(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】自動RFID器具カップリング
(51)【国際特許分類】
A61C 1/08 20060101AFI20240709BHJP
A61M 11/00 20060101ALI20240709BHJP
A61C 17/00 20060101ALI20240709BHJP
A61C 1/07 20060101ALI20240709BHJP
A61C 5/42 20170101ALI20240709BHJP
A61B 17/16 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61C1/08
A61M11/00 Z
A61C17/00
A61C1/07 A
A61C5/42
A61B17/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502224
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2022069312
(87)【国際公開番号】W WO2023285375
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021118412.6
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク レンツェンヒューバー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ バーク
【テーマコード(参考)】
4C052
4C160
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052BB01
4C052CC22
4C052CC27
4C052DD01
4C052NN04
4C052NN12
4C160FF41
(57)【要約】
医療器具は、シャフト領域において、トルク導入および軸方向における固定のためのシャフトジオメトリを有する器具シャフトを有する。トルク導入および軸方向における固定のためのシャフトジオメトリ(13)は、器具シャフト(11)の外側の側面の少なくとも1つのトラフ状のくぼみ(32)のみからなる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト領域に、トルク導入および軸方向における固定のためのシャフトジオメトリ(13)を有する器具シャフト(11)を備える医療器具(3)であって、
トルク導入および軸方向における固定のための前記シャフトジオメトリ(13)は、前記器具シャフト(11)の外側の側面の、1つのまたは複数のトラフ状のくぼみ(32)のみであることを特徴とする、
医療器具(3)。
【請求項2】
前記シャフトジオメトリ(13)が、前記器具(3)の円周上に均等に分布する複数のトラフ状のくぼみ(32)からなることを特徴とする、
請求項1に記載の器具(3)。
【請求項3】
前記器具(3)が、前記シャフトジオメトリ(13)の近位に配置された配向部(31)を含み、
前記配向部(31)が好ましくはピラミッド状のジオメトリを有することを特徴とする、
請求項1または2に記載の器具(3)。
【請求項4】
ピラミッドの側面(36)の数が、前記トラフ状のくぼみ(32)の数に対応することを特徴とする、
請求項3に記載の器具(3)。
【請求項5】
前記トラフ状のくぼみ(32)の数が、前記ピラミッドの側面(36)の数の整数倍であることを特徴とする、
請求項3に記載の器具(3)。
【請求項6】
前記器具(3)は、前記配向部(31)を含むスリーブ(9)内に配置される識別要素(27)を備えることを特徴とする、
請求項3から5のいずれか一項に記載の器具(3)。
【請求項7】
前記スリーブ(9)は、好ましくは1.4mm×8mmの識別要素(27)を受容するように設けられ構成された内部空間を有することを特徴とする、
請求項6に記載の器具(3)。
【請求項8】
前記配向部(31)が前記シャフトジオメトリ(13)に対して所定の方法で配向されていることを特徴とする、
請求項3から7のいずれか一項に記載の器具(3)。
【請求項9】
配向部(31)とシャフトジオメトリ(13)との間において、所定の配向が位置決め補助具(29)を介して固定されることを特徴とする、
請求項8に記載の器具(3)。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の少なくとも1つの器具(3)と、
駆動部(15)および器具チャックを有するハンドピース(1)とを備えた医療器具セットであって、
前記ハンドピース(1)が前記器具(3)を受容するように設けられ構成されており、
前記ハンドピース(1)はラッチおよび駆動ユニット(19)を備え、
前記ラッチおよび駆動ユニット(19)は前記器具(3)を前記ハンドピース(1)内に挿入された状態で軸方向において固定し、前記ラッチおよび駆動ユニット(19)を介して前記器具(3)に駆動トルクが伝達されることを特徴とする、
医療器具セット。
【請求項11】
前記ラッチおよび駆動ユニット(19)は、バレル(35)を備えることを特徴とする、
請求項10に記載の医療器具セット。
