IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

特表2024-526550エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置
<>
  • 特表-エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置 図1
  • 特表-エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置 図2A
  • 特表-エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置 図2B
  • 特表-エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置 図3
  • 特表-エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置 図4
  • 特表-エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置 図5
  • 特表-エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置 図6
  • 特表-エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置 図7
  • 特表-エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/05 20200101AFI20240711BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240711BHJP
【FI】
A24F40/05
A24F40/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577233
(86)(22)【出願日】2023-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 KR2023008567
(87)【国際公開番号】W WO2023249390
(87)【国際公開日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0076694
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ウォンキョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ソンウ、ポール ジュン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA12
4B162AC16
4B162AC41
4B162AD22
4B162AD27
(57)【要約】
様々な実施形態に係るエアロゾル発生モジュールは、超音波を介してエアロゾルを発生させる超音波振動部と、表面弾性波を介してエアロゾルを発生させる表面弾性波振動部と、エアロゾル形成基材を前記超音波振動部又は前記表面弾性波振動部のうち少なくとも1つに伝達する伝達要素を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生モジュールであって、
超音波を介してエアロゾルを発生させる超音波振動部と、
表面弾性波を介してエアロゾルを発生させる表面弾性波振動部と、
エアロゾル形成基材を前記超音波振動部又は前記表面弾性波振動部のうち少なくとも1つに伝達する伝達要素と、
を含む、エアロゾル発生モジュール。
【請求項2】
前記表面弾性波振動部は、前記超音波振動部を取り囲んで形成される、請求項1に記載のエアロゾル発生モジュール。
【請求項3】
前記伝達要素は、前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部のうち少なくとも1つに対向する第1面、及び前記第1面の反対側に配置される第2面を含み、
前記第1面の一部は超音波振動部に隣接し、前記第1面の残りの少なくとも一部は表面弾性波振動部に隣接する、請求項1に記載のエアロゾル発生モジュール。
【請求項4】
前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部の振動によって前記エアロゾル発生モジュールの温度が上昇する、請求項1に記載のエアロゾル発生モジュール。
【請求項5】
前記超音波振動部は圧電体を含み、
前記表面弾性波振動部は圧電基板及び変換器を含む、請求項1に記載のエアロゾル発生モジュール。
【請求項6】
エアロゾル発生装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、エアロゾル形成基材を格納するカートリッジと、
前記カートリッジに隣接して配置されるエアロゾル発生モジュールと、
を含み、
前記エアロゾル発生モジュールは、
超音波を介してエアロゾルを発生させる超音波振動部と、
表面弾性波を介してエアロゾルを発生させる表面弾性波振動部と、
エアロゾル形成基材を含む伝達要素と、
を含む、エアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記伝達要素は、前記超音波振動部及び表面弾性波振動部のうち少なくとも1つに対向する第1面、及び前記第1面の反対側に配置されて前記カートリッジに対向する第2面を含み、
前記第1面の一部は超音波振動子に隣接し、前記第1面の残りのうち少なくとも一部は表面弾性波振動部に隣接する、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記表面弾性波振動部は、前記超音波振動部を取り囲んで配置され、
前記伝達要素の前記第1面の第1領域は前記超音波振動部とオーバラップされ、前記伝達要素の前記第1面の第2領域は前記表面弾性波振動部とオーバラップされる、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記超音波振動部は圧電体を含み、
前記表面弾性波振動部は圧電基板及び変換器を含む、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記カートリッジは、
第1端部壁、前記第1端部壁の反対側に配置される第2端部壁、前記第1端部壁と前記第2端部壁を繋ぐ外周壁及び内周壁を含み、
前記第1端部壁、前記第2端部壁、前記外周壁と前記内周壁との間にはエアロゾル形成基材を格納する格納空間が形成される、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記第1端部壁及び前記第2端部壁を貫通し、前記内周壁によって取り囲まれた気流パスを含み、
前記気流パスを介してエアロゾルが移動する、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
制御部をさらに含み、
