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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】流線型ウインドスクリーンワイパー
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
B60S1/38 E
B60S1/38 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501797
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 EP2022069603
(87)【国際公開番号】W WO2023285531
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】2107627
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ナタリー、ラロワ
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム、バレ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、セベレック
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AC01
3D225AE28
(57)【要約】
流線型ウインドスクリーンワイパー(100)は、長手方向ワイパーブレード(125)と、中央装着台(105)および少なくとも1つのエンドキャップ(110)を備えるフェアリングと、中央ウェブ(205)および2つの脚部(210)を備える中央装着台(105)に固定された少なくとも1つのアダプタ要素(200)と、該アダプタ要素(200)に関節結合されている前述の少なくとも1つのエンドキャップ(110)のうちの1つと、前述のアダプタ要素(200)内に形成され、中央装着台(105)の下面(215)から延在する相補的な第2の部分と係合する第1の部分を備える保持手段(245)とを備え、保持手段(245)の第1の部分は、アダプタ要素(200)の中央ウェブ(205)からその長手方向先端に延在する舌部(250)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に車両用の流線型ウインドスクリーンワイパー(100)であって、
長手方向ワイパーブレード(125)と、
中央装着台(105)と、前記中央装着台(105)の遠位端に配置された少なくとも1つのエンドキャップ(110)とを備える長手方向流線型フェアリングと、
その遠位端で前記中央装着台(105)に固定された少なくとも1つのアダプタ要素(200)であって、前記アダプタ要素(200)が、中央ウェブ(205)と、前記中央ウェブ(205)の両側の縁部から実質的に垂直に延在する2つの脚部(210)とを備え、前記少なくとも1つのエンドキャップ(110)の1つが前記アダプタ要素(200)に関節結合される、少なくとも1つのアダプタ要素(200)と、
前記アダプタ要素(200)内に形成され、前記中央装着台(105)の下面(215)から延在する相補的な第2の部分と係合する第1の部分を備える保持手段(245)と、
を備え、
前記保持手段(245)の前記第1の部分が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)からその長手方向先端で延在する舌部(250)を備えることを特徴とする、ウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項2】
前記舌部(250)が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)に対して実質的に垂直な方向に延在する、請求項1に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項3】
前記保持手段の前記第2の部分が、前記中央装着台(105)の下面(215)に配置された一対の対向する側面(300a、300b)を備え、前記対向する側面(300a、300b)が前記保持手段の前記第1の部分によって係合される、請求項1および2のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項4】
前記保持手段(245)が、前記中央装着台(205)の下面(215)に配置された横断面を更に備え、前記横断面が前記舌部(250)によって係合される、請求項3に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項5】
前記中央装着台(105)から延在し、前記アダプタ要素(200)内に形成された相補的構造体(265)と係合する位置決めピン(260)を更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項6】