【請求項12】
前記ハンドピース(1)内の前記バレル(35)の数が、前記トラフ状のくぼみ(32)の数に対応することを特徴とする、
請求項11に記載の医療器具セット。
【請求項13】
前記ハンドピース(1)は、
前記配向部の負のジオメトリを有し、ラッチされた状態で前記器具(3)の前記配向部(31)を受容するように設けられ構成された従動要素(21)を含むことを特徴とする、
請求項9から12のいずれか一項に記載の医療器具セット。
【請求項14】
前記従動要素(21)は、
前記バレル(35)が前記トラフ状のくぼみ(32)に係合するように、前記器具(3)が前記ハンドピース(1)に挿入されたときに、前記器具(3)を所定の方法で配向する/位置決めすることを特徴とする、
請求項9から13のいずれか一項に記載の医療器具セット。
【請求項15】
前記ハンドピース(1)は、
識別ユニット(25)を備え、
前記識別ユニット(25)は前記ハンドピースの開口部の近位であって前記ハンドピース(1)の前記シャフト(5)内の前記ラッチおよび駆動ユニット(19)の遠位に構成され/取り付けられていることを特徴とする、
請求項9から14のいずれか一項に記載の医療器具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療/外科器具、特に、識別要素を介して識別可能な器具であって、軸方向の固定と器具へのトルク伝達の両方を可能にするシャフトジオメトリを備える器具に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の医療では、作業端を自動的に認識できる器具がすでに挿入されている状態である。作業端は器具の機能部分を表し、用途に応じて様々な形状にすることができる。本明細書で言及するタイプの器具には、医療分野で一般的に使用される器具、スプレーノズル、HFチップ、超音波ブレードなどが含まれる。
【0003】
このような作業端の認識は、器具に取り付けられたデジタル読み取り可能なデータ記憶装置を介して達成され、このデータ記憶装置は識別要素として機能し、器具または器具の作業端を識別することを可能にする。
【0004】
しかしながら、デジタル読み取り可能なデータ記憶装置を器具上/器具内に収容することは、業界にとって問題を投げかけている。医療器具は一般にコンパクトであり、繊細な設計にもかかわらず過酷な使用条件に耐えなければならない。しかし、デジタル読み取り可能なデータ記憶装置を器具内/器具上に取り付けると、器具の構造が弱くなり、器具に切り欠き応力が発生する可能性がある。これに対抗するため、器具、特に器具のトルク伝達部分はより頑丈に作られており、その結果、器具の寸法が大きくなり、器具が扱いにくくなる。
【0005】
したがって、デジタル読み取り可能なデータ記憶装置/識別要素を器具上/器具内に収容しながら、器具のコンパクト/繊細な設計にもかかわらず、大きなトルクを力が印加される部位/シャフトジオメトリから作業端に伝達することができる方法が必要となっている。
【0006】
この目的は、請求項1に記載の器具および請求項9に記載の器具セットによって解決される。有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0007】
本開示は、シャフト領域における、トルク導入および軸方向における固定のためのシャフトジオメトリを有する器具シャフトを備える医療器具を記載する。トルク導入および軸方向における固定のためのこのシャフトジオメトリは、器具シャフトの外側の側面における少なくとも1つ(または複数)のトラフ状またはバスタブ状のへこみ/くぼみ/ラッチング(係止)隆起のみからなる。
【0008】
換言すれば、本開示の器具は、器具シャフト上または器具シャフトに沿ってシャフト領域を有し、シャフト領域は、トルクが器具に伝達されることと器具が軸方向に固定されることの両方を可能にするシャフトジオメトリを備える。本発明によれば、これは、シャフト領域における器具シャフトの表面における少なくとも1つのトラフ状のくぼみを介してのみ/排他的に達成される。
【0009】
したがって、本開示の核心は、トルク伝達と器具の軸方向における固定との両方が、器具シャフトの側面における少なくとも1つのトラフ状のへこみを介してのみ確保されることである。したがって、これら2つの機能は、シャフト長手方向に離間した2つのシャフト領域/機能部に分割されない。
【0010】
軸方向固定とトルク伝達を1つの(単一の)ジオメトリにまとめることで、器具をよりコンパクトにしながらも、シャフトジオメトリの形でトルク導入部位から作業端まで高いトルク伝達を確保することができる。さらに、シャフトジオメトリのトラフ状ジオメトリは、器具シャフトの切り欠き応力を防止し、器具シャフトのねじり剛性を高める。
【0011】
第一の好ましい態様において、器具のシャフトジオメトリは、器具の円周上に均等に分布する複数のトラフ状のへこみ/ラッチング隆起からなる。
【0012】
言い換えれば、シャフトジオメトリは、器具シャフトの径方向の一部に沿って1つより多いトラフ状のへこみを有し、各トラフ状のへこみは、隣接するトラフ状のへこみから径方向に同じ角度距離を有する。
【0013】
