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  • 特表-流線型ウインドスクリーンワイパー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】流線型ウインドスクリーンワイパー
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
B60S1/38 F
B60S1/38 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501798
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 EP2022069602
(87)【国際公開番号】W WO2023285530
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】2107625
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ナタリー、ラロワ
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム、バレ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、セベレック
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AC01
3D225AE28
(57)【要約】
流線型ウインドスクリーンワイパー(100)は、中央装着台(105)および少なくとも1つのエンドキャップ(110)を備える長手方向流線型フェアリングと、中央装着台(105)に固定され、中央ウェブ(205)と、該中央ウェブ(205)の両側の縁部から実質的に垂直に延在する2つの脚部(210)とを備える少なくとも1つのアダプタ要素(200)であって、前述の少なくとも1つのエンドキャップ(105)のうちの1つが該アダプタ要素(200)に関節結合される、少なくとも1つのアダプタ要素(200)と、中央装着台の下面(215)から延在し、アダプタ要素(200)の中央ウェブ(205)に対して実質的に垂直に向けられた少なくとも1つのリブ(250)と、アダプタ要素(200)の中央ウェブ(205)内に設けられ、少なくとも1つのリブ(250)によって係合される窓(245)とを備える保持手段(240)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に車両用の流線型ウインドスクリーンワイパー(100)であって、
長手方向ワイパーブレード(125)と、
中央装着台(105)と、前記中央装着台(105)の遠位端に配置された少なくとも1つのエンドキャップ(110)とを備える長手方向流線型フェアリングと、
その遠位端で前記中央装着台(105)に固定された少なくとも1つのアダプタ要素(200)であって、前記アダプタ要素(200)が、中央ウェブ(205)と、前記中央ウェブ(205)の両側の縁部から実質的に垂直に延在する2つの脚部(210)とを備え、前記少なくとも1つのエンドキャップ(105)の1つが前記アダプタ要素(200)に関節結合されている、少なくとも1つのアダプタ要素(200)と、
前記アダプタ要素(200)内に形成され、前記中央装着台(105)の下面(215)から延在する相補的な第2の部分と係合する第1の部分を備える保持手段(240)と、 を備え、
前記保持手段(240)の前記第2の部分が、前記中央装着台の下面(215)から延在し、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)に対して実質的に垂直に向けられた少なくとも1つのリブ(250)を備え、前記第1の部分が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)内に設けられた窓(245)を備え、前記窓(245)が、前記少なくとも1つのリブ(250)によって係合されることを特徴とする、ワイパー(100)。
【請求項2】
前記保持手段の前記第2の部分が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)内の前記窓(245)の少なくとも1つの縁部にそれぞれ当接する一対の山形状リブ(255)を備える、請求項1に記載のワイパー(100)。
【請求項3】
前記保持手段の前記第2の部分が、前記山形状リブ(255)の間に延在し、前記山形状リブを接続する連結リブ(265)を更に備える、請求項2に記載のワイパー(100)。
【請求項4】
前記保持手段の前記第2の部分が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)内に設けられた前記窓(245)の長手方向面(270)および側面(210)の両方に当接する、請求項2または3のいずれか一項に記載のワイパー(100)。
【請求項5】
