(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】手首または足首用の包帯
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20240709BHJP
A61F 5/02 20060101ALI20240709BHJP
A61F 13/00 20240101ALI20240709BHJP
A61F 13/06 20060101ALI20240709BHJP
A61F 13/10 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61F5/01 N
A61F5/02 N
A61F13/00 355S
A61F13/06 A
A61F13/10 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024500172
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2022068301
(87)【国際公開番号】W WO2023280718
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021207095.7
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511180639
【氏名又は名称】バウアーファインド アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Bauerfeind AG
【住所又は居所原語表記】Triebeser Str. 16, 07937 Zeulenroda-Triebes, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バウアーファインド,ハンス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ホルター,トニ
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA03
4C098BB10
4C098BB12
4C098BC03
4C098BC13
4C098BC17
(57)【要約】
本発明は、第1端部(11)と第2端部(12)とを有するストラップ要素(10)を有する手首関節または足首関節用の関節包帯(100)に関し、ストラップ要素が、少なくとも2つの弾性部(14、16)と、2つの弾性部の間にある少なくとも1つの非弾性部(15)とを有し、ストラップ要素の第2端部が、ストラップ要素またはチューブ要素(50)に可逆的に取り付け可能である。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手首または足首用の関節包帯であって、
第1端部および第2端部を有するストラップ要素を備え、
前記ストラップ要素は、少なくとも2つの弾性部と、前記2つの弾性部の間の少なくとも1つの非弾性部とを有し、
前記ストラップ要素の前記第2端部は、前記ストラップ要素もしくはチューブ要素に取り付けられている、または可逆的に取り付け可能である、関節包帯。
【請求項2】
前記ストラップ要素は、軛脚、特に前腕または下腿の周りに延びることができる固定部を有し、
前記固定部は、2つの相互接続可能な領域を有し、前記2つの領域を接続することによって、前記固定部を前記軛脚、特に前記前腕または前記下腿に固定することができる、請求項1に記載の関節包帯。
【請求項3】
前記ストラップ要素は、第1端部と第2端部とを有し、
前記ストラップ要素の前記第1端部は、前記固定部によって形成され、前記軛脚に取り付け可能であり、
前記ストラップ要素の前記第2端部は、前記ストラップ要素に可逆的に取り付け可能であり、
装着状態において、前記ストラップ要素の前記第1端部が、前記固定部によって前記軛脚上に配置され、前記ストラップ要素が、前記第1端部から基脚まで四肢末端の関節上を遠位方向に延び、内側で前記基脚または中脚の周りに延び、前記軛脚まで前記手首または足首上を背側に延び、それによって自身を交差させ、前記軛脚の周りに延び、前記軛脚の領域において前記第2端部で前記ストラップ要素に可逆的に取り付けられている、請求項2に記載の関節包帯。
【請求項4】
前記ストラップ要素の前記第2端部は、前記ストラップ要素に取り付けられている、または可逆的に取り付け可能である、請求項1または2に記載の関節包帯。
【請求項5】
弾性のチューブ要素とストラップ要素とを備え、
前記チューブ要素は、第1端部を有する第1チューブ半体と第2端部を有する第2チューブ半体とを有し、
前記ストラップ要素は、第1端部と第2端部とを有し、
前記ストラップ要素の前記第1端部は、前記第1チューブ半体に取り付けられている、または取り付け可能であり、
前記ストラップ要素の前記第2端部は、前記ストラップ要素または前記第1チューブ半体に可逆的に取り付け可能であり、
装着状態において、前記ストラップ要素の前記第1端部が、前記第1チューブ半体に取り付けられ、軛脚上に配置され、前記ストラップ要素が、前記第1端部から基脚まで四肢末端の関節上を遠位方向に延び、内側で前記基脚または中脚の周りに延び、前記軛脚まで前記四肢末端の関節上を背側に延び、それによって自身を交差させ、前記軛脚の周りに延び、前記軛脚の領域において前記第2端部で前記ストラップ要素または前記第1チューブ半体に可逆的に取り付けられていることを特徴とする、特に請求項1から4のいずれか一項に記載の関節包帯。
【請求項6】
前記ストラップ要素の少なくとも1つの弾性部は、手の甲もしくは手の平の上、または足の甲もしくは足の裏の上に延びている、および/または少なくとも1つの非弾性部は、手の縁部または足の縁部に沿って延びている、請求項1から5のいずれか一項に記載の関節包帯。
【請求項7】
前記ストラップ要素は、少なくとも1つのテーパー部を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の関節包帯。
【請求項8】
前記ストラップ要素は、平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の少なくとも1つの部分を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の関節包帯。
【請求項9】
前記ストラップ要素は、交互に配置された弾性部および非弾性部を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の関節包帯。
