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特表2024-526592人工補装具を折り畳んで装填するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】人工補装具を折り畳んで装填するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579632
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 IB2021056942
(87)【国際公開番号】W WO2023007228
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523046545
【氏名又は名称】コルシム エス.アール.エル
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョルダーノ、ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】アチルージ、モニカ フランチェスカ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC04
4C097CC11
4C097SB01
4C097SB05
4C097SB10
(57)【要約】
患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステム及び方法が提供される。本明細書で説明する折り畳み及び装填用のシステムは、コラプサシステム及び対応する供給システムに関して、人工補装具のより効率的かつ一貫した位置付けを容易にし得る。例えば、システムは、ベースを有するコラプサシステム及びベースに移動可能に連結されたコラプサを含んでよい。コラプサは、第1の位置において人工補装具(例えば、人工心臓弁)を受け取るようにサイズ設定及び形状付けられたオリフィスを画定し、人工補装具を供給システム上に装填して折り畳むための第2の位置へとベースに対して移動されてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者への供給のために人工補装具を折り畳むためのシステムであって、前記システムは:
ベース;及び
前記ベースに連結されたコラプサ、前記コラプサは、前記コラプサが前記ベースに対して第1の位置にあるときに、拡張状態にある前記人工補装具を受け取るようにサイズ設定及び形状付けられたオリフィスを画定し、前記コラプサは、前記第1の位置から、前記オリフィスが前記第1の位置とは異なる方式で前記ベースに対して配向されている第2の位置へ移動するように構成されており、前記コラプサは、前記コラプサが前記第2の位置にある間に前記オリフィスのサイズを第1のサイズから第2のより小さいサイズへ低減させて、前記人工補装具を供給システム上に折り畳み、それにより、前記供給システムを介して、折り畳まれた状態で患者に供給するために前記人工補装具を準備するようにさらに構成されている
を備える、システム。
【請求項2】
前記コラプサは、前記人工補装具が前記折り畳まれた状態で前記供給システムに装填されるように、作動に際して、前記コラプサに、前記オリフィスのサイズを前記第1のサイズから前記第2のより小さいサイズへ低減させるように構成されたアクチュエータをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記人工補装具が前記供給システムで折り畳まれたままになるように、前記アクチュエータが、さらなる作動に際して、前記コラプサに、前記オリフィスの前記サイズを前記第2のより小さいサイズから前記第1のサイズへ増加させるように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アクチュエータがハンドルを含む、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コラプサに連結され、前記ベースに移動可能に連結された、移動可能なベースをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ベースの一部が前記移動可能なベースの下に延びる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コラプサが、前記第1の位置において、前記オリフィスへの、前記拡張状態にある人工補装具の上部装填を可能にし、前記第2の位置において、前記オリフィスを通して前記供給システムの側方装填を可能にする、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ベースとの連結を介して、前記コラプサを前記第1の位置に維持するように構成されたロックをさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ロックは、前記第2の位置に向かう予め定められた力の適用に際して解放可能になる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ロックが、前記ベースから延びて前記コラプサのハウジングの上部における凹部に係合する可撓性の突起を含み、前記可撓性の突起は、前記予め定められた力の適用に際して撓んで、前記凹部を解放するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ベースとの連結を介して、前記コラプサを前記第2の位置に維持するように構成されたベースロックをさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記人工補装具を折り畳むために、前記供給システムの遠位部分が前記オリフィスに挿入されている間に前記供給システムのハンドルを支持するように構成されたハンドル支持部をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記ハンドル支持部が、前記供給システムの前記ハンドルの対応する機構に係合して、前記人工補装具を折り畳む間に前記供給システムと長手方向及び軸方向に位置合わせするように構成された位置合わせ機構を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ベースから上方に延びる棚状部をさらに備え
前記棚状部は、前記コラプサに接触し、前記コラプサを前記第1の位置にしっかりと維持するように構成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の位置が、前記第2の位置に対して実質的に直交する、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記コラプサは、各々が複数のコラプサセクタ部分を有する第1及び第2のコラプサセクタを収容するように構成されたハウジングを含み、前記複数のコラプサセクタ部分は、作動に際して移動して、前記オリフィスの前記サイズを前記第1のサイズから前記第2のより小さいサイズへ低減させるように構成されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記コラプサが、軸の周りの相対的な回転のために構成された第1及び第2の環状体を含み、前記第1及び第2の環状体は各々、前記第1及び第2のコラプサセクタのコンポーネントをそれぞれ受け取るための、複数の径方向に間隔を空けた曲線状の孔をさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1及び第2の環状体の前記複数の径方向に間隔を空けた曲線状の孔は、前記第1及び第2のコラプサセクタが前記第2のより小さいサイズに対応する位置にあるときにセルフロックするように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
