(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】同軸スピーカ
(51)【国際特許分類】
H04R 9/06 20060101AFI20240711BHJP
H04R 9/02 20060101ALI20240711BHJP
H04R 7/02 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R9/02 101A
H04R9/02 102A
H04R7/02 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576564
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 CN2022106759
(87)【国際公開番号】W WO2024000693
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202221696573.9
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】任 璋
(72)【発明者】
【氏名】▲鍾▼ 志威
【テーマコード(参考)】
5D012
5D016
【Fターム(参考)】
5D012BB01
5D012BB04
5D012DA02
5D012DA03
5D012DA04
5D012GA02
5D016CA01
5D016EC11
(57)【要約】
【課題】本発明は同軸スピーカを提供する。
【解決手段】同軸スピーカは、フレームと、フレームの下方に固定された磁気回路システムと、フレームの内側に固定された第1振動システムと、フレームの外側に設置されかつ第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを含み、第1振動システムは、第2振動システムと同軸に設置され、第1振動システムは、第1振動膜と、第1ボイスコイルとを含み、第2振動システムは、第2振動膜と、第2ボイスコイルとを含み、磁気回路システムは、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に第1磁気ギャップ内に挿設され、第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に第2磁気ギャップ内に挿設され、第1振動膜は、高音発声することに用いられ、第2振動膜は、低音発声することに用いられ、第2振動膜は、一体型のシリコンゴム振動膜である。該同軸スピーカの低音、高音は、同軸全帯域スピーカを形成し、高品質の音響効果を提供し、低音振動膜と高音振動膜は、別々に設計され、成形する、低音及び高音の異なる特性に対して、高低音の膜材料の材質及び厚さを単独で調整することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸スピーカであって、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に設置されかつ前記第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜が振動発音するように駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜が振動発音するように駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムは、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音発声するために用いられ、前記第2振動膜は、低音発声するために用いられ、前記第2振動膜は、一体型のシリコンゴム振動膜であることを特徴とする同軸スピーカ。
【請求項2】
前記第1振動膜は、一体型のシリコンゴム振動膜であることを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカ。
【請求項3】
前記第1振動膜は、第1ドームと、前記第1ドームを取り囲む第1サスペンションとを含み、前記第1ドームは、前記第1サスペンションと一体成形されていることを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【請求項4】
前記第2振動膜は、第2サスペンションと、前記第2サスペンションを取り囲んで設置された第2ドームと、前記第2ドームを取り囲んで設置された第3サスペンションとを含み、前記第2サスペンション、前記第2ドーム及び前記第3サスペンションは、一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカ。
【請求項5】
前記第2振動膜は、第2サスペンションと、前記第2サスペンションを取り囲んで設置された第2ドームと、前記第2ドームを取り囲んで設置された第3サスペンションと、前記第2サスペンション、第2ドーム、第3サスペンション及び前記第2ボイスコイルを接続するボイスコイルボビンとを含み、前記第2サスペンション、第2ドーム及び第3サスペンションは、互いに間隔を隔てて設置され、前記第2サスペンション、前記第2ドーム、前記第3サスペンション及び前記ボイスコイルボビンは、一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカ。
