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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】同軸スピーカ
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20240711BHJP
   H04R 1/26 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H04R9/02 102Z
H04R1/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578985
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2022106701
(87)【国際公開番号】W WO2024000686
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202221694461.X
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】任 璋
(72)【発明者】
【氏名】▲鍾▼ 志威
(72)【発明者】
【氏名】王 奇
【テーマコード(参考)】
5D012
5D018
【Fターム(参考)】
5D012BB02
5D012DA04
5D012FA05
5D012GA01
5D018AC01
(57)【要約】
【課題】本発明は同軸スピーカを提供する。
【解決手段】同軸スピーカは、フレーム、磁気回路システム、第1振動システム及び第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムを備え、第1振動システムと第2振動システムは同軸に設置され、第1振動システムは、第1振動膜及びそれの振動発音を駆動する第1ボイスコイルを備え、第2振動システムは、第2振動膜及びそれの振動発音を駆動する第2ボイスコイルを備え、磁気回路システムには第1磁気ギャップ及びその外側に位置する第2磁気ギャップが設置され、第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に第1磁気ギャップ内に挿設され、第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に第2磁気ギャップ内に挿設され、第1振動膜は、高音を発音するために用いられ、第2振動膜は、低音を発音するために用いられる。当該同軸スピーカでは、低音と高音は同軸全帯域スピーカを形成し、高品質の音響効果を提供する。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸スピーカであって、
フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に固定されかつ前記第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを備え、
前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設置され、
前記第1振動システムは、第1振動膜及び前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルを備え、
前記第2振動システムは、第2振動膜及び前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルを備え、
前記磁気回路システムには第1磁気ギャップと第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップとが設置され、
前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、
前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、
前記第1振動膜は、高音を発音するために用いられ、
前記第2振動膜は、低音を発音するために用いられる、ことを特徴とする同軸スピーカ。
【請求項2】
前記同軸スピーカは、前記磁気回路システムによって囲まれて設けられたインサートと、前記インサートに固定された第1回路板とをさらに備え、前記インサートには、それを貫通する第1端子が設けられ、前記第1ボイスコイルは、前記第1端子を介して前記第1回路板に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカ。
【請求項3】
前記同軸スピーカは、支持スタンドと、前記第2振動システムと前記支持スタンドとを接続する弾性アセンブリとをさらに備え、前記弾性アセンブリは、第2回路板と、前記第2回路板に接続された支持振動膜とを備え、前記第2ボイスコイルは、前記第2回路板に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【請求項4】
