(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】半導体パッケージ上にターゲットを備えた力センサ
(51)【国際特許分類】
G01L 1/00 20060101AFI20240711BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20240711BHJP
G01L 1/14 20060101ALI20240711BHJP
H01L 29/84 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G01L1/00 F
G01L5/00 Z
G01L1/14 Z
H01L29/84 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579527
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2022067664
(87)【国際公開番号】W WO2023275010
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516186407
【氏名又は名称】メレクシス・テクノロジーズ・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】MELEXIS TECHNOLOGIES SA
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】デュプレ,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】クローズ,ガエル
(72)【発明者】
【氏名】ル シニョール,テオ
(72)【発明者】
【氏名】ファンヘルフェン,ティム
【テーマコード(参考)】
2F051
4M112
【Fターム(参考)】
2F051AA10
2F051AB05
2F051BA05
4M112AA03
4M112CA22
4M112EA02
4M112FA01
(57)【要約】
力センサは、ターゲットピースと、ターゲットピースの動きによって生成される磁場の変化を提供するように構成された感知素子とを含む感知システムを備える。感知素子は、これらの変化を感知し、ターゲットピースの位置を表す信号を提供する。処理手段を備えた集積回路は、感知素子からの信号を処理することができる。半導体パッケージは、少なくとも集積回路を含む。可撓性ピースは、ターゲットを備え、それは半導体パッケージに取り付けられ、可撓性ピースと半導体パッケージとの間の取り付け面積は、半導体パッケージの上方突出部又は外形を越えて延在しない。可撓性ピースは、力刺激を受け、その結果、可撓性ピースに力を加えると、半導体パッケージの表面に対するターゲットピースの変位が感知素子によって感知され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力センサ(100)であって、
-ターゲットピース(101)と感知素子(102)とを備える感知システムであって、
前記感知素子(102)が、前記感知素子(102)に対する前記ターゲットピース(101)の動きから磁場の変化を感知するように構成されており、前記感知素子(102)が、前記ターゲットピース(101)の位置を表す信号を提供するように構成されている、感知システムと、
-前記感知素子(102)からの信号を処理するための処理手段を備える集積回路(IC)と、
-前記集積回路(IC)を備える半導体パッケージ(105)であって、前記半導体パッケージ(105)の上方突出部が外形を形成する、半導体パッケージ(105)と、
-前記ターゲットピース(101)を備える可撓性ピース(104)であって、前記可撓性ピース(104)が前記半導体パッケージ(105)に取り付けられており、前記可撓性ピース(104)と前記半導体パッケージ(105)との間の取り付け面積が前記半導体パッケージ(105)の前記外形以下であり、前記可撓性ピース(104)が力刺激を受けるように配置されており、その結果、前記可撓性ピース(104)に力を加えると、前記感知素子(102)に対する前記ターゲットピース(101)の変位が前記感知素子(102)によって感知され得る、可撓性ピース(104)と、を備える、力センサ(100)。
【請求項2】
前記半導体パッケージ(105)が、前記集積回路(IC)から離れる方向に面する表面(113)を備え、前記可撓性ピース(104)が、前記半導体パッケージ(105)の前記表面(113)に堆積又は接着されている、先行請求項に記載のセンサ。
【請求項3】
前記半導体パッケージ(105)が、前記半導体パッケージ(105)の上方突出部よりも低い面積を有する側方突出部を有する平面形状を有する、先行請求項のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項4】
前記可撓性ピースが、前記上方突出部を越えて延在することなく、その半導体パッケージ(105)に取り付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項5】
前記感知素子(102)が、ホール効果に基づく位置感知素子であり、前記ターゲットピース(101)が、磁気ターゲットピースである、先行請求項のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記感知素子が、誘導性感知素子であり、前記ターゲットピースが、導電性ターゲットピースである、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記ターゲットピースが、前記可撓性ピース内に埋め込まれた、又は前記可撓性ピース上に提供された金属シートである、先行請求項のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項8】
前記ターゲットピースが、前記ターゲットピースに対する前記力刺激が前記可撓性ピースを変形させるように、前記可撓性ピースよりも可撓性が低い剛性ターゲットピースである、先行請求項のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項9】
前記ターゲットピースが、前記上方突出部に最大の寸法を有する所定の形状を有し、前記半導体パッケージが、前記上方突出部に最大の寸法を有し、前記半導体パッケージの前記寸法と前記ターゲットピースの前記寸法との間の比は、1.5以上である、先行請求項のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項10】
前記感知素子(102)が、前記集積回路(IC)と前記ターゲットピース(101)との間に提供されている、先行請求項のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項11】
前記感知素子(102)が、前記集積回路(IC)に隣接する、請求項1~9のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項12】
前記感知素子(102)が、前記集積回路(IC)内の前記処理手段と統合されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項13】
先行請求項のいずれか一項に記載の力センサ(100)を備えるセンサアセンブリであって、前記集積回路(IC)が、前記感知素子からの処理された前記信号に基づいて読み出し信号を提供するように更に適合されており、支持構造体(401)を更に備え、前記力センサ(100)が、前記力センサ(100)で生成された読み出し信号を外部出力に再ルーティングするための接続を含む前記支持構造体(401)上に提供されている、センサアセンブリ。
【請求項14】
力センサ(100)を製造する方法であって、
-ターゲットピースを含む可撓性ピースを提供すること(S10)と、
-処理手段と、前記ターゲットピース(101)の動きから磁場の変化を感知するように構成された感知素子とを備える集積回路を提供すること(S20)であって、前記感知素子(102)が、前記ターゲットピース(101)の位置を表す信号を提供するように構成されており、前記処理手段が、前記感知素子からの信号を処理するように適合されている、提供すること(S20)と、
-前記感知素子及び前記処理手段を少なくとも部分的にオーバーモールディングすることによって前記集積回路をパッケージ化し、それに伴って半導体パッケージを形成すること(S30)と、
-前記可撓性ピースを前記半導体パッケージに、かつ任意選択的に、前記集積回路に取り付けること(S40)と、を含み、前記可撓性ピースの取り付け面積が、前記半導体パッケージの上方突出部を越えて延在しない、方法。
【請求項15】