さらに言い換えれば、各トラフ状のへこみからその隣のトラフ状のへこみまでの周方向の距離は、器具の円周全体にわたって一定である。
【0014】
器具の円周上に均等に分布する複数のトラフ状のへこみが、器具への駆動トルクの均一な導入を保証する。これにより、器具への負荷と器具サポートへの負荷が軽減される。
【0015】
換言すれば、好ましくはピラミッド状に構成される配向部は、シャフトジオメトリの器具の作業端とは反対側に設けられる。器具の中心軸上にあるピラミッドの先端は、作業端から最も離れた器具の点を形成する。
【0016】
さらに好ましい態様では、ピラミッドの側面の数は、トラフ状のへこみの数に対応する。
【0017】
換言すれば、器具の配向部のピラミッド側面の数は、器具のシャフトジオメトリのトラフ状のへこみの数と一致する。好ましくは、ピラミッドの側面の数とトラフ状のへこみの数は3である。
【0018】
さらに好ましい態様では、トラフ状のくぼみの数は、ピラミッドの側面の数の整数倍である。
【0019】
さらに好ましい態様では、器具は、配向部を含む(一体の)材料で作られるスリーブ内に配置される識別要素を備える。
【0020】
換言すれば、器具の近位部分において、好ましくは一体(の材料)で作られたスリーブが器具に取り付けられ、このスリーブは、識別要素を受容するように設けられ構成される。配向部はスリーブの近位前側に位置する。スリーブは、好ましくは、器具シャフトに圧力嵌合および/または形状嵌合で接続される。
【0021】
識別要素により、個々の器具を認識することができる。これにより、ハンドピースと組み合わせた個々の器具の実際の耐用年数を検出し、記録することができる。さらなるステップでは、器具の耐用年数を確実に決定することができる。さらに、器具関連の(使用)パラメータを識別要素に記憶させることができ、そのパラメータは好ましくは自動的に操作および制御ユニットに送られ、それから操作および制御ユニットは器具に必要な設定を自動的に行う。器具固有の識別のおかげで、使用ごとの支払いなど、新しいビジネスモデルも考えられる。
【0022】
また、各使用後に、器具の使用期間中に発生したすべての状況、例えば器具の許容速度を超えた場合などを識別素子に記憶させ、器具の故障時に原因調査を容易にすることも考えられる。識別要素は、好ましくは例えばNFCを介してアドレス指定可能なRFID素子である。
【0023】
別の好ましい態様では、スリーブは好ましくはプラスチック製であり、これにより識別要素の最良の応答性が保証される。あるいは、スリーブは金属製とし、識別要素の保護をさらに高める。それでありながら識別要素の良好な応答性を達成するために、スリーブにスリットが設けられ、このスリットは、任意に、鋳造化合物またはプラスチックインサートなどで封止される。
【0024】
さらに好ましい態様では、スリーブは、好ましくは1.4mm×8mmの識別要素を受容するように設けられ構成された内部空間を有する。
【0025】
言い換えれば、スリーブは、0.8mmから5mmの間の直径、好ましくは1.2mmから1.6mmの間の直径、特に1.4mmの直径を有する識別要素が、組み合わさった状態でスリーブによって囲まれた内部空間に配置されるように構成される。識別要素の長さは4mmから15mm、好ましくは6mmから10mm、特に8mmである。好ましくは、識別要素はスリーブの内部空間に遊びなく配置される。
【0026】
識別要素はスリーブ内に完全に収納されることが好ましく、その結果、環境の影響から保護される。同時に、識別要素を損傷する可能性のある駆動力に識別要素がさらされないことが保証される。このようなモジュール設計により、識別要素を低コストで器具に取り付けることが可能になる。
【0027】
さらに好ましい態様では、配向部は、シャフトジオメトリに対して所定の態様で配向される。
【0028】
言い換えれば、配向部の径方向の配向は、シャフトジオメトリの径方向の配向と一致する。
【0029】
言い換えれば、配向部のピラミッド領域の中心点は、対応するトラフ状のへこみの中心点と同じように径方向に配向している。
【0030】
さらに好ましい態様では、所定の配向は、配向部とシャフトジオメトリとの間において、所定の配向が位置決め補助具を介して固定される。
【0031】
言い換えれば、配向部とシャフトジオメトリとの間の配向は、好ましくはロックアンドキー原理またはピン原理に従って、位置決め補助具によって規定される。位置決め補助具は、操作者によるシャフトジオメトリに対する配向部の誤った取り付けを防止する。
【0032】
さらなる態様では、本発明による少なくとも1つの器具と、駆動部と器具チャックとを有するハンドピースとを備える医療器具セットであって、ハンドピースは器具チャック内に器具を受容するように設けられ構成されており、ハンドピースはラッチおよび駆動ユニットを備え、ラッチおよび駆動ユニットはハンドピース内に挿入された状態で器具を軸方向に固定し、ラッチおよび駆動ユニットを介して器具に駆動トルクが伝達されることを特徴とする、医療器具セットが提供される。
【0033】