前記制御部は、超音波振動部及び表面弾性波振動部の振動有無及び振動数を制御する、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記エアロゾル発生装置が少なくとも2つのモードのいずれか1つに作動するように制御し、
前記少なくとも2つのモードは、
前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部が互いに振動数又は振動周期を相違にして同時に振動することでエアロゾルを発生させる、第1モードと、
前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部のいずれか1つが先に振動し、前記伝達要素のエアロゾル形成基材を予熱し、前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部の他方の1つが以後に振動してエアロゾルを発生させる、第2モードと、
を含む、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、実施形態は、エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、伝統的な巻タバコの短所を克服する代替物品に関する需要が高まっている。例えば、巻タバコのスティックを電気的に加熱することでエアロゾルを発生させる装置(e.g.巻タバコ型電子タバコ)に関する需要が高まっている。そのため、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用される巻タバコのスティック(又は、エアロゾル発生物品)に対する研究が盛んに行われている。例えば、公開特許公報第10-2017-0132823号は、非燃焼型香味吸引器、香喫味源ユニット及び霧化ユニットを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態に係る目的は、表面弾性波と超音波の融合を通じて霧化補助及び予熱可能なエアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置を提供することにある。
【0004】
一実施形態に係る目的は、表面弾性波又は超音波を用いて本加熱の前に予熱を行うことで、エアロゾル発生モジュール及びその他の内部構造の耐久性が向上されたエアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
様々な実施形態に係るエアロゾル発生モジュールは、超音波を介してエアロゾルを発生させる超音波振動部と、表面弾性波を介してエアロゾルを発生させる表面弾性波振動部と、エアロゾル形成基材を前記超音波振動部又は前記表面弾性波振動部のうち少なくとも1つに伝達する伝達要素とを含む。
【0006】
一実施形態において、前記表面弾性波振動部は、前記超音波振動部を取り囲んで形成されることができる。
【0007】
一実施形態において、前記伝達要素は、前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部のうち少なくとも1つに対向する第1面、及び前記第1面の反対側に配置される第2面を含み、前記第1面の一部は超音波振動部に隣接し、前記第1面の残りの少なくとも一部は表面弾性波振動部に隣接することができる。
【0008】
一実施形態において、前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部の振動によって前記エアロゾル発生モジュールの温度が上昇することができる。
【0009】
一実施形態において、前記超音波振動部は圧電体を含み、前記表面弾性波振動部は圧電基板及び変換器を含むことができる。
【0010】
様々な実施形態に係るエアロゾル発生装置は、ハウジングと、前記ハウジング内に配置され、エアロゾル形成基材を格納するカートリッジと、前記カートリッジに隣接して配置されるエアロゾル発生モジュールとを含み、前記エアロゾル発生モジュールは、超音波を介してエアロゾルを発生させる超音波振動部と、表面弾性波を介してエアロゾルを発生させる表面弾性波振動部と、エアロゾル形成基材を含む伝達要素とを含む。
【0011】
一実施形態において、前記伝達要素は、前記超音波振動部及び表面弾性波振動部のうち少なくとも1つに対向する第1面、及び前記第1面の反対側に配置されて前記カートリッジに対向する第2面を含み、前記第1面の一部は超音波振動子に隣接し、前記第1面の残りのうち少なくとも一部は表面弾性波振動部に隣接することができる。
【0012】
一実施形態において、前記表面弾性波振動部は、前記超音波振動部を取り囲んで配置され、前記伝達要素の前記第1面の第1領域は前記超音波振動部とオーバラップされ、前記伝達要素の前記第1面の第2領域は前記表面弾性波振動部とオーバラップされることができる。
【0013】
一実施形態において、前記超音波振動部は圧電体を含み、前記表面弾性波振動部は圧電基板及び変換器を含むことができる。
【0014】
一実施形態において、前記カートリッジは、第1端部壁、前記第1端部壁の反対側に配置される第2端部壁、前記第1端部壁と前記第2端部壁を繋ぐ外周壁及び内周壁を含み、前記第1端部壁、前記第2端部壁、前記外周壁と前記内周壁との間にはエアロゾル形成基材を格納する格納空間が形成されることができる。
【0015】
一実施形態において、前記第1端部壁及び前記第2端部壁を貫通し、前記内周壁によって取り囲まれた気流パスを含み、前記気流パスを介してエアロゾルが移動することができる。
【0016】
一実施形態において、制御部をさらに含み、前記制御部は、超音波振動部及び表面弾性波振動部の振動有無及び振動数を制御することができる。
【0017】
一実施形態において、前記制御部は、前記エアロゾル発生装置が少なくとも2つのモードのいずれか1つに作動するように制御し、前記少なくとも2つのモードは、前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部が互いに振動数又は振動周期を相違にして同時に振動することでエアロゾルを発生させる、第1モードと、前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部のいずれか1つが先に振動し、前記伝達要素のエアロゾル形成基材を予熱し、前記超音波振動部及び前記表面弾性波振動部の他方の1つが以後に振動してエアロゾルを発生させる、第2モードとを含む。
【発明の効果】
【0018】
一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置は、表面弾性波と超音波の融合を介して霧化補助及び予熱を可能にする。
【0019】
一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置は、表面弾性波又は超音波を用いて本加熱の前に予熱を行うことで、エアロゾル発生モジュール及びその他の内部構造の耐久性が向上される。
【0020】
一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置の効果は、以上記載したものなどに限定されず、言及しない他の効果は、下記の記載から当業者にとって明確に理解できるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態に係るエアロゾル発生装置のブロック図である。
