(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】KAT6阻害剤としての化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 307/85 20060101AFI20240709BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240709BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/424 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/343 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20240709BHJP
C07D 413/06 20060101ALI20240709BHJP
A61P 35/00 20060101ALN20240709BHJP
A61P 35/02 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
C07D307/85
A61P43/00 111
C07D413/14 CSP
A61K31/424
A61K31/496
A61K31/5377
A61K31/343
A61K31/4439
C07D413/06
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500337
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2022104005
(87)【国際公開番号】W WO2023280182
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202110758732.7
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210043389.2
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210190640.8
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522278512
【氏名又は名称】ハンジョウ イノゲート ファーマ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HANGZHOU INNOGATE PHARMA CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】South,18/F,Building 4,1500 West Wenyi Road,Cangqian Town,Yuhang District,Hangzhou,Zhejiang 311121,China
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ハンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ジア,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ツォンツォン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA06
4C086BC68
4C086BC73
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、KAT6阻害剤としての化合物を提供し、具体的には、本発明は、以下の式(I)および式(XIV)に示されるような構造を有する化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物を提供する。前記化合物は、KAT6の活性または発現量に関連する疾患または病症を治療または予防するために使用されることができる。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)に示されるような構造を有する化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物であって、
【化1】
式(I)において、
Aは、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、または式(Id)から選択され、
【化2】
ここで、
【化3】
は、断片Aが式(I)の化合物の他の部分に連結される部位を表し、
【化4】
は、二重結合または三重結合を表し、三重結合の場合、R
5は、なしであり、
Bは、式(Ie)、式(If)、または式(Ig)から選択され、
【化5】
ここで、
【化6】
は、断片Bが式(I)の化合物の他の部分に連結される部位を表し、
R
1は、水素またはC
1-4アルキル基から選択され、
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
1-4アルコキシC
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルコキシC
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4ハロゲン化アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択され、ここで、各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、または3~8員複素環基から選択され、
Dは、化学結合、-O-、-S-、または-NR
e-から選択され、ここで、R
eは、水素、C
1-4アルキル基、またはC
3-6シクロアルキル基から選択され、Eは、C
3-8シクロアルキル基、3~10員複素環基、C
3-8シクロアルキルC
1-4アルキル基、または3~10員複素環C
1-4アルキル基から選択され、
各R
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
b、-C(O)R
g、-S(O)
2R
g、C
3-6シクロアルキル基、または3~8員複素環基から選択されるか、または二つのR
3は、シクロアルキル基または複素環式環の同じ炭素原子に連結され、且つ当該炭素原子と一緒になってC=Tを形成し、ここで、Tは、OまたはCR
12R
13から選択され、ここで、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、前記R
12またはR
13上のアルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
b、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、上記各R
bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、またはC
1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、R
gは、水素、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基から選択され、
R
4およびR
5は、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、NO
2、-C(O)R
m、-C(O)OR
a、-S(O)
2R
m、-C(O)NR
aR
a、-OC(O)R
m、-NR
aC(O)R
m、-NR
aS(O)
2R
m、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、R
mは、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、Tは、上記で定義されたとおりであり、
各R
6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、またはNR
bR
bから選択され、ここで、各R
bは、上記で定義されたとおりであり、
Mは、OまたはCR
hR
iから選択され、ここで、R
hおよびR
iは、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、ここで、前記アルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
b、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、ここで、各R
bは、上記で定義されたとおりであり、
各R
7は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、またはヘテロアリールC
1-4アルキル基から選択され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、
R
8およびR
9は、それぞれ独立して、水素、フッ素、C
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ヒドロキシ基、またはC
3-6シクロアルキル基からなる群から選択されるか、またはR
8およびR
9は、それらが結合している炭素原子と一緒になって3~6員環状構造を形成し、この環状構造は、任意選択で、N、O、Sから選択される0、1、または2個のヘテロ原子を含み、
各R
10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aから選択され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、
Xは、O、S、またはNR
nから選択され、ここで、R
nは、水素またはC
1-4アルキル基から選択され、
各R
11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、CN、OR
a、SR
a、NR
cR
c、または-NR
dC(O)R
gから選択され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、各R
cは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
1-4アルコキシC
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基から選択され、R
dは、水素またはC
1-4アルキル基から選択され、R
gは、上記で定義されたとおりであり、
mは、0、1、2、3、または4から選択され、
nは、0、1、2、3、または4から選択され、
fは、0、1、2、または3から選択され、
gは、0、1、2、3、または4から選択され、
aおよびbは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、または5から選択され、前提条件は、aおよびbを同時に0から選択できないことであり、
hは、0、1、2、または3から選択され、
jは、0、1、2、または3から選択され、
kは、0、1、2、3、4、または5から選択され、
ここで、各上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基は、任意選択で、それぞれ独立して、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、CN、NO
2、OR
b、SR
b、NR
dR
d、-C(O)R
g、-C(O)OR
b、-C(O)NR
dR
d、-NR
dC(O)R
g、-NR
dS(O)
2R
g、または-S(O)
2R
gからなる群からそれぞれ独立して選択される1~3個の置換基によって置換され、前提条件は、形成された化学構造が安定していて意味のあることであり、ここで、R
b、R
d、およびR
gは、上記で定義されたとおりであり、
特に明記しない限り、上記アリール基は、6~12個の炭素原子を含む芳香族基であり、ヘテロアリール基は、5~15員(好ましくは5~12員)複素芳香族基であり、環状構造は、ヘテロ原子を含むか、またはヘテロ原子を含まない、飽和または不飽和の環状基であることを特徴とする、前記化合物。
【請求項2】
式(I)は、式(II)であり、
【化7】
R
2、R
3、R
7、R
8、R
9、R
10、D、E、m、n、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)は、式(III)であり、
【化8】
Uは、NまたはCR
kから選択され、ここで、R
kは、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基から選択され、
各R
14は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
bから選択され、
pおよびqは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、または6から選択され、前提条件は、pおよびqを同時に0から選択できないことであり、
tは、0、1、2、3、または4から選択され、
R
2、R
7、R
8、R
9、R
10、R
12、R
13、R
b、D、m、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式(I)は、式(IV)であり、
【化9】
R
2、R
4、R
7、R
8、R
9、R
10、m、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式(I)は、式(V)であり、
【化10】
R
2、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
h、R
i、a、b、f、g、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式(I)は、式(VI)であり、
【化11】
R
2、R
6、R
11、R
h、R
i、X、a、b、f、g、およびkは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物
【請求項7】
式(I)は、式(VII)であり、
【化12】
R
2、R
11、R
12、R
13、D、X、m、およびkは、請求項1で定義されたとおりであり、
U、R
14、p、q、およびtは、請求項3で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
式(I)は、式(VIII)であり、
【化13】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択され、ここで、各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、mは、0、1、または2から選択され、
R
4、R
7、R
8、R
9、R
10、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
式(I)は、式(IX)であり、
【化14】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、またはOR
aからなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、-C(O)R
m、-C(O)OR
a、-S(O)
2R
m、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~6員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、Tは、OまたはCR
12R
13から選択され、ここで、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、前記R
12またはR
13上のアルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
bからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、
各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、各R
bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、またはC
1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、R
mは、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
式(I)は、式(X)であり、
【化15】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、またはOR
aからなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、-C(O)R
m、-C(O)OR
a、-S(O)
2R
m、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~6員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、Tは、OまたはCR
12R
13から選択され、ここで、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、前記R