前記位置決めピン(260)が、略円形および/または十字形状を有する断面を有する、請求項6に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項7】
前記位置決めピン(260)が、前記中央装着台(105)から前記位置決めピン(260)の遠位端に向かって延在する方向に先細になっている、請求項5および6のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項8】
ウインドスクリーンワイパーシステムであって、
ワイパーアームと、
前記ワイパーアームを往復運動で駆動するように構成された駆動モータと、
請求項1から7のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)と、
を備える、システム。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)または請求項7に記載のウインドスクリーンワイパーシステムを備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の流線型ウインドスクリーンワイパーに関し、より詳細には、該流線型ウインドスクリーンワイパーのための関節手段に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のウインドスクリーンワイパーでは、流線型要素がウインドスクリーンワイパーの構造のかなりの部分を形成する程度まで、ウインドスクリーンワイパーに流線型態様を組み込むことがますます望ましくなってきている。そのようなウインドスクリーンワイパーは、一般に「ハイブリッド」ウインドスクリーンワイパーと呼ばれる。
【0003】
流線型態様は、いくつかの利点を提示し、最も顕著には、ウインドスクリーンワイパーに入射する空気流からの抗力を低減する。流線型形状はまた、特に、空気がワイパー上を流れるときにワイパーにダウンフォースを発生させ、ワイパーをウインドスクリーンに押し込んで拭き取り性能を向上させるように構成されてもよい。流線型形状はまた、より伝統的なスタイルの入れ子式トーナメントアーム(nested tournament arm)で構成されたウインドスクリーンワイパーよりも心地よい美的側面を呈する。
【0004】
一般に、流線型態様は、ウインドスクリーンワイパーの構造の一部分を形成する剛性フェアリングの形態で実装される。フェアリングは、一般に、いくつかの個々のピースを備え、これらのピースは、ウインドスクリーンワイパーがウインドスクリーン上を通過する際にワイパーブレードがウインドスクリーンの曲率に追従して撓むことができるように互いに関節結合される。さらに、ブレードの長さに応じて、ワイパーは、ワイパーブレードの長さに沿ってワイパーアームの力をより均一に分散させるために、ワイパーゴムを保持するフェアリングに関節結合された単一レベルのトーナメントアーム(「キャリパ」としても知られる)を含むことができる。
【0005】
このようにして、フェアリングは、ウインドスクリーンワイパーの構造のかなりの部分を構成し、その構造を単純化する。
【0006】
中央装着台およびエンドキャップは剛性部品であり、また、ワイパーブレードはウインドスクリーンの曲率に追従するために撓むことができなければならないため、エンドキャップが中央装着台に対して枢動できるようにする何らかの種類の関節手段が設けられなければならない。特に、ワイパーブレードは、その全軌跡を通じて高度の拭き取り性能を維持しながらウインドスクリーンの曲率に追従しなければならないため、中央装着台へのエンドキャップの関節結合は、横軸を中心とした自由な回転を許容しなければならないが、他の全ての方向および他の全ての軸を中心として堅固で頑強でなければならない。
【0007】
これを達成する1つの方法は、中央装着台またはエンドキャップの一方に取り付けられ、中央装着台およびエンドキャップの他方が関節結合される点を与えるアダプタ要素を設けることによる。このような解決策は、特に中央装着台およびエンドキャップと一体的に形成される関節と比較して、費用対効果が高く、実装が容易であるという点で有利である。
【0008】
しかしながら、そのような構成は、アダプタ要素の追加の構成要素がウインドスクリーンワイパーのアセンブリに追加の程度の公差を導入し、その結果、関節の剛性を低下させる可能性があるという点で不利となり得る。加えて、アダプタ要素は、ウインドスクリーンワイパーの動作中に様々な異なる力を必然的に受け、それらの下で偏向およびねじれを受ける。
【0009】
極端な場合には、これは、自動洗車などの重荷重状況下または氷もしくは雪の重荷重下でウインドスクリーンワイパーの関節離断をもたらし得る。このような状況は、ほとんどの状況でウインドスクリーンワイパーの使用中に通常は遭遇しないが、それにもかかわらず通常の使用では予測不可能ではないという点で、通常ではない。
