(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】BCMA指向性細胞免疫療法の組成物および方法
(51)【国際特許分類】
C07K 16/28 20060101AFI20240709BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240709BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240709BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240709BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240709BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C07K19/00
C12N5/10
A61K35/17
A61P35/00
C12N15/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501573
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022073567
(87)【国際公開番号】W WO2023288185
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520438914
【氏名又は名称】ンカルタ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Nkarta, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100221545
【氏名又は名称】白江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】ラジャンガム,カンヤ ラクシュミ
(72)【発明者】
【氏名】トレイガー,ジェイムズ バーナビー
(72)【発明者】
【氏名】グオ ブーレン,ルシュアン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ラゼティック,アレクサンドラ ライダ リアナ
(72)【発明者】
【氏名】パテル,ニティンクマール ラクシュマンバイ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA94X
4B065AB01
4B065BA01
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB65
4C087CA12
4C087NA14
4C087ZB26
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書のいくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分が提供される。それらの抗BCMA結合部分は、BCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)において使用され得る。抗BCMA結合部分およびBCMA指向性CARを含む免疫細胞ベース組成物も本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、免疫細胞ベース組成物は、追加の腫瘍マーカーおよび/または追加の、BCMAのエピトープも標的にする。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARを、ナチュラルキラー細胞において発現させる。いくつかの実施形態では、BCMA-CAR発現NK細胞の組合せを、例えば、追加のがんマーカーおよび/または追加の、BCMAのエピトープに対するCAR発現NK細胞および/またはCAR発現T細胞と合わせて投与する。免疫療法におけるキメラ抗原受容体の方法および使用も本明細書で提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)ならびにLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗BCMA結合部分であって、
前記HCDR1は、配列番号114、105、107、129、104、106、108~113または115~128のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR2は、配列番号140、131、133、155、130、132、134~139または141~154のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR3は、配列番号166、157、159、181、156、158、160~165または167~180のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記LCDR1は、配列番号395、386、388、410、385、387、389~392または396~409のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記LCDR2は、配列番号421、412、414、436、411、413、415~420または422~435のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;および
前記LCDR3は、配列番号447、438、440、462、437、439、441~446または448~446のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、抗BCMA結合部分。
【請求項2】
1)前記HCDR1は、配列番号114に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記HCDR2は、配列番号140に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記HCDR3は、配列番号166に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
2)前記HCDR1は、配列番号105に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記HCDR2は、配列番号131に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記HCDR3は、配列番号157に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
3)前記HCDR1は、配列番号107に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記HCDR2は、配列番号133に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記HCDR3は、配列番号159に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
または
4)前記HCDR1は、配列番号129に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記HCDR2は、配列番号155に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記HCDR3は、配列番号181に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項3】
1)前記LCDR1は、配列番号395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記LCDR2は、配列番号421に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記LCDR3は、配列番号447に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
2)前記LCDR1は、配列番号386に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記LCDR2は、配列番号412に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記LCDR3は、配列番号438に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
3)前記LCDR1は、配列番号388に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記LCDR2は、配列番号414に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記LCDR3は、配列番号440に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;または
4)前記LCDR1は、配列番号410に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記LCDR2は、配列番号436に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記LCDR3は、配列番号462に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項4】
前記VHは、配列番号270、261、263、285、260、262、263~269または271~284のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項5】
前記VLは、配列番号551、542、544、566、541、543、545~550または552~565のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項6】
前記HCDR1は、配列番号192、183、185、207、182、184、186~191または192~206のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ;
前記HCDR2は、配列番号218、209、211、233、208、210、212~217または219~232のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ;および
前記HCDR3は、配列番号244、235、237、259、234、236、238~243または245~258のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項1に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項7】
前記LCDR1は、配列番号473、464、466、488、463、465、467~472または474~487のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ;
前記LCDR2は、配列番号499、490、492、514、489、491、493~498または500~513のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ;および
前記LCDR3は、配列番号525、516、518、540、515、517、519~524または526~539のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項1に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項8】
前記VHは、配列番号296、287、289、311、286、288、290~295または297~310のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項1に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項9】
前記VLは、配列番号577、568、570、592、567、569、571~576または578~591のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項1に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項10】
前記VHおよびVLは、リンカーにより分離されている、請求項1に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項11】
前記リンカーは、配列番号1388の配列を含む、請求項10に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項12】
前記VHは前記VLのN末端側である、請求項11に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項13】
配列番号603、594、596、618、593、595、597~602または604~617のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項12に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項14】
配列番号629、620、622、644、619、621、623~628、630~643または645~670のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項12に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項15】
前記VLは前記VHのN末端側である、請求項11に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項16】
配列番号681、672、674、696、671、673、675~680または682~695のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項15に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項17】
配列番号707、698、700、722、697、699、701~706、708~721または723~748のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項15に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項18】
前記リンカーは、配列番号2260の配列を含む、請求項10に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項19】
配列番号1483、1474、1476、1498、1473、1475、1477~1482または1484~1497のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項18に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項20】
配列番号1509、1500、1502、1524、1499、1501、1503~1508または1510~1523のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項18に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の抗BCMA結合部分を含むBCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項22】
請求項1~20のいずれか一項に記載の抗BCMA結合部分または請求項21に記載のCARを含む免疫細胞。
【請求項23】
ナチュラルキラー(NK)細胞またはT細胞である、請求項22に記載の免疫細胞。
【請求項24】
ヒンジドメイン;膜貫通ドメイン;およびCD3ζサブドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインをさらに含む、請求項21に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項25】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、OX40サブドメインをさらに含む、請求項24に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項26】
前記OX40サブドメインは、配列番号1394に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項25に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項27】
前記CD3ζサブドメインは、配列番号1395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項24~26のいずれか一項に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項28】
前記膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメインである、請求項24~27のいずれか一項に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項29】
前記CD8膜貫通ドメインは、配列番号1392に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項28に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項30】
前記ヒンジドメインはCD8ヒンジドメインである、請求項24~29のいずれか一項に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項31】
前記CD8ヒンジドメインは、配列番号1389に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項30に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項32】
配列番号3897、3888、3890、3912、3887、3889、3891~3896または3898~3911のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項24~31のいずれか一項に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項33】
配列番号3923、3914、3916、3938、3913、3915、3917~3922、3924~3937または3939~3964のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項32に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項34】
前記BCMA指向性CARをコードする前記核酸はさらに、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)をコードし、配列番号4001、3992、3994、4016、3991、3993、3995~4000、4002~4015または4017~4042のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項33に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項35】
配列番号4053、4044、4046、4068、4043、4045、4047~4052または4054~4067のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項24~31のいずれか一項に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項36】
配列番号4079、4070、4072、4094、4069、4071、4073~4078、4080~4093または4095~4120のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項35に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項37】
前記BCMA指向性CARをコードする前記核酸はさらに、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)をコードし、配列番号4157、4148、4150、4172、4147、4149、4151~4156、4158~4171または4173~4198のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項36に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項38】
配列番号3869、3867、3868または3870のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項24~31のいずれか一項に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項39】
配列番号3885、3883、3884または3886のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項38に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項40】
前記BCMA指向性CARをコードする前記核酸はさらに、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)をコードし、配列番号3837、3835、3836または3839のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項36に記載のBCMA指向性CAR。
【請求項41】
請求項24~40のいずれか一項に記載のCARを含む免疫細胞。
【請求項42】
ナチュラルキラー(NK)細胞またはT細胞である、請求項41に記載の免疫細胞。
【請求項43】
BCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)であって、
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含む細胞外抗BCMA結合部分であって、
前記HCDR1は、配列番号104~129、1525~1543または3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR2は、配列番号130~155、1544~1562または3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR3は、配列番号156~181、1563~1581または3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、
細胞外抗BCMA結合部分;
ヒンジドメイン;
膜貫通ドメイン;ならびに
細胞内シグナル伝達ドメイン
を含むBCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項44】
追加のHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む追加のVHであって、
前記追加のHCDR1は、配列番号3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記追加のHCDR2は、配列番号3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;および
前記追加のHCDR3は、配列番号3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、
VHをさらに含む、請求項43に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項45】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激サブドメインおよびCD3ζサブドメインを含む、請求項43または44に記載の抗BCMA結合部分。
【請求項46】
BCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作された免疫細胞の集団を含む、操作された免疫細胞の集団であって、前記CARが、
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含む細胞外抗BCMA結合部分であって、
前記HCDR1は、配列番号104~129、1525~1543または3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR2は、配列番号130~155、1544~1562または3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR3は、配列番号156~181、1563~1581または3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、細胞外抗BCMA結合部分;
ヒンジドメイン;
膜貫通ドメイン;ならびに
細胞内シグナル伝達ドメイン
を含む、集団。
【請求項47】
前記CARは、追加のHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む追加のVHであって、
前記追加のHCDR1は、配列番号3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記追加のHCDR2は、配列番号3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;および
前記追加のHCDR3は、配列番号3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、
VHをさらに含む、請求項46に記載の免疫細胞の集団。
【請求項48】
前記HCDR1は、配列番号182~207または3186~3208のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸配列によりコードされ;
前記HCDR2は、配列番号208~233または3209~3231のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸配列によりコードされ;および
前記HCDR3は、配列番号234~259または3232~3254のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸配列によりコードされる、
請求項46または47に記載の免疫細胞の集団。
【請求項49】
前記CARは、LCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)であって、
前記LCDR1は、配列番号3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記LCDR2は、配列番号3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;および
前記LCDR3は、配列番号3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、
VLをさらに含む、請求項46に記載の免疫細胞の集団。
【請求項50】
BCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作された免疫細胞の集団であって、前記CARが、
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)ならびにLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗BCMA結合部分であって、
前記HCDR1は、配列番号114、105、107、129、104、106、108~113または115~128のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR2は、配列番号140、131、133、155、130、132、134~139または141~154のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR3は、配列番号166、157、159、181、156、158、160~165または167~180のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記LCDR1は、配列番号395、386、388、410、385、387、389~392または396~409のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記LCDR2は、配列番号421、412、414、436、411、413、415~420または422~435のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;および
前記LCDR3は、配列番号447、438、440、462、437、439、441~446または448~446のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、
抗BCMA結合部分を含む、集団。
【請求項51】
1)前記HCDR1は、配列番号114に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記HCDR2は、配列番号140に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記HCDR3は、配列番号166に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
2)前記HCDR1は、配列番号105に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記HCDR2は、配列番号131に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記HCDR3は、配列番号157に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
3)前記HCDR1は、配列番号107に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記HCDR2は、配列番号133に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記HCDR3は、配列番号159に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;または
4)前記HCDR1は、配列番号129に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記HCDR2は、配列番号155に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記HCDR3は、配列番号181に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む、
請求項50に記載の免疫細胞の集団。
【請求項52】
1)前記LCDR1は、配列番号395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記LCDR2は、配列番号421に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記LCDR3は、配列番号447に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
2)前記LCDR1は、配列番号386に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記LCDR2は、配列番号412に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記LCDR3は、配列番号438に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
3)前記LCDR1は、配列番号388に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記LCDR2は、配列番号414に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記LCDR3は、配列番号440に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;または
4)前記LCDR1は、配列番号410に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、前記LCDR2は、配列番号436に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、および前記LCDR3は、配列番号462に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む、
請求50または51に記載の免疫細胞の集団。
【請求項53】
前記VHは、配列番号270、261、263、285、260、262、263~269または271~284のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項50~52のいずれか一項に記載の免疫細胞の集団。
【請求項54】
前記VLは、配列番号551、542、544、566、541、543、545~550または552~565のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項50~53のいずれか一項に記載の免疫細胞の集団。
【請求項55】
前記HCDR1は、配列番号192、183、185、207、182、184、186~191または192~206のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ;
前記HCDR2は、配列番号218、209、211、233、208、210、212~217または219~232のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ;および
前記HCDR3は、配列番号244、235、237、259、234、236、238~243または245~258のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、
請求項50~54のいずれか一項に記載の免疫細胞の集団。
【請求項56】
前記LCDR1は、配列番号473、464、466、488、463、465、467~472または474~487のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ;
前記LCDR2は、配列番号499、490、492、514、489、491、493~498または500~513のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ;および
前記LCDR3は、配列番号525、516、518、540、515、517、519~524または526~539のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、
請求項50~55のいずれか一項に記載の免疫細胞の集団。
【請求項57】
前記VHは、配列番号296、287、289、311、286、288、290~295または297~310のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項50~56のいずれか一項に記載の免疫細胞の集団。
【請求項58】
前記VLは、配列番号577、568、570、592、567、569、571~576または578~591のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項50~57のいずれか一項に記載の免疫細胞の集団。
【請求項59】
前記VHおよびVLは、リンカーにより分離されている、請求項50~58のいずれか一項に記載の免疫細胞の集団。
【請求項60】
前記リンカーは、配列番号1388の配列を含む、請求項59に記載の免疫細胞の集団。
【請求項61】
前記VHは前記VLのN末端側である、請求項60に記載の免疫細胞の集団。
【請求項62】
前記抗BCMA結合部分(抗BCMA結合)は、配列番号603、594、596、618、593、595、597~602または604~617のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項61に記載の、免疫細胞の集団。
【請求項63】
前記抗BCMA結合部分は、配列番号629、620、622、644、619、621、623~628、630~643または645~670のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項61または62に記載の免疫細胞の集団。
【請求項64】
前記VLは前記VHのN末端側である、請求項60に記載の免疫細胞の集団。
【請求項65】
前記抗BCMA結合部分は、配列番号681、672、674、696、671、673、675~680または682~695のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項64に記載の免疫細胞の集団。
【請求項66】
前記抗BCMA結合部分は、配列番号707、698、700、722、697、699、701~706、708~721または723~748のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項64または65に記載の免疫細胞の集団。
【請求項67】
前記リンカーは、配列番号2260の配列を含む、請求項59に記載の免疫細胞の集団。
配列番号1483、1474、1476、1498、1473、1475、1477~1482または1484~1497のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項67に記載の免疫細胞の集団。
【請求項68】
前記抗BCMA結合部分は、配列番号1509、1500、1502、1524、1499、1501、1503~1508または1510~1523のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項67または68に記載の免疫細胞の集団。
【請求項69】
前記免疫細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞またはT細胞である、請求項46~69のいずれか一項に記載の免疫細胞の集団。
【請求項70】
がんを処置する方法であって、BCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞の集団を、処置を必要とする対象に投与することを含み、前記CARが、