12またはR
13上のアルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
bからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、
各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、各R
bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、またはC
1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、R
mは、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
式(I)は、式(XI)であり、
【化16】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
1-4アルコキシC
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルコキシC
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4ハロゲン化アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、
各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、
mは、0、1、2、または3から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
式(I)は、式(XII)であり、
【化17】
R
2およびR
4は、請求項9で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
式(I)は、式(XIII)であり、
【化18】
R
2、R
4、R
11、X、m、およびkは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
以下の式(XIV)に示されるような構造を有する化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物であって、
【化19】
Gは、C
3-8シクロアルキル基、3~10員複素環基、アリール基(好ましくはベンゼン、ナフタレンである)、ヘテロアリール基(好ましくはフラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピラジンである)から選択され、
R
1、R
2、R
4、B、およびmは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする、前記化合物。
【請求項15】
前記式(I)および式(XIV)化合物は、
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
からなる群から選択され、
上記各化合物において、R
2は、HまたはOMeから選択されることを特徴とする
請求項1および14に記載の化合物。
【請求項16】
医薬組成物であって、
請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物、ならびに薬学的に許容される担体を含むことを特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物の使用であって、
KAT6活性または発現量に関連する疾患、病症または病状を治療するための医薬組成物の調製に用いられることを特徴とする、前記使用。
【請求項18】
前記疾患、病症または病状は、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、膵臓がん、結腸がん、甲状腺がん、胎児性横紋筋肉腫、皮膚顆粒細胞腫瘍、黒色腫、肝細胞がん、肝内胆管がん、直腸がん、膀胱がん、咽頭がん、乳がん、膣がん、前立腺がん、精巣がん、脳腫瘍、神経膠腫、卵巣がん、頭頚部扁平上皮がん、子宮頸がん、骨肉腫、食道がん、腎臓がん、皮膚がん、胃がん、骨髄性白血病、リンパ性白血病、骨髄線維症、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、単球性白血病、脾腫性赤血球増加症、好酸球性白血球増加症候群、骨髄がん等の様々な固形腫瘍および血液腫瘍からなる群から選択されることを特徴とする
請求項17に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化学の分野に関し、具体的には、本発明は、三環式ヘテロアリール基を含む新規誘導体、その合成法、並びに、腫瘍等の様々な関連疾患の治療用薬物の調製におけるKAT6阻害剤としてのその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒストンアセチルトランスフェラーゼは、アセチル補酵素Aを使用して、アセチル基をヒストンまたは他の基質タンパク質のリジン残基に転移する。アセチル化は、可逆的な翻訳後修飾であり、真核生物の遺伝子発現、細胞周期およびシグナル伝達経路等において重要な役割を果たす。相同性に従って、ヒストンアセチルトランスフェラーゼは、GNAT(Gcn5-関連アセチルトランスフェラーゼ)ファミリー、p300/CBPファミリー、SRC/p160ファミリーおよびMYST(MOZ、Ybf2/Sas3、Sas2およびTip60)ファミリーの四つのファミリーに分類される。MYSTファミリータンパク質のアセチルトランスフェラーゼ活性は、MYSTドメイン(触媒ドメイン)の影響を受ける。MYSTドメインは、一つのアセチル補酵素A結合モチーフおよび一つの比較的まれなC2HC型ジンクフィンガー構造を含み、ここで、アセチル補酵素A結合モチーフおよび他のヒストンアセチルトランスフェラーゼは、構造的に保存されている。MYSTドメインは、MYSTファミリータンパク質の特徴である。
【0003】
KAT6A(リシンアセチルトランスフェラーゼ6A(Lysine Acetyltransferase 6A)、MOZと呼ばれる)およびKAT6B(リシンアセチルトランスフェラーゼ6B、MORFと呼ばれる)は、MYSTファミリーのアセチルトランスフェラーゼに属する。KAT6Aは、急性骨髄性白血病で染色体転座が起こし、肺がん、乳がん、卵巣がん、子宮内膜がん、膀胱がんおよび食道がん等の癌のタイプで増幅突然変異を起こす。類似的には、KAT6Bも、様々な癌のタイプで染色体転座が突然変異する。急性骨髄性白血病で同定されたMOZ-およびMORF-連結の融合タンパク質は、MOZ-CBP、MOZ-p300、MOZ-TIF2、MOZ-NcoA3、MOZ-LEUTXおよびMORF-CBPを含む。ここで、MOZ-TIF2は、培養細胞において形質転換活性を有し、マウスにおいて急性骨髄性白血病を誘発する可能性がある。KAT6AおよびKAT6B増幅腫瘍細胞において、KAT6AおよびKAT6Bの発現は、遺伝子コピー数と密接に関連しており、これは、腫瘍発生中においてそれらの活性を維持するための選択圧が存在することを示す。さらに、細胞増殖試験において、KAT6AおよびKAT6Bの発現が高い腫瘍細胞は、通常、KAT6AおよびKAT6Bの活性への依存性が比較的に高くなる。
【0004】
KAT6AおよびKAT6Bは、通常、修飾ヒストンH3のリジン23部位(H3K23)を広範囲的にアセチル化するが、KAT6Aは、その調節遺伝子H3K9部位のアセチル化のみを修飾することもできる。KAT6Aは、p53、RUNX1等のいくつかの転写因子と相互作用し、修飾ヒストンをアセチル化し、顆粒遺伝子の発現を調節する。KAT6Aは、エストロゲン受容体ERα(Estrogen Receptor α)の近位プロモーター領域に結合し、ERα遺伝子の発現を活性化する。ER+、KAT6A増幅突然変異または高発現を有する乳がん細胞において、KAT6Aのアセチルトランスフェラーゼ活性を阻害するか、またはKAT6Aをノックダウンすると、乳がん細胞の増殖を顕著に阻害できる。また、KAT6Aのアセチルトランスフェラーゼ活性は、MEIS1およびHOXa9遺伝子の発現の促進に不可欠であり、これらの二つの遺伝子は、いくつかのリンパ腫細胞および白血病細胞で過剰発現することがよくある。MYC誘導性リンパ腫のマウスモデルにおいて、一つのKAT6A対立遺伝子を欠失すると、マウスの生存期間中央値が明らかに延長される。マウスにおいて、KAT6B対立遺伝子の突然変異は、皮質前駆細胞の分裂および分化の顕著な減少をもたらし、大脳皮質の発育に深刻な影響を与えると考えており、KAT6Bは、成体神経幹細胞の数の維持にも重要な役割を果たす。KAT6Bは、いくつかのまれなタイプの白血病においても遺伝子の突然変異が存在する。
【0005】
上記の背景に基づいて、構造的に新規なKAT6阻害剤を開発する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、新規なクラスのKAT6阻害剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、以下の式(I)に示されるような構造を有する化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物を提供し、
【化1】
式(I)において、
Aは、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、または式(Id)から選択され、
【化2】
ここで、
【化3】
は、断片Aが式(I)の化合物の他の部分に連結される部位を表し、
【化4】
は、二重結合または三重結合を表し、三重結合の場合、R
5は、なしであり、
Bは、式(Ie)、式(If)、または式(Ig)から選択され、
【化5】
ここで、
【化6】
は、断片Bが式(I)の化合物の他の部分に連結される部位を表し、
R
1は、水素またはC
1-4アルキル基から選択され、
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
1-4アルコキシC
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルコキシC
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4ハロゲン化アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択され、ここで、各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、または3~8員複素環基から選択され、
Dは、化学結合、-O-、-S-、または-NR
e-から選択され、ここで、R
eは、水素、C
1-4アルキル基、またはC
3-6シクロアルキル基から選択され、Eは、C
3-8シクロアルキル基、3~10員複素環基、C
3-8シクロアルキルC
1-4アルキル基、または3~10員複素環C
1-4アルキル基から選択され、
各R
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
b、-C(O)R
g、-S(O)
2R
g、C
3-6シクロアルキル基、または3~8員複素環基から選択されるか、または二つのR
3は、シクロアルキル基または複素環式環の同じ炭素原子に連結され、且つ当該炭素原子と一緒になってC=Tを形成し、ここで、Tは、OまたはCR
12R
13から選択され、ここで、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、前記R
12またはR
13上のアルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
b、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、上記各R
bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、またはC
1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、R
gは、水素、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基から選択され、
R
4およびR
5は、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、NO
2、-C(O)R
m、-C(O)OR
a、-S(O)
2R
m、-C(O)NR
aR
a、-OC(O)R
m、-NR
aC(O)R
m、-NR
aS(O)
2R
m、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、R
mは、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、Tは、上記で定義されたとおりであり、
各R
6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、またはNR
bR
bから選択され、ここで、各R
bは、上記で定義されたとおりであり、
Mは、OまたはCR
hR
iから選択され、ここで、R
hおよびR
iは、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、ここで、前記アルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
b、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、ここで、各R
bは、上記で定義されたとおりであり、
各R
7は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、またはヘテロアリールC
1-4アルキル基から選択され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、
R
8およびR
9は、それぞれ独立して、水素、フッ素、C
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ヒドロキシ基、またはC
3-6シクロアルキル基からなる群から選択されるか、またはR
8およびR
9は、それらが結合している炭素原子と一緒になって3~6員環状構造を形成し、この環状構造は、任意選択で、N、O、Sから選択される0、1、または2個のヘテロ原子を含み、
各R
10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aから選択され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、
Xは、O、S、またはNR
nから選択され、ここで、R
nは、水素またはC
1-4アルキル基から選択され、
各R
11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、CN、OR
a、SR
a、NR
cR
c、または-NR
dC(O)R
gから選択され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、各R
cは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
1-4アルコキシC
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基から選択され、R
dは、水素またはC
1-4アルキル基から選択され、R
gは、上記で定義されたとおりであり、
mは、0、1、2、3、または4から選択され、
nは、0、1、2、3、または4から選択され、
fは、0、1、2、または3から選択され、
gは、0、1、2、3、または4から選択され、
aおよびbは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、または5から選択され、前提条件は、aおよびbを同時に0から選択できないことであり、
hは、0、1、2、または3から選択され、
jは、0、1、2、または3から選択され、
kは、0、1、2、3、4、または5から選択され、
ここで、各上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基は、任意選択で、それぞれ独立して、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、CN、NO
2、OR
b、SR
b、NR
dR
d、-C(O)R
g、-C(O)OR
b、-C(O)NR
dR
d、-NR
dC(O)R
g、-NR
dS(O)
2R
g、または-S(O)
2R
gからなる群からそれぞれ独立して選択される1~3個の置換基によって置換され、前提条件は、形成された化学構造が安定していて意味のあることであり、ここで、R
b、R
d、およびR
gは、上記で定義されたとおりである。
【0008】
特に明記しない限り、上記アリール基は、6~12個の炭素原子を含む芳香族基であり、ヘテロアリール基は、5~15員(好ましくは5~12員)複素芳香族基であり、環状構造は、ヘテロ原子を含むか、またはヘテロ原子を含まない、飽和または不飽和の環状基である。
【0009】
別の好ましい例において、式(I)は、式(II)であり、
【化7】
R
2、R
3、R
7、R
8、R
9、R
10、D、E、m、n、h、およびjは、本発明の第1の態様に定義されたとおりである。
【0010】
