特表 2024-526386 ダイレクトドライブシステム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-07-18

(54)【発明の名称】ダイレクトドライブシステム

(51)【国際特許分類】

   H02K 41/02 20060101AFI20240710BHJP

   H02K 41/03 20060101ALI20240710BHJP

【ＦＩ】

H02K41/02 C

H02K41/03 A

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2022560948

(86)(22)【出願日】2022-07-20

(85)【翻訳文提出日】2022-10-05

(86)【国際出願番号】 CN2022106641

(87)【国際公開番号】W WO2024000682

(87)【国際公開日】2024-01-04

(31)【優先権主張番号】202221689498.3

(32)【優先日】2022-06-30

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】517409583

【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック（チャンヂョウ）カンパニー リミテッド

【住所又は居所原語表記】Ｎｏ．３ ｃｈａｎｇｃａｏ ｒｏａｄ， Ｈｉ－ＴＥＣＨ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ Ｚｏｎｅ， Ｗｕｊｉｎ Ｄｉｓｔｒｉｃｔ， Ｃｈａｎｇｚｈｏｕ Ｃｉｔｙ， Ｊｉａｎｇｓｕ Ｐｒｏｖｉｎｃｅ， Ｐ．Ｒ． Ｃｈｉｎａ

(74)【代理人】

【識別番号】110000729

【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】秦 ▲ユー▼

(72)【発明者】

【氏名】史 ▲衛▼▲領▼

(72)【発明者】

【氏名】郭 ▲順▼

(72)【発明者】

【氏名】▲銭▼ 林

【テーマコード（参考）】

5H641

【Ｆターム（参考）】

5H641BB06

5H641GG02

5H641HH03

5H641JA09

5H641JB06

(57)【要約】

【課題】本発明は、ダイレクトドライブシステムを提供する。
【解決手段】ダイレクトドライブシステムは、ベースと、スライダと、可動子アセンブリ及び固定子アセンブリと、阻止部材とを含み、ベースにはガイドレールが設けられており、スライダはガイドレールにスライド可能に設けられ、可動子アセンブリは、可動子と、可動子の内側壁に設けられた磁性鋼とを含み、可動子がスライダに設けられ、固定子アセンブリは、固定子支持台と、固定子支持台に接続された固定子とを含み、固定子支持台がベースに設けられ、固定子が可動子に挿置されて磁性鋼に対向して間隔を隔てて設けられ、阻止部材は、第１端がベースの固定子支持台から離反する側に接続され、第２端が固定子に近接する方向へ傾斜して延在しかつスライダと間隔を隔てて設けられる。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

ダイレクトドライブシステムであって、
ベースと、スライダと、可動子アセンブリ及び固定子アセンブリと、阻止部材とを含み、
前記ベースには、ガイドレールが設けられており、
前記スライダは、前記ガイドレールにスライド可能に設けられ、
前記可動子アセンブリは、可動子と、前記可動子に設けられた磁性鋼とを含み、前記可動子は、前記スライダに設けられ、前記固定子アセンブリは、固定子支持台と、前記固定子支持台に接続された固定子とを含み、前記固定子支持台は、前記ベースに設けられ、前記固定子は、前記可動子に挿置されて前記磁性鋼に対向して間隔を隔てて設けられ、前記磁性鋼と前記固定子は、相互作用して前記可動子アセンブリが前記ガイドレールを介して前記ベースにおいて移動するように駆動し、
前記阻止部材は、第１端が前記ベースの前記固定子支持台から離反する側に接続され、第２端が前記固定子に近接する方向へ傾斜して延在し且つ前記スライダと間隔を隔てて設けられる、ことを特徴とするダイレクトドライブシステム。

【請求項2】

前記阻止部材は、取付部と、阻止部とを含み、
前記取付部は、前記ベースの前記固定子支持台から離反する外側壁に設けられ、前記阻止部は、前記取付部の端部から前記固定子支持台に近接しかつ前記固定子に向かう方向へ傾斜して延在する、ことを特徴とする請求項１に記載のダイレクトドライブシステム。