前記山形状リブ(255)の少なくとも1つが、前記少なくとも1つの山形状リブ(255)の頂点(260)および少なくとも1つの先端(275)で前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)内の前記窓(245)の縁部(210、270)に当接する、請求項2から4のいずれか一項に記載のワイパー(100)。
【請求項6】
前記保持手段の前記第2の部分が前記アダプタ要素(200)を横方向および長手方向に固定する、請求項1から5のいずれか一項に記載のワイパー(100)。
【請求項7】
前記中央装着台(105)から延在し、前記アダプタ要素(200)内に形成された相補的構造体(285)と係合する位置決めピン(280)を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のワイパー(100)。
【請求項8】
前記位置決めピン(280)が、略円形および/または十字形状を有する断面を有し、好ましくは、前記中央装着台(105)から前記位置決めピン(280)の遠位端に向かって延在する方向に先細になる、請求項7に記載のワイパー(100)。
【請求項9】
ウインドスクリーンワイパーシステムであって、
ワイパーアームと、
前記ワイパーアームを往復運動で駆動するように構成された駆動モータと、
請求項1から7のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)と、
を備える、システム。
【請求項10】
請求項1から6のいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)または請求項7に記載のウインドスクリーンワイパーシステムを備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の流線型ウインドスクリーンワイパーに関し、より詳細には、該流線型ウインドスクリーンワイパーのための関節手段に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のウインドスクリーンワイパーでは、流線型要素がウインドスクリーンワイパーの構造のかなりの部分を形成する程度まで、ウインドスクリーンワイパーに流線型態様を組み込むことがますます望ましくなってきている。そのようなウインドスクリーンワイパーは、一般に「ハイブリッド」ウインドスクリーンワイパーと呼ばれる。
【0003】
流線型態様は、いくつかの利点を提示し、最も顕著には、ウインドスクリーンワイパーに入射する空気流からの抗力を低減する。流線型形状はまた、特に、空気がワイパー上を流れるときにワイパーにダウンフォースを発生させ、ワイパーをウインドスクリーンに押し込んで拭き取り性能を向上させるように構成されてもよい。流線型形状はまた、より伝統的なスタイルの入れ子式トーナメントアーム(nested tournament arm)で構成されたウインドスクリーンワイパーよりも心地よい美的側面を呈する。
【0004】
いわゆるハイブリッドウインドスクリーンワイパーブレードでは、流線型態様は、ウインドスクリーンワイパーの構造の一部分を形成する剛性フェアリングの形態で実装される。フェアリングは、一般に、いくつかの個々のピースを備え、これらのピースは、ウインドスクリーンワイパーがウインドスクリーン上を通過する際にワイパーブレードがウインドスクリーンの曲率に追従して撓むことができるように互いに関節結合される。さらに、ブレードの長さに応じて、ワイパーは、ワイパーブレードの長さに沿ってワイパーアームの力をより均一に分散させるために、ワイパーゴムを保持するフェアリングに関節結合された単一レベルのトーナメントアーム(「キャリパ」としても知られる)を含むことができる。
【0005】
このようにして、フェアリングは、ウインドスクリーンワイパーの構造のかなりの部分を構成し、その構造を単純化する。
【0006】
中央装着台およびエンドキャップは剛性部品であり、また、ワイパーブレードはウインドスクリーンの曲率に追従するために撓むことができなければならないため、エンドキャップが中央装着台に対して枢動できるようにする何らかの種類の関節手段が設けられなければならない。特に、ワイパーブレードは、その全軌跡を通じて高度の拭き取り性能を維持しながらウインドスクリーンの曲率に追従しなければならないため、中央装着台へのエンドキャップの関節結合は、横軸を中心とした自由な回転を許容しなければならないが、他の全ての方向および他の全ての軸を中心として堅固で頑強でなければならない。
【0007】
これを達成する1つの方法は、アダプタ要素を設けることであり、アダプタ要素は、中央装着台またはエンドキャップの一方に取り付けられ、中央装着台およびエンドキャップの他方が関節結合される点を備える。このような解決策は、特に中央装着台およびエンドキャップと一体的に形成される関節と比較して、費用対効果が高く、実装が容易であるという点で有利である。
【0008】
しかしながら、そのような構成は、アダプタ要素の追加の構成要素がウインドスクリーンワイパーのアセンブリに追加の程度の公差を導入し、その結果、関節の剛性を低下させる可能性があるという点で不利となり得る。加えて、アダプタ要素は、ウインドスクリーンワイパーの動作中に様々な異なる力を必然的に受け、それらの下で偏向およびねじれを受ける。
【0009】