ターゲットピースを含む可撓性ピースを提供すること(S10)が、ターゲットピースを、前記ターゲットピースが前記可撓性ピースの材料によって完全に囲まれるように、前記可撓性ピースの内部に埋め込むこと(S14)を含む、先行請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記可撓性ピースを取り付けることが、前記可撓性ピースの前記上方突出部が前記集積回路の前記上方突出部の上に延在しないように、前記可撓性ピースを取り付けることを含む、請求項14又は15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力センサの分野に関する。より具体的には、位置感知を使用する力センサ、センサアセンブリ、及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
力センサは、物体のロボット操作を支援するためにロボット工学で使用され得る。光学フィードバックは、物体を位置決めして把持するためにロボットによって一般的に使用されるが、力を制御することは困難であり、これは、操作されたピースの誤った操作若しくは位置決め、又はピースの損傷さえも引き起こす可能性がある。
【0003】
ロボットのクランプ又は手は、例えば、把持ピース(爪、指など)の動きを駆動する機械的部品上の力-トルクセンサを含むことができる。ただし、この測定は間接的なものである。取り扱うピースとの接触面の変形を測定することは簡単ではない。これを解決するために、いくつかの用途では、把持されるピースに接触する表面は、可撓性である。表面の変形は、位置センサによって測定することができる。位置センサ(通常はチップ)は、位置センサの数倍の広さの広い接触面積を持つ可撓性材料の大きなブロックで覆われており、信頼性の高い接触を保証している。しかしながら、これらのセンサは通常、大きな実装面積を必要としており、これは通常、重加重かつ大型の工業用ピース用の大型ロボットの爪でのみ使用可能である。更に、これらのシステムを用いたロボット操作は、ハードルを提示するか、又は繊細な物体の操作に使用することができない。
【0004】
ピース取り扱い中にロボットの爪又は手によるピース上の信頼性の高い力制御を可能にするコンパクトなソリューションを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態の目的は、正確な方法でかつ小さな実装面積で、力、特に接触力を感知するためのコンパクトで効果的なセンサを提供することである。更なる目的は、そのようなセンサを含むアセンブリ、及びセンサの製造方法を提供することである。
【0006】
本発明は、ターゲットピースと感知素子とを備える感知システムを備える力センサを提供する。感知素子は、感知素子に対するターゲットピースの動きから磁場の変化を感知するように構成されており、感知素子は、ターゲットピースの位置の変化を表す信号を提供するように構成されている。集積回路は、感知素子からの信号を処理するための処理手段を備える。集積回路は、その上方突出部が外形を形成する半導体パッケージにパッケージ化されている。すなわち、最大面積を有するパッケージの突出部が外形である。本発明のいくつかの実施形態では、半導体パッケージ(ICパッケージとしても知られる)は、集積回路の一部又は全部を覆うモールドを含む。
【0007】
可撓性ピースは、外部本体と接触したときにターゲットピースの動きを提供するためのターゲットピースを備える。可撓性ピースは、半導体パッケージに取り付けられ、可撓性ピースと半導体パッケージとの間の取り付け面積は、半導体パッケージの外形以下である。可撓性ピースは、力刺激を受けるように配置されているため、可撓性ピースに力を加えると、半導体パッケージの表面に対するターゲットピースの変位が感知素子によって感知され得る。
【0008】
本発明の実施形態の利点は、ターゲットが半導体パッケージに直接統合されている可撓性ピースに埋め込まれた、低い実装面積でコンパクトな力センサを得ることができることである。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、半導体パッケージは、集積回路から離れる方向に面する表面を含み、可撓性ピースは、半導体パッケージの表面に堆積又は接着される。いくつかの実施形態では、可撓性ピースは、エラストマーシートである。
【0010】
本発明の実施形態の利点は、エラストマーシートを、例えば、半導体パッケージにモールドして取り付けることによって、容易に提供することができることである。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態では、半導体パッケージは、半導体パッケージの上方突出部よりも面積が小さい側方突出部を有する平面形状を有し、可撓性ピースは、上方突出部を越えて延在することなく、その半導体パッケージに取り付けられる。
【0012】
本発明の実施形態の利点は、力センサの実装面積が半導体パッケージと同じ大きさであることである。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、感知素子は、ホール効果に基づく位置感知素子であり、ターゲットピースは、磁気ターゲットピースである。
【0014】
本発明の実施形態の利点は、感知が非強磁性部品の存在によって影響されないことである。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態では、感知素子は誘導性感知素子であり、ターゲットピースは導電性ターゲットピースである。
【0016】
本発明の実施形態の利点は、感知が漂遊磁場に対して堅牢であることである。更なる利点は、誘導性感知素子の電界への影響が少ないため、磁気ピースを操作することができることである。
【0017】
本発明の実施形態の利点は、ターゲットピースが、可撓性ピース内に埋め込まれた、又は可撓性ピース上に提供された金属シートであることである。
【0018】
本発明の実施形態の利点は、金属シートが、可撓性ピースの上に、又は可撓性ピース内に提供することが容易であり得、例えば、可撓性ピースの上に、又は可撓性ピース内に埋め込まれた金属プレートであり得ることである。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態では、ターゲットピースは、ターゲットピースに対する力刺激が可撓性ピースを変形させるように、可撓性ピースよりも可撓性が低い剛性ターゲットピースである。
【0020】
本発明の実施形態の利点は、ターゲットピースの変位を正確に測定できることである。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態では、ターゲットピースは、上方突出部に最大の寸法を有する所定の形状を有し、半導体パッケージは、上方突出部に最大の寸法を有し、半導体パッケージの当該寸法とターゲットピースの当該寸法との間の比は、1.5以上である。
【0022】
本発明の実施形態の利点は、剪断応力の測定を容易にしながら、コンパクトさを改善できることである。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態では、ターゲットピースは、可撓性ピース上に堆積された金属トレースである。本発明の実施形態の利点は、センサが薄型であることである。代替的な実施形態では、ターゲットピースは、金属プレートである。例えば、金属プレートは、可撓性ピースに埋め込まれ得る。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態では、感知素子は、集積回路とターゲットピースとの間に提供される。
【0025】
本発明の実施形態の利点は、感知素子を感知されたターゲットの近くに配置することによって、感知素子の感度が高いことである。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態では、感知素子(102)は、集積回路(IC)に隣接する。
【0027】
本発明の実施形態の利点は、センサが薄型であることである。更なる利点は、IC基板を可撓性ピース上でオフセットすることができるので、基板が可撓性ピースとの外部物体の接触から直接応力を受けないことである。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、感知素子は、集積回路(IC)内の処理手段と統合されている。
【0029】
本発明の実施形態の利点は、センサが非常にコンパクトで薄型であることである。
【0030】
更なる態様では、本発明は、本発明の第1の態様の力センサを備えるセンサアセンブリを含み、集積回路(IC)は、感知素子からの処理された信号に基づいて読み出し信号を提供するように更に適合される。アセンブリは、支持構造を更に含み、力センサは、力センサで生成された読み出し信号を外部出力に再ルーティングするための接続を含む支持構造上に提供される。支持構造は、PCBであり得るが、いくつかの実施形態では、センサアセンブリは、PCBレスセンサである。