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)ならびにLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)であって、
前記HCDR1は、配列番号114、105、107、129、104、106、108~113または115~128のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR2は、配列番号140、131、133、155、130、132、134~139または141~154のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR3は、配列番号166、157、159、181、156、158、160~165または167~180のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記LCDR1は、配列番号395、386、388、410、385、387、389~392または396~409のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記LCDR2は、配列番号421、412、414、436、411、413、415~420または422~435のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;および
前記LCDR3は、配列番号447、438、440、462、437、439、441~446または448~446のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、
VHおよびVL;
ヒンジドメイン;
膜貫通ドメイン;ならびに
CD3ζサブドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン
を含む、方法。
【請求項71】
前記VHは、配列番号270、261、263、285、260、262、263~269または271~284のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項72】
前記VLは、配列番号551、542、544、566、541、543、545~550または552~565のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項71または72に記載の方法。
【請求項73】
前記BCMA指向性CARは、配列番号3897、3888、3890、3912、3887、3889、3891~3896または3898~3911のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項72または73に記載の方法。
【請求項74】
前記BCMA指向性CARは、配列番号3923、3914、3916、3938、3913、3915、3917~3922、3924~3937または3939~3964のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項74に記載の方法。
【請求項75】
前記BCMA指向性CARをコードする前記核酸はさらに、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)をコードし、配列番号4001、3992、3994、4016、3991、3993、3995~4000、4002~4015または4017~4042のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項76】
配列番号4053、4044、4046、4068、4043、4045、4047~4052または4054~4067のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項72または73に記載の方法。
【請求項77】
前記BCMA指向性CARは、配列番号4079、4070、4072、4094、4069、4071、4073~4078、4080~4093または4095~4120のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項77に記載の方法。
【請求項78】
前記BCMA指向性CARをコードする前記核酸はさらに、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)をコードし、配列番号4157、4148、4150、4172、4147、4149、4151~4156、4158~4171または4173~4198のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項79】
前記BCMA指向性CARは、配列番号3869、3867、3868または3870のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項72または73に記載の方法。
【請求項80】
前記BCMA指向性CARは、配列番号3885、3883、3884または3886のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる、請求項80に記載の方法。
【請求項81】
前記BCMA指向性CARをコードする前記核酸はさらに、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)をコードし、配列番号3837、3835、3836または3839のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項82】
前記免疫細胞はNK細胞である、請求項71~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記がんは多発性骨髄腫である、請求項71~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
BCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)を含む操作された免疫細胞の集団の、がんの処置のための使用であって、前記CARが、
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)ならびにLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)
前記HCDR1は、配列番号114、105、107、129、104、106、108~113または115~128のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR2は、配列番号140、131、133、155、130、132、134~139または141~154のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR3は、配列番号166、157、159、181、156、158、160~165または167~180のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記LCDR1は、配列番号395、386、388、410、385、387、389~392または396~409のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記LCDR2は、配列番号421、412、414、436、411、413、415~420または422~435のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;および
前記LCDR3は、配列番号447、438、440、462、437、439、441~446または448~446のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、
VHおよびVL;
ヒンジドメイン;
膜貫通ドメイン;ならびに
CD3ζサブドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン
を含む、使用。
【請求項85】
BCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)を含む操作された免疫細胞の集団の、がんの処置のための使用であって、前記CARが、
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)
前記HCDR1は、配列番号114、105、107、129、104、106、108~113または115~128のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;
前記HCDR2は、配列番号140、131、133、155、130、132、134~139または141~154のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;および
前記HCDR3は、配列番号166、157、159、181、156、158、160~165または167~180のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む、
VH;
ヒンジドメイン;
膜貫通ドメイン;ならびに
CD3ζサブドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン
を含む、使用。
【請求項86】
がんの処置用の医薬の製造における、請求項86または87に記載の使用。
【請求項87】
前記がんは多発性骨髄腫である、請求項86、87または88に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている、2021年7月12日に出願した米国仮特許出願第63/220842号の優先権を主張するものである。
ASCIIテキストファイルの材料の、参照による組込み
【0002】
以下のASCIIテキストファイルに含まれる配列表は、本明細書と同時に提出されており、ファイル名はNKT074PR_ST26.xmlで、2022年7月8日に作成され、サイズ13,071,224バイトである。電子形式のこの配列表は、参照によりその全体が本明細書に明確に組み込まれている。
【0003】
分野
本明細書で提供される方法および組成物に関する一部の実施形態は、B細胞成熟抗原(BCMA)標的化キメラ抗原受容体(CAR)を利用する細胞療法に関する。一部の実施形態は、NKおよび/またはT細胞により発現させるそのようなコンストラクトの1つまたは複数に関する。BCMAに結合する抗原結合分子も本明細書に開示される。
【背景技術】
【0004】
様々ながん、およびその細胞を健常細胞と特異的に区別する、がん細胞の特徴に関するさらなる知識が得られるにつれて、がん細胞の明確な特色を活用する治療薬が開発されつつある。操作された免疫細胞を利用する免疫療法は、がんを処置するための1つのアプローチである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
免疫療法は、免疫細胞が、疾患細胞および損傷細胞を特異的に同定してそれに対して反応する特定の標的化分子および/またはエフェクター分子を発現するように操作される、疾患の処置における新たな技術革新である。これは、すべての細胞に影響を与え、所望の帰結は、患者における副作用を軽減するために十分な健常細胞が生存することである化学療法のような従来のアプローチとは対照的に、少なくとも部分的には、疾患細胞および損傷細胞を特異的に標的とする可能性ゆえ、期待できる進歩を表す。ある免疫療法アプローチは、がんのような、目的の異常細胞の標的化された認識および破壊を達成するための、免疫細胞におけるキメラ抗原受容体(CAR)の組換え発現である。
【0006】
特定のがんでは、免疫療法に対する患者応答は、最初は堅牢かつ好ましいが、一時的である。そのようなプロファイルに対して、本明細書で提供される細胞免疫療法組成物に関するいくつかの実施形態により取り組む。例えば、いくつかの実施形態では、ナチュラルキラー(NK)細胞が、1つまたは複数のキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作される。NK細胞の生来の迅速な免疫応答と合わせた、操作されたNK細胞が示す増強した細胞傷害性ゆえ、いくつかの実施形態は、腫瘍量を実質的に低減、または除去さえもし得る増強した初期抗がん効果を可能にする。いくつかの実施形態では、そのような操作されたNK細胞は、少なくとも部分的には、T細胞と比べて低減したその免疫原性ゆえ、特に重要である。なぜなら、侵攻性のがんは、自家T細胞療法には、生成されるために十分な時間を与えない可能性があるからである。
【0007】
抗BCMA結合部分は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含み、HCDR1は、配列番号114、105、107、129、104、106、108~113または115~128のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号140、131、133、155、130、132、134~139または141~154のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号166、157、159、181、156、158、160~165または167~180のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、抗BCMA(BMCA)結合部分は、LCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)をさらに含み、LCDR1は、配列番号395、386、388、410、385、387、389~392または396~409のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号421、412、414、436、411、413、415~420または422~435のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号447、438、440、462、437、439、441~446または448~446のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分を含むBCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)が、本明細書で提供される。BCMA指向性CARの形でもよい抗BCMA結合部分を発現するように操作された免疫細胞の集団も提供される。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫のようながんを処置する方法であって、BCMA指向性CARを発現するように操作された免疫細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞および/またはT細胞)の集団を対象に投与することを含む方法が、本明細書で提供される。医薬の製造における、および/またはがんの処置のための、BCMA指向性CARの使用も、本明細書のいくつかの実施形態において提供される。
【0008】
いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のHCDR1は、配列番号114に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号140に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号166に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0009】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分のHCDR1は、配列番号105に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号131に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号157に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0010】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分のHCDR1は、配列番号107に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号133に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号159に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0011】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分のHCDR1は、配列番号129に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号155に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号181に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のLCDR1は、配列番号395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号421に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号447に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0013】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分のLCDR1は、配列番号386に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号412に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号438に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0014】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分のLCDR1は、配列番号388に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号414に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号440に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0015】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分のLCDR1は、配列番号410に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号436に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号462に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のVHは、配列番号270、261、263、285、260、262、263~269または271~284のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のVLは、配列番号551、542、544、566、541、543、545~550または552~565のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のHCDR1は、配列番号192、183、185、207、182、184、186~191または192~206のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ、抗BCMA結合部分のHCDR2は、配列番号218、209、211、233、208、210、212~217または219~232のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ、および抗BCMA結合部分のHCDR3は、配列番号244、235、237、259、234、236、238~243または245~258のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0018】
いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のLCDR1は、配列番号473、464、466、488、463、465、467~472または474~487のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ、抗BCMA結合部分のLCDR2は、配列番号499、490、492、514、489、491、493~498または500~513のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされ、および抗BCMA結合部分のLCDR3は、配列番号525、516、518、540、515、517、519~524または526~539のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0019】
いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のVHは、配列番号296、287、289、311、286、288、290~295または297~310のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のVLは、配列番号577、568、570、592、567、569、571~576または578~591のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0020】
いくつかの実施形態では、VHおよびVL(存在する場合)は、リンカーによって分離されている。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のリンカーは、配列番号1388に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を含む。いくつかの実施形態では、VHはVLのN末端側である。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号603、594、596、618、593、595、597~602または604~617のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号629、620、622、644、619、621、623~628、630~643または645~670のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0021】
いくつかの実施形態では、VL(存在する場合)はVHのN末端側である。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号681、672、674、696、671、673、675~680または682~695のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号707、698、700、722、697、699、701~706、708~721または723~748のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0022】
いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分のリンカーは、配列番号2260に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を含む。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1483、1474、1476、1498、1473、1475、1477~1482または1484~1497のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1509、1500、1502、1524、1499、1501、1503~1508または1510~1523のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0023】
本明細書に記載される抗BCMA結合部分を含むBCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)も本明細書で提供される。本明細書に記載される抗BCMA結合部分を含む免疫細胞も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、免疫細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞またはT細胞である。
【0024】
いくつかの実施形態では、CARは、ヒンジドメイン;膜貫通ドメイン;およびCD3ζサブドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインをさらに含む。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、OX40サブドメインをさらに含む。いくつかの実施形態では、OX40サブドメインは、配列番号1394に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、CD3ζサブドメインは、配列番号1395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメインである。いくつかの実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号1392に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒンジドメインはCD8ヒンジドメインである。いくつかの実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号1389に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、CD8ドメインの1つまたは複数に代わって、CD28由来のヒンジ、膜貫通、および/または細胞内ドメインを使用してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3897、3888、3890、3912、3887、3889、3891~3896または3898~3911のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3923、3914、3916、3938、3913、3915、3917~3922、3924~3937または3939~3964のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARをコードする核酸はさらに、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)をコードし、配列番号4001、3992、3994、4016、3991、3993、3995~4000、4002~4015または4017~4042のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4053、4044、4046、4068、4043、4045、4047~4052または4054~4067のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4079、4070、4072、4094、4069、4071、4073~4078、4080~4093または4095~4120のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARをコードする核酸はさらに、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)をコードし、配列番号4157、4148、4150、4172、4147、4149、4151~4156、4158~4171または4173~4198のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3869、3867、3868または3870のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3885、3883、3884または3886のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARをコードする核酸はさらに、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)をコードし、配列番号3837、3835、3836または3839のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0028】
細胞外抗BCMA結合部分;ヒンジドメイン;膜貫通ドメイン;および細胞内シグナル伝達ドメインを含むVHH-BCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)も本明細書で提供され、抗BCMA結合部分は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含み、HCDR1は、配列番号104~129、1525~1543または3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号130~155、1544~1562または3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号156~181、1563~1581または3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、抗BCMA結合部分は、追加のHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む追加のVHをさらに含み、追加のHCDR1は、配列番号3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、追加のHCDR2は、配列番号3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、および追加のHCDR3は、配列番号3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、他の配列が、追加のHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3に使用される。
【0030】
いくつかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激サブドメインおよびCD3ζサブドメインを含む。
【0031】
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含む細胞外抗BCMA結合部分;およびヒンジドメイン;膜貫通ドメイン;および細胞内シグナル伝達ドメインを含むBCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作された、操作された免疫細胞の集団も本明細書で提供され、HCDR1は、配列番号104~129、1525~1543または3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号130~155、1544~1562または3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号156~181、1563~1581または3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞により発現させるCARは、追加のHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む追加のVHをさらに含み、追加のHCDR1は、配列番号3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、追加のHCDR2は、配列番号3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、および追加のHCDR3は、配列番号3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。実施形態に応じて、他の配列が、追加のHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、HCDR1は、配列番号182~207または3186~3208のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸配列(nucleic sequence)によりコードされ、HCDR2は、配列番号208~233または3209~3231のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸配列によりコードされ、およびHCDR3は、配列番号234~259または3232~3254のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸配列によりコードされる。
【0032】
いくつかの実施形態では、CARは、LCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)をさらに含み、LCDR1は、配列番号3117~3139のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号3140~3162のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号3163~3185のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0033】
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)ならびにLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗BCMA結合部分を含むBCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作された免疫細胞の集団も本明細書で提供され、HCDR1は、配列番号114、105、107、129、104、106、108~113または115~128のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号140、131、133、155、130、132、134~139または141~154のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号166、157、159、181、156、158、160~165または167~180のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み;LCDR1は、配列番号395、386、388、410、385、387、389~392または396~409のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号421、412、414、436、411、413、415~420または422~435のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR3は、配列番号447、438、440、462、437、439、441~446または448~446のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、がんを処置する方法であって、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)ならびにLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)ならびにヒンジドメイン、膜貫通ドメインならびにCD3ζサブドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインを含むBCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞の集団を、処置を必要とする対象に投与することを含む方法が、本明細書で提供され、HCDR1は、配列番号114、105、107、129、104、106、108~113または115~128のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号140、131、133、155、130、132、134~139または141~154のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号166、157、159、181、156、158、160~165または167~180のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR1は、配列番号395、386、388、410、385、387、389~392または396~409のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号421、412、414、436、411、413、415~420または422~435のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR3は、配列番号447、438、440、462、437、439、441~446または448~446のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VHは、配列番号270、261、263、285、260、262、263~269または271~284のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、VLは、配列番号551、542、544、566、541、543、545~550または552~565のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3897、3888、3890、3912、3887、3889、3891~3896または3898~3911のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4053、4044、4046、4068、4043、4045、4047~4052または4054~4067のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3869、3867、3868または3870のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞の集団の方法(および使用)は、多発性骨髄腫のようながんの処置のためである。
【0035】
HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)ならびにLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗BCMA結合部分が、本明細書に開示される。抗BCMA結合部分に関する一部の実施形態では、HCDR1は、配列番号104~129のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号130~155のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号156~181のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。抗BCMA結合部分に関する一部の実施形態では、LCDR1は、配列番号385~410のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号411~436のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号437~462のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、VHは、配列番号260~285のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、VLは、配列番号541~566のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0036】
細胞外抗BCMA結合部分、ヒンジドメイン、膜貫通ドメイン、ならびにOX40サブドメインおよびCD3ζサブドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインを含むBCMA指向性キメラ抗原受容体も本明細書に開示される。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、本明細書に開示される抗BCMA結合部分のいずれか1つである。一部の実施形態では、OX40サブドメインは、配列番号1394に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD3ζサブドメインは、配列番号1395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメインである。一部の実施形態では、ヒンジドメインは、CD8ヒンジドメイン、IgG4ヒンジドメインまたはRQRCD8ヒンジドメインである。
【0037】
BCMA指向性CARおよび膜結合型IL15(mbIL15)を含むBCMA指向性CARコンストラクトも本明細書に開示される。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、本明細書に開示されるBCMA指向性CARのいずれか1つである。一部の実施形態では、mbIL15は、配列番号1398に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。
【0038】
本明細書に開示される抗BCMA結合部分、BCMA指向性CARまたはBCMA指向性CARコンストラクトのいずれか1つを含む免疫細胞または免疫細胞の集団も本明細書に開示される。一部の実施形態では、免疫細胞はNK細胞および/またはT細胞である。
【0039】
処置を必要とする対象においてがんを処置する方法も本明細書に開示される。一部の実施形態では、本方法は、本明細書に開示される抗BCMA結合部分、BCMA指向性CAR、BCMA指向性CARコンストラクトまたは操作された免疫細胞のいずれか1つを対象に投与することを含む。がんの処置において使用するための、本明細書に開示される抗BCMA結合部分、BCMA指向性CAR、BCMA指向性CARコンストラクトまたは操作された免疫細胞のいずれか1つも本明細書に開示される。医薬の製造において使用するための、本明細書に開示される抗BCMA結合部分、BCMA指向性CAR、BCMA指向性CARコンストラクトまたは操作された免疫細胞のいずれか1つも本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1A~1Dは、例えばBCMAを標的にするために使用したCARコンストラクトの非限定的な実施形態のコレクションを示す。示されるコンストラクトは、自己切断ペプチド(例えばT2A)によって、CARそれ自体から分離されている膜結合型IL15コンストラクトを含む。しかし、IL15コンストラクト(および分離させる自己切断ペプチド)を除いたCARも本明細書で提供される。「CD8SP」:CD8シグナルペプチド;「GSリンカー」:グリシンおよびセリンを含むリンカー;「VH」:重鎖可変領域;「VL」:軽鎖可変領域;「CD8TM」:CD8膜貫通ドメイン;「CD8IC」:CD8細胞内ドメイン;「OX40」:OX40細胞内ドメイン;「CD3ζ」:CD3ζドメイン。
図1Aは、VH-VLフォーマットを示す。
図1Bは、VL-VHフォーマットを示す。
図1Cは、より短いヒンジ(IgG4)を有するVH-VLフォーマットを示す。
図1Dは、より長いヒンジ(RQRCD8)を有するVH-VLフォーマットを示す。これらはヌクレオチド配列を表し、コードされるCARコンストラクトは、コードされる場合のT2AおよびmbIL15を含まず、細胞上で別個に発現されると理解される。
【0041】
【
図2】
図2は、重鎖可変領域(VH)相補性決定領域(CDR)1、2および3(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)配列の非限定的な組合せを示す。抗BCMA結合部分、BCMA指向性CARおよびそれらを発現する細胞の実施形態は、本明細書に示される非限定的な組合せのいずれかを使用し得る。
【0042】
【
図3】
図3は、軽鎖可変領域(VL)CDR1、2および3(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)配列の非限定的な組合せを示す。抗BCMA結合部分、BCMA指向性CARおよびそれらを発現する細胞の実施形態は、本明細書に示される非限定的な組合せのいずれかを使用し得る。
【0043】
【
図4】
図4は、VHおよびVL配列の非限定的な組合せを示す。抗BCMA結合部分、BCMA指向性CARおよびそれらを発現する細胞の実施形態は、本明細書に示される非限定的な組合せのいずれかを使用し得る。
【0044】
【
図5】
図5A~5Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図5Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、OX-40共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVH-GSリンカー-VL scFvの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図5Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図5Cおよび5Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0045】
【
図6】
図6A~6Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図6Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、OX-40共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVH-ウィットローリンカー-VL scFv、AAAスペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図6Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図6Cおよび6Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0046】
【
図7】
図7A~7Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図7Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、OX-40共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVL-ウィットローリンカー-VH scFv、AAAスペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図7Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図7Cおよび7Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0047】
【
図8】
図8A~8Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図8Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、OX-40共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うラクダVHHドメインの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図8Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図8Cおよび8Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0048】
【
図9】
図9A~9Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図9Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、OX-40共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うラクダVHHドメイン-GSリンカー-VHHドメインの非限定的な概略図を示す。VHHドメインは、同じドメインであっても異なるドメインであってもよい。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図9Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図9Cおよび9Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0049】
【
図10】
図10A~10Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図10Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、OX-40共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVL-ウィットローリンカー-VH scFv、AAAスペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図10Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図10Cおよび10Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0050】
【
図11】
図11A~11Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図11Aは、CD28ヒンジ、CD28膜貫通ドメイン、CD28細胞内ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVL-ウィットロー-VH、AAAスペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図11Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図11Cおよび11Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0051】
【
図12】
図12A~12Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図12Aは、CD28ヒンジ、CD28膜貫通ドメイン、CD28細胞内ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVH-GSリンカーVL scFv、AAAスペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図12Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図12Cおよび12Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0052】
【
図13】
図13A~13Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図13Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、4-1BB共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVH-GSリンカー-VL scFv、AAAスペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図13Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図13Cおよび13Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0053】
【
図14】
図14A~14Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図14Aは、CD28ヒンジ、CD28膜貫通ドメイン、CD28細胞内ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVL-ウィットロー-VH scFv、AAAスペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図14Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図14Cおよび14Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0054】
【
図15】
図15A~15Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図15Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、4-1BB共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVL-ウィットロー-VH scFv、AAAスペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図15Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図15Cおよび15Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0055】
【
図16】
図16A~16Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図16Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、4-1BB共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVH-GSリンカー-VL scFv、AAAスペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図16Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図16Cおよび16Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0056】
【
図17】
図17A~17Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図17Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、4-1BB共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴うVL-ウィットローリンカー-VH scFv、(AAA)
2スペーサーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図17Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図17Cおよび17Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0057】
【
図18】
図18A~18Dは、例えばBCMAを標的にするために本明細書で提供されるCARコンストラクトの様々な非限定的な実施形態の概略図を示す。
図18Aは、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、CD8α細胞内ドメイン、4-1BB共刺激ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを伴う、VHH-GSリンカー-VHH構造、AAAスペーサーのマルチドメインラクダBCMAバインダーの非限定的な概略図を示す。本明細書で提供されるすべての実施形態において使用されるものではないが、T2A自己切断ペプチドと、それに続く、mbIL15をコードする追加のヌクレオチドも概略図に含まれる。
図18Bは、コードされるアミノ酸を示す。
図18Cおよび18Dは、対応する、FLAGタグ-リンカー複合体を伴わないコンストラクトの概略図を示す。
【0058】
【
図19】
図19は、CARフォーマットの様々な非限定的な実施例の、Jurkat細胞中での発現を示すドットプロットを示す。
【0059】
【
図20】
図20は、BCMA指向性CARの非限定的な実施形態の機能に関連するデータを示す。この図は、標的MM.1S細胞を、本明細書で提供されるBCMA指向性CARを発現するように操作されたJurkat細胞と共培養した場合の、トニック活性化(Y軸)に対するBCMA結合が誘導する活性化(X軸)の評価に関連するデータを示す。使用したエフェクター対標的(E:T)細胞比は、1:1(Jurkat:MM.1S)であった。
【0060】
【
図21】
図21は、本明細書で提供されるCARの様々な非限定的な実施形態の、BCMAが誘導する活性化のトニック活性化に対する比に関連するデータを示す。
【0061】
【
図22】
図22は、各々の個々のクローンの配列は異なるが共通のCAR構造を共有する、CARの様々なクローンの発現(左パネル)に関連する追加のデータを示す。
図22の右パネルは、各クローンのBCMA結合を示す。
【0062】
【
図23】
図23A~23Bは、活性に対するCAR発現の散布図を示す。
図23Aは、BCMA結合が誘導するCAR活性化に対するCAR発現の散布図を示す。
図23Bは、トニックシグナル伝達に対するCAR発現の散布図を示す。
【0063】
【
図24】
図24は、BCMA結合に対するCAR発現の散布図を示す。
【0064】
【
図25】
図25は、本明細書で提供される様々なCARコンストラクトの活性化/トニックシグナル伝達比の散布図を示す。
【0065】
【
図26-1】
図26A~26Fは、本明細書で提供されるCARの、その構造の一側面であるリンカーに基づく機能に関連するデータを示す。
図26Aは、ウィットローリンカーを使用したCARに対する、GSリンカーを使用したCARの活性化/トニックシグナル伝達比に関連するデータを示す。
図26Bは、ウィットローリンカーを使用したCARに対する、GSリンカーを使用したCARの発現データを示す。
図26Cは、VH-VLフォーマットを利用するscFvを使用した本明細書で提供されるCARに対する、VL-VHフォーマットを利用するscFvを使用した本明細書で提供されるCARの活性化/トニックシグナル伝達比に関連するデータを示す。
図26Dは、VH-VLフォーマットを利用するscFvを使用した本明細書で提供されるCARに対する、VL-VHフォーマットを利用するscFvを使用した本明細書で提供されるCARの発現に関連するデータを示す。
図26Eは、CD28(ヒンジ、膜貫通および細胞内)ドメインを使用した本明細書で提供されるCARに対する、OX-40共刺激ドメインを伴うCD8ドメインを使用したCARの、活性化/トニックシグナル伝達比に関連するデータを示す。
【0066】
【
図27】
図27は、1つまたは複数のラクダVHHドメインを使用した、一価または二価のCARの発現およびBCMA結合機能に関連する要約データを示す。
【0067】
【
図28】
図28A~28Bは、1つまたは複数のラクダVHHドメインを使用した、一価および二価のCARの発現およびBCMA結合機能に関連するデータを示す。
図28Aは、1つまたは複数のラクダVHHを使用した、二価CAR(Y軸)に対する一価CARの発現データを示す。
図28Bは、二価VHH-CAR(Y軸)に対する一価VHH-CARのBCMA結合データを示す。
【0068】
【
図29-1】
図29A~29Dは、1つまたは複数のVHHドメインを利用するCARを発現する細胞の様々な特徴の評価を示す。
図29Aは、1つまたは複数のVHHを含む、二価CAR(Y軸)に対する一価CAR(X軸)のトニックシグナル伝達活性の散布図を示す。
図29Bは、二価VHH-CAR(Y軸)に対する一価VHH-CAR(X軸)の活性化/トニックシグナル伝達比の散布図を示す。
図29Cは、選択した二価VHH-CAR(黒色バー)および一価VHH-CAR(白色バー)の活性化/トニックシグナル伝達比を示すヒストグラムである。
図29Dは、選択した二価VHH-CAR(黒色バー)および一価VHH-CAR(白色バー)から検出されたトニックシグナル伝達に関連するデータを示す。
【0069】
【
図30】
図30A~30Bは、異なるCARコンストラクトを比較するデータを示す。
図30Aは、scFv(丸)を使用したCARに対するVHH-CAR(三角)および対応する対照(scFvは四角、VHHはX)の、トニックシグナル伝達に対する発現の散布図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
詳細な記載
本明細書で提供される方法および組成物に関する一部の実施形態は、抗BCMA結合部分に関する。本明細書に開示される抗BCMA結合部分のいずれかを含むBCMA指向性キメラ抗原受容体(CAR)も本明細書に開示される。一部の実施形態では、本明細書に記載される細胞上でCARを発現させる。一部の実施形態は、免疫療法における、方法または組成物もしくは細胞の使用を含む。一部の実施形態は、ナチュラルキラー(NK)細胞上で発現させた抗BCMA CARの使用に関する。
【0071】
用語「抗がん効果」は、様々な手段によって明らかになり得る生物学的効果に関し、腫瘍容量(tumor volume)の低下、がん細胞の数の低下、転移の数の低下、平均余命の上昇、がん細胞増殖の低下、がん細胞生存の低下、またはがん性状態と関連する様々な生理的症状の改善を含むがそれらに限定されない。「抗がん効果」は、そもそもがんの発生の予防におけるCARの能力によっても明らかになり得る。
【0072】
細胞型
本明細書で提供される方法および組成物に関する一部の実施形態は、免疫細胞のような細胞に関する。例えば、免疫細胞は、BCMA指向性CARのようなキメラ抗原受容体を含むように操作してもよく、または本明細書に記載される前記CARをコードする核酸を含むように操作してもよい。
【0073】
従来の抗がん療法は外科的アプローチ、放射線療法、化学療法またはそれらの方法の組合せに依拠した。研究が、特定のがんの機構の一部のより深い理解をもたらしたため、その理解が、標的がん療法を開発するために活用された。標的療法は、がん細胞増殖を低減または阻止するために、がん細胞、またはがん増殖を支持する細胞(例えば血管細胞)において見出された特異的な遺伝子またはタンパク質を標的とする特定の薬物を利用するがん処置である。ごく最近になって、遺伝子工学は、がんと闘う免疫系の特定の側面を利用するアプローチが開発されることを可能にした。一部の場合、患者自身の免疫細胞が、患者のがんの種類を特異的に根絶するように修飾される。本明細書により詳細に記載されるように、様々な種類の免疫細胞、例えば、T細胞および/またはナチュラルキラー(NK細胞)が使用可能である。
【0074】
がん免疫療法を促進するために、標的結合部分(例えば、がん細胞によって発現されるリガンドの細胞外バインダー、例えばBCMA指向性キメラ抗原受容体)および細胞傷害性シグナル伝達複合体を含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードするポリヌクレオチド、ポリペプチドおよびベクターが、本明細書で提供される。一部の実施形態は、がんへの免疫細胞の標的化およびがん細胞に対する細胞傷害効果の発揮を促進するために、BCMA指向性キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはベクターを含む。そのようなCARを発現する操作された免疫細胞(例えば、T細胞および/またはNK細胞)も提供される。本明細書のいくつかの実施形態において、2つ以上のサブドメインを含む細胞外ドメインと細胞傷害性シグナル伝達複合体とを含むコンストラクトをコードするポリヌクレオチド、ポリペプチドおよびベクターも提供される。そのような二重特異性コンストラクトを発現する操作された免疫細胞(例えば、T細胞および/またはNK細胞)も提供される。がんを処置する方法、およびがん免疫療法のための、そのような細胞の他の使用も本明細書で提供される。
【0075】
免疫療法のための操作された細胞
いくつかの実施形態では、免疫系の細胞は、腫瘍細胞のような標的細胞に対する増強した細胞傷害効果を有するように操作される。例えば、免疫系の細胞は、本明細書に記載されるBCMA指向性キメラ抗原受容体を含むように操作され得る。いくつかの実施形態では、白血球細胞または白血球を使用する。なぜなら、その生来の機能は、異常細胞の増殖および感染症から身体を守ることであるからである。ヒト免疫系において特異的な役割を果たす様々な種類の白血球細胞が存在するため、それらは、本明細書に開示される細胞の操作の好ましい起点である。白血球細胞は、顆粒球および無顆粒球(それぞれ、細胞質内での顆粒の存在または不在)を含む。顆粒球は、好塩基球、好酸球、好中球および肥満細胞を含む。無顆粒球は、リンパ球および単球を含む。以下に続くか、またはその他の点で本明細書に記載されるような細胞は、BCMA指向性キメラ抗原受容体のようなキメラ抗原受容体、またはそのようなキメラ抗原受容体をコードする核酸を含むように操作され得る、および/または膜結合型インターロイキン15(mbIL15)共刺激ドメインを共発現するように操作され得る。
【0076】
免疫療法のための単球
単球は、白血球の亜型である。単球は、マクロファージおよび骨髄系統樹状細胞へと分化し得る。単球は、適応免疫系と関連し、食作用、抗原提示およびサイトカイン産生の主機能を果たす。食作用は、細胞物質または細胞全体の取込みとそれに続く、貪食された細胞物質の消化および破壊のプロセスである。いくつかの実施形態では、単球は、本明細書に開示される追加の1つまたは複数の操作された細胞との関連で使用される。本明細書に記載される方法および組成物に関する一部の実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体またはそのBCMA指向性キメラ抗原受容体をコードする核酸を含む単球に関する。本明細書に開示される方法および組成物に関するいくつかの実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体および膜結合型インターロイキン15(mbIL15)共刺激ドメインを発現するように操作された単球に関する。
【0077】
免疫療法のためのリンパ球
白血球の他の一次性亜型であるリンパ球は、T細胞(細胞性の細胞傷害性適応免疫)、ナチュラルキラー細胞(細胞性の細胞傷害性自然免疫)およびB細胞(体液性の抗体駆動性適応免疫)を含む。本明細書に開示されるいくつかの実施形態によりB細胞が操作される一方、いくつかの実施形態は、操作されたT細胞または操作されたNK細胞(一部の実施形態では、T細胞とNK細胞との混合物を使用する)にも関する。本明細書に記載される方法および組成物に関する一部の実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体またはそのBCMA指向性キメラ抗原受容体をコードする核酸を含むリンパ球に関する。本明細書に開示される方法および組成物に関するいくつかの実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体および膜結合型インターロイキン15(mbIL15)共刺激ドメインを発現するように操作されたリンパ球に関する。
【0078】
免疫療法のためのT細胞
T細胞は、細胞表面上のT細胞受容体の存在に基づいて、他のリンパ球亜型(例えば、B細胞またはNK細胞)と区別可能である。T細胞は、様々な異なる亜型に区分でき、エフェクターT細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、メモリーT細胞、制御性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、粘膜関連インバリアントT細胞およびガンマデルタT細胞を含む。一部の実施形態では、T細胞の特定の亜型が操作される。一部の実施形態では、T細胞亜型の混合プールが操作される。一部の実施形態では、本明細書に開示される細胞傷害性受容体複合体を発現するように操作されるべきT細胞の種類の特定の選択はない。いくつかの実施形態では、特異的マーカープロファイルを有するT細胞の増加(expansion)/捕集を向上させるために、サイトカイン刺激の使用のような特定の技術を使用する。例えば、いくつかの実施形態では、特定のヒトT細胞、例えば、CD4+T細胞、CD8+T細胞の活性化は、刺激分子としてのCD3および/またはCD28の使用により達成される。いくつかの実施形態では、がんまたは感染症を処置または予防する方法であって、本明細書に記載される細胞傷害性受容体複合体および/またホーミング部分を発現するT細胞の治療上有効量を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、操作されたT細胞は自家細胞である一方、一部の実施形態では、T細胞は同種細胞である。本明細書に記載される方法および組成物に関する一部の実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体またはそのBCMA指向性キメラ抗原受容体をコードする核酸を含むT細胞に関する。本明細書に開示される方法および組成物に関するいくつかの実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体および膜結合型インターロイキン15(mbIL15)共刺激ドメインを発現するように操作されたT細胞に関する。
【0079】
免疫療法のためのNK細胞
いくつかの実施形態では、がんまたは感染症を処置または予防する方法であって、本明細書に記載される細胞傷害性受容体複合体および/またホーミング部分を発現するナチュラルキラー(NK)細胞の治療上有効量を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、操作されたNK細胞は自家細胞である一方、一部の実施形態では、NK細胞は同種細胞である。いくつかの実施形態では、NK細胞が好ましい。なぜなら、NK細胞の生来の細胞傷害性は比較的高いからである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される操作された細胞が、NK細胞の細胞傷害活性をさらに上方制御し得ることが予想外に有益であり、標的細胞(例えば、腫瘍または他の疾患細胞)に対するいっそう有効な活性をもたらす。いくつかの実施形態では、特に効果的である細胞療法組成物を提供するために、NK細胞の高度の急性細胞傷害性(本明細書に開示される工法によりさらに増強させる)を活用する。本明細書に記載される方法および組成物に関する一部の実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体またはそのBCMA指向性キメラ抗原受容体をコードする核酸を含むNKに関する。本明細書に開示される方法および組成物に関するいくつかの実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体および膜結合型インターロイキン15(mbIL15)共刺激ドメインを発現するように操作されたNK細胞に関する。一部の実施形態では、NK細胞は、細胞株NK-92に由来する。NK-92細胞は、NK細胞に由来し、正常NK細胞により提示される主要抑制性受容体を欠くが、活性化受容体の大半は保持する。本明細書に記載されるNK-92細胞に関する一部の実施形態は、追加の特定の抑制性受容体、例えばSMAD3をサイレンシングするように操作されたNK-92細胞に関し、インターフェロン-γ(IFNγ)、グランザイムBおよび/またはパーフォリンの産生の上方制御を可能にする。NK-92細胞株に関する追加情報は、国際公開第1998/49268号および米国特許出願公開第2002-0068044号に開示され、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される他の細胞型の1つまたは複数と組み合わせてNK-92細胞を使用する。例えば、一実施形態では、本明細書に開示されるNK細胞と組み合わせてNK-92細胞を使用する。さらなる一実施形態では、本明細書に開示されるT細胞と組み合わせてNK-92細胞を使用する。
【0080】
がん免疫療法のための造血幹細胞
一部の実施形態では、本明細書に開示される免疫療法の方法において造血幹細胞(HSC)を使用する。いくつかの実施形態では、細胞は、ホーミング部分および/または細胞傷害性受容体複合体を発現するように操作される。いくつかの実施形態では、例えば、がんの寛解に立ち向かう、標的化された抗がんエフェクター細胞の持続的な供給源をもたらし得る長期血液細胞産生を生着させるその能力を活用するために、HSCを使用する。いくつかの実施形態では、この進行中の産生は、例えば、腫瘍微小環境に起因する、他の細胞型の免疫不応答または消耗を相殺するために役立つ。いくつかの実施形態では、同種HSCを使用する一方、一部の実施形態では、自家HSCを使用する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される追加の1つまたは複数の操作された細胞型との関連でHSCを使用する。本明細書に記載される方法および組成物に関する一部の実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体またはそのBCMA指向性キメラ抗原受容体をコードする核酸を含む幹細胞、例えば造血幹細胞に関する。本明細書に開示される方法および組成物に関するいくつかの実施形態は、BCMA指向性キメラ抗原受容体および膜結合型インターロイキン15(mbIL15)共刺激ドメインを発現するように操作された幹細胞、例えば造血幹細胞に関する。
【0081】
がん免疫療法のための人工多能性幹細胞
一部の実施形態では、本明細書に開示される免疫療法の方法において人工多能性幹細胞(iPSC)を使用する。いくつかの実施形態では、非多能性細胞へと分化および誘導するその能力を活用するためにiPSCを使用し、分化するiPSCを介して、選択された部位において1つまたはいくつかの遺伝子修飾を含むCD34細胞、造血性内皮細胞、HSC(造血幹細胞・前駆細胞)、造血多能性前駆細胞、T細胞前駆体、NK細胞前駆体、T細胞、NKT細胞、NK細胞およびB細胞、またはその同じ選択された部位において同じ遺伝子修飾を含むあまり分化していない細胞を含むがそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、iPSC由来のNKまたはT細胞を生成するためにiPSCを使用する。いくつかの実施形態では、細胞は、ホーミング部分および/または細胞傷害性受容体複合体を発現するように操作される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される追加の1つまたは複数の操作された細胞型との関連でiPSCを使用する。本明細書に記載される方法および組成物に関する一部の実施形態は、腫瘍マーカー、例えば、本明細書に開示されるその他のいずれかの中でもCD19、CD123、CD70、Her2、メソテリン、クローディン6、BCMA、EGFRを標的とするCARおよび適宜、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)共刺激ドメインを発現するように操作された幹細胞、例えば人工多能性幹細胞に関する。本明細書に開示される方法および組成物に関するいくつかの実施形態は、腫瘍上のリガンド、例えば、MICA、MICB、ULBP1、ULBP2、ULBP3、ULBP4、ULBP5およびULBP6(中でも)を標的とする活性化キメラ抗体ならびに適宜、膜結合型インターロイキン15(mbIL15)共刺激ドメインを発現するように操作された人工多能性幹細胞に関する。
【0082】
免疫細胞の遺伝子工学
前記で考察したように、様々な細胞型を細胞免疫療法において利用できる。さらに、以下でより詳細に説明し、かつ実施例において示すように、それらの細胞に対して、その有効性(例えば細胞傷害性)および/または存続(例えば活動的寿命)の1つまたは複数の側面を向上させるために、遺伝子修飾を行うことができる。本明細書で考察されるように、いくつかの実施形態では、免疫療法のためにNK細胞を使用する。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、NK細胞の遺伝子編集は、有利には、編集されたNK細胞に、腫瘍微小環境において生成される様々な抑制シグナルに抵抗するおよび/または打ち勝つための能力を与えることができる。腫瘍は、免疫細胞の抗がん効果を低減させることを意図する様々なシグナル伝達分子を生成することが公知である。以下でより詳細に考察するように、いくつかの実施形態では、NK細胞の遺伝子編集は、この腫瘍微小環境の、本明細書で提供されるNK細胞、T細胞、NK細胞とT細胞との組合せ、または編集/操作されたいずれかの免疫細胞に対する抑制効果を限定する。以下で考察するように、いくつかの実施形態では、標的タンパク質の発現を、例えば、そのタンパク質をコードする根本的な遺伝子の破壊により低減またはノックアウトするために遺伝子編集を利用する。いくつかの実施形態では、遺伝子編集は、標的タンパク質の発現を、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%またはそれ以上(列挙したものの間のいずれかの量を含む)低減させ得る。いくつかの実施形態では、遺伝子は、標的タンパク質の発現が検出不可能であるように完全にノックアウトされる。いくつかの実施形態では、標的タンパク質の発現を「ノックイン」または他の様式で増強させるために、遺伝子編集を使用する。いくつかの実施形態では、標的タンパク質の発現を、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%またはそれ以上(列挙したものの間のいずれかの量を含む)増強させることができる。
