(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-18
(54)【発明の名称】プラスターボード類似の建物用パネル放射ヒーター
(51)【国際特許分類】
H05B 3/26 20060101AFI20240710BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20240710BHJP
F24D 13/02 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
H05B3/26
E04B9/00 F
F24D13/02 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580414
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2022067702
(87)【国際公開番号】W WO2023275034
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519291537
【氏名又は名称】ラミナヒート ホールディング リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ピーター サジック
【テーマコード(参考)】
3K034
3L072
【Fターム(参考)】
3K034AA02
3K034AA04
3K034AA05
3K034AA15
3K034AA16
3K034BA02
3K034BA14
3K034BB04
3K034FA13
3K034FA20
3K034GA02
3K034HA10
3L072AB01
3L072AC02
(57)【要約】
熱伝導(例えば、金属)層と、熱伝導層のフレーム対向側上に配置された層状加熱要素と、層状加熱要素上に配置された断熱層と、熱伝導層の少なくとも部屋対向側上に配置された部屋対向面層とを含む加熱パネル。部屋を加熱する方法は、部屋の天井に少なくとも1つの加熱パネルを設置し、部屋内に放射する熱を生成するために加熱要素に電力を供給することを含むことができる。パネルは、加熱パネルへの電力を調整するためのサーモスタットのような制御装置を含む加熱システムの一部であってもよい。複数の加熱パネル、又は、1つ若しくは複数のパネルにおける複数の加熱領域は、独立して制御可能であってもよい。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋内に放射熱源を提供するように構成された天井であって、前記天井は、
(a)前記部屋の天井に設置された少なくとも一つの加熱パネルであって、前記加熱パネルは、
部屋対向側及びフレーム対向側を有する熱伝導層と、
前記熱伝導層の前記フレーム対向側上に配置された少なくとも1つの層状加熱要素と、
前記少なくとも1つの層状加熱要素のフレーム対向側上に配置された断熱層と、
前記熱伝導層の少なくとも前記部屋対向側上に配置された部屋対向面層と、
前記断熱層上に配置され、前記パネルのフレーム対向面の少なくとも一部を画定している保護的フレーム対向面層であって、アルミニウムを含む、保護的フレーム対向面層と、
前記層状加熱要素に接続された電源コードとを備える、
加熱パネルと、
(b)サーモスタット制御装置を介して電源に接続された前記電源コードと、
(c)前記少なくとも1つの加熱パネルに隣接する位置に設置された、前記加熱パネルの前記部屋対向面層と同様の構造材料を有する少なくとも1つの非加熱パネルであって、それにより、隣接する少なくとも1つの加熱パネルのそれぞれと少なくとも1つの非加熱パネルのそれぞれとの間に継ぎ目を画定している、少なくとも1つの非加熱パネルと、
(d)各継ぎ目におけるフィラーであって、視認可能な前記継ぎ目のない全体的に平面状の構成を有する連続的な天井層を形成しているフィラーと、
(e)前記連続的な天井層上の塗料又は被覆と、
を備える、天井。
【請求項2】
部屋内に放射熱源を提供する設置方法であって、前記方法は、
(a)前記部屋の天井に少なくとも1つの加熱パネルを設置することであって、前記加熱パネルは、
部屋対向側及びフレーム対向側を有する熱伝導層と、
前記熱伝導層の前記フレーム対向側上に配置された少なくとも1つの層状加熱要素と、
前記少なくとも1つの層状加熱要素のフレーム対向側上に配置された断熱層と、
前記熱伝導層の少なくとも前記部屋対向側上に配置された部屋対向面層と、
前記断熱層上に配置され、前記パネルのフレーム対向面の少なくとも一部を画定している保護的フレーム対向面層であって、アルミニウムを含む、保護的フレーム対向面層と、
前記層状加熱要素に接続された電源コードとを備える加熱パネルである、
前記部屋の天井に少なくとも1つの加熱パネルを設置することと、
(b)サーモスタット制御装置を介して前記電源コードを電源に接続することと、