図2A】一実施形態に係るエアロゾル発生モジュールの概略図である。
図2B】一実施形態に係る伝達要素を除いたエアロゾル発生モジュールの概略図である。
図3】一実施形態に係る図1のX-X’線に沿って切断したエアロゾル発生モジュールの断面図である。
図4】一実施形態に係るエアロゾル発生モジュールの超音波振動部の平面図である。
図5】一実施形態に係るエアロゾル発生モジュールの表面弾性波振動部の平面図である。
図6】一実施形態に係るエアロゾル発生モジュールの伝達要素の背面図である。
図7】一実施形態に係るエアロゾル発生装置の断面図である。
図8】一実施形態に係るカートリッジの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら現在に広く使用される一般的な用語を選択したが、これは当分野に務めている技術者の意図又は判例、新しい技術の出現などに応じて変わり得る。また、特定した場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合に該当する発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は単純な用語の名称ではない、その用語が有している意味と本発明の全般にわたった内容に基づいて定義されなければならない。
【0023】
明細書の全体でいずれかの部分がいずれかの構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対とされる記載がない限り他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことを意味する。また、明細書に記載した「~部」、「~モジュール」などの用語は少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア又はソフトウェアに実現されたり、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより実現されてもよい。
【0024】
本明細書で使用されるように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、又はaとb、aとc、bとc、又はaとbとcを含むものと解釈しなければならない。
【0025】
以下の実施形態で、「エアロゾル発生物品」は媒質を収容する物品であって、エアロゾルが該当物品を通過して媒質が移行される物品を意味する。エアロゾル発生物品の代表的な例として巻タバコが挙げられるが、本開示の範囲はこれに限定されない。
【0026】
以下の実施例において「上流」(upstream)又は「上流方向」は、ユーザ(喫煙者)の口部から離れる方向を意味し、「下流」(downstream)又は「下流方向」は、ユーザの口部から近づく方向を意味する。上流及び下流という用語は、エアロゾル発生物品を構成する要素の相対的位置を説明するために用いられる。
【0027】
以下の実施例において「パフ(puff)」とは、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内又は肺に引き寄せる状況を意味する。
【0028】
以下の実施形態で、「表面弾性波(Surface Acoustic Wave)」は弾性体基板の表面に沿って伝播される音響波として横波であり、圧電効果(Piezoelectric Effect)の結果として電気信号から生成される音響波である。
【0029】
一実施形態において、エアロゾル発生装置は、内部空間に収容される巻タバコを電気的に加熱してエアロゾルを生成する装置である。
【0030】
エアロゾル発生装置はヒータを含む。一実施形態において、ヒータは電気抵抗性ヒータであってもよい。例えば、ヒータは電気伝導性トラック(track)を含んでもよく、電気伝導性トラックに電流が流れればヒータが加熱される。
【0031】
ヒータは、管型加熱要素、板型加熱要素、針型加熱要素、又は、棒型加熱要素を含んでもよく、加熱要素の形状に応じて巻タバコの内部又は外部を加熱する。
【0032】
巻タバコは、タバコロッド及びフィルタロッドを含む。タバコロッドはシート(sheet)に製造されてもよく、ストランド(strand)で製造されてもよく、タバコシートが細かく切られた刻みタバコに製造されてもよい。また、タバコロッドは、熱伝導物質によって取り囲まれることができる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルであってもよいが、これに制限されることはない。
【0033】
フィルタロッドは、アセチルセルロースフィルタであってもよい。フィルタロッドは少なくとも1つ以上のセグメントから構成されてもよい。例えば、フィルタロッドは、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれる所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含む。
【0034】
他の実施形態において、エアロゾル発生装置は、エアロゾル生成物質を保持するカートリッジを用いてエアロゾルを生成する装置であってもよい。
【0035】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル生成物質を保持するカートリッジ及びカートリッジを支持する本体を含む。カートリッジは、本体と着脱可能に結合され得るが、これに制限されることはない。カートリッジは、本体と一体に形成されたり組み立てられ、ユーザによって脱着されないように固定されてもよい。カートリッジは、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体に装着されてもよい。但し、これに制限されることなく、カートリッジが本体に結合された状態でカートリッジ内部にエアロゾル生成物質が注入されてもよい。
【0036】
カートリッジは、液体状態、固体状態、気体状態、ゲル(gel)状態などの様々な状態のいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保持してもよい。エアロゾル生成物質は液相組成物を含む。例えば、液相組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。
【0037】
カートリッジは、本体から伝達される電気信号又は無線信号などによって作動することで、カートリッジ内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気体の相に変換してエアロゾルを発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子及び空気が混合した状態の気体を意味する。
【0038】