ハンドルが、前記第1及び第2の環状体に連結されている、請求項17または18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コラプサが、前記ハウジングにおいて前記第1及び第2の環状体の間に位置付けられるように構成されたコラプサ中央フレームをさらに含む、請求項17から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記コラプサが、前記オリフィス内への前記人工補装具の位置合わせを容易にするために、前記オリフィス内に延びて間に空所を画定する複数の突起をさらに含む、請求項1から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記第2のより小さいサイズにおいて、前記コラプサが、前記供給システムの遠位部分にあるコンポーネントが供給状態に完全に移行することを妨げる、請求項1から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記供給システムをさらに備える、請求項1から22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記供給システムから展開された後に前記人工補装具を拡張するように構成されたバルーンカテーテルをさらに備える、請求項1から23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記人工補装具をさらに備え、前記人工補装具が人工心臓弁を含む、請求項1から24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
患者に供給するために人工補装具を折り畳むための方法であって、前記方法が:
コラプサがベースに対して第1の位置にある間に前記コラプサのオリフィスに人工補装具を装填する段階;
前記ベースを定位置に留まらせたままにしながら前記コラプサを前記第1の位置から第2の位置に移動させる段階;
前記オリフィス内に装填された前記人工補装具を通して供給システムの遠位部分を挿入する段階;及び
前記供給システムを介して、折り畳まれた状態で患者に供給するために前記人工補装具を準備するために、前記コラプサを介して前記供給システムの前記遠位部分上に前記人工補装具を折り畳む段階
を備える、方法。
【請求項27】
前記人工補装具を折り畳んだ後に、前記折り畳まれた状態にある前記人工補装具の近位及び遠位端を保持するように前記供給システムの近位及び遠位コンポーネントを互いに向かって移動させるために、前記供給システムを作動させる段階;及び
前記人工補装具が前記折り畳まれた状態において前記供給システムの前記遠位部分に連結されたままであるように、前記コラプサをより小さいサイズのオリフィスからより大きいサイズのオリフィスに移行させる段階
をさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記コラプサを前記より小さいサイズのオリフィスから前記より大きいサイズのオリフィスに移行される段階により、前記供給システムの近位及び遠位コンポーネントが、前記患者に供給するために前記折り畳まれた状態において人工補装具をしっかりと保持するために、互いに向かってより近くに移動させられる、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、人工心臓弁などの移植可能な人工補装具を、かかるデバイスを移植する前の手術前の処置中に操作するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓弁手術及び介入的心臓学の分野において、医療用デバイスの容易な取り扱い及び安全で正確な外科的介入及び処置を実行するのに必要な時間の削減は、医療及び技術的研究の中心的な関心事項である。スーチャーレス(sutureless)人工心臓弁などの拡張可能な人工心臓弁の移植に関連して、現行の慣例では、例えば低侵襲又は経皮的な処置において、人工心臓弁は、患者の移植部位に供給されるために、径方向に折り畳まれて供給用器具に連結される必要があり得ると規定されている。移植可能な人工補装具を折り畳むことによって、いくつかの重要な課題が提示され得る。デバイスは折り畳み動作を容易にするように考案されているもの、動作はやや乏しく、実行するのに複雑であり得る。
【0003】
人工補装具を折り畳むための以前に知られているシステムの例、例えば、人工心臓弁は、Righiniによる米国特許第8,006,535号、Gaschinoによる米国特許第9,114,010号、Giordanoによる米国特許第9,788,931号、及びGiordanoによる米国特許出願公開第2021/0196442号に記載されており、これらはそれぞれ本発明の譲受人に譲受されており、これらの各々の内容全体が参照により本明細書に組み込みこまれている。
【0004】
人工補装具を供給システム上に折り畳むときに実践者が面する1つの課題は、人工補装具の、折り畳みシステム及び関連する供給システムの両方に関する所望の位置付け、特に角度及び長手方向の位置付けを実現することである。様々な先行技術の実施形態において、供給システムは、実践者が移植部位に人工補装具を正しく位置付けるのを補助するために、表示(例えば、大動脈弁又は三尖弁の交連を識別するよう意図されたマーカ)を提供し得る。しかしながら、これらの実施形態は、実践者が、人工補装具を直接触って操作することによって、折り畳みシステムのオリフィス内で人工補装具の角度位置を調整するときに人工補装具を損傷するリスクを伴い得る。さらに、これらの実施形態は依然として、折り畳み動作の間に他のシステムコンポーネントに関して、手動、かつ潜在的に時間のかかる、人工補装具の配向を必要することが多い。また、システムは、折り畳み及び供給システムの両方に関して、人工補装具の軸方向及び長手方向の位置合わせを同時に容易にしない場合がある。
【0005】
折り畳み動作が開始から終了まで進行するため、別の課題は、人工補装具を折り畳まれた状態に革新的に維持することにある。現行のシステムは多段階の折り畳み動作を含むが、これらのシステムは、人工補装具を供給システム上での折り畳み構成に適切に維持しない場合がある。
【0006】
さらに別の課題には、コラプサシステムへの人工補装具の初期装填に必要とされることが多い問題のあるシステム構成が関与する。様々な先行技術の実施形態において、人工補装具はコラプサシステムの側方からのみ装填され得るが、これにより、追加のホルダデバイスの使用がさらに必要となり得る。
【0007】
前述のことを鑑みて、コラプサシステム及び関連する供給システムに関する人工補装具のより効率的かつ一貫した位置付けを容易にしながら、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステム及び方法を提供することが望ましい。
【0008】
コラプサシステムの使用後に人工補装具が供給システム上で折り畳まれたままであることを確実にするためのシステム及び方法を提供することがさらに望ましい。
【0009】
さらに依然として、コラプサシステムへの簡略化された、ユーザに優しい人工補装具の装填のためのシステム及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0010】
本明細書において、患者への供給の準備において人工補装具を折り畳んで装填するためのシステム及び方法が提供される。例えば、システムは、臨床医が人工補装具を移植することを可能にするために人工補装具と共に提供されるアクセサリのキット/パックであってよい。様々な実施形態において、本開示は、以前に知られているシステム及び方法と比較して、移植可能な人工補装具の操作をより簡単に、より安全に、より速く、かつより正確にする手段を提供する。例えば、本明細書において、効率的かつ一貫した方式で供給システム上に人工補装具(例えば、人工心臓弁)を折り畳んで装填するためのシステム及び方法が提供される。好ましくは、例示的なコラプサシステムは、折り畳まれた人工補装具の供給を容易するために、人工補装具が、コラプサシステムの使用後に供給システム上で折り畳まれたままになることを可能にする。コラプサシステムはまた、目標移植部位、例えば先天的に欠陥のある心臓弁への供給のための準備において人工補装具が折り畳まれることを可能にするために、コラプサシステムへの人工補装具の簡略化されたユーザに優しい装填(例えば、上部装填)、及びさらに、簡略化されたユーザに優しい供給システムの装填(例えば、側方装填)を可能にする。
