(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ロータリー型点播装置
(51)【国際特許分類】
A01C 7/18 20060101AFI20240711BHJP
A01C 7/16 20060101ALI20240711BHJP
A01C 7/12 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A01C7/18
A01C7/16 A
A01C7/12 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539882
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 KR2022008530
(87)【国際公開番号】W WO2023243747
(87)【国際公開日】2023-12-21
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523239893
【氏名又は名称】セアンコリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEAANKOREA Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】189, Pyeongdongsandan 2beon-ro, Gwangsan-gu, Gwangju 62412, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン ア
(72)【発明者】
【氏名】ヨム,サン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ヨム,ミン ス
(72)【発明者】
【氏名】ヨム,ジュ ヒョプ
(72)【発明者】
【氏名】パク,クァン ホ
【テーマコード(参考)】
2B054
【Fターム(参考)】
2B054AA05
2B054AA06
2B054BA01
2B054DD06
2B054DE05
(57)【要約】
本実施例によるロータリー型点播装置は、種もみ供給ホイールに備えられた種もみ穴の容積を変化させるにあたり、12時方向に比べて11時方向での種もみ穴容積が大きく変化されるようにすることで、ハウジングと種もみ供給ホイールとの間に種もみが巻き込まれて行くことを1次的に防止できるようにするとともに、12時方向と11時方向との間に避難穴を用意することで、ハウジングと種もみ供給ホイールとの間に種もみが巻き込まれて行くことを2次的に防止するようにしたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上・下部に種もみ流入口及び種もみ排出口がそれぞれ備えられたハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に内蔵されたまま、前記種もみ流入口を通じて流入される種もみをすくい入れて、前記種もみ排出口を通じて排出する機能を行い、駆動軸が貫通されるハブ、外周面を形成するリム、前記ハブとリムとの間を放射状に連結するとともに、内部には前記種もみ流入口を通じて流入される種もみをすくい入れる種もみ穴が備えられた8個の放射リブで構成された種もみ供給ホイールと、
前記各種もみ穴に内蔵されたまま、種もみ穴の深さ方向に進退されるに伴い前記種もみ穴の内容積を調節するプランジャーと、
前記プランジャーの進退動作を制御する進退制御手段と、
前記ハウジングに支持されたまま、12時方向から11時方向に移動する種もみ穴の上側の過剰に積置された種もみを掃いて除去するブラッシュ部材と、
前記ブラッシュ部材が設置された設置部を開閉するように前記ハウジングに結合されるブラッシュカバーと、を含み、
前記種もみ供給ホイールの回転によって12時方向の種もみ穴が11時方向に移動する際、前記進退制御手段によって該当プランジャーが種もみ穴の底の側へと後退されるように制御することで、11時方向での種もみ穴の内容積が12時方向での内容積に比べて拡張されるようにしたことをさらに含み、
前記ブラッシュカバーの内面には、前記ブラッシュ部材によって掃き取られない残余の種もみが収容される避難空間が備えられたことをさらに含むロータリー型点播装置。
【請求項2】
前記進退制御手段は、
前記種もみ供給ホイールの前方または後方に配置されて内周面にカムラインが備えられたカムプレートと、
前記各放射リブの前面及び後面に形成された長孔、及び、各放射リブに内蔵された各プランジャーを貫通するように設置され、前記長孔の長さ範囲内で変位可能な8個のベアリング軸と、
