(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】インヘイラー
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559054
(86)(22)【出願日】2023-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 KR2023007575
(87)【国際公開番号】W WO2024005389
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0081053
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ ヘオン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジャエ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミ ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミンセオク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヨンミ
(72)【発明者】
【氏名】ジェオウン、エウンミ
(72)【発明者】
【氏名】チュン、タエ ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、セウン キュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン スン
(57)【要約】
一実施例によるインヘイラーは、一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面とを連結する複数の側面を備えるハウジング;前記ハウジングの一面に配置されるマウスピース;前記マウスピースと連通され、吸入可能な組成物が貯蔵される貯蔵所;および、前記貯蔵所に貯蔵される前記吸入可能な組成物を収容し、前記貯蔵所に対して開閉可能に連結されるキャニスタ;を含み、前記キャニスタは、前記ハウジング内部で前記貯蔵所に脱着可能に結合されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面とを連結する複数の側面を備えるハウジング;
前記ハウジングの一面に配置されるマウスピース;
前記マウスピースと連通され、吸入可能な組成物が貯蔵される貯蔵所;および
前記貯蔵所に貯蔵される前記吸入可能な組成物を収容し、前記貯蔵所に対して開閉可能に連結されるキャニスタ;
を含み、
前記キャニスタは、前記ハウジング内部で前記貯蔵所に脱着可能に結合される、インヘイラー。
【請求項2】
前記マウスピースから前記貯蔵所まで延長されるノズル;および
前記ノズルの内部に移動可能に配置されるニードルバルブ;
をさらに含み、
前記マウスピースに吸入力が加えられないと、前記ニードルバルブは前記ノズルが密閉される第1状態で維持され、
前記マウスピースを通じて吸入力が加えられると、前記ニードルバルブは前記ノズルが開放される第2状態に切り替えられる、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項3】
前記ノズルの一側に固定式で設置されるシーリング部材をさらに含み、
前記第1状態で前記ニードルバルブの先端と前記ノズルとの間に第1間隔が形成され、前記ニードルバルブの下端は前記シーリング部材と接し、
前記第2状態で前記ニードルバルブの先端と前記シーリング部材との間に第2間隔が形成される、請求項2に記載のインヘイラー。
【請求項4】
一側が前記ハウジングの一部を構成し、他側が前記キャニスタの底面および前記ハウジングの他面の間に移動可能なレバーをさらに含み、
前記レバーが加圧されると、前記レバーの一側は前記キャニスタに向かう第1方向に移動され、前記レバーの他側は前記キャニスタを前記貯蔵所に向かう第2方向に移動されるように加圧する、請求項1から3の何れか1つに記載のインヘイラー。
【請求項5】
前記キャニスタと離隔配置されるように前記貯蔵所に設置され、前記貯蔵所が外部に対して開閉されるように作動するリリーフ弁をさらに含み、
前記レバーは、前記リリーフ弁が先に開放された後、前記キャニスタが開放されるように制御する、請求項4に記載のインヘイラー。
【請求項6】
前記キャニスタおよび前記レバーの間に回転可能に配置されたカウンタをさらに含み、
前記カウンタは、前記レバーの作動によって一定の角度で回転して前記キャニスタ内の前記吸入可能な組成物の残余量を知らせる、請求項4に記載のインヘイラー。
【請求項7】
一側が前記ハウジングに回転可能に結合され、他側が前記キャニスタの底面の対応する位置に脱着可能に結合されるカバー;および
前記カバーの一側に隣接して配置され、前記カバーの回転を制限するロック位置または前記カバーの回転を許容するアンロック位置でスライド移動可能なカバーロック;
をさらに含み、
前記カバーロックは、アンロック位置で前記リリーフ弁を開放させる、請求項5に記載のインヘイラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
インヘイラーが開示される。
【背景技術】
【0002】
一般的にインヘイラーは、吸入する過程において薬物などの組成物を液体またはガスの状態で口腔または鼻腔を通じて吸入させるのに使用される器具である。このようなインヘイラーは、吸入可能な組成物を収容する容器を備え、組成物は、細管を通じて容器から最終的に吸入口を通じて口腔または鼻腔に噴射されてユーザに吸入されることになる。
【0003】
前述の背景技術は、発明者が本願の開示内容を導き出す過程で保有、または習得したものであり、必ずしも本出願前に一般公衆に公開された公知の技術であるとは言えない。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]大韓民国登録特許公報第10-2021229号(2019.09.11.公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施例による目的は、エアロゾルの形成および噴射量の調節が容易であり、キャニスタ一体型のため再充填および吸入が便利であり、キャニスタの交換が容易なインヘイラーを提供することである。
【0005】
一実施例による目的は、脱着および洗浄が便利なマウスピースを適用することで衛生問題を解決し、充填レバー、リリーフ弁、カウンタなど様々なユーザの便宜を考慮したインヘイラーを提供することである。
【0006】
実施例において解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに別の課題は、以下の記載から当業者には明確に理解されるあろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための一実施例によるインヘイラーは、一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面とを連結する複数の側面を備えるハウジング;前記ハウジングの一面に配置されるマウスピース;前記マウスピースと連通され、吸入可能な組成物が貯蔵される貯蔵所;および、前記貯蔵所に貯蔵される前記吸入可能な組成物を収容し、前記貯蔵所に対して開閉可能に連結されるキャニスタ;を含み、前記キャニスタは、前記ハウジング内部で前記貯蔵所に脱着可能に結合されることができる。
【0008】
一側面によれば、前記マウスピースから前記貯蔵所まで延長されるノズル;および、前記ノズルの内部に移動可能に配置されるニードルバルブ;をさらに含み、前記マウスピースに吸入力が加えられないと、前記ニードルバルブは前記ノズルが密閉される第1状態で維持され、前記マウスピースを通じて吸入力が加えられると、前記ニードルバルブは前記ノズルが開放される第2状態に切り替えられてもよい。
【0009】