【0011】
いくつかの態様によれば、システムは、ベースを有するコラプサシステム、及び前記ベースに移動可能に連結されたコラプサを含んでよい。前記コラプサは、好ましくは、前記コラプサが前記ベースに対して第1の位置(例えば、人工補装具装填位置)にあるときに、拡張状態にある前記人工補装具を受け取るようにサイズ設定及び形状付けられたオリフィスを画定する。前記コラプサは、前記オリフィスが前記第1の位置とは異なる方式で前記ベースに対して配向されるように、前記第1の位置から第2の位置(例えば、供給デバイス装填位置)へ移動するように構成されてよい。例えば、コラプサシステムは、第1の位置における人工補装具の、コラプサのオリフィスへの上部装填を可能にし、第1の位置から第2の位置への(例えば、水平位置から垂直位置への)ベースに対するコラプサの移動を可能にし、第2の位置における供給システムの、コラプサのオリフィスへの側方装填を可能にするように設計されてよい。コラプサはさらに、コラプサが第2の位置がある間に人工補装具を供給システム上で折り畳むために前記オリフィスのサイズを前記第1のサイズから前記第2のより小さいサイズへ低減させて、前記供給システムを介した前記折り畳まれた状態での患者への供給のために前記人工補装具を準備するように構成されてよい。
【0012】
前記コラプサは、前記人工補装具が前記折り畳まれた状態で前記供給システムに装填されるように、作動に際して、前記コラプサに、前記オリフィスのサイズを前記第1のサイズから前記第2のより小さいサイズへ低減させるように構成されたアクチュエータをさらに含んでよい。前記人工補装具が前記供給システムで折り畳まれたままになるように、前記アクチュエータが、さらなる作動に際して、前記コラプサに、前記オリフィスの前記サイズを前記第2のより小さいサイズから前記第1のサイズへ増加させるように構成されてよい。このようにして、折り畳まれた人工補装具が連結された供給システムがコラプサのオリフィスから引っ張り出されて、供給システムを使用した人工補装具の移植を可能にしてよい。アクチュエータは、把持されて作動のためにユーザによって移動されるハンドルを含んでよい。加えて、前記コラプサシステムは、前記コラプサに連結され、前記ベースに移動可能に連結された、移動可能なベースをさらに含んでよい。前記ベースの一部が前記移動可能なベースの下に延びてよい。前記コラプサがさらに、前記第1の位置において、前記オリフィスへの、前記拡張状態にある人工補装具の上部装填を可能にし、前記第2の位置において、前記オリフィスを通して前記供給システムの側方装填を可能にしてよい。前記コラプサの前記第1の位置はさらに、前記第2の位置に対して実質的に直交(例えば、ベースに対して水平対垂直)してよい。
【0013】
前記コラプサシステムは、前記ベースとの連結を介して、前記コラプサを前記第1の位置に維持するように構成されたロックをさらに含んでよい。前記ロックは、前記第2の位置に向かう予め定められた力の適用に際して解放可能となってよい。前記ロックが、前記ベースから延びて前記コラプサのハウジングの上部における凹部に係合する可撓性の突起をさらに含んでよい。前記可撓性の突起は、前記予め定められた力の適用に際して撓んで、前記凹部を解放するように構成されてよい。前記コラプサシステムは、前記ベースから上方に延びる棚状部をさらに含んでよい。前記棚状部は、前記コラプサに接触し、前記コラプサを前記第1の位置にしっかりと維持するように構成されてよい。前記コラプサシステムは、前記ベースとの連結を介して、前記コラプサを前記第2の位置に維持するように構成されたベースロックをさらに含んでよい。
【0014】
前記コラプサシステムは、前記人工補装具を折り畳むために、前記供給システムの遠位部分が前記オリフィスに挿入されている間に前記供給システムのハンドルを支持するように構成されたハンドル支持部をさらに含んでよい。前記ハンドル支持部は、前記供給システムの前記ハンドルの対応する機構に係合して、前記人工補装具を折り畳む間に前記供給システムと長手方向及び軸方向に位置合わせするように構成された位置合わせ機構をさらに含んでよい。
【0015】
前記コラプサは、各々が複数のコラプサセクタ部分を有する第1及び第2のコラプサセクタを収容するように構成されたハウジングをさらに含んでよい。前記コラプサセクタ部分は、作動に際して、移動して、前記オリフィスの前記サイズを前記第1のサイズから前記第2のより小さいサイズへ低減させるように構成されてよい。前記コラプサは、軸の周りの相対的な回転のために構成された第1及び第2の環状体をさらに含んでよい。前記第1及び第2の環状体は各々、前記第1及び第2のコラプサセクタのコンポーネントをそれぞれ受け取るための、複数の径方向に間隔を空けた曲線状の孔を有してよい。いくつかの実施形態において、前記第1及び第2の環状体の前記複数の径方向に間隔を空けた曲線状の孔は、前記第1及び第2のコラプサセクタが前記第2のより小さいサイズに対応する位置にあるときにセルフロックするように構成されてよい。ハンドルがさらに、前記第1及び第2の環状体に連結されていてよい。例えば、ハンドルの半分は、それぞれ第1及び第2の環状体と一体的に形成されてよい。前記コラプサは、前記ハウジングにおいて前記第1及び第2の環状体の間に位置付けられるように構成されたコラプサ中央フレームをさらに含んでよい。前記コラプサは、前記オリフィス内への前記人工補装具の位置合わせを容易にするために、前記オリフィス内に延びて間に空所を画定する複数の突起をさらに含んでよい。前記コラプサはさらに、前記オリフィスが前記第2のより小さいサイズに低減されたときに、前記供給システムの遠位部分にあるコンポーネント(例えば、シース及び/又は遠位先端)が前記供給状態に完全に移行することを妨げてよい。
【0016】
任意で、システムは、コラプサシステムの向こうにコンポーネントをさらに含んでよい。例えば、システムは、供給システムをさらに含んでよい。前記システムは、前記供給システムから展開された後に前記人工補装具を拡張するように構成されたバルーンカテーテルをさらに含んでよい。前記システムは前記人工補装具をさらに含んでよい。好ましい実施形態において、前記人工補装具は人工心臓弁である。
【0017】
本開示の別の態様によれば、患者に供給するために人工補装具を折り畳むための方法が提供される。前記方法は、コラプサがベースに対して第1の位置にある間に前記コラプサのオリフィスに人工補装具を装填する段階;前記ベースを定位置に留まらせたままにしながら前記コラプサを前記第1の位置から第2の位置に移動させる段階;前記オリフィス内に装填された前記人工補装具を通して供給システムの遠位部分を挿入する段階;及び前記供給システムを介して、折り畳まれた状態で患者に供給するために前記人工補装具を準備するために、前記コラプサを介して前記供給システムの前記遠位部分上に前記人工補装具を折り畳む段階を含んでよい。前記方法は、前記人工補装具を折り畳んだ後に、前記折り畳まれた状態にある前記人工補装具の近位及び遠位端を保持するように前記供給システムの近位及び遠位コンポーネントを互いに向かって移動させるために、前記供給システムを作動させる段階;及び前記人工補装具が前記折り畳まれた状態において前記供給システムの前記遠位部分に連結されたままであるように、前記コラプサをより小さいサイズのオリフィスからより大きいサイズのオリフィスに移行させる段階をさらに含んでよい。前記コラプサを前記より小さいサイズのオリフィスから前記より大きいサイズのオリフィスに移行される段階により、前記供給システムの近位及び遠位コンポーネントがさらに、前記患者に供給するために前記折り畳まれた状態において人工補装具をしっかりと保持するために、互いに向かってより近くに移動させてよい。方法は、供給システムを使用して、折り畳まれた人工補装具を目標移植部位(例えば、外科的に除去されている場合のある、欠陥のある心臓弁の位置)に供給する段階、及び折り畳まれた人工補装具を折り畳まれた状態から拡張状態に移行させて、目標移植部位に人工補装具を移植する段階をさらに含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステムを例示する。