【0083】
非限定的な例として、TGF-ベータは、腫瘍細胞によって放出されるそのようなサイトカインであり、腫瘍微小環境内での免疫抑制をもたらす。その免疫抑制は、免疫細胞の、腫瘍細胞を破壊する能力を低減させ、操作されたCAR免疫細胞でさえもそうであり、そのため腫瘍進行を可能にする。いくつかの実施形態では、以下で詳細に考察するように、免疫チェックポイント阻害剤が、遺伝子編集により破壊される。いくつかの実施形態では、腫瘍微小環境における免疫抑制サイトカインのブロッカー(その放出のブロッカー、またはシグナル伝達分子の、免疫細胞に結合して阻害する能力を低減させる競合的阻害剤を含む)を使用する。そのようなシグナル伝達分子は、TGF-ベータ、IL10、アルギナーゼ、誘導性NOS、反応性NOS、Arg1、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、およびPGE2を含むがそれらに限定されない。しかし、さらなる実施形態では、NK細胞(または他の細胞)の、所定の免疫抑制性シグナル伝達分子に応答する能力が破壊および/または除去されている免疫細胞、例えばNK細胞が提供される。例えば、いくつかの実施形態では、NK細胞またはT細胞は、TGF-ベータに対する低減した感受性を有するようにするために、遺伝子編集される。TGF-ベータは、増殖および細胞傷害性の少なくともレベルに関してNK細胞機能の阻害剤である。したがって、一部の実施形態によると、TGF-ベータ受容体の発現は、編集されたNKが、腫瘍微小環境におけるTGF-ベータの免疫抑制効果に対して耐性であるように、遺伝子編集によりノックダウンまたはノックアウトされる。いくつかの実施形態では、TGFB2受容体は、遺伝子編集を介して、例えば、CRISPR-Cas編集の使用により、ノックダウンまたはノックアウトされる。他の実施形態では、低分子干渉RNA、アンチセンスRNA、TALENまたはジンクフィンガーを使用する。一部の実施形態では、TGF-ベータ受容体の他のアイソフォーム(例えば、TGF-ベータ1および/またはTGF-ベータ3)を編集する。一部の実施形態では、遺伝子編集を介して、T細胞中のTGF-ベータ受容体をノックダウンする。
【0084】
さらなる実施形態に従って、NK細胞(またはT細胞)機能の1つまたは複数の側面の他の調節因子を、遺伝子編集を介して調節する。様々なサイトカインは、免疫細胞に負のシグナル(前記のTGF-ベータと同様)または正のシグナルを与える。非限定的な例として、IL15は、NK細胞の正の制御因子であり、本明細書に開示されるように、NK細胞ホーミング、NK細胞遊走、NK細胞増加/増殖、NK細胞の細胞傷害性および/またはNK細胞存続の1つまたは複数を向上させ得る。正常な生理学的状況では、NK細胞を制御下におくために、サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CIS、CISH遺伝子によりコードされる)が、NK細胞におけるIL-15シグナル伝達の、決定的な負の制御因子として作用する。本明細書で考察されるように、IL15生物学は、NK細胞機能性の複数の側面に影響を与え、中でも、増殖/増加、活性化、細胞傷害性、存続、ホーミング、遊走を含むがそれらに限定されない。したがって、いくつかの実施形態によると、CISHの編集は、複数の機能性にわたるNK細胞の機能性を向上させ、より有効かつ長続きするNK細胞治療薬をもたらす。いくつかの実施形態では、操作されたNK細胞の投与と合わせて、CISの阻害剤を使用する。いくつかの実施形態では、CIS発現は、CISH遺伝子の遺伝子編集を介して、例えば、CRISPR-Cas編集の使用により、ノックダウンまたはノックアウトされる。他の実施形態では、低分子干渉RNA、アンチセンスRNA、TALENまたはジンクフィンガーを使用する。一部の実施形態では、遺伝子編集を介して、T細胞中のCIS発現をノックダウンする。
【0085】
いくつかの実施形態では、CISH遺伝子編集は、標的部位への向上したホーミング能力をNK細胞に与える。いくつかの実施形態では、CISH遺伝子編集は、例えば化学誘引物質に応じて組織内で遊走する、または忌避物質から離れる、向上した能力をNK細胞に与える。いくつかの実施形態では、CISH遺伝子編集は、向上した、活性化され得る能力、したがって、例えば、抗腫瘍効果を発揮する能力をNK細胞に与える。いくつかの実施形態では、CISH遺伝子編集は、増強した増殖能力をNK細胞に与え、それが、いくつかの実施形態では、ドナーの血液試料からの安定したNK細胞数の生成を可能にする。さらに、そのような実施形態では、CISHに関して編集され、かつCARを発現するように操作されたNK細胞は、培養において、より容易に、堅牢に、かつ一貫して増加する。いくつかの実施形態では、CISH遺伝子編集は、増強した細胞傷害性をNK細胞に与える。いくつかの実施形態では、CISHの編集は、CARを発現する操作されたNK細胞および/または操作されたT細胞の細胞傷害効果を相乗的に増強させる。
【0086】
いくつかの実施形態では、CISH遺伝子編集は、多種多様な経路を活性化または阻害する。CISタンパク質は、例えば、JAK-STATシグナル伝達経路の阻害を通した、IL15シグナル伝達の負の制御因子である。これらの経路は、典型的に、IL15応答性遺伝子(CISHを含む)の転写をもたらす。いくつかの実施形態では、CISHのノックダウンは、JAK-STAT(例えばJAK1-STAT5)シグナル伝達を脱抑制し、IL15応答性遺伝子の増強した転写が存在する。いくつかの実施形態では、CISHのノックアウトは、哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)を介する、増強したシグナル伝達をもたらし、細胞代謝および呼吸に関連する遺伝子の発現の対応する上昇を伴う。いくつかの実施形態では、CISHのノックアウトは、IL15が誘導する、IL-15RαまたはIL-2/15RβではないがIL-2Rα(CD25)の発現の上昇、IL15および/またはIL2のNK細胞膜結合の向上、STAT-3および/またはSTAT-5のリン酸化の上昇、および抗アポトーシスタンパク質、例えばBcl-2の発現の上昇をもたらす。いくつかの実施形態では、CISHノックアウトは、ミトコンドリア機能(例えば、電子伝達系および細胞呼吸)ならびに細胞周期に関連する選択された遺伝子の、IL15が誘導する上方制御をもたらす。したがって、いくつかの実施形態では、遺伝子編集によるCISHのノックアウトは、少なくとも部分的に代謝リプログラミングを介して、NK細胞の細胞傷害性および/または存続を向上させる。いくつかの実施形態では、細胞代謝の負の制御因子、例えばTXNIPは、CISHノックアウトに応じて下方制御される。いくつかの実施形態では、BIRC5(サバイビン)、TOP2A、CKS2およびRACGAP1を含む、細胞生存および増殖に関するプロモーターは、CISHノックアウト後に上方制御されるのに対して、抗増殖性またはアポトーシス促進性のタンパク質、例えば、TGFB1、ATMおよびPTCH1は下方制御される。いくつかの実施形態では、CISHノックアウトは、CXCL-10、IL2、TNF、IFNg、IL13、IL4、Jnk、PRF1、STAT5、PRKCQ、IL2受容体ベータ、SOCS2、MYD88、STAT3、STAT1、TBX21、LCK、JAK3、IL&受容体、ABL1、IL9、STAT5A、STAT5B、Tcf7、PRDM1および/またはEOMESの1つまたは複数を介してまたは通して、シグナル伝達の状態を変化させる(例えば、活性化または不活性化)。
【0087】
いくつかの実施形態では、免疫細胞の遺伝子編集は、編集された免疫細胞の増加、存続および/または細胞傷害性の予想外の向上も提供し得る。本明細書に開示されるように、操作された細胞(例えば、CARを発現するもの)も編集可能であり、その組合せは、免疫療法用の堅牢な細胞を提供する。いくつかの実施形態では、編集は、NK細胞の増加、存続および/または細胞傷害性の予想外の改善を可能にする。いくつかの実施形態では、NK細胞におけるCISH発現のノックアウトは、NK細胞におけるIL15媒介性シグナル伝達の強力な負の制御因子を除去し、NK細胞を脱抑制し、かつNK細胞ホーミング、NK細胞遊走、NK細胞の活性化、増加、細胞傷害性および/または存続の向上の1つまたは複数を可能にする。さらに、いくつかの実施形態では、編集は、そうでなければ抑制性の腫瘍微小環境におけるNKおよび/またはT細胞の機能を向上させ得る。いくつかの実施形態では、CISH遺伝子編集は、Notchリガンドを外来性に提供する必要なしに、NK細胞の増加、存続および/または細胞傷害性の向上をもたらす。さらなる(Additional)
【0088】
いくつかの実施形態では、遺伝子編集は、様々な操作されたヌクレアーゼの1つまたは複数により達成される。いくつかの実施形態では、複数の領域で二本鎖切断が望まれる場合に特に、制限酵素を使用する。いくつかの実施形態では、生物工学的ヌクレアーゼを使用する。実施形態に応じて、TCRサブユニットの1つまたは複数をコードする遺伝子を特異的に編集するために、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、メガヌクレアーゼおよび/または規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列(CRISPR/Cas9)システムの1つまたは複数を使用する。
【0089】
メガヌクレアーゼは、ラージDNA配列(14~40塩基対)を認識して切断する能力を特徴とする。いくつかの実施形態では、LAGLIDADGファミリーからのメガヌクレアーゼを使用し、突然変異導入およびスクリーニングを行って、ユニーク配列、例えば、TCRまたはCISH、本明細書に開示されるいずれかの他の標的遺伝子中の特異的部位を認識するメガヌクレアーゼ変異体を生成する。TCR中の標的部位は、容易に同定され得る。TCRの領域内の標的部位に関するさらなる情報は、参照によりその各々の全体が本明細書に組み込まれている米国特許公開第2018/0325955号明細書および同第2015/0017136号明細書に見出され得る。いくつかの実施形態では、標的遺伝子(例えばCISH)内の所望の標的配列を認識するハイブリッド酵素を創出するために、2つ以上のメガヌクレアーゼまたはその機能的断片を融合させる。
【0090】
メガヌクレアーゼと対照的に、ZFNおよびTALENは、特異的DNA配列認識ペプチド、例えば、ジンクフィンガーまたは転写活性化様エフェクター(TALE)に連結した非特異的DNA切断触媒ドメインに基づいて機能する。したがって、ZFNおよびTALENは、有利には、標的認識における高度の配列特異性を備えた、DNAの配列非依存性切断を可能にする。ジンクフィンガーモチーフは、本来、転写因子において機能し、転写のために特異的DNA配列を認識する。各フィンガーのC末端部は、DNA配列の特異的認識を担う。ZFNによって認識される配列は比較的短いものの(例えば、約3塩基対)、いくつかの実施形態では、認識部位が特徴付けられている2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のジンクフィンガーの組合せを使用し、それにより、TCR(または免疫チェックポイント阻害剤)の一部分のような特異的配列の標的化を可能にする。標的DNA切断を誘導するために、次いで、組み合わせたZFNを、エンドヌクレアーゼ、例えばFokI(FokIヘテロ二量体であってもよい)の触媒ドメインと融合させる。TCRおよび/または免疫チェックポイント阻害剤を編集するための、ZFNの使用に関する追加情報は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第9,597,357号明細書に見出され得る。
【0091】
転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)は、33または34アミノ酸リピートの一連を特徴とする特異的DNA結合タンパク質である。ZFNと同様に、TALENは、TALEドメインとの、ヌクレアーゼのDNA切断ドメインの融合であり、非常に正確な標的部位認識による、二本鎖DNA切断の配列非依存性導入を可能にする。TALENは、その標的部位において、エラープローン非相同末端結合(NHEJ)により修復可能である二本鎖切断を創出し得て、小さい挿入または欠失の導入により、遺伝子破壊をもたらす。有利には、TALENを、少なくとも部分的には、DNA結合におけるその高い特異性、低減したオフターゲット効果、およびDNA結合ドメインの構築しやすさゆえに、いくつかの実施形態で使用する。
【0092】
CRISPR(規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列)は、ウイルスに対する防御として細菌が使用する遺伝要素である。そのリピートは、ウイルスゲノムに由来し、かつ細菌ゲノム内に組み込まれた短い配列である。Cas(CRISPR関連タンパク質)は、その配列を処理し、ウイルスDNAのマッチング配列を切断する。Cas遺伝子および特異的に構築されたCRISPRを含有するプラスミドを真核細胞に導入することにより、真核生物ゲノムは、任意の所望の位置において切断可能である。CRISPRに関する追加情報は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許公開第2014/0068797号明細書に見出され得る。いくつかの実施形態では、ノックアウトまたはノックインされるべき標的遺伝子、例えば、CISH、TGFBR2、TCR、B2M、CIITA、CD47、HLA-E等をコードする遺伝子を操作するためにCRISPRを使用する。いくつかの実施形態では、T細胞のTCRの1つまたは複数および/または1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤をコードする遺伝子の1つまたは複数を編集するためにCRISPRを使用する。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA4およびPD1の1つまたは複数から選択される。いくつかの実施形態では、TCRα、TCRβ、TCRγおよびTCRδの1つまたは複数を短縮化するためにCRISPRを使用する。いくつかの実施形態では、TCRのCD3zシグナル伝達ドメインの機能に影響を与えることなしに、TCRを短縮化する。実施形態に応じて、およびどの標的遺伝子が編集されるべきかに応じて、クラス1またはクラス2のCasを使用する。いくつかの実施形態では、クラス1のCasを使用し、Casタイプは、以下のタイプ:I、IA、IB、IC、ID、IE、IF、IU、III、IIIA、IIIB、IIIC、IIID、IV、IVA、IVBおよびそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、Casは、Cas3、Cas8a、Cas5、Cas8b、Cas8c、Cas10d、Cse1、Cse2、Csy1、Csy2、Csy3、GSU0054、Cas10、Csm2、Cmr5、Cas10、Csx11、Csx10、Csf1およびそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、クラス2のCasを使用し、Casタイプは、以下のタイプ:II、IIA、IIB、IIC、V、VIおよびそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、Casは、Cas9、Csn2、Cas4、Cpf1、C2c1、C2c3、Cas13a(以前はC2c2として公知)、Cas13b、Cas13c、CasX、CasYおよびそれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、クラス2のCasXを使用し、CasXは、ガイド核酸と複合体を形成することができ、その複合体は、標的DNAに結合することができ、その標的DNAは、非標的鎖と標的鎖とを含む。一部の実施形態では、クラス2のCasYを使用し、CasYは、標的核酸および/または標的核酸と会合したポリペプチドに結合して修飾することができる。
【0093】
細胞外ドメイン(結合部分)
本明細書に記載される組成物および方法に関する一部の実施形態は、細胞外ドメインを含むキメラ抗原受容体、例えば、BCMA指向性キメラ抗原受容体に関する。一部の実施形態では、細胞外ドメインは、本明細書に記載されるように、腫瘍抗原を標的にし得る結合部分(抗原結合タンパク質または抗原結合ドメインとも呼ばれる)を含む。一部の実施形態では、結合部分は、抗体、抗体断片、scFv、Fv、Fab、(Fab’)2、単一ドメイン抗体(sdAb)、VHもしくはVLドメイン、ラクダVHHドメイン、またはDARPINのような非免疫グロブリン足場、アフィボディ、アフィリン、アドネクチン、アフィチン、リピボディ(repebody)、フィノマー、アルファボディ、アビマー、アトリマー、センチリン、プロネクチン、アンチカリン、クニッツドメイン、アルマジロリピートタンパク質、自己抗原、受容体またはリガンドの野生型配列または非野生型配列に由来するかまたはそれを含む。一部の実施形態では、結合部分は、2つ以上の抗原結合ドメインを含有する。実施形態では、結合部分は、TCRドメイン(例えば、TCR-アルファ、TCR-ベータ、TCR-ベータ2、プレTCR-アルファ、プレTCR-アルファ-Del48、TCR-ガンマ、またはTCR-デルタの定常鎖)のNH2末端に、直接または適宜リンカーを介して作動可能に連結している。
【0094】
いくつかの実施形態では、結合部分(抗原結合タンパク質とも呼ばれる)が提供される。本明細書で使用する用語「結合部分」は、その通常の意味が与えられ、かつ抗原に結合する抗原結合断片、および適宜、結合部分の、抗原への結合を促進する立体配座を採用することを可能にする足場またはフレームワーク部分を含むタンパク質にも関する。一部の実施形態では、抗原は、がん抗原(例えばBCMA)またはその断片である。一部の実施形態では、抗原結合断片は、抗原に結合する抗体からの少なくとも1つのCDRを含む。一部の実施形態では、抗原結合断片は、抗原に結合する抗体の重鎖からの、または抗原に結合する抗体の軽鎖からの3つすべてのCDRを含む。さらに一部の実施形態では、抗原結合断片は、抗原に結合する抗体からの6つすべてのCDR(重鎖からの3つおよび軽鎖からの3つ)を含む。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、抗原に結合する抗体からの1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのCDRを含み、いくつかの実施形態では、CDRは、重鎖および/または軽鎖のCDRのいずれかの組合せであり得る。一部の実施形態での抗原結合断片は、抗原断片である。
【0095】
結合部分の非限定的な例は、抗体、抗体断片(例えば、抗体の抗原結合断片)、抗体誘導体、および抗体類似体を含む。さらなる具体例は、単鎖可変断片(scFv)、ナノボディ(例えば、ラクダ重鎖抗体のVHドメイン;VHH断片)、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fv断片、Fd断片および相補性決定領域(CDR)断片を含むがそれらに限定されない。これらの分子は、いずれかの哺乳類源、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、またはブタ、イヌまたはラクダに由来し得る。抗体断片は、標的抗原の結合を、インタクト(例えば天然)抗体と競合し得て、かつ断片は、インタクト抗体の修飾(例えば、酵素的切断または化学的切断)により産生され得るか、または組換えDNA技術またはペプチド合成を使用してデノボ合成され得る。結合部分は、例えば、CDRまたはCDR誘導体がグラフトされた、代替タンパク質足場または人工足場を含み得る。そのような足場は、例えば、結合部分の三次元構造を安定化させるために導入される突然変異を含む抗体由来足場、ならびに例えば、生体適合性ポリマーを含む完全合成足場を含むがそれらに限定されない。さらに、ペプチド抗体ミメティック(「PAM」)、ならびにフィブロネクチン成分を足場として利用する抗体ミメティックに基づく足場を使用し得る。
【0096】
一部の実施形態では、結合部分は、単一ポリペプチド鎖内または複数ポリペプチド鎖内に組み込まれた1つまたは複数の抗体断片を含む。例えば、結合部分は、ダイアボディ;イントラボディ;ドメイン抗体(単一VLもしくはVHドメインまたはペプチドリンカーにより連結される2つ以上のVHドメイン);マキシボディ(Fc領域と融合させた2つのscFv);トリアボディ;テトラボディ;ミニボディ(CH3ドメインと融合させたscFv);ぺプチボディ(Fc領域と結合している1つまたは複数のペプチド);直鎖状抗体[相補性軽鎖ポリペプチドと共に一対の抗原結合領域を形成する一対のタンデムFdセグメント(VH-CH1-VH-CH1)];小モジュラー免疫医薬;ならびに免疫グロブリン融合タンパク質(例えば、IgG-scFv、IgG-Fab、2scFv-IgG、4scFv-IgG、VH-IgG、IgG-VHおよびFab-scFv-Fc)を含み得るがそれらに限定されない。
【0097】
一部の実施形態では、結合部分は、免疫グロブリンの構造を有する。本明細書で使用する用語「免疫グロブリン」は、その通常の意味が与えられ、かつ四量体分子にも関し、各対が1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50~70kDa)を有する2つ同一対のポリペプチド鎖を含む各四量体を伴う。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識を主として担う、約100から110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主として担う定常領域を定義する。
【0098】
軽鎖および重鎖内で、可変(V)および定常領域(C)は、約12個またはそれ以上のアミノ酸の「J」領域により連結されており、重鎖は、さらに約10個のアミノ酸の「D」領域も含む。各軽/重鎖対の可変領域は、インタクトな免疫グロブリンが2つの結合部位を有するように抗体結合部位を形成する。
【0099】
免疫グロブリン鎖は、相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる3つの超可変領域により連結される比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の、同じ一般構造を示す。N末端からC末端へと、軽鎖および重鎖の両方が、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。
【0100】
ヒト軽鎖は、カッパおよびラムダ軽鎖に分類される。抗体「軽鎖」は、抗体分子中のその天然に存在する立体配座における2種類のポリペプチド鎖のうちの小さい方に関する。カッパ(K)およびラムダ(λ)軽鎖は、2つの主要な抗体軽鎖アイソタイプに関する。軽鎖は、アミノ末端からカルボキシル末端へと、単一免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)および単一免疫グロブリン軽鎖定常ドメイン(CL)を含むポリペプチドを含み得る。
【0101】
重鎖は、ミュー(μ)、デルタ(Δ)、ガンマ(γ)、アルファ(α)およびエプシロン(ε)に分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEと定義する。抗体「重鎖」は、抗体分子中のその天然に存在する立体配座における2種類のポリペプチド鎖のうちの大きい方に関し、通常はそれが抗体の属するクラスを決定する。重鎖は、アミノ末端からカルボキシル末端へと、単一免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)、免疫グロブリン重鎖定常ドメイン1(CH1)、免疫グロブリンヒンジ領域、免疫グロブリン重鎖定常ドメイン2(CH2)、免疫グロブリン重鎖定常ドメイン3(CH3)、および適宜、免疫グロブリン重鎖定常ドメイン4(CH4)を含むポリペプチドを含み得る。
【0102】
IgGクラスは、サブクラス、つまりIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4にさらに区分される。IgAクラスは、サブクラス、つまりIgA1およびIgA2にさらに区分される。IgMは、IgM1およびIgM2を含むがそれらに限定されないサブクラスを有する。IgG、IgAおよびIgD抗体中の重鎖は、3つのドメイン(CH1、CH2およびCH3)を有するのに対して、IgMおよびIgE抗体中の重鎖は、4つのドメイン(CH1、CH2、CH3およびCH4)を有する。免疫グロブリン重鎖定常ドメインは、亜型を含むいずれかの免疫グロブリンアイソタイプからであり得る。抗体鎖は、CLドメインとCH1ドメインとの間(例えば、軽鎖と重鎖との間)、および抗体重鎖のヒンジ領域間のポリペプチド間ジスルフィド結合を介して共に連結されている。
【0103】
一部の実施形態では、結合部分は抗体である。本明細書で使用する用語「抗体」は、抗原と特異的に結合する免疫グロブリン分子に由来するタンパク質またはポリペプチド配列に関する。抗体は、モノクローナルもしくはポリクローナル、多重鎖もしくは単鎖、またはインタクトな免疫グロブリンであり得て、かつ天然供給源または組換え供給源に由来し得る。抗体は、免疫グロブリン分子の四量体であり得る。抗体は、「ヒト化」、「キメラ」または非ヒトであり得る。抗体は、いずれかのアイソタイプのインタクトな免疫グロブリンを含み得て、例えば、キメラ、ヒト化、ヒトおよび二重特異性の抗体を含む。インタクトな抗体は、一般的に、少なくとも2つの全長重鎖および2つの全長軽鎖を含む。抗体配列は、単一種からのみ由来してもよく、または「キメラ」であってもよく、すなわち、さらに以下で記載するように、抗体の異なる部分が、2つの異なる種に由来してもよい。明記されない限り、用語「抗体」は、その抗体が、2つの全長の軽鎖および重鎖からなる抗体と同じまたは同様の結合および/または機能を保持するのであれば、2つの実質的に全長の重鎖および2つの実質的に全長の軽鎖を含む抗体も含む。例えば、重鎖および/または軽鎖のN末端および/またはC末端において1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのアミノ酸残基の置換、挿入または欠失を有する抗体は、その抗体が、2つの全長の重鎖および2つの全長の軽鎖を含む抗体と同じまたは同様の結合および/または機能を保持するのであれば、定義の中に含まれる。抗体の例は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体および合成抗体を含む。一部の実施形態では、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体が提供される。本明細書で使用する用語「ポリクローナル抗体」は、その通常の意味が与えられ、かつ組成および結合特異性の点で典型的には大きく異なる抗体の集団にも関する。本明細書で使用する用語「モノクローナル抗体」(「mAb」)は、その通常の意味が与えられ、かつ同一配列を有する抗体の集団の1つまたは複数にも関する。モノクローナル抗体は、抗原上の特定のエピトープにおいて抗原に結合する。
【0104】
一部の実施形態では、結合部分は、抗体の、断片または抗原結合断片である。用語「抗体断片」は、抗原のエピトープと特異的に相互作用する能力(例えば、結合、立体障害、安定化/不安定化、空間分布により)を保持する、抗体の少なくとも一部分に関する。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、scFv抗体断片、ジスルフィド結合したFvs(sdFv)、VHドメインとCHIドメインとからなるFd断片、直鎖状抗体、sdAb(VLもしくはVHのいずれか)のような単一ドメイン抗体、ラクダVHHドメイン、ヒンジ領域でのジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を含む二価断片のような、抗体断片から形成された多重特異性抗体、および単離されたCDR、または抗体の他のエピトープ結合断片を含むがそれらに限定されない。抗原結合断片は、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、ナノボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v-NARおよびbis-scFv内に組み込まれることもできる(例えば、Hollinger and Hudson, Nature Biotechnology 23: 1126-1136, 2005を参照)。抗原結合断片は、フィブロネクチンIII型(Fn3)のようなポリペプチドに基づく足場にグラフトされることもできる(フィブロネクチンポリペプチドミニボディを記載する米国特許第6,703,199号明細書を参照)。抗体断片は、がん抗原に対する特異的抗原結合を与えるために十分である、免疫グロブリンの少なくとも1つのCDRを含有するFab、Fab’、F(ab’)2、および/またはFv断片を含み得る。抗体断片は、組換えDNA技術により、またはインタクトな抗体の酵素的もしくは化学的切断により産生され得る。
【0105】
一部の実施形態では、Fab断片が提供される。Fab断片は、VL、VH、CLおよびCH1ドメインを有する一価断片である;F(ab’)2断片は、ヒンジ領域でのジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を有する二価断片である;Fd断片は、VHおよびCH1ドメインを有する;Fv断片は、抗体の単アームのVLおよびVHドメインを有する;ならびにdAb断片は、VHドメイン、VLドメイン、またはVHもしくはVLドメインの抗原結合断片を有する。一部の実施形態では、これらの抗体断片が、単一ドメイン抗体、単鎖抗体、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v-NARおよびbis-scFv内に組み込まれ得る。一部の実施形態では、抗体は、本明細書に記載される少なくとも1つのCDRを含む。
【0106】
本明細書のいくつかの実施形態では、単鎖可変断片も提供される。本明細書で使用する用語「単鎖可変断片」(「scFv」)は、その通常の意味が与えられ、かつVLおよびVH領域が、リンカー(例えば、アミノ酸残基の合成配列)を介して連結されて連続タンパク質鎖を形成する融合タンパク質にも関し、そのリンカーは、タンパク質鎖が折り畳まれて一価抗原結合部位を形成することを可能にするほど十分に長い。明確さのため、そういうものとして明記されない限り、「単鎖可変断片」は、本明細書に定義される抗体ではない。ダイアボディは、2つのポリペプチド鎖を含む二価抗体であり、各ポリペプチド鎖は、同じ鎖上の2つのドメイン間での対合を低減または不可能にするように構成されたリンカーによって連結されたVHおよびVLドメインを含むため、各ドメインが、別のポリペプチド鎖状の相補性ドメインと対合することを可能にする。いくつかの実施形態によると、ダイアボディの2つのポリペプチド鎖が同一である場合、その対合から生じるダイアボディは、2つの同一の抗原結合部位を有することになる。異なる配列を有するポリペプチド鎖は、2つの異なる抗原結合部位を有するダイアボディを作製するために使用され得る。同様に、トリボディおよびテトラボディは、それぞれ、同じであっても異なってもよい、3つおよび4つのポリペプチド鎖を含む、それぞれ、3つおよび4つの抗原結合部位を形成する抗体である。
【0107】
いくつかの実施形態では、結合部分は、1つまたは複数のCDRを含む。本明細書で使用する用語「CDR」は、その通常の意味が与えられ、かつ抗体可変配列内の相補性決定領域(「最小認識単位」または「超可変領域」とも称される)にも関する。CDRは、結合部分が、目的の特定抗原に特異的に結合することを可能にする。3つの重鎖可変領域CDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに3つの軽鎖可変領域CDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)が存在する。2つの鎖の各々におけるCDRは、典型的には、フレームワーク領域によって位置決めされ、標的タンパク質上の特異的なエピトープまたはドメインに特異的に結合する構造を形成する。N末端からC末端へと、天然に存在する軽鎖および重鎖可変領域は、両方とも、典型的には、それらの要素の以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4に従う。それらのドメインの各々における位置を占めるアミノ酸に対して番号を割り当てるためにナンバリングシステムが考案された。このナンバリングシステムは、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest (1987 and 1991, NIH, Bethesda, MD)、またはChothia & Lesk, 1987, J. Mol. Biol. 196:901-917; Chothia et al., 1989, Nature 342:878-883において定義される。所定の抗体の相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク領域(FR)は、このシステムを使用して同定され得る。免疫グロブリン鎖中のアミノ酸に関する他のナンバリングシステムは、IMGT(登録商標)(the international ImMunoGeneTics information system; Lefranc et al, Dev. Comp. Immunol. 29:185-203; 2005)およびAHo(Honegger and Pluckthun, J. Mol. Biol. 309(3):657-670; 2001)を含む。分子を結合部分にするために、1つまたは複数のCDRが、共有結合または非共有結合のいずれか一方でその分子内に組み込まれ得る。
【0108】
抗BCMA結合部分
重鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)を含む重鎖可変領域(VH)ならびに軽鎖CDR1、2および3(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗BCMA結合部分が、本明細書に開示される。
【0109】
一部の実施形態では、HCDR1は、配列番号104~129のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、HCDR2は、配列番号130~155のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、HCDR3は、配列番号156~181のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、HCDR1は、配列番号104~129のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号130~155のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号156~181のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、VHは、
図2に示す、HCDR1、HCDR2およびHCDR3の組合せを含む。
【0110】
一部の実施形態では、LCDR1は、配列番号385~410のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、LCDR2は、配列番号411~436のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、LCDR3は、配列番号437~462のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、LCDR1は、配列番号385~410のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号411~436のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号437~462のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、VLは、
図3に示す、LCDR1、LCDR2およびLCDR3の組合せを含む。
【0111】
一部の実施形態では、1)HCDR1は、配列番号104に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号130に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号156に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
2)HCDR1は、配列番号105に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号131に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号157に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
3)HCDR1は、配列番号106に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号132に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号158に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
4)HCDR1は、配列番号107に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号133に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号159に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
5)HCDR1は、配列番号108に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号134に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号160に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
6)HCDR1は、配列番号109に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号135に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号161に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
7)HCDR1は、配列番号110に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号136に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号162に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