前記各ベアリング軸の一端または両端に回転可能に設置され、前記種もみ供給ホイールの回転によって、前記カムラインに接触された状態で旋回するに伴い、カムラインの屈曲形態にしたがって各プランジャーの進退の程度を調節するとともに、12時方向に位置するプランジャーは、種もみ穴の内部で所定深さの程度に後退されるように調節し、11時方向に位置するプランジャーは、前記12時方向のプランジャーに比べてさらに後退されるように調節し、6時方向に位置するプランジャーは、種もみ穴の開口部の付近にまで前進されるように調節するガイドベアリングと、
前記各種もみ穴の底面と前記各プランジャーの下部との間に挟み込まれたまま、前記プランジャーを種もみ穴の開口部の側へと弾力的に押してくれる弾性部材と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のロータリー型点播装置。
【請求項3】
前記カムプレートのカムラインは、
カムプレートの重心点との離隔度が相対的に小さな近接カムラインと、
前記カムプレートの重心点との離隔度が相対的に大きい遠接カムラインと、
前記カムプレートの重心点との離隔度が相対的に最大の陥没ラインとが、閉曲線の形態で連結されたことを特徴とする請求項2に記載のロータリー型点播装置。
【請求項4】
前記カムプレートの外周面の一側に備えられる調節バー連結部と、
前記調節バー連結部に連結されたまま、前記カムプレートを回転させて設置角度を調節することによって、前記カムラインの半径方向の変位を通じて、各プランジャーの進退の範囲を変位させる調節レバーと、をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のロータリー型点播装置。
【請求項5】
前記調節レバーは、前記ハウジングに結合されるレバーガイドによってガイドされるが、前記レバーガイドの表面には、カムプレートの回転の角度を8段に区分するためのルーラーが設け備えられたことを特徴とする請求項4に記載のロータリー型点播装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、
対称形の左・右ハウジングを向き合うように結合して形成されて、
前記ハウジングの一側には、内部が開放されるように開放部が備えられ、これを通じて内部洗浄が可能なことを特徴とする請求項2に記載のロータリー型点播装置。
【請求項7】
前記ハウジングの内面には、前記カムラインと一致する係止段部ラインが備えられ、前記ガイドベアリングは、前記カムラインと係止段部ラインとに共に接触されることを特徴とする請求項6に記載のロータリー型点播装置。
【請求項8】
前記ハウジングの後尾に、上下方向にヒンジ動作可能に設置されたまま、下向きにヒンジ動作する場合に、地面に種まきされた種もみを押し付けてくれる押し付け部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のロータリー型点播装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、ナイロン70重量%、ガラス繊維30重量%が混合された混合素材であり、
前記種もみ供給ホイールはアセタールから形成されたことを特徴とする請求項1に記載のロータリー型点播装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は播種機(または、直播機)に設置されて種もみ(または、肥料)を地面に点播(てんぱ; 点まき)してくれる点播装置に関したものであり、より詳細には、種もみの損傷及び点播の誤り(エラー)がない優良な点播が可能なロータリー型点播装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
播種機(直播機)には、種もみ(または肥料)を一定間隔で疎らに種まきするための点播装置が設置される。
【0003】
従来の点播装置中、ロータリー型点播装置の場合、地面と近接するか、または触れることとなれば、地面の土が種子排出口に流入されて詰まるようになるので、種まき不良が発生するようになる。この問題点は、水田の場合より甚だしくなりうる。
【0004】
これを防止するために、ロータリー型点播装置を地面から離隔させて土と接触されないようにした状態で種まきしている。
【0005】
このような離隔種まきの際にも、地面の土によって詰まることが発生しうるので、離隔度を大きくして種まきすることとなるが、この場合、ロータリー型点播装置と地面との高さの差によって、点播ではないすじまき(条まき; 筋蒔き; 条播)形式で種まきされるか、または、ばらまき(散播)の種まきがなされるようになるので、点播機能をまともに遂行することができなくなる。
【0006】
