(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】電気あご髭トリマーのための切断装置システム
(51)【国際特許分類】
B26B 19/06 20060101AFI20240709BHJP
B26B 19/38 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B26B19/06 E
B26B19/38 C
B26B19/06 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502001
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 IB2022056507
(87)【国際公開番号】W WO2023286011
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シアオラン シュー
(72)【発明者】
【氏名】ロマン ローダー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ピーター
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056CA02
3C056CA09
3C056CA13
3C056CA21
3C056CA33
(57)【要約】
本発明は、複数日分のあご髭の無精髭などの体毛を切断することに関する。より詳細には、本発明は、電気かみそり及び/又はトリマー(1)のための切断装置システムであって、少なくとも1列の櫛状の外側切断歯(6)を有する切断要素であって一対の協働する切断要素(4、5)を形成する内側切断要素(5)と、外側切断要素(4)とを備え、少なくとも1列の櫛状の外側切断歯(6)は、第1の軸(I)に平行に延在しており、切断要素(4、5)は互いに対して移動可能に支持される、電気かみそり及び/又はトリマー(1)のための切断装置システムに関する。少なくとも1列の櫛状外側切断歯(6)が、歯先から0.2mm離れた位置において、当該第1の軸(I)に垂直な方向の歯幅と、2つの隣接する歯の間の開口スロットの幅との間に、1.0~2.0の比を有することによって、皮膚刺激を低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気かみそり又はトリマーのための切断装置システムであって、2列の櫛状の外側切断歯を有する切断要素であって一対の協働する切断要素を形成する内側切断要素及び外側切断要素を備え、前記2列の櫛状の外側切断歯の各々が、歯先と、第1の軸(I)に平行に延在する長手方向延長部とを有し、櫛状の外側切断歯の両方の列の前記歯先は、互いに反対側を向いており、それらの歯の間に開口スロットが設けられており、前記内側切断要素及び前記外側切断要素は、互いに対して移動可能に支持されており、それによって櫛状の外側切断歯の前記列は、前記第1の軸(I)に沿って前記歯先から0.2mm離れた位置において、前記第1の軸(I)に垂直な方向の歯幅と、それらの隣接する歯のうちの2つの間の開口スロットの幅との間に1.0~2.0の比を有し、前記外側切断歯は、前記第1の軸(I)に沿って前記歯先から0.2mm離れた位置において、且つ前記第1の軸(I)に垂直な断面において、丸みを帯びた縁部を有する実質的に矩形状に形成される、電気かみそり又はトリマーのための切断装置システム。
【請求項2】
櫛状の外側切断歯の前記少なくとも1つの列は、前記歯先から0.2mm離れた位置において、前記第1の軸(I)に垂直な方向の歯幅と、2つの隣接する歯の間の開口スロットの幅との間に、1.05から1.5、好ましくは1.085から1.433、好ましくは約1.333の比を有する、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項3】
前記外側切断歯は、前記歯先から0.2mm離れた位置において、405+/-50μm、好ましくは405+/-25μmの幅を有する、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項4】
前記外側切断歯は、前記歯先から0.2mm離れた位置において、1つの歯先の中間から前記隣接する歯先の中間までの2つの隣接する歯の間のピッチを有し、前記ピッチ
が730+/-50μm、好ましくは730+/-25μmである、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項5】
前記外側切断歯はU字形である、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項6】
前記外側切断歯は、前記第1の軸(I)に垂直な断面において、前記U字形の歯先を形成するように互いに背中合わせに折り畳まれる隣接する部分を含む、請求項5に記載の切断装置システム。
【請求項7】
前記外側切断歯は、前記内側切断要素から離れて面する側に、滑らかな平坦面を有する、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項8】
前記外側切断歯の歯先の前記丸みを帯びた縁部は、120μm~225μm、例えば210μm又は200μmの半径を有する、及び/又は前記歯先は、曲げることによって作られ、前記半径は曲げ半径である、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項9】
前記歯は、少なくとも前記歯先において、断面で見たときに、1mm未満又は0.5mm未満の厚さを有する、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項10】