【0019】
図2A】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的なコラプサシステムを例示する。
図2B】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的なコラプサシステムを例示する。
図2C】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的なコラプサシステムを例示する。
図2D】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的なコラプサシステムを例示する。
図2E】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的なコラプサシステムを例示する。
図2F】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的なコラプサシステムを例示する。
【0020】
図2G】オリフィスが折り畳まれた位置にあるときにコラプサをセルフロックするための構造を含むコラプサシステムの例示的な環状体を例示する。
【0021】
図2H】コラプサシステムの組み込まれ得る様々なセルフロック構造を例示する。
図2I】コラプサシステムの組み込まれ得る様々なセルフロック構造を例示する。
図2J】コラプサシステムの組み込まれ得る様々なセルフロック構造を例示する。
【0022】
図3A】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的な供給システムを例示する。
図3B】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的な供給システムを例示する。
図3C】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的な供給システムを例示する。
図3D】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的な供給システムを例示する。
図3E】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的な供給システムを例示する。
図3F】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステムに関連する例示的な供給システムを例示する。
【0023】
図4A】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
図4B】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
図4C】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
図4D】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
図4E】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
図4F】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
図4G】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
図4H】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
図4I】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
図4J】本開示のいくつかの態様による、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム及び方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書において、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するためのシステム及び方法であって、そのため、人工心臓弁などの移植可能な人工補装具を、かかるデバイスを移植する前の手術前の処置中に安全かつ効果的に操作するのに有用であり得るシステム及び方法が提供される。例えば、本発明のシステムは、Corcym S.r.l.(イタリア、ミラノ市)から市販されているPERCEVAL(商標)及びPERCEVAL(商標)PLUSデバイスなどのスーチャーレスな人工大動脈弁を折り畳むように設計されてよい。本明細書で説明されるシステムを使用して折り畳まれて供給されるのに好適な人工補装具の例としては、Stacchinoに対する米国特許第7,857,845号、Carlinoに対する米国特許出願公開第2021/0205078号が挙げられ、これらの各々は本発明の譲受人に譲受されており、各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。本明細書で説明される折り畳み及び装填用のシステムは、最終的に患者に供給するために、コラプサシステム及び関連する供給システムに関する、人工補装具、好ましくは人工心臓弁のより効率的で一貫した位置付けを容易にすることを意図している。特定の実施形態は、例えば、人工補装具がコラプサシステムの現在の位置付けに関して相対的な度合いで供給システム上に折り畳まれたままであることを確実にするため、及び/又は、コラプサが処置の折り畳み前の配向にある間にコラプサシステム内への人工補装具の上部装填を提供するためにさらに設計されてよく、これらの機構はいずれも実践者にとってより望ましい機能性を容易にし得る。
【0025】
ここで図1を参照すると、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なシステム100が提供される。システム100は、好ましくはコラプサシステム200を含み、任意で、供給システム300及び/又はバルーンカテーテル400のような、患者に人工補装具を供給するためのコンポーネントをさらに含んでよい。いくつかの実施形態において、システム100は、臨床医が人工補装具を移植することを可能にするために人工補装具と共に提供されるアクセサリのキット/パックである。
【0026】
例示されるように、コラプサシステム200は、ベース202、及びベース202に連結されたコラプサ204を含んでよい。コラプサシステム200は、概して、ベース202が折り畳み及び装填用の動作の機能的中心であるコラプサ204のための搭載用固定具として機能する間、供給システム上での人工補装具の折り畳み及び装填を容易にする。ベース202は、コラプサシステム200が、手術室内のテーブルなどの表面上で安定して位置付けられることを可能にし、装填/折り畳みプロセスを通してコラプサ204が位置間で移動される間さえも、コラプサシステム200を定位置に維持する。コラプサ204は、拡張状態にある人工補装具を受け取るようにサイズ設定及び形状付けられているオリフィス206を画定する。例えば、図1に示されるように、オリフィスは、初期の補装具装填位置において人工補装具を受け取ってよい。コラプサ204は、ある位置におけるオリフィス206への人工補装具の、ユーザに優しく効率的な装填、及び、ベース202に対する異なる位置におけるその後の供給デバイスの挿入及び人工補装具の折り畳みを容易にするために、ベース202に対して移動するように設計されている。例えば、第2の位置において、オリフィス206は、第1の位置とは異なる方式でベース202に対して配向されている。コラプサ204はさらに、コラプサ204が第2の位置にある間に、人工補装具を例示的な供給システム300のような供給システム上で折り畳むために、オリフィス206のサイズを第1のサイズから第2のより小さいサイズへ低減し、それにより、折り畳まれた状態で患者に供給するために人工補装具を準備してよい。
【0027】