極端な場合には、これは、自動洗車におけるブラシおよびローラの作用下、あるいは重い氷または雪の荷重下などの重荷重状況下でウインドスクリーンワイパーの関節離断をもたらし得る。このような状況は、ほとんどの状況でウインドスクリーンワイパーの使用中に通常は遭遇しないが、それにもかかわらず通常の使用では予測不可能ではないという点で、通常ではない。
【0010】
したがって、上述の難題に少なくとも部分的に対処するウインドスクリーンワイパーが必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
したがって、第1の態様によれば、特に車両用の流線型ウインドスクリーンワイパーであって、長手方向ワイパーブレードと、中央装着台と、該中央装着台の遠位端に配置された少なくとも1つのエンドキャップとを備える長手方向流線型フェアリングと、その遠位端で中央装着台に固定された少なくとも1つのアダプタ要素であって、中央ウェブと、該中央ウェブの両側の縁部から実質的に垂直に延在する2つの脚部とを備え、前述の少なくとも1つのエンドキャップのうちの1つが前述のアダプタ要素に関節結合されている、少なくとも1つのアダプタ要素と、前述のアダプタ内に形成され、前述の中央装着台の下面から延在する相補的な第2の部分と係合する第1の部分を備える保持手段とを備える、流線型ウインドスクリーンワイパーが提供される。
【0012】
本発明によれば、保持手段の第2の部分は、中央装着台の下面から延在し、保持手段の中央ウェブに対して実質的に垂直に向けられた少なくとも1つのリブを備え、第1の部分は、アダプタ要素の前述の中央ウェブに設けられる窓を備え、該窓は、前述の少なくとも1つのリブによって係合される。
【0013】
これは、アダプタ要素とウインドスクリーンワイパーの中央装着台との間の接続を補強するための簡単で経済的に製造された手段を提供するという点で有利である。特に、保持手段の係合は、横方向およびねじり力に対するウインドスクリーンワイパーの抵抗を増大させ、特に高荷重条件下でのウインドスクリーンワイパーの分解を防止する。
【0014】
上記の態様を超える本発明の他の特徴および改良が更に想定され、任意の量または組み合わせで互いに自由に組み合わされてもよい。
【0015】
可能な実施形態では、保持手段の第2の部分は、各々がアダプタ要素の中央ウェブ内の窓の少なくとも1つの縁部に当接する一対の山形状リブを備える。
【0016】
好ましくは、保持手段の第2の部分は、山形状リブの間に延在し、山形状リブを接続する連結リブを更に備える。
【0017】
好ましくは、保持手段の第2の部分は、アダプタ要素の中央ウェブ内に設けられた窓の長手方向面と側面の両方に当接する。
【0018】
可能な実施形態では、山形状リブの少なくとも1つは、アダプタ要素の中央ウェブ内の窓の縁部に、前述の少なくとも1つの山形状リブの頂点および少なくとも1つの先端で当接する。
【0019】
最も好ましくは、山形状リブの少なくとも1つは、保持手段の第2の部分上でアダプタ要素の中央ウェブ内の窓を中心合わせするための手段を備える。
【0020】
好ましくは、保持手段の第2の部分は、アダプタ要素を横方向および長手方向に固定する。
【0021】
可能な変形形態では、ワイパーは、中央装着台から延在し、アダプタ要素内に形成された相補的構造体と係合する位置決めピンを更に備える。
【0022】
可能な実施形態では、位置決めピンは、実質的に円形および/または十字形状を有する断面を有する。
【0023】
最も好ましくは、位置決めピンは、中央装着台から該位置決めピンの遠位端に向かって延在する方向に先細になっている。
【0024】
第2の態様によれば、本発明は、ワイパーアームと、ワイパーアームを往復運動で駆動するように構成された駆動モータと、上述のウインドスクリーンワイパーとを備えるウインドスクリーンワイパーシステムを対象とする。
【0025】
第3の態様によれば、本発明は、上述のウインドスクリーンワイパーまたはウインドスクリーンワイパーシステムを備える車両を対象とする。
【0026】
本発明のこれらおよび他の態様、特徴、ならびに利点は、含まれる図に照らして考慮すると容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係るウインドスクリーンワイパーの斜視図である。
図2図1のウインドスクリーンワイパーの詳細斜視図である。
図3A】本発明による中央装着台の斜視詳細図である。
図3B】本発明によるアダプタ要素の斜視詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、図の文脈において、および以下の説明に照らしてよりよく理解されるであろう。
【0029】
以下の説明に関連して図の理解を助けるために、各図では、軸のセットが説明されることに最初に留意されたい。これらの軸は、ウインドスクリーンワイパーの一般的な意味に従うことが明らかであり、軸Lは、ウインドスクリーンワイパーの長手方向、すなわちウインドスクリーンワイパー100の長さに沿った方向に対応し、軸Tは、横方向、すなわちウインドスクリーンワイパー100の幅にわたって対応し、軸Vは、ウインドスクリーンワイパーの垂直方向、すなわちウインドスクリーンワイパー100の高さを通して対応する。