前記外側切断歯は、前記内側切断要素から離れて面する側に滑らかな平坦面を有する歯の根本であって、前記内側切断要素に面する側に、前記内側切断要素から離れて面する側と共に鋭利な切断縁部を形成する凹面を有する歯の根本を備える、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項11】
前記歯先は両面エッチングによって形成され、前記歯の根本は、片面エッチングによって形成される、請求項10に記載の切断装置システム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に従って構成されている切断装置システムを備える、電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項13】
前記切断装置システムは、ハンドル部分に対して旋回するように支持される、請求項12に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項14】
電気かみそり及び/又はトリマー(1)のための切断装置システムであって、2列の櫛状の外側切断歯(6)を有する切断要素(4、5)であって一対の協働する切断要素(4、5)を形成する内側切断要素(5)及び外側切断要素(4)を備え、前記2列の櫛状の外側切断歯(6)の各々が、歯先と、第1の軸(I)に平行に延在する長手方向延長部とを有し、前記第1の軸(I)に垂直な第2の軸(II)は、前記外側切断要素(4)に対する前記内側切断要素(5)の移動方向を規定し、第4の軸(IV)は、前記第1の軸及び前記第2の軸(I,II)の両方に対して垂直に延在して高さ方向に延在しており、櫛状の外側切断歯の両方の列の前記外側歯(6)の前記歯先は、互いに対して反対側を向いており、前記外側歯(6)の前記歯先は、軸(II)に平行な0.15mmより大きい長さを有する直線セグメント(12)を備えるように平坦に成形される、電気かみそり及び/又はトリマー(1)のための切断装置システム。
【請求項15】
前記直線セグメント(12)の長さは、0.2mmより大きいが、0.4又は0.5mmより小さい、請求項14に記載の切断装置システム。
【請求項16】
請求項1~13に記載の特徴のうちの少なくとも1つを特徴とする、請求項14又は15に記載の切断装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数日分のあご髭の無精髭などの体毛を切断することに関する。より詳細には、本発明は、少なくとも1列又は2列の櫛状の切断歯を有する一対の協働する切断要素を備える電気かみそり及び/又はトリマーのための切断装置システムであって、当該切断要素が互いに対して移動可能に支持される、電気かみそり及び/又はトリマーのための切断装置システムに関する。例えば、当該切断要素は、支持構造によって互いに対して移動可能に支持されてもよい。当該切断要素の少なくとも1つは、断面で見たときに、当該支持構造体に取り付けられた一対の折れた保持フランジと、わずかにドーム形又は平坦な中心区分とを含むC字形を有してもよく、当該櫛状の切断歯の列は、当該折れた保持フランジと当該中心区分との間の移行区分に形成される。2列の櫛状の切断歯は、歯先が互いに反対側を向くように、互いに対して配置される。
【背景技術】
【0002】
電気かみそり及びトリマーは、様々な機構を利用して、毛髪切断機能を提供する。一部の電気かみそりは、剪断フォイル内の穿孔に入る毛髪を切断するために、剪断フォイルに対して移動可能な下方切断装置と協働する穿孔剪断フォイルを含む。かかる剪断フォイルタイプのかみそりは、多くの場合、日常的に使用されて、短いあご髭の無精髭が皮膚表面のすぐ上で切断される、清浄な髭剃りを提供する。
【0003】
他方で、櫛状の縁部を有する一対の協働する切断要素を含む他の切断装置システムは、互いに対して往復運動又は回転する1つ以上の列の櫛状又は熊手状切断歯を含み、多くの場合、例えば、皮膚に対して非常に小さい角度又は非常に弾力性のある皮膚から成長することに起因して、切断することが困難な、より長いあご髭の無精髭又は問題の毛髪を切断するために使用される。かかる櫛状又は熊手状切断要素の歯は、通常、駆動運動のタイプに応じて、互いに実質的に平行に、又は実質的に径方向に突起し、切断歯間の間隙に入る毛髪を切断することができ、切断又は剪断は、協働要素の切断歯が、指状切断歯の間の間隙を閉鎖し、互いに通過するときに、はさみ状の方法で達成される。
【0004】
より長い毛髪のためのかかる切断装置システムは、電気かみそり又はトリマーに一体化されてもよく、それと同時に、前述の剪断フォイル切断装置を備え得る。
【0005】
例えば、欧州特許第2425938(B1)号は、剪断フォイル切断装置間に一体化された一対の長い毛髪のトリマーを有するかみそりを示す。更に、欧州特許第2747958(B1)号は、かみそりヘッドの両側に配置された2列の協働する切断歯を有する毛髪トリマーを開示している。
【0006】
このような切断装置システムでは、安全性及び皮膚の快適さが重要な側面である。特に、切断歯の歯先が毛包に入り込むこと、及び/又は皮膚の隆起が切断歯の間の開口スロットに入り、移動する切断要素に接触する可能性があることが意図されている。この点に関して、欧州特許第2747958(B1)号は、突出する歯先が皮膚に突き刺さって皮膚を刺激することを防止するように、下側切断要素の歯先から張り出している丸みを帯び肥厚した歯先を上側櫛状切断要素の切断歯に設けることを提案している。
【0007】
