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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】水和性濃縮界面活性剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20240709BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240709BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240709BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20240709BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/37
A61K8/41
A61K8/46
A61K8/55
A61K8/73
A61K8/34
A61K8/86
A61Q5/02
A61Q1/14
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024501561
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2022068481
(87)【国際公開番号】W WO2023285195
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】21185950.9
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ウェッブ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ドラフコワ,アネリア・ニコロワ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB332
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC131
4C083AC171
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC351
4C083AC531
4C083AC532
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC901
4C083AD041
4C083AD211
4C083AD241
4C083AD261
4C083BB05
4C083BB07
4C083BB41
4C083BB48
4C083CC22
4C083CC23
4C083CC38
4C083DD21
4C083DD22
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE07
4C083FF05
(57)【要約】
組成物の総重量及び100%活性基準で、a)5重量%~40重量%の硫酸塩を含まない6~22個の炭素原子を含むアニオン性界面活性剤;5b)5重量%~40重量%の両性及び/又は両性イオン性界面活性剤;c)0.01重量%~5重量%の電解質、高分子増粘剤、エトキシル化脂肪酸エステル、12~18個の炭素原子を含むアミン及びそれらの混合物から選択される第1の粘度調整剤;d)0.1重量%~15重量%のポリオールである第2の粘度調整剤;0e)防腐剤;及びf)10重量%~70重量%の水を含む水和性濃縮界面活性剤組成物であって、前記水和性濃縮界面活性剤組成物のpHが3~6であり;前記水和性濃縮界面活性剤組成物が、Helipathスタンド上でSpindle RV-05を20rpmで60秒間使用する、Brookfield DV2T 5で30℃で測定した場合に6,000~400,000cps、好ましくは8000~300,000cpsの粘度を有する水和性濃縮界面活性剤組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の総重量及び100%活性基準で、
a)5重量%~40重量%の硫酸塩を含まない6~22個の炭素原子を含むアニオン性界面活性剤;
b)5重量%~40重量%の両性及び/又は両性イオン性界面活性剤;
c)0.01重量%~5重量%の電解質、高分子増粘剤、エトキシル化脂肪酸エステル、12~18個の炭素原子を含むアミン及びそれらの混合物から選択される第1の粘度調整剤;
d)0.1重量%~15重量%のポリオールである第2の粘度調整剤;
e)防腐剤;及び
f)10重量%~70重量%の水
を含む水和性濃縮界面活性剤組成物であって、
前記水和性濃縮界面活性剤組成物のpHが3~6であり;
前記水和性濃縮界面活性剤組成物が、Helipathスタンド上でSpindle RV-05を20rpmで60秒間使用する、Brookfield DV2Tで30℃で測定した場合に6,000~400,000cpsの粘度を有する水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項2】
前記組成物が、少なくとも20重量%のアニオン性界面活性剤(a)と両性及び/又は両性イオン性界面活性剤(b)の合計量を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤が、6~22個の炭素原子、炭素原子を有する有機疎水性基;及びスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、リン酸塩、サルコシン酸塩、タウリン酸塩、イセチオン酸塩、グリシン酸塩、グルタミン酸塩及びそれらの混合物から選択される少なくとも一つの水可溶化基を含む、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記両性及び/又は両性イオン性界面活性剤がベタイン、アンホ酢酸塩、スルタイン及びそれらの混合物から選択される、前記請求項のいずれか1項に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項5】
前記両性及び/又は両性イオン性界面活性剤が7重量%~35重量%の量で存在する、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記第1の粘度調整剤が多糖類、デンプン、セルロース系材料及びそれらの混合物から選択される高分子増粘剤である、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記第2の粘度調整剤が、グリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール及びそれらの混合物から選択される多価アルコールである、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記重量比a):b)が1:1~1:2、好ましくは1:1.4である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物がラメラ組成物である、前記請求項のいずれか1項に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項10】
前記組成物が、希釈時にラメラ形態から等方性形態に変換する、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
水で希釈することにより、請求項1~10の水和性濃縮界面活性剤組成物を水和することで調製される最終使用組成物。
【請求項12】
組成物対水重量比1:1~1:6、好ましくは1:1~1:5を用いる、請求項11に記載の最終使用組成物。
【請求項13】
前記組成物が、Helipathスタンド上でSpindle RV-05を20rpmで60秒間使用する、Brookfield DV2Tで30℃で測定した場合に、2000~10,000cPs、好ましくは2000~7500cPsの粘度を有する、請求項11又は請求項12に記載の最終使用組成物。
【請求項14】
最終使用組成物の製造方法であって、請求項1~10のいずれか1項に記載の水和性組成物を水で希釈する段階を有する方法。
【請求項15】
前記水が10~50℃の温度を有し、5分未満、好ましくは3分未満、より好ましくは2分未満、さらにより好ましくは1分未満、最も好ましくは30秒未満にて、水和性組成物及び水の混合物に振盪若しくは攪拌などの中等度の剪断を加えることで、前記最終使用組成物を得る段階を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水和性濃縮界面活性剤クレンジング組成物、及び水で希釈することによる最終使用組成物の製造方法に関する。本発明は、パーソナルケア、特にヘアケアの分野に特に応用される。
【背景技術】
【0002】
液体ベースのクレンジング組成物、例えばシャンプー及びボディウォッシュは一般的であり、多くの消費者が愛用している。このような組成物は代表的には、主成分として水を含み、多くの場合、プラスチックボトル又はチューブに入れて販売される。その組成物は、従来通り、消費者が使用するのに慣例的であり、販売されているパッケージから容易に排出できる粘度を有するように製剤されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
世界の海には間もなく魚よりもプラスチックの方が多くなるだろうとよく宣伝される。環境への懸念と、消費者や意識の高い企業が地球のためにもっと取り組みたいという願望を考慮すると、消費者向け製品などの製品を販売する際には、プラスチックの使用を減らしたいという強い願望がある。これを考慮して、製品を濃縮物の形で販売し、従って水分の少ない製品を、より小さい包装で出荷する努力が払われてきた。
【0004】
濃縮物の形態の界面活性剤含有クレンジング製品が、従来技術で知られている。
【0005】
US2019/031258A1には、流動液化(rheofluidifying)濃縮フォーミング組成物が記載されている。.