前記磁気回路システムは、磁性ヨークを備え、前記磁性ヨークは、収容スペースを囲む側壁と、前記側壁の一端から折り曲げて延在して形成された底壁とを備え、前記インサートは、前記収容スペース内に収容され、前記磁気回路システムは、前記磁性ヨークの一方側に設置された第1磁性鋼アセンブリと、前記磁性ヨークの他方側に設置された第2磁性鋼アセンブリとをさらに備え、前記第1磁性鋼アセンブリは、第1磁性鋼を備え、前記第1磁性鋼と前記磁性ヨークの側壁との間に前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁性鋼アセンブリは、第2磁性鋼と、第2磁性鋼の外側に位置しかつ前記第2磁性鋼と前記第2磁気ギャップを形成する第3磁性鋼とを備える、ことを特徴とする請求項3に記載の同軸スピーカ。
【請求項5】
前記第1磁性鋼、第2磁性鋼、第3磁性鋼は、前記同軸スピーカの振動方向に沿って着磁され、かつ前記第1磁性鋼と第2磁性鋼は、同極で対向して設置され、前記第2磁性鋼と第3磁性鋼は、着磁方向が逆である、ことを特徴とする請求項4に記載の同軸スピーカ。
【請求項6】
前記第1振動膜は、第1ドーム部及び前記第1ドーム部を取り囲む第1サスペンションを備え、前記第1サスペンションには第1固定部が設けられ、前記フレームは、内側壁を備え、前記第1固定部は、前記内側壁に貼り合わせて固定される、ことを特徴とする請求項5に記載の同軸スピーカ。
【請求項7】
前記第1磁性鋼アセンブリは、前記第1磁性鋼に設けられたポールプレートを備え、前記第1固定部は、前記フレームと前記ポールプレートとの間に部分的に挟持されることを特徴とする請求項6に記載の同軸スピーカ。
【請求項8】
前記フレームは、外側壁を備え、前記第2振動膜は、第2サスペンション、前記第2サスペンションを取り囲んで設置された第2ドーム部、前記第2ドーム部を取り囲んで設置された第3サスペンションを備え、前記第3サスペンションは、前記支持スタンドに固定され、前記第2振動システムは、前記第2サスペンションと第2ドーム部と第3サスペンションと前記第2ボイスコイルとを接続するボイスコイルボビンをさらに備え、前記第2サスペンションの前記第1振動システムに近い一端が前記フレームの外側壁又は/及び前記第1磁性鋼に固定される、ことを特徴とする請求項5に記載の同軸スピーカ。
【請求項9】
前記ボイスコイルボビンは、前記第2ドーム部に貼り合わせる骨格平板部と、前記骨格平板部から前記第2回路板に向かって折り曲げて延在しかつ前記第2回路板に接続された第1延在部と、前記骨格平板部から前記第2ボイスコイルに向かって折り曲げて延在しかつ前記第2ボイスコイルに接続された第2延在部とを備える、ことを特徴とする請求項8に記載の同軸スピーカ。
【請求項10】
前記インサートには、それを貫通するリーク通路が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの分野に関し、特に同軸スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸スピーカとは、高音スピーカユニットと低音スピーカユニットが集積され、且つ高音スピーカユニットと低音スピーカユニットが同軸に設けられたスピーカを指す。同軸スピーカの高音スピーカユニットと低音スピーカユニットの音源は、同軸スピーカの正面に位置することができ、すなわち2つのスピーカユニットの発音方向が同じであり、同軸スピーカの表裏面に位置してもよく、すなわち2つのスピーカユニットの発音方向が異なる。
【0003】
関連技術における同軸スピーカの高音スピーカユニットと低音スピーカユニットは、それぞれ独立した振動システム及び磁気回路システムを備え、構造が複雑であり、高音スピーカユニットと低音スピーカユニットで同軸に構成された同軸スピーカ全体の高さが増加することにより、高さが高すぎて取り付けにくくなり、製品の適用性を低下させ、また、分離された高低音磁気回路も製造コストを向上させ、製品の市場競争力を低下させ、かつ関連技術において音出し面から離間するスピーカユニットにおける振動膜の有効面積が制限され、全音域の要件を満たすことができない。
【0004】
したがって、上記技術的課題を解決するために、新たな同軸スピーカを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、コンパクトに構成できるとともに、高低音の音響効果に優れた同軸スピーカを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は同軸スピーカを提供する。同軸スピーカは、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に固定されかつ前記第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを備え、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜及び前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルを備え、前記第2振動システムは、第2振動膜及び前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルを備え、前記磁気回路システムには第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置するする第2磁気ギャップが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音を発音するために用いられ、前記第2振動膜は、低音を発音するために用いられる。
