(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム及び関連制御方法、装置並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H02P 25/064 20160101AFI20240711BHJP
H02K 41/03 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H02P25/064
H02K41/03 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560433
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2022-10-04
(86)【国際出願番号】 CN2022108453
(87)【国際公開番号】W WO2024000714
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202210779127.2
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼ 林
(72)【発明者】
【氏名】秦 ▲ユー▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 敏
(72)【発明者】
【氏名】史 ▲衛▼▲領▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲順▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 学▲園▼
【テーマコード(参考)】
5H540
5H641
【Fターム(参考)】
5H540BA03
5H540BB01
5H540BB05
5H540BB09
5H540EE05
5H540EE06
5H540FA13
5H540FB02
5H641BB06
5H641BB19
5H641GG02
5H641GG07
5H641GG26
5H641GG27
5H641GG28
5H641HH03
(57)【要約】
【課題】本発明は、複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムを提供する。
【解決手段】該複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムは固定子ユニット及び可動子ユニットと駆動器とを含み、固定子ユニットはフレームとコイル巻線とホール素子とを含み、ダイレクトドライブ搬送システムは複数段の直線段及び円弧段で構成され、可動子ユニットは可動子及び磁性鋼を含み、フレームはフィードバックセグメント及び遷移セグメントを含み、可動子ユニットが1つのコイル巻線の磁界範囲内に移動すると、磁界変化量を発生し、ホール素子は、検出した磁界変化量に基づいて電圧信号を出力し、駆動器は、受信したホール信号により電気角を算出し、予め設定された可動子ユニットの初期速度及び電気角に基づいて駆動電流を算出し、コイル巻線は、駆動電流に基づいて磁性鋼が移動するように駆動して位置補正を実現する。本発明に係る構造は、簡単であり、部品の数が少ない。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムであって、
複数段で順に接続されて一体をなす固定子ユニットと、固定子ユニットに対して移動する複数の可動子ユニットと、複数の駆動器とを含み、前記固定子ユニットは、フレームと、前記フレームに取り付けられ且つ前記フレームの延在方向に沿って順次に配列される複数のコイル巻線とを含み、各前記可動子ユニットは、前記固定子ユニットと摺動接続を形成し且つ前記フレームに対して移動可能な可動子と、前記可動子に固定される磁性鋼とを含み、前記磁性鋼は、前記コイル巻線に正対して間隔をあけて設けられ、前記コイル巻線は、前記可動子を移動させるように前記磁性鋼を駆動し、前記フレームは、互いに交互するフィードバックセグメント及び遷移セグメントを含み、
前記固定子ユニットは、さらに、前記遷移セグメントに取り付けられ且つ前記フレームに間隔をあけて固定される複数のホール素子を含み、各前記駆動器は、複数の前記コイル巻線に対応し、各前記ホール素子は、1つの前記コイル巻線に対応して設けられ、各前記駆動器は、前記ホール素子と前記コイル巻線とにそれぞれ電気的に接続され、前記ホール素子は、前記磁性鋼と間隔をあけて設けられ、前記ホール素子と前記コイル巻線とは、同一側に位置し、前記可動子ユニットは、1つの前記コイル巻線の磁界範囲に移動すると、磁界変化量を発生し、前記磁界範囲内に位置する1つの前記ホール素子は、その検出した磁界変化量に基づいて電圧信号を出力し、該ホール素子に対応する前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、且つ予め設定された前記可動子ユニットの初期速度と前記電気角とに基づいて駆動電流を算出し、該ホール素子に対応する1つの前記コイル巻線は、前記駆動電流に基づいて前記磁性鋼が移動するように駆動して位置補正を実現する、ことを特徴とする複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム。
【請求項2】
前記ホール素子と前記磁性鋼との間の高さは、調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム。
【請求項3】
