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特表2024-526364コラム曲げモーメント自己適応バランス機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】コラム曲げモーメント自己適応バランス機構
(51)【国際特許分類】
   E21B 19/02 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
E21B19/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503773
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 CN2022129172
(87)【国際公開番号】W WO2023124510
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111633140.9
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522360781
【氏名又は名称】山河智能装▲備▼股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】518309666
【氏名又は名称】中南大学
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】ジュ ジェンシン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ズリン
(72)【発明者】
【氏名】タン ロン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ ルイチャオ
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AB16
2D129BA01
2D129BA03
2D129BA11
2D129BA19
2D129BB04
2D129DC05
(57)【要約】
コラム曲げモーメント自己適応バランス機構であって、コラム、グースヘッド、作業装置、レバー式バランス機構、巻き上げワイヤロープ及びバックロープを含み、前記グースヘッドは前記コラムに取り付けられるグースヘッドブラケットと、前記グースヘッドブラケットの前端に取り付けられる前部定滑車セットと、を含み、前記作業装置は前記コラムに取り付けられ、前記レバー式バランス機構は前記グースヘッドブラケットにヒンジ連結され、前記巻き上げワイヤロープは前記グースヘッドブラケットに差し込んだ後、前記前部定滑車セット及び前記作業装置の動滑車セットに往復的に貫設されてから、前記レバー式バランス機構の一端に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケットに固定され、前記バックロープは前記レバー式バランス機構の他端に接続される。従来技術に比べると、本発明が提供するコラム曲げモーメント自己適応バランス機構はコラム曲げモーメントを自己適応的に低減して、コラムの安定性を高めて、コラムの変形を減少して、機器の孔形成品質を向上する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コラム曲げモーメント自己適応バランス機構であって、コラム、グースヘッド、作業装置、レバー式バランス機構、巻き上げワイヤロープ及びバックロープを含み、
前記グースヘッドは前記コラムに取り付けられるグースヘッドブラケットと、前記グースヘッドブラケットの前端に取り付けられる前部定滑車セットと、を含み、
前記作業装置は前記コラムに取り付けられるとともに、前記前部定滑車セットに対応するように設けられ、
前記レバー式バランス機構は前記グースヘッドブラケットにヒンジ連結され、
前記巻き上げワイヤロープは前記グースヘッドブラケットに差し込んだ後、前記前部定滑車セット及び前記作業装置の動滑車セットに往復的に貫設されて、前記レバー式バランス機構の一端に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケットに固定され、
前記バックロープは前記グースヘッドブラケットの後端に位置するとともに、前記レバー式バランス機構の他端に接続されることを特徴とするコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【請求項2】
前記レバー式バランス機構は前記グースヘッドブラケットの高さ方向に沿って配置され、前記レバー式バランス機構と前記グースヘッドブラケットのヒンジ連結軸とは前記グースヘッドブラケットの幅方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載のコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【請求項3】