更なる実施形態において、エアロゾル発生装置は、液相組成物を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、巻タバコを通過してユーザに伝達してもよい。即ち、液相組成物から生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置の気流通路に沿って移動し、気流通路は、エアロゾルが巻タバコを通過してユーザに伝達するように構成され得る。
【0039】
更なる実施形態において、エアロゾル発生装置は、超音波振動方式を用いてエアロゾル生成物質からエアロゾルを生成する装置である。ここで、超音波振動方式は、振動子によって発生する超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させることでエアロゾルを発生させる方式を意味する。
【0040】
エアロゾル発生装置は振動子を含み、振動子を介して短い周期の振動を発生させてエアロゾル生成物質を霧化させることができる。振動子で発生する振動は超音波振動であってもよく、超音波振動の周波数帯域は約100kHz~約3.5MHz周波数帯域であってもよいが、これに制限されることはない。
【0041】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル生成物質を吸収する伝達要素をさらに含む。例えば、伝達要素は振動子の少なくとも一領域を囲むように配置されたり、又は、振動子の少なくとも一領域と接触するように配置されてもよい。
【0042】
振動子に電圧(例えば、交流電圧)が印加されることにより、振動子から熱及び/又は超音波振動が発生し、振動子から発生した熱及び/又は超音波振動は、伝達要素に吸収されたエアロゾル生成物質に伝達される。伝達要素に吸収されたエアロゾル生成物質は、振動子から伝達される熱及び/又は超音波振動によって気体の相(phase)に変換され、その結果エアロゾルが生成され得る。
【0043】
例えば、振動子から発生した熱によって伝達要素に吸収されたエアロゾル生成物質の粘度が低くなり、振動子から発生した超音波振動により粘度が低くなったエアロゾル生成物質が微細粒子化されることでエアロゾルが生成され得るが、これに制限されることはない。
【0044】
更なる実施形態において、エアロゾル発生装置は、誘導加熱(induction heating)方式でエアロゾル発生装置に収容されるエアロゾル生成物品を加熱することでエアロゾルを生成する装置であってもよい。
【0045】
エアロゾル発生装置は、サセプタ(susceptor)及びコイルを含む。一実施形態において、コイルはサセプタに磁場を印加する。エアロゾル発生装置からコイルに電力が供給されることでコイルの内部には磁場が形成される。一実施形態において、サセプタは外部磁場によって発熱する磁性体である。サセプタがコイルの内部に位置して磁場が印加されることで発熱することにより、エアロゾル生成物品が加熱される。また、選択的に、サセプタは、エアロゾル生成物品内に配置されてもよい。
【0046】
更なる実施形態において、エアロゾル発生装置は、クレードル(cradle)をさらに含んでもよい。
【0047】
エアロゾル発生装置は別途のクレードルと共にシステムを構成することができる。例えば、クレードルは、エアロゾル発生装置のバッテリを充電してもよい。又は、クレードルとエアロゾル発生装置が結合された状態でヒータが加熱されてもよい。
【0048】
以下では添付の図面を参考して本開示の実施に対して当技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施するように詳細に説明する。本開示は、前に説明された様々な実施形態のエアロゾル発生装置で具現可能な形態に実施されたり、又は、異なる形態に具現されて実施され、ここで説明する実施形態に制限されない。
【0049】
以下は、図面を参照して本開示の実施形態を詳しく説明する。
【0050】
図1は、一実施形態に係るエアロゾル発生装置100のブロック図である。
【0051】
エアロゾル発生装置100は、制御部110、検出部120、出力部130、バッテリ140、ヒータ150、ユーザ入力部160、メモリ170、及び通信部180を含む。但し、エアロゾル発生装置100の内部構造は図1に示されたものに制限されない。即ち、エアロゾル発生装置100の設計に応じて、図1に示された構成のうちの一部が省略されたり、新しい構成が追加され得ることを本実施形態に係る技術分野で通常の知識を有する者であれば理解できるのであろう。
【0052】
検出部120は、エアロゾル発生装置100の状態又はエアロゾル発生装置100周辺の状態を検出し、検出された情報を制御部110に伝達する。制御部110は前記検出された情報に基づいて、ヒータ150の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル発生物品(例えば、エアロゾル発生物品、カートリッジなど)の挿入有無の判断、通知表示などのような様々な機能が行われるようにエアロゾル発生装置100を制御できる。
【0053】
検出部120は、温度センサ122、挿入検出センサ124、及びパフセンサ126のうち少なくとも1つを含が、これに制限されない。
【0054】
温度センサ122は、ヒータ150(又は、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を検出する。エアロゾル発生装置100は、ヒータ150の温度を検出する別途の温度センサを含んだり、ヒータ150自体が温度センサの役割を行う。又は、温度センサ122は、バッテリ140の温度をモニタリングするようにバッテリ140の周辺に配置されてもよい。
【0055】
挿入検出センサ124は、エアロゾル発生物品の挿入及び/又は除去を検出する。例えば、挿入検出センサ124は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ、及び赤外線センサのうち少なくとも1つを含み、エアロゾル発生物品が挿入及び/又は除去されることによる信号変化を検出し得る。
【0056】
パフセンサ126は、気流通路又は気流チャンネルの様々な物理的な変化に基づいてユーザのパフを検出する。例えば、パフセンサ126は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のいずれか1つに基づいてユーザのパフを検出してもよい。
【0057】
検出部120は、前述したセンサ122~126の他に、温度/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち少なくとも1つをさらに含んでもよい。角度センサの機能は、その名称から当業者が直観的に推論し得るため、具体的な説明は省略する。
【0058】
出力部130は、エアロゾル発生装置100の状態に関する情報を出力してユーザに提供する。出力部130は、ディスプレイ部132、ハプティック部134及び音響出力部136のうち少なくとも1つを含むが、これに制限されることはない。ディスプレイ部132とタッチパッドがレイヤ構造を成してタッチスクリーンから構成される場合、ディスプレイ部132は出力装置の他に入力装置として使用されてもよい。