また、ロータリー型点播装置から種子が落下される過程で、種子が風によって飛びちるに伴って失われることによって、種まきの効率が低下されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記した従来の問題点を解決するためのものであり、本発明の一目的は、構造の改善を通じて、種もみ供給ホイールと、ハウジングとの間に種もみが挟まって損傷されることを防止することができるロータリー型点播装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、種もみ供給ホイールに設けられた種もみ穴の個数を、既存との対比で増設することで、種もみ供給ホイールを低速で回転させても所望の点播間隔を得ることができるロータリー型点播装置を提供することにある。
【0009】
本発明のまた他の目的は、種もみ穴が12時方向から11時方向に移動する際に、その内容積が拡張されるようにすることで、該当種もみ穴に収容された種もみの一部が種もみ穴の外部へと離脱される現象を防止することができるロータリー型点播装置を提供することにある。
【0010】
本発明のまた他の目的は、カムプレートの設置角度を調節できるようにすることで、12時方向の種もみ穴の内容積を拡張または縮小することができるロータリー型点播装置を提供することにある。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、以上に言及した課題らに制限されないのであり、言及されていない他の課題らは、下の記載から当業者に明確に理解されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明は、(1)上・下部に種もみ流入口と種もみ排出口がそれぞれ備えられたハウジングと、(2)前記ハウジング内に回転可能に内蔵されたまま、前記種もみ流入口を通じて流入される種もみをすくい取って前記種もみ排出口を通じて排出する機能を行い、駆動軸が貫通されるハブ、外周面を形成するリム、前記ハブとリムとの間を放射状に連結するとともに、内部には前記種もみ流入口を通じて流入される種もみを外して盛る種もみ穴が設けられた8個の放射リブで構成された種もみ供給ホイールと、(3)前記各種もみ穴に内蔵されたまま、種もみ穴の深さ方向に進退されるに伴い前記種もみ穴の内容積を調節するプランジャーと、(4)前記プランジャーの進退動作を制御する進退制御手段と、(5)前記ハウジングに支持されたまま、12時方向から11時方向に移動する種もみ穴上側の過積置された種もみを掃いて除去するブラッシュ部材と、(6)前記ブラッシュ部材が設置された設置部を開閉できるように前記ハウジングに結合されるブラッシュカバーと、を含んで、前記種もみ供給ホイールの回転によって12時方向の種もみ穴が11時方向に移動する際、前記進退制御手段によって該当プランジャーが種もみ穴の底の側へと後退されるように制御することで、11時方向での種もみ穴の内容積が12時方向での内容積に比べて拡張されるようにしたことをさらに含み、前記ブラッシュカバーの内面には前記ブラッシュ部材によって掃き取られない残余の種もみが収容される避難空間が備えられたことをさらに含むロータリー型点播装置が提供される。
【0013】
望ましくは、前記進退制御手段は、(1)前記種もみ供給ホイールの前方または後方に配置されて内周面にカムラインが備えられたカムプレートと、(2)前記各放射リブの前面及び後面に形成された長孔、及び、各放射リブに内蔵された各プランジャーを貫通するように設置され、前記長孔の長さ範囲内で変位可能な8個のベアリング軸と、(3)前記各ベアリング軸の一端または両端に回転可能に設置され、前記種もみ供給ホイールの回転によって、前記カムラインに接触された状態で旋回するに伴い、カムラインの屈曲形態にしたがって各プランジャーの進退の程度を調節するとともに、12時方向に位置するプランジャーは、種もみ穴の内部で所定深さの程度に後退されるように調節し、11時方向に位置するプランジャーは、前記12時方向のプランジャーに比べてさらに後退されるように調節し、6時方向に位置するプランジャーは、種もみ穴の開口部の付近にまで前進されるように調節するガイドベアリングと、(4)前記各種もみ穴の底面と前記各プランジャーの下部との間に挟み込まれたまま、前記プランジャーを種もみ穴の開口部の側へと弾力的に押してくれる弾性部材と、を含むことができる。
【0014】
望ましくは、前記カムプレートのカムラインは、カムプレートの重心点との離隔度が相対的に小さな近接カムラインと、前記カムプレートの重心点との離隔度が相対的に大きい遠接カムラインと、及び前記カムプレートの重心点との離隔度が相対的に最大の陥没ラインとが、閉曲線の形態で連結されうる。
【0015】
望ましくは、(1)前記カムプレートの外周面の一側に備えられる調節バー連結部と、(2)前記調節バー連結部に連結されたまま、前記カムプレートを回転させて設置角度を調節することによって、前記カムラインの半径方向の変位を通じて各プランジャーの進退範囲を変位させる調節レバーと、をさらに含むことができる。
