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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】端子およびその加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/02 20060101AFI20240709BHJP
   H01R 13/03 20060101ALI20240709BHJP
   H01R 43/16 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H01R13/02
H01R13/03 A
H01R13/03 D
H01R43/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501574
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2022105966
(87)【国際公開番号】W WO2023284854
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】202110803154.4
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121615279.6
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【テーマコード(参考)】
5E063
【Fターム(参考)】
5E063GA02
5E063GA05
5E063GA08
5E063GA10
5E063XA01
5E063XA20
(57)【要約】
本願は、端子およびその加工方法を提供する。該端子は、順に接続されている接続部と、第1の固定部と、導電部とを含み、前記接続部は、ケーブルに接続されるためのものであり、前記導電部は、円周に間隔をあけて配置される弾性板を複数含み、前記弾性板の第1の端は、いずれも前記第1の固定部に固接され、隣接する2つの前記弾性板の間に第1の溝部が設けられている。本願により、従来の嵌合端子における接触抵抗が大きく、接続箇所の温度上昇が高いという技術的な課題が緩和される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子であって、
順に接続されている接続部と、第1の固定部と、導電部とを含み、
前記接続部は、ケーブルに接続され、
前記導電部は、円周に間隔をあけて配置されている弾性板を複数含み、
前記弾性板の第1の端は、いずれも前記第1の固定部に固接され、
隣接する2つの前記弾性板の間に第1の溝部が設けられている
端子。
【請求項2】
前期端子は、前記導電部において前記第1の固定部から離れる一端に位置する第2の固定部を含み、
前記弾性板の第2の端は、いずれも前記第2の固定部に固接されている
請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記第2の固定部と前記導電部とを貫通する端子孔が設けられている
請求項2に記載の端子。
【請求項4】
前記導電部は、中心から両端に向けて内径が徐々に大きくなる内向き凹部を含む
請求項3に記載の端子。
【請求項5】
前記第1の溝部は、前記端子の軸線に対して傾斜して設けられている
請求項1に記載の端子。
【請求項6】
前記第1の溝部の接線と前記端子の軸線とがなす挟角は、どこでも等しい
請求項5に記載の端子。
【請求項7】
前記第1の溝部の接線と前記端子の軸線とがなす挟角の範囲は10°~60°である
請求項6に記載の端子。
【請求項8】
前記導電部と前記第1の固定部とは一体的な構造であり、または、前記導電部と前記第1の固定部とは、圧着、溶接、螺着のいずれかの方式により接続されている
請求項1に記載の端子。
【請求項9】
前記導電部の外部に外装されている導電バレルを含み、
前記導電バレルには、前記端子の軸方向に沿って延在する第2の溝部が設けられ、前記弾性板は、前記第2の溝部に入ることができる
請求項3に記載の端子。
【請求項10】
前記弾性板の前記第2の溝部に入り込んだ部分の表面積と前記第2の溝部の表面積との比率は、50%~90%である
請求項9に記載の端子。
【請求項11】
前記導電部および/または前記導電バレルの材質には、テルルが含まれている
請求項9または10に記載の端子。
【請求項12】
前記導電部および/または前記導電バレルの材質は、テルルの含有量が0.1%~5%である
請求項11に記載の端子。
【請求項13】
前記導電部および/または前記導電バレルにめっき層が設けられている
請求項9または10に記載の端子。
【請求項14】