同様の切断装置システムが、米国特許出願公開第2017/0050326(A1)号に示されており、このような切断装置システムでは、下部櫛状切断要素は、固定され、上部櫛状切断要素は、移動可能である。
【0008】
この未公開の欧州特許出願第20173681.6号は、最初の出願の時点で、対向する縁部にある櫛状の切断歯の列と、当該櫛状の歯の列の間の剪断フォイル状の切断穿孔とを組み合わせるトリマーを提案している。これらの歯は、C字形の外側切断要素によって形成され、C字形の外側切断要素の縁部は、C字形又はU字形の肢部のように内側に曲げられた肢部を形成するために鋭角に折り曲げられ、そのような折れた肢部は支持フレームによって保持される。折れた肢部を外側切断要素の中心部分と接続する移行縁部分は、より長い無精髭を切断するための櫛状歯の列を形成するように輪郭形成又は構成され、一方で、切断要素の中心部分は、短毛髪を切断するための少なくとも1つの穿孔の領域が提供される。歯は、断面がU字形に形成された、及び/又は互いに背中合わせに折り畳まれて断面がU字形の歯先を形成する保持フランジ及び中心区分の隣接する部分を含む、間引かれた歯先を有する。これらの歯先は丸みを帯びており、すなわち、歯先部分は、それぞれの歯の残りの部分と比較して幅が小さい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第2425938(B1)号
【特許文献2】欧州特許第2747958(B1)号
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/0050326(A1)号
【特許文献4】欧州特許出願第20173681.6号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の根底にある目的は、先行技術の欠点の少なくとも1つを回避する、且つ/又は既存の解決方法を更に発展させる、改善された切断装置システムを提供することである。本発明の根底にあるより具体的な目的は、縁部の輪郭化の良好な制御を含み、同時に皮膚刺激を回避する、毛髪及びより長い無精髭の近接し、且つ徹底的な切断を提供することである。本発明の根底にある別の目的は、毛髪を抜くこと及び引くことを回避するための、協働する切断歯及び切断穿孔の確実且つ清浄な切断動作である。
【0011】
本発明の一態様によれば、皮膚刺激を回避する快適な皮膚の感触は、外側切断要素の改善された幾何学的形状、特にその歯先形状に関して改善された幾何学的形状を有する電気かみそり及び/又はトリマーのための切断装置システムによって達成され得る。特に、切断装置システムであって、少なくとも1列の櫛状の外側切断歯を有する切断要素であって一対の協働する切断要素を形成する内側切断要素と、外側切断要素とを備える切断装置システムにおいて、各歯は、第1の軸に平行に延在する。少なくとも1列の櫛状の外側切断歯は、歯先から0.2mm離れた位置において、当該第1の軸に垂直な方向の歯幅と、2つの隣接する歯の間の開口スロットの幅との間に1.0から2.0の間又は1.05から1.5の間の比を有することができる。これに加えて又は代替において、当該外側切断歯は、当該第1の軸に垂直な断面において、平坦な側面及び丸みを帯びた縁部(同様に第1の軸に沿って歯先から0.2mm離れている)を有する実質的に矩形状に形成された歯先を備えてもよい。更に代替として、又はこれに加えて、外側切断装置の歯は、平坦な上面と、それに平行であるが皮膚側から離れた側の平坦面とを備えてもよい。切断要素は、例えば、切断要素の両側に配置された2列の櫛状切断歯と、櫛状切断歯の列の間の剪断フォイル状切断穿孔の領域と、を含み得る。2列の櫛状の切断歯は、歯先が互いに反対側を向くように、互いに対して配置される。
【0012】
より詳細には、当該少なくとも1列の櫛状の外側切断歯は、歯先から0.2mm離れた位置において、当該第1の軸に垂直な方向の歯幅と、2つの隣接する歯の間の開口スロットの幅との間に1.085から1.433の間、好ましくは約1.333の間の比を有することができる。
【0013】
換言すれば、皮膚の隆起が2つの隣接する歯の間のスロットに入り、移動する切断装置要素によって切断されることによる皮膚損傷のような皮膚刺激の特定の理由は、平坦な側面及び丸みを帯びた縁部を有する歯先の矩形状と、歯幅と2つの隣接する歯の間の開口スロットの幅との間の比が約4:3であることとの組み合わせによって防止され得ることが見出された。すなわち、本発明にかかる歯先には、従来技術で提案されているような、歯先に張り出した丸みを帯びた肥厚した歯先や、滴状又はパール状の肥厚部は設けられていない。
【0014】
外側切断要素のこの改善された幾何学的形状は、歯先が毛包に入ることを防止する。加えて、外側切断要素とユーザの皮膚との接触によって引き起こされる皮膚の隆起は、より均一に分散され、大きな皮膚の隆起が開口スロットに入り、内側切断要素、すなわち可動ブレードに触れることを回避する。
【0015】
これら及び他の利点は、図面及び可能な例に言及する以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一対の協働する櫛状切断要素が互いに対して往復運動する切断システムを含む電気あご髭トリマー/電気かみそりの斜視正面図である。
【
図2】あごに作用している
図1のあご髭トリマーの斜視図である。
【
図3】外側断要素及び内側切断要素を含む切断装置システムの要素の分解斜視図である。
【
図4】協働する櫛状切断要素及び切断要素を駆動するための駆動システムを示す、あご髭トリマー/あご髭かみそりの断面図である。
【
図5c】
