
本開示のこの倉庫貯蔵システムは、オーダーにおける目標荷物の需要頻度等の情報に基づいて所定条件を満たしたコンテナを予め多機能領域に一時的に保管することができ、この所定条件に関連するピッキングオーダーを受信した場合、対応コンテナを格納したラックを搬送するように自動搬送デバイスを呼び出す必要がなく、コンテナ積み下ろしデバイスが多機能領域から対応コンテナをピッキング作業スペースに転送し、ピッキング完了後コンテナ積み下ろしデバイスがこのコンテナを多機能領域に返送するだけでよく、このようにして自動搬送デバイスの作業量を低減させることができる。なお、一実施例において、多機能領域がピッキング作業スペースの上方に位置し、コンテナ積み下ろしデバイスはコンテナを迅速に転送でき、ピッキング効率を大幅に向上させることができる。
【0044】
本開示の上記の目的、特徴及びメリットをより明らかで分かりやすくするために、以下において、特に好ましい実施例を挙げ、添付された図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本開示の実施例の技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下において、実施例に用いられる図面について簡単に説明し、ここの図面は明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、これらの図面は本開示に合致する実施例を示し、明細書と共に本開示の技術的解決手段を説明するために用いられる。以下の図面はただ本開示の一部の実施例を示すため、範囲を限定するものと見なしてはならなく、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の関連図面に想到し得ることを理解すべきである。
【0046】
図1】本発明で提供された倉庫貯蔵システムの一具体的実施例の立体構造の模式図である。
図2】それぞれ図1に示す倉庫貯蔵システムの正面図、側面図及び上面図である。
図3】それぞれ図1に示す倉庫貯蔵システムの正面図、側面図及び上面図である。
図4】それぞれ図1に示す倉庫貯蔵システムの正面図、側面図及び上面図である。
図5】それぞれ本発明の倉庫貯蔵システムの制御方法のいくつかの実施例の制御手順の模式図である。
図6】それぞれ本発明の倉庫貯蔵システムの制御方法のいくつかの実施例の制御手順の模式図である。
図7】それぞれ本発明の倉庫貯蔵システムの制御方法のいくつかの実施例の制御手順の模式図である。
図8】それぞれ本発明の倉庫貯蔵システムの制御方法のいくつかの実施例の制御手順の模式図である。
図9】それぞれ本発明の倉庫貯蔵システムの制御方法のいくつかの実施例の制御手順の模式図である。
図10】それぞれ本発明の倉庫貯蔵システムの制御方法のいくつかの実施例の制御手順の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本開示の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本開示の実施例における図面を参照し、本開示の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例はただ本開示の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。一般的には、この図面に記載され示された本開示の実施例のアセンブリは様々な配置方式によって配置、設定され得る。従って、以下において図面で提供された本開示の実施例に加えられる詳細な記載は、保護を主張される本開示の範囲を限定する意図がなく、本開示の選択実施例を示すものに過ぎない。本開示における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく、得られた他の全ての実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0048】
なお、本開示の実施例中の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における用語「第1」、「第2」等は、必ず特定の順序又は先後順序を記述するためのものではなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用されるデータは、ここで記述される実施例がここで図示又は記述される内容以外の順序で実施できるように、適当な場合において互いに置き換えてもよいことを理解すべきである。
【0049】
本明細書に記載の「複数又は若干」とは、二つ又は二つ以上を指す。「及び/又は」は関連対象の関連関係を説明するためのものであり、3種の関係があってもよいのを意味し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独して存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bが単独して存在する場合を意味してもよい。符号の「/」は、一般的には前後の関連対象が「又は」という関係にあることを意味する。
【0050】
現在、既存の倉庫貯蔵システムはオーダーを受信すると、自動搬送デバイスを呼び出し、自動搬送デバイスはこのオーダー中の荷物を含むコンテナを格納したラックをラック貯蔵領域からピッキング作業スペースに転送する。コンテナ積み下ろしデバイスはピッキングのためにこのコンテナをラックからピッキング作業スペースに搬送し、作業員がピッキングを完了した後コンテナ積み下ろしデバイスは更にこのコンテナをラックに返送し、最後に自動搬送デバイスはラックをラック滞在エリアからラック貯蔵領域に返送する。
【0051】
このことから分かるように、既存の倉庫貯蔵システムは各ピッキングオーダーを受信するたびに対応するラックを呼び出す必要があり、自動搬送デバイスの作業量が比較的大きいという問題があった。特に、現在のピッキングワークステーションに一時的保管位置の数が少なく、ピッキング作業員がワークステーションでピッキング操作を行う場合、人気商品、売れ筋商品、景品等の出庫頻度が高いSKUがあった場合に、ラックを頻繁に搬送する必要があり、そして、現在のピッキングワークステーションにおいて空いている空間が大きく、空間利用率が低い。
【0052】
そのため、本発明は、ワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域及びコンテナ積み下ろしデバイスを含む倉庫貯蔵システムを提供する。ここで、ワークステーションエリアはピッキング作業スペースを含み、ラック滞在エリアはラックが滞在するために用いられるように配置され、多機能領域は、ピッキング作業スペース又はラックから転送されたコンテナを格納するために用いられるように構成された少なくとも一つの貯蔵位置を含み、コンテナ積み下ろしデバイスはワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間でコンテナを転送するように構成される。
【0053】
説明必要なこととして、本発明の倉庫貯蔵システムにおけるラックは伝統的な意味でのラックのみを含むというわけではなく、更にトレイ、資材格納棚又は他の形式の荷物格納可能装置を含む。ラックは自動搬送デバイス又は他の移動可能なデバイスによって倉庫の異なる領域を移動でき、つまり、ラックは、倉庫の異なる領域を移動できる移動可能キャリアとして構成される。
【0054】
それに対して、本発明においてラック搬送用の自動搬送デバイスも伝統的なラックを搬送する自動搬送デバイスではなく、ラックを搬送可能ないかなるデバイスである。
【0055】
なお、本発明におけるコンテナは、荷箱、トレイ、パレット、トレイ一時的保管棚等を含み、ここで、荷箱は収納箱等、異なる種類の荷物の収納に用いられる箱体を含み、靴ケース等、特定荷物の収納に用いられる専用箱体も含み、そして、材質の次元から言えば、荷箱は段ボール箱、プラスチック箱及び鉄箱等であってもよい。
【0056】
この倉庫貯蔵システムは所定時間帯での荷物の需要頻度等の情報に基づいて所定条件を満たしたコンテナを予め多機能領域に一時的に保管することができ、この所定条件に関連するピッキングオーダーを受信した場合、対応コンテナを格納したラックを搬送するように自動搬送デバイスを呼び出す必要がなく、コンテナ積み下ろしデバイスが多機能領域から対応コンテナをピッキング作業スペースに転送し、ピッキング完了後コンテナ積み下ろしデバイスがこのコンテナを多機能領域に返送するだけでよく、このようにして自動搬送デバイスの作業量を低減させることができる。
【0057】
理解をより容易にするために、以下、図1図10を参照しながら、具体的な実施例を例としてこの倉庫貯蔵システムの具体的な構造及びその動作原理を詳細に説明する。説明必要なこととして、明らかに記述するために、以下、「第1」、「第2」等の順序数を用いてコンテナを区別し、これらの順序数は本発明の保護範囲を限定するものではないことが理解可能である。
(倉庫貯蔵システムの実施例1)
【0058】
図1を参照し、本実施例では、倉庫貯蔵システムはワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域及びコンテナ積み下ろしデバイスを含む。倉庫貯蔵システムの具体的な構造を理解をより容易にするために、図2図4を同時に参照されたい。
【0059】
ここで、ワークステーションエリアは少なくとも一つのピッキング作業スペースを含み、このピッキング作業スペースはコンテナを格納するために用いられるように構成され、それにより作業員又はピッキングロボットはこのコンテナからオーダー要求に合致する荷物をピッキングし、次にこの荷物を自動搬送デバイス又はコンベヤベルトに置くことができる。
【0060】
ピッキング作業スペースは第1支持フレーム及び第1支持フレームに設けられた第1ガイド機構を含み、第1ガイド機構は、コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成される。
【0061】
詳細に言えば、第1支持フレームは第1ブラケット10、第1左側立て板11、第1右側立て板12を含み、ここで、第1左側立て板11、第1右側立て板12は順に平行して間隔をおいて第1ブラケット10に設けられる。第1ブラケット10の作用は、作業員又はピッキングロボットが容易に荷物をピッキングするように、第1左側立て板11と第1右側立て板12を床面から所定の高さ引き上げることである。
【0062】
第1ガイド機構は、順に平行して間隔をおいて回転可能に第1左側立て板11と第1右側立て板12との間に設けられた複数の第1ローラ13を含む。
【0063】
コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナをピッキング作業スペースに置いた後、作業員又はピッキングロボットはコンテナの所在している現在位置でピッキング操作を実施しにくいと考えると、第1ガイド機構の転動特性により、小さい力でコンテナを現在位置から操作しやすい位置にプッシュしてもよい。
【0064】
ラック滞在エリアはピッキング作業スペースに近い位置に設けられ、そして、このラック滞在エリアには少なくとも二つのラック20を収容でき、それにより倉庫貯蔵システムは単位時間により多い種類又は数量の荷物を迅速にピッキングすることができる。
【0065】
図1を参照し続けると、本実施例では、本願の倉庫貯蔵システムは水平方向に沿って順に間隔をおいて設けられた複数のピッキング作業スペースを含む。
【0066】
より具体的には、複数のピッキング作業スペースはX軸方向に沿って順に間隔をおいて設けられる。このように設置することで、倉庫貯蔵システムでは、複数の作業員又はピッキングロボットは同時にピッキングを行うことができ、当業者であれば、ユースケースに合わせてその適用範囲を無限に広げることができる。
【0067】
本願の他のいくつかの実施例によれば、本願の複数のピッキング作業スペースはZ軸方向に沿って順に間隔をおいて設けられてもよく、それによって、各ピッキング作業スペースと床面との間で異なる高さを形成して、異なる身長の作業員のピッキングに役立ち、それで作業員のピッキング快適性を向上させ、更に作業員のピッキング効率を向上させる。
【0068】
本願の他のいくつかの実施例によれば、本願の複数のピッキング作業スペースは水平面においてY軸に沿って順に間隔をおいて設けられてもよく、それによって複数の作業員が向かい合ってピッキングできる。
【0069】
図1を参照し続けると、本実施例では、本願の多機能領域は複数の貯蔵位置を含み、各貯蔵位置は第2支持フレーム及び第2支持フレームに設けられた第2ガイド機構を含み、第2ガイド機構は、コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成される。
【0070】
詳細に言えば、第2支持フレームは第2ブラケット30、第2左側立て板31、第2右側立て板32を含み、ここで、第2左側立て板31と第2右側立て板32は順に平行して間隔をおいて第2ブラケット30に設けられる。
【0071】
第2ガイド機構は、順に平行して間隔をおいて回転可能に第2左側立て板31と第2右側立て板32との間に設けられた複数の第2ローラ33を含む。
【0072】
貯蔵位置は第2ブラケット30によって倉庫の固定壁面に固定されるか、又は補助ブラケットによってピッキング作業スペースに固定され、多機能領域がピッキング作業スペース上方に位置して倉庫内のピッキング作業スペース上方の空き空間を十分に利用することを確保できればよい。
【0073】
本願の他のいくつかの実施例によれば、本願の多機能領域はピッキング作業スペースの下方に設けられ、第2ブラケット30はケミカルアンカー等の締結具によって倉庫の床面に固定されればよい。
【0074】
本願の他のいくつかの実施例によれば、本願の多機能領域はピッキング作業スペースの近傍に設けられ、つまり、多機能領域はピッキング作業スペースに近く設けられる。同様に、第2ブラケット30はケミカルアンカー等の締結具によって倉庫の床面に固定されればよい。
【0075】
