(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】微生物を中和させるために光放射線を生成するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20240711BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61L2/10
A61B1/12 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023575973
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 IT2022050201
(87)【国際公開番号】W WO2023286096
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021000018290
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517349474
【氏名又は名称】レオナルド ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェッラ パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ファツィオ エウジェーニオ
【テーマコード(参考)】
4C058
4C161
【Fターム(参考)】
4C058AA15
4C058BB06
4C058DD11
4C058DD13
4C058KK02
4C058KK32
4C161GG09
(57)【要約】
本発明は、微生物を中和させるために光放射線を生成するためのシステムに関する。
該システムは、光放射線を発するための光源(1)と、それぞれがそれぞれの微生物と関連付けられた1つ以上の固有の識別コードを有する記憶手段(2)と、該微生物と関連付けられた少なくとも1つのそれぞれの波長範囲と、論理制御ユニット(3)を含む。該論理制御ユニット(3)は、中和する微生物に基づいて波長範囲を選択することと、該光源(1)によって発せられる光放射線が、該選択された波長範囲内の波長を有するように該光源(1)を活性化し、その結果、システム使用時、該光放射線が微生物内で光学共鳴を誘発し、該微生物の遺伝的性質の変性を引き起こすこととを行うように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物を中和させるために光放射線を生成するためのシステムであって、
-光放射線を発するための光源(1)と、
それぞれがそれぞれの微生物と関連付けられた1つ以上の固有の識別コードと、
前記微生物と関連付けられた少なくとも1つのそれぞれの波長範囲とが格納される、
-記憶手段(2)と、
-前記光源(1)に、及び前記記憶手段(2)に接続された論理制御ユニット(3)であって、
中和する前記微生物に基づいて波長範囲を選択することと、
前記光源(1)によって発せられる前記光放射線が、前記選択された波長範囲内の波長を有するように前記光源(1)を活性化し、その結果、前記システム使用時、前記光放射線が前記微生物内で光学共鳴を誘発し、前記微生物の遺伝的性質の変性を引き起こすことと、
を行うように構成された前記論理制御ユニット(3)と、を備える、前記システム。
【請求項2】
複数の波長範囲が同じ微生物と関連付けられているとき、前記論理制御ユニット(3)が、前記複数の波長範囲のうちの前記波長範囲の間で、前記複数の波長範囲の他の波長範囲に属する波長値よりも大きい波長値を有する波長範囲を選択するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光源が、UVランプまたはLED光源であり、
前記システムが、前記光放射線をフィルタリングするためのフィルタリング手段(5)を備え、前記フィルタリング手段が、前記光放射線が、好ましくは4nm以下、より好ましくは1と3nmとの間の所定の帯域幅を有するように前記光放射線をフィルタリングするためのバンドパスフィルタを備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムが、前記光源(1)と前記フィルタリング手段(5)との間に配置された光学装置(4)を備える、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記システムが光学装置(4)を備え、前記フィルタリング手段(5)が前記光学装置(4)の内部に配置される、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記光学装置(4)が、前記光源(1)によって発せられる前記光放射線の直径を小さくするための少なくとも1つのレンズ、または前記光源(1)によって発せられる前記光放射線の直径を大きくするための少なくとも1つの発散レンズを備える、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムが、光学プローブ(6)を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記微生物がSARS-COV2ウイルスであり、
前記波長が、158nmと162nmの間の波長範囲に入り、好ましくは160nmであるか、
または、
前記波長が、111nmと115nmの間の波長範囲に入り、好ましくは113nmであるか、
または、
前記波長が、96nmと100nmの間の波長範囲に入り、好ましくは98nmである、請求項1から7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記微生物がMersまたはSARS-Covウイルスであり、
前記波長が、172nmと176nmの間の波長範囲に入り、好ましくは174nmであるか、
または、
前記波長が、134nmと138nmの間の波長範囲に入り、好ましくは136nmであるか、
または、
前記波長が、126nmと130nmの間の波長範囲に入り、好ましくは128nmであるか、
または、
前記波長が、100nmと104nmの間の波長範囲に入り、好ましくは102nmであるか、
または、
前記波長が、84nmと88nmの間の波長範囲に入り、好ましくは86nmであるか、
または、
前記波長が、72nmと76nmの間の波長範囲に入り、好ましくは74nmであるか、
または、
前記波長が、56nmと60nmの間の波長範囲に入り、好ましくは58nmである、請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記微生物が、ロタウイルスであり、
前記波長が、112nmと116nmの間の波長範囲に入り、好ましくは114nmであるか、
または、
前記波長が、66nmと70nmの間の波長範囲に入り、好ましくは68nmであるか、
または、
前記波長が、52nmと56nmの間の波長範囲に入り、好ましくは54nmである、請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記微生物が、ライノウイルスまたはアフトウイルスまたはカルジオウイルスまたはヘパトウイルスまたはポリオウイルスであり、
前記波長が、44nmと48nmの間の波長範囲に入り、好ましくは46nmであるか、
または、
前記波長が、30nmと34nmの間の波長範囲に入り、好ましくは32nmである、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記微生物が、ヒトサイトメガロウイルスであり、
前記波長が、316nmと320nmの間の波長範囲に入り、好ましくは318nmであるか、
または、
前記波長が、216nmと220nmの間の波長範囲に入り、好ましくは218nmであるか、
または、
前記波長が、190nmと194nmの間の波長範囲に入り、好ましくは192nmであるか、
または、
前記波長が、165nmと169nmの波長範囲に入り、好ましくは167nmである、請求項1から11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記微生物が、HIVウイルスであり、
前記波長が、149nmと153nmの間の波長範囲に入り、好ましくは151nmであるか、
または、
前記波長が、103nmと107nmの間の波長範囲に入り、好ましくは105nmであるか、
または、
前記波長が、92nmと96nmの間の波長範囲に入り、好ましくは94nmであるか、
または、
前記波長が、71nmと75nmの間の波長範囲に入り、好ましくは73nmである、請求項1から12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記微生物が、天然痘ウイルスであり、
前記論理制御ユニット(3)が、前記記憶手段(2)に前記天然痘ウイルスの1つ以上の寸法を格納するように構成されており、
前記天然痘ウイルスの332,5nmと367,5nmの間の第1の寸法に基づいて、
前記波長が、515nmと519nmの間の波長範囲に入り、好ましくは517nmであるか、
もしくは、
前記波長が、345nmと349nmの間の波長範囲に入り、好ましくは347nmであるか、
もしくは、
前記波長が、265nmと269nmの波長範囲に入り、好ましくは267nmであるか、
もしくは、
前記波長が、214nmと218nmの間の波長範囲に入り、好ましくは216nmであるか、または、
304nmと336nmの間の前記天然痘ウイルスの第2の寸法に基づいて、
前記波長が、506nmと510nmの間の波長範囲に入り、好ましくは508nmであるか、
もしくは、
前記波長が、359nmと363nmの間の波長範囲に入り、好ましくは361nmであるか、
もしくは、
前記波長が、296nmと300nmの間の波長範囲に入り、好ましくは298nmであるか、
もしくは
前記波長が、241nmと245nmの間の波長範囲に入り、好ましくは243nmであるか、
もしくは、
前記波長が、215nmと219nmの間の波長範囲に入り、好ましくは217nmである、請求項1から13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記微生物が、HBVウイルスであり、
前記波長が、67nmと71nmの波長範囲に入り、好ましくは69nmであるか、
または、
前記波長が、38nmと42nmの間の波長範囲に入り、好ましくは40nmであるか、
または、
前記波長が、29nmと32nmの間の波長範囲に入り、好ましくは31nmである、請求項1から14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記微生物が、インフルエンザウイルスであり、
前記波長が、170nmと174nmの間の波長範囲に入り、好ましくは172nmであるか、
または、
前記波長が、119nmと123nmの間の波長範囲に入り、好ましくは121nmであるか、
または、
前記波長が、104nmと108nmの間の波長範囲に入り、好ましくは106nmであるか、
または、
前記波長が、81nmと85nmの間の波長範囲に入り、好ましくは83nmである、請求項1から15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記微生物が、アデノウイルスであり、
前記波長が、122nmと126nmの間の波長範囲に入り、好ましくは124nmであるか、
または、
前記波長が、85nmと89nmの間の波長範囲に入り、好ましくは87nmであるか、
または、
前記波長が、75nmと79nmの間の波長範囲に入り、好ましくは77nmであるか、
または、
前記波長が、58nmと62nmの間の波長範囲に入り、好ましくは60nmである、請求項1から16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記微生物が、HCVウイルスであり、
前記波長が、77nmと81nmの間の波長範囲に入り、好ましくは79nmであるか、
または、
前記波長が、49nmと53nmの間の波長範囲に入り、好ましくは51nmであるか、
または、
前記波長が、38nmと42nmの間の波長範囲に入り、好ましくは40nmであるか、