図5aの切断システムの線C-Cに沿った断面図である。
【
図6a】
図5の線A-Aに沿った切断歯の断面図である。
【
図6b】
図5の線B-Bに沿った切断歯の断面図である。
【
図7a】皮膚輪郭に沿った本発明による2つの切断歯の断面図である。
【
図7b】皮膚輪郭に沿った2つの従来技術の切断歯の断面図である。
【
図8a】本発明による切断歯の歯先の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
皮膚刺激を回避する快適な皮膚の感触を達成するために、外側切断歯は、歯先から0.2mm離れた位置において、405+/-50μm、好ましくは405+/-25μmの幅を有することができる。加えて、又は代替として、外側切断歯は、歯先から0.2mm離れた位置において、730+/-50μm、好ましくは730+/-25μmのピッチを有してもよい。これらの寸法では、歯幅と歯の間の開口スロットとの間の約4:3の比を達成することができ、これは、歯先が毛包に入ることを防止し、皮膚の隆起を均一に分布させるのに好ましく、それによって、大きな皮膚の隆起が潜在的に開口スロットに入って切断装置システムの可動ブレードに接触することを回避する。
【0018】
歯の矩形状は、皮膚刺激を回避することを可能にする。この快適な皮膚の感触は、外側切断歯が、内側切断要素から離れて面する側に、滑らかな平坦面を有する場合に増大され得る。
【0019】
外側切断装置要素のこの幾何形状は、少なくともそれぞれの歯先に近い領域において、例えば歯先から0.2mm離れた位置において、実質的にU字形の外側切断歯を形成することによって、及び/又は当該第1の軸に垂直な断面において、実質的にU字形の歯先を形成するように互いに背中合わせに折り畳まれた隣接する部分を含むことによって達成されてよく、換言すれば、外側切断歯の形状は、当該第1の軸に垂直な断面において、平坦な側面を有する矩形状に形成された歯先を備えてもよく、丸みを帯びた縁部は、歯の材料、例えば平坦な金属シートの2つの層を互いに折り畳むことによって達成されてもよい。例えば、当該歯先の丸みを帯びた縁部は、例えば120μm~225μmの曲げ半径を有してもよい。更に、歯は、少なくとも歯先において、断面で見たときに、1mm未満又は0.5mm未満の厚さを有してもよい。
【0020】
例えば、実質的にC字形状の切断要素がシート厚0.15mmを有するシート状材料から作製されるとき、歯は、1.5mm未満、1mm未満、若しくは0.5mm未満、及び/又は0.3mm~0.5mm若しくは0.35mm~0.45mmの範囲の厚さを有し得る。この厚さは、0.3mm、つまり最も外側の歯先表面の点から、櫛状切断歯の対向する列に向かう方向に内向きに0.3mmで測定される。断面視で、櫛状切断歯の歯先は、0.25mm未満の曲率半径を有してもよい。
【0021】
例えば、切断要素は、金属シート、具体的に言えば、ばね鋼シートから形成されてもよく、500N/mm2超又は750N/mm2超の引張強度を有するばね鋼が使用されてもよい。
【0022】
少なくとも1列の櫛状切断歯に加えて、外側切断要素は、わずかにドーム形状又は平坦な中心区分に提供された少なくとも1つの穿孔領域を含んでもよく、かかる穿孔は、剪断フォイル状の方法で穿孔に入る短い無精髭又は非常に短い毛髪を切断し得る。短い毛髪を切断するためのこのような切断穿孔は、切断装置システムが前方に移動する櫛状歯の列のうちの1つで剃られる皮膚に沿って移動するとき、櫛状切断歯に続く切断要素の皮膚接触面又は皮膚に面する表面の面積に制限される場合があり、一方で、櫛状歯の対向する列の間の切断要素によって画定される皮膚接触面/皮膚に面する表面の中間部分は、無穿孔である。
【0023】
互いに分離された穿孔の制限された面積のこのような配置は、非常に短い毛髪は、切断装置システムが通常の様態、すなわち前方に移動している櫛状切断縁部のうちの1つで剃られる皮膚に沿って移動されるとき、櫛状歯、又は櫛状歯に近接する位置の直後の穿孔によって切断されることを考慮し、一方で先行する櫛状切断縁部から更に離れた穿孔は、非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低い。非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低い皮膚接触面の面積における穿孔の排除に起因して、非常に短い毛髪を切断することにおける効率を犠牲にすることなく、切断要素間の摩擦が低減される。摩擦は、切断要素が互いに対して移動するとき、互いに通過する必要のある穿孔が少ない、より少ない切断縁部のために低減され、このため、剃られる皮膚の上を前方に移動している切断穿孔から出る、既に切断された毛髪小片又は毛髪屑は、再度切断又は研削されないので、摩擦損失は低減される。より具体的には、切断穿孔は、穿孔の2つの分離された細長い領域内に配置されてもよく、これは、皮膚接触面を画定する切断要素の外側切断要素の1つの細長い無穿孔中心区分によって互いに分離され、櫛状切断歯の列に沿って延在する各少なくとも2列の穿孔を含む。
【0024】
毛髪の切断は歯先では起こらないので、断面は、縁部において小さな半径を有する実質的に正方形であり得る。しかしながら、この幾何学的形状は、毛髪を切断するのに望ましくない。したがって、切断が行われる歯元の領域は、断面において異なる形状を有することが好ましい。例えば、当該外側切断歯は、内側切断要素から離れて面する側に滑らかな平坦面を有する歯の根本であって、内側切断要素に面する側に、内側切断要素から離れて面する側と共に鋭利な切断縁部を形成する凹面を有する歯の根本を備える。歯のそのような輪郭は、異なるエッチング技術を適用することによって、金属シートから形成され得る。例えば、歯先から開始して可動ブレード先端の近くまで、歯は、両面エッチングによって製造されてもよく、一方、可動ブレード先端に近い領域から開始して、歯は、切断のための鋭利な縁部を生成するために、片面エッチングによって製造されてもよい。