【0030】
さらに、以下の説明は、ウインドスクリーンワイパー100の単一の関節に向けられているが、ウインドスクリーンワイパーがその1つまたはいくつかの関節に本発明を備えることができることは容易に理解されるであろう。
【0031】
さらに、「上(upper)」および「下(lower)」などの相対的な用語が使用される場合、そのような用語は、ゴムワイパーブレードと共に水平面に配置されるときにウインドスクリーンワイパーに関して使用され、特に「上(upper)」および「下(lower)」は、通常の様式で重力に関して使用されることが理解されよう。
【0032】
図1は、本発明の可能な実施形態によるウインドスクリーンワイパー100を示す。ウインドスクリーンワイパー100は、中央装着台105および2つのエンドキャップ110からなるフェアリングを備える。中央装着台105およびエンドキャップ110にはそれぞれ、ゴムワイパーブレード125に係合してゴムワイパーブレードを所定の位置に保持する複数のフック115、120が設けられる。中央装着台にはアームコネクタ130が設けられ、ユーザがワイパー100を自動車(図示せず)のワイパーアームに取り付けることを可能にする。
【0033】
エンドキャップ110の各々は、中央装着台105に枢動可能に関節結合される。図2は、これらの関節のうちの1つを詳細に示し、図2は、ウインドスクリーンワイパーの下側から見た、中央装着台105とエンドキャップ110の1つとの間の関節の詳細図であり、明確にするために、ワイパーゴム125、ならびにそれを中央装着台105およびエンドキャップ110に取り付けるために必要であり得るバーティブラなどの任意の関連構造は省略される。
【0034】
エンドキャップ110と中央装着台105との間の関節は、アダプタ要素200によって形成される。アダプタ要素200は、中央ウェブ205と、中央ウェブ205の反対側の側縁から実質的に垂直に延在する2つの脚部210とを備える。したがって、アダプタ要素200は、ウインドスクリーンワイパーに組み立てられたときに反転「U」字の形態で設けられる。
【0035】
アダプタ要素200は、金属、特に軟鋼またはばね鋼などの板金、またはアルミニウムで形成されてもよい。そのような材料の特性は当技術分野で周知であり、一般に製造が安価である。代替で、アダプタ要素200は、プラスチック材料で提供されてもよく、射出成形または同様のプロセスによって製造されてもよい。そのようなアダプタ要素は、プラスチックから製造されるので、軽量で耐食性があるという点で特に有利である。
【0036】
アダプタ要素200は、中央装着台105の下面215に確実に取り付けられ、中央装着台105から長手方向に延在し、図示のように中央装着台105の長手方向外側に配置される関節220で終端する。関節220は、中央装着台105の外側の脚部210のそれぞれに設けられる2つのボア225によって形成される。2つのボアは、エンドキャップ110の下面215にエンドキャップ110と一体的に形成された相補的な枢支ピン230(一方は図示されている)によって係合される。
【0037】
このようにして、エンドキャップ110は中央装着台105に枢動可能に関節結合され、エンドキャップが2つの枢支ピン230によって形成される横軸を中心に枢動することを可能にする。このようにして、ウインドスクリーンワイパーは、ウインドスクリーンの曲率に適合するように屈曲し、ゴムワイパーブレードによる効果的な拭き取りを確実にする。
【0038】
アダプタ要素200は、いくつかの異なる構造によって中央装着台105内の定位置に固定される。アダプタ要素200は、中央装着台105の内面から延在し、アダプタ要素200を垂直方向Vに保持するように、すなわち、アダプタ要素200がウインドスクリーンワイパー100の底部から落下するのを防止するようにアダプタ要素200の2つの脚部210と係合するフック235によって主に保持される。
【0039】
しかしながら、フック235は、特にウインドスクリーンワイパーが(特に長手方向軸を中心に)横方向またはねじり方向の重荷重下に置かれる場合に、アダプタ要素200を長手方向または横方向に固定するのに必ずしも効果的ではない。このような荷重は、特に、ウインドスクリーンワイパーが氷または雪で覆われているとき、または車両が自動洗車のブラシに接触されているときにワイパーシステムが作動するときに起こり得る。
【0040】
その目的のために、アダプタ要素200は、フック235を補完する保持手段240を更に備える。保持手段240は、アダプタ要素200に形成された第1の部分と、中央装着台105内に形成され、その下面から下方に延在する第2の部分との2つの部分で構成される。
【0041】
図2に示す実施形態では、第1の部分は、アダプタ要素200の中央ウェブ205内に設けられた窓245内に含まれる。第2の部分は、中央装着台105と一体的に形成されるリブ要素250内に含まれる。これらの各部分のそれぞれについて順に説明する。
【0042】
窓245は、アダプタ要素200の中央ウェブ205内の実質的に中央に配置され、特に、アダプタ要素200の長さ(すなわち、長手方向Lに)に沿って実質的に中心にあり、脚部210の一方から他方まで中央ウェブ205の全幅にわたって延在することに留意されたい。
