(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】耐火性を有する鋼部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 2/06 20060101AFI20240709BHJP
C22C 18/04 20060101ALI20240709BHJP
C22C 38/00 20060101ALI20240709BHJP
C22C 38/02 20060101ALI20240709BHJP
C21D 1/70 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
C23C2/06
C22C18/04
C22C38/00 301T
C22C38/02
C21D1/70 E
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024519134
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2022065045
(87)【国際公開番号】W WO2022253956
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102021002872.4
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021002896.1
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021116159.2
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523457110
【氏名又は名称】フォンテーヌ ホールディングズ エヌブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100069073
【氏名又は名称】大貫 和保
(72)【発明者】
【氏名】ピンガー、トーマス
【テーマコード(参考)】
4K027
【Fターム(参考)】
4K027AA22
4K027AE02
4K027AE03
(57)【要約】
【課題】 本発明の課題は、鋼部品に必要な防火性を簡単な方法で提供することである。
【解決手段】 本発明は、前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施されること、前記アルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用されること、前記アルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有すること、ただし、前記溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度にて、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される表面の放射率εmが0.05~0.60の範囲にあることを特徴とする。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
ただし、特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲で、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である、方法。
【請求項2】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、1μm~250μmの範囲、特に1μm~200μmの範囲、好ましくは1.5μm~150μmの範囲、好ましくは2μm~100μmの範囲、より好ましくは2μm~80μmの範囲、更により好ましくは2.5μm~70μmの範囲、尚より好ましくは2.5μm~60μmの範囲、一層好ましくは3μm~50μmの範囲、更に一層好ましくは3.5μm~30μmの範囲、最も好ましくは4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、少なくとも1μm、特に少なくとも1.5μm、好ましくは少なくとも2μm、好ましくは少なくとも2.5μm、より好ましくは少なくとも3μm、更により好ましくは少なくとも3.5μm、尚より好ましくは少なくとも4μmの層厚で前記鋼部品に適用される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、250μm以下、特に200μm以下、好ましくは150μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、更により好ましくは70μm以下、尚より好ましくは60μm以下、一層好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、最も好ましくは25μm以下の層厚で前記鋼部品に適用される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、0.025重量%~50重量%の範囲、特に0.04重量%~45重量%の範囲、好ましくは0.05重量%~40重量%の範囲、好ましくは0.075重量%~30重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%~20重量%の範囲、更により好ましくは1.5重量%~15重量%の範囲、尚より好ましくは2重量%~12.5重量%の範囲、一層好ましくは3重量%~10重量%の範囲、更に一層好ましくは3.5重量%~9重量%の範囲、最も好ましくは4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、0.025重量%~50重量%の範囲、特に0.04重量%~45重量%の範囲、好ましくは0.05重量%~40重量%、好ましくは0.075重量%~30重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%~20重量%の範囲、更により好ましくは1.5重量%~15重量%、尚より好ましくは2重量%~12.5重量%の範囲、一層好ましくは3重量%~10重量%の範囲、更に一層好ましくは3.5重量%から9重量%の範囲、最も好ましくは4重量%から8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、少なくとも0.025重量%、特に少なくとも0.04重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも0.075重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、更により好ましくは少なくとも1.5重量%、尚より好ましくは少なくとも2重量%、一層好ましくは少なくとも3重量%、更に一層好ましくは少なくとも3.5重量%、最も好ましくは少なくとも4重量%のアルミニウム含有量を有し、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、少なくとも0.025重量%、特に少なくとも0.04重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも0.075重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、更により好ましくは少なくとも1.5重量%、尚より好ましくは少なくとも2重量%、一層好ましくは少なくとも3重量%、更に一層好ましくは少なくとも3.5重量%、最も好ましくは少なくとも4重量%のアルミニウム含有量を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、50重量%以下、特に45重量%以下、好ましくは40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更により好ましくは15重量%以下、尚より好ましくは12.5重量%以下、一層好ましくは10重量%以下、更に一層好ましくは9重量%以下、最も好ましくは8重量%以下のアルミニウム含有量を有し、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、50重量%以下、特に45重量%以下、好ましくは40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更により好ましくは15重量%以下、尚より好ましくは12.5重量%以下、一層好ましくは10重量%以下、更に一層好ましくは9重量%以下、最も好ましくは8重量%以下のアルミニウム含有量を有する、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、0.5重量%~20重量%の範囲、特に1重量%~10%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、0.5重量%~20重量%の範囲、特に1重量%~10重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計が100重量%となるように選択され、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)50重量%~99.975重量%の範囲、特に55重量%~99.96重量%の範囲、好ましくは60重量%~99.95重量%の範囲、好ましくは70重量%~99.925重量%の範囲、より好ましくは80重量%~99.1重量%の範囲、更により好ましくは85重量%~98.5重量%の範囲、尚より好ましくは87.5重量%~98重量%の範囲、一層好ましくは90重量%~97重量%の範囲、更に一層好ましくは91重量%~96.5重量%の範囲、最も好ましくは92重量%~96重量%の範囲の量の亜鉛(Zn)、
(ii)0.025重量%~50重量%の範囲、特に0.04重量%~45重量%の範囲、好ましくは0.05重量%~40重量%の範囲、好ましくは0.075重量%~30重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%~20重量%の範囲、更により好ましくは1.5重量%~15重量%の範囲、尚より好ましくは2重量%~12.5重量%の範囲、一層好ましくは3重量%~10重量%の範囲、更に一層好ましくは3.5重量%~9重量%の範囲、最も好ましくは4重量%~8重量%の範囲の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、特にビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせの群から選択される1種以上のさらなる金属であり、前記金属の量は、特に0.001重量%~10重量%の範囲、特に0.001重量%~9重量%の範囲、好ましくは0.01重量%~8重量%の範囲、好ましくは0.02重量%~6重量%の範囲、より好ましくは0.05重量%~5重量%の範囲、更により好ましくは0.1重量%~4重量%の範囲、尚より好ましくは0.2重量%~3.5重量%の範囲、一層好ましくは0.3重量%~3重量%の範囲、更に一層好ましくは0.4重量%~2重量%の範囲、最も好ましくは0.5重量%から1重量%の範囲であり、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)70重量%~99.5重量%、特に90重量%~99重量%の範囲の量の亜鉛(Zn)、
(ii)0.5重量%~20重量%、特に1重量%~10重量%の範囲の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、特にビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせの群から選択される、特に0.001重量%~10重量%、特に0.001重量%~6重量%の範囲の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、特にビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)およびそれらの組み合わせの群から選択される、特に0.001重量%~6重量%の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の組成および/または形成、特に前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量は、前記溶融亜鉛メッキに使用される前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物によって調整および/または制御される、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記耐炎性および/または耐火性は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の厚さおよび組成および/または形成によって、特に前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量によって調整および/または制御され、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量が増加すると、前記耐炎性および/または耐火性が向上し、および/または、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の層厚が増加すると、前記耐炎性および/または耐火性が向上する、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、4重量%から8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、および/または前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択される、特に0.001重量%~10重量%の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法、特に請求項1~14のいずれかに記載の方法であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが、0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率ε
mが、0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲である、方法。
【請求項16】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、任意に存在するマグネシウムの割合が0.2重量%未満であり、特に0.15重量%未満である、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を提供するための方法、特に請求項1~17のいずれかに記載の方法であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが、0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが、0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲であり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、方法。
【請求項19】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 41022-:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法、特に請求項1~18のいずれかに記載の方法であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、2.5μm~70μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、1重量%~10重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが、0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが、0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲である、方法。
【請求項20】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~6重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、任意に存在するマグネシウムの割合が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 41022:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法、特に請求項1~21のいずれかに記載の方法であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、2.5μm~70μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、1重量%~10重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが、0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが、0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲であり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、特に0.001重量%~6重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、方法。
【請求項23】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、最も好ましくは0.50以下である、請求項1~22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲、特に500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.05以上かつ0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~650℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.40以下、特に0.35以下、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.25以下であり、
かつ、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、650℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.65以下、特に0.60以下、好ましくは0.55以下であり、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、および/または、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準にして、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準にして、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計が100重量%となるように選択され、および/または、特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項1~24のいずれか、特に請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲である、請求項1~25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を適用する前に、前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7以上である、請求項1~26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ皮膜が設けられた前記鋼部品の前記表面の放射率(放射度)ε
mは、DIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠した定義および/または決定(=DIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠した表面の放射率(放射度)ε
m)に対応する、請求項1~27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた前記鋼部品の、特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠した、前記表面の放射率(放射度)ε
mは、継続的および/または増加する熱負荷の下、特に火災(特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠)の場合の温度プロファイルから決定および/または評価され、
特に、ここで、特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠した、前記表面の放射率(放射度)ε
mは、C. Gaigl und M. Mensinger, Technical Report “Thermal impact on HDG construction”, Technical University Munich,February 2018および/またはM. Mensinger und C. Gaigl, essay “Feuerwiderstand verzinkter Stahl- konstruktionen”, Stahlbau, Vol. 88, pages 3 bis 10, January 2019に従って放射率性能試験によって決定および/または評価される、請求項1~28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、少なくともF30、特に少なくともF60、好ましくは少なくともF90、より好ましくは少なくともF120の、DIN 4102-2:1977-09に準拠した耐火性クラスを有する、請求項1~29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、少なくともR30、特に少なくともR60、好ましくは少なくともR90、より好ましくは少なくともR120の、DIN EN 13501-2:2016-12に準拠した耐火性クラスを有する、請求項1~30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記鋼部品の鋼は、(i)低ケイ素鋼、特に前記鋼を基準としてケイ素含有量が0.03重量%以下で
かつリン含有量が0.02重量%未満の低ケイ素鋼、(ii)サンデリン(Sandelin)鋼、特に前記鋼を基準としてケイ素含有量が0.03重量%と0.14重量%のサンデリン鋼、(iii)セビスティ(Sebisty)鋼、特にケイ素含有量が0.14重量%と0.25重量%と間のセビスティ鋼、(iv)高ケイ素鋼、特に前記鋼を基準としてケイ素含有量が0.25重量%より大きい高ケイ素鋼、およびそれらの組み合わせから選択され、および/または、
前記鋼部品の鋼は、DIN EN ISO 14713-2:2020-05に準拠したカテゴリA、B、Cおよび/またはDの鋼およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1~31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記鋼部品は、鋼構造要素、鋼製梁、鋼材、断面鋼、鋼板、鋼管などである、請求項1~32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記鋼部品は建設および建築産業向けの鋼部品であり、および/または前記鋼部品は建設および建築産業向けの鋼構造要素または部品であり、および/または、
