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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】反射防止層を具備した表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240711BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20240711BHJP
   H10K 50/858 20230101ALI20240711BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20240711BHJP
   H10K 50/80 20230101ALI20240711BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
H10K50/86
H10K50/86 865
H10K50/858
H10K50/844 445
H10K50/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575543
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 KR2022010407
(87)【国際公開番号】W WO2023003289
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0097122
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510149600
【氏名又は名称】ジュソン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン ヨンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム ボンシク
(72)【発明者】
【氏名】チョ ウォンテ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC05
3K107CC23
3K107CC25
3K107CC32
3K107CC33
3K107CC45
3K107EE03
3K107EE21
3K107EE27
3K107EE48
3K107EE49
3K107EE50
3K107EE61
3K107FF06
3K107FF15
5C094AA36
5C094BA27
5C094DA13
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB12
(57)【要約】
本発明は、基板上に具備された第1電極、前記第1電極上に具備された発光層、前記発光層上に具備された第2電極、前記第2電極上に具備され、光を吸収する物質を含む反射防止層を含んでなり、前記光を吸収する物質は、非晶質炭素(a‐C)、ポリマー、モノマー、金属、及びグラファイトからなる群から選択された少なくとも1つを含む表示装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に具備された第1電極、
前記第1電極上に具備された発光層、
前記発光層上に具備された第2電極、
前記第2電極上に具備され、光を吸収する物質を含む反射防止層を含んでなり、
前記光を吸収する物質が、非晶質炭素(a‐C)、ポリマー、モノマー、金属、およびグラファイトからなる群から選択された少なくとも1つを含む表示装置。
【請求項2】
前記反射防止層の上面に第1界面層をさらに具備していて、
前記第1界面層が、前記反射防止層の屈折率と前記第1界面層と接する前記第1界面層上層の屈折率との間の屈折率を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記反射防止層の下面に第2界面層をさらに具備していて、
前記第2界面層が、前記反射防止層の屈折率と前記第2界面層と接する前記第2界面層下層の屈折率との間の屈折率を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2電極上に封止層をさらに具備し、
前記反射防止層を、前記第2電極と前記封止層の間に具備している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2電極上に第1封止層及び第2封止層を含む封止層をさらに具備していて、
前記反射防止層を、前記第1封止層と前記第2封止層の間に具備している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2電極上に封止層及びハードコート層をさらに具備し、
前記反射防止層を、前記封止層と前記ハードコート層の間に具備している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2電極上にハードコート層をさらに具備し、
前記反射防止層を、前記ハードコート層の上面に具備している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
基板上に具備された第1電極、
前記第1電極上に具備された発光層、
前記発光層上に具備された第2電極、
前記第1電極の下に具備され、光を吸収する物質を含む反射防止層を含んでなり、
前記光を吸収する物質が、非晶質炭素(a‐C)、ポリマー、モノマー、金属、およびグラファイトからなる群から選択された少なくとも1つを含む表示装置。
【請求項9】