(c)前記少なくとも1つの加熱パネルに隣接する場所に、前記加熱パネルの前記部屋対向面層と同様の構造材料を有する少なくとも1つの非加熱パネルを設置し、それにより、隣接する少なくとも1つの加熱パネルのそれぞれと少なくとも1つの非加熱パネルのそれぞれとの間に継ぎ目を画定することと、
(d)視認可能な前記継ぎ目のない全体的に平面状の構成を有する連続的な天井層を形成するために、各継ぎ目を充填することと、
(e)前記連続的な天井層に塗料を塗ることと、
を含む、方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの加熱パネルの前記保護的フレーム対向面層は、アルミニウム及び銅を含むアルミニウム合金を含む、請求項1に記載の天井又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルミニウム合金は、2014/HE15を含む、請求項3に記載の天井又は方法。
【請求項5】
前記加熱パネルの前記保護的フレーム対向面層は、1mmの厚さである、請求項1~4のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの加熱パネル及び対応する前記熱伝導層は、前記パネルの最も厚い部分における平面状の中間領域と、前記中間領域よりも小さい厚みを有し前記中間領域を囲う縁部と、前記中間領域から前記縁部まで角度がつけられた傾斜した周辺部とを有するように成形された、請求項1~5のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの加熱パネルの熱伝導層は、金属を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの加熱パネルの熱伝導層の金属は、鋼を含む、請求項7に記載の天井又は方法。
【請求項9】
前記鋼は、0.5mmの厚さを有し、かつ、前記加熱パネルは、1200×600×12.5mmの全寸法を有する、請求項8に記載の天井又は方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの加熱パネルの前記断熱層は、9~11mmの範囲内の厚さを有する硬質ポリウレタンフォームを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの加熱パネルの部屋対向面層は、エポキシ又はポリエステルを含むポリマーコーティングを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの加熱パネルの熱伝導層は、周辺側壁を有するトレイから構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの加熱パネルの部屋対向面層は、前記熱伝導層の前記側壁を包み、少なくとも前記パネルのフレーム対向面の一部を画定する、請求項1~12のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項14】
前記熱伝導層の前記側壁を包み、少なくとも前記パネルの前記フレーム対向面の一部を画定する、前記少なくとも1つの加熱パネルの部屋対向面層の一部は、前記パネルの前記フレーム対向面に当接する、請求項13に記載の天井又は方法。
【請求項15】
前記熱伝導層の前記側壁を包み、少なくとも前記パネルの前記フレーム対向面の一部を画定する、前記少なくとも1つの加熱パネルの部屋対向面層の一部は、前記パネルのフレーム対向面の一部の上に延在する、請求項13に記載の天井又は方法。
【請求項16】
少なくとも1つの加熱パネルは、70~80℃の範囲内の所定の最大値を超える温度を前記加熱パネルにおいて検知したときに前記層状加熱要素への電力を遮断するように構成された電力遮断スイッチを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの加熱パネルは、前記パネルの部屋対向面から前記パネルのフレーム対向面へ延在する複数の穴を有し、かつ、前記設置方法は、締結具の提供の設置ステップを含み、又は、前記設置された少なくとも1つの加熱パネルは、締結具を備え、締結具は、それぞれが前記複数の穴のうちの1つを通って延びる複数の締結具を用いて各加熱パネルを建物のフレームに締結する締結具である、請求項1~16のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの加熱パネルは、前記パネルの周辺部と前記少なくとも1つの加熱要素との間に延在する断熱領域を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの加熱パネルは、2つの加熱要素を備える、請求項1~18のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの加熱パネルは、前記2つの加熱要素の間に延在する断熱領域を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの加熱パネルは、前記断熱層において画定された電気的エンクロージャの切り抜きをさらに備え