換言すれば、本開示による少なくとも1つの器具およびハンドピースを備える医療器具セットが開示される。ハンドピースは、駆動部を備え、駆動部は、好ましくは、電気モータまたは圧縮空気タービンである。ハンドピースは、ラッチおよび駆動ユニットを備え、このラッチおよび駆動ユニットは、器具のシャフトジオメトリにラッチ(係止)するように設けられ、構成される。ラッチされた状態において、器具は、ラッチおよび駆動ユニットを介して軸方向に固定され、駆動部によって発生されたトルクは、ラッチおよび駆動ユニットを介して器具に伝達される。
【0034】
さらに好ましい態様では、医療器具セットハンドピースのラッチおよび駆動ユニットは、バレル(たる)を備える。
【0035】
言い換えれば、ラッチおよび駆動ユニットは、器具のシャフトジオメトリにラッチするラッチ要素/バレルを備え、それを介してトルクが伝達され、器具が器具内で軸方向に固定される。トラフ状のくぼみにおけるバレルの面的な支持により、高いトルクをラッチおよび駆動ユニットから器具に伝達することができる。バレルは好ましくはセラミック材料から作られる。これにより、トラフ状のくぼみにおけるバレルの係合深さが小さくても、良好なトルク伝達が可能になる。
【0036】
さらなる好ましい態様において、医療器具セットのハンドピースのバレルの数は、トラフ状のくぼみの数に対応する。
【0037】
言い換えれば、ハンドピースのラッチおよび駆動ユニットと器具は、ラッチおよび駆動ユニットの各バレルが器具のシャフトジオメトリのトラフ状のくぼみの1つにラッチされるように適合されている。これにより、ラッチおよび駆動ユニットから器具への均一なトルク伝達が保証される。
【0038】
さらなる好ましい態様において、医療器具セットのハンドピースは、配向部の負のジオメトリを有し、ラッチされた状態で器具の配向部を受容するように設けられ構成された従動要素を含む。
【0039】
換言すれば、医療器具セットのハンドピースは、ばねを介して遠位方向にばね力を受ける従動要素を備えている。遠位前側において、従動要素は、器具の配向部の負のジオメトリに対応するジオメトリを有し、配向部と共に器具を保持する。
【0040】
さらなる好ましい態様において、医療器具セットのハンドピースの従動要素は、器具がハンドピースに挿入されるとき、従動要素が、バレルがトラフ状のくぼみに係合するように、器具を所定の方法で配向する/位置決めするように構成される。
【0041】
言い換えれば、器具がハンドピースに挿入されると、器具の配向部が従動要素の負のジオメトリ内にスライドして入る。従動要素は、器具が従動要素内の配向部と共に横たわるとき、シャフトジオメトリのトラフ状のくぼみが、ハンドピースのラッチおよび駆動ユニットのバレルに従って径方向に配向されるような方法で、径方向に回転できないように、径方向に位置決めされるようにハンドピースに取り付けられる。
【0042】
言い換えれば、従動要素は、器具のトラフ状のくぼみが、係合する前に、ハンドピースのラッチおよび駆動ユニットのバレルと径方向に一致して配向されるようにする。
【0043】
ラッチイン前に器具またはシャフトジオメトリをラッチおよび駆動ユニットに対して径方向に正しく配向させることで、器具を完全にラッチインさせることができ、器具またはハンドピースの損傷を防ぐことができる。さらに、器具とハンドピースの径方向の配向を調整する必要がないため、操作者の快適性が向上する。
【0044】
別の好ましい態様において、医療器具セットのハンドピースは、識別ユニットを含み、識別ユニットは、ハンドピースの開口部の近位であってハンドピースのシャフト内のラッチおよび駆動ユニットの遠位に構成されて/取り付けられている。
【0045】
換言すれば、識別ユニットは、ハンドピースのシャフトに構成され、器具が挿入されると、器具の識別要素に記憶されたデータを読み出す。識別ユニットは、ハンドピースのシャフトにおける器具の軸受ポイントの間に構成される。
【0046】
さらに言い換えると、識別ユニットは、ハンドピースの遠位部に構成され、好ましくは、器具をハンドピースに挿入している途中に、識別要素に記憶されたデータを検出する。
【0047】
さらに、識別ユニットは、器具がハンドピースから引き抜かれたときに、識別要素にデータを書き込むように構成されていてもよい。
【0048】
識別ユニットは、器具がハンドピースにラッチされている全期間中に識別要素を読みだし、それに書きこみできるような方法でハンドピースに配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
添付図面を参照しながら、本開示をより詳細に説明する。
【
図1】本発明による器具とハンドピースを備えた医療器具セットを、器具がハンドピースに挿入されていない状態で表す図。
【
図2】本発明による器具とハンドピースとを備えた医療器具セットの、器具がハンドピースに挿入された状態における断面を表す図。
【
図3】配向部を備える第1の実施形態のスリーブ内のシャフトジオメトリおよび識別要素を備える本発明による器具を表す図。
【
図4】器具がハンドピースに挿入され、器具の配向部がハンドピースの従動要素に接触していない状態における、本発明による器具およびハンドピースの断面を表す図。
【
図5】器具がハンドピースに挿入され、器具の配向部がハンドピースの従動要素に接触している状態における、本発明による器具およびハンドピースの断面を表す図。
【
