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特表2024-526345レーザーレーダーの探知方法、放射ユニット及びレーザーレーダー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】レーザーレーダーの探知方法、放射ユニット及びレーザーレーダー
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/484 20060101AFI20240709BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20240709BHJP
【FI】
G01S7/484
G01S17/89
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501961
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2022081306
(87)【国際公開番号】W WO2023284318
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】202110808017.X
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519434972
【氏名又は名称】上海禾賽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hesai Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.2 Building,No.468 XinLai Road,Jiading District,Shanghai,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王陳▲ろあん▼
(72)【発明者】
【氏名】朱雪洲
(72)【発明者】
【氏名】楊晋
(72)【発明者】
【氏名】劉旭崗
(72)【発明者】
【氏名】向少卿
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA04
5J084AA05
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA06
5J084BA07
5J084BA36
5J084BA40
5J084BA48
(57)【要約】
レーザーレーダーの探知方法を提供し、該探知方法は、1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得するステップであって、該探知データが時間情報及び該時間情報に対応する強度情報を含み、該1つの探知周期がN回の探知走査を含み、Nが1より大きい整数、Kが整数、1≦K<NであるステップS11と、該K回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中のレーザー機器の発光ポリシーを調整するステップS12と、を含む。該方法は、初期の一定回数の探知走査によって障害物のある視野範囲を識別し、次に、後続の探知走査又は次回の探知時に、それに応じて放射端ポリシー及び/又は受信端ポリシーを調整することによって、障害物のない視野範囲内の電力消費を低下させ、障害物のあるサブ視野及びタイムスライス範囲内のエネルギーを適宜増加させ、信号対雑音比及び測距能力を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得するステップであって、前記1つの探知周期がN回の探知走査を含み、Nが1より大きい整数、Kが整数、1≦K<NであるステップS11と、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中のレーザー機器の発光ポリシーを調整するステップS12と、
を含む、レーザーレーダーの探知方法。
【請求項2】
前記ステップS12は、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在する視野を識別するステップS121と、
障害物が存在しない視野について、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、
探知パルスを放射しないことと、
低下した電力で探知パルスを放射するように前記レーザー機器を制御することと、
レーザー機器の一部が探知パルスを放射するように制御することと、のいずれか1つ又は複数により前記視野に対応する前記レーザー機器を制御するステップS122と、を含む、請求項1に記載の探知方法。
【請求項3】
前記K回の探知走査の探知データ及び前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を確定し、前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を較正するステップをさらに含む、請求項2に記載の探知方法。
【請求項4】
ステップS122は、前記K回の探知走査の強度情報及び/又は反射率情報に基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を調整するステップをさらに含む、請求項3に記載の探知方法。
【請求項5】
強度情報が閾値よりも大きい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を低下させ、
強度が閾値よりも小さい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を向上させるステップをさらに含む、請求項4に記載の探知方法。
【請求項6】
前記レーザーレーダーは複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含む探知方法であって、
前記レーザーレーダーの視野内のROI領域を取得するステップと、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、前記ステップS11で、レーザー機器の放射電力を増大させるステップと、をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の探知方法。
【請求項7】
レーザー機器の放射電力を増大させるとともに、前記Kの値を小さくするステップをさらに含む、請求項6に記載の探知方法。
【請求項8】
前記レーザーレーダーは複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含む探知方法であって、
前記レーザーレーダーの視野内のROI領域を取得するステップと、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、前記Nの値を大きくするステップと、をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の探知方法。
【請求項9】
前記探知データは第1の記憶方式又は第2の記憶方式によって記憶され、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、前記時間情報の重みに応じて、前記強度情報を記憶することを含み、前記第1の時間精度が任意の2つの隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔であり、且つ前記レーザーレーダーの探知データの時間分解能のM倍であり、M>1であり、前記重みが前記時間情報と少なくとも1つの第1の時間スケールの時間間隔に関連付けられ、前記第2の記憶方式は、前記レーザーレーダーの時間分解能に応じて記憶することを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の探知方法。
【請求項10】
前記第1組の探知データは前記第1の記憶方式で記憶され、前記第2組の探知データは前記第2の記憶方式で記憶される、請求項9に記載の探知方法。
【請求項11】
前記重みは第1の重みと第2の重みを含み、前記第1の重みは前記時間情報と一方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第2の重みは前記時間情報と他方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、それぞれ前記第1の重みと第2の重みに応じて、前記強度情報を記憶することを含む、請求項9に記載の探知方法。
【請求項12】
前記K+1回目~N回目の探知走査中に、障害物の視野に応じて探知器の探知ウィンドウを調整し、前記探知ウィンドウ内の前記探知器の探知データを取得するステップS13をさらに含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の探知方法。
【請求項13】
前記ステップS13は、
前記探知ウィンドウ内にのみ前記探知器をアクティブ化するステップ、及び/又は
前記探知器をアクティブ化したまま、前記探知ウィンドウ内の前記探知器の探知データのみを読み取るステップ、をさらに含む、請求項12に記載の探知方法。
【請求項14】
パルスを放射するように構成されるレーザー機器と、
前記レーザー機器に結合されており、障害物の距離及び/又は反射率を測定するために、パルスを放射するように前記レーザー機器を駆動できるように構成される駆動ユニットであって、さらに、
1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得するステップであって、前記探知データが時間情報及び前記時間情報に対応する強度情報を含み、前記1つの探知周期がN回の探知走査を含み、Nが1より大きい整数、Kが整数、1≦K<NであるステップS11と、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中の前記レーザー機器の発光ポリシーを調整するステップS12と、の動作を実行するように構成される駆動ユニットと、
を含む、レーザーレーダーの放射ユニット。
【請求項15】
前記ステップS12は、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在する視野を識別するステップS121と、
障害物が存在しない視野について、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、
探知パルスを放射しないことと、
低下した電力で探知パルスを放射するように前記レーザー機器を制御することと、
複数のレーザー機器が該探知に対応する場合に、レーザー機器の一部が探知パルスを放射するように制御することと、のいずれか1つ又は複数により前記視野に対応する前記レーザー機器を制御するステップS122と、をさらに含む、請求項14に記載の放射ユニット。
【請求項16】
パルスを放射するように構成されるレーザー機器と、
前記レーザー機器に結合されており、障害物の距離及び/又は反射率を測定するために、パルスを放射するように前記レーザー機器を駆動できるように構成される駆動ユニットであって、1つの探知周期がN回の探知走査を含み、Nが1より大きい整数である駆動ユニットと、
を備える、放射ユニットと、
障害物で反射された前記パルスのエコーを受信し、前記エコーを電気信号に変換するように構成される受信ユニットと、
前記放射ユニット及び受信ユニットに結合され、前記電気信号に応じて探知走査ごとの探知データを生成する信号処理ユニットであって、前記探知データが時間情報及び前記時間情報に対応する強度情報を含む信号処理ユニットと、を含み、
前記駆動ユニットは、
1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得するステップであって、Kが整数、1≦K<NであるステップS11と、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中の前記レーザー機器の発光ポリシーを調整するステップS12と、の動作を実行するように構成される、レーザーレーダー。
【請求項17】
前記ステップS12は、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在する視野を識別するステップS121と、
障害物が存在しない視野について、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、
探知パルスを放射しないことと、
低下した電力で探知パルスを放射するように前記レーザー機器を制御することと、
複数のレーザー機器が該探知に対応する場合に、レーザー機器の一部が探知パルスを放射するように制御することと、のいずれか1つ又は複数により前記視野に対応する前記レーザー機器を制御するステップS122と、をさらに含む、請求項16に記載のレーザーレーダー。
【請求項18】