【0031】
更なる態様では、本発明は、力センサを製造する方法を含み、方法は、
-ターゲットピースを含む可撓性ピースを提供することと、
-処理手段と、ターゲットピースの動きから磁場の変化を感知するように構成された感知素子と、を備える集積回路を提供することであって、感知素子が、ターゲットピースの位置を表す信号を提供するように構成されており、処理手段が、感知素子からの信号を処理するように適合されている、提供することと、
-感知素子及び処理手段をオーバーモールディングすることによって集積回路をパッケージ化し、それに伴って半導体パッケージを形成することと、
-可撓性ピースを半導体パッケージに、かつ任意選択的に、集積回路に取り付けることと、を含み、可撓性ピースの取り付け面積は、取り付けられたときに半導体パッケージの上方突出部を越えて延在しない。
【0032】
本発明の実施形態の利点は、薄型で小さな実装面積を有する、敏感でコンパクトな力センサを提供することができることである。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態では、ターゲットピースを含む可撓性ピースを提供することは、ターゲットピースを、ターゲットピースが可撓性ピースの材料によって完全に囲まれるように、可撓性ピースの内部に埋め込むことを含む。
【0034】
本発明の実施形態の利点は、可撓性ピースの製造が、可撓性ピースへのターゲットピースの取り付けの更なるステップを必要とするのではなく、ターゲットピースの提供と同時に行われ得ることである。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、可撓性ピースを取り付けることは、当該可撓性ピースの上方突出部が集積回路の上方突出部の上に延在しないように、可撓性ピースを取り付けることを含む。
【0036】
本発明の実施形態の利点は、製造をコンパクトにし、必要に応じて、PCB製造から分離することができることである。
【0037】
本発明の特定の及び好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載される。従属請求項からの特徴は、単に請求項に明示的に記載されているものではなく、必要に応じて、独立請求項の特徴と、他の従属請求項の特徴と組み合わせられ得る。
【0038】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して明らかとなり、説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の実施形態による力センサの断面図であり、チップ接続を示す。
【
図2】本発明の実施形態による力センサの断面図を示しており、感知素子及び処理手段が、1つの集積回路を形成する単一の半導体基板に統合されている。
【
図3】本発明の実施形態による力センサの断面図を示し、感知素子は、処理手段を含む集積回路に隣接して配置されている。
【
図4】本発明の実施形態による力センサの断面図を示し、エラストマーは、集積回路パッケージのモールドによって囲まれ、集積回路の基板に接触又は接着している。
【
図5】支持基板上の本発明の実施形態による力センサの斜視図を示し、センサアセンブリを形成している。
【
図6】特定の力センサに対する法線変位(圧縮)に対する力応答のシミュレーションを示す。
【
図7】変位に対する磁場の3つの空間成分の応答を示す。
【
図8】特定の力センサに対する法線変位(圧縮)に対する力応答のシミュレーションを示す。
【
図9】変位に対する磁場の3つの空間成分の応答を示す。
【
図10】本発明の実施形態による力センサの製造方法の概略図である。
【0040】
図面は、概略図に過ぎず、非限定的である。図面において、要素のいくつかのサイズは、例示目的のために誇張されてもよく、スケール上に描画されなくてもよい。
【0041】
特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されないものとする。
【0042】
異なる図面では、同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、特定の実施形態に関して、及び特定の図面を参照して説明されるが、本発明はそれに限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。寸法及び相対寸法は、本発明の実施に対する実際の減少に対応しない。
【0044】
更に、説明及び特許請求の範囲における第1、第2などの用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも、時間的、空間的、ランク付け、又は任意の他の方法のいずれかで配列を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で互換性があり、本明細書に記載される本発明の実施形態は、本明細書に記載又は図示されるものとは異なる配列で動作することが可能であることを理解されたい。
【0045】
特許請求の範囲内で使用される「備える(comprising)」という用語は、その後に列挙される手段に限定されるものとして解釈されるべきではなく、他の要素又はステップを排除するものではないことに留意されたい。したがって、参照された際に、言及された特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を指定するものと解釈されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、若しくは構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。したがって、「備える(comprising)」という用語は、言及された特徴のみが存在する状況、並びにこれらの特徴及び1つ以上の他の特徴が存在する状況を包含する。したがって、「手段A及びBを備えるデバイス」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみからなるデバイスに限定されるものと解釈されるべきではない。これは、本発明に関して、デバイスの唯一の関連する構成要素がA及びBであることを意味する。
【0046】
本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、本明細書全体を通して様々な場所における「一実施形態において」又は「実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではないが、指してもよい。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態では、本開示から当業者に明らかになるように、任意の適切な方法で組み合わせられ得る。
【0047】
同様に、本発明の例示的な実施形態の説明では、本発明の様々な特徴が、本開示を合理化し、様々な本発明の態様のうちの1つ以上の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図、又はその説明で一緒にグループ化されることがあることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、特許請求される発明が各請求項に明示的に記載されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、単一の前述の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない。このため、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、この詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態として独自に成立している。
【0048】
更に、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、他の特徴を含まない一方で、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、当業者によって理解されるように、本発明の範囲内であることを意味し、異なる実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、特許請求される実施形態のいずれかは、任意の組み合わせで使用され得る。
【0049】
本明細書に提供される説明において、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施され得ることが理解される。他の例では、周知の方法、構造、及び技術は、この説明の理解を曖昧にしないために詳細には示されていない。
【0050】