本実施形態における各貯蔵位置は少なくとも一つのコンテナを格納するために用いられる。更に説明必要なこととして、上記構造形態はただ貯蔵位置の一種の実現形態であり、貯蔵位置は他の構造を採用してもよく、コンテナの格納を実現できるものであればよい。
【0076】
多機能領域の格納能力を向上させるために、図1を参照し続けると、本実施例では、多機能領域は複数の貯蔵位置を含み、一部の貯蔵位置は高さ方向に沿って順に間隔をおいて配列され、他の一部の貯蔵位置は同一水平面において順に間隔をおいて配列される。つまり、本実施例では、複数の貯蔵位置は高さ方向と水平方向に混合して間隔をおいて配列される。
【0077】
理解できるように、貯蔵位置の具体的な数はピッキング作業スペース上方の空間の大きさに依存し、当業者は実際の状況に合わせて適切な数と配列方式を選択すればよい。
【0078】
当然ながら、本願の他のいくつかの実施例によれば、本願の複数の貯蔵位置はただ高さ方向に沿って順に間隔をおいて配列され、又は、ただ同一水平面において順に間隔をおいて配列される。
【0079】
図1図4を参照すると、本実施例では、コンテナ積み下ろしデバイスは、ドアフレームと、ドアフレームに対して空間座標系のX軸、Y軸及びZ軸に沿って運動する積み下ろしアセンブリとを含み、ここで、ピッキング作業スペースとラックとの間の垂直距離方向をY軸方向と記し、水平面においてY軸に垂直な方向をX軸方向と記し、水平面に垂直な方向をZ軸方向と記する。X軸とY軸の所在する平面が水平面であり、Z軸が鉛直平面内に位置すると理解してもよい。説明必要なこととして、X軸、Y軸及びZ軸等の相対的位置関係を理解しやすくするために、図2図4を参照されたい。
【0080】
詳細に言えば、ドアフレームはベース40、左側支柱41、右側支柱42及び横ビーム43を含み、ここで、ベース40はワークステーションエリアとラック滞在エリアの所在する動作面内に固定的に設けられ、左側支柱41と右側支柱42は互いに平行し、横ビーム43はベース40と平行して設けられ且つ左側支柱41と右側支柱42に固定的に接続される。つまり、これら四つの部材は順に接続されて方形ドアフレーム構造を形成する。
【0081】
コンテナ積み下ろしデバイスは、左側支柱41と右側支柱42との間に位置し、且つベース40と横ビーム43の延在方向、即ちX軸方向に沿ってベース40と横ビーム43に対して運動できる可動支柱44を含み、積み下ろしアセンブリ45は可動支柱44に設けられ、且つZ軸駆動機構に制御されて可動支柱44の延在方向に沿って運動し、それによって、積み下ろしアセンブリ45のラックに対するZ軸方向での変位を調整できる。
【0082】
なお、積み下ろしアセンブリ45は、可動支柱44に設けられ且つ可動支柱44に対してZ軸方向に沿って運動する基盤450と、Y軸駆動機構に制御されて基盤450に対してY軸方向に沿って運動する積み下ろし部材451とを含む。
【0083】
いくつかの実施例では、Y軸駆動機構はシリンダーであってよく、シリンダーの本体が基盤450に固定的に設けられ、そのピストンロッドに積み下ろし部材451が設けられ、シリンダーの本体内のガスの流れ方向を制御することで、ピストンロッドを駆動して、積み下ろし部材451を連動させてシリンダー本体に対してY軸方向に沿って往復運動させることができる。
【0084】
倉庫貯蔵システムがピッキングオーダーを受信すると、倉庫貯蔵システムのデータベース記録により、コンテナ積み下ろしデバイスは、ラック20における、このオーダーに含まれる荷物を収納したコンテナの具体的位置(コンテナの空間座標位置)を決定する。ドアフレームに対してX軸とY軸に沿って目標コンテナに大体合わせられるまで運動するように積み下ろしアセンブリ45を制御し、次に、その基盤450に対してY軸に沿って目標コンテナを掴み取るまで運動するように積み下ろしアセンブリ45における積み下ろし部材451を制御する。
【0085】
より詳細に言えば、本実施例において積み下ろし部材451は真空発生装置と連通するチャックであり、真空発生装置を起動すると、チャックは吸着力を生成して、資材箱を吸着してから基盤に戻る。
【0086】
このような構造の積み下ろしアセンブリを採用した場合、ラック20における隣接する二つの資材箱の間には一般に用いられるフォークアームが挿入するための空間を予め残す必要がなく、ラック20に資材箱を緊密に配列でき、ラック20の空間を十分に利用して資材箱を収容することができる。
【0087】
本願の他のいくつかの実施例によれば、本願の積み下ろしアセンブリは、プッシュプル積み下ろしアセンブリ、ナックル積み下ろしアセンブリ、フォーク式積み下ろしアセンブリ及びロボットアーム等を含む。
【0088】
本願の他のいくつかの実施例によれば、本願のコンテナ積み下ろしデバイスのX軸駆動機構はX軸駆動モータとX軸ボールねじナット伝動機構を含んでもよく、X軸ボールねじナット伝動機構のボールねじは回転可能にベース40又は横ビーム43に接続され、それに螺接されるナットブロックは可動支柱44に固定的に接続され、X軸駆動モータはボールねじを駆動してベース40又は横ビーム43に対して回転させるために用いられ、そのようにナットブロックは可動支柱44を連動させてX軸に沿って運動させて、積み下ろしアセンブリ45のドアフレームに対するX軸方向に沿う運動を調整することができる。
【0089】
本願の他のいくつかの実施例によれば、本願のコンテナ積み下ろしデバイスのX軸駆動機構はX軸駆動モータとX軸ラックアンドピニオン伝動機構とを含んでもよく、X軸ラックアンドピニオン伝動機構のピニオンは回転可能に可動支柱44に接続され、それに噛み合うラックはベース40又は横ビーム43に固定的に接続され、且つX軸方向に沿って延在し、X軸駆動モータはピニオンを駆動して可動支柱44に対して回転させるために用いられ、そのようにピニオンは可動支柱44を連動させてラックの延在方向に沿って運動させて、積み下ろしアセンブリ45のドアフレームに対するX軸方向に沿う運動を調整することができる。
【0090】
更に、本実施例では、本願のコンテナ積み下ろしデバイスは、更に、ドアフレームに対してX軸方向に沿って運動するように可動支柱44をガイドするように配置され、コンテナ積み下ろしデバイスの運動安定性を確保するX軸ガイド機構を含む。
【0091】
詳細に言えば、X軸ガイド機構はX軸直線ガイドレールを含み、X軸直線ガイドレールは、X軸に沿って延在し且つドアフレームのベース40又は横ビーム43に設けられた直線レールと、この直線レールにスライド可能に接続されたスライダとを含み、可動支柱44はスライダに設けられ、このスライダに伴ってこの直線レールに沿ってX軸方向にスライドする。
【0092】
本願の他のいくつかの実施例によれば、本願のコンテナ積み下ろしデバイスのZ軸駆動機構はZ軸駆動モータとZ軸ボールねじナット伝動機構とを含んでもよく、Z軸ボールねじナット伝動機構のボールねじは回転可能に可動支柱44に接続され、それに螺接されるナットブロックは積み下ろしアセンブリ45の基盤450に固定的に接続され、Z軸駆動モータはZ軸ボールねじを駆動して可動支柱44に対して回転させるために用いられ、このようにナットブロックは積み下ろしアセンブリ45を連動させてZ軸に沿って運動させて、積み下ろしアセンブリ45のドアフレームに対するZ軸方向に沿う運動を調整することができる。
【0093】
本願の他のいくつかの実施例によれば、本願のコンテナ積み下ろしデバイスのZ軸駆動機構はZ軸駆動モータとZ軸ラックアンドピニオン伝動機構とを含んでもよく、Z軸ラックアンドピニオン伝動機構のピニオンは回転可能に積み下ろしアセンブリ45の基盤450に接続され、それに噛み合うラックは可動支柱44に固定的に接続され且つZ軸方向に沿って延在し、Z軸駆動モータはピニオンを駆動して可動支柱44に対して回転させるために用いられ、このようにピニオンは積み下ろしアセンブリ45を連動させてラックの延在方向に沿って運動させて、積み下ろしアセンブリ45のドアフレームに対するZ軸方向に沿う運動を調整することができる。
【0094】
同様に、本実施例では、コンテナ積み下ろしデバイスは、更に、可動支柱44に対してZ軸方向に沿って運動するように積み下ろしアセンブリ45をガイドするように配置され、コンテナ積み下ろしデバイスの運動安定性を確保するZ軸ガイド機構を含む。
【0095】
詳細に言えば、Z軸ガイド機構はZ軸直線ガイドレールを含み、Z軸直線ガイドレールは、Z軸に沿って延在し且つ可動支柱44に設けられた直線レールと、この直線レールにスライド可能に接続されたスライダとを含み、積み下ろしアセンブリ45の基盤450はスライダに設けられ、このスライダに伴ってこの直線レールに沿ってZ軸方向にスライドする。
【0096】
更に、本実施例では、倉庫貯蔵システムは、更に、ラックをラック滞在エリアに搬送するために用いられるように構成された自動搬送デバイスを含む。ラックには荷物を収納したコンテナを格納している。
【0097】
説明必要なこととして、本願の自動搬送デバイスは、積載型、持ち上げ型、牽引型、フォーク型の自動搬送デバイスを含む。
【0098】
本願の一実施例によると、本願のコンテナ積み下ろしデバイスは、ドアフレームと、ドアフレームに対して空間座標系のX軸とY軸に沿って運動する積み下ろしアセンブリとを含む。
【0099】
この積み下ろしアセンブリは、X軸方向に運動して目標コンテナを選定し、次にY軸方向に沿って運動してこの目標コンテナを掴み取る。
【0100】
説明必要なこととして、積み下ろしアセンブリのドアフレームに対するX軸とY軸方向での運動機構については、上述した三軸運動の実施例を参照されたい。
【0101】
本願の一実施例によると、本願のコンテナ積み下ろしデバイスは、ドアフレームと、ドアフレームに対して空間座標系のZ軸とY軸に沿って運動する積み下ろしアセンブリとを含む。
【0102】
この積み下ろしアセンブリは、Z軸方向に運動して目標コンテナを選定し、次にY軸方向に沿って運動してこの目標コンテナを掴み取る。
【0103】
説明必要なこととして、積み下ろしアセンブリのドアフレームに対するZ軸とY軸方向での運動機構については、上述した三軸運動の実施例を参照されたい。
【0104】
本願のいくつかの実施例によると、本願の多機能領域の貯蔵位置は、その中の荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超えるコンテナを格納するために用いられるように構成される。
【0105】
ここで、所定時間内の需要頻度とは、所定時間帯にこの荷物がピッキングオーダーに含まれる回数であり、即ち、所定時間帯に二つのピッキングオーダーのいずれにもこの荷物が含まれる場合に、この所定時間帯でのこの荷物の需要頻度が二回であることを意味する。
【0106】
需要頻度閾値とは、予め設定された、この荷物の需要頻度の高低を判断するための基準値であり、この基準値は一つの具体的な数値であっても、一つの数値範囲であってもよい。需要頻度閾値は荷物の重量、生産地等の要素に依存する。
【0107】
所定時間帯は、一日内の数時間、一日、一週間、一ヶ月、一季又は一年等の予め設定された一つの具体的な数値又は数値範囲であってもよい。倉庫貯蔵システムによって実際のユースケースに合わせて設定されるか、作業員によって実際のピッキング作業量に基づいて設定される。
【0108】
理解をより容易にするために、以下、二つのユースケースに基づいて上記倉庫貯蔵システムの動作原理を詳細に説明する。
(ユースケース1)
【0109】
多機能領域の貯蔵位置は、所定時間帯内の需要頻度が需要頻度閾値より大きい荷物を収納するためのコンテナを格納するために用いられるように構成される。
【0110】
所定時間帯内にこの荷物の需要頻度が需要頻度閾値と等しい場合、この荷物の需要頻度が正常レベル内にあることを意味する。所定時間帯内のこの荷物の需要頻度が需要頻度閾値より大きい場合、この荷物が人気商品又は売れ筋商品であることを意味し、反対に、所定時間帯内のこの荷物の実際需要頻度が需要頻度閾値より小さい場合、この荷物が売れ残り品であることを意味する。
【0111】
倉庫貯蔵システムは所定時間帯内の需要頻度により、コンテナ内に格納されている荷物が人気商品又は売れ筋商品であり、即ち所定時間内のこの荷物の実際需要頻度が需要頻度閾値より大きいことを分かった場合に、倉庫貯蔵システムのコンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックからこのコンテナを掴み取り、且つこのコンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0112】
このコンテナ内の荷物をピッキングするコマンド(オーダー)を受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスはこのコンテナを多機能領域からワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送する。
【0113】
ピッキング完了後、このコンテナ内にまだ荷物が残っている場合に、コンテナ積み下ろしデバイスはこのコンテナを多機能領域に返送して一時的に保管し、反対な場合に、直接このコンテナを空きコンテナ格納領域に返送する。
【0114】
詳細に言えば、ピッキングシステムは、現在は一時的に必要とされないが、一定時間後に命中する資材を識別することができる。多機能領域を設けた後、システムは現在の種まき壁に必要な資材よりも多い荷物を取得でき、即ち、ラックには、現在の種まき壁に必要な資材があり、それと同場合、一定時間後に利用される資材もあれば、コンテナ積み下ろしデバイスは予め命中した資材をラックから取り出し、多機能領域に一時的に収納することができ、この資材が必要になった場合、コンテナ積み下ろしデバイスは直接この資材又はこの資材を収納しているコンテナを多機能領域から取り出し、ピッキング位置に搬送してピッキングし、それによって、オーダー完成速度を加速させ、自動搬送デバイスのラック搬送回数を効果的に減少させることができる。
【0115】
なお、説明必要なこととして、人気商品は入庫時に直接多機能領域に格納してもよいし、ある人気製品をピッキングする時に倉庫貯蔵領域から搬出してピッキングを完了した後直接多機能領域に格納してもよい。
(ユースケース2)
【0116】