前記金属が、タングステン及びモリブデンからなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1または8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記タングステンが、ビス(tert-ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(VI)[Bis(tert-butylimino)bis(dimethylamino)tungsten(VI)]、ペンタカルボニル(N,N-ジメチルメタンアミン)タングステン[Pentacarbonyl(N,N-dimethylmethanamine)tungsten]、およびペンタカルボニル(1-メチルピロリジン)タングステン[pentacarbonyl(1-methylpyrrolidine)tungsten]からなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記反射防止層の下面に第1界面層をさらに具備していて、
前記第1界面層が、前記反射防止層の屈折率と前記第1界面層と接する前記第1界面層下層の屈折率との間の屈折率を有する、請求項8に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1界面層が、窒化シリコンおよび酸化シリコンからなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項2または11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記反射防止層の上面に第2界面層をさらに具備していて、
前記第2界面層が、前記反射防止層の屈折率と前記第2界面層と接する前記第2界面層上層の屈折率との間の屈折率を有する、請求項8に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2界面層が、窒化シリコンおよび酸化シリコンからなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項3または13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記基板上に回路素子層をさらに具備し、
前記反射防止層が、前記基板と前記回路素子層の間に具備されている、請求項8に記載の表示装置。
【請求項16】
前記反射防止層が、前記基板の下面に具備されている、請求項8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、より具体的には反射防止層を具備した表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の場合、外部光の反射を防止するために、表示装置の表示面に偏光フィルムを貼り付けている。
【0003】
前記偏光フィルムは、線偏光フィルム(linear polarization film)及び1/4λ位相遅延フィルムを含んでいるため、前記偏光フィルムの厚さがかなりの厚さになる。
【0004】
したがって、従来の表示装置の場合、前記偏光フィルムの厚さが厚いという欠点があり、そのような厚みが厚いためローラブルまたはフォルダブル表示装置を実現する上で限界がある。また、ローラブルまたはフォルダブル表示装置に前記偏光フィルムを適用した場合には、表示装置を巻き取ったり曲げたりする操作を繰り返す場合、厚い厚さの前記偏光フィルムが剥がれるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するために考案されたものであり、本発明は薄い厚さの反射防止層を具備することで、ローラブルまたはフォルダブル表示装置の具現が容易であり、また前記反射防止層が剥がれる問題も防止することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は基板上に具備された第1電極、前記第1電極上に具備された発光層、前記発光層上に具備された第2電極、前記第2電極上に具備され、光を吸収する物質を含む反射防止層を含んでなり、前記光を吸収する物質は、非晶質炭素(a-C)、ポリマー、モノマー、金属、金属酸化物及びグラファイトからなる群から選択された少なくとも1つを含む表示装置を提供する。
【0007】
前記金属は、タングステンおよびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0008】
前記タングステンは、ビス(tert-ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(VI)[Bis(tert-butylimino)bis(dimethylamino)tungsten(VI)]、ペンタカルボニル(N,N-ジメチルメタンアミン)タングステン[Pentacarbonyl(N,N-dimethylmethanamine)tungsten]、およびペンタカルボニル(1-メチルピロリジン)タングステン[pentacarbonyl(1-methylpyrrolidine)tungsten]からなる群から選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0009】
前記反射防止層の上面に第1界面層をさらに具備していて、前記第1界面層は、前記反射防止層の屈折率と前記第1界面層と接する前記第1界面層上層の屈折率との間の屈折率を有することができる。
【0010】
前記第1界面層は、窒化シリコンおよび酸化シリコンからなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。
【0011】
