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特表2024-526496グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体、及びそのγ-アミノ酪酸の生産における使用
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  • 特表-グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体、及びそのγ-アミノ酪酸の生産における使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体、及びそのγ-アミノ酪酸の生産における使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/60 20060101AFI20240711BHJP
   C12N 9/88 20060101ALI20240711BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240711BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240711BHJP
   C12N 15/52 20060101ALI20240711BHJP
   C12N 15/53 20060101ALI20240711BHJP
   C12N 9/00 20060101ALI20240711BHJP
   C12N 9/04 20060101ALI20240711BHJP
   C12Q 1/527 20060101ALI20240711BHJP
   C12P 13/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
C12N15/60
C12N9/88 ZNA
C12N1/21
C12N15/63 Z
C12N15/52 Z
C12N15/53
C12N9/00
C12N9/04 Z
C12Q1/527
C12P13/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540831
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 CN2022126883
(87)【国際公開番号】W WO2023240871
(87)【国際公開日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】202210677091.7
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210677092.1
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523250784
【氏名又は名称】森瑞斯生物科技(深▲せん▼)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519002014
【氏名又は名称】中国科学院深▲チェン▼先進技術研究院
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN INSTITUTES OF ADVANCED TECHNOLOGY CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】1068, Xueyuan Avenue, Shenzhen University Town, Nanshan District, Shenzhen, Guangdong 518055, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朱凌峰
(72)【発明者】
【氏名】陳兪妃
(72)【発明者】
【氏名】趙長楽
(72)【発明者】
【氏名】羅小舟
【テーマコード(参考)】
4B063
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B063QA20
4B063QQ80
4B063QR06
4B064AD06
4B065AA24X
4B065AA24Y
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA17
(57)【要約】
グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体及びそのγ-アミノ酪酸の生産における使用を提供し、また、改良された組換えコリネバクテリウム・グルタミカム、及びγ-アミノ酪酸に応答し得るバイオセンサーを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO.3に基づき、下記の変異のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする、グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体:
(1)38番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(2)89番目のイソロイシンのバリンへの変異
(3)92番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(4)93番目のグルタミン酸のグルタミンへの変異
(5)118番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(6)153番目のセリンのスレオニン又はアラニンへの変異
(7)202番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(8)268番目のプロリンのスレオニンへの変異
(9)294番目のグルタミン酸のアルギニンへの変異
(10)301番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(11)355番目のフェニルアラニンのチロシンへの変異
(12)371番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(13)432番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(14)435番目のヒスチジンのグルタミンへの変異
(15)451番目のロイシンの終止コドンへの変異
(16)457番目のリジンの終止コドンへの変異
(17)461番目のチロシンの終止コドンへの変異。
【請求項2】
SEQ ID NO.3に基づき、
355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
120番目のスレオニンをアスパラギンに変異させ、436番目のロイシンをバリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
120番目のスレオニンをバリンに変異させ、436番目のロイシンをアスパラギンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
120番目のスレオニンをアラニンに変異させ、436番目のロイシンをセリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
120番目のスレオニンをロイシンに変異させ、436番目のロイシンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミン酸に変異させ、355番目のフェニルアラニンをセリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをセリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をヒスチジンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをロイシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをバリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、268番目のプロリンをプロリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、153番目のセリンをメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをプロリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、153番目のセリンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをアラニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをチロシンに変異させ、268番目のプロリンをロイシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをプロリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをメチオニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをメチオニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをチロシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをロイシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをチロシンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをバリンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをセリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをプロリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをチロシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをバリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、153番目のセリンをセリンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをバリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをプロリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、93番目のグルタミン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをアラニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をセリンに変異させ、153番目のセリンをチロシンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをセリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアラニンに変異させ、153番目のセリンをメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをメチオニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をロイシンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをロイシンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをメチオニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをチロシンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
第89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをセリンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアラニンに変異させ、153番目のセリンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをプロリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、93番目のグルタミン酸をセリンに変異させ、153番目のバリンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをアラニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
38番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、294番目のグルタミン酸をセリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
38番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、294番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
38番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをセリンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、294番目のグルタミン酸をチロシンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
38番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をバリンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、294番目のグルタミン酸をアラニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
38番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、93番目のグルタミン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、294番目のグルタミン酸をプロリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
38番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、294番目のグルタミン酸をアルギニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、又は
38番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をバリンに変異させ、153番目のセリンをメチオニンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、294番目のグルタミン酸をロイシンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、435番目のヒスチジンをバリンに変異させ、451番目のロイシンを終止コドンに変異させたことを特徴とする、グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のグルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体をコードする、遺伝子。
【請求項4】
請求項3に記載の遺伝子を持つ、発現ベクター。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のグルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体を発現させる、組換え微生物細胞。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のグルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体を発現させることを特徴とする、組換えコリネバクテリウム・グルタミカム。
【請求項7】
さらに下記の改良の少なくとも1つが行われたことを特徴とする、請求項6に記載の組換えコリネバクテリウム・グルタミカム:
(1)セリン/スレオニンキナーゼ遺伝子pknGをノックアウト又は欠失させること
(2)アミノトランスフェラーゼ遺伝子bioAをノックアウト又は欠失させ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼを過剰発現させること
(3)輸送タンパク質遺伝子gabPをノックアウト又は欠失させ、ピルビン酸カルボキシラーゼを過剰発現させること
(4)ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ遺伝子pckをノックアウト又は欠失させ、ピリドキサールキナーゼを過剰発現させること
(5)クエン酸シンターゼ遺伝子gltAの発現をプロモーターPgltAで増強すること
(6)オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ遺伝子odxをノックアウト又は欠失させること
(7)ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ遺伝子odhAを弱いRBSで発現させること
(8)乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子ldhをノックアウト又は欠失させ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼを過剰発現させること
(9)乳酸デヒドロゲナーゼ2遺伝子lldDをノックアウト又は欠失させ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子gdhの発現をプロモーターPtufで増強すること。
【請求項8】
γ-アミノ酪酸の生産における、請求項1若しくは2に記載の変異体、又は請求項5に記載の組換え微生物細胞、又は請求項6若しくは7に記載の組換えコリネバクテリウム・グルタミカムの使用。
【請求項9】
γ-アミノ酪酸を1段階法で生産する方法であって、
請求項6又は7に記載の組換えコリネバクテリウム・グルタミカムを培地中で少なくとも40h発酵させることを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記培地は、コリネバクテリウム・グルタミカムにより利用可能な糖を炭素源とすることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
発酵過程において、pHを7.0±0.2、発酵温度を28~30℃に制御することを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
γ-アミノ酪酸バイオセンサーであって、
プロモーターPgabTDP、PgabR、レポーター遺伝子、gabR遺伝子を含有し、前記プロモーターPgabTDP、PgabR、レポーター遺伝子、gabR遺伝子は、同一ベクター上又は同一ゲノムDNA上に位置し、前記バイオセンサーを構成し、前記PgabTDPはレポーター遺伝子の発現を調節し、前記PgabR及びPgabTDPは、GABA-GabRコンジュゲート結合部位の配列を有し、レポーター遺伝子の発現を調節し、前記プロモーターPgabTDPとプロモーターPgabRの転写方向が反対であることを特徴とする、バイオセンサー。
【請求項13】
γ-アミノ酪酸生産菌株の選択育成における、請求項12に記載のバイオセンサーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体、及びそのγ-アミノ酪酸の生産における使用に関し、遺伝子工学及び酵素工学の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
γ-アミノ酪酸(GABA)は4炭素の非タンパク構成アミノ酸の一種であり、微生物から植物や動物まで自然界に広く存在し、不眠症の予防及び治療、血圧降下、抗不安、鎮静、鎮痛、利尿などの機能を持ち、さまざまな神経機能障害の治療に用いることができる。GABAは、2-ピロリドンや生分解性素材であるポリアミドナイロン4を合成するための前駆体としても注目されており、さらに産業分野へと応用分野を広げている。
【0003】