図6】器具がハンドピースに挿入され、器具の配向部がハンドピースの従動要素に接触している状態における、本発明による器具およびハンドピースの断面図の拡大図を表す図。
【
図7】ハンドピースに器具がラッチされた状態における、本発明による器具のシャフトジオメトリ、識別要素および配向部を有するスリーブの断面図を表す図。
【
図8】本発明による器具とハンドピースがラッチされた状態の断面図を表す図。
【
図9】従動要素を通る断面を有するハンドピースの前面図を表す図。
【
図10】バレルを通る断面を有するハンドピースのさらなる前面図を表す図。
【
図11】器具シャフトに接続されたスリーブの第2の実施形態を表す図。
【
図12】器具シャフトに接続されたスリーブの第3の実施形態を表す図。
【0050】
以下では、本開示の構成例を関連する図に基づいて説明する。図において、同一の参照符号は、同一または少なくとも同等の部品および構成要素を示す。この限りにおいて、このような部品および構成要素について冗長な説明を繰り返すことは好都合に省かれる。
【0051】
図1は、ハンドピース1と、ハンドピース1のシャフト5に挿入されるように設けられ構成された、本発明による器具3とを備えた医療器具セットを示す。器具3は、器具3の実際の機能(例えば、切削、穴あけ、研削または平滑化など)を形成する遠位作業端7を有する。作業端7とは反対側の器具3の近位側には、(別個に製造された)スリーブ9が設けられており、このスリーブは、器具シャフト11に圧力嵌合および/または形状嵌合されているおよび/または強固に接着されている。器具シャフト11は、遠位作業端7と近位のスリーブ9とを接続し、好ましくは、作業端7と一体に、詳細には一体の材料で構成される。シャフトジオメトリ13(径方向外側に露出している)が器具シャフト11上に構成されている。
【0052】
図2は、ハンドピース1と本発明による器具3とを備えた医療器具セットの、器具3がハンドピース1に挿入/ラッチされた状態の断面を示す。
【0053】
本ケースでは、ハンドピース1は、器具1を(回転的に)駆動するように設けられ構成された駆動部15を含む。駆動部15は、好ましくは、例えば圧縮空気によって駆動されるタービンとして、または電気モータとして構成される。駆動部15は、好ましくは転がり軸受または滑り軸受に取り付けられた駆動軸17に駆動トルクを作用させる。駆動部15とは反対側の駆動シャフト17の端部には、ラッチおよび駆動ユニット19(器具ホルダチャック)が構成されている。
【0054】
好ましくは、従動要素21がラッチおよび駆動ユニット19内に構成され、このラッチおよび駆動ユニット19は、ばね23によって駆動軸17の方向にばね力を受ける。従動要素21は、好ましくは、その長手方向軸を中心としてねじれ/回転しないように、ラッチおよび駆動ユニット19に取り付けられる。器具3のシャフトジオメトリ13は、駆動部15の駆動トルクが器具3に伝達されるように、ハンドピース1のラッチおよび駆動ユニット19にラッチされる。ラッチされた状態において、器具3は、器具3がシャフト5内でその長手方向軸を中心に低損失で回転できるように、軸受24を介してシャフト5に取り付けられている。好ましくは、識別ユニット25が軸受24間でシャフト内に構成される。器具3がハンドピース1のシャフト5に挿入されるとき、識別ユニット25は、好ましくはスリーブ9内に構成/収容される識別要素27を介して器具3を識別する。
【0055】
識別要素27は、好ましくは、無線で読み取り可能および/または書き込み可能な記憶ユニットとして構成され、器具または器具の作業端の認識を確実にする情報を記憶する。さらに、ユーザによって定義されたさらなるデータおよび情報を記憶ユニットに記憶させることができる。好ましくは、物品番号、器具のグラフィック表示、LOT仕様、推奨使用期限、使用パラメータなどのような、用途関連および/または工程関連データが記憶ユニットに記憶される。
【0056】
識別要素27は、好ましくは、Bluetoothおよび/またはNFCなどを介して無線で読み取りおよび/または書き込むことができる。
【0057】
図3は、本発明による器具3の様々な図と断面を示している。したがって、器具は、遠位作業端7、シャフトジオメトリ13を有する器具シャフト11、近位スリーブ9、およびスリーブ9内の識別要素27、ならびに好ましくはスリーブ9の近位端部においてスリーブ9に配置/一体化される付加的な(回転位置合わせ)位置決め補助具31を含む。最後に、それぞれの配向プロファイル29が、器具シャフト11の近位端部およびスリーブの遠位端部に配置/構成され、互いに作動的に係合することができ、それにより、スリーブ9が器具シャフト11に取り付けられたとき、スリーブ9は器具シャフト11に対して所定の相対回転位置をとり、したがって、近位(回転位置合わせ)位置決め補助具または配向部31も器具シャフト11に対して所定の相対回転位置をとる。
【0058】
すでに上記したように、作業端7は器具シャフト11と好ましくは一体に構成される。
【0059】