US2018/098923A1には、硫酸化界面活性剤を実質的に含まないパーソナルケア組成物が開示されている。
【0006】
US2019/282480A1には、N-アシル酸性アミノ酸又はそれの塩及び両性界面活性剤を含む自己増粘性クレンジング組成物が記載されている。
【0007】
濃縮物は通常、使用時に希釈されて液体製品となり、その後従来の方法で使用できる。
【0008】
このような濃縮物で遭遇する問題は、消費者が濃縮物に追加の水を加えたり、例えば撹拌することによって濃縮物を使用可能な最終製品に変換しなければならないことを好まないことが多いことである。水和製品に関しては、一般的な苦情として、そのプロセスに時間がかかり、水を加えた後に、得られる製品が均一ではなく、望ましくない粘度になることなどがある。
【0009】
実際、そのような濃縮組成物は、消費者が使用する前に適切に希釈するのに長時間かかり、一部の消費者は完全に希釈するのに十分な時間を取れないことを本発明者らは認めている。
【0010】
したがって、より容易かつより効率的に使用できるように、迅速に希釈する濃縮物を提供することが望ましい。
【0011】
希釈された濃縮物の特性も重要である。消費者は濃厚さを品質、良好な展延性、注ぎやすさと結びつけることから、濃厚な液体を強く好む。理想的には、濃縮物の希釈製品は、シャンプーなどの標準形式のパーソナルケア製品と同様の粘度を有するものと考えられる。したがって、従来の液体製品と同様の濃厚さを有する希釈製品を生成する濃縮物を提供することが望ましい。
【0012】
環境上のニーズを満たすために、実質的に硫酸塩を含まず、シリコーンを含まない濃縮物を開発することも望ましい。
【0013】
酸性pHで機能する製剤は、代表的には、相対的に低いpHで機能する、より天然由来の保存料、例えば安息香酸ナトリウムの使用を可能にするため、望ましいものでもある。
【0014】
本発明者らはこのたび、驚くべきことに、ラメラ結晶相で提供される組成物が、希釈すると等方相に急速に変換することができることを認めた。高い塩含有量と組み合わせることで、濃厚な最終希釈液を達成することができる。
【0015】
その組成物は小容量の濃縮物として使用でき、使用時に希釈することができる。それは詰め替え用包装中で水希釈して、プラスチック廃棄物を確実に削減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第一の態様において、本発明は、
a)5重量%~40重量%の硫酸塩を含まない6~22個の炭素原子を含むアニオン性界面活性剤;
b)5重量%~40重量%の両性及び/又は両性イオン性界面活性剤;
c)0.01重量%~5重量%の電解質、高分子増粘剤、エトキシル化脂肪酸エステル、12~18個の炭素原子を含むアミン及びそれらの混合物から選択される第1の粘度調整剤;
d)0.1重量%~15重量%のポリオールである第2の粘度調整剤;
e)防腐剤;及び
f)10重量%~70重量%の水
を含む水和性濃縮界面活性剤組成物であって、
前記水和性濃縮界面活性剤組成物のpHが3~6であり;
前記水和性濃縮界面活性剤が、Helipathスタンド上でSpindle RV-05を20rpmで60秒間使用する、Brookfield DV2Tで30℃で測定して、6,000~400,000cpsの粘度を有する水和性濃縮界面活性剤組成物を提供する。
【0017】
第2の態様において、第1の態様の水和性濃縮界面活性剤組成物を水で希釈することで水和することによって製造される最終使用組成物が提供される。
【0018】
好ましくは、前記最終使用組成物は、水和性濃縮界面活性剤組成物対水の重量比1:1~1:6、より好ましくは1:1~1:5を有する。好ましくは、前記最終使用組成物は、30℃で2,000~10,000cPs、好ましくはHelipathスタンド上でSpindle RV-05を20rpmで60秒間使用する、Brookfield DV2Tで30℃で測定した場合に2000~7,500cPsの粘度を有する。
【0019】
前記水和性濃縮界面活性剤組成物は、6,000~400,000cps、好ましくは8000~300,000、より好ましくは10,000~100,000、さらにより好ましくは15,000~40,000cps、最も好ましくは15,000~30,000cpsの粘度を有する。
【0020】
希釈すると粘度が下がって、そのため、Helipathスタンド上でSpindle RV-05を20rpmで60秒間使用する、Brookfield DV2Tで30℃で測定して2000~10,000cps、好ましくは2000~7,500cpsの粘度を有する最終使用組成物となる。
【0021】
第3の態様において、本発明は、第1の態様の水和性濃縮界面活性剤組成物を水で希釈する段階を含む、最終使用組成物の製造方法を提供する。好ましくは、当該方法は、水和性組成物と水の混合物に振盪又は撹拌などの中等度の剪断を加えて、5分未満、好ましくは3分未満、より好ましくは2分未満、さらにより好ましくは1分未満、最も好ましくは30秒未満で最終使用組成物を得る段階を含む。
【0022】
好ましくは、前記水和性濃縮界面活性剤組成物は、水和性濃縮界面活性剤組成物対水の重量比1:1~1:6、より好ましくは1:1~1:6で希釈される。好ましくは、水の温度は摂氏10~50度である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
製造方法
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物を製造する場合、所望の成分を、従来の装置を用いて、中等度の剪断条件及び大気条件下、温度35~80℃で混和することができる。
【0024】
水和性濃縮界面活性剤組成物に水を添加して、最終使用組成物を製造する。容器内での振盪(又は撹拌)などの中等度の剪断により、5分未満、好ましくは3分未満、最も好ましくは2分未満で最終使用組成物が得られる。本発明の1実施形態において、最終使用組成物は1分未満、さらに好ましくは30秒未満で製造される。
【0025】
組成物の粘度
前記水和性濃縮界面活性剤組成物は、6,000~400,000cps、好ましくは8000~300,000cps、好ましくは15,000~40,000cps、より好ましくは15,000~30,000cpsの粘度を有する。
【0026】
希釈すると粘度が上昇して、Helipathスタンド上でSpindle RV-05を20rpmで60秒間使用する、Brookfield DV2Tで30℃で測定して粘度2000~10,000cps、好ましくは2000~7,500cpsを有する最終使用組成物となる。
【0027】
本発明において、水和性濃縮界面活性剤組成物は、希釈すると最終使用組成物中の所望の構成要素/成分レベル(硫酸塩レベルなど)が得られるように製剤されるべきである。
【0028】
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物は、水を添加して最終使用組成物を製造した後の最終粘度より高い開始粘度を有することになる。
【0029】
水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終使用組成物は、代表的には3.0~6.0のpHを有する。
【0030】
最終使用組成物は、水と水和性濃縮界面活性剤組成物を組み合わせ、混合(撹拌、好ましくは振盪のような中等度の剪断力を用いて)することによって製造される。
【0031】