多機能領域はコンテナを格納するために用いられるように構成され、この第2コンテナは翌日の需要頻度が一日需要頻度閾値より大きい荷物を収納するために用いられる。
【0117】
説明必要なこととして、一日需要頻度閾値とは、予め設定された、一日内の荷物需要頻度の一つの具体的な数値又は一つの数値範囲である。一日需要頻度閾値は荷物の種類、季節等の要素に依存し、例えば、アイスクリームは夏での一日需要頻度が冬での一日需要頻度より大きい。
【0118】
倉庫貯蔵システムは、予約オーダー又は当日内の荷物の実際の一日需要頻度によりこの荷物の翌日の実際の一日需要頻度がその一日需要頻度閾値より大きいと予め判断した場合、自動搬送デバイスを呼び出してこの荷物を収納したコンテナを格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはラックからこのコンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0119】
翌日に倉庫貯蔵システムがこのコンテナ内の荷物をピッキングするコマンドを受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスは多機能領域からこのコンテナをピッキング作業スペースに転送する。ピッキング完了後、コンテナ積み下ろしデバイスは荷物が残っているこのコンテナを多機能領域に返送するか、空いているこのコンテナを直接空きコンテナ格納領域に返送する。
【0120】
本願のいくつかの実施例によると、本願の多機能領域の貯蔵位置は、指定荷物に関連する物品を格納したコンテナを収容するために用いられるように構成される。
【0121】
ここで、指定荷物に関連する物品はこの指定荷物の景品であってもよく、景品とは指定荷物を購入する際に無料で贈られる物品である。もちろん、指定荷物に関連する物品は指定物品と同じオーダーで注文する時に値下げされる商品であってもよい。
【0122】
倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出して景品を格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスは景品を格納しているコンテナをラック滞在エリアのラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。倉庫貯蔵システムは、景品に関連する指定荷物をピッキングするコマンドを受信すると、自動搬送デバイスを呼び出してこの指定荷物を格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはこの指定荷物を収納しているコンテナをラック滞在エリアのラックからワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送し、次に又はこのステップの前に、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスは多機能領域から景品収納コンテナをピッキング作業スペースに転送する。
【0123】
ピッキング完了後、コンテナ内にまだ指定荷物が残っている場合に、コンテナ積み下ろしデバイスは指定荷物を収納しているコンテナをラックに返送するか、空きコンテナを直接空きコンテナ格納領域に返送し、コンテナ内にまだ景品が残っている場合に、コンテナ積み下ろしデバイスはコンテナを多機能領域に返送するか、空きコンテナを空きコンテナ格納領域に返送する。
【0124】
なお、説明必要なこととして、景品は入庫時に直接多機能領域に格納してもよいし、ある人気製品をピッキングする時に倉庫貯蔵領域から搬出してピッキングを完了した後直接多機能領域に格納してもよい。
【0125】
本願の一実施例によると、本願の多機能領域の貯蔵位置はコンテナを格納するために用いられるように構成され、このコンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、前記コンテナ積み下ろしデバイスはこのコンテナを転送する暇がない。
【0126】
詳細に言えば、作業員又はピッキングロボットが一つのピッキングオーダーによりピッキングを既に完了し、コンテナ積み下ろしデバイスが動作中でピッキング完了コンテナを転送する暇がない場合、作業員又はピッキングロボットはこのコンテナを多機能領域に搬送して一時的に保管し、コンテナ積み下ろしデバイスが暇になった後、このコンテナをラックに転送し、それによって、ピッキング完了コンテナがピッキング作業スペースに積み上げられて後続のピッキングオーダーのピッキングに影響を及ぼすことを回避し、ピッキング作業を順序よくスムーズに行うことを保持する。
【0127】
本願の一実施例によると、本願の多機能領域はコンテナを格納するために用いられるように構成され、このコンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、このコンテナを格納するラックはまだラック滞在エリアに到達していない。
【0128】
詳細に言えば、管理の便宜上、倉庫貯蔵システム内の各コンテナはいずれも指定されたラックに格納される。作業員又はピッキングロボットが一つのオーダーによりピッキングを完了した後、一般的には、コンテナは指定されたラックに返送される必要がある。
【0129】
しかしながら、実際のピッキング作業で自動搬送デバイスが占用される等の原因で、ピッキング済みコンテナを格納するラックはまだラック滞在エリアに到達しておらず、ピッキング作業スペースにコンテナが積み上げられるという問題がある。
【0130】
これに基づき、本願の倉庫貯蔵システムにおいて、ピッキング済みコンテナを格納するラックがまだラック滞在エリアに到達していない場合、作業員、ピッキングロボット又はコンテナ積載デバイスは先にこのコンテナを多機能領域に一時的に保管し、このコンテナのラックが到達した後、コンテナ積載デバイスはこのコンテナをラックに転送し、それによって、ピッキング完了コンテナがピッキング作業スペースに積み上げられて後続のピッキングオーダーのピッキングに影響を及ぼすことを回避し、ピッキング作業を順序よくスムーズに行うことを保持する。
【0131】
本願の一実施例によると、本願の多機能領域の貯蔵位置はコンテナを格納するために用いられるように構成され、このコンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、且つピッキング待ちオーダーにおいてこの荷物が命中した。
【0132】
倉庫貯蔵システム内の各ピッキング作業スペースの作業量を合理的に手配するために、倉庫貯蔵システムは定期的に各ピッキング作業スペースにピッキングオーダーを割り当て、つまり、各ピッキング作業スペースは複数のピッキングオーダーを割り当てられ、これらのピッキングオーダーは割当時間により先後順序で並べてピッキングされるのを待つ。ピッキング作業スペースにおいて現在ピッキングしているピッキングオーダー中の荷物はその後に並べているピッキングオーダーに現れる可能性があり、このコンテナには複数のピッキングオーダーに現れる荷物を格納しているので、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを複数回呼び出す必要がある。
【0133】
そのため、本願の倉庫貯蔵システムにおいて、ピッキングが完了した後、後に並べているピッキング待ちオーダーにおいてこのピッキング完了荷物が命中したか否かを確認し、この荷物が命中した場合に、作業員、ピッキングロボット又はコンテナ積載デバイスは先にこのコンテナを多機能領域に一時的に保管し、その後にこの荷物が命中したピッキングオーダーが到達した後直接多機能領域からそのコンテナを搬送し、自動搬送デバイスを複数回呼び出してこのコンテナを格納しているラックを搬送させる必要がなく、自動搬送デバイスを呼び出す回数を減少させ、ピッキング効率を向上させることができる。
【0134】
本願の一実施例によると、本願のコンテナ積み下ろしデバイスは、荷物整理操作を行うように構成される。
【0135】
理解をより容易にするために、以下、二つのユースケースに基づいて上記コンテナ積み下ろしデバイスの荷物整理原理を詳細に説明する。
(ユースケース1)
【0136】
コンテナ積み下ろしデバイスが暇な場合、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してラックをラック滞在エリアに搬送させ、ラックに格納されている荷物の種類及び以前のオーダー中の各種荷物の所定時間帯での需要頻度に基づいて、倉庫貯蔵システムは異なるコンテナのラックでの位置を調整し、例えば、需要頻度の高い荷物のコンテナを頻度の低い荷物のコンテナの外側に移動し、ピッキング時間を短縮させ、ピッキング効率を向上させる。
【0137】
所定時間帯において、第1コンテナ内の荷物の需要頻度が第2コンテナ内の荷物より大きい場合、且つ第1コンテナに比べて、第2コンテナのラックでの位置がより出し入れしやすい場合、
前記コンテナ積み下ろしデバイス部は、第2コンテナを前記ラックから前記多機能領域に移動して一時的に保管し、第1コンテナを現在位置から前記第2コンテナの本来の位置に転送し、そして第2コンテナを前記多機能領域から前記第1コンテナの本来の位置に転送するように構成される。
【0138】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは以前のオーダーに基づいてラックにおける荷物の所定時間帯での需要頻度の高低を判断し、需要頻度の高い荷物のコンテナが需要頻度の低い荷物のコンテナの内側に位置すれば、コンテナ積み下ろしデバイスは、まず、需要頻度の低い荷物のコンテナをラックから多機能領域に転送して一時的に保管し、次に、需要頻度の高い荷物のコンテナをラックから多機能領域に転送して一時的に保管し、更に、需要頻度の低い荷物のコンテナを多機能領域からラックに返送し、最後に、需要頻度の高い荷物のコンテナを多機能領域からラックに返送し、且つそれを需要頻度の低い荷物のコンテナの外側に位置させ、それによって掴み取りやすくする。
【0139】
又は、コンテナ積み下ろしデバイスは、ラックにおける需要頻度の高い荷物のコンテナをラックにおける低層位置に調整し、且つ需要頻度の低い荷物のコンテナをラックにおける高層位置に調整する。
【0140】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してラックをラック滞在エリアに搬送させ、且つ以前のオーダーに基づいてこのラックにおける各種荷物の需要頻度等級を予め判断する。これに基づき、コンテナ積み下ろしデバイスは、まず、ラックの低層位置における需要頻度の低い荷物のコンテナを多機能領域に転送して一時的に保管し、次に、ラックの高層位置に位置する需要頻度の高い荷物のコンテナを低層位置に移動し、更に、多機能領域に一時的に保管している需要頻度の低い荷物のコンテナをラックにおける高層位置に返送し、ラックにおける需要頻度の高い荷物が全て需要頻度の低い荷物のコンテナの下方に位置するようになるまで、このように繰り返して操作し、それによって出し入れしやすくする。
(ユースケース2)
【0141】
コンテナ内の荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超える場合、コンテナ積み下ろしデバイスは、コンテナを現在のラックから、荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超えたコンテナを格納することに専用される新たなラックに転送するように構成される。
【0142】
所定時間帯内のこの荷物の需要頻度が需要頻度閾値と等しい場合、この荷物の需要頻度が正常レベル内にあることを意味する。所定時間帯内のこの荷物の需要頻度が需要頻度閾値より大きい場合、この荷物が人気商品又は売れ筋商品であることを意味し、反対に、所定時間帯内のこの荷物の実際需要頻度が需要頻度閾値より小さい場合、この荷物が売れ残り品であることを意味する。
【0143】
倉庫貯蔵システムは所定時間帯内の需要頻度により、コンテナ内に格納されている荷物が人気商品又は売れ筋商品であり、即ち所定時間内のこの荷物の実際需要頻度が需要頻度閾値より大きいことを分かった場合に、倉庫貯蔵システムのコンテナ積み下ろしデバイスは現在のラックからこのコンテナを掴み取り、且つこのコンテナを新たなラックに転送する。
【0144】
本願において、所定時間帯内の需要頻度の高い荷物のコンテナを全て新たなラックに集中的に格納し、且つこのラックをラック滞在位置に滞在させる。ピッキングオーダーにおいていずれかの上記荷物をピッキングすることが要求される場合、直接コンテナをこのラックからピッキング作業スペースに転送し、自動搬送デバイスは各荷物に対応するラックを複数回往復して搬送する必要がなく、自動搬送デバイスの搬送回数を減少させ、ピッキング効率を向上させた。
【0145】
ピッキング完了後、第1コンテナ内にまだ荷物が残っている場合に、コンテナ積み下ろしデバイスは第1コンテナを多機能領域に返送して一時的に保管し、反対に、直接第1コンテナを空きコンテナ格納領域に返送する。
【0146】
本願の一実施例によると、本願のコンテナ積み下ろしデバイスは、空きコンテナを多機能領域に返送するために用いられるように構成される。
【0147】
空きコンテナはコンテナ積み下ろしデバイスによってコンテナ格納領域から多機能領域に転送され、又は、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出して空きコンテナを格納したラックをラック滞在エリアに転送させ、次にコンテナ積み下ろしデバイスはラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0148】
倉庫貯蔵システムが箱全体を積み込むコマンド又は外部コンテナ供給不足警報を受信すると、コンテナ積み下ろしデバイスは多機能領域から空きコンテナをピッキング作業スペースに転送し、それにより作業員又はピッキングロボットは荷物を空きコンテナにピッキングする。
【0149】
説明必要なこととして、箱全体を積み込むというのは、コンテナ内に荷物をいっぱい詰めた後全体的に格納することである。
【0150】