前記信号処理ユニットは、前記K回の探知走査の探知データ及び前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を確定し、前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を較正するように構成される、請求項17に記載のレーザーレーダー。
【請求項19】
前記駆動ユニットはさらに、前記K回の探知走査の強度情報及び/又は反射率情報に基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を調整するように構成される、請求項18に記載のレーザーレーダー。
【請求項20】
前記駆動ユニットはさらに、強度が閾値よりも大きい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を低下させ、強度が閾値よりも小さい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を向上させるように構成される、請求項19に記載のレーザーレーダー。
【請求項21】
前記レーザーレーダーは複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含み、前記駆動ユニットはさらに、
前記レーザーレーダーの視野内のROI領域を取得し、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、前記ステップS11の動作において、レーザー機器の放射電力を増大させるように構成される、請求項16~20に記載のレーザーレーダー。
【請求項22】
前記駆動ユニットは、前記ステップS11で、レーザー機器の放射電力を増大させるとともに、前記Kの値を小さくするように構成される、請求項16~20に記載のレーザーレーダー。
【請求項23】
前記レーザーレーダーは複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含み、前記駆動ユニットはさらに、
前記レーザーレーダーの視野内のROI領域を取得し、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、前記Nの値を大きくするように構成される、請求項16~20に記載のレーザーレーダー。
【請求項24】
前記探知データは第1の記憶方式又は第2の記憶方式によって記憶され、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、前記時間情報の重みに応じて、前記強度情報を記憶することを含み、前記第1の時間精度が任意の2つの隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔であり、且つ前記レーザーレーダーの探知データの時間分解能のM倍であり、M>1であり、前記重みが前記時間情報と少なくとも1つの第1の時間スケールの時間間隔に関連付けられ、前記第2の記憶方式は、前記レーザーレーダーの時間分解能に応じて記憶することを含む、請求項15~17に記載のレーザーレーダー。
【請求項25】
前記第1組の探知データは前記第1の記憶方式で記憶され、前記第2組の探知データは前記第2の記憶方式で記憶される、請求項24に記載のレーザーレーダー。
【請求項26】
前記重みは第1の重みと第2の重みを含み、前記第1の重みは前記時間情報と一方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第2の重みは前記時間情報と他方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、それぞれ前記第1の重みと第2の重みに応じて、前記強度情報を記憶することを含む、請求項24に記載のレーザーレーダー。
【請求項27】
前記駆動ユニットはさらに、
前記K+1回目~N回目の探知走査中に、障害物の視野に応じて探知器の探知ウィンドウを調整し、前記探知ウィンドウ内の前記探知器の探知データを取得するステップS13の動作を実行するように構成される、請求項16~20に記載のレーザーレーダー。
【請求項28】
前記ステップS13の動作は、
前記探知ウィンドウ内にのみ前記探知器をアクティブ化するステップ、及び/又は
前記探知器をアクティブ化したまま、前記探知ウィンドウ内の前記探知器の探知データのみを読み取るステップ、をさらに含む、請求項27に記載のレーザーレーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光電探知の分野に関し、特に、レーザーレーダーの探知方法、レーザーレーダーの放射ユニット及びレーザーレーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、レーザーレーダーは放射ユニット、受信ユニット及び信号処理ユニットを含み、放射ユニットはレーザーレーダー周辺の三次元環境に探知レーザービームを放射するために用いられ、探知レーザービームは三次元環境内の障害物上で乱反射し、エコーの一部がレーザーレーダーに戻り、受信ユニットによって受信されて電気信号に変換され、信号処理ユニットは電気信号を受信し、障害物の距離、方位及び反射率等の測距情報を算出する。
【0003】
一般的には、レーザーレーダーの探知視野全体において、特に1つの探知周期(複数回の送受信探知のプロセスを含む場合がある)内で、障害物は特定の距離範囲及び特定の視野範囲内のみに現れる。視野のある領域内で障害物が探知されなかったにもかかわらず、レーザーレーダーが該探知周期内の残りの探知中に探知レーザービームを放射する場合に、エネルギーが無駄に消費される。放射ユニットは探知レーザービームを放射し、対応する受信ユニットは、該探知レーザービームが障害物に遭遇した後に発生し得るエコーを受信するために、予め設定された探知ウィンドウの範囲内で常にオンのままであり、受信ユニット及び信号処理ユニットは周辺からの大量の周囲光信号を受信して処理し、受信ユニットは周囲光に応答する必要があるため、電力消費及び静的電力消費をさらに引き起こし、また、信号処理ユニットも探知データの読み取りと処理のためのリソースを浪費し、これらに起因して、極めて大きな電力消費が発生し、且つ信号対雑音比が低下してしまう。
【0004】
背景技術という部分の内容は、開示者に知られている技術に過ぎず、必ずしも本分野の従来技術を代表するものではない。
【発明の概要】
【0005】
従来技術の1つ又は複数の欠陥に鑑みて、本発明はレーザーレーダーの探知方法を設計し、前記探知方法は、
1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得するステップであって、前記1つの探知周期がN回の探知走査を含み、Nが1より大きい整数、Kが整数、1≦K<NであるステップS11と、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中のレーザー機器の発光ポリシーを調整するステップS12と、を含む。
【0006】
本発明の一態様によれば、ここで、前記ステップS12は、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在する視野を識別するステップS121と、
障害物が存在しない視野について、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、
探知パルスを放射しないことと、
低下した電力で探知パルスを放射するように前記レーザー機器を制御することと、
レーザー機器の一部が探知パルスを放射するように制御することと、のいずれか1つ又は複数により前記視野に対応する前記レーザー機器を制御するステップS122と、を含む。
【0007】
本発明の一態様によれば、前記探知方法は、前記K回の探知走査の探知データ及び前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を確定し、前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を較正するステップをさらに含む。
【0008】
本発明の一態様によれば、ここで、ステップS122は、前記K回の探知走査の強度情報及び/又は反射率情報に基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を調整するステップをさらに含む。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記探知方法は、強度情報が閾値よりも大きい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を低下させ、強度が閾値よりも小さい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を向上させるステップをさらに含む。
【0010】
本発明の一態様によれば、ここで、前記レーザーレーダーは複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含み、前記探知方法は、
前記レーザーレーダーの視野内のROI領域を取得するステップと、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、前記ステップS11で、レーザー機器の放射電力を増大させるステップと、をさらに含む。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記探知方法は、レーザー機器の放射電力を増大させるとともに、前記Kの値を小さくするステップをさらに含む。
【0012】
本発明の一態様によれば、ここで、前記レーザーレーダーは複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含み、前記探知方法は、
前記レーザーレーダーの視野内のROI領域を取得するステップと、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、前記Nの値を大きくするステップと、をさらに含む。
【0013】
本発明の一態様によれば、ここで、前記探知データは第1の記憶方式又は第2の記憶方式によって記憶され、ここで、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、前記時間情報の重みに応じて、前記強度情報を記憶することを含み、前記第1の時間精度が任意の2つの隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔であり、且つ前記レーザーレーダーの探知データの時間分解能のM倍であり、ここで、M>1であり、前記重みが前記時間情報と少なくとも1つの第1の時間スケールの時間間隔に関連付けられ、前記第2の記憶方式は、前記レーザーレーダーの時間分解能に応じて記憶することを含む。
【0014】
本発明の一態様によれば、ここで、前記第1組の探知データは前記第1の記憶方式で記憶され、前記第2組の探知データは前記第2の記憶方式で記憶される。
【0015】
本発明の一態様によれば、ここで、前記重みは第1の重みと第2の重みを含み、前記第1の重みは前記時間情報と一方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第2の重みは前記時間情報と他方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、それぞれ前記第1の重みと第2の重みに応じて、前記強度情報を記憶することを含む。
【0016】
本発明の一態様によれば、前記探知方法は、
前記K+1回目~N回目の探知走査中に、障害物の視野に応じて探知器の探知ウィンドウを調整し、前記探知ウィンドウ内の前記探知器の探知データを取得するステップS13をさらに含む。
【0017】
本発明の一態様によれば、前記ステップS13は、
前記探知ウィンドウ内にのみ前記探知器をアクティブ化するステップ、及び/又は
前記探知器をアクティブ化したまま、前記探知ウィンドウ内の前記探知器の探知データのみを読み取るステップ、をさらに含む。
【0018】
本発明はレーザーレーダーの放射ユニットをさらに設計し、該放射ユニットは、
パルスを放射するように構成されるレーザー機器と、
前記レーザー機器に結合されており、障害物の距離及び/又は反射率を測定するために、パルスを放射するように前記レーザー機器を駆動できるように構成される駆動ユニットであって、さらに、
1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得するステップであって、ここで、前記探知データが時間情報及び前記時間情報に対応する強度情報を含み、前記1つの探知周期がN回の探知走査を含み、Nが1より大きい整数、Kが整数、1≦K<NであるステップS11と、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中の前記レーザー機器の発光ポリシーを調整するステップS12と、の動作を実行するように構成される駆動ユニットと、を含む。