シャフトジオメトリ13は、器具シャフト11の側面に構成されている。シャフトジオメトリ13は、器具3に導入されるトルクを、ハンドピース1のラッチおよび駆動ユニット19を介して伝達すると同時に、ハンドピース1内で器具3を軸方向に固定するために設けられ構成される。本開示によれば、シャフトジオメトリ13は、器具シャフト11の側面におけるトラフ状またはバスタブ状のへこみ/くぼみ32として構成される。好ましくは、シャフトジオメトリ13は、器具3の円周上に均等に分布した複数のトラフ状のくぼみ32として構成される。
【0060】
スリーブ9はシャフトジオメトリ13の近位に設けられるか、または構成される。スリーブ9は、好ましくは、器具シャフト11に接着、超音波溶接、収縮嵌合、はんだ付けまたは圧入される。スリーブ9の作業端7に背を向けた(近位の)前側は、位置決め補助具(配向部)31を形成し、好ましくは、ピラミッドの形状に構成され、ピラミッドの先端34は、器具の中心軸上にあり、ピラミッドの側面36は、ピラミッドの各側面36がトラフ状のくぼみ32の1つに面するように径方向に位置合わせされる。
【0061】
シャフトジオメトリ13に対する配向部31のこの所定の/位置的に正しい配向は、位置決め補助具29によって決定される。位置決め補助具29は、好ましくは、ピン33として、またはスリーブ9上のピンとして構成され、このピンは、器具シャフト11またはシャフトジオメトリ13の対応する負の形状に嵌合し、その結果、スリーブ9および配向部31をシャフトジオメトリ13に対して径方向に正しい位置に配向させる。
【0062】
スリーブ9は、識別要素27を収容するように設けられ、構成されている。好ましくは、識別要素27は器具シャフト11よりも小さい直径を有する。詳細には、識別要素27の直径は、好ましくは1.4mm以下である。さらに、識別要素27の軸方向長さは、好ましくは8mmである。好ましくは、スリーブ9は、スリーブ9と器具シャフト11とが接続された状態において、識別要素27がスリーブ9内に形状嵌合的に固定されるように構成される。
【0063】
ハンドピース1への器具3の挿入については、
図4から
図8を参照して後述する。
【0064】
図4は、シャフトジオメトリ13がラッチおよび駆動ユニット19と位置的に正しく位置合わせされていない方法で器具3がハンドピース1のシャフト5に挿入された状態の医療器具セットを通る断面を示す。言い換えれば、シャフトジオメトリ13のトラフ状のくぼみが、ラッチおよび駆動ユニット19のラッチ要素/バレル35と径方向に位置合わせされていない方法で、器具3が配向されている。配向部31は従動要素21と接触していない。従動要素21は、器具3に面する前側に配向ジオメトリ38を有し、これは配向部31の負のジオメトリに対応する。この配向ジオメトリ38は、軸方向に回転できないように位置合わせされており、配向ジオメトリ38の表面は、ラッチおよび駆動ユニット19のラッチ要素/バレル35の径方向の配置に対応している。
【0065】
換言すれば、従動要素21の配向ジオメトリ38は、キーロック原理における器具3の配向部31のピラミッド形状に一致する負のピラミッド形状である。負のピラミッド形状の側面は、その配向がラッチおよび駆動ユニット19のラッチ要素/バレル35の径方向の配向に対応するように、径方向に位置合わせされている。
【0066】
器具3がハンドピース1のシャフト5に挿入される間、スリーブ9に配置された識別要素27は、シャフトに配置された識別ユニット25を通過し、識別ユニット25は、識別要素27に記憶された情報を無線で読み出す。
【0067】
図5は、器具3が
図4よりもハンドピース1のシャフト5内にわずかに奥に挿入された状態における医療器具セットの断面を示す。挿入中、配向部31は、その前側で従動要素21に接触する。従動要素21は、回転しないように径方向に固定されるように構成されているので、配向部31のピラミッドの側面が、従動要素21の配向ジオメトリ38の負のピラミッドの側面と径方向に位置合わせされるまで、器具はその長手方向軸周りに回転する。このとき、器具の配向部31と従動要素21の配向ジオメトリ38は面接触し、シャフトジオメトリ13のトラフ状のくぼみ32は、ラッチおよび駆動ユニット19のラッチ要素/バレル35の径方向の配置に従って径方向に位置合わせされる。
【0068】
図6は、器具3が
図5よりもハンドピース1のシャフト5内にわずかに奥に挿入された状態における医療器具セットを通る断面を示す。従動要素21に駆動シャフト17の方向にばね力を加えるばね23は、シャフト5への器具3の挿入によって操作者によって圧縮される。
【0069】
図7は、器具3が、ラッチされる程度にハンドピース1のシャフト5に挿入された状態における医療器具セットを通る断面を示す。換言すれば、ラッチおよび駆動ユニット19のラッチ要素/バレル35が、ラッチされた状態で器具3のシャフトジオメトリ13のトラフ状のくぼみ32のそれぞれに位置している。器具3のシャフトジオメトリ13におけるハンドピースのラッチおよび駆動ユニット19の係合により、ハンドピース1の駆動部15から器具3へのトルク導入、およびハンドピース1における器具3の軸方向の固定が実施される。
【0070】
図8はまた、器具3がハンドピース1にラッチされた状態の医療器具セットを通る断面を示す。ばね23は圧縮され、器具は軸受24内で器具の中心軸の周りに回転可能である。
【0071】