前記鋼部品は、建設および建築産業および/または車両製造もしくは自動車製造向けに意図または設計された鋼部品である、請求項1~33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記溶融亜鉛メッキは、375℃~750℃の範囲の温度、特に380℃~700℃の範囲の温度、好ましくは390℃~680℃の範囲の温度、更により好ましくは395℃~675℃の範囲で行われ、および/または、
前記溶融亜鉛メッキは、効果的な溶融亜鉛メッキを提供するのに十分な時間、特に0.0001~60分の範囲、好ましくは0.001~45分の範囲、好ましくは0.01~30分の範囲、より好ましくは0.1~15分の範囲の時間行われる、請求項1~34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記溶融亜鉛メッキは、前処理および/または後処理の手順を含み、特に以下に挙げる順序で、以下の方法ステップ:
(a)前記鋼部品に対して、特に少なくとも1つの脱脂槽中で脱脂処理、好ましくはアルカリ性脱脂処理を施すステップと、
(b)場合により、方法ステップ(a)で脱脂された前記鋼部品を、特に少なくとも1つのすすぎ槽中で洗浄するステップと、
(c)方法ステップ(a)で脱脂され、方法ステップ(b)で必要に応じて洗浄された前記鋼部品に対して、特に少なくとも1つの酸洗槽中で酸洗処理、好ましくは酸性の酸洗処理を施すステップと、
(d)場合により、方法ステップ(c)で酸洗された前記鋼部品を、特に少なくとも1つのすすぎ槽中で洗浄するステップと、
(e)方法ステップ(c)で酸洗され、必要に応じて方法ステップ(d)で洗浄された前記鋼部品に対して、フラックス槽中のフラックス組成物を用いてフラックス処理を行うステップと、
(f)場合により、方法ステップ(e)でフラックス処理が施された前記鋼部品を乾燥処理するステップと、
(g)方法ステップ(e)でフラックス処理が施され、場合により方法ステップ(f)で乾燥された前記鋼部品の溶融亜鉛メッキを、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物中で、好ましくは前記鋼部品を前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物中に浸漬することにより行うステップと、
を含む、請求項1~35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
方法ステップ(g)で行われる前記溶融亜鉛メッキの後に冷却ステップ(h)が行われ、および/または方法ステップ(g)で溶融亜鉛メッキされた前記鋼部品が冷却処理(h)を受け、場合により、その後にさらなる仕上げおよび/または後処理ステップ(i)が行われ、
特に、前記冷却ステップ(h)および/または前記冷却処理(h)は、空気を用いておよび/または空気の存在下で、好ましくは周囲温度までで行われる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記溶融亜鉛メッキは、ピース亜鉛メッキ、特に不連続ピース亜鉛メッキとして行われ、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品、および/または前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、特に不動態化および/またはシーリング、好ましくはケイ酸塩コーティングまたはシリケート処理によって、追加の後処理および/または表面処理が施される、請求項1~37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、特に請求項1~38のいずれかに記載のアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、および/または特に請求項1~38のいずれか一項に記載の方法で得られるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の使用であって、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または、鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための、好ましくは耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための、使用。
【請求項40】
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
ただし、特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の範囲、更により好ましくは500℃~800℃の範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.05以上かつ0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲にある、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
請求項1~38の特徴のうちの1つ以上によってそれぞれ特徴付けられる、請求項39または請求項40に記載の使用。
【請求項42】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための、特に耐炎性および/または耐火性の鋼部品、好ましくはDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための、特に請求項1~38のいずれかに記載の溶融亜鉛メッキおよび/または溶融亜鉛メッキ方法の使用であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
ただし、特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲、好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である、使用。
【請求項43】
請求項1~38の特徴のうちの1つ以上によって特徴付けられる、請求項42に記載の使用。
【請求項44】
溶融亜鉛メッキされた鋼部品および/または溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を向上および/または改善するためのアルミニウムの使用であって、
アルミニウムは、特にアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が得られ、および/または特に請求項1~38のいずれかに記載されたアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が前記鋼部品に設けられるという方法および/または条件で、溶融亜鉛メッキ層に混合および/または合金化される、使用。
【請求項45】
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
ただし、特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲で、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが、0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である、請求項44に記載の使用。
【請求項46】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、1μm~250μmの範囲、特に1μm~200μmの範囲、好ましくは1.5μm~150μmの範囲、好ましくは2μm~100μmの範囲、より好ましくは2μm~80μmの範囲、更により好ましくは2.5μm~70μmの範囲、尚より好ましくは2.5μm~60μmの範囲、一層好ましくは3μm~50μmの範囲、更に一層好ましくは3.5μm~30μm、最も好ましくは4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、少なくとも1μm、特に少なくとも1.5μm、好ましくは少なくとも2μm、好ましくは少なくとも2.5μm、より好ましくは少なくとも3μm、更により好ましくは少なくとも3.5μm、尚より好ましくは少なくとも4μmの層厚で前記鋼部品に適用され、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、250μm以下、特に200μm以下、好ましくは150μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、更により好ましくは70μm以下、尚より好ましくは60μm以下、一層好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、最も好ましくは25μm以下の層厚で前記鋼部品に適用される、請求項39~45のいずれかに記載の使用。
【請求項47】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、0.025重量%~50重量%の範囲重量%、特に0.04重量%~45重量%の範囲、好ましくは0.05重量%~40重量%の範囲、好ましくは0.075重量%~30重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%~20重量%の範囲、更により好ましくは1.5重量%~15重量%の範囲、尚より好ましくは2重量%~12.5重量%の範囲、一層好ましくは3重量%~10重量%の範囲、更に一層好ましくは3.5重量%~9重量%の範囲、最も好ましくは4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、0.025重量%~50重量%の範囲、特に0.04重量%~45重量%の範囲、好ましくは0.05重量%~40重量%、好ましくは0.075重量%~30重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%~20重量%の範囲、更により好ましくは1.5重量%~15重量%の範囲、尚より好ましくは2重量%~12.5重量%の範囲、一層好ましくは3重量%~10重量%の範囲、更に一層好ましくは3.5重量%~9重量%の範囲、最も好ましくは4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、少なくとも0.025重量%、特に少なくとも0.04重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも0.075重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、更により好ましくは少なくとも1.5重量%、尚より好ましくは少なくとも2重量%、一層好ましくは少なくとも3重量%、更に一層好ましくは少なくとも3.5重量%、最も好ましくは少なくとも4重量%のアルミニウム含有量を有し、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、少なくとも0.025重量%、特に少なくとも0.04重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも0.075重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、更により好ましくは少なくとも1.5重量%、尚より好ましくは少なくとも2重量%、一層好ましくは少なくとも3重量%、更に一層好ましくは少なくとも3.5重量%、最も好ましくは少なくとも4重量%のアルミニウム含有量を有し、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、50重量%以下、特に45重量%以下、好ましくは40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更により好ましくは15重量%以下、尚より好ましくは12.5重量%以下、一層好ましくは10重量%以下、更に一層好ましくは9重量%以下、最も好ましくは8重量%以下のアルミニウム含有量を有し、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、50重量%以下、特に45重量%以下、好ましくは40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更により好ましくは15重量%以下、尚より好ましくは12.5重量%以下、一層好ましくは10重量%以下、更に一層好ましくは9重量%以下、最も好ましくは8重量%以下のアルミニウム含有量を有する、請求項39~46のいずれかに記載の使用。
【請求項48】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、0.5重量%~20重量%の範囲、特に1重量%~10%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、0.5重量%~20重量%の範囲、特に1重量%~10重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する、請求項39~47のいずれかに記載の使用。
【請求項49】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、および/または前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)50重量%~99.975重量%、特に55重量%~99.96重量%の範囲、好ましくは60重量%~99.95重量%、好ましくは70重量%~99.925重量%の範囲、より好ましくは80重量%~99.1重量%の範囲、更により好ましくは85重量%~98.5重量%の範囲、尚より好ましくは87.5重量%~98重量%の範囲、一層好ましくは90重量%~97重量%の範囲、更に一層好ましくは91重量%~96.5重量%の範囲、最も好ましくは92重量%~96重量%の範囲の量の亜鉛(Zn)、
(ii)0.025重量%~50重量%、特に0.04重量%~45重量%の範囲、好ましくは0.05重量%~40重量%、好ましくは0.075重量%~30重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%~20重量%の範囲、更により好ましくは1.5重量%~15重量%の範囲、尚より好ましくは2重量%~12.5重量%の範囲、一層好ましくは3重量%~10重量%の範囲、更に一層好ましくは3.5重量%~9重量%、最も好ましくは4重量%~8重量%の範囲の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、特にビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%、特に0.001重量%~9重量%の範囲、好ましくは0.01重量%~8重量%の範囲、好ましくは0.02重量%~6重量%の範囲、より好ましくは0.05重量%~5重量%の範囲、更により好ましくは0.1重量%~4重量%の範囲、尚より好ましくは0.2重量%~3.5重量%の範囲、一層好ましくは0.3重量%~3重量%の範囲、更に一層好ましくは0.4重量%~2重量%の範囲、最も好ましくは0.5重量%~1重量%の範囲の量の1種以上のさらなる金属、ただし、特にマグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項39~48のいずれかに記載の使用。
【請求項50】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)70重量%~99.5重量%、特に90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)0.5重量%~20重量%、特に1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、特にビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%、とりわけ0.001重量%~6重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、特に、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項39~49のいずれか一項に記載の使用。
【請求項51】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、特にビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~6重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、特に、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項39~50のいずれかに記載の使用。
【請求項52】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の組成および/または形成、特に前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量が、前記溶融亜鉛メッキに使用される前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物によって調整され、および/または制御される、請求項39~51のいずれかに記載の使用。
【請求項53】
前記耐炎性および/または耐火性は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の厚さおよび組成および/または形成によって、特に前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量によって調整および/または制御され、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量が増加すると、前記耐炎性および/または耐火性が向上し、および/または、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の層厚が増加すると、前記耐炎性および/または耐火性が向上する、請求項39~52のいずれかに記載の使用。
【請求項54】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に基づいており、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、特にマグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項39~53のいずれかに記載の使用。
【請求項55】
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲である、請求項39~54のいずれかに記載の使用。
【請求項56】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択される、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項55に記載の使用。
【請求項57】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、任意に存在するマグネシウムの割合が0.2重量%未満であり、特に0.15重量%未満である、請求項55または56に記載の使用。
【請求項58】
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲にて、表面の放射率(放射度)ε
mが0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた前記鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度にて、表面の放射率ε
mが0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲であり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択される、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項39~57のいずれかに記載の使用。
【請求項59】
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、2.5μm~70μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、1重量%~10重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた前記鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲である、請求項39~58のいずれかに記載の使用。
【請求項60】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、特に0.001重量%~6重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項59に記載の使用。
【請求項61】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、任意に存在するマグネシウムの割合が0.2重量%未満であり、特に0.15重量%未満である、請求項59または60に記載の使用。
【請求項62】
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、2.5μm~70μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、1重量%~10重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた前記鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲であり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、特に0.001重量%~6重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項39~61のいずれかに記載の使用。
【請求項63】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、特に500℃~800℃の範囲の温度において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である、請求項39~62のいずれかに記載の使用。
【請求項64】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~650℃の範囲の温度において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.40以下、特に0.35以下、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.25以下であり、
かつ、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、650℃~850℃の範囲の温度にて、表面の放射率(放射度)ε
mが0.65以下、特に0.60以下、好ましくは0.55以下であり、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、および/または、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計が100重量%となるように選択され、および/または、特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準としており、合計が100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、請求項39~63のいずれかに記載の使用、特に請求項63に記載の使用。