【0016】
望ましくは、前記調節レバーは、前記ハウジングに結合されるレバーガイドによってガイドされるが、前記レバーガイドの表面にはカムプレートの回転角度を8段に区分するためのルーラーが設けられることができる。
【0017】
望ましくは、前記ハウジングは、対称形の左・右ハウジングを向き合うように結合して形成され、前記ハウジングの一側には、内部が開放されるように開放部が備えられることができる。
【0018】
望ましくは、前記ハウジングの内面には前記カムラインと一致する係止段部ラインが備えられ、前記ガイドベアリングは、前記カムラインと係止段部ラインとに共に接触されることができる。
【0019】
望ましくは、前記ハウジングの後尾に、上下方向にヒンジ動作可能に設置されたまま、下向きにヒンジ動作する場合に、地面に種まきされた種もみを押し付けてくれる押し付け部材をさらに含むことができる。
【0020】
望ましくは、前記ハウジングは、ナイロン70重量%、ガラス繊維30重量%が混合された混合素材であり、前記種もみ供給ホイールはアセタールで形成されうる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例によれば、3段階にわたって種もみを損傷から保護するための保護手段を取り揃えることによって、ハウジングと種もみ供給ホイールとの間に種もみが挟まって入って行くことを防止することができるのであり、これによってハウジング内部に粉末種もみが固着されることを防止することができる。
【0022】
本発明の実施例によれば、種もみ供給ホイールに備えられた種もみ穴の個数を、既存との対比で増設することで、種もみ供給ホイールを低速で回転させても、所望の点播間隔を得ることができるのであり、種もみ供給ホイールを低速回転させても所望の点播が可能であるので、相対的に高速回転した既存と対比して、運転負荷を減衰させることができる。
【0023】
本発明の実施例によれば、カムプレートの設置角度を調節できるようにすることで、12時方向の種もみ穴の内容積を拡張または縮小することができる。よって、これによって種もみだけではなく、他の大きさの種(種子)に従って、種もみ穴の内容積を可変させてオーダーメード種まきが可能であり、種子の種まき量も調節することができる。
【0024】
本発明の実施例によれば、ハウジングと種もみ供給ホイールを静電気防止効果がある素材に改善することで、種もみがくっつく現象を防止することができる。
【0025】
本発明の効果は、前記した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求範囲に記載した発明の構成から推論可能な、すべての効果を含むものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明によるロータリー型点播装置の分解斜視図である。
【
図4】種もみの種まき過程を説明するための図面である。
【
図5】本発明によるロータリー型点播装置のハウジングとカムプレートの詳細図である。
【
図6】本発明による押し部材の使用状態を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一部実施例らを例示的な図面を通じて詳細に説明する。各図面の構成要素らに参照符号を付け加えることにおいて、同一の構成要素らに対しては、たとえ他の図面上に表示されても、可能な限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、関連される公知の構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨をぼやけさせうると判断される場合にはその詳細な説明について省略する。
【0028】
また、本発明の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって、当該構成要素の本質や順番または手順などが限定されない。ある構成要素が、異なる構成要素に“連結”、“結合”または“接続”されると記載した場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結されるか、または接続されうるが、各構成要素の間に他の構成要素が“連結”、”結合”または”接続”されることもありうると理解されなければならないであろう。
【0029】
以下、添付された図面を参照して、本発明の技術的構成を詳しく説明する。
【0030】
添付された
図1は、本発明によるロータリー型点播装置の分解斜視図であり、
図2は
図1の結合斜視図、
図3は
図2のA-A線断面図である。
【0031】