【0007】
好ましくは、前記同軸スピーカは、前記磁気回路システムに囲まれて設けられたインサートと、前記インサートに固定された第1回路板とを更に備え、前記インサートには、それを貫通する第1端子が設けられ、前記第1ボイスコイルは、前記第1端子を介して前記第1回路板に電気的に接続される。
【0008】
好ましくは、前記同軸スピーカは、支持スタンドと、前記第2振動システムと前記支持スタンドとを接続する弾性アセンブリとをさらに備え、前記弾性アセンブリは、第2回路板、及び前記第2回路板に接続された支持振動膜を備え、前記第2ボイスコイルは、前記第2回路板に電気的に接続される。
【0009】
好ましくは、前記磁気回路システムは、磁性ヨークを備え、前記磁性ヨークは、収容スペースを囲む側壁と、前記側壁の一端から折り曲げて延在して形成された底壁とを備え、前記インサートは、前記収容スペース内に収容され、前記磁気回路システムは、前記磁性ヨークの一方側に設置された第1磁性鋼アセンブリと、前記磁性ヨークの他方側に設置された第2磁性鋼アセンブリとをさらに備え、前記第1磁性鋼アセンブリは、第1磁性鋼を備え、前記第1磁性鋼と前記磁性ヨークの側壁との間には前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁性鋼アセンブリは、第2磁性鋼と、第2磁性鋼の外側に位置しかつ前記第2磁性鋼と前記第2磁気ギャップを形成する第3磁性鋼とを備える。
【0010】
好ましくは、前記第1磁性鋼、第2磁性鋼、第3磁性鋼は、前記同軸スピーカの振動方向に沿って着磁され、かつ前記第1磁性鋼と第2磁性鋼は、同極で対向して設置され、前記第2磁性鋼と第3磁性鋼は、着磁方向が逆である。
【0011】
好ましくは、前記第1振動膜は、第1ドーム部と、前記第1ドーム部を取り囲む第1サスペンションとを備え、前記第1サスペンションには第1固定部が設けられ、前記フレームは、内側壁を備え、前記第1固定部は、前記内側壁に貼り合わせて固定される。
【0012】
好ましくは、前記第1磁性鋼アセンブリは、前記第1磁性鋼に設けられたポールプレートを備え、前記第1固定部は、前記フレームと前記ポールプレートとの間に部分的に挟持される。
【0013】
好ましくは、前記フレームは、外側壁を備え、前記第2振動膜は、第2サスペンション、前記第2サスペンションを取り囲んで設置された第2ドーム部、前記第2ドーム部を取り囲む第3サスペンションを備え、前記第3サスペンションは、前記支持スタンドに固定され、前記第2振動システムは、前記第2サスペンションと第2ドーム部と第3サスペンションと前記第2ボイスコイルとを接続するボイスコイルボビンをさらに備え、前記第2サスペンションの第1振動システムに近い一端が前記フレームの外側壁又は/及び前記第1磁性鋼に固定される。
【0014】
好ましくは、前記ボイスコイルボビンは、前記第2ドーム部に貼り合わせる骨格平板部と、前記骨格平板部から前記第2回路板に向かって折り曲げて延在しかつ前記第2回路板に接続された第1延在部と、前記骨格平板部から前記第2ボイスコイルに向かって折り曲げて延在しかつ前記第2ボイスコイルに接続された第2延在部とを備える。
【0015】
好ましくは、前記インサートには、それを貫通するリーク通路が設けられる。
【発明の効果】
【0016】
関連技術に比べて、本発明の同軸スピーカは、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に固定されかつ前記第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを備え、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜及び前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルを備え、前記第2振動システムは、第2振動膜及び前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルを備え、前記磁気回路システムには第1磁気ギャップと第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップとが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音を発音するために用いられ、前記第2振動膜は、低音を発音するために用いられる。本発明の同軸スピーカによれば、リング状の低音振動システムを設置して低音効果を提供し、高音振動システムが低音振動システムの内側に設置されて高音効果を提供することによって、低音と高音が同軸全帯域スピーカを形成し、高品質の音響効果を提供し、2つのボイスコイルが一部の磁気回路システムを共用することによって、コストをさらに低減し、音響性能を向上させ、かつ本発明の同軸スピーカの全体の高さが低下される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明するが、以下に説明する図面は、本発明の実施形態の一部だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】本発明の同軸スピーカの構成を示す斜視模式図である。
