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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】同軸スピーカ
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20240711BHJP
   H04R 1/26 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H04R9/02 102Z
H04R1/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579140
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2022106664
(87)【国際公開番号】W WO2024000685
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202221717092.1
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】任 璋
(72)【発明者】
【氏名】▲鍾▼ 志威
(72)【発明者】
【氏名】王 奇
【テーマコード(参考)】
5D012
5D018
【Fターム(参考)】
5D012BB02
5D012DA04
5D012FA05
5D012GA01
5D018AC01
(57)【要約】
【課題】本発明は同軸スピーカを提供する。
【解決手段】 同軸スピーカは、フレームと、フレームに固定された磁気回路システムと、磁気回路システムの一方側に固定されかつフレームに固定された第1振動システムと、磁気回路システムの他方側に固定された第2振動システムとを含み、第1振動システムは、第2振動システムと同軸に連通して設置され、第1振動システムは、第1振動膜と第1ボイスコイルとを含み、第2振動システムは、第2振動膜と第2ボイスコイルとを含み、磁気回路システムには、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの内側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に第1磁気ギャップ内に挿設され、第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に第2磁気ギャップ内に挿設され、第1振動膜は、低音発音に用いられ、第2振動膜は、高音発音に用いられ、第1振動膜には、第2振動膜により生成された高音を発散するための音出し孔が設けられる。当該同軸スピーカの低音、高音は、同軸の全帯域スピーカを形成し、高品質の音響効果を提供する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸スピーカであって、フレームと、前記フレームに固定された磁気回路システムと、前記磁気回路システムの一方側に固定されかつ前記フレームに固定された第1振動システムと、前記磁気回路システムの他方側に固定された第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に連通して設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜が振動発音するように駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜が振動発音するように駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの内側に位置する第2磁気ギャップが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、低音発音に用いられ、前記第2振動膜は、高音発音に用いられ、前記第1振動膜には、前記第2振動膜により生成された高音を発散するための音出し孔が設けられていることを特徴とする同軸スピーカ。
【請求項2】
前記磁気回路システムは、磁性ヨークを含み、前記磁性ヨークは、囲設されて通路を形成する側壁と、前記側壁の前記第1振動膜に近接する一端から折り曲げて延在する底壁とを含み、前記磁気回路システムは、前記磁性ヨークの一方側に設置された第1磁性鋼アセンブリと、前記磁性ヨークの他方側に設置された第2磁性鋼アセンブリとを含み、前記第1磁性鋼アセンブリは、第1磁性鋼を含み、前記第2磁性鋼アセンブリは、第2磁性鋼と、第2磁性鋼の外側に位置しかつ前記第2磁性鋼と間隔を隔てて設置された第3磁性鋼とを含み、前記第1磁性鋼と第2磁性鋼と前記第3磁性鋼との間に前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁性鋼と前記磁性ヨークの側壁との間に前記第2磁気ギャップが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカ。
【請求項3】
