(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】構造化組成物を分配するための噴霧ノズル及び同噴霧ノズルを含む噴霧製品
(51)【国際特許分類】
B05B 11/00 20230101AFI20240711BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20240711BHJP
B05B 11/10 20230101ALI20240711BHJP
B05B 1/34 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B05B11/00 102B
A61L9/14
B05B11/10 102B
B05B1/34 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579768
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022073276
(87)【国際公開番号】W WO2023279036
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、コディー・ダイラン
(72)【発明者】
【氏名】バウアー、マシュー・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ホレンジアク、スティーブン・アントニー
(72)【発明者】
【氏名】リンチ、マシュー・ローレンス
【テーマコード(参考)】
4C180
4F033
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA13
4C180CB01
4C180CC02
4C180EA14X
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4C180EC01
4C180EC02
4C180GG07
4C180GG11
4C180MM03
4F033BA03
4F033DA01
4F033EA01
4F033KA02
4F033NA01
(57)【要約】
噴霧製品が提供される。噴霧製品は、リザーバ内に収容された組成物を含む。組成物は、レオロジー試験方法によって決定される際、ゼロを超えかつ1,000mPa未満の降伏応力を有する。噴霧製品は、リザーバと組成物連通するバルブと、バルブと機械的に連通するアクチュエータと、出口オリフィスを有するノズルと、出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を含む。出口オリフィスは、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定される。出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバ内に収容された組成物を含む噴霧製品であって、前記組成物が、レオロジー試験方法によって決定される際、ゼロを超えかつ1,000mPa未満の降伏応力を有し、前記噴霧製品が、
前記リザーバと組成物連通するバルブと、
前記バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
前記出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
前記スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
前記出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定されており、前記出口オリフィス直径対前記軸方向長さの比が、約1.3~約3.5である、噴霧製品。
【請求項2】
前記組成物が、約1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは、約1mPa-s~約15mPa-s、より好ましくは、約1mPa-s~約10mPa-s、又は最も好ましくは、約1mPa-s~約5mPa-sの範囲内にある粘度を有する、請求項1に記載の噴霧製品。
【請求項3】
前記出口オリフィス直径対前記出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、請求項1又は2に記載の噴霧製品。
【請求項4】
前記組成物が、複数の粒子と、構造化剤系とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の噴霧製品。
【請求項5】
前記構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の噴霧製品。
【請求項6】
前記噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の噴霧製品。
【請求項7】
リザーバ内に収容された組成物を含む噴霧製品であって、前記組成物が、複数の粒子と構造化剤系とを含み、前記構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、前記組成物が、複数の粒子を含み、前記噴霧製品が、
前記リザーバと組成物連通するバルブと、
前記バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
前記出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
前記スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
前記出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定されており、前記出口オリフィス直径対前記軸方向長さの比が、約1.3~約3.5である、噴霧製品。
【請求項8】
前記組成物が、1mPa-s~約20mPa-sの範囲内にある粘度を有する、請求項7に記載の噴霧製品。
【請求項9】
前記出口オリフィス直径対前記出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、請求項7又は8に記載の噴霧製品。
【請求項10】
前記噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の噴霧製品。
【請求項11】
空気を清浄化する方法であって、
噴霧器を提供する工程であって、前記噴霧器が、
前記リザーバと組成物連通するバルブと、
前記バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
前記出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
前記スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を含み、
前記出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定されており、前記出口オリフィス直径対前記軸方向長さの比が、約1.3~約3.5である、提供する工程と、
前記噴霧器から組成物を噴霧する工程であって、前記組成物が、複数の粒子と、構造化剤系とを含み、前記構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、前記組成物が、複数の粒子を含む、噴霧する工程と、を含む、方法。
【請求項12】
前記組成物が、1mPa-s~約20mPa-sの範囲内にある粘度を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記出口オリフィス直径対前記出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造化組成物を分配するための噴霧ノズル、噴霧ノズルを含む噴霧製品、及び噴霧ノズルを用いて構造化組成物を噴霧する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トリガを有する噴霧製品が知られている。トリガ噴霧器は、典型的には、手動式ポンプ又は加圧容器から下に延びる、手持ち容器を利用する。容器は、流れ状、微細な液滴状、泡状又は霧状で噴霧されることが望ましい任意の組成物を保持することができる。組成物は、空気清浄剤、布地消臭剤、ヘアスプレー、クレンザー等を含む場合がある。
【0003】
噴霧の特性、例えば、液滴サイズ、噴霧パターン、及び流量は、ノズル形状を含むポンプのいくつかのパラメータ及び動作特性によって決定される。更に、噴霧される組成物のレオロジーもまた、噴霧特性に影響を与える。具体的には、降伏応力を有する組成物は、降伏応力を有しない水性組成物とは異なって噴霧され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
降伏応力を有する組成物を噴霧するための噴霧特性を最適化する噴霧ノズル設計に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の噴霧製品は、降伏応力を有する組成物について改善された噴霧特性を呈することができる。一例では、噴霧製品は、リザーバ内に収容された組成物を含み、組成物は、レオロジー試験方法によって決定される際、ゼロを超えかつ1,000mPa未満の降伏応力を有し、噴霧製品は、リザーバと組成物連通するバルブと、バルブと機械的に連通するアクチュエータと、出口オリフィスを有するノズルと、出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含む。出口オリフィスは、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定され、出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である。
【0006】
別の例では、噴霧製品は、リザーバ内に収容された組成物を含み、組成物は、複数の粒子と構造化剤系とを含み、構造化剤系は、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、組成物は、複数の粒子を含み、噴霧製品は、リザーバと組成物連通するバルブと、バルブと機械的に連通するアクチュエータと、出口オリフィスを有するノズルと、出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含む。出口オリフィスは、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定され、出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である。
【0007】
追加的に、空気を清浄化する方法であって、噴霧器を提供する工程と、噴霧器から組成物を噴霧する工程と、を含み、組成物が、複数の粒子と構造化剤系とを含み、構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、組成物が、複数の粒子を含む。及び、噴霧器は、リザーバと組成物連通するバルブと、バルブと機械的に連通するアクチュエータと、出口オリフィスを有するノズルと、出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含む。出口オリフィスは、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定され、出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】線2-2に沿って取られた、
図1の噴霧器の前方位置にあるアクチュエータの断面図である。
【