【0010】
したがって、上述の難題に少なくとも部分的に対処するウインドスクリーンワイパーが必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
したがって、第1の態様によれば、特に車両用の流線型ウインドスクリーンワイパーであって、長手方向ワイパーブレードと、中央装着台と、該中央装着台の遠位端に配置された少なくとも1つのエンドキャップとを備える長手方向流線型フェアリングと、その遠位端で中央装着台に固定された少なくとも1つのアダプタ要素であって、中央ウェブと、該中央ウェブの両側の縁部から実質的に垂直に延在する2つの脚部とを備え、前述の少なくとも1つのエンドキャップのうちの1つが前述のアダプタ要素に関節結合されている、少なくとも1つのアダプタ要素と、前述のアダプタ内に形成され、中央装着台の下面から延在する相補的な第2の部分と係合する第1の部分を備える保持手段とを備える、流線型ウインドスクリーンワイパーが提供される。
【0012】
本発明によれば、保持手段の第1の部分は、アダプタ要素の中央ウェブからその長手方向先端に延在する舌部を備える。
【0013】
これは、アダプタ要素とウインドスクリーンワイパーの中央装着台との間の接続を補強するための簡単で経済的に製造された手段を提供するという点で有利である。特に、保持手段の係合は、横方向およびねじり力に対するウインドスクリーンワイパーの抵抗を増大させ、特に高荷重条件下でのウインドスクリーンワイパーの分解を防止する。
【0014】
上記の態様を超える本発明の他の特徴および改良が更に想定され、任意の量または組み合わせで互いに自由に組み合わされてもよい。
【0015】
可能な実施形態では、舌部は、アダプタ要素の中央ウェブに実質的に垂直な方向に延在する。
【0016】
好ましくは、保持手段の第2の部分は、中央装着台の下面に配置される一対の対向する側面を備え、該対向する側面は、保持手段の第1の部分によって係合される。
【0017】
特に好ましくは、保持手段は、中央装着台の下面に配置される横断面を更に備え、該横断面は、保持手段の第1の部分によって係合される。
【0018】
別の可能な実施形態では、ウインドスクリーンワイパーは、前述の中央装着台から延在し、アダプタ要素内に形成された相補的構造体と係合する位置決めピンを更に備える。
【0019】
好ましくは、位置決めピンは、実質的に円形および/または十字形状を有する断面を有する。
【0020】
最も好ましくは、位置決めピンは、前述の中央装着台から該位置決めピンの遠位端に向かって延在する方向に先細になっている。
【0021】
第2の態様によれば、本発明は、ワイパーアームと、ワイパーアームを往復運動で駆動するように構成された駆動モータと、上述のウインドスクリーンワイパーとを備えるウインドスクリーンワイパーシステムを対象とする。
【0022】
第3の態様によれば、本発明は、上述のウインドスクリーンワイパーまたはウインドスクリーンワイパーシステムを備える車両を対象とする。
【0023】
本発明のこれらおよび他の態様、特徴、ならびに利点は、含まれる図に照らして考慮すると容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係るウインドスクリーンワイパーの斜視図である。
図2図1のウインドスクリーンワイパーの詳細斜視図である。
図3A】本発明による中央装着台の斜視詳細図である。
図3B】本発明によるアダプタ要素の斜視詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、図の文脈において、および以下の説明に照らしてよりよく理解されるであろう。
【0026】
以下の説明に関連して図の理解を助けるために、各図では、軸のセットが説明されることに最初に留意されたい。これらの軸は、ウインドスクリーンワイパーの一般的な意味に従うことが明らかであり、軸Lは、ウインドスクリーンワイパーの長手方向、すなわちウインドスクリーンワイパー100の長さに沿った方向に対応し、軸Tは、横方向、すなわちウインドスクリーンワイパー100の幅にわたって対応し、軸Vは、ウインドスクリーンワイパーの垂直方向、すなわちウインドスクリーンワイパー100の高さを通して対応する。
【0027】
さらに、以下の説明は、ウインドスクリーンワイパー100の単一の関節に向けられているが、ウインドスクリーンワイパーがその1つまたはいくつかの関節に本発明を備えることができることは容易に理解されるであろう。
【0028】
さらに、「上(upper)」および「下(lower)」などの相対的な用語が使用される場合、そのような用語は、ゴムワイパーブレードと共に水平面に配置されるときにウインドスクリーンワイパーに関して使用され、特に「上(upper)」および「下(lower)」は、通常の様式で重力に関して使用されることが理解されよう。
【0029】