前記レバー式バランス機構はヒンジ連結ブラケット及び接続装置を含み、前記ヒンジ連結ブラケットは前記グースヘッドブラケットにヒンジ連結され、前記接続装置は前記ヒンジ連結ブラケットの一端に接続され、前記バックロープは前記ヒンジ連結ブラケットの他端に接続され、
前記巻き上げワイヤロープは前記接続装置に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケットに固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【請求項4】
前記ヒンジ連結ブラケットは直角三角形を呈し、前記ヒンジ連結ブラケットのヒンジポイントは2本の直角辺の接続箇所に位置し、前記接続装置は前記ヒンジ連結ブラケットの斜辺と一方の直角辺との接続箇所に接続され、前記バックロープは前記ヒンジ連結ブラケットの斜辺と他方の直角辺との接続箇所に接続されることを特徴とする請求項3に記載のコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【請求項5】
前記接続装置は前記ヒンジ連結ブラケットの天井部に接続される接続台と、前記接続台に取り付けられる平衡滑車と、を含み、
前記巻き上げワイヤロープは前記平衡滑車に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケットに固定されることを特徴とする請求項3に記載のコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【請求項6】
前記平衡滑車は横方向に配置されることを特徴とする請求項5に記載のコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【請求項7】
前記接続台は接続台本体及び接続サポートラグを含み、前記平衡滑車は前記接続台本体に取り付けられ、前記接続サポートラグは前記接続台本体に接続され、前記接続サポートラグは2つ設けられ、且つ両前記接続サポートラグ同士は間隔を空けて配置され、前記接続台本体は両前記接続サポートラグによって前記ヒンジ連結ブラケットに接続されることを特徴とする請求項5に記載のコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【請求項8】
前記グースヘッドブラケットの後端にはヒンジ連結サポートラグが設けられ、前記ヒンジ連結サポートラグは2つ設けられ、両前記ヒンジ連結サポートラグ同士は間隔を空けて配置され、
前記レバー式バランス機構の一部は両前記ヒンジ連結サポートラグの間に挿入されるとともに、前記ヒンジ連結サポートラグにヒンジ連結されることを特徴とする請求項1に記載のコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【請求項9】
前記グースヘッドは、前記グースヘッドブラケットの後端に取り付けられる後部定滑車をさらに含み、
前記巻き上げワイヤロープは前記後部定滑車を通過してから、前記前部定滑車セットに差し込むことを特徴とする請求項1に記載のコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【請求項10】
前記グースヘッドは前記グースヘッドブラケットに取り付けられるとともに、前記前部定滑車セットの後側に位置する転移定滑車をさらに含み、
前記巻き上げワイヤロープは前記前部定滑車セット及び前記作業装置の動滑車セットから出た後、前記転移定滑車を通過してから、前記レバー式バランス機構に差し込むことを特徴とする請求項9に記載のコラム曲げモーメント自己適応バランス機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年12月28日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202111633140.9であり、出願名称が「コラム曲げモーメント自己適応バランス機構」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は本出願に援用されている。
【0002】
本出願は建設機械の技術分野に関して、特にコラム曲げモーメント自己適応バランス機構に関している。
【背景技術】
【0003】
現代の杭基礎工事の不可欠な機械機器として、杭フレームは一般的に、ディーゼルハンマー、油圧ハンマー、振動ハンマー、振動衝撃ハンマー、深層ミキサ、スリーブ駆動装置、長螺旋駆動器などの異なる付設作業装置を取り付けて、「杭打ち」工事を行う。