前記第1磁性鋼には、前記磁性ヨークの通路と前記音出し孔とを連通するスルーホールが設けられ、前記第2振動システムが発した音声は、前記通路及び前記スルーホールを介して前記音出し孔から発することを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【請求項4】
前記第2磁性鋼アセンブリは、前記第2磁性鋼及び第3磁性鋼を載置する磁気ヨークをさらに含み、前記第2振動膜は、前記磁気ヨークの前記第2磁性鋼から離れる側に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【請求項5】
前記同軸スピーカは、支持スタンドをさらに含み、前記第2振動膜は、前記支持スタンドを介して前記磁気ヨークに固定されていることを特徴とする請求項4に記載の同軸スピーカ。
【請求項6】
前記第1振動システムは、前記第1振動膜と前記第1ボイスコイルとを接続するボイスコイルボビンをさらに含み、前記第1振動膜は、第1サスペンションと、前記第1サスペンションを取り囲んで設置された第1ドームと、前記第1ドームを取り囲んで設置された第2サスペンションとを含み、前記ボイスコイルボビンは、前記第1サスペンション、第1ドーム及び第2サスペンションを前記第1ボイスコイルに接続し、前記第1サスペンションの一端は、前記第1磁性鋼に固定され、前記第2サスペンションの一端は、前記フレームに固定されていることを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【請求項7】
前記第2振動膜は、第2ドームと、前記第2ドームを取り囲む第3サスペンションとを含み、前記第3サスペンションは、前記支持スタンドに貼り合わせて固定されていることを特徴とする請求項5に記載の同軸スピーカ。
【請求項8】
前記第1磁性鋼、第2磁性鋼及び第3磁性鋼は、前記同軸スピーカの振動方向に沿って着磁され、かつ前記第1磁性鋼と第2磁性鋼は、同じ極が対向して設置され、前記第2磁性鋼と第3磁性鋼は、着磁方向が逆であることを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【請求項9】
前記同軸スピーカは、前記第1振動システムを弾性的に支持する弾性アセンブリをさらに含み、前記ボイスコイルボビンは、前記第1ドームに貼り合わせた骨格平板部と、前記骨格平板部の一端から前記第1ボイスコイルに向かって折り曲げて延在しかつ前記第1ボイスコイルに接続された第1延在部と、前記骨格平板部の他端から前記弾性アセンブリに向かって折り曲げて延在しかつ前記弾性アセンブリに接続された第2延在部とを含むことを特徴とする請求項6に記載の同軸スピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの分野に関し、特に同軸スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸スピーカとは、高音スピーカユニットと低音スピーカユニットが集積され、且つ高音スピーカユニットと低音スピーカユニットが同軸に設けられたスピーカを指す。同軸スピーカの高音スピーカユニットと低音スピーカユニットの音源は、同軸スピーカボックスの正面に位置してもよく、すなわち2つのスピーカユニットの発音方向が同じであり、同軸スピーカの表裏面に位置してもよく、すなわち2つのスピーカユニットの発音方向が異なる。
【0003】
関連技術における同軸スピーカの高音スピーカユニット及び低音スピーカユニットは、それぞれ独立した振動システム及び磁気回路システムを含み、構造が複雑であり、高音スピーカユニット及び低音スピーカユニットが同軸に構成された同軸スピーカ全体の高さが増加し、高さが高すぎて取り付けにくいことをもたらし、製品の適用性を低下させる。また、分離された高低音磁気回路も製造コストを向上させ、製品の市場競争力を低下させ、かつ関連技術において音出し面から離れるスピーカユニットにおける振動膜の有効面積が制限され、全音域の要求を満たすことができない。
【0004】
したがって、新たな同軸スピーカを提供することにより上記技術的課題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、構造がコンパクトで、高低音の音響効果が良い同軸スピーカを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、同軸スピーカを提供し、当該同軸スピーカは、フレームと、前記フレームに固定された磁気回路システムと、前記磁気回路システムの一方側に固定されかつ前記フレームに固定された第1振動システムと、前記磁気回路システムの他方側に固定された第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に連通して設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜が振動発音するように駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜が振動発音するように駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの内側に位置する第2磁気ギャップが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、低音発音に用いられ、前記第2振動膜は、高音発音に用いられ、前記第1振動膜には、前記第2振動膜により生成された高音を発散するための音出し孔が設けられている。