【0043】
アダプタ要素200が中央装着台105上に組み立てられると、窓245は、アダプタ要素200の中央ウェブ205に対して実質的に垂直な方向に(すなわち、実質的に垂直方向Vに沿って)中央装着台105から延在するリブ要素250によって係合される。リブ要素250は、窓245の縁部に係合し、アダプタ要素200を中央装着台105に対して拘束し、両者の間の取り付けを更に補強する。
【0044】
リブ要素250は、問題の用途の特定の必要性に応じて、多くの異なる形状および形態で設けられてもよい。図2は、リブ要素250の1つの可能な例を示しており、以下で説明する理由から特に有利である。図2のリブ要素250は、アダプタ要素200が中央装着台105に取り付けられるときに、山形状リブ255の頂部260(その1つが、明確にするためにここに示される)が窓245の両側縁に係合するように位置付けられる2つの山形状リブ255で構成される。
【0045】
このようにして、アダプタ要素200と中央装着台105との間の接続は、横方向に補強される。この接続を更に強固にするために、連結リブ265を設けることができる。連結リブ265は、2つの山形状リブ255の間に配置され、2つの山形状リブ255のそれぞれの頂部260の間に延在する。したがって、連結リブ265は、特に横方向重荷重下での山形状リブ255の横方向変形を防止するのに役立つ。
【0046】
さらに、リブ要素250は、窓240の長手方向縁部270と係合するように構成され、それによって長手方向Lに追加の補強を提供することができる。図2に見られるように、山形状リブ255の湾曲した端面275は、長手方向縁部270と係合するが、他の実施形態では、平坦な端面も想定され得る。
【0047】
任意選択で、ウインドスクリーンワイパー100には、中央装着台から延在し、アダプタ要素200の中央ウェブ205内に配置された位置決め孔285と係合する位置決めピン280が設けられてもよい。これについては、図3Aおよび図3Bを参照して詳細に説明する。
【0048】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ中央装着台105内に形成された保持手段240の第2の部分と、保持手段240の第1の部分を備えるアダプタ要素200とを示す。
【0049】
図3Aは、リブ要素250の形態の保持手段240の第2の部分を示す。上述したように、山形状リブは、湾曲した端面275を備える。湾曲した端面275は、窓240の長手方向縁部270と係合し、窓240の両方の長手方向縁部270は、湾曲した端面275によって係合されるので、アダプタ要素200は、リブ要素250上で長手方向L内に自動的に自身を中心合わせする。
【0050】
さらに、山形状リブの端面は、肩部300を形成するように長手方向に延在してもよい。肩部は、アダプタ要素200の垂直方向Vの固定基準位置を提供し、アダプタ要素200と中央装着台105との間の接続を更に強固にする。
【0051】
アダプタ要素200内の相補的な位置決め孔285と係合する位置決めピン280を更に設けることができる。位置決めピン280は、中央装着台105に対してアダプタ要素200を正確に位置決めするのに役立ち、したがって、横方向および長手方向のいずれの種類の荷重に耐えるその能力は、二次的に重要である。
【0052】
位置決めピン280は、実質的に円筒形であり、中央装着台105の下面から延在する(ここでは上下逆に示される)。位置決めピン280は、好ましくは実質的に十字形状に設けられ、これは、中央装着台105に対してアダプタ要素200を正確に位置決めするその能力を犠牲にすることなく、位置決めピンの全体的な重量を減少させる。もちろん、他の断面形態(例えば、円形、楕円形、または多角形)も想定され得る。
【0053】
任意選択的に、位置決めピン280は、中央装着台から位置決めピン280の遠位端に延在する方向に先細になっていてもよい。位置決めピン280は、より具体的には、テーパ面305(明確にするためにその2つが示されている)を備える。このようにして、位置決めピン280は、アダプタ要素200内の対応する孔内に自動的に自身を中心合わせし、位置決めの再現性および精度を更に向上させる。
【0054】
図3Bは、アダプタ要素200、特にリブ要素250および位置決めピン280と協働するその構造体を示す。
【0055】
特に、脚部210および長手方向縁部270が明確に見え、これらは上述のようにリブ要素250によって係合される。
【0056】
さらに、図3Bは、図2および図3Aに関して上述した位置決めピンによって係合される、アダプタ要素200内に設けられた位置決め孔285を示す。位置決め孔は、窓245のように中央ウェブ205の表面と同一平面になるように、アダプタ要素200の中央ウェブ205から単に穿孔または切断されてもよい。あるいは、ここに示すように、位置決め孔285は、位置決め孔カラー310によって垂直方向Vに延在される。位置決め孔カラー310を設けることにより、位置決めピン285によって提供される位置決め効果の精度および正確性が更に向上し、特に有利な実施形態では、位置決め孔カラー310は、位置決めピン280のテーパ面305と相補的な方法で先細になっていてもよい。