GABAの合成方法には、化学合成、酵素触媒又は全細胞生体触媒、及び微生物発酵を含む多くの方法がある。化学合成と比較して、GABAの生合成には、簡単な後処理工程、温和な反応条件、高い生成物収率、高い生成物選択性、低環境汚染性など、多くの利点がある。GABA生合成の主要な経路は、L-グルタミン酸をグルタミン酸デカルボキシラーゼGADにより触媒する不可逆的な脱炭酸反応である。グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)は、リン酸ピリドキサール(PLP)を補因子としてグルタミン酸(Glu)を触媒してGABAを生成可能であり、GABA生産のための重要な酵素である。いくつかの国内外の文献には、コリネバクテリウム・グルタミカムによるGABAの生産についてすでに報告されており、2011年に研究者は初めて、コリネバクテリウム・グルタミカムにおいてラクトバチルス・ブレビスLb85由来のグルタミン酸デカルボキシラーゼの発現により、低濃度だが検出可能なGABAを生産することができることを報告した。また、大腸菌W3110のGadBを外因性で発現させることにより、組換えコリネバクテリウム・グルタミカムが最適化された発酵過程によって12.37g/LのGABAを産生可能なことが報告されている。Zhangらは組換えコリネバクテリウム・グルタミカムに基づいて、グルコースを用いて有効な直接生合成経路を開発し、高価なPLP補因子を添加する必要がなく、2段階pH制御スキームにより70時間発酵させた結果、GABAの生産量は70.6g/Lに達した。
【0004】
グルタミン酸デカルボキシラーゼは、グルタミン酸からのGABA生成を触媒し、この反応はプロトンを消費するため、環境のpHを上昇させ得る。多くのグルタミン酸デカルボキシラーゼは、pH4~5の範囲で最適な活性を示し、pH6を超えるとその活性が急激に低下し、pH7ではほとんど不活性化する。いくつかの研究では、中性pHでの活性を高める変異体が報告されているが、現在の研究では、グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体の最適pHは変化しておらず、ほとんどはpHが6より高い場合に酵素活性を高めることができず、pH7.0の条件では、まだほとんど不活性化される。
【0005】
現在、市販GABAの生産は、すべてグルタミン酸を前駆体とし、全細胞触媒又は酵素触媒によって行われるが、グルコースを直接発酵してGABAを生産することは、更にコスト面で優位性がある。グルタミン酸の生合成にはpH7.0の中性条件が必要であるが、GADの最適pHは4~5であり、pH7.0ではほとんど不活性化される。そのため、GABAの直接発酵の研究でも、一般的に2段階発酵法が使用されている。第1段階では、中性pH(pH7前後)の条件下でグルタミン酸を産生する。第2段階では、酸性pH(pH5程度)でGABAを産生する。1段階法によりGABAを生産する直接発酵に比べ、2段階法は、発酵時間が長くなり、生産量が少なく、コストが増加する。一般的な工業シャーシ菌株の中で、大腸菌などと比べて、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)は安全な生産菌株(GRAS:General Regarded As Safe)であり、これにより生産したGABAは、食品に適用できる。コリネバクテリウム・グルタミカムは優れたグルタミン酸生産菌でもあり、グルタミン酸はGABAの直接の前駆体であるため、コリネバクテリウム・グルタミカムは、GABAの大量生産に有望な菌株である。要するに、現在市場にあるグルタミン酸を基質とする全細胞触媒及び酵素触媒、あるいは2段階発酵は、1段階の直接発酵に比べてコストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のグルタミン酸デカルボキシラーゼのpHがGABAの1段階生産には適用できないことや、全細胞触媒、酵素触媒、2段階法でGABAを生産する場合のコストが高く、生産量が少なく、プロセスが複雑であることなどの欠点を解決するために、GABAバイオセンサー、該バイオセンサーによる指向性進化により得られるGAD酵素変異体、及びpH7.0の条件でグルコースから1段階でγ-アミノ酪酸を生産できるコリネバクテリウム・グルタミカムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、GABAバイオセンサーであって、
プロモーターPgabTDP、PgabR、レポーター遺伝子、gabR遺伝子を含有し;前記プロモーターPgabTDP、PgabR、レポーター遺伝子、gabR遺伝子は同一ベクター上又は同一ゲノムDNA上に位置し、前記バイオセンサーを構成し;前記PgabTDPはレポーター遺伝子の発現を調節し;前記PgabR及びPgabTDPは、GABA-GabRコンジュゲート結合部位の配列を有し、レポーター遺伝子の発現を調節し;前記プロモーターPgabTDPとプロモーターPgabRの転写方向が反対である、GABAバイオセンサーを提供する。
【0008】
一実施形態では、前記レポーター遺伝子は、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(mCherry)を含むが、これらに限定されない蛍光タンパク質遺伝子である。
【0009】
一実施形態では、前記プロモーターPgabTDPをコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO.5に示され、前記プロモーターPgabRをコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO.6に示され、前記gabR遺伝子をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO.7に示され、前記GABA-gabRコンジュゲート結合部位の配列はSEQ ID NO.8に示される。
【0010】
本発明はまた、γ-アミノ酪酸生産菌株の選択育成における前記バイオセンサーの使用を提供する。
【0011】
本発明はまた、SEQ ID NO.3に示されるグルタミン酸デカルボキシラーゼに基づき、下記の少なくとも1つの部位の変異が発生したグルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体を提供する:
(1)38番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(2)89番目のイソロイシンのバリンへの変異
(3)92番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(4)93番目のグルタミン酸のグルタミンへの変異
(5)118番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(6)153番目のセリンのスレオニン又はアラニンへの変異
(7)202番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(8)268番目のプロリンのスレオニンへの変異
(9)294番目のグルタミン酸のアルギニンへの変異
(10)301番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(11)355番目のフェニルアラニンのチロシンへの変異
(12)371番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(13)432番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異
(14)435番目のヒスチジンのグルタミンへの変異
(15)451番目のロイシンの終止コドンへの変異
(16)457番目のリジンの終止コドンへの変異
(17)461番目のチロシンの終止コドンへの変異
【0012】
一実施形態では、前記変異体は、SEQ ID NO.3に基づき、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0013】
一実施形態では、前記変異体は、120番目のスレオニンをアスパラギンに変異させ、436番目のロイシンをバリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0014】
一実施形態では、前記変異体は、120番目のスレオニンをバリンに変異させ、436番目のロイシンをアスパラギンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0015】
一実施形態では、前記変異体は、120番目のスレオニンをアラニンに変異させ、436番目のロイシンをセリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0016】
一実施形態では、前記変異体は、120番目のスレオニンをロイシンに変異させ、436番目のロイシンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0017】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0018】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0019】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0020】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0021】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0022】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0023】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0024】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0025】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0026】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミン酸に変異させ、355番目のフェニルアラニンをセリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0027】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをセリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をヒスチジンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0028】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0029】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをロイシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをバリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0030】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、268番目のプロリンをプロリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0031】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0032】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0033】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0034】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0035】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、153番目のセリンをメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0036】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをプロリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0037】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0038】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、153番目のセリンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0039】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをアラニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0040】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0041】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをチロシンに変異させ、268番目のプロリンをロイシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0042】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0043】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0044】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0045】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0046】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0047】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをプロリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0048】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをメチオニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0049】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0050】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをメチオニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0051】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをチロシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0052】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをロイシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0053】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをチロシンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをチロシンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0054】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをバリンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをセリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0055】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0056】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをプロリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0057】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをチロシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをバリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0058】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、153番目のセリンをセリンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをバリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0059】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをプロリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0060】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0061】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、93番目のグルタミン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをアラニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0062】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をセリンに変異させ、153番目のセリンをチロシンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをセリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0063】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアラニンに変異させ、153番目のセリンをメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをメチオニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0064】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0065】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0066】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアスパラギンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0067】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをグルタミンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0068】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをプロリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をロイシンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをロイシンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをメチオニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0069】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をチロシンに変異させ、153番目のセリンをアラニンに変異させ、268番目のプロリンをチロシンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0070】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをセリンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、435番目のヒスチジンをアスパラギンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0071】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアラニンに変異させ、153番目のセリンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをメチオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをプロリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをプロリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0072】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、93番目のグルタミン酸をセリンに変異させ、153番目のバリンをプロリンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをアラニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0073】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、268番目のプロリンをアラニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをメチオニンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0074】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをロイシンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0075】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをロイシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0076】
一実施形態では、前記変異体は、89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0077】
一実施形態では、前記変異体は、38番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、93番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、294番目のグルタミン酸をセリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをバリンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0078】
一実施形態では、前記変異体は、38番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、89番目のイソロイシンをセリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をチロシンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をプロリンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、294番目のグルタミン酸をアスパラギンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアラニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0079】
一実施形態では、前記変異体は、38番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をプロリンに変異させ、153番目のセリンをセリンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、294番目のグルタミン酸をチロシンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをセリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0080】
一実施形態では、前記変異体は、38番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、89番目のイソロイシンをグルタミンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、93番目のグルタミン酸をバリンに変異させ、153番目のセリンをアスパラギンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、268番目のプロリンをアスパラギンに変異させ、294番目のグルタミン酸をアラニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをグルタミンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、435番目のヒスチジンをロイシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0081】
一実施形態では、前記変異体は、38番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、89番目のイソロイシンをメチオニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をロイシンに変異させ、93番目のグルタミン酸をメチオニンに変異させ、153番目のセリンをロイシンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、268番目のプロリンをセリンに変異させ、294番目のグルタミン酸をプロリンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアスパラギンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、435番目のヒスチジンをチロシンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0082】
一実施形態では、前記変異体は、38番目のアスパラギン酸をメチオニンに変異させ、89番目のイソロイシンをアラニンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をグルタミンに変異させ、93番目のグルタミン酸をバリンに変異させ、153番目のセリンをメチオニンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をセリンに変異させ、268番目のプロリンをバリンに変異させ、294番目のグルタミン酸をロイシンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをアラニンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をバリンに変異させ、435番目のヒスチジンをバリンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させたものである。
【0083】
一実施形態では、前記変異体は、SEQ ID NO.3に基づき、38番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、89番目のイソロイシンをバリンに変異させ、92番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、93番目のグルタミン酸をグルタミンに変異させ、153番目のセリンをスレオニンに変異させ、202番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、268番目のプロリンをスレオニンに変異させ、294番目のグルタミン酸をアルギニンに変異させ、301番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、355番目のフェニルアラニンをチロシンに変異させ、432番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変異させ、435番目のヒスチジンをグルタミンに変異させ、かつ451番目のロイシンを終止コドンに変異させ、アミノ酸配列がSEQ ID NO.4に示される変異体D38N/I89V/D92N//E93Q/S153T/D202N/P268T/E294R/D301N/F355Y/D432N/H435Q/L451*として得られる。
【0084】
本発明はまた、前記変異体をコードする遺伝子を提供する。
【0085】
一実施形態では、前記変異体D38N/I89V/D92N//E93Q/S153T/D202N/P268T/E294R/D301N/F355Y/D432N/H435Q/L451*をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO.2に示される。
【0086】
本発明はまた、前記遺伝子を持つ発現ベクターを提供する。
【0087】
一実施形態では、前記発現ベクターは、pCES、pJC1、pAN6プラスミドを含むが、これらに限定されず、前記プラスミドpCESは、論文『Development of a high-copy-number plasmid via adaptive laboratory evolution of Corynebacterium glutamicum』、前記プラスミドpJC1、pAN6は、論文『Regulation of γ-aminobutyrate (GABA) utilization in Corynebacterium glutamicum by the PucR-type transcriptional regulator GabR and by alternative nitrogen and carbon sources』に開示されている。
【0088】
本発明はまた、前記グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体を発現させる組換え微生物細胞を提供する。