本発明の実施形態では、「集積回路」を参照する場合、ある目的のための、例えば、信号を処理し、処理された信号に基づいて読み出し信号を提供するための、回路を形成する電子部品を含む半導体基板を参照する。
【0051】
本発明の実施形態では、「ターゲットピース」又は略して「ターゲット」を参照する場合、その位置の変動が感知素子によって感知される成形された材料ピースを参照する。
【0052】
本発明の実施形態では、「可撓性ピース」を参照する場合、可撓性特性を有する成形された材料ピースを参照し、例えば、それは圧縮可能であり得、好ましくは弾性特性を有するため、力のない状態で元の形状に戻る。可撓性ピースへの圧縮は、ピースを形成する材料マトリックスの変位を提供する。いくつかの実施形態では、「エラストマー」という用語が使用されるが、本発明は、エラストマーポリマーによって作られたピースに限定されない。
【0053】
本発明は、物体の自動化された把持及び取り扱いを改善することを目的とする。ロボットは、コンピュータ支援視覚フィードバックによってサポートされている物体を把握する。人間のような器用さを達成するために、ロボットの手又は爪は、触覚センサを組み込む必要がある。これらのセンサは小さく、必要な用途に十分な感度の範囲内で力を検出できる必要がある。本発明は、ロボットの手又は爪と取り扱われる物体との接触を感知するための力センサを提供する。
【0054】
本発明は、可動ターゲットの位置の変化を感知する感知素子を使用する近接感知に基づいた力感知を提供する。ターゲットの動きの程度は、取り扱う物体との爪の接触力(大きさ及び方向の両方)に依存する。感知は、電磁気感知に基づき得る。例えば、ターゲットの動きに起因する、磁場、又は一般に、電磁場の変動の検出に基づき得る。ターゲットは、磁場を生成し得、例えば、磁石であり得、又は磁場が誘導され得る導体であり得る。感知素子は、磁場の性質に応じて位置の変化を感知し得る。感知素子は、パッケージ化された集積回路内の処理手段によって処理される信号を生成する。ターゲットピース及び感知素子は、適切に選択及び組み合わせられ得、したがって、互いに協働して、その変化がターゲットの動きによって引き起こされ、かつその感知素子による検出がターゲットの変位量と相関し得る電磁場を生成又は誘導するように適合された要素と「感知システム」を形成する。例えば、磁気感知素子(例えば、ホールセンサ)は、ターゲットとしての磁石と組み合わせられ得る。
【0055】
接触によるターゲットピースの動きは、ターゲットピースを支持する弾性ピース又は可撓性ピースによって提供される。接触すると、可撓性ピースは、接触力に応じて変形する。可撓性ピースの一部であるターゲットピースも動く。
【0056】
処理手段は、感知素子からの信号を受け入れ、それを処理して接触力を提供するように構成されている。例えば、その処理は、測定された信号をターゲットの変位とリンクさせる格納された値(例えば、ルックアップテーブル内の)との比較及び相関、又は例えば、可撓性ピースの圧縮係数を含む数学的関係に基づく計算及びターゲットの変位の計算など、を含み得る。
【0057】
測定を処理するために使用される感知素子及び処理手段は、単一の半導体パッケージに含まれる。可撓性ピースは、半導体パッケージ上に提供され、可撓性ピースは、パッケージ自体よりも小さく、パッケージを完全に囲むことはない。
【0058】
エラストマー及びターゲットをパッケージに直接統合し、パッケージの外形境界内に保持することにより、コンパクトさ及び爪又はロボットの手などとの統合に大きな利点がある。
【0059】
第1の態様では、本発明は、力センサ、特に、物体と把持ロボットの手又は爪との間の接触力を感知するためのセンサに関する。これは、適切なターゲットの位置変位を感知することができる感知素子と、ターゲット自体と、を含む感知システムを含む。また、本発明の実施形態では、ICパッケージは、処理手段を備えたICだけでなく、感知素子も含むが、半導体パッケージ(集積回路パッケージ又は略して、ICパッケージとも呼ばれる)に提供された処理手段(例えば、プロセッサ)を含む。処理手段は、位置感知素子から測定信号を受信する。これらの信号は、ICパッケージ上に堆積された、又はICパッケージに取り付けられた可撓性ピースに含まれるターゲットピースの変位を示す。
【0060】
いくつかの実施形態では、ターゲットピースは、感知素子のタイプに応じて、磁性材料、及び/又は導電性材料から構成され得る。例えば、それは、ホール感知素子用の磁石であり得る。例えば、それは、誘導に基づく感知素子のための金属シート、プレート、又はトレースであり得る。
【0061】
可撓性ピースは、ICパッケージを完全に囲んではいない。例えば、それは、ICパッケージと部分的にのみ重なり得る。ICパッケージレイアウト、又はオーバーレイ、又は上方外観は、可撓性ピースの取り付け面積を完全に含む。例えば、可撓性ピースは、ICパッケージの外形を越えて延在しなくてもよい。力センサの実装面積は、センサが、例えば、PCBなどのより大きなシステム上で占有する面積である。本発明の力センサは、プロセッサ及び感知素子と重なる大きなゴムピース又は他のエラストマーではなく、ICパッケージと同じ大きさの実装面積を有する。
【0062】
図1は、集積回路IC上に配置され、集積回路ICに接続されたホール感知素子102を含む力センサ100の例示的な実施形態を示す。感知素子102は、少なくともターゲットの位置の変動を検出することができる限り、異なるタイプの近接検出器(そのような誘導に基づく感知素子)であり得る。
【0063】
力センサ100は、集積回路IC及び感知素子102を含むパッケージ105を備え、これらは、樹脂などのモールド103、又は任意の他の既知の材料によって覆われるか、又はカプセル化されている。
図1は、集積回路ICと接触している感知素子102を示し、感知素子は、例えば、回路ICと接触している場所を除いて、回路ICと同じモールドに埋め込まれた、パッケージ105によって囲まれた素子である。回路との感知素子の相対位置を以下に説明する。感知素子102は、ICにモノリシックに統合され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、集積回路パッケージ105は、「スモールアウトライン集積回路」(SOIC)、「クワッドフラットリードなし」(QFN)パッケージなどであり得る。いずれの場合でも、パッケージ105は、パッケージ105の側方突出部の小さく狭い面積と比較して、通常、上方突出部上に比較的大きな表面面積を有する平型である。
図1は、センサの側面図を示す。上方突出部に対応する表面の面積は、略して上面113と称する。それは、内部回路ICから離れる方向に面する外面である。典型的には、それは、平らで平坦な表面であるが、他の形状を有し得る。
【0065】
力センサは、圧縮可能なシート又はプレート、例えばエラストマーなどの可撓性ピース104を備える。可撓性ピースは、ターゲットピース101を含み、少なくとも1つの表面が覆われておらず、把持されるピースとの接触を提供し得る。例えば、それは、パッケージの上面113から離れる方向に面するエラストマーの上面に接着され、層状スタックを形成し得る。あるいは、ターゲットピースは、以下で説明される
図2及び
図3に示されるように、可撓性ピース内に部分的又は完全に埋め込まれ得る。
【0066】
図1の例では、ターゲットピース101は、集積回路ICの上面(ICの表面がエラストマーに面する)に垂直な軸磁化を有する磁石、例えば、2極磁石であり得る。しかしながら、本発明はこれに限定されず、他の磁化(異なる配向、異なる多極性)を有する磁石も考えることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、ターゲットピースは、平らなプレート又はシートなどのプレートであり得、接触のための比較的広い面積を提供し、したがって、接触力を感知することを可能にする。いくつかの実施形態では、それは、可撓性ピースよりも硬い物であり得る。ターゲットピースは、非常に薄い材料シート、例えば、エラストマー上に堆積された金属トレース、又はその中に埋め込まれた金属トレースなどであり得る。ターゲットはまた、エラストマー中の別個の金属部分の懸濁液(例えば、金属又は磁性ビーズ及び/又は粉末)で形成することができる。感知素子は、ターゲットピースの位置の変化に敏感であり、ターゲットピースは、感知素子102によって検出されるように構成されている。
【0068】
可撓性ピース104は、半導体パッケージ105の外面上、例えば、カプセル剤又はモールド103の上面113上に直接提供される。「上」は、接触される物体に面するパッケージの部分を指すため、可撓性ピース104は、力刺激を受け入れるように配置される。特に、エラストマーは、PCB又はスペーサなどの異なる支持体上ではなく、ICパッケージ上にある。エラストマーは、ICパッケージに直接接着されている。良好なコンパクトな力センサを得るために、可撓性ピースは、パッケージに完全に重ならない。