前記フレームは、第1フレームと、前記第1フレームから折り曲げて延在する支持フレームと、前記支持フレームの前記第1フレームから離れる一端から折り曲げて延在する第2フレームとを含み、前記第1フレーム、前記支持フレーム及び第2フレームによってともに収容空間が囲まれ、前記ホール素子と前記コイル巻線とは、前記収容空間内に収容され、前記ホール素子は、前記第2フレームの前記支持フレームに近接する側に位置し、前記コイル巻線は、前記第2フレームの前記支持フレームから離れる側に位置し、前記可動子は、一部が前記収容空間に収容され、前記可動子は、前記第2フレームに接続され、且つ前記第2フレームと摺動接続を形成することを特徴とする請求項1に記載の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム。
【請求項4】
前記固定子ユニットは、前記第1フレームに固定されるレールをさらに含み、前記レールは、前記収容空間内に収容され、前記可動子は、可動子本体と、前記可動子本体に固定されるプーリとをさらに含み、前記プーリと前記磁性鋼とは、それぞれ前記可動子本体の対向する両側に位置し、前記プーリは、前記レールに合わせ、且つ前記レールと摺動接続を形成することを特徴とする請求項3に記載の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム。
【請求項5】
複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法であって、
前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法は、請求項1~4のいずれか1項に記載の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムに応用され、前記固定子ユニットは、前記フィードバックセグメントに取り付けられる変位センサをさらに含み、該方法は、
ステップS1であって、前記変位センサは、前記可動子ユニットが前記フィードバックセグメントで移動するリアルタイム位置を、リアルタイムに検出するステップと、
ステップS2であって、前記フィードバックセグメントにおける変位センサのフィードバック位置に基づいて、前記可動子ユニットが前記フィードバックセグメントと前記遷移セグメントとの境界の領域に入ったかどうかをリアルタイムに判断し、
肯定判断した場合、前記可動子ユニットの現在の速度を前記初期速度とし、前記ホール素子は、リアルタイムに検出して前記ホール信号を生成し、前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、且つ前記初期速度と前記電気角とに基づいて駆動電流を算出し、該ホール素子に対応する1つの前記コイル巻線は、前記駆動電流に基づいて前記磁性鋼が移動するように駆動して位置補正を実現し、且つ前記コイル巻線の主制御モードの設定を行うステップと、
ステップS3であって、前記可動子ユニットが前記遷移セグメントで移動するリアルタイム位置をリアルタイムに検出し、前記可動子ユニットのリアルタイム位置に基づいて前記遷移セグメント範囲内の各前記コイル巻線の協同制御モードの設定を行い、前記協同制御モードは、主制御モード及び主従制御モード切り替えのうちのいずれか1つであるステップと、
ステップS4であって、前記可動子ユニットが前記遷移セグメントと前記フィードバックセグメントとの境界の領域に入ったかどうかをリアルタイムに判断し、
肯定判断した場合、前記遷移セグメント範囲内の各前記コイル巻線の制御を停止し、且つ前記フィードバックセグメント範囲内の各前記コイル巻線の協同制御モードの設定を行って、前記遷移セグメントから前記フィードバックセグメントへの遷移を実現するステップと、を含むことを特徴とする複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法。
【請求項6】
前記ステップS3において、前記遷移セグメントにおける隣接する2段の前記固定子ユニットの境界領域内に、前記協同制御モードの設定は、
ステップS31であって、前記遷移セグメントにおける1つ目の前記ホール素子は、その検出した磁界変化量に基づいて前記ホール信号を生成し、前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、且つ算出した前記電気角に基づいて第1設定値に達したかどうかを判断し、
否定判断した場合、前記ステップS2に戻り、
肯定判断した場合、隣接する2つの前記コイル巻線の前記主従制御モードの設定を行うステップと、
ステップS32であって、次の前記駆動器は、それに接続される前記ホール素子からのホール信号により算出された前記電気角に基づいて第2設定値に達したかどうかを判断し、
否定判断した場合、前記ステップS31に戻り、
肯定判断した場合、次の前記コイル巻線の前記主制御モードの設定を行うステップと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法。
【請求項7】
前記ステップS4において、前記可動子ユニットの移動方向に沿って、前記遷移セグメントと前記フィードバックセグメントとの境界の領域内の前記フィードバックセグメントの前記変位センサによって検出されたフィードバック信号が、予め設定されたフィードバック値に達すると、前記可動子ユニットの制御を前記フィードバックセグメント範囲内の各前記コイル巻線の協同制御モードに設定することを特徴とする請求項5に記載の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法。
【請求項8】
コンピュータ装置であって、