別の好ましい例において、前記Eは、C3-6シクロアルキル基、3~6員複素環基、C3-6シクロアルキルC1-4アルキル基、または3~6員複素環C1-4アルキル基から選択され、各R3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4ハロゲン化アルキル基、CN、ORb、-C(O)Rgから選択されるか、または二つのR3は、シクロアルキル基または複素環式環の同じ炭素原子に連結され、且つ当該炭素原子と一緒になってC=Tを形成し、ここで、Tは、OまたはCR12R13から選択され、ここで、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC1-4アルキル基から選択され、前記R12またはR13上のアルキル基は、ハロゲン、C1-4ハロゲン化アルキル基、ORb、NRbRbからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、上記各Rbは、それぞれ独立して、水素、C1-4アルキル基、またはC1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、Rgは、水素、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基から選択される。
【0011】
別の好ましい例において、式(I)は、式(III)であり、
【化8】
Uは、NまたはCR
kから選択され、ここで、R
kは、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基から選択され、
各R
14は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
bから選択され、
pおよびqは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、または6から選択され、前提条件は、pおよびqを同時に0から選択できないことであり、
tは、0、1、2、3、または4から選択され、
R
2、R
7、R
8、R
9、R
10、R
12、R
13、R
b、D、m、h、およびjは、本発明の第1の態様に定義されたとおりである。
【0012】
別の好ましい例において、式(I)は、式(IV)であり、
【化9】
R
2、R
4、R
7、R
8、R
9、R
10、m、h、およびjは、本発明の第1の態様に定義されたとおりである。
【0013】
別の好ましい例において、式(I)は、式(V)であり、
【化10】
R
2、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
h、R
i、a、b、f、g、h、およびjは、本発明の第1の態様に定義されたとおりである。
【0014】
別の好ましい例において、式(I)は、式(VI)であり、
【化11】
R
2、R
6、R
11、R
h、R
i、X、a、b、f、g、およびkは、本発明の第1の態様に定義されたとおりである。
【0015】
別の好ましい例において、式(I)は、式(VII)であり、
【化12】
R
2、R
11、R
12、R
13、D、X、m、およびkは、本発明の第1の態様に定義されたとおりであり、
U、R
14、p、q、およびtは、上記で定義されたとおりである。
【0016】
別の好ましい例において、式(I)は、式(VIII)であり、
【化13】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択され、ここで、各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、mは、0、1、または2から選択され、
R
4、R
7、R
8、R
9、R
10、h、およびjは、本発明の第1の態様に定義されたとおりである。
【0017】
別の好ましい例において、前記R4は、水素、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、ORa、-C(O)Rm、-C(O)ORa、-S(O)2Rm、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、各Raは、上記で定義されたとおりであり、Rmは、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基から選択され、Tは、上記で定義されたとおりである。
【0018】
別の好ましい例において、前記R2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4ハロゲン化アルキル基、ORa、C3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基から選択される。
【0019】
別の好ましい例において、前記R7は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4ハロゲン化アルキル基、ORa、SRa、NRaRa、C3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、またはヘテロアリールC1-4アルキル基から選択され、各Raは、それぞれ独立して、水素、C1-4アルキル基から選択される。
【0020】
別の好ましい例において、式(I)は、式(IX)であり、
【化14】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、またはOR
aからなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、-C(O)R
m、-C(O)OR
a、-S(O)
2R
m、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~6員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、Tは、OまたはCR
12R
13から選択され、ここで、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、前記R
12またはR
13上のアルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
bからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、
各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、各R
bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、またはC
1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、R
mは、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基から選択される。
【0021】
別の好ましい例において、式(I)は、式(X)であり、
【化15】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、またはOR
aからなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、-C(O)R
m、-C(O)OR
a、-S(O)
2R
m、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~6員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、Tは、OまたはCR
12R
13から選択され、ここで、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、前記R
12またはR
13上のアルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
bからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、
各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、各R
bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、またはC
1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、R
mは、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基から選択される。
【0022】
別の好ましい例において、式(I)は、式(XI)であり、
【化16】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
1-4アルコキシC
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルコキシC
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4ハロゲン化アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、
各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、
mは、0、1、2、または3から選択される。
【0023】
別の好ましい例において、式(I)は、式(XII)であり、
【化17】
R
2およびR
4は、上記で定義されたとおりである。
【0024】
別の好ましい例において、式(I)は、式(XIII)であり、
【化18】
R
2、R
4、R
11、X、m、およびkは、本発明の第1の態様に定義されたとおりである。
【0025】
本発明の第2の態様は、以下の式(XIV)に示されるような構造を有する化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物を提供し、
【化19】
Gは、C
3-8シクロアルキル基、3~10員複素環基、アリール基(好ましくはベンゼン、ナフタレンである)、ヘテロアリール基(好ましくはフラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピラジンである)から選択され、
R
1、R
2、R
4、B、およびmは、本発明の第1の態様に定義されたとおりである。
【0026】
別の好ましい例において、前記式(I)および式(XIV)化合物は、
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
からなる群から選択され、
上記各化合物において、R
2は、HまたはOMeから選択される。
【0027】
本発明の第3の態様は、医薬組成物を提供し、前記医薬組成物は、本発明の第1の態様に記載の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物、ならびに薬学的に許容される担体を含む。
【0028】
本発明の第4の態様は、KAT6活性または発現量に関連する疾患、病症または病状を治療するための医薬組成物の調製における、本発明の第1の態様に記載の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物の用途を提供する。
【0029】
別の好ましい例において、前記疾患、病症または病状は、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、膵臓がん、結腸がん、甲状腺がん、胎児性横紋筋肉腫、皮膚顆粒細胞腫瘍、黒色腫、肝細胞がん、肝内胆管がん、直腸がん、膀胱がん、咽頭がん、乳がん、膣がん、前立腺がん、精巣がん、脳腫瘍、神経膠腫、卵巣がん、頭頚部扁平上皮がん、子宮頸がん、骨肉腫、食道がん、腎臓がん、皮膚がん、胃がん、骨髄性白血病、リンパ性白血病、骨髄線維症、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、単球性白血病、脾腫性赤血球増加症、好酸球性白血球増加症候群、骨髄がん等の様々な固形腫瘍および血液腫瘍からなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明者らは、長期にわたる綿密な研究の結果、新規構造を有するKAT6阻害剤、ならびにそれらの調製方法および応用を予期せずに発見した。本発明の化合物は、前記アセチルトランスフェラーゼの活性に関連する様々な疾患の治療に応用することができる。上記の発見に基づいて、本発明者らは、本発明を完成させた。
【0031】
用語
特に説明しない限り、本明細書に記載の「または」は、「および/または」と同じ意味を有する(「または」および「および」を指す)。
特に説明しない限り、本発明のすべての化合物において、各キラル炭素原子(キラル中心)は、任意選択で、R配置またはS配置、またはR配置とS配置との混合物であり得る。
【0032】
本明細書で使用されるように、単独でまたは別の置換基の一部として使用される場合、「アルキル基」という用語は、炭素原子のみを含む直鎖(即ち、分岐鎖なし)または分岐鎖の飽和炭化水素基、または直鎖と分岐鎖との組み合わせの基を指す。アルキル基の前に炭素原子の数が限定される場合(例えば、C1-10)、前記アルキル基に1~10個の炭素原子が含まれることを指す。例えば、C1-8アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、または類似基等を含む、1~8個の炭素原子を含むアルキル基を指す。
【0033】
本明細書で使用されるように、単独でまたは別の置換基の一部として使用される場合、「アルケニル基」という用語は、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖の炭素鎖基を指す。アルケニル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。アルケニル基の前に炭素原子の数が限定される場合(例えば、C2-8)、前記アルケニル基に2~8個の炭素原子が含まれることを指す。例えば、C2-8アルケニル基は、ビニル基、プロペニル基、1,2-ブテニル基、2,3-ブテニル基、ブタジエニル基、または類似基等を含む、2~8個の炭素原子を含むアルケニル基を指す。
【0034】
本明細書で使用されるように、単独でまたは別の置換基の一部として使用される場合、「アルキニル基」という用語は、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を有する脂肪族炭化水素基を指す。前記アルキニル基は、直鎖または分岐鎖、またはその組み合わせであり得る。アルキニル基の前に炭素原子の数が限定される場合(例えば、C2-8アルキニル基)、前記アルキニル基に2~8個の炭素原子が含まれることを指す。例えば、「C2-8アルキニル基」という用語は、エチニル基、プロピニル基、イソプロピニル基、ブチニル基、イソブチニル基、s-ブチニル基、t-ブチニル基、または類似基を含む、2~8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキニル基を指す。
【0035】
本明細書で使用されるように、単独でまたは別の置換基の一部として使用される場合、「シクロアルキル基」という用語は、飽和または部分飽和の単位環、二環式または多環式(縮合環、架橋環またはスピロ環)環系を有する基を指す。特定のシクロアルキルの基に炭素原子の数が限定される場合(例えば、C
3-10)、前記シクロアルキル基に3~10個の炭素原子が含まれることを指す。いくつかの好ましい実施例において、「C
3-8シクロアルキル基」という用語は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、または類似基を含む、3~8個の炭素原子を有する飽和または部分不飽和の単環式またはビシクロアルキル基を指す。「スピロシクロアルキル基」とは、単環式間で一つの炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)が共有される二環式基または多環式基を指し、これらは、一つまたは複数の二重結合を含むことができるが、完全に共役したπ電子系を有する環はない。「縮合シクロアルキル基」とは、系内の各環が系内の他の環と隣接する一対の炭素原子を有する、全炭素の二環式基または多環式基を指し、ここで、一つまたは複数の環は、一つまたは複数の二重結合を含むことができるが、完全に共役したπ電子系を有する環はない。「架橋シクロアルキル基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの炭素原子を共有する全炭素多環式基を指し、これらは、一つまたは複数の二重結合を含むことができるが、完全に共役したπ電子系を有する環はない。前記シクロアルキル基に含まれる原子は、すべて炭素原子である。以下にシクロアルキル基のいくつかの例を示すが、本発明は、以下のシクロアルキル基に限定されるものではない。
【化25】
【0036】
別段の記載がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される以下の用語は、以下のような意味を有する。「アリール基」とは、フェニル基およびナフチル基等の、共役π電子系を有する全炭素単環式または縮合多環式(つまり、隣接する炭素原子の対を共有する環)基を指す。前記アリール環は、他の環状基(飽和および不飽和環を含む)に縮合できるが、窒素、酸素または硫黄等のヘテロ原子を含むことはできず、同時に親への連結点は、共役π電子系を有する環内の炭素原子上になければならない。アリール基は、置換されていても置換されていなくてもよい。以下にアリール基のいくつかの例を示すが、本発明は、以下のアリール基に限定されるものではない。