本願の一実施例によると、本願のコンテナ積み下ろしデバイスは、空きコンテナを空きコンテナ格納用のラックに返送するために用いられるように構成される。
【0151】
作業員又はピッキングロボットがピッキングを完了した後、ピッキングされたコンテナが空いていれば、コンテナ積み下ろしデバイスは空きコンテナを空きコンテナ格納用のラックに返送し、このラックはラック滞在エリアに滞在していてもよい。
【0152】
倉庫貯蔵システムが箱全体を積み込むコマンド又は外部コンテナ供給不足警報を受信すると、コンテナ積み下ろしデバイスは空きコンテナを格納するラックから空きコンテナをピッキング作業スペースに転送し、それにより作業員又はピッキングロボットは荷物を空きコンテナ内にピッキングする。
【0153】
本発明は、更に、倉庫貯蔵システムの制御方法を提供し、この倉庫貯蔵システムは具体的には上記の倉庫貯蔵システムであり、この倉庫貯蔵システムの制御方法は、
所定属性に基づいて、コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するという主要なステップを含む。
【0154】
理解をより容易にするために、以下、図5図7を参照しながら、四つの実施例を例として本発明の制御方法の具体的制御論理を詳細に説明する。
(制御方法の実施例1)
【0155】
図5を参照し、本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は下記のステップS100、ステップS200及びステップS300を含む。
【0156】
S100で、コンテナの荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超える場合、コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記ラック滞在エリアのラックから多機能領域に転送する。
【0157】
ここで、所定時間内の需要頻度とは、所定時間帯にこの荷物がピッキングオーダーに含まれる回数であり、即ち、所定時間帯に二つのピッキングオーダーのいずれにもこの荷物が含まれる場合に、この所定時間帯でのこの荷物の需要頻度が二回であることを意味する。
【0158】
所定時間帯は、一日内の数時間、一日、一週間、一ヶ月、一季又は一年等の予め設定された一つの具体的な数値又は数値範囲であってもよい。倉庫貯蔵システムによって実際のユースケースに合わせて設定されるか、作業員によって実際のピッキング作業量に基づいて設定される。
【0159】
前記荷物をピッキングするコマンドを受信すると、前記コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを前記多機能領域から前記ピッキング作業スペースに転送する。
【0160】
所定時間帯内のこの荷物の需要頻度が需要頻度閾値と等しい場合、この荷物の需要頻度が正常レベル内にあることを意味する。所定時間帯内のこの荷物の需要頻度が需要頻度閾値より大きい場合、この荷物が人気商品又は売れ筋商品であることを意味し、反対に、所定時間帯内のこの荷物の実際需要頻度が需要頻度閾値より小さい場合、この荷物が売れ残り品であることを意味する。
【0161】
倉庫貯蔵システムは所定時間帯内の需要頻度により、コンテナ内に格納されている荷物が人気商品又は売れ筋商品であり、即ち所定時間内のこの荷物の実際需要頻度が需要頻度閾値より大きいことを分かった場合に、倉庫貯蔵システムのコンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックからこのコンテナを掴み取り、且つこのコンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0162】
S200で、このコンテナ内の荷物をピッキングするコマンドを受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスがこのコンテナを多機能領域からワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送する。
【0163】
当然ながら、他のいくつかの実施例では、ピッキング作業員は、コンテナ積み下ろしデバイスを利用せず、直接このコンテナを多機能領域からワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送してもよい。
【0164】
S300で、ピッキング完了後、コンテナ積み下ろしデバイスが、まだ荷物が残っているこのコンテナを多機能領域に返送して一時的に保管するか、直接空いているこのコンテナを空き資材箱格納領域に返送する。
【0165】
詳細に言えば、ピッキングシステムは、現在は一時的に必要とされないが、一定時間後に命中する資材を識別することができる。多機能領域を設けた後、システムは現在の種まき壁に必要な資材よりも多い荷物を取得でき、即ち、ラックには、現在の種まき壁に必要な資材があり、それと同場合、一定時間後に利用される資材もあれば、コンテナ積み下ろしデバイスは予め命中した資材をラックから取り出し、多機能領域に一時的に収納することができ、この資材が必要になった場合、コンテナ積み下ろしデバイスは直接この資材又はこの資材を収納しているコンテナを多機能領域から取り出し、ピッキング位置に搬送してピッキングし、それによって、オーダー完成速度を加速させ、自動搬送デバイスのラック搬送回数を効果的に減少させることができる。
【0166】
なお、説明必要なこととして、人気商品は入庫時に直接多機能領域に格納してもよいし、ある人気製品をピッキングする時に倉庫貯蔵領域から搬出してピッキングを完了した後直接多機能領域に格納してもよい。
(制御方法の実施例2)
【0167】
図6を参照し、本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は下記のステップS101、ステップS201及びステップS301を含む。
【0168】
S101で、コンテナ内の荷物の翌日の一日需要頻度が一日需要頻度閾値より大きい場合、コンテナ積み下ろしデバイスがこのコンテナをラック滞在エリアのラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0169】
説明必要なこととして、一日需要頻度閾値とは、予め設定された、一日内の荷物需要頻度の一つの具体的な数値又は一つの数値範囲である。一日需要頻度閾値は荷物の種類、季節等の要素に依存し、例えば、アイスクリームは夏での一日需要頻度が冬での一日の需要頻度より大きい。
【0170】
詳細に言えば、一実施例では、倉庫貯蔵システムは翌日の予約オーダーを受信すると、翌日の予約オーダーにおける目標荷物の一日需要頻度と一日需要頻度閾値との間の大小関係を比較し、この目標荷物はコンテナに収容されており、翌日の予約オーダーにおける目標荷物の一日需要頻度が一日需要頻度閾値より大きい場合、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してこのコンテナを格納したラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックからこのコンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0171】
別の実施例では、倉庫貯蔵システムは、このコンテナに収容されている目標荷物の当日内の実際需要頻度により目標荷物の翌日の一日需要頻度が目標荷物の一日需要頻度閾値より大きいと予め判断した場合、自動搬送デバイスを呼び出してこのコンテナを格納したラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックからこのコンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0172】
例えば、果物、野菜等の需要頻度が季節に影響される荷物に対して、秋の末の10月10日でのハート状リンゴの一日需要頻度がこの荷物に対して予め設定された一日需要頻度閾値より遥かに超えたことを倉庫貯蔵システムが分かった。これに基づき、倉庫貯蔵システムは翌日のハート状リンゴの一日需要頻度もその一日需要頻度閾値を超えると予め判断した。倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してそれを格納したラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックからこのコンテナを多機能領域に転送して一時的に保管し、このコンテナ内に目標荷物であるハート状リンゴを格納している。
【0173】
S201で、翌日に倉庫貯蔵システムがこのコンテナ内の荷物をピッキングするコマンドを受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスがこのコンテナを多機能領域からワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送する。
【0174】
S301で、ピッキング完了後、コンテナ積み下ろしデバイスが、まだ荷物が残っているこのコンテナを多機能領域に返送して一時的に保管するか、直接空きコンテナを空き資材箱格納領域に返送する。
(制御方法の実施例3)
【0175】
図7を参照し、本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は下記のステップS102、ステップS202、ステップS203及びステップS302を含む。
【0176】
S102で、ラックにおける第1コンテナ内に指定荷物に関連する物品を収納した場合、コンテナ積み下ろしデバイスが第1コンテナをラック滞在エリアのラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0177】
ここで、指定荷物に関連する物品はこの指定荷物の景品であってもよく、景品とは指定荷物を購入する際に無料で贈られる物品である。もちろん、指定荷物に関連する物品は指定物品と同じオーダーで注文する時に値下げされる商品であってもよい。
【0178】
ステップS102の前に、この制御方法は、更に、自動搬送デバイスを呼び出して第1コンテナを格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させるステップを含む。
【0179】
S202で、倉庫貯蔵システムが指定荷物をピッキングするコマンドを受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスが第1コンテナを多機能領域からピッキング作業スペースに転送する。
【0180】
ステップS202の前又はその後に、制御方法は、更に、倉庫貯蔵システムが自動搬送デバイスを呼び出して指定荷物を格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスがラックにおける指定荷物を収納している第2コンテナをラック滞在エリアのラックからワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送するステップS203を含む。
【0181】
S302で、ピッキング完了後、コンテナ積み下ろしデバイスが、指定荷物に関連する物品がまだ残っている第1コンテナを多機能領域に返送して一時的に保管するか、直接空いている第1コンテナを空き資材箱格納領域に返送し、且つ指定荷物がまだ残っている第2コンテナをラックに返送するか、直接空いている第2コンテナを空き資材箱格納領域に返送する。
【0182】
なお、説明必要なこととして、指定荷物に関連する物品は入庫時に直接多機能領域に格納してもよいし、ある人気製品をピッキングする時に倉庫貯蔵領域から搬出してピッキングを完了した後直接多機能領域に格納してもよい。
(制御方法の実施例4)
【0183】
本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は、
コンテナ積み下ろしデバイスが暇な場合、荷物整理操作を行うステップを含む。
【0184】
コンテナ積み下ろしデバイスが暇な場合、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してラックをラック滞在エリアに搬送させ、ラックに格納されている荷物の種類及び以前のオーダー中の各種荷物の需要頻度に基づいて、倉庫貯蔵システムは異なるコンテナのラックでの位置を調整し、例えば、需要頻度の高い荷物を収納しているコンテナを、需要頻度の低い荷物を収納しているコンテナの外側に移動し、ピッキング時間を短縮させ、ピッキング効率を向上させる。
【0185】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは以前のオーダーに基づいてラックにおける荷物の需要頻度の高低を判断し、需要頻度の高い荷物のコンテナが需要頻度の低い荷物のコンテナの内側に位置すれば、コンテナ積み下ろしデバイスは、まず、需要頻度の低い荷物のコンテナをラックから多機能領域に転送して一時的に保管し、次に、需要頻度の高い荷物のコンテナをラックから多機能領域に転送して一時的に保管し、更に、需要頻度の低い荷物のコンテナを多機能領域からラックに返送し、最後に、需要頻度の高い荷物のコンテナを多機能領域からラックに返送し、且つそれを需要頻度の低い荷物のコンテナの外側に位置させ、それによって掴み取りやすくする。
【0186】
又は、コンテナ積み下ろしデバイスは、ラックにおける需要頻度の高い荷物のコンテナをラックにおける低層位置に調整し、且つ需要頻度の低い荷物のコンテナをラックにおける高層位置に調整する。
【0187】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してラックをラック滞在エリアに搬送させ、且つ以前のオーダーに基づいてこのラックにおける各種荷物の需要頻度等級を予め判断する。これに基づき、コンテナ積み下ろしデバイスは、まず、ラックの低層位置における需要頻度の低い荷物のコンテナを多機能領域に転送して一時的に保管し、次に、ラックの高層位置に位置する需要頻度の高い荷物のコンテナを上記の低層位置に移動し、更に、多機能領域に一時的に保管しているコンテナをラックにおける高層位置に返送し、ラックにおける需要頻度の高い荷物が全て需要頻度の低い荷物の下方に位置するようになるまで、このように繰り返して操作し、それによって出し入れしやすくする。