前記導電部および/または前記導電バレルにおけるめっき層の厚さは、同一である
請求項13に記載の端子。
【請求項15】
前記導電部および/または前記導電バレルにおけるめっき層の材質は、異なる
請求項13に記載の端子。
【請求項16】
前記めっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である
請求項13に記載の端子。
【請求項17】
前記めっき層は、下地層と表層とを含む
請求項13に記載の端子。
【請求項18】
前記めっき層は、電気めっき、無電解めっき、マグネトロンスパッタリングまたは真空めっきにより形成されたものである
請求項13に記載の端子。
【請求項19】
前記下地層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金および亜鉛のうちの1種または複数種であり、前記表層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である
請求項17に記載の端子。
【請求項20】
前記下地層の厚さは、0.01μm~12μmである
請求項17に記載の端子。
【請求項21】
前記下地層の厚さは、0.1μm~9μmである
請求項17に記載の端子。
【請求項22】
前記表層の厚さは、0.5μm~50μmである
請求項17に記載の端子。
【請求項23】
前記表層の厚さは、1μm~35μmである
請求項17に記載の端子。
【請求項24】
前記接続部の断面形状は、円形、楕円形、多角形、扁平形、菱形、半円弧状、弧状または波形である
請求項1に記載の端子。
【請求項25】
端子の加工方法であって、
接続部と、第1の固定部と、導電部と、第2の固定部とを成形するステップS10であって、前記接続部は、ケーブルに接続され、前記導電部は、円周に間隔をあけて配置されている弾性板を複数含み、前記弾性板の第1の端は、いずれも前記第1の固定部に固接され、隣接する2つの前記弾性板の間に第1の溝部が設けられ、前記第2の固定部は、前記導電部における前記第1の固定部から離れる一端に位置し、前記弾性板の第2の端は、いずれも前記第2の固定部に固接されているステップS10と、
前記第2の固定部の外端に円周に間隔をあけて配置されているオーバーハング板を複数成形するステップS20と、
前記オーバーハング板を、端部が前記第1の固定部に固接されるまで外側へ折り返すステップS30と、を含む
端子の加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年7月15日に提出された出願番号が202110803154.4である中国特許出願、および2021年7月15日に提出された出願番号が202121615279.6である中国実用新案出願の優先権を主張するとともに、上記出願に開示されている内容を本願の一部として援用する。
【0002】
本願は、電気デバイスの技術分野に関し、特に端子およびその加工方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気的接続において、ワイヤハーネスで電流を導通させて信号を伝送することが一般的であり、ワイヤハーネスの端末には、対応する導線に接続するための挿着端子が組み立てられている。挿着端子は、互いに嵌合される雄端子と雌端子に分けられることができ、通常、雌端子には、孔が設けられ、雄端子は該孔に挿着されることができ、雄端子と雌端子との挿着を実現することで、雄端子と雌端子とが互いに接触し、接触領域を介して導電することができる。しかしながら、従来の挿着端子には、接触抵抗が大きく、接続箇所の温度上昇が高いという技術的課題がある。
【発明の概要】
【0004】
本願は、従来の挿着端子の、接触抵抗が大きく、接続箇所の温度上昇が高いという技術的課題を緩和する端子およびその加工方法を提供することを目的とする。
【0005】
本願の上記目的は、以下の技術的解決手段によって実現することができる。
本願の第1の態様による実施例は、順に接続されている接続部と、第1の固定部と、導電部とを含み、前記接続部は、ケーブルに接続されるためのものであり、前記導電部は、円周に間隔をあけて配置される弾性板を複数含み、前記弾性板の第1の端は、いずれも前記第1の固定部に固接され、隣接する2つの前記弾性板の間に第1の溝部が設けられている端子を提供する。
【0006】
本願の第2の態様による実施例は、
接続部と、第1の固定部と、導電部と、第2の固定部とを成形するステップS10であって、前記接続部は、ケーブルに接続されるためのものであり、前記導電部は、円周に間隔をあけて配置される弾性板を複数含み、前記弾性板の第1の端は、いずれも前記第1の固定部に固接され、隣接する2つの前記弾性板の間に第1の溝部が設けられ、前記第2の固定部は、前記導電部における前記第1の固定部から離れる一端に位置し、前記弾性板の第2の端は、いずれも前記第2の固定部に固接されるステップS10と、