8)HCDR1は、配列番号111に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号137に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号163に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
9)HCDR1は、配列番号112に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号138に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号164に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
10)HCDR1は、配列番号113に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号139に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号165に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
11)HCDR1は、配列番号114に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号140に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号166に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
12)HCDR1は、配列番号115に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号141に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号167に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
13)HCDR1は、配列番号116に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号142に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号168に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
14)HCDR1は、配列番号117に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号143に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号169に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
15)HCDR1は、配列番号118に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号144に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号170に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
16)HCDR1は、配列番号119に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号145に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号171に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
17)HCDR1は、配列番号120に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号146に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号172に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
18)HCDR1は、配列番号121に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号147に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号173に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
19)HCDR1は、配列番号122に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号148に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号174に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
20)HCDR1は、配列番号123に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号149に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号175に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
21)HCDR1は、配列番号124に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号150に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号176に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
22)HCDR1は、配列番号125に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号151に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号177に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
23)HCDR1は、配列番号126に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号152に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号178に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
24)HCDR1は、配列番号127に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号153に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号179に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
25)HCDR1は、配列番号128に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号154に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号180に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;または
26)HCDR1は、配列番号129に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号155に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびHCDR3は、配列番号181に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む。
【0112】
一部の実施形態では、1)LCDR1は、配列番号385に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号411に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号437に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
2)LCDR1は、配列番号386に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号412に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号438に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
3)LCDR1は、配列番号387に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号413に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号439に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
4)LCDR1は、配列番号388に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号414に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号440に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
5)LCDR1は、配列番号389に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号415に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号441に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
6)LCDR1は、配列番号390に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号416に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号442に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
7)LCDR1は、配列番号391に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号417に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号443に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
8)LCDR1は、配列番号392に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号418に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号444に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
9)LCDR1は、配列番号393に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号419に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号445に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
10)LCDR1は、配列番号394に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号420に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号446に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
11)LCDR1は、配列番号395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号421に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号447に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
12)LCDR1は、配列番号396に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号422に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号448に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
13)LCDR1は、配列番号397に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号423に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号449に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
14)LCDR1は、配列番号398に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号424に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号450に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
15)LCDR1は、配列番号399に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号425に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号451に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
16)LCDR1は、配列番号400に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号426に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号452に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
17)LCDR1は、配列番号401に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号427に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号453に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
18)LCDR1は、配列番号402に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号428に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号454に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
19)LCDR1は、配列番号403に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号429に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号455に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
20)LCDR1は、配列番号404に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号430に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号456に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
21)LCDR1は、配列番号405に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号431に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号457に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
22)LCDR1は、配列番号406に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号432に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号458に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
23)LCDR1は、配列番号407に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号433に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号459に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
24)LCDR1は、配列番号408に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号434に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号460に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
25)LCDR1は、配列番号409に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号435に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号461に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;または
26)LCDR1は、配列番号410に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号436に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号462に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む。
【0113】
一部の実施形態では、1)HCDR1は、配列番号104に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号130に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号156に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号385に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号411に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号437に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
2)HCDR1は、配列番号105に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号131に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号157に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号386に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号412に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号438に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
3)HCDR1は、配列番号106に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号132に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号158に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号387に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号413に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号439に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
4)HCDR1は、配列番号107に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号133に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号159に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号388に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号414に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号440に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
5)HCDR1は、配列番号108に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号134に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号160に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号389に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号415に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号441に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
6)HCDR1は、配列番号109に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号135に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号161に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号390に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号416に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号442に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
7)HCDR1は、配列番号110に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号136に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号162に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号391に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号417に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号443に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
8)HCDR1は、配列番号111に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号137に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号163に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号392に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号418に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号444に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
9)HCDR1は、配列番号112に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号138に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号164に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号393に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号419に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号445に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
10)HCDR1は、配列番号113に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号139に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号165に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号394に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号420に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号446に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
11)HCDR1は、配列番号114に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号140に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号166に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号421に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号447に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
12)HCDR1は、配列番号115に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号141に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号167に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号396に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号422に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号448に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
13)HCDR1は、配列番号116に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号142に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号168に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号397に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号423に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号449に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
14)HCDR1は、配列番号117に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号143に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号169に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号398に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号424に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号450に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
15)HCDR1は、配列番号118に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号144に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号170に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号399に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号425に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号451に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
16)HCDR1は、配列番号119に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号145に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号171に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号400に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号426に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号452に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
17)HCDR1は、配列番号120に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号146に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号172に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号401に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号427に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号453に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
18)HCDR1は、配列番号121に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号147に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号173に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号402に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号428に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号454に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
19)HCDR1は、配列番号122に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号148に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号174に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号403に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号429に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号455に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
20)HCDR1は、配列番号123に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号149に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号175に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号404に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号430に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号456に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
21)HCDR1は、配列番号124に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号150に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号176に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号405に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号431に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号457に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
22)HCDR1は、配列番号125に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号151に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号177に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号406に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号432に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号458に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
23)HCDR1は、配列番号126に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号152に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号178に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号407に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号433に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号459に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
24)HCDR1は、配列番号127に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号153に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号179に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号408に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号434に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号460に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;
25)HCDR1は、配列番号128に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号154に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号180に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号409に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号435に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号461に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;または
26)HCDR1は、配列番号129に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR2は、配列番号155に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、HCDR3は、配列番号181に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む;LCDR1は、配列番号410に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、LCDR2は、配列番号436に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含み、およびLCDR3は、配列番号462に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含む。