本発明の組成物は美容用であり、非治療用である。
【0032】
当該最終使用組成物はパーソナルケアクリーニング組成物であることができ、好ましくはシャンプー、メイクアップウォッシュ、洗顔料、ハンドウォッシュ又はパーソナルケア液体ボディウォッシュ、より好ましくはシャンプー又はボディウォッシュ、最も好ましくはシャンプーである。
【0033】
最終使用組成物は、拭き取るか洗い流すのに適したものであり、好ましくは水で洗い流すのに好適なものである。
【0034】
本発明の1実施形態において、最終使用シャンプー組成物は、好ましくは2,000~6,000の粘度を有することができる。
【0035】
別断の断りがない限り、粘度は、Helipathスタンド上でSpindle RV-05を20rpmで60秒間使用する、Brookfield DV2Tで30℃で測定される。
【0036】
シリコン非含有
好ましくは、本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物はシリコーンを含まない。本発明の文脈において、「含まない」とは、組成物全体の重量基準で0.4重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、さらにより好ましくは0.05重量%未満、さらにより好ましくは0.001重量%未満、さらに好ましくは0.0001重量%未満、最も好ましくは0重量%のシリコーンを有することを意味する。
【0037】
硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤
水和性濃縮界面活性剤組成物は、硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤を含む。
【0038】
本発明で使用するための代表的な硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤には、その分子構造中に6~22個の炭素原子、好ましくは8~22個、より好ましくは8~18個の炭素原子、さらにより好ましくは10~18個の炭素原子、最も好ましくは12~18個の炭素原子を有する有機疎水性基;及び好ましくはスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、リン酸塩、サルコシン酸塩、タウリン酸塩、イセチオン酸塩、グリシン酸塩、グルタミン酸塩及びそれらの混合物から選択される、最も好ましくはイソチオン酸塩、タウリン酸塩及びそれらの混合物から選択される少なくとも一つの水可溶化基を含有する界面活性剤などがある。
【0039】
スルホコハク酸塩
アニオン性物質には、アルキルスルホコハク酸塩(モノアルキル及びジアルキル、例えば、C-C22スルホコハク酸塩など);アルキル及びアシルタウリン酸塩(多くの場合、タウリン酸メチル類)、アルキル及びアシルサルコシン酸塩、スルホ酢酸塩、C-C22リン酸アルキル及びホスホン酸アルキル、アルキルリン酸エステル及びアルコキシアルキルリン酸エステル、アシル乳酸塩、C-C22モノアルキルコハク酸塩及びマレイン酸塩、スルホ酢酸塩、アルキルグルコシド及びアシルイセチオン酸塩などもあり得る。
【0040】
スルホコハク酸塩は、次式を有するモノアルキルスルホコハク酸塩:
CCHCH(SOM)COM;
及び次式のアミド-MEAスルホコハク酸塩:
CONHCHCHCCHCH(SOM)COM(式中、RはC-C22アルキルの範囲である。)であることができる。
【0041】
サルコシン酸塩
本発明の組成物に使用するためのサルコシン酸塩は、一般に次の式:
CON(CH)CHCOM(式中、RはC-C20アルキルの範囲である。)で示される。
【0042】
イセチオン酸塩
使用できるイセチオナートには、C-C18アシルイセチオン酸塩(C1-4アルキル置換、好ましくはメチル置換などの置換されたヘッド基を有するものなど)などがある。これらのエステルは、アルカリ金属イセチオン酸塩と6~18個の炭素原子及び20未満のヨウ素価を有する混合脂肪族脂肪酸との間の反応によって製造される。多くの場合、混合脂肪酸の少なくとも75%は12~18個の炭素原子を有し、最大25%は6~10個の炭素原子を有する。
【0043】
使用可能なアシルイセチオン酸塩は、1995年2月28日発行のIlardiらの米国特許第5,393,466号(発明の名称「ポリアルコキシル化イセチオン酸の脂肪酸エステル(Fatty Acid Esters of Polyalkoxylated Isethonic Acid)」)(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されているようなアルコキシル化イセチオン酸塩であることができる。この化合物は、下記一般式を有する。
【0044】
C-O(O)-C(X)H-C(Y)H-(OCH-CH-SO
式中、Rは8~18個の炭素を有するアルキル基であり、mは1~4の整数であり、X及びYはそれぞれ独立に水素又は1~4個の炭素を有するアルキル基であり、Mは可溶化性カチオンである。
【0045】
タウリン酸塩
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物で使用されるタウリン酸塩は、通常、下記式によって識別される。
【0046】
CONRCHCHSO
式中、RはC-C20アルキルであり、RはC-Cアルキルであり、Mは可溶化性カチオンである。
【0047】
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物に使用するのに適したタウリン酸塩界面活性剤は、タウリン又はN-メチルタウリンのアシルアミド、及びそれらの塩、例えば、一般式:
C(O)N(R)(CHSOM (a)、及び好ましくは一般式:
C(O)N(R)CHCHSOM (b)
(式中、Rは、C-C30、詳細にはC-C24アルキルであり、yは2又は3であり、Rは水素又はメチルであり、Mは、例えば、水素、アンモニウム、アルカリ金属カチオン、低級、すなわち、C-Cアルカノールアンモニウムカチオン、又は塩基性アミノ酸カチオンなどの可溶化性カチオンである。)によって表されるアシルタウリン酸塩である。1実施形態において、RはC-C18アルキルである。1実施形態において、R基の少なくとも半分はC-C18アルキルである。別の実施形態において、R基の少なくとも半分はC10-C14のアルキルである。Rは飽和であっても不飽和であってもよい。1実施形態において、Rはメチルである。
【0048】
式(a)による好適なアシルタウリン塩には、例えば、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸カリウム、メチルミリストイルタウリン酸ナトリウム、メチルミリストイルタウリン酸カリウム、メチルミリストイルタウリン酸アンモニウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸カリウム、メチルココイルタウリン酸アンモニウム、メチルオレオイルタウリン酸ナトリウム、メチルオレオイルタウリン酸カリウム、メチルオレオイルタウリン酸アンモニウム、ラウロイルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルタウリン酸カリウム、ミリストイルタウリン酸(taurante)アンモニウム、ココイルタウリン酸ナトリウム、オレオイルタウリン酸カリウムとして一般に知られているタウリン酸塩などがある。1実施形態において、N-メチルタウリンのヤシ脂肪酸アミドの塩が特に興味深い。