【0019】
本発明の一態様によれば、ここで、前記ステップS12は、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在する視野を識別するステップS121と、
障害物が存在しない視野について、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、
探知パルスを放射しないことと、
低下した電力で探知パルスを放射するように前記レーザー機器を制御することと、
複数のレーザー機器が該探知に対応する場合に、レーザー機器の一部が探知パルスを放射するように制御することと、のいずれか1つ又は複数により前記視野に対応する前記レーザー機器を制御するステップS122と、をさらに含む。
【0020】
本発明はレーザーレーダーをさらに設計し、該レーザーレーダーは、
パルスを放射するように構成されるレーザー機器と、
前記レーザー機器に結合されており、障害物の距離及び/又は反射率を測定するために、パルスを放射するように前記レーザー機器を駆動できるように構成される駆動ユニットであって、ここで、1つの探知周期がN回の探知走査を含み、Nが1より大きい整数である駆動ユニットと、
を備える、放射ユニットと、
障害物で反射された前記パルスのエコーを受信し、前記エコーを電気信号に変換するように構成される受信ユニットと、
前記放射ユニット及び受信ユニットに結合され、前記電気信号に応じて探知走査ごとの探知データを生成する信号処理ユニットであって、ここで、前記探知データが時間情報及び前記時間情報に対応する強度情報を含む信号処理ユニットと、を含み、
ここで、前記駆動ユニットは、
1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得するステップであって、Kが整数、1≦K<NであるステップS11と、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中の前記レーザー機器の発光ポリシーを調整するステップS12と、の動作を実行するように構成される。
【0021】
本発明の一態様によれば、ここで、前記ステップS12は、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在する視野を識別するステップS121と、
障害物が存在しない視野について、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、
探知パルスを放射しないことと、
低下した電力で探知パルスを放射するように前記レーザー機器を制御することと、
複数のレーザー機器が該探知に対応する場合に、レーザー機器の一部が探知パルスを放射するように制御することと、のいずれか1つ又は複数により前記視野に対応する前記レーザー機器を制御するステップS122と、をさらに含む。
【0022】
本発明の一態様によれば、ここで、前記信号処理ユニットは、前記K回の探知走査の探知データ及び前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を確定し、前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を較正するように構成される。
【0023】
本発明の一態様によれば、ここで、前記駆動ユニットはさらに、前記K回の探知走査の強度情報及び/又は反射率情報に基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を調整するように構成される。
【0024】
本発明の一態様によれば、ここで、前記駆動ユニットはさらに、強度が閾値よりも大きい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を低下させ、強度が閾値よりも小さい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器の放射電力を向上させるように構成される。
【0025】
本発明の一態様によれば、ここで、前記レーザーレーダーは複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含み、前記駆動ユニットはさらに、
前記レーザーレーダーの視野内のROI領域を取得し、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、前記ステップS11の動作において、レーザー機器の放射電力を増大させるように構成される。
【0026】
本発明の一態様によれば、ここで、前記駆動ユニットは、前記ステップS11で、レーザー機器の放射電力を増大させるとともに、前記Kの値を小さくするように構成される。
【0027】
本発明の一態様によれば、ここで、前記レーザーレーダーは複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含み、前記駆動ユニットはさらに、
前記レーザーレーダーの視野内のROI領域を取得し、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、前記Nの値を大きくするように構成される。
【0028】
本発明の一態様によれば、ここで、前記探知データは第1の記憶方式又は第2の記憶方式によって記憶され、ここで、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、前記時間情報の重みに応じて、前記強度情報を記憶することを含み、前記第1の時間精度が任意の2つの隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔であり、且つ前記レーザーレーダーの探知データの時間分解能のM倍であり、ここで、M>1であり、前記重みが前記時間情報と少なくとも1つの第1の時間スケールの時間間隔に関連付けられ、前記第2の記憶方式は、前記レーザーレーダーの時間分解能に応じて記憶することを含む。
【0029】
本発明の一態様によれば、ここで、前記第1組の探知データは前記第1の記憶方式で記憶され、前記第2組の探知データは前記第2の記憶方式で記憶される。
【0030】
本発明の一態様によれば、ここで、前記重みは第1の重みと第2の重みを含み、前記第1の重みは前記時間情報と一方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第2の重みは前記時間情報と他方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、それぞれ前記第1の重みと第2の重みに応じて、前記強度情報を記憶することを含む。
【0031】
本発明の一態様によれば、前記駆動ユニットはさらに、
前記K+1回目~N回目の探知走査中に、障害物の視野に応じて探知器の探知ウィンドウを調整し、前記探知ウィンドウ内の前記探知器の探知データを取得するステップS13を実行するように構成される。
【0032】
本発明の一態様によれば、前記ステップS13の動作は、
前記探知ウィンドウ内にのみ前記探知器をアクティブ化するステップ、及び/又は
前記探知器をアクティブ化したまま、前記探知ウィンドウ内の前記探知器の探知データのみを読み取るステップ、をさらに含む。
【0033】
本発明の技術的解決手段は、1つの探知周期内での初期の一定回数の探知走査によって、視野範囲内の障害物の有無、及び存在する障害物とレーダーとの間のおおよその距離情報を把握し、さらに、その後の探知走査又は次回の探知(次の探知チャネルである場合がある)時に、それに応じて放射端ポリシーを調整し、例えば、障害物が存在する視野に対応するレーザー機器のみを駆動して発光させ、そのため、障害物のない視野範囲内の電力消費を低下させることができ、レーダーの電力消費を低下させることができる。なお、それに応じて受信端ポリシーを調整し、例えば、障害物が存在する距離範囲に対応する探知ウィンドウ内のエコーデータのみを処理するようにすることもでき、そのため、信号対雑音比及び測距能力をさらに向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本開示の一部を構成する図面は本開示を更に理解させるためのものであり、本開示の例示的実施例及びその説明は本開示を解釈するためのものであり、本開示を不適切に限定するものではない。図面の説明を次に記載する。
図1A】本発明の一実施例の探知方法における放射端の調整ポリシーのフローチャートを示す。
図1B】本発明の一実施例の探知方法における放射端及び受信端の調整ポリシーのフローチャ
図2】本発明の実施例(図1A図1B)の探知方法におけるステップS12のフローチャートを示す。
図3】強度情報-時間情報の曲線の例を示す。
図4図4の(a)、(b)、(c)はそれぞれ本発明の実施例1に係るレーザーレーダーの走査シーン、サブ視野、及びレーザー機器配列の模式図を示す。
図5】本発明の実施例1の飛行時間の時分割タイムスライスの模式図を示す。
図6図6の(A)、(B)、(C)はそれぞれ本発明の実施例1に係るレーザーレーダーのサブ視野、レーザー機器配列、及び1つの探知周期内の最初の300回の探知の模式図を示す。
図7図7の(A)、(B)、(C)はそれぞれ本発明の実施例1に係るレーザーレーダーのサブ視野、レーザー機器配列、及びこの1つの探知周期内の後の100回の探知の模式図を示す。
図8】本発明の実施例1に係るレーザーレーダーのサブ視野、レーザー機器配列、及びこの1つの探知周期内の合計400回の探知結果を重畳した模式図を示す。
図9】本発明の実施例1の探知フローチャートを示す。
図10】本発明の一実施例に係る探知ユニットを示す。
図11】従来技術に係るデータ記憶方法を示す。
図12】本発明の好ましい一実施例に係る記憶方式の具体的な模式図を示す。
図13】本発明の好ましい一実施例に係る記憶方式の具体的な模式図を示す。
図14図14の(A)、(B)、(C)はそれぞれ本発明の一実施例に係るレーザーレーダーのサブ視野、レーザー機器配列、及び記憶方式の模式図を示す。
図15】本発明の一実施例の粗いスケールと細かいスケールとの比較模式図を示す。
図16】本発明の一実施例のレーザーレーダーのモジュール図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下において、いくつかの例示的な実施例のみを簡単に説明する。当業者であれば理解できるように、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、説明された実施例を様々な異なる方式で修正することが可能である。従って、図面と説明は、本質的に、限定的なものではなく、例示的なものであると考えられる。
【0036】
本発明の記述では、理解すべきところとして、用語の「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」等で示す方位又は位置関係は、図面に基づくものであり、本発明を容易に説明し記述を簡略化するためのものに過ぎず、記載される装置又は素子は必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成、動作されたりすることを明示又は暗示するものではないので、本発明を限定するものと理解してはならない。また、用語の「第1」、「第2」は、目的を説明するためのものに過ぎず、相対的重要性を明示又は暗示したり、説明される技術的特徴の数を暗示したりするものと理解してはならない。従って、「第1」、「第2」と限定される特徴は1つ又は複数の前記特徴を含むことを明示又は暗示する。本発明の記述では、明確且つ具体的に限定しない限り、「複数」は2つ又は2つ以上を意味する。
【0037】
本発明の記述では、説明すべきところとして、別に明確に規定、限定しない限り、用語の「取り付ける」、「連結する」、「接続する」を広義的に理解すべきである。例えば、固定的に接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体的に接続してもよい。機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、又は相互に通信してもよい。直接接続してもよく、さらに中間媒介を介して間接的に接続してもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明での具体的な意味を理解してもよい。
【0038】
本発明においては、別に明確に規定、限定しない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるというのは、第1と第2特徴が直接接触する場合を含んでもよいし、第1と第2特徴が直接接触せず、それらの間の別の特徴を介して接触する場合を含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるというのは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上方にある場合を含むか、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを意味する。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあるというのは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上方にある場合を含むか、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことを意味する。