【0025】
本発明は更に、金属シートから切断装置要素を製造する方法であって、歯先から開始して歯元まで、歯が両面エッチングによって形成されるステップと、一方で、歯元から開始して歯先まで、歯が片面エッチングによって形成されるステップとを含む方法に関する。換言すれば、当該歯先は両面エッチングによって形成され、当該歯の根本は片面エッチングによって形成される。
【0026】
更に、本発明は、上記で定義したように構成された切断装置システムを備える電気かみそり及び/又はトリマーに関する。
【0027】
電気かみそり及び/又はトリマーは、可動式の、被駆動の内側切断要素を備えてもよい。内側切断要素は、駆動装置によって駆動され、駆動ユニットの駆動作用を伝達する駆動系に連結されてもよい。剛性支持リブを含む内側支持フレームと、外側切断要素を保持する外側フレーム部分と、内側支持フレームを裏打ちするベース部分は、当該駆動装置及び/又は当該駆動系の一部が摺動可能に受け入れられる1つ又は複数の中心の細長い又はスリット状の貫通孔を含んでもよい。換言すれば、駆動装置及び/又は駆動系は、内側支持フレーム及び外側支持フレーム内の当該貫通孔を通って延在し、その中に摺動可能に受け入れられることで、駆動装置、このため内側切断要素の他の切断要素に対する往復運動を可能にする。駆動装置は、内側切断要素の対向する端部分に取り付けられ、剛性支持リブと内側切断要素との間に画定された内側サブチャンバ内に収容された細長い棒状部分を含んでもよい。切断装置システム又はその支持フレームは、ハンドル部分に対して旋回又は枢動するように支持される。これは、異なる皮膚の輪郭への適応を更に容易にする。
【0028】
内側切断要素は、駆動のタイプに応じて、往復運動又は回転し得る被駆動の切断要素であってもよい。基本的に、協働する切断要素のそれぞれが、駆動されてもよい。しかしながら、容易な駆動システムを安全且つ柔らかい切断動作と組み合わせるために、皮膚接触面を有する上部又は外側切断要素は、起立していてもよく、及び/又は往復運動していなくてもよく、並びに回転していなくともよい、一方で挟持された切断要素であり得る下部又は内側切断要素は、往復運動又は回転振動してもよい。
【0029】
別の態様によれば、電気かみそり及び/又はトリマーのための切断装置システムは、少なくとも1列の櫛状の外側切断歯を有する一対の協働する切断要素を形成する内側切断要素と、外側切断要素とを備え、各櫛状の外側切断歯は、歯先と、第1の軸に平行に延在する長手方向延長部とを有し、第1の軸に対して垂直な第2の軸は、外側切断要素に対する内側切断要素の移動方向を画定し、第4の軸は、第1の軸及び第2の軸の両方に対して垂直に延在して高さ方向に延在しており、外側歯の当該歯先は、軸に平行な0.15mmより大きい長さを有する直線セグメントを備えるように平坦に成形される。
図8bの従来技術の図によって示されるように、外側/固定切断装置の最も外側の歯先が湾曲していない場合、毛髪の捕捉は低下するが、有害な皮膚の隆起効果も同様に低下する。
【0030】
更なる態様によれば、直線セグメントの長さは、0.2mmより大きいが、0.4mm又は0.5mmより小さい。このような寸法は、可動切断装置の近くの皮膚の過度の膨らみによる皮膚の損傷を回避する、特に敏感な平坦な歯先形状を保証する。
【0031】
櫛状の外側切断歯の列に言及する上記は、必ずしも当該列のすべての隣接する歯ではなく、そのような列を形成する4つ又は5つの隣接する歯6を少なくとも備えることを意味することを理解されたい。
【0032】
図1~
図4から分かるように、かみそり及び/又はトリマー1は、切断装置システム3を有する切断装置ヘッド2を備えてもよい。切断装置ヘッド2は、かみそり及び/又はトリマー1のハンドル100に取り付けられてもよい。より詳細には、かみそり及び/又はトリマー1は、バッテリ101、制御ユニット102、電気駆動モータ103又は磁気駆動モータ、及びモータの駆動動作を切断装置ヘッド2において切断装置システムに伝達するための駆動系104などの電子構成要素及び/又は電気構成要素を収容する細長いハンドル100を含んでもよく、切断装置ヘッド2は、細長いハンドル100の一端に位置決めされてもよい。ハンドル100は、実質的に軸III(
図4)に沿って延在する。
【0033】
図3に描かれる一対の協働する切断要素4及び5を含む切断装置システム3は、
図1に示される実施例の場合のように、切断装置ヘッド2の唯一の切断装置システムであってもよい。他方で、切断装置システム3は、剪断フォイル切断装置などの他の切断装置システムを有するかみそりヘッド2に組み込まれてもよく、例えば、少なくとも1列の協働する切断歯を有する切断装置システム3は、一対の剪断フォイル切断装置の間に位置決めされてもよい、又は代替として、かかる剪断フォイル切断装置の前方に位置決めされてもよい。
【0034】
図3に示されるように、切断装置システム3は、外側切断要素4の切断歯6の細長い列と、内側切断要素5の切断歯7の細長い列とを含んでよく、これらは、歯間の間隙を閉じ、互いの上を通過することによって切断作用をもたらすように直線経路に沿って互いに対して往復運動することができる。
図5aには、歯6に平行な第1の軸Iが示されている。第1の軸Iに対して垂直な第2の軸IIは、外側切断要素4に対する内側切断要素5の移動方向を規定する。