前記反射防止層の下面に第2界面層をさらに具備していて、前記第2界面層は、前記反射防止層の屈折率と前記第2界面層と接する前記第2界面層下層の屈折率との間の屈折率を有することができる。
【0012】
前記第2界面層は、窒化シリコンおよび酸化シリコンからなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。
【0013】
前記第2電極上に封止層をさらに具備し、前記反射防止層は、前記第2電極と前記封止層との間に具備することができる。
【0014】
前記第2電極上に第1封止層および第2封止層を含む封止層をさらに具備し、前記反射防止層は、前記第1封止層と前記第2封止層の間に具備することができる。
【0015】
前記第2電極上に封止層およびハードコート層をさらに具備し、前記反射防止層は、前記封止層と前記ハードコート層の間に具備することができる。
【0016】
前記第2電極上にハードコート層をさらに具備し、前記反射防止層は、前記ハードコート層の上面に具備することができる。
【0017】
本発明はまた、基板上に具備された第1電極、前記第1電極上に具備された発光層、前記発光層上に具備された第2電極、前記第1電極の下に具備され、光を吸収する物質を含む反射防止層を含んでなり、前記光を吸収する物質は、非晶質炭素(a-C)、ポリマー、モノマー、金属、金属酸化物及びグラファイトからなる群から選択された少なくとも1つを含む表示装置を提供する。
【0018】
前記金属は、タングステンおよびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0019】
前記タングステンは、ビス(tert-ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(VI)[Bis(tert-butylimino)bis(dimethylamino)tungsten(VI)]、ペンタカルボニル(N,N-ジメチルメタンアミン)タングステン[Pentacarbonyl(N,N-dimethylmethanamine)tungsten]、およびペンタカルボニル(1-メチルピロリジン)タングステン[pentacarbonyl(1-methylpyrrolidine)tungsten]からなる群から選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0020】
前記反射防止層の下面に第1界面層をさらに具備していて、前記第1界面層は、前記反射防止層の屈折率と前記第1界面層と接する前記第1界面層下層の屈折率との間の屈折率を有することができる。
【0021】
前記第1界面層は、窒化シリコンおよび酸化シリコンからなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。
【0022】
前記反射防止層の上面に第2界面層をさらに具備していて、前記第2界面層は、前記反射防止層の屈折率と前記第2界面層と接する前記第2界面層上層の屈折率との間の屈折率を有することができる。
【0023】
前記第2界面層は、窒化シリコンおよび酸化シリコンからなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。
【0024】
前記基板上に回路素子層をさらに具備し、前記反射防止層は、前記基板と前記回路素子層の間に具備することができる。
【0025】
前記反射防止層は、前記基板の下面に具備することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施例によれば、化学気相成長工程を通じて薄い厚さに形成された非晶質炭素(a‐C)、ポリマー、モノマー、金属、金属酸化物およびグラファイトからなる群から選択された少なくとも1つを含む光を吸収する物質層を反射防止層として用いるため、前記反射防止層の厚さが薄くなり、ローラブルまたはフォルダーブル表示装置の具現が容易であり、また、ローラブルまたはフォルダーブル表示装置を繰り返し巻いたり曲げたりしても、前記反射防止層が剥がれる問題も防止することができる。
【0027】
また、本発明の一実施例によれば、前記光を吸収する物質層の厚さを調節することにより、前記反射防止層の光吸収率を調節することができ、それによって外部光の反射率を調節することができるので、薄い厚さを有しながらも従来の偏光フィルムからなる反射防止層と比べて類似または優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。
図2】本発明の他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。
図3】本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。
図4】本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。
図5】本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。
図6】本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。
図7】本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。
図8】本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されるものであり、単に本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に、発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲によって定義されるだけである。
【0030】