、前記電源コードは、前記エンクロージャ内において前記層状加熱要素のバスバーに接続し、かつ、前記エンクロージャは、前記パネルのフレーム対向面と同一高さであるカバーを備える、請求項1~20のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの加熱パネルの熱伝導層は、金属を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの加熱パネルは、複数の加熱領域を有し、及び/又は、前記方法は、複数の加熱パネルを設置することを含み、前記複数の加熱パネル若しくは加熱領域の1つ又は複数は、他の前記複数の加熱パネル又は領域の制御に関連する制御装置により独立して制御可能である、請求項1~22のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項24】
前記加熱パネルは、加熱サイクル中に任意の方向において1mmを超えない最大合計たわみを示す、請求項1~23のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項25】
前記熱伝導層はその周辺部に凹部を備え、少なくとも2つの加熱パネルが互いに当接し、それにより継ぎ目を画定し、前記凹部において前記継ぎ目上に配置されたスクリムテープをさらに備える、請求項1~24のいずれか一項に記載の天井又は方法。
【請求項26】
前記加熱パネルから放射する熱を発生させるため、前記少なくとも1つの加熱要素に電力を提供することをさらに含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
複数の加熱パネルを前記部屋の中に接続することと、前記部屋の中に前記サーモスタット制御装置を取り付けることと、設定した温度を前記部屋において達成するため前記部屋における熱を制御することとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「プラスターボード類似の建物用パネル放射ヒーター」と題する、2021年6月28日に出願された米国特許出願第17/360,380号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素排出量を最小限に抑える住宅用の効率的な加熱システムが望ましい。現代の住宅は断熱性が高く、大容量の電力を必要としない加熱システムが普及している。赤外線(IR)放射加熱パネルは、通常、従来の対流式加熱ラジエータ又は一般に使用される床下加熱と比較して、消費エネルギーが35~40%少ない。
【0003】
加熱パネルを天井面又は天井内に設置することにより、他の種類の加熱ユニットよりも制限が少なく、必要な場所に熱を戦略的に配置する柔軟性を得ることができる。独立型のIR加熱パネルは、既存の天井に吊り下げられ、又は掛けられることが可能であるが、多くの場合、邪魔になる(すなわち、好ましくない形で突出して目立つ)ため、視覚的に市場に受け入れられない場合がある。
【0004】
天井における既存のヒーターの利用は、隠蔽されるようにするため、天井の根太間の空洞内の、天井の表面パネルの裏側に設置されることがある。これには、電気ケーブルヒーターマット又はフィルム、湿式温水管などの使用を含むことができる。一般的な天井構造は、厚さ12.5mmのプラスターボード又は石膏の壁張り用材のシートロック(sheetlock)の表面パネルを含み、これらは、通常、乾式壁用ねじで木製の天井根太構造体に取り付けられ、パネル間の継ぎ目に沿って乾式壁用テープ及びスパックル(spackle)を使用することによって一体化し、連続的な天井の外観にまとめられる。試験データによると、このような設備は比較的効率が悪く、入力エネルギーのわずか70~75%しか部屋内への放射熱として熱伝達されない。
【0005】
IR熱放射の効率は温度の関数であり、温度が高いほど、より効率的な放射が生成される。既存のプラスターボード又はシートロックのパネルは、一般に、表面温度が55℃以下に制限される。
【0006】
従って、効率的で審美的にも満足させるIR加熱を提供することが、当分野において必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様は、フレーム対向面及び部屋対向面を有する加熱パネルを含む。加熱パネルは、部屋対向側及びフレーム対向側を有する熱伝導層と、熱伝導層のフレーム対向側上に配置された少なくとも1つの層状加熱要素と、少なくとも1つの層状加熱要素上に配置された断熱層と、少なくとも熱伝導層の部屋対向側上に配置された部屋対向面層とを備える。電源コードは層状加熱要素に接続され、電源に接続するように構成される。
【0009】