【請求項10】
前記ストラップ要素は、第1弾性部と、第1非弾性部と、第2弾性部と、第2非弾性部と、第3弾性部とを連続的に有し、
前記第1非弾性部は、平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の部分を有し、
前記第2非弾性部は、テーパーを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の関節包帯。
【請求項11】
前記第1弾性部に非弾性の予備部分がさらに割り当てられている、請求項10に記載の関節包帯。
【請求項12】
前記ストラップ要素は、少なくとも2つの可逆的に相互接続可能なストラップ部分要素を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の関節包帯。
【請求項13】
前記ストラップ要素は、前記第1端部を有する第1ストラップ部分要素と、前記第2端部を有する第2ストラップ部分要素とを備え、
前記第2ストラップ部分要素は弾性である、請求項1から12のいずれか一項に記載の関節包帯。
【請求項14】
前記第1ストラップ部分要素および前記第2ストラップ部分要素は、前記第1ストラップ部分要素上の第3端部および前記第2ストラップ部分要素上の第4端部を介して可逆的に相互接続可能であり、
好ましくは、前記第2ストラップ部分要素上の前記第4端部は接続要素を備え、前記接続要素により、前記第2ストラップ部分要素は、前記第1ストラップ部分要素なしで前記チューブ要素に可逆的に取り付け可能である、請求項13に記載の関節包帯。
【請求項15】
前記関節包帯は安定化バーを有しない、請求項1から14のいずれか一項に記載の関節包帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストラップ要素を有する手首または足首用の関節包帯に関する。
【背景技術】
【0002】
四肢末端の関節、すなわち手首および足首は、軛脚、すなわち前腕または下腿と、基脚および中脚、すなわち手または足とを可動に接続するが、例えばスポーツ中に、または加齢が原因で、過負荷および変性疾患の影響を受けやすく、これが痛みにつながり得る。したがって、これらの関節は、予防的または治療的手段として包帯が巻かれることが多い。
【0003】
多種多様な手首および足首包帯が従来技術において知られている。これらは多くの場合、チューブ状の編地を基にしており、独国実用新案第202012004652号明細書または欧州特許出願公開第2090273号明細書に示されているように、手首の周りに延びる短い圧迫ストラップを編地に割り当てることができる。これらの包帯はまた、多くの場合、屈曲運動を固定するための関連する安定化バーを有する。このような包帯では、高度な安定化と同時に高度な運動自由度との間に常に矛盾が存在する。また、安定化バーは多くの場合、不快なものとして認識される。特に、バレーボールやハンドボールのような一時的なスポーツ活動の間だけでなく、サイクリングや車の運転のような日常的な活動の間にも、このようなバーは障害となる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、改良された機能性を有し、特に関節の高度な安定化を可能にすると同時に高度な運動自由度を確保する関節包帯、特に手首包帯および足首包帯を提供するという技術的課題に基づいている。それでもなお、包帯は可能な限り単純であるべきであり、したがって特に包帯を装着するときの良好な取り扱い性も保証されるべきである。
【0005】
本発明は、独立請求項の主題によって根底にある技術的課題を解決する。
【0006】
本発明は、手首または足首用の関節包帯に関し、第1端部と第2端部とを有するストラップ要素を備え、前記ストラップ要素が、少なくとも2つの弾性部と、前記2つの弾性部の間の少なくとも1つの非弾性部とを有し、前記ストラップ要素の前記第2端部が、前記ストラップ要素もしくはチューブ要素に取り付けられている、または可逆的に取り付け可能である。
【0007】
本発明はまた、弾性のチューブ要素とストラップ要素とを備える手首または足首用の関節包帯であって、前記チューブ要素が、第1端部を有する第1チューブ半体と第2端部を有する第2チューブ半体とを有し、前記ストラップ要素が、第1端部と第2端部とを有し、前記ストラップ要素の前記第1端部が、前記第1チューブ半体に取り付けられている、または取り付け可能であり、前記ストラップ要素の前記第2端部が、前記ストラップ要素または前記第1チューブ半体に可逆的に取り付け可能であり、装着状態において、前記ストラップ要素の前記第1端部が、前記第1チューブ半体に取り付けられ、前記軛脚上に配置され、前記ストラップ要素が、前記第1端部から前記基脚まで前記四肢末端の関節上を遠位方向に延び、内側で前記基脚または中脚の周りに延び、前記軛脚まで前記四肢末端の関節上を背側に延び、それによって自身を交差させ、前記軛脚の周りに延び、前記軛脚の領域において前記第2端部で前記ストラップ要素または前記第1チューブ半体に可逆的に取り付けられていることを特徴とする、手首または足首用の関節包帯に関する。
【0008】
本発明はまた、弾性のチューブ要素とストラップ要素とを備える四肢末端の関節用、すなわち手首または足首用の関節包帯であって、前記チューブ要素が、第1端部を有する第1チューブ半体と第2端部を有する第2チューブ半体とを有し、前記ストラップ要素が、第1端部と第2端部とを有し、前記ストラップ要素の前記第1端部が、前記第1チューブ半体に取り付けられている、または取り付け可能であり、前記ストラップ要素の前記第2端部が、前記ストラップ要素または前記第1チューブ半体に取り付けられている、または可逆的に取り付け可能であり、前記ストラップ要素が、少なくとも40cmの長さであることを特徴とする関節包帯に関する。
【0009】
本発明による包帯のストラップ要素は、関節の有利な安定化がストラップ要素自体によって達成されるように手首または足首に装着することができ、その結果、必要に応じて安定化バーを省略することができ、安定化にもかかわらずストラップ要素が良好な運動の自由を可能にすることが示されている。ストラップ要素によって許容される、制限された/支持された領域内への手または足の動きは、包帯によって生成される反力を克服するための仕事量の増加と関連する。本発明による包帯のストラップ要素は、前腕/手または下腿/足に有利な経路で装着することを可能にし、これは、安定化バーがなくても、単に関節の周りに延びるストラップと比較して、安定性の著しい向上をもたらす。
【0010】