本発明の実施例を説明するための図に開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものであり、本発明が図に示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。また、本発明の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本発明上で言及する「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0031】
構成要素を解釈するにおいて、別途の明示的な記載がなくても、誤差範囲を含むものと解釈する。
【0032】
位置関係に対する説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されていない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0033】
時間関係に対する説明の場合、例えば、「~後に」、「~に続き」、「~の次に」、「~前に」などで時間的先後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されていない限り、連続的でない場合も含むことができる。
【0034】
第1、第2などは、様々な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得る。
【0035】
本発明のいくつかの実施例の各々の特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各実施例は互いに対して独立して実施することもでき、連関関係で一緒に実施することもできる。
【0036】
以下、図を参照して本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略的な断面図である。
【0038】
図1から分かるように、本発明の一実施例による反射防止層を具備した表示装置は、基板100、回路素子層200、第1電極300、バンク400、発光層500、第2電極600、反射防止層700、封止層800、およびハードコート層900を含んでなる。
【0039】
本発明の一実施例による表示装置は、発光した光が上方に放出されるいわゆる上部発光(Top emission)方式からなることができ、したがって、前記基板100は、ガラスまたはプラスチックの透明な物質だけでなく不透明な物質からなることもできる。
【0040】
前記基板100の材料としてプラスチックを用いる場合には、基板100上で高温の蒸着工程が行われることを勘案するとき、高温に耐えられる耐熱性に優れたポリイミドを前記基板100の材料として用いることができるが、必ずしもそれに限定されるわけではない。
【0041】
前記回路素子層200は、前記基板100上に形成されている。
【0042】
前記回路素子層200は、ゲート電極210、ゲート絶縁膜220、アクティブ層230、ソース電極240、ドレイン電極250、及びパッシベーション層260を含んでなることができる。図に示していないが、前記基板100と前記ゲート電極210の間にバッファ層をさらに形成することができる。
【0043】
前記ゲート電極210は、前記基板100上にパターン形成されており、前記ゲート絶縁膜220は、前記ゲート電極210と前記アクティブ層230の間に形成され、前記ゲート電極210と前記アクティブ層230間を絶縁する。前記ゲート絶縁膜220は、酸化シリコンまたは窒化シリコンなどの無機絶縁物を含んでなることができる。
【0044】
前記アクティブ層230は、前記ゲート電極210上で前記ゲート電極210と重畳するように形成される。前記アクティブ層230は、シリコン系半導体物質または酸化物半導体物質など、当技術分野で公知の様々な半導体物質からなることができる。
【0045】
前記ソース電極240は、前記アクティブ層230上で前記アクティブ層230の一側方向に延びており、前記ドレイン電極250は、前記ソース電極240と向かい合いながら前記アクティブ層230上で前記アクティブ層230の他側の方向に延びている。
【0046】
前記ゲート電極210、ゲート絶縁膜220、アクティブ層230、ソース電極240、およびドレイン電極250の組み合わせによって、駆動薄膜トランジスタが形成される。前記駆動薄膜トランジスタは、図に示したように、前記ゲート電極210が前記アクティブ層230の下に具備されたいわゆるボトムゲート構造からなることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。前記電極210は、前記アクティブ層230の上に具備されたいわゆるトップゲート構造からなることもできる。
【0047】
前記パッシベーション層260は、前記ソース電極240およびドレイン電極250上に具備され、前記駆動薄膜トランジスタを保護する。前記パッシベーション層260は、酸化シリコンまたは窒化シリコンなどの無機絶縁物を含んでなることができる。図に示していないが、前記パッシベーション層260と前記第1電極300の間に有機絶縁物からなる平坦化層をさらに形成することができる。
【0048】
前記第1電極300は、前記パッシベーション層260上に形成されている。前記第1電極300は、前記パッシベーション層260に設けられたコンタクトホールを介して前記ドレイン電極250と連結することができる。前記第1電極300は、表示装置のアノードとして機能することができる。前記発光層500で発光した光が上部の方に進入するように、前記第1電極300は、反射層を含んでなることができる。
【0049】