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するときに、請求項5から7のいずれか1項に記載の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法におけるステップが実施されることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項9】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項5から7のいずれか1項に記載の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法におけるステップが実施されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システム制御の技術分野に関し、特に複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム、複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法、コンピュータ装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
生産組立ラインにおける流れ作業の応用が益々需要になることに伴い、複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムは、生産組立ラインにおける重要な生産装置となる。
【0003】
従来技術の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムは、複数段の固定子と前記固定子に取り付けられる複数の可動子とを含み、前記固定子は、コイル巻線を含み、複数段の前記固定子は、直線段と円弧段とで構成される。前記可動子は、磁性鋼を含み、前記磁性鋼は、前記コイル巻線に正対して間隔をあけて設けられ、前記コイル巻線は、前記磁性鋼を駆動して前記可動子を移動させる。前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムにおいて複数段におけるコイル巻線構造は、直線段と円弧段という2つの大分類に分けられる。従来技術における複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムは、直線段及び円弧段に変位センサを配置することで可動子の位置を認識する。また、変位センサは、一般にエンコーダアレイで実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術における各前記固定子は、いずれもエンコーダアレイを用いる必要があり、構造が複雑であり、組立プロセスの難易度が大きく且つコストが高い。また、一部の固定子にステーションを配置せず位置決めを必要とせず簡単な遷移のみを行うと、高価なエンコーダアレイを必要としない。どのようにステーションを配置せず位置決めを必要とせず簡単な遷移のみを行う一部の固定子を制御するかは、解決する必要がある技術課題である。
【0005】
従って、上記技術課題を解決するために、新たな複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム及び制御方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記技術課題を解決し、構成が簡単であり、部品の数が少なく、移動制御方法が簡単であり且つ実施しやすい複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム、複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法、コンピュータ装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を実現するために、第1態様として、本発明に係る実施形態は、複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムを提供し、該複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムは、複数段で順に接続されて一体をなす固定子ユニットと、固定子ユニットに対して移動する複数の可動子ユニットと、複数の駆動器とを含み、前記固定子ユニットは、フレームと、前記フレームに取り付けられ且つ前記フレームの延在方向に沿って順次に配列される複数のコイル巻線とを含み、各前記可動子ユニットは、前記固定子ユニットと摺動接続を形成し且つ前記フレームに対して移動可能な可動子と、前記可動子に固定される磁性鋼とを含み、前記磁性鋼は、前記コイル巻線に正対して間隔をあけて設けられ、前記コイル巻線は、前記可動子を移動さるように前記磁性鋼を駆動し、前記フレームは、互いに交互するフィードバックセグメント及び遷移セグメントを含み、
前記固定子ユニットは、前記遷移セグメントに取り付けられ且つ前記フレームに間隔をあけて固定される複数のホール素子をさらに含み、各前記駆動器は、複数の前記コイル巻線に対応し、各前記ホール素子は、1つの前記コイル巻線に対応して設けられ、各前記駆動器は、前記ホール素子と前記コイル巻線とにそれぞれ電気的に接続され、前記ホール素子は、前記磁性鋼と間隔をあけて設けられ、前記ホール素子と前記コイル巻線とは、同一側に位置し、前記可動子ユニットが1つの前記コイル巻線の磁界範囲内に移動すると、磁界変化量を発生し、前記磁界範囲内に位置する1つの前記ホール素子は、その検出した磁界変化量に基づいてホール信号を生成し、前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、予め設定された前記可動子ユニットの初期速度と前記電気角とに基づいて駆動電流を算出し、該ホール素子に対応する1つの前記コイル巻線は、前記駆動電流に基づいて、前記磁性鋼が移動するように駆動して位置補正を実現する。
【0008】
さらに好ましくは、前記ホール素子と前記磁性鋼との間の高さは、調整可能である。
【0009】
さらに好ましくは、前記フレームは、第1フレームと、前記第1フレームから折り曲げて延在する支持フレームと、前記支持フレームの前記第1フレームから離れる一端から折り曲げて延在する第2フレームとを含み、前記第1フレーム、前記支持フレーム及び第2フレームによってともに収容空間が囲まれ、前記ホール素子と前記コイル巻線とは、前記収容空間内に収容され、前記ホール素子は、前記第2フレームの前記支持フレームに近接する側に位置し、前記コイル巻線は、前記第2フレームの前記支持フレームから離れる側に位置し、前記可動子は、一部が前記収容空間に収容され、前記可動子は、前記第2フレームに接続され、且つ前記第2フレームと摺動接続を形成する。