【化26】
【0037】
「ヘテロアリール基」とは、一つ~複数のヘテロ原子(窒素、酸素および硫黄から任意に選択される)を含む芳香族単環式基もしくは多環式基、または複素環基(窒素、酸素および硫黄から任意に選択される一つ~複数のヘテロ原子を含む)とアリール基との縮合によって形成される多環式基を指し、連結部位は、アリール基に位置する。ヘテロアリール基は、任意に置換されていても置換されていなくてもよい。以下にヘテロアリール基のいくつかの例を示すが、本発明は、以下のヘテロアリール基に限定されるものではない。
【化27】
【0038】
「複素環基」とは、飽和または部分不飽和の単環式または多環式の環状炭化水素置換基を指し、ここで、一つまたは複数の環原子は、窒素、酸素または硫黄から選択され、残りの環原子は、炭素である。単環式複素環基の非限定的な実施例としては、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ホモピペラジニル基を含む。多環式複素環基とは、スピロ環、縮合環および架橋環を含む複素環基を指す。「スピロ環式複素環基」とは、系内の各環と系内の他の環との間に一つの原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有する多環式複素環基を指し、ここで、一つまたは複数の環原子は、窒素、酸素または硫黄から選択され、残りの環原子は、炭素である。「縮合環式複素環基」とは、系内の各環が系内の他の環と隣接する一対の原子を共有する多環式複素環基を指し、一つまたは複数の環は、一つまたは複数の二重結合を含むことができるが、完全に共役したπ電子系を有する環はなく、ここで、一つまたは複数の環原子は、窒素、酸素または硫黄から選択され、残りの環原子は、炭素である。「架橋環式複素環基」とは、任意の二つの環が直接連結していない二つの原子を共有する多環式複素環基を指し、これらは、一つまたは複数の二重結合を含むことができるが、完全に共役したπ電子系を有する環はなく、ここで、一つまたは複数の環原子は、窒素、酸素または硫黄から選択され、残りの環原子は、炭素である。複素環基に飽和環および芳香環の両方が同時に存在する場合(例えば、飽和環および芳香環が縮合している場合)、親への連結点は、飽和環上にある必要がある。注:親への連結点が芳香環上にある場合、複素環基ではなく、ヘテロアリール基と呼ばれる。以下に複素環基のいくつかの例を示すが、本発明は、以下の複素環基に限定されるものではない。
【化28】
【0039】
本明細書で使用されるように、単独でまたは別の置換基の一部として使用される場合、「ハロゲン」という用語は、F、Cl、BrおよびIを指す。
【0040】
本明細書で使用されるように、「置換」(「任意選択で」修飾の有無にかかわらず)という用語は、特定の基上の一つまたは複数の水素原子が特定の置換基によって置換されることを指す。特定の置換基は、前述に適宜記載されている置換基、または各実施例に記載されている置換基である。特に説明しない限り、特定の任意に置換された基は、当該基の任意の置換可能な部位に特定のグループから選択される置換基を有することができ、前記置換基は、各位置で同一であっても異なっていてもよい。複素環基等の環状置換基は、シクロアルキル基等の別の環に結合して、二つの環が一つの共通の炭素原子を有するスピロ二環式系を形成することができる。本発明によって企図される置換基の組み合わせが、安定であるか、または化学的に達成可能なものであることを当業者に理解されたい。前記置換基は、例えば、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~12員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボキシ基(-COOH)、C1-8アルデヒド基、C2-10アシル基、C2-10エステル基、アミノ基である(これらに限定されない)。
【0041】
便宜上、および共通の理解のために、「任意に置換」または「任意選択で置換」という用語は、科学的に実現できない置換を含まない、置換基で置換できる部位にのみ適用される。
【0042】
本明細書で使用されるように、特に説明しない限り、「薬学的に許容される塩」という用語は、過度の副作用を引き起こすことなく対象(例えば、ヒト)の組織と接触するのに適した塩を指す。いくつかの実施例において、本発明のある化合物の薬学的に許容される塩としては、三世紀を有する本発明の化合物の塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩)または塩基性基を有する本発明の化合物の塩(例えば、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、硝酸塩、炭酸塩)を含む。
【0043】
用途:
本発明は、KAT6を阻害するために使用される、式(I)の化合物、またはそれらの重水素化誘導体、それらの塩、異性体(存在する場合、エナンチオマーまたはジアステレオマー)、水和物、薬学的に許容される担体または賦形剤の用途を提供する。
本発明の化合物は、KAT6阻害剤として使用されることができる。
【0044】
本発明は、KAT6の活性を調節することによって疾患を予防、緩和または治癒することができることを目的とする、KAT6の単一阻害剤である。言及される疾患は、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、膵臓がん、結腸がん、甲状腺がん、胎児性横紋筋肉腫、皮膚顆粒細胞腫瘍、黒色腫、肝細胞がん、肝内胆管がん、直腸がん、膀胱がん、咽頭がん、乳がん、膣がん、前立腺がん、精巣がん、脳腫瘍、神経膠腫、卵巣がん、頭頚部扁平上皮がん、子宮頸がん、骨肉腫、食道がん、腎臓がん、皮膚がん、胃がん、骨髄性白血病、リンパ性白血病、骨髄線維症、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、単球性白血病、脾腫性赤血球増加症、好酸球性白血球増加症候群、骨髄がん等の様々な固形腫瘍および血液腫瘍を含むが、これらに限定されない。
【0045】
本発明の化合物およびその重水素化誘導体、ならびに薬学的に許容される塩またはその異性体(存在する場合)またはその水和物および/または組成物と薬学的に許容される賦形剤または担体とを一緒に配合することができ、得られる組成物は、病症、症状および疾患を治療するために、男性、女性および動物等の哺乳動物にインビボで投与することができる。組成物は、錠剤、丸剤、懸濁剤、溶液剤、乳剤、カプセル、エアロゾル剤、滅菌注射液、滅菌粉末等であり得る。いくつかの実施例において、薬学的に許容される賦形剤は、微結晶セルロース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、マンニトール、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン(増加)、グリシン、崩壊剤(例えば、デンプン、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩および高分子ポリエチレングリコール)、造粒結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン、ショ糖、ゼラチンおよびアラビアゴム)および潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、グリセリンおよびタルク粉末)。好ましい実施形態において、前記医薬組成物は、錠剤、溶液剤、懸濁液、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤を含むがこれらに限定されない、経口投与に適した剤形である。患者に本発明の化合物または医薬組成物を投与する量は、固定されていないが、通常は、薬学的に有効な量で投与される。同時に、実際に投与される化合物の量は、治療される病症、選択された投与経路、投与された実際の化合物、患者の個々の状態等を含む実際の状況に基づいて医師によって決定されることができる。本発明の化合物の投与量は、治療の具体的な用途、投与方法、患者状態、医師の判断に依存するであろう。医薬組成物における本発明の化合物の比率または濃度は、投与量、物理的および化学的性質、投与経路等を含む様々な要因に依存する。
【0046】
本発明の範囲内において、本発明の上記の各技術的特徴および以下に(例えば、実施例)具体的に説明される各技術的特徴は、互いに組み合わせ、新規または好まし技術的開削を形成することができることを理解されたい。
【0047】
医薬組成物および投与方法
本発明の化合物がKAT6に対する優れた阻害活性を有するため、本発明の化合物およびその様々な結晶形、薬学的に許容される無機または有機塩、水和物または溶媒和物、ならびに本発明の化合物を有効成分として含む医薬組成物は、KAT6活性または発現量に関連する疾患を治療、予防以及緩和するために使用されることができる。
【0048】
本発明の医薬組成物は、安全かつ有効量の範囲内の本発明の化合物またはその薬理学的に許容される塩および薬理学的に許容される賦形剤または担体を含む。ここで、「安全かつ有効量」とは、深刻な副作用を引き起こさずに状態を大幅に改善するのに十分な化合物の量を指す。通常、医薬組成物は、1~2000mgの本発明の化合物/剤、より好ましくは、5~200mgの本発明の化合物/剤を含む。好ましくは、前記「1剤」は、一つのカプセルまたは錠剤である。
【0049】
「薬学的に許容される担体」とは、ヒトへの使用に適し、十分な純度および十分に低い毒性を有していなければならない、一つまたは複数の適合性固体または液体の充填剤またはゲル物質を指す。「適合性」とは、組成物の各成分が、本発明の化合物およびそれらの間で、化合物の効力を顕著に低下させることなく、互いにブレンドすることができることを指す。薬学的に許容される担体の一部の例としては、セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース等)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば、大豆油、ごま油、落花生油、オリーブ油等)、ポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトール等)、乳化剤(例えば、トゥイーンR)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、着色剤、香味剤、安定剤、抗酸化剤、防腐剤、パイロジェンフリー水等を含む。
【0050】
本発明の化合物または医薬組成物の投与方式は、特に限定されず、代表的な投与方式は、経口、腫瘍内、直腸、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)、および局所投与を含む(これらに限定されない)。
【0051】
経口投与用の固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤および顆粒剤を含む。これらの固形剤形において、活性化合物は、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の少なくとも一つの従来の不活性賦形剤(または担体)と混合されるか、または(a)テンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸等の充填剤または相溶化剤、(b)ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴム等の結合剤、(c)グリセリン等の保湿剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモテンプンジャガイモデンプンまたはタピオカテンプンタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム等の崩壊剤、(e)パラフィン等の遅延溶剤、(f)第四級アミン化合物等の吸収促進剤、(g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリル等の湿潤剤、(h)カオリン等の吸着剤、ならびに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム)、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等の潤滑剤、またはその混合物等の成分と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤において、剤形は、緩衝剤も含むことができる。
【0052】
錠剤、シュガーピル、カプセル剤、丸剤および顆粒剤等の固形剤形は、腸溶性コーティングおよび当技術分野で公知の他の材料等の、コーティングおよびシェル材料を用いて調製することができる。それらは、乳白剤を含むことができ、また、このような組成物の活性化合物または化合物の放出は、消化管の特定の部分で遅延的な方式で放出することができる。使用可能な埋め込み成分の例としては、高分子物質およびワックスである。必要に応じて、活性化合物は、一つまたは複数の上記賦形剤とマイクロカプセルを形成することができる。
【0053】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳濁液、溶液、懸濁液、シロップまたはチンキ剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、水または他の溶媒等の当技術分野で従来から使用される不活性希釈剤、および例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、ジメチルホルムアミドおよび油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、蓖麻子油およびごま油またはこれらの物質の混合物等の可溶化剤および乳化剤を含むことができる。
【0054】
これらの不活性希釈剤に加えて、組成物は、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤和香料等の補助剤も含むことができる。
活性化合物に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよび脱水ソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメトキシドおよび寒天またはこれらの物質の混合物等の懸濁剤を含むことができる。
【0055】
非経口注射用の組成物は、生理学的に許容される滅菌含水または無水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および滅菌注射可能な溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末を含むことができる。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒または賦形剤は、水、エタノール、ポリオールおよびその適切な混合物を含む。
【0056】
局所投与に使用される本発明の化合物の剤形は、軟膏剤、粉末剤、パッチ剤、スプレー剤および吸入剤を含む。有効成分は、無菌条件下で、生理学的に許容される担体および任意の防腐剤、緩衝剤、または必要に応じて必要となる可能性のある推進剤と一緒に混合される。
本発明の化合物は、単独で、または他の薬学的に許容される化合物と併用して投与されることができる。
【0057】
医薬組成物が使用される場合、安全かつ流行量の本発明の化合物が、治療を必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)に適用され、ここで、投与時の投与量は、考慮される有効用量であり、体重60kgの人の場合、一日量は、通常1~2000mg、好ましくは、5~500mgである。もちろん、具体的な投与量は、投与経路、患者の健康状況等の要因も考慮に入れる必要があり、これらは、すべて熟練した医師のスキルの範囲内である。
【0058】
本発明の主な利点は、次のとおりである。
1.式Iに示されるような化合物を提供する。
2.非常に低い濃度でKAT6の活性を阻害できる、新規構造のKAT6阻害剤、その調製および応用を提供する。
3.経口吸収性に優れたKAT6阻害剤を提供する。
4.KAT6活性関連疾患を治療するための医薬組成物を提供する。
【0059】
以下、本発明は、具体的実施例と併せてさらに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例において、具体的条件を示さない実験方法は、通常従来の条件または製造業者によって提案された条件に従う。特に明記されない限り、パーセンテージと部数とは、重量で計算される。
【0060】
本発明の代表的な化合物の一部は、以下の合成法によって調製されることができ、以下の各反応式において、各段階の試薬および条件は、当技術分野で当該タイプの調製方法に用いられる慣用の試薬または条件から選択されることができ、本発明の化合物の構造が開示された後、当業者は、当該技術分野での知識に基づいて上記の選択を実行することができる。
【0061】
化合物の一般的な合成法
本発明の一部の化合物は、以下の方法によって調製されることができる。
反応式1:
【化29】