【0059】
ディスプレイ部132は、エアロゾル発生装置100に関する情報をユーザに視覚的に提供する。例えば、エアロゾル発生装置100に関する情報は、エアロゾル発生装置100のバッテリ140充電/放電状態、ヒータ150の予熱状態、エアロゾル発生物品の挿入/除去状態、又は、エアロゾル発生装置100の使用が制限される状態(例えば、異常物品検出)などの様々な情報を意味し、ディスプレイ部132は前記情報を外部に出力することができる。ディスプレイ部132は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、誘起発光ディスプレイパネル(OLED)などである。また、ディスプレイ部132は、LED発光素子形態であってもよい。
【0060】
ハプティック部134は、電気的信号を機械的な刺激又は電気的な刺激に変換してエアロゾル発生装置100に関する情報をユーザに触覚的に提供する。例えば、ハプティック部134は、モータ、圧電素子、又は電気刺激装置を含む。
【0061】
音響出力部136は、エアロゾル発生装置100に関する情報をユーザに聴覚的に提供する。例えば、音響出力部136は電気信号を音響信号に変換して外部に出力することができる。
【0062】
バッテリ140は、エアロゾル発生装置100が動作するために使用される電力を供給する。バッテリ140は、ヒータ150が加熱できるように電力を供給する。また、バッテリ140は、エアロゾル発生装置100内に備えられた他の構成(例えば、検出部120、出力部130、ユーザ入力部160、メモリ170及び通信部180)の動作に必要な電力を供給し得る。バッテリ140は、充電可能なバッテリや使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ140は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリであってもよいが、これに制限されることはない。
【0063】
ヒータ150は、バッテリ140から電力が供給されてエアロゾル生成物質を加熱する。図1には図示していないが、エアロゾル発生装置100は、バッテリ140の電力を変換してヒータ150に供給する電力変換回路(例えば、DC/DCコンバータ)をさらに含んでもよい。また、エアロゾル発生装置100が誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル発生装置100は、バッテリ140の直流電源を交流電源に変換するDC/ACコンバータをさらに含む。
【0064】
制御部110、検出部120、出力部130、ユーザ入力部160、メモリ170及び通信部180は、バッテリ140から電力が供給されて機能を行うことができる。図1に図示していないが、バッテリ140の電力を変換してそれぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路又は電圧レギュレータ回路をさらに含んでもよい。
【0065】
一実施形態において、ヒータ150は、任意の適する電気抵抗性物質に形成されることができる。例えば、適した電気抵抗性物質は、タイタニウム、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロミウム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属又は金属合金であるが、これに制限されることはない。また、ヒータ150は、金属熱線(wire)、電気伝導性トラック(track)が配置されている金属熱板、セラミック発熱体などで実現されるが、これに制限されることはない。
【0066】
他の実施形態において、ヒータ150は、誘導加熱方式のヒータであってもよい。例えば、ヒータ150はコイルによって印加された磁場を介して発熱し、エアロゾル生成物質を加熱するサセプタを含む。
【0067】
一実施形態において、ヒータ150は複数のヒータを含む。例えば、ヒータ150は、エアロゾル発生物品を加熱するための第1ヒータ及び液相を加熱するための第2ヒータを含む。
【0068】
ユーザ入力部160は、ユーザから入力された情報を受信したり、ユーザに情報を出力することができる。例えば、ユーザ入力部160は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線感知方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあるが、これに限定されることはない。また、図1には図示されていないが、エアロゾル生成装置100は、USB(universal serial bus)インターフェースなどの接続インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどの接続インターフェースを介して他の外部装置に接続して情報を送受信したり、バッテリ140を充電することができる。
【0069】
メモリ170は、エアロゾル生成装置100内で処理される各種のデータを格納するハードウェアとして、制御部110で処理されたデータ及び処理されるデータを格納することができる。メモリ170は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM(random access memory)、SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの格納媒体を含む。メモリ170は、エアロゾル生成装置100の動作時間、最大のパフ回数、現在のパフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、及びユーザの喫煙パターンに対するデータなどを格納してもよい。
【0070】
通信部180は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含む。例えば、通信部180は、近距離通信部182及び無線通信部184を含む。
【0071】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)182は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(ワイファイ)通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含むが、これに制限されることはない。
【0072】
無線通信部184は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含むが、これに制限されることはない。無線通信部184は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI))を用いて通信ネットワーク内でエアロゾル発生装置100を確認及び認証してもよい。
【0073】