図3】後方位置にあるアクチュエータの断面図である。
【
図4】後方位置にあるトリガを示す、
図2のアクチュエータの断片垂直断面図である。
【
図5】エンジンハウジングを仮想的に示すアクチュエータの斜視図である。
【
図8】切断線B-Bに沿って取られた
図7のノズルの断面図である。
【
図9】ノズルのスワールチャンバの概略部分図である。
【
図10】本発明のノズルの噴霧速度に対する液滴サイズの描画である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の説明は、各々が様々な構成要素を有する噴霧アクチュエータ、組成物、ハウジング、トリガ、ノズル、及び容器を含む噴霧製品を説明しているが、噴霧製品は、下記の説明で明記されるか、又は図面に例解される構成及び配置に限定されるものではないことを理解されたい。本開示のアクチュエータ、ハウジング、トリガ、ノズル、ポンプアセンブリ、容器、及び組成物を含む噴霧製品は、他の構成に対しても適用可能であるか、又は様々な方式で実施されるか、若しくは実行され得る。例えば、トリガ、バルブ、出口オリフィス及びスワールチャンバを有するノズルの構成要素は、手動作動式トリガ噴霧器又はエアゾールタイプ噴霧器のバルブステムのための様々なポンプアセンブリと共に使用され得る。更に、トリガ及び/又はポンプアセンブリは、組成物を空気中に送り出すための様々な噴霧アクチュエータと共に使用されてもよい。
【0010】
本開示は、噴霧アクチュエータ、容器、及び容器に収容された組成物を含む噴霧製品に関する。本開示の噴霧器は、本明細書に開示されるレオロジー試験方法に従って測定される際、約1mPa-s~約20mPa-sの範囲内にある粘度を有する組成物を噴霧するように最適化されたアクチュエータを含み得る。組成物はまた、本明細書に開示されるレオロジー試験方法に従って測定される際、0超~約1,000mPaの降伏応力を有し得る。アクチュエータは、小さい粒子及び高い流量を有する広い噴霧パターンを提供するように最適化される。本開示の組成物は、複数の粒子及びそれらの粒子を懸濁させる構造化剤系を含み得る。
【0011】
図1~
図6は、本開示の噴霧製品20の非限定的な例を例解する。
図1に示されるように、噴霧製品20は、容器22と、アクチュエータ24と、を含む。アクチュエータ24は、ハウジング26、トリガ28、及びノズル30を含む。噴霧製品20は、非エアゾール手動作動トリガ噴霧器、又は本明細書に説明される特徴から利益を得ることができる任意の他の好適なタイプの噴霧器であり得る。前述したように、アクチュエータ24又はその部分はまた、同様にエアゾールタイプの噴霧器と連動して使用され得る。噴霧製品20及び噴霧アクチュエータ24は、長手方向軸を有し得、これは分配中の組成物流量の一部分に対して平行である。
図2及び
図3を参照すると、ノズル30は、ハウジング26と摩擦接合され得る。
【0012】
図1を参照すると、容器22は、噴霧器によって分注される製品を保持するための任意の好適なタイプの容器とすることができる。容器22は、任意の好適な形状であってもよい。容器22は、基部32、側部34、下部36、上部38、及び頂部40を有する。容器22は、概して、円筒形であり得るが、容器の側部34は、容器の上部38上にわずかに凸状の曲率で内向きに先細になり得、それによって上部38でより狭くなる。基部32、下部36、又は側部34は、上部38及び/又は頂部40よりも大きくなり得る(例えば、より広い、より大きい容積など)。容器22は、異なる構成で多数の他の形状を有することができる。容器は、プラスチック、金属、ガラスなど、及びこれらの組み合わせを含む様々な材料を含んでもよい。単一の噴霧アクチュエータ24は、様々なサイズ及びデザインの容器22と共に利用することができる。
【0013】
図1及び
図2を参照すると、噴霧アクチュエータ24は、容器22の下部36から噴霧アクチュエータ24まで延在するディップチューブ31を含み得る。ディップチューブ31は、第1の端部において容器22内に収容された組成物と、及び反対側の第2の端部において噴霧アクチュエータ24と、組成物連通してもよい。容器22内に収容された組成物は、トリガ28による作動に応答して、ディップチューブ31を通して引き出すことができるか、又はエアゾール形態の場合にはディップチューブ31を通して押圧することができる。
【0014】
アクチュエータハウジング26は、様々な異なる形状及びサイズで構成されてもよい。
図1及び
図2を参照すると、アクチュエータハウジング26は、下部42、上部44、腰部46、及び頂部48を有し得る。下側部分42は、容器22に取り付けることができ、示されるように、容器22上に又は容器22を覆って適合させることができる。腰部46は、下部42と上部44との間に配置されてもよい。腰部46は、それぞれ、上部44及び/又は下部42の最も広い部分よりも狭くてもよい。腰部46及び下部42は各々、上部44の最も広い部分よりも狭くてもよい。腰部46は、アクチュエータ24に人間工学的デザインを提供する。
【0015】
アクチュエータハウジング26は、ユーザーが、腰部46の周りに、少なくともユーザーの親指及び人差し指を巻き付けることができるように構成され得る。かかる形態では、アクチュエータハウジング26はまた、ユーザーの手のひらのしわなどのユーザーの手のひらの自然な輪郭に快適に適合することを可能にする構成を備え得る。
【0016】
噴霧器ノズル30は、ノズル30から噴霧される組成物が0°超かつ90°未満の角度で方向付けられるように向けられるため、アクチュエータハウジング26の頂部48は上方に傾斜されてもよい。すなわち、組成物は、基部32に平行に噴霧されなくてもよく(すなわち、基部が水平表面上に配置されるときに水平に)、又は垂直に噴霧されなくてもよい(容器の軸方向に真っ直ぐ上方に)。組成物は、ノズル30から0°超かつ90°未満の角度で噴霧されてもよい。
【0017】
ノズル30から噴霧される組成物は、水平(0°)又は垂直(90°)に噴霧されることが望ましい場合がある。アイロン助剤の場合など、更に他の状況では、ノズル30から噴霧される組成物は、表面に向かって下向きに(0°~-90°の角度で)方向付けられることが望ましい場合がある。しかしながら、噴霧パターンは典型的には分散体の形態であり、ノズルから放出される噴霧は、側面から見たときに、分散した噴霧パターンのある角度を形成することが理解される。本明細書で言及される噴霧の角度は、かかる噴霧パターンを二分する中心軸である。噴霧パターンの部分は、典型的には、この中心軸線のいずれかの側に分配されることが理解される。
図1及び
図2を参照すると、アクチュエータ24は、限定されるものではないが、ねじ山、差し込み式取付具、及びスナップ嵌めを含む、物品を容器に取り外し可能に取り付けるための当該技術分野で知られている任意の様式で容器22に取り外し可能に取り付けることができる。アクチュエータ24は、容器22に恒久的に取り付けられてもよく、又はアクチュエータ24は、容器22に取り外し可能に取り付けられてもよい。追加的に、アクチュエータハウジング26は、トリガ28がその内部を通って延在するための開口部47を含み得る。
【0018】
図1~
図6を参照すると、噴霧アクチュエータ24は、手動作動式トリガ噴霧アクチュエータとして、又はエアゾール系トリガ噴霧アクチュエータとして構成され得る。手動作動式噴霧アクチュエータ24は、ポンプアセンブリ53を含む。トリガ28の、そのストロークを通じた手動作動は、ポンプアセンブリ53のピストン54の対応する垂直動作を生じさせる。ピストン54の垂直動作は、容器22から、流路を通じて、ノズル30の外へ組成物をポンプで送り出す。ピストン54は、ポンプ本体55内で往復運動で動いてもよい。噴霧製品20は、関節運動する頂部枢動式トリガ28を利用し得る。
【0019】
対照的に、エアゾール系システムでは、トリガの押し下げは、圧力下にある組成物の分配を可能にするバルブを開放する。組成物は、炭化水素系、圧縮空気系、又はこれらの組み合わせであり得る既知の推進剤によって加圧することができる。炭化水素及び圧縮空気推進剤は、当該技術分野において周知である。
【0020】
手動で操作されるトリガ噴霧器又はエアゾール噴霧器のいずれかにおいて、戻しばね56は、トリガ28を容器22から離れるように、かつストロークの終了時に前方位置(「前方運動」)へと力を加えるように付勢する。戻しばね56は、2つの湾曲した平行ばね56として構成されてもよい。戻しばね56は、各端部に接続され得、かつピストン54/組成物チャンバ58の外側に配置され得る。組成物用の垂直上方の流路は、戻しばね56の間に配置されてもよい。手動で操作されるトリガ噴霧器では、トリガ28を容器に向かって絞ること(「後方運動」)により、組成物チャンバ58内に水圧を作り出し、組成物が分注される。トリガ28の前方運動は、真空を作り出し、容器22から組成物を引き込んで、組成物チャンバ58を再充填する。
【0021】
図3を参照すると、組成物チャンバ58が準備されると、トリガ28の後方運動は、ポンプ本体55内のピストン54の下方運動に変換される。ピストン54の下方運動は、組成物チャンバ58を加圧する。組成物チャンバ58内の圧力が所定のレベルに達すると、系内の抵抗力は回復し、バルブ60を開放させ、組成物を、導管62を通ってノズル30から流れさせる。戻しばね56は、トリガ28を前方休止位置へと自動的に繰り返し動かし、組成物チャンバ58は組成物で再充填される。
【0022】
図4を参照し、かつポンプアセンブリ53をより詳細に検討すると、ポンプ本体55は、段付き構成を有してもよく、往復ピストン54を収納してもよい。ポンプ本体55は、アクチュエータ24の下部52のねじ込み密閉部50によって捕捉されてもよい。ねじ込み密閉部50は、所望により容器22内の組成物にアクセスし、かつこれを補給するために開放することができる。ねじ込み密閉部50が
図4に示されているが、その密閉部は、差し込み又はスナップ嵌めなどの異なるタイプの密閉部として構成されてもよいことを理解されたい。
【0023】
図2~
図4を参照すると、往復ピストン54は、上方密閉部150U及び下方密閉部150Lを有してもよく、これらの両方は本体48内に適合する。ピストン54内に配置されたバルブ60は、ばね(図示せず)によって抵抗を受けるその垂直運動を有し得る。トリガ28の動作からの力が、ピストン54に適用される力を増加させると、バルブ55は下向きに移動することができ、チャンバ44内の組成物が後で分注されるように加圧する。導管62は、様々な方式で構成されてもよい。例えば、
図2を参照すると、導管62は可撓性であり、約90度で屈曲されてもよい。可撓性の導管62は、トリガ28/クランク・ロッカーの動作に応答して、曲がり管65において角度をわずかに増加させながら、曲がり管64において屈曲する。導管62の下流部分は、曲がり管64において屈折し、ポスト66において終端する。ポスト66は、ノズル30に、ポスト66の肩部まで挿入される。ポストは、2つの長手方向に対向する端部、上述の屈曲した導管62が嵌合される上方流端部、及びノズル30に適合する下方流端部を有し得る。
【0024】
図2及び
図7~
図9を参照すると、組成物は、ポスト66の周りを流れ、複数のスワールチャンバ入口チャネル80に流入する。組成物は、導管62からスワールチャンバ入口チャネル80を通って流れ、スワールチャンバ入口チャネル80は、組成物をスワールチャンバ82内に方向付ける。スワールチャンバ入口チャネル80及びスワールチャンバ82は、組成物がノズル30のノズル出口オリフィス84に到達する前に、組成物に接線方向の回転を与える。スワールチャンバ入口チャネル、スワールチャンバ、及びノズル30は、静止している。入口チャネルは、組成物がスワールチャンバの半径に対して鋭角でスワールチャンバに入るように角度が付けられている。