【0089】
一実施形態では、前記組換え微生物細胞は、細菌又は真菌細胞を宿主細胞とする。
【0090】
一実施形態では、前記組換え微生物は、組換えコリネバクテリウム・グルタミカムであり、宿主であるコリネバクテリウム・グルタミカムは、ATCC 13032、ATCC 13869を含むが、これらに限定されない。
【0091】
本発明はまた、pH7.0の条件下で高活性を有するGAD酵素変異体、及びグルコースを利用してγ-アミノ酪酸を1段階法で生産することができるコリネバクテリウム・グルタミカムを提供する。
【0092】
本発明は、GABAを1段階法で生産するための組換えコリネバクテリウム・グルタミカムであって、前記グルタミン酸デカルボキシラーゼを発現させており、下記の少なくとも1つの改良が行われた組換えコリネバクテリウム・グルタミカムを提供する:
(1)セリン/スレオニンプロテインキナーゼ遺伝子pknGをノックアウト又は欠失させること
(2)アミノトランスフェラーゼ遺伝子bioAをノックアウト又は欠失させ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼを過剰発現させること
(3)輸送タンパク質遺伝子gabPをノックアウト又は欠失させ、ピルビン酸カルボキシラーゼを過剰発現させること
(4)ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ遺伝子pckをノックアウト又は欠失させ、ピリドキサールキナーゼを過剰発現させること
(5)クエン酸シンターゼ遺伝子gltAの発現をプロモーターPgltAで増強すること
(6)オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ遺伝子odxをノックアウト又は欠失させること
(7)ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ遺伝子odhAを弱いRBSで発現させること
(8)乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子ldhをノックアウト又は欠失させ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼを過剰発現させること
(9)乳酸デヒドロゲナーゼ2遺伝子lldDをノックアウト又は欠失させ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子gdhの発現をプロモーターPtufで増強すること。
【0093】
一実施形態では、前記組換えコリネバクテリウム・グルタミカムは、(1)~(9)に示される改良を行った:
(1)セリン/スレオニンキナーゼ遺伝子pknGをノックアウト又は欠失させ、前記セリン/スレオニンキナーゼ遺伝子pknGによりコードされるアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAC00145.1に示される。
(2)アミノトランスフェラーゼ遺伝子bioAをノックアウト又は欠失させ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼを過剰発現させ、前記アミノトランスフェラーゼ遺伝子bioAによりコードされるアミノ酸配列はGenbank:BAB99997.1に示され、前記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼのアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAB98892.1に示され、前記グルタミン酸デヒドロゲナーゼのアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAB99472.1に示される。
(3)輸送タンパク質遺伝子gabPをノックアウト又は欠失させ、ピルビン酸カルボキシラーゼを過剰発現させ、前記輸送タンパク質遺伝子gabPによりコードされるアミノ酸配列はGenbank:BAB97874.1に示され、前記ピルビン酸カルボキシラーゼのアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAB98082.1に示される。
(4)ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ遺伝子pckをノックアウト又は欠失させ、ピリドキサールキナーゼを過剰発現させ、前記ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ遺伝子pckによりコードされるアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAC00257.1に示され、前記ピリドキサールキナーゼのアミノ酸配列はGenbank登録番号:WP_003641112.1に示される。
(5)クエン酸シンターゼ遺伝子gltAの発現をプロモーターPgltAで増強し、前記プロモーターPgltAのヌクレオチド配列はSEQ ID NO.6に示され、前記クエン酸シンターゼ遺伝子gltAによりコードされるアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAB98222.1に示される。
(6)オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ遺伝子odxをノックアウト又は欠失させ、前記オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ遺伝子odxによりコードされるアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAB98683.1に示される。
(7)ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ遺伝子odhAを弱いRBSで発現させ、前記弱いRBSの配列はCTCACCCACGAGTTCAATAACTAGGであり、前記ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ遺伝子odhAによりコードされるアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAB98522.1に示される。
(8)乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子ldhをノックアウト又は欠失させ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼを過剰発現させ、前記乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子ldhによりコードされるアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAC00305.1に示され、前記イソクエン酸デヒドロゲナーゼのアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAB98057.1に示される。
(9)乳酸デヒドロゲナーゼ2遺伝子lldDをノックアウト又は欠失させ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子gdhの発現をプロモーターPtufで増強し、前記プロモーターPtufで増強されたヌクレオチド配列はSEQ ID NO.5に示され、前記乳酸デヒドロゲナーゼ2遺伝子lldDによりコードされるアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAC00312.1に示され、前記グルタミン酸デヒドロゲナーゼのアミノ酸配列はGenbank登録番号:BAB99472.1に示される。
【0094】
本発明はまた、前記組換えコリネバクテリウム・グルタミカムを用いてγ-アミノ酪酸を1段階法で生産する方法であって、前記組換えコリネバクテリウム・グルタミカムを発酵培地に接種して、少なくとも40h発酵させる方法を提供する。
【0095】
一実施形態では、前記発酵培地は、コリネバクテリウム・グルタミカムにより利用可能な単糖、多糖又はこれらの混合物を炭素源とし、これらの糖は、グルコース、フルクトース、スクロース、糖蜜などを含むが、これらに限定されない。
【0096】
一実施形態では、前記方法においては、グルタミン酸又はグルタミン酸塩を生産前駆体として添加しないため、生育後に菌体を収集して形質転換することなく、そのままグルコースを含む炭素源から1段階で発酵させてγ-アミノ酪酸を生産することができ、発酵過程においてpHを7.0±0.5に制御し、前記組換えコリネバクテリウム・グルタミカムで発酵させて、発酵温度を28~30℃に制御して、少なくとも40h発酵させる。
【0097】
一実施形態では、前記発酵培地は、グルコース100g/L、硫酸アンモニウム12g/L、硫酸マグネシウム0.87g/L、コーンシロップ3ml/L、リン酸0.4ml/L、塩化カリウム0.53g/L、硫酸第一鉄120mg/L、硫酸マンガン120mg/L、ニコチンアミド42mg/L、パントテン酸カルシウム6.3mg/L、微生物B16.3mg/L、ビオチン0.05mg/Lを含有する。
【0098】
一実施形態では、発酵過程においてまた、pHを7.0±0.2に制御する。
【0099】
一実施形態ではまた、発酵温度を30℃、溶存酸素を30%に制御する。
【0100】
本発明はまた、γ-アミノ酪酸含有製品の生産における、前記グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体、前記コリネバクテリウム・グルタミカム又は前記方法の使用を提供する。
【発明の効果】
【0101】
有利な効果は以下のとおりである:
(1)本発明で構築されたGABAバイオセンサーは、原核生物において初めて構築されたGABAバイオセンサーであり、GABA濃度が向上するに伴い、その蛍光シグナルが強くなり、GABA生産菌株の効率的な選択育成に有利である。
(2)本発明で提供されるグルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体は、pH6.0~7.5条件での活性を大幅に向上させ、pH7.0では比酵素活性が10.29 U/mgと高い。
(3)本発明は、γ-アミノ酪酸の生産に有用なコリネバクテリウム・グルタミカムシャーシ細胞を構築しており、グルタミン酸デカルボキシラーゼGAD酵素変異体を過剰発現させることにより、組換えコリネバクテリウム・グルタミカムがpH7.0の条件下でグルコースから1段階法で発酵してGABAを生産する場合の生産量を向上させ、GABA生産量を今まで報告された最高値である114g/Lにし、しかも、コストを大幅に削減し、GABAの生産コストをグルタミン酸の生産コストよりも低くする。