【請求項3】

前記阻止部の前記固定子における正投影は、少なくとも一部が前記固定子内に位置する、ことを特徴とする請求項２に記載のダイレクトドライブシステム。

【請求項4】

前記阻止部の前記固定子に向かう端部は、前記固定子の前記固定子支持台から離反する外壁内側に位置する、ことを特徴とする請求項３に記載のダイレクトドライブシステム。

【請求項5】

前記阻止部は、前記ガイドレールから突出する、ことを特徴とする請求項２に記載のダイレクトドライブシステム。

【請求項6】

前記阻止部材は、前記可動子アセンブリの移動方向に垂直な方向に沿った断面がＬ型、円弧状又は放物線型を呈する、ことを特徴とする請求項１～５のいずれか一項に記載のダイレクトドライブシステム。

【請求項7】

前記スライダは、底壁、頂壁、それぞれ前記頂壁と前記底壁との第１端を接続する第１側壁、および、それぞれ前記頂壁と前記底壁との第２端を接続する第２側壁を含み、
前記頂壁は、前記可動子に接続され、前記底壁は、前記ガイドレールにスライド可能に設けられ、前記第１側壁は、前記阻止部材に向かい、前記第２側壁は、前記阻止部材から離反し、
前記第１側壁は、その前記底壁に近接する端から前記頂壁及び前記固定子支持台に近接する方向へ傾斜して延在し、かつ前記阻止部材と互いに間隔を隔てる、ことを特徴とする請求項１～５のいずれか一項に記載のダイレクトドライブシステム。

【請求項8】

前記第１側壁の傾斜角度は、前記阻止部材の傾斜角度にマッチングする、ことを特徴とする請求項７に記載のダイレクトドライブシステム。

【請求項9】

前記阻止部材は、前記ベースに取り外し可能に設けられる、ことを特徴とする請求項１～５のいずれか一項に記載のダイレクトドライブシステム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、モータの技術分野に属するものであり、具体的には、ダイレクトドライブシステムに関する。

【背景技術】

【0002】

従来のダイレクトドライブシステムでは、ガイドレールにいかなる保護構造がなく、異物がガイドレールシステムに落ち込むことによって、可動子スライダが塞がれることを引き起こすことになり、粉塵粒子がスライダとガイドレールとの間に落ち込むことによって、ガイドレールの摩耗を引き起こし、ガイドレールの動作精度及び寿命に影響を与えることになる。

【0003】

上記問題に対して、設計が合理的であり、かつ上記問題を効果的に改善することができるダイレクトドライブシステムを提供する必要がある。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

本発明は、少なくとも従来技術に存在した技術問題の一つを解決し、ダイレクトドライブシステムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本発明は、ダイレクトドライブシステムを提供し、前記ダイレクトドライブシステムは、ベースと、スライダと、可動子アセンブリ及び固定子アセンブリと、阻止部材とを含み、
前記ベースは、ガイドレールが設けられており、
前記スライダは、前記ガイドレールにスライド可能に設けられ、
前記可動子アセンブリは、可動子と、前記可動子の内側壁に設けられた磁性鋼とを含み、前記可動子が前記スライダに設けられ、前記固定子アセンブリは、固定子支持台と、前記固定子支持台に接続された固定子とを含み、前記固定子支持台が前記ベースに設けられ、前記固定子が前記可動子に挿置されて前記磁性鋼に対向して間隔を隔てて設けられ、前記磁性鋼と前記固定子は、相互作用して前記可動子アセンブリが前記ガイドレールを介して前記ベースにおいて移動するように駆動し、
前記阻止部材は、第１端が前記ベースの前記固定子支持台から離反する側に接続され、第２端が前記固定子に近接する方向に傾斜して延在し且つ前記スライダと間隔を隔てて設けられる。

【0006】

好ましくは、前記阻止部材は、取付部及び阻止部を含み、
前記取付部は、前記ベースの前記固定子支持台から離反する外側壁に設けられ、前記阻止部は、前記取付部の端部から、前記固定子支持台に近接しかつ前記固定子に向かう方向へ傾斜して延在する。

【0007】

好ましくは、前記阻止部の前記固定子における正投影は、少なくとも一部が前記固定子内に位置する。

【0008】

好ましくは、前記阻止部の前記固定子に向かう端部は、前記固定子の前記固定子支持台から離反する外壁内側に位置する。

【0009】

好ましくは、前記阻止部は、前記ガイドレールから突出する。

【0010】

好ましくは、前記阻止部は、前記可動子アセンブリの移動方向に垂直な方向に沿った断面がＬ型、円弧状又は放物線型を呈する。

【0011】

好ましくは、前記スライダは、底壁、頂壁、それぞれ前記頂壁と前記底壁との第１端を接続する第１側壁、および、それぞれ前記頂壁と前記底壁との第２端を接続する第２側壁を含み、
前記頂壁は、前記可動子に接続され、前記底壁は、前記ガイドレールにスライド可能に設けられ、前記第１側壁は、前記阻止部材に向かい、前記第２側壁は、前記阻止部材から離反し、
前記第１側壁は、その前記底壁に近接する端から前記頂壁及び前記固定子支持台に近接する方向へ傾斜して延在し、かつ前記阻止部材と互いに間隔を隔てる。