【0114】
一部の実施形態では、VHは、配列番号260~285のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、VLは、配列番号541~566のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、
図4に示す、VHおよびVLの組合せを含む。
【0115】
一部の実施形態では、HCDR1は、配列番号182~207のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、HCDR2は、配列番号208~233のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、HCDR3は、配列番号234~259のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0116】
一部の実施形態では、LCDR1は、配列番号463~488のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、LCDR2は、配列番号489~514のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、LCDR3は、配列番号515~540のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0117】
一部の実施形態では、VHは、配列番号286~311のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、VHは、配列番号286~311のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0118】
一部の実施形態では、VLは、配列番号567~592のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、VLは、配列番号567~592のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0119】
一部の実施形態では、VHは、重鎖シグナルペプチド(H-SP)をさらに含む。一部の実施形態では、重鎖シグナルペプチドは、配列番号1~9のいずれか1つの配列を含む。一部の実施形態では、重鎖シグナルペプチドは、配列番号10~19のいずれか1つの配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、VHは、フレームワーク領域をさらに含む。一部の実施形態では、VHは、フレームワーク領域1、2、3および4(H-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4)を含む。一部の実施形態では、H-FR1は、配列番号20~32のいずれか1つの配列を含む。一部の実施形態では、H-FR2は、配列番号33~38のいずれか1つの配列を含む。一部の実施形態では、H-FR3は、配列番号39~53のいずれか1つの配列を含む。一部の実施形態では、H-FR4は、配列番号54の配列を含む。一部の実施形態では、H-FR1は、配列番号55~73のいずれか1つの配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、H-FR2は、配列番号74~84のいずれか1つの配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、H-FR3は、配列番号85~102のいずれか1つの配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、H-FR4は、配列番号103の配列を有する核酸によりコードされる。
【0120】
一部の実施形態では、VLは、軽鎖シグナルペプチド(L-SP)をさらに含む。一部の実施形態では、軽鎖シグナルペプチドは、配列番号312~317のいずれか1つの配列を含む。一部の実施形態では、軽鎖シグナルペプチドは、配列番号318~324のいずれか1つの配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、VLは、フレームワーク領域をさらに含む。一部の実施形態では、VLは、フレームワーク領域1、2、3および4(L-FR1、L-FR2、L-FR3およびL-FR4)を含む。一部の実施形態では、L-FR1は、配列番号325~331のいずれか1つの配列を含む。一部の実施形態では、L-FR2は、配列番号332~337のいずれか1つの配列を含む。一部の実施形態では、L-FR3は、配列番号338~347のいずれか1つの配列を含む。一部の実施形態では、L-FR4は、配列番号348~353のいずれか1つの配列を含む。一部の実施形態では、L-FR1は、配列番号354~357または1416~1420のいずれか1つの配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、L-FR2は、配列番号358~366のいずれか1つの配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、L-FR3は、配列番号367~377のいずれか1つの配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、L-FR4は、配列番号378~384のいずれか1つの配列を有する核酸によりコードされる。
【0121】
抗BCMA結合部分の実施形態は、本明細書に開示されるVHおよびVLの様々な配置を含む。一部の実施形態では、VHおよびVLは、リンカーによって分離されている。一部の実施形態では、リンカーは、配列番号1388の配列を含む。
【0122】
抗BCMA結合部分に関する一部の実施形態では、VHはVLのN末端側である。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号593~618のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号619~670のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0123】
抗BCMA結合部分に関する一部の実施形態では、VLはVHのN末端側である。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号671~696のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号697~748のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0124】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1421~1426のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1447~1472のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0125】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1473~1498のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1499~1524のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0126】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1582~1600のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1601~1619のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0127】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1677~1695のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1696~1714のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0128】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1715~1733のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1734~1771のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0129】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1772~1790のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1791~1828のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0130】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1829~1847のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1848~1866のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0131】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1867~1885のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号1886~1923のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0132】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号3255~3277のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号3278~3323のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0133】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号3324~3346のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号3347~3392のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0134】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号5457~5479のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号5480~5502のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0135】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号3859~3862のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号3875~3878のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0136】
一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、配列番号5457~5479のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を有するVHHドメインを含む。一部の実施形態では、VHHドメインは、配列番号5480~5502のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0137】
一部の実施形態では、本明細書で提供される結合部分は、より大きいポリペプチド鎖の一部として1つまたは複数のCDRを含む。一部の実施形態では、抗原結合タンパク質は、1つまたは複数のCDRを、他のポリペプチド鎖と共有結合させる。一部の実施形態では、抗原結合タンパク質は、1つまたは複数のCDRを非共有結合的に組み込む。一部の実施形態では、抗原結合タンパク質は、生体適合性フレームワーク構造内に組み込まれた、本明細書に記載されるCDRの少なくとも1つを含み得る。一部の実施形態では、生体適合性フレームワーク構造は、局所的な表面領域において、抗原を結合する、アミノ酸の1つまたは複数の配列(例えば、CDR、可変領域等)を提示することができる、立体配座的に安定な構造上の支持体またはフレームワークまたは足場を形成するために十分であるポリペプチドまたはその部分を含む。そのような構造は、天然に存在するポリペプチドまたはポリペプチド「フォールド」(構造モチーフ)であり得るか、または天然に存在するポリペプチドまたはフォールドに対する、アミノ酸の1つまたは複数の修飾、例えば、付加、欠失および/または置換を有し得る。実施形態に応じて、足場は、ヒト、非ヒト霊長類または他の哺乳類、他の脊椎動物、無脊椎動物、植物、細菌、またはウイルスのような、様々な異なる種(または2つ以上の種)のポリペプチドに由来し得る。
【0138】
実施形態に応じて、生体適合性フレームワーク構造は、免疫グロブリンドメイン以外の、タンパク質足場または骨格に基づく。一部のそのような実施形態では、それらのフレームワーク構造は、フィブロネクチン、アンキリン、リポカリン、ネオカルジノスタチン、シトクロムb、CP1ジンクフィンガー、PST1、コイルドコイル、LACI-D1、Zドメインおよび/またはテンダミスタットドメインに基づく。
【0139】
一部の実施形態では、2つ以上の結合部位を有する結合部分が提供される。いくつかの実施形態では、結合部位は互いに同一であり、一部の実施形態では結合部位は互いに異なる。例えば、抗体は、典型的に2つの同一の結合部位を有するのに対して、「二重特異性」または「二機能性」抗体は、2つの異なる結合部位を有する。二重特異性の抗原結合タンパク質または抗体の2つの結合部位は、同じまたは異なるタンパク質標的上に存在し得る2つの異なるエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、これは特に有利である。なぜなら、二重特異性キメラ抗原受容体は、複数の腫瘍マーカー、例えば、BCMA、および追加の腫瘍マーカー、例えば、CD19、CD38、CS1、FCRL5、GPR5CD、CD229、NKG2Dまたは本明細書に開示されるか、もしくは当技術分野では腫瘍特異的抗原もしくは腫瘍関連抗原として重宝されるいずれかの他のマーカーを標的にする能力を、操作された細胞に与え得るからである。
【0140】
追加の抗BCMA結合部分は、当技術分野で公知であり、例えば、参照によりその各々の全体が本明細書に組み込まれている、例えば、米国特許第9,765,342号明細書、同第10,294,304号明細書、同第10,174,095号明細書、欧州特許出願公開第3230321号明細書、米国特許公開第2018/0118842号明細書、同第2019/0153061号明細書、およびPCT特許公開国際公開第2019/149269号に開示されるものである。
【0141】
本明細書で使用する用語「キメラ抗体」は、その通常の意味が与えられ、かつ一方の抗体からの1つまたは複数の領域および1つまたは複数の他方の抗体からの1つまたは複数の領域を含有する抗体にも関する。一部の実施形態では、CDRの1つまたは複数は、抗がん抗原(例えばBCMA)抗体に由来する。いくつかの実施形態では、CDRのすべては、抗がん抗原抗体(例えば抗BCMA)に由来する。一部の実施形態では、2つ以上の抗がん抗原抗体からのCDRを混合し、キメラ抗体において対応させる。例えば、キメラ抗体は、第1の抗がん抗原抗体の軽鎖からのCDR1、第2の抗がん抗原抗体の軽鎖からのCDR2およびCDR3、ならびに第3の抗がん抗原抗体の重鎖からのCDRを含み得る。さらに、本明細書に開示される抗原結合タンパク質のフレームワーク領域は、同じ抗がん抗原(例えばBCMA)抗体の1つ、ヒト抗体のような1つまたは複数の異なる抗体、またはヒト化抗体に由来し得る。キメラ抗体の一例では、重鎖および/または軽鎖の一部分は、特定種からの抗体、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体と同一である、相同である、または由来するのに対して、鎖の残部は、別の種からの抗体、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体と同一である、相同である、または由来する。所望の生物学的活性を示す、そのような抗体の断片も本明細書で提供される。
【0142】
細胞傷害性シグナル伝達複合体
本明細書に記載される組成物および方法に関する一部の実施形態は、細胞傷害性シグナル伝達複合体を含むキメラ抗原受容体、例えば、BCMA指向性CARに関する。本明細書に開示されるように、いくつかの実施形態によると、提供される細胞傷害性受容体複合体は、細胞外ドメインが標的細胞の表面上のリガンドに結合すると細胞傷害性シグナル伝達カスケードを開始する1つまたは複数の膜貫通ドメインおよび/または細胞内ドメインを含む。本明細書に開示される特定の実施形態は、腫瘍標的化ドメイン(例えば抗BCMA結合部分)が、細胞傷害性シグナル伝達複合体に結合しているキメラ抗原受容体コンストラクトに関する。
【0143】
いくつかの実施形態では、細胞傷害性シグナル伝達複合体は、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つの共刺激ドメイン、および/または少なくとも1つのシグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、2つ以上の構成部分が、所定のドメインを構成する-例えば、共刺激ドメインは、2つのサブドメインを含み得る。さらに、一部の実施形態では、ドメインは、複数の機能に使用され得る。例えば、膜貫通ドメインは、シグナル伝達機能を与えるためにも使用され得る。
【0144】
ヒンジドメイン
本明細書に開示されるCAR、例えば、BCMA指向性CARに関する一部の実施形態は、ヒンジドメインを含む。ヒンジドメインは、典型的に、膜貫通ドメインによって細胞外結合部分に架橋された細胞内構成要素を含む、CAR構成要素の残部から、細胞外結合部分を分離するために使用される。本明細書に開示されるか、あるいは当技術分野で一般的に公知のいずれかのヒンジドメインが、本明細書に開示されるBCMA指向性CARにおいて使用され得る。
【0145】
一部の実施形態では、ヒンジドメインはCD8ヒンジドメインである。一部の実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号1389に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号1400に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、CD8ヒンジドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1389の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。
【0146】
一部の実施形態では、ヒンジドメインはIgG4ヒンジドメインである。一部の実施形態では、IgG4ヒンジドメインは、配列番号1390に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、IgG4ヒンジドメインは、配列番号1401に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、IgG4ヒンジドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1390の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。
【0147】
一部の実施形態では、ヒンジドメインはRQRCD8ヒンジドメインである。当技術分野で理解されるように、「RQRCD8ヒンジドメイン」は、追加のCD20およびCD34エピトープを有するCD8ヒンジドメインである。これらの追加のエピトープの存在は、これらのエピトープを用いた代替的な検出法を可能にすると同様に、これらのエピトープを有するCARにより操作した免疫細胞の選択的除去を可能にする(例えば、CD20またはCD34に特異的な抗体の使用)。一部の実施形態では、RQRCD8ヒンジドメインは、配列番号1391に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、RQRCD8ヒンジドメインは、配列番号1402に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、RQRCD8ヒンジドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1391の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。RQRCD8ヒンジドメイン(「RQR8」とも呼ばれる)は、参照によりその各々の全体が本明細書に明確に組み込まれているPhilip et al. "A highly compact epitope-based marker/suicide gene for easier and safer T-cell therapy" Blood 124(8):1277-1287およびPCT公開国際公開第2013/153391号において探究される。
【0148】
膜貫通ドメイン
本明細書に開示されるCAR、例えば、BCMA指向性CARに関する一部の実施形態は、膜貫通ドメインを含む。従来理解されるように、膜貫通ドメインは、CARの細胞外ドメインと細胞内ドメインとを連結する、細胞の形質膜をまたぐ領域として作用するために使用される。本明細書に開示されるか、あるいは当技術分野で一般的に公知のいずれかの膜貫通ドメインが、本明細書に開示されるBCMA指向性CARにおいて使用され得る。
【0149】
一部の実施形態では、膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメイン(CD8TM)である。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号1392に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号1403に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1392の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。
【0150】
一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、CD8細胞内ドメイン(CD8IC)も含み得る。一部の実施形態では、CD8細胞内ドメインは、配列番号1393の配列を含む。一部の実施形態では、CD8細胞内ドメインは、配列番号1404の配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、本開示の目的のために、CD8膜貫通ドメインが、配列番号1392および配列番号1393の配列をN末端からC末端への配向で含むようにCD8細胞内ドメインを含むと見なされ得る。
【0151】
一部の実施形態では、膜貫通ドメインはCD28膜貫通ドメイン(CD28TM)である。一部の実施形態では、CD28膜貫通ドメインは、配列番号1414に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号1415に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1414の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。
【0152】
シグナル伝達ドメイン
本明細書に開示されるCAR、例えば、BCMA指向性CARに関する一部の実施形態は、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。当技術分野で一般的に理解されるように、その活性が相乗的に作用する複数のシグナル伝達ドメインの使用により、予想外に増強したシグナル伝達が達成され得る。本明細書に開示されるか、あるいは当技術分野で一般的に公知のいずれかの細胞内シグナル伝達ドメインが、本明細書に開示されるBCMA指向性CARにおいて使用され得る。
【0153】
一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、OX40サブドメインおよびCD3ζサブドメインを含む。一部の実施形態では、OX40サブドメインは、配列番号1394に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、OX40サブドメインは、配列番号1405に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、OX40サブドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1394の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。一部の実施形態では、CD3ζサブドメインは、配列番号1395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD3ζサブドメインは、配列番号1406に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、CD3ζサブドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1395の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。一部の実施形態では、OX40サブドメインは、CD3ζサブドメインに対してN末端側である。一部の実施形態では、CD3ζサブドメインは、OX40サブドメインに対してN末端側である。
【0154】
共刺激ドメイン
一部の実施形態では、本明細書に開示されるCARを、共刺激ドメインと共に発現させ、追加の共活性化分子は、CAR活性の側面を改善し、細胞傷害活性、CAR安定性および細胞寿命を含むがそれらに限定されない。一部の実施形態では、追加の共活性化分子は、サイトカインであり得て、特定のインターロイキン、例えば、インターロイキン2(IL2)および/またはインターロイキン15(IL15)を含むがそれらに限定されない。一部の実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、そのような追加の共活性化分子を分泌型として発現するように操作もされる。一部の実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、そのような追加の共活性化分子を、自己分泌刺激分子として(または隣接細胞に対する傍分泌刺激物質としてさえ)作用する膜結合型として発現するように操作もされる。膜結合型IL15は、参照によりその全体が本明細書に明確に組み込まれている国際公開第2015/174928号において探究される。
【0155】
一部の実施形態では、免疫細胞は、適宜、膜結合型IL15(mbIL15)として、IL15を発現するように操作される。そのような実施形態では、免疫細胞上でのmbIL15発現は、免疫細胞の増殖および/または寿命を向上させることにより、操作された免疫細胞の細胞傷害効果を増強させる。一部の実施形態では、IL15はヒトIL15である。一部の実施形態では、IL15は、配列番号1397の配列を含む。一部の実施形態では、IL15は、配列番号1408の配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、mbIL15は、IL15を、CD8シグナルペプチド(CD8SP)、CD8ヒンジ(CD8h)、CD8膜貫通ドメイン(CD8TM)およびCD8細胞内ドメイン(CD8IC)の1つまたは複数と融合させることによりアセンブルされる。一部の実施形態では、mbIL15は、N末端からC末端へと、順序:CD8SP-IL15-CD8h-CD8TM-CD8ICに従ってアセンブルされる。しかし、膜結合型IL15を産生する他の方法も想定される。
【0156】
一部の実施形態では、mbIL15のCD8SPは、配列番号1396の配列を含む。一部の実施形態では、mbIL15のCD8hは、配列番号1400の配列を含む。一部の実施形態では、mbIL15のCD8TMは、配列番号1392の配列を含む。一部の実施形態では、mbIL15のCD8ICは、配列番号1393の配列を含む。一部の実施形態では、mbIL15のCD8SPは、配列番号1407の配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、mbIL15のCD8hは、配列番号1409の配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、mbIL15のCD8TMは、配列番号1410の配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、mbIL15のCD8ICは、配列番号1411の配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、mbIL15は、配列番号1398の配列に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、mbIL15は、配列番号1412の配列に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、mbIL15は、配列番号1398の配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%の配列同一性を有するように短縮型または修飾型であり得る。
【0157】
一部の実施形態では、CARおよびmbIL15を、自己切断ペプチドを含むポリペプチドとして、バイシストロン構成において同時に発現させる。一部の実施形態では、CARおよびmbIL15を、自己切断ペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチドから、バイシストロン構成において同時に発現させる。一部の実施形態では、自己切断ペプチドは、T2A自己切断ペプチド、P2A自己切断ペプチド、E2A自己切断ペプチドまたはF2A自己切断ペプチドである。この様式で、CARとmbIL15とは、必要であれば、単一ベクターとして免疫細胞に送達され得る。一部の実施形態では、T2A自己切断ペプチドを使用する。一部の実施形態では、T2A自己切断ペプチドは、配列番号1399の配列を含む。一部の実施形態では、T2A自己切断ペプチドは、配列番号1413の配列を含む核酸によりコードされる。
【0158】
BCMA指向性キメラ抗原受容体
BCMA指向性CARが、本明細書に開示される。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、細胞外抗BCMA結合部分、ヒンジドメイン、膜貫通ドメイン、ならびにOX40サブドメインおよびCD3ζサブドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、本明細書に開示される抗BCMA結合部分のいずれか1つであり得る。一部の実施形態では、ヒンジドメインは、本明細書に開示されるヒンジドメインのいずれか1つであり得る。一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、本明細書に開示される膜貫通ドメインのいずれか1つであり得る。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、本明細書に開示される細胞内シグナル伝達ドメインのいずれか1つであり得る。
【0159】
一部の実施形態では、OX40サブドメイン(OX40)は、配列番号1394に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、OX40サブドメインは、配列番号1405に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、OX40サブドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1394の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。一部の実施形態では、CD3ζサブドメインは、配列番号1395に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD3ζサブドメインは、配列番号1406に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、CD3ζサブドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1395の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。一部の実施形態では、OX40サブドメインは、CD3ζサブドメインに対してN末端側である。一部の実施形態では、CD3ζサブドメインは、OX40サブドメインに対してN末端側である。
【0160】
一部の実施形態では、膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメイン(CD8TM)である。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号1392に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号1403に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1392の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。
【0161】
一部の実施形態では、膜貫通ドメインはCD28膜貫通ドメイン(CD28TM)である。一部の実施形態では、CD28膜貫通ドメインは、配列番号1414に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号1415に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1414の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。
【0162】
一部の実施形態では、ヒンジドメインはCD8ヒンジドメイン(CD8h)である。一部の実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号1389に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号1400に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、CD8ヒンジドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1389の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。
【0163】
一部の実施形態では、CD8ヒンジドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインが、抗BCMA結合部分以外の、BCMA指向性CARの一部を構成する。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、CD8ヒンジドメイン(CD8h)、CD8膜貫通ドメイン(CD8TM)、CD8細胞内ドメイン(CD8IC)、OX40サブドメイン(OX40)およびCD3ζサブドメイン(CD3ζ)を含む。一部の実施形態では、CD8h、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζは、N末端からC末端へと、CD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζの順序である。一部の実施形態では、CD8ヒンジドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号1375に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列によって表される。一部の実施形態では、CD8ヒンジドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号1376に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0164】
BCMA指向性CARが、抗BCMA結合部分と共にCD8h、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζを含む、一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号749~774のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み得る。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号775~800のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、ヒトに対してコドン最適化されている上に配列番号801~826のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号905~930のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号931~956のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、ヒトのためにコドン最適化されている上に配列番号957~982のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を有する核酸によりコードされる。
【0165】
一部の実施形態では、ヒンジドメインはIgG4ヒンジドメインである。一部の実施形態では、IgG4ヒンジドメインは、配列番号1390に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、IgG4ヒンジドメインは、配列番号1401に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、IgG4ヒンジドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1390の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。