コラプサ204はさらに、オリフィス206への人工補装具の位置合わせを容易にするために、オリフィス206内に径方向に内向きに延び、間に複数の位置合わせ空所210を画定する複数の突起208を含んでよい。突起208はまた、オリフィス206から離れるように長手方向に外向きに延びてよい。このようにして、人工補装具は、人工補装具の径方向に延びる部分が空所210と位置合わせされているときにのみオリフィス206内に装填されてよい。突起208は、所定の方法でオリフィス206の周りで径方向に間隔を空けていてよい。例えば、オリフィス206の周りで等しく間隔を空けた(例えば、中央から120°離れた)3つの突起208があってよい。コラプサ204はさらに、オリフィス206内に径方向に内向きに延びる複数のアーム支持部211を含んでよい。例示されるように、アーム支持部211は各々、それぞれの空所210に位置付けられており、それぞれの空所210から長手方向にずれている。例えば、アーム支持部211は、長手方向におけるオリフィス206の中央部にあってよく、一方で、突起208及び空所210は、オリフィス206の端部、例えば第1の位置における上部装填端部にあってよい。突起208と同様に、アーム支持部211は、所定の方法でオリフィスの周りで径方向に間隔を空けていてよく、例えば、オリフィス206の周りで等しく間隔を空けた(例えば、中央から120°離れた)3つのアーム支持部211があってよい。アーム支持部211は、人工補装具の装填及び折り畳みを容易にするために、人工補装具の径方向に延びる部分(例えば、固定用アーム)に接触するように設計されている。
【0028】
コラプサ204は、作動に際して、コラプサ204に、オリフィス206のサイズを第1のサイズから第2のより小さいサイズへ低減させるように構成されたアクチュエータ212を含んでよい。人工補装具が供給システム300上で折り畳まれたままであり、折り畳まれた人工補装具を保持している供給システム300がコラプサから引っ張り出され得るように、アクチュエータ212は、さらなる作動に際して、コラプサ204に、オリフィス206のサイズを第2のより小さいサイズから、第1のサイズと同じサイズであり得る、より大きいサイズに増加させてよい。アクチュエータ212は、コラプサハンドル214の形態であったよく、これは、動作中にユーザによって保持及び移動されてよい。代替的に、アクチュエータ212は、例えばボタンなどの他の機構で形成され得る。
【0029】
加えて、コラプサシステム200はさらに、コラプサ204に連結され、ベース202に移動可能に連結された移動可能なベース216を含んでよく、これは、折り畳み及び装填用の動作の一環として、ベース202に関するコラプサ204の再位置調整を容易にし得る。例えば、移動可能なベース216は、コラプサ204に固定されていてよく(例えば、中央フレームを介して)、一方で、ベース202に対しては稼働であってよい(例えば、ヒンジを介して)。コラプサ204はさらに、第1の位置において、拡張状態にある人工補装具のオリフィス206への上部装填を可能にし、第2の位置において、オリフィス206を通した供給システム300の側方装填を可能にしてよく、これは以下でさらに詳細に説明する。
【0030】
システム100はさらに、ユーザによって患者の移植部位に供給するために、その上で人工補装具が折り畳まれて装填され得る供給システム300を含んでよい。供給システム300は、本発明の譲受人に譲受され、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれている、WO2019/224581(米国第17/057,502号に対応する)で説明されたシステムと同様の方式で構築されてよい。供給システム300は、シャフト306を介して遠位部分304に連結された近位部分302を有して良い。近位部分302は、移植処置中に患者の外側に位置付けられるように設計されており、ユーザによって操作される一方、遠位部分304は、折り畳まれた人工補装具を収容し、処置中に人工補装具を移植するために患者の内部に導入されるように構成されている。遠位部分304は、遠位部分304上で人工補装具を折り畳むために、一度オリフィス206に装填されると、人工補装具を通して挿入されるようにサイズ設定されている。一度折り畳まれると、遠位部分304にあるコンポーネントが、患者への供給のために、折り畳まれた状態にある人工補装具を解放可能に保持及び維持するように操作されてよい。近位部分302は、ハンドル308及び/又はハンドルアライナ310を含んでよい。ハンドル308は、動作中にユーザによって保持されるようにサイズ設定されており、一方で、ハンドルアライナ310は、コラプサシステム200に関する供給システム300の長手方向及び軸方向の位置合わせを容易にするための一時的な固定点として使用され得、これは以下でさらに詳細に説明する。
【0031】
コラプサシステム200はさらに、人工補装具の折り畳みのために遠位部分304がオリフィス206内に挿入されている間に、供給システム300のハンドル308を支持するためのハンドル支持部218を含んでよい。ハンドル支持部218は、例示されるようにベース202の一部として形成されてよく、好ましくは、オリフィス206において人工補装具内にハンドル308が位置し、ハンドル支持部218及び遠位部分304が位置するときに、供給デバイス300がベース202の地面に接触する部分に対して平行なままとなるような距離だけ上向きに延びる。ハンドル支持部218は、ハンドル支持部218が着座構成でハンドル308を一致して受け取るように、ハンドル308の形状に対応する形状を有してよい。例えば、ハンドル支持部218は、ハンドル308の大部分を保持するようにサイズ設定された細長い窪みを有してよい。ハンドル支持部218はさらに、ハンドル支持アライナ220を含んでよく、これは、人工補装具の折り畳みの間に供給システム300を長手方向及び軸方向に位置合わせするために、供給システム300のハンドル308の対応するハンドルアライナ310に係合する。ハンドル支持アライナ220は、窪みの一部から延びる突起であってよく、ハンドルアライナ310は、供給システム300を長手方向及び軸方向に位置合わせするために突起を受け取る凹部であってよい。
【0032】
システム100はさらに依然として、供給システムから展開された後に移植部位で人工補装具を拡張するように設計されたバルーンカテーテル400を含んでよい。バルーンカテーテル400は、カテーテル402、及び移植のさらなるステップとして人工補装具を拡張するためのバルーン404を含む。
【0033】
ここで図2A~2Fを参照すると、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的なコラプサシステム200がさらに詳細に説明される。図2Aは、コラプサシステム200の例示的なコンポーネントを示す分解図である。図2Aに示されるように、コラプサシステム200は、ベース202に連結されたコラプサ204を含む。コラプサ204の内部コンポーネントはコラプサハウジング222において保持されており、これは、例示されるように、コラプサカバー224、226のなどの1つ又は複数の片から形成されてよい。コラプサカバー224は、上で説明したように、コラプサ204内での人工補装具の望ましい位置合わせを容易にするための突起208を含んでよい。コラプサカバー224、226の間に収容される内部コンポーネントには、第1及び第2のコラプサセクタ228、230、第1及び第2の環状体234、236、及び/又は中央フレーム240が含まれ得る。例示されるように、中央フレーム240は、中央フレーム240の両側に第1及び第2の環状体234、236がある状態で、コラプサ204の真ん中にあってよい。第1及び第2のコラプサセクタ228、230はそれぞれ、第1及び第2の環状体234、236、及びコラプサカバー224、226の間にある。コンポーネントの各々は、好ましくは、互いに連結されると、コンポーネントがオリフィス206を画定するように、中央オリフィスを画定する。
【0034】