【0039】
以下の開示は、本発明の異なる構造を実現するために、非常に多くの異なる実施形態又は例を提供する。本発明の開示を簡略化するために、以下において、特定の例の部材及び配置について説明する。当然のことながら、それらは例示的なものに過ぎず、本発明を制限することを目的とするものではない。また、本発明は、異なる例に参照数字及び/又は参照アルファベットを重複することができ、このような重複は、簡略化及び明瞭化のためのものであり、それ自体は、検討する様々な実施形態及び/又は配置の間の関係を示すものではない。また、本発明は様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば、他のプロセスの適用及び/又は他の材料の使用に想到することができる。
【0040】
一般的には、レーザーレーダーの探知視野全体において、特に1つの探知周期(複数回の送受信探知及び探知走査(sweep)のプロセスを含む場合がある)内で、障害物は特定の距離範囲及び特定の視野範囲内のみに現れる。視野のある領域内で障害物が探知されなかったにもかかわらず、レーザーレーダーが該探知周期内の残りの探知において該領域内で引き続き探知する場合に、エネルギーの浪費が不必要に発生する。放射ユニットは探知レーザービームを放射し、対応する受信ユニットは、該探知レーザービームが障害物に遭遇した後に発生し得るエコーを受信するために、予め設定された探知ウィンドウの範囲内で常にオンを維持し、受信ユニット及び信号処理ユニットは周辺からの大量の周囲光信号を受信して処理し、受信ユニットは周囲光に応答する必要があるため、電力消費及び静的電力消費をさらに発生させ、また、信号処理ユニットも探知データの読み取りと処理のためのリソースを浪費し、これらに起因して、極めて大きな電力消費が発生し、且つ信号対雑音比が低下する。
【0041】
電力消費を低下させるために、本発明は、レーザーレーダーの探知方法、放射ユニット及びレーザーレーダーを設計し、1つの探知周期内で、初期の探知走査sweepの回数から得られた探知データを採用して、障害物が存在する視野及び距離範囲を判断し、次に、探知データに基づいて、該探知周期内の残りの探知走査中に、放射端の放射ポリシー及び/又は受信端の探知ポリシーをそれに応じて調整する。
【0042】
以下において、図面を参照しながら本発明の好ましい実施例を説明するが、ここで説明される好ましい実施例は、本発明を説明及び解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定する意図がないことを理解すべきである。
【0043】
本発明はレーザーレーダーの探知方法10に関し、図1A図1Bに示すように、探知方法10は、以下のステップS11~S12を含む。
【0044】
ステップS11で、1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得する。
【0045】
本発明では、1つの探知周期には、複数回の送受信探知又は探知走査のプロセスが含まれ、1つの探知周期によって、点群図における1点(該点の大きさ、及び隣接する点との間隔については、レーダーの具体的なタイプ及び動作モードに関連し、本出願は限定しない)を得ることができ、探知走査の探知データは時間情報及び前記時間情報に対応する強度情報を含み、それらに応じ、障害物の距離及び反射率情報を表す。換言すれば、距離及び/又は反射率の測定は探知走査を複数回繰り返すメカニズムに基づくものであり、距離及び/又は反射率の測定とは、三次元環境中の1点(又は障害物上の1点)の探知を完了することを指し、最終的に、例えばレーザーレーダー点群における1点を生成することができる。
【0046】
この点の距離及び/又は反射率の測定を完了するために、レーザーレーダーのレーザー機器は放射を行うことができ、対応する探知器は受信を行い、上記1回の放射-受信プロセスは1回の探知走査と呼ばれ、複数回のこのような探知走査は1つの探知周期を構成し、複数回の探知走査のデータを重畳し、さらに重畳した結果を処理することによって、距離及び/又は反射率情報を得る。
【0047】
説明すべきところとして、1つの探知周期によって、点群図における1点の情報を取得できることが強調されているのは、1点の距離及び反射率の情報を取得するために、複数回の送受信探知の動作を行う必要があることを単に意味し、さらに複数回の探知から得られたデータに対して、さらなる処理を総合的に行う。ただし、レーザーレーダーのFOV全体における全ての点について、互いに同時に探知してもよいし、グループ化して、同じグループ内の点を同時に探知してもよい。同時に探知するとは、これらのグループのレーザー機器及び探知器が送受信の探知動作を同時に実行することを意味する。
【0048】
1回の測定(1つの探知周期)がN回(例えば、N=400)の探知走査を含む場合に、合計N回の探知走査を最初のK回(例えば、K=300であり、100又は200であってもよく、本発明は分割比を限定しない)の探知走査と、K+1回目~N回目の探知走査とに分割する。
【0049】
ステップS11で、まず、探知走査ごとの時間情報及び時間情報に対応する強度情報を含む最初のK回の探知走査の探知データを取得し、Nは1より大きい整数であり、Kは整数であり、1≦K<Nである。各回の探知走査について、レーザー機器は探知レーザーパルスを放射し、探知器はエコーを受信し、信号処理回路はエコーを探知器が受信した時間又はエコーの飛行時間を得ることができ、即ち上記時間情報に対応し、該時間情報は障害物とレーダーとの相対距離を反映する。同時に、信号処理回路は探知器によって受信されたエコーの強度を得ることができ、例えば光子数、信号振幅等の形態で特徴付けることができ、即ち上記強度情報に対応し、該強度情報は障害物の反射率を反映する。
【0050】
ステップS12で、最初のK回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中のレーザー機器の発光ポリシーを調整する。
【0051】
例えば、現在のK回の探知走査によると、レーダーの特定のサブ視野のみに障害物が存在することが識別された場合に、障害物が存在するサブ視野に対応するレーザー機器については、該探知周期内の次のK+1回目~N回目の探知走査中に、レーザー探知パルスを正常に放射し(最初のK回の探知走査と同じ方法でレーザー機器を駆動する)、障害物が存在しないサブ視野に対応するレーザー機器については、K+1回目~N回目の探知走査中に、それに応じて発光ポリシーを変更し、例えば、レーザー探知パルスを放射しないか、あるいは、相対的「怠惰」(例えば、発光電力が低下する)や「ネガティブ」(例えば、発光頻度が低下する)な方法でレーザー探知パルスを放射する。
【0052】
図2は、どのようにして最初のK回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中のレーザー機器の発光ポリシーを調整するかという本発明の好ましい一実施例に係るステップS12の具体的な実現方法を示す。図2に示すように、ステップS12は以下のステップS121~ステップS122を含む。
【0053】
ステップS121で、最初のK回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在する視野を確定する。
【0054】
最初のK回の探知走査の探知データを取得した後、最初のK回の探知走査の探知データを累積し、さらに強度情報-時間情報の曲線を得ることができ、図3に示すように、該曲線について、横座標を飛行時間(Time of Flight,TOF)とし、縦軸をエコーの強度情報とすることができる。レーザーレーダーは予め設定され又は動的に調整されるノイズ閾値を有することができ、該ノイズ閾値は現在の周囲光の強度に関連することができ、強度情報が該ノイズ閾値よりも高い領域に対応する視野では、障害物が存在することが示され、逆に、該ノイズ閾値よりも低い強度情報では、視野に障害物が存在しないことが示される。
【0055】
ステップS122で、障害物が存在しない視野に対応するレーザー機器については、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、以下(1)~(3)のいずれか1つ又は複数により放射端の電力消費を低下させる。
【0056】
(1)探知パルスを放射しないように該視野に対応するレーザー機器を制御する。
(2)最初のK回の探知よりも低い電力で探知パルスを放射するように該視野に対応するレーザー機器を制御する。
(3)複数のレーザー機器が該視野の測定に対応する場合に、レーザー機器の一部が探知パルスを放射するように制御する。換言すれば、サブ視野に対応する複数のレーザー機器のうち、その一部のみが探知パルスを放射するように制御し、即ち、発光するレーザー機器の密度が相対的に疎らである。
【0057】
上記方法によって、障害物のない視野範囲内で、比較的「怠惰」に発光するようにレーザー機器を制御することができ、具体的には、発光するか否かを制御し、且つ発光する電力を調整することができ、よって、レーザーレーダーの電力消費を低下させることができる。
【0058】
一般的には、レーザーレーダーは複数のレーザー機器及び複数の探知器を含み、1つ(又は複数)のレーザー機器は1つ(又は複数)の探知器に対応し、1つの探知チャネルを構成し、1つの探知チャネルは特定の視野範囲に対応する。前文では、ステップS11及びステップS12によってレーザー機器を制御する発光ポリシーが説明されている。次に、ステップS13-Aで、図1Aに示すように、探知器はエコーを受信し、探知データを取得する。好ましくは、ステップS13-Bで、図1Bに示すように、以下(1)~(2)のように、受信端の探知器を制御し又は受信ポリシーを制御する。
【0059】
(1)探知距離に対応する探知ウィンドウ内のみに前記探知器をアクティブ化し、及び/又は
(2)視野に対応する探知器をアクティブ化したまま、前記探知ウィンドウ内の前記探知器の探知データのみを読み取る。
【0060】
例えば、障害物が存在しない視野に対応する探知チャネルについては、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、該探知チャネルの探知器をオフにし、又は低い感度(低い動作電圧)で動作するように該探知チャネルの探知器を制御し、又は該探知チャネルが複数の探知器を有する場合に、探知器の一部のみが探知するように制御する。また、レーザーレーダーの受信端の信号処理回路(例えば、時間デジタル変換器等)を制御して、障害物が存在しない視野に対して、信号処理回路が信号処理を行わないか、又は探知距離に対応する探知ウィンドウ内で取得されたデータのみを処理するようにすることもでき、それによって、レーザーレーダーの電力消費をさらに低減する。
【0061】
受信端は、障害物が存在する視野範囲に対して、障害物のない視野範囲内でも、比較的「怠惰」であり得る。それにより、周囲光によってトリガーされる探知器が応答するために損失される電力消費及び静的電力消費を低下させることができる。詳細な制御方法は、後の段落において実施例と組み合わせてさらに説明する。
【0062】
以上より、本発明の技術的解決手段は、初期の一定回数の探知走査によって、障害物が存在する位置(具体的には、方位を特徴づける視野と距離とを含むことができ、さらに具体的には、水平角度と垂直角度を含む)を確定し、次に、後の探知走査又は次回の探知時に、それに応じて放射端ポリシー及び/又は受信端ポリシーを調整し、これにより、レーザーレーダーの電力消費を低下させる。
【0063】
本発明の好ましい一実施例によれば、探知方法10は、K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物のおおよその位置を確定した後に、発光ポリシーが調整されたK+1回目~N回目の探知走査の探知データを、最初のK回の探知走査から得られたヒストグラムに重畳し、N回の探知走査の探知データを取得して、障害物の距離及び/又は反射率を初歩的に確定し、そして、K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、該初歩的な障害物の距離及び/又は反射率をさらに較正し、較正された結果を障害物の距離及び/又は反射率情報とするステップをさらに含む。
【0064】
以上は探知方法10の技術的解決手段を説明しているが、以下において、実施例1によって詳細に説明する。
【0065】