一側面によれば、前記ノズルの一側に固定式で設置されるシーリング部材をさらに含み、前記第1状態で前記ニードルバルブの先端と前記ノズルとの間に第1間隔が形成され、前記ニードルバルブの下端は前記シーリング部材と接し、前記第2状態で前記ニードルバルブの先端と前記シーリング部材との間に第2間隔が形成されてもよい。
【0010】
一側面によれば、一側が前記ハウジングの一部を構成し、他側が前記キャニスタの底面および前記ハウジングの他面の間に移動可能なレバーをさらに含み、前記レバーが加圧されると、前記レバーの一側は前記キャニスタに向かう第1方向に移動され、前記レバーの他側は前記キャニスタを前記貯蔵所に向かう第2方向に移動されるように加圧してもよい。
【0011】
一側面によれば、前記キャニスタと離隔配置されるように前記貯蔵所に設置され、前記貯蔵所が外部に対して開閉されるように作動するリリーフ弁をさらに含み、前記レバーは、前記リリーフ弁が先に開放された後、前記キャニスタが開放されるように制御してもよい。
【0012】
一側面によれば、前記キャニスタおよび前記レバーの間に回転可能に配置されたカウンタをさらに含み、前記カウンタは、前記レバーの作動によって一定の角度で回転して前記キャニスタ内の前記吸入可能な組成物の残余量を知らせてもよい。
【0013】
一側面によれば、一側が前記ハウジングに回転可能に結合され、他側が前記キャニスタの底面の対応する位置に脱着可能に結合されるカバー;および、前記カバーの一側に隣接して配置され、前記カバーの回転を制限するロック位置または前記カバーの回転を許容するアンロック位置でスライド移動可能なカバーロック;をさらに含み、前記カバーロックは、アンロック位置で前記リリーフ弁を開放させてもよい。
【発明の効果】
【0014】
一実施例によるインヘイラーによると、エアロゾルの形成および噴射量の調節が容易であり、キャニスタ一体型のため再充填および吸入が便利であり、キャニスタの交換が容易な効果がある。
【0015】
一実施例によるインヘイラーによると、脱着および洗浄が便利なマウスピースを適用することで衛生問題を解決し、充填レバー、リリーフ弁、カウンタなど様々なユーザの便宜を提供する効果がある。
【0016】
一実施例によるインヘイラーの効果は、以上で言及したものなどに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施例によるインヘイラーの斜視図である。
【
図2】一実施例によるインヘイラーの断面図である。
【
図3】一実施例によるインヘイラーの断面図である。
【
図4】第1状態および第2状態のインヘイラーを示す。
【
図5】レバーが加圧されていない状態の一実施例によるインヘイラーの断面図である。
【
図6】レバーが加圧された状態の一実施例によるインヘイラーの断面図である。
【
図7】レバーと連動して作動するリリーフ弁を示す。
【
図8】一実施例によるインヘイラーの後方斜視図である。
【
図10】レバーが加圧されるときに回転されるカウンタを示す。
【
図11】キャニスタが取り外されるときに元の位置に戻るカウンタを示す。
【
図12】一実施例によるインヘイラーのカバーおよびカバーロックを示す。
【
図13】バーロックがロック位置にある一実施例によるインヘイラー10を示す。
【
図14】カバーロックがアンロック位置にある一実施例によるインヘイラーを示す。 本明細書に添付された以下の図面は、本発明の好ましい一実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるので、本発明はそのような図面に記載された事項だけに限定して解釈されてはならない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施例を例示的な図面を通じて詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付ける場合において、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同一の符号になるようにしていることに留意されたい。また、実施例の説明において、関連する公知構成または機能に対する具体的な説明が実施例に対する理解を妨げると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0019】
また、実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することがある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけであり、その用語によって該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載した場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結され、または接続され得るが、各構成要素の間にさらに別の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されることもあり得ると理解されるべきである。
【0020】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を用いて説明することとする。断りのない限り、いずれかの実施例に記載した説明は他の実施例にも適用可能であり、重複される範囲で具体的な説明は省略する。
【0021】
図1は、一実施例によるインヘイラー10の斜視図である。
【0022】
図2は、一実施例によるインヘイラー10の断面図である。
【0023】
図3は、一実施例によるインヘイラー10の断面図である。
【0024】
図4は、第1状態および第2状態のインヘイラー10を示す。
【0025】
図5は、レバー300が加圧されていない状態の一実施例によるインヘイラー10の断面図である。
【0026】
図6は、レバー300が加圧された状態の一実施例によるインヘイラー10の断面図である。
【0027】
図7は、レバー300と連動して作動するリリーフ弁700を示す。
【0028】
図8は、一実施例によるインヘイラー10の後方斜視図である。
【0029】
図9は、レバー300と連動して作動するカウンタ900を示す。
【0030】
図10は、レバー300が加圧されるときに回転されるカウンタ900を示す。
【0031】
図11は、キャニスタ200が取り外されるときに元の位置に戻るカウンタ900を示す。
【0032】
図12は、一実施例によるインヘイラー10のカバー500およびカバーロック600を示す。
【0033】
図13は、カバーロック600がロック位置にある一実施例によるインヘイラー10を示す。
【0034】
図14は、カバーロック600がアンロック位置にある一実施例によるインヘイラー10を示す。
【0035】
図1を参照して、一実施例によるインヘイラー10は、ハウジング101およびマウスピース102を含む。
【0036】
ハウジング101は、一面に形成された第1面、前記第1面と対向する第2面、および前記第1面と第2面とを連結する複数の側面を含む。ハウジング101の第1面は、例えばハウジング101の上部に位置する面であり、第2面は、例えばハウジング101の底面である。以下においては、第2面から第1面に向かう方向を第1方向と定義し、第1面から第2面に向かう方向を第2方向と定義する。
【0037】
マウスピース102は、前記ハウジング101の第1面に配置されてもよい。ユーザは、マウスピース102を通じてインヘイラー10に収容されている吸入可能な組成物を吸入することができる。このとき、ユーザは、組成物を、例えばエアロゾル状態で吸入することができ、粉末などの形態でも吸入することができる。以下においては、吸入可能な組成物をエアロゾル状態で噴射するインヘイラー10を例として、一実施例によるインヘイラー10を説明することにする。
【0038】
図1および