【0049】
スルホン酸塩
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物での使用に適したアニオン性界面活性剤には、一級アルカン(例えば、C-C22)スルホン酸塩、一級アルカン(例えば、C-C22)ジスルホン酸塩、C-C22アルケンスルホン酸塩、C-C22ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、又はアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩(AGS);又はアルキルベンゼンスルホン酸塩などの芳香族スルホン酸塩などがある。
【0050】
好ましいスルホン酸塩界面活性剤は、アルファオレフィンスルホン酸塩である。本発明で使用するためのアルファオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤は、好ましくは一般式(I)を有する。
【0051】
-CH=CH-CH-SO (I)
式中、Rは、11~13個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル基及びそれらの混合物から選択され、Mは可溶化性カチオンであり;
好ましくは一般式(I)におけるRは、C14又はC16直鎖アルキル基である。
【0052】
好ましくは、一般式(I)におけるMは、アルカリ金属カチオン(ナトリウム又はカリウムなど)、アンモニウムカチオン及び置換アンモニウムカチオン(アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム又はグルカアンモニウムなど)から選択される。
【0053】
商業的に製造される一般式(I)のアルファオレフィンスルホン酸塩アニオン性界面活性剤は、天然ガス由来のC14-16オレフィンを硫酸化することによって製造され得る。そのプロセスでは、同族体の混合物及び低レベルの未反応オレフィンも生成し得る。
【0054】
特に好ましいのは、平均14~16個の炭素を有するアルファオレフィンスルホン酸塩である。このような材料の適切な例は、Bioterge AS40(Stepan製)である。
【0055】
グリシン酸塩及びグルタミン酸塩
硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤は、グリシン酸塩界面活性剤又はグルタミン酸塩界面活性剤であってもよい。
【0056】
好ましいグリシン酸塩は、ラウロイルグリシン酸ナトリウム及びココイルグリシン酸ナトリウムである。
【0057】
好ましいグルタミン酸塩は、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム及びココイルグルタミン酸ナトリウムである。
【0058】
本発明の1実施形態において、使用されるアニオン性界面活性剤は、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム又はこれらの混合物から選択される。このようなアニオン性界面活性剤は、Galaxy Surfactants、Clariant、Sino Lion、及びInnospecなどの供給業者から市販されている。ココイルイセチオン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルグリコン酸ナトリウム、メチルラウロイルイセチオン酸ナトリウム、又はそれらの混合物が、使用に適した好ましいアニオン剤である。
【0059】
好適なアニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びそれらの混合物などがあり、最も好ましくはメチルココイルタウリン酸ナトリウムである。
【0060】
上述の材料のいずれかの混合物も使用することができる。
【0061】
本発明の代表的な水和性濃縮界面活性剤組成物において、アニオン性界面活性剤のレベルは、一般に5~40%、好ましくは7~35%、より好ましくは10~30%、最も好ましくは15~30%(組成物の総重量及び100%活性レベルに基づく重量基準)の範囲である。
【0062】
両性及び/又は両性イオン性界面活性剤
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物は、両性又は両性イオン性界面活性剤である共界面活性剤を含む。好ましくは、両性及び/又は両性イオン性界面活性剤は、ベタイン、アンホアセテート、スルタイン及びそれらの混合物から選択される。
【0063】
共界面活性剤のレベルは、水和性濃縮界面活性剤組成物の総重量を基準にし、100%活性レベルを基準として、一般に5~40重量%、好ましくは7~35重量%、より好ましくは10~30重量%、最も好ましくは15~30重量%である。
【0064】
好ましくは、共界面活性剤は両性界面活性剤である。好適な両性界面活性剤は、一般式R(CHCHCOOを有するもののようなベタイン(式中、Rはアルキル基又はアルキルアミドアルキル基であり、前記アルキル基は、好ましくは6~22個の炭素原子を有し、より好ましくは8~22個の炭素原子を有し、さらにより好ましくは8~18個の炭素原子、さらにより好ましくは10~18個の炭素原子、最も好ましくは12~18個の炭素原子である。)及びそれらの混合物である。
【0065】
ベタイン界面活性剤
本発明での使用に適したベタインは、次の一般式:
10[C(O)NH-(CH-N(R11)(R12)CHCO (IV)
[式中、R10はC~C30であり、詳細にはC~C24アルキルであり、zは0又は1であり、R11及びR12は独立に1~3個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキル又はカルボキシアルキルであり、yは2又は3である。]で表すことができ、及びそれの塩である。1実施形態において、基R10の半分はC~C18アルキルである。別の実施形態において、基R10の少なくとも半分はC10~C14アルキルである。R10は飽和であっても不飽和であってもよい。1実施形態において、R10はヤシ油又はパーム核油に由来する。1実施形態において、R11及びR12はメチルである。
【0066】
式(IV)のベタインは、下記の単純なベタイン:
10-N(R11)(R12)CHCO (Va)
[式中、R10、R11、及びR12は上記の通りである。]、及びアミドベタイン:
10C(O)NH-(CH-N(R11)(R12)CHCO (IVb)
[式中、R10、R11、R12、及びは上記の通りである。]を含む。
【0067】
特に好適なベタインは、オレイルベタイン、カプリルアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、イソステアリルアミドプロピルベタイン、及びココアミドプロピルベタイン、及びそれらの混合物である。最も好ましくは、共界面活性剤はコカミドプロピルベタインである。
【0068】
両性イオン性
本発明での使用に好適である両性イオン性界面活性剤は、少なくとも一つの酸基を含む。このような酸基は、カルボン酸基又はスルホン酸基であることができる。それらは多くの場合、四級窒素を含むことから、四級アミノ酸であり得る。それらは一般に、6~22個の炭素原子、より好ましくは8~22個の炭素原子、さらにより好ましくは8~18個の炭素原子、さらにより好ましくは10~18個の炭素原子、最も好ましくは12~18個の炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基、及びそれらの混合物を含むべきである。これらの界面活性剤は通常、下記の全体的構造式に従う。