【図面の簡単な説明】
【0102】
図1】バイオセンサーの構築である。
図2】GABAの代謝と合成経路、及び関与している遺伝子である。GAD:グルタミン酸デカルボキシラーゼ、GabT:γ-アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ、GabD:コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、GabP:GABA特異的輸送タンパク質、ODHC:α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体、PknG:セリン/スレオニンキナーゼ、PEPC:ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、PC:ピルビン酸カルボキシラーゼ、GDH:グルタミン酸デヒドロゲナーゼ。
図3】各世代の菌を改変してGABAを振盪フラスコで生産する場合の生産量である。
図4】グルタミン酸デカルボキシラーゼの指向性進化方法である。
図5】GAD変異ライブラリーの構築、及びフローサイトメーターFACSによる選別試験結果である。
図6】野生型グルタミン酸デカルボキシラーゼ及び変異体GAD MUT12の比酵素活性のアッセイである。
図7】FF10発現グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体(a)又はFF10発現野生型グルタミン酸デカルボキシラーゼ(b)のエンジニアリング細菌を用いて1段階法で発酵させてGABAを生産する。
【発明を実施するための形態】
【0103】
培地:
CGXII培地:グルコース 50g/L、(NHSO 20g/L、尿素 5g/L、KHPO 1g/L、KHPO 1g/L、MgSO・7HO 0.25g/L、CaCl・2HO 13.3mg/L、MOPS 42g/L、ビオチン 0.2mg/L、微量元素溶液 1ml/Lを含み、KOHでpHを7.0に調整し、ここで、微量元素溶液は、FeSO・7HO 10g/L、MnSO・1HO 10g/L、ZnSO・7HO 1g/L、CuSO・5HO 313mg/L、NiCl・6HO 20mg/Lを含む。
発酵培地:グルコース100g/L、硫酸アンモニウム12g/L、硫酸マグネシウム0.87g/L、コーンシロップ3ml/L、リン酸0.4ml/L、塩化カリウム0.53g/L、硫酸第一鉄120mg/L、硫酸マンガン120mg/L、ニコチンアミド42mg/L、パントテン酸カルシウム6.3mg/L、微生物B6.3mg/L、ビオチン0.5mg/L。
【0104】
検出方法:
グルタミン酸デカルボキシラーゼの測定:高速液体クロマトグラフィーによりGABA含有量を検出し(方法は2020年に開示された論文『Regulation of γ-aminobutyrate (GABA) utilization in Corynebacterium glutamicum by the PucR-type transcriptional regulator GabR and by alternative nitrogen and carbon sources』を参照)、GABA含有量からグルタミン酸デカルボキシラーゼの酵素活性を算出する。1分あたり1μMのGABAを生成するのに必要な酵素量を1酵素活性単位(U)として定義する。比酵素活性は、タンパク質1mgあたりのグルタミン酸デカルボキシラーゼのU量を表す。
【0105】
実施例1 GABAバイオセンサーの構築
GABAバイオセンサーの設計:図1に示すように、プロモーターPgabTDP、PgabR、レポーター遺伝子、gabR遺伝子を含有する。前記プロモーターPgabTDP、PgabR、レポーター遺伝子、gabR遺伝子は同一ベクター上又はゲノム上に位置し、前記バイオセンサーを構成し、前記PgabTDPは、レポーター遺伝子の発現を調節し、前記PgabR及びPgabTDPはGABA-GabRコンジュゲート結合部位の配列を有し、レポーター遺伝子の発現を調節し、前記プロモーターPgabTDPとプロモーターPgabRの転写方向が反対である。前記プロモーターPgabTDPをコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO.5に示され、前記プロモーターPgabRをコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO.6に示され、前記gabR遺伝子(cg0565)をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO.7に示され、前記GABA-gabRコンジュゲート結合部位の配列はSEQ ID NO.8に示される。
GABAバイオセンサーの作動原理:GABAが調節タンパク質GabRに結合され、形成されたコンジュゲートがSEQ ID NO.8に示される部位に結合され、これにより、プロモーターPgabTDPは転写を開始させ、レポーター遺伝子の発現を調節する。スーパーフォルダー緑色蛍光タンパク質(sfgfp)を例にすると、菌株の生育環境でGABAが生成されると、gabTDPプロモーターは転写を開始させ、緑色蛍光タンパク質が生成され、プロモーターPgabTDPはさまざまな濃度のGABAに応答して、さまざまな強度の緑色蛍光タンパク質の発現を調節することができ、蛍光を検出することによりGABA生産量が多い菌株がスクリーニングされる。
GABAバイオセンサーのゲノムでの構築:プロモーターPgabR及びgabR遺伝子(cg0565)はコリネバクテリウム・グルタミカムのゲノム上に位置する。Pk18mobsacBプラスミドを骨格、コリネバクテリウム・グルタミカムのゲノムをテンプレートとして、gabTD遺伝子の上下流1000 bpの相同アームをそれぞれクローニングして、sfgfp遺伝子とともにΔgabTDノックアウトフレームを構築し、ノックアウトフレームとPk18mobsacB骨格をGibson方法で連結し、Pk18mobsacB-ΔgabTD::sfgfp プラスミドを構築した。次に、Pk18mobsacB-ΔgabTD::sfgfpを大腸菌DH5αコンピテント細胞に形質導入し、検証の結果、正しいプラスミドをPk18mobsacb-ΔgabTD::sfgfpとして命名した。Pk18mobsacB-ΔgabTD::sfgfpプラスミドをコンピテントコリネバクテリウム・グルタミカムATCC 13032に形質転換した。まず、カナマイシン耐性により選択し、次に、スクロース耐性により選択することにより、2回目の組換えを行った。コロニーPCRによりsfgfpがgabTDを置き換え、GABAバイオセンサーを含む組換えコリネバクテリウム・グルタミカムが構築されたことを確認し、これをFF1と命名した。
【0106】
実施例2 γ-アミノ酪酸を生産するコリネバクテリウム・グルタミカムのエンジニアリング菌株のシャーシ細胞の構築
図2は、GABAの合成経路及び代謝経路である。その代謝経路及びいくつかの分岐経路をノックアウトして、合成経路におけるいくつかの重要な遺伝子の発現を増強し、γ-アミノ酪酸を合成し得るコリネバクテリウム・グルタミカムを構築した。具体的には、次のとおりである。
(1)組換えプラスミドpK18-ΔpknGを構築し、セリン/スレオニンキナーゼ PknGをノックアウトし、α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体(ODHC)の活性をさらに低下させ、次に、コリネバクテリウム・グルタミカムゲノムをテンプレートとし、pknG遺伝子の上下流1000 bpの相同アームをそれぞれクローニングし、Pk18mobsacB骨格とGibson方法で連結し、得た組換えプラスミドpK18-ΔpknGを実施例1で構築されたFF1に形質転換し、組換えて、菌株FF1/ΔpknGを得て、FF2と命名した。
(2)アミノトランスフェラーゼBioAをノックアウトし、また、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)の発現を増強し、すなわち、コリネバクテリウム・グルタミカムゲノムをテンプレートとして、bioA遺伝子(Genbank登録番号:BAB99997.1)の上下流1000 bpの相同アームをそれぞれクローニングし、プロモーターを含むホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(Genbank登録番号:BAB98892.1)のコード遺伝子pepcとプロモーターを含むグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(Genbankd登録番号:BAB99472.1)遺伝子gdhをクローニングし、bioA遺伝子の上下流の相同アームの間に構築し、Pk18mobsacB骨格とGibson方法で連結し、組換えプラスミドpK18-ΔbioA::pepc+gdhを構築し、組換えプラスミドpK18-ΔbioA::pepc+gdhを菌株FF2コンピテント細胞に形質転換し、組換えて、菌株FF2/ΔbioA::pepc+gdhを得て、FF3と命名した。
(3)上記と同じスキームに従って、組換えプラスミドpK18-ΔgabP::pycを構築し、GABAの細胞内輸送タンパク質GabP(Genbank登録番号:BAB97874.1)をノックアウトし、ピルビン酸カルボキシラーゼPYC(Genbank登録番号:BAB98082.1)の発現を増強し、構築した組換えプラスミドpK18-ΔgabP::pycをFF3コンピテント細胞に形質転換し、組換えて、菌株FF3/ΔgabP::pycを得て、FF4と命名した。
(4)上記と同じスキームに従って、組換えプラスミドpK18-Δpck::plkを構築し、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼPCK(Genbank登録番号:BAC00257.1)をノックアウトし、ピリドキサールキナーゼplk(Genbank登録番号:WP_003641112.1)を過剰発現させて、補酵素PLPの合成を増強し、構築した組換えプラスミドpK18-Δpck::plkをFF4コンピテント細胞に形質転換し、組換え菌株FF4/Δpck::plkを得て、FF5と命名した。
(5)上記と同じスキームに従って、組換えプラスミドpK18-PgltAgltAを構築し、SEQ ID NO.10に示されるプロモーターPgltAでクエン酸シンターゼGltA(Genbank登録番号:BAB98222.1)の発現を増強し、構築した組換えプラスミドpK18-PgltAgltAをFF5コンピテント細胞に形質転換し、組換えて、菌株FF5 PgltAgltAを得て、FF6と命名した。