前記図面を参照すれば、本発明によるロータリー型点播装置(以下‘点播装置'と称する)100は、ハウジング110、種もみ供給ホイール120、プランジャー130、進退制御手段140及びブラッシュ部材150を含むことができる。
【0032】
先ず、ハウジング110は、点播装置100の外部カバーの役割をするものである。
【0033】
ハウジング110は、金属資材の使用を最大限排除しながらも、石が多い作業環境でも容易に割れないようにするために、ナイロン70重量%とガラス繊維30重量%とを混合した複合素材が適用されうる。前記複合素材は、金属素材に比べて軽量であるので、重さの負荷を減少させうるのであり、混合材であるガラス繊維は、素材の特性上、静電機防止効果を持っていることから、ハウジング110に種もみ1がくっつくことを防止することができる。
【0034】
ハウジング110は、対称形の左・右のハウジング110a、110bが組み合わされて形成されるのであり、ハウジング110の上下部には、種もみ1が流入される種もみ流入口111、及び、種もみが排出される種もみ排出口112が、それぞれ備えられうる。
【0035】
ハウジング110は、前記種もみ流入口111の下部に、種もみ流入口を通じて流入される一定量の種もみ1を臨時保存するための、貯蔵チャンバ113が備えられうる。
【0036】
ハウジング110は、前記貯蔵チャンバ113の前方へ(点播装置の前進方向を前方と規定する)前記ブラッシュ部材150を内蔵するためのブラッシュ(ブラシ)設置部114が備えられうる。
【0037】
前記ブラッシュ設置部114は、ブラッシュカバー115によって開閉可能に構成されうる。これによって、ブラッシュカバー115を取り外す場合に、ブラッシュ部材150の設置及び交換が容易である。
【0038】
前記ブラッシュカバー115の内面には、前記ブラッシュ部材150によって掃き取られない残余の種もみ1が収容される避難空間115aが備えられうる。
【0039】
前記ブラッシュ部材150は、機能的エラーが発生しうることもあって、長年の使用でブラッシュが擦り減ることとなれば、その機能が低下しうるが、この場合、種もみ供給ホイール120の種もみ穴(後述する)の上側に過剰に積置された種もみ1を掃き取って除去する機能をまともに遂行することができないので、残余の種もみ1が、ハウジング110の内周面と、前記種もみ供給ホイール120の外周面との間の狭い隙間に巻き込まれて潰されうる。
【0040】
前記避難空間115aは、ハウジング110の内周面と、前記種もみ供給ホイール120の外周面との間の隙間へと残余の種もみ1が巻き込まれて行く前に捕集されるようにすることで、種もみが潰されることを前もって防止することができるようになる。
【0041】
ハウジング110の種もみ排出口112には、排出キット116が脱着可能に設置されうる。前記排出キット116は、前記ハウジング110の下部に結合される結合部116aと、前記結合部の下方に地面を向けて突き出された排出パイプ116bとで構成されうる。
【0042】
前記排出キット116は、点播装置100を地面から離隔させた状態で点播作業をする場合に、種もみ1が飛びちることを防止すると共に、種もみ1が正確な地点に点播されるようにする役割をする。
【0043】
ここで、前記排出パイプ116bは、その長さ方向に、少なくとも一つ以上のスロット116cが形成されうる。前記スロット116cは、排出パイプ116bの内部に地面の濡れた土が流入された際に、容易に排出されるようにする機能を行うのであり、濡れた土が排出されないで排出パイプ116bの内部に固着した場合、これを人為的に除去する際にも、有用に活用されうる。
【0044】
ハウジング110は、その一側に内部が開放されるように開放部117が備えられうる。ハウジングの内部には、土及び土に含まれた異物などが固着しうるし、このような固着によって、種もみ供給ホイール120の円滑な回転に、差し支えを生じうるので、定期的な掃除が必要である。掃除の際には、前記開放部117を通じてエアや水を噴射すれば、容易に掃除が可能で、固着物を簡単に排出させることができる。
【0045】
種もみ供給ホイール120は、前記ハウジング110内に回転可能に設置されたまま、前記貯蔵チャンバ113に保存された種もみ1を適量すくい取って、前記種もみ排出口112へと間歇的に排出する役割をするものである。
【0046】
ここで、種もみ供給ホイール120は、静電気防止のために、アルデヒドやケトンに2当量のアルコールが求核性攻撃してカルボニル炭素にアルコキシ基が二つ結合された形態に形成された化合物であるアセタール(acetals)素材で形成されることが望ましい。アセタールは、前記ハウジング110の場合と同じく静電気防止効果のためのものである。
【0047】