図1の実施形態では、可撓性ピースは、モールドの上面113よりも小さいモールドの面積に取り付けられるが、他の実施形態では、取り付け面積は、モールドの上面113と等しくなり得る。いくつかの実施形態では、可撓性ピースの少なくとも一部は、例えば、そのモールドに、ICパッケージによって部分的に埋め込まれ得る。例示的な実施形態が
図3に示されているが、当該構成は、本発明の任意の他の実施形態に存在し得る。本発明のいくつかの実施形態では、エラストマーは、以下の
図4に示されるように、ICと接触している。
【0069】
ここで、感知素子に目を向けると、先に説明したように、それは、感知素子を含むICパッケージに対するターゲットピースの位置の相対変位を測定するように構成されている。この変位は、ターゲットピースを含む可撓性ピースに加えられる力に依存し、このピースから信号が取得され、IC回路の処理手段によって処理される。特定の実施形態では、感知素子は、EM場、特に当該動きに起因するEM場の変化を感知するための感知素子である。圧縮の場合、圧縮が大きいほど、ターゲットは感知素子に近づき、感知素子によって検出され、より大きな接触力が検出される。
【0070】
感知素子は、一般に、位置、例えば、線形位置、又は角度位置を測定することができる。いくつかの実施形態では、感知素子は、磁束及びその変化に応じて、磁気強度を測定し得、これは、感知材料へのターゲットピースの近接性(次に、圧縮力にリンクされ得る)に関連し得る。感知素子は、ホール効果に基づく位置感知素子であり得、ターゲットピースは、その磁場を位置感知素子によって感知することができる磁石であり得る。可撓性ピースに力が加えられると、ターゲットピースは、それに応じて、ホールセンサに対してその位置が変化し、これは、ターゲットの動きに依存する測定信号を提供する。いくつかの実施形態では、感知素子は、既知の電流が流れるコイルを備えた誘導性感知素子であり、これは、導電性ターゲットを通って磁場を生成する。ターゲット位置の変化は、ターゲット上に電流を誘導し、これは、磁場に影響を及ぼす。この効果は、誘導コイルを通って流れる電流の変化として検出されるため、感知素子は、感知素子に対するターゲットピースの位置の変化を感知することができる。したがって、ターゲットは、信号を提供するのに十分なコンダクタンス(例えば、十分に高い渦電流を介して)を提供する限り、金属プレート、金属トレースなどであり得る。誘導ソリューションは、漂遊磁場の堅牢性を可能にし、磁気ソリューションは、導電性及び強磁性材料との接触の測定を可能にすることに留意されたい。
【0071】
Z方向の圧縮による磁場強度の変化(位置を示す)は、1つの可能性に過ぎない。本発明の実施形態では、センサは、感知素子又は要素の適切な構成によって、代替的又は追加的に剪断応力(接触面の法線に垂直である、例えば、圧縮力の方向に垂直である、少なくともX方向の変位)を測定することができる。
【0072】
集積回路ICは、少なくとも、半導体基板(例えば、シリコン基板、本発明はこれに限定されない)上に提供することができる、プロセッサなどの集積処理手段を含む。処理手段は、感知素子102からの信号を処理するために構成又はプログラムされている。処理手段及び感知素子は適切に接続されているため、処理手段は、当該信号を受信することができる。処理手段は、位置変位情報を、接触力を表す信号に処理し、その変位を引き起こすターゲットピースに加えられた力を示す読み出し信号としてそのような信号を提供するように構成又はプログラムされ得る。少なくともターゲットの変位、可撓性ピースの弾性パラメータ、及び例えば加速度などの他のパラメータは、力センサの較正のために使用され得る。読み出し信号は、例えば、配線を介して、導体、例えば、フレーム106に出力され得る。読み出し信号は、PCBなどの外部回路への接点、ピンなどを介した接続を介して得ることができ、本発明はこれらに限定されない。
【0073】
感知素子及びICは、両方とも同じパッケージにカプセル化される。
図1の実施形態では、感知素子102は、ICに接続され、その上に配置されるため、感知素子102は、可撓性ピース104とICとの間に配置され、パッケージのモールド103によって可撓性ピース104から分離される。
【0074】
ターゲットピース101は、感知素子102(又は感知された場を受け入れる部分)と可撓性ピース104との間の距離(d1-t1)に加えて、十分な可撓性材料が提供されることを保証する可撓性ピースの厚さt1を包含する第1の距離d1によって感知素子102から離間されるため、可撓性ピース上の所定の接触力の範囲に対して測定可能な変位が生じる。ターゲットピースと感知素子との間の距離d1は、適切な可撓性ピース及びその厚さt1を選択することによって最適化することができるため、感知素子によって感知されるターゲットピース上に十分な変位があり得るが、感知素子102の位置でターゲットからの場(例えば、磁場)が弱まるほど厚みが厚くなることを回避する。較正データは、例えば、メモリ、例えば、集積メモリに提供され、記憶することもできる。
【0075】
他の実施形態では、
図2に示されるように、感知素子202及び処理手段は、同じ集積回路IC2に統合され得る。この構成は、
図2の実施形態に限定されない、任意の他の実施形態に適用され得る。
【0076】
図2は、ターゲットピース201を完全に埋め込む、コンパクトエラストマー204、例えば、エラストマーシートを含む力センサ200を示す。前述のように、可撓性ピースの厚さt2は、感知素子の感度を向上させるのに十分なクッションを提供すると同時に、ターゲットピース201と感知素子202との間の距離d2をそれほど大きくしないようにして、信号検出特性(例えば、信号対ノイズ比など)を著しく妨げるように調整することができる。ターゲットピース201は、シールド層によって覆われ得、又はエラストマー204内に埋め込まれ得、特に、ターゲットピース201を、潜在的にコンパクトさを改善する可撓性ピース内にターゲットピース201を埋め込む場合にも、外部ピースとの物理的接触、又は潜在的に腐食性若しくは酸化性の環境から保護する。
【0077】
図2はまた、集積回路ICがまた、感知素子102を統合し得ることを示す。したがって、モールド203は、依然として、感知素子及び処理手段の両方をカプセル化するが、例えば、単一の半導体ダイ内の単一の集積回路内のそれら両方をカプセル化するので、パッケージを、非常にコンパクトにすることができる。この実施形態は、非常にコンパクトであり、感知素子-処理手段の統合及びターゲット-エラストマーの統合の組み合わせに起因して、薄型で低い実装面積を有する。しかしながら、ターゲットを統合するエラストマーは、任意の他の実施形態に適用され得、並びに感知素子を統合する集積回路ICは、任意の他の実施形態に適用することができる。感知素子又はその一部は、処理手段と同じ半導体基板に統合され得、それら両方を備えた集積回路を形成する。他の実施形態では、感知素子のいくつかの部分のみが半導体ダイに統合され得る。
【0078】
代替の実施形態では、
図3に示されるように、感知素子302は、処理手段を備えた集積回路IC3に隣接して配置することができる。信号は、例えば、ワイヤボンドによって感知素子302から処理手段に送信され得る。集積回路及び感知素子302は、物理的に接触する必要さえなく、しかしながら、それらの両方は、同じモールド303にカプセル化される。一般に、感知素子は、ターゲットと重ねられ得る。ターゲットピースは、感知素子で中央に配置され得、又は、
図3の実施形態の場合、感知素子(及び集積回路IC3)は、ターゲットの中心から、また、例えば、可撓性ピース全体からオフセットで配置され得る。力センサは、簡単な製造の単純なレイアウトで、より大きな実装面積を有するが、例えば、
図1の実施形態などの他の実施形態よりも潜在的に薄型である(高さが低い)。この構成はまた、接触力からの圧力の大部分又は全てが可撓性ピース304及びモールド303を通って集積回路IC3上に直接伝達されないため、処理手段を備えた回路を損傷するリスクを低減し、したがって、集積回路IC3内の処理手段を保護する。
【0079】
図3はまた、モールド303に部分的に埋め込まれた可撓性ピース304を示す。この特徴は、必ずしも