本発明の実施例1では飛行時間法に基づいて測定を行い、レーダーの探知可能な視野全体に対して、まずK回の探知走査を行って探知データを取得し、読み出し回路の信号処理ユニットは探知データを処理し、該探知データに基づいて、障害物が存在する方位、及び障害物の位置を確定することができる。探知と位置決めをより正確にするために、探知視野は複数のサブ視野(障害物の方位を特徴づけるために用いられる)に分割することができ、同時に、飛行時間も複数のタイムスライス(障害物の位置を特徴づけるために用いられる)に分割することができる。次に、K+1回目~N回目の探知走査の発光ポリシーを調整してもよく、最後に、該N回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期の探知結果を得る。
【0066】
サブ視野の分割は図4に示すとおりである。図4(a)はレーザーレーダーの探知走査シーン及び探知視野の斜視模式図を示し、探知視野Fovを水平方向と垂直方向でm行とn列のサブ視野に分割し、即ち、サブ視野Fov x_y、x∈(1,m)、y∈(1,n)となる。図4(b)はマトリクスで示される探知視野の平面模式図を示し、探知視野は、Fov 1_1、 Fov 1_2、Fov 1_3……Fov m_nのm*n個のサブ視野に分割される。図4(c)はレーザーレーダー内のレーザー機器の配列模式図であり(ここでは例示的なものに過ぎず、レーザー機器がリニアアレイであるかエリアアレイであるか、一次元であるか二次元であるかについて、ここでは限定しない)、各サブ視野は、例えば1つのレーザー機器(例えば、垂直共振器面発光レーザーVCSEL,Vertical Cavity Surface Emitting Laser、又は端面発光レーザーEEL,Edge-emitting Laser)に対応し、各サブ視野は対応するレーザー機器によって照射及び探知され、例えば、サブ視野Fov 1_1はレーザー機器L11によって照射、探知され、サブ視野Fov 1_2はレーザー機器L12によって照射、探知され、……、サブ視野Fov m_nはレーザー機器Lmnによって照射、探知される。それに応じ、受信端もエコーを電気信号に変換するための、レーザー機器と一対一に対応する探知器を有し(例示的なものに過ぎず、実際のレーザー機器と探知器は一対多であっても、多対一であってもよく、ここでは限定しない)、且つ前記電気信号を受信及び処理するための読み出し回路を有する。本発明はサブ視野とレーザー機器の対応関係を限定せず、例えば、1つのサブ視野が複数のレーザー機器に対応することができ、又は1つのレーザー機器が複数のサブ視野に対応し、本発明はレーザー機器と光検出器の対応関係も限定せず、例えば、複数のレーザー機器が1つの探知器に対応することができ、また、本発明は光検出器と読み出し回路の対応関係も限定せず、例えば、行走査や列走査への応用において読み出し回路を多重化することができる。
【0067】
タイムスライスの分割は図5に示すとおりであり、各レーザーレーダー、又は各測距チャネルは、通常、予め設定された最遠探知距離dmaxがあり、それに応じて最大飛行時間TOF(2dmax/c、ここでcは光速である)を算出することができる。受信端は、対応するレーザー機器が発光を開始する時刻を飛行時間の開始点TOF startedの時刻とすることができ(探知器が所定の切り替え又は起動時間を必要とするため、レーザー機器の発光時刻よりわずかに早くしてもよい)、放射されるパルスが最遠距離dmaxにある障害物によって反射されて受信端で受信される時刻を飛行時間の終了点TOF stopedの時刻とし、測距ウィンドウ=|TOF stoped-TOF started|であり、この時間ウィンドウ内で、受信端はエコーの受信及び測定を行う。分解能及び処理すべき信号量を同時に考慮すると、飛行時間TOFをC個のタイムスライスSliceに分割することができ、図5に示すように、最終的に、タイムスライスSlice1、Slice2……SliceC-1、SliceCを形成し、ここでCは1より大きい整数である。
【0068】
上記図4図5に示す方法に従ってサブ視野とタイムスライスを分割した後、まず、K回の探知走査を行い、探知データ(時間情報及び強度情報を含む)を累積して、図3に示すように、K回の探知走査のヒストグラムを得ることができ、次に、読み出し回路の信号処理ユニットは、ヒストグラムに対して基本的な演算を行うことで、障害物が存在するサブ視野が識別されたこと、視野に存在する障害物について、そのおおよその位置(例えば、レーザーレーダーとの距離は、距離又は飛行時間で表すことができる)が取得されたという情報を得ることができる。
【0069】
好ましくは、上記演算結果に応じて表1を生成する。ここで、表1はm行n列の表であり、表中の各格子が1つのサブ視野に対応し、各格子に、例えば0又は1のような単一ビット情報を埋め、該サブ視野に障害物が存在するか否かを特徴づけることができる。例えば、各サブ視野の括弧内に0が記録されている場合に、該サブ視野に物体がないことを示し、括弧内に1が記録されている場合に、該サブ視野に物体が存在することを示す。例えば、表1中の濃い色の格子に示すように、Fov 2_2(1)、Fov 2_3(1)、Fov 3_2(1)、Fov 3_3(1)の4つのサブ視野に物体が存在する。
【0070】
【表1】
【0071】
本発明の好ましい一実施例によれば、上記演算結果に基づいて各サブ視野に対応する表2を生成し、表2にマルチビット情報が記憶され、障害物がC個のタイムスライスSliceのどのセグメントに位置するかを特徴づけるために用いられる。例えば、飛行時間TOFをいくつかのタイムスライスsliceに分割し、障害物に対応する飛行時間がどのタイムスライスSliceにあるかを判断し、このようにして、距離情報は図5に示すタイムスライスSliceの番号に従い、且つm*nサイズの表2に埋めるために用いることができる。各サブ視野の括弧内のものはタイムスライスsliceの番号情報を記録するために用いられ、表2中の空白の括弧はこのサブ視野に障害物がないことを示し、括弧内にslice kが記録されている場合に、このサブ視野はタイムスライスSlice kのセグメントに障害物が存在することを示す。表2中の濃い色の格子に示すように、Fov 2_2(Slice k)、Fov 2_3(Slice k)、Fov 3_2(Slice k)、Fov 3_3(Slice k)の4つのサブ視野には、おおよそd=c×Slice k/2の距離に障害物が存在する。各セルには1つのマルチビットの数値があり、1ビットが飛行時間TOFを2つのセグメントにしか分割できないため、bビットでは飛行時間TOFを2b個のセグメントに分割することができる。
【0072】
表1及び/又は表2に基づいて、K+1回目~N回目の探知走査の発光ポリシーを調整することができる。例えば、あるサブ視野に障害物が存在しない場合に、完全に発光しないように該サブ視野に対応するレーザー機器を制御し、これにより、放射電力又は発光密度を低下させる。
【0073】
【表2】
【0074】
具体的には、図6(B)に示すように、最初のK回(例えば、K=300)の測定時に、レーザー機器は、特定の発光シーケンス(例えば、エリアアレイレーザー機器全体を同時に発光させてもよいし、1行や1列又は複数の行や複数の列を選択して共に発光させてもよい)に従って、視野全体(レーダーで探知可能な視野の全部又は一部であり得、レーダーのタイプによって、該視野範囲が異なり、ここでは限定しない)を順次(又は一度)照らし、図6(A)の右上に示すとおりである。対応する受信端の探知器及び読み出し回路は、時間強度情報を完全に記録し、且つヒストグラムとして記憶し、図6(C)に示すとおりである(ここで、1つの視野の最初のK回の探知走査から得られた探知データを累積したヒストグラムを示す)。後文では、例えば、粗い記憶と細かい記憶を含むことができる具体的なデータ記憶方法について引き続き説明する。
【0075】
図6を引き続き参照すると、図6(A)の右上に示す、レーザーレーダーの探知視野に星印が付けられたものは、障害物が存在するサブ視野Fov 2_2、Fov 2_3、Fov 3_2、Fov 3_3であることを特徴づけ、最初のK回の探知走査から得られたヒストグラムによって、障害物のおおよその位置を算出することができる。前縁法を採用する場合に、閾値を設定し、閾値を超えた立ち上がり時刻に基づいてTOFを算出し、さらに障害物の距離を算出することができる。セントロイド法を採用する場合に、ヒストグラムの包絡に基づいて重心位置を取得し、さらに障害物の距離を取得することができる。
【0076】
後のK+1回目~N回目(例えば、N=400,K=300)の探知走査時に、表1の数値に応じて、対応する放射端のレーザー機器が発光するか否か、及び/又は発光するモードを決定する。このような発光方式により、レーザー放射部の電力消費を低下させることができる。図7に示すように、後の100回の測定時に、表1の数値に応じて、障害物が存在するサブ視野Fov 2_2、Fov 2_3、Fov 3_2、Fov 3_3に対応するレーザー機器が順にL22、L23、L32、L33であることを確定し、さらに、対応する放射端のレーザー機器L22、L23、L32、L33を発光させ(図7(B)中の濃い灰色で塗りつぶされた丸に対応する)、他のレーザー機器を発光させないか(図7(B)中の薄い灰色で塗りつぶされた丸に対応する)、又は低い電力で発光させるか、又は低い密度で発光させることを決定する。このような発光方式により、レーザー放射部の電力消費を低下させることができる。
【0077】
同時に、受信端のコントローラはさらに、表2の情報を追加的に参照して探知器のイネーブルを制御することができる。K+1回目~N回目の探知走査中に、放射端のレーザー機器が表1の配置で発光する場合に、受信端の探知器(例えば、単一光子アバランシェダイオードSPAD,Single photon avalanche diode)及び読み出し回路は、飛行時間TOF全体にわたってオンにする必要がなくなり、表2中の対応するタイムスライスsliceの区間(例えば、図7(C)中のタイムスライスSlice100~Slice103、又は図5中のタイムスライスSlicek)内でオンにすればよい。このようにして、受信端の周囲光のトリガーによる電力消費、及びスタンバイ時の平均静的電力消費を大幅に低下させることができる。
【0078】
表1と表2は各探知周期における最初のK回の探知走査の終了時に更新されることを説明すべきである。
【0079】
図8に示すように、最初のK回の探知走査に基づいて、障害物が存在するサブ視野を確定し、K+1回目~N回目の探知走査を行う時に、探知データを最初のK回のヒストグラムデータに重畳して、探知走査をN回繰り返した最終データを取得する。図8のヒストグラムデータによると、セントロイド法(エコーの重心を算出するもの)又は前縁法(エコーが予め設定された閾値に達する立ち上がり時刻を算出するもの)で、測距情報の演算及び較正を行うことができる。
【0080】
以上において、探知方法10については、実施例1によって詳細に説明されているが、以下において、本発明の好ましい一実施例に係る探知方法のフローチャート20を示す図9を参照して説明する。
【0081】
ステップS21で、K回の探知走査を行い、探知データを累積して、K回の探知走査のヒストグラムを得る。
【0082】
1つの探知周期で、まずK回の探知走査を行い、K回の探知走査の探知データを取得して重畳し、K回の探知走査のヒストグラムを得る。
【0083】
ステップS22で、レーザーレーダーの探知視野をm*n個のサブ視野に分割するとともに、飛行時間TOFをC個のタイムスライスSliceに分割する。ここで、レーザーレーダーの探知視野を分割したm*n個のサブ視野はレーザーレーダーに内蔵することができ、例えば、レーザーレーダーの各探知チャネルの指向を正確に設定することにより、各探知チャネルがサブ視野の1つに対応するようになる。
【0084】
ステップS23で、K回の探知走査後に、読み出し回路の信号処理ユニットはヒストグラムに対して基本的な演算を行い、演算結果と、サブ視野及びタイムスライスの分割とに基づいて、表1と表2を生成する。K回の探知走査のヒストグラムによると、障害物が存在するサブ視野を識別することができ、且つ障害物が存在する場合に、障害物のおおよその距離(及び対応するタイムスライス)を確定することができる。これに基づいて、表1と表2中の該サブ視野に対応する格子を埋めることができ、ここで、表1中のデータは該サブ視野に障害物が存在するか否かを特徴づけ、表2中のデータは障害物が存在する場合の該障害物に対応するタイムスライスを特徴づける。選択的に、サブ視野及びタイムスライスを分割する動作は、読み出し回路の信号処理ユニットがヒストグラムに対して演算を行った後、表1と表2を生成する前に行ってもよい。
【0085】