【0025】
図2及び
図7~
図8を参照すると、スワールチャンバ入口チャネル80は、ポスト66の外側表面とノズル30の内側表面との並置によって画定される。スワールチャンバ入口チャネル80は、ポスト66上に配置され得るか、又はスワールチャンバ入口チャネル80は、ノズル30内に配置され得る。スワールチャンバ入口チャネル80がポスト66上に配置される場合、ポスト66は、その下流部分の周りに円周方向に等間隔に配置された2つ以上の長手方向に配向されたスロットを有することができる。ポスト66は、約11mmの長さ及び約4~5mmの段付き直径を有することができる。噴霧器は、2、3、4、5、6、7、又は8つのスワールチャンバ入口チャネルを含み得る。
【0026】
スワールチャンバ82は、ポスト66の端部に配置され得るか、又はスワールチャンバ82は、ノズル30の内側表面に配置され得る。
図2及び
図3は、ポスト66上に配置されたスワールチャンバ82及びスワールチャンバ入口チャネル80を有する非限定的なアクチュエータを例解する。
図7及び
図8は、ノズル上に配置されたスワールチャンバ82及びスワールチャンバ入口チャネル80を有する非限定的なノズルを例解する。
【0027】
図2、
図3、及び
図7~
図9を参照すると、スワールチャンバ82を出ると、組成物は、ノズル30のノズル出口オリフィス84を通過して大気中又はターゲット表面上に分配される。ノズル出口オリフィス84は、出口オリフィスの内径である出口オリフィス直径D
Oと、出口オリフィスの軸方向長さである出口オリフィス軸方向長さd
lとによって画定され得る。ノズル出口オリフィス84は、出口オリフィス直径D
Oを有し得、外面上に丸みを付けることができる。出口オリフィスは、出口オリフィス軸方向長さd
lを有し得る。出口オリフィス直径D
Oと出口オリフィス軸方向長さd
lとの比は、約1.3~約3.5、又はより好ましくは、約1.5~約3.2の範囲内にあり得、具体的には、これらの範囲及びそれにより作成される任意の範囲内の全ての値を列挙する。組成物は、所定の噴霧パターンでノズル30から分注されるが、これは、トリガ28の操作のストローク速度、ストローク長さ等に従って様々であってもよい。所望により、噴霧パターンを調節するための対策がなされてもよい。
【0028】
図7~
図9を参照すると、スワールチャンバ82は、スワールチャンバ直径D
sによって画定され得る。スワールチャンバ直径D
sは、スワールチャンバ82を形成する凹部の横方向内径である。スワールチャンバ入口チャネル80は、接線方向深さd
t及び接線方向幅d
wによって画定され得る。ポンプアセンブリ53全体は、ハウジング70内に包まれてもよい。ノズル30以外は、ポンプアセンブリ53からハウジング70の外への直接的な開口部がない場合がある。
【0029】
図5~
図6を参照すると、トリガ28は、
図2及び
図3に示される形状よりも、長手方向軸に対して、より垂直で/半径方向に向けられた移動をもたらすように構成されてもよい。この移動の向きは、トリガ28の最上部分付近に配置された据付旋回軸68を提供することによって達成され得る。トリガ28上の後方に面する突出部70は、関節動作可能なクランク・ロッカー74のロッカー・アーム72に対して上方に枢動し得る。ロッカー・アーム72は、2つの旋回軸69上に搭載される。クランク・ロッカー74の反対側の端部76は、下向きに関節動作し、長手方向軸に整列された、又はこれと合致する力Fをもたらす。この力Fは、ピストン54を下向きの方向に移動させ、組成物チャンバ58内の組成物を加圧する。
図4に戻って参照すると、組成物チャンバ58の下部内の組成物は、ピストン54によって移動させられ、組成物チャンバ58の環状部分を通じて上方へ流れて、バルブ60を通過し、導管62内へと流れる。
【0030】
手動作動式トリガ噴霧器において、ポンプアセンブリ53は、当業者に既知の事前圧縮ポンプアセンブリとして構成されてもよい。
【0031】
組成物
噴霧製品は、様々な組成物と共に使用され得る。組成物の粘度は、本明細書に開示されるレオロジー試験方法に従って測定される際、約1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは、約1mPa-s~約15mPa-s、より好ましくは、約1mPa-s~約10mPa-s、最も好ましくは、約1mPa-s~約5mPa-sの範囲内にあり得、具体的には、これらの範囲又はそれにより作成される任意の範囲内の全ての値を列挙する。
【0032】
組成物の降伏応力は、本明細書に開示されるレオロジー試験方法に従って測定される際、0超~約1,000mPa、好ましくは、0超~約500mPa、より好ましくは、0超~約300mPa、更により好ましくは、0超~約100mPa、最も好ましくは、0超~約50mPaの範囲内にあり得、具体的には、これらの範囲又はそれにより作成される任意の範囲内の全ての値を列挙する。
【0033】
本開示の組成物は、複数の粒子及びそれらの粒子を懸濁させる構造化剤系を含み得る。
【0034】
組成物は、約0.02mol/L未満のイオン強度を有し得る。イオン強度は、以下の式に従って測定される:
【0035】
【数1】
(式中、c
iは、イオンiのモル濃度と等しく、単位mol/Lを有し、
z
i
2は、イオンの電荷数と等しい)。Basic Physical Chemistry,Walter J.Moore,p.370(1983)を参照されたい。
【0036】
粒子
組成物は、複数の粒子を含み得る。本明細書で使用される際、「粒子」は、固体、半固体、又は液滴を含み得る。粒子は、様々な異なる形態を取り得る。粒子は、100重量%中実であってもよく、又は中空状であってもよい。粒子としては、例えば、メソ細孔性粒子、活性炭、ゼオライト、有益剤送達粒子、ワックス、ハイドロゲル、及び/又は粉砕ナットウォールウォールを挙げることができる。
【0037】
複数の粒子は、約0.1マイクロメートル~約500マイクロメートル、あるいは、約1マイクロメートル~約100マイクロメートル、あるいは、約5マイクロメートル~約50マイクロメートル、あるいは、100マイクロメートル未満の範囲内にあり、具体的には、これらの範囲及びそれにより作成される任意の範囲内の全ての値を列挙する平均最長突出寸法を有し得る。複数の粒子内の任意の単一粒子の最長突出寸法は、単一粒子の外周内部に全体的に内接し得る最長長さ寸法の長さとされる。複数の粒子の平均最長突出寸法は、複数の粒子内の全ての粒子にわたって単一粒子内部に全体的に内接し得る最長長さ寸法とされてもよい。この平均はまた、複数の粒子から統計的に関連する粒子のサンプル全体で平均を取ることによって反映され得ることは当業者により理解されるであろう。
【0038】
上で考察されたように、組成物は、有益剤送達粒子の形態の粒子を含んでもよい。有益剤送達粒子は、有益剤を封入する壁材料を含んでもよい。有益剤は、本明細書で「有益剤」又は「封入された有益剤」と称されることがある。有益剤は、香料混合物、防虫剤、悪臭中和剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。一態様では、香料送達技術は、壁材料を有する有益剤で少なくとも部分的に包み込むことによって作られる有益剤送達粒子を含んでいてもよい。有益剤は、3-(4-t-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、3-(4-t-ブチルフェニル)-プロパナール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-2-メチルプロパナール、及び2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、α-ダマスコーン、β-ダマスコーン、γ-ダマスコーン、β-ダマセノン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチル-7,3-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン、2-[2-(4-メチル-3-シクロヘキセニル-1-イル)プロピル]シクロペンタン-2-オン、2-sec-ブチルシクロヘキサノン、及びβ-ジヒドロイオノン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロール、及びジヒドロミルセノールのような香料原材料;シリコーン油、ポリエチレンワックスなどのワックス;魚油、ジャスミン、カンファ、ラベンダーなどの精油;メントールなどの皮膚冷却剤、乳酸メチル;ビタミンA及びEなどのビタミン類;日焼け止め剤;グリセリン;マンガン触媒又は漂白剤触媒などの触媒;過ホウ酸塩などの漂白剤粒子;シリコンジオキシド粒子;制汗剤活性物質;カチオン性ポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられ得る。好適な有益剤は、Givaudan Corp.(Mount Olive,New Jersey,USA)、International Flavors & Fragrances Corp.(South Brunswick,New Jersey,USA)、又はFirmenich Company(Geneva,Switzerland)から入手することができる。本明細書で使用する場合、「香料原材料」とは、以下の成分のうちの1つ以上を指す:芳香性精油;芳香化合物;プロ香料;安定化剤、希釈剤、加工剤、及び混入物質を含む、芳香性精油、芳香化合物、及び/又はプロ香料と共に供給される材料;並びに芳香性精油、芳香化合物、及び/又はプロ香料に一般的に付随する任意の材料。
【0039】
有益剤送達粒子の壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリル酸エステル系材料、ゼラチン、スチレンリンゴ酸無水物、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物を含んでもよい。メラミン壁材料には、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミン、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミン-ジメトキシエタノール、及びこれらの混合物が含まれ得る。ポリスチレン壁材料には、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンが含まれ得る。ポリ尿素壁材料には、ホルムアルデヒドで架橋された尿素、グルタルアルデヒドで架橋された尿素、ポリアミドと反応したポリイソシアネート、アルデヒドと反応したポリアミン、及びこれらの混合物が含まれ得る。ポリアクリレート系壁材料には、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレート並びに強酸から形成されるポリアクリレート、カルボン酸アクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びに強塩基から形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びにカルボン酸アクリレート及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーから形成されるポリアクリレート、並びにこれらの混合物が含まれ得る。
【0040】
ポリアクリル酸エステル系壁材料は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のアルキル及び/又はグリシジルエステルによって形成されたポリアクリル酸エステル、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基及びアリルグルコンアミドを有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルによって形成されたポリアクリル酸エステル、並びにこれらの混合物を含んでもよい。