【0035】
或いは、切断装置システム3はまた、円に沿って位置合わせされる、及び/又は径方向に配置された切断歯6及び7を含んでもよい。このような回転切断要素は、実質的に径方向に突起する切断歯を有してもよく、切断要素は、互いに対して回転するように、及び/又は互いに対して回転振動するように駆動されてもよい。切断動作は、基本的に、径方向に延在する歯としての往復運動する切断要素と同様であり、回転及び/又は回転振動するとき、隣接する歯の間の間隙を周期的に閉鎖並びに再開放し、はさみのように互いの上を通過する。
【0036】
図4に示されるように、駆動システムは、モータを含んでもよく、モータのシャフトは、駆動装置のチャネル状の輪郭の間に受け入れられる偏心駆動ピンを回転させることができ、この偏心駆動ピンは、切断要素5のうちの1つに接続され、回転する偏心駆動ピンと当該駆動装置の輪郭との係合に起因する往復運動をもたらす。更に、
図3に示されるように、協働する切断要素4及び5は、基本的に、少なくともほぼ板形状構成を有してよく、各切断要素4及び5は、板形状切断要素4及び5の対向する長手方向側部に配置され得る2列の切断歯6及び7を含む。切断要素4及び5は、切断要素の平坦な側部が互いに上に横になるように支持され、及び位置決めされる。より具体的には、切断要素4及び5の切断歯6及び7は、はさみの刃のように、互いに背中合わせに接する。
【0037】
このような櫛状の切断歯6及び7に加えて、協働する切断要素4及び5は、切断要素4及び5の中間部分において、切断歯6及び7の列の間に配置された少なくとも1つの切断穿孔8及び9の領域を備えてもよい。より詳細には、切断装置システム3の皮膚接触面を画定する外側切断要素4の切断穿孔8の各領域は、少なくとも2つの列の穿孔8を含んでもよく、これは円形、卵形、楕円形、又は多角形の形状を有する小さいサイズの貫通孔として形成され得る。詳細には、穿孔8を形成するこのような小さいサイズの貫通孔は、六角形の形状を有してもよく、このような六角形の貫通孔の長軸、すなわち六角形の形状の対向する角部を通る軸は、切断要素4及び5の往復運動軸IIに対して横方向に配向されてもよい。内側切断要素5の切断穿孔9は、
図3の例に示されるように細長い形状を有してもよい。代替として、穿孔9の他の形状は、協働する切断要素4、5の穿孔8、9の縁部が穿孔間の間隙を閉鎖し、互いの上を通過するとき、はさみのような方法で切断又は剪断を行うのに適している。
【0038】
穿孔8は、皮膚接触面の中心区分全体に分布するのではなく、限られた領域にのみ配置される。より詳細には、短い毛髪を切断するための切断穿孔8は、切断装置システム3が、前方に移動する櫛状歯6の列のうちの1つで剃られる皮膚に沿って移動するとき、櫛状切断歯6に続く切断要素4の皮膚接触面又は皮膚に面する表面の横方向の面積に制限され、一方で、櫛状歯の対向する列の間の切断要素によって画定される皮膚接触面/皮膚に面する表面の中間部分は穿孔されない。
【0039】
互いに離間した穿孔8の制限された面積のかかる配置は、非常に短い毛髪が、先行する熊手状の切断縁部のうちの1つの直後に続く穿孔8によって切断され、一方で、先行する櫛状切断縁部から更に離れた穿孔は、非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低いことを考慮する。非常に短い毛髪を切断するのにあまり効果的でない皮膚接触面の領域の穿孔の除去により、非常に短い毛を切断する効率を犠牲にすることなく、切断要素4、5間の摩擦が低減される。摩擦は、切断要素が互いに対して移動するとき、互いに通過する必要のある穿孔が少ない、より少ない切断縁部のために低減され、このため、剃られる皮膚の上を前方に移動している切断穿孔から出る、既に切断された毛髪小片又は毛髪屑は、再度切断又は研削されないので、摩擦損失は低減される。
【0040】
外側切断要素4によって画定される皮膚接触面の細長い無穿孔中心区分は、穿孔の領域の各々のサイズ又は幅より、大きいサイズ又は幅を有してもよい。より具体的には、皮膚接触面の無穿孔中心区分は、穿孔の領域の各々によって画定される面積の100%~250%又は110%~175%の範囲の面積にわたって延在してもよい。より一般的には、櫛状切断歯の間の切断装置要素4の皮膚接触面の面積の2/3超又は3/4超が穿孔されなくてもよい。換言すれば、切断装置システム3の対向する熊手状の歯付き縁部間の皮膚接触面の1/4~2/3のみが穿孔されてもよい。穿孔8の面積のそのような制限は、切断要素4、5が互いに対して移動するとき、摩擦を著しく低減し得る。
【0041】
図3から分かるように、外側切断要素4は、断面で見たときに、皮膚接触面11から離れるように屈曲又は湾曲し、
図3に描かれる支持構造体の外側フレーム部分に取り付けられた又は固定された保持フランジを形成する、折れた縁部分10を有する実質的にC字形状の構成を有してもよい。当該縁部分10は、当該外側フレームの縁部分の周りで折り返される、又は曲げられてもよい。しかしながら、代替として、切断要素4の当該保持フランジ10を当該外側フレームの内側に着座させることも可能であろう。切断要素4は、当該外側フレーム部分に剛性に又は固定的に締結されてもよい。例えば、切断要素4は、外側フレームに溶接又は接着されてもよい。
【0042】
外側切断要素4の切断歯6は、折り畳まれた支持フランジ10と切断装置システム3の皮膚接触面11を画定する切断要素4の前側との間の移行領域内に形成されてもよい。
図3、
図6e、及び