制御部110は、エアロゾル発生装置100の全般的な動作を制御することができる。一実施形態において、制御部110は少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサで実行され得るプログラムが格納されたメモリの組み合せで実現されてもよい。また、更なる形態のハードウェアで実現されることを、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0074】
制御部110は、バッテリ140の電力をヒータ150への供給を制御することによってヒータ150の温度を制御することができる。例えば、制御部110は、バッテリ140とヒータ150との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することによって電力供給を制御できる。異なる例において、制御部110の制御命令に応じて、加熱直接回路がヒータ150に対する電力供給を制御してもよい。
【0075】
制御部110は、検出部120によって検出された結果を分析し、その後に実行される処理を制御する。例えば、制御部110は、検出部120によって検出された結果に基づいて、ヒータ150の動作が開示又は終了するようにヒータ150に供給される電力を制御できる。他の例として、制御部110は、検出部120によって検出された結果に基づいて、ヒータ150が所定の温度まで加熱したり適切な温度を保持できるよう、ヒータ150に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0076】
制御部110は、検出部120によって検出された結果に基づいて出力部130を制御する。例えば、パフセンサ126を介してカウントされたパフ回数が予め設定された回数に達すると、制御部110は、ディスプレイ部132、ハプティック部134、及び音響出力部136のうち少なくとも1つを介してユーザにエアロゾル発生装置100が直ちに終了することを予告できる。
【0077】
一実施形態において、制御部110は、検出部120によって検出されたエアロゾル生成物品の状態に応じて、ヒータ150に対する電力供給時間及び/又は電力供給量を制御することができる。例えば、エアロゾル生成物品が過湿状態である場合、制御部110は誘導コイルに対する電力供給時間を制御し、エアロゾル発生物品が一般的な状態である場合よりも予熱時間を増加させることができる。
【0078】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態でも実現されることができる。コンピュータ読み出し可能な媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の可溶媒体であってもよく、揮発性及び非揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体の全てを含む。また、コンピュータで読み出し可能な媒体は、コンピュータ格納媒体及び通信媒体の全てを含む。コンピュータ格納媒体は、コンピュータで読み出し可能な命令語、データ構造、プログラムモジュール、又は、その他のデータのような情報の格納のための任意の方法又は技術によって実現された揮発性及び非揮発性、分離型及び非分離型媒体の全てを含む。通信媒体は、典型的にコンピュータで読み出し可能な命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他のデータ、又は、その他送信メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0079】
図2Aは、一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール220の概略図である。図2Bは、一実施形態に係る伝達要素226を除いたエアロゾル発生モジュール220の概略図である。
【0080】
一実施形態において、エアロゾル発生モジュール220は、超音波振動部222、表面弾性波振動部224、及び伝達要素226を含む。一実施形態に係る超音波振動部222は、微細振動を介して超音波振動部222上に置かれたエアロゾル形成基材を霧化させることでエアロゾルを発生させ得る。一実施形態に係る表面弾性波振動部224は、表面弾性波を介して表面弾性波振動部224上に置かれたエアロゾル形成基材を霧化させることでエアロゾルを発生させ得る。一実施形態に係る伝達要素226は、カートリッジ又は液相格納部からエアロゾルを発生させる超音波振動部222及び/又は表面弾性波振動部224にエアロゾル形成基材を伝達してもよい。以下、超音波振動部222及び表面弾性波振動部224の全てを含むエアロゾル発生モジュール220及び一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール220を含むエアロゾル発生装置200について詳しく説明する。
【0081】
図2A及び図2Bを参照すると、一実施形態に係る表面弾性波振動部224及び超音波振動部222は、同じ平面上に配置されてもよい。好ましくは、表面弾性波振動部224は、超音波振動部222の外周面を取り囲んで形成されてもよい。表面弾性波振動部224及び超音波振動部222は、伝達要素226の少なくとも一面に隣接するように配置され、エアロゾル形成基材の供給を受けることができる。一実施形態に係るエアロゾル形成基材は、液相、気相又は固相の形態に供給され、好ましくは、液相の形態に供給されてもよい。
【0082】
一実施形態に係る超音波振動部222は、圧電体(piezoelectric material)222-1を含む。一実施形態に係る表面弾性波振動部224は、圧電基板224-1及び変換器224-2を含む。一実施形態に係る圧電基板224-1は、変換器224-2で発生した表面弾性波が伝達する表面を形成してもよい。一実施形態に係る変換器224-2は、インタデジタル変換器(Interdigital Transducer)を含む。変換器224-2は極性を有する。変換器224-2は極性を有しない。変換器224-2は、極性を有する圧電物質と極性を有しない圧電物質の全てを含む。
【0083】
図3は、一実施形態に係る図1のX-X’線に沿って切断したエアロゾル発生モジュール220の断面図である。図3を参照すると、一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール220に含まれる伝達要素226は、超音波振動部222及び/又は表面弾性波振動部224のうち少なくとも1つに対向したり、少なくとも隣接して配置される第1面226a、及び第1面226aの反対側に配置される第2面226bを含む。一実施形態に係る伝達要素226は、第1面226aが超音波振動部222及び/又は表面弾性波振動部224のうち少なくとも1つと向い合って配置されてもよく、好ましくは、第1面226aの一部領域は超音波振動部222に隣接し、第1面226aの残りの一部領域のうち少なくとも一部は表面弾性波振動部224に隣接してもよい。一実施形態に係る伝達要素226の第1面226aが超音波振動部222及び表面弾性波振動部224と同時に隣接して配置される場合、超音波振動部222及び表面弾性波振動部224の相互作用によりエアロゾル発生効率が向上される。一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール220は、超音波振動部222及び表面弾性波振動部224のうち少なくとも1つの振動によってエアロゾルが発生する過程で摩擦の熱が発生し、圧電体222-1及び/又は圧電基板224-1を介して電気的エネルギーが機械的エネルギーに変換される過程で、一部の電気的エネルギーは熱エネルギーに変換され得る。変換された熱エネルギーはエアロゾル形成基材を加熱し、温度の上昇したエアロゾル形成基材の粘度が低下することで、超音波振動部222及び表面弾性波振動部224によってエアロゾルがさらに円滑に発生し得る。