図9は、ハンドピース1の前面図であり、特に従動要素21とラッチおよび駆動ユニット19との間の回転防止装置を示すために、従動要素21が切断されて示されている。
【0072】
図10は、ハンドピース1の前面図も示している。ラッチおよび駆動ユニット19のラッチ要素/バレル35がシャフトジオメトリ13のトラフ状のくぼみ32にどのように係合するかを示す断面が明示されている。駆動トルクは、ラッチ要素/バレル35を介して、特にシャフトジオメトリ13のトラフ状のくぼみ32の側腹部に伝達される。
【0073】
図11は、スリーブ9の器具シャフト11への取り付けの代替実施形態を示す。スリーブ9の開口部において、スリーブ9はスリーブ9の中心軸に向いたラッチ輪郭37を有し、このラッチ輪郭37は組み合わさった状態で器具シャフト11の好ましくは周方向の切り込み39に係合する。この実施形態では、好ましくは所定の配向もピン33を介して確保される。
【0074】
あるいは、非対称切り込み39とそれに対応して非対称に構成されたラッチ輪郭37を使用して、器具シャフト11に対するスリーブ9の所定の配向を定めることもできる。
【0075】
図12は、スリーブ9のさらなる代替実施形態を示している。この実施形態では、スリーブ9は好ましくは金属製であり、スリーブ9の円周上に径方向に分布するスリット41を有する。スリット41は、識別素子27の良好な応答性を確保するために、好ましくは鋳造化合物またはプラスチックインサートで封止される。好ましくは、スリーブ9のスリット41の数は1から10の間、特に好ましくは1から3の間である。
【符号の説明】
【0076】
1:ハンドピース、
3:器具、
5:シャフト、
7:作業端、
9:スリーブ、
11:器具シャフト、
13:シャフトジオメトリ、
15:駆動部、
17:駆動シャフト、
19:ラッチおよび駆動ユニット、
21:従動要素、
23:ばね、
24:軸受、
25:識別ユニット、
27:識別要素、
29:位置決め補助具、
31:配向部、
32:トラフ状のくぼみ、
33:ピン、
34:ピラミッド状配向部の先端、
35:ラッチ要素/バレル、
36:ピラミッド状配向部の側面、
37:ラッチ輪郭、
38:配向ジオメトリ、
39:切り込み、
41:スリット
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト領域に、トルク導入および軸方向における固定のためのシャフトジオメト
リを有する器具シャフ
トを備える医療器
具であって、
トルク導入および軸方向における固定のための前記シャフトジオメト
リは、前記器具シャフ
トの外側の側面の、1つのまたは複数のトラフ状のくぼ
みのみであ
り、前記器具が、前記シャフトジオメトリの近位に配置された配向部を含み、前記器具は、前記配向部を含むスリーブ内に配置される識別要素を備えることを特徴とする、
医療器
具。
【請求項2】
前記シャフトジオメト
リが、前記器
具の円周上に均等に分布する複数のトラフ状のくぼ
みからなることを特徴とする、
請求項1に記載の器
具。
【請求項3】
前記配向
部がピラミッド状のジオメトリを有することを特徴とする、
請求項
1に記載の器
具。
【請求項4】
前記トラフ状のくぼみの数が、前記ピラミッドの側面の数の整数倍であり、ピラミッドの側
面の数が、前記トラフ状のくぼ
みの数に対応することを特徴とする、
請求項3に記載の器
具。
【請求項5】
前記スリー
ブは、識別要
素を受容するように設けられ構成された内部空間を有することを特徴とする、
請求項
1に記載の器
具。
【請求項6】
前記スリーブは、一体成型されていることを特徴とする、
請求項1に記載の器具。
【請求項7】
前記スリーブは、前記器具シャフトに摩擦的に及び/又は確実に接続されている、
請求項1に記載の器具。
【請求項8】
前記配向部が前記シャフトジオメトリに対して所定の方法で配向さ
れ、配向部とシャフトジオメトリとの間において、所定の配向が位置決め補助具を介して固定されることを特徴とする、
請求項
3に記載の器
具。
【請求項9】
前記スリーブは、プラスチック製であるか又は前記スリーブにスロットが設けられている、
請求項
1に記載の器
具。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの器
具と、
駆動
部および器具チャックを有するハンドピー
スと、を備えた医療器具セットであって、
前記ハンドピー
スが前記器
具を受容するように設けられ構成されており、
前記ハンドピー
スはラッチおよび駆動ユニッ
トを備え、
前記ラッチおよび駆動ユニッ
トは前記器
具を前記ハンドピー
ス内に挿入された状態で軸方向において固定し、前記ラッチおよび駆動ユニッ
トを介して前記器
具に駆動トルクが伝達されることを特徴とする、
医療器具セット。
【請求項11】
前記ラッチおよび駆動ユニッ
トは、バレ
ルを備えることを特徴とする、
請求項10に記載の医療器具セット。
【請求項12】
前記ハンドピー
ス内の前記バレ
ルの数が、前記トラフ状のくぼ
みの数に対応することを特徴とする、
請求項11に記載の医療器具セット。
【請求項13】
前記ハンドピー
スは、
前記配向部の負のジオメトリを有し、ラッチされた状態で前記器
具の前記配向
部を受容するように設けられ構成された従動要
素を含むことを特徴とする、
請求