【請求項65】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度にて表面の放射率(放射度)ε
mが0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲である、請求項39~64のいずれかに記載の使用。
【請求項66】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を適用する前に、前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7以上である、請求項39~65のいずれかに記載の使用。
【請求項67】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ皮膜を備えた前記鋼部品の表面の放射率(放射度)ε
mは、DIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠した定義および/または決定に対応する(=DIN EN 1993-1-2:2006-10に基づく表面の放射率(放射度)ε
m)、請求項39~66のいずれかに記載の使用。
【請求項68】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた前記鋼部品の表面の放射率(放射度)ε
m、特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠した表面の放射率(放射度)ε
mは、継続的および/または増加する熱負荷、特に火災の場合の温度プロファイルから決定および/または評価され(特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠)、
特に、表面の放射率ε
m、特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠した表面の放射率ε
mは、C. Gaigl und M. Mensinger, Technical Report “Thermal impact on HDG construction”, Technical University Munich, February 2018および/またはM. Mensinger und C. Gaigl, essay “Feuerwiderstand verzinkter Stahl-konstruktionen”, Stahlbau, Vol. 88, pages 3 bis 10, January 2019に従って放射率性能試験により決定および/または評価される、請求項39~67のいずれかに記載の使用。
【請求項69】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、少なくともF30、特に少なくともF60、好ましくは少なくともF90、より好ましくは少なくともF120の、DIN 4102-2:1977-09に準拠した耐火性クラスを有する、請求項39~68のいずれかに記載の使用。
【請求項70】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、少なくともR30、特に少なくともR60、好ましくは少なくともR90、より好ましくは少なくともR120の、DIN EN 13501-2:2016-12に準拠した耐火性クラスを有する、請求項39~69のいずれかに記載の使用。
【請求項71】
前記鋼部品の鋼は、(i)低ケイ素鋼、特に前記鋼を基準としてケイ素含有量が0.03重量%以下で
かつリン含有量が0.02重量%未満の低ケイ素鋼、(ii)サンデリン(Sandelin)鋼、特に前記鋼を基準にしてケイ素含有量が0.03重量%と0.14重量%の間のサンデリン鋼、(iii)セビスティ(Sebisty)鋼、特にケイ素含有量が0.14重量%と0.25重量%の間のセビスティ鋼、(iv)高ケイ素鋼、特に前記鋼を基準にしてケイ素含有量が0.25重量%より大きい高ケイ素鋼、およびそれらの組み合わせから選択され、および/または、
前記鋼部品の鋼は、DIN EN ISO 14713-2:2020-05に準拠したカテゴリA、B、Cおよび/またはDの鋼およびそれらの組み合わせから選択される、請求項39~70のいずれかに記載の使用。
【請求項72】
前記鋼部品は、鋼構造要素、鋼製梁、鋼製形、形鋼、鋼板、鋼管などである、請求項39~71のいずれかに記載の使用。
【請求項73】
前記鋼部品は建設および建築産業向けの鋼部品であり、および/または前記鋼部品は建設および建築産業向けの鋼構造要素または部品であり、および/または、
前記鋼部品は、建設および建築産業および/または車両製造もしくは自動車製造向けに意図または設計された鋼部品である、請求項39~72のいずれかに記載の使用。
【請求項74】
前記溶融亜鉛メッキは、375℃~750℃の範囲の温度、特に380℃~700℃の範囲の温度、好ましくは390℃~680℃の範囲の温度、更により好ましくは395℃~675℃の範囲で実行され、および/または、
前記溶融亜鉛メッキは、効果的な溶融亜鉛メッキを提供するのに十分な時間、特に0.0001~60分の範囲の時間、好ましくは0.001~45分の範囲、好ましくは0.01~30分の範囲、より好ましくは0.1~15分の範囲の時間実行される、請求項39~73のいずれかに記載の使用。
【請求項75】
前記溶融亜鉛メッキは、前処理および/または後処理手順を含み、特に以下に挙げる順序で以下の方法ステップ:
(a)前記鋼部品に対して、特に少なくとも1つの脱脂槽中で脱脂処理、好ましくはアルカリ性脱脂処理を施すステップと、
(b)場合により、方法ステップ(a)で脱脂された前記鋼部品を、特に少なくとも1つのすすぎ槽中で洗浄するステップと、
(c)方法ステップ(a)で脱脂され、方法ステップ(b)で必要に応じて洗浄された前記鋼部品に対して、特に少なくとも1つの酸洗槽中で酸洗処理、好ましくは酸性の酸洗処理を施すステップと、
(d)場合により、方法ステップ(c)で酸洗した前記鋼部品を、特に少なくとも1つのすすぎ槽中で洗浄するステップと、
(e)方法ステップ(c)で酸洗され、必要に応じて方法ステップ(d)で洗浄された前記鋼部品に対して、フラックス槽中のフラックス組成物を用いてフラックス処理を施すステップと、
(f)場合により、方法ステップ(e)でフラックス処理を受けた前記鋼部品を乾燥処理するステップと、
(g)方法ステップ(e)でフラックス処理を受け、場合により方法ステップ(f)で乾燥させた前記鋼部品に対して、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物中で、好ましくは前記鋼部品を前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物中に浸漬することにより、溶融亜鉛メッキを行うステップと、
を含む、請求項39~74のいずれかに記載の使用。
【請求項76】
方法ステップ(g)で行われる前記溶融亜鉛メッキの後に冷却ステップ(h)が行われ、および/または、方法ステップ(g)で溶融亜鉛メッキされた前記鋼部品に、冷却処理(h)が施され、場合により、その後にさらなる仕上げおよび/または後処理ステップ(i)が行われ、
特に、前記冷却ステップ(h)および/または前記冷却処理(h)は、空気を用いておよび/または空気の存在下で、好ましくは周囲温度までで行われる、請求項75に記載の使用。
【請求項77】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品、および/または前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、特に不動態化および/またはシーリング、好ましくはケイ酸塩コーティングまたはシリケート処理によって、追加の後処理および/または表面処理が施される、請求項39~76のいずれかに記載の使用。
【請求項78】
請求項1~38の特徴のうちの1つ以上をそれぞれ特徴とする、請求項44~77のいずれかに記載の使用。
【請求項79】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の要件に適合するための構造部品としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品、特に請求項1~38のいずれかに記載の方法によって得られ、かつ、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の使用。
【請求項80】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に好ましくは0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた前記鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である、請求項79に記載の使用。
【請求項81】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた前記鋼部品は、追加の構造上の防火手段および装置の非存在下で使用される、請求項79または80に記載の使用。
【請求項82】
請求項1~78の特徴のうちの1つ以上によってそれぞれ特徴付けられる、請求項79~81のいずれかに記載の使用。
【請求項83】
燃料電池、蓄電池、バッテリー、ガルバニ素子などのエネルギー貯蔵装置またはエネルギー変換器用、特に自動車用の、好ましくは耐炎性および/または耐火性の要件を満たす受電装置の構造部品、特に筐体または容器としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品、特に請求項1~38のいずれかに記載の方法によって得られ、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の使用。
【請求項84】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である、請求項83に記載の使用。
【請求項85】
請求項1~82の特徴のうちの1つ以上によってそれぞれ特徴付けられる、請求項83または請求項84に記載の使用。
【請求項86】
建設物のための、特に建物または建物の一部のための支持構造物、特に鋼製支持構造物であって、前記支持構造物が、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の要件に適合するための構造建築部品として、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた複数の建築構造用鋼部品、特に請求項1~39のいずれかに記載の方法によって得られるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた複数の建築構造用鋼部品を含み、前記支持構造物には追加の構造上の防火手段および装置が存在せず、および/または前記支持構造物は追加の構造上の防火要素を有しない、支持構造物。
【請求項87】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは、500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に好ましくは0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度にて、表面の放射率(放射度)ε
mが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である、請求項86に記載の支持構造物。
【請求項88】
請求項1~85の特徴のうちの1つ以上によってそれぞれ特徴付けられる、請求項86または請求項87に記載の支持構造物。
【請求項89】
請求項86~88のいずれかに記載の支持構造物を含む建設物、特に建物または建物の一部。
【請求項90】
前記建設物には追加の構造上の防火手段および装置が存在せず、および/または前記建設物には追加の構造上の防火要素がない、請求項89に記載の建設物。
【請求項91】
請求項1~85の特徴のうちの1つ以上によってそれぞれ特徴付けられる、請求項89または請求項90に記載の建設物。
【請求項92】
鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品上に耐炎性および/または耐火性を生成するための、および/または鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品に耐炎性および/または耐火性を付与するための、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、特に請求項1~85のいずれか一項に記載のアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、および/または特に請求項1~85のいずれかに従って得られるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の使用。
【請求項93】
請求項1~85の特徴のうちの1つ以上によってそれぞれ特徴付けられる、請求項92に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火、特に構造上の防火の技術分野に関するものであるが、他の技術分野(自動車および/または車両製造など)における防火にも関する。
【0002】
特に、本発明は、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または、鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法に関する。
【0003】
さらに、本発明は、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または、鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための、好ましくは、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の使用に関する。
【0004】
さらに、本発明の主題は、それぞれ、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または、鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための、特に、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、好ましくはDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための、溶融亜鉛メッキおよび/または溶融亜鉛メッキ方法の使用にも関する。
【0005】
同様に、本発明は、溶融亜鉛メッキが施された鋼部品および/または溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を向上および/または改善するためのアルミニウムの使用に関する。
【0006】
さらに、本発明の主題は、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の要件を満たすための構造建築部品としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の使用でもある。
【0007】
さらに、本発明は、燃料電池、蓄電池、バッテリー、ガルバニ素子などのエネルギー貯蔵装置またはエネルギー変換器用、特に自動車用の、好ましくは耐炎性および/または耐火性の要件を満たす受電装置の構造部品、特に筐体または容器としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の使用に関する。
【0008】
さらに、本発明は、建設物、特に建物または建物の一部のための支持構造物、特に鋼製支持構造物であって、支持構造物は、構造建築部品として、耐炎性および/または耐火性の要件を満たすためのアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた複数の鋼部品を含む支持構造物に関するものであり、また、本発明による支持構造物を含む建設物、特に建物または建物の一部に関する。
【0009】
最後に、本発明は、鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品に耐炎性および/または耐火性を生成するための、および/または鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品に耐炎性および/または耐火性を付与するための、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の使用にも関する。
【背景技術】
【0010】
一般的な防火は、火(すなわち、火と煙)の発生と延焼を防止し(すなわち、予防的防火または防火)、人や動物の救助と効果的な消火(すなわち、防御的防火)を可能にするすべての手段として特に理解されている。防火は多層的かつ複雑であるため、日常生活の多くの領域で見られる。したがって、たとえばドイツでは、防火の要件は、消防法や連邦州の建築基準などやその他多数の法律、条例、ガイドラインなど、多数の法規定の中に見られる。
【0011】
上で説明したように、一般に、予防的防火と防御的防火は特に区別される。予防的防火とは、特に、構造的、技術的、組織的な対策によって火災の発生と延焼を阻止し、火災の影響を可能な限り制限するために予防的に講じられるすべての手段を指す用語である。したがって、予防的防火は、構造上の防火、工場防火、組織防火に分けられる。
【0012】
建築法規の観点から見ると、予防的防火は人命と身体、環境、公共の安全を保護するのに役立ち、効果的な消火の前提条件として要求される。ドイツでは、州建築基準の公法規定が最低限の要件として制定されている。建築基準法に加えて、財産保護に関する要件は私法に基づく協定に基づいている。ここでは、各損害保険会社が建物の設計や技術システムに課す要件が、しばしばきわめて重要である。
【0013】
したがって、予防的な構造上の防火は、非常に複雑な作業分野であり、防火、延焼防止、救助および効果的な消火などの保護目標を達成するための解決策は、多種多様な解決策につながり、その各々は管轄の建築検査局の承認が必要である。防火策に影響を与える可能性のある側面には、たとえば、次のものがある。建設方法(たとえば、敷地上の建物の位置や相互の関係)、建設の種類(たとえば、固体、骨組、トラス、組立施工などの構造条件)、建築材料の選択、建物の位置(たとえば、アクセシビリティ)、居住者の種類と人数、寸法(たとえば、建物のサイズ、構成、区画)、火災負荷と危険物の種類と量(たとえば、火災および被害拡大の危険性)、火災および/または損害の危険性(たとえば、発火源、条件および確率)、使用の種類(たとえば、運用中および使用関連)および建物の種類(たとえば、運用および使用手順)、火災の検出(たとえば、検出および通知の確率)、救助および消火活動の開始、救助および消火活動の範囲と期間、緊急対応要員の能力(たとえば、消防士、救助サービス、消火資源およびその他の緊急対応要員、消防署、救助サービス、消火剤の提供など)、技術機器の利用可能性(たとえば、消火システム、火災警報システム、排煙および排熱システム、危険検知システム)、運用上の危険防止手段の範囲(たとえば、防火規定、危険防止計画、訓練コース、指示、工場の消防署、消火補助器具など)。
【0014】
予防的防火の重要な目的と保護目標は、生命、健康、財産、所有物、環境を保護することである。
【0015】
構造上の防火の観点から見ると、構造上の対策は非常に多様であり、特に使用される建築材料や建築部品が含まれ、ヨーロッパとドイツで規制されている。たとえば、鉄筋コンクリート建設物についてはDIN EN 13501やDIN EN 1992-1-2で規制され、鋼建設物についてはDIN EN 1993-1-2で規制され、木造建設物についてはDIN EN 1995-1-2で規制されている。工業用建物の構造上の防火(DIN 18230で規制)も構造上の対策に含まれ、避難経路の計画および建物内の消火システムの設置も構造上の対策に含まれる。構造上の対策では、何よりも建築材料の火災挙動と建築部品の耐火性を考慮する必要がある。
【0016】
防火は鋼建設物の場合に特に重要であり、本発明に関連して「鋼建設物」という用語は広く理解されるべきであり、純粋な鋼の建設物だけでなく、コンクリートに接続された鋼要素が使用されている複合的な鋼建設物、鋼骨組の建設物、および鋼建物の建設物も含まれる。
【0017】
したがって、鋼建設物は、主に耐荷重構造の建設物に鋼が使用される構造工学の技術分野である。純粋な鋼の建造物、特に圧延鋼桁、構造用鋼製のシート、パイプは、たとえばボルト締め、溶接、またはリベット留めなどによって互いに接合されて構造物を形成する。
上で説明したように、鋼建設物には、純粋な鋼の建設物に加えて、鋼要素をコンクリートと組み合わせて使用する複合的な鋼建設物、鋼骨組の建設物、および鋼建物の建設物も含まれる。鋼建設物は通常、ユーロコード3:鋼構造物の設計(EN 1993)に従って設計される。鋼建設物は、計画と建設にかかる時間が比較的短いという利点と、構造を柔軟に実現できるという利点を兼ね備えている。この柔軟性は、たとえば、比較的軽くて細いが耐荷重性の高い部品の使用と、高度かつ正確なプレハブ式の使用とから得られ、プレハブ式なので組み立て時間が短縮される。
【0018】
しかしながら、風化にさらされる鋼部品は、例えば特殊な表面コーティングなどによって腐食から保護されなければならない。
【0019】
鋼構造物および鋼(構造)部分も、さまざまな状況や用途で高温にさらされることがよくある。この負荷は、たとえば熱処理プラントの領域において、スケジュールに基づいて、永続的または周期的に存在する可能性がある。または、この負荷は、例外的な状況でのみ、たとえば建物内で火災が発生した場合に発生する可能性がある。予定された熱負荷を受ける部品には、通常、高温鋼が使用される。この鋼の強度は、非高温鋼と比較して、存在する温度による強度の低下が少なくなる。しかし、このような高温鋼は建築業界の構造用途にはまったく適していない。熱負荷が例外的な、つまり予定外の負荷ケースである場合、経済的な理由から鋼グレードを適応させることはお勧めできない。その代わりに、追加の保護手段によって超臨界的な熱負荷から部品を保護する試みが行われる。このために必要な対策は、通常、コーティング、クラッディングなどの受動的な保護システムを提供する。しかしながら、これらの対策には、コーティングの純粋な塗布と、コーティング、クラッディングなどの耐久性を確保するために必要な対策の両方を含み、かなりのコストがかかる。たとえば、組み立て中および/または構造的または使用関連の対策の過程での損傷の結果として発生する可能性のある修理と、継続的なメンテナンスの両方である。
【0020】
現在の技術水準によれば、不動態の防火コーティングは、鋼構造物を火災から保護するために構造鋼工学において特に使用されている。このようなコーティングは、鋼部品に適用される。それらの機能は、火災時の熱負荷の下で発泡または膨張する物質が含まれており、断熱効果を達成するという事実に基づいている。つまり、鋼部品の加熱が一定時間防止される。ただし、これらのコーティングの欠点は、その有効性が限られた期間(特に最長10年)しか認められないため、定期的な更新が必要となり、特に時間とコストがかかることである。さらに、防火コーティングは機械的応力の影響を受けやすいため、機械的応力から適切に保護するか、それが不可能または望まれない場合は、潜在的な事象中に起こり得る損傷を検査する必要がある。持続可能性の観点からは、耐久性が限られていることに加えて、使用される材料の循環性の欠如が欠点として挙げられる。
【0021】
したがって、鋼部品の必要な防火は、通常、受動的な対策、特に防火クラッディングまたは防火コーティングによって確保される。
【0022】
しかし、鋼構造物は、鋼部品(梁など)の断面が比較的薄肉であり、熱伝導率が高く、火災の際に急速に加熱するため、特に特別な防火が必要となることがよくある。鋼の機械的特性は温度に強く依存するため、たとえば、600℃での鋼の降伏強さは、この加熱の結果として20℃での値の半分に減少し、弾性率(ヤング率)も、鋼の温度が上昇すると減少する。火災負荷と構造物の使用目的に応じて、必要な耐火性に合わせて鋼部品の寸法を大きくすることにより、および/または、特別な防火外装または防火コーティングを使用することにより、構造物の機能(耐負荷能力)を指定された最小期間確保し、構造物の早期破損を防止することができる。