図2を参照して、貯蔵所103は、ハウジング101の内部に配置されてもよい。貯蔵所103には、キャニスタ200の一側が連結されており、キャニスタ200に収容されていた吸入可能な組成物が貯蔵所103に移動して貯蔵されることができる。また、貯蔵所103に貯蔵されている吸入可能な組成物は、ユーザがマウスピース102を通じて吸入力を加えることによってエアロゾル状態でマウスピース102を通じて排出されるので、貯蔵所103に貯蔵された吸入可能な組成物は、徐々に消耗される。貯蔵所103内に貯蔵された組成物は、ユーザがマウスピース102に吸入力を加えることによってエアロゾル状態で噴射され、このとき、吸入力によって貯蔵所103を開閉するインヘイル連動バルブ105が作動し、インヘイル連動バルブ105の開閉動作は、ピストン106によって制御されてもよい。
【0039】
キャニスタ200は、ハウジング101の内部に取り付けられてもよい。このとき、キャニスタ200は、ハウジング101の内部に交換可能に取り付けられてもよい。また、キャニスタ200は、内部に吸入可能な組成物を収容してもよい。キャニスタ200の組成物は、貯蔵所103の内部に一定量が充填されてもよい。
【0040】
レバー300は、貯蔵所103内部へキャニスタ200に収容された組成物を充填するために、ユーザにより加圧されてもよい。レバー300は、ハウジング101の一側面を構成してもよく、第2面と隣接して位置してもよい。ユーザがレバー300を加圧すると、レバー300がキャニスタ200の底面を押し上げてキャニスタ200の噴射口220が貯蔵所103と連通され、噴射口220を通じて組成物がキャニスタ200から貯蔵所103に移動することができる。
【0041】
以下においては、レバー300が位置するハウジング101の一側面からキャニスタ200に向かう方向を第1方向と定義し、前記ハウジング101の第2面から第1面に向かう方向を第2方向と定義する。
【0042】
一方、貯蔵所103には、リリーフ弁700が設けられており、ハウジング101の第1面にはリリーフベントホール400が備えられている。このようなリリーフ弁700は、リリーフバー800および第1突起部材350などを通じてレバー300と連動しており、レバー300がキャニスタ200を押し上げる前に、リリーフ弁700が先に開放されるように作動して、貯蔵所103に吸入可能な組成物を充填する前に、貯蔵所103内の残余ガスをあらかじめ排出することができる。
【0043】
図8を参照して、一実施例によるインヘイラー10は、ユーザが貯蔵所103内に貯蔵された組成物の残量をハウジング101に設けられた顕示窓120を通じて視覚的に確認することができる。また、一実施例によるインヘイラー10には、貯蔵所103の充填時にキャニスタ200の上下運動に連携して充填回数をカウントするカウンタ900およびキャニスタ200内の組成物の残量を表示する表示窓110が備えられてもよい。
【0044】
さらに、一実施例によるインヘイラー10には、キャニスタ200の離脱を防止するカバー500およびカバーロック600が備えられてもよい。
【0045】
前述のインヘイラー10は、エアロゾルがユーザの鼻腔または口腔に噴射されるときに発生する問題点を解決するために開発されたニードルバルブ方式がハウジング101内部に適用され、このようなニードルバルブ方式は、以下で
図3および
図4を参照して具体的に説明される。
【0046】
一般的に吸入器にピンチバルブ方式が適用されると、円形の断面積を有するノズルを通じてエアロゾルが噴射されるとき、噴射されるエアロゾルの粒子が大き過ぎてユーザの口腔の内部を濡らす問題が発生することがある。また、噴射ノズルの端が口腔内に位置するようになり、噴射時にエアロゾルが口腔を強く打つ問題が発生することもある。このような問題を解決するために、本発明は、ニードル(needle)バルブ方式を適用する。
【0047】
図3を参照して、一実施例によるインヘイラー10は、貯蔵所103、ノズル104、およびニードルバルブ105をさらに含んでもよい。
【0048】
貯蔵所103は、ハウジング101の内部に配置されてもよい。貯蔵所103は、吸入可能な組成物を貯蔵してもよい。
【0049】
ノズル104は、マウスピース102と貯蔵所103とを連通させてもよい。ノズル104は、マウスピース102から貯蔵所103まで延長される管として設けられてもよい。
【0050】
ニードルバルブ105は、ノズル104の内部に移動可能に配置されてもよい。例えば、ニードルバルブ105は、ノズル104の内部において上下に移動することができる。このようなニードルバルブ105は、ノズル104内の位置によってノズル104を開放し、または閉鎖することができる。すなわち、ニードルバルブ105は、マウスピース102と貯蔵所103とが連通するようにノズル104を開放したり、マウスピース102と貯蔵所103とが離隔されるようにノズル104を閉鎖したりすることができる。
【0051】
このようなニードルバルブ105を用いたニードルバルブ方式は、ニードル状のバルブ105がノズル104の中間に位置することにより、エアロゾルを噴射する断面積はドーナツ状を維持することができる。また、同一噴射面積に対してさらに狭い区間でエアロゾルを噴射することにより、さらに微細な粒子を形成することができ、エアロゾルを噴射するノズル104がマウスピース102の下側の端に位置しており、口腔とは遠く、口腔の内部を打ったり濡らしたりする現象を改善することができる。
【0052】
ニードルバルブ105により、ノズル104は、第1状態または第2状態のいずれかの状態に切り替えられる。第1状態はノズル104が密閉される状態で、第2状態はノズル104が開放される状態である。第1状態においてマウスピース102と貯蔵所103とは互いに離隔され得る。第2状態においては、マウスピース102と貯蔵所103とは互いに連通され得る。すなわち、第2状態において貯蔵所103に貯蔵された吸入可能な組成物が、矢印で示されたようにノズル104を通じてマウスピース102へ噴出され得る。
【0053】
また、ニードルバルブ105は、吸入連動方式で作動してもよい。
【0054】
具体的に、マウスピース102に吸入力が加えられないと、ニードルバルブ105は、ノズル104を第1状態に維持することができる。マウスピース102を通じて吸入力が加えられると、ニードルバルブ105は、第2方向に移動してノズル104を第2状態に切り替えることができる。
【0055】
図3をさらに参照して、一実施例によるインヘイラー10は、ピストン106、スプリング107、通路108および陰圧形成部109をさらに含んでもよい。
【0056】
ピストン106は、ハウジング101の内部に配置され、一面にニードルバルブ105の一端が結合されてもよい。ピストン106は、シリンダー内で垂直往復運動してもよい。
【0057】
スプリング107は、ピストン106の下部に設置されてもよい。この場合、スプリング107は、予圧状態で設置されてもよい。
【0058】
通路108は、ハウジング101の内部に形成されてもよい。通路108は、マウスピース102とピストン106とを連通させてもよい。具体的に、通路108は、一端がマウスピース102の一側に連結され、他端がピストン106の下部まで連結されてもよい。この場合、通路108の一端は、前記ノズル104がマウスピース102と連結された位置から離れた位置でマウスピース102と連結されてもよい。このような通路108は、マウスピース102に加えられる吸入力をピストン106に伝達することができる。
【0059】
陰圧形成部109は、ピストン106およびピストン106と連結された通路108の一端との間に形成されてもよい。陰圧形成部109は、ピストン106と通路108との間に空間を形成してもよい。マウスピース102に吸入力が加えられると、通路108を通じて伝達された吸入力が陰圧形成部109に到逹することができ、陰圧形成部109は、陰圧を発生させることができる。これにより、陰圧形成部109は、ピストン106が第2方向に移動するように誘導することができる。
【0060】
結局、マウスピース102に吸入力が加えられないと、スプリング107は、ピストン106を第1方向に押し上げてニードルバルブ105とノズル104とが第1状態で維持されることができる。一方、マウスピース102に吸入力が加えられると、吸入力は、通路108を通じて陰圧形成部109に伝達され、陰圧形成部109で発生した陰圧によりピストン106がスプリング107の予圧を克服して第2方向に移動することができる。これにより、ニードルバルブ105が第2方向に移動するようになり、ノズル104が第2状態に切り替えられる。