図6fに示すように、当該外側切断要素4は、C字形の板状切断要素を形成してもよく、その縁部は、C又はUの肢部のように内側に曲げられた肢部を形成するように折り曲げられている。外側切断要素の中心部分と折られた肢部を接続する移行縁部分は、より長い無精髭を切断するための櫛状歯6の列を形成するように輪郭形成又は構成され、一方、切断要素4の中心部分11は、短い毛髪を切断するための当該穿孔領域8を備える。
【0043】
図6c及び
図6dは、断面において、U字形の歯先を形成するために、互いに背中合わせに折り重ねられた材料の2つの層を示す。歯先から約0.2mm離れた位置において、これらの層は共に、実質的に正方形の断面を形成し、
図5dの右側の歯に示されるように、小さな間隙によって分離されてよい。歯元に向かって進むと、歯先から約0.5mm離れた位置(
図5dの中間の歯)及び歯先から約0.75mm離れた位置(
図5dの左側の歯)に示されるように、間隙は増大する。
【0044】
より詳細には、当該外側切断歯6は、異なる断面領域を有するように形成される。歯先、すなわち中心部分11から離れて面する自由端は、丸みを帯びた縁部を有する実質的に矩形の断面を有してもよく、一方、歯元、すなわち中心部分11に向かって面する反対の端部は、鋭利な切断縁部を形成する断面を有する。
【0045】
より詳細には、
図6aは、歯先から約0.2mm離れた位置での歯の断面を描いており、第1の軸Iに垂直な断面において実質的に矩形の構成を示す。この矩形は、線又は間隙が、
図6aの軸IIに沿って延在する矩形の一部であり得るように、(
図6aでは視覚化されていないが)間隙によって中断され得ることに留意されたい。それとは対照的に、
図6bは、中心部分11への移行部の近くの位置における歯の断面、すなわち歯元における歯の断面を描いており、鋭利な切断縁部を有し、内側切断要素5に面する実質的に凹状の表面を示し、内側切断要素5から離れて面する平面側、すなわち皮膚に面する側、
図6bでは下側は滑らかで平坦である。加えて、
図8aに示されるように、歯6は、既知のトリマー又はかみそりの典型的に丸みを帯びた歯先(
図8b)と比較して平坦な歯先を有する。
【0046】
従来技術の切断装置システムと比較した外側切断歯の設計の効果は、切断装置システムの使用中に皮膚と接触する一対の外側切断装置の歯6を示す
図7a及び
図7bに示されている。楕円形の断面を有する既知の切断装置の歯6は、切断装置システムが動作中に皮膚と接触するように押圧されると、比較的大きい皮膚の隆起20(
図7b)を引き起こすが、本発明による実質的に矩形の設計(
図7a)では皮膚の隆起20はより小さく、より均一に分布される。
【0047】
比較的大きな皮膚の隆起20が歯6の間の開口スロットに入り、したがって移動する内側切断装置要素5(
図7a、
図7bには図示せず)に接触する可能性があるリスクは、既知の設計では著しく高いことが明らかである。これは、皮膚の隆起20の摩耗をもたらす結果となり得る。それとは対照的に、矩形の歯先の平坦な皮膚接触面は、皮膚の隆起20の均一な分布に起因して、このリスクを低減する。この結果、皮膚の刺激が少なく、皮膚の快適さが増す。
【0048】
一例では、
図5bに示されるような外側切断要素4の歯6は、歯先から0.2mm離れた位置において405+/-25μmの幅を有し得る。2つの隣接する歯6の間のピッチは730μmであってよく、これにより歯幅と隣接する歯間の開口スロットとの間の比は約4:3となる。これにより、歯先が毛包に入り込むことが防止される。
【0049】
図5f及び
図6aに示されるようなC字形状の切断要素の断面で見たときに、櫛状切断歯6の厚さは、切断要素の中心区分及び/又は折れたフランジを形成する材料の厚さの300%未満~250%未満であってもよい。
図6aでは、歯6の厚さは、歯の垂直寸法であり、歯先の高さに対応する。例えば、C字形の切断要素4が0.15mmのシート厚を有するシート状材料から作製される場合、歯は、0.5mm未満及び/又は例えば0.2mm又は0.24mm又は0.3mm~0.5mm、例えば0.35mm~0.45mmの範囲の厚さを有することができる。
【0050】
C字形状の切断要素4は、実質的に一定の厚さを有するシート材料から作製されてもよい。例えば、折れたフランジ10は、中心区分11と同じ材料厚を有してもよい。断面で見たとき、櫛状切断歯の当該歯先は、0.25mm未満の曲率半径を有してもよい。例えば、C字形切断要素は、金属シートから、特にばね鋼シートから形成されてもよく、500N/mm2超又は750N/mm2超の引張強度を有するばね鋼が使用されてもよい。
【0051】
図6aの例に示されるように、歯先は、縁部において小さな半径で皮膚に接触する平坦な線12を有するべきであり、一方、歯元は、鋭利な切断縁部を有するべきである。小さな半径は、金属ストリップをエッチングし、曲げることによって生成されてもよい。それぞれの歯6の歯先から開始して歯元まで、歯は、両面エッチングによって製造される。この領域では切断事象が存在しないので、歯6の断面は、縁部において小さな半径を有する正方形であり得る。歯6の歯元から開始して歯先まで、歯は、切断のための鋭利な縁部を生成するために片面エッチングによって製造される。
【0052】
参照番号
1 かみそり/トリマー
2 切断装置ヘッド
3 切断装置システム
4 (固定)外側切断要素
5 (可動)内側切断要素
6 外側切断歯
7 内側切断歯
8 穿孔
9 穿孔
10 フランジ/縁部
11 中心部分/皮膚接触面
12 直線セグメント
20 皮膚の隆起
100 ハンドル
101 バッテリ
102 制御ユニット
103 電気駆動モータ
104 駆動系
I 第1の軸
II 第2の軸
III 第3の軸
IV 第4の軸