【0012】

好ましくは、前記第１側壁の傾斜角度は、前記阻止部材の傾斜角度にマッチングする。

【0013】

好ましくは、前記阻止部材は、前記ベースに取り外し可能に設けられる。

【発明の効果】

【0014】

本発明のダイレクトドライブシステムは、設けられる阻止部材は、第１端が前記ベースの前記固定子支持台から離反する側に接続され、第２端が前記固定子に近接する方向へ傾斜して延在し且つ前記スライダと間隔を隔てて設けられることによって、上方の異物がガイドレールに落ちることを効果的に防止することができ、さらに、スライダがガイドレール上の異物で塞がれる状況の発生を回避し、良い保護効果を果たし、ガイドレールの動作精度及び使用寿命を効果的に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】本発明の一実施例によるダイレクトドライブシステムの構造概略図である。

【図2】図１に示すダイレクトドライブシステムの側面図である。

【図3】本発明の別の実施例の阻止部材の構造概略図である。

【図4】本発明の別の実施例のスライダの構造概略図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

以下、当業者が本発明の技術案をより良く理解するために、図面及び具体的な実施形態を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。

【0017】

図１及び図２に示すように、本実施例は、ダイレクトドライブシステム１００に関し、前記ダイレクトドライブシステム１００は、ベース１１０と、スライダ１２０と、可動子アセンブリ１３０と、固定子アセンブリ１４０とを含む。前記ベース１１０には、ガイドレール１１１が設けられ、前記スライダ１２０は、前記ガイドレール１１１にスライド可能に設けられる。前記可動子アセンブリ１３０は、可動子１３１と、前記可動子１３１に設けられる磁性鋼１３２とを含み、前記可動子１３１は、前記スライダ１２０に設けられる。前記固定子アセンブリ１４０は、固定子支持台１４１と、前記固定子支持台１４１に接続された固定子１４２とを含み、前記固定子支持台１４１は、前記ベース１１０に設けられ、前記固定子１４２は、前記可動子１３１に挿置され、前記磁性鋼１３２に対向して間隔を隔てて設けられる。磁性鋼１３２と固定子１４２とが相互作用して、可動子アセンブリ１３０がガイドレール１１１を介してベース１１０に移動するように駆動する。固定子は、通常コイル巻線である。

【0018】

ここで、図１及び図２に示すように、前記ダイレクトドライブシステム１００は、さらに阻止部材１５０を含み、前記阻止部材１５０は、第１端が前記ベース１１０の前記固定子支持台１４１から離反する側に接続され、第２端が前記固定子１４２に近接する方向へ傾斜して延在し、スライダ１２０と間隔を隔てて設けられる。

【0019】

本実施例のダイレクトドライブシステムは、設けられる阻止部材は、第１端が前記ベースの前記固定子支持台から離反する側に接続され、第２端が前記固定子に近接する方向へ傾斜して延在し且つスライダと間隔を隔てて設けられることによって、上方の異物がガイドレールに落ちることを効果的に防止することができ、さらにスライダがガイドレール上の異物で塞がれる状況の発生を回避し、良い保護効果を果たし、ガイドレールの動作精度及び使用寿命を効果的に向上させることができる。

【0020】

なお、阻止部材の傾斜角度については、上方から落下した異物がガイドレールに落ち込むことを回避できるものであれば、特に限定されない。例えば、一つの実施形態において、当該傾斜角度（垂直方向とのなす角）の範囲は、１０４°～２５°などであってもよく、本実施例は、これを限定しない。

【0021】

例示的には、図１、図２及び図３に示すように、阻止部材１５０の具体的な構造として、当該阻止部材１５０は、取付部１５１と阻止部１５２を含む。前記取付部１５１は、前記ベース１１０の前記固定子支持台１４１から離反する外側壁に設けられ、すなわち、図１に示すように、取付部１５１は、ベース１１０の左側の側壁に設けられ、前記阻止部１５２は、前記取付部１５１の端部から前記固定子支持台１４１に近接しかつ前記固定子１４２に向かう方向へ傾斜して延在し、すなわち、図２に示すように、阻止部１５２は、上向きかつ内向きに傾斜して延在する。