図1は、本発明の可能な実施形態によるウインドスクリーンワイパー100を示す。ウインドスクリーンワイパー100は、中央装着台105および2つのエンドキャップ110からなるフェアリングを備える。エンドキャップ110には、ゴムワイパーブレード125に係合して所定の位置に保持する複数のフック115がそれぞれ設けられている。さらに、中央装着台105には、複数のキャリパ120(当技術分野の他の箇所で「ホイップルツリー(whippletrees)」または「トーナメントアーム」と呼ばれることもある)が設けられ、その終端が図1に見える。キャリパ120は、中央装着台に枢動可能に取り付けられ、ワイパーブレードをその終端で保持し、したがって、ワイパーブレード125は、フック115とキャリパ120との組み合わせ動作によってウインドスクリーンワイパー100内に保持される。中央装着台にはアームコネクタ130が設けられ、ユーザがワイパー100を自動車(図示せず)のワイパーアームに取り付けることを可能にする。
【0030】
エンドキャップ110の各々は、中央装着台105に枢動可能に関節結合される。図2は、これらの関節のうちの1つを詳細に示し、図2は、ウインドスクリーンワイパーの下側から見た、中央装着台105とエンドキャップ110の1つとの間の関節の詳細図であり、明確にするために、ワイパーゴム125、ならびにそれを中央装着台105およびエンドキャップ110に取り付けるために必要であり得るバーティブラなどの任意の関連構造は省略される。
【0031】
エンドキャップ110と中央装着台105との間の関節は、アダプタ要素200によって形成される。アダプタ要素200は、中央ウェブ205と、中央ウェブ205の反対側の側縁から実質的に垂直に延在する2つの脚部210とを備える。したがって、アダプタ要素200は、ウインドスクリーンワイパーに組み立てられたときに反転「U」字の形態で設けられる。
【0032】
アダプタ要素200は、金属、特に軟鋼またはばね鋼などの板金、またはアルミニウムで形成されてもよい。そのような材料の特性は当技術分野で周知であり、一般に製造が安価である。代替で、アダプタ要素200は、プラスチック材料で提供されてもよく、射出成形または同様のプロセスによって製造されてもよい。そのようなアダプタ要素は、プラスチックから製造されるので、軽量で耐食性があるという点で特に有利である。
【0033】
アダプタ要素200は、中央装着台105の下面215に確実に取り付けられ、中央装着台105から長手方向に延在し、図示のように中央装着台105の長手方向外側に配置される関節220で終端する。関節220は、中央装着台105の外側の脚部210のそれぞれに設けられる2つのボア225(そのうちの1つが図示される)によって形成される。2つのボアは、エンドキャップ110の内面に一体的に形成された相補的な枢支ピン230(一方は図示されている)によって係合される。
【0034】
このようにして、エンドキャップ110は中央装着台105に枢動可能に関節結合され、エンドキャップが2つの枢支ピン230によって形成される横軸を中心に枢動することを可能にする。
【0035】
さらに、アダプタ要素200は、キャリパ(図示せず)が枢動可能に取り付けられるキャリパ枢動軸線235を備える。このようにして、ウインドスクリーンワイパーは、ウインドスクリーンの曲率に適合するように屈曲し、ゴムワイパーブレードによる効果的な拭き取りを確実にする。
【0036】
アダプタ要素200は、いくつかの異なる構造によって中央装着台105内の定位置に固定される。アダプタ要素200は、中央装着台105の内面から延在し、アダプタ要素200を垂直方向Vに保持するように、すなわち、アダプタ要素200がウインドスクリーンワイパー100の底部から落下するのを防止するようにアダプタ要素200の2つの脚部210と係合するクリップ240によって主に保持される。
【0037】
しかしながら、クリップ240は、特にウインドスクリーンワイパーが(特に長手方向軸を中心に)横方向またはねじり方向の重荷重下に置かれる場合に、アダプタ要素200を長手方向または横方向に固定するのに必ずしも有効ではない。このような荷重は、特に、ウインドスクリーンワイパーが氷または雪で覆われているとき、または車両が自動洗車のブラシに接触されているときにワイパーシステムが作動するときに起こり得る。
【0038】
その目的のために、アダプタ要素200は、フック210を補完する保持手段245を更に備える。保持手段245は、アダプタ要素200内に形成され、中央ウェブ205から延在する第1の部分と、中央装着台105内に形成された第2の部分との2つの部分で構成される。
【0039】
第1の部分は、この実施形態では、中央ウェブ205からその近位先端(関節220が反対側の遠位先端にあることに留意する)で延在する舌部250によって構成される。図示の実施形態では、舌部250は、中央ウェブ205から実質的に垂直に延在するが、本発明の他の実施形態では、舌部250が延在する角度は、鋭角または斜角であってもよいことが理解されよう。
【0040】