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気かみそり又はトリマーのための切断装置システムであって、2列の櫛状の外側切断歯を有する切断要素であって一対の協働する切断要素を形成する内側切断要素及び外側切断要素を備え、前記2列の櫛状の外側切断歯の各々が、歯先と、第1の軸(I)に平行に延在する長手方向延長部とを有し、櫛状の外側切断歯の両方の列の前記歯先は、互いに反対側を向いており、それらの歯の間に開口スロットが設けられており、前記内側切断要素及び前記外側切断要素は、互いに対して移動可能に支持されており、それによって櫛状の外側切断歯の前記列は、前記第1の軸(I)に沿って前記歯先から0.2mm離れた位置において、前記第1の軸(I)に垂直な方向の歯幅と、それらの隣接する歯のうちの2つの間の開口スロットの幅との間に1.0~2.0の比を有し、前記外側切断歯は、前記第1の軸(I)に沿って前記歯先から0.2mm離れた位置において、且つ前記第1の軸(I)に垂直な断面において、丸みを帯びた縁部を有する実質的に矩形状に形成される、電気かみそり又はトリマーのための切断装置システム。
【請求項2】
櫛状の外側切断歯の前記少なくとも1つの列は、前記歯先から0.2mm離れた位置において、前記第1の軸(I)に垂直な方向の歯幅と、2つの隣接する歯の間の開口スロットの幅との間に、1.05から1.5、好ましくは1.085から1.433、好ましくは約1.333の比を有する、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項3】
前記外側切断歯は、前記歯先から0.2mm離れた位置において、405+/-50μm、好ましくは405+/-25μmの幅を有する、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項4】
前記外側切断歯は、前記歯先から0.2mm離れた位置において、1つの歯先の中間から前記隣接する歯先の中間までの2つの隣接する歯の間のピッチを有し、前記ピッチが730+/-50μm、好ましくは730+/-25μmである、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項5】
前記外側切断歯はU字形である、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項6】
前記外側切断歯は、前記第1の軸(I)に垂直な断面において、前記U字形の歯先を形成するように互いに背中合わせに折り畳まれる隣接する部分を含む、請求項5に記載の切断装置システム。
【請求項7】
前記外側切断歯は、前記内側切断要素から離れて面する側に、滑らかな平坦面を有する、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項8】
前記外側切断歯の歯先の前記丸みを帯びた縁部は、120μm~225μm、例えば210μm又は200μmの半径を有する、及び/又は前記歯先は、曲げることによって作られ、前記半径は曲げ半径である、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項9】
前記歯は、少なくとも前記歯先において、断面で見たときに、1mm未満又は0.5mm未満の厚さを有する、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項10】
前記外側切断歯は、前記内側切断要素から離れて面する側に滑らかな平坦面を有する歯の根本であって、前記内側切断要素に面する側に、前記内側切断要素から離れて面する側と共に鋭利な切断縁部を形成する凹面を有する歯の根本を備える、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項11】
前記歯先は両面エッチングによって形成され、前記歯の根本は、片面エッチングによって形成される、請求項10に記載の切断装置システム。
【請求項12】
請求項
1に従って構成されている切断装置システムを備える、電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項13】
前記切断装置システムは、ハンドル部分に対して旋回するように支持される、請求項12に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項14】
電気かみそり及び/又はトリマー(1)のための切断装置システムであって、2列の櫛状の外側切断歯(6)を有する切断要素(4、5)であって一対の協働する切断要素(4、5)を形成する内側切断要素(5)及び外側切断要素(4)を備え、前記2列の櫛状の外側切断歯(6)の各々が、歯先と、第1の軸(I)に平行に延在する長手方向延長部とを有し、前記第1の軸(I)に垂直な第2の軸(II)は、前記外側切断要素(4)に対する前記内側切断要素(5)の移動方向を規定し、第4の軸(IV)は、前記第1の軸及び前記第2の軸(I,II)の両方に対して垂直に延在して高さ方向に延在しており、櫛状の外側切断歯の両方の列の前記外側歯(6)の前記歯先は、互いに対して反対側を向いており、前記外側歯(6)の前記歯先は、軸(II)に平行な0.15mmより大きい長さを有する直線セグメント(12)を備えるように平坦に成形される、電気かみそり及び/又はトリマー(1)のための切断装置システム。
【請求項15】
前記直線セグメント(12)の長さは、0.2mmより大きいが、0.4又は0.5mmより小さい、請求項14に記載の切断装置システム。
【請求項16】
請求項1~13に記載の特徴のうちの少なくとも1つを特徴とする、請求項1
4に記載の切断装置システム。
【国際調査報告】