化合物(VIIIa)は、特許WO2020254946の方法を使用して合成することができ、化合物(VIIIb)は、関連する参照文献を使用して合成することができる。不活性溶媒において、化合物(VIIIa)と化合物(VIIIb)とを反応させて、化合物(VIII)を得る。上記反応式におけるAは、請求項1で定義されたとおりである。
【0062】
本発明の式(II)の化合物は、以下の方法によって調製されることができる。
反応式2:
【化30】
化合物(IIa)は、特許WO2020254946の方法を使用して合成することができる。不活性溶媒において、化合物(IIa)と化合物(IIb)とを反応させて、化合物(IIc)を得、化合物(IIc)と対応する中間体または試薬とを、金属触媒によるカップリング反応または置換反応を経て、目的化合物(II)を合成する。上記反応式におけるR
2、R
3、R
7、R
8、R
9、R
10、n、m、h、j、DおよびEは、特許請求の範囲と同様である。
【0063】
本発明の式(III)の化合物は、以下の方法によって調製されることができる。
反応式3:
【化31】
不活性溶媒において、化合物(IIc)と化合物(IIIa)とを、金属触媒によるカップリング反応または置換反応を経て、目的化合物(IIIb)を合成し、化合物(IIIb)とwittigとを反応させて、化合物(III)を得る。上記反応式におけるR
2、R
7、R
8、R
9、R
10、R
12、R
13、R
14、p、q、h、j、m、t、DおよびUは、特許請求の範囲と同様である。
【0064】
本発明の式(IV)の化合物は、以下の方法によって調製されることができる。
反応式4:
【化32】
不活性溶媒において、化合物(IIc)と化合物(IVa)とを、金属触媒によるカップリング反応を経て、化合物(IV)を得る。上記反応式におけるR
2、R
4、R
7、R
8、R
9、R
10、h、jおよびmは、特許請求の範囲と同様である。
【0065】
本発明の式(V)の化合物は、以下の方法によって調製されることができる。
反応式5:
【化33】
【0066】
不活性溶媒において、化合物(Va)とクロロスルホン酸とを反応させて、化合物(Vb)を得、化合物(Vb)と化合物(IIa)とを反応させて、化合物(Vc)を得、化合物(Vc)とをwittig反応させて、化合物(V)を得る。上記反応式におけるR2、R6、R7、R8、R9、R10、Rh、Ri、a、b、f、g、hおよびjは、特許請求の範囲と同様である。
【0067】
本発明の式(VI)の化合物は、以下の方法によって調製されることができる。
反応式6:
【化34】
【0068】
不活性溶媒において、化合物(Vb)と化合物(VIa)とを反応させて、化合物(VIb)を得、化合物(VIb)とをwittig反応させて、化合物(VIc)を得、脱保護して、化合物(VId)を得る。化合物(VIe)は、特許WO2020216701の方法を使用して合成する。化合物(VId)と化合物(VIe)とを反応させて、化合物(VI)を得る。上記反応式におけるR2、R6、R11、Rh、Ri、X、a、b、g、fおよびkは、特許請求の範囲と同様である。
【0069】
本発明の式(VII)の化合物は、以下の方法によって調製されることができる。
反応式7:
【化35】
【0070】
不活性溶媒において、化合物(IIb)と化合物(VIa)とを反応させて、化合物(VIIa)を得、金属触媒によるカップリング反応または置換反応を経て、化合物(VIIb)を得、化合物(VIIb)をwittig反応させて、化合物(VIIc)を得、化合物(VIIc)を脱保護して、化合物(VIId)を得る。化合物(VIe)は、特許WO2020216701の方法を使用して合成する。化合物(VIId)と化合物(VIe)とを反応させて、化合物(VII)を得る。上記反応式におけるR2、R11、R12、R13、R14、X、D、U、p、q、t、m、およびkは、特許請求の範囲と同様である。
【0071】
【0072】
化合物1aは、特許WO20130158004の方法を使用して合成する。化合物1a(205mg、0.80mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解させ、窒素ガス雰囲気下で-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.35mL、2.5Mのn-ヘキサン溶液)を滴下する。反応液を保温し、1時間攪拌する。ビス(二酸化硫黄)-1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン付加物(115mg、0.48mmol)を加える。反応混合物を室温にゆっくりと昇温させ、1時間攪拌する。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をメチルt-ブチルエーテルで洗浄およびろ過して、固体化合物1b(180mg、91%)を得、次の段階の反応に直接使用する。
【0073】
化合物1b(203mg、0.82mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、氷浴下でクロロブチルラクチム(109mg、0.82mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間攪拌する。反応混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物1c(94mg、42%)を得る。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ=7.78(d,J=9.0Hz,1H),6.41(d,J=2.0Hz,1H),6.36(dd,J=9.0Hz,J=2.0Hz,1H),4.68-4.62(m,1H),2.44-2.38(m,2H),2.17-2.10(m,2H),1.89-1.80(dd,J=21.0,10.4,1H),1.72-1.62(m,1H)ppm。
【0074】
化合物1dは、特許WO2020254946の方法を使用して合成する。化合物1c(30mg、0.11mmol)をピリジン(0.2mL)に溶解させ、化合物1d(13mg、0.05mmol)を加える。反応混合物を密閉管内に入れ、120℃に加熱して2時間攪拌する。反応液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物1(5mg、20%)を得る。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.05-7.94(m,2H),7.60(s,1H),7.46(s,1H),6.79(s,1H),6.50(s,1H),6.42(dd,J=8.8,1.8Hz,1H),6.37-6.31(m,2H),5.41(s,2H),4.69-4.61(m,1H),3.96(s,3H),3.84(s,3H),2.48-2.38(m,2H),2.19-2.08(m,2H),1.91-1.83(m,1H),1.74-1.65(m,1H)。MS m/z 485.4M+H]+。
【0075】
【0076】
p-メトキシブロモベンゼン2a(1.0g、5.38mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、氷浴下でクロロスルホン酸(1.0mL)を滴下し、反応液を室温で3時間攪拌する。反応液を氷水に注ぎ、ジクロロメタン(20mL×3)で3回抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物2b(1.4g、92%)を得る。
【0077】
化合物1dは、特許WO2020254946の方法を使用して合成する。化合物2b(70mg、0.25mmol)をピリジン(0.2mL)に溶解させ、化合物1d(30mg、0.12mmol)を加える。反応混合物を密閉管内に入れ、120℃で2時間加熱攪拌する。反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物2c(30mg、50%)を得る。MS m/z 493.3[M+H]+。
【0078】
化合物2c(25mg、0.05mmol)、メタンスルホン酸(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(4mg、0.005mmol)、2-ジシクロヘキシルホスホン-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(5mg、0.01mmol)、ナトリウムt-ブトキシド(19mg、0.20mmol)およびシクロプロピルアミン塩酸塩(14mg、0.15mmol)を1,4-ジオキサン(0.5mL)に溶解させ、反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、90℃に加熱して3時間攪拌する。TLCによって反応終了をモニタリングする。反応混合物を硅藻土でろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物2(3mg、13%)を得る。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.08(s,1H),7.56(d,J=1.2Hz,1H),7.43(d,J=2.0Hz,1H),7.29(br,1H),6.84(d,J=8.8Hz,1H),6.78(s,1H),6.73(br,1H),6.44(s,1H),6.31(t,J=1.9Hz,1H),5.37(s,2H),3.95(s,3H),3.95-3.91(m,4H),3.83(s,3H),2.43-2.36(m,2H)ppm。MS m/z 470.4[M+H]+。
【0079】
実施例3:化合物3の調製
【化38】
化合物2c(28mg、0.06mmol)、トリメチルシリルアセチレン(11mg、0.11mmol)、Pd(dppf)Cl
2(9mg、0.01mmol)、トリt-ブチルホスフィン(6mg、0.03mmol)およびヨウ化銅(2mg、0.01mmol)をテトラヒドロフラン/トリエチルアミン(0.5mL/0.5mL)の混合溶液に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、90℃で3時間加熱攪拌する。反応液を硅藻土でろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物3a(9mg、31%)を得る。MS m/z 511.4[M+H]
+。
【0080】
化合物3a(9mg、0.02mmol)をアセトニトリル(1mL)に溶解させ、炭酸カリウム(5mg、0.04mmol)を加える。反応混合物を室温で2時間攪拌する。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、粗生成物を分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物3(4mg、49%)を得る。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.27(d,J=2.1Hz,1H),7.63(dd,J=8.6Hz,J=2.1Hz,1H),7.57(d,J=1.6Hz,1H),7.44(d,J=2.2Hz,1H),6.90(d,J=8.6Hz,1H),6.79(s,1H),6.45(s,1H),6.32(t,J=2.1Hz,1H),5.38(s,2H),3.96(s,3H),3.92(s,3H),3.07(s,1H)ppm。MS m/z 439.3[M+H]+。
【0081】
【0082】
化合物4a(5.0g、23.03mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、氷浴下でクロロスルホン酸(3.0mL)を滴下し、反応液を室温で1時間攪拌する。反応液を氷水に注ぎ、ジクロロメタン(20mL×3)で3回抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物4b(500mg)を得る。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 6.82(s,2H),3.98(s,6H)。
【0083】
化合物4b(150mg、0.48mmol)をピリジン(0.2mL)に溶解させ、化合物1d(58mg、0.24mmol)を加える。反応混合物を密閉管内に入れ、120℃に加熱して2時間攪拌する。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物4c(55mg、44%)を得る。MS m/z 523.0[M+H]+。
【0084】
化合物4c(35mg、0.07mmol)、トリエチルアミン(0.2mL)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(5mg、0.007mmol)およびトリメチルシリルアセチレン(20mg、0.21mmol)をジメチルスルホキシド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物4d(27mg、75%)を得る。MS m/z 541.2[M+H]+。
【0085】
化合物4d(27mg、0.05mmol)をメタノール(1mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.2mL)の混合溶液に溶解させ、炭酸カリウム(35mg、0.25mmol)を加える。反応混合物を室温で2時間攪拌する。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、粗生成物を分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物4(14mg、61%)を得る。MS m/z 469.0[M+H]+。1H NMR(500MHz、CDCl3-d)δ 8.18(s,1H),7.58(d,J=1.9Hz,1H),7.45(d,J=2.3Hz,1H),6.79(s,1H),6.68(s,2H),6.45(s,1H),6.33(t,J=2.1Hz,1H),5.39(s,2H),3.96(s,3H),3.87(s,6H),3.21(s,1H)ppm。
【0086】
実施例5:化合物5の調製
【化40】
化合物2c(20mg、0.04mmol)、ナトリウムt-ブトキシド(12mg、0.12mmol)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)メタンスルホン酸パラジウム(II)(2.6mg、0.003mmol)、2-ジシクロヘキシルホスホン-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(2.6mg、0.006mmol)およびメチルピペラジン(12mg、0.12mmol)をジメチルアセトアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、85℃で3時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物5(8mg、38%)を得る。MS m/z 513.2[M+H]
+。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 9.90(s,1H),7.86(d,J=2.1Hz,1H),7.49(d,J=2.0Hz,1H),7.39(d,J=3.0Hz,1H),7.11(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),7.00(d,J=9.0Hz,1H),6.73(s,1H),6.65(s,1H),6.29(t,J=2.0Hz,1H),5.41(s,2H),3.83(s,3H),3.68(s,3H),3.09(m,4H),2.74(m,4H),2.42(s,3H)。
【0087】
実施例6:化合物6の調製
【化41】
化合物2c(20mg、0.04mmol)、炭酸セシウム(40mg、0.12mmol)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)メタンスルホン酸パラジウム(II)(2.6mg、0.003mmol)、2-ジシクロヘキシルホスホン-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(2.6mg、0.006mmol)およびモルホリン(11mg、0.12mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で3時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物6(4mg、20%)を得る。MS m/z 500.1[M+H]
+。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 10.05(s,1H),7.87(d,J=2.2Hz,1H),7.49(d,J=2.2Hz,1H),7.33(d,J=3.0Hz,1H),7.15(m,2H),6.78(m,2H),6.30(t,J=2.0Hz,1H),5.43(s,2H),3.83(s,3H),3.73-3.66(m,7H),3.10-2.90(m,4H)。
【0088】
実施例7:化合物7の調製
【化42】