種もみ供給ホイール120は、駆動軸(s)が貫通されるハブ121、外周面を形成するリム122、前記ハブとリムとの間を放射状に連結し、内部には前記リムの側へと開口された種もみ穴123aが備えられた放射リブ123とで、構成されうる。
【0048】
ここで、放射リブ123は、8個以上で構成されうるのであり、望ましくは8個に限定されうる。前記放射リブ123は、種もみ供給ホイール120の直径と、種もみ穴123aの容積を勘案するとき、設計的に8個を超過することができないものと判断される。
【0049】
前記放射リブ123の個数が多くなるようになれば、各放射リブの種もみ穴123a間の間隔が小さくなるので、放射リブの個数が少ない場合と比べたとき、種もみ供給ホイール120の回転速度を相対的に低速で回転させても、所望の点播の間隔を得ることができる。
【0050】
したがって、種もみ供給ホイール120を低速運転することによる運転負荷の減少で、種もみ供給ホイール120に回転動力を提供する動力提供手段(図示せず)の寿命を延長するのに役に立ちうる。
【0051】
プランジャー(plunger)130は、前記各種もみ穴123aの内部に挿入されたまま、種もみ穴の長さ方向に進退(突き出し・引き込み)されるに伴い種もみ穴の内容積(inner volume)を調節してくれる、一種の内容積調節手段である。
【0052】
進退制御手段140は、前記各プランジャー130を進退させてくれるプランジャーの駆動手段であって、特に、旋回運動される各プランジャーの位置に応じて進退の程度を調節してくれる。
【0053】
進退制御手段140は、カムプレート141、ベアリング軸142、ガイドベアリング143及び弾性部材144を含むことができる。
【0054】
前記カムプレート141は、前記ハウジング110に内蔵されるドーナツ形態の板材であって、前記種もみ供給ホイール120の前方または後方に配置される。ここで、カムプレート141は、前記ガイドベアリング143との繰り返し的な接触がなされることを勘案するとき、早期摩耗及び異物発生の問題点が発生しないように、金属材ベアリングから形成されることが望ましい。
【0055】
前記カムプレート141は、人為的に回転させない限り、前記種もみ供給ホイール120と連動して回転しない。
【0056】
前記カムプレート141は、内部にカムライン141aが備えられる。前記カムライン141aは、(1)カムプレート141の中心点との離隔度が相対的に小さい近接カムライン141bと、(2)カムプレート141の中心点との離隔度が相対的に大きい遠接カムライン141cと、(3)前記カムプレートの中心点との離隔度が相対的に最大である陥没ライン141dとが、閉曲線の形態で連結されている。
【0057】
前記した近接カムライン141bは、前記プランジャー130を種もみ穴123aの底面側へと引っぱって、種もみ穴123aの上側に種もみをたっぷり入れることができる空間を確保するためのものであり、前記陥没ライン141dは、プランジャー130を該当種もみ穴123aの開口部にまで前進させてあげためのものである。
【0058】
前記カムプレート141は、(1)その外周面の一側に備えられる連結部141eと、(2)前記連結部に連結されたまま、前記カムプレートを人為的に回転させて設置角度を調節することができ、調節された角度を固定するための調節レバー141fとを、さらに含むことができる。
【0059】
前記調節レバー141fは、カムプレート141を人為的に回転させて、カムライン141bをカムプレートの円周方向に変位させるのに伴い、カムラインによって案内される各プランジャー130の昇降範囲を変位させることができる。特に、プランジャー130の昇降範囲を変位させる最大の理由は、種もみ穴123a、特に、12時方向に位置する種もみ穴の内容積を、拡大または縮小することで、種もみの収容量を調節するためである。
【0060】
前記調節レバー141fは、前記ハウジング110に結合されるレバーガイド160によって案内されうる。前記レバーガイド160は、前記調節レバー141fを案内するための図形をなす案内ホール161を持っており、表面には、カムプレート141の回転角度を可視化するためのルーラー(目盛尺)162が備えられうる。
【0061】
前記プランジャー130は、種もみ供給ホイール120に内蔵されるので、外部からはプランジャーの進退の位置を見積り難いので、プランジャーの正確な進退の位を設定するためには前記したルーラー162が必要である。
【0062】
前記ベアリング軸142は、前記各放射リブ123の前面及び後面に形成される長孔123bと、各放射リブ123に内蔵された各プランジャー130とを、貫通するように設置される。
【0063】
前記ベアリング軸142は、前記長孔123bの長さ範囲内にて変位が可能である。よって、ベアリング軸142が貫通している各プランジャー130も、前記放射リブ123の種もみ穴123a内にて、連動しながら進退動作される。