本発明の文脈において、四肢末端の関節とは、手首および足関節としても知られる足首を集約したものである。軛脚とは前腕および下腿を集約したものであり、基脚とは手根および足根を集約したものであり、中脚とは中手および中足を集約したものである。本発明は、ヒト用の包帯だけでなく他の哺乳動物用の包帯にも関する。
【0011】
本発明は、医療用関節包帯およびスポーツ用包帯の両方に関する。本発明は、手首包帯および/または足首包帯に関する。
【0012】
本発明による関節包帯は、チューブ要素を備えていてもよいし、チューブ要素を備えていなくてもよい。
【0013】
第1実施形態では、本発明による関節包帯がチューブ要素なしで提供され、好ましくはストラップ要素のみを備える。
【0014】
この第1実施形態では、本発明は特に、第1端部と第2端部とを有するストラップ要素を備える手首または足首用の関節包帯であって、前記ストラップ要素が、少なくとも2つの弾性部と前記2つの弾性部の間の少なくとも1つの非弾性部とを有し、前記ストラップ要素の前記第2端部が、前記ストラップ要素に取り付けられている、または好ましくは可逆的に取り付け可能である、関節包帯に関する。
【0015】
好ましくは、前記ストラップ要素が、軛脚、特に前腕または下腿の周りに延びることができる固定部を有し、前記固定部は、2つの相互接続可能な領域を有し、前記2つの領域を接続することによって、前記固定部を前記軛脚、特に前記前腕または前記下腿に固定することができる。したがって、ストラップ要素は、手首上のリング形成/リング包帯によってそれ自体の中心に配置することができ、これによりストラップ要素をそれ自体に固定するための自身の「アンカー」を形成する。
【0016】
好ましくは、前記ストラップ要素が、第1端部と第2端部とを有し、前記ストラップ要素の前記第1端部は、前記固定部によって形成され、前記軛脚に取り付け可能であり、前記ストラップ要素の前記第2端部は、前記ストラップ要素に可逆的に取り付け可能であり、装着状態において、前記ストラップ要素の前記第1端部が、前記固定部によって前記軛脚上に配置され、前記ストラップ要素が、前記第1端部から基脚まで四肢末端の関節上を遠位方向に延び、内側で前記基脚または中脚の周りに延び、前記軛脚まで前記手首または足首上を背側に延び、それによって自身を交差させ、前記軛脚の周りに延び、前記軛脚の領域において前記第2端部で前記ストラップ要素に可逆的に取り付けられている。
【0017】
代替的な実施形態では、チューブ要素がストラップ要素に割り当てられている。このようなチューブ要素は当業者に公知である。好ましくは、チューブ要素が手首または足首を橋渡しする。
【0018】
したがって、本発明はまた、チューブ要素と第1端部および第2端部を有するストラップ要素とを備える手首または足首用の関節包帯であって、前記ストラップ要素が、少なくとも2つの弾性部と前記2つの弾性部の間の少なくとも1つの非弾性部とを有し、前記ストラップ要素の前記第2端部が、前記ストラップ要素もしくはチューブ要素に可逆的に取り付け可能である、関節包帯に関する。
【0019】
したがって、本発明はまた、弾性のチューブ要素とストラップ要素とを備える関節包帯であって、前記チューブ要素が、第1端部を有する第1チューブ半体と第2端部を有する第2チューブ半体とを有し、前記ストラップ要素が、第1端部と第2端部を有し、前記ストラップ要素の前記第1端部が、前記第1チューブ半体に取り付けられている、または取り付け可能であり、前記ストラップ要素の前記第2端部が、前記ストラップ要素または前記第1チューブ半体に可逆的に取り付け可能であり、前記ストラップ要素が、少なくとも40cmの長さである関節包帯に関する。
【0020】
本発明はまた、弾性のチューブ要素とストラップ要素とを備える手首または足首用の関節包帯であって、前記チューブ要素が、第1端部を有する第1チューブ半体と第2端部を有する第2チューブ半体とを有し、前記ストラップ要素が、第1端部と第2端部とを有し、前記ストラップ要素の前記第1端部が、前記第1チューブ半体に取り付けられている、または取り付け可能であり、前記ストラップ要素の前記第2端部が、前記ストラップ要素または前記第1チューブ半体に可逆的に取り付け可能であり、装着状態において、前記ストラップ要素の前記第1端部が、前記第1チューブ半体に取り付けられ、前記軛脚上に配置され、前記ストラップ要素が、前記第1端部から前記基脚まで前記四肢末端の関節上を遠位方向に延び、内側で前記基脚または中脚の周りに延び、前記軛脚まで前記四肢末端の関節上を背側に延び、それによって自身を交差させ、前記軛脚の周りに延び、前記軛脚の領域において前記第2端部で前記ストラップ要素または前記第1チューブ半体に可逆的に取り付けられていることを特徴とする、手首または足首用の関節包帯に関する。
【0021】
チューブ要素は、好ましくは、ネオプレン、織布またはニットウェア、例えば編地または編物から作製される。好ましくは、チューブ要素は近位開口部を有する。遠位では、チューブ要素は遠位開口部を有するか、または手袋もしくは靴下として設計することができる。好ましくは、チューブ要素はまた、母指または母趾のための別個の開口部を有する。
【0022】
好ましくは、関節包帯は安定化バーを有しない。驚くべきことに、本発明による、特にチューブ要素を有する関節包帯は、安定化バーを省略することができ、本発明によるストラップ要素によって可能になるストラップ誘導のおかげで、依然として十分な安定性を達成できることが示された。しかしながら、必要に応じて、少なくとも一時的に安定化バーを関節包帯、特にチューブ要素に挿入する可能性を追加的に提供することが可能であり得る。
【0023】
関節包帯は、チューブ要素上に張力要素を有することができる。この張力要素は、チューブ要素をより容易に装着することができるように、チューブ要素の本体を予備成形する、および/またはチューブ要素の本体に張力を付与するために使用することができる。たとえ張力要素をバーとして設計することができるとしても、それは安定化バーではない。なぜなら、張力要素は、関節包帯上におけるその形態および配置のために関節の安定化機能を果たさず、果たすべきではなく、かつ果たすことができず、チューブ要素が望ましくない方法で変形すること、特に圧縮されることを防止するのみであるからである。
【0024】
必要に応じて、チューブ要素にパッドを取り付けることができる。
【0025】
好ましくは、ストラップ要素は、少なくとも40cmの長さである。関節包帯が装着された状態にあるとき、少なくとも40cmの長さのストラップ要素は、本発明にしたがって、前腕/下腿、手/足、およびそれらの間に位置する関節の周りにストラップの経路があることを可能にする。