【請求項6】
前記磁気回路システムは、磁気ヨークを含み、前記磁気ヨークは、囲設されて収容空間を形成する側壁と、前記側壁の前記第1振動システムから離れる一端から折り曲げて延在して形成された底壁とを含み、前記磁気回路システムは、前記磁気ヨークの一方側に設置された第1磁性鋼アセンブリと、前記磁気ヨークの他方側に設置された第2磁性鋼アセンブリとをさらに含み、前記第1磁性鋼アセンブリは、第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼に積層設置されたポールプレートとを含み、前記第1磁性鋼と前記磁気ヨークの側壁との間に前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁性鋼アセンブリは、第2磁性鋼と、第2磁性鋼の外側に位置しかつ前記第2磁性鋼とともに前記第2磁気ギャップを形成する第3磁性鋼とを含むことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカ。
【請求項7】
前記ポールプレートは、前記フレームと一体成形されていることを特徴とする請求項6に記載の同軸スピーカ。
【請求項8】
前記同軸スピーカは、前記磁気回路システムに囲まれて設置されたインサートと、前記インサートに固定された第1回路板とをさらに含み、前記インサートは、それを貫通する第1端子が設置され、前記第1ボイスコイルは、前記第1端子を介して前記第1回路板に電気的に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の同軸スピーカ。
【請求項9】
前記同軸スピーカは、支持スタンドと、前記ボイスコイルボビン及び前記支持スタンドを接続する弾性アセンブリとを含み、前記弾性アセンブリは、第2回路板と、前記第2回路板に接続された支持振動膜とを含み、前記第2ボイスコイルは、前記第2回路板に電気的に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の同軸スピーカ。
【請求項10】
前記ボイスコイルボビンは、前記第2ドームに貼り合わされた骨格平板部と、前記骨格平板部から前記第2回路板に向かって折り曲げて延在しかつ前記第2回路板に接続された第1延在部と、前記骨格平板部から前記第2ボイスコイルに向かって折り曲げて延在しかつ前記第2ボイスコイルに接続された第2延在部とを含むことを特徴とする請求項9に記載の同軸スピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの分野に関し、特に同軸スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸スピーカとは、高音スピーカユニットと低音スピーカユニットが集積され、かつ高音スピーカユニットと低音スピーカユニットが同軸に設置されたスピーカを指す。同軸スピーカの高音スピーカユニットと低音スピーカユニットの音源は、同軸スピーカの正面に位置してもよく、すなわち2つのスピーカユニットの発音方向が同じであり、同軸スピーカの表裏面に位置してもよく、すなわち2つのスピーカユニットの発音方向が異なる。
【0003】
関連技術における同軸スピーカの高音スピーカユニットと低音スピーカユニットは、同軸スピーカの同一側に位置し、高音ユニットの音膜と低音ユニットの音膜は、いずれも同じ材料でプレスされて形成され、製品の性能では、単一であり、調整しにくい。
【0004】
したがって、上記技術的問題を解決するために新たな同軸スピーカを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、高低音振動膜を柔軟に調整することができる同軸スピーカを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、同軸スピーカを提供し、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に設置されかつ前記第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜が振動発音するように駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜が振動発音するように駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムは、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音発声するために用いられ、前記第2振動膜は、低音発声するために用いられ、前記第2振動膜は、一体型のシリコンゴム振動膜である。
【0007】
好ましくは、前記第1振動膜は、一体型のシリコンゴム振動膜である。
【0008】
好ましくは、前記第1振動膜は、第1ドームと、前記第1ドームを取り囲む第1サスペンションとを含み、前記第1ドームは、前記第1サスペンションと一体成形されている。