【0010】
さらに好ましくは、前記固定子ユニットは、前記第1フレームに固定されるレールをさらに含み、前記レールは、前記収容空間内に収容され、前記可動子は、さらに、可動子本体と、前記可動子本体に固定されるプーリとを含み、前記プーリと前記磁性鋼とは、それぞれ前記可動子本体の対向する両側に位置し、前記プーリは、前記レールに合わせ、且つ前記レールと摺動接続を形成する。
【0011】
第2態様として、本発明に係る実施形態は、さらに複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法を提供し、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法は、本発明に係る実施形態の提供する上記の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムに応用され、前記固定子ユニットは、さらに、前記フィードバックセグメントに取り付けられる複数の変位センサを含み、各前記変位センサは、1つの前記固定子ユニットに対応し、該方法は、以下のステップを含む。
ステップS1であって、前記変位センサは、前記可動子ユニットが前記フィードバックセグメントで移動するリアルタイム位置をリアルタイムに検出する。
ステップS2であって、前記可動子ユニットが前記フィードバックセグメントと前記遷移セグメントとの境界の領域に入ったかどうかを判断し、
肯定判断した場合、前記可動子ユニットの速度を前記初期速度とし、前記ホール素子は、リアルタイムに検出して前記ホール信号を生成し、前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、且つ前記初期速度と前記電気角とに基づいて駆動電流を算出し、該ホール素子に対応する1つの前記コイル巻線は、前記駆動電流に基づいて前記磁性鋼が移動するように駆動して位置補正を実現し、且つ前記コイル巻線の主制御モードの設定を行い、
ステップS3であって、前記可動子ユニットが前記遷移セグメントで移動するリアルタイム位置をリアルタイムに検出し、前記可動子ユニットのリアルタイム位置に基づいて前記遷移セグメント範囲内の各前記コイル巻線の協同制御モードの設定を行い、前記協同制御モードは、主制御モード及び主従制御モード切り替えのうちのいずれか1つであり、
ステップS4であって、前記可動子ユニットが前記遷移セグメントと前記フィードバックセグメントとの境界の領域に入ったかどうかをリアルタイムに判断し、肯定判断した場合、前記遷移セグメント範囲内の各前記コイル巻線の制御を停止し、前記フィードバックセグメント範囲内の各前記コイル巻線の協同制御モードの設定を行い、前記遷移セグメントから前記フィードバックセグメントへの遷移を実現する。
【0012】
さらに好ましくは、前記ステップS3において、前記遷移セグメントにおける隣接する2段の前記固定子ユニットの境界領域内に、前記協同制御モードの設定は、以下のステップを含む。
ステップS31であって、前記遷移セグメントの1つ目の前記ホール素子は、その検出した磁界変化量に基づいて前記ホール信号を生成し、前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、算出した前記電気角に基づいて第1設定値に達したかどうかを判断し、
否定判断した場合、前記ステップS2に戻り、
肯定判断した場合、隣接する2つの前記コイル巻線の前記主従制御モードの設定を行い、
ステップS32であって、次の前記駆動器は、それに対応する前記ホール素子が算出した前記電気角に基づいて、第2設定値に達したかどうかを判断し、
否定判断した場合、前記ステップS31に戻り、
肯定判断した場合、次の前記コイル巻線の前記主制御モードの設定を行う。
【0013】
さらに好ましくは、前記ステップS4において、前記可動子ユニットの移動方向に沿って、前記遷移セグメントと前記フィードバックセグメントとの境界の領域内の前記フィードバックセグメントの前記変位センサにより検出されたフィードバック信号が、予め設定されたフィードバック値に達すると、前記可動子ユニットの制御を前記フィードバックセグメント範囲内の各前記コイル巻線の協同制御モードに設定する。
【0014】
第3態様として、本発明に係る実施形態は、さらにコンピュータ装置を提供し、該コンピュータ装置は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するときに、本発明に係る実施形態の提供する上記の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法におけるステップが実現される。
【0015】
第4態様として、本発明に係る実施形態は、さらにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、本発明に係る実施形態の提供する上記の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法におけるステップが実現される。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べて、本発明の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムは、固定子ユニット及び可動子ユニットを設けることによって、前記可動子ユニットが1つの前記コイル巻線の磁界範囲に移動すると、磁界変化量を発生し、前記磁界範囲内に位置する1つの前記ホール素子は、その検出した磁界変化量に基づいてホール信号を生成し、該ホール素子に対応する1つの前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、且つ予め設定された前記可動子ユニットの初期速度と前記電気角とに基づいて駆動電流を算出し、該ホール素子に対応する1つの前記コイル巻線は、前記駆動電流に基づいて前記磁性鋼が移動するように駆動して位置補正を実現する。