(6)上記と同じスキームに従って、組換えプラスミドpK18-Δodx::wRBSodhA、ノックアウトオキサロ酢酸デカルボキシラーゼODX(Genbank登録番号:BAB98683.1)を構築し、弱いRBSを持つケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ遺伝子OdhAをODXの位置に置き換え、弱いRBSの配列はCTCACCCACGAGTTCAATAACTAGGであった。組換えプラスミドpK18-Δodx::wRBSodhAをFF6コンピテント細胞に形質転換し、組換えて、菌株FF6 Δodx::wRBSodhAを得て、FF7と命名した。
(7)上記と同じスキームに従って、組換えプラスミドpK18-ΔodhAを構築し、コリネバクテリウム・グルタミカムに固有のケトグルタル酸デヒドロゲナーゼOdhA(Genbank登録番号:BAB98522.1)をノックアウトし、組換えプラスミドpK18-ΔodhAをFF7コンピテント細胞に形質転換し、組換えて、菌株FF7 ΔodhAを得て、FF8と命名した。
(8)上記と同じスキームに従って、組換えプラスミドpK18-Δldh::icdを構築し、乳酸デヒドロゲナーゼLDH(Genbank登録番号:BAC00305.1)をノックアウトし、イソクエン酸デヒドロゲナーゼICD(Genbank登録番号:BAB98057.1)の発現を増強し、組換えプラスミドpK18-Δldh::icdをFF8コンピテント細胞に形質転換し、組換えて、菌株FF8 Δldh::icdを得て、FF9と命名した。
(9)上記と同じスキームに従って、組換えプラスミドpK18-Δlldd::Ptufgdhを構築し、乳酸デヒドロゲナーゼ2 LldD(Genbank登録番号:BAC00312.1)をノックアウトし、SEQ ID NO.9に示されるプロモーターPtufでグルタミン酸デヒドロゲナーゼGDH(Genbank登録番号:BAB99472.1)の発現を増強し、組換えプラスミドpK18-Δlldd::PtufgdhをFF9コンピテント細胞に形質転換し、組換えて、菌株FF9 Δlldd::Ptufgdhを得て、FF10と命名した。
CGXII培地を用いて、振盪フラスコ中でFF1~FF10をそれぞれ発酵し、接種後の菌株の初期ODを0.2、発酵温度を30℃、pHを7.0に制御して、72時間発酵させた。図3に示すように、世代ずつ改良するに伴い、GABAの生産量が増加していき、最終的には、FF10の生産量は、初期FF1の17倍である9.18 g/Lになった。
【0107】
実施例3 グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体、組換えプラスミド、及び組換え菌の構築
Error prone PCR法により、GADに指向性進化を行い、実施例1で構築したGABAバイオセンサーにより、中性pHで活性を有するGADをスクリーニングした。GABAの細胞内輸送タンパク質GabPをノックアウトし、細胞外のGABA濃度が蛍光に与える影響を解消し、生成させた蛍光強度が生産されたGABAの濃度を表すようにした。指向性進化方法を図4に示す。
グルタミン酸デカルボキシラーゼの最も好適な遺伝子配列をスクリーニングするために、増幅プライマーを設計した。
GADF: CTTGGTTGGTAGGAGTAGCATGGGATCCATGCCTCAATGGCATCCGCATCGTGA、
GADR: CTACTGCCGCCAGGCAGCGGCCGCTTAATGATGAAATCCATTGTCCTATTTC
バチルス・メガテリウム(Bacillus magaterium)CICC 10055ゲノムをテンプレートとして、Error prone PCR法により約25回の増幅を行い、SEQ ID NO.1に示される野生型グルタミン酸デカルボキシラーゼ遺伝子のランダム変異ライブラリーを得て、増幅産物をDNA精製キットで精製した後、GibsonによりError prone PCR法増幅産物及びプラスミドpCES(プラスミドは、論文『Development of a high-copy-number plasmid via adaptive laboratory evolution of Corynebacterium glutamicum』に開示されている)のバックボーン断片を連結し、E.coli DH5αに形質転換し、変異プラスミドを構築した。その後、変異プラスミドを、実施例2で構築したGABAバイオセンサーを含むコリネバクテリウム・グルタミカムFF5に形質導入し、GAD変異ライブラリーを含む菌株FF5を、GABA産生に適したCGXII培地中で、30℃で30時間培養した後、緑色蛍光タンパク質シグナルに基づいて、フローサイトメーターFACSにより、緑色蛍光効果が最も高い変異菌株をスクリーニングし、高速液体HPLCによりGABA生産量を検出し、さらに再スクリーニングして、酵素活性が向上した変異株を特定した。変異株の遺伝子配列について配列解析を行い、GABAの生産量及び変異部位との相関情報を得た。GAD変異ライブラリーの構築及びFACS選別試験は図5に示される。GADの変異ライブラリーは培養後の蛍光がより強く、しかも、選別によりこれらの強い蛍光の変異体が得られ、このことから、変異ライブラリーを構築し、蛍光が向上したこれらの変異菌株を選別できることが明らかになった。
【0108】
実施例4 グルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体の試験
実施例3で構築したGAD変異体を含む組換えコリネバクテリウム・グルタミカムを、10g/Lグルタミン酸ナトリウムが添加されたCGXII培地を含む振盪フラスコにおいて、pH7.0、30℃で40時間振盪培養した後、GABAの生産量を検出した。FF1において野生型GAD(GAD WT)を発現させた菌株を対照とし、その結果、表1に示すように、野生型グルタミン酸デカルボキシラーゼを発現させた組換え菌は、GABA生産量が極めて低く、一方、変異体は、このような条件で、すべてより多くのGABAを産生することができ、その中でも、第38位、51位、68位、89位、92位、93位、96位、118位、120位、121位、153位、186位、202位、206位、268位、294位、301位、355位、371位、432位、436位、451位、457位、459位、461位又は467位のうちの1つ又は複数の変異を持つ変異体は、いずれもGABA含有量が野生型GADよりも上昇し、複数の部位変異を持つ変異体GAD MUT 128(アミノ酸配列はSEQ ID NO.4に示される)は、生産量が高く、野生型の36倍である5.12g/Lになった。
GAD変異体GAD MUT128をpETプラスミドに再度構築し、大腸菌BL21(DE3)に形質転換した後、LB培地にて37℃で振盪培養した。OD600が0.6~0.8に達すると、最終濃度0.2mMのイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を加えて遺伝子発現を誘導した。25℃で8時間誘導後、遠心分離により細胞を収集した。収集した細胞を結合バッファ(20 mM Tris-HCl [pH 7.8]、500 mM塩化ナトリウム及び10 mMイミダゾール)に再懸濁させ、次に、超音波で破砕した。破砕した上清を収集し、ニッケルアフィニティークロマトグラフィーによりGADを精製した。精製後のタンパク質を HisTrap HP 5-ml脱塩カラムで脱塩した。ラウリル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)によりタンパク質の精製品質を検出した。ウシ血清アルブミンを基準にして、Bradford法によりタンパク質の濃度を測定した。精製後、グルタミン酸を基質、PLPを補酵素として、pH7.0の条件下でGADの活性を測定した。酵素を添加することで反応を開始させ、水素化ナトリウムを添加することで反応を終了し、対応するGABAの生産量を検出した。その結果、表1及び図6に示すように、グルタミン酸デカルボキシラーゼ野生型(GAD WT)は、pH7.0の条件下で比酵素活性が0.84 U/mgであり、一方、本発明で構築されたグルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体D38N/I89V/D92N/E93Q/S153T/D202N/P268T/E294R/D301N/F355Y/D432N/H435Q/L451*(GAD MUT128)は、比酵素活性が10.29 U/mgで、野生型と比べて12.25倍向上した。
【0109】
実施例5 コリネバクテリウム・グルタミカムのエンジニアリング菌株を用いた発酵によるγ-アミノ酪酸生産
実施例3のスキームに従って得られた、変異体MUT128コード配列を持つ発現ベクターpCES-GAD MUT12を、実施例2で構築されたコリネバクテリウム・グルタミカムのエンジニアリング菌株FF10に形質転換し、グルコースを1段階法で発酵させてγ-アミノ酪酸を生産した。菌株FF10においてグルタミン酸デカルボキシラーゼ野生型(GAD WT)を発現させた菌株を対照とした。
菌株FF10 pCES-GAD MUT12をBHIS培地、30℃で24時間培養して、シード液を得た。発酵培地500mLを1L発酵槽に加え、10%の播種率で発酵タンクに播種し、発酵温度を30℃、溶存酸素を30%にして、アンモニア水を用いてpHを7.0±0.2に調整した。
グルタミン酸デカルボキシラーゼ野生型(GAD WT)を対照として、2段階法で発酵させ、まず、発酵培地にて初期pH7.0で発酵させて、グルタミン酸を生産し、発酵が76時間進んだ後、pHが5.5に下がり、168hまでは、発酵により27g/LのGABAが生産された。図7に示すように、FF10を宿主としてグルタミン酸デカルボキシラーゼ変異体(GAD MUT12)を発現させた菌株で168時間発酵させた場合、GABAの生産量は対照菌株の4.2倍を超える114g/Lに達し、現在までに報告された最大値でもある。
【0110】
本発明は好適な実施例を以上のように開示したが、これらは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、さまざまな変更や修正を行うことができ、よって、本発明の特許範囲は特許請求の範囲により定められる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【配列表】
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【国際調査報告】