【0069】
-[-C(O)-NH(CH-]-N-(R-)(R)A-B;
式中、Rは、6~22、好ましくは8~22、より好ましくは8~18個の炭素原子、さらにより好ましくは10~18個の炭素原子、さらにより好ましくは12~18個の炭素原子のアルキル若しくはアルケニルであり;R及びRはそれぞれ独立に、1~3個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキル又はカルボキシアルキルであり;q」は2~4であり;rは0~1であり;Aは、ヒドロキシルで置換されていても良い1~3個の炭素原子のアルキレンであり、Bは-CO-又は-SO-である。
【0070】
アンホ酢酸塩
本発明での使用に適した両性イオン性界面活性剤としては、アシルアンホ酢酸ナトリウム、アシルアンホプロピオン酸ナトリウム、アシルアンホ二酢酸二ナトリウム及びアシルアンホ二プロピオン酸二ナトリウムなどがあり、アシル(すなわち、アルカノイル基)は、6~22個の炭素原子、より好ましくは8~22個の炭素原子、さらにより好ましくは8~18個の炭素原子、さらにより好ましくは10~18個の炭素原子、最も好ましくは12~18個の炭素原子を有するアルキル部分、及びそれらの混合物を含むことができる。使用に適した両性界面活性剤の例示的な例としては、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム及びそれらの混合物などがある。
【0071】
スルタイン
使用に適した両性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルスルタインである。このような界面活性剤は、Stepan Companyなどの供給業者から市販されており、前述の界面活性剤の混合物を使用することは本発明の範囲内である。
【0072】
a)硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤とb)両性及び/又は両性イオン性界面活性剤との重量比は、1:1~1:2、好ましくは1:1.4である。
【0073】
当該組成物は、好ましくは、少なくとも20重量%;より好ましくは少なくとも22重量%、さらにより好ましくは少なくとも24重量%、最も好ましくは少なくとも25重量%のアニオン性界面活性剤(a)と両性及び/又は両性イオン性界面活性剤(b)の合計量を含む。
【0074】
第1の粘度調整剤
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物は、希釈された最終製品を増粘するように作用する第1の粘度調整剤を含む。
【0075】
第1の粘度調整剤は、電解質、高分子増粘剤、エトキシル化脂肪酸エステル、12~18個の炭素原子を含むアミン、及びそれらの混合物から選択される。
【0076】
電解質増粘剤
好ましい電解質増粘剤は無機電解質である。本発明で使用するのに適した無機電解質には、金属塩化物(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化第二鉄及び塩化アルミニウムなど)及び金属硫酸塩(硫酸ナトリウム及び硫酸マグネシウムなど)が含まれる。無機電解質は、組成物に粘度を与えるために使用される。
【0077】
本発明で使用するのに好ましい無機電解質の例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、及びそれらの混合物などがある。
【0078】
上述の材料のいずれかの混合物も好適であり得る。
【0079】
含まれる場合、本発明の組成物中の無機電解質のレベルは、一般に約0.1~6%、好ましくは約0.25~5%(水和性濃縮界面活性剤組成物の総重量に対して)の範囲である。
【0080】
高分子増粘剤
好ましい高分子増粘剤は、多糖類、デンプン、セルロース系材料(例えば、柑橘類ミクロフィブリルなどの繊維)及びそれらの混合物から選択される。
【0081】
多糖類
好ましい多糖類は、グアーガム、キサンタンガム及びカラギーナンである。
【0082】
好適なガムとしては、キサンタン、スクレロチウム、ペクチン、カラヤ、アラビア、寒天、グアー(Acacia senegal guarを含む)、カラギーナン、アルギン酸塩、及びそれらの組み合わせなどがある。
【0083】
デンプン
デンプンの代表的なものは、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウムやデンプンオクテニルコハク酸アルミニウムなどの化学変性デンプンである。マルトデキストリンと同様に、タピオカデンプンが好まれることが多い。
【0084】
セルロース系材料
好適なセルロース系材料としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(セルロースガム/カルボキシメチルセルロース)及びセルロース(例えば、セルロースミクロフィブリル、セルロースナノ結晶又は微結晶セルロース)などがある。
【0085】
セルロースミクロフィブリルの供給源には、二次細胞壁材料(例えば、木材パルプ、綿)、バクテリアセルロース、及び一次細胞壁材料などがある。好ましくは、一次細胞壁材料の供給源は、果実、根、球根、塊茎、種子、葉、及びそれらの組み合わせからの実質組織から選択され;より好ましくは、柑橘類の果実、トマトの果実、桃の果実、カボチャの果実、キウイフルーツ、リンゴの果実、マンゴーの果実、テンサイ、ビートの根、カブ、アメリカボウフウ、トウモロコシ、オート麦、小麦、エンドウ豆、及びそれらの組み合わせから選択され;さらにより好ましくは柑橘類の果実、トマトの果実、及びそれらの組み合わせから選択される。一次細胞壁材料の最も好ましい供給源は、柑橘類の果実からの実質組織である。Herbacel(登録商標)からAQ Plusとして入手可能な柑橘系繊維も、セルロースミクロフィブリルの供給源として利用できる。セルロース源は、Colloidal Polymer Science, Kalia et al., ″Nanofibrillated cellulose: surface modification and potential application″ (2014), Vol 292, Pages 5-31に記載されている方法などの公知の方法のいずれかによって表面修飾することができる。
【0086】
エトキシル化脂肪酸エステル
高分子量エトキシル化脂肪酸エステルを使用してもよい。例示的な例としては、PEG120メチルグルコースジオレート、PEG18グリセリルオレエート/ココエート、PEG150ペンタエリスリトールテトラステアレート、それらの混合物などが挙げられる。好ましい高分子粘度助剤は、CrodaによりVersathixの名称で販売されているPEG150ペンタエリスリトールテトラステアレートである。
【0087】
アミン
12~C18炭素原子を含む好ましいアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン(TAS)である。
【0088】
第1の粘度調整剤は、濃縮水和性組成物の重量基準で0.01~5重量%、好ましくは0.1~4重量%、より好ましくは0.1~3重量%、最も好ましくは0.5~2重量%の量で存在する。