前記第2の固定部の外端に円周に間隔をあけて配置されるオーバーハング板を複数成形するステップS20と、
前記オーバーハング板を、端部が前記第1の固定部に固接されるまで外側へ折り返すステップS30と、を含む端子の加工方法を提供する。
【0007】
本願の特徴および利点は、以下の通りである。
該端子は、雄端子であってもよく、雌端子であってもよい。該端子が雄端子である場合、弾性板は、自体の弾性力の作用により外側へ広がることで、互いに嵌合する雌端子と緊密に接触し、接続の確実性を確保して緩みを回避することができる一方、弾性板は、自体の弾性力の作用により雌端子との密着を維持し、挿着嵌合の接触面積を増大させることができる。該端子が雌端子である場合、弾性板は、自体の弾性力の作用により内側へ収縮することで、互いに嵌合する雄端子に緊密に接触し、接続の確実性を確保して緩みを回避することができる一方、弾性板は、自体の弾性力の作用により雄端子との密着を維持し、挿着嵌合の接触面積を増大させることができる。該端子は、以下の利点を有する。
【0008】
(1)挿着嵌合の機械的接続の確実性を確保することができ、挿着時に弾性があるため、緩みの発生を回避することができる。
(2)挿着嵌合の接触面積を増大させ、接触抵抗を小さくして、導電性能を向上させる。
(3)導通状態における接触領域の温度上昇を減少させ、該端子の弾性減少を回避し、変形を減少させ、該端子の使用寿命を延ばすことができる。
(4)加工と取付の難易度が低く、加工が簡単で、材料を節約し、コストを節約することができる。
【0009】
ここで説明される図面は、本発明をさらに理解するために提供されたものであり、本願の一部を構成し、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願により提供される端子の一実施形態の概略構造図
図2】本願により提供される端子の一実施形態の概略構造図
図3】本願により提供される端子の一実施形態の概略構造図
図4】本願により提供される端子の一実施形態の概略構造図
図5】本願により提供される端子の別の実施形態の概略構造図
図6】本願により提供される端子の別の実施形態の概略構造図
図7】本願により提供される端子の別の実施形態の概略構造図
図8】本願により提供される端子の別の実施形態の概略構造図
図9】本願により提供される端子における導電バレルと導電部とが配合された概略図
図10】本願により提供される端子における導電バレルと導電部とが配合された概略図
図11】本願により提供される端子における導電バレルと導電部とが配合された概略図
図12】本願により提供される端子の加工方法の概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明の実施例をさらに詳細に説明する。ここで、本発明の例示的な実施例およびその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0012】
本願の第1の態様の実施例は、端子を提供し、図1図5に示すように、該端子は、順に接続されている接続部10と、第1の固定部21と、導電部30とを含み、接続部10は、ケーブルに接続されるためのものであり、導電部30は、周方向に間隔をあけて配置される弾性板31を複数含み、弾性板31の第1の端は、いずれも第1の固定部21に固接され、隣接する2つの弾性板31の間に第1の溝部32が設けられている。
【0013】
該端子は、雄端子であってもよく、雌端子であってもよい。該端子が雄端子である場合、弾性板31は、自体の弾性力の作用により外側へ広がることで、互いに嵌合される雌端子と緊密に接触し、接続の確実性を確保して緩みを回避することができる一方、弾性板31は、自体の弾性力の作用により雌端子との密着を維持して、挿着嵌合の接触面積を増大させることができる。該端子が雌端子である場合、弾性板31は、自体の弾性力の作用により内側へ収縮することで、互いに嵌合される雄端子に緊密に接触し、接続の確実性を確保して緩みを回避することができる一方、弾性板31は、自体の弾性力の作用により雄端子との密着を維持し、挿着嵌合の接触面積を増大させることができる。該端子は、以下の利点を有する。(1)挿着嵌合の機械的接続の確実性を確保することができ、挿着時に弾性があるため、緩みの発生を回避することができる。(2)挿着嵌合の接触面積を増大させ、接触抵抗を小さくし、導電性能を向上させる。(3)導通状態における接触領域の温度上昇を減少させ、該端子の弾性減少を回避し、変形を減少させ、該端子の使用寿命を延ばすことができる。(4)加工と取付の難易度が低く、加工が簡単で、材料を節約し、コストを節約することができる。