または、
前記波長が、34nmと38nmの間の波長範囲に入り、好ましくは36nmである、請求項1から17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記微生物が呼吸器合胞体ウイルスであり、前記論理制御ユニット(3)が、前記記憶手段(2)に前記呼吸器合胞体ウイルスの1つ以上の寸法を格納するように構成されており、
前記呼吸器合胞体ウイルスの47,5nmと52,5nmの間の第1の寸法に基づいて、
前記波長が、98nmと102nmの間の波長範囲に入り、好ましくは100nmであるか、
もしくは、
前記波長が、68nmと72nmの間の波長範囲に入り、好ましくは70nmであるか、
もしくは、
前記波長が、59nmと63nmの間の波長範囲に入り、好ましくは61nmであるか、
もしくは、
前記波長が、52nmと56nmの間の波長範囲に入り、好ましくは54nmであるか、または、
123,5nmと136,5nmの間で成る前記呼吸器合胞体ウイルスの第2の寸法に基づいて、
前記波長が、198nmと202nmの間の波長範囲に入り、好ましくは200nmであるか、
もしくは、
前記波長が、138nmと142nmの間の波長範囲に入り、好ましくは140nmであるか、
もしくは、
前記波長が、120nmと124nmの間の波長範囲に入り、好ましくは122nmであるか、
もしくは、
前記波長が、106nmと110nmの間の波長範囲に入り、好ましくは108nmであるか、または、
前記呼吸器合胞体ウイルスの247nmと273nmの間の第3の寸法に基づいて、
前記波長が、404nmと408nmの間の波長範囲に入り、好ましくは406nmであるか、
もしくは、
前記波長が、285nmと289nmの間の波長範囲に入り、好ましくは287nmであるか、
もしくは、
前記波長が、243nmと247nmの間の波長範囲に入り、好ましくは245nmであるか、
もしくは、
前記波長が、220nmと224nmの間の波長範囲に入り、好ましくは222nmであるか、または、
前記呼吸器合胞体ウイルスの370,5nmと409,5nmの間の第4の寸法に基づいて、
前記波長が、606nmと610nmの間の波長範囲に入り、好ましくは608nmであるか、
もしくは、
前記波長が、427nmと431nmの間の波長範囲に入り、好ましくは429nmであるか、
もしくは、
前記波長が、361nmと365nmの間の波長範囲に入り、好ましくは363nmであるか、
もしくは、
前記波長が、276nmと280nmの間の波長範囲に入り、好ましくは278nmであるか、または、
前記呼吸器合胞体ウイルスの494nmと546nmの間の第5の寸法に基づいて、
前記波長が、814nmと818nmの間の波長範囲に入り、好ましくは816nmであるか、
もしくは、
前記波長が、576nmと580nmの間の波長範囲に入り、好ましくは578nmであるか、
もしくは、
前記波長が、490nmと494nmの間の波長範囲に入り、好ましくは492nmであるか、
もしくは、
前記波長が、448nmと452nmの間の波長範囲に入り、好ましくは450nmであるか、
もしくは、
前記波長が、378nmと382nmの間の波長範囲に入り、好ましくは380nmであるか、
前記呼吸器合胞体ウイルスの617,5nmと682,5nmの間の第6の寸法に基づいて、
前記波長が、1017nmと1021nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1019nmであるか、
もしくは、
前記波長が、721nmと725nmの間の波長範囲に入り、好ましくは723nmであるか、
もしくは、
前記波長が、614nmと618nmの間の波長範囲に入り、好ましくは616nmであるか、
もしくは、
前記波長が、560nmと564nmの間の波長範囲に入り、好ましくは562nmであるか、
もしくは、
前記波長が、474nmと478nmの間の波長範囲に入り、好ましくは476nmであるか、または、
前記呼吸器合胞体ウイルスの741nmと819nmの間の第7の寸法に基づいて、
前記波長が、1222nmと1226nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1224nmであるか、
もしくは、
前記波長が、866nmと870nmの間の波長範囲に入り、好ましくは868nmであるか、
もしくは、
前記波長が、740nmと744nmの間の波長範囲に入り、好ましくは742nmであるか、
もしくは、
前記波長が、568nmと572nmの間の波長範囲に入り、好ましくは570nmであるか、
もしくは、
前記波長が、528nmと532nmの間の波長範囲に入り、好ましくは530nmである、請求項1から18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記微生物が、大腸菌であり、
前記波長が、1679nmと1683nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1681nmであるか、
または、
前記波長が、1153nmと1157nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1155nmであるか、
または、
前記波長が、1120nmと1124nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1122nmであるか、
または、
前記波長が、1086nmと1090nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1088nmであるか、
または、
前記波長が、1066nmと1070nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1068nmであるか、
または、
前記波長が、870nmと874nmの間の波長範囲に入り、好ましくは872nmであるか、
または、
前記波長が、810nmと814nmの間の波長範囲に入り、好ましくは812nmであるか、
または、
前記波長が、779nmと783nmの間の波長範囲に入り、好ましくは781nmであるか、
または、
前記波長が、745nmと749nmの間の波長範囲に入り、好ましくは747nmである、請求項1から19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記微生物が、サルモネラ菌であり、
前記波長が、1147nmと1151nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1149nmであるか、
または、
前記波長が、1065nmと1069nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1067nmであるか、
または、
前記波長が、969nmと973nmの波長範囲に入り、好ましくは971nmであるか、
または、
前記波長が、863nmと867nmの間の波長範囲に入り、好ましくは865nmであるか、
または、
前記波長が、773nmと777nmの間の波長範囲に入り、好ましくは775nmであるか、
または、
前記波長が、690nmと694nmの間の波長範囲に入り、好ましくは692nmであるか、
または、
前記波長が、542nmと546nmの間の波長範囲に入り、好ましくは544nmである、請求項1から20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記微生物が、ボツリヌス菌であり、
前記波長が、1726nmと1730nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1728nmであるか、
または、
前記波長が、1548nmと1552nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1550nmであるか、
または、
前記波長が、1418nmと1422nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1420nmであるか、
または、
前記波長が、1253nmと1257nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1255nmであるか、
または、
前記波長が、1177nmと1181nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1179nmである、請求項1から21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
光学プローブ(6)が、気管支鏡のプローブ、または喉頭用プローブ、または胃食道用プローブ、または内視鏡プローブである、請求項7から22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
透析器フィルタと、第1の血管アクセスポイントから多量の血液を引き出すため、及び前記多量の血液を前記フィルタにポンプで送り込むための流体回路と、前記光源(1)が前記透析器フィルタに対応して配置される、請求項1から22のいずれか1項に記載のシステムとを備える、血液透析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微生物を中和させるために光放射線を生成するためのシステムに関する。
【0002】
用語「微生物」は細菌とウイルスの両方を指すが、真菌、藻類、胞子、毒素、タンパク質、寄生虫などの任意の病原菌も指す。
【0003】
特に、本発明は、微生物自体の遺伝的遺産の変性を通して、例えば特にSARS COV-コロナウイルス2などの細菌及びウイルスなどの微生物を抑制するためになど、(体重長などの)技術的特性を有する光放射線を生成するように構成されたシステムの構造にも関する。
【0004】
表現「遺伝的遺産の変性」は、少なくとも1つの核酸(DNAまたはRNA)の変性を意味する。
【0005】
一般に、システムによって生成される光放射線を用いて、微生物自体における光学共鳴を引き起こすエネルギー量を微生物に伝達することが可能である。
【0006】
光学共鳴によって、微生物の不可逆的な生理学的かつ形態学的な変換が引き起こされる。
【0007】
微生物がウイルス、特にSARS COV-2コロナウイルスである場合、システムによって生成される光放射線は、SARS COV-2コロナウイルスの遺伝物質に不可逆的な損傷を引き起こす。
【0008】
以下の説明では、少なくとも1つの第1の膜を具備する任意の微生物を中和させるために使用されるシステムが参照される。
【0009】
実際には、微生物は複数の膜を有する可能性がある。
【0010】
微生物が第1の膜及び第2の膜を有する場合、第1の膜は外側膜である可能性があり、第2の膜は内側膜である可能性がある。つまり、第2の膜は、第1の膜で区切られた内部容積に配置されている。
【0011】
一例では、有機体が2つの膜を有するウイルスであるとき、第1の膜はペリキャプシド(pericapsid)である可能性があり、第2の膜はキャプシドである可能性がある。
【0012】
さらなる例では、有機体が3つの膜を有するウイルスであるとき、第1の膜はスーパーキャプシド(supercapsid)であり、第2の膜はペリキャプシドであり、第3の膜はキャプシドである。
【0013】
同じシステムは、異なる目的のために同じ利点を用いて使用することができる。
【0014】
第1の例では、システムは、ホスピス、病棟、手術室、実験室、映画館、劇場、飛行機、電車、レストラン、バー、ディスコ、ジム、スイミングプールなどの人々を受け入れることを目的とした任意の公共のまたは私的な環境を消毒または滅菌するために使用することができる。
【0015】
第2の例では、システムは、器具、製品などの任意の物体、または液体もしくは気体などの任意の流体を消毒または滅菌するために使用することができる。
【0016】
第3の例では、システムは、工業的な生産サイクルにおいてさえ、食品及び飲料を滅菌するために使用することができる(例えば、サルモネラ、ボツリヌスなどの滅菌)。