保護的フレーム対向面層は、断熱層上に配置されてもよく、パネルのフレーム対向面の少なくとも一部を画定してもよい。いくつかの実施形態では、熱伝導層は、金属を含んでもよく、保護的フレーム対向面層は、断熱層に結合された石膏強化ポリエステルメッシュ層を含んでもよく、断熱層は、発泡体を含んでもよく、及び/又は、部屋対向面層は、紙を含んでもよい。熱伝導層は、周辺側壁を有するトレイから構成されてもよい。このような構成では、部屋対向面層は、トレイの側壁を包むことができ、パネルの周辺縁部表面に加え、パネルのフレーム対向面の少なくとも一部を画定することができる。
【0010】
このパネルは、加熱パネル内において、例えば80℃等の所定の最大値より大きい温度を検出すると、層状加熱要素への電力を遮断するように構成された電力遮断スイッチを備えてもよい。この加熱パネルは、パネルの部屋対向面からパネルのフレーム対向面まで延在する複数の穴を含むことができ、各穴は、パネルを建物のフレームに留めるための締結具を受け入れるように寸法決めされる。断熱領域は、パネルの周辺部と少なくとも1つの加熱要素との間に延在してもよい。
【0011】
加熱パネルは、2つの加熱要素を含むことができ、2つの加熱要素の間に延在する断熱領域を有してもよい。電気的エンクロージャの切り抜きは、断熱層内に画定されてもよく、その中で電源コードは層状加熱要素のバスバーに接続し、また、電気的エンクロージャの切り抜きは、パネルのフレーム対向面と同一高さであるカバーを有してもよい。
【0012】
本発明の別の態様は、本明細書に記載の加熱パネルを含む加熱システムを備え、電源コードは、加熱パネルへの電力を調節するために、サーモスタットなどの制御装置に接続される。複数の加熱パネル、又は、1つ若しくは複数のパネルにおける複数の加熱領域は、制御装置によって独立して制御可能であってもよい。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、部屋を加熱する方法であって、本明細書に記載の加熱パネルの少なくとも1つを部屋の天井に設置することと、部屋内に放射する熱を発生させるために少なくとも1つの加熱要素に電力を供給することとを含む方法を含む。複数の加熱パネルは、部屋内に取り付けられたサーモスタット制御装置に接続することができ、当該方法は、それにより部屋内の熱を制御して部屋内を設定温度にすることを含む。天井は、少なくとも1つの加熱パネル及び少なくとも1つの非加熱パネルを含むことができ、少なくとも1つの天井パネルを設置することは、連続的な被覆が可能な天井層を形成するために、少なくとも1つの加熱パネルと少なくとも1つの非加熱パネルとの間に石膏材料を塗布することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】
図1Aは、例示的な加熱パネルの実施形態の断面の概略図である。
【
図1B】
図1Bは、別の例示的な加熱パネルの実施形態の断面の概略図である。
【
図1C】
図1Cは、パネル間の接合部を滑らかに仕上げることを容易にする、隣接する加熱パネル間に配置されるスクリムテープ(scrim tape)を収容するための凹部を有する、例示的な加熱パネルの実施形態の断面の概略図である。
【
図2】
図2は、パネルの周辺部に対する加熱要素の位置を示す例示的な加熱パネルの実施形態の部分透視平面図の概略図であり、制御要素及び電力要素の概略図である。
【
図3】
図3は、本明細書に記載の加熱パネルの、断熱天井への例示的な設置の概略図である。
【
図4】
図4は、本明細書に記載の加熱パネルの、非断熱天井への例示的な設置の概略図である。
【
図5A】
図5Aは、例示的なパネルの、フレーム側の例示的な拡大部分を示しており、締結された閉じ蓋を備える電気的接続用のエンクロージャを示す図である。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aに示される例示的なパネルの、エンクロージャに蓋がない状態におけるフレーム側の部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
本発明の一態様は、入力エネルギーの90%以上で有用な利用可能な放射熱を生成することができる加熱パネルを含む。このパネルは、80℃までの作動表面温度を達成することができる。パネルは、石膏又はプラスターボードのパネルの外観及び挙動を有し、シートロックのパネルと全く同じ方法で天井に取り付けられるように構成される。パネルは「プラグ・アンド・プレイ」アプリケーションとして構成され、ヒーターは、住宅又は建物内で利用可能な110/230vの線間電圧に差し込み接続されるよう構成される。
【0016】
1つ又は複数のそのような天井パネルを備えるシステムは、部屋の温度を制御するために、任意の標準的なサーモスタットに接続されてもよい。パネルは、所望の位置に配置され、特定の部屋のレイアウトの加熱要件を最大化するように調整されてもよい。
【0017】