【0014】
一実施形態において、該端子は、導電部30において第1の固定部21から離れる一端に位置する第2の固定部22を含み、弾性板31の第2の端は、いずれも第2の固定部22に固接され、第1の固定部21と第2の固定部22によって、第1の溝部32の両端がいずれも閉じられ、挿着嵌合の機械的接続の確実性をさらに向上させ、緩みの発生を回避することができる。
【0015】
図1図8に示すように、該端子には、第2の固定部22と導電部30とを貫通する端子孔11が設けられ、該端子は、雌端子であり、外部端子は、端子孔11に挿通可能である。該実施形態において、導電部30の外部に外装される筒体構造が省略され、材料が節約され、加工と組立の難しさが低減され、加工がより簡単になり、コストが低減される。さらに、挿着時に外部端子の端子孔11への挿入を容易にするために、端子孔11の第1の固定部21から離れる端部には、面取りまたは丸み付けが設けられている。
【0016】
一実施形態において、導電部30は、内向き凹部40を含み、図5図7に示すように、内向き凹部40の内径は、中心から両端に向けて徐々に大きくなる。外部端子が端子孔11に入ると、端子孔11の側壁を外側へ押圧し、端子孔11の側壁が自体の弾性作用で外側へ拡張し、内向き凹部40を設けることで、該端子が外側へ拡張した状態で、外部端子との接触面積が大きいため、接触抵抗を低減し、導電性能を向上させることができる一方、機械的接続の確実性を確保して緩みの発生をよりよく回避することができる。図7に示すように、内向き凹部40の外壁は、その内壁とともに中心から両端に向けて徐々に大きくなる。
【0017】
図2図6に示すように、第1の溝部32は、該端子の軸線12に対して傾斜して設けられ、弾性板31も該端子の軸線12に対して傾斜して設けられる。外部端子が端子孔11に挿着される場合、傾斜して設けられている弾性板31により外部端子に対して大きな抵抗力を発生することができ、外部端子が該端子の軸線12に沿って外部へ退出することを阻止すると同時に、外部端子が端子の軸線12の周りに回転することを阻止することができ、外部端子と該端子との接続がより安定する。該端子の軸線12に対する第1の溝部32の傾斜角度は、該端子の軸線12に対する弾性板31の傾斜角度と等しい。
【0018】
第1の溝部32の該端子の軸線12に対して傾斜して設けられる方式は、1種に限られず、例えば、1つの第1の溝部32の1本の縦方向の境界線が1つの平面内に位置し、該平面が該端子の軸線12に対して傾斜して設けられる場合、該第1の溝部32が該端子の軸線12に対して傾斜して延在するとともに、第1の溝部32の縦方向の各箇所の接線の、該端子の軸線12に対する傾斜角度は、変化する。
【0019】
発明者は、第1の溝部32の接線と端子の軸線12とがなす挟角がどこでも等しくなるように該端子をさらに改良することで、該端子と外部端子との接続の安定性および導電性をさらに向上させることができる。さらに、図2に示すように、第1の溝部32の接線と端子の軸線12とがなす挟角βの範囲は、10°~60°である。
【0020】
異なる挟角βによる導電率への影響をテストするために、発明者は、材質が同じで、寸法が同じで、角度が異なる10個の端子について実験を行い、端子を挿着嵌合させた後で、挿着嵌合端子構造に電流を流し、対応する端子の嵌合箇所の導電率を検出し、そのテスト結果を表1に示す。本実施例において、導電率は、99%よりも大きい値を理想値とする。
【0021】
表1、異なる角度による導電率への影響:
【0022】
【表1】
【0023】
表1から分かるように、挟角βが10°未満であると、導電率が理想値の範囲に達しておらず、導電効果が低下する。挟角βが60°よりも大きいと、導電率の理想値の範囲も満たすが、傾向が低下し始め、且つ挟角βが60°よりも大きい場合の端子の加工が非常に困難であり、実用価値がない。従って、発明者は、生産加工に最適であり、且つ導電性能が非常に理想的なものである挟角βの値を10°~60°の間にする。
【0024】
一実施形態において、導電部30と第1の固定部21とは、圧着、溶接、螺着のいずれかの方式によって接続される。ある場合、導電部30は、独立した弾性板31を複数含み、弾性板31の一端が第1の固定部21に固接され、各弾性板31が円周に間隔をあけて配置され、固接方式は、圧着、溶接または螺着の方式であってもよい。別の実施形態において、導電部30と第1の固定部21は、一体的な構造であり、具体的には、第1の固定部21と導電部30は、一体の中空筒構造であり、筒壁に第1の溝部32が複数開設され、2つの第1の溝部32の間に弾性板31が形成される構造であってもよく、この場合、該端子の組立加工の難しさが低減され、コストの節約に有利である。
【0025】