【0017】
さらなる例では、該システムは、(例えば、気道内、及び/または呼吸器系の肺胞内、及び/または患者の血液中に存在する)局所的なウイルス負荷を低減させるために、または皮膚学的な変化もしくは感染した創傷を治療するために医療分野で使用することもできる。
【背景技術】
【0018】
一般に、微生物は、人間の目に見えない有機体である。
【0019】
該微生物は、遺伝物質、特に、例えばDNA及び/またはRNAなどの少なくとも1つの核酸を含む。
【0020】
細菌は、サイズが0.2と10μmの間、ウイルスは0.015~0.25μmである可能性がある。
【0021】
既知であるように、ウイルスは、電子顕微鏡でしか見えない微生物である。
【0022】
さらに、ウイルスは自律的な生命を維持することはできず、細胞の代謝装置を必要とする。したがって、生き、複製するためのウイルスは、強制的に別の有機体に感染させられる。
【0023】
UV放射線が核酸、DNA及びRNAと相互作用することができ、遺伝的性質の変性を引き起こすことも既知である。
【0024】
したがって、微生物の遺伝的遺産を変性させるためにUV光放射線を発することができるシステムが既知である。
【0025】
一方、UV光放射線の使用に、ウイルスまたは細菌に対する殺菌作用を有するという利点がある場合、他方で、UV光放射線を使用することの不利な点は、UV光放射線がヒトのDNA及びRNAとも相互作用して、たとえ光放射線の強度が低減されても、該光放射線によって直接的に影響を受ける人々に有害となる点である。
【0026】
さらに、ウイルス/細菌の集団の有意な減少を得るために光放射線に曝露する時間は十分に長い。
【0027】
したがって、コロナウイルス、特にSARS-CoV-2などのウイルスの場合、これらのウイルスに対するUV光放射線を人体組織に発することは、ウイルスを中和させることだけではなく、有害な腫瘍作用を有する該人体組織に損傷を与えることも意味するであろう。
【0028】
この理由から、つまり、人体組織に対するUV光放射線の有害な腫瘍作用により、UV光放射線の使用は、人の存在下では禁止されており、とりわけ人体に対する直接的な使用は禁止されている。
【0029】
UV光放射線の使用の制限は厳しい。すなわち、8時間の時間間隔にわたって計算された最大線量は30J/m2である。
【0030】
さらに、固形物またはガラス状物質から作られた表面または物体の浄化の場合、長いUV照射時間が、該固形物またはガラス状物質に構造変化を引き起こすことが可能である場合があることを考慮する必要がある。
【0031】
追加のシステムは、ウイルス/細菌を消毒または滅菌または中和させるために光放射線を生成することができる。
【0032】
これらのシステムは、レーザーであり、理論的にではないが実験的に検証されるように、微生物の遺伝的遺産の変性を引き起こすことができる青色または赤色の光放射線を発するためになどの波長を有する光源を具備する。
【0033】
しかしながら、レーザーに加えて、光線感作物質または染料または見つけることが容易ではなく、したがってシステムの使用の制限を表す他の物質を使用することが必要である。
【0034】
例えば、レーザーが(フェムト秒のオーダーの)高周波でのパルス化されたレーザーであるとき、光線感作物質の存在は青色光を発するために必要ではない。
【0035】
しかしながら、不利な点は、このようなレーザーを発見し、使用することが困難である点である。
【0036】
さらに、微生物を抑制するために可視スペクトルまたは赤外スペクトルに属する波長を使用することは知られていない。
【発明の概要】
【0037】
本発明の目標は、該不利な点を克服し、光放射線が人に向けられるときに、人体の該組織が損傷を受けることなく、物体上でまたは人体の組織上で、該微生物、特に細菌及びウイルス、より具体的にはSARS-COV2コロナウイルスを中和させることができる光放射線を発するために構成されたシステムを提供することである。
【0038】
特に、該システムは、狭帯域に含まれる波長を有するUV光放射線を発するように設計されており、これにより該UV光放射線は、微生物と相互作用することが可能になり、該微生物を中和させることができる光学共鳴が引き起こされる。
【0039】
一方では、光放射線から微生物へのエネルギー伝達は、微生物を中和させることを可能にし、他方、この光放射線は、それが共鳴現象の影響により微生物内部で増幅されるため、微生物内部で高い出力密度を有するが、この光放射線は、健康な組織にとっては有害ではなく、したがって人々の健康にとって有害ではない。
【0040】
発明の目的
したがって、本発明の目的は、請求項1に請求されるように微生物を中和させるために光放射線を生成するためのシステムである。
【0041】
さらなる実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0042】
本発明は、ここで、その実施形態に従って、限定的ではなく例示的な目的で説明され、添付される図を詳細に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、本発明の対象であるシステムの概略図である。
【
図2A】
図2Aは、球体によって表される微生物と、正弦波によって表される光放射線を示す概略図であって、光放射線は、
図1のシステムによって生成され、微生物に衝突しそうである。
【
図2B】
図2Bは、微生物を示す概略図であり、光放射線は、光学共鳴により部分的に捕捉されており、この光放射線は、微生物の内壁の一部分から同じ内壁の別の部分へ跳ね返り、その結果、光放射線の強度は高まり、この内壁に対する熱の形で多量のエネルギーが伝達され、一方、さらなる光放射線は微生物に衝突しそうである。
【
図2C】
図2Cは、微生物を示す概略図であり、該さらなる光放射線は部分的に捕捉されており、一方さらなる光放射線は微生物に衝突しそうであり、その結果、膜内部の光放射線の強度は高まり続け、微生物の内壁に対する熱の形で伝達される多量のエネルギーは増加する。
【
図3】
図3は、数値シミュレーション用のSARS-COV2ウイルスモデルの断面正面図である。
【
図4】
図4は、本発明のシステム対象によって発せられた光放射線の波長の関数として、入力電場に対して正規化された電場を表すグラフを示し、該正規化された電場は
図3のSARS-COV2ウイルスモデルに対する複数の有限要素数値シミュレーションによって計算されている。
【
図5】
図5は、数値シミュレーション用のコロナウイルス科のウイルスモデルの斜視図である。
【
図6】
図6は、数値シミュレーション用のロタウイルスのウイルスモデルの透明度での斜視図である。
【
図7】
図7は、数値シミュレーション用のピコルナウイルス科のウイルスモデルの透明度での斜視図である。
【
図8】
図8は、数値シミュレーション用のヘルペスウイルス科のウイルスモデルの斜視図である。
【
図9】
図9は、数値シミュレーション用のHIVウイルスモデルの透明度での斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、それぞれ、数値シミュレーション用の第1の天然痘ウイルスモデルの斜視図、及び数値シミュレーション用の第2の天然痘ウイルスモデルの斜視図であり、第2のウイルスモデルは第1のモデルとは異なる寸法を有する。
【
図10B】
図10Bは、それぞれ、数値シミュレーション用の第1の天然痘ウイルスモデルの斜視図、及び数値シミュレーション用の第2の天然痘ウイルスモデルの斜視図であり、第2のウイルスモデルは第1のモデルとは異なる寸法を有する。
【
図11】
図11は、数値シミュレーション用のHBVウイルスモデルの斜視図である。
【
図12】
図12は、数値シミュレーション用のオルトミクソウイルス科のウイルスモデルの透明度での斜視図である。
【
図13】
図13は、数値シミュレーション用のアデノウイルスのウイルスモデルの斜視図である。
【
図14】
図14は、数値シミュレーション用のHCVウイルスモデルの斜視図である。
【
図15A】数値シミュレーション用の呼吸器合胞体ウイルスRSVの第1のモデルの変異体の斜視図である。
【
図15B】数値シミュレーション用の呼吸器合胞体ウイルスRSVの第2のモデルの変異体の斜視図である。
【
図15C】数値シミュレーション用の呼吸器合胞体ウイルスRSVの第3のモデルの変異体の斜視図である。
【
図15D】数値シミュレーション用の呼吸器合胞体ウイルスRSVの第4のモデルの変異体の斜視図である。
【
図15E】数値シミュレーション用の呼吸器合胞体ウイルスRSVの第5のモデルの変異体の斜視図である。
【
図15F】数値シミュレーション用の呼吸器合胞体ウイルスRSVの第6のモデルの変異体の斜視図である。
【
図15G】数値シミュレーション用の呼吸器合胞体ウイルスRSVの第7のモデルの変異体の斜視図である。
【
図16】数値シミュレーション用の大腸菌の斜視図である。
【
図17】数値シミュレーション用のサルモネラ菌の斜視図である。
【
図18】数値シミュレーション用のボツリヌス菌の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1を参照すると、微生物、特にSARS COV-2コロナウイルスを中和させるために光放射線を生成するためのシステムである。
【0045】
前記システムは、
-光放射線を発するための光源1と、
-以下が格納される記憶手段2と、
それぞれがそれぞれの微生物と関連付けられた1つ以上の固有の識別コード、及び、
該微生物と関連付けられた少なくとも1つのそれぞれの波長範囲、
-該光源1に、及び該記憶手段2に接続された論理制御ユニット3であって、
中和する微生物に基づいて波長範囲を選択することと、
該光源1によって発せられる光放射線が、該選択された波長範囲内の波長を有するように該光源1を活性化し、その結果、システム使用時、該光放射線が微生物内で光学共鳴を誘発し、該微生物の遺伝的性質の変性を引き起こすことと、
を行うように構成された論理制御ユニット3と、を含む。
【0046】
光源1に関して、該光源は、UVランプまたはLED光源またはレーザーである場合がある。
【0047】
特に、該波長範囲は、以下によりよく開示されるように、該微生物内部での光学共鳴現象を誘発するように、微生物ごとに以前に特定されていた。
【0048】
複数の波長範囲は、1つ以上の微生物と関連付けることができる。
【0049】
このような波長範囲の波長の値は、該微生物内で光学共鳴を誘発するように選ばれる。
【0050】
複数の波長範囲が1つの微生物と関連付けられているとき、該論理制御ユニット3は、該複数の波長範囲間で波長範囲を選択するように構成することができる。
【0051】
論理制御ユニットが、波長値が、該複数の波長の他の波長範囲に属する波長値よりも大きい波長範囲を選択するように構成されることが好ましい。
【0052】
実際、より高い波長値を有する光放射線は、紫外スペクトルではなく可視スペクトルに属し得る。
【0053】
したがって、微生物に放射する光放射線は、ヒトの組織にとって有害ではない。
【0054】
LED光源は、UVランプによって発せられた光放射線よりも狭い帯域を有し、かつ、限られた放射角度を有する光放射線を発することができるので、光源1がLED光源であることが好ましい。
【0055】
該帯域幅が4nm以下であることが好ましく、該帯域幅が1nmと3nmとの間であることがさらに好ましい。
【0056】
有利なことに、特に1nmと3nmとの間の狭帯域幅を使用すると、一方で、患者が曝露する光放射線の全線量が安全性限界よりも低いことと、他方で、微生物が、該光学共鳴を誘発するような波長を有する光放射線で照射されることとを確実にすることが可能である。
【0057】
LED光源によって発せられる光放射線に関して、帯域幅及び制限された放射角度は、より大きい滅菌または浄化の能力を有することができる光放射線を有するために役立つ。
【0058】
特に、光放射線が限られた放射角度を有するという事実によって、光放射線は、光源から著しい距離でも高い出力密度を維持することが可能になる。
【0059】
さらに、LED光源が同じ強度を有する光放射線を発するために消費するエネルギーは、UVランプよりも少ない。
【0060】