前記バンク400は、前記パッシベーション層260上で前記第1電極300の両端を覆うように形成される。前記バンク400によって覆われずに露出した前記第1電極300の露出領域が、発光領域になり得る。すなわち、前記バンク400によって発光領域を定義することができる。前記バンク400は、複数の画素間の境界領域に形成されることによって、全体としてマトリクス構造に形成することができる。
【0050】
前記発光層500は、前記第1電極300上にパターン形成することができる。特に、前記発光層500は、前記バンク400によって定義された発光領域に形成することができ、場合によっては、前記バンク400の上面の一部まで延長することができる。このような発光層500は、画素ごとにパターン形成される赤色発光層、緑色発光層または青色発光層からなることができる。
【0051】
前記発光層500は、白色前記発光層からなることもでき、この場合、前記発光層500は、赤色発光層、緑色発光層および青色発光層が積層したスタック構造からなることもでき、黄緑色発光層および青色発光層が積層したスタック構造からなることもできる。前記発光層500が、白色発光層からなる場合、前記発光層500は、複数の画素ごとにパターン形成せずに、複数の画素間に連続する構造からなることができる。
【0052】
前記第2電極600は、前記発光層500上に形成されている。前記第2電極600は、複数の画素で共通電極として機能し、したがって複数の画素間で断絶することなく連続的に形成することができる。このような第2電極600は、表示装置のカソードとして機能することができる。本発明の一実施例による表示装置は、上部発光方式からなることができ、したがって前記第2電極600は、透明電極または半透明電極を含んでなることができる。
【0053】
前記反射防止層700は、前記第2電極600上に形成されている。具体的には、前記反射防止層700は、前記第2電極600と前記封止層800の間に形成されている。
【0054】
前記反射防止層700は、光を吸収することができる物質を含んでなり、特に非晶質炭素(a‐C)を含んでなる。このような非晶質炭素(a‐C)は、化学気相成長(CVD)工程を介して前記第2電極600上に蒸着することができる。
【0055】
前記反射防止層700が非晶質炭素(a‐C)を含んでなる場合、前記非晶質炭素(a‐C)の膜厚を調整することによって、前記反射防止層700の光吸収率を調整することができ、それにより外部光の反射率を調整することができる。
【0056】
一例として、前記非晶質炭素(a‐C)の膜厚を調整して前記反射防止層700が50%の光を吸収するように構成した場合、外部光が表示装置内に入射するときに前記反射防止層700で50%の光を吸収して50%の光のみが表示装置内部に透過し、透過した光が表示装置内部の電極または配線等で反射するとき、前記反射防止層700が50%の光を再吸収することにより、最終的に25%の外部光のみが反射するようにすることができる。
【0057】
また、画像を表示する際には、前記発光層500で発光した光の50%のみを前記反射防止層700で吸収し、50%の光が外部に放出されて画像を表示することができる。結局、画像を表示するときには、50%の光が外部に放出され得るが、外部の光が反射するときには、25%の外部光のみが反射するようになり、従来の偏光フィルムからなる前記反射防止層と比べて類似または優れた効果を得ることができる。
【0058】
このように本発明の一実施例によれば、化学気相成長工程を通じて薄い厚さに形成された非晶質炭素(a‐C)を前記反射防止層700として用いるため、前記反射防止層700の厚さが薄くてローラブル又はフォルダブル表示装置の具現が容易であり、ローラブルまたはフォルダブル表示装置を繰り返し巻いたり曲げたりしても、前記反射防止層700が剥がれるという問題も防止することができる。
【0059】
非晶質炭素(a‐C)以外に、光を吸収することができるポリマー(Polymer)、モノマー(Monomer)、金属、金属酸化物、またはグラファイト(Graphite)を前記反射防止層700の材料として用いることができる。
【0060】
したがって、前記反射防止層700は、非晶質炭素(a‐C)、ポリマー、モノマー、金属、金属酸化物およびグラファイトからなる群から選択された少なくとも1つを含んでなることができる。
【0061】
前記ポリマーは、常圧でプリンティング(printing)方式のコーティング工程によって低コストで具現することができる。
【0062】
前記モノマーは、真空状態で蒸発工程(Evaporation)で真空ブレーキ(Vacuum break)なしで進行可能な利点がある。
【0063】
前記金属は、タングステンおよびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1つを含むことができる。ここで、前記タングステンは、ビス(tert-ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(VI)[Bis(tert-butylimino)bis(dimethylamino)tungsten(VI)]、ペンタカルボニル(N,N-ジメチル)メタンアミン)タングステン[Pentacarbonyl(N,N-dimethylmethanamine)tungsten]、およびペンタカルボニル(1-メチルピロリジン)タングステン[pentacarbonyl(1-methylpyrrolidine)tungsten]からなる群から選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0064】