【0004】
コラムは杭フレームの重要な構成部分であり、作業装置及び工事中の引張力を支えるために使用される。建設業の継続的な発展に連れて、現代の杭基礎工事において、杭フレーム機器に対する要求がますます高くなり、掘削深さがますます深くなり、作業装置がますます重くなり、孔形成精度要求がますます高くなる。従って、コラムが受ける荷重もますます大きくなり、コラム(作業装置に対して支持及び案内作用を発揮する)の、工事における支持能力及び受力変形は、孔形成精度及び工事安全に大きく影響するため、如何にコラムの支持能力を強化させて、コラムの受力変形を低減するかということは、非常に重要である。
【0005】
図1に示すように、伝統の杭フレームコラムのグースヘッド構造及びロープ巻回方式は以下の通り、巻き上げワイヤロープ5がコラム6の後方から上げられ、グースヘッド3の後部定滑車4及び前部定滑車セット2を順に経て、作業装置1の動滑車セットに互いに接続され、最後、直接的にグースヘッド3で固定点を見つけて、ワイヤロープ5のエンドとグースヘッド3とを相対的に固定する。当該構造において、主に以下の問題が存在し、即ち、コラム6とグースヘッド3との間は「フランジ+ボルト」という接続方式を採用するため、「デッド」ヒンジポイントであり、杭フレームが作業装置1を引き上げ又は杭抜きを行う時、コラム6は一定の曲げモーメントを受けて、一定の変形が生じて、且つ引張力の増加に連れて、曲げモーメントが大きくなり、変形も大きくなり、孔形成精度が低下し、また、コラム6の受力は典型的な細い棒の受圧であり、大きな曲げモーメントを受けた場合、コラム6は偏心押え棒状態にあり、中心押え棒の受力よりも、この場合、コラム6の押え棒の安定性の安全係数が大幅に低下する。
【0006】
図2に示すように、従来技術において、コラム6が受けた曲げをバランスさせるために、一般的に、グースヘッド3の後端に1本のワイヤロープをバックロープ7として追加し、バックロープ7に1つの力を付与することで、コラム6に対して逆モーメントが生じて、作業装置1の重量及び受けた引張力から、コラム6自体に付与される一部の曲げモーメントを相殺する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、バックロープ7からコラム6に付与される力は定量であり、以下の欠陥を有し、コラム6の前方荷重が小さい時、コラム6はバックロープ7の引き力を受けて、後ろへの変形が生じており、前方荷重が大きくなった場合、コラム6は前へ変形し、このような不安定な状態のため、杭フレーム工事の際の孔合わせ、コラム6の角度調整などを保証しにくく、工事品質を保証できず、工事においてコラム6を調整しようとすると、まず、バックロープ7の力を解放しなければならなく、操作が煩雑であり、安全リスクがある。
【0008】
従来技術において、コラムが受けた曲げモーメントをよくバランスさせることができず、孔形成精度に影響し、操作が煩雑であり、作業効率に影響して、安全リスクが存在するという技術問題に対して、本発明は、コラムが受けた曲げモーメントをよりよくバランスさせて、孔形成精度を保障して、作業効率を向上して、安全リスクを低減するコラム曲げモーメント自己適応バランス機構を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
コラム曲げモーメント自己適応バランス機構であって、コラム、グースヘッド、作業装置、レバー式バランス機構、巻き上げワイヤロープ及びバックロープを含み、
前記グースヘッドは前記コラムに取り付けられるグースヘッドブラケットと、前記グースヘッドブラケットの前端に取り付けられる前部定滑車セットと、を含み、
前記作業装置は前記コラムに取り付けられるとともに、前記前部定滑車セットに対応するように設けられ、
前記レバー式バランス機構は前記グースヘッドブラケットにヒンジ連結され、
前記巻き上げワイヤロープは前記グースヘッドブラケットに差し込んだ後、前記前部定滑車セット及び前記作業装置の動滑車セットに往復的に貫設されてから、前記レバー式バランス機構の一端に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケットに固定され、
前記バックロープは前記グースヘッドブラケットの後端に位置するとともに、前記レバー式バランス機構の他端に接続される。
【0010】
好ましくは、前記レバー式バランス機構は前記グースヘッドブラケットの高さ方向に沿って配置されるとともに、前記グースヘッドブラケットのヒンジ連結軸と前記グースヘッドブラケットの幅方向に沿って配置される。
【0011】
好ましくは、前記レバー式バランス機構はヒンジ連結ブラケット及び接続装置を含み、前記ヒンジ連結ブラケットは前記グースヘッドブラケットにヒンジ連結され、前記接続装置は前記ヒンジ連結ブラケットの天井部に接続され、前記バックロープは前記ヒンジ連結ブラケットの他端に接続され、