【0007】
好ましくは、前記磁気回路システムは、磁性ヨークを含み、前記磁性ヨークは、囲設されて通路を形成する側壁と、前記側壁の前記第1振動膜に近接する一端から折り曲げて延在する底壁とを含み、前記磁気回路システムは、前記磁性ヨークの一方側に設置された第1磁性鋼アセンブリと、前記磁性ヨークの他方側に設置された第2磁性鋼アセンブリとを含み、前記第1磁性鋼アセンブリは、第1磁性鋼を含み、前記第2磁性鋼アセンブリは、第2磁性鋼と、第2磁性鋼の外側に位置しかつ前記第2磁性鋼と間隔を隔てて設置された第3磁性鋼とを含み、前記第1磁性鋼と第2磁性鋼と前記第3磁性鋼との間に前記第1磁気ギャップが形成され、前記第2磁性鋼と前記磁性ヨークの側壁との間に前記第2磁気ギャップが形成されている。
【0008】
好ましくは、前記第1磁性鋼には、前記磁性ヨークの通路と前記音出し孔とを連通するスルーホールが設けられ、前記第2振動システムが発した音声は、前記通路及びスルーホールを介して前記音出し孔から発する。
【0009】
好ましくは、前記第2磁性鋼アセンブリは、前記第2磁性鋼及び第3磁性鋼を載置する磁気ヨークをさらに含み、前記第2振動膜は、前記磁気ヨークの前記第2磁性鋼から離れる側に固定されている。
【0010】
好ましくは、前記同軸スピーカは、支持スタンドをさらに含み、前記第2振動膜は、前記支持スタンドを介して前記磁気ヨークに固定されている。
【0011】
好ましくは、前記第1振動システムは、前記第1振動膜と前記第1ボイスコイルとを接続するボイスコイルボビンをさらに含み、前記第1振動膜は、第1サスペンションと、前記第1サスペンションを取り囲んで設置された第1ドームと、前記第1ドームを取り囲んで設置された第2サスペンションとを含み、前記ボイスコイルボビンは、前記第1サスペンション、第1ドーム、第2サスペンション及び前記第1ボイスコイルを接続し、前記第1サスペンションの一端は、前記第1磁性鋼に固定され、前記第2サスペンションの一端は、前記フレームに固定されている。
【0012】
好ましくは、前記第2振動膜は、第2ドームと、前記第2ドームを取り囲む第3サスペンションとを含み、前記第3サスペンションは、前記支持スタンドに貼り合わせて固定されている。
【0013】
好ましくは、前記第1磁性鋼、第2磁性鋼及び第3磁性鋼は、前記同軸スピーカの振動方向に沿って着磁され、かつ前記第1磁性鋼と第2磁性鋼は、同じ極が対向して設置され、前記第2磁性鋼と第3磁性鋼は、着磁方向が逆である。
【0014】
好ましくは、前記同軸スピーカは、前記第1振動システムを弾性的に支持する弾性アセンブリをさらに含み、前記ボイスコイルボビンは、前記第1ドームに貼り合わせた骨格平板部と、前記骨格平板部の一端から前記第1ボイスコイルに向かって折り曲げて延在しかつ前記第1ボイスコイルに接続された第1延在部と、前記骨格平板部の他端から前記弾性アセンブリに向かって折り曲げて延在しかつ前記弾性アセンブリに接続された第2延在部とを含む。
【発明の効果】
【0015】
関連技術に比べて、本発明の同軸スピーカは、フレームと、前記フレームに固定された磁気回路システムと、前記磁気回路システムの一方側に固定されかつ前記フレームに固定された第1振動システムと、前記磁気回路システムの他方側に固定された第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に連通して設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜が振動発音するように駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜が振動発音するように駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの内側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、低音発音に用いられ、前記第2振動膜は、高音発音に用いられ、前記第1振動膜には、前記第2振動膜により生成された高音を発散するための音出し孔が設けられる。本発明の同軸スピーカは、その一端にリング状の低音振動システムを設置することにより、低音の音響効果を提供し、同軸スピーカの他端に高音振動システムを設置することにより、高音の音響効果を提供し、低音は正面から音を出し、高音は正面から音を出してもよく、裏面から音を出してもよい。低音、高音は、同軸の全帯域スピーカを形成し、高品質の音響効果を提供し、2つのボイスコイルは、一部の磁気回路システムを共用することにより、さらにコストを低減し、音響性能を向上させ、かつ本発明の同軸スピーカ全体の高さが低下する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は本発明の実施例だけであり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】本発明に係る同軸スピーカの構成を示す斜視模式図である。