該構成は、簡単な遷移を行う前記遷移セグメント内に高価なエンコーダアレイを必要とせず、前記ホール素子を用いて実現することができ、使用する部品の数が少なく且つ構成が簡単である。さらに好ましくは、同時に、前記ホール素子は、前記磁性鋼と間隔をあけて設けられ、前記ホール素子と前記コイル巻線とは、同一側に位置し、該構成は、前記ホール素子、前記コイル巻線及び前記磁性鋼の組立を簡単にすることによって、本発明の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム、複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法、コンピュータ装置とコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の構成が簡単であり、部品の数が少なく、移動制御方法が簡単であり且つ実施しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は単に本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができ、そのうち、
【
図1】本発明に係る複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの一部の斜視構造概略図である。
【
図2】本発明に係る複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの別の角度の一部の斜視構造概略図である。
【
図3】本発明に係る複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの一部の斜視構造分解図である。
【
図5】本発明に係る複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの他の一部の斜視構造概略図である。
【
図6】本発明に係る複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムにおいてホール信号と電気角との関係図である。
【
図7】本発明に係る複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法のフローチャートである。
【
図8】本発明に係る複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法のステップS3のフローチャートである。
【
図9】本発明に係る実施形態の提供するコンピュータ装置の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態における図面を参照し、本発明の実施形態における技術的解決手段を明瞭、完全に説明し、明らかに、説明された実施形態は本発明の一部の実施形態だけであり、全ての実施形態ではない。本発明における実施形態に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
本発明に係る実施形態は、複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム100を提供する。
図1~5を同時に参照する。前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム100は、複数段で順に接続され且つ一体をなす固定子ユニット1と、固定子ユニット1に対して移動する複数の可動子ユニット2と、複数の駆動器とを含む。
【0020】
前記固定子ユニット1は、フレーム11と、複数のコイル巻線12と、ホール素子13と、ホール素子の取付固定板14とを含む。
【0021】
前記フレーム11は、前記固定子1及び前記可動子ユニット2を支持するために用いられる。具体的には、前記フレーム11は、第1フレーム111と、前記第1フレーム111から折り曲げて延在する支持フレーム112と、前記支持フレーム112の前記第1フレーム111から離れる一端から折り曲げて延在する第2フレーム113とを含む。前記第1フレーム111、前記支持フレーム112及び第2フレーム113によってともに収容空間110が囲まれている。
【0022】
ここで、可動子ユニット2の移動方向に沿って、前記フレーム11は、環状構造を呈しており、且つ互いに交互するフィードバックセグメント20及び遷移セグメント10を含む。
【0023】
前記コイル巻線12は、前記可動子ユニット2が移動するように駆動するために用いられる。
【0024】
前記コイル巻線12は、前記収容空間110内に収容される。複数の前記コイル巻線12は、前記フレーム11に取り付けられる。複数の前記コイル巻線12は、前記フレーム11の延在方向に沿って順次に配列される。前記コイル巻線12は、前記第2フレーム113の前記支持フレーム112から離れる側に位置する。
【0025】
前記ホール素子13は、磁界変化量を検出してホール信号を生成するために用いられる。前記ホール素子13は、前記収容空間110内に収容され、前記ホール素子13は、前記第2フレーム113の前記支持フレーム112に近接する側に位置する。前記ホール素子13と前記コイル巻線12とは、同一側に位置する。
【0026】
各前記駆動器は、複数の前記コイル巻線13に対応して、各前記ホール素子13は、1つの前記コイル巻線12に対応して設けられる。各前記駆動器は、前記ホール素子13と前記コイル巻線12とにそれぞれ電気的に接続される。
【0027】