前記巻き上げワイヤロープは前記接続装置に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケットに固定される。
【0012】
好ましくは、前記ヒンジ連結ブラケットは直角三角形を呈し、前記ヒンジ連結ブラケットのヒンジポイントは2本の直角辺の接続箇所に位置し、前記接続装置は前記ヒンジ連結ブラケットの斜辺と一方の直角辺との接続箇所に接続され、前記バックロープは前記ヒンジ連結ブラケットの斜辺と他方の直角辺との接続箇所に接続される。
【0013】
好ましくは、前記接続装置は、前記ヒンジ連結ブラケットの一端に接続される接続台と、前記接続台に取り付けられる平衡滑車とを含み、
前記巻き上げワイヤロープは前記平衡滑車に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケットに固定される。
【0014】
好ましくは、前記平衡滑車は横方向に配置される。
【0015】
好ましくは、前記接続台は接続台本体及び接続サポートラグを含み、前記平衡滑車は前記接続台本体に取り付けられ、前記接続サポートラグは前記接続台本体に接続され、前記接続サポートラグは2つ設けられ、且つ両前記接続サポートラグ同士は間隔を空けて配置され、前記接続台本体は両前記接続サポートラグによって前記ヒンジ連結ブラケットに接続される。
【0016】
好ましくは、前記グースヘッドブラケットの後端にはヒンジ連結サポートラグが設けられ、前記ヒンジ連結サポートラグは2つ設けられ、両前記ヒンジ連結サポートラグ同士は間隔を空けて配置され、
前記レバー式バランス機構の一部は両前記ヒンジ連結サポートラグの間に挿入されるとともに、前記ヒンジ連結サポートラグにヒンジ連結される。
【0017】
好ましくは、前記グースヘッドは、前記グースヘッドブラケットの後端に取り付けられる後部定滑車をさらに含み、
前記巻き上げワイヤロープは前記後部定滑車を通過してから、前記前部定滑車セットに差し込む。
【0018】
好ましくは、前記グースヘッドは、前記グースヘッドブラケットに取り付けられるとともに、前記前部定滑車セットの後側に位置する転移定滑車をさらに含み、
前記巻き上げワイヤロープは前記前部定滑車セット及び前記作業装置の動滑車セットから出た後、前記転移定滑車を通過してから、前記レバー式バランス機構に差し込む。
【発明の効果】
【0019】
従来技術に比べると、本発明が提供するコラム曲げモーメント自己適応バランス機構はコラム、グースヘッド、作業装置、レバー式バランス機構、巻き上げワイヤロープ及びバックロープを含み、前記グースヘッドは前記コラムに取り付けられるグースヘッドブラケットと、前記グースヘッドブラケットの前端に取り付けられる前部定滑車セットと、を含み、前記作業装置は前記コラムに取り付けられ、前記レバー式バランス機構は前記グースヘッドブラケットにヒンジ連結され、前記巻き上げワイヤロープは前記グースヘッドブラケットに差し込んだ後、前記前部定滑車セット及び前記作業装置の動滑車セットに往復的に貫設されてから、前記レバー式バランス機構の一端に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケットに固定され、前記バックロープは前記レバー式バランス機構の他端に接続される。前記コラム曲げモーメント自己適応バランス機構はコラム曲げモーメントを自己適応的に低減して、コラムの安定性を高めて、コラムの変形を減少して、機器の孔形成品質を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本出願の実施例又は従来技術の技術案をより明らかに説明するために、以下、実施例又は従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本出願のいくつかの実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を取得できる。
【0021】
図1】従来技術においてコラムとグースヘッドとの間のロープ巻回構造の立体構造模式図である。
図2】従来技術において、改良後のコラムとグースヘッドとの間のロープ巻回構造の立体構造模式図である。
図3】1つの実施例が提供するコラム曲げモーメント自己適応バランス機構の立体構造模式図である。
図4図3の機構のロープ巻回構造の模式図である。
図5図3の機構の受力分析のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