エネルギーの観点からは、該光源1がレーザーであることがさらに好ましい。
【0061】
したがって、レーザーは、SARS-Cov-2コロナウイルスなどのコロナウイルス科と呼ばれるウイルス属に属する微生物を効率的に中和させるために使用することができる。
【0062】
該システムは、光源1によって発せられる光放射線をヒトの組織上にまたは滅菌もしくは消毒される物体上に集束させるための少なくとも1つの光学装置4を含むことができる。
【0063】
該光学装置4は、少なくとも1つの第1の光ファイバを通して光源1に接続される。
【0064】
該光学装置4は、1つ以上のレンズを含むことができる。
【0065】
該1つ以上のレンズは、光源1によって発せられる光放射線の直径を小さくするために収束する場合もあれば、光源1によって発せられる光放射線の直径を大きくするために発散する場合もある。
【0066】
システムは、光源のタイプに応じて、互いに異なるとしても複数の光学装置を含むことができる。
【0067】
システムは、微生物において光学共鳴を得るように所定の帯域幅を選択するためのフィルタリング手段5を含むことができる。
【0068】
光源がUVランプまたはLED光源であるときには該フィルタリング手段は必要であるが、光源がレーザーであるときには、該フィルタリング手段の存在は必要ではない。
【0069】
該フィルタリング手段5はバンドパスフィルタを含むことができる。
【0070】
開示されている実施形態では、該光学装置4は、該光源1と該フィルタリング手段5との間に配置される。
【0071】
しかしながら、該フィルタリング手段5は、他の場所に配置することができる。
【0072】
例えば、該フィルタリング手段5は、本発明の範囲から逸脱することなく、光学装置4に含めることができる。
【0073】
実際に、光源1は、複数の波長を含む広帯域スペクトルを有する光放射線を発することが可能である場合があり、フィルタリング手段5は、波長範囲内での波長の通過のみを可能にするように構成されたバンドパスフィルタを含み得るか、または波長範囲内での波長の通過のみを可能にするように構成されたバンドパスフィルタから成り立ち得る。
【0074】
すでに言及されたように、波長範囲の帯域幅は、好ましくは4nm以下、より好ましくは1nmと3nmとの間である。
【0075】
システムは、光学プローブ6を含むことができる。
【0076】
該光学プローブ6は、該フィルタリング手段5がシステムに含まれる場合、フィルタリング手段5に、または該フィルタリング手段5がシステムに含まれない場合(例えば、光源がレーザーであるとき)、光学装置4に接続することができる。
【0077】
特に、該光学プローブ6は、第2の光ケーブルを介してフィルタリング手段5に、または該光学装置4に接続することができる。
【0078】
変異体では、光放射線1は、該光学プローブ6に含めることができる。
【0079】
光学プローブは、気管支鏡のプローブ、または喉頭用プローブ、または胃食道用プローブ、または内視鏡プローブである場合がある。
【0080】
上記のプローブのタイプに関わりなく、光学プローブ6は、例えば気道、食道、中空器官、及び/または血管内部など、患者での使用時に挿入することができる。
【0081】
光学プローブ6の存在に関わりなく、システムはユーザーインターフェースモジュール7を含むことができる。
【0082】
該ユーザーインターフェースモジュール7は、光放射線と、例えば、波長、光出力、照射の持続時間など、該光放射線と関連付けられた1つ以上のパラメータを表示するために表示装置7Aとを含むことができる。
【0083】
上述のシステムは、透析機に含めることができる。
【0084】
一般に、血液透析装置は、以下を含む。
-少なくとも1つの透析器フィルタ、及び、
-患者の第1の血管アクセスポイントに、及び第1の血管アクセスポイントとは異なる第2の血管アクセスポイントに接続される流体回路(例えば、2つの血管アクセスポイントは、動静脈瘻に配置することができる)。
【0085】
流体回路を通して、多量の血液が第1の血管アクセスポイントから引き出され、透析器フィルタに向かってポンプで送り込まれる。
【0086】
透析器フィルタは、流体回路を介して第2の血管アクセスポイントで該多量の血液が患者に戻される前に、該多量の血液をろ過する。
【0087】
透析機が該システムを含む場合、光源1は、該透析器フィルタに設置され、その結果、患者の血液は、ろ過の前、ろ過の間またはろ過の後に照射される。
【0088】
以下は、微生物の属、及びこのような微生物を中和させるために使用される光放射線の波長(ナノメートルで表現)のいくつかの例である。
【0089】
波長は、数値シミュレーション用のソフトウェアを用いて該微生物が受ける光放射線と関連付けられた電磁場に関する1つ以上の微分方程式を解くための微生物のモデリング及びシステムのシミュレーションを通じて特定された。
【0090】
言い換えると、該数値シミュレーションは、環境内で、所定の微生物の属に属する少なくとも1つの微生物の3Dモデルにおける光放射線の伝搬をシミュレートする。
【0091】
各微生物は、サイズの平均値を使用してモデル化された。
【0092】
数値シミュレーションの結果は、数値シミュレーションの微生物対象の寸法に類似する寸法を有する微生物に適用可能である。
【0093】
特に、これらの寸法は、数値シミュレーションの対象の微生物の駿府に対して±5%の倍数で変化する場合がある。
【0094】
したがって、外径が100nmに等しいほぼ球形の微生物に関する数値シミュレーションの結果は、95nmと105nmとの間の寸法を有する微生物に適用することができる。
【0095】
環境は、空気中または水中の微生物の挙動をモデル化するために、空気または水の物理的特性が関連付けられた微生物のサイズよりも大きい容積としてモデル化された。
【0096】
100nmに等しい外径を有するウイルスをモデル化する場合、この環境は、例えば、800×800×800nm3に等しい寸法を有する立方体である場合がある。
【0097】
該微生物がウイルスである場合、通常、ウイルスは、唾液小滴など、流体内で運ばれるため、水中でのその挙動をモデル化することは特に有利である。
【0098】
図5Bを参照すると、「コロナウイルス科」と呼ばれるウイルス属に属するウイルス、特にSARS-COV-2の3Dモデリングの場合、このようなウイルスは、ウイルスの4つの別々の領域を画定するために、2つの同心球形要素、つまり、第1の直径を有する第1の球形要素、及び該第1の直径よりも小さい第2の直径を有する第2の球形要素を使用してモデル化された。
【0099】
特に、該第1の球形要素のシェルは、ペリキャプシドと関連付けられたウイルスの第1の領域を表し、該第1の直径は、95nmと105nmの間であり、特定の場合は100nmに等しい。
【0100】
該第2の球形要素のシェルは、キャプシドと関連付けられたウイルスの第2の領域を表し、85.5nmと94.5nmの間の直径を有し、特定の場合は90nmに等しい直径を有する。
【0101】
実際に、各シェルが微生物の膜と関連付けられ、5nmの膜厚を有することが仮定されている。
【0102】
この仮定はまた、以下によりよく示されるように、さらにシミュレートされたウイルスの膜モデルに適用された。
【0103】
ウイルスの第3の領域は、第1の球形要素のシェルと第2の球形要素のシェルとの間にあり、ウイルスの第4の領域は、第2の球形要素の内部であり、この場合はウイルスRNAである遺伝物質と関連付けられる。
【0104】
さらに、第1の球形要素は、SARS-COV2のスパイクをモデル化するためにそれぞれが20nmに等しい長さを有する100の突起を含む。
【0105】
これらのスパイクは、付加的な領域としてモデル化された。
【0106】
他の微生物は、このように説明された3Dモデル以外の3Dモデルを使用してモデル化することができる。特に、いくつかの膜を含むウイルスの場合、3Dモデルは、上述の領域の数よりも多い領域数を提供することができる。
【0107】
上述のように、SARS-COV-2ウイルスは、球形形状を有する複数の同心要素を通してモデル化されている。
【0108】
しかしながら、微生物は、以下に説明されるように、楕円体の形状を有する1つ以上の要素でモデル化することができる。
【0109】
ウイルスの各領域は、所定の物理的特性、特に、電磁放射線のそれぞれの屈折率と関連付けられている。
【0110】
SARS-COV2及び他のすべてのシミュレートされたウイルス(以下によりよく説明される)の場合、使用される屈折率は以下の通りである。
-各ウイルス膜の屈折率:1.1+j0.001;
-遺伝物質の屈折率:1.53+j1.1E-7;
-ウイルスマトリクスの屈折率:1.37+j1.1E-7、e;
-スパイクタンパク質の屈折率:1.47+j0.00274。
【0111】
微分方程式は、数値シミュレーション用の該ソフトウェアを用いて解かれた。
【0112】
説明されている実施形態では、該ソフトウェアは、有限要素ソフトウェア、特にCosmol Multiphysics(登録商標)、より具体的にはCosmol Multiphysics(登録商標)5.5である。
【0113】
電磁場に対するヘルムホルツ方程式は、該環境に挿入された微生物の光放射線の伝搬をシミュレートするために、閉じられた境界条件から開始する周波数領域または時間領域で解かれた。
【0114】
特に、該数値シミュレーションの目的は、所定の波長を有する光放射線に曝露される微生物の周波数挙動を観察することであるため、この方程式は、数値シミュレーションから得られるデータを処理するために必要な計算回数を減少させるために周波数領域で解かれた。
【0115】
シミュレーションごとに、所定の波長を有する電磁場源の存在、及び電波が平面波であったという事実は、境界条件として使用された。
【0116】
電磁場源は、この微生物に影響を与える波面が局所的に平坦であると想定するように、モデル化された微生物から無限距離に配置された。
【0117】
言い換えると、光源は、微生物から無限距離に配置され、該所定の波長を有する光放射線を発する。
【0118】
さらに、「完全に一致した層」条件は、微生物が挿入される環境を表す立方体の外面の挙動をモデル化するために使用された。
【0119】
該条件は、任意の入射角で立方体の該外面に入射する光放射線を完全に吸収することを必要とする。
【0120】
数値シミュレーション用の上記ソフトウェアによって、光放射線の周波数/波長走査を実行して、微生物内部の光強度が相対的な最大値を有する周波数/波長を特定することが可能であった。
【0121】
図3及び
図5~
図18を参照すると、最も一般的な属に属するウイルスまたは細菌に対して実施されたシミュレーションの結果が以下に示される。
【0122】
【0123】
「コロナウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図3に示されるSARS COV-2ウイルスは、すでに上述された特性でシミュレートされた。
【0124】
該ウイルスについて、以下の表は、光学共鳴を得ることが可能であった数値シミュレーションで得られた波長値、及び同じ波長の値とウイルスがモデル化された単一の膜の直径の値との比率から得られたそれぞれの値を示している。
【表1】
【0125】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした波長の可能性がある範囲は以下の通りである。
-第1の波長範囲:158nm~162nm、
-第2の波長範囲:111nm~115nm、
-第3の波長範囲:96nm~100nm。
【0126】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmとの間の帯域幅を有する場合がある。
【0127】
第1の波長範囲の好ましい波長値は160nmである。
【0128】
第2の波長範囲の好ましい波長値は113nmである。
【0129】
第3の波長範囲の好ましい波長値は98nmである。
【0130】
好ましい波長値は160nmであることがさらに好ましい。
【0131】
各波長値は、電磁入力場Einに関して正規化された、シミュレートされた電磁場Es(すなわち、数値シミュレーションによって計算された)のピークに相当する。