本実施形態では、各前記駆動器とそれに隣接する前記駆動器は、前記ホール素子のフィードバック状況により協同制御ポリシーを実施する。ここで、前記協同制御ポリシーは、主従協同制御ポリシーを含む。具体的には、前記主従協同制御ポリシーは、以下の通りである。すなわち、前記可動子ユニット2が隣接する2つの前記固定子1の境界領域に移動すると、2つ目の前記駆動器は、1つ目の前記駆動器に追従して同じ駆動電流を出力する。
【0028】
なお、前記コイル巻線12と前記ホール素子13は、いずれも当該分野でよく用いられる部品と回路モジュールであり、具体的な指標及び型番は、実際の設計需要に応じて特定され、ここで、詳細に述べない。
【0029】
各前記可動子ユニット2は、前記固定子ユニット1と摺動接続を形成し且つ前記フレーム11に対して移動可能な可動子21と、前記可動子21に固定される磁性鋼22とを含む。前記磁性鋼22は、前記コイル巻線12に正対して間隔をあけて設けられる。
【0030】
前記コイル巻線12は、前記可動子2を移動させるように、前記磁性鋼22を駆動する。
【0031】
本実施形態では、前記ホール素子13は、ステーションを配置せず位置決めを必要とせず簡単な遷移のみを行う複数段の固定子ユニット1における遷移セグメント10に設けられる。前記ホール素子13の動作過程は、以下の通りである。前記可動子ユニット2が1つの前記コイル巻線12の磁界範囲に移動すると、磁界変化量を発生し、前記磁界範囲内に位置する1つの前記ホール素子13は、その検出した磁界変化量に基づいて電圧信号を出力し、該ホール素子13に対応する前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、且つ予め設定された前記可動子ユニット2の初期速度と前記電気角とに基づいて駆動電流を算出し、該ホール素子13に対応する1つの前記コイル巻線12は、前記駆動電流に基づいて前記磁性鋼22が移動するように駆動して位置補正を実現する。従って、ステーションを配置せず位置決めを必要とせず簡単な遷移のみを行う位置に前記ホール素子13を設けることによって、高価なエンコーダアレイを必要とせず、且つ、部品は従来技術のエンコーダアレイに対して、数が少ない。
【0032】
図6に示すように、
図6は、本発明に係る複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム100においてホール信号と電気角との関係図である。
図6においてW1は、ホール信号であり、W2は、電気角である。また、連続する複数の前記ホール素子13によって生成されるホール信号は、複数であるが、電気角はほぼ同じであり、異なる前記ホール素子13によって生成された異なる電気角は、前記磁性鋼22の移動速度を微調整して位置補正を実現することに用いることができる。いくつかのほぼ同じ電気角によって、前記磁性鋼22の移動速度を円滑に維持させて、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム100の移動制御方法は簡単であり、実施しやすい。
【0033】
本実施形態では、前記ホール素子13は、前記磁性鋼22と間隔をあけて設けられる。ここで、前記ホール素子13と前記磁性鋼22との間の高さは調整可能である。該構成によって、前記ホール素子13の取付位置は、実際の状況に応じて調整可能であり、前記ホール素子13は、前記磁性鋼22との間の高さを調整することによって、前記ホール素子13が磁界変化量を検出する感度を設定し、それによって、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム100の移動制御方法は、簡単であり、実施しやすい。
【0034】
前記駆動器が前記コイル巻線12により前記磁性鋼22を駆動することで、前記磁性鋼22の位置補正の目的を達成することをより良くするために、本実施形態では、隣接する2つの前記駆動器が算出した2つの電気角と予め設定された電気角を比較し、比較から得られた結果に基づいて協同制御ポリシーを用いて前記磁性鋼22が移動するように駆動する。ここで、前記協同制御ポリシーは、隣接する2つの前記駆動器における駆動電流が同じである主従協同制御ポリシーである。該設定は、各前記駆動器が単独で駆動する主制御モードに対して簡単であり、操作しやすく、且つ複雑な論理制御を必要とせず、前記駆動器の制御論理が簡単であり、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム100の移動制御方法が簡単で且つ実施しやすくなる。
【0035】
前記可動子21は、一部が前記収容空間110に収容され、前記可動子21は、前記第2フレーム113に接続され、且つ前記第2フレーム113と摺動接続を形成する。
【0036】
前記可動子21が移動して且つ前記第2フレーム113と摺動接続を形成することをより良く実施するために、本実施形態では、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム100は、さらに前記第1フレーム111に固定されるレール15を含む。前記レール15は、前記収容空間110内に収容される。前記レール15の延在方向は、前記第1フレーム111の延在方向と同じである。前記可動子2は、さらに、可動子本体211と、前記可動子本体211に固定されるプーリ212とを含む。前記プーリ212と前記磁性鋼22とは、それぞれ前記可動子本体211の対向する両側に位置する。前記プーリ212は、前記レール15と合わせ、前記レール15と摺動接続を形成する。前記プーリ212及び前記レール15の構造は、前記可動子2の移動を安定でスムーズにすることができる。
【0037】
図5を参照すると、前記固定子ユニット1は、さらに、前記フィードバックセグメント20に取り付けられる複数の変位センサ(未図示)を含む。
【0038】