当業者が本出願の技術案をよりよく理解するために、以下、本出願の実施例の技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、前記載される実施例は全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例のみである。本出願の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例は何れも本出願の保護範囲に該当している。
【0023】
ここで、素子は別の素子に「固定される」、「取り付けられる」又は「設けられる」ように表現される場合、直接的又は間接的に別の素子に設けられてもよく、1つの素子は別の素子に「接続される」ように表現される場合、直接的又は間接的に別の素子に接続されてもよい。
【0024】
ここで、本明細書の図面に描かれる構造、比例、大きさなどは何れも明細書の開示内容に合わせて、当業者がそれを了解して閲覧するために用いられ、本出願の実施可能な限定条件を限定していないため、技術的な実質意味を具備していなく、本出願による可能な効果及び達成可能な目的に影響していないことを前提として、何れかの構造的修飾、比例関係の変更又は大きさの調整は、依然として、本出願に開示された技術内容がカバーできる範囲内に該当すべきである。
【0025】
本発明はコラム曲げモーメント自己適応バランス機構を提供し、コラム、グースヘッド、作業装置、レバー式バランス機構、巻き上げワイヤロープ及びバックロープを含み、前記グースヘッドは前記コラムに取り付けられるグースヘッドブラケットと、前記グースヘッドブラケットの前端に取り付けられる前部定滑車セットと、を含み、前記作業装置は前記コラムに取り付けられ、前記レバー式バランス機構は前記グースヘッドブラケットの後端にヒンジ連結され、前記巻き上げワイヤロープは前記グースヘッドブラケットに差し込んだ後、前記前部定滑車セット及び前記作業装置の動滑車セットに往復的に貫設されてから、前記レバー式バランス機構の一端に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケットに固定され、前記バックロープは前記レバー式バランス機構の他端に接続される。前記コラム曲げモーメント自己適応バランス機構はコラム曲げモーメントを自己適応的に低減して、コラムの安定性を高めて、コラムの変形を減少して、機器の孔形成品質を向上する。
【0026】
図3及び図4を結合して参照する。本実施例はコラム曲げモーメント自己適応バランス機構100を提供し、前記コラム曲げモーメント自己適応バランス機構100は、コラムが受けた曲げモーメントを自己適応的に低減して、コラムの押え棒の安定性を高めて、コラムの変形を減少して、機器孔形成品質を向上する。前記コラム曲げモーメント自己適応バランス機構100の構造が簡単であり、取り付けが便利であり、個別に制御する必要がなく、コラムの垂直度の調整に影響していない。
【0027】
前記コラム曲げモーメント自己適応バランス機構100はコラム10、グースヘッド20、作業装置30、レバー式バランス機構40、巻き上げワイヤロープ50及びバックロープ60を含む。前記グースヘッド20は前記コラム10に取り付けられるグースヘッドブラケット21と、前記グースヘッドブラケット21の前端に取り付けられる前部定滑車セット22と、を含む。前記作業装置30は前記コラム10に取り付けられるとともに、前記前部定滑車セット22に対応するように設けられ、前記レバー式バランス機構40は前記グースヘッドブラケット21にヒンジ連結される。
【0028】
前記巻き上げワイヤロープ50は前記グースヘッドブラケット21に差し込んだ後、前記前部定滑車セット22及び前記作業装置30の動滑車セット31に往復的に貫設されてから、前記レバー式バランス機構40の一端に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケット21に固定される。即ち、前記巻き上げワイヤロープ50の一端は前記グースヘッドブラケット21、前記前部定滑車セット22、前記動滑車セット31、前記レバー式バランス機構40に順に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケット21に固定される。
【0029】
前記バックロープ60は前記グースヘッドブラケット21の後端に位置するとともに、前記レバー式バランス機構40の他端に接続される。ここで、前記レバー式バランス機構40の一端及び他端は、前記レバー式バランス機構40のヒンジポイントに対する両端であり、これによって、前記レバー式バランス機構40の受力が変化した場合、前記レバー式バランス機構40は相応的に揺動して受力をバランスさせる。即ち、前記レバー式バランス機構40の両端には引張点がそれぞれ存在し、前記巻き上げワイヤロープ50、前記バックロープ60は両引張点にそれぞれ接続される。具体的に、本実施例において。前記レバー式バランス機構40の後部引張点は前記バックロープ60を介して機器プラットフォーム又はコラムに接続される。