【0166】
一部の実施形態では、IgG4ヒンジドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインが、抗BCMA結合部分以外の、BCMA指向性CARの一部を構成する。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、IgG4ヒンジドメイン(IgG4h)、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζを含む。一部の実施形態では、IgG4h、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζは、N末端からC末端へと、IgG4h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζの順序である。一部の実施形態では、IgG4ヒンジドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号1377に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列によって表される。一部の実施形態では、IgG4ヒンジドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号1378に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0167】
BCMA指向性CARが、抗BCMA結合部分と共にIgG4、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζを含む、一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号1061~1086のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み得る。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号1087~1112のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、ヒトのためにコドン最適化されている上に配列番号1113~1138のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を有する核酸によりコードされる。
【0168】
一部の実施形態では、ヒンジドメインはRQRCD8ヒンジドメインである。一部の実施形態では、RQRCD8ヒンジドメインは、配列番号1391に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、RQRCD8ヒンジドメインは、配列番号1402に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、RQRCD8ヒンジドメインは、短縮型または修飾型であり、配列番号1391の配列を有するペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%相同である。
【0169】
一部の実施形態では、RQRCD8ヒンジドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインが、抗BCMA結合部分以外の、BCMA指向性CARの一部を構成する。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、RQRCD8ヒンジドメイン(RQRCD8h)、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζを含む。一部の実施形態では、RQRCD8h、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζは、N末端からC末端へと、RQRCD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζの順序である。一部の実施形態では、RQRCD8ヒンジドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号1379に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列によって表される。一部の実施形態では、RQRCD8ヒンジドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号1380に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0170】
BCMA指向性CARが、抗BCMA結合部分と共にRQRCD8、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζを含む、一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号1217~1242のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含み得る。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号1243~1268のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を有する核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、ヒトのためにコドン最適化されている上に配列番号1269~1294のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性の配列を有する核酸によりコードされる。
【0171】
BCMA指向性キメラ抗原受容体コンストラクト
一部の実施形態では、BCMA指向性CARを含むBCMA指向性CARコンストラクトが提供される。
図1は、本開示において具体化される、例示的なBCMA指向性CARコンストラクトを示す。
図1に示すように、BCMA指向性CARコンストラクトの実施形態は、抗BCMA結合部分、ヒンジドメイン、CD8膜貫通ドメイン、CD8細胞内ドメイン、OX40サブドメイン、CD3ζサブドメイン、T2A自己切断ペプチドおよび膜結合型IL15を含む。一部の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、CD28膜貫通ドメインに置換されてもよい。これらの構成要素のいずれか1つまたは複数が、本明細書に開示される対応する構成要素の実施形態のいずれかであり得る。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、本明細書に開示されるBCMA指向性CARのいずれか1つであり、BCMA指向性CARコンストラクトは、前記BCMA指向性CARおよび膜結合型IL15をバイシストロン構成において含む。
【0172】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、抗BCMA結合部分、CD8h、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζ、ならびに膜結合型IL15(mbIL15)を含むBCMA指向性CARを含み、BCMA指向性CARとmbIL15とは、自己切断ペプチド(例えばT2A自己切断ペプチド)により分離されている。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、N末端からC末端へと、抗BCMA結合部分-CD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15の順序で配置されている。一部の実施形態では、CD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15は、配列番号1381に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15は、配列番号1382に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、VHがVLに対してN末端側であるように配置されたVHおよびVLを含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、配列番号827~852のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、配列番号853~878のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、ヒトに対してコドン最適化されている上に配列番号879~904のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0173】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、抗BCMA結合部分、CD8h、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζ、ならびにmbIL15を含むBCMA指向性CARを含み、BCMA指向性CARとmbIL15とは、自己切断ペプチド(例えばT2A自己切断ペプチド)により分離されている。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、N末端からC末端へと、抗BCMA結合部分-CD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15の順序で配置されている。一部の実施形態では、CD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15は、配列番号1381に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、CD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15は、配列番号1382に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、抗BCMA結合部分は、VLがVHに対してN末端側であるように配置されたVHおよびVLを含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、配列番号983~1008のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、配列番号1009~1034のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、ヒトに対してコドン最適化されている上に配列番号1035~1060のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0174】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、抗BCMA結合部分、IgG4h、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζ、ならびにmbIL15を含むBCMA指向性CARを含み、BCMA指向性CARとmbIL15とは、自己切断ペプチド(例えばT2A自己切断ペプチド)により分離されている。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、N末端からC末端へと、抗BCMA結合部分-IgG4h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15の順序で配置されている。一部の実施形態では、IgG4h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15は、配列番号1383に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、IgG4h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15は、配列番号1384に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、配列番号1139~1164のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、配列番号1165~1190のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、ヒトに対してコドン最適化されている上に配列番号1191~1216のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0175】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、抗BCMA結合部分、RQR8CDh、CD8TM、CD8IC、OX40およびCD3ζ、ならびにmbIL15を含むBCMA指向性CARを含み、BCMA指向性CARとmbIL15とは、自己切断ペプチド(例えばT2A自己切断ペプチド)により分離されている。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、N末端からC末端へと、抗BCMA結合部分-RQR8CDh-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15の順序で配置されている。一部の実施形態では、RQRCD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15は、配列番号1385に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、RQRCD8h-CD8TM-CD8IC-OX40-CD3ζ-T2A-mbIL15は、配列番号1386に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、配列番号1295~1320のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、配列番号1321~1346のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARコンストラクトは、ヒトに対してコドン最適化されている上に配列番号1347~1372のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0176】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号3851~3854のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0177】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3867~3870のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3883~3886のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0178】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3887~3912のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号3913~3964のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。
【0179】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号3991~4042のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0180】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4043~4068のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4069~4120のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号4147~4198のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0181】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4199~4224のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4225~4276のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号4303~4354のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0182】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4355~4380のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4381~4432のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号4459~4510のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0183】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4513~4531のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4531~4569のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号4589~4626のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0184】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4627~4645のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4646~4683のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号4703~4740のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0185】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4741~4759のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4760~4797のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号4817~4854のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0186】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4855~4873のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4874~4911のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号4931~4968のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0187】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4969~4994のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号4995~5046のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号5073~5124のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0188】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5125~5150のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5151~5176のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号5203~5228のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0189】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5229~5247のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5248~5285のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号5305~5342のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0190】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5343~5361のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5362~5399のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号5419~5456のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0191】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5503~5525のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5526~5571のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号5595~5640のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0192】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5641~5663のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、配列番号5664~5709のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、mbIL15もコードする上に配列番号5733~5778のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0193】
一部の実施形態では、BCMA指向性CARは、VHHドメインを含み、かつ配列番号5779~5801のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、BCMA指向性VHH-CARは、配列番号5802~5847のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む核酸によりコードされる。一部の実施形態では、BCMA指向性VHH-CARは、mbIL15もコードする上に配列番号5871~5916のいずれか1つに対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する核酸によりコードされる。
【0194】
本明細書に記載されるいずれかの受容体コンストラクトに関して、例えば、クローニングしやすさまたはクローニングの効率(例えば、制限部位の創出のため)の結果として配列を組み合わせる場合、開示される配列の特定の配列多様性、伸長、および/または短縮化が起こり得ると理解される。
【0195】
処置および投与および服用の方法
本明細書に開示される抗BCMA結合部分、BCMA指向性CARまたはBCMA指向性CARコンストラクトのいずれか1つを含む免疫細胞の集団が、本明細書に開示される。一部の実施形態では、免疫細胞はNK細胞および/またはT細胞である。一部の実施形態では、免疫細胞の集団は、非BCMAがんマーカーに結合する、追加の細胞外部分またはCARをさらに含む。一部の実施形態では、非BCMAがんマーカーは、CD138、SLAMF7、CD38、GPRC5DまたはCD19の1つまたは複数を含む。
【0196】
本明細書に開示される抗BCMA結合部分、BCMA指向性CARまたはBCMA指向性CARコンストラクトのいずれか1つを含む免疫細胞または免疫細胞の集団を用いて、がんを処置、改善、阻害または予防する方法に関する実施形態も本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、本明細書に開示される抗BCMA結合部分、BCMA指向性CARまたはBCMA指向性CARコンストラクトのいずれか1つを含む免疫細胞または免疫細胞の集団の治療上有効量を投与することを含む。
【0197】
特定の実施形態では、本明細書に記載される、遺伝子操作された細胞を用いた、対象の処置は、以下の、例えば:(i)疾患またはそれに関連する症状の重症度の低減または改善;(ii)疾患と関連する症状の期間の低減;(iii)疾患またはそれに関連する症状の進行に対する防御;(iv)疾患またはそれに関連する症状の後退;(v)疾患と関連する症状の発現または発症に対する防御;(vi)疾患と関連する症状の再発に対する防御;(vii)対象の入院の低減;(viii)入院期間の低減;(ix)疾患を有する対象の生存の上昇;(x)疾患と関連する症状の数の低減;(xi)別の治療の予防効果または治療効果の増強、改善、補充、補完または増加を含む効果の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を達成する。これらの比較の各々は、例えば、本明細書に開示されるコンストラクトを発現しない細胞を使用する、疾患に対する細胞ベース免疫療法を含む、疾患に対する異なる治療との比較である。
【0198】
投与は、様々な経路により得て、限定されないが、患部組織への静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、肝臓内、腹腔内および/または局所デリバリーを含む。NKおよび/またはT細胞のような免疫細胞の用量は、所定の対象に対して、その体重、疾患の種類および状態、ならびに処置の所望の攻撃性に基づいて容易に決定可能であるが、実施形態に応じて、kg当たり約105細胞からkg当たり約1012細胞までに及ぶ(例えば、105~107、107~1010、1010~1012およびその中の重複範囲)。一実施形態では、用量漸増レジメンを使用する。いくつかの実施形態では、例えば、約1x106細胞/kgから約1x108細胞/kgの間の範囲の、NKおよび/またはT細胞のような免疫細胞を投与する。実施形態に応じて、様々な種類のがんを処置し得る。いくつかの実施形態では、肝細胞癌を処置する。本明細書で提供されるさらなる実施形態は、以下の非限定的な例のがんの処置または予防を含み、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、カポジ肉腫、リンパ腫、胃腸がん、虫垂がん、中枢神経系がん、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍(星状細胞腫、脊髄腫瘍、脳幹グリオーマ、膠芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣芽腫、上衣腫、髄芽腫、髄上皮腫を含むがそれらに限定されない)、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、子宮頚がん、結腸がん、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害、腺管癌、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞白血病、腎細胞がん、白血病、口腔がん、鼻咽頭がん、肝がん、肺がん(非小細胞肺がん(NSCLC)および小細胞肺がんを含むがそれらに限定されない),膵がん、腸がん、リンパ腫、黒色腫、眼のがん、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、下垂体がん、子宮がんおよび膣がんを含むがそれらに限定されない。
【0199】
がんの処置のため、および/またはがんの処置用の医薬の調製のための、本明細書に開示される、操作されたNK細胞の使用も提供される。いくつかの実施形態では、がんは多発性骨髄腫である。
【0200】
いくつかの実施形態では、開示されるキメラ抗原受容体(BCMA指向性キメラ抗原受容体を含むがそれに限定されない)をコードするポリヌクレオチドはmRNAである。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドはDNAである。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、細胞傷害性受容体複合体の発現用の少なくとも1つの調節エレメントに作動可能に連結している。
【0201】
いくつかの実施形態によると、本明細書で提供されるポリヌクレオチドのいずれかをコードするポリヌクレオチドを含むベクターがさらに提供され、そのポリヌクレオチドは、細胞傷害性受容体複合体の発現用の少なくとも1つの調節エレメントに適宜作動可能に連結している。いくつかの実施形態では、ベクターはレトロウイルスである。
【0202】
本明細書に開示されるポリヌクレオチド、ベクターまたは細胞傷害性受容体複合体を含む、操作された免疫細胞(例えば、NKおよび/またはT細胞)が、本明細書でさらに提供される。本明細書に開示されるポリヌクレオチド、ベクターまたは細胞傷害性受容体複合体を各集団が含む、操作された免疫細胞(例えば、NK細胞および/または操作されたT細胞)の混合物を含む組成物が、本明細書でさらに提供される。
【0203】
がん型
本明細書に記載される組成物および方法に関する一部の実施形態は、キメラ抗原受容体、例えば、BCMA指向性キメラ抗原受容体を含む免疫細胞をがんを持つ対象へ投与することに関する。本明細書で提供される様々な実施形態は、以下の非限定的な例のがんの処置または予防を含む。がんの例は、多発性骨髄腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、カポジ肉腫、リンパ腫、胃腸がん、虫垂がん、中枢神経系がん、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍(星状細胞腫、脊髄腫瘍、脳幹グリオーマ、頭蓋咽頭腫、上衣芽腫、上衣腫、髄芽腫、髄上皮腫を含むがそれらに限定されない)、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、子宮頚がん、結腸がん、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害、腺管癌、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞白血病、腎細胞がん、白血病、口腔がん、鼻咽頭がん、肝がん、肺がん(非小細胞肺がん(NSCLC)および小細胞肺がんを含むがそれらに限定されない),膵がん、腸がん、リンパ腫、黒色腫、眼のがん、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、下垂体がん、子宮がんおよび膣がんを含むがそれらに限定されない。
【0204】
がん標的
本明細書に記載される組成物および方法に関する一部の実施形態は、がん抗原を標的にする1つまたは複数のキメラ抗原受容体を含む免疫細胞に関する。標的抗原の非限定的な例は、以下を含む:BCMA、CD19、CD38、CD138(シンデカン1としても公知)、Gタンパク質共役型受容体、クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D)、SLAMF7、CD229(SLAMF3)、CD123、DLL3、上皮成長因子受容体(EGFR)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3);KREMEN2(クリングル含有膜貫通タンパク質2)、胎盤様2アルカリホスファターゼ(ALPPL2)、クローディン4、クローディン6、CD5、CD22;CD30;CD171;CS1(CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319および19A24とも呼ばれる);C型レクチン様分子1(CLL-1またはCLECL1);CD33;上皮成長因子受容体変異体III(EGFRviii);ガングリオシドG2(GD2);ガングリオシドGD3(aNeu5Ac(2-8)aNeu5Ac(2-3)bDGalp(1-4)bDGlcp(1-1)Cer);Tn抗原[(Tn Ag)または(GalNAca-Ser/Thr)];前立腺特異的膜抗原(PSMA);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1);Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3);腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72);CD38;CD44v6;急性白血病またはリンパ腫上で発現するが造血前駆細胞上では発現しないグリコシル化CD43エピトープ、非造血性がん上で発現するグリコシル化CD43エピトープ、癌胎児抗原(CEA);上皮細胞接着分子(EPCAM);B7H3(CD276);KIT(CD117);インターロイキン-13受容体サブユニットアルファ-2(IL-13Ra2またはCD213A2);メソテリン;インターロイキン11受容体アルファ(IL-llRa);前立腺幹細胞抗原(PSCA);プロテアーゼセリン21(テスチシンまたはPRSS21);血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2);ルイス(Y)抗原;CD24;血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFR-ベータ);ステージ特異的胎児抗原-4(SSEA-4);CD20;葉酸受容体アルファ(FRaまたはFR1);葉酸受容体ベータ(FRb);受容体型チロシンプロテインキナーゼERBB2(Her2/neu);細胞表面関連ムチン1(MUC1);上皮成長因子受容体(EGFR);神経細胞接着分子(NCAM);プロスターゼ;前立腺酸性ホスファターゼ(PAP);伸長因子2突然変異型(ELF2M);エフリンB2;線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP);インスリン様成長因子1受容体(IGF-I受容体)、炭酸脱水酵素IX(CAIX);プロテアソーム(プロソーム、マクロパイン)サブユニットベータ型9(LMP2);糖タンパク100(gp100);切断点クラスター領域(BCR)およびアベルソンマウス白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ1(Abl)(bcr-abl)からなる癌遺伝子融合タンパク質;チロシナーゼ;エフリンA型受容体2(EphA2);シアリルルイス接着分子(sLe);ガングリオシドGM3(aNeu5Ac(2-3)bDClalp(1-4)bDGlcp(1-1)Cer);トランスグルタミナーゼ5(TGS5);高分子黒色腫関連抗原(HMWMAA);o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2);腫瘍血管内皮マーカー1(TEM1/CD248);腫瘍血管内皮マーカー7-関連(TEM7R);クローディン6(CLDN6);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR);Gタンパク質共役型受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D);X染色体オープンリーディングフレーム61(CXORF61);CD97;CD179a;未分化リンパ腫キナーゼ(ALK);ポリシアル酸;胎盤特異的1(PLAC1);globoHグリコセラミド(GloboH)の六糖部分;乳腺分化抗原(NY-BR-1);ウロプラキン2(UPK2);A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1);アドレナリン受容体ベータ3(ADRB3);パネキシン3(PANX3);Gタンパク質共役型受容体20(GPR20);リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K9(LY6K);嗅覚受容体51E2(OR51E2);TCRガンマ代替リーディングフレームタンパク質(TARP);ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1);がん/精巣抗原1(NY-ES0-1);がん/精巣抗原2(LAGE-la);黒色腫関連抗原1(MAGE-A1);12p染色体に位置するETS転座変異体遺伝子6(ETV6-AML);精子タンパク質17(SPA17);X抗原ファミリー、メンバー1A(XAGE1);アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie2);黒色腫がん精巣抗原-1(MAD-CT-1);黒色腫がん精巣抗原-2(MAD-CT-2);Fos関連抗原1;腫瘍タンパク質p53(p53);p53突然変異体;プロステイン;サバイビン;テロメラーゼ;前立腺癌腫瘍抗原-1(PCT A-lまたはガレクチン8)、T細胞1により認識される黒色腫抗原(MelanAまたはMARTI);Rat肉腫(Ras)突然変異体;ヒトテロメラーゼ;逆転写酵素(hTERT);肉腫転座切断点;アポトーシスの黒色腫阻害剤(ML-IAP);ERG[膜貫通プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子];N-アセチルグルコサミン転移酵素V(NA17);ペアードボックスタンパク質Pax-3(PAX3);アンドロゲン受容体;サイクリンB1;v-mycトリ骨髄球腫症ウイルス癌遺伝子神経芽細胞腫由来ホモログ(MYCN);RasホモログファミリーメンバーC(RhoC);チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2);シトクロムP450 IB1(CYPIB1);CCCTC結合因子(ジンクフィンガータンパク質)様(BORISまたはBrother of the Regulator of Imprinted Sites)、T細胞3により認識される扁平上皮癌抗原(SART3);ペアードボックスタンパク質Pax-5(PAX5);プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES1);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK);Aキナーゼアンカータンパク質4(AKAP-4);滑膜肉腫、X切断点2(SSX2);終末糖化(Gly cation)産物受容体(RAGE-1);腎普遍的1(RU1);腎普遍的2(RU2);レグマイン;ヒトパピローマウイルスE6(HPV E6);ヒトパピローマウイルスE7(HPV E7);腸カルボキシルエステラーゼ;熱ショックタンパク質70-2突然変異型(mut hsp70-2);CD79a;CD79b;CD72;白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1);IgA受容体のFc断片(FCARまたはCD89);白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2);CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF);C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A);骨髄間質細胞抗原2(BST2);EGF様モジュール含有ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2);リンパ球抗原75(LY75);グリピカン-3(GPC3);Fc受容体様5(FCRL5);および免疫グロブリンラムダ様ポリペプチド1(IGLL1)、MPL、ビオチン、c-MYCエピトープタグ、CD34、LAMP1 TROP2、GFRアルファ4、CDH17、CDH6、NYBR1、CDH19、CD200R、Slea(CA19.9;シアリルルイス抗原);フコシル-GM1、PTK7、gpNMB、CDH1-CD324、DLL3、CD276/B7H3、IL1 1Ra、IL13Ra2、CD179b-IGL11、TCRガンマ-デルタ、NKG2D、CD32(FCGR2A)、Tn ag、Tim1-/HVCR1、CSF2RA(GM-CSFR-アルファ)、TGFベータR2、Lews Ag、TCR-ベータ1鎖、TCR-ベータ2鎖、TCR-ガンマ鎖、TCR-デルタ鎖、FITC、黄体形成ホルモン受容体(LHR)、卵胞刺激ホルモン受容体(FSHR)、ゴナドトロピンホルモン受容体(CGHRまたはGR)、CCR4、GD3、SLAMF6、SLAMF4、HIV1外被糖タンパク質、HTLVl-Tax、CMV pp65、EBV-EBNA3c、KSHV K8.1、KSHV-gH、インフルエンザAヘマグルチニン(HA)、GAD、PDL1、グアニリルシクラーゼC(GCC)、デスモグレイン3(Dsg3)に対する自己抗体、デスモグレイン1(Dsg1)に対する自己抗体、HLA、HLA-A、HLA-A2、HLA-B、HLA-C、HLA-DP、HLA-DM、HLA-DOA、HLA-DOB、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-G、IgE、CD99、Ras G12V、組織因子1(TF1)、AFP、GPRC5D、クローディン18.2(CLD18A2またはCLDN18A.2)、P糖タンパク質、STEAP1、Liv1、ネクチン-4、クリプト、gpA33、BST1/CD157、低コンダクタンスクロライドチャネル、およびTNT抗体により認識される抗原。