保持手段の第2の部分は、肩部255a、255bによって構成されている。肩部225a、225bは、中央装着台105の下面に形成され、図2に示されるようにアダプタ要素200が中央装着台105内に配置されるときに舌部250が肩部の間に配置されるように位置付けられる。
【0041】
このようにして、舌部250の横方向運動、ひいてはアダプタ要素200の横方向(すなわち、横方向Tに)およびねじり変形(すなわち、長手方向軸線Lを中心として)が確実に抑制される。
【0042】
このようにして、アダプタ要素は、ウインドスクリーンワイパー100が氷および/または雪で覆われているとき、または車両が自動洗車中であり、自動ブラシおよびローラの作用を受けるときに遭遇するような特に重荷重状況に対してより耐性があるようにされる。
【0043】
特に、肩部225a、225bを舌部250の横方向に対向する側面に位置付けることにより、舌部が長手方向軸線Lを中心にしてねじれることが防止され、これにより、ウインドスクリーンワイパー100は、このような極端状況下で、破損または、関節離断される可能性がかなり低くなる。
【0044】
任意選択で、および有利には、舌部250の幅および/または肩部225a、225b間の間隔は、舌部250が肩部225a、225b間に挟まれて摩擦によって定位置に保持されるように制御されてもよい。そのような構成は、最大限の抵抗が必要とされる場合にウインドスクリーンワイパーに追加の剛性を与える。
【0045】
また、任意選択で、中央装着台105には、長手方向Lでアダプタ要素200に追加の堅固さを与えるために、肩部225a、225bの間で横方向Tに配置される第3の肩部(図示せず、が設けられてもよい。そのような肩部は、肩部225a、225bと同様に中央装着台105と一体的に形成される。
【0046】
任意選択で、ウインドスクリーンワイパー100には、中央装着台から延在し、アダプタ要素200の中央ウェブ205内に配置された位置決め孔265と係合する位置決めピン260が設けられてもよい。これについては、図3Aおよび図3Bを参照して詳細に説明する。
【0047】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ中央装着台105内に形成された保持手段245の第2の部分と、保持手段245の第1の部分を備えるアダプタ要素200とを示す。
【0048】
図3Aでは、肩部255a、255bの2つの面300a、300bがそれぞれ示されており、これらは上述したように、それらの間にアダプタ要素の舌部を収容する。
【0049】
例えば、ウインドスクリーンワイパーの機能不全を引き起こす可能性がない特定の方向へのアダプタ要素の変形を促進し、それによってウインドスクリーンワイパーの有害な変形に対する傾向を減少させるように、特定の向きにそのようなテクスチャを設けることが有利であり得る。そのようなテクスチャ加工の特定の形態および配置は、必然的に特定の実施形態に依存し、当業者はそのようなものを決定することができる。
【0050】
アダプタ要素200(図3Bに示す)内の相補的な位置決め孔265と係合する位置決めピン260を更に設けることができる。位置決めピン260は、中央装着台105に対してアダプタ要素200を正確に位置決めするのに役立ち、したがって、横方向および長手方向のいずれの種類の荷重に耐えるその能力は、二次的に重要である。
【0051】
位置決めピン260は、実質的に円筒形であり、中央装着台105の下面から延在する(ここでは上下逆に示される)。位置決めピン260は、ここでは実質的に十字形状に設けられ、これは、中央装着台105に対してアダプタ要素200を正確に位置決めするその能力を犠牲にすることなく、位置決めピンの全体的な重量を減少させる。もちろん、他の断面形態(例えば、円形、楕円形、または多角形)も想定され得る。
【0052】
任意選択的に、位置決めピン260は、中央装着台から位置決めピン260の遠位端まで延在する方向に先細になっていてもよい。位置決めピン260は、より具体的には、テーパ面305(明確にするためにそのうちの2つが示されている)を備える。このようにして、位置決めピン260は、アダプタ要素200の対応する孔に自動的に自身を中心合わせし、位置決めの再現性および精度を更に向上させる。
【0053】
図3Bは、アダプタ要素200、特に肩部255a、255bおよび位置決めピン260と協働するその構造体を示す。
【0054】
具体的には、舌部250が示されており、図3Bでは、アダプタ要素200の中央ウェブ205からの垂直方向Vおよび長手方向Lの両方の延伸が理解され得る。
【0055】
さらに、図3Bは、図2および図3Aに関して上述した位置決めピンによって係合される、アダプタ要素200内に設けられた位置決め孔265を示す。位置決め孔は、中央ウェブ205の表面と同一平面になるように、アダプタ要素200の中央ウェブ205から単に穿孔または切断されてもよい。
【0056】