図2図1に示す同軸スピーカの他の角度の構成を示す斜視模式図である。
図3図1に示す同軸スピーカの部分分解図である。
図4図1に示す同軸スピーカの分解図である。
図5図1に示す同軸スピーカの他の角度の分解図である。
図6図1におけるA-A線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術案を明確かつ完全に説明するが、説明された実施形態は、本発明の実施形態の一部だけであり、全ての実施形態ではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当該分野の当業者が創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0018】
同時に図1~6に示すとおり、本発明は、同軸スピーカ100を提供し、当該同軸スピーカ100は、フレーム1と、前記フレーム1に固定された磁気回路システム2と、前記磁気回路システム2の一方側に固定されかつ前記フレーム1に固定された第1振動システム3と、前記磁気回路システム2の他方側に固定された第2振動システム4と、前記第1振動システム3を弾性的に支持する弾性アセンブリ5と、前記第2振動システムを前記磁気回路システムに固定する支持スタンド6とを含み、前記第1振動システム3は、前記第2振動システム4と同軸に連通して設置される。
【0019】
前記フレーム1の外周は、ほぼ矩形状であり、環状構造の鋼リングであり、当該フレーム1は、上面11と、前記上面11に対向して設置された下面12と、前記上面11及び下面12を接続する外面13とを含み、前記第1振動システム3は、フレームの上面11に固定され、前記弾性アセンブリ5は、フレームの下面12に固定される。
【0020】
前記磁気回路システム2は、磁性ヨーク21、前記磁性ヨーク21の一方側に設けられた第1磁性鋼アセンブリ22、及び前記磁性ヨーク21の他方側に設けられた第2磁性鋼アセンブリ23を含む。前記第1磁性鋼アセンブリ22は、前記第2磁性鋼アセンブリ23と同軸に設けられる。前記磁性ヨーク21は、囲設されて通路210を形成する側壁211と、前記側壁211の前記第1振動システム3に近接する一端から折り曲げて延在して形成される底壁212とを含む。前記第1磁性鋼アセンブリ22は、第1磁性鋼221を含み、前記磁性ヨーク21の底壁212は、前記第1磁性鋼221を載置する。前記第1磁性鋼221は、リング状構造であり、その中間位置にスルーホール222が設けられる。前記第2磁性鋼アセンブリ23は、第2磁性鋼231と、第2磁性鋼231の外側に位置しかつ前記第2磁性鋼231と間隔を隔てて設置された第3磁性鋼232と、前記第3磁性鋼232の上方に積層設置された導磁板233とを含み、前記磁性ヨーク21の底壁212は、前記第2磁性鋼231の上方に積層設置され、前記第1磁性鋼221は、前記第2磁性鋼232に正対して設置される。前記磁気回路システム2は、前記第2磁性鋼231及び前記第3磁性鋼232を載置する磁気ヨーク24をさらに含む。前記第1磁性鋼221と第2磁性鋼231と前記第3磁性鋼232と導磁板233との間に前記第1磁気ギャップ25が形成され、前記第2磁性鋼231と前記磁性ヨーク21の側壁211との間に前記第2磁気ギャップ26が形成される。
【0021】
前記第1磁性鋼221、第2磁性鋼231及び第3磁性鋼232は、前記同軸スピーカ100の振動方向に沿った着磁され、かつ前記第1磁性鋼221と第2磁性鋼231は、同じ極が対向して設置され、前記第2磁性鋼231と第3磁性鋼232は、着磁方向が逆である。本実施例において、前記第1磁性鋼221、第2磁性鋼231、第3磁性鋼232及び導磁板233は、いずれも中空の環状構造である。
【0022】
前記第1振動システム3は、第1振動膜31と、前記第1振動膜31が振動発音するように駆動する第1ボイスコイル32と、前記第1振動膜31と前記第1ボイスコイル32とを接続するボイスコイルボビン33とを含み、前記第1ボイスコイル32は、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ25内に挿設され、前記第1振動膜31は、低音発音に用いられ、その発音方向は、振動方向に沿って上向きであり、すなわち同軸スピーカ100の正面から発音する。前記第1振動膜31は、第1サスペンション311と、前記第1サスペンション311を取り囲んで設置された第1ドーム312と、前記第1ドーム312を取り囲んで設置された第2サスペンション313とを含み、ボイスコイルボビン33は、前記第1サスペンション311、第1ドーム312及び第2サスペンション313を前記第1ボイスコイル32に接続し、前記第1サスペンション311の一端は、前記第1磁性鋼221に固定され、前記第1サスペンション311の他端は、前記ボイスコイルボビン33に固定される。
【0023】