【0009】
好ましくは、前記第2振動膜は、第2サスペンションと、前記第2サスペンションを取り囲んで設置された第2ドームと、前記第2ドームを取り囲んで設置された第3サスペンションとを含み、前記第2サスペンション、前記第2ドーム及び前記第3サスペンションは、一体成形されている。
【0010】
好ましくは、前記第2振動膜は、第2サスペンションと、前記第2サスペンションを取り囲んで設置された第2ドームと、前記第2ドームを取り囲んで設置された第3サスペンションと、前記第2サスペンション、第2ドーム、第3サスペンション及び前記第2ボイスコイルを接続するボイスコイルボビンとを含み、前記第2サスペンション、第2ドーム及び第3サスペンションは、互いに間隔を隔てて設置され、前記第2サスペンション、前記第2ドーム、前記第3サスペンション及び前記ボイスコイルボビンは、一体成形されている。
【0011】
好ましくは、前記磁気回路システムは、磁気ヨークを含み、前記磁気ヨークは、囲設されて収容空間を形成する側壁と、前記側壁の前記第1振動システムから離れる一端から折り曲げて延在して形成された底壁とを含み、前記磁気回路システムは、前記磁気ヨークの一方側に設置された第1磁性鋼アセンブリと、前記磁気ヨークの他方側に設置された第2磁性鋼アセンブリとをさらに含み、前記第1磁性鋼アセンブリは、第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼に積層設置されたポールプレートとを含み、前記第1磁性鋼と前記磁気ヨークの側壁との間に前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁性鋼アセンブリは、第2磁性鋼と、第2磁性鋼の外側に位置しかつ前記第2磁性鋼とともに前記第2磁気ギャップを形成する第3磁性鋼とを含む。
【0012】
好ましくは、前記ポールプレートは、前記フレームと一体成形されている。
【0013】
好ましくは、前記同軸スピーカは、前記磁気回路システムに囲まれて設置されたインサートと、前記インサートに固定された第1回路板とをさらに含み、前記インサートは、それを貫通する第1端子が設置され、前記第1ボイスコイルは、前記第1端子を介して前記第1回路板に電気的に接続されている。
【0014】
好ましくは、前記同軸スピーカは、支持スタンドと、前記ボイスコイルボビン及び前記支持スタンドを接続する弾性アセンブリとを含み、前記弾性アセンブリは、第2回路板と、前記第2回路板に接続された支持振動膜とを含み、前記第2ボイスコイルは、前記第2回路板に電気的に接続されている。
【0015】
好ましくは、前記ボイスコイルボビンは、前記第2ドームに貼り合わされた骨格平板部と、前記骨格平板部から前記第2回路板に向かって折り曲げて延在しかつ前記第2回路板に接続された第1延在部と、前記骨格平板部から前記第2ボイスコイルに向かって折り曲げて延在しかつ前記第2ボイスコイルに接続された第2延在部とを含む。
【発明の効果】
【0016】
関連技術に比べて、本発明の同軸スピーカは、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に設置されかつ前記第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜が振動発音するように駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜が振動発音するように駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムは、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音発声するために用いられ、前記第2振動膜は、低音発声するために用いられ、前記第2振動膜は、一体型のシリコンゴム振動膜である。本発明の同軸スピーカは、リング状の低音振動システムを設置することにより、低音音響効果を提供し、高音振動システムは、低音振動システムの内側に設置され、高音音響効果を提供する。低音、高音は、同軸の全帯域スピーカを形成し、高品質の音響効果を提供し、低音振動膜は、シリコンゴム材料で一体型に成形され、高音振動膜は、シリコンゴム材料で一体型に成形されてもよく、それにより低音振動膜と高音振動膜は、別々に設計し、成形することができ、低音及び高音の異なる特性に対して、高低音の膜材料の材質及び厚さを単独で調整することができ、使用中により柔軟である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】本発明に係る第1実施例における同軸スピーカの立体構造概略図である。
【
図2】
図1に示す同軸スピーカの部分分解図である。
【
図3】
図1に示す同軸スピーカにおける部分部材の立体構造概略図である。
【
図5】
図1におけるA-A線に沿った断面図である。
【
図6】
図1におけるB-B線に沿った断面図である。
【
図7】本発明に係る第2実施例における同軸スピーカの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0019】