【0061】
図4を参照して、第1状態および第2状態のノズル104およびニードルバルブ105をより詳しく説明する。
【0062】
図4(a)は、第1状態のインヘイラー10を示し、
図4(b)は、第2状態のインヘイラー10を示す。
【0063】
第1状態の場合、ノズル104とニードルバルブ105は、互いに接してマウスピース102と貯蔵所103とが隔離された状態であってもよい。
【0064】
第2状態の場合、ニードルバルブ105が第2方向に移動されてノズル104とニードルバルブ105は互いに接しなくなり、マウスピース102と貯蔵所103がノズル104を通じて連通される状態であってもよい。これにより、貯蔵所103の吸入可能な組成物が、貯蔵所103からマウスピース102を通じて外部に噴出され得る。
【0065】
具体的に、ノズル104は、第1ノズル部分1041および第2ノズル部分1042を含んでもよい。
【0066】
第1ノズル部分1041は、マウスピース102と隣接した部分であってもよい。
【0067】
第2ノズル部分1042は、例えば、第1ノズル部分1041の下部に位置し、貯蔵所103と隣接した部分であってもよい。
【0068】
このようなノズル104は、第1ノズル部分1041が第2ノズル部分1042より小径になるように形成されてもよい。
【0069】
ニードルバルブ105は、第1バルブ部分1051および第2バルブ部分1052を含んでもよい。
【0070】
第1バルブ部分1051は、ニードルバルブ105の先端に形成された部分であってもよい。第1バルブ部分1051は、ピストン106による垂直移動の際に第1ノズル部分1041または第2ノズル部分1042に隣接して移動してもよい。例えば、第1状態で第1バルブ部分1051は、第1ノズル部分1041と隣接して配置されてもよい。また、第2状態で第1バルブ部分1051は、第2ノズル部分1042と隣接するように第2方向に移動されてもよい。
【0071】
第2バルブ部分1052は、例えば、第1バルブ部分1051の下部に形成された部分であってもよい。第2バルブ部分1052の下端は、ピストン106の一面に結合されてもよい。これにより、ピストン106の垂直往復運動の際にニードルバルブ105が垂直往復運動することができる。
【0072】
このようなニードルバルブ105は、第1バルブ部分1051が第2バルブ部分1052より小径になるように形成されてもよい。
【0073】
また、第1バルブ部分1051は、第1ノズル部分1041より小径になるように形成されてもよい。すなわち、第1バルブ部分1051は、第1状態または第2状態で第1ノズル部分1041および第2ノズル部分1042のいずれとも接しなくてもよい。
【0074】
一方、ノズル104は、第2ノズル部分1042に設けられるシーリング部材1043をさらに含んでもよい。シーリング部材1043は、例えば、シリコーン、ゴムなどの弾性材料で構成されたオーリングまたはクワドリングなどで製作されてもよい。このようなシーリング部材1043の内径は、第1バルブ部分1051の直径よりも大きく、第2バルブ部分1052の直径と等しいかまたはさらに小さくてもよい。また、シーリング部材1043の内径は、第1ノズル部分1041の直径よりもさらに大きくてもよい。
【0075】
第2バルブ部分1052は、第1状態でシーリング部材1043と隣接して配置されてもよい。すなわち、第1状態で第2バルブ部分1052は、シーリング部材1043と接してもよい。これにより、ノズル104を通じてエアロゾルが漏れないように貯蔵所103が密閉されることができる。
【0076】
一方、第2バルブ部分1052は、第2状態でシーリング部材1043よりも第2方向に移動されてノズル104と接しなくなってもよい。これにより、貯蔵所103に貯蔵された吸入可能な組成物は、ノズル104を通じてマウスピース102に噴出されることができる。
【0077】
図4(b)を参照して、第1ノズル部分1041と第1バルブ部分1051との間に形成される間隔を第1間隔G1と定義し、シーリング部材1043と第1バルブ部分1051との間に形成される間隔を第2間隔G2と定義する。前述のノズル104およびニードルバルブ105の構造により、第1間隔G1は、第2間隔G2よりもさらに小さく形成されることができる。
【0078】
第1間隔G1は、第1状態または第2状態で形成されてもよい。第2間隔G2は、第1バルブ部分1051がシーリング部材1043に隣接して配置される場合に形成されるので、ニードルバルブ105が第2方向に移動された第2状態で形成されることができる。
【0079】
このような第2間隔G2は、貯蔵所103から噴出された吸入可能な組成物の移動を許容することができる。第1間隔G1は、第2間隔G2を通過したエアロゾル粒子の大きさを制御することができる。すなわち、第1間隔G1は、第2間隔G2よりもさらに小さいので、エアロゾル中の微細粒子のエアロゾルの移動のみを許容することができる。結局、第1間隔G1を通過できる大きさのエアロゾルのみがマウスピース102に移動してユーザに噴出されることができる。
【0080】
すなわち、吸入力によってノズル104が開放されると、エアロゾルは最終的に第1間隔G1を通じて外部に噴射されるが、貯蔵所103からの最初の噴出は、シーリング部材1043と第1バルブ部分1051との間で形成される第2間隔G2を通じて行われる。
【0081】
すなわち、ノズル104とニードルバルブ105は、いずれも真っ直ぐな形態に加工されており、第1間隔G1は、ノズル104の開閉とは関係なく、いつも形成されている方式で実質的な開閉はシーリング部材1043とニードルバルブ105との間で形成される。
【0082】
このとき、第1間隔G1は、充分に小さな粒子のエアロゾル噴射のために0.015~0.03mmに形成されてもよい。例えば、第1間隔G1が0.015mmよりもさらに小さいと、液状の組成物が狭い隙間を介して移動し難くなり、主にガスとして噴射され、一部の液滴が沸くように弱く飛び出る現象が生じることがある。これに対し、第1間隔G1が0.03mmよりも大きいと、主に大きい液滴として噴射されて単位時間当たりの噴射量が多すぎてユーザに鼻腔または口腔が濡れる感じを与えることがある。また、シーリング部材1043の製造公差によって第2間隔G2があまりにも狭く形成されると、第1間隔G1が狭いときと同様な現象が現われることがあり、これを考慮して第2間隔G2は、第1間隔G1よりも充分に大きく形成されることができる。これにより、一実施例によるインヘイラー10は、微細粒子のエアロゾル噴射が可能で、噴射量を容易に調節することができる。
【0083】
前述のように一実施例によるインヘイラー10は、ニードルバルブ105が普段スプリング107の予圧によって第1方向に押し上げる力を受けてノズル104を閉鎖している状態を維持することができる。しかしながら、一実施例によるインヘイラー10は、ユーザによってマウスピース102を通じて吸入力が加えられると、ピストン106の下部に陰圧が形成されながらスプリング107の予圧に対抗してピストン106が下に運動し、ピストン106に連結されたニードルバルブ105が下降しながらシーリング部材1043とニードルバルブ105との間に第2間隔G2が形成されることができる。これにより、貯蔵所103の吸入可能な組成物は、エアロゾル状態で第2間隔G2を経て第1間隔G1を通じて外部、例えばユーザの口腔へ噴出されることができる。ユーザが吸入を止めると、スプリング107の復元力によってピストン106とニードルバルブ105がさらに上昇し、ノズル104を閉鎖してエアロゾルの噴射が中止されることができる。
【0084】
前述のインヘイラー10は、キャニスタの吸入可能な組成物を貯蔵所に充填することを容易にするレバー300が適用され、このようなレバー300の詳細な構成および作動メカニズムは、以下において
図5および
図6を参照して具体的に説明される。