化合物2c(20mg、0.04mmol)、炭酸セシウム(40mg、0.12mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2.8mg、0.004mmol)、シクロプロアセチレン(8mg、0.12mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物6(5mg、26%)を得る。MS m/z 479.1[M+H]
+。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 10.46(s,1H),7.88(d,J=2.0Hz,1H),7.70(d,J=2.0Hz,1H),7.64-7.58(m,1H),7.50(d,J=1.3Hz,1H),7.17(d,J=8.7Hz,1H),6.85(s,1H),6.75(s,1H),6.31-6.29(m,1H),5.44(s,2H),3.81(s,3H),3.78(s,3H),1.54-1.49(m,1H),0.89-0.83(m,2H),0.73-0.75(m,2H)。
【0089】
【0090】
化合物2b(140mg、0.49mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解させ、室温でアンモニアメタノール溶液(7M、1.0mL、7mmol)を滴下し、反応液を室温で1時間攪拌する。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物8a(100mg、77%)を得る。
【0091】
化合物8bは、特許WO2020216701の方法を使用して合成する。化合物8a(50mg、0.19mmol)、化合物8b(47mg、0.21mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(107mg、0.76mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジニルヘキサフルオロリン酸塩(130mg、0.23mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物8c(50mg、59%)を得る。MS m/z 453.0[M+H]+。
【0092】
化合物8c(25mg、0.06mmol)、炭酸セシウム(54mg、0.17mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(3.9mg、0.006mmol)、シクロプロアセチレン(11mg、0.17mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物8(11mg、46%)を得る。MS m/z 439.0[M+H]+。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ 12.55(s,1H),7.91(br,1H),7.80(d,J=2.1Hz,1H),7.63(s,1H),7.55(d,J=8.8Hz,1H),7.18(d,J=7.8Hz,1H),6.85(d,J=8.8Hz,1H),6.77(s,1H),3.86(s,3H),2.98(s,6H),1.58-1.52(m,1H),0.90-0.87(m,2H),0.80-0.74(m,2H)。
【0093】
実施例9:化合物9の調製
【化44】
化合物4c(80mg、0.15mmol)、プロピン(1M、0.45mL)、炭酸セシウム(149mg、0.46mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(14mg、0.02mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で100℃で3時間加熱攪拌する。反応液を硅藻土でろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、化合物9(7mg、9%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 9.85(s,1H),7.88(d,J=2.1Hz,1H),7.50(d,J=1.4Hz,1H),6.90-6.70(m,4H),6.30(t,J=2.0Hz,1H),5.44(s,2H),3.84(s,3H),3.74(s,6H),2.07(s,3H)ppm。MS m/z 483.0M+H]
+。
【0094】
実施例10:化合物10の調製
【化45】
化合物4c(50mg、0.10mmol)、シクロプロピルアセチレン(13mg、0.19mmol)、炭酸セシウム(93mg、0.29mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(13mg、0.02mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で100℃で3時間加熱攪拌する。反応液を硅藻土でろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、化合物10(12mg、25%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 9.79(brs,1H),7.88(d,J=2.1Hz,1H),7.50(d,J=1.4Hz,1H),6.82(s,1H),6.77-6.68(m,3H),6.30(t,J=2.0Hz,1H),5.44(s,2H),3.85(s,3H),3.74(s,6H),1.60-1.53(m,1H),0.95-0.89(m,2H),0.80-0.73(m,2H)ppm。MS m/z 508.9[M+H]
+。
【0095】
実施例11:化合物11の調製
【化46】
化合物11aは、特許WO200610629の方法を使用して合成する。化合物11a(300mg、1.05mmol)をピリジン(1.2mL)に溶解させ、化合物1d(128mg、0.53mmol)を加える。反応混合物を密閉管内に入れ、120℃に加熱して2時間攪拌する。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物11b(100mg、39%)を得る。MS m/z 494.9[M+H]
+。
【0096】
化合物11b(18mg、0.04mmol)、トリエチルアミン(0.2mL)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2mg、0.003mmol)およびトリメチルシリルアセチレン(12mg、0.12mmol)をジメチルスルホキシド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物11c(5mg、27%)を得る。MS m/z 511.1[M+H]+。
【0097】
化合物11c(5mg、0.01mmol)をメタノール(1mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.2mL)に溶解させ、炭酸カリウム(4mg、0.03mmol)を加える。反応混合物を室温で2時間攪拌する。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、粗生成物を分取型薄層プレート(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、白色の固体化合物11(2mg、47%)を得る。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.08(d,J=8.1Hz,1H),8.02(s,1H),7.57(d,J=1.2Hz,1H),7.43(d,J=2.0Hz,1H),7.20(d,J=8.1Hz,1H),7.03(s,1H),6.79(s,1H),6.45(s,1H),6.32(t,J=2.0Hz,1H),5.38(s,2H),3.96(s,3H),3.91(s,3H),3.24(s,1H)ppm。MS m/z 439.0[M+H]+。
【0098】
実施例12:化合物12の調製
【化47】
化合物11b(18mg、0.04mmol)、炭酸セシウム(40mg、0.12mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2.8mg、0.004mmol)、シクロプロアセチレン(8mg、0.12mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレート(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、白色の固体化合物12(10mg、57%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 10.34(s,1H),7.87(d,J=2.1Hz,1H),7.71(d,J=8.1Hz,1H),7.50(d,J=1.6Hz,1H),7.13(s,1H),7.05(d,J=8.1Hz,1H),6.83(s,1H),6.73(s,1H),6.30(t,J=2.1Hz,1H),5.44(s,2H),3.81(s,3H),3.76(s,3H),1.58(m,1H),0.97-0.87(m,2H),0.80-0.70(m,2H)ppm。MS m/z 479.1[M+H]
+。
【0099】
実施例13:化合物13の調製
【化48】
化合物2c(30 m,0.06mmol)、プロピンのテトラヒドロフラン溶液(1M、0.30mL)、炭酸セシウム(60mg、0.18mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(8mg、0.01mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で100℃で3時間加熱攪拌する。反応液を硅藻土でろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、化合物13(1.60mg、6%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 10.50(s,1H),7.87(d,J=1.6Hz,1H),7.73(br,1H),7.62(br,1H),7.49(s,1H),7.18(br,1H),6.84(br,1H),6.74(br,1H),6.30(s,1H),5.44(s,2H),3.81(s,3H),3.78(s,3H),2.02(s,3H)。MS m/z 453.0[M+H]
+。
【0100】
実施例14:化合物14の調製
【化49】
化合物4c(60mg、0.11mmol)、3-エチニルオキセタン(19mg、0.23mmol)、炭酸セシウム(112mg、0.34mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(13mg、0.12mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で100℃で2時間加熱攪拌する。反応液を硅藻土でろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、化合物14(13mg、22%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 9.88(s,1H),7.88(d,J=2.0Hz,1H),7.50(d,J=1.4Hz,1H),6.86-6.80(m,3H),6.76(s,1H),6.30(t,J=2.0Hz,1H),5.45(s,2H),4.80(dd,J=8.5,5.5Hz,2H),4.62(dd,J=7.0,5.5Hz,2H),4.22-4.14(m,1H),3.85(s,3H),3.77(s,6H)ppm。MS m/z 525.0[M+H]
+。
【0101】
実施例15:化合物15の調製
【化50】
化合物4c(60mg、0.11mmol)、化合物15a(40mg、0.34mmol)、炭酸セシウム(112mg、0.11mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(16mg、0.02mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で100℃で2時間加熱攪拌する。反応液を硅藻土でろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、化合物15(14mg、22%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 9.90(s,1H),7.89(d,J=2.1Hz,1H),7.50(d,J=1.3Hz,1H),6.83(s,1H),6.80(s,2H),6.76(s,1H),6.31(t,J=2.0Hz,1H),5.45(s,2H),3.85(s,3H),3.76(s,6H),3.32-3.25(m,1H),3.10-3.00(m,2H),2.81-2.69(m,2H)ppm。MS m/z 559.0[M+H]
+。
【0102】
実施例16:化合物16の調製
【化51】
化合物11b(28mg、0.06mmol)、炭酸セシウム(59mg、0.18mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2mg、0.003mmol)、プロピン(24mg、0.6mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で一晩加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレート(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、白色の固体化合物16(22mg、86%)を得る。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ 8.06-7.97(m,2H),7.57(d,J=1.6Hz,1H),7.43(d,J=2.1Hz,1H),7.08(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),6.92(d,J=1.0Hz,1H),6.79(s,1H),6.44(s,1H),6.32(t,J=2.1Hz,1H),5.38(s,2H),3.96(s,3H),3.88(s,3H),2.05(s,3H)ppm。MS m/z 453.0[M+H]
+。
【0103】
実施例17:化合物17の調製
【化52】
化合物11b(20mg、0.04mmol)、ナトリウムt-ブトキシド(31mg、0.32mmol)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)メタンスルホン酸パラジウム(II)(2.6mg、0.003mmol)、2-ジシクロヘキシルホスホン-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(2.6mg、0.006mmol)および化合物2d(19mg、0.2mmol)をジメチルアセトアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、90℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレート(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、白色の固体化合物17(8mg、42%)を得る。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ 7.97(s,1H),7.88(d,J=8.7Hz,1H),7.61(s,1H),7.50(s,1H),6.77(s,1H),6.50(s,1H),6.36(s,1H),5.97(dd,J=8.7,1.9Hz,1H),5.71(d,J=1.9Hz,1H),5.42(s,2H),3.99-3.92(m,7H),3.83(s,3H),2.47-2.35(m,2H)ppm。MS m/z 470.0[M+H]
+。
【0104】
実施例18:化合物18の調製
【化53】
化合物18a(1.6g、5.11mmol)、チオ酢酸カリウム(875mg、7.66mmol)、1,10-フェナントロリン(460mg、2.56mmol)およびヨウ化銅(460mg、2.56mmol)をトルエン(15mL)に溶解させ、反応液を100℃で20時間攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)で3回抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、赤褐色の固体化合物18b(1.0g、75%)を得る。
【0105】
N-クロロスクシンイミド(2.3g、17.2mmol)を塩酸水溶液(2M、2mL)およびアセトニトリル(10mL)の混合溶液に溶解させ、室温で化合物18b(1.1g、4.2mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液を滴下する。滴下終了後、反応液を室温で1時間攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)で3回抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物18c(1.0g、83%)を得る。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.47-7.39(m,2H),7.10(dd,J=7.5,2.1Hz,1H),4.05(s,3H)。