【0041】
芳香族アルコール系壁材料には、アリールオキシアルカノール、アリールアルカノール、及びオリゴアルカノールアリールエーテルが含まれ得る。また、少なくとも1つの遊離ヒドロキシル基を有する、特に好ましくは直接芳香族結合した少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基を有する芳香族化合物を含んでもよく、少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基が、特に芳香族環に直接結合していることが好ましく、より特に互いにメタ位にあることが好ましい。芳香族アルコールが、フェノール、クレゾール(o-、m-、及びp-クレゾール)、ナフトール(α-及びβ-ナフトール)及びチモール、並びに、エチルフェノール、プロピルフェノール、フルオロフェノール及びメトキシフェノールから選択されることが好ましい。
【0042】
ポリ尿素壁材料は、ポリイソシアネートを含んでもよい。ポリイソシアネートは、フェニル、トルオイル、キシリル、ナフチル、若しくはジフェニル部分を含有する芳香族ポリイソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレート、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、若しくはキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物)、脂肪族ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、若しくはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット)、又はこれらの混合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット及びキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の混合物)であってもよい。更に他の実施形態では、ポリイソシアネートは架橋されていてもよく、架橋剤は、ポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、ビス(ヘキサメチレン(hexanethylene))トリアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、分岐状ポリエチレンイミン、キトサン、ナイシン、ゼラチン、1,3-ジアミノグアニジン一塩酸塩、1,1-ジメチルビグアニド塩酸塩、又はグアニジン炭酸塩)である。
【0043】
ポリビニルアルコール系壁材料は、架橋された、疎水的に改質されたポリビニルアルコールを含んでもよく、このポリビニルアルコールは、i)2,000~50,000Daの分子量を有する第1デキストランアルデヒドと、ii)50,000超~2,000,000Daの分子量を有する第2デキストランアルデヒドと、を含む架橋剤を含む。
【0044】
壁部は、第1の壁部構成要素及び第2の壁部構成要素を含むことができ、第2の壁部構成要素は、第1の壁部構成要素を取り囲んでいる。第1の壁部構成要素は、縮合層及びナノ粒子層を含むことができ、その縮合層は、コアとナノ粒子層との間に配置される。縮合層は、前駆体の縮合生成物を含むことができる。第2の壁部構成要素は、無機コーティングを含むことができ、無機コーティングは、ナノ粒子層を取り囲む。前駆体は、式(I):(MvOzYn)w(式I)の少なくとも1つの化合物を含み、式中、Mは、ケイ素、チタン、及びアルミニウムのうちの1つ以上であり、vは、Mの原子価数であり、3又は4であり、zは、0.5~1.6、好ましくは、0.5~1.5であり、各Yは、独立して、-OH、-OR2、ハロ、
【0045】
【化1】
、-NH
2、-NHR
2、-N(R
2)
2、及び
【0046】
【化2】
から選択され、式中、R
2は、C
1~C
20アルキル、C
1~C
20アルキレン、C
6~C
22アリール、又はO、N、及びSから選択される1~3個の環ヘテロ原子を含む5~12員ヘテロアリールであり、R
3は、H、C
1~C
20アルキル、C
1~C
20アルキレン、C
6~C
22アリール、又はO、N、及びSから選択される1~3個の環ヘテロ原子を含む5~12員ヘテロアリールであり、nは、0.7~(v-1)であり、wは、2~2000である。
【0047】
香料有益剤送達粒子は、付着助剤、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、又はこれらの混合物でコーティングされてもよい。好適なポリマーは、ポリビニルホルムアルデヒド、部分ヒドロキシル化ポリビニルホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。組成物は、1つ以上のタイプの有益剤送達粒子、例えば、2つの有益剤送達粒子タイプを含み得、第1又は第2の有益剤送達粒子のうちの一方が、(a)他方とは異なる壁材料からなる壁を有する、(b)他方とは異なる量の壁材料若しくはモノマーを含む壁を有する、又は(c)他方とは異なる量の香油成分を含有する、(d)異なる香油を含有する、(e)異なる温度で硬化される壁部を有する、(f)異なるcLogP値を有する香油を含有する、(g)異なる揮発度を有する香油を含有する、(h)異なる沸点を有する香油を含有する、(i)異なる重量比の壁材料で作製された壁部を有する、(j)異なる硬化時間で硬化される壁部を有する;かつ(k)異なる速度で加熱される壁部を有する、有益剤送達粒子を含み得る。
【0048】
好ましくは、香料有益剤送達粒子は、アクリル酸のポリマー又はその誘導体を含む壁材料、及び香料混合物を含む有益剤を有する。
【0049】
組成物は、任意の量の粒子を含み得る。有益剤送達粒子に関して、組成物は、組成物の約0.001重量%~約2.0重量%の有益剤送達粒子の壁材料を含有した有益剤を含有し得る。又は、組成物は、組成物の約0.01重量%~約1.0重量%、又は最も好ましくは約0.05重量%~約0.5重量%の、有益剤送達粒子の壁材料内に含まれた有益剤を含有してもよい。
【0050】
封入されていない香料に関して、組成物は、組成物の約0.001重量%~約2.0重量%、又は約0.01重量%~約1.0重量%、又は最も好ましくは約0.05重量%~約0.5重量%の封入されていない香料を含んでもよい。
【0051】
構造化剤系
組成物は、少なくとも1つの構造剤を有する構造化剤系を含み得る。構造剤は、1つ以上のバイオポリマーを含んでもよい。そのようなバイオポリマーの非限定例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、グルクロン酸及びこれらの混合物のポリマーなどの多糖類が挙げられる。
【0052】
構造化剤系は、多糖類系の形態にあってもよい。好ましい多糖類としては、キサンタンガム、グルコマンナン、ガラクトマンナン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。グルコマンナンは、コンニャクガムなどの天然ガム由来であり得る。ガラクトマンナンは、ローカストビーンガム及び/又はタラガムなどの天然ガム由来であってもよい。多糖類は、カラギーナンを含んでいてもよい。多糖類は、脱アセチル化などによって修飾されてもよい。
【0053】
組成物は、第1の多糖類及び第2の多糖類などの、少なくとも2つの多糖類を含む多糖類系を含み得る。第1の多糖類は、キサンタンガムであり得る。第2の多糖類は、グルコマンナン、ガラクトマンナン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。第2の多糖類は、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0054】
好ましくは、第1の多糖類は、キサンタンガムであり、第2の多糖類は、コンニャクガムである。第1の多糖類は、多糖類系の10重量%超かつ90重量%未満、あるいは約20重量%~約80重量%、あるいは約40重量%~約60重量%の濃度で存在してもよい。
【0055】
第2の多糖類は、多糖類系の約15重量%~約85重量%、あるいは約20重量%~約80重量%、あるいは約40重量%~約60重量%の濃度で存在してもよい。
【0056】
組成物中に存在する多糖類の総濃度は、約0.5重量%未満、又は好ましくは、約0.2重量%未満、又は好ましくは、約0.1重量%未満、より好ましくは、0.08重量%未満、及び最も好ましくは、0.06重量%未満であり得、具体的には、これらの範囲及びそれにより作成される任意の範囲内の全ての値を列挙する。理論に束縛されるものではないが、組成物中に存在する総多糖類濃度を最小限に抑えることは、残留物を減少させ、及び/又は噴霧特性を最適化すると考えられている。
【0057】
多糖類系は、約10,000ダルトン~約15,000,000ダルトン、好ましくは、約200,000ダルトン~約10,000,000ダルトン、より好ましくは、約500,000ダルトン~約9,000,000ダルトン、より好ましくは、約750,000ダルトン~約8,000,000ダルトン、より好ましくは、約1,000,000ダルトン~約7,000,000ダルトン、より好ましくは、約2,000,000ダルトン~約6,000,000ダルトン、より好ましくは、約3,500,000ダルトン~約6,000,000ダルトンの範囲内にある重量平均分子量を有してもよく、具体的には、これらの範囲及びそれにより作成される任意の範囲内の全ての値を列挙する。
【0058】
多糖類は、アセチル化率によって特徴付けられてもよい。キサンタンガムなどの多糖類のうちの1つ以上のアセチル化率は、約5.0~約0.2の範囲内、好ましくは、約3.5~約0.3の範囲内、好ましくは、約2.0~約0.35の範囲内、好ましくは、約1.5~約0.37の範囲内、好ましくは、約1.0~約0.39の範囲内にあり得、具体的には、これらの範囲及びそれにより作成される任意の範囲内の全ての値を列挙する。
【0059】
組成物は、約100百万分率(ppm)未満、好ましくは、50ppm未満、好ましくは、25ppm未満、より好ましくは、10ppm未満の総タンパク質濃度を有し得る。組成物を適用する表面の退色を最小限に抑えるために、組成物中の総タンパク質濃度を制限することが望ましい場合がある。
【0060】
緩衝剤
組成物は、緩衝剤を含み得、緩衝剤は、カルボン酸、又はマレイン酸のようなジカルボン酸、又はクエン酸若しくはポリアクリル酸などの多塩基酸であり得る。この酸は立体的に安定し得、所望のpHを維持するために本組成物中で使用され得る。緩衝剤は、トリエタノールアミンのような塩基、又はクエン酸ナトリウムのような有機酸塩を含んでいてもよい。組成物は、約3.0~約7.0、好ましくは、約4.0~約6.5、より好ましくは、約4.0~約6.0のpHを有し得、具体的には、これらの範囲及びそれにより作成される任意の範囲内の全ての値を列挙する。
【0061】
可溶化剤
組成物は、透明な透光性溶液を形成するために、過剰な疎水性有機材料、特に、ある種の悪臭中和剤、香料材料、更に、組成物に添加することができるが、組成物に容易に溶解しない任意選択的な成分(例えば、害虫忌避剤、酸化防止剤など)を可溶化するために、可溶化助剤を含有し得る。好適な可溶化助剤は、非起泡性又は低起泡性界面活性剤などの界面活性剤である。好適な界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物である。