【0084】
以下は、図4図6を参照してエアロゾル発生モジュール220を構成する超音波振動部222、表面弾性波振動部224、及び伝達要素226の構造に対して詳しく説明する。
【0085】
図4は、一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール220の超音波振動部222の平面図である。一実施形態に係る超音波振動部222は、圧電体222-1を含む。一実施形態に係る圧電体222-1は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換させる変換素子であって、制御部(例えば、図1の制御部110)の制御により超音波を発生させることができる。一実施形態において、分極処理された圧電体222-1に交流電源が印加される場合、圧電体222-1は、膨脹と収縮を繰り返す。一実施形態において、圧電体の繰り返された膨脹及び収縮によって超音波振動部222は特性の周波数で振動し得る。一実施形態において、超音波振動部222は、圧電体と接触して配置される振動板(図示せず)をさらに含んでもよい。圧電体222-1に接触された振動板は、圧電体222-1の膨脹と収縮により圧電体222-1と共に特性周波数で振動する。当技術分野の当業者であれば、圧電振動素子の原理に対して自明に理解できるため、これに対するさらに詳細な説明は略する。
【0086】
更なる実施形態に係る超音波振動部は、圧電変換器(piezoelectric transducer)及びメッシュプレートを含む。他の実施形態に係る圧電変換器は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する変換素子として、制御部(例えば、図1の制御部110)の制御により超音波を発生させ得る。当技術分野の当業者であれば、圧電変換器の原理に対して自明に理解できるため、これに対する詳細な説明は略する。他の実施形態に係るメッシュプレートは、エアロゾル形成基材と接してエアロゾル形成基材を霧化(エアロゾル化)させることができる。他の実施形態に係る圧電変換器により発生した振動は、エアロゾル形成基材に対して圧力波を発生させ、圧力波は、メッシュプレートの微細メッシュ間の空間、狭い領域又は孔に基材を押し入れてエアロゾル形成基材を霧化させることができる。
【0087】
図5は、一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール220の表面弾性波振動部224の平面図である。表面弾性波振動部224は、圧電基板224-1及び変換器224-2を含む。一実施形態に係る変換器224-2は、第1電極224-2a及び第2電極224-2bを含む。一実施形態に係る第1電極224-2a及び第2電極224-2bは、それぞれ2以上のフィンガ(finger)を含む。変換器224-2電極224-2a、224-2bの個別フィンガに印加された電圧によりフィンガ間で生成される圧電基板上の引張及び圧縮変形が発生し、これによって圧電基板224-1が機械的に変形されたり振動する。一実施形態に係る電極224-2a、224-2bのフィンガ間の間隔は、機械的波動の波長に対応する。このように発生した機械的波動は、一般にナノメートルスケールの振幅を有し、圧電基板224-1の表面に沿って伝播される。一実施形態に係る表面弾性波振動部224で発生する表面弾性波によってエアロゾルが発生し得る。
【0088】
一実施形態において、表面弾性波振動部224として一般に周知されたSAWセンサチップが使用されてもよい。一実施形態に係るSAWセンサチップは、典型的に圧電基板224-1上に配置された電極を含む少なくとも1つ以上のインタデジタル変換器(Interdigital Transducer)を含む。
【0089】
図6は、一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール220の伝達要素226の背面図である。前述したように、伝達要素226は第1面226a及び第2面226bを含む。伝達要素226の第1面226aの一部領域は超音波振動部222に隣接し、第1面226aの残りの一部領域のうち少なくとも一部は表面弾性波振動部224に隣接する。図6を参照すると、伝達要素226の第1面226aは第1領域Z1及び第2領域Z2を含む。一実施形態において、伝達要素226の第1面226aの第1領域Z1は、超音波振動部222とオーバラップされる領域である。伝達要素226の第1面226aの第2領域Z2は、表面弾性波振動部224とオーバラップされる領域である。一実施形態において、第1領域Z1及び第2領域Z2の面積は、超音波振動部222及び表面弾性波振動部224の大きさに応じて相違に調整され、図6に示された面積及び形状に限定されることはない。
【0090】
一実施形態に係る伝達要素226は毛細管要素、例えば、紙ストリップ又はウィック、カートリッジを貫通させるための貫通要素であってもよく、必ずこれに限定されることはない。
【0091】
以下は、図7及び図8を参照してエアロゾル発生モジュール220を含むエアロゾル発生装置200(例えば、図1のエアロゾル発生装置100)に対して詳しく説明する。
【0092】
図7は、一実施形態に係るエアロゾル発生装置の断面図である。図7を参照すると、エアロゾル発生装置200は、ハウジング210、エアロゾル発生モジュール220、カートリッジ230、制御部240、マウスピース250、バッテリ260及び補助要素270を含む。
【0093】
一実施形態において、ハウジング210は、様々な電子/機械コンポネントを収容するように構成されてもよい。一実施形態において、エアロゾル発生モジュール220、カートリッジ230、制御部240、バッテリ260、及び補助要素270は全てハウジング210の内部に収容され、外部の刺激(例えば、埃、衝撃、熱など)から安全に保護されることができる。
【0094】
一実施形態において、エアロゾル発生モジュール220は、超音波振動部222、表面弾性波振動部224、及び伝達要素226を含む。一実施形態に係るエアロゾル発生モジュール220は、図2A図6を参照して詳しく前述したため、以下ではエアロゾル発生モジュール220に対する詳細な説明は省略する。
【0095】
一実施形態において、カートリッジ230は、ハウジング210の内部に配置されてエアロゾル形成基材を格納してもよい。エアロゾル形成基材は、気相、液相、固相のうち少なくともいずれか1つの形態にカートリッジ230の内部に格納され、好ましくは、液相の形態にカートリッジ230の内部に格納されてもよい。一実施形態に係るカートリッジ230は、図8を参照して以下でさらに詳しく説明する。