前記変位センサは、前記フィードバックセグメント20に位置し、前記変位センサは、前記可動子21の位置を正確に制御するために用いられる。前記変位センサは、それに接続される前記コイル巻線12と一対一で対応する。即ち、各前記変位センサは、1つの前記コイル巻線12に対応して設けられる。
【0039】
前記変位センサと前記ホール素子13は、同時に使用することによって、前記可動子2の位置を正確に制御する場合に、正確な調整を実施することができ、簡単な遷移を行う前記遷移セグメント10内に高価なエンコーダアレイを必要とせず、前記ホール素子13で実現される。該構造によって、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム100の移動制御方法は、簡単であり、且つ実施しやすくなる。
【0040】
本発明は、さらに、複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法を提供する。
図7に示すように、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法は、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム100に適用される。
【0041】
具体的には、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法は、以下のステップを含む。
ステップS1であって、前記変位センサは、前記可動子ユニット2が前記フィードバックセグメント20で移動するリアルタイム位置を、リアルタイムに検出する。
【0042】
ステップS2であって、前記可動子ユニット2が前記フィードバックセグメント20と前記遷移セグメント10との境界の領域に入ったかどうかをリアルタイムに判断し、
肯定判断した場合、前記可動子ユニット2の速度を前記初期速度とし、前記ホール素子13は、リアルタイムに検出して前記ホール信号を生成し、前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、且つ前記初期速度と前記電気角に基づいて駆動電流を算出し、該ホール素子13に対応する1つの前記コイル巻線12は、前記駆動電流に基づいて前記磁性鋼22が移動するように駆動して位置補正を実現し、且つ前記コイル巻線12の主制御モードの設定を行う。
【0043】
本実施形態では、前記可動子ユニット2の移動方向に沿って、前記フィードバックセグメント20内の最後の前記変位センサによって、前記可動子ユニット2が予め設定された第1遷移速度に達したことが検出されると、前記可動子ユニット2が前記フィードバックセグメント20と前記遷移セグメント10との境界の領域に入ったと判断する。前記ステップS2において、予め設定された第1遷移速度に基づいて前記ホール素子13によって電気角の補正をリアルタイムに行い、運転制御を実現し、それによって、移動制御方法が簡単で且つ実施しやすい。
【0044】
ステップS3であって、前記可動子ユニット2の前記遷移セグメント10での移動のリアルタイム位置をリアルタイムに検出し、前記可動子ユニット2のリアルタイム位置に基づいて前記遷移セグメント10の範囲内の各前記コイル巻線12の協同制御モードの設定を行う。前記協同制御モードは、主制御モード及び主従制御モード切り替えのうちのいずれか1つである。
【0045】
図8を参照すると、具体的には、前記ステップS3において、前記遷移セグメント10における隣接する2段の前記固定子ユニット1の境界の領域内に、前記協同制御モードの設定は、以下のステップを含み、
ステップS31であって、前記遷移セグメント10の1つ目の前記ホール素子13は、それが検出した磁界変化量に基づいて前記ホール信号を生成し、該ホール素子13に接続される前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、算出した前記電気角に基づいて第1設定値に達したかどうかを判断し、
否定判断した場合、前記ステップS2に戻り、
肯定判断した場合、隣接する2つの前記コイル巻線12の前記主従制御モードの設定を行い、
ステップS32であって、次の前記駆動器は、それに接続される前記ホール素子13からのホール信号によって算出された前記電気角に基づいて第2設定値に達したかどうかを判断し、
否定判断した場合、前記ステップS31に戻り、
肯定判断した場合、次の前記コイル巻線12の前記主制御モードの設定を行う。前記ステップS31から前記ステップS32は、前記電気角により第1設定値及び第2設定値に達したかどうかを判断し、運転制御を実現し、且つ円滑な遷移を実現する。
【0046】
前記ステップS3において、前記駆動器は、算出した電気角情報に基づいて、異なる前記固定子1の間に遷移する時に協同制御ポリシーを用いて、主従協同制御ポリシーが好ましく、移動制御方法を簡単にし且つ実施しやすくする。
【0047】
ステップS4であって、前記可動子ユニット2が、前記遷移セグメント10と前記フィードバックセグメント20との境界の領域に入ったかどうかをリアルタイムに判断し、肯定判断した場合、前記遷移セグメント10の範囲内の各前記コイル巻線12の制御を停止し、且つ前記フィードバックセグメント20の範囲内の各前記コイル巻線12の協同制御モードの設定を行って、前記遷移セグメント10から前記フィードバックセグメント20への遷移を実現する。
【0048】
前記ステップS4において、前記可動子ユニット2の移動方向に沿って、前記遷移セグメント10と前記フィードバックセグメント20と境界の領域内の前記フィードバックセグメント20の前記変位センサにより検出されたフィードバック信号が、予め設定されたフィードバック値に達すると、前記可動子ユニット2の制御を前記フィードバックセグメント20の範囲内の各前記コイル巻線12の協同制御モードに設定する。
【0049】