【0062】
組成物は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物を含有し得る。組成物は、エトキシル化硬化ヒマシ油を含有し得る。組成物中で使用可能な1つのタイプの好適な硬化ヒマシ油は、BASFから入手可能なBasophor(商標)として販売される。
【0063】
表面張力低下剤
組成物は、組成物がポリエステル及びナイロンのような疎水性表面上に容易かつより均一に広がることを可能にする低い表面張力を提供する湿潤剤を含み得る。本組成物は、このような湿潤剤を使用しない場合、十分には広がり得ないことが見出されている。組成物を広げると、組成物を迅速に乾燥させることもまた可能となり、その結果、処理された素材は直ちに使える状態になる。更に、湿潤剤を含有する組成物は、改善された悪臭中和のために、疎水性の油性汚れによりよく浸透することができる。湿潤剤を含有する組成物は、「衣服着用中」の静電気制御性を向上させることもできる。濃縮組成物では、湿潤剤は、濃縮組成物中の抗菌活性物質及び香料などの多くの活性物質の分散を促進する。
【0064】
湿潤剤の非限定的な例としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーが挙げられる。好適なブロックポリオキシエチレン-ポリプロピレンポリマー界面活性剤としては、初期の反応性水素化合物として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン及びエチレンジアミンに基づくものが挙げられる。初期化合物とC12~18脂肪族アルコールなどの単一の反応性水素原子との連続したエトキシ化及びプロポキシ化により作製されるポリマー化合物は、一般に、シクロデキストリンと相溶性ではない。特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は、BASF-Wyandotte Corp.、Wyandotte,Michigan製のPluronic(登録商標)及びTetronic(登録商標)を含む。
【0065】
このタイプの湿潤剤の非限定的な例は、米国特許第5,714,137号に記載されており、Momentive Performance Chemical,Albany,New Yorkから入手可能なSilwet(登録商標)界面活性剤が挙げられる。例示的なSilwet界面活性剤は、以下のとおりである。
【0066】
【0067】
悪臭中和剤
組成物は、他の悪臭低減技術を含み得る。これには、限定されないが、アミン官能性ポリマー、金属イオン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、ポリオール、酸化剤、活性炭、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0068】
香料送達技術
組成物は、香料成分の処理された基材に付着し、基材から放出されることを安定化し、かつ向上させる1つ以上の香料送達技術を含み得る。かかる香料送達技術を使用して、処理された基材からの香料の放出寿命を延長することもできる。香料送達技術、特定の香料送達技術を作製する方法、及びかかる香料送達技術の使用法は、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。
【0069】
組成物は、約0.001重量%~約20重量%、好ましくは、約0.01重量%~約10重量%、好ましくは、約0.05重量%~約5重量%、より好ましくは、約0.1重量%~約0.5重量%の香料送達技術を含み得る。一態様において、香料送達技術は、プロ香料、ポリマー粒子、可溶性シリコーン、ポリマー支援型送達、分子支援型送達、繊維支援型送達、アミン支援型送達、シクロデキストリン、デンプン封入アコード、ゼオライト、及び無機キャリア、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0070】
香料送達技術は、アミン反応製品(ARP)又はチオ反応製品を含み得る。アミン官能基及び/又はチオール官能基が1つ以上のPRMと予備反応して反応生成物を生成する、「反応性」ポリマー性アミン及び、又はポリマーチオールを使用してもよい。典型的には、反応性アミンは、一級及び/又は二級アミンであり、ポリマー又はモノマー(非ポリマー)の一部であり得る。また、そのようなARPを追加のPRMと混合して、ポリマー支援型送達及び/又はアミン支援型送達の効果を提供することもできる。ポリマー性アミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン、又はポリビニルアミン(PVAm)に基づくポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定的な例としては、ヒドロキシルアミン、例えば、2-アミノエタノール及びそのアルキル置換誘導体、並びに芳香族アミン、例えば、アントラニレートが挙げられる。ARPは、香料と予混合されてもよく、リーブオン用途又はリンスオフ用途では別個に添加されてもよい。窒素及び/又は硫黄以外のヘテロ原子(例えば、酸素、リン又はセレンなど)を含有する材料を、アミン化合物の代替として使用してもよい。上述の代替化合物をアミン化合物と併用してもよい。単一の分子が、アミン部分と、代替ヘテロ原子部分(例えば、チオール、ホスフィン、及びセレノール)のうちの1つ以上と、を含んでもよい。その効果としては、香料の送達の改善に加えて、香料の徐放を挙げることができる。好適なARP並びにその製造方法は、米国特許出願公開第2005/0003980(A1)号及び米国特許第6,413,920(B1)号に見出すことができる。
【0071】
封入されていない香料
組成物は、快楽効果を提供するだけの(すなわち、悪臭を中和しないが、快い香りは提供する)1つ以上の香料原材料を含む、封入されていない香料を含み得る。好適な香料は、米国特許第6,248,135号に開示されている。例えば、組成物は、悪臭を中和するための揮発性アルデヒドと、快楽をもたらす香料アルデヒドとの混合物を含み得る。
【0072】
悪臭制御成分中の揮発性アルデヒド以外の香料が組成物に配合される場合、封入されていない香料及び揮発性アルデヒドの総量は、組成物の約0.015重量%~約3重量%、好ましくは、約0.01重量%~約1.0重量%、より好ましくは、約0.015重量%~約0.5重量%であり得る。
【0073】
水性キャリア
組成物は、水性キャリアを含み得る。使用される水性キャリアは、蒸留水、脱イオン水、又は水道水であり得る。水は、水溶液である組成物に任意の量で存在していてもよい。水は、組成物の約85重量%~99.5重量%、好ましくは約90重量%~約99.5重量%、より好ましくは約92重量%~約99.5重量%、より好ましくは約95重量%の量で存在していてよい。少量の低分子量の一価アルコール、例えば、エタノール、メタノール、及びイソプロパノール、又はエチレングリコール及びプロピレングリコールなどのポリオールを含有する水も有用であり得る。しかしながら、エタノール及び/又はイソプロパノールなどの揮発性の低分子量一価アルコールは制限すべきであり、これは、これらの揮発性有機化合物が、引火性の問題及び環境汚染の問題の双方の一因になるからである。少量の低分子量一価アルコールを、香料として、及び一部の防腐剤の安定化剤として組成物に添加したために、少量の低分子量一価アルコールが組成物中に存在する場合、一価アルコールの濃度は、組成物の約1重量%~約5重量%、あるいは、約6重量%未満、あるいは、約3重量%未満、あるいは、約1重量%未満であり得る。
【0074】
アジュバント
アジュバントを既知の目的で、本明細書の組成物に添加することができる。かかるアジュバントとしては、限定されるものではないが、亜鉛塩、銅塩、及びこれらの混合物を含む希釈剤、防腐剤、抗菌活性物質、水溶性金属塩;帯電防止剤;害虫忌避剤及び蛾忌避剤;着色剤;酸化防止剤;アロマセラピー剤及びこれらの混合物が挙げられる。
【0075】
噴霧可能な製品
組成物は、噴霧ディスペンサ内に包装されて、噴霧可能な製品を形成し得る。噴霧可能な製品は、空気中及び表面上での使用に好適であり得る。噴霧ディスペンサは、本発明のノズルを含む。
【0076】
噴霧可能な製品は、微細な霧状液を送達するように構成され得る。噴霧ディスペンサは、直接圧縮型トリガ噴霧器、事前圧縮型トリガ噴霧器、又はエアゾール型噴霧ディスペンサなどの様々な方式で構成され得る。1つの好適な噴霧ディスペンサは、TS800トリガ噴霧器(Exxon Mobil PP1063、material classification 10003913、製造業者:Calmar)である。
【0077】
別の好適な噴霧ディスペンサには、Afa Dispensing Group製のFLAIROSOL(商標)ディスペンサなど連続動作式噴霧器が挙げられる。FLAIROSOL(商標)ディスペンサは、事前圧縮噴霧エンジンを備えたバッグ・イン・バッグ又はバッグ・イン・缶型容器、及び組成物のエアゾール様圧縮器を含む。
【0078】
噴霧可能な製品は、噴霧エンジン及び容器を含んでいてもよい。組成物は、容器内に配置され得る。組成物を含む容器は、再充填容器などの、噴霧エンジンとは別に利用可能であり得る。
【0079】
使用方法
本発明の組成物は、散布することによって、例えば、噴霧ディスペンサなどの分配手段の中に水溶液を入れ、有効量を空気中、又は所望の表面若しくは物品上に噴霧することによって、使用することができる。有効量とは、本明細書における定義では、空気若しくは表面を清浄化する及び/又はヒトの臭覚によって認識できない程度に悪臭を中和するのに十分であり、かつ、物品若しくは表面に液体が染み込んだり、又は液体の水溜りができたりするほど多くはなく、乾燥したときに、容易に認識可能な目に見える堆積物が存在しないような量を意味する。散布は、噴霧デバイスを使用することによって達成することができる。
【0080】
本開示は、悪臭を低減させること及び/又は家庭内表面を清浄化することのために家庭内表面上に有効量の組成物を散布する方法を包含する。家庭内表面は、カウンタートップ、キャビネット、壁、床、カーペット又はラグ、浴室の表面、ごみ及び/又はリサイクル容器、電化製品、並びにキッチンの表面からなる群から選択される。
【0081】
本開示は、悪臭を低減させること、並びに/又は布地及び/若しくは布地物品を清浄化するために、布地及び/若しくは布地物品上に有効量の組成物の霧状液を散布する方法を包含する。布地及び/又は布地物品としては、布、カーテン、掛け布、布張りの家具、カーペット、ベッド用リネン、浴室用リネン、テーブルクロス、寝袋、テント、車内、例えば、車用カーペット、車の布地製シート、シャワーカーテン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
本開示は、悪臭の印象を低減させる及び/又は清浄化するために、靴の上及び靴の中に有効量の組成物の霧状液を散布する方法であって、靴は浸透するまで噴霧されない方法を包含する。
【0083】
本開示は、清浄化する及び/又は悪臭を中和するために空気中に有効量の組成物の霧状液を散布する方法に関する。
【0084】
本開示は、清浄化する及び/又は悪臭を中和するために猫用トイレ、ペットの寝具及びペットハウス上に有効量の組成物の霧状液を散布する方法に関する。
【0085】
本開示は、清浄化する及び/又は悪臭を中和するために家庭内のペットに有効量の組成物の霧状液を散布する方法に関する。
【0086】
試験方法
レオロジー試験法