ステップS24で、表1から、後のK+1回目~N回目の探知走査中に、対応するレーザー機器が発光するか否か、及び/又は発光モードを決定し、表1と表2から、後のK+1回目~N回目の探知走査中に、対応する探知器及び読み出し回路をイネーブルするか否か、及びどのタイムスライスSlice内でイネーブルするかを決定する。表1から、K+1回目~N回目の探知走査の発光ポリシーを確定し、例えば、対応するレーザー機器が発光するか否か、低下した電力で発光するか否か、又は低い発光密度で発光するか否かを決定することができる。該サブ視野に障害物が存在する場合に、表2を参照し、特定のタイムスライス内のみにイネーブルするように、対応する探知器及び読み出し回路を制御して、エコーの受信及びデータ処理を行う。
【0086】
ステップS25で、K+1回目~N回目の探知データを最初のK回の探知走査のヒストグラムデータに重畳して、探知走査をN回繰り返したデータを取得する。K+1回目~N回目の探知走査を行った後、それらを最初のK回の探知走査の探知データと組み合わせ、例えば最初のK回の探知走査のヒストグラムに重畳して、全てのN回の探知走査のヒストグラムを得る。
【0087】
ステップS26で、障害物が存在するタイムスライスSliceにおけるデータに対して測距情報の演算及び較正を行う。前記最初のK回の探知走査の探知データ及び前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を確定し、且つ前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を較正することができる。
【0088】
本発明の好ましい一実施例によれば、図2に示すように、探知方法10におけるステップS122は、K回の探知走査の強度情報及び/又は反射率情報に基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、障害物が存在する視野に対応するレーザー機器の放射電力を調整するステップをさらに含む。具体的には、ステップS121において、K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在するサブ視野及び障害物が存在しないサブ視野を確定し、K+1回目~N回目の探知走査中に、障害物が存在しないサブ視野については、電力消費を低下させ、全エネルギーを障害物が存在するサブ視野に集中し、例えば障害物が存在するサブ視野に対応するレーザー機器の探知パルスを放射する電力を増大させ、信号対雑音比を向上させることができる。
【0089】
本発明の好ましい一実施例によれば、探知方法10は、強度情報が閾値よりも大きい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する視野に対応するレーザー機器の放射電力を低下させ、強度が閾値よりも小さい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する視野に対応するレーザー機器の放射電力を向上させるステップをさらに含む。具体的には、最初のK回の探知走査の探知データに含まれる時間情報及び時間情報に対応する強度情報に基づいて、最初のK回の探知走査の探知データからヒストグラムを得、読み出し回路の信号処理ユニットはヒストグラムに対して演算を行うことで、障害物が存在する距離及び視野を取得することができ、サブ視野及びタイムスライスに基づいて分割すると、障害物が存在するサブ視野及びタイムスライスを得ることができる。障害物が存在する視野について、強度情報が閾値よりも高いか否かを判断する。閾値よりも高い場合に、次回(例えば、K+1回目)の探知走査時に、該視野に対応するレーザー機器の放射電力を低下させ、閾値よりも低い場合に、該視野に対応するレーザー機器の放射電力を向上させる。前記閾値は、例えば信号対雑音比に基づいて設定することができ、エコー信号の識別に十分な信号対雑音比である場合に、高すぎる放射電力を必要とせず、総電力消費が低下する。強度情報が閾値よりも小さい場合に、放射電力を適宜増加させ、信号対雑音比を向上させ、測距能力を向上させることができる。当業者であれば、最初のK回の探知データに基づくK+1回目の放射電力の調整に限らず、K+1回目~N回目の探知走査中に、ある1回、複数回又は各回の探知走査の強度情報に基づいて次回の探知走査の放射電力を調整するようにしてもよく、本発明は何回目の調整や調整の回数を限定しないことを理解できる。
【0090】
本発明の一実施例によれば、レーザーレーダーが複数のチャネルを含む場合に、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含み、探知方法10は、1つの探知周期で、レーザーレーダーの視野中のROI(Region of interest,障害物が存在する視野FOVに対応する)領域を取得し、視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、次の探知周期で、該レーザー機器の放射電力を増大させ、好ましくは、同時にKの値を小さくするステップをさらに含む。具体的には、次の探知周期で(現在のチャネルに対する次回の探知であってもよく、現在のチャネルに対する次のチャネルの探知であってもよい)、N回(例えば、N=400)の探知走査を再分割し、Kの値を小さくして(例えば、K=300からK=200に減少する)、粗い測定の回数を低減し、次に、ステップS11において、最初のK回の探知走査中のレーザー機器の放射電力を増大させ、ステップS12において、K+1回目~N回目の探知走査を行う時に、細かい測定の回数が増加する(例えば、N=400であり、Kが300から200に減少すると、N-Kが100から200に増加する)。ステップS11において放射電力が向上したが、行われる探知走査の回数が低減され、また、最初のK回の探知走査に基づいて後の探知走査の発光ポリシーが調整され、後に行われる探知走査の回数が増加し、これにより、総電力消費を低下させる効果がさらに強化される。
【0091】
本発明の別の実施例によれば、レーザーレーダーが複数のチャネルを含む場合に、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器及び探知器を含み、探知方法10は、1つの探知周期で、レーザーレーダーの視野中のROI領域を取得し、視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、次の探知周期で、Nの値を大きくするステップをさらに含む。具体的には、次の探知周期で、ROI領域の探知走査を繰り返す総回数を増加させる(例えば、N=400からN=500に増加する)。元々、全てのレーザー機器にそれぞれN回の探知走査を完了する時間を予約したが、現在では、ROI領域内のレーザー機器の一部のみが探知走査を行えばよく、レーザー機器の数が相対的に減少するため、各レーザー機器は、探知走査を繰り返すために予約し得る時間が長くなる。Nの値を大きくすることにより、信号対雑音比を向上させ、さらに測距精度を向上させることができる。一定のフレームレートを保証するために、各レーザー機器の増加可能な探知走査を繰り返す回数は、追加的に発光する必要のないレーザー機器がROI領域外に何個あるかに依存する。
【0092】
レーザーレーダーのアルゴリズムは障害物に対する動的追跡データ(例えば、障害物が移動しており、今回の探知周期ではd1位置にあり、次回の探知周期ではd2位置にある可能性がある)を提供する場合に、移動後の障害物の位置を確定するために、毎回の探知周期で、K回の粗い測定を必要とする。本発明の好ましい一実施例によれば、動的追跡データを提供する方法は、障害物が移動するマージンを考慮し、実際のROI領域を取得した後、該領域を全方向に拡張し、これにより、障害物が実際のROI領域外に移動した場合にも、次回の探知周期で移動後の障害物を捕捉できることを保証し、さらに発光ポリシーを効果的に調整する。
【0093】
以上は、放射端の調整ポリシーを説明したが、電力消費を低下させ且つデータ演算量を低減するために、受信端のデータ記憶及び処理の方法を調整することもできる。
【0094】
図10は探知モジュールの一実施例を示し、探知モジュール22は、探知ユニット221-1、221-2及び221-nとして図4に示される複数の探知ユニットを含む。各探知ユニットは複数の(例えば、図示する9個であり、3個、4個、……であってもよく、具体的には、p個を含んでもよく、pは≧1の正の整数である)単一光子アバランシェダイオードSPADを含み、各探知ユニットの単一光子アバランシェダイオードの出力端が時間デジタル変換器(time to digital converter,TDC)に接続され、各探知ユニットの探知ウィンドウ(即ち、SPADが入射された光子を検知できる時間帯)の範囲が個別に調整可能であり、即ち、各探知ユニットがアクティブ状態(SPADはガイガーモードにあり、即ち、降伏電圧よりも大きい逆バイアスをSPADに印加し、SPADは光子を受信するとアバランシェ効果をトリガーできるようにする)又は非アクティブ状態(光子によってアバランシェをトリガーすることができない状態)になることを個別に制御することができる。光子が探知ユニット221-1、221-2及び221-n上に入射されると、単一光子アバランシェダイオードSPADはトリガーされて電気信号が生成される。
【0095】
各探知ユニットは時間デジタル変換器TDCに結合され、時間デジタル変換器TDCは光子の到達時間を確定することができる。TDCに接続されるデータ処理装置(図11では図示せず)は探知光放射時間を取得し、光子の到達時間と探知光放射時間との時間差を確定し、結果をメモリに記憶することができる。
【0096】
図10に示す探知ユニット22を例として、複数のSPADの出力端は同一のTDCに接続され、探知ユニット221として、時間情報は、探知ユニット221中の1つ又は複数の単一光子アバランシェダイオードSPADがトリガーされる時間であり、強度情報は、該トリガー時間にトリガーされる単一光子アバランシェダイオードSPADの数であり、即ち、トリガーされる単一光子アバランシェダイオードSPADの数によって光信号の強度を特徴づける。
【0097】
図10に示す探知器を例として、前記時間情報は、探知器(221-1、221-2、221-3……)中の1つ又は複数の単一光子アバランシェダイオードSPADがトリガーされる時間であり、前記強度情報は、該トリガー時間にトリガーされる単一光子アバランシェダイオードSPADの数であり、即ち、トリガーされる単一光子アバランシェダイオードSPADの数によって光信号の強度を特徴づける。本発明の好ましい一実施例によれば、前記時間情報は、単一光子アバランシェダイオードSPADをトリガーするタイムスタンプtimestamp、即ちレーザー機器から放射される時間taと単一光子アバランシェダイオードSPADがトリガーされる時間t1aとの時間差t1a-taである。
【0098】
図10の実施例において、SPADを例として時間情報及び強度情報を説明しているが、当業者であれば、本発明はこれに限らず、アバランシェフォトダイオードAPD、シリコン光電子増倍管SiPM等を含むが、それらに限定されない他のタイプの光検出器を採用することもできることを容易に理解し得る。異なる光検出器に対して、異なるパラメータで強度情報を特徴づけることができる。例えば、光検出器がSPADアレイである場合に、時間情報に対応する同時にトリガーされるSPADの数を強度情報として用いることができ、光検出器がSiPMである場合に、時間情報に対応する出力レベル/電流強度で光信号の強度情報を表すことができる。
【0099】
図10に示す探知モジュール22によれば、1回の探知走査について、レーザーレーダーのコントローラはSPADに高電圧を供給するように一部(1行や1列、又は任意の関心のある形状)の探知ユニット221をストローブし、続いて同期信号を送信して発光できることを放射端のレーザー機器に通知し、放射端のレーザー機器は時刻ta(aはa回目の探知走査を表す)に探知用の光パルスを放射し、該光パルスは外部の障害物に遭遇し、障害物によって反射されてレーザーレーダーに戻り、受信端の光検出器で受信され得る。
【0100】
光検出器がSPAD(S)アレイである場合に、SPADが光子を受信すると、アバランシェ電気信号を生成してTDCに伝送し、SPADがトリガーされた時間信号t1a、及び同じ時刻にトリガーされたSPADの数信号cnt1a(ここで、1aは即ちa回目の探知走査の1回目のトリガーを表す)をTDCにより出力し、減算プログラムを経てt1a-taのトリガー時刻timestamp1a(以下、tp1aと略称する)を算出し、tp1aと該トリガー時刻でのトリガー数cnt1a信号とをメモリに伝送して記憶する。1つの探知ユニット221には複数のSPADが含まれ、且つSPADはデッドタイム後に再度探知可能であり、このため、1回の探知走査において、別の時刻にまたSPADのトリガーが発生することがあり、メモリはこのトリガーのtp2a及びcnt2a(2aは即ちa回目の探知走査の2回目のトリガーを表す)を記憶する。1回の探知走査における複数回のトリガーはいずれも時間情報に基づいて記憶する必要がある。
【0101】