【0057】
当然ながら、当業者は、特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく、上記の態様の他の置換または組み合わせが可能であり得ることを認識するであろう。
【符号の説明】
【0058】
100 ウインドスクリーンワイパー
105 中央装着台
110 エンドキャップ
115,120 フック
125 ワイパーブレード
130 アームコネクタ
200 アダプタ要素
205 中央ウェブ
210 脚部
215 下面
220 関節
225 ボア
230 枢支ピン
235 フック
240 保持手段
245 Window
250 リブ要素
255 山形状リブ
260 頂部
265 連結リブ
270 長手方向縁部
275 端面
280 位置決めピン
285 位置決め孔
300 肩部
305 テーパ面
310 孔カラー
図1
図2
図3A
図3B
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に車両用の流線型ウインドスクリーンワイパー(100)であって、
長手方向ワイパーブレード(125)と、
中央装着台(105)と、前記中央装着台(105)の遠位端に配置された少なくとも1つのエンドキャップ(110)とを備える長手方向流線型フェアリングと、
その遠位端で前記中央装着台(105)に固定された少なくとも1つのアダプタ要素(200)であって、前記アダプタ要素(200)が、中央ウェブ(205)と、前記中央ウェブ(205)の両側の縁部から実質的に垂直に延在する2つの脚部(210)とを備え、前記少なくとも1つのエンドキャップ(105)の1つが前記アダプタ要素(200)に関節結合されている、少なくとも1つのアダプタ要素(200)と、
前記アダプタ要素(200)内に形成され、前記中央装着台(105)の下面(215)から延在する相補的な第2の部分と係合する第1の部分を備える保持手段(240)と、
を備え、
前記保持手段(240)の前記第2の部分が、前記中央装着台の下面(215)から延在し、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)に対して実質的に垂直に向けられた少なくとも1つのリブ(250)を備え、前記第1の部分が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)内に設けられた窓(245)を備え、前記窓(245)が、前記少なくとも1つのリブ(250)によって係合されることを特徴とする、ワイパー(100)。
【請求項2】
前記保持手段の前記第2の部分が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)内の前記窓(245)の少なくとも1つの縁部にそれぞれ当接する一対の山形状リブ(255)を備える、請求項1に記載のワイパー(100)。
【請求項3】
前記保持手段の前記第2の部分が、前記山形状リブ(255)の間に延在し、前記山形状リブを接続する連結リブ(265)を更に備える、請求項2に記載のワイパー(100)。
【請求項4】
前記保持手段の前記第2の部分が、前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)内に設けられた前記窓(245)の長手方向面(270)および側面(210)の両方に当接する、請求項2または3に記載のワイパー(100)。
【請求項5】
前記山形状リブ(255)の少なくとも1つが、前記少なくとも1つの山形状リブ(255)の頂点(260)および少なくとも1つの先端(275)で前記アダプタ要素(200)の前記中央ウェブ(205)内の前記窓(245)の縁部(210、270)に当接する、請求項2または3に記載のワイパー(100)。
【請求項6】
前記保持手段の前記第2の部分が前記アダプタ要素(200)を横方向および長手方向に固定する、請求項1からのいずれか一項に記載のワイパー(100)。
【請求項7】
前記中央装着台(105)から延在し、前記アダプタ要素(200)内に形成された相補的構造体(285)と係合する位置決めピン(280)を更に備える、請求項1からのいずれか一項に記載のワイパー(100)。
【請求項8】
前記位置決めピン(280)が、略円形および/または十字形状を有する断面を有し、好ましくは、前記中央装着台(105)から前記位置決めピン(280)の遠位端に向かって延在する方向に先細になる、請求項7に記載のワイパー(100)。
【請求項9】
ウインドスクリーンワイパーシステムであって、
ワイパーアームと、
前記ワイパーアームを往復運動で駆動するように構成された駆動モータと、
請求項1からのいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)と、
を備える、システム。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパー(100)を備える車両。
【請求項11】
請求項9に記載のウインドスクリーンワイパーシステムを備える車両。
【国際調査報告】