【0026】
ストラップ要素の第1端部は、チューブ要素に、または軛脚の領域においてそれ自体に取り付けられる。第1ストラップ要素の取り付けは、例えばベルクロ(登録商標)留め具を介して、もしくはプレススタッドを介して可逆的とすることができ、またはストラップ要素は、その第1端部をチューブ要素に恒久的に取り付けることができる、もしくはループを形成するようにそれ自体に恒久的に取り付けることができる。そして、ストラップ要素は、現在説明されているように四肢末端の関節の周りに延びる。
【0027】
好ましくは、ストラップ要素の第2端部は、ストラップ要素またはチューブ要素に可逆的に取り付け可能である。ストラップ要素および/またはチューブ要素に、ストラップ要素の第2端部を異なる位置に配置することを可能にする領域、例えばベルクロ(登録商標)留め領域が設けられている場合、可逆的な取り付けは、取り付けを緩めることおよび有利にストラップ要素を締めることを可能にする。
【0028】
好ましくは、ストラップ要素は、少なくとも2つの弾性部と、2つの弾性部の間の少なくとも1つの非弾性部とを有する。好ましくは、ストラップ要素は、交互に配置された弾性部および非弾性部を有する。完全に弾性の伸縮可能なストラップ要素の場合、特に母指または母趾の領域で不快な締め付けが発生する可能性がある。完全に非弾性のストラップ要素では、手または足が過度にきつく固定され、安定化の調節機能を確保することができない。ストラップ要素内での弾性部と非弾性部との組み合わせにより、これらの課題を有利に克服することができる。
【0029】
好ましくは、ストラップ要素の弾性部は、弾性的に伸縮可能である。この弾性的に伸縮可能な部分は、包帯の装着時にストラップ要素を引っ張ることによって張力を付与されると、ストラップ要素が特定の部分で伸長することを可能にし、包帯が取り外されると、ストラップ要素は弛緩した基本状態に戻る。
【0030】
好ましくは、ストラップ要素の少なくとも1つの弾性部は、影響を受ける手首または足首の旋回軸に対して非直角に延びる。好ましくは、ストラップ要素の少なくとも1つの弾性部は、旋回軸に対して30~180度、より好ましくは35~170度、特に好ましくは40度~50度、特に約45度の角度で延びる。
【0031】
好ましくは、ストラップ要素の弾性部は、ストラップ要素の第2端部またはストラップ要素の第2端部の取り付け領域まで延びる。
【0032】
好ましくは、ストラップ要素の少なくとも1つの弾性部は、手の甲の上もしくは手の平の上、または足の甲の上もしくは足の裏の上に延びる。
【0033】
好ましくは、ストラップ要素の少なくとも1つの弾性部は、手の甲もしくは手の平の上、または足の甲もしくは足の裏の上に延び、および/または少なくとも1つの非弾性部は、手の縁部または足の縁部に沿って延びる。好ましくは、少なくとも1つの非弾性部は、手の縁部または足の縁部に沿って延びる。
【0034】
ストラップ要素ならびにストラップ要素の弾性部および非弾性部に適した材料は、当業者に公知である。
【0035】
好ましくは、ストラップ要素は、少なくとも1つのテーパー部を有する。テーパー部は、装着された状態において母指または母趾の領域に位置するようにストラップ要素上に配置されている。したがって、テーパー部は、母指と示指との間、または母趾と隣り合う足指との間の領域に配置され、このテーパーによって、手指または足指の間の狭い空間に有利に適合する。テーパーは、切り込まれたアーチの形態をとることができ、またはストラップの面積の狭い部分によって形成することができる。代替的に、ストラップ要素は、この位置に母指または母趾を挿入することができる穴を有することもできる。
【0036】
テーパー部は、好ましくは非弾性である。
【0037】
好ましくは、ストラップ要素は、平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の少なくとも1つの部分を有する。好ましくは、ストラップ要素は、平行四辺形の形態の少なくとも1つの部分を有する。平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の部分は、ストラップ要素の経路内で斜角部分を形成し、これが関節領域におけるストラップ要素の特に適合した経路をもたらす。
【0038】
好ましくは、平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の部分は非弾性である。
【0039】
好ましくは、非弾性のテーパー部と平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の非弾性部との間に弾性部が存在する。
【0040】
好ましくは、ストラップ要素は、少なくとも1つのテーパー部と、平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の少なくとも1つの部分とを有する。
【0041】
好ましくは、前記ストラップ要素が、第1弾性部と、第1非弾性部と、第2弾性部と、第2非弾性部と、第3弾性部とを連続的に有し、前記第1非弾性部が、平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の部分を有し、前記第2非弾性部が、テーパーを有する。
【0042】
好ましくは、前記第1弾性部に非弾性の予備部分がさらに割り当てられている。
【0043】
好ましくは、前記ストラップ要素が、少なくとも2つの可逆的に相互接続可能なストラップ部分要素を備える。
【0044】
好ましくは、前記ストラップ要素が、前記第1端部を有する第1ストラップ部分要素と、前記第2端部を有する第2ストラップ部分要素とを備え、前記第2ストラップ部分要素が弾性である。
【0045】
好ましくは、前記第1ストラップ部分要素および前記第2ストラップ部分要素が、前記第1ストラップ部分要素上の第3端部および前記第2ストラップ部分要素上の第4端部を介して可逆的に相互接続可能であり、好ましくは、前記第2ストラップ部分要素上の前記第4端部が接続要素を備え、前記接続要素により、前記第2ストラップ部分要素は、前記第1ストラップ部分要素なしで前記チューブ要素に可逆的に取り付け可能である。この好ましい実施形態では、第2ストラップ部分要素を、第1ストラップ部分要素なしで、例えば手首または足首の周りに配置されたカフとして使用することができる。これにより、例えば、第1の治療ステップにおいて現在説明されているように両方のストラップ部分要素を使用し、次いで、第2の任意の治療ステップにおいて手首または足首の周りのカフとして第2ストラップ部分要素のみを使用し、第3の任意の治療ステップにおいてチューブ要素を圧迫カフとして使用することによって、包帯を、患者のリハビリテーション過程またはリハビリテーションとは無関係の着用者の運動強度に有利に適合させることができる。しかしながら、このような第1ストラップ要素を用いた包帯の装着および取り外しは、例えばスポーツ中または車の運転中のような他の面においても有利である。