図2図1に示す同軸スピーカの一部分解図である。
図3図1に示す同軸スピーカの別の一部分解図である。
図4図1に示す同軸スピーカにおける一部の部品の分解図である。
図5図1に示す同軸スピーカの分解図である。
図6図1におけるA-A線に沿った断面図である。
図7図1におけるB-B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術案を明確で、完全に説明し、説明された実施形態は本発明の実施形態の一部だけであり、全ての実施形態ではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、本発明が属する技術分野の当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0019】
同時に図1-7に示すとおり、本発明は同軸スピーカ100を提供し、それは、フレーム1、前記フレーム1に固定された磁気回路システム2、前記フレーム1の内側に固定された第1振動システム3、前記フレーム1の外側に固定された第2振動システム4、インサート5、前記インサート5に固定された第1回路板6、支持スタンド7、弾性アセンブリ8を備え、前記第2振動システム4は、前記第1振動システム3の外側を周回しかつ前記第1振動システム3と同軸に設置される。
【0020】
前記フレーム1の外周は、ほぼ矩形状であり、それは内側壁11及び前記内側壁11と対向して設置された外側壁12を備え、前記第1振動システム3は、フレームの内側壁11に固定され、前記第2振動システム4は、フレームの外側壁12に固定される。
【0021】
前記磁気回路システム2は、磁性ヨーク21、前記磁性ヨーク21の一方側に設けられた第1磁性鋼アセンブリ22、及び前記磁性ヨーク21の他方側に設けられた第2磁性鋼アセンブリ23を備える。前記第1磁性鋼アセンブリ22は、前記第2磁性鋼アセンブリ23と同軸に設けられる。前記磁性ヨーク21は、収容スペース210を囲む側部211と、前記側部211の一端から折り曲げて延在して形成された底壁212とを備える。前記第1磁性鋼アセンブリ22は、第1磁性鋼221と、前記第1磁性鋼221に設けられたポールプレート222とを備え、前記第1磁性鋼221と前記磁性ヨーク21の側部211との間に第1磁気ギャップ220が形成される。前記第1磁性鋼221が前記第2振動システム4に接近する表面の外縁には、切断面2211が設けられる。前記磁性ヨーク21の底壁212は、前記第1磁性鋼221を支持する。前記第2磁性鋼アセンブリ23は、第2磁性鋼231、前記第2磁性鋼231と第2磁気ギャップ230を形成する第3磁性鋼232、前記第3磁性鋼232の上方に積層設けられた導磁板233を備え、前記磁性ヨーク21の底壁212は、前記第2磁性鋼231の上方に積層設けられ、前記第1磁性鋼221は、前記第2磁性鋼232に正対して設けられる。前記磁気回路システム2は、前記第2磁性鋼231と前記第3磁性鋼232を担持する磁気ヨーク24をさらに備え、前記磁気ヨーク24の下面は、前記インサート5の下面と面一である。
【0022】
前記第1磁性鋼221、第2磁性鋼231、第3磁性鋼232は、前記同軸スピーカ100の振動方向に沿って着磁され、且つ前記第1磁性鋼221、第2磁性鋼231が同極で対向して設けられ、すなわち第1磁性鋼221、第2磁性鋼231の着磁方向が逆であり、前記第2磁性鋼231、第3磁性鋼232の着磁方向が逆である。本実施形態において、前記第1磁性鋼221、ポールプレート222、第2磁性鋼231、第3磁性鋼232、導磁板233は、いずれも中空環状構造である。
【0023】
前記第1振動システム3は、第1振動膜31、及び前記第1振動膜31の振動発音を駆動する第1ボイスコイル32を備え、前記第1ボイスコイル32は、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ220内に挿設され、前記第1振動膜31は、高音を発音するために用いられ、その発音方向は、振動方向に沿って上向きである。前記第1振動膜31は、第1ドーム部311及び前記第1ドーム部311を取り囲んで設置された第1サスペンション312を備え、前記第1サスペンション312は、中空環状構造であり、かつ前記第1サスペンション312は、振動方向に沿って上向きに突起する構造であり、前記第1サスペンション312の外縁には第1固定部313が設置され、内縁には第2固定部314が設置され、前記第1固定部313は、前記フレーム1の内側壁に貼り合わせて固定され、前記第1ドーム部311は、前記第2固定部314の下面に貼り合わせて固定され、かつ前記第2固定部314と前記第1ボイスコイル32との間に介設される。前記第1固定部313は、前記フレーム1と前記ポールプレート222との間に部分的に挟持される。
【0024】