【0132】
図4は、可視スペクトルの波長に関して、入力電磁場Einに関して正規化された、シミュレートされた電磁場Esの一部分を示す。
【0133】
図4で正規化された、シミュレートされた電磁場Esは、それぞれが上記表に示されるそれぞれの波長値にある複数のピークを有する。
【0134】
以下に、所定の特性を有するシミュレートされたウイルス/細菌ごとに、光学共鳴が得られる、波長と呼ばれる1つ以上の値、及び波長値ごとに、同じ波長の値と、ウイルスがモデル化された第1の外膜の直径の比から得られた少なくとも1つのそれぞれの第1の値とを示すそれぞれの表がある。
【0135】
膜を有する微生物の場合、dは膜を表す球形要素の直径である。
【0136】
2つの膜を有する微生物の場合、d1は、第1の膜または外側膜を表す第1の球形要素の直径であり、d2は、第1の膜によって画定された内部容積に配置された、第2の膜を表す第2の球形要素の直径である。
【0137】
「コロナウイルス科」と呼ばれるウイルス属をさらに参照すると、
図6に示されるMERSまたはSARS-COVウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=180nm、
スパイク数=98、
スパイク長=20nm。
【表2】
【0138】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲の数は以下の通りである。
-第1の波長範囲:172nm~176nm、
-第2の波長範囲:134nm~138nm、
-第3の波長範囲:126nm~130nm、
-第4の波長範囲:100nm~104nm、
-第5の波長範囲:84nm~88nm、
-第6の波長範囲:72nm~76nm、
-第7の波長範囲:56nm~60nm。
【0139】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0140】
第1の波長範囲の好ましい波長値は174nmである。
【0141】
第2の波長範囲の好ましい波長値は136nmである。
【0142】
第3の波長範囲の好ましい波長値は128nmである。
【0143】
第4の波長範囲の好ましい波長値は102nmである。
【0144】
第5の波長範囲の好ましい波長値は86nmである。
【0145】
第6の波長範囲の好ましい波長値は74nmである。
【0146】
第7の波長範囲の好ましい波長値は58nmである。
【0147】
好ましい波長値は174nmであることがさらに好ましい。
【0148】
「レオウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図6に示されるロタウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d1=スーパーキャプシドと呼ばれる第1の膜を表す球形要素の直径=90nm、
d2=ペリキャプシドと呼ばれる第2の膜を表す球形要素の直径=80nm。
【0149】
さらに、このウイルスは、30nmの直径を有するキャプシドを有する。
【0150】
しかしながら、得られた結果は、該キャプシドを省略することによって変化しないため、キャプシドの存在は、ウイルスのモデル化にとっては無視できると見なされた。
【表3】
【0151】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
-第1の波長範囲:112nm~116nm、
-第2の波長範囲:66nm~70nm、
-第3の波長範囲:52nm~56nm。
【0152】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0153】
第1の波長範囲の好ましい波長値は114nmである。
【0154】
第2の波長範囲の好ましい波長値は68nmである。
【0155】
第3の波長範囲の好ましい波長値は54nmである。
【0156】
好ましい波長値は114nmであることがさらに好ましい。
【0157】
「ピコルナウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図7に示されるライノウイルスまたはアフトウイルスまたはカルジオウイルスまたはヘパトウイルスまたはポリオウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜と関連付けられた球形要素の直径=30nm。
【表4】
【0158】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:44nm~48nm、
第2の波長範囲:30nm~34nm。
【0159】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0160】
第1の波長範囲の好ましい波長値は46nmである。
【0161】
第2の波長範囲の好ましい波長値は32nmである。
【0162】
好ましい波長値は46nmであることがさらに好ましい。
【0163】
「ヘルペスウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図8に示されるヒトサイトメガロウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=200nm、
スパイク数:200、
長さ:20nm。
【表5】
【0164】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:316nm~320nm、
第2の波長範囲:216nm~220nm、
第3の波長範囲:190nm~194nm、
第4の波長範囲:165nm~169nm。
【0165】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0166】
第1の波長範囲の好ましい波長値は318nmである。
【0167】
第2の波長範囲の好ましい波長値は218nmである。
【0168】
第3の波長範囲の好ましい波長値は192nmである。
【0169】
第4の波長範囲の好ましい波長値は167nmである。
【0170】
好ましい波長値は318nmであることがさらに好ましい。
【0171】
「レトロウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図9に示されるHIVウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=100nm。
【表6】
【0172】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:149nm~153nm、
第2の波長範囲:103nm~107nm、
第3の波長範囲:92nm~96nm、
第4の波長範囲:71nm~75nm。
【0173】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0174】
第1の波長範囲の好ましい波長値は151nmである。
【0175】
第2の波長範囲の好ましい波長値は105nmである。
【0176】
第3の波長範囲の好ましい波長値は94nmである。
【0177】
第4の波長範囲の好ましい波長値は73nmである。
【0178】
好ましい波長値は151nmであることがさらに好ましい。
【0179】
「ポックスウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図10Aに示される天然痘ウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d1=第1の膜を表す第1の楕円体要素の最大直径=350nm、
d2=第1の膜によって画定された内部容積に配置された、第2の膜を表す第2の楕円体要素の最大直径=270nm。
【表7】
【0180】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:515nm~519nm、
第2の波長範囲:345nm~349nm、
第3の波長範囲:265nm~269nm、
第4の波長範囲:214nm~218nm。
【0181】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0182】
第1の波長範囲の好ましい波長値は517nmである。
【0183】
第2の波長範囲の好ましい波長値は347nmである。
【0184】
第3の波長範囲の好ましい波長値は267nmである。
【0185】
第4の波長範囲の好ましい波長値は216nmである。
【0186】
数値シミュレーションによって得られる好ましい波長値は517nmであることがさらに好ましい。
【0187】
「ポックスウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図10Bに示される天然痘ウイルスは、以下の追加の特性でモデル化されている。
d1=第1の膜を表す第1の楕円体要素の最大直径=320nm、
d2=第1の膜によって画定された内部容積に配置された、第2の膜を表す第2の楕円体要素の最大直径=240nm。
【表8】
【0188】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:506nm~510nm、
第2の波長範囲:359nm~363nm、
第3の波長範囲:296nm~300nm、
第4の波長範囲:241nm~245nm、
第5の波長範囲:215nm~219nm。
【0189】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0190】
第1の波長範囲の好ましい波長値は508nmである。
【0191】
第2の波長範囲の好ましい波長値は361nmである。
【0192】
第3の波長範囲の好ましい波長値は298nmである。
【0193】
第4の波長範囲の好ましい波長値は243nmである。
【0194】
第4の波長範囲の好ましい波長値は217nmである。
【0195】
好ましい波長値は508nmであることがさらに好ましい。
【0196】
「ヘパドナウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図11に示されるHBVウイルス(B型肝炎として知られている)は、以下の追加の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=42nm、
スパイク数=80、
スパイク長=4nm。
【表9】
【0197】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:67nm~71nm、
第2の波長範囲:38nm~42nm、
第3の波長範囲:29nm~33nm。
【0198】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0199】
第1の波長範囲の好ましい波長値は69nmである。
【0200】
第2の波長範囲の好ましい波長値は40nmである。
【0201】
第3の波長範囲の好ましい波長値は94nmである。
【0202】
数値シミュレーションによって得られる好ましい波長値は69nmであることがさらに好ましい。
【0203】
「オルトミクソウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図12に示されるインフルエンザウイルスは、以下の追加の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=110nm、
スパイク数=200、
スパイク長=15nm。
【表10】
【0204】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした波長の可能性がある範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:170nm~174nm、
第2の波長範囲:119nm~123nm、
第3の波長範囲:104nm~108nm、
第4の波長範囲:81nm~85nm。