【0096】
一実施形態において、制御部240は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイとして実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとそのマイクロプロセッサで実行されるプログラムが格納されたメモリの組み合わせとして実現されてもよい。一実施形態に係るエアロゾル発生装置200に含まれた制御部240により、エアロゾル発生モジュール220の超音波振動部222及び表面弾性波振動部224の振動有無及び振動数が制御され得る。一実施形態に係る制御部240は、以下でさらに詳細に説明する。
【0097】
一実施形態において、マウスピース250はユーザの口部と接する部分として、エアロゾルは、マウスピース250に含まれる流体流動経路を介してユーザに移行される。一実施形態において、マウスピース250は、ハウジング210の一端部に配置されてもよく、好ましくは、マウスピース250は、ハウジング210の一端部面と接するように配置されてもよい。
【0098】
一実施形態において、バッテリ260(例えば、図1のバッテリ140)は、エアロゾル発生装置200が作動するために使用される電力を供給することができる。例えば、バッテリ260は、エアロゾル発生モジュール220の超音波振動部222及び表面弾性波振動部224が振動するように電力を供給し、制御部240が動作するために必要な電力を供給する。また、バッテリ260は、エアロゾル発生装置200に設けられるディスプレイ、センサ、モータなどが動作するために必要な電力を供給してもよい。
【0099】
一実施形態において、補助要素270は、弾性体272、電極ピン274及び電線276を含む。一実施形態に係る補助要素270は、前述したモジュール及び/又はユニットの他に、エアロゾル発生装置200が円滑に作動させるための追加的なユニットの全てを含んでもよい。一実施形態に係る弾性体272は、エアロゾル発生モジュール220に隣接して配置され、カートリッジ230からエアロゾル形成基材がエアロゾル発生モジュール220で円滑に伝達するように圧縮する役割を果たす。弾性体272の圧縮によりエアロゾル発生モジュール220の伝達要素226とカートリッジ230との間の距離がさらに短くなり、カートリッジ230に格納された気相、液相、又は固相のうち少なくともいずれか1つの形態を有するエアロゾル発生基材がエアロゾル発生モジュール220に効率よく伝達することができる。一実施形態に係る電極ピン274及び電線276は、制御部240及びバッテリ260とエアロゾル発生モジュール220を接続し、エアロゾル発生モジュール220に電力を伝達して制御を可能にする。
【0100】
以下、制御部240によって制御されるエアロゾル発生モジュール220について説明する。一実施形態において、制御部240は、エアロゾル発生装置200が少なくとも2つのモードのいずれか1つのモードで作動されるように制御する。
【0101】
一実施形態に係る第1モードは、超音波振動部222、及び表面弾性波振動部224が同時に振動するモードに該当する。第1モードにおいて、超音波振動部222及び表面弾性波振動部224が同時に振動するとしても、互いに振動数及び振動周期を相違にして振動することで、メイン振動(main-vibration)部材及びサブ振動(sub-vibration)部材に分類される。超音波振動部222がメイン振動部材である場合、表面弾性波振動部224がサブ振動部材であってもよい。表面弾性波振動部224がメイン振動部材である場合、超音波振動部222がサブ振動部材であってもよい。メイン振動部材によってエアロゾルが発生されれば、サブ振動部材によりエアロゾル発生量がさらに豊かになる。
【0102】
一実施形態に係る第2モードは、超音波振動部222及び表面弾性波振動部224のいずれか1つが先に振動して伝達要素226のエアロゾル形成基材を予熱し、超音波振動部222及び表面弾性波振動部224の他方の1つがその後に振動してエアロゾルを発生させるモードである。エアロゾル形成基材が液相である場合、一般にエアロゾル形成基材は粘度が高い。エアロゾル形成基材がさらに円滑にエアロゾル化されるためには、一定レベルの熱を加えて予熱させることが好ましい。これにより、超音波振動部222及び表面弾性波振動部224のいずれか1つが振動して伝達要素226に含まれているエアロゾル形成基材が予熱された後、他方のいずれか1つが振動するようにすることで、さらに豊かなエアロゾルを発生させることができる。特に、超音波振動部222の自体発熱を通したエアロゾル形成基材の予熱時に、予熱温度が一定の温度(例えば、キュリー温度)以上の温度に至る場合、超音波振動部222に含まれたユニットが損傷されて器機の損傷が発生し得る点から見たとき、表面弾性波振動部224を介して前もって予熱が行われた後に超音波振動部222によってエアロゾルが発生する場合、器機の耐久性の側面においても利点を有する。
【0103】
一実施形態に係る制御部240は、前述した第1モード及び第2モードの他にも、様々なモードでエアロゾル発生装置200を動作させ得る。
【0104】
図8は、一実施形態に係るカートリッジ230の概略図である。一実施形態において、カートリッジ230は、第1端部壁230a、第1端部壁230aの反対側に配置される第2端部壁230b、第1端部壁230aと第2端部壁230bを繋ぐ外周壁230c及び内周壁230dを含み、第1端部壁230a、第2端部壁230b、外周壁230c及び内周壁230dの間にはエアロゾル形成基材を格納する格納空間232が形成されてもよい。一実施形態に係るカートリッジ230は、前記と共に形成される場合、第1端部壁230a及び第2端部壁230bを貫通する貫通孔を形成してもよい。一実施形態に係るカートリッジ230がエアロゾル発生装置200の内部に配置されている場合、伝達要素226の上部(例えば、図3の伝達要素226の第2面226b)から形成されるエアロゾルが貫通孔を通して移動してもよい(図7参照)。即ち、一実施形態に係るカートリッジ230は、第1端部壁230a及び第2端部壁230bを貫通し、内周壁230dによって囲まれた気流パス(例えば、図7の気流パスP)を含み、エアロゾルは、気流パスPを介してマウスピース250に伝達され、ユーザの口部に至ることができる。
【0105】
以上のように実施形態がたとえ限定された図面によって説明されたが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に行われたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって対置されたり置き換えされても適切な結果を達成することができる。
【0106】
そのため、他の具現、他の実施形態、及び請求範囲と均等なものなどについても後述する請求範囲の範囲に属する。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】