該端子の導電性能を向上させるために、発明者は、以下のように更なる改良した。つまり、端子が導電部30の外部に外装されている導電バレル50を含み、導電バレル50に端子の軸方向に沿って延在する第2の溝部51が設けられ、弾性板31が第2の溝部51に入ることができ、導電バレル50と導電部30とにより2層構造を形成し、該端子が雌端子である場合、外部端子が導電部30の弾性板31を外側へ第2の溝部51内部に広げるように駆動し、これにより、導電バレル50と導電部30を同時に外部端子と接触させることができ、該端子と外部端子との接触面積を増大させ、導電性能を向上させると同時に、外部端子と該端子との接続の安定性を向上させ、外部端子が該端子に対して回動することをよりよく阻止することができる。好ましくは、導電バレル50と導電部30との間には、間隙が設けられ、すなわち、導電バレル50の内壁と導電部30の外壁との間には、導電部30が外側へ広がるための変形空間が設けられる。好ましくは、導電バレル50は、弾性を有し、導電バレル50は、外部端子の押圧によって外側へ広がることができる。
【0026】
さらに、第2の溝部51は、該端子の軸線12に対して傾斜して設けられ、弾性板31は、第2の溝部51と揃っている。ある場合、図9に示すように、第2溝部51の傾斜角度は、弾性板31の傾斜角度と等しい。他の場合に、第2溝部51の傾斜角度は、弾性板31の傾斜角度と等しくない。好ましくは、図10に示すように、第2溝部51の傾斜角度は、弾性板31の傾斜角度よりも小さい。
【0027】
さらに、導電バレル50には、バレル凹部52が設けられ、バレル凹部52の内径が中心から両端に向けて徐々に大きくなり、これにより、バレル凹部52が外部端子の押圧で外側へ広がることができ、バレル凹部52と内向き凹部40が同時に外部端子に押圧力を加え、接続の安定性を向上させることができる。さらに、図11に示すように、バレル凹部52の窪み程度は、内向き凹部40の窪み程度よりも大きくなる場合、導電バレル50および弾性板31を同時に外部端子に接触させることに有利であり、接触面積を増大させる。導電バレル50と導電部30とは、一体的な構造であることが好ましい。
【0028】
さらに、弾性板の第2の溝部に入り込んだ部分の表面積と第2の溝部の表面積との比率は、50%~90%である。十分な接触面積を確保することで、導電率が実際のニーズを満たすことを確保する。
【0029】
発明者は、異なる比率の値による端子の導電率への影響をテストするために、同じ規格の導電バレル50と寸法の異なる10種類の導電部30を準備してテストした。弾性板の前記第2の溝部に入り込んだ部分の表面積と前記第2の溝部の表面積との比率は、それぞれ45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%である。端子を挿着嵌合させた後で、挿着嵌合端子構造に電流を流し、対応する端子の嵌合箇所の導電率を検出し、テスト結果を表2に示す。本実施例において、導電率は、99%よりも大きい値を理想値とする。
【0030】
表2、異なる比率の値による端子の導電率への影響
【0031】
【表2】
【0032】
表1からわかるように、弾性板の前記第2の溝部に入り込んだ部分の表面積と前記第2の溝部の表面積との比率が50%未満であると、導電率が理想値の範囲に達しておらず、端子の導電率に著しい低下が見られたが、弾性板の前記第2の溝部に入り込んだ部分の表面積と前記第2の溝部の表面積との比率が90%よりも大きくなると、導電率の理想値の範囲を満たしているものの、その傾向が低下し始める。弾性板の前記第2の溝部に入り込んだ部分の表面積と前記第2の溝部の表面積との比率が90%よりも大きい場合、端子の加工の難しさが高く、端子の組立が困難であることを考慮して、発明者は、弾性板の前記第2の溝部に入り込んだ部分の表面積と前記第2の溝部の表面積との比率の最適な範囲を50%~90%に選択する。
【0033】
いくつかの実施例において、導電部30および/または導電バレル50の材質には、テルルが含まれる。
【0034】
さらに、導電部30および/または導電バレル50の材質は、テルルの含有量が0.1%~5%である。
【0035】
つまり、導電部30および/または導電バレル50の材質がテルル銅合金であることで、端子が良好な導電性および切削容易性を有し、電気性能を確保しながら加工性を向上させることができると同時に、テルル銅合金は、弾性にも優れている。好ましくは、テルル銅合金は、そのテルルの含有量が0.2%~1.2%である。
【0036】