【0023】
防火のためには、それぞれの構造物に対して立法者が要求する耐火期間を遵守する必要がある。この耐火期間は、連邦州の州建築基準で一般的な建物に対してそれぞれ定められている。この必要な耐火期間は、構造物とその用途に応じてカテゴリに分類される。たとえば、ドイツの規格(DIN 4102:建築材料および部品の火災挙動、特にDIN 4102-2:1977-09)に従って、カテゴリF30、F60、F90、F120、またはF180に分類される。これらの数値は、構造物が火災に耐えなければならない最小期間(分単位で指定)を定義する。部品の大型化や断熱防火対策を決定するために想定される標準的な火災は、単位温度/時間曲線(略してETKとも呼ばれる)である。これは、ガス温度が最初の数分以内に600℃以上まで急激に上昇し、その後ゆっくりと着実に上昇し続ける温度/時間曲線を表す。このようにして、鋼部品を保護するための追加の対策はすべて、その性能プロファイルを示す。一方、サイズ大型化の方法(欧州規格EN 1993-1-2またはDIN EN 13501-2:2016-12に準拠)は、計算による決定に基づいている。開始点は、「ETK火災」における鋼温度の計算による決定であり、鋼温度の決定により、設計に必要な機械的特性を決定できる。実際の設計は、火災に適応された安全係数の下で熱の影響を受ける機械的特性を使用したコールド設計と同様の方法で行われる(この設計手順は試験に基づいて校正される)。一方、ホット設計では、防火は適用されず、または取り付けられず、その代わりに部品の寸法が大きくされる。すなわち、部品はコールド設計で必要とされるよりも強力に設計される。その結果、部品の寸法(つまり、部品の質量)が大きくなるため、火災負荷下での部品の加熱が遅くなり、これにより鋼強度の低下が少なくなり、それに応じて耐負荷能力が高くなる。
【0024】
純粋な鋼部品の防火の場合、サイズ大型化はしばしば過剰であるため、実行不可能であるか、少なくとも経済的ではない。したがって、通常は追加の受動的および/または能動的な防火対策を講じる必要がある。鋼部品に後付けされた防火対策は、一般に断熱、遮蔽、および/または放熱効果を有する。断熱、遮蔽および/または放熱の防火手段は、例えば、バーミキュライトまたは鉱物繊維などのセメント質の吹付け石膏で作られた外装またはクラッディング(通常は必要な石膏ベースと一緒に)、箱形の外装材(例えば石膏ボード製)、断熱層形成コーティング、吊り天井などの部屋閉鎖システム、ポンプに依存せず熱的に自由に循環する水による形鋼の空洞の充填などが挙げられる。しかし、これらの必要な防火対策は、設置するのに時間と費用がかかり、更なるまたは追加の材料および原材料を適用することが要求される。これは経済的、技術的、安全性の面で不利であり、美観の面でも不利である。持続可能性の観点からも悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
したがって、本発明の根底にある問題は、鋼部品に必要な防火性(すなわち、耐炎性および/または耐火性)を簡単な方法で提供することであり、上述した従来技術の欠点を少なくとも大幅に回避するか、または少なくとも軽減する。
【0026】
特に、耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための方法、または鋼部品に耐炎性および/または耐火性を付与するための方法が提供される。これにより、技術的な観点から確実に実現できる従来の最新式の構造上の防火対策と比較して、簡素化されコスト効率の高い方法で耐炎性および/または耐火性を生成できる。
【0027】
特に、計画および実行、プロセスの経済性および運用の互換性に関する再現性、ならびにコストおよび資源利用の改善を含む持続可能性の側面も、本発明の範囲内で可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上述した問題を解決するために、本発明は、本発明の第1の態様によれば、請求項1に従って耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための方法、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性を付与するための方法を提案する。さらに、本発明による方法の特に特別および/または有利な実施形態は、関連する方法の従属請求項の主題である。
【0029】
さらに、本発明は、本発明の第2の態様によれば、それに関連する使用の独立請求項(請求項39)に従って耐炎性および/または耐火性を生成するためのアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の使用に関する。さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、それに関連する従属請求項の主題である。
【0030】
さらに、本発明は、本発明の第3の態様によれば、それに関連した使用の独立請求項(請求項42)に従って耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または、鋼部品に耐炎性および/または耐火性を付与するための、溶融亜鉛メッキおよび/または溶融亜鉛メッキ方法の使用に関する。さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、それに関連する従属請求項の主題である。
【0031】
さらに、本発明は、本発明の第4の態様によれば、それに関連する使用の独立請求項(請求項44)に従って溶融亜鉛メッキされた鋼部品、および/または溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品の耐炎性および/または耐火性を向上および/または改善するためのアルミニウムの使用に関する。さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、この点での使用のための従属請求項の主題である。
【0032】
同様に、本発明は、本発明の第5の態様によれば、それに関連する使用の独立請求項(請求項79)に従って耐炎性および/または耐火性の要件を満たすための構造部品として、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキが施された鋼部品の使用に関する。さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、それに関連する従属請求項の主題である。
【0033】
さらに、本発明の主題は、本発明の第6の態様によれば、それに関連する使用の独立請求項(請求項83)に従って燃料電池、蓄電池、バッテリー、ガルバニ素子などのエネルギー貯蔵装置またはエネルギー変換器用、特に自動車用の、好ましくは耐炎性および/または耐火性の要件を満たす受電装置の構造部品、特に筐体または容器としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の使用である。さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、関連する使用の従属請求項の主題である。
【0034】
同様に、本発明は、本発明の第7の態様によれば、それに関連する独立請求項(請求項86)に従って建設物、特に建物または建物の一部のための支持構造物、特に鋼製構造物に関する。さらに、本発明による支持構造物の特に特定のおよび/または有利な実施形態は、それに関連する従属請求項の主題である。
【0035】
さらに、本発明は、本発明の第8の態様によれば、それに関連する独立請求項(請求項89)に記載の本発明の支持構造物を備える建設物、特に建物または建物の一部に関する。さらに、本発明による構造物の特に特別および/または有利な実施形態は、それに関連する従属請求項の主題である。
【0036】
最後に、本発明の主題は、本発明の第9の態様によれば、それに関連した独立請求項(請求項92)に従って鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品上に耐炎性および/または耐火性を生成するための、および/または鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品に耐炎性および/または耐火性を付与するための、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の使用である。さらに、本発明による構造物の特に特別および/または有利な実施形態は、この点における従属請求項の主題である。
【0037】
以下に記載される設計、実施形態、利点などは、繰り返しを避ける目的で本発明の1つの態様のみに関して説明されるが、当然のことながら本発明の他の態様に関しても別途言及する必要なく同様に適用されることは、以下の説明から自明である。
【0038】
以下に述べるすべての相対またはパーセント重量関連データ、特に相対量または重量データの場合、これらは本発明の範囲内で当業者によって選択されるべきであることにさらに留意されたい。選択においては、特に以下に定義するように、すべての成分または材料を考慮して、常に合計して100%または100重量%となるようにする。しかしながら、これは当業者にとっては自明のことである。
【0039】
他のすべての点において、当業者は、用途または個々の場合に応じて、本発明の範囲から逸脱することなく、必要に応じて以下に示す明細書範囲から外れることができる。
【0040】
さらに、以下に記載されるすべての値またはパラメータなどは、標準化されたまたは明示的に記載された決定方法、または当業者によく知られた決定または測定方法によって基本的に決定できる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以上を踏まえて、以下、本発明を詳細に説明する。
【0042】
したがって、本発明の主題は、本発明の第1の態様によれば、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法であって、鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、ただし、特に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。
【0043】
今回、出願人が完全に驚くべき発見をしたことで、鋼部品の耐炎性および/または耐火性(特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性)が、鋼部品にアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を付与することにより効率的に達成することができる。まったく予想外の方法で、このようなアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、火災の際の部品の加熱を大幅に軽減し遅らせる(これには、冒頭では技術状況に関連して記載したような追加の構造上の高価な防火手段は必要ない)。
【0044】
特に驚くべきことは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えたこのような鋼部品の耐炎性または耐火性がそれぞれ、亜鉛メッキされていない鋼部品と比較して、著しく改善または向上した耐炎性または耐火性を示すだけではなく、従来の亜鉛メッキ鋼部品(すなわち、従来の純粋な亜鉛の亜鉛メッキ層を備えた鋼部品、つまりアルミニウムを含まない鋼部品)と比較しても、著しく改善または向上した耐炎性または耐火性を示す。純粋な亜鉛という用語は、本発明の文脈において、純粋または準純粋な亜鉛からなる(すなわち、関連するアルミニウム含有量なしで提供されるか、または少なくとも実質的に含まない、好ましくはアルミニウムを(完全に)含まない)ものから生成された亜鉛溶融物または溶融亜鉛メッキ層を意味する。
【0045】
本発明によるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の耐炎性または耐火性のそれぞれにおけるそのような顕著な向上または改善は、当業者には予見できなかったので、これは完全に驚くべきことであると見なされなければならない。
【0046】
特定の理論に固執するつもりはないが、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の結果として驚きをもって見出された、鋼部品上の耐炎性および/または耐火性の生成は、火事や火災の場合に、特に拡散により、Zn/Al相からFe/Al相への変態が起こり、亜鉛および/またはFe/Zn相と比較して放射率が低下するという事実、および/または、火災の際に溶融亜鉛メッキ層に耐熱性のアルミニウム酸化物が形成され、それによって、そのようなアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層で被覆された鋼部品の表面が、火や高温から効率的に保護されるため、部品の加熱が大幅に弱められ、および/または遅くなるという事実によって説明することができる。
【0047】
出願人が同様に驚くべき発見をしたように、以下に詳細に説明するように、亜鉛メッキされていない鋼部品との比較だけでなく、純粋な亜鉛をベースとした溶融亜鉛メッキ層を備えた従来の亜鉛メッキ鋼部品と比較しても、アルミニウムの存在により、耐火性を著しく向上または改善することができる。さらに、溶融亜鉛メッキ皮膜のアルミニウム含有量により、従来の亜鉛メッキ鋼部品と比較して、大幅に薄い皮膜の厚さを実現できる(それに伴い、資源と重量が大幅に節約される)。
【0048】
さらに、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、確実に効率的な腐食保護も行い、これも従来の亜鉛メッキ鋼部品と比較して改善されている(特に溶融亜鉛メッキ層のより薄い厚さと同時に)。
【0049】
本発明の概念は、不利であるとしての先行技術の説明に関連して冒頭で説明した(防火コーティング、防火クラッディングなど)更なる追加の構造上の防火手段が必要とされない程度まで、鋼部品の耐火性および/または耐炎性を生成および/または発生させることを可能にする。
【0050】
本発明の解決策アプローチは、特に、防火および/または防食と防火の組み合わせを目的とした、鋼製の構造要素のピース亜鉛メッキのためのアルミニウム合金亜鉛溶融物の使用に大きく基づいている。特に、亜鉛溶融物(したがって得られる溶融亜鉛メッキ層)中の250ppmおよび/または500ppmのアルミニウム含有量から、亜鉛皮膜が形成される、これは、火災の場合に通常発生する熱負荷の作用下においてアルミニウムを含まない亜鉛皮膜よりも著しく有利に挙動する。
【0051】
特に、新しい発明の解決策アプローチは、多数の利点および特別な特徴を達成し、そのいくつかは既に上で述べている。
【0052】
限定するものではないが、本発明の以下の利点および特別な特徴にも言及する必要があり、これらは、既に上で説明した従来の亜鉛メッキされた部品の利点に加えて、従来技術に対する大幅な改善をもたらす。
【0053】
亜鉛溶融物(したがって亜鉛皮膜)のAl含有量が増加すると、吸収熱放射と反射熱放射の比の尺度である放射率ε(ε=0:完全反射、ε=1:完全吸収)は、高温まで低レベルに留まり、Alフリー(無し)および/またはほぼAlフリーの亜鉛溶融物において亜鉛メッキされた部品と比較して、この方法で亜鉛メッキされた部品の加熱が遅くなる。
【0054】
火災負荷下での温度誘起拡散法の開始時の放射率増加のレベルも、Al合金亜鉛溶融物を使用すると低くなり(これも、Alフリーおよび/またはほぼAlフリー亜鉛溶融物で亜鉛メッキされた部品と比較して)、部品の加熱も遅くなる。
【0055】
したがって、本発明の方法に従って達成される放射率の低減は、Alフリーおよび/またはほぼAlフリー亜鉛溶融物中で亜鉛メッキされた部品と比較して、所定の火災期間後の部品温度を低くし、これはより高い耐負荷能力に関連する。あるいは、同じ部品温度、すなわち同じ耐負荷能力が、鋼プロファイルの断面を縮小することによって達成でき、その結果、必要な鋼質量が大幅に節約される。
【0056】
また、Al合金亜鉛溶融物の使用により、特に亜鉛溶融物中のAl含有量が1,200ppmになると、亜鉛皮膜の厚さが減少するが、この値を下回る場合もある。その結果、DIN EN ISO 12944に準拠した腐食性カテゴリC1またはC2の場合など、鋼構造物に腐食要件がまったく課されていない、または低い要件のみが課されている用途に、大幅に薄い亜鉛皮膜を適用でき、これによっても材料と部品の効率が向上する。
【0057】
Al合金亜鉛溶融物の使用は、特に亜鉛溶融物中のAl含有量が1,200ppmより大きい値(ただし、既にこの値を下回っている)から、亜鉛皮膜の外観が鋼の化学的性質からますます独立するようになるという事実にもつながる。Al含有量が約1,200ppmから、DIN EN ISO 14713-2に準拠したカテゴリA~Dのすべての鋼を使用できる。カテゴリAおよびBに対する従来技術の以前の制限は、従来技術によって500℃までの低減された放射率を達成するために必要とされたものであり、本発明の場合はもはや存在しない。
【0058】
薄層、好ましくは数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲の層厚を有する薄層、特に透明な後処理コーティング、たとえば不動態化および/またはシーリングの使用は、本発明の範囲内で同様に可能であり、達成される結果に関してさらに有利である。
【0059】
したがって、本発明は、上記のように、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法を提供し、鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、ただし、特に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。
【0060】
本発明の文脈で使用される耐炎性および耐火性という用語は、特に類義語として理解されるべきであり、関連する標準法規および規格、特にDIN EN 13501-2:2016-12およびDIN 4102-2:1977-09(ただし、DIN EN 1993-1-2:2006-10やDIN EN 1991-1-2/NA:2015-09など、他の関連規格および標準法規も含む)に従って使用される。
【0061】
したがって、表面のいわゆる放射率(放射度)εmは、火事および/または火災が発生した場合の鋼部品の加熱の尺度として使用できる。
【0062】
本発明の場合、表面の放射率(放射度)εmは、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従った表面の放射率εmを意味する。
【0063】
物体の放射度(放射率とも同義)は、理想的な熱放射体(すなわち黒体)と比較してその物体がどれだけの放射線を放出するかを示す。したがって、放射率の値は常に0(吸収なし)と1(100%吸収)の間になる。したがって、放射率は、材料または物体(例えば、本発明の場合は鋼部品)がその周囲と熱放射をどれだけ強く交換するかの尺度である。
【0064】
放射率または放射度εは、それぞれ無次元の物理量であり、材料および/またはその表面がその環境にどれだけ強く熱放射を放射するかの尺度を提供する。なぜなら、関連するユーロコードは、優れた放射体は優れた吸収体でもあるというキルヒホッフの法則に基づいており、したがって吸収係数αが物体の放射率εに対応するという近似に基づいているからである。実際の物体の放射率、より具体的には、本発明の場合は鋼部品などの金属表面の放射率は、表面状態、部品の温度、波長範囲、放射角などの多くの異なるパラメータに依存し、したがって非常に変動しやすい物理量である。放射率εのパラメータは、これら影響を与える変数を単一のパラメータに結合しているので、本発明の場合、このパラメータは、本発明に従って設計された鋼部品の耐炎性または耐火性をそれぞれ特徴付けるのに特に適している。
【0065】
本発明に従って使用される表面の放射率(放射度)εmのパラメータは、前述の関連規格DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って使用される。
【0066】
DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って、亜鉛メッキされていない構造鋼の表面の放射率は0.70であると想定される。比較すると、従来の亜鉛メッキされた構造鋼(つまり、純粋な亜鉛の溶融亜鉛メッキ層を備えた構造鋼)の場合、表面の放射率(放射度)εmは、500℃以下の温度で約0.35と想定される。ただし500℃以上の温度では、表面の放射率(放射度)εmは0.70以上である(つまり、亜鉛メッキされていない構造鋼と同じ)(2019年からEN 1993-1-2を更新するための標準化団体CEN/TC 250/SC 3/WG 2 N 82のプロジェクトチームSC3.T6の第2稿も参照)。
【0067】
全く驚くべきことに、本発明の場合、溶融亜鉛メッキ層へのアルミニウムの混合の結果として、および/または溶融亜鉛メッキ層に関連したアルミニウムとの合金化の結果として、500℃を超える温度でも表面の放射率(放射度)εmは0.70未満に大幅に低下する可能性があることが判明した(このことは、火事や火災が発生した場合に、当該の鋼部品は加熱を大幅に低下させ、遅延させることを意味する。上記の説明も参照)。
【0068】
本発明によれば、この表現は、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、すなわちεm<0.7であることを意味し、したがって0.7の値自体は除外される(したがって「未満」という表現)。
【0069】
鋼表面の放射率(放射度)εmの温度依存パラメータは、それ自体当業者に知られている日常的な方法および測定手順(特に熱センサー、特に赤外線センサー、および/または熱電対を使用)によって実験的に決定することができる。本発明に関連して、いわゆる放射率性能試験による決定は、C. Gaigl and M. Mensinger, Technical Report “Thermal impact on HDG construction”, Technical University of Munich, February 2018およびM. Mensinger and C. Gaigl, paper “Feuerwiderstand verzinkter Stahlkonstruktionen”, Stahlbau, Vol. 88, pages 3 to 10, January 2019に詳細に記載されており、この場合に特に有用であることが証明されている。表面の放射率(放射度)εmのこの決定方法は、本発明の場合において、特に本発明による実施形態の場合においても使用される。この決定方法は、特に、火事および/または火災の際の鋼部品の温度曲線の実験的記録に基づいている(たとえば、DIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠)。関連する鋼部品または関連する試験片がそれぞれ、継続的または増加する熱負荷にさらされる。次に、プランクの放射法則を使用して、これから放射率を決定および/または計算できる。
【0070】
内部の鋼構造物の評価には、いわゆる均一温度時間曲線(ETK)が熱暴露として一般に利用される。しかし、既存の建築法規によっては、自然火災モデルも使用できる。DIN EN 1991-1-2に従って、ETKは熱応力および/または負荷として次のように定義される。
T=345log10(8t+1)+20[℃]
ここで、
T=燃焼室温度[℃]、t=時間[分]。
【0071】
熱の影響に関係なく、火災時の熱輸送は、いくつかのシステム間のエネルギー交換によって行われる。この方法では、熱エネルギーは常に高いエネルギーレベルから低いエネルギーレベルに輸送される。部品が直接接触していない場合、これは2つの異なるメカニズム、つまり対流および/または電磁放射によって発生する可能性がある。保護されていない鋼部品の温度の上昇Δθ