【0046】
当然ながら、ストラップ要素は、例えば本明細書に記載されているストラップ経路を用いた予防または治療のみが望まれる場合、単一部品として設計することもできる。
【0047】
本発明による手首または足首用の関節包帯のさらなる実施形態は、第1端部と第2端部とを有するストラップ要素を備え、前記ストラップ要素が、少なくとも2つの弾性部と前記2つの弾性部の間の少なくとも1つの非弾性部とを有し、前記ストラップ要素の前記第2端部が、前記ストラップ要素に取り付けられている、または可逆的に取り付け可能である。本実施形態では、チューブ要素が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。本実施形態では、ストラップ要素は、手または足の周りに延びることができ、母指/母趾と示指/第2趾との間に延びているループを形成する。ストラップの弾性部は、手の平もしくは手の外側面、または足の内側面もしくは足の外側面に配置され、2つの非弾性部は、手の縁部または足の縁部に配置されるため、位置が固定され、食い込みが防止される。ループは、ストラップ要素の第2端部をストラップ要素の中央部分に接続することによって形成される。この接続領域からストラップ要素の第1端部まで、ストラップ要素は、関節上を通って前腕または下腿へと延びる。前腕または下腿において、ストラップ要素の第1端部が比較的短くてもよいチューブ要素に接続される、またはストラップ要素の第1端部が上述のような固定部を形成し、それによってストラップ要素を前腕または下腿に直接取り付けることができる。ストラップの接続領域は、どの方向の動きを制限すべきかに応じて、手もしくは足の上側または下側のいずれかに配置することができる。
【0048】
当業者は、本発明による関節包帯の様々な実施形態に記載された要素を容易に組み合わせることができる。
【0049】
さらなる好ましい実施形態が、実施例、図面、および従属請求項に示されているが、これらは限定するものとして理解されるべきではない。
【0050】
ストラップ要素によって許容される、制限された/支持された領域内への手または足の動きは、包帯によって生成される反力を克服するための仕事量の増加と関連する。必要な力は、制限された/支持された方向へのさらなる動きが不可能になるポイントまで増加する。特定の関節位置から、投げ縄と同様に、ストラップガイドによって反力が生成され、これは、応力を受けて対象物をさらに締め付け、したがって対象物をより堅固に固定する。これにより、示される実施形態では、安定化バーを有利に省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1a】本発明によるチューブ要素を有する手首包帯の実施形態を示す。
【
図1b】本発明によるチューブ要素を有する手首包帯の実施形態を示す。
【
図2a】本発明によるストラップ要素の第1部分を示す。
【
図2b】本発明によるストラップ要素の第1部分を示す。
【
図3a】
図2a、bのストラップ要素の第2部分を示す。
【
図3b】
図2a、bのストラップ要素の第2部分を示す。
【
図4a】ストラップ要素の2つの代替的な実施形態を示す。
【
図4b】ストラップ要素の2つの代替的な実施形態を示す。
【
図5】
図3a、bのストラップ要素の第2部分を示す。
【
図6】ストラップ要素をチューブ要素に取り付ける際の様々なステップを示す。
【
図7】ストラップ要素をチューブ要素に取り付ける際の様々なステップを示す。
【
図8】ストラップ要素をチューブ要素に取り付ける際の様々なステップを示す。
【
図9】ストラップ要素をチューブ要素に取り付ける際の様々なステップを示す。
【
図10】ストラップ要素をチューブ要素に取り付ける際の様々なステップを示す。
【
図12】本発明による足首包帯の異なる図を概略的に示す。
【
図13】本発明による足首包帯の異なる図を概略的に示す。
【
図14】本発明による足首包帯の異なる図を概略的に示す。
【
図15】本発明による足首包帯の異なる図を概略的に示す。
【
図16】本発明による足首包帯の異なる図を概略的に示す。
【
図18a】
図17a、bの代替的な実施形態のさらなる活用可能性を示す。
【
図18b】
図17a、bの代替的な実施形態のさらなる活用可能性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1a、bは、右手首(1000)にチューブ要素(50)を有する実施形態における本発明による手首包帯(100)を示す。本発明によるストラップ要素(10)は、手首(1000)に隣接する前腕(1001)、手首(1000)、および手(1002)の領域の周りに配置されるチューブ要素(50)に取り付けられて、手首(1000)を安定させる。
図1aは手の甲の上の手首包帯(100)を示し、
図1bは手の平の上の手首包帯(100)を示す。チューブ要素(50)は、第1端部を有する第1チューブ半体(51)と第2端部を有する第2チューブ半体(52)とを有し、母指のための追加的な開口部(53)を有する。ストラップ要素(10)は、第1端部(11)と第2端部(12)とを有し、ストラップ要素(10)の第1端部(11)は、ベルクロ(登録商標)接続部を介して第1チューブ半体(51)に取り付けられ、ストラップ要素(10)の第2端部(12)は、ベルクロ(登録商標)接続部を介してストラップ要素(10)または第1チューブ半体(51)に可逆的に取り付け可能であり、ここではストラップ要素(10)に取り付けられている。ストラップ要素(10)の第1端部は、第1チューブ半体(51)に取り付けられ、前腕(1001)上に配置されている。ストラップ要素(10)は、手首(1000)を遠位方向に横切って第1端部から手(1002)の甲まで延び、手の内側で手(1002)の周りに延び、次いで母指と示指との間の空間内に延びている。そこから、ストラップ要素(10)は、手首(1000)上を背側に延びて前腕(1001)まで戻り、それによって自身を交差させる。次に、ストラップ要素(10)は、前腕(1001)の周りに巻き付けられ、手首付近の前腕の領域内において第2端部(12)でそれ自体にベルクロ(登録商標)で固定される。ストラップ要素(10)によって加えられる力は、ストラップ要素(10)に張力を付与し、それに応じて第2端部(12)を配置することによって調整することができる。この包帯は安定化バーを必要としない。