発明者は、同じ形状の端子を10個準備してテストを行い、各端子の導電部30と導電バレル50の寸法が同じであり、材質がいずれもテルル銅合金であり、テルルの含有量の比率がそれぞれ0.05%、0.1%、0.2%、0.5%、0.8%、1.2%、2%、3%、5%、6%、7%である。端子を挿着嵌合させた後、挿着嵌合端子構造に電流を流し、対応する端子の嵌合箇所の導電率を検出し、テスト結果を表3に示す。本実施例において、導電率は99%よりも大きい値を理想値とする。
【0037】
表3、テルル含有量の異なるテルル銅合金による端子の導電率への影響
【0038】
【表3】
【0039】
表2から分かるように、テルルの含有量の比率が0.1%未満であると、または5%よりも大きいと、導電率が著しく低下し、導電率の理想値の要求を満たすことができない。テルルの含有量の比率が0.2%以上1.2%以下である場合、導電性能が最もよく、テルルの含有量の比率が1.2%よりも大きく5%以下であると、導電率が理想値の要求を満たすが、その傾向が徐々に低下し、導電性能も低下する。従って、発明者は、テルルの含有量が0.1%~5%であるテルル銅合金を選択する。最も理想的には、含有量が0.2%~1.2%のテルル銅合金を選択する。
【0040】
いくつかの実施例において、導電部30および導電バレル50にめっき層が設けられている。耐食性を向上させ、導電性能を向上させ、挿入可能回数を増加させ、導電部30および導電バレル50の使用寿命をよりよく延ばすためである。
【0041】
めっき層は、電気めっき、無電解めっき、マグネトロンスパッタリングまたは真空めっきなどの方法により形成されることができる。電気めっき方法は、電解原理を利用して金属の表面に他の金属または合金を薄層めっきするプロセスである。無電解めっき方法は、金属の触媒作用下で、制御可能な酸化還元反応により金属を生成する堆積プロセスである。マグネトロンスパッタリング方法は、磁場と電場の交互作用を利用して、電子をターゲット表面付近で螺旋状に移動させることによって、電子がアルゴンガスに衝突してイオンを発生させる確率を増大させるものである。発生したイオンは、電界の作用でターゲット面に衝突してターゲット材料をスパッタする。真空めっき方法は、真空条件で、蒸留またはスパッタリングなどの方式により部品の表面に様々な金属および非金属薄膜を堆積するものである。
【0042】
導電部30と導電バレル50におけるめっき層の厚さは、同一である。めっき層は、その厚さが同一である場合、加工時に一度に電気めっきで成形することができ、異なる領域で異なる厚さのめっき層を得るために、複雑な電気めっき加工を行う必要がなく、加工コストを節約し、電気めっきの汚染を低減することができる。
【0043】
導電部30におけるめっき層の材質は、導電バレル50におけるめっき層の材質と同一でない。異なるめっき層は、必要に応じて選択することができ、例えば、必要に応じて導電率がより高い組み合わせを選択したり、耐食効果がよりよい組み合わせを選択したり、様々な要因を総合的に考慮して実際の作業環境に最適な組み合わせを選択したりすることができる。
【0044】
めっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である。銅は、活性金属として、使用中、酸素および水と酸化反応するため、端子の使用寿命を延ばすために、めっき層として1種または複数種の不活性金属が必要である。また、頻繁に挿抜する必要がある金属接点に対しても、良好な耐摩耗性金属をめっき層とする必要があり、すると、接点の使用寿命を大幅に増加させることができる。さらに、接点には良好な導電性能が要求され、上記金属は、導電性および安定性がいずれも銅または銅合金よりも優れ、これにより、端子として、より良い電気性能およびより長い使用寿命を得ることができる。
【0045】
異なるめっき層の材質による端子全体の性能への影響を検証するために、発明者は、同じ規格、材質を有し、異なるめっき層材料を有する端子をサンプルとし、同じ規格の相手嵌合接続部材を利用して一連の挿抜回数と耐食性時間のテストを行い、選択された材料と他の汎用の電気めっき材料とのメリットとデメリットを証明するために、発明者もスズ、ニッケル、亜鉛を実験用のめっき層の材質として使用した。実験結果を下記の表4に示す。
【0046】
下記の表4における挿抜回数は、端子をそれぞれ実験台に固定し、機械装置により端子を模擬的に挿抜するとともに、100回の挿抜を経るたびに、端子表面のめっき層の破壊状況を観察し、端子表面のめっき層に傷が発生するとともに、端子自体の材質が露出するまで、実験を停止し、その時の挿抜回数を記録した。本実施例において、挿抜回数が8000回未満であるものを不合格品とする。
【0047】
下記の表4における耐食性時間のテストは、端子を塩霧スプレー試験箱内に入れ、端子の各位置に塩霧をスプレーし、20時間おきに取り出して洗浄して表面腐食状況を観察し、すなわち1サイクルになり、端子の表面腐食面積が総面積の10%を超えるまで、テストを停止するとともに、その時のサイクル数を記録した。本実施例において、サイクル数が80回未満であるものを不合格品とする。