(制御方法の実施例5)
【0188】
本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は下記のステップを含む。
【0189】
多機能領域に空きコンテナを格納している。
【0190】
説明必要なこととして、空きコンテナは予めラックに格納しておいてもよく、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してこのラックをラック滞在エリアに搬送させ、次に、コンテナ積み下ろしデバイスは空きコンテナをこのラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0191】
倉庫貯蔵システムが箱全体を積み込むコマンド又は外部コンテナ供給不足警報を受信すると、コンテナ積み下ろしデバイスが空きコンテナを多機能領域からピッキング作業スペースに転送し、それにより作業員又はピッキングロボットは荷物を空きコンテナにピッキングする。
【0192】
説明必要なこととして、箱全体を積み込むというのは、コンテナ内に荷物をいっぱい詰めた後全体的に販売する必要があることである。
(制御方法の実施例6)
【0193】
本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は、
コンテナ内の荷物のピッキングが完了した後、ピッキング待ちオーダーにおいて荷物が命中したか否かを判断するステップと、
ピッキング待ちオーダーにおいて荷物が命中した場合、コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナをピッキング作業スペースから多機能領域に転送して一時的に保管するステップと、
荷物が命中した前記ピッキング待ちオーダーのピッキングを行うコマンドを受信すると、コンテナ積み下ろしデバイスが前記コンテナを多機能領域からピッキング作業スペースに転送するステップとを含む。
【0194】
説明必要なこととして、上記コンテナにおける対応するピッキング待ち荷物の需要頻度が需要頻度閾値に達していないが、以降でオーダーピッキングが必要になるので、往復搬送を回避するために、直接このコンテナを多機能領域に格納し、全体的な作業効率を向上させる。理解できるように、ピッキング済みの荷物の需要頻度が需要頻度閾値より高くなければ、コンテナ積み下ろしデバイスはこの荷物のコンテナを直接ピッキング作業スペースから本来のラックの本来の位置又は他の空位置に転送する。コンテナの本来のラックでの格納位置を調整し又は格納ラックを変更する必要がある場合に、必要に応じて多機能領域に一時的に保管し、次にコンテナ積み下ろしデバイスによって対応する新たな格納位置に置くことができる。或いは、コンテナ積み下ろしデバイスによって直接新たな格納位置に置く。
(倉庫貯蔵システムの実施例2)
【0195】
本開示の別の実施例では、本開示の倉庫貯蔵システムは、ワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域及びコンテナ積み下ろしデバイスを含む。ここで、ワークステーションエリアはピッキング作業スペースを含み、ラック滞在エリアはラックが滞在するために用いられるように配置され、多機能領域はピッキング作業スペースの上方に位置し、且つピッキング作業スペース又はラックから転送されたコンテナを格納するために用いられるように構成され、コンテナ積み下ろしデバイスはワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間でコンテナを転送するように構成される。
【0196】
説明必要なこととして、本発明の倉庫貯蔵システムにおけるラックは伝統的な意味でのラックのみを含むというわけではなく、更にトレイ、資材格納棚又は他の形式の荷物格納可能装置を含み、この装置は自動搬送デバイス又は他の移動可能なデバイスによって倉庫の異なる領域を移動できる。それに対して、本発明においてラック搬送用の自動搬送デバイスも伝統的なラックを搬送する自動搬送デバイスではなく、ラック、トレイ又は資材格納棚等の商品載置装置を搬送できるロボットである。
【0197】
この倉庫貯蔵システムはオーダー中の目標荷物の出庫量等の情報に基づいて所定条件を満たしたコンテナを予め多機能領域に一時的に保管することができ、この所定条件に関連するピッキングオーダーを受信した場合、対応コンテナを格納したラックを搬送するように自動搬送デバイスを呼び出す必要がなく、コンテナ積み下ろしデバイスが多機能領域から対応コンテナをピッキング作業スペースに転送し、ピッキング完了後コンテナ積み下ろしデバイスがこのコンテナを多機能領域に返送するだけでよく、このようにして自動搬送デバイスの作業量を低減させることができる。また、多機能領域がピッキング作業スペース上方に位置するので、コンテナ積み下ろしデバイスはコンテナを迅速に転送でき、ピッキング効率を大幅に向上させることができる。
【0198】
理解をより容易にするために、以下、図1図4を参照しながら、一つの具体的な実施例を例としてこの倉庫貯蔵システムの具体的な構造及びその動作原理を詳細に説明する。説明必要なこととして、明らかに記述するために、以下、「第1」、「第2」等の順序数を用いてコンテナを区別し、これらの順序数は本発明の保護範囲を限定するものではないことが理解可能である。
【0199】
図1を参照し、本実施例では、倉庫貯蔵システムは、ワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域及びコンテナ積み下ろしデバイスを含む。倉庫貯蔵システムの具体的な構造を理解をより容易にするために、図2図4を同時に参照されたい。
【0200】
ここで、ワークステーションエリアはピッキング作業スペースを含み、このピッキング作業スペースはコンテナを格納するために用いられるように構成され、それにより作業員又はピッキングロボットはこのコンテナからオーダー要求に合致する荷物をピッキングし、次にこの荷物を自動搬送デバイス又はコンベヤベルトに置くことができる。
【0201】
ピッキング作業スペースは第1支持フレーム及び第1支持フレームに設けられた第1ガイド機構を含み、第1ガイド機構は、コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成される。
【0202】
詳細に言えば、第1支持フレームは第1ブラケット10、第1左側立て板11、第1右側立て板12及び第1中間立て板13を含み、ここで、第1左側立て板11、第1右側立て板12、第1中間立て板13は順に平行して間隔をおいて第1ブラケット10に設けられる。
【0203】
第1ガイド機構は複数の第1ローラ14を含み、一部の第1ローラ14は順に平行して間隔をおいて回転可能に第1左側立て板11と第1中間立て板13との間に設けられ、他の一部の第1ローラ14は順に平行して間隔をおいて回転可能に第1右側立て板12と第1中間立て板13との間に設けられる。第1ブラケット10の作用は、作業員又はピッキングロボットが容易に荷物をピッキングするように、第1左側立て板11、第1右側立て板12、第1中間立て板13の三者を床面から所定の高さ引き上げることである。
【0204】
コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナをピッキング作業スペースに置いた後、作業員又はピッキングロボットはコンテナの所在している現在位置でピッキング操作を実施しにくいと考えると、第1ガイド機構の転動特性により、小さい力でコンテナを現在位置から操作しやすい位置にプッシュしてもよい。
【0205】
ラック滞在エリアはピッキング作業スペースに近い位置に設けられ、そして、このラック滞在エリアには少なくとも二つのラック20を収容でき、それにより倉庫貯蔵システムは単位時間により多い種類又は数量の荷物を迅速にピッキングすることができる。
【0206】
多機能領域は複数の貯蔵位置を含み、各貯蔵位置は第2支持フレーム及び第2支持フレームに設けられた第2ガイド機構を含み、第2ガイド機構は、コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成される。
【0207】
詳細に言えば、第2支持フレームは第2ブラケット30、第2左側立て板31、第2右側立て板32を含み、ここで、第2左側立て板31と第2右側立て板32は順に平行して間隔をおいて第2ブラケット30に設けられる。
【0208】
第2ガイド機構は、順に平行して間隔をおいて回転可能に第2左側立て板31と第2右側立て板32との間に設けられた複数の第2ローラ33を含む。
【0209】
貯蔵位置は第2ブラケット30によって倉庫の固定壁面に固定されるか、又は補助ブラケットによってピッキング作業スペースに固定され、多機能領域がピッキング作業スペース上方に位置して倉庫内のピッキング作業スペース上方の空き空間を十分に利用することを確保できればよい。本実施形態中の各貯蔵位置は一つより少なくないコンテナ積み下ろしデバイスによって転送されたコンテナを格納するために用いられる。更に説明必要なこととして、上記構造形態はただ貯蔵位置の一種の実現形態であり、貯蔵位置は他の構造を採用してもよく、コンテナの格納を実現できるものであればよく、各貯蔵位置をただ一つの荷箱を格納するように設置してもよい。
【0210】
多機能領域により多い資材箱を格納させるために、図1を参照すると、本実施例では、多機能領域は複数の貯蔵位置を含み、一部の貯蔵位置は高さ方向に沿って順に間隔をおいて配列され、他の一部の貯蔵位置は同一水平面において順に間隔をおいて配列される。理解できるように、貯蔵位置の具体的な数はピッキング作業スペース上方の空間の大きさに依存し、当業者は実際の状況に合わせて適切な数と配列方式を選択すればよい。
【0211】
当然ながら、他のいくつかの実施例では、複数の貯蔵位置はただ高さ方向に沿って順に間隔をおいて配列され、又は、ただ同一水平面において順に間隔をおいて配列される。
【0212】
コンテナ積み下ろしデバイスは、ドアフレームと、ドアフレームに対して空間座標系のX軸、Y軸及びZ軸に沿って運動する積み下ろしアセンブリとを含み、ここで、ピッキング作業スペースとラックとの間の垂直距離方向をY軸方向と記し、水平面においてY軸に垂直な方向をX軸方向と記し、水平面に垂直な方向をZ軸方向と記する。X軸とY軸の所在する平面が水平面であり、Z軸が鉛直平面内に位置すると理解してもよい。説明必要なこととして、X軸、Y軸及びZ軸等の相対的位置関係を理解しやすくするために、図2図4を参照されたい。
【0213】
詳細に言えば、ドアフレームはベース40、左側支柱41、右側支柱42及び横ビーム43を含み、ここで、ベース40はワークステーションエリアとラック滞在エリアの所在する動作面内に固定的に設けられ、左側支柱41と右側支柱42は互いに平行し、横ビーム43はベース40と平行して設けられ且つ左側支柱41と右側支柱42に固定的に接続される。つまり、これら四つの部材は順に接続されて方形ドアフレーム構造を形成する。
【0214】
コンテナ積み下ろしデバイスは、左側支柱41と右側支柱42との間に位置し、且つベース40と横ビーム43の延在方向、即ちX軸方向に沿ってベース40と横ビーム43に対して運動できる可動支柱44を含み、積み下ろしアセンブリ45は可動支柱44に設けられ、且つZ軸駆動機構に制御されて可動支柱44の延在方向に沿って運動し、それによって、積み下ろしアセンブリ45のラックに対するZ軸方向での変位を調整できる。
【0215】
なお、積み下ろしアセンブリ45は、可動支柱44に設けられ且つ可動支柱44に対してZ軸方向に沿って運動する基盤450と、Y軸駆動機構に制御されて基盤450に対してY軸方向に沿って運動する積み下ろし部材451とを含む。
【0216】
いくつかの実施例では、Y軸駆動機構はシリンダーであってよく、シリンダーの本体が基盤450に固定的に設けられ、そのピストンロッドに積み下ろし部材451が設けられ、シリンダーの本体内のガスの流れ方向を制御することで、ピストンロッドを駆動して、積み下ろし部材451を連動させてシリンダー本体に対してY軸方向に沿って往復運動させることができる。
【0217】
倉庫貯蔵システムがピッキングオーダーを受信すると、倉庫貯蔵システムのデータベース記録により、コンテナ積み下ろしデバイスは、ラック20における、このオーダーに含まれる荷物を収納した目標コンテナの具体的位置(資材箱の空間座標位置)を決定し、ドアフレームに対してX軸とY軸に沿って目標コンテナに大体合わせられるまで運動するように積み下ろしアセンブリ45を制御し、次に、その基盤450に対してY軸に沿って目標コンテナを掴み取るまで運動するように積み下ろしアセンブリ45における積み下ろし部材451を制御する。
【0218】
より詳細に言えば、本実施例において積み下ろし部材451は真空発生装置と連通するチャックであり、真空発生装置を起動すると、チャックは吸着力を生成して、資材箱を吸着してから基盤に戻る。
【0219】
このような構造の積み下ろしアセンブリを採用した場合、ラック20における隣接する二つの資材箱の間には一般に用いられるフォークアームが挿入するための空間を予め残す必要がなく、ラック20に資材箱を緊密に配列でき、ラック20の空間を十分に利用して資材箱を収容することができる。
【0220】
なお、いくつかの実施例では、コンテナ積み下ろしデバイスのX軸駆動機構はX軸駆動モータとX軸ボールねじナット伝動機構を含んでもよく、X軸ボールねじナット伝動機構のボールねじは回転可能にベース40又は横ビーム43に接続され、それに螺接されるナットブロックは可動支柱44に固定的に接続され、X軸駆動モータはボールねじを駆動してベース40又は横ビーム43に対して回転させるために用いられ、そのようにナットブロックは可動支柱44を連動させてX軸に沿って運動させて、積み下ろしアセンブリ45のドアフレームに対するX軸方向に沿う運動を調整することができる。
【0221】