【0106】
化合物18c(117mg、0.41mmol)をピリジン(0.2mL)に溶解させ、化合物1d(50mg、0.20mmol)を得る。反応混合物を密閉管内に入れ、120℃に加熱して1時間攪拌する。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物18d(50mg、50%)を得る。MS m/z 492.8[M+H]+。
【0107】
化合物18d(25mg、0.05mmol)、トリエチルアミン(0.2mL)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(5mg、0.007mmol)およびトリイソプロピルシリルアセチレン(27mg、0.15mmol)をジメチルスルホキシド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で一晩加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物18e(25mg、83%)を得る。MS m/z 595.1[M+H]+。
【0108】
化合物18e(10mg、0.017mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させ、フッ化セシウム(15mg、0.1mmol)を加える。反応混合物を室温で5時間攪拌する。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を分取型薄層プレート(ジクロロメタン:メタノール=20:1)によって分離および精製して、白色の固体化合物18(3mg、収率40%)を得る。MS m/z 439.0[M+H]+。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 8.18(s,1H),7.67(s,1H),7.53(s,1H),7.42(t,J=8.1Hz,1H),7.29(d,J=7.7Hz,1H),6.96(d,J=8.4Hz,1H),6.83(s,1H),6.66(s,1H),6.40(s,1H),5.49(s,2H),3.99(s,3H),3.91(s,3H),3.58(s,1H)。
【0109】
実施例19:化合物19の調製
【化54】
化合物4c(25mg、0.05mmol)、炭酸セシウム(46mg、0.14mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2.8mg、0.004mmol)、3-アルキニル基ピリジン(25mg、0.24mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレート(メタノール:ジクロロメタン=1:20、V:V)によって分離および精製して、白色の固体化合物19(12mg、46%)を得る。MS m/z 546.1[M+H]
+。
【0110】
実施例20:化合物19’の調製
【化55】
化合物4b(150mg、0.48mmol)をピリジン(0.2mL)に溶解させ、化合物1d(58mg、0.24mmol)を加える。反応混合物を密閉管内に入れ、120℃に加熱して2時間攪拌する。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、白色の固体化合物19’a(10mg、8%)を得る。MS m/z 508.9[M+H]
+。
化合物19’a(10mg、0.02mmol)、炭酸セシウム(19mg、0.06mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(1.4mg、0.002mmol)、3-アルキニル基ピリジン(10mg、0.10mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物19’(2mg、19%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 14.01(s,1H),8.77(d,J=1.1Hz,1H),8.60(dd,J=4.8,1.3Hz,1H),8.02 -7.97(m,1H),7.86(d,J=1.6Hz,1H),7.51 -7.44(m,2H),6.69 -6.52(m,4H),6.30(t,J=1.9Hz,1H),5.41(s,2H),3.83(s,3H),3.78(s,3H).MS m/z 532.0[M+H]
+。
【0111】
実施例21:化合物20の調製
【化56】
化合物4c(30mg、0.06mmol)、炭酸セシウム(60mg、0.18mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2.0mg、0.003mmol)、3-エチニル基-1-アゼチジンカルボン酸(41mg、0.23mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物20(25mg、70%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 9.81(s,1H),7.87(d,J=1.6Hz,1H),7.50(d,J=1.0Hz,1H),6.85 -6.80(m,3H),6.75(s,1H),6.34 -6.24(m,1H),5.45(s,2H),4.21 -4.12(m,2H),3.90 -3.81(m,5H),3.77(s,6H),3.73 -3.62(m,1H),1.38(s,9H)。MS m/z 624.1[M+H]
+。
【0112】
実施例22:化合物21の調製
【化57】
化合物20(7mg、0.01mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.3mL)を加える。反応混合物を室温で2時間攪拌する。反応液を減圧濃縮して、固体化合物21(6.9mg、100%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 9.92(s,1H),8.86(s,2H),7.88(d,J=1.7Hz,1H),7.50(d,J=1.1Hz,1H),6.86 -6.72(m,4H),6.30(t,J=1.9Hz,1H),5.45(s,2H),4.31 -4.15(m,2H),4.11 -3.92(m,3H),3.86(s,3H),3.77(s,6H)。MS m/z 524.1[M+H]
+。
【0113】
実施例23:化合物22の調製
【化58】
化合物21のトリフルオロ酢酸塩(20mg、0.03mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、ホルムアルデヒド水溶液(0.1mL、37%)を加える。反応混合物を室温で1時間攪拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(40mg、0.19mmol)を加える。反応液を室温で1時間攪拌する。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を分取型薄層プレート(ジクロロメタン:メタノール=10:1)によって分離および精製して、白色の固体化合物22(3mg、収率17%)を得る。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ 9.82(s,1H),7.87(s,1H),7.50(s,1H),6.92 -6.62(m,4H),6.38 -6.19(m,1H),5.44(s,2H),3.85(s,3H),3.74(s,6H),3.64 -3.57(m,2H),3.48 -3.40(m,1H),3.17 -3.09(m,2H),2.27(s,3H)。MS m/z 538.0[M+H]
+。
【0114】
実施例24:化合物23の調製
【化59】
化合物18d(40mg、0.08mmol)、炭酸セシウム(80mg、0.24mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2.8mg、0.004mmol)、1-(トリメチルシリル)プロピン(45mg、0.4mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を分取型薄層プレート(ジクロロメタン:メタノール=20:1)によって分離および精製して、白色の固体化合物23(3mg、8%)を得る。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ 8.18(s,1H),7.64(s,1H),7.50(s,1H),7.35(t,J=8.1Hz,1H),7.16(d,J=7.8Hz,1H),6.91 -6.75(m,2H),6.59(s,1H),6.38(s,1H),5.45(s,2H),3.98(s,3H),3.87(s,3H),2.13(s,3H).MS m/z 452.9[M+H]
+。
【0115】
【0116】
化合物11b(25mg、0.05mmol)、炭酸セシウム(49mg、0.15mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2.0mg、0.003mmol)、3-エチニル-1-アゼチジンカルボン酸(24a、28mg、0.15mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させる。反応混合物を窒素ガス雰囲気下で密閉管内に入れ、100℃で2時間加熱攪拌する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、分取型薄層プレートによって分離および精製して、白色の固体化合物24b(20mg、67%)を得る。MS m/z 594.0[M+H]+。
【0117】
化合物24b(20mg、0.03mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.3mL)を加える。反応混合物を室温で2時間攪拌する。反応液を減圧濃縮して、固体化合物24c(20mg、100%)を得る。MS m/z 494.0[M+H]+。
【0118】
化合物24c(20mg、0.03mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解させ、ホルムアルデヒド水溶液(0.1mL、37%)を加える。反応混合物を室温で1時間攪拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(40mg、0.19mmol)を加える。反応液を室温で1時間攪拌する。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を分取型薄層プレート(ジクロロメタン:メタノール=10:1)によって分離および精製して、白色の固体化合物24(3mg、収率18%)を得る。1H NMR(500MHz、DMSO)δ 10.19(br,1H),7.85(d,J=2.2Hz,1H),7.74(d,J=8.0Hz,1H),7.50 -7.46(m,1H),7.08 -7.04(m,1H),7.01(dd,J=8.0,1.3Hz,1H),6.66(s,1H),6.60(s,1H),6.28(t,J=2.0Hz,1H),5.39(s,2H),3.92(t,J=7.6Hz,2H),3.81(s,3H),3.74(s,3H),3.69 -3.61(m,1H),3.61 -3.52(m,2H),2.52(s,3H)。MS m/z 508.0[M+H]+。
【0119】
実施例26:化合物によるKAT6A酵素活性の阻害:
1x実験緩衝液(改良Tris緩衝液)を準備し、化合物を100%DMSOで10mMストック溶液に調製し、一定の濃度勾配に従って希釈する。オートサンプラーEchoを使用して化合物を384ウェルプレートに移し、DMSOの最終濃度は、1%である。1xKAT6A酵素(触媒ドメイン)溶液を準備する。[3H]-アセチル補酵素A(PERKIN ELMER、Cat.No.NET290250UC)および基質ペプチドセグメントH3(1-21)の混合溶液を準備する。10μLの酵素溶液を384ウェルに移し、室温で15分間インキュベートする。10μLの[3H]-アセチル補酵素Aおよび基質ペプチドセグメントH3(1-21)の混合溶液をウェルに加え、反応を開始する。室温で1時間インキュベートする。10μLの停止液を加えて反応を停止する。25μLの反応溶液をFlashplate(Perkin Elmer、Cat.No.SMP410A001PK)に移し、室温で1時間インキュベートする。Microbetaを使用してプレートを読み取る。Excelで式阻害(inhibition)%=(Max-シグナル(Signal))/(Max-Min)×100%を使用して、化合物の阻害率を計算する。ここで、maxとは、DMSO対照の数値を指し、minとは、酵素活性のない対照の数値を指し、シグナル(signal)とは、試験化合物ウェルの数値を指す。XLFitソフトウェアを使用して、曲線をフィッティング氏、且つIC
50を計算する。いくつかの代表的な化合物の活性は、表1に示されたとおりである。
【表1】
【0120】
実施例27:ラット体内における薬物動態研究
機器:Waters製XEVO TQ-S液体質量分析計、すべての測定データは、Masslynx V4.1ソフトウェアによって収集および処理され、Microsoft Excelを使用してデータを計算および処理する。WinNonLin 8.0ソフトウェアを使用して、モーメントの統計方法を使用して、薬物動態パラメーターを計算する。これは、主にダイナミクスパラメーターTmax、T1/2、Cmax、AUC0-24h等を含む。クロマトグラフィーカラム:ACQUITY UPLC BEH C18(2.1mm×50mm、1.7μm)、カラム温度40℃、移動相Aは、水(0.1%ギ酸)であり、移動相Bは、アセトニトリルであり、流速は、0.350mL/分間であり、勾配溶出を使用し、溶出勾配は、0.50分間:10%B、1.50分間:90%B、2.50分間:90%B、2.51分間:10%B、3.50分間:停止である。注入量:1μL。
【0121】
動物:SDオスラット3匹、体重範囲200~220g、購入後、実験動物センターの実験室で2日間飼育した後に使用し、投与前12時間および投与後4時間内は、絶食させ、試験中は、水を自由に摂取させる。ラット胃内投与後、所定の時点でラットから血液サンプルを採取する。
【0122】
溶媒:0.4%エタノール+0.4%Tween 80+99.2%(0.5%メチルセルロースM450)。胃内投与液の調製:化合物を精密に秤量し、溶媒に加え、室温で5分間超音波処理して薬物を完全に溶解させ、0.3mg/mLの薬液に調製する。
【0123】
薬物サンプル:一般に、類似した構造を有する複数のサンプル(分子量の差が2単位以上である)を採取し、正確に重量を秤量し、一緒に投与する(cassette PK)。これにより、複数の化合物を同時にスクリーニングし、それらの経口吸収率を比較することができる。単回投与を使用して、ラット体内における薬物サンプルの薬物動態を研究する。
【0124】
胃内投与の0.25、0.5、1、2、4、8、10および24時間後に眼窩から血液を採取する。50μLの血漿サンプルを採取し、200μLのアセトニトリル(内部標準ベラパミル2ng/mLを含む)を加え、3分間ボルテックスした後、20000rcf、4℃で10分間遠心分離し、上清液を採取してLC-MS/MS分析を実行する。
【0125】
化合物を正確に秤量し、様々な濃度に調製し、質量分析計で定量分析を実行して標準曲線を作成し、次いで上記血漿中の化合物の濃度を試験して、異なる時点での化合物の濃度を得る。すべての測定データは、関連するソフトウェアによって収集および処理され、モーメントの統計方法を使用して、薬物動態パラメーターを計算する(主にダイナミクスパラメーターT
max、T
1/2、C
max、AUC
0-24h等を含む)。一部の代表的な化合物のダイナミクスパラメーターは、表2に示されたとおりである。
【表2】
【0126】
本発明で言及されたすべての文書は、あたかも各文書が個別に参照として引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も、本出願の添付の請求範囲によって定義される範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)に示されるような構造を有する化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物であって、
【化1】
式(I)において、
Aは、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、または式(Id)から選択され、
【化2】
ここで、
【化3】
は、断片Aが式(I)の化合物の他の部分に連結される部位を表し、
【化4】
は、二重結合または三重結合を表し、三重結合の場合、R
5は、なしであり、
Bは、式(Ie)、式(If)、または式(Ig)から選択され、
【化5】
ここで、
【化6】
は、断片Bが式(I)の化合物の他の部分に連結される部位を表し、
R
1は、水素またはC
1-4アルキル基から選択され、
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
1-4アルコキシC
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルコキシC
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4ハロゲン化アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択され、ここで、各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、または3~8員複素環基から選択され、
Dは、化学結合、-O-、-S-、または-NR
e-から選択され、ここで、R
eは、水素、C
1-4アルキル基、またはC
3-6シクロアルキル基から選択され、Eは、C
3-8シクロアルキル基、3~10員複素環基、C
3-8シクロアルキルC
1-4アルキル基、または3~10員複素環C
1-4アルキル基から選択され、
各R
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
b、-C(O)R
g、-S(O)
2R
g、C
3-6シクロアルキル基、または3~8員複素環基から選択されるか、または二つのR
3は、シクロアルキル基または複素環式環の同じ炭素原子に連結され、且つ当該炭素原子と一緒になってC=Tを形成し、ここで、Tは、OまたはCR
12R
13から選択され、ここで、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、前記R
12またはR
13上のアルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
b、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、上記各R
bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、またはC
1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、R
gは、水素、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基から選択され、
R
4およびR
5は、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、NO
2、-C(O)R
m、-C(O)OR
a、-S(O)
2R
m、-C(O)NR
aR
a、-OC(O)R
m、-NR
aC(O)R
m、-NR
aS(O)
2R
m、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、R
mは、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、Tは、上記で定義されたとおりであり、
各R
6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、またはNR
bR
bから選択され、ここで、各R
bは、上記で定義されたとおりであり、
Mは、OまたはCR
hR
iから選択され、ここで、R
hおよびR
iは、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、ここで、前記アルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
b、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、ここで、各R
bは、上記で定義されたとおりであり、
各R
7は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、またはヘテロアリールC
1-4アルキル基から選択され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、
R
8およびR
9は、それぞれ独立して、水素、フッ素、C
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、ヒドロキシ基、またはC
3-6シクロアルキル基からなる群から選択されるか、またはR
8およびR
9は、それらが結合している炭素原子と一緒になって3~6員環状構造を形成し、この環状構造は、任意選択で、N、O、Sから選択される0、1、または2個のヘテロ原子を含み、
各R
10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aから選択され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、
Xは、O、S、またはNR
nから選択され、ここで、R
nは、水素またはC
1-4アルキル基から選択され、
各R
11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、CN、OR
a、SR
a、NR
cR
c、または-NR
dC(O)R
gから選択され、ここで、各R
aは、上記で定義されたとおりであり、各R
cは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
1-4アルコキシC
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基から選択され、R
dは、水素またはC
1-4アルキル基から選択され、R
gは、上記で定義されたとおりであり、
mは、0、1、2、3、または4から選択され、
nは、0、1、2、3、または4から選択され、
fは、0、1、2、または3から選択され、
gは、0、1、2、3、または4から選択され、
aおよびbは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、または5から選択され、前提条件は、aおよびbを同時に0から選択できないことであり、
hは、0、1、2、または3から選択され、
jは、0、1、2、または3から選択され、
kは、0、1、2、3、4、または5から選択され、
ここで、各上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基は、任意選択で、それぞれ独立して、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、CN、NO
2、OR
b、SR
b、NR
dR
d、-C(O)R
g、-C(O)OR
b、-C(O)NR
dR
d、-NR
dC(O)R
g、-NR
dS(O)
2R
g、または-S(O)
2R
gからなる群からそれぞれ独立して選択される1~3個の置換基によって置換され、前提条件は、形成された化学構造が安定していて意味のあることであり、ここで、R
b、R
d、およびR
gは、上記で定義されたとおりであり、
特に明記しない限り、上記アリール基は、6~12個の炭素原子を含む芳香族基であり、ヘテロアリール基は、5~15員(好ましくは5~12員)複素芳香族基であり、環状構造は、ヘテロ原子を含むか、またはヘテロ原子を含まない、飽和または不飽和の環状基であることを特徴とする、前記化合物。
【請求項2】
式(I)は、式(II)であり、
【化7】
R
2、R
3、R
7、R
8、R
9、R
10、D、E、m、n、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)は、式(III)であり、
【化8】
Uは、NまたはCR
kから選択され、ここで、R
kは、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基から選択され、
各R
14は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
bから選択され、
pおよびqは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、または6から選択され、前提条件は、pおよびqを同時に0から選択できないことであり、
tは、0、1、2、3、または4から選択され、
R
2、R
7、R
8、R
9、R
10、R
12、R
13、R
b、D、m、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式(I)は、式(IV)であり、
【化9】
R
2、R
4、R
7、R
8、R
9、R
10、m、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式(I)は、式(V)であり、
【化10】
R
2、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
h、R
i、a、b、f、g、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式(I)は、式(VI)であり、
【化11】
R
2、R
6、R
11、R
h、R
i、X、a、b、f、g、およびkは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物
【請求項7】
式(I)は、式(VII)であり、
【化12】
R
2、R
11、R
12、R
13、D、X、m、およびkは、請求項1で定義されたとおりであり、
U、R
14、p、q、およびtは、請求項3で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
式(I)は、式(VIII)であり、
【化13】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択され、ここで、各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、mは、0、1、または2から選択され、
R
4、R
7、R
8、R
9、R
10、h、およびjは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
式(I)は、式(IX)であり、
【化14】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、またはOR
aからなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、-C(O)R
m、-C(O)OR
a、-S(O)
2R
m、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~6員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、Tは、OまたはCR
12R
13から選択され、ここで、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、前記R
12またはR
13上のアルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
bからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、
各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、各R
bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、またはC
1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、R
mは、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
式(I)は、式(X)であり、
【化15】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、またはOR
aからなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3~9員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、NR
aR
a、-C(O)R
m、-C(O)OR
a、-S(O)
2R
m、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~6員複素環基、アリール基、またはヘテロアリール基からなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換されるか、または前記シクロアルキル基または複素環基は、=Tによって置換され、ここで、Tは、OまたはCR
12R
13から選択され、ここで、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはC
1-4アルキル基から選択され、前記R
12またはR
13上のアルキル基は、ハロゲン、C
1-4ハロゲン化アルキル基、CN、OR
b、SR
b、NR
bR
bからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、
各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、各R
bは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、またはC
1-4ハロゲン化アルキル基から選択され、R
mは、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
式(I)は、式(XI)であり、
【化16】
各R
2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
1-4アルコキシC
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルコキシC
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4ハロゲン化アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3~8員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択され、
R
4は、水素、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基からなる群から選択され、ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、ハロゲン、CN、OR
a、SR
a、またはNR
aR
aからなる群から選択される一つまたは複数の基によって任意に置換され、
各R
aは、それぞれ独立して、水素、C
1-4アルキル基、C
1-4ハロゲン化アルキル基、C
3-6シクロアルキル基から選択され、
mは、0、1、2、または3から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
式(I)は、式(XII)であり、
【化17】
R
2およびR
4は、請求項9で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
式(I)は、式(XIII)であり、
【化18】
R
2、R
4、R
11、X、m、およびkは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする
請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
以下の式(XIV)に示されるような構造を有する化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物であって、
【化19】
Gは、C
3-8シクロアルキル基、3~10員複素環基、アリール基(好ましくはベンゼン、ナフタレンである)、ヘテロアリール基(好ましくはフラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピラジンである)から選択され、
R
1、R
2、R
4、B、およびmは、請求項1で定義されたとおりであることを特徴とする、前記化合物。
【請求項15】
以下:
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
からなる群から選択され、
前記R
2は、HまたはOMeから選択されることを特徴とする、化合物。
【請求項16】
医薬組成物であって、
請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物、ならびに薬学的に許容される担体を含むことを特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物の使用であって、
KAT6活性または発現量に関連する疾患、病症または病状を治療するための医薬組成物の調製に用いられることを特徴とする、前記使用。
【請求項18】
前記疾患、病症または病状は、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、膵臓がん、結腸がん、甲状腺がん、胎児性横紋筋肉腫、皮膚顆粒細胞腫瘍、黒色腫、肝細胞がん、肝内胆管がん、直腸がん、膀胱がん、咽頭がん、乳がん、膣がん、前立腺がん、精巣がん、脳腫瘍、神経膠腫、卵巣がん、頭頚部扁平上皮がん、子宮頸がん、骨肉腫、食道がん、腎臓がん、皮膚がん、胃がん、骨髄性白血病、リンパ性白血病、骨髄線維症、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、単球性白血病、脾腫性赤血球増加症、好酸球性白血球増加症候群、骨髄がん等の様々な固形腫瘍および血液腫瘍からなる群から選択されることを特徴とする
請求項17に記載の使用。
【国際調査報告】