サンプルの降伏応力及び/又は粘度を測定するには、TA Discovery HR-2 Hybrid Rheometer(TA Instruments(New Castle,Delaware,U.S.A.)及び付随するTRIOSソフトウェアバージョン4.2.1.36612、又は同等のものを用いて測定を行う。器具は、同心シリンダダブルギャップカップ(例えば、TA Instrument,cat.#546050.901)、ダブルギャップロータ(例えば、TA Instruments,cat.#546049.901)及び分割カバー(例えば、TA Instruments,cat.#545626.001)を装備する。較正を、製造業者の推奨に従って行う。25℃に設定された冷却循環水浴を同心円筒に取り付ける。同心円筒温度を25℃に設定する。機器が設定温度に達するまでコントロールパネル内で温度を監視し、そのとき、平衡を確実にするために、更に5分間経過後、Double Gap Cupの中にサンプル材料を装填してもよい。
【0087】
Double Gap Cup用のパラメータは、以下のとおりである。内側カップ直径は30.2mmであり、内側ボブ直径は、32mmであり、外側ボブ直径は、35mmであり、外側カップ直径は、37mmであり、内側円筒高さは、55mmであり、浸漬高さは、53mmであり、操作間隙は、2,000.0μmであり、装填間隙は、90,000.0μmであり、環境システムはペルチェであり、サンプル容量は12mL~15mL(好ましくは12mL)である。同心円筒Double Gap Cupを溶媒トラップで覆って、試験中の乾燥を防止する(例えば、545626.001、DHR&ARシリーズSmart Swap Peltier Concentric CylinderためのSplit Cover)。
【0088】
新しいサンプルを装填するために、Double Gap Cupを洗浄し、乾燥させ、製造業者の指示に従って再度組み立てる。最低12mlのサンプルが、シリンジを使用してDouble Gap Cupに添加され、次いでサンプルを、15分間静置させ、捕捉されたあらゆる気泡が確実に表面に浮かび上がるようにする。Double Gap Rotorを、次いで適切な間隙に下げ、以下の順で行われる一連の工程における設定及び手順に従ってデータを収集する。
【0089】
新しいサンプルを装填する。
第1のサンプル調整工程は、以下の機器設定を使用して行われる:Environmental Controlを25℃のTemperatureで設定する;Inherit Set PointをOffとして選択する;Soak Timeを0.0sに設定する;Wait for TemperatureをOnとして選択する;Wait for axial forceをOffとして選択する;Preshear Optionsを、Perform PreshearをOnとして選択し、shear rateを、100秒-1に設定し、Durationを、60.0秒に設定する;Perform EquilibrationをOnとして選択してEquilibriumを設定する;及びDurationを1,800.0秒に設定する。
【0090】
フローピーク保持工程は、以下の機器設定を使用して行われる。Environmental Controlを25℃の温度で設定する;Inherit Set PointをOffとして選択する;Soak Timeを0.0sに設定する;Wait for TemperatureをOffとして選択する;Test Parametersを3,000.0秒のDurationで設定する;Shear Rateを選択し、0.01秒-1に設定する;Inherit initial valueをOffとして選択する;Sampling intervalを選択し、3.0秒/ptに設定する;Motor modeをAutoとして選択して、Controlled Rate Advancedを設定する;End of stepをZero torqueとして選択してData acquisitionを設定する;Fast SamplingをOffとして設定する;Save imageをOffとして選択する;Limit Checking EnabledをOffとして選択してStep Terminationを設定する;Equilibrium EnabledをOffとして選択する;Step Repeat EnabledをOffとして選択する。
【0091】
フローピーク保持工程中に収集したデータから降伏応力を以下の方法で計算する:x軸上のPercent Stain(%)に対するy軸上の応力(mPa)としてデータ点をプロットする。降伏応力を、「Analysis」タブを選択し、次いでFunctionドロップダウンリストから「Signal max」を選択し、及びCommandsカテゴリ内で「Analyze」を最後に選択することによって決定する。連続データセット(各時間値に対してゼロを超える単一の応力値を含有する)については、「最大Y」の値が第1の2,500%歪みで発生した場合、降伏応力は「最大Y」の値に等しく、第2のConditioning Sample Step及びFlow Sweep Stepに進む。
【0092】
しかしながら、「最大Y」が、Shear Rateが0.01秒-1に設定されたとき、第1の2,500%歪みの後に発生した場合、新しいサンプルを装填し、Flow Peak Hold StepにおけるShear Rateを0.03秒s-1に設定した後に、第1のConditioning Sample Step及びFlow Peak Hold Stepを繰り返す。Yield Stressの計算を繰り返す。Yield Stressは、それが第1の2,500%歪みで発生した場合、「最大Y」の値に等しく、第2のConditioning Sample Step及びFlow Sweep Stepに進む。
【0093】
しかしながら、Shear Rateが0.03秒-1に設定されたとき、第1の2,500%歪みの後に「最大Y」が発生する場合、新しいサンプルを装填し、Flow Peak Hold StepにおけるShear Rateを0.10秒-1に設定した後に、第1のConditioning Sample Step及びFlow Peak Hold Stepを繰り返す。Yield Stressの計算を繰り返す。Yield Stressは、それが第1の2,500%歪みで発生する場合、「最大Y」の値に等しく、第2のConditioning Sample Step及びFlow Sweep Stepに進む。
【0094】
しかしながら、Shear Rateが0.10秒-1に設定されたとき、第1の2,500%歪みの後に「最大Y」が発生する場合、新しいサンプルを装填し、Flow Peak Hold StepにおけるShear Rateを0.30秒-1に設定した後に、第1のConditioning Sample Step及びFlow Peak Hold Stepを繰り返す。Yield Stressの計算を繰り返す。Yield Stressは、それが第1の2,500%歪みで発生する場合、「最大Y」の値に等しく、第2のConditioning Sample Step及びFlow Sweep Stepに進む。
【0095】
しかしながら、Shear Rateが0.30秒-1に設定されたとき、第1の2,500%歪みの後に「最大Y」が発生する場合、新しいサンプルを装填し、Flow Peak Hold StepにおけるShear Rateを1.00秒-1に設定した後に、第1のConditioning Sample Step及びFlow Peak Hold Stepを繰り返す。Yield Stressの計算を繰り返す。Yield Stressは、第1の2,500%の歪みにおいて発生する場合、「最大Y」の値に等しく;「最大Y」値が存在する場合、又は「最大Y」が第1の2,500%歪みの後に発生する場合、Yield Stressはゼロに等しい。
【0096】
新しいサンプルを装填する。
第2のサンプル調整工程は、以下の機器設定を使用して行われる:Environmental Controlを25℃の温度で設定する;Inherit Set PointをOffとして選択する;Soak Timeを10.0秒に設定する;Wait for TemperatureをOffとして選択する;Wait for axial forceをOffとして選択する;Perform PreshearをOffとして選択してPreshear Optionsを設定する;Perform EquilibrationをOnとして選択してEquilibriumを設定する;及びDurationを1,800.0秒に設定する。
【0097】
フロースイープ工程は、以下の機器設定を使用して行われる。Environmental Controlを25℃の温度で設定する;Inherit Set PointをOffとして選択する;Soak Timeを0.0秒に設定する;Wait For TemperatureをOffとして選択する;Logarithmic Sweepを選択してTest Parametersを設定する;Shear Rateを選択し、1.0e-3秒-1~1000.0秒-1に設定する;Points Per Decadeを5に設定する;Steady State SensingをOnとして選択する;Max Equilibration Timeを45.0秒に設定する;Sample Periodを5.0秒に設定する;%Toleranceを5.0に設定する;Consecutive Withinを3に設定する;Scaled Time AverageをOffとして選択する;Motor ModeをAutoとして選択して、Controlled Rate Advancedを設定する;Save Point DisplayをOffとして選択してData Acquisitionを設定する;Save imageをOffとして選択する;Limit Checking EnabledをOffとして選択してStep Terminationを設定する;Equilibrium EnabledをOffとして選択する;Step Repeat EnabledをOffとして選択する。
【0098】
Viscosityは、Flow Sweep Testにおいて収集されたデータから計算され、mPa・sで表され、プログラムの分析部分における粘度曲線について「Best Fit Flow(粘度対速度)」を選択することによって「無限速度粘度」であると決定される。
【0099】
噴霧速度試験方法
組成物を、気密圧力ポットに収容し、圧力が圧力調整器で維持される窒素ヘッドスペースで加圧する。流量制御バルブが開いているとき、組成物は、トリガ噴霧器のマニホールド及びノズルを保持する固定具を通って10秒間直接ビーカに流れる。Spray Rateは、ビーカ中に1秒当たりに集められたグラム数である。マニホールド及びノズルは、複数のノズル設計に対応するように変更することができる(表6)。
【0100】
噴霧D(90)正規化及び噴霧D(4,3)正規化試験方法
150mmの焦点距離を持つ300mmレンズを備えたMalvern Spraytec 2000レーザ回折噴霧液滴サイジング機器(Malvern Instruments(Worcestershire,UK)により供給される)、及びエアパージシステム(14.5psi以下)を使用して、噴霧D(90)正規化及び噴霧D(4,3)正規化の値を含む噴霧液滴体積サイズ分布測定値を決定した。このシステムを、コンピュータ及び機器に付随するソフトウェア、例えば、Mie理論及びFraunhofer近似光学理論を利用するSpraytecソフトウェアバージョン3.20又は同等のものなどで制御した。50~70L/分(60L/分を目標速度とした)の空気流量を用いて、飽和状態を防ぐために作動噴霧プルーム軌道の正反対に配置するように注意を払って、システムを雰囲気制御のためにドラフト内に配置した。測定中の分配ノズルオリフィスからレーザまでの距離は15cmであった。噴霧液滴分析の間、各サンプルを、一定の圧力に設定された加圧システムから分注した。新しいトリガ噴霧器及び新しいノズルを、分析される各サンプル複製のために使用した。バックグラウンド制御及び試験サンプルデータ収集期間中又はその間に、照明条件は変更しなかった。95%未満の光遮蔽値を、正確な結果を提供するのに好適であるとみなした。