前記第2振動システム4は、第2振動膜41、前記第2振動膜41の振動発音を駆動する第2ボイスコイル42、及び前記第2振動膜41と前記第2ボイスコイル42を接続するボイスコイルボビン43を備え、前記第2ボイスコイル42は、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ230内に挿設され、前記第2振動膜41は、低音を発音するために用いられ、その発音方向は、振動方向に沿って上向きである。前記第2振動膜41は、第2サスペンション411、前記第2サスペンション411を取り囲んで設けられた第2ドーム412、前記第2ドーム412を取り囲んで設けられた第3サスペンション413を備える。前記第2サスペンション411、第2ドーム部412、第3サスペンション413は、いずれも中空環状構造であり、かつ前記第2サスペンション411は、振動方向に沿って上向きに突起する構造であり、前記第3サスペンション413は、振動方向に沿って下向きに凹んだ構造である。前記ボイスコイルボビン43は、前記第2サスペンション411、第2ドーム部412、第3サスペンション413と前記第2ボイスコイル42とを接続する。前記第2サスペンション411の第1振動膜31に近い一端は、前記フレーム1の外側壁12又は/及び前記第1磁性鋼221に固定されて、前記第3サスペンション413は、第2固定部4131を備える。
【0025】
前記磁気ヨーク24の前記第2ボイスコイル42に対応する位置には、退避窪み部241が設けられ、それにより第2ボイスコイル42の十分な振動スペースを提供する。
【0026】
インサート5は、前記磁性ヨーク21の側部211によって囲まれた収容スペース210内に設けられ、第1回路板6は、前記磁気ヨーク24の外面に貼り付けられて設けられ、前記インサート5には、それを貫通する第1端子91が設けられ、前記第1端子91は、第1回路板6に接続され、前記第1ボイスコイル32は、前記第1端子91により前記第1回路板6との電気的接続を実現する。前記インサート5には、それを貫通するリーク通路51が設けられる。
【0027】
支持スタンド7は、リング状鋼リングであり、前記第3サスペンション413の第2固定部4131は、前記支持スタンド7に固定接続され、具体的には、第2固定部4131は、前記支持スタンド7の上面及び一部の外側面を被覆する。前記ポールプレート222は、前記支持スタンドの第2振動膜41から離れた一端に固定される。
【0028】
弾性アセンブリ8は、前記ボイスコイルボビン43と前記支持スタンド7に接続され、前記弾性アセンブリ8は、第2回路板81と前記第2回路板81に接続された支持振動膜82を備え、前記第2ボイスコイル42は、前記第2回路板81に電気的に接続され、具体的には、前記同軸スピーカ100は、前記第2回路板81に接続された第2端子92を更に備え、前記第2ボイスコイル42は、前記第2端子92により前記第2回路板81に電気的に接続される。本実施形態において、弾性アセンブリ8の数は、2つであり、且つ同軸スピーカ100の短軸方向に設けられ、他の実施形態において状況に応じて決定されてもよい。
【0029】
前記ボイスコイルボビン43は、前記第2ドーム412に貼り合わせる骨格平板部431、前記骨格平板部431の一端から前記第2回路板81に向かって折り曲げて延在し且つ前記第2回路板81に接続された第1延在部432、及び前記骨格平板部431の他端から前記第2ボイスコイル42に向かって折り曲げて延在し且つ前記第2ボイスコイル42に接続された第2延在部433を備える。
【0030】
本発明の同軸スピーカは、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に固定されかつ前記第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを備え、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜及び前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルを備え、前記第2振動システムは第2振動膜及び前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルを備え、前記磁気回路システムには第1磁気ギャップと第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップとが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音を発音するために用いられ、前記第2振動膜は、低音を発音するために用いられる。本発明の同軸スピーカは、リング状の低音振動システムを設置することで、低音効果を提供し、高音振動システムは、低音振動システムの内側に設置され、高音効果を提供することによって、低音と高音は同軸全帯域スピーカを形成し、高品質の音響効果を提供し、2つのボイスコイルが一部の磁気回路システムを共用することによって、コストをさらに低減し、音響性能を向上させ、かつ本発明の同軸スピーカの全体の高さを低下させる。
【0031】
上記したのは、本発明の実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、更に改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属するものと理解されるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】