【0048】
下記の表4から分かるように、めっき層の材質が汎用の金属であるスズ、ニッケル、亜鉛である場合、実験の結果は、他の金属よりも遥かに劣り、ニッケルめっき層は、挿抜回数の実験に合格したが、あまり超えておらず、且つ塩霧実験に合格しなかった。他の金属を選択した実験結果は、標準値を大幅に超えて、性能が安定している。従って、発明者は、めっき層の材質を金、銀、銀アンチモン合金、グラファイト銀、グラフェン銀、パラジウムニッケル合金、スズ鉛合金または銀金ジルコニウム合金の1種または複数種にする。
【0049】
表4、異なるめっき層の材質による端子挿抜回数と耐食性への影響
【0050】
【表4】
【0051】
いくつかの実施例において、めっき層は、下地層と表層とを含む。
【0052】
さらに、めっき層は、多層めっきの方法を採用したものであり、導電部30と導電バレル50が加工された後、実際には、それらの表面の微視的な界面には、依然として多くのスリットと穴が存在し、これらのスリットと穴は、導電部30と導電バレル50の使用中の摩耗と腐食の最大原因となるため、導電部30と導電バレル50の表面には、まず一層の下地層をめっきし、表面のスリットと穴を埋め、導電部30と導電バレル50の表面を平坦で穴がないようにして、次に、表層のめっき層をめっきすることで、結合がより強固になり、より平坦になり、めっき層の表面にスリットや穴がなくなる。このため、バレル端子の耐摩耗性能、耐腐食性能、電気性能がより優れて、バレル端子の使用寿命を大幅に延すことができる。
【0053】
下地層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金および亜鉛のうちの1種または複数種であり、表層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である。
【0054】
別の実施例において、下地層の厚さは、0.01μm~12μmである。好ましくは、下層の厚さは、0.1μm~9μmである。
【0055】
別の実施例において、表層の厚さは、0.5μm~50μmである。好ましくは、表層の厚さは、1μm~35μmである。
【0056】
下地層であるめっき層の厚さの変化による端子全体の性能への影響を検証するために、発明者は、同じ規格、材質を有し、異なるニッケルめっきの下地層の厚さと同じ銀めっきの表層の厚さを有する端子をサンプルとし、同じ規格の相手嵌合接続部材を利用して一連の温度上昇と耐食性時間のテストを行い、実験結果を以下の表5に示す。
【0057】
表5、異なる下地層であるめっき層の厚さによる端子の温度上昇と耐食性への影響
【0058】
【表5】
【0059】
表5における温度上昇のテストは、挿着嵌合させた端子と相手側端子30に同じ電流を流し、閉塞された環境で通電前と温度が安定した後で端子の同一の位置の温度を検出するとともに、差を取って絶対値にする。本実施例において、温度上昇が50Kよりも大きいものを不合格品とする。
【0060】
表5における耐食性時間のテストは、端子を塩霧スプレー試験箱内に入れ、端子の各位置に塩霧をスプレーし、20時間おきに取り出して洗浄して表面腐食状況を観察し、すなわち1サイクルになり、端子の表面腐食面積が総面積の10%を超えるまで、テストを停止するとともに、その時のサイクル数を記録した。本実施例において、サイクル数が80回未満であるものを不合格品とする。
【0061】
上記の表5から分かるように、下地層であるニッケルめっき層の厚さが0.01μm未満であると、端子の温度上昇は、合格であったが、めっき層が薄過ぎるため、端子の耐食性サイクル数が80未満であり、端子の性能要求を満たさない。嵌合接続部材の全体性能および寿命に大きな影響を与え、最悪の場合、製品寿命の激減、ひいては動作不能による燃焼事故を引き起こすことがある。下地層であるニッケルめっき層の厚さが12μmよりも大きいと、下地層であるめっき層が厚いため、端子から発生した熱が放熱されず、端子の温度上昇が不合格となり、また、めっき層が厚いと逆に端子表面から脱落しやすくなり、耐食性サイクル数が低下することを招く。したがって、発明者は、下地層であるめっき層の厚さを0.01μm~12μmにする。好ましくは、発明者は、下地層であるめっき層の厚さが0.1μm~9μmであると、端子の温度上昇および耐食性の総合的な効果がより良いことを発見したため、製品自体の安全性の信頼性および実用性をさらに向上させるために、好ましくは、下地層であるめっき層の厚さが0.1μm~9μmである。
【0062】