【0053】
図2a、bは、
図1a、bの本発明による関節包帯のストラップ要素(10)を示す。
図2Aはストラップ要素(10)の外側を示し、
図2Bはストラップ要素(10)の内側を示す。ストラップ要素(10)は、伸長されていない状態で約64cmの長さであり、複数の交互に配置された弾性部および非弾性部を有する。第1端部(11)には第1非弾性部(13)があり、これによりベルクロ(登録商標)要素(11a)を介してストラップ要素をチューブ要素に取り付けることができる。この後に第1弾性部(14)が続く。この後に第2非弾性部(15)が続き、これは平行四辺形の形態に設計され、したがってストラップの経路をシフトさせる。この後に短い第2弾性部(16)が続き、切欠きアーチの形態のテーパー(17c)を有する第3非弾性部(17)が続く。装着状態において、このテーパーは母指と示指との間に位置し、ストラップ要素(10)がこの領域で快適に静止する。この後に再び短い第3弾性部(18)が続き、これはベルクロ(登録商標)接続部(19)を介して長い第4弾性部(20)に接続されている。第4弾性部(20)は、もはや見えないストラップ要素(10)の第2端部(12)において、ベルクロ(登録商標)要素で終わる。
【0054】
ストラップ要素(10)は、ベルクロ(登録商標)接続部(19)によって第1部分要素(21)と第2部分要素(22)とに分けることができる。
【0055】
ストラップ要素(10)の弾性部(14、16、18、20)は、装着状態でストラップ要素(10)に必要な伸長を可能にし、一方、ストラップの非弾性部(13、15、17、19)は、包帯の必要な力伝達を提供し、したがって手首の安定化に寄与する。非弾性部は特に、望ましくない、特に健康上よくない位置に手が移動することを妨げる、または防止するのに役立つ。
【0056】
図3a、bは、
図1a、bの本発明による関節包帯のストラップ要素(10)を示す。
図3Aはストラップ要素(10)の外側を示し、
図3Bはストラップ要素(10)の内側を示す。ストラップ要素(10)の第2端部(12)およびそこにあるベルクロ(登録商標)要素(12a)で終わる第4弾性部(20)を有する、第2部分(22)の全体が見られる。第4弾性部(20)は、ベルクロ(登録商標)要素(19a)によって、第1部分(21)のベルクロ(登録商標)要素(19b)に可逆的に接続されており、その全体は図示されていないが、第3弾性部(18)および第3非弾性部(17)の端部のみが見られる。
【0057】
図4a、bは、
図2a、bおよび
図3a、bのストラップ要素の第1(10a)および第2(10b)の代替的な簡略化された実施形態を概略的に示す。
図4aでは、ストラップ要素(10a)は、第1弾性部(14a)と、第2弾性部(20a)と、指間の空間のためのテーパーを有する中間非弾性部(17a)とのみを備える。
図4bは、第1弾性部(14b)と、平行四辺形として形成された第1非弾性部(15b)と、短い中間弾性部(16b)と、テーパーを有する第2非弾性部(17b)と、弾性端部(20b)とを有するストラップ要素(10b)の実施形態を示す。
【0058】
図5は、第4弾性部(20)を有するストラップ要素の第2部分(22)を示しており、第4弾性部(20)の一端には、第2部分(22)を第1部分にしっかりと接続するための魚口状のベルクロ(登録商標)を備えたベルクロ(登録商標)要素(19a)があり、第4弾性部(20)の他端には、ストラップ要素またはチューブ要素に固定するためのベルクロ(登録商標)要素(12a)を備えたストラップ要素の第2端部(12)がある。
【0059】
図6~
図10は、本発明による関節包帯(10)のチューブ要素(50)にストラップ要素(10)を装着する際の様々なステップを示す。
【0060】
図6では、ストラップ要素(10)の第1端部(11)のベルクロ(登録商標)要素を介してストラップ要素(10)をチューブ要素(50)の第1半体(51)に取り付ける第1ステップが示されている。第1非弾性部(13)は、手首の方向に斜め遠位方向に延びている。編地に挿入された、または編地に装着された張力要素(54)も見ることができ、これは伸長されたチューブが一緒に引っ張られることを防ぐが、関節を安定させることには寄与しない。
【0061】
ストラップ要素(10)の第1端部(11)は、手首の旋回点から可能な限り離して取り付けられる。これにより、この固定点は、屈曲運動を非常に良好に制限する大きな梃子を作り出すことができる。ストラップシステムのプレテンションは、多少強い背屈によって、この時点で既に調節することができる。この段階で使用者が背屈させるほど、手はより安定化される。基本要素(10)がより強く張力を付与されるほど、手の曲げ/倒れがより効果的に打ち消される。
【0062】
図7は、手の甲の上に第1非弾性部(13)および第1弾性部(14)があり、手の外縁上に第2非弾性部(15)がある状態で、どのようにストラップ要素(10)が手の甲の上をさらに誘導されるかを示す。ストラップ要素(10)は、小指の中手指節関節に可能な限り近い手の平内に方向変更される。これは、手首へのより良好な力伝達をもたらす。これにより、梃子の効果が最大化される。同時に、第2非弾性部(15)が鋭利であると認識されないので、手指の基部関節におけるストラップ要素(10)の位置は邪魔なものとして認識されない。手の甲の上の第1弾性部(14)はまた、橈骨方向の動きをわずかに制限する。
【0063】
図8は手の内側を示しており、基本要素(10)は、第2非弾性部(15)により左側から来て、第2弾性部(16)で手の平およびチューブ要素(50)の第2半体(52)を通過する。この後に第3非弾性部(17)が続き、これは、母指と示指との間で、湾曲したテーパー(17c)で手の甲の方向へと巻き付けられる。テーパー(17c)にもかかわらず、この部分は十分に幅広であり、非弾性であるため食い込まない。屈曲および伸展中に生じる引張荷重は、可能な限り広い範囲にわたって分散される。代替的に、第3非弾性部(17)を母指用開口として設計することもできる。この場合、発生する力が母指の筋肉にわたって分散される。第3非弾性部(17)はまた、母指に望ましい保護姿勢を提供する。
【0064】
図9は手の外側を示す。第3非弾性部(17)には、第3弾性部(18)が続く。これは、橈骨および限定された尺骨の動きを可能にし、屈曲中の荷重吸収にも寄与する。したがって、第1部分要素(21)は、手の領域に屈曲運動を吸収する三角形を形成する。このように、第1部分要素(21)は手の甲で終わり、ベルクロ(登録商標)接続部(19)を介して、第4弾性部(20)を備える第2部分要素(22)に接続される。