a,tは、次の式(1)から一定の時間間隔Δt<5[秒]にて計算できる。
【数1】
【0072】
シェーディング効果の補正係数k
sh、プロファイル係数A
m/V、比熱容量c
a、鋼の嵩密度p
aなどの要因に加えて、正味熱流束h
net(エイチドット
net)が、部品の加熱に反映される。後者は、前述の対流h
net,c(エイチドット
net,c)と放射h
net,r(エイチドット
net,r)の2つの部分で構成される。以下の式(2)~(4)参照。
【数2】
【0073】
式(2)~(4)から分かるように、特に部品と環境の間の温度差が大きい領域では、熱放射が部品の加熱に大きく寄与する。放射による熱伝達は部品の表面に大きく影響されるため、まさにここで溶融亜鉛メッキによる効果が生じる。
【0074】
両方の放射率、つまり部品表面の放射率εmと燃焼室の放射率εfの両方が、熱流束の放射成分に影響する。関連するユーロコードの仮定εf=1.0(すなわち、DIN EN 1993-1-2、ユーロコード3:鋼構造物の設計、パート1-2:一般規則、火災のための構造設計、およびDIN EN 1994-1-2、ユーロコード4:鋼鉄とコンクリートの複合構造物の設計、パート1-2:一般規則、火災のための構造設計)によると、周囲の放射率には理想的な黒体の特性が割り当てられる。一方、構造鋼の場合は、実際の表面特性に関係なく、放射率εm=0.70が想定される。これは、導入された放射エネルギーの70%の熱吸収に相当する。
【0075】
したがって、本発明に従ってアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を鋼部品上に使用すると、上述したように、特に対応する未亜鉛メッキ鋼部品と比較して、火事および火災が発生した場合の表面での放射率εmの大幅な低下がもたらされるだけでなく、従来の亜鉛メッキ鋼部品(すなわち、純亜鉛の溶融亜鉛メッキ層を備えたもの)と比較しても、火事および火災が発生した場合の表面での放射率εmの大幅な低下がもたらされる。このようにして、本発明の範囲内で、関連する標準および標準法規、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09の防火要件は、追加のおよび/またはさらなる構造上の防火対策がなくとも達成することができる。
【0076】
本発明で使用されるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ皮膜およびそれらの製造および/または製作は、それ自体従来技術から当業者には十分に知られているので、この点に関してこれ以上の説明は不要である。しかし、これまでのところ、そのようなアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ皮膜は、従来技術においては、腐食防止のみを目的として提供されてきた。すなわち、耐炎性および/または耐火性の改善に関する影響は、これまでの先行技術では認識されておらず、したがって実現されていない。この知識と技術的教示は、全く驚くべき形で、本発明の出願人のみから得られたものである。
【0077】
結果として、本発明は、鋼部品にアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を設けることにより、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して鋼部品に溶融亜鉛メッキを施すことにより、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成することができ、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与することができる、という出願人の驚くべき発見に基づいており、ただし、特に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。
【0078】
本発明による耐炎性および/または耐火性の所望の効果を達成するために、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の一定の最小厚さが提供されるべきである。一方、持続可能性、材料の節約、特に鋼部品の重量の理由から、層の厚さは一定の上限を超えるべきではない。
【0079】
これに関連して、次のことが本発明の範囲内で有用であることが判明した。すなわち、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、それぞれ、1μm~250μmの範囲、特に1μm~200μmの範囲、好ましくは1.5μm~150μmの範囲、好ましくは2μm~100μmの範囲、より好ましくは2μm~80μmの範囲、更により好ましくは2.5μm~70μmの範囲、尚より好ましくは2.5μm~60μmの範囲、一層好ましくは3μm~50μmの範囲、更に一層好ましくは3.5μm~30μmの範囲、最も好ましくは4μm~25μmの範囲の層厚で鋼部品に適用される。
【0080】
特に、本発明の方法によれば、有利には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、少なくとも1μm、特に少なくとも1.5μm、好ましくは少なくとも2μm、好ましくは少なくとも2.5μm、より好ましくは少なくとも3μm、更により好ましくは少なくとも3.5μm、尚より好ましくは少なくとも4μmの層厚で鋼部品に適用される。
【0081】
同様に、本発明の方法によれば、有利には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、250μm以下、特に200μm以下、好ましくは150μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、更により好ましくは70μm以下、尚より好ましくは60μm以下、一層好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、最も好ましくは25μm以下の層厚で鋼部品に適用される。
【0082】
上記の皮膜厚さにより、本発明の方法に従って特に良好な結果を達成することができる。それにもかかわらず、本発明の範囲から逸脱することなく、特にケースバイケースで、上記の値および値の範囲から逸脱することは不可能ではない。これは当業者の裁量によるものである。
【0083】
同様に、本発明に従って使用されるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウムの量および/またはアルミニウム含有量は、一方では、十分な耐炎性および/または耐火性を確保するために、また一方では、材料の重量、材料の経済性および持続可能性の側面を考慮および/または遵守するために、特定の範囲内で変化すべきである。
【0084】
これに関連して、本発明の方法によれば、次のことが特に有用であることが判明した。すなわち、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、それぞれ、0.025重量%~50重量%の範囲、特に0.04重量%~45重量%の範囲、好ましくは0.05重量%~40重量%の範囲、好ましくは0.075重量%~30重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%~20重量%の範囲、更により好ましくは1.5重量%~15重量%の範囲、尚より好ましくは2重量%~12.5重量%の範囲、一層好ましくは3重量%~10重量%の範囲、更に一層好ましくは3.5重量%~9重量%の範囲、最も好ましくは4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する。
【0085】
これに関連して、本発明の方法によれば、特に有利には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準にして、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、それぞれ、少なくとも0.025重量%、特に少なくとも0.04重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも0.075重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、更により好ましくは少なくとも1.5重量%、尚より好ましくは少なくとも2重量%、一層好ましくは少なくとも3重量%、更に一層好ましくは少なくとも3.5重量%、最も好ましくは少なくとも4重量%のアルミニウム含有量を有する。
【0086】
さらに、これに関連して、次のことが本発明の範囲内で特に有用であることが判明した。すなわち、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、それぞれ、50重量%以下、特に45重量%以下、好ましくは40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更により好ましくは15重量%以下、尚より好ましくは12.5重量%以下、一層好ましくは10重量%以下、更に一層好ましくは9重量%以下、最も好ましくは8重量%以下のアルミニウム含有量を有する。
【0087】
さらに、これに関連した別の実施形態によれば、次のことが本発明の範囲内で特に有用であることが判明した。すなわち、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、0.5重量%~20重量%の範囲、特に1重量%~10%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、0.5重量%~20重量%の範囲、特に1重量%~10重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する。
【0088】
本発明の方法に従って耐炎性および/または耐火性の鋼部品に適用されるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の製造に使用される)の組成に関して、この組成は特定の範囲で変化してもよい。ここで、アルミニウム合金および/またはアルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層および/またはアルミニウム合金および/またはsh溶融物の全部の組成に関しては、前述の列挙されたアルミニウム含有量に基づいて特定の内訳が与えられる。
【0089】
本発明の範囲内で、次のことが特に有用であることが判明した。すなわち、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、それぞれ、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の場合はアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)の場合はアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)50重量%~99.975重量%の範囲、特に55重量%~99.96重量%の範囲、好ましくは60重量%~99.95重量%の範囲、好ましくは70重量%~99.925重量%の範囲、より好ましくは80重量%~99.1重量%の範囲、更により好ましくは85重量%~98.5重量%の範囲、尚より好ましくは87.5重量%~98重量%の範囲、一層好ましくは90重量%~97重量%の範囲、更に一層好ましくは91重量%~96.5重量%の範囲、最も好ましくは92重量%~96重量%の範囲の量の亜鉛(Zn)、
(ii)0.025重量%~50重量%の範囲、特に0.04重量%~45重量%の範囲、好ましくは0.05重量%~40重量%の範囲、好ましくは0.075重量%~30重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%~20重量%の範囲、更により好ましくは1.5重量%~15重量%の範囲、尚より好ましくは2重量%~12.5重量%の範囲、一層好ましくは3重量%~10重量%の範囲、更に一層好ましくは3.5重量%~9重量%の範囲、最も好ましくは4重量%~8重量%の範囲の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、特にビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせの群から選択される1種以上のさらなる金属であり、前記金属の量は、0.001重量%~10重量%の範囲、特に0.001重量%~9重量%の範囲、好ましくは0.01重量%~8重量%の範囲、好ましくは0.02重量%~6重量%の範囲、より好ましくは0.05重量%~5重量%の範囲、更により好ましくは0.1重量%~4重量%の範囲、尚より好ましくは0.2重量%~3.5重量%の範囲、一層好ましくは0.3重量%~3重量%の範囲、更に一層好ましくは0.4重量%~2重量%の範囲、最も好ましくは0.5重量%~1重量%の範囲であり、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0090】
さらに、次のことが本発明の範囲内で特に有用であることも判明した。すなわち、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)70重量%~99.5重量%、特に90重量%~99重量%の範囲の量の亜鉛(Zn)、
(ii)0.5重量%~20重量%、特に1重量%~10重量%の範囲の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、特にビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせの群から選択される、特に0.001重量%~10重量%、特に0.001重量%~6重量%の範囲の1種以上のさらなる金属、ただし、特に、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0091】
さらに、次のことが本発明の範囲内で特に有用であることも判明した。すなわち、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、特にビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)およびそれらの組み合わせの群から選択される、特に0.001重量%~6重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0092】
上述したアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の組成および/または形成、特にアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量は、溶融亜鉛メッキに使用されるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物によって本発明の範囲内で調整および/または制御される。これ自体は当業者には既知であるため、この点についてのさらなる説明は不要である。
【0093】
本発明の場合、提供し得る耐炎性および/または耐火性は、特に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の厚さおよび組成および/または形成によって、特にアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量によって調整および/または制御されてもよい。
【0094】
特に、この場合、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量を増加させることで、耐炎性および/または耐火性を高めることができ、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の層厚を大きくすることで、耐炎性および/または耐火性を高めることができる。
【0095】
特に好ましい本発明の実施形態によれば、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で鋼部品に適用される。
【0096】
これに関連して、特に好ましくは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準として、4重量%から8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する。
【0097】
また、本発明の方法によれば、特に好ましくは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は、それぞれ、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の場合はアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)の場合は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択される。
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択される、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0098】
本発明による方法の特定の実施形態によれば、本発明は、特に、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法、特に上述した方法にも関するものであり、鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物が使用されて溶融亜鉛メッキが施され、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が、4μm~25μmの範囲の層厚で鋼部品に適用され、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、ただし、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが、0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが、0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲である。
【0099】
この特定の実施形態によれば、特に好ましくは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0100】
この特定の実施形態によれば、特にさらに好ましくは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、任意に存在するマグネシウムの割合が0.2重量%未満であり、特に0.15重量%未満である。
【0101】
本発明による方法のさらに特定の実施形態によれば、本発明は、特に、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を提供するための方法、特に上述した方法にも関するものであり、鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が、4μm~25μmの範囲の層厚で鋼部品に適用され、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、ただし、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが、0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが、0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲であり、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0102】
本発明による方法のさらに別の特定の実施形態によれば、本発明は、特に、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 41022-:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法、特に上述した方法にも関するものであり、鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、2.5μm~70μmの範囲の層厚で鋼部品に適用され、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、1重量%~10重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、ただし、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)εmが、0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)εmが、0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲である。
【0103】
この特定の実施形態によれば、特に好ましくは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~6重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0104】
この特定の実施形態によれば、特にさらに好ましくは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、任意に存在するマグネシウムの割合が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0105】
本発明による方法のさらに別の特定の実施形態によれば、本発明は、特に、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 41022:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための方法、特に、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法、特に上述した方法にも関するものであり、鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、2.5μm~70μmの範囲の層厚で鋼部品に適用され、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、1重量%~10重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、ただし、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)εmが、0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)εmが、0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲であり、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)90重量%~99重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)1重量%~10重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、特に0.001重量%~6重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0106】
上述のより好ましい実施形態では、本発明に従って目的とする耐炎性および/または耐火性の範囲内で特に良好な結果が得られる。
【0107】
耐炎性および/または耐火性に関して特に良好な結果を達成するためには、本発明の方法による次のことが有利であることが判明した。すなわち、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満(すなわちεm<0.7)、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、最も好ましくは0.50以下である。このようにして、本発明の方法に従って特に良好な結果が得られる。