【0030】
ここで、従来技術において、バックロープからコラムに付与される力は定量であり、コラムの前方荷重が小さい場合、コラムはバックロープの引き力を受けて後ろへ変形し、コラムの前方荷重が大きくなった後、コラムは前へ変形し、このような不安定な状態のため、杭フレームの工事際、孔合わせ、コラムの角度調整などを保証しにくく、工事品質をよく保障できない。また、工事においてコラムを調整する必要がある場合、まず、バックロープの力を開放しなければならなく、操作が煩雑であり、その同時に、安全リスクが存在する。
【0031】
本実施例において、前記レバー式バランス機構40が設けられ、その両端には前記巻き上げワイヤロープ50、前記バックロープ60がそれぞれ接続される。これによって、異なる作業状態で、前記レバー式バランス機構40は相応的に揺動し、両側の受力をバランスさせ、さらに、前記コラム10が受けた曲げモーメントをバランスさせる。具体的に、前記作業装置30の重量又は杭抜き力の異なりに応じて、前記巻き上げワイヤロープ50から前記レバー式バランス機構40に伝達される力も異なり、前記コラム10が前又は後に一定角度だけ傾く時、前記レバー式バランス機構40は自己適応的に調整でき、プログラミングし又はセンサーを追加することで制限する必要がなく、安全性が高い。即ち、前記コラム曲げモーメント自己適応バランス機構100は前記コラム10が受けた曲げモーメントを自己適応的に調節して、前記コラム10の安定性を高めて、前記コラム10の変形を低減して、機器の孔形成品質を向上し、そして、煩雑な操作を必要とせず、作業効率を効果的に向上して、安全リスクを低減する。
【0032】
好ましくは、前記レバー式バランス機構40は前記グースヘッドブラケット21の高さ方向(図3のZ方向)に沿って配置されるとともに、前記レバー式バランス機構40と前記グースヘッドブラケット21のヒンジ連結軸とは前記グースヘッドブラケット21の幅方向(図1のY方向)に沿って配置される。これによって、作業状態が変更した場合、前記レバー式バランス機構40はよりよく自己適応的に調節でき、前記コラム10が受けた曲げモーメントをよりよく調節する。
【0033】
好ましくは、前記レバー式バランス機構40は、前記グースヘッドブラケット21にヒンジ連結されるヒンジ連結ブラケット41と、前記ヒンジ連結ブラケット41の天井部に接続される接続装置42と、を含む。前記バックロープ60は前記ヒンジ連結ブラケット41の他端に接続される。前記巻き上げワイヤロープ50は前記接続装置42に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケット21に固定される。即ち、前記ヒンジ連結ブラケット41は自体の揺動によって受力をバランスさせ、前記巻き上げワイヤロープ50は前記接続装置42によって前記ヒンジ連結ブラケット41との接続を実現し、各部材の間の接続の安定性をよりよく保障して、さらに、前記レバー式バランス機構40は受力をよりよくバランスさせることができる。
【0034】
好ましくは、前記ヒンジ連結ブラケット41は直角三角形を呈し、そのヒンジポイントは2本の直角辺の接続箇所に位置し、前記接続装置42は前記ヒンジ連結ブラケット41の斜辺と一方の直角辺との接続箇所に接続され、前記バックロープ60は前記ヒンジ連結ブラケット41の斜辺と他方の直角辺との接続箇所に接続される。具体的に、前記ヒンジ連結ブラケット41は第1直角辺411、第2直角辺412及び斜辺413を含み、前記ヒンジ連結ブラケット41は前記第1直角辺411と前記第2直角辺412との接続箇所を介して、前記グースヘッドブラケット21にヒンジ連結され、前記接続装置42は前記第1直角辺411と前記斜辺413との接続箇所に接続され、前記バックロープ60は前記第2直角辺412と前記斜辺413との接続箇所に接続される。これによって、前記ヒンジ連結ブラケット41は受力をよりよくバランスさせて、前記コラム10が受けた曲げモーメントをよりよく減少する。
【0035】
好ましくは、前記接続装置42は前記ヒンジ連結ブラケット41の一端に接続される接続台421と、前記接続台421に取り付けられる平衡滑車422とを含む。前記巻き上げワイヤロープ50は前記平衡滑車422に差し込んだ後、前記グースヘッドブラケット21に固定される。即ち、前記巻き上げワイヤロープ50は前記レバー式バランス機構40に差し込んで、前記平衡滑車422に貫設されることで、力の方向をよりよく変更して、前記巻き上げワイヤロープ50の摩耗を減少して、使用寿命をよりよく保障する。
【0036】