図3の1つだけに適用されるわけではなく、他の実施形態に適用され得る。モールド303は、可撓性ピース304に適合するように成形され得、したがって、圧縮力に垂直な剪断力に起因して、可撓性ピースがパッケージから引き裂かれるリスクを低減する。例えば、モールド及びエラストマーは、例えば、リブ及びスリットなどのインターロック要素308を含んで、噛み合うように成形され得る。可撓性ピースをモールドに取り付けるために、接着剤を提供する必要が少ないか、又は提供する必要がなく、したがって、有利には、コストを節約する。例えば、可撓性ピースは、モールド表面と同一平面であり得、したがって、接着剤は絶対に必要とはされない。前述のように、それを所定の位置に保持する可撓性ピースの表面は、可撓性ピースが提供されるパッケージの面積よりも小さい(例えば、パッケージを越えて延在しない)。例えば、可撓性ピースの上方突出部は、パッケージの上方突出部を越えて延在しなくてもよく、したがって、小さな実装面積を有するコンパクトな力センサを可能にする。上方突出部はまた、測定される加えられた接触力に続く方向として理解され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、ターゲットの上方突出部はまた、ICパッケージの面積とともに含まれる。言い換えると、ターゲットは、ICパッケージよりも小さくてもよく、例えば、より小さい面積及び/又はより小さい体積であってもよい。小さいターゲット(例えば、小さい磁石)は、感知素子によって検出される弱い場のみを提供することができるが、デバイスのコンパクトさのために、ターゲットは、小さいサイズを補償して、感知素子により近い位置に配置され得る。いくつかの実施形態では、ICとターゲットピースとの間のサイズ比は、1.5以上、例えば、1.5~3の間、又は更には3よりも大きい。
【0081】
ターゲットピース301は、可撓性ピース304に部分的に埋め込まれ得、例えば、可撓性ピースと同一平面であり得る。力センサは、二重感知を提供し、剪断力、例えば、圧縮力の方向に垂直な平面内の1つの方向又は2つの直交方向の剪断力を検出することを可能にするように構成され得る。
【0082】
集積回路内の感知素子によって生成された信号は、集積回路から外部への接続(例えば、
図2又は
図3に示されていない、ワイヤ、フレーム106、ピンなどを通して)によって出力することができる読み出し信号に処理することができる。その外部は、力センサを保持する支持構造と、集積回路内の処理ユニットから外部デバイスに読み出し信号を送信するための導体と、を含み得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、支持構造は、PCBである。
【0084】
本発明は、パッケージのモールドの上面への可撓性ピースの取り付けに限定されない。例えば、パッケージのモールドは、内部、例えば、IC基板の半導体材料、又は更には感知素子を露出させる開口部又は空洞を含み得る。IC基板は、
図4に示されるように、可撓性ピースを受容することができる。したがって、可撓性ピースは、半導体パッケージに取り付けられ、モールドによって所定の位置に保持され、任意選択的に、集積回路、例えば、ICの基板に更に取り付けられ得る。他の実施形態では、可撓性ピースは、感知素子に物理的に接触しているか、又は感知素子に接着され得る。したがって、モールドは、IC基板を部分的に覆うだけでよく、可撓性ピースを受容するための空間を残す。
【0085】
好ましい実施形態では、ターゲットピースは、可撓性ピースによって完全に支持されるか又は埋め込まれる。例えば、ターゲットピースは、可撓性ピースよりも小さく、例えば、ターゲットピースは、可撓性ピースの上方外観又は外形に完全に含まれ得る。
【0086】
ターゲットがパッケージよりも小さいため、ターゲットがICパッケージの外形に含まれているということから、剪断応力を容易に検出することが可能になる。磁石が外形の比率よりも小さいことが有利である。例えば、可撓性ピースの側面(例えば、最大側面、例えば、上方外観が円周である場合の直径)及びターゲットピースの最大寸法は、1.5、又は2、又は3の比率を有し得る。
図6~
図9に示されるようにシミュレーションが行われた例示的な力センサは、1.5mmの直径寸法及び5mmの外形の側面(比率3)を有するターゲットを有していた。
【0087】
磁石の外形(例えば、上方外観)がICパッケージの外形(例えば、上方外観又は上面)よりも小さいとき、特に1.5以上、例えば1.5~3の比率で、磁場が顕著に変化するにつれて、剪断応力は有利に正確に解決され得る。これは、磁気及び誘導感知の両方に適用される(したがって、磁気ターゲット及び誘導ターゲットの場合)。
【0088】
ターゲットのサイズが小さいにもかかわらず、したがって、感知に利用可能な場が小さいにもかかわらず、場は依然として本発明の構成を使用してセンサ位置で測定することができることが分かっている。
【0089】
剪断応力の検出は、磁気検出システムに限定されない。例えば、当業者は、剪断応力の検出のために他のシステムを適切に適合させることができる。誘導感知を伴う特定の例示的な実施形態では、軸ごとの2つの誘導コイルは、ターゲットの中性位置の周りに位置し得る。ニュートラルな位置では、信号はバランスが取れている。誘導ターゲットが右又は左に動くと、信号(又は信号の比率)が不均衡になり、変位を検出することができる。ターゲットが上下に動くと、強度が変化する。
【0090】
いくつかの実施形態では、センサは、圧縮(Z方向の変位、
図1又は
図4を参照)を測定することができる。いくつかの実施形態では、センサは、剪断応力(X/Y方向の変位、
図1又は
図4を参照)を測定することができる。いくつかの実施形態では、それは、3方向の変位を測定することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、センサは、最終的に、磁石のx/y/z方向への並進だけでなく、磁石の回転(例えば、2つの角度によって画定される)も測定することができる。これは、例えば、3Dセンサ、例えば、水平ホール素子(ICに垂直な方向の動きに敏感)及び垂直ホール素子(ICに平行な方向の動きに敏感)の組み合わせで作られた3Dホールセンサで実装され得る。いくつかの実施形態では、実装形態は、磁場の成分を異なる方向に別々に集中させるように配置された、水平ホール素子及び磁気集中器で構成された3Dセンサを提供することができる。いくつかの実施形態では、AMR、又はGMR、又はTMRなどの磁気抵抗素子を使用することができる。
【0092】
任意の成分又は成分の組み合わせ(Bx、By、Bz)を使用して、異なる方向の変位を検出することができる。Bzは、圧縮のみの測定に拘束されず、Bx、Byは、剪断応力測定に拘束されない。
【0093】
図6~
図9は、応力テンソルの変動、並びに力センサの圧縮及び剪断試験のシミュレーションを示しており、これは、例えば、支持体上に1つの磁気プローブ(但し、本発明はより多くのプローブを含み得る)を備えた6×6mmのQFN ICパッケージであり得、上面に高さ2.5mm、及び上面面積5×5mmのエラストマーを受容し得、ICパッケージは、エラストマーを完全に取り囲んでいる。ターゲットピースは、直径1.5mm、及び厚さ0.5mmの磁気ディスクであり得、ICパッケージに取り付けられた表面の反対側のエラストマーの表面と同一平面にあり、エラストマーの上方突出部の中央にある。プローブ自体は、磁石の軸とオフセットされ得、例えば、それは、軸から1mmのオーダーの距離にあり得る。本発明の実施形態では、感知素子又は複数の感知素子は、最大2mm以下でターゲットピースの中心を横切る軸でオフセットされ得る。2つのプローブについて、ターゲットは、接触力の下にない間、両方の同じ距離にあり得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、センサは、ターゲットピースに対して中央に配置されてもされなくてもよい1つの感知素子を含み得る。それが中央に配置されていないそれらの実施形態では、感知素子は、上方突出部内のターゲットピースと重ならなくてもよい。例示的なシミュレーションでは、プローブは、ターゲットピース(磁石)の上方突出部の外周の外側に位置する。複数のプローブについて、いくつかの実施形態では、それらは、ターゲットピースの軸の周りに対称に配置され得る(例えば、4つの感知素子がある場合、ターゲットピースの軸が正方形の中心を通過する正方形の頂点上に)。
【0095】
図6は、上述の例示的な力センサの圧縮変位(mm)の関数としての法線力(ニュートン単位)を示す。1つのプローブを使用した位置との磁場変動のシミュレーションを、三次元(X,Y,Z)について
図7に示す。一方、
図8は、同じ力に対する圧縮変位(mm)の関数としての剪断力(ニュートン単位)を示す。三次元(X,Y,Z)について、1つの偏心プローブを使用した位置との磁場変動のシミュレーションを
図9に示す。
【0096】
更なる態様では、本発明は、第1の態様の力センサを含み、力センサのための支持構造を更に含む接触センサアセンブリを提供する。例えば、支持構造は、力センサから出力又はデータストレージなどへの信号の転送を提供し得る。そのような出力は、画面などのユーザインターフェースであり得る。出力又はデータストレージはまた、アセンブリの一部であり得る。
【0097】
図5は、本発明のアセンブリの例示的な実施形態の斜視図を示す。力センサ100は、支持構造401上に提供され、ICパッケージ105の上面は、力センサ100の可撓性ピース104を完全に取り囲むため、可撓性ピース104は、(