【0108】
また、本発明の文脈において、有利には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲、特に500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。また、このようにして、本発明の方法に従って特に良好な結果が得られる。
【0109】
本発明のより好ましい態様によれば、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~650℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが0.40以下、特に0.35以下、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.25以下であり、かつ、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、650℃から850℃の範囲の温度で、表面の放射率εmが0.65以下、特に0.60以下、好ましくは0.55以下である。
【0110】
より好ましいこの実施形態は以下の場合に特に考慮されるべきである。
・アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が、4μm~25μmの範囲の層厚で鋼部品に適用される場合、および/または
・アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準にして、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)が、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を基準にして、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有する場合、および/または、
・アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計が100重量%となるように選択される場合、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物(アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を製造するために使用される)は以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量はアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物に関するものであり、合計で100重量%となるように選択される場合、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である。
【0111】
本発明の他のより好ましい態様によれば、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが0.65以下、好ましくは0.60以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃から850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが0.05~0.65の範囲、好ましくは0.05~0.60の範囲である。
【0112】
これとは対照的に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を適用する前に、鋼部品は、500℃を超える温度、特に500℃~850℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが0.7以上である。
【0113】
アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ皮膜が設けられた鋼部品の表面の放射率(放射度)εmなる用語は、特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に従った定義および/または決定(=DIN EN 1993-1-2:2006-10に基づく表面の放射率(放射度)εm)に対応する。
【0114】
アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ皮膜が設けられた鋼部品の表面の放射率(放射度)εmは、当業者に知られている方法および/または手順を使用して決定することができる。特に、これに関連して、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の、特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠した表面の放射率(放射度)εmは、継続的および/または増加する熱負荷の下、特に火災(特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠)の場合の温度プロファイルから決定および/または評価される。特に、表面の放射率(放射度)εm、特にDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠した表面の放射率εmは、C. Gaigl und M. Mensinger, Technical Report “Thermal impact on HDG construction”, Technical University Munich, February 2018および/またはM. Mensinger und C. Gaigl, essay “Feuerwiderstand verzinkter Stahl-konstruktionen”, Stahlbau, Vol. 88, pages 3 bis 10, January 2019に従って放射率性能試験によって決定および/または評価できる。
【0115】
上述したように、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、耐炎性および/または耐火性である。
【0116】
本発明の範囲内では、特に好ましくは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、少なくともF30、特に少なくともF60、好ましくは少なくともF90、より好ましくは少なくともF120の、DIN 4102-2:1977-09に準拠した耐火性クラスを有する。
【0117】
さらに、本発明の場合、同様に好ましくは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、少なくともR30、特に少なくともR60、好ましくは少なくともR90、より好ましくは少なくともR120の、DIN EN 13501-2:2016-12に準拠した耐火性クラスを有する。
【0118】
本発明の方法で使用される鋼部品に関する限り、基本的には任意の鋼部品を使用することができる。
【0119】
本発明の場合、鋼部品の鋼が、(i)低ケイ素鋼、特に鋼を基準としてケイ素含有量が0.03重量%以下でかつリン含有量が0.02重量%未満の低ケイ素鋼、(ii)サンデリン(Sandelin)鋼、特に鋼を基準としてケイ素含有量が0.03重量%と0.14重量%の間のサンデリン鋼、(iii)セビスティ(Sebisty)鋼、特にケイ素含有量が0.14重量%と0.25重量%の間のセビスティ鋼、(iv)高ケイ素鋼、特に鋼を基準としてケイ素含有量が0.25重量%より大きい高ケイ素鋼、およびそれらの組み合わせから選択される場合に、特に有利である。
【0120】
本発明の場合、鋼部品の鋼が、DIN EN ISO 14713-2:2020-05に準拠したカテゴリA、B、Cおよび/またはDの鋼およびそれらの組み合わせから選択される場合に、同様に特に有利である。
【0121】
また、本発明に関して有利には、鋼部品は、鋼構造要素、鋼製梁、鋼製形、形鋼、鋼板、鋼管などである。
【0122】
特に、本発明によれば、鋼部品は建設および建築産業向けの鋼部品であってもよく、および/または鋼部品は建設および建築産業向けの鋼構造要素または部品であってもよい。
【0123】
さらに、本発明の方法によれば、特に、鋼部品は、建設および建築産業および/または車両製造もしくは自動車製造向けに意図または設計された鋼部品であってもよい。
【0124】
鋼部品に適用されるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関する限り、これはそれ自体公知の溶融亜鉛メッキ法(溶融亜鉛メッキとも同義)によって適用することができる。したがって、この点についてはこれ以上の説明は不要である。
【0125】
溶融亜鉛メッキは、おそらく、金属皮膜によって鋼を腐食から保護する最も重要な方法である。しかしながら、この方法は防炎および/または防火にはまだ関連付けられていない。溶融亜鉛メッキでは、鋼は液体亜鉛(亜鉛の融点:419.5℃)が入った加熱タンク内に、約450℃~600℃の温度で連続的に(ストリップやワイヤーなど)、または少しずつ(部品など)浸漬される。それにより、鉄と亜鉛の耐久性のある合金層が鋼の表面に付与され、その上に非常にしっかりと付着した純粋な亜鉛層が形成される。
【0126】
溶融亜鉛メッキでは、不連続バッチ亜鉛メッキ(たとえば、DIN EN ISO 1461を参照)と連続ストリップ亜鉛メッキ(たとえば、DIN EN 10143およびDIN EN 10346を参照)が区別される。不連続亜鉛メッキとストリップ亜鉛メッキはどちらも標準化および/または規格化された方法である。ストリップ亜鉛メッキ鋼は、亜鉛メッキ後に、特に成形、打ち抜き、寸法に合わせた切断などによってさらに加工される予備製品および/または中間製品(半製品)である。一方、部品は、ピース亜鉛メッキ(不連続バッチ亜鉛メッキ)によって保護される必要があり、最初に完全に製造され、その後に溶融亜鉛メッキが施される(部品をあらゆる面の腐食から保護する)。ピース亜鉛メッキとストリップ亜鉛メッキでは、亜鉛皮膜の厚さも異なるため、保護期間も異なる。ストリップ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛皮膜の厚さは、通常20~25マイクロメートル以下であるが、ピース亜鉛メッキ鋼部品の亜鉛皮膜の厚さは、通常50~200マイクロメートル、さらにはそれ以上の範囲にある。
【0127】
溶融亜鉛メッキは、能動的および受動的な腐食保護の両方を提供する。受動的な保護は、亜鉛皮膜のバリア効果によって与えられる。能動的な腐食保護は、亜鉛皮膜の陰極効果によって生じる。鉄などの電気化学系列のより貴金属的な貴金属に関しては、亜鉛は、それ自体が完全に腐食するまで、下にある鉄を腐食から保護する犠牲陽極として機能する。
【0128】
DIN EN ISO 1461に準拠したいわゆるピース亜鉛メッキでは、主に大型の鋼部品および構造物の溶融亜鉛メッキが行われる。鋼ベースのブランクまたは完成したワークピース(部品)は、前処理後に溶融亜鉛槽に浸漬される。浸漬により、特に、亜鉛メッキされるワークピースおよび/または部品の内面、溶接継ぎ目、および手の届きにくい領域に良好にアクセスできる。
【0129】
従来の溶融亜鉛メッキは、特に、鉄および/または鋼の部品を溶融亜鉛槽に浸漬しながら、部品の表面に亜鉛皮膜および/または亜鉛コートを施すことに基づいている。亜鉛皮膜の密着性、粘着性、均一性を確保するには、通常、亜鉛メッキする部品の事前の慎重な表面処理が必要である。これには、通常、脱脂、その後のすすぎプロセス、その後の酸洗、その後のすすぎプロセス、そして最後にフラックス処理(すなわちフラクシング)とその後の乾燥プロセスを伴う。
【0130】
典型的には、本発明の場合、溶融亜鉛メッキは、375℃~750℃の範囲の温度、特に380℃~700℃の範囲の温度、好ましくは390℃~680℃の範囲の温度、更に好ましくは395℃~675℃の範囲で実行することができる。
【0131】
さらに、本発明の場合、溶融亜鉛メッキは、効果的な溶融亜鉛メッキを提供するのに十分な時間、特に0.0001~60分の範囲、好ましくは0.001~45分の範囲、好ましくは0.01~30分の範囲、より好ましくは0.1~15分の範囲の時間実行される。
【0132】
本発明の方法に従って実施される溶融亜鉛メッキの典型的な方法手順は、通常、次のとおりである。
【0133】
本発明の場合、溶融亜鉛メッキが実行され、特に、溶融亜鉛メッキは、前処理および/または後処理の手順を含み、特に以下に挙げる順序で以下の方法ステップを含む(必要ならばさらなるステップを追加してもよいが、これらは任意である)。
(a)鋼部品に対して、特に少なくとも1つの脱脂槽中で脱脂処理、好ましくはアルカリ性脱脂処理を施すステップと、
(b)場合により、方法ステップ(a)で脱脂された鋼部品を、特に少なくとも1つのすすぎ槽中で洗浄するステップと、
(c)方法ステップ(a)で脱脂され、方法ステップ(b)で必要に応じて洗浄された鋼部品に対して、特に少なくとも1つの酸洗槽中で酸洗処理、好ましくは酸性の酸洗処理を施すステップと、
(d)場合により、方法ステップ(c)で酸洗された鋼部品を、特に少なくとも1つのすすぎ槽中で洗浄するステップと、
(e)方法ステップ(c)で酸洗され、必要に応じて方法ステップ(d)で洗浄された鋼部品に対して、フラックス槽中のフラックス組成物を用いてフラックス処理を行うステップと、
(f)場合により、方法ステップ(e)でフラックス処理された鋼部品を乾燥処理するステップと、
(g)方法ステップ(e)でフラックス処理され、場合により方法ステップ(f)で乾燥された鋼部品の溶融亜鉛メッキを、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物中で、好ましくは鋼部品をアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物中に浸漬することにより行うステップ。
【0134】
必要に応じて、本発明の範囲内で、方法ステップ(g)で行われる溶融亜鉛メッキの後に冷却ステップ(h)が行われ、および/または方法ステップ(g)で溶融亜鉛メッキされた鋼部品が冷却処理(h)を受けることができ、場合により、その後にさらなる仕上げおよび/または後処理ステップ(i)が続き得る。特に、冷却ステップ(h)および/または冷却処理(h)は、空気を用いておよび/または空気の存在下で、好ましくは周囲温度までで行うことができる。
【0135】
本発明の場合、好ましくは、溶融亜鉛メッキは、ピース亜鉛メッキとして、特に不連続ピース亜鉛メッキとして行われ、好ましくはDIN 50997:2020-08に従って行われる(すなわち、薄膜亜鉛メッキにより鋼に適用される亜鉛/アルミニウム皮膜)。
【0136】
本発明の範囲内で、さらに可能なことには、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、特に不動態化および/またはシーリング、好ましくはケイ酸塩コーティングまたはシリケート処理によって、追加の仕上げおよび/または後処理が施される。このような仕上げおよび/または後処理方法は、それ自体当業者に知られているため、この態様についてはこれ以上説明する必要はないであろう。本発明の場合、追加の後処理および/または表面処理は、鋼部品の耐炎性および/または耐火性に関してさらにプラスの影響を及ぼし得る。
【0137】
亜鉛/アルミニウム溶融物を使用する本発明の方法による特に適切な溶融亜鉛メッキ方法は、例えばWO2002/042512A1およびこの特許ファミリ(例えばEP1352100B1、DE60124767T2およびUS2003/0219543A1)に関連する同等の刊行物に開示されている。そこに開示されている方法は、膜厚が非常に薄く(一般に50マイクロメートル未満、典型的には2~20マイクロメートルの範囲)、重量が非常に軽く、コスト効率が高い防食皮膜を生成するために使用することができる。そこに記載されている方法は、microZINQ(登録商標)法という名称で商業的に使用されている。
【0138】
結果として、本発明は、鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与および/またはアップグレードするための効率的かつ経済的な方法を提供する。
【0139】
さらに、本発明は、本発明の第2の態様によれば、耐炎性および/または耐火性を生成するための、および/または、この点での使用のための独立請求項(請求項39)に従って鋼部品に耐炎性および/または耐火性を付与するための、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層(特に、上記で定義したアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、および/または、特に本発明の第1の態様による上記の方法によってそれぞれ得られるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層)の使用に関する。さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、この点での使用の従属請求項(請求項40および41および46~78)の主題であり、以下に詳細に説明される。
【0140】
したがって、本発明の主題は、本発明の第2の態様によると、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための、好ましくは耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層(特に、上記で定義したアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、および/または、特に本発明の第1の態様による上記の方法によってそれぞれ得られるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層)の使用である。
【0141】
本発明の第2の態様による本発明の使用の範囲内で、特に、鋼部品がアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備え、および/または鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、ただし、特に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の範囲、更により好ましくは500℃~800℃の範囲で、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。
【0142】
本発明の第2の態様による本発明の使用のさらなる詳細については、本発明の第1の態様に関する上記の説明を参照することができ、これらの説明は、本発明の第2の態様による本発明の使用にも同様に適用される。
【0143】
さらに、本発明は、本発明の第3の態様によれば、それに関連する使用の独立請求項(請求項42)に従って耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性を付与するための、(特に、本発明の第1の態様に関連して前述したような)溶融亜鉛メッキおよび/または溶融亜鉛メッキ方法の使用に関する。さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、それに関連する従属請求項(請求項43および46~78)の主題であり、以下に詳細に説明される。
【0144】
したがって、本発明の主題は、本発明の第3の態様によると、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための、特に耐炎性および/または耐火性の鋼部品、好ましくはDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための、(特に本発明の第1の態様に関連して上述したような)溶融亜鉛メッキおよび/または溶融亜鉛メッキ方法の使用であって、鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、ただし、特に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。
【0145】
本発明の第3の態様による本発明の使用のさらなる詳細については、本発明の第1および第2の態様に関する上記の説明を参照することができ、これらの説明は、本発明の第3の態様による本発明の使用にも同様に適用される。
【0146】
さらに、本発明は、本発明の第4の態様によれば、使用の独立請求項(請求項44)に記載の溶融亜鉛メッキおよび/または溶融亜鉛メッキ鋼部品の耐炎性および/または耐火性を向上および/または改善するためのアルミニウムの使用に関する。この点に関して、さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、この点に関する使用の従属請求項(請求項45~78)の主題であり、以下に詳細に説明される。
【0147】
したがって、本発明の主題は、本発明の第4の態様によると、溶融亜鉛メッキされた鋼部品および/または溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を向上および/または改善するためのアルミニウムの使用(すなわち、溶融亜鉛メッキ層内におけるアルミニウムの使用)であって、特にアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が得られる方法および/または条件で、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が鋼部品に設けられるという方法および/または条件で(特に本発明の第1の態様の下で上述されたように)、アルミニウムが溶融亜鉛メッキ層に混合および/または合金化される。
【0148】
本発明の第4の態様による本発明の使用の範囲内で、特に、鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され得る。ただし、特に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度で、表面の放射率(放射度)εmが、0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。
【0149】
本発明の第4の態様による本発明の使用のさらなる詳細については、本発明の第1から第3の態様に関する上記の説明を参照することができ、これらの説明は、本発明の第4の態様による本発明の使用にも同様に適用される。
【0150】
さらに、本発明の第2、第3および第4の態様による本発明の使用については、これらの本発明の使用の特に特別および/または有利な共通の実施形態は、使用に関する関連する従属請求項の主題である(請求項46~78)。これらの実施形態の特別な特徴は、本発明の第1の態様に関連してすでに説明されており、したがって、本発明による使用に応じて適用される。
【0151】
同様に、本発明は、本発明の第5の態様によれば、それに関連する使用の独立請求項(請求項79)に従って耐炎性および/または耐火性の要件を満たすための構造部品としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品(特に、上述した本発明の第1の態様本発明の方法により得られ、かつアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品)の使用に関する。さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、関連する使用の従属請求項(請求項80~82)の主題であり、以下に詳細に説明される。
【0152】
したがって、本発明の主題は、本発明の第5の態様によれば、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の要件に適合するための構造部品としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品、特に上述した本発明による方法によって得られ、かつ、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の使用である。