このようなパネルを備えるシステムの利点は、90%以上のエネルギーを部屋に向けられた放射熱へ変換することを含み、これは既存の隠蔽型の天井設備と比較して30~40%のエネルギー節約に相当し得る。加えて、天井パネルの構造は、それらが既存の断熱板又はシートロックのパネルと同じ方法で設置されることを可能にし、パネルの作用面は、任意の種類の適切な天井表面層によって塗装又は被覆するのに適した連続的な表面の天井に統合するために、下塗り用の石膏又はプラスターボードに類似する任意の被覆物で被覆されてもよい。パネルは、80℃の温度に達し得るが、パネルは、火災要件を満たすように構成される。プラグ・アンド・プレイ接続性は、設置を単純化し、必要な場所にパネルを配置する柔軟性を可能にする。加熱システムの全体的なコストは、市場にある他の技術のほとんど又は全てと競争力を有し、より安価であり得る。
【0018】
例示的な加熱パネル1、2及び3が、
図2と同様に、それぞれ
図1A、1B及び1Cに示される。各パネル1、2及び3は、熱伝導層10を備え、好ましくは、熱伝導層10は底部9及び周辺側壁11を有するトレイの形態である。側壁を含むトレイ構造が、構造的/審美的/縁部保護の機能のために好ましいが、他の実施形態では、熱層は、熱的性能にマイナスの影響を与えずに、側壁を有しなくてもよい。例示的な実施形態では、トレイは、金属(例えば、一実施形態では0.5mmの厚さを有する)、好ましくは鋼、より好ましくは電気亜鉛めっき鋼又は溶融亜鉛めっき鋼から形成される。低熱容量、剛性、低コストと組み合わされた優れた火災/煙/毒性特性のため、鋼が好ましいが、本発明は、任意の特定の構造材料に限定されない。特に、良好な熱伝導体である他の金属が特に好適であり得、アルミニウム及び銅などであるがこれらに限定されず、セラミック、炭素繊維強化、又は他の導電性繊維ポリマー材料などの非金属材料もまた、熱伝導層に使用され得る。熱伝導層は、複数の種類の熱伝導材料の多層複合体を含むことができる。
【0019】
熱伝導層は、フレーム対向面13(取り付けられる天井のフレームに対向して設置されることが意図される)と、部屋対向面15(放射熱が供給されることが意図される部屋に対向して設置されることが意図される)とを有する。ラミナヒート コンフォートフィルム(LaminaHeat ComfortFilm)又はパワーファブリック(PowerFabric)加熱要素などの加熱フィルム12は、フレーム対向面の上方に配置され、好ましくは熱伝導層と接触する。一実施形態では、層状加熱フィルムは、230v又は110vで160Wの定格であってもよく、300W/m2の出力密度を有してもよい。好ましい実施形態では、0.82mmの厚さを有し、以下のいずれかの仕様、すなわち、160W@230v(302W/m2)又は225W@230v(425W/m2)のラミナヒート パワーファブリックヒーターを使用することができる。加熱フィルムは、当技術分野で知られているように、特定の構造、厚さ、仕様、又は定格に限定されることなく、複数の層から構成されてもよく、特定の厚さに限定されないが、一般に0.7~1.5mmの厚さの範囲であってもよい。
【0020】
発泡体などの断熱コア14は、加熱フィルムの上方に配置され、熱伝導トレイの内側側壁に接着されてもよい。一実施形態では、発泡体は、好ましくは厚さ9~11mmの範囲内、より好ましくは厚さ9.5mmの硬質ポリウレタン(PU)発泡体を含むが、本発明は、発泡体断熱材又は任意の特定の種類の発泡体若しくはその厚さに限定されない。一般に、熱伝導率の値がk=0.028~0.035W/mKであり、かつ、密度が30~250kg/m3の断熱材が好ましい。さらなる適切な材料としては、アクリル及び押出ポリスチレン(XPS)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、断熱材は、例えば、バキュテックアーゲー(va-Q-tec AG)によって供給される、バキュプラス(va-Q-plus)として市販されているシリカ粉末コアを含む真空断熱パネル(VIP)などのVIPを含んでよく、これは、標準的な発泡体断熱材よりも約10倍優れた0.0035のハイエンドな性能の熱伝導率のk値を実現する。
【0021】
保護バリア層17は、断熱コア層のフレーム対向面に適用されてもよい。一実施形態では、保護バリア層は、0.8mmの厚さを有する石膏強化ポリエステルメッシュ層を含む。発泡体に構造的な剛性及び靭性/保護を与えるために、保護面が断熱材のフレーム側にあることが好ましいが、実施形態によっては省略してもよい。強化石膏は、建築産業で使用される既存の建物用パネルと適合性がある。しかしながら、これらに限定されないが、ポリエステルメッシュ/ガラス繊維織布の目の粗い織物メッシュ及び他の繊維強化ポリマーコーティング又は金属シートを含む他の材料も使用できる。一実施形態では、バリア層は、1mmの厚さを有するアルミニウム又はアルミニウム合金(例えば、アルミニウムと銅の合金である2014/HE15)を含むシートから構成されてもよい。当該層はいかなる材料であってもよく、いかなる厚さを有してもよい。
【0022】