【0064】
一方、前記ハウジング110の内面には、前記カムライン141aと一致する係止段部ライン110cが備えられているのであり、前記ガイドベアリング143は、前記カムライン141aと、係止段部ライン110cとに共に接触される。
【0065】
ところが、必要によって前記カムプレート141を人為的に回転させる場合、カムライン141aと係止段部ライン110cとは一致しなくなる。特に、カムプレート141の係止段部ライン110cが変位されたならば、種もみを種もみ排出口112へと正確に排出させることができなくなるであろうことから、このような問題を解消するために、カムプレート141の設置角度を変更した場合には、ガイドベアリング143が、前記係止段部ライン110cによって案内されうる。
【0066】
前記ガイドベアリング143は、前記各ベアリング軸142の一端または両端に回転可能に設置され、前記種もみ供給ホイール120の回転によって、前記カムライン141aに接触された状態で旋回するに伴いカムラインの屈曲にしたがって各プランジャー130の進退の程度を調節する。ここで、ガイドベアリング143は、前記カムプレート141と共に金属材から形成されることが望ましい。その理由は、前で説明したことがあるので略する。
【0067】
図3及び
図4を参照して、より詳細に説明すれば、種もみ供給ホイール120が反時計方向に回転するとき、12時方向に位置するプランジャーは、種もみ穴123aの内部に、所定深さ程度に後退されるように調節され、11時方向に位置するプランジャーは、前記12時方向のプランジャーに比べて、さらに後退されるように調節されるのであり、6時方向に位置するプランジャーは、種もみ穴123aの開口部辺りまで前進されるように調節される。
【0068】
その他、12時と6時より右側の区間に位置する種もみ穴123aには、種もみが収容されない状態であるので、該当種もみ穴に内蔵された各プランジャーが、前進状態である必要がない。反面、12時と6時の左側の区間に位置する種もみ穴123aには、種もみが収容された状態であるので、該当種もみ穴に内蔵された各プランジャーは、後退状態でなければならない。
【0069】
前記弾性部材144は、前記各種もみ穴123aの底面と、前記各プランジャー130の下部との間に挟み込まれたまま、前記プランジャー130を種もみ穴123aの開口部の側へと弾力的に押してくれる役割をする。このように、前記各プランジャー130らは、弾性部材144によって種もみ穴123aの開口部の側へと押される力を持続的に受けている状態であるので、カムラインによって引っ張られない場合に前進力を受けるようになるのであり、後進力は、前記カムプレート141のカムライン141aによって形成されるようになる。
【0070】
本発明による点播装置100は、前記ハウジング110の後尾に、上下方向にヒンジ動作可能に設置されたまま、下向きにヒンジ動作する場合、地面に種まきされた種もみを押し付けてくれる押し部材170を含むことができる。
【0071】
前記押し部材170は、(1)前記ハウジング110の後尾に、挟み込み結合されるか、または、ねじなどで締結される結合部171と、(2)前記結合部に一体に形成される湾曲形態の押し板172とで、構成されうる。ここで、前記押し板172の末端には、重さ荷重による加圧力の確保のために、そのほかの部位に比べて厚い形態を有することができる。
【0072】
以下、本発明の作用を説明する。
【0073】
駆動軸(s)が回転すれば、これと結合された種もみ供給ホイール120が反時計方向に回転する。
【0074】
この過程で、種もみ供給ホイール120の12時方向に位置した種もみ穴123aが、ハウジング110の種もみ流入口111と一致するようになれば、カムライン141a及び係止段部ライン110cにおける12時方向の屈曲に沿って、当該ガイドベアリング143及び当該ベアリング軸142が、プランジャー130を引っぱって後退させる(図面上で下向き方向)。
【0075】
このように、種もみ穴123aの底面側にプランジャー130が後退されれば、種もみ穴123aの上側では、プランジャーが後退されただけの程度の種もみ収納空間が形成される。
【0076】
前記形成された種もみ収納空間には、前記ハウジング110の貯蔵チャンバ113に貯蔵された種もみが満たされるようになって、種もみが満たされた種もみ供給ホイール120が、図面上の反時計方向に回転して、前記種もみ収納空間が6時方向に至れば、カムライン141a及び係止段部ライン110cにおける陥没ライン141dの形態にしたがって、プランジャー130の引っ張り拘束力が解除されるので、当該種もみ穴123a内のプランジャー130は、弾性部材144の弾性推進力によって、種もみ穴123aの開口部の最先端にまで前進される。