第1及び第2のコラプサセクタ228、230は各々、複数のコラプサセクタ部分232を有してよい。例示されるように、各コラプサセクタ部分232は、一端で狭くなる角度をなしたプレートであってよい。複数のコラプサセクタ部分232は、好ましくは、それらがオリフィス206が開くことを物理的に制限し、したがって、オリフィス206のサイズを第1のサイズから第2のより小さいサイズに低減するように、作動に際して回転する。第1及び第2のコラプサセクタ228、230は各々、それぞれの環状体及び/又はそれぞれのコラプサカバー224、226に係合するために外向きに延びる複数のコンポーネント(例えば、ポスト)を有してよい。例えば、各コラプサセクタ部分232は、突出するコンポーネントをその端部の各々に含んでよい。
【0035】
第1及び第2のコラプサ環状体234、236は各々、作動に応答して軸の周りでの相対的な回転のために設計されている。第1及び第2のコラプサ環状体234、236は各々、第1及び第2のコラプサセクタ228、230のコンポーネント(例えば、ポスト)をそれぞれ受け取るために、複数の曲線状の径方向に間隔を空けた孔238を有してよい。コラプサハンドル214はさらに、第1及び第2のコラプサ環状体234、236に連結される、又は一体的に形成されてよい。このようにして、コラプサハンドル214の移動により、環状体234、236が回転し、それにより、人工補装具の中央部がコラプサセクタ228、230に接触することなく、コラプサセクタ228、230が人工補装具のそれぞれの端部上で折り畳まれる。このようにして、コラプサシステム200は、人工補装具の選択された部分を折り畳むことを可能にする。
【0036】
中央フレーム240は、移動可能なベース216に連結されて(例えば、固定的に連結されて)よい。中央フレーム240は、折り畳みプロセス中に人工補装具の固定用アームに接触するためのアーム支持部211を含んでよい。中央フレーム240は、コラプサハウジング222において第1及び第2のコラプサ環状体234、236の間に位置付けられてよい。コラプサハウジング222のコンポーネントは、ねじ242のような締結具を介して固定されてよい。
【0037】
移動可能なベース216は、例えばベースピン244を介してコラプサ204に連結されてよく、連結ヒンジ246及び連結ピン248で形成され得るヒンジを介して主ベース202に移動可能に連結されてよい。ベース202の一部、すなわちベース拡張部250は、コラプサ204が第2の位置にある間に移動可能なベース216の下に延べてよく、人工補装具の折り畳み、及びその後の供給システム上への装填の間に移動可能なベース216がその上に一時的に位置し得る固定された表面を構成する。移動可能なベース216は、第2の位置にあるときにベース拡張部250を受け取るための凹部をその下面に含んでよい。ベース202はさらに、ユーザに対して、コラプサシステム200を使用するための段階ごとの指示を例示する(例えば、テキスト及び/又は画像を介して)ユーザ指示252を含んでよい。
【0038】
図2Bは、コラプサシステム200の例示的なコンポーネントを示す別の分解図である。図2Bに示されるように、コラプサカバー224、226は、確実な折り畳みをさらに容易にするために、第1及び第2のコラプサセクタ228、230のコンポーネント(例えば、ポスト)をそれぞれ受け取るための、複数の曲線状の径方向に間隔を空けた内部トラックを含んでよい。複数の曲線状の径方向に間隔を空けた内部トラックは、第1及び第2のコラプサ環状体234、236の対応する曲線状の径方向に間隔を空けた孔238と同じ形状及び配向に対応し得る。追加的に、第1及び第2のコラプサセクタ228、230の複数のコラプサセクタ部分232の各々は、図2Bに示されるように、三角形の形状(例えば、鈍角の三角形の形状)を有してよい。
【0039】
図2Cは、人工補装具の上部装填のための初期位置におけるコラプサシステム200の正面図を示す。図2Cに示されるように、コラプサシステム200はさらに、ベース202から上方に延びる棚状部254を含んでよい。棚状部254は、ベース202と一体的に形成されてよい。棚状部254は好ましくは、コラプサ204に接触し、コラプサ204を第1の位置にしっかりと維持する。例えば、棚状部254は、コラプサ204のハウジングの上部に接触して、人工補装具の上部装填のための略水平位置にコラプサを保持してよい。示されるように、第1の位置において、例えば棚状部254に起因して、ベース202及びコラプサ204の間に空隙256が画定されてよい。
【0040】
図2Dは、図2Cのコラプサシステム200の断面図を示す。図2Dに示されるように、コラプサシステム200はさらに、ベース202との連結を介してコラプサ204を第1の位置に維持するためのロック258を含んでよい。ロック258は、示されるように、棚状部254から上方に位置付けられてよい。ロック258は、第2の位置に向かう予め定められた力の適用に際して解放可能になり得る。例えば、ユーザは、予め定められた力又はそれより大きい力でコラプサ204のハンドルを引っ張り上げて、第2の位置への移動のためにロック258を解放してよい。しかしながら、ロック258は、例えば、輸送中に、ユーザがその梱包/箱からコラプサシステム200を取り出して持ち上げたとき、又は上部装填中に、コラプサ204が意図せずベース202から係合解除されないように、十分に固定されている。代替的又は追加的に、ロック258は、ユーザによる作動、例えば、ボタンの押下に際して解放されてよい。ロック258は、コラプサハウジング222の上部においてコラプサハウジング凹部262に係合するために、ベース202から延びる可撓性の突起260を含んでよい。可撓性の突起260は、予め定められた力の適用に際して撓んで、コラプサハウジング凹部262から解放され、それによりロック258を解放してよい。
【0041】
図2Eは、供給システム上に人工補装具を装填するための位置におけるコラプサシステム200の正面図を示す。図2E図2Cと比較することによって示されるように、コラプサ204は、第1の位置から第2の位置に移動されている。第2の位置において、オリフィス206は、第1の位置とは異なる方式でベース202に対して配向されている。例えば、第1の装填位置において、オリフィス206を通って延びる長手軸はベース202の細長い部分に対して垂直であるが、第2の位置において、長手軸はベース202の細長い位置に対して平行である。そのようにして、コラプサ204が第1の位置にあるときに、オリフィス206内への人工補装具の上部装填、及び、一度コラプサ204が第2の位置に移動すると、その後の、同じオリフィス206を通る供給システムの側方装填を容易にするために、第2の位置はさらに、第1の位置に対して実質的に直交であってよい。
【0042】
図2Fは、図2Eのコラプサシステム200の断面図を示す。図2Fに示されるように、コラプサシステム200はさらに、ベース202との連結を介してコラプサ204を第2の位置に維持するためのベースロック264を含んでよい。ベースロック264は、ベース202の端部、例えば、移動可能なベース216との解放可能な連結のためのベース拡張部250の端部に位置付けられてよい。ベースロック264は、好ましくは、ユーザによる作動、例えば、外すために可撓性の突起の押下に際して解放される。代替的又は追加的に、ベースロック264は、第1の位置に向かう予め定められた力の適用(例えば、ハンドルを使用した)に際して解放可能であり得る。ベースロック264は、移動可能なベース216において凹部268に係合するための、ベース202(例えば、ベース拡張部250)から延びる可撓性の突起266を含んでよい。可撓性の突起266は、外して凹部268から解放するためのユーザによる作動に際して撓み、それによりベースロック268を解放してよい。好ましくは、ベースロック264は、人工補装具の折り畳み解除のためにのみ外される。
【0043】
図2Gは、オリフィスが折り畳まれた位置にあるときにコラプサをセルフロックするためにコラプサシステム200において使用され得る環状体236'を例示する。環状体236'は、上の第2の環状体236(または第1の環状体234)に対応するが、第1及び第2の環状体の複数の径方向に間隔を空けた曲線状の孔238'は、第1及び第2のコラプサセクタがオリフィスの第2のより小さいサイズに対応する位置にあるときにセルフロックする。例えば、複数の曲線状の径方向に間隔を空けた孔は、コラプサハンドルに対して力を加えることを必要とせずに、最小/折り畳まれた直径でコラプサセクタを閉じたままにするロックシステムを有する端部(例えば、近位端部)にある機構を含んでよい。この機構は、曲線状の孔の近位端部の湾曲の急激な変化であってよい。