【0089】
第1の粘度調整剤は、希釈最終組成物の0.01~1重量%、好ましくは0.01~0.8重量%、より好ましくは0.1~0.5重量%、最も好ましくは0.15~0.3重量%の量で存在する。
【0090】
第二の粘度調整剤
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物は、水で希釈する前に水和性濃縮界面活性剤組成物の粘度を下げるように作用する第2の粘度調整剤を含む。
【0091】
水和性濃縮界面活性剤組成物の粘度を下げるポリオールは、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール(MPG)及びグリセリンである。
【0092】
これらは一般に多価アルコール型の材料である。代表的な多価アルコールには、グリセロール(グリセリン(glycerine)又はグリセリン(glycerin)としても知られる)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、PPG-9)、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール及びそれらの混合物などがある。最も好ましい多価アルコールは、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びそれらの混合物である。使用されるポリオールの量は、組成物の総重量の0.1~15重量%、好ましくは最終使用組成物の総重量の0.5~10重量%、より好ましくは0.5~8重量%の範囲であり得る。
【0093】
製品の形状
水和性濃縮界面活性剤組成物は、好ましくはラメラ組成物である。その組成物は、希釈するとラメラ形態から等方性形態に変換して、最終使用製品を形成する。
【0094】
任意のノニオン性界面活性剤
ノニオン性界面活性剤は、本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終使用組成物において任意に使用され得る。ノニオン性界面活性剤を使用する場合、それは代表的には、最終使用組成物の0.5~12重量%、好ましくは1~10重量%、より好ましくは1.5~8重量%、最も好ましくは2重量%~6重量%のレベルで使用される。
【0095】
使用され得るノニオン性界面活性剤としては、特に、疎水性基及び反応性水素原子を有する化合物、例えば脂肪族アルコール、酸、アミド又はアルキルフェノールとアルキレンオキサイド、特にエチレンオキサイド単独又はプロピレンオキサイドとの反応生成物などがある。具体的なノニオン性界面活性剤化合物は、アルキル(C-C22)フェノール・エチレンオキサイド縮合物、脂肪族(C-C18)一級又は二級直鎖若しくは分枝アルコールとエチレンオキサイドとの縮合生成物、及びエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド及びエチレンジアミンの反応生成物との縮合によって製造される生成物である。他のノニオン性界面活性剤には、長鎖三級アミンオキサイド、長鎖三級ホスフィンオキサイド、ジアルキルスルホキシドなどがある。
【0096】
本発明の1実施形態において、任意に使用されるノニオン性界面活性剤には、以下の構造a)HOCH(CH(CHCHO)H又はb)HOOC(CH(CHCHO)Hを有する脂肪酸/アルコールエトキシレートなどがあり得て、ここで、s及びvはそれぞれ独立に最大18の整数であり;c及びdはそれぞれ独立に1以上の整数である。本発明の1実施形態において、s及びvはそれぞれ独立に6~18であり;c及びdはそれぞれ独立に1~30である。ノニオン性界面活性剤の他の選択肢には、式HOOC(CH-CH=CH-(CH(CHCHO)Hを有するものが挙げられ、i、kはそれぞれ独立に5~15であり;zは5~50である。本発明の別の実施形態において、i及びkはそれぞれ独立に6~12であり;zは15~35である。
【0097】
ノニオン性界面活性剤には、多糖アミドなどの糖アミドも含まれ得る。具体的には、その界面活性剤は、1995年2月14日発行の「ノニオン性糖脂質界面活性剤を含む組成物(Compositions Comprising Nonionic Glycolipid Surfactants)」と題するAuらへの米国特許第5,389,279号(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のラクトビオンアミドの一つであることができ;又はそれは、1991年4月23日発行の「液体水系界面活性剤系のための増粘剤としてのN-ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドの使用(Use of N-Poly Hydroxyalkyl Fatty Acid Amides as Thickening Agents for Liquid Aqueous Surfactant Systems)と題するKelkenbergへの米国特許第5,009,814号(参照によって本願に組み込まれる)に記載の糖アミドの一つであることができる。
【0098】
任意のカチオン性界面活性剤
本発明の1実施形態において、カチオン性界面活性剤を、本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終使用組成物に任意に使用することができる。
【0099】
任意のカチオン性界面活性剤の一つのクラスには、塩化セチル又はステアリルピリジニウム、アルキルアミドエチルピロリリノジウムメチル硫酸塩、及び塩化ラピリウムなどの複素環アンモニウム塩などがある。
【0100】
テトラアルキルアンモニウム塩は、任意の使用に適した別の有用な種類のカチオン性界面活性剤である。例には、塩化若しくは臭化セチル又はステアリルトリメチルアンモニウム;水素化ヤシ又は獣脂トリメチルアンモニウムハライド;ベヘニルトリメチルアンモニウムハライド又はメチル硫酸塩;デシルイソノニルジメチルアンモニウムハライド;ジタロー(又はジステアリル)ジメチルアンモニウムハライド、及びベヘニルジメチルアンモニウムクロリド、好ましくはセチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC)などがある。
【0101】
使用できるさらなる他の種類のカチオン性界面活性剤は、各種エトキシル化四級アミン及びエステルクワットである。例としては、PEG-5ステアリルアンモニウム乳酸塩(例えば、Clariant製Genamin KSL)、PEG-2ココアンモニウムクロリド、PEG-15水素化獣脂アンモニウムクロリド、PEG15ステアリルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルヒドロキシエチルメチルサルフェート、及びステアリルアミドプロピルジメチルアミン乳酸塩などがある。
【0102】
任意の使用に適したさらに他の有用なカチオン性界面活性剤には、絹、小麦、及びケラチンタンパク質の四級化加水分解物などがあり、前述のカチオン性界面活性剤の混合物を使用することは本発明の範囲内である。
【0103】
使用する場合、カチオン性界面活性剤は水和性組成物の1.0重量%以下を構成するであろう。存在する場合、それらは代表的には最終使用組成物の0.01~0.7重量%、より代表的には0.1~0.5重量%(それに含まれるすべての範囲を含む)を構成する。
【0104】