【0065】
第3弾性部(18)、ベルクロ(登録商標)要素(19)および第4弾性部(20)が、第1非弾性部(13)および第1弾性部(14)にどのように交差するかを見ることができる。
【0066】
図10は、第4弾性部(20)が、前腕の尺骨縁部の周りにどのように巻き付けられるかを示す。このように第2部分要素(22)を橈骨に装着することで、追加的な圧迫および安定化をもたらすことができる。これはまた、手根管および手根靭帯に対する安定化および緩和効果を有する。第2部分要素(22)は、そこにベルクロ(登録商標)要素(12a)を有する第2端部(12)において、ストラップ要素(10)またはチューブ要素(50)に取り付け可能であり、その結果、
図1a、bに示されるようなストラップ要素の経路が得られる。
【0067】
弾性部と非弾性部とに分けることは掌屈運動中の力伝達を制限し、背屈における手の動きの制限はない。したがって、手は、制限なくこの方向に動かすことができる。
【0068】
図11a、bは、手が橈骨方向(
図11a)または尺骨方向(
図11b)に動く間のストラップ要素(10)の力伝達(70)を示す。橈骨方向の動きの場合、力は第1弾性部によって緩衝される。これは橈骨方向の動きを可能にし、それを安定化するように制限するに過ぎない。手が尺骨方向に動くとき、力は第3弾性部と第4弾性部によって緩衝される。これらは尺骨方向の動きを可能にし、それを安定化するように制限するだけである。
【0069】
図12~図16は、右足首(2000)にチューブ要素(250)を有する実施形態における本発明による足首包帯(200)を概略的に示す。本発明によるストラップ要素(210)は、チューブ要素(250)に取り付けられ、これは足首(2000)に隣接する下腿(2001)、足首(2000)、および足(2002)の領域の周りに配置され、足首(2000)を安定させる。チューブ要素(250)は、第1端部を有する第1チューブ半体(251)と第2端部を有する第2チューブ半体(252)とを有する。ストラップ要素(210)は、第1端部(211)と第2端部(212)とを有し、ストラップ要素(210)の第1端部(211)は、ベルクロ(登録商標)接続部を介して第1チューブ半体(251)に取り付けられ、ストラップ要素(210)の第2端部(212)は、ベルクロ(登録商標)接続部を介してストラップ要素(210)または第1チューブ半体(251)に可逆的に取り付け可能であり、ここではストラップ要素(210)に取り付けられている。ストラップ要素(210)の第1端部は、第1チューブ半体(51)に取り付けられ、下腿(2001)上に配置される。ストラップ要素(210)は、第1端部から足首(2000)を遠位方向に横切って足(2002)の甲まで延び、足の裏(2003)で足(2002)の周りに延びる。そこから、ストラップ要素(210)は、足首(2000)上を背側に延びて下腿(2001)まで戻り、それによって自身を交差させる。次に、ストラップ要素(210)は、下腿(2001)の周りに巻き付けられ、足首付近の下腿の領域内において第2端部(212)でそれ自体にベルクロ(登録商標)で固定される。
【0070】
したがって、ここに示すストラップ要素(210)の経路は、ストラップ要素が母趾と隣り合う足指との間の空間内に延びていない点を除いて、
図1a~
図11bに示す手のストラップ要素の経路に対応しており、このような構成も可能である。ストラップ要素(210)は、この場合も弾性部および非弾性部を有し、これらの足および脚に対する配置は、手および腕に対する上記で示した部分の配置に対応する。例えば、足の裏上の部分は、ストラップ要素の第2端部領域と同様に弾性であるが、足の側部上の部分は、非弾性である。本実施形態では、ストラップ要素(210)は単一部品であり、分離可能なサブ要素を有しない。当業者は、例示されている手首包帯(100)の他の全ての態様を足首包帯(200)に転用することができる。
【0071】
図17a、bおよび図18a、bは、右手首(1000)上に短いチューブ要素(350)を有する実施形態における本発明による手首包帯(300)のさらなる実施形態を概略的に示す。本発明によるストラップ要素(310)は、チューブ要素(350)に取り付けられている。
図17aおよび18aは、手の甲の上の手首包帯(300)を示し、
図17bおよび18bは、手の平の上の手首包帯(300)を示す。ストラップ要素(310)は、第1端部(311)および第2端部(312)を有し、ストラップ要素(310)の第1端部(311)は、ベルクロ(登録商標)接続部を介してチューブ要素(350)に取り付けられ、ストラップ要素(310)の第2端部(312)は、ストラップ要素(310)に取り付けられている。この包帯にも安定化バーは必要ない。
【0072】
ストラップ要素310)は、この場合も弾性部および非弾性部を有し、これらは、手および腕に対する配置に関して、たとえストラップ要素の経路が異なるとしても、原則として
図1a~
図11bの手首包帯のものに対応している。例えば、
図17bの手の平の上および
図18aの手の甲の上の部分は、ストラップ要素の第2端部領域と同様に弾性であるが、手の側部の上の部分は、非弾性である。本実施形態では、ストラップ要素(210)は単一部品であり、分離可能なサブ要素を有さない。当業者は、例示の手首包帯(100)の他の全ての態様をここに示す実施形態(300)に転用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手首(1000)または足首(2000)用の関節包帯(100、200)であって、
第1端部(11、211)および第2端部(12、212)を有するストラップ要素(10、210)を備え、
前記ストラップ要素(10、210)は、少なくとも2つの弾性部(14、16)と、前記2つの弾性部(14、16)の間の少なくとも1つの非弾性部(15)とを有し、
前記ストラップ要素(10、210)の前記第2端部(12、212)は、前記ストラップ要素(10、210)もしくはチューブ要素(50、250)に取り付けられている、または可逆的に取り付け可能であり、
前記ストラップ要素(10、210)は、第1弾性部(14)と、第1非弾性部(15)と、第2弾性部(16)と、第2非弾性部(17)と、第3弾性部(18)とを連続的に有し、
前記第1非弾性部(15)は、平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の部分を有し、