同時に
図1~6に示すとおり、本発明の第1実施例は、同軸スピーカ100を提供し、当該同軸スピーカ100は、フレーム1と、前記フレーム1に固定された磁気回路システム2と、前記フレーム1の内側に固定された第1振動システム3と、前記フレーム1の外側に設置された第2振動システム4と、インサート5と、前記インサート5に固定された第1回路板6と、支持スタンド7と、弾性アセンブリ8とを含み、第2振動システム4は、前記第1振動システム3の外側に取り囲んでかつ前記第1振動システム3と同軸に設置される。
【0020】
前記フレーム1の外周は、ほぼ矩形状であり、当該フレーム1は、上壁面11、前記上壁面11に対向して設置された下壁面12、及び前記上壁面11と前記下壁面12とを接続する外壁面13を含み、前記第1振動システム3は、フレームの上壁面11に固定されかつ前記外壁面13まで延在する。前記第2振動システム4は、前記フレームの外壁面13と間隔を隔てて設置される。
【0021】
前記磁気回路システム2は、磁気ヨーク21と、前記磁気ヨーク21の一方側に設置された第1磁性鋼アセンブリ22と、前記磁気ヨーク21の他方側に設置された第2磁性鋼アセンブリ23とを含む。前記第1磁性鋼アセンブリ22は、前記第2磁性鋼アセンブリ23と同軸に設置される。前記磁気ヨーク21は、囲設されて収容空間210を形成する側壁211と、前記側壁211の前記第1振動システム3から離れる一端から折り曲げて延在して形成された底壁212とを含む。前記第1磁性鋼アセンブリ22は、第1磁性鋼221と、前記第1磁性鋼221に設置されたポールプレート222とを含み、前記第1磁性鋼221と前記磁気ヨーク21の側壁211との間に第1磁気ギャップ220が形成される。本実施例において、ポールプレート222とフレーム1は、別体型構造であり、当該ポールプレート222とフレーム1は、構造的に互いに当接して固定することができる。前記磁気ヨーク21の底壁212は、前記第1磁性鋼221を載置する。前記第2磁性鋼アセンブリ23は、第2磁性鋼231と、前記第2磁性鋼231とともに第2磁気ギャップ230を形成する第3磁性鋼232と、前記第3磁性鋼232の上方に積層設置された導磁板233とを含み、前記磁気ヨーク21の底壁212は、前記第2磁性鋼231の上方に積層設置され、前記第1磁性鋼221は、前記第2磁性鋼232に正対して設置される。前記磁気回路システム2は、前記第2磁性鋼231及び前記第3磁性鋼232を載置するヨーク24をさらに含む。
【0022】
前記第1磁性鋼221、第2磁性鋼231、第3磁性鋼232は、前記同軸スピーカ100の振動方向に沿って磁化され、かつ前記第1磁性鋼221、第2磁性鋼231は、同じ極が対向して設置され、前記第2磁性鋼231と第3磁性鋼232は、磁化方向が逆である。本実施例において、前記第1磁性鋼221、ポールプレート222、第2磁性鋼231、第3磁性鋼232及び導磁板233は、いずれも中空環状構造である。
【0023】
前記第1振動システム3は、第1振動膜31と、前記第1振動膜31が振動発音するように駆動する第1ボイスコイル32とを含み、前記第1ボイスコイル32は、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ220内に挿設され、前記第1振動膜31は、一体型のシリコンゴム振動膜であり、当然のことながら、前記第1振動膜31は、一般的なフィルムプレス方式で製造されてもよい。前記第1振動膜31は、高音発声するために用いられ、前記第1振動膜31の発音方向は、振動方向に沿って上向きであり、すなわち同軸スピーカ100の正面から発音する。前記第1振動膜31は、第1ドーム311と、前記第1ドーム311を取り囲んで設置された第1サスペンション312とを含み、前記第1ドーム311は、第1ドーム部3111と、前記第1ドーム部3111の外周に固定された第2ドーム部3112とを含む。前記第1サスペンション312は、第1固定部3121を含み、前記第1固定部3121は、前記フレーム1の上壁面11に貼り合わされかつ延在して部分的に前記フレーム1の外壁面13を被覆する。前記第1ドーム311と第1サスペンション312は、シリコンゴム材料で一体成形されてもよい。
【0024】
前記第2振動システム4は、第2振動膜41と、前記第2振動膜41が振動発音するように駆動する第2ボイスコイル42と、前記第2振動膜41と前記第2ボイスコイルを接続するボイスコイルボビン43とを含み、前記第2振動膜41は、一体型のシリコンゴム振動膜である。前記第2ボイスコイル42は、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ230内に挿設され、前記第2振動膜41は、低音発声に用いられ、前記第2振動膜41の発音方向は、振動方向に沿って上向きであり、すなわち同軸スピーカ100の正面から発音する。前記第2振動膜41は、第2サスペンション411と、前記第2サスペンション411を取り囲んで設置された第2ドーム412と、前記第2ドーム412を取り囲んで設置された第3サスペンション413と、前記第2サスペンション411の前記第2ドーム412から離れる側から上向きに延在する延在アーム414とを含み、前記延在アーム414の一端は、懸架状態である。