【0153】
本発明の第5の態様による本発明の使用の範囲内で、特に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、更により好ましくは500℃~850℃の温度範囲、より好ましくは500℃~800℃の温度範囲で、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。
【0154】
本発明の第5の態様による特定の実施形態によれば、さらに好ましくは、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品は、追加の構造上の防火手段および装置の非存在下で使用されてもよい。
【0155】
本発明の第5の態様による本発明の使用のさらなる詳細については、本発明の第1から第4の態様に関する上記の説明を参照することができ、これらの説明は、本発明の第5の態様による本発明の使用にも同様に適用される。
【0156】
さらに、本発明の主題は、本発明の第6の態様によれば、この点で使用の独立請求項(請求項83)に従って燃料電池、蓄電池、バッテリー、ガルバニ素子などのエネルギー貯蔵装置またはエネルギー変換器用、特に自動車用の、好ましくは耐炎性および/または耐火性の要件を満たす受電装置の構造部品、特に筐体または容器としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品(特に上述した本発明の第1の態様による方法によって得られ、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品)の使用である。さらに、本発明による使用の特に特別および/または有利な実施形態は、関連する使用の従属請求項(請求項84および85)の主題であり、以下で詳細に説明する。
【0157】
したがって、本発明の主題は、本発明の第6の態様によれば、燃料電池、蓄電池、バッテリー、ガルバニ素子などのエネルギー貯蔵装置またはエネルギー変換器用、特に自動車用の、好ましくは耐炎性および/または耐火性の要件を満たす受電装置の構造部品、特に筐体または容器としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品、特に上述した本発明による方法によって得られ、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の使用である。
【0158】
本発明の第6の態様による本発明の使用の範囲内で、特に、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。
【0159】
本発明の第6の態様による本発明の使用のさらなる詳細については、本発明の第1から第5の態様に関する上記の説明を参照することができ、これらの説明は、本発明の第6の態様による本発明の使用にも同様に適用される。
【0160】
同様に、本発明は、本発明の第7の態様によれば、それに関連する独立請求項(請求項86)に記載の建設物のための、特に建物または建物の一部のための支持構造物、特に鋼製構造物に関する。さらに、本発明による支持構造物の特に特別および/または有利な実施形態は、それに関連する従属請求項(請求項87および88)の主題であり、以下に詳細に説明される。
【0161】
したがって、本発明の主題は、本発明の第7の態様によると、建設物のための、特に建物または建物の一部のための支持構造物、特に鋼製支持構造物であって、支持構造物が、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の要件に適合するための構造建築部品として、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた複数の建築構造用鋼部品、特に上述した本発明の方法によって得られるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた複数の部品を含み、支持構造物には追加の構造上の防火手段および装置が存在せず、および/または支持構造物は追加の構造上の防火要素を有していない。
【0162】
本発明による本発明の第7の態様の範囲内で、特に提供可能なこととして、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品は、500℃を超える温度、特に550℃を超える温度、好ましくは600℃を超える温度、より好ましくは、500℃~850℃の温度範囲、更により好ましくは500℃~800℃の温度範囲において、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に好ましくは0.65以下、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.55以下、更により好ましくは0.50以下であり、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた鋼部品、および/またはアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、好ましくは500℃~800℃の範囲の温度にて、表面の放射率(放射度)εmが0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲、更により好ましくは0.05~0.55の範囲である。
【0163】
本発明の第7の態様のさらなる詳細については、本発明の第1から第6の態様に関する上記の説明を参照することができ、これらの説明は、本発明の第7の態様にも同様に適用される。
【0164】
さらに、本発明は、本発明の第8の態様によれば、それに関連する独立請求項(請求項89)に従って本発明に係る支持構造物を備える建設物、特に、建物または建物の一部に関する。さらに、本発明による構造物の特に特別および/または有利な実施形態は、それに関連する従属請求項(請求項90および91)の主題であり、以下で詳細に説明される。
【0165】
したがって、本発明の主題は、本発明の第8の態様によれば、上述した本発明の第7の態様による支持構造物を備える建設物、特に建物または建物の一部である。
【0166】
本発明の第7の態様に関連して、特に、建設物が追加の構造上の防火手段および装置を持たない、および/または建設物が追加の構造上の防火要素を持たないことが可能である。
【0167】
本発明の第8の態様のさらなる詳細については、本発明の第1から第7の態様に関する上記の説明を参照することができ、これらの説明は、本発明の第7の態様にも同様に適用される。
【0168】
最後に、本発明の主題は、本発明の第9の態様によれば、それに関係する独立請求項(請求項92)に従って鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品に耐炎性および/または耐火性を生成するための、および/または鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品に耐炎性および/または耐火性を付与するための、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層(特に上記で述べた又は定義したアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層、および/または特に本発明の方法または使用によりそれぞれ得られるアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層)の使用である。さらに、本発明による構造物の特に特別および/または有利な実施形態は、この点において従属請求項(請求項93)の主題であり、以下で詳細に説明される。
【0169】
したがって、本発明の主題は、本発明の第9の態様によれば、鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品に耐炎性および/または耐火性を生成するための、および/または鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品に耐炎性および/または耐火性を付与するための、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ皮膜の使用である。
【0170】
本発明の第9の態様のさらなる詳細については、本発明の第1から第8の態様に関する上記の説明を参照することができ、これらの説明は、本発明の第9の態様にも同様に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0171】
本発明はまた、さらなる図面および/または図表現を参照して説明されるが、関連する記述は本発明のすべての態様に適用され、関連する記述は決して限定的なものではない。図面および/または図表現に関しては、例示的な実施形態による以下の記述も参照することができる。
【0172】
図には次のことが示されている。
【0173】
【
図1】
図1は、皮膜内のアルミニウム含有量の関数として、温度上昇時のさまざまな鋼建設部(それぞれ低ケイ素鋼、Si含有量<0.03%)の表面の放射率(放射度)ε
mの挙動を示す図(比較および/または基準としての0%Alを含む純亜鉛の溶融亜鉛メッキ皮膜、500ppmのAlを含む本発明によるAl合金溶融亜鉛メッキ皮膜、および5重量%Alを含む本発明によるAl合金溶融亜鉛メッキ皮膜)である。放射率の値は、Al含有量の増加とともに大幅に減少する。
【
図2】
図2は、小規模火災試験で観測されたさまざまな鋼部品の部品温度の推移(それぞれ低ケイ素鋼、Si含有量<0.03%、比較および/または基準としての未亜鉛メッキ鋼部品、比較および/または基準としての0%Alを含む純亜鉛の溶融亜鉛メッキ皮膜、本発明による500ppmのAlを含むAl合金溶融亜鉛メッキ皮膜および5重量%のAlを含むAl合金溶融亜鉛メッキ皮膜)を高温ガス温度の関数として示す。アルミニウム含有量が増加すると、部品の加熱の程度が大幅に減少する。
【
図3】
図3は、追加の不動態化またはシーリングの関数として、温度上昇時のさまざまな鋼部品(それぞれ低ケイ素鋼、Si含有量<0.03%)の表面の放射率(放射度)ε
mの挙動を示す図である。皮膜中のアルミニウム含有量は5重量%で一定である(それぞれAl合金溶融亜鉛メッキ皮膜は5重量%のAlを含む)。放射率の値は、追加の不動態化またはシーリングによってさらに低下する。
【0174】
本発明のさらなる実施形態、修正および変形は、本明細書を読めば当業者には容易に明らかであり、本発明の範囲から逸脱することなく実施することができる。
【0175】
以下の実施例を参照して本発明を説明するが、これらは本発明を限定するものではなく、単に例示的かつ非限定的な実施方法および実施形態を説明することを目的とする。
【実施例】
【0176】
一般的な試験のセットアップと手順
試験セットアップと試験手順、特に小規模火災試験の手順(火災時の温度挙動の測定、ETK曲線の記録、および鋼表面の放射率(放射度)εmの決定を含む)は、C. Gaigl and M. Mensinger, Technical Report “Thermal impact on HDG construction”, Technical University of Munich, February 2018およびM. Mensinger and C. Gaigl, paper “Feuerwiderstand verzinkter Stahlkonstruktionen”, Stahlbau, Vol. 88, pages 3 to 10, January 2019に詳細に記載されているように、一般的な説明セクションに記載された放射率性能試験に従って実行される。表面の放射率(放射度)εmの決定手順では、いわゆる放射率性能試験が使用される。表面の放射率(放射度)εm(すなわちDIN EN 1993-1-2:2006-10に準拠)は、継続的および/または増加する熱負荷の下での温度曲線から決定および評価される(一般的な説明セクションの上記説明を参照)。
【0177】
小規模実験における温度測定は、Optris社製の2つの赤外線(IR)センサーを使用して実行した。最初のモデル「LT」は8~14μmのスペクトル範囲を測定し、モデル「3MH1」の2番目の高温計は波長2.3μm付近の範囲を測定する。
【0178】
スペクトル範囲に応じて、特定の温度範囲のみがカバーされる。特定の波長では、温度が十分に高い場合にのみ測定を行うことができる。
【0179】
放射線の強度が高いほど、温度は高くなる。その後、放射線強度は短波スペクトル範囲にシフトされる。低温では、2.3μmセンサーの範囲内で放射線はほとんど検出されない。400℃を超える温度では、2.3μmセンサーは、より長い波長スペクトルで測定するセンサーよりも大幅に高い放射線強度を経験する。放射線強度が高くなるほど、測定値の偏差の影響を受けにくくなる。3MH1センサーの場合、約200℃の温度で発生する結果のみが重要である。
【0180】
試験中の鋼試験片の温度測定には、4本の熱電対が使用され、この目的のために用意された試験片の深さ5mmの穴に挿入される。小規模の火災試験それぞれに3つの試験片が用いられる。
【0181】
放射率は、高温計の温度が熱電対の温度と一致するように調整される。したがって、温度に依存する放射率は、測定データの取得によって決定できる。
【0182】
結果の評価は200℃の温度から始まる。これは、この温度より低い温度では、IRセンサーの結果がまだ十分な放射線エネルギーを受け取っていないためである。
【0183】
実験手順と結果
厚さ10mmの試験シートがさまざまなバリエーションで亜鉛メッキされる。次に、さまざまな表面の放射率が小規模の火災試験で決定される。
【0184】
【0185】
低Si鋼の挙動
小規模火災試験では、
図1に示す温度上昇に伴う放射率の挙動が、それぞれ亜鉛溶融物中または皮膜中のAl含有量の関数として示されている。したがって、
図1は、温度上昇に伴う放射率の挙動に対するAl含有量の影響を示している(ここでは特に低Si含有量の鋼の場合)。従来の亜鉛メッキ鋼部品(純亜鉛の溶融亜鉛メッキ皮膜)の場合、500℃を超えると、遅くとも530℃から、放射率値が急速に増加し、565℃で0.6まで放射率値が上昇し、その後、735℃から0.7を超えるまでより遅い速度で継続することがわかる(本発明によらない、上の曲線)。対照的に、溶融亜鉛メッキ層中のわずか500ppmの低いAl含有量であっても、一方では、放射率値の増加が高温、つまり550℃に向かって大きくシフトし、他方では、高温では放射率が大幅に低下する(中央の曲線)。放射率0.6は、(565℃ではなく)615℃の温度でのみ達成される。亜鉛皮膜形成下にある亜鉛溶融物中のAl含有量が5重量%であると、放射率値のこれらのプラスの変化が再び大幅に改善される(下の曲線)。
【0186】
図1は、低Si鋼(Si<0.03%)の溶融亜鉛メッキ層におけるAl含有量の影響に関するもので、Al含有量の増加に伴い放射率の増加が高温側にシフトし、その増加はより小さくなることを示している。
【0187】
DIN EN 1993-1-2に従って高温計算を実行するために、試験曲線からセクションごとに一定の放射率を導き出し、標準化された単位火災負荷の下での部品温度の変化を計算できる。これは、放射率が低下すると、火災の際に鋼プロファイルの昇温がより遅くなるという効果があることを示している。
【0188】
図2(低Si鋼にさまざまな亜鉛皮膜を施した場合の部品温度の変化を示す)は、亜鉛メッキされていない状態の形鋼HEM280(本発明によらない=参考)と、3つの亜鉛皮膜(純粋な亜鉛=本発明によらないものと、Zn-500ppmAlと、Zn-5%Al)の温度変化を比較している。
図2から分かるように、Al含有亜鉛溶融物で亜鉛メッキした場合、Al含有量が高くなるほど、同じ部品の昇温が遅くなる。参考として示されている保護されていない(つまり、亜鉛メッキされていない)プロファイルは、すべての亜鉛メッキされたバリエーションと比較して最も速く昇温する。
【0189】
DIN EN 13501-2:2016-12に準拠した典型的な耐火クラスR30およびR60では、それぞれ30分または60分の支持構造物の耐火性が必要であり、計算の結果、対応する火災持続時間に従って以下の温度が得られる。
【0190】
【0191】
構造解析の観点からは、計算時間(それぞれ30分または60分)での部品温度が低いほど、検討中の鋼部品がより高い極限荷重を支持できるため、有利であることを意味する。
【0192】
あるいは、部品の温度が維持されれば、検討中の部品のサイズを小さくすることができ、その結果、鋼材側の質量が節約される。
【0193】
上記の例の場合、節約効果は次のようになる。
【表3】
【0194】
30分間火に曝された後に同じ部品温度を達成するために必要な形鋼は、HEM280形鋼からHEB360形鋼に下げることができ、47kg/mの重量削減につながる。
【0195】
Siを含む鋼の挙動
Si含有量がセビスティ(sebisty)範囲(Si含有量>0.12%)の鋼の場合、Al含有亜鉛溶融物で生成された皮膜を用いた小規模火災試験ではまた、Alフリーの亜鉛皮膜を参考として使用する曲線から放射率/温度曲線が大幅に逸脱する。Al含有量が増加すると、曲線の上昇が高温側にシフトすることが分かる。また、最大放射率の値も明らかに0.7を下回っている。
【0196】
低Si鋼について前述したように、これらの形鋼の一定の放射率を導出して、火災負荷下での温度変化を計算することもできる。得られた結果は、形鋼HEM280について再度決定される。
【0197】
したがって、本発明による耐火性および/または耐炎性の効果は、鋼部品の鋼合金とは無関係に達成される。
【0198】
後処理の影響
Zn/Al皮膜にその後適用される不動態化またはシーリングの影響に関しては、小規模火災試験により、未処理のシステムと非常に類似した放射率が得られることが示されている。したがって、温度の上昇に関して、小さい傾向ではあるものの、既存のプラスの効果が存在する(
図3を参照)。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための方法であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度にて、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される表面の放射率ε
mが0.05~0.60の範囲にあり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、方法。
【請求項2】
前記耐炎性および/または耐火性は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の厚さおよび組成および/または形成によって、特に前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量によって調整および/または制御され、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量が増加すると、前記耐炎性および/または耐火性が向上し、および/または、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の層厚が増加すると、前記耐炎性および/または耐火性が向上する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度、特に500℃~800℃の範囲の温度にて、表面の放射率(放射度)ε
mが0.05~0.55の範囲にあり、
特に、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~650℃の範囲の温度にて、表面の放射率(放射度)ε
mが0.40以下、特に0.35以下、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.25以下であり、
かつ、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、650℃~850℃の範囲の温度において、表面の放射率(放射度)ε
mが0.60以下、好ましくは0.55以下である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、DIN 4102-2:1977-09に準拠した耐火性クラスが、少なくともF30、特に少なくともF60、好ましくは少なくともF90、より好ましくは少なくともF120であり、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、DIN EN 13501-2:2016-12に準拠した耐火性クラスが、少なくともR30、特に少なくともR60、好ましくは少なくともR90、より好ましくは少なくともR120である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記鋼部品の鋼は、(i)低ケイ素鋼、特に前記鋼を基準としてケイ素含有量が0.03重量%以下で
かつリン含有量が0.02重量%未満の低ケイ素鋼、(ii)サンデリン(Sandelin)鋼、特に前記鋼を基準としてケイ素含有量が0.03重量%と0.14重量%の間のサンデリン鋼、(iii)セビスティ(sebisty)鋼、特にケイ素含有量が0.14重量%と0.25重量%の間のセビスティ鋼、(iv)高ケイ素鋼、特に前記鋼を基準にしてケイ素含有量が0.25重量%より大きい高ケイ素鋼、およびそれらの組み合わせから選択され、および/または、
前記鋼部品の鋼は、DIN EN ISO 14713-2:2020-05に準拠したカテゴリA、B、Cおよび/またはDの鋼、およびそれらの組み合わせから選択され、および/または、
前記鋼部品は、鋼構造要素、鋼製梁、鋼製形、形鋼、鋼板、鋼管などであり、および/または、
前記鋼部品は、建設および建築産業向けの鋼部品であり、および/または前記鋼部品は、建設および建築産業向けの鋼構造要素または部品であり、および/または、
前記鋼部品は、建設および建築産業または車両製造もしくは自動車製造向けに意図または設計された鋼部品である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記溶融亜鉛メッキは、前処理および/または後処理手順を含み、特に以下に挙げる順序で以下の方法ステップ、すなわち、
(a)前記鋼部品に対して、特に少なくとも1つの脱脂槽中での脱脂処理、好ましくはアルカリ性脱脂処理を施すステップと、
(b)場合により、方法ステップ(a)で脱脂された前記鋼部品を特に少なくとも1つのすすぎ槽中で洗浄するステップと、
(c)方法ステップ(a)で脱脂され、方法ステップ(b)で必要に応じて洗浄された前記鋼部品に対して、特に少なくとも1つの酸洗槽中での酸洗処理、好ましくは酸性の酸洗処理を施すステップと、
(d)場合により、方法ステップ(c)で酸洗された前記鋼部品を特に少なくとも1つのすすぎ槽中で洗浄するステップと、
(e)方法ステップ(c)で酸洗され、必要に応じて方法ステップ(d)で洗浄された前記鋼部品に対して、フラックス槽中のフラックス組成物によるフラックス処理を施すステップと、
(f)場合により、方法ステップ(e)でフラックス処理を受けた前記鋼部品を乾燥処理するステップと、
(g)方法ステップ(e)でフラックス処理を受け、場合により方法ステップ(f)で乾燥させた前記鋼部品に対して、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛溶融物中で、好ましくは前記鋼部品を前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物中に浸漬することによって溶融亜鉛メッキするステップと、
を含み、
特に、方法ステップ(g)で実施される前記溶融亜鉛メッキの後に冷却ステップ(h)が行われ、および/または方法ステップ(g)で溶融亜鉛メッキされた前記鋼部品が冷却処理(h)を受け、場合により、その後にさらなる仕上げおよび/または後処理ステップ(i)が行われ、