【0085】
図5および
図6を参照して、一実施例によるインヘイラー10のレバー300は、一側がハウジング101の一部を構成してもよい。また、他側がキャニスタ200の底面およびハウジング101の第2面間に移動可能である。このようなレバー300の一側がユーザにより加圧されると、レバー300の他側はキャニスタ200を貯蔵所103に向かう方向に移動させることができる。これにより、キャニスタ200内の吸入可能な組成物の一部は、貯蔵所103に移動して貯蔵されることになる。
【0086】
例えば、レバー300は、ユーザにより加圧されるとき、第1方向に移動される。このとき、キャニスタ200は、レバー300によって第2方向に移動される。
【0087】
例えば、貯蔵所103は、ハウジング101の第1面と隣接して配置されてもよい。キャニスタ200は、貯蔵所103およびハウジング101の第2面の間に配置されてもよい。すなわち、キャニスタ200は、ハウジング101の第2面に垂直に配置されてもよく、この場合、レバー300が構成するハウジング101の一側面と対向する側面に隣接するように配置されてもよい。すなわち、キャニスタ200は、ハウジング101の第2面に底面が隣接し、キャニスタ200の上部はハウジング101の第1面に隣接するように配置されてもよい。
【0088】
図5を参照して、レバー300は、第1レバー部材310および第2レバー部材320を含んでもよい。
【0089】
第1レバー部材310は、ハウジング101の複数の側面のうちの1つの側面の一部を構成してもよい。
【0090】
第2レバー部材320は、第1レバー部材310からキャニスタ200に向かって延長されてもよい。
【0091】
図6に示されたように、第1レバー部材310がユーザにより加圧されて第1方向に移動すると、第2レバー部材320もともに第1方向に移動しながらキャニスタ200の底面およびハウジング101の第2面の間に挿入される。これにより、キャニスタ200は、第2方向に移動される。すなわち、第2レバー部材320は、キャニスタ200を貯蔵所103側に押し上げることができる。
【0092】
図6を参照して、第2レバー部材320は、第1傾斜面3201を含んでもよい。第1傾斜面3201は、第1方向に沿って高さが減少する形状で形成されてもよい。すなわち、キャニスタ200に近い部分の高さが、第1レバー部材310に近い部分の高さよりもさらに小さな形状で形成されてもよい。このような第1傾斜面3201は、第1レバー部材310が加圧されるときにキャニスタ200の底面およびハウジング101の第2面の間に挿入されることができる。このとき、第1傾斜面3201は、キャニスタ200の底面と接触することができ、底面の角部分は、第1傾斜面3201上で滑ることができる。これにより、キャニスタ200の底面は第2方向に押し上げられる。すなわち、第1レバー部材310が加圧されるとき、第1傾斜面3201の形状によってキャニスタ200が第2方向に移動されることができる。
【0093】
図5および
図6をさらに参照して、一実施例によるインヘイラー10のレバー300は、第3レバー部材330をさらに含んでもよい。
【0094】
第3レバー部材330は、一端がハウジング内部に固定され、他端が第1レバー部材310に結合されてもよい。また、第3レバー部材330は、第1レバー部材310および第2レバー部材320の間に位置してもよい。第3レバー部材330は、例えば圧縮スプリングで形成される。
図6に示されたように、第3レバー部材330は、第1レバー部材310が加圧されるとき第1方向に圧縮されてもよい。また、第1レバー部材310が加圧されないときは、
図5に示されたように復元されて第2レバー部材320を元の位置まで戻すことができる。第2レバー部材320が元の位置に戻ることにより、キャニスタ200も元の位置に戻って貯蔵所103への吸入可能な組成物の充填が中止される。
【0095】
具体的に、一実施例によるインヘイラー10のキャニスタ200は、収容部210および噴射口220を含んでもよい。
【0096】
収容部210は、吸入可能な組成物を収容してもよい。
【0097】
噴射口220は、一側が貯蔵所103に連結され、他側が収容部210内に位置してもよい。このような噴射口220は、貯蔵所103に対して開放され、または閉鎖されるように作動されてもよい。例えば、噴射口220は、第1レバー部材310が加圧されるときに開放されてもよい。噴射口220が開放されると、収容部210に収容されていた吸入可能な組成物が貯蔵所103に移動することが許容される。一方、第1レバー部材310が加圧されないと、噴射口220は閉鎖されてもよい。噴射口220が閉鎖されると、吸入可能な組成物の貯蔵所103への移動経路が遮断されるので、貯蔵所103への充填が中止される。
【0098】
一方、貯蔵所103内の吸入可能な組成物がすべて消耗された状態でレバー300が加圧されると、貯蔵所103には、10~15回分の吸入量の吸入可能な組成物が充填される。また、貯蔵所103に10~15回分の吸入量の吸入可能な組成物を充填するためには、レバー300が3~5秒間、加圧されなければならない。
【0099】
このような噴射口220の開閉動作は、レバー300に対するユーザの加圧の有無によって制御される。
【0100】
前述のように第1レバー部材310が加圧されると、第2レバー部材320がキャニスタ200の底面、すなわち収容部210の底面を押し上げる。このとき、
図6に示されたように、収容部210は、第2方向に移動されるが、噴射口220は、貯蔵所103に対して一側が固定された状態であってもよい。すなわち、ハウジング101内で噴射口220の位置は移動されないが、第2方向に上昇する収容部210によって噴射口220の他側の収容部210内の位置が変わり得る。
【0101】
例えば、噴射口220の他側が収容部210内に深く押し込まれると、噴射口が開放される。これにより、収容部210の吸入可能な組成物が噴射口220を通じて貯蔵所103に移動することができる。このとき、吸入可能な組成物は、貯蔵所103および収容部210の圧力差により移動されることができる。すなわち、ユーザによって貯蔵所103内に充填されていた吸入可能な組成物がエアロゾルの排出で消耗されると、貯蔵所103内の圧力が低くなるので、噴射口220が開放されたとき、吸入可能な組成物が収容部210から貯蔵所103に移動することが可能である。一方、貯蔵所103内に吸入可能な組成物が充分に充填されていれば、ユーザがレバー300を加圧して噴射口220を開放しても、吸入可能な組成物が貯蔵所103にさらに移動されないこともある。
【0102】
また、キャニスタ200は、収容部210内に位置し、噴射口220に対する加圧によって圧縮および復元される第1弾性部材(図示せず)をさらに含んでもよい。第1弾性部材は、例えば圧縮スプリングであってもよい。
【0103】
前述のように、噴射口220は、貯蔵所103に対して一側が固定された状態であるので、収容部210がレバー300によって第2方向の外力を受けるとき、噴射口220の一側が加圧される。このとき、第1弾性部材は、噴射口220の一側が加圧されると圧縮されるので、
図6に示されたように、収容部210が噴射口220を軸にして第2方向に移動される。また、レバー300がユーザにより加圧されず元の位置に戻ると、キャニスタ200に対するレバー300の外力も除去されるが、このときに第1弾性部材が復元されながら収容部210を第2方向の逆方向に移動させる。すなわち、収容部210の底面に第2レバー部材320による外力が加えられないと、第1弾性部材は収容部210を、
図5に示されたように元の位置に戻すことができる。
【0104】
前述の一実施例によるインヘイラー10は、ユーザがレバー300を押すことにより、キャニスタ200内に収容された吸入可能な組成物を貯蔵所103に容易に充填することができる。
【0105】