他のいくつかの実施例では、コンテナ積み下ろしデバイスのX軸駆動機構はX軸駆動モータとX軸ラックアンドピニオン伝動機構とを含んでもよく、X軸ラックアンドピニオン伝動機構のピニオンは回転可能に可動支柱44に接続され、それに噛み合うラックはベース40又は横ビーム43に固定的に接続され、且つX軸方向に沿って延在し、X軸駆動モータはピニオンを駆動して可動支柱44に対して回転させるために用いられ、そのようにピニオンは可動支柱44を連動させてラックの延在方向に沿って運動させて、積み下ろしアセンブリ45のドアフレームに対するX軸方向に沿う運動を調整することができる。
【0222】
更に、本実施例では、コンテナ積み下ろしデバイスは、更に、ドアフレームに対してX軸方向に沿って運動するように可動支柱44をガイドするように配置され、コンテナ積み下ろしデバイスの運動安定性を確保するX軸ガイド機構を含む。
【0223】
詳細に言えば、X軸ガイド機構はX軸直線ガイドレールを含み、X軸直線ガイドレールは、X軸に沿って延在し且つドアフレームのベース40又は横ビーム43に設けられた直線レールと、この直線レールにスライド可能に接続されたスライダとを含み、可動支柱44はスライダに設けられ、このスライダに伴ってこの直線レールに沿ってX軸方向にスライドする。
【0224】
いくつかの実施例では、コンテナ積み下ろしデバイスのZ軸駆動機構はZ軸駆動モータとZ軸ボールねじナット伝動機構とを含んでもよく、Z軸ボールねじナット伝動機構のボールねじは回転可能に可動支柱44に接続され、それに螺接されるナットブロックは積み下ろしアセンブリ45の基盤450に固定的に接続され、Z軸駆動モータはZ軸ボールねじを駆動して可動支柱44に対して回転させるために用いられ、このようにナットブロックは積み下ろしアセンブリ45を連動させてZ軸に沿って運動させて、積み下ろしアセンブリ45のドアフレームに対するZ軸方向に沿う運動を調整することができる。
【0225】
他のいくつかの実施例では、コンテナ積み下ろしデバイスのZ軸駆動機構はZ軸駆動モータとZ軸ラックアンドピニオン伝動機構とを含んでもよく、Z軸ラックアンドピニオン伝動機構のピニオンは回転可能に積み下ろしアセンブリ45の基盤450に接続され、それに噛み合うラックは可動支柱44に固定的に接続され且つZ軸方向に沿って延在し、Z軸駆動モータはピニオンを駆動して可動支柱44に対して回転させるために用いられ、このようにピニオンは積み下ろしアセンブリ45を連動させてラックの延在方向に沿って運動させて、積み下ろしアセンブリ45のドアフレームに対するZ軸方向に沿う運動を調整することができる。
【0226】
同様に、本実施例では、コンテナ積み下ろしデバイスは、更に、可動支柱44に対してZ軸方向に沿って運動するように積み下ろしアセンブリ45をガイドするように配置され、コンテナ積み下ろしデバイスの運動安定性を確保するZ軸ガイド機構を含む。
【0227】
詳細に言えば、Z軸ガイド機構はZ軸直線ガイドレールを含み、Z軸直線ガイドレールは、Z軸に沿って延在し且つ可動支柱44に設けられた直線レールと、この直線レールにスライド可能に接続されたスライダとを含み、積み下ろしアセンブリ45の基盤450はスライダに設けられ、このスライダに伴ってこの直線レールに沿ってZ軸方向にスライドする。
【0228】
更に、本実施例では、倉庫貯蔵システムは、更に、ラックをラック滞在エリアに搬送するために用いられるように構成された自動搬送デバイスを含む。ラックには荷物を収納したコンテナを格納している。
【0229】
理解をより容易にするために、以下、いくつかのユースケースに基づいて上記倉庫貯蔵システムの動作原理を詳細に説明する。
(ユースケース1)
【0230】
多機能領域は第1コンテナを格納するために用いられるように構成され、第1コンテナは所定時間帯内の第1出庫量が第1出庫量閾値より大きい荷物を収納するために用いられる。
【0231】
ここで、所定時間帯は一日より大きく、即ち、所定時間帯は一週間、一ヶ月、一季又は一年等であり、第1出庫量閾値とは、一年出庫量、一季出庫量、一ヶ月出庫量、一週間出庫量等により予め設定された一つの具体的な数値又は数値範囲である。
【0232】
所定時間帯内のこの荷物の実際の第1出庫量が第1出庫量閾値と等しい場合、この荷物の第1出庫量が正常レベル内にあることを意味する。所定時間帯内のこの荷物の実際の第1出庫量が第1出庫量閾値より大きい場合、この荷物が人気商品又は売れ筋商品であることを意味し、反対に、所定時間帯内のこの荷物の実際の第1出庫量が第1出庫量閾値より小さい場合、この荷物が売れ残り品であることを意味する。
【0233】
倉庫貯蔵システムは所定時間帯内の出庫量により、第1コンテナ内に格納されている荷物が人気商品又は売れ筋商品であり、即ち所定時間内のこの荷物の実際の第1出庫量が第1出庫量閾値より大きいことを分かった場合に、倉庫貯蔵システムのコンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックから第1コンテナを掴み取り、且つ第1コンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0234】
第1コンテナ内の荷物をピッキングするコマンド(オーダー)を受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスは第1コンテナを多機能領域からワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送する。
【0235】
ピッキング完了後、第1コンテナ内にまだ荷物が残っている場合に、コンテナ積み下ろしデバイスは第1コンテナを多機能領域に返送して一時的に保管し、反対な場合に、直接第1コンテナを空き資材箱格納領域に返送する。
【0236】
詳細に言えば、ピッキングシステムは、現在は一時的に必要とされないが、一定時間後に命中する資材を識別することができる。多機能領域を設けた後、システムは現在の種まき壁に必要な資材よりも多い荷物を取得でき、即ち、ラックには、現在の種まき壁に必要な資材があり、それと同場合、一定時間後に利用される資材もあれば、コンテナ積み下ろしデバイスは予め命中した資材をラックから取り出し、多機能領域に一時的に収納することができ、この資材が必要になった場合、コンテナ積み下ろしデバイスは直接この資材又はこの資材を収納しているコンテナを多機能領域から取り出し、ピッキング位置に搬送してピッキングし、それによって、オーダー完成速度を加速させ、自動搬送デバイスのラック搬送回数を効果的に減少させることができる。
【0237】
なお、説明必要なこととして、人気商品は入庫時に直接多機能領域に格納してもよいし、ある人気製品をピッキングする時に倉庫貯蔵領域から搬出してピッキングを完了した後直接多機能領域に格納してもよい。
【0238】
つまり、人気商品、売れ筋商品は命中確率がより大きく、ピッキング作業スペースでこれらの物品が利用必要になった場合、自動搬送デバイスとラックを呼び出す必要がなく、コンテナ積み下ろし機構は直接この多機能領域のコンテナを下ろしてピッキング作業スペースに置いてピッキングを行うことができ、ピッキング効率を大幅に向上させ、オーダー完成速度を加速させると共に、自動搬送デバイスのラック搬送回数を効果的に減少させる。
(ユースケース2)
【0239】
多機能領域は第2コンテナを格納するために用いられるように構成され、前記第2コンテナは翌日の一日出庫量が一日出庫量閾値より大きい荷物を収納するために用いられる。
【0240】
説明必要なこととして、一日出庫量閾値とは、予め設定された、一日内の荷物出庫量の一つの具体的な数値又は一つの数値範囲である。一日出庫量閾値は荷物の種類、季節等の要素に依存し、例えば、アイスクリームは夏での一日出庫量が冬での一日出庫量より大きい。
【0241】
倉庫貯蔵システムは、予約オーダー又は当日内の荷物の実際の一日出庫量によりこの荷物の翌日の実際の一日出庫量がその一日出庫量閾値より大きいと予め判断した場合、自動搬送デバイスを呼び出してこの荷物を収納したコンテナを格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはラックからこのコンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0242】
翌日に倉庫貯蔵システムが第2コンテナ内の荷物をピッキングするコマンドを受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスは多機能領域から第2コンテナをピッキング作業スペースに転送する。ピッキング完了後、コンテナ積み下ろしデバイスはまだ荷物が残っている第2コンテナを多機能領域に返送するか、空いている第2コンテナを直接空きコンテナ格納領域に返送する。
(ユースケース3)
【0243】
多機能領域は第3コンテナを格納するために用いられるように構成され、第3コンテナは指定荷物に関連する物品を収納するために用いられる。ここで、指定荷物に関連する物品はこの指定荷物の景品であってもよく、景品とは指定荷物を購入する際に無料で贈られる物品である。もちろん、指定荷物に関連する物品は指定物品と同じオーダーで注文する時に値下げされる商品であってもよい。
【0244】
倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出して景品を格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスは景品を格納している第3コンテナをラック滞在エリアのラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。倉庫貯蔵システムは、景品に関連する指定荷物をピッキングするコマンドを受信すると、自動搬送デバイスを呼び出してこの指定荷物を格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはこの指定荷物を収納している第4コンテナをラック滞在エリアのラックからワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送し、次に又はこのステップの前に、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスは多機能領域から景品を収納している第3コンテナをピッキング作業スペースに転送する。
【0245】
ピッキング完了後、第4コンテナ内にまだ指定荷物が残っている場合に、コンテナ積み下ろしデバイスは指定荷物を収納している第4コンテナをラックに返送するか、空いている第4コンテナを直接空きコンテナ格納領域に返送し、第3コンテナ内にまだ景品が残っている場合に、コンテナ積み下ろしデバイスは第3コンテナを多機能領域に返送するか、空いている第3コンテナを空きコンテナ格納領域に返送する。
【0246】
なお、説明必要なこととして、景品は入庫時に直接多機能領域に格納してもよいし、ある人気製品をピッキングする時に倉庫貯蔵領域から搬出してピッキングを完了した後直接多機能領域に格納してもよい。
(ユースケース4)
【0247】
コンテナ積み下ろしデバイスは、暇な時に多機能領域によってラックにおける異なるコンテナの位置を調整するように構成される。
【0248】
コンテナ積み下ろしデバイスが暇な場合、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してラックをラック滞在エリアに搬送させ、ラックに格納されている荷物の種類及び以前のオーダー中の各種荷物の出庫量に基づいて、倉庫貯蔵システムは異なるコンテナのラックでの位置を調整し、例えば、出庫量の高い荷物を収納している第5コンテナを、出庫量の低い荷物を収納している第6コンテナの外側に移動し、ピッキング時間を短縮させ、ピッキング効率を向上させる。
【0249】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは以前のオーダーに基づいてラックにおける荷物の出庫量の高低を判断し、出庫量の高い荷物の第5コンテナが出庫量の低い荷物の第6コンテナの内側に位置すれば、コンテナ積み下ろしデバイスは、まず、出庫量の低い荷物の第6コンテナをラックから多機能領域に転送して一時的に保管し、次に、出庫量の高い荷物の第5コンテナをラックから多機能領域に転送して一時的に保管し、更に、出庫量の低い荷物の第6コンテナを多機能領域からラックに返送し、最後に、出庫量の高い荷物の第6コンテナを多機能領域からラックに返送し、且つそれを出庫量の低い荷物の第5コンテナの外側に位置させ、それによって掴み取りやすくする。
【0250】
又は、コンテナ積み下ろしデバイスは、ラックにおける出庫量の高い荷物の第5コンテナをラックにおける低層位置に調整し、且つ出庫量の低い荷物の第6コンテナをラックにおける高層位置に調整する。
【0251】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してラックをラック滞在エリアに搬送させ、且つ以前のオーダーに基づいてこのラックにおける各種荷物の出庫量等級を予め判断する。これに基づき、コンテナ積み下ろしデバイスは、まず、ラックの低層位置における出庫量の低い荷物の第6コンテナを多機能領域に転送して一時的に保管し、次に、ラックの高層位置に位置する出庫量の高い荷物の第5コンテナを低層位置に移動し、更に、多機能領域に一時的に保管している第6コンテナをラックにおける高層位置に返送し、ラックにおける出庫量の高い荷物が全て出庫量の低い荷物の下方に位置するようになるまで、このように繰り返して操作し、それによって出し入れしやすくする。
【0252】
なお、コンテナ積み下ろしデバイスが暇な場合、倉庫貯蔵システムが翌日のオーダー内容を予め受信できれば、システムは、コマンドを送信し、翌日のオーダーに関連するコンテナを貯蔵領域からワークステーションに搬送するように自動搬送デバイスを制御することができ、コンテナ積み下ろしデバイスは翌日のオーダーに必要なコンテナを一つ又は複数の特定ラックに転送して収納することができ、コンテナ積み下ろしデバイスはコンテナを一つ又は複数の特定ラックに転送する過程で、先に多機能領域によって一時的に格納することができ、一つ又は複数の特定ラックは翌日のオーダーに関連するコンテナを集中的に格納することに用いられ、一つ又は複数の特定ラックはコンテナを集めた後、自動搬送デバイスによって対応的にワークステーション領域の近傍又はワークステーションに近い貯蔵領域に搬送可能であり、翌日のラック命中率を大幅に向上させることができる。