【0101】
次の噴霧SOP機器構成を使用して噴霧測定を行った。Rapid SOPタイプを選択し、次の設定値を選択した:Hardware Configurationを「Default」に設定し、Measurement Typeを「Rapid」に設定し、Data Acquisition Rateを「250Hz」に設定し、Lens Typeを「300」に設定した。Measurementメニュー内で:Backgroundを「2 seconds」に設定し、Inspectionを選択し、Output Triggerの下のボックスのチェックを外した。Measurementタブの下で「Rapid」を選択し、Events Numberを「1」に設定し、Duration Per Eventを「4000.0」に設定し、Unitsを「ms」に設定した。Measurement TriggerではTrigger Typeを「Transmission drops to level」に設定し、Transmissionを「96」に設定した。Data CollectionではStartを「0.0」に設定し、Unitsを「ms」に設定し、ドロップダウンメニューから「before the trigger」を選択した。Advancedタブウィンドウで、全てのボックスのチェックを外し、Groupingを「no grouping」とした。Background Alarmsを「default values」に設定した。Analysisタブで、Optical Propertiesの下部では、Particle Setを「Water」に設定し、Dispersantを「Air」に設定し、Multiple Scattering Analysisを「Enable」に設定した。Data Handlingタブで、Detector Rangeの下部を「first-8 and last」に設定し、「No extinction analysis」ボックスを選択し、Scattering thresholdを「1」に設定した。Data Handling/Spray ProfileでPath Lengthを「100.0」に設定し、Alarmを選択し、「Use default values」ボックスをチェックした。Additional Propertiesタブで、Curve Fitを「no fit」に設定し、User Sizeを「enable box」に設定し、ドロップダウンメニューを「Default」に設定した。Additional Properties/Advancedタブで、Particle Diameterを最小値には「0.10」を、かつ最大値には「900」を設定し、Result Typeを「Volume Distribution」に設定した。Outputタブで、Export Optionを「not selected」に設定し、Derived Parameterを選択し、Use Averaging Periodボックスを選択し、「0.0」及び「ms」に設定した。Averageメニューで、「Average scatter data」を選択した。次の噴霧手順を使用して噴霧測定を行った。サンプルをまず噴霧器から1~2秒間試験噴霧して、ノズルが流れやすく、かつ詰まっていないことを確実にした;サンプルをSpraytec2000システムの正面において把持デバイスに装着した。噴霧器を、一定圧力で6秒間噴霧した。噴霧液滴サイズデータを観察し、「Average Scatter Data」として保存した。
【0102】
全ての測定を、指定した機器構成手順を使用して、かつ適用される圧力が全てのサンプルについて同じであることを確実とするように最善の注意を払って行った。
【0103】
D(90)及びD(4,3)は、実施例及び対照サンプルの両方について別々に機器ソフトウェアから得られた値であった。
【0104】
実施例表5においてサンプルの各々について報告された噴霧D(90)正規化、噴霧D(4,3)正規化、噴霧D(10)正規化、噴霧D(50)正規化、及び噴霧D(3,2)正規化の値の各々は、サンプル当たり5個の複製噴霧プルームから計算された平均値である。
【0105】
噴霧パターン試験方法
噴霧器は、20cm×20cmを測定する高コントラストpH紙の一片から15cm離れた位置に固定される。pH紙を平らに保持し、紙の大きい表面によって作り出された平面がベンチトップに垂直に(重力に対して平行に)位置合わせされるように位置決めされる。噴霧器の出力は、ノズルからの最初の出力がベンチに対して平行(重力に対して垂直)であり、pH紙の中心に直接位置合わせされるように配向される。組成物を、72psi(表7)又は94psi(表8)のいずれかの一定圧力で正確に0.5秒間噴霧し、これによりpH紙上にパターンが残る。pH紙上のパターンの半径は、ラインゲージを使用して、パターン全体を避けながらpH紙の中心からパターンの縁部までの距離を測定することによって測定される最長のものである。噴霧パターンの直径は、半径の2倍として計算され、mmで報告される。
【実施例】
【0106】
【0107】
水性プレミックスの調製(溶液1)
水及び塩を含有する調製された水性プレミックスを1,000Lの混合タンク中で調製した。水(1)を表2に示された量で混合タンクに添加した。撹拌機を使用して、水中で激しく撹拌した。残りの成分を表2に示す量で添加し、全ての材料が完全に溶解するまで撹拌を続けた。
【0108】
【0109】
1重量% キサンタンガムストック溶液の調製(溶液2)
キサンタンガムストック溶液を、更なる作製の前にガムの水和を確実にするために、調製した。40,000グラムの1重量%キサンタンガム溶液を、粉末フィーダを備えたQuadro CC0高剪断ミキサを使用して調製する。乾燥キサンタンガム粉末(8)を、正確な量の水(1)と共にフィーダに押し通して、1重量%溶液を作成する。これらの混合物を撹拌せずに24時間平衡化させて、使用前にガムの完全な水和を確実にする。
【0110】
1重量%コンニャクガムストック溶液の調製(溶液3)
コンニャクガムストック溶液を調製して、更なる作製の前にガムの水和を確実にした。40,000グラムの1重量%コンニャクガム溶液を、粉末フィーダを備えたQuadro CC0高剪断ミキサを使用して調製する。乾燥コンニャクガム粉末(7)を、正確な量の水(1)と共にフィーダに押し通して、1重量%溶液を作成する。混合物を撹拌せずに24時間平衡化させて、使用前にガムの完全な水和を確実にする。
【0111】
最終組成物の調製(溶液4)
ガムプレミックス及び全ての最終成分の両方を混合タンクに添加することによって、最終組成物の調製を達成した。最初の添加では、31,400グラムのコンニャクガムプレミックス(溶液3)を、先に説明された組成物(溶液1)と共に混合タンクに添加し、十分に混合した。次の添加のために、21,000グラムのキサンタンガムプレミックス(溶液2)を、この混合タンクに添加し、十分に混合した。組成物は、レオロジー試験方法によって0より大きい降伏応力が測定されるまで連続的に混合される。最後の添加に関して、残りの成分を表3で説明された量で添加し、十分に混合して、仕様と一致する香料の粒径を低減させる。
【0112】
【0113】
最終組成物(溶液4)は、噴霧測定のために圧力ポットに装填される。噴霧アセンブリにノズルを装備した(表6)。圧力ポットを、窒素で72psi又は94psiのいずれかに加圧した。各圧力及び各ノズルにおける噴霧の液滴サイズ分布を、噴霧D(90)正規化及び噴霧D(4,3)正規化試験方法によって測定した。各圧力及び各ノズルにおける噴霧速度を、噴霧速度試験方法によって測定した。各圧力及び各ノズルにおける噴霧パターンを、噴霧パターン試験方法によって測定した。これらの結果を各圧力について表5及び表6に示す。
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
図10は、表6に提供された結果のプロットであり、データポイントに隣接するテキストは、ノズルの軸方向長さに対する出口オリフィス直径の比の値を表す。
図10に示されるように、相対的に高い噴霧速度と相対的に低いD[4][3]液滴サイズとの組み合わせは、約1.3~約3.5の出口オリフィス直径対軸方向長さの比と相関する。
【0118】
「組み合わせ:」
A.リザーバ内に収容された組成物を含む噴霧製品であって、組成物が、レオロジー試験方法によって決定される際、ゼロを超えかつ1,000mPa未満の降伏応力を有し、噴霧製品が、
リザーバと組成物連通するバルブと、
バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定され、出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である、噴霧製品。
B.組成物が、約1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは、約1mPa-s~約15mPa-s、より好ましくは、約1mPa-s~約10mPa-s、又は最も好ましくは、約1mPa-s~約5mPa-sの範囲内にある粘度を有する、項Aに記載の噴霧製品。
C.出口オリフィス直径対出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、項A又は項Bに記載の噴霧製品。
D.組成物が、複数の粒子と、構造化剤系とを含む、項A~Cのいずれかに記載の噴霧製品。
E.構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含む、項A~Dのいずれかに記載の噴霧製品。
F.噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、項A~Eのいずれかに記載の噴霧製品。
G.リザーバ内に収容された組成物を含む噴霧製品であって、組成物が、複数の粒子と構造化剤系とを含み、構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、組成物が、複数の粒子を含み、噴霧製品が、
リザーバと組成物連通するバルブと、
バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定され、出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である、噴霧製品。
H.組成物が、1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは、約1mPa-s~約15mPa-s、より好ましくは、約1mPa-s~約10mPa-s、又は最も好ましくは、約1mPa-s~約5mPa-sの範囲内にある粘度を有する、項Gに記載の噴霧製品。
I.出口オリフィス直径対出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、項G又は項Hに記載の噴霧製品。
J.噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、項G~Iのいずれかに記載の噴霧製品。
K.空気を清浄化する方法であって、
噴霧器を提供する工程であって、噴霧器が、
リザーバと組成物連通するバルブと、
バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定され、出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である、提供する工程と、