表面コーティング16(例えば、最終的な装飾仕上げとして塗布され得る塗料又は石膏プラスターコーティングと適合性のある、紙、又は、エポキシ又はポリエステルなどのポリマー下塗りコーティング)は、熱伝導層の部屋対向面に加えられ、パネルの側面まで包み、少なくともパネルのフレーム対向側の一部にわたってもよい。紙は、標準的なプラスター/石膏シートロックのパネル上に設けられる外層と同一であることが好ましいが、本発明は、いかなる特定の表面コーティングに限定されない。いくつかの実施形態では、部屋に対向する表面コーティング及びフレームに対向する保護バリア層が同じ材料である実施形態及び材料が異なる実施形態を含め、保護バリア層17に適する上記材料のいずれか又は全てを含む他の表面コーティングが提供されてもよい。
図1Aに示されるように、パネル1の表面コーティング16は、保護バリア層17の一部の上に延在してもよく、又は、
図1Bのパネル2に示されるように、表面コーティング16と保護バリア層17の縁部が互いに当接してもよい。
【0023】
図1Cに示されるようないくつかの実施形態では、接合又はスクリムテープ102が、隣接するパネル3及び4(内部の詳細は示されていないが、パネル3と概して同一である)の間に使用され、接合線において発生し得るあらゆる亀裂を最小限に抑える。そのような設計では、熱伝導層10’は、スクリムテープを収容するために、その周辺部に凹部100を有することができる。熱伝導層の凹部は、表面コーティング16を含んでも含まなくてもよく、又は、テープの接着をより受容しやすくするためのコーティング又は処理を含んでもよい。有利には、凹部は締結具穴18を含むことができ、それにより、その穴に挿入されたあらゆる締結具(図示せず)の熱がテープによって完全に覆われることができ、また、設置後の完成した天井における「締結具の飛び出し(fastener pops)」の可能性も最小限にすることができる。例示的な実施形態では、凹部は深さ1mm、幅50mmであるが、本発明は特定の形状に限定されるものではない。
図1Cは縮尺通りではなく、記載される特徴を示すために誇張されている場合がある。スクリムテープは、例えばガラス織布であってもよく、下に追加のコンパウンドや目地充填材を加える必要なく、隣接するボードに対し所定の位置での迅速な接着を容易にするため、片面に粘着剤104を有してもよい。ガラス織布のスクリムテープは、接合コンパウンドを接合部やテープ上に塗布する間、所定の位置に確実に固定するのに適した強度と剛性を有する。
【0024】
パネルをフレームに固定するための複数の穴18が、パネルの部屋対向面からパネルのフレーム対向面まで貫通して設けられてもよい。
【0025】
図2に示されるように、パネルは、パネルのサイズに応じて、層状加熱要素によって画定される複数の加熱領域を備えることができる。
図2に示されるように、パネルは、2つの領域12A及び12Bを有し、それぞれが、パネルの横方向の端部と層状加熱要素の横方向の縁部との間に幅Pを有する、断熱周囲領域20に囲まれる。断熱周囲領域20は、例えば、200gsmの平織り構造などの織られたガラス繊維E(電気)のグレードを含んでもよいが、本発明はいかなる特定の材料にも限定されない。各加熱領域は、中央位置でヒーターに結合された熱保護遮断スイッチ22を有することができる。例示的な実施形態では、遮断スイッチは、検出された熱が70~80℃の範囲、好ましくは70℃の最大温度を超えたときは常に、層状加熱要素への電力を遮断するように設定されてもよい。しかしながら、本発明は、いかなる特定の遮断最大値にも限定されない。2つの領域で示されるが、実施形態は2つよりも少ないか又は多い領域(例えば、1、3又は4つの領域)を有してもよく、本発明は特定の数の領域に限定されないことを理解されたい。
図2に示されるように、パネルは、60.96cm×121.92cm(2フィート×4フィート)のサイズを有することができるが、より大きいサイズ又はより小さいサイズも提供されることができ、より多い又はより少ない領域を有することができる。例えば、121.92cm×243.84cm(4フィート×8フィート)のパネルは、4つの領域を有することができる。遮断スイッチの数は、領域の数又はサイズによって決まるものではない。したがって、例えば、上述のサイズで1~4の領域を有する実施形態は、2つの遮断スイッチを有して提供されてもよい。
【0026】
電力入力コード24は、層状加熱ユニットのバスバー25に接続される。
図5A及び
図5Bに示される一実施形態においてより詳細に示されるように、電気的接続のエンクロージャ26は、接続位置を囲み、断熱コア層内に切り抜きを備える。一実施形態では、エンクロージャは、プラスチック(例えば、ナイロン/PVCブレンド)の電気的カバー56(例えば、厚さ10mm、ただし、特定の材料又はサイズに限定されない)を含むことができ、当該カバーの内部は中空(例えば、カバーが上部と側壁を画定する)であって、締結されたときに当該カバーがパネルのフレーム対向面の平面と同一高さになるように、2つの固定ねじ57によって対応するナットプレートインサート58にはめ込まれてパネルに取り付けられる。ナットプレートインサートは、例えば、高温接着剤でヒーターに接着することができる。電気的接続のエンクロージャは、パネルの部屋対向面からは視認されない。