他の実施例において、前記第2サスペンション411、第2ドーム412、第3サスペンション413は互いに間隔を隔てて設置されてもよく、前記ボイスコイルボビン43は、前記第2サスペンション411、第2ドーム412、第3サスペンション413及び延在アーム414と一体成形され、かつ前記第2サスペンション411、第2ドーム412、第3サスペンション413及び延在アーム414を前記第2ボイスコイル42に接続する。他の実施例において、前記第2サスペンション411、第2ドーム412、第3サスペンション413及び延在アーム414は、互いに連設されてもよく、この場合、前記第2サスペンション411、第2ドーム412、第3サスペンション413及び延在アーム414は、一体成形される。前記第2サスペンション411は、前記第1振動膜31に近接する一端が前記第1磁性鋼221に固定され、前記第3サスペンション413は、第2固定部4131を含む。
【0025】
前記ヨーク24は、前記第2ボイスコイル42に対応する箇所に退避窪み部241が設けられ、それにより第2ボイスコイル42の十分な振動空間を提供する。
【0026】
インサート5は、前記磁気ヨーク21の側壁211が囲設されて形成する収容空間210内に設置され、第1回路板6は、前記ヨーク24の外面に貼設され、前記インサート5は、それを貫通する第1端子91が設置され、前記第1端子91は、第1回路板6に接続され、前記第1ボイスコイル32は、前記第1端子91を介して前記第1回路板6と電気的に接続される。前記インサート5は、それに貫通するリーク通路51が設けられる。
【0027】
支持スタンド7は、リング状のスチールリングであり、前記第3サスペンション413の第2固定部4131は、前記支持スタンド7に固定接続され、具体的には、第2固定部4131は、前記支持スタンド7の上面及び一部外面を被覆する。
【0028】
弾性アセンブリ8は、前記ボイスコイルボビン43と前記支持スタンド7を接続し、前記弾性アセンブリ8は、第2回路板81と、前記第2回路板81に接続された支持振動膜82とを含み、前記第2ボイスコイル42は、前記第2回路板81に電気的に接続され、具体的には、前記同軸スピーカ100は、前記第2回路板81に接続された第2端子92をさらに含み、前記第2ボイスコイル42は、前記第2端子92を介して前記第2回路板81に電気的に接続される。本実施例において、弾性アセンブリ8は、2つあり、かつ同軸スピーカ100の短手方向に設置され、他の実施例において状況に応じて決定される。
【0029】
前記ボイスコイルボビン43は、前記第2ドーム412に貼り合わされた骨格平板部431と、前記骨格平板部431から前記第2回路板81に向かって折り曲げて延在しかつ前記第2回路板81に接続された第1延在部432と、前記骨格平板部431から前記第2ボイスコイル42に向かって折り曲げて延在しかつ前記第2ボイスコイル42に接続された第2延在部とを含む。
【0030】
図7に示すとおり、本発明の第2実施例は、第1実施例と同軸スピーカの構造が基本的に同じであり、相違点は、第2実施例における同軸スピーカのポールプレート222´がフレーム1´と一体成形構造であることである。
【0031】
関連技術に比べて、本発明の同軸スピーカはフレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に設置されかつ前記第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜が振動発音するように駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜が振動発音するように駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムは、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音発声するために用いられ、前記第2振動膜は、低音発声するために用いられ、前記第2振動膜は、一体型のシリコンゴム振動膜である。本発明の同軸スピーカは、リング状の低音振動システムを設置することにより、低音音響効果を提供し、高音振動システムは、低音振動システムの内側に設置され、高音音響効果を提供し、低音、高音は、同軸の全帯域スピーカを形成し、高品質の音響効果を提供する。また、低音振動膜は、シリコンゴム材料で一体型成形され、高音振動膜は、シリコンゴム材料で一体型成形されてもよく、それにより低音振動膜と高音振動膜は、別々に設計し、成形することができ、低音及び高音の異なる特性に対して、高低音の膜材料の材質及び厚さを単独で調整することができ、使用中により柔軟である。
【0032】
前記のようなことは本発明の実施形態だけであり、当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、さらに改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属するものと理解されるべきである。
【国際調査報告】