上記ステップを実施することによって、前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法の部品の数が少なく、移動制御方法は、簡単であり、且つ実施しやすい。
【0050】
本発明に係る実施形態は、さらにコンピュータ装置を提供し、
図9に示すように、それは、本発明に係る実施形態の提供するコンピュータ装置の構成概略図である。前記コンピュータ装置400は、プロセッサ401と、メモリ402と、前記メモリ402に記憶され且つ前記プロセッサ401で実行可能なコンピュータプログラムとを含む。
【0051】
前記プロセッサ401は、前記メモリ402に記憶されるコンピュータプログラムを呼び出し、前記コンピュータプログラムを実行するときに、上記実施形態における前記複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法におけるステップを実現する。
【0052】
本発明に係る実施形態の提供するコンピュータ装置400は、上記実施形態における複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法におけるステップを実現することができ、且つ同様な技術的効果を奏することができ、上記実施形態の説明を参照すればよく、ここで繰り返し述べない。
【0053】
本発明に係る実施形態は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶され、該コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行される時に、本発明に係る実施形態の提供する複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法における各プロセス及びステップを実現することができ、且つ同じ技術的効果を奏することができ、重複することを避けるために、ここで繰り返し述べない。
【0054】
当業者であれば上記実施形態の方法における全部又は一部のフローを実現することは、コンピュータプログラムによって関連するハードウェアを指示して完了することができ、前記プログラムはコンピュータの読み取り可能な記憶媒体に記憶することができ、該プログラムを実行する時、上記各方法の実施形態のフローを含むことができる。そのうち、前記記憶媒体は磁気ディスク、光ディスク、読み取り専用記憶メモリ(Read-Only Memory、ROM)又はランダムアクセスメモリ(RandomAccess Memory、RAMと略称する)などであってもよい。
【0055】
なお、本明細書において、用語「含む」、「包含」又はそのいずれかの他の変形は非排他的な包含を含むことを意図し、それにより一連の要素の過程、方法、物品又は装置はそれらの要素を含むだけでなく、また明確に列挙されていない他の要素を含み、又はこのような過程、方法、物品又は装置に固有の要素を含む。より多くの制限がない場合、語句「一つの…を含む」によって限定された要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置にさらに他の同じ要素が存在することを排除するものではない。
【0056】
以上の実施形態の説明によって、当業者であれば上記実施形態の方法はソフトウェア及び必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態で実現することができ、当然ハードウェアであってもよいが、多くの場合に前者はより好ましい実施形態である。このような理解に基づき、本発明の技術的解決手段は本質的に又は従来技術に寄与する部分はソフトウェア製品の形式で表すことができ、該コンピュータソフトウェア製品は1つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、複数のコマンドを含んで一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク装置等であってもよい)に本発明の各実施形態に記載の方法を実行させる。
【0057】
従来技術に比べて、本発明の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムは、固定子ユニット及び可動子ユニットを設けることによって、前記可動子ユニットが1つの前記コイル巻線の磁界範囲に移動すると、磁界変化量を発生し、前記磁界範囲内に位置する1つの前記ホール素子は、その検出した磁界変化量に基づいてホール信号を生成し、該ホール素子に対応する1つの前記駆動器は、受信した前記ホール信号により電気角を算出し、且つ予め設定された前記可動子ユニットの初期速度と前記電気角とに基づいて駆動電流を算出し、該ホール素子に対応する1つの前記コイル巻線は、前記駆動電流に基づいて前記磁性鋼が移動するように駆動して位置補正を実現する。該構造によって、簡単な遷移を行う前記遷移セグメント内に高価なエンコーダアレイを必要とせず、前記ホール素子を用いて実現することができ、使用する部品の数が少なく且つ構成が簡単である。さらに好ましくは、同時に、前記ホール素子は、前記磁性鋼と間隔をあけて設けられ、前記ホール素子と前記コイル巻線とは、同一側に位置し、該構造によって、前記ホール素子、前記コイル巻線及び前記磁性鋼の組立を簡単にすることができ、本発明の複数可動子ダイレクトドライブ搬送システム、複数可動子ダイレクトドライブ搬送システムの制御方法、コンピュータ装置とコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の構成が簡単であり、部品の数が少なく、移動制御方法が簡単であり且つ実施しやすい。
【0058】
以上に記載のものは本発明の実施形態に過ぎず、ここで指摘すべきことは、当業者にとって、本発明の創造的思想を逸脱しない前提で、さらに改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
【国際調査報告】