【0253】
つまり、倉庫貯蔵システムが予め翌日のオーダー内容を受信し、又はオーダーにより予測することができれば、コンテナ積み下ろしデバイスは暇な時にラック間の荷物整理を自動で完成することができ、即ち、翌日に出庫必要なコンテナを集中的にいくつかのラックに格納し、翌日のラック命中率を大幅に向上させ、それにより自動搬送デバイスの搬送回数を効果的に減少させることができる。従来の手段によれば、荷物自動整理時にただ一つ取り出し一つ積み込むことがサポートされ、荷物整理速度が遅く、機能領域を増設した後、荷物整理時に複数取り出し複数積み込むことが可能になり、荷物整理効率が大幅に高くなる。
【0254】
なお、この倉庫貯蔵システムは、ピッキング過程でこの多機能領域を同時に利用してラック間の荷物整理を完成するように構成される。
【0255】
詳細に言えば、人工でピッキング操作を実行し、且つこの時にコンテナ積み下ろしデバイスが暇状態にある場合に、多機能領域を用いてラック間の荷物整理を完成することができ、即ち、予め命中したコンテナを集中的にいくつかの指定ラックに格納し、それによって後続のピッキングのラック命中率を向上させ、自動搬送デバイスの搬送回数を減少させる。
(ユースケース5)
【0256】
多機能領域は空きコンテナを格納するために用いられるように構成される。
【0257】
空きコンテナはコンテナ積み下ろしデバイスによってコンテナ格納領域から多機能領域に転送され、或いは、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出して空きコンテナを格納しているラックをラック滞在エリアに転送し、更にコンテナ積み下ろしデバイスはラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0258】
倉庫貯蔵システムが箱全体を積み込むコマンド又は外部コンテナ供給不足警報を受信すると、コンテナ積み下ろしデバイスは多機能領域から空きコンテナをピッキング作業スペースに転送し、それにより作業員又はピッキングロボットは荷物を空きコンテナにピッキングする。
【0259】
説明必要なこととして、箱全体を積み込むというのは、コンテナ内に荷物をいっぱい詰めた後全体的に販売する必要があることである。
(ユースケース6)
【0260】
多機能領域は直接開放してピッキング位置とするように構成される。
【0261】
これに基づき、操作員は直接多機能領域から荷物をピッキングでき、それによって自動搬送デバイスの搬送回数を減少させ、甚だしい場合はコンテナ積み下ろしデバイスの動作を直接減少させ、全体的な効率を向上させる。
(ユースケース7)
【0262】
多機能領域は、ピッキング作業スペースの上方に位置するように構成されてもよいし、ピッキング作業スペースの下方に位置するように構成されてもよいし、自動搬送デバイスが搬送可能な移動可能ラックとして構成されてもよく、この移動可能ラックはワークステーションの後方で上記の一時的保管作用を果たすものであればよい。
(ユースケース8)
【0263】
多機能領域は特殊な貯蔵位置として構成される。
【0264】
詳細に言えば、多機能領域は特殊な比較的高いコンテナ、例えばラックに積み込むことのできないコンテナを格納することができる。
(ユースケース9)
【0265】
多機能領域は入庫順序の調整を行うように構成される。
【0266】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは、まず、全部又は大部分の入庫コンテナを多機能領域に置き、次に入庫オーダー中のコンテナの先後順序により多機能領域にあるこれらのコンテナを、コンテナ積み下ろしデバイスによって指定されたラックの目標貯蔵位置に置き、それによって自動搬送デバイスのコンテナ搬送回数を減少させ、入庫効率を向上させる。
(ユースケース10)
【0267】
多機能領域は積み込み箱の配列順序の調整を行うように構成される。
【0268】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは、まず、全部又は大部分の積み込みコンテナを多機能領域に置き、次に、積み込みオーダー中のコンテナの先後順序により多機能領域のこれらのコンテナを、コンテナ積み下ろしデバイスによって指定されたラックの目標貯蔵位置に置き、それによって自動搬送デバイスのコンテナ搬送回数を減少させ、積み込み効率を向上させる。
【0269】
本発明は更に倉庫貯蔵システムの制御方法を提供し、この倉庫貯蔵システムは具体的には上記の倉庫貯蔵システムであり、この倉庫貯蔵システムの制御方法は、
所定属性に基づいて、コンテナ積み下ろしデバイスが所定属性を満たしたコンテナをワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間で転送するという主要なステップを含む。
【0270】
理解をより容易にするために、以下、図8図10を参照しながら、四つの実施例を例として本発明の制御方法の具体的制御論理を詳細に説明する。
(制御方法の実施例7)
【0271】
図8を参照し、本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は下記のステップS100、ステップS200及びステップS300を含む。
【0272】
S100で、所定時間帯での第1コンテナ内の荷物の第1出庫量が第1出庫量閾値より大きい場合、コンテナ積み下ろしデバイスが第1コンテナをラック滞在エリアのラックから多機能領域に転送し、所定時間帯が一日より大きい。
【0273】
ここで、所定時間帯は一週間、一ヶ月、一季又は一年等であり、第1出庫量閾値とは、一年出庫量、一季出庫量、一ヶ月出庫量、一週間出庫量等により予め設定された一つの具体的な数値又は数値範囲である。
【0274】
所定時間帯内のこの荷物の実際の第1出庫量が第1出庫量閾値と等しい場合、この荷物の第1出庫量が正常レベル内にあることを意味する。所定時間帯内のこの荷物の実際の第1出庫量が第1出庫量閾値より大きい場合、この荷物が人気商品又は売れ筋商品であることを意味し、反対に、所定時間帯内のこの荷物の実際の第1出庫量が第1出庫量閾値より小さい場合、この荷物が売れ残り品であることを意味する。
【0275】
倉庫貯蔵システムは所定時間帯内の第1出庫量により、第1コンテナ内に格納されている荷物が人気商品又は売れ筋商品であり、即ち所定時間内のこの荷物の実際の第1出庫量が第1出庫量閾値より大きいことを分かった場合に、倉庫貯蔵システムのコンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックから第1コンテナを掴み取り、且つ第1コンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0276】
S200で、第1コンテナ内の荷物をピッキングするコマンドを受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスが第1コンテナを多機能領域からワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送する。
【0277】
当然ながら、他のいくつかの実施例では、ピッキング作業員はコンテナ積み下ろしデバイスを利用せず、直接第1コンテナを多機能領域からワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送してもよい。
【0278】
S300で、ピッキング完了後、コンテナ積み下ろしデバイスが、まだ荷物が残っている第1コンテナを多機能領域に返送して一時的に保管するか、直接空いている第1コンテナを空き資材箱格納領域に返送する。
【0279】
詳細に言えば、ピッキングシステムは、現在は一時的に必要とされないが、一定時間後に命中する資材を識別することができる。多機能領域を設けた後、システムは現在の種まき壁に必要な資材よりも多い荷物を取得でき、即ち、ラックには、現在の種まき壁に必要な資材があり、それと同場合、一定時間後に利用される資材もあれば、コンテナ積み下ろしデバイスは予め命中した資材をラックから取り出し、多機能領域に一時的に収納することができ、この資材が必要になった場合、コンテナ積み下ろしデバイスは直接この資材又はこの資材を収納しているコンテナを多機能領域から取り出し、ピッキング位置に搬送してピッキングし、それによって、オーダー完成速度を加速させ、自動搬送デバイスのラック搬送回数を効果的に減少させることができる。
【0280】
なお、説明必要なこととして、人気商品は入庫時に直接多機能領域に格納してもよいし、ある人気製品をピッキングする時に倉庫貯蔵領域から搬出してピッキングを完了した後直接多機能領域に格納してもよい。
(制御方法の実施例8)
【0281】
図9を参照し、本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は下記のステップS101、ステップS201及びステップS301を含む。
【0282】
S101で、第2コンテナ内の荷物の翌日の一日出庫量が一日出庫量閾値より大きい場合、コンテナ積み下ろしデバイスが第2コンテナをラック滞在エリアのラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0283】
説明必要なこととして、一日出庫量閾値とは、予め設定された、一日内の荷物出庫量の一つの具体的な数値又は一つの数値範囲である。一日出庫量閾値は荷物の種類、季節等の要素に依存し、例えば、アイスクリームは夏での一日出庫量が冬での一日出庫量より大きい。
【0284】
詳細に言えば、一実施例では、倉庫貯蔵システムは翌日の予約オーダーを受信すると、翌日の予約オーダーにおける目標荷物の一日出庫量と一日出庫量閾値との間の大小関係を比較し、この目標荷物は第2コンテナに収容されており、翌日の予約オーダーにおける目標荷物の一日出庫量が一日出庫量閾値より大きい場合、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出して第2コンテナを格納したラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックから第2コンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0285】
別の実施例では、倉庫貯蔵システムは、第2コンテナに収容されている目標荷物の当日内の実際出庫量により目標荷物の翌日の一日出庫量が目標荷物の一日出庫量閾値より大きいと予め判断した場合、自動搬送デバイスを呼び出して第2コンテナを格納したラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックから第2コンテナを多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0286】
例えば、果物、野菜等の出庫量が季節に影響される荷物に対して、秋の末の10月10日でのハート状リンゴの一日出庫量がこの荷物に対して予め設定された一日出庫量閾値より遥かに超えたことを倉庫貯蔵システムが分かった。これに基づき、倉庫貯蔵システムは翌日のハート状リンゴの一日出庫量もその一日出庫量閾値を超えると予め判断した。倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出して第2コンテナを格納したラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスはラック滞在エリアのラックから第2コンテナを多機能領域に転送して一時的に保管し、第2コンテナ内に目標荷物であるハート状リンゴを格納している。
【0287】
S201で、翌日に倉庫貯蔵システムが第2コンテナ内の荷物をピッキングするコマンドを受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスが第2コンテナを多機能領域からワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送する。
【0288】
S301で、ピッキング完了後、コンテナ積み下ろしデバイスが、まだ荷物が残っている第2コンテナを多機能領域に返送して一時的に保管するか、直接空いている第2コンテナを空き資材箱格納領域に返送する。
(制御方法の実施例9)
【0289】
図10を参照し、本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は下記のステップS102、ステップS202、ステップS203及びステップS302を含む。
【0290】
S102で、ラックにおける第3コンテナ内に指定荷物に関連する物品を収納した場合、コンテナ積み下ろしデバイスが第3コンテナをラック滞在エリアのラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0291】
ここで、指定荷物に関連する物品はこの指定荷物の景品であってもよく、景品とは指定荷物を購入する際に無料で贈られる物品である。もちろん、指定荷物に関連する物品は指定物品と同じオーダーで注文する時に値下げされる商品であってもよい。
【0292】
ステップS102の前に、この制御方法は、更に、自動搬送デバイスを呼び出して第3コンテナを格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させるステップを含む。
【0293】
S202で、倉庫貯蔵システムが指定荷物をピッキングするコマンドを受信すると、作業員又はピッキングロボットにピッキングされるように、コンテナ積み下ろしデバイスが第3コンテナを多機能領域からピッキング作業スペースに転送する。
【0294】
ステップS202の前又はその後に、制御方法は、更に、倉庫貯蔵システムが自動搬送デバイスを呼び出して指定荷物を格納しているラックをラック滞在エリアに搬送させ、コンテナ積み下ろしデバイスがラックにおける指定荷物を収納している第5コンテナをラック滞在エリアのラックからワークステーションエリアのピッキング作業スペースに転送するステップS203を含む。