前記封止層800は、前記反射防止層700上に形成されている。前記封止層800は、前記発光層500に外部の水分が浸透するのを防止することができる。このような封止層800は、無機絶縁物からなることもでき、無機絶縁物と有機絶縁物が交互に積層した構造からなることもできるが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0065】
前記ハードコート層900は、前記封止層800上に形成されている。前記ハードコート層900は、表示装置表面のスクラッチ等を防止する層として表示装置表面の機械的強度を高める機能をすることができる。このようなハードコート層900は、当業界で公知された様々な透明物質からなることができる。
【0066】
図2は、本発明の他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。図2による表示装置は、第1界面層710をさらに形成した点を除いて、上述した図1による表示装置と同じである。したがって、同じ構成には同じ図面符号を付し、以下では異なる構成についてのみ説明することにする。
【0067】
図2から分かるように、本発明の他の実施例によれば、反射防止層700の上面に第1界面層710をさらに具備している。すなわち、前記第1界面層710は、前記反射防止層700の表面のうちの画像が表示される表示面に近い上面に形成され、より具体的には、前記第1界面層710は、前記反射防止層700と封止層800の間に具備されている。
【0068】
前記第1界面層710は、前記封止層800を透過した外部の光が前記反射防止層700の上面で全反射せずに前記反射防止層700の内部に進入できるようにする役割をする。このような第1界面層710は、前記反射防止層700の屈折率と前記封止層800の屈折率の間の範囲の屈折率を有するように具備される。
【0069】
前記反射防止層700の屈折率と前記封止層800の屈折率差が大きい場合、前記封止層800を通じて入射した外部光が前記反射防止層700の内部に侵入することができず、前記反射防止層700の上面で全反射する問題が発生するため、本発明の他の実施例では、前記反射防止層700と封止層800の間に前記第1界面層710をさらに形成することにより、前記反射防止層700の屈折率と前記封止層800の屈折率の差を補償して、外部光が前記反射防止層700の内部に容易に進入できるようにした。
【0070】
前記第1界面層710は、酸化シリコン、酸化タングステン、または酸化チタンなどの金属酸化物を含んでなることができ、窒化シリコンを含んでなることもできる。
【0071】
図3は、本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。図3による表示装置は、第2界面層720をさらに形成した点を除いて、上述した図2による表示装置と同じである。したがって、同じ構成には同じ図面符号を付し、以下では異なる構成についてのみ説明することにする。
【0072】
図3から分かるように、本発明のまた他の実施例によれば、反射防止層700の下面に第2界面層720がさらに具備されている。すなわち、前記第2界面層720は、前記反射防止層700の表面のうちの画像が表示される表示面から相対的に遠い下面に形成され、より具体的には、前記第2界面層720は、前記反射防止層700と第2電極600の間に具備されている。
【0073】
前記第2界面層720は、表示装置内部で反射した外部の光が前記表示装置内にとどまらずに、前記反射防止層700の方向に進行して前記反射防止層700の内部に侵入するようにする役割をする。このような第2界面層720は、前記反射防止層700の屈折率と前記第2電極600の屈折率との間の範囲の屈折率を有するように具備される。
【0074】
前記反射防止層700の屈折率と前記第2電極600の屈折率の差が大きい場合、前記表示装置内部で反射した後、前記第2電極600を透過した外部光が前記反射防止層700の内部に侵入することができず、前記反射防止層700の下面で全反射する問題が発生するため、本発明のまた他の実施例では、前記反射防止層700と第2電極600の間に前記第2界面層720をさらに形成することにより、前記反射防止層700の屈折率と前記第2電極600の屈折率の差を補償し、外部光が前記反射防止層700の内部に容易に進入することができるようにした。
【0075】
前記第2界面層720は、酸化シリコン、酸化タングステン、または酸化チタンなどの金属酸化物を含んでなることもでき、窒化シリコンを含んでなることもできる。
【0076】
一方、図に示していないが、図3の構造において前記第1界面層710を省略することも可能である。
【0077】
図4は、本発明のまた他の実施例による前記反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。図4による表示装置は、反射防止層700の形成位置を変更した点で、上述した図1による表示装置と異なる。したがって、同じ構成には同じ図面符号を付し、以下では異なる構成についてのみ説明することにする。
【0078】
上述した図1によれば、反射防止層700が第2電極600と前記封止層800の間に具備されている。
【0079】
これに対して、図4によれば、反射防止層700が封止層800の内部に具備されている。すなわち、図4によれば、第2電極600上に第1封止層810が具備されていて、前記第1封止層810上に反射防止層700が具備されていて、前記反射防止層700上に第2封止層820が具備されている。
【0080】
前記第1封止層810と前記第2封止層820は、互いに同じ物質からなることもでき、互いに異なる物質からなることもできる。
【0081】
一方、図に示していないが、前記反射防止層700の上面、より具体的には前記第2封止層820と前記反射防止層700の間に、上述した図2による第1界面層710がさらに形成されていて、また、前記反射防止層700の下面、より具体的には、前記第1封止層810と前記反射防止層700の間に上述した図3による第2界面層720をさらに形成することができる。