図1に示されるように)パッケージのモールド103の上面113によって制限されることから、支持構造401の上に延在しない。支持構造401は、力センサ100によって提供された信号を、データを記憶及び/又は表示するためのデバイスに再ルーティングするための、導電性トラックなどの接続及び導電性経路を備え得る。
【0098】
例えば、集積回路ICは、当該ターゲットを支持する可撓性ピース上で、圧縮方向402に続く接触力によって引き起こされるターゲット101(
図1を参照)の動きを表す、感知素子102からの信号を受信し得る。集積回路ICは、これらの信号を処理し、読み出し信号を提供するように構成することができ、読み出し信号は、支持構造401であるPCB内の導電性トラックを通ってディスプレイ、データストレージなどに再ルーティングされる。力センサは、センサのパッケージを通って集積回路に接触することを介して、支持構造内の導電性経路に接続され得る。
【0099】
この接触センサアセンブリは、支持構造であるPCBによって限定されず、アセンブリは、PCBレスアセンブリであり得る。この場合、チップパッケージは、電気リードに接触され(例えば、はんだ付けされ)、プラスチックアセンブリにクリップされ、又は接着され、又は「熱スタックされ」得る。これらの可能性は、文献US2021/0018574(A1)の
図32~
図43及び当該図面を説明する段落(例えば、[0297]~[0324])を参照して更に説明される。
【0100】
更なる態様では、本発明は、本発明の第1の態様の力センサを製造するための方法を提供する。この方法は、可撓性ピースを製造すること、ICパッケージを製造すること、及びICパッケージに可撓性ピースを提供すること、という3つの主な製造ステップに分けることができる。
図10は、力センサを製造するための簡略化されたスキームを示す。本方法は、ターゲットピースを含む可撓性ピースを提供することS10と、感知手段及び処理手段(感知素子及び統合されたプロセッサなど)を備えた回路を提供することS20と、回路をパッケージ化することS30と、最後に、ターゲットピースを含む可撓性ピースをICパッケージに取り付けることによって、力センサを提供することS40と、を含む。
【0101】
ターゲットピースを含む可撓性ピースを提供することS10は、例えば、可撓性材料内にターゲットピースとともに可撓性ピースをモールディングすることによって、ターゲットピースを可撓性ピースと統合化又は可撓性ピースに埋め込むことS14と、を含み得、したがって、ターゲットピースを可撓性ピース内に完全に埋め込む。可撓性ピース内にターゲットピースを埋め込むことS14は、環境から、及び把持される物体との接触からの損傷からターゲットを保護することを可能にするが、可撓性ピースの接触面とターゲットとの間の厚さは、接触力が減衰し、それに伴って、感度が低下するほど大きくないようにする必要がある。
【0102】
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、本方法は、可撓性ピースを別個に提供することS11と、ターゲットピースを提供することS12と、次いでターゲットピースを可撓性ピースに取り付けることS13とを含み得、これは、単純なプロセスである。この取り付けは、例えば、可撓性ピースの表面上の接着剤で、又は接着剤なしで、ターゲットピースを可撓性ピースの開口孔内に取り付けることによって行うことができる。ターゲットピースは、例えば、エラストマーの表面に堆積された金属トレースであり得る。ターゲットピースは、部分的にのみ埋め込まれて得、その場合、ターゲットピースの一部のみが外部(例えば、ターゲットの表面)である一方、ターゲットピースの残りの部分が可撓性ピースによって囲まれている。任意選択的に、ターゲットピースは、外部ピース及び/又は環境との接触による損傷から保護するために、シールド層によって更に覆われ得る。
【0103】
ピースの可撓性は、適切な材料を選択することによって選択することができ、ターゲットとICパッケージに取り付けられる表面との間の可撓性ピースの厚さは、厚さの増加に伴って改善される接触力下の変位(変形)の範囲、及び感知素子とターゲットピースとの間の距離に伴って低下する感知素子の感度を考慮して最適化することができる。更に、薄型が好ましい。
【0104】
ターゲットを提供することは、それがインダクタンス感知に適しているような抵抗率を有する適切な形状の磁石又は金属ピース、例えばシートを提供することを含み得る。
【0105】
可撓性ピースを提供することS10、S11、S14は、シリコーンゴムなどのエラストマーポリマーを提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、それは、ピースを、例えば、ICパッケージの表面の境界を越えることなく、ICパッケージの当該表面に取り付けるための表面を含む、所定の形状及びサイズにモールディングすること、例えば射出成形することを含み得る。
【0106】
プロセッサ及び感知素子を備えたICを提供することS20は、プロセッサを備えた集積回路を別個に提供することS21と、感知素子を提供することS21と、それらを電気的に接続することとを含み得、その結果、感知素子からの信号を集積回路に送信することができる。いくつかの実施形態では、それらを一緒に取り付けることを更に含み得、例えば、感知素子は、ターゲットに面するICの側面に配置され得る。いくつかの実施形態では、それらは、例えば、共通の支持体又はフレーム上で、互いに隣接して配置され得る。代替的な実施形態では、感知素子は、集積回路内に提供され得、言い換えれば、この方法は、同じ集積回路IC内に統合された処理手段及び感知素子を提供することS23を含み得る。
【0107】
続いて、この方法は、例えば、両方の要素をオーバーモールディングすることによって、集積回路内の感知素子及び処理手段を一緒にパッケージ化することS30を含み、したがって、感知素子と感知素子によって生成された信号を処理するための処理手段とを備えた、パッケージ化された集積回路を提供する。
【0108】
IC及び感知素子をパッケージ化することS30は、最大表面が互いに反対側にある平型であるICパッケージを提供することを含み得る。パッケージ化は、感知素子がICパッケージのこれらの最大の外面のうちの1つに面するように配向することによって行われ得、これは、
図1を参照して説明されるように、本発明のフレームにおいて「上面」113として知られている。例えば、それは、上面に最も近くなり得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、パッケージ化することS30は、可撓性ピースを受容するための空洞を残しながら、IC及び感知素子をオーバーモールディングすることによってICパッケージを提供することを含み得る。IC及び/又は感知素子は、部分的にオーバーモールドされ得るため、可撓性ピースは、ICパッケージのIC又は感知素子に取り付けることができる。
【0110】
可撓性ピース及びICパッケージが互いに取り付けられるS40。可撓性ピースの取り付けは、接触時にICパッケージに対するターゲットピースの最大変位を可能にするように行われる。いくつかの実施形態では、取り付け時に、ICパッケージは、感知素子がターゲットに面するように、例えば、ターゲットに最も近い、例えば、可撓性ピースが提供される上面に最も近くなるように、配向される。取り付けは、モールディング時にICパッケージ内に及び可撓性ピース上に提供された要素を噛み合わせることによって、又は接着剤層を追加することによって、接着剤なしで行うことができる。上述のように、取り付けは、可撓性ピースをICパッケージのモールドに提供された空洞に嵌め込むことによって、IC又は感知素子上で直接行われ得る。いずれの場合でも、ICパッケージと可撓性ピースとの間にスペーサを必要としない。
【0111】
可撓性ピースの表面がICパッケージの表面にのみ取り付けられるように、取り付けS40が行われる。例えば、可撓性ピースは、ICパッケージの外側の任意の基板に取り付けられない場合がある。いくつかの実施形態では、エラストマーの形状及びその位置決めは、可撓性ピースの上方突出部がパッケージの上面の面積に限定され、センサの実装面積を減少させる結果となる。
【0112】
取り付けは、ターゲットピースの軸が感知素子を通過し、感知素子が中央に配置されるように行われ得る。他の実施形態では、取り付けは、感知素子が軸から2mm以下の距離にある場合、軸が任意の感知素子を横切らないように行われ得る。
【0113】
この方法の実施形態では、力センサは、PCBなどの基板に取り付けられ得、したがって、力センサアセンブリを得る。取り付けは、存在する場合、ICパッケージをPCBにはんだ付けすることを含み得る。これは、例えば、ICパッケージに可撓性ピースを取り付けた後又は取り付ける前に行うことができる。
【0114】
この方法は、第1の態様の実施形態のいずれかに従って、センサの製造に適合され得ることに留意されたい。例えば、ターゲットピース及びICパッケージは、ターゲットピースがICパッケージよりも、少なくとも1つの寸法で少なくとも1.5倍小さい、例えば、3倍小さい、又は更に小さくなるように提供され得、その少なくとも1つの寸法は、力センサの上方突出部から測定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