水は、水和性濃縮界面活性剤組成物の総重量に対して10~70重量%、好ましくは10~65重量%、より好ましくは10~60重量%、さらに好ましくは10~40重量%、さらにより好ましくは10~30重量%、最も好ましくは12~30重量%を構成する。
【0105】
或いは、水は、水及び多価アルコール、好ましくはグリセロールの混合物に代えることができる。
【0106】
pH
水和性組成物及び最終使用組成物のpHは、代表的には3~6、好ましくは3.5~5.5、より好ましくは3.5~5、最も好ましくは3.8~4.8である。pHを変更/緩衝するのに適した調節剤を使用してもよい。このようなpH調節剤としては、トリエチルアミン、NaOH、KOH、HSO、HCl、C(すなわち、クエン酸)又はそれらの混合物などがある。pH調節剤は、所望の最終pHをもたらす量で添加される。pH値は、Thermo Scientific(登録商標)から市販されているpH計などの市販の機器を用いて評価することができる。
【0107】
防腐剤
潜在的に有害な微生物の増殖を防ぐために、水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終使用組成物に防腐剤を用いる。化粧品化学者は適切な防腐剤に精通しており、日常的にそれを選択して、防腐剤負荷試験を満足させ、製品の安定性を提供する。使用に適した従来の防腐剤には、ヒダントイン誘導体及びプロピオン酸塩などがある。特に好ましい防腐剤は、ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール、1,2-オクタンジオール、ヒドロキシアセトフェノン、エチルヘキシルグリセリン、ヘキシレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、ジメチルジメチル(DMDM)ヒダントイン及びベンジルアルコール、並びにそれらの混合物である。使用に適した他の防腐剤には、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロフェネシン、デシレングリコールなどがある。防腐剤は、組成物の使用及び防腐剤と乳濁液中の他の成分との間の起こり得る不適合性を考慮して選択されるべきである。防腐剤は、好ましくは、最終使用組成物の総重量の0.01重量%~2.0重量%(水和性組成物の総重量の7重量%まで)の範囲の量で使用され、そこに含まれるすべての範囲を含む。
【0108】
好ましくは、防腐剤は、安息香酸のアルカリ金属塩及び金属イオン封鎖剤(好ましくはEDTA)を含む。
【0109】
任意のウェット感ポリマー
カチオン性ポリマーは、コンディショニング性能を高めるための、本発明の組成物中で好ましい成分である。
【0110】
好適なカチオン性ポリマーは、カチオン的に置換されているホモポリマーであってもよいし、2種類以上のモノマーから形成されていてもよい。そのポリマーの重量平均(M)分子量は、一般に、100000~300万ダルトンであろう。そのポリマーは、四級アンモニウム又はプロトン化アミノ基のようなカチオン性窒素含有基、又はそれらの混合物を有するであろう。そのポリマーの分子量が低すぎると、コンディショニング効果が乏しくなる。高すぎる場合は、伸長粘度が高くなり、組成物を注いだときにそれの糸引きが発生するという問題が生じる場合がある。
【0111】
カチオン性窒素含有基は、一般に、カチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部に置換基として存在することになる。したがって、ポリマーがホモポリマーでない場合、スペーサーとなる非カチオン性モノマー単位を含むことができる。このようなポリマーは、CTFA Cosmetic Ingredient Directory, 3rd editionに記載されている。カチオン性モノマー単位の非カチオン性モノマー単位に対する比率は、必要な範囲のカチオン電荷密度を有するポリマーを与えるように選択され、これは一般に0.2~3.0meq/gmである。そのポリマーのカチオン電荷密度は、好適には、窒素測定のための化学試験の項で米国薬局方に記載されているようにケルダール法によって求められる。
【0112】
好適なカチオンポリマーには、例えば、カチオン性アミン又は四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプラクトン及びビニルピロリジンなどの水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーなどがある。そのアルキル置換及びジアルキル置換モノマーは、好ましくはC~Cアルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基を有する。他の好適なスペーサーには、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコール及びエチレングリコールなどがある。
【0113】
カチオン性アミンは、特定の化学種及び組成物のpHに応じて、一級、二級又は三級アミンであることができる。二級及び三級アミン、特に三級アミンが好ましい。
【0114】
アミン置換ビニルモノマー及びアミンは、アミン型で重合し、次いで四級化によりアンモニウムに変換することができる。
【0115】
カチオンポリマーは、アミン及び/又は四級アンモニウム置換モノマーから誘導されるモノマー単位及び/又は相溶性スペーサーモノマーの混合物を含むことができる。
【0116】
好適なカチオン性ポリマー(非限定的な例)としては、以下のものなどがある。
【0117】
-カチオン性ジアリル四級アンモニウム含有ポリマー、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、及びアクリルアミドと塩化ジメチルジアリルアンモニウムのコポリマー(業界(CTFA)ではそれぞれPolyquaternium6及びPolyquaternium7と称される);
-3~5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマー及びコポリマーのアミノ-アルキルエステルの鉱酸塩(米国特許第4,009,256号に記載のもの);
-カチオン性ポリアクリルアミド(WO95/22311に記載のもの)。
【0118】
使用できる他のカチオン性ポリマーには、カチオン性多糖類ポリマー、例えばカチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体、及びカチオン性グアーガム誘導体などがある。
【0119】
本発明で使用される組成物での使用に好適なカチオン性多糖類ポリマーには、下記式のモノマーなどがある。
【0120】
A-O-[R-N(R)(R)(R)X
式中、Aは、デンプン又はセルロース無水グルコース残基などの無水グルコース残基である。Rは、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、ヒドロキシアルキレン基、又はそれらの組合せである。R、R及びRは独立に、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルコキシアリール基を表し、各基は最大約18個の炭素原子を含む。各カチオン部分の炭素原子の総数(すなわち、R、R及びRの炭素原子の総数)は、好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである。
【0121】