次回の探知走査bにおいて、レーザーレーダーのコントローラは、予め設定されたプログラムに従って、信号を再度送信し、tb時刻に探知光パルスを放射するように放射端を制御する。SPADが光子を受信すると、アバランシェ電気信号をTDCに伝送し、SPADがトリガーされた時間信号t1b、及び同じ時刻にトリガーされたSPADの数信号cnt1b(b回目の探知の1回目のトリガー)をTDCにより出力し、後続のメモリがSPADトリガー時間t1b-tbのトリガー時刻timestamp1b(以下、tp1bと略称する)、及び該トリガー時刻でのトリガー数cnt1b信号を記憶する。1つの探知ユニット221には複数のSPADが含まれ、且つSPADはデッドタイム後に再度探知可能であり、このため、1回の探知走査において、別の時刻にまたSPADトリガーが発生することがあり、メモリがこのトリガーのtp2b及びcnt2bを記憶する。
【0102】
数百回の探知走査において、探知走査ごとに取得したトリガー数cntをトリガー時刻timestampに応じてメモリにおける対応する位置に記憶し、同じトリガー時刻timestampに対応する位置において新たなトリガー数cntが到達する場合、記憶された元の値と新たなトリガー数cntを加算して該位置に更新し、N回探知走査して重畳すると、メモリ内には1つのヒストグラムが保存されており、図2に示すように、ヒストグラムは時間軸における異なるトリガー時刻timestampに対応するトリガー数cntの合計を反映しており、このように、ヒストグラムを用いて重心又は立ち上がり時間を算出する等の操作により、距離算出のための飛行時間としてエコーに対応する時間情報を取得し、点群での1点を生成する。
【0103】
いくつかのレーザーレーダーの時間デジタル変換器では、その時間分解能の時間スケールごとに、対応する記憶位置を必要とし、複数回の測定から得られた全てのトリガーされたSPADの数情報cntはいずれも時刻に対応する記憶位置に記憶され、時間デジタル変換器TDCの時間分解能がピコ秒psレベルに達し得るため、非常に大きな空間のあるレジスタを必要とする。具体的な解釈は以下のとおりである。
【0104】
図11に示すようなデータ記憶方法であって、横座標は時間tであり、横座標のスケール間隔はTDCの分解能であり、時間スケールごとに1つの記憶位置R(レジスタ)が対応している。例えば、ある探知走査aでは、時間スケール0にSPADのトリガーが発生し、発光時間及びTDCから伝送されたトリガー時間に基づいて、タイムスタンプtp1(トリガー時間-今回の発光時間)及びトリガー数情報cnt1aを算出し、cnt1aをtp1時刻に対応する記憶位置R1に記憶し、時間スケール4にSPADのトリガーが発生した場合に、時間情報tp5とcnt5aを取得し、cn5aをtp5に対応する記憶位置R5に記憶する。別の探知走査bにおいても、時間スケール4にSPADのトリガーが発生した場合、時間情報tp5とcnt5bを取得し、cnt5bも記憶位置R5に対応し、この時、cnt5aを読み出してから、cnt5bとcnt5aを加算した値をR5に更新する。(図10を参照し、aはa回目の探知を表し、bはb回目の探知であり、数字は対応する時間スケール及び対応する記憶位置を表し、記憶位置Rは時間スケールと一対一に対応し、メモリはトリガー数cntのみを記憶し、データ処理回路は、データを読み取る時に、記憶位置に基づいてトリガー数cntに対応する時間を知ることができる)。
【0105】
図11を参照してわかるように、1つのヒストグラムは複数回の探知走査(400~500回)のデータを累積して得られたものであり、数百回の走査の探知結果をヒストグラムとなるように重畳し、点群における1点を得るプロセスにおいて、ある時間スケールに対応する記憶位置に記憶されているのは、該時刻にトリガーが発生した全てのトリガー数cntを加算した合計である。1回の走査では全ての時間スケールにもSPADのトリガーが発生するわけではないが、図11に示すように、1つのヒストグラムデータは複数回の探知結果を重畳してなるものであり、時間スケールのそれぞれにも、ある1回の走査プロセスにおいてSPADのトリガーが発生する可能性があり、メモリは対応するデータを受信する。したがって、1つのTDCは、時間スケールのそれぞれにも1つの対応する記憶位置を必要とし、複数回の測定で取得した全てのトリガー数cntはいずれも時刻に対応する記憶位置に記憶され、tpの時間間隔、即ちTDCの分解能がpsレベルに達し、非常に大きな空間のあるレジスタを必要とする。
【0106】
このような記憶及び測距方法を採用すると、タイムスタンプtimestampの精度単位がpsレベルであるため、長いTOFの探知を必要とする場合に、1つの完全なヒストグラムを記憶するには、極めて大きなメモリを消費し、極めて大きな記憶空間を消費する必要がある。特に、遠距離探知能力を向上させるために、測定時間及び繰り返し測定回数を増加させる必要があり、記憶空間への要求も高まっている。
【0107】
本出願の発明者は、TDC時間分解能の時間スケールごとに対応する記憶位置を設定する必要がなくなり、探知データを記憶する際に、時間分解能に応じて記憶するのではなく、より低い時間精度で、時間情報の重みに応じて強度情報を記憶することを構想した。本発明は、加重合計のデータ記憶方法を採用し、測距精度を保持したまま元の信号を圧縮し、ヒストグラムを記憶するのに必要な記憶空間を大幅に減少させる。具体的には、加重合計のデータ記憶方法では記憶空間全体を元の1/10の範囲に低減することができる。
【0108】
具体的には、本発明の強度情報を記憶する時間精度は第1の時間精度とし、第1の時間精度は時間デジタル変換器TDCの時間分解能のn倍であってもよい。前記強度情報とは、時間情報に対応する光信号の強度情報を指し、異なる光検出器に対して、異なるパラメータで光信号強度を特徴づけることができ、例えば、検出器がSPADアレイである場合に、時間情報に対応する同時にトリガーされるSPADの数を強度情報として採用することができ、検出器がSiPMである場合に、時間情報に対応する出力レベル/電流強度で光信号の強度情報を特徴づけることができる。
【0109】
以下において、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0110】
まず、レーダーの探知データは時間情報及び時間情報に対応する強度情報を含む。
【0111】
本発明のデータ記憶方法については、具体的には、第1の時間精度で、前記時間情報の重みに応じて、前記強度情報を記憶し、前記第1の時間精度は任意の2つの隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔であり、且つ前記レーダーの探知データの時間分解能のn倍であり、ここで、n>1であり、前記重みは前記時間情報と少なくとも1つの第1の時間スケールの時間間隔に関連付けられる。
【0112】
図12図13は本発明の好ましい一実施例に係る記憶方法の具体的な模式図を示す。以下において、図12図13を参照しながら本発明のデータ記憶方法の実施を詳細に説明する。
【0113】
図12において、横座標は飛行時間であり、横座標の時間スケールの間隔は、例えばレーザーレーダーの時間分解能であり、例えば時間デジタル変換器TDCの時間分解能は、ピコ秒psレベルに達することができる。図12に示すように、レーザーレーダーの時間分解能を基礎として第1の時間スケールが設定され、図12におけるAとA+1に示すように、隣接する2つの第1の時間スケールの間に16個の前記レーザーレーダーの時間分解能の間隔が跨る。時刻xに光子を探知した(例えば、図10に示す1つの探知器における1つ又は複数の単一光子アバランシェダイオードSPADがトリガーされた)場合、前記時刻xの重みに応じて探知した強度値を記憶する。時刻xは、該時刻とその左側の隣接する第1の時間スケールAの時間間隔がx倍のレーダー探知データの時間分解能であることを表す。
【0114】
当業者であれば容易に理解するように、レーザーレーダーの時間分解能が小さく、第1の時間スケールの間隔が大きいため、レーザーレーダーの時間分解能に対応する時間スケールは「細かいスケール」と呼ばれてもよく、第1の時間スケールは「粗いスケール」と呼ばれてもよい。
【0115】
図12に示すように、前記時刻xの重みは第1の重みと第2の重みを含み、第1の重みは前記時刻xと一方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、第2の重みは前記時刻xと他方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられる。第1の重みと第2の重みを確定した後、第1の時間精度で、それぞれ前記第1の重みと第2の重みに応じて、前記強度情報を記憶する。
【0116】
本発明の好ましい一実施例によれば、前記第1の重みは、前記時刻xとその左側の隣接する第1の時間スケールAの間の時間間隔に関連付けられ、第1の重みは、例えば、(16-x)となり、前記第2の重みは、前記時刻xとその右側の隣接する第1の時間スケールA+1の間の時間間隔に関連付けられ、第2の重みは、例えば、xとなる。このため、時刻xを、その隣接する2つの粗いスケール(A、A+1)での重みで置き換えて表し、ここで、xの粗いスケールAでの重みは(16-x)となり、粗いスケールA+1での重みはxとなり(xは該時刻にAから離れた距離を特徴づける)、このように該時刻xの細かいスケールに等価する。換言すれば、スケールxそのものを記憶するわけではなく、xを重みとして、細かいスケールでのデータを隣接する2つの粗いスケールに対応するアドレスに記憶することにより、スケールxの値を表す。このプロセスは、式を用いて次のように表す。
【0117】
【0118】
式中、等号の左側は粗いスケールで記憶した、粗いスケールの開始値と終了値に重みを加えた和であり、等号の右側はタイムスタンプの具体的な値である。以上から分かるように、粗いスケール+重みの記憶方法により、タイムスタンプの具体的な値を正確に特徴づけることができる。
【0119】
同様に、トリガーで取得した信号が、タイムスタンプに加えて、トリガーの数や強度等の情報を示すトリガー数cntも含む場合に、粗いスケールAに新たに追加された強度情報はcnt*(16-x)となり、粗いスケールA+1に新たに追加された強度情報はcnt*xとなり、複数回の走査においてそれぞれ加算すればよい。図13を参照しながら詳細に説明する。細かいスケールは時間デジタル変換器TDCの時間分解能を表す。あるタイムスタンプtimestampについて、その粗いスケールの開始値はAであり、その細かいスケールはその粗いスケールにおける対応する0~15の細かい尺度のxスケールにある。
【0120】
図13を参照すると、粗いスケールごとに1つのレジスタが割り当てられ、横座標の粗いスケールの間隔は16倍のTDC分解能であり、粗いスケールごとに1つのレジスタが対応する。ある走査aのプロセスでは、時間スケール0にSPADのトリガーが発生し、時間情報tp1(対応するx1a=0)及びトリガー数情報cnt1aを取得し、それぞれ粗いスケールAに対応するレジスタAにcnt1a*(16-x1a)を記憶し、粗いスケールA+1に対応するレジスタA+1にcnt1a*x1aを記憶し、別の時間スケール5に、時間情報tp6(対応するx6a=5)及びトリガー数情報cnt6aを取得し、粗いスケールAに対応するレジスタAに記憶されたデータを読み出し、cnt6a*(16-x6a)を加算してからレジスタAに記憶し、粗いスケールA+1に対応するレジスタA+1のデータを読み出し、cnt6a*x6aを加算してからレジスタA+1に再度記憶する。1つの粗いスケールの時間(細かいスケール0~15)内において、全てのトリガー数情報cntに重みを加え、元のデータと合計した後、記憶位置A及びA+1に対応するレジスタに記憶する。次の粗いスケール時間内のトリガー数情報cntに重みを加えてから、粗いスケールA+1及びA+2に対応するレジスタに記憶し、例えば、時刻2’にSPADのトリガーが発生し、時間情報tp3’及びcnt3a’を取得した場合に、粗いスケールA+1に対応するレジスタA+1に記憶されるデータをcnt3a’*(16-x3a’)と加算し、粗いスケールA+2に対応するレジスタA+2にcnt3a’*x3a’を記憶する。
【0121】
次回の走査bのプロセスにおいて、受信された信号tp2及びcnt2bは、それぞれ粗いスケールA及びA+1に重みcnt2b*(16-x2b)とcnt2b*x2bが割り当てられ、それぞれ元の記憶データと合計した後、粗いスケールA及びA+1に対応するレジスタに記憶する。1つのヒストグラムは複数回の走査のデータを累積して得られたものであり、いくつかの走査において、時刻0~15に対応してトリガーが発生した全てのトリガー数cntはいずれも粗いスケールA及びA+1に対応するレジスタに記憶されている。
【0122】
データを記憶するレジスタを細かいスケールごとに必要とする解決手段に対して、本発明は加重合計の記憶方法を採用し、0~n+1の粗いスケールに対応してレジスタを設置するだけでよく、必要とされるレジスタの数は元の1/16に低減され、各レジスタに記憶されるビット幅が増加し、占める空間が大きくなるが、割り当てる記憶位置が大幅に低減されるため、加重合計のデータ記憶方法では記憶空間全体を元の1/10の範囲に低減することができる。