プロセッサ及び感知素子を備えたICを提供することS20は、プロセッサを備えた集積回路を別個に提供することS21と、感知素子を提供することS22と、それらを電気的に接続することとを含み得、その結果、感知素子からの信号を集積回路に送信することができる。いくつかの実施形態では、それらを一緒に取り付けることを更に含み得、例えば、感知素子は、ターゲットに面するICの側面に配置され得る。いくつかの実施形態では、それらは、例えば、共通の支持体又はフレーム上で、互いに隣接して配置され得る。代替的な実施形態では、感知素子は、集積回路内に提供され得、言い換えれば、この方法は、同じ集積回路IC内に統合された処理手段及び感知素子を提供することS23を含み得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力センサ(100)であって、
-ターゲットピース(101)と感知素子(102)とを備える感知システムであって、
前記感知素子(102)が、前記感知素子(102)に対する前記ターゲットピース(101)の動きから磁場の変化を感知するように構成されており、前記感知素子(102)が、前記ターゲットピース(101)の位置を表す信号を提供するように構成されている、感知システムと、
-前記感知素子(102)からの信号を処理するための処理手段を備える集積回路(IC)と、
-前記集積回路(IC)を備える半導体パッケージ(105)であって、前記半導体パッケージ(105)の上方突出部が外形を形成する、半導体パッケージ(105)と、
-前記ターゲットピース(101)を備える可撓性ピース(104)であって、前記可撓性ピース(104)が前記半導体パッケージ(105)に取り付けられており、前記可撓性ピース(104)と前記半導体パッケージ(105)との間の取り付け面積が前記半導体パッケージ(105)の前記外形以下であり、前記可撓性ピース(104)が力刺激を受けるように配置されており、その結果、前記可撓性ピース(104)に力を加えると、前記感知素子(102)に対する前記ターゲットピース(101)の変位が前記感知素子(102)によって感知され得る、可撓性ピース(104)と、を備える、力センサ(100)。
【請求項2】
前記半導体パッケージ(105)が、前記集積回路(IC)から離れる方向に面する表面(113)を備え、前記可撓性ピース(104)が、前記半導体パッケージ(105)の前記表面(113)に堆積又は接着されている、
請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記半導体パッケージ(105)が、前記半導体パッケージ(105)の上方突出部よりも低い面積を有する側方突出部を有する平面形状を有する、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記可撓性ピースが、前記上方突出部を越えて延在することなく、その半導体パッケージ(105)に取り付けられている、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項5】
前記感知素子(102)が、ホール効果に基づく位置感知素子であり、前記ターゲットピース(101)が、磁気ターゲットピースである、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項6】
前記感知素子が、誘導性感知素子であり、前記ターゲットピースが、導電性ターゲットピースである、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項7】
前記ターゲットピースが、前記可撓性ピース内に埋め込まれた、又は前記可撓性ピース上に提供された金属シートである、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項8】
前記ターゲットピースが、前記ターゲットピースに対する前記力刺激が前記可撓性ピースを変形させるように、前記可撓性ピースよりも可撓性が低い剛性ターゲットピースである、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項9】
前記ターゲットピースが、前記上方突出部に最大の寸法を有する所定の形状を有し、前記半導体パッケージが、前記上方突出部に最大の寸法を有し、前記半導体パッケージの前記寸法と前記ターゲットピースの前記寸法との間の比は、1.5以上である、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項10】
前記感知素子(102)が、前記集積回路(IC)と前記ターゲットピース(101)との間に提供されている、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項11】
前記感知素子(102)が、前記集積回路(IC)に隣接する、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項12】
前記感知素子(102)が、前記集積回路(IC)内の前記処理手段と統合されている、
請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項13】
請求項1又は2に記載の力センサ(100)を備えるセンサアセンブリであって、前記集積回路(IC)が、前記感知素子からの処理された前記信号に基づいて読み出し信号を提供するように更に適合されており、支持構造体(401)を更に備え、前記力センサ(100)が、前記力センサ(100)で生成された読み出し信号を外部出力に再ルーティングするための接続を含む前記支持構造体(401)上に提供されている、センサアセンブリ。
【請求項14】
力センサ(100)を製造する方法であって、
-ターゲットピースを含む可撓性ピースを提供すること(S10)と、
-処理手段と、前記ターゲットピース(101)の動きから磁場の変化を感知するように構成された感知素子とを備える集積回路を提供すること(S20)であって、前記感知素子(102)が、前記ターゲットピース(101)の位置を表す信号を提供するように構成されており、前記処理手段が、前記感知素子からの信号を処理するように適合されている、提供すること(S20)と、
-前記感知素子及び前記処理手段を少なくとも部分的にオーバーモールディングすることによって前記集積回路をパッケージ化し、それに伴って半導体パッケージを形成すること(S30)と、
-前記可撓性ピースを前記半導体パッケージに、かつ任意選択的に、前記集積回路に取り付けること(S40)と、を含み、前記可撓性ピースの取り付け面積が、前記半導体パッケージの上方突出部を越えて延在しない、方法。
【請求項15】
ターゲットピースを含む可撓性ピースを提供すること(S10)が、ターゲットピースを、前記ターゲットピースが前記可撓性ピースの材料によって完全に囲まれるように、前記可撓性ピースの内部に埋め込むこと(S14)を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記可撓性ピースを取り付けることが、前記可撓性ピースの前記上方突出部が前記集積回路の前記上方突出部の上に延在しないように、前記可撓性ピースを取り付けることを含む、請求項14又は15に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
可撓性ピースを提供することS10、S11、S14は、シリコーンゴムなどのエラストマーポリマーを提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、それは、ピースを、例えば、ICパッケージの表面の境界を越えることなく、ICパッケージの当該表面に取り付けるための表面を含む、所定の形状及びサイズにモールディングすること、例えば射出成形することを含み得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
プロセッサ及び感知素子を備えたICを提供することS20は、プロセッサを備えた集積回路を別個に提供することS21と、感知素子を提供することS22と、それらを電気的に接続することとを含み得、その結果、感知素子からの信号を集積回路に送信することができる。いくつかの実施形態では、それらを一緒に取り付けることを更に含み得、例えば、感知素子は、ターゲットに面するICの側面に配置され得る。いくつかの実施形態では、それらは、例えば、共通の支持体又はフレーム上で、互いに隣接して配置され得る。代替的な実施形態では、感知素子は、集積回路内に提供され得、言い換えれば、この方法は、同じ集積回路IC内に統合された処理手段及び感知素子を提供することS23を含み得る。
【国際調査報告】