好ましくは、前記平衡滑車422は横方向に配置される。即ち、前記平衡滑車422は水平方向に向かって配置されることで、前記巻き上げワイヤロープ50は前記グースヘッドブラケット21の幅方向に沿って前記平衡滑車422に左右に貫設されて、受力をよりよくバランスさせる。
【0037】
好ましくは、前記接続台421は接続台本体4211及び接続サポートラグ4212を含み、前記平衡滑車422は前記接続台本体4211に取り付けられ、前記接続サポートラグ4212は前記接続台本体4211に接続され、前記接続サポートラグ4212は2つ設けられ、両前記接続サポートラグ4212同士は間隔を空けて配置され、前記接続台本体4211は両前記接続サポートラグ4212によって前記ヒンジ連結ブラケット41に接続される。これによって、前記接続台421と前記ヒンジ連結ブラケット41との間の接続の安定性、及び前記レバー式バランス機構40の自己適応バランス効果をよりよく保障する。
【0038】
好ましくは、前記グースヘッドブラケット21の後端にはヒンジ連結サポートラグ211が設けられ、前記ヒンジ連結サポートラグ211は2つ設けられ、両前記ヒンジ連結サポートラグ211同士は間隔を空けて配置される。前記レバー式バランス機構40の一部は両前記ヒンジ連結サポートラグ211の間に挿入されるとともに、前記ヒンジ連結サポートラグ211にヒンジ連結される。即ち、前記ヒンジ連結ブラケット41は前記グースヘッドブラケット21の後端にヒンジ連結されることで、前記コラム10の曲げモーメントをよりよくバランスさせる。前記ヒンジ連結ブラケット41は両前記ヒンジ連結サポートラグ211にヒンジ連結されることで、前記レバー式バランス機構40と前記グースヘッドブラケット21との間の接続の安定性をよりよく保障できる。
【0039】
好ましくは、前記グースヘッド20は、前記グースヘッドブラケット21の後端に取り付けられる後部定滑車23をさらに含み、前記巻き上げワイヤロープ50は前記後部定滑車23を貫通してから、前記前部定滑車セット22に差し込む。これによって、前記巻き上げワイヤロープ50をよりよく支持して、力の方向を変更するとともに、前記巻き上げワイヤロープ50の摩耗をよりよく回避して、使用寿命を保障する。
【0040】
好ましくは、前記グースヘッド20は、前記グースヘッドブラケット21に取り付けられるとともに、前記前部定滑車セット22の後側に位置する転移定滑車24をさらに含む。前記巻き上げワイヤロープ50は前記前部定滑車セット22及び前記作業装置30の前記動滑車セット31から出た後、前記転移定滑車24を貫通して、前記レバー式バランス機構40に差し込む。これによって、前記巻き上げワイヤロープ50をさらに支持して、力の方向を変更するとともに、前記巻き上げワイヤロープ50の摩耗をさらに回避して、使用寿命を保障する。
【0041】
図5を結合して参照する。前記コラム曲げモーメント自己適応バランス機構100に対して受力分析を行って、力学計算は以下の通り:
DE=l1、GD=l2に設定される。
前記前部定滑車セット22の倍率をaにして、前記レバー式バランス機構40の滑車セットの倍率をbにする。
前記レバー式バランス機構40がない場合、A点に対してトルク方程式を列挙する:
【数1】
前記レバー式バランス機構40がある場合、A点に対してトルク方程式を列挙する:
【数2】
前記レバー式バランス機構40がある場合、D点に対してバランス方程を列挙する:
【数3】
上記式を整理して取得するように:
【数4】
上記式から分かるように、F3とF1とは正の相関関係にあり、kを曲げモーメントバランス係数として定義し、その値は、バランス機構がヒンジポイントAに対して生じた曲げモーメントと、作業装置及び引張力などがヒンジポイントAに対して生じた曲げモーメントとの比の値であり、そうすれば:
【数5】
式2-5から分かるように、前記レバー式バランス機構40及び前記グースヘッド20の構造サイズが決定された後、曲げモーメントバランス係数kは定数であり、即ち、F1によるA点トルクと、F3によるA点トルクとの比の値は一定に保持される。前記バックロープ60の引き力が前記コラム10に対して生じた曲げモーメントは、前記作業装置30の重量と受けた引張力との和の大きさに応じて相応的に自己適応される。
【0042】
本実施例が提供する前記コラム曲げモーメント自己適応バランス機構100は、曲げモーメントを自己適応的に除去するレバー構造を採用し、バックロープ力をコラムの前方荷重の従属変数に変換することで、コラムがより少ない曲げモーメントを受けて、コラムの変形を減少して、その安全性能及び掘削精度を向上する。
【0043】
以上の記載は本発明の実施形態のみであり、ここで、当業者にとって、本発明の創造構想から逸脱しないことを前提として、改良を行ってもよいが、これらは何れも本発明の保護範囲に属している。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】