【0022】

一例として、図２に示すように、前記阻止部材１５０は、可動子アセンブリの移動方向に垂直な方向に沿った断面がＬ型を呈する。当然のことながら、それ以外に、当該阻止部材１５０の断面は、円弧状又は放物線型等を呈してもよく、本実施例は、これに限定されない。

【0023】

例示的には、図２に示すように、前記阻止部１５２の前記固定子１４２における正投影は、少なくとも一部が前記固定子１４２内に位置する。すなわち、図２に示すように、阻止部１５２の一部は、固定子１４２よりも内側に近接する。このようにして、固定子から脱落した異物がガイドレール１１１の内部に入り込むことを回避することができ、ガイドレールの動作精度及び使用寿命をさらに向上させることができる。

【0024】

一例として、図２に示すように、前記阻止部１５２における前記固定子１４２に向かう端部は、前記固定子１４２の前記固定子支持台１４１から離反する外壁内側に位置する。すなわち、図２に示すように、阻止部１５２の上端は、固定子１４２の左側よりも内側に近接して設けられ、それによって固定子から脱落した異物がガイドレール１１１の内部に入り込むことを効果的に回避することができ、ガイドレールの動作精度及び使用寿命をさらに向上させることができる。

【0025】

例示的には、図２に示すように、前記阻止部１５２は、前記ガイドレール１１１から突出し、すなわち、図２に示すように、阻止部１５２の高さは、ガイドレール１１１の高さよりも高く、このように、側面からの異物及び塵埃の大部分がガイドレール１１１の内部に入り込むことを防止することができ、ガイドレールの動作精度及び使用寿命をさらに向上させることができる。

【0026】

なお、阻止部におけるガイドレール１１１から突出した具体的な寸法については、阻止部がガイドレール１１１よりも若干高くて側面からの異物及び塵埃がガイドレール１１１の内部に入り込むことを阻止できるものであれば、特に限定されない。本実施例は、これに限定されない。

【0027】

例示的には、図２及び図４に示すように、前記スライダ１２０は、底壁１２１、頂壁１２２、それぞれ前記頂壁１２２と前記底壁１２１との第１端を接続する第１側壁１２３、および、それぞれ前記頂壁１２２と前記底壁１２１との第２端を接続する第２側壁１２４を含む。前記頂壁１２２は、前記可動子１３１に接続され、前記底壁１２１は、前記ガイドレール１１１にスライド可能に設けられ、前記第１側壁１２３は、前記阻止部材１５０に向かい、前記第２側壁１２４は、前記阻止部材１５０から離反する。

【0028】

ここで、図２及び図４に示すように、前記第１側壁１２３は、その前記底壁１２１に近接する端から前記頂壁１２２及び前記固定子１４２に近接する方向へ傾斜して延在する。すなわち、本実施形態では、図２に示すように、スライダ１２０の側面も一定の角度で傾斜するように設計され、それによって阻止部材１５０と協働することができ、さらに上方の異物がガイドレール１１１の内部に落ち込むことを効果的に防止し、ガイドレールの動作精度及び使用寿命をより一層向上させることができる。

【0029】

一例として、図２及び図４に示すように、前記第１側壁１２３の傾斜角度は、前記阻止部材１５０の傾斜角度にマッチングするものであり、好ましくは、前記第１側壁１２３の傾斜角度は、前記阻止部材１５０の傾斜角度と一致する。

【0030】

例示的には、図１及び図２に示すように、意外に落下した異物をタイムリーに除去できるように取り外しを容易にするために、前記阻止部材１５０は、前記ベース１１０に取り外し可能に設けられる。例えば、当該阻止部材１５０は、係止、螺着などの方式を採用してベース１１０との取り外し可能な接続を実現することができ、本実施例は、これに限定されない。

【0031】

理解されるように、以上の実施形態は、本発明の原理を説明するために用いられた例示的な実施形態にしか過ぎず、本発明は、これに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の精神及び実質から逸脱することなく、様々な変更及び改良を行うことができ、これらの変更及び改良も本発明の保護範囲と見なされる。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【国際調査報告】