【0044】
図2H図2Jは、コラプサシステムに組み込まれ得る様々なセルフロック構造を例示する。図2Hは、曲線状の孔238'の端部におけるセルフロック270を例示しており、ここで孔の湾曲が変曲点272において接戦方向のプロファイルに変化する。そのようにして、第1及び第2のコラプサセクタ228、230の対応する構成要素(例えば、ポスト)が曲線状の孔238'に沿って移動するにつれて、ハンドルに対して押す必要なく折り畳まれた状態でコラプサシステム200をセルフロック270において定位置にロックするようにコンポーネントは方向を変えられる。図2Iは、曲線状の孔238''における代替的なセルフロック274を例示しており、ここで孔の湾曲が、変曲点276において、変曲点276の前の湾曲と比較して反転した湾曲プロファイルに変化する。図2Jは、曲線状の孔238'''におけるさらに別の代替的なセルフロック278を例示しており、ここで端部は、第1及び第2のコラプサセクタ228、230の対応する構成要素(例えば、ポスト)が、セルフロック278を係合解除するためにスナップ280を外すことなく曲線状の孔238'''に沿って戻るように移動することを防ぐために曲線状の孔238'''内に延びるスナップ280を含む。図2Jに示されるように、曲線状の孔238'''の湾曲の半径は、本実施形態において、孔の長さに沿って維持されてよい。
【0045】
ここで図3A図3Fを参照すると、患者に例示的な人工補装具500を供給するための例示的な供給システム300が提供される。図3Aは、その上に人工補装具を折り畳んで装填する前の供給システム300の斜視図を示す。図3Aに示されるように、供給システム300の遠位部分304は、シャフト306に沿って近位から遠位の方向に延びる、シース312、制約構成314、及び遠位先端316を含んでよい。供給システム300上で人工補装具を折り畳んで装填する前に、遠位部分304は、拡張状態にある人工補装具を、シース312が人工補装具に接触しないように、シース312及び遠位先端316の間に受け取ってよい。好ましくは、人工補装具のフレームは、制約構成314に連結されるように設計されている。
【0046】
図3Bは、その上に折り畳まれて装填された人工補装具500を有する供給システム300の斜視図を示す。例示的に、人工補装具500は人工心臓弁である。図3Bに示されるように、人工補装具500は、径方向に外向きに延びる固定用アーム504を有するフレーム502を含んでよい。フレーム502は、人工補装具500の折り畳み及び拡張を容易にするように構造化されてよく、一方で、固定用アーム504は、患者の供給部位(例えば、欠陥のある心臓弁、例えば大動脈弁が位置していたところ)における好ましい位置に人工補装具500を位置付けるように機能する。シース312が折り畳まれた状態にある人工補装具500の一端(例えば、流出端)を維持し、遠位先端316が折り畳まれた状態にある人工補装具500の他端(例えば、流入端)を維持し、それにより移植のために患者に供給することを可能にするように、シース312が遠位先端316に関して長手方向に収縮するように、人工補装具500は、制約構成314及び遠位先端316の間で供給システム300上に折り畳んで装填されてよい。
【0047】
図3Cは、供給システム300の分解図を示す。図3Cに示されるように、近位部分302は、供給ハウジング318及び供給アクチュエータ320を含んでよい。供給アクチュエータ320は、ユーザによって作動されて、供給システム300の遠位部分304におけるコンポーネントの対応する移動を引き起こす用に設計されている。シース312は、人工補装具の折り畳みを容易にするために、作動に際して、シャフト306から遠位先端316に向かって遠位部分304に沿って長手方向にスライドしてよい。供給アクチュエータ320はさらに、供給キャップ324に対して支えられ得る供給ノブ322を含んでよい。供給ノブ322は、以下でさらに詳細に説明するように、供給システム300の作動を容易にするためにユーザによって回されてよい。
【0048】
図3Dは、その上に折り畳まれて装填された人工補装具500を有する供給システム300の断面斜視図を示す。図3Dに示されるように、供給システム300の近位部分302はさらに、外側スライダ326、ばね328、プッシャ330、内側スライダ332、内側チューブ334、及び外側チューブ336を含んでよく、これらは共に、供給アクチュエータ320を介した作動に際して、人工補装具500の対応する端部の係合点まで、シース312及び遠位先端316の間の長手方向の距離を低減させるように構成されている。遠位部分304はさらに、そのような作動を容易にするための供給ブッシング338及び供給支持部340を含んでよい。
【0049】
図3Eは、その上に人工補装具を折り畳んで装填する前の供給システム300の断面正面図を示す。
【0050】
図3Fは、その上に折り畳まれて装填された人工補装具500を有する供給システム300の断面正面図を示す。図3E及び3Fに示されるように、ばね328は、供給アクチュエータ320による作動に際して、遠位部分304に向かって長手方向に押してよく、それにより、シース312が人工補装具500に係合するまで、シース312による遠位先端316に向かう対応する移動がもたらされる。供給システム300についてのさらなる詳細は、上記の組み込まれたWO2019/224581(米国第17/057,502に対応する)に見出され得る。
【0051】
ここで図4Aから図4Jを参照すると、患者に供給するために人工補装具を折り畳んで装填するための例示的な方法が提供される。図4A図4Jに示されるように、システム100には、コラプサシステム200、及び任意で供給システム300が提供され得る。システム100はさらに、任意で、人工心臓弁であり得る人工補装具500を含んでよい。
【0052】
図4Aを参照すると、コラプサシステム200が提供される。コラプサシステム200は第1の位置にあってよく、これは初期位置であってよい。コラプサシステム200は、臨床医が人工補装具を移植することを可能にするために人工補装具と共に提供されるアクセサリのパッケージ/キットにおいて供給されてよい。
【0053】
人工補装具500は、図4Bに示されるように提供される。例えば、人工補装具は、滅菌環境にある手術室において開かれる滅菌流体のビンの中に提供されてよい。有利には、いくつかの実施形態において、人工補装具500は、ホルダデバイスのような任意の追加のコンポーネントがそれに連結されることなく、コラプサシステム200に挿入されることが可能である。図4Bに示されるように、コラプサシステム200は、第1の位置において、拡張状態にある人工補装具500のオリフィス206への上部装填を可能にしてよい。その間の突起208及び空所210は、ユーザが、オリフィス206内への装填のために人工補装具500を位置合わせすることを可能にする。例えば、突起208は、径方向に外向きに延びる固定用アーム504が、オリフィス206内に挿入されるべき空所210と必ず位置合わせされるように、オリフィス206内に延びる。挿入に際して、アーム支持部211がそれぞれの固定用アーム504に接触し、オリフィス206内への人工補装具500の装填の深さを制限してよい。したがって、コラプサシステム200は、人工補装具500が、人工補装具500の流入端506(これは複数の人工リーフレットを含み得る)及び流出端508の軸方向の配向及び位置付けの両方に関して、望ましく位置合わせされることを確実にするように構成されてよい。
【0054】