前記磁気ヨーク24の前記第1ボイスコイル32に対応する箇所には、退避窪み部241が設置され、それにより第1ボイスコイル32に十分な振動空間を提供し、前記磁気ヨーク24にそれを貫通する貫通孔242が設置され、それにより第1振動システム3と第2振動システム4との連通に役立つ。
【0024】
前記第1振動膜31には、前記第2振動システム4により生成され高音を発散するための音出し孔315が設けられ、具体的には、前記音出し孔315は、前記第1サスペンション311に設置される。前記第1ドーム312は、前記ボイスコイルボビン33に貼り合わせて固定され、前記第2サスペンション313の前記第1ドーム312に近接する一端は、前記ボイスコイルボビン33に固定され、他端は、前記フレーム1に固定され、具体的には、前記第2サスペンション313の他端は、前記フレーム1の上面に貼り合わせかつ前記フレーム1の外面13まで延在する。
【0025】
前記第2振動システム4は、第2振動膜41と、前記第2振動膜41が振動発音するように駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ26内に挿設され、前記第2振動膜41は、前記磁気ヨーク24の前記第2磁性鋼231から離れる側に固定され、前記第2振動膜41は、前記支持スタンド6を介して前記磁気ヨーク24に固定され、前記支持スタンド6の高さは、前記第2振動膜41に十分な振動空間を提供する必要がある。前記第2振動膜41は、高音発音に用いられ、発音方向は、振動方向に沿って上向き又は下向きであり、即ち同軸スピーカ100の正面から発音し又は裏面から発音する。前記第2振動膜41が正面に向かって発音する時、発した高音は、前記通路210、スルーホール222を順に通過して、前記音出し孔315から発する。前記第2振動膜41は、第2ドーム411と、前記第2ドーム411を取り囲む第3サスペンション412とを含み、前記第3サスペンション412は、前記支持スタンド6に貼り合わせて固定され、前記支持スタンド6は、リング状である。
【0026】
弾性アセンブリ5は、前記ボイスコイルボビン33と前記フレーム1とを接続し、前記弾性アセンブリ5は、回路板51と、前記回路板51に接続された支持振動膜52とを含み、前記第1ボイスコイル32は、前記回路板51に電気的に接続され、具体的には、前記同軸スピーカ100は、前記回路板51に接続された端子7をさらに含み、前記第1ボイスコイル32は、前記端子7を介して前記回路板51に電気的に接続される。本実施例において、弾性アセンブリ5の数は、2つであり、かつ同軸スピーカ100の短手方向に設けられ、他の実施例において状況に応じて決定されてもよい。
【0027】
前記ボイスコイルボビン33は、前記第1ドーム312に貼り合わせた骨格平板部331と、前記骨格平板部331の一端から前記第1ボイスコイル32に向かって折り曲げて延在しかつ前記第1ボイスコイル32に固定接続された第1延在部332と、前記骨格平板部331の他端から前記弾性アセンブリ5に向かって折り曲げて延在しかつ前記弾性アセンブリ5に接続された第2延在部333とを含む。
【0028】
本発明の同軸スピーカは、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路システムと、前記フレームの内側に固定された第1振動システムと、前記フレームの外側に固定されかつ前記第1振動システムを取り囲んで設置された第2振動システムとを含み、前記第1振動システムは、前記第2振動システムと同軸に設置され、前記第1振動システムは、第1振動膜と、前記第1振動膜が振動発音するように駆動する第1ボイスコイルとを含み、前記第2振動システムは、第2振動膜と、前記第2振動膜が振動発音するように駆動する第2ボイスコイルとを含み、前記磁気回路システムには、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設置され、前記第1ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも部分的に前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記第1振動膜は、高音発音に用いられ、前記第2振動膜は、低音発音に用いられる。本発明の同軸スピーカは、リング状の低音振動システムを設置することにより、低音の音響効果を提供し、高音振動システムは、低音振動システムの内側に設置され、高音の音響効果を提供し、低音、高音は、同軸の全帯域スピーカを形成し、高品質の音響効果を提供し、2つのボイスコイルは、一部の磁気回路システムを共用することにより、さらにコストを低減し、音響性能を向上させ、かつ本発明の同軸スピーカ全体の高さが低下する。
【0029】
上記したのは、本発明の実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱しない範囲において種々変更可能であるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属するものと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】