前述の一実施例によるインヘイラー10は、キャニスタ200に収容された吸入可能な組成物を貯蔵所103に充填する方式であり、繰り返される再充填時に貯蔵所103内に残余ガスが残っていると、キャニスタ200の組成物を貯蔵所103に充填することが容易ではないことがある。したがって、一実施例によるインヘイラー10には、貯蔵所103への充填を容易にするために、充填レバー300と連動されるリリーフ弁700が適用され、このようなリリーフ弁700の詳細な構成および作動メカニズムは、以下において
図7を参照して具体的に説明される。
【0106】
図7を参照して、一実施例によるインヘイラー10のリリーフ弁700は、キャニスタ200の一側から離隔配置されて貯蔵所103に設置されてもよい。このようなリリーフ弁700は、貯蔵所103を外部と連通させ、または遮断するように開放または閉鎖されてもよい。
【0107】
リリーフ弁700の開放または閉鎖動作は、前述のレバー300によって制御されてもよい。例えば、レバー300がユーザにより加圧されると、レバー300は、リリーフ弁700が先に開放された後にキャニスタ200が開放されるように制御することができる。
【0108】
このように一実施例によるインヘイラー10は、レバー300と連動されるリリーフ弁700が適用されて、貯蔵所103内の残余ガスを排出してキャニスタ200から貯蔵所103に吸入可能な組成物をスムースに充填することができる。
【0109】
レバー300は、ユーザにより加圧されてもよい。このとき、レバー300は、キャニスタ200に向かって進んで第1位置に到逹し、ユーザによりさらに加圧されると、第2位置に到逹する。レバー300が第1位置にあるときにリリーフ弁700が開放され、レバー300が第2位置にあるときにリリーフ弁700は閉鎖され、キャニスタ200の噴射口220が開放される。
【0110】
具体的に、リリーフ弁700は、リリーフバー800を通じてレバー300と連動され、リリーフバー800の上昇または下降によって開放または閉鎖されてもよい。リリーフバー800は、レバー300およびキャニスタ200の間に配置されてもよい。リリーフバー800は、一端がリリーフ弁700と結合され、他端がレバー300に向かって延長されてもよい。このようなリリーフバー800は、第2方向に移動しながらリリーフ弁700を開放させ、元の位置で戻りながらリリーフ弁700を閉鎖してもよい。
【0111】
レバー300は、第1支持部材340および第1突起部材350を含んでもよい。
【0112】
第1支持部材340は、キャニスタ200に向かって延長されてもよい。
【0113】
第1突起部材350は、第1支持部材340に備えられた回転軸を中心に回転可能に結合されてもよい。第1突起部材350は、一側に前記回転軸から放射方向に突出した端部が形成されてもよい。第1突起部材350の端部は、ハウジング101の第1面に向かって起立した状態で配置されてもよい。
【0114】
このような第1突起部材350およびハウジング101の第2面の間には、リリーフバー800の他端が位置してもよい。また、第1突起部材350は、回転軸を中心に端部がキャニスタ200から離れる方向に傾いていてもよい。
【0115】
レバー300が第1方向に加圧されるときに、第1支持部材340は、第1突起部材350の回転を制限してもよい。すなわち、第1突起部材350は、端部がハウジング101の第1面に向かって起立した状態でキャニスタ200から離れる方向への回転が拘束されてもよい。
【0116】
したがって、レバー300が加圧されるとき、第1突起部材350も第1方向に移動しながら第1位置に到達するが、この場合、第1突起部材350は、リリーフバー800と接触しながら回転されず、リリーフバー800を第2方向に押し上げることができる。
【0117】
結局、レバー300が第1位置に到逹すると、貯蔵所103に残る吸入可能な組成物が外部へ排出されることになる。
【0118】
一方、第1支持部材340は、レバー300が元の位置に戻ると、第1突起部材350の回転を許容してもよい。すなわち、第1突起部材350は、端部がハウジング101の第1面に向かって起立した状態でキャニスタ200に向かう方向への回転が拘束されなくてもよい。
【0119】
したがって、レバー300が第1位置を通り過ぎた位置または第2位置で第1方向とは逆方向に移動するとき、第1突起部材350は、リリーフバー800を押し上げず、リリーフバー800を通過しながら元の位置に戻ることができる。
【0120】
さらに
図7を参照して、第2レバー部材320の第1傾斜面3201およびキャニスタ200の底面の間の距離は、第1突起部材350およびリリーフバー800の間の距離よりもさらに大きくてもよい。よって、レバー300が第1方向に移動するとき、第1傾斜面3201がキャニスタ200の底面と接触する前に第1突起部材350がリリーフバー800の他端と先に接触することができる。すなわち、レバー300がキャニスタ200を押し上げて貯蔵所103を充填する直前に、貯蔵所103に設置されているリリーフ弁700が先に開放されることができる。
【0121】
一方、キャニスタ200が開放されるとき、すなわち、レバー300が第2位置に到逹し、第1傾斜面3201がキャニスタ200を第2方向に押し上げるとき、第1突起部材350は、リリーフバー800およびキャニスタ200の間に位置することができる。
【0122】
結局、レバー300が第2位置に到逹すると、キャニスタ200に収容された吸入可能な組成物が貯蔵所103に充填されることができる。
【0123】
また、噴射口220は、レバー300が第2位置にあるときに開放されてもよい。噴射口220が開放されると、収容部210に収容されていた吸入可能な組成物が貯蔵所に移動することが許容される。一方、噴射口220は、レバー300が第2位置にいないときに閉鎖されてもよい。噴射口220が閉鎖されると、吸入可能な組成物の貯蔵所103への移動経路が遮断されるので、貯蔵所103への充填が中止される。
【0124】
このような噴射口220の開閉動作は、レバー300に対するユーザの加圧の有無によって制御される。
【0125】
前述の一実施例によるインヘイラー10は、充填レバー300を用いて貯蔵所103内に組成物を再充填する際に貯蔵所103内に残っている残留ガスの圧力が新しい組成物の進入を邪魔することを防止するために、充填レバー300と連動されたリリーフ弁700を備えて充填前に貯蔵所103内の残留ガスを除去することができる。
【0126】
また、前述の一実施例によるインヘイラー10は、充填レバー300が2段階で動作し、1段階では充填前の状態としてリリーフ弁700を開放し、2段階ではリリーフ弁700を閉鎖しながら充填が行われる。
【0127】
前述の一実施例によるインヘイラー10は、キャニスタ200の交換時点を知るために、キャニスタ200内部の組成物の残量に対する情報をユーザに伝達する必要がある。よって、一実施例によるインヘイラー10は、充填レバー300の充填回数を数えることで、逆に何回くらい充填可能であるかをユーザに知らせるカウンタ機能が適用される。このような機能をするカウンタ900は、組成物の総量と貯蔵所103の体積を考慮して充填回数を計算し、充填回数をカウントして残った充填回数を推定する方式であり、充填レバー300の動作と連動して機構的に作動するカウント方式が適用されてもよい。
【0128】
以下においては、
図8から
図11を参照してカウンタ900に対してより詳しく説明する。
【0129】
図9を参照して、一実施例によるインヘイラー10のカウンタ900は、ハウジング101の複数の側面のうちの1つに回転可能に設置されてもよい。このとき、カウンタ900は、キャニスタ200およびレバー300の間に配置されてもよい。このようなカウンタ900は、レバー300と連動して回転するように設置されてもよい。例えば、カウンタ900は、レバー300の作動によって一定の角度で回転してキャニスタ200内の吸入可能な組成物の残余量を色または数字などでユーザに知らせることができる。
【0130】
具体的に、カウンタ900は、第1カウンタ部材910および第2カウンタ部材920を含んでもよい。
【0131】
第1カウンタ部材910は、円形で形成され、中心がハウジング101の内部に回転可能に結合されてもよい。第1カウンタ部材910には、一面にキャニスタ200の残余量を表示する記号などが表記されてもよい。例えば、第1カウンタ部材910の一面には、円周方向に沿って異なる色または一連の数字が表示されてもよい。