【0205】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0206】
第1の波長範囲の好ましい波長値は172nmである。
【0207】
第2の波長範囲の好ましい波長値は121nmである。
【0208】
第3の波長範囲の好ましい波長値は106nmである。
【0209】
第4の波長範囲の好ましい波長値は83nmである。
【0210】
好ましい波長値は172nmであることがさらに好ましい。
【0211】
「アデノウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図13に示されるアデノウイルスは、以下の追加の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=80nm、
スパイク数=160、
スパイク長=20nm。
【表11】
【0212】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:120nm~126nm、
第2の波長範囲:85nm~89nm、
第3の波長範囲:75nm~79nm、
第5の波長範囲:58nm~62nm。
【0213】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0214】
第1の波長範囲の好ましい波長値は124nmである。
【0215】
第2の波長範囲の好ましい波長値は87nmである。
【0216】
第3の波長範囲の好ましい波長値は77nmである。
【0217】
第4の波長範囲の好ましい波長値は60nmである。
【0218】
好ましい波長値は124nmであることがさらに好ましい。
【0219】
「フラビウイルス科」と呼ばれるウイルス属を参照すると、
図14に示されるHCVウイルス(C型肝炎として知られている)は、以下の追加の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=50nm。
【表12】
【0220】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:77nm~81nm、
第2の波長範囲:49nm~53nm、
第3の波長範囲:38nm~42nm、
第4の波長範囲:34nm~38nm。
【0221】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0222】
第1の波長範囲の好ましい波長値は79nmである。
【0223】
第2の波長範囲の好ましい波長値は51nmである。
【0224】
第3の波長範囲の好ましい波長値は40nmである。
【0225】
第4の波長範囲の好ましい波長値は36nmである。
【0226】
好ましい波長値は79nmであることがさらに好ましい。
【0227】
「パラミクソウイルス科」と呼ばれるウイルス属、及び「ニューモウイルス科」と呼ばれる亜科を参照すると、
図15Aに示される呼吸器合胞体ウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=50nm、
スパイク数:22。
【表13】
【0228】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした波長の可能性がある範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:98nm~102nm、
第2の波長範囲:68nm~72nm、
第3の波長範囲:59nm~63nm、
第4の波長範囲:52nm~56nm。
【0229】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0230】
第1の波長範囲の好ましい波長値は100nmである。
【0231】
第2の波長範囲の好ましい波長値は70nmである。
【0232】
第3の波長範囲の好ましい波長値は61nmである。
【0233】
第4の波長範囲の好ましい波長値は54nmである。
【0234】
好ましい波長値は100nmであることがさらに好ましい。
【0235】
「パラミクソウイルス科」と呼ばれるウイルス属、及び「ニューモウイルス科」と呼ばれる亜科を参照すると、
図15Bに示される呼吸器合胞体ウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=130nm、
スパイク数:40。
【表14】
【0236】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:198nm~202nm、
第2の波長範囲:138nm~142nm、
第3の波長範囲:120nm~124nm、
第4の波長範囲:106nm~110nm。
【0237】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0238】
第1の波長範囲の好ましい波長値は200nmである。
【0239】
第2の波長範囲の好ましい波長値は140nmである。
【0240】
第3の波長範囲の好ましい波長値は122nmである。
【0241】
第4の波長範囲の好ましい波長値は108nmである。
【0242】
好ましい波長値は200nmであることがさらに好ましい。
【0243】
「パラミクソウイルス科」と呼ばれるウイルス属、及び「ニューモウイルス科」と呼ばれる亜科を参照すると、
図15Cに示される呼吸器合胞体ウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=260nm、
スパイク数:80。
【表15】
【0244】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:404nm~408nm、
第2の波長範囲:285nn~290nm、
第3の波長範囲:242nm~247nm、
第4の波長範囲:220nm~224nm。
【0245】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0246】
第1の波長範囲の好ましい波長値は406nmである。
【0247】
第2の波長範囲の好ましい波長値は287nmである。
【0248】
第3の波長範囲の好ましい波長値は245nmである。
【0249】
第4の波長範囲の好ましい波長値は222nmである。
【0250】
好ましい波長値は406nmであることがさらに好ましい。
【0251】
「パラミクソウイルス科」と呼ばれるウイルス属、及び「ニューモウイルス科」と呼ばれる亜科を参照すると、
図15Dに示される呼吸器合胞体ウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=390nm、
スパイク数:120。
【表16】
【0252】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:606nm~610nm、
第2の波長範囲:427nm~431nm、
第3の波長範囲:361nm~365nm、
第4の波長範囲:276nm~280nm。
【0253】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0254】
第1の波長範囲の好ましい波長値は608nmである。
【0255】
第2の波長範囲の好ましい波長値は429nmである。
【0256】
第3の波長範囲の好ましい波長値は363nmである。
【0257】
第4の波長範囲の好ましい波長値は278nmである。
【0258】
数値シミュレーションによって得られる好ましい波長値は608nmであることがさらに好ましい。
【0259】
「パラミクソウイルス科」と呼ばれるウイルス属、及び「ニューモウイルス科」と呼ばれる亜科を参照すると、
図15Eに示される呼吸器合胞体ウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=520nm、
スパイク数:190。
【表17】
【0260】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした波長の可能性がある範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:814nm~818nm、
第2の波長範囲:576nm~580nm、
第3の波長範囲:490nm~494nm、
第4の波長範囲:448nm~452nm、
第5の波長範囲:378nm~382nm。
【0261】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0262】
第1の波長範囲の好ましい波長値は816nmである。
【0263】
第2の波長範囲の好ましい波長値は578nmである。
【0264】
第3の波長範囲の好ましい波長値は492nmである。
【0265】
第4の波長範囲の好ましい波長値は450nmである。
【0266】
第5の波長範囲の好ましい波長値は380nmである。
【0267】
好ましい波長値は816nmであることがさらに好ましい。
【0268】
「パラミクソウイルス科」と呼ばれるウイルス属、及び「ニューモウイルス科」と呼ばれる亜科を参照すると、
図15Fに示される呼吸器合胞体ウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=650nm、
スパイク数:240。
【表18】
【0269】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:1017nm~1021nm、
第2の波長範囲:721nm~725nm、
第3の波長範囲:614nm~618nm、
第4の波長範囲:560nm~564nm、
第5の波長範囲:474nm~478nm。
【0270】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0271】
第1の波長範囲の好ましい波長値は1019nmである。
【0272】
第2の波長範囲の好ましい波長値は723nmである。
【0273】
第3の波長範囲の好ましい波長値は616nmである。
【0274】
第4の波長範囲の好ましい波長値は562nmである。
【0275】
第5の波長範囲の好ましい波長値は476nmである。
【0276】
数値シミュレーションによって得られる好ましい波長値は1019nmであることがさらに好ましい。
【0277】
「パラミクソウイルス科」と呼ばれるウイルス属、及び「ニューモウイルス科」と呼ばれる亜科を参照すると、
図15Fに示される呼吸器合胞体ウイルスは、以下の特性でモデル化されている。
d=膜を表す球形要素の直径=780nm、
スパイク数:280。
【表19】
【0278】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:1222nm~1026nm、
第2の波長範囲:866nm~870nm、
第3の波長範囲:740nm~744nm、
第4の波長範囲:568nm~572nm、
第5の波長範囲:528nm~532nm。
【0279】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0280】
第1の波長範囲の好ましい波長値は1224nmである。
【0281】
第2の波長範囲の好ましい波長値は868nmである。
【0282】
第3の波長範囲の好ましい波長値は742nmである。
【0283】
第4の波長範囲の好ましい波長値は570nmである。
【0284】
第5の波長範囲の好ましい波長値は530nmである。
【0285】
数値シミュレーションによって得られる好ましい波長値は1224nmであることがさらに好ましい。
【0286】
「大腸菌」と呼ばれる細菌の属を参照すると、
図16に示される「大腸菌」細菌は、以下の特性でモデル化された。
d1=第1の膜を表す第1の楕円体要素の最大直径=3μm、
d2=第1の膜によって画定された内部容積に配置された、第2の膜を表す第2の楕円体要素の最大直径=1μm、
鞭毛数:6、
鞭毛長:3μm。
【表20】
【0287】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:1679nm~1683nm、
第2の波長範囲:1153nm~1157nm、