【0295】
S302で、ピッキング完了後、コンテナ積み下ろしデバイスが、指定荷物に関連する物品がまだ残っている第3コンテナを多機能領域に返送して一時的に保管するか、直接空いている第3コンテナを空き資材箱格納領域に返送し、且つ指定荷物がまだ残っている第4コンテナをラックに返送するか、直接空いている第4コンテナを空き資材箱格納領域に返送する。
【0296】
なお、説明必要なこととして、指定荷物に関連する物品は入庫時に直接多機能領域に格納してもよいし、ある人気製品をピッキングする時に倉庫貯蔵領域から搬出してピッキングを完了した後直接多機能領域に格納してもよい。
(制御方法の実施例10)
【0297】
本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は、
コンテナ積み下ろしデバイスが暇な場合、多機能領域によってラックにおける異なるコンテナの位置を調整するステップを含む。
【0298】
コンテナ積み下ろしデバイスが暇な場合、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してラックをラック滞在エリアに搬送させ、ラックに格納されている荷物の種類及び以前のオーダー中の各種荷物の出庫量に基づいて、倉庫貯蔵システムは異なるコンテナのラックでの位置を調整し、例えば、出庫量の高い荷物を収納している第5コンテナを、出庫量の低い荷物を収納している第6コンテナの外側に移動し、ピッキング時間を短縮させ、ピッキング効率を向上させる。
【0299】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは以前のオーダーに基づいてラックにおける荷物の出庫量の高低を判断し、出庫量の高い荷物の第5コンテナが出庫量の低い荷物の第6コンテナの内側に位置すれば、コンテナ積み下ろしデバイスは、まず、出庫量の低い荷物の第6コンテナをラックから多機能領域に転送して一時的に保管し、次に、出庫量の高い荷物の第5コンテナをラックから多機能領域に転送して一時的に保管し、更に、出庫量の低い荷物の第6コンテナを多機能領域からラックに返送し、最後に、出庫量の高い荷物の第5コンテナを多機能領域からラックに返送し、且つそれを出庫量の低い荷物の第6コンテナの外側に位置させ、それによって掴み取りやすくする。
【0300】
又は、コンテナ積み下ろしデバイスは、ラックにおける出庫量の高い荷物の第5コンテナをラックにおける低層位置に調整し、且つ出庫量の低い荷物の第6コンテナをラックにおける高層位置に調整する。
【0301】
詳細に言えば、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してラックをラック滞在エリアに搬送させ、且つ以前のオーダーに基づいてこのラックにおける各種荷物の出庫量等級を予め判断し、これに基づき、コンテナ積み下ろしデバイスは、まず、ラックの低層位置における出庫量の低い荷物の第6コンテナを多機能領域に転送して一時的に保管し、次に、ラックにおける高層位置に位置する出庫量の高い荷物の第5コンテナを上記の低層位置に移動し、更に、多機能領域に一時的に保管している第6コンテナをラックにおける高層位置に返送し、ラックにおける出庫量の高い荷物が全て出庫量の低い荷物の下方に位置するようになるまで、このように繰り返して操作し、それによって出し入れしやすくする。
(制御方法の実施例11)
【0302】
本実施例では、倉庫貯蔵システムの制御方法は下記のステップを含む。
【0303】
多機能領域に空きコンテナを格納している。
【0304】
説明必要なこととして、空きコンテナは予めラックに格納しておいてもよく、倉庫貯蔵システムは自動搬送デバイスを呼び出してこのラックをラック滞在エリアに搬送させ、次に、コンテナ積み下ろしデバイスは空きコンテナをこのラックから多機能領域に転送して一時的に保管する。
【0305】
倉庫貯蔵システムが箱全体を積み込むコマンド又は外部コンテナ供給不足警報を受信すると、コンテナ積み下ろしデバイスが空きコンテナを多機能領域からピッキング作業スペースに転送し、それにより作業員又はピッキングロボットは荷物を空きコンテナにピッキングする。
【0306】
説明必要なこととして、箱全体を積み込むというのは、コンテナ内に荷物をいっぱい詰めた後全体的に販売する必要があることである。
【0307】
最後は以下のことを説明すべきである。前述した実施例は本開示の具体的実施形態に過ぎず、本開示の技術的手段を説明するためのものであり、それを限定するものではなく、本開示の保護範囲はそれに限定されるものではなく、上記実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者としては、以下のことを理解すべきである。当業者であれば、本開示の公開した技術範囲内で、上記実施例に記載の技術的手段に対して修正又は容易に想到し得る変化を実施し、又はその中の一部の技術特徴に対して同等な取り替えを行うこともでき、これらの修正、変化又は取り替えによって、対応する技術的手段の本質が本開示の実施例の技術的手段の趣旨と範囲から逸脱しなく、それらは全て本開示の保護範囲に含まれるべきである。従って、本開示の保護範囲は特許請求の保護範囲に準ずるべきである。
【0308】
図1図4における各アセンブリの名称と図面符号との間の一対一の対応関係は以下の通りである。
ピッキング作業スペース:10第1ブラケット、11第1左側立て板、12第1右側立て板、13第1ローラ
ラック滞在エリア:20ラック
多機能領域:30第2ブラケット、31第2左側立て板、32第2右側立て板、33第2ローラ
コンテナ積み下ろしデバイス:40ベース、41左側支柱、42右側支柱、43横ビーム、44可動支柱、45積み下ろしアセンブリ、450基盤、451積み下ろし部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-01-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫貯蔵システムであって、
少なくとも一つのピッキング作業スペースを含むワークステーションエリアと、
ラックが滞在するために用いられるように構成されたラック滞在エリアと、
前記ピッキング作業スペース又は前記ラックから転送されたコンテナを格納するために用いられるように構成された少なくとも一つの貯蔵位置を含む多機能領域と、
ワークステーションエリア、ラック滞在エリア、多機能領域の間でコンテナを転送するように構成されたコンテナ積み下ろしデバイスとを含むことを特徴とする倉庫貯蔵システム。
【請求項2】
前記多機能領域は前記ピッキング作業スペースの上方、下方、又は近傍に位置することを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項3】
前記貯蔵位置はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物の所定時間帯での需要頻度は需要頻度閾値を超えることを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項4】
前記多機能領域の貯蔵位置はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物は指定荷物に関連することを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項5】
前記多機能領域はコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ内の荷物のピッキングが既に完了し、前記多機能領域は、以下の場合のうちの1つの場合に、コンテナを格納するために用いられるように構成され、前記場合は、
前記コンテナ積み下ろしデバイスは前記コンテナを転送する暇がない場合
前記コンテナを格納するラックはまだ前記ラック滞在エリアに到達していない場合;又は、
ピッキング待ちオーダーにおいて前記荷物が命中した場合である、
ことを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項6】
前記コンテナ積み下ろしデバイスは更に荷物整理操作を行うように構成されることを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項7】
所定時間帯において、第1コンテナ内の荷物の需要頻度が第2コンテナ内の荷物より高い場合、且つ前記第1コンテナに比べて、前記第2コンテナのラックでの位置がより出し入れしやすい場合、
前記コンテナ積み下ろしデバイス部は、前記第2コンテナを前記ラックから前記多機能領域に移動して一時的に保管し、前記第1コンテナを現在位置から前記第2コンテナの本来の位置に転送し、そして前記第2コンテナを前記多機能領域から前記第1コンテナの本来の位置に転送するように構成されることを特徴とする請求項に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項8】
コンテナ内の荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超える場合、
前記コンテナ積み下ろしデバイスは、前記コンテナを現在のラックから、荷物の所定時間帯での需要頻度が需要頻度閾値を超えたコンテナを格納することに専用されるように構成された新たなラックに転送するように構成されることを特徴とする請求項に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項9】
前記コンテナ積み下ろしデバイスは、空きコンテナを空きコンテナ格納用のラック又は前記多機能領域に返送するために用いられるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項10】
前記多機能領域は、高さ方向に沿って間隔をおいて配列され、水平方向に沿って間隔をおいて配列され、又は高さ方向と水平方向において混合して間隔をおいて配列された複数の貯蔵位置を含むことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項11】
前記ラックを前記ラック滞在エリアに搬入又は搬出するように構成された自動搬送デバイスを更に含み、
水平方向に沿って間隔をおいて配列された複数の前記ピッキング作業スペースを含み、
前記ピッキング作業スペースは第1支持フレーム及び前記第1支持フレームに設けられた第1ガイド機構を含み、前記第1ガイド機構は前記コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成され、
前記貯蔵位置は第2支持フレーム及び前記第2支持フレームに設けられた第2ガイド機構を含み、前記第2ガイド機構は前記コンテナ積み下ろしデバイスがコンテナを出し入れすることを補助するために用いられるように構成される
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項12】
前記コンテナ積み下ろしデバイスはドアフレームと積み下ろしアセンブリを含み、前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに設けられ、また、前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してX軸方向とY軸方向に沿って運動できるように構成され、又は、
前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してZ軸方向とY軸方向に沿って運動できるように構成され、又は、
前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に沿って運動できるように構成され、
前記ピッキング作業スペースと前記ラックとの間の垂直距離方向をY軸方向と記し、水平面においてY軸に垂直な方向をX軸方向と記し、水平面に垂直な方向をZ軸方向と記することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項13】
前記積み下ろしアセンブリは前記ドアフレームに対してX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に沿って運動できるように構成され、前記コンテナ積み下ろしデバイスは、
前記ドアフレームに設けられ、且つX軸駆動機構に制御されて前記ドアフレームに対してX軸方向に沿って運動するように構成された可動支柱を更に含み、
前記積み下ろしアセンブリは前記可動支柱に設けられ、且つZ軸駆動機構に制御されて前記可動支柱に対してZ軸方向に沿って運動するように構成されることを特徴とする請求項12に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項14】
前記積み下ろしアセンブリは、
前記可動支柱に設けられた基盤と、
前記基盤に設けられ、且つY軸駆動機構に制御されて前記基盤に対してY軸方向に沿って運動するように構成された積み下ろし部材とを含み、
前記コンテナ積み下ろしデバイスは、
前記ドアフレームに設けられ、且つ前記ドアフレームに対してX軸方向に沿って運動するように前記可動支柱をガイドするために用いられるように構成されたX軸ガイド機構、及び/又は、
前記可動支柱に設けられ、且つ前記可動支柱に対してZ軸方向に沿って運動するように前記積み下ろしアセンブリをガイドするために用いられるように構成されたZ軸ガイド機構を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の倉庫貯蔵システム。
【請求項15】
前記多機能領域は空きコンテナを格納するために用いられるように構成され、前記コンテナ積み下ろしデバイスは、箱全体を積み込む時又はコンテナ外部供給が不足する時に前記多機能領域の空きコンテナを前記ピッキング作業スペースに転送するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の倉庫貯蔵システム。
【国際調査報告】