噴霧器から組成物を噴霧する工程であって、組成物が、複数の粒子と、構造化剤系とを含み、構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、組成物が、複数の粒子を含む、噴霧する工程と、を含む、方法。
L.組成物が、1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは、約1mPa-s~約15mPa-s、より好ましくは、約1mPa-s~約10mPa-s、又は最も好ましくは、約1mPa-s~約5mPa-sの範囲内にある粘度を有する、項Kに記載の方法。
M.出口オリフィス直径対出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、項K又は項Lに記載の方法。
N.噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、項Mに記載の方法。
【0119】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0120】
本明細書全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、全てのより低い数値限定を、かかるより低い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含することを理解すべきである。本明細書の全体を通して示されている全ての最小数極限値は、それよりも高い全ての数値限定を、このようなより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、このような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を、このような狭い数値範囲が全てあたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0121】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるとみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0122】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
「組み合わせ:」
A.リザーバ内に収容された組成物を含む噴霧製品であって、組成物が、レオロジー試験方法によって決定される際、ゼロを超えかつ1,000mPa未満の降伏応力を有し、噴霧製品が、
リザーバと組成物連通するバルブと、
バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定され、出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である、噴霧製品。
B.組成物が、約1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは、約1mPa-s~約15mPa-s、より好ましくは、約1mPa-s~約10mPa-s、又は最も好ましくは、約1mPa-s~約5mPa-sの範囲内にある粘度を有する、項Aに記載の噴霧製品。
C.出口オリフィス直径対出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、項A又は項Bに記載の噴霧製品。
D.組成物が、複数の粒子と、構造化剤系とを含む、項A~Cのいずれかに記載の噴霧製品。
E.構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含む、項A~Dのいずれかに記載の噴霧製品。
F.噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、項A~Eのいずれかに記載の噴霧製品。
G.リザーバ内に収容された組成物を含む噴霧製品であって、組成物が、複数の粒子と構造化剤系とを含み、構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、組成物が、複数の粒子を含み、噴霧製品が、
リザーバと組成物連通するバルブと、
バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定され、出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である、噴霧製品。
H.組成物が、1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは、約1mPa-s~約15mPa-s、より好ましくは、約1mPa-s~約10mPa-s、又は最も好ましくは、約1mPa-s~約5mPa-sの範囲内にある粘度を有する、項Gに記載の噴霧製品。
I.出口オリフィス直径対出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、項G又は項Hに記載の噴霧製品。
J.噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、項G~Iのいずれかに記載の噴霧製品。
K.空気を清浄化する方法であって、
噴霧器を提供する工程であって、噴霧器が、
リザーバと組成物連通するバルブと、
バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定され、出口オリフィス直径対軸方向長さの比は、約1.3~約3.5である、提供する工程と、
噴霧器から組成物を噴霧する工程であって、組成物が、複数の粒子と、構造化剤系とを含み、構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、組成物が、複数の粒子を含む、噴霧する工程と、を含む、方法。
L.組成物が、1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは、約1mPa-s~約15mPa-s、より好ましくは、約1mPa-s~約10mPa-s、又は最も好ましくは、約1mPa-s~約5mPa-sの範囲内にある粘度を有する、項Kに記載の方法。
M.出口オリフィス直径対出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、項K又は項Lに記載の方法。
N.噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、項K~Mのいずれかに記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバ内に収容された組成物を含む噴霧製品であって、前記組成物が、レオロジー試験方法によって決定される際、ゼロを超えかつ1,000mPa未満の降伏応力を有し、前記噴霧製品が、
前記リザーバと組成物連通するバルブと、
前記バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
前記出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
前記スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
前記出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定されており、前記出口オリフィス直径対前記軸方向長さの比が、約1.3~約3.5である、噴霧製品。
【請求項2】
前記組成物が、約1mPa-s~約20mPa-s、好ましくは、約1mPa-s~約15mPa-s、より好ましくは、約1mPa-s~約10mPa-s、又は最も好ましくは、約1mPa-s~約5mPa-sの範囲内にある粘度を有する、請求項1に記載の噴霧製品。
【請求項3】
前記出口オリフィス直径対前記出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、請求項1又は2に記載の噴霧製品。
【請求項4】
前記組成物が、複数の粒子と、構造化剤系とを含む、請求項
1に記載の噴霧製品。
【請求項5】
前記構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含む、請求項
1に記載の噴霧製品。
【請求項6】
前記噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、請求項
1に記載の噴霧製品。
【請求項7】
リザーバ内に収容された組成物を含む噴霧製品であって、前記組成物が、複数の粒子と構造化剤系とを含み、前記構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、前記組成物が、複数の粒子を含み、前記噴霧製品が、
前記リザーバと組成物連通するバルブと、
前記バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
前記出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
前記スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を更に含み、
前記出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定されており、前記出口オリフィス直径対前記軸方向長さの比が、約1.3~約3.5である、噴霧製品。
【請求項8】
前記組成物が、1mPa-s~約20mPa-sの範囲内にある粘度を有する、請求項7に記載の噴霧製品。
【請求項9】
前記出口オリフィス直径対前記出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、請求項7又は8に記載の噴霧製品。
【請求項10】
前記噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、請求項
7に記載の噴霧製品。
【請求項11】
空気を清浄化する方法であって、
噴霧器を提供する工程であって、前記噴霧器が、
前記リザーバと組成物連通するバルブと、
前記バルブと機械的に連通するアクチュエータと、
出口オリフィスを有するノズルと、
前記出口オリフィスと組成物連通するスワールチャンバと、
前記スワールチャンバと組成物連通する複数のスワールチャンバのスワールチャンバ入口チャネルと、を含み、
前記出口オリフィスが、出口オリフィス直径及び出口オリフィス軸方向長さによって画定されており、前記出口オリフィス直径対前記軸方向長さの比が、約1.3~約3.5である、提供する工程と、
前記噴霧器から組成物を噴霧する工程であって、前記組成物が、複数の粒子と、構造化剤系とを含み、前記構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム、ローカストビーンガム、タラガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される多糖類と、を含み、前記組成物が、複数の粒子を含む、噴霧する工程と、を含む、方法。
【請求項12】
前記組成物が、1mPa-s~約20mPa-sの範囲内にある粘度を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記出口オリフィス直径対前記出口オリフィス軸方向長さの比が、約1.5~約3.2である、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記噴霧器が、事前圧縮ポンプアセンブリを含む、請求項
11に記載の方法。
【国際調査報告】