図5A~5Bに示される実施形態では、熱伝導層は、側壁を有するトレイの形態ではないが、側壁を有するトレイの実施形態では、側壁は、一般にエンクロージャの外側縁部を画定し、それにより、カバーがパネルの周辺部から視認されない、より連続的な周辺縁部を形成する。本発明は、電気的エンクロージャの特定の配置に限定されるものではない。電力基板への電力接続を提供する目的で当技術分野で知られる任意の配置が適する場合がある。
【0027】
例示的な制御方式においては、制御装置50は電源コード24に接続され、電源コード24は、接地/アース接続54(例えば、熱伝導層へ)及び、加熱要素12A及び12Bのバスバー25にそれぞれ連結される通電接続52及び53を含んでもよい。接地54は、
図2の領域間に延びていることが示されているが、銅ストリップを含んでも良く、長方形の単一のパネルユニットの領域の長辺に平行に延びても良い。接続は導電性の接着剤などの当技術分野で知られる任意の方法で形成されてもよい。電気的に絶縁する特性を有するテープ59が接続部を覆ってもよい。通電された接続は、最終的に、制御装置50に個別に接続され、領域の独立した制御を可能にしてもよく、又は、両方の加熱要素を共に制御可能としてもよい。それぞれの遮断スイッチは、通電されたコネクタ52,53に接続するように示されるが、概略的には、通電された接続とバスバーの間に電気的に介在し、遮断スイッチが過熱でトリップしたときに、電力が加熱要素に供給されないようにする。他の実施形態では、遮断スイッチは制御装置に接続し直されてもよい。制御装置は遮断スイッチがトリップしたときに、アラーム条件を記録及び/又は作成し、可聴及び/又は可視アラームを生成するように構成されてもよい。制御装置が家庭内無線通信ネットワークに接続され、携帯電話、タブレット又は他のモバイル装置などのコンピュータにおけるアプリケーションソフトウェアによって制御されるように構成される実施形態などの、リモート制御を備える実施形態が提供されてもよい。アラームは、たとえば、制御装置により、接続されたリモート装置への通知として提供されてもよい。
【0028】
図示されるように、例示的な実施形態において、パネルの全厚Tは好ましくは12.5mmであってもよいが、厚さは特定のサイズに限定されず、理想的には、パネルは、加熱パネルが混合される、標準シートロック又は石膏パネルの対応する厚さに一致する任意の厚さで利用可能であってもよい。同様に、パネルは任意の長さ及び幅、特に、少なくとも1つの実施形態におけるように、1200mmの長さL及び600mmの幅Wを有する、プラスターボード又はシートロックの最大サイズのピースの代わりに挿入されるように構成された長さ及び幅を有してもよい。1200×600×12.5mmの一実施形態では、断熱周囲領域は25mmの幅Pを有してもよい。
【0029】
一実施形態は、プラスターボード又はシートロックのパネルの類似品としての使用に適する特徴を備えてもよいが、実施形態はそのような構造に限定されない。例えば、標準的な下がり天井タイルに沿った設置に適する天井パネルも、図示及び記載されるように、いくつか又は全ての層を有するように形成することができる。天井タイルの一実施形態では、タイルの部屋対向層は、紙以外の材料を含んでもよく、及び/又は、それが混合して一体となった天井パネルシステムを形成することができる非放射天井パネルに調和するテクスチャを有してもよい。
【0030】
本明細書で言及される例示的な層状加熱要素は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献1に記載される種類のものであってもよく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。特許文献1に記載されるように、加熱要素は、導電性繊維、非導電性繊維(ガラス繊維など)又はそれらの組合せを含む個々の絡み合わせてない繊維(unentangled fibers)の不織湿式層におけるような、ランダムに配向する炭素繊維などの導電性繊維を含む抵抗ヒーターシート層のいずれか片側又は両側に、外側補強層又は断熱層を含むことができるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、繊維は12mm未満の平均長さを有し、繊維層は、導電性粒子を有しない。この層の一般的な密度は、8~60グラム/平方メートル、より好ましくは15~35グラム/平方メートルの範囲内であり得る。ヒーター層は、好ましくは、任意の方向に均一な電気抵抗(均一性に関する所定の業界標準に準拠する)を有する。繊維層は、1種以上のバインダーポリマー及び/又は難燃剤をさらに含んでもよい。各導電性繊維及び/又は各非導電性繊維は、6~12mmの範囲内の長さを有してもよい。複数の導電性繊維のうちの1つ以上は、金属コーティングを有する非金属繊維を含んでもよい。繊維層は、本質的に個々の絡み合わせていない繊維からなるものであってもよく、特に、繊維マトリックス中の導電性粒子の欠如によって特徴付けられ得るが、層240の構成は、いかなる特定の構造、機能的特性、又は密度にも限定されない。