【0132】
第2カウンタ部材920は、複数設けられてそれぞれが鋸歯状に形成され、第1カウンタ部材910の円周に一定の間隔で配置されてもよい。
【0133】
第2カウンタ部材920は、レバー300に噛み合って、キャニスタ200が開放されるときに円周方向に移動されて第1カウンタ部材910が回転されることになる。
【0134】
このとき、一実施例によるインヘイラー10は、第1カウンタ部材910がレバー300による回転以外に逆回転することを防止するために、固定部930をさらに含んでもよい。
【0135】
固定部930は、一端がハウジング101に回転可能に結合され、他端がフック状で形成されてもよい。このような固定部930は、他端が第2カウンタ部材920に噛み合ってもよい。これにより、固定部930は、第1カウンタ部材910の回転を一方向に拘束することができる。すなわち、固定部930は、第2カウンタ部材920がレバー300によってキャニスタ200に向かう方向に回転することは許容するが、第2カウンタ部材920がキャニスタ200から離れる方向に回転することは許容しない。
【0136】
前述のように、一実施例によるインヘイラー10のレバー300がユーザにより加圧されると、キャニスタ200が開放されて貯蔵所103に吸入可能な組成物が充填される。このとき、レバー300とカウンタ900が互いに連動されているので、カウンタ900は、レバー300の作動によって回転してキャニスタ200の残余量を知らせる。このようなレバー300は、ユーザにより加圧されると第1方向に移動され、レバー300は、キャニスタ200を第2方向に移動させると共にカウンタ900を回転させる。
【0137】
図9および
図10を参照して、レバー300は、第2支持部材360および第2突起部材370を含んでもよい。
【0138】
第2支持部材360は、キャニスタ200に向かう第1方向に延長されてもよい。
【0139】
第2突起部材370は、第2支持部材360に備えられた回転軸を中心に回転可能に結合されてもよい。第2突起部材370は、一側に前記回転軸から放射方向に突出した端部が形成されてもよい。第2突起部材370の端部は、ハウジング101の第1面に向かって起立した状態で配置されてもよい。
【0140】
レバー300が加圧されると、第2突起部材370は、第1方向に移動され、複数の第2カウンタ部材920の1つに第1方向に加圧力を作用することができる。これにより、第2カウンタ部材920がキャニスタ200に向かう方向に回転するようになり、やがて第1カウンタ部材910が回転される。
【0141】
このようにレバー300が第1方向に加圧されると、第2支持部材360は、第2突起部材370の回転を制限することができる。すなわち、第2突起部材370は、端部がハウジング101の第1面に向かって起立した状態でキャニスタ200から離れる方向への回転が拘束される。
【0142】
したがって、レバー300が加圧されると、第2突起部材370も第1方向に移動しながら第2カウンタ部材920と接触するようになり、このとき、第2突起部材370が回転せず第2カウンタ部材920を押してキャニスタ200に向かう方向に回転させることができる。
【0143】
結局、レバー300がキャニスタ200を開放させるときにカウンタ900が回転して、変更されたキャニスタ200内の組成物の残余量を知らせることができる。
【0144】
一方、第2支持部材360は、レバー300が元の位置に戻るときに第2突起部材370の回転を許容してもよい。すなわち、第2突起部材370は、端部がハウジング101の第1面に向かって起立した状態でキャニスタ200に向かう方向への回転が拘束されなくてもよい。
【0145】
したがって、レバー300が第1方向と逆方向に移動するとき、第2突起部材370は、第2カウンタ部材920を回転させずに元の位置に戻ることができる。
【0146】
貯蔵所103への組成物の再充填が一定の回数繰り返されると、カウンタ900は、キャニスタ200に残余量がないことを知らせ、これを確認したユーザは、キャニスタ200をハウジング101から取り外すことができる。
【0147】
図11を参照して、キャニスタ200がハウジング101から取り外されると、第1カウンタ部材910は、初期位置に戻るように回転される。このとき、初期位置に戻るために、カウンタ900は、レバー300による回転方向とは逆方向に回転する。このような逆回転を許容するために、一実施例によるインヘイラー10は、リセット部940をさらに含んでもよい。
【0148】
リセット部940は、固定部930およびカウンタ900の間に配置されてもよい。リセット部940は、一端がハウジング101の内部に回転可能に取り付けられ、他端が固定部930と接触するように配置されてもよい。このようなリセット部940は、キャニスタ200がハウジング101から取り外されるときに固定部930をキャニスタ200に向かう方向に押して回転させることができる。これにより、第2カウンタ部材920に噛み合っていた固定部930のフック部分が第2カウンタ部材920から離脱されることができる。
【0149】
また、カウンタ900は、第1カウンタ部材910に備えられる第2弾性部材(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0150】
第2弾性部材は、レバー300によって第1カウンタ部材910が回転されるとき、カウンタ900の回転方向に沿って圧縮されてもよい。このような第2弾性部材は、カウンタ900に対する回転拘束が作用しない場合、例えば、キャニスタ200がハウジング101から取り外されて固定部930による回転拘束が解除されると、第1カウンタ部材910を元の位置に回転させることができる。
【0151】
図3をさらに参照して、一実施例によるインヘイラー10のハウジング101は、表示窓をさらに含み、前述のカウンタ900に表示されたキャニスタ200の残余量は、表示窓110により外部に知らせ、ユーザがこれを確認することができる。
【0152】
表示窓110は、ハウジング101の一側に形成されたホールまたは透明な材質で構成されてもよい。表示窓110は、カウンタ900の第1カウンタ部材910と対応する位置に形成されてもよい。このような表示窓110は、第1カウンタ部材910が表示する色または数字を外部に表示することができる。
【0153】
一方、貯蔵所103の組成物の残量を確認するために、一実施例によるインヘイラー10の貯蔵所103は、透明素材で作製されてもよく、ハウジング101は、顕示窓120をさらに含んでもよい。このような顕示窓120は、ハウジング101の一側に形成されたホールであってもよく、貯蔵所103に対応する位置に形成されてもよい。このような顕示窓120は、貯蔵所103内の吸入可能な組成物の量を外部に表示することができる。これにより、ユーザは貯蔵所103の充填が完了したか否かと残量を容易に確認することができる。
【0154】
前述の一実施例によるインヘイラー10は、充填レバー300と連動されたカウンタ900が適用され、キャニスタ200から貯蔵所103に吸入可能な組成物を充填するとき、キャニスタ200の上下運動を活用して充填回数をカウントすることにより、キャニスタ200の内部の組成物の残量およびキャニスタ200の交換時期に対する情報を知らせることができる。
【0155】
一実施例によるインヘイラー10は、前述のようにキャニスタ200が交換可能に取り付けられ、キャニスタ200内の吸入可能な組成物を使い切ると、ユーザが既存のキャニスタ200を新しいキャニスタ200に入れ替ることができる。そのためにキャニスタ200のカバー500を開放する必要があり、貯蔵所103に吸入可能な組成物が残っている状態でカバー500が開放される場合、キャニスタ200の噴射口220から組成物が噴射されながらキャニスタ200を強い力で押し出すことがある。このとき、キャニスタ200が飛び出してくる問題とともに、組成物がユーザの手を濡らす問題が発生することがある。このような問題を解決するために、一実施例によるインヘイラー10は、二重ロック装置としてカバーロック600が適用される。