第1の波長範囲:1120nm~1124nm、
第4の波長範囲:1081nm~1090nm、
第5の波長範囲:1066nm~1070nm、
第6の波長範囲:870nm~874nm、
第7の波長範囲:810nm~814nm、
第8の波長範囲:779nm~783nm、
第9の波長範囲:745nm~749nm。
【0288】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0289】
第1の波長範囲の好ましい波長値は1681nmである。
【0290】
第2の波長範囲の好ましい波長値は1155nmである。
【0291】
第3の波長範囲の好ましい波長値は1122nmである。
【0292】
第4の波長範囲の好ましい波長値は1088nmである。
【0293】
第5の波長範囲の好ましい波長値は1068nmである。
【0294】
第6の波長範囲の好ましい波長値は872nmである。
【0295】
第7の波長範囲の好ましい波長値は812nmである。
【0296】
第8の波長範囲の好ましい波長値は781nmである。
【0297】
第9の波長範囲の好ましい波長値は747nmである。
【0298】
好ましい波長値は1681nmであることがさらに好ましい。
【0299】
シミュレートした細菌モデルに関するデータが以下に示される。特に、すべての細菌が、厚さ50nmの外膜及び厚さ30nmの内膜を有すること、細菌膜の屈折率が1.365+j0.001に等しいこと、及び細胞質の屈折率が1.37+j1,1E-7に等しいことが想定された。
【0300】
「サルモネラ」と呼ばれる細菌の属を参照すると、
図17に示されるサルモネラ細菌は、以下の特性でモデル化されている。
d1=第1の膜を表す第1の楕円体要素よりも大きい直径=2μm、
d2=第1の膜によって画定された内部容積に配置された、第2の膜を表す第2の楕円体要素の最大直径=0.5μm、
鞭毛数:10、
鞭毛長:2μm。
【表21】
【0301】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした、可能性がある波長の範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:1147nm~1151nm、
第2の波長範囲:1065nm~1069nm、
第3の波長範囲:969nm~972nm、
第4の波長範囲:863nm~867nm、
第5の波長範囲:773nm~777nm、
第6の波長範囲:690nm~694nm、
第7の波長範囲:543nm~547nm。
【0302】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0303】
第1の波長範囲の好ましい波長値は1149nmである。
【0304】
第2の波長範囲の好ましい波長値は1067nmである。
【0305】
第3の波長範囲の好ましい波長値は971nmである。
【0306】
第4の波長範囲の好ましい波長値は865nmである。
【0307】
第5の波長範囲の好ましい波長値は775nmである。
【0308】
第6の波長範囲の好ましい波長値は692nmである。
【0309】
第7の波長範囲の好ましい波長値は544nmである。
【0310】
数値シミュレーションによって得られる好ましい波長値は1149nmであることがさらに好ましい。
【0311】
「ボツリヌス菌」と呼ばれる細菌の属を参照すると、
図18に示される「ボツリヌス菌」は、以下の特性でモデル化された。
d1=第1の膜を表す第1の楕円体要素の最大直径=5μm、
d2=第1の膜の内部容積内に配置された、第2の膜を表す第2の楕円体要素の最大直径=1μm。
【表22】
【0312】
4nmに等しい帯域幅を有するそれぞれの波長値を中心とした波長の可能性がある範囲は以下の通りである。
第1の波長範囲:1726nm~1730nm、
第2の波長範囲:1548nm~1552nm、
第3の波長範囲:1418nm~1422nm、
第4の波長範囲:1253nm~1257nm、
第5の波長範囲:1177nm~1181nm。
【0313】
代替実施形態では、このような範囲は1nmと3nmの範囲の帯域幅を有する場合がある。
【0314】
第2の波長範囲の好ましい波長値は1728nmである。
【0315】
第3の波長範囲の好ましい波長値は1550nmである。
【0316】
第4の波長範囲の好ましい波長値は1420nmである。
【0317】
第5の波長範囲の好ましい波長値は1179nmである。
【0318】
好ましい波長値は1728nmであることがさらに好ましい。
【0319】
利点
有利なことに、すでに述べられたように、本発明のシステム対象を通じて、使用時に、システムによって発せられる光放射線を用いて微生物を中和させることが可能である。
【0320】
第2の利点は、システムが人体に存在する微生物を中和させるために使用されるとき、このシステムによって発せられる光放射線は、健康な組織の健康にとって有害ではないという事実によって与えられる。
【0321】
さらなる利点は、該システムが、任意の環境または製品または食品または飲料を消毒するために使用できるという事実によって与えられる。
【0322】
本発明は、その好ましい実施形態に従って限定的な目的ではなく、例示的な目的で説明されてきたが、当業者が、添付の特許請求の範囲に従って定義されるように、その範囲から逸脱することなく、変形形態及び/修正形態を実施できることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物を中和させるために光放射線を生成するためのシステムであって、
-光放射線を発するための光源(1)と、
それぞれがそれぞれの微生物と関連付けられた1つ以上の固有の識別コードと、
前記微生物と関連付けられた少なくとも1つのそれぞれの波長範囲とが格納される、
-記憶手段(2)と、
-前記光源(1)に、及び前記記憶手段(2)に接続された論理制御ユニット(3)であって、
中和する前記微生物に基づいて波長範囲を選択することと、
前記光源(1)によって発せられる前記光放射線が、前記選択された波長範囲内の波長を有するように前記光源(1)を活性化し、その結果、前記システム使用時、前記光放射線が前記微生物内で光学共鳴を誘発し、前記微生物の遺伝的性質の変性を引き起こすことと、
を行うように構成された前記論理制御ユニット(3)と、を備
え、
複数の波長範囲が同じ微生物と関連付けられているとき、前記論理制御ユニット(3)が、前記複数の波長範囲のうちの前記波長範囲の間で、前記複数の波長範囲の他の波長範囲に属する波長値よりも大きい波長値を有する波長範囲を選択するように構成される、システム。
【請求項2】
前記システムが、光学プローブ(6)を備える、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記微生物がSARS-COV2ウイルスであり、
前記波長が、158nmと162nmの間の波長範囲に入り、好ましくは160nmであるか、
または、
前記波長が、111nmと115nmの間の波長範囲に入り、好ましくは113nmであるか、
または、
前記波長が、96nmと100nmの間の波長範囲に入り、好ましくは98nmである、請求項1
または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記微生物がMersまたはSARS-Covウイルスであり、
前記波長が、172nmと176nmの間の波長範囲に入り、好ましくは174nmであるか、
または、
前記波長が、134nmと138nmの間の波長範囲に入り、好ましくは136nmであるか、
または、
前記波長が、126nmと130nmの間の波長範囲に入り、好ましくは128nmであるか、
または、
前記波長が、100nmと104nmの間の波長範囲に入り、好ましくは102nmであるか、
または、
前記波長が、84nmと88nmの間の波長範囲に入り、好ましくは86nmであるか、
または、
前記波長が、72nmと76nmの間の波長範囲に入り、好ましくは74nmであるか、
または、
前記波長が、56nmと60nmの間の波長範囲に入り、好ましくは58nmである、請求項1から
3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記微生物が、ロタウイルスであり、
前記波長が、112nmと116nmの間の波長範囲に入り、好ましくは114nmであるか、
または、
前記波長が、66nmと70nmの間の波長範囲に入り、好ましくは68nmであるか、
または、
前記波長が、52nmと56nmの間の波長範囲に入り、好ましくは54nmである、請求項1から
4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記微生物が、ライノウイルスまたはアフトウイルスまたはカルジオウイルスまたはヘパトウイルスまたはポリオウイルスであり、
前記波長が、44nmと48nmの間の波長範囲に入り、好ましくは46nmであるか、
または、
前記波長が、30nmと34nmの間の波長範囲に入り、好ましくは32nmである、請求項1から
5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記微生物が、ヒトサイトメガロウイルスであり、
前記波長が、316nmと320nmの間の波長範囲に入り、好ましくは318nmであるか、
または、
前記波長が、216nmと220nmの間の波長範囲に入り、好ましくは218nmであるか、
または、
前記波長が、190nmと194nmの間の波長範囲に入り、好ましくは192nmであるか、
または、
前記波長が、165nmと169nmの波長範囲に入り、好ましくは167nmである、請求項1から
6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記微生物が、HIVウイルスであり、
前記波長が、149nmと153nmの間の波長範囲に入り、好ましくは151nmであるか、
または、
前記波長が、103nmと107nmの間の波長範囲に入り、好ましくは105nmであるか、
または、
前記波長が、92nmと96nmの間の波長範囲に入り、好ましくは94nmであるか、
または、
前記波長が、71nmと75nmの間の波長範囲に入り、好ましくは73nmである、請求項1から
7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記微生物が、天然痘ウイルスであり、
前記論理制御ユニット(3)が、前記記憶手段(2)に前記天然痘ウイルスの1つ以上の寸法を格納するように構成されており、
前記天然痘ウイルスの332,5nmと367,5nmの間の第1の寸法に基づいて、
前記波長が、515nmと519nmの間の波長範囲に入り、好ましくは517nmであるか、
もしくは、
前記波長が、345nmと349nmの間の波長範囲に入り、好ましくは347nmであるか、
もしくは、
前記波長が、265nmと269nmの波長範囲に入り、好ましくは267nmであるか、
もしくは、
前記波長が、214nmと218nmの間の波長範囲に入り、好ましくは216nmであるか、または、
304nmと336nmの間の前記天然痘ウイルスの第2の寸法に基づいて、
前記波長が、506nmと510nmの間の波長範囲に入り、好ましくは508nmであるか、
もしくは、
前記波長が、359nmと363nmの間の波長範囲に入り、好ましくは361nmであるか、
もしくは、
前記波長が、296nmと300nmの間の波長範囲に入り、好ましくは298nmであるか、
もしくは
前記波長が、241nmと245nmの間の波長範囲に入り、好ましくは243nmであるか、
もしくは、
前記波長が、215nmと219nmの間の波長範囲に入り、好ましくは217nmである、請求項1から
8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記微生物が、HBVウイルスであり、
前記波長が、67nmと71nmの波長範囲に入り、好ましくは69nmであるか、
または、
前記波長が、38nmと42nmの間の波長範囲に入り、好ましくは40nmであるか、
または、