【0031】
繊維層、又は全体としての加熱要素はまた、そのような穿孔を有しない同様の層と比較して繊維層の電気抵抗を増加させる複数の穿孔を含んでも良い。繊維層はまた、バスバーとして少なくとも2つの導電性ストリップ(好ましくは銅)も含む。バスバーに接続された電線により、ヒーターに電圧を印加することができる。
【0032】
例示的な設置を
図3及び4に示す。
図3は例示的な断熱天井構造30を示し、天井は隣接する建物の階の床32と接している。床32は複数の層、たとえば下張り床及び床材(限定されないが、硬材、カーペット、タイルなど)、ならびに他の機能層(限定されないが、下張り、レベリングするものなど)を含んでもよい。根太34(例えば、公称5.08×10.16cm(2×4インチ)、5.08×15.24cm(2×6インチ)、5.08×20.32cm(2×8インチ)の構造の木材、鋼鉄の梁、アルミニウムのフレームなど)は、隣接する床を支持し、通常の建物用パネル37(例えばシートロック)と同様に、本明細書に記載される加熱パネル36を締結する締結具35(例えば、乾式壁用ねじ、釘など)を受け入れる。断熱材38は、根太34、床32、及び天井パネル36、37によって画定される空洞を満たす。この構造は、防音性と熱を閉じ込める断熱性のために隣接する階の間に断熱材が設けられている、多階層集合住宅用の構造に特に有用である可能性がある。
【0033】
図4は、別の例示的な天井構造40を示しており、断熱層42(例えば、厚さ25~30mmのミネラルウール)が、加熱パネル36に当接しているが、通常の乾式壁パネル37には当接していない。例示的な実施形態では、断熱層42は、パネルが熱出力をさらに閉じ込め、熱出力を方向付けるのに役立たせるために、外観上類似の加熱されたパネルに結合することができる。
【0034】
例示的な天井構造は、本明細書では例示目的のみで示されており、本発明は、いかなる特定の構造にも限定されないことに留意されたい。図示されていないが、天井パネルはまた、商業環境において一般的な吊り下げ型の天井設計における使用にも理想的であり、この場合、パネルは細いプロファイルの鋼梁に固定することができる。
図3及び
図4に示される実施形態では、上述のように、継ぎ目上に速乾性の漆喰(spackling)及び継ぎ目テープ(seaming tape)を適用すること、ならびに当技術分野で周知のように、視認可能な継ぎ目又は締結具の窪みのない全体的に平らな形状を有する天井を作り出すためのさらなる処理など、さらなる仕上げが実行され得る。したがって、パネル(ひいては、対応する熱伝導層)は、パネルの最も厚い部分において平面状の中間領域を有し、中間領域からパネルの縁部まで角度がつけられたわずかに傾斜した周辺部を有するように形成されてもよく、縁部は、中間領域よりも厚さがわずかに小さくてもよい。このわずかな傾斜は、継ぎ目を覆い、実質的に平面状の天井(乾式壁仕上げの技術分野の当業者によってよく理解されるように、平面からの標準的な公差内)を作るために、継ぎ目テープと速乾性の漆喰に適応するのに有用であり得る。そのような実質的に平坦な天井は、連続的に覆うことができる天井層を含む(例えば、建物用パネル(加熱パネル及び通常の建物用パネルを含む)の間に視認可能な継ぎ目なしに、塗装又はさらなる被覆を適用するのに適している)。
【0035】
プラスターボード類似の放射加熱パネルの優れた熱性能に加えて、別の利点には、天井内の既存又は新しい電力ケーブルに加熱パネルを極めて容易に接続することを可能にするプラグ・アンド・プレイの簡便さが含まれる。
【0036】
本明細書で記載される加熱特許の実施形態は、天井に取り付けるように設計されており、視認可能なラジエータや通気口を備えるシステムに比べて、商業的に大きな利点がある隠蔽された加熱システムを提供する。
【0037】
パネルの実施形態は、理想的には、たとえば、室温(すなわち、約20℃)から60℃までの間で繰り返される熱サイクルにおいて安定である。好ましい加熱パネルの実施形態は、任意の方向における最大合計たわみが1mmを超えないものであり、これにより、加熱及び冷却が繰り返される間の、パネルの石膏及び/又は被覆、及び/又は隣接パネルの接合部若しくは隙間を覆う被覆の割れ若しくは損傷を最小限に抑えることができる。
【0038】
実施形態では、加熱パネル内の加熱フィルムは、部屋に対向するパネル前面又は加熱面から0.5mmの位置に配置される。
【0039】
いくつかの実施形態では、92~93%の加熱効率を示している。
【0040】
本発明は、特定の実施形態を参照して本明細書に例示され、記載されるが、本発明は、示される詳細に限定されることを意図されない。むしろ、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲及び均等物の範囲内で、詳細に様々な改変を行うことができる。
【国際調査報告】