【0156】
図12を参照して、一実施例によるインヘイラー10のカバーロック600は、ハウジング101の第2面に位置してもよい。カバーロック600は、スライド移動可能に設けられ、ユーザによって
図12(a)または
図12(b)に示された位置に移動されてもよい。
【0157】
例えば、
図12(a)は、ロック位置に位置するカバーロック600を示し、ロック位置でカバーロック600は、カバー500が開放されないようにカバー500の回転を拘束してもよい。
図12(b)は、アンロック位置に移動されるカバーロック600を示し、アンロック位置でカバーロック600は、カバー500が開放されるようにカバー500の回転を許容してもよい。カバー500が開放されると、ユーザはインヘイラー10のハウジング101からキャニスタ200を取り外すことができる。
【0158】
図13および
図14を参照して、カバー500は、一側がハウジング101に回転可能に結合され、他側がキャニスタ200の底面と対応する位置でハウジング101に脱着可能に結合されてもよい。このようなカバー500は、他側がハウジング101から結合解除され、一側が回転してキャニスタ200の底面を外部に露出させることができる。カバー500の一側は、前述のようにカバーロック600によって回転が制御されてもよい。
【0159】
また、カバーロック600は、カバー500の回転を許容する前にリリーフ弁700を先に開放させてもよい。
【0160】
図13および
図14をさらに参照して、一実施例によるインヘイラー10のリリーフ弁700は、キャニスタ200の一側と離隔配置されて貯蔵所103に設置されてもよい。このようなリリーフ弁700は、貯蔵所103が外部と連通され、または外部から遮断されるように開放または閉鎖作動する。
【0161】
具体的に、リリーフ弁700は、カバーロック600がアンロック位置にあるときに上昇するリリーフバー800によって開放されてもよい。リリーフバー800は、カバー500およびカバーロック600の間に位置してもよい。
【0162】
このようなリリーフバー800は、第2方向に移動しながらリリーフ弁700を開放し、元の位置に戻りながらリリーフ弁700を閉鎖してもよい。
【0163】
リリーフバー800の移動は、カバーロック600によって制御されてもよい。
【0164】
図13に示されたように、カバーロック600がロック位置にあるときにリリーフバー800は上昇せず、リリーフ弁700は、閉鎖された状態を維持する。一方、
図14に示されたように、カバーロック600がアンロック位置にあるときにリリーフバー800はカバーロック600によって上昇して、リリーフ弁700が開放される。
【0165】
一実施例によるインヘイラー10のカバーロック600は、第1ロック部材610および第2ロック部材620を含んでもよい。
【0166】
第1ロック部材610は、ハウジング101の第2面上でスライド移動してもよい。
【0167】
第2ロック部材620は、第1ロック部材610からハウジング101の第1面に向かって延長されてもよい。第2ロック部材620は、第1ロック部材610がロック位置からアンロック位置に移動すると、リリーフバー800の他端をハウジング101の第1面に向かって押し上げてもよい。
【0168】
具体的に、第2ロック部材620の一端は、前記第1ロック部材610に固定されており、第2ロック部材620の他端はハウジング101の第1面に向かって延長されている。このような第2ロック部材620の他端には、リリーフバー800に向かって高さが減少する形態の第2傾斜面6201が形成されてもよい。
【0169】
第1ロック部材610がロック位置からアンロック位置に移動すると、第2傾斜面6201は、リリーフバー800の他端をハウジング101の第1面に向かって漸進的に移動させる。このようにリリーフバー800がハウジング101の第1面に向かって上昇すると、リリーフ弁700が開放される。また、第1ロック部材610がアンロック位置からロック位置に移動すると、第2傾斜面6201を含む第2ロック部材620が元の位置に戻りながら、リリーフバー800はハウジング101の第2面に向かって下降するようになり、リリーフ弁700が閉鎖される。
【0170】
結局、第1ロック部材610がロック位置からアンロック位置に移動すると、リリーフ弁700が開放されながら貯蔵所103内の組成物の残余物が排出され、キャニスタ200もハウジング101から取り外される。また、第1ロック部材610が再びロック位置に移動されると、リリーフ弁700が閉鎖される。
【0171】
一方、第1ロック部材610がロック位置にあるとき、第2ロック部材620はレバー300の作動を制限しないが、第1ロック部材610がアンロック位置にあるときは、第2ロック部材620がレバー300の作動を制限する。
【0172】
一実施例によるインヘイラー10は、レバー300と連動するリリーフ弁700が適用されて、貯蔵所103内の残余ガスを排出してキャニスタ200から貯蔵所103に吸入可能な組成物をスムースに充填することができる。
【0173】
ただし、このようなリリーフ弁700に対するレバー300の作用は、前述のようにカバーロック600の第1ロック部材610がロック位置にあるときに許容される。
【0174】
図14を参照して、カバーロック600の第1ロック部材610がアンロック位置にあるとき、第2ロック部材620は、レバー300が第1方向に移動する経路を邪魔することができる。例えば、第1ロック部材610がアンロック位置にあるとき、第2ロック部材620は、第1突起部材350に隣接して移動して第1突起部材350の移動経路を遮断することができる。同時に第2ロック部材620は、リリーフバー800を上昇させ、レバー300がリリーフバー800を上昇させてリリーフ弁700を開放した後、キャニスタ200を上昇させて噴射口220を開放する動作を行わなくても、カバーロック600がリリーフ弁700のみを開放して貯蔵所103内の残余物を排出することができる。
【0175】
前述のように、一実施例によるインヘイラー10は、二重ロック装置としてカバーロック600を適用してキャニスタカバー500が容易に開かれて内部に取り付けられたキャニスタ200が外部に飛び出してきたり、組成物がユーザの手を濡らしたりする問題を除去することができる。また、一実施例によるインヘイラー10は、キャニスタ200の交換時にリリーフ弁700を作動して貯蔵所103内部の媒質の残余物を排出することができる。
【0176】
また、一実施例によるインヘイラー10は、カバーロック600がロック位置にあると、カバー500が開放されず充填レバー300が正常に作動し、カバーロック600がアンロック位置にあると、カバー500のみ開放され、充填レバー300は第2ロック部材620に引っ掛かって作動しない。また、第1ロック部材610をアンロック位置に移動させると、第2ロック部材620から延長された傾斜面6201がリリーフバー800を押し上げてリリーフ弁700を開放して、貯蔵所内の残余物を排出させる。
【0177】
以上のように本発明の実施例では、具体的な構成要素などのような特定事項と、限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解のために提供されたものに過ぎず、本発明は前記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる手順で行われ、および/または説明された構造、装置などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合または組合され、他の構成要素または均等物によって交換または置き換えられても、適切な結果が達成されることができる。よって、本発明の思想は、説明された実施例に限定されるものではなく、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的な変形があるすべてのものは、本発明の思想に属するとするみなす。
【国際調査報告】