表層であるめっき層の厚さの変化による端子全体の性能への影響を検証するために、発明者は、同じ規格、材質を有し、同じニッケルめっきの下地層の厚さと異なる銀めっきの表層の厚さを有する端子をサンプルとし、同じ規格の相手嵌合接続部材を利用して一連の温度上昇と耐食性時間のテストを行い、実験結果を以下の表6に示す。
【0063】
実験方法は、上記実験方法と同じである。
【0064】
表6、異なる表層であるめっき層の厚さによる温度上昇と耐食性への影響
【0065】
【表6】
【0066】
上記の表6から分かるように、表層の銀めっき層の厚さが0.5μm未満であると、端子の温度上昇は、合格であったが、めっき層が薄過ぎるため、端子の耐食性サイクル数が80未満であり、端子の性能要求を満たさない。嵌合接続部材の全体性能および寿命に大きな影響を与え、最悪の場合、製品寿命の激減、ひいては動作不能による燃焼事故を引き起こすことがある。表層である銀めっき層の厚さが50μmよりも大きいと、下地層であるめっき層が厚いため、端子から発生した熱が放熱されず、端子の温度上昇が不合格となり、そして、めっき層が厚いと逆に端子表面から脱落しやすくなり、耐食性サイクル数が低下することを招く。また、表層であるめっき層の金属は、高価であるため、厚いめっき層とする場合、性能が向上しないばかりか、使用の面でも価値がない。したがって、発明者は、表層である銀めっき層の厚さを0.1μm~55μmにする。好ましくは、発明者は、下地層であるめっき層の厚さが1μm~35μmである場合、端子の温度上昇と耐食性との総合的効果がより良くなることを発見したため、製品自体の安全性の信頼性および実用性をさらに向上させるために、好ましくは、下地層であるめっき層の厚さが1μm~35μmである。
【0067】
該端子は、導電部30を介して相手側端子と接続され、接続部10を介してケーブルと接続される。接続部10は、筒状、中実柱状または中実板状であってもよい。好ましい実施形態において、接続部10の断面形状は、円形、楕円形、多角形、扁平形、菱形、半円弧状、弧状または波形である。接続部10の断面形状は、様々な形状に設計され、設計者が実際の端子が配置される環境に応じて、異なる形状の端子を選択しやすく、嵌合構造の体積を小さくし、接触面積を最適化し、端子の電気性能を補強することができる。また、端子の内接断面形状が多様であるため、より多くの形状の相手側端子とマッチングすることができ、設計者により多くの選択肢を提供することができる。
【0068】
本願の第2の態様の実施例は、端子の加工方法を提供し、図12に示すように、該端子の加工方法は、接続部10と、第1の固定部21と、導電部30と、第2の固定部22とを成形するステップS10であって、接続部10は、ケーブルに接続されるためのものであり、導電部30は、円周に間隔をあけて配置される弾性板31を複数含み、弾性板31の第1の端は、いずれも第1の固定部21に固接され、隣接する2つの弾性板31の間に第1の溝部32が設けられ、第2の固定部22は、導電部30における第1の固定部21から離れる一端に位置し、弾性板31の第2の端は、いずれも第2の固定部22に固接されているステップS10と、第2の固定部22の外端に円周に間隔をあけて配置されるオーバーハング板を複数成形するステップS20と、オーバーハング板を、端部が第1の固定部21に固接されるまで外へ折り返すステップS30と、を含む。
【0069】
該端子の加工方法により加工成形された端子は、オーバーハング板の両端がそれぞれ第1の固定部21と第2の固定部22とに固定され、複数のオーバーハング板から形成された上記の導電バレル50が2層構造であり、導電バレル50と導電部30とが2層構造を形成し、導電バレル50と導電部30とを同時に外部端子に接触させることができ、該端子と外部端子との接触面積を増大させ、導電性能を向上させるとともに、外部端子が該端子に対して回動することをよりよく阻止し、外部端子と該端子との接続の安定性を向上させることができる。
【0070】
本願の一実施形態において、ステップS30では、圧着、溶接、螺着の方式という接続方式を利用して、オーバーハング板を第1の固定部21に固接させる。
【0071】
以上は、本願の実施例に過ぎず、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願について、様々な変更および変形を実施可能である。本願の趣旨および原理内で行われるいかなる変更、相当の置換、改良などは、いずれも本願の特許請求の範囲内に含まれると理解すべきである。
図1
図2
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図4
図5
図6
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図10
図11
図12
【国際調査報告】