【0082】
ここで、前記第1界面層710は、前記反射防止層700の屈折率と前記第2封止層820の屈折率との間の範囲の屈折率を有するように具備され、前記第2界面層720は、前記反射防止層700の屈折率と前記第1封止層810の屈折率との間の範囲の屈折率を有するように具備される。
【0083】
図5は、本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。図5による表示装置は、反射防止層700の形成位置を変更した点で、上述した図1による表示装置と異なる。したがって、同じ構成には同じ図面符号を付し、以下では異なる構成についてのみ説明することにする。
【0084】
図5によれば、反射防止層700が封止層800の上面に具備されている。すなわち、図5によれば、反射防止層700が封止層800と前記ハードコート層900の間に具備されている。
【0085】
一方、図に示していないが、前記反射防止層700の上面、より具体的には前記ハードコート層900と前記反射防止層700の間に、上述した図2による第1界面層710をさらに形成することができ、また、前記反射防止層700の下面、より具体的には前記封止層800と前記反射防止層700の間に上述した図3による第2界面層720をさらに形成することができる。
【0086】
ここで、前記第1界面層710は、前記反射防止層700の屈折率と前記ハードコート層900の屈折率との間の範囲の屈折率を有するように具備され、前記第2界面層720は、前記反射防止層700の屈折率と前記封止層800の屈折率との間の範囲の屈折率を有するように具備される。
【0087】
図6は、本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。図6による表示装置は、反射防止層700の形成位置を変更した点で、上述した図1による表示装置と異なる。したがって、同じ構成には同じ図面符号を付し、以下では異なる構成についてのみ説明することにする。
【0088】
図6によれば、反射防止層700がハードコート層900の上面に具備されている。一方、図に示していないが、前記反射防止層700の下面、より具体的には前記ハードコート層900と前記反射防止層700の間に、上述した図3による第2界面層720をさらに形成することができる。
【0089】
ここで、前記第2界面層720は、前記反射防止層700の屈折率と前記ハードコート層900の屈折率との間の範囲の屈折率を有するように具備される。
【0090】
図7および図8は、本発明のまた他の実施例による反射防止層を具備した表示装置の概略断面図である。
【0091】
上述した図1図6は、発光した光が上部の方に放出されるいわゆる上部発光(Top emission)方式に関するものであり、したがって、発光層500の下の第1電極300が反射層を含み、発光層600上の第2電極600は、透明または半透明電極からなり、反射防止層700は、発光層500の上側に具備されている。
【0092】
これに対して、図7及び図8は、発光した光が下部の方に放出されるいわゆる下部発光(Bottom emission)方式に関するものであり、したがって、発光層500の下の第1電極300が透明又は半透明電極からなり、発光層600上の第2電極600は、反射電極からなり、反射防止層700が発光層500の下側に具備されている。
【0093】
以下では、上述した図1図6と異なる構成についてのみ説明することにする。
【0094】
図7によれば、反射防止層700が基板100の上面と接触するように形成される。より具体的には、前記反射防止層700が基板100と回路素子層200の間に具備されている。
【0095】
一方、図に示してはいないが、前記反射防止層700の下面、より具体的には、前記基板100と前記反射防止層700の間に、上述した図2による第1界面層710をさらに形成することができ、また、前記反射防止層700の上面、より具体的には前記回路素子層200と前記反射防止層700の間に上述した図3による第2界面層720をさらに形成することができる。
【0096】
ここで、前記第1界面層710は、前記反射防止層700の屈折率と前記基板100の屈折率との間の範囲の屈折率を有するように具備され、前記第2界面層720は、前記反射防止層700の屈折率と前記回路素子層200、特にゲート絶縁膜220の屈折率との間の範囲の屈折率を有するように具備することができる。
【0097】
図8によれば、反射防止層700が基板100の下面と接触するように形成される。一方、図に示していないが、前記反射防止層700の上面、より具体的には前記基板100と前記反射防止層700の間に、上述した図3による第2界面層720をさらに形成することができる。
【0098】
ここで、前記第2界面層720は、前記反射防止層700の屈折率と前記基板100の屈折率との間の範囲の屈折率を有するように具備することができる。
【0099】
以上、添付の図を参照して本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲内で多様に変形して実施することができる。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。したがって、以上で記述した実施例はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されなければならない。本発明の保護範囲は、請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】