前記波長が、29nmと32nmの間の波長範囲に入り、好ましくは31nmである、請求項1から
9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記微生物が、インフルエンザウイルスであり、
前記波長が、170nmと174nmの間の波長範囲に入り、好ましくは172nmであるか、
または、
前記波長が、119nmと123nmの間の波長範囲に入り、好ましくは121nmであるか、
または、
前記波長が、104nmと108nmの間の波長範囲に入り、好ましくは106nmであるか、
または、
前記波長が、81nmと85nmの間の波長範囲に入り、好ましくは83nmである、請求項1から
10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記微生物が、アデノウイルスであり、
前記波長が、122nmと126nmの間の波長範囲に入り、好ましくは124nmであるか、
または、
前記波長が、85nmと89nmの間の波長範囲に入り、好ましくは87nmであるか、
または、
前記波長が、75nmと79nmの間の波長範囲に入り、好ましくは77nmであるか、
または、
前記波長が、58nmと62nmの間の波長範囲に入り、好ましくは60nmである、請求項1から
11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記微生物が、HCVウイルスであり、
前記波長が、77nmと81nmの間の波長範囲に入り、好ましくは79nmであるか、
または、
前記波長が、49nmと53nmの間の波長範囲に入り、好ましくは51nmであるか、
または、
前記波長が、38nmと42nmの間の波長範囲に入り、好ましくは40nmであるか、
または、
前記波長が、34nmと38nmの間の波長範囲に入り、好ましくは36nmである、請求項1から
12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記微生物が呼吸器合胞体ウイルスであり、前記論理制御ユニット(3)が、前記記憶手段(2)に前記呼吸器合胞体ウイルスの1つ以上の寸法を格納するように構成されており、
前記呼吸器合胞体ウイルスの47,5nmと52,5nmの間の第1の寸法に基づいて、
前記波長が、98nmと102nmの間の波長範囲に入り、好ましくは100nmであるか、
もしくは、
前記波長が、68nmと72nmの間の波長範囲に入り、好ましくは70nmであるか、
もしくは、
前記波長が、59nmと63nmの間の波長範囲に入り、好ましくは61nmであるか、
もしくは、
前記波長が、52nmと56nmの間の波長範囲に入り、好ましくは54nmであるか、または、
123,5nmと136,5nmの間で成る前記呼吸器合胞体ウイルスの第2の寸法に基づいて、
前記波長が、198nmと202nmの間の波長範囲に入り、好ましくは200nmであるか、
もしくは、
前記波長が、138nmと142nmの間の波長範囲に入り、好ましくは140nmであるか、
もしくは、
前記波長が、120nmと124nmの間の波長範囲に入り、好ましくは122nmであるか、
もしくは、
前記波長が、106nmと110nmの間の波長範囲に入り、好ましくは108nmであるか、または、
前記呼吸器合胞体ウイルスの247nmと273nmの間の第3の寸法に基づいて、
前記波長が、404nmと408nmの間の波長範囲に入り、好ましくは406nmであるか、
もしくは、
前記波長が、285nmと289nmの間の波長範囲に入り、好ましくは287nmであるか、
もしくは、
前記波長が、243nmと247nmの間の波長範囲に入り、好ましくは245nmであるか、
もしくは、
前記波長が、220nmと224nmの間の波長範囲に入り、好ましくは222nmであるか、または、
前記呼吸器合胞体ウイルスの370,5nmと409,5nmの間の第4の寸法に基づいて、
前記波長が、606nmと610nmの間の波長範囲に入り、好ましくは608nmであるか、
もしくは、
前記波長が、427nmと431nmの間の波長範囲に入り、好ましくは429nmであるか、
もしくは、
前記波長が、361nmと365nmの間の波長範囲に入り、好ましくは363nmであるか、
もしくは、
前記波長が、276nmと280nmの間の波長範囲に入り、好ましくは278nmであるか、または、
前記呼吸器合胞体ウイルスの494nmと546nmの間の第5の寸法に基づいて、
前記波長が、814nmと818nmの間の波長範囲に入り、好ましくは816nmであるか、
もしくは、
前記波長が、576nmと580nmの間の波長範囲に入り、好ましくは578nmであるか、
もしくは、
前記波長が、490nmと494nmの間の波長範囲に入り、好ましくは492nmであるか、
もしくは、
前記波長が、448nmと452nmの間の波長範囲に入り、好ましくは450nmであるか、
もしくは、
前記波長が、378nmと382nmの間の波長範囲に入り、好ましくは380nmであるか、
前記呼吸器合胞体ウイルスの617,5nmと682,5nmの間の第6の寸法に基づいて、
前記波長が、1017nmと1021nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1019nmであるか、
もしくは、
前記波長が、721nmと725nmの間の波長範囲に入り、好ましくは723nmであるか、
もしくは、
前記波長が、614nmと618nmの間の波長範囲に入り、好ましくは616nmであるか、
もしくは、
前記波長が、560nmと564nmの間の波長範囲に入り、好ましくは562nmであるか、
もしくは、
前記波長が、474nmと478nmの間の波長範囲に入り、好ましくは476nmであるか、または、
前記呼吸器合胞体ウイルスの741nmと819nmの間の第7の寸法に基づいて、
前記波長が、1222nmと1226nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1224nmであるか、
もしくは、
前記波長が、866nmと870nmの間の波長範囲に入り、好ましくは868nmであるか、
もしくは、
前記波長が、740nmと744nmの間の波長範囲に入り、好ましくは742nmであるか、
もしくは、
前記波長が、568nmと572nmの間の波長範囲に入り、好ましくは570nmであるか、
もしくは、
前記波長が、528nmと532nmの間の波長範囲に入り、好ましくは530nmである、請求項1から
13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記微生物が、大腸菌であり、
前記波長が、1679nmと1683nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1681nmであるか、
または、
前記波長が、1153nmと1157nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1155nmであるか、
または、
前記波長が、1120nmと1124nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1122nmであるか、
または、
前記波長が、1086nmと1090nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1088nmであるか、
または、
前記波長が、1066nmと1070nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1068nmであるか、
または、
前記波長が、870nmと874nmの間の波長範囲に入り、好ましくは872nmであるか、
または、
前記波長が、810nmと814nmの間の波長範囲に入り、好ましくは812nmであるか、
または、
前記波長が、779nmと783nmの間の波長範囲に入り、好ましくは781nmであるか、
または、
前記波長が、745nmと749nmの間の波長範囲に入り、好ましくは747nmである、請求項1から
14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記微生物が、サルモネラ菌であり、
前記波長が、1147nmと1151nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1149nmであるか、
または、
前記波長が、1065nmと1069nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1067nmであるか、
または、
前記波長が、969nmと973nmの波長範囲に入り、好ましくは971nmであるか、
または、
前記波長が、863nmと867nmの間の波長範囲に入り、好ましくは865nmであるか、
または、
前記波長が、773nmと777nmの間の波長範囲に入り、好ましくは775nmであるか、
または、
前記波長が、690nmと694nmの間の波長範囲に入り、好ましくは692nmであるか、
または、
前記波長が、542nmと546nmの間の波長範囲に入り、好ましくは544nmである、請求項1から
15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記微生物が、ボツリヌス菌であり、
前記波長が、1726nmと1730nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1728nmであるか、
または、
前記波長が、1548nmと1552nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1550nmであるか、
または、
前記波長が、1418nmと1422nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1420nmであるか、
または、
前記波長が、1253nmと1257nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1255nmであるか、
または、
前記波長が、1177nmと1181nmの間の波長範囲に入り、好ましくは1179nmである、請求項1から
16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記光源が、UVランプまたはLED光源であり、
前記システムが、前記光放射線をフィルタリングするためのフィルタリング手段(5)を備え、前記フィルタリング手段が、前記光放射線が、好ましくは4nm以下、より好ましくは1と3nmとの間の所定の帯域幅を有するように前記光放射線をフィルタリングするためのバンドパスフィルタを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムが、前記光源(1)と前記フィルタリング手段(5)との間に配置された光学装置(4)を備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムが光学装置(4)を備え、前記フィルタリング手段(5)が前記光学装置(4)の内部に配置される、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記光学装置(4)が、前記光源(1)によって発せられる前記光放射線の直径を小さくするための少なくとも1つのレンズ、または前記光源(1)によって発せられる前記光放射線の直径を大きくするための少なくとも1つの発散レンズを備える、請求項19または20に記載のシステム。
【請求項22】
光学プローブ(6)が、気管支鏡のプローブ、または喉頭用プローブ、または胃食道用プローブ、または内視鏡プローブである、請求項
2から
21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
透析器フィルタと、第1の血管アクセスポイントから多量の血液を引き出すため、及び前記多量の血液を前記フィルタにポンプで送り込むための流体回路と、前記光源(1)が前記透析器フィルタに対応して配置される、請求項1から
21のいずれか1項に記載のシステムとを備える、血液透析装置。
【国際調査報告】