あるいは、ここに示すように、位置決め孔265は、位置決め孔カラー310によって垂直方向Vに延在される。位置決め孔カラー310を設けることにより、位置決めピン265によって提供される位置決め効果の精度および正確性が更に向上し、特に有利な実施形態では、位置決め孔カラー310は、位置決めピン260のテーパ面305と相補的な方法で先細になっていてもよい。
【0057】
当然ながら、当業者は、特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく、上記の態様の他の置換または組み合わせが可能であり得ることを認識するであろう。
【符号の説明】
【0058】
100 ウインドスクリーンワイパー
105 中央装着台
110 エンドキャップ
115 フック
120 キャリパ
125 ワイパーブレード
130 アームコネクタ
200 アダプタ要素
205 中央ウェブ
210 脚部
215 下面
220 関節
225 ボア
230 枢支ピン
235 枢動軸
240 クリップ
245 保持手段
250 舌部
255a,255b 肩部
260 位置決めピン
265 位置決め孔
300a、300b 面
305 テーパ面
310 孔カラー
図1
図2
図3A
図3B
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に車両用の流線型ウインドスクリーンワイパー(100)であって、
長手方向ワイパーブレード(125)と、
中央装着台(105)と、前記中央装着台(105)の遠位端に配置された少なくとも1つのエンドキャップ(110)とを備える長手方向流線型フェアリングと、
その遠位端で前記中央装着台(105)に固定された少なくとも1つのアダプタ要素(200)であって、前記アダプタ要素(200)が、中央ウェブ(205)と、前記中央ウェブ(205)の両側の縁部から実質的に垂直に延在する2つの脚部(210)とを備え、前記少なくとも1つのエンドキャップ(110)の1つが前記アダプタ要素(200)に関節結合される、少なくとも1つのアダプタ要素(200)と、
前記アダプタ要素(200)内に形成され、前記中央装着台(105)の下面(215)から延在する相補的な第2の部分と係合する第1の部分を備える保持手段(245)と、
を備え、
前記保持手段(245)の前記第1の部分が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)からその長手方向先端で延在する舌部(250)を備えることを特徴とする、ウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項2】
前記舌部(250)が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)に対して実質的に垂直な方向に延在する、請求項1に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項3】
前記保持手段の前記第2の部分が、前記中央装着台(105)の下面(215)に配置された一対の対向する側面(300a、300b)を備え、前記対向する側面(300a、300b)が前記保持手段の前記第1の部分によって係合される、請求項1および2のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項4】
前記保持手段(245)が、前記中央装着台(205)の下面(215)に配置された横断面を更に備え、前記横断面が前記舌部(250)によって係合される、請求項3に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項5】
前記中央装着台(105)から延在し、前記アダプタ要素(200)内に形成された相補的構造体(265)と係合する位置決めピン(260)を更に備える、請求項1および2のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項6】
前記位置決めピン(260)が、略円形および/または十字形状を有する断面を有する、請求項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項7】
前記位置決めピン(260)が、前記中央装着台(105)から前記位置決めピン(260)の遠位端に向かって延在する方向に先細になっている、請求項5に記載のウインドスクリーンワイパー(100)。
【請求項8】
ウインドスクリーンワイパーシステムであって、
ワイパーアームと、
前記ワイパーアームを往復運動で駆動するように構成された駆動モータと、
請求項1および2のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)と、
を備える、システム。
【請求項9】
請求項1および2のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)を備える車両。
【請求項10】
請求項8に記載のウインドスクリーンワイパーシステムを備える車両。
【国際調査報告】