【0123】
図12~13の実施例において、隣接する第1の時間スケール(粗いスケール)の時間間隔はレーダー探知データの時間分解能(細かいスケール)の16倍であり、即ち、16を重みとしてデータを圧縮する。当業者であれば容易に理解するように、本発明はこれらに限らず、ここでの重みは任意の大きな正の整数であってもよい。好ましくは、粗いスケールの時間間隔は細かいスケールの2m倍であり、ここでmは正の整数であり、これによりFPGA又はASICにおいて容易に実現できる。
【0124】
上記実施例において、前記第1の重みは(16-x)であり、前記第2の重みはxであり、本発明はこれらに限らず、前記第1の重みがxであり、前記第2の重みが(16-x)であるようにしてもよく、又は前記第1の重みが1-(x/n)であり、前記予め設定された第2の重みがx/nであるようにしてもよく、第1の重みが前記時刻xと一方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、第2の重みが前記時刻xと他方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられればよい。
【0125】
本発明の上記記憶方法は本発明の第1態様の方法10及び20に適用可能である。例えば、最初のK回の探知走査の探知データは粗い記憶方式で記憶することができ、K+1回目~N回目の探知走査の探知データは細かい記憶方式で記憶することができる。
【0126】
実施例1を引き続き参照し、最初のK回(例えば、K=300)の探知データを粗い記憶方式で記憶し、図6(C)に示すように、ヒストグラムデータC1を取得し、次に、N-K回(例えば、N-K=100)探知されたヒストグラムデータを細かく記憶し、図14(C)に示すように、ヒストグラムデータC2を取得し、最後に、障害物が存在するタイムスライス(Slice100~Slice103)における探知データに対して、ヒストグラムデータC1を用いて距離情報を算出し、初歩的な探知距離d’及び反射率R’を得、ヒストグラムデータC2を用いて初歩的な探知距離d’を較正し、最終的な探知距離d及び反射率Rを得る。ここで、ヒストグラムデータC1で採用される粗い記憶のスケールと、ヒストグラムデータC2で採用される細かい記憶のスケールとの対比関係は、図15に示すとおりであり、0、1、2……A、A+1が粗いスケールであり、2つごとの粗いスケールの間(例えば、AとA+1の間)には、レーザーレーダーの時間分解能である複数の細かいスケール、例えば細かいスケールxが含まれる。
【0127】
以上は、異なる記憶方式を採用して受信端の受信ポリシーを調整することについて具体的に説明している。本発明の好ましい一実施例によれば、図1Bに示すように、探知方法10は以下のステップS13-Bをさらに含む。
【0128】
ステップS13-Bで、K+1回目~N回目の探知走査中に、障害物の視野に応じて探知器の探知ウィンドウを調整し、前記探知器の前記探知ウィンドウ内の探知データを取得する。
【0129】
本発明はさらにレーザーレーダーの放射ユニット100に関し、図16に示すように、放射ユニット100は、
パルスを放射するように構成されるレーザー機器101と、
前記レーザー機器101に結合されており、障害物の距離及び/又は反射率を測定するために、パルスを放射するように前記レーザー機器101を駆動できるように構成される駆動ユニット102であって、さらに、
1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得するステップであって、ここで、前記探知データが時間情報及び前記時間情報に対応する強度情報を含み、1つの探知周期がN回の探知走査を含み、Nが1より大きい整数、Kが整数、1≦K<NであるステップS11と、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中の前記レーザー機器101の発光ポリシーを調整するステップS12と、の動作を実行するように構成される駆動ユニットと、を含む。
【0130】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記ステップS12は、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在する視野を確定するステップS121と、
障害物が存在しない視野について、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、
探知パルスを放射しないことと、
低下した電力で探知パルスを放射するように前記レーザー機器101を制御することと、
複数のレーザー機器101が該探知に対応する場合に、レーザー機器101の一部が探知パルスを放射するように制御することと、のいずれか1つ又は複数により前記視野に対応する前記レーザー機器101を制御するステップS122と、をさらに含む。
【0131】
本発明はレーザーレーダー200をさらに設計し、図12に示すように、レーザーレーダー200は、
パルスを放射するように構成されるレーザー機器101と、
前記レーザー機器に結合されており、障害物の距離及び/又は反射率を測定するために、パルスを放射するように前記レーザー機器を駆動できるように構成される駆動ユニット102であって、ここで、1つの探知周期がN回の探知走査を含み、Nが1より大きい整数である駆動ユニット102と、
を備える、放射ユニット100と、
障害物で反射された前記パルスのエコーを受信し、前記エコーを電気信号に変換するように構成される受信ユニット201と、
前記放射ユニット100及び受信ユニット201に結合され、前記電気信号に応じて探知走査ごとの探知データを生成する信号処理ユニット202であって、ここで、前記探知データが時間情報及び前記時間情報に対応する強度情報を含む信号処理ユニット202と、を含み、
ここで、前記駆動ユニット102は、
1つの探知周期で、K回の探知走査の探知データを取得するステップであって、Kが整数、1≦K<NであるステップS11と、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中の前記レーザー機器101の発光ポリシーを調整するステップS12と、の動作を実行するように構成される。
【0132】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記ステップS12は、
前記K回の探知走査の探知データに基づいて、障害物が存在する視野を識別するステップS121と、
障害物が存在しない視野について、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、
探知パルスを放射しないことと、
低下した電力で探知パルスを放射するように前記レーザー機器101を制御することと、
複数のレーザー機器101が該探知周期に対応する場合に、レーザー機器101の一部が探知パルスを放射するように制御することと、のいずれか1つ又は複数により前記視野に対応する前記レーザー機器101を制御するステップS122と、をさらに含む。
【0133】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記信号処理ユニット202は、前記K回の探知走査の探知データ及び前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を確定し、前記K+1回目~N回目の探知走査の探知データに基づいて、前記障害物の距離及び/又は反射率を較正するように構成される。
【0134】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記駆動ユニット102はさらに、前記K回の探知走査の強度情報及び/又は反射率情報に基づいて、該探知周期におけるK+1回目~N回目の探知走査中に、障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器101の放射電力を調整するように構成される。
【0135】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記駆動ユニット102はさらに、強度が閾値よりも大きい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器101の放射電力を低下させ、強度が閾値よりも小さい場合に、次回の探知走査中の障害物が存在する前記視野に対応するレーザー機器101の放射電力を向上させるように構成される。
【0136】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記レーザーレーダー200は複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して飛行時間の測定を行うための対応するレーザー機器101及び探知器202を含み、前記駆動ユニット102はさらに、
前記レーザーレーダー200の視野内のROI領域を取得し、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器について、前記ステップS11の動作において、レーザー機器101の放射電力を増大させるように構成される。
【0137】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記駆動ユニット102は、前記ステップS11で、レーザー機器101の放射電力を増大させるとともに、前記Kの値を小さくするように構成される。
【0138】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記レーザーレーダー200は複数のチャネルを含み、各チャネルは、特定の視野範囲に対して探知を行うための対応するレーザー機器101及び探知器202を含み、前記駆動ユニット102はさらに、
前記レーザーレーダー200の視野内のROI領域を取得し、
視野範囲が該ROI領域に入るチャネルのレーザー機器101について、前記Nの値を大きくするように構成される。
【0139】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記探知データは第1の記憶方式又は第2の記憶方式によって記憶され、ここで、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、前記時間情報の重みに応じて、前記強度情報を記憶するステップであって、前記第1の時間精度が任意の2つの隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔であり、且つ前記レーザーレーダー200の探知データの時間分解能のM倍であり、ここで、M>1であり、前記重みが前記時間情報と少なくとも1つの第1の時間スケールの時間間隔に関連付けられ、前記第2の記憶方式は、前記レーザーレーダー200の時間分解能に応じて記憶するステップを含む。
【0140】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記第1組の探知データは前記第1の記憶方式で記憶され、前記第2組の探知データは前記第2の記憶方式で記憶される。
【0141】
本発明の一実施例によれば、ここで、前記重みは第1の重みと第2の重みを含み、前記第1の重みは前記時間情報と一方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第2の重みは前記時間情報と他方の隣接する第1の時間スケールの間の時間間隔に関連付けられ、前記第1の記憶方式は、第1の時間精度で、それぞれ前記第1の重みと第2の重みに応じて、前記強度情報を記憶することを含む。
【0142】
本発明の一実施例によれば、前記駆動ユニット102はさらに、
前記K+1回目~N回目の探知走査中に、障害物の視野に応じて探知器202の探知ウィンドウを調整し、前記探知ウィンドウ内の前記探知器202の探知データを取得するステップS13を実行するように構成される。
【0143】
本発明の一実施例によれば、前記ステップS13の動作は、
前記探知ウィンドウ内にのみ前記探知器202をアクティブ化するステップ、及び/又は
前記探知器202をアクティブ化したまま、前記探知ウィンドウ内の前記探知器202の探知データのみを読み取るステップ、をさらに含む。
【0144】
最後に説明すべきこととして、以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、前記実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はその一部の技術的特徴に対して同等な置換を行うことができる。本発明の趣旨と原則内に行った修正、同等な置換、改良等は、全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】