また、別の種類のカチオン性セルロースには、業界(CTFA)ではPolyquaternium24と称される、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドを反応させたヒドロキシエチルセルロースの高分子四級アンモニウム塩などがある。これらの材料は、Amerchol社から、例えば商品名Polymer LM-200で入手可能である。
【0122】
他の好適なカチオン性多糖類ポリマーには、四級窒素含有セルロースエーテル(例えば米国特許第3,962,418号に記載)、及びエーテル化セルロースとデンプンのコポリマー(例えば米国特許第3,958,581号に記載)などがある。そのような材料の例には、業界(CTFA)でPolyquaternium 10と称されるDowからのポリマーLR及びJRシリーズなどがある。
【0123】
使用できるカチオン性多糖類ポリマーの特に好適な種類は、カチオン性グアーガム誘導体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(Rhodiaから、そのJAGUAR商標シリーズで市販されている)である。そのような材料の例は、JAGUAR C13S、JAGUAR C14及びJAGUAR C17である。
【0124】
上記のカチオン性ポリマーのいずれかの混合物を用いてもよい。
【0125】
カチオン性ポリマーは、一般に、組成物の総重量基準でカチオンポリマーの総重量の0.01~5%、好ましくは0.02~1%、より好ましくは0.05~0.8%のレベルで本発明で使用されるシャンプー組成物に存在することになる。
【0126】
他の成分
香料、固定剤、キレート剤及びスクラブ剤を本発明の組成物に含めてもよい。これらの物質のそれぞれは、最終使用組成物の総重量の約0.03~約5重量%、好ましくは0.1~3重量%の範囲であってよく、そこに包含されるすべての範囲を含む。スクラブ剤が使用される限り、本発明の組成物を分配するために使用される包装の性能を妨げないように、選択されるスクラブ剤は十分に小さい粒径のものでなければならない。
【0127】
8を超えるHLBを有する従来の乳化剤を使用しても良い。例示的な例には、Tween、40、60、80、ポリソルベート20、及びそれらの混合物などがある。代表的には、水連続システム用の乳化剤は、最終使用組成物の0.3~2.5重量%を構成する。
【0128】
別断の断りがない限り、本明細書で使用される場合、「%」は重量%を意味し、或いは重量%とも称される。本組成物の成分の重量基準での量への言及はすべて、別断の断りがない限り、組成物の総重量に基づいている。別断の断りがない限り、すべての比率は重量基準である。
【0129】
本明細書で言及されるすべての量は、別段の記載がない限り、100%活性(又は「活性」)に基づいている。100%活性(又は「活性」)とは、その材料が希釈されておらず、100体積%又は重量%であることを意味する。パーソナルケア製剤に使用される多くの材料は、異なる活性濃度、例えば70%活性又は60%活性で市販されている。例えば、70%活性界面活性剤100mLは、100%活性界面活性剤70mLと同じ量の活性材料を提供する。したがって、材料の活性における変動に備えるために、別断の記載がない限り、すべての量は100%活性材料に基づいて提供される。
【0130】
この説明で使用されるすべての数値範囲は、「約」という言葉によって修飾されるものとして理解されるべきである。数値範囲は、明示的に開示された範囲、並びにそれに包含される範囲を包含するものと理解される。本発明のシステム又は方法が、特定の構成要素及び/又は特徴を「含む(including)」又は「含む(comprising)」と記載されている場合、記載された構成要素及び/又は特徴を「本質的にからなる(consist essentially of)」又は「からなる(consist of)」より狭い実施形態も企図される。
【0131】
提供される実施例は、本発明の理解を容易にするためのものである。それらは特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。
【実施例
【0132】
実施例1:本発明による組成物1~3及び比較組成物A及びB
濃縮シャンプー組成物1~3を、本発明に従って調製した。
【0133】
比較希薄シャンプー組成物Aも調製した。
【0134】
比較濃縮シャンプーBは、多価アルコールを含めずに調製した以外、組成物3と同じであった。
【0135】
本発明による組成物1~3及び比較組成物Aの組成を、下記の表1に示している。
【0136】
表1:本発明による組成物1~3並びに比較組成物A及びBの組成
【表1】
【0137】
濃縮組成物1~3は、濃厚ペーストの形態であった。
【0138】
比較例Aは液体であった。
【0139】
調製時に、比較例Bは攪拌機表面に固体塊状物を形成し、そのために処理が非常に困難になった。
【0140】
濃縮シャンプー組成物1~3並びに比較組成物A及びBを、以下の方法により調製した。
【0141】
・ステアラミドプロピルジメチルアミンを熱水に溶解させた。
【0142】
・次いで、メチルココイルタウリン酸ナトリウムを65℃で添加し、一定の剪断下で混合した。
【0143】
・冷却して50℃としたところで、コカミドプロピルベタインを加え、全ての成分を均一になるまで十分に混和した。
【0144】
・サイドポットで、50℃未満の全水の10~20%部分に、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸をグリセロールとともに加えた。
【0145】
・温度を下げて40℃未満とし、攪拌しながら香料を加えた。
【0146】
・最後に、クエン酸を加えてpHを調節した。
【0147】
実施例2:濃縮組成物1~3及びBの希釈
濃縮組成物1~3及びBを、希薄シャンプーとしての使用のためのに下記のように希釈した。
【0148】
濃縮組成物1~3から最終使用製品の調製方法
その方法において、濃縮物の水に対する下記の量を用いて、最終使用製品500gを製造した。
【0149】
組成物1:濃縮物1部対水2部
組成物2:濃縮物1部対水3部
組成物3及びB:濃縮物1部対水4部
1.必要な量の濃縮製剤を秤量して、透明な容器に入れる。
【0150】
2.水を沸騰させ、温度が50℃に達するまで冷却する。
【0151】
3.正確な量の冷却した沸騰水を容器に加える。
【0152】
4.容器を密閉し、30秒間振盪する。
【0153】
5.静置し、未溶解部分を1分ごとに評価する。
【0154】
6.5分の時点で、再度評価し、必要に応じて容器を再度30秒間振盪する。
【0155】
組成物Bは非常に遅い速度で溶解したため、使用時に希釈する必要がある濃縮製品としての使用には適さない。
【0156】
実施例3:組成物1~3及び比較組成物A及びBの粘度
組成物1~3並びに比較例A及びBの粘度を、濃縮(希釈前)形態及び希釈形態で測定した。
【0157】
粘度を以下の表2に示している。
【0158】
表2:組成物1~3並びに比較組成物A及びBの粘度
【表2】
【0159】
希釈された組成物の粘度は、標準的なシャンプーと一致していることが分かるであろう。これは、濃厚な希薄物を好む消費者に許容される。粘度は、希薄製品と異なり、感覚的な性能を示唆するものである。これは過去に達成されたことがない。
【0160】
組成物Bは許容できないほど濃厚で固体であり、使用時に希釈できないことが観察された。
【国際調査報告】