項10に記載の医療器具セット。
【請求項14】
前記従動要
素は、
前記バレ
ルが前記トラフ状のくぼ
みに係合するように、前記器
具が前記ハンドピー
スに挿入されたときに、前記器
具を所定の方法で配向する/位置決めすることを特徴とする、
請求
項13に記載の医療器具セット。
【請求項15】
前記ハンドピー
スは、
識別ユニッ
トを備え、
前記識別ユニッ
トは前記ハンドピースの開口部の近位であって前記ハンドピー
スの前記シャフ
ト内の前記ラッチおよび駆動ユニッ
トの遠位に構成され/取り付けられていることを特徴とする、
請求項
10から14のいずれか一項に記載の医療器具セット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
図12は、スリーブ9のさらなる代替実施形態を示している。この実施形態では、スリーブ9は好ましくは金属製であり、スリーブ9の円周上に径方向に分布するスリット41を有する。スリット41は、識別素子27の良好な応答性を確保するために、好ましくは鋳造化合物またはプラスチックインサートで封止される。好ましくは、スリーブ9のスリット41の数は1から10の間、特に好ましくは1から3の間である。
下記する項目は、出願当初の特許請求の範囲に記載されていた項目である。
(項目1)
シャフト領域に、トルク導入および軸方向における固定のためのシャフトジオメトリ(13)を有する器具シャフト(11)を備える医療器具(3)であって、
トルク導入および軸方向における固定のための前記シャフトジオメトリ(13)は、前記器具シャフト(11)の外側の側面の、1つのまたは複数のトラフ状のくぼみ(32)のみであることを特徴とする、
医療器具(3)。
(項目2)
前記シャフトジオメトリ(13)が、前記器具(3)の円周上に均等に分布する複数のトラフ状のくぼみ(32)からなることを特徴とする、
項目1に記載の器具(3)。
(項目3)
前記器具(3)が、前記シャフトジオメトリ(13)の近位に配置された配向部(31)を含み、
前記配向部(31)が好ましくはピラミッド状のジオメトリを有することを特徴とする、
項目1または2に記載の器具(3)。
(項目4)
ピラミッドの側面(36)の数が、前記トラフ状のくぼみ(32)の数に対応することを特徴とする、
項目3に記載の器具(3)。
(項目5)
前記トラフ状のくぼみ(32)の数が、前記ピラミッドの側面(36)の数の整数倍であることを特徴とする、
項目3に記載の器具(3)。
(項目6)
前記器具(3)は、前記配向部(31)を含むスリーブ(9)内に配置される識別要素(27)を備えることを特徴とする、
項目3から5のいずれか一項に記載の器具(3)。
(項目7)
前記スリーブ(9)は、好ましくは1.4mm×8mmの識別要素(27)を受容するように設けられ構成された内部空間を有することを特徴とする、
項目6に記載の器具(3)。
(項目8)
前記配向部(31)が前記シャフトジオメトリ(13)に対して所定の方法で配向されていることを特徴とする、
項目3から7のいずれか一項に記載の器具(3)。
(項目9)
配向部(31)とシャフトジオメトリ(13)との間において、所定の配向が位置決め補助具(29)を介して固定されることを特徴とする、
項目8に記載の器具(3)。
(項目10)
項目1から8のいずれか一項に記載の少なくとも1つの器具(3)と、
駆動部(15)および器具チャックを有するハンドピース(1)とを備えた医療器具セットであって、
前記ハンドピース(1)が前記器具(3)を受容するように設けられ構成されており、
前記ハンドピース(1)はラッチおよび駆動ユニット(19)を備え、
前記ラッチおよび駆動ユニット(19)は前記器具(3)を前記ハンドピース(1)内に挿入された状態で軸方向において固定し、前記ラッチおよび駆動ユニット(19)を介して前記器具(3)に駆動トルクが伝達されることを特徴とする、
医療器具セット。
(項目11)
前記ラッチおよび駆動ユニット(19)は、バレル(35)を備えることを特徴とする、
項目10に記載の医療器具セット。
(項目12)
前記ハンドピース(1)内の前記バレル(35)の数が、前記トラフ状のくぼみ(32)の数に対応することを特徴とする、
項目11に記載の医療器具セット。
(項目13)
前記ハンドピース(1)は、
前記配向部の負のジオメトリを有し、ラッチされた状態で前記器具(3)の前記配向部(31)を受容するように設けられ構成された従動要素(21)を含むことを特徴とする、
項目9から12のいずれか一項に記載の医療器具セット。
(項目14)
前記従動要素(21)は、
前記バレル(35)が前記トラフ状のくぼみ(32)に係合するように、前記器具(3)が前記ハンドピース(1)に挿入されたときに、前記器具(3)を所定の方法で配向する/位置決めすることを特徴とする、
項目9から13のいずれか一項に記載の医療器具セット。
(項目15)
前記ハンドピース(1)は、
識別ユニット(25)を備え、
前記識別ユニット(25)は前記ハンドピースの開口部の近位であって前記ハンドピース(1)の前記シャフト(5)内の前記ラッチおよび駆動ユニット(19)の遠位に構成され/取り付けられていることを特徴とする、
項目9から14のいずれか一項に記載の医療器具セット。
【国際調査報告】