【0077】
これによって、種もみ穴123aの種もみ収納空間に収納された種もみは、当該プランジャー130によって強制排出される。この過程で、種もみ穴が土で詰まっても、プランジャーが種もみを強制的に押し出すから、種まき不良のない点播が可能である。
【0078】
また、本発明による点播装置100は、種もみ供給ホイール120の円周面に沿って8個の種もみ穴123aを持っているので、その回転速度が速くなくても、所望の点播が可能である。よって、種もみ供給ホイール120の回転速度を速くする時と比べて、運転負荷を減衰させることができることから、動力提供手段の寿命の短縮を防止することができる。
【0079】
一方、前記貯蔵チャンバ113内の種もみが、種もみ収納空間に満たされていく過程で、種もみ収納空間の開口部を上回って満たされうる。このように過度に満たされた種もみは、12時方向から11時方向に移動する際、ブラッシュ部材150によって掃き出されて行くようになるので、これを経た後には、適量の種もみだけ残るように補正される。
【0080】
この後、当該種もみ収納空間が11時方向に至れば、カムライン141aの形態にしたがってプランジャー130が種もみ穴123aの底面側へとさらに後退される。これで、該当種もみ収納空間に満たされた種もみは、種もみ穴123aの内部にいっそうさらに深く入って行くようになる。この場合、種もみ収納空間に満たされた種もみの上層が、種もみ穴内に位置するようになることで、種もみが流出されることを、前もって防止することができる。この部分は、本発明の重要な特徴のうちの一つである。
【0081】
さらなる特徴の一つは、ブラッシュカバー115の内面に、避難空間115aが備えられるという点である。すなわち、種もみ収納空間が、ブラッシュ部材150を経て11時方向に移動する過程で、種もみ収納空間から一部が離脱された種もみが、避難空間115aに捕集されるようにすることによって、ハウジング110の内面と、種もみ供給ホイール120の外周面との間に挟まり込んで行って潰されることを防止することができる。
【0082】
このように、ブラッシュ部材150、避難空間115a、11時方向でのプランジャー130の後退のように、3段階にわたって種もみを損傷から保護するための保護手段を取り揃えるようになることによって、種もみが失しなわれることを防止するのは勿論のこと、潰された種もみの粉末や種もみが、ハウジング110の内部に残って固着するという問題を解決することができることとなる。種もみがロスする、及び種もみが潰されるという問題は、大量化及び自動化が行われる、このごろの種まき作業を考慮すると、非常に深刻な作動上の問題になりうるのであるが、本発明は、このような問題をすべて解消することができる。
【0083】
この後、6時方向に位置する種もみ穴123aから、種もみが強制排出されれば、ハウジング110の種もみ排出口112及び排出キット116を通じて、地面へと種まきがなされる。
【0084】
地面に種まきされた種もみは、押し部材170に押し付けられながら地面にめりこむようにすることで、風によって種子が飛ばすことを防止することができるのであって、発芽率も高めることができる。
【0085】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したのに過ぎないものであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者ならば、本発明の本質的な特性から脱しない範囲で、多様な修正及び変形が可能であろう。よって、本発明に開示された実施例らは、本発明の技術思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下の請求範囲によって解釈されなければならないのであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれることで解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0086】
100 点播装置
110 ハウジング
110a 左ハウジング
110b 右ハウジング
111 種もみ流入口
112 種もみ排出口
113 貯蔵チャンバ
114 ブラッシュ設置部
115 ブラッシュカバー
115a 避難空間
116 排出キット
117 開放部
120 種もみ供給ホイール
121 ハブ
122 リム
123 放射リブ
123a 種もみ穴
130 プランジャー
140 進退制御手段
141 カムプレート
142 ベアリング軸
143 ガイドベアリング
144 弾性部材
150 ブラッシュ部材
160 レバーガイド
170 押し付け部材
【国際調査報告】