特に、前記冷却ステップ(h)および/または前記冷却処理(h)は、空気を用いておよび/または空気の存在下で、好ましくは周囲温度までで行われる、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または、鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための、好ましくは、耐炎性および/または耐火性の鋼部品、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の使用であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度にて、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される表面の放射率ε
mが、0.05~0.60の範囲にあり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量は0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、使用。
【請求項9】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を鋼部品上に生成するための、および/または、鋼部品に耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を付与するための、特に耐炎性および/または耐火性の鋼部品、好ましくはDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の鋼部品を製造するための、溶融亜鉛メッキおよび/または溶融亜鉛メッキ方法の使用であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽が使用されて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度において、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される表面の放射率ε
mが、0.7未満、特に0.05以上0.7未満の範囲、好ましくは0.05~0.65の範囲、より好ましくは0.05~0.60の範囲であり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量は0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、使用。
【請求項10】
溶融亜鉛メッキされた鋼部品および/または溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性を向上および/または改善するためのアルミニウムの使用であって、
アルミニウムは、特にアルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が得られる方法および/または条件で、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を前記鋼部品が備える方法および/または条件で、前記溶融亜鉛メッキ層に混合および/または合金化され、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度にて、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される表面の放射率ε
mが0.05~0.60の範囲にあり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量は0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、使用。
【請求項11】
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、DIN 4102-2:1977-09に準拠した耐火性クラスが、少なくともF30、特に少なくともF60、好ましくは少なくともF90、より好ましくは少なくともF120であり、および/または、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を用いて溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、DIN EN 13501-2:2016-12に準拠した耐火性クラスが少なくともR30、特に少なくともR60、好ましくは少なくともR90、より好ましくは少なくともR120である、請求項8~10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の要件を満たすための構造部品としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の使用であって、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲において、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される表面の放射率ε
mが0.05~0.60の範囲であり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた前記鋼部品は、追加の構造上の防火手段および装置なしで使用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量は0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、使用。
【請求項13】
燃料電池、蓄電池、バッテリー、ガルバニ素子などのエネルギー貯蔵装置またはエネルギー変換器用、特に自動車用の、好ましくは耐炎性および/または耐火性の要件を満たす受電装置の構造部品、特に筐体または容器としての、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた鋼部品の使用であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度にて、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される表面の放射率ε
mが0.05~0.60の範囲にあり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量は0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、使用。
【請求項14】
建設物用の、特に建物または建物の一部のための支持構造物、特に鋼製支持構造物であって、前記支持構造物は、耐炎性および/または耐火性、特にDIN EN 13501-2:2016-12および/またはDIN 4102-2:1977-09に準拠した耐炎性および/または耐火性の要件に適合するための構造建築部品として、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を備えた複数の建築構造用鋼部品を含み、
前記支持構造物が追加の構造上の防火手段および装置を有さず、および/または前記支持構造物が追加の構造上の防火要素を有さず、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度にて、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される表面の放射率ε
mが0.05~0.60の範囲にあり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量は0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、支持構造物。
【請求項15】
請求項14に記載の支持構造物を含む、建設物、特に建物または建物の一部。
【請求項16】
鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品上に耐炎性および/または耐火性を生成するための、および/または、鉄ベースまたは鉄含有、特に鋼ベースまたは鋼含有の物品に耐炎性および/または耐火性を付与するため、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層の使用であって、
前記鋼部品には、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられ、および/または、前記鋼部品は、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛溶融物を使用して溶融亜鉛メッキが施され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲の層厚で前記鋼部品に適用され、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層を基準として、4重量%~8重量%の範囲のアルミニウム含有量を有し、
ただし、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層が設けられた前記鋼部品、および/または、アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金亜鉛メッキ槽を使用して溶融亜鉛メッキが施された前記鋼部品は、500℃~850℃の範囲の温度にて、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される表面の放射率ε
mが0.05~0.60の範囲にあり、
前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有し、ここで、以下に記載されるすべての量は、前記アルミニウム含有および/またはアルミニウム合金溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計で100重量%となるように選択され、
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii)場合により、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、およびそれらの組み合わせの群から選択され、特に0.001重量%~10重量%の量の1種以上のさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量は0.2重量%未満、特に0.15重量%未満である、使用。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火性を有する鋼部品を提供するための方法において、
耐火性を有する鋼部品には、アルミニウム含有亜鉛溶融物を使用する溶融亜鉛メッキ処理が施され、鋼部品にアルミニウム含有溶融亜鉛めっき層が設けられること;
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層が、4μm~25μmの範囲内の層厚で前記鋼部品に適用されること、および、
前記アルミニウム含有溶融亜鉛めっき層が、該アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層に基づいて、4重量%~8重量%の範囲内のアルミニウム含有量を有すること;
溶融亜鉛メッキは、上記方法において実行されること、ただし、アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層を有する鋼部品が、500℃~850℃の範囲内の温度において、ドイツ規格DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される0.05~0.60の範囲内の鋼部品表面の放射率ε
mを有することを条件とすること;
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層は、以下に記載する全ての量が、アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、且つ、合計100重量%となるように選択される下記する組成を有すること;
(i)92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii)4重量%~8重量%の量のアルミニウム(Al)、
(iii) ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる金属、ただし、マグネシウム含有量が0.2重量%未満であることを条件とすること、を特徴とする方法。
【請求項2】
前記耐火性は、
(i)アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層の厚さ、
(ii)アルミニウム含有溶融亜鉛めっき層の組成、
(iii)溶融亜鉛メッキ中のアルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層の形成、
(iv)アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量、
およびそれらの組み合わせ、の少なくとも1つによって調整されおよび制御されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層のアルミニウム含有量および層厚の少なくとも1つの増加に伴って、前記耐火性が増加することを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層を有する鋼部品は、500℃~850℃の範囲内の温度において、0.05~0.55の範囲の表面の放射率ε
mを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層を有する鋼部品は、500℃~850℃の範囲内の温度において、表面の放射率ε
mが最大で0.40であること、アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層を有する鋼部品は、650℃~850℃の範囲内の温度において、表面の放射率ε
mが最大で0.60であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層を有する鋼部品は、ドイツ規格DIN 4102-2:1977-09に従って、少なくともF30の耐火性クラスを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層を有する鋼部品は、ドイツ規格DIN EN 13501-2:2016-12に従って、少なくともR30の耐火性クラスを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記鋼部品の鋼は、(i)鋼を基準として、ケイ素含有量が0.03重量%以下であり、リン含有量が0.02重量%未満である低ケイ素鋼;(ii)鋼を基準として、ケイ素含有量が0.03重量%と0.14重量%の間のケイ素含有量を有するサンデリン鋼;(iii)鋼を基準として0.14重量%と0.25重量%の間のケイ素含有量を有するセビスティ鋼;(iv)鋼を基準として0.25重量%より大きいケイ素含有量を有する高ケイ素鋼;およびそれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記鋼部品は、鋼構造要素、鋼製梁、鋼製形、形鋼、鋼板、鋼管およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記鋼部品は、建設および建築産業および自動車産業の少なくとも1つのための鋼部品であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記溶融亜鉛メッキは、375℃~750℃の範囲内の温度で行われること、および/または、
前記溶融亜鉛メッキは、0.0001~60分の範囲の時間で実行されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前処理および後処理手順を含む前記溶融亜鉛メッキは、記載された順番に実行される
(a) 少なくとも1つの脱脂槽における前記鋼部品の脱脂処理;
(b) 少なくとも1つのすすぎ槽における方法ステップ(a)において脱脂された鋼部品のすすぎ処理;
(c) 少なくとも1つの酸洗槽における方法ステップ(a)で脱脂処理され且つ方法ステップ(b)で酸洗処理された鋼部品の酸洗処理;
(d) 少なくとも1つのすすぎ槽における方法ステップ(c)で酸洗処理された鋼部品のすすぎ処理;
(e) フラックス槽内のフラックス組成物による方法ステップ(c)で酸洗処理され且つ方法ステップ(d)においてすすぎ処理された鋼部品のフラックス処理;
(f) 方法ステップ(e)においてフラックス処理された鋼部品の乾燥処理;
(g) 方法ステップ(e)においてフラックス処理され且つ方法ステップ(f)において乾燥処理された鋼部品に、アルミニウム含有亜鉛溶融物に鋼部品を浸漬することによって、溶融亜鉛メッキ;からなる方法ステップを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
鋼製支持構造物は、耐火性の要件に準拠するための構造建築部品として、それぞれアルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層を有する複数の建築構造用鋼部品を具備すること;
前記鋼製支持構造は、追加の構造的防火手段および装置を有さず、鋼製支持構造は、追加の構造的防火要素を含まないこと;
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層を有する建築構造用鋼部品は、それぞれ、500℃~850℃の範囲内の温度において、DIN EN 1993-1-2:2006-10に従って決定される0.05~0.60の範囲内の表面の放射率ε
mを有すること、
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有すること、以下に記載するすべての量は、アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計100重量%となるように選択されること:
(i) 92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii) 4重量%~8重量%のアルミニウム(Al)、
(iii) ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる金属、ただし、マグネシウムの含有量が0.2重量%未満であることを条件とすること;を特徴とする建設用の鋼製支持構造物。
【請求項14】
前記支持構造物は、建物のためのまたは建物の一部のための支持構造物として使用されるべく設計されることを特徴とする請求項13記載の鋼製支持構造物。
【請求項15】
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層が設けられた建築構造用鋼部品は、それぞれ500℃~850℃の範囲内の温度で、0.05~0.55の範囲内の表面の放射率εmを有することを特徴とする請求項13記載の鋼製支持構造物。
【請求項16】
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層が設けられた建築構造用鋼部品は、それぞれ500℃~650℃の範囲内の温度で、0.40の表面の放射率ε
mを有すること、
且つ、前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層が設けられた建築構造用鋼部品は、それぞれ650℃~850℃の範囲内の温度で、0.60の表面の放射率ε
mを有することを特徴とする請求項13記載の鋼製支持構造物。
【請求項17】
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層が設けられた建築構造用鋼部品は、それぞれドイツ規格DIN 4102-2:1977-09による少なくともF30の耐火等級を有することを特徴とする請求項13記載の鋼製支持構造物。
【請求項18】
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層が設けられた建築構造用鋼部品は、それぞれドイツ規格DIN EN 13501-2:2016-12による少なくともR30の耐火等級を有することを特徴とする請求項13記載の鋼製支持構造物。
【請求項19】
前記建築構造用鋼部品の鋼は、(i)鋼を基準として0.03重量%以下のケイ素含有量
かつ0.02重量%未満のリン含有量を有する低ケイ素鋼;(ii)鋼を基準として0.03重量%~0.14重量%の間のケイ素含有量を有するサンデリン鋼、(iii)鋼を基準として0.14重量%~0.25重量%の間のケイ素含有量を有するセビスティ鋼、(iv)鋼を基準として0.25重量%撚りも大きいケイ素含有量を有する高ケイ素鋼;およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項13記載の鋼支持構造物。
【請求項20】
前記建築構造用鋼部品は、鋼構造要素、鋼製梁、鋼製形、形鋼、鋼板、鋼管およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項13記載の鋼支持構造物。
【請求項21】
請求項13記載の支持構造物を具備することを特徴とする構造物。
【請求項22】
前記構造物が、建物または建物の一部であることを特徴とする請求項21記載の構造物。
【請求項23】
鋼部品にまたは上に耐火を生成するためのおよび耐火を有する鋼部品を提供するためのアルミニウム含有溶融メッキ層の使用であって、
耐火を有するべき鋼部品が、アルミニウム含有亜鉛溶融物を使用する亜鉛メッキ処理が施され、アルミニウム含有亜鉛メッキ層を有する鋼部品が提供されること;
前記アルミニウム含有亜鉛メッキ層は、4μm~25μmの範囲内の層厚で鋼部品に適用されること、および、
前記アルミニウム含有亜鉛メッキ層は、アルミニウム含有亜鉛メッキ層に基づいて4重量%~8重量%の範囲内のアルミニウム含有量を有すること;
亜鉛メッキが実行されるが、アルミニウム含有亜鉛メッキ層が設けられる鋼部品が、500℃~850℃の範囲内の温度で、ドイツ規格DIN EN 1993-1-2:2006-10によって決定される0.05~0.60の範囲内の鋼部品表面の反射率ε
mを有すること;
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有すること、以下に記載するすべての量は、アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計100重量%となるように選択されること:
(i) 92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii) 4重量%~8重量%のアルミニウム(Al)、
(iii) ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる金属、ただし、マグネシウムの含有量が0.2重量%未満であることを条件とすること;を特徴とするアルミニウム含有亜鉛メッキ層の使用。
【請求項24】
耐火性を備えるべき鋼ベース製品が、アルミニウム含有亜鉛メッキ溶融物を使用する亜鉛メッキ処理に晒され、アルミニウム含有亜鉛メッキ層を有する鋼ベース製品を提供すること;
アルミニウム含有亜鉛メッキ層が、4μm~25μmの範囲内の層厚で鋼ベース製品に適用されること、および、
アルミニウム含有亜鉛メッキ層が、アルミニウム含有亜鉛メッキ層に基づいて4重量%~8重量%の範囲内のアルミニウム含有量を有すること;
亜鉛メッキが実行されるが、アルミニウム含有亜鉛メッキ層が設けられる鋼部品が、500℃~850℃の範囲内の温度で、ドイツ規格DIN EN 1993-1-2:2006-10によって決定される0.05~0.60の範囲内の鋼部品表面の反射率ε
mを有すること;
前記アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層は、以下の組成を有すること、以下に記載するすべての量は、アルミニウム含有溶融亜鉛メッキ層に関するものであり、合計100重量%となるように選択されること:
(i) 92重量%~96重量%の量の亜鉛(Zn)、
(ii) 4重量%~8重量%のアルミニウム(Al)、
(iii) ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる金属、ただし、マグネシウムの含有量が0.2重量%未満であることを条件とすること;
からなることを特徴とする耐火を有する鋼ベース製品を製造するための方法。
【国際調査報告】