前記第2非弾性部(17)は、テーパーを有することを特徴とする、関節包帯(100、200)。
【請求項2】
前記ストラップ要素(10、210)は、軛脚(1001、2001)、特に前腕(1001)または下腿(2001)の周りに延びることができる固定部を有し、
前記固定部は、2つの相互接続可能な領域を有し、前記2つの領域を接続することによって、前記固定部を前記軛脚(1001、2001)、特に前記前腕(1001)または前記下腿(2001)に固定することができる、請求項1に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項3】
前記ストラップ要素(10、210)は、第1端部(11、211)と第2端部(12、212)とを有し、
前記ストラップ要素(10、210)の前記第1端部(11、211)は、前記固定部によって形成され、前記軛脚(1001、2001)に取り付け可能であり、
前記ストラップ要素(10、210)の前記第2端部(12、212)は、前記ストラップ要素(10、210)に可逆的に取り付け可能であり、
装着状態において、前記ストラップ要素(10、210)の前記第1端部(11、211)が、前記固定部によって前記軛脚(1001、2001)上に配置され、前記ストラップ要素(10、210)が、前記第1端部(11、211)から基脚(1002、2002)まで四肢末端の関節(1000、2000)上を遠位方向に延び、内側で前記基脚(1002、2002)または中脚(2003)の周りに延び、前記軛脚(1001、2001)まで前記手首(1000)または足首(2000)上を背側に延び、それによって自身を交差させ、前記軛脚(1001、2001)の周りに延び、前記軛脚(1001、2001)の領域において前記第2端部(12、212)で前記ストラップ要素(10、210)に可逆的に取り付けられている、請求項2に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項4】
前記ストラップ要素(10、210)の前記第2端部(12、212)は、前記ストラップ要素(10、210)に取り付けられている、または可逆的に取り付け可能である、請求項1または2に記載の関節包帯。
【請求項5】
弾性のチューブ要素(50、250)とストラップ要素(10、210)とを備え、
前記チューブ要素(50、250)は、第1端部を有する第1チューブ半体(51、251)と第2端部を有する第2チューブ半体(52、252)とを有し、
前記ストラップ要素(10、210)は、第1端部(11、211)と第2端部(12、212)とを有し、
前記ストラップ要素(10、210)の前記第1端部(11、211)は、前記第1チューブ半体(51、251)に取り付けられている、または取り付け可能であり、
前記ストラップ要素(10、210)の前記第2端部(12、212)は、前記ストラップ要素(10、210)または前記第1チューブ半体(51、251)に可逆的に取り付け可能であり、
装着状態において、前記ストラップ要素(10、210)の前記第1端部が、前記第1チューブ半体(51、251)に取り付けられ、軛脚(1001、2001)上に配置され、前記ストラップ要素(10、210)が、前記第1端部から基脚(1002、2002)まで四肢末端の関節(1000、2000)上を遠位方向に延び、内側で前記基脚(1002、2002)または中脚(2003)の周りに延び、前記軛脚(1001、2001)まで前記四肢末端の関節(1000、2000)上を背側に延び、それによって自身を交差させ、前記軛脚(1001、2001)の周りに延び、前記軛脚(1001、2001)の領域において前記第2端部(12、212)で前記ストラップ要素(10、210)または前記第1チューブ半体(51、251)に可逆的に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項6】
前記ストラップ要素(10、210)の少なくとも1つの弾性部は、手の甲もしくは手の平の上、または足の甲もしくは足の裏の上に延びている、および/または少なくとも1つの非弾性部は、手の縁部または足の縁部に沿って延びている、請求項1から5のいずれか一項に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項7】
前記ストラップ要素(10、210)は、少なくとも1つのテーパー部を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項8】
前記ストラップ要素(10、210)は、平行四辺形または湾曲またはキンクの形態の少なくとも1つの部分を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項9】
前記ストラップ要素(10、210)は、交互に配置された弾性部および非弾性部を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項10】
前記第1弾性部(14)に非弾性の予備部分(13)がさらに割り当てられている、請求項1から9のいずれか一項に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項11】
前記ストラップ要素(10、210)は、少なくとも2つの可逆的に相互接続可能なストラップ部分要素を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項12】
前記ストラップ要素(10、210)は、前記第1端部(11、211)を有する第1ストラップ部分要素と、前記第2端部(12、212)を有する第2ストラップ部分要素とを備え、
前記第2ストラップ部分要素は弾性である、請求項1から11のいずれか一項に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項13】
前記第1ストラップ部分要素および前記第2ストラップ部分要素は、前記第1ストラップ部分要素上の第3端部および前記第2ストラップ部分要素上の第4端部を介して可逆的に相互接続可能であり、
好ましくは、前記第2ストラップ部分要素上の前記第4端部は接続要素を備え、前記接続要素により、前記第2ストラップ部分要素は、前記第1ストラップ部分要素なしで前記チューブ要素(50、250)に可逆的に取り付け可能である、請求項12に記載の関節包帯(100、200)。
【請求項14】
前記関節包帯(100、200)は安定化バーを有しない、請求項1から13のいずれか一項に記載の関節包帯(100、200)。
【国際調査報告】