【実施例】
【0205】
本明細書に開示される材料および方法は、本明細書に開示される特定の実施形態により利用されることになる非限定的な例である。
【0206】
[実施例1]
NK細胞における抗BCMA CAR発現
いくつかの実施形態によると、NK細胞を、末梢血単核細胞から単離し、フィーダー細胞株の使用を介して増加させる。いくつかの実施形態では、フィーダー細胞は、免疫細胞の増加および活性化を促進するために、特定の刺激分子(例えば、インターロイキン、CD3、4-1BBL等)を発現するように操作されている。操作されたフィーダー細胞、および関連する、NK細胞を増加させるための方法は、例えば、参照によりその各々の全体が本明細書に明確に組み込まれている米国特許第7,435,596号明細書または同第8,026,097号明細書、国際特許出願PCT/SG2018/050138号、国際特許出願PCT/US2020/044033号、および米国仮特許出願第63/073,671号明細書に開示される。
【0207】
PBMCから単離したNK細胞を、IL2を補足した培地を用いて、膜結合型IL15および4-1BBLを発現するK562細胞と共培養する。抗BCMA指向性キメラ抗原受容体コンストラクト、例えば、本明細書に開示されるもののいずれか1つをコードするベクターによるウイルス性形質導入を、およそ7日目に行う。様々な抗BCMA CARコンストラクトを、NK細胞の異なる集団に形質導入する。本明細書に開示される1つまたは複数の膜貫通ドメイン、1つまたは複数のヒンジドメイン、1つまたは複数の共刺激ドメインおよび1つまたは複数のシグナル伝達ドメインのいずれかの組合せを使用し得る。いくつかの実施形態では、抗BCMA CARは、OX40ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、抗BCMA CARと共にNK細胞によって発現される、膜結合型であってもよいインターロイキン15もコードする。結果として生じる、操作されたNK細胞を、総培養時間の14日目またはそれ以上の日に評価する。
【0208】
抗BCMA CARコンストラクトの発現は、CARコンストラクトを検出することにより、例えば、CAR内に組み込まれたタグ配列(例えば、FLAGエピトープタグまたはRQRCD8ヒンジのCD34およびCD20エピトープ)を発現するNK細胞の、試験集団における百分率を評価することにより評価される(もっとも、本明細書に開示される実施形態は、エピトープタグフリーCARコンストラクトも提供する)。NK細胞の少なくとも約75%またはそれ以上が、CARを安定に発現すると見られている(例えば、培養中で少なくとも2~3週間またはそれ以上)。
【0209】
これは、論理的実施例である。
【0210】
[実施例2]
T細胞における抗BCMA CAR発現
いくつかの実施形態によると、T細胞を、末梢血単核細胞から単離し、市販入手可能なT細胞増加用製品(例えば、抗CD3および抗CD28抗体に結合させたビーズ)の使用を介して増加させる。
【0211】
抗BCMA指向性キメラ抗原受容体コンストラクト、例えば、本明細書に開示されるもののいずれか1つをコードする様々なベクターによる、T細胞のウイルス性形質導入を、およそ7日目に行う。様々な抗BCMA CARコンストラクトを、T細胞の異なる集団に形質導入する。本明細書に開示される1つまたは複数の膜貫通ドメイン、1つまたは複数のヒンジドメイン、1つまたは複数の共刺激ドメインおよび1つまたは複数のシグナル伝達ドメインのいずれかの組合せを使用し得る。いくつかの実施形態では、抗BCMA CARは、OX40ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、抗BCMA CARと共にT細胞によって発現される、膜結合型であってもよいインターロイキン15もコードする。結果として生じる、操作されたT細胞を、総培養時間の14日目またはそれ以上の日に評価する。
【0212】
抗BCMA CARコンストラクトの発現は、CARコンストラクトを検出することにより、例えば、CAR内に組み込まれたタグ配列(例えば、FLAGエピトープタグまたはRQRCD8ヒンジのCD34およびCD20エピトープ)を発現するT細胞の、試験集団における百分率を評価することにより評価される(もっとも、本明細書に開示される実施形態は、エピトープタグフリーCARコンストラクトも提供する)。T細胞の少なくとも約75%またはそれ以上が、CARを安定に発現すると見られている(例えば、培養中で少なくとも2~3週間またはそれ以上)。
【0213】
これは、論理的実施例である。
【0214】
[実施例3]
抗BCMA CAR発現NKおよびT細胞の細胞傷害性のインビトロ(in Vitro)評価
本明細書に開示されるもののような様々な抗BCMA CARを発現するNK細胞および/またはT細胞を、BCMAを発現する腫瘍細胞、ならびに対照としての、BCMAをほとんど、またはまったく発現しない細胞と共培養する。非形質導入NKおよび/またはT細胞も陰性対照として使用され得る。フローサイトメトリーにより検出/定量するために、腫瘍細胞に蛍光検出タグ(例えばGFP)を付けてもよい。様々なエフェクター:標的(E:T)比、例えば、8:1、4:1、2:1、1:1、1:2、1:4および/または1:8を評価する。共培養後、培養培地を捕集し、様々な細胞傷害性または炎症誘発性サイトカインのレベルを評価する。腫瘍細胞の生存を定量する。
【0215】
抗BCMA CARを発現する上にBCMA発現腫瘍細胞と共培養されたNKおよび/またはT細胞は、非形質導入NKおよび/またはT細胞、ならびに低減したBCMAレベルを発現する腫瘍細胞と共に培養したBCMA-CAR発現NKおよび/またはT細胞による、細胞傷害性エフェクター分子(例えば、グランザイムB、パーフォリンおよび/またはインターフェロンガンマ)の放出と比べて、それらのエフェクターの高い放出をもたらすと見られている。
【0216】
抗BCMA CARを発現する上にBCMA発現腫瘍細胞と共培養されたNKおよび/またはT細胞は、所定の実験のE:T比に依存した様式で、腫瘍細胞に対する細胞傷害効果を示すと見られている。操作されたNKおよび/またはT細胞は、事実上持続性である抗腫瘍細胞効果を示すと見られている(例えば、抗BCMA CARによる形質導入後少なくとも2~3週間にわたり、細胞傷害性を示し得る)。
【0217】
これは、論理的実施例である。
【0218】
[実施例4]
抗BCMA CAR発現NKおよびT細胞の細胞傷害性のインビボ(in Vivo)評価
NKおよびT細胞を、本明細書に記載されるようにPBMCから単離し増加させる。NK細胞およびT細胞は、NKまたはT細胞のウイルス性形質導入により、抗BCMA CAR、例えば、本明細書に開示されるもののいずれか1つを発現するように操作される。ウイルス性形質導入は、単離からおよそ7日目に行う。様々な抗BCMA CARコンストラクトを、NK細胞およびT細胞の異なる集団に形質導入する。本明細書に開示される1つまたは複数の膜貫通ドメイン、1つまたは複数のヒンジドメイン、1つまたは複数の共刺激ドメインおよび1つまたは複数のシグナル伝達ドメインのいずれかの組合せを使用し得る。いくつかの実施形態では、抗BCMA CARは、OX40ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、抗BCMA CARと共にNK細胞によって発現される、膜結合型であってもよいインターロイキン15もコードする。結果として生じる、操作されたNKおよび操作されたT細胞を、総培養時間の14日目またはそれ以上の日に評価する。
【0219】
0日目に、免疫不全NSGマウスに、発光マーカーを発現するBCMA陽性腫瘍細胞(例えば、NCI-H929、U266-B1またはRPMI-8226のような多発性骨髄腫細胞)を、適切な用量(例えば1x105細胞)で静脈内注射する。1日目に、PBS対照、非形質導入NKおよび/もしくはT細胞、または本明細書に開示される様々な抗BCMA CARの1つを発現するNKおよび/もしくはT細胞のいずれかをマウスに注射する。生物発光イメージングデータを、様々な時点、例えば、0日目、8日目、11日目、16日目、20日目、28日目、32日目および40日目に収集する。血液試料を、様々な時点、例えば、5日目、15日目、20日目、25日目、30日目、35日目および40日目に採取する。
【0220】
BCMAまたは別の識別的な細胞表面タンパク質を検出するために、フローサイトメトリーを使用して、腫瘍細胞の存在および数に関して血液試料を分析する。生物発光イメージを、時点にわたるシグナル強度に関して調査する。生物発光シグナルは、PBS対照群ならびに非形質導入NKおよび/またはT細胞に関しては、経時的に上昇し、腫瘍細胞の増加を示すと予想される。抗BCMA CARを発現するNK細胞の注射は、腫瘍細胞増殖の進行の低減をもたらすと見込まれる。抗BCMA CARを発現するT細胞の注射は、腫瘍細胞増殖の進行の低減をもたらすと見込まれる。抗BCMA CARを発現するNK細胞および抗BCMA CARを発現するT細胞の組合せの注射は、腫瘍細胞増殖の進行の著しい、相乗的でさえある低減をもたらすと見込まれる。BCMAの追加のエピトープを標的にする実施形態では(例えば、NKおよび/もしくはT細胞により発現させる二重特異性CARまたは第2のCARにより)、さらに増強した細胞傷害性が予想される。
【0221】
抗BCMA CAR(または複数のCAR)を発現するNK細胞および/またはT細胞の投与を受けるマウスは、対照群を上回る生存率の向上を示すと予想される。
【0222】
これは、論理的実施例である。
【0223】
[実施例5]
抗BCMA CAR発現NKおよび/またはT細胞との、他のがん標的の組合せ
NKおよびT細胞を、本明細書に記載されるようにPBMCから単離し増加させる。NK細胞およびT細胞は、NKまたはT細胞のウイルス性形質導入により、抗BCMA CAR、例えば、本明細書に開示されるもののいずれか1つを発現するように操作される。ウイルス性形質導入は、単離からおよそ7日目に行う。様々な抗BCMA CARコンストラクトを、NK細胞およびT細胞の異なる集団に形質導入する。本明細書に開示される1つまたは複数の膜貫通ドメイン、1つまたは複数のヒンジドメイン、1つまたは複数の共刺激ドメインおよび1つまたは複数のシグナル伝達ドメインのいずれかの組合せを使用し得る。いくつかの実施形態では、抗BCMA CARは、OX40ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、抗BCMA CARと共にNK細胞によって発現される、膜結合型であってもよいインターロイキン15もコードする。
【0224】
NK細胞および/またはT細胞は、追加の、例えば非BCMA腫瘍マーカーに対するCARを発現するように操作される。追加の腫瘍マーカーは、CD19、CD38、CD138、SLAM-F7またはGPRC5D、または当技術分野で一般的に公知の他の腫瘍マーカーの1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、単一のCARが、BCMA、およびCD19、CD38、CD138、SLAM-F7またはGPRC5D、または当技術分野で一般的に公知の他の腫瘍マーカーの1つまたは複数の両方を標的にするように操作される。BCMA標的化CARと同様に、本明細書に開示される1つまたは複数の膜貫通ドメイン、1つまたは複数のヒンジドメイン、1つまたは複数の共刺激ドメインおよび1つまたは複数のシグナル伝達ドメインのいずれかの組合せを使用し得る。いくつかの実施形態では、非BCMAマーカーに対するCARは、OX40ドメインおよびCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、非BCMA CARをNKおよび/またはT細胞に形質導入するために使用するウイルスベクターは、非BCMA CAR(または二重特異性CAR)と共にNK細胞によって発現される、膜結合型であってもよいインターロイキン15もコードする。結果として生じる、操作されたNKおよび操作されたT細胞を、総培養時間の14日目またはそれ以上の日に評価する。
【0225】
0日目に、免疫不全NSGに、BCMA陽性、非BCMA腫瘍マーカー(例えば、CD19、CD38、CD138、SLAM-F7またはGPRC5D)の1つまたは複数に対して陽性である上に発光マーカーを発現する腫瘍細胞を(適切な用量、例えば1x105細胞で)静脈内に注射する。1日目に、PBS対照、非形質導入NKおよび/もしくはT細胞、または本明細書に開示される様々な抗BCMA CARの1つを発現する、本明細書に開示される様々な非BCMA CARの1つを発現する、もしくは二重特異性BCMA/非BCMA CARを発現するNKおよび/もしくはT細胞のいずれかをマウスに注射する。生物発光イメージングデータを、様々な時点、例えば、0日目、8日目、11日目、16日目、20日目、28日目、32日目および40日目に収集する。血液試料を、様々な時点、例えば、5日目、15日目、20日目、25日目、30日目、35日目および40日目に採取する。
【0226】
BCMAおよび非BCMA細胞表面タンパク質を検出するために、フローサイトメトリーを使用して、腫瘍細胞の存在および数に関して血液試料を分析する。生物発光イメージを、時点にわたるシグナル強度に関して調査する。生物発光シグナルは、PBS対照群ならびに非形質導入NKおよび/またはT細胞に関しては、経時的に上昇し、腫瘍細胞の増加を示すと予想される。抗BCMA CARおよび非BCMA標的に対するCARを発現するNK細胞、T細胞、および/またはNK細胞とT細胞との組合せの注射は、腫瘍細胞増殖の進行の低減をもたらすと見込まれる。この低減は、抗BCMAまたは非BCMA CARのいずれか一方を発現する細胞が単独でもたらすよりも大きい腫瘍増殖低減をもたらすと見込まれる。いくつかの実施形態では、BCMAおよび非BCMA標的を標的にする二重特異性CARにより、NK細胞上、T細胞上で発現されようと、またはNK細胞およびT細胞の両方の組合せの上で発現されようと、腫瘍細胞増殖の同様の低減が予想される。
【0227】
抗BCMA CARおよび非BCMA標的化CAR(または単一の二重特異性CAR)を発現するNK細胞および/またはT細胞の投与を受けるマウスは、対照群に対して、ならびに一方のCAR(BCMAに対するか、または非BCMAに対するかのいずれか一方)のみを発現する細胞で処置した群に対して生存率の向上を示すと予想される。
【0228】
これは、論理的実施例である。
【0229】
[実施例6]
トニックシグナル伝達に対する標的結合誘導シグナル伝達のスクリーン
前記のように、本明細書で提供されるCARは、様々な構造構成要素を利用し、および/または同じ構成要素を異なる構造構成で使用する。免疫療法に用いるCARを選択するために、一連の実験を行い、本明細書に開示される様々なCAR構成要素およびCARフォーマットが、トニックシグナル伝達(例えば、標的の非存在下でのCARからのシグナル伝達)と比べて、発現、標的結合、および標的結合が誘導する活性化にいかに影響を及ぼすかを評価した。図(非限定的な実施形態として)に示され、本明細書に記載されるように、CARは、実施形態に応じて様々な構造を利用する。例えば、いくつかの実施形態では、CARの腫瘍結合部分を、CARの残部(例えば、膜貫通領域およびシグナル伝達領域)と作動可能に連結するために異なるヒンジドメインを使用する。いくつかの実施形態では、CD8アルファ由来ドメインを使用する。例えば、いくつかの実施形態では、CD8ヒンジ、膜貫通および細胞内ドメインを、CARにおいて使用する。いくつかの実施形態では、CD28を使用する。いくつかの実施形態では、より長いまたはより短いヒンジドメインを使用する。同様に、scFv含有CARの場合、VH-リンカー-VLまたはVL-リンカー-VHフォーマットを利用し得て、リンカーは、コンストラクト間で異なってよいことに留意する。
図19は、4つの非限定的なCAR構造であるVH-リンカー-VL-CD8アルファヒンジ、VL-リンカー-VH-CD8アルファヒンジ、VH-リンカー-VL-IgG4ヒンジ(短い)、およびVH-リンカー-VL-RQRCD8ヒンジ(長い)の生成の結果を示す。コンストラクトをコードするヌクレオチド配列中に埋め込まれたFLAGタグの検出により、発現を測定した。FLAG(または他の検出タグ)を利用する、本明細書に提示されるいずれかのコンストラクトは、タグ(およびいずれかの対応する追加配列、例えば関連リンカー)不在でも想定されると理解される。
図19の発現データは、平均蛍光強度(MFI)として示される。
【0230】
図19に示すように、これらのフォーマットの各々は、利用するリンカーにかかわりなく、Jurkat細胞により発現させた。発現は、この実験でのリンカーの選択により著しく影響を受けるようには見えなかったのに対して、VH-リンカー-VL scFvフォーマットは、発現レベルの増大をもたらすように見えた。しかし、いくつかの実施形態では、VL-リンカー-VH scFvフォーマットがなおも、そのようなscFvを利用するCARをそれぞれの標的(例えばBCMA)に結合させて、そのような標的発現腫瘍細胞に対する細胞傷害性を誘導するために十分に良好に発現され得る。
【0231】
がん免疫療法は、操作された細胞が、腫瘍細胞に結合可能である上に非腫瘍細胞を標的化して作用することを主としてまたは完全に回避することを必要とする。特定のCARは、それを認識するようにそれらのCARが操作されている腫瘍マーカーに結合した場合に主として、またはその場合に限り応答性である。それを、本明細書では活性化と呼ぶ。免疫療法での使用にあまり望ましくない他のCARは、その対応する腫瘍マーカーが存在しない場合でさえもシグナル伝達を示す。それを、本明細書ではトニックシグナル伝達と呼ぶ。本明細書で考察される特定の実験は、活性化の、トニックシグナル伝達に対する比に関し、比のより大きい値は、所定のCARに対する高いシグナル伝達および/または低いトニックシグナル伝達を表す。
【0232】
活性化およびトニックシグナル伝達は、Jurkat細胞を使用する(細胞療法において使用する他の細胞の代替として)、シグナル伝達を評価するためのモデル系において評価する。Jurkat細胞は、T細胞活性化およびシグナル伝達機構の評価において広範に使用されている不死のヒト白血病T細胞株である。Jurkat細胞は、原発性T細胞が分泌する、完全なサイトカインレパートリーは分泌しない上に、Jurkat細胞は著しい細胞溶解性活性を欠くものの、Jurkat細胞は、活性化に応じてIL-2を産生してCD69を上方制御する。蛍光抗体を使用して(例えばフローサイトメトリーを介して)細胞表面CD69発現を検出できる容易さゆえ、本明細書で提供されるCARを発現するJurkat細胞の活性化を決定するために、BCMA発現標的細胞(ここではMM.S1細胞)の存在下および非存在下、CD69の誘導された発現の評価染色を使用した。
【0233】
図20は、1:1のE:T比(Jurkat:MM.1S)からの結果として生じる、標的細胞の非存在下における、操作されたJurkat細胞のオフシグナル伝達に基づきプロットしたデータを示す。より少数の腫瘍細胞が存在した場合の同様の実験と比べて(例えば、10:1のE:T、データは示さず)、標的腫瘍細胞の数の増加は、CD69の発現の上昇をもたらす。散布図に示すように、クローンのいくつかは、高活性ならびにトニックシグナル伝達の上昇を示す(右上)。同様に、一部のクローンは、低活性化およびトニックシグナル伝達の上昇または低活性化および低シグナル伝達を示す(散布図の左側部分)。しかし、選ばれたクローンは、高活性化および低トニックシグナル伝達を示し、それらを、がん免疫療法での潜在的使用に向けて興味をそそるものにする。
【0234】
トニックシグナル伝達およびBCMA結合に関連するようなデータは、BCMA結合が誘導するシグナル伝達の、トニックシグナル伝達に対する比を生成するために使用でき、オンターゲット性能に関して所定のCARを他と比較するためのデータ点として使用され得る。
図21は、その活性化/トニックシグナル伝達比に関して比較された、選択した非限定的なCARコンストラクトを示す。コンストラクトA、コンストラクトB、およびコンストラクトCの各々は、異なるアーキテクチャー(例えば、VH/VLドメインの順序、リンカー等)を有する。所定のアーキテクチャーの範囲内で、クローン1、2、3および4の各々は、そのバインダー配列に関して異なる。2つの異なる対照CARアーキテクチャーを、対照として使用した。所定のCARアーキテクチャーの範囲内の腫瘍マーカーバインダーの配列は、活性化/トニックシグナル伝達比に関して、いくらかの差異をもたらす。例えば、クローンA1は、クローンA4と比べて上昇した比を有するようである。同様の結果が、例えば、クローンC4と比べたC1で認められる。クローンA1またはC1を、クローンA3またはC3と比べた比較では著しい差異が示される。クローン1およびクローン3の群全体は、同様のパターンを共有する一方、クローンA3およびC3は、著しく高い活性化/トニックシグナル伝達比を示す。これらのデータは、CARのアーキテクチャーが、活性化/トニックシグナル伝達比に著しい影響を及ぼし得ることを実証する。したがって、いくつかの実施形態によると、CARアーキテクチャー(例えば、VH-リンカーA-VL、VL-リンカーA-VH、VH-リンカーB-VLまたはVL-リンカーB-VH)は、腫瘍マーカーが最低限に発現されるか、またはまったく発現されない場合でさえ起こるトニックシグナル伝達を低減/除去しつつ、腫瘍マーカー、例えばBCMAへのCARの結合に起因する、活性の程度を向上させるために最適化され得る。
【0235】
[実施例7]
発現および機能に関するCAR構成要素の評価
先行実施例の結果に基づいて、BCMA指向性CAR発現および機能を評価するためにさらなる実験を行った。本明細書で提供されるように、そのアーキテクチャーの点で以下に概説するように異なる2系列のCARを設計して構築した。
【表1】
【0236】
前記の様々な構造に基づき、特定のCARアーキテクチャー、および所定のアーキテクチャーの範囲内の特定の配列が、発現および/または活性の向上(例えば、活性化の向上とトニックシグナル伝達の低減)をもたらすかどうかを決定するために、アッセイを行った。
【0237】
図22は、所定のCARアーキテクチャーの範囲内のクローンの各々の発現に関する一連のヒストグラムを示す(アーキテクチャーFを、非限定的なデータとしてこの図に示す)。
図22の左パネルは、CARをコードする核酸内に組み込まれたFLAGタグの検出により測定された、Jurkat細胞によるCARの発現を示す。データは、MFIとして示し、特定の細胞が、Carを発現する程度を表す(例えば、細胞当たりのCARの「コピー」)。見られるように、所定のアーキテクチャーの範囲内でさえ、特定のクローン配列は、他のクローン配列よりも堅牢に発現する。
図22の右パネルは、所定のアーキテクチャーの範囲内のクローンの各々の、意図される標的であるBCMAに結合する能力に関する。興味深いことに、一部の堅牢に発現する細胞は、BCMA結合の上昇を達成したのに対して、低発現性であったものの一部でさえ、より高い平均発現を有した他のCARと同等に、BCMA結合を依然として示した。このデータは、発現には配列が重要であることのみならず、結合が発現に無関係であり得ることを示す。したがって、いくつかの実施形態では、低発現CARが、その低発現レベルを結合活性の向上により克服し得る限り、CARの両方の側面の分析が重要である。
【0238】
評価され得る別の特徴は、前記で考察したように、活性化(標的結合に基づく)の、トニックシグナル伝達に対する比である。この比は、特定のCARの潜在的な「オンターゲット」および「オフターゲット」可能性の評価に役立つ。
図23A~23Bは、BCMA結合が誘導する活性化(23A)および望ましくないトニックシグナル伝達(23B)に関する散布図を示す。
図23Aに見られるように、コンストラクトのいくつかは(異なるアーキテクチャーから、アーキテクチャーの範囲内でも)、BCMAへの結合に基づくCARの活性化を達成する。それは、値の閾値水平線10,000を上回る丸として示される。閾値線を下回るものは、スクリーンを通過するには不十分な活性化を有すると見なされた(少なくとも単に活性化に基づくと)。
図23Bは、対応するトニックシグナル伝達のデータを示す。再び、すべてのまたは実質的にすべての標的腫瘍マーカーの非存在下でさえも活性化されるCAR発現細胞は、ある程度のトニックシグナル伝達を示すと見なされる。10,000ユニットの閾値を超える丸は、ある程度のトニックシグナル伝達を示すと見なされる。閾値を下回るものはそうではない。しかし、トニックシグナル伝達または活性化の一方のみの評価は、部分分析である。閾値を上回る活性化を示すがトニックシグナル伝達は示さないクローンに目を向けると、5つのCARは、この特定のスクリーンにおいてそれらの基準を満たす。それらは、
図23Aの矢印で識別する。
【0239】
この分析に基づいて、
図24は、CAR発現の関数としてのBCMA結合の散布図を示し、標識は、CARの様々なグループ分けを示す。プロットの左下は、十分に良好に発現もせず十分なBCMA結合も示さないCARSを示す。右下は、十分に発現するが不十分なBCMA結合を示すCARの亜集団を示す。プロットの中央部分にある2つのクローンは、良好な発現および良好なBCMA結合を示すものである。しかし、前記で考察したように、所定のCARに関するより堅牢な理解には、発現および活性化が、トニックシグナル伝達(またはその欠如)の評価と共に検討され得る。
【0240】
図25は、本明細書で提供されるCARの一部分のスクリーンにおける、活性化/トニックシグナル伝達の比の散布図を示す。活性化/トニックシグナル伝達比をY軸に示し、発現をX軸に示す。先行する図と同様に、左下部分は、低い発現または低い活性化/トニックシグナル伝達比を示す(所望の程度よりも高いトニックシグナル伝達を示し、それが、比を下げる)。右下は、妥当な発現を有するが、望ましくない活性化/トニックシグナル伝達比を有するクローンを示す。グラフの中央部分の多数のクローンは、様々な量の許容可能な発現レベルおよび高い活性化/トニックシグナル伝達比を示す。
【0241】
CARアーキテクチャーの特定の特色が、発現、標的結合または活性化/トニックシグナル伝達に支配的な影響を与えるかどうかを決定するために、CARアーキテクチャーの影響のさらなる評価を行った。
図26Aおよび26Bは、ウィットローに対するGSリンカーを使用した場合の、活性化/トニックシグナル伝達比(26A)および発現(26B)に関連するデータを示す。特定の個々のクローンは、独特に振る舞うようであるが、クローンの大半は、活性化/トニックシグナル伝達または発現に関して標準から逸脱しないようである。scFvにおける重鎖および軽鎖の配向を比較した場合、発現および活性化/トニックシグナル伝達比のいくぶん広い分布が認められた。
図26Cは、VH-リンカー-VL scFv構造(Y軸)に対するVL-リンカー-VH scFv構造(X軸)を比較した場合の、活性化/トニックシグナル伝達比を示す。特定のクローンは、VH-VL順序で活性化の改善を示す一方、他のものは、VL-VH順序で、より優れた活性を示す。同様に、発現に関して、クローン特異的な結果を
図26Dに示す。
【0242】
このスクリーンにおける特定のCARは、膜貫通およびシグナル伝達ドメインの副構成要素において異なるため、ヒンジ、膜貫通および細胞内ドメインに関してCD28由来配列を有するCARにおける活性化/トニックシグナル伝達比を、CD8アルファからの対応するドメインを使用するもの(OX40共刺激ドメインを含む)と比べて比較するために、追加の比較を行った。ここでは、データは、
図26Eに示すように、CD28ドメインに対して、CD8-OX40ドメインを使用した場合、活性化/トニックシグナル伝達比の改善に向かう一般的傾向を示唆するように思われる。それは、
図26Fに示すように、CARコンストラクトの発現に関してもそうであるように見え、ことによるとより明らかでさえある。これらのデータは、構造および配列ベースの変化の両方が、CAR発現、結合および活性化に影響を及ぼし得ることを示す。本明細書に開示されるいくつかの実施形態によると、BCMA指向性CARは、免疫細胞(例えばNK細胞)における適切な発現、ならびに活性化およびトニックシグナル伝達の望ましいレベルを達成することができ、BCMA指向性がん免疫療法の適切な候補となる。
【0243】
[実施例8]
VHH含有CARの評価
scFv腫瘍バインダーフォーマットよりむしろラクダベース腫瘍バインダーを利用するCARも、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、一価(単一VHH)CARを使用するのに対して、他の実施形態では、二価(VHH-リンカー-VHH)CARフォーマットを使用する。前記で考察した実施例と同様に、VHH-CARアーキテクチャーに対する構造または配列ベースの変化が、VHH-CARを発現する細胞の発現、標的結合および/または活性化に影響を与えるかどうかを決定するために実験を行った。一価または二価VHH-CARを、Jurkat中で発現させて、発現、BCMA結合および活性化/トニックシグナル伝達比を評価した。
【0244】
図27は、BCMA結合に対する、一価および二価VHH-CARの発現の程度をプロットするデータを示す。これらのデータは、一価(丸)および二価(三角)VHH-CARの両方に関する比較的同程度の発現を示すが、個々のクローン間での変動を伴う。これらのデータは、二価VHH-CARの、BCMA結合の上昇を示す傾向を示すようでもある。それは、二価VHH-CARの二重結合ドメインフォーマットを考慮すると、完全に予想外ではない。
【0245】
図28A~28Bは、この初期の示唆をさらに裏付ける。
図28Aは、二価に対する一価のVHH-CARの発現に関するデータを示す。散布図が示すように、データ点の大半は、等価の閾値線を上回り、発現は、二価VHH-CARに関して高いことを示す。同様に、
図28Bには、より重大ではないにしろ、BCMA結合が、二価VHH-CARを使用した場合は一価VHH-CARと比べてより堅牢であるように見える結果を示す。
【0246】
しかし、前記で考察したように、標的腫瘍マーカーの結合と、CARを発現する細胞の、標的腫瘍マーカーの非存在下での活性化(例えばトニック活性化)との間の潜在的相互作用を理解する必要性が存在する。
図29Aは、二価および一価VHH-CARのトニックシグナル伝達の検出に関連するデータを示す。このデータは、トニックシグナル伝達が、二価VHH-CARフォーマットではより優勢であることを示唆する。
図29Bは、活性化/トニックシグナル伝達比を評価し、一価に対する二価のフォーマットとの間での、比のまずまず均等な分布を示す。これは、部分的には、二価コンストラクトにより示されたBCMA結合の見かけの上昇により説明され得る。したがって、分子(結合/活性化)および分母(トニックシグナル伝達)の両方が、二価フォーマットでは上昇しているため、比に基づく評価を、一価の比とより似通わせる。
【0247】
図29C~29Dは、一価および二価フォーマットに関して最も好ましい特徴を示す6つのVHH-CARを使用した、データの一部を取り出す。
図29Cは、活性化/トニックシグナル伝達比を比較するヒストグラムである。このデータは、一価フォーマットが、二価フォーマットよりも一般的に高い比を示すことを示唆する。根本的な機構は、二価フォーマットのトニックシグナル伝達が、一価コンストラクトよりもはるかに高いことを示す
図29Bで裏付けられるようである。
【0248】
それらの実施例の各々を考慮に入れて、scFv-CARをVHH-CARと比較するために分析を行った。そのデータを、
図30Aおよび30Bに示す。
図30Aは、発現の関数としてのトニックシグナル伝達の程度を示す。候補のVHH-CARは、候補のscFv(ならびに対照VHH-CAR)よりも著しく高いトニックシグナル伝達を示す。
図30Bは、細胞活性化に関連するデータを示し、VHH-CARは、scFvよりも一般的に高い活性化を有する一方で、scFv CARがBCMAに結合した場合の通常は低い活性化が、劇的に低いトニックシグナル伝達と合わさると、scFv CARフォーマットは、好ましい様式で作動するように見え、それゆえ、細胞免疫療法に用いるための有望な候補となることを明らかにする。この特定のデータは、scFv-CARが好ましいことを示唆する一方、一部の実施形態/フォーマットでは、VHH-CARも利用可能である。とはいえ、これらのデータは、それらのパラメーターの各々の独立した評価が、所定のCARの特色を完全に理解するためには正当化され得ることを示唆する。
【0249】
前記で開示される実施形態の具体的な特色および態様の様々な組合せまたは副組合せが、なされ得て、なおも本発明の1つまたは複数の範囲内に入ると考えられる。さらに、一実施形態との関連での、いずれかの特定の特色、態様、方法、特性、特徴、品質、属性、要素等に関する本明細書での開示は、本明細書に記載される他のすべての実施形態において使用可能である。したがって、開示される実施形態の様々な特色および態様は、開示される本発明の様々な様式を形成するために、組み合わされても置換されてもよいと理解される。したがって、本明細書で開示される本発明の範囲は、前記で開示される特定の実施形態により限定されるべきでないと意図される。さらに、本発明は、様々な修飾および代替形態の影響を許容する一方で、その具体例を図面において示し、本明細書に詳細に記載する。しかし、本発明は、開示される特定の形態および方法に限定されるのではなく、それと反対に、本発明は、記載される様々な実施形態および添付クレームの趣旨および範囲内に入るすべての修飾、均等物、代替物を網羅すると理解される。本明細書に開示されるいずれかの方法は、列挙される順番で行われる必要はない。本明細書に開示される方法は、実行者によって講じられる特定の行為を含む;しかし、その方法は、明確であれ含意によるものであれ、それらの行為のいずれかの第三者指示も含み得る。さらに、開示の特色または態様が、マーカッシュ群に関して記載される場合、当業者は、開示がその際、マーカッシュ群の個々のメンバーまたはメンバーの亜群に関しても記載されることを認識する。
【0250】
本明細書に開示される範囲は、あらゆる重複、部分範囲およびその組合せも含む。「まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「超(greater than)」、「未満(less than)」、「の間(between)」等のような用語は、列挙される数を含む。「約(about)」または「およそ(approximately)」のような用語が先行する数は、列挙される数を含む。例えば、「約90%」は「90%」を含む。一部の実施形態では、少なくとも95%の配列同一性を有する配列は、参照配列に対して96%、97%、98%、99%および100%の配列同一性を有する配列を含む。さらに、配列が、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列「を含む(comprising)」と開示される場合、そのような言及は、明記されない限り、配列が、列挙される配列「を含む(comprises)」、「からなる(consists of)」または「から本質的になる(consists essentially of)」ことも含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸のいずれかに対応するアミノ酸配列が、核酸コードの縮重を占めつつ提供される。さらに、本明細書に明確に開示される配列とは異なるが、機能的な類似性または等価性を有するそれらの配列(核酸であれアミノ酸であれ)も、本開示の範囲内に考えられる。前記は、突然変異体、短縮化、置換、または他の種類の修飾を含む。
【0252】
本明細書で使用するいずれかの名称または小見出しは、構成目的のためであり、本明細書に開示される実施形態の範囲を限定するために使用されるべきではない。
【0253】
公開済みおよび未公開の出願、特許、および文献参照を含むがそれらに限定されない、本明細書で引用されるすべての参考文献は、参照により本明細書にその全体が組み込まれており、本明細書の一部とされる。参照により組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含有される開示に矛盾する範囲内では、本明細書が、そのようないずれかの矛盾材料に取って代わる、および/または優先されると意図される。
【配列表】
【国際調査報告】