図4Cは、折り畳む前にコラプサシステム200のオリフィス206内に装填された人工補装具500の斜視図である。図4C図4Dと比較することによって示されるように、コラプサシステム200のコラプサ204は、第1の位置から、図4Dに示される第2の位置に移動されている。例えば、ユーザは、予め定められた力又はそれより大きい力でコラプサシステム200のハンドル214を引っ張り上げて、第2の位置への移動のためにロック258を解放してよい。そのような力の適用に際して、ロック258の可撓性の突起260が撓んで、コラプサハウジング凹部262から解放され、それによりロック258が解放される。第2の位置において、ベースロック264はコラプサ204を定位置にロックする。例えば、ベース202から延びるベースロック264の可撓性の突起266(例えばベース拡張部250における)は、移動可能なベース216にある凹部268に嵌まって係合する。好ましくは、ベースロック264は、人工補装具500を後に再び折り畳む必要がある場合にのみ係合解除される。
【0055】
図4Eを参照すると、供給システム300が提供される。供給システム300は、コラプサ204が供給システム300上で人工補装具500を折り畳むことを可能にするためにコラプサシステム200に位置付けられる。例えば、コラプサ204は、オリフィス206を通した供給システム300の側方装填を可能にしてよい。ハンドル支持部218は、人工補装具500を折り畳むために、オリフィス206内に位置付けられた人工補装具500を通して遠位部分304が挿入される間に、供給システム300のハンドル308を支持する。
【0056】
図4Fは、人工補装具500を折り畳むことを可能にする方法でコラプサシステム200に位置付けられた供給システム300の斜視図を示す。図4Fに示されるように、コラプサシステム200及び対応する供給システム300は、供給システム300上で人工補装具500を正確に折り畳んで装填することを容易にするように位置付けられている。したがって、コラプサ204は、オリフィス206内に延び、オリフィス206内への人工補装具500の初期位置合わせを容易にするための複数の位置合わせ空所210を間に画定する複数の突起208を含んでよい。また、コラプサシステム200のハンドル支持部218は、ハンドル支持アライナ220を含んでよい。ハンドル支持部218に供給システム300のハンドル308を置くと、ハンドル支持アライナ220はハンドル308のハンドルアライナ310に係合する。結果として、供給システム300は、オリフィス206に設置された人工補装具500を折り畳んで装填するための望ましい位置において長手方向及び軸方向に位置合わせされ得る。
【0057】
図4Gは、人工補装具500を折り畳むために、アクチュエータ212での作動後にコラプサシステム200に位置付けられる供給システム300の斜視図を示す。コラプサ204が第2の位置にある間に人工補装具500を供給システム300上で折り畳むために、ユーザによる作動に際して、オリフィス206のサイズは第1のサイズ(図4Fに示される)から第2のより小さいサイズ(図4Gに示される)に低減される。コラプサセクタ部分232は、オリフィス206のサイズを第1のサイズから第2のより小さいサイズに低減するために、作動に際して再び配向される。例えば、コラプサセクタ228、230は、人工補装具500の中央部がコラプサセクタ228、230と接触しない間に、人工補装具500のそれぞれの端部上で折り畳んでよい。
【0058】
コラプサ204が、図4Gに示される折り畳まれた位置に留まる間、ユーザは、供給システム300を作動させて、供給システムの遠位部分にあるコンポーネントを供給状態に向かって移動させてよい。いくつかの実施形態において、供給システム300の作動により、供給システム300の近位及び遠位コンポーネントが互いに向かって移動して、折り畳まれた状態にある人工補装具の第1及び第2の端部を保持する。
【0059】
例えば、ユーザは、アクチュエータ320を作動させて(例えば、ノブ322を回転させることによって)、図4Hに示されるように、シース312を遠位方向に移動させ、遠位先端を近位方向に移動させてよい。このようにして、シース312は折り畳まれた位置にある人工補装具500の一端(例えば、流出端)を部分的に保持してよく、遠位先端は、折り畳まれた位置にある人工補装具500の他端(例えば、流入端)を部分的に保持してよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、コラプサ204は、図4Hに示される折り畳まれた位置において、シース312及び遠位先端よりも小さい開口を生成し、それにより、コラプサセクタ228、230に対するシース312の長手方向の動きを制限することによって供給システム300が供給状態に完全に移行することを妨げる。しかしながら、供給システム300はさらに偏向され(例えば、図3Dのばね328のようなばねを介して)、その結果、それがコラプサセクタに対して停止するため、シース312が完全なストロークを実施することができない。
【0060】
上で説明したように、コラプサシステム200は、環状体の複数の曲線状の径方向に間隔を空けた孔の端部における機構のような、図4G及び4Hに示される折り畳まれた位置にアクチュエータ212をセルフロックするための機構を含んでよい。このようにして、ユーザは、コラプサ204が折り畳まれた位置にある間にコラプサハンドルに対して力を加える必要がなく、その結果、ユーザは、供給システムを作動させて供給システムを供給状態に向けて移行させるなどの他のタスクを実行するために自身の手を空けることができる。
【0061】
図4Iは、コラプサ204のオリフィス206を折り畳まれた位置からより大きい開放位置に移行させるためのアクチュエータ212のさらなる作動後の、コラプサシステム200に位置付けられた供給システム300の斜視図を示す。いくつかの実施形態において、ユーザは、変曲点を過ぎてコンポーネントを移動させる及び/又はコンポーネントを外すことなどによって、アクチュエータ212を操作して、折り畳まれた位置にアクチュエータ212を保持しているセルフロックを係合解除する。示されるように、人工補装具500は、折り畳まれた状態において供給システムの遠位部分に連結されたままである。いくつかの実施形態において、さらなる作動に際して、コラプサは、より小さいサイズのオリフィスからより大きいサイズのオリフィスに移行されて、患者に供給するために折り畳まれた状態にある人工補装具をしっかりと保持するために供給システムの近位及び遠位コンポーネントを互いにより近くに移動させる。したがって、さらなる作動により、供給システム300の遠位部分にあるコンポーネントは供給状態に完全に移行されてよい。例えば、セクタを開くためにコラプサハンドルを引っ張ることにより、供給システム300のばねが完全に抜けることを可能になり得、それにより、シース及び遠位先端が人工補装具の端部を完全に捕捉することが可能になる。
【0062】
図4Jは、コラプサシステム200から取り外された後の、その上に折り畳まれて装填された人工補装具500を有する供給システム300を示す。人工補装具500は、その後、供給システム300を使用して目標移植部位(例えば、外科的に除去されている場合のある、欠陥のある心臓弁の位置)に折り畳まれた状態で供給されてよい。一度目標移植部位に届くと、人工補装具500は、目標移植部位に人工補装具500を移植するために、折り畳まれた状態から拡張状態に移行してよい。供給システムの遠位部分は、その後、患者から引っ張り出されてよい。さらに、人工補装具500の拡張は、バルーンカテーテル400を使用して実行されてよい。このようにして、例えば、欠陥のある心臓弁を治療するために人工補装具が移植されてよい。
【0063】
本発明の様々な例示的な実施形態を上記で説明したが、本発明から逸脱することなく本明細書において様々な変更及び改変がなされ得ることが当業者には明らかであろう。添付の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲に含まれるそのような変更及び改変をすべて網